09/02/27 第10回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方 検討委員会(第10回) 議事録                  日時:平成21年2月27日(金)14:00〜16:40                  場所:専用第18〜20会議室                           ○寺野座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「薬害肝炎事件の検証及び再発 防止のための医薬品行政のあり方検討委員会(第10回)」を開会したいと思います。  委員の皆様には、大変寒いところ、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございま す。  今日も、公務お忙しい中に、舛添大臣に御出席いただいております。ただ、国会用務で冒頭 のみということで非常に残念なんでございますけれども、まず、開会に当たりまして一言お願 いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○厚生労働大臣 皆さん、お忙しいところお集まりいただいてどうもありがとうございます。 もう今日で10回目ということで、着実に御検討いただいていてありがとうございます。  こういう国会でありますので、ちょっとなかなか時間の設定がうまくいかないので、ごあ いさつだけでまた退室させていただきますけれども、やはり二度と薬害を起こさないという ことで、薬事法の改正で、医薬品を全国民平等に、そして確実に安全性を保った上でどうし て提供するか、こういう議論も片一方で始まっておりますので、そういう議論のためにも、 この肝炎の検証をここでしっかりやっていただいて、やはり、安全でないということはいか なる結果をもたらすかということをしっかりと、これは声を大にして言うべきだと思ってい ますので、そういうことも含めて、今後ともまた議論を進めていただきたいと思っています。  基本的な方針は、二度と薬害を起こさない。そのために医薬品行政、必要な改革はやって いくということでありますので、PMDAにしても、ちょうど今日、先ほど予算委員会で平 成21年度予算が採決、可決されました。今から本会議で可決されると思います。その後は、 来週から参議院に討論の場が移りますけれども、その中にもやはり、先ほど申し上げました ように、薬の承認についてきっちりとした体制をつくるという意味でPMDAの人員を増や しているわけでございますので、予算措置も含めて皆さん方の検討結果をきちんと行政に反 映させていきたいと思っていますので、今後とも忌憚のない御意見を賜ればということをお 願い申し上げまして、冒頭だけで大変残念ですけれども、公務がありますので失礼します。  どうかよろしくお願いします。ありがとうございます。 ○寺野座長 どうもありがとうございました。 ○坂田委員 大臣がいらっしゃるときに発言したいんですけれども。 ○厚生労働大臣 どうぞ。 ○坂田委員 いつも本当にありがとうございます。私は被害者として委員となって、第1の目 的は、真実を知りたいんです。ヒアリングも以前から何度もお願いしてきましたけれども、 いまだに実施されていません。いつも大臣が言われるように、当時を再現したいんです。私 は被害者として、3月末で最終提言書を出すということに対してとても納得いっていません。 このような中身では委員として恥ずかしいです。もし提言を出すのなら、平成20年度末の提 言と位置づけていただけないでしょうか。4月からは丁寧に、例えば1日で青森の集団感染 といった検証のやり方、1月に1回は委員会の時間をとっていただき、併せてヒアリングも やっていくということにしていただけないでしょうか。  今からどれぐらい時間を要するかわかりませんが、当時を再現できるような徹底的な検証、 それをなくしては再発防止はあり得ません。そして、再発防止に関しても、全く時間が足り ないと思います。提言は何度出しても構わない、最終、これでいいと全員が納得された段階 で最終報告書としていただけないでしょうか。  私のお願いは4点です。来月の提言書を最終提言書としない。4月以降も継続する。今ま でのペースと同じで委員会を開催する。それと、あと一つですけれども、研究班に被害者を 入れてほしいことです。4月からでいいので、研究班に分担研究班として被害者を是非入れ ていただきたいと思います。  大臣、いかがでしょうか。よろしくお願いします。 ○厚生労働大臣 ありがとうございます。被害に遭われた坂田さんからの非常に重い御発言だ と思いますので、これは、寺野座長さんとも御相談をして、どういう形でやるか。今回、薬 害肝炎事件の検証、再発防止のための医薬品行政のあり方の検討ということであって、例え ば、3月でこの課題が終わるわけではなくて、ずっとこれは、行政としても、二度と起こし てはいけないわけですから、努力は続けていかないといけないと思います。報告書も今、一 生懸命皆さんがおまとめなさっているところだと思いますので、それも踏まえて、4月以降 どうするか、今までのペース、それから研究班に皆さん方にお入りいただくことも、寺野座 長さんを中心にちょっと皆さんで御議論いただいて、大臣としても、今の御提言をどうする か検討させていただきます。  それでは、済みません、よろしくお願いします。 ○寺野座長 どうもありがとうございました。 (厚生労働大臣退室) ○寺野座長 それでは、今、坂田委員からも御要望がありましたが、この点については、前々 から少し検討はしているわけですけれども、またこれを検討します。  それでは、まず事務局から、今日は非常にたくさんの、今日もかもしれませんけれども、た くさんの資料がございますので、その配付資料の説明をしてください。 ○医薬品副作用被害対策室長 まず、今日は欠席の委員が何人かおられます。泉委員、大熊委 員、神田委員、清澤委員、森嶌委員、急に御欠席という方も含めて5人御欠席ということで ございます。  配付資料ですけれども、議事次第、座席表、名簿のほかに、資料1−1から1−4まで、 これは研究班で御用意いただいたものです。資料2が「提言とりまとめに向けた議論のため の資料」、縦です。資料3が横長で「医薬品行政を担う組織の今後のあり方について」。資 料4も横長で、資料2の参考資料ということです。資料5は「独立行政法人医薬品医療機器 総合機構提出資料」でございます。  このほかの参考資料としまして、前回の会議で委員からお求めのあった検討会の報告書3 件をつづったものがございます。あと、委員から提出されました意見書について、表紙が 「坂田委員」となっておりますものに、坂田委員と山口委員のものそれぞれ2回分ずつがつ づってあります。そのほか、夕べ及び本日になったので一緒にとじてありませんけれども、 大平委員と堀委員の意見書をお配りしております。あと、昨日までにパブリックコメントに 寄せられました意見というものが幾つかございまして、これを住所や連絡先を消した上で配 付いたしております。  不足等ありましたら御指示いただければと思います。また、乱丁落丁等ありましたらその 都度、御指示をお願いいたします。 ○寺野座長 ありがとうございました。  それでは、議事に入りたいと思います。前々から言っておりますように、この委員会として は、年度末までに薬害再発防止の提言をとりまとめる任務を負っておるわけであります。た だいま坂田委員から御指摘ありましたように、この提言をどういう形で、最終提言という形 ではなくて、何らかの形での年度の提言にしろという御提案もございましたので、そこの辺 もよく検討した上で提言のあり方を考えてまいりたいと思いますが、ともかくそのような任 務を負っておるわけです。  今日を含めまして残り3回、3月2回ということですが、3回でとりまとめを行うべく努 力したいと考えています。そのために、前回に引き続きまして、事務局にその議論のための 資料を作成させましたので、今日は、これをもとにした議論を進めてまいりたいと思います。   もう一つの重要な任務であります薬害肝炎事件の検証について、これは堀内委員ほか、委 員に御努力いただいておるわけですが、前回の会議に引き続きまして、本日も研究班から現 段階の報告書のアウトプットイメージを提示していただきました。  前回の会議で、あるいはその会議の後でも御指摘いただいているわけですけれども、その 御意見も踏まえながら研究班で作業を続けてこられました。現時点のものを本日お示しいた だいているわけですけれども、前回同様、委員の皆さんも、この資料を初めてごらんになる ということです。非常に大部の資料になっておりまして、本日の会議で資料2が中心になり ますが、その議論の中で、「薬害肝炎事件の経過から抽出される問題点」という部分がござ います。この部分に研究班から出された資料1−1から1−4までに関する質問、御意見を この機会にお願いするということになります。しかし、ともかく大変な資料でありますので、 すぐに全部お読みくださいというわけにまいりません。ですから、今日の会議に、今日気が つかれたところについて御討議いただいて、会議終了後も、またお気づきの点は事務局にお 寄せいただくという形で進みたいと思います。  前もって資料を送れという御指摘も前からいただいているんですけれども、実際に研究班 も大変でございまして、物すごいエネルギーを使っておりまして、ぎりぎりのところになら ないと完全にまとまらないということのようでございますので、その点は御了解をお願いし たいと思います。  それでは、まず、事務局から資料の説明をお願いいたしますけれども、議論の時間を十分 とりたいと思いますので、できるだけ短く、簡潔にお願いしたいということで、資料2、3 と5を一気に、それぞれ事務局から分担して御説明していただくことになります。その後で 討議をしたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 それでは、資料2について説明を始めたいと思います。  資料2ですけれども、委員の方には事前にお送りしておりますし、若干修正はございますが、 文章ですので、読み上げせずに、ポイントの説明だけさせていただきたいと思います。  表紙をおめくりいただいて、「目次」ですけれども、前回の会議でお示しした資料と比較 しますと、目次に「第1 はじめに」というのを新たに追加しています。  第2のところについては、前回の資料に更に加筆をするとともに、第2の、目次でいいま すと(1)の(5)ですとか(7)、あるいは(2)の項目を追加しています。内容は後ほど申します。  第3は、目次ではわかりませんけれども、内容は膨らませています。  第4では、項目の追加をしたり、記載順を変更したり、あるいは「その他」というものを なくすなど、そういった構成の見直しをしてございます。  内容についてですけれども、目次が終わって、第1の「はじめに」という数字の1ページ からになります。はじめには、今回初めてごらんいただきますけれども、1ページの部分は、 基本的には中間とりまとめでの表現を基本に記述しております。ただ、1ページの終わり3 行から2ページの上の8行までのパラグラフは、中間まとめ以降、10月以降の会議の経過、 どんな議論の経過だったかというものを記載しております。1行あけて、2ページの真ん中 のパラグラフ、ここは中間とりまとめでの「はじめに」の記載を基本に記述しております。 下から8行目からのパラグラフは、この委員会の提言というのは、医薬品行政だけではなく て、医療行政あるいは企業、医療現場などさまざまな主体の取組みを促すことを想定してき たという経過でございますので、そのことを確認的に記載しているところでございます。  次に、4ページからの第2のところでありますけれども、第2については、前回の会議及 び今週御提出いただいた文書意見でも坂田委員から詳細な御意見をちょうだいしておりまし て、先ほど申しました(1)の(5)や(7)あるいは(2)といった項目の追加は、その御意見を 踏まえたものですし、また、その他の記載も加えてございます。  ただ、この委員会の事務局として、ワープロを打って資料をつくるという作業は私どもで やっておりますけれども、特にこの第2の部分につきましては、どういう記載をするかとい うのは、研究班での検証作業の報告書における整理ですとか評価というものを見ながらここ は記述されるべきだろうと考えておりまして、4ページの冒頭、四角囲みで記載しておりま すが、今週御提出いただいた委員からの意見をまだすべて消化し切れてはいないと考えてお りまして、研究班の方でもまた御議論いただいた上で、ちょっとページは増えるかもしれま せんが、こちらの報告書で言うと11ページまでの記述になりますが、そこの加筆修正をして いくという手順にしたいと思っております。  特に、6ページの(7)ですとか、あるいは9ページの(5)のところに※で書いていますけれど も、こちらは研究班の報告書の方にもまだ十分整理、反映されていない箇所ですので、そち らを踏まえて、こちらの文章の整理の作業もしていきたいと思っています。項目だけ書かせ ていただいております。   次に、12ページからの「第3 これまでの主な制度改正等の経過」のところは、前回の資 料では1ページに押し込んで項目だけ書いておりましたけれども、どういった内容の改正等 だったのかがわかるように、時系列で並べて内容の加筆をしたところでございます。これが 16ページまでというところでございます。  次の17ページ以降、説明者交代いたします。 ○安全対策課長 それでは、17ページ以降、第4の部分につきましては、安全対策課の方から 御説明いたします。  こちらからは、これまでいただいた各委員からの御意見で、今日までに取り込むことがで きたものをできるだけ反映してございます。ただ、本日いただいたものもございますので、 今後また更に修正を加えることになるということは、御承知おきください。  それから、基本的に前回の案からの主な変更点を御紹介いたします。  まず、17ページでございますが、冒頭、第4と(1)基本的な考え方の間に追記をしてご ざいます。ここは、事前に送付したバージョンからも追記されているという格好になってお ります。ここは、第2と第3のそれぞれの内容を反映してこの第4というものを書いている ということを御紹介しているところでございます。  それから、このページの一番下の安全対策に関わる情報の評価と対策の実施という項は、 前バージョンの10ページにございました、むしろ後ろの方にあるものを移動してきていると いうことで、場所の移動だけでございます。  それから、18ページに移ってください。「(2) 医薬品行政に係る行政機関の体制とこれに 携わる人材の育成」というこの項目を新たに追加してございます。ここには「ア 体制の強 化」、「イ 人材の育成・確保の在り方」という内容を書いてございますが、特にアの部分 につきましては、来年度、新たにPMDAに100名増員することになったというくだりの部分 を御紹介してございます。それから、イの人材の育成・確保の在り方につきましては、これ までに各委員からいただいた人材を育成することがとても大事であるという御指摘を集約し て、ここに書き込んでございます。  それから、19ページ、「(3) 薬害教育・医薬品評価教育」でございますが、これも項目と して追加、新設をしてございます。このページの一番下、2つ目の・になりますが、ここは、 事前にお送りしましたバージョンから更に追加されている項目でございます。「製薬企業に おける教育訓練」ということも含めたということでございます。  