09/04/16 第14回社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会議事録 第14回社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会 1.日時:平成21年4月16日(木)10:01〜11:15 2.開催場所:九段会館 3階「真珠」 3.議事次第:   (1) 開会   (2) 議題        社会保障カード(仮称)の基本的な計画に関する報告書(案)について   (3) 閉会 4.出席委員等   (委員)    池上秀樹委員、稲垣明弘委員、岩月 進委員、大江和彦委員、大山永昭座長    後藤省二委員、駒村康平委員、中川俊男委員、南  砂委員、山本隆一委員 (五十音順、敬称略)   (オブザーバー)    山内 徹  内閣官房情報通信技術(IT)担当室内閣参事官    中井川禎彦 内閣官房情報通信技術(IT)担当室内閣参事官    下仲宏卓  総務省自治行政局市町村課理事官    藤井信英  総務省自治行政局地域情報政策室課長補佐   (厚生労働省)    間杉 純  厚生労働省政策統括官(社会保障担当)    香取照幸  厚生労働省参事官(社会保障担当参事官室長)    赤澤公省  厚生労働省政策統括官付社会保障カード推進室長    黒川弘樹  厚生労働省政策統括官付社会保障カード推進室技術参与 5.議事内容 ○大山座長  おはようございます。  定刻になりましたので、ただ今より第14回社会保障カード(仮称)の在り方に関する検 討会を開催いたします。  議事に入ります前に、委員の出席状況について報告いたします。  本日は、高山委員、田中委員、辻本委員、樋口委員、堀部委員がご欠席です。駒村委員 が少し遅れているようです。お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうござい ます。  それでは、まず最初に、事務局から資料の確認をお願いいたします。 ○事務局  本日、配布資料が4点ございます。ご確認をお願いします。  まず、資料1でございますけれども、医療等の現場での利用を念頭に置いた社会保障カ ード(仮称)の活用シナリオという資料でございます。  また、続きまして資料2としまして、社会保障カード(仮称)の基本的な計画に関する 報告書のポイントという6枚の横紙になります。  続いて資料3、社会保障カード(仮称)の基本的な計画に関する報告書(案)というこ とで、40ページとあと参考資料がついた資料になります。  また、資料4としまして、前回提出したものからの差分に下線を入れて示しております ものでございまして、社会保障カード(仮称)の基本的な計画に関する報告書(案)(下 線入り)という40ページのものがございます。  以上、4点でございます。 ○大山座長  過不足等はございませんでしょうか。  本日は、前回に引き続き報告書の取りまとめに向けた議論を行いたいと思います。  それに先立ちまして、前回の検討会における議論を踏まえ、医療等の現場での活用を念 頭に置いた社会保障カード(仮称)の活用シナリオが修正されておりますので、まずは山 本作業班長からご説明をお願いいたします。お願いします。 ○山本委員  資料1をご覧ください。前回の検討会で活発なご議論をいただきまして、その中でちょ っとシナリオでは吸収できずに、報告書のほうでご検討いただくとしたものを除きました 部分を修正しておりますので、修正点のみ説明をさせていただきます。  全体に用語の不統一等を事務局で修正をしていただいております。それで、最初の主な 修正点ですけれども、7ページをご覧ください。2−5の「保健医療番号について」とい うことで、高山委員のほうから「現状可能な現場の医療・介護」という言い方がちょっと よく分からないということで「医療・介護の現場において現在と同等の保険請求事務が可 能であること、」というふうに修文しております。  それから、そのページの「保健医療番号は、券面あるいは別紙への印刷のみで、カード 内のICチップには収録しないこととする。」ということに対して意見がございましたが、 前回も口頭で説明申し上げましたように、カードが機能して、中継データベースも機能し ている状態では、保健医療番号は中継データベースから取り出すことが可能なので、IC チップ内にあってメリットがあるのは、カードは機能しているが中継データベースが使え ないという、我々の想定としては希な場合と考えておりますので、その部分に説明を加え て、ICチップ内には保健医療番号は収録しないと仮定するとしてあります。8ページの 最初の段落の最後、「また、ネットワーク環境が整っていない場合や、停電等の異常時に おける対応を除き、中継DBへのアクセスが可能な環境では、保健医療番号は中継DBか ら取得可能であるため、カード内のICチップには収録しないことと仮定する。」という ふうにしております。  それから、10ページの下の「被用者健保の被扶養者届は、市町村を経由して医療保険者 に提出することができることとする。」と、これは検認も含めてやや検討が必要という池 上委員のご意見に則りまして、どちらでも出せると。検認は今までどおり医療保険者が行 うということを明記しております。10ページの一番最後で「現行どおり(2)の事業所を経由 して医療保険者に提出することに加え、(1)の市町村を経由して医療保険者に提出できるこ と」、最後に「被扶養者認定はこれまでどおり医療保険者が行う」というのを加えており ます。  それから、あとは大部分が用語の修正ですが、27ページで「新たに生じる課題への対応 について」というのがありますけれども、今までの保険者番号・被保険者証記号番号に代 えて、保健医療番号をレセプトに記載するということに対して、かなり影響が大きいとい うご意見がありましたので、そこは2つ目の段落で、「また、レセプトの請求の際に、現 在の保険者番号・被保険者証記号番号に代えて保健医療番号をレセプトに記載することも 考えられるものの、保険者のシステムに与える影響が非常に大きいこと等から、現時点で は妥当と考えられないが、仮に将来的に」ということでつないでおります。  あとの変更点はほとんど用語の問題で、若干分かりにくい表現等を修正させていただき ました。  主な変更点は以上です。 ○大山座長  ありがとうございました。  それでは、ただ今の説明につきまして、何かご質問、ご意見がございましたらお願いし たいと思います。いかがでしょうか。  大江委員。 ○大江委員  ただ今の説明とは直接は関係しないのですが、この資料の最終ページに、以前、委員と して出させていただいた私の文書が参考でついているのですが、これ2ページ目が脱落し ているのではないでしょうか。皆様のほうは大丈夫であればいいのですが、私と少なくと も岩月委員の資料では、この文書は2枚にわたるものでありまして。 ○山本委員  ええ、2ページ目が脱落しております。 ○大江委員  脱落している委員の方がおられる、あるいは34ページまでしかないものが複数、ちょっ とこれはきちんとしていただかないと。