08/07/31 第7回今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会議事録 第7回 今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会(議事録) 1.日 時:平成20年7月31日(木) 15:00〜17:30 2.場 所:航空会館7階 大ホール 3.出席構成員:  樋口座長、伊澤構成員、上ノ山構成員、大塚構成員、尾上構成員、小川構成員、門屋構成員、 坂元構成員、佐藤構成員、品川構成員、早川参考人、田尾構成員、谷畑構成員、寺谷構成員、長 尾構成員、中島構成員、長野構成員、広田構成員、町野構成員、三上構成員、安田構成員、香山 参考人、良田構成員   厚生労働省:  木倉障害保健福祉部長、蒲原障害保健福祉部企画課長、藤井障害福祉課長、福島精神・障害保 健課長、塚本障害保健対策指導官、林課長補佐、野崎課長補佐、矢田貝課長補佐 4.議 事  ○ これまでの議論の整理と今後の検討の方向性(論点整理)について 5.議事内容 ○樋口座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第7回「今後の精神保健医療福祉 のあり方等に関する検討会」を開催させていただきます。  構成員の皆様におかれましては、御多忙のところ、また大変暑い猛暑の中お運びいただきまし て、ありがとうございます。  まず、本日の構成員の出欠状況等について、事務局からお願いいたします。 ○林課長補佐 本日の構成員の出欠状況等について、御報告いたします。  本日は、末安構成員及び山根構成員より御欠席との御連絡をいただいております。  なお、事前に座長に御報告いたしまして、末安構成員の代理として、日本精神科看護技術協会 常務理事の早川参考人、山根構成員の代理として、日本作業療法士協会常務理事の香山参考人に 御出席いただいております。  町野構成員におかれましては、途中から御出席の予定と連絡をいただいております。  また、尾上構成員より所用により中座されるとの御連絡をいただいております。  本日、事務局の方は、阿曽沼局長が所用のため欠席させていただいております。  本日の出欠状況は、以上でございます。  それから、本日マイクはお二人の先生方に1つとなっておりますが、広い会場でございますの で、適宜御協力いただいてマイクを使ってお話いただくようにお願いいたします。  以上でございます。 ○樋口座長 それでは、早川参考人及び香山参考人の御出席につきましては、構成員の皆様の御 了解をよろしくお願いいたしたいと思います。  それでは、早速議事に入ります。  本日は前回に続きまして「○ これまでの議論の整理と今後の対策の方向性(論点整理)につ いて」ということで御議論いただくこととしております。できる限り、今回の検討会で今後の議 論の方向性に関する論点をとりまとめたいと思っておりますので、構成員の皆様におかれまして は、御協力をお願いしたいと思います。  それでは、まず事務局から資料1「これまでの議論の整理と今後の検討の方向性(論点整理) (案)【前回からの修正】」及び資料2「これまでの議論の整理と今後の検討の方向性(論点整理) (案)」について、説明をお願いいたします。 ○野崎課長補佐 それでは、私から説明をさせていただきます。  主に本日の説明は、前回からの修正点を中心にさせていただきたいと思いますので、資料1を ごらんいただければと思います。資料2はそれをそのまま反映したものでございますので、資料 1のみ使わせていただきたいと思います。  まず1ページおめくりいただきまして「目次」をごらんいただければと思いますが、こちらが 今回の論点整理(案)の全体の構成となってございます。前回資料1として提示させていただい たものが、今回の論点整理(案)のIIに当たるものでございまして、前回資料2の整理表で、左 側に「主な論点」と掲げさせていただいたものをIII〜VIまでで盛り込ませていただいている。新 たに今回論点整理のとりまとめ文章とさせていただくに当たりまして「I 『精神保健医療福祉 の改革ビジョン』の策定と本検討会における議論の経過」として、Iを冒頭に付けさせていただ いてございます。  それでは、資料本体の説明に移らせていただきたいと思います。  1ページでございますが、今回改めて付けさせていただきました「I 『精神保健医療福祉の 改革ビジョン』の策定と本検討会における議論の経過」でございまして、1段落目がビジョンを とりまとめたということ。  2段落目の16行目からが、ビジョンの中間点を迎えて、今、御議論いただいている経緯につ いて説明させていただいている。  23行目からのパラグラフでは、この検討会における御議論の経過を書かせていただいており ます。  35行目からでございますが、こちらは本検討会における今後の議論の進め方でございますが、 平成20年中に精神障害者の方の地域生活への移行及び地域生活支援に関連する事項について、 具体的内容のとりまとめを行い、平成21年に予定されている障害者自立支援方の改正に併せて その具体化を目指す。更に、その後、精神保健医療に関する議論を集中的に行った上で、来年の 夏をめどに今後の精神保健医療福祉施策の全体像のとりまとめを行うことを目指す。  ここまでは、これまでお示ししているスケジュールを書かせていただいているところでござい ます。  それでは、II以降にまいります。  3ページをごらんいただければと思いますが、13行目から始まる○でございますけれども、 こちらは先日の検討会で入院患者数の増減の認識について御指摘をいただきましたので、きちん とデータの根拠をお示しした上で正確に書かせていただいているところでございます。  資料の5ページをごらんいただければと思います。1行目でございますけれども、要は今回の 論点整理(案)のとりまとめに当たりまして、データにつきましては現状と課題という形で、最 後に課題を付けさせていただく形にしております。  そういった形式の中で5ページの1行目でございますが、これは入院患者の生態に基づいた課 題を掲げさせていただいている。要は入院患者の高齢化も念頭に置きながら、統合失調症患者を 中心に地域生活への移行及び地域生活の支援を一層推進するとともに、増加する認知症患者への 入院医療の在り方の検討を行うことが課題となっている。このようなものを掲げさせていただい てございます。  5ページでございますが、10行目から始まるパラグラフ、16行目から始まるパラグラフの辺 りは、資料の出展であるとか文言の整理をさせていただいているところでございます。  35行目から始まるパラグラフが入院患者の動態のうち、1年未満入院患者の動態に基づいて、 今後は急性期医療の充実により新たに入院する患者の早期退院を促すとともに、地域における医 療・福祉等必要なサービスの確保のための取組みを更に強化することにより、新たな長期入院患 者を生み出さないようにすることが課題となっているとさせていただいてございます。  6ページからは入院期間1年以上患者の動態でございますけれども、7行目から始まるパラグ ラフにつきましては、前回2段落に分けていたものにつきまして、1段落にまとめさせていただ いているものでございます。  21行目から始まるパラグラフでございますけれども、こちらは若干の文言の整理をさせてい ただいております。  24行目でございますが、今後どのように地域移行を進め、長期入院患者の減少を図っていく かが課題となっているとさせていただいているところでございます。  6ページから始まる「(4)受け入れ条件が整えば退院可能な患者の状況」で、7ページの20 行目から始まるパラグラフですけれども、受け入れ条件が整えば退院可能な患者の方というのは、 入院期間、年齢、疾患によってさまざまなとなっておりますので、この点に十分留意し、患者像 に応じたきめ細かい対応を図っていくことが必要であるとさせていただいてございます。  8ページの3行目から始まるパラグラフでございますが、こちらは第5回の検討会でお示しし ました病床の利用状況調査に基づいた記載となっているところでございますが、若干の文言の整 理をさせていただいています。  11行目から始まるパラグラフで、病床調査の結果によると、状態の改善は見込まれず、居住 先・支援を整えても近い将来退院の可能なしとされた患者が約40%いるが、このような患者の 特性や状態像について、更に詳細に分析する必要があるとさせていただいてございます。  17行目からでございますが、こちらからは各サービスあるいは医療も含めた支援の現状につ いて、分析を加えているものでございます。ここから後の現状編につきましては、基本的にとり まとめ文章を作成させていただくに当たりまして、そもそも障害福祉サービスはなぜ必要なのか。 あるいは相談支援といった場合に、どういうニーズに応えているのか。また、医療についてもそ うですが、なぜ精神障害者の方に救急であるとか、あるいは外来も含めた通院、在宅医療という ものが必要なのか。その辺りの趣旨というものを冒頭の1パラグラフで書かせていただいている 構成にさせていただいてございます。  8ページの21行目のパラグラフですが、ここはいわゆる障害福祉サービスの必要性というも のを書かせていただいたパラグラフでございまして、円滑に地域生活を送るためには、住まいの 場であるとか、あるいは日常生活に必要な支援を提供する機能、あるいは身近な日中活動の場を 提供する機能など、地域において精神障害者の生活を支えるさまざまな機能が確保されているこ とが必要であるとさせていただいております。  28行目からパラグラフの最後でございます。35行目の辺りは、前回の検討会で小規模授産施 設、小規模作業所の件につきまして記載をすべきだという御意見がございましたので、ここに書 かせていただいてございます。  9ページの13行目でございますが、こちらは精神障害者社会復帰施設、旧体系の施設の自立 支援法施行後の移行状況について、1パラグラフを設けさせていただいているものでございます。  23行目からが「(2)医療サービスの現状」でございます。  25行目からは、先ほど申しましたように、精神障害者にとって医療というものがなぜ必要な のかということを書かせていただいてございます。  32行目からのパラグラフも同様でございます。  10ページにまいりまして、7行目から始まる○でございますけれども、ここは精神科救急に ついて少し文言の整理をさせていただいているのと、前回の資料では都道府県によって大きく異 なっている課題があるということでございまして、課題の所在が明確ではなかったので、もう一 度地域の実情を踏まえつつ、どの地域でも適切な精神科救急医療が受けられる体制の確保を図っ ていくことが課題となっている。少しはっきりと書かせていただいてございます。  精神科訪問看護の文脈で、24行目から始まるものでございますが、こちらは前回お示しして いるデータでは、訪問看護ステーションのデータしか記載させていただいておりませんでしたが、 検討会の中でニーズが高いであるとか、あるいは総入院日数が減少する等のデータをお示しして いますので、その辺りを加えさせていただいてございます。  11ページでございますが「(3)雇用支援の現状」のところで、3行目からのパラグラフでご ざいますけれども、ここにつきましては、いわゆる精神疾患を理由とした休職者・離職者等の方 もいらっしゃいますので、そういった方に関する記述を追加させていただいているところでござ います。  25行目から始まるパラグラフですけれども、ここは精神障害者の雇用というものが、ほかの 障害種別と比べるとまだまだ遅れている。そこを明確に書かせていただいたところでございます。  大きな構成の変化では、11ページの(4)でございます。前回、障害福祉サービスの中に入 れさせていただいておりましたけれども、相談支援を充実すべきだという御意見も強かったもの ですので、相談支援に関する項目を(4)として立てさせていただいてございます。  11ページの36行目から始まる○でございますが、こちらはいわゆる障害者自立支援法に基づ く相談支援というものがどういうものであって、それが精神障害者の方のどういうニーズに応え ているのか。そこを明確に書かせていただいたところでございます。  12ページの10行目でございますが、ここも地域自立支援協議会あるいは市町村が行うとされ ている相談支援事業につきまして、概要を書かせていただいている。前回、地域自立支援協議会 というものが唐突に出てきた感もございましたので、少し整理をさせていただいてございます。  29行目からございますが、こちらも相談支援事業の一環であるケアマネージメント機能につ いて、同様にその趣旨と現在の課題を整理させていただいているところでございます。  13ページの15行目、病床数の認識でございますが、各国における精神病床の定義の違いを考 慮する必要があるとは言え、やはり我が国における精神病床数は60年代に急速に増加し、現在 でも依然高い水準となっている。そういった認識を書かせていただいているところでございます。  13ページの30行目からの○でございますが、こちらは前回までの資料では医師についてのみ の記載となってございましたので、それ以外の職種、コメディカルの方々に関する記載につきま しても、少し充実させていただいているといったところでございます。  ここまでが現状のデータに関する修正でございます。  飛びまして、15ページにいっていただければと思います。  15ページのIIIでございますけれども、新たに前回の検討会での御意見を踏まえまして「(1) 我が国の精神保健医療福祉施策の沿革」といたしまして、最初の○では、戦前はどういったもの であったか。  戦後のものが12行目から始まるものでございますが、途中のライシャワー事件であるとか、 21行目で書かせていただいておりますが、1960年代に精神病床数が急速に増加していったこと。  24行目からは、近年の動きでございます。  30行目に書かせていただいておりますように、その成果はいまだ十分でなく、依然として多 くの長期入院患者が存在していると書かせていただいてございます。  34行目からは「(2)今後の精神保健医療福祉施策の基本的考え方」といたしまして、前回の 御意見を踏まえまして、38行目の「認識」という言葉を「反省」という言葉に改めさせていた だいてございます。  16ページでございますが、ここも前回御意見があったところでございますが、いわゆる精神 障害者の方だけではなくて、国民だれもが安心して生活できるようにという御発言がございまし たので、5行目の「精神障害があっても」というのは、現在まだ精神障害をお持ちでない方も含 めて、安心してというところを書かせていただいている。  あるいは6行目の最後の後段でございますが「精神疾患に罹患した場合にも早期に適切な医療 にかかれるような社会としていく」ということで、少し記述を追加させていただいてございます。  10行目でございますが、ここは「重症化の防止のための体制の整備」という文言を入れさせ ていただいてございます。  15行目の3)でございますが、こちらもより一層進めていくという姿勢を明確にさせていた だいているところでございます。  17ページの「2.施策の推進体制について」でございますけれども、財源に関する御意見が 多かったものでございますので、10行目は「必要な財源を確保しつつ個別の対策を講じ」とさ せていただいてございます。  14行目からでございますが、1つは市町村を中心とした体制とすべきだという御意見、ある いは保健所というものを明確に書くべきだという御意見もございましたので、少し追記させてい ただいてございます。  19行目からでございますが、市町村等における人的・財政的な基盤の確保。あるいは20行目 から21行目ですが、各種計画の相互関係の強化のための方策も追加させていただいてございま す。  24行目から始まるパラグラフでございますが、最初の7行目からのパラグラフでビジョンを 提示し、数値目標を定めといったPDCAサイクルのようなものを書かせていただいてございま すが、それにつきましては、本年末の中間まとめ、あるいは来年夏の最終まとめに向けて、今後 議論を進めていただきたいという形で整理をさせていただいてございます。  以上がIIIの部分の説明でございます。  続きまして、IVの説明に移らせていただきますが、IVは地域生活への移行、支援の部分でござ います。18ページをごらんただければと思います。  5行目から始まる「1.検討の基本的方向性」というところですが、少し順番を入れ替えさせ ていただいております。冒頭に相談支援を持ってこさせていただきまして、2つ目の点でござい ますが、ケアマネージメントをきっちりと書かせていただいている。前回はケアマネージメント を含む相談支援といった書き方でございましたが、少し項目立てをしているということでござい ます。あとは、順番を整理させていただいています。  18ページの下の部分でございますが、この辺りは記述の整理をさせていただいているもので ございます。  19ページの1行目から始まるパラグラフも、新たな長期入院を生み出さないという基本的な 考え方に立ってということで、前回の検討会の御意見を踏まえて修正させていただいております。  19ページの29行目からでございますが、こちらは前段に相談支援の課題に関する記述を増や しましたので、少し記述を整理させていただいております。  前回の検討の中で、精神障害者の方の権利擁護に関わるものについて少し議論をしたいという 御意見がございましたので、36行目でございますが、成年後見制度など精神障害者の権利擁護 に関わる支援などを含めた相談支援ということで、明確化させていただいてございます。  20ページでございますが、こちらは先ほどの相談支援の現状を充実したことに関係して、6 行目から始まるパラグラフは整理をさせていただいております。  13行目から始まるものも同様でございます。  16行目「その機能の現状について検討を行うとともに」というところで記述を追加させてい ただいておりますのは、先日の検討会でなぜ機能しなかったのか。そこの検証が必要だという御 意見をいただいたことを踏まえたものでございます。  