次に、20ページに移ってください。こちらで承認審査につきまして、(2)と(3)、21ページに わたってですが、この項目を入れ替えてございます。その上、(2)の・の4つ目、20ページの 一番下になりますが、この項目が追加になってございます。PMDAの専門委員と審議会委 員との役割の違いということについての記述を追加してございます。  それから、21ページに移ってください。こちらで添付文書のあり方というところのイの項 目、効能効果の設定につきまして2つ目の・が追加になってございます。ここは、「適用外 使用について、患者の治療上の利益が確保される範囲において、医療現場における医師の医 学的に適正な判断によって実施される」というような趣旨のことが追加されてございます。  それから、(4)の再評価につきましては、基本的に中身は変わってございませんが、体裁を修 正してございます。  23ページにお移りください。ここの市販後安全対策でございますが、最後に「等」と1字 つけさせていただいておりますが、ここにも冒頭、事前にお送りしましたバージョンから追 記をしている3行がございます。ここは、「行政が、必要に応じて適切な対策を行う」とい うようなことをここに書いているのだということを明確にしてございます。  (1)情報収集体制の強化につきまして、項目の整理、順番の並べ替え等を行ってございます が、この項の一番最後に1つ追加になってございます。これは、事前送付したバージョンか らも追加になっている項目でございますが、「医療機関からの副作用報告のうちの死亡・重 篤症例の報告について、行政から当該症例に関わる医療関係者への直接の照会等の調査をや るべきである」という内容が追加になってございます。  24ページをごらんください。こちらは、まず、得られた情報の評価の中身の体制の部分で ございますが、このページ冒頭の2つの・が追加になってございます。1つ目の「チーム体 制における情報の伝達、評価のプロセスの明確化」というところ、これは、来年度からの増 員に伴って、市販後安全対策をチーム制でやるという形になってございますので、それに対 応した記述が追加になってございます。  それから、2つ目の・につきましては、「副作用のリスクの迅速な検出と、それについて の周知を図る」というようなことについて、特に3行目以降、「因果関係等が確定する前に も、安全性に関わる可能性のある安全性情報について公表し、一層の情報収集を行う予測的 な対応を強化する」という新しい考え方を提案してございます。これが追加になってござい ます。  それから、データマイニング、ファーマコゲノミクスについては、順番並べ替えをして表現 を少し追加しているということでございます。  それから、このページのイの項目の電子レセプト等のデータベースの活用、これは、これ までもレセプトデータベースについて、非常に重要であるという御意見をいただいておりま して、この部分について、項目上、各所に記載がされていたものをここに集約してございま す。そういう形で内容を整理し、表現等を整理して、情報として充実させたという格好にな ってございます。  それから、25ページをごらんください。情報の円滑な提供というところでございますが、 ここにつきましても、基本的には並べ替え、順番、整理をしてございます。それから、追加 として、前回バージョンに比べて追加になっているのは、真ん中よりも下の方になりますが、 「その他、中間とりまとめにおいても整理した、以下の点」ということで、中間とりまとめ で整理した点も改めて再確認ということで記載してございます。  それから、26ページにお移りください。こちらは、「(4) 新たなリスク管理手法の導入」 という項目が追加になってございます。ここは、欧米でも行われておりますリスク最小化管 理制度というものを我が国においても導入しようという考え方で来年度から取り組むという ことなので、その点を追記してございます。この中に、前回バージョンの9ページにござい ました企業の取組みにつきましても、ここに移動してございます。項目の(4)の中の一番下 の・でございます。  27ページにお移りください。こちらにつきまして、真ん中、(6)のすぐ上ですが、追加にな ってございます。これは、「電子レセプトデータベースが構築された場合のレセプト情報を 活用した患者本人への通知に関する方法を検討する必要がある」という御提案でございます。 これを追記してございます。  (6)の適正使用についての項でございますが、3つの項目のうちの下2つが追加でございま す。ここも、2つ目の項目の「適用外使用が行われる状況を阻害しないように配慮」という ことが追加されているのと、「広告を含めた情報提供全般に関して承認審査時にもチェック するべきである」という御提案を追記してございます。  それから、その次の「GMP調査」、ページが移って28ページ、「GVP、GQP調査」、 この(7)と(8)が追加になってございます。追加は(8)で、(7)は内容が充実したということでござ います。GVPはグッド・ビジランス・プラクティス、GQPはグッド・クオリティ・プラ クティスというものの略でございます。これが新たに追加になっているところでございます。 ここには、都道府県の薬事監視員の資質向上やその増員、人員の確保といったことが新たに 追加されてございます。  それから、(9)個人輸入でございますが、ここについて2つ項目が追加になっております。 「個人輸入された未承認薬に係る副作用情報の注意喚起を迅速にやるべきだ」という点、そ れから、「個人輸入代行を装って広告、販売を行っている者への監視・取締」という項目が 追加になってございます。  その次の「(4)健康被害救済制度」が追加になってございます。  29ページにお移りください。医療機関における安全対策につきまして、ここは、(1)の医療機 関の取組の強化の2つ目の・ですが、これがほかの項から移動してこちらに移ってございま す。「医療機関における副作用や感染症の使用記録等の保管を徹底する」という御提案をこ こに移してございます。  30ページでございます。専門的な知見を有効に活用するための方策の中の(2)知見の適切な 集積というところでございますが、ここに2つ追加がございます。2つ目と3つ目の・でご ざいますが、1つは、「臨床研究に関する倫理指針」が平成21年、来年度、この次の4月か ら新たに課せられることになっているということ。これによって、「被験者の保護が確保さ れるような対応を検討していくべきである」という御提案でございます。それから、もう一 つの・ですが、「臨床研究における研究者と企業の契約においても、適正な研究が実施され、 公表されると同時に、研究者の権利が保護される方策の検討」ということが追記されている ということでございます。2つ、いわゆる臨床研究についての最近の動き、問題点が追記さ れているということでございます。  以上が主な変更点でございますが、その他、文言上の修正、配列の変更、こういったこと は、事務局として最大限読みやすくということも含めて修正させていただいております。  それから、32ページ、一番最後のページの組織の今後のあり方につきましては、御議論いた だければということで前回のままとなってございます。 ○総務課長 それでは、続きまして、資料3、横長の資料をごらんください。今、資料2の最 後のページにもございましたけれども、「医薬品行政を担う組織の今後のあり方について」、 前回、森嶌座長代理から御指示があったような資料を含めて整理したものでございます。  開けていただきまして、目次を飛ばしますが、3ページは、7月の「中間とりまとめにおい て指摘された課題」ということで、いわゆるA案、厚生労働省に業務を一括するという案と、 B案、PMDAの方に一括するという案、これにつきましては、そこに書いてありますよう に、課題を御提示いただいて、今後更に検討するという形になったというまとめでございます。  進んでいただきまして、4ページ以降が新しい資料ということでございますが、まず、5 ページ目、「各行政主体とその権限」ということでございますけれども、要するに、本省と、 それから独立行政法人など各種の行政主体が、どういうことができるのか、あるいはどうい う権限が持てるのかということについての資料ということでございます。結論から言います と、5ページに書いてございますように、幾つか法理論的な整理はあるんですけれども、最 近は、もう立法政策によるということで、かなり各種の法人に行政権限がゆだねられるよう な傾向がございます。  6ページ目は、行政主体の類型ということで、広義の行政主体の区分分けをしたものでご ざいます。1は統治団体たる行政主体と言っておりますけれども、国、地方公共団体、ここ が基本になるわけでございますが、2あるいは3にございますように、独立行政法人であり ますとか、指定法人、登録法人といったところが、かなり行政権限を持つ形になっていると いうことでございます。  7ページに参ります。これは、今のPMDAが発足いたしました平成16年における、PM DAと本省の役割分担の整理の考え方ということでございますが、本省におきましては、基 本的政策の企画立案、あるいは法律に基づく承認、行政命令などの行政措置を実施する。そ して、PMDAの方では、行政的判断の伴わない以下の業務を実施するというようなことで、 典型的なものは、1つ目の・にありますように、承認申請のあった医薬品等の審査・調査、 承認までは行かないということでございます。あるいは、最後に企業からの副作用報告の整 理・調査、こういうことを行うという形で、その当時は整理をしたということでございます。  飛んで恐縮ですが、8ページに参ります。こちらは、独立行政法人には公務員型と非公務 員型とございますが、この非公務員型についてどういうことができるのかということを、独 立行政法人通則法などをもとに整理をしたものでございますが、結局、3というところをご らんいただきますと、そういう法人の業務の範囲につきましては、「法律に基づき主務大臣 から委任されたものを含め、個別法により定める」ということになっておりますので、それ ぞれの法人の法律でどこまで書き込むかというところが大きうございます。ただ、共通的な ものといたしましては、3の2つ目、3つ目の○に書いてございますけれども、主務省、例 えば厚生労働大臣の公権力の行使の一環として、立入検査については法人の方が行える。あ るいは、滞納処分といったものにつきましては、主務大臣の認可を受けた上で実施するとい うのが基本的な考え方ということでございますが、必ずしもすべての法人についてこういう 整理ができるわけではない。  9ページに参りますと、そういう立入検査あるいは滞納処分といったもののほかに、法人 が担っている行政権限といたしまして、例えば3の下から2つ目の・でございますけれども、 建築基準法に基づく建築確認、建物を建てる前に確認を取らないと建てられないということ でございますが、そういうものについても検査機関にゆだねるとか、あるいは薬事法の関係 でも、比較的リスクの低いものということでございますが、製造販売の認証といったものに ついても、登録・認証機関にゆだねているということがございます。  10ページでございますけれども、これは、独立行政法人の制度の創設にかかわられた藤田 先生の教科書から引っ張ったものでございます。結論的に言いますと、そこの最初のアンダ ーラインにございます、どういう業務をやるかということについても、公権力の行使に当た るものから非権力的な文化活動に至るものまで、さまざまなものが存在するのであって、こ のうち果たして何がどこまで独立行政法人制度になじむかということは、必ずしも明確でな いという解説がございます。  それから、11ページは、そういうことでございまして、比較的新しい行政法の流れといた しまして、櫻井先生と橋本先生がまとめられました行政法の中では、私人といいましても民 間法人というのがほとんどでございますが、「私人の行う行政処分」というようなとらえ方 もなされているというようなことでございます。  幾つか申し上げましたが、要するに、本省がどこまでやらなければいけないか、あるいは独 立行政法人がどこまでできるかということについては、独立行政法人始め、各種法人ができ る方向に立法政策は動きつつあるということでございます。  それから、12ページに参ります。こちらは、そういう法制度、法理論的な話というよりは、 各行政主体がどういう予算環境あるいは運用環境に置かれているかということを整理したも のでございます。いわゆる行政改革の流れということでございますが、13ページをごらんい ただきますと、国の行政機関の中でのいわば制約というものにつきましては、1の定員の削 減というところにありますように、平成18年度以降の5年間で国の行政機関の定員を5%以 上純減するという、これはもう法律で定まっております。  それから、下の方の独立行政法人につきましては、同じく平成18年度からの5年間という ことでございますが、こちらは、5%以上の人件費、頭数ではございませんで、人にかかわ る費用の削減を5%行うというような形で、こちらも行政改革推進法に基づいてそういう決 定がなされているということでございます。  以下、14ページ以降は、今申し上げましたことの根拠ということで、法律あるいは閣議決 定をずっと入れております。少し性格の違うものといたしましては、19ページがございます。 こちらは、人件費以外の予算、費用というものがどうなっているかということで、こちらは 法律に基づくものではございませんが、19ページの下の方に閣議決定というものがございま して、いわゆる一般管理費あるいは事業費というものにつきましても、できるだけ効率化目 標を設定した上で削減していくんだという閣議決定がなされております。そういう結果、P MDAにおきましてはどういう削減という形になっているかというと、これは、実は財務省 が統一的な方針のもとで査定をしておりますので同じでございますが、一般管理費というい わば総務的な費用ということでございますが、こちらにつきましては5年間の15%程度、毎 年3%程度の額を削減する。それから、事業に要する費用ということで事業費につきまして は5%程度の額ということで、毎年1%ずつ削減するんだというような形で、独立行政法人 制度につきましては、法律上の仕組みではございませんが、かなり制約がかかっているとい うことでございます。  20ページに参ります。こちらは、今後の医薬品行政、これは別に本省、機構にかかわらず ということでございますが、それが担う「スタッフに求められるもの」ということで、幾つ か参考資料を整理いたしました。  21ページは、PMDAの常勤役職員数の現状ということでございます。今年の1月1日現 在で、総員が430人、そのうちの審査部門に179人、安全部門が40人という数字になっており ますけれども、このうちで、いわゆる技術系の職員につきましてのバックグラウンドが一番 下に書いてございます。現状におきますと、薬学が223人ということで相当のシェアを占めて いるわけでございますが、医学・歯学27人、工学23人といったことで、そういうところも増 えているという状況でございます。  それから、22ページ、こちらはPMDAにおける研修あるいは人材育成ということで、ど ういうプログラムに基づいてやっているか。平成19年度から新しいプログラムにのっとって やっているということでございますが、詳細な説明は省略いたします。  次は、アメリカFDAの人材・ポストについてという資料でございます。