2枚目に私の意見としては重要な説明が記載され ていますので、事務局としてきちんと対応していただきたいと思います。つけるならつけ るで、きちんと配っていただかないと、傍聴席などでも困ると思うのですね。 ○赤澤社会保障カード推進室長  申しわけございません。こちらのほうで確認させていただきます。 ○大江委員  お取り扱いをこの時間内で検討いただかないと、後ろのほうで配られている方が1枚目 しかないのであればちょっと困るのですけれども。 ○事務局  配られておる資料には2枚目がついておりませんが、すみません、つけるべきものが落 ちていたということで、事務的なミスでございますので、追加させていただくというか、 正式なものとしては必ず2枚目をつけるという形にしたいと思います。 ○大山座長  すみません。ちょっと確認ですが、私の手元にある資料1には見え消し版とそうでない のとが両方あります。大江先生の指摘はどちらですか。見え消し版ではないほうですか。 ○大江委員  ないほうです。 ○大山座長  見え消し版でないほうについては、私の手元にある資料にも、35ページはありません。 見え消し版は35ページがあって、それが先生の言われる2ページ目ですね。恐縮ですが、 確認をいただければと思います。 ○事務局  すみません、見え消し版はご参考で、配布している正式なものは溶け込んだものです。 下線などを引いていないものが資料1、正式なものとなっておりまして、これは事務的な ミスで大江先生のご意見、2枚目がついておりませんので、こちらはつける形とします。 前回までちゃんとついておりますので、すみません、事務局のミスでございます。 ○間杉政策統括官  誠に申しわけございません。印刷のミスでございます。大至急2枚目をとりまして、会 場内にも配布をさせていただきます。 ○大江委員  多分単純な落丁だと思いますけれども、誤解があるといけませんので、きちんとしてい ただきたいと思います。 ○大山座長  ありがとうございました。  それでは、ほかに何かございますか。  皆さんからないようでしたら、小さいことですが、11ページで、出生時、図の2−6− 2−1についてです。これは出生時の社会保障カードの発行・交付方法で、利用者と書い てありますが、これをそのまま理解すると利用者は赤ちゃんになります。赤ちゃんが行か なければいけないのでしょうかと思う人がいないかなと心配します。小さいことですが、 前の絵と同じものを使っているからこうなっているのだろうとは思いますが、いかがでし ょうか。 ○赤澤社会保障カード推進室長  ここの部分は、出生時に出生届を出すということで、通常はご両親を想定して書かせて いただいているのですが、仮に先生ご指摘のようなお子様そのもののほうがいいというお 話であれば、図のほうも例えばお子様をつけるとかいうふうな対応もあるのかなというふ うに考えておるところでございます。 ○山本委員  この図の大人の人の絵の下は申請者に変更したいと思います。 ○大山座長  ほか。どうぞ、後藤委員。 ○後藤委員  後藤でございます。  この社会保障カードの発行については、市町村で発行を、ということを想定をしている というシナリオでございます。これは前回のこの検討会の席上でも申し上げたことですが、 具体的にこの発行に当たっては、全国民に対してこのカードを発行していく、しかも、適 宜その期間によって切り替えをしていくことがございますので、かなり膨大な事務量が経 常的に発生をするということもございます。この活用シナリオの中で、そこまで細かく触 れる必要はないとは思いますが、そのことも十分念頭に置いて、今後、市区町村に対して も丁寧な考え方の説明が必要であろうかと思いますので、この点についてはぜひ厚生労働 省においてもご配慮いただきたいという点が1点ございます。  それから、これまでの議論の中でのいろいろとお話があった中で、当然のことというふ うに前提でお話を聞いておりましたのですが、2ページのところ、中継データベースの機 能というところでご説明がございます。  基本的な考え方として、この中継データベースにはできる限り個人の情報を持たないと いう前提でのシステムのデザインを検討していただいたというふうに理解をしております。 そのことを、つまり、この中継データベースには必要最小限のものに限って持つのである ということが、どこかに書いてあれば結構なのですが、もしないようであれば、そのこと の考え方をどこかでご記述をいただけると、より分かりやすくなるのではないかと思いま した。  以上でございます。 ○山本委員  これまでの取りまとめの中等にも、そのことはかなり強調して書かれておりましたので、 一応前提としてここでは記載をしておりませんけれども、恐らくこのシナリオよりも、取 りまとめのほうに書くほうが、よりはっきりとしたメッセージになると思いますので、そ ちらのほうで検討をということでよろしいでしょうか。 ○大山座長  ありがとうございます。  今の件ですが、この活用シナリオだけがどこかへ出ていくということもあり得ますか。 それによって、ここに書いておく必要があるかどうかだと思うのです。後藤委員の指摘は そういうことかなと思ったのですけれども。 ○赤澤社会保障カード推進室長  この活用シナリオは、一応今回の検討会における資料として公表されます。基本的にそ れを踏まえて私どものほうでその報告書を取りまとめさせて、検討会でのこの報告書が取 りまとめられるという整理になっておりますので、そういう意味での公開資料として皆さ んがご閲覧されるという整理になっているところでございます。 ○大山座長  ありがとうございました。  ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。  それでは、また後でご意見等を頂くとして、次の議題のほうに移りたいと思います。  次は、報告書の取りまとめに向けた議論です。以前にも述べている通り、IT政策ロー ドマップにおいては、社会保障カードの実現に向けて基本計画を検討することとされてい ます。厚生労働省が今年度に予定している社会保障カードに関する実証実験を行うに当た っては、このたび取りまとめる報告書の内容を踏まえることが期待されます。そのため、 まずは事務局から今日提出されております資料の説明をお願いしたいと思います。資料は 2、3、4の3つになります。お願いします。 ○事務局  資料2から4をご説明させていただきます。着席して失礼いたします。  前回、4月2日の検討会で、医療等の現場での活用とカードの発行・交付以外の部分に つきましては、メモという形でご提出させていただきましてご議論いただきました。ただ、 時間が短かったということもございますので、委員の皆様方からメールでご意見をいただ きまして、そのいただいたご意見を反映させたものと、また、4章、7章、医療等の現場 での活用、カードの発行・交付といったものを入れ込んだものが、今回の資料3・4とい う形になっております。前回提出資料との差が分かる資料4と、その概要資料、ポイント 資料に基づきましてご説明させていただきます。  まず、資料4でございますけれども、まず表紙です。