08/06/27 第8回今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会議事録 第8回労働者派遣制度の在り方に関する研究会 1 日時 平成20年6月27日(金)14:00〜 2 場所 厚生労働省職業安定局第1会議室 3 出席者     委員 有田委員、鎌田委員、橋本委員、山川委員   事務局 太田職業安定局長、大槻職業安定局次長、       鈴木需給調整事業課長、田中派遣・請負労働企画官、       牛島需給調整事業課長補佐、松原需給調整事業課長補佐、       竹野需給調整事業課長補佐、飯郷需給調整事業課需給調整係長 4 議題  需給調整機能の強化について ○鎌田座長   ただいまから、第8回今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会を開催いたしま す。なお本日は、阿部委員が欠席されています。  前回は、「均等・均衡処遇の考え方、派遣元・派遣先の役割分担の在り方」について ご議論いただきました。本日は、「需給調整機能の強化」ということで、事前面接、紹 介予定派遣、専ら派遣についてご議論いただきます。  それでは事務局から説明をお願いいたします。 ○竹野補佐   本日資料が5点ございます。順に説明をさせていただきます。  資料1、需給調整機能の強化についてということで、本日の論点をお付けしておりま す。読み上げさせていただきます。  1、いわゆる事前面接については、派遣先と派遣労働者のミスマッチの解消が期待で きることから解禁すべきとの意見がある一方、派遣労働者の就業機会が不当に狭められ るため、解禁すべきでないとの指摘があるが、どのように考えるか。  2、紹介予定派遣は、どのような機能を果たしているか。また、トラブルを減らすと ともに、派遣労働者の雇用の安定やキャリアアップ等の観点からより有効に活用するた めの方策について、どのような対応が考えられるか。さらに、紹介予定派遣の派遣可能 期間の上限を延長すべきとの意見があるが、どのようなメリット・デメリットが考えら れるか。  3、専ら派遣について、規制強化すべきとの意見がある。とりわけ、グループ内派遣に ついては、コスト削減のためにやっているのではないかとの指摘があるが、専ら派遣と グループ内派遣ではどのような違いがあるか。また、これによる弊害を防止するため、 どのような対応が考えられるか。以上です。  続きまして資料2、論点に係る公労使意見及びヒアリングの発言ということでお付けを しております。  まず資料の1頁目、いわゆる事前面接についてですが、労働者代表の意見といたしま して、派遣労働者が派遣先の業務内容や社風について知るために、自分の意思で派遣先 の訪問等を行うことも可能であるということで、事前面接を解禁する必要はないのでは ないか。実際に面接で年齢や容姿等で選別されたという声も聞いている。4点目ですが、 派遣会社からの圧力で行かざるを得ないケースもあるといったことで、解禁には反対で あるといったようなご意見です。  使用者代表の意見といたしましては、派遣先とのミスマッチから生じる中途解約等の トラブルを事前に回避する観点からも、是非事前面接を解禁すべきである。3点目ですが、 派遣先が派遣労働者の採否を決めるのはおかしな話という認識はあるということで、事 前面接は解禁すべきではありますが、派遣先が決定をするということはどうかというご 意見でした。  それからヒアリング時の発言ですが、まず派遣協会のほうから発言があったものです が、現行の規制はもう少し緩和してもいいのではないか。あくまでも派遣元が雇用主で あって、その仕事に見合う方を責任を持ってアサインするということは変わらないが、 このマッチングであるとか、そういったものの精度を上げていくために、スタッフにつ いて派遣先の意見や意向をよく聞いた上で、最終的に派遣元が決定をするということが 必要なのではないかというようなご意見でした。  それから派遣ユニオンのほうからのご意見ですが、事前面接については、今でも相当 行われているのが実態。派遣先・派遣元の力関係の中で、派遣先が圧倒的な決定権を持 って派遣労働者の選定を行っている状況にある。年齢や容貌、そういったものの差別の 温床になっているというようなご意見でした。  それからJSGUのほうからのご発言としては、登録型でまだ雇用関係を結んでいない人 を事前面接に連れて行くというのは、派遣先が採用であるとか、そういった大事なとこ ろを自ら放棄するようなことになるのではないかというご意見でございます。 特定型、あるいは常用型の人で派遣会社と雇用関係がある人たちについては、多少は認 めてもいいのではないかというようなご意見でした。  資料3頁目、紹介予定派遣についてですが、まず、労働者代表の意見といたしまして、 直接雇用後の雇用形態や処遇等についてトラブルがあると聞いている。直接雇用後の雇 用形態は期間の定めのない雇用で、派遣就労時の労働条件を下回らないことが原則では ないか。それから労働条件明示の時期を明確化し、試用期間を設けることは禁止すべき。 それから派遣可能期間の延長はすべきではないというご意見でした。  使用者代表のほうからですが、2点目ですが、派遣期間を一律に規定することは合理 性がない、労働者の能力・適性の見極めのため、業務の実態に合わせて設定すべき。 少なくとも一般的な業務サイクルである1年以上に延長するべきといったようなご意見 がございました。  それから資料の4頁目、専ら派遣についてです。これは労働政策審議会の労働力需給 制度部会のほうでは、特段それほど議論になっていた項目ではありませんが、昨今、い ろいろと指摘がありまして、JSGUのほうから研究会のヒアリングの場でご発言がござい ました。これにつきましては、専ら派遣に対する取締りの強化をやっていく必要がある のではないか。いわゆる社員をリストラするときに、別会社で派遣を作って移籍をさせ るといったような形態でありますとか、グループ内に派遣会社を持っている場合には、 そこで採用した人をグループの親会社に派遣をするということが行われているというこ とで、こういったものは派遣のメリットを活かすものではなくて、コスト削減のためだ けにやっているのではないかといったようなご指摘がありました。 資料2については以上です。  続いて資料3に移ります。これは紹介予定派遣の関係でございますが、これは本研究 会でヒアリングを行った際に、特段紹介予定派遣を実施した企業や労働者に特化して行 っておりませんでしたが、昨年、平成19年5月29日に開催されました労働政策審議会の 労働力需給制度部会のほうにおきまして、紹介予定派遣を行う2つの企業、それから3名 の派遣労働者の方から非公開でヒアリングを行っております。その際の議事要旨をお付 けをしております。  まず1頁目、その紹介予定派遣を行う企業からの意見でございますが、A社とB社ござい まして、それぞれ、各事業主の基本的な状況についてというところの3点目のところを ご覧いただければと思うのですが、紹介予定派遣期間はA社については2〜4ヶ月が約6割、 4〜6ヶ月が約2割、1〜2ヶ月が約2割ということになっております。B社のほうにつきまし ては、紹介予定の派遣期間は3〜6ヶ月の間で100%ということになっておりまして、資料 の2頁目の1番下のところですが、労働者派遣法への対応や要望についてということでお 伺いをしたところでは、この派遣元事業主のほうからは現行の制度がいちばん良いので はないか、今の制度に特に問題はないと思うといったようなコメントがされております。  それから資料の3頁目、派遣労働者のほうからヒアリングを行った結果でございます が、まずいちばん上のところ、紹介予定派遣により就職することを選んだ理由といたし まして、いちばん上の方につきましては、第三者から自分のことを分析していただける、 その上で職業紹介をしていただけるということで、若干肯定的な考え方でありますが、 3番目の方につきましては、面接が終わってから「紹介予定派遣」と突然言われたとい ったようなことで、紹介予定派遣であるかどうかもわからず派遣をされていたというよ うな実態があったということです。いちばん下の、紹介予定派遣終了後の派遣先での直 接雇用における労働条件ということで、いちばん上の方は2年の契約社員、2番目の方は ヒアリングした当時は紹介予定派遣中ということですが、3番目の方については、正社員 でなく契約社員をさらに1年やれということを言われ、その後に正社員の道が開けるとい う話だったということを発言いただいております。  それから資料の4頁目になりますが、紹介予定派遣のメリット・デメリットのところで すが、3番目の方につきましては、面接をされていて履歴書も出しているにもかかわらず、 企業のほうで正社員で採用する際にこういう条件でこういう待遇ということがわからな かったと、こういうのはちょっとずるいなという気持ち、おかしいのではないかという ふうに感じたというようなご発言がございました。待遇や要望についてのところですが、 こういうふうに面接をしたら条件を提示するとか、派遣の期間は何ヶ月かというのは先 に決めてという指針があればもっと良い制度になるのではないかというようなことでご 意見がございました。  続いて資料4のほうに移ります。「需給調整機能の強化」に関する資料ということで 用意しております。  まず1頁目ですが、事前面接の関係です。事前面接(特定目的行為)の禁止としてお りますが、いわゆる事前面接については、法律上、特定目的行為の禁止という形で規定 をされておりまして、下のほうに労働者派遣法の条文を付けておりますが、派遣先は「 労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働 者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない」というふう にされております。この趣旨でございますが、上の囲みのところでございますが、派遣 労働者を派遣先に派遣する行為は、派遣元による労働者の配置にほかならない。したが って、その派遣先に派遣労働者のうち誰を派遣するのかを決定するのは雇用関係のある 派遣元、これが考え方の基本にあります。そこで、その派遣先が派遣労働者を特定をす るという場合には、派遣先と派遣労働者の間に雇用関係が成立すると判断される蓋然性 が高くなり、労働者供給に該当する可能性がある。それから、その派遣労働者の就業機 会が不当に狭められる恐れがある。こういったことから、事前面接等の特定目的行為を 禁止しているということです。  