08/06/10 管理濃度等検討会第4回議事録   第4回管理濃度等検討会 日時 平成20年6月10日(火)   16:00〜18:00 場所 厚生労働省専用第18会議室17階 ○古屋副主任 定刻になりましたので、ただいまから、第4回「管理濃度等検討会」を 開催させていただきます。前回の検討会以降、事務局側メンバーに変更がありましたの で、ご紹介させていただきます。化学物質評価室の島田室長、同じく化学物質評価室の 大淵補佐です。  議事に入ります前に、本日配付している資料についてご確認をお願いいたします。ま ず、議事次第がありますが、本日は議事として、(1)の前々回以降、検討が保留になっ ていたエチレングリコールモノメチルエーテルについて、本日新たな文献等も用意して おりますので、これの管理濃度についてご検討をお願いいたします。(2)の、リスク評 価検討会報告ですが、平成19年度の報告が出されており、その概要について説明いた します。この報告において、(3)の(1)、(2)、ニッケル化合物、砒素及びその化合物、 この2物質について作業環境測定の実施等の適切な管理が必要との報告が出されており ます。(3)のニッケル化合物、砒素及びその化合物について、管理濃度、測定基準、局 排の性能要件等についてご検討をお願いいたします。(4)の抑制濃度の考え方につい ては、前回会議の終わりのほうでご意見をいただきましたが、引き続きご検討いただき、 方向性を決めさせていただければと思っております。(5)の管理濃度等検討会報告書 (案)は、前回までの検討結果をまとめたものを本日資料として出しております。今回 の結果をこの中に盛り込んで、次回最終的なものにしたいと考えております。  次頁に配付資料一覧がありますので、これをご覧いただきながらご確認をお願いしま す。資料番号-3から資料番号-18は従前のものと同じです。資料番号-4、資料番号-5、 資料番号-13の2については、一部追加・修正等しておりますが、基本的に従来のもの と同じです。資料番号-3が「管理濃度等の設定・見直しの検討について」という基本 的なペーパーです。資料番号-4は「検討スケジュール」で、前回お配りしたものとの 変更点は、第4回、第5回の開催予定時期を1月ずつ繰り上げております。資料番号-5 が「検討対象物質の用途一覧」ですが、いちばん最後の頁に本日ご検討いただくニッケ ル化合物、砒素及びその化合物についての用途等を記載しております。資料-6、資料-9 は、従前と同じ資料です。  資料番号-13の2ですが、前回は資料番号-13という形でエチレングリコールモノメ チルエーテルと二硫化炭素の2物質の資料でしたが、今回はエチレングリコールモノメ チルエーテルを抜粋した形の資料になっております。資料番号-18はメチレングリコー ルモノメチルエーテルにかかわる論文の資料で前回と同じ資料です。  資料番号-19以降が本日新たにお配りしているものです。資料番号-19は、前回ご議 論があったエチレングリコールモノメチルエーテルにかかわるPBPKモデルの論文です。 資料番号-20は、1枚目が後ほど説明いたします平成19年度のリスク評価検討会報告書 の概要で、2枚目以後が新聞発表等の資料になっております。資料番号-21は、今回、 新規検討対象物質であるニッケル化合物、砒素及びその化合物の産衛学会、ACGIHの提 案理由です。資料番号-22は、ニッケル化合物、砒素及びその化合物の測定方法に関す る資料で、小西委員からご提出いただいたものです。資料番号-23は、管理濃度検討会 の報告書の中身になる部分で、これまでご議論いただいた物質ごとの管理濃度の提案、 その検討概要などをまとめたものです。以上です。よろしいでしょうか。  それでは、座長、よろしくお願いいたします。 ○櫻井座長 議事進行を務めますので、よろしくお願いいたします。まず、前回検討会 の保留物質の管理濃度等の決定ということで、エチレングリコールモノメチルエーテル について、ご検討いただきたいと思います。事務局から、検討資料等のご説明をお願い いたします。 ○杉山係長 前回の論文を掲載している資料番号-18と、今回の追加資料である 「Proposed Occupational Exposure Limits for Select Ethylene Glycol Ethers Using PBPK Models and Monte Carlo Simulations」と題する論文を掲載しております。 資料番号-19ですが、前回の論文と、今回新たに収集したPBPKモデル論文を加えて、 再度エチレングリコールモノメチルエーテルについてご検討いただければと思っており ます。 ○櫻井座長 前回検討会では、PBPKモデルでは、ヒトに対しても毒性が示唆されてい るとしています。人間の単独ばく露では、2.65などという数字が出ているのに、あえ て動物のデータの13分の1というPBPKモデルを使用して、低い数字に抑える必要があ るのかどうかという点が問題になり、このPBPKモデルそのものを採用するかどうか、 文献をどこまで使えるかということが最大の検討課題ということで、本日検討すること とされております。前回、大前委員にご検討をお願いしておりましたので、今日ご説明 いただければと思います。 ○大前委員 前回、問題になったのは、資料番号-13の2のACGIHの提案理由の英文の 10頁、和文の25頁で、ラビットで3ppmで生殖発生毒性があるということです。先ほ ど言われた人間とローデントですから齧歯類等のPBPKモデルを使うと13倍違うという ことで、この13倍というのはどうなのかというのが前回のポイントだったと思います。  それが19の文献です。この19の文献の中身はどういうものかというと、PBPKモデ ルとMonte Carlo Simulationsを使って、既存の動物のデータからOEL(Occupational Exposure limit)を計算することを目的とした論文です。この論文を作るに当たって、 事前にいくつかのレビューがありました。まず、どの論文がいちばん信用できるかとい うことです。この結果、136頁の表の10のいちばん上のHanley et al.、1984年、こ の論文はいちばん信頼できるということで、この論文を基にしてPBPKモデルを適用し たということです。この論文は、タイトルを見てもわかるように、ラットだけではなく てラビット、マウスもやっております。その中でも、このラットのデータがいちばん信 用できる。もう1つ、おそらくラビットの場合は、あまり使わない動物ですので、PBPK に使えるようなパラメーターがないのではないかと思います。そういうことで、ラット の論文を使って、PBPKモデルを行ったということです。  結論としては133頁ですが、これはモノメチルだけではなくてモノエチル等も行って おりますので、EGEEAとかEGEEなどいろいろあります。メチルの場合はEGMEですが、 133頁の左側の段のTABLE 7の下、上から5行目に“factor of 13”とあります。その 上にinterspecies pharmacodynamic differencesで2.5、intraspecies pharmacodynamic differencesで100.5、intraspecies pharmacokinetic differences で1.7、これを全部掛け合わせると13になるということで、この13という数字が出て おります。前回は、ラビットの数字に対して13だと随分低くなるのではないかという お話でしたが、実はこの論文はラビットのことは一切言っておりませんで、ラットに対 して13という掛け合わせたUFを使うとどうなるかという計算をやっております。  その2行下に、exposure limit gives 0.9ppm EGMEとありますが、このラットのデ ータでPBPKをやるとヒトと13倍のUFが出てきて、結果として0.9ppmという Occupational exposure limitを勧告します、これが計算できますという論文です。こ の0.9ppmの括弧の中に12ppmとあります。この12ppmは、実際にばく露したNOELとい うのは、先ほどのTABLE 10では10ppmになっております。TABLE 10のHanley et al. いちばん上のMaternal toxicityの10で、右側がdevelopmental toxicityですが、そ のLOELが50で、NOELが10とありますが、この10です。これをヒトにカイネティク スで換算すると12になるということを計算しておいて、その12に対してUFの13で割 ると0.9になります。したがって、ヒトに対するOccupational exposure limitは PBPKモデルを使うと0.9が妥当だということを言っている論文です。  したがって、それぞれ何で2.5か、何で100.5か、あるいは何で1.7か全部書いてあ って、それなりの理由は立っておりますので、13という数字はUFとしてはこの方々の 考え方では妥当だということになります。前回の議論のラビットに対して13というこ とは間違っておりまして、この13というのはあくまでもラットに対する数字だという ことなので、ラビットに対する13ではないということが今回読んでみてわかりました。 したがって、0.9でいいのではないかというのがこの方々の結論です。 ○櫻井座長 にもかかわらず、TLVは0.1としています。 ○大前委員 はい。そのことに関しては何も書いてありません。先ほど言いましたよう に、この元の論文はラビットもマウスもラットも全部やっているのですが、ラビットの データは扱っていないのです。このACGIHの引用の所も、TLV Recommendationの2段 目の上から2行目、3ppmという数字がありますが、これは20番の文献を見ると、いま の文献なのです。だから、いまのHanley et al.の文献の中には、ラビットもマウスも ラットもありますが、こちらの文献はラットを使ったということで、13はあくまでも ラットのUFということなのです。