アメリカにつき ましては、御承知のとおり、我が国と雇用形態がかなり変わっておりますので、FDAのポ ストに空席が出ると、基本は公募だというような仕組みになっておりますけれども、下の方 をごらんいただきますと、FDAの安全部門をどういう職種が担っているかということにつ きましては、例えば1つ目は臨床薬剤師、あるいは疫学の専門家といった医師等、あるいは 健康科学の分析官、あるいはデータベースを支援するスタッフとかというような形で、やは り我が国のPMDAと同じような専門職が、割合はかなり違うかもしれませんが、担ってい るということでございます。  24ページでございます。こちらは、国家公務員制度改革基本法ということで、これは、本 省の職員を念頭に置きまして、どういうキャリアアップシステムを求めているかということ でございますが幹部職員というのは、いわゆる本省で言いますと部長、審議官以上というこ とでございまして、管理職というのは課長、室長と考えていただければいいわけでございま すが、下の方で6条の第3項というものがございまして、管理職員となるには、一番下の第 4号というところがございますが、国の複数の行政機関あるいは国以外の法人において勤務 させることによって、多様な勤務を経験する機会を付与するということで、幹部職員になる には、専門性をきわめるというよりは、かなりいろいろな業務を経験させるという方針のも とで、これから公務員制度の改革というものがなされていくというようなことでございます。  それを具体的に表しているのが第5条の幾つかの下線ということでございまして、幹部職 員等というのは、幹部職員と管理職員の両方ということでございますが、できるだけ府省横 断的に人事配置をしていく方針が取られているということでございます。  次が、医薬品行政に求められる監視機能ということでございます。こちらは、26ページ、 これは中間とりまとめの記述、それから、前回までに各委員からお出しいただいた御意見と いうのをまとめたものでございます。  27ページは、国あるいは独立行政法人の監視をする組織にどういうものがあるかというと、 予算からチェックをする財務省がある、あるいは組織・定員からチェックをする総務省があ る、あるいは行政改革という観点からチェックをする内閣官房がある、それから、28ページ ですけれども、行政評価ということで、こちらは組織、定員、予算というよりは、業務の実 施状況をチェックする行政評価局がある。  それから、独立行政法人の関係では、各省共通的な評価委員会として、総務省に独立行政 法人の評価委員会が置かれておりますし、それから、厚生労働省所管の法人につきましては 厚生労働省の中の評価委員会がございますし、御承知のとおりかと思いますけれども、PM DAにつきましては、その中に運営評議会というものがスタート時から置かれているという ことでございます。  29ページは、監視機能に絡んで幾つか「消費者庁」というお話がありましたので、消費者 庁というものがどういうものかということについての資料でございます。内閣府の外局とし て設置していくということでございますけれども、基本的には、消費者の利益擁護・増進と いうものに関します基本的な政策の立案ですとか調整を行うという形の機能になっておりま すし、それから、所管法律としては、消費者安全法案という形でございますけれども、各種 の消費者の消費者被害の情報を集約して、そして分析をして、そして、必要に応じて所管大 臣に取るべき措置を求めるなどの流れになっているということでございます。 ○安全対策課長 資料の3番、30ページからは、「安全対策の充実強化」の内容でございます ので、私の方から御紹介させていただきます。  31ページが、市販後安全対策の体制強化ということで、先ほどの本文の御説明の中でもご ざいましたが、新年度から100人増員ということがいよいよ実現するということで、その中身 をどのような形で考えているかということを整理しているものでございます。  ポイントは3つございます。情報の評価の質的向上ということのために、専門性のあるチー ム制を取るということがポイントでございますし、それから、データベースの活用もやって いこうということが1つです。  それから、2つ目に、情報収集体制の向上ということで、この中には、膨大に集められた データの中から、データマイニングの手法を使ってシグナルを検出する方法を実際に応用し ていくということや、患者さんからの情報をいただくという点でも、薬相談事業の充実とい うことも入っております。それから、外国からの情報という意味では、直接職員を派遣する という情報収集をやっていこうということがございます。  3つ目の柱でございますが、これは、集めた情報、気づいた情報を提供するということで ございます。これについてはITを、これはプッシュメールという方法を今考えております が、これを医療機関への情報伝達に活用していこうといったこと、それから、さまざまな情 報をデータベースも含めて利用しやすい形で提供していく、こういったことを進めていこう ということが、100人増員したことによって、より着実にできるようになるという考えでござ います。  その具体的な、組織的な、どこにどういうふうに人を配置するのかということの概略でご ざいますが、それが次の32ページでございます。これは、左側が本省、厚生労働省の安全対 策課、ここに新年度1人増員されるんですが、今回は、この大きな箱のPMDAのところに、 現在39人のところを139人に増員すると。その増員の仕方は3つの柱で御紹介しましたが、安 全情報の提供、あるいは医療安全の推進のところを5人から21人、副作用等の分析評価、あ るいは添付文書の改訂の指示、検討といったことについて22人から78人。ここがチーム制と いうところです。それから、その下のデータマイニング等の調査分析技術の向上というとこ ろが6人から28人という形で、このあたりを連携を取ってやっていく体制にすることを考え ているということでございます。  チームの具体的なイメージというものを次のページに示してございます。33ページ。ここ の説明でございますが、現状では、今の人数で領域を2つに分けて2チームでやっていると ころが、もっとそれぞれの診療領域、薬効領域に分けた形の12チームという体制にしたいと いうことと、それぞれのチームの中には、医学の専門家、臨床医、それから毒性の専門家や、 あるいは生物統計・疫学の専門家がそれぞれ加わるという形で専門性を高めた形のチームを 編成する。これは、新薬の審査チームに対応するようなスタイルを導入しようと考えている ということでございます。  その次の34ページからは、外国の規制当局との比較ということでございます。既に何度か 御紹介しているところでございますが、できるだけ新しい情報を盛り込んで改訂してござい ます。  ここの一番最初の35ページ、日、米、欧州それぞれの人員についての比較をしたものでござ います。この中で日本について、審査関係が310から483に増えるというところに対して、こ の安全対策関係66人というのが、これに今度100人プラスされるという形になってくるという ことが、これを見ると御理解いただけると思います。  36ページは現状でございまして、これが現状、ありのままを御紹介したものでございます が、その次の37ページは、どのような情報が来ているかということを御紹介したものでござ います。それぞれの報告の件数については、できるだけ新しい情報で修正・改訂をしてござ いますが、基本的に日本とほぼ同じぐらいの規模の情報量が来ているのが、一番右端、英国 の件数、分量というのが比較的近い格好になっているのがごらんいただけるかと思います。 それから、米国につきましては、相当たくさんの報告が来ておりますが、この中に判断に困 るような情報がかなり大量に入っているということも新たに明確になりましたので、その点、 注記として記載してございます。  次のFDAの組織図ですが、非常に大きな組織でございますので、これは全体の大きなセ ンター単位の構図が38ページ、それから39ページが、その一部のCDERという医薬品評価 センターの中身でございます。  そして、その次の40ページは、CDERの中で安全対策に特に絡んでいるセクションを3 つ抽出いたしまして、そこの人員体制あるいは業務の連携関係ということにつきまして整理 してお示ししているものでございます。これがアメリカの状況です。  それから、41ページが、英国のMHRAという規制当局の体制・人員を御紹介したものでご ざいます。この人数、あるいはそれぞれの分配をごらんいただきますと、一応、私どもが考 えている32ページに示しました今後の体制と比較的似たような規模・体制にあることがごら んいただけるかと思います。  ここまで、資料の御説明でございます。それで、1点、この後の資料4として参考の資料 がお配りしてございますが、その資料の1枚めくって3ページのところに、「医薬品安全管 理責任者の状況について」ということで、前回、御指摘がありました医療現場における安全 管理の責任者というものがございますが、その現状についての資料の御紹介をしています。 ただ、紙だけですとなかなか様子がわからないということで、これに加えて、委員会の先生 方に虎ノ門病院の視察をしていただいてはどうかということを考えておりまして、そのため に日程を御確認いただくような調査票を配付してございますので、その参加の御希望の日時 を含めて御回答いただければと思います。事務的な連絡で申し訳ございませんが、よろしく お願いいたします。 ○医薬品医療機器総合機構 最後に、資料5につきまして、私、PMDAの企画調整部長でご ざいますが、御説明させていただきます。  前回の委員会におきまして、先生から、平成18年末の新薬審査体制の充実強化の経緯につい て資料を提出して御説明するように御指示いただきました。資料5の3ページ目以降がその 関係の資料でございますけれども、3ページにございますように、平成19年3月6日の運営 評議会の資料といたしまして、欧米で既に使用されている医薬品が我が国で使えないドラッ グラグの問題が発生していることを背景に、政府の総合科学技術会議におきまして審査人員 をおおむね3年間で倍増するというような提言がなされたことを踏まえまして、18年度末に 当機構の中期計画の改正を行い、審査の迅速化に向けた取組みを開始することとなったとい うことでございます。  具体的には、10ページをお開きいただきたいんですけれども、ここにございますように、 2004年度の世界売り上げトップ100品目について調べましたところ、日本においては、平均し て世界初上市から約4年遅れて上市されているということで、最も遅れの少ない米国と比較 しておよそ2.5年の差があるということでございました。この2.5年を5年間で短縮しようと いうことで、13ページになりますけれども、年度別の目標設定ということで、まず2009年度 まで、来年度までの3年間で審査人員を236名増員するということ、それから、先ほどもござ いましたけれども、FDAを参考にした研修プログラムを導入して研修を充実するでありま すとか、あるいは、申請前の相談業務を質・量ともに大幅に拡充するとともに、相談業務の 一部として、事前に毒性、薬理等のデータについて評価を行う制度を導入するといったこと を内容とするアクションプランを設定いたしまして、23年度までに目標の期間短縮をすると いうことでございます。  その関係で、12ページの資料の承認審査期間の上から2つ目のところで、承認審査段階か ら市販後の安全監視計画に対する助言・指導の実施というものが盛り込まれております。こ の中身につきましては、ここで主に御審議いただいています市販後の安全対策ということで はございませんで、あくまで治験相談あるいは承認審査業務の一環として、できるだけ早い 時期から市販後の安全監視計画に対する助言・指導を行っていこうということでございまし て、承認審査の一環として行うというものでございます。  それから、引き続きまして、14ページ目以降が「主な事業実績」ということでございます けれども、まず、この間でございますが、16ページ、17ページに、これは先ほどございまし たが、一応、こういう形で増員を図ってきているところでございます。特に、我々としては 臨床医学の審査員の数が不足していることがございまして、現在、臨床医出身の理事長を先 頭に人材確保に努めておりまして、非常に成果が上がりつつあると考えております。  19ページ目、20ページ目が治験相談、それから新薬の承認期間のデータということでござ いますけれども、相談の件数はここのところ毎年増加してきておりますし、審査期間につい ても、まだ米国とは差がございますが、非常に短縮の方向に向かいつつあるということでご ざいます。  その他、新薬関係の取組みにつきましてございますが、説明は省略させていただきます。  最後に、25ページ目以降がPMDAの「第二期中期目標・中期計画(案)の概要」という ことの資料でございます。PMDAは平成16年度に発足いたしまして、今度末で今の中期目 標・中期計画の期間が終了しまして、この4月から次の第2期の中期目標・中期計画期間が スタートすることになっております。現在、3月末にそれを決定するということで、当機構 の運営評議会あるいは厚生労働省、総務省の独立行政法人評価委員会の手続を進めていると ころでございます。  内容につきましては、まず、安全対策の関係で申しますと、先ほど、安全対策課長から御 説明がありましたような形で、100人増員いたしまして、63ページ目以降になりますけれども、 評価・分析機能、あるいは情報提供機能等を充実していこうというような取組みの内容にな っております。  あと、承認審査の関係につきましては、先ほど、新薬については5年間の計画がございま したので、その残り3年を達成する。更には、医療機器の関係につきましても、53ページ目 以降になりますが、承認審査体制を充実強化していくというようなプロジェクトが盛り込ま れております。  更に、健康被害救済業務の関係でございますけれども、40ページになりますが、今の審査 期間をもうちょっと短縮する。今、8カ月を目標にしていますが、6カ月に2カ月短縮して、 迅速な救済を図っていきたいということでございます。  それから、予算の関係が70ページ目に資料がございますけれども、PMDAの第二期5カ 年間の予算ということで、上の方の図がございまして、私ども、審査等は手数料財源、それ から安全対策、救済については拠出金財源ということで運営しております。そして、71ペー ジ目が、そのうち審査等勘定の審査セグメント、安全セグメント、それから副作用救済勘定 の収入予算の財源構成ということでございますが、審査につきましては手数料収入が96%、 国庫からの支出金が2.7%等々となっております。それから、安全対策につきましては、拠出 金収入が75%で、国庫からの収入が、今回、予算措置をいただきました関係で24%というこ とで、平成20年度が16%でございますので、そこからはかなり増えているという状況でござ います。  なお、この中期計画でございますが、一応3月末ということでございますけれども、この 検討委員会におきまして現在出されている議論の結果がまとまった段階で、政府としてどう いうふうになるかということになるかと思いますが、そうなりました段階では、この中期計 画につきましても、それを受けて必要な見直しを行うことになると考えております。  簡単でございますが、以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございました。既にお読みいただいているかとも思うんですがそれに ついての説明でした。