資料の2頁目に指針の規定が付いておりまして、ここに若干詳しい内容が記載されて おります。下の派遣先指針のほうからご覧いただければと思うのですが、下線部のとこ ろです。「労働者派遣に先立って面接すること、派遣先に対して当該労働者に係る履歴 書を送付させることのほか、若年者に限ることとすること等派遣労働者を特定すること を目的とする行為を行わないこと」ということで、こういった面接でありますとか、履 歴書送付でありますとか、若年者に限るといったような限定については、特定目的行為 であるということで禁止されているということです。  なお書きの部分ですが、派遣労働者または派遣労働者となろうとする者が、自らの判 断の下に派遣就業開始前の事業所訪問、それから履歴書送付、それから派遣就業期間中 の履歴書送付を行うことは、これは特定目的行為には当たらず実施可能であるというこ とで、派遣労働者が自らの判断の下に行うことは可能であると解釈をしております。  また、派遣元についても、派遣先が特定目的行為を行うことに協力しないように、と いうような規定が設けられております。  続いて資料の3頁目に移ります。これは1つの仮定の図としてご理解いただければと思 います。実際にその派遣就業が開始されるまでにどういった形で契約が結ばれて、どう いった流れになるかということを図で示しているものです。3頁目に登録型、4頁目に常 用型という形でお付けしているものです。登録型の場合につきましては、まず派遣契約 が締結され、それからその派遣労働者を決める、それから派遣労働者と雇用契約を結び、 派遣法35条に基づきまして、派遣元から派遣先に労働者の氏名が通知され、それから派 遣就業開始がされる。一般的にはこういった流れになるのではないかと考えられます。 まずその派遣労働者との雇用の契約の締結前、派遣契約を締結してから派遣労働者を決 めるまでの間、(1)、(2)、(3)に該当する辺りになりますが、この辺りに事前面接を仮にし てしまいますと、派遣労働者とそもそも雇用契約を結ばないことができるということで、 派遣労働者を変更し得るというような状態になるのではないかということです。それか ら派遣労働者と雇用契約が結ばれた(4)、(5)の辺りですが、ここは雇用契約が結ばれてい るということは言えるのかもしれませんが、実際には雇用契約の締結をされてから派遣 就業が開始されるまでの間というのは非常に短いというようなことも想定されるという ことで、仮に事前面接をしてその派遣労働者が変更される場合に、当該派遣労働者の雇 用というものがどうなってしまうかということで、継続されない場合もあるのではない かということでお示しをしているものです。  続いて資料の4頁に移ります。今度は常用型のほうです。これは登録型とは異なりま して、派遣労働者との雇用契約がそもそもあるということが前提となっております。そ の後の派遣契約が締結され、派遣元が派遣労働者を決め、通知があって就業を開始する ということですが、この場合には基本的にその派遣労働者の契約というのは常用型であ りますので、派遣契約の成否にかかわらず、それからその派遣労働者が誰に決定される か否かにかかわらず、その常用型の当該派遣労働者については雇用が継続されることに なるのではないかということです。仮に事前面接を認めた場合には、こういったような 整理になるのではないかと考えられます。ただ留意点といたしまして、これはあくまで どの派遣労働者を派遣するかについては派遣元が決定をすることが前提になっておりま して、そこの趣旨のところについては派遣法の、現行の法制度の趣旨を前提に考えてい るものです。  続きまして資料の5頁です。これは過去に労働力需給制度部会でも提出している資料 ですが、実態を示したものでして、表が9つありますが、上の3つをご覧いただければと 思います。事前面接を実施することの是非について派遣元、派遣先、派遣労働者それぞ れ聞いておりますが、大体8割ぐらいの方が場合によっては認められてもよい、または 場合によっては認められてもよいというような回答が多くなっているものです。  資料の6頁に移ります。派遣労働者が決定される前に行われていることということで、 派遣先事業主に対する調査では事前面接でありますとか、派遣労働者が希望した場合の 事前訪問という回答が多くなっております。派遣労働者に聞いたところでは、履歴書の 提出、派遣先による面接、簡単な実技試験というような回答が多くなっております。以 上が事前面接に関する資料でございます。  続いて資料の7頁。ここから紹介予定派遣の関係の資料でございます。まず、先ほど ヒアリングの中でもちょっとご紹介をさせていただきましたが、実際に直接雇用に至っ た場合に、労働条件が有期なのか無期なのかといったようなトラブルもあるというよう な声もあるということでしたが、実際に法令上その労働条件の明示がどうなっているか ということを図でお示ししたものです。紹介予定派遣の場合、労働者派遣がまずあって、 次に職業紹介が行われ、それから直接雇用ということになります。まずその労働者派遣 の段階では、実際に就業が終った後紹介をされて直接雇用される場合の直接雇用の労働 条件の明示というものは、直接的には規定はないということですが、派遣元がその派遣 労働者に対して就業条件等の明示をしなければならないということになっておりまして、 その中で紹介予定派遣である場合には紹介予定派遣であるということ、それから紹介予 定派遣を経て派遣先が雇用する場合に予定される雇用契約の期間の定めの有無について、 明示をしなさいということになっておりまして、これは業務要領で定められているとい うことです。職業紹介の際には、職業安定法に基づきまして労働条件等を明示しなけれ ばならないということになっておりますし、直接雇用、実際に雇用契約を締結する際に は、労働基準法に基づきまして労働条件を明示しなければならないということになって おります。仮に職業紹介、労働条件等が実際の職業紹介時に明示した内容と異なること となった場合については、これは指針に基づきましてすみやかに知らせるということも ございますし、後は、紹介予定派遣の場合に、職業紹介が実際に行われなかったり、ま たは、職業紹介をしたのだけれども派遣労働者を雇用しないというような結論になった 場合には、その理由を明示しなければならないというようなことが定められております。  続いて資料の8頁につきましては、現行の紹介予定派遣に係る法令・指針の規定でご ざいます。ここの派遣元指針、派遣先指針で下線を引いたところでございますが、ここ で派遣元のほうでは紹介予定派遣を行うに当たっては、6ヶ月を超えて同一の派遣労働 者の労働者派遣は行わないこと、派遣先のほうは6ヶ月を超えて同一の派遣労働者を受 け入れないことということで、期間は指針で6ヶ月と定められております。  続きまして資料の9頁です。紹介予定派遣の実施状況ということで、これも需給部会 で提出した資料をお付けしているもので、紹介予定派遣の実施状況ですが、大体3万3千 人になされていまして、そのうち紹介が実施された労働者は2万6千人、直接雇用に結び ついた労働者が2万人になっているという状況でございます。  続いて資料の10頁ですが、紹介予定派遣の利用状況といたしまして、紹介予定派遣の 経験があると回答があった労働者は3.2%ということですが、そのうち職業紹介に至っ た者が88%で、75%が採用に至っているということです。  資料の11頁です。これはアンケート調査で紹介予定派遣のメリット、それから要望と いったことでアンケートをとっているものです。紹介予定派遣の派遣可能期間に対する 要望、下側の表ですが、これは派遣元、派遣先、労働者等もこのままでよいと回答して いる方が最も多くなっているというような状況です。以上が紹介予定派遣の関係の資料 です。  資料の12頁、いわゆる「専ら派遣」についてということで1枚用意していますが、専ら 派遣が何かということは、第2回の研究会で一度、上側の図をお示ししてご説明をさせて いただきましたが、「専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行 われる」労働者派遣事業ということでして、他の事業主から労働者派遣の依頼があって も受け付けず、他の事業主に派遣をするという、派遣先の確保の努力もしないで、専ら 特定の事業主のみに派遣を行っているということを専ら派遣と言っております。現行で は許可基準になっておりまして、許可の段階で専ら派遣が目的だということでは許可を されないということになりますし、事業開始後に専ら派遣であることが判明した場合に つきましては、指導であったりとか事業目的・内容を変更するように勧告をしたりです とか、場合によっては許可の取消しといったことになります。  一方、いわゆる指摘をされておりますグループ内派遣ですが、下に書いておりますが、 例えば同一グループ内の特定の事業主が派遣先の大半を占めており、他の数社に、グル ープ外にちょこちょこと派遣をしているといったような場合につきましては、これは専 ら派遣の定義には該当してこないため、現行では特段引っかかるということではないと いうことになっております。また、場合によってはその派遣会社に転籍をさせて派遣労 働者として受け入れる可能性があるということです。  指摘される問題点、右側に書いておりますが、特定の者のみに派遣している、いわゆ る専属派遣会社は第二人事部的なものであって、需給調整を行う労働者派遣事業として は適当ではないということが1つ。それから2点目として、グループ内派遣は、本来は直 接雇用すべき者を派遣労働者として働かせている恐れがあると共に、労働条件の切り下 げにつながりかねないといったようなことが指摘されております。資料4については以 上です。  続きまして資料5です。グループ企業間で労働者派遣を行う事業所に関する調査の調査 概要とそれから調査結果概要ということでお付けをしております。これはグループ企業 間で行われる労働者派遣の実態について把握することを目的といたしまして、本年3月に 実施したものです。これはこれまで特段公表しているものではありませんで、本研究会 でこの資料で初めて公表するものです。調査の実施対象は259の事業所で、244の事業所 から回収しております。対象事業所の選定方法ですが、これは事業 実態のある事業所を選出するために、過去1年間に許可の更新があった事業所を選びま して、その中から大企業の名を冠する、または大企業のグループ企業であることが判明 している事業所を抽出したということです。調査の結果について2頁以降にお示しして おります。  