08/03/04 厚生労働省関係審議会議事録等 その他(検討会、研究会等)                  平成19年度第3回       化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会                   日時 平成20年3月4日(火)                15:00〜             場所 金融庁(中央合同庁舎第7号館)9階共用第2会議室 ○永野化学物質評価室長補佐 定刻よりまだ少しございますが、委員の皆様方お集まり のようでございますので、ただいまから平成19年度第3回化学物質による労働者の健 康障害防止に係るリスク評価検討会を開催させていただきます。  本日は大変お忙しい中、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。本日は大 前委員よりご欠席の連絡が入っております。また、本日もオブザーバーとして厚生労働 省の委託により、リスク評価事業を実施している中央労働災害防止協会化学物質管理支 援センターからもご出席をいただいておりますことを申し上げます。以後は座長の櫻井 先生にご進行をお願いいたします。  ○櫻井座長 それでは議事に先立ちまして、資料の確認をいたします。事務局からお願 いします。 ○永野化学物質評価室長補佐 いちばん上が検討会次第で、次が配付資料一覧です。資 料3-1が前回の議事概要(案)です。資料3-2が検討会の報告書(案)です。あと参考 1で1枚もので特定化学物質の主な規制一覧の資料、参考2で特殊健康診断項目等の検 討のための小検討会の設置について(案)という資料です。 ○櫻井座長 よろしいでしょうか。それでは議事に入ります前に前回議事録の確認を行 いたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。 ○永野化学物質評価室長補佐 資料3-1は第2回の検討会議事概要(案)です。委員の 皆様方には事前にお送りをいたしまして、特段ご意見があればということでしたが、い まのところご意見はいただいておりません。 ○櫻井座長 それではいま(案)となっていますが、これを確定ということにしてよろ しいでしょうか。                 (了承) ○櫻井座長 では、そのようにさせていただきます。今日の議事の1、報告書(案)の 検討を行うことにいたしたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。  ○永野化学物質評価室長補佐 資料3-2です。「平成19年度化学物質による労働者の健 康障害防止に係るリスク評価検討会報告書(案)」です。主要な部分は読み上げまして、 その他の部分については要点を説明させていただきたいと思っています。  目次です。1、はじめに、2がリスク評価の手法、3がリスク評価対象物質、4がリス ク評価結果、5がまとめということで、構成については昨年度の報告書と同じ構成にし ています。あと参考資料として有害性総合評価表と、ばく露作業報告の集計表を付けて います。  1頁です。1、はじめに(1)の経緯を読み上げさせていただきます。  (1)経緯、職場における化学物質は、その種類が多様で、かつ、化学物質を取り扱 う作業も多岐にわたる中で、化学物質による職業性疾病の発生は依然として後を絶たな い状況にあること等を踏まえ、平成16年5月に「職場における労働者の健康確保のた めの化学物質管理のあり方検討会報告書」(案)がとりまとめられた。同報告書は、化学 物質の管理は、事業者が自ら当該物質の有害性等と労働者の当該物質へのばく露レベル に応じて生ずる健康障害の可能性及び程度について評価(リスク評価)を行い、必要な 措置を講ずる自律的な管理が基本であるとしている。同時に、中小企業等では自律的な 化学物質管理が十分でないこと等を考慮して、国自らも必要に応じてリスク評価を行い、 健康障害発生のリスクが特に高い作業等については、製造等の禁止、特別規則による規 制を行うなどの国によるリスク管理が必要であり、また、国によるリスク評価を可能と するためには、事業場における労働者の作業内容、作業従事労働者数、作業環境等のば く露関係情報を収集し、提供する仕組みが必要であるとしている。  また、がん等の疾病は、化学物質へのばく露の後、長期間を経過して発症する場合が あること等を考慮すると、職業性疾病が発生していない段階においても、化学物質に対 する予防的取組を踏まえた管理が必要であるとしている。  さらに、平成16年12月27日の労働政策審議会建議「今後の労働安全衛生対策につ いて」において、国は有害化学物質について、化学物質に係る労働者の作業内容等のば く露関係情報等に基づきリスク評価を行い、健康障害発生のリスクが特に高い作業等に ついては、リスクの程度等に応じて、特別規則による規制を行う等のリスク管理を講じ ることが必要であるとされている。  これらを受けて、平成17年5月に報告された「労働者の健康障害防止に係るリスク 評価検討会報告書」において、(1)国が行う化学物質による労働者の健康障害防止に係る リスク評価の考え方及び方法、(2)リスク評価の結果に基づき国が講ずべき健康障害防止 措置及び、(3)ばく露関係の届出について基本的考え方がとりまとめられた。