08/05/02 第4回要介護認定調査検討会の議事録について 第4回要介護認定調査検討会議事録                  日時:平成20年5月2日(水)15:00〜17:00                  場所:厚生労働省17階 専用第18・19・20会議室 議 事 次 第 1.要介護認定適正化事業の報告について 2.要介護認定モデル(一次)の報告について 3.認定ロジックの作成方針について 4.その他 議事内容 ○田中老人保健課長補佐 それでは、定刻となりましたので、第4回「要介護認定調査 検討会」を開催させていただきます。  私は、厚生労働省老健局老人保健課の田中と申します。  本日、今井委員、加藤委員につきましては、御欠席の連絡をいただいております。ま だ村嶋委員と安西委員が見えておられないんですけれども、先に始めさせていだたきた いと思います。  それでは、早速ですが、開原委員長に議事進行をお願いしたいと思います。 ○開原委員長 それでは、早速でありますけれども、第4回の検討会を始めさせていた だきたいと思います。  まず事務局から、本日の資料の確認をお願いいたしたいと思います。 ○田中老人保健課長補佐 それでは、お手元の資料について確認させていただきます。  資料1「平成19年度要介護認定適正化事業」でございます。  資料2−1「要介護認定モデル事業(第一次)」でございます。  資料2−2「調査項目の選定について(1)」でございます。  資料2−3「モデル一次データ(32,713件)項目別回答構成比」でございます。  資料2−4「調査項目の選定について(2)」でございます。  資料2−5「樹形図の使用項目数を変更した場合の決定係数の比較」でございます。  資料3−1「樹形図の作成方針について」でございます。  資料3−2「要介護1相当の振り分け方針について」でございます。  資料3−3「運動機能の低下していない認知症高齢者の指標の改定案について」でご ざいます。  資料3−4「特別な医療にかかる時間の修正」でございます。  資料4「要介護認定一次判定ロジック(樹形図)変更の流れ」でございます。  別添1−1からホチキスどめで3つ並んでいるんですけれども、項目選定条件につい て(1)〜(3)でございます。  参考といたしまして「『高齢者の老化プロセスにおける分析に関する研究』委員会W Gからの報告(抜粋)」でございます。  資料等の不足や落丁等ございましたら、事務局までお願いいたします。 ○開原委員長 よろしいでしょうか。  それでは、早速、議題に移りたいと思いますけれども、まず議題「1.要介護認定適 正化事業の報告について」であります。  それでは、事務局からよろしくお願いします。 ○田中老人保健課長補佐 厚生労働省では、平成19年度から審査会運営の適正化を図る ため、要介護認定適正化事業を開始しました。厚生労働省職員及び委託を受けた適正化 専門員が実際に市町村を訪問するもので、厚生労働省の職員が直接現場が抱えている課 題を認識する機会となってございます。  今回、認定システムの改定にこうした経験を反映させる必要性があることから、今回 適正化専門員の岩名専門員に、適正化事業の概要及び現場で抱えている課題について報 告をしていただきたく存じます。 ○開原委員長 それでは、岩名参考人よろしくお願いいたします。 ○岩名参考人 平成19年度の適正化事業で専門員を務めさせていただきました、岩名と 申します。よろしくお願いいたします。  それでは、まず初めに要介護認定適正化事業がどういうものかということを簡単に御 説明申し上げた上で、訪問の中で、各審査会を拝見した中で気づきました点、現場の声 として上がってまいりました意見について、少し整理してお伝えしたいと思います。  適正化事業の背景でございますけれども、問題意識としては、データ上は各地域で審 査が行われている結果について比較いたしますと、非常に地域間格差があることが以前 から認められているところであります。特に重度変更率であったり、認定率そのものに も大きな地域間格差がございますけれども、審査会を通した後の二次判定の結果につい ても、大きな格差があることがわかっているところであります。  ただ、それがなぜ、かくも大きな格差を生んでいるのかということについては、いま 一つよくわかっていなかった部分もございまして、この事業では各地域に実際にお邪魔 して、審査会の委員の方々の御意見を伺うとともに、実際の審査会を傍聴させていただ きまして、問題点等がどこにあるのかを分析いたしました。  資料をごらんいただきますと、3ページに事業の目的が書いてございますけれども、 適正な審査判定を徹底して、認定の適正化を推進するのが最終的な目的でございます。  各地域にお邪魔するに当たりましては、それぞれの地域の実情をデータ等で確認した 上で、実際に認定適正化専門員及び厚生労働省の老人保健課からも必ず職員の方に来て いただきまして、実際に傍聴した上で、技術的な助言を行いました。  平成19年度は、最終的に78の審査会にお邪魔するということができたわけです。  4ページに実施の結果がございますけれども、原則として、各地域で御希望のあった 市町村を優先的にお邪魔するという形で事業を実施いたしましたので、一部の都道府県 はお邪魔できなかったところもあるんですが、43都道府県78審査会、112合議体を傍聴 させていただきました。  実際の訪問のスケジュールは5ページにございますので、こちらをごらんいただけれ ばと思います。各都道府県で大体1〜2か所ぐらいは拝見できるようにということで、 選定したところでございます。  6ページは、実際にどういうことをやったかをまとめてありますが、市町村の要請に 応じましてお邪魔するということで、事前にレポートを送付して、これは平成18年度の 要介護認定実態調査の結果を地域ごとに分析、データを抽出いたしまして、全国平均値 との乖離の状況等をお知らせするようなレポートを送付しております。  実際にお邪魔した上で、事前の事務局さんへのヒアリングを行い、審査会の傍聴をさ せていただく。これは先方の御都合もありますので、幾つもの合議体にお邪魔すること はなかなかなかできないんですが、最低1つは必ず傍聴させていただくということをお 願いしております。  傍聴の後、改めまして、審査会の委員の先生方と意見交換を行いました。  なお、傍聴につきましては、専門員は一切発言をしないということで、通常どおりの 審査をしていただいて、私どもは終わるまでは一切介入しないというスタンスをとって おります。  意見交換終了後、こちらの専門員のチームの方で内容の確認あるいはどのような点に 問題があったのかということを協議いたしまして、先方の事務局さんと最後に意見交換 をさせていただく。その中で、各審査会の持っている固有の問題等について助言をさせ ていただくというスタイルをとっておりました。  7ページをごらんいただきますと、これは事業の内容が膨大でございまして、その中 で気づいた点というのが多々ございますけれども、大きく整理をさせていただきますと、 3つの改善領域が言えるのではないかと考えております。  一応審査会は傍聴させていただいておりますけれども、毎回その審査会で使用される 資料を事前に専門員もいただきまして、すべてに目を通した上で傍聴しております。そ の中でわかってきたことは、審査会だけに問題があるわけではなくて、例えば特記事項 の書き方1つ、あるいはチェックのつけ方に関してもかなりの地域差があるということ がわかってまいりました。  認定調査員あるいは審査会、事務局及び制度そのものに対する不信感であったり、相 互の誤解であったり、情報が十分行き届いていないために起こっている部分もございま すし、あるいは多くの審査会から今日もお話に出てくるわけですが、要介護1相当の振 り分け等は、ほとんどの審査会から御意見をいただいた部分もございます。1つだけを よくしたら、全体がよくなるということでは決してないんだろうということが、この事 業を通した大きな雑感でございますけれども、本日は特に認定調査の項目の部分で気づ いた点について、少しお話をさせていただきたいと思っております。  8ページをごらんいただきますと、82もございますので、すべてについていろいろな 御意見が出ているんですけれども、特に多かったもの、あるいは私どもが見ていて、こ こは本当に必要なのかと思った部分、私の専門員としての個人的な見解も若干含まれて いるかもしれませんが、申し上げたいと思います。  まず一番最初は、第4群の皮膚疾患でございますけれども、今、調査項目の中では褥 瘡とセットになっておりますけれども、さまざまな皮膚疾患がございまして、非常に大 きなやけどをしたというようなことを特記事項に書いた上でのチェックもあれば、少し 乾燥肌でクリームを塗っているというような程度でチェックがついてきてしまうケース もございます。あるいはテキストにもございますように、水虫等も皮膚疾患でとらえる となっておりますので、実はここの幅というのは非常に大きいということがございます。  一方で、皮膚疾患のチェックというのは、基準時間に勿論影響を与える可能性がある 項目でございまして、対応が軽微なものであったり、介護の手間にほとんど影響を及ぼ してしてないのではないかと思われるようなものも多々見られるところがございました。  中には非常に大きなけがをされているとか、あるいはやけどをして水ぶくれになって いて、その処置が非常に大変だとか、あるいは移動の際に配慮が必要であるとか、そう いったことが特記事項にきちっと書かれている場合は、多くの場合、二次判定の中でそ の部分の手間をきちっと見ていただいているようなところもありますし、皮膚疾患につ いては、このまま残すのかどうかということについても、少し御検討いただけたらと感 じたところです。  2番目は8ページの下の段になりますが、つめ切りでございます。以前から、つめ切 りにチェックをつける場合とつけない場合で、基準時間に差が出るのではないかという 指摘を現場からもたくさんいただいているところですが、実際、多くの問題は何かとい いますと、つめ切りの定義というのは、日ごろからその行為を自分で行っているかどう かを評価するという定義になっておりますので、例えばデイサービスに行きますと、本 人は能力があるんですけれども、やはりその施設の中で、ルールということではないん でしょうけれども、デイサービスで切ってもらっているということで、全介助になって いるケースが非常に多うございます。  一方で、御自宅にいらっしゃる方あるいは新規の方はサービス利用がございませんの で、同じような場合でも、チェックがつかないということが出てくると指摘されており ます。  つめ切りについては、特記事項に非常に丁寧にその方の指先の動きであったり、体幹 の柔軟性であったり、さまざまなことを書いていただけるケースもあるにはあるんです が、非常に少数派でございまして、どちらかというと、ただデイで切ってもらっている と書いてあるだけで終わっているケースが多うございます。  つめ切りについては、勿論つめを切っている時間そのものを介護の時間ととらえてい るだけではないと考えておりますので、この点についても、現場ではかなり大きな混乱 要因となっておりますので、御検討いただければよろしいと感じたところです。  9ページ目でございますが、これは各都道府県で問い合わせの多い項目の1つだとお 聞きしておりますが、飲水という項目であります。