まず、資料の2頁の上のほう、総論のところでございますが、グループ企業でその派 遣を行う事業所がどういったグループ企業の中で位置付けを持っているかということで、 いちばん多いのは、グループ企業内外への労働者派遣を行うということで、グループ内 もグループ外も派遣を行うというのが89.4%でもっとも多くなっているということでご ざいますが、グループ企業内の人事管理のみを行う、それからグループ企業内の人事管 理、それから派遣ではない他の事業を行うといったような回答が合わせて10%あるとい ったような状況でございます。これらの事業所が実質的にどのぐらいの割合をグループ 内に派遣をしているかということを示しているのが、下の棒グラフのほうになります。 これは平成20年2月の1ヶ月間のグループ内派遣の派遣労働者の人日換算の割合をお示し したものですが、グループ内派遣、すべてグループ内に派遣をしている企業が56社で31. 1%、それから全体の派遣労働者のうち、グループ内に派遣している割合が80〜99.9%と いうものが67社で37.2%ということで、8割以上で68.3%というような数字になっており ます。  続きまして資料の3頁です。上のところ、調査事業所のうち、グループ内に派遣される 労働者の確保方法というところでお示しをしているものです。まず表の見方ですが、大 きく2つに分けまして、上のほうがグループ内から労働者を確保している、下のほうがそ れ以外からの採用ということです。もっとも多いのがグループ外からの採用で新規学卒 者以外ということで、これが75.7%で、グループ外から確保している者が全体としては もっとも多いということです。グループ企業内で、または自分の事業所で直接雇用され ていた者から採用しているというものが、上の5.9、7.6、9.5といったような割合です。 定年退職後に再雇用といった確保方法をしているのが5.9%、それから育児・介護等就 業を継続することが困難な事由により離職した者が7.6%、それから上記以外の事由で 離職した者を再雇用しているのが9.5%ということで、上記以外の事由というのがさま ざまな事由が含まれるということになりますが、いわゆるリストラのようなものはこの 「上記以外の事由で離職した者」というところに入ってくるだろうということで考えて おりまして、これが9.5%あるといったような状況です。  それから派遣先の業種、職種です。業種につきましては、情報通信業が28.9%、製造 業が25.8%、金融・保険業が24.4%といったことで多くなっております。特に金融・保 険業につきましては、グループ外への派遣に比較してグループ内への派遣の比率が高く なっているということで、下の表の左側の棒グラフですが、グループ内派遣、グループ 外派遣を分けておりますが、金融・保険業の場合は、グループ内派遣の割合がグループ 外派遣の割合に比べてかなり差があって高くなっているということでございます。  それから派遣先の職種です。これは事務用機器操作が38.8%で多いということで、次 いでその他、それからテレマーケティングの営業というふうになっております。その他 につきましては何が入るかということがあるのですが、左側の業種のところで製造業が 非常に多くなっておりますので、製造業の関連の職種がその他の中に大部分含まれてい るのではないかと言えるのではないかと考えております。  それからグループ内の企業の人事管理のみを行う場合ということで、これは全体のう ち、グループ内の人事管理のみを行う場合とグループ外の人事管理も行う場合というこ とを分けてお示しをしているものでして、2についてはグループ内の人事管理のみを行 う場合ということで整理をしているものです。  資料の4頁の上の表になります。これは先ほどの、グループ内に派遣される労働者の 確保方法ということで、どこから派遣労働者を確保しているかということをお示しした ものです。企業がグループ内の人事管理のみを目的としている場合にはかなり変わった 傾向が出てまいりまして、全体では先ほどのグループ外も含めた数字ですと、新規学卒 者以外でグループ外からの採用ということがもっとも多かったのですが、グループ内の 人事管理のみを目的として行う場合については、グループ内から派遣労働者を確保して いるということが多くなっておりまして、定年退職後に再雇用しているといったものが 39.9%、それから育児・介護などの就業継続困難な事由により退職した方を再雇用して いるというのが0.5%、それから上記以外の事由、これはリストラも含む者と考えてお りますが、それが41.2%であるということで、グループ内の人事管理のみを目的として いる場合には、グループ内から派遣労働者を確保しているというようなことが言えるの ではないかと考えております。  業種、それから職種ですが、業種につきましては、製造業が60.6%でもっとも多くな っているということです。それから職種につきましては、その他、事務用機器操作とい った順番になっておりまして、やはりその他のところについては製造業関連職種が多く 含まれるのではないかというようなことで考えております。  それから3番目の、グループ企業内だけでなく、グループ企業外にも労働者派遣を行 う場合、これにつきましては、全体的な傾向としましては、1の総論のものと大体同じ ような傾向でございまして、派遣労働者の確保方法としては、新規学卒者以外でグルー プ外から確保しているのが76.7%ともっとも多くなっておりますが、グループ内から確 保している企業というのも一定程度見られるというような形です。  派遣先の業種としては情報通信業、金融・保険業、製造業といったような順番で行っ ていまして、これも先ほどのものと同じですが、金融・保険業につきましては、やはり グループ内派遣の割合がグループ外に比べてだいぶ高くなっているということです。  それから資料のいちばん最後の6頁の4、マージン率についてということで、いわゆる マージン率、派遣料金と派遣労働者に支払われる賃金差額の比率ということで、これは 事業報告で平均額をとっておりますので、それを基に算出しているものでございますが、 これは特段他の労働者派遣事業全体と比べて変わった傾向があるということではござい ません。まず表の下のほうのものですが、労働者派遣事業における全体平均は一般労働 者派遣事業では32.1%、特定労働者派遣事業では38.3%となっているのに対しまして、 今回の調査対象全体では31.9%、グループ企業内の人事管理のみを行う場合につきまし ては31.4%、それからグループ企業内だけでなくグループ企業外にも労働者派遣を行う 場合というのが32%ということになっておりまして、特段大きく変わった傾向は見られ ないという結果になっております。説明は以上です。 ○鎌田座長  まず、論点1の事前面接について、ご発言をお願いいたします。ご発言いただく前に、 事前面接、なかなか言葉の使い方が難しいということもありまして、指針などでは「特 定行為」と、「特定目的行為」というような表現がありまして、この辺のところを少し 整理した上で、ご議論をいただいたほうがいいかと思いますので、事務局から少しこの 辺のところをご説明をいただけますでしょうか。 ○田中企画官   特定を目的とする行為、特定行為と、特定目的行為ですが、現行の制度におきまして、 派遣先が受け入れを希望したり、若しくは拒まない派遣労働者ですとか、希望をしない 方、拒む労働者というのを定める、例えば性別指定とか年齢指定等によって、その範囲 を定めるといったようなことも含めまして、このようなことを規制をしております。  法律上は「特定を目的とする行為」というような言葉だけを使っておりまして、指針 で特定を目的とする行為と、特定をする行為というようなことで分けて使用をしていま すが、これによって特段規制を異ならせているということより、特定行為も含めて、特 定目的行為として広く捉えて、網をかけているというような趣旨であると考えています。 ○鎌田座長   これももう一度確認なのですが、特定を目的とする行為、とりわけ事前面接が問題と なっているのですが、この事前面接禁止の趣旨について、先ほどお伺いしましたが、も う一度確認の意味でご説明いただければと思います。   ○田中企画官   資料4の1頁に事前面接の禁止の趣旨を書いておりますが、まず大前提としまして、労 働者派遣の仕組みにおきましては、派遣労働者は派遣元の事業主に雇用されるというこ となので、要はこの派遣先にどのような派遣労働者を送るかということを決定するのは、 雇用関係に基づいて派遣元が行うものであるというのがあります。基本的な労働派遣制 度の大原則です。  そのような原則の制度の中で、仮にこの派遣先が事前面接等々を行って特定をするこ とになりますと、結局は派遣先が派遣労働者の雇用関係、採用類似行為に手を貸すとい うか、介入するということになりますので、そうすると派遣先と派遣労働者との間に雇 用関係が成立すると判断されるという可能性も出てくる。そういうことになると、労働 者供給事業に該当する可能性も高くなるというのが1つです。  また、派遣先が派遣労働者の採用行為に介入することになりますと、その派遣元が、 この人をということを思っていたとしても、その就業機会が不当に狭められてしまうと いうことにつながりかねないということで、特定をすることに加えて、特定することを 目的とする行為ということで広く網をかけて、法律上規制をしているというのが現在の 姿です。 ○鎌田座長   とりわけ私などは、今回初めて見た資料でわかりやすいなと思ったのは、3頁目と4頁 目で、事前面接をどう考えたらいいかということで、登録型と常用型ということで2つ に分けて、このいくつかの問題点を表にして説明をしていただきました。おそらくこう いった資料が出るのは部会を含めて初めてなのではないかというふうに思って、非常に 有難い資料だなと思っています。  何で分けたかということで、今ご説明いただきましたように、この事前面接の問題は 採用若しくはその類似行為で、事前面接をし、その中から派遣先が派遣労働者を特定す る場合には、採用若しくは採用類似行為ということで、非常に大きな問題があるのでは ないかといったようなことから、こういった議論があったわけですが、よくよく考えて みますと、常用型につきましては、常に常用労働者として雇われているということでし て、もう既に派遣元で採用されている労働者が想定されているわけで、そういう意味で 少し分けて考えたほうがいいのではないかと思ったわけです。以上、資料でこのような 形で出ておりまして、自由にご発言をいただければと思います。 ○山川委員   先ほどの事前面接ないし事前特定目的行為の禁止のある資料の1頁目についてお伺い したいのですが、事前面接の禁止の根拠の2つのうちの1つは、労働者供給に該当する可 能性があるということで、それでお伺いしたいことの1つは、労働者供給に該当する可 能性があるというのは、雇用関係が成立すると判断される蓋然性が高いということだけ が理由になるのか。この雇用関係というのは、労働契約関係全部または一部を含めた労 働契約関係ということですが、労働契約関係の全部または一部が派遣先との間で発生し ていることが、労働者供給の成立の要件になるということなのか、あるいは労働者供給 の成立要件は、第1回目で細かい議論をしたところと関わってきて、指揮命令を超える 関与を行ったことをもって、労働者供給が成立するのかという問題 です。  つまり、労働者供給が成立する可能性があるというのは、どういう場合、どういう理 由をもってかということと、もう1つは現実に明確に労働者供給が成立したと言える場 合というのは、例えばどういう場合なのかという点をお伺いしたいと思います。 ○田中企画官   労働者供給と労働者派遣との関係ですが、第1回目にもそういうような議論があった かと思います。法律上は職業安定法で労働者供給を規定していまして、4条の6項になり ますが、労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることを言い、労働者派遣に 該当するものは含まないという形になっています。労働者派遣については、労働者派遣 法の第2条の第1号で規定をしていまして、「自己の雇用する労働者を当該雇用関係の下 に、他人の指揮命令を受けて、他人のために労働に従事させることを言い、当該他人に 対して、当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとす る」ということですので、自分の雇用している労働者が他人の指揮命令を受けて労働に 従事するものであれば労働者派遣、そうでないものについては労働者供給というような 概念になるのではないかと思います。労働者供給が成立する場合として明確になるもの としては、すごく簡単な例を言いますと、労働者派遣は自己の雇用する労働者を派遣先 は指揮命令するだけなので、雇用関係が両者ともに成立をしているというものについて は、明らかな労働者供給に該当すると思います。   ○山川委員   つまり、明確に採用行為に類似すると言いますか、そういう行為をした場合には労働 者供給となる。何をもって採用行為に類似するというかの問題はあるのですが、そうい う理解でしょうか。何でこんなことを伺ったかというと、労働者供給に該当すると、そ れを事業として行う場合には、供給元のみならず、供給先が処罰されるということにな りますので、その辺りは明確にする必要があるのではないかと思った次第です。   ○田中企画官   何をもって指揮命令の範囲なり、指揮命令以外の範囲ということになるかと思います が、ここでも今までから言ってきていますのが、特定をする場合には、雇用関係が成立 すると判断される蓋然性が高くなるということなので、そういう行為をしたから即すべ てのケースがそういうように判断されるということではない、場合によるのだと思いま す。   ○鎌田座長   今ご説明したとおりなのです。山川先生ご質問の趣旨とも関わると思うのですが、定 義から申しますと、労供というのは、供給先との間に雇用関係を成立させることと、そ れから派遣元との間に事実的な支配従属関係があることということで、後者のほうの事 実上の支配従属関係というのは、昔の労働ボス的なものを想定しています。今山川先生 が労供事業として問題視されているのは、まさに供給先との間に雇用関係が成立。ここ で問題は、その採用行為あるいは採用類似行為、あるいは事前面接を含めた特定を目的 とした行為が、どの部分で労供の成立ということの要件と関わりあうのかということで、 これは非常に議論が多いところで、いくつか今議論が出ているところです。  私としては、雇用関係の成立ということがやはり労供を成立する場合の根底になって きます。だから特定を目的とする行為で、それがひいては、そのことが特定に関わるよ うなことがあったとしても、その辺の区分は非常に難しいところではありますが、常に それが労供事業として成立するかといったら、そうではないのではないかというふうに 理解をしています。 ○山川委員   そうかなと思います。   ○鎌田座長   今ご説明をいただいても、その趣旨で私が少しかいつまんで申し上げたということで す。あと何か質問でもご意見でも結構ですので。    ○有田委員   実態調査で意外と派遣労働者の事前面接のようなことについて、許容するような回答 の割合が高かったように思いますが、これをどう見るのかということ。しかし、それは それでルールの問題としてという考え方もあると思うのです。おそらく自分が行って、 これから派遣先で働くというときに、派遣先がどういう所なのかというのを知りたいの は当然のことなのですが、ただ、それをそういう形で派遣先に事前面接に行かなければ ならないのか、それ以外の方法で対応できるのであれば、本来の派遣制度の趣旨に反し ない形で、別の情報入手の方法を考えればいいのではないか。  もともとそういう情報の提供については、派遣元が派遣先と十分に話をして、派遣労 働者となろうとしている人が必要としている、知りたいと思っていることについて、十 分にその情報提供をすればいい。それから派遣先が派遣労働者が思ったような働きをし てくれないということで、そういうものをミスマッチの1つとして防ぎたいということも、 本来は派遣元のほうでちゃんと派遣先の要望にかなう人を採用の上選んで、その派遣先 に送るということでいいはずなのです。  そこのところは、派遣先に対してそういう問題について派遣元が例えば債務を負って いるというような形で、一定の補償をするようなこと、イギリスなどはそういうルール があったと思うのですが、そういうことを付加してやれば派遣先のそういう問題も、事 前面接のようなことをしなくても回避できるのではないかと思います。 ○山川委員   先ほど労働者供給との関係をお聞きしたのも同じような問題関心があってのことです。 派遣元、派遣先、労働者も含めて、かなりの部分が事前面接に賛成しているということ は、それを禁止する理由は、何らかの公序良俗と言いますか、非常に強行的な、当事者 は同意していても、なお禁止をするというだけの理由が必要になるのではなかろうかと いう感じがするのです。そうだとしたら、労働者供給でしたら刑事罰の対象になるとい うことは、その当事者が同意していてもいけないという理由は成り立ち得るのかなとい う感じは一方でするのです。ただ、他方でやはり就業環境を現実に見たいということの ニーズはあるのではなかろうかということで、何らかの形で労働者供給のおそれがない ような形で派遣労働者が現場を見られるような機会は、むしろあったほうがミスマッチ 解消ということではもっともなことではないか。労働条件の説明というのは、労働契約 法でも要求されるようになっています。  常用型については、先ほど座長がご指摘のとおりと私は思っています。もしその常用 型というのは、雇用の安定した常用型等であればということですが、例えば今の指針で も自らの判断の下で事業所訪問等を行うのは差し支えないとされており、これは先ほど のような問題がない場合ということなのですが、一体に禁止というか、やってはいけな いとされている事前面接と、自らの判断の下に行うものが、どういうふうに現実に区別 されるのか。何か業務要領等あるのかもしれませんが、この辺りをもっと明確にするこ とが可能かどうかという感想を抱きました。 ○鎌田座長   その最後の部分はご質問、つまり、何か要領で書かれていれば。私の記憶ですと、あ まり細かいことは書いてないような気がします。   ○田中企画官   要領の中でもあまり詳しいことは書いてないのですが、派遣労働者または派遣労働者 となろうとする者が、就業を行う派遣先として適当であるかを確認するために、自らの 判断の下に行うのは、特定を目的とする行為に当たらないという、指針と同じことを書 いてあります。  派遣先は、これら派遣元事業主または派遣労働者に対して、これらのことを求めない こととする等、派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止に触れないよう十分 留意することとなっていますので、少し付け加えられているとすると、これをするよう に求めるということは、ここで言っている「自らの判断の下」でということとはずれて くる部分になっていると思います。 ○鎌田座長   部会で議論したことを少し補足したいと思うのですが、詳しくは本当に現場での労働 者の派遣を行う活動というのはどういうものなのかということを、詳しく調査をしなけ ればいけない面もあるかもしれませんが、一般に私の理解ですが、例えば労働者の主体 的な要望で、単独で派遣先の所へ行って「見せてください」というのは普通はないので はないか。   ○山川委員   候補者として行くわけですね。   ○鎌田座長   そうです。普通は「派遣先のほうで一度会いたいということで言っているのだけれど も、どうしますか」ということで、派遣元の社員と派遣労働者が行くということが普通 なのではないか。そうすると、これを労働者の発意、主体的な要望とか、意欲で行くか というと、やはりこれはそういう範疇の中には入ってこないのではないか。しかも、お そらく派遣元の社員と一緒に、向こうで何か対応するということなので、そういう意味 では今、先生がおっしゃったような労働者が自分で見てみたいからと言って単独で出掛 けて行くという、極めて稀なケース以外はあまり考えられない。また、派遣先でもそう いうことをやられたら、ちょっとびっくりするというのですかね。   ○山川委員   全く個人でフラッと出掛けて行くというのは、やはりそれはちょっと考えにくい。   ○鎌田座長   こういうふうに確かに指針では述べられているのですが、通常は派遣先と派遣元との 間の協議の上で、派遣労働者が事前面接等を受けに行くということを想定して考えれば いいのではないかと思っていますが。   ○山川委員   ありがとうございました。そうすると、この指針というのは、あまり想定されない場 合ということかもしれませんが、でも何らかの形でその場合はできるという基準を明確 化しても、予見可能性という観点からはよいのではないかと思います。  もう1つは、この資料の1頁で問題になりますのは、性別の指定をしたり、年齢制限を したりとか、そちらの弊害が大きいということかと思います。