08/06/16 第8回看護基礎教育のあり方に関する懇談会議事録           第8回看護基礎教育のあり方に関する懇談会 日時 平成20年6月16日(月) 13:00〜 場所 厚生労働省共用第7会議室 委員 井部俊子、尾形裕也、梶本章、田中滋、寺田盛紀、矢崎義雄(敬称略 五十音順) ○島田補佐 定刻になりましたので、ただいまより「看護基礎教育のあり方に関する懇 談会」第8回を開催いたします。委員の先生方におかれましてはご多忙にもかかわらず、 当懇談会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日、医政局長は出席 を予定いたしておりますけれども、東北地方での大地震の関係で、災害対策会議を行っ ておりまして、多少遅れての参加を見込んでおります。ご了承ください。それでは田中 座長、議事進行をよろしくお願いいたします。 ○田中座長 皆様、こんにちは。お集まりいただきましてありがとうございました。本 日は論点整理に入ります。これまで5回にわたり、有識者の方々からヒアリングを行い、 前回は私どもでお互いにプレゼンテーションをいたしました。全部拾えているかどうか は別ですけれども、それを基に懇談会の論点をある程度整理しなければなりません。事 務局から論点整理の骨子案についての説明をいただき、その後、改めて私たちの意見を 述べて、骨子案をどう膨らませていくかを決めていきたいと思います。では事務局から 説明をお願いします。 ○小野対策官 「看護基礎教育のあり方に関する懇談会論点整理骨子案」ということで、 全体の構成としては前回の会議でお示ししたように、第I章から第IV章までの4章立て となっており、それに序章を付けるという感じにしております。今回お示しするのは、 あくまでも骨子ですので、本日先生方から頂戴いたしました議論を整理して、次回の会 議では文章案をご提示したいと考えております。  まず、1頁の序章です。これまでの経緯として看護職員の重要性、前の検討会報告書 での指摘、あるいは2つ目に書いておりますように、懇談会の目的といったことについ て書いてはどうかと考えております。  第I章の「医療・看護を取り巻く状況の変化について」では、中長期的な将来の状況 として、大まかに3つの部分を考えております。大きな1つ目が、「少子高齢化等の環 境の変化」です。括弧書きで3つ書いてありまして、1)が「医療の高度化及び人口の 高齢化」として、医療安全に関する意識の向上、医療技術の高度化、治し支える医療、 世界的規模の健康問題といった話があります。2)が「生活・療養の場の多様化」とし て、まさに場の多様化や訪問看護の話があります。3)が「看護学生の確保等の課題」 として、看護学生確保への少子化の影響、基本的生活能力等の看護学生の変化、学生の 大学志向や高学歴化の影響といったことについて記述しております。  大きな2つ目が、「医療・看護における変化」です。1)が「医療に関する意識の変化 等」として、国民の医療ニーズに関する変化、全人的ケアの重視、治し支える医療とい ったことを書いております。2)が「看護の役割の変化」として、経営への参画、予防、 地域支援力、あるいは医療制度改革に対応できるような看護教育改革といった点につい て書いております。3)が「チーム医療・役割分担の推進」として、労働集約的な医療 提供体制への転換、配置の強化、スキルミクス、役割分担、チーム医療、専門看護師・ 認定看護師といったことについて書いております。4)が「看護職員の意識」として、 自律性の向上や社会的存在であることに関する自己認識の強化について書いております。  大きな3つ目が、「看護教育環境についての変化、求められる将来像」です。この中 も大きく3つに分けております。教育の話で、1)が大きく言って教員の問題について 書いております。中黒のポツが3つあります。1つ目が配置や教員の養成を含めた教員 の数の確保です。2つ目が実践指導力の維持・向上として、継続的能力開発の機会の確 保、あるいは技術を体系的に教える力です。3つ目がさらなる技術発展・学問的発展の ための環境整備として、こういった研究環境の整備などについて書いております。  2)が、「教育環境及び教育方法の整備」です。1つ目の黒ポツの教育環境の改善の1 行目に書いてあるのが、自由な発想や豊かな表現力の話です。3つ目に書いてあるのが、 他の医療系の学生などとの交流、あるいはいちばん下にありますように、効果的な実習 方法の確立といったことを書いております。3頁の次のポツが、有効な知識・技術の教 育方法の導入です。そこでは教育全体における指定規則の範囲の見直し、スリム化、教 育の独自性の尊重、国家試験による保証、実践知を伝達する手法、実践知と理論知の関 係、資質の形成適時性、実技を伴う実習を行う前に押さえておくべき知識と技術の標準 化と担保について記述しております。  3)が、「卒後の新人看護職員研修等との関係の整備」です。1つ目の黒ポツでは卒後 の新人看護職員研修との関係の整備で、これはそもそもの基礎教育における技術力育成 強化や、医療安全確保などを踏まえた研修の話です。2つ目の黒ポツが教育内容の確立 です。身体侵襲を伴う看護技術や複数の医療機器を付けた患者へのトータルケア、多重 課題への対応について記述しております。  第II章においては、「看護職員に求められる資質・能力について」と書いております。 これも中を大きく2つに分けております。1つ目が「看護の特徴」、2つ目が「看護職員 に求められる資質・能力」です。1つ目の「看護の特徴」は、資質・能力を語る上で前 提となるポイントとして、キュアとケアを融合したものであるとか、「患者とともにある」 ことにより発現するものといった、看護の特徴について記述しております。  2つ目の「看護職員に求められる資質・能力」については、1)で「医療従事者に求め られる一般的・普遍的な資質・能力」としてまとめております。ここでは1つ目の黒ポ ツとして自立・自律した判断、2つ目のポツとして柔軟な思考、1つ飛んで4つ目の黒 ポツとしてコミュニケーション能力、豊かな人間性や包容力、人間としての成熟といっ たことを記述しております。  2)では、「専門職としての基本的な資質・能力(技術的側面)」として、この中身を5 つに分けております。(1)が「基本的な資質・能力」です。ここではおよそナースが基本 的なものとして必要な知識、実践力、アセスメント能力、EBM、EBNに基づく判断と 対応、組織運営能力、管理能力、専門職としての責任感といったことを書いております。  (2)が「高度医療を担うために必要な資質・能力」です。イメージとしては、急性期中 心ではありますが、安全管理、最新の医療技術の習得、緊急時・急変時の対処能力、他 職種との連携などを書いております。  (3)が「生活を重視した看護を提供するために必要な資質・能力」です。例えば、1つ 目のポツにあるように生活環境全体の把握、2つ目の家族調整、3つ目と4つ目の地域 での連携といったことを記述しております。  (4)が「予防を担う上で必要な資質・能力」です。1つ目のポツにありますように、個 人、家族、地域を総合的に捉える視点の養成、地域資源の活用・開発、対象者だけでは なく、地域全体へ働きかける支援といったことを書いております。  (5)が「看護の発展に必要な資質・能力」です。例えば幅広い総合性、深い専門性、高 い管理能力を習得する姿勢、あるいは先ほどと関係がありますが、実践知を理論知とし て普遍化していき、さらに理論知を実践知に結び付けて活用していくといったことを書 いております。  第III章が、「看護基礎教育の充実の方向性について」です。これは4つのパラグラフ に分けております。1つ目のパラグラフでは、看護職員に求められる資質・能力は、広 範・多岐にわたるということを書いております。