09/01/14 第5回今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会議事録 第5回今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会 日時 平成21年1月14日(水) 16:00〜 場所 厚生労働省専用第12会議室(5階) ○佐藤座長 何人か遅れていらっしゃる方もいますが、時間も少し過ぎましたので、た だいまから第5回「今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会」を始 めさせていただきます。本日は、大きな議題が2つあります。労働関係法制度の法知識 の理解状況に関する調査を実施し、その結果がまとまっていますので、それについてご 報告いただき、議論するということと、そろそろ報告書の取りまとめに向けて議論しな ければいけません。その論点について整理していただいていますので、それについて議 論したいと思います。  前回に続いて開催要領3の(4)に基づき、実態調査を担当された株式会社インテージの 土屋薫さんにお出でいただいています。まず、事務局から配付資料の確認と、補足説明 をお願いいたします。 ○田平室長補佐 本日の配付資料について、説明いたします。資料1は、本日の議事1 にある「労働関係法制度の知識の理解状況に関する調査」の分析結果についての資料で す。資料2は、これまでの議論を整理した資料をお配りしております。本日の議論の土 台にしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。これをベースに、 不足する点、それから、こういう趣旨で言ったのではないというところがありましたら、 ご意見をいただければと考えております。参考資料として、本研究会の開催状況につい ての資料を配付しております。以上です。 ○佐藤座長 資料はよろしいでしょうか。それでは、最初の議題の、労働関係法制度の 知識の理解状況に関する調査について、分析結果をまとめていただいていますので、資 料1に基づいてご説明をお願いいたします。 ○田平室長補佐 詳細な点については、インテージの土屋さんからご説明をしていただ きたいと思っておりますが、私の方から基本的な考え方について説明いたします。まず、 今回の調査ですが、第1回の会合で、雇用者に対しての調査はこれまでも比較的あると いうことでしたが、学生に対する調査があまりないというご指摘をいただいておりまし た。したがって、これまで調査の少なかった学生の状況についても把握しようというこ とで、社会人調査と学生調査を行ったということです。  内容については、まず知識の理解状況が属性とどのようにかかわりがあるのかという こと。それから、どのような知識をよく理解しているのかということ。そういう知識を どこまで知っているのかということについて調べようということです。それから、知識 等をどのようにして入手したか、その入手経路。トラブルがあったかどうか、その場合 にどのように解決しようとしたかということをご指摘いただいていたかと思います。そ ういう観点から、今回調査を行っています。  調査方法ですが、第2回の会合でのご意見等を踏まえて、佐藤座長とも相談の上、実 施は民間の調査会社に委託をしました。昨年10月28日に調査会社から郵送して、11 月10日期限で回収をしております。先ほど申し上げたように、学生調査と社会人調査 を実施しています。単純集計結果については、第4回の会合で簡単に説明させていただ いたところです。  分析のポイントですが、いろいろな観点から分析することはできたと思うのですが、 今回は理解度をポイントとして、そこに着目して分析を行っております。用語と事例の 認知度の高さ・低さにより、調査対象を3分類して、この対象ごとに理解度の違いがど こにあるのか、どのように行動の違いに影響しているかを分析しております。したがっ て、これまでの先行調査、それからヒアリングの結果と必ずしも一致しない点もありま す。例えば、理解度と権利・義務についての教育プログラムの相関関係については、先 行調査では必ずしもあるわけではないという指摘もありますが、今回の調査では理解度 が高い層は権利・義務についての教育プログラムを受けているという結果が出ています。 これは具体的には8頁です。  調査結果の主なポイントとしては、学生調査ではいまの点が大きいポイントという理 解をしておりますが、社会人調査では17頁、18頁で、理解度の高い層ほど有給休暇を 取得する割合が高いとか、今後に対する不安を感じているという結果が出ています。社 会人調査で21頁ですが、これもヒアリング等の場でもご指摘があったかと思いますが、 勤務先で就業規則の提示がなかった、そういう経験をした方が何らかの対応をしたかど うかというものです。これについては、「何もしなかった」というケースが多くて、その 理由として「どうせ何も変わらないから」という方が半数以上という結果が出ています。  先行調査分析、それからこれまでのヒアリング等の内容に加えて、本日のこの調査結 果や本日ご議論いただいた内容も踏まえて、報告書のとりまとめを行ってまいりたいと 思いますので、よろしくお願いいたします。 ○佐藤座長 1つは、今回は学生を入れたということですね。あとは認知状況、具体的 問題の対応等です。内容については、土屋さんからもう少し詳しくご説明いただければ と思います。 ○土屋 インテージの土屋と申します。よろしくお願いいたします。いま、目的・方法 等ご説明がありましたので、調査概要については飛ばしていきたいと思いますが、デー タソースの所だけ少し補足をさせていただきます。私どもは民間の調査会社ですが、全 国に24万人の郵送を専用としたモニター契約をした方の登録があります。その登録の 中で、現在働いている方を対象に社会人調査を実施し、また学生という登録になってい る方に学生の調査票を配付するという形で、今回の調査を行っております。年に1回、 属性の更新をしておりますが、当然、就労状況等変化がありますので、お送りしたあと に仕事を辞めた方ですとか、学生でなくなった方は有効回収の中から削除をして、今回 の分析の対象にしている部分に関しては、学生調査に関しては高校から大学や大学院等 に在籍している方、また社会人については正規の就労をされている方と、パート・アル バイトや派遣といった非正規の就労をされている方ということで設計をして、調査を行 っております。  早速、内容に入らせていただきます。5頁ですが、今回、分析の軸にした労働関係法 制度の理解度について、どういった形でデータを作ったかという部分を説明しておりま す。資料1の後半に、学生編と社会人編の調査票をそれぞれ添付しておりますので、そ ちらも併せてご覧いただければと思います。学生編であれば問9、社会人編は問8で、 各用語の認知度をお伺いしております。団結権や最低賃金といった、労働法に関係する 用語について、知っているものにいくつでも○を付けてくださいということで、お尋ね した問があります。  次の質問で、さまざまな事例に関して、それを法律違反だと「思う」か、「思わない」 か、「わからない」といった選択肢で、質問をした問があります。ここを組み合わせて、 「団結権という言葉を知っており、かつ団結権に絡む事例について、正しい判断を行っ た方」、これは今回、調査票に載せている事例に関しては、具体的には後ろから3枚目 になりますが、「就職した会社で労働組合を作ったところ、会社は組合を解散するように 言った」という事例に対して、これを法律違反だと思うか、思わないかという質問に、 「法律違反だと思われる」と答えた方が正解ということになります。この「団結権」と いう言葉を知っていて、かつこの質問に正解をした方に1点を与えるという構造で、7 つの項目について集計を行いました。そして、この7項目について、1つも正解をして いない方、また1つも用語を知らない方から2つまでの方を理解度レベル1と決めて、 レベル2、レベル3という3区分を作っております。  その結果、学生に関してはほぼ3等分された形で、レベル分けをしております。同じ 基準で社会人編を集計した結果、社会人については理解度レベル1、いちばん理解が低 い層が約2割、理解度レベル2が4割、理解度レベル3が約4割という分布になってお ります。当然のことですが、この時点だけで、社会人と学生で理解度に違いがあるとい うことがお分かりいただけるかと思います。以後の分析に関しては、この理解度レベル と他のいろいろな条件がどのように関連しているかということに関して、データの作成 をしております。  早速、内容に入って6頁です。まずは、今回の調査のメインである学生編について掘 り下げております。学生に関しては、調査設計上、高校生と大学生とを半々で回収する ようにということで設計をしております。学生全体では、理解度レベルがほぼ3等分さ れていたわけですが、グラフのいちばん上にあるのが高校生と大学生とに分けた結果で す。高校生では、理解度レベル1が45.3%も占めております。大学生になると、理解度 レベル3が4割以上に増えるということで、当然、高校生と大学生でかなり理解度が変 わっているということがご確認いただけるかと思います。  さらに、それを年別に見たグラフが左下のグラフになっており、上段3本が高校生の 1年生、2年生、3年生、それから大学生等。こちらは、この「大学生等」という所に短 大生や専門学校生も含まれておりますので、ここの学年に関しては2年生といっても、 短大の2年生で、もう就職直前に来ている方も含まれております。「大学生等」のデー タは、このままご覧いただくのは少し誤解があるかなと思いますが、高校生については 明らかに1年生、2年生、3年生で理解度が進んでいることが確認できるかと思います。  次に、7頁の「働き方の属性分析」です。高校生・大学生に分けて、それぞれアルバ イト経験の有無で、理解度が違うかどうかということを確認したグラフになります。実 は高校生に関しては、アルバイト経験がないという層が多かったもので、このグラフに は有意性はありませんでした。アルバイト経験がある人のほうが理解度レベルが低いと いう、ちょっと矛盾するような結果が出ておりますが、これは有意性はありません。大 学生になると、かなりの人がアルバイト経験があって、やはりある方とない方では、相 当理解度レベルに違いがあることは、データとして確認をとれております。  