そうすると、管理濃度の話になると、いまACGIHが 0.1を出しておりますので、これを使うのかなというようになろうかと思います。 ○櫻井座長 ACGIHはラビットの3を13で割るということですか。 ○大前委員 13ではないです。13はラットの話なので、ラットの話をラビットに使う というのは、もともと変なのです。確かに3を13で割れば0.1ぐらいになりますか。 ○櫻井座長 3を13で割ると、0.1にはならないです。 ○大前委員 もうちょっと上ですね。だから、おそらくまるめて0.1にしたと思います。 最後の所に付け加えて、13という数字を出してきているのは、ラビットのデータを基 にして数字を決めたわりには、何でラットのデータの13なのか、不思議な感じがしま す。 ○櫻井座長 不確実性係数を動物からヒトへ、通常10で割るのを、もう少し定量的に 考えたら13になったというだけのことですか。 ○大前委員 はい。dynamics、あるいはkineticsを考えると、10×10で100ではなく て、トータルで13で十分であると、そういう情報なのです。 ○櫻井座長 従来、こういった職業ばく露のばく露限界値を出すのに当たって、動物の データを使って不確実性係数を導入するのは徐々に行われるようになってきています。 いまのところ10ぐらいのことが多いです。 ○大前委員 はい。場合によっては10を取らないこともあるかもしれません。 ○櫻井座長 かつてはそんなに取らず、2とか3ぐらいだったのですが、いかがでしょ うか。 ○和田委員 現実的には、毒性データで13対1に大体なるのですか。 ○大前委員 そのようです。現実的にはといいますか、これはあくまでも分配係数など を使って計算して13というのが出てきているので、それがヒトに当てはまるだろうと いう推測だと思うのです。 ○和田委員 貧血のデータではないのですか。 ○大前委員 この場合は生殖発生毒性です。 ○和田委員 生殖毒性を中心にしています。貧血だと、ちょっと違った数字になる感じ です。 ○大前委員 そうです。生殖発生毒性のデータは人間では無いので、だから直接比べる わけにはいかないのです。貧血の場合ですと、資料番号-18で2.7ppmぐらいというの が出ていますから、貧血ではこれでいいのでしょう。 ○和田委員 13というのは、貧血に関してはリーズナブルなのですか。そういうデー タはないですか。 ○大前委員 systemic effectですから、たぶんリーズナブルなのだと思うのです。 ○和田委員 「0.55でヒトが貧血生じせず」と書いてあるのです。 ○櫻井座長 この場合は、ヒトのデータが全くなくて、動物のデータからというのでは なくて、ヒトについてのデータがあるわけです。 ○和田委員 動物の貧血のデータというのは、どこかになかったですか。 pharmacokineticでやれば、血中濃度とで、どこの臓器でも大体同じようにと考えれば いいわけですから、貧血も同じようでなければおかしなはずです。 ○大前委員 この場合は生殖毒性は10からスタートしていますが、人間の場合はその スタートの10が別の数字になるのだろうと思います。 ○櫻井座長 生殖発生毒性がヒトについては情報がないけれども、動物で明確に出てい ることから考えるとしたら、3を取って不確実性係数という方向に行くわけです。でも、 ほかのこの系統の管理濃度は5ppmぐらいでずっと来ているわけですが、この論文では、 ほかのものは5ではなくて、もうちょっと低い数字を出しています。つまり、今度はほ かとの整合性の問題も出てきますが、それは先のことですか。 ○大前委員 たぶんこの0.1とした理由は、Recommendationの3段目に“Based upon the absence of anemia in humans”というのがあって、先ほどの資料番号-18の数字 は0.55で貧血がないとしている。その次の行は、10ppmでローデントで、生殖毒性が あるとしている。例えば13ですと、先ほどの0.9になる。ヒトで0.55で貧血なしで、 その生殖毒性のデータがないから動物のを使ったら0.9だという論文が pharmacokineticsのモデルであるので、それで0.9よりも小さい0.55を少し安全係数 をみて0.1としたのかと思うのです。 ○櫻井座長 そうすると、大前委員のご意見としては0.1でいいのではないかというこ とですか。 ○大前委員 いろいろな考え方が出ていますが、0.9というのはネズミのNOELから出 てきた数字ですから、それに対して0.55は小さいですから、例えば0.5という考え方 もあると思います。ACGIHはそれに対して0.1を採用したということだと思いますので、 そこのところは判断だと思うのです。だから、ACGIHが0.1と言っているのだったら、 この委員会のルールはどちらかということなので、0.1でよろしいのではないかと思い ます。 ○櫻井座長 いかがでしょうか。ACGIHと産衛の低いほうの数字を取るという原則から、 0.1という線で落ち着くのかなと思いますが、それでよろしいですか。 ○和田委員 フィジビリティーはちゃんとあるのですか。PBPKは前にいろいろ計算し たことがあるのですが、系の値によってかなり違うのです。Monte Carloだって厳しい ほうを取っていきますから、厳しいほう、厳しいほうを取って値がどんどん、どんどん と低くなっていってしまうのです。いままでの基準を決めるときにPBPKを使ったこと はあまりないです。大体、実際の生のデータでやっています。そういう理論的なもので いいかどうか。フィジビリティーがあれば、いいかなという感じはしますけれども、リ スク評価でユニットリスクを出すと同じことで、どんどん、どんどん低くなってしまう のです。 ○大前委員 おっしゃったように95%の安全のところをとっていますので、常に厳し くといいますか、低めの方向になってしまいます。 ○和田委員 この計算法は、常に低い値をもって、それが重なっていきますから、より 低くなっていく可能性があるのです。 ○松村委員 先ほど、計算方法として3ppmを13で割るというお話でしたが、そうする と、0.2よりも大きくなります。その計算値と0.1というのはどういう関係ですか。 ○和田委員 安全性を見ています。PBPKでやる人は、全部が安全指向で低いほう、低 いほうへもっていきますのでこのような値となります。 ○大前委員 もう1つは、3ppmというのはラビットのデータで、13はラットなので、3 を13で割るのはちょっとおかしいです。 ○櫻井座長 PBPKは、ラビットとラットは同じということはないですか。 ○大前委員 違うと思います。たぶんラビットのデータはないのです。 ○和田委員 共通の人間をそれぞれ低い値で全部計算していきますから、かなり厳しい 値が出てきてしまいます。フィジビリティーがあるのだったら、1つの根拠とすべきで す。 ○櫻井座長 2.5ぐらいにしておきますか。 ○中明委員 測ることができれば0.5でやる。 ○小西委員 測定ですが、普通の溶媒脱着だと厳しいです。加熱脱着ならばということ です。 ○中明委員 加熱脱着でもFIDだったらできないです。 ○小西委員 測定基準上は固体捕集のガスクロでありガスクロの種類はでてこない。あ とは分析処理上の問題となります。 ○中明委員 値が厳しくなれば、加熱脱着になるのです。 ○松村委員 この物質が単独であるわけではなくて、だいたい混合溶剤として存在し、 ピークが低く寝てしまうので分析しにくいです。 ○小西委員 塗料の製造工場などでもあまり出てきません。要するに、あまり出てこな いので、実際に測定してみないことには何とも言えません。実際そのぐらいの濃度で測 定するとしたら、方法を作らなければいけないと思います。 ○中明委員 過去の経験から、測定するということでいくと、0.1はきついかなと思う のです。実際に、かなり使われていてというのであれば、それはそれで問題なのだけれ ども、0.5ぐらいでもいいのかなという気がします。 ○櫻井座長 管理濃度は、常にそういう現実性も加味して考えていますから、5のまま にしておくのか、0.5にするのか、0.1にするのか。 ○古屋副主任 日本産業衛生学会の許容濃度の見直しの状況はいかがでしょうか。 ○大前委員 一応、担当者が決まっておりまして、たぶん見直しが平成20年度中には 始まると思います。ただ、まだ原案も出てきていない段階です。もう1つは、原案が出 てきても、それが1年間で上がるかどうかという保証はもちろんないのですが、今年度、 平成20年度に検討をする予定にはしております。 ○田中委員 現状の作業環境は、どのぐらいの濃度になっているのですか。 ○小西委員 使ってはいるのですが、分析のデータとしては、測定している件数が少な いです。 ○櫻井座長 特殊だなと思いながらみてきました。 ○中明委員 何となく私たちがやっているのは、コンタミの部分で、異常なピークが出 たときに、これは何かといったような記憶があるのです。単独で使っている所もあるこ とはあるのです。 ○田中委員 ということは、マンパラはもし0.1になると、センシティブに合わせたも のになるから、値が出てくるということですか。 ○中明委員 可能性はあります。 ○松村委員 いまは管理濃度の0.5以下は、分析値としてNDとして管理濃度の0.1と してしまうから値がでてくるかもしれないです。 ○櫻井座長 もう少し検討するということもいいかなという気がします。2度もペンデ ィングして、今日決めようかと思いましたけれども、もう少し使用量、現場の状況など を調べる必要があるのではないですか。 ○中明委員 だから、いま小西委員が言うには、あまりデータがないようです。 ○小西委員 平成18年度の統一精度管理事業で、アンケートを取っているのです。そ の中で、現在測定したものなどを書いてもらっていますから、それも見てみて、やって いる所があれば、どのぐらいの件数があるか調べることはできると思います。○古屋副 主任 本日結論が出なければ現行どおりということで、今後さらに検討ということにさ せていただければありがたいと思います。 ○名古屋委員 5でも大丈夫でしょう。 ○櫻井座長 当面いまのままの数字で、今後、検討するという結論にさせていただきま す。