2つ目のパラグラフでは、そうした資 質・能力を養うためには、他職種との役割分担と連携の下で、「意志決定課題を抽出し、 それに対する正解群の中から一つを選択して実行する力」を持つ。すなわち、知識と思 考の統合とともに、統合された知識と思考に基づいて行動できる人材を育成する“プロ フェッショナル教育"を提供することが必要不可決となると書いております。第3パラグ ラフでは、「中長期的な将来における社会状況の変化、及びそれに伴う看護職員の役割の 広がり」及び「資質・能力を高める上で必要な教育を行うための教育体制や環境の確保」 の進展とともに、「学生の大学進学志向のさらなる強まり」が予測されるとしております。 第4パラグラフでは、当懇談会としては、以上の点を踏まえ、看護基礎教育の充実を図 るべきであると考えるとしております。  第IV章が「課題等」です。まず、今後の看護基礎教育の充実に関しては、実証研究等 によるエビデンスを重ねるとともに、医療提供関係者、看護師等学校・養成所経営者等 を含め、広く国民的なコンセンサスを得ながら、慎重な議論を進めていくことが不可決 であり、以上のような課題があることを十分に念頭に置いて進めていくことが必要であ るというように整理をして、6頁で5点にわたって整理をしております。  1点目が「看護職員需給への影響」として、適正な供給数の確保や処遇への影響、社 会人における看護教育ニーズへの対応といった話があります。2点目が「大学教育に関 する課題」として、教員不足と質の低下、大学教育に伴うコスト等の話があります。3 点目が「准看護師について」として、准看護師制度に関する考え方の整理です。4点目 が「保健師・助産師教育」として、看護師教育と保健師教育、助産師教育との関係や順 序性、大学教育における保健師・看護師統合カリキュラムに関する評価です。5点目が 「看護職員としての生涯学習を可能とする環境の整備」として、高度化、専門性の深化 とキャリアラダーとの関係の整理、就職後の継続教育・研究を可能とする環境の整備と いったことを掲げております。以上、ご議論をよろしくお願いいたします。 ○田中座長 この骨子案を基に、私たちの意見で膨らませたり、改訂があったりすると 思います。最初に、第I章から第IV章まで章ごとに議論をし、最後にまとめて改めて全 体を見通して議論をするという形を取っていきます。最初に序章と第I章について、ご 意見・ご質問をご自由にお願いいたします。 ○寺田委員 何気なくお使いになっていると思うのですが、1行目に「最大職種」とい うのがありますね。これは多数という意味でしょうけれども、よくわかった話なので、 「最大」とか「多数」といった刺激的な言葉はどうでしょうか。ほかの所でも何カ所か 出ていたような気がします。人数的にマイナーな医療関係の職種もあるわけですし、ど うなのかなという印象を受けました。第II章についてもそうですが、ほかは大体は非常 によく書き込まれているのではないかという気はいたします。 ○田中座長 言葉の表現ですね。みんなが知っていることですから、わざわざ刺激的に 書かなくてもとのご意見ですね。序章と第I章について、何でも結構です。 ○井部委員 この報告書案の流れとしては、「これまでの経緯」にありますように、「将 来を見渡す観点からの望ましい教育のあり方」ということで、比較的将来を展望して、 これからどうするかという書きぶりになっています。いろいろなヒアリングの中では「現 状はこうなっているのでこういうように行くのではないか」というように、現状から将 来を展望するという意見もありました。ですから流れとしては、将来からだけではなく て現状からもアプローチする書きぶりを、第I章に入れてもいいのではないかと思いま す。 ○田中座長 具体的にどこかポイントはありますか。 ○井部委員 例えば、第I章の1の3)の「看護学生の確保等の課題」です。すでにい くつかの視点から、例えば大卒の定着率は高いとか、離職率も同じことですが、教育背 景別による定着率の違いも示されておりますし、国家試験の合格者の数も示されており ます。また、大学の入学者は退学が少ないというような話もありましたし、養成所の志 願者は減っているけれど、大学の志願者は増えているといったことも示されております。 このように、現状も重要ではないかと思っています。 ○田中座長 そういう数値も入っていたほうがいいということですね。 ○尾形委員 第I章あるいは第II章は、大変よく書けていると思います。若干コメント があります。2頁の2)の「看護の役割の変化」で、「看護職員の経営参画」と書いてあ るのを、私は非常に高く評価します。今までここまではっきり書いたことは、なかなか ないのではないかと思い、経営参画というのは大変結構だと思います。それに比べると 4つ目の「医療制度改革に対応できる看護教育改革の進展」というのは、何となく抽象 的でよくわからない感じがします。医療制度改革ということで何を考えているのかとい う辺りを、ここでもう少し書いたほうがいいのではないかと思います。例えば医療にお ける機能分化と連携の推進とか、情報開示が進展するとか、すでにいろいろな議論があ ったと思いますので、実際の文章にされるときにはその辺を書き込んだほうがいいので はないかと思います。 ○田中座長 看護師に関する議論は、保険制度の在り方に直接には関係しないけれども、 地域医療体制や連携といった提供体制の話は重要ですよね。 ○梶本委員 まず第I章、第II章で言うと、先ほどの井部委員の意見に賛成なのですが、 この懇談会の問題の立て方が、将来の看護からみてどうあるべきかというような視点に なったので、なかなか議論になりにくかったと思います。いちばん重要なのは現在何が 問題で、それが将来、きちんとやれるのかというところです。やはり3)の「看護学生 の確保等の課題」というのは、将来の問題であると同時に、いまの問題でもあると思い ます。例えば4大の看護大学は定員が確保されているのに、養成所は定員割れが続いて いる、短期大学は定員割れが始まっているという現況を見ると、将来、どういう教育を しようかということよりも、将来、確保という大問題が本当に大丈夫なのかが非常に気 になります。これは、たぶん「課題等」の1の「看護職員需給への影響」とも関係する と思います。その視点がないと、「明日のことばかり言っている」と言われかねません。 書き方は難しいとは思うのですが、やはり足元の看護師の確保の話をもう少し強調して、、 ここがいちばん大事なポイントだということを指摘した上で、そのためにどうしたらい いかという考えを入れておいたほうがいいのではないかというのが1点目です。  それから第I章の2の3)、「チーム医療・役割分担の推進」についてです。「スキルミ クスの確立」という言葉で読めということかもしれませんが、私や矢崎委員などは、将 来20年先を見れば、看護師がいまの看護業務だけをしていていいのかと思っています。 地域の訪問看護がどんどん盛んになってくる、在宅医療で看護師が現場に行って患者と 相対することが増えてくる、いろいろな医療技術が非常に高度化していくという中で、 参考人には、「看護師の業務拡大についてはどうですか」という質問をして、やはり「そ ういうことは必要だ」ということは、かなり聞けたと思います。  ですから「スキルミクス」や「役割分担」というような、奥歯に物のはさまったよう な言い方ではなくて、看護師の業務拡大、医療行為をもっとやれるようにすると書くべ きだと思います。大学でやるかどうかは別として、看護師はかつて静脈注射もできなか ったのができるようになっているという意味でも、薬の処方や麻酔ということが求めら れるようになれば、看護の基礎教育の中身も、そういうことを念頭に広げていかなけれ ばいけないだろうという意見は、もうちょっと鮮明に打ち出しておいたほうがいいと思 います。 ○田中座長 多くの事柄は、どちらかというと前向きな課題ですが、学生の確保だけは、 できなくなってしまったら、前向きな課題はすべてできなくなります。そういう意味で は、いちばん喫緊の課題でもあるので、ちょっと書きぶりを変えて、きちんと指摘せよ とのご意見ですね。 ○矢崎委員 序章ですが、いま医療を取り巻く環境は大きく変わって、国民の医療に対 する評価のパラダイムシフトと言いますか、量から質へということになっています。そ の中で、看護職の方の位置づけが極めて重要だということは、「医療・看護を取り巻く状 況の変化について」で個別には書いてありますが、やはり序章でそれを、むしろ最大職 種の重要性よりも、そういう意味で少し内容を濃くして序章を書いていただければ、大 変ありがたいと思います。  我々は最大の医療法人で、看護学校や養成校を持っているのですが、確かに梶本委員 が言われたように、看護学校の学生の確保とレベルの向上を目指す中にあって、3)の 確保の問題をどういうように解決していったらいいかということは是非、具体的に書き 込んでいただければと思います。  業務拡大については、何も病院が忙しいから看護師にやってよということではなくて、 これからは医療の中で医師も女性がどんどん増えていきますし、看護師の中でも男性が 増えてくると思います。やはり患者の目線に立って、患者が看護職の人にやってもらい たいことはたくさんあると思うのです。「業務拡大」と言うと、何かお役所的なことにな りますが、もう少し活躍の場が広がるようなものを書く。「裁量権の拡大」など、いろい ろなことが書いてありますが、医療における看護職の位置づけというものを、もうちょ っと明確にする。難しいかもしれませんし、それが集約すると業務拡大になるのかもし れませんが、そういうメッセージを伝えていただきたいと思います。  それと表裏一体になるのが、本来の看護教育をどうしたらいいかということです。看 護教育の中でも「効果的な実習方法の確立」というのが、2頁のいちばん下の段に書か れております。私が医学教育はどうあるべきかということでやってきた中では、実技試 験や、我々は「OSCE」などと言っていますが、ある程度の技術と知識を持っているこ とを評価した上で実習に入らせて、患者に安心してもらえるような共用試験みたいなシ ステムを入れています。看護教育でも是非、国家試験ではない、大学なら大学でしっか りした基準を作って、そういう方法の導入もいかがなものかと考えております。  それから次の頁に、「教育全体における指定規則の範囲の見直し、スリム化」というの があります。我々は「コアカリキュラム」というキーワードでわかりやすくしているの で、もし三浦課長のお許しが得られれば、「コアカリキュラム」というキーワードでこれ を書き込むほうがわかりやすいのではないかと思います。先ほど申し上げた実技・知識 的な認定というのは、「有効な知識・技術の教育方法の導入」の中の1番目が、おそら くコアカリキュラムで、下の「技術的・実践的資質の形成適時性」というのが、我々で 言うOSCEなどになるのではないかと思います。言葉が少し抽象的になっているので、 もっと具体的に内容を詰めていったほうがよろしいかと思いました。  第II章の「看護の特徴」の最後に、「患者とともにあること」により発現するものとい う言葉が書かれておりますが、阪大の学長が、「自分が医療行為を受けて医者と対面をし て説明を受けたときに、看護師さんが自分の席の隣に座って聞いてくれた。それが非常 に感激した」と言っておりました。看護職はそうだと思うのです。医師は対面診断です が、看護師は患者と並んで行う。そこは私もうまく説明できないのですが、「患者ととも にある」という意味の中に、うまくそれが組み込まれるかどうか。対座ではなくて並座 と言いますか、隣に座っているような感じです。看護の特徴はやはり医の原点で、医師 と同じだけれど、患者の受け取るところはちょっと違うのではないかというところが、 もし、うまい言葉で入れていただければありがたいと思います。 ○田中座長 今日出ているのはタイトルだけですので、抽象化されています。矢崎委員 がご期待されるほどのうまい文章を、私たちがどれだけ書けるかどうかは別ですが、で きるだけ分かりやすくする。業務の拡大については、個別の業務がどうかを検討する会 ではないので、名前よりもイメージとして、拡大していくための意味合いや方策を指摘 しています。また何人かの方から、看護学生の確保の話は将来を考える基礎であり、そ もそも確保できないと将来も何もないので、別の問題であることがはっきりするような 書き方がいいのではないかとのご指摘がありました。  私も1つだけ、事務局に質問があります。第I章の2の3)の「チーム医療・役割分 担の推進」にある、「労働集約的な医療提供体制への転換」とは、どういう意味合いなの でしょうか。医療が労働集約的であることが理解されていないとのご発言があったこと は記憶しておりますが、転換せよとは、いまは労働集約ではないことになります。いま 労働集約的なことがわかってもらえていないと、たしか矢崎委員がおっしゃったと思う のです。 ○矢崎委員 たしか尾形委員の文章の中に、「我が国の病院運営は労働倹約型で、集約型 ではない」というのがありました。というのは、急性期医療のベッド当たりの人員数が 極めて少ないのです。病院経営から見ますと、人件費率が40%か50%でないとやって いけません。欧米では人件費率が80%とか90%なのです。そういうように根本的に病 院の経営のあり方が違うので、人がものすごく足りないということです。 ○田中座長 その意味では私も100%賛成いたします。経済学用語で「労働集約的」と 言うと、何となく労働が足りる足りないではなくて、資本コストとの関係で出てきます。 尾形委員、説明をよろしく。 ○尾形委員 前回、説明はしなかったのですが、私が参考資料として付けた中に、こう いうことを書いておいたのを、たぶん取り上げていただいたのだと思います。矢崎委員 がおっしゃったとおりです。一般的に言うと、医療というのは労働集約的なサービスだ と考えられていますが、国際比較をすると、日本の医療制度はかなり特異な形で、むし ろ資本は非常に豊富にあるけれども、労働が相対的に非常に手薄な配置になっています ので、そのことを表したつもりです。そういう意味で2006年の改革では、少しこうい う方向に動こうとしているのかなと思います。病床数を少し減らしても、看護職員の配 置を手厚くするというような方向に行きつつあるということで、こういう表現をさせて いただきました。 ○田中座長 必要な人員の確保とのご意見ですよね。労働集約か資本集約かと問うと、 資本の比率を減らして労働を増やせという別の意味が入ってきますが、そうではなくて、 要は働く人の数が少ないことを指摘すればいいわけですよね。 ○尾形委員 人件費をけちらないでください。 ○井部委員 その件に関しては尾形委員が中座された後に、たぶん私がその箇所を引用 したと思います。あの論文の中で、CTとMRIは世界の中で断トツに日本の病院の中に 多いのに、人員配置が非常に貧困だという話はとても印象的でした。その意味では私も、 物に投資するだけではなくて、同じように人への投資というのも、もっと積極的にやる べきだと思います。 ○田中座長 中身については全員同じ意見だとわかりました。ほかに第I章については よろしいでしょうか。 ○井部委員 先ほど指摘のあった「チーム医療・役割分担の推進」では、在宅医療の担 い手といった視点は、きちんと出しておいたほうがいいと思いますので、私も梶本委員 の意見に賛成です。