08/01/21 第5回「健康食品」の安全性確保に関する検討会議事録 ○大野座長 それでは、皆さんお集まりいただいたので、第5回の「『健康食品』の安全性確保 に関する検討会」を開会いたします。  先生方におかれましては、お忙しい中集まっていただいて、どうもありがとうございます。  まず、今日の議事に入る前に、事務局から、本日の委員の出席状況について報告をお願いいた します。 ○玉川室長 委員の出欠状況についてでございますが、本日は、内田委員、金谷委員、寺本委員、 松本委員から所用により御欠席との報告を受けております。 ○大野座長 ありがとうございます。  それでは、引き続きまして、事務局から配付資料の御説明をお願いいたします。 ○玉川室長 本日の配付資料でございますけれども、資料1といたしまして「論点整理」の2枚 紙。  資料2−1、財団法人日本健康・栄養食品協会提出の資料といたしまして4ページのものと、 これに加えまして1枚の別紙がございます。  資料2−2といたしまして、日本健康食品規格協会提出の6ページの資料がございます。 ○大野座長 ありがとうございます。皆さん、ありますでしょうか。なかったら、また後で事務 局に御連絡ください。  それでは、今日の議事次第の「1.『健康食品』の安全性確保の方策について」ということで 議論に入りたいと思います。  前回は「1.健康食品の安全性の確保を図るための具体的な方策について」の中でも「(1) 原材料の安全性の確保について」ということについて議論していただきました。今回は「(2) 製造工程管理による安全性の確保について」ということで議論をしていただくことになっており ます。よろしくお願いいたします。  この課題に関しましては、厚生労働省から「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本 的な考え方について」ということで、それに関する通知が出ております。これにのっとって、財 団法人日本健康・栄養食品協会及び日本健康食品規格協会におきましては、GMPの認定を実施 しておると聞いております。そこで、今日は両団体の代表者であられます林委員と大濱委員から 簡単に取組状況について説明していただいて、その上で皆さんに御議論いただきたいと思ってい ます。それでよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○大野座長 ありがとうございます。  それでは、まず林先生から御報告をお願いいたします。 ○林委員 日本健康・栄養食品協会の林でございます。GMP第三者認証の実施状況についてま とめてくるようにと言われましたので、ここで4ページの資料と別紙をごらんいただきながら説 明させていただきます。  まず「2)実施団体の概要」にありますように、私たちの協会は、保健機能食品、特別用途食 品などに関する正しい知識の普及・啓発や申請に係る助成活動、それと「いわゆる健康食品(健 康補助食品)」の規格基準の設定などを主業務としております。  最初に「3)GMP第三者認証に対する考え方」を御説明いたします。  私たちの協会では、GMPというのは単独では意味は少なく、健康食品の安全性確保の流れの 中でGMPを考える必要があるという立場をとっています。  (1)は、製品の安全性認証。これのためには安全性評価ガイドラインの作成と活用が前提となり ます。  (2)は、そういう安全性とか有効性を考慮に入れた規格基準の設定、いわば食品の設計図の作成 が大切です。  次に(3)、これは規格基準にのっとった製品を正しく生産する体制の確立ということになり、G MPに相当します。  要するに、この(1)と(2)と(3)は、3つすべてが伴っていなければ安全性確保には余り役立たない。 (1)、(2)、(3)を切り離すことはできないということです。実際に安全性確保とか、あるいは規格基 準がきちっとつくられていても、GMPによって、製造が管理されていなければ、(1)、(2)の成果 は製品の安全性にはつながらない。また、GMPだけがあって、前の安全性認証とか、あるいは 規格基準の設定がなければ、GMPは実体のない、形式だけの存在になってしまうということで、 常に、この(1)、(2)、(3)というのが相伴っていなければならないということです。これは国際的な 考えでもあるわけです。そういう意味で、私たちの協会では、この(1)、(2)、(3)の3つが事業の中 に取り上げ、企業の方々が安全性の高い製品、有効性のある製品を社会に送り出すサポートをさ せていただくわけですけれども、実際にはこれだけではなく、これから社会に送り出す製品が、 この(1)、(2)、(3)を十分にクリアーしたものだということを消費者に理解していただかなければな りません。そのための情報提供が必要なのです。  これまで消費者に向けた納得のいく情報提供が難しかったということですけれども、現在、厚 生労働省が、この(1)の部分、安全性認証と、(3)のGMPに対して具体案を示されますと、業界か ら消費者に向けたそれぞれの製品の安全性の確保が非常に容易になってくるということだと思 います。これが(4)の問題です。  安全性確保を徹底するためには、ここにある(5)の市販後調査ということが必要なわけですけれ ども、これは国際的にも未知の分野で、現在、私たちの協会が厚生労働省の御指導で関連企業と 共同で幾つか実施しておりますけれども、それ以外には国際的には余りやっていませんし、GM Pと直接関係ないので省略いたします。  とにかく、この5つがそろっていると、安全性確保ということができる。  次の話題に入らせていただきますと「(2)何故第三者認証なのか?」。  安全性認証には、事業者自身によるものと、国によるものと、それから、第三者組織によるも のの3つがあり得るわけですけれども、それぞれ長所と短所があるということです。  「(1)事業者による自己認証」の場合。これは、もしも適切な専門家の積極的な参画・協力が得 られれば、科学的・技術的に妥当な認証が可能だと思いますけれども、消費者の不信感というこ ともありますので、消費者の理解は現状では得られ難いのではないか、と思います。  「(2)国による認証」ですけれども、これは認証についての消費者の理解と信頼性が一番高いと いうことです。しかし、健康食品業界の事業の一つひとつを比べてみますと、事業の規模がかな り違うし、事業の内容、製品の種類が非常に多様なために、こういう多様性を配慮したきめ細か い対応は、国がやろうとしますと、やはり現在の人材を十分に補強しない限りは現状では実施困 難であろうということです。  そうすると、次の「(3)第三者認証」ということで、これは必要な員数の専門家集団、調査員と 評価委員の参画によって、認証の対象となる事業所の規模とか、事業内容、製品の種類というよ うな多様性を考慮し、科学的・技術的に妥当な、現実に即した認証が可能になるだろう。そうい う意味で、これが技術的には一番やりやすいということです。消費者の理解、信頼性も自己認証 に比べては高いだろうと考えられます。  この場合、第三者認証組織として国が認定する制度、第三者認証の機関として認めるという国 からのお墨付きがありますと、消費者の信頼性は更に高くなるだろうと思います。  それでは、この第三者認証組織の国による認定制度はどういうものがあるかについては後で御 説明させていただきます。  次に「4)GMP第三者認証の実施状況」ということです。  私たちが、このGMPの認証を始めたのは、平成17年ですけれども、平成13年12月から準 備を開始し、平成14年9月にマニュアルをつくり、平成15年に食品管理講習会を開いたりす るなどの動きをしております。平成17年4月から健康補助食品GMP製造所認定を開始し、8 月にはGMP認定工場で製造したということの製品の表示の承認も開始しています。ですから、 3年間にわたる準備期間の後に実際の認定業務を開始したということです。  現在までの審査状況を見てみますと、これは2ページの真ん中辺りにあります。平成19年、 昨年の12月末まででございますけれども、まず製造所の認定は、申請製造所が48で、このう ちの41を認定しております。現在、判定委員会で審議中のものが3、実地調査が2あります、 この5つはもうじき認定されますので、46になると思います。この48のうち、2製造所は、そ の後、申請を取り下げておるということです。  それから、GMPの製造所でつくったということの製品への表示の認証は、申請品目数が25 ありますけれども、そのうち、22を認証しているということです。  3ページを見ていただきますと、私たちは認定という言葉を使っていましたが、今後は認証と いう用語になります。認証の手順と認証後は何をするかということを図で示しております。  まず、申請を受けまして、申請書類、添付資料の書類調査を行う。これは調査員による調査で す。調査員は、医薬品のGMPについて深い実務経験を持っておられる方々です。調査員による 書類調査と実地調査が行われ、場合によっては改善についての指導もあります。  これができますと、判定委員会による判定を行い、問題がなければ、認定書を交付するという ことです。  この認定は3年ごとに更新いたしますので、更新の前に中間調査、書類報告・実地調査をする ということです。更新というのは、その後、どうなっているかということだけではなくて、新し い技術の導入、それから、新しい工程をつくるとか、その場合に必要な技術面でのアップデート という意味も含めておりまして、更新を私たちは重要視しております。  次に、GMPの普及啓発活動として何をやっているかということをご説明します。  まず、健康補助食品GMPに関するQ&Aというものを出しております。これはかなりよく書 けていると好評を得ております。  それから、コンサルタント業務を開始しております。これは協会内で相談するという場合と、 現地で指導するということの2つがございます。  現在、アメリカのGMPが報道されまして、GMPに関する関心が高くなってきたということ もあり、昨年、企業の方々を対象に2日間の集中実践講座をやりまして、これはかなり効果があ りました。そこでは、42の事業所からの参加をいただいております。  この他に既にGMP認定されている工場見学会も行っております。  次の課題として、GMP第三者認証の普及に向けてこれから何をしたらいいかということです。  まず第三者認証組織を組織としての国による認定についての取り組みが重要です。これは第三 者認証の信頼性向上に非常に役立つので、必要だと思います。  勿論、その場合に、GMPの第三者認証団体であるための件が必要でありまして、その一つと して、例えば科学的・技術的・法的に妥当な認証を実施するための専門知識・経験を持つ人材を 中心とする調査委員会を持っていること、あるいは評価・判定委員会を設置していることがまず 必要だと思いますし、それだけの機能をもった団体でなければいけないと考えます。  もう一つは、その団体自身が健康食品の安全性確保に関連する事業経験を有しているというこ とがやはり大事なことだと思います。  (2)としては、今、GMPというのは特にアメリカでもこれから始めようとしておりますし、 東南アジアや中国でも実施しているということなので、各国における健康食品GMPとの整合性 を図る必要があります。将来、相互承認ということを考えますと、こういうことは必要だと思い ます。  (3)として、現在、安全性管理制度に対してはGMP以外にもいろいろあります。特にIS OとかHACCPというものとGMPとの関係を明確にする必要もあると思います。  (4)として一番大事なことは、GMPの本質についての理解を消費者の間で、あるいは企業 の間で促進することです。これはGMPの第三者認証普及への前提となると思います。  そのためには別紙にありますように、GMPとは何かということの基本理解が必要です。  GMPとは健康商品を製造するときの原料とか包装材料などの受け入れから、最終製品をつく って出荷するまでの全工程における製造工程と品質管理の体制ををきちっと整備することです。 これがGMPの基本概念です。  もっと砕いて言いますと、健康の保持・増進に役立つ製品をつくり出して、それを社会に送り 出すための「きまり」がGMPということです。ですから、このGMPを実施するということは、 まず「きまり」をつくる、「きまり」を守って正しい製品をつくる、「きまり」を守ったことを記 録して保存するということだと言えると思います。  実際、この場合の「きまり」というのは、基準のことです。これには2種類あります。第一は 製造するときの工場の構造設備基準。これは衛生的で作業しやすい適切な製造環境であるという ことの基準です。  もう一つが管理基準で、原料の入荷から製品の出荷までの正しい手順をつくって、その手順に 従った管理をするということです。  次に、先ほどの資料の4ページの「(1)GMPの必要性」というところを見ていただきます。  現在、GMPについては、消費者の健康への関心がかなり高まっているということの他に、先 ほど大野座長から御説明がありましたように、厚生労働省でもGMPについての自主点検ガイド ラインを出しているということも大切です。  最後に、一番下の(3)を見ていきますと、GMPを正しく実践するとこれだけの効果があるんだ ということを述べております。  ここで、時間があと3〜4分ありますので、別紙の一番最後に「3)GMPについての誤解」 というところがございます。  その誤解の一つが、GMP体制さえ整えれば、安全性あるいは有効性は保証されるという誤解 です。やはり科学的・技術的根拠でもって安全性が認証されて、それらの根拠に基づいて、健康 の保持・増進に役立つ製品としての品質規格あるいは設計図を設定すること、これが安全確保の 前提で、その前提を製品に正しく反映させるための決まりがGMPだということなんです。これ を十分御理解いただきたいということです。  もう一つの誤解というのは、GMP体制というのは大規模な事業所だけに通用する制度ではな いかという誤解なんです。これが大きな誤解で、GMPの体制というのは決して画一的なもので はない。事業所の規模、製造している製品の種類とか、工程の種類、工程の数という条件を考慮 に入れて、それぞれの事業所に見合ったGMP体制を整えるということが実際は可能なんです。 GMP体制の運営に必要な員数も、実は最低3人。厳密には2人でいいわけなんですけれども、 最低3人。統括管理者、製造管理責任者、品質管理責任者の3人が正しく携われば、それぞれの 事業所の条件に応じて、それに見合った体制を取ることも技術的に可能です。このことを十分に ご理解いただきたいと思います。  以上です。 ○大野座長 どうもありがとうございました。  後で総括的な問題について議論をしていただく時間を取りますけれども、今、林委員から御説 明のあった事柄について御質問等がございましたらお願いいたします。  田中先生、お願いします。 ○田中委員 ちょっと細かいことで申し訳ないですが、資料2−1の1ページの(2)の「(3)第 三者認証」については長所のみが記載されてありますが、短所はないのでしょうか。 ○林委員 短所は、自己認証と同じように、消費者の信頼性が国による認証に比べて低いという ことです。そのほかには、私は、この(1)、(2)に比べての短所はないと考えます。 ○田中委員 次に2ページですけれども、この審査状況は先生の協会のおっしゃる健康補助食品 のみを対象にされているのですか。特定保健用食品、栄養機能食品は対象とされていないのです か。 ○林委員 まず「製造所の認定(証)」というのは、特保をつくるものであっても、いわゆる健 康食品をつくる場合でも、これは同じですから、最初の製造所の認定については、特保あるいは 健康補助食品とかそういうものの区別はありません。すべて共通です。  その次の「製品への表示の認証」というものは、特保というのは既に国が認証しています。 ○田中委員 食品安全委員会が、主として安全性を、厚生労働省は、主として有効性を認証して いますね。 ○林委員 特保は機能性についての表示の認証だけですね。ですから特保の製品についての安全 性の認証をしろということがあれば、私たちは引き受けることはできます。ただし、この委員会 では特保を議論の外に置いています。 ○田中委員 GMPというのは、安全性のためのものであって、安全性そのものとは違うと、私 は考えております。そのときに、どうして特保や栄養機能食品は製造管理、品質管理、つまりG MPから除外されているということが理解しにくいんです。 ○林委員 別に除外はしていないんです。 ○田中委員 それでは、入っているんですね。 ○林委員 はい。ただ、今まで国が出しているガイドラインの中には、それは入れてありません。 ですから、国から表示が許可されているということがあるから、そこは必要ないだろうというこ とだと思います。 ○田中委員 要するに、先生の協会は、トクホや栄養機能食品に対しては、GNPの認証をされ ていないのですね、あるいは必要がないと考えておられるのですか? ○林委員 求められればやるけれども、多分、企業の方が、これはそういう表示が許されている んだから求めないと思うんです。健康食品の中には特保もいわゆる健康食品も含まれております から、求められればどのような製品/製造所も対象になります。 ○大野座長 認定が41機関あって、そういう認定をしていただければ製品にも表示したいと思 うのが普通ではないかと思うんですけれども、その差というのは、そうすると、特保とか栄養機 能食品とか、その辺のものを製造している機関がそれを求めていないということなんですか。 ○林委員 この認定というのは、2つあるわけです。一つはGMPに沿って製造している製造所 であるという認定。もう一つが製品への表示の認証。これは、GMPの基準に従って製造した製 品であるということの認証です。例えば医薬品の場合の認証というのは、個別製品についての認 証になっていますね。 ○大野座長 これは、製造所の認定のための調査と、製品のための表示の認証のための調査と別 になるわけですね。 ○林委員 2つあるということです。  ただ、私自身としては製造所の認証が大事だと思います。将来、もしも安全性認証ということ ができていれば、この製品の表示の認証というのはそれほど重要ではなくなる。やはり大事なの は安全性認証と、勿論、安全性だけではなくて、有効性というものを含めれば話は別ですけれど も、現時点では製造所の認証というのは必要だと私自身は思うんですけれども、ただ、アメリカ のFDAでは製品の認証というものを強調していて、国によって対応が多少違いますので、国際 間の話し合いが必要なところではないかと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。ほかに御質問ございますでしょうか。  田中先生、どうぞ。 ○田中委員 調査員及び判定委員には業者の方が入っておられるんですか、おられませんか。 ○林委員 現在の判定委員の場合には、企業の方は入っておられません。 ○田中委員 調査員はいかがですか。 ○林委員 調査員は、食品の企業の方は入っていません。元製薬企業での経験者が中心です。製 薬企業はGMPの先輩格ですから、そこに元おられた方を除くと、十分に調査できる方はおられ ないと思います。ただ、食品産業の方は入っていません。 ○大野座長 それから、3ページ目の下から4行目の「(2)当該組織自体が健康食品の安全性確保 に関連する事業経験を有している事」というのがよくわからなかったんですけれども、これは自 分で製造とかそういうことではないですね。 ○林委員 そうではないです。 ○大野座長 どういう意味ですか。 ○林委員 私たちの概念は食品を製造をするわけではないですけれども、安全性評価ということ に関しては一応経験を持っています。大濱先生のところもそうですね。だから、安全性確保につ いての事業経験も持っていない方が、組織を立ち上げたのでは役に立たない。そういうことです。 ○大野座長 そうすると、1ページに載っている製品の安全性認証とか、規格基準の設定とか、 そういうものの経験も踏まえた上でGMPもやるべきだというような意味なんですか。 ○林委員 まさにそうなんです。 ○大野座長 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。  大濱先生、どうぞ。 ○大濱委員 私たち自身も悩んでいるところなので、林先生に教えていただきたいと思うんです が、別紙の「3)GMPについての誤解」の(2)のところで企業規模の問題を書いていらっしゃい ますね。その前のところで、国際的な整合性の問題をとらえておられまして、やはりそういうも のを考えていかなければいけないというふうにおっしゃっているんですが、私たちも国際的な整 合性を考えたときに、この企業規模によってどこまでGMP認証が可能になるかという問題が悩 みです。その辺は、先生はどういうふうにお考えでしょうか。 ○林委員 私たちの大事なことは、やはり安全で有効な製品を消費者に、社会に供給するという ことですから、そういうことを目指している企業でしたらば、すべてやらなければいけない。で すから、アメリカのcGMPの場合にも、例えば従業員が20人の場合とか、100人の場合とか、 いろいろ分けていますでしょう。それに従って、たしか一番下は20人でしたか。そのくらいの 規模のところまでGMPを考えておられるということですから、私はやはり、そういうような健 康食品を製造するという、これに関連のある企業でしたら、すべての企業が何らかの形でGMP を取得しなければいけない。それに見合うようなGMPの認証とかの考え方をつくらなければい けないと思います。 ○大野座長 どうぞ。 ○大濱委員 先生のおっしゃるとおりだと思いますけれども、逆に言えば、GMPが認証されて いなければ、そういう製品を出すことができないのが基本的な考え方ということになりますね。 ○林委員 違います。現時点では、EUはGMPには関心を示しておりません。EUはむしろ安 全性認証を大事にしています。規格基準も大事にしています。だから、もし安全性認証と規格基 準がきちっとできていれば、GMPがなくても安全性確保は一応できるわけです。  だけれども、それが製品に正しく反映されるというためにはGMPが重要であるということで、 出発点としては安全認証と、それを基盤にした規格基準の設定が大事だと思います。 ○大濱委員 私が今の問題をなぜ心配したかというと、国際的な整合性を考えざるを得なくなっ ているとは思うんですけれども、アメリカの取り組み方は、さっき先生がおっしゃられたように、 規模によって変えています。変えているのは猶予期間だけで、内容は変えていないわけです。