おおむねどんなアルバイトをしているかというところも、さまざまな職種をとってい るのですが、出現率がかなり低い職種も多かったものですから、いちばん多く高校生が バイトをしているファーストフード等のデータと大学生を比較したところ、同じ職種で バイトをしていても、高校生と大学生でこれだけの違いがあることがご確認いただける かと思います。  8頁が今回のいちばん中心になる学習経験と理解度というところかと思いますが、ま ずグラフの説明からさせていただきます。8頁に2本のグラフがありますが、これは高 校で学んだことがある項目として、いくつでも○を付けてくださいとお尋ねした質問に なります。帯の多いほうが高校生のデータになります。若干、帯の本数が少ないほうが 大学生のグラフになります。受講した経験のないものについてはデータ数が少なかった ものですから、グラフを少々省略しておりますので本数が違いますが、これを理解度レ ベル3の割合が多い順に並べた結果になっております。高校で学んだものの中では、理 解レベル3がいちばん多いのは、これはちょっとサンプル数が少ないのですが、「産業 構造や働き方の変化などを知る授業やプログラムなどを受けたことがある」という学生 が、19名のうち4割近くが理解度レベル3の割合です。次に、「労働者の権利義務を学 ぶ授業、プログラムを受けたことがある」というのは68サンプルありますが、そのう ち4割弱が理解度レベル3という割合になっております。  9頁は、大学等で学んだ内容として聞いた質問になります。ですから、当然高校生の データはありませんので、大学生のみのデータです。高校で学んだことに加えて、大学 生になると、卒業生や人事担当者などの話を聞く授業やプログラムを受けた者、また職 業体験学習等を行う授業、プログラムを受けた者で、理解度レベル3の割合が半数を超 えるという結果がわかりました。  次に、10頁・11頁ですが、こちらは高校生・大学生を合算したデータで作成をした ものなのですが、どういった性格や行動傾向がある人が理解度レベルが高いかというこ とを分析したデータになります。たくさんのグラフが載っておりますが、「表側」という 所に「友だちとまじめな話をする」とか、「友だちと仕事や働くことについて話をする」 ということが細かい字で書いてありますが、それぞれごとに「ほとんどしない」人から 「非常によくする」人にかけて、どう分布が違うかということをお示ししたグラフにな っております。特に傾向が顕著に出ているのが、グラフの上段の右側になりますが、「友 だちと仕事や働くことについて話をする」かどうかについては、「非常によくする」とい う人は、「ほとんどしない」人で理解度レベル1の者が5割を超えているのに対して、4 割以上が理解度レベル3になっています。同様に、一番下の段の左側になりますが、「新 聞の政治欄や経済欄を読む」という学生に関しては、やはり読んでいる人のほうがかな り理解度レベルが進んでいることが確認できるかと思います。  11頁は、クラブ活動やボランティア活動といった習い事をやっているかどうかという ところを聞いた質問ですが、こちらに関しては明らかな差は見られませんでした。  12頁も性格について質問した所ですが、上から2段目の右側、「考えが伝わらないと きは、相手が理解するまで努力をする」というのに対して、「とてもよく当てはまる」と いった学生ですと、4割近くが理解度レベル3にあると。それから、もう1段下になっ て、「わからないことは積極的に自分で調べたり、人に聞く」というのに「よく当てはま る」と答えた学生も、やはり4割以上が理解度レベル3にあるということがわかりまし た。以上、端折りましたが、学生編についての報告になります。  引き続きまして、社会人編に入ります。13頁からになります。まず、基本属性分析と いうことで、性別や年齢をそれぞれかけ合わせたデータが13頁に掲載してあります。 特徴的な部分は、若干、女性に比べると男性のほうが理解度の高い者が多い、という結 果になっております。ただ、この件に関しては、正社員と非正社員の男女差という部分 がありますので、おそらくそういったところが影響しているのではなかろうかと思われ ます。  それから、学歴、最終学歴という所が、右側のいちばん下の段にグラフになっており ますが、大学・大学院の授業が最終学歴という層について、理解度レベル3の割合が高 いという結果がご確認いただけるかと思います。  14頁・15頁が働き方とのクロス分析になります。先ほど触れましたが、社会人全体 で正社員とパート・アルバイト、派遣社員とをクロスした結果を見ると、64サンプルと 若干サンプル数は少ないのですが、正社員の管理職で半数が理解度レベル3にあります。 パート・アルバイト・契約社員になると、理解度レベル1という、若干言葉の認知等が 低い層が3割弱という結果をご確認いただけるかと思います。その後、働き方のデータ に関しても、やはり正社員か非正社員かということで、就労時間等が変わってくると思 いますので、分析上若干その辺りを考慮してデータをお示しております。  16頁・17頁です。16頁では、勤めている企業の従業員規模によって理解度に違いが あるのか確認をしたのが、いちばん左上のグラフになります。従業員規模が大きくなる ほうが、理解度レベル3の割合が高くなるということをご確認いただけるかと思います。 その隣のグラフは、ご本人の年収を尋ねたデータとのクロス結果ですが、年収が高いほ ど理解度レベルが高いということが、お分かりいただけるかと思います。ただ、こちら はおそらく正社員・管理職が上のほうに入ってくると思いますので、100万円未満とい う所はほぼ非正社員の層かと思われます。  「労働組合の有無と加入状況」が残りのグラフになりますが、「労働組合がある」と答 えた方のほうが理解度レベル3の割合が高くなっております。「あるかどうかわからな い」という回答の場合は、3割近くが理解度レベル1におります。また、実際にご本人 が組合に入っているか、いないか、また過去入っていたという部分もありますので、現 在入っている方、過去入っていた方、それから加入経験のない方ということに分けてみ たところ、労働組合の加入経験がない層で若干、理解度レベル1が多くなるということ がわかりました。この理解度レベル1という方に関しては、「勤務先に就業規則があり ますか」という質問とクロスをした結果、「あるかどうかわからない」という回答が4 人に1人ということもわかりました。  17頁ですが、先ほどご説明がありましたが、有給休暇の取得状況とクロスした結果で す。いちばん上のグラフが正社員・非正社員に分けて、 有給休暇を「取った」、「取ら なかった」、「ない」をクロスした結果になります。正社員については、理解度レベルが 上がるほど、有給休暇取得率が高いことがご確認いただけるかと思います。  真ん中のグラフは、実際の日数を聞いた結果とのクロス結果です。グラフの横にある 「サンプル数/平均」という欄に小さな数字がありますが、2段目の7.6、7.8、9.0が取 得日数の平均値になります。 ○佐藤座長 下は、有給休暇を取らない人をゼロに入れているわけではないのですね。 取った人だけですね。 ○土屋 取った人だけです。 ○佐藤座長 ゼロを入れると、もっと差が出るということですね。 ○土屋 そうです。取得者に限った上での数字です。  その下のグラフに関しては、実労働時間とのクロス結果です。こちらは非正社員のほ うで20時間未満のほうが理解度レベルが1というのは割合が高いようになっているの ですが、理解度レベル1の人のほうが実労働時間が長いということがおわかりいただけ るかと思います。  18頁は、理解度が高い層ほど今後に対する不安を感じているという結果ですが、この 不安度に関しては、問14という質問の中で、勤務先の今後に対して、どんな不安を感 じているかを複数回答でお尋ねした結果を使ったグラフになっております。実際の結果 が横に棒グラフが並んでいる所なのですが、人員削減が実施されることを不安に思って いる方がいちばん多く、次いで職務の内容、仕方が変わる、残業が増えるということを 不安に思っている方が多いわけです。この「不安」と答えた数をカウントして、この中 で3つ以上「不安」だと答えた方は「不安度・高」というようにデータを作っておりま す。「不安度・低」というのは、1つまたは2つ不安があると答えた方です。「特にない、 無回答」という所は、1つも不安がないという方々になります。見ると、理解度レベル 3の中には、3つ以上答えた方が45%ということをご確認いただけるかと思います。  実際にどういった経験をしたかという部分の質問が19頁以降なのですが、現時点に おける理解度と過去の経験を直接的に分析するのは非常に乱暴だと思いましたので、こ ちらに関しては理解度ではなくて、現時点の立場、就労状況とのクロス結果になってお ります。パート等の4割は、募集時と実際の労働条件に異なる経験があるということを 示しておりますが、こちらの結果は前回の単純集計結果でお示ししたものと同様の内容 になっております。  20頁は、職種や企業規模別の経験です。当然多い順は上から順番に見ていただければ と思うのですが、職種によって特徴的なところを抜き出したところ、技術職ですと残業 時間を過小申告させられた割合が他の業種よりも高かったり、販売職ですと賃金を天引 きで賠償させられた経験が、福祉・医療関係職ですと休憩時間なしで6時間働くといっ た経験等が、他の業種よりも割合として高いということがわかります。  あとは、「何もしなかった」、「どうせ何も変わらないから」という行動に関しては、就 業形態によっての違いは大きくはありませんが、正社員は「何もしなかった」が多くて、 一方パート等になれば「転職した」、「辞めた」という割合がどうしても高くなるという 傾向が確認いただけるかと思います。  残りの22頁以降は、学生と社会人の比較ということで掲載をしておりますが、冒頭 に説明した理解度のベースになるグラフですので、省略させていただきます。長くなり ましたが、以上です。 ○佐藤座長 今回の認知状況は、5頁でご説明いただいたように、言葉を知っていると いうだけでなくて、内容もわかっているということです。特に、学生などは、割合、言 葉だけ知っている可能性も高くなるので、内容も知っているということで理解度のレベ ルを区分しているところは1つ新しいというか、工夫したところです。今回、どういう 人たちが知っている・知らないのか、知っているか・知らないかによって、その他対処 方法などの状況が違うかどうかを見ています。もう少し説明していただきたいとか、解 釈が違うのではないかとか、いろいろご意見があるかと思いますが、いかがでしょうか。 