それが「専門看護師・認定看護師等」に含まれているのかもしれま せんが、いま在宅医療が行き詰まっているという件に関しては言及していただきたいと 思います。 ○田中座長 病院の中でのチームだけではなくて、在宅におけるチームも極めて重要で あるので、文章として入れるべきであるとのご指摘をいただきました。事務局側から、 この点をもう少し聞いておきたい個所は、特にありませんか。  またいつでも戻っていただいて結構ですので、次に3頁から5頁に書かれている第II 章について、ご意見・ご質問をお願いします。 ○矢崎委員 先ほど言ってしまった、第II章の「看護の特徴」をよろしくお願いします。 ○尾形委員 2点あります。1つ目は、いま矢崎委員がおっしゃった「患者とともにあ る」という所です。私もこれで本当に表現できているのかというのは、若干疑問に思っ たところです。私は、ニュアンスはちょっと違うかもしれませんが、医師やほかの医療 従事者も、本来は患者とともにあるべきだと思うのです。あるいは、もうちょっとここ で看護の特徴ということを打ち出すのであれば、患者と最も密接に触れ合う立場、位置 にある、あるいは多様な患者のニーズに直面する、そういう立場にあることから、例え ば4頁にある「人間としての成熟」「豊かな人間性、包容力」というものが必要だとい うように繋げたらどうかと思います。これは別に直せということではなくて、表現の中 で考えていただければと思います。 ○田中座長 たぶん看護師が患者とともにある人と表わすと、ほかの職種はそうではな いかのような感じがするので、医療人は全部そうあるべきだけれども、看護の特徴をも う少しわかるようにしたいとのご意見ですね。 ○尾形委員 もう1点が4頁の2)の(1)、「基本的な資質・能力」の下から2番目、「組 織運営能力、管理能力」についてです。先ほど折角「経営参画」というのを入れていた だいたので、ここは「経営管理能力」としてはどうかという提案です。 ○田中座長 ビジネススクールでは、管理と経営は違うと教えていますが、経営をここ でも活かしたいとのご指摘ですね。 ○寺田委員 まず、いまのお話と関係するところからいきます。経営管理と言うと、病 院全体の経営の話だろうと思うのです。そのことも非常に重要だとは思いますが、看護 師の場合、やはり患者や家族との人間関係をマネージメントするとか、患者から、ある いは家族からのいろいろな苦情とか、結構シビアな問題がたくさんあるように思ってい るのです。そういったことをうまく処理できると言いますか。もちろん医師の場合も同 様でしょうけれども、よりカウンセラー的な面が出てくるのではないかという気がしな いでもありません。そういったことも入れていただければと思います。  それから、こういうように言うとたくさんになってしまって、矛盾する意見で申し訳 ありませんが、いろいろな項目について、大変よく書けてはいるのですが、網羅的すぎ て、いまの看護の現場では、一体何が決定的に重要なのかというのを、ある程度出して いただければという気がします。私の個人的感覚で言いますと、いろいろあるけれども、 いまの時代的な要請から言うと、例えば1)ですと、いちばん下の倫理感の問題とか、2) ですと、真ん中よりやや下のEvidence-Based Nursingの問題とか、(2)ですと、いちば ん下の在宅療養の問題とか、(3)ですと、いちばん上のアセスメント能力とか、特にこう いったことが重要なのだという書きぶりになると、なおいいのではないかという気がい たします。第II章については以上です。 ○田中座長 短くていい項目と、重要であることがわかるといい。 ○井部委員 事務局に質問です。この仕上がりは、こういうように項目で並べるのです か。それとも、もっと叙述式に文章で書かれるのですか。文体としてはどういうことに なるのでしょうか。 ○野村看護課長 こういった項目ではなくて、文章にしていくつもりです。 ○井部委員 そうすると、これはとても重要とか、これは普通といったことが分かるよ うに、文章が作られるのでしょうか。 ○野村看護課長 前後の表現で、そういう言い方はできるのではないかと思います。逆 に、ここは重要だ、重要とすべきだというご意見があれば、この場で教えていただけれ ばと思います。 ○田中座長 いま寺田委員が最後にご指摘になった在宅療養とは、在宅医療と介護を含 めた意味で使っていらっしゃるのですか。ここだけが「在宅療養」と書かれているので す。 ○野村看護課長 在宅医療も在宅療養も、全般を含めた用語になっていると思っており ます。 ○田中座長 ほかの所は「在宅医療」と書いてあったので、「療養」だと介護も入るのか と。 ○野村看護課長 在宅療養は介護も地域の環境も、みな含めたイメージで書いておりま す。 ○田中座長 そういう意味ですね。わかりました。 ○矢崎委員 先ほど看護職の業務拡大の議論があったわけですが、ここではそれを具体 的に記述すると思うのです。内容は先ほどの議論でもあったように、急性期病院での非 常に高度・専門的な高い能力と、在宅医療などの地域の中で支える医療としての中心的 な役割と、ダブルトラックみたいな共通の部分もあるのですが、やはり教育も、ある程 度違う可能性もあるのではないかと思います。おそらくこのレベルになると、大学院教 育に入ってしまって、基礎教育ではないかもしれませんが、そのときに将来自分が進む 方向として、少し考えていただけるようなニュアンスがあってもいいのではないかと思 います。1人で全部を習得するというのは、なかなか難しいのではないかと思います。 ○田中座長 基本的な資質は共通でしょうけれども、いきなり基礎教育で全部をとの要 求は無理かもしれませんね。どこか1つかもしれません。いずれもそれぞれの分野で大 切なものが、(2)(3)(4)(5)と並んでいるわけですので、それを読む人が誤解しないように書 く。 ○井部委員 矢崎委員の意見については、多少検討の余地があると思います。そういう ようにおっしゃったのかどうかは分からないのですが、基礎教育の初期から、急性期医 療と在宅医療とに分けて教育するかどうかというところです。 ○矢崎委員 私が言っているのは、大学院で高度専門の領域をやるときに、コースが選 べたらいいのではないかということです。 ○田中座長 基礎教育では一通り全部触れるべきである。 ○矢崎委員 はい。 ○田中座長 そういうことだそうです。大丈夫でしょうか。第II章は基本的に理想の方 向を言っていて、こういう理想はいかんという意見はあまりない。これが全部できたら すごいだろうなと思いますが、あくまでもこういうそれぞれの方向に向かって頑張りま しょうとの書きぶりで、議論になる感じではないのかもしれません。  次に、それに至る政策課題が比較的短く書かれている第III章に移ります。政策として はここがいちばん議論のある所だと考えますが、いかがでしょうか。 ○梶本委員 ここは方向性がよく見えないという気がします。将来的に看護の基礎教育 を見渡して望ましいのは何かと聞いて、ただ「充実を図るべきである」という答えでは、 これまで「何をしていたのか」と言われかねないので、もう少しきちんとした方向性を 出したほうがいいと思います。私は、4年制の大学にしていくということを、ここにも っとはっきり明示したほうがいいのではないかと思います。なぜかというと、それまで の第I章や第II章を見ると、相当盛りだくさんなことをやらなければいけないし、いろ いろな能力を付けてもらわなければいけないように読めますから。それを3年で全部や れというのは、とても無理だろうと思うからです。  また、4大化については、具体的にどのぐらいの期間をかけて移行するのかというこ となど、いろいろ個人的なニュアンスの差はあっても、将来大学にしていかなければい けないだろうということは、今までの議論の中でも田中座長を入れて6人の委員は、皆 さん一致していたと思います。