食事の摂取のすぐそばに置かれてい る項目ですけれども、この定義はテキストの中にはきちっと書かれておりますし、注釈 もかなりたくさんあるんですが、その中の判断基準が、例えば適切量が判断できるかど うかということが非常に大きなポイントになっている一方で、少し読み方を変えますと、 調査員さんによっては水筒やペットボトルでとる場合と、適切量がわからないからコッ プで1回に飲む分を調整している場合ということで、判断基準が分かれているという書 き方も定義の中にはございます。  これが2つ重なる結果、いろんなケースがあるわけで、現場ではこの判断が難しいと いうことが指摘されております。複数の異なる基準が入っているということで、ここが 判断の割れるところだということで、問い合わせが多いということでございます。  それと第7群の火の不始末でございますけれども、一番多いのは、ここにチェックが つくと、火の不始末があるということは1日中見てないとだめな人だということになり やすいわけで、特に軽度の人で火の不始末に結構たくさんつくケースがあると思うんで すけれども、要支援1レベルの方でも、この方は24時間見ていないとどうにもならない んだという議論になっていって、そうすると要支援でも足りなくて、恐らく要介護1で もずっと見守るのに必要な介護量というのは、それでは十分でないという話になってし まうわけで、ここの部分は審査委員の先生方のとり方が割れているところだと思います。  特に見守りという言葉があるわけですけれども、通常、要介護認定の中での見守りと いうのは、ある行為をしている、着脱をしているとか、食事をしている行為に対する見 守りだととらえられていると思うんですが、火の不始末については、原則としてその行 為が行われないかどうか、行われるかどうかをずっと見守っているという必要性という 文脈で、現場ではとらえられている部分が強いところがあります。  同様の問題は徘徊などでも同じでありまして、徘徊が起こったときに、実際に探しに 行ったりする手間ということではなくて、その方が徘徊するかもしれないので、ずっと 1日見ていなければいけないという文脈でとらえられることが非常に多いということも、 1つ問題としてあろうかと思います。  10ページの「要介護1相当の振り分けについて」は、これはほぼすべての審査会と申 し上げてよろしいかと思いますが、78の審査会にお邪魔して、ほとんどの審査会から改 善要望が出ております。  1つはプロセスがテキスト等に示されているところでありますけれども、廃用の程度 については比較的軽度であるか、それ以外であるかということを判断するというプロセ スが一応設定されております。ところが、これをやったところで、最終的には状態の安 定性が安定しているか安定していないかということだけで判断するのであれば、一体何 のために廃用の程度を吟味しているのかがよくわからないという指摘が、ほとんどのと ころで共通して出てきた項目であります。  むしろ、廃用の程度を吟味してしまうと、どうしてもそこに引っ張られてしまいます し、仮に、状態の不安定性の根拠が見つからなくても、どうしてもこれは要介護1にし たいということになってきてしまうことも指摘されております。このことが最終的に要 介護1の判断基準のぶれに大きく影響しているのではないかと思われます。  またこれも併せて同じ部分ではありますが、資料の中に介護給付相当、予防給付相当 のチェックが自動的に機械で入るようになっておりますけれども、そうしますと、よけ いにそれを見て皆さんは介護給付相当に入っているけれども、状態は安定していると思 うし、要介護1相当であるし、認知症もないし、もう要支援2しかない。でも、どう考 えてもそういうふうにはとれないというケースがある程度出てきてしまう。それへの対 応策が何もないということに対する不満に近いと申し上げてよろしいかと思いますが、 大きな声が出ております。  11ページは、更に状態の不安定性ということなんですけれども、未来の予測をするこ とで、特に6か月以内での変化の可能性を問うているということで、委員によってとり 方が分かれやすいということであります。  皆さんが率直におっしゃるのは、6か月以内はだれでも介護の状態にあるということ で、ある程度悪くなっていくことは予見できるし、逆に6か月後に悪化すると予測する 根拠を明確に出すというのは、現場としては非常に難しい。ルールに率直になればなる ほど、状態不安定というのは出しにくくなってくるということが言われております。  この結果、皆さん現場では、要介護1相当の審査時間が長くなっておりまして、大き いところでは審査時間が1.5倍ぐらいになったという御指摘もあります。19年度に入っ てから随分慣れてきたとおっしゃる地域もございますけれども、かなり手間がかかると いうことで、特に要介護1相当以下の審査というのは、現在、大体半分ぐらい、4割か ら5割ぐらいを占めておりますので、審査会にとっては非常に大きな負担になっている ということが1つ言えます。  12ページは、いわゆるレ点の取扱いに関する指摘事項でございますけれども、もとも とレ点についての一次判定は基準時間をベースにしているわけなんですけれども、レ点 は1段階、2段階という形で変更がかかる仕組みになっております。この両者が整合し ていないために、基準時間を原則として議論するのであれば、やはり時間で加算するや り方をとるのが適切ではないかというのが専門員側から見てみての1つの意見でござい ます。  要介護1であっても、32分の要介護1もあれば、49分の要介護1もございまして、そ こから1段階上がるという意味が、時間で見ますと20分ぐらいの差が出てきてしまうこ ともございますので、ここの点についても現場では若干違和感のあるところだと申し上 げておきたいと思います。  13ページは「特別な医療」でございます。こちらも現場では非常に間違えの多かった 項目であります。つまり、特別な医療については14日以内に継続的に行われているもの で、診療報酬行為として行われているものという定義がたくさんあるんですが、かなり その辺が緩くなっている審査会があるのも事実でございます。  この結果、基準時間が、例えば点滴であれば8.5分と非常に大きいこともございまし て、上下するというか多くぶれるケースが出てきております。  あと、透析などで、これは施設に入っている場合と居宅の場合で違うということなん だと思うんですが、通院で行われている場合、実際の介護の手間として直接何も発生し ていないにもかかわらず、例えば要介護1の方が透析ですと8.5分の加算ですので、す ぐに要介護2ぐらいまでいってしまうわけです。その辺りで状態像のばらつきが大きく 出ているのではないかという指摘が出ております。あるいはこれは2つぐらい付いてき ますと、要介護4辺りですと、すぐに20分ぐらい延びてしまいますので、要介護4が5 になったり、場合によっては3が5になるケースも出てきやすいということで、ここの 時間の在り方についても、ほかの基準時間のつき方に比べますと、若干、違和感がある と感じたところです。  最後14ページは、全体を通してのことでございます。審査委員の方の確保あるいは実 際に調査をしていただく方の調査員の確保は、大都市と地方という区分だけではなくて、 各地で非常に難しい状態になっているという指摘が出ております。  調査員の方は直接調査に切り替わって、なお嘱託の方にお願いしたりということで確 保しているということですが、自治体の財政が非常に厳しい中で、自治体職員も増員で きない中で、ケースだけがどんどん増えていく状況が続いているということで、審査会 のキャパシティーはかなり限界にきているという御意見が大半を占めております。  また、実際にケースが増えてまいりますと、事務局さんが事前にチェックする時間も 十分にとれないということで、その点についても多くの審査会から何とか軽減を検討し てもらいたいということが意見として挙がってきております。  調査項目の数ももう少し減らせないかということが、実際に審査会の皆さんから意見 が出ておりますし、やはり資料を読む時間がかなり膨大にかかるということと、現在、 大体1回の審査会で30ケースぐらい審査員の皆さんがごらんになっているのが平均で はございますけれども、多い地域では45件ぐらいございます。我々も実際に事前に読み ますと、2時間、3時間ではとても資料を読み込めないということもございますので、 是非負担軽減の観点ということも、現場からの声として取り上げていただければと感じ ているところでございます。  ちょっと駆け足になっておりますけれども、以上、適正化事業を通じて気づきました 点について、報告させていただきました。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの適正化事業について御意見や御質問はございますでしようか。 いかがでしょうか。  これは調査をされて、その結果は現場にまたフィードバックされるところまでおやり になったんですか。 ○岩名参考人 基本的にどういったことを直してくださいということについては、例え ばテキストから明らかに逸脱していると思われるルールについては、その場でお話をし て、是非これは改善を御検討くださいということを申し上げておりますが、法律に基づ く指導という感じのものではございませんので、あくまでも情報提供させていただいて、 こういうふうにされるとよくなるのではないでしょうかという言い方をしております。  最終的には、一般的に各審査会の事務局の方々が内容を整理されて、それをこちらの 事務局で改めて確認をして、内容にそごがないかを確認した上で、またフィードバック するというプロセスをとっております。 ○開原委員長 ほかにございますか。 ○岩名参考人 もう一点、済みません。3月5日にすべての審査会に対して、この事業 の結果報告という形で、シンポジウムのようなセミナーの形で研修を開いております。 ○開原委員長 ほかに何かございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、議題「2.要介護認定モデル(一次)の報告について」に移りたいと思い ます。事務局から御説明をお願いいたします。 ○田中老人保健課長補佐 お手元の資料の2−1をごらんいただきたいと存じます。  要介護認定モデル事業(第一次)では、現行の82項目に加えて、平成19年11月9日 に開催されました第3回要介護認定調査検討会で決定された追加6項目の調査項目を加 えた認定調査を実施するもので、平成19年12月に全国から129の市町村の参加をいた だき実施されました。  1枚目の右下にございますが、全国で3万4,401名の参加がございました。  2ページは、調査対象者で男女比、年齢構成比などで、全国の数字はほぼ同じになっ ており、乖離はございません。  3ページは、追加の6項目の回答傾向と一次判定結果の要介護度との関係を表及びグ ラフにしたものですが、要介護度の変化に応じた分布の違いがあり、これら6項目を分 別する能力を見分けることができるのではないかと考えております。  4ページは、6項目の回答傾向と二次判定結果の関係をお示ししております。  以下5ページから18ページまでは、二次判定結果が出ている3万2,713件の回答傾向 と要介護状態区分の関係をお示ししております。  