09/02/03 第6回周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会議事録  周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会(第6回)          日時 平成21年2月3日(火)          18:00〜          場所 厚生労働省9階省議室 ○指導課長 ただいまより「第6回周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」 を開催させていただきます。本日は大変ご多忙のところご参集いただきまして、まこと にありがとうございます。本日の出欠状況ですが、阿真委員、佐藤参考人よりご欠席と の連絡をいただいています。また、舛添厚生労働大臣は、若干遅れて到着されると承っ ております。  それでは、ここでカメラは一旦退出をお願いいたします。                 (カメラ退出)  では次に、お手元の資料の確認をさせていただきます。まず、上から順番に、座席表、 議事次第、開催要綱、構成員名簿、そして、資料1-1が、報告書(案)でございます。 資料1-2が報告書概要(案)です。資料2が「救急・周産期医療等対策室の設置につい て」です。資料3が「救急医療対策関係平成21年度予算案」です。資料4が「周産期医 療ネットワークに関する実態調査の結果について」です。以上、資料で何か欠けている ものがございましたら、お申し出いただければと思います。また、机の上には、前回ま での資料の綴りを置かさせていただいています。それでは、議事に入りたいと思います。 岡井座長、よろしくお願いいたします。 ○岡井座長 委員の皆様、参考人の皆様、本日はお集まりいただきまして、ありがとう ございます。前回提出させていただきました報告書(案)に対しまして、委員の皆様、 参考人の皆様から、大変貴重なご意見をたくさんいただきました。ありがとうございま した。それらをできるだけ多く、本日お示ししております新しい報告書(案)に取り込 みましたが、会の流れあるいは趣旨から考えて、100パーセント全て入れることはでき ませんので、少しご不満のある点もあるかと思いますがご容赦いただきまして、ご審議 をいただきたいと思っています。  この懇談会は、周産期医療と救急医療の確保と連携ということをテーマにしておりま すから、前半の確保の部分をとりますと、それぞれの医療分野のプロパーな問題点に関 しても、審議するという意味合いがあったわけですが、実際にここの懇談会でこれまで 議論されてきたことは、母体の救急搬送に関してというのが中心であったかと思います。 したがいまして、この報告書におきましても、周産期救急医療ということを中心にまと めさせていただきました。ここにあること以外でも重要な点がたくさんあるかと思いま すが、その点に関しましてもご理解承りますようにお願いします。  それでは、お配りしております資料1-1をご覧になっていただきたいと思います。前 回の報告書(案)と比べてどう変わったかということをお話しながら、ご審議をしてい ただきたいと思います。  第1「はじめに」のところは、まず最初に周産期救急医療には新生児も含めるのかと いう質問がありまして、それは含めているつもりでしたが、前回の報告書では母体に重 きがいき過ぎまして、新生児救急のことが少し軽く記載されておりましたので、この「は じめに」のところにも新生児医療に関することを追加しました。その点に関しまして、 ご意見等ございますでしょうか。  杉本委員のほうから、表現についてのご指摘を少しいただいています。例えば2頁目 の最初、「間接原因による母体死亡が顕在化してきており」とございますが、その間接 原因のところに「産科医だけでは対応困難な」というのを付けるとよりわかりやすくな るのではないかというご指摘。2行目の「早急にそれへの対策を立てることが必要であ る」とありますが、「それへ」というのがわかりにくいので「母体死亡に関連のある診 療科との連携などを」というような、語句の表現の適正化に関するご指摘がございまし た。これは、この案にまた修正を加えまして、最終案として提示させていただきます。 その他、ございますでしょうか、よろしいですか。それでは、そういうことで少し語句 を修正しまして、この「はじめに」の案はこれでいきたいと思います。  第2「現状の問題点」です。現状の問題点に関しましては、1「周産期救急医療を担う スタッフの不足」、このところの記載ですが、前回の案では少し言葉足らず、適切でな い部分もありました。それぞれの領域の先生方からいただきました修正案を大体取り入 れて、ここは「スタッフの不足」ということで、看護師さん助産師さんのことも付け加 えさせていただいています。そこも岡本参考人からご指摘いただいたことを大体取り込 んでいるつもりです。ここの項に関しましては、いかがですか。大体よろしいですか。 岡本参考人、助産師さんの問題とか。看護師さんのところは、新生児をやっておられる 先生方からのご指摘とも合わせるような形になってますけれども、何かありますか。 ○岡本参考人 ありがとうございます。全般的に本当に助産師、看護職のことも織り込 んでいただいたので感謝しています。この項につきましても「地域において」というの がちょっと抽象的かもしれないのですが、助産所と診療所と一次医療機関で働く助産師 ということで理解しておりますので、これでいいかと思います。 ○岡井座長 ありがとうございました。「新生児医療担当医不足」のところで、「医師 は絶対的に不足し」とか、その次の麻酔科医のところも「絶対的に不足している」とい う表現で、具体的な数字がないというご指摘もございました。本来何人ぐらい必要で、 それに対して現在はこうであるという数字があるほうがわかりやすいし、具体的にはな るのですが、それを早急に調べ上げて記載するのも、いま報告書を出さなくてはならな い段階になってからでは難しいこともありまして、こんな表現でよろしければ、ここは このままにさせていただきたいと思っているのですが、いかがですか。よろしいですか。  では、そこもそういうことでいかせていただきます。ご指摘の点等ございましたら、 どうぞご自由にご発言いただきたいと思います。スタッフ不足の件も大体これでよろし いですか。また後で気がついたところがありましたら、ご指摘ください。  次に4頁にいきます。2「周産期医療機関の機能と相互連携の問題」です。ここは前回 もこの点のことを書いていたのですが、少し突っ込みが浅いということで、海野先生か ら貴重なご指摘をいただきまして、そこは前の記載よりは相当詳しく書いているつもり でございます。4頁の2の3行目なのですけれども、「患者受入能力の不足は、1に記し た医療スタッフの不足と受入可能病床の不足が主な原因である」。「受入可能病床の不 足」ということに関しては、この前に出ていないのですよね。NICUの不足しか出てい ないので、ここは少し書き加える必要があるということを感じてはいるのです。ここの ところ、そういう意味で、文章をこの後で少し変更させていただきたいと思っています。 いますぐは適切な文章は出ませんが、もう一度、ちょっとだけ変えさせていただきたい と思っています。2のところはよろしいですか。はい、お願いします。 ○藤村委員 この2の真ん中辺り、さらにの1行上の「リスク回避行動」という言葉が、 大体合意ができた言葉でここに使われたかどうかの確認なのですけれども。 ○岡井座長 意味はわかっていただけると思いますけれども、言葉がこれで適切かどう かということですね。 ○藤村委員 実は、意味の1つに加えておきたいのですけれども、非常に社会的リスク をもっておられて、ほとんど未受診であったような、社会的リスクのある患者さんを避 ける傾向があるのですね、医療機関が。これは、未払いの問題が後に残ってくるのです ね。ですから「リスク回避行動」という言葉の中に、そういう意味もあるのだというこ とはいかがでしょうか。 ○岡井座長 先生の言われることはよくわかるのですけれども、ちょっとここのニュア ンスとは違って、救急患者とか重症・重篤患者さんを診て、もし何かあったときに責任 を追及されるという、そのことを回避したいと、そういうようなことのつもりでここは 書いてあるのですけれども。それは、行き過ぎている場合もあるだろうと、そういう気 持ちが。先生が言われた言葉は、独立して入れましょうかね。そういう患者さんの場合 に受入施設が躊躇しがちであるということですね。あくまでも施設によってはでしょう けれど。文章はちょっと考えさせてください。先生のご指摘をここに入れたいと思いま す。2についてはよろしゅうございますか。もし、後からでも気が付かれたらご指摘く ださい。  それでは3「周産期救急医療と一般救急医療の連携の問題」です。ここは、前にこの 連携という形ではなくて、診療体制の問題という形で書いていたのを、連携の問題とし て大変重要なことですので1つ項を起こしたということになります。ここの問題の解決 のために厚労省の研究班もできていまして、また細かい点をしっかりやらなくてはいけ ないですが、大事な問題としてあるということがここには記されております。  次は4「情報システムの問題」ですが、ここは後からご指摘いただいた点で、最初の 行に「情報の更新を各医療機関に依存しているために、緊急時に必ずしも有用でない場 合がある」ということの理由がわかりにくいので、「依存しているが常にリアルタイム で情報が示されていない場合もあるから」というようなことを入れたほうがいいという ご指摘を後でいただいています。そこはもう少し文章を付け加えたいと思っています。 この項では次の6頁の5行目から6行目にかけて、「都道府県が半数以上認められ」と いうよりは、「半数の都道府県でこうであるよ」という書き方がここの流れからすると いいので、そこも少し文章を変更するつもりです。内容は、このままにしたいと思って います。  5「妊産婦死亡の実態が不明」。これに関しては前回全く触れてなかったのですが、池 田先生のご指摘だと思いますが、こういうことを入れたほうがいいというご意見がござ いまして、大体そのまま入れさせていただきました。ここまで、よろしゅうございます か。どうぞ、お願いします。 ○藤村委員 先ほど社会的リスクのことを申し上げましたが、その関係でこれからも発 言を少しするかもしれません。ここでは、妊産婦死亡・社会的ハイリスク妊婦の実態が 不明と。やはり患者さんで、どのように社会的ないろんな弱者の立ち場に置かれている かという、そういう方が周産期医療で十分に受診行動を正しくとれないという場合も理 解していかないといけない。未受診となって、救急初期というような網に引っ掛かって くる。こういう例が実際に起こっているわけですから。 ○岡井座長 その件に関しては、独立させてどこかにその問題を入れますか。ここのと ころではなくて。 ○藤村委員 入れていただけますか。 ○岡井座長 入れたほうがいいと思います。そういう状況がいま現在生じている、それ に対する適切な対応が必要だと。それは項目を起こします。いまやっているのが「現状 の問題点」ですから、その中に入れて、そういう患者さんは、救急事態に落ち入ること も一般の患者さんより多いということで。最終案はもう一度お送りしますのでチェック してください。  次のところで第3「基本的な方針」。ここで問題になったのは、地方の長か市長かリ ーダーかという議論になりましたが、今回は「特に地方自治体は」という形で厚労省の 方とも相談して、記載はこういうふうにさせていただきました。  それから2「医療現場の役割」に関しまして、前の案では、患者の治療に最善を尽く すのは最重要であると、これは当り前過ぎるということですので、これは消しまして、 横田先生からのご意見に従って、医療機関と医療従事者に分けて記載しています。もう 1つご指摘いただいたのは、3の中の8行目、「国に対して情報を発信し」とありました が、ここは「国及び地方自治体に対して」ということを付けたほうがいいというご意見 がございました。最終版ではそこに「国及び地方自治体」と入れたいと思います。少し 文言の訂正がこの項もあるかと思いますが、よろしいですか、ここまでは。では、何か ありましたら、また後でお願いします。  次の第4「周産期救急医療体制についての提言」。ここのところが、一体、主体はど こなのかということで、少し混乱があったのですが、「提言」というのを付けたのは、 これは懇談会からの国、厚労省に対しての提言という意味であります。したがいまして、 この後、何々するとありますと、そこにはすることを厚労省に対して、国に対して、こ の懇談会が提言するという文言をすべて省略していると解釈していただければと思いま す。ですから何も付いてない場合には「国が何々する」であり、特にこれは地方自治体 がすることである場合は、「地方自治体は」と入れています。  そういう意味で、最初の第4の中の1「現状の把握及び情報公開」のいちばん最初、 「地域における搬送事例等の分析を綿密に行い現状把握に努める」とありますが、これ は国に対して懇談会が言うのか、自方自治体に対してなのか。どちらかというと、やは り国にやってもらいたいということでいいですかね。