18頁の「理解度が高いほど、今後に対する不安を感じている」というのはなかなか難し くて、同じような経営状況の企業に勤めていたときに、理解度が高い人のほうが客観的 によく理解していて不安がある、という考えもあります。つまり、理解度がない人は経 営状況がよくわからないから、実際はあるのだけれども、わかっていないということか もしれないし、これはなかなか評価が難しいところです。 ○佐藤委員 おっしゃるとおりだと思います。結果から見ると、やはり新聞をよく読ん でいる人が状況把握をしているので、労働条件やいろいろな法律にも明るいということ になるのだと思います。やはりきちんと自分の情勢が認識できていればできているほど 不安になるというのは、正しい不安であると思います。わからない人については、「特に ない」はレベル1がいちばん多くなっていて、関心がないし自分の状況を自分で変えよ うとしないということが、この結果にも出ていると思います。そういう点で、いま先生 がおっしゃったとおりだと思います。 ○佐藤座長 知らない人たち、理解度が低い人は、もしかすると厳しい状況について客 観的に気付いていないかもしれない。それはそれでまた問題なのですが、ここをどう解 釈して書くかは難しいところかなと思います。 ○原委員 今回は、この報告書の目的からクロス集計の軸はこういう形になったと思う のですが、たぶん不安に感じているから調べていたりして知っているというような逆の 関係も考えられて、そちらの影響のほうがちょっと強いかなと思っています。18頁の下 半分のグラフのほうでも、やはり職場の環境が良くないところでよく知っているという というところが読み取れますので、そうなのかなという感じはしています。 ○両角委員 一方で、例えば14頁とか15頁を見ると、パート・契約社員・アルバイト とかサービス業であるとか、そういう本当ならより不安定というか、悪い状況にあるは ずの人が理解度が低いということが出ているのです。そして、クロスになっていないの でわからないのですが、そういう人たちは関心がなく、不安を感じていないというのも また奇妙なことだなという気もするのです。 ○佐藤委員 あまり想像で言ってはいけないのですが、たぶんパートとかアルバイトな どは、よく言われるように、それを積極的に選択したわけではない方が多いとすると、 したがって、職業を選ぶということとか、働くということに関して、とにかく仕事があ って、きちんと言われたことをやって、という仕事が多いわけです。したがって、ある 状況に接しないと、そのことに気づかれないということなのではないかと思います。い まいろいろな問題が起きていることの1つの原因も、そこにあるような気は私はしてい ます。あまり想像で言ってはいけないと思いますけれども。 ○佐藤座長 18頁のいちばん下の右側は、もしかしたら正規と非正規で分けたものを作 ってもらうといいかと思います。正規と非正規で、一律に非正規のほうが不安定だとい うのはよくないけれども、多少、客観的な状況をコントロールしてみてはいかがでしょ うか。 ○土屋 いま手元で、正規・非正規だけのデータを確認したのですが、正規社員・非正 規社員を分けたときに、正規社員の「不安度・高」の割合が46.7%、非正規になると 22.3%です。明らかに非正規のほうが少ないです。「特にない」が、正規は19.1%に対 して、非正規は35.1%です。 ○原委員 ちゃんとした結果が出てくるかわからなくて、いま全くのアイディア状態な のですが、17頁で理解度のレベルと権利行使の関係として、有給休暇の取得と労働時間 の長さとの関係を見てくださっている。これは非常に興味深いと思っているのです。そ れで、学生のほうでこういう集計をされたらいいかなと思ったのですが、知識と行動の 関係について、社会人のほうでは何か問題が生じたときになにか行動をとったかという のは過去のことで、知識については現在のレベルのことなので、現在の知識状況がこれ までの行動を規定したと仮定した集計をしても仕方がないということで、集計結果が報 告されていないと理解しています。でも、学生については、現在の知識状況とアルバイ トの関係なので、比較的、時間が近いと思うので、学生については問8と問8の1をク ロスさせて、知識がある人でどういう経験をしたか、知識の有無によって、その後、経 験をしたことによって行動をとったかどうかということを調べても、意味のある結果が 出ると思います。 ○土屋 学生については、実はアルバイト経験のある人が少ないので、それをさらに理 解度で分けてしまうと、ちょっと集計母数として小さくなりすぎるというのが、今回残 念な、そこまで掘り下げにくいところだったのです。 ○原委員 例えば高校生と大学生で、理解状況にかなり差があるのがわかっているので、 高校生と大学生でグループ化してクロスするだけでも、そうしたことの傍証的なことは 得られると思うのですね。細かく見る必要はなくて。 ○佐藤座長 社会人は経験についての時間が長すぎてしまって、学生のほうはある程度、 期間が限られるからという話ですね。ちょっとご検討ください。  あと8頁の学習経験のところですが、これは報告書で、こういうことを行ったことが 大事だと結び付けるときに、例えば8頁の左側のほうでも、これはたぶん1個1個独立 して実施されなくて、普通は組合せにされていますよね。例えば産業構造や働き方の変 化を知るプログラムは、たぶんこれだけやっているということはないと思っていて、お そらく就職活動のプログラムの中か何かでやっているのだと思うのです。そうすると、 1個1個クロスするのがいいのか、どうするかなのですが、どのように組合せが作れる かどうか。これとこれとこれと、付けているパターンの類型がいくつかあるのではない か。たぶんセットですよね。だから、もしかしたら読み間違えてしまっている可能性が あって、産業構造や働き方の変化を知る事業プログラムという、これはそのことを聞い ているのではないかもわからないですね。何かで一緒にやっている可能性がある。でも、 何かこれだけ行うというのは、普通なさそうな気もするので、ちょっとどのようにした らよいのか分からない。たぶんひとまとまりで研修とか教育をやっていると思うので、 そういうことが分かれば、いくつかのタイプが分かれば、それでやるほうがいいかもし れないと思います。ちょっとご検討ください。 ○佐藤委員 分類の仕方で、先生のもう少し大括りにしたほうがいいというのは、そう だと思うのですが、どこを求めてこの話をするのかということですね。特に高校生の場 合は、より悪い状態から脱してほしいと思えば、レベル1の人から順番に並べるという か、それが小さい施策が良い施策なのだという判断をする。要は、レベル2とかレベル 3というのは、そうあったほうがいいわけですが、実態を見ると、高校生はあまりそこ までの認識がないので、まずレベル1の人を少なくしようと思うのか、いきなりレベル 3を多くしようと思うのかは重要な課題だと思います。大学生になるとレベル3とレベ ル2がこれだけ多いことからすると、レベル1を少なくすることが非常に重要な気がす るのです。これは、どのようにこれを読み解いて次につなげていくかにかかわる問題な のですが、そこは重要かなという気がします。 ○佐藤座長 高校3年生は、進学か就職かの希望はわかるのでしたか。そんな質問はな かったですか。 ○土屋 希望は取っています。 ○佐藤座長 高1、高2、高3とだんだん理解度が高まるのですが、高3で就職してし まう人がいるのです。だから、大学に行く人は、就職という点ではまだ先だから、この 段階に乗っていけば大学を卒業するまでに知っていくという考え方もあるのですが、高 3で卒業してしまう人たちは、先行研究だと進学者よりも知らない可能性は高いですね。 今回どう出ているかわからないけれども。 ○土屋 前回の単純集計を確認しきれていないのですが、たしか就職する予定というの は少なかった。かなりが進学だったと思います。 ○佐藤座長 今回のサンプルではですね。もし、ある程度取れればで結構ですけれども、 89人のうち、ただわからないでもどっちにしても、このレベルの人たちの中で、就職す る人が一定程度いるわけですよね。そういう説明の仕方はできるはずですよね。ちょっ と書いておいてもらってもいいかもしれない。これを見ると、何かだんだん増えていく からいいみたいに見えてしまうのですが、増えていくというか、理解度が進む。だけど、 途中で就職していってしまう人がいることは言及しておいたほうがいいかなと思います。 もう1つは、社会人は管理職も意外と知らない。知っているというより、この程度しか 知らないというように言ったほうがいいのかもしれない。  ほかにはよろしいですか。もちろんデータの数とか、いろいろなことがあって、でき ないこともあると思いますので、可能な範囲内でご検討いただければと思います。  それでは、いまの分析結果を踏まえながら、これまでのヒアリングや研究会での議論 も踏まえて、報告書を取りまとめるための論点、内容を整理していただいていますので、 それについてご説明いただいて、皆さんのご意見を伺うことにしたいと思います。 ○田平室長補佐 この資料2ですが、まず本研究会の趣旨について整理をしております。 本研究会については、非正規労働者の趨勢的な増加や就業形態の多様化等が進む中で、 労働関係法制度をめぐる知識、特に労働者の権利に関する知識が十分に行きわたってい ないのではないか。そういう現状認識の下に、労働者や企業がどのような知識を得る必 要があるか。そのために、どのような課題があるかを明らかにして、学校教育、職場、 地域、家庭等で、どのような役割を果たして、取組みを行うことが重要か、といった問 題について議論を行っていただくことを目的として開催しているところです。  次に、これまでの検討経緯ですが、先ほどのスケジュールにもありましたように、こ れまで4回の会合を開催して、NPO法人から労働法教育の実施方法、必要な知識内容等 について、労働相談の実務担当者から、相談の実務から伺えるトラブルの原因、予防の ために必要な知識等について伺い、学校教育関係者から、学校教育の現場での労働関係 法制度の教育の実施方法、それから必要と考えられる知識内容等についてヒアリングを 実施したところです。また、佐藤委員と増田委員から、それぞれ労使の取組みについて もお伺いしたところです。  そうしたヒアリング結果とあわせて、先行調査・分析に加えて、先ほどの実態調査に よって、課題の抽出を行っています。