そして、平 成18年1月に公布された改正労働安全衛生規則において、有害物ばく露作業報告が創 設され、平成18年度においては、リスク評価対象物として、(1)エピクロロヒドリン、 (2)塩化ベンジル、(3)1,3-ブタジエン、(4)ホルムアルデヒド及び(5)硫酸ジエチルの5物 質について報告の対象とされた。  これらの物質の労働者の健康に及ぼすリスクを専門的に検討・評価するため、平成18 年9月に「化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会」が設置され、 平成19年4月に、これらの5物質のリスク評価の結果を取りまとめ、公表を行った。  平成19年度においては、(1)2,3-エポキシ-1-プロパノール、(2)塩化ベンゾイル、(3)オ ルト-トルイジン、(4)クレオソート油、(5)1,2,3-トリクロロプロパン、(6)ニッケル化合物 (ニッケルカルボニルを除く。)、(7)砒素及びその化合物(三酸化砒素を除く。)、(8)フェ ニルオキシラン、(9)弗化ビニル及び(10)ブロモエチレンの10物質が、有害物ばく露作業 報告の対象とされ、本検討会において引き続きこれらの物質の労働者の健康に及ぼすリ スク等について、検討を行った。本報告書は、本検討会における平成19年度評価対象 10物質のリスク評価の結果をとりまとめたものである。  (2)の参集者と(3)開催経過は割愛させていただきます。  2、リスク評価の手法ですが、多少、昨年度から修正はしていますが、基本的な考え 方は大きくは変わっていませんので省略させていただきます。  9頁が3、リスク評価対象物質です。今年度はIARCで1もしくは2Aに分類されてい る物質で労働安全衛生法に基づくMSDSの対象物質になっているもので、特化則等でま だ規制されていない物質。(2)の表にあります1〜10までの物質について選定をしてい るということです。  11頁が4、リスク評価結果です。(1)2、3-エポキシ-1-プロパノール、(1)の物理的性 状等については省略させていただきます。(2)の有害性評価です。詳細な評価表は参考の 1-1に添付していますが、発がん性の部分と許容濃度、このリスク評価表の評価値につ いて載せています。許容濃度については、12頁でACGIHのTLV-TWAの2ppmです。 このリスク評価の評価値としては、一次評価値が0.00033ppm、二次評価値が2ppm、 (ACGIHのTLV-TWA)。(3)と(4)については読み上げさせていただきます。  (3)ばく露実態評価のア、有害物ばく露作業報告の提出状況。(詳細を参考2-1に添付) 平成19年度における2,3-エポキシ-1-プロパノールに係る有害物ばく露作業報告は、合 計6事業場から、7作業についてなされ、作業従事労働者数の合計は178人(延べ)で あった。また対象物質の取扱量の合計は約1万6千トン(延べ)であった。7作業のう ち、作業従事時間が20時間/月以下の作業が100%、局所排気装置の設置がなされて いる作業が14%、防毒マスクの着用がなされている作業が43%であった。  イ、ばく露実態調査結果。2,3-エポキシ-1-プロパノールを製造し、または取り扱って いる事業場に対し、6の単位作業場において作業環境測定基準に基づくA測定を行うと ともに、特定の作業に従事している12人の労働者に対する個人ばく露測定を行ったと ころ、A測定における測定結果の幾何平均値は0.009ppm、最大値は0.041ppmであっ た。また個人ばく露測定結果の幾何平均値は0.006ppm、最大値は0.075ppmであった。 その図が4-1です。  (4)、リスクの判定及び対策の方向性。A測定、個人ばく露測定の双方において、一次 評価値は超えているが、測定したいずれの事業場においても二次評価値以下であったこ とから、リスクは低いと考えられる。しかしながら、当該物質は、有害性の高い物質で あることから、事業者においてリスク評価を実施し、引き続き適切な管理を行う必要が ある。  1点申し忘れましたが、12頁の3行目です。1.0×10−3μg/m3とありまして、これ はmgの間違いですので訂正をお願いいたします。  次は14頁の(2)塩化ベンゾイル、(1)の物理的性状等は省略させていただきます。(2) が有害性評価で、許容濃度がACGIHのTLV-Ceiling:0.5ppm、ウ.評価値が一次評価値、 これは評価値はなしということで、二次評価値が0.5ppm、(天井値)です。ACGIHの TLV-Ceiling:0.5ppmです。  (3)、(4)を読み上げさせていただきます。(3)ばく露実態評価。ア、有害物ばく露作業報 告の提出状況(詳細を参考2-2に添付)。平成19年度における塩化ベンゾイルに係る有 害物ばく露作業報告は、合計35の事業場から、50の作業についてなされ、作業従事労 働者数の合計は350人(延べ)であった。また、対象物質の取扱量の合計は約8千7百 トン(延べ)であった。50の作業のうち、作業従事時間が20時間/月以下の作業が90%、 局所排気装置の設置がなされている作業が56%。防毒マスクの着用がなされている作業 が66%であった。  イ、ばく露実態調査結果。塩化ベンゾイルを製造し、又は取り扱っている事業場に対 し、9の単位作業場においてA測定を行うとともに、12の単位作業場所においてスポッ ト測定を行ったところ、A測定における測定結果の幾何平均値は0.012ppm、最大値は 0.037ppmであった。また、スポット測定における測定結果の幾何平均値は0.010ppm、 最大値は0.042ppmであった。