ちょっと気になるというか、ご指 摘があったところでもあるのですが。地域における事例の分析を綿密に行い、現状を把 握する、これはやはり「地方自治体は」のほうがいいのかもしれませんね。国はそれを 統合して、全体像をつかんでおく必要があるかと思いますが。でも、その後が情報把握 のあり方で、「総務省消防庁と連携し、その詳細を早急に検討する」。事務方、いかが です。ここは、国ということでよろしいですか。 ○指導課長 国と地方自治体が協力しながら進めるということではないかと思います。 ○岡井座長 両方という感じが入るように、ちょっと文言を考えさせてもらいます。「関 係者間の連携」「医療機関のあり方と救急患者の搬送体制」。この辺は、少し前の項立 てと変更していますが、内容で変更になったところは、次の9頁ではまず、「周産期母 子医療センターの分類例」です。前は4つ出していたかと思いますが、これは大野先生 のご指摘だったと思いますが、4つ目の「連携病院」というのは、わかりにくいという ことで、一応分類は3つにしようかと思います。  これに対しては、「総合周産期母子医療センター(母体・胎児・新生児型)」も長い し、わかりにくい点もあるので、一般の方々が聞いてわかりやすい、理解しやすいよう な呼称を付けたほうがいいというご意見がありまして、それは考えさせていただくこと でいいですか。上がっている案は、母体はマザーのMで、胎児・新生児はFとNです けれども、まとめてNでもいいと思っています。M型N型とか、そういう形で短縮し た呼称があれば、わかりやすいと思います。ご意見がなければいまのような方向で、厚 労省の方々と相談して決めさせてもらっていいですか、呼び名を。この3つでいくとい うことで。 ○田村委員 よろしいですか。これは、この次の10頁の(2)の「診療実績の評価項目の 例」にもかかわることなのですけれど、いまの分類だけですと、どうしても今回は母体 救急をどうするかがメインの会議なので仕方がないのですけれども、母体救急にどれだ け対応できるかということで、総合周産期センターがランク付けされているように取ら れかねない。それは不公平だと思います。いま子ども病院に併設された総合周産期セン ターは、それぞれの都道府県の新生児搬送を引き受けているところが多いのです。これ は、我々新生児科医が20年も前から、自分の所ではなくて、お産がある施設に新生児科 医が出かけて行って、そこでお産に立ち合って、蘇生してハイリスクの子どもを自分の 施設につれてくるだけではなくて、自分の施設が一杯であれば他の病院に三角搬送で運 んでというようなことを、長年にわたって各都道府県で小児病院が中心にやってきてる わけです。そういったところが、この分類法だと全く評価されないということになりか ねない。  小児病院型の周産期センターが担っている、地域の重症の新生児の搬送は非常に大変 なのです。新生児搬送は、ほとんど経費の持ち出しで、マンパワーからいっても経済的 にも非常に負担になっていますので、それを支えている子ども病院型の周産期センター が、評価されるようにしていただきたい。 ○岡井座長 総合にはならないのですよね。 ○田村委員 いや、総合になっているところもあります。例えば「長野こども病院」は そうです。 ○岡井座長 総合になっているところもある。総合になっているところは、2番目の分 類に入るわけですね。 ○田村委員 2番目に入ってしまうと、母体救急をやっていないが故に、1番目よりも1 つランクが下というか、理想的な機能を持っていないかのように位置づけられる危険が あります。そういうところは1番目の病院もやってないような地域の新生児搬送を支え ているわけですから、別扱いで評価していただきたい。それに絡めて、10頁の「胎児・ 新生児搬送の実績」のところですけれども、新生児搬送の受入実績が入っていますが、 もっと大変なのは他の病院まで出かけていって自施設へ重症の新生児を連れて来たり、 もしくは他の病院に連れて行ったりする新生児搬送なのです。いちばん縁の下の力持ち で、頑張っている所が評価されるように、ここの10頁に新生児搬送実績を入れていただ きたいと思います。 ○岡井座長 先生が言われた、迎えに行って連れて来るという、そのことですね。なん て呼びますか。 ○田村委員 新生児搬送では「迎え搬送」と呼びます。 ○岡井座長 迎え搬送と呼びます。新生児搬送受入実績というのがあるから、迎え搬送 でいいですか。 ○田村委員 「迎え搬送」及び「三角搬送」です。後でも出てきますけど、「バックト ランスファー」も含めて多くの小児病院が新生児搬送を担っているわけです。 ○岡井座長 三角搬送というのは、バックトランスファーを含めているわけですよね。 そうではなくてですか。 ○田村委員 バックトランスファーは、自分の所に入院した子どもで落ち着いた子ども を紹介元施設に戻すのがバックトランスファー。「三角搬送」は、依頼があって受け入 れたいけれど、自分の所のNICUが一杯なものだから、依頼元病院へ出かけていって分 娩立合いをして、その赤ちゃんを空床のあるよその病院にわざわざ運んであげるわけで す。だから、搬送してあげる病院にとっては全く収益がないことを、救急隊員でもない 医師と看護師がやっているわけです。だから、そういう事がきちんと評価されるために は、先ほどの分類の中に小児病院型の周産期センターというのを第3の分類として入れ ていただきたい。 ○岡井座長 わかりました。そうすると、先生、名前を考えてください。お願いします。 もう1つ、そういうのを入れます。 ○海野委員 田村先生のおっしゃることは重々承知しているのですが、それも含めて、 要はこれは上下ではなくて、それぞれの医療機関に上下関係があるわけではないので、 機能をどのようにわかりやすく表現するかという問題に限られて、MやMN、Nという ことを言っているのだと思うのです。その実績をどう評価するか。いままではみんな一 緒くたで、かえって一般の方や実際の患者さんから見ると、もしかしたらよくわからな い部分があったかもしれない。それをこの医療機関はこういう機能を持った周産期セン ターなのですということを明示する意味では、それぞれ名前があっていいのだと思うの です。  当初言っていたN型の総合周産期というのは、まさしく田村先生がおっしゃっていた 部分を言っていて、それはMN型と比べての上下ではないです。ただ機能がそういう機 能に特化していて、それでスペシャルな病院の施設であるという認識で、そういう名前 にしていただけなのです。ですから、そこはどうしても母体救急の話が多くなってしま うので、何となくそういう感じに受け取られがちになってしまった可能性はあるのです が、事実コンセンサスとしては、それは少し機能が異なっていて、それぞれ地域医療に 役割を果たしているのだということで、みんなが理解していかないといけないことなの ではないかと思います。 ○岡井座長 総合周産期の胎児・新生児型は、産科・MFICUが入っていて、一応先生が 先ほど言われた小児病院型の中で、総合周産期になっていて産科のあるところなのでこ れでよいと思います。小児病院型で産科がなくて、新生児が頑張っているというのをも う1つ入れましょう。名前だけ先生が考えてください。 ○田村委員 総合周産期センターで産科はあっても地域の新生児搬送を担っているとこ ろがあります。例えば長野県立こども病院がそうですし、東京都でもいま新生児搬送を いちばん頑張ってやっているのは、八王子の小児病院です。 ○岡井座長 だからそこは総合になってないでしょう。 ○田村委員 八王子小児センターは総合になってない。 ○岡井座長 だから総合になってないところを、ここに1つ書けばいいわけですよ。そ ういう新生児搬送を中心に頑張っている施設を。周産期救急の中に新生児も入れるとい うことでこの間合意しましたので、母体は関係ないですが、そういうのも1つこの周産 期母子医療センターの分類の中に入れます。それで先生に名前を考えていただきたいの で、お願いします。 ○田村委員 はい。 ○岡井座長 大臣がお見えになりました。すみません、お待たせしました。 ○舛添厚生労働大臣 すみません。中断をさせて大変失礼しました。ちょっとまた途中 で退席しますので、まとめてお話をしたいと思います。  この懇談会で精力的にご議論を重ねていただきまして、ありがとうございました。昨 年10月に東京都で大変不幸な事件がありまして、それで皆さんに急遽お集まりいただい て、短期集中で1つの方向付けをやっていただくということで、今日は岡井先生、それ から皆様方のご努力で報告書の案が出てきて、いまそれを検討していただいております。 さまざまな良いアイディアがそこに盛られていると思いますので、是非いい形でおまと めいただいて、その上に具体的に行政のほうでどういう手を打っていくか、早急にでき るところからやっていく。  そして、これは先般第二次補正予算も通りまして、いま本予算の審議を行っています が、一次補正、二次補正、本予算と、切れ目のない形で予算をきちんと組んでいって、 周産期医療、救急医療の確保に対しても財源的な措置をしっかりやっているところです ので、そういう形で国民の期待に応えたいと思いますので、どうかひとつ、よく議論を 最後の最後まで重ねていただいて、いい報告書をおまとめいただければと思います。以 上です。ありがとうございます。 ○岡井座長 ありがとうございました。ここの項では、前回、9頁のいちばん下のほう にある、必要な科を全部揃えた施設を、私は大きな規模でということを書きまして、い ろいろご批判をいただきました。ここは「適正な規模」というように修正させていただ きました。地域の事情に応じて適正に考えていただくということで、修正いたします。 ○杉本座長代理 話が少し戻りますが、先ほどの周産期母子医療センターの名前で、救 命センターもそうですが、高度救命救急センターとかいろいろになってくると、ランク 付けられているようになって何となく差があるようになります。この名称を考えられる ときには、海野先生がおっしゃるとおりだと思うのですが、それぞれの役割であるとな るように、少し名前を考えていただいたほうがいいと思うのですが。厚労省と一緒に考 えられるということですが。 ○岡井座長 わかりました。是非いい名前を考えたいと思います。それでは、そこはよ ろしゅうございますか。ほかになければ次にいきますが、お気付きの点がありましたら、 後ほどでもよろしいですのでご指摘ください。  次に(2)の救急医療・周産期医療に対する財政支援とドクターフィー、ここの部分はあ まり変更はないです。フィーのことにつきましては、前回の報告書(案)では、所々に 細かく財政的支援をというのを付け加えたものがあったのですが、その辺はまとめて後 に付けるような形に、書き方を変更させていただいています。 ○岡本参考人 ちょっと質問ですが、看護職に対する、これから「適正な評価も検討す る」という表現をしていただきました。ここは喫緊はいま不足している、ドクターの問 題でドクターフィーということではあるのですが、そういう意味では看護職員のフィー という理解も含まれていると考えていいですか。 ○岡井座長 岡本参考人のご意見を、私は覚えています。看護師さんにも支払うという ような文章になっていたと思うのですが、厚労省の方々とも検討しまして、この場合は 「適正な評価」ということで、それも含めて検討するという表現をさせていただきたい ということでしたので、よろしゅうございますか。 ○岡本参考人 ありがとうございました。 ○岡井座長 ほかに、ここはよろしいですか。 ○藤村委員 先ほど田村先生からご指摘のあった点を、もう一度確認します。胎児・新 生児についての新生児搬送の受入実績の前か後ろに、「新生児搬送実績」と別に言葉を 入れていただきたいと。 ○岡井座長 新生児搬送の受入実績とは別に、搬送実績。これは迎え搬送とか、何かそ ういう言葉を付けたほうがよろしいですか。 ○田村委員 先ほど言いました、すべて新生児搬送でわかると思います。 ○岡井座長 そうですか。新生児搬送実績、ちょっとわかりにくくなってしまいますね。 搬送受入実績との区別をつけるようにしたほうが、読んだときに分かり易いと思います が。 ○藤村委員 医師、看護師による新生児搬送実績と言うと、具体的になる。 ○岡井座長 迎え搬送等とかいうのではいけませんか。迎え搬送、三角搬送とかを入れ ますか。 ○藤村委員 具体的にわかりにくいとおっしゃるのでしたら。 ○岡井座長 いや、話としてはわかってるのです。言葉書きは。 ○藤村委員 迎え搬送です。もし括弧して入れるなら、分娩立合い、三角搬送、逆搬送、 それがすべて入ると思います。  自分の所ではない病院に出かけて行って、そこでお産に立ち合って、ハイリスクな赤 ちゃんを蘇生して、しかも自分の所に連れてくるならまだそのあと入院費が入るからい いのですが、そうではなくてわざわざほかの病院に運んで、そこに置いて帰ってくると いうのは、本当に病院にとってもスタッフにとっても、時間的にも労力的にも大きな持 ち出しです。これがいまの保険診療では、ほとんど評価されてないのです。新生児の担 当者は、それをもう20年やっているのです。 ○岡井座長 そうすると、新生児搬送(迎え搬送、三角搬送)、バックトランスファー は、日本語で言うと逆搬送でいいのですか。