これらのモデル事業結果を基に、事務局から平成21年度からの認定ロジックに用いる 認定調査項目の選定案を提案させていただきたく存じます。資料2−2をごらんいただ きたく存じます。  平成19年11月9日に開催されました、第3回要介護認定調査会検討会における新規 の110項目から6項目までの選定に用いました考え方に従って、削除する候補となる項 目を提案させていただきたく存じます。  資料が行き来して恐縮なんですけれども、資料2−4と別添1−1を併せてごらんい ただきたく存じます。  選定条件1といたしまして、要介護区分前の回答構成の差があるかどうかの確認を行 い、差のない設問については削除候補とさせていただきたく存じます。  別添1−1に示しておりますように、この分析にはカイ2乗検定を用いまして、有意 水準0.1%に満たないものを除外候補とさせていただいております。  資料2−4「調査項目の選定について(2)」ですけれども、除外候補については×を ふしておりまして、その項目については黄色い網かけをつけております。  8群の特別な医療と9群の日常生活の自立度の指標については、樹形図作成とは別の 用途がありますので、こちらは別扱いとさせていただいております。  別添1−2と資料2−4をごらんいただきたく存じます。  選定条件2といたしまして、要介護区分と回答に付された順序が関係ないかを検討し、 群間に差がない設問については、除外候補とさせていただいております。  別添1−2に示してありますように、この分析にはKruskal Wallis検定を用いて0.1 の有意水準に満たないものを削除候補とさせていただいております。  同じように、資料2−4「調査項目の選定について(2)」では、物や衣類を壊す、環 境等の変化に関しては該当する項目になっております。  続きまして、別添1−3、資料2−4をごらんいただきたいと思います。  選定条件3といたしまして、回答別にケア時間に差があるかを確認し、差のない設問 を除外対象とさせていただいております。  この分析方法は別添1−3にございますように、分散分析を実施しております。  次に資料2−3「モデル一次データ(32,713件)項目別回答構成比」というタイトル のものをごらんいただきたく存じます。  選定条件4といたしまして、今回のモデル事業一次の回答傾向を見ますと、90%以上 の回答者が同じ回答をしている調査項目がございます。こちらも除外候補にさせていた だきたく存じます。  最後に選定条件5といたしまして、先ほどの岩名参考人から指摘いただきました現場 での問題点が指摘されております、皮膚疾患、飲水、つめ切り、火の不始末を除外候補 にしたいと考えております。  この5つの条件で選定しますと、除外する候補としましては、資料2−2の2ページ にお示ししております24項目となっております。  なお、資料2−5「樹形図の使用項目数を変更した場合の決定係数の比較」でお示し しておりますように、この24項目を削除せずに樹形図を構築した場合と24項目を削除 して樹形図を構築した場合、対象者の介護に要する時間を予測する能力、ここでは決定 係数なんですけれども、それについては100分の1のオーダーでしか変化がないことを 申し添えます。  事務局からの説明は以上でございます。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。  ただいまの御説明は、慣れ親しんできた24項目を削減するという話でございます。こ れについていろいろ御議論いただきたいわけでございますが、まず筒井委員から御意見 をいただきたいと思います。資料も多少いただいていると思いますが、お願いいたしま す。 ○筒井委員 私の資料は参考という資料で「『高齢者の老化プロセスにおける分析に関す る研究』委員会WGからの報告」というものになります。  ここには目次がございまして、高齢者の老化プロセスにおける分析に関する研究委員 会というのは、開原委員長の下でやっております研究なんです。どういうことをやって いるかと言いますと、要介護認定データ、認定ネットワークで蓄積されたデータという のが現在、大体340万件ほどあるんですが、その中から経年的に4回分の認定データを 持っている人を取り出しまして、26万4,244件のデータで、高齢者の方々がどのように 変化をしていくかということを分析している委員会です。  このデータを分析して明らかになったことというのを簡単に御説明しまして、この中 で今回、経年的な予測ということで、特に要介護1に着目して、どのような高齢者が要 介護1から悪化していくのかというパターンですね。そういうパターンを持っているの かということの結果が出ましたので、それについて若干御説明します。それが1つです。  もう一つ、私どもで要介護認定調査員に関しての調査研究というのをやっております。 これは認定調査員に対しまして、要介護認定調査の質の向上ということで、新しい調査 マニュアルというのをつくっています。先ほど岩名参考人から御説明がありましたよう に、認定調査員の方々は大変判断基準に困っておられて、その判断基準をなるべくわか りやすくするということで、どういうときにはこういう回答をしてくださいというふう な具体的なマニュアルをつくりまして、このマニュアルに基づいて評価をするというこ とを政令指定都市を中心にしまして、現マニュアルと新マニュアルとの差を見るという 研究をしています。その結果、どうしても認定調査項目、ここは判断しにくいというも のを調査員の方が出してきておられるので、この2点について御説明させていただきま す。  まず老化プロセスの委員会のワーキンググループの報告ですが、参考資料の2ページ 目です。この要介護度の推移の中で非常に特徴的な群というのが、この26万4,000件の 分析をしますと出てきました。  これはどういうことかと言いますと、このグラフを見ていただきたいんですが、この グラフで要介護1から出発して、要介護1がずっと変わらない青い線と、悪くなる赤い 線というのがあると思うんです。こういうふうに要介護1から4回経っても変わらない 群と急激に2回目以降に悪くなっていく群というのが、4回分のデータ分析をすること によって、こういう高齢者群が存在するということがわかります。  この高齢者群がどのような特徴を持っているのかということを分析した結果を御説明 します。これは便宜的にC2、C3と名前を付けています。これは分類2、分類3とい うような簡単な名前なんですが、見ておわかりのようにC2というのが4回経っても変 わらない群。C3というのが2回目以降大きく要介護度が悪くなっていく群です。  この群を分けて、この群を予測できれば、先ほどおっしゃっておられた要介護1の振 り分けというのは、非常に認定審査員にとっては簡単になるわけです。こういう悪くな る群に対しては、予防給付ではなくて介護給付をじっくりやっていただくというふうに すればいいわけですから、これをどういう項目が差があるのかというのを見た分析結果 が4ページ目です。  認定調査項目のC2、C3を比較しますと、どういう項目に差があるかと言いますと、 まず左のページですと洗身、尿意、便意、排便後の後始末、口腔清潔とか、中間評価項 目で言いますと、5群はほとんど差がある。6群で視力、聴力を除いたもの。7群で被 害的、作話、幻視幻聴、暴言暴行、介護に抵抗、落ち着きなし、外出して戻れない、収 集癖、不潔行為、異食行動というものに差があるということがわかっています。  ただし、これは交互作用の問題がありまして、そういった作用をなくすために、要す るに1つの項目で差異を見分けることができるんですけれども、項目としては有意差が 出てしまうというわけです。  ですから、それを更に洗練させるために、C2とC3の判別分析をやっています。判 別分析の方法は幾つかのモデルが出るわけですけれども、そうしますと更に項目は洗練 されるというか、少なくなって、5ページ目、洗身から口腔清潔、洗顔、洗髪、つめ切 り、ズボン等の着脱、薬の内服といったように、これだけの項目でモデルは一応成り立 ったということになります。  これでもやはり正準相関係数とかいうのは余り高い値が出ていないので、もう少しこ の相関係数だけではなくて、更にこの2と3を分別するのが1回目の認定で分別できる か、2回目の認定で分別できるか、3回目の認定で分別できるかということを更に詳し く見ましたのが8ページ目です。  8ページ目にC2、C3の変動傾向と認定調査項目との関係をもう少し詳細に見て、 C2とC3を判別する項目として、高い順に並べ直したものです。そうすると、薬の内 服ですかと金銭管理ですとか、毎日の日課を理解するとか、今の季節を理解するとかと いう項目が上位に来ていることがおわかりになられるかと思います。  今のところ、本来はもう少し年齢階層別に分析をするとか、そういうことをやりたい んですが、もうちょっと十分な分析がまだ足りていません。ただし、次のページを見て いただくとわかるんですけれども、少なくとも要介護1の悪化予測には年齢とか性別は 余り関係しないだろうと。1回目の年齢というのを一応入れているんですけれども、か なり影響度は低いということなので、年齢がものすごく効くということは多分ないだろ うと。  ただ、初回に何歳で要介護認定を受けたかということは関係あるのではないかという 感じがするので、26万4,000件をもう少し層別に分析する必要があるだろうというので、 6ページに性別年齢階層別人数というのを出しています。ここでわかるのは、女性の80 〜84歳の集団が非常に大きいんです。ですから、ここの80〜84歳の集団の特性がどう しても出てしまうのではないか。  もう少し詳細な分析をしたいとは思うんですけれども、現状ではできておりませんで、 ただ、この段階でも恐らく11ページになりますが、この老化プロセス数の分析を踏まえ た削除項目という中で、先ほどお話がありました項目で、この項目はちょっと残してお いてほしいなという項目を赤で書きました。  ただし、つめ切りについては、認定調査員の方から、確かにこれはもう判断しにくい と。施設と在宅で全然違うんです。ただし、このつめ切りは恐らく樹形モデル上は強い 相関を持つ可能性があると思うので、入れておいた方がいいのではないかという気がし ます。  なぜかと言いますと、施設の介護の状況を見ると、つめ切りをしてあげるかどうかと いうのが介護の丁寧さというか、そういうものを反映しているところがありまして、こ れは在宅との切り分けのところで、かなり判断基準を明確にしなければならないところ だと思うんですが、老化プロセスの中でも上位に来ている項目です。このつめ切り、生 年月日を言う、自分の名前を言う、場所の理解、被害的、常時の徘徊というのは、何と か残してもらえないだろうかというのが提案です。  2)の平成19年度老健事業というのは、先ほど申し上げました要介護認定調査の質向 上を目途とし、作成された新マニュアルと旧マニュアルとの相違に関する検討事業とい うところで、認定調査員から特に判断が難しく、項目をできれば削除してくれないかと。 判断が難しい理由としては、居宅と施設によって判断が異なるので迷う。本人の生活習 慣によって判断が異なるので、どちらにしたらいいかわからない。本人と家族の価値観 の違いによって、本人ができなかった場合に聞き取りをしなければならないんですが、 それが難しいという理由で、皮膚疾患、電話の利用、飲水、指示への反応、感情が不安 定、同じ話をする、日中の生活、外出頻度という項目は削除してもらえないだろうかと いう提案をいたします。  