非常に膨大な資料でございますけれども、これに基づいて後で議論を していきたいと思っています。  それで、この段階で堀内委員の方から、今、事務局から説明がありました資料2の第2と も関係してまいりますので、研究班の作業状況、そして今後の予定等について簡単に御報告 いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○堀内委員 本日お示ししましたが、資料1−1から1−4までということで、だんだん膨大 なページ数になってきておりまして、急に読めと言われても読める量ではないと思いますし、 当日配付ということでまた御迷惑をかけておりますが、3月いっぱいで今年度の報告書をま とめようということで、鋭意、全体像を整理して、その検証をやっている最中でございます ので、御了解いただきたいと思います。  そうは言いながら、次回、3月18日に検討会がございますが、それの前にできるだけまと まったものを配付できるようにして、とにかく3月いっぱいである程度の報告書をつくるよ うにしたいと思っております。委員からいろいろな御意見をいただいておりまして、それに ついてはできるだけ、反映させられるものについては反映する努力はしておりますが、必ず しもすべてを反映できているわけではありません。  特に、先ほど坂田委員から出ましたヒアリングとかアンケートについては、どうやったら いいかという検討は行っておりますけれども、まだ結論が出ているわけではありません。30 数年前のことですので、それを再現をしたいというお話が先ほどありましたけれども、再現 をするのには時間がたち過ぎているかなという気はいたしますが、できるだけ努力をしたい ということです。ただし、今年については、ここに今日お示ししましたアウトプットイメー ジの中身をごらんになっていただくとわかると思いますが、これまでいろいろ集められる資 料等に基づいた検討でございまして、今言ったようなヒアリングだとか、更に、当時の産婦 人科の医師等についてのアンケートを取るとかヒアリングをやるということになりますと、 今年はとてもできません。これは、例えば1人のヒアリングをやるに対しても、半日かと1 日仕事になってしまうということもございまして、とても簡単にはいかない仕事だと思って おります。もし、来年度、班会議が続くということであれば、そういうことを中心にもう少 し詰められるところまでは詰めたいと思っておりますが、これは、来年度、班会議が続くか どうか、それ次第だと思っております。  取りあえずは現状の中で、3月いっぱいで報告書をとりまとめたいというように考えてお りまして、坂田委員おっしゃるように、ヒアリングとかアンケートまでできる時間的余裕も ありませんので、その辺について御容赦いただければありがたいと考えております。  ですから、3月いっぱいまでにやることは、この整合性をもう少し、今、検証を幾つかに 分担してやっておりますので、その整合性を取ることと、それを報告書にまとめること。更 に、大変大きなものですので、その中から要点についてまとめるということをやりたいと思 っております。 ○寺野座長 ありがとうございました。堀内委員からかなり大部の資料が配付されております けれども、今日ごらんになったことで十分に見られないということですが、それをごらんに なった印象、それから、次回にかなりまとめたものをいただけるということでございますの で、その内容については、また次回ないし次々回の議論になるかと思います。 ○堀内委員 来週も班会議をやることになっておりますので、大変申し訳ございませんけれど も、できるだけ早く目を通していただいて、御意見をいただければ、できるだけ早くという 形にしたいと思っています。 ○寺野座長 いつものとおりにファクスでもメールでも、御質問、御意見の内容を事務局にお 送りいただきますと、堀内委員会の方に届くようになっておりますので、よろしくお願いし ます。  それでは、ここから少し時間をかけまして議論をしたいと思うんですが、資料2の「提言と りまとめに向けた議論のための資料」というものがございますが、これに従って進めてまい りたいと思います。  一斉にこれをやると混乱しますので、これを3つに分けまして、まずは「第1 はじめ に」から「第3 これまでの主な制度改正等の経過」というところを一くくりにします。こ れに30分ぐらいかけたいと思っているんですけれども、4時までに終わるというと30分かけ られないかもしれません。少し延びるかもしれませんので御了解をお願いします。第2のく くりとしましては、「第4 薬害再発防止のための医薬品行政等の見直し」の(1)から (6)までを一まとめにしたいと思います。これも20〜30分ですね。そして最後に、第4の (7)、一番最後のところですけれども、医薬品行政を担う組織の今後のあり方ということ で、これは自由に発言していただくということで、これまでの中間取りまとめも含め、そし て今後の組織のあり方について自由に御発言いただければと思っています。  時間的な制限がございますが、また次回、次々回にも議論の機会は十分ございますので、 それも考えに入れながら御議論いただければと思います。いつものとおり、できるだけたく さんの方に議論していただきたいと思っておりますので、1人の方が余り長く御発言なさら ないで、簡潔にお願いしたいと思っています。   それでは、意見もたくさんいただいております。先ほどの坂田委員、堀委員、それから大 平委員、私の手元にあるのはそれだけですが、委員からも御意見をいただいておりますので、 それも含めまして御発言いただければと思います。  それでは、まず最初に、第1の「はじめに」というところから、「薬害肝炎事件の経過か ら抽出される問題点」、これまでずっとやってきたことですね、それから、「これまでの制 度改正等の経過」ということについて、この点について御意見あるいは御質問がございまし たらお願いいたします。どうぞ、水口委員。 ○水口委員 水口です。  まず、「はじめに」について意見を申し上げたいと思うんですが、第2段落から第3段落に 討議の経過が記載されていて、それで、設置目的とこの検討会の基本的な考え方が分断され てしまっているんですね。ですから、私はこの第2段落、第3段落の討議経過の記載の位置 は、ちょっと再考を要するのではないかと思っている点が1点です。  それから、もう一つ。先ほどの坂田委員の御意見とも関連するんですけれども、この第3 段落、2ページの冒頭からずっと、要するに、この委員会ではこの提言をどういうふうに位 置づけて、今後どうするのかということについて随分いろいろと意見が分かれましたよとい うことが書いてあるわけですね。そして、こんな意見が出ましたということをただ羅列して、 その後、以上の経過に基づき、まとめを行うということになっているわけです。これは普通 の人が読んだら、「一体この委員会は何を考えているんだ。」となると思うんですね。つま り、委員会が、自分の委員会の提言の位置づけについて、明確な見解を統一的に持っていな いということを「はじめに」のところで、言葉は悪いですけれども、自白するような内容を ここに書くというのはいかがなものかと。その後、いかに立派なことを書いても説得力が一 気に薄れるのではないかと思っています。  個々の提言の内容については、見解が対立してまとまらないところは両論併記などがあっ ても、場合によっては仕方がないときもあると思いますが、この委員会が自分たちの提言を どういう位置づけで出すのかということは、やはりきちんとまとまるまで議論をして、はっ きり結論だけきちんと書くということをするべきなんですね。  そういう意味では、この検討委員会の提言がいわゆる1次答申のようなもので、先ほど、 「平成20年度提言」という言い方とか「第1次提言」という言い方について坂田委員から御 提案がありましたけれども、そういうものと位置づけて、「我々はまだまだ仕事があると思 っています。これから来年度も引き続きやります。」ということを明確にして提言を出すの か、「もうこれで基本的に一たん終わりにいたします。」ということで出すのかというのは 根本的な問題ですから、ここはやはりきちんとこの委員会の中で、今日あるいは次回でも結 構ですけれども、きちんと意見交換をして、少なくとも委員全員としてはどういうふうに考 えているかということをはっきりさせる必要はあると思うんですね。厚生労働省が予算をど う組むかとか、来年度どうするかということは、それはいろいろな問題があるかもしれない けれども、私たち委員は、やはり一定の志を持ってここに座って、いろいろ今まで時間を使 ってきたわけですから、私は、そういう立場からしてこの提言をどう位置づけるかというこ とについては、意見の一致を見るまで議論をし、きちんとした結論を出すべきであると、思 っています。  その観点から、私の意見を申し上げれば、少なくとも時間が足りない、やるべきことをや っていないということは、今日までの検討会の各委員の発言の中から既に見えてきたところ です。ヒアリングも含めて研究班にやっていただきたいこともありますし、そういうものの 結果も受けた上で、また最終の提言を出したいというのは委員共通に思っているところでは ないかと私は理解しております。この点、ほかの委員の先生方の御意見も伺ってはっきりさ せていただきたいと思っております。 ○寺野座長 ありがとうございます。水口委員の方から、はじめにのところの構成がおかしい のではないかという御意見と、それから、今後の方向についてもっとはっきりしろという御 意見だと思います。  2ページのこういう意見、こういう意見が出されただけで、自白しているということなん でしょうけれども、それに基づいて提言のとりまとめを行うという表現はおかしいというこ となんですが、これはそのとおりだと思いますが、これはあくまでたたき台的なものとして 考えていただいて、これは完成品ではありませんので、当然、今から皆さんの御意見を入れ てまとめていくつもりですので、今のところはこういう表現になっているんだと私は解釈し ているんですが、これはまた、皆さんの御意見をいただきたいと思います。  それから、今後どういうふうにこの委員会をやっていくのか、この提言をどういうふうに まとめていくのかと。3月にまとめる提言の内容というものがどういう内容なのか。それは、 さっき坂田委員からも御意見がありましたけれども、平成20年度の提言ということで、第1 次とか第2次とかだと第1次ですよね、そういう提言にするのか。少なくとも最終提言には してほしくないという御意見がありまして、私もそれはよく理解できるんですが、この辺は、 この委員会の皆さんの御意見に基づいて結論を出したいと思っているんですね。ですから、 どんどんこの点に関しても意見をいただいて、その上で、来年以降は、もうやってもいいと いうことは大臣からも前々から言われておりますので、そこも含めて、今度の提言でどこま で出して、そして来年以降、ヒアリングも含めてどこまでできるのかという議論もしていた だいて、それに基づいて考えていきたいと思うんです。来年だけで済むのかどうかというこ ともわかりませんけれども、その辺はかなり柔軟に考えておりますので、時間的に迫ってお りますが、そういうことも含めて御意見をいただければと思います。  どうぞ、大平委員。 ○大平委員 意見書を出させていただいているんですけれども、この、はじめにのところの問 題と関連はいたしますが、第1次答申にするのか、それとも最終段階にするのかどうかとい うところはちょっと、また皆さんの御意見があると思うんですが、私は、ある程度、図面と いうんですか、こういう方向の何かイメージがあるよということをここである程度まとめて 提言しておかないと、その後の、例えばこの後、それを詰めた委員会を行っていくにしても、 何か常に目標のない検討をずっと続けていくような感じを危惧するんですね。  ですから、漠然と言ったら怒られるかもしれませんけれども、ある程度、ここでの検討で 再発防止、そしてまた抜本的な医薬品のあり方とか、私は、医薬品庁というような感じで出 しましたが、そういうような形の何かイメージを一つモデルにして、それを検討していくこ とも大切なのではないかと思います。そこにいろいろと埋めていく作業とかというのは、ま だまだこれから膨大な作業があるのではないかと思いますので、今後の10年、20年、私たち は、ここの医薬品行政がいつも揺らいでいるというのは大変遺憾なことであると思いますの で、それが揺らがない組織としての何かきちんとしたものを、本当はここに参加した意味と しては、そういうものができるだろうというような、一緒になってつくれるんだろうなとい う感じで参加させていただいているものですから、是非そういうことを念頭に考えていただ きたいと思います。  もう一点、全体にまとめたこの資料の中で、やはり人の姿というのが余り見えていないんで すね。薬事、薬事という感じで出てきていて、本来、今の社会は、患者をどうやって支えて いくか、みんなが、社会がどういうように支えていくか、そして、その安全性とかというも のも含めて、国民の命と健康を支えていく大切な組織なんだよというところをここにある程 度明示して、そのもとに何か一つ一つの課題をそれに集約していくというような感じを描い ていないと、私としては何か合点がいかないなと思いました。  これは余談かもしれませんけれども、アメリカでは、オバマ大統領になって、かなり医療 に財政を投与して、そして、国の3つの柱の一つにしたいというような方向性が出されてい る昨今ですので、そういうものも含めて、日本もこういう薬害を重ねてきた問題について、 もう少しというか、本当に抜本的にいろいろな手当てを皆さんと一緒に考えていきたいと思 います。 ○寺野座長 ありがとうございます。今の御議論、先ほどの水口委員の御議論も踏まえますと、 今の議論の進め方として、最後の第3番目に議論すると言っていたことがそのままなんです ね。ですから、そこも含めた議論をここでやってしまった方がいいでしょうね。先に3つに 分けると言いましたけれども、今後の方向とかそういうことに関して、ちょうど今の総論の ところも含めてありますので、第2のくくりを後にしまして、第3番目に議論するというと ころも含めて、組織の問題等々についてここで先にやってしまいますかね。  第2の方も、これは組織の問題が具体的には結構あるんですけれども、抽象的に、今後ど ういうふうにやっていったらいいのかということ、あるいは最初に、今の大平委員の、人の 問題と言っていいのでしょうか、大平委員の御意見も、はじめにのところ、この辺の総論的 なところできちんと出すべきだという御意見だと思うんです。ですから、そこの辺も含めて、 余り細かく厳格に分ける必要はありませんので、御意見をいただければと思います。  清水委員どうぞ。 ○清水委員 基本的な問題として、これだけ膨大な資料を1〜2カ月で処理するなんていうの は全く不可能だと思いますので、まずは、この委員会は、もう来年度も続くんだ、研究班も 続くんだという基本姿勢にのっとって、中間報告が必要であるならば出すという基本路線は 明確にされておかれた方がよろしいのではないでしょうか。それで、3月末までに、では、 どういうことについて明確な結論を可能ならば出すという、そういう議論の進め方の方が、 焦点が絞られていいかと思うんですね。  今、座長が言われたように、例えば組織のあり方ということに焦点を絞ってやるというな ら、それも私は賛成ですけれども。 ○寺野座長 ありがとうございます。