今後、本研究会において、年度内に報告を取りま とめていただくことを予定しているところですが、これまでの会合で、委員の皆様から 貴重なご意見をいろいろといただいたところで、この報告書の取りまとめに向けて、本 日の会合で報告書の骨格となるようなものをお示ししたいということと、それに合わせ て、議論が円滑に進むように、これまでのご議論の中で提示いただいたご意見などを整 理させていただいたところです。この資料2に基づいて、ご議論を進めていただければ と考えており、もとより表現等の不十分な点などがあると思いますので、その点も合わ せてご指摘いただけると幸いです。本日のご議論も踏まえて、報告書の案を作成してま いりたいと考えているところです。  報告書のイメージですが、本日お示しした資料2のこれまでの議論の整理で書いてあ る柱の部分です。まず、「はじめに」で本研究会の目的、アウトプットのイメージ、本研 究会でご検討いただいた内容を簡単に記載して、次に「労働関係法制度をめぐる教育に 関する現状」で、現状分析をしようというところです。その中で、まず第1回目に説明 させていただいた先行研究、それから原委員からもご説明いただいた先行分析というも ので、問題意識、そこで指摘されている内容について記載して、取り組むべき課題が何 かを整理する材料としているところです。  続きまして、研究会で行いました労働相談の実務担当者からのヒアリングなどを通じ て指摘された現状について、それから先ほどの実態調査の結果について記載し、取り組 むべき課題が何かを整理しています。そのための材料ということで、「現状」のほうで「先 行研究」、「労働関係法制度をめぐる理解状況」という柱を立て、2頁の2に書いており ます。(1)で「研究会を通じて指摘された現状」、(2)で「労働関係法制度の基礎的な知識 の理解状況に関する実態調査の結果」という整理をしたいということです。  3つ目ですが、労働関係法制度をめぐる教育の取組み状況で、これまでのヒアリング で出てきたNPOの取組み、それから課題を提示し、それから、学校教育現場での現状 ということで、田奈高校の先生からご説明をいただきましたが、それらの内容を学校の 取組みと課題というところで整理をしたいと考えております。それから、佐藤委員、増 田委員からご説明をいただいた内容も踏まえて、労使の取組みと課題を、東京都や東京 労働局からご説明をいただいた内容も踏まえて、行政の取組みと課題を整理しようとい うことです。こういった現状分析を進めて、以下、どのような形で課題があるのか、今 後どのような取組みを行う必要があるのかということを提示していこうという構造にし たいと思っております。  その課題と今後の方向性の整理ですが、まず「基本的考え方」ということで、教育の 意義、必要性、課題を整理していくというところで基本的な考え方を書いて、それから 各論ということで、まず1ついちばん重要なところとして、どのような知識を付与する ことが重要なのかというところについての整理を行いたいということです。2つ目で、 学校段階、労働現場の段階、それから地域などでどのような形で労働法関係法制度をめ ぐって教えていくのが重要なのかという、その教育のあり方について整理をしたいとい うことです。  最後に、そういう課題を整理した上で、具体的な提言というところで、例えば教育現 場における取組みの充実、情報提供機能、相談体制機能、その他の環境の整備等につい て、取りまとめていただければという構造で考えております。ここに挙げているのは、 基本的にかなり共通認識が得られたご意見を整理しており、場合によっては先生方から いただいた貴重なご意見が書かれていないというところもあるかもしれませんので、そ れは最終的には報告書の中には盛り込んでいきたいと考えておりますが、本日の時点で、 これまでにこういった意見を言っているというところもありましたら、是非ご意見をい ただければということです。 ○佐藤座長 議論していただくべきなのは特に2以降ですよね。2以降をちょっと具体 的に説明していただくほうがよいかと思います。 ○田平室長補佐 現状の部分については、これまでもおおむね共通の認識を持っていた だいていると思いますので、2の3頁以降の部分を説明いたします。「基本的な考え方」 ですが、これまでも随時ご議論いただいておりましたように、労働関係法制度を知ると いうことは、労働者だけではなくて、使用者も、その両方にとって必要不可欠であると いうことであり、特に労働者にとっては身を守る手段になっているということです。労 働関係法制度を学習する機会を増やすことが必要であると同時に、個々人の状況に応じ て、知っておくべき知識が違うという状況があり、そういうところに配慮した教育が必 要ではないかというご指摘がありましたので、それを書いております。  次の点も非常に重要で、単に知識等を身に付けるだけでは不十分であり、それを実際 に活かす、活かして行動するところが重要だというご指摘をいただいているところです。 それは本日の先ほどの調査の中にも、関連する内容が含まれているかと思います。それ から、そうした基本的な考え方を踏まえて、各論で、いかなる知識等を付与すべきかと いうことについて記載しています。本来、法的な権利については、法律や契約で定めら れた要件を満たす限り、権利を行使することは防げられないということが、まず前提に なります。その働くことに関する権利について知らなければ、現在の労働条件が適切か どうか判断できない。そういう遭遇した事態を不当であると考えることができて、その 解決法を調べようとするための最低限の知識が必要ではないかということです。  その一方で、労働関係の紛争や不利益な取扱いを円満に解決する、又は未然に防止す るためには、ただ知識を知っているというだけでは不十分であり、権利・義務に関する 知識の問題だけではなくて、コミュニケーションが大事だというご指摘をいろいろな先 生方からご提示いただいたと思いますので、コミュニケーション力、それから社会生活 のルールを遵守することが重要だということを書いていこうということです。それから、 人とのかかわりがだんだん希薄化しているというお話がありました。そういうご指摘が ある中で、他者との良好な人間関係の構築、集団への適用力といった、社会で必要とさ れる基礎的な素養を身に付けることがまずもって重要ではないかということを書いてい こうということです。  その具体的な内容として、大きく2つに分けております。労働にかかわる権利・義務 等の知識ということで、知識と社会性、コミュニケーション能力ということで、大きく 2つに分けております。まず、権利・義務についてですが、労働契約ということで、労 働条件や就業規則、それから労働時間、賃金・給与、休日・休暇、労働組合、男女均等 やセクハラ、社会保険、業務遂行に関しての会社での役割・立場、それから、会社のル ールが法律との関係でどのようになっているのか、雇用形態が違うことによって生ずる いろいろな問題などについて身に付けいただくことが重要であり、また、異次元のもの が並んでいる感はありますが、労働関係相談窓口についても知っていないと権利の行使 ができないのではないかということで、相談窓口についても記載しています。大体この ようなものが指摘されていたのではないかということで以上のものを掲げております。  それから、社会性、コミュニケーション能力ということで、組織への対応と周囲との 協調、公序良俗的なところで、社会人としての基本的なルール、マナー、コミュニケー ションという、生活態度の部分がしっかり身に付いていないといけないのではないかと いうことを掲げております。それから、労働関係法制度をめぐる各段階における教育の あり方について、(2)で大きな課題ということで方向性を示して、(3)で具体的にはどのよ うにしていけばいいかという対応策を記載していただいてはどうかということです。こ の(3)には、具体策としては(2)に対応するものをすべて書けない部分もあると思いますの で、(3)では、現実的なところも踏まえながら、当面の具体的な対応策を整理していただ ければと考えております。  まず課題の(2)の部分ですが、これは整理の仕方として、学校在学中の段階の部分と、 社会に出てからの労働現場の部分、それから整理の仕方がなかなか難しかったので、そ の他ということで(3)でバスケットの形で書いております。この辺りの整理の仕方につい ても、またご意見をいただきながら考えてまいりたいと思います。その中で、学校在学 中の部分については、広く漏れなく必要な知識を認知させることが重要なので、学校教 育の場が非常に重要というご指摘、公民などの正規の授業で実施するところにとどまら ずに、きちんとキャリア教育、進路指導などを授業の中に取り入れて、その一環として 取り組むことが重要なのではないかというご指摘があったかと思います。  学校教育といってもいろいろ段階がありますので、小学校、中学校、高校、大学、そ れぞれの段階で、それに応じた教育が必要なのではないかというご指摘、それから、高 校生に対する教育も非常に重要ではないかというご指摘があったかと思います。3つ目 のポツ(・)ですが、学校在学中の段階で、必要な知識の吸収が効果的に行われるため には、生徒自身が自らの興味や、現実的な問題として、問題意識を持てるような時期に 教育をすることが重要なのではないかというご指摘がありました。そのために、今も行 われている部分がありますが、進路・就職のためのガイダンス、就職内定者向けのセミ ナーなどといった、就職・進学に向けた準備も活用できるのではないかということです。  それから、労働関係法制度を網羅的に教育するということは非常に難しい。しかも、 網羅的に行おうということになると、なかなか集中して頭に入らないという状況もあり ますので、項目を絞る、視覚的に訴えるなど、理解しやすいことが重要だと思いますの で、そういうツールが重要なのではないかということです。また、教える側の観点です が、専門家以外でも解説・講義が可能となるような学習機会の提供、そういうマニュア ルの作成や、きちんと研修を行うということが重要ではないか。キャリア教育・進路指 導においても、活用可能なメディアやホームページでの情報提供ということで、いかに 伝えるかについても重要なのではないかということ。また、情報提供機能の強化を通じ てしっかり教えることが重要ではないかということです。  学校の段階ごとに、個別に効果的なツールを作成することや、内容の伝え方を工夫す ることは非常に負担が大きいという事情もありますので、幅広く教育が普及することは なかなか難しい状況でもあるのかなということで、労働法教育については、全国レベル で実施するような仕組みが必要なのではないかというご指摘もありました。