(図4-2)。なお個人ばく露測定については適当な捕集剤 がないため、実施していない。  (4)リスクの判定及び対策の方向性。A測定、スポット測定の双方において、測定した いずれの事業場においても、二次評価値以下であった。これらの値は最大でも二次評価 値の10分の1以下と十分に低いレベルであることから、個人ばく露のレベルについて も二次評価値以下であると考えられ、リスクは低いと考えられる。しかしながら、当該 物質は有害性の高い物質であることから、事業者において、リスク評価を実施し、引き 続き適切な管理を行う必要がある。  17頁(3)オルト−トルイジン。(1)物理的性状等は省略させていただきます。(2)有害 性評価でアが発がん性、IARCの2Aです。イで許容濃度等でACGIHのTLV-TWAが 2ppm。日本産業衛生学会の許容濃度が1ppmです。評価値は一次評価値、2.9とありま すが、二次評価値より高い値なので参考ということです。二次評価値が1ppm日本産業 衛生学会の許容濃度です。一次評価値は、発がんに係る試験で得られた無毒性量に不確 実性係数を考慮して求めた値であるが、二次評価値は 経皮吸収を含めばく露を極力抑 制する目的で定めているため、一次評価が二次評価値を超えている。  (3)ばく露実態評価、ア、有害物ばく露作業報告の提出状況(詳細を参考2-3に添付)。 平成19年度におけるオルト−トルイジンに係る有害物ばく露作業報告は、合計19の事 業場から、22の作業についてなされ、作業従事労働者数の合計は153人(延べ)であ った。また、対象物質の取扱量の合計は約1千9百トン(延べ)であった。22の作業の うち、作業従事時間が20時間/月以下の作業が68%、局所排気装置の設置がなされて いる作業が64%、防毒マスクの着用がなされている作業が68%であった。  イ、ばく露実態調査結果。オルト−トルイジンを製造し、又は取り扱っている事業場 に対し、11の単位作業場においてA測定を行うとともに、特定の作業に従事する15人 の労働者に対する個人ばく露測定を行ったところ、A測定における測定結果の幾何平均 値は0.009ppm、最大値は0.019ppmであった。また、個人ばく露測定結果の幾何平均 値は0.013ppm、最大値は0.112ppmであった。(図4-3)。  (4)リスクの判定及び対策の方向性。A測定、個人ばく露測定の双方において測定した いずれの事業場においても二次評価値以下であったことから、リスクは低いと考えられ る。しかしながら、当該物質は、有害性の高い物質であることから、事業者においてリ スク評価を実施し、引き続き適切な管理を行う必要がある。  20頁(4)クレオソート油。(1)の物理的性状等は割愛させていただきます。  (2)が含有が予想される有害成分の有害性評価ということで、〔エチルベンゼン〕、〔ナフ タレン〕、〔ビフェニル〕、〔ベンゼン〕、〔ベンゾ〔a〕アントラセン〕、〔ベンゾ〔a〕ピレ ン〕、〔ベンゾ〔e〕フルオラセン〕について、発がん性の情報だとか、許容濃度、評価値 を記載しています。  24頁(3)ばく露実態評価、ア、有害物ばく露作業報告の提出状況(詳細を参考2-4に添 付)。平成19年度におけるクレオソート油に係る有害物ばく露作業報告は、合計32の 事業場から、46の作業についてなされ、作業従事労働者数の合計は598人(延べ)で あった。また、対象物質の取扱量の合計は約60万トン(延べ)であった。46の作業の うち、作業従事時間は20時間/月以下の作業が72%、局所排気装置の設置がなされて いる作業が33%、防毒マスクの着用がなされている作業が35%であった。  イ、ばく露実態調査結果。ばく露実態調査を行った事業場において採取したクレオソ ート油サンプルの分析等により含有が確認されたナフタレン、ビフェニル、ベンゾ〔a〕 アントラセン、ベンゾ〔a〕ピレン及びベンゾ〔e〕フルオラセンについて測定を行った。  (ア)ナフタレン、7の単位作業場においてA測定を行うとともに、特定の作業に従 事する6人の労働者に対する個人ばく露測定を行ったところ、A測定における測定結果 の幾何平均値は0.063ppm、最大値は0.0239ppmであった。また、個人ばく露測定結果 の幾何平均値は0.0009ppm、最大値は0.0056ppmであった。  (イ)ビフェニル、5つの単位作業場においてA測定を行うとともに、特定の作業に 従事する4人の労働者に対する個人ばく露測定を行ったところ、A測定における測定結 果の幾何平均値は0.009ppm、最大値は0.024ppmであった。また、個人ばく露測定結 果の幾何平均値は0.002ppm、最大値は0.006ppmであった。  (ウ)ベンゾ〔a〕アントラセン、ベンゾ〔a〕ピレン及び、ベンゾ〔e〕フルオラセ ン、特定の作業に従事する4人の労働者に対する個人ばく露測定を行ったところ、いず れも測定限界以下(0.00002〜0.00003ppm)であった。  (4)リスクの判定及び対策の方向性。二次評価値が設定されているナフタレン及びビフ ェニルについては、A測定、個人ばく露測定の双方において、測定したいずれの事業場 においても二次評価値以下であった。二次評価値を設定できず、定量下限値を超える濃 度が測定された場合、詳細な検討を行うとしていたベンゾ〔a〕アントラセン、ベンゾ 〔a〕ピレン及びベンゾ〔e〕フルオラセンでは、いずれの物質も個人ばく露測定値は検 出限界以下であった。