08/03/12 平成20年3月12日審議参加と寄付金等に関する基準策定ワーキンググループ 議事録 審議参加と寄附金等に関する基準策定ワーキンググループ  議事録 1.日時及び場所   平成20年3月12日(水) 14:30〜 霞が関東京會舘「エメラルドルーム」 2.出席委員(8名)五十音順     岩 田   太、 笠 貫   宏、 神 山 美智子、 永 井 良 三、     西 島 正 弘、 樋 口 範 雄、 日比野 守 男、◎望 月 正 隆 (注) ◎座長   欠席委員(0名) 3.行政機関出席者   高 橋 直 人(医薬食品局長)   黒 川 達 夫(大臣官房審議官)    中 澤 一 隆(総務課長)   中 垣 俊 郎(審査管理課長)  他 4.備  考   本ワーキンググループは、公開で開催された。 ○総務課課長補佐 定刻を過ぎています。笠貫先生と樋口先生は若干遅れて来られると 連絡がありました。ただいまから第8回「審議参加と寄附金等に関する基準策定ワーキ ンググループ」を開催します。本日は先生方におかれましては御多忙のところ、お集ま りいただきまして誠にありがとうございます。座長の望月先生、議事進行のほどよろし くお願いいたします。 ○望月座長 早速、議事に入りたいと思います。その前に配付資料の確認をお願いしま す。 ○総務課課長補佐 配付資料を確認させていただきます。座席表、議事次第、資料No.1 がワーキンググループの名簿、資料No.2が「審議参加に関する遵守事項(案)」、資料No. 3-1が「パブリックコメントに寄せられた意見の概要及び意見に対する考え方(案)」、 資料No.3-2が「パブリックコメントに寄せられた意見」、参考資料としてパブリックコ メント意見募集要領です。過不足等がありましたらお申し付けいただければと思います。 ○望月座長 委員の皆さま、よろしいでしょうか。早速、議題1にある審議参加に関す る申し合わせ(案)に関する議論に入りたいと思います。申し合わせ案の修正案とパブリ ックコメントに寄せられた意見につきまして、事務局より説明をお願いいたします。 ○総務課課長補佐 お手元の資料No.2、資料No.3-1、を中心に、御説明させていただけれ ばと思っています。資料No.2ですが、委員の方におかれましては事前に資料をお送りさ せていただいていますが、その後、文言の修正等が若干ございます。その部分を赤で記 載していますので、併せて御確認いただきながら、進めさせていただければと思ってい ます。  資料No.2に基づいて御説明いたします。審議参加に関する遵守事項というものです。 この資料ですが、1月22日から2月21日にかけまして2回目のパブリックコメントを 行っています。合計16件の御意見をいただいたわけですが、その意見を踏まえ、反映さ せるべきものについては反映させるという形で、かつ、その他の文言のさらなる整備を 図ってはどうかということを含めまして、事務局の御提案という形で、この資料No.2を まとめさせていただいています。前回のパブリックコメントに対する修正部分について は、すべて下線を付した形になっていますので、それを御確認いただければと思います。  まず表題です。「申し合わせ(案)」となっていますが、「遵守事項」という形にさせ ていただいています。これは資料No.3-1の1ページにありますが、申し合わせではいか がかという御意見があります。そこの考え方については後ほど御説明させていただきま すが、申し合わせの趣旨を明らかにするということから、今回、表題を遵守事項という 形に直してはどうかという御提案です。  1ページの「はじめに」のところです。ここについてはたくさん下線を付しています が、少し前置きの部分を詳しく書いたものです。(1)の部分ですが、産学官連携活動につ いてはそもそも第3期科学技術基本計画という閣議決定において、ここにあるような持 続的・発展的な産学官連携システムを構築することが、計画に盛り込まれたということで す。政府として推進すべきものであることを大前提に書いています。  そういう前提を書きつつ、その後の二つ目のパラグラフですが、より表現を整備させ ていただいています。産学官連携の活動は年々活発になってきていることと、医薬品の 開発分野における産学官連携活動についても、何ら否定されるべきものではなく、適正 に推進されるべきものであるということです。他方、国の行政機関である審議会につい ては、その運営の中立性・公平性が求められることから、このルール作りが必要であると いうことを書いています。その後、「なお書き」を書いています。これは後ほどまたあ りますが、奨学寄附金のことについて今回、いろいろ御議論いただいたわけですけれど も、それについて、そもそも機関経理されているのだということを主張するべきだとい う御意見をいただきましたので、今回の検討にあたって調査をした結果によれば、約9 割が機関経理されているということですので、ここに少し盛り込ませていただいたとい うものです。  2ページの(3)ですが、これまでの薬事審議会における取扱いを一連で書いていたわけ ですけれども、昨年4月からの取扱いについては、段落を分けた形にして(3)として別に 立てた形にしています。「これに加え」という形で始め、平成19年4月の薬事分科会で 暫定的な申し合わせを定め適用することと、このワーキンググループを設置して検討す ることにしたと書いています。その後、当該ワーキンググループは、薬事・食品衛生審議 会の委員5名に外部有識者3名の参加を得て設置された。これまで8回にわたって検討 を重ねた。あるいは関係者のヒアリング、2度のパブリックコメントを通じて寄せられ た多くの意見を参考にするとともに、その回答も行われたということで、その回答の内 容も(注1)として、いわゆるホームページのアドレスを紹介するとともに、こういう形 でこれまでの審議経過を少し詳しく書いています。  (4)で「以上を踏まえ」として、こういう審議結果も踏まえて当分科会における審議方 法について、この遵守事項を策定し、今後はこの遵守事項を守っていくことにするとい うことを書いています。「なお書き」のところですが、平成13年あるいは19年4月に 策定した申し合わせは、形式的には廃止するという形になるわけですが、その下で、こ れは今回、パブリックコメントでいただいた内容を受けての対応ですが、(2)の(1)、すな わち薬事分科会規程第11条の規定です。企業の顧問あるいは役員という形で定期的な報 酬を受けている者については、そもそも委員になれないという規定は、当然のことなが ら続いているということを入念的に書いたものです。それが1.の部分です。  2.の「適用範囲」ですが、これは見出しをそれぞれ付けたという形と、一つの文章で 書かれていたところを少し整理しています。この遵守事項が適用される対象の部会ある いは調査会は何なのかというのを(1)でまとめて書くとともに、(2)として適用の対象と なる審議事項は何なのかということで、それを分けた形にしたものです。それに伴って 項ずれが起こった形で、適用対象委員という文言がずれるものです。  3.ですが、これも見出しをそれぞれ付けました。4ページの真ん中辺の(2)の(2)ですが、 「利用資料関与作成者」という形でパブリックコメントを求めたわけですが、これは「利 用資料作成関与者」というのが正確な言い方だという御指摘を受けましたので、それを 受けて直しています。内容の修正は以上です。  5ページの4.です。これについてはまず表題ですが、「受け取っている場合の取扱い」 ということです。寄附金・契約金等を受け取っていることに対して、個人の報酬のように 受け取っているものではないから不適切ではないかと、これもパブリックコメントで意 見をいただきましたので、そういうニュアンスが少しでも少なくなるような表現として、 「受けている場合の取扱い」と直しています。(1)で、これは受け取っているわけではな いということですが、例えば奨学寄附金あるいは治験の費用などについてもそうですが、 一旦、機関経理という形で組織に入り、その後、個々の研究者に言わば割り当てられる という形になりますので、「又は割当て」という形で少し括弧書きを加えています。下 のほうで(4)の申告の部分ですが、これは事務局で今回直しました。内容は特に変えてい ませんが、「開催日の年度に加え、過去2年度」という表現でパブコメをさせていただ きました。いまの暫定基準が過去3年となっていますので、この3という数字にこだわ る形で、「年度を含め過去3年度」という表現に改めたものです。内容の変更ではあり ません。  6ページの情報の公開で(6)の部分ですが、これは表現の整備で「明記」を「記録」に 直しました。(7)ですが、「申し合わせ」という表現は「遵守事項」に直しています。(7) の最後のところですが、「医薬品等によって健康を害した人々」という表現を、もう少 しニュートラルというか客観的な表現で、「健康を害した者」に直しています。  5.の「終わりに」のところも同じように、「申し合わせ」を「遵守事項」にするとと もに、*二つ目のパラですが、今後の引き続きの検討課題の中に、「申告の方法」という のを加えています。これは後ほど御説明しますが、パブリックコメントの中で、情報公 開の方法について御指摘をいただきましたから、そこは引き続きの検討課題ということ で、申告の方法というのをここに加えた形にしています。  7ページで、注1については先ほど御説明しましたが、審議の経過の中でパブリック コメントをいろいろ求めたことを具体的に御紹介したものです。注2は「3社」を「3 企業」に変えています。注5の「受取人」という言葉は不適切との御指摘もありました ので削除しました。括弧書きの中ですが、これもパブリックコメントでいただいた御意 見で、奨学寄附金というのも今回の対象に入っていることを明確にすることから、「な お書き」でそういうのが含まれていることを明記しています。内容の変更についてはそ ういうことです。これに合わせて9ページの参考資料1ですが、本文を直したことに伴 う該当箇所の変更をそれぞれ行っています。  11ページで参考資料2ですが、いわゆるQ&Aで、これも本文の変更に伴う該当箇所 の記載の整備です。12ページも同様です。13ページの参考資料4で、下線を付した箇所 が不適切ですが、あえて変わっているところは1.の(8)です。「当該年度を含め過去3 年度」という表現に直しています。14ページは議事録の公開の部分です。これは既にこ こで御議論いただき、御了解いただいている内容と承知していますが、再度御説明いた します。薬事分科会あるいは分科会等の議事録について、いわゆる2年間のマスキング を外すという方向で、公開と同時に発言者氏名も公表する方向で対応するということで す。ただ、手続的には総会で決める事項ですから、このワーキンググループとしての意 見をまず分科会に上げ、その結論を得て、更に総会の決議に持っていく手続が必要なこ とをあえて書いたものです。資料No.2については以上です。  資料No.3-1を御覧ください。これは先ほど申し上げたように約1カ月程度行ったバブ リックコメントで、たくさんの御意見をいただいていますが、その意見に対しての考え 方の案をまとめています。随時簡単に説明しますが、1.はじめにのところでオンブズパ ースン会議からは、申し合わせでなく規則にするべきだという御意見がありました。こ れについては前回と同じですが、透明性の確保あるいは中立性・公平性の確保が目的であ れば、この遵守事項として申し合わせることで、それは十分達成できると考えています から、これで構わないわけですが、引き続きワーキングループにおいて検討していきた いと思っています。表題は先ほど言ったように遵守事項に直しています。  次に薬害への反省のことを書くべきだとか、あるいは、これは倫理規定であることを 明記するべきだという御意見もいただいています。この部分については先ほどと同じで すが、そもそもこの申し合わせというのが、審議会運営の中立性・公平性の確保というこ とですので、それに特化したことを記載したことを、考え方として述べたものです。後 段の部分については御指摘のとおり対応したというものです。  2.の適用範囲ですが、医薬ビジランスセンターから、審議会の結論の一部となる重要 資料、例えばガイドラインの作成委員会などについても、利益相反関係を吟味するため のルールを設けるべきだという意見です。