20ページの37行目以降でございますが、こちらはいわゆる復学支援といったものも含めまし て、学校教育分野との連携について、今後進めていく必要があるだろうということで書かせてい ただいているところでございます。  21ページの24行目でございますが、前回の資料では、具体的な施策というか住まいの場とい うのが公営住宅のみの例示にとどまっておりましたので、グループホーム、ケアホームの設置促 進や民間住宅の活用を推進するための具体的方策といったものも追記させていただいてござい ます。  22ページは「生活・支援等障害福祉サービス等の充実について」でございまして、16行目に つきましては、就労や日中活動の精神障害者の方にとっての意義についての記述を少し追加させ ていただいてございます。  23行目からのパラグラフも、前回は障害者就業・生活支援センターについての記述の中で、 どういった取組みを進めていくのか不明確だった部分もございましたので、少し具体化させてい ただいているところでございます。  23ページでございますが「家族等に対する支援について」といたしまして、前回、支援者と いう形で非常にふわっと書いていましたけれども、どういった方なのかということをしっかりと 明確化させていただいているということでございます。  17行目から始まる「その他」でございますが、こちらにつきましては、2つ御意見がござい ました。障害程度区分に関するものと所得確保に関するものとございましたけれども、こちらに つきましては、別途開催されております障害者部会であるとか、障害程度区分については、既に 具体的な検討を始めさせて、こういった趣旨で検討させていただいておりますので、それについ て引き続き検討を進めていく。そういったことを明確化させていただいているところでございま す。  23ページの30行目の精神科救急医療のところは、前段にもございましたけれども、地域の実 情を踏まえた精神科救急医療の体制の確保ということを書かせていただいてございます。  24ページの4行目でございますけれども、ここは前回御意見がございまして、いわゆる救急 機能を含めて一般医療と精神医療をどういった形で医療提供体制の中に位置づけていくのか。ま た、その中で総合病院における精神医療の提供といった問題提起もございましたので、そこを踏 まえてこのようにさせていただいておりますが、具体的な議論は後で出てきますVの精神保健医 療の再構築に関する検討の中で、具体的に検討させていただきたいと考えてございます。  32行目からは「(4)退院・退所時における支援の充実について」ということで、項目を立て させていただいております。その趣旨としましては、障害福祉サービスであるとか医療サービス、 地域サービス等、地域における医療福祉サービスと入院医療というものをつなぐ時点の支援の在 り方についてどう考えるか。1つ項目を立てた方がよかろうと思いまして、このようにさせてい ただいてございます。  34行目から始まる「退院・退所する精神障害者への支援」につきましては、現在、予算事業 で行っている取組みを踏まえまして、いわゆる個別の支援であるとか、地域の体制づくりという ものについて、更に検討を進めていく。その充実について検討を進めていくということでござい ます。  25ページの10行目でございますが、こちらは前回の検討会での御意見を踏まえまして、病院 における地域移行の取組みについて、その推進のための方策について更に検討すべきではないか とさせていただいてございます。  以上がIVの部分の説明になります。  Vの部分の説明に移らせていただきますが、26ページをごらんいただければと思います。  具体的には12行目の「・」で始まるパラグラフでございます。前回の検討会の中で、病床の 必要数を確定することについて記載すべきという御意見がございましたので、14行目におきま して、機能ごとの病床の必要数を確定する。  また、前回の御意見の中でございましたのは、いわゆる病床の話あるいは退院促進、地域移行 の話と地域の受け皿づくりのどちらを先にやるかというところで、やはり同時に進めるべきでは ないかという御意見もございましたので、15行目からでございますが「住まいの場をはじめと する地域生活支援体制の整備を進めるとともに、それぞれの機能にふさわしい人員・構造等の基 準を明らかにしそれに応じた適切な評価を行いつつ、統合失調症患者の地域移行を更に促進する などして、病床数の適正化を図る」という形の記載にさせていただいているところでございます。  少し飛びますが27ページの「(3)医療体制・連携について」の部分でございます。個別の事 項といたしまして、2つ追加をさせていただいてございます。  1つは、先ほども申しましたが、総合病院における精神医療の提供を始めとした救急機能を含 む一般医療と精神医療の医療提供体制における位置づけについて。  もう一つが、アーリーインターベンションという言葉でいただいていましたけれども、早期支 援という言葉で表記させていただいておりますが、精神疾患の重症化の防止を図るための早期支 援の在り方について。  以上2項目を追加させていただいてございます。  28ページでございますけれども、認知症の部分で少し文言の整理をさせていただいています。  7行目からでございますが、認知症の専門医療機関の機能といったときに、第3回の検討会で も御説明いたしましたが、認知症の周辺症状の急性期あるいは身体合併症への対応という専門医 療機関の機能ということで、明確に書かせていただいてございます。  23行目でございますが、前回の検討会の中で、疾患である以上、治療法も含めた研究開発を 進めるということも検討課題であるという御意見をいただきましたので、その旨を書かせていた だいてございます。  以上がVの医療の部分の修正点となります。  最後VI、いわゆる精神疾患の普及啓発に関する修正点について触れさせていただきます。  「2.個別の論点」の23行目から始まるパラグラフでございますけれども、ここにつきまし ては、学校教育分野との連携というところで明確に書かせていただいております。  前回の検討会の中で、早期に発見したはいいけれども、必要なサービスがないということでは 困るという御意見がございましたので、必要なサービスを図りつつという形で追加をさせていた だいてございます。  最後でございますが、30ページをごらんいただければと思います。こちらにつきましては、 前回の御意見等を踏まえまして、若干、修正をさせていただいてございます。  大きなところで申しますと、11行目でございますが、いわゆる専門職の中でも専門的な概念 が共有化されていないのではないかという問題提起がございましたので、それを掲げさせていた だいております。  13行目でございますが、御意見を踏まえまして、マスメディアという言葉を追加させていた だいております。  17行目でございますが、精神障害者自身による啓発についてという自己啓発に関するもの、 あるいは他者への啓発も含みますが、入れさせていただいてございます。  18行目でございますが、地域自立支援協議会への参画という御意見がございましたので、そ れを例示として明確化するために、修正させていただいてございます。  私からの資料1の説明は、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○樋口座長 ありがとうございました。  それでは、早速議論に入らせていただきますが、議論の内容が大変多岐にわたるようでござい ますので、少し区切って、その間の項目について御議論いただく格好で進めさせていただきたい と思います。  区切り方でございますが、今、頭の方からずっと説明がございました。目次をごらんいただく とおわかりいただけると思いますが、I〜III、ページでいいますと、1ページから17ページぐ らいになるかと思います。ここをひとまとめで御議論いただく。  その次のIVは、独立して1つ御議論いただく。  Vもさようでございます。Vもひとくくりにします。  VIもひとくくりということで、進めさせていただきたいと思います。  限られた時間でございまして、できるだけ多くの構成員の方からの御意見をいただきたいと思 っておりますので、御発言はできるだけ簡潔にお願いしたいということが1点。  それから、前回の最後にお願い申し上げましだか、今回の検討会で論点整理を終わらせたいと 考えておりますので、御発言いただく場合は、抽象的な御発言ではなくて、具体的に資料の何ペ ージのどこのところについてこういう意見を持つ、こうした方がいいという御提案や御意見をい ただけるような形で進めていただければ幸いでございます。  資料1と2がございますが、今、説明を受けました資料1を用いて進めたいと思います。資料 1と資料2ではページが違いますので、資料1でお願いしたいと思います。  それでは、まずI〜III、1ページから17ページでの御意見、御議論をいただきたいと思いま すが、このところはおよそ20分程度で御議論をいただければと思っております。  それでは、どうぞよろしくお願いします。小川構成員、どうぞ。 ○小川構成員 恐れ入ります。15ページの「III 今後の精神保健医療福祉施策の基本的考え方」 でございますけれども、恐らくここが大きな方向性ということでは、全体をカバーする非常に重 要な全体の施策のベースになる部分だと思います。  少し補強したいところでございますけれども「1.基本的考え方」の19行目、ライシャワー 事件のくだりのところですけれども「精神障害者の社会復帰に向けた体制整備が進められたが、 その一方で、この時期に精神病床数が急速に増加していった」というくだりがございます。40 年以降、社会復帰が進んだかのような印象もあるんですけれども、ここは遅々と進まない状況も あったと思いますし、一方で、諸外国が精神病床を減らしていった中で、我が国は病床を増やし ていった時期でございます。  ここは同じく15ページにその反省に立ってということもございますので、なぜそういうこと になったのかということをきちっと書く必要性があると思います。そういう事実がある。なぜそ ういうことが起きたのか。そこをきちっととらえて、その反省の上に立ってこれからの施策を進 めていくべきではないかと私は思います。  そういう考え方に立つと、15ページ38行目の「その反省に立って、今後の施策の立案・実施 に当たるべきである」というところも、どういう方向性で考えていくべきかということでは、病 床の削減の問題も前回議論されたかと思いますけれども、病床の削減と併せて地域福祉の拡充み たいな、ある種そういう方向性もここに追加したらどうかと考えているところでございます。  また、16ページのところでございますけれども、これはどこに入れるかは議論はあるかと思 いますけれども、やはり精神科の病床における位置づけが、ある種一般医療とは別に特殊なもの だという考え方があったわけです。精神病院が精神科病院という名前も変更になったということ でございますので、そういう趣旨から言えば、まずは一般医療と同じベースにしていく。  いわゆる医療法施行規則の話でございますから、必ずしもそれが十分かというと、もう既に一 般医療の世界ではそこが最低レベルというか、そんな状況ではないわけですけれども、せめて医 療法施行規則のベースで考えても、精神科においても一般医療の基準が当たり前の基準である。 ある種そういう人員配置を置くことによって、社会復帰や退院促進の取組みが進むんだと私は思 いますので、そういう考え方をきちっとここでもうたっていただけないかと私は希望いたします。  精神病床の削減というと経営側にとっては厳しいかと思いますけれども、そこは診療報酬上の 措置も含めてきちっと対応していかなければならないと思います。そういう取組みも含めてきち っと考えていくということを、基本的な考え方で是非うたっていただきたいと思います。  以上でございます。 ○樋口座長 今の御意見に関しまして、どなたかございますか。長尾構成員、どうぞ。 ○長尾構成員 前回も削減目標などを掲げろというお話があったんですけれども、問題は受け皿 がきちっとあって、どういうことができるかということがまず先にあるべきです。削減が先にあ りきというものではないということを考えておかなければいけません。  恐らく諸外国の厚生科研の報告でもあったのではないかと思いますけれども、多くの国はいろ いろな形で失敗している部分があるし、病床でない病床が随分隠れている。日本のようにすべて オープンになっているものとは違って、隠れている部分が多くあります。  ですから、13ページのところでも各国の精神病床の定義の違いはありますけれども、OEC Dのデータにおいても、恐らく一時精神病床の発表が途絶えていたということがあろうかと思い ます。最近のOECDのデータについては、各国の定義とか状況が違うので、各国の病床比較に は使わないことが出ておると思いますし、そういう面で13ページのところにも、本来はそういう ことをきちっと記載すべきだと思います。  それと、削減ありきではなくて、フィンランドの状況などは、物がきちっとできて、それに応 じて次にいくのであればチェック・アンド・バランスということで、受け皿がきちっとできて、 その分が移行することによって成功に導かれるということがあるわけなので、削減が先にあって ということではないということ、その辺をきちっと踏まえておかないと必ず失敗を繰り返す。  いろんなところでホームレスの問題とか、どちらかというとより劣悪な施設だということも諸 外国では出ているわけですから、そういうことをしっかりと踏まえながら考えていかなければい けないと思いますので、その辺を具体的に、削減という言葉を余り軽々に使うべきではないとい うことを言いたいと思います。  それから、人員配置の件につきましては、理想的に言えば、人員がどんどんあれば、当然その 方向へ持っていくべきだと私も思っております。まずは現状では、施設基準についても、看護に おいても、今、3対1看護に随分シフトしてきています。ですから、そういう面は随分変わって きていると思いますし、現状を踏まえながらきちっとやるべきであって、変化の中で十分な供給 量を踏まえながら考えていくことは必要ですので、その辺も、今、即それをやるんだということ でなくて、現状を踏まえながら向上していくということが勿論すべてだと思いますけれども、そ の辺をきちっと踏まえておかないと、大きな間違えになるかと思います。 ○樋口座長 ちょっと待ってください。今、病床の削減の話が出てきましたけれども、これは今 日の後半のところで主にディスカッションをする箇所が出てくるんです。最初にその話をここで やり始めるとエンドレスになるかもしれない。  それは後ほどに回させていただいて、とりあえず小川構成員の最初に発言された内容、15ペ ージの17行目からの段のところで「社会復帰に向けた体制整備が進められたが、その一方で、 この時期に精神病床数が急速に増加していった」の書き方というか、なぜそのようなことが生じ ていったのかについて事実を加える。この点についてはいかがですか。特にそれは問題ないよう 思いますが、よろしいですね。そこをどういう書きぶりにするかというのは、後ほど事務局と詰 めさせていただく格好にしたいと思いますが、よろしいですか。  もう一つは、16ページのどこに入れるかは別にして、精神医療というのが特殊なものと考え られてきたところがあった。それが今や一般医療の中に位置づけられた精神科医療というふうに、 その位置づけをはっきりさせておく必要があるのではないかという御発言だったと思います。こ れについては、どうでしょうか。これも特にそう問題はないような気がします。  どうぞ。 ○佐藤構成員 それは支持させていただきます。総合病院の精神科におりますと、特に人員の診 療報酬の点で、一般医療と精神科医療は大きく差別されているといいますか、格差が存在します。 それを是正するような方向で努力がなされるべきであるという一言を入れてよろしいのではな いでしょうか。 ○樋口座長 長尾構成員、そういう意味では特に問題はないですね。 ○長尾構成員 はい。 ○樋口座長 それでは、その2点はここで御意見として加えさせていただくことにいたしまして、 病床の削減のことは、後ほどの議論とさせていただきます。  どうぞ。 ○広田構成員 13ページ目の17行目「1960年代に急速に増加し」という、勝手に増加していっ たみたいな書き方をしていますけれど、増加させたわけですから「増加させ、現在でも依然高い 水準となっている」とする。  15ページ目ですが、前回のこの検討会の中で私は精神病者監護法の話をしたんですけれど、 そうしたら、こんなにきれいな文章になってしまって、言ったことが全然違うという形になって います。要するに、精神病者監護法の監の字からしても、監獄の「監」ですから、決して精神病 者を保護しようという法律だとは思えない字を使っているわけです。  それから、ライシャワー事件のところまでくるわけですけれど「その後、昭和39年にいわゆ る『ライシャワー事件』が起こり」とあります。いわゆる時の世論の背景などを受けてでもいい と思うんですけれど、最後のところに「この時期に精神病床数は急速に増加していった」とあり ます。これも勝手に増加していったみたいですが、実際には増加させたわけです。増加させた施 策をとったわけだから、これを受けて私は隔離収容施策を謝罪していただきたいという発言を前 回したんですけれど、そういうものは全部外れてしまって、厚生労働省自身が増加させたのに人 ごとのような文章ですから、それはそういう形にしていただきたいと思います。 ○樋口座長 今の御発言に関しましては、いかがですか。どうぞ。 ○坂元構成員 つけ加えたい意見ですけれども「昭和39年にいわゆる『ライシャワー事件』が 起こり」とあります。次に「精神保健法(昭和62年)」と書かれております。しかしこれがなぜ 精神衛生法から精神保健法に変わったかという経緯に関しては触れられておりません。ライシャ ワー事件だけが触れられております。つまり、「ライシャワー事件」という患者さんが起こした 事件だけを触れて、一連の医療機関の不祥事が精神衛生法を精神保健法に変えた背景にあったこ とが触れられていないというのは問題ではないか。