そ ういうことを考えると、企業規模によって規範のレベルは変えていません。そのために、準備と かその他に対しては何らかの猶予を与えるという考え方はあっても、そのレベル自体は一定のと ころで線を引かざるを得ないと思います。 ○林委員 そのお考えは無視できません。ただ、製造所を認証する場合、大きい規模の工場の場 合には、一貫工程ということが全体でありますでしょう。小さいところというのは、その中の製 造工程の一部を扱うとか、あるいは包装工程の一部を扱うということになりますので、全体から 見るといかにも違うようですけれども、やはり小さいところはそれなりに小さい規模ではあるが、 質としては、大きな工場も小さなところも変わらないGMP体制をもつことは可能だと思います。 ○大野座長 今のところでわからなかったんですけれども、小さなところは一部のみの対応もあ るということは、全体のものを原料から製品をつくるまでのすべてのものをGMPでカバーしな い場合もあるんですか。 ○林委員 そうではなくて、それが先ほど言いましたように、食品産業の特徴なんです。医薬品 と違って、特定の材料を入れて、ある特定の工程だけをやって、それを次の企業にお任せすると いうようなこともあるわけです。だから、小規模ならばそれなりの小さな規模でのGMP対応が 可能だと思います。もちろんその内容は、最初から終わりまで一貫工程でするのとは違います。 ○大野座長 坪野先生、どうぞ。 ○坪野委員 林先生に質問なんですけれども、先ほどEUに関してはGMPの認証には目もくれ ていないけれども、安全性認証の方に力を入れているというお話でしたが、その場合の安全性と いうのは具体的にどういうことなのか、教えていただきたいんです。 ○林委員 これは、この前の会議のときに安全性評価のフローチャートで御説明しましたけれど も、この製品ならば最終的に安全であると言えるということをフローチャートで評価します。  フローチャートにしたがって原材料、あるいはでき上がった製品についてこれが安全に使える ということが認められれば、安全性確保の第一段階はパスします。これが安全性認証です。EU はこの段階を重視しているのです。 ○大野座長 よろしいでしょうか。  松永先生、どうぞ。 ○松永委員 済みません、ちょっと下世話な話なんですが、はっきりおっしゃれないという回答 になるんだと思うんですけれども、認証の料金というのは、今、大体、どんな考え方で額をお決 めになっておられるんでしょうか。 ○林委員 GMPの認証ですか。 ○松永委員 はい。現在やっておられることについてです。 ○林委員 私たちの協会のGMPの認証は、スタートしたばかりなので、採算を度外視していま す。むしろ赤字に近い状態です。  これを実際の事業とするためには、大体、ある程度の収益が必要ですがそれ程高価なものでは ない。少なくとも、私たちの協会は財団法人なので、それほど高いということではないというこ とです。 ○大野座長 よろしいでしょうか。  ありがとうございました。それでは、引き続きまして、大濱委員より御報告をお願いいたしま す。 ○大濱委員 私の協会は日本健康食品規格協会でございますので、私たちの協会がやっておりま すGMP第三者認証の実際の問題についてお話をしたいと思っています。  私たちのGMPの基本的な考え方は、やはり製品そのもの、あるいは成分に対しては、林先生 がおっしゃったように、安全性が非常に重要である。ただ、安全性だけではなくて、それぞれの カテゴリーに応じて何らかの機能性をきちんと確保しないと、製品としては意味がなくなる。  その2つの視点から考えて、やはり個々の製品に、その2つがきちんと担保されるためには品 質を確保するということで、品質を確保するということは製造工程の中で品質を損なわないとい う前提でGMPを考える。その考え方の基本は、ほとんど医薬品の考え方に準じる基本的な考え 方を取りました。そういう意味で、若干、細かいというか、規定が非常に詳細になっているとい う部分はあるかもしれないと思っています。  当然のことですけれども、厚生労働省が平成17年5月に出されました2つのガイドラインの 中の「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的考え方について」、いわゆるGMPの 考え方のガイドラインを全面的に踏襲して、そして、医薬品のGMPを参考にして規範をつくっ ております。  そういう意味で、先ほど田中先生から御質問がございましたけれども、GMPの対象は錠剤、 カプセル状等の食品ということに置いております。大部分はいわゆる健康食品ですが、そういう 意味では、栄養機能食品も私たちの方のGMPには入ってきています。  「活動内容」が1ページ目の真ん中辺りに書いてあります。  「1)GMP認証」については、私たちの協会は、今のところはGMP認証だけをやっており まして、GMPに関わること以外のことはやっておりません。  その代わり、GMPは、そこに書いてありますように、規範をつくって、最終製品の製造施設 を対象にする場合。それが(1)の健康食品の最終製品です。  (2)が原材料GMP。これもガイドラインにありますので、原材料GMPの規範をつくって 認証を行っています。  (3)は、これもガイドラインに準じて、輸入食品のGMP規範を作成しております。ただ、 現実には輸入食品のGMPについては、今までのところ、申請がありませんので、実施されてお りません。規範をつくっているというところで留まっております。  そして、各GMP認証施設で製造された最終製品に、最終的にGMPマークの表示を許可する というところまでが一連のGMPの流れとなっております。  その他の活動としては、例えば各企業の内部監査員がGMPにはどうしても必要ですので、そ の養成、それ以外に関連するセミナーなどを行っています。例えば、アメリカのFDAのGMP に関するものなどです。  それに関しては、海外のGMP情報の収集をし、適宜、情報提供するというようなことをやっ ております。  「組織」は、現在、理事が9名。顧問の先生方を6名お願いしております。会員の企業が現在 73社。それに、事務局から成っております。  次に「3)GMP第三者認証に対する考え方」について、私たちの考え方をお話ししたいと思 います。結論を言えば、健康食品の製造における品質保証がGMP規範に適合して実施されてい ることを保証するための認証であるということになります。  実際の認証の概要、言い換えれば、認証にとって必要な、重要事項を挙げておきました。  まず、規範をつくります。規範には各条項に従っていろいろな規定がありますので、各条項ご とに監査項目を設定いたします。何をどういうふうに見ればいいかを、監査のマニュアルとして 設定いたします。  そして、個々の監査項目に関して、実際にそこの施設が適合しているかどうかの判定を行いま す。その際の判定に必要な認証基準も定めています。そして、各条項ごとの判定を行った後に全 体的な評価をして、GMPに適合しているかどうかを判断することになります。その際のやり方 については、後でお話しいたします。  監査は、実際には実地監査を行いますが、必ず事前監査と本監査の2つのステップを通して行 うことになっております。  最終的な認証の可否は、私たちの理事会がGMP認証審査委員会をつくっておりますので、そ こで監査報告書を精査して判断することになります。  監査実施に関しては、客観的な視点から行うという考え方に基づいて、大阪にある外部監査機 関であるNPO−QAセンターに委託しております。これは大阪府の薬務課の元課長さんが中心 になっておつくりになった組織でして、実際に構成されている方々はすべて製薬会社のGMPに 精通したOBです。QAセンターは、医薬品のGMPについてかなりの実績を積んでいますので、 食品GMPについてもやっていただくようにお願いして、すべての監査を委託しています。私た ちの方の認証では、第三者の客観的な視点からの監査を取り入れています。  認証した後は、林先生がおっしゃいましたように、3年ごとに更新します。これは非常に重要 なことですが、その間に毎年1回中間監査をいたします。やはり同じ監査機関から出向いていた だいて、実地監査を1年に1回ずつやるということになります。  最後に、GMP認証に際して最も重要な考え方を書いておきました。私たちの考え方は、GM Pの運用が意図した目的、GMPとして達成しなければならない目的に適合するかどうかの判断 をしていかなければいけないということです。そのためには、実際に運用されているGMPの各 ステップそれぞれがきちんと意図した目的を達成し得るかどうかということを確認するための バリデーションが非常に重要であると考えておりまして、バリデーションは必須項目としていま す。  それから、GMPの場合には品質管理をしなければいけませんので、当然、分析が必要ですし、 そのほかの機械・設備も正しく動いているということの確認が必要になります。その意味で品質 確保のための機器・設備の校正、キャリブレーションを必ず実施するという2つをGMPの核心 に置いています。  次に、評価の手順を簡単にお話しします。先ほどお話ししましたように、まず各チェック項目 ごとに評価をします。評価ランクをA、B、C、Dに分けて、資料2ページの評価基準の項目に 示した判断を致します。例えばAだったらば、監査項目が適切に実施されている場合であり、各 条項の項目ごとにこのように確認していくというやり方を取ります。  そして次に、各項目ごとの評価を併せた条項ごとの適合評価を行います。その際に、評価ラン クが例えばすべてAであった場合には「適合」、AとBの場合には「おおむね適合」というよう な4段階に分けて判断いたします。  そして、各条項ごとに行った4段階評価をすべて集めて、総合的な全体評価をして、最終的に GMP適合の可否を判断するというやり方をとっております。  最後のGMP認証の可否判定を除いて、先ほどお話をしました外部の監査機関のNPO−QA センターに委託して、やっていただくことになります。  GMP認証の可否判定は、私どもの協会の審査委員会で、事前監査報告書とか、本監査報告書、 監査の経緯等の報告書に基づいて、判断しております。監査の経緯には、実際には、例えば事前 監査の段階でいろいろ宿題が出た場合に、その宿題がどこまで達成しているかということの判断 なども含まれています。  次に「(2)確認方法」、(3ページ)についてお話します。  ここでは認証プロセスについてご説明します。申請を受けて事前監査を行います。これには書 類審査と実地監査が含まれます。  次に本監査を行います。  それぞれの段階で指摘事項がある場合には、改善されているかどうかの確認をします。  そして、総合評価が外部監査機関でなされた後、私たちが最終的な評価をしていくという考え 方をとっております。  次に、中間監査について書いておきましたが、先ほどお話しましたので、省略します。  ただ、毎年1回、必ず監査機関から出向いていただいて、実地監査をして、それぞれの課題を きちんとこなしているかどうかを確認しています。このとき内部監査として施設の中でも自主的 な監査をやっていただき、その監査報告書も外部監査によってもう一度監査をするということを やっております。  外部機関に対する監査の委託については、先ほど説明したとおりで省略をいたしますが、3ペ ージの下に書いてあるような契約を結んでおります。  