委員の方から報告書の位置づけを 明確にというご意見をいただきまして、報告書の位置づけとして、社会保障カード(仮 称)の在り方については、現時点で本検討会として一定の結論を得たものではないが、本 報告書は今後のさらなる検討に活用されることが期待されるものであるということを記載 しております。  また、1ページおめくりいただきまして、報告書(案)目次ということでございまして、 第1章、社会保障カード(仮称)の検討の背景及び方向性についてというところから始ま りまして、第10章、社会保障カード(仮称)の実現に向けてまでという全体構成になって おります。  第1章から第3章は大きな構成に関わる修正はございませんので、内容につきましては、 ポイントの資料・資料2に基づきご説明させていただきます。  資料2、横紙のパワーポイント資料でございますけれども、社会保障カード(仮称)の 基本的な計画に関する報告書のポイントということで、内容といたしましては、この左下 の図にございますように、現状の問題点といたしまして、制度の運営主体が市町村、国、 健康保険組合等、いろいろ分かれております。そういたしますと、利用者の方からします と、申請なり情報を得るということがそれぞれの主体に対して行う必要があるということ で、手間暇がかかっております。似たような手続を二重に行うということも起こり得て、 利用者の方からも、また、運営側からもコストがかかっているという状況にあります。こ ういったことを考えますと、将来像といたしましては、こういった複数の機関にまたがる 自分の情報の入手や必要な手続の実施を1カ所で完結できるという便利なサービス、ワン ストップサービスを実現することを目標にして、その基盤として、プライバシー侵害等へ の不安を極力解消しつつ、関係機関の情報連携、バックオフィス連携というものを行って いく仕組みが重要ではないかということでございます。  そういった将来像を踏まえまして、社会保障カードの検討におきましては、年金記録等 の確認を可能としつつ、健康保険証等の役割を果たす仕組みを検討しているということで ございまして、今後実証実験を行い、仮定した仕組みについて検証しつつ、電子行政等の 取組、各分野における環境整備や課題への対応と連携し、社会的な合意を前提として、可 能なサービスから順次実施していくということがポイントということでございます。  また、左下の絵につきましては、前回、委員からご指摘いただいたことも踏まえまして、 必ずしもパソコンとは限らないだろうということで、テレビをイメージしたものにしてご ざいます。  1ページおめくりいただきまして、2ページ目でございます。情報閲覧サービス利用の イメージということでございまして、どういった形でサービスを利用できるのかというイ メージをお示ししております。安全なカードを利用して、例えば他人が使うことがないよ うに、本人であることを確認するということで、例えば暗証番号を入力して、自分のマイ ページというものにログインします。そのページで、自分の情報の閲覧や様々なお知らせ を見ることができるということでございますけれども、例えば転職をした場合、被用者か ら例えば自営業に転職をしたという場合に、こういった手続が必要ですよと、例えば国民 年金の資格取得手続の案内が来たりする。もしくは国民年金基金に加入したらいかがでし ょうかというご案内が来て、そういったお知らせを見て、では、もし自分が国民年金基金 に加入すれば、どのくらい年金額がもらえるだろうかということを考えて、自分の年金情 報を選択して見てみる。そうすると、自分がどのくらい将来年金をもらえて、国民年金基 金に加入すればどのくらいそれに追加になるかということを参考にして、それでは加入し てみようかということであれば、各種手続のページでそういった手続も行うという形で、 このようなお知らせが来て、情報を見て、手続をするという一連のものとなると、利用者 の方からはかなり便利なものになっていくのではないかというイメージをお示ししており ます。  続きまして、3ページ目でございます。仕組みのイメージについてということで、仮定 したものの説明でございますけれども、基本的な考え方として、プライバシー侵害、情報 の一元的管理に不安を極力解消しつつ、将来的な用途拡大にも対応できる仕組みを目指す ということでございまして、そういったことを考えますと、利用者の方の情報を1カ所に 集めるメガデータベースのようなものをつくるのではなく、現行と同様、情報というもの は各保険者が保有する。その情報に確実にアクセスするために中継データベースというも のを利用して、確実にアクセスできる仕組みを考える。中継データベースには被保険者証 記号番号といった必要最小限の情報だけを持つということで、情報の集約を避けて、情報 連携を適切に制御できる仕組みというものが重要であろうということでございます。  また、3つ目の丸にございますように、この社会保障カードのためだけに新たな投資を することは極力避けるということで、特にこの中継データベースというものにつきまして は、他の検討会でも検討されている、例えば次世代電子行政サービス構想における行政情 報の共同利用支援センターといった類似と思われるものもございますので、そういったも のと重複した投資にならないように、共通の基盤として構築することを目指すべきであろ うということを書いてございます。  また、下の図でございますけれども、ICカードなどを利用していただいて、中継デー タベースにアクセスするという形になりますけれども、確実に本人確認するということを 考えますと、公開鍵暗号の技術を活用する方式というのが、安全性においては優位なので はないかということが書いてございます。  また、こういったカードの仕組みを含めまして、左下の枠に書いてございますけれども、 住民基本台帳カードの見直しの動きであったり、オンライン認証の実現を含めた公的個人 認証サービスの普及拡大に関する検討、こういったものとも連携いたしまして、既存のイ ンフラを活用していこうということで記述してございます。  続いて、医療等の現場での活用と交付につきましては、今回新たに加えたところでござ いますので、報告書のほうでご説明させていただきたいと思います。  資料4に基づきご説明させていただければと思います。  資料4の16ページをご覧いただければと思います。16ページ、4、「医療等の現場での 活用について」ということでございまして、この章を全て追加してございます。  基本的な考え方でございますけれども、この16ページの下に書いてありますとおり、医 療機関の窓口で本人確認のために暗証番号を入力するということにしますと、急患の場合 や医療機関の窓口業務というものを考えますとなかなか難しい。そういたしますと、暗証 番号の入力なくオンラインで資格確認を行うための仕組みが必要であろうということで、 医療機関の職員の方が、券面の情報によって正しいカードであること、また、その提示し た本人のカードであることを確認した上で、医療機関職員の認証を行う必要があるという ことでございます。  