よって、クレオソート油の労働者への健康障害のリスクは低いと 考えられる。しかしながら、当該物質は、有害性の高い物質であることから、事業者に おいてリスク評価を実施し、引き続き適切な管理を行う必要がある。  28頁、(5)1,2,3-トリクロロプロパン。物理的性状等は割愛させていただきます。  (2)有害性評価、アが発がん性、イが許容濃度等で、ACGIHのTLV-TWAが10ppmで す。ウ、評価値、一次評価値はなし。二次評価値が10ppmです。  (3)ばく露実態評価。ア、有害物ばく露作業報告の提出状況(詳細を参考2-5に添付) 平成19年度における1,2,3-トリクロロプロパンに係る有害物ばく露作業報告は、合計5 事業場から、8作業についてなされ、作業従事労働者数の合計は117人(延べ)であっ た。また、対象物質の取扱量の合計は1千9百トン(延べ)であった。8作業のうち、 作業従事時間が20時間/月以下の作業が100%、局所排気装値の設置がなされている 作業が75%、防毒マスクの着用がなされている作業が38%であった。  イ、ばく露実態調査結果、1,2,3-トリクロロプロパンを製造し、又は取り扱っている 事業場に対し、8の単位作業場においてA測定を行うとともに、測定の作業に従事する 16人の労働者に対する個人ばく露測定を行ったところ、A測定における測定結果の幾何 平均値は0.03ppm、最大値は0.06ppmであった。また、個人ばく露測定結果の幾何平 均値は0.03ppm、最大値は0.20ppmであった。  (4)リスクの判定及び対策の方向性。A測定、個人ばく露測定の双方において、測定し たいずれの事業場においても二次評価値以下であったことから、リスクは低いと考えら れる。しかしながら、当該物質は、有害性の高い物質であることから、事業者において リスク評価を実施し、引き続き適切な管理を行う必要がある。  31頁、(6)ニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く)。(1)は割愛させていただき ます。  (2)が有害性評価。アは、発がん性としてはIARC1ということになっています。イが 許容濃度等です。ACGIHのNiとして、可溶性ニッケル化合物は0.1mg/m3、不溶性 ニッケル化合物が0.2mg/m3、亜硫化ニッケルが0.1mg/m3というのが評価値です。 一次評価値がNiとして0.0013mg/m3、二次評価値がACGIHのTLV-TWAです。可 溶性ニツケルが0.1mg/m3、不溶性が0.2mg/m3、亜硫化ニッケルが0.1mg/m3です。  (3)ばく露実態評価、ア、有害物ばく露作業報告の提出状況。平成19年度におけるニ ッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く。)に係る有害物ばく露作業報告は、合計595 の事業場から、1,490の作業についてなされ、作業従事労働者数の合計は1万9,354人 (延べ)であった。また、対象物質の取扱量の合計は約77万トン(延べ)であった。 1,490の作業のうち、作業従事時間が20時間/月以下の作業が54%、局所排気装置の 設置がなされている作業が69%、防じんマスクの着用がなされている作業が58%であ った。  イ、ばく露実態調査結果、ニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く。)を製造し、 又は取り扱っている13事業場に対し、41の単位作業場においてA測定を行うとともに、 特定の作業に従事する39人の労働者に対する個人ばく露測定を行ったところ、A測定 における測定結果の幾何平均値は0.0064mg/m3、最大値は0.0545mg/m3であった。 また、個人ばく露測定結果の幾何平均値は0.0033mg/m3、最大値は0.3545mg/m3で あった。  (4)リスクの判定及び対策の方向性。A測定においては、一次評価値を超えるデータが あるが、測定したいずれの事業場においても二次評価値(可溶性ニッケル及び亜硫化ニ ッケル0.1mg/m3、不溶性ニッケル0.2mg/m3)以下であった。個人ばく露測定にお いては、二次評価値のうち低い値(可溶性ニッケル及び亜硫化ニッケル0.1mg/m3)を 超えるものが11事業場・計39人のデータのうち3事業場・計6データで見られるが、 これは電池製造業務、メッキ液の製造業務及びニッケル化合物の製造業務における粉状 のニッケル化合物の取扱い作業のものである。よって、粉状のニッケル化合物の取扱い 作業については、局所排気装置等の設置、作業主任者の選任、作業環境測定の実施・評 価、特殊健康診断の実施等による適切な管理が必要である。  35頁(7)砒素及びその化合物(三酸化砒素を除く。)(1)は割愛させていただきます。 (2)が有害性評価で、アが発がん性の関係の情報を記述しています。36頁イが許容濃度等 でACGIHで砒素及びその無機化合物として0.01mg、アルシンが0.005ppm、ガリウム 砒素が0.3μg。日本産衛学会が砒素及び砒素化合物ということで、砒素としてリスクレ ベルが 10−3に対応したものが3μg/m3、10−4に対応したものが0.3μg/m3になっています。 アルシンが0.01ppmです。一次評価値は砒素として0.33μg/m3、二次評価値が砒素 及びその化合物については、砒素として3μg/m3、日本産業衛生学会の10−3のリスク レベルに対応したものです。