ありがとうございました。次は、「平成19年度化学物質による労働者の健康障害 防止に係るリスク評価検討会報告書について」、これは大淵補佐からお願いします。 ○大淵補佐 説明させていただきます。資料番号-20、「平成19年度化学物質による労 働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会報告書の概要」です。1頁にコンパクトに 概要をまとめたもの、2頁以降プレス発表した資料や報告書の抜粋等をお付けしており ます。1頁ですが、私どもで平成18年度から化学物質のリスク評価という事業を行っ ております。そのリスク評価の方法ですが、いま労働安全衛生規則の第95条の6で、 「有害物ばく露作業報告」という制度を設けております。これは一定の化学物質につい て、1年間に500kg以上、製造あるいは取扱いをしている事業場に対して、監督署に報 告を提出するという義務を負わせているものです。その報告を提出した事業場の中から、 すべての事業場ということではありませんが、いくつかのものを抽出して、その作業場 について、実際の現場での個人ばく露量の測定等を行って、その測定の結果を日本産業 衛生学会、あるいはACGIHの許容濃度等を踏まえて、あらかじめ定めた評価値と比較し て、リスクが高いかどうかという判断を行っております。平成19年度においては、合 計で10物質について評価を行っております。そのうち2物質については、評価値に比 べてばく露が高いということで、特別規則等での規制が必要とされた物質です。  1つ目が粉状のニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く)となっておりますが、 これについてはニッケル化合物のうち、ニッケルカルボニルについては、既に特化則の 規制対象になっており、今回、それ以外のニッケル化合物について評価をしたわけです が、「粉状の」というのが特に書いてあるのは、今回いろいろな作業について、どんな 性状の物をどのように取り扱っているかという調査をして、その結果、高いばく露が認 められたのが粉状で取り扱っている作業だけであったということで、ここでは粉状のニ ッケル化合物のみを規制対象に加えるべきということになっております。  その規制すべき物としては、具体的には黒いポツで書いてありますが、労働安全衛生 法施行令の別表第3の特定化学物質の第2類物質とすべきであるということ、あるいは 同じく施行令の第18条でいう、名称等を表示すべき物質とする、あるいは特化則の管 理第2類物質とすること、あるいは特化則の中の特別管理物質にするということで、具 体的な対策としては局所排気装置の設置、作業主任者の選任、作業環境測定の実施、健 康診断の実施といった対策が必要であるということです。これらのうち、局所排気装置 の性能、作業環境測定に係る測定分析方法及び管理濃度、特殊健康診断の項目について は、今後、専門技術的な検討を行うべきであるという結論をいただいております。  2番目の「砒素及びその化合物」ですが、砒素の化合物のうち、三酸化砒素について は、既に特定化学物質ということで規制がありますので、今回それ以外の砒素、それか らそのほかの砒素化合物について評価を行ったわけです。アルシン及びガリウム砒素を 除くと書いてあるのは、こちらも先ほどと似たような考え方ですが、アルシンやガリウ ム砒素についても、今回ばく露の調査を行っておりますが、これらについては現場で高 いばく露が認められなかったということで、今回の規制対象についてはそれ以外の砒素 及びその化合物に限定しております。規制すべき内容については、上の粉状ニッケル化 合物で掲げられているような内容と同じです。最終的なところでも、局所排気装置の性 能要件、作業環境測定に係る測定分析手法及び管理濃度、特殊健康診断の項目について は、今後、専門技術的な検討を行うべきであるということで、この報告書が出たのが今 年の3月で、本日はこの報告書の中で宿題事項となった局所排気装置の性能要件、作業 環境測定の方法、管理濃度といった事項について検討していただきたいと思っておりま す。  参考として、報告書の中で具体的にどんなリスク評価がされているかを見ていただけ ればと思います。新しく頁を付けている資料で、7頁からがニッケル化合物のリスク評 価関係の資料です。有害性等の所は飛ばして、8頁の上のウで、今回ニッケル化合物の 評価値をどのように考えたかということでは、一次評価値として0.0013mg/m3、二次評 価値としては3種類の数字を掲げております。可溶性ニッケル化合物、不溶性、亜硫化 ニッケルということで、それぞれ0.1、0.2、0.1mg/m3という値で評価を行いました。  実際のばく露実態評価ですが、まず第1段階の有害物ばく露作業報告の提出状況は、 全国の595の事業場から報告をいただいております。このうち、13の事業場について 実際のばく露実態調査を行って、41の単位作業場についての測定、それから作業に従 事している労働者39人についての個人ばく露測定を行っております。具体的な結果で すが、わかりやすいものは9頁にグラフがあります。2つグラフがありますが、上のグ ラフがいわゆる作業環境測定に当たる、単位作業場所での測定です。下のグラフは個人 ばく露測定のグラフで、横線で印が付けてあるのがそれぞれ一次評価値のレベル、二次 評価値のレベルということです。上の作業環境測定については一次評価値を超えたもの はありましたが、二次評価値を超えるものはありませんでした。下の個人ばく露測定の 結果については、二次評価値を超えるものもありまして、二次評価値の小さいほうの値 の0.1mg/m3と比較すると、39人中6人でこれよりも高くなっているということです。  どんな作業が二次評価値を超えるような作業だったかということで、8頁のいちばん 下ですが、二次評価値を超えた作業としては電池製造業務、メッキ液の製造業務及びニ ッケル化合物の製造業務における粉状のニッケル化合物の製造・取扱いの作業のもので した。このため、規制をかける対象は、粉状のニッケル化合物の製造取扱いとすべきと いう結論になっております。具体的な作業内容については、10頁にもう少し詳しいも のがありますが、時間の関係もありますので、詳細の説明は省略させていただきます。  続きまして、砒素及びその化合物のリスク評価関係ですが、11頁からがその資料で す。同じように、どんな評価値でやったかというところで、12頁のウで、一次評価値 は砒素として0.33μg/m3、二次評価値については砒素及びその化合物、砒素として3μ g/m3、アルシン0.005ppm、ガリウム砒素0.3μg/m3、それぞれこの値を評価値として評 価を行っております。  ばく露実態の評価ですが、事業場から提出されたばく露作業報告については、計51 の事業場から提出されております。この中から、実際現地での実態調査については、い わゆる作業環境測定は3つの単位作業場について測定をし、従事労働者については25 人に対して個人ばく露測定を行っております。これは砒素及びその化合物のうちの三酸 化砒素、アルシン、ガリウム砒素を除くというところですが、そのほかアルシン、ガリ ウム砒素についても、それぞれ一定の作業場所、労働者についての測定を行っておりま す。  13頁ですが、「リスクの判定及び対策の方向性」です。ここでの結果としては、砒 素及びその化合物のうち、三酸化砒素、アルシン、ガリウム砒素を除くについては、2 事業場、計22人について二次評価値を超えるようなばく露が見られたということです。 14頁のその結果のグラフですが、こちらは先ほどのニッケルに比べても、だいぶ評価 値を超えているところが高いというところがおわかりいただけるかと思います。アルシ ン及びガリウム砒素については、15頁にそれぞれグラフが書いてありますが、こちら は非常に低い測定値であったということです。  これを踏まえて、今回の規制対象については、アルシン及びガリウム砒素を除くとい うことになっているわけで、三酸化砒素については既に規制対象になっているというこ とで、今回は改めての評価は行っておりません。作業内容については、特にどの作業だ けが危ないというものはありませんでしたので、全体的に製造・取扱い作業について規 制すべきという位置づけにしております。少し長くなりましたが、リスク評価検討会の 報告は以上です。 ○櫻井座長 ただいまの説明の内容について、何かご質問はありますか。それに絡んで、 「新規検討物質の管理濃度等の決定について」ということで、ニッケル化合物と砒素及 びその化合物についての管理濃度について、ご審議いただきたいと思います。まず、ニ ッケル化合物です。 ○杉山係長 まず、ニッケル化合物の基本的なデータについて説明いたします。ニッケ ル化合物の性状は、種類ごとに異なっております。ニッケル(単体)においては、銀白 色光沢がある堅い金属元素。融点は1,455℃、沸点は2,730℃です。ニッケル化合物の 用途としては、メッキ、触媒、媒染剤、窯業顔料、アルミ着色剤、電池、金属表面処理 剤などがあります。  主な有害性の評価については、先ほどリスク評価検討会報告において使用した資料番 号-20にあります。発がん性としては、IARCが1、日本産業衛生学会が1と評価してお ります。ACGIHは、ニッケル化合物をさらに「可溶性・不溶性・亜硫化」の3つに分類 して、可溶性ニッケルはA4、不溶性ニッケルはA1、亜硫化ニッケルA1と評価しており ます。また、ニッケル化合物の許容濃度等の設定状況としては、資料番号-5の6頁に あります。日本産業衛生学会は許容濃度として、1967年に1mg/m3を提案しております。 一方、ACGIHは、ばく露限界値として1998年に「ニッケルとして、可溶性ニッケル=化 合物0.1mg/m3、不溶性ニッケル化合物=0.2mg/m3、亜硫化ニッケル=0.1mg/m3」を決定 しております。  日本産業衛生学会及びACGIHの提案理由書については、資料番号-21の1頁より掲載 してあります。このうち、1967年に、許容濃度として日本産業衛生学会より「1mg /m3」が提案された提案理由書について、朗読させていただきたいと思います。