ライシャワー事件を取り上げるならば、別に 不祥事を起こした病院名を書く必要はありませんが、一連の病院での事件が起こったために法律 が改正されたという経緯の記載は必要ではないか。なぜならば、これは当時国連の人権委員会で も重大な人権侵害問題として取り上げられたことからも、やはりこの記載を抜きにしては、公平 性に欠けるのではないかと思います。  以上です。 ○樋口座長 ありがとうございました。  今の広田構成員からの御指摘でございますが、15ページの21行目「急速に増加していった」 というのは「増加させた」と修正すべきだという御意見でございますが、この点については、い かがでございましょうか。  「増加させた」というと、主体、だれが増加させたんだという議論になってきてしまうんです が、これはいろんな状況があると一言ではいかないところがあります。 ○広田構成員 その時代、私は定時制高校生だったから、どういうことが世の中で起こっていた かわからないんですけれども、石川信義先生の本などいろんな本を読んだ結果、ここで発言して いるんですけれども、要するに、今日、安田さんが見えているからちょうどよかったんですけれ ども、ライシャワー事件が起きる前の年にアメリカではケネディー教書が出て、精神病床を削減 して、先ほどの長尾先生ではないけれども、予算をつけ切れずにホームレスを生んでしまった。 だから、日本はそうならないであってほしいということを、4年前の3月25日に小泉総理にお 会いしたときにお話しています。謝罪してほしいというお話もしていますけれども、そういう中 で、ライシャワー事件時の厚生省がそういう施策をとって、日精協に加盟していない病院もあり ますから日精協だけではないですけれども、それにいろんな医療関係者も協力していったわけで す。  そういうことだけれども、主体はやはり国でしょう。国の施策として、パチンコ屋を建てるよ りも精神病院の方がもうかると言われた時代ですから、それはきちんと入れていただかないと、 ハンセン氏病や薬害エイズで、最近ではもっと違うような、人によっては医者の責任なのに何で 厚労省が謝罪しているのかという意見があるぐらい、厚生労働省は謝罪しているのに、なぜ精神 障害者のいわゆる隔離収容施策については、患者が命がけで発言しても、この業界は盛り上がら ないのかと思っていますから、主体は国だと思います。  だから、くどいようですけれども、13ページ目の17行目は「1960年代に急速に増加させ」と する。そして、15ページ、21ページは「急速に増加させた」とする。「していった」では、勝手 に、今、流行のファッションが乗っていくようなことですから「させた」わけです。  ましてや、アメリカのケネディー教書の翌年です。いわゆる日米関係の中で、今もそうですけ れども、日本がアメリカの子分のような関係の中で、大変だ、アメリカの大使さんが刺されてし まった。精神障害者を野放しにするなということでやっていった施策ですから、ここは「増加さ せた」としていただきたいと思います。 ○樋口座長 いかがでしょうか。ほかの方の御意見は特にございませんか。そうしたら、ここの 辺りは皆様の御意見が今の広田構成員の御意見とほぼ同意見ということと理解いたしまして、文 言の修正をさせていただきたいと思います。  それから、後段の坂元構成員からの御発言でありますが、これについてはいかがでしょうか。 ほかの方々から御異議がないですか。よろしいですか。  どういう一文にするかということなんですが、中身としては、例えばその時代、あれは昭和 59年に起こった精神科病院における不祥事件とか、無資格者による診療等のことだとか、具体 的な病院の名前を入れる必要はないだろうと言われましたので、看護助手による暴行事件とか具 体的な中身をそこの中に入れて、そういった不祥事件を契機に、精神障害者の人権擁護を求める 声が強くなっていったという内容のものを入れればよろしいですか。 ○坂元構成員 はい。 ○樋口座長 それでは、そういうことで、文章に関しましては、もう少し練らせていただきます が、ありがとうございました。  そのほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○早川参考人 今の坂元構成員から提案のありました事項に更にというところもあってなんで すが、15ページ、16ページのところにどの場所にというところまでの提案にはならないかもし れませんが、今の医療者側の倫理であるとかモラルであるというような事件、犯罪の上で精神保 健法に変わっていた。基本的な考え方のところに、権利擁護であるとか人権に配慮したという文 言をつけ足した方がいいのではないかということを提案させていただきます。  具体的には、例えば16ページの6行目からですが「精神疾患に罹患した場合にも早期に」と いった間に「人権に配慮した」であるとか、同じく27行目のところに「疾患や病気に応じて人 権に配慮した適切な」であるとか、もしくは12行目の「急性期入院医療の充実等」とあります が「充実」と「等」の間に「行動制限の最小化等」であるとか、そういったような人権擁護もし くは人権に配慮した文言のつけ加えを提案させていただきます。 ○樋口座長 今の御提案はいかがでございましょうか。  大塚構成員、どうぞ。 ○大塚構成員 早川参考人を支持する立場です。前回も申し上げましたが、16ページの3行目 からのパラグラフのところですけれども「精神保健医療福祉施策に関しては、今後も、『入院医 療中心から地域生活中心へ』という基本理念に基づく方策を更に推し進め」のところに、まだ日 本は批准していませんが、是非とも障害者の権利条約に照らしてということが入ると、今、早川 さんがおっしゃったことと相通ずると思います。障害があっても、だれでもが当たり前に暮らせ る社会づくりということを、批准に向かって進んでいくためにも是非とも入れていただければと 思います。 ○樋口座長 ここはどうなんですか。条約との関係になると、事務局から何かございますか。 ○福島精神・障害保健課長 条約のことでございますから、直ちにそのことを入れていくのが、 今できるかどうかという問題がございます。表現ぶりとして、今、御提案のように「照らして」 ということであれば考えられなくないんですが、今後、我々は条約と国内法制度の整合性等につ いて検討しなければいけない段階でございますから、今の時点でこういう議論があったこと、 我々がそういう方向性を踏まえてやらなければいけないということは十分承知しておりますけ れども、正直言うと、ここの段階では少し辛うございます。 ○樋口座長 大塚構成員、いかがでしょうか。今後、議論を進めていく中で、前からも御発言に なっておられるので、それを引き続き検討の中で発言していただくのはいいと思うんですけれど も、ここの中での文言として、条約云々というところはちょっと厳しいというのが、今のお話の ようです。 ○大塚構成員 あきらめると後悔しそうなので、もう一言頑張りたいと思います。いろんな国内 法の整備が難しいのは重々承知で、これからも是非取り組んでいただきたいのですが、かつて、 こういう文章の中には、よくノーマライゼーションなどの理念的用語が出てきました。今回はそ ういう言葉が余り見られなくなっています。国際的にそういう情勢にあるのだという認識を日本 が持っているということを示さない日本の現状は、余りにも寂しいし悲し過ぎますので、今、課 長がおっしゃったように書きぶりだとは思いますが、そういう認識や国際情勢をちゃんと理解し て、今そこに向かって日本も努力している途上にあるんだということを、何とかお示しいただけ ないかと思います。 ○樋口座長 どうぞ。 ○福島精神・障害保健課長 条約に照らしてという言い方ではなくて、例えばこの間のいろんな 国際的な動きの根底にある基本的な理念というものを踏まえとか、そういうような表現であれば、 私どもは多分大丈夫だと思います。そこら辺はまた座長と相談させていただきながら、対応させ ていただきたいと思います。 ○樋口座長 よろしいでしょうか。 ○大塚構成員 はい。 ○樋口座長 今の前段での幾つかの点で、人権に配慮したという文言を入れる。あるいは行動制 限の最小化云々という言葉を入れることは、よろしゅうございますか。特に御異議なければ、そ こは加えさせていただきたいと思います。  町野構成員、どうぞ。 ○町野構成員 異議があるというわけではないんですけれども、全体のこの部分です。今までの 御議論をいろいろ拝見しておりますと、もう少しはっきり書くべきではないかということを私は 思いまして、何といっても、日本では精神病院が足りないところからすべてのことが始まったの で、これはこれなりに理解できるところはあるということだと思います。  しかし、現在、求められているのは、地域精神医療への移行です。それは覆すことのできない ような方向であることは間違えないという認識があり、しかも、先ほどから幾つか御議論があり ましたとおり、この中の節目となる事件、ライシャワーのときの事件というのは、かなり複雑な 様相を私は呈していると思いますけれども、あれは精神病者狩りという方向が非常に強く出たの と同時に、その背後で医療関係者の方がかなり努力されて、社会医療といいますか、そちらの方 に努力されたということで非常に難しいので、何行かのところで整理するには余りにも大き過ぎ る問題だと私は思います。  もう一つは、先ほどこの中で触れられていない某病院事件です。それはかなり大きなものであ ったわけで、このときに初めて日本における精神障害者の自由の侵害ということに火がついたわ けですけれども、同時に入院医療中心であるということについて、国際的な批判がかなり強かっ た。それを受けて、精神保健法が最初に改正になったという経緯があります。  そして、日本の事件の結果、国連の人権基準ができたわけです。だから、最初のときは国連の 人権原則を厚労省もかなり引用していたところがあったんですけれども、そのうちに何も言わな くなってしまった。全然出てこない話になってきている。したがって、そこら辺を触れながら、 そして、先ほどのまだ日本が条約に批准していないこと、国際的な動向の中に日本の精神医療が どのような状態にあってということを踏まえて書いていただければ、恐らく読んでもよくわかる ような報告書になるのではないかと思います。  どうも失礼しました。 ○樋口座長 ありがとうございました。  今、御意見をいただきましたのは、具体的にどこをどうということではなくて、全体的な構成 ということでございますので、それはまた御意見をいただいて、後ほどできるところは反映させ ていきたいと思います。  ほかにはいかがでしょうか。上ノ山構成員、どうぞ。 ○上ノ山構成員 この検討会は改革ビジョンの検討から始まっているわけなんですけれども、中 村前局長が第1回のときにおっしゃったかと思うんですが、改革ビジョンには特にこだわらずに、 現在の精神保健福祉がどのようにあるべきかを自由に語る場、改革ビジョンを土台にして議論す る場にしようということだったように思います。そういう場であるというふうに私は認識してい ます。  例えば1ページ目の16行目などは「障害者自立支援法の制定や累次の診療報酬改定等、ビジ ョンに基づき」云々とありますが、必ずしも現在の精神保健福祉の改革がビジョンに基づいて進 んでいるとは私自身は思っていません。我々の活動の基本法は精神保健福祉法という法律がある んですけれども、その法律のことがほとんど触れられていなくて、そして、自立支援法と診療報 酬の問題というふうにやられてしまうと、非常に議論が狭められてしまうと思っています。精神 保健福祉法が我々の根拠法であるということをまず確認したいということをどこかに入れたい んですが、どこに入れていいかはわかりません。  例えばそこで精神障害の定義の問題とか、あるいは自立支援法で含まれないさまざまな問題、 例えば自殺防止の問題だとか様々なメンタルヘルスの問題にしても、あるいはアーリーインター ベンションの問題にしても、そういう問題について、余り取り上げられない傾向があった。今、 やっとここに少し書いてくれるようになってきていますけれども、今までは、どちらかというと、 福祉サービスの手配の方向で話が進んで、精神保健福祉の充実のためにどうするかということに ついての議論が不足していたように思います。  とりわけ、あえてもう少し言えば、そういう精神保健福祉の充実に関しての公の責任というこ とに関しての議論が不足していたのではないか。そういう意味で、先日、私は公立病院とかセン ターの役割とか、あるいは保健所の役割ということもあえて強調させてもらいました。  今の病床の削減の問題にしても、病床数の問題にしても、やはり、まず公の責任としての政策 として、病床がそのように伸びていったんだということを確認するというところでないと、責任 の主体というのがあいまいになってくると思います。そういうことも含めまして、精神保健福祉 法が我々の根拠法であるというところを少しどこかで確認したいと思います。 ○樋口座長 今の上ノ山構成員からの御発言は、具体的には精神保健福祉法という根拠法につい てどこかで触れるべきという御意見ですね。今の1番のところは、多分改革ビジョンの策定の本 検討会における議論の経過ということで書かれているので、ここは「ビジョンに基づき」という 言葉が出てきたり、「ビジョンは、概ね10年間の」と書かれているのは事実だと思いますので、 そこはそのままで書かせていただくことになるかと思うんです。むしろ、精神保健福祉法という 言葉というのが、改めてここで何か表現しておくべき、それがなくなると非常にまずいというこ とのようですが、それはどうでしょうか。 ○福島精神・障害保健課長 我々もビジョンといいますか、障害者自立支援法の分野あるいは地 域だけではなくて、今、御指摘のあったいろんな問題を取り上げようとしておるのは、そのとお りでありまして、実際に既にこれまでの中でいろんなことをお示ししてきました。  そういう意味で、それを取り上げていないつもりはないので、この検討会を立ち上げる端緒の 話は、Iに書いてあるとおりなので、今、御指摘の部分につきましては、例えば15ページ(2) の基本的考え方とか、そこのところに、法の制定化とあるものの改正のプロセス等はそこに書い ておりますから、そこの部分の基本的考え方の16ページの冒頭辺りに、今、おっしゃったよう な点のことを何か少し触れることは可能かと思います。そういうことで対応させていただければ と思います。  文面等々については、今の御主張を踏まえて、また座長と御相談させていただきたいと思いま す。 ○樋口座長 そういうことでよろしゅうございますか。 ○上ノ山構成員 はい。 ○樋口座長 ありがとうございました。  坂元構成員、どうぞ。 ○坂元構成員 簡単な17ページのところです。以前私が自治体の構成が複雑だといって、折角 直していただいたんですけれども、16行目です。「都道府県(精神保健福祉センター及び保健所 を含む。)」の次に「保健所設置地区」とありますが、指定都市は精神保健福祉センターを独自で 持っているので、こう書いてしまうと、よけいまたわけがわからなくなってしまうので、そこは ちょっと工夫をお願いいたします。  以上です。 ○樋口座長 わかりました。そこは整理させていただきます。  三上構成員、どうぞ。 ○三上構成員 話を元に戻すようで申し訳ないんですけれども、先ほど広田構成員から、13ペ ージの「3.精神保健医療体制の現状」のところで、精神病床数が急速に増加したところを増加 させたというふうに国の責任を問うというか、原因をはっきり明記するという形に変えるという 話でしたけれども、これは現状ということですので、ここに書いてあります現状の部分は、例え ば診療所の増加が1.5倍になったであるとか、精神科医が診療所勤務が2.3倍になったとか、そ の下の方には、看護師数は比較的高い数字にあるけれども、精神科ソーシャルワーカーは低い水 準にとどまっているという文言は全部現状として書かれているわけですが、これはすべて国の責 任と言ったらおかしいですけれども、診療報酬体系でありますとか、医療提供体制の医療法の中 での縛りによってこういうことが起こっているわけで、その原因というのは、15ページの沿革 のところにほとんど書いてあるわけで、現状のところに何々がさせたという文言は少し違和感が ありますので、私は元のままの文言でいいのではないかと思います。皆さんの御意見を聞いてい ただきたいと思います。 ○樋口座長 ありがとうございました。  ただいま、先ほどのところに戻ってしまいましたが、13ページの病床数が1960年代に急速に 増加しというのを、先ほど広田構成員から「させ」というふうに修正提案があったんですが、三 上構成員からは、ここは事実の記載がされている現状ということなので「増加し」でいいのでは ないかという御発言でしたが、ほかの方々の御意見は何かございますか。 ○広田構成員 13ページは「し」にしておいて、15ページを「させた」とする。13頁は国語的 な文章の流れですから。  それと、ついでに前から言ってきましたが、先ほどの小川構成員の一般医療並みにするという ことがとても大事で、とにかくこれはビジョンですから、大事なことは大事だと入れていただい た方がいいと思います。そういうふうに一般医療と違うからこそ、精神科の医療で人権侵害が起 こっていて、先ほどの大塚構成員の話ではないけれど、障害者の人権条約、先週の新聞ですと、 内閣府の中央障害者施策推進協議会で福田首相が前向きにそれを検討していると載っていまし た。  そういうことで、ほかの医療と同じであったら、私も精神医療サバイバーにならないで、ここ にはいなかったと思いますから、そこはとても大事なのだと思います。それと、13ページは「し」 にして、15ページはしっかり「させた」ということでお願いします。 ○樋口座長 今の点についてよろしいですね。  伊澤構成員、どうぞ。今の点についてですか。 ○伊澤構成員 別の話です。 ○樋口座長 では、ちょっと待ってください。今の点はそれでよろしいですね。13ページは「増 加し」で、15ページは「させた」という表現でまとまりました。  それでは、伊澤構成員、どうぞ。 ○伊澤構成員 少し細かい話になりますけれども、8ページの「(1)障害福祉サービスの現状」 というところで、先ほどの野崎さんからの説明では、小規模作業所のことを加筆しましたという 御説明だったんですが、この文章の中からそれが読み取れないので、小規模通所授産施設のこと をおっしゃっているのだとするならば、それは位置づけというか、内容が違うというところで、 その辺はちょっと書きぶりを変えていただきたい、違う形で加筆をしていただきたいということ が1つあります。  それから、精神障害者の社会復帰施設等について非常に整備が進んできたという表現になって おりますけれども、これが実際、数値目標を掲げた障害者プランとの関係ではどうなんだろうと いうところが気になるんです。この書きぶりですと、伸びを強く強調しているんですけれども、 プランとの整合が図れているのか、充足できているのか、ニーズに対してきちんと供給体制がで きているのか、その辺の評価をきちっと入れた方がいいのではないかという意見を持っています。  ページが変わりますけれども、17ページの「2.施策の推進体制について」に関しましては、 2回目の検討会のときにも発言させていただいて、その後、広田構成員の方から反撃をくらった ような経過があるんですけれども、地方精神保健福祉審議会なんです。これが精神保健福祉法上 では、現在任意設置になっていて、実際、条文にはうたわれているけれども、実施されていない という実情があります。  ただ、過去をかえりみてみますと、自治体によっては、かなりその地精審が施策の追い風を吹 かせてきたという事実もあるわけですので、その辺の地精審に対する評価と今後そういう地方色 や地域の特性を踏まえた審議会なり、検討の機会を持つべきではないかという意見を持っており まして、その辺の記述といいましょうか、検討の素材にそれを挙げていただきたいと思います。  以上です。 ○樋口座長 今のことに関しての御発言でしょうか。 ○香山参考人 違います。 ○樋口座長 今の点については、少し整理をして、今、新たに出てきた課題でもあるんですね。 ○福島精神・障害保健課長 前段の方の小規模作業所とかのところについては、確かに御指摘の とおりでありますので、少し検討させてください。あと、プラン等の目標値の実際の達成度のよ うなものの記載も、また直します。  今の地方精神保健福祉審議会のことでありますけれども、地方分権の議論の中で、今、任意設 置になっておるという経緯がございまして、書きぶりをもし入れるとすれば、そういうものをき ちんと各自治体において議論をするようなことに対する支援をするだろうとか、例えばそういう 自治体においてそういうものがきちんと計画的に行われるような方策についても検討すべきで はないかという書きぶりであればいいと思いますが、具体的に何か審議会がもう一回任意設置を 義務的なものに変えるという表現は、正直、今の状況の中では難しいのではないかと思います。  ですから、今、私が申し上げた内容で、今は各計画の関係の強化のための方策等についてとい う部分がありますけれども、例えばそういうところについて、各自治体においてそのまま進んで いくための、あるいはその計画づくりに対する支援とか、そういう話かなと思いますが、そうい うことでよろしゅうございますか。 ○樋口座長 今のことに関連してですか。 ○広田構成員 伊澤構成員が話したのは、こういう委員会を都道府県でやってほしいといったと きに反論というよりも、いろんなものを立上げるんだけれど、機能していないことが多いと。例 えば同じ審議会でも、大阪などは社会的入院を人権侵害と位置づけているわけですよ。そういう ところもあるけれども、何でもかんでも立ち上げて、私も含め、ここの委員の皆様も税金をいた だいています。お金がなかなか入らなくて遅れていますが、そういう風に費用をかけて、それか ら事務局にものすごく膨大な負担をかけて、そういうものを何でもかんでもつくるのがいいわけ ではないと言ったので。反論というより、そういう意見です。 ○樋口座長 今のことに関連ですか。できるだけ簡潔にお願いいたします。大分時間が予定を超 えております。 ○小川構成員 直接地精審の話ではないんですけれども、ただ、いわゆる当事者の政策決定のプ ロセスへの参画というんでしょうか。そういう意味で、大阪では地精審にきちんと当事者の皆さ んが入っていたという経過がありますし、また、この検討会でも、当事者の皆さん方から、御自 身の体験を発言していただいたという経過がございまして、非常に御自身の体験は教えられる部 分がたくさんあったわけです。  ややもすると、何か我々の議論というのは、先ほど来の議論ではないですけれども、ある種団 体の立場だとか、そういうものを背負ってきている議論になりがちなんですが、基本はやはり当 事者の目線で、当事者の立場というんでしょうか、国民の視点とかよく言われますけれども、や はりそういうユーザーの、ユーザーというと、だれがユーザーかというのはまたございますけれ ども、ある種当事者の皆さんが政策決定のプロセスに参画をしていくということも、私はこの推 進体制の1つになるんではないかなと思うんです。そういう意味で、関連で申しました。 ○樋口座長 伊澤構成員、先ほどの課長からのああいうまとめ方ということでよろしゅうござい ますでしょうか。 ○伊澤構成員 結構です。 ○樋口座長 わかりました。  本当に手短にお願いします。 ○中島構成員 このライシャワー事件以降のところで、15ページの○の3つ目、21行目です。 先ほどからいろいろと出ていましたが、その一方で、ちょうどこの時期は、いわゆる経済措置が 非常に増えた時期ではないかと思うんですね。ですから、ここへ「この時期に、いわゆる経済措 置等が進められる」などとしておかないと、やはり国策として、また精神科医がそれに乗ってい ったということの罪が出ないのではないかなと思いますので、是非それを一言だけ、もし入るな ら、入れていただきたいと思います。 ○樋口座長 ありがとうございました。まだまだあると思うんですが、次の議論に進ませていた だきたいと思います。  次は、18〜25ページまででございまして「IV 地域生活への移行及び地域生活の支援に関す る今後の検討の方向」ということでございます。時間が本当に限られておりますので、申し訳ご ざいませんが、できるだけ具体的に、何ページのどこそこにどういう修正なり、加筆なりについ て議論をフォーカスしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、いかがでしょうか。安田構成員、どうぞ。 ○安田構成員 23ページの13行目です。また、医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士等 の専門家を始めという下りがあるんですが、作業療法士の後に、いわゆる心理職、カウンセラー もかなり現実にやっておりますので、国家資格ではないんですけれども、かなりの数の方が活躍 していますから、心理職、臨床心理技術者という表現を入れてもらいたいと思います。  次の議論になりますけれども、同じような表現のところが28ページの17行目にもありまして、 ここも同様にお願いできないかなと思います。  ちなみに、30ページには、9行目と11行目に既に臨床心理技術者というのは入っております ので、表現を統一する意味でも入れてもらえればと思います。 ○樋口座長 これはときどきほかのところでも出てくることなんですが、国家資格になっていな いという、横並びでほかのものと並べていくということはどうなんでしょうか。 ○野崎課長補佐 今回の資料の中で臨床心理技術者と入れさせていただいている部分と入って いない部分があるのは、いわゆる人材の育成の在り方とか、人材の確保、資質向上といった場合 に、国家資格となっていないものについて、国としてどのようにやっていくかという部分がござ いまして、少し場所を選んで入れさせていただいているというものでございます。  要は、そういった方に対する支援ということだけであれば、臨床心理技術者という方も勿論支 援の対象となると思いますけれども、育成といった場合に、国の施策としてどういうふうにして いくのか。そこがなかなか難しいところがございますので、この程度にとどめさせていただいて いるということでございます。趣旨としては、そういうことでございます。 ○樋口座長 今の点は、よろしゅうございますでしょうか。 ○安田構成員 ちょっと考えさせてもらってもいいですか。 ○樋口座長 わかりました。ほかにいかがでしょうか。  長尾構成員、どうぞ。 ○長尾構成員 21ページの「(2)地域生活を支える福祉サービス等の充実について」というと ころの全体に係るんですが、ちょっと前の部分に返って、9ページの社会復帰施設の問題があっ て、この福祉サービスのグループホームとか、ケアホームの問題と社会復帰の復帰施設の問題は、 若干関連があるので、できれば社会復帰施設がなぜ新体系に余り移行していないのかという問題 点をここへ入れる方が、次のグループホームとかケアホーム等の問題を進展させるのには必要な のではないかということを思いますので、できれば9ページにそういう問題点も若干書き込んで いただければ、この「(2)地域生活を支える福祉サービス等の充実について」をもう少し自立 支援法の中で検討できることになるのではないかと思います。 ○樋口座長 今の長尾構成員からの御提案は、9ページの方に文言を加えるということでござい ますね。 ○長尾構成員 21ページに書いてもいいかもしれませんね。 ○樋口座長 恐らく前後の整合性でどちらにつきやすいかということですね。中身としては、そ ういうことを加筆してほしいということです。この点はいかがでございましょうか。 ○蒲原企画課長 低いというのは、確かに全般的に新体系に移行しているというのは、指摘とか も含めて、まだまだ低い状態になっていて、その中で精神の社会復帰施設を見ると、結構生活訓 練とか、その辺のところは非常に低くて、ほかのところは、平均よりもちょっと高いのもあって、 それぞれになっています。その辺のところをよく分析して、書けるところは書くということで考 えていきたいと思います。 ○樋口座長 上ノ山構成員、どうぞ。 ○上ノ山構成員 今のお話と少しつながるんですけれども、9ページに戻って済みません。社会 復帰施設の中には、地域生活支援センターというものがあったわけなんですけれども、それの移 行に関してどこかに書かれないといけないと思っています。9ページに書いていただいても構い ませんし、ほかの福祉サービスの充実のところに書いていただいても構いません。  それから、9ページの上の方には、基盤整備が進んでいるということですが、精神障害者が全 然利用できていない行動援護とか、重度訪問介護とか、あるいは重度障害者等包括支援とかのサ ービスがございますね。これに関する理由も、できたら書いてほしいと思います。つまり、三障 害統合して、精神障害者にとって一体どういうメリットがあったのかということを理解したいか らなんです。  私、最初は改革ビジョンのことを少し触れましたけれども、ビジョンには重度障害者等包括支 援にたぐいするような提案が書かれているわけなんですね。精神症状が持続的に不安定な障害者、 例えばGAF30点以下程度を目安にですね。そのような人たちも地域生活の選択肢を確保でき るよう、24時間連絡体制の下、多職種による訪問サービス、短期入所、入院、あるいは症状悪 化時における受入確保等のサービスを包括的に提供する事業の具体像を普及面を重視しつつ、明 確化するという形でビジョンに書かれている。  ところが、そういうふうなものが、恐らく自立支援法の中には、精神に関しては使えないよう な体制になっているのではないかと思いますので、そのことに関して、もし改革ビジョンを検討 するというのであれば、そのことに関する言及も必要ではないかと思います。 ○樋口座長 今の点はどうでしょうか。どこにどういうものを加えればいいのか。地域生活支援 センターに関して触れておくというのは、この9ページのところですか。 ○上ノ山構成員 社会復帰施設の移行状況について9ページに書いていますので、ですから、や はり相談支援事業所がこのぐらいできてということを書くべきではないでしょうか。あるいは地 域活動支援センターはこんなふうになっているとかもですね。やがては地域活動支援センターが 一体何者かという話にもつながってくるんですけれども、そういう話になるとちょっと話が広が りますが、しかし、少なくともどうなっているかということを書くべきではないかなと思います。 ○樋口座長 事務局、そこのところはいかがですか。 ○福島精神・障害保健課長 確かに地域生活支援センターが果たしている役割等々を考えた場合 に、何らかを言及する必要があると思いますけれども、そういう意味では9ページのところ辺り で言及はしたいと思います。  ただ、先ほどもう一点、アクト的なものの部分については、確かにビジョンのところでは触れ ており、その後、やっていないのは事実でありますけれども、そこについては、具体的にどうい うふうにするかという施策のところで議論させていただきたいと思っておりまして、それは18 ページ以降のIVの中でそういうものに言及させていただければと思っています。それは私どもも 問題意識を持って、そこについてはある程度触れたつもりでおります。 ○樋口座長 よろしいでしょうか。  それでは、品川構成員、どうぞ。 ○品川構成員 22ページの「生活支援等障害福祉サービス等の充実について」のところに、1 つ加えていただきたいと思います。  入院の回避とか、地域生活の継続に至っては、どうしても新しくクライシスハウスとかリカバ リーハウス的なもののサービスが必要となってくると思うんですけれども、これはまだこれから の検討ということで、でも継続するには、必ずこういった新しいサービスも必要だということを 一言加えてはいただけないでしょうか。 ○樋口座長 どうぞ。 ○野崎課長補佐 済みません。今、御指摘いただきました点につきまして、22ページの12行目 からのパラグラフでございますけれども、こちらで「短期入所の利用の拡大を含め」、その上で サービスの在り方についてと書いてございますのは、今、御指摘いただいたような、いわゆるク ライシスハウスであるとか、ここに書いてございますように入院予防的に、あるいは一時的な休 息をとるために利用するサービスの在り方。必ずしも短期入所というところに限ったことではご ざいませんで、一応そういったことを念頭に置いて記載させていただいているという趣旨でござ いますので、御理解いただければと思います。 ○樋口座長 佐藤構成員、どうぞ。 ○佐藤構成員 医療の立場で、障害者自立支援法というのは、十分理解していないのかもしれま せんけれども、障害者自立支援法という枠組みだけで、精神障害者の地域生活の拡充が図れるか どうかは、ちょっと疑問なところがあるんです。そうしますと、18ページの8行目に「障害者 自立支援法に基づく相談支援について」とあります。更に19ページも同じ文脈なんでしょうけ れども「障害者自立支援法に基づく相談支援について」と書いてありますけれども、ここはやは り障害者自立支援法の枠内だけでなくて、もっと別な発想も必要になることもあり得ると思いま すので、こういうふうに限定的に書かないで、精神障害者の地域生活の拡充のための相談支援と か、そのように一般的に書いた方がいいのかなと思いますが、いかがでしょうか。 ○樋口座長 今の御意見に対しては、いかがでしょうか。  どうぞ。 ○上ノ山構成員 全く賛成します。結局、これまでの話がどうしても障害者自立支援法の枠内で、 これが正しいのか、悪いのかという話にいってしまいがちだったと思うんです。それ以外に我々 は非常に幅広く活動しているわけで、この相談支援というものも、ですから、是非自立支援法の 枠内だけではとらえないでほしい。  というのは、せっかく例えば何ページ目かに個々の精神障害者に対するケアマネージメント機 能ということで、新しく言葉を加えていただいているんですね。我々精神保健福祉従事者がそう いうケアマネージメントの機能を持つべきであるというように、非常に幅広い形で問題提起をし ていただいているので、私はこれは非常にありがたい問題提起だなと思っているんですけれども、 その結論が最終的にはサービス利用計画の策定という結論になってしまっている。それでは、結 局ケアマネージメントを進めることにはならないと思うんです。  それから、私最初に危機介入などの話もしましたが、そのときにもケアマネージメントが必要 になってくるわけです。現在の自立支援法の枠組みの中には、そういう危機介入的な機能はない わけで、それを進めていこうとすると、必ずその自立支援法を離れたケアマネージメント機能と いうのが意識されないと進んでいかないと思います。そういう意味を、どこにどう書いたらいい かと言われるとちょっと困るんですけれどもね。 ○樋口座長 先ほど佐藤構成員から提案されていたものは、もう一度繰り返してください。 ○佐藤構成員 18ページの8行目のところの障害者自立支援法に基づく相談支援ですね。これ を精神障害者の地域生活の拡充に係る相談支援とか、19ページの28行目も同じような形で訂正 を要望いたします。 ○樋口座長 いかがでしょうか。  田尾構成員、どうぞ。 ○田尾構成員 相談支援という意味では、現在も行われています。いますが、それが不十分だと いう認識において、もっとそれを強化してもらうためには、法的な後押しとか枠組みとか、制度 で運用することが必要だという意味で、私は障害者自立支援法の中での相談支援事業をもっと強 化してほしいというふうに最初の時点でお願いしたと思うのですが、それを受けていただいてい るかと思うので、こう書いたからほかの相談支援がないとか、区市町村行政でやっている相談支 援がないとか、やらなくていいとかということではなくて、よりもっと強化してほしい点の後押 しというか、法的な根拠を障害者自立支援法に持ってほしい。20ページですか。ケアマネージ メントというのは、単純な方法論ではなくて、制度の中で動くものでなければ、汎かしないと思 うんです。それがその背景となるのを自立支援法に求めたいという考え方でいます。 ○樋口座長 谷畑構成員、どうぞ。 ○谷畑構成員 済みません。