これについては、そもそもそれぞれの団体が、 その責任において検討すべきものと考える次第です。  3.の申請資料作成関与者等の取扱いですが、オンブズパースン会議からは、株式ある いは特許を持っている者については、ここで立場的にそもそも特別に扱うべきではない かということです。株式はアメリカでは10万ドル、欧州では5万ユーロと金額で扱う形 になっています。特許権を有している者については、そもそも多くが資料作成関与者に 該当すると考えられますから、欧米と日本の違いもありますけれども、いろいろ総合的 に勘案して株式、特許権等の扱いについては、寄附金・契約金という形で、そこに含め て取り扱うことにしてはどうかということです。医薬ビジランスセンターの部分につい て、同じように株式、特許についての意見がありますが、これについては先ほど申し上 げたとおりです。後段の部分は、利用資料作成関与者の表現の改めはそのとおり対応し ています。  2ページで寄附金・契約金等の取扱いですが、(1)は審議不参加の基準ということで、 匿名の方、オンブズパースン会議等々たくさん御意見をいただいています。いろいろな 御意見がありますが、集約すると500万が金額として高いのではないか、500万の内容 を見るべきではないか、合算でなく個別に見るべきではないか、500万でなく50万にす るべきではないかなど多くの御意見をいただきました。これについて右側のほうですが、 アメリカにおける現在のガイドラインでは、一つの団体、企業から10万ドルとなってい て、これが改正案の案では、競合品も含めて合算で5万ドルとなっています。ヨーロッ パでは一つの団体、企業から5万ユーロとなっています。それが一つの目安ということ もありますので、いろいろ総合的に勘案して、当該企業または競合企業から500万とい う基準でどうだろうかということです。  同じく匿名の方からですが、奨学寄附金を除くべきではないか、奨学寄附金を除かな いと、審議会の運営に問題が生じるのではないかという御意見を逆にいただいています。 これについては、審議会運営の一層の中立性・公平性の確保の観点から、奨学寄附金をこ の中に含めることにしたということです。審議に支障をきたすのではないかという部分 については、そういう当該委員の発言は特に必要であると認めた場合には、参加するこ とができる規定を残すことにより、審議の客観性、科学性の担保をしていこうと考えて いるところです。  (2)の議決不参加の基準で、50万としているわけですが、これについて匿名の方から、 単純に金額だけでいいのかという意見がありました。これもいまの答えと同じになるか もしれませんが、奨学寄附金とその他のものを区別する扱いで、一旦、パブリックコメ ント等を行ったところです。寄せられた意見によると、多くが区別することに対して疑 義を呈しているということから、金額のみによる基準とすることにしてはどうかという ことです。二つ目の御意見については先ほどと同じです。  申告期間の話ですが、2年前、3年前に講演した謝金とかは思い出せないのではないか ということです。これは現在の暫定ルールでも既に昨年4月から、過去3年という形で 運用していますが、いまのところ特段問題はないと考えていますので、対応できるので はないかということです。それを過去10年とすべきではないかということですが、これ は、これまでも御説明しましたようにアメリカは1年、ヨーロッパは5年ですので、事 務負担を考えて3年ということで意見が出ています。  3ページで(5)の特例措置の取扱いです。第三者機関を設置すべきではないかとか、 「部会等」が認めるのではなく、第三者機関が決めるべきではないかということです。 これについては部会で審議し資料も公開するということ。その内容についてさらに別途 ワーキンググループで評価することから考えて、第三者機関の審議は必要ないと考えて います。「特例を設けるべきではない」という御意見もありますが、これは専門性の高 い分野などにおいては、そういう可能性もあるだろうということから、この特例規定は 削除する必要はないということです。  (6)の情報公開ですが、公開になった場合に報道が歪曲される危険性が大きいのではな いかという御意見をいただいています。これについては審議会の中立性・公平性、透明 性の確保の観点から、御理解、御協力をいただければと思っている次第です。なお、こ のルールの終わりのところに、産学連携の活動というのは国全体で推進されるというも のであって、寄附金・契約金の多寡をもっては不適切な関係があるかのような、歪曲され た形で誤解等が生じないよう希望する旨は書いているところです。  情報公開の仕方ですが、部会終了後ではなく部会に先立って行うべきだとか、具体的 な額をきちんと報告するべきだ、明細も報告すべきだという意見をいただいています。 時期の問題については競合品についても申告の対象になるわけですが、競合品自体が正 しいかどうか、そもそも部会で妥当性を審議することになりますので、申告書の公開は 部会前というわけにはいかない。部会終了後、速やかに行う形にさせていただきたいと いうことです。  さらなる情報公開の度合を高めることについては、欧米においても具体的な金額まで は求められていない。委員の事務的な負担の議論もありますので、チェック方式にさせ ていただいたということです。申告の方法については引き続き残された課題という形で、 引き続き議論させていただきたいということです。  否定的なデータについての扱いについて、ディスクロージャーすべきではないかとい う意見ですが、これは既に現在の薬事法施行規則で、否定的な情報についてはすべて提 供しなければならないことは、もう既に規定されていますから手当済みだと思っていま す。ワーキンググループでの検討ですが、開催頻度が年1回では少ないのではないか。 メンバー構成の関係で薬害被害者という表現を使うべきではないかとの意見ですが、こ れは審議会等の運用状況に基づいて検討するということから、原則、年1回とさせてい ただいたということ。言葉の問題については一般的な用語として、この表現を使わせて いただいたということです。見出しについても、そもそもこの運用状況の評価、改善方 策の検討を行うことがこの項の趣旨ですので、見出しはこれでいいのではないかという ことです。  4ページの5.終わりにのところで、「なお書き」以下のところを削除すべきではない かということですが、これは先ほど申し上げたとおり、委員等と企業との関係について 誤解がないように記載するものですので、削除は必要ないと考えています。注1の一般 的事項の審議の関係ですが、情報公開のみで足りるとしたことについて、不適切ではな いかという御意見については、当ワーキンググループでも御議論いただいた上での結論 ですし、一般的事項の性格を踏まえて公開ルールの適用にしたところです。  注4の寄附金・契約金等の範囲のところですが、機関経理されている部分のものは除 くべきではないかとか、受取人という用語は不適切ではないかという御意見です。機関 経理されているからといって、除外することは難しいと思います。「受取人」という表 現が問題だとすることについては、これまで御説明したとおり然るべき対応をさせてい ただきました。奨学寄附金が含まれることを明記することについては、対応させていた だいたところです。株式、特許のある人については扱いを別項にするべきではないかと いう御意見については、株式、特許、その他についてのことは先ほどお話したとおりで、 現行の取扱いでいいのではないかということです。  トンネル寄附の扱いについて、Q&Aでは不十分ではないかということですが、注4 に書いてあるのは、そもそも寄附金・契約金等の対象が含まれる主な項目を記載している ということですので、注4は変える必要はないのだろうと思っています。それはむしろ Q&Aで書くべきことだと考える次第です。  注5の部分ですが、産学連携でいろいろ作られる協会や役員はどうなのかということ です。これは趣旨はよく分かりませんけれども、薬事分科会規程第11条、あるいはそこ でもし経済的な関係がある場合には、このルールに当てはまるかどうかというのを考え て対応すべきだろうと書いています。  組織の利益相反について、今回、規定がない場合に継続審議しなさいとか、講座単位 の寄附については個人と見なすと明記すべきという御意見がきています。これについて は範囲をどうするかなどいろいろ難しい問題がありますので、学術的な研究も含めて継 続的な検討課題としてはどうかということです。講座単位の寄附についても、現在の案 は委員等に実際に割り当てられた、自分で使途決定権があるものが申告の対象という扱 いになっているものです。  5ページでその他の罰則ですが、最初と同じことになりますけれども、申し合わせで なく規則性を持たせて、虚偽の申告等については制裁規定を設けるべきではないかとい うことですが、これについては、そもそも申し合わせであってもすべての委員が遵守す べきことは言うまでもないことです。ただ、いろいろな他の審議会等において、このよ うな遵守事項を定めている例はまだ承知していませんし、そもそもまだ対象とする寄附 金・契約金の範囲、あるいは先ほども申し上げた組織の利益相反の扱いをどうするか。あ るいは申告の方法等々、まだまだ検討を要する課題がたくさんありますので、まずは申 し合わせが適当ではないかと考えている次第です。  参考資料の部分で、いわゆるトンネル寄附と言われている部分について、判断が難し いのではないかということですが、これは御本人が申告する形になるわけですので、予 め寄附の約束をした場合であれば、ここに該当するわけですので、判断はできるのでは ないかと考えています。  あと学術総会の学会長がどうなのかとか、あるいは上司・部下の関係等々いろいろあ ります。学術総会の扱い等については、一つの組織として学会長は学部長あるいは施設 長と同様に取り扱うことが適切と考えているところです。学会運営は適切に行っていた だきたいということです。上司・部下の扱いについては組織の取扱いの一形態というこ とで、継続課題とさせていただきたいということです。非常に長くなりましたが資料の 説明は以上です。具体的な中身については資料No.3-2にそれぞれございますので、必要 に応じて該当箇所を御覧いただければと思っています。以上です。 ○望月座長 ありがとうございました。これから議論を進めていきたいのですが、議論 の進め方として、この申し合わせ(案)についてパラグラフごとに検討していくやり方で 進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは最初の表題からですが、遵守事 項という形に直すことについてはよろしいでしょうか。 ○永井委員 表題の申し合わせのところは、私はまだ意見がございます。これまで何回 か議論して決まっていないと思います。指針を当事者の申し合わせとするのか、あるい は第三者が外で決めるのかが重要です。ワーキングについては、とりあえずこの領域に 関係のない先生方にはお分かりにくいということで、我々はこの席に着いているという 理解だと思いますが、ではこれを分科会に持って行ったときに、本当に分科会が主体的 に申し合わせとしていいのかどうかということは、やはり真剣に考える必要があると思 います。と申しますのは、これは公平性を期すということであれば基準は厳しくあるべ きだと思うのです。今日のいろいろな御意見を拝見していても、なるほどと思うところ もあるわけです。そしてあるルールを、当事者を含めて申し合わせで決めたときに、あ とでその基準は甘いのではないかという指摘を受ける可能性があります。  確かに我々が自らこの審査委員として、自分の意思で加わっている場合には、そうい う責任というのは当然あると思いますが、国の審査制度というのは国から我々が委託さ れてなっているわけです。招かれているわけです。そういう人たちが果たしてそこまで 責任を負う必要があるかどうかということです。しかも甘い基準を作ってしまったとき に、非常に大きな責任問題になるということを懸念します。ですから、私はこういう問 題というのは当事者を外して、第三者が作るべきであると考えています。したがって、 この申し合わせを、寄附金を受けている委員が出席した分科会で本当に申し合わせとし て決めて良いのか、あるいはこれは厚労省の職務として第三者が決めることなのか。