これまでの議論を踏まえまして、削除すべき項目としましては、12ページの表9で、 拘縮のひじと足関節、じょくそう、皮膚疾患、飲水、作話、幻視幻聴、暴言暴行、大声 を出す、落ち着きなし、外出して戻れない、一人で出たがる、収集癖、火の不始末、裳 の衣類を壊す、不潔行為、異食行動、環境等の変化、電話の利用、指示への反応、感情 の不安定、同じ話をする、日中の生活、外出頻度。これを提案したいと考えています。 削除項目の選定プロセスは図に描いたとおりです。  以上です。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。  それでは、あとは皆様の御意見に従って、削除項目を決めたいわけでありますが、ま ず原案がありまして、筒井委員から修正案のようなものが提案されているわけでござい ますが、いかがでございましょうか。これは後で影響を与えるものでありますので、是 非ここで皆様の合意を得て決めていきたいと思いますが、筒井委員の修正案は結局は出 たり入ったりして、数としては同じなんですね。 ○筒井委員 そうです。 ○開原委員長 どうぞ。 ○安西委員 筒井先生のC2とC3の分かれ方というのは、大変興味があるところなん ですけれども、本人の特性の部分と環境とか与えられたサービスの側面もあるかなとい う気がしまして、例えば在宅と施設とか、どういうサービスが提供されていたか、C2 とC3でサービスの質に違いがあったのかなかったのか。その辺を教えてください。 ○筒井委員 これは26万4,244件の中での分析はしていません。これはなぜかと言いま すと、老化の認定データしかないんです。ですから、給付データはマージできていない んです。  私が長寿科学研究事業で、この老化のデータと給付のデータをマッチングさせて分析 した結果がありますので、そこから申し上げます。ただし、それはデータ数がぐっと減 りまして、7万件くらいになるんですけれども、その7万件のデータから言いますと、 給付の違いはほとんどございません。在宅と施設の場合もこれは要介護1ですので、ほ とんど在宅の方なんです。施設にはいらっしゃいませんので、在宅と施設の違いもほと んどございません。  給付の内容を見てみますと、要介護1で出発したとしても、先ほど申し上げましたよ うに、1の範囲が広いんです。要介護1という状態像の範囲が広いということ。ですか ら、この項目の組み合わせによって、悪化する人と悪化しない人が生まれると解釈をし ています。 ○開原委員長 よろしいですか。いろいろと分析をした結果がここへ凝縮されておりま すので、これを全部理解をして決めなければいけないというのが大変な話なんですけれ ども、どなたでも御自由にどうぞ。  また、これはいろいろな要素があるんですね。データからだけではなくて、現場の方 の意見も聞かなければいけないという非常にいろんなことを考えて、総合的に判断しな ければいけないということであります。どうぞ。 ○鈴木老人保健課長補佐 実は今回の資料2−4で、私どもの方で調査項目の選定につ いて(2)で示させていただいたんですが、(1)〜(4)については、実は前回110項目を追 加で行ったときに、その中から基本となるといいますか、どの部分を引っ張ってこよう かといったときの指標として使わせていただいたものでございます。  前回はその110項目だけに適用してやりましたけれども、今回はもともとの82項目に ついても、やはり同じような考え方で、一度は精査してみるべきだろうということで精 査をしたものが資料2の(2)ということになっています。  また、今回現場の意見ということで、岩名参考人の方からお話をいただきました、そ ういった現場での意見というのを(5)に加えたということで、資料2の方はなっていると いうことだけ御追加させていただきます。 ○開原委員長 どうぞ。 ○安西委員 筒井先生の出されたデータは大変豊富なので、一遍に頭に入らないという ところがありまして、ずれてしまうかもしれないんですけれども、次第に悪化していく 流れの中が本来自分がやるべき、例えばADLとかの低下によってケアが増えていくと いうのと、もう一つは4ページの表1のところに、指示への反応とか介護に抵抗とか、 要するに関わりが難しくなっていくとか、先ほどリスクと言いますか、見守りのところ で徘徊が起きるかもしれないことに対する見守りという話がございました。  ああいったリスクを避けるための介護利用が増えていくという側面と、膨大な数字の 中でそういった細かい臨床的なあれは難しいのかもしれませんけれども、要するにAD Lの低下の部分とリスク、見守りの増大要因と、その辺はどうなのかなというのが知り たいところではあるんですが、データから何か言えるところはございますでしょうか。 ○筒井委員 このデータは、ケアが増加したかどうかというのもわからないんです。認 定データというのはネットワーク上で集められていて、それの状態の変化だけを追うこ とになりますので、今、私が持っているデータは給付データなんです。  ですから、介護サービスを週に何回受けて、何単位かとか、そういうデータとのマー ジはできているんですが、具体的にプロセスというか、その高齢者にどのようなケアを 何分やったかというデータとはリンクしていないんです。  この老化のパターンというのがこれだけきれいに出ているということは、恐らく先生 が今、御指摘されておられるように、こういう集団を認定のときに見つけられれば、例 えばそういう集団に悪化していく集団に対して、どのようなケアを提供すれば悪化が予 防できるのかという介入研究ができると思うんです。でも、現時点ではそれはできてい ない。  つまり、我が国の要介護高齢者の全体から見ると、要介護1で推移する人の方が母集 団から言うと多いんです。だけれども、かなり急激に落ちていく。これはすごく単純に 言うと、傾きが違うだけなんです。傾きがもう大体わかっていますので、この傾きをど のくらい小さくできるかということは予防だと思うんです。  ですから、そういう傾きが大きい人というのを捕まえられれば、それはむしろ今後の 認定ロジックの中にそれを組み込んでいただいて、この集団を捕まえるために、先ほど の削除されそうな項目は是非残していただいて、こういう集団をつかまえて予防をする というのはどういうことがいいのか。そういう研究に是非つなげていただきたいと思う ので、今回この資料をお出ししました。 ○開原委員長 この平成19年度の筒井先生の老健事業の検討というのと、岩名参考人の 方の御提案になっているのとは似たような観点ですね。これを比べてみてどうですか。 最もだと思われますか。 ○岩名参考人 個々個別にはロジックが基準時間にどういう影響をするかということが あると思いますので、余り軽々に何か言うのは控えたいと思うんですが、先ほど先生が おっしゃった、つめ切りについては、確かに現場では非常に難しいという意見が出てい る一方で、つめ切りはやはり指先の細かい、指がどれくらい動いているかとか、特記事 項をきちんとお書きになっている地域の方というのは、つめ切りは非常に決定的になる 場合があるということも同時に言えるわけで、つまり足まで手が届いているかどうかと か、細かい作業ができているか。実はそういう特記事項をきちんと書けば、非常に有効 な項目であることは間違いないと思います。  ただ、施設と居宅で違うということと、居宅の方でもデイサービスに行っていらっし ゃる方は、ほとんど施設と同じようなケアを受けていることになってしまいますので、 その辺りが混じってしまっている部分が、審査委員の先生方もやはりそのことを皆さん 御存じなので、そのことで大きく基準時間が変わってしまうということについて、どう いうふうに手を打ったらいいのかということが現場の審査員の方には非常に難しいとい うことだと思います。  ですので、つめ切りを廃止するか残すのかということについては、何とも申し上げら れませんが、少なくともこの解釈の仕方であったり、特記事項の書き方であったり、も う少し丁寧に現場にやり方をきちんと伝えるということは非常に重要なポイントではな いかと思ったところです。  ほかの7群については一言だけ、これは現場の一般的な見解なんですが、認定調査員 の方が非常に大変なのは、7群は非常に似ている項目があるにもかかわらず、1つ1つ の項目を必ず聞くようにしているわけです。こういう言い方は問題がありますが、いい 加減になろうと思えば、何か問題行動はありますかと聞いてしまえば終わりなんですが、 きちんと適切にやっていただこうと思うと、20項目近くを全部読み上げて1つ1つを聞 いていく。  それをすることは、かなり相当の時間がかかるのと、非常に精神的にもストレスがか かる部分。あとは把握しにくいということもあるので、単に削除という観点だけではな くて、少し整理していただくというか、その観点を持っていただいた上で、是非御検討 いただくと、現場の方としては、そういう声が大きいということだけお伝えしておきた いと思います。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。大変大事な観点なんですが、今それを ここのところで全部やろうといってもなかなか難しいですね。ただ、今回どれを削除す るかということは、今のいろいろな御意見を踏まえた上で、ここで決めないと、スケジ ュール的にも困るのではないかという感じもいたします。多少無理をお願いするような ところもありますけれども、これだけ資料が出ていれば、皆様方の御判断で決められる のではないかという感じはいたしますので、是非その辺のところを最終的に御判断いた だきたいということです。  しかし、今、岩名参考人が言われたようなことは、いろいろと今後とも大いにできる ところは、やっていく必要は当然あるとは思います。  それでは、結局、最初の原案とそれから筒井委員の方から出て入って、項目の数とし ては同じなわけでございますけれども、大部分のところは違っていないんですけれども、 多少食い違っているところがあることはあるんですが、筒井先生は随分いろいろ御検討 いただいていることでもあるので、こういう修正を加えるということについては、非常 に納得のいく点もあるんでございますが、どなたか、筒井先生の修正案の方をむしろ基 礎にして考えていくということでよろしいですか。  どうぞ。 ○遠藤委員 それぞれ厚労省の案と筒井先生の案と分析に基づいているデータなんです けれども、やはりもともとの分析方法が違うので、両方とも考えて判断するというのは 合理的だと思うんです。  個人的には、筒井先生の案に私は賛成なんです。ところが、平成19年度の調査員への アンケートというのはどうしても引っかかっていて、非常に判断がしにくいとか、非常 に感情的な理論。  それで、筒井先生の19番〜24番のところというのは、実は厚労省案では、ちゃんと 差異が出ているところというか、評価されているところなんです。  あくまでも今回変更に当たっては、要支援2とか要介護1のところを意識するという ことが第1ポイントと、第2ポイントは、やはり認知症の認定がやはり後退しないとい うことは、私たちの大前提の役目ではないかと思っているんです。  