08/11/20 第10回新型インフルエンザ専門家会議議事録 第10回新型インフルエンザ専門家会議 議事録         厚生労働省健康局結核感染症課 第10回新型インフルエンザ専門家会議 議事次第  日時  平成20年11月20日(木) 10:02〜11:57  場所  厚生労働省 専用第18−20会議室(17階) 1.開会 2.議題   1)各部門からの活動報告     (「新型インフルエンザ対策ガイドライン等改定(案)」など)   2)その他   3)今後の予定について 3.閉会 ○江浪補佐 それでは、定刻となりましたので、これより第10回新型インフルエンザ 専門家会議を開催いたします。  本日の委員の出欠状況でございますけれども、砂川先生、庵原先生、永井先生、大久 保先生、笹井先生、林先生、森兼先生、和田先生、内田先生、吉川先生は御欠席の御連 絡をいただいております。  また、墨屋先生、相楽先生のお二人が少し遅れていらっしゃるようでございます。  それでは、まず、開会に当たりまして、上田健康局長よりあいさつを申し上げます。 ○上田健康局長 開会に当たりまして、一言ごあいさつと最近の状況について御報告を 申し上げます。  本日は、委員の皆様方にはお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございま す。鳥インフルエンザH5N1につきましては、10月31日現在、WHOへの感染事例報 告数は387例、死亡例245例となっておりまして、依然として63%という高い致死率 を維持しながら、鳥から人への感染が続いているところでございます。  本日、私からは前回9月22日の専門家会議以降の厚生労働省の取り組みを冒頭に御 紹介したいと思います。  まず、平成20年度補正予算が成立いたしましたが、抗インフルエンザウイルス薬の 備蓄量を現在の国民に対して23%分から45%分を目指して引き上げるということ。そ して、プレパンデミックワクチンの原液1,000万人分を確保すること。そして、入院医 療を担当する医療機関に対して、人工呼吸器や個人防具の整備を支援する、こういうた めの予算として491億円が認められたところでございます。  また、本年10月には、日中韓合同の非常訓練を行いましたほか、11月には第2回の 日中韓保健大臣会合が開催されまして、新型インフルエンザに対する日中韓3国共同行 動計画に合意するなど、アジア地域における国際協力も推進しているところでございま す。  こうした状況の中、前回の本会議では、新型インフルエンザ対策の基本方針について 集約していただいたわけでございます。この基本方針に基づき、すべての関係省庁が現 在ここで示されました戦略及び発生段階に即しての対策の見直しを行っているところで ございます。  そして、今回は、新型インフルエンザ対策ガイドライン等の改定案をお示しさせてい ただいているところでございます。これらを含めまして、我が国の新型インフルエンザ 対策の根幹・骨格となるものと考えております。  いずれも、各部門のワーキンググループにおきましても、活発な御議論を経て練り上 げられてきたものと考えておりますけれども、本日、専門家会議としての集約・取りま とめをお願いしたいと考えております。  本専門家会議によるガイドライン等の改定案の取りまとめを受けまして、今後一定の 手続を経て、更に政府全体の指針として明確に示すための作業を行いたいと考えており ます。こういうことから、本日は皆さん方の専門的あるいは大局的な見地から活発な御 議論を期待しております。よろしくお願い申し上げます。 ○江浪補佐 それでは、以降の進行につきましては岡部議長、よろしくお願いいたしま す。 ○岡部議長 おはようございます。感染研情報センターの岡部です。  それでは、第10回ということで新型インフルエンザ専門家会議の議長をさせていた だきますけれども、今まで何回か経られている会議よりも、更にここ数回はワーキング グループというものができまして、その中でディスカッションが進められている。それ から、そのワーキンググループも限られた人だけではなくて、委員の方がいろいろな部 門に出て意見を言うということで、この会議に出て初めてこの資料に接する方もおられ ることはおられるんですけれども、かなり議論を進めた結果で今日の議論になるような 議案が出てきているということなので、やはり事務局の方でインフルエンザ対策推進室 ができて、かなりいろいろな動きが出て、私たちもそれについてコメントを求められる 機会も多くなってきたということがあります。週に2〜3回ぐらいワーキンググループ をそれぞれやってきている状況を今回、最終的に親会議としてどう考えるかということ だと思います。  一部既に報道などにも出ていますが、必ずしも解釈が全部うまくいっているんじゃな いのではないかということはありますが、その辺は今日の会議でもきちんと議論を出し ていけばいいのではないかと思います。  是非、御協力をよろしくお願いいたします。残念ながら短い時間なので限られてはお りますけれども、そういう意味では、初めてこの議論がスタートするということではな いので、効率よくやることに御協力いただければと思います。どうぞよろしくお願いし ます。  それでは、資料の確認を事務局からよろしくお願いします。 ○江浪補佐 まず、カメラ撮りはここで終了とさせていただきますので、取材をされて いらっしゃる皆様方、御協力をお願いいたします。 (配付資料確認) ○岡部議長 よろしいでしょうか。それでは、あとで不足分があったら、その都度お知 らせいただくことにして、早速、議事に従って話を進めていきたいと思います。  この議事は、各部門からの報告がありますけれども、今日はこれについて議論して、 この会議が結核感染症課に対してリコメンデーションするというような位置付けだと思 うんですけれども、その後のガイドラインがどういう位置付けになるかということにつ いて、事務局から御説明をお願いいたします。 ○難波感染症情報管理室長 私から御説明させていただきます。  今までございました新型インフルエンザ対策ガイドラインというものは、新型インフ ルエンザ対策行動計画を踏まえまして、平成19年3月26日に策定されておりました。 これにつきまして本年5月の感染症法の改正等も踏まえまして改定が必要となったこと から、前回御集約いただきました基本方針を踏まえて部門ごとで御議論いただき、ガイ ドラインの改定案を各ワーキンググループに取りまとめていただいたところでございま す。  本専門家会議による改定案の内容を基に、今後新たに政府の指針として明確に示して いく予定でございます。  以上です。 ○岡部議長 今まで、特に最初のころが専門家会議としてガイドラインが出ていたよう なところがあったわけですけれども、やがてそれが国のものとなっていったというよう な経緯もあります。今回は、むしろこれについて政府の方針ということではっきりする ということでよろしいですか。これもそれぞれのワーキンググループで説明があったと 思いますが、今後そういう方針でいくという前提で今日の会議があると思います。一応 そういう方針だということをこの会議は了承したということでよろしくお願いします。  それでは、各部門から各論に移っていきたいと思いますが、公衆衛生、ワクチン、医 療、サーベイランス、情報提供という各部門でそれぞれお話をお願いします。基本方針 として前回も決めていたと思うんですが、できるだけのことをやって被害であるとかあ るいは混乱を減少させるということが一応の最大の方針だと思うんですけれども、その 中には場合によっては今の仕組みを変えなければいけないこともあるので、その部分は 仕組みを変えてくださいというようなこともこの会議はディスカッションするというこ とと、しかし一方では、実効性、フィージビリティも考えた上でやっていかなければい けないというようなことが今まで議論されていたと思います。  それから、当初のころは水際作戦であるとか、第1例が生じたらどうしようかという 非常に初期段階で議論が集約されていたというようなところがありますけれども、ここ 1〜2回では、いわゆる医学的な対応から患者さんがたくさん発生したときの公衆衛生 学的な対応であるとか、社会でどういう変革が起きてくるだろうかというようなことに ついても対応すべきであるというようなところから、今回のガイドラインに進んできた と思います。  ただ、それには随分いわゆる専門家だけではなくて、一般の方とか勿論今日おられる メディアの方々の御理解をいただいたり、協力を随分いただかなくてはいけないという ところがあります。そういうようなことが前提で行われていたわけですけれども、公衆 衛生の部門では、検疫と感染拡大防止と個人、家庭及び地域における新型インフルエン ザ対策に関するガイドライン、それから、埋火葬というようなものが主なガイドライン になっていて、検疫の方については今検討中なのが停留の手引きという、言わばもっと 各論のところが検討されています。  それから、これまでに積極的疫学調査というのがガイドラインの中に含まれていたと 思うんですけれども、これは対策行動計画ですか、アクションプランの方にかなり重要 性が書かれているので、勿論サーベイランスはこういうときの骨幹になると思うんです が、これについては法に定められたことであるので、実施要綱というような形で後でま とめるというようなことが話し合われました。特に、刻々と事情が変化する可能性があ るので、これについては国がその時点でいろいろな通知を多分発していくことになるの ではないかと思います。  それでは、最初は資料1−1「検疫に関するガイドライン」が最初の議論になると思 います。それぞれのところで今日は全部を見るわけにはいかないんですけれども、この 検疫ガイドラインは中心となるような空港・海港の実務を担当されている方の意見を伺 って改定案が出てきたというのがありますが、これについても公衆衛生ワーキンググル ープでは検討をしてきました。特に、検疫法が改正されて、濃厚接触者の停留措置が可 能となったというようなことがあるので、新型インフルエンザの患者さんの隔離、それ から、濃厚接触者に関する停留、宿泊施設を活用した停留といったようなことについて も記載があります。  ただ、1〜2ページに書いてありますけれども、特に2ページで、多少疫学調査や何 かと用語の定義が異なることがあるので、例えば、濃厚接触者をどう考えるかというよ うなことについては、本ガイドラインおける用語の定義ということで少し明確にしてあ るところもあります。  それから、初めのところに目的が書いてありますけれども、水際は重要であって、や はりできる限りここでウイルスの侵入を阻止するということが目的ですが、ここをやっ てパーフェクトに全部阻止できるというわけには、まずいかないだろうと。