逆搬送等、あとは等でいいでしょう。お産 の立合いまでで。 ○田村委員 立合い等までいけば、もう完璧です。 ○岡井座長 等と括弧して入れて、その実績というような項目を、この後に付けさせて いただきます。新生児外科の前ですね。よろしいですか。 ○藤村委員 この報告書で、搬送という言葉をトランスポートとトランスファーとを同 じように使っているのです。これがいまの議論の間違いの始まりであり終わりです。マ ターナル トランスポートではないのです。マターナル トランスフォー、ネオネータル トランスポートなのです。そこのところがいまごっちゃになったので、こういう混乱が 起こったのだと思います。  私が先ほど申し上げたのは、ネオネータル トランスポートという意味で申し上げたの です。これは母体搬送、新生児搬送と並べてしまうから、概念が一緒になってしまう。 でもほとんどの母体搬送は、総合周産期母子の産科医は付き添っておりません。専用救 急車でもありません。 ○岡井座長 しかし母体搬送、新生児搬送の搬送という言葉を替えるというのは、いま の日本の中の医学用語として急には無理ですので、どちらも搬送と訳して使っているの で、ここはちょっと許してください。意味はわかりましたから。では、そういう新生児 の先生方が大変な努力をしておられることを、もう1つ付け加えるということで。 ○池田委員 田村先生、藤村先生もいま本当に付いていないボランティアの活動で、小 児科の先生が無償で何十年もやっておられるわけです。これと同じようなイメージで産 科医ができないかというところが、強く訴えているところで、三重県では今度新生児搬 送は、県のほうでフィーが付いたようです。ところが同じことをやっていても、例えば 帝王切開で産科医がそこに手伝いに行っても、フィーが三重県では付かないらしいので す。そうであれば、産科の少ない人数でも、困っている病院に最大瞬間風速的に産科医 がそこに集合できないかというところで、それであれば母体搬送の受入実績もそうです が、母体搬送の受入れではなくて実績、それも追加していただきたいと思います。 ○岡井座長 先生の言われたことはわかりました。しかしここに書くかどうかは、いま 私はちょっとためらっているのです。上の(2)の4から5行目に「医師の活動に対してド クターフィーのあり方を検討する」という中に、先生が言われた帝王切開の手伝いに出 かけて行って、そこで支援したということは含まれていると思っていただいて。 ○有賀委員 文言そのものをドラスティクに替えることについて多少逡巡するのであれ ば、メモのような形で脚注を付けて。だからいま医師の活動というところに、先生がい まおっしゃったようなこともやっているということが分かるようにしておけば、読み手 はそれなりのことを理解してくれると思うのです。書かないと、たぶんこれは風化して いって、先生のお話はもうフェードアウトしてなくなってしまう。 ○岡井座長 わかりました。では、それを検討させていただきます。医師の活動という のはこういうものも含めるということを、注のような形で入れていくか、この上に「等 の」という形で付けてもいいですね。 ○有賀委員 山ほどあると思います。 ○岡井座長 具体的なものを入れると。それでは、(2)のドクターフィーのあり方は、こ れでよろしいですか。 ○杉本座長代理 確認します。いまのはその上のところの「医師の活動に対しドクター フィーのあり方を検討する」ということについての話ですね。 ○岡井座長 そうです。 ○杉本座長代理 先ほどから出ている、診療実績の評価項目の例という中には、入れな いという理解でいいのですね。 ○岡井座長 これはですね。 ○杉本座長代理 新生児の搬送も、同じような考え方でいいわけですか。 ○岡井座長 はい。 ○杉本座長代理 わかりました。 ○岡井座長 診療実績等というのは、医師はもちろんそうですが、やはり病院という施 設の評価の基準で、この施設はどれくらい患者さんを受け入れているのか、そのような ところにつながる評価項目なのです。一応、ここは別立てとして。 ○田村委員 ということは、つまり新生児搬送を入れるのではなくて、除くということ ですか。 ○岡井座長 先生の言われた新生児搬送は。 ○田村委員 搬送は入るわけでしょう。 ○岡井座長 はい、入ります。 ○田村委員 これは、まさに病院としてマンパワーも経費も持ち出しているのですから しっかり評価していただかないと困ります。 ○岡井座長 それは入れます。この件に関して、忘れないうちにちょっと言っておきた いのは、前のときにそれぞれの財政支援の中身に関して、こういう項目の保険点数をも う少し考え直してほしいとか、こういうことに保険点数を付けてほしいというその要望 を各科の先生方からあとでお伺いして、順位を付けて付記として提出するという話をし ましたが、これも厚労省の方々と相談させていただいて、今回の中には具体的なことは 入れない方針にしたいと思っています。全体の方針という形で財政支援をするという形 で報告書を上げさせてもらって、個々の保険点数に対する要望等は、また別個それぞれ の学会等で検討していただいて、個々の要望書を提出するなりしていただくことに変更 させていただきたいと思います。  懇談会が、ここは大事なポイントではありますが、どうしても医師不足を解消するた めにも財政的な支援は必要ではありますが、その財政的な支援だけが表面に出てしまっ ては、これだけ皆さんにいろいろ議論していただいたことが、結局はまた保険点数かと いう印象を与えるのを、私は大変危惧しています。ここでは財政支援はここのところで、 あとそれぞれの項目にそういう処置を検討すると出ておりますので、そういうことでお 認めいただけますか。では、ありがとうございました。  次に、(3)地域におけるネットワークです。ここの記載は産科というか周産期の地域ネ ットワークに限られているので、一般救急のネットワークのことが抜けているという感 じもあるのですが、最初に申し上げましたように、一応ここの大きなタイトルが周産期 救急医療ということなので、ここはこのままでよろしゅうございますか。婦人科がちょ っと入ってきたのは、いちばん最初の初期の一次救急のところで、どうしても産科、周 産期と限ってしまうと、妊娠初期のところが抜けてしまうという考えからです。それで、 こういうことを海野先生からいただいた指摘にあったので、ちょっと婦人科のことが入 っていますが、基本は周産期ということです。  (2)のところの地域内のハイリスク患者、ここは妊産婦というほうがいいと思います。 いま話しましたように周産期救急ということでは、患者というと、どうしても救急の先 生方の患者さんが突然ここに出てくるという話になりますので、それを書き替えたいと 思います。11頁のいちばん最後の情報の共有化、これに関してもここでは「産科医療機 関の間で」ということで書いてあるのですが、一般救急との情報の共有化も必要ですが、 それは後の「情報」でまた出てきますので、ここは一応産科、あるいは周産期医療施設 間のということで、ご理解いただきたいと思います。  次は(4)のリソースです。ここは前と項目立て等はそんなに変わってないのですが、ご 指摘をいただいた点をいくつか整理し直してあります。(2)は、有馬先生からいただいた 後方病床等に対する意見を入れさせていただきました。このリソースの維持・増強のと ころで何かございますか。 ○藤村委員 (2)の13頁上から3行目に「緊急入院やレスパイトケアに対応できる病床の 確保も重要であり」という文章がありますね。 ○岡井座長 はい。 ○藤村委員 ここに一般小児科病床の空床活用を具体化する等と、入れていただけない でしょうか。 ○岡井座長 一般。 ○藤村委員 一般小児科病床の空床活用を具体化する等。ちょっと流れが後ろの文章と つながりにくいので、もうちょっと変えないといけないと思います。 ○岡井座長 これは要するに、病床確保の手段の1つの例ですね。 ○藤村委員 一般小児科の病床数は非常に多いので、それの活用を。 ○岡井座長 レスパイトケアに対してですか。 ○藤村委員 はい。 ○岡井座長 では、先生のご意見はわかりましたので、考えて入れさせていただきます。 ほかはいかがですか。 ○海野委員 ちょっと確認です。私は聞きそびれてしまったかもしれませんが、13頁の いまの話で、「独立行政法人国立病院機構など全国の施設において」と。ここで国立病 院機構の病院を特に指定しているのは何か。ここはたぶん議論はなかったと思うのです が、それはどういうことか。何か強いメッセージがあるのだと思うのですが、それを教 えていただければと思います。 ○岡井座長 これは、たぶん厚労省からいただいた部分だと思うのですが、三浦さんは わかりますか。 ○指導課長 国立病院機構には重症心身障害児のための病床がありますので、そういう 実績を踏まえて例示をしています。 ○海野委員 積極的にそれを増やしていこう、いま平均入所年齢は40歳という話があり ましたが、そういうお考えがあってということでしょうか。 ○岡井座長 有馬先生いかがですか。お願いします。 ○有馬参考人 重症心身障害施設でいうと、民間……というのはあります。それより前 に旧国立があり、ほとんど折半しているぐらいの病床数があるわけです。  独立行政法人のいちばん近いベッド数に重症児がいままでは入っていたわけですが、 それのレスパイト、相手が重症心身のNICU、小児科に入っている人たちですから、そ ちらも同じように持ってもらったほうがいいのではないだろうかということです。 ○岡井座長 海野先生のご意見は、このように「など」とここだけ出ると、国立病院機 構ではないほかの施設のことが消されたと、そういう意味ですか。 ○海野委員 それはやっていただければいいと思うのですが、それを国立病院機構が本 当にやってくれるのかなと、ちょっと思ったものですから、伺った次第です。 ○岡井座長 それは厚労省が書かれた部分なので、やるということだろうと解釈してい ます。三浦課長よろしいですか。 ○指導課長 文章のとおりでございます。 ○有賀委員 国立病院機構をはじめとしてとか。 ○岡井座長 ほかの施設のことが、書かれていないかなと。国立病院機構だけが強調さ れてしまうかなという感じはありますね。 ○有賀委員 何もほかがわからないと、これだけなのです。だから国立病院機構に振り 回される中で何を考えているのかと、そういう感じを非常に強く感じます。 ○岡井座長 ここはもう一度検討させてください。厚労省の担当の方と、ここの部分は もう一度検討して、また改めて改正案として出させていただきます。 ○田村委員 (2)の最後ですが、「NICU入院児支援コーディネーターを、総合周産期母 子医療センターに配置する」となっているのですが、これでは主語がはっきりわかりま せん。実はNICU入院児支援コーディネーターに関しては、平成20年度の厚労省の補助 金事業として始まっているのですが、いまだにどの県も手を挙げていないのです。です から、これは「配置する」というような第三者的な言い方では促進されないので、「総 合周産期センターの条件として、コーディネーターを置くことを義務づける」とか、そ ういう強制力を入れないと、実際にいまは全く活かされていません。 ○岡井座長 わかりましたが、ここは義務づけるかどうか検討が必要ですね。先生の言 われることはわかりますが、書けるかどうかはちょっと難しい点はあるので。 ○田村委員 先ほどの総合周産期センターの実績のところで、例えばNICU入院児支援 コーディネーターを配置しているかどうかも評価に入れるとか、そういう形で具体的に 強制力をもたせていただきたい。ある程度そういう方向を誘導するようなことをやらな いと、少なくともいまの50%補助という国の政策では、まだどの都道府県も活かしてい る所はありませんので、100%補助とかで是非それを活用するような方向に、政策誘導し ていただきたいと思います。 ○岡井座長 ここはもう少し文章を考えます。配置するというのは国がすると先ほど申 しました。この懇談会が提言しているという格好ですから。 ○有賀委員 先ほどの座長の話でいくと、これは配置することを厚生労働省に対して提 言すると、そういうことですよね。 ○岡井座長 そういう意図ですが、いま既に現実にはそういうことは言っているが、実 行されていないということですね。そこはもう少し実効性が出るような表現にしたいと 思います。 ○有賀委員 なかなか。 ○舛添厚生労働大臣 おっしゃりたい意見は、どんどん出してください。 ○岡井座長 (3)の「医師の確保」の最初の文章ですが、これは佐藤先生からのご指摘、 阿真委員からもこのようなことというのがありましたので、付け加えさせていただいた 文章です。現場の医師が頑張ること、即ち頑張れる環境があるということが、新生児・ 妊婦の生命を守ることであると。これは前になかったことですが、付け加えさせていた だいています。  「助産師の確保」や「看護師の確保」等は、ご意見があったことをできるだけ取り入 れて、少し文面を変えております。「救急隊のスキルアップ」は、この後ご意見をいた だいていまして、救急隊の訓練、教育等に周産期の関係者も参加するということを付け 加えたほうがいいという意見ですが、これは是非入れておきたいと考えています。杉本 委員からいただいたご指摘です。 ○舛添厚生労働大臣 皆さんすみません。ちょっとまた中座しなければいけないのです が、あと引き続きご議論をいただいて、いい提言にしていただきたいと思います。よろ しくお願いします。                   (大臣退席) ○藤村委員 13頁の下から3行目、「新生児医療担当医を7名」という件ですが、「確 保することが理想である」という言葉はちょっと弱いので、「定員化することが必要で ある」というふうにお願いしたいのです。 ○岡井座長 それ、先生からいただいたご意見を思い出すのですが、かなり細かく書い てくださったのですよね。それはわかるのですが、現実にできるかどうか。 ○藤村委員 その下の行は、どうして「定員化する」と書いてあるのですか。 ○岡井座長 だから先生のところは「7名」という具体的な数字が出ているから「定員 化」ということがかえって言いにくくなっているのです。下は必要な人数定員化だから 書きやすいのです。そういうことがあるのです。 ○藤村委員 どちらかでいいです。少なくとも「理想」という言葉はちょっと似つかわ しくないと思うので、これは「必要である」と。 ○岡井座長 それでは「確保することが必要である」にしますか。それならいいですか。 ○藤村委員 はい。 ○岡井座長 ただ、現実に相当遠いのですよ、はっきり言って。気持ちはわかるし、そ ういうふうにしていかなければいけないだろうと思うのですが、相当遠い話になってし まうのです。 ○有賀委員 確保することを厚生労働省に提言するのですね。 ○岡井座長 そうなってしまうので、「これが理想である」という、ここはそういう表 現にしてあるのですよ。「必要である」は、やってくださいと言っているわけではなく て、こういう姿がいい姿ですからという話ですね。 ○藤村委員 これは総合周産期母子医療センターの設置のガイドラインにも書かれてき ているわけです。ですから「理想」という言葉はやはりまずい。「必要である」。  ○岡井座長 「必要である」でよろしいですか。では「必要である」ということで。7 名というのは数字が出ているもので、定員化がいますぐできないというところもあると 思うのです。「必要である」にします。ほかにございますか、よろしいですか。助産師、 看護師の行。それから「救急隊員のスキルアップ」「医療事務作業補助者の配置」、こ れはメディカルクラークという言葉で前のときに出ていたと思うのですが、どこかで商 標登録されている用語で勝手に使えないらしいので、こういう言葉、日本語に改訂させ ていただいています。  次が搬送システムなのですが、ここは「救急患者」というのを付けて、「システム」 という言葉も前回の報告書ではしばしば出ていたと思うのですが、これも「体制」とい う日本語にすべて置き換えさせていただいています。厚生労働省からのご指摘でした。 この4の(1)の中に、メディカルコントロール協議会とありますが、これは前の報告書 (案)ではなかった言葉なのですが、救急の先生からご指摘をいただきまして、いまそう いう協議会の活動が大変大事であって、そういったことを一緒にやっていくことの必要 性を指摘していただきましたので、ここに加えています。  (2)、新生児搬送体制も藤村先生、田村先生からご指摘いただきまして、付け加えさせ ていただいています。広域、それから戻り搬送ですね。この辺よろしいですか。ありが とうございます。  5「救急医療情報システムの整備」です。ここは今というか、後から思ったのですが、 (1)の3つ目のマルポチの「救急医療情報システムと周産期救急情報システムの統合また 両者の連携」というところに下線を引いたほうがいいかなと。これ大変重要なことなの で、パッと見た目にわかるように、その2つの統合または連携のところに下線を引きた いと思います。  (2)搬送コーティネーターの役割に関しましては、整理をし直して(1)と(2)とを、搬送先 照会・斡旋と情報収集としましたが、よろしいですか。 ○藤村委員 この「周産期救急医療情報システム」という言葉で、何をみんなが思って いるかということ、ちょっと疑問がある点が16頁のいちばん下の行で、それが私自身は 如実に出たのではないかと思うのです。「助産所からも直接アクセスできるシステムが 望ましい」と。これは私、「助産所からも直接アクセスできることが望ましい」という 場合と大変違うと思うのですね。システムにログオンする、すべての人がシステムにロ グオンするのか、アクセスできるシステムというのは、非常に微妙な言い方になると思 いますね。これは助産師としての要望は、こういう情報ネットワークがあるときに、そ のシステムにアクセスして、どこへ入院させるかを自分で調べますという意思表示にな ると思うのです。 ○岡本参考人 まさにそうなのですね。嘱託医師というのは確保しているのですが、24 時間対応で可能とは限らないことがあるのです。分娩時の緊急というのは本当に急を要 しますので、直接そういう搬送システムの情報センターに連絡して照会いただくという ことが必要です。嘱託医療機関もあるのですが、実際はそこが満床だったら送れないの で、助産所から直接アクセスするというのは、嘱託医療機関での受け入れが駄目だった ときなので、やはり助産所から直接アクセスできるシステムは残しておいていただきた いと思います。 ○藤村委員 わかりました。いま岡本先生は「情報センター」とおっしゃいましたよね。 システムに載っているすべての医療機関ではないわけですね。 ○岡本参考人 どういう形でそれが照会されるかによっては、直接各医療機関にあたっ ていくのかもしれないのですが、私がイメージしているのは、その情報センターでそれ を指示してくれるというイメージがあるもので、そのように答えました。 ○藤村委員 そこのところが少し違うと思います。直接このシステムにアクセスすると いうことは、すべての医療機関に直接アクセスするという意味に読めるわけです。です から、助産所からも。これは「情報センター」といまおっしゃっていた、そのほうがは っきりするなら「情報センターにアクセスできることが望ましい」というほうが誤解が ないと思います。 ○岡井座長 現実にはそうかもしれないですが、情報のネットワークができますよね。 その中の1つに自分たちも入りたいというような意図があるのではないかと思うのです よ、そうですよね。 ○岡本参考人 今もだいぶ助産所も周産期医療協議会に入れていただいているのです が、やはり迅速に救急に対応できるようないろいろなシステムには入れていただきたい のですが、いま私がここで提案したのは、先ほど藤村先生がおっしゃったように、とに かく連携している嘱託医療機関で駄目だったときに、すぐ次が照会していただけるよう なシステムに早く助産所からアクセスしたいという意味なのです。 ○岡井座長 アクセスというのが、また定義がどうかと言い出すとややこしいことにな るので、表現を検討させてください。 ○海野委員 すみませんちょっと戻るのですが、16頁の(3)の広域搬送体制と(4)のの 戻り搬送のところなのです。、戻り搬送で、この3行目に「この時、病院及び家族の経 済的負担を軽減する」とかというのが、なんで出てくるのかということです。例えば同 じ県内で高次医療総合周産期から近くの二次病院に戻り搬送をするというのであれば、 その負担はそんなに大きいものではないかもしれない。ただ、広域搬送で隣の県とか、 隣の隣の県にヘリコプターで行ったということになりますと、それが戻れるか戻れない かというのは非常に家族とかその当事者にとっては大きな問題ですし、その経済的負担 がとても大きいということがありまして、この戻り搬送の部分と広域搬送の部分が全く 別々になってしまうとわかりにくくなってしまう。  先ほど田村先生がおっしゃっていたバックトランスファーという概念は、また少し違 う概念でして、それは赤ちゃんがある程度落ち着いて近くの二次施設でも診られる安定 した状態になったときに、そちらに移っていただいたほうがいいということですから、 それはまたちょっと別なのですね。 ○岡井座長 ここは両方入っているのですね。 ○海野委員 だからそこが、ちょっとこんがらがるかなと。要するにこの広域搬送のと ころには、必ずいま申し上げたような戻り搬送の仕組みがないと、非常に当事者がつら いということがありますし、その戻り先をどういうふうにコーディネイトするかとか、 一体誰がその資金を負担するかという問題が、広域搬送には必ずつきまとうわけです。 ですから、その辺のところを考えないと、このシステムとしては成り立たない部分があ るかなということがあります。 ○岡井座長 広域搬送体制の中にそういうことも考慮した考え方が必要である、という のはいいですよね。ただ、戻り搬送の重要性みたいなものも、ちょっと強調したいので すよ。ある程度良くなったら、もう総合周産期センターを退院してもよいと。 ○海野委員 それはバックトランスファーという意味での戻り搬送なので、ちょっと言 葉の混乱ですけれどね。ですから、広域搬送で戻ってくるというのは、これは都道府県 単位の医療提供体制を組んでいる以上は、それは自治体として責任がある。自分の所で 診きれなくなったから隣の県に頼んでいるということがありますから、それはまた別に コメントが必要なのではないかと思います。 ○岡井座長 そこ、言葉が「戻り搬送」で両方含んでいるのですよ。だからこれはちょ っと整理させてください。広域の中に戻り搬送とか、そういうことの大切さは入れます。 ただ今後、総合周産期で回復したら戻しますよということも大事なので、入れたいと思 います。先生の言われることはわかりました。そこまではよろしいですか。  17頁の第5「地域住民の理解と協力の確保」、ここは最初のところはあまり変わって いないですね。2「地域住民の啓発活動」も少し文章を増やしたぐらいです。第5、そこ まではいかがですか。大体よろしいですか。  頁18、第6「対策の効果の検証と改良サイクルの構築」、これも大変重要なことだろ うと思います。ここの内容は前とあまりは変わっていないのですが、国と地方との関係 をより具体的に書いたのが、今度の新しいほうになります。もう1つはメディカルコン トロール協議会と協力することとか、周産期データの中身は池田先生からのお話があっ たので、中身を具体的に括弧して入れているということですが、よろしいですか。  頁19、第7「おわりに」で前と違っているのは、「健やか親子21」という厚生労働省 の事業がありまして、そこで周産期医療に対する基本的な良い考え方が示されています ので、そのことをここに入れたほうがいいという、これは藤村先生のご意見だったと思 いますが、それで、一言そこに入りました。少しおかしいのは3行目の「措置をとらん こと」ですね。それがありますが、「おわりに」もよろしいですか。 ○嘉山委員 この中には病院長経験者がいないのですよ。今日集中してやるのは産科と あれの話だからいいのですが、8頁以降のところで非常に危険なことがたくさんあって、 現場にまたいろいろな押しつけが出て、無理なことが出る可能性があるのです。それは、 医療というのは産科、婦人科がいま注目を浴びているというだけで、実はすべての分野 が医者が足りない、すべての分野が看護師が足りない。そういう中でどうやってやるか を、いまこの懇談会でやるということだと思います。  例えば8頁以降で私が非常に危険だなというのは、現場が混乱するのではないかと思 うのは、先ほど藤村先生がおっしゃったような、13頁のコーディネーターを配置すると 書いてあるのですが、こういう書き方をしますと、また「配置しなさい」という命令が くるだけで、現場はどうしていいかわからないのですよね。ですからこれ、現場に配置 するのはいいのですよ。厚生労働省にそういうことをやりなさいというのはいいのです が、そのときに財政的な裏付けだとか、そういうことを書いてあげないと、この提言を もって、また厚生労働省が各病院に指示してくるというのは、それはいままでに何度も あったことで、また同じことを繰り返しているのですよ。より一層よくしようとしてい るのに、現場にまた押しつけるような提言になってはいけないと思うのですね。  ですから、これはやはりコーディネーターを配置するだけではなくて、財政的な裏付 けをきちんともって配置しなさいということを、この委員会から厚生労働省に。厚生労 働省はそれで頑張って財務省からお金を持ってくることもやらないと。これだけと現場 は。私は病院長の経験がありますから、例えば小児科の病棟を使わせろと、そういう場 合には小児科の病棟を使ってもいいのですが、それだけでは今度、小児科が必要なとき にはどうするのと。いままでの絆創膏貼りの政策をまたここで作っているのです。さっ きから見ていると。  ですから、その辺の柔軟性をもってやらないと、ただ単なる小児科医と産科医の医療 の仲間うちで何かやっているような気がして、私にはほかの患者さんを置き去りにして いるのだと。その辺、座長はちょっとお考えになっていただかないと。もちろんいいの です、産科がいま問題になっているので、これを大事にするのはいいのですが、一方的 な提言になりますと、ほかの分野のバランスが崩れる。医者がたくさんいるのならいい のです。先ほど藤村先生がおっしゃられた、新生児に8人医者を置くのが理想だから置 けとかね。