08/07/24 第8回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会議事録 第8回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会   開催日:平成20年7月24日(木) 場所:全国町村会館 ホール 照会先:医薬食品局審査管理課  医療機器審査管理室 担当:田中・田畑 電話:03-5253-1111(内2787) ○北村座長 それでは、午後の遅めからの会議でございますが、定刻となりまし たので、早いものでもう8回になりますが、「第8回医療ニーズの高い医療機器 等の早期導入に関する検討会」を始めさせていただきたいと思います。  本日は、大変暑い中ですが、たくさんの方々にお集まりいただきましてありが とうございます。  それでは、出席確認と配付資料の確認等を事務局よりお願いしたいと思います ので、よろしくお願いします。 ○事務局 まず始めに、7月11日付けにて人事異動がございまして、新たに高 井局長が出席いたしておりますので、一言御挨拶申し上げます。 ○高井局長 7月11日付けで医薬食品局長になりました高井でございます。よ ろしくお願いいたします。  本日は、御多忙の中、この検討会にお集まりいただきましてありがとうござい ます。一言御挨拶申し上げます。  この検討会につきましては、言うまでもありませんけれども、医療の場におい てニーズの高い医療機器を選定し、迅速に導入するために検討するということで、 18年10月に設置をしてお願いをしてまいったところでございます。これまで昨 年、第1弾として13品目、更に今年2月に4品目を選定いただいて、評価・検 討を進めていただいております。そのうち7品目は承認をいたしております。本 年度も、引き続き学会からの御要望に基づきまして、早期に導入すべき医療機器 の選定・評価を進めていただきたいと考えております。患者さんにとって有益な ものとなりますよう、どうぞ活発な御議論をお願いいたします。  簡単でございますけれども、挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいた します。 ○事務局 続きまして、医政局経済課長、研究開発振興課長、治験推進室長も7 月11日付けで人事異動がございましたので御紹介申し上げます。  医政局経済課長、木下賢志でございます。 ○医政局経済課長 木下でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 医政局研究開発振興課長の千村浩でございます。 ○医政局研究開発振興課長 千村でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 医政局治験推進室長、佐藤岳幸でございます。 ○医政局治験推進室長 佐藤でございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局 なお、本日、黒川審議官でございますが、所用がございまして途中で 退席させていただきますので、よろしくお願いします。  続きまして、委員の出欠について御報告いたします。本日は、田野委員、土屋 委員、中谷委員、平岡委員の4名の委員が御欠席でございます。  次に、本日の検討会に合わせまして、ワーキンググループの専門家といたしま して3名の先生方に御出席いただいております。御紹介させていただきます。  京都大学医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学准教授、池田昭夫様でござい ます。  東京大学医学部附属病院脳神経外科准教授,川合謙介様でございます。  埼玉医科大学泌尿器科学教室教授、出口修宏様でございます。  本日はよろしくお願いいたします。  続きまして、本日お席に御用意いたしました資料をもとに、配付資料の確認を させていただきます。  まず、議事次第、続きまして座席表。  資料1といたしまして、検討会の開催要領。  資料2といたしまして、検討会の委員名簿。  資料3といたしまして、検討会の進め方。  資料4といたしまして、ワーキンググループの設置について。  資料5といたしまして、医療ニーズの高い医療機器等に関する学会からの要望 書について(報告)でございます。  続きまして、資料6といたしまして、ワーキンググループ選定報告書。  資料6の別紙といたしまして、学会からの要望内容一覧でございます。  続きまして、資料7といたしまして、ワーキンググループ報告書(迷走神経刺 激装置)。  資料8といたしまして、ワーキンググループ報告書(尿失禁治療装置)。  資料9といたしまして、対象品目の現状。 続きまして、資料10といたしまして、検討会のスケジュールイメージ図でご ざいます。また、本日、参考資料といたしまして、迷走神経刺激装置の評価資 料、尿失禁治療装置の評価資料、学会からの要望書を机の上に御用意させてい ただきました。  また、前回の議事録に関しましても、先生方のお席の方にお配りさせていただ いております。  過不足等ございましたら、事務局までお知らせいただければ幸いでございます。 以上でございます。 ○北村座長 どうもありがとうございました。新しく御就任いただきました高井 局長はじめ、千村、木下両課長並びに佐藤室長、どうぞよろしくお願いいたしま す。それから、3人の参考人の先生方、ありがとうございます。よろしくお願い いたします。  それでは、議題1の選定ワーキング検討委員会の結果等についての話に入りま すが、その前に、まず事務局の方から、審議に関連して検討会委員の利害関係に 関する報告をお願いしたいと思います。 ○医療機器審査管理室長 それでは、御報告させていただきます。  検討会の委員は、検討品目に関しまして、「関与又は特別の利害関係を有する 場合は検討会の座長に申し出ることとし、関与等がある場合には、当該品目につ いては御発言いただくことができない。」ということで、第1回目の検討会で決 めていただいております。本日は、学会からの要望を踏まえまして、早期導入を 優先的に評価すべき品目を新たに選んでいただくという審議と、それから迷走神 経刺激装置、尿失禁の治療装置については、前回の検討会で第2弾の品目として 選んでいただきまして、それについて具体的な評価を本日いただくことにしてお りますので、これら関係の品目につきまして、各委員から確認をさせていただき ましたが、これら品目について関係企業との利害関係がないということを確認さ せていただいておりますので御報告いたします。 ○北村座長 ありがとうございました。本日の審議については、委員は利害関係 者なしということで進めさせていただきたいと思います。  それでは、学会からの要望状況について、引き続き事務局から御報告をお願い いたします。 ○事務局 続きまして、資料5に基づきまして、学会からの要望書について報告 させていただきます。  まず、概要についてでございますけれども、今回の御要望につきましては、平 成20年3月から4月末までに新たに関係学会から要望書を受け付けたところで ございます。  その概要については、2.を御覧いただけますでしょうか。受付総数としては 32学会、63件でございましたけれども、(2)のところにございますとおり、す でに国内で承認されているもの、また海外で承認されていないもの等を除いたも のを選定ワーキングにおいて検討しておりまして、その結果として23学会、42 件が対象となっております。対象となった医療機器等におきましては、要望学会、 海外での承認の有無、適応疾患の重篤性、医療上の有効性等により整理いたしま して、選定ワーキングにおいて御検討いただいて、結果、資料6として取りまと めさせていただいております。  以上でございます。 ○北村座長 ありがとうございました。それでは、引き続きまして、選定ワーキ ングの検討結果について、選定ワーキング委員会委員長の佐藤先生から御報告を お願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○佐藤委員 北里大学の佐藤でございます。6月18日に行なわれまし選定ワー キンググループの結果を御報告させていただきます。資料6及び資料6の別紙を 御覧いただきたいと思います。  今回、先ほど御説明がございましたように、検討対象となりましたのは、資料 6の別紙にございます42件、医療技術数にしまして36種類でございます。これ を、お手元の各学会からの要望書にございますデータに基づきまして、ワーキン ググループで検討させていただきました。