入り込んで くる可能性があるわけで、むしろそれからの対応が大切なんですけれども、いつまでも 水際作戦をずっと同じペースで続けていくのではないので、初めの「○」では国内の感 染が拡大した段階で、状況に応じてこの検疫措置は縮小するものであるというようなこ ともあります。  それから、「本ガイドラインの前提」では、感染経路は勿論いろいろなことがあり得る わけですけれども、そういう意味では空気感染が否定はできないという状況で、空気感 染があったのではないかというレポートは確かにありますが、現状としては中心にある のはやはり直接感染の可能性プラス最も多いのは飛沫感染であるというところで、重要 なところとしては感染経路の大半を占める飛沫感染対策が主体であるというようなこと もあります。  それから、積極的疫学調査などにも関連しますけれども、新型インフルエンザがどう いう症例なのか、この症例定義については実際にまだ出てきていないので、その辺は不 明確なので、むしろ今の段階では明記しないというようなことになっています。  検査法あるいは停留等については、総論としては書いてありますけれども、先ほど申 し上げましたように、停留の手引きというのが更にこの後出てくる可能性があるので、 それをまた改めてごらんいただければと思います。まだでき上がっているわけではござ いません。  2番目が、資料1−2「感染拡大防止に関するガイドライン」。これは今まで早期対応 戦略ガイドラインとなっていたんですけれども、今日の話の前提になっている発生段階 と方針という紙があるので、それに応じて第2段階、第3段階というような形で書き加 えていっているというところが一つの特徴というか、変わってきたところだと思います。  ワクチン以外の感染拡大防止対策というのは、ファーマスティカルズという薬に頼る もの以外の社会的な対応であるとか、公衆衛生対応について整理されているというのが あります。資料1−2の1ページ目に「感染拡大防止対策の概要」というのがあります が、特にこれについては大別すると発生した患者さんについての重症者は入院であり、 特にステージが進んでいった場合には、感染者としてはむしろ軽症者の数も相当増えて くるので、この方々についての自宅療養、ただし、それには抗インフルエンザウイルス 薬を用いて適切に治療することということがあります。後で抗インフルエンザウイルス 薬あるいはワクチン部門でも御報告をいただけると思うんですけれども、抗インフルエ ンザ薬は我が国では今のところ基本的には治療を最大優先にすると。これは使いなれて いるものについてストックアウトするのはできるだけ避けたいということがありますが、 これは相当激論もありまして、予防を優先すべきではないかということもありましたけ れども、その予防の効果については知見が得られ次第、再度検討するけれども、現時点 においては治療を優先にするということになります。絶対的に1つの方法が正しいとい うことではないので、幾つかの方法を組み合わせていかなければいけないので、その中 の一つとして抗インフルエンザウイルス薬の考え方があります。  それから、2ページ目になりますけれども、2)患者との接触者に対する感染防止のた めの協力の要請があります。この中には、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与とい うようなことも書いてありますが、これは極めて初期の段階で、初期の段階には抗ウイ ルス薬の予防投与を実施する可能性があるけれども、先ほど申し上げましたように、ス テージが進んできた場合は治療が今のところ優先であるということがあります。  それから、3)地域対策及び職場対策で、社会の協力、社会と一緒にやっていくという 部分ですけれども、地域対策のところで、特に人から人にうつる感染症ですから、でき るだけ人の動きを少なくしたり、接触を少なくするという公衆衛生学的対応が重要であ るということが随分議論されました。特に、スペインインフルエンザが流行した際に、 薬物あるいはワクチン等々がないときにおいて、人の動きを制限した結果として、その 地域としては死者数が減少しているというようなレポートがありますので、重症者を減 らすためにはこういう対策がやはり重要であるというところから、不特定多数の人々が 集まる活動の自粛を要請する必要があり得るということになります。  それから、やはり学校がこれは感染の拡大、年少者の中での感染の広がりというのは 新型インフルエンザであってもやはり同様に見られるわけですので、できるだけ速やか に学校でのお休みをとっていただきたいということがあります。後でこれも各論として は出てくると思いますが、それぞれの学校長の方が判断するのはなかなか難しいと思わ れるので、それに対するサジェスチョンは自治体であるとか、あるいは国がやらなけれ ばいけない。ただ最終決定は、やはり学校長がやるのではないかと私は理解しています けれども、その点もし何か議論があったら教えていただければと思います。  それから、職場対策については、最低限やらないと社会機能が維持できないので、や はりそこは続けなければいけない部分ですが、限られた期間ではあるけれども、今の何 でもできる便利さというのは、やはり不便な状態になり得るということで、それがどの 辺まで許容できるかということを、企業の方を含めて活動について検討を是非進めてい ただきたいというのが主なところになると思います。  それから、これも議論されたことですが、全国一律に例えば、北海道から沖縄に至る まで、すべてのところが同時に一、二の三で動くのではなくて、例えば、東京で発生し て北海道ではまだない状況であったら、そこの動きというのは学校のお休みにしても周 辺の対策にしても、各自治体によってスタートラインが違ってくるということもあり得 るだろうということが議論されていました。  次に、資料1−3「個人、家庭及び地域における新型インフルエンザ対策ガイドライ ン」とありますけれども、これも1ページの「はじめに」のところに書いてありますが、 できるだけ被害を最小限に食い止めるためには、やはり個人、家庭及び地域での御理解 と御協力をいただかないと進まないというようなことからスタートになっています。  3ページ目から「各段階における対策」とまとめてありますけれども、通常のインフ ルエンザというものに対する対策が日常から身についていないと、「さて」と言ってもい かないので、通常から幾つかのものが必要であって、それの代表的なものとしては感染 者はほかの人にできるだけうつさないという意味での咳エチケット。  それから、これは既に前回も討論されたと思いますが通常の一般社会ではできるだけ 便利なものを用いて、できるだけ抑えるという意味では、最高級のものが必ずしもいい とは限らないので、例えばN95といったようなマスクは、一般の生活の中では使われる ことはないだろうといったようなことも、この中に書いてあります。  それから、6ページの3つ目の「○」ですけれども、学校が長期に休業になるという のはどうしても家庭内で一緒にいなくてはいけないとか、役割の分担ということがある ので、こういう検討も進めていただきたい、あるいは家庭での備蓄の例示といったよう なことは前回に続いて書いてあります。  6ページの一番下の「○」ですが、新型インフルエンザが発生したときにその他の感 染症、例えば、昨年のようなはしかの流行が同時に出ては被害がますます増大する可能 性があるので、そのリスクを少しでも下げるという意味では、ふだんから感染症対策を それぞれの方においてもきちんとやっていただきたい。具体的に言えば、はしかの予防 接種とか百日咳の対策であるとか、特に子どもさんの予防接種については、ふだんから やっておくということがリスクを下げることですというようなことも強調されています。  それから、発熱センター、その他にどういうふうに人々が行くか、これは後で医療部 門からも報告があると思いますけれども、9ページに対応としては発熱センターに問い 合わせていただくようなこと、あるいはいわゆる発熱外来、これも後で出てくると思い ますが、そういうところに行くというようなことでの利用の仕方、すべてが殺到して発 熱センターに全部電話をするというのでは、かえって時間がかかったり、あるいは電話 が込んでいていけないというようなこともあるので、特に患者さんが増えてきたような 場合には、発熱センターは問い合わせをするところであると。勿論発熱センターの整備 をしなくてはいけないというのは後にありますが、ここはそういうところに絶対行かな ければ次の外来のステップに進めないということではないということも書いてあります。 ただ、そういうような状況については、十分リスクコミュニケーションでも検討されて いるように、ここが一般の方へいろいろな理解を求めなければいけないというところに なろうかと思います。  12ページの相談窓口の設置に加えてのところですけれども、一番下の「○」では、相 談先が非常に重要になるので、保健所も含めてその他のところで相談体制の拡充を図る ということを求めております。  次に、資料1−4「埋火葬の円滑な実施に関するガイドライン」です。こういうよう なことは余りない方がいいわけですが、発生段階ごとに都道府県あるいは市町村、遺体 搬送が行われる業者の方あるいはそれに従事される方の埋火葬における役割ということ を明確に書いてありますが、1ページの「はじめに」にどうしても感染を受けた患者さ んの御遺体ですから、それを動かしたり、あるいは実際に埋火葬するに当たって、幾つ かの制約が出てくるということがありますが、やはり地域性であるとか、国民の宗教感 情等も十分配慮する必要があって、また、支障がない限りできるだけ遺族の方の意向を 尊重する。例えば、遺体をどうしても接触感染を防ぐためにある程度のもので包まなけ ればいけないわけですけれども、決して遺体から飛沫感染を生じるわけではないので、 その辺はむしろ過剰にやらないようにというようなことも、この中に今回は書いてあり ます。  資料1−5は、鳥インフルエンザに直接感染した、例えば、今のインドネシアである とか、ベトナムの状況ですけれども、そのときから新型インフルエンザに移行するとき にかけての積極的疫学調査が従来はガイドラインだったんですけれども、先ほども申し 上げましたように実施要綱というような形で、法に基づいた対応策というようなことが ありますので、ここに一応見本を出してありますが、こういうような形で今後、通知文 を含めて、そこに応じた運用を提示していくことになると思います。ですから、今日の 中ではこの集中した議論は行わないので、これは資料として見ていただきたいというこ とになります。  これが大体、公衆衛生部門で検討されたことになると思います。  それぞれのガイドラインあるいはディスカッションについての報告をそれぞれの部門 長からいただいて、後で総合的にそれぞれのすり合わせであるとか、問題点で議論を進 めていきたいと思います。  