それをあまりにもきつくやってしまうと、では、8人置かないとそこは補助 金がこないのかということになってしまって、また元の木阿弥ですよ。さらにこの委員 会が悪くしてしまうという危険が、すごくあるところがいくつかあるのですね。  例えば14頁で「潜在助産師の発掘や他科に勤務する助産師を産科に呼び戻すこと」な んて、こんな命令を出したら、ほかのところでも看護師さんが少ないときに。例えば「希 望を募って」というのであれば、助産師さんがほかの科に行っているのは、何か理由が あるかもしれないし、救急のほうがやりたいからそちらに行っているのかもしれない。 これだと強制になってしまうのですよ。それでバランスが崩れるようなことになるので、 その辺は柔軟性をもって表現していただかないと、医療そのものがますますここに、科 内偏在ではないですが崩れていくのです。その辺よろしくお願いしたいと思います。 ○岡井座長 わかりました。先生のご指摘で大事なポイントは、ここでは国に対するこ ちらからの提言であるということで、先ほどのコーディネーターの配置をするといった ときに、国は病院にそれを配置しろと言うだけであると、病院のほうが財政的にも困っ てしまうということなので、その辺のところをはっきりするように、1つずつ項目を見 直して文章等を考えたいと思います。  ただ、先生が言われた助産師の話は考えて書いてあるのですよ。2万何千人いるでし ょう。ずうっと続いてきて、最後ほうに「体制を構築することなども確保策の一つであ る」と、ここが先生が言われたような配慮をして書いてあるのですが、配慮が抜けてい る部分もきっとあると思いますので、もう1回見直してみて、そういうふうにしたいと 思います。それは本当に大事です。 ○杉本座長代理 いま嘉山先生のおっしゃったことはそのとおりだと思うのです。だか ら、「この提言を実施するために必要な財政的な措置を国が講ずる」ということを終わ りに書けという形でいいですね。1つずつにこうこうこうだと言っていったら、書いて あるのと書いてないので、またもめますから。 ○嘉山委員 そうではないといままでの委員会と全く変わらない提言になります。 ○有賀委員 しつこくなるからやめていたのですが、第4の提言のところは、「何々す ることを厚生労働省に対して提言する」というふうになっているとおっしゃったのです けれど、そのことは「厚生労働省にお金のことをきちんとしてくださいね」というふう にこれが提言しているのだというふうに、読めるようにしていただきたいということな のですよ。私たちが勝手に思っていても、文章は文章で読み手がいるわけですよね。読 み手はここにはいない人たちが読んでいるわけですから、そういう意味での丁寧さを、 是非発揮させていただきたいと思います。 ○岡井座長 ありがとうございます。そこをもう少しはっきり。私が言葉で言ったこと をいまの提言の最初に書き加えます。それでこれを読んだ人に間違わず受け取ってもら えるようにします。 ○杉本座長代理 後段になりますが、18頁の「地域住民の啓発活動」に、基本的には妊 産婦さんですね、その片一方で自己責任ということもやはりあると思うのです。自己責 任と書く必要はないですが、だから、そういう未受診妊婦ということが大事ですね。こ こにそういうことを一言入れたほうがいいのではないかと思うのです。 ○岡井座長 はい、ここにそういうことを具体的に。わかりました。 ○杉本座長代理 受診回数などに対するいろいろな形の補助も進められていますから、 特に地域住民等に対して、患者さん側に対してはそのことを、少し強調して書いておい たほうがいいのではないかと思います。 ○岡井座長 ありがとうございます。そのことを是非ここに入れたいと思います。 ○藤村委員 そういう未受診妊婦さんなどの問題は、自己責任という言葉だけで表現す るのがちょっと。 ○岡井座長 そこを社会の問題として捉えるということでよろしいですか。 ○藤村委員 診療報酬のことを、私ども新生児の立場からも何回かにかけて参考資料で 要望してきたわけですが、それを今回付記からも外すと言われた。これは座長から、例 えば「あなた好きよ」とずっと言われていたのに突然「そんな気はなかった」と。 ○岡井座長 いや、気はあったのですが、これは厚生労働省の方々と話し合いの結果で す。 ○藤村委員 やはりなんらかの形で提案させていただいた点数等について、どういう項 目でどういう点数提案があったのかは、残すべきだと思うのです。医療課等にそういう 文章がどうこうとかいろいろ理由があるのか、理由を伺えたら聞かせていただいたらあ りがたいのですが。しかし、少なくともこうした18頁、19頁にのぼる文章を、その内 容を具体化する1つの方法として、診療報酬の点数が例として挙げられていたわけです から、その言葉を、例を先ほど「脚注で」というご指摘もあって、それはいいなと思い ました。これに脚注で入れてくれと申すわけではないのですが、少なくとも議論の過程 として、この報告書に残るような形にできないものかということをご相談したいのです。 ○岡井座長 具体的に保険点数、現在、何点であるものを倍にして何点にしてくれとい う話を、それが大事なのはわかるのですが、この懇談会の報告書の中に入れるかどうか です。私はその気がなかったわけではなくて、最初はそのつもりだったのですが、そう いうことは厚生労働省の今の指導課で、こういう施策をやっているところでダイレクト に扱える問題でもないということもあるのですよね。指導課長、それはいかがですか。 ○指導課長 おっしゃるとおり、指導課で診療報酬を取り扱っているわけではありませ んので、直接的には私どもも必ずしも担当ということではありませんが、診療報酬につ いてのご希望については、先生方から伺っておりますので、ここに書くのはそぐわない ということでは決してないということは、ご理解いただければと思います。必要であれ ばまた岡井座長ともご相談させていただいて、取扱いを考えていきたいと思います。 ○岡井座長 では、もう1回考えさせてもらうということでよろしいですか。絶対に入 れろと。 ○有賀委員 いやいや、もう話は単純明快で、私たちにとって診療報酬の体系がほとん どすべての血と肉だったのですよ。それがだんだんこうなってきたために、救急医療は こうなっているのですよね。だから多少なりともこの部分に、議論に出た半分程度には やはり入れないと、議論をしたことにならないというふうにお考えになる方はいるかも しれません。私はここで議論をしていますから、先生のいかにも診療報酬がすべてだよ ねというわけではないという、かなりハイレベルのご判断について、私は全く理解をし ないわけではないのですが、やはりそうはいってもということはある。  これはたぶん読み手から見ると、厚生労働省が何か特別なお金をまた天から降ってこ させるのか、または私たちが普断食べていたブドウ糖と酸素がこんなに足りなくなって いる時に、一体何なんだという話に必ず読みながら思います。だからそこの部分は三浦 さんは関係ないとおっしゃるかもしれませんが、私たちにとっては三浦さんがどの部局 の誰なんかはどうでもいいことなのですよね。だから、そこのところはちょっと先生、 全体の議論を踏まえてお考えになった暁には、多少は入れておいたほうがいいのではな いかなという気はしますけどね。 ○岡井座長 ありがとうございました。ほかに、この件に関してご意見がありますか。 ○田村委員 やはり診療報酬というものに特化しなくても出来ることは沢山あると思い ます。例えば13頁のところの重症心身障害の子どもたちが在宅医療に移行し、いざとい うときに緊急入院ができるとか、レスパイト入院ができるとか、こういったことは別に 診療報酬という形でなくとも出来るはずです。この懇談会の問題としては、介護保険と 医療保険、それから医療と福祉という、本当にそれこそ舛添大臣が最初からおっしゃっ ておられる、行政の縦割りのためにいつまでもずっと置き去りになっているところが、 やっと今回焦点が当てられたわけです。それをただの美辞麗句で終わらせるというのは 納得出来ません。これは本当に座長の命がかかっているというか、我々の信頼関係がか かっているので、ここで述べられたことが直ちに、今年ではないにしても近未来的に、 数年以内には実現できるように、座長の責任をもって厚生労働省に約束させていただき たい。  医政局長もここにおられるわけですから、そういうことを確約させて、それこそ血判 状でも押させるぐらいのつもりでやっていただきたい。この6回の懇談会で何時間も費 やして、膨大な準備資料揃えまでして、これだけの議論を重ねたのが単に報告書で終わ って、しかもこのうちの十分の一も実現されなかったりしたら、この資料作りに協力し てもらった我々の仲間にも顔向けできない。まさに赤ちゃんにもお母さんにも顔向けで きないような会議になってしまいますから、これは座長が責任をもってちゃんと医政局 長に血判を押してもらってください。 ○岡井座長 お願いします。 ○医政局長 「おわりに」の2行目に、「厚生労働省においては、速やかに必要な措置 をとらんことを要請する」とありますよね。そこに「診療報酬を含めた財政上の措置」 というのをしっかりと書き込めばよろしいのではないでしょうか。 ○岡井座長 そうすると外口局長からは「おわりに」の2行目に「速やかな措置」の中 に保険点数等ということを挙げるということで、先ほどの具体的にこの点数何点という 話ではなくていいのではないかというご意見なのですが、どうしてもおさまらない。 ○嘉山委員 診療報酬、私は先ほど「財政的」という言葉を使ったのですが、診療報酬 にすると、また全体のパイの中から取り合いになるだけなのですよ。だから「財政的」 と言ったのです。そうではなくて財政的というのだと非常に大きい意味になるので、財 政的にするか、あるいは私の提案だとしたら、国家の社会福祉保障費ですか、というよ うなものを大幅に考え直すことが必要であるぐらいのことを入れないと、先ほど田村先 生がおっしゃったようなことが何も意味がないと思います。  診療報酬に集約してしまうと非常に議論が矮小化になるのです。ですから大きく言え ば「財政的支援」と、そうすれば外口さんも財務省に言いやすいでしょうから。診療報 酬になると中医協の中でぐちゃぐちゃやっているだけでなんの解決にも、これはなりま せんよ。ですから、そういうふうに大きなほうのお金を増やすということを書き込んで いただければと思うのです。 ○岡井座長 わかりました。そういうふうに書けば、個々の点数何点はなくてもいいと いうのが先生のご意見ですか。 ○嘉山委員 はい。 ○藤村委員 診療報酬という言葉自体は入れていただきたいと思います。先ほど嘉山委 員がおっしゃったようなことも、もちろん述べられた中に。 ○岡井座長 もっと大きくですよね。 ○藤村委員 財政措置をもって診療報酬のパイを増やすということが可能になるわけで すから。私は個々の点数にちょっとこだわりたいと思います。この文章のいろいろなと ころで、それぞれの思いが文脈として出ていると思うのですが、そこのところは診療報 酬上の何点ということで実現されるものだという説明がずっとあったと思うのです。  ですから、もし必要ならばこの報告書のそれぞれの箇所において、ここのところはこ ういう点数の提案があったということを書き加えていただくのが、いちばん正確になる と思うのですね。それが先ほどからの流れで、この報告書自体とくっ付けていくのがい いとか悪いとかいう話も含めて出てくるとすれば、少なくとも私どもが2回ほどの懇談 会で一覧表的に提案したような形では、点数は具体的に書いていただきたいと思います。 ○横田委員 救急をやっている立場から、いま財政的な問題で的を絞るとすれば、私は 診療報酬というのは、そもそも療養の提供に対する対価として大体出てきているもので すから、救急医療ではそれを取り巻く周辺の労務の評価というのはされていないのです ね。ですから救急で非常に問題になってくるのは、1人の患者さんに対して、あるいは 病気をされた方に対して療養を提供したら、その代償として診療報酬費で払いますよと いう、いわゆる代償主義でやっているのですね。ところが救急医療には先ほど来、例え ばお産のためだけに出向いて行ったりとか、あるいは待期時間、実際には患者さんを診 療しないけれども、待期していたりとか、いわゆる診療報酬上の対価では評価できない 部分が数多くあるのですね。むしろそれは別途、診療報酬以外の財政措置を講じないと いけない。それが救急医療を良くするか悪くするかという意味においての、非常に重要 なポイントなのです。  先ほど来診療報酬の中身を触わる、これは重要な問題です。救急医療、あるいは救命 救急センターをやっている人間でも非常に不合理な評価がありますが、あまりにもその 部分だけを言うと、救急医療全体を見たときに、救急医療はなぜ不採算部門だというと ころの財政担保ができないのですね。だから、先ほど来議論がされていますが、私は後 者の嘉山先生がおっしゃるような広い意味での財政措置を絶対に講じないと、この部分 は埋め合わせできませんよということを言わないと、私は駄目だと思います。 ○岡井座長 ありがとうございました。そこのところにつきましては、相当委員の先生 方からの要望も強いというふうに理解いたしまして、そのお気持を真摯に受け止めて、 もう一度検討をさせていただきます。