資料番 号-21の1頁です。  「提案理由。ニッケルは皮膚の障害(皮膚炎並びに慢性湿疹)と、肺がんとを起こす ことが知られている。ACGIHは、1966年初めてニッケルのTLVを提案した。その提案理 由の中に、5mg/m3では肺がんの発生が増加せず、英国において見られた肺がんの増加 は、この値よりはるかに多量であったとしている。我が国においては、ニッケル作業者 の中に、肺がんが多発したという報告は見られない。ACGIHのDocumentationでは、1 mg/m3の値は可溶性のニッケル塩、ニッケル粉じん及びヒュームに対するものであり、 不溶性のニッケル塩による障害は少ないとしている。またこの値は、皮膚炎及びニッケ ル感作性を予防するためには、必ずしも十分に低い値ではないと書いている。ACGIHが 挙げている文献を通覧しても、1mg/m3が真に妥当性があるとは必ずしも言えない。発 がん性と感作性があるという点で、許容濃度を決めることはかなり困難が感ぜられるが、 一応、暫定的にACGIHの値を採用してはいかがかと思われる」。  次に、1998年のACGIHの提案理由書の「TLV勧告値」について、仮訳したものを朗読 いたします。資料番号-21の16頁以下です。  「TLV勧告値。ヒトにおけるニッケルの発がん性に関する国際委員会によるレビュー では、ニッケル精錬工場労働者における肺癌および鼻腔癌の危険性の増大は、1mg/m3 を超える可溶性ニッケル、または10mg/m3を超える不溶性ニッケルの総エアロゾルの 空気ばく露と関連していたと結論している。動物試験において、濃度0.1〜1.0mg/m3 の可溶性および不溶性ニッケルの吸収ばく露を受けると、一貫して生化学的および組織 学的変化を含む肺障害が認められている。ラットおよびマウスを用いたNTP試験におい て、ラットでは0.06mgNi/m3以上、マウスでは0.11mgNi/m3以上の濃度の硫酸ニッケ ル暴露に伴い顕著な炎症性変化が認められている。硫酸ニッケルを吸入暴露した場合に 発がん性の証拠は認められていない。濃度0.11mgNi/m3および0.44mgNi/m3の亜硫化 ニッケルを暴露すると、肺の炎症が認められ、発がん性の明確な証拠も得られている。 酸化ニッケルの場合には、ラットで0.62mgNi/m3、マウスでは1.0mgNi/m3の濃度で、 肺に炎症および色素沈着が認められた。雌雄ラットでは発がん性を示すいくつかの証拠 が得られており、雄マウスでは発がん性を示す証拠はなく、雌マウスでは発がん性を示 す明確でない証拠が得られている。用いるニッケルの種類によって発がん性が異なるこ とは明白である。  本文献で引用されている空気中のニッケル濃度モニタリングデータのほとんどすべて は、閉鎖系で、37mmフィルターホルダーを用いる、いわゆる総ニッケル粒子に基づく ものである。この中には、NTP試験の空気中ニッケル濃度の測定が含まれている。これ らの試験に基づいて、1996年に総ニッケル粒子として、以下のTLV-TWA勧告値が設定 されている。  元素ニッケル/金属、0.5mgNi/m3。不溶性化合物0.1mgNi/m3、A1、ヒトに対して発 がん性が確認された物質。可溶性化合物0.05mgNi/m3、A4、ヒトに対して発がん性が 分類できない物質。亜硫化ニッケル、0.05mgNi/m3、A1、ヒトに対して発がん性が確認 された物質。これらの勧告値は肺癌および鼻腔癌の危険性増大、および肺の炎症性変化 発現の可能性を最小限に抑えるために設定された。  しかしながら、ACGIHは、特にある種のニッケルと鼻腔癌の間に関連性が認められて いることから、ニッケルおよび無機ニッケル化合物のTLV-TWAの総ニッケルではなく、 吸入性ニッケルと表現すべきであると考えている。しかしながら残念なことに、総粉塵 濃度測定値と吸入性粉塵濃度測定値の相関性に関するデータはこれまでにほとんど発表 されていない。現在得られている研究から、吸入性ニッケル粉塵濃度測定値は非常にプ ロセス特異的であることが明らかになっている。  閉鎖系で、37mmフィルターホルダーを用いる総ニッケルエアロゾル濃度測定法と、 IOM吸入性エアロゾルサンプラーを用いるニッケルを含む吸入性エアロゾルの測定方法 を比較した試験がいくつか発表されている。IOM吸入性エアロゾルサンプラーを用いた これらの試験の1つで得られたデータを用いて、ニッケルおよび無機ニッケル化合物に 関して、吸入性ニッケル粒子状物質として以下のTLV-TWA勧告値が設定されている。元 素/金属、1.5mg/m3、A5、ヒトに対して発がん性物質として疑えない物質。不溶性ニッ ケル化合物、0.2mg/m3、A1、ヒトに対して発がん性が確認された物質。可溶性ニッケ ル化合物、0.1mg/m3、A4、ヒトに対して発がん性が分類できない物質。亜硫化ニッケ ル、0.1mg/m3、A1、ヒトに対して発がん性が確認された物質。  ACGIHは、吸入性ニッケル暴露ともっぱら総ニッケルに基づく初期データを関連づけ るためにさらに試験を実施することを奨励している。SkinおよびSEN表示、ならびに TLV-STELを勧告するための十分なデータは得られなかった。8時間のTWAの勧告限度以 内である場合でも、TLV-TWAを超える場合の指針と管理のために、現行版の 「Documentations of the Chemical Substances TLVs」の“Introduction to the Chemical Substance TLVs”にある超過限度の項を参照することを勧めている」。以上 です。 ○櫻井座長 いかがでしょうか。産業衛生学会では、いま検討中ということです。 ○大前委員 産業衛生学会のほうは、今度6月に札幌で総会がありますので、そのとき にたぶんニッケルの提案の検討を始めると思います。 ○櫻井座長 そのとき提案があっても、確定するのに1、2年かかりますか。 ○大前委員 そう思います。今度の6月に提案するということは、よほどのことがない 限りはないと思います。ただ、ACGIHの提案理由の所で、NTPのデータを使って、硫酸 ニッケルの実験をやっております。それは6頁の右側の上から2行目ですが、0.06ppm でも炎症が起きているのです。mg/m3でも、marked inflammatory changesというのが ありますので、発がんに関しては亜硫酸ニッケルはないという結論ですから、soluble は0.1でもいいのでしょうが、炎症を考えると0.1ではちょっと大きいかなということ が、これだけで読み取れると思うのです。したがって、NTPのデータを使って許容濃度 を作るとしたら、0.1より少し低めになるのではないかという気はしております。 ○松村委員 お伺いしたいのですが、ニッケルで発がん性と感作性があると書いてある のです。ステンレスをレーザーカッターで切る作業では、レーザーカッターはものすご い高熱となるので、瞬間的に蒸発をするのだと思うのです。そのそばにいると、蒸気が 当たっただけで、皮膚が真っ赤になるということを、実例として聞いたことがあるので す。そういう場合には、呼吸されて体の中から効くのか、あるいは外から直接触れて効 くのか、どちらなのでしょうか。 ○中明委員 接触性の話でしょうか。 ○松村委員 そういう場合には、TLVといっても短時間の話ですから難しいです。 ○和田委員 管理濃度をどれだけにするかということです。 ○櫻井座長 そうです。この際、ACGIHの数値を採用しておくのだろうとは思います。 ○和田委員 そうです。ACGIHのTLVは、吸入性のニッケルです。 ○櫻井座長 吸入性です。 ○松村委員 肺がんに対してですか。 ○櫻井座長 鼻も考えているのです。 ○和田委員 吸入性ということで考え、後は吸入性のニッケルをきちんと測っていける のですか。 ○櫻井座長 サンプリングの際、要するにフュイルトリエーターですか。 ○小西委員 RNのサンプラーというのはオープンです。オープンで定量でやっている だけですから、通常の分粒装置の機構のような形ではないです。穴の大きさと、取込み の速度を決めて捕集するサンプラーです。よくわからないのだけれども、これは吸入性 ですか。 ○名古屋委員 金属、カドミウムは吸入性です。でもカドミウムについては吸入性では なくオープンでいきましょうということです。インハラブルです。だから、10μをオー プンとしています。 ○櫻井座長 100μmで50%カットになるのでは。 ○名古屋委員 10μ50%で、100μ100%ですか。 ○小西委員 半分だから、10μ50%カットのサンプラーだと思うのです。ですから、そ れ以上の大きな粒径のところも入っていると思います。 ○櫻井座長 ACGIHを見ると、インハラブルだけは100μで50%になっています。 ○名古屋委員 10μ50%ではなかったですか。 ○櫻井座長 それなら話がすっきりするのですけれども、インハラブルの場合は、100 μで50%にしている。 ○小西委員 SKCのサンプラーです。カットは、4μと10μと100μですから、100μで す。 ○櫻井座長 これは、100μでゼロではなくて、50%になったのです。 ○小西委員 50%です。 ○小西委員 これは、先ほどの委員会の資料のところで実測されていますが、このとき にもIOMのサンプラーは使ったのですか。 ○大淵補佐 ばく露実態調査のときには、先ほどのACGIHの提案理由書の中に出てきま した、IOMという装置を使って、100μでカットし、100μより小さい粒子を基本的に測 定するという方法で行っております。 ○櫻井座長 いまのは、トータルだったらもっと濃度が高かったことになるのでしょう か。 ○大淵補佐 はい。 ○櫻井座長 一応インハラブルで少し制限しています。 ○小西委員 そうです。 ○和田委員 インハラブルでやっていこうというのだったらこれでいいのではないです か。 ○小西委員 そうすると、インハラブルの計測器を使うというふうにしなければいけな いです。 ○田中委員 これは、レスパイラブルではなくインハラブルが問題なのですか。 ○名古屋委員 金属はオープンで取っており、別段粒径を確保することを一切考えなく て、取りましょうということでいままでずっと踏襲してきています。カドミウムのとき も分粒せずトータルでやりましょうというふうになっていました。 ○田中委員 鉛もそうなのですか。 ○小西委員 鉛もそうです。 ○櫻井座長 トータルです。 ○名古屋委員 これをトータルではなく逆にやると、なぜそうなるのかということがあ ります。金属について、いままでなぜ検討しなかったという話になってきてしまいます。 ○小西委員 計測するときに、トータルの計測というのは、鉛にしても他の金属にして も、結局カットは全く考えていないわけです。 ○名古屋委員 そうです。 ○田中委員 しかし、理論的にはあります。 ○小西委員 IOMでは一応取込みの面速で決めていますけれども、作業環境のほうは 分粒で4μ50%カットで取るか、全くそれを使わないかというだけです。ですから、流 量も20Lで引こうが、30Lで引こうが全く関係ないわけです。それが、いまの現状なの です。 ○櫻井座長 それは、要するにダストだけでしょうか。 ○小西委員 分粒は粉じんだけです。金属は粒径のことは一切考えていません。 ○櫻井座長 金属は粒径のことは考えていないですが、本当は考えるべきだろうと従来 思っておりました。 ○松村委員 それについては、要するに鼻孔に取り付いたら溶けやすいものがあるから というふうに私は理解しているのです。だから、ニッケル化合物の中でも、硫化物など はあまり溶けないのではないかと思うのです。溶けないものは、粒子として吸入される ものがあるのという気がします。 ○田中委員 どこへの影響を考えるかによって、ソリブルなのか、インソリブルのほう が重要なのかということになるのでしょう。肺の奥のほうに入って何か悪さをするなら ば溶けないほうが危ないし、鼻腔でそこにデポジションしたものが溶けて何か悪さをす るならば溶けるほうが危ないです。 ○松村委員 溶けて皮膚から吸収されることが考えられるものは全量をカウントすると 理解しています。 ○田中委員 ACGIHは、ソリブルのほうが危ないと言っているのです。 ○松村委員 それでは、これは全量です。 ○櫻井座長 ACGIHは、だんだんそうう影響を及ぼす部位を考えて、レスパイラブルだ とか、インハラブルとか指定したTLVを出す方向であり、出そうとしています。産衛も 論理的にはそうです。 ○大前委員 レスパイラブルのことは考えていますけれども、インハラブルのことはま だ産衛は出していないです。 ○櫻井座長 レスパイラブルは、マンガンは出しています。 ○大前委員 はい。 ○櫻井座長 本来大きいものを考えても、もっとレスパイラブルで限定すべきだと常々 思っていたのですが、そのインハラブルは特別だと思います。鼻のことを考えています。 ○大前委員 そういうことです。 ○名古屋委員 もしそれをするのだったら、サンプラーをどうするか。サンプラーの開 発をするのか、そのまま持ってきて使うのかという話になってしまいます。 ○櫻井座長 結構開発というか、コーポレートを選んで、みんなそれを使わなければな らないのです。 ○名古屋委員 そうです。ニッケルだけはそのサンプラーにしなさいというようになっ てしまう。 ○小西委員 ここでやったサンプラーか、あるいはレスパイラブルかどっちかを使うで しょう。 ○名古屋委員 しかし、サンプラーに付くし、難しいと思います。 ○小西委員 おそらく、いままでの金属ですと、例えばフィルターを使って測定するも のについては、感度を上げるために、直接化学反応を起こさないものについては、空気 量をたくさん取れば定量下限は下がります。分粒特性を決めてやっていくと、その流量 が制限されてきますから、それでもし感度を上げていく測定をすることになると、すご く時間をかけなければいけなくなると思います。 ○名古屋委員 一気には取れないから時間をかけなければいけないです。 ○田中委員 そうなのです。 ○名古屋委員 あとは、分析機器の感度を上げるということです。どうしてもICPマス を入れないとできなくなる。 ○小西委員 分析機器そのものの感度を上げる。 ○櫻井座長 要するに、流量を上げようと思ったら、吸引速度を変えることができない から、時間をかけなければいけないということです。 ○田中委員 吸引速度はある程度決まりますからそういうことです。 ○名古屋委員 測定がすごく厄介になってしまいます。 ○田中委員 測定器が大きくなります。 ○小西委員 いままで、まったくそのようなことは関係なく、フィルターで捕集するも のはとにかく早く取って、毎分当たりのボリュームを大きくして取ればということでや ってきていますから、そこの考え方を変えなければいけなくなります。 ○田中委員 ニッケルカルボニル以外のニッケルについても、ある程度管理濃度は要る と思うのです。どれぐらいにするか、というのは我々は吸入ばく露実験でやっているの で、レスパイラブルしか対象にしていませんけれども、大きいものになるとどうなるの ですか。 ○名古屋委員 クロムなどだって、そのような議論をしないで決めています。ニッケル だけそういう決め方するのはどうなのでしょうか。 ○松村委員 六価クロムというのは、大体水溶性ですから、皮膚に付いたらすぐに反応 が出ると思います。 ○櫻井座長 粉状のニッケル化合物という今回のリスク評価では、その粉状ということ を限定する必要があるだろうということで、100μ未満、インハラブルの粒子に相当す るものだ、というふうに明記するわけですか。 ○島田室長 この前のリスク評価検討会で、今回二次評価値を議論したとき、その粒子 サイズについては、ACGIH、EU、ISOのインハラブルという定義を確認し、100μ以下、 あるいは未満というところで定義するのが適当であろう、実際にACGIHも、ニッケルに ついてはインハラブルを扱う基準として0.1mgあるいは0.2mg/m3という基準を作って いることからすると、やはり我が国でその基準値を採用して評価していく上では、その 粒径も当然考慮しなければいけないのではないかというご議論をいただきました。 ○櫻井座長 そうなると、100μよりも大きいということが明確な粉じんはこの規制の 対象にならない。そうすると、規制の対象になっている場合には、すべて一応インハラ ブルだからトータルで測ってもいいわけです。そういうことは、現実的に分粒はする必 要がないということになるのではないですか。一応100μ以下のものだけを規制の対象 にするという方向なのですから。 ○菅野委員 特定の作業場では、100μ以下の粒子しか扱わないが、総粉じんを取って もいいというふうな状況は考えにくいのではないかと思うのです。 ○櫻井座長 実際は、100μを証明するのは大変です。100μ以下だけを扱っていますか らというのは、非常に難しいです。 ○中明委員 それは、実際にはなかなか難しいでしょう。 ○櫻井座長 非常に難しいです。 ○小西委員 100μカットのサンプラーを使ったとしても50%カットです。100%カッ トでないので大きいほうも入っているわけです。 ○櫻井座長 普通のサンプラーでそれは証明できないから、全部取って顕微鏡で測るし かないと思うのです。 ○大前委員 形状もあります。 ○田中委員 インハラブル粒子を測る器具がないと難しいです。通常のいまのレスパイ ラブルと同じです。 ○小西委員 インハラブルとソーラシックとレスパイラブルというのは、粉じんの作業 環境測定はそれを採用していますから、それでレスパイラブルの分粒特性に合ったもの でやるということになっています。その3つに分けることに関しては、計測をやってい る人たちは、一応わかっていると思うのです。その3つ同時に測るサンプラーとしては、 欧州規格で作ったレスピフォンというものがありますけれども、いまのところこのIO Mサンプラーぐらいしかないです。 ○櫻井座長 本日決めるのは無理だと思うのですが、何らかの数字が必要だと思うので す。 ○小西委員 先ほどの、委員会で出たデータのときに、これはIOMのサンプラーだけで はなくて、粒度分布か何か測ってデータを一緒に取っておられるとよかったのかもしれ ないです。そういう測定をされていれば、ちょっと違ったのかもしれないです。IOMで どれぐらいの粒子が取れたのか見当がつかないです。 ○名古屋委員 でも、ISO基準でやっていれば同じでしょう。ISOを採用しているのだ から、カットは同じだと思うのです。 ○小西委員 しかし、50%ですから。 ○櫻井座長 50%ですから、もっと大きいものも入っているわけです。 ○名古屋委員 入っています。 ○小西委員 ただ、それが分布によって50%カットなのですけれども、現場の粒子の 存在によっては、逆に言うと大きい粒子が多い所は少なくなるという問題が実際の現場 であるわけです ○櫻井座長 そうです。 ○松村委員 いままで、金属で全部捕集していて、何か具合が悪いことはあるのですか。 ○名古屋委員 何もないです。 ○小西委員 いままで、そういう概念がなかったのです。産業衛生学会の場合は面速で 決めています。総粉じんを取る場合とレスパイラブルとで、取込みの速度で分けていま す。ただ、作業環境では総量を取るということに対して定義がないのです。 ○櫻井座長 トータルで具合が悪いことがあるかといえばあるわけです。というのは、 大きいものは比較的消化管のほうへ行きますから早く出てしまうので、全然違います。 金属などで、いわゆる不溶性だけれども、実際に肺に沈着すれば溶けるというようなも のが大部分ですから、それを考えたらレスパイラブルでいかないといけないのです。 ○中明委員 ただ、現場の管理からすると、高い値が出たら、それをベースにして管理 しなさいということになる。 ○櫻井座長 トータルは大きい数字が出ますから。 ○中明委員 作業環境管理の面では一向に構わないです。身体への影響は、そのサイズ によって判断すればよい。 ○櫻井座長 おっしゃるとおり安全サイドはトータルでやったほうがよいです。 ○名古屋委員 だから、レスパイラブルを測るのだったらそれほど分粒装置は問題なく できるのだけれども、インハラブルになってくるといままでそういうものがないので、 少し変わってくる。 ○櫻井座長 ただ、現場ではトータルで測っていると、どこを優先的に改善したらいい かわからなくなる。 ○中明委員 わからなくなるというのはあります。 ○櫻井座長 規制はトータルでもいいのかもしれません。 ○田中委員 粒子がすべて大きいと肺の中に入っていかないので、50μとか大きいもの ばかりを測っても意味がないような気がします。やはり、10μ以下のものがあるという ことで測って、初めてこの値が効いてくるのではないかという気もします。 ○櫻井座長 どうしましょうか、本日はとても無理です。次回に継続しますか。 ○中明委員 具体的に、いま田中委員が言われたような形で直すのだったら、それなり の基準や方法を作らないといけない。 ○櫻井座長 当面ほかの金属と均しておいて、トータルを出すとしたら、この数値より もちょっと大きい数字とする。どのぐらい大きくしたらいいかというのがわからない。 ○小西委員 個数とその質量と一緒に測り、この個数を参考にして何か考えていく。 ○田中委員 粉じん計はレスパイラブルで測るのがあるのだけれども、それとトータル とを見る方法など。 ○小西委員 1カウンター当たりがどれぐらいに相当するか、いまK値というのを使っ ていますから、そういう数値がある。その数値が、要するに100μぐらいに相当するK 値がどれぐらいになるか、という数値がわかれば、そういう計測の仕方はできると思い ます。そうすると、それ専用のサンプラーを作るかです。 ○名古屋委員 やはり、専用のサンプラーを作らないと駄目です。分布が違うと、K値 は変わってくるから、当然その分粒測定はきちんとしたものを使っていかないといけな いです。補正係数を掛けるものはやはりよくないと思います。 ○小西委員 ここでは個人サンプラーですから、結局定量下限の問題からいくと、A測 定用のサンプラーとしては作らなければ無理だと思います。 ○名古屋委員 ニッケルをもしやるのだったら、完全にサンプラーを作らないと無理だ と思います。 ○小西委員 測定時間が短いですから、ボリュームを大きくしないといけない。 ○田中委員 ハイボリユ−ムサンプラーに近いものができるのではないですか。 ○小西委員 それを作らないといけないです。 ○櫻井座長 時間がかかってもそれを作るということで、できてから考えますか。 ○名古屋委員 逆に言うと、作るということにしないと、メーカーも作れない。 ○小西委員 今後もニッケルだけではなくて、いま言われたように、ほかでもそういう 問題が出てくるものについては、それができていればそれを応用できるわけです。 ○名古屋委員 金属についてはそういうものもやる、という話になれば作るかもしれな いです。ニッケルだけで作るとなると結構難しいと思うけれども。 ○小西委員 計算上で作るだけだったら、そう大変ではないと思います。カット特性だ けだから、流量と面積とをどれだけ見ていくかということだと思います。IOMのサンプ ラーはただ、穴の大きさだけで、外側に何も付いているわけではないから、本当に取れ ているのかなと不思議だったのです。 ○名古屋委員 そういう意味で本当に粒径特性をきちんとした粒度でやっているかとい うのはブラックボックスになっているのです。要するに、我々が粉じんで作ったように、 きちんと粒径を合わせていって、カーブに乗っている粒子になっているかという形はど こもやっていないのです。ACGIHのものは、これでやったサンプラーがこうでというこ とだけです。PM2.5もみんなそうなのです。アメリカのサンプラーというのは、そうい うことを考えるとどうなのか。  ただ、それと質量を合わせるだけだったら簡単に作れるけれども、本当にカット特性 がそういう特性かどうかというのはまた全然違う話ですから、やはり作るとなると結構 難しい。 ○小西委員 日本でやるとすると、正確にきちんと分けてやる必要があると思います。 ○名古屋委員 正確に分けてやるし、それからどこかで型式を取らないとまずいと思い ます。かなり大がかりな話になると思います。それだったら、オープンのほうがまだ楽 かもしれません。 ○和田委員 産衛のほうはいつごろ検討するのですか。 ○大前委員 第1回の検討は、6月の末に札幌でやると思います。 ○和田委員 やはり分けているのですか。 ○大前委員 化学種はたぶん分けると思います。 ○和田委員 インハラブルはどうなるのですか。 ○大前委員 サイズのことは考えていませんけれども、化学種で、solubleか insolubleかは分けるのではないかと思っています。 ○和田委員 それで、トータルでやるのだったら、それを待つのか。いま出ている1mg /m3ではちょっと大きすぎます。 ○大前委員 これは、まずいと思います。 ○和田委員 何を使うかということになるのだけれども、ACGIHがインハラブルと分け る前の1996年に値を出しています。その値をとりあえず用いておいて、あとは産衛が どういう値を出すかと、もう1つは分粒をちゃんとできる体制が整うまで待ちましょう、 ということにならざるを得ないのではないですか。 ○櫻井座長 いまおっしゃったのはどれですか。 ○和田委員 資料21の18頁のところに、過去のTLVというのを出しています。全体で 出しているのは1996年までです。その後はインハラブルに分けているわけです。 ○櫻井座長 これのほうが小さいです。 ○和田委員 そうなのです。だから、これを出した根拠があるはずです。 ○櫻井座長 1997年にそれを修正しているのです。 ○田中委員 待ちましょう。 ○櫻井座長 こういう状況なので、トントンとはいかないです。次回の8月8日に決め られるかというと決められません。 ○和田委員 それまでに産衛が出していればいいのですが。 ○大前委員 たぶん1回では決まらないと思います。 ○中明委員 産衛の測定の評価は40年前ぐらいのではないですか。 ○大前委員 そうです。 ○中明委員 金属についてはその後はやっていない。 ○大前委員 そうです。 ○櫻井座長 行政の立場として、どういうふうにするかということなのですけれども。 ○古屋副主任 特化物として規制するということで作業を進めております。健診項目に ついては、既にご検討いただいていますが、特化則では、作業環境測定、局所排気装置 等、作業主任者制度などとセットで考えておりますので、測定だけ抜けてしまうという ことになると、歪な形になります。その辺は先ほど和田委員がおっしゃったようなこと も念頭に置いて、値を決めていただければと思います。 ○和田委員 きちんとした根拠のデータはないです。 ○櫻井座長 全然出さないよりは、出したほうがいいかもしれないです。 ○和田委員 それは出したほうがいいことはいいですけれども。根拠となるのは先ほど のACGIHだけれども、これはちょっと低すぎる。ほかに根拠になるものがあるかと思っ て先ほどから探しています。 ○櫻井座長 すぐに分粒は無理だとすればトータルで測る。そうすると、現在のACGIH の数字を使うのか。それをトータルだとやや厳しいのだけれども、0.1と0.2が出てい る、その0.2を使うのかですが、悪くないのではないですか。 ○中明委員 ACGIHは0.2で、まだ検討しなければいけないのですが1で動かすのも無 理なのです。 ○櫻井座長 1はちょっと難しいです。産衛はいままで1だったのだけれども、それの 5分の1の0.2。ACGIHとしては0.2と0.1を勧告している。その0.1でいくことにな るのかと思ったのだけれども、トータルですから0.2ということで当面いかがでしょう か。 ○小西委員 当面このようにし、分粒が可能になってきたらまた考える。 ○半田室長 とりあえず0.2に決めるということですか。 ○櫻井座長 はい。 ○半田室長 ちょっと保留にしていただけないでしょうか。いまお話を伺っていますと、 0.2かな、ということが大体本日のご意見であるということですが、なお測定の実効性、 あるいは本当にできるかどうかということ、ある程度はできるのですけれども、そのこ との負担といったことも全部勘案しないといけません。基本的には安全サイドに見てい ただければよろしいのですが、過剰な安全サイドは私どもとしてもまずいかなと思いま すので、その辺を私どもとしても少し勉強してみたいと思います。そういうこともご勘 案いただいて、やはり0.2でいいということであれば最終的に決定していただきます。 いつまでも延び延びにはできませんので、次回にお願いしたいと思います。 ○杉山係長 小西先生のほうで、資料22のとおり検討していただいている測定方法の データがありますので、総粉じん測定で0.2が可能かどうかをいま現在でご説明いただ ければありがたいと思います。 ○小西委員 資料22の上のほうのニッケルのところなのですが、ろ過捕集法で石英繊 維のろ紙を使うのですが、これは原子吸光が上のほうに3つありまして、フレームの原 子吸光と、それからフレームの原子吸光でこれは抽出法でやった場合、それからフレー ムレスの3つがあります。  定量下限というのは、あくまで溶液中の定量下限なのです。いちばん右側の備考のと ころに、最終液量から計算し、どのぐらいの濃度ができるのかということで計算します と、液量25mLで、空気の採取量が20Lで10分測定して200Lという場合の、その濃度 としての定量下限濃度が0.0375mg/m3ですから、先ほどの0.2ということになった場 合には、それの10分の1の0.02ですから、その近辺までということなのです。  さらに、抽出とフレームレスを使った場合にはもっと下がってくるということですか ら、分析法としては、いまのオープンで、その他の金属のやり方ということで考えれば、 原子吸光分析法でもできるわけです。  その下のICP-MSのほうについては、中災防のほうでいろいろ検討した方法です。こ れの、もともとの方法はNIOSHの方法なのですが、多少変えた部分はあるのですが、こ れでいきますとナノの状態の濃度までできるということです。原子吸光でも0.2という ことであれば可能だろうと思います。ただ、粒子のカット特性を考えたときは流量が変 わりますから、また考えなければいけません。現行の金属の測定法ということでやれば、 特段問題はないだろうと思います。 ○櫻井座長 もう1つ問題が残りますのは、先ほど議論に出ましたけれども、100μm 以下のものを対象とする、というのが現実にはなかなか判断が難しい、それをどう判断 するかです。 ○半田室長 それも、少し検討させていただきます。基本的には0.2というので、粒径 分布も特段考慮せずに、ということでいくのが現実的かな、というのが先生方のご意見 かと承りました。 ○櫻井座長 フィージビリティ等をいろいろ考えて、また次回検討するということです か。 ○半田室長 はい、次回には決定していただく方向でお願いしたいと思います。 ○田中委員 金属ニッケルは、ACGIHは1.5ですが、それは抜けるのですか。 ○櫻井座長 金属は抜くのです。 ○大淵補佐 今回は、金属は規制の対象にせず、化合物のほうだけを規制する予定です。 ○櫻井座長 次は砒素です。 ○杉山係長 砒素及びその化合物の基本的データについて説明させていただきます。砒 素及びその化合物の性状、こちらも種類ごとに異なります。砒素の場合は、無臭、灰色、 金属様外観の結晶で、沸点は613℃です。砒酸の場合には無色の粘稠な吸湿性液体、沸 点は120℃です。用途としては、化合物半導体用ガス、合金添加元素、木材防腐剤、医 薬品原料、農薬、染料原料、顔料、触媒等があります。  主な有害性の評価は資料20です。発がん性としては、IARCが1、日本産業衛生学会 が1、ACGIHがA1と評価しております。  また、許容濃度等の設定状況については、資料5の6頁です。ACGIHは、ばく露限界 値として1993年に0.01mg/m3を提案しております。一方、日本産業衛生学会は、許容 濃度として2000年に、生涯リスクレベルとしてRL(10-3)の場合は、3μg/m3、RL (10-4)の場合には0.3μg/m3を提案しております。  日本産業衛生学会及びACGIHの提案理由書については、資料21の20頁以降に掲載さ れております。このうち、まず2000年に許容濃度として、日本産業衛生学会の生涯リ スクレベル10-3の場合3μg、10-4の場合0.3μgと提案された提案理由書「7 提案」の 箇書について朗読させていただきます。「砒素の毒性として最も問題となるのは発がん 性である。ヒトでは、無機砒素のばく露をしたことに起因し、がんが発生していること、 無機砒素は、哺乳類の体内でメチル化されること。DMAA投与ラットでがんが発生する こと、DMAAに染色体異常が見られることから、最終発がん物質はDMAAないしその近縁 物質と考えられる。したがって、DMAAに代謝物するすべての砒素化合物を規制対象と することが妥当と考えられる。  また、当該因子による過剰死亡リスクを10-3あるいは10-4に設定し、リスク評価に は累積ばく露量を基にした閾値なしの直線モデルが適当と考えられる。  (砒素ばく露集団における生涯の砒素による過剰呼吸器がん死亡リスク)=(対照と した標準集団における呼吸器がんの全死亡に占める割合:PMR)×((標準化死亡比: SMR)−1)であるので、労働年数を40年間、過剰死亡リスクを10-3とするばく露量は 次の式から求められる。  (40年)分の(累積ばく露量)×(生涯の過剰呼吸器がん死亡リスク)分の1×1000 分の1。  標準集団における呼吸器がんの全死因に占める割(PMR)は次のように書き換えても よい。  (40年)分の(累積ばく露量)×(SMR−1)分の1×(呼吸器がん死亡の期待値)分 の(全死因での期待値)×1000分の1。  このリスク評価に用いるデータには、累積ばく露量とSMRが必要とされる。これらが 記載されているEnterlineなど報告を用いて、過剰発がんリスクを算出する。  全死亡の期待値が1028.5に対し、呼吸器系の悪性新生物の期待値が54.91であるの で、平均累積ばく露量が405μg/m3・Yの群の呼吸器がんのSMRの1.54から過剰発がん リスクを求めると0.35μg/m3となる。ただし、このSMRは有意ではない。1305μg/m3 ・Yの群の呼吸器がんのSMRの1.755から過剰発がんリスクを求めると、0.81μg/m3。  同様に、2,925μg/m3・Yの群の呼吸器がんのSMRの2.097からは、1.25μg/m3が、 5,708μg/m3・Yの群の呼吸器がんのSMRの2.117から2.39μg/m3が・・・」、以下こ こは少し飛ばさせていただき、次の段です。  「平均累積ばく露量が405μg/m3・Yの群は有意なSMRではないので除外し、0.81、 1.25、2.39、3.8、7.21、8.94μg/m3を基にすると、平均は4.07μg/m3、幾何平均は 2.90μg/m3、それぞれの値に期待値を掛けての荷重平均は2.65μg/m3となる。平均、 幾何平均、荷重平均のどれを採用するのが最も合理的かの合意はなく、これらを総合し て3μg/m3とするのが妥当である。  砒素は、呼吸器がんのみならず、すべてのがんに対するリスクとなる。したがって、 全死因での死亡率、全がんの死亡率の比は、その集団の全死亡の期待値と、全がんの期 待値の比から求められるので次の式が成り立つ。  (40年)分の(累積ばく露量)×(SMR−1)分の1×(全がんの期待値)分の(全死 因での期待値)×1000分の1。しかし残念ながら、累積ばく露量群別の全がんのSMRの 記載がなく計算ができない。  砒素に汚染された飲料水を長期間飲み、皮膚がんが多発したデータから、リスク評価 もされているが、経気道ばく露による呼吸器がん対策として、経気道ばく露によるリス ク評価を優先する。DMAAが、動物でプロモーターとして作用、単独で発がん作用が認 められるが、リスク評価としてはヒトでのデータを優先する。アルシンの急性中毒を予 防する意味から、独自に最大ばく露濃度を設けることも考えられるが、ヒトでの最小毒 性濃度が提案値よりも100〜3,000倍高く、必要性は少ない。  以上のことから、砒素を発がん群位第1群として、過剰死亡リスクを10-3に対し、3 μg/m3、10-4に対しては0.3μg/m3を提案する」。  引き続き、1993年のACGIHの提案理由書の「TLV勧告値」について仮訳したものを読 まさせていただきます。資料21の35頁以降です。  「TLV勧告値。上気道、皮膚、肝臓および末梢血管への影響に加え、多くの疫学調査 において、製錬所作業員および殺虫剤取り扱い者での職業的ばく露と肺がん増加との関 連、並びに医療用に砒素化合物を使用した者又は砒素に汚染された水を飲んだ者での皮 膚がん増加との関連に関し、一貫した証拠が得られている。これらの証拠から、砒素が ヒトでの発がん物質であることは確実である。  Enterlineらが報告した、定量的空気モニタリングデータは、平均レベル0.2μg/m3 の砒素をばく露された作業員における肺がんの危険性の有意な増加を示している。これ は、肺がんによる死亡が47例でSMRが213であったことに基づく。これは、ヒトでが んの危険性増加が認められる最低レベルである。安全対策を講じるには、“TLV-TWA 0.01mg/m3、砒素として、A1、ヒトに対して発がん性が確認された物質”が勧告される。  Skin及びSEN表示、並びにTLV-STELを勧告するための十分なデータは得られなかっ た。8時間のTWAが勧告限度以内である場合でも、TLV-TWAを超える場合の指針と管理 のため、現行版のDocumentation of the Chemical Substances TLVsの“Introduction to the Chemical Substance TLVs”にある超過限度の項を参章することを奨める。砒素 については、生物学的ばく露指標値(BELs)も勧告されている」。以上です。 ○櫻井座長 いかがでしょうか。 ○和田委員 低いほうを採っておいたほうがいいのではないでしょうか。 ○櫻井座長 10μと3μはオーダー的には同じようですが。3μでよろしいですか。 ○杉山係長 3μの場合に、どのような形で測定ができるのか、小西先生に資料22を作 成していただいていますので、こちらのご説明をお願いいたします。 ○小西委員 先ほどの資料22に砒素と書いてあります。上の2つのグラスファイバー ろ紙とか吸光光度分析だとか、石英繊維ろ紙を使う方法については、三酸化砒素として ガイドブックにも既に掲載されている方法です。  その下のところに、ろ過捕集法で原子吸光分析法、これは水素化物の発生をさせた状 態での分析をするということで、そのときの溶液上の定量下限がそこに書いてあるとお り、0.0005μg/m3ということです。これも試算をした場合、そこに書いてある定量下 限濃度が0.0000625mg/m3ですから、その桁をずらして0.0625μg/m3ということになり ます。  それから、メンブランフィルター法は、NIOSHの7900の応用ということです。これ の場合のほうが逆に感度が悪いのです。計算しますとそのような結果です。この方法で やればできますので大丈夫だと思います。 ○櫻井座長 3μの20分の1を計算してですか。 ○小西委員 そうです。ただ、これもろ過捕集でやるということについて、あとはトー タルのボリュームをいまは10分の時間で計算していますから、定量下限を下げるので あれば、時間を延ばして測定してやればよいということです。 ○櫻井座長 砒素については3μg/m3ということに決定してよろしいでしょうか。その ように決定させていただきます。次は、抑制濃度の考え方についてです。事務局から検 討内容について説明をお願いいたします。 ○杉山係長 資料9は前回の検討会においても使用したものですが、再度内容を簡単に 説明させていただきます。測定対象物質(93物質)ごとに、管理濃度の設定・見直し 時期、管理濃度の値の変遷、現行の抑制濃度の値、規制対象区分、資料5における分類 番号、管理濃度と抑制濃度の乖離の有無について取りまとめた表です。  現在、特化物、石綿、鉛の34物質とホルムアルデヒドの1物質で抑制濃度が設定さ れております。この35物質のうち、23物質については管理濃度と抑制濃度との間に乖 離が生じている状況です。資料9の右端の●が付いているのが乖離が生じている物質で す。  