それでは、次はワクチンと抗ウイルス薬部門なので、部門長の田代委員からお願いし ます。 ○田代委員 ワクチン抗インフルエンザウイルス薬ワーキンググループの検討状況につ いて御報告します。  ワーキンググループでは、まず「新型インフルエンザワクチンの接種に関するガイド ライン」から「抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン」ということで、見 直しを検討いたしました。  最初の「新型インフルエンザワクチンの接種に関するガイドライン」についてですが、 改定内容として、今回新たに基本方針というのがありましたが、これにおける発生段階 や備蓄状況を反映させる、更に接種体制の検討、接種対象者の検討を取り込む必要があ るために、時間的に今回の取りまとめには間に合わないということで、今年度内を目標 にして更に検討するということになっております。  これに含めて、本日欠席されておりますけれども、庵原先生が研究班長になって臨床 研究が今進められておりますが、その成績も今年度中に出ることになっておりますので、 それも含めて新しいガイドラインの改定に取り込んでいきたいと考えております。  それから、現在ワクチン接種の基本方針として、パブリックコメントを11月3日を 締め切りとして現在取りまとめている最中ですけれども、新型インフルエンザワクチン 接種の進め方ということについても改定に盛り込むことを予定しております。  次に資料2、抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドラインの改定ということで、 今回改定案をまとめました。現在、備蓄しておりますタミフルに加えて、リレンザ、更 に現在開発中の抗インフルエンザウイルス薬が何種類かありますけれども、そういうも のも備蓄する可能性を一応考慮しまして、総合的な抗インフルエンザウイルス薬の戦略 の在り方を示すということを整理いたしました。  それから、備蓄薬剤の備蓄量については、現時点では平成19年度までの備蓄状況を 反映しております。先ほど局長からお話がありましたように、今年度の補正予算で更に 1,000万人分の備蓄、国民全体の43%でしたか、その備蓄を目標にして現在、検討して おりますが、今回のガイドラインには補正予算による追加備蓄ということは取り込んで おりません。  2番目に「新型インフルエンザの治療」という項目を新設しまして、薬剤の投与量と か投与期間等の治療方針について、実際にパンデミックが出現した場合、ウイルスの性 質がわかってきた場合の知見を踏まえて、その治療方針については随時更新し、周知す る旨を記載しました。  予防投与につきましては、先ほど岡部議長から説明がありましたけれども、積極的疫 学調査実施要綱や感染拡大防止ガイドラインとの整合性を持たせるために、第2段階及 び第3段階の拡大期については、感染症法に基づく積極的疫学調査によって発見される 患者との濃厚接触者、患者と同じ学校・職場などに通う者にも予防投与を行う旨を記載 いたしました。  第3期の蔓延期以降ですけれども、この場合には患者の増加が予想されることから、 これらの予防投与は原則的には蔓延期になった場合には見合わせるということを考えて おります。  4番目、医療サービスの維持や感染拡大防止のために十分な感染防止策を行わずに患 者に濃厚に接触した医療従事者や検疫その他の水際対策関係者についても、予防投与の 対象に含めるということにいたしました。  それから「抗インフルエンザウイルス薬の選択について」ということで新たな項目を 設けまして、ここでリレンザについてはウイルス学的サーベイランスによるタミフル耐 性ウイルスのデータとか、その他有効性ということを考慮しながら、最も効果的な使用 をするという方針といたしました。  最後ですけれども、抗インフルエンザ剤の投与方法や備蓄量については、今後とも現 在市場に流通している抗インフルエンザウイルス薬の効果、薬剤耐性のモニタリングの 結果を考慮しながら、この方針を適時適切に修正する必要がある旨を記載しました。  以上です。 ○岡部議長 どうもありがとうございました。これもディスカッションを後で総合的に やりたいと思います。  次は、医療や薬なども大いに関係するところですけれども、医療部門、これは川名委 員に部門長をお願いしてありますので、川名先生お願いします。 ○川名委員 医療体制ワーキンググループでは、医療体制の改定案を取りまとめさせて いただきました。医療体制につきましては、前回のガイドラインでも必ずしもWHOの パンデミックフェーズ分類にこだわらないで、インフルエンザ患者数を指標にして対策 を切り替えていくというような方針を提案させていただいておりましたので、今回の発 生段階の分類にも違和感なく移行することができまして、大幅な発生段階における対策 というものには変更はございません。  具体的に言いますと、発生段階ごとの医療体制の概略としましては大きく2つに分け られます。第1段階としては、入院措置によって感染拡大抑制の効果が期待できる期間、 これは第3段階、感染拡大期の終わりまでということになりますけれども、この段階に おきましては、感染症法第19条に基づいて感染症指定医療機関等が医療の中心的役割 を担うと。いわゆる封じ込めのための医療が行われる時期です。  それから、一つ進みまして、入院措置による感染拡大抑制効果がもはや期待できない ということが判断されますと、いわゆる蔓延期になりますけれども、入院措置の戦略は 解除となりますので、原則としてすべての医療機関がインフルエンザ医療を分担すると いうことになります。これは蔓延期の医療と言うことができるかと思います。ですので、 封じ込めのための医療と蔓延期の医療と大きく分けることができると思いますが、先ほ ど岡部議長が言われましたように、今回は、蔓延期において良質な医療を提供できるた めにどうしたらいいかといったことを是非提案したいということが中心になっておりま す。  ガイドラインの改定のポイントですけれども、まず、第1点としましては、発生前か ら進めるべき医療体制の整備というのを1ページ目に書きましたが、事前からやってお くべきことということで、例えば、慢性疾患を有する定期受診者への定期薬の長期処方 を事前にやっておいていただきたいとか、あるいはファクシミリによって抗インフルエ ンザウイルス薬の処方箋を発行する方法だとか、そういったようなことを提案させてい ただいております。  改定のポイントの2番目としましては、5ページ辺りに書かれていると思いますけれ ども、保健所を中心とした地域の医療体制の整備を特に強調させていただいているとい う点です。勿論パンデミックは地震ですとか、そういう局地災害とは異なって、日本で ほぼ同時に発生するということですので、他地域からの援助は余り期待できない可能性 がございます。したがいまして、地域完結型、自助型の対策がどうしても必要になるだ ろうといった観点から、保健所を中心としたユニットというものが、どうしても一つの 単位になるだろうと認識しております。したがいまして、この単位の中で必要な病床数 ですとか、発熱外来とか、薬の処方体制、医療従事者の確保といったようなことを推進 する必要があるだろうと考えて、またそれを求めているという形になっております。  改定ポイントの3番目ですけれども、発熱外来というものについてであります。発熱 外来につきましては、平成17年に行動計画が最初に出たときから提案されているもの ですが、これに対しましては非常にたくさんの御意見をいただいております。例えば、 大型テントですとか体育館を使って、日本中にたくさんつくって徹底的に振り分けをや るべきだという御意見もありますし、一方では、発熱外来というのは有害無益であると、 むしろやらない方がいいといったような御意見までたくさんあります。医療のワーキン ググループの中では、それを踏まえまして何度も議論を重ねましたけれども、やはりパ ンデミック期の混乱をできるだけ回避して無用な感染を減らして、かつ、適切な医療を 提供するという観点からは、やはりインフルエンザ疑いの患者さんの交通整理をする必 要があるだろうと。そのための方法論としての発熱外来という提案は、旧ガイドライン から継承させていただいています。しかしながら、その効果と実行可能性を考慮した上 で、できるだけコンパクトなものを提案していきたいと考えています。  具体的には、流行の早期には特に入院医療を行う医療機関、この場合は特に感染症指 定医療機関等が該当するわけですけれども、この入院医療を担当する医療機関に発熱外 来を隣接あるいは併設するというような形で、特に院内感染を抑制するというような観 点から、発熱外来を設定してはどうだろうかという提案をしております。  一方、蔓延期になりますと市中に蔓延しておりますので、むしろ軽症者と重症者の振 り分けですとか、あるいは非常に限られた医療リソースをどうやって有効活用するかと いったような観点から、地域の特性に応じて柔軟に運営していただくといったようなこ とを提案させていただいています。資料には、まだ記載されておりませんけれども、例 えば、休日診療所のような形をとって、地域の医師が輪番制で運用するといったような 形態のものも提案されております。  そのほかの改定ポイントとしては、重症患者の増加に応じて医療機関が定員超過収容 を行うといったようなことですとか、医療機関以外でも医療を提供するといった可能性 についても言及しております。  最後ですけれども、医療体制ワーキンググループの中での検討とはちょっと外れるん ですが、やはり良質な医療を提供するためには、どうしても医療スタッフに対する支援 が不可欠であるということで、特に抗インフルエンザウイルス薬ですとか、感染対策機 材の供給が途絶えるというようなことがございますと、医療スタッフが現場で働きにく いということになりますので、こちらについては是非、途絶えることがないようにして いただきたいといったような意見は、現場から非常に強く出ているというのを我々も伺 っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  医療ワーキンググループグループは以上です。 ○岡部議長 ありがとうございました。幾つかの今までから進んだ部分、あるいは明確 になった部分があるんじゃないかと思います。後で、これもディスカッションに入りた いと思います。  もう一つはサーベイランス部門で、これは谷口委員に部門長をお願いしているので、 谷口先生、説明をお願いします。 ○谷口委員 御報告申し上げます。サーベイランスは基本的に戦略ありきですので、そ こが決まるまではなかなか議論が進みませんでしたけれども、この専門家会議におきま して戦略というものが策定されまして、その戦略を基にそれを達成するための目的を設 定して、その目的を設定するためのサーベイランス戦略を立てて整理をさせていただき ました。