最後の最終案を出させていただいたときに、もう 一度それに対するご意見をいただくということにしたいと思います。ありがとうござい ました。 ○有賀委員 いま「おわりに」の3行目の「財政措置を含めた」ということになるのは、 「必要な措置をとらんことを要請する」と、ここだけその「措置をとることを要請する」 ではなくて、「とられんことを」というふうに推則だかよくわからない助動詞を入れた のは、何か理由があるのですか。つまりもっと優しく言えば、「とるであろうことを要 請する」というような。 ○岡井座長 「とることを要請する」でいいのですね、どこで「とらん」になったのか。 「とらん」だと「とられん」のほうがいいんですよ。まあ、どちらでもいいですけれど。 「とること」でいいです。 ○有賀委員 なぜここで自分がいくぞというのではなくて、我いかんというふうな言い 方をしているかと、そういう意味で聞いているのですけど。 ○岡井座長 だから「とる」でよかったのですが。 ○有賀委員 と思います。 ○岡井座長 どこでこうなったか思い出しません。この「おわりに」のところに少なく ともいまご指摘のあったようなことは、しっかり入れたいと思います。よろしいですか。 いまペンディングになったところがありますが、もう一度しっかり協議を厚生労働省側 とさせていただいて、最終案として提示したいと思いますので、そのときにまたご意見 を。 ○木下委員 何も新しいことを言うわけではないのですが、いま最後のお話、皆様方の おっしゃるとおりだと実は思っております。座長は財政的なことまでというふうなこと をお伺いになっておられるみたいだったのですが、これはすべて財政的なバックアップ なしには絶対にできないことばかりだと思います。いろいろご議論がありましたが診療 報酬というのは、ここにいらっしゃる小児科、産科あるいは救急というところだけでい うならば、当然どれだけ増やせということになりますが、一度外にまいりますれば外科 もいれば内科もいればというので、全くこれはこのとおりになりっこないわけです。そ ういう意味では嘉山先生がおっしゃったみたいに全体的な財政の支援、それはもちろん すべて社会保障に対する大きな枠を取ってこなければ絶対できないわけでして、そうい ったことを取ってきてくださることによって、本当に真剣に厚生労働省はやってくれる のだなと。大臣が今日はいらっしゃいませんが、そういう意味をもつと思うのです。  ただ、言葉だけで、これ実はいろいろと先ほど来言っていましたが、どうやったら本 当に今回の事件が起こったようなことが解決できるかというと、どれを取っても正直言 って難しい、現実的には見えてこないのですね。けれども中長期的なことということも 含めて、本当に国としてバックアップしてくれて真剣にやるのだということになれば、 どういうふうなことかというと、システムももちろんですが、バックとしてはやはりお 金をどれだけそれに付けるのだということがあって初めて、ああ、本気だなということ になるわけです。その意味では提言としてというか、この報告書としては是非その辺を 強調していただくほうが私は現実的だと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○岡井座長 いまの点は、先生におまとめいただきましたように、できるだけ強調する ように書いていきたいと思います。そこまではよろしいですか。次に海野委員から厚生 労働省がこれからこの政策を進めるに当たっての、スケジュールをきちっとするように というご提案をいただきまして、海野先生の案もいただいているのですが、これは厚生 労働省で現実に20年度までにできそうなことと、それから今もう既にスタートしている ということも含めて、整理していただいたのが別添の20頁の部分です。これにつきまし てはいかがですか、海野先生ご意見ありますか。もっと早くしろというところもあるか もしれませんが。 ○海野委員 この懇談会は、すごく不安な気持でおられる国民の方々に、できるだけ早 くこういう方向でやっていますから、すぐには安心できないまでもそこをご理解くださ いということのメツセージを、早く伝えたいということがいちばん大きい任務なのでは ないかというふうにずっと感じておりました。そういう意味で、できることはとにかく どんどん早くやったらどうかということで提案させていただきました。  この20頁を拝見していて、我々がやらなければいけないこともたくさんあるわけです が、「平成21年度以降に検討すべき事項」、これは今回の中で非常にたくさん大きな問 題になっているものが含まれていると思います。その辺を具体的にどういうふうなお考 えであるのかを、厚生労働省からご教示いただけると、少し安心の度合が増すのではな いかと思います。この20年度にやるべきことというのは、あと2カ月のことですから、 これは大急ぎで私ども研究班等で一生懸命にやって、それでということなのですが、21 年度以降に関してはまだどういう感じで進めたらいいのかというのが、私どもはわから ない部分がありますので、その辺を教えていただければと思いました。 ○岡井座長 三浦課長お答いただけますか。「検討以降に」となっているので、この以 降となると、うんと先でも以降になってしまうので、そういうことも含めてだと思いま すが、少し具体的なご説明をいただけますか。 ○指導課長 20年度はいま海野先生からご指摘いただいたとおり、あと2カ月弱ですの で、この間に行うべくことというのは、ある程度限定せざるを得なかったということで す。その上で21年度以降ということですが、この中には早々に着手しなければいけない ことがすべてだと思いますが、その成果が出るまで若干時間のかかるものもあろうかと いうことで「以降」ということです。例えばそれぞれの診療報酬であれば見直しの時期 もあろうかと思いますし、それ以外で、予算ということになれば、また再来年度の予算 の話ということもありますので、そういう意味で「以降」を付けているということです。 基本的には早急に手を着けるものと考えています。 ○海野委員 いくつか気になる点なのですが、診療報酬ということですと、22年度改定 に間に合うように対応することになるようご検討いただけるのかどうか。実際にはあと 21年度と言っても、ほんの最初の数カ月で進めなければいけないような部分かと思いま す。  「周産期医療対策事業の見直し」というのがあります。これはもう少し早く具体化で きればそのほうがよろしいのかなと考えているのですが、これをどのぐらいまでにやる という目標でやっていくのかということによって、こちらも心構えがあるものですから、 その辺も教えていただければと思います。 ○岡井座長 22年度の予算に間に合わすためには、この中で、もちろん全部ではないで すが、いくつかどうしても早目に具体的な数字が出ないといけない項目があるのだろう と思うのです。その辺どうですか。 ○指導課長 22年度の予算に反映するということになりますと、概算要求ということに なります。そういうことであれば8月末までにはまとめなければいけない事項だと考え ます。 ○岡井座長 海野先生が言われた周産期対策事業の見直しでも、これはいろいろな意見 がまた出てくるので、決着がついてこうだと言えるのは、ちょっと時間がかかりますよ という話で、この21年度以降というところにたぶん入ったのでしょうね。見直すのはい いのですが、見直して今度はこうしますという結論を得るまでには、ちょっとかかるか なということだろうと思います。 ○海野委員 ちょっとわからないのは、要するにこういうふうに書いてあって、具体的 にどういう手順で進めるのかというのが全然わからないのです。そうするとこれは、何 カ月も放ったらかしになってしまう可能性がすぐあると思うのです、それを心配して申 し上げているのです。では、これはこういう検討会を作ってやりますとか、研究班を作 ってやりますとか言われれば、では、そう進むのだなということがわかるわけですが、 それがここでは示されていないのです。先程のNICUの問題だとか、重症心身障害のこ ととか、それはみんなもうすごく心配しているわけですね。それでまた一方では、ここ で検討されたことによって非常に大きな期待を持っている部分もある。ですから、それ をとにかく具体的にまた進めていただきたいという強いお願いなのです。 ○岡井座長 今の海野委員の意見は厚生労働省にお伝えしたということですが、これも う少し具体的に書き直していただけますか。 ○指導課長 19頁の「おわりに」の下から2行目で、この懇談会のご意見として、ロー ドマップを作成すべきというものが出ています。このロードマップを早急に私どもとし ては作成し、そのロードマップにしたがって事業を展開していくということで、今日の ところはお許しいただきたいと思います。 ○岡井座長 これ以上細かくこの報告書の中で書くのは、ちょっとできない部分もある ということですね。 ○田村委員 「21年以降」にいく前に、まず最初に「既に対応または対応中の事項」に ついてなのですが、具体的に一体どのようなことが対応されることになっているのかを、 特に2つ目、「医師の手当や勤務環境の改善に対する財政支援」に関して説明して下さ い。我々の理解するところでは、これは産科医とか救急医の方々に関しては、お話がい ろいろ進んでいるということは伝わっています。しかし、前々から言っています新生児 とか麻粋科医に対しては、まだ十分な検討がなされていないという理解の下に、この原 案を送っていただいた時に私は中谷課長補佐のほうに、「医師の手当や勤務環境の改善 については、21年度以降のところに、新生児、産科、麻酔科部門については検討をして ほしい」と加筆して送ったのですが、「いや、それは既に対応策を練っている」という ことで、僕の加筆文を取消されたわけですが、その具体的な中身を教えていただけます か。 ○指導課長 今日お配りしています資料3をご覧ください。これは救急医療関係、対策 関係ということで、中身はご紹介申し上げませんでした。2頁目です。21年度の予算案 の中で「主な新規予算案等」の1番目です。「休日夜間救急患者受入医療機関支援事業 (新規)」という事項があります。この中で救命救急センター及び第二次救急医療機関 (総合周産期母子医療センター、地域周産期母子医療センターを含む)に勤務する救急 医とされています。これは明確に書いていませんが、そのうち総合周産期あるいは地域 周産期母子医療センターについては、麻粋科医、新生児科医、小児科医、といった方々 に対する処遇改善を図るための手当についての支援を行うということでして、対応済み、 あるいは対応中ということです。 ○岡井座長 対応済みと言われると困りますが、対応中と言われたら、まあ、そういう ことであるなと思わざるを得ないですね。  ○木下委員 お金のことは時間がかかる話だと思いますが、海野先生が言われたみたい に具体的にという話で、まずすぐにこういうことをすれば、なんでもよくなるかという わけにはいかないと思いますが、例えば新生児科の標榜云々ということも、こういうの は別にお金もかからないし、なんでいけないかという理由もない。  もう1つは産科麻粋科、照井先生にずうっと来ていただいてお話を伺っていますが、 そういったことに対して目を向けて、母体救急にとって産科麻粋医というのは、もう避 けて通れない話なのです。産科麻粋科というのもあっておかしくない話でして、そうい うのも思いきってやっていくのだということは、それほどお金がかからないというよう なことから、それを取っ掛かりとして総合周産期センターには産科麻酔医を当然置くべ きだと。そういう話にもっていくとかという、その布石になると思いますが、お金のか からないことですぐできることがありますので、そういうのは早急にやっていただきた い。  システムとしては実は今回非常に有難かったかなと思うのは、周産期救急の部門と一 般の救急の救急関係のボスの先生方がいらっしゃったわけですから、そこで一緒にやれ るのだということができたことは、すごく大事なことだろうと思いますし、そのような レベルでの成果は当然あったと思いますが、各論的に言うと今このシステムというのは 大変難しい。そもそもが助産師は少ない、医者は少ない、産科医が少ない、新生児が少 ないという、そもそもそれをどうするかというのが、実は議論がないわけです。どんな に形だけ作っても現実に難しい。  東京の大病院でもつい最近もそうですが、送ろうとしても現在7人か8人が同時に分 娩進行中であると、したがって受けるに当たっては朝の9時に電話をしても夜の9時な らばなんとかなるというぐらいの状況なのです。そんなところで、結果としては大きな 病院、それができる所は本当に疲れきってしまっているということが、ますますひどく なっている現状で、要するに何ができるかというと、産科医不足、診療科のことだと思 いますが、それに対する手が何も打っていないのですよ。  どうしてそうかなということが、やはり専門医としての数は、ある程度枠をはめてい かざるを得ない時期がくるに違いないと思っているだけに、そういうことまで踏み込ん だ話がいずれ出てくるだろうと思っているのです。そこまでいかない限り、どんなに周 りのいろいろな委員会を作って何をしても、問題解決にはならないのではないかという 気が実はするのです。