17ページでございますけれども、その医療機関職員の認証を行う際の方法といたしまし て、個々の医療機関の職員を中継データベースが認証する方法と、あるいは医療機関のシ ステムが個々の医療機関職員の認証を行い、中継データベースが医療機関を認証する方法 というものが考えられまして、この点につきまして、(1)から(3)まで、こういった認証基盤 の適切な組み合わせによって安全性を確保する必要があろうということで、こういった仕 組みにした場合には、暗証番号を使って本人確認を行う場合と比較しますと本人確認の程 度が低下しますので、年金情報など、他の社会保障情報への不正なアクセスを防ぐために、 暗証番号を入力しないで確認する秘密鍵と暗証番号を入力して確認する秘密鍵というもの を区別することが必要ではないかという検討が必要であるという形にしてございます。  また、(2)でございますけれども、ICカードの機能を使用したオンラインによる医 療保険資格確認の実現により顕在化する課題と回避策ということでございまして、その下 にポツが2つございますけれども、オンラインでこのような医療保険資格の確認を行う場 合、タイムラグが発生するだろうということでございまして、ポツが2つございますが、 医療保険資格の取得・喪失事由が発生してから、それを実際に保険者に対して届出をする までの間ということと、その届出が出されてから、実際にその情報が保険者のデータベー スなり中継データベースの情報が更新されるまでタイムラグが発生するという課題が存在 するということでございます。  この点につきましては、続いて18ページになりますけれども、この課題の回避策として 2つの方法が考えられるということで、オンライン申請の拡大であったり、(2)でございま すけれども、届出の取得優先であったり、情報連携を図ることによって、ある程度各保険 者で情報を把握できるようにするということが考えられるのではないかということでござ います。ただ、前回ご議論いただきましたように、タイムラグというものも完全に解消す るわけではないということで、さらに詳細に検討する必要があるということでございます。  続いて、19ページでございますけれども、ICカードの機能が使用できない場合の対応 ということでございまして、停電、ネットワークのトラブル、カードの破損で一時的にI Cカードの機能が使用できない場合、もしくは訪問看護・往診の場合、もしくは現行の被 保険者証からの移行期間、こういった際にICカードの機能が使えない場合があるだろう ということで、10月に取りまとめました「これまでの議論の整理」におきましても、様々 な選択肢が挙げられていたということでございます。  こちらにつきましても、(2)で書いてございますけれども、ICカードの機能が使用 できない場合に最低限必要な情報として、この(1)から(4)、氏名、生年月日から給付割合ま で、こういったものが必要であろうということでございます。  ただ、そういった実際の運用を考えますと、カードの券面や別紙に何らかの可視的な番 号が記載されている必要があろうということでございまして、この何らかの可視的な番号 に関しましては、現行の被保険者証記号番号のほかに、保険者の異動があっても変更され ない医療・介護の現場で用いられる可視化された識別番号、保健医療番号というものを仮 定しまして、何らかの方法で被保険者証記号番号等を問い合わせるということが考えられ るだろうという形で記述しております。  続いて(3)、保健医療番号についてということでございまして、保健医療番号が存在 する場合ということと、続いて20ページでございますけれども、保健医療番号がない場合 ということで比較をしているということでございます。  この保健医療番号につきましては、この20ページの2段落目、11行目以降でございます けれども、この保健医療番号の、保険者を異動しても変更されないという性質、こちらは 医療制度・利用者本人の意図しないところで名寄せに使われる懸念が存在するということ に留意が必要であろうということでございますけれども、保健医療サービスに関わる将来 的な情報化の基盤としての意義もございますので、また、こういった保健医療番号がござ いますと、保険者や医療機関の利便性が高まるということも事実でございます。そういっ たことも踏まえまして、この保健医療番号につきましては、その利用範囲であったり保護 措置などについて十分な検討が必要であると考えられるという記述を書いてございます。  また、(3)の最後の段落、「なお、」以降でございますけれども、この現行の被保険 者証から社会保障カードへの移行期間というものがございますけれども、こういう移行期 間につきましては、社会保障カードと現行の被保険者証等との併用を可能にすることが必 要であろうということでございまして、この移行期間における対応につきましては、カー ドと紙媒体が混在しますので、この混在によって生じる保険者や医療機関等の負担という ものにも配慮する観点と、また、その関係者における環境整備、機器等の整備というもの も必要になりますので、そういったものを踏まえまして、今後さらに検討を行っていく必 要があろうということでございます。  続いて、新たに加えました第7章でございますけれども、23ページをお開きいただけれ ばと思います。23ページ、「カードの発行・交付方法等について」ということで、(1) でございますが、具体的なカードの交付方法を検討するに当たっては、交付対象者の方の 利便性であったり交付する事務の担当者、交付者の事務負担、また、どの程度確実に本人 同定ができるかという技術的な実現可能性、この(1)から(3)に挙げているものを踏まえる必 要があるということです。あと、どの程度厳格な本人確認が必要かということを検討する 必要があろうということで、この検討に当たって、発行主体や交付主体について仮定を置 いているということでございます。1ページおめくりいただきまして24ページになります。  発行・交付に当たっての仮定を枠の中で記述しておりますけれども、この仮定、地方自 治体の方や関係省庁の方のご了解を得たものではございませんけれども、カードの発行主 体については、制度をまたがるということもございますので、厚生労働大臣であると仮定。 カードの交付主体につきましては、既存の仕組みがあり、基盤、運用の実績があるという ことや、最も身近な行政主体であるということを考えると、市町村と仮定するという形に なっております。  また、発行データベースにつきましても、中継データベースと同様、ある程度発行時点 におきまして必要最小限の情報のみを持つということが基本なのだろうという仮定を置い て検討しております。  (3)でございますけれども、既存の現在の被保険者証から社会保障カードにどうやっ て切り替えを行っていくかということでございまして、こちらも含めまして、前回ご議論 いただきましたように、医療保険者から配るということもあれば、市町村から配るという こともあるだろうということで、(1)と(2)、この2案を検討したということでございます。 この24ページ、一番最後の段落に書いてございますように、被用者健保の場合は利便性が 高いということは事実でございますけれども、医療保険者と市町村の間で本人同定を行う 必要がございます。