製造企業のノウハウとか、企業の機密事項というものがありますので、機密契約をきちんと結 んでいます。  次に、GMPマークの使用許可ということになりますが、これにはかなり厳密なやり方をとっ ております。GMPの認証工場で製造された製品にしかマークを与えないというのは当然ですけ れども、マークの申請があった場合には、申請に対して審査をするということをやっています。  その審査の内容は、4ページの3行目に「審査は薬事法、食品衛生法、健康増進法、JAS法、 景品表示法等の観点から行なう」と書いてある通りです。なぜ、こういうことをやるかというと、 GMPマークを許可して、製品にそのマークを付けると、消費者が、そのマークがその製品のあ らゆることを保証していると誤認してはいけないので、実際はGMPマークの意味を示す文言も 付していますが、なおかつ、これらの法律に違反する表示がある場合にはGMPマークの使用を 認めないということにしています。  法律違反があるかないかについても、やはり第三者機関である「特定非営利活動法人 適正表 示研究会」に第一次審査を委託しております。この機関は、都庁の関連部門でお仕事をなさって いた方が始められたものです。表示に違反がない場合には、マークを許可するようにしています。 NPO適正表示研とも同じような委託契約を結んでいます。  「a)GMPマーク使用許可プロセス」として、申請があった場合には4ページ下段に書きま したプロセスに従って、資料を提出していただいて審査をするということになります。具体的に は、その製品に関わる、配合書等を出していただいて、法的に問題がない表示がなされていると いうことを確認した上でGMPマークを許可するという考え方をしております。  5ページにマークを示しました。そのマークの下に、JIHFSというのは日本健康食品規格 協会の英文の略字ですけれども、「本製品は、JIHFS健康食品GMP認証工場で製造されて います。JIHFS健康食品GMPは、厚生労働省の健康食品GMPガイドラインを遵守してい ます。」という文言を必ず添えていただくということになっています。  その次は、設立から現在に至る経緯が書いてあります。  平成17年5月に設立いたしまして、必要な外部機関との契約をして、現在に至っているとい うことです。  認証の実績については、5ページの下に書いておきましたように、健康食品GMPが現在7社 です。それから、原材料のGMPの認証工場が4社になります。先ほどお話ししましたように、 輸入健康食品についてはまだなされていません。  この合計11社に関しては、毎年1回ずつ「中間監査」を実際に実施しておりまして、今のと ころは、認定を取り消すという事態は起こっておりません。3年後の更新がそろそろ始まろうと いうところの段階に来ています。  GMPマークの使用許可製品は全部で120製品になっておりまして、あくまでも、錠剤、カプ セル状等の形状をとる製品です。製品に認証マークの要請があった場合に審査をして認めるとい う考え方でやっております。  最後に「5)GMP第三者認証の普及に向けて取り組むべき課題」というものを少し書いてお きました。  言うまでもなく、林先生もおっしゃったことですけれども、まずきちんと消費者にGMPの意 味を理解してもらう必要があります。そして、GMP認証マークによって製品の品質に対する判 断ができるようにしていくというのが理想ですので、そのための積極的な広報活動を行うと同時 に、その理想が製造販売者の方にもきちんと認識していただくために、いろいろな機会を設けて、 情報提供をし、積極的に認識を高めていただく活動をします。結局、結論としては、消費者のG MP認知度が高まらなければ、GMPを実施しても意味がないだろうという考え方になります。  もう一つの考え方は、やはり市場の推移の中できちんとした製品がGMPマークを付けて売ら れて、その製品に対して本当に安心できるという状況ができ上がれば、必然的に消費者の認識も 広まっていくだろうという考え方をしていますので、やはりGMPマークをきちんとした製品に 付けるということの意義が大変重要だと考えております。  3番目は、林先生もおっしゃっていました海外とのいわゆるハーモナイゼーションに関わる問 題でして、現在、そこに書いてありますように、非常に多くの国、例えばアメリカ、カナダ、オ ーストラリア・ニュージーランド、またアジアでも中国、韓国などがGMPを実施しています。 それから、ASEANは10か国共通のサプリメントの法律づくりを行っていまして、GMPに ついても、ほとんど最終案ができ上がっています。GMPが実施の段階に入っている国では、そ の国のGMP規範に基づいて、国が最終的に認証をするという方法を取っています。将来、GM Pの多国間のハーモナイゼーションが求められるとしたら、やはり国同士の協定がどうしても必 要になります。そのための準備ということをそろそろしておかなければいけないだろうと考えて います。  なぜ、そう考えるかというと、現実に中国とか韓国から、日本製品を輸入する場合にGMPの 認証の証明が必要だと言わた企業が既に何社かありまして、JIHFSのGMPの考え方を示し て、認定証をお出しして、それによって製品が受け入れられたということが何回か起こっており ますので、国際的なハーモナイゼーションというのはすぐ目の前に来ているのではないかと考え ています。  そういう意味で、多国間との政府間協定をどうしてもつくらざるを得なくなってくるだろうと 考えています。  そのためには、最終的な問題としては、やはり日本のGMPの規範を一本化して、国が認めた 規範において認証をしていくシステムを構築する必要があります。国の認証によったものでない と、海外の政府から認めてもらえないということが当然起こり得るだろうと考えております。  ただ、林先生もおっしゃっていましたように、国が認証するというのは国の方の準備も大変で す。人も増やさなければいけない。いろいろな問題がありますので、国が認めた、信用の置ける 第三者の認定機関に国が認証を委託して、最終的には国がそれを判定するというやり方が実用的 なのではないかと考えております。  そのほかに、GMP認証取得のためにいろいろな情報提供とか、コンサルテーションも必要で す。それから、企業によっては、先ほども林先生がおっしゃっていましたけれども、企業のレベ ルによっては、GMP認証取得は難しいのではないかと言って、最初からあきらめようとしてい るところもないわけではありません。GMPというものの基本レベルを維持しながら、ソフトウ ェアとハードウェアの相互補完的な考え方を上手に取り入れることによって、GMPの基準まで 達成させるためのコンサルテーションをやっていきたいと考えております。実際にそういうこと を少しずつやってきているわけです。  このような考え方に基づいて、現在、私たちのGMP認証を進めております。  以上であります。 ○大野座長 大濱先生、どうもありがとうございました。  今の大濱先生のお話について、御質問・コメントはございますでしょうか。  梅垣先生、お願いします。 ○梅垣委員 GMPのマークを最終製品に付けられていますけれども、GMPは、健康食品のG MPと原材料のGMPの2つがありますね。だから、原材料は満たしているけれども、最終製品 は満たしていないものが、このGMPマークを付けているというようなことはないでしょうか。 ○大濱委員 それは絶対にあり得ません。原材料GMPと最終製品GMPは、今、全く独立して やっておりまして、現在、最終製品にしかGMPマークは付けていないんですが、最終製品に付 ける場合は、最終製品の製造施設がきちんとGMPに適合していなければ申請を受け付けません。 ○梅垣委員 ということは、最終製品にGMPマークが付いているというのは、原材料のGMP も満たしているし、製造も満たしているということですね。 ○大濱委員 それは必ずしも、今のところはそこまで至っておりません。ただ、GMP施設で製 品をつくるときは、当然、原材料の受け入れに際してきちんとした受入規格を設定し、必要な品 質基準を満たしているものだけを使用することになります。これはGMPの流れの中の重要な部 分と判断しています。まだ原材料GMPの認証を取っているところがごくわずかして、市場全体 の原材料の種類から言えばほんのわずか、一握りしかありませんので、今、それはまだ不可能な 状況です。 ○大野座長 宗林先生、お願いします。 ○宗林委員 4ページの「(4)GMPマークの使用許可」の中に、審査は個別商品に関する薬 事法から景品表示法までのことまでもすべてクリアーしたものに対してという意味で書かれて いらっしゃるんですか。 ○大濱委員 そうです。 ○宗林委員 例えば優良誤認であったりとか、そういったものもすべてチェックしたものが、こ の5ページの120製品に該当するという意味でしょうか。 ○大濱委員 はい。 ○宗林委員 そうすると、例えば健康食品のGMPが7社とか4社とかありますけれども、ここ でつくったものでも、最終製品の表示面まで含めるとクリアーできないものがたくさんあるとい う現状なんですか。 ○大濱委員 クリアーできないものは、GMPの製造の問題ではなくて表示の問題です。表示で クリアーできないところが現実にありますが、その場合は表示をきちんと訂正してもらうという ことにしています。  さっきもお話をしましたように、GMPはあくまでも製造段階の品質管理基準でありますが、 表示の確認なしにGMPマークを付けるだけにすると、今のように優良誤認などが起きる可能性 が非常に大きいので、表示全体を見て違反がないということを確認した上でGMP認証マークの 使用を認める、という考え方です。 ○宗林委員 この各法律に関する細かいデータも含めてやるということですか。 ○大濱委員 はい。4ページの下段に示した資料を提出していただいて判断することになります。 ○宗林委員 そうすると、例えばアレルギーの表示に該当するような原材料が使われていないか とか、そういったところまですべて見た上でということですか。 ○大濱委員 そうです。 ○宗林委員 わかりました。 ○大野座長 永留先生、お願いします。 ○永留委員 冒頭の方で機能性の維持ということをおっしゃいましたので、その点でお聞きいた します。  原材料の機能性といいますか、そういったものでは、ある処理をすれば不活性化するようなも のがございますけれども、そういう不活性化がないような製造条件を経ているだとか、そういっ たことも、この認証の範囲になっておるんでしょうか。 ○大濱委員 そこは認証の範囲には入れないと思いますので、それはやっておりません。あくま でも考え方として、最終製品は、医薬品の言葉を使いますと、安全性と有効性がきちんと確保さ れるということがすべての売り出される製品一本一本に担保されなければいけないという考え 方で、製造工程の中でそれを保証するのがGMPであるという考え方をしていますから、その製 造工程の中で、例えば失活が起こるような製造工程を取っているから問題があるかないかという 判断は、私たちの方ではするべきではないと思っています。それは、その製造会社の問題です。 ○大野座長 田中先生、お願いします。 ○田中委員 まだ実績がないということですけれども、この輸入食品のGMPは具体的にはどう されるんですか。外国の工場へ行ってまでなどということはできないでしょうし、具体的にはど んなようにされるんですか。 ○大濱委員 外国へ行って実地監査をするということも一つの考え方の中に入れております。そ れを要求された場合には出かけていくということで、実際には中国の工場を認証したことが1つ ありまして、そこは出かけてまいりました。  それから、相手国がGMPを実施していて、そのGMPの内容を私たちが判断した上で、きち んと実施されているというGMP認証を取っていれば、その製品は受け入れられると考えていま す。  GMP認証制度がなく、実際に実地監査も行われていない場合が一番難しいんですが、製造工 程を通しての品質保証を判断するために必要なデータを出していただいて、GMPに準じると判 断できるか否かはまだ検討中です。 ○大野座長 林先生、お願いします。 ○林委員 現時点では、GMPの基本的な考え方と具体的な方法について、その国との意見調整 がないという段階では、現地に行って調べる必要があります。いずれ二国間、多国間の相互認証 ということのための話し合いが必要だと思います。医薬品の場合も同様だったと思います。 ○大野座長 坪野先生、お願いします。 ○坪野委員 これももしかすると既に御紹介があったかもしれないんですが、6ページの(3) の諸外国の状況についてもう少し教えていただきたいんです。  先ほど、GMPの認証について、ASEANでは共通の法律をつくって、法令に基づいて、基 本的に各国の政府の業務として行っているというふうに伺いましたけれども、ほかの国はそこが どうなのかということ。  それから、今回提唱されている第三者認証機関が実際の業務をやって、その認証機関に対して 国が認証するというスキームを採用している国というのはほかにもあるのかどうなのかという ことを教えていただけませんか。 ○大濱委員 まず最初の御質問ですけれども、ここに挙げてある国はすべて、漢字表記の国の場 合は名称が違いますけれども、基本的にはサプリメントの法律ができ上がっていまして、その法 律の中でGMPを求めています。ASEANの場合は、まだ最後の段階まで行っていなくて、10 か国共通のサプリメントの法律づくりをやって、その中でGMPのドラフトができ上がっている ということです。ですから、あくまでもGMPは、そのもとであるサプリメントに対する法律が きちんと整った上で実施されているということになります。  それから、次は何でしたか。 ○坪野委員 先生方が提唱されている第三者機関がやることを国が認証するという、その間接的 なやり方をしているところがあるのかどうかです。 ○大濱委員 それは、海外でもあるかもしれません。ただ、私たちが聞いている範囲では、記憶 に十分でないところがありますので、確実とは言い切れません。韓国と中国は国が認証していま す。それ以外の国では第三者認証を考える可能性があると思いますが、アメリカでは原材料の 100%同一性を求めるという一項がありますが、これも最終的にはFDAが判断することになっ ています。  まだ具体的な資料が足りないので、どの国で第三者認証機関に政府が委託して認証業務をやら せているかについてははっきりお答えできません。 ○坪野委員 いずれにしても、そういう制度があるかどうかは別にして、ほとんどの国では国の 法令に基づいて、このGMPをやっているという理解でよろしいんですか。 ○大濱委員 はい。それは確実にそうです。最終判断は国の法令で、国が判断をするということ です。 ○大野座長 林先生、お願いします。 ○林委員 日本では医薬品と食品の他にサプリメントというものは法律的にないのです。一方、 ほかの国では食品と医薬品のほかにサプリメントという存在が法的にあります。ですから、それ についての法律であって、食品についてのGMPとは異なっています。そういう点で日本とアメ リカの状況を比べてみても比較考量にならないのです。 ○大野座長 鬼武先生、お願いします。 ○鬼武委員 今回の議題がGMPについての認証になっていますので、1つ確認しておきたいの は、厚生労働省としては食品衛生法のなかで、GMPという概念なり適用について、ガイドライ ンなり考え方を個別に出されている事例もありますが、まずどうしたいのかというのが最初にな いと、そこがはっきりしないとよくわからないというのが、私が、今の議論を聞いて思っていま す。  2点目に、最終的にはそういう中で民間の団体が自主的に認証して表示をするということにな ると、表示をした場合に、消費者が見た場合、これは何らか安全性が確認されているのではない か。林先生がいろんな形で、長い文章で書いてあるような、誤解がないようにというふうな、そ こまでの表示は多分されていないと思うのです。ですから、そういう面ではまだまだ認知度も低 いし、誤解も受けるから、表示については、やはりまだ慎重であるべきだと私は思うのです。  まず1点目のGMPの導入なり、そこについて、厚生労働省が、これは今回話しているいわゆ る健康食品だけではなくて、一般の食品、もしくは特保なり、ほかのものだと民間でもいろいろ 既にGMPを取っているわけです。それで、表示はしていないわけです。そういうものが一方で あって、表示されているものがあるということになると、やはり消費者の方から見ると、これは 一貫性が取られているのかわからないわけです。ですから、その辺の議論をきちっとやらないと、 最終的には表示ということで今回も出されていますから、第三者認証と、最終的には表示でしょ うから、そこの議論がもう少しかみ合うのではないかと思っています。 ○玉川室長 行政の方から結論的なことを最初に申し上げるのはどうかと思いまして、論点とい う形で提示をしておりますけれども、冒頭、座長からありましたように、厚生労働省の方からは、 適正な製造に係る基本的な考え方ということで、錠剤、カプセル状等食品の製造工程管理による 安全性の確保について通知を出しているところであります。  この通知のそもそもの考え方でありますけれども、現行の法令、食品衛生法の中で、食品等事 業者の責務というものが第3条で定められております。そこでは製造事業者等でございます、食 品等事業者が「自らの責任においてそれらの安全性を確保するため、販売食品等の安全性の確保 に係る知識及び技術の習得、販売食品等の原材料の安全性の確保、販売食品等の自主検査の実施 その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない」という責務が定められております。で すから、医薬品か食品かということでありますと、健康食品については食品の範疇ということで はあるんですけれども、食品等事業者というのは安全性を確保するためのさまざまな措置を講じ ていかなければならないというのが一般論として定められております。  こうしたものについて、特に濃縮等の加工工程を経ております錠剤、カプセル状等食品につい ては、こうしたものを積極的に取り組んでいただかないと安全性確保が難しいだろうということ で、その際にどういうことをやっていただきたいかというのを具体的に定めたものが、先ほど申 しました食品安全部長通知に基づくガイドラインになっているわけであります。ですから、現行 法の遵守ということで言いますと、食品等事業者の責務としてこういうことをやっていただくこ とがあるんだけれども、その際には、特に濃縮等の食品についてはこういうところまでやってい ただきたいというものを示しております。  それでは、実際にどこまでやっていただくのかというのは、食品等事業者の取組状況なわけで ありますけれども、実際に取り組んだところについては、ちゃんとこういうところまでやってい るといったことを理解していただくこと自体が、更に事業者が積極的により取り組んでいただく ことにつながっていくのだろう。その際には、よりこうしたものを広範に進めるには、単に事業 者自身が自主点検をしたにとどまらず、第三者によってそれを見たことがわかるようになるとい うのが、更に客観的に、担保することにつながるのではないか。  ただし、現状として、そうした取組みを始めている団体がこの2団体のほかにもあるかとは思 いますが、必ずしも大きな形での広がりを見せていない。そこには、どういう克服すべき課題等 があるのか。それについて、製造側の考え方、あるいは認証側の考え方、それから、消費者側か ら見た問題というものを突き合わせて、具体的にこういうことをすれば安全性は高まるというこ とが、できればと考えております。  勿論、その際には、諸外国とのハーモナイゼーションも考慮すべき事項としてはあるんだろう と思いますけれども、まずは日本国で供給される、今もある食品について、どうやったら、どう いう取組みをしたならば、それがより進む形になるのか。例えば、今の責任分担の考え方として は、事業者のやっている取組みを更に補強するという形で第三者が入っているわけでありますけ れども、その際にばらばらな形で入っているのではなくて、今も厚生労働省の方からガイドライ ンという形で最低限の共通ルールみたいなことは定めているわけですが、例えば第三者で見ると きの考え方というときにも、第三者は一定のハードルをクリアーしているところでないと、第三 者として見たことにならないのではないかとか、そういう具体的な条件とかについてコンセンサ スが得られればと思っております。多分、いろいろと御見解もあると思いますので、御意見をい ただければと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。  鬼武先生、よろしいですか。 ○鬼武委員 はい。 ○大野座長 大濱先生にちょっと聞きたかったんですけれども、先ほどの永留先生からの質問で したか、物が変わるのではないか、不活性化についてはチェックしているのかという質問があり ましたけれども、それはやっていないということだったんですか。 ○大濱委員 それは、GMPの中ではやっておりません。 ○大野座長 製造工程について、バリデーションとかそういうところを重視するということです けれども、バリデーションというのは何をやっているんでしょうか。 ○大濱委員 バリデーションというのは、GMPによる管理システムがきちんと行くかどうかを、 あらかじめ製品を実際に流しておいて、品質管理、製造管理が当初の目的どおりの結果を得てい るかどうかということを事前に確かめておいて、そして、そのGMPのやり方に問題がないとい う確認をするというのがバリデーションになりますので、あくまでも製造プロセスに関するもの で、その製造の中にはらんでいる大きな問題があって、活性が落ちるかどうか、品質も落ちるこ とになるんですけれども、その製造方法がいいかどうかということはGMPの対象にはならない んです。それは、今のような形では第三者から判断するわけにはいかないということになると思 います。 ○大野座長 ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。  それでは、お二人の先生にいろいろ御報告をしていただいて、質疑をいただいたんですけれど も、これからは全体的に製造工程管理における安全性の確保について御議論していただきたいと 思います。今日いただいた資料1の「論点整理」に書いてございますけれども、それぞれについ て御議論いただければと思います。  「1.健康食品の安全性の確保を図るための具体的な方策について」の「(1)原材料の安全 性の確保について」というところは前回御議論いただきましたので、今回は「(2)製造工程管 理による安全性の確保について」で、○が2つあります。  