報告案としましては、総論と各論、すなわち考え方と個別のシステムという形 にさせていただきました。  例えば、蔓延期において患者さんが病院には来ないで自宅待機がメーンになるという ことになりますと、その間の情報の収集方法はどうするかという問題が出てまいります ので、他のワーキンググループの結論に大きな影響を受けます。それゆえにすべて議論 が終了しているわけではありません。そして、これまでの3つのパンデミックを見ても わかりますように、それぞれどういう経過で進展してくるかということが違います。ア ジア風邪のように季節性のインフルエンザものと一緒で来ることもありますし、香港風 邪のようにくすぶり型で来たということもございますので、季節性のインフルエンザと 連続性を持ってサーベイランスを行うというのが第1点。当然のことながら、それに伴 って現在あるものの上に新たなものを計画していく、そして、明確な目的をそれぞれの フェーズに従って立てるということでございます。  最初のフェーズにおきましては、当然海外で発生しましたということが速やかにわか ればよろしいのですけれども、わからない場合も想定されますし、また、それをいかに 早期に探知して確認するかということもございますので、海外発生の状況からそのもの を探知するとともに、国内での第1例を早期に探知する。その国内での早期探知の目的 においては、当然本当の第一例が探知できれば最もいいわけですけれども、必ずしもそ うはいかないかもしれないために、それを逃した場合には当然のことながら、アウトブ レイクの段階で探知をしたい。それもできなければ、コミュニティ・トランスミッショ ン(地域で感染伝播が始まった)、コミュニティ(地域)でのアウトブレイクで探知した い、こういった3つの違う手法で探知するという戦略を立てまして、それぞれをパンデ ミック・サーベイランスという形の中に入れてあります。  ただ、早晩それは地域に広がってまいりますので、そうなった場合に最も重要なのは、 例えば、臨床症状で実際に抗インフルエンザウイルス薬が効くのか、実際の流行状況が すべてパンデミック・ストレイン(新型のウイルス)なのか、あるいはBが含まれてい るのか、あるいはひょっとしたら以前のAが含まれているのか、そういったものがきち んとわかるような体制をつくっておき、更に臨床症状については、例えば、最初に東京 で100起こったとしたら、それらからえられた情報速やかに日本全国に伝えなければな らないわけで、そういった枠組みを確保していく、これが2つ目の目的になります。  そして、地域の蔓延状況は、リアルタイム(迅速に)でインパクト(被害状況)とと もに供給されなければならないということが3つ目でございまして、このインパクトに つきましては実際の死亡例あるいはエクセスモータリティ(超過死亡)で表すか、これ はまだ議論が終わっていません。  また、当然のことながら、これらはインフルエンザウイルスの性状に大きく影響を受 けます。ゆえに、ウイルスのサーベイランスの行い方も、そのサンプリングによっては 重症例ばかりサンプリングしたのでは、そのデータというのは非常にまずいことになっ てまいりますので、ランダムにサンプリングできるように診断治療のサブワーキンググ ループとの連携で、もう少し議論が必要なところでございます。当然のことながら、サ ーベイランス体制全体についてもその中でやっていかねばなりません。  また、先ほど申し上げましたように、状況に応じて医療体制が変化し得ますので、実 際、患者数だけで地域の実情が把握できるかというと、そうではないことも予想できま すので、そういった場合には、抗ウイルス薬のディスペンサリー(処方数)、あるいは相 談センターへのテレフォンコールといった副次的なもので地域の状況を把握していかね ばならないことも当然予想されますので、そういったものを考えて、これは本当の危機 管理ですけれども、すべての状況に対応できるようなものは現在準備しておかねばなら ないだろうという議論を行っております。  それ以外のものとしましては、ワクチンが流通した場合に、その効果あるいは副反応 をモニタリングしていく方法といったものは、まだ今後の議論が必要な状況でございま す。  以上、簡単に御報告申し上げました。 ○岡部議長 ありがとうございました。  それでは、最後の資料5を利用してということになりますけれども、リスクコミュニ ケーション、情報提供・共有部門ということで、丸井先生に部門長をお願いしておりま すので、御報告をお願いいたします。 ○丸井委員 それでは、資料5のリスクコミュニケーション、情報提供・情報共有のワ ーキンググループですけれども、このワーキンググループは他のワーキンググループと 異なりまして、非常に幅広いというか、ある意味でわかりにくいかと思います。といい ますのも、他のワーキンググループはそれぞれに関してある意味では焦点が非常に絞ら れて、縦に個別の項目として動きますけれども、このワーキンググループは言わば横、 横断的に全体との関係をどのように社会に伝えるか、あるいは社会の理解を得るかとい うことで、言わばそれぞれのワーキンググループのガイドラインができたところと並行 しながら動くというようなことになっております。そういう意味で、国民の理解をきち んと得るための、言わば全体としての専門家会議の入り口であり、かつ、出口というよ うな役割を果たすことになると考えて活動しております。  そのような意味で、今回ガイドラインは基本的に今までのポイントは既に網羅して前 回つくられたということで、余り個別の点で手を入れるということはしておりません。 むしろ用語が変わりましたので、発生段階別というようなところを書き換えるというこ とをしております。  ただ、「はじめに」のところを大分書き換えておりまして、リスクコミュニケーション、 情報提供・共有ということで、1ページを見ていただきますと、基本的にインフルエン ザの対策は、国や地方自治体あるいは医療機関等がどのように動くかということをきち んと国民の皆さんに伝え、正確な知識を持っていただいて、そして、国民それぞれが主 体的に動いていただくという必要がどうしても出てきます。そのためには、国や地方自 治体あるいは医療機関が、きちんと国民の皆さんに情報を提供して、かつ、情報を提供 するという一方向ではなくて、それをきちんと共有して国民の認識をきちんと高め、そ して、初めてそれぞれの対策が実行できる、そういう基盤ができると考えているという ことになります。  その他、用語等変えましたが、国、地方自治体、医療機関あるいはマスメディアある いは国民全般との間の情報あるいは知識のギャップをできるだけ減らすためにどのよう にするかということで、繰り返しますけれども、情報を提供するという一方向ではなく て、それぞれの段階で国民の認識をきちんと把握する、そして、双方向で進めていくと いうことが前提でもありますし、十分それぞれの政策・対策が有効に動くための非常に 重要な点であろうと考えております。  そのようなことで、ワーキンググループは既に前回の全体会の後3回行われましたけ れども、その中で一つは、医療従事者の皆様が実際に前線で働いてくださるわけですが、 国がどのように情報を出すかということ、あるいはどのような対策をするかということ が今回のガイドラインの改定という非常によいタイミングでもありますので、学会や諸 団体、その他のメディアに御協力いただいて、積極的に情報提供・共有を図っていきた い。  2つ目ですが、国民的議論という言葉がございますけれども、これについては特にワ クチン接種に関連して、さまざまな意見が交わされておりまして、これについてどのよ うな場でどのように議論するのかということをもう少し具体的に考えていきたい。特に、 先ほどのように国民の皆様に具体的に正確な知識を持っていただいた上で議論をすると いうことで、まずは、どのようなことを国や地方自治体が考えているのか、行うのかと いうことをきちんと伝えるということが重要だと考えております。  3つ目ですけれども、とかくこのような出来事のときには、うわさとか風評というも のが現れてきます。これは私の感じでは山火事のようなものでして、一旦火がつくとな かなかとめにくい。ですから、非常に大事なことはいかに予防するかということであり ますし、あるいは火の小さいうちに消すかということでもありますので、これまた平常 時からの予防的対応というのが必須ですし、そのためには、適切な情報をきちんと常に 段階に応じて提供しながら共有していくということが大事です。勿論いざというときに どうするかという、リスクコミュニケーションというよりはクライシスコミュニケーシ ョンのたぐいも用意しておく必要がありますけれども、その辺りもこのワーキンググル ープでは話をしようということで課題となっております。  というわけで、いざというとき国は一体どうしたいのか、あるいはどうするのかとい うことを平常時、今の段階からきちんと国民に伝えていき、理解していただくというこ とが非常に大事であるわけです。そういう理解と納得の上に行動が伴ってくるというこ とになると思います。そういう意味では、本日それぞれのワーキンググループでガイド ラインを作成していただいておりますけれども、全体を通じて国として一体どのような ことを考えて行うのか、いざというときするのかという、言わば基本的というか中心的 なメッセージが、やはり上にもう1枚必要であろうと思いますし、それを我々のワーキ ンググループは一体どのように誤解なく伝え、あるいはその反応をきちんと国が受け止 めるかというような体制、そういう意味では、国におけるあるいはそれぞれの自治体レ ベルにおける広報体制をきちんと見直す必要があるのではないかというようなことを数 日前のワーキンググループでも話していたところです。  以上、経過の報告とガイドラインの内容について御報告しました。 ○岡部議長 どうもありがとうございました。  以上で、各部門からの概要の御説明をいただいたわけですけれども、それぞれ御質問 がたくさんあるかもしれませんが、時間は30分ぐらいで全部門についての意見交換を したいと思います。  最初は、公衆衛生部門について御意見がございましたら、どうぞお願いします。公衆 衛生部門は検疫あるいは埋火葬、それから、通常の家庭における対策であるとか、積極 的疫学調査は今回は離れますけれども、非常に多くのものがありますが、もし御意見が ありましたら、どうぞお願いします。あるいはワーキンググループの中で参加されてい る公衆衛生部門の先生で、何か追加事項があったらお願いしたいと思います。 ○谷口委員 1つ御質問ですが、9ページに航空機の検疫について、有症者がいること が把握できた場合の対応という項目がありますが、例えば、発生国から来航する航空機 あるいは船舶で、有症者がいることの報告を求めるのか、いないという報告を求めるの かで大きく違うと思うんですが、その辺りはどういう議論がなされたか教えていただけ ればと思います。 ○岡部議長 それは事務局でお答えいただけますか。有症者がいるということを確認す るのか、いないということを確認するのか。 ○難波感染症情報管理室長 9ページの「2.航空機の検疫について」の(1)をごらん いただきたいと思います。ここに書いてございますように、通報により有症者がいるこ とが把握できた場合ということで、いるということを把握すると考えております。 ○谷口委員 いるということを言うのと、いないということを言うのは、かなりレベル の差があろうかと思うんでが、いないということを言うためには、きちんとしたインタ ビュー(面談)あるいはクエスチョンネア(質問票)をとらないと言えないことであっ て、いるというのは偶然見つかることも当然あるわけですし、感度としては低いわけで すね。それを日本の検疫としては、いるといつことだけの報告を求めていくということ ですねと確認です。 ○難波感染症情報管理室長 実際その検疫の場を考えますと、かなりの対応量になるこ とも想定されておりますし、基本はやはりいるということの確認が原則になるかと考え ております。 ○岡部議長 そのほかについて、公衆衛生部門は何かございますか。 ○内田(幸)委員 今の谷口委員の質問ですけれども、9ページには、いるかどうかの 確認のうちのいるという場合はこういう対応と示してありますが、11ページには今度は いないとの報告があった場合の対応ということも併せて記載してあります。ですから、 質問されている意味はわかるんですけれども、要するに検疫の現場というのは、いるか いないかをより少しでも明確にしたいという意思で動いていて、いた場合といない場合 と振り分けをしています。ただ、その中でも虚偽を言ったりとか見落としたりというこ とが出てきますから、非常に微妙なんですが、多分今回は各検疫所、特に空港検疫所で 行っている訓練の状況から見れば、割合エアラインの方もそういう認識度が上がってき ているのかなと思っています。ちょっと答えにはなっていませんけれども。 ○谷口委員 例えば、諸外国だと、そのレベルに応じて、いわゆるポジティブ・プラテ ィーク、ネガティブ・プラティークということですよね。要するに、どちらを報告させ るかということ。いると言われたからどうする、いないと言われたからどうするではな くて、まずどちらを報告されるかということでスタンスが決まってくるわけですよね。  ほかの諸外国などだと、インタビューフォームにも虚偽の報告をすると法律によって 罰せられますまで書いてありますよね。そこが、していないことを確認して、すべて「な い」になっていますよということをするのかという質問だったんですけれども。 ○藤井委員 検疫ガイドライン、今、谷口委員が御指摘になっているところは、一つの ステップの段階でして、そこだけで判断するわけではありませんで、当然クエスチョン ネアも書いてもらいますし、発生国地域からの航空機については、機内においてサーモ グラフィによる体温のスクリーニングもしますし、そういうものを重ね合わせて総合的 に判断していこうということで、航空機の中には、いわゆる医学の専門家が乗っている わけではありませんので、そういう意味では有症者がいないということを明確にすると いうのは、現実問題としてなかなか難しいのかなと思っております。偶然かもわかりま せんし、自発的に申し出られた場合もあるでしょうし、そういうことで有症者をピック アップして、更に先ほど申し上げましたようにクエスチョンネアとかサーモグラフィで スクリーニングをして総合的に判断していこうというものでございます。 ○岡部議長 ありがとうございました。 ○田代委員 資料1−2も公衆衛生でいいんですよね。2ページですけれども、3)地域 及び職場対策ということで、いろいろなイベントを自粛するとか、学校を臨時休業にす るとか、職場対策として重要業務の継続と必要とされる企業活動を可能な限り継続する 方法ということで、職員を計画的に減らすとか書いてあるわけですけれども、こういう ことを求めた場合に、これによって生じるいろいろな影響が出てくるわけですが、それ に対して国としてどういう手当をするか、どういう方針をするかというのは、ここでデ ィスカッションする公衆衛生の問題だけでは解決がつかないわけですね。これは国のガ イドラインとして出されるということですけれども、ほかの省庁を含めたこれについて の対応というのはどういうふうに進んでいるんでしょうか。 ○難波感染症情報管理室長 まず、こういったことに関して、国としてどのようにパン デミックという状態を位置付けるかということになるかと思います。私どもとしては、 非常事態のようなものを考えておりますけれども、現在の考えでは、各都道府県等に対 して自粛の要請を行っていくということを基本として考えております。  また、職場等につきましては、先般御議論いただきました事業者職場のガイドライン というものをお示ししておりますけれども、その中で被害想定等をお示ししています。 それによりまして事業継続計画をつくっていただいて、あらかじめ企業としての対策を 整えておいていただきたいと考えているところでございます。細かい対策については各 省庁ごとにとっていただくことになりますけれども、現在私どもとしてはそのように考 えております。 ○岡部議長 いろいろ意見があるところだとは思います。  それでは、抗インフルエンザ薬とワクチン部門で御質問あるいは御意見がありました ら、お願いします。あるいはその部門にかかわられている先生方で、もし補足的な意見 がありましたらお願いします。 ○谷口委員 2ページの「抗インフルエンザウイルス薬の流通調整」で、「市場」という 言葉が何度も出てまいりますが、私は経済とか流通とか全然わかりませんけれども、昨 今のいろいろな株の動きを見ていて、市場というのは非常に怖いなと思っているんです が、こういう命にかかわるようなことを市場に任せていいのかなというのが1点。  あと、備蓄ですけれども、有効期限というものがあります。今回備蓄は5年から7年 に有効期限が延びましたが、いずれにしろ7年経ったら捨てるわけですね。例えば、バ ーチャル・ストックパイル(仮想的な備蓄:製薬企業に備蓄)だとか、あるいはリボル ビング・ストックパイル(地域で毎年使用してその都度入れ替えていく備蓄方法)だと か、あるいは原末で備蓄するだとか、諸外国はいろいろな方法をとって有効に使おうと いうことを考えているわけですが、ワーキンググループでそういった備蓄の方法につい て議論がなされたかどうかお伺いします。 ○岡部議長 最初の「市場」という言葉については、事務局から御説明いただけますか。 ○難波感染症情報管理室長 この「市場」という言葉のイメージもあるかと思いますけ れども、私どもが考えているのは、例えば、ある地域とかある病院でいっぱい出ている とか、そういった流通の状況をこういった言葉で表現させていただいているのでござい まして、出るままに任せるとか、状況に合わせて対応していることに対して国が対応し ていくということが、この文章の趣旨だと私どもは考えております。 ○岡部議長 備蓄の方法についてですけれども、諸外国が全部いろいろなことをやって いるわけではなくて、各国がそれぞれいろいろな方法を考えているというところだとは 思うんですけれども、一応備蓄については今のところは通常使われている薬剤が備蓄の 中心になるので、いろいろな方法は検討されました。原末をとるとかそういうような方 法も出たと思うんですけれども、ここは部門長の方から。 ○田代委員 今、谷口委員からお話があったような内容について、どういう形態で備蓄 するか、それから、期限の延長の問題、その他もディスカッションしましたけれども、 職場で備蓄するとか、家庭内で備蓄する、個人で備蓄するとか、アメリカで最近また問 題提起されていますけれども、パンデミックインフルエンザキットという形で各家庭に 事前に1人ずつ配っておくとか、さまざまな可能性について検討しましたが、現時点で 国内における備蓄薬の供給状態ということを含めますと、現時点で国と地方自治体が折 半して備蓄しておくことが一番現実的であろうと。勿論、更に有効な備蓄方法について も検討課題として引き続き検討してまいります。  それから、備蓄してあるものをどうやって現場に実際に供給するかというロジスティ ックについても、まだ検討課題であると考えております。  それから、予防投与について先ほど話しましたけれども、追加して詳しい説明をお願 いしておいた方がいいかと思うんですが、7ページの(2)予防投与の実施に係る留意点 ということで、予防投与については薬事法で承認を得られていない場合も含め、同意を 得た上で行うということなんですけれども、薬事法で承認を得られていない場合という のは、今の抗インフルエンザ薬については小児とか妊婦、その他の勧奨外の対象がある と思います。年齢の問題もありますし、こういうことについて先ほどの早期においては 予防投与するという方針で、そういう対象の方に対しても薬事法の承認が得られていな い場合でも投与し得るという解釈だと思うんですが、治療用の薬の処方というのは医師 の裁量である程度認められていますが、予防投与についても同じようなことが適用され るのかどうかということ、もしそこで何らかの問題が起こった場合の責任の所在につい ては、どのように整理しておいたらよろしいんでしょうか、お願いします。 ○岡部議長 では、そこの部分は事務局でお答えできますか。 ○石塚補佐 今の御質問ですけれども、基本的には医者の判断で処方するということに なるかと思っております。また、責任の所在につきましては、個別のケースによって決 まってくるものかと思っておりますので、一律にどっちと言うことは難しいのかなと考 えております。 ○川名委員 御質問なんですが、もう既に例えば大企業ですとか、あるいは一部の病院 などでは、独自に抗インフルエンザウイルス薬の備蓄を始めているところが結構あると いうように個人的にはいろいろな情報が入ってくるんですけれども、そういうものに対 してむしろそういったことを促進していくのか、あるいはむしろ制約をかけていくのか、 あるいは特に関知しないのかといったようなことについてはいかがでしょうか。 ○岡部議長 これは田代先生よりも事務局ですかね。 ○難波感染症情報管理室長 基本的には、国で40〜50%、45%を目指して備蓄してい くという原則はございます。ただ、企業においても診療所等をお持ちの場合は、そうい った状況に合わせて購入すると。それは適切な量ということになりますけれども、そう いったことは特に国としては、だめと言っているわけではないということだと思います。 ○野口委員 予防投与が法律上認められる期間の費用に関しては国が持たれると思うん ですが、例えば、蔓延期に入っても家族内に限って有効性が証明された場合、予防投与 が認められるとかになってくると思うんですが、その場合の保健所の扱い、例えば、た だなのか、有料なのか、保険診療なのか、そういうところは検討されているんでしょう か。 ○難波感染症情報管理室長 基本的に感染拡大期については、予防投与について第2段 階の状況を見て判断するということが予防投与の原則で示されているものだと思います。 蔓延期については、まだ予防投与ということがはっきり、ここではしないという原則で 記載されているものだと考えております。 ○岡部議長 ありがとうございます。大分医療体制の方にも近づいてきていると思うの で、医療体制の方に議論を移したいと思います。医療体制部門について、川名先生に発 表をいただいたんですが、ここのところで御質問あるいはコメントがありましたら、お 願いします。 ○安井委員 感染拡大防止にもつながるんですけれども、今回、学校等を休業するとい う案が出されていますが、恐らくその際に最も労働力の低下で影響を受けるのが医療機 関であろうと。看護師さんとかいますので、そういった場合に、今後の医療体制の維持 についてというのも考えていかれるのかということについてお聞きしたいと思います。 ○川名委員 これは非常に大きな問題でして、例えば旧ガイドラインにおきましては、 患者さんが増えてくるという点については強く認識していたわけですけれども、逆に病 院で医療スタッフが、例えば、インフルエンザに罹患して出勤しなくなってくるとか、 あるいは学校が閉鎖することによって幼稚園とか保育園に子どもさんを預けている看護 師さんなどが出勤できなくなるといったようなことで、病院のスタッフの出勤状況が非 常に減ってくるということが問題になっております。それは、まさにこれから医療機関 における事業継続計画といったような形で盛り込んでいかなければいけないと思います けれども、今のところはまだ具体的にはこの中には入っておりません。  ただ、先ほど発熱外来のところでもちょっと述べましたけれども、例えば、本当に医 療リソースが枯渇してきたときには、病院の勤務医は入院患者さんの診療にある程度特 化して外来を縮小していくとか、あるいは外来診療に関しては、地域の診療所の先生の 輪番制でやっていただくとか、例えば、そういう医療スタッフの有効活用、適正配置と いったようなことも考えていく必要があろうかと思いますけれども、テーマとして非常 に大きかったものですから、今のところまだまとめ切れていないというのが現状です。 ○押谷委員 2点あるんですけれども、川名先生からも発熱外来について話がありまし たが、発熱外来については地域でもいろいろな議論があって、一部の地域では発熱外来 をやらないということを明言しているところもあって、それは発熱外来という概念だけ が提示されていて、具体的に一体どのくらいの患者が来て、それをどうやって診るのか。 そこで感染拡大が起きないような対策はどうしたらいいのかという具体的なことが全く 提示されないで、都道府県とか地域に発熱外来を設置しろと言われているので、非常に 地域は困惑しているというのが今の状況だと思うんです。だから、もし発熱外来を設置 するということであれば、もう少し具体的にどういう形のもので、しかも、その中での 感染拡大を防ぐためにはどうしたらいいのかということを具体的に提示してあげないと、 地域は非常に困っているというのが今の状況だと思います。  もう一点は、医療体制の問題になるのか、サーベイランスになるのかというのはある んですが、私も地域の医師会とかで話をすることがあるんですが、昨日も山形県の医師 会で話をしたんですが、必ず出る質問の中に、感染拡大が起きたときに検査体制はどう するのかと。今までのガイドラインの中にはPCRをやるということしか書いていなく て、PCRが各県の衛生研究所でできるのは、恐らく一日に数十例から100例ぐらいが 限界じゃないかと思うんですが、パンデミック期にはPCRはできなくなるわけですよ ね。そのときに検査体制をどうするのか、迅速診断キットを使うのか使わないのかとか、 感染している患者とそうでない人をどうやって医療現場で振り分けたらいいのかという のが、必ず出る質問なんですね。それに対して今のガイドラインは全く答えていないと 思いますので、その辺りの議論がなされているのかどうかということもお聞きしたいと 思います。 ○川名委員 発熱外来につきましては本当に議論が白熱しておりまして、なかなか明確 な答えをお出しできないんですけれども、ただ、やはり発熱外来というものに対して、 むしろない方がいいという意見があることは十分承知しております。  ない方がいいという御意見を集約すると、大きく言うと3つぐらいあると思うんです が、1つは、発熱外来みたいなものをつくることによって、感染爆発を本当に抑制でき るのかというエビデンスがないということが挙げられると思います。例えば、発熱外来 がある程度機能した例としてよくSARSが挙げられるわけですけれども、SARSのとき は東南アジアで大きなテントを使って患者さんの振り分けを行ったということが言われ ていますが、例えば、SARSの場合ですと発熱が起こった直後ですと、それほどウイル スの排出量が多くないので、発熱患者さんを振り分けてうまく成功したということが言 えるかと思いますが、インフルエンザの場合は発熱しているときには既にウイルス排泄 の極期になっていますので、その段階で振り分けることにどのくらい効果があるのかと いうことがあると思います。  ただ、やはり発熱している人とそうでない一般の患者さんについては、どうしても分 離する努力が必要ではないかと思います。  それから、反対意見の第2点としては、発熱外来みたいなものをつくることによって、 そこに患者さんが集まって、そこで患者さんのうつし合いが起こる。そこでむしろ感染 爆発が起こるんじゃないかという懸念があると思います。これに対しては、恐らくそう いったことは想定しておかなければいけないだろうと思いますので、ある程度場所をた くさん確保するといったようなことが対策として考えられています。  あと、反対の第3点としては、例えば、テントとか体育館といったものが非常に強調 されましたので、そうすると、むしろ医療を行うには不適切であるといったようなこと がございます。ですので、今回はテントとか体育館とか公民館といったようなものを前 面に出さずに、むしろ病院に附設するような形にするとか、あるいは休日診療所のよう な形でやっていくとか、そういう実行可能性のあるものを是非提案していきたいと考え て、ある程度はこの中に盛り込んだつもりですけれども、押谷先生が言われるように、 本当に具体的なところまでは確かに踏み込めていない部分もあろうかと思います。  それから、検査体制については、まだ余り具体的なディスカッションは当ワーキング グループではされておりません。 ○岡部議長 検査については、小田切委員の方からお願いします。 ○小田切委員 2点目の検査の対応については、まさに今議論しているところでして、 検査対応サブワーキンググループというのができまして、これで感染の初期段階、感染 者を特定するというのにウエートを置いたいわゆる検査体制と、今度、蔓延期に入って 患者が多くなってきた場合には、感染者を特定するのではなくて、むしろどういうウイ ルスなのかという性状にウエートを置いた、いわゆるウイルス学的な検査を主体に置く という切り替えのポイント、ウイルス学的にサーベイランスした場合にどういう手法で やるかというものをもう少しはっきりさせるということで、今まさに議論している最中 です。 ○岡部議長 すべての患者さんに全部病原検査をやるということが実際的かどうかとい うことにもなってくると思うんですけれども、キットや何かについては本物の新型イン フルエンザに対するキットはまだないわけですから、その開発などは進めていくという ことで、追々話は進めていかなければいけない部分ですけれども、全部が具体的になっ ているわけではないということです。  それでは、サーベイランス部門に対する御意見・御質問がありましたら、お願いしま す。ここはかなり一般的というより、サーベイランスを行う側の専門的な部分があると 思います。あるいは補足も含めて。 ○神谷委員 2点ほどありますけれども、まず1点目ですが、今、検査の話が出ました が、これは私も質問しようかと思っていたんですけれども、サブワーキンググループで 考えられているということですので、何らかの形でガイドラインなり何なりに反映され て、あるいは指針として出てくるのだろうと理解しています。  それから、サーベイランスの基本的な情報の収集というのは、情報ネットワークに頼 ることになるかと思いますが、現状でも通常期のサーベイランスをやっていますけれど も、この情報ネットワークにアクセスが集中したときに、やや遅くなるような現状があ ると各保健所あるいは地方情報センターから聞いておりますので、これに対しても、も しパンデミックが起きたときにそういうことで大丈夫なんだろうかという意見を耳にす るわけですが、ガイドラインの中に直接書き込む内容ではないかと思いますが、厚生労 働省も含めまして実際にインフラの一つになるかと思いますので、ここがきちんと動く ことを担保していくようなことを少し考えておいていただく必要があろうかなと思って います。 ○岡部議長 ありがとうございました。今のはコメントとして。 ○前田委員 うちの神谷がもぞもぞと言ってあれなんですが、今、地方感染症情報セン ターはLG1を通じて霞が関WANにつなげているわけですが、そこの回線が今非常に 細いと。現状でも報告の時期になるとつながらないことが出てくるという状況の中で、 これがパンデミックになって非常に多数の情報が各地方感染症情報センターから一斉に 行ったときにつながらないという状況になると、結局、現在のシステムですと各都道府 県における全体の状況も一度中央のサーバに入って、そこで集約されないと把握するこ とができない。つまり、それぞれの県の保健所がすべて情報を持っていても、それを集 約することが県としてできないような時代になってしまうということで、この回線が細 いということは致命的なことに、都道府県ごとに対策を立てることすらできなくなるわ けで、これは総務省の御管轄だというようなお話なんですが、今回は省庁間の連絡会議 で検討されていると思いますので、是非これは早急に改善していただかないと非常に厳 しいということで、政府には重ねてお願いしたいと思います。 ○岡部議長 十分にここは考慮して、他省庁とも検討していただきたい部分ということ になると思います。 ○大日委員 その点とも関連するんですけれども、やはり情報の流れを複線化しておく 必要があるのかなという視点から、11ページのガイドラインにも、先ほどの回線の問題 が指摘されているNESIDシステムですけれども、それを使わないルートということで、 電話を用いたシステムとか、薬局のサーベイランス、それから、死亡者数のサーベイラ ンスというのが指摘されていますので、その点も合わせてインフラの整備は勿論ですけ れども、複線化するためにそういう備えをしておくのが賢明かなと思います。 ○岡部議長 委員会としては肝心の情報ルートが細くなっては、あるいは遮断されると もっと困るわけですから、その辺の整備も含めて、以後是非お考えいただきたいという 要望だと思います。  室長何かございますか。 ○難波感染症情報管理室長 御要望として確かに承りました。 ○岡部議長 それでは、サーベイランス部門は一応ここまでとして、次はリスクコミュ ニケーション部門になりますけれども、丸井先生に御報告いただいたことについて御意 見あるいはコメントがありましたら、お願いします。 ○前田委員 先ほど部門長の丸井先生からもお話があったんですが、今回のガイドライ ンの改定は、全体から見るとかなり初期に徹底的に水際で防ぐということから、蔓延期 になってきたということでの対応を強調するということで、先ほどの発熱外来の話です とか、あるいは入院については当初は目いっぱい入院できるまでやって、できなくなっ たらという話は、結局隔離の必要性がなくなった時点で転換していくというふうに、か なりパラダイムを変えたというところがあると思うんですが、細かいものではなくて全 体として変化したんだというもう少し国民に対してアピールするような形で、もっとリ スコミができないかなと。恐らくこのままで広がれば、それぞれの発熱外来がどうなっ た、入院がどうなったという細かい話がわらわらと伝わっていきますけれども、むしろ そこよりも、蔓延期の対策に重点を置くようにパラダイムを変えたんだというようなア ピールをできるような、そういう形でリスコミをしていかないと、国民の間で本当のと ころが伝わっていかないんじゃないかという懸念がございます。 ○岡部議長 まさにコミュニケーションの部分だと思います。 ○難波感染症情報管理室長 リスクコミュニケーションのワーキンググループで、情報 提供や共有の在り方について、まさに御指摘いただいているところでして、今後こうい ったガイドラインを新しくした場合に、どういった形で御説明をすればいいかというこ ともいろいろ御議論いただいている段階だと思いますので、その点につきましていろい ろワーキングでも御指摘いただきたいと考えております。 ○押谷委員 今、前田委員が御指摘になったことと関連するかもしれないんですが、今 までの日本の新型インフルエンザに関する国民へのメッセージというのは、あれもやっ ています、これもやっています、備蓄もしていますし、日本は万全の対策をとっていま すというようなイメージでのメッセージが、ずっと国民に対して発せられてきている。 少なくともホームページなどを見るとそういうイメージなんですが、ほかの国、例えば、 先週ニュージーランドに行ってパンデミック対策を見てきたんですが、ほかの国の基本 的な国民に対するメッセージは、基本的にはかなり限られたことしかできませんよと。 病気になった人たち、重症の人たちも病院には入院させられないかもしれないし、施策 だって足りないかもしれないし、今言われているプレパンデミックワクチンだって効か ないかもしれませんよと。そういう限界をきちんと国民に伝えているんですね。カナダ もそうですし、アメリカの「National Strategy for Pandemic Influenza」にブッ シュ大統領が前文を書いていますけれども、国ができることは非常に限られているんだ と。そういうメッセージを国民に対して発しているんですが、日本はそうではない。今、 前田委員がおっしゃったように、蔓延期の話になってくると、どうしても我々ができる ことは限られているんだと。そういう視点からのリスクコミュニケーションというのが これから必要なんじゃないかと思うんです。 ○岡部議長 非常に重要な部分だと思うんですけれども、ほかに御意見ございますか。 ○山口委員 前田先生と押谷先生の意見とちょっと関連するところだと思うんですけれ ども、蔓延期に入ってしまうと、入院で拡大を抑えることはできないという状況になっ てしまうということで、場合によっては自宅で療養される方もたくさん出てくるという ことになってしまうと、それまでは封じ込めのために入院をする、入院で措置して広げ ないようにするという方針から、急に入院がなかなかできなくなってしまう、自宅で療 養しなければいけないという形で、国民の方への受け止めというのは入院から入院でき ない形という、物すごく大きく考え方がシフトしてしまう形になってしまうので、勿論、 感染性とか致命率とかいろいろな観点を考えなければいけないんですが、この疾患の場 合は場合によっては在宅での療養というのが中心になる可能性がある。そして、封じ込 めのときには入院もしくは重症のときには入院するという、通常の疾患と若干違うかも しれないというメッセージも場合によっては必要だと。そういう気持ちで病気自体がわ かっているわけではないので、国民の方にお知らせするというのは難しいかもしれませ んけれども、ちょっと封じ込めをしながら、次は入院ができなくなるかもしれないとい う、物すごく大きな考え方が途中の対策で変わってしまうというところについては、う まく伝えていかないと伝わらないような感じが私はしています。 ○岡部議長 ありがとうございます。  リソースは限られているので、本当に100%の人に100%いいものを求めるというと、 誰が軽い病気になっても病棟はいつでも空いているというような状態だったり、薬はい つどこに行っても2〜3か月分手に入るということが最大のことになるわけですけれど も、その辺は実効不可能な部分で、ステップアップしていく必要はあるけれども、今、 押谷先生がちょっとおっしゃったような、私は必ずしも国が万全だと言っているとは思 っていないんです。むしろ、できないことがいっぱいあると思うんですけれども、その 辺の限界というか、できるところはこの辺ぐらいが今できているんですというような言 い方での説明は必要だろうと思います。  それから、今日いろいろ話も出ているんですが、あるところで作戦が変わってくると いうのは、やはりこの図が示しているところで、地域には一生懸命予防投与をやるとい うところから、ある日突然、予防投与はなしで治療に回すんですよと。軽い人は入院す る必要はありませんという、作戦といいますか、やり方が変わってくるということにつ いては、相当粘り強く、当然その場になると混乱が起きると思うんですけれども、ただ、 ハンドリングする人がそれによって右往左往しないようにということをやっていく必要 があるだろうと思います。今後は更にコミュニケーションということでは進めていく部 分で、大切なコメントをいただいたと思います。  そのほかのコメントがあったら。 ○谷口委員 先ほどの前田委員の話に続くんですが、こういった会議が行われて資料が 提供されて、いろいろなところで学校閉鎖の部分が取り上げられる、あるいは医療の部 分が取り上げられるというような取り上げられ方があって、国民にとっては結局わから ないんですよね。やはり、情報提供という面から見たら、この会議としてこの議論が終 わった後で、きちんとプレスリリースなり記者発表をすればいいんじゃないか。あるい はポジションペーパーとして書けばいいんじゃないかという気がします。これだけ出て、 それだけ出るではなくて、全体を通してきちんとお話ができる、あるいはペーパーにで きるというふうに今後考えていかねばならないのではないかと思います。 ○岡部議長 後ろにはプレスの方もおられるんですけれども、プレスに対する発表であ るとか、あるいは説明というのは、一般の方に説明するクッションとして非常に重要な 部分だと思うんですけれども、今後の説明の在り方について何か御意見はありますか。 丸井先生、あるいは室長の方から。勉強会ではないけれども、この内容をもう少し詳し く砕いて説明する全体の会みたいなものは提案としてはあった方がいいですね。それは 一つ実際的に考慮した方がいいんじゃないかとも思うんですが。 ○難波感染症情報管理室長 まさに先ほど丸井先生からも御指摘いただきましたように、 どうやって共有といいますか、意見をもらいながらも我々の情報を発信していくかとい う点が重要でありまして、そういった情報提供のやり方といいますか、例えばわかりや すい内容にするとか、そういったことは先生方にも御意見をいただきたいかと思います。 ○岡部議長 今までは全体像がそれこそ各論に走ってみたり、あるいは水際に走ってみ たりというようなところがこの会議でも確かにあって、スタートしていったわけですけ れども、対策推進室の方にもリスコミを担当する方もついておられますし、この中の部 門もできているということで、現実でよしとするのではなくて、今の谷口委員の提案で ある、あるいは前田委員の提案、押谷委員の提案、それらを受け止めてもう少しリスク コミュニケーションといいますか、国民の方々に対してどういう説明をしていくかとい うことは、もっと宿題としてやっていかなければいけない部門だと思います。 ○丸井委員 いろいろ御意見をいただいて、我々のワーキンググループでも、またこの 先作業を続けていきたいと思いますけれども、今、幾つかお話があったことのまとめで もありますが、できるだけバラバラな情報ではなくて、全体としてどのような姿勢でや っていくのかということをきちんと示すということが一つ。  もう一つは、蔓延期云々の話がありましたけれども、そのときになってからでは遅い ので、もしこういうことが起きたときには、このようなことをするのだということを事 前に出していく。早め早めに情報を出すこと、そして、全体としてこういう方向で行く んだという内容の出し方と出す時期というのを是非、行政の方では考えていただきたい と思います。 ○岡部議長 ありがとうございます。いろいろ御意見をいただいたところなので、これ からの宿題や何かも出てきたのではないかと思います。  今回幾つかのガイドラインが示されて、細部に至ってまではまだ読み込みなれていな い部分もあるかもしれませんけれども、一応全体像としてこういう方向性で行くという ことで、今日のところは御了承いたただいて、あと私が聞いているところでは、この後 パブリックコメントがあったり、あるいは細かい修正について議論する場もあるという ことだと思いますので、一応今日のところは議論をその他のこともあるので、一応ここ でストップにしたいと思います。  それから、毎回の会議のときに申し上げていることではありますけれども、ガイドラ インというのは一度できてしまうと、そこで完成でストップということではなくて、こ の場合はやはり未知の部分、不明の部分も多々あり、また、制限もあるということです ので、少しずつステップアップを加えていく、あるいはリバイスをしていくというよう なことは今後も続けていくという考えでいきたいと思うんですけれども、そのことも含 めて今後、どういうふうにしていくかということについては、事務局から御説明をお願 いします。 ○難波感染症情報管理室長 本日は御議論いただきまして、一応今の形で御議論いただ いたガイドライン案というものにつきまして、今後新たに政府の指針として明確に示す という作業を行いたいと考えております。政府の案として、検討された後にパブリック コメントをかけるということを予定しております。  それと併せて、参考資料について若干御説明をさせていただきたいと思います。参考 資料2におつけしてございますのは、前回の専門家会議の中で案として提示させていた だいておりました「新型インフルエンザ流行時の日常生活におけるマスク使用の考え方」 というものでございまして、今回取りまとめを終えましたので、製本として御提出をさ せていただいております。  また、事業所・職場における新型インフルエンザ対策ガイドラインにつきましてはパ ブリックコメントの募集を終えまして、現在、関係省庁との協議によりパブリックコメ ントを反映させるなど、作業を進めている段階でございます。  また、前回の会議で新型インフルエンザ対策の基本方針について御意見を御集約いた だいておりますので、この基本方針に基づいて、すべての関係省庁がそこで示されてお りました戦略及び発生段階に即しての対策の見直しを行っているというのが現状でござ います。  以上でございます。 ○岡部議長 ありがとうございます。  今後の予定については、何か御意見ありますか。 ○谷口委員 先ほどのお話にもありましたが、指針・ガイドラインが10個出て、これ が国家の指針ですと言われたところで全体像がやはり見えないと思うんです。どこでも コアメッセージというのがあって、コアドキュメントあるいは本来のナショナルプラン というものがあって、その下にテクニカルドキュメントとしてのガイドラインがあるの だろうと思います。そうしますと、日本国家としてはコアドキュメント、つまりナショ ナルプランというものは、これまで1997年にパンデミックの報告書が出て、2004年に 改訂版の日本におけるパンデミック対策報告書というのが出て、その後2006年に対策 行動計画というものが出て、3つ出ているんですが、日本のナショナルプラン、つまり 全体像がわかるプランというのは、現時点ではこの行動計画という名前の文書が日本の ナショナルプランであって、これがコアドキュメントになるんだという理解でよろしい でしょうか。 ○難波感染症情報管理室長 以前からありました新型インフルエンザ対策行動計画とい うものにつきまして、先般御議論いただきました基本方針とか段階というものをもちま して、関係省庁が対策の見直しを行っております。その行動計画の中に総論という部分 がございまして、そこの中で背景から始まりまして、対策の基本方針等について現在記 載を進めさせていただいておりますので、そういったところで先生の御指摘の点は進め ていきたいと考えております。 ○岡部議長 今日はガイドラインのことなので、総論的なところはないわけですけれど も、前々回でしたか、基本方針として重要なことして、例えば被害の減少であり、混乱 を最小に避けるようなことであって、そのために幾つかの作戦をとるんだということが 議論されていると思うんです。総論の部分が今日は出ていないんですけれども、全体像 としての総論の部分は今リバイスを加えながら、あとでもう一回この中でも議論される、 どういう形で議論するかは別としても、委員の中での議論があって、それはアクション プランのことをモディファイする形だと思うんですけれども、新たなものとして出ると いうことだと思うんですが、それでよろしいですか。 ○谷口委員 全体像が把握できるコアドキュメントがあればいいと思うだけで、行動計 画と言うと何となくプランがあって、それに対するアクションプランみたいな気がする ので。 ○岡部議長 アクションプランを書くという意味ではなくて、そこにある総論について 国の総論部分を、これが出てくるときにはそれもくっついてくるということだと思いま す。それが突然出てくるのではなくて、準備室の方でドラフトをつくっていただいた上 で、我々もその検討に加わるという考え方だと思うんですけれども、そういうことでよ ろしいですか。 ○難波感染症情報管理室長 はい。 ○押谷委員 今日はガイドラインのディスカッションだということは重々承知している んですが、インフルエンザ対策室の皆さんの努力でかなり充実したガイドラインができ つつあると思います。ただ、ガイドラインがあればいいというものではなくて、これを いかにして実施できる体制、準備をしていくかということが最も大事なところだと思う んですけれども、その実施主体は地域でやるということになると思うんですが、そこに どうやってつなげていくのか。我々のところでもいろいろ地域の実情を今調べているん ですが、市町村はほとんど絶望的に何もやっていませんので、そこのところにどうやっ て実際の対策を実施できるような体制をこれから構築していく予定なのかということを、 一つだけお聞きしたいと思います。 ○難波感染症情報管理室長 いろいろな会があると思うんですけれども、全国知事会も ありますし、市長会というものもあります。そういったところをまず通じて御意見を伺 うということも一つのやり方になりますし、私どもが地域に出向いていって、全部一個 一個の市町村に御説明するということはできないと思いますけれども、我々が出向いて 地域、地域で説明していくということも繰り返し行っていきたいと考えております。 ○押谷委員 説明をするというのも大事だと思うんですけれども、実際に地域で対策を する上では予算も必要になりますし、実際の具体的な計画をどうやってつくっていくの かとか、ガイドラインに基づいた次のステップ、地域で準備をしていくためのいろいろ なツールとか、例えば今やっている机上訓練は、ほとんど早期対応の机上訓練しか地域 でやってはいませんので、そういうものをどうやってつくっていくのかとか、実際にど うやって市町村等をサポートしていくのかということが大きな問題になってくるんじゃ ないかと思うんですけれども。 ○難波感染症情報管理室長 実際今までは、例えば、訓練があるときに呼ばれて公表す るということはしておりましたが、今後はそういったことも一連の情報として、ほかの 都道府県にも還元したり、プログラムを共有したりするようなことを通じて、実際の都 道府県あるいは市町村への対応を進めていきたいと思っています。 ○岡部議長 時間が幸い5分、10分ありますので、全体の話でコメントがあったら。一 応12時には終わる予定ですけれども、それまでに今まで御発言のなかった先生も含め て、忌憚のない意見を言っていただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○田代委員 先ほどからの国全体してのプランというのが欠落しているんじゃないかと いう話なんですけれども、今、各省庁で連絡会議でいろいろなことをやっておられると 思うんですが、そこでのいろいろなプランニングというものには、こういうような専門 家とか委員会みたいなものは関与しているんですか。 ○江浪補佐 前回の専門家会議で、新型インフルエンザ対策に関します基本方針を御議 論いただいております。基本方針を踏まえまして、各省庁の行動計画というものを再整 理しておりますので、もともと先生方に御議論いただきました新型インフルエンザ対策 の基本方針、前回御議論いただきましてまとめていただいたものを行動計画の中に入れ 込みまして、それに沿ってやっていくということでございますので、先生方の御意見を 踏まえたものになっていくと考えております。 ○田代委員 そうすると、厚労省にぶら下がっているこの会議が国全体の方針を提言し ていくというか、ここが唯一のファンクションであるという理解でよろしいんですか。 ○江浪補佐 新型インフルエンザ対策の特に基本的な方針あるいは技術的にどういった ことをやっていくべきかということに関しまして、この会議を中心に政府全体の対策を 見直していくということでございます。 ○田代委員 そうすると、新型インフルエンザ対策というのは国全体の危機管理の問題 であるということは何回も聞いているわけですけれども、ほかの省庁がやっていること について我々は何も知らされていないわけですよね。そこでディスカッションして、い ろいろなことを決めていくというのは非常に問題も多いんじゃないかと思うんですけれ ども。 ○江浪補佐 新型インフルエンザ対策の基本方針につきましては、こちらの会議で御議 論いただきまして、それを踏まえて各省庁どういった取り組みができるかということを 現在まとめているところでございます。実際に各省庁で取りまとめられました行動計画 は一旦政府の方で取りまとめまして公表いたしますけれども、それにつきまして、また こういったところを充実すべきであるというような御意見がありましたら、こちらの会 議でも今後御議論いただいて、実際にどういうふうに政府として対応できるのかという ことを検討させていただくものだと考えております。 ○岡部議長 機構上の図を見ると、政府レベルのところで専門家会議のようなものがあ って、そこでアクションを起こしたり、あるいはコメントを出すような部門があると見 えているんですけれども、実際はまだそれは動いていないですよね。 ○江浪補佐 現在のところ新型インフルエンザ対策に関しまして、専門的な御議論をい ただくのはこの会議だけでございます。 ○岡部議長 この委員会である程度のことが固まってきてるので、もうちょっと高いレ ベルといいますか、国レベルとしてもそういったようなところをつくって議論すべきで はないかというのが田代先生の意見だと思うんですが、よろしいですか。そうだとする と、この委員会も今までいろいろな調整であったり、説明であったりしていたと思うん ですけれども、こういうような会議が国レベルとして大きいものも必要であろうという のが、この会議からの一つの大きいコメントだと思いますので、よろしくお願いします。  その他はいかがでしょうか。それでは、時間もちょうどよくなってきましたし、この ディスカッションはまだまだ続くところもあると思いますが、今日のガイドライン案と いうことでは今日会議は一応終了にしたいと思います。長時間ありがとうございました。  事務局から今後のこと、その他も含めて事務的なこと、あるいはごあいさつがありま したら、お願いいたします。 ○難波感染症情報管理室長 本当に長時間御議論いただきまして、ありがとうございま した。事務局から特に付け加えることはございません。ありがとうございました。 ○岡部議長 それでは、終了になります。どうもありがとうございました。 照会先:健康局結核感染症課特定感染症係(内線2379,2386)