今日は発言をしないでおこうかなと思っておりました。何となれば、 今日の議論は、これまでの議論の整理。それと今後どういう議論をしていくのかという大きな方 向性を考えるということでしたので、余りこの論点整理からは外れないのではないかなと思って おりましたので、今日は余り話さないでおこうと思ったんですが、今、1点、相談支援の話でか なり混乱をしておりますので、一言だけ申しておきますと、先ほど田尾構成員がおっしゃられま したように、自立支援法における相談支援業務ということでの相談支援と日常的にやっている相 談ということとが混同されているのではないのかなと思っております。特に自立支援法において、 この相談支援業務を第一義的に担うべく市町村というものが位置づけられていて、そこから委託 を受けて、各事業者がされるわけでありますけれども、それと日常的に例えば病院なり、診療所 なり、さまざまな方が関与されている相談というものとは、ちょっと性格が違うのではないかな と思います。ですから、そこのところを明確にするのかしないのかということもありますが、18 ページを見ておりますと、8行目には障害者自立支援法に基づく相談支援ということで、これは 恐らく自立支援法の相談支援業務のことを言っているのとともに、15行目においては、地域に おける相談支援が十分に機能するためにもということで、これとは少し赴きが違うのかなと思っ ておりまして、そこら辺のところを少し文言的に整理していただければ、先ほど来の話はまとま るのではないかなと思っております。  以上です。 ○樋口座長 ありがとうございました。  尾上構成員、どうぞ。 ○尾上構成員 相談支援に関連したところで、実は先ほど、佐藤構成員がおっしゃったような、 精神障害者に地域生活支援に基づくみたいなところでは、確かに遡行だなと思うんですけれども、 現状として、やはり相談支援事業の根拠としては障害者自立支援法にあるということと、その辺 りを今の相談支援もあるべき姿がどういう姿なのかというのがはっきり見えていない部分で、や はりその辺をこの中である程度明らかにしていくべきではないのかなというところと、あともう 一つ、相談支援事業の中に今回位置づけられた地域自立支援協議会というところが20ページの 13行目にあるんですけれども、この地域自立支援協議会は、相談支援事業の中に位置づけがあ いまいであるというところがまず問題であるというところで、この辺を明らかにするということ。  同時に、私としてすごく思うんですけれども、都道府県、市町村に地域自立支援協議会があり ながら、国には自立支援協議会がないのかなと思いながらいて、国もやはり省庁を越えてそうい った教育分野とか新たな部分で、やはり自立支援協議会というところを新たにニーズとかという ところを拾い上げるべきで、この辺もやはり国においてもこういった越えた検討会のようなもの が必要なのではないかなと思います。  そういった意味では、相談支援事業というところを、やはり障害者自立支援法に基づくという 部分で、きちっとここは位置づけておくべきではないかなと思っています。 ○樋口座長 佐藤構成員、どうぞ。 ○佐藤構成員 市町村によっては、地域活動支援センターにすべて委ねてしまって、市町村自体 が何もやらないというところがあるんですね。そうすると、かなり形式的にやられているところ などもありますから、やはり市町村が主体的になって行っていくことがあって、やはり障害者自 立支援法というのを私が十分理解していないところもあるかもしれませんけれども、それだけに いろんな業務というか、指定されていますね。それ以外にやはり幅広くこういうところでやって いかないと、精神障害者の地域生活というのは、やはり拡充しないのではないかと思うんです。  ですから、どうしてもいろんな自己負担があることや、ある程度障害者自立支援法に乗っかっ た事業体は結構うまくいきますけれども、新たにいろんなことを立ち上げるとなったら非常に難 しいということもありますから、そういうことも含めて、障害者自立支援法に基づくということ を含んだとかということであればいいですけれども、それだけが最初の項目に入ってくるのは、 私は反対いたします。 ○樋口座長 今の御議論はこれでよろしいですかね。まとめてみますと、ここで書かれている基 本的な相談支援というのは、事業としての相談支援事業。それの根拠法になっているのは、やは り障害者自立支援法であるということ。それは間違いのないことで、それに基づく相談支援につ いて云々という、ここでの書きぶりは、やはりこのまま生かされていいのかなと思います。ただ し、それ以外にも相談ということはいろいろな場面であって、特に自立支援法と関係なしに日常 的に行われている相談あるいは相談支援というのはあるわけですから、幅広く相談支援の在り方 について検討を加えていく必要があるという文言を新たに1行入れるという形でとったらどう かと思うんですが、いかがでしょうか。 ○佐藤構成員 特に19ページの括弧のところは、障害者自立支援法に基づくと限定されていま すから、ここのところはやはり広く取っていただきたいなと思います。  その下の○とかのところで、障害者自立支援法に基づくという、相談支援に関してはという形 で入れていただくなら結構なんですけれども、そこの括弧がすべて障害者自立支援法に基づくと なっていますから、やはりそこのところは広く精神障害者の地域生活の拡充におけるとか、そう いう形にしていただけたらよろしいのではないかと思います。 ○樋口座長 そこはどうでしょうか。  どうぞ。 ○野崎課長補佐 こちらの19ページの(1)の28行目から始まる障害者自立支援法に基づくと いう部分は、やはり検討会の中でも御意見がございましたこともありまして、また制度的な位置 づけがひとつあるものとして、障害者自立支援法に基づくものと。また、検討会の議論自体も、 やはり来年自立支援法に見直しということを念頭に置いていることもありますので、やはりここ の19ページの部分は、障害者自立支援法として書かせていただいておりますが、一方で20ペー ジの21行目から始まる部分でございますけれども、ここは確かに少し見出しも含めまして整理 する必要があるかもしれませんが、行政機関の部分が36行目まで書いてございまして、その後 に少しさらっと書いてある部分と、かつ行政機関と医療機関の相談体制における役割分担の程度 にとどまっておりますので、もしその他の自立支援法に基づかないものということであれば、こ の辺りの記述をもう少し充実させていただいて、そういったさまざまな主体も含めた相談支援の 充実を図っていくとか、そういった形でもう少し自立支援法とそれ以外ということで、全体とし てその支援を図っていくということとさせていただければと思います。  その前提として、18ページの御指摘がありました8行目のところにつきましては、ここは確 かに基本的な考え方の部分でございますので、ここは障害者自立支援法に必ずしも制約する必要 はないだろうと思いますので、ここは御指摘を踏まえて、一般的な書き方にさせていただきます。  ただ一方で、19、20ページのところでは、少し自立支援法とそれ以外ということで整理させ ていただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○樋口座長 中島構成員、どうぞ。 ○中島構成員 余り言うまいと思って黙っていたんですが、18ページの8行目、障害者自立支 援法に基づく相談支援を始めとしてと書かれれば、それでいいのではないですか。それで含んで いることになる。始めとしてがだめなら、に基づく相談支援はもとよりと書いておけば、それで よろしいではないですか。これ以上ごちゃごちゃ言わないでいいと思います。 ○樋口座長 今の文章をどうするかという文面はこちらでまた検討させていただくことにして、 基本的な考え方のところは、今のでよろしいですか。  どうぞ。 ○上ノ山構成員 今、自立支援法と自立支援法以外の相談支援という形で整理していただいたの で、かなりわかりやすくなったんですけれども、11ページにちょっと戻りますが、ここは「(4) 障害者自立支援法に基づく相談支援の現状」ということの中で、自立支援法における相談支援事 業の説明があって、その中で29行目には、個々の精神障害者に対するケアマネージメント機能 ということで、新しく言葉を付け加えていただいているんです。  これに関しては、障害者自立支援法の相談支援事業が、今後対象を拡大していく。現在対象に なっていない人たちも含めて、今、自立支援法の対象になっていない分野、あるいは人たちへの 拡大を念頭に置いて書かれていることなのかどうかだけ確認させてください。 ○樋口座長 それでは、企画課長お願いします。 ○蒲原企画課長 ここは、実はこれまで相談支援は非常に大事だということで、きちっとやって ほしいと。かつ制度的なシステムとして、きちんと枠組みをつくってほしいという声が強くあり ました。  一方で、この問題は障害者自立支援法全体を議論している障害者の部会の中でも、やはりいろ んな方々から相談支援が大事だという声があって、特に財政的に裏付けをきちっとやるようにと いう声がありました。今はまだ検討の過程なので、なかなか検討しているとしか言えないんです けれども、やはりそういうところは非常に大きな課題であるとは我々は思っておりますので、こ れから、これまでの意見などを踏まえて、また議論を詰めて、きちっと財政的な枠組みができる ような方向で考えていきたいなという感じを持っております。  ただ、まだまだそこまでいけないので、そういう問題意識としては、きちっと課題であるとい うふうにここに書いてあるということでございます。そういう方向で考えてございます。 ○樋口座長 ありがとうございました。  長野構成員、どうぞ。 ○長野構成員 簡潔に、若干だけ関連していますが、23ページのところで、幅広い相談という ところで、先ほどの心理職の話がありましたけれども、保健師という記載がどこにもないんです。 地域の中で実際まだ保健師さんに頼る部分というのはかなりあるだろうと思いますし、保健師さ んの中央集会でも市町村に増員をという方向性もあるような流れですので、やはり長年何だかん だといろんなことを担ってくださっている保健師さんの活用というところでは、保健師の文言は 入らないものかと感じましたので、相談に絡めて発言させていただきました。 ○樋口座長 この点についてはいかがでしょうか。 ○福島精神・障害保健課長 確かに保健師というのは、地域においても、かなり従前から精神保 健に関わってきた重要な職種でございますので、御指摘を踏まえて、そこの点は追加をしたいと 思います。 ○樋口座長 広田構成員、どうぞ。 ○広田構成員 21ページの「精神保健福祉士の養成のあり方等の見直しについて」です。  7行目に「『精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会』における検討結果に基づき」 と出ていますが、先ほど湖南市長がお話しされたように、相談事業という話がありますね。私も いろんなところの相談員をやっていて、相談事業のほかに個別の相談に応じているわけです。例 えば社会資源の職員からもいっぱい相談を受けるんですけれども、生活保護で暮らしている精神 障害者の収入申告を作業所の職員が操作したりして、それがある地方で、精神障害者自身が内部 告発して、障害者が疲れ果ててしまって、つぶれてしまったという人もいるし、またはそういう 二重帳簿を付けている職員が悩んでいるという相談も受けているんです。つまり、当事者からも 相談を受け、職員からも相談を受けているんです。そういうことを是非なくしていただきたい。 生活保護法にのっとった収入申告をきちんとさせていただきたい。それは就職したときのため、 いわゆるそういう習慣をつけておくということが1点と、そういうことに加担することが、いわ ゆる生活保護法に触れるわけですから、触れている行為そのものが、精神保健福祉士という国家 資格を持っているような方々がするようなことかということなんですね。  そうすると、申し訳ありませんが、このあり方検討会に任せてはおけない。私はこの検討会で も、入院体験をしてくださいという話をしたり、または例えば就労のサポートをしているPSW でも、自分が民間企業で働いた経験がないから、ややもするとサポートされる側の障害者の足手 まといになっているという場合もあります。そういう意味も含めて、ほかのところも含めて、本 検討会の意見なども反映していただきたいということを加筆していただきたい。 ○樋口座長 ありがとうございました。今の点は、追加して記載することについては、御異議は ないですね。 ○野崎課長補佐 はい。 ○樋口座長 では、今の点を、要するにこの検討会で行っている、あるいはそのほかの検討会で の議論も踏まえるという表現を中に加えることにいたします。  ほかにございますか。良田構成員、どうぞ。 ○良田構成員 ページ数でいいますと23ページのところですけれども、簡単なことでございま す。家族に対する支援を入れていただいたのはありがたいんですけれども「家族に大きな負担を 課さずに」とありますが、では中くらいの負担ならいいのかという誤解を招きますので「家族に 負担を課さずに」としていただきたいと思います。「大きな」を取ってくださいということです。  それと、先ほど来、ベッドのこととか入院のことなどが出ているんですけれども、私ども家族 にとってみますと、入院というのは必ず費用が伴うんです。ですから、入院をすることは、本人 もそうですし、入院をさせる家族の方も費用を支払わなければならない。入院を繰り返す人は、 引っ越し貧乏ではないですけれども、入院貧乏になってしまうという現状もあります。  私たちの最大の望みは、やはり在宅で急性期も乗り切っていければ一番いいわけなんですけれ ども、なかなかそれができないという現状がありますので、入院という状況になってしまうとい うことがございます。そこが今、どこに該当するのかなと探してみましたが、在宅医療に関する ことは24ページの真ん中辺りにちょっと出ております。この在宅医療の充実というのが、とて も重要であるということを、やはりこの中にしっかりと入れていただきたいんです。訪問看護と か、ソーシャルワーカーの訪問とか、あるいは作業療法士さんの訪問も、看護師さんの訪問も含 んで、またそれに加えて、医師の訪問診療というものも現実に行われているところがありますの で、医師の訪問診療というのも加えて、明確に在宅医療の重要性というものを私は書いていただ きたいと思います。  それからもう一点あります。飛んでしまいますけれども、一番最後のページです。 ○樋口座長 25ページですか。 ○良田構成員 30ページです。 ○樋口座長 今は25ページまでです。 ○良田構成員 済みません、後で申し上げます。  では、以上でございます。 ○樋口座長 ただいまの点については、いかがでございましょうか。特に在宅医療の重要性とい うことと、その前の「大きな」という言葉を外してほしいということですが、これは特に問題は ないと思いますが、在宅に関してはいかがでしょうか。 ○福島精神・障害保健課長 在宅に関しては、勿論訪問診療は当然重要な機能ですから、これは 書き込みたいと思います。  それから、家族に大きな負担というのは、100%の負担がない状態はさすがに現実的には難し いので、表現的には「できるだけ負担を課さずに」というぐらいで御了解いただければありがた いなと思います。 ○樋口座長 よろしいですか。 ○良田構成員 はい。 ○樋口座長 大塚構成員、どうぞ。 ○大塚構成員 今の良田構成員が言われた在宅医療については、本当に是非お願いしたいと思い ます。併せてやはり御家族の方に非常に負担が大きいことを考えたときに、どうしてもここの報 告書の書きぶりは、入院患者さんの地域移行を中心にした相談支援体制の強化が随所に書かれて いるわけですが、大人になったら自立して、独立して暮らすことができる体制づくりというのが 大変重要ですので、家族に負担がかからないためにも、御家族と同居の方の相談支援ができると いいなということを、これは個別の議論の中でやっていくのか、文言として入れられるかどうか ちょっとわかりませんが、是非お願いしたいというのが1点。  あと、具体的なお願いなんですが、20ページのところに、自立支援協議会のこととかが出て くるわけです。基本的認識のところで、要するに進捗状況の定期的な確認をしていきましょう、 検証をしていきましょうということが、先ほど野崎課長補佐から言われました。それを考えます と、各市町村等で地域自立支援協議会とか、相談支援体制が充実していっても、最終的に障害福 祉計画の中にいろいろ盛り込まれていかないと、財源確保も併せて進んでいかないということが ありますので、相談支援体制と地域自立支援協議会等の内容がきちっと障害福祉計画に反映する ような体制づくりを強化するということをここに入れるべきなのか、前のページのところに入れ るべきなのか、18ページの最初のパラグラフの下の方に入れていくべきなのか、どちらがいい のかはわかりませんが、是非それをお願いしたいということ。  20ページの35行目辺りに、保健の相談支援について、市町村でも制度上明確化すべきという ことの検討とありますが、市町村、保健所、精神保健福祉センターといった行政機関の役割につ いて、「制度上明確化することについて検討すべきではないか」というところに、明確化できた その際には、体制整備の具体的な推進方法というか、実施方法についても併せて検討をするべき ではないかと思います。  何が言いたいかというと、要するに市町村に精神保健の相談支援の役割を明確化したところで、 今、マンパワー等がいろいろないものですから、そういうことも併せて検討を図れたらというこ とです。 ○樋口座長 今の点はいかがですか。 ○野崎課長補佐 まず、障害福祉計画と地域自立支援協議会の関係ですが、その辺りについては、 障害福祉計画の見直しのタイミングになっていますので、その中で計画に位置づけることも含め て、検討してまいりたいと思います。  また、制度上明確化するとともにという部分ですけれども、全体として、一番最初の施策の推 進体制のところに、人的、財政的基盤と書かせていただいていますので、一つひとつ書いていく と、すべてのところに入りますので、大きくはそこについても、全体としてそこは検討課題です という位置づけにさせていただいておりますので、そういう御理解をいただければと思います。 ○福島精神・障害保健課長 あともう一点。地域移行だけではなくて、地域生活そのものをして いる方に対する相談支援の話ですけれども、もともとタイトル自体を地域生活への移行及び地域 生活支援に関するという基本的なスタンスは、その両方を必ず視野に入れるということで、従来、 地域移行が重点的な議論だったものを今回は見出しもそういうふうにしておるのは、そういう趣 旨でございますし、そこは我々は踏まえているつもりでありますし、今後の議論の中でもそうい うことを踏まえた議論をさせていただければと思っております。 ○樋口座長 大塚構成員、どうぞ。 ○大塚構成員 その意識はとりあえずわかっているつもりではあるのですが、要するに長期入院 を今後も生まないということをうたっているわけですから、今の地域生活支援といったときに、 残念ながらこの場に広田さん、良田さんお一人ずつなわけですが、やはり御家族の方が、そうは 言っても、なかなか相談支援にたどり着けないで、家族も頑張って抱え込み、御家族の下で御本 人もなかなか独立できないという状態もあるわけです。ですから、そこのところは、より強く意 識しておかないと、御家族が疲弊してしまったときに、先ほどの経済的な状況も含めて、またど っとある集団が病院に入ってこられるみたいなことにならないようにというところを、もう少し 強く意識できないかなと思った次第です。 ○樋口座長 今のところは、何らかの形で表現できるかどうかですね。どこでどういうふうに表 現しておけばいいですか。 ○福島精神・障害保健課長 具体的には、例えば23ページの家族支援については、5行目から のパラグラフ、先ほどの良田構成員からの御指摘があった部分などで、ここはかなり、従来、家 族支援というのを明確に言ってこなかったものを、ここで明確化したということで、意識はして おります。全体の基本的方向性のところ辺りにもっと書き込むべきということでございますかね。 ○大塚構成員 余り時間を費やしたくはないのですが、例えば相談支援のサービス料計画作成費 などを見ていましても、なかなか単身ではない方とかが大変対象になりにくいわけです。ですか ら、基本的なところと併せて、そういう具体の方策をということを意識だけではなくて、多分何 か書いておかないと忘れそうな気がするのですが。 ○樋口座長 そこは少し考えさせていただいて、どこにどういうふうに表現できるか、預からせ ていただきたいと思います。  大分時間が迫っておりますが、香山参考人、どうぞ。 ○香山参考人 相談支援のところが大分充実した書きぶりなのですごいなと思っているんです が、22ページの「障害者就業・生活支援センターについて」のところですが、ここにおいて就 労支援、生活面と併せてやっていくという考え方は本当に重要だと思っているんですが、ここに 併せて「すべての圏域に設置されるよう努めるとともに」というふうなところに、今のセンター に配置されている人員というのが、余りにも貧弱過ぎると思いますので、そこの充実、専門職等 の配置を進めるべきではないかというところをひとつ、専門職をここに置いた方がいいと思いま すので、そこはそういう書き方をしていただけたらいいのかなと思います。 ○樋口座長 具体的には、どこになりますか。 ○香山参考人 「設置されるよう努めるとともに、適切な専門職を配置するよう」というような 形でしょうか。 ○樋口座長 いかがですか。 ○福島精神・障害保健課長 専門職というよりも、多分その機能の強化が一番重要なことではな いかと思います。場所の設置の問題とその機能の強化と充実を図るというようなことでどうかと 思います。その専門職種の配置ということでなければ難しいのかということですけれども。 ○香山参考人 質を高めていくということは、結局専門職を配置するということでないと、質は 高められないのではないかという考え方の立場で言いました。 ○樋口座長 そこの機能を充実させていくという内容で少し盛り込んでいって、こちらで少し文 案を考えさせていただきます。  この議論全体を申し上げておきますけれども、簡潔に行きましょう。残り時間がわずかになっ ていますが、申し訳ありませんが、今日は延長せざるを得ないと思います。あとお二方くらいで ここのところは締めさせていただきます。 ○広田構成員 簡潔です。本人のピアサポートは入ってくるわけです。相談に関しても何でも、 それがとても大事なことです。  良田構成員には、家族のピアサポートが入っていないんですけれども、家族同士のピアサポー トはとても大事ではないですか。それは入れなくてよろしいんでしょうか。私は家族の相談をい っぱい受けていて、家族同士が話せばいいのではないかという場面にいっぱい遭遇するんです。 ややもすると、何かの運営や運動に流されてしまって、家族同士の支え合いができない場面もた くさんあって、家族の方を紹介したところから戻ってきてしまうんです。お節介かもしれません が、家族のピアサポートは入れた方がよろしいのではないでしょうか。 ○樋口座長 良田構成員、どうぞ。 ○良田構成員 家族のピアサポートも重要だと思いますし、例えば相談支援などと一緒にピアサ ポートとして、その家族が家族の相談に協力して乗るということもありますので、そういったよ うな試みはいろんなところでなされているので、それを更に拡充していくということが大事かな と思っております。 ○樋口座長 わかりました。その辺りはどこかに盛り込ませていただきます。  では、最後に三上構成員。 ○三上構成員 文言の変更をお願いしたい部分がございます。19ページの3行目の「今後は、 新たな長期入院を生み出さないという基本的な考え方に立って」という部分がございます。これ は18ページの31行目からのパラグラフを見ますと、受入条件が整えば退院可能な患者の3分の 1は入院期間1年未満ということは、3分の2が1年以上の方が受入条件が整えば退院可能とい うことでございます。  7ページにあります病床調査によるものを見ますと、実際に現状で退院できる方、現状で居住 先支援が整えば退院可能な方は5%ということでございますので、毎年5万人ずつ1年以上の人 が増えるということですが、実際には1万人程度が現状で受け入れ条件が整えば退院ができると いうことでございますが、この書き方ですと、毎年出てくる5万人の長期患者、1年以上の患者 がすべて悪いんだという印象を受けますので、ここは受入条件が不整備のために生じる長期入院 を今後生み出さないという基本的考え方と書いていただかないと、実際には1年以上入院が必要 な患者さんもたくさんおられるわけで、すべてが悪いという印象を与えるのは間違っているので はないかと思いますので、是非書いていただきたいと思います。 ○樋口座長 そこはいかがですか。今の数値のことの確認と1年以上というところの書きぶりで すね。 ○野崎課長補佐 数字の面は今、御指摘されたとおりですが、前回の検討会でもございましたけ れども、新たな長期入院患者を生み出さないという基本的考え方に立つべきではないかという御 意見があったので、このような記載にしました。 ○三上構成員 結局、長期入院の原因として、受入条件の不整備によって生じる長期入院はなく すべきだというのはわかるわけですけれども、本当に長期の医療が必要な人たちについては必要 なわけですから、それを基本的な考え方というのは問題があるのではないかと思います。 ○樋口座長 そこはどこかで触れてございましたね。 ○野崎課長補佐 長期入院が必要な患者ということで触れてございます。それは16ページの17 行目でございます。「長期入院が必要な患者に対する適切な療養の提供」と書いてございまして、 こちらがより大きな柱というか、基本的な柱ということでございますので、我々としても長期入 院ということについて、余儀なくされる方がいらっしゃるということも十分認識をしているつも りでございますし、必ずしも今おっしゃったような趣旨で書いているものではないということで ございます。 ○三上構成員 しつこく言って申し訳ないんですけれども、これは6〜7ページのところでも長 期入院が非常に悪いというか、退院ができる人が非常に多いんだという書きぶりで書いてあるわ けですが、実際には7ページの28行目のところ、その条件が整えば退院可能な患者の割合が34% で、17年度調査よりも高い割合となっているという話がございますが、これは実際に現在は退 院できないと。  状態がよくなればということで、あと半年治療あるいは1年治療をやれば退院はできるんだろ うと、条件が整えばという話ですから、実際に現在の状態で病状がよくなってきて周りの条件が よくなれば退院できる人は5%しかいないのに、こういう書き方をすると3分の1は退院ができ るのに無理やり入院しているという印象を与えますし、19ページのところもそういう書きぶり になっておりますので、その辺はやはりきっちり書いていただかないと誤解を与えるのではない かと思います。 ○樋口座長 そこはもう一度整理をして数字を。 ○中島構成員 8ページの11行目「病床調査の結果によると、『状態の改善は見込まれず、居住 先・支援を整えても近い将来退院の可能性なし』とされた患者が約40%いるが、このような患 者の特性や状態像について、更に詳細に分析する必要がある」ということは、ただ単に受入条件 のみならず、その他のことについてもちゃんと見ていきましょうということなんです。だから、 何も悪い書きぶりではなくて、そういう心構えで行きましょうと言っているのだから、これでい いのではないですか。 ○三上構成員 変えていただきたいのは、19ページのところです。 ○中島構成員 だから、19ページはそのままでいいのではないですか。 ○樋口座長 そこは意見が分かれておりますので、後ほど、引き続き検討させていただきます。 とりあえずその10秒間という小川構成員。 ○小川構成員 貴重な10秒間をありがとうございます。24ページの32行目です。退院・退所 における支援だけではなくて、やはり入院当初からきちんと関わっていくということが必要だと 思いますので、相談支援や訪問看護ステーションなども含めて、入院当初からきちんと関わって いくということを盛り込んでいただければと思います。 ○樋口座長 今の24ページの32行目のところですか。ここは項目立てとしては、退院と退院時 における支援という項目立てなんです。 ○小川構成員 表題も変えていただければ、なおさらいいですけれども。 ○野崎課長補佐 例えば退院・退所時に向けてのとか、入院中からのとか、そこの表現は工夫し たいと思います。 ○樋口座長 入院当初を含めて書き加えるということにいたします。  それでは、駆け足で申し訳ないですが、時間が迫ってきておりますので、この後の進め方を一 部変更いたしまして、この後は一番最後のVIの理解の深化(普及啓発)のところを先に15分程 度やらせていただきまして、今日は約30分くらい延長しないと終わらないようには思いますが、 その後にVのところへ戻っていきたいと思います。  それでは、VIの普及啓発、理解の深化のところについて何かございますでしょうか。  吉田構成員、どうぞ。 ○良田構成員 30ページの社会的な影響力の強い者に対する普及啓発については、私が前々回 くらいに発言をしたことに絡んでいるのかもしれないので、責任上付け足しをしたいと思います。  マスメディアと入れていただいたんですけれども、国と市町村の行政関係者の理解は非常に大 切で、いろんな意味で影響力を持ちますので、この中に行政関係者とか行政職というふうに入れ ていただければと思います。 ○樋口座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。広田構成員。 ○広田構成員 精神障害者自身による啓発についてということで、これを入れていただいたんで すけれども、家族の啓発、家族が持っている固定観念、自分の子どもしか見ていないで、これを 精神障害者だ、これを統合失調症だという固定観念が物すごく強くて、本来はどこかに相談に行 くべきことをいろんな人に話して、本人がとても不利益をこうむっているということがあって、 是非家族に対する啓発に入れていただきたい。行政などのところで、私は昨日は裁判所に行って いたんですけれども、裁判所の人もとてもわかっていないので、よろしくお願いします。 ○樋口座長 どんどん入る可能性がありますけれども、きちんと整理をしていくと。 ○野崎課長補佐 家族の部分につきましては、30ページの8行目に「家族や」と冒頭に掲げて います。 ○広田構成員 ごめんなさい。それでここにピアサポーターなどの当事者の参画がいわゆる啓発 に入っているんですけれども、さっきの小川構成員の発言もありますし、私もそう思いますけれ ども、いわゆる参画は啓発ではなくて、国及び地方自治体の審議会とか委員会に対する当事者の 参画と入れていただきたい。啓発ではなくて、きちんと当事者が入って発言することが大事だと 思いますので。 ○樋口座長 いかがでしょうか。小川構成員。 ○小川構成員 政策決定プロセスと、ちょっと一般論になってしまいますけれども、社会経済活 動ですか。そういう触れ合う機会という変な文言も前回ございましたけれども、きちんと社会の 一員として、構成員として社会経済活動に参画するということだと思うんです。 ○樋口座長 というのをどこかに入れるということですか。 ○小川構成員 広田構成員の意見のところで補強していただければと思います。 ○樋口座長 佐藤構成員、どうぞ。 ○佐藤構成員 もっと以前に訂正すればよかったんですけれども、同じところで、身近に精神障 害者と触れ合う機会を設けるということではなくて、地域生活の移行を進めることがむしろ普及 啓発といいますか、精神障害者に対する理解の深化に結び付くということで、一番最初の検討の 基本的な方向のところに、「精神障害者の地域生活への移行を円滑にするという側面を有すると 当時に、精神障害者の地域生活への移行を進めることが同時に精神障害者に対する理解をきちん と深めることにつながる」というのを入れていただけるといいのではないかと思います。 ○樋口座長 それは特に問題ないですね。 ○福島精神・障害保健課長 はい。 ○樋口座長 どうぞ。 ○広田構成員 一番下の普及啓発における行政の役割についてというのは、多分、安田構成員が 発言した地域で反対運動が起きたときに行政にきちんとやってほしいという話だと思うんです。 それを明確に入れないと、いわゆる社会的入院は拉致被害者と同じだと思うんです。加害者の北 朝鮮は国なのか日精協なのか地方自治体なのか家族なのか。私も含めていろいろありますけれど も、ここでいろんなものができるときに、ソニーの社員寮ができるのと、精神障害者のグループ ホームができるのは同じで、もし反対されたら、そのときにきちんと地方自治体が足腰を踏ん張 って、1人の住民として、憲法25条に基づいて、安心して暮らせるように行政が責任を持って 支援しないと腰砕けですから、それをきちんと入れてください。安田さん、そういうことでした ね。 ○安田構成員 はい。 ○樋口座長 では、伊澤構成員。 ○伊澤構成員 今の広田構成員の発言を補足させていただくんですけれども、ここで言う普及啓 発における行政の役割についてということは、やはり公的責任制に基づく圧倒的なプロパガンダ というのが大きな要素としてありますので、それは是非進めていただかなければいけないという ことです。もう一つ、おっしゃっていた事業とか施設のコンフリクトですが、住民との摩擦、軋 轢に対して地方行政がどこまで動けるかが非常に大きなポイントだと思います。  私が所属している団体も10年くらい前にコンフリクトに遭遇して、住民の反対運動が盛り上 がりかけた、その際地元の自治体の当時の担当課長に無理して住民説明会に出席してもらいまし た。その席上、市としてもこの施設は大事であると。市の政策としても施設整備をやらせてくだ さいというふうに住民の前ではっきり名言をして、覚悟を持って発言をしてくれたんです。その 覚悟ある発言を聞いて住民も溜飲を下げたという実例もあります。  そういうわけで自治体の覚悟を持った発言を引き出してく根拠を明瞭にしていく必要性があ る。現行の精神保健福祉法の第2条にこういう記述があります。「社会復帰や社会経済活動の参 加への支援を地方自治体は努力していく」というレベルの記述です。これではいかにも弱い。努 力規定なんです。だから、義務としてきちんと住民の前でプレゼンをする。意志をもって住民に 伝えることを実施していけるような条件整備というか、法整備が必要です。それを議論の素材と して上げていく必要性があるのではないかと思います。 ○樋口座長 ほかはよろしいですか。上ノ山構成員。 ○上ノ山構成員 確認なんですけれども、29ページの29行目です。学校教育分野との連携や必 要なサービスの確保と書かれていますが、必要なサービスという点について、例えば精神保健セ ンターあるいは保健所の機能強化による危機介入などを一応想定しても構わないのかどうかを 教えていただきたいと思います。 ○野崎課長補佐 先日の御議論では、仮に早期発見をしても、きちんとつながらないと仕方ない という御意見で、ここにこういう形で書かせていただいております。一方で早期支援の在り方に ついては、後ほど出てまいりますけれども、5の医療体制の在り方のところで検討課題として掲 げさせていただいておりますので、そうしたものも検討しながら考えていくことになろうと考え ています。 ○樋口座長 よろしいでしょうか。  それでは、駆け足ですが、6番を終わらせていただいて、5番の精神保健医療体系の再構築に 関する今後の検討の方向に入りたいと思います。  ここで先ほど、一番最初のところで少し議論が出てまいりました病床云々というところが議論 になろうかと思います。田尾構成員、どうぞ。 ○田尾構成員 最初のところの長尾構成員のお話で、受入れが整わなければというお話でしたけ れども、私どもは地域の社会復帰事業をやっておりまして、以前は利用者が来ても区市町村の補 助金がなければ、その利用者を受け入れて事業を増やしていくことが出来ませんでした。  