それから、 就職後・卒業後のフォローアップ体制が重要だというご指摘や、労働基準監督署やハロ ーワークといった相談窓口の紹介など、事態が生じた場合に、閾が高くなく相談ができ るような体制を作ることが重要だというご指摘、ワンストップ相談というご指摘もあっ たかと思います。  社会に出てからの段階ということでは、関係施策、相談窓口の情報がわかりやすく、 利用しやすい形で提供されていることが重要なので、これは上に書いてある教育現場の 部分と重なる部分ですが、やはりきちんとした、わかりやすい情報提供ということが重 要なのではないかというご指摘だったかと思います。2つ目の○ですが、就職後に教育 機会に恵まれないような場合もありますので、地域においていろいろな講座やセミナー を開催するのが重要なのではないか、こういったことを通じて、社会全体の意識向上を 図ることが必要なのではないかとのご指摘です。3つ目の○ですが、管理職の段階で、 法制度の理解を徹底させることが非常に重要だということで、これは企業のガバナンス の観点からも必要不可欠なものであるということであり、労働者側の知識不足によるト ラブルだけではなくて、事業主側の知識不足に基づくトラブルも防ぐ必要があるという ことで、事業主等に対する基本的知識の付与も重要ではないかということです。3つ目 は、その他のケースもいろいろとあるかと思いますので、この点についてもご指摘をい ただければというところです。  (3)の具体的な提言は、非現実的な提言ということでは、あまりよろしくないかと思わ れますので、ある程度現状も踏まえて、こういうことが重要なのではないかというご意 見をいただければということです。1点目としては、教育現場における取組みの充実と いうことで、いかに効果的に教えるかが重要というご指摘がありましたので、教材開発 などをどうするかということです。2点目は、厚生労働省のホームページはわかりにく いというご指摘も受けておりますが、そういうところも含めて、情報提供機能の強化に ついてご意見、ご提言をいただければということです。3点目は、相談体制機能の充実 ということで、これもワンストップ化など、いろいろご指摘をされておりますので、そ ういった点についてご意見、ご提言をいただければということです。その他、地域にお ける取組み等について、(2)にはいろいろと書いてありますが、その中で(3)にも記載すべ き部分などもあると思いますし、それ以外でもこういうことが重要なのではないかとい うところがあれば、ご指摘をいただければということです。  先ほど申しました4頁の知識の部分ですが、現時点ではこういう形で整理しておりま すが、整理方法、整理の仕方が十分でない部分もありますし、こういったこともきちん と入れるべきだというご意見・ご提言があれば、改めてご指摘いただければということ です。労働の現場の段階に関するものについては、この研究会報告の内容を踏まえた対 応がなされることが重要だと考えております。それに対して、学校教育の現場にどの程 度この研究会の成果が普及するかというところは、難しい部分もあろうかと思いますが、 せめてここでご議論いただいた内容が、仮に教育現場で使われるとすれば、どのような 形でご活用いただけるかということになると思います。ですから、そういったときのた めに参考としていただけるような、役に立つものをお示しできればと思っておりますの で、この辺りについてもお含みおきいただいた上で、是非、建設的なご意見をいただけ ればと思っております。以上です。 ○佐藤座長 この資料2をベースに本日ご議論いただいて、それをまた文書に広げたも のが報告書の案となると思います。大きくは2部構成で、1は理解の状況と現在の取組 の現状のところのご説明ですね。先行研究とこの研究会で調査したこと、ヒアリングし たこと、それらを踏まえて、2でこれからどうするかについて記載するということにな ります。大きくは2部構成でいいですか。その上で、まず最初に1部の構成なのですが、 内容は別として、私がちょっと気になったのは、1つは理解状況の取組みです。私が先 に言ってしまうのも申し訳ありませんが、1つの提案は、2頁の2の「労働関係法制度 をめぐる理解状況」を1にしてしまう。それで、先行研究とヒアリング調査を併せて記 載する。つまり、事務局案の整理では、理解状況が2つ出てくるのです。1にも2のほ うにも。だから、労働関係法制度の理解状況を、大きく柱として立てて、その理解状況 の最初を先行研究として、それに続けてヒアリング、調査とすればよいかなということ です。そのほうが分かりやすいかなと思います。先行研究というのは理解状況だけです から。以上が提案です。そして、1頁の先行研究の1の問題意識というのは、変ですが、 先行研究の問題意識ですね。なので、これは「はじめに」に入れてしまえばよいので、 先行研究の問題意識などをフォローせず、(2)から始めてもよいのではないかと思います。  もう一度整理しますと、1頁の先行研究中の1の問題意識の部分は、ほとんど「はじ めに」に書いてあるようなことなので、上に持っていってしまって吸収してしまう。そ れで、先行研究の指摘事項を2頁の2の1の(1)の中で、先行研究でわかった理解状況を 書いて、次にヒアリングを書いて、実施した調査結果を書く。つまり、理解状況を1ま とまりにしてしまう。その中に先行研究とこのヒアリングと調査、例えば土屋さんに報 告していただいたエッセンスやポイントが2の(2)に入るのだと思います。そして、後ろ に詳しい調査が参考資料として入る。いまのは私からの提案なので、とりあえず1の構 成についてご意見を伺いますが、いかがでしょうか。 (異議なし)  そんなことでよければ、そういうふうにさせていただきます。まず大きく、ヒアリン グしたもので落ちているものとか、これは入れたらとか、組み替えた後皆さんに報告し ていただいたことを踏まえて、大体このような整理でよろしいですか。  後ろに何か資料が付くのですか。アンケートの詳しいものは付きますね。 ○田平室長補佐 アンケート結果は付ける予定です。 ○佐藤座長 資料には何を付ける予定ですか。 ○田平室長補佐 アンケート、その他現状の資料を付けたいと思っております。 ○佐藤座長 ヒアリングしたものはどうするか。結構興味深いものがあるのですが、ま とめるのが難しいでしょうか。ここには、前のほうにエッセンスだけが載るわけですね。 ○田平室長補佐 はい。例えば第3回などは、議事概要ということにしたので、作って、 ヒアリングをした方々のご意見もいただいた上で、ホームページにアップしております ので可能かとは思いますが、それ以外のものについては、これから作って、ヒアリング をした方々にもご確認をとらないといけない部分がありますので、次回研究会の取りま とめまでにその手続が間に合うかというところがあります。その取扱いについてはまた ご相談させて下さい。 ○佐藤座長 1は、基本的には先行研究、インタビューしたものの調査ということで整 理していただいてよろしいですね。 (異議なし)  それでは2について、各論の(2)と(3)の関係ですが、(2)は、地方公共団体やNPO、 文部科学省も含めて、全体としてやったほうがいいというものを書く。(3)は、具体的に は厚生労働省を中心として実際に取組を進めていくものを書くような書き方だと思って よろしいですか。 ○田平室長補佐 (2)は、大きな方向として、こういうところに取り組むべきだという大 きな話です。そして、具体的なアクションを求める部分が(3)というイメージで考えてお ります。ですから、いま座長がおっしゃられたような方針でよいと思います。 ○佐藤座長 (3)には基本的に来年度、再来年度に予算を取って「実施できそう」なもの を書く。 ○田平室長補佐 「実施できそう」という点については、現時点ではなかなか明確に申 し上げられないところかと思います。 ○佐藤座長 「実施したほうがいい」ことを書く。 ○田平室長補佐 これは研究会のまとめですので、最終的には委員の皆様のご意見を基 に取りまとめられることになるわけですので、それを踏まえてどれだけ対応できるかと いうものかと思っております。 ○佐藤座長 そういう意味では、(3)は(2)の中のものを再掲するのに近くていいわけです ね。 ○田平室長補佐 はい、そういう整理の仕方もあるかと思いますし、もしくは、(2)で大 きな方向性を示したものを(3)でもう少し具体的に書いていただくという整理の仕方も あると思います。その辺りはいろいろな整理の仕方ができると思いますので、ご意見・ ご提言をいただきたいと思います。 ○佐藤座長 (3)の特出しはちょっと微妙なところなので、次に出てきたときに議論する。 一方、(2)はきちっと書いておく。今回の研究会のテーマに照らして必要なことは、主体 が役所を越えたものであっても、幅広く書いたほうがいいと思います。NPOも含めてい ろいろな主体が取り組むということで、大事なことは(2)に書いて、具体的に取り組む必 要があるというところは(3)で書くというイメージかなと思っています。そういうことを 踏まえた上で2.の考え方です。どういうものをどういう考え方でという基本的な考え方、 あとは、労働法知識というのはどういう範囲かという点についてご意見をいただけませ んか。 ○原委員 参考資料についてお尋ねしたいのです。これまでもNPOの方とか高校の方 とか、いろいろいらっしゃって独自の取組みの状況をご報告されてきたわけですが、そ うした中で、教材であったり、パンフレットであったり、いろいろあるわけです。前回 の研究会でご紹介いただきましたし、私どもの機構でも、そうしたハンドブックのよう なものを作っているわけですが、いま現在アクセスできるものがこれだけあるというよ うなリストを最後に付けていただくことはできないでしょうか。 ○田平室長補佐 わかりました。検討してみたいと思います。 ○佐藤座長 そんなに多くはないかもしれないけれども、近いものがあれば参考資料と して、リストなりをホームページに載せるといいかもしれません。ご検討ください。 ○田平室長補佐 販売物まで載せられるかどうかについては、ご相談等が必要になるか と思いますが、これまで研究会でお配りさせていただいた資料はホームページにも載せ てあります。だから、基本的にはそれは大丈夫だと思います。それ以外で何か、こうい うものも重要だ、これも載せたほうがいいよというものがあれば、具体的に教えていた だきたいと思います。網羅的に集めることは難しいので、また、恣意的だとのご指摘を 避けるためにも是非この場でご指摘いただけると助かります。 ○佐藤座長 原委員の言うことは、現物というか、どういうものがあるというアクセス 先が分かればいいわけでしょう。 ○原委員 そうです。 ○田平室長補佐 こういうものがあり、そのアクセス先はここですというものを具体的 に言っていただけると助かります。 ○原委員 将来的なにをすべきかという提案も大事だと思うのですが、いま現在できる ことについても情報提供したほうがいいかなということです。 ○田平室長補佐 わかりました。 ○佐藤座長 JILPTで作っているものとか、この前の静岡のNPOのものとか、載せて 問題のない範囲内で少し広めに、載せるとよいかと思います。参考資料については、ま たご検討いただくことにして、3頁以降で。両角委員どうぞ。 ○両角委員 3点あります。まず1つは細かい言葉のことです。4頁の真ん中の(2)、社 会性、コミュニケーション能力というところで、「社会人のルール(公序良俗)」とあり ますが、これは、民法第90条の公序良俗とは明らかに違い、社会人としての良識とい う意味だと思うので、誤解を招かないように言葉を換えたほうがいいと思います。  あとは内容的なことです。その上の(1)で、私から見ると非常に広いことが載っていて、 これを全部やると、労働法の講義を半年くらい聴いてもらわなくてはいけないみたいな 感じです。特にこの中でも最低限必要なものとして伝えなければいけないものは何か。 それはたぶん、高校生の場合と非正規従業員の場合と管理職では違うと思うのです。な ので、それをもう少し整理して、例えば高校生の場合はこれと書く。  私が思うには、高校生で、特に就職しない人については、いま労働法はどんどん変わ っているので、いろいろなことを覚えさせたとしても、その人たちが社会に出るときに はかなり違っているということがあるわけで、むしろ大事なのは基本的な考え方なので す。例えば、労働関係は契約であることだとか、売買契約などとどこが違うのかとか、 労働組合とは何なのかとか、そういうことが大事である。それに対して非正規従業員の 場合は、もっと具体的に自分たちに振りかかってくるようなこと、例えば労働条件の明 示とか、そういうことが重要でしょう。管理職の場合は、セクハラや人事の問題である とか、別のことがまた重要になってくる。それをもう少し具体的に示したら参考になる のではないかという気がするというのが2点目です。  3点目は、この研究会で言うことではないかなとも思うのですが、労働関係の法律自 体が増えてしまって、内容も複雑化していて、一般の労働者や事業主が見ても分からな いという問題があると思います。例えば、労働契約法と民法、両方に労働契約(雇用契 約)に関する規定があったり、差別禁止に関する規定がいろいろな法律に分かれている。 そういうこと自体がもともと問題なので、教育の話ではないけれども、基本的なことと して、法律自体をもう少し分かりやすく整理することも必要ではないかという気がして おります。 ○佐藤座長 それぞれ大事な点です。 ○田平室長補佐 まず、「良識」にとのご指摘については、ご指摘のとおりという思いで す。今回、取り急ぎまとめた感がありますので、この辺りの言葉遣いはかなり精査する 必要があると考えています。いまのご指摘も含めて、他もいろいろと見直してみたいと 思いますので、お気付きの点がありましたら、この場でなくて後でも結構ですので、教 えていただけると助かります。  2点目の、全部教えるのは難しいというご指摘については、まさにそのとおりだと思 います。集中してやらないとなかなか分からないという部分もありますし、もともと我々 としても、小学校の段階と中学校、高校の段階、それぞれ違うだろうという問題意識は 持っておりましたので、これもいろいろお知恵をいただいて整理してみたい。その上で 委員の先生方にお諮りして、こういう整理でいいですかという形にしたい。ただ、整理 の仕方はいろいろあるかと思いますので、これも委員の先生方のご協力というか、お知 恵をいただければと思います。  3点目の、法律が複雑化という部分につきましては、今回の研究会報告書に入れるか どうかという点もございますが、行政の人間として、しっかりと問題意識を持ちたいと 思います。それから、そういうご指摘があったということは、中のいろいろな場で伝え ていきたいと思いますので、よろしければ、研究会報告とは切り離させていただければ と考えております。 ○佐藤座長 (2)のところは、在学中と労働現場と分けている。なので(1)のほうも、それ が(2)につながることを想定しながら基本的な考え方を書く。当然(2)のほうでは段階別に やらなければと言っている。たぶん高校、大学、企業内で違うと思いますし、既に働い ている人についても、その働き方でも違うということを踏まえる。そうしたときに、具 体的な知識を教えるということについて、その置かれた状況によってもう少し分けて考 えることが大事だということを書く。別に労働法の専門家を作るわけではない。みんな 専門家にしようというのは絶対不可能だから、どういう基本的な考え方でということを 書くことにする。知らなくても、その後調べればいいわけですが、それはすごく大事で す。  最後の、労働法は複雑だというのは、こういうところで言わないと言えないのではな いかという気もしないではない。ほかでは絶対に言わない。つまり、管理職も分かりに くいとか、人事担当者も分かりにくいとかということがあるのですが、それは考えまし ょう。一般的に書く分にはいいではないですか。 ○田平室長補佐 そうですね。そういう状況になっているので、分かりやすく、きちん と教える必要があるなど、そういう流れの中で問題意識として書いて、それだから重要 だというような書き方はできると思いますので、その辺りは少し工夫をしてみたいと思 います。 ○佐藤座長 法律から易しく論ぜよとは言わないけれども、役所として出すときに、も う少し整理したり、分かりやすく出したほうがいいという書き方があり得ると思うので す。増田さん、どうですか。 ○増田委員 (2)の関係で言うと、1つには学校教育、2つには企業や労働現場、3つに 地域社会という組立だと思うのですが、特に学校現場の教育というのが今回の研究会で も非常に重要だと感じました。特にヒアリングを受けた事例は、学校の先生方の熱意に 支えられて実施されている特段先行的な取組みが進んでいたと思うのです。そういった 意味で言えば、この研究会のみの議論としてではなく、指導的レベルにある文部科学省 がどういう形でこの労働法制度の教育に関わろうとするのかということが非常に重要な 本質なのではないかと思います。  企業のところで言えば、労使の共同作業としてどういうことが必要なのかという企業 内の問題になろうかと思います。あとは、地域社会や、労働組合が作られていない中小 企業等に対する取り組みも必要と感じました。特に学校現場ということで言えば、一部 の熱意ある教師だけで労働法制の教育を進めていくのではなく、教育行政を行う文部科 学省が、例えば学習指導要領できちんと指導を行う。あるいは、大学の履修課程の中に 必ず必修講座を設ける。特に教職課程の中には、当然、憲法と同等の扱いで労働法制に 対する最低知識がないと教師にはなれない、ということを盛り込むようなことを提言し たほうがいいのではないかと思います。特に高校教育と大学教育は、働くことの直前の 知識、実際の知識が自分の生きる糧になるという段階であり、労働法制に関する教育が 非常に重要なのだろうと思いました。 ○佐藤座長 (2)の(1)の前半で、学校教育の中で対応すべきとは書いてあるけれども、そ ういうことを実施するための、きちっとした方針を出せということですね。 ○増田委員 そうです。 ○佐藤座長 どういう書き方をするか考えましょう。 ○増田委員 書き方はお任せします。 ○佐藤座長 (2)の「労働現場」というのは変です。(1)はフルタイムで勉強しているとき から仕事についたとき、(2)のほうは働き始めた人です。そうすると、ここの書き方が難 しいのですが、これは「企業」で、組合は「その他」になる。これをどうするかです。 ○増田委員 それは企業内教育みたいなものだと思います。 ○佐藤座長 (2)を、すでに就業している者向けにどう提供するかということにしてしま えば、それは企業も、組合も、あるいは、いろいろな地域でもという書き方もある。「労 働現場」と言ってしまって企業しか出てこないのも何か変な感じなので、どうするかで す。 ○増田委員 私も座長のご指摘された整理でいいと思います。企業に何か問題があった 場合、それを企業で解決しろと言ったら堂々巡りになってしまいます。セーフティネッ トの議論というのは、企業とその他、あるいは企業の中でできること、みたいに考える のが妥当ではないかと思います。(2)と(3)は違うかもしれませんが。 ○佐藤座長 (2)はもう就業している人にという感じにする。企業もそうだし、労働組合 もそうかもしれないし、地域でもと、もしそういう整理ができればいいと思うので、そ こを少しご検討ください。つまり、同じような役割で、労働組合も、企業も(2)の中に出 てくるほうがわかりやすいと思います。その辺をご検討ください。 ○佐藤委員 増田委員のいる前ですが、特に日本は企業別労働組合なので、企業と労働 組合が一体として取り組むという機能がある。産業別ではないという意味はそこにある のです。企業の問題は自分たちの一緒の問題として対応するという労使関係がある。そ こは組合の大きな役割だと思っていますから、そういう面でも、きちっと取り上げてい ただくと分かりやすいと思います。 ○増田委員 逆に、自分の企業のことだけを考えて、隣の企業について知らない振りを することもある。労働組合にもそういう面もある。自分のところのことしか考えない。 労働組合としても、今まで非正規労働者を組織化してこなかったという反省の上に、い ま様々な取り組みを考えようとしている。そういった意味では全体的な視野に立たなけ ればならないと思います。 ○田平室長補佐 私の最初の説明が、適切ではなかったかもしれません。(1)と(2)、そし て(3)はバスケットと言いました。バスケットも当然必要なのですけれども、(3)で言いた かったのは、それだけではなく、連携をきちんとやっていこうという話なのです。だか ら、バスケットは別途設けるのか、それとも「学校教育」と「学校教育以外」というカ テゴリーにするのか。そうすると学校教育との関係も出てくるのです。学校教育、就業、 それ以外の地域その他という整理もできると思います。