アルシンが0.005ppm(ACGIHのTLV-TWA)ガリウム砒 素が0.3μg/m3(ACGIHのTLV-TWA)。  (3)ばく露実態評価、ア、有害物ばく露作業報告の提出状況。平成19年度における砒 素及びその化合物(三酸化砒素を除く。)に係る有害物ばく露作業報告は、合計51の事 業場から、147の作業についてなされ、作業従事労働者数の合計は2,370人(延べ)で あった。また対象物質の取扱量の合計は約2万1千トン(延べ)であった。147の作業 のうち、作業従事時間が20時間/月以下の作業が48%、局所排気装置の設置がなされ ている作業が51%、防じんマスクの着用がなされている作業が82%であった。  イ、ばく露実態調査結果(ア)砒素及びその化合物(三酸化評価、アルシン及びガリ ウム砒素を除く。)。砒素及びその化合物(三酸化砒素、アルシン及びガリウム砒素を除 く。)を製造し、又は取り扱っている事業場に対し、3の単位作業場においてA測定を 行うとともに、特定の作業に従事する25人の労働者に対する個人ばく露測定を行った ところ、A測定における測定結果の幾何平均値は0.0148mg/m3、最大値は0.0326mg /m3であった。また、個人ばく露測定結果の幾何平均値は0.0421mg/m3、最大値は 0.7762mg/m3であった。 (イ)アルシン。アルシンを取り扱っている事業場に対し、特定の作業に従事する5 人の労働者に対する個人ばく露測定を行ったところ、幾何平均値は0.0003ppm、最大値 は0.0003ppmであった。  (ウ)ガリウム砒素。ガリウム砒素を取り扱っている事業場に対し、特定の作業に従 事する3人の労働者に対する個人ばく露測定を行ったところ、幾何平均値は0.000048 mg/m3、最大値は0.00005mg/m3であった。  (4)リスクの判定及び対策の方向性。砒素及びその化合物(三酸化砒素、アルシン及び ガリウム砒素を除く。)については、3事業場・計25人について調査を行ったところ、2 事業場・計22人に二次評価値を超えるばく露が見られた。これらについて、ばく露の 大小について作業内容を分析したところ、ばく露のおそれのある条件とそうではない条 件を区別することができなかった。よって、作業を限定せず、局所排気装置等の設置、 作業主任者の選任、作業環境測定の実施・評価、特殊健康診断の実施等による適切な管 理が必要である。  アルシン及びガリウム砒素については、個人ばく露測定がいずれも二次評価値以下で あったことから、リスクは低いと考えられる。しかしながら、当該物質は、有害性の高 い物質であることから、事業者においてリスク評価を実施し、引き続き適切な管理を行 う必要がある。以上が砒素です。  40頁(8)フェニルオキシラン。(1)は省略いたします。(2)有害性評価でアが発がん性 としてIARCの2Aの物質です。イが許容濃度等で、この物質についてはACGIH、日本 産衛学会ともに設定なし。ウが評価値で一次評価値なし、二次評価値は2ppm(スチレ ンのACGIH、TLV-TWA20ppm及び日本産業衛生学会許容濃度20ppmの1/10)。ス チレンの主要な代謝経路がフェニルオキシランであることから、スチレンの許容濃度の 1/10を二次評価値とした。  (3)ばく露実態評価。アが有害物ばく露作業報告の提出状況。平成19年度におけるフ ェニルオキシランに係る有害物ばく露作業報告は、合計5事業場から、7作業について なされ、作業従事労働者数の合計は53人(延べ)であった。また、対象物質の取扱量 の合計は46.7トン(延べ)であった。7作業のうち、作業従事時間が20時間/月以下 の作業が100%、局所排気装置の設置がなされている作業が86%、防毒マスクの着用が なされている作業が86%であった。  イがばく露実態調査結果。フェニルオキシランを取り扱っている事業場に対し、8の 単位作業場においてA測定を行うとともに、特定の作業に従事する6人の労働者に対す る個人ばく露測定を行ったところ、A測定における測定結果の幾何平均値は0.043ppm、 最大値は0.285ppmであった。また、個人ばく露測定結果の幾何平均値は0.0133ppm、 最大値は0.0964ppmであった。  (4)リスクの判定及び対策の方向性。A測定、個人ばく露測定の双方において、測定し たいずれの事業場においても二次評価値以下であったことから、リスクは低いと考えら れる。しかしながら、当該物質は有害性の高い物質であることから、事業者においてリ スク評価を実施し、引き続き適切な管理を行う必要がある。  43頁(9)弗化ビニルです。(1)は割愛させていただきます。(2)のアが発がん性の情報、 IARCの2Aの物質です。イが許容濃度でACGIHが1ppmです。ウが評価値で一次評 価値がなしで二次評価値が1ppmです。(3)ばく露実態評価、弗化ビニルについては、有 害物ばく露作業報告の提出がなかった。(4)リスクの判定及び対策の方向性。国内での使 用は確認できず、現在のところリスクはないと考えられる。しかしながら、当該物質は、 有害性の高い物質であることから、使用する場合は、事業者においてリスク評価を実施 し、適切な管理を行う必要がある。  44頁(10)ブロモエチレン。(1)は割愛させていただきます。(2)が有害性評価。アが発 がん性。イが許容濃度等、これはACGIHのTLV-TWA0.5ppm。