これは、つまりこの段階 で年齢制限とか性別の指定をしたとしても、セクハラと違って、派遣先に義務を課して いる規定が、均等法とか雇用対策法では存在しないという問題の反面なのかなという感 じもしなくもないのですが、これは派遣先のほうで性別による指定をしても、均等法の 射程には入らないのですよね。 ○鈴木課長   派遣先の指定は入りません。派遣元が派遣するのは射程に入りますが、先は入らない。   ○山川委員   結果的に派遣先の要望に応じて派遣元が性別を理由に派遣しなかった場合には、派遣 元による配置差別、そちらのほうで対処するしかないということですよね。   ○鈴木課長   そうですね。   ○鎌田座長   先ほどの有田先生と山川先生のご意見、たぶん違っているのではないかなと思ってい るのですが、有田先生の先ほどの事前面接という手段をとらずに、派遣先から派遣元へ の適切な求人情報を提供することによって、こういった手段、つまり特定目的とする行 為のようなものというのは、なしで済ませるのではないかというようなご発言がありま した。それは登録型のみならず、常用型についても同じような趣旨でご発言になってい たのでしょうか。   ○有田委員   私も基本的には先ほど山川先生がおっしゃったような、なぜ禁止されるのかというの を前提にした上で、それがありという上で、その場合に、しかしミスマッチを防ぎたい という、当事者間の要求に応えるための何か別のものを当然用意する必要があるだろう から、それをルール化するとすれば、どういう形のものが考えられるかということで発 言したので、ベースは同じところにあるというふうには理解しています。   ○鎌田座長   あと何か付け加えることがありますか。    ○山川委員   私も問題意識は共通で、労働者供給との関係で捉えると、その禁止という根拠が説明 できるのではないか。もし、違っているとしたら、自らの判断の下であれば行いうると いうことを明確化するとか、その辺りかもしれないと思います。   ○鎌田座長   今労働者供給との関係で少しご発言があったと思うのですが、これは部会のときのヒ アリングで私が労働者に聞いたことで、ここの資料には出ていないかもしれませんが、 事前面接をした労働者の方に、「事前面接されたことに不満をお持ちですか」という質 問をしたところ、「いや、事前面接自体は自分も会社の状況を知りたいので、そんなに 違和感はなかった。ただ、駄目だと言われたときに違和感があった」というようなこと だったのです。つまり、自分としては、そういう就業機会を得ようとしたときに、なぜ に駄目だと言われるのか。少なくとも駄目ということであれば、なぜ自分は駄目なのか ということが非常に気になった。その辺のところが1つは率直なご意見かと思うのです。  私は、それはおそらく登録型については、常に付いて回る問題で、結局、駄目と言わ れたときに、常用型であれば自分は既に雇われているわけですから、それは雇用に直結 しないわけです。ところが登録型という形態ですと、それは雇われないということと直 結するわけです。まさに雇用機会がそういう形で派遣先によって影響を受けるというこ とが、大きな問題ではないかと思っています。  理論的には今お2人の先生がおっしゃったように、労働者供給事業との関連で、採用 類似行為、採用行為ということで、非常に問題があるということと、それから今言った 率直な登録型についての労働者の違和感というのですか、そういったものを考えますと、 登録型については、にわかにはこの事前面接を認めるというのは難しいのかなというふ うに思っています。  ただ、常用型については、常用というのは先ほど山川先生が言われたように、本当に 無期に、あるいはそれに同視する形態を考えていますが、こういうものについては、あ り得るのかなと思ったのは、1つは実はいくつかの事前面接を行う上でのさまざまな派 遣労働者にとっての弊害が、常用型については回避されるのではないかということがあ ります。それは、先ほども私、例で申し上げましたが、結局、事前面接ということで、 派遣元の社員の人が「じゃあ、行きましょう」と言った場合に、派遣労働者で断る人は いないと思うのです。「指揮命令なんですか」とかってそんな細かい議論もしない。問 題は交通費はどうなるのだとか、あるいはその時間は当然拘束されるわけで、実態とし て断る人はいないでしょう。するとこれっていうのは何ですかねという議論。こういう さまざまな、登録型については、まさに登録ということの性格からいって、非常にさま ざまな問題が出てきている。これをどう考えたらいいかということが、それが常用型と いうものを想定した場合には雇われていますから業務命令として対応するということに なれば、それなりの対応の基礎ルールがあると。  もう1つは、この研究会の中で総論のところでご議論いただいたことですが、派遣労 働者の雇用の安定を図る観点から、常用型をできるだけ促進するようなメカニズムを考 えていったらどうかと。そのことによって、派遣という就業形態に伴うさまざまな不安 定、波動性から、常用型への移行を促進することによって派遣労働者を免れさせるとい う制度的な意図、制度設計をする上での仕掛けを持っているわけです。これは何度も私 が言っていることですが、派遣先がさまざまな労働力の需給を予測できない中で、派遣 社員を受け入れて雇用調整を容易にする。そして、その雇用した量を派遣元が短期の有 期雇用でさらに雇止め、あるいは中途解約の形で調整をすることになれば、そういった 経営に伴うさまざまなリスクは、最終的には派遣労働者の負担で事業を行っていること になります。それをできる限り派遣先、あるいは派遣元の経営能力の中で軽減すると考 えていくとすれば、常用型をできるだけ推奨する形で促してみる方向もあるのではない かと思います。こういった観点から、事前面接が労働者の要望にも適っているというこ とであれば、このような観点から制度を工夫してみたらどうかということです。 ○橋本委員   細かい質問ですが、事前面接については労働者側もメリットがあるというご意見で、 私もその可能性は一定程度あるかなと思います。指針には「事業所訪問若しくは履歴書 の送付」ということで、履歴書の送付も自らの判断の下に行う場合には許容される旨書 いてあるのですが、この場合、事前面接とリンクしない履歴書送付はどのぐらいあり得 るのでしょうか。というのは、履歴書の送付はあまり労働者本人にメリットはなくて、 デメリットだけだと思うので、そちらは厳しく対処することもあるのではないかと思い ました。   ○鎌田座長   登録型については、今申し上げたように依然として規制をするということですが、常 用型についてはどうかということですね。   ○橋本委員   特に問題はないでしょうか。   ○田中企画官   当然、特定を目的とする行為と同様に、不必要な個人情報を送ったり集めたりするこ とは望ましくない、やってはいけないことになりますので、そのようなことで不必要な ものを集めたり求めたりしないというところで、逆に縛ることも可能なのではないかと 思います。   ○鎌田座長   事前面接は、26条7項の努力義務になっているのです。先ほど私が申し上げたように、 常用型を誘導する観点から言うと、少し法的義務として考えてみることも、登録型につ いては規制の強化になると思うのです。そういった方向もあり得るのではないかと思っ ておりますが、その点も含めてご議論いただければと思います。   ○有田委員   先ほどの規制の根拠、禁止の根拠を、先ほど山川委員がおっしゃったように供給事業 に該当する可能性があるということで公序性に求めるのであれば、むしろ努力義務にな っていることのほうが違和感を感じるのです。常用型の場合には、労働契約関係が派遣 元との間にあるわけですから、そもそも問題になる可能性がないのです。そうすると、 専ら登録型との関係で今の規制根拠が問題になるわけですから、そこで今座長がおっし ゃったような形でしてはならないと変えること自体は、別段おかしくはないと私は思い ます。   ○山川委員   先ほど言ったことと話が別のようなのですが、技術的な面もあって、労働者供給に当 たる場合は全くそのとおりなのですが、当たる蓋然性が高いとか、恐れがあるというこ とで、しかも今の条文が「特定とすることを目的とする行為」という主観的要件だけで 構成されているものですから、特定を目的とする一切の行為になってしまうわけです。 努力義務ならまだいいですが、主観的要件が中核的構成要件となるとすると、自らの判 断の下にという例外をどう利用するかにも関わってくるので、今の条文のままでは問題 が起こるような気がします。   ○鎌田座長   特定を目的とする行為というのが、特定行為であれば駄目というのは山川委員も異論 はないと思うのですが、目的といったときに、その範囲を法的義務として明確にできる のかということだと思います。ただ、事前面接についても、例えば外形的に競合で行う 事前面接など、非常に問題のあるケースもあります。その辺りの定義については少し工 夫をすれば、法的義務とする場合にはあり得るのかなと思います。先ほど特定行為と特 定目的行為について整理をしていただいたわけですが、その辺りをもう少し工夫してみ たらどうかということです。  以上でよろしいですか。今日は紹介予定派遣もさることながら、専ら派遣という難し い問題もありますので、あとで戻っていただいても結構ですが、次の論点である紹介予 定派遣についてご発言をお願いします。  先ほど事務局から紹介予定派遣ということで、おおむね紹介予定派遣の利用である程 度はうまくいっているとのご説明があったと思うのですが、その中でも、いくつか労使 のほうからこの点については改善を望むという要望が出ております。私が先ほどの事務 局からのご説明で聞いた範囲では、会社側からは、紹介予定派遣についての期間を6カ月 に限定しているのですが、これは1年に延ばしてほしいということでしたか。そのような 要望があるわけです。一方労働者側からは、紹介予定派遣の中で、とりわけ派遣先に雇 われる場合に、派遣先での雇用条件についてしっかりと説明をうけていない、あるいは そこに情報不足があるのではないか、また説明が遅いと、本当にぎりぎりになってから 説明をされるということで問題があると理解しているのですが、そういった整理でよろ しいでしょうか。何か違っている所はありますか。 ○田中企画官   結構です。そのような整理になります。   ○鎌田座長   まずは、会社側からの6カ月を1年にという要望ですが、私は現在の状況では特にこれ を改正する必要はないのではないかと思っています。理由は、ヒアリングの中でこの点 については現行の制度で維持と、事業者の方からもそのような発言がありますし、どう しても1年でなければ業務の適格性が判断できないとは、にわかには理解しがたい部分が あります。