そのところで、例えば19〜24がせっかく樹形図で評価されているところを判断しにく いからということで取るのが、ちょっと気にはなっていて、やはり検討していただきた いということで、私個人的には、24という数にとらわれずに、私の意見は1〜18でとど めて、19〜24は筒井先生の案で、データ的に出ているものなので残していただきたいと いうことです。  皆さんの御意見があると思うので、それはまた生かしていただくんですけれども、私 としては筒井先生の案で賛成なんですけれども、認証の項目、特に19〜24は認証に強い 影響を与えるのではないかと思っているので、このところで、もう一度分析してもらえ ば、おのずとどう変わるかというのは出るかと思いますけれども、もともと差がないと いうか、評価されている項目がこの6つなので、調査員が難しいという判断された意見 なので、非常に感情的な理論だと思うので、私としては残していただくということで、 1〜18案と今、考えましたけれども、先生方とまたディスカッションしたいと思います。 ○開原委員長 これは24でなければいけないということはないんですね。偶然数が合っ てしまったかな。 ○鈴木老人保健課長補佐 データに基づいて出ただけですので、ちょうど筒井先生の結 果と一緒だったと、ただ単にそれだけです。 ○開原委員長 それでは、これは後でいろいろ影響がありますので、一つひとつ両方を 付け合せて、今、御判断をいただきましょうか。  まず、一致しているものは全然問題ないと思いますので、それは、まず削除するとい うことは全然構わないんですが、筒井先生が6つこれを残してほしいという話、これも 残すという方向は問題ないかと思います。ですから、逆に筒井先生の方で、8つ削除の 方へ加えたらどうだという話があるので、これの中で、もう既にこちらでもって削除が 決まってしまっているものもあるわけです。  例えば皮膚疾患というようなものは、当然削除になっているし、電話の利用というの は、原案では削除になっていないんでしたか。  どうぞ。 ○小山委員 縮めて言うと、最初に田中先生から御説明いただいた24項目のうち6〜10 番までの5つと15番の常時の徘徊というものの以外は両方ともダブっているんです。筒 井案の12ページの表9の18番までというのは、1番〜5番までと11番〜14番までと、 16番〜24番までなんです。違うのは6つずつ入れ替わっている。  もう一回、最初の方の田中先生が御説明になった2ページの6〜10までと15の常時 の徘徊、これだけが入れ替わっていて、筒井先生の12ページの9の19〜24が別の6項 目で入れ替わっているんです。  ですから、私は、今日聞いていて、調査項目のからの1〜4までというのは、前回も その前回も議論した方法なんです。ですから、その方法でやったんですが、今回、現場 から問題視されているというので、皮膚疾患、飲水、つめ切り、それから火の後始末と いうのが強調されて、それはそれで理由があることなんですが、ここで今、筒井先生か 残しておいた方がいいというのはつめ切りだけで、後は引っかかっていないということ なんです。  私は、済みませんが、削除項目でやって一番嫌だったのは、7群の感情が不安定とい うのはすごく問題なんです。感情が不安定、調査員も感情が不安定な人はいっぱいいま すから、それが1つ提案したいことと、今日はどうやって決めるかというのは、非常に 大事なことだと思うんですが、つめ切りとか、新しく入った項目の調査マニュアルが非 常によくない。何を書いてあるのかわからないんです。一生懸命書いて、済みません、 私は何も関与した覚えはないと、記憶にあるんですが、多分私が関与したかもしれない んですが、つめ切りについては前々から問題になっていて、感情が不安定とか同じ話を する、7群が嫌なのは、しつこく聞いていくということも嫌なんですけれども、御利用 者に感情は不安定なことはありますかということを聞くというのは、結構危ないという か、丁寧にやればやるほど難しいので、そんな話もあるというので、私の提案は、まず、 18項目は同じなので、これは切ることにして、残りを一つひとつ検討していってもらっ て、なるべく多く取るというのもあるんですけれども、筒井先生の今のお話を聞いてい て、なるほどと思いましたが、C2とC3の違いだけで項目を選んでいくということに なると、悪化するときに聞いていく項目だけを選んでいることになりますね。  そうすると、先ほどの話ですけれども、大多数は変化しないんです。変化していると ころだけ追いかけてみるというと、今後、どういう人がおかしくなるというか、要介護 度が高くなるかという研究をするには、研究的には興味はあるんですが、要介護認定を つくるだけだったら24項目削除しても、決定係数が0.479で、0.001しか違わないとい うんだったら、もっと削ったらいいんではないかと、これは決めですね。決定係数は全 然変わらないわけでしょう。項目を24項目聞いてもらって、調査員に大変な思いをして もらって、審査員会で大変な思いをしてもらっていても、0.001しか決定係数が違わな いんだったら、なるべく行政事務簡素化というんですか、それにこれだけいろんなこと になって、大騒ぎになってきているんだから、なるべく切るということにしてしまうと、 24項目を切った上に、筒井先生の7つを切ってしまって、全部で多分31切ってもこの ままですと、決定係数はそんなに変わらないはずですね。あと6項目を加えても、多分 0.001ぐらいしか変わらない。  ですから、思い切って日本中の調査員と介護認定調査員の皆様と事務の軽減負担をす るんだったら、最大限、24に6を足して、30とか31切ってという方法もあるんではな いかと思います。 ○開原委員長 どうぞ。 ○坂本委員 先ほどの検討会の資料2−2の方で、基本的には要介護状態の区分の指標 というのは、あくまでも有意差が出るようなインデックスを求めてきていた部分がある んだろうと思うんですけれども、それとは逆に、今、筒井先生の方で出された、いわゆ る経年的な悪化がある、その項目だけはちょっと残しておいてほしいという、そこの整 合性を、本当に要介護認定の指標として出す場合と、何がどうやって整合性を持つのか というのを、もし、筒井先生の方でお考えがあれば、介護予防のための項目として残し てほしいという観点と区別するための区分を認定するための指標として、認定項目をつ くるということの何かお考えがあればお聞かせいただければと思います。 ○開原委員長 どうぞ。 ○筒井委員 その話から言うと、生年月日、それから自分の名前、場所の理解、被害的、 常時の徘徊とかというのは、分散分析と偏りがないというところですべて引っかかって いるものなんです。  ですから、偏りがないというのは、実は当たり前でして、発生率が非常に低いという ことだけなので、これをメルクマールにして、ケアの内容というか、そういうことを考 えてきたという歴史がまずあります。つまり、認定ロジックのために、この項目はつく られたわけではなくて、ケアとの関係で生まれてきたということがあります。  それは、どういうことかと言いますと、この項目を抽出していくときに、ケアの発生 率を一つひとつ求めてこの項目はつくってきているんです。ですから、この項目は、ど んなに偏りがあっても、ケアが発生しているんだということを示す項目であったことは 間違いないです。  ただし、似たような傾向を示す項目がたくさん並んでいるという特徴があります。で すから、すべてを残す必要はないだろうと思います。それで、この7群の中で一番効く ような項目を残せばいいんではないかと思っています。  それから、経年的な変化と関係がある項目として残されているということは、これは 恐らく認定ロジックをつくっていくときに、2000年には想定していなかった予防給付と いうのは、もう生まれていますので、その認定ロジックの中に予防群というのを新たに 判定するということを入れていかなければいけないでしょうから、そのためには、よい メルクマールになる項目だと思うので、それは新たな認定調査項目の選定ということで、 残していただくという考え方でいいんではないかと思います。 ○開原委員長 よろしいですか。今の話は、次の次ぐらいに効いてくるということです ね。次にはまだちょっと効かないかもしれないけれども、将来を見越してという話にな ると思います。  それでは、今、小山委員の方から御提案のあった方法でもって、18までは一致します からいいとして、19〜24のところを少し御検討いただいて、これはちょっと一致してい ないところではあるんですが、削除するかどうかということを、今、ここで一つひとつ 御検討いただいてお決めいただければ、それで、少し場合によれば24増えるかもしれま せんが、そういう形で決着をつけてもよろしいですかね。  それでは、そういうことで、19−2、電話の利用というのは、これは原案には削除と いうことではないんですけれども、これは削除してもいいのではないかという御提案で ありますが、これは特に何か残しておいた方がいいという御意見はございますか。  どうぞ。 ○筒井委員 この電話の利用というのは、物すごく調査員が悩んでいるところでして、 まず、施設に入所しておられる方は電話を利用するということは余りないんです。利用 したいときには、施設の職員の方が一緒にいってやってしまう。  それから、在宅の場合も、今、電話もたくさんの種類があるんです。自分の緊急電話 は取れるけれども、普通の電話はできないとか、そういう場合にどう判断したらいいの かというのを物すごく細かく決めていかなければいけなくて、要は外部との連絡を取れ るかどうかという能力を見ればいいだけなので、例えばメールはできるけれども、電話 ができないとか、そういう方は電話の利用はできないになるんです。  大変悩ましい項目で、多分調査員の方は、これは適当に言ったら失礼ですけれども、 感覚的に付けられている評価項目の一つです。 ○開原委員長 それでは、これは削除ということで、何か特に御意見がなければ、削除 のままにしますが、よろしいですか。  それでは、次の指示への反応というところでございますが、これはいかがですか。  特にこれは残せという御意見はありませんね。これもやはり難しいですかね。 ○筒井委員 これは、人によるということのようなんです。要するに家族が言うことを きかないけれども、デイに行くとその職員の言うことは聞く。そういう場合はどっちな のかという質問がたくさん出るんです。  それは、市町村によって判断が違っていて、指示への反応を客観的に聞かせるのは大 変難しい状態だと思います。 ○開原委員長 これも削除でよろしいですか。  次の感情が不安定、これは小山委員も難しいとおっしゃったので、大体意見は一致し ているように思いますが、よろしいですか。  それでは、同じ話をするというのはどうですか。 ○筒井委員 これは、同じ話かどうかがわからないという評価なんです。調査員の方が、 結局、家族は同じ話をよくするとおっしゃっても、本当に同じ話かどうかはわからない わけです。1日調査に行っているだけなので、ですから同じ話をよくしますと、それは あり得ることだと思うんです。  ですから、これを何かのメルクマールとして使うのは、精神科医がやっていって、1 時間専門的な診察をして、同じ話が出てくるとか、繰り返し、病的な内容があるという ことではないので、判断が難しいということです。 ○開原委員長 よろしいですか。それでは、これも削除。  それでは、日中の生活。 ○岩名参考人 これについては、多分外出するとか、あるいは日中の生活をどういうふ うにしているのかというのは、いろんな機能の組み合せの総合的な指標だと思いますの で、今、10群として設定されているものだと思いますし、本来はタイムスタディーの中 でのロジックから少し離れている項目だとは思うんですけれども、現場で、今、一番皆 さんが当惑されているのは、特に要介護1近辺で直接介助が全くない方、つまり自立を 結構されていて、ほとんど調査項目上はチェックが付いていないので、特記事項もほと んどないわけです。  ところが、実際には家に引きこもりがちで、ほとんど外には出ていなかったり、そう いうケースが、実は調査票の中からほとんど読み取れないという状態が、今、あります。  これは特に被害と要支援1、要介護1辺りというのは、非常に項目のチェックの数が 少ないので、情報が少なくて非常に皆さん苦労されている。  そのときに、やはり外出の頻度だけで決まるものではないと思いますが、例えば車に 乗ってどこかお出かけになっている方も中にはいらっしゃいますし、そうかと思うと、 隣りの商店まで行くのが限界という方もいらっしゃるわけですが、そういった情報はあ る程度参考になっているという部分もありまして、逆に言うと、そういう情報が全くな いと、ほとんど判断が難しいというか、できないという意見も非常にありまして、この 調査項目としてロジックの中に組み込むかどうかはともかくとしても、少なくとも特記 事項の情報としては残していただいた方がよろしいかなということは、私は非常に強く 感じているところでございます。 ○開原委員長 これは、次の外出の頻度と結構関係のあるところですね。そうすると、 これは一緒に議論していただいてもいいんではないかと思いますが、両方とも落として しまってもいいですか。 ○村嶋委員 私は、やはり外出の頻度は何らかの形で残した方がいいと思います。今、 閉じこもりの問題がすごく問題になっておりますし、これから要介護1の方たちがどう いうふうに落ちていくか、そういうことを見ていく意味でも、予防的な意味でも大事な 変数だと思います。  ただ、外出の頻度を医療機関に通院のための外出もありますし、そこら辺をどう規定 していくか、調査員さんにわかりやすいものをつくっていくかというのは課題だと思い ますが、やはり家から一歩外に出るというのは、大事な変数だと思います。 ○開原委員長 外出の頻度とか日中の生活というのは、これはやはりかなり違いますか ね。どっちか一つ残すと、妥協しているみたいなところもありますが、やはりこれは両 方必要ですか。 ○岩名参考人 現実には、資料を拝見しますと、かなり同じことが書いてあることが多 いのは事実、まとめて書ける内容をお書きになっていることが多いのは事実だと思いま す。  ここの項目がどっちに付くかによって基準時間が大きく変わるということではなくて、 現状は、皆さんかなり自由に書いていただいていますが、どちらかというと、10群の項 目というのは、介護の手間の判定には使えないという規定が、今、残っておりますので、 そのまま皆さんそれで判断されるというのはできないんですが、ただ、非常に重要な、 先日見たケースでも要介護1なんですが、かなり2に近そうに見えるんですけれども、 見ると薪割りをしているとか、そういう記載が特記事項にあったりするわけです。  そうすると、全然印象が変わってくるわけで、薪割りができるから要支援だというこ とではないと思うんですが、片手はこの方はすごくきちんと動いているんだと、ただ半 身麻痺か何かで片手しか動かないんだけれども薪割りをして、あるいは読書をしたりし ているという記述があるということは、かなり軽度のことを評価される場合は、そうい うことだけで決めていいものではないと思うんですけれども、手間の観点を超えて少し 情報がないと、現場の方は非常にお困りになるんではないかという印象はあります。  特に6群とか、7群が項目として消えていきますと、直接介助のない方というのは、 ほとんどチェックが付かなくなってまいりますので、それをどういうふうに非該当と要 支援と要介護1を判断するのかという、何かヒントは残しておいた方がいいんではない かと思います。 ○開原委員長 どうぞ。 ○齋藤委員 以前、要介護認定が始まったばかりのころは、この項目のどれが付いてい るかで、結構それをどうケアプランに生かそうかということまで考えていた時期がある と思うんです。  しかし、今は、この項目は、そういうケアプランとはちょっと違う位置にきっとある ので、細かなことを言い出すと、今のようなお話をされていくと、やはりどれも削れな いという話になってくると思うんです。  やはり大事なことは、要介護認定をできるだけスムーズに、なおかつそれほど誤差な く出していくという範囲で収めていくとしたら削れるものは削った方が私はいいと思い ます。審査員をやっている立場では思います。この2つの項目があるかどうかで、要介 護度が大きく変わることは余りあり得ないかなという気にはなりますけれども、マニュ アルの方に何かそういうことを、特記事項にこういうことも書いてほしいという範囲で とどめてもいいのかなという気はします。 ○開原委員長 どうぞ、ほかに。  そうしましたら、これは両方削ってしまうのは、私も気になるので、外出頻度の方を 残しておきましょう。こちらの方がまだ多少は書きやすいということはありますか。 ○筒井委員 日中の生活は判断がかなり難しいです。外出は、先ほど村嶋先生がおっし ゃっておられたように、病院に行くというのが外出にしていることが結構多いんです。 それと家の周りを散歩するというのも外出ですかという質問は結構あって、家がとても 広い家とそうではない家がありますと、多分、調査員の方がすごい苦労されているのは そういうところで、これは多分マニュアルの方でもう少し限定した解釈をお示しすると いうことであれば残してもいいかと思います。 ○開原委員長 どうぞ。 ○小山委員 多分皆さん気がついていることだと思うんですけれども、要介護認定調査 というのは、要介護認定をする項目を何にするのかという問題が1つあるのと、それか ら要介護認定審査会で齋藤先生がおっしゃったように、委員の先生方が御苦労される場 面もあるんですけれども、もう一つ調査員が調査していくときに、聞きやすく聞いてい くわけですね。  私は、日中の生活は本当にやめてほしいんですが、外出頻度ぐらいは聞いても話のつ いでで、別に項目で、一番問題なのは、要介護2なのに自動車を運転しているとか、そ ういうのがいっぱい出てくるわけです。外出の頻度といったら、毎日犬の散歩をカブに 乗っていっているといって、要介護2なんです。ちょっとめちゃくちゃな話なんですけ れども、要介護認定を受けた人は、自動車の運転ができなくなるのかどうかわからない。 今、免許を返すのがあるんですけれども、外出の頻度というのは、1回、2回と勘定で きるからいいですけれども、日中の生活というのは、夢を見ているのか、庭をながめて いるのか、孫を見ているのか、猫をながめているのかわからないわけです。  ですから、その行為自身、日中の生活というのは、犬の生活ではないんですけれども、 とてもじゃないけれども、項目としてはなりにくい。  外出頻度は、閉じこもりの特記事項に結び付くので、引っかかるので、マニュアルに きちんと書いていいんではないか。残すなら残していいんではないかと思うんです。  皆さん、先ほど1件の要介護認定の調査を読むのに、2時間以上かかると言いますけ れども、特記事項で6,000字ぐらい書いてあるんです。一人に6,000字ですよ。その6,000 字を丁寧に読んでいくというのは、どのぐらいの作業かというので、なるべく項目数は 少ない方がいいと申し上げているわけです。  それでいっぱい書いてしまうわけです。やはり調査員をやっている人は、すごく善良 な人が多くて、少しでもその人の生活をきちんと書こうとするわけですけれども、要介 護認定は冷たくて、何か決定係数が違うねという話ですから、どちらか機械的に決めて しまうので、でもちょっと要介護認定が持っている性格というのと、調査員さんが困っ ているという状況と、審査委員会でのお話の中での状況を見ると、やはり外出頻度ぐら い聞いておいた方が、相対的な対象の理解というか、よくわからないんですけれども、 そういうときに引きこもっているんだみたいな話になるかもしれないので、要介護度が 低ければ低いほど、かえって引きこもっているか、引きこもっていないかという議論に なるかもしれないので、私としては日中の生活をやめていただいて、外出頻度だけは残 していただいて、特記事項の書き方をきちんとしていただくというのでいかがかと思い ます。 ○開原委員長 ただいま小山委員に結論を言っていただきましたので、そういうことに してはいかがかと思いますが、いかがでございましょうか。  ありがとうございました。それでは、今、いろいろ御議論をいただいた結果、筒井委 員の御提案いただいた修正案を更に外出頻度を残すと修正して、全項目としては23項目 を削るということで、この検討会の結論とさせていただきたいと思いますが、それでよ ろしゅうございますか。 ○小山委員 済みません、もう一つこちらの方の候補の、つめ切りの6〜10と15をど うするか。 ○開原委員長 つめ切りの方は、これは、残してもいいだろうということで、一応、残 すと考えたんですが、これについて、特にこれは無理だという、さっきのつめ切りが一 つの例なんですが、そういう御意見があればちょっと伺いたいと思います。  どうぞ。 ○齋藤委員 個人的には、どうもやはりつめ切りだけほかの項目といつも違う印象があ って、調査員にしても審査会の委員にしても、このつめ切りという言葉が非常に引っか かるんです。これで果たして要介護認定が、それで、きっと今回見直しをしていく中で、 私はつめ切りは案外ポイントなのかなと、なくなるかどうかというのが、ちゃんと現場 の意見を聞いて削除しましたよというポイントがつめ切りかなと個人的にはいつも思っ ているんですが、このつめ切りがなくなると、筒井さん、どのぐらい困るというか、要 介護度がどれほど変わるというか、それほど影響が出てこないものであれば、どうなの かなといつも思います。 ○筒井委員 多分これは施設だと物すごくはっきりしているんだと思うんです。8ペー ジを見ていただくといいんですけれども、絶対値の降順に並べていて、一応削除してい るのは、2ページ目以降なんです。  1ページ目に、結局、評価項目と老化を予測する項目の順番に一応並んでいて、つめ 切りは意外に上の方にあるというか、多分影響があるんだと思うんです。これができる か、できないか、これは本当に判断できるといいんだと思うんです。ですから、恐らく 今は判断できていないんです。ですから、正確に判断できるといい項目なんだろうなと いう気はするんです。いろんな意味で、ケアも予測するし、その人の老化というか、悪 くなっていくプロセスの一つの、こうやって残ってきているのを見ると、つめ切りもで きなくなったという感じがあるんではないかという気がするんです。  ですから、これは現場の先生の方がよほど詳しいので、統計的には、必ずこれは出て くるんです。不思議だなと思うんですが、それはちょっと御議論をいただいた方がいい かもしれません。 ○開原委員長 岩名さんは、これは削れという御提案を。 ○岩名参考人 削るべきだということではなくて、現場では結局重い方になればつめ切 りできるとかできないで、余り大きな影響は出てないと思います。