ましてや20年後と言われると、今のままでいいとはと ても思えないわけです。  もう1つだけ具体的なことを言いますと、数の確保といういちばん大事な視点から見 ると、大学をどんどんつくってしまうと、今までの養成所がコストの問題等々で、大学 に移ることができない。したがって、かえって看護師不足が起こるという意見がありま す。その一方で、現状では大学のほうは定員を満たしていて、養成所のほうは定員割れ しており、しかも養成所で養成された看護師に辞めていく人が多い中で、引き続き養成 所を中心にやっていけば、数の確保が心配ともいえる。こういう二つの立場がある以上、 大学化ということはすぐには結論が出ないが、いずれにしても数の確保という視点も入 れて、将来は大学化というのが必要だろうということは、もっとはっきり言わないとい けないと思う。単に「充実を図るべきである」と言って、この検討会は解散はできない のではないかという感じがします。 ○尾形委員 大学の教師などをやっておりますと、すぐに採点したくなってしまいます。 第I章と第II章は非常によくできていると思うのですが、それに比べると第III章は、私 は及第点はあげられないのではないかと思います。まず細かい所からいきますと、2つ 目のパラグラフの「意志決定課題」というのが、ディシジョンメーキングの意味だとし たら、「志」ではなくて「思」です。  全体としては、この第III章のままですと、たぶんこの懇談会の設置目的、マンデート を満たしていないのではないかという形式論があると思います。この懇談会の設置趣旨 というのは、「看護基礎教育の充実の方向性について幅広い観点から議論を行い、論点を 整理することを目的とする」と書いてあるので、「充実の方向性について議論を行う」な のです。充実すべきかすべきでないかという議論をする所ではないわけですから、「充実 を図るべきであると考える」という結論は、言わずもがなです。そうではなくて、方向 性を示さなければいけない。そういう意味では、いま梶本委員がおっしゃったとおり、 このままでは懇談会は解散できないと思います。この懇談会のマンデートを満たしてい ないという形式論が1つです。  内容的にも、大体梶本委員と同じ意見ですが、いままで出ていた議論の方向を踏まえ ると、4年制への教育期間の延長ないし大学教育への移行ということが、大方の議論だ ったように思いますので、やはりそれを軸に記述すべきだと考えます。それぞれについ て更にほかの意見があれば、それも書いてもよろしいかと思います。いずれにしても幅 広い観点から議論を行って論点を整理しないといけないのに、それがこの第III章では行 われていないので、ここはやはり大幅に書き替える必要があると思います。 ○田中座長 論点を整理した上で、別々の方向に入ることはあり得るけれども、論点が 整理されていないままでは、解散もし難いということですね。 ○寺田委員 書かれていないことを1点と、あと3点ぐらい申し上げます。書かれてい ないことというのは、議論をしている中でいろいろ気付いてきたことです。先ほど井部 委員からも少し話がありましたが、序章、第I章、第II章、第III章、第IV章の中で、第 II章と第III章の看護基礎教育の充実の方向性の基本的なポリシーを打ち出す前提には、 やはり現行制度の基礎教育の評価の問題というのもあるだろうと思います。先ほど井部 委員は主にデモグラフィックな面、量的な面をおっしゃったのですが、これは基礎教育 として機能しているかどうかという点で、大変重要な側面です。  さらに、結果として量の問題はさて置き、それぞれの大学なり、短期大学なり、養成 所なり、高等学校なりが地域の医療ニーズに応えてきたのかどうか、どう応えたのか、 あるいは問題としてどういったところがあるのかといった点からの評価をしておくと。 それにより問題が何で課題が何かというところが、たぶん導き出されてくるのではない かという気がします。これが1つ欠けていたのではないかという気がいたしました。も し可能であれば次回以降、それも入れていただきたいと思います。  先ほど来の意見からも出ているように、大学化という話が随分強調されていたので、 どのようなものだろうかということを考えていたのです。大学というのは、早い所では 昭和30年代にはできていたのでしょうか。あるいは、この8年、10年ぐらい前に一斉 に4年制化をしましたが、やはりその評価をやらないといけないと思います。それなし に4年制化というのは、どうなのかという疑問があります。  2点目はちょっと細かな問題で、田中座長とは少し違うような意見を言うのかもしれ ません。「プロフェッション」「プロフェッショナル教育」という言い方ですが、たしか 前回は「スペシャリストではない」という言い方をされて、ここに書かれているような ことだと思います。それを否定するわけではないのですが、通常「プロフェッショナル 教育」と言うと、先ほど矢崎委員がおっしゃったように、高度・専門職業人養成のコン テクストでやるわけです。前回もお話になったように、アメリカにはロースクール、ビ ジネススクール、プロフェッショナルスクール・オブ・エデュケーションという3大プ ロフェッショナルスクールがあります。そういうレベルの話で、主として現職者に対す るキャリアアップだろうと思うのです。したがって基礎教育の段階で「プロフェッショ ナル」という言い方がいいのかどうか。ちゃんと意味を特定しておけばよろしいと思う のですが、ちょっとどうなのだろうかという考えを持ちました。  3点目は、1番目に申し上げたことと若干関係します。私は特に中等教育や専門学校 教育関係の議論に参加する機会が多いのですが、ともすると養成課程と言いますか、初 期教育の段階で非常に長いキャリア形成の時代のすべてを入れ込んでしまって、解決さ せようという傾向もなくはないのです。これは3年、4年では無理ではないかと思いま す。実際に最近のキャリア理論等からいっても、むしろ就職をして数年後、やっとキャ リアというものが自覚されるのだという議論もあります。非常に長い職業生活の中で培 われていったり、そこで学んだりという面が大変多いと思うのです。  要するに、継続教育の問題というのを、もっとここで言うべきだろうと思います。第 IV章でも、残念ながら出ていないのです。継続教育との問題、あるいは継続教育との関 連で、初めて基礎教育の課題というのが鮮明になってくると思うのです。文部科学省の 場合ですと、「将来のスペシャリストの基礎」などという言い方をしていますが、そうい う論理的な関係になるのではないかと思います。継続教育との関連で見た場合、看護基 礎教育の段階では一体何が求められるか、こういう手順になるのではないかと思います。  4番目に、梶本委員は再々、「ここで一致している」ということをおっしゃっておりま すことです。共通点を言っていただければそのとおりですが、部分的には何人かの方も おわかりのように、大学化について私は、少し違うスタンスを持っております。現に高 等学校、養成課程、短期大学等で、3分の2くらいの看護師養成をやっているという事 実があります。これを量的な面からいうと、趨勢としては大学化が進むというのは、私 も同じ認識です。ただし、前回も私はかなり注意をしてメモを書いたつもりなのですが、 単純に4年制化、大学設置基準に適合する大学化、というように私は思っていません。 特に専門学校での養成課程を念頭に置いて、この3年間を新たな高等教育機関として位 置づけられないものか、そのことによって大学、あるいは看護師としての将来のキャリ ア形成の風通しをよくしていくべきであるというように思います。  そこでさらに1点。今日ではよく言われているように、大学というのはユニバーサル 化して、5割以上の同一年代の人間が進学しています。