両者のシステムが違うということで、利用者の方の氏名の文字コード が異なることがありますので、こういったことも含めて、この4情報を用いて利用者の本 人同定を確実に行うことはなかなか難しいのではないかということです。そう考えますと、 市町村から利用者にカードの交付案内を送付し、利用者の方から年金手帳、健康保険証と いったものを市町村に提出していただき、これで本人同定を行うということがより確実な のではないかという記述をしております。  また、25ページに今ご説明した図を、作業班でご議論いただいた資料をそのまま使って おりますけれども、図7−1ということで、既存の被保険者証からの切り替え方法という ものをお示ししております。  続いて、25ページの(4)出生時の取り扱いについてということで、10月のこれまでの 議論の整理におきましては、(1)、(2)、まず健康保険証としてICカードを発行し、その後、 様々な機能を追加していく方法というものもあれば、(2)といたしまして、まずどのような 機能も有しないICカードを発行し、その後、様々な機能を追加していくことも考えられ るだろうという検討を行い、この2案について整理を行ったということでございます。  25ページ、最終段落になりますけれども、この点については被用者健保の被保険者の場 合であっても、ワンストップサービスという観点からは、市町村で手続をするということ は一定の利便性があるのではないかということで、「したがって、」以下で次の26ページ、 この被扶養者届というものは、市町村を経由して医療保険者に提出することができるとす ることが妥当と考えられるということでございますけれども、「しかしながら、」という ことで、従前とかなり事務の流れが変わるということもございますので、十分そういった 点にも留意しながら検討していく必要があるという記述がございます。  また、前回も委員の方からご指摘いただきましたけれども、図7−2の下に書いてござ いますが、なお書き以下でございます。出生届というものは、いずれの市町村に届け出て もよいという仕組みになっておりますので、どこの市町村に届け出てもいいものが、確実 にその被用者健保に伝わるかどうかを確実に検討していく必要があろうということで、こ れにつきましては、様々な政府内で検討もございますので、そういったものとの整合性を 図っていく必要があるだろうということでございます。  また、(3)といたしまして、一定年齢以下の方には原則としてカードを交付しない案とい うものも考えられますけれども、こちらにつきましては、出生してからその交付される年 齢までの間、どのようにカードを運用するか、その扶養されている方のカードを利用する ということであれば、どうやってその紐付けを行っていくか、ご両親どちらのカードを使 うのかなど、そういった論点があるということを書いてございます。  また、27ページでございますけれども、医療保険者を異動した場合という際の異動の手 続についてでございます。こちらにつきましては、保健医療番号というものがある場合に は簡便な手続が可能であるということで、その有無に応じたフロー図をお示しております。  28ページに、(6)今後の検討方針ということで書いておりますけれども、仮定を基に して検討をしたものですので、さらに交付対象者の方から見た利便性であったり、交付に 係る事務負担というものが当然もっと検討されるべきであるということで、今後さらに市 町村、保険者等の関係者の意見を踏まえつつ、精査していく必要があるということです。 また、医療保険制度等の運用を考慮いたしまして、死亡した場合等に、その社会保障カー ドをどう無効化するかといったことや、その中継データベース上の情報の失効や削除に関 する検討というものも必要であろうということを記述してございます。  続きまして、第8章「電子行政、電子私書箱等の取組との連携について」ということで、 前回ご紹介させていただきましたけれども、平成21年4月9日のIT戦略本部におきまし て、国民電子私書箱構想というものが決定されておりますので、そちらにつきましての記 述を追加させていただいております。  こちらについては、資料が飛んで恐縮でございますけれども、再び資料2のポイントの ほうでご説明させていただければと思います。資料2のポイントの資料の6ページ目にな ります。  資料2、6ページ、国民本位の新しい電子政府・自治体の推進ということでございまし て、内容は前回簡単にご紹介させていただきましたけれども、国民一人一人の方がこうい う国民電子私書箱というものを持って、この現状、いろいろな引っ越し、退職手続が様々 な機関で必要であり、また、紙媒体で見ている情報というものを、将来的にはワンストッ プで手続が完了でき、添付書類を不要にしていこう、行政の見える化ということで自分の 様々な情報、記録というものを確認できるようにしていこうという構想がございます。  こちらと社会保障カードの関係が、4月9日のIT戦略本部決定「デジタル新時代に向 けた新たな戦略〜三か年緊急プラン〜」の中で記載されておりまして、6ページの一番下 の枠にご紹介、引用させていただいております。  こちらにつきましては、国民電子私書箱というものは、高度なセキュリティ機能を持っ た電子空間上のアカウントであり、従来の電子私書箱構想及び社会保障カード構想という ものを発展させて、社会保障分野のみならず、広い分野でのワンストップの行政サービス を提供するためのものであること、また2つ目の丸といたしまして、この国民電子私書箱 というものを社会保障カードの実証実験の成果も活用しつつ整備していくということが記 述されてございます。  以上が国民電子私書箱のご紹介でございまして、以上の内容につきまして、報告書の本 文にも同じような内容を記載させていただいております。  また、簡単に資料4につきまして、前回から今ご紹介した点以外で修正したところをご 説明させていただきますと、資料4の12ページでございます。12ページの一番上、2の2、 仮定の検証というところで今後の進め方が書いてございます。2段落目、厚生労働省は平 成21年度に実証実験を行う予定であるということが書いてありますが、その実施に当たっ ても、他の関連する取組との連携が重要ではないかというご意見をいただきましたので、 その実証実験実施に当たっても、そういった他の取組との連携を図るということを追加し てございます。  また、飛んで恐縮でございますけれども、一番最後、40ページになります。社会保障カ ードの実現に向けてということで、費用対効果につきましては、できる限り早期に全体的 な費用対効果を試算する必要があるということを記載しております。現時点におきまして は、様々な取組が同時進行しているということもあり、また、技術の発展動向というもの を踏まえる必要がございますので、まだその全体的なものが出ておりませんけれども、そ ういったものを早く試算すべきであるというご意見を記載しております。  また、「ただし、」以下でございますけれども、こちらにつきましては、表現が少し分 かりにくいということで修正をしております。