ただ「その他」の要素がこれま での議論の中であまり出てきていないので、そういう点からすると、書き込む内容はあ まりないかなという状況ですので、その辺りが書けるようだったら「その他」を設けて、 書けないようであれば、企業等の働く現場などということで「学校教育以外」という整 理の仕方にして、最後に連携の必要性を書くという形で整理させていただければと思い ます。 ○佐藤座長 その辺はご検討ください。 ○増田委員 今、特に年末年始の派遣村や派遣切りについてテレビやマスコミに取り上 げられ、労働組合にも匿名の電話が数多くあります。そして、1人でも加入することが できるユニオンへの駆け込みがものすごく増えています。こうした意味では、テレビや マスコミ等が労働問題を取り上げることも啓発活動になっているのではないか。 ○佐藤座長 学校教育のところでアルバイトの話があるのです。ヒアリングで、アルバ イト先で法令が守られていない状況があるということでした。そういう状況が広がって いるというのを高校生が見ていると、学校の現場でこういうルールがあるよと言っても、 働いている先で、自分だけではなくて、正社員もサービス残業をしているなどという状 況をどうするかという議論があったのですが、そういうのが落ちてしまうのです。なか なか難しい点なのですが。つまり、教えても、アルバイト先で守られていないというの を知ってしまっている学生がいる。そうすると、教えても「こんなもんだ」と思いこん でしまう。ここをどうするかというのは、なかなか難しいことなのです。そして、それ が自分だけでなくて、正社員でもそうだという認識を与えてしまうのです。 ○佐藤委員 ここだけで総括すると、学校がある地域の中で高校生がアルバイトをして いるお店の数はものすごくたくさんかというと、たぶん、そうではないと思うのです。 それで、これは労働基準監督署がどこまで対応されるかという話なのですが、正直に言 うと、通常業務としてできる部分はあるのではないかと思うのです。それが放置されて いるのだということが書かれている。ファーストフードと言ったところで何件かしかな いわけで、そういう所にヒアリングに行くというのを地道にやっていくと、こういうも のは結構潰せるのではないのかなと思わなくもないのです。そういう意味では、何かの ターゲットを決めるときの1つとして、座長がいまご指摘のような悪い労働慣行を若い うちに染みつかせないために、その芽を摘むために、高校生がよくアルバイトするよう な所を何年に1回かは重点的に監督していただくなど、そういうポイントの置き方もあ るかもしれないという気はいたします。 ○佐藤座長 今日は上西委員がご欠席なのですが、上西委員がキャリア教科の授業のと きに学生に、アルバイト先の状況はと聞いてみた。そうすると、ちゃんとやっていると ころ、本当に労働組合重視にやってくれている所もあるけれども、そうでない所もたく さんあって、そこで守られていない状況があるというのが変わらないと、学校教育で教 えても難しいなという気がしたのですが、この問題をどうするかです。 ○両角委員 それが逆に、法制度はあっても空しいという意識を植えつけてしまわない かということですね。 ○佐藤座長 そういうことなのです。そんなことを言っても、実際上守られていないか ら知っていてもしょうがない、みたいな感じになってしまうようなことを高校の先生も 言われていました。 ○佐藤委員 今回のアンケートでも、「どうせ変わらないから」というのが一番多かった のですが、それは、本当にアクションを起こさない人から、何かある事象を見て変わら ないと思っている人まで、いろいろな答えの合計だと思いますので、大事なところだと 思います。 ○佐藤座長 ある面では、いま正社員として働いているよりも、学生でアルバイトして いる人のほうが本来、ひどい会社だというのは言いやすいのです。テンポラリーな仕事 なのだから。 ○原委員 増田委員の後で発言しづらくなってしまったのですが、3頁目の「基本的な 考え方」で、こうした教育が労働者にとってだけでなく使用者にとっても必要不可欠だ、 という記述があることはいいことだと思いました。労働者が知識を得たために企業側か らみてかえって扱いにくくなってしまうことを心配する報告がこれまでのヒアリングで もあったかと思うのですが、知識の取得が労働者のモラルアップにつながる可能性があ る。あとは、事後的に起こるかもしれない紛争を未然に防げ、使用者にとってもプラス に働くと思われる。4頁目に記載されていますが、こうしたことがきちんと書かれるの はいいなと思いました。  先ほどの両角委員の意見に私も全く賛成なのですが、4頁目の(1)のように列記されて もよく分からないので、整理してもらいたいのです。先ほど両角委員がおっしゃってい た整理の仕方は非常に分かりやすいものなので、そういう方向で是非整理していただき たいと思います。私は経済学が専門で法律の専門家ではないのですが、専門家ではない 者にとって今の労働法は難しくて分かりづらいということを書いていただければありが たいです。  五月雨式で申し訳ないのですが、前回佐藤委員から新日鐵の取組みのご紹介があった ときに、こうした知識を付与するタイミングというのが意外と難しい、タイミングによ って効果も違ってくるのだろうと思いました。「学生」の(2)の(1)では、アルバイトをし ていたり、就職が近い時期などと、タイミングについての記述があるのですが、就職し たときに新人であったり、派遣社員として派遣会社と契約を結んだときとか、タイミン グによって効果が違ってくるのではないかと思いました。そのときに企業が取り組むの か、労働組合が取り組むのか、一体どこが取り組むのかは疑問があるのですが、そうし たタイミングの話を(2)に入れることができるのかなと思いました。  最後の1点なのですが、先ほどインテージから調査結果の報告があったわけですが、 その中で、不安に感じていたり、不安定な環境にある人というのはそういったことを一 生懸命調べて知識を身につけていく。むしろ、そういう不安な状況であったり不安定な 状況に置かれたときほどよく調べて、すごく身につきやすいのではないかと思うのです。 資料1の21頁に、問題への対処行動についての記述がある。問題対処行動として何を したかというところで、都道府県労働局とか、地方自治体の相談窓口の利用というのも 非常に少ないという気がして、この辺りの相談体制の充実といったことも議論すべきで はないかと、この調査結果から思いました。 ○田平室長補佐 そこは行政としてしっかり取り組んでいかないといけないところだと 思います。ワンストップ化の話とか、いろいろな話がこれまでも出ておりましたが、必 要なものは(3)の具体策の中に書いていただければと思います。 ○佐藤座長 資料1の21頁で「いろいろな経験をしたとき」と「知識」は距離がある のだけれども、「何もしなかった」と答えた人の状況を理解度別に分析した結果を載せて おいてもいいかなという気がするのですが、これはどんな感じなのですか。理解度別だ と、「何もしなかった」はどのように評価できるのでしょうか。 ○土屋 いますぐには分かりません。 ○佐藤座長 調べておいてください。 ○佐藤委員 皆さんが言われたことでもう大体、特に追加ということはないのですが、 基本的には、前にもプレゼンのときに申し上げましたけれども、法律の知識と社会性、 コミュニケーション能力というのは両輪なので、両方をバランスよく教え、身に付けさ せるということは是非盛り込んでいただきたいのです。既に全体的にそういうことは書 いていただいているので、個別の書き方は後ほど議論すればいいと思っています。  先ほどちょっと触れられたことで補足しますと、学校の段階でどういう対応ができる ようにするか。これはたった1つの例なのですが、学校の先生が、夏休みになると企業 研修に来られるわけです。私が工場にいたときは、たくさんの小学校、中学校、高校の 先生をお受けしました。そこで何をお話していたかというと、うちの会社はこういうこ とをやっていますよ。鉄って、どうやって造るんです。環境問題にはこう取り組んでお りますと、いわゆる会社として、1つの産業としての話をしているわけですが、そうい う中で1時間でもこの研究会で議論しているような話をして差し上げることがあったら、 先生方も、ものの見方が変わるのかなと思います。どうしたら、これが世の中全体に広 がるのかというのはとても難しいのですが、実は、先生と企業をつなぐ橋はそういう形 で既にあるのです。先生方がご理解いただくための場というのは、何回も何回もあるわ けではないのですが無いわけではないので、うまくそういうのを使っていくということ が入れられれば、いまの体制を崩すとか、おかしいとかという話ではなくて盛り込める かなというのが1つの例としてあるのです。  (2)の労働現場の段階、すなわち働いているときに何をするのかというのはタイミング がすごく重要で、問題が起きたり、あるいは後輩が来たときに自覚を促すようなことを しませんと。新入社員のときに「いずれお前は、後輩が来るんで頑張れ」みたいなこと を言っても効果がないので、それはすごく大事だと思います。ただ、そういうことをや れるというのは、規模が大きくないと、スタッフがいませんので相当無理があると思う のです。ここに書いておられるようなセミナーだとかを頻々開催していただく。もし法 制度が変わったら、厚生労働省でセミナーがあると、たくさんの人事労務関係者が行く と思うのですが、会社の規模が小さいところは、それをすごくありがたがっているわけ です。要は、法律の条文を読んでも誰も分からない、特に専門スタッフがいない会社の ほうが多いので。厚生労働省がQ&Aで何年か前に分かりやすく説明されて、すごく助 かったのですが、そういう形で分かりやすく人事担当者に伝えていただくようなサポー トがないと法制度に関する知識は広がっていかないのだろうと思うのです。これは当た り前なのですが、とにかく「分かりやすく、タイミングよく」がポイントです。企業内 部の問題ですから、タイミングは特に難しいと思うのですが、いかに分かりやすい形で ポイントを伝えていただけるのか、そして、それはなぜ必要なのだということを伝えて いただけるのかがとても大事なので、この(2)で広く支えていただくということがあれば いいと思うわけです。  最後に勤労観、職業観というのがあります。先ほどテレビの話が出ていました。これ は全く個人的な意見で、ここで申し上げるのもどうかと思うのですが、拝金主義みたい なことが先にあるのではないかということです。ご案内のとおり、日本は人間しか資源 がない国なので、とにかく働かないと国が食っていけないという、極めて当たり前の話 がどこかに忘れ去られてしまっているというのは常々感じるところです。