実際私の聞いた範囲では、普通の試用期間であっても、1年というのはあまり ないのではないかと思うのです。せいぜい半年、3カ月ぐらいのほうが多い感じがするの ですが、それを1年に延ばす必要性については、私としては特に感じていません。そうす ると、労働者の要望の点をどう考えるかがここでのポイントになろうかと思いますが、 いかがでしょうか。   ○山川委員   7頁に労働条件の明示の話があります。これは先ほどの問題とも関わるのですが、ミ スマッチ解消といった点からは、なるべく事前にいろいろな就業条件等について開示を して、知る機会を与えたほうが望ましいと思っています。7頁のいちばん左下に、「紹 介予定派遣である旨」「紹介予定派遣を経て派遣先が雇用する場合に予定される雇用契 約の期間の定めの有無等(業務要領)」と書いてあって、業務要領の性格づけがあまり よくわかりませんが、少なくとももう少し明確な形の根拠をもって明示したほうがいい のではないかと思うのです。期間の定めの有無がすぐにわからないとか、そういった理 由がもしかしたらあるのかもしれないので、実態がわからない点はありますが、なるべ く事前の明示は豊富にしていったほうがいいのではないかと、個人的には思っています。   ○鎌田座長   今山川委員もおっしゃったように、派遣労働者の立場から言うと、いわゆる正社員と して雇用されるのか、契約社員として雇用されるのか、有期で雇用されるのかは、非常 に大きな関心があるところだと思いますので、こういった点についてはしっかりと、で きるだけ早い段階で明示をする仕組みがあったらいいかと思います。とは言いながらも、 派遣開始時にそれについて派遣先が明示をしろと言われても、それは大変かなという感 じもするのですが、その人の働きぶりを見てから判断したいという気持もあると思うの で、その辺りはどこがいいのかはよくわかりませんが、できるだけ早く予定される求人 情報については示すような工夫が必要ではないかと思います。これは、現在は業務要領 だけで書いてあるのですか。   ○田中企画官   法律上、労働者派遣契約の内容に、紹介予定派遣であればそれに関する事項を決めな ければいけないことになっております。労働者派遣がされる時に就業条件の明示がされ ることになっていて、その就業条件を明示しなければならない事項の中に、紹介予定派 遣に関する事項として、派遣契約で定められていることという形で決まっております。 その中身が何かという解釈を、業務要領でこのような内容ですと示していることになり ます。それはもともとの根っこの法律ですが、法律では紹介予定派遣に関する事項とい うことしか明示はされていません。   ○鎌田座長   派遣就業開始時に、雇入条件もすべて明示するということですか。   ○田中企画官   雇入条件ではなくて、「紹介予定派遣を経て派遣先が雇用する場合に予定される雇用 契約の期間の定めの有無等」ですので、それがどの範囲でどのように決まっているかが ありますので、どこまではっきりさせるかというところには、若干幅があります。   ○鎌田座長   業務要領では、明らかにしてくださいとなっているのですね。私がヒアリングなど でいろいろ聞くと、あまりそのような話を聞かなかったものですから、私の勘違いで す。それはしっかりやってもらわなければいけないということですね。  もう1度、業務要領を含めて、どこでどのように規定されているのでしょうか。 ○田中企画官   派遣法26条第1項第9号で、労働者派遣契約で規定する中身ですが、「紹介予定派遣に 係るものである場合にあっては、当該紹介予定派遣に関する事項」ということで、そも そも労働者派遣契約の中に、紹介予定派遣であれば紹介予定派遣に関する事項を定めな ければいけないことになっています。労働者派遣法34条の就業条件の明示で、明示をし なければならない事項として、「26条1項各号に掲げる事項、その他厚生労働省令で定 める事項であって、当該派遣労働者に関わるもの」となっております。   ○鎌田座長   それは派遣就業ですね。   ○田中企画官   はい。その内容として、明示事項として紹介予定である旨、紹介予定派遣を経て派遣 先が雇用する場合に予定される雇用契約の期間の定めの有無等が含まれるということで、 そこの解釈をそのまま業務要領の中で規定しています。   ○鎌田座長   紹介予定派遣の場合には、派遣先に雇用される場合には、雇用期間の有無をそこで明 示しなければいけないことになっているわけですね。それはしっかりやってもらうしか ないですね。   ○有田委員   紹介予定派遣の場合には、どの段階から紹介行為に入るようになるのでしょうか。紹 介行為に入った時点で、職安法上の明示義務がかかってくるはずですね。そこが明確で あれば、その時点で派遣先から採用に当たっての採用条件がほぼ示されることになるの で、その時期がいつかによってだいぶ変わってくると思うのです。終わるときに、紹介 してすぐというように接着しているのであれば、ほとんど意味をなさないことになるで しょうけれど、実態としてはどのようなことが多いのでしょうか。例えば紹介予定派遣 期間が6カ月となっていて、最後の1カ月前ぐらいには紹介行為に入ることになるのでし ょうか、期間が満了したところで紹介に移行していくのでしょうか。   ○田中企画官   データ的にはわかりかねますが、いつ紹介をするかは特段法律上の縛りはありません ので、派遣期間中でも、終わってすぐでもできる形になります。資料3の「労働需給制 度部会における紹介予定派遣についてのヒアリング概要」を見ると、これは派遣会社に 聞いたものですが、派遣先から労働条件が明示される時期で、派遣契約終了1カ月前か ら2週間辺りがほとんどとか、直接雇用に至る1カ月ぐらい前が大体示される時期ですと お答えになっているので、このような時期に行われるものがある程度あるのではないか と推測されます。   ○鎌田座長   今有田委員がおっしゃったのは、紹介行為の時に初めて派先の就業条件が明示される ということでもないので。   ○有田委員   何か採用するときの採用条件です。現行法上かかってくるのは、契約に期間があるか ないかだけを要求しているので、例えば賃金や労働時間、福利厚生等、さまざまな他の 労働条件についての明示は、派遣契約を結ぶ段階では求められない。労働者として派遣 元と労働契約を結ぶ段階においては、何も示されないわけです。だから、こういうはず ではなかったといったトラブルが出てくるのではないかと思いますので、職安法とは別 に、紹介予定派遣なので、紹介予定ということで見込額でもいいですが、ある程度のも のを示した上で、実際に派遣先で試用期間的に働いて働きぶりを見るわけです。その人 も働くときに、自分はその先どういうポジションでどのような仕事をするかもよくわか らないままに、ただ言われて働くだけでは納得できない部分も多いでしょうから、何ら か明示のルールを別途考える必要がある気がします。   ○鎌田座長   どのようにすればいちばんミスマッチがないのかということですね。   ○有田委員   そもそも紹介予定派遣を派遣先がお願いするときには、採りたいポストや採りたい労 働者のポジションなどをもともと持っているはずなのです。そうすると、その条件を前 もって示すことにしても、別に負担になるようなものではないと思うのです。一番はっ きりしたやり方は、先ほどの期間の問題だけではなくて、一応すべての採用時に予定す る条件を示しなさいと変えるのもいいのではないかと思います。   ○鎌田座長   派遣就業開始時に、いわゆる雇入条件をすべて整えて明示するということですか。   ○有田委員   はい、まさに紹介予定の派遣なのですから。その場合、その条件で紹介に移行しない 場合もあるのは、制度上前提になっています。ただ、紹介に移行して採用するとなると このような条件で採用する予定ですと、ちゃんと明示することを求めても、別におかし くはないと思います。   ○鎌田座長   確かに理想とすればそうかもしれませんが、私が心配するのは、紹介派遣は、いわば 派遣先に受け入れてもらうことを前提にしている派遣制度として、これからももっと活 用してほしいと思っているわけです。そうした時に、今言ったようなことでいくつかの 条件をつけて、就業開始時にすべて決めてくださいといった場合に、派先企業とすると 人を見てから判断するところもあるから、使いづらくなってくるのではないかと思うの です。その辺りは、この制度をどう考えるかなのですが、全体の割合から言うと、比率 としてまだ十分に拡大してはいないので、もう少し現行の使い勝手を維持しながら拡大 をするのがいいのではないかと思います。ただ、今言ったすでに要領等で決められてい ることについては、少し強化をしていくことはあるのではないかと思います。それは非 常に大切なところなので、そういったものについては少し強化をしていくようにしたら どうかと思っています。というのが私の考えなのですが、派遣労働者もさることながら、 それを活用する側のニーズも少し考えていかなければいけないのではないかと思ってい ます。それが、労働市場の中でこういった制度を広げていくポイントなのかなと思いま す。   ○有田委員   今のご説明だと、需給調整の役割をここに非常に期待するということだろうと思うの ですが、その場合にどの辺りを念頭に置くか。おそらく中途採用は非常にそういう考え 方がぴったり来ると思いますが、新卒採用の場合は、従来的には採用内定があって、試 用期間を置いて本採用というプロセスがまだまだ一般的ですね。それがこちらへかわっ てくることをどう考えるかが1つです。つまり、新卒採用にこれがどんどん入っていくと、 従来の試用期間の法理で採用する側が負っていた責任を一切負うことなく、いやならば 理由を説明しろということですから、それなりの理由をつけてさよならで終わりという ことになってしまいかねない。例えば新卒採用で、紹介予定派遣で何度も失敗して、そ のまま正社員のルートからこぼれる恐れもあるのではないかという懸念が制度導入時に 示されていましたが、先ほどの実態調査を見ると、そのような状況はあまり現実には起 こっていない気はするのですが、拡大していくとそのような所に入っていく人も生じ得 るのではないか。中途採用の場合には、確かに非常にいいルートになることを期待し得 るのでしょうけれど、その辺りをどう考えたらいいのかが、問題が残るところです。   ○山川委員   私は、どちらかというと座長がおっしゃった方向がいいかなと思っています。