取組が段階的に実施されるということであ れば、その初期の段階においては、なかなか費用に見合った効果というものが得られない 場合がありますが、取組が進捗するにつれ効果が上がっていくという点に留意する必要が あるだろうということを記載しております。  以上、前回からの修正と報告書全体につきご説明させていただきました。  以上でございます。 ○赤澤社会保障カード推進室長  ちょっとよろしゅうございましょうか。ただ今委員の皆様方の席上に、先ほど大江委員 のご意見の落丁している部分につきまして配布をさせていただきました。本来なら、資料 ごと差し替えるべきところを取り急ぎ印刷してお示しさせていただきました。誠に申しわ けございませんでした。  それから、先ほどご指摘のありました傍聴席等の分につきましては、確認いたしました ところ欠落はしておりませんでしたので、そういう状況でございます。大変申しわけござ いませんでした。 ○大山座長  今の件、大江委員、よろしいですか。ありがとうございます、確認させていただきまし た。  説明、ありがとうございました。それでは、ただ今の説明につきまして、ご質問、ご意 見等をいただきたいと思います。いかがでしょうか。  4月の頭ぐらいにかなりいろいろな動きがあったことから、内容的にはいろいろ書き込 まれたとは思いますが、もし皆様方からなければ、最初に私のほうから1つだけ申し上げ ます。  24ページ目です。今、見ていて気づきました。実は次世代電子行政サービスのほうの検 討を通して気付いたことですが、24ページの一番下、最後の段落の「この点については」 から始まるところで、下から3行目、「市町村から利用者にカードの交付案内を送付し、 利用者に年金手帳、健康保険証等を市町村に提出してもらい」と書いてあります。これは 確かにこういう考え方がよろしいとは思うのですが、自分を初めとして、多くの会社員の 方のことを考えると、年金手帳ってふだん持っていない人が多いので、持ってこいと言わ れても、そこの手間は結構大変ではないかと思います。実際には、社会保険庁さんから対 応いただかなければ何とも言えませんが、手帳で確認するのが一番確実で、基礎年金番号 があれば一番いいわけです。この情報が紐付けとして欲しいのは分かりますが、後のほう に、健康保険証等の「等」があるので、年金手帳もこちらに含めることもできます。利用 者に年金手帳をというのは、今の時点ではまだ書かなくても良いのではないかという気も します。作業班あるいは事務局側に何か考えがあれば教えていただきたいと思います。 ○赤澤社会保障カード推進室長  ご指摘のとおり、例えば最初から共済組合の方は年金手帳を持っていないといったよう なケースがありますが、ここは年金手帳、健康保険証等を市町村に提出してもらいと、こ ういう形で非常に決め打ちな形で書いておりませんで、そういう意味でこういう形で書い てもいいのかなと思っていたところでございますが、もし委員の皆さんのご意見で、年金 手帳を明示的に書かないほうがいいというご意見があれば、ご議論をいただけたらという ふうに思っているところでございます。 ○大山座長  ありがとうございました。  どちらにとる人が多いかなと思っただけの話ですが、多分、うちの大学に「おまえ、座 長をやっていて、これを出しただろう」と言われると、「全員に年金手帳を配れというの か」ときっと来ると思うのです。それがちょっと気になりました。調整した上で、皆さん に特段のご意見がなければ、これについては相談させていただきます。  山本先生、何か意見ありますか、ここは。 ○山本委員  特にございません。年金手帳は確かに持っていない人がいらっしゃいますし、当然です けれども、そもそも年齢によっては年金手帳がまだない場合もあるわけで、「等」と書い たのは、何か要するに保険者と結びつけるための仕組みが必要な場合はという意味ですの で、この時点では削っておいてもいいかと思います。 ○赤澤社会保障カード推進室長  それでは、先生のご意見を踏まえまして、修正をさせていただきたいと思います。 ○大山座長  どうぞ。 ○後藤委員  3点ほど質問と、それからお願いがございます。  まず1点、この社会保障カードの仕組みを実現するに当たっては、これは従前からも申 し上げたことではございますが、保険者であります健康保険組合あるいは市町村の国民健 康保険のシステムに相当手を入れていかなければいけないということがございます。これ は手間も費用もかなり膨大にかかりますが、それでもやらなければいけないと私自身は認 識をしているところでございます。そういう意味で、そのことについてもどこかで言及を していただいてあれば結構なのですが、もしないようであれば、このことはこの報告書の 中でぜひ触れていただきたいということでございます。  それから2点目、例えば25ページ辺りに、出生時の取り扱い等についてということでの 一連の取り扱い、流れが出ております。こういうことの中で、特に健康保険組合さんに関 わる届出を市町村が受けるということも、ワンストップサービスを推進するという観点か らは有効であり、必要なことであろうかと思います。そういう意味で、今後、健康保険組 合さんと市町村とのよりしっかりとした連携が必要であろうかというふうに思います。  一方で、こういう出生とか、それから住所の異動、こういうところについては、実は既 に住民基本台帳ネットワークという仕組みがあって、行政機関については、その変更情報 を活用することが様々スタートしている。例えば年金受給者についても、その活用は進め られているところでございます。こういうことの活用について、少し言及してもよろしい のではないのかというふうに感じました。  それから3点目、これはお願いでございます。24ページの最後のパラグラフのところで すが、「医療保険者と市町村で登録されている利用者の氏名の文字コードが異なる」、こ れはちょっと分かりにくい話かもしれませんが、現在、住民基本台帳で使われている文字 が約2万文字を超える文字がございます。それから、戸籍で使われている文字も約5万字 以上の文字がございます。それから、JIS規格で決められている文字がございます。そ れぞれが完全に一致をしていない。また、特にお名前等の文字の中には、規格の中に載っ ていない文字の方が大勢いらっしゃる。  この辺りについては、特に自治体を中心にして、様々なところで今まで大変な苦労をし ながら事務処理をしている。文字のコードの変換をするというようなことで、苦労をして いるということがございます。この点については、恐らく所管の官庁としては、例えば総 務省であったり、法務省であったり、経済産業省であったり、文科省であろうかと思うの ですが、このことの問題が結果としてこの社会保障カードあるいは社会保障制度全体の仕 組みづくりについても支障になっているということで、これを何らかの方法で改善をして いくということをもう一歩踏み込んで記述をしていただければというふうに思います。  実は、国の定めた重点計画のどこかでも、文字コードの統一が言及されたことがあった のですが、具体的な動きがまだ残念ながらございません。