一方、専門学校では一般課程と 専門課程を合わせて25%ぐらいありまして、75%が高卒後、高等教育段階に進みます。 ところが、この先一体どうなるかということは、よく研究したほうがいいのではないか という気がします。ある数字では、大学の進学というのは6割が頭だという意見もあり ます。一方で専門学校は、25%から20%をずっと維持してきています。これにはいろい ろな事情があると思います。大学の修学機会がどうしてもそういうようになるとか、職 業コースに歩むとか、いろいろな関係でそうなると思うのです。  もう少し明確に言いますと、専門学校と大学を入れて8割ぐらいが頭ではないかとい うのが、私の今のところの全く実証的データのない予測です。大学進学はそんなに高く なるものではないということは、考えておいたほうがよろしいのではないかという気が いたします。ここでもう少し具体的な議論の骨組みを出すべきだということになります と、大学進学志向というのは確かにあるけれども、そういうことを前提にしつつ、大学 における看護師養成を一律にするというのではなくて、必要性に応じてそこの部分を拡 充していくということと、現在のシステムを活用するということが両方ないと、仮に10 年、20年先であっても、実際問題として機能しないのではないかと思います。さらに、 この委員会での課題ではないでしょうけれど、前回、私は文章でどこかにちらっと書き ました。外国人看護師の問題をどうするのかという話もあると思うのです。これは非常 に政策的な話だと思います。そういったこともトータルに考えながら、量の供給、質の 充実ということを考えていく必要があるのではないかと思います。 ○田中座長 生涯研修のことも触れたほうがいいだろうし、大学教育も客観的に触れる なら分かるけれども、それ一辺倒ではなく、もう少し冷静に書けというご指摘です。ほ かにどうぞ。お互いに論争してもいいのですよ。 ○梶本委員 寺田委員が、「私は大学化に賛成していない」というような言い方をされま したが、寺田委員が書かれたものを見ると、「計画的に大学化を進めるべきであろう」と いうように書かれていたので、それぞれみんなニュアンスの差はあるだろうけれども、 大学化を進めるべきだというところでは一致しているというように集約したのです。 ○寺田委員 そこが先ほども言いましたように、共通する部分はそうだということです。 具体的にその中身は何かというのは、いま申し上げたことです。 ○梶本委員 ですから、そこで括ることは十分可能であろうということを述べたわけで す。 ○寺田委員 私はもう一方の話もしております。 ○梶本委員 そのもう一方については、今おっしゃったように高校生の50%が大学に行 き、20%が専門学校に行くという流れで、それが8割を超えないだろうということでし たが、他方で看護系の大学のほうはどんどん増えている。学校も増えているし、学生も 増えているし、定員割れはしていない。その一方で、養成所のほうは定員割れが何年間 かずっと続いている。それから数も減っている。学校数も減っている。 そういうことを評価すると、方向としては大学化ということが見えてくるのではないか ということです。なお、大学化については、ここは大学化するかどうかということを検 討する場ではありませんので、将来の看護師はいろいろな資質が必要だと書けば、大学 化ということは20年先を考えればしようがないのではないか、ということではないか と思うのです。大学化を検討するときに、いままでの大学教育はどういうことであった かというのは評価は必要だし、いまおっしゃったようなことが当然議題にはなってくる と理解しています。 ○寺田委員 1つだけ、論争というわけではありませんが、逆の論で、大学化という言 い方がこれは非常に曖昧な言葉だという気持があります。一律養成制度を高等教育ある いは大学4年制のところでシフトする。ほかはすべて全廃するという意味なのか。私は それは現実的にどうかというのがあって、むしろもう少し正確に言うと、大学での養成 の部分がいろいろな事情から、医療の高度化、社会ニーズの高まり、ここが拡充するの だろう。先ほどおっしゃったような養成所が定員が埋まらないとか等々、こういった話 というのは、通常教育行政の世界では定員を振り替えるという形で処理しますので、そ ういう話ではないか。もし、現在のキャパシティを十分に満たさないのであれば、その 分を大学にもっていくということなのではないか。よりニーズの高い所にもっていくと いうことなのではないかと私は思います。そういうことであれば理解はできます。 ○梶本委員 どういうふうに大学化を進めるかということについては、これはいままで そういう検討をしてこないわけですから、これは次の検討テーマかと思っています。い ずれにしても方向性だけは、寺田委員の書かれた計画的に進めるべきだということを含 めて、そういう方向はきちんと明示すべきだと思っています。 ○田中座長 ありがとうございます。改めて大学化にかかわる委員会が将来できたら、 そのときはきちんと評価もしなくてはならないとの正しいご指摘ですね。 ○井部委員 私はむしろ大学化の方向にいくだろうというよりも、4年制大学にしない と確保できなくなるのではないかという視点で申し上げたいと思います。先ほど少し述 べましたが、その理由としてはいくつかありまして、1つは繰り返しとなりますが養成 所の定員の充足率が落ちていて、大学のみが上昇していることが第1点です。大学の入 学者は概ね卒業しているわけですが、養成所の入学者は約1割強が中途で退学している こと。国家試験の合格者は大学、養成所卒業ともにほとんど9割強が病院に就職してい ること。病院に就職した者のうち、9.2%、以前は9.3%だったのですが、9.2%が最新の データで、現場の必要とする能力が身に付いていないことを主たる理由として、1年未 満で離職していること、早期に離職した者についての最終学歴別の調査によると、大学 卒の離職者1名に対して、12倍の割合で養成所卒が離職しているデータがあるわけです。 つまり、4年制大学を卒業する者のほうが離職率が低く、看護師の確保ができると考え ます。したがって、看護教育は大学教育に向かわない限り、看護師の養成は困難になる のではないかという点で、むしろ積極的に4年制大学教育に移行するという方針を、明 確に打ち出す必要があるのではないか。もっと積極的な意味で4年制大学教育が求めら れていると考えることができると思います。 ○田中座長 ありがとうございます。矢崎委員どうぞ。 ○矢崎委員 I章、II章で看護基礎教育以上に、大学院の教育まで含めて議論してしま って、ごっちゃになって大変申し訳なかったと思うのですが、でも看護基礎教育の中に できるだけこういう医療が量から質に変わっているときに、それに対応した看護師を教 育する上では、こういうことを配慮してくださいと申し上げたのです。そうすると、い まの議論のように3年間でそれができるかどうか。これは十分議論していかないといけ ないのではないか。ですから教育の内容がどんどん増えてきたから3年ではなくて4年 ということではいけないのではないか。本当に先ほど申しましたように医学教育も次か ら次へと知識が出てきて、詰め込みになってしまっています。結局、実習の時間がなく て、卒後臨床研修2年という6年教育が8年教育になってしまったと。そういう轍を看 護教育では踏んでいただきたくないです。ですから、是非、もし大学化ということでや ったときには、本当にカリキュラムをしっかり組み立てて、でき上がった卒業生を、本 当に能力のあるものに作っていかなければいけないので、3年が駄目で4年がいいとい ったときに、内容の問題だと思います。それをしっかりとやっていただかないと、言葉 だけ大学化といって実質が伴わないといけないと思います。  