そ こをもう少し議論する必要があると思います。  我々としては、いろいろな形でお手伝いしたいと思いますし、公平に仕事しているつ もりですけれども、疑念を招いたのでは不本意です。我々が申し合わせを作るのであれ ば、より厳しく決めるべきだろうと思います。第三者が我々に審議に参加してほしいと いうのであれば、基準の緩和は第三者がして欲しい。そういうことで、この申し合わせ を「誰が」が決めるかというのは、内容にも影響が出てきます。この点を、もう少し御 議論いただきたいと思います。 ○望月座長 いかがでしょうか。 ○永井委員 この議論は、前にこのワーキングでもしたことがありますが、樋口先生か ら、男と女の社会を作るときに男が抜けても困るでしょうという例が出たと思います。 私はあの例をずっと考えていたのですが、やはりちょっとおかしいと思います。我々は 主のいる家に招かれているわけです。そこで招かれた客の倫理について、自分たちでル ールを作りなさいと言われているような感じがするのです。そうすると客は、ルールを 厳しく作って、その場を離れたほうがいいだろうと考えます。誤解を招くルールを作る のであれば、離れた方がよい。そもそも客が守るべきルールは招いた側が作るべきであ って、招かれた客が作るのはおかしいではないかというのが、私の印象です。 ○望月座長 根本に遡る問題ですけれども、いかがですか。 ○笠貫委員 この会の最初のときに、参加している委員は資格があるのですかというこ とから始まったことは、初めから重く受け止めていたところだと思います。そういう意 味で医師の立場として公平性・中立性、そして国民のためにどうあるべきかということを 議論してきたつもりですが、1回目のパブリックコメント、そして今回のパブリックコ メントを見ても、我々が研究も認可も国民のためにあるのだということで議論したとし ても、先ほど永井委員から疑念という話が出ましたが、疑念を招くようでは、いつまで もこの問題点は、根本のところに入り込めないのではないでしょうか。  あるべき姿として公平性・中立性、そしてこの前からは透明性の話が出て、そこで申し 合わせであっても遵守事項であっても、国民が納得するものができるかということがこ れまでの議論だったと思います。基本的に形として国民から疑念を持たれない枠組みを 作る必要があり、私も永井委員が言うように、申し合わせというものよりも第三者でこ れを決めるということの枠組みから入るほうが、最終的には国民の理解が得られるので はないかということです。そこのところをもう一度議論していただくことは非常に大事 なことではないかと思います。 ○望月座長 重要なポイントですが、いかがでしょうか。 ○永井委員 具体的に例を挙げたほうが、お分かりになりやすいと思います。500万円 ルールについては500万円という基準の問題が当然あります。それから何をそこに含め るかという問題があります。例えば今は、その委員の名義の奨学寄附金が対象になりま す。しかし本当にそれでよいかどうか議論があります。  今日のいろいろなパブリックコメントを拝見すると、例えば自分の部下が奨学寄附金 を受けていたらどうなるのかという問題もあります。教授の奨学寄附金は別のことに使 えますから確かに間接的にメリットを受ける。オーバーヘッドを取って、それを教室と して使う場合もありますので、いろいろつながってくるのです。そうすると疑念を招か ないのであれば、この500万円に教室の寄附金も入れることは、疑念を招かないという 意味で、よいのではないかと思います。申し合わせでいくのであれば、私はそちらの立 場を取りたいと思います。より厳しくいくということです。しかし、第三者機関が「そ うではなくてもよい」と言ってくれれば、部下の奨学寄附金を含まなくともよいことに なります。したがってこの基準を申し合わせとするか、委員の任用基準とするのか、大 きな違いがあるということを御理解いただきたいと思います。 ○望月座長 いかがでしょう。 ○樋口委員 男と女の比喩では説得力がないと言われてしまって、なかなか難しい問題 です。疑念という言葉を何回か言われましたけれども、たぶん永井先生はそういう人で はないと思いますが、仮に逆の立場で私なんかだと、あまり粘りのないほうなので、せ っかく一生懸命やっているのにいわれのない批判ばかり受けているのでは、やっていら れないという感じがあるのかもしれないと思って聞いていました。  永井先生が提起されたのは、一種、第三者を交えてのワーキング・グループでこの問 題を考えるべきところ、そもそも医学研究の当事者が自分たちで、こういう申し合わせ みたいなことをすることの意味、それがそもそも適切か否かを、問いかけておられるの だと思います。しかし、その点については、私などは全然何の心配もする必要がないこ とだと考えています。むしろ、当事者だからこそ、まさに自律的な規範を決めて自ら律 していくというのが当たり前という感覚です。 ○永井委員 それはちょっと違いますね。例えば産学連携の研究を推進する当事者が、 自ら名乗りをあげて審査員になる場合と、審査を依頼されてこの席に着いている場合と では違うということです。 ○樋口委員 いやいや、ですから、それも全く同じだと私は思っているのです。例えば 議会の議員がいますね。あの人たちは自分で手を挙げてなったのかもしれないですが、 ちゃんと投票を得て国民から付託を受けて、それでやっているわけです。その議会の中 で一定の行動が倫理的にどうかということを自分たちで決めますね。それが当たり前の ことなのです。話を議会の議員が定める倫理規定のところまでいかなくても、例えば私 が勉強しているアメリカ医師会は、自分たちで倫理行動指針というのを作ります。つま り法とか第三者の規範が出てくるのは、当事者たちが自浄能力を失って、これは第三者 のほうでやらざるを得ないという場面になって当然出てくるという話なのです。しかも この薬事行政の重要な問題について、先生は招かれてやむを得ずやっておられるのかも しれないですが、やむを得ずでも、やらねばならないという公共心というのがあってお やりになっているのだと私は思うのです。その時に、外部の人たちは、先生もまた医学 研究者であり、製薬業界とも何らかのつながりがあるだろうということでいろいろな疑 念は抱かれるかもしれないけれども、それは、大体は誤解なのです。だからその誤解に 負けてはいけないのです。  それで、原点に返ると、いまの日本の製薬会社と大学の研究活動の関係というのは、 まず産学連携ありきです。つまり一緒に良い薬を開発しようという国の政策の中でやっ ているわけですから、それをむしろ理解してもらう。その状況の中身がどんなものか分 かった人間でなければ、実は適正なルール作りはできないのです。その適正なルール作 りを、しかし、お医者さんだけで判断されては、もしかしたら狭い視野になるかもしれ ないので、私みたいに何も分からない人間が入っているわけです。メディアの方も入っ ているし弁護士の方も入っている。これをお医者さんが自分たちだけで決めているのだ と、申し合わせもお手盛りみたいな話になりますけれども、このワーキンググループだ ってそうですが、今後、継続的に作るところの第三者委員会なんかも、患者の代表とい うか国民の代表も入れる。より透明性を図って、しかもこの薬事行政に公共心で、半ば ボランティア精神で参加している先生のような方もちゃんと入ってくださる、それを単 純に疑念を抱くような方々に、こういう形できちんとやっていることを、理解していた だく機会とするほうが大事です。  その中でルール作りをやるのですから、申し合わせやガイドラインというのが初めは いちばんいい形であり、それで不足というのはそれが破産したときです。何らかの形で ものすごい不祥事が発見されて、どうしようもなくなったときに、何らかの形で規則を 作ったり、法を作ったり、罰則がどうのこうのという話になるのです。  いまは、まさに先生のような方にとにかく入ってもらって、現状を踏まえて、いいと ころはいいけれども、行き過ぎでないようにすることです。さらに単なる疑念、誤解と いうのが生ずるのは、そのような人の責任でもなく、つまりこれは情報が分かっていな いからなのです。単にお金をもらったというだけで、人間は弱いものだから人は動きや すいのですけれども、そういう汚いお金ではなくて、大学の立派な研究活動を促進しよ うとして、それでもらっているのだと、正々堂々と公表するのだという話を作り上げる ようなルールを、我々は作ろうとしているわけですから、全然申し合わせで恥じるとこ ろはない。それを遵守事項と呼ぼうが何であろうが、自律的規範として我々はまず作っ ていきますよと、胸を張って言うべきだと私は思っています。 ○永井委員 議員にしても学会員にしても、自らの意思でそこに加わっているのです。 ですが、薬事審査は、我々は依頼されて就任しています。 ○樋口委員 でも同意はしているでしょう、先生。委託に応えているではないですか。 ○永井委員 その時に、こういうルールはなかったわけですから。 ○樋口委員 でも先生を除いて作ることはできないですよ、これは。 ○永井委員 ですから参考人とか、情報を提供することはいくらでもできますので、基 準を決めるのは、当事者をはずしてほしい。 ○樋口委員 そうではありません。ルールは自分たちで作るのです。 ○永井委員 それは、自分たちが本当に自らの意思で動くときには、そうだと思います。 しかし、これはあくまでも厚労行政の一環であると思います。 ○樋口委員 だから薬事行政に協力するのは、医師の大きなメリットです。 ○永井委員 ですから参考人として、あるいはたたき台を作るとか、そういうところは 協力したい。しかし、その決定については第三者が行うべきである。それはずいぶん違 うと思います。 ○樋口委員 そういう考えの人がいてもいいのです。しかし、はっきり言えば、それは 間違っています。医師を除いて、医師に関するルールを作ることはできません。 ○永井委員 そうでしょうか。 ○望月座長 作ることに関して、医師の先生に加わっていただくということは、これは 必要ですね。 ○永井委員 ええ。 ○望月座長 ですから、それは参考意見として意見を出されるかどうか分かりませんけ れども、とにかくこれを作り上げるというところまでいき、それを今度はどういうふう に扱うかということを検討していただくことになる。 ○永井委員 最後の決定です。 ○望月座長 そうですね。分科会でどういうふうな形でこれを出して、どういう形でそ の分科会の申し合わせになるのか。あるいは規則とまでは言わないですけれども、分科 会での遵守事項として皆さんの責任で納得する。作った人のせいでこうなったというこ とではないと思います。 ○永井委員 任用する基準委員会のようなものです。そういう所で決めていただければ 非常にありがたい。 ○望月座長 なるほど。これを原案として出して、それを運用する基準を検討する委員 会を作る。 ○永井委員 当事者の入らない任用基準委員会。 ○樋口委員 この利益相反の問題は、あらゆる専門家に共通しているのです。だからお 医者さんだけではないのです。弁護士であれ誰であれ利益相反がいちばん大きな問題に なるときに、その専門家の倫理、専門家の規範として自分たちで律していくのが、まさ に利益相反の問題なのです。それを第三者が、こうだ、ああだという話では、実は性格 上ないのです。第三者からすると李下に冠を正さずというような話になるかもしれませ ん。しかし、それだけでは済まない問題だから、そんな単純なことではないから、まさ に専門家が引き受けるのです。 ○永井委員 しかし、やはり任用の問題というのはあるのだと思います。自分たちがこ の委員会をみんなで作るという場合と、任命権者がいる場合は違うのです。立候補制で はなく、任命権者がいる場合は、任命者がルールを作るのが筋だと思います。 ○神山委員 何かあったときに責任を負うとなれば、少なくともここのワーキングでこ れが確定するわけではなくて、薬事分科会で最終的に決めるわけだから。 ○永井委員 そこが、いま議論しているところなのです。 ○神山委員 薬事分科会が責任を問われるということになるのだと思います。 ○永井委員 もちろん、そこをいま議論している。ここで案を作るのは全然問題ないと 思います。 ○神山委員 だからここの場面で、そこまでやってみても仕方がない。 ○永井委員 でも、ここにもう書いてありますので、薬事分科会で決めると書いてあり ますから、2ページのそこを私は問題にしているのです。 ○神山委員 いまのパブリックコメントに寄せられた意見に対する考え方のところで、 「今後、設置される評価ワーキンググループにおいて運用やチェックを踏まえ、検討し ていきたい」ではなくて。 ○永井委員 その前ですね。 ○神山委員 これを規則とするかどうかを、薬事分科会で検討するということを入れて いただきたいと私は思っていますけれど。 ○永井委員 2ページの真ん中の下のところに、「当分科会における調査、審議方法等 について、以下のとおり遵守事項を策定することとし」とありますので、主体は薬事分 科会になっています。これが本当によいのかということです。 ○神山委員 でも遵守事項を策定することはいいと思いますけれども、その遵守事項を 策定した後で、これを基にして規則にするということがどうなのかということを分科会 で検討していただいて、それで分科会が、永井先生がおっしゃるように、自分たちだけ では嫌だから規則にしてほしいと言ったら、規則を作るのは分科会ではない。 ○永井委員 ないです。 ○神山委員 厚労省なので、そちらに投げるしかない。 ○永井委員 そういうことです。ですから、そうしたほうがいいのではないか。 ○神山委員 だから、このパブリックコメントに対する考え方の中に、規則にするかど うかも分科会で検討するということを、一言入れてもらえればいいのかなと思っていた のです。 ○永井委員 そうすると、今回のルールの位置づけはまだ暫定案ということになります ね。 ○神山委員 これは遵守事項として、申し合わせという言葉が必要なのかどうかは分か りませんが、薬事分科会での遵守事項ということでできても、よろしいのではないでし ょうか。いま、もう既に暫定ルールで申し合わせしているわけですから。 ○永井委員 別の暫定ルールみたいな形になるのですか。 ○神山委員 暫定ルールではないと思います。それは規則にするかしないかというのは。 ○永井委員 今も申し合わせですね。 ○審査管理課長 審議会を取り巻く法律あるいは規則の状況を、簡単に御報告させてい ただきます。厚生労働省の設置法の中に、薬事・食品衛生審議会を置くということが決め られていまして、それを受けた形で薬事・食品衛生審議会令という政令が出ています。こ の中には、例えば審議会は委員30人以内であるとか臨時委員を置くというような骨格が 定められていて、薬事分科会と食品衛生分科会まで定められています。  その政令のいちばん最後に、議事の手続、その他、審議会の運営に関し必要な事項は 会長が審議会に諮って定めるとあります。すなわち審議会は審議会として議事の運営に ついて定めるという規程があります。この規程を受けた形で薬事・食品衛生審議会規程 というのが設けられていて、これは会長が審議会に諮って定めたという形になっていま す。その審議会規程の最後に、分科会の議事運営に関し必要な事項は分科会長が分科会 に諮って定めるという形になっていて、薬事分科会規程というのがあり、ここで初めて 例えば日本薬局方部会を置くとか、医薬品第一部会を置くとか、あるいは先ほどありま した資料の作成に関与した委員は審議に参加しないとか、いわゆる審議のルールが出て くるわけです。  したがって、審議会というのは1つの独立した形になっているということから、先ほ どの樋口委員のお話と整合するのではないかと思いますが、あくまで分科会長が分科会 に諮って規程を定めるという形になっているわけです。従来ありました申し合わせとい うのも、それと同じような趣旨で、まだ規程にするほど成熟していないとか、まだまだ 議論の余地があると申しますか、議論が進行しているところがあるということなのだろ うと思いますが、そういうものについて申し合わせという形になっていると考えている わけです。  一方、先ほど来の御議論を聞いていますと、まずいろいろな意見がある。例えばこの ようなものができるのであれば、審議会の委員を辞退させていただくことも考えたいと いうようなパブコメも来ているわけです。あるいは500万円が緩いという意見も来てい るわけですが、今回のこの案についてワーキンググループとして納得できるのかどうか が、いちばん重要なのだろうと思っているわけです。  その上で、仮に永井委員のおっしゃっているところをもっと具体的に取り入れるとす れば、例えば6ページの検討のところですが、ここでいわば見直しを行うという規定が あるわけです。ここを第三者の人に見てもらうのだという趣旨で訂正することも、ひと つはあるのかなと思います。いわゆる第三者の意見を聞くということであれば、そうい うことも考えられると思うところですが、あくまで御参考になればと思って申し上げた ところです。 ○神山委員 そうすると、政令と規程の間の省令みたいなものはないわけですね。 ○審査管理課長 ございません。 ○望月座長 遵守事項を、一応、この薬事分科会の総意のもとに申し合わせをして、そ の結果、いま中垣課長が言われたような形で、今後検討する場合にはこういうグループ ではなくて、先ほど先生がおっしゃったように外部有識者であるとか法律の専門家であ るとか、そういう方々を中心にして検討していただく。その結果、必要とあれば規程に なるのかどうかわかりませんが、その方向でいくのであれば、今日、このワーキンググ ループでこういう提案をさせていただいて分科会に出すことは、それほど大きい問題で はないと思います。それを出したからといって、先生方お二人の責任が問われることは あり得ないと思います。 ○永井委員 むしろ問題は、分科会の委員の立場です。ですから分科会で策定するとい うことが適切かどうか、分科会で1回議論しないといけないと思います。神山先生がお っしゃったことだと思いますけれども。 ○神山委員 分科会規程も分科会長が作っているのだとすると、厚生労働大臣が作って いるわけではないということになるので、これを規程にするべきかどうかを分科会で審 議するということでしかない。 ○永井委員 もちろん分科会長が、当事者を入れない第三者に投げるということも可能 だと思います。 ○望月座長 そうですね。 ○永井委員 そちらで一度揉んでいただくとか、そういう手続は別に規則にするまでも なくて、当事者を交えない第三者に意見を聞くことは、私は非常に重要だと思うのです。 ○望月座長 そうすると先生のお考えですと、これをすぐ適用するのではなくて、今ま での申し合わせを継続させておいてさらに検討を続けることでしょうか。 ○永井委員 これも試験的なものとしておきながら、さらに最終的にどうするかは検討 会で、もっと議論を深めるというのがよいと思います。我々が自分たちでお手盛りのル ールを作ったのではないかと言われないために、一度我々を全部外して、第三者に揉ん でいただきたいということです。 ○望月座長 そういう方向は、特に問題はないですよね。1年間か半年か分かりません が。 ○永井委員 審査委員の交代が、今年の末か来年の1月にありますね。 ○望月座長 来年です。 ○永井委員 新しい委員は、新しいルールで任用すべきだと思うのです。委員に就いて から規則が決まるということは大変だと思います。ですから私は1回、年内までに外で 揉んでいただくのがよろしいのではないかと思います。そこで「まあ、いいだろう」と 言われれば、我々も非常に安心しますし、やはりまだ問題があるということであれば、 また戻してくると。 ○望月座長 それはこのグループで、そういう前提であるということを付ける必要はな いですよね。分科会でそう決めればいいことですね。 ○永井委員 決めればよいことだと思います。規則にする必要もないと思います。 ○望月座長 今年の11月、12月ぐらいに、新しい委員がこれでよいか、あるいはここ を修正すべきという意見に基づいて作り上げて、それを改めて委員の交代と同時に適用 して、新しい委員をお願いするという意味でよろしいですか。 ○永井委員 それがいちばん適切だと思います。 ○望月座長 その点について、事務局の方ではいかがでしょうか。問題はないですか。 ○審査管理課長 事務局としては問題ないと思いますが、他の先生方の御意見を。具体 的には先ほどの6ページの「検討」の(7)を改めることが、一つの方策としてあるかと思 います。他の先生もそれでよろしければ文章を考えます。 ○望月座長 いかがでしょうか。そういう方向で進めてよろしいでしょうか。 ○岩田委員 私自身の考えがまとまっていないので、あまり適切な意見は申し上げられ ませんが、このワーキンググループでも、すでにパブリックコメントをやっています。 そういう意味では外部の人も入って、しかも外部の意見も聞き取りながらやっているわ けです。例えば分科会で、議長が他の人に投げてやるという手続をもう1回やったとし ても、結局は議長が投げているわけですよね。そうすると、議長が任命しているという 話になるのです。 ○永井委員 それはちょっと違うと思います。パブコメには非常にさまざまな意見が出 ています。その取捨選択を当事者が行うと、問題になる可能性があるということです。 ○岩田委員 ただ、それはまさに先ほど樋口先生が言われたように、まず、この問題に ついては当事者、よく事情を知っている人間がきちんと自律的に、これは大丈夫なのだ ということで、社会の誤解みたいなものをなくすような形で議論をしていく。起こって ほしくはないのですが、それこそ大きな問題が起これば、普通の規制の在り方としては、 他の対処が必要になっていくと思うのです。もちろん私たちが案を出した後に分科会の 方で、ワーキンググループに投げてみたけれど、やはり私たちが決めるべきではないと いうように判断をして、分科会の方でそういう議論が出てくれば、それはそれで私たち の関知できないことになると思います。  今までの議論で言うと、最初に永井先生が言われた、もし申し合わせ案でいくのであ れば、もっと厳しい案を出すべきだという一つの方向があります。そうではなくて任命 権者が決めて、この案でいいですということだと、そもそも今までやってきた何回かの 議論を全部覆すようなものです。もちろん先生は最初におっしゃったと思いますが。 ○永井委員 そこはペンディングになっています。特に自らの意思で委員になって構成 している場合と、任命されている場合とでは違います。委員が安心して委員になれるよ うにしてあげることが非常に重要で、当事者を外して、お墨付きをいただきたいという ことです。 ○神山委員 私も岩田先生と同じです。永井先生の御心配もよく分かるのですが、これ はきりがない話だと思います。ここのワーキンググループも、お医者さんだけでやって いるわけではなくて、半分は全くの門外漢がいるわけですから、門外漢もこの案に責任 を持てということでいいのではないかと、私は思うのです。 ○永井委員 分科会には、門外漢の方は少ないのです。当事者の方が多いのです。 ○神山委員 少なくともワーキンググループは、半分が門外漢なのですから。 ○永井委員 ですから、この場はこれでよいのです。ここで案を作ることは、私も了解 しています。しかし、これを分科会でどう扱うかを議論しているのです。 ○神山委員 ただ、このワーキンググループの案も、外部の人を入れてパブリックコメ ントまでやって、その上で審議をして決めたことについては、それこそ部外者の委員も 責任を持っているわけですから、いいのではないかと思うのです。 ○永井委員 しかし慎重を期していただきたいということを言っているわけです。 ○望月座長 慎重を期することは問題ないと思いますので、そういう方向でいきたいと 思います。 ○笠貫委員 同じことの繰り返しで、切り口の違う話をします。1回目のパブリックコ メントの後に、自律性ということで、責任を持って自らを律するという形で、このワー キンググループで申し合わせを作り、分科会でそれを出すという方向で議論をしてきた と思います。先ほど政令の規程の話がありましたが、従来の枠組みでいったときに、自 らが自らを律してきたのですということだけで、国民のコンセンサスが得られるかどう かが、今問われているのだろうと思います。時代の変化のスピードでいったときに、ど ういう枠組みがいいのかということです。枠組みを従来どおりにしていると疑念が湧く のではないかというのは、私も永井委員と共通しているところだと思います。  先ほど事務局から出た(7)を変えるといった場合に、これを申し合わせの遵守事項とい うことではなくて、暫定ルールの改訂案だとするのも一つの方法です。