そういうことも含めてぜひ提言 をしていただけるような内容にしていただければと思います。  以上でございます。 ○赤澤社会保障カード推進室長  特に先ほどの環境整備の件、どの辺りに書けば、どういう形で書けばいいのか、今後調 整をさせていただきたいと思っております。 ○大山座長  最初のところの話について、保険者側さんに時間と手間さらに費用もかかることに関し ては、既に公表されている……、そうか、今朝の時点ではウェブに出ていませんでしたが、 第50回のIT戦略本部に提出させていただいた私の意見にこのことを書かせていただきま した。保険者、医療機関に対して支援等の対応をしないと無理で、カードを配ればできる わけではないので、そちらに対する対応もしっかりやっていただきたいということを意見 として提出させていただきました。ご指摘のとおりと思います。  それをここに書けるかどうかについては、今、室長からお話がありましたので、そこに ついては預からせていただきたいと思います。  それから、住基ネットの活用の話は、私もごもっともと思っています。市町村課にもお いでいただいていますが、もともと住基ネットの活用が次世代電子行政サービスではベー スになると思うので、その意味では、今回の社会保障カードの中にも、次世代電子行政サ ービスあるいは従来の電子私書箱を拡張した形での国民電子私書箱(仮称)について、も う少し書けるかどうかは相談をさせていただければと思います。市町村課から何かありま すか。 ○下仲理事官  住基ネットの活用ということですけれども、今おっしゃられたように、今は給付行政と 資格付与といったことで法律の別表を書いております。それをどこまで広げるかというこ とにつきましては、プライバシーの保護の観点とか国民の意識とか、そういったことを踏 まえて慎重に議論していかなければいけないと思っていますので、そういうことを踏まえ てまたご相談させていただきたいと思います。 ○大山座長  ありがとうございます。  健康保険で言うと、民間保険組合のところが今の対象になっていません。  それから、文字コードの話については、これは官房から中井川さんがおいでなっていま すが、中井川さんのほうでご存じのことはありますか。次世代電子行政で、統一をしよう という話はありますか。 ○中井川内閣参事官  今回の報告書に国民電子私書箱の関係を書いていただいていますけれども、バックオフ ィスで連携をしようとすれば、当然その中で実現のためには文字コードをどうするかとい うことについて、視野には入れないといけないと思っておりますけれども、今日の時点で 具体的にどうするという答えは持っておりませんので、検討課題だという認識でございま す。 ○大山座長  ということで、ご指摘いただいた件については、関係するところと相談させていただき たいと思います。簡単に答えが出るとは思えない難しい課題もありますが、特に文字コー ドについて、JPKIでは、ご本人に選んでいただくというやり方をとっています。担当 の藤井さんがおいでですが、氏名、住所の件で、実際に外字だったものを正字というか、 JISの文字コードに置き換えている例がどれくらいあるか、ご存じですか。 ○藤井課長補佐  正確な数というのは、ちょっとすみません、今、私のほうでは把握しておりませんが、 そういうように置き換えている例というのはJPKI、公的個人認証のほうではそういう ようにやっているということでございます。 ○大山座長  外字の代替え文字をご本人が選んでいるということですね。一番近い、というのはパソ コン等を使って申請・申告を行うことを想定しているので、自分の名前や住所等が表示さ れないのではどうしようもないので、代替え文字を選んでくださいというようにお願いし ているわけです。  現在の発行枚数はどれくらいですか。100万枚を超えましたよね。 ○藤井課長補佐  現在の発行件数は3月末時点で113万です。 ○大山座長  ということですので、全人口から見ると1%ぐらい、その中のごくごく一部の方が、外 字の代替え文字をお選びいただいているということです。  よろしいでしょうか、今の後藤委員のご指摘については。  ほかはいかがでしょうか。  せっかくオブザーバーの人においでいただいてお話しいただいているので、山内さんに もお話しいただきたいと思います。私書箱の発展形が出てきましたが、何か社会保障カー ドに期待することはありますか。社会保障カードの検討にはずっと対応いただいてきたの で、よろしくお願いします。 ○山内内閣参事官  現在、IT戦略本部では、大山先生が先ほどお話しいただきましたように、新しい戦略 をつくるための活動を推進しているところでございまして、電子行政、具体的には電子政 府・電子自治体ですが、これを大きな柱としてございます。もう一つの柱としては、医療 分野のIT化というのがございます。この電子行政と、それから医療の分野の両方にまた がる話ですので、この社会保障カードの在り方の検討につきましては、こちらで色々な案 を出していただいたものを私どもも国のIT戦略として次期の中長期のデジタル戦略に生 かしていきたいと思いますので、いろいろなご意見をいただければと思っております。  以上です。 ○大山座長  関係することをいろいろとお話をいただきましたが、全体を通して何かありますか。  まだ、11時ですが……。特にご意見等がなければ、指摘された箇所を修正して、できれ ば4月中ぐらいに公表したいというのが事務局側との話になっていますので、意見等があ れば月曜日までにいただき、そのご意見を事務局、私と山本先生にはお入りいただいて、 必要な修文を行いたいと思いますが、このような手順でよろしいでしょうか。いかがでし ょうか。  どうぞ。 ○駒村委員  リクエストというか、内容的なことではないのですけれども、読んでいて非常に図が多 くて分かりやすい。図は分かりやすいと思うのですけれども、本文と図がどう対応してい るかが、本文中のどの図をどう見ればそれを説明しているのかというのが書いていない。 だから、これは例えば21ページに「仕組みのイメージを示した」といったら、これは図の 5だと入れて、なるべく図を使って、せっかく図が入っているのですから、分かりやすく するためにはこの図をうまく解説するような形にしていただいたほうが、一般の方も分か るようになるのじゃないかなと思います。書き方のリクエストです。お願いします。 ○大山座長  いかがですか。事務局側、今のご意見について。 ○赤澤社会保障カード推進室長  ご指摘のとおりだと思います。白書なんかでも括弧で図表何とかと書きますので、そう いう形での分かりやすい明示を先生方とご相談させていただきたいと思います。 ○大山座長  ほかございますか。  どうぞ。 ○山本委員  報告書の17ページの上の(1)、(2)、それから2つ目の(1)、(2)、(3)とありますが、この(1)、 (2)、(3)の「などの認証基盤の適切な組み合わせによって」と書いてあるのですが、いずれ もまだ存在しないものですよね。