これは、確かに私もそれを考えているんですけれども、 来年以降のこの委員会の継続といいますか、それを、一応そういう形でやってもよろしいと いうことは大臣の方からも言われておりますし、もしここで皆さんの御意見をいただいて、 来年以降もこの形、あるいは研究班のあり方というものを含めて継続すべきであるというこ とであるならば、これは、私だけの意向というわけにもいきませんけれども、局長もいらっ しゃっているので、事務方の意見も交えて、今回の提言で大体どこまでやるんだということ を明確にしていく必要があると。私もそれを考えています。  私は基本的に、今、清水委員も言われましたように、これだけの膨大な内容、それから堀 内委員会でこういうように今まで検討していただいた内容が膨大なものでありますので、こ この問題の検討と、それから、それが安全性にどう結びつくか、そしてもう一つは、夏まで の検討でA案、B案なんてやっていましたけれども、その組織のあり方という問題は、やは り関連しながら、それぞれに焦点を絞って議論しないと、確かに何をやっているのかよくわ からんということになることは事実だと思うんですね。  ですから、来年以降のPMDAと医薬食品局と厚生労働省とのあり方とか、特にPMDA のあり方を今日は説明していただきましたけれども、そこをどういうふうに持っていくのか ということについて、ある程度の考え方はやはり出しておく必要があるのではないか。前に 言ったようなA案、B案のどちらだという議論に結論がつくとはとても思えませんけれども、 両論併記ということもあり得るでしょうが、そこら辺は今回出しておく必要があるだろうし、 この間の夏までのところでは、概算要求というものがあって、そのために急いで一定の結論 を出さなければいかんということがあったんですが、来年以降においてはどういうものが必 要なのか、どういうことを目指しているのかということを、PMDAのあり方等も含めて、 これは事務局の方で、大体どういう過程かということを今わかっている範囲内で説明してい ただきたいと思います。 ○総務課長 来年度以降は、勿論この検討委員会でいただいた結論をもとにどうするかという ことでありますけれども、事務的にまず申し上げられますことは、先ほど大臣から、来年度 予算の話しがありましたが、特に検証作業に必要な研究費につきましては、来年度予算の成 立のめどがついたということで、今年度と同額かどうかはわかりませんけれども、できるだ けの活動ができるような形で、事務方としては確保したいと思っております。  それから、検討の進め方ということについて、あくまで御参考ということでありますけれ ども、いろいろな方向性をこの委員会で出していただいた後に、例えばの話でございますが、 薬事法の改正をするという形になりますと、それはまた別の観点から細かい制度の肉づけが 必要になってまいります。あるいは予算、組織といったことにつきましては、恐らく単年度 ではなかなか解決がつかない問題もあると思います。そういう意味では、大きな方向は是非 とも3月中にお出しいただきまして、その上で、まだまだ検証が終わっていないから引き続 きフォローアップが必要だ、あるいは、そしゃくできていない問題点もあるということであ れば、更にこの検討会で方向性をお決めいただければ、事務方としては、それをもとに大臣 と相談して、できるだけ検討会の結論が反映できるように取り組んでいきたいと思います。 ○寺野座長 この委員会の進め方というのは、確かに、今言われたように予算との関係、予算 が出なければ、第一この会そのものが開けないということですので、研究班の研究について は予算のめどが大体ついたというお話ですけれども、それからPMDAの改革についての増 員という問題についてはついたということですが、この委員会を来年、再来年になるとまた わからないんですが、来年も継続するということに関しては、予算的に見たらそれは可能だ ということに解釈していいですか。 ○総務課長 この委員会自体の経費というのは別にそんなに大きな金額ではありませんので、 そこは、予算というよりは、どういう方向でこの委員会を来年度以降持っていくかという、 この委員会の検討結果にかかっていると思っています。 ○寺野座長 そういうことを前提にして、皆さん、来年は絶対やるべきである、続けてやるべ きであるということの総意が得られれば、そういう形で進めて、それを前提として来年度ど ういうことをやっていこう、それで研究班も、堀内先生は大変ですけれども、また更にヒア リングを含めてやっていただくという前提で、では、3月までのあと2回のところでどこま でまとめるかを考えていきたいですね。  今のことに関して御意見がありましたら。どうぞ。 ○水口委員 私が先ほど申し上げたかったのは、来年も継続するということの確認をしていた だきたいということと、もう一つ、3月までに、それは最終ではないということを明確にし た上で、一定の提言を出すということです。一定の提言を出すということ自体については是 非やるべきで、今日までの間に報告書案が出ているわけですから、できる限りこの報告書案 に盛られていることで、委員の中で意見の一致を見る部分は提言に入れて積極的に出してい くべきです。  これ自体は非常に骨太で、細かいところまで言及されているわけではありませんから、こ れを出したからといって来年やることがないということは決してないわけですので、来年も 引き続きやる、そして、3月までは精いっぱい頑張って、一致できる範囲で今の報告書の案 を土台にして、修正すべき点は修正して、報告書を出すということで進めたらどうかと私は 考えております。 ○寺野座長 ありがとうございます。  そのほか、この件に関して御意見、間宮委員どうぞ。 ○間宮委員 私も、あと数回というか、結局もう2回ですよね。それで最終というのは、ちょ っと無理があるかなと思いますので、やはり継続した方がいいと委員としては思います。で すので、やはりここにいらっしゃる委員の皆さんの御意見を、まだ発言されていらっしゃら ない方がいらっしゃるので、継続した方がいいかどうかの御発言をいただいた方がいいので はないかと思います。 ○寺野座長 花井委員どうぞ。 ○花井委員 継続かどうかという話より以前に、この委員会の使命が何であったかというとこ ろが基本的にあるわけで、その使命というのが、前書きに書かれているところだとは思うん ですが、基本的には、先ほど言った最後の部分、組織体制のここ、つまり、今後どういうシ ステムをつくるのかという大きな部分は全く大平委員の意見に賛成で、庁をつくるべきだで もいいですし、それから、より独立性の高い組織の方がいいという意見も出ていますが、だ としても、今の独立行政法人はだめですよね。今の独立行政法人のシステムではやはりだめ だし。今の独立行政法人のシステムでも、やはりいいとは言えないわけで、これはだめ出し をして、こういうのでやれというところまでは、この3月までにコンセンサスをつくるよう にしたらどうでしょうか。  確かに、公務員型とか、独立行政法人がどうのという議論は出ていますけれども、一回そ こを集中的に討議して、現に、より自由であるはずのPMDAは、自分のところで稼いだお 金も、全体のところで使い方を指示されたりとか、そういう意味では独立性が本当にいいの かとか、逆もあると思います。公務員型でやるべきだ、役職、理事長をつくるべきだと。で は、そのときには人が使いにくいというのであれば、それはどう解決できるのかとか。それ を踏まえて、やはり理想的にこういう組織でやるべきだということをここできちんと言わな いと、これは意味がないと思います。  3月までにそこを中心にまとめて、特に検証については、なかなかそう簡単ではないと思 います。まず、資料をそしゃくするだけで大変ですから、それは研究班を更に拡充して、ヒ アリング等も行うし、あと分担研究に当事者を入れてという意見もありましたし、そこを継 続してやっていくことを踏まえて、今回、まずそれを大枠として、そこを委員会としてコン センサスが得られないと、細かい話とか、あちこちに触れるだけなので、そこの合意形成に ついて、座長が強力に引っ張っていただいて取りまとめをいただけると、これはかなり本格 的な報告書になるのではないかと思います。当然、この報告以降、来年度、検証は続いてい るわけですから、適宜、更に必要な改革というものをやっていくことは重要だと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。この問題は、この委員会は第10回まで全部流れてきた問 題なんですね。結局スタート時点から7月の段階に至るまでは、かなりこの委員会そのもの が、薬害肝炎の再発防止ということで、C型肝炎の実際の実態を明らかにする、そこから問 題点を抽出して、そして、システム、組織そのものを、どうしたら再発が防止できるかとい うことをシステムも含めて考えていくというような話だったんですが、先に、夏までにその システムの問題が出てきたんですよ。これは概算要求のためであったわけですけれども。そ れで、やはり研究班を中心とした薬害肝炎自身の本質というものをまず議論して、そして1 月からまた組織の問題に戻りましょうという話で来ているんですね。  そういう形で来ているので、話があっちに行ったり、こっちに行ったりすることはたしか なんですけれども、実際やってみるととても膨大な内容でありまして、研究班そのものの内 容も膨大ですが、一方、これは厚生労働省の医薬食品局を中心とした組織とPMDAをどう するか、それをFDAなんかも参考にしながらどうするか、これも物すごく大きな問題なん ですよ。ですからそこの辺が、薬剤肝炎の本質をつかむということと、組織全体をどう改善 するというか改革するかという問題とのその関係が、座長としては非常に難しい扱いだと認 識しておりまして、一応、本質については研究班の方でやっていただいたので、この1月か らのセッションでは、その組織というものを考えていかなければいかんということで、実は、 今日たたき台的に事務局の方でつくってくれた資料というのは、かなりそういうニュアンス はあると思うんですね。  ですから、この議論の中で、最初のくくりと言ったところが、もう最後の第3の問題に行 ったわけですが、その内容を見てみると、第2のくくりの第4の医薬品行政等の見直しで組 織そのものを随分詳しく説明してくれましたけれども、それにまさに関係していくわけです。  ですから、皆さんにお伺いしたいのは、あと2回しかないんですが、実際は、基本的に夏 までにあった議論としての組織、制度、そういうものをどういうところに持っていくかとい うことにあと2回議論を集中していっていいかということはお聞きしたいんですね。そうし ないと、前に泉委員からも指摘されたんですが、組織のことをやっているけれども、実際、 C型肝炎どうなっているんだという御指摘もいただいて、それはきつい御指摘だったんです が、この後2回でやるのは、やはりその組織の問題で一定の見解を出していこうということ。 そして、それは勿論、結論は出ないかもしれませんけれども、問題提起をして、実際のC型 肝炎に対する薬害の内容については、ヒアリングを含めて来年度にまた更に進めていくとい うことで、まず当面、3月までの提言は、組織的なものを中心とする。そして、その前提と して、今までやってきた研究班の内容を出しますが、そういう形での提言と。そして、その 提言に基づいて、それも本当の結論ということにはならないと思うので、来年度に更にその 組織そのものもやっていきますが、それのFDA等、外国のものも参考にしたもので、例え ば、さっき消費者庁の話も出ましたし、医薬品庁も出ましたが、その問題というのは物すご くでかい問題になりますので、それを検討するのにはとても3月まででは無理で、一応こう いう可能性があるということを提言して、来年度に具体的に本当の可能性を検討していくと いうような感じで進まざるを得ないと思うんですね。私の考えですよ。  どうぞ。 ○清水委員 私の理解するところでは、今後の薬害の防止の体制としてどうあればいいかとい うことが主眼だと思うんですね。したがって、やはり今までいろいろな立場の方が、そうい う今までの体験から見て、こうあればそういうことは予防できただろうというイメージはあ る程度持っていると思いますので、組織的なものを、まず大まかなこととしてA、B、Cな りの体制があり得るんだということを議論して、そして、検証は何のためにやるかといいま すと、今まで問題になって、検証で問題点として浮き上がってきたことが、A、B、C、D 案できちんと担保できるのかというようなリンケージにあるのではないかと思うんですね。  したがいまして、私は、議論の進め方としましては、今後どんな体制が本当に必要で、薬 害と称するものを予防するための組織体としてどういうことが現時点においては最も望まし いかということをまず議論していただいて、それから、堀内班で上がってくる問題点が、で は、どの組織でこの問題はうまく対応できていくのかというようにした方が、頭の中ですっ きりとイメージできるのではないかというような気がいたすんです。座長も触れられたと思 うんですが、できれば最初に体制のあり方をまず、去年の夏やりましたが、それを更に敷衍 した形で議論を詰めて、取りあえずこれでどうだというような案を出した方が、進みやすい のではないかと思います。 ○寺野座長 椿委員。 ○椿委員 まず、組織に対して何を要請するか、その目的、価値の部分、それから仕事のプロ セス、進め方の部分、その中で人をどう配置するか、そして、その財源というものをどうす るかということに関する基本の枠組みというのは、是非、要請という形で提言で取りまとめ ていただければと思います。  一方で、医薬品の行政ということに関しては、来年度もある一定のオペレーションという ものが行われることは明らかです。今回の中でも、むしろこの委員会というよりは、やはり 安全課さんや、それから、現在の機構さんが、こういうやり方がいいのではないかという形 でプランされている部分があるわけですね。そのプランに関しては、そのパフォーマンスが 有効であるかどうかということに関しては、やはりそこで一定のプランを出していただいて、 実施していただいて、その検証というのは、まさにこの委員会が、本当に言われたことが正 しかったかどうかということをきちんと見ていくというような形。つまり今回の提言の中の ある部分というのは、ある意味で、政策当局や行政の方が、これが有効であると考えて、 我々はそれをプランとしては承認しているわけですけれども、その有効性に関しては、やは り第三者の立場できちんと見ていくんだというような、むしろその見ていくというプロセス というような話は、提言の中にあるべきではないかと思います。  先ほど、やはり提言の見直しが必要であると水口先生はおっしゃられたわけですけれども、 その見直しの部分というのは、むしろずっとオペレーションとか具体的な部分にかかわるも のであるべきで、座長がおっしゃられたように、組織のあり方ということに関しては、でき れば3月までに指針を示していただくというのが正しいのではないかと思います。  ただ、実は私は、むしろ法のことは余りよくわかっていないので、組織は本来こういうミ ッションがあって、こういう性質を持っていかなければいけないというときに、現行法の中 で、枠組みの中で何が適切かということに関しては、是非、専門の先生方から補足していた だければありがたいと思っているところです。 ○寺野座長 ありがとうございます。  そのほか御意見ございませんでしょうか。なかなか難しいところで、実際、組織のあり方と いうことはこうであろうということの提言は、確かにあと2回かなり議論すれば出てくるの ではないかと思うんですね。