ウが評価値、一次評価 値が0.00058ppm、二次評価値が0.5ppm。(3)ばく露実態評価、ブロモエチレンについ ては、有害物ばく露作業報告の提出がなかった。(4)リスクの判定及び対策の方向性。国 内での使用は確認できず、現在のところリスクはないと考えられる。しかしながら、当 該物質は、有害性の高い物質であることから、使用する場合は、事業者においてリスク 評価を実施し、適切な管理を行う必要がある。  46頁の5、まとめです。全文を読み上げます。  平成19年度においては、発がん性等の有害性が高いと指摘されている化学物質10物 質(2,3-エポキシ-1-プロパノール、塩化ベンゾイル、オルト−トルイジン、クレオソー ト油、1,2,3-トリクロロプロパン、ニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く。以下 同じ。)、砒素及びその化合物(三酸化砒素を除く。)、フェニルオキシラン、弗化ビニル 及びブロモエチレンのリスク評価を行った。  その結果、ニッケル化合物並びに砒素及びその化合物(三酸化砒素、アルシン及びガ リウム砒素を除く。以下同じ。)を取扱う一部の事業場において、二次評価値を超えるば く露が見られた。  このうち、ニッケル化合物については、11事業場・計39人について調査を行ったと ころ、3事業場・計6人に二次評価値を超える個人ばく露が見られた。これらの事業場 における作業は、電池製造業務、メッキ液の製造業務及びニッケル化合物の製造業務に おける粉状のニッケル化合物の取扱い作業である。このため、粉状のニッケル化合物の 取扱い作業については、局所排気装置等の設置、作業主任者の選任、作業環境測定の実 施・評価、特殊健康診断の実施等による適切な管理が必要と考える。  国はそのため、次の関係法令の整備を検討すべきである。  ・労働安全衛生法施行令別表第3の第2類物質とすること。  ・労働安全衛生法施行令第18条の名称等を表示すべき有害物とすること。  ・特定化学物質障害予防規則第2条第1項第5号の管理第2類物質とすること。  ・特定化学物質障害予防規則第38条の3の特別管理物質とすること。  なお、局所排気装置の性能要件、作業環境測定に係る測定分析手法及び管理濃度並び に特殊健康診断の項目については、今後、専門技術的な検討を行うべきである。  また、砒素及びその化合物については、3事業場・計25人について調査を行ったとこ ろ、2事業場・計22人に二次評価値を超える個人ばく露が見られた。これらについて、 ばく露の大小について作業内容を分析したところ、ばく露のおそれのある条件とそうで ない条件を区別することができなかった。よって、作業を限定せず、局所排気装置等の 設置、作業主任者の選任、作業環境測定の実施・評価、特殊健康診断の実施等による適 切な管理が必要であると考える。  国は、そのため、次の関係法令の整備を検討すべきである。  ・労働安全衛生法施行令別表第3の第2類物質とすること。  ・労働安全衛生法施行令第18条の名称等を表示すべき有害物とすること。  ・特定化学物質障害予防規則第2条第1項第5号の管理第2類物質とすること。  ・特定化学物質障害予防規則第38条の3の特別管理物質とすること。  なお、局所排気装置の性能要件、作業環境測定に係る測定分析手法及び管理濃度並び に特殊健康診断の項目については、今後、専門技術的な検討を行うべきである。  また、2,3-エポキシ-1-プロパノール、塩化ベンゾイル、オルト−トルイジン、クレオ ソート油、1,2,3-トリクロロプロパン、フェニルオキシラン、弗化ビニル及びブロモエ チレン並びに粉状以外のニッケル化合物の取扱い作業、アルシン及びガリウム砒素につ いては、リスクは低いものの、有害性の高い物質であることから、国は既存の法令に基 づく対応を図るとともに、事業者においてリスク評価を実施して、引き続き適切な管理 を行うべきであると考える。  今回のリスク評価の結果に基づき、国は、事業者に対して、適切な管理を行うよう指 導するとともに、必要な政省令の改正等を行い、関係者への周知徹底を図っていくこと を切に願う。また、今回、実施した化学物質以外で、特別規則による規制を行っていな い化学物質で、有害性の高い化学物質については、引き続きリスク評価を行っていくべ きである。  なお、今回行ったリスク評価は、現時点において入手可能な資料・データを基にして 評価を行ったものであり、リスク評価結果は将来にわたって不変のものではない。この ため、引き続き情報収集に努めていく必要がある。  あと後ろは参考で、有害性総合評価表と、ばく露作業報告の集計結果です。  5のまとめの関係で、特別管理物質とか、管理第2類物質という用語が出ていますの で、資料の参考1の解説をさせていただきます。前回も少しお話ししましたが、特定化 学物質には第1類物質、第2類物質、第3類物質があります。これは施行令別表第3で この1類物質か2類物質か、3類物質かを指定することになりますので、ニッケル化合 物と砒素及びその化合物、アルシンとガリウム砒素を除いたものについては、第2類物 質に政令で指定するということになります。   参考1の労働安全衛生法の57のところで表示というのがあります。これは特定化学 物質と直接リンクはしていなくて、別途物質を定めていますが、ほぼ特定化学物質にな るとこの表示物質になっているということで、労働安全衛生法施行令第18条でニッケ ル化合物と砒素及びその化合物について指定をしたいと考えています。  