「○ 製品の均質化を図り、信頼性を高めるために必要な製造規範として、現行のガイドライ ンについて改善すべき点はないか」。  2つ目が「○ 製造工程管理による安全性の確保の取組みを推進するために、どのような枠組 みを設けることが望ましいか(例えば、取組みの実施について法的な義務を課すか否か、外国に おいて製造された健康食品への対応、消費者へ安全性を伝えるしくみなど)」というところで、 まずこれについて御議論いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。  お願いします。 ○林委員 まず、現行のガイドラインについて改善すべき点はないかということですが、厚生労 働省が出しているものは割合大まかに書かれているので解釈に巾がありますが、内容と方向性に ついては特に問題ないといえます。  ただ、実際にこれを企業が参考にする場合には、細かい点について理解できないところがある ことを聞いております。ですから、それは注とか脚注で補うとしても、その脚注をつくるときに、 これはやはり国際性も考えて、そのときに諸外国のGMPの規範を参考にするのが現実的ではな いかと考えております。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。  それは、脚注を付けるかということと、場合によっては、対応としてはQ&Aをつくるとか、 2つあるのではないかと思うんです。 ○林委員 そういうことです。先ほどの現行の安全性のフローチャートの場合でも、方向性とし ては決して悪くない。ただ、それだけではなかなか読み取れない箇所があります。先ほど先生が おっしゃった、操作を加えることで不活性化される可能性については、フローチャートのどこか で扱えると思います。  前回の会議のときに、文献調査の方法について宗林委員から問題提起されましたけれども、そ ういうようなことについても、脚注が付けられればと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。そのほかはございませんでしょうか。 ○大濱委員 間違っていないと思うんですが、先ほどの製品にGMPの認証マークを付けるとい うのは、たしかガイドラインには載っていなかったと思うんです。ただ、やはり消費者にとって みれば、GMPに基づいて製造されているか否かは全くわからないわけですので、認証したもの に対して何らかの形でそれを表示できるようにするということはとても重要だと思います。その 点はたしか入っていないですね。 ○林委員 入っていないです。 ○玉川室長 この通知の中身は、直接的には事業者自身が自主点検するときの考え方ということ になっておりますので、そこから先のところについては、どう表示するかといったものについて は含まれておりません。 ○大野座長 何らかの形で、国としてこういうものを付けるというのは指示した方がよろしいと いうことですか。 ○大濱委員 結局、消費者と企業をつなぐところの製品の品質の保証を得るということは、やは り何らかの具体的なものが介在しないと消費者は全くわからないということから考えると、せっ かくGMPが健康食品の品質を高めて、事業者の責務を全うするという一つの重要な手段であっ たとしても、消費者に伝わらないと思うんです。そこのところは、やはり何らかの手段を考える ことが必要かと思っております。 ○大野座長 神田先生、お願いします。 ○神田委員 いろいろなものが私たちの周りに氾濫する中で、現状は非常にひどい状況があるも のですから、やはり一定数の安心して買えるものという手だては必要だと思うんです。そういっ たことは一つ必要なんです。  ただ、先ほどのお話とも関連しますけれども、マークを付ける際の要件というものを統一して おかなければ、先ほどの大濱さんのお話ですと、そういったいろんな法律を加味した上でやると いうお話だったんですけれども、そういったことがきちっとなされていかないと、今度はマーク はマークで、こういうものがまためちゃくちゃみたいになってきますとひどい話になってきます ので、そういったことが必要だということと、当然のことですけれども、そういうものを付ける 際には要件をはっきりさせておくということが必要ではないかと思います。 ○大野座長 そうですね。幾つかの機関がやったときに、その基準が全然違うと問題になります。  宗林先生、お願いします。 ○宗林委員 頭の整理がうまくできないのですが、いわゆる安全性評価のガイドラインというこ とで、原料から最終製品までのガイドラインの話がありますね。それをクリアーしたものに対し て、製品に何か安全マークみたいなものができるのかなと見ていたんですけれども、その途中の 製造工程管理について、また改めて、その部分を切り出してGMPというようなマークが付くと いうことになるのでしょうか。  あるいは大濱先生のところですと、最終製品まで入ったような形のGMPということになって くるので、その辺の整理について最終製品までいろんなステップをクリアーしたものに対しての 一つの第三者認証という形でのマークが私たち消費者にとってみると一番わかりやすいものに なるだろうと思いますので、その辺を整理していただかないと難しいと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。  それでは、林先生、お願いします。 ○林委員 その製品が安全であるということの認証は、科学的知見を根拠にして実施されるリス クアセスメントに相当します。有効性の評価も同じような過程で進められます。そこで安全性と 有効性の知見に基づいて成分規格が作られます。そこで規格製品を、製造管理と品質管理の体制 で製造されることになります。先ほど言いましたように、(1)、(2)、(3)、その3つの過程があれば、 安全性の確保ができるわけです。ですから、先生が言われたように、その3つがそろわなければ ならないのです。  今、私たち協会のJHFAマークの内容を少し変えようとしていますが、これはその3つをそ ろえたものをJHFAマークにしようということなのです。ですから、今、先生がおっしゃった ように、全部そろったものでないと何を買っていいかわからないというのはまさにその通りです。  ですから、協会の計画と、宗林先生が言われていることは一致しているということです。 ○大野座長 鬼武先生、お願いします。 ○鬼武委員 マークを付けるということは、私はまだ慎重であってほしいと思っています。とい うのは、GMPのほかにも企業が製造者として努力して、HACCPでいろいろ認証を取ってい ったり、ISOを取ってということで、今、いろいろ表示をされたりしていますけれども、最終 的に消費者のところは、何か事故がなければ、最終的には表示がなくても、そんなものは別にノ ーケアというか、余り問題ないと思います。  そのことが逆に誤認を及ぼすようなことであれば、食品製造の土台としてそういうGMPなり、 HACCPなり、ISOを取っているということを各企業できちんとやられていれば、その表示 ということまでの必要性は、ほかにHACCPとか、ISOとか、いろいろ表示もありますから、 そこも含めて、私はそこまでの表示は、今、必要かどうかというのは、もう少し慎重にあるべき ではないかと思っています。 ○大野座長 ほかにいかがでしょうか。  既に表示が先行しているわけです。それを統一化みたいな形で行政的に進めなくても今はいい という考え方ですか。 ○鬼武委員 どこまでの議論になるかわからないのですけれども、最終的には、この後、健康被 害情報をどういうふうに消費者に流すとか、そういうお話もありますので、現行のやっているも のを、例えば、それは国がやめろと言うまでは言えないかもしれませんけれども、私としては、 今回の検討会は現状の問題点等を整理して、どういう点があるかということを助言するのもこの 検討会の趣旨だと思っていますので、その点から発言しておりますから、別にやめろという趣旨 ではありません。それについては、皆さん方のいろいろな意見があってもいいと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。  神田先生、お願いします。 ○神田委員 大濱さんのところでは、既にこのマークの条件を決めてやっているわけですね。で すから、そういった条件がばらばらにならないようにしてほしいということなんです。  あと、やはり消費者が選ぶときにいろんなマークがあるのは確かに困ったりしているので、こ れさえ見ればみたいな形が一番いいわけですけれども、とにかく、いろんな解釈ができるような マークでは困るということです。消費者へ安全を伝える仕組みなどというテーマがありますけれ ども、いろんなマークだけではない情報の伝え方もあるとは思うんですけれども、非常に選ぶの に大変ですし、いろんな問題も起きているということは事実なので、そういう中で何を考えてい くかというと、そういうふうにしていってほしいと思います。  もう一つ、今の議論に関係するのかどうかわからないんですが、先ほどのお話の中で、第三者 組織として、国から認定されると消費者に信頼されるというようなお話もありましたけれども、 一概に国が認定したから信頼するということには、これまでの経験でないわけで、そういったこ とは必要ですけれども、なおかつ、定期的にチェックしたものを公表して、問題がなく、これで いいんだということを示していくということを繰り返していく、組み合わせていくということが 必要なのではないかと思っていますので、国を信頼しないわけではないですが、ただ、それだけ ではなかなか難しい現状があるというふうな感想を持ちました。 ○大野座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。  永留先生、お願いします。 ○永留委員 GMPの認定状況ですが、世の中にあふれている健康食品の数から行けば、認証さ れた数は少ないと思います。この原因は私の勝手な想像ですけれども、例えば企業規模の大きな、 知名度の高い企業さんはそれなりに高い品質基準でやっておられますし、GMPの認知度が低い 段階でGMPを取るよりは、各企業さんの知名度で消費者からの信頼をかち得た方がメリットが ある。それ以外の企業規模の小さな企業さんの場合は、全然興味がないというところもあるかも しれません。また、敷居が高いとか、負担が大きいとか、そういうことでなかなか対応し切れな いという企業さんもあるかと思います。  こういった現状をどうするか、非常に私は、今、危機感を感じております。企業規模の大きな ところ、ここはすべてがきっちりやっているとはなかなか断言できませんけれども、比較的リス クは少ないのではないかと思います。後者のGMPに全然興味を持っていないとか、なかなか対 応できないとか、そういった事業者さんの辺りをどうレベルアップしていくか。そういった視点 で、GMP認証マークも議論していただければと思います。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。  大濱先生、お願いします。 ○大濱委員 もう一度、マークのところに戻りますけれども、いろんな方がマークについて心配 していらっしゃるのはもっともだと思うんですが、非常にたくさんのマークが1つの製品に付く という事態も起こり得るわけです。