問題が大きくなり過ぎますが、そういったことだと思いますので、 海野先生が言われたみたいにすぐに何ができるかというと、それはできないと思います が、しかし、できることは是非やっていただきたい。特に標榜科などに関してはそれほ ど難しい話ではありませんので、是非お考え願いたいと思います。 ○岡井座長 ありがとうございました。先生のおっしゃるとおりで、医師不足を解消し ないと、いろいろなところで本当に体制がとれないのはわかっているのですが、それは それでやるとして、今できる範囲でできるだけのことをやっていこうということだとご 理解いただきたいと思います。  それから木下先生が言われたように、この中でも本当に早くできるものをピックアッ プしてもう1回整理をしていただく。お金がかからないところは早くできそうだという 話もあったのですが、必ずしもそうでもないところも。標榜科の問題も相当議論をしな いと、いろいろなところから、いろいろな意見も出てくる可能性があるので、もう一度 そこをしっかりと議論するということでお願いします。 ○嘉山委員 この予算のことを聞きたいのですが、これは三浦さんが文部科学省に出向 中も教育のことでも非常に頑張ってくれて有難いと思っているのです。ちょっとお聞き したいのですが、これは単年度予算ですか、パーマネント。あるいは10年間、5年間。 ○指導課長 予算は基本的に単年度であり、毎年、毎年要求するという性格のものです。 ○嘉山委員 もう1つはドクターフィーを考慮するということになっていますが、いま までの国の人件費と言った場合には、要するに非常勤講師の人件費に使いなさいという のが多いのですよね。そうすると現場、皆さん今日マスメディアの方、ジャーナリスト の方がたくさんいらっしゃいますけれど、これだとさっきのドクターフィーのようにお 感じになるのですが、これは違うのです。要するに、もう1人別に医師を雇いなさいと、 そこに医師はいないのですが。  そのような人件費では、もし各病院にいった場合に、ジャーナリストの方々が、今日 ずっとディスカッションしてきたようなイメージのお金の使い方ができないので、危険 手当とか、そのような形で使ってもいいとしないと。学校で我々が、三浦先生が文部省 に医学教育課長でいたときにいただいたお金は、みんな非常勤講師のお金になってしま って、現場のインセンティブにならなかったのです。その辺のきめの細かい使い方も指 示していただかないと使えなくなってしまうので、その辺はよろしくお願いします。単 年度だと、また来年になったら概算要求で出さなくてはいけないとなりますので、先ほ ど岡本先生がおっしゃったように、私は全体の枠をそろそろ考える時期ではないかと思 います。 ○岡井座長 ほかにございますか。 ○大野委員 我々一次の立場からすると、母体搬送コーディネーターの配置は非常に重 要視しています。文面にもよく書かれておりますが、具体的にどこまで対応を支援され ているのかをお教えいただけますか。 ○岡井座長 それに関しては、先ほど田村先生がお話がありましたね、50%。 ○田村委員 それはNICUに長期入院している子どものコーディネーターであって、搬 送コーディネーターではないです。 ○岡井座長 こちらの配置への支援は、対応中というのはどの程度のお話でしょうか。 ○指導課長 先ほどの横長の資料3の8頁をご覧ください。上の段に「周産期医療対策 事業」という事項があります。この3行目に「『母体搬送コーディネーター』を総合周 産期母子医療センターに配置する」と書いています。平成21年度予算案に盛り込まれて いるということです。 ○岡井座長 大野先生、そういうことだそうです。これをまだ見ていないところがある ので。 ○有賀委員 でも、それは国が何分の1で、残りは都道府県が何分の1とか、何分の2 とか、そういうことですよね。だから、都道府県が十分にリスポンスできないのならば 絵に描いた餅ですよね。 ○岡井座長 それを私に言わないでください。総合周産期医療センターもそうだし、み んなこういうやり方でやってきているのですよ。 ○有賀委員 医師のフィーがどうしたこうしたと言ったって、つまるところ市町村3分 の1、都道府県3分の1、事業主3分の2以内となるわけですよね。私は副院長ですが、 こんなの逆立ちしてもどうにもなりませんよ。 ○海野委員 計算の仕方を教えていただきたいのですが、8頁の周産期医療対策事業の ところで、母体搬送コーディネーターは2,962万5,000円ですね。トータルの予算が2 億2,252万円だと思うのですが、そうするとこれは何県分の予算を今回付けていただい たのですか。 ○母子保健課長 ここのトータルの予算は、単価と特にリンクするわけではなくて、ご 案内のように周産期医療対策事業というのは、この中で協議会を行ったり、システムを 運営したり、コーディネーターを設置したりということで、それぞれ取り組まれる都道 府県の数とか、かかる額も違うので、この予算の範囲内で支援させていただくというこ とです。 ○海野委員 というか、この「積算単価」というところに書いてあるものですから、こ れを掛け算できるのかなと思っただけなのですが、この2,962万円というのは。 ○母子保健課長 2,962万円だけで2億いくらが積み上がっているわけではありません ので。 ○海野委員 それはわかるのですが、1県当たりにこれだけかけるという考えだとする と、そんなに多くの件案には補助ができないのではないかなと思ったものですから。 ○岡井座長 47を掛けたらもっと大きな数字になるということですね。全部はすぐには 対応しないだろうということを踏んでいるわけなのですよね。 ○海野委員 その気になれるかということでもあるので。 ○大野委員 そういうことではまずいと思うのです。やるならやるで全国でやる方向に 持っていかないと、県が難色を示しているところは実際にありますから。そうすると周 産期協議会とか、総合周産期に払えないということになりますと、絵に描いた餅になり ますから。もう少し積極的に、具体的に全国都道府県にやるのだということを示してい ただかないと、困ると思うのです。 ○指導課長 先ほど母子保健課長からもご説明したように、予算として制度化したとい うことでして、都道府県の方々から手を挙げていただければ、いろいろ工夫しながらす べての都道府県で対応できるように努力していきたいと思っています。実施都道府県数 を限定すると申し上げるつもりはありません。 ○海野委員 そう言っていただけてよかったと思います。ありがとうございました。 ○岡井座長 これも対策中ですから、もっと進めてくれるということだということで。 ○嘉山委員 もう一度人件費のところで三浦さんに確認なのですが、柔軟に使えるよう にしておいていただかないと、この会でやってきた議論が全く意味がなくなります、イ ンセンティブにならないのです。 ○指導課長 この趣旨は、それぞれの医療機関で現に休日夜間に働いておられる救急の 先生方をはじめとする対象の先生方に対して、医療機関側が手当を用意していただけれ ば、その3分の1を国が負担し、3分の1を県が負担し、残りの分を事業主が負担する というのが基本スキームということです。これで新たに人を雇ってもらうというもので はなくて、現に働いている方に対する手当としてお支払いいただくということです。 ○嘉山委員 いや、そうではなくて、例えば救命救急センター運営事業とか、そういう ところのお金も含めてのことを言ったのです。「手当」と書いてあるところはわかるの ですが、「人件費」と書いてあるところは、私は病院長も学部長もやっていて、結局は 使えないのですよ。 ○指導課長 基本的には運営費等に対する補助金の制度には、単価がありまして、その 単価の中でやっていただくことになりますので、国としては単価まではお付合いします ということです。したがって、運営費について助成させていただいているものについて は、その範囲の中でやっていただく分については、国からの補助制度が使えるというこ とでご理解いただければと思います。 ○嘉山委員 理解できるかどうかわからないけれども、実際に使えるかどうかがいちば ん問題です。使えるのですか、イエスかノーで答えてください。 ○指導課長 具体的な内容をお知らせいただければ、私どもで検討させていただきます。 ○嘉山委員 使えるようにしていただきたいと、この委員会から提言していただきたい のです。要するに、インセンティブにならないで、ほかの人を雇いなさいという指示が よく出てくるのです。そうすると、その現場の人には何の意味もないのです。予算が通 ってもです。それで雇える医師がいればいいのですが、雇える医師はいないのですから。 ○有賀委員 もしそうだとしても、都道府県が出さなかったり、事業主が出さなければ、 これはどうにもならないということですよね。 ○岡井座長 そのとおりなのですが。 ○有賀委員 ひょっとしたらひょっとするかなと思ったのは、メディアの方たちがたく さんいてどう思うか知らないけれども、働いている人たちにはお金が結局は来ないので す。 ○指導課長 例えば救命救急センターの運営事業が3頁にありますが、基本的にはいま までその施設に対する助成という形で進めてきたわけですが、いま有賀先生がお話にな られたように、これではそこに働いておられる方々に直接的な支援が届かない可能性が あるために、改めて2頁目にあるような、直接そこで働いている先生方の手当を設けて いただいた医療機関に対して、私どもが一部を助成するという仕組みで、いわばお金の 流れについて、医療機関で止まる可能性のあったものを、それぞれの医師の方々にお届 けする仕組みを、今回の事業で導入したということです。 ○有賀委員 だから、そういうことがままならないことを理解していただかないと。こ の手の話で、医師にたくさんお金がいくなどという話は嘘だということを言っているの です。衆議院の方たちがいるので、これで現場で働いている人たちに、「ああ、今日も 働いてよかった」というようなお金が回るとお思いですか。だって、事業主が払えと言 ったって、払えないというのはたくさんいるのですよ。だからみんな困っているのです。 ○渡辺副大臣 いまおっしゃることは、先ほども医師の人材がいなければ、ほかのいろ いろな施策をやっても進まないというお話と類似のものかと思いますが、確かに手当て をしても、そこに来てくれる人がいなくてはできない。それはこの中の予算だけでは、 当然ながらできないと。 ○有賀委員 できるかのような話をしていたことが、そもそも間違いだったと。 ○渡辺副大臣 そうではなくて、例えばこれを無理をしてでもやっていくという意欲の あるところに支援をするという形の。 ○有賀委員 心はあるのですが、先立つものがないから困っていると。そういうことを わかった上でこれを読むと、何だ嘘ではないかとなるわけです。 ○岡井座長 有賀委員のお気持は大変よくわかります。 ○有賀委員 副院長で直接予算書を見ますから、先生は直接見ることはないのかもしれ ませんが、そうなっているのですよ。 ○岡井座長 話が救急医療対策関係の予算案のほうにいってしまいました。これはこれ でもちろん大事なことですが、今回いちばん大事なのは報告書(案)の審議ですので、 それをこの段階で締めていいかどうかをお聞きします。先ほどからいくつかご提言、ご 意見をいただきました。書きとどめておりますので、もう一度検討するところは検討し 直し、付け加えるところは付け加えて、最終案として、もう一度先生方にお示ししたい と思います。それでよろしいでしょうか。どうしても言っておくことがあればお願いし ます。 ○嘉山委員 せっかく岡井座長が歴史に名前を残すいいチャンスなのに、なぜしないの かよくわからないのですが。いま三浦さんも、そこにいらっしゃるキャリアの皆さんも、 これが当たり前だと思っているのですが、現場では非常に困ってきたということを、い ま有賀先生がおっしゃったのです。つまり、国が3分の1負担する、都道府県も3分の 1、「現場」というのは病院です。病院のどこからお金を持ってくるのですか、いま赤字 だらけの病院で。  この前も放射線の機械を、半分出すけれども半分は病院から出せと、全然減価償却の お金なんかないのに、みんな削りに削ってやっているのです。ということは、これは実 現することは非常に難しいということを有賀先生は言っています。  それと、こういう制度を国家がやってきたのだけれども、これが健全なのかどうかで す。この国の仕組みがおかしいというのが有賀先生のお考えだと思います。だってこん なものはできないのです。もし国がやるというのであれば、国が国民の福祉を守るとい うのであれば、国がしっかりやりなさいということを、岡井委員会で初めて言ったらい いのではないかと私は思うのです。これは提言の委員会なのだから、大臣だって現場か らの声を上げてくれと言っているのだから、おかしいと思ったら。そうすれば外口さん も、国民がおかしいと言っているのだから、財務省にちょうだいよと言えるのだから。 どうですか、渡辺副大臣。 ○渡辺副大臣 提言のほうは、いままで大臣といろいろ意見交換しているので、その方 向性については私は存じておりませんが、先ほど有賀先生がおっしゃったような医療崩 壊の危機感というものは共有しています。