そういうことまで含めて将来を考えますと、やはりいま医療の現場で求めている看護 職は、内容を詰めて4年教育でないと、将来は10年、20年後の国民の医療に対するニ ーズに応えるには、そういう前提で4年でないと、質の担保は難しくなるのではないか ということです。  一方でいま寺田委員が言われているように、量的に圧倒的に数が多いといっても、養 成所卒業生があるので、そういう人たちをどうするかを考えることも必要ではないかと 思います。 ○田中座長 ありがとうございました。詰め込み教育のために長くするのではなくて、 進歩し続けるであろう医学や看護学の変化についていける能力を付けるほうが大切であ る。また、将来の方向は別として、すでに看護師になっていらっしゃる方々が、寺田委 員が言われた生涯教育にかかわる場のこともこの懇談会の目的ではないけれども、忘れ てはならないとご指摘いただきました。寺田委員の言われるとおり、プロフェッショナ ル教育そのものは確かに大学院レベルの用語なので、プロフェッショナル教育に耐えら れる基盤となるようなとの意味で私は申し上げたつもりで、基礎教育でプロフェッショ ナル教育をいきなりすることは難しい。ただ、そこであまりそのときしか役に立たない 知識だけ詰め込んでしまうと、あとのプロフェッショナル教育ができないので、看護師 は本来いろいろな場面で働けるプロフェッショナルであることを強調したかったのです。 おっしゃるとおりで、プロフェッショナル教育に耐え得る基盤とか、妥当な言葉を相談 して入れてもらえればと思います。ありがとうございました。  III章はほかにいかがでしょうか。ここはいろいろな議論があるので、諮問答申でない から1行である必要はないわけですね。複数あってもかまわない。 ○野村看護課長 そうです。論点整理ですので。 ○田中座長 論点整理なので、こういう論点があって、こういう意見があったという書 き方でかまわない。では続きましてIV章、「課題等」に移ります。ここはそれこそ中身を 書くのは難しいですね。課題はこんなものが残るという書き方でしょう。准看護師につ いてこうすべきだとか、保健師はこうすべきだなどの問題はこの検討会の課題ではなく て、こういう課題が残りますとの意味でしょう。だから、こういう課題が抜けていると の指摘あるけれども、中身をこう書けと唱える章ではないですね。IV章についていかが でしょうか。はい、どうぞお願いします。 ○寺田委員 抜けているといいますか、III章の方向性のところで書き込まれてあれば、 ひょっとしたらこの章は要らないかもしれないと思うのですが、基礎教育から漏れそう だという面だけで言いますと、先ほど申し上げましたように、継続教育の問題あるいは 研修制度のあり方の問題があるだろうし、幾人もの特別委員がおっしゃったように、現 在のこの教員養成制度の問題はこれでいいのかという教員養成のあり方です。もう1点 は新しい教育課程がスタートするというまさにその時点にあるようですが、教育課程の 問題はどうなのか。課題としてはおそらく従来議論されていないような枠組みが新たに 入ってくるとしたら、新たな課程のあり方、あるいは時間数の問題が出てくるかと思い ます。項目としてはそのように思います。 ○尾形委員 先ほど来、梶本委員、矢崎委員からお話がありました看護の業務範囲の見 直しですが、本文に書かれることはそれはそれで結構だと思うのですが、中長期的な課 題としてこれは大きな問題なので、課題として1つ取り上げておく必要があるかと思い ます。その際に、個人的にはより高度・専門的な医療行為を担うようになっていくとい う面が1つと、もう1つは専門職である看護師でなくてもできる業務を整理する、その 両面があるのだろうと思いますので、そういったことを含めて、看護の業務範囲の見直 しという言葉がいいかどうかわかりませんが、そういう項目を1つ入れたらどうかとい うのが1点です。  それからこれはどこに入るのかわからないのですが、たぶん1の「看護職員需給への 影響」ということで、先ほど寺田委員から外国人看護師の話が出ていましたが、それと 並んでいわゆる潜在看護師の問題は書いておく必要があると思います。言葉は悪いです が、いままでは大量生産、大量消費みたいな形でやってきて、それはもうもたないとい うことだと思いますし、こういうことをしていてはいけないということも含めて、この 問題は明示していただいたほうがいいと思います。 ○田中座長 そうですね。 ○梶本委員 准看護師の問題ですが、これは前回私が問題提起したわけですが、全体と して正看の養成所も大学も含めてレベルを上げようというときに、もう1つ看護の世界 に准看護師というのがあって、正看護師に対する基礎教育の結論が出たときには、准看 護師の問題を全く放っておいて、正看の世界だけ、こういう資質が将来の求められるか ら、教育をレベルアップしますということは、たぶん世の中は通らないだろうと思いま す。だから議論の入口で解決する必要はないが、出口までにはこの問題は解決しておか ないといけないという意味で提起したのですが、私も勉強不足で、この問題がどのよう に扱われていたかはほとんど知らなかったのです。事務局に調べてもらいましたら、96 年に2年間にわたる検討会があって、医師会も看護協会も両方入って「現行の准看護師 養成課程の内容を、看護養成課程の内容に達するまで改善し、21世紀初頭の早い段階を 目途に看護師養成制度の統合に努めることを提言する」との報告書をまとめたとのこと です。それ以降、厚労省はこの報告書の提言をどう扱ったかは、私は知りませんが、問 題が進んでいないことだけは間違いないと思います。その評価はいろいろあると思いま すが、少なくとも21世紀初頭の早い段階に、この問題は統合という形で考えることが、 前の委員会では出されていることを、ここに明記しておいたほうがいいのではないか。 明記するしないにかかわらず、当検討会の問題提起の結論が出るときには、この問題を 抜きにして、正看護師の教育だけはこのようにしますということは、言えないと思いま すので、この最低限この部分だけでも明記しておいたほうがいいのではないかと考えま す。 ○田中座長 一通り章別の各論も含めて言っていただきましたので、今度は全体を通し てもう一度眺めて、全体の流れ、全体のポジションについて、何かございますでしょう か。先ほど例えば矢崎委員からは序章の頭にもう少し格調高き、大きいマップを書けと 言っていただきましたが、そういう報告書の作り方も含めてでも結構です。 ○井部委員 是非序章には格調高く、いままでの保健・医療・福祉が比較的医学という か、医師の価値観が席巻していたと思うのです。誤解があったら申し訳ありませんが。 そうではなくて、これからの21世紀の初頭はだいぶ過ぎましたが、後半はもう少し個 人の価値観や生活といったようなQOLの重視といったような看護職の持っている価値 観に、先ほどパラダイムシフトとおっしゃったのは、そのようにシフトしてきているの ではないかと思います。序章でパラダイムシフトの件については、十分に書いていただ くとよろしいと思います。 ○小野対策官 もし先生方、この順番とか、そういうことについてもご意見があれば全 体を通して入りくりの話とかがあれば、またご指摘いただければと思います。 ○矢崎委員 ちょっと申し訳ないのですが、課題が網羅的になっていて、先ほどご議論 があったように、いま看護教育に何が求められているのかということで、少し取捨選択 しながら、アピール度の高い報告書になればと思います。これだと何かたくさんあり過 ぎるかなと。 ○田中座長 最後のところですか。 ○矢崎委員 全体的に項目が、です。 ○田中座長 たくさん指摘しすぎる。こういうものが望まれる項目が多すぎて、メリハ リがないと。 ○矢崎委員 というのは、先ほど私謝りましたが看護基礎教育以上のことをことで申し 上げたところがあって、それもみんな網羅されたので、振り返って看護基礎教育のあり 方という原点に立ち返って、もう少し問題を整理したほうが、いま井部委員が指摘した ように、国民の医療への評価が随分変わってきています。評価のパラダイムシフトが起 こっているし、その中で医療職のあり方も変わっていることは、大きなポイントです。 その中に看護教育はどうあるべきかということで、もしかすると章立てをもう少し簡単 にしていただいたほうがいいのではないかと思います。 ○田中座長 この内容自体が、看護師に求められる資質である。つまり新卒の、基礎教 育を終わった人に求められる資質ではなくて、我々に与えられている課題は、看護職員 に求められる資質と書いてあるのです。これだと、すでに完成形になって、ある程度一 人前になった人に求められる資質を聞かれているのです。と同時に、そうした看護職員 になるための基礎教育の充実と2つあって、II章で言われている新卒の人にここまでは 無理だと思うのです。  一方でIII章は基礎教育だけの話になるので、矢崎委員がおっしゃるとおり看護職員た るもの21世紀の中ばには、例えば職に就いて20年経ったら、みんなこのくらいの能力 であってほしいとの話と、そのうち基礎教育が終わった段階ではこのくらいとの要求が、 確かに混じっているのでいろいろなことを言いたくなってしまう。私も同じことを感じ ました。そこはわかったほうがいい。  II章で書かれている看護師は素晴らしいと思うのですが、基礎教育を終わった段階で ここまではあり得ない夢を言っているわけですから。 ○寺田委員 別のことで、繰り返しになるのですが、構成としてはこんなものかと思い ます。先ほど申し上げたようにI章、II章が非常に詳しく書いていただいたので、かな り多く見えてしまっているかとは思うのですが、その問題ではなくて、現状の養成制度 の評価を書き入れるというのは難しいのでしょうか。それがないと今後の方向性が出な いのではないかという気が私はします。非常にインパクトがあるものですから難しいと いうことだとは思うのですが、井部委員が再三おっしゃる量的な面からの役割もあるで しょうし、先ほども言いましたが国民医療に対して果たしている役割などいろいろな観 点からあり得ると思うのですが、多少はどこかで入れていただいたほうがよろしいので はないかと思います。 ○田中座長 エビデンスなしに言うのは難しいかもしれませんね。 ○寺田委員 そうですよね。またもう1回、議論の必要がありそうですね。 ○田中座長 井部委員の言われたような数値は一応エビデンスがあるのですが、そこで の看護教育の成果が、看護現場でどうかは研究の話になりますから、科研費でも付けな いといけないかもしれません。 ○寺田委員 少なくとも組織目標を達成しているかどうかぐらいはいかがなのでしょう か。 ○井部委員 現行制度の評価というのは寺田委員がおっしゃるのは、例えば准看の教育 を終えた人はどういう活躍をしているかとか、そういう話ですか。あるいは養成所の卒 業生は、どういう質的な貢献をしているか、貢献というのは非常に曖昧ですが。 ○寺田委員 主に質的な面ですね。 ○井部委員 質的な面ですか。 ○寺田委員 はい。 ○井部委員 どういうふうに測定が可能なのですか。 ○寺田委員 量的にはもちろんそうですが。基本的には養成機能をきちんと果たしてい るかどうかということだと思います。 ○井部委員 就業の状況、就業の継続といった視点ですか。 ○寺田委員 それも1つあるでしょうけど。あるいは関係のいろいろな医療関係者、あ るいは団体等がどう見ていらっしゃるのか。何人かにここでお話いただいて部分的には 理解できたのですが。 ○田中座長 いずれにしても報告書自体にどこまで書けるかは、これから事務局とも詰 めなくてはなりませんし、お話いただいた方々、関係の方々とのすり合わせもあると思 います。委員が言ったことが全部載るかどうか、これはやむを得ないのでそうではない と思いますが、議事録を通じて各委員がどういうことを世の中に訴えていらしたか、こ れはすべて公開されているわけです。議事録にとどまるものも中にはあるかもしれませ ん。一致したところについては比較的取り込んでいけると思います。一言でもいうと全 部報告に取り込まれるものでもないことは、皆さんにはご承知いただかなくてはなりま せん。  全部言ったことを羅列すると、ますますメリハリがなくなってしまいますし、委員と して強く言われたことは議事録にすべて公開される前提ですので、そこでとどまるもの もあり、書かれるものもあることになります。ほかにございますでしょうか。 ○井部委員 私も章立てを多くしないほうがいいと思います。第III章の「看護基礎教育 の充実の方向性について」の中のいくつかは小さな見出しを付けて、第II章までは看護 師のあるべき資質・能力について論じていますので、第III章では看護基礎教育ではどこ までを目指すかを第III章の前半にそれを書いて、教育の充実はこのように必要だという 書き方をすると、看護基礎教育に引き寄せて論じることができるのではないかと思いま す。 ○田中座長 読んだ人にとって、看護師に求められる資質と、基礎教育に求められる養 成とのつながりをもう少しわかりやすくしたほうがいいとのご意見ですね。  IV章の「課題等」はどうですか。これは本委員会の提言でも何でもない。これが最後 に、あまりたくさん書いてあると、我々はこれを提言する委員会かと思われかねない。 ここはどのくらいのトーンで、どういう位置づけにするかを考えないと、IV章こそが主 たる課題を羅列したと取られても困ります。我々に与えられた責務は、本質的にはIII章 なのです。もちろんII章もそうですが、将来の看護師のあり方と、それに至るまでの教 育であって、ほかに将来厚労省はこういうことを検討しなさいとこのIV章は言っている わけでしょう。しかし、そこが主目的ではないので、何というタイトルにするかは気を 付けないといけないと感じました。  もしなければ早めに終わってもかまわないと思うのですが、今後の進め方はこの次が 最終回になります。そこでいきなり改めて議論して、ばらばらになっても困るので、当 然委員の先生方にはある程度相談しながら書いていく形を取らざるを得ない。そこでこ れから先の進め方について少し説明をいただけますか。 ○小野対策官 まさに田中座長がおっしゃられたように、座長と相談をしながら私ども で原文を作成いたしまして、その上で委員の先生方にあらかじめご相談をさせていただ きたいと思います。もちろん当日は何も議論するなということではございませんが、あ る程度先生方のコンセンサスを得たものを次回提出するという形にしたいと思います。 ○田中座長 その席では先ほども言いましたように、発言は議事録に残りますから、報 告書としてはこれでしようがないけれども、私は実はもう少しこうしてほしかったと言 っていただいてもかまわない場面もあるかもしれません。ただ、報告書は妥協の産物と いう言葉は悪いですが、ある程度削っていって、みんなが納得できるところで作ります ので、それ以外に属することは委員会で言っていただくのを含めて、次回をもつ形にな ります。皆さんに整理していただいたので、どこを書き過ぎというか、話が広過ぎてい たり論理が飛んでいたり、あるいはここは欠けている個所などがわかってきました。あ りがとうございます。では短い期間で最終作業を事務局にしていただかなくてはなりま せんが、頑張ってください。本日はこれにて終了いたします。どうもありがとうござい ました。                         照会先 厚生労働省医政局看護課 福井 小紀子 (内線2599)   福井 純子 (内線2595) ダイヤルイン 03-3591-2206