ただ、この委員会は、座長が言うのも妙な話ですが、あくまで も安全性ということ、再発防止ということを目的とした組織がこうだ、どういうものがいい かという議論をするべき委員会としてあるわけですけれども、実際、PMDAなんかの組織 の任務というのは、必ずしも安全性だけということではないわけですよね。当然、薬効とい うものに関して、本当に効果があるのかどうかと。安全性は非常に重要な一つの柱ですけれ ども、もう一つは、効果の検定というものも非常に重要だということも含めて、この委員会 でそこまで全面的に展開していいのかというのは、一つ、座長としてみて若干の疑問がない わけではないんです。 でも、これは安全性という立場から見て、こういう形の組織にして ほしいと。では、その組織、提言したものに基づいて国の方でどういう組織で、このPMD Aと厚生労働省の関係とか、そういう組織の全面展開ができるのかということが明らかにな りませんと、この委員会だけですべて決められるものではないと思うんです。  だからここの辺を、来年以降、これを続けるということで皆さん大体合意が得られると思 うんですけれども、その前提としての国、政府自身のPMDAに対する考え方、そしてその 組織をどうすべきかという、どこで決められるのかということをはっきりさせていただかな いと、これはあくまでも安全性、再発防止のための委員会でありますので、ここら辺はやは り出していただかないと、私もどこまでやっていいのかという結論が非常に出しにくいとこ ろがあるんですが、当局としてというか、事務局の考え方はいかがでしょうか。局長どうで すか。 ○高井医薬食品局長 大所高所の議論がありますし、これは政府全体の流れというものがある ので、私もなかなか見にくいところがあります。それにとらわれていてはいけないというお 話でもあるわけですので、もう少し議論をいただいて、我々も言うべきところは言わせてい ただきたいというところがありますが、ちょっとその辺はなかなか、議論しないといけない のかなと思います。 ○寺野座長 大臣がずっとここにいていただいて、議論して、やはりこういう形で組織体制そ のものをこうしますと言っていただけるということになれば、大臣は大所高所からの発言が できるんですけれども、大臣も忙しいのでずっといるわけにいかないということと、大臣自 身も、恐らくこの組織そのものを改革するためにはいろいろな観点からの見方があると思う ので、そこの辺の、では、ほかの委員会とかそういう組織があるのかという辺も含めて総合 的に見なければいけない。  ただ、そう言っていても始まらないので、今の局長の御発言もありますように、確かに方 向性として大所高所からのものは難しい面がありますが、ともかく、我々は薬害肝炎を中心 として、それだけではなくて、エイズもすべて含めて、そういう薬害の再発防止、安全性と いう観点から見て、組織はこうあるべきであるということが言えるという限界はある程度考 えながら提言していく必要があると思うんですね。  そのことを皆さんよく頭に置いていただいて、我々がこういう組織にすべきだといったと きに、そのままになるかどうかはわからないけれども、そういう我々の委員会の立場から見 ての提言ということになります。 ○間宮委員 すみません、時間がもったいないので、それは議論しましょうよ。組織の議論を するのであれば、組織についての意見を交わせばいいのではないでしょうかね。予算がどう とか、そういうことではなくて、こうあるべきだというのは、大臣が我々に案を出してくれ ということでゆだねているわけですから、それは、我々で案を出したらいいと思うんですね。  そういう意味では、私は、大平委員もおっしゃっていましたけれども、組織としては、医 薬品庁というような形で、やはり公務員型の組織をつくるべきではないかと思います。もと もと独立行政法人化するときに、薬被連としては、国の仕事を民間に、半民間というんでし ょうか、丸投げするなということで言ってきたわけでありまして、そこは、やはり公務員が やる方がいいのではないかということであります。そういう意見です。 ○寺野座長 全くそのとおりだと思います。ただ、方向性として、今のような議論でいいです かということで皆さんに議論いただきたいということ、一応いいんですね、それはね。 (「異議なし」と声あり) ○寺野座長 それでは、今、間宮委員からも言われましたけれども、大平委員から言われまし たが、医薬品庁とかそういうものをつくるべきだとか、PMDAのあり方がどうだとか、そ ういうことに関しての議論を、40分ぐらいしかありませんけれども、4時半ぐらいまでやる という前提で今日議論していただいて、あとまだ2回ありますので、そこで具体的に提言と してまとめていきたいと思います。では、そういう方向で進ませていただきますので、よろ しいでしょうか。  それでは、そういう観点で御発言いただければと思います。山口委員どうぞ。 ○山口委員 夏のときの議論にまたちょっと戻ってしまうかもしれませんけれども、出発点な んですが、ゼロから考えるのか、それとも、今の組織がこうで、ここを直すべきだというと ころから始めるのかで、多分大分議論が変わってきてしまうと思うので、そこははっきりし ていただきたいと思っています。私は、多分、今現在の機構の体制、いいところ、悪いとこ ろがありますが、科学性の担保という観点とか、あるいは情報開示という観点、それから以 前に小野委員とかが何度かおっしゃっていましたけれども、公務員であるための組織防衛本 能とか、あるいは人材の教育とか育成の仕方、やり方のしやすさ、それからタイムリーな安 全性対策とかを考えると、私は、非公務員型という言い方がいいかわからないですが、今の 機構のいいところ、悪いところをいろいろ見つめ直していって、その上で組織をつくってい くべきではないかと思っています。 ○寺野座長 それでは、意見をどんどん出してください。私がいろいろしゃべるとしゃべり過 ぎになってしまいますので、どんどん意見を出していただいて、後でまたまとめさせていた だくことにしたいんです。堀委員は何か、意見をいただきましたけれども。 ○堀委員 私は、結論から言うと、今のPMDAのスタイルになるんですが、科学的な判断と か、独立性・中立性ということを重んじる立場の考え方なので、多分この中でなかなか意見 が一致しづらいところだと思うんですね。国だとおっしゃる方と、私は、ある理由をもって、 独立性・中立性は、やはり行政というか官庁から保つべきだと思っているので、そこが一致 していくことは多分難しいのかもしれません。  ただ、私としては、なぜ独立性とか中立性を保たねばいけないかということは、一応理由 だとか、今後の安全対策に向けていろいろ具体的に提案すべきところがあって、独立性・中 立性を保つ組織であるべきだとお話ししてきたつもりで、この席だと緊張してなかなかうま く全部言えませんので、今回長々と意見書を出しましたが、逆に、絶対国であるべきだとお っしゃる先生方の、その国であるべきだの結論に行くまでの思考回路が知りたいんですね。 そこも委員の間同士でお話をしていかないと、いつまでも座長の先生を向いていたり、事務 局の方々の方を向いているよりは、やはり委員の中で、私は独立派だけれども国の方である べきだと思う方は、なぜそうなのかという御意見をいただけないかと思っています。 ○寺野座長 どうぞ意見を出してください。どうぞ、西埜委員。 ○西埜委員 続けて欠席が重なりまして申し訳ありませんでした。  この件につきましては、私は、責任の所在という、だれがどういう形で責任を取るべきかと いう点から判断すべきじゃないかと思います。そうしますと、独立型、あるいは独立行政法 人の今のような機構にどういう権限を与えて、どういう責任を取らせるかということになり ますと、ちょっと危険性が伴うのではないかという感じがいたします。確かに最近の動きと しては、民間開放あるいは民、私人にも公権力の行使の権限を付与するという方向に少しず つ動いてはいます。この資料にもありますように、指定確認検査機関であるとか、あるいは 地方自治法上の指定管理者というものはありますけれども、そこで付与されている権限とい うのは、そんなに大きな権限ではないように思うんですね。それが今回扱っているような問 題について承認審査その他の権限を付与していった場合に、果たして責任を取り得るかどう かということになりますと、その独立の主体がどういう組織になるかということはまだわか りませんが、その場合の責任の主体あるいは責任の所在、あるいは責任の取り方が非常に不 明確になってしまって、勿論ここでは二度と薬害被害者をつくり出さないという方向でいま すから、そこまで心配する必要はないのかもわかりませんが、もし万が一ということがあっ たときに、国の行政組織の外にいる者が、どの程度まで責任を取り得るのかということにつ いては不安が残るということで、このA案、B案からしますと、大まかに言えば、私として はA案の方がいいのではないかと思っております。 ○寺野座長 小野委員どうぞ。 ○小野委員 私は、今の意見に全く反対なんですけれども、それは、国がやばいことをしてき たからこの状況が起きてきているという、公務員の方々が、私の意見はそうでしたから、申 し訳ありません、そうなんですが、そこに今までの経緯を踏まえての検討の今回の一連の検 討があったわけで、どっちがいいかというときには、まずそこをきちんと踏まえてディスカ ッションすべきではないかということだと思います。  それから、西埜先生がおっしゃったのは、勿論、私はおっしゃるとおりのところは、責任 の所在、そこはそうなんですが、例えば、今出ているこのスライドの3枚目にあるB案とい うのは、最終的には大臣に答申すると。大臣、これで決めてください、どうですかという答 申の仕組みをつくるなんていう話を7月の時点でさんざんやって、そこが一方的な責任論、 あるいは一方的なサイエンスの議論、科学的な判断の議論だけにならないような落としどこ ろが恐らくあるのではないかということだった。それで今のA案、B案というのは、それな りに、これ自体ももう練られているわけで、そのどっちかに偏った議論にすると変なことに なるのではないかと思うんです。  もう一点だけ言うと、役所の人たちは、能力的にはすばらしい方々だと思うんですが、今、 我々がこの検討会を続けていくかどうするかなんていうことをこれだけみんなが気にしてい るのは、やはりこの検討会がなくなったら、4月1日からはもう好きにやってもらえるのか、 役所の人たちが頑張って好きにやって、我々が何を言っても、恐らく話は通じないんだろう なという、そういう責任の非対称性とか情報の非対称性とかに基づく不安感があるから今の 話になっているわけで、そういうバックグラウンドみたいなこともその背景に一緒に考えて、 この制度をどう考えていくかということをやっていくのが、まさにこの委員会の趣旨ではな いかと私は思います。 ○寺野座長 どうぞ、高橋委員。 ○高橋委員 私の方としては、第1回目からお話をしているんですけれども、今、当局とPM DAという2カ所で実際やられているということで、1カ所で判断ができ進められるような 組織体をつくるべきではないかと思っていて、A案、B案というよりも、そういった2つに 分かれない、1つですべてできるような組織をつくるべきではないかと考えています。 ○寺野座長 ありがとうございました。  大平委員どうぞ。 ○大平委員 安全に対しての考え方の開きがあるのかもしれないですが、安全といいますと、 薬のみの安全というよりは、薬の薬事行政とかそういうものに対しての、例えば資料2のと ころにありました薬害教育とか医薬品評価教育というところで書かれておりますが、もっと 教育とか、それからまた、薬事に関する人だけではなくて、保健とか、また看護ですとか、 そういう方たちがいろいろ現場で患者と接することとか、そういうものも含めての大きな意 味での安全というものを考えていくと、今の機構の中で、そういうものを責任の問題も持ち ながらもすべてそこで集約していくことができるかどうかというところは、かなり無理があ るのではないかと思います。  その機構の問題につきましては、私は意見書で書きましたけれども、現時点で国立病院機 構ですとかそういった問題で、私たちは具体的にいろいろな要望を出す中で、やはり国と、 それからまた機構の中の間のやりとりの中で、結局、蚊帳の外に置かれるときというのが結 構出てくる。その責任の所在、取り方というのが結構あいまいなところがありまして、事、 命と健康に関する大きな問題の中で、国がやはりきちんとリーダーシップを取れるような、 もうちょっと新しい感覚の医薬品の取り扱い、行政のやり方というものを本当は、先ほど、 ゼロからスタートするのか、規制の中からそれを改善していくのかどうかというところの御 質問もありましたが、やはりかなりもうゼロからスタートするような、これまでの薬害の経 緯を考えますと、そういうものも含めて検討していいのではないかと思います。  寺野座長さんが言われましたように、ここで本当に出るかどうか、それが実現するかどう かはわかりません。しかし、それだけの重みを持って、そしてここに投げられたものと私は 確信しておりますので、そうしたこれからの新しい薬害再発防止ですとか、また新しい医薬 品行政というものをどういうふうにつくっていくかということを新しい器の中で考えていく ことも大切なのではないかと思いまして、今日の意見書とさせていただきました。  そして、私たちとしては一番、先ほど委員の方からも御指摘がありましたけれども、やは り何かあったときの責任所在、それは一般市民の人たちが不安に思って、そういう存在に置 かれるということ自体が、やはり遺憾なことだろうと思うんですね。かなり狭義の責務の中 の話と、それから国全体が負わなくてはいけない問題というのはきちんとあると思うので、 一般市民、そしてまた患者が不安を抱かずに、そして国の信頼をもって薬とかそういうもの に接するような形を常に持てるような組織をつくっていただきたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。今、A案、B案ということを夏からずっと議論してきた わけですけれども、そういうことに必ずしもこだわらず、全く新しい組織ということもゼロ からの出発として考えた方がいいのではないかという御意見だと思うんですね。  間宮委員どうぞ。 ○間宮委員 なぜ公務員型がいいかというのを聴きたいというお話だったので、意見を言いま すけれども、やはり財源の問題というのが非常に大きいと思うんですね。今、PMDAは、 企業からの財源というものが結構入ってきています。これがもしどんどん膨らんでいくよう なことがあったりすると、やはりどっち向いて仕事をするのかというのは非常に不安が残る。 それとあと、財源もそうですし、人についての財源というのも、そういった企業に頼るとい うようなことがあり得る。そうすると、さっき大平委員がおっしゃっていましたけれども、 信頼というものがやはり非常に大事なんですね。そこに企業との関係というものが、勿論、 不正とか癒着みたいなものがなかったとしても、100%の信頼というのをどう得るかというの は非常に大事だと思うんですね。  勿論、今のPMDAも、国民の皆さんの信頼というものを得てほしいと思うんですけれど も、現在の状態ですと、PMDAというものの存在自体も国民の皆さんの認識がどれだけあ るのかというのは非常に疑問だというところがあります。だから、そういったところで、財 源と信頼という意味で、やはり公務員型という、勿論、今まで我々がひどい目に遭わされた のは、公務員の皆さんのやってきたことではあるんですけれども、私はそういうふうに感じ ています。 ○寺野座長 そうすると、さっき大平委員が言われた、新しい組織としての医薬品庁とかそう いうものを考えるべきだという考え方も公務員型、庁ですから当然そうなりますけれども、 そこも含めた考え方になりますね。  堀委員。 ○堀委員 ちょっと財源は、私はそういう意味で技術職みたいなところなので、素人ですから 余りコメントができないんですが、信頼ということについて言うと、実際、内部で働いてい た職員としては、そういった企業から云々という話があったとしても、少なくとも現場の審 査員レベルとか職員というのは、これは、なぜと証明しろと言われたら無理なんですけれど も、この企業からお金をもらっているからひいきしようとか、あるいは逆に、この企業をや めさせようとか、そういうマインドって全然ないものですから。ただ、そういうふうに思わ れているのが事実だとした場合に、どうやったら国民からそこを信頼してもらえるのかとい う取組みは、確かに必要なのかもしれません。  あと、さっき大平先生がおっしゃっていたんですけれども、私も本質的には教育で、特に 今の、薬剤師さんも含めてですが、医者とか、とにかくPMDAとか厚生労働省とかの外に ある、あるいは薬害を体験されて真剣にそういうことを考えている方以外の方というのが、 無関心であることが一番問題なんですね。ですから、そういう教育をしっかりしていくとか、 そういうことになると、もうPMDAだけでやれと言っても多分無理だし、厚生労働省だけ でやれというのも多分無理で、そこはやはり国というか官庁というか、そういうところが積 極的に引っ張っていくべきだと思うので、私は、別に行政というか官庁がやる仕事ではなく て、全部PMDAでやれるというような意味ではないので、そこは逆に行政でなければでき ない部分と、それから専門職、技術職こそが、まさにもうその部分に関して、それこそ企業 云々のマインドもなく、きちんと判断できるような人たちとを別に分けるという意味で私は 独立性と言っているんですね。そういうことがあります。  では、PMDAはそこの教育とかというところにどういうツールを提供できるかというと、 逆に言うと、そういう専門職をかき集めてくれば、そこでいろいろなノウハウが結集してい ろいろなものができますから、そこで育った人材を外に出していく。そうしないと、今、現 に教育のポジションをつくっても、教育できる人たちというのは実際にいないのが現状なの で、PMDAとしてはそういう役割は担えると思っているんですね。だから、行政のやるべ き、国として引っ張るものと、そうじゃなくて、さっき責任というお話が出ましたが、責任 の話をする以前に、安全対策をもっとしっかりやって薬害をなくすというためには、私は、 いろいろな専門家がうまく融合して、いろいろ出入りできるような活発な組織をつくるべき だと考えています。 ○寺野座長 そのほか。椿委員どうぞ。 ○椿委員 幾つかの先生方と同じ意見の部分とかなり違う意見の部分があるんですが、まず、 高橋先生、先ほど、できるだけ効率化の観点から一つの組織の中で行うのが妥当だとおっし ゃられたんですけれども、私は、その観点においては、政策決定、承認ないしは安全に対す る対策を決定するのは、当然、厚生労働省であり、その権限は当局が持つべきものだと思っ ているんです。  問題は、今必要な機関というのは、今、堀先生がおっしゃられたことに非常にかかわるん ですが、専門家がきちんとした事実に基づいて勧告を行う機関、それは実は、むしろ行政か らも独立している方が望ましいんです。行政から独立しているという意味では、つまり人事 院のようなものを考えていただいてもいいんですが、ある程度、事実に基づいた判断を、そ の証拠のレベルはいろいろあるにしても、きちんと専門家の集団として勧告を行える、こう いう決定を行うべきである、こういうような注意勧告を直ちに出すべきである。しかも、そ の勧告というは、別に行政に届けられるだけではなくて、すべての国民に対して等しく届く、 そういうあり方が望まれる。  勿論、一般的には新しい組織への勧告というのは、きちんと行政が取り上げていただける ものだと期待しますけれども、そういう独立性が必要だと考えます。これはなぜかというと、 今回のいろいろな薬害の事件を考えてみたときに、事実が何であるかということに関する客 観的な判断というものが、どうしても政策当局、意思決定を行う当局と、患者さん、国民と の間の紛争が起きたときに、非常に出てきにくいという状況があるんですね。ですから、む しろスポンサー会社からのいろいろな意味の独立性とか、あとは行政ないしは財務当局の意 見からも可能な限り独立な機関があって、勧告を行うことに徹している方がよろしいのでは ないかというのが、まず第1の意見です。それに関して、先ほど堀先生がおっしゃられたよ うに、それが専門職の集団であり、トップはどちらかというと専門職の方であるほうが私は 好ましいことであると理解しています。  ただ、一方で、先ほど間宮先生がおっしゃった財源の問題なんですけれども、私自身は、 もし、例えば医薬品の安全性や有効性に関する情報というもの、それによって国民が正しい 治療を受けていない、不適切な治療を受けている可能性があることを調査する権限を持って いる機関は、いわゆるそれで利益を得ている集団からきちんと対価を取るべきだと考えてい ます。  堀先生は先ほど、それをやることによって、専門家は決して意見を曲げないとおっしゃられ たけれども、一方で、間宮先生がおっしゃるように、これが信用できるんですかと言われた ときに、それを担保する方法がないわけで、むしろ新しい組織は、すべての利害関係者、特 に患者さん自身がきちんと運営に入っている、それを監視する機能がある。何回も申し上げ ていますが、プロセスというものを明確にして、第三者がオーディット可能、監査可能であ って、すべてのプロセスが透明化しているような組織になるべきで、その中でこそ専門家と いうのは自由にいろいろな行動ができる、スポンサーからも独立にできる、行政、財務から も独立にできるということがあるのではないかと考えている次第です。  そのときの組織として、医薬品庁のようなものがよければ、調査権限というものが当然欲 しいということがあるので、公務員型が望まれるのだろうとは私も理解しておりますけれど も、そのようなものがいいのか、独法の中でもかなり権限を委託されているような、法の中 でかなりそういうものがきちんと出ているようなものにするのかどうかということに関して は、とにかく調査権限というものが非常に大切だということだけ申し上げておきたいと思い ます。 ○寺野座長 高橋委員どうぞ。 ○高橋委員 先ほどの間宮委員の話なんですけれども、リソースの部分についての企業出身者 の採用という点について、以前から私の方からもお話ししているんですが、やはりこういっ た安全対策の業務というのは、大学を出てきてすぐ身につくものでもないと思いますし、企 業出身者の今までの経験というものが、かなり役立つのではないかと考えています。  それで、PMDAとしても、これは当然の就業のルールが決められていますので、何年間は そういった業務に就けないとか、担当できないということが決まっていますので、あとは情 報公開というものを基本に考えていけば、そこは、間宮委員が心配されているような問題は 出ないだろうと確信しております。是非、企業出身者の採用という面についてはいろいろ考 えていただきたいと思っています。  この資料2の19ページに書かれているんですけれども、交流の件、どういうふうにするの かという点については、引き続き検討する必要があるという記載になっているんですが、こ れについては、そういったルールなり情報公開を前提とすることであれば、基本的には問題 ないであろうと考えておりますので、これについての記載についてももう少し検討していた だいたらいいなと考えています。 ○寺野座長 高橋委員にちょっとお聴きしたいのは、人事の問題は勿論そうなんですけれども、 先ほど財政の問題が出ましたよね。PMDAは企業からの資金で運営されている。もしそう すればそうなっていくんだろうけれども、その辺に対しては、薬業界としてどういうお考え なんでしょうか。 ○高橋委員 これは、いろいろ難しい議論なんですけれども、前からお話ししているように、 私の方としては、基本的に今回の人員増というものについては、基本的には、国が、人間が 少なかった、そういうことによって起きた問題なので、それは国が予算を計上して対応すべ きではないか。それから、ただ企業から拠出金の率を上げて取るのが芸ではないのではない かと考えておりまして、椿委員とはちょっと別の立場ですのでそういう意見になっています。 そこが、業界としての意見だろうと思っています。財源的に取れないので、どうしても企業 からというところであれば、それはいたし方ないところはあるんですけれども、基本的な考 え方としては、国が賄うべきだというのが考え方です。 ○寺野座長 間宮委員、先にどうぞ。 ○間宮委員 企業からのお金というのは、勿論、審査なんかの料金を取るのは当然であって、 これを審査してくださいというときに、「はい、じゃ、お金を払ってください」と言うのは 当たり前のことなんですけれども、そのお金を出している側ともらっている側というような 構造になると、当然、お金を出している側の意見というのがだんだん強くなってくるという のが、世の中の仕組みみたいなもので、だからといって、審査に手心を加えるかというとそ うではないと思うんですが、ドラッグラグの解消の問題についても、やはり企業の皆さんか ら、もっと審査の期間を短くしてほしいというような要望も出ているからこそ、審査の人員 の増強という話になったんだと思うので、それだけではないかもしれませんよ、でも、そう いうことだと思うので、それ一つ取ってみても、私としては少し、今現在でも企業の意向と いうものが働いているのではないかという、PMDAの方針自体に影響を与えているのでは ないかという感じを持っているということであります。 ○寺野座長 どうぞ、椿委員。 ○椿委員 まず、企業とのかかわりという問題に関して言えば、今回のここの委員会の一番大 きな役割は、新しい組織というのは、あくまで国民である患者さんが、一番正しい、適切な 治療を適切な時期に、必要な時期に受ける、おかしな治療のために変なことにならないとい うことを保障する組織ということだと理解しているんですね。  そのときに、勿論、実は製薬会社、企業というのはそれを保障する一つの非常に大きな仕 掛けの中の役割を持っているわけだと理解しています。その意味では、製薬会社がそれなり の負担をするということ、特に、今おっしゃったように、有効性に関してはもう既にそうい うことになっているんですが、安全性に関しても、私は本来、安全でない薬を出してしまっ たということに関しては、審査側の責任もあるし、製薬会社側の責任もあるわけで、安全で ない薬にかかわる調査というもの、それは勿論、緊急の対応が要るわけですけれども、そう いうものに対しても、もしこれが利潤を製薬会社が取っていらっしゃらないならともかく、 それに対して適切な調査費用を払うのは当然ではないかというのが私の考え方です。  一方で、やはり国がきちんと予算措置をしてもらわなければ困るというのは、むしろ市場 性のない薬に関する有効性・安全性の問題だと思います。この薬は非常に必要なのだけれど も、いろいろな意味で企業の方々が開発するにはなかなかできない。そういうものに対する 審査ないしは安全性の調査ということに関しては、むしろ国の予算というものが適切に投入 されるべきだと考えているわけです。  さっきも言いましたように、安全性に関しましては、審査側も、安全でない薬を出してし まったことに関しては相当責任のあるところかと思いますから、その部分に関する予算に関 しては、国といいますか、それも応分の負担というものがあってしかるべきだとは理解して おります。 ○寺野座長 今、費用、財政的なものをどうするか、それに伴う影響というものがバイアスが かからないかとかを含めてあるんだと思うんですが、実際、その問題も勿論あるんですが、 国か、あるいは独立した機構にするのかということ、A案、B案という形で出ているんです が、第三者として、全くそれと違う新しい組織としての医薬品庁なり、そういう名前のもの をつくったらどうかという議論が出ていますね。  問題は、PMDAのやっている仕事ということに関してさっき説明がありましたけれども、 PMDAそのものは、第1に承認審査をやっているわけですね。それで、その後、安全性と いうものもやっているし、その安全性も、再発予防的な考え方と、起こった後の補償という ものもやっている。それぞれPMDAの中の仕事はたくさん分かれているわけですけれども、 我々のこの委員会から提案するのは、やはり安全性の確保、再発防止ということですから、 これは監視機構というのが一番大きいと思うんですね。  例えば、監視機構というものを全く別個につくるということだってあり得るわけですよね。 医薬品・医療機器監視機構、そういうものを全く別につくることも勿論あり得る。それがま た、財政をどっちに取るかというのはまた別として、本当のお役所ではないようなものにし て客観的なものにすること、それもあるだろうと思うんです。  そういうことも含めて、それと、我々の立場から見れば、監視機能というものがこの委員 会としては非常に重要なので、提案の中には、それに重点を置くべきかなという感じが私は しているんですけどね。  どうぞ、清水委員。 ○清水委員 私の考えとしましては、やはり実務行為を行うところと、今、座長が言われた監 視、要するにPMDAが仮に今後も継続してやっていくとした場合は、実務行為としたらP MDAの組織というのはあっていいのではないかと。むしろそれは厚生労働省の中にあるよ りも、今、高橋委員も言いましたけれども、専門性を持った人たちが、ある期間、2〜3年 でころころ代わるような官僚の組織ではなくて、5年、場合によっては10年ぐらい専門職と して徹底して働けるという環境を設定するためには、やはり厚生労働省の中に置くより、外 に出した方が質の高い審査ができる条件が整うのではないかと思います。  もう一つは、では、PMDAがきちんとそういうようなことでやっているかどうかという こと、むしろそれは、仕事の内容をチェックする監視機構というのは、場合によっては厚生 労働省の中にきちんと置いて、チェック・アンド・バランス的なことでやっていくというこ とも一つ方法としてはあり得るのではないかと思います。特に、優秀な人材をいかに確保し て質の高い審査をさせるかということになりますと、外に出しておいた方が可能性は非常に 高いのではないか。間宮委員の言われる問題というのは、監視の方でチェックしていくとい うような形はどうかなと思うんです。 ○寺野座長 水口委員どうぞ。 ○水口委員 まず、基本の薬事行政を行う組織を国にするのか、独立行政法人にするのかとい う議論、これと監視組織をどうするかというのは両立すると思います。つまり基本的な薬事 行政をやる組織について、国がやる、独立行政法人がやる、あるいは今のような2つに分け てやるなど、どのような形を取るにしても、やはりそれとは別に監視組織は必要です。監視 組織があるから基本の行政をやるところが適当でいいということは全然ないわけで、監視組 織が出なければならない場面なんていうのは本当に限られているはずだし、その監視組織が 勧告するといったって、直接企業に勧告するわけではないわけですよね。つまり行政に対し てきちんとやりなさいということで勧告するということを私は想定しているわけなんです。  