検討につきましては、前回までの検討 と同じでございまして、適応疾患の重篤性及び医療上の有用性に基づきました観 点から、各区分を設定し、評価いたしました。これは資料6の1.(1)、(2) でございます。それぞれA、B、Cの3ランクに分けてございます。  その結果、適応疾患の重篤性をA、医療上の有用性をAと評価したものを優先 度1としまして、資料6の別紙ですとピンクのところに色づけられたものを優先 度1。また、適応疾患の重篤性がB、医療上の有用性をAとしたものを優先度2 とさせていただきました。これが黄色であらわしております。その後の水色の部 分ですが、これは医療上の有用性A or Bとして今回資料として提出させていた だきましたけれども、これは、ワーキンググループ内におきまして、AまたはB ということで、どちらかに分けることが難しいということでA or Bとさせてい ただきました。例えば、現行の治療法では適応がないけれども、新規の医療機器 では新たに適応が広がるというものについては、これは有用性がAなのではない かというような意見がございましたので、この部分につきましてはA or Bのま ま提出させていただきました。  ピンク、黄色、水色に分けましたけれども、この中で優先度1の中で、赤い中 でも1という数字が抜けているものがございますけれども、これはすでに審査が 終了したものでございますので抜けております。  次に、黄色い部分で抜けているものがございますけれども、これは審査中とい うことで、抜けております。水色の部分、これは7品目ございますけれども、そ のうちの1個だけが3となっておりますけれども、そのほかの6つにつきまして は、前回の検討会でB・Bとなったものでは、現在審査実施中または総合機構と 相談がすでに開始されているもの、すでに他の効果で承認を取得しているもの、 更に、欧米ともに承認が2年以内のものは除外するということがございましたの で、それに基づきまして、それぞれ除外した結果、1品目だけが残ったというこ とになっております。  以上、A・A、B・A、B、A or Bという3つのレベルの中で8品目を一応 ワーキンググループの案として、優先順位の高いものとして提出させていただき ました。そのほかの白抜きのままの部分につきましては、ワーキンググループに おいて、A・B、B・B、あるいはC・Bというようなものということで、今回 の検討項目からは除外したという結果でございます。  以上です。 ○北村座長 ありがとうございました。資料6の別紙が中心になると思いますが、 今説明をいただきましたが、 委員の中から御意見、あるいは御質問等をお受け したいと思います。いかがでございましょうか。  それでは、座長が言うのも何なのかもしれませんが、各学会からの申請を受け 付けたときに、このワーキンググループの判定基準は学会の優先順位とは必ずし も一致しておりませんね、A・AとA・Bという分け方になりますと。 ○佐藤委員 はい。 ○北村座長 例えば赤の項目にも、優先順位3番のものが赤に入ってきたり、1 が多いことは事実でございますが。一方、白いB・Bのクラスの中にも、学会と しては優先順位1がたくさん入っているのですけれども、この当たりの、もちろ ん選定委員会が選定するわけではございますけれども、学会の方の意図というも のを考慮しているのかどうか、そのあたりは何かありますか。 ○佐藤委員 今回、やはり前回までの評価基準、観点、つまり適応疾患の重篤性、 医療上の有用性というところをまず第一で判断させていただきました。その上で 優先順位も考慮してこの結果とさせていただいたわけですが。 ○北村座長 考慮していると。 ○佐藤委員 います。例えば、集中治療学会2、3が赤で、集中治療学会1にし ているのがB・Bでしょうか、2ぺージ目の8番ですが、銀コート成人用気管チ ューブでよろしいですか、事務局。 ○医療機器審査管理室長 集中治療学会の要望1番は、ヒトインターロイキン測 定用カートリッジとなっておりまして。 ○佐藤委員 これは抜けたんですね。 ○医療機器審査管理室長 ええ。たしか承認があったのではないかと思います。 ○佐藤委員 そういうことで、1位は事務局の方で、すでに承認されている、あ るいは海外で承認されていないということで抜けたものです。 ○医療機器審査管理室長 申しわけございません。国内での承認があるのではな くて、諸外国での承認もまだないということでございまして、そもそもの選定か ら外れております。  まず、学会からの選定順位は基本的には尊重されておりまして、学会から御要 望いただいたすべての中から、まず外国で承認が全くないものとか、また、もう すでに国内で承認があるものも今回も御要望の中にございまして、そういったそ もそも選定の対象にしないものをまず除いてしまいましたので、そこで落ちてい るものがございます。残ったものの中で、評価するときには、学会の要望の優先 順位を考慮して評価をしていただいたところでございます。 ○北村座長 室長から明言していただくと学会も納得すると思います。ありがと うございました。  ほかに、この選定過程において、あるいは選定品目について御意見をお伺いし たいと思いますが。この委員会では、今回申請のありました23学会から42件の 中で、昨年度もそうでしたけれども、医薬品医療機器の機構の方に早期導入とし て推薦するものを選んでいただくことになりますが、年間、政府の方でもいろい ろな人員の充実等は報告されておるところでありますけれども、昨年は12〜13 件を申請して、高井局長からの御挨拶もいただきましたように、7件がすでに承 認に至っているというので、数としては、今年もほぼ同数ぐらいを決定させてい ただくという方向でよろしいでしょうか。 ○審査管理課長 申しわけございません。先ほどの学会の要望の件に戻らせてい ただいて恐縮でございます。  資料6を御覧いただきたいと思います。資料6の「ワーキンググループ選定報 告書」を御覧いただくとおわかりのように、1番の「適応疾病の重篤性」と「医 療上の有用性」、この2つの区分からディスカッションを展開していただいてお ります。即ち学会の要望が1番、2番ということで、それがここに入る余地が純 粋な意味であるかということになりますと、ここの選定区分に学会要望というの がないわけでございますから、そういう意味で学会の要望が直接反映されている というのは説明としていかがなものかなというふうに考えられます。  一方におきまして、学会で要望される際に、当然のことながら、(2)でござ いますけれども、医療上の有用性というのを、それぞれの学会において検討いた だいているんだろう、それが学会の要望も順位に反映しているんだろうというふ うに推測されるわけでございます。そういう推測に立って見ると、この選定基準 でもって選ばれたものというのは、学会の優先順位も考慮に入れた、あるいは同 じ尺度で考えられるというふうな意味で、それも反映したものと言えるのではな かろうかというふうに考えている次第でございます。申しわけございません。 ○北村座長 わかりました。ただ、学会がそこまで考慮して出してきているか否 かは、学会から1位としているものの中に、例えばFDAもEUのどちらも承認 が明確でないというものが1位になってきていますよね。ですから、学会が1位 に上げてきても、そこまで調べているかどうかということは疑問もあるというこ とを踏まえて中垣課長から御意見を頂いたわけです。そして、選考委員会の方の 選考基準には、AかBかというのは一応学会のそれとは直接的には関係ないけれ ども、そこまで考えている学会については,当然、1位が高位になるのだろうと いうことでしょうか。 ○審査管理課長 1位がどう、2位がどうという意味ではなくて、学会において つけられた順位づけというのは、恐らくは医療上の有用性というのをやはり念頭 に置いて順位づけられているのだろう。そういう意味で、その順位づけというの は、結果的にこの選定基準で反映できるのではないかというふうに考えておりま すし、結果的にそうなっているのではないかと。 ○北村座長 内容的にはそうであるということでよろしいですね。 ○審査管理課長 はい。 ○北村座長 どなたか御意見ございませんか。この中で赤で番号がないのは、も うすでに承認されているんですか。申請中ですか。 ○佐藤委員 21−3については、審査終了ですね。 ○医療機器審査管理室長 吸入用の一酸化窒素の投与装置については申請をし ていただいておりまして、審査がほ終わりに近づいておりますので、今回は選定 をしておりません。 ○北村座長 それと、27−1についても審査中であると。 ○医療機器審査管理室長 はい。 ○北村座長 そうしますと、赤が3件、黄色が4件で、今のところ、上の方を見 ますと7件ばかりの申請があるわけですが、ここでこの7件を御承認いただけれ ばよろしいんでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 はい。それと、水色のところについては、医療上の有 用性についてA or Bとちょっとわかりにくい表現で恐縮ですけれども、Bより もAに近いということで選定委員会では御評価をいただきまして、BとAの間と いいますか、Aに近いBということで御評価をいただきましたので水色で示して おりますけれども、このうち、すでに審査に入っているものとか、具体的に申請 に向けての御相談を総合機構の方にいただいている品目、また、効能は違います けれども、すでに承認を受けている品目については除いた1品目、消化管用のス テントですけれども、それについては選定をしてもよろしいのかなというふうに ワーキングで御議論がございました。 ○北村座長 水色の一番上の1番、17−1、これらはすでに審査に入っていると いうことですね。 ○医療機器審査管理室長 審査に入っているか、または個別に相談をしていただ いているということでございます。 ○北村座長 だから、あえてこの委員会で早期導入を図らずとも、すでに進行し ておりますので、本来のやり方で進めていただくのがよかろうという考えであり ます。そうしますと、赤、黄、青を合わせて8件という形になりますが、この8 件を御承認していただくことはどうでしょうか。御意見ございませんか。  白いところの19−1の循環器学会からの1位になっていますエキシマレーザ カテーテルなどは、笠貫委員、これは別に必要になっていないと。ちょうど白い ぺージの真ん中あたりにありますね。日本循環器学会の1位ですけれども、いず れもFDAもCマークもあるけれども、B・B評価になっているのがありますね。 ○医療機器審査管理室長 参考には、それは虚血性治療に使われるエキシマレー ザということで、B・Bというふうに御評価をいただいておりますが、冠動脈の 治療用のいろいろなアプローチがある中で、既存のものよりも優れた部分はある かもしれませけれども、単に治療法がないということで、評価するのは難しいの ではないかということだったと思います。 ○北村座長 それから、もう1つは、そのちょっと上の16−1はどうなんですか。 生体吸収性フィルム、サージラップというのが日本外科学会から1位で出してき て、いずれもFDAもCマークも承認されている。確かに、これはA・Bという 判断からはなかなか難しい品物ではありますね。どうしてもB・Bになるのは当 然だと思いますけれども、これは普通のとおりの治験をやっていただくのが適切 なものであるのかもしれませんね。 ○千葉委員 この時点でこの話を出すのが適当かどうかわかりませんけれども、 病院でいろいろな医師がいろいろなものを使う場合に、確かに適応疾病の重篤性、 もう1つは医療上の有用性、これは一番優先される内容ではありますけれども、 ある疾患の頻度がどれぐらい高くて、 どれぐらいの患者さんが希望されるであ ろうかということも、実はその次に、次というか、場合によっては同じぐらい大 事な要素ではないかと思っておりまして、恐らく学会で優先順位が1位について いるものというのは、例えば冠動脈疾患とか何かというのは非常に数は多いわけ ですから、そういう意味で優先順位を学会が高くつけたのではないかと思うんで す。  ですから、これは、こういうやり方でするんだというふうに先ほど中垣様がお 話しになったので、それはそれで受け入れることは当然かと思いますけれども、 可能であれば、今のような疾患の頻度から見たもので優先順位をこの検討会で高 めるような検討も絶対ないのか。あるいは、少しはあってもいいのか。その辺の お考えも伺えればと思って先ほど聞いていたのですけれども。 ○審査管理課長 私が承知しておる限り、この選定基準というのは、第1回目の この検討会で先生方の中でディスカッションをして、もちろん事務局から提案さ せていただきましたが、その提案の内容を修正した上で一応決まったものという ふうに考えております。したがいまして、それを修正するというのもまた検討会 でのディスカッションでやるということだろうと思いますし、場面、場面に応じ て選定基準を変えていくというのは必要な作業ではないかと思っております。た だ、非常に難しいのは、我々はいつも思い悩むわけでございますけれども、患者 数が少ない場面もまた非常に重要なことでございますし、国としても、あるいは 医学界としても、それは同じ気持ちだろうと思いますので、そういった上で、先 生がおっしゃったような裨益効果みたいなものも若干あるんだろうと思います けれども、どういうふうにすればいいのかディスカッションを賜れればありがた いと思っている次第でございます。 ○笠貫委員 先ほどのエキシマレーザカテーテルですが、アメリカとヨーロッパ でそれぞれ2000年、2001年に認可されていて、バルーンによる拡張困難な慢性 完全閉塞病変に、これをB・Bという形にした場合に、それで日本の患者さんに とって不利益が生じないかどうかについては、ワーキンググループの方ではどう いうふうに御検討されたのでしょうか。エキシマレーザに代わる方法があるとい うことでBにされたのかどうか、その根拠をお話しいただけたらと思います。 ○佐藤委員 エキシマレーザは、当然、学会からの優先順位は1位ということで ございますので、これについてはワーキンググループ内で検討はいたしました。 個別の内容につきましては、私もちょっと不確かことを言うのは。事務局の方で。 ○医療機器審査管理室長 ワーキンググループに不整脈関係からも御専門の先 生に御出席いただいておりますが、既存の治療法がないということで問題がある という御議論は特段なかったかと思います。 ○笠貫委員 代替品としては、レーザを否定するだけの、根拠にはならないのか なと思います。B・Aになるのか、BとB・Aの間になるのでしょうか。B・B というのは余りに厳し過ぎるかなという感じがします。循環器学会として出した 申請書は、一応、代替品との比較において1位に持ってきたと思うんですが。 ○北村座長 この委員会は選定ワーキンググループの決定に基づいて動いてい るわけですけれども、この委員会から選定委員会に再考をお願いしたいというよ うなことは可能なんですか。例えば、もうすでに12個あって、とても判定委員 会の基準のものだけでいっぱいだということですが、もし今のような基準にのっ てFDAもCマークもすでに了承が下りていて、学会としても1位の申請がある ようなものについて、機構の方に回すにも数としての余裕も認められるような場 合には、この委員会から再び選定委員会に幾つか再考を検討してほしいというこ とは言える立場の委員会ですか。 ○医療機器審査管理室長 B・Bという評価が適切でないかもしれないというこ とであれば、検定委員会にもう一度御意見をお伺いしてみたいと思います。 ○北村座長 どうしても選定委員会の判断はAとBに基づいていますから、これ は間違いがないと思っていますが、ただ、今のような、患者の治療においての必 要性の頻度が極めて高いのを学会としては1位としている。しかも、基準として は満たしているけれども、企業がそれを治験としてやればよいのでしょうけれど も、なぜかやっておらないということで、その辺の兼ね合いは大変難しいものが あると私も思うんです。  例えば、比較的単純なもの、ピンとか、貼るパッチとか、こういったものは早 急に会社が治験をやればいいんだろうと思うんですけれども、これも早期導入さ せて持っていくというのは確かに難しさもあるという気がいたしますが、どうし てもという品目があれば、今、室長からお答えいただきましたように、選定ワー キンググループの方に幾つかは再考をお願いは可能であるということでござい ますが。 ○吉田座長代理 水色のところの説明で、FDAとEUの承認が片方しかないと いうのは1つの理由ですけれども、あり、ありは全部企業の方ですでにいろいろ 動いているということで出してもらいましたね。ただ、白のところの欄に関して はそういう説明は全然出ていないので、これがどういうふうな動きになっている かということを知らないと、もう一回差し戻して検討してもらっても、すでに企 業の方で動いているんですよとか、そういうことになりませんか。 ○北村座長 白の方については、その事情はわかるでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 学会が把握している情報も一部ありますが、あと、総 合機構の方で審査に入っているもの、または具体的な相談がきているものについ ては、私どもの方で把握をしております。今のエキシマレーザについては、学会 の御要望の情報としては、私どもはまだ具体的に申請をお聞きしておりませんが、 申請準備中というふうに学会からの要望書の中には記載されております。 ○吉田座長代理 申請準備中なんでしょう。だから、ここで挙げなくても、学会 は。 ○医療機器審査管理室長 学会の情報によれば、一応準備しているんだろうと。 ○北村座長 白は番号がついていないけれども、みんなそうであると考えたらい いんでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 今日、先生方のお机の上に「学会からの要望書」とい う束が、事前にもお送りさせていただいておりますが、それの109ぺージでござ いますが、19−1の品目について、国内での申請等の状況についても学会から情 報を寄せていただいておりますが、申請準備中と。 ○北村座長 後期提出予定となっていますね。 ○医療機器審査管理室長 はい。 ○北村座長 そうしたら、白は全部そうですか。 ○医療機器審査管理室長 全部ではないです。 ○北村座長 全部ではないけれども、ほとんど申請準備中が多いですね。販売承 認取得済というのまで。例えば、125ページの20番などはなぜ出てくるんですか。 製造販売承認取得済と書いてありますけれども。 ○医療機器審査管理室長 取得済ですので、今回の対象にはそもそもならないと いうことで、このリストからは、そもそもの選定ワーキングの対象からも外れて いるはずでございます。 ○北村座長 この20番は、この大きな紙には載っていないんですね。 ○医療機器審査管理室長 はい。 ○北村座長 学会もいいかげんですね。申請してくる学会も、その辺をよく調べ ているとは言いかねるところがあるわけですね。 ○医療機器審査管理室長 そうですね。一応選定の要望のお願いをするときに、 第1回目の検討会で決めていただきました、本日の資料3に選定の考え方という のをつけておりますが、決めていただきましたが、学会からの要望があって、我 が国と同等の審査制度のある国において承認されているもので、Cに、対象疾患 の重篤性と医療上の有用性から判断するんですよということで、これに該当する ようなものを挙げてくださいというふうにお願いしておりますが、諸外国での承 認がないもの、または、そもそもの本検討会の対象である欧米ですでに承認され て、我が国で承認になっていないものを早く導入しようという、我が国で承認に なっていないというところが、承認になっているものも、いわゆる保険への早期 シュウサイを要望する観点から要望が挙げられてきている品目も中にはござい まして、そういったものについては、まず選定ワーキングにお願いする前に、事 務局の方で整理をさせていただいております。 ○北村座長 ありがとうございました。御意見ございませんか。 ○千葉委員 ブルーの番号が1番目の抗菌剤コートの中心静脈用カテーテルな どというのは、これは中心静脈用カテーテルは全く日常的な医療であるし、学会 からの要望書の理由、国内での申請の状況からして、結果から言えば、申請検討 中ではあるけれども、いろいろな問題点に直面していて、治験実施のめどは立っ ていないと。これだけ頻繁に使われるカテーテルで、欧米ではすでに承認され、 学会からの要望が1番であり、国内での学会からの申請状況からすれば、治験実 施のめどは、いろいろなここに書いてあるとおりの事情で立っていないと。そう なりますと、これは非常に有用性はあると思われるけれども、厳密にすべてを適 応すれば、これは治験ができるめどがないわけですから、これは世の中に正式に 出回るには相当時間がかかるし、そのために、いろいろ大事な方のリスクも犠牲 になる。多くの方が犠牲になるというような話ではないかと私は思いますので、 これは恐らくワーキンググループではB or Aじゃなくて、たぶん相当Aに近い ものとしてお書きになったと思うのですけれども、こういったものは、やはり頻 度から言っても一番高いわけですから、御検討いただいていい品目ではないか。 これは例えばで、ほかにもあると思いますけれども、そう私は思います。 ○医療機器審査管理室長 本品については、 A or Bということで、Aに近い Bというか、Bよりは上の有用性があるということで御意見があったものでござ いまして、ただ、すでにこの種類のカテーテルについては、総合機構への具体的 な申請に向けての相談も始まっておりますので、前回、第2弾の対象品目を選ぶ ときの選定のルールとしては、そういったものについては優先度を一段低くとい うことで対応しましたので、それに従って、今回は優先度が1つ下がっていると いうことでございます。 ○吉田座長代理 申請状況のところを見ると、有用性をどうやって検証するかで もめているのであって、評価の方法は今、機構の方で審査中ですよね。そうする と、例えばここで取り上げるべきだと言っても、その先は結局同じになりますね。 だから、もうすでに審査でどうやって治験をやったらいいかと相談しているとき に、治験をやるべきだとこの委員会で言っても余り意味がないと思うんですけれ ども。 ○北村座長 そこは大変悩ましいところですね。 ○中垣審査管理課長 吉田委員のおっしゃるとおりだと思いますが、一方におい て、おっしゃられたのは数千例も必要な治験を要求する方が果たして適正なのか というようなお話なんだろうと推察したところでございまして、我々、個別会社 とのやりとりの状況を公の場でお話しするわけには、いろいろな知的な財産権で ございますとか、株価への影響でございますとか、いろいろなことがございます ので、これは何も我が国だけではなくて、FDAも同じ、あるいはヨーロッパも 同じでございますけれども、個別の品目の審査の状況、あるいは対面相談の状況 については、誠に申しわけありませんけれども、公にするのを控えさせていただ いているところでございます。  一方におきまして、おっしゃられた御趣旨というのは、私もそのとおりだろう と実は思っておりまして、そこは十分注意をしながらやって対面助言に応えてい きたいと考えております。ありがとうございました。 ○釘宮委員 資料ですけれども、16−1に生体吸収性フィルムというのがありま すけれども、こちらの資料では16になっていて全く違うものが入っているんで す。16−1が見当たらないんですけれども。学会からの要望書ということで。 ○医療機器審査管理室長 ちょっと確認いたします。 ○釘宮委員 お願いいたします。 ○事務局 失礼いたしました。資料のぺージ、後ろの方でございますけれども、 クリップをお外しいただきますと、ホッチキス留めをしている資料がございます。 それを2枚おめくりいただきますと、16−1というのがございます。申しわけご ざいません。 ○釘宮委員 どうもありがとうございました。 ○北村座長 それはよろしゅうございますか。 ○釘宮委員 はい。 ○北村座長 それでは、そろそろお考えをおまとめいただきたいと思いますが、 資料6の別紙にあります赤のA・Aの3品目、黄色のB・Aの4品目並びに青の BのA or Bの1品目、計8品目を機構の方に優先すべき医療機器として御推薦 いただくということでよろしいでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 今日お選びいただいた品目については、個別にまたや っていただける企業を公募いたしまして、提出された資料から早期導入の妥当性 について御評価をいただいて進めていくということで、機構にそのままいくとい うことではございません。 ○北村座長 こちらは、今度は医政局の方でやってもらう仕事もあるんですね。 企業を公募してもらわなければいけないですね。 ○医療機器審査管理室長 私どもの方で公募いたしまして、具体的に先に進めて いただけるかどうか。 ○北村座長 しかし、ここの委員会では、この品目を承認しておく必要があるん でしょう。 ○医療機器審査管理室長 はい。そういう検討を進めるべき優先度が高いという ことを踏まえてお進めいただければと思います。 ○北村座長 推薦するということですね。よろしいでしょうか。御了解いただけ ますか。               (「はい」と声あり) ○北村座長 それでは、この8件につきまして、当委員会としては推薦させてい ただくということでお願いしたいと思います。