第2類物質の中には3種類ありまして、特定第2類物質、管理第2類物質、オーラミ ン等という3つがあります。オーラミン等は特殊なものでして、ほとんど特定第2類か 管理第2類です。特定と管理では何が違うかと申しますと、第2類物質は基本的にはが ん等の慢性障害の防止対策の規制がかかる物質ですが、併せて大量漏えいによる急性中 毒の対策が必要なもの、いわゆる第3類物質に必要な措置が併せて必要なものを特定第 2物質にしています。例えばニッケル化合物で既に規制されているニッケルカルボニル については、特定第2類物質、大量漏えいによる急性中毒対策が必要な特定第2類物質 になっていますが、今般のニッケル化合物については、急性中毒対策が不要と考えてい ますので、管理第2類物質のほうに指定したいと考えています。砒素及びその化合物に ついても管理第2類物質に指定したいと考えています。  管理第2類物質になりますと、丸が付いているような規制、作業主任者の選任だとか、 例えば特化則の第5条ですが、密閉化とか局排とか、プッシュプルの設置とかが義務づ けられていて、丸が付いているところの規定がかかってくることになります。  また、特別管理物質というものがあります。これは特化則の38条の3で指定されて いまして、発がん性物質等その遅発性の健康障害がある物質については、特別管理物質 に指定されていまして、その作業場所への掲示とか、作業記録を作成して30年間保存 するだとか、配転後の健康診断だとか、健康診断結果の30年保存等が義務づけられま す。今回のニッケル化合物及び砒素及びその化合物については、特別管理物質に指定を したいと考えています。以上で事務局からの説明は終わります。 ○櫻井座長 説明が終わりましたが、この報告書(案)につきましてご指摘事項等ござ いましたら、ご発言をどうぞ。 ○和田委員 お聞きしたいのは47頁のまとめのところの上から11行目ぐらいになりま すか、粉状以外のニッケル化合物の取扱い作業は、リスクが低いというふうに書いてい ますが、粉状以外のニッケル化合物は何かということと、リスクが低いというように判 断した根拠は何でしたか。 ○春日化学物質評価室長 今回のニッケル化合物のばく露測定の結果から判断していま す。33頁と34頁ですが、まず33頁のグラフの下段の個人ばく露測定結果を見ていた だきますと、評価値が2つありますが、このうちの低いデータが6データあります。こ の6データの作業内容を見ますと、いずれも粉状の取扱いであったということです。し たがいまして、粉状の取扱い以外については、この二次評価値の低い方の値を超えてい ないということになりますので、今回、特定化学物質の規制の対象となるのを粉状の取 扱いということで、私ども考えていますので、粉状以外の取扱いについてはリスクは今 回低いと判断されまして、自主的な管理をしていただくとしているところです。 ○和田委員 粉状以外のものというのは、何を対象にしているのですか。 ○春日化学物質評価室長 粉状以外のものの形態ですか。 ○和田委員 はい。 ○春日化学物質評価室長 例えばスラリー状の取扱いとか、液体にもう既に溶けている 水溶液のようになっている状態を私どもとしては想定しています。 ○和田委員 そういったものを扱っている事業場も今回調査対象に入っているけど、そ こでは問題がなかったということですか。 ○春日化学物質評価室長 そうですね。 ○和田委員 それで全てを除外できるということですか。粉状以外のものは一応、オー ケーと言ってしまう以上、全部チェックしたかどうかということが問題になるかもしれ ないですね。その点について粉状以外のものはチェックをして問題がなかったというふ うに言うのか、たまたま、粉状以外のものも扱っている対象にした事業場で異状がなか ったから、異状なしとしたという考え方ですか。 ○春日化学物質評価室長 あくまで今回測定した中でしか答がございませんけれども。 私どもはばく露作業報告の結果で、できるだけばく露の高いと思われる作業を抽出して 測定をしていますので、作業の種類における漏れ等はできるだけないような形で測定は しているつもりです。 ○和田委員 通常の粉末でばく露されるような作業場以外に気体の作業場とか、ヒュー ムとかそういう所は実際にはありましたか。 ○春日化学物質評価室長 ヒュームにつきましても、製錬所を測定しています、それに ついては評価値を超えるばく露が認められていないところです。 ○清水委員 欲しいのはきっちりとした根拠ですよね。粉状だけかどうかということで はないと思います。ちょっとその辺は覚えていないのでしょうか。 ○和田委員 粉状以外は大丈夫だと言い切っちゃっていいのか、ちょっと気になったも のですから。今回のばく露測定では、問題はなかったということでどうですね。 ○櫻井座長 91頁の参考2-6の報告集計表。相当ていねいにいろいろな事業場、これは すべて報告ですね。 ○春日化学物質評価室長 そうですね。 ○櫻井座長 この中からどこを選んだかということについても、前回でしたか資料があ りましたが、これには付いていない。幅広く代表的な、しかも濃度の高そうな所を調べ たと理解していますが。    ○春日化学物質評価室長 そうですね、調べておりまして、製錬所もたしかその中には 入っていたはずです。 ○和田委員 表では粉状以外の事業場は1つしかあげてありません。43の弗化ビニルも 粉状のものを使っているわけですよね。 ○春日化学物質評価室長 例えば47頁のまとめのところの記述の仕方ですが、47頁の 下から3段目のリスクが低いと思われるランクの部分を、例えば「リスクは低いものの」 という表現になっていますが、例えばこれはあくまで今回のリスク評価の結果のことを 言っていますので、そのような表現がわかるような表現に直すということはできると。 ○和田委員 これが普遍的にこうだととらせてしまうと、あと困ることが起きるかもし れないので。 ○春日化学物質評価室長 普遍的ではないということは、いちばん下の所でクレジット はしているつもりですけれども、今回のリスク評価の結果、ばく露の低いもののと。 ○和田委員 今回のばく露測定によるリスク評価ではと、そのような形を入れておけば いいですか。 ○春日化学物質評価室長 より正確な表現というか、そういう形に修正を。 ○櫻井座長 ご指摘いただいたことで修正いたしましょう。ほかに何かコメントがござ いますか。前回、十分ご討議いただいた分として、このように出してくださったわけで すが、ただいまの修正の内容について、最終的に私にお任せいただいてよろしゅうござ いますか。                  (了承) ○櫻井座長 それではこの報告書の(案)をとって、当委員会の報告書とするというこ とに決めてよろしいでしょうか。                  (了承) ○櫻井座長 ありがとうございました。では、そのように決めさせていただきます。こ の報告書を受けて今後の予定はどうなっているのでしょうか。 ○春日化学物質評価室長 私から今後の予定について3点ほど述べさせていただきます。 まず1点目ですが、本報告書の取扱いです。修正をした後、最終確認を座長にしていた だきまして、年度内を目標にプレスリリースをしたいと思っています。同時に今回評価 した10の物質については自主的な管理を徹底するように通達を併せて発出したいと思 っています。  2点目です。リスクが高いと評価された2物質の取扱いです。まとめにも書いてあり ますように、今後、労働安全衛生法の施行令及び省令、告示等の改正が必要になってま いります。速やかに手続に入りたいと思っております。改正までについてはWTO通報 とか、パブリックコメント、労働政策審議会の諮問・答申等を経る必要がございますの で、政省令の改正は秋ぐらいを我々目指してやりたいと思っております。  3点目ですが、管理濃度、特殊健康診断の項目等についてです。まとめにも書いてあ りますが、これらについては今後、決めていく必要があります。管理濃度等については 別途開催しています管理濃度検討会において、検討をしていただきたいと思っています。  特殊健康診断の項目ですが、これは前回のこの検討会においても専門的な検討が必要 というご指摘がございましたが、本検討会の下に小検討会を設置しまして、特殊健康診 断項目の検討を今後行っていきたいと考えております。お手元に参考2という1枚紙が 付いていると思いますが、特殊健康診断項目等の検討のための小検討会の設置について (案)で、趣旨としては、リスク評価の結果、特定化学物質に追加する場合には、原則 特殊健康診断の実施が必要となり、その健康診断項目は各物質の有害性の種類や程度等 に応じて、専門的観点から検討を決定することが必要である。このため、リスク評価検 討会の下に特殊健康診断等について、専門的に検討する小検討会を開催することとする ということで、参集者としましては、このリスク評価検討会の委員のメンバーの中の先 生方及び別途詳しい専門家を加えて検討をしていきたいと思っています。  開催時期ですが、政省令の改正を秋ぐらいには行いたいと思っていますので、その前 のおおむね夏ごろまでには検討を終了するようなタイミングで行ってまいりたいと思っ ています。事務局は労働衛生課と化学物質評価室において行っていくという形で、今後 特殊健康診断項目の検討を行っていきたいと考えています。今後の状況については以上 です。 ○櫻井座長 今後のスケジュール及びこの小検討会の設置について説明がありましたが、 何かご質問・コメント等がございますか。よろしいですか。それでは以上で大体今日の 議事は終了したと存じます。これは今年度最後の検討会でございますので、事務局から 挨拶がいただけるということですので、よろしくお願いいたします。 ○榎本化学物質対策課長 本日が本年度、最後の検討会ということでございますので、 簡単にご挨拶申し上げます。本年度、1年間、対象10物質についてのリスク評価をとり まとめいただきまして大変ありがとうございました。事務局から説明させていただきま したように、本検討会の検討結果を基にいたしまして、ニッケル化合物、砒素及びその 化合物について早急に関係法令を整備等を行い、その周知徹底を図ることにより、労働 者の健康障害防止対策に万全を期していきたいと考えております。  また、来年度につきましては、引き続きまして44物質についてのリスク評価を行っ ていくことにしておりますので、引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。本 当に1年間ありがとうございました。 ○櫻井座長 以上をもちまして散会いたします。ありがとうございました。             照会先: 労働基準局安全衛生部化学物質対策課                            化学物質評価室                電話03-5253-1111(内線5511) 1