1年間の暫定ル ールの改訂で、これだけの議論をしました、これだけパブリックコメントをしました、 これから1年間、分科会ではない外部の所で評価をした上で決めるというのが、一つの 考え方としてあります。これを事項として確定するのではなくて、暫定ルールの改訂と して、1年の間にルールとして決めるということです。 ○永井委員 11月、12月の末までにということですか。 ○笠貫委員 12月末まで評価委員会で最終的に決めるというのも、一つの考え方ではな いかと思います。前にもお話したように、今はディスクロージャーに対する考え方が、 国民の中でも乖離がありすぎますし、寄附金に対する考え方にも乖離があります。実際 に研究を進めていく一方、いいものを認可していこうというところでの寄附金のとらえ 方について、あまりにも乖離があるのです。それをどうやって埋めるかということで、 ここまで議論をされてパブリックコメントが出たというのは、今までにない一歩前進だ と思うのです。しかし、ここで決めるには、まだちょっと早いかもしれません。そうす ると、先ほどのいわゆる評価ワーキンググループで検討していただいて、今回はそれま での暫定のものを一歩進めた改訂だというとらえ方ができるかどうかを、考えていただ けたらと思います。 ○望月座長 いかがでしょうか。そういうようにまとまりつつあるお考えですが、御意 見をいただけますか。 ○神山委員 もし今、笠貫先生がおっしゃったように、しばらく暫定ルールを一歩進め たものとしてやっていくとしますよね。金額のこともいろいろ出てきていますよね。送 っていただいた資料のファックスの回答例は、50万円超300万円以下、300万円超500 万円以下というように細かくなっていたのが、今日いただいたものだと、50万円から500 万円の1本になっています。それは500万円がいいのか。50万円にしろということだと、 委員になる方がいらっしゃらなくなってしまうのではないかと思いますので、どの辺な のかということを今後、評価グループで参考にするために、前のように500万円を二つ に分けた方がいいと思います。ディスクロージャーという面からも、今後の検討のため にも、そちらの方がよかったのではないかと思います。 ○永井委員 もう一つは、先ほどお話した組織の問題です。これもいろいろな意見のあ るところです。 ○望月座長 これもペンディングで、宿題になっていたままですね。 ○永井委員 しかし、それもやはり年内に、第三者から見てどうかを決めていただいた 方がよいと思います。これを自分たちで決めるには、あまりにも複雑すぎます。 ○望月座長 ただ今の神山委員からの御指摘の点については、この遵守事項でそのよう に直すのか、あるいは名前は決まりませんが、ワーキンググループで検討していただく かのどちらかだと思うのです。神山委員のお考えは、現段階では直した方がいいという お考えでしょうか。 ○神山委員 評価ワーキンググループで決めるためにも、金額は細かくしておいた方が いいのではないかと思います。 ○望月座長 この遵守事項で細かくしようということですね。 ○神山委員 はい。 ○望月座長 ただ金額自身、根拠というのは難しいのですが、前回、神山委員が御指摘 のように、ヨーロッパとアメリカの事例を使うと。その点については特に反対はないで すよね。 ○神山委員 いいと思うのですが、ただ、50万円にすべきだという意見が一方にあって、 これでも厳しすぎるという意見も一方にあるときに、では、どんなものなのかという事 実を知っていくためにも、二つに分けていった方が検討しやすいのではないかと思うの です。 ○審査管理課長 神山委員の御発言についてだけ申し上げます。今後の検討にするので あれば、このワーキンググループのためにも調査をいたしましたが、ああいった形で、 おそらくより詳細な調査をしないとなりません。500万円を250万円で分けるのか、300 万円で分けるのか、200万円で分けるのかにしても、得られる情報はその両者でしかあ りません。今後の検討ということですと、他にもまだ調査すべきことがあるのかもしれ ませんが、次のワーキンググループのためにということですと、そこでお諮りして調査 事項を定めた上で、必要な調査をするということが考えられるのではないかと思ってい るところです。 ○笠貫委員 私も神山委員の意見に関しては、もともと目的が違うのだろうと思います。 この50万円と500万円というのは、議決に参加するか討論に参加するかという意味での 2種類の規程です。先ほどディスクロージャーになれないと言ったのは、ディスクロー ジャーの意義について、必ずしも国民が十分に深く受けとめていないということと、デ ィスクロージャーをする側にも、非常に戸惑いがあるということです。そういう中で、 今のワーキンググループでは、50万円と500万円の意味を付けたことを、ディスクロー ジャーすればいいということで進め、まずワンステップの進歩というようにとらえてや られる方が、いいのではないかと思います。そういう意味で次のワーキンググループが 最後にルールを決めるときには、先ほど事務局から出たように、もう少し詰めることが あるのだったら、実態調査をもっときちんとする方が、いいのではないかと思います。 ○日比野委員 50万円、500万円の件ですが、このパブコメを見ると、500万円以上の ケースは非常に少ないと言っています。たくさんの意見がありますから、やはりもう一 つ間に仕切りがあった方が、目安としては判断しやすいのではないかと思います。意味 が違うということもおっしゃいますが、国民から見てそこにまだ割り切れないところが あるのではないかと思うのです。先ほどの話で、例えばそういうデータの取り方をして いないので、過去2カ年遡るのは無理ではないかという気がしないわけでもないのです が、例えば新年度からだったら、そういうことも可能ではないかと思うのです。その分 を遡るところまでは求めないけれど、そういうことが技術的に可能ではないでしょうか。 どうでしょうか。 ○望月座長 ワーキンググループが考えて、来年の1月から適用する遵守事項、あるい は規程にそれを入れることは可能だと思うのです。 ○日比野委員 つまり新しい、例えば300万円にしろ、250万円にしろ。古いものを遡 ることは、ちょっと無理かもしれないけれども、入れるとしたら、そうやって入れるこ とは可能ではないかと思います。 ○望月座長 その段階で入れる方が分かりやすいと言いますか、理由が付くと思うので す。今は何か理由を無理矢理付けないと、300万円というのを入れるのが、「よく分か らない」と言われる方が出てくると思うのです。私は別にこだわるわけではないのです が、分かりやすいのは50万円と500万円という二つの金額なので、それが分かるように、 現段階でこの遵守事項でしておけばいいと思います。そして必要があれば、次の1年以 内に直していこうというところで、ある考えに基づいて入れていただく方が分かりやす いのではないかと、私自身は思うのですが、いかがでしょうか。よろしいですか。あま りこだわっても仕様がないかなという気がするのです。 ○神山委員 少なくとも分科会規程にするかどうかを検討していく段階で、もう一度実 態調査をやるということを約束していただければ、それでいいのではないかと思います。 ○望月座長 そういう形で、事務局できちんとしたデータを出していただくということ でいかがでしょうか。 ○日比野委員 検討事項として、具体的にそういうものも次の課題として、言葉として 残しておいてもらった方がいいと思います。 ○望月座長 では、それは5ページの4.の中に、今、先生が言われたようなことを入れ ておくことにいたします。やはり「検討」に入れるのですか。金額およびその割り方に ついても、データに基づいて検討するということを入れていただくということでよろし いでしょうか。  よろしければ改めてそういう形で、薬事分科会に提案させていただきます。これは薬 事分科会の申し合わせに基づく、本日の遵守事項案ということで進めていきたいと思い ますが、よろしいでしょうか。  それでは戻りまして、1.の「はじめに」について、何か問題点はありましたか。 ○日比野委員 あまり強くは主張しませんが、「このような医薬品の・・・産学官連携 活動は、何ら否定されるべきものではなく」という文句は要りますか。ここだけが非常 にムキになっているような感じがします。「連携活動が適正に」で、スーッと行った方 がいいと思います。ことさらムキに強調しているような気がするのです。 ○望月座長 ごもっともです。誰も否定していないのに、自分でそう言っているという ことですね。分かりました。その点はよろしいでしょうか。では、その一文というか、 「何ら否定されるべきものではなく」というのは抜かせていただきます。  他に何かありますか。奨学寄附金については、あえて入れたという点があります。こ れは先ほど笠貫委員が言われたように、将来、寄附金などに関して世の中の考え方が変 わっていくということを、ある意味で期待しているところですが。 ○岩田委員 今の部分です。趣旨としては、私も全く異論はないのですが、ちょっと唐 突な感じがするので、文章を直すか置き替えるか。しかし、これは最初に置いた方がい いという御判断だとすると、難しいのかもしれません。なぜいきなり奨学寄附金がここ に来るのだろうという印象を持つのです。公正のためにやるという趣旨を否定するつも りは全然ないのですが、何か文章を考えるか、もしくは置き場所を他の所に置くと。私 が思ったのは、終わりの所にも同じような文章がありましたよね。これは今思いついた だけなので、いい案かどうかは分かりませんが、6ページの最後から2行目に、「奨学 金も含め」というところがあるので、そういう所に機関経理されているというようなこ とを入れるとか。何か唐突さだけが気になるので、その部分だけはお任せいたします。 ○望月座長 確かに、意地になっているという感じにとられてしまうといけないですね。 では、そのような形で後ろに移すということでよろしいでしょうか。「なお、大学等に おける奨学寄附金については、調査によると約9割が機関経理されているところである」 というのを、「終わりに」の中のいちばん最後の適切な所に加えると。修文については、 事務局にお任せするということにいたします。「はじめに」について、他の点ではいか がでしょうか。よろしいですか。  では2.の「適用範囲」を御覧ください。これについてはいかがでしょうか。これは特 に問題のない所ですね。  3.の「委員等が申請資料作成関与者等である場合の取扱い」については、いかがでし ょうか。これも従来検討したことで、ほとんど変更はありません。  5ページの4.の「委員等が申請者等より寄附金・契約金等を受けている場合の取扱い」 ですが、この(1)(2)については、先ほどのような御意見に基づいて、ワーキンググルー プにおいて適切なデータを検討した結果、さらに再検討するということになります。 ○神山委員 4.のタイトルですが、「又は割り当てられている場合」というのを削って いますね。「パブリックコメントに対する考え方」の4ページの注4、契約金等の範囲 の最初の匿名の方に対する答えで、「4.において、寄附金・契約金等を受け取っている、 又は割り当てられている場合と修正するとともに」という前の文言のままになっている のです。私はこの間も質問したのです。「割り当てられている」という言葉で、この世 界では意味が通るものなのかどうかということと、折角入っていたのを削ってしまった のは、どうしてなのかということを伺いたいと思います。 ○審査管理課長 申し訳ありません。どうも事務局の整理が首尾一貫していないのだろ うと思います。と申しますのも、5ページの4.の表題では、今、神山委員が御指摘のと おり、「又は割り当てられている」という表現を削っておきながら、その下の(1)の3 行目では、「受取」の後に括弧をして、「又は割当て」というのを追加しようとしてお ります。また、パブコメに対する回答では、「受け取る」というのが自分の財布に入る かのような表現に受け取られてしまいますので、「割当て」というのを追加したと答え ているのに、この表題とは全く齟齬しております。ですから、元に戻させていただいて、 「又は割り当てられている」というのを復活させていただきたいと思います。恐縮です。 ○望月座長 そういうことでよろしいでしょうか。 ○神山委員 「割り当てられている」と言えば、大学などに入ったものを割り当ててい るということで、すべての方が誤解なく分かるわけですか。 ○永井委員 いろいろな意味があります。例えばオーバーヘッドを教授の名前でプール する場合があります。また、地方大学では講座の数が少ないので、教授の名前で奨学寄 附金が入り助手に割り当てられます。これは分かりやすいのですが、オーバーヘッドを プールして使う場合はややこしいですね。 ○神山委員 しかし、受け取るか割り当てるかのどちらかということ。 ○永井委員 基本的にはそうですが、まさに組織の場合、オーバーヘッドの問題が分か りにくいと思います。 ○望月座長 現段階では入れておいて、いずれ組織のことを検討するときに、これにつ いてもさらに詳しく見ていただくということでよろしいでしょうか。  「申告」については、開催日の年度を含め、過去3年という形にさせていただいてお りますが、これについてはよろしいでしょうか。  それでは6ページの(7)の「検討」ですが、これについて事務局の方で、案というのは ありますか。 ○審査管理課長 まず1点確認をさせていただきたいと思います。外部有識者を中心に という御意見と、先ほど永井委員から御発言いただいたのは当事者、言うなれば医薬の 専門家みたいな方は入らずに、もっと申し上げますと、逆に神山委員のような方は参加 しても、ということだろうと思います。そこはいかがでしょうか。 ○永井委員 寄附金等を受けている者は入らないということが重要です。医薬の専門家 であっても、寄附金を受けていない者は別によろしいのではないでしょうか。 ○樋口委員 私はいつも以上に自信のない発言をせざるを得ないので、うまく言えない のです。永井先生を説得することはとてもできないと、もう初めから白旗を掲げた上で 申し上げます。永井先生の潔癖な考え方は、やはりどうしても納得できないのです。ま た「これとは違う」とおっしゃると思いますが、男と女の設例と同じように、私の大学、 大学院では、博士論文の審査を5人でします。そして指導教員というのがいます。例え ば私が指導教員になっていて、その指導教員の学生がドクター論文を提出してきたとし ます。そこで、まず私を入れていいだろうかということが問題になります。これは当然、 入って然るべきです。しかし最近では、やはり主査にはならない方がいいだろうという 形で、副査になっているのです。しかし私を外してこの論文の審査ができるかというと、 絶対にできないのです。あえて言うと永井先生の案は、法学部の教員どころか、一般の 人にドクター論文の審査をせよと言っているかのように聞こえるのです。 ○永井委員 医学部では、指導教員は入りません。入れてはいけないルールとなってい ます。 ○樋口委員 そうですか。では法学部は潔癖ではないのかもしれないけれど、だからと いって、法学部の審査について、それで我々がそのドクター論文の審査結果を疑うこと はありません。それこそ医学部の先生は、法学部は汚い所だと思われるかもしれません が、我々は平気です。それは単なる誤解だからです。情実やそんなことではやっていな いからです。それはまさに我々が当事者なので、その審査の在り方がどんなものかを知 っているからです。しかも、専門外の人もわざと入れているのです。例えば法律の論文 などを審査するときは、政治の専門家も必ず入れるようにしています。ですから、いろ いろな目でドクターとしてふさわしい者かどうかということは、もちろんやっているわ けです。我々はこういう体制で、きちんとしたドクター論文の審査をやる、という責任 を持ってやっているという意識だけはあるのです。  利益相反の問題というのは、お金が絡んでいる話なので、どうしても痛くもない腹を 探られるというか、疑われていて、すごく気持ちが悪いという感じは私も非常によく分 かります。ですから、そのようなことを言うのだったら、全然関係のない人たちでルー ルを決めてもらって、我々はそれに従ってやることにしますというのも、考え方として は分からなくもないのです。しかし、やはりそれは、私は専門家の一種の責任の放棄だ と思っています。本当に痛くもない腹を探られても、それでも我々は大丈夫、やれるの です。  つまり、これは薬事行政なのです。しかも50万円とか500万円というのも、全くの形 式基準です。500万円以上もらったら、その人は真っ黒だとか灰色だというように疑う こと自体、本当はおかしいのです。しかし、他にルールがないから、とりあえずこのよ うなものをやっているだけです。やはり薬事行政に参加している本当の専門家が、これ は国民に対して公表しているという意味もありますが、第一義的には薬事行政なのです。 これが薬事審議会だとして、例えば永井先生が奨学何々金として、この企業から2,000 万円をもらっているとします。そうそう、2,000万円だと審議に参加できないから駄目 なので、350万円にしましょう。仮に350万円もらっているとします。しかし永井先生 の言うことはちゃんと的を射ているではないかということを、私や同僚たち、専門家た ちが、この 350万円という数字を見ながら判断しているわけです。そういうきちんとしたやり方で、 薬事審議会の中へ入れます。  長広舌で恐縮ですが、今の所でもう1点だけ申し上げます。先生は2ページの手続の 問題を問題にしておられます。今まで暫定的な申し合わせがあったけれど、それでどう かということを議論するために、上の分科会がワーキンググループを設けて検討するこ とにしたわけですよね。当該ワーキンググループのやり方は、薬事分科会の中でまずは こういうワーキンググループを作るということが了承されたはずです。全体でいちいち みんなやるのは大変なので、少人数で議論をしたらいいようなものかもしれませんから ね。  その一つのやり方としては薬事分科会の委員だけで、その中の少数の何人かに、「お 願いしますよ」と言って肩をたたいて、その人たちだけでやることもできたけれども、 そうではなくて、今回は委員5名の他に、外部有識者3名をわざわざ参加させています。 しかも関係者のヒアリングと、2度のパブリックコメントをやって、その上でワーキン ググループがまとめたものを薬事分科会に上げています。たぶん分科会では、これを否 定しないと思います。ワーキンググループの議論と結論を待ってやろうというのは、こ れはもう立派な手続を取っていることです。薬事分科会で決めることも、これだけの透 明性を図るようにしたという意味では公明正大です。例えば私がその委員だとしたら、 「全然恥じるところはありません」と言えると思います。それはやはり私には医学部の 潔癖さがなくて、汚い法学部から出てきているからなのかもしれませんが、そういうよ うに私は考えているのです。 ○永井委員 念には念を入れた方がよろしいだろうということです。 ○岩田委員 今、樋口先生が言われたことと同じようなことです。たぶん前々回ぐらい の会議のときも出たと思うのですが、諸外国と比べても、内容的にそれ以上、何歩か進 んでいるようなものができていると思います。さらにパブリックコメントの中では、薬 害被害者とか、患者の権利を守る人たちからもいろいろな意見が出ています。もちろん 一部には異論はありますが、その意見を見ても、かなり評価するという意見も出ている と思うのです。その上で内容もわりとしっかりしたものになっていますし、先ほどから 議論が出ているように、かなり手続も踏んでいます。もちろん永井先生がおっしゃるよ うに常に疑念とか、もっと念には念をという御懸念は、私自身も理解できるのですが、 私の印象としては、少なくともこの段階ではこれで行っても、十分ディフェンスできる というか、立派に誇れるものになっているのではないかと思います。 ○永井委員 ただ、分科会ではかなり当事者が多いので、ここの議論とはまた違ってき ます。私は1回、フィルターをかけた方が安心だと思います。 ○望月座長 樋口先生の御意見も分かりますが、そういう方向は一応御確認いただいて、 このグループとしてはどのようにいたしましょうか。 ○神山委員 今の(7)に、遵守事項の3ページの2.の(2)、「適用対象審議」の一般的な 案件を適用するのではなくて、これを準用するという形にして、ファックスで送ってい ただくようなものを、評価ワーキンググループの委員の候補者に先にやってもらうよう にすれば、先ほど永井先生がおっしゃったように、医学部系でも寄附をもらってなけれ ばいいということがクリアできるのではないかと思います。 ○望月座長 今の点は、ちょっと意味がつかめなかったのですが。 ○神山委員 ここの文言に入れるかどうかは、私も分かりませんし、一般的な審議と同 じように、どこまで範囲があるのかというのは難しいところですが、「検討」の(7)に、 「ワーキンググループの委員選定にあたっては、幅広い国民の意見を反映できるように 留意する」と書いてあるので、少なくとも毎回の分科会で出してもらうような、寄附を もらっているとかもらっていないというようなファックスを、事前に出してもらえば、 医学者の立場としては、安心して評価ワーキンググループに参加できるのではないかと いう気がします。永井先生は、そういう立場に立って心配しておられると思います。 ○永井委員 そういうことです。ですから医学関係者は専門家として、この評価ワーキ ンググループには入るべきだと思います。 ○望月座長 新しく作るワーキンググループから依頼があって、参考人として出ていた だいて、それに意見を述べるということについては、全然問題はないですよね。 ○永井委員 もう一つは、安心して委員になれる環境を作ることが、非常に重要だとい うことを申し添えたいと思います。 ○望月座長 (7)について、他にいかがでしょうか。また戻りますが、事務局の方で(7) についてのうまい文章をお願いします。 ○審査管理課長 正確に議論を反映できているかどうかは、今ひとつ自信がないわけで すが、役割ですので、案を読ませていただきます。(7)「外部有識者及び寄附金・契約金 等の受取実績が過去3年度の間、無い委員のみをもって構成されるワーキンググループ を設置し、本年末を目途に、本遵守事項の審議不参加等の基準や運用状況の評価、残さ れた課題を含め、必要な改善方策の検討を行う。なお、当該ワーキンググループの委員 選定にあたっては、医薬品等によって健康を害した者を含め、幅広い国民の意見を反映 できるよう留意する」。 ○神山委員 ワーキンググループを継続的にやるという方は、どうなってしまうのでし ょうか。 ○望月座長 このワーキンググループと、ここに書いた評価ワーキンググループとは、 多少性格が違うのです。 ○神山委員 そうすると、これは残して。 ○望月座長 (7)を残して(8)になるということですかね。 ○審査管理課長 「必要な改善方策」の中で、御議論いただくのではないかと思ったの です。一方において年1回評価をするというのは、別のグループを作るのかどうかです。 今回新しく作るワーキンググループの中に、「運用状況の評価」というのを入れており ますから、とりあえずこれで1年目の評価ができます。その後、継続的にやるというの は、その他にワーキンググループの結論として出てくるのかと思ったわけですが、いか がでしょうか。 ○望月座長 今後、評価ワーキンググループをどうするかという点も、このワーキング グループに任せて判断していただくという意味です。 ○神山委員 ただ一応念のために、今後継続的に評価をすることを否定するものではな いというようなことは、入れておいていただいた方がいいように思います。 ○望月座長 それは当然、どこかに入れていいわけですよね。 ○神山委員 年末までにというのと、年1回というのでは合わないのです。 ○笠貫委員 その後は委員会が、半年に1回というように決めてもいいし、定期的にや るわけです。 ○医薬食品局長 今修正したものでやると。とりあえず、これ自体は暫定になってしま うのですから。評価ワーキンググループを設置するというのは、それが本物になった暁 に、つまり年末までの検討が終わってからのものを、評価ワーキンググループを設置し て見直すということでしょう。 ○望月座長 神山委員の言われるのも、そういうことですよね。 ○神山委員 そういうことですが、何となくこれが全部そのまま抜けてなくなると、継 続的なことをしないようにも受け取られかねないので、今後も継続的な評価をしないわ けではないということが入った方がいいかと思うのです。 ○医薬食品局長 (8)か何かを設けた方がいいですよ。(7)の作業終了後に検討策を行っ て、遵守事項をどういうように表現するか、最終版のようなものができた暁には、評価 ワーキンググループをつくって、原則年に1回、運営状況の評価などをやっていくとい うことです。 ○望月座長 そういう考えについては、委員の先生方もみんな一致していると思います。 ○樋口委員 まず質問の形で申し上げます。第1点は医療者の参加の話です。参考人と して出てくるというのが一つで、それからメンバーとして参加するのもありだけれど、 そこに過去3年、一切寄附金等を受けたことがない者という条件を付けるということで すね。この過去3年間、一切寄附金を受けたことのない者というのが、本当にいらっし ゃるのかどうかというのが第1問です。 ○望月座長 例えば過去3年で50万円以下のというのがないと困ることになるかもしれ ません。どこかで講義でもすれば、必ず謝礼というのが出てきますから、それも全部切 っていってしまうと、確かに樋口委員がおっしゃったように、どなたもいらっしゃらな くなってしまいます。 ○樋口委員 そういうのを真っ白と言うのかどうかはよく分からないのですが。 ○望月座長 それはやはりある幅を持たせないとまずいのではないかという気がしま す。 ○樋口委員 私が質問するのは簡単ですが、調べてみないと分からないのでしょうね。 関係のない話で恐縮ですが、私が今日遅れてきたのは、別の検討会に出ていたからです。 それは医療事故に関して自律的な第三者機関、専門組織を立ち上げて、そちらで死因究 明と再発防止を図って、医療安全を図っていこうという趣旨の委員会です。この何年か、 どういう状況だったかというと、医療事故があった場合に、警察に頼っていたのです。 それで警察の方が入ってきて捜査をするということになりました。では捜査で真相が究 明されるかというと、必ずしもそういうことはありません。それこそ捜査員というのは、 医療が全然分からない第三者です。そういう第三者がルールを作って、起訴をするかし ないかというような話でやってきた。  これでは本当の意味での医療安全はできない、本当の意味で専門家への医療不信を取 り除くためには、医療者が中心になって、自分たちがちゃんとやるという態度を示すこ とが必要だという話で、そちらの検討会をやってきているのです。もっとも、お医者さ んの中にも、それはなかなか理解してもらっていないのですが。  この利益相反の問題も、私は同じようなことを永井先生は考えておられるような気が するのです。誰かに任せて、とにかくルールを作ってもらい、我々はそれに従うという 話で医療者への不信というのが取り除けるかといえば、それは違うと思います。 ○永井委員 そういう問題とは違います。 ○樋口委員 例えば今でも、寄附をもらった人は、もう完全に黒だという話ですよね。 黒だと自分は思っていないけれども、第三者は思うだろう、国民は思うだろうという人 がいるから、それは耐えられないというわけですね。そういう話でやってしまって、本 当の意味で医療者への、薬事行政への信頼が勝ち取れるかというと、私は絶対にそんな ことはないと思うのです。そういう結論や方向性は逆コースなのです。永井先生が本当 に「慎重の上にも慎重を」と言うのだったら、百歩譲って1回だけ、そういうことをや ってもいいかもしれません。馬鹿馬鹿しい結果になるだけだと私は思いますが、それも 何の根拠もないから偏見かもしれません。しかし継続してやる委員会に、自分で寄附金 をもらっているような医療者が参加できないような組織にするのは、私自身は反対です。 ○望月座長 継続的にやる委員会のメンバーについては、まだ正式には話し合っていな いので、少なくとも暫定事項に基づいて、この1年以内、12月までに新しい遵守事項を 作るか、新しい規程を作るかということです。そこには医療関係者は抜くと言ったらお かしいのですが、過去3年間にいくら以上の寄附をいただいていない方に集まっていた だき、法律やいろいろな外部有識者にやっていただきます。その先の将来の恒常的な評 価ワーキンググループについては、やはり医療関係者が入らないとおかしなことになる と思います。ですから最初の基準を作るところだけは、一度そういう所に出して、外部 有識者あるいは法律の専門家に検討していただきます。そこに参考人として呼ばれる分 には、永井先生も笠貫先生も全然問題がないということなので、作り上げる段階までと その先というのは、やはり分けて考えたいと思います。そういうことでよろしいですよ ね。 ○永井委員 樋口先生のお考えもある程度分かるのですが、例えば産学連携を自らの発 意で、自ら主体的に担っていく場合と、行政の一環として、審査を行政から依頼されて 行う場合とでは違うと思います。例えば立候補制、公選といった場合には、自らやるべ きだと思います。しかし私は、任用基準の問題が、この指針策定の裏にあるということ をいつも主張しているつもりなのです。 ○望月座長 いかがでしょうか。では、もう一度修文できましたら、審査管理課長から お願いします。 ○審査管理課長 (7)「外部有識者及び寄附金・契約金等の受取実績が過去3年度、いず れの年度も50万円以下である委員のみをもって構成されるワーキンググループを設置 し、本年末を目途に、本遵守事項の審議不参加等の基準や運用状況の評価、残された課 題を含め、必要な改善方策の検討を行う。なお、当該ワーキンググループの委員選定に あたっては、医薬品等によって健康を害した者を含め、幅広い国民の意見を反映できる よう留意する」。  そして(8)を新たに起こして、「上記のワーキンググループによる検討を終了した後に あっては、分科会に評価ワーキンググループを設置し、原則、年1回、運用状況の評価、 必要な改善方策の検討を継続的に行う」という形でいかがでしょうか。 ○望月座長 ここはいかがでしょうか。 ○神山委員 「ワーキンググループの委員選定にあたっては」というのも、(8)の方に来 るということですか。それは行かないのですか。 ○望月座長 同じように、「医薬品等によって健康を害した者を含め、幅広い国民の意 見を反映できるように留意する」というのは、当然入れますよね。 ○審査管理課長 両方とも同じ文章をなお書きで入れるのもどうかと思いますので、そ こは文章上、工夫をいたしますが、その趣旨が両方に入るようにします。 ○望月座長 そういう形で(7)(8)を入れたいということですが、これについて御意見を いただけますか。 ○西島委員 医療従事者で50万円以下ということですが、実際にそういう基準で、適切 な方が選べるのでしょうか。私には非常に難しいように思えるのです。 ○望月座長 医療従事者はほとんどいなくなる。 ○永井委員 それを社会が考えていただきたいのです。当事者に任せるのではなくて、 50万円なのか、100万円なのか、0なのかというのは、まず社会が考えることだと思い ます。 ○望月座長 こういう状況ですと、医療従事者が入らないかもしれないですね。入らな いから駄目ということではないと思うのです。 ○永井委員 ですからそのときに考えて、では50万円を100万円にしましょうと改訂す ればいいわけです。ただ、その変更を当事者自らがおこなうと、利益相反が疑われてし まうという矛盾を抱えているということです。 ○望月座長 そういうことですので、一応今の修文に沿って作りたいと思いますが、よ ろしいでしょうか。それでは4.は終わります。  5.の「終わりに」で、何か問題点はありましたか。最後の「なお」の所に、「はじめ に」から奨学寄附金についての事項を移動するということを含めて、御検討いただきた いと思います。 ○日比野委員 これは薬事分科会が、委員に対してはこうせよとか、ああするなという ことを言うわけですから、この「なお」の最後の「不適切な関係があるかのような誤解 が生じないように」というのは、生じさせないとか、誤解を与えるなよという意味でな いとおかしいのではないですか。「生じないように」というのは、ちょっとよそ事みた いです。これは委員に対して、国民に誤解を与えないように希望するということを言い たいのではないですか。どうでしょう。言葉として、生じさせないように希望するとか、 誤解を国民に与えないように希望するという意味でないといけないのではないでしょう か。 ○総務課課長補佐 これはそうさせないようにという意味ではなくて、まさに国民に対 するメッセージです。寄附金等の多寡をもって、不適切な関係があるかのように誤解し ないでくださいということを、薬事分科会として希望するということです。 ○日比野委員 国民に対して言っているわけですか。 ○総務課課長補佐 国民に対するメッセージです。 ○日比野委員 この最初のパラフレーズは、各位に対してちゃんとやりなさいというこ とでしょ。そして2番目が、我々はちゃんと見直しをやりますということですよね。そ れなら3番は、はっきり言ったら国民ということをどこかに入れないと、意味が中途半 端になるのです。 ○神山委員 この文章そのものを入れなくてはいけないのですか。「国全体として推進 されているものであって」の後に、「はじめに」から「約9割が機関経理されていると ころである」というので終わりにしてしまっても。誤解をしないように希望してもしな くても同じではないかと思うのです。 ○総務課課長補佐 今回の議論の発言の中にもあるかと思いますが、やはり利益相反と はどういうものか、あるいは奨学寄附金や契約金を受けていることに対しての間違った 認識があることが、そもそも問題だろうと思っております。これは薬事分科会としても、 メッセージとして残すべきではないかと思います。この認識が改まらない限り、正しい ことを正しくしようとする人たちが、逆にある意味でリスクを負ってしまうことになる のだろうと思いますので、このメッセージは、私は強く残すべきメッセージだと思って おります。 ○神山委員 メッセージを残すべきだというのは分かります。しかし、これは自分たち の遵守事項ということで作っているわけです。その最初に「遵守事項について」という ような一枚紙があって、その一枚紙の中にこういう文章があって、国民へのメッセージ ということなら分かるのですが、自分たちの間の遵守事項の中にこういうものを入れる というのは、何となく筋が通らないのではないかという気がするのです。 ○望月座長 遵守事項は4.で終わって、最後の5.はすべての解説というような形になり ますかね。確かに付録かもしれません。そういう意味でこれを入れていただいて、将来 的には寄附金というものに対する考え方が変わっていくことを期待します。 ○神山委員 「必要な改善を図っていくこととする」ぐらいで、終わりにしてしまった 方が潔くないですか。 ○総務課課長補佐 「生じないよう、必要な改善を図っていく」ということですか。 ○神山委員 「評価ワーキンググループの意見等を踏まえ、必要な改善を図っていくこ ととする」と書いてあるので、ここで終わりにして、この下の文章は、これを発表する ときにメッセージとして、厚生労働省側から1枚付けていただくということです。 ○審査管理課長 ワーキンググループの御決論に従いますが、今回のパブリックコメン トを見ますと、まさしく神山委員が指摘された所を削除すべきだという意見もあると思 います。一方において多くの委員から言われておりますのは、やはりこの点なのです。 委員会としてもこの点を、何らかの形で出していくべきではなかろうかと考える次第で す。あくまでも形式のような形でこれをやるのか、遵守事項の1枚目に表紙を作って、 そこに「次のとおり定める」とか、みんなで守っていきましょう、なお、国民にあって もこのようなことをお願いしますという形で書くというやり方もあると思います。今の ところは「なお」をやめて、「国民にあっても」とか「希望したい」とか、そのような 形で書くというのも、分科会としてはあるのだろうと思います。ワーキンググループの 中での御議論をお願いしたいと思います。 ○日比野委員 私は神山先生の言われるのでも、どちらでもいいのです。話しかけてい る人が違うので、委員と混同するのです。先ほど言ったように、「国民に対して」とい うようなものが入って、これはメッセージの相手が違うということを明確にきちんと区 別してくれれば、別紙であろうと、ここに入れてもどちらでもいいのです。そこの区別 だけはしてほしいのです。 ○望月座長 6.