ところが今回この自立支援法という法律を得ることによって、必要な利用者がいれば国は義務 的経費として、それを出さなければならないという、この点に関しては私は非常に自立支援法を 評価しています。  つまり卵か鶏ということになるかと思いますけれども、地域へ退院者が出てくれば、地域の受 け皿はつくることができる体制が今はあるんです。しかも今の自立支援法の新体系の移行の話を 聞くと、利用者が少ないので新体系へ移行できないとか、利用者が十分にいないという状況もあ るように聞いています。  そうであれば、なおさら病院からの退院者がどんどん地域へ出てきても、受け皿は新たにつく る。もしくは今ある資源がもっともっと活用されるチャンスが出てくるというふうに思っていま すし、グループホームも今、私たちので六十幾つですけれども、100でも200でも、もし必要と する人たちがいれば増やしていけると思っておりますので、地域を信じて、どんどん出していた だければと思っております。  そういう点から考えても、先ほど小川構成員がおっしゃいましたけれども、5番に病床削減と いうことを入れるのではなくて、基本的な方針として最初の15ページ辺りに今後の、広田構成 員は誤っておっしゃっているので、私も国は誤りを認めた上で反省に立ってと申し上げたら、そ こは削除されてしまいましたが、そのくらいの心構えといいますか、国の意識を明確に打ち出し てもらえればうれしいなと思っております。  長尾構成員、どうぞ。 ○長尾構成員 先ほど受入れが幾らでも出せば受け入れるという話がありましたけれども、受入 れ場がきちんと整ったところへ出さなければいけないわけだと思うんです。居住の場も今はそん なにあるわけではないですし、居住の経営とか居住だけのグループホームとかケアホームとかの 部分の経営体系というものもお示ししましたけれども、やはりいろんなことでそういう場が実際 になければ出られないと。そういう場を確保しながら移行していくというのを考えなければいけ ないことだと思うんです。  先ほども言いましたけれども、多くのところでも外国でもいろんなところで失敗しているのは、 病床削減だけをして行く場を失った人。または非常に劣悪な施設化しているところとか、そうい うところは多々あるわけなので、それをきちんと場をつくって、それをチェックして移行してい って減るということであれば、それはいいと思うんです。  やはりきちんとした場をつくって、できたことによって、それを移行していくというチェック して、それを並行しながらバランスを取っていくというチェック・アンド・バランスという言葉 で言われていますけれども、そういう言葉で言われていますけれども、そういうことがやはり大 切なのであって、出てくればどんどん受け入れるからといって、何もないところへ出られるんで すかという話になるわけだと思うんです。  出れば幾らでもつくれるんだということは、やはり出る場がなければできないんだと思うんで す。その辺の順序はきちんとしていかなければ、先に出て、つくられるまでの間はどうするのか ということもあるわけだと思いますので、先にそれがあって出ていくということだと思います。  もう一つここで、機能ごとの病床の必要数を確定するということがありますけれども、いろい ろな疾患別の機能があると思いますけれども、そういうものを一つひとつの機能ごとに、うつ病 であれば何床要るとか、統合失調症では何床要るとか、また病気によってもそれぞれが何床だと か、疾病別で決めていくのは非常に困難であることは言えると思います。  ある程度の診療報酬上の機能病床はあるわけですけれども、内科的に言えば、この疾患は何床 要る、この疾患は何床要るという分け方をするんでしょうか。そうではなくて、やはりある程度 包含しながら、そこで柔軟性を持ってやっていくということが必要なので、こういう機能ごとの 病床数を確定するということは困難であると思いますので、こういうのも変更していただきたい と思います。 ○樋口座長 それでは、発言されていない方で、門屋構成員。 ○門屋構成員 鶏の卵の話をするつもりは実はありませんで、田尾構成員が言われたことは、私 も実は田尾さんと同じように実践に接した者から一言だけ言えば、田尾さんの言っているような 可能性は非常に高いということについてだけ申し上げておきます。  その議論をしても余り生産的ではないので、私は先回も申し上げたんですが、7万2,000人の 退院が可能であるという、これは精神科病院協会さんの精神科医たちがそれだけの数を出された というふうに認識をしておりますので、基本的にはそういうような方向づけがなされた。社会的 に入院が要るということについての事実は確認されたという認識を持っているんです。  その人たちについて、ここで議論をするときに、広田さんがおっしゃるように、そういう方々 の人権の問題があるから、解放してあげるべきだし、自由にすべきである。これも実はずっと議 論があるところで、私もそれについてはきちんとやるべきだという立場を取ってきました。  私たちはどうも間違いなく歴史的に残してきた大きな課題をきちんと人権の観点からも解決 すべきであると思っているんです。それが退院促進という形で目標の数が定められ、推進してき た国の施策もあったわけですね。今もまさに途中経過にあるわけです。  こういう中で、もし私が最低限7万2,000人を退院させるんだという目標を10年間に行うと いうことなのであれば、その人たちを受け入れる、あるいはいつ退院するかについての計画を立 てられて、社会資源を地域の受け皿を計画的につくっていくというような、きちんとした計画的 な推進が図られるべきだと実はずっと思っているわけですが、なかなかそこのところがうまく行 っていないのではないかという認識を実は持っているわけです。  諸外国が失敗したものの中には、確かに計画も大変不十分なところの国々が失敗していること は承知しておりますし、なおかつ計画的にやったところでもちゃんとできているところもあると いうことも事実であります。  その辺りのことを踏まえると、計画的にやるということが議論、あるいは本当に精神科病床が 現在どれだけ必要で、そこに私は今のような状況で行けば行くほど、精神科医療の質を高めよう ということはいつも言われるわけですが、高まっていかないと思うんです。経済的にも財源的に も非常に苦しい状況になっている中で、質を高めることは今の状況ではますます難しい。その中 でこのままの精神科病床で行くのかということについて、我々は問われていると思っているわけ です。  頭から何床を削減しようということではなくて、適正な病床が何床で、それに向けて少なくと も先に何人退院すべき人がいるかを取りかかり、その結果として準備をちゃんとしていく。精神 科医療の質を高めるときの財源も、例えば診療報酬上のことは小川構成員が一番最初に言った精 神科特例を外すということも含めて、普通の一般医療にというふうに皆さんがおっしゃるように、 そこのところに高めていくことによって、精神医療あるいは精神病院になった方々に対する対応 はかなり変わってくる。  このことをこの検討会で本当に中身を議論する。こういう方法はないのか、ああいう方法はな いのか。ここのところに求めたいと思って、私は参加しているんです。ですから、そこのところ の課題を整理していただいて、今後はそれについて検討する時間も当然求められるので、その中 でやるべきだと思います。私は削減ありきということではなくて、そういう議論のできる場を保 障してほしいというふうに思っております。  以上です。 ○樋口座長 それでは、大塚構成員。 ○大塚構成員 門屋さんとほとんど同じ内容ではありますが、大事なことだと思うので。 かつてそれこそ退院支援を一生懸命頑張って努めていたワーカーが経営者に首を切られたとい う時代からすれば、今こういう場でこういう議論を共にさせていただいている大変ありがたい時 代になったと思うと同時に、本当に喫緊の課題で早く対応しないと多くの患者さんたちが亡くな っていくということを思いながら申し上げるわけです。  田尾構成員がおっしゃったように、2004年のビジョンのときから今に至るまで、自立支援法 とかいろんなものができてきたお陰で、やはり出てくれば受け入れられるんだという発言がこう してたくさんのぼってくるということは、すごい変化だと思っているんです。  一方で、削減ありきではないにしても、前回ビジョン公表のときに、きちんと7万2,000床を 削減すると言ったにもかかわらず、方法論をきちんと確認して、どれくらいの年限で、どういう 方法論で進めるんだということの計画や提示がなかったがために、一方では進んでいない現状が あるのだと思うんです。  長尾構成員は受け皿がないととおっしゃいますが、出すということを決めて、出るということ を決めると、方法論を一生懸命考えて、その検討体制が進んでいくのではないかと思います。そ こは諸外国には確かに失敗もあるでしょうが、先生がそれだけ失敗のデータもお持ちなわけだか ら、いかに失敗しないように、方策を立てていくことも含めての、医療体制のあり方でもあると 思うんです。  地域の在宅生活支援をするためには福祉だけではなく、医療体制の整備をどう行っていくか、 財源確保を含めて医療もしっかりと方策を進めていくことをやっていかなければいけないこと だと思います。是非その年次計画という、進め方をビジョンの中に盛り込みながら、それを一歩 ずつ進めていき、検証していきということをやっていくべきかなと思っています。自殺対策等考 えますと、まだまだ日本の精神医療はやらなければいけないことがいっぱいあると思っています。  一方で、門屋さんがおっしゃった人権の問題を考えますと、任意入院の多くの方がまだまだ閉 鎖処遇を受けている状況が医療の中ではあるわけです。ビジョンの基本的考え方はしっかりと 15ページの方に書き込んでいく方向性を確認していけたらいいと思っています。 ○樋口座長 それでは、寺谷構成員。 ○寺谷構成員 初めて発言させていただきます。私は15ページが中心でないかと思っています。 この15ページの先ほどの議論にございましたけれども、24行でございましょうか。  私たちの考え方の基盤をなすものというのは、この精神保健法になったことと、少し前の精神 衛生法の一部改正で地域精神衛生の幕開けをスタートさせたこと。そして、精神障害者の人権と 社会復帰の二本柱にした精神保健法に変わっていったこと。あとは障害者の基本法ですね。この 基本法の理念を基盤にして自立支援法が成立していったわけですね。  障害者基本法の理念というのが差別を禁止するということと機会均等の2つがあったはずで す。これだけの法律をつくってきて、これが基本的な考えなんですから、ここに立ち戻れば、本 人の意向に沿って退院請求権や処遇改善請求権があったりだとか、精神保健法が誕生したときに は、すごい時代が来たなと思いました。  そういったこの基本的な考え方を基盤にしながら、すべてのことが実施されていくというよう なことにあるにあるので、これが概念だとか理念だとかいうところに終わってしまうんだったら、 法律などをつくったって意味がない。むしろ法律に準拠しながら、具体的な支援の手法を編み出 したり、実施していったりするところにあるんだと思います。  7万2,000人の退院可能な人たちがいるというという、この数字が与えた国民への温かいイン パクトを是非もう一度皆さんで思い出して、7万2,000人の実数を数値を上げたというあの時代 の与えた影響の大きさを思います。日精協の努力だと思いますけれども、是非それを受け手とし て実現され、その努力が問われているので、田尾構成員の言った幾らでも言ってくれれば受ける んだというような地域の理解というのは、そんなに一部の人ではないと思っています。是非この 辺で基本的な考え方を揺るぎないものにして、先ほどの国連の条約を踏みとどまってというとこ ろが残念だなと思いました。  日本はもう既に国内法でこれを認めているんですから、国際法の中で蒸し返してしまって、課 長さんを困らせる意図などは全然ないんですけれども、日本はもう既に国内法でこれが実施され るというところに理解に立って、権利保護条約の福田さんのサインを私はすごく熱い思いで情報 を得ています。  長くなりましたけれども、こんなことで基本的な考え方を是非具体的な現実にするというよう なところでの次の4、5、6だなというふうに、もう一度再認識したいと思います。 ○樋口座長 この後、長尾構成員に話を振りますけれども、時間の関係もあって、そろそろ文面 という点でこうした方がいいのではないか、ここまではみんな共有できるよというところへ入っ ていかないと、エンドレスになりかねないので、これからの発言はそれを踏まえてお願いしたい と思います。  長尾構成員、どうぞ。 ○長尾構成員 7万の話とかいろいろ出ていますが、こだわるようですけれども、7万2,000は 病院調査での7万2,000ということで、いわゆる条件が整えば7万2,000という中の今回の病床 調査でもその中で、居住先が整えば即退院できるというのは、その中のトータルの5.2%で、1 万数千人であるということははっきりしているわけです。  その後は状態さえよくなって、将来の状態が改善すればということになっている。当然どの人 にとっても退院は最終目的ですから、それは何も我々が引き止めるわけではないですし、当然す べからく入院の人すべてにわたって退院する方向で持っていくのは当然のことだと思います。  ただ、その7万2,000ということは前回も言いましたように、非常にひとり歩きしていたとい うことがあるし、それが社会的入院だ、病床削減だということへ全部つながっていったという誤 解が一つはあると思うので、日精協としても何も地域移行を阻むわけではないし、入院から地域 医療へという方向性は我々も持っているわけですし、そのことは前々回もお話ししたとおりです。  ですから、どういう人たちのどういうケアが必要かということをきちんと踏まえながら、やは り先ほど医療も福祉もというお話もありましたし、当然それは在宅の医療をきちんとどれだけ関 わり、例えばアウトリーチの問題もあるでしょうし、地域の福祉の部分、医療と福祉とで分ける のではなくて、両方あってこそやはりできるわけで、それがどれだけの手をかけて、どれだけや るかということによって、その数というのは随分変わってくるわけだと思うんです。  だから、そういうものの体制をきちんとつくらないで、ただ単に退院ということを持っていっ てもいけないということを言っているわけで、やはりきちんとしたそういう体制を整備するとい う方向をちゃんと固めながらやっていくということについては、何も否定するわけではないです。  ですから、そういう方にいろいろな現在のグループホームなりケアホームなりがある程度やっ てもできる人もあるでしょうし、それ以上の手をかけなければいけない人もあるでしょうし、さ まざまなそういう手のかけ方によって、これは随分変わってくる数だと思うんです。  ですから、それはもっと10万くらいあるかもしれないし、もっと増えるかもしないし、そう いう問題があるということを考えながらつくっていかなければいけないということを申し上げ ているので、何もすべてそれをだめだと言っているわけではないんです。ですから、そういうこ とをきちんと整えながら、退院促進をしていくということは当然すべきだと思っておるわけです。 ○樋口座長 上ノ山構成員、簡潔にお願いします。 ○上ノ山構成員 Vは医療の話なんですが、通院在宅医療について少しだけ触れていただいてい ますので、ありがとうございました。かねてから言っていますように、この点に関しては余り今 まで触れてきていただけなかったので、1行でも触れていただけてありがたかったというふうに 思います。  ただ、いつも外来精神科医療の話になると、デイケアと訪問看護しか出てこない。あるいは救 急をどうするかという話ばかりで、普段の外来精神科医療の充実ということに関して、もう少し 触れていただけたらと思いました。  それはそれとして、デイケアに関してですが、27ページでは機能強化、分化というふうにな っているんですが、あちこちに外来精神科医療のことが股裂き状態になっているので、どう読ん だらいいかわからないという問題があるんですけれども、10ページではデイケアは機能の強化 や重点化と書いてあるんです。この違いを教えてほしい。  その重点化というところの上には、一般就労を通じた自立どうのこうのという言葉があります ので、例えばデイケアで就労支援などを行った場合に、これを認めるということを重点化と言っ ているのか。そのことを教えてほしい。  デイケアというのは医療なので、デイケアから就労支援などはもってのほかという指導を受け たところもあります。ですから、そういうことを認めるという意味でこのようなことを書かれて いるのか。あるいはデイケアから訪問看護を行うということも認めるということで、強化充実と いうことを書いておられるのか。そのことを教えてほしといということがまず1点。 ○樋口座長 ちょっとごめんなさい。今フォーカスが入院のところで議論をしていたので、いき なりそこへ飛ぶとあれなので、それは後回しにさせていただきます。  中島構成員、どうぞ。 ○中島構成員 飛行機の時間があるので、これを言ったら出ようと思いますので、言いっぱなし になりますけれども、文言のことだけ申し上げます。  26ページの14行目「機能毎の病床の必要数を確定する」というのは、長尾構成員が言われた ように、確定というのは随分難しい作業になってしまいますから、これは推定するなり、あるい は数値を置くなり、何かちょっと含みを残した言葉に置き換えていただきたいと思います。  19行目の「病床数の適正化を図る」では、国家の政策としての意思が感じられませんので、 ここはきちんと削減と書いていただきたい。  以上です。 ○樋口座長 ありがとうございました。今のような観点で、簡潔にポイントポイントを御指摘く ださい。  広田構成員。 ○広田構成員 長尾構成員と三上構成員を見ていると、この部会の前に日精協と日医とやりやっ て、ここで3回目かなと思っているんですが、医療観察法ができているわけですけれども、あれ をつくるときに日精協の臨時大会にマスコミの一員として招かれまして記者たちと一緒に行っ たら、いろんな先生の本音を伺ったんです。  