マークというのは、やはり、そのマークの持っている限界が あって、それを超えて判断されるべきではないということは当然だと思うんですが、そこまで消 費者の方が考えていらっしゃるかどうかは全くわからないわけです。  多分、ほかの国でも、アメリカなどでもそうですけれども、いろんな表示、マーク、あるいは ラベルの内容について、やはりきちんと理解しないと、特に安全性と機能性が重要視される健康 食品の場合には、そういった内容が消費者に伝わらないと思うんです。そういう意味では普及と いうことになるかもしれませんけれども、例えば国がそういうものを、こういうものはこういう ものですということを消費者に理解できるような情報をきちんと消費者に流すということが必 要だと思います。なぜ国がというと、一企業とか企業団体がやると、それが本当に正しいかとい う判断にはなり得ないということがありますので、やはり、どこかで国が押さえないといけない という気がします。 ○大野座長 ありがとうございます。そういうことになると、国としての第三者認証機関の認証 が必要になる。それがあるといいだろうということですね。  ほかにいかがでしょうか。  坪野先生、お願いします。 ○坪野委員 ちょっと知識不足で、少し乱暴な、意見というよりも質問なのかもしれませんけれ ども、先ほどのお話ですと、ほとんどの国では、このサプリメントについての法令をつくって、 それでGMPの認証をしているというときに、日本はそうではなくて、独自の道を行くというと ころが、その妥当性といいますか、それが十分理解できないところがあります。というのは、単 に横並びにすべきということだけではなくて、今、消費者に対する行政の重視というようなこと も言われていますので、こういう健康食品の安全性の確保ということに対して、何かもう少し国 が積極的に関与するということを考えてもいいのではないか。国が第三者機関を間接的に認証す ることもその一例になるのかもしれませんけれども、そういう気がするんです。  法令で規制をするというようなときのメリットとかデメリット、メリットはすぐに広がるとい うことがあると思うんですけれども、何か問題点が特にあるのかどうなのかを教えていただきた いんです。 ○大野座長 事務局がお答えするのがよろしいのではないかと思うんですけれども、それでは、 大濱先生、お願いします。 ○大濱委員 十分にお答えできないのではないかと思うんですが、ほかの国は、やはりサプリメ ントの法律をつくるということに関して、相当長い間苦労して法律をつくってきている状況があ ります。最近になって、やっとそれぞれの国で法律が出そろい始めたという段階です。ですから、 それぞれの国が違った方向を取っていたということは過去にはありましたし、日本は確かに少し 違う方向へ向いています。海外諸国の法律の基本にある考え方は同じだと思います。  そこのところを考えたときに、やはり国際的な視点というのは、どこに真実があるかを見極め る上では重要な役割を果たしてくれますので、そういうことも考えながら、日本であるべき姿を 求めていかなければいけないと思っています。そういう考え方をすると、サプリメントのための 法律をつくるということをほかの国では実際にやってきているわけです。ですから、法律をつく るという意義は非常に重要であるというそれぞれの国の解釈があってのことだと思いますし、法 律をつくってデメリットがあるという議論は私も余り聞いたことがないものですからわからな いんですけれども、つくる意義というのは、各国がそれを重要視しているからつくっていると思 うんです。  私はサプリメントに対する考え方として、表示や効能・効果に対する考え方は全く違いますけ れども、基本的に根底で医薬品と同じようなものがあるのではないかと思っています。それは、 サプリメントは何の意味もないものをつくって売るわけではなくて、目的は、機能性を前提とし てサプリメントをつくって、その機能性が発揮されることにあります。健康食品の場合でも同じ だと思います。もう一つは、先ほどから議論になっている安全性の問題がきちんと担保されなけ ればいけないということです。  この2つをきちんと担保するという意味では、医薬品の持っている根幹にある考え方と非常に 近いのではないかという気がしまして、そういう意味で品質保証というのは非常に重要だと私た ちは理解しています。私見ですけれども、そういうことが、法律につながっていくのではないか と、考えています。 ○坪野委員 もう一点、質問なんですけれども、もし今回、法令というような形ではなくて、さ まざまな団体がやっているものを国が間接的に認証する。それも多分、何か規則なり、通知なり、 法令に準ずるものが必要になるんだと思うので、先生方のお考えとしては、将来、法令に行くた めの経過的な措置としてそういうことがいいだろうというお考えなのか、それとも、比較的恒久 的に、日本は日本で独自性を追求するというか、そういう事情があるからということで、将来、 法令への移行というようなことは必ずしも念頭に置かずに、そのような制度を提唱されておられ るのか。どちらなんでしょうか。 ○大濱委員 私たちの考えは、将来、法令の方に行くだろうと考えております。 ○大野座長 これは今回、こういう別の、法的な対応になったときに、それは欧米と同じような サプリメント的な範疇が、明確ではないけれども、結果としてできるということになるんですか。 ○玉川室長 義務づけを何かに対してしようと思えば、その義務が係る範囲というものは明確に しなければならないと思います。それが濃縮とか何とかというようなことであれば、それが定義 づけということになると思うんですけれども、一方で、サプリメントとかを独立の法制としてつ くろうとしている諸外国の場合には、濃縮しているかどうかということと別に、また、単に安全 性のことだけではなくて、そうした定義がつくられているところもあると思います。  今まで、健康食品に関する検討というのは、そこのところというのはなかなか複雑な議論があ りまして、今回は安全性のところだけ切り離して議論をしようかということであったわけです。 けれども、根が深いところでは、つながっているところがありますが、実際にどういうふうにす れば、少なくとも安全性が確保できる仕組みができるのか。その際、どこまで強制的な形で担保 を求めるのか。それから、現在、我が国が置かれている状況として、ここまで企業の方は自主的 に見ています、それをよそから見る仕組みが整っています。というのがどこまでできているか、 というのを踏まえた上で、それが進んでいないからこそ、より強制的な形でやるのか。それとも、 まずはこうした自主的な取組みを伸ばすことができるところまで伸ばしていくのか。そういうア プローチの違いということも、最終的に消費者にとって安全なものにたどり着くにはどういうプ ロセスを取っていった方がいいかということで御議論いただければと思っています。 ○大野座長 田中先生、お願いします。 ○田中委員 話が、何か大問題の方に行っておるようですけれども、坪野先生、やはり日本には 歴史的なことと現状があるんです。日本では、健康食品というのは、通常の形態を持った食品が 大勢を占めておるんです。特保ですと、多分、飲料水タイプというのが圧倒的多数です。例えば ヨーグルトなども特保として許可されています。外国では、健康食品、つまりサプリメントとし て、そんな通常の食品を念頭に置いていないんです。たとえば、欧米諸国では、当然、歴史的に ヨーグルトなどを摂ってきておるわけでしょう。一方私などの高齢者は、ヨーグルトを初めて食 べたときはこんなものがあるのかとびっくりしました。坪野先生は、お若いから、ヨーグルトを 食べることを日常のように思っておられるでしょう、日本では健康食品というのは通常の食品の 形態をしておるのが多数派を占めておるという現状があるということです。一方、アメリカやヨ ーロッパは錠剤、カプセル、一見、薬のような形状をしたものを対象にしておるわけです。  そういう事情がありますから、健康食品に特化した法律を直ちにつくる、つくらないというの はかなり大きい問題で、別途、また検討会を立ててやっていく課題ではないかと思っております。 私は、その点についてはそのように考えております。ですから、坪野先生の御提案の話はなかな か大問題です。そうたやすくはいかないのではないかと思います。  我が国では、錠剤、カプセルの形状をしたものを食品に入れたのは栄養機能食品が一番最初で はないか。恐らく平成13年、自分が検討会をやっておきながら正確には覚えていませんが、栄 養機能食品が最初なんです。いわゆるビタミン、ミネラルです。それが言わば公的に認められた 錠剤、カプセルです。しかも、それは貿易摩擦というか、市場開放から出てきておるんです。そ ういった点も歴史的にあるということです。だから、なかなか、その話は難しいのではないかと 思いますので、やはり、この検討会では健康食品の安全性の確保の方に絞ってディスカッション をしていくべきだと思います。大濱先生は錠剤、カプセル等のサプリメントを念頭に置いておら れるわけです。そのGMPということを言っておられます。  それでは、戻って、現在のGMPガイドラインに改善すべき点があるかどうかということです。 確かに、現時点のものは、いわゆる概念的なことが書かれてあるわけです。大濱先生は、アメリ カのガイドラインを丁寧に翻訳され、出版されているわけですけれども、私はアメリカが一つの お手本になっておるのではないかと思っております。かなり詳しくガイドラインには、GMPの ことが記述されております。  そこで私は大濱先生や林先生に、あれぐらいのことを期待されるのかどうかです。しかし、実 質上、大濱先生はそれをモデルにしてやっておられると私は認識しておるんですけれども、それ を日本の共通事項として提案されるのか、あるいはそれほどでなくてもいいのかというようなと ころをお聞かせ願えたらと思っておるんです。 ○大野座長 大濱先生、いかがでしょうか。 ○大濱委員 GMPという基本的な考え方がどこまで踏襲されるかということが最終的に品質 保証につながると思うんです。そういう意味で、私たちがつくった規範というのは、ここまでや ればGMPというものを通して製造管理・品質管理がきちんとできるという考え方でやりました ので、今の田中先生の御質問の中では、どちらかというと、かなりアメリカとか他国並みのもの をつくらないと意味がなくなると考えております。 ○大野座長 林先生、何かありますか。 ○林委員 基本的には、やはり我が国の基準は国際的な基準に配慮してつくることが必要です。 その基準や指針を各企業がどう取り入れるか、応用するかということについては、また別にその マニュアルを考える必要があるかもしれません。基本的な枠組みについては外国のものを考えた、 あるいは国際的なハーモナイゼーションが必要です。 ○大野座長 ありがとうございます。  大分、実効性の確保の方に踏み込んだようなお話も出てきたかと思いますけれども、製造工程 における安全性の確保について、更に御発言したいということはございますでしょうか。  飯島先生、お願いします。 ○飯島委員 製造工程のお話ではないんですけれども、サプリメントのことについてですけれど も、先ほど大濱先生から効能・効果というお話があって、本来、医薬品であれば効能・効果だと 私は理解しているんですけれども、いわゆる健康食品であったりとか、サプリメントというのは 医薬品ではないというふうに私は理解しているんですけれども、海外の事例で、アメリカであっ たりとか、ヨーロッパというのは、サプリメントに対する飲み方というようなものに対して医薬 品と全く同じような物の言い方をしているかどうかをお聞かせいただければと思います。 ○大野座長 サプリメントについても、効能・効果という面が記されているかどうかということ ですね。 ○飯島委員 そういう言い方をしているのか。日本の場合はそうではないのかです。 ○大野座長 大濱先生、いかがですか。 ○大濱委員 私は、薬事法がありますので、極力注意して効能・効果という言葉は使わないよう にしたつもりです。それで機能性という言葉を使ったんですが、海外では、今の飯島先生の御質 問にお答えするとしたら、やはりかなり踏み込んだ表示が認められているというふうになると思 います。  認められている表示は、1つは疾病のリスク・リダクション・クレームです。日本では葉酸と カルシウムが認められていますけれども、そのような表示の仕方のクレームというのは海外、特 に欧米、アメリカとEUの表示の最も重要な部分になっていると思います。  もう一つは、疾病リスク低減表示以外の効能的な表示というものがありまして、これは身体の 構造・機能、いわゆるストラクチャー・ファンクション・クレームです。このストラクチャー・ ファンクション・クレームは、薬事法によれば医薬品であるという定義になるわけですけれども、 食品の場合、海外でも構造機能表示の中では疾病名を挙げて、その疾病に対する効果表示をして はいけないということになっています。  ただ、リスク・リダクション・クレームというのは病気になる前に病気にならない状況をつく ろうということですから、疾病名が入ってきます。多分、飯島先生の御質問に対する答えとして は、海外、欧米だけでなくて、実はアジアでもそうなんですが、相当踏み込んだ表示をサプリメ ントには認めているということになります。 ○大野座長 サプリメントについて、そういう効能的なところの証明というのは、やはりきちっ と審査して、国が認めているということなんでしょうか。 ○大濱委員 それは国によって違います。ただ、リスク・リダクション・クレームに関しては、 国がきちんと審査をしている点で共通していると思います。  ストラクチャー・ファンクション・クレームに関しては、国によって違っています。リスク・ リダクション・クレームは大体ポジティブリスト化されていますので、成分について、この成分 にはここまで表示していいというのがリスト化されています。それは国が決めるということだと 思いますが、ストラクチャー・ファンクション・クレームは、アメリカでは届出制で、特に問題 がなければ認められています。EUでは、こういう範囲のものはストラクチャー・ファンクショ ン・クレームをしてよろしいというものが、法律で規定されていますし、ポジティブリスト化の 手続きが始まっています。 ○大野座長 ありがとうございました。  田中先生、お願いします。 ○田中委員 また、安全性の確保の問題からヘルスクレームの話に飛んで行っているんですけれ ども、私は新開発食品調査部会長をしておる立場から言うと、日本の特保の健康強調表示という のは、私はすごいとは思っております。血圧が高目の人とか、血糖値の高い人とか、体脂肪の多 い人のためにということは非常にうまい表現だと思っております。薬事法との妥協案を出されて きたのではないかと思います。高血圧と言うと病名ですから使うことができませんが、血圧が高 目の人というのは日本語の非常にデリケートな表現を使っておりまして、だから、そんなに捨て たものではないと、私はむしろ高い評価を与えております。  しかし、やはり、この検討会の目的は安全性の確保ですから、私、座長みたいな言い方をして 申し訳ないですけれども、そこへ戻るべきだと思うので、提言としては、たしか大濱先生は前回 出されましたね。それもあるわけですけれども、できたら、大濱先生がアメリカのものを訳され ておりますから、それをたたき台として資料をつくっていただいたらどうでしょうか。今度提出 していただいて、それをたたき台にして日本らしいものにしていくのか、あるいはもうちょっと 簡便化したものにしていくのかとか、そういうたたき台があると非常にディスカッションしやす いのではないかと思いますので、アメリカのFDAが出しておりますGMPガイドライン、去年 の夏から発効されておりますけれども、それをたたき台にしたらいかがでしょうか。 ○大野座長 それは可能ですか。 ○玉川室長 資料としての作成については、相談させていただきます。 ○田中委員 どうなんですか。訳本は本文とは違うんですか。 ○大濱委員 訳本は本文をそのまま訳しております。 ○田中委員 既に、訳本を事務局に送られたんですか。 ○大濱委員 報告はお渡ししています。 ○玉川室長 どういう形で出すかは調整させていただきたいと思います。 ○田中委員 一応、参考資料でいいと思うんですけれども、皆さん方に周知されていないようで すから、そういうものを目指すのか、あるいはもうちょっと、日本独自のものにモディファイし ていくのかといった方がディスカッションしやすいのではないかと私は思っておるんです。 ○大野座長 お願いします。 ○林委員 私も田中先生の御意見に賛成です。安全性確保は、安全性認証、規格設定から始まっ て、GMPまで行く。それで安全性認証については一般的な論理がつくりやすいし、GMPも、 一般的な技術と考え方がたてやすいと思います。その意味で、その2つを厚労省が特に取り上げ たということは、理にかなっています。  安全性認証のフローチャートは、厚労省が最初の原案をつくり、私たちがそれに具体的なもの を付け加えて、ガイドラインに近いものを書き上げましたが、GMPについても同じ様にするの がプロダクティブな方法ではないかと思います。 ○大野座長 田中先生、林先生、具体的な提案をありがとうございます。  そういうことで、安全性確保にまず絞ってやるということで、次に「(3)実効性の確保につ いて」を議論していただきたいと思いますが、時間切れということで、また次回にということで、 もうじき、この会議を閉めなくてはいけないんですけれども、その前に是非御発言をしておきた いということはございますでしょうか。  鬼武先生、お願いします。 ○鬼武委員 前回もお願いしましたけれども、安全性の議論はわかりますけれども、やはりいわ ゆる健康食品というのは、今、世界的にどういう範囲で言われて、日本は、今、どの辺について 話しているかということについて、次回、もう一度整理していただければと思います。  そのときの前提として、これまで話されているのは、コード・オブ・プラクティス、いわゆる ガイドラインの設定の話が往々にして、全体として流れていますけれども、国際的には、やはり リスクアナリシスの適用の中で栄養学的リスクアナリシスをどうしていくかというのがコーデ ックスの中でも議論されていますし、厚生労働省の事務局の方が一番御存じだと思いますから、 そこで既に、まだステップは上がっていませんけれども、いわゆるリスクアナリシスの考え方に 基づいて、リスクアセスメントとして、例えば栄養学的暴露評価とかも、具体的にそういうドキ ュメントも、議論中ではありますし、できてきていますから、本当は日本も食品の中で栄養学的 リスクアセスメントをどうするのかというのが一方では原則として参照するものとしてあって、 一方でガイドライン、コード・オブ・プラクティスみたいなものがあるというのが理想的ではな いかと思います。  ですので、もし、そういう資料もありましたら、次回、WHOが国際的戦略として食事とか健 康とかと言っていますから、そういう中で日本が、一般的には私は食事が基本であって、その中 で特保なりいろんなものが役立っていると思いますから、そういう戦略も含めて少し資料を提供 していただければと思います。  できれば何日か前に、1日前に来ると非常に読むのがきついので、できたら、そういう点も含 めて何日か前に御用意いただいて、私どももそれに基づいて意見とかを建設的に、この会でまと めるに際しての意見も出していきたいと思いますので、そういう点を御配慮いただければと思い ます。 ○大野座長 田中先生、お願いします。 ○田中委員 今のお話は、食品のリスクアナリシスを広く網羅したものという意味ですか。実は、 特保の場合には既に安全性についての基準のようなものがあるわけです。それに基づいて、企業 側が出された資料を食品安全委員会が、先ず、アセスメントをするという形式を取っておるんで す。だから、特保のものをほかのいわゆる健康食品にまで広げるかどうかということですか。 ○鬼武委員 そういうことではなくて、コーデックスの方でいわゆる食品について栄養学的リス クアナリシスをどうしていくかというプロシーデュアーを、つくろうとしていますから、それは 特保だけではなくて、一般的な食品も含めて、栄養学的なことを何らか標榜したりするものを含 めて議論されているのだと理解しています。 ○田中委員 そうしますと、膨大な資料となり、広範囲な議論となるように思われます。例えば 栄養素で言うならば、ビタミン、ミネラルでもリスクアセスメントの考え方に基づいて、いわゆ るUL、Tolerable Upper Intake Levelが決められているわけです。そういうところまで広げて という意味ですか。 ○鬼武委員 私は、全部を全部、ここで網羅して、その議論も含めてやる必要はないと思ってい るのですけれども、一方で、この間、話しているのは、いわゆるガイドラインとして製造者がど うやるべきかとか、そういう話が中心であるのですけれども、一方で国際的なところで話されて いるのは、私は素人で、そこまで言及できませんけれども、栄養学的なリスクアナリシスをどう やっていくかという手続といいますか、そのことの話をしていますので、そういうものが一方で 参照資料としてあるべきではないかと思ったのです。 ○玉川室長 随分たくさんの資料の要求がございまして、どういう形で出したらばいいのか、そ の整理の仕方も含めて御相談をさせていただきたいと思います。この検討会の中で、議論に必要 な範囲でというところをどこまで整理するのか、かなり広がりのあるお話でありますので、中で 整理をさせていただきたいと思います。 ○大野座長 そのように整理していただいて、必要な範囲で提供していただくというところでと りあえずいきたいと思いますけれども、よろしいですか。 (「はい」と声あり) ○大野座長 ありがとうございます。  それでは、今日は「(3)実効性の確保について」というところに話が十分には行きませんで したけれども、それについてはまた次回のときに検討していただきたいと思います。  そういうことで、時間を5分ほど過ぎてしまって申し訳ございませんでしたけれども、本日の 検討会はここで終了したいと思います。  次回の日程ですけれども、先生方の御都合をお伺いした上で、なるべく多くの先生方が出席で きる日を選んで調整したいと思います。また、その結果を事務局から連絡いたしますので、よろ しくお願いいたします。  それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。 照会先 医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室 調所(2458)、中村(4 272)