にして入れるということでしたら、よろしいですか。やはりこのメッセ ージは入れておきたいですね。 ○笠貫委員 先ほど樋口委員の言われたことは、基本的にもっともだし、研究に従事す る者にとって、寄附金がどうあるかということを、きちんと国民に伝えたいのです。そ れによって国民に利益をもたらす医学の進歩がある、一方で良い薬、機器を認可するた めに、我々も参画すべきだということがあります。先ほど疑念という話をしましたが、 そこに実際の共通認識がない限り、共通言語がない限り、意見を言えば言うほど、誤解 が生じてしまうわけです。この悪循環をどうやって直していくかということを、考えて いるのだと思います。  そういう意味で1回目のパブコメの後に、寄附金とは何ぞやという共通認識を持てな い、共通言語がないというところで、先ほどから悩んでいるのです。これからは共通言 語を持たなければいけないし、ディスクロージャーについても共通認識を持たなくては いけません。  先ほど先生が言われた医療事故の問題もそうですが、これからの利益相反というのは、 全部にかかわってくる問題です。今後のあるべき姿として、最後でなくてもいいので、 是非1ページに書いていただければ、多分これからの大きな意味をもつと思います。私 が先ほど、枠組み自身を考えないといけないかもしれないと言った問題はそこなのです。 メッセージとして、このワーキンググループで議論されたいちばん本質的なところは、 そこにあると思うのです。現実的には今言ったような遵守事項として提案するのであっ て、本当にあるべき姿としてのメッセージを、いい文案でいい場所に入れていただけれ ば幸いです。 ○樋口委員 私もこの文章を排除するというのは賛成できません。昔の学生時代等、私 の世代も「産学連携」というのは悪い言葉だという中で育ってきました。しかし、今や そうではないのです。「こういうメッセージが入ってくると嫌だ」と言う人は、たぶん 私と同じような世代か、同じような思考を持っている人たちだと思うのです。そういう 古い考えが全部間違いかというと、そのようなこともないとは思います。産学連携には やはりリスクがあって、当然利益相反の問題も生じてくるけれども、それをまさに適正 に処理しながら、いいところを進めていくという話でないと、前向きな話ができません。  ですから、そういう前向きな話はこの中に入れ込んでおくべきなのです。6.でも、最 後でもいいです。日比野さんがおっしゃるように、誤解が生じるようであれば6.にして、 「なお、国民の皆様におかれましても」と言って、最後ははっきり文体も変えて、「希 望いたします」とする。国民の皆様に対しては、ですます調でもいいのです。そういう 話で、こういう姿勢であるということを明らかにする必要があると思います。  その上で、もうすでにこの文章とは関係のない、もう一方の話をいたします。我々ワ ーキンググループは、ここで薬事審議会等の審議参加に関するルール作りというのをや ってきました。結局は今、笠貫先生がおっしゃっていたように産学連携の在り方という か、製薬会社や医療機器メーカーが大学その他の研究機関に対して、どういう形で援助 をするのがいいのかということが、後ろにあるわけです。しかし寄附をすると、すぐに 疑いたくなるような人たちがいるわけです。それは実態がなかなか分からないからです。  また実態も「奨学寄附金」と言いながら、やはりいろいろな形で、もしかしたら紐が 付いている所もあるかもしれません。しかしきちんとやっている所もあります。そうい う所が9割という話ですが、全部ではないので、やはりこの分野での産学連携の在り方 を、製薬会社等から大学の研究機関に、研究の基礎を後押しするような寄附というのは、 本当の意味での公益的寄附だと思うのです。そういうものを推進するようなルールをど こかで作っていけば、そのルールに従った寄附を受けているのだからという話になって、 委員の方たちも安心できるわけです。そのルール作りに製薬会社の人も入らない、寄附 を受けている大学の医学部の先生も一切入らないということで、本当にできるかという と、私は絶対にそうではないと思います。やはり産学連携の適正な在り方を、社会的な ルールとして作っていくことが、むしろ、ここから出てくる本当の意味での課題ではな いかと思いました。 ○望月座長 ありがとうございます。非常によいまとめと言いますか、方向性をお示し いただいたと思います。 ○永井委員 おっしゃるとおりだと思います。ですから、まずは本当にクリーンなとこ ろから始めてみて、作り直すべきだと思うのです。社会はこういうものを一体どう望ん でいるかということが、基盤にないといけないと思います。そういうインフラをつくる 時期に、今きているのではないかと思います。 ○望月座長 このワーキンググループでは、その骨組みを作らせていただいて、評価ワ ーキンググループに提示するという役割でいいわけですね。今の「終わりに」以下につ いて、事務局の方ではよろしいでしょうか。 ○審査管理課長 今の樋口委員の御発言に沿って6.を立てることにし、「国民の皆様に おかれましては」ということで、ですます調で書くことにいたします。基本的にはいち ばん最後のパラグラフと同じ趣旨を、ですます調に変えるということにさせていただい て、案文はメール等で、最後に御確認いただくことにさせていただきます。よろしくお 願いいたします。 ○望月座長 そういうまとめでよろしいでしょうか。あと、全般的なこと、あるいはパ ブリックコメントに寄せられた意見に対する考え方の案について、何かお気付きの点が ありましたら、御指摘いただきたいと思います。 ○神山委員 全然違うことですが、いちばん最後の「審議会議事録の公開について」と いう文書の位置づけが分からないのです。これはワーキンググループがこういうことを 決めたという文章ですか。そうすると「薬事分科会に提出し、御議論いただき」などと いう丁寧な言葉を使っているのも、何となくどうなのかという気がするのです。名前が 全然ない文章なので、どういう位置づけなのかというのが分からなかったのです。 ○総務課課長補佐 資料の作り方が不十分だったことはお詫び申し上げます。これは以 前に出して、このワーキングで御議論いただいた資料をできるだけ活かした形というこ とで、こういう形にさせていただきましたので、そうなっております。位置づけとして は、まずこの内容について御了解いただけるのであれば、今回の利益相反の遵守事項と は別にして、審議会の議事録の公開について、ワーキングとしてはこういう結論に達し たということで、書き方は少し改めた形で、薬事分科会の場に上程させていただき、御 議論いただくという形にしたいと思います。 ○望月座長 そういうことでよろしいでしょうか。他に御意見はありますか。それでは 事務局の方で本日の結果を全体的に確認して、一応皆さんの意見をまとめていただきま すと、どういうようになりますか。 ○総務課課長補佐 文言等は、さらに修正しなければいけない部分があります。若干早 足で内容を確認させていただきます。申し合わせの1ページの(1)の真ん中辺りは、「何 ら否定されるべきものではなくて」を取ります。それから「なお書き」で書いてある機 関経理されているという部分は、後ろに持って行きます。イメージとしては、最後に6. で入れることにした部分です。国民に対するメッセージとして入れるような形で、文言 を修正させていただこうと思っております。  あとは5ページの4.です。表題については、「契約金等を受けている又は割り当てら れている場合の取扱い」という形にさせていただきます。  6ページの「検討」の部分は、(7)を「外部有識者及び寄附金・契約金等の受取実績が 過去3年度、いずれの年度も50万円以下である委員のみをもって構成されるワーキング グループを設置し、本年末を目途に本遵守事項の審議不参加の基準や運用状況の評価、 残された課題を含め、必要な改善方策の検討を行う」とします。そして後ほど出てくる (8)で、また別のワーキングについても述べますので、「なお、本ワーキンググループ及 び評価ワーキンググループの委員選定にあたっては、医薬品等によって健康を害した者 を含め、幅広い国民の意見を反映できるよう留意する」という形にさせていただきます。  そして(8)として、「上記のワーキンググループによる検討を終了した後にあっては、 分科会に評価ワーキンググループを設置し、原則年1回、運用状況の評価、必要な改善 方策の検討を継続的に行う」という形にさせていただきます。 最後の部分は、今の「なお書き」の部分を6.という形にさせていただきます。例えば「国 民の皆様におかれましては」とか、ここにあるような文章で、「を希望いたします」と いう形で、文言は後ほど、ですます調に直させていただくということで、遵守事項につ いては御了解いただいたというように理解しております。 ○望月座長 委員の先生方、よろしいでしょうか。 ○総務課課長補佐 よろしければご了解いただいたものとして、3月24日に予定してお ります次の薬事分科会に上程させていただければと思っております。詳細については先 生方に、またメール等で確認させていただきたいと思います。  それでは最後に、高橋医薬食品局長の方から御挨拶をしていただければと思います。 ○医薬食品局長 委員の皆様方におかれましては大変お忙しい中、昨年6月から10カ月 間にわたり、精力的に御議論いただきまして、本当にありがとうございました。  最初に、紹介のときにも申し上げましたが、今日の御議論にも出ておりますように、 国としても樋口先生がおっしゃっているような、いい意味での産学間の連携を進めてい るところです。また「小さい政府」ということが言われており、今後は国自身が大きな 補助金をもって振り分けるというよりは、全体的には民間が研究機関に寄附を持ってい くというスタイルの方が、むしろ多くなるのだろうという方向で、今、施策は進んでい るはずです。逆に言えば、国や公務員が間に立って補助金を配分していくというのは、 やはり専門性においては若干、もちろん、それぞれの持ち味はありますが、すべての専 門性を持っているわけではありません。そういった意味では別に医薬品に限らず、民間 のメーカーなどが研究機関に寄附金を出すということは、知る者が知る者に対して寄附 をするということです。そういった方向は、今後とも進んでいくのだろうと思います。  医薬品の場合、メーカーが研究機関に寄附を持っていくということは、いい医薬品を 作ってくださいということをお願いしているわけです。そうすれば当然受け取った側は、 もちろん自分のポケットに入れるわけではないけれど、寄附金という格好で一応研究費 を使って、そういう資金を受け取っているという形になるわけです。そこのところを絞 ってそれを排除するということは、逆に知る者が審査のプロセスから排除されていくと いうことになります。ですから正直申し上げて、そこをあまりきつくやると、私どもの 医薬品の承認の行政というのは、たぶんストップしていくという危惧を、私は実際に持 っております。  特に最近は専門性が非常に進んでおり、非常に患者さんの少ない分野の薬が多うござ います。そういたしますと、限られた専門家はごく少数です。その方々がメーカーと全 くつながりがないなどということはあり得ません。今回は基準、ルール作りのプロセス ですので、今日のお話を受けてお作りいただいたルールを、もう1回評価してという格 好になるかと思います。樋口先生からもお話がありましたように、きちんとした自律と 言いますか、オートノミーが保たれたルールというのが、どうしても必要だろうと思い ます。今後とも何とぞ御理解と御協力を賜りたいと思います。本当にどうもありがとう ございました。今後ともよろしくお願いします。 ○望月座長 どうもありがとうございました。本日に限らず、毎回、非常に長時間にわ たり、非常に熱心に御議論していただきました。私自身、座長としての能力はほとんど ないのですが、皆さんに助けていただいて、とにかく最終的な案まで持っていけたとい うことは、逆に非常に感謝しております。どうもありがとうございました。それでは以 上で閉会とさせていただき、ワーキンググループもこれで最後の会ということになると 思います。                             ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 総務課 課長補佐 菊池(内線2714)