議論にも余りならな いと思います。ただ、問題は要支援近辺で、これが付いたり付かなかったりで基準時間 が動いたときに、皆さんがそこで不信を感じられるというのは実際にはあると思うんで す。ですから問題は、実際はこの人どう考えてもつめ切りが自分でできるのに、施設、 デイサービスに行っているから全介助になっているというふうになっているので、皆さ ん非常に違和感があるんだと思うんですけれども、先ほど齋藤先生がおっしゃったとお り、少し浮いていることは浮いていると思うんです。このつめ切りはつめを切っている 時間を何分と見ているわけではなくて、全体のほかの行為に影響していて、筒井先生が おっしゃったとおり、つめ切りもできなくなったというのは、指の先に力が入らない、 細かいことができない、恐らく視力も落ちてくればできないわけですし、体が硬くなっ てくればできないということになってくるんだと思うんですが、そういう意味では非常 にいい項目だというのは、私も全く賛成なんですけれども、唯一私が感じる問題は、デ イサービスに行ってぱちんと切ってもらうと全介助になる。そうすると、同じ状態で能 力的には自立の方もいらっしゃるにもかかわらず、そこに差が出てしまうのはどうなん でしょうかというのが問題提起ですので、例えばつめ切りに関しては能力勘案の定義を 認めていただけるのであれば、能力を見て判断するということができるのであれば、そ れはそれで1つの方法かと思いますが、ただ、もともとのタイムスタディの定義の問題 もあると思いますので、そこの部分についてはお任せしたいと思っております。 ○開原委員長 どうぞ。 ○村嶋委員 つめ切りというのは、臨床的に見ると片麻痺になって自分が動かなくなる とつめが切れなくなるというので、台に少し大きめのつめ切りを固定してとか、いろい ろ工夫をするんですが、それが利くか利かないかというのは、かなり本人の自由度にと っては大きいと思います。それができなくなったときに、つめ切りは必ず人に頼まない といけない。自宅でも頼まないといけない。そういう意味では、臨床的には大きな問題 だと思います。今の岩名参考人のことを考えますと、マニュアルの工夫もありかなと思 います。 ○開原委員長 齋藤委員、いかがですか。 ○齋藤委員 つめ切りにこだわっているわけではないんですが、先ほど岩名さんがお話 された話でいくと、ほかの項目でそういう状況が把握できるのであれば、別につめ切り にこだわる必要はないような、順番はあれですが、靴下の着脱とか、そういうものもあ る意味では似ているようなところもあるだろうし、どうしても外してくれと言っている わけではないんですが、さっき言ったように何となくほかの項目と違和感があるような、 つめ切りを入れるんだったら、もっとほかにも入れなければいけないものがあるんでは ないかと逆に思ったり、そんなことも気になっているものですから、こだわりませんが、 入っていてもいいんですが、何となく気になるということです。 ○開原委員長 どうしましょうか。ほかの御意見いかがですか。どなたか、こうだと言 ってくださると話は早いですが・・。 ○村嶋委員 多分靴下にしろ、髪を梳くのにしろ、余り左右差が効かない項目なんだと 思うんです。靴下も左手が利けば左手で靴下の入口を緩くしておけば、何とか右も左も 自分ではけるし、髪の毛もすかすことができるんですけれども、つめ切りというのは右 と左の巧緻性がもろに出てくるんではないかと考えました。 ○開原委員長 それでは残しますか。 ○齋藤委員 是非マニュアルを工夫していただいて。 ○開原委員長 それでは、マニュアルのところにもう一工夫要るということは確かなよ うでございます。  そのほかの、生年月日、自分の名前、場所の理解、被害的、常時の徘徊、この辺はそ う難しい判定ではないとも思いますので、特に削除せよという御意見がなければ、これ は生かすことにすれば、先ほどのような形で23の削除ということになりますが、そうい うことでよろしゅうございますでしょうか。 (「はい」と声あり) ○開原委員長 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきたいと 思います。これは今までのものがなくなるわけですので、寂しい方もいらっしゃるかも しれませんけれども、そういうことで決めさせていただきますが、よろしいですね。 ○鈴木老人保健課長補佐 この後、一応樹形図の話をさせていただきますが、樹形図の 中で、今回項目の削除候補を選定していただきましたが、最終的に樹形図は中間評価項 目ですとか、そういったさまざまなものを使う。また、今回この後にも御説明させてい ただきますが、要介護1相当の振り分けというもので、ある程度の項目を使っていただ きますので、その中でもしかするとこの候補の中でも、そちらの方で使えるようなもの が出てくるかもしれませんし、またまるきり関係ないケースもあると思いますので、一 応候補として今回の23項目については御議論していただいたということでさせていた だいて、最終的にどこを削るかというのは、また樹形図をつくって決めさせていただき たいと思いますので、済みませんが、よろしくお願いいたします。 ○開原委員長 わかりました。それでは、今のようなことを留保した上で、一応そうい うことにさせていただきます。  それでは、次の議題の「3.認定ロジックの作成方針について」に移りますが、よろ しいでしょうか。  それでは、お願いいたします。 ○田中老人保健課長補佐 それでは、事務局から認定ロジック作成に当たって、4点提 案をさせていただきたいと存じます。  まず、樹形図の作成方針、要介護1相当の振り分けについての方針、運動機能の低下 していない認知症の取扱い、最後に特別な医療について順次説明させていただきます。  まず資料3−1をごらんください。先ほど御議論いただきました結果を踏まえて、樹 形図を作成いたします。作成の方針としては、まず外れ値を除外いたします。  それから、ケア時間が多いグループとケア時間が少ないグループに分ける最も効果的 な調査項目を選択し、それを枝の部分に使わせていただきます。  末端のサンプル数というのは、最低で40。  中間評価項目得点を追加するという方針でいきます。  1枚おめくりいただきまして、これは参考なんですけれども、過去の樹形モデルによ る決定係数についてです。平成15年モデルが0.617、平成12年モデルが0.527、最低 12年モデルで、できれば15年に近づけ、超えるような方針で樹形図をつくりたいと思 っております。  資料3−2、要介護1相当の振り分け方針についてですが、現行では要介護1相当と 一次判定された場合には、審査会において認知の具合及び状態の安定性を議論して、要 介護1と要支援2への振り分けを行っております。  認知の具合については、今回一次判定において主治医と認定調査員の認知症自立度の 評価が一致している場合にはその評価を採用するということで、それが一致してない場 合には4ページにお示ししているんですけれども、現行でも使われています認知症自立 度評価ロジックの考え方を踏襲したいと考えております。  また、状態の安定性に関しては、次の5ページにお示ししているんですけれども、過 去のデータで要介護1及び要支援2の方が次の判定で要介護度が悪化している方と、要 介護度が維持あるいは改善している方とで判別分析を行いまして、それらの特性の違い とこれらの結果の違いの関わり合いの深い項目を抽出して判定に反映させたいというふ うに考えております。  次に運動機能の低下していない認知症の取扱いなんですけれども、こちらは資料3− 3をごらんいただきたく存じます。岩名専門員からも指摘があったように、運動機能の 低下していない認知症については、要介護認定基準時間と連動しないで要介護度が決ま っているということがございます。二次判定では、審査会でも基準時間どおりに行って ないということで、独自なルールで判定しているということが伺えまして、ここの棒グ ラフで示しているとおり、これは政令市で、いわゆるレ点で変更があった方の重度変更 を比較したものなんですけれども、例えば政令市の中で一番低い京都と一番高い仙台で は、非常に大きな開きがございます。要支援1というのは数が少ないので、ちょっと参 考にはならないんですけれども、例えば要介護2の変更に関しても非常に大きな開きが ございます。  このような混乱の1つの原因となっていると思われます、要介護度を決定するという 方式から、基準時間を積み足すという方式に変更したいと考えております。  2ページ、積み足す時間についてなんですけれども、各要介護状態区分の中間点の差 の時間を積み足すことを提案したいと考えております。  資料3−4、特別な医療についての提案なんですけれども、現在使われている特別な 医療の時間が、平成12年以前の調査に由来するものなので、特別な医療については今回 のタイムスタディで得られたデータから見直す方針とさせていただきたいと思います。  事務局からは以上です。 ○開原委員長 これも結構大変な問題ではありますが、今のところは方針でありますの で、具体的にやっていくうちに本当のやり方が出てくると思いますが、1、2、3、4 は別々な問題なので、一つひとつここで御議論をいただいて御承認をいただきましょう か。  まず樹形図の作成方針についてというところは問題ないですね。  その次の要介護1相当の振り分けの方針についてというところで、これはいかがでし ょうか。今までと少しやり方が変わるんだと思いますが、これについて今の方針で何か 問題がありますでしょうか。  どうぞ。 ○筒井委員 認知症の自立と評価ロジックというものがあるんですけれども、これは蓋 然性を見るという話なんですが、枝狩りが全然されてないんです。これは枝狩りをして いただいて、統計的には5層ぐらいが限度だと思うんです。後ろの方は全く効いてない と思うので、可能であれば解析結果をきちんと見ていただいて、このように余り深くな らないようにしていただいた方が、より認知症自立度の評価は高くなると思います。  項目なんですけれども、今回項目が減りますので、深くすればするほどおかしな結果 になってしまいますから、気を付けられた方がいいと思います。 ○鈴木老人保健課長補佐 そこは今回項目が減ることになると思いますので、今ある候 補の中から適切なものを選んで枝をつくらせていただいて、そこでの蓋然性を見たいと 思っております。それは今回のロジックの作成とも同じですけれども、事務局の方で一 番最適な形をある程度つくらせていただければと思っていますので、よろしくお願いし ます。 ○筒井委員 これで大事なのは、要するに最初の樹形モデルのケア時間をつくるという 目的が違うんです。ですから、まず階層を半分ぐらいにしないとまずいということ。  それから、樹形モデルをつくるときにケア時間をそれぞれ分けますね。食事の時間で すとか、直接介助とか間接介助を分けていくときに、最初のケア時間を分けるときにど うやってわけるかという分け方、それを明確にされた方がいいと思います。要するに、 今、コード別に時間が取られていて、それを積算する形になると思うんですけれども、 コードを変えておられるので、そのケアの内容が間接なのか直接なのかというのは、最 初に決めたものではなくて出たもので見た方がいいと思います。