非常に 景気のいい時は、従来型の採用内定の形で出すと思うのですが、景気が悪くなった時の ことを考えると、バブル期の雇用の特色として、正規社員の新卒採用を抑制したことが データ的に非常に大きく表れていて、もし将来もう1回不景気になって同じような採用 行動を企業がとったときには、なるべく新卒についても需給調整システムを豊富化して おいたほうがいいのかなという感じがします。ルートをなるべく広げたほうがいいのか なと、抽象的な話で、まだ具体的にどうするかという感じではないのですが、そのよう な感想を持っています。   ○鎌田座長   現在どういったことで規制をしているのか、それが運用のレベルでどこまで調整でき るかは、少し検討してまた議論をしたいと思います。専ら派遣が控えていて、これもな かなか大きな問題なので、是非専ら派遣のところでもいろいろとご意見をいただきたい と思っています。  これについては、私も初めて見るデータが資料5に出ています。これを見ると、先ほ ど説明していただいたとおりなのですが、これも私もびっくりしていることがあって、 2頁目のグループ企業内で労働者派遣を行うということで、グループ企業内で人事管理 及び他の事業を行う事業ですが、いちばん下の棒グラフで80%以上をグループ内に派遣 している企業が、68.3%あります。しかも、その中でグループ内だけで派遣・人事管理 を行っているものを見ると、4頁で労働者をどう確保しているかですが、派遣先の業種と しては製造業が極めて多い中で、定年などで新しい再雇用職場を探すということで、派 遣が活用されているというのはまあまあですが、上記以外の事由で離職した者を雇用す るというのが41.2%となっています。もしこれが何らかの形でリストラなどで離職した ということであれば、かなり問題としてはあるのかなと感じたわけです。このようなデ ータも初めて出されたわけですし、質問を含めて皆さんでご議論いただければと思いま す。  私のほうから、事務局に確認の質問をしたいと思います。先ほど説明を受けたことで もあるのですが、専ら派遣の問題点、とりわけグループ派遣の問題点について、少し整 理をしてご説明をしていただければと思います。 ○田中企画官   まず、専ら派遣については、労働者派遣制度というのが、労働力需給調整の仕組みで すので、特定のものだけの労働力需給調整に限定して、目的として行うことになります と、労働力需給調整の仕組みとしての機能を果たしていないということから、そもそも そのようなシステムについては許可の段階で許可されないという形をとっております。  グループ内派遣ですが、これについても労働力需給調整の仕組みとして、労働市場の 中で機能しているかという点については、機能していないということになろうかと思い ます。ただ、これについてグループ内の人事の中をどうするかについては、必ずしも派 遣事業という形で行う必要はなくて、いろいろな人事交流、人事異動の形で行うことも できます。  事業として行うためには営業活動をしていただかなければいけないわけですが、グル ープ内への派遣となりますと、親子関係の中で、1つのグループですので、そのような 営業活動をしないで事業ができるということで、労働力需給調整を行うための事業とし ては、さらに役割を果たしていないというのが1点です。  また、グループ内派遣については、資料12頁の下にも出ていますように、親子間、グ ループ内の力関係の下で派遣会社に転籍をさせて、そのまま派遣労働者を受け入れると いうことで、労働条件の切り下げや労使交渉の回避などに使われる可能性も非常に高く なるという問題点があると認識しております。 ○鎌田座長   今ご説明いただいたとおりですが、すでに許可条件等の中で規制されているものとし て、専ら派遣があるわけです。これは1社の場合と複数の場合と両方あるわけですが、 ともに特定された所にのみ派遣をすることについては、してはならないということです。  グループ派遣の場合は、必ずしも従前の、今言ったような特定の所にのみ派遣をする という枠組みでは規制されていないわけで、それはそういうことになりますね。つまり、 グループの中でいくつか変動することがあるわけですから、グループの中で常に複数が 特定されていれば従来の枠組みの中で規制されるわけですが、グループ全体の中でグル ープとしては特定されているが、グループの中である特定の企業ではなくて、いくつか の企業に派遣することになれば、いまの規制の中では認められていることになるわけで す。これも今ご説明いただいたように労働力需給調整システムとして、果たしていいの かということではないかと思います。  さらに、先ほど私が指摘しましたように、定年などの理由ではなく、途中で退職して、 またグループに退職した人が派遣されるということですと、何のためにやっているのか、 非常に疑問に思うわけです。私などが少し考えますと、まずはグループという形で特定 した派遣について、何らかの規制を必要とするのではないか。これは新しい規制という ことになろうかと思います。新しい規制をすることを考えてみてはどうかと思います。  これはかなり個別ケースになりますが、例えば、グループ内のある企業でリストラさ れた人員をグループ内の派遣会社が受け入れて、グループ会社に派遣労働者として派遣 することが、需給調整という観点から許されるのだろうかということが、1つ大きな問 題として出てくるのではないかと思います。 ○有田委員   新しい規制を考えようというときに、まずグループをどうやってつかまえるのか、連 結決算の範囲とするのか、ほかの捉え方で別に妥当なものがあるのかというのが1つの 問題です。  もう1つは、根拠としては、今言われたような本来派遣法の目的にもなっている需給 調整のための役割が果たされていないということです。1つ考え得るかと思うのは、こ れまで議論してきた意味での常用代替ではないが、今言われたようなリストラをしてお いて、それを派遣に変えて、また同じ仕事をさせるということは、やはり常用代替的な ことを促進させている、そういう形の事業を行っていると見ることができるでしょうか ら、いずれにせよグループ内派遣に一定の枠をかけて規制するときの枠づけの仕方と、 規制の根拠をどこに求めるのかをどのように考えるのか、まず議論しなければいけない のかと思います。 ○鎌田座長   新しい規制ですので、その根拠をどう考えるのか、グループをどうつかまえるのか。 これは事務局のほうでグループという表現が出ているのですが、何かイメージがあれば ご説明いただきたいと思います。   ○田中企画官   いろいろな捉え方があろうかと思いますが、例えば、今回の資料5に出している調査 については、グループ企業としては連結財務諸表提出会社の連結範囲に含まれている会 社ということで定義をして、やっておりますので、そうした範囲に限るというのも1つの 考え方として、皆さんにわかりやすい形としてあり得るのではないかと思います。   ○鎌田座長   今言ったようなことでグループを考えて、少し考えてみましょう。   ○山川委員   2つの問題点というか検討事項がこれまで出てきていると思います。有田委員が言わ れた規制の根拠については、おっしゃられた点と共通しているかと思いますが、新たな 規制と位置づけるのか、それとも日雇派遣とか、ほかの問題でもある意味ではそうです が、労働者派遣というのは、禁止されている労働者供給から一定のものを切り出して解 禁したものであると、そこに出発点を求めるならば、もっと切出し方を改めて考えると いう発想になるのではないかと思います。  有田委員が言われたように、労働力需給システムとして機能するということが切り出 す条件であって、また、例えば、雇用主としての責任を果たせるのが切り出す条件であ った。そういう観点から、いわば規制の単純な追加とは少し違う。時間の流れで見れば、 新たな規制かもしれないのですが、研究会ですから、理論的な話をすると、切出し方の 見直しということになるのではないかという感じがします。  そうすると、専らかどうかというのは、ある意味で技術的な問題で100%特定でなく ても、需給システムというのは、このぐらいの比率だったら機能するとか、グループの 定義がこうであれば機能するとか。しかもそれは許可条件の話という発想で、根拠とし ては説明ができるのではないかという気がします。 ○鎌田座長   有田委員、どうですか。切り出すというのは認めるという意味での切出し方で、認め られないものについては労供という性格であるということです。そうすると、専ら派遣 というのは、許可として許されないということになるから、労供的なものということな のですかね。   ○山川委員   もちろん許可するかしないかという規制のかけ方の下では、定義としては労働者派遣 として供給からは外しているのですが、許可をして初めて最終的な適法性が認められる ということなので、技術的には労働者派遣として一旦切り出したものを、さらに許可を かける段階で絞っている。切出しというのは、単に許可をしなければ労働者供給に戻る ということではなくて。   ○鎌田座長   それならわかりました。私は専ら派遣が労供になるということで。   ○山川委員   そうではありません。   ○鎌田座長   そういう意味では、まさに労働力需給システムとして認められるかどうかという観点 から許可条件を定めるということでいいわけですね。   ○山川委員   専ら派遣とは似ているけれども、違うものとして考えるということです。   ○鎌田座長   有田委員も言われて、私もそうかと思ったのは、まず労供から切り出した派遣事業を 認めてということで、それにもかかわらず、許可とか、さまざまな規制の中心になって いたのは、常用代替防止ということです。常用代替防止というのは、それ自体としては、 まさに派遣法の根底にある理念ということですが、それをどう担保するかということで、 例えば派遣期間の限定などがあったと思います。ですから、専ら派遣が禁止されていた 背景というのは、ある意味では常用代替防止の1つの担保の手段として想定されていた のかという気がします。  そのいちばん典型的な場合は、例えば1社で子会社をつくって、100%労働者を子会社 から受け入れる。あるいは子会社での派遣会社が派遣するということを考えますと、一 体何が起きているのかというと、従前、派遣先であるA社の従業員が行っていた事務的な 業務を、それは社員として雇っていたわけです。ところが、それが全部派遣会社の従業 員に任せるとなると、そのポストというか業務は自社の従業員の業務としてはなくなる わけです。そこで派遣会社から派遣社員として受け入れるということになれば、ある意 味では派遣先会社が直用でやっていた部分について、すべて派遣労働者として代替する というイメージがあって、専ら派遣というのは労働力需給システムとしていかがなもの かということだったのではないかと思います。  