いずれにしても、本体の薬事行政を賄う組織をどうするか、どういう組織形態を取るにせ よ、やはり第三者的な立場で独立して監視をするという組織は必要だろうと考えております。  それから、もう一つ、どの組織を取るかという前に、やはりその組織が備えていなければ ならない要素は何なのかということをきちんと整理しておくことが必要だろうと思うんです ね。そういうふうに考えますと、先ほどから出ている中立性と独立性をきちんと保てるとい うことは第1番目にあると思うんです。それから、そこで働く人が専門性を発揮して、腰を 落ちつけてきちんと仕事ができる環境であるということが2つ目にある。それから、優秀な 人材が確保しやすいということがある。そして4番目、順番から行くと、本当はこれが一番 最初ですが、責任の所在が明確であるということです。私は、この4つの要素が基本的に重 要だろうと思っていて、まず、どういう要素が必要なのかというこの要素について認識をき ちんと共通にした上で、そしてそれを満たすのにはどういう組織形態が一番ふさわしいのか として考えるというのも、一つの考え方の方向性ではないかと思っています。  それから、もう一つ、A案というのは、国がやると考えたときに、今の普通の医薬食品局 の中にどこかに部署をつくってというのは、非現実的な話なわけで、要するに、その場合は、 専門性を持ってだれかがやるとすれば、前に審査センターというものがありましたよね。や はりそういう、国の組織がやるとしても、かなり独立した部門というものを設置して、公務 員の通常の仕事のローテーションによって、すぐあっちへ異動、こっちへ異動という形にな らないような形にすることは、最低限の前提になるだろうと思っています。  私自身は、まだ本当はもうちょっと知りたいことがあるんですが、今のところは、究極に おいて、基本的には、やはり国が最終的に責任を持つべきだろうとは考えていますので、公 務員型の組織がいいだろうとは思っています。しかし、この問題自体も、理念的にどうなる のかということだけじゃなくて、本当はもっと、審査センターというものとPMDAの両方 を知っている人に、何がメリットで何がデメリットとして考えているのかということのそれ こそヒアリングだってしてみたいと思いますし、メリット、デメリットをもっときちんと、 考えられるものを全部出し尽くして議論することが求められているのではないかと思います。 そういう意味では、今日配られたA案のメリット、B案のメリット、デメリットのところに 書かれていることは、本当に基本的なことだけで、どちらの組織がより適切かということを 考える上で必要なメリット、デメリットの抽出にはなっていないのではないかと。だから、 その辺も次回、引き続き検討するのであれば、出していただければと思っております。  それからもう一つ、長くなって済みませんが、資金の件は結構重要で、FDAが、ユーザ ーフィーの制度のもとで企業に資金を頼り過ぎた結果、組織文化が変わったということで、 再生法制定の一つの理由になったわけですから、そこは非常に重要なんです。しかし、FD Aは国の組織なわけですよね。だから、国であろうと、独法であろうと、企業に資金を依存 し過ぎると、やはりそこは狂ってくるということは一つの教訓だろうと思います。  それから、企業出身者の採用の問題については、先ほど高橋委員が、大学を出た人はすぐ 使えるわけではないとおっしゃいましたけれども、確かにそういう面があります。しかし、 人材をきちんと育てるということは、PMDA発足のときに国会でさんざん議論されたのに、 ずっと後手後手に回ってきたのです。人が足りないし、それを確保するのには育つのを待っ ていたら時間が足りないから企業からというような考え方がもしあるとしたら、それはやは り本末転倒なのではないかと思っております。  だから、やはり人材の育成ということを緊急課題として着手しなければいけないというこ とです。今日の報告書案の中でも、審査部門の人員を増強することは緊急課題になっている のに、人材育成は緊急課題というニュアンスでは書かれていないわけですね。やはりその辺 に根本的な問題があるんだろうと思っております。 ○寺野座長 ありがとうございます。  大分時間がたってしまって、もうそれほど時間がないんですが、坂田委員、簡潔にお願いし ます。 ○坂田委員 議論されている最中で申し訳ないんですけれども、最初の方に戻していただけま せんか。私は4つのことをお聞きしましたけれども、座長、いつ正式なお返事というか、そ の4つの中で、4月以降も継続というのは今の段階で決まりましたが、来月の提言書を最終 提言書としないとか、あと、今までのペースでこの委員会をやるとか、あと研究班に被害者 を入れる、これは、いわゆるヒアリングの問題なんですが、ヒアリングをする人とか、そん なものもやはり被害者の目線でだれにしたいというのも必要だと思うんですよ。その報告も、 ぱんと上がってきた、被害者は全くタッチしていないということ自体がとてもおかしいこと だと思いますので、ここら辺のお返事はいつになるんですか。それとも、今日ここで決めら れるんでしょうか。 ○寺野座長 これに関しては、次回にこうするとなるように持っていきたいと思います。大体 皆さんのコンセンサスになってきていると思うんですね。来年度以降続ける。そして、続け るとすれば、ペースとしては、もうちょっとコンパクトになるのか、この形で行くのかとい う、これは一つの問題。それから、今度の提言について、最終提言という形ではないという ことも大体皆さんの今までの意見から見れば出てくると思うんですね。研究班に被害者を入 れるべきである云々というこの問題は、私の方としてもちょっと返事ができないんですけれ ども、堀内委員どう思われますか。 ○堀内委員 今すぐお答えはできませんが、ただ、被害者の偏見の問題とか、そういう問題を やってほしいという要請があって、それは被害者が一番よくわかるので入っていただきたい という要請をしたんですが、入っていただけなかった。それで、カタヒラ教授にお願いした という経過があります。ですから、やっていただく以上は、きちんと報告書をまとめるよう な方向で、その部分についてきちんとやっていただかないといけないので、細かくは、今す ぐ御返事はちょっと、言われたばかりで、いいですよと私が言うわけにいきませんので、ま た相談してということになると思います。 ○寺野座長 そうですね。このあり方は、研究班そのものに入るのか、あるいはその中にワー キンググループ的につくって、被害者の方も入っていただいて、そういう観点で検討すると いうことも可能だと思うので、そこのあり方はちょっと検討します。意見は十分わかってお りますので。  そのほかの3点は、そういうことで、次回こうすると出しますけれども、大体その方向で いいのではないでしょうか。  どうぞ、大平委員。 ○大平委員 簡単に。先ほど、水口委員から4点ですか出ましたけれども、一番上に立つのが、 本来、だれのための組織をつくるのかというところが、皆さんも、それはコンセンサスがで きているんだろうと思いますが、ずっと人にこだわっているんですが、患者、人のためにこ の組織がどういうふうに有益に動くかというところをやはりきちんと、そのためのものが動 かなかったために何回も薬害が起きているというところがあって、それを今の新しい視点か ら、だれのためこれをつくっていくのか、それをきちんと最初の理念として上乗せした中で、 責任の所在とかそういうものが出てくるんだろうと思うんですね。  最近は、欧米では、多分、皆さん御存じのように、やはり人を中心に医療、それから薬事、 いろいろな方たちが、それをどういうふうにうまくかかわっていくかというところが一つの 大きな流れだと思うんですが、日本は、先ほど教育の面でも言いましたように、患者を育て る教育なんかちっともされていないし、患者力というんですか、そういうものを育てる教育 がされていない。お医者さんを育てるとか、そういう教育はされているのかもしれないです けれども、患者をいかに育てて、そしてその患者がいかに病気をうまくコントロールし治し ていくか、薬に関しても同じだと思うんですが、そういう観点をきちんと持って、新しい組 織形態というものを考えていただきたいと思いました。 ○寺野座長 これは、大平委員は第1回目からずっと一貫して言っておられることですね。そ れを何らかの形で、特に、はじめにとかそういう総論的なところでは、そういう考え方はや はり入れるべきだろうと私も思います。  友池委員、何か御意見ございませんでしょうか。 ○友池委員 組織の議論が随分進みましたが、やはり今でも、きちんとかどうか知りませんけ れども、行政は動いていますし、いろいろなものが動いている中で、副作用、こういう薬害 をいかに防ぐかということが課題ですので、私は何もひっくり返すつもりはございませんが、 今、研究班でやっておられることをできるだけ早くヒアリングを含めて出していただいて、 現実に動いている中で、どこで問題点が生じたかをもう少しあからさまにした上で、さっき、 いろいろな手続論がありましたので、もうあえて言う必要はないと思ったんですが、実際起 こったことをもうちょっときちんと見直しをして、その中から組織に対する提案もあり得る と思いますので、そういう意味でピッチを上げていただきたいと思います。  平成20年はこれだけ回数を重ねていますので、やはりここはここで結論を出していただく。 平成21年度続くんでしょうけれども、しっかりした結論だけでも、初年度ここまでは出たん だと。ぼやっとしたところだけで次の年度に移ることがないようにしていただいた方がいい のではないかと思います。だから、あと2回あるのだったら、しっかりした結論をとにかく 1点でも2点でも紡ぎ出すことが必要ではないかと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。研究班については非常に膨大な資料をいただきましたけ れども、これはなかなか大変なので、次回ですか、少しまとめた形のものをいただけるよう ですので、それを参考にしていただきたいと思うんですね。  時間が来ましたのでこれ以上はちょっとできません。この議論は次回、次々回にそれぞれま た続けて、思うに、今度は、資料が大体出ていますので議論を中心にした形で進めたいと思 うんです。  基本的には、ここで結論めいたことは何も言えないんですけれども、やはり研究班の方で いろいろな検討をしていただいた、その内容を生かす必要が勿論あるわけで、次にまとめて いただいたものを参考にしながら、この薬害肝炎の検討の中から我々が何を学んだのかとい うこと、そして、更に安全性、再発防止というものが、この中からどういうものが出てきて、 なぜこういうものが起こったのかということを、もう前からやっているんですが、やはりそ れはちょっと整理していく必要があるだろうと。そして、それを防ぐためにどういう組織が 必要なのかと。しかし、それは薬害肝炎だけでなくて、エイズもありましょうし、さまざま な薬害がほかにあるわけですから、それを総体として防いでいくような組織がどういう形に したらできるのかという広い視野で見ていただきたいと思うんですね。  今までは夏までの検討で、A案、B案ということで、どっちだという議論だったんですけ れども、今日は1つ先に進んだのは、審査も安全性もすべて含めた組織としてA案かB案か というのではなくて、有効性の審査等々、あるいは厚生労働省が今やっているような全体の マネジメントそのものがあるわけなので、またそれとは別個に、やはり監視をする組織とい うものがあっていいのではないかと。その組織に関しては、国なのか、独立行政法人なのか という議論はあるだろうということで、そういうものを、やはり安全性を中心とした本委員 会から提言するのは、そういう監視というものをどう持っていくかということにあるのでは ないかと僕は思うんですね。だから、そういう形で、今までの議論はそういう方向だなと思 って、僕は今こういうことを言わせていただいているんですが、これの議論を更に次に、そ して最後には、坂田委員が言われるように、最終提言としては我々とても出せないんだけれ ども、来年度も行う、これを続けるという前提に立った、言われたように、本当に第1次か、 平成20年度の提言ということになるか、そのタイトルはともかくとして、そういう中間報告 的なものとして出したい。それは最後のところで皆さんの御同意を得たいと思っております ので、御協力をお願いしたいと思います。  今日の議論、もうこれは、やっていると大変なのでこの辺で終わりにいたしますけれども、 事務局の方でのアナウンスは。  何か、最後に。 ○水口委員 済みません、初歩的な確認ですが、今日は、この「提言のとりまとめに向けた議 論のための資料」ということで資料2が出ておりますよね。ここの中には、例えば、FDA でやっているREMSと同じような制度を導入するとか、幾つか、すぐにでも着手した方がいい なと思えるような提案があります。分母がわかるような副作用の収集体制をきちんとやると か、委員の中で恐らくそんなに異論は出ないだろうと思えることで、大きな提言もあります。 そちらの方はもう次回、今期、この3月の最後に出す第1次の提言の中にはもう盛り込まな いということなんですか。 ○寺野座長 いえいえ、そんなことはないですよ。 ○水口委員 そうではないですよね。そうすると、今日出ているこの資料2についても、やは りここでの議論の時間が不足する部分について、それぞれ意見を出すということでよろしい わけですよね。 ○寺野座長 だから、今日も全部出していただきたかったんだけれども、時間的な制限とかが あるものでできなかったので、次回出してください。 ○水口委員 わかりました。ちょっと確認させていただきたかったので。 ○寺野座長 では、事務局の方からお願いします。 ○医薬品副作用被害対策室長 今、ちょうど水口委員からも御発言がありましたけれども、今 日は時間を十分とれなくて申し訳ないんですが、今日議論いただけなかった部分も含めて御 意見をいただけると、またそれを踏まえて整理もして、次回、組織の話だけではなくて、御 議論いただきやすいような形で用意したいと思っております。  次回の日程は、3月18日の水曜日14時からということで、またこの場所で準備いたしたい と思っております。よろしくお願いいたします。  それで、今、意見等ありましたらという話もしましたが、直前にいただいても大変厳しい ものですから、できましたら来週木曜日、5日ぐらいまでにいただけると、本当に今回のも のは今週になっていただいた意見が多くて処理が大変だったりもしていますので、できまし たら早目にいただければと思っております。よろしくお願いいたします。  あと、今日、途中で申しました虎ノ門病院の視察の件、急な話であれですけれども、でき るだけ調整したいと思いますので、日程調整用紙に可能でしたら本日御記入の上、置いて帰 っていただくか、来週月曜日までにファクスをいただければと思っております。よろしくお 願いいたします。 ○寺野座長 日程調整用紙はどこですか。 ○医薬品副作用被害対策室長 もしなかったら、お渡しします。 ○寺野座長 では、そういうことで、それを提出してください。ちょっと中途半端で消化不良 のままで終わる委員会になりましたけれども、これは、次回これをまた更に続けるというこ とですので、資料をよく読んでいただいて、委員それぞれに御意見を持ち寄っていただきた いと思います。  では、18日ということで、またよろしくお願いいたします。  今日はどうもありがとうございました。 (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111