非常に青くさ い話で恐縮ですが、その根っこに戻るようなことは常に発信するということがないと、 若い人間が迷ってしまう。一生懸命働いても仕方がないと思ったら、誰も働かないので、 働くということの良さ、楽しさ、素晴らしさをどうやってうまく伝えていくか。それは いつの時代にもずっと伝えていかなくてはいけないことですし、学校であろうと、職場 であろうと、何であろうと一緒なので、そこはコアとして是非盛り込んでいきたいと思 うのです。 ○佐藤座長 学校教育段階で、教える側の人の教育としては既存のものもいろいろある ということですので、その辺りをご配慮いただければと思います。あと、公立高校だと 教育委員会採用で、基本的に、自分たちのルールと、生徒が勤めた先のルールが違うの です。学校の先生は知らないことが多いので、そういう意味でも、別に勉強してもらう しかないわけです。  4頁の上の「コミュニケーション能力と社会性」のところの書き方で難しいのは、別 に社会性がなくても、コミュニケーション能力がなくても、一応その権利は主張できる のです。だから、なければ駄目だというような書き方になってしまうと困るので、そこ はうまく留意しながら書いてもらうといいような気がします。 ○両角委員 ただ、コミュニケーション能力がないのに権利行使をしてもハッピーには ならないので、そこもちゃんと伝えないといけないと思うのです。 ○佐藤座長 なければいけない、みたいになっても困るし、そこはうまく書いていただ けるとありがたいと思います。基本的には誰でも権利が認められているわけですが、そ の中でも、きちっと状況を説明することが大事ですよとか、そういう話だと思います。  一通りご意見を伺いましたので、言い残したことを出していただく。あとは、1部、2 部以外、参考資料でこういうものもということでも結構ですので、出していただきたい と思います。 ○両角委員 さっき座長もおっしゃっていた、現実には法令が守られていないという状 況の下で、例えば残業不払いがされていて、高校生がそこにアルバイトで行って法制度 に幻滅してしまうのではないかというのは本当に大きな問題だと思うのです。ただ、も ちろん労働基準監督署の監督制度や罰則なども重要ですが、労働法は基本的には私法で すから本人が権利を行使するのです。権利行使がなされていないからといって、権利が 保障されている意味がないわけではなくて、それは権利が侵害されているのです。です から、そういうことを教育するのも意味がなくはない。今そうなっていないからといっ て、権利がないわけではなくて、それは自分が権利を行使するか、しないかというとこ ろにもかかっている。行使する道は大変なのだけれども、可能であるということを教え ることは重要だと思います。それでどれぐらい高校生が救われるかは分からないのです が、基本的にそういう考えで出来ていると思います。 ○佐藤座長 つまり、教育したときに、守られていないから、そんなことをやっても仕 方がないねというレスポンスがあったときにどう対応するか。やっぱり主張するのだ、 主張できる機会はあるのだと、そのことも踏まえて書いておくということはすごく大事 ですね。 ○両角委員 現実には、女性が差別されているからといって、男女差別を禁止しても意 味がないかといったら、「そうではない」というレスポンスを先生が返すのは大事ではな いかという感じがしました。 ○佐藤座長 そうですね。わかりました。 ○原委員 学生調査の問6として職業観と就業観について尋ねています。ここのところ は佐藤委員の提案で入れられた設問かと思うのです。これについて特に今回集計されて いないようなのですが、この集計もあったほうがいいかなと思うのです。学生調査の問 6、職業観と知識。持てるものは持てると言うのか、それとも、持ててないものは両方 とも持ててないみたいな、そういう結構大事なところが見えてくるのかなと思ったので すが、いかがでしょうか。 ○佐藤座長 そこは少し検討していただきましょう。 ○佐藤委員 そういう目的意識を持っている人はより意識が高いということが出てくる のだろうと思っています。 ○田平室長補佐 先程来、事務局で整理してとのご指摘をいただいている点につきまし て、あとは事務局で整理するつもりではおりますが、先ほどの知識の部分の整理の仕方 だとか、それらについてご示唆といいますか、ご議論いただけると非常にうれしいので す。 ○佐藤座長 あとは具体的な提言のところで、こういうツールを作ったらいいのではな いかとか、教育現場で教える先生方がうまく教えられるように、こういうふうに教育し たほうがいいのではないかとか。(3)も含めて、既存のものも含めて情報提供していく。 (4)の「知識」のところは両角委員に別に相談に行くとか。 ○両角委員 メールでも結構です。 ○佐藤座長 先ほどご説明いただいた以上には特にありませんか。 ○両角委員 就業規則とか、労働条件の明示とか、その辺りは本当に基本なので、プラ スアルファをどこへ入れるか、そして、どのぐらい分けるか。学生と、そうでない人と いうのは分かれると思うのですが、すでに働いている人についても分かれると思います。 学生に大事なことは、細かい知識ではなくて、労働法の基本的な構造だと思います。そ のぐらいは今も教えているのかもしれませんが、労働三権ばかり教えているのだとする と、それは非常に大事ですが、アンバランスだと思います。 ○佐藤委員 労働条件の明示は確かに大事ですね。公民なんかで出てくるのは、たぶん 労働三権なのでしょう。 ○両角委員 憲法があって、それで労働三権が出てきて、契約や個別法規のほうは、た ぶん教えていないのではないでしょうか。 ○佐藤座長 その辺りは個別に相談していただくしかないかなという気もします。ほか に具体的な提言のところで、少しこういう点を強調したいというようなことがあれば出 してください。 ○田平室長補佐 先ほど原委員からいただいた資料の関係で、こういう資料があるとい うのがあれば、ご指摘いただけるとよいのですが。 ○佐藤座長 我々が今まで知っているようなものといったら、あまりたくさんはないで すね。だから、少なくても仕方がないのではないでしょうか。1つは、高校の就職指導 とか、キャリア教育を担当している人が見て、ちょっと、取り組んでみようかなと思っ たときに、あそこに相談しようとかということが分かればいいのではないかと思います。 あとは、東京労働局が今度わりあい簡単なのを作りましたが、そういうのが都道府県で もあったりする。 ○田平室長補佐 都道府県レベルで見ると、地方自治体や労働局で作っているものがあ ると思います。 ○佐藤座長 折角ですから、そういうものを調べていただいて、あれば紹介するという のも大事だと思うのです。大体ご意見は出していただいたということで、いいですか。 ○田平室長補佐 2の(2)の整理の仕方なのですが、学校、学校以外、そしてその連携と いうところがありますが、この辺りはどういう整理の仕方にいたしましょうか。ここも、 こういう整理の仕方が適切ではないかというご指摘をいただけると、事務局としては非 常に助かります。 ○佐藤座長 例えば学校での教育を企業とか労働組合と連携してやるようなものが(2) の(3)に来るというようなイメージですか。 ○田平室長補佐 そうです。そういったことも含めて、(2)の(1)(2)(3)の整理の仕方をどう いう形にすればよいか、特に、学校教育と学校教育以外、といった点についてもちょっ とご議論いただいて何か教えていただけるとありがたいのです。 ○佐藤座長 1つは、在学中の方、あとは就業している方というように書く。だから、 それぞれ担い手はいろいろ出てきますよね。(3)のところは、もしかしたら再掲に近いの かもしれませんが、教育現場での教育を企業や労働組合や地域の団体がどう連携してや るか。あるいは働いている人についても、労使の連携とかでも構いませんが、そういう のを(3)に書くという考え方もあります。あるいは全部中に組み込んでしまうという考え 方。学校現場についても、教育するときに企業なり組合との連携もあると、それぞれ書 いてしまうというやり方もある。どちらでもいいような気がします。労働組合も、地方 連合なんかは、学校に出て教育しなさいとかと言っていますね。 ○増田委員 そうですね、地域社会でのやり方とか。  話は変わりますが、座長が先ほど言われた、アルバイトの高校生が労働現場において 労働者としての権利がきちんと守られていないという論があるではないですか。管理職 が企業内の正社員にはきちんと対応しているが、高校生のアルバイトに対して、1人の 労働者として扱わずに子どもを叱るように扱うやり方というのが、郵便局でも意外と多 いのです。今それがあるかどうか分からないのですが、私が現場にいたころの扱い方と いうのはそういうのが多かったのです。このようなことを踏まえて、高校生等の学生ア ルバイトに対しても、1人の労働者としてきちんと扱うといった管理者教育も(3)に集約 されると、先ほどからの論議も含めて、つながるのかなと思いました。 ○田平室長補佐 その辺りの話というのは、先ほど、アルバイトで入っても正社員の実 情がそうなっていないという状況を見ると幻滅するのではないかという話がありました が、その議論の中で書き込むという整理が出来るのかなという気がします。 ○佐藤座長 いろいろなやり方があると思いますので、考えてみていただきたいと思い ます。今日はデータ分析、また、これからの提言的な部分についてご意見をいただきま したので、それを踏まえて報告書の案を整理していただければと思います。次回以降の 事務連絡があれば、よろしくお願いいたします。 ○田平室長補佐 次回は2月10日(火)の15時からを予定しております。研究会報告 書の案を提示して議論をいただきたいと考えております。場所なども含めて、詳細につ いては改めてご連絡をさせていただきたいと思います。それから、本日の議事録は、い つもどおりホームページ公表ということで、ご確認をいただくことにしたいと思います ので、よろしくお願いいたします。 ○佐藤座長 次回は最後ですので、報告書の案は少し前に送っていただいて、事前にお 読みいただいた上でいろいろご意見を伺う。もちろん、当日配布された案をそのまま報 告書とするというわけではありません。ご意見をいただいてより良いものにしたいと思 いますので、次回も是非ご出席いただければと思います。どうもありがとうございまし た。 照会先: 厚生労働省政策統括官付労働政策担当参事官室企画第二係(内線7992)