ただ、財政的に本当に厳しい中でも、今回は 救急医療あるいは周産期救急に関して、すべて解決するわけではありませんが、一歩踏 み出して何とかしようという意欲はあるわけです。ただ、先ほどおっしゃったように、 この予算だけですべて人が確保できて云々ということにはならないかもしれないけれど も、いままでよりは一歩と。もしやっていただければ、こういうことで今後県のほうに も協力いただいて、何とか一歩進んでもらいたい。それをやっても何も現場が改善しな いということであれば、また新たなアイディアを皆さんからいただきながら、我々も考 えながらやっていくことになるのかなと思っています。 ○嘉山委員 先生がおっしゃったような前提が崩れないで、例えばもう財源が厳しいか らということでいくのであればできないですよ。要するに、これからの日本をどういう 国づくりをしていくのかが変わらなければできないです。財源を作るのが政治家ではな いですか。 ○渡辺副大臣 現在は、あと2カ月で財源を作れるわけでもありませんし、予算書を提 案していますから、財源に関してはこれから麻生総理も社会保障関係の予算等々を考え ておられるということで、また厚生労働省も厳しい社会保障費の抑制の中で、何とか今 回はいろいろな工面をしたわけであります。財源の確保については、当然ながらいろい ろな方法がこれから議論される。 ○嘉山委員 現実にこの委員会がもたれたのは、赤ちゃんだとかお母さんの問題を、現 場で何とかしようということですから、現場が何とかできることを提言したいわけです。 ですから、この3分の1、3分の1、3分の1のお金の出し方では、有賀さんも私も、皆 さんも同じでしょうけれども、本当に国家はやる気があるのかと疑問に思いますよ。我 々は提言したのですから、これはいままでのやり方と違うけれども、今回は赤ちゃんと お母さんを守るために、3分の1、3分の1、3分の1の予算の出し方はやめましょうと いうことを言っていただければ、これは国家は本当にやる気があるのだなと皆さん思う と思うのです。  三浦さんが出してきたのは、いままでのやり方だと思うのですが、各地域も負担して ください。だけれども、これができない地域、都道府県があったら困るでしょというの が、今回の委員の提言なのです。それはご理解願いたい。ですから、先生たちがどうい う国づくりをしたいのかというのが問われているのです。 ○渡辺副大臣 例えばドクターヘリの推進に関しても、本当に都道府県では財政難に陥 って、推進できない県も現実にあるわけです。しかし、挑戦をしていただいてている県 もあるのです。あれは2分の1、2分の1で現場の負担はありませんけれども、県と国と。 ○嘉山委員 だから、それは社会セーフティネットを100パーセント国がやると考える か、やれる所はやれ、やれない所はやるなと、いままでのフリードマンの考えと全く同 じではないですか。 ○田村委員 ない袖は振れないのでは仕方ないのですが、ドクターヘリに関して言えば、 もちろん一定の額がなければできないことですから、県や病院がやる気がないのではや らないというのはわかります。しかし、例えばいま議論になっている2頁の「休日夜間 救急患者受入医療機関支援事業」のことでいくと、※で「都道府県、市町村が負担しな い場合でも補助が可能」となっています。これを「都道府県、市町村並びに事業主が負 担しない場合でも補助が可能」ということにして、わずかではあるけれども、この3分 の1だけでも国はすべてに出すとすれば、現場で苦労しているスタッフが少しは報われ ます。これに関しては※のところに「都道府県、市町村並びに事業主が負担しない場合 でも補助が可能」として、わずかではありますが、補助の分だけは国が出すとしていた だくことは駄目なのですか。それはそんなに難しいことではないと思うのですが。 ○岡井座長 ちょっと待ってください。ここでいろいろな意見を聞いて、平成21年度の 予算案を変更することは可能ではないです。ですから、先生方の意見はわかるのですが、 これの議論は終わりにしたいと思うのですが。 ○有賀委員 最後までやるつもりはないけれども、提言としてその程度の見識があって もいいのではないかと。たまたま衆議院議員が座っているのだから、それだったら国民 の代表として、お母さんや子どもの命を守るために何をするかという話を聞かれている わけですよ。そんなもの待っててくれと言ったって、待ってられないのですよ。  だから、いま言ったように、「事業主が負担しない場合でも補助が可能」と書けば何 とかなるのではないかという話があるわけです。それで、三浦さんがこれだけのお金を 用意したと言っているわけです。だったらそれでいこうではないかということぐらいも 言えないのですか。何のために衆議院議員になったのですか。 ○医政局長 まず、この平成21年度予算案を提出しているところなので、この内容を変 えるのは難しいことはご理解いただきたいと思います。  それから、3分の1のところの「負担しない場合でも補助が可能」というところは、 先生のお気持はわかるのですが、予算のルールでそのような使い方は認められないので す。これはどういうものが使いやすいかというのは、今後また現場のご意見を聞きなが ら、改善は図っていきますけれども、いまのルールでは、これはできないのです。  それで、なぜこういうことをやったかというと、もともと補助金というのは、国が3 分の1、都道府県が3分の1という補助率でいくのですが、そうやった場合に地域によ ってどうしても自治体が出せない所があるのです。そうした所はどうするかというとこ ろでいろいろと議論をして、その場合は事業主の負担が重くなってしまうのですが、そ うであっても、事業主が、ある程度自分が出してもいいからこの制度をやりたいという 所があれば対応できるようにしたのが、この3分の1以内です。これは今年初めての試 みなのです。  これがプラスに出るのかどうなのか。実際は、各地域、周りを見わたして皆さん出し ていただけるのがいちばんありがたいのですが。それから、総務省でも、今回地方交付 税、医療関係にずいぶん配慮していただいていますが、そういったことも含めて、我々 は是非これを活用していただきたいということを広めていますので、また実効の具合を 見ながら、先生方のご意見も伺いながら、いい方向に持っていきたいと思います。ただ、 この案はもう固まっていますので、そこはご理解いただければと思います。 ○嘉山委員 ですから、提言ですから、外口さんは行政マンだから法律の下に動かなけ ればいけないのです。私は本当にルールだかどうかはわからないのですが、法律や決ま りは守らなければいけないからそれはしょうがないです。だから先生方なのです。先生 方は法律を変えることができるのです。それを我々は提言したいと言っているのです。 このままでは実際に動けないです。外口局長は法律の下に動いているのだから、ルール があると言われればしょうがないですよね。法律を作るのは国会ですよ。国会がこれを 変えれば変えることはできるわけですから、それをさっきから有賀先生が聞いているわ けですよ。それをお答えくださいということです。 ○渡辺副大臣 私も勉強になる意見を聞かせていただきました。先ほどもお話したとお り、予算案にすでに決めて、微妙な調整もさまざましながら作り上げた予算ですので、 これをいま変えることは実際にできません。ただし、平成22年度等々に関しては、当然 ながら、またいろいろな工夫をしながら、救急医療は大変重要な分野でもありますし、 配慮をしていかなければいけない。  また、先ほどお話のあった、これが本当に使い勝手が悪ければ、また改善をすること は先ほどお話をしたとおりです。大変現場がご苦労されていることは、当事者ではない から、お前がわかるのかと言われればわからない面もありますけれども、一歩踏み込ん だ救急医療と周産期母子の対応をしようということで、大臣も一生懸命やっております ので、完璧ではないにしても、一歩前進で、またいろいろな皆様のご意見をいただいて、 より良いものにしていきたいと思います。  財源的な制約も大変厳しいものがありまして、その中でも今回一歩踏み出したという ことでありますので、この予算を変えてほしいということは難しいということです。た だ、当然ながら、これからは再度皆さんの声を入れていく。この会は我々が拒否するも のではなくて、皆さんに提言いただいて、それを何とか実現しようということでやって いますので、その点の意欲は政治家としてあるわけで、その点はご理解いただきたいと 思います。 ○岡井座長 ほかに全体を通してのご意見がございましたらどうぞ。 ○藤村委員 資料2のご説明はないのですか。 ○岡井座長 予定しておりません。 ○有賀委員 結局、別添の20頁からいろいろなことが派生していきました。例えば既に 対応中とは言いながら「母体搬送コーディネーターの配置への支援」というのがありま すが、何をどうやるかというのは、おそらく平成20年度までに周産期情報システムの改 善というのがあります。情報システムの中にコーディネーターのパフォーマンスも入っ てきますよね。もうちょっと下までいきますと、平成21年度以降のところに、6番目の ポツで、「周産期患者の病態に応じた搬送・受入基準の作成」がありまして、ある程度 標準化されるようなルールを考えようと。これは平成21年度以降とは言いながら、平成 20年度末までにやりたいということや、既に対応中かもしれないことと、これらは全部 連動しているのです。時系列で横に並ぶようになっていますが、実は立体的なのです。 時間まで入れれば4次元の世界です。  そういう意味で、もし今後のことを考えるというのであれば、この別添の資料そのも のも、いかにも整理されているけれども、実はまだまだなのだというところで、是非整 理していただきたいと思います。 ○岡井座長 わかりました。まだまだなのだという意識は厚労省側にもありまして、今 日の段階ではここまで書けるというものであったと思います。よろしゅうございますか。  それでは、最後にこの懇談会を引き継ぎましてというか、発展させてと言うか、周産 期医療と救急医療の連携に関する厚生労働省の班研究についての説明をお願いします。 ○海野委員 主任研究者は杉本先生で、救急部門と周産期部門の連携強化に資する具体 的手法に関する研究というのを、あと2カ月間で進めていきたいと考えています。  本日の別添資料の「平成20年度末までに検討すべき事項」の真ん中の辺りの※ですが、 「研究班において、具体的な検討を行う」というところを担当することになるのだろう と思って、いま準備をしているところです。  これから産科、新生児、救急、麻酔を含めて、専門家の先生方に広く意見を聞きなが らということで、メーリングリスト等を活用して、情報交換に努めていきたいと思って います。それを踏まえて専門家会議を3月1日に東京で予定していて、そこで多くの専 門家の先生に集まっていただいて、意見交換をして、いま10項目挙がっていますが、い まの段階で検討課題について、専門家としてどのような提言を出せるかということで進 めていく予定でいます。 ○岡井座長 ほかにないようでしたら、渡辺副大臣から締めのお言葉をいただきます。 ○渡辺副大臣 毎回遅くまで議論をしていただきましてありがとうございます。最後の ころにまたいろいろ、我々も政治家としても、いろいろなご要望、ご提案をいただきま した。本当に救急医療、周産期医療等、国民の求める充実した安心の体制を作るために 頑張っていきたいと思っておりますけれども、本当に皆様のご努力によって、いよいよ 最終的なとりまとめに向けてさらに詰めなければならないことも多いと思いますが、今 日の議論も踏まえましてブラッシュアップして、いいとりまとめができることを願って おります。皆様には、本当にさまざまな面でご尽力いただくことになりますが、どうぞ よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○岡井座長 拙い座長を務めさせていただきました私から、最後に皆様方に御礼を申し 上げたいと思います。まず、舛添大臣の強いご意向もあったことだと思いますが、厚生 労働省でこのような会を設けていただきまして、私たち現場で働くものの意見を発言さ せていただく機会を与えていただきましたことに、お礼を申し上げたいと思います。  今日ご審議いただきましたこの提案書はもう少しブラッシュアップしますが、この報 告書で提言させていただいていることを是非政策として実現していただきたいと、それ に対するご尽力をお願いしたいと思います。その政策の進歩がなければ、先ほどから医 療の財政、国の医療に対する財政支援のあり方について、相当怒りの言葉も出ていまし たが、現場で活躍する第一線の先生方が本当に力を発揮していただかなければ、それこ そ母子の安全と安心を守る最適の医療を提供することはできないということだと思いま すので、是非実行に向けてご尽力くださいますようにお願いしたいと思います。  最後になりましたが、委員の皆様、それから参考人の皆様、お忙しい中ご出席いただ き、熱心にご討論いただきましてありがとうございました。改めてお礼を申し上げまし て、この会を終わりにします。ありがとうございました。 (照会先) 厚生労働省医政局指導課 課長補佐  中谷 (代)03-5253-1111(内線2554)