有機溶剤、粉じん、そして特定化学物質のうち、管理濃度が定まっていない物質につ いては、現在抑制濃度ではなく、制御風速方式で定めております。前回の検討会におき ましても、この抑制濃度に関するご議論をいただいたところですが、その中において抑 制濃度は局排の性能要件であるから、設計要件としては、むしろ制御風速に統一したほ うがいいのではないかというご意見がありました。管理濃度があるのに、抑制濃度を残 しておくのは二重規制にはならないか、というご意見がありました。また、管理濃度に よって作業環境のコントロールができるのであれば、抑制濃度も制御風速も不必要では ないかなどのご意見がありました。  しかし、性能要件を抜本的に見直す場合には、まず実証的な研究が不可欠で、その後 別途検討会等も必要になってきますので、本管理濃度検討会においては、検討会開催要 綱の趣旨に従い、23物質について、現在管理濃度と抑制濃度との間に乖離が生じてい るこの現状において、管理濃度と同じ濃度数値に合わせるよう改訂するべきかどうかに ついてご議論いただければと考えております。  また、仮に抑制濃度と管理濃度と同じ濃度数値に合わせるということになった場合で も、現在作業環境測定における測定方法及び評価方法、管理濃度と抑制濃度ではそれぞ れ測定方法などが異なっておりますので、次にこれをどのように考えていくべきかご検 討いただければと考えております。  抑制濃度と管理濃度の測定方法、評価方法については資料17に対比表を掲載してお ります。この表も前回の検討会において使用したものですが、再度確認のため簡単に表 の説明をさせていただきます。抑制濃度の場合、まず測定位置については、囲い式及び 外付け式は、フードと外側、開口面から一定距離(0.5〜1m)離れた箇所で測定を行 います。測定点は、フードの形状等により決められております。  測定方法については、測定は、1日について測定点ごとに1回以上、作業が定常的に 行われている時間帯に行うこととされています。評価方法については、測定データを幾 何平均した値を評価対象値とし、抑制濃度と比較し、抑制濃度との値より高ければ、局 所排気装置の性能について改善が必要となってきます。評価指標は、基本的には昭和 45年当時の産業安全衛生学会の許容濃度、又はACGIHのばく露限界値の値が採用され ております。  抑制濃度の定義は、発散源付近における有害物質の濃度を、その値以下に抑えること により、作業者のばく露濃度を安全水準に保つよう意図して定められた濃度で、工学的 対策の指標とされております。その他、法令による外付け式にしても、フードをできる だけ発散源に近い位置に作らなければならないとされております。内容の説明につきま しては以上です。 ○櫻井座長 いかがでしょうか。 ○和田委員 抑制濃度を決めたのはかなり古いわけです。そのときの許容濃度から決め たということですが、そのときは大体一致したのですか。 ○杉山係長 一致したものを採用したということです。 ○和田委員 それだったら、同じようなものであると考えていたわけですか。 ○杉山係長 はい、そういうことになります。 ○和田委員 その考え方は、いまでも変わらないわけですか。 ○杉山係長 はい、原則的には変わりません。 ○和田委員 それだったら全部揃えればいい、というだけの話になってしまうのではな いですか。 ○櫻井座長 おそらく、それについては異論はないと思います。 ○名古屋委員 管理濃度が変わろうと、抑制濃度が変わろうとそれは構わないのです。 抑制濃度の測定は現実離れしていて使われていませんが、濃度を変えるのはいいのでは ないですか。 ○櫻井座長 そうです。 ○名古屋委員 濃度を管理濃度に変えるものは、時代に応じて変わっていくことでよい。 ○櫻井座長 抑制濃度は、管理濃度にするというようなことでよいのでは。 ○田中委員 抑制濃度は、濃度でなくても、制御風速だけで行うとかでいいのではない かという気もします。 ○櫻井座長 それもこの間議論しました。 ○名古屋委員 いますべて制御風速に変えるというのは難しいので、濃度をどうするか となったら管理濃度にあわせるしかないということです。 ○田中委員 抑制濃度をどうやって測るかということになったら、そういう努力をする 必要があるのかと思うのです。 ○名古屋委員 現実的には誰も測っていないのでしょうか。 ○小西委員 そんなことはないと思います。ただ、現場で取れる抑制濃度の計測は私も 経験があるのですけれども、結局産業衛生学会の許容濃度、ACGIHのTLVがあって、管 理濃度があって、抑制濃度があって、数字がみんな一緒だという部分が多いわけです。 そうすると、なぜその名称が違うのだ、と皆が疑問に思う部分があるわけです。それだ ったら、許容濃度だけでいいではないか。名称だけが違っていて、数字は同じものを使 っているというところが、現場でなぜそういうことになるのかということになる。この 数字の根拠というのはほとんどが許容濃度だとか、ACGIHのTLVから来ているわけです から、すごく説明しづらいところなのです。ですから、これを変えられるのであれば、 田中委員が言われたように、制御風速だけでもいいのかなという気がします。それによ って、管理濃度測定で、管理濃度で現場の濃度を測るわけですから、そういう意味では その管理区分からいくと、必ずしも抑制濃度を計測してやらなければいけないというこ とよりも、むしろ制御風速だけでやったほうが将来的にはすっきりするかなという気が します。ただ、この抑制濃度の数値は明らかに違っているので、是正しておかないと、 こんなデータでいいのだということになってしまうと困るのです。 ○和田委員 制御風速にするという議論はこの委員会でやることなのですか、ほかの委 員会でやっているのですか。制御風速にするという議論というのはこの委員会でやるこ とになっているわけですか。 ○古屋副主任 それは、局排の性能要件を含めて法規制をどのように考えるかというと ころがまずあって、そこで考えなければいけないということです。 ○和田委員 別のところできちんと検討したほうがいいのではないですか。 ○古屋副主任 田中委員からお話のあった、抑制濃度をすべて制御風速に仮に変える場 合には、いろいろ実証的な検証をしないといけないかなということです。 ○和田委員 管理濃度と抑制濃度が乖離しているのはどうかというから、それでは一緒 にしたらどうですかというのがこの委員会の話です。 ○櫻井座長 この委員会の要綱があります。 ○古屋副主任 資料3の2頁の4のところです。管理濃度に加えて、測定基準、局排性 能要件の設定・見直し作業ということで、その(3)のところで管理濃度と抑制濃度と の間に大きな乖離のある物質について見直しが必要であるということです。最近、管理 濃度を決めている物質については、管理濃度、抑制濃度の値が一致していて、過去のも のについてはその辺が改定されていないという現状をこの機会に見直すべきということ で今回お願いしているということです。 ○中明委員 管理濃度でいきましょうと言ったら、それで全部統一しましょうというこ とでいいわけですか。 ○古屋副主任 名古屋委員からご提案のありました、抑制濃度の測り方についてご意見 をいただきましたので、それについては検討が必要かと思っております。 ○松村委員 前回も言ったのですけれども、小西委員が言われたように、作業環境測定 一本に統一して、新しく設備を作ったときに、抑制濃度を設置基準にする代わりに、作 業環境測定を設置直後に行って評価をする、ということで足りるのではないかというこ とです。いま作業環境測定は、半年経ってから測ればいいのですけれども、それを測れ ということになると、最初の半年は作業環境の状況がきちんと把握できていない作業場 で作業をすることになってしまうのではないかということなのです。 ○半田室長 先生がおっしゃるとおりです。まさにそういうことがありますので直ちに は変えられないということなのです。全般的に影響しますので。ただ、基本的な方向は 名古屋先生、あるいは田中先生のご指摘のとおりだと思っていますので、どういうステ ップを踏んでやっていくのか、ということが私どももなお事務局で詰めきれていないと ころなのです。とりあえず抑制濃度は管理濃度に統一するとして、その場合のフィージ ビリティ等もご確認いただく必要はありますが、それを確認した上で統一するというこ と、将来的には抑制濃度をやめる可能性も検討する必要があるというご提言をいただけ るのであれば、その方向で可及的速やかに検討してまいります。 ○櫻井座長 当面、抑制濃度を管理濃度にするような方向にいたしましょう。 ○半田室長 是非、先生方の率直なご意見も加味していただいて、ご提言いただければ と思います。 ○櫻井座長 最後に、管理濃度検討会報告書案についてお願いいたします。 ○杉山係長 管理濃度検討会報告書については資料23の一覧表にまとめたものがそれ です。資料23の表の案ですが、こちらは本管理濃度等検討会における、第1回から第 3回までの検討結果を一覧表にしてまとめたものです。内容を確認の上検討していただ きたいと思います。なお、本日ご議論いただいた箇所については、作成上空欄のままと なっております。本日の検討結果を踏まえ、最終的なものをまとめ、次回検討会でお示 ししたいと考えております。 ○櫻井座長 本日は時間がないので、個別にご議論いただくのはやめて、お持ち帰りい ただいて目を通していただいて、次回に全部まとめた形で行いたいと思います。 ○古屋副主任 最終的なものをまとめたいと思っております。 ○櫻井座長 ほかに事務局から何かありますか。 ○杉山係長 開催日程の事務連絡です。次回第5回管理濃度等検討会の開催を8月8日 (金)の午後1時30分より開催したいと考えておりますので、よろしければそちらで 決めていただきたいと思います。詳細については、メール等で確認の連絡をさせていた だきます。 ○櫻井座長 以上をもちまして、本日の会議は終了させていただきます。どうもありが とうございました。 照会先:労働基準局安全衛生部労働衛生課 環境改善室      電話03-5253-1111(内線5501)