つまり、根拠というものを改めて考えてみると、派遣法でいう常用雇用代替防止とい う理念を、どのように担保するかということで、さまざまな仕掛けをこれまで考えてき て、今振り返って、専ら派遣をどう派遣法の中に位置づけているかという観点から見て みると、そういった考え方があったのではないか、位置づけし直すことができるのでは ないかと考思います。  そうすると、グループというのは、今私が言ったような典型的な場合と少し違うので すが、グループ全体が1社と子会社という単純な関係ではなく、グループ全体として統 一的な人事管理をやっている中で、派遣会社があって、その派遣会社にグループのさま ざまな企業から労働者が転籍をし、そこへまた戻っていくということで考えれば、今私 が1社で想定した部分がグループという観点から見ても言えるのではないかと捉えること ができるのではないか。専ら派遣の担保ということで考えた場合に、従前はそういう考 え方をしていなかったと思います。専ら派遣で常用雇用代替防止と考えたとしても、1社 などは典型的な場合だと思うのです。  しかし、今の流れの中でグループ全体として人事管理を行っていくという実態の中で、 今言ったような使われ方が行われているということであれば、労働力需給システムとし て常用代替防止ということからいうと、何らかの規制が必要になってくる。そういう形 で常用代替防止を担保するという新たな手法が必要になってくるのかと思うのですが、 位置づけということから、もう一度考え直してみるとどうですか。  有田委員が、常用代替防止ということで言われたことを私なりに考えると、そういう ことになるかと思います。12頁で第二次人事部的なものというのは、私の理解というか、 もちろん1社の中の人事部ではないのですが、グループの中の人事部的なものという位置 づけで考えられるのではないかと思います。 ○有田委員   指摘されている問題点というのは、資料4、12頁の枠の中の(2)がまさにそういうこと を言われていますね。本来直接雇用されている者を派遣に変えて、また同じことをさせ てということで、そのことは当然労働条件の低下にもつながります。これはまさに安定 した雇用を侵食していくということですから、常用代替防止につながってくる問題です。  そのときの規制のかけ方は、例えば、グループ内での派遣が一定割合を超えてはいけ ないということでいいのか、あるいはそれに加えて何らかの第二次的、あるいは付加的 というか、統一的にそこの派遣会社が担っているということまで要件に入れる必要があ るのか。そこまでの必要はないようには思うのですが。その場合に、一定要件を明確化 する必要があると思うので、どこまでを基準として立てるのかということを考える必要 があると思います。  ただ、グループ自体は、法的な権利義務の帰属主体としては考えられてはいないが、 これまでの施策の中でも、例えば雇用調整助成金などを見ると、グループ内で出向させ たりして、整理解雇を避けて雇用調整をする、そういう形でとどめるのは、むしろ当然 社会的に要求されるものとして、雇用調整助成金の支給対象から外してグループ外への 出向にのみ助成金の支給対象にしていることなども併せて考えると、グループというも のの捉え方としては、その中で安定して雇用を保障するということが、今のところは社 会的にも要求されている。その中で、それを常用代替防止の考え方に反する形で崩して いくということは、グループ全体として問題なのだということをまず考え方に置いた上 で、今度は派遣としてできる範囲の問題として考えていく。そうすると、ほかにも需給 調整機能を果たしているというためには、割合規制的なもので十分かなという気はしま す。ほかに加える必要があるのかどうなのかは、一応考えてみる必要はあるかと思いま すが。 ○鎌田座長   今言った割合規制というのは、例えば8割以上はグループ内に派遣するというものに ついては認めないという意味で割合規制とおっしゃったのですね。   ○有田委員   そうです。あともう1つは、例えば転籍した人を、グループに派遣することそのもの を駄目とストレートに言うのか、それも割合で何か規制をかけることを考えるのか。あ るいはそういう意味ではグループ内にいた人が、またグループ内に還流していく割合と か、先ほど一応グループ内への派遣についても、グループ内で今まで働いていない人を 外から派遣労働者として雇って派遣することにしている、この面で見ると、常用代替と いうことからは問題がないような気もするのです。1つ考えるとすると、その辺の割合 をどうカウントするのかということも、併せて考える必要があるのかと思います。だか ら、グループ内にとどまっている派遣の割合とともに、どういう人を派遣労働者として グループ内の派遣で働かせているのかを内と外で分けるのも、常用代替ということを基 本に据えて考えるのであれば、ひょっとすると加えて考えることが理念にはかなう、要 件の設定の仕方としてはそうなのかなと思います。   ○鎌田座長   今新しい規制を導入するという観点から、いくつかの手法を考えてみたところ、そう いうことになると、割合的規制というものも、その中で判断をしたらどうかということ でした。  もう一方では、グループ内でそういう需給調整をやることが、つまり、ある意味では 外に放り出さないという側面で、1つの合理性というか、労働者にとってもプラスにな る面もないだろうかという見方もできるのかと思うので、その辺がどのように評価した らいいのかというのは、実は悩んでいるところです。 ○山川委員   その点は同感です。専ら派遣の考え方をグループに加えるというのも1つの方法だと は思うのです。必ずしも両立していない話ではないというか、別の視点になるのでしょ うが、定年退職した高齢者について、専ら派遣の例外にしているのは、退職が当然であ るような方については、グループ内で雇用を継続することはけしからん話ではないとい う評価をしているわけです。それはそれでいいのではないか。  そうすると指摘される問題点は12頁の中で、本来は直接雇用すべき者という考え方で、 例えば解雇権の濫用に当たってしまうような者を派遣先に移籍させて、そこからもう一 回派遣するというのは脱法行為という感じがするのですが、本来は直接雇用すべきと言 えるかどうかは、継続雇用のことはともかくとして、定年退職の場合は直接雇用すべき であるともいえなくなっているから、この問題は生じないということからすると、リス トラと言っても、すべてがいけないリストラというわけでもなく、裁判所へ行ったら、 整理解雇が有効とされるような場合もあるので、解雇の場合にも、どう考えていくとか は難しいのかなという感じがします。  場合によっては雇用の確保先がグループ内に確保されるという1つの面もあるかもし れませんし、かといって脱法行為の可能性もある。単純な労働条件の切り下げという中 ですから、切り方は難しい感じが(2)については特にします。(1)は需給調整というのは、 外部にも向けて行うのが本来の姿ではないかという形で説明はしやすいと思います。 ○鎌田座長   今山川委員がおっしゃったのは、12頁の「指摘される問題点」の(1)と(2)だと思います が、(1)については、先ほど常用代替防止という観点から少しグループに広げて考えてい ます。それについては有田委員は、割合的なものも少し考えていただいたらどうかとい うことだと思います。  一方、リストラと言ってもいろいろあると思いますが、辞めざるを得ないと、解雇の 場合ははっきりおかしいわけです。おかしいというのは解雇して派遣社員として受け入 れて、いちばんな極端な場合は、元の会社に派遣するというのは当然許されないという ことになるわけですが、問題は許されないと言ったものを、例えば解雇して派遣社員に して、その解雇した労働者を受け入れるのはいけないというのは書きようがないという か、それをもう少し需給調整という観点から、どううまく規制をしたらいいのだろうか ということで工夫の余地があるのかということです。 ○有田委員   ただ、その場合に、例えばグループ内の事業会社のどこかの1つが非常に危機になっ たので、グループ内で抱えましょうとなったときに、例えば、解雇回避の措置として、 今までだったら出向とか、直接雇用をするというのを前提にした解雇回避措置だけを考 えていたところを、今度は派遣労働に変わってでもグループ内で責任を持って考えなさ いというところまで考えるのか。それはどうかなという疑問があって、グループとして 責任を持って解雇を回避するというときも、本人が派遣でもいいからこのグループ内に いて、慣れた所で働きたいというのをどうするかという問題もあります。 しかし、全体としての常用代替ということを考えていくと、そのような考え方の転換 には躊躇を覚えます。   ○山川委員   私の考えは、抱える措置として派遣というシステムを利用することが許されないとす べきかどうかで、すべて許されないというよりも、脱法行為的なところを抑えていくこ とかなという程度の認識なのです。    ○鎌田座長   要するに私が今申しましたように、解雇して派遣社員にして、そして同じ仕事をして もらう、労働条件を下げてというのは許されない。それははっきりしているのですが、 どこまでの範囲でそういったものを認めるかというのは、もう少し具体的に規制の仕方 を考えていかないと、にわかに判断しづらいところがあるということだと思います。  時間もまいりましたので、残った部分、細かいところで詰めていないところもありま すが、集約のところである程度の議論をしていただければと思います。時間がまいりま したので、本日の議論はこれまでとしたいと思いますが、特に今発言したいことはござ いますでしょうか。  特にないようでしたら、次回の研究会では「優良な事業主を育て、違法な事業主を淘 汰するための仕組み」ということで、情報開示や違法派遣の是正措置等についてご議論 いただきます。次回の日程について、事務局からお願いします。 ○田中企画官   次回の研究会は、7月4日(金)の14時から職業安定局第一会議室で開催を予定してお りますので、よろしくお願いいたします。   ○鎌田座長   なお、本日の議論について、追加でご意見等がありましたら、事務局までご連絡をお 願いいたします。それでは、これをもちまして第8回の研究会を終了させていただきます。 本日は皆様お忙しい中、ありがとうございました。 照会先    厚生労働省職業安定局需給調整事業課需給調整係    〒100-8916東京都千代田区霞が関1−2−2    TEL03(5253)1111(内線5745)