ここだけ読むと、既にあるものを組み合わせて使うとい うように読めないこともありませんので、こういった基盤の適切な組み合わせと、社会保 障カードでこれを構築するのかどうかはまた別問題だと思いますけれども、その点は少し 分かるような記載にしたほうがいいかと思います。 ○大山座長  ありがとうございます。そこはおっしゃるとおりです。  どうぞ、南委員。 ○南委員  すみません、細かな技術的なことは、まだ理解し切れていない点もあると思うのですが、 全体としてお願いしたいこと、あるいは、リクエストしたいことを申し上げたいと思いま す。報告書を出すに当たって、多分一般の国民は、こういうことに関心のある方は、こう いう何十ページもの資料を読むと思うのですけれども、こういうことは分からないと思っ ている人はこれを読むとは思えないのです。前にも申し上げたのですけれども、やはり、 国民の生活に最も密接な医療とか年金とかという問題ですから、分からないとはいっても、 関心がないことはないし、理解する必要があると思うのです。ですから、そういう分から ない人に対しても、不安を持たれないように、このカードが普及すれば、(よく樋口先生 が言われますけれども、)こういうふうに便利になるということとか、分かりやすい説明 を、総論的なところか何かにぜひ刻んでおいていただきたいなと思います。 ○大山座長  いかがですか、今の件は。 ○赤澤社会保障カード推進室長  カードの利点、いわゆる国民にとってどういうメリットとかがあるかという話につきま しては、お手元の報告書の4ページ、5ページ等々に手続等のワンストップ化などについ て書かせていただくとともに、本日お配りのこのパワーポイントの資料につきましても、 この最初のところで自分の情報の入手とかワンストップ化、それから必要なお知らせ等の 情報の提供といった形でお示しして、可能な限り、国民の皆様にもご理解いただけるよう な形で対応しているつもりではございますが、なお不十分な点等があれば、ご指摘いただ いて、対応させていただきたいというふうに思っているところでございます。 ○大山座長  どうもありがとうございました。  ちょっと表現がかたいから、分かりにくいのかな。 ○南委員  いえ、不正確でない程度に非常に分かりよくというのは、非常に難しいことを申し上げ ているとは思うのですけれども、一般の国民が不安を持たずに、これが非常に、何度も今 まで繰り返されてきたことですけれども、これが普及することによって、その社会保障が よくなるということを理解してもらえるようなメッセージですね、出し方の問題だと思い ますけれども。 ○大山座長  今の件について、何か委員の皆様方からご意見ございますか。  どうぞ。 ○駒村委員  私もそのとおりかなと思っておりまして、例えば、そこまで書いていいか分かりません けれども、4ページには、ワンストップで自分の年金情報、いろいろな様々な情報が手に 入ると、やっぱりこれがどういう意味があるのかというと、パワーポイントの2であるよ うな形で、自分の年金情報が管理されているということ、それから見込み額がある程度示 されることによって、老後を不安視するあまりに、過大な貯蓄をする必要もないし、ある いは逆に過小な備えをすることもなくなって、老後の不安の解消の一助になるとかいう役 割は果たせると思う。ワンストップだから皆さんにとってこういう見込みが出てきますよ というのをやわらかく書いても、あまり書き過ぎるともう正確じゃなくなるかもしれませ んが、改善の余地はあるのかなとは思います。 ○赤澤社会保障カード推進室長  ちょっと先ほどもご紹介させていただきましたように、本年度、実証実験をやることに しておりまして、例えば分かりやすいビデオをつくるとか、そういう取組も今後私どもの ほうで計画をしてまいりたいと思っておりますので、報告書のレベルではなかなか正確性 などを考えると、この程度のレベルで私どもとしてはどうなのかなと思っているというよ うな状況でございます。 ○大山座長  どうぞ。 ○大江委員  恐らく、例えばこの報告書の1ページの下から10行目ぐらいに、中黒のポチが2つ並ん でいますよね。例えばこういうところの書き方、2つ目だと「効率的にきめ細かなサービ スを提供すること」と書いてあるのですけれども、これを提供する側の視点で書かないで、 例えば「国民が効率的なサービスをきめ細かく確実に受けられること」というふうに書く だけでも、実は同じことを言っているのだけれども、一般の方からすると、自分たちが何 を受けられるのかというのが分かりやすくなるという、そういうようなちょっと工夫が随 所随所、大分なっているとは思うのですけれども、するといいのかもしれないなと思いま した。  資料2のスライドも随分そういうふうにはなりつつあるのですけれども、例えばスライ ドの1枚目の、パワーポイントの1枚目でも、情報提供と書くのか、受けられると書くの か、もらえると書くのかですごく見る人から見れば、自分のものとして感じられるという ようなことがあると思いますので、そういう工夫を少しされるといいのかなと思いました。 ○大山座長  ほかにございますか。 ○赤澤社会保障カード推進室長  ご指摘いただきましたような工夫につきましては、先生方と相談させていただいて、可 能なものは取り入れさせていただきたいと思っております。 ○大山座長  ほかいかがですか。  パワーポイントの2枚目の情報閲覧サービスの利用イメージの中の(3)で、自分の年金情 報閲覧のところはいいのですが、その後の見込み額のところというのには、すごく大変な システムの改修等があるかと思います。このような絵が出てきているということは、高く 評価したいと個人的には思います。  ほかはいかがですか。  それでは、先ほど申し上げましたとおり、今日のご議論を踏まえ、それから、皆様方か らのご意見は、来週の月曜日までにお願いし、事務局、私のほうと山本班長との間で相談 して、必要な修正、変更を行います。その後、社会保障カードの基本的な計画に関する報 告書(案)を皆様方にご確認いただいた上で、できれば4月中をめどに公表していきたい と思います。大枠として提出されました今日の報告書(案)ですが、このような形で進め ることをお諮りいたしたいと思います。ご承認いただけますでしょうか。 ○大山座長  ありがとうございます。  それでは、そのような形で進めますので、来週の月曜日までに、ご意見等の追加がござ いましたらお出しいただきくようお願いいたします。  事務局側から何か連絡等ございますか。 ○赤澤社会保障カード推進室長  特にございません。 ○大山座長  最後にご発言ございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、第14回社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会を、予定より45分ほ ど早いですが、終了させていただきます。  本日はお忙しい中ありがとうございました。 【照会先】  厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室   社会保障カード推進室    電話番号 03−5253−1111(内線2244)