ありがとうございました。  それでは、次の議事でございますが、前年度追加選定しました早期導入の検討 対象医療機器の評価で、残っている部分に入りたいと思いますが、本日御検討賜 りたいのは2件でございます。1つは、てんかんに対する迷走神経刺激装置の報 告でございますが、これは専門家であられます池田参考人から御説明をお願いし たいと思いますので、池田先生、よろしくお願いします。 ○池田参考人 池田でございます。それでは、資料7の迷走神経刺激装置のワー キンググループ報告書に沿って御説明をさせていただきます。それと、参考資料 の黒のバインザーで綴じてありますものも一部使用させていただきます。  ワーキンググループの報告書としまして、医療機器は迷走神経刺激装置でござ いまして、対象疾患は、抗てんかん薬が無効の難治のてんかん患者さんの発作を 抑制するという治療法に用いる装置でございます。  この装置の概要でございますが、参考資料の3ぺージのところにカラーの写真 がございまして、人の絵が書いてあるものでございますけれども、ここの左の迷 走神経の部分にワイヤーを手術的に留置をいたします。それを、パルスジェネレ ータ、これは例えば心臓のペースメーカーとほとんど同じような装置でございま すけれども、それを前胸部に慢性に留置をいたしまして、パルスジェネレータの 期間、6年等、電源の寿命期間で入れ替えを行いますけれども、長期に左の迷走 神経を刺激する装置でございます。これにより、迷走神経を刺激することにより まして、延髄、視床、大脳皮質に逆行性に脳内の抑制系の活動を上げ、てんかん 発作を抑制するという機序でございます。  その実際の刺激としましては、次の4ぺージにありますが、30秒間、30ヘル ツの刺激を行なって、それを5分ごとに繰り返すという定常的な刺激になってお ります。それに加えまして、発作が出現する前の前兆がある、あるいは軽い発作 が出現した場合には、8ぺージ目のように、患者さん自身がマグネットの刺激の トリガーを前胸部のパルスジェネレータに当てまして、オンデマンド型で迷走神 経をまた刺激するというふうな2つのタイプの刺激様式になっております。  外国での承認状況でございますが、これは、報告書の1ぺージ目の中央にござ いますように、EUで94年、米国では97年にすでに承認されておりまして、米 国では12歳以上、EUでは特に年齢制限はなしということで、今まで諸外国に おきまして、63ヶ国以上で承認をされ、機械としては6万台がすでに使用されて いるという状況でございます。  対象医療機器の概要は、今御説明したとおりでございますが、2ぺージ目の対 象疾患に関しましては、難治のてんかん患者さんでございます。通常、てんかん の治療は、抗てんかん薬でございますが、抗てんかん薬で約2割から3割の患者 さんは発作を抑制することができません。発作を抑制することができない患者さ んで、てんかんを起こす焦点、地震の震源地に相当するようなところを手術で切 除できる場合は、てんかん手術を行います。日本では、現在年間 500例でござい ますが、諸外国の実績からいえば、年間 1,000例程度になるべきかというところ でございまして、てんかん手術ができない難治の方は、それと同数以上と推定さ れております。ですから、この迷走神経刺激装置での対象となり得る日本の患者 さんは、現状でも 1,000例以上を対象として、その中から適応を考える状態であ るということです。  医療上の有用性でございますが、2ぺージ目の中央以降でございますけれども、 今までFDAの認可前に、多施設のランダマイズドのダブルブラインドの試験が 2件されております。それぞれ 115例と 198例でございまして、13歳以上の難 治てんかんの患者さんを対象といたしております。その結果は、平均の発作の減 少率は約30〜25%。それに加えて、評価の方法として、50%以上の発作が減少し た人がどれだけいたかという評価方法もとりますけれども、その評価方法では、 全体の治験の中の30%の患者さんは50%以上の発作が減少したということでご ざいます。このダブルブラインドのスタディと、その前後のオープンスタディの 結果はほとんど同じでございまして、30%の平均減少率と、半分以上の発作が減 った方は30%という状況でございます。その後、これが短期の3ヶ月の試験の結 果だけではなくて、長期に関しましても同様の有効性で、1年、2年、3年、そ れぞれの継続率も95%、82%、69%と良好でございます。  安全性に関しましては、この報告書の3ぺージ目の上部に書いておりますけれ ども、重篤な安全性に関することは、一時的な埋め込み時におきます呼吸困難、 低酸素症、手術中の刺激試験による一過性の心停止とございますが、慢性におき ましては、重篤なものは報告されておりません。ただ、左の迷走神経を刺激する ということで、心臓への影響がどうかということは当初から問題になっているわ けですが、左の迷走神経刺激は解剖学的に内臓の求心性ということが言われてお りまして、心臓への影響はない。治験におきましても、ホルター心電図、それか ら通常の心電図、心機能の評価をされておりますけれども、それで異常は出てい ないということが報告されております。  もう1つ問題となりますのは、てんかんの患者さんにおきましては、1年間に 約 1,000例の中で3〜5名、突然死がございます。この突然死が迷走神経の慢性 刺激を行なうことによって増加するかどうかということも大きな問題でござい まして、それも治験におきましては十分評価をされております。3ぺージ目の上 部に書いておりますけれども、これに関しましては、コホート調査におきまして、 3,176患者×年の中で薬剤治療との有意差はないという報告が出ております。  本邦での治験も、1993年から34症例で行なわれております。結果に関しまし ては、日本はオープントライアルでございますが、諸外国の治験の結果と相違は ございません。死亡例が2例ございましたが、1例はてんかん発作後の窒息の突 然死、もう1例は虚血性心不全の死亡と報告されております。  諸外国におきます使用状況に関しましては、3ぺージ目、4ぺージ目に書いて おりますように、先ほど申しましたように、10年以上の実績があって、ほぼ6万 台が使われています。  その検討結果のまとめとしまして、4ぺージ目でございますが、有用性と早期 導入に関しましては、難治のてんかん患者さんのうち、焦点が決定できる方はて んかん手術が可能ですが、中には焦点が決定できない、あるいは脳内に非常に広 くてんかん発作を起こす場所がある場合には、てんかん手術という方法がござい ません。しかも、抗てんかん薬が効果がない場合には、迷走神経刺激というオプ ションが現時点で日本ではございませんので、諸外国で実績があるこの方法とい うのは1つの有用な選択肢であると考えられます。  また、対象患者の規定におきましては、先ほど申しましたように、これは左の 迷走神経にワイヤーを留置する手術が必要なこと、それから刺激によって発作は 減少しますが、根治的ではございませんので、患者の選定に関しましては、やは り一定の基準というものが必要になってくると思われます。 それに関しまして は、5ぺージ目の下の方に書いておりますけれども、一定の経験と技能が必要な こと、対象患者を適切に選択すること、 手術後の適切な評価と、抗てんかん薬 を併用する必要がございますので、その専門的な調整が必要となってまいります ので、外科的、内科的な適切な使用を担保するということで、関係学会での十分 な基準の下で行なう必要があるかと考えられます。  また、改めての治験の必要性の有無ということでございますが、先ほど申しま したように、日本ではオープントライアルでございますが、34例の治験がなされ ておりますので、それを現時点でもう一度再評価する、もしくは諸外国のデータ を含めて再評価の上で、改めて治験の必要性の有無ということを検討し、なるべ く早い時点での導入ということが診療の場では強く期待されているものでござ います。  以上でございます。 ○北村座長 ありがとうございました。事務局の方から何か追加することがござ いますか。 ○医療機器審査管理室長 いいえ、特にございません。 ○北村座長 それでは、御質問、御意見等をお受けしたいと思いますが。 ○吉田座長代理 難治性のてんかんでは、薬の方の特効薬の開発もなかなか難し くて大変な状況であるし、こういったいい成績が出て、しかも34例もやったに もかかわらず、申請とか承認という動きが出なかった理由は何かあるんですか。 ○池田参考人 これは一度申請はなされているということでございまして、それ は諸事情で最終的には、4ぺージ目の中ほどでございますが、1998年、薬事承認 取得のための申請がなされておりますが、2005年に申請が取り下げられたという 経緯がございます。その委細に関しましは、私ちょっと把握をいたしておりませ ん。 ○北村座長 川合参考人から御意見をどうぞ。 ○川合参考人 確かに申請がされていたのですが、結局、承認までに、当初は、 これは手続に関わった人たちからの伝聞ですけれども、手続上の問題などもあっ て、時間がちょっとかかったと。そのうちに、この装置の製造元の方でどんどん モデルチェンジなどがあって、あっと言う間に4〜5年たってしまったというこ とです。それで、その間に、結局93年から97年の治験のデータでは、少なくと も2000年ごろの基準には叶わなくなってきたということで、2003年、前に申請 をした企業は、もう見込みが立たないということで申請を取り下げたという事情 があるようです。 ○吉田座長代理 もう1つ質問ですけど、例えば治験をすると、日本光電が一応 受けるということになっているんですか、現在では。 ○川合参考人 そのように伺っております。 ○吉田座長代理 ということは、いつでも治験がスタートできる体制にあるとい う状況と理解してよろしいんでしょうか。 ○川合参考人 私の方で、治験がすぐにスタートするためにどういった体制が必 要なのかというのは正直詳しくは存じ上げないので、すぐに正しい返事ができる かどうかわからないですけれども、体制的にも可能なのかもしれないですが、こ れは推察ですけれども、恐らく製造元の企業と光電の間で実際の治験費用云々に ついての交渉をやられるということは当然発生してくるんじゃないかと考えま す。 ○医療機器審査管理室長 今日、ワーキングの方から御提出いただいた報告書に よりますと、まず、これらの既存の臨床データを評価することで早期に導入がで きないか検討するようということで、私どもとしては、新たにまずは治験という ことではなくて、既存のデータがどこまで活用ができるのか、まずは検討すると いうふうに理解しております。 ○吉田座長代理 ちょっとわからないんですけれども、この検討会では何をした らいいのかということが本当の質問なんです。 ○北村座長 早期導入をすべき器具として承認するかどうか。 ○吉田座長代理 既存のデータについては、いいか悪いかを私たちに判断しろと いうことですか。 ○医療機器審査管理室長 そこは、御提出もしておりませんので、その中身を、 できるだけ既存のデータを活用して、早期に導入すべきだということをお決めい ただければよろしいのかなというふうに思っておりますけれども。 ○北村座長 これはおもしろい医療機器だと思いますけれども、ニューロモジュ レーションの1つでしょうね。適応も非常に限られるのかもしれないし、希少疾 病に対する器具というふうな理解になるんでしょうか。 ○川合参考人 そうですね。ただ、てんかんというのは実際には希少疾患と言っ ていいかどうか。罹患率自体は逆に高いです。 ○北村座長 てんかんそのものはね。 ○川合参考人 高いです。その中の難治例というのが、先ほどもお話しがあった ように、大体2割から3割、もう少し高い数字だと4割というところまでいく報 告もありますので、必ずしも希少疾患というふうには言えないんじゃないかとい うふうに考えております。 ○北村座長 これは、てんかん発作か何かを受動したら自動的に発進するんです か。それとも、スイッチはどういう形で入るんですか。 ○池田参考人 これは、もともと定常的に刺激状態がございます。30秒間の刺激 というのを5分ごとに反復するという定常刺激をしていまして、その状態で、恐 らくスタティックに脳内の抑制系を高めていく。それに更に発作が起こる場合に、 患者さん自体、発作の前兆ということがわかる方がいらっしゃいますので、その 場合には、マグネットのパルスジェネレータで一時的な刺激を更に付加するとい う形になります。実際に脳内で発作自体が起き始めたのを、慢性に留置した脳内 電極が察知して電気刺激を開始するといった、自動的なオンデマンド型の心臓の ペースメーカーみたいなものもアメリカで実用開発されて、今、治験がなされて いるところでございます。 ○北村座長 迷走神経じゃなくて、病巣そのものに電極を入れる、例えばパーキ ンソンのような形の電極というものはないんですか。 ○池田参考人 それは今、アメリカで実際に治験がなされております。 ○北村座長 そういうのも始まっているわけですか。 ○池田参考人 はい。実際に発作の最中の脳波を自動検出して、刺激をオンデマ ンドで与えるというのは治験がなされております。 ○北村座長 ニューロモジュレーションというのは、今世紀には爆発的な市場を 獲得するのではないかと言われている新しい医療機器ですね、心臓のペースメー カーからの延長線上にある、脳も電気で動いていますから、脳神経、脳波という ものがあるわけで、それを制御するおもしろい機械ですが、米国等々では十分な スタディも行なわれてきていまして、その結果、役に立つ、有用であると。そう いうデータをもとにして、もちろんFDAも承認している中で、担当している脳 外科医は、この導入の必要性を強く感じておられるところですか。 ○川合参考人 池田先生は神経内科でいらっしゃいますが、私、脳てんかんを専 門にしている脳外科医としては、もちろん先ほどお話がありましたように、開頭 手術の適応の方は、もちろん開頭手術の方が根治性が高いですからそちらを勧め ますが、どうしても開頭手術に乗ってこないという方も同数以上いらっしゃって、 実を言うと、実際に私、大学の倫理委員会を通して、 要望が高いので個人輸入 でこれを行なっていますが、やはり問い合わせ、希望というのは、3年前から始 めていますが、恒常的にあります。 ○北村座長 どなたか御質問をどうぞ。 ○千葉委員 既存のデータがありながら、いろいろな事情でバージョンが変わる とか、提示上で申請が一旦止まっているというお話でしたけれども、バージョン が変わったことによって、機械そのものが大きく変わったわけではないわけです ね。 ○川合参考人 そのように聞いております。実際に輸入して使って、最初の治験 のときにも、私、その後のフォローアップの患者さんに関わっていましたけれど も、その機械と、ここ数年間、私が個人輸入でやっていたのはたしかその2世代 後の機械ですけれども、実際の効果とか、危険性、そういったものに変化は全く ないです。ただ、大きさがだんだん小さくなっています。美容的に目立たないと いうことです。 ○千葉委員 そうすると、既存のデータを使うことには何の問題もないと考えて いらっしゃいますか。 ○川合参考人 そのように考えております。 ○千葉委員 わかりました。 ○北村座長 ちょっとお伺いしますが、子どもにも役に立つんですか。小児用と か何かは。 ○池田参考人 小児としまして、スタディ自体、オープンスタディしかございま せんけれども、小児の難治てんかんにおきましては、先ほどと同じような、大人 に匹敵するようなデータがございます。小児に関しまして、今非常に注目されて おります。その理由は、小児の難治てんかんの場合にはどうしても発達を妨げて しまう。発達を少しでも妨げるには発作を抑制する。このような二次的なことを 含めて、小児の場合には迷走神経刺激が注目されています。それから、小児の難 治てんかんに対して、脳梁離段術という手術方法がございますが、これは少なか らず、いろいろな副次的なマイナス面と手術の侵襲度が非常に大きくございます。 そういう点を含めますと、効果と低侵襲性という点でも、迷走神経刺激療法が諸 外国で今非常に注目されているところでございます。 ○北村座長 ほかに特に御意見ございませんか。  この機械の安全性については、米国、ヨーロッパ等のさまざまな治験を通して 大きな問題はないと。それから、両参考人からも、特に小児等においては脳の発 育遅延を阻止するためにも必要な器具で早期導入をしてほしいと。しかも、現在 では個人輸入で専門の先生が大変苦労しているという現状にある機械だそうで ございますので、いかがでしょうか。これらの米国等々のランダムスタディも行 なわれた資料をもって、早期導入という形で医薬品医療機器総合機構に相談して いくという形で御了解いただけますか。よろしゅうございますか。              (「はい」と声あり) ○北村座長 ありがとございました。それでは、てんかんに対する迷走神経刺激 装置については、早期導入を行なうことが適切であるということ。