そのときに厚生労働省が来賓で来ていたんですが、物すごい勢いでやられて、これは大変な状 態だなと見て、そういう背景があって長尾先生がここで非常に大変な役割を担っているなと一方 で思うのと、いろんな自治体の人に話を聞いても結局、例えば地方自治体は病床を削減したいけ れども、精神科病院にほかのことで協力を得られないというのが実態なんです。それはいわゆる 医療経済にかかっているからだと思うんです。  先週の朝日新聞によると、一般の療養病床22万床で、自民党がその辺でいいのではないかと。 日医が妥当であると出てきて、そうすると認知症がまた精神に来てしまうのかしらと考えていた ところへ、ちょうど三上構成員が、私がパーセンテージで落としたらどうかと言ったら、それは 乱暴な意見だと言ったんですが、うちへ帰って考えて、フィットネスクラブの人とか一般の人に 話したら、それは広田さんの話の方が合理的でしょうと言ったんです。  やはりここで中島構成員が言ったように削減と入れなければ、何のためにここでやっているの かわからないと思うんです。90年に会ったPSWに、日本には社会的入院が3分の1いるそうで すねと言ったら、民間病院のPSWが6割はいると言ったんです。ところが今、退院促進の時代に なってしまうと1人もいないとか言い出してしまうんです。そういうことなんですよ。  この前、田尾構成員が言った、15万人が社会に出れるという話を拉致のことに引っかけて原 稿を書いて出しているんですけれども、そういうことですから、是非、長尾構成員に日精協に持 ち帰って、いかに病床を削減して、それでいて、これからの精神科病院が立ち行くかということ を考えた方がいいのではないですか。そういう時代だと思います。その病床にこだわって、病床 があれば患者が絶対に必要になりますから。  例えば神奈川ですと、今1万4,000床台ですけれども、入院患者は1万2,000人です。そうい うふうにいろんな都道府県で病床の稼動率が下がってきているわけですから、それに併せて変え ていく、そういう時代に来ていると思いますから、日精協もいつまでも時代遅れみたいなことを やっていないで、正真正銘の医者らしく高学歴で人格も高潔で、仁術に立ち返っていただいて、 お願いします。削減を入れていただきたいと思います。 ○樋口座長 どうぞ。 ○佐藤構成員 ここは病床削減という言葉を入れなければ進まないことだと思うんですけれど も、文言から行くと長尾構成員がおっしゃっているように、受け皿の整備と病床削減と精神科入 院医療の質的な向上といいましょうか。この3つを並べた形で、単純な削減ではなくて、残され た精神病床を質的に向上させるということを入れていただければいいと思います。  27ページに総合病院の精神医療と入れていただきまして、ありがとうございます。2行目の 救急機能を含む一般医療と精神医療の医療提供体制という表現はわかりにくいので、救急機能を 含む一般医療と連携した精神医療の医療提供体制というふうにしていただくとわかりやすいか と思いますので、よろしくお願いします。 ○樋口座長 今日はどういうふうに結論を付けるかというところに、そろそろ行きたいんですけ れども、どうぞ。 ○谷畑構成員 門外漢でずっと議論を聞いておりまして、鶏と卵の話は先ほどありましたけれど も、まさにそういうことかなと。ここであと10分を切っている時間の中で、多分結論を出すの は無理だと思います。その適性化を図るということにするのか、削減にするのかということにつ いては、これは今後の議論ということで十分にそれを議論する場をつくっていただくということ ではないのかなと思うんです。  ですから、これはあくまでも論点を整理しているのであって、これからそれをどうしていくの かということを進化させていくということだろうと思いますので、ここでこの議論を永遠にやっ ていても、恐らく6時までには終わらないのではないかと思っています。  統合失調症患者の地域移行を更に促進するということでの病床数の適性化ととりあえずは書 いてありますし、その後で個別の論点の中でも当然そういったものについては見当を行うべきで はないか。更には福祉ないしは通院在宅医療等々との連携についても、これから十分検討を行う べきではないかと書いてありますので、その中において、十分議論していただくということにし ていただいたらどうか。  どうしても削減ということを入れたいのであれば、そういった点についても議論すべきである ということを、その論点として1行挙げておいていただいたら、今後それについては外れずに議 論が進んでいくのではないかということで、その病床数の適性化を図る、ないしは削減を図ると いう点についても議論となっているということを書き加えておいていただいたらいいのではな いかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○樋口座長 かなり現実的な御提案をいただきました。今日あと数分で出せるかどうかというと ころへ来ているんですが、今の御提案に関して、まず御意見をいただけますでしょうか。そうで ないと、これは少なくとも、幾ら延長しても議論が尽きないと思います。 ○小川構成員 もし今日中にこのペーパーをそれなりの論点整理としてまとめるということで あれば、そのとおりだと思いますし、次回にもう一回やるということであれば、そういう話にも なるでしょうけれども、もし仮に今日中にまとめなければならないということであれば、あくま でもまだ議論の途上であるということをきちんと始めに付記をしていただきたいと思います。ま ださまざまな細部にわたっての検討を要するという取扱いにしていただきたいと思います。 ○樋口座長 今後の予定からいって、どうでしょうか。 ○福島精神・障害保健課長 できましたら夏はヒアリングだけして、9月から本格的な議論をし たいということで、今日おまとめいただきたいと考えております。先ほど谷畑構成員からの御提 案もあったような方向でまとめさせていただいて、勿論、議論として、これから実際にどういう 施策をやっていくことによってどうなるのかということの施策の中身の詰め込みの議論の中で、 その部分については併せて議論いただく。まな板にのせないということではなくて、そこで議論 をする中で、具体的にどうなっているのかも併せて御議論をいただきたいと考えておりますので、 今日の時点ではこれくらいの表現で私どもの提案しているぐらいのところでお願いをできれば と思っております。 ○樋口座長 小川構成員、どうぞ。 ○小川構成員 少なくとも残された課題が何かというのは、きちんと明記していただきたいと思 います。 ○野崎課長補佐 それはどこかにということでよろしいでしょうか。 ○小川構成員 はい。 ○樋口座長 よろしいでしょうか。では、そういうことにさせていただきます。  長尾構成員、どうぞ。 ○長尾構成員 それは結構なんですけれども、先ほどの機能ごとの病床の確定という、ここは確 定という言葉は。 ○樋口座長 機能ごとの必要数を確定するのではなくて、推定するというふうに提案されており ましたね。そこはいかがですか。 ○門屋構成員 私は確定でいいと思うんですが、それは現段階で確定できるものの検討をこれか らできるんだろうと思っていますので、確定としておいて、その確定数がどうかという議論がこ れから行われるわけですね。ですから、確定で私はいいと思います。 ○樋口座長 長尾構成員、いかがですか。 ○長尾構成員 それなら数を検討するということで、確定するという断定的なのはちょっと問題 かなと思っています。 ○門屋構成員 確定しないと目標がはっきりしないので、計画的な遂行や計画の問題が出てこな いと思うんです。ですから、そこのところは検討だけではなくて、確定ということを目標にして、 ここで検討するということだと思います。 ○樋口座長 そこはいかがですか。 ○長尾構成員 機能ごとの病床の必要数を確定するのは非常に困難な部分があると思います。 ○樋口座長 その点については、私も機能ごとという言い方を検討する必要があるかと思ったの は、この間の議論として出てきていたのは、1つはやはり統合失調症を中心とした疾患群と認知 症とが多くの議論になってきたわけです。今はだんだん精神病床の中での認知症の比率が増えて きているということがある。少なくとも認知症がこれからどれくらい増えていって、その中で精 神症状がどれくらいあって、治療の対象になるものがどれくらいかという推計はできると思うん です。それとそれ以外の統合失調症を中心とした疾患群に関してのおよその数値を機能ごととい うよりも、そういう1つの分け方で推計していくことはできるのではないかと思ったんですけれ ども、先生のおっしゃるように、確かにうつ病はどれくらいで統合失調症が幾つで、そのほかの 依存症がどのくらいでというのは難しい話だと思います。 ○三上構成員 機能というのは、本来は精神科医療の場合には、人員配置と構造基準に基づくも ので、いわゆる患者特性によって、どれくらいの機能が得るかということで分けるものですから、 ここで言えば急性期、回復期、療養期は、病気によるものと疾患とあって、これをそれぞれ組み 合わせて、すべての患者特性と病気によってどれくらいがいるかというのではなくて、統合失調 症も認知症も同じ機能を持った病棟に入る場合が当然あるわけですから、どういうふうな形にす るかを全く検討していない段階で、確定する機能ごとということも決まっていないのに確定する ことはできないので、ここはどういう形で病床を決めていくのかを検討するという段階でなけれ ば、確定するとか削減目標をするという、まず最初に目標を決める話というのは、なかなか難し いのではないかと思います。 ○樋口座長 ここは先ほど門屋構成員が、必要な数を明確にしていくということを発言されてい ました。それは必ずしも断定的にあるところで、確定するということではない、もう少し幅を持 った言い方のように私は伺ったんですが、そういう表現でいかがなんでしょうか。その辺はこち らの方で少し検討して、文章の表現をさせていただくことにします。  小川構成員。 ○小川構成員 そこはそれでいいんですけれども、28ページの11行目のところに全体像につい て総合的に検討を行ってはどうかということがございますね。ですから、認知症が増えたからそ のまますべてを精神病床で受け持つのか。あるいはむしろ介護保険施設等できちんと処遇をする のか。その辺の議論も多分なされた上での話だと思いますので、26ページの14行目のところで すけれども、認知症患者の増加等の疾病構造の変化を踏まえた上で、更にそこのところに総合的 な検討を踏まえた上で、また病床数の検討があるんだと思いますけれども、そこを考えていただ ければと思います。 ○樋口座長 わかりました。それでは、一応それで決着をさせていただいたことにします。 ○門屋構成員 28ページの最後の(4)に○をもう一ついただいて、私はやはり遂行していく 上には財源の問題はどこかで議論すべきだと思います。財源のことついて検討できないのかなと 思っているわけです。  この財源ということがこの検討会では全く触れてはいけないのかどうかがわからなくて、そこ のところがそれぞれがそれぞれの立場で、非常にその部分が苦しいところなわけです。そこのと ころを○を一つ増やしていただいて、財源についても見当してどうなるのかという問題はあるに しろ、議論はさせていただきたいと思っておりました。 ○樋口座長 財源の問題、この点はいかがでしょうか。 ○福島精神・障害保健課長 その財源は新しい税収内にという趣旨であるとすると、多分この会 の検討できる範囲を超えておりまして、どれくらい質を上げるのにこれくらいのお金が必要にな るという議論であれば、それはできると思います。 ○門屋構成員 わざわざこの会に1兆8,863億と501億というデータを出されたわけですから、 それは私はそんなに違いがあるのかという認識を持ちましたし、501億円で260万人の地域にい る精神障害者と言われる人たちのいろいろなサービスを提供しているわけですね。勿論、御自分 でサービスの必要がない人もたくさんいるわけですから、そこのところの議論もやはりこれだけ は必要だというものはどこかで議論すべきだと思うんです。そこのところを是非希望したいとい うことのお話です。どこで財源を見つけるかとかいう問題は、私たちのところではないとは思い ますけれども、それを承知していただければと思います。 ○樋口座長 わかりました。 ○小川構成員 財源の話は17ページの10行目くらいに書いてありますね。それは問題ないので はないですか。 ○樋口座長 必要な財源を確保しつつというものですね。 ○小川構成員 確認なんですけれども、この審議のまとめ方なんですが、心理の職種の扱いだと か権利条約の問題とか、そこは残された課題という形で整理されていくという考え方でいいです か。 ○樋口座長 審議に関しては、どういう姿で表現できるかですね。横並びの心理職という並びが できるかどうかという議論がさっきありましたので、その辺りは少し整理する必要があるかと思 います。  では、ほんの1分しかありませんが、上ノ山構成員の残された課題。 ○上ノ山構成員 先ほどのことを一言答えていただけたらいいです。それから、24ページに鑑 定、診察のことがあるんですけれども、指定医は当然そういう鑑定業務あるいは措置診察に従事 するのは当然かと思うんですけれども、都道府県の精神科救急医療事業はこの前段にも書かれて いますように、各県によって非常にばらばらな状況でありますので、これに関しての参画を義務 づけるという形の表現をまずいのではないかと思いますので、19行目は「参画に関する義務を 設けること」を削って、参画等について検討するべきではないかというのでいいのではないかと 思います。  先ほどのデイケアのことに関して、またお答えください。 ○樋口座長 それでは、先ほどのデイケアのところをもう一度簡潔に質問事項だけ。 ○上ノ山構成員 簡単に言ってしまうと、機能強化分化というのと機能強化重点化の違い。そし て、その重点化の中には就労支援とかその他の訪問看護なども含まれているのかどうかというこ とです。 ○樋口座長 これは整理して統一的な表現にしていくべきですね。違いがあって表現しているわ けではないでしょう。重点化が全般にこちらに入っているんだけれども、特別な意味を持って書 かれているということではないですね。 ○福島精神・障害保健課長 確かに座長からの御指摘のとおりで、表現は統一したいと思います。 それをどう併給といいますか、訪問看護やデイケアの人にほかのものをどう加えるべきかという ことについては、そういうことが地域生活を伝える上で必要があればということをしていかなけ ればいけないということになりますが、そこはこれから先、どういうふうにするかという問題で、 勿論それを最終的には診療報酬所手当をできるかどうかについてではありますけれども、そうい う御議論はここの中でまた更に、実際の地域を支える医療という観点の御議論の中でしていただ ければと思います。 ○樋口座長 指定医のことに関しては、ここで指摘があったことを受けての話だと思うんです。 それを検討するであって、ここの表現はそれを決定しているわけではないんです。何々等につい ての検討をするというふうにここでは書かれているので、それはあってもいいのではないでしょ うか。 ○上ノ山構成員 難しいですよという話をしているだけで、同じ内容なんだけれども。 ○樋口座長 検討したときに先生は、これは非常に困難だという御意見をまた述べていただけれ ばいいんだろうと思います。よろしいでしょうか。 ○香山参考人 デイケアのところですが、私はこれしか参加できないかもしれないのでお願いし いんですが、デイケアの医療としての機能をしっかりと議論していただきたいと思っています。  そういう意味からすると、10ページのところの一般就労を通じた自立を促すなどという、こ の文言をここに入れるのは不自然な気がします。もっとデイケアの機能をしっかりと見ていくと いうところで言えば、本当に就労だけの機能を強化するようなイメージがあるので、ここはやは り抜いた方がいいのではないかという気がしています。 ○樋口座長 今の点はよろしいですか。ほかの方の御異議がなければ。  上ノ山構成員が異議があるそうです。 ○上ノ山構成員 私は当然そういう意味で書いていただいていると思っていますので、省く必要 はないんですが、意味をちゃんと明確にしていただきたいということを言っています。 ○広田構成員 若い人がデイケアに行って働いている人がいるんですよ。促すではなくて、支援 でいいのではないですか。本人の自己決定に基づいてサポートするわけだから。 ○門屋構成員 今のは論点整理の検討をするという中身だけですね。これから検討するわけです ね。ですから確定ではない。 ○樋口座長 これも同じことで、当然検討をする内容ということですね。 ○樋口座長 ありがとうございました。大変遅くなってしまいました。まだまだ不十分なところ もあったと思いますけれども、とにかく今日でその論点整理をまとめる課題でございました。40 分も延長してしまいましたが、皆様の御協力によりましてとりあえず、そして文章の修正等につ いては、この後また事務局の方とやり取りをさせていただいて、今日いただいたものを踏まえた 格好で文章化していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  事務局からどうぞ。 ○林課長補佐 次回以降の日程につきましては、改めて御案内を申し上げます。次回の第8回は 8月21日木曜日15〜17時30分。次回は有識者の方々からのヒアリングを予定いたしておりま す。  第9回は9月3日水曜日15時から、第10回は9月25日木曜日10時からを予定しております。  資料集につきましては、本日お持ち帰りいただくか、お荷物の関係上難しいという場合は郵送 いたしますので、机の上にお残しいただきますようお願いいたします。  事務局からは、以上でございます。 ○樋口座長 それでは、どうも長い間ありがとうございました。お疲れ様でした。終わります。 (了) 【照会先】  厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部  精神・障害保健課企画法令係  電話:03-5253-1111(内線3055、2297)