要するに、ケア時間の くくりが変わってきますので、そのくくりを変えるとモデルも変わってしまいますから、 そこを樹形図の最低40というふうに書いてありますけれども、それはケア時間が間接と 直接では、最低でも40ということではなくて、もう少し数が必要な場合があるというこ とです。要するに、ケアが発生していないという樹形モデルができてくる可能性がある ので、その場合には40サイズでは小さ過ぎるということです。レアなモデルができてし まう可能性があるので、その辺を注意していただければいいかなと思います。 ○開原委員長 その辺は是非御注意いただきたいと思います。  あと状態の不安定性の判定のところは、こういう方針でいいですか。  それでは、要介護1相当の振り分け方針について、これはやってみるとまたいろいろ 問題が出てくるかもしれませんけれども、一応方針としてはこういうことでお認めいた だくということにしたいと思います。  その次は運動機能の低下していない認知症高齢者の指標の改定案について。  どうぞ。 ○安西委員 ちょっとよくわからないんですが、ここの要介護1相当の振り分け方針に ついてというところの4ページですけれども、図の評価ロジックの中に、先ほど削除し た項目が入っているのはどうなんですか。 ○開原委員長 それは削除して。 ○鈴木老人保健課長補佐 これは今、行っているものですので、今回、削除せずに残る ものがありますので、その中で新しくこのロジックはつくらせていただきたいと思いま す。当然入れ替えで、ですね。 ○開原委員長 ですから、これは方針についてということでございます。 ○鈴木老人保健課長補佐 これを使うというわけではなくて、こういう方針でやらせて いただきたいということでございます。 ○関原委員長 よろしゅうございますか。 ○安西委員 わかりました。 ○関原委員長 それでは、その次の運動機能の低下していない認知症高齢者の指標の改 定案について。  どうぞ。 ○小山委員 質問ですけれども、これでいいんだと思うんですけれども、廃用の程度は 気にしないということと、1回目と2回目の判別分析はわかるんですけれども、初回に この人が来たときに、この人を要介護1にするのか、要支援2にするのかというときの 安定性はどうやって判断するんですか。 ○田中老人保健課長補佐 データなんですけれども、2つの続いている認定のデータを 使いまして、1個目の状態を説明変数として、その結果に関しては要介護度が悪化した か、維持改善されているかを見る。そういう分析をしたいと考えております。 ○小山委員 分析はいいんです。2回目以降は、その分析をすると1回目の状態像を入 れると要介護1か要支援2のどちらかに分かれるのをつくるということですね。 ○田中老人保健課長補佐 そういうことです。 ○筒井委員 おっしゃっていることは、そもそもモデルをつくっておくということをお っしゃっておられて、その判別式というのが出てきますので、その判別式に入れて、そ の値がこれ以上、これ以下というふうに決められるんですね。そのモデルは、多分また おつくりになられてないので、さっき私がお示ししたステップワイズの項目のリストが ありましたね。多分あれと同じように、項目がずっと出てきて、それに数字が全部出て きます。それにカテゴリースコアーを全部入れていくと、この人は何点というのが出て くるので、この何点以上、例えば1.5以上は要支援2で、それ以下は要介護1だという モデルをあらかじめつくっておきますということをおっしゃっていると思います。 ○小山委員 もしそのモデルができればいいんですけれども、今は要するに障害の程度 を聞いて、将来、簡単に言えば6か月後、悪くなるか悪くないかを予想して、どちらか にしなさいと今は言っているわけでしょう。それを統計上出して、一次判定で答えを出 して差し上げると言っているわけですか。そうすると、審査委員会にはもう出ているわ けですか。要支援2か要介護1かは出て、資料として出るわけですね。 ○田中老人保健課長補佐 おっしゃるとおりです。 ○小山委員 すごいですね。どうしてそんなのを最初からやらなかったんですかね。大 丈夫なんですか。 ○筒井委員 最初はデータがなかったのでできなかったわけですね。 ○小山委員 それは統計的に大丈夫なんですか。怪しくなってくるから化けの皮がはが れてしまうけれども、そうすると大幅な変更をするとおっしゃっているんですね。シス テムとして要介護認定システムとしては大変大きな変更ですね。 ○筒井委員 恐らくこれは要支援2という判定が今、安定してデータが集まってきたの でやっとできるようになったということなんです。前のときには、要支援2という人た ちは存在してなかったので、やりたくてもできなかったわけです。  だから、今のデータを集めてきて、1回目の認定で要介護1、要支援2というふうに 判定されたデータが存在しますので、それは統計的には一応弁別できる。ただ、実際に 審査員の人はそれを見て、これはどうかということは勿論あるでしょうと。でも、そう いう資料はお出ししますということだと思いますけれども、それでよろしいですか。 ○鈴木老人保健課長補佐 筒井先生おっしゃるとおりで、やはり今回問題になっている のは、要介護1相当ということについて、一次判定ではなくて二次判定で審査会の先生 方にいろいろとやっていただくというところの手間と考え方がある程度ばらばらだとい うところが問題になっていると思っておりますので、一定程度のメルクマールを一次判 定の段階でお出しして、そこから二次判定の審査の中でやっていただくというようなシ ステムをつくりたいと思っております。  ですので、ある程度データがそろったということですので、予測できるようなデータ を組み込んでやってみるということが今回の1つの大きなターニングポイントだと考え ております。 ○筒井委員 結局予測ではないんですね。結果の分析になるので、今までやってきた審 査員の先生方をエキスパートシステムのように使っていく、そのロジックを入れてみま しょうと。今まで既に判定があるので、そのデータを使いましょうということです。 ○小山委員 だけれども、その判定は地域によって何倍も違うわけでしょう。さっきの 説明でいくと、今まで15万件あって、要介護1と要支援2になっていたけれども、地域 によってすごく蹴り上がったり、蹴り下がったりしているわけでしょう。それを事実と して15万件認めて弁別できるような方法を考えるというわけですね。でもほかにデータ がないからしようがないということですね。 ○筒井委員 それで経年的なデータから、先ほどお見せしたような老化の落ちていく群 を、次回認定ぐらいにそういうロジックも組み合わせていけば、かなりちゃんとした予 測ができるんではないか。だから、今のは予測にはなってないということですね。結果 を示しているということだけです。 ○関原委員長 要介護認定のロジックとは、もう少し重みが違うんだと。参考データの ようなものを提示するということですね。最終的には二次判定のところでちゃんとやっ てくださいと。だけれども、そのための参考データを今回は差し上げますという感じで 理解しておけばいいんですね。 ○鈴木老人保健課長補佐 そもそも一次判定自体は、コンピュータロジックでつくった 参考データで、最終的な判断は審査会の判定というところは変わりませんので、ただ、 その中で何もないところでやるのか、ある程度メルクマールが出たところでやるのかと いうところが今回の差になってくると思います。 ○関原委員長 よろしいですか。これは、今後少しフォローしていく必要は勿論ありま すね。  それでは、先へいきまして、運動機能の低下していない認知症高齢者の指標の改定案 についてというところでありますが、これも少し今までとやり方が変わりますが、これ は大丈夫ですか。  どうぞ。 ○小山委員 間の点数を取るので、いいんだと思うんです。やりようがないので1個蹴 り上げるよりは、間と間を取って最初は12分30秒、その次が20分ということで足すの はいいんですけれども、またばかなことを言いますけれども、今までは1つ蹴り上げて いたのに真ん中の数字を取るということは、半分の人が要介護度が1つ下がるんですか。 そんなことはないですか。要介護度が全く同じだとは限らないでしょう。だって頭の20 分前から20分後までの人がここにいたとして、ここにいる人たちがレ点が付くと1つこ ちらに移っていたわけではないですか。これを間の点数を足すと、周りの人は要介護で 1つ落ちることになるんじゃないですか。 ○田中老人保健課長補佐 違います。前のときは、権利がある方は全部上がっていたん です。今回は権利のある方が平行移動してあるので、例えば際の32.1分の方も平行移動 するので、次の要介護区分の際の0.1分のところに位置するというものです。 ○小山委員 頭が悪いからわからないのかもしれないけれども、まず要介護認定すると みんな標準時間を持っているわけでしょう。今、持っている、その間にある要介護度3 の人は、一番短い人から長い人まで間があるわけですね。これを今、全部1つ蹴り上げ ているわけですね。それを今度は。 ○田中老人保健課長補佐 こういうふうに分布しているかと思うんですけれども、その 分布の山をすべてとなりの距離分だけ上げているので、山が同じだけなんです。ですか ら、例えば32分よりも0.1分の方は。 ○小山委員 わかった。間と間だけれども、支給させたものは同じ時間だから変わらな いということですね。だけれども、それだったらそういうふうに書いた方がいいんじゃ ないですか。だって一定時間の半分を足したら、半分は落ちてしまうかもしれないと思 われて、厚生労働省はまた介護費用を削減するために時間を使ったと言われると嫌だか ら、そうではなくて表現が1つ蹴り上げるんではなくて、みんなが一緒に上がるように するけれども、時間表示にしたということですね。 ○田中老人保健課長補佐 おっしゃるとおりです。 ○関原委員長 よろしいですか。  それでは、4番目、特別な医療にかかる時間の修正。これは新たなタイムスタディが 出てきたので、そのデータを利用して、今度は少し定量的にやりましょうという話で、 これも実際にやってみないとどうなるかわかりませんが、方針としては特に問題はない ということでよろしいですか。  それでは、今の4つの話は、一応ここでいろいろコメントはいただいたので、それを よく考えた上で、これで結構でございますということになりました。  以上で議題3は終わりにいたしまして、議題4の「その他」でございますが、これは 事務局の方からお願いいたします。 ○田中老人保健課長補佐 それでは、資料4をごらんいただきたいと思います。今後の 予定についてお示ししております。本日の決定事項を踏まえて、一次判定ロジックを作 成し、モデル事業(第二次)を実施する予定でございます。また、できたものに関して、 もう一度要介護認定調査検討会で御確認いただきたいと考えております。  事務局からは以上です。 ○関原委員長 それでは、このように予定がなされているということでありますので、 これは来年度にはいよいよ本当に実施されるわけでありますので、大変責任は重いわけ でございますが、今日は大変よい議論をしていただきまして、大変ありがとうございま した。  これで特にほかに御発言がなければ終わりにいたしたいと思いますが、よろしいでし ょうか。  それでは、どうもありがとうございました。 照会先:老健局老人保健課 連絡先:03-5253-1111 担当者:課長補佐  田中(内線3943)     介護認定係 青木、渡邉(内線3944)