それから、既 存のデータ等を活用して、具体的には個別に医薬品医療機器総合機構と相談して いくなどについて、進捗状態につきましては、また適宜本会におきまして事務局 から御報告をいただくという形にさせていただきたいと思います。  それでは、次のもう1つの検討課題、尿失禁治療装置の検討に移りたいと思い ます。専門家であられます出口参考人から御説明をいただきたいと思います。よ ろしくお願いいたします。 ○出口参考人 座ったままで失礼させていただきます。Neo Control、尿失禁治 療機器でございます。資料8のワーキンググループの報告書を御覧になると同時 に、 Neo Controlの評価検討会資料をお手元で開いていただきたいと思っており ます。  磁場でもって電流を起こして、陰部神経を刺激して、加齢や出産などによって 脆弱化した尿道括約筋およびその周囲の骨盤底筋群を強化して、尿失禁の治療を 行なうというものでございます。1つの特徴的なものは、これは衣服を着用した ままできるというところが特徴でございまして、骨盤底筋群の受動的運動が可能 であるという機械でございます。  米国、欧州でも、それぞれ女性の尿失禁とか、男性でも一部欧州ではやってお ります。  対象機器のイメージでございますけれども、検討会議資料の6ぺージを見てい ただければおかわりになるかと思うのですが、座ったままで磁場が出まして、電 気的刺激で神経を刺激し、その増強を図るということでございます。その次の7 ぺージもちょっと御覧になっていただければいいのですが、5秒間隔での刺激で もって、こういった筋肉トレーニングを行なうということでございます。  対象疾患としては、40歳以上の方で22.4%ぐらい、 数百万人の患者さんがい るということで、不確定尿失禁というのが問題になってございます。出産あるい は肥満ということが1つ大きな原因になっているようでございますけれども、重 症の場合は手術療法が通常選択されております。軽症あるいは中等度ぐらいです と、骨盤底筋体操の指導ということで、これは尿道付近に、御自分で膣あるいは 肛門を締める運動をやっていただくということをやっております。あとは、電気 刺激一部承認されております。それから、軽症の場合は抗コリン剤を中心とした 薬物療法というのがございます。もともと尿失禁というのは非常に恥ずかしいと いう感じがありまして、なかなか顕在化しませんで、潜在的な患者はかなり多く なっているということでございますので、その方たちの治療に1つの武器として この機械の存在異議があるんじゃないかと思います。  実際にその有用性については、海外での治験、あるいは国内では、治験ではな くて、1つの地域施設の報告でございますけれども、有用性のところにも書いて ございますが、国内報告では25%が治癒して、60%が改善、腹圧性の場合でも5 2%が治癒、41%が改善というような治癒・改善が見られているということで、 座ったままできるという便利な治療機器でございますけれども、非常に有用では ないかと。  いろいろな国で承認されていることと、我が国でもこれは磁場刺激装置では開 発されていません。ただ、骨盤底筋体操とか、薬物療法、あるいは手術療法、こ ういったものと比較検討したような論文は見当たりませんで、この辺のところは 海外臨床試験結果のデータを調査いたしまして、女性の失禁を適応として認める ことが可能であろうというふうに考えております。  ただ一方で、軽い副作用的なものがあるのではないかということでございまし て、例えば安静時の緊張が筋電図上ではあるというような興奮状態にあるという ようなことが言われてございますけれども、臨床上どのぐらい問題となるかとい うことが検討されておりますので、注意をする程度のものでよろしいんじゃない かということで考えております。  そういったことを踏まえますと、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、 この機械の導入というものが尿失禁で悩んでいらっしゃる方への福音になるの ではないかということを考えまして、御検討いただきたいというふうに思います。 どうぞよろしくお願いいたします。 ○北村座長 ありがとうございました。事務局から補足がございますか。 ○医療機器審査管理室長 特に追加はございません。 ○北村座長 それでは、この器具は椅子みたいな器具で、椅子の中にこういった 機械が入っていて、電磁波を流して、お尻のピップエレキバンみたいな気がする のですけれども、これは何が効くメカニズムとか、 どのような効果とか、明確 になっているものはあるんですか。 ○出口参考人 いわゆる電気刺激に代わって、それが陰部を刺激するということ になろうかと思うんです。先ほどのニューロの話じゃないんですけれども、そう いったことが繰り返し行なわれることが1つの大きな特徴かと。 ○北村座長 座るだけで括約筋に電流が流れるんですか。 ○出口参考人 ええ。磁場が電気刺激を与えます。実際に私、手元で研究しまし たら、お尻の穴がムズムズするような感じでございました。確かに、いろいろあ りますけれども、受けること自体にはそれほど抵抗はございませんでした。 ○北村座長 ただ、非常に侵襲性がない機械ですよね。 ○出口参考人 はい。 ○北村座長 成果ももうひとつわかりにくいところがあるけれども、副作用もな いわけですね。 ○出口参考人 そのとおりでございます。 ○北村座長 これは、ワーキンググループで評価したらどうなるんですか。 ○佐藤委員 これはすでに評価して、前回でB・Bと。 ○医療機器審査管理室長 前回、B・Bの中から追加で選ばれたものでございま して。 ○北村座長 なぜB・Bを例外的に推薦する必要があるの。 ○医療機器審査管理室長 一番初めに13品目選んでいただいたのは、A・Aと B・Aのものを選んでいただきまして、残ったものの中から、B・Bの中でまだ 申請されていないとか、申請の予定がないというものについては、その中からも う一度選ぼうということで、前回4品目選んでいただいたものの中の1つでござ います。したがって、B・Bでございますので、直ちにこれが優先審査になると いうことでもございませんし、今日の御報告によりますと、有用性を否定するよ うな論文も最近、2006年に出ているということでございますので、その中身も評 価をする必要があるのかなと思っておりますので、御報告の中にいただきました ように、個別に相談をさせていただければ、先に進めるものは先に進んでいける のかなと思っております。 ○北村座長 御意見ございますか。これは、この器具がもし承認された場合は、 クラス分けはどこに入るんですか。 ○医療機器審査管理室長 恐らくクラス2ではないかと思いますが。 ○北村座長 そうしたら、日常のレベルでいいわけですよね。 ○医療機器審査管理室長 第三者認証の対象品目になるには認証基準をつくる 必要がありますので、今回のこれについては、効果自体について審査をして、こ れからも、つくれるものであれば基準をつくっていくことになるのかと思います。 ○北村座長 基準をつくるという操作は非常に難しいんですか。医薬局としても、 手間のかかる、やりにくい仕事ですか。 ○医療機器審査管理室長 そうわけでもありませんけれども、例えば申請品目数 の多いものから順次つくっていっておりますので、これについては、この承認が できた暁に考えなければいけないのかなと思います。いずれにしても、まだクラ スも、それから、恐らく一般的名称もないのではないかと思いますので、それを 設定して、どういう規制レベルでやっていけばいいのか、評価の結果も踏まえて 決めていくことになると思います。 ○北村座長 皆さんの御意見次第ですけれども。 ○四宮委員 これは、頭の脳を刺激する磁場の装置とほとんど同じような機序で すよね。 ○池田参考人 磁場ということになりますと、同じようなことになってくると思 います。 ○四宮委員 そうですよね。安全性は脳でもかなり認められていると思うので、 それは問題ないと思うのですが、これは医院とか病院とかに置くものなんですか。 それとも、患者さんが自分で買うものなんですか。値段などが絡んでいるかどう か。 ○出口参考人 値段的にはかなり高いものになるんじゃないかというふうに聞 いておりますけれども、家庭ではとても使えないと思います。そうなってくると、 クリニックとか、医院とか、そういったようなところが主体になってくるような 機械だという気がいたします。 ○北村座長 病院に置く器具としては、私もついでに詳しく教えてほしいんです が、第三者承認を受ける場合には、医薬品医療機器総合機構への相談は要らなく なるんですか。 ○医療機器審査管理室長 基準が設定されて、第三者認証の対象になれば。 ○北村座長 その基準を作成するのは医薬食品局ですか。 ○医療機器審査管理室長 はい、そうです。 ○北村座長 室長のところですね。 ○医療機器審査管理室長 はい、そうです。総合機構の協力を得て。 ○北村座長 この機械について、それをつくることについて何らかの難しさを感 じておられるんですか。 ○医療機器審査管理室長 まだ評価もしておりませんので、評価の結果を受けて、 基準がつくれるのであれば。 ○北村座長 第三者承認でもいけないんですか。 ○審査管理課長 第三者認証というのは、クラス2の製品を対象にしております。 ただ、クラス2の製品であって、まず承認をする、即ち有効性、安全性について 一定の評価ができるということで承認をする。その承認事例が積み重なって基準 化するということであって、クラス2の製品から一足飛びにその有効性、安全性 の評価をして基準をつくるというのは、ちょっと手順として考えていないところ でございまして、そういう意味で申し上げますと、一回承認できるかどうかとい うことが最初の関門としてあって、承認すると。その承認事例を積み重ねて基準 化していくというのが通常の問題でございます。したがいまして、このタイプの ものにつきましては、今まで承認事例がないわけでございますから、だからこそ ここで議論していただいているんだろうと思いますけれども、承認に向かって作 業を進めろというのがこの検討会の御意思であるとすれば、そういった作業を企 業と共同してやっていきながら承認をする。その承認の後に基準化するという作 業が出てくるということでございます。 ○北村座長 その承認は総合機構に判断していただくということでよろしいん ですね。 ○審査管理課長 最初の審査は総合機構で行なうということです。 ○北村座長 ニュースや新聞でも、人材の増強を政府でもやっていると出ていま したけれども、大変仕事が増えてくると思いますけれども。  いかがですか。ほかに御意見は。 ○千葉委員 これは尿失禁を中心にされておられますけれども、便に関しては、 同じ骨盤底筋群で作用を受けますね。そういった方面への応用については、全く 報告も、あるいは期待もないんですか。 ○出口参考人 便に関しては、一部にありました。もう改善しているというのが ちらっとどこかにありましたけれども、私は一生懸命、尿失禁の方を見ていたも のですからちょっと外れましたけれども、後で報告できるんじゃないかと思いま す。 ○千葉委員 もう1つは、これは大人の方が中心ですけれども、子どもでも、い ろいろなことで失禁とか何かがたくさん実際には陰に隠れてございますね。そう いった報告、あるいは検討事例というのはこれまでなかったんでしょうか。 ○出口参考人 子どもの場合ははっきりしませんけれども、男性の場合は、前立 腺の手術の後の尿失禁に関しての尿道括約筋の増強が  になったとか、そうい うのはやっています。そういった報告がございます。 ○北村座長 ほかに御意見がなければ、出口先生からお話しいただきましたよう に、非常に安全性も高くて、有効性のケースがある反面、疑問というか、画一性 に乏しいといいましょうか、そういう点もある医療機器である。それから、侵襲 性も少ないし、安全度も高いという観点ですけれども、まず承認ということにな い限り、クラス分けして振り分けするのも医薬食品局としてできないということ でございますので、大変仕事が増えて申しわけありませんけれども、企業が個別 に医薬品医療機器総合機構で御相談いただきまして、今までの既存のデータで承 認できる機器なのか。更に、もう少し追加すべきものがあるのかどうかというこ とを個別に御相談していただいて、できる範囲で承認していただいて、それから 基準をつくって、第三者にするのかどうするのかを御検討いただきたい。いずれ にしましても、この委員会におきましては、企業が総合機構の方に原資料をお持 ちいただいて御相談いただき、更に必要とするかどうかの御判断を仰いでいただ くようにしたいというふうに考えますけれども、それでよろしいでしょうか。事 務局、それでよろしいですか。 ○医療機器審査管理室長 ありがとうございます。 ○吉田座長代理 新しい枠組みづくりでもあるし、いいんじゃないですか。 ○北村座長 機構の方の専門家等が判断して、どういう形で最終的になるのか、 我々にとっても大変興味がありますし、クラスが何になり、第三者認証で機構の 方でよろしいということになるのかどうかも含めて、またお教え願えればと思い ます。  それでは、事務局からの報告事項をお願いしたいと思います。 ○医療機器審査管理室長 それでは、事務局からの報告ですが、資料9の、昨年 選んでいただきまして評価を終えました13品目ですけれども、いつもの一覧表 になっておりまして、すでに承認になりましたものを水色で御報告させていただ いております。その他のものについても、審査中または治験の実施中ということ で進んでおります。  それから、資料10でございますが、今後のスケジュールのイメージですけれ ども、本日第8回の検討会でございまして、3月に4品目追加で選んでいただき ましたB・Bの品目の評価があと2品目残っておりますので、それをもう一度や らせていただきたいと思います。その間に、本日選んでいただきました8品目に ついての導入を協力いただける企業の公募をいたしまして、個別の評価の作業に 入っていきたいと思います。  以上でございます。 ○北村座長 ありがとうございました。何か御質問、御意見がございましたらお 受けしたいと思いますが。  今、資料10の今後の方も御説明いただいたんですね。 ○医療機器審査管理室長 はい。今後の方も今御説明申し上げましたが、本日は、 ちょうど真ん中のところですけれども、第8回検討会で、3月に追加で4品目選 んでいただきましたうちの2品目の御評価と、それから第2次の品目の選定を終 えましたので、次は、残っております3月に追加御選定いただきました4品目の うちの残り2品目の評価をいただく会を次にはやりたいと思います。その間、今 日選んでいただきました8品目についての企業の公募をさせていただきたいと 思いますので、その資料がまた出てきたら、順次品目の評価を進めていきたいと 考えております。 ○北村座長 ありがとうございます。今御説明いただいた室長からの御報告、御 説明に、御意見、御質問がございましたらよろしくお願いします。  資料9で承認になったものも、一部もうすでに保険収載もされたもののありま すよね。これもスピードが非常に速くなっていると考えていいんですか。薬事承 認の後の保険適応に持っていく。これは保険局の仕事かもしれませんけれども、 何か速いような気もしますが。 ○医療機器審査管理室長 データとしては持っておりませんが、ニーズの高い領 域ということで、ここで選定されたものについては、審査を進めながらも、関係 企業と経済課において保険の収載に向けてのかなり前倒しでの議論に御協力を いただいてきているというふうに認識しております。データとして持っておりま せんけれども。 ○北村座長 頸動脈ステントは保険を通りましたよね。 ○医療機器審査管理室長 はい。既に収載になっております。 ○北村座長 なりましたね。それが19年9月ですから。こういうふうに、この 委員会は保険局にも効いているかどうか知りませんが、多くの必要とする医者と 患者さんのために役立っているということを信じたいと思いますが、ほかに御意 見等ございませんでしたら、今回はこれをもって終了させていただきたいと思い ます。  大変暑い中、活発な御議論をいただきましてありがとうございました。  では、事務局から最後に連絡事項がありましたらお願いします。 ○事務局 長時間、御審議ありがとうございました。次回の日程でございますが、 先ほども御説明がございましたように、次は第9回を予定しております。 開催 日でございますが、8月の下旬または9月の上旬を考えておりまして、事務局よ り各委員の先生方に関しまして日程調整の御連絡をさせていただきます。その後、 日程等が確定いたしましてから先生方に御連絡を申し上げますので、よろしくお 願いいたします。  また、本日の議事録でございますが、作成次第、各先生方に御確認いただきま して、ホームぺージ上で公開することを予定しておりますので、よろしくお願い いたします。  以上でございます。 ○北村座長 それでは、本日の3人の参考人の先生方、ありがとうございました。 それから、高井局長さん、お忙しい中、最後までお付き合いいただきましてあり がとうございました。千村課長もありがとうございました。  それでは、終了させていただきたいと思います。