07/12/27 第10回「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」議事録について    第10回 診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会                     日時 平成19年12月27日(木)                        15:00〜                     場所 経済産業省別館1028号会議室 ○医療安全推進室長   定刻になりましたので、第10回「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在 り方に関する検討会」を開催します。委員の皆様方におかれましては年末のお忙しい 中、本日もご出席をいただきまして誠にありがとうございます。初めに本日の委員の 出欠状況についてご報告します。本日は鮎澤委員よりご欠席との連絡をいただいてい ます。また、法務省刑事局の甲斐行夫刑事課長の代理で、山元裕史参事官にご出席い ただいています。  次に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、委員名 簿のほか、資料1は「医療安全調査委員会(仮称)への届出範囲等について」、参考 資料1は「診療行為に係る死因究明制度等について」、参考資料2は厚労省の第二次 試案です。なお、委員の皆様の机上には参考資料集も配付しています。以上ですが、 資料の欠落等がありましたらご指摘いただきたいと思います。以降の議事進行につい ては前田座長、よろしくお願いします。 ○前田座長  本当に押し詰まってから、お集まりいただいて申し訳ございません。本日は本検討 会における議論、意見募集に寄せられたご意見においても多くご指摘があった届出の 範囲について、ご議論いただきたいと思っています。その前に、先週、自民党から死 因究明制度等についての基本的な考え方というものが示されたということですので、 資料として準備いただいています。これについて事務局から簡単に説明いただけます か。 ○医療安全推進室長  参考資料1をご覧ください。これは12月21日に、自民党の医療紛争処理のあり方 検討会で取りまとめがなされたものです。この自民党の医療紛争処理のあり方検討会 は、自民党の国会議員の方々が入って議論されているものです。  資料は6枚ほどの紙になりますが、大きな構成としては1が趣旨、2が新制度の骨 格、3が政府における留意事項となっています。1ではこれまでの経緯と、(6)では 本年10月には厚労省から試案が提示されたが、これに対して現場の医療関係者から 懸念が指摘されている、今般、これまでの検討を踏まえ、我が党の基本的な考え方を 以下のとおり示すということです。  2の新制度の骨格については、別紙1、2が付いていますが、委員会の設置について は(1)原因究明・再発防止を担い、医療の透明性・信頼性の向上を図ることを目的 とした国の調査組織、医療安全調査委員会(仮称)といったものを創設するという内 容になっています。  (2)でチームのメンバーのことが書いてありますが、2頁の上から5行目をご覧い ただくと、いずれも医療の専門家を中心に、法律関係者、患者・遺族の立場を代表す る者等の参画を得て構成するということです。なお調査対象となる個別事例の関係者 は、その構成に含まないと記載されています。  届出及び調査のところですが、(4)事故発生時の医療機関から委員会への届出を制 度化する。(5)医療機関から委員会へ届出を行った場合にあっては、医師法第21条 に基づく異状死の届出との重複を避ける、といった記載がされています。その後は再 発防止のための提言等、民事手続との関係が記載されており、3頁に行政処分との関 係で、(13)行政処分のための審議については委員会の調査報告書を参考に、委員会 ではなく厚生労働省の医道審議会が行う。(14)行政処分に当たっては、医師等に対 する再教育や、医療機関におけるシステムエラーの改善に重点を置いたものとする、 と記載されています。  刑事手続との関係に関しては、(15)刑事手続に当たっては、本制度を念頭に医療 事故の特性や行政処分の実施状況等を踏まえつつ、故意や重大な過失のあった事例、 その他悪質な事例に対象を限定するなど、謙抑的に対応すべきものとする、といった 記載があります。  3は政府における留意事項で、政府においては上記2の「新制度の骨格」に沿った 検討を進められたい。制度の細部に関する下記の点については、更に実務的に十分検 討すること、ということで言ってみれば政府に対する宿題をいただいています。  (1)医療機関やご遺族からの医療死亡事故の届出、調査等に関する相談を受け付 ける仕組みを設けること。  (2)新制度に基づき届出が必要な事故の基準を明確にすること。  (3)委員会から捜査機関に通知を行う必要がある事故については、通知が適時適 切になされる必要があるが、その特性にかんがみ、故意や重大な過失のある事例、そ の他悪質な事例に限定するとともに、その基準を示すこと。捜査当局は、捜査及び処 分に当たっては、委員会の通知の有無を十分に踏まえること。  (5)院内事故調査委員会の体制整備は重要であり、その具体的な方策について検 討すること。  (6)届出はなされていないが、ご遺族からの調査の依頼があり、既に遺体がない 事例における対応について検討すること。  (7)医療機関からの届出はあったが、委員会における解剖がなされない場合、例 えばご遺族の承諾が得られないといった場合かと思いますが、そういう事例における 委員会の役割について検討すること。  (8)組織定員及び予算について、その十分な確保を図ること。  (9)医療界及び法曹界の協力が不可欠であり、それぞれの協力体制を確立するこ と。  (10)新制度の実施に当たって、極めて多数の医療事故への対処が必要となること も予想されるため、円滑に実施できるよう十分配慮すること。  (11)医療事故発生時には、医療機関からご遺族に、事故の経緯や原因等について 十分な説明がなされるようにすること。  こういったことについて、政府で具体的な方策を検討せよということで取りまとめ が行われています。簡単ですが以上です。 ○前田座長  ありがとうございました。今日、ご議論いただく届出の範囲についても一定の書込 みがあるわけですが、それ以外の部分に関してもよろしいですけれども、委員の皆様 のほうから、この自民党の案について何かご質問があれば、この場で答えられること には限度があるわけですが、何かございますか。 ○山口委員  いろいろなところをかなり具体的にしていただいて、わかりやすくなったと思いま す。しかし、いま医療界でいろいろ言われている懸念の中で、この検討会が原因究明 で再発予防ではなくて、責任追及にいくのではないかというところが、いちばん大き な問題だと思います。その点から言うと、この「刑事手続との関係」というところが、 ここに書かれてあるように「その特性を踏まえつつ」というところが、一番の問題で す。実際に関係部署とよく打合せをされて、これがその結果なのか。例えば法務省と か警察庁というところとよく打合せをされて、その後に書かれているような、留意事 項の3番とか4番というところになったのか。その辺のところを是非確認していただ いて、責任追及の方向に流れるものではないということを明らかにしていただけると、 ありがたいと思います。 ○前田座長  これはそうすると、厚労省の委員にお答えいただくというよりは、この留意事項に 関してやや申し訳ないことになるかもしれませんが、法務省、警察庁のほうで何かお 答えいただけることがございますか。もちろん厚労省も後から何かあればお話いただ きたいと思います。 ○法務省刑事局参事官  私から若干、いまの理解しているところをご説明させていただきます。この取りま とめ案の趣旨ですが、これは、これまで医療事故の原因究明を専門に行う機関がなか った。他方で刑事、民事手続にその解決が流れていっていたという現状に対して、今 後、医療の透明性・信頼性を高める新しい制度を構築しようというものなのだろうと 認識しています。  法務省といたしましては、医療安全を図る上でのこのような点の重要性を十分認識 した上で、この取りまとめ案の趣旨を尊重して関係省庁と必要な協議をこれまでも行 ってまいりましたし、今後も行っていきたいと考えているところであります。  この中で、いまご指摘がありました点について若干お話させていただきますと、こ の専門的知見を有する医療安全調査委員会(仮称)の通知の有無を尊重するという枠 組みが、この中では想定されていると承知をしています。この委員会による通知とい うのは、専門的知見を有する機関から捜査機関に連絡が行われるという点で、直ちに 同一のものではもちろんないわけですが、行政機関による告発に類似する制度という ふうにも言えるかと思います。  既存のこのような制度で、どのような形で動いていっているかというのを若干お話 しながら、今回のことについて触れたいと思います。例えば既存の制度であれば不当 な取引制限等の独占禁止法違反事件で、公正取引委員会から告発がなされなければ刑 事訴追することができないという制度が、まずございます。ただ、この場合の告発は 訴訟条件でありまして、この検察官による刑事訴追が告発の有無に拘束されることに なる制度です。他方、この医療事故については、そこまでの制度でなくて通知という ことなのだろうと思います。これは訴訟条件的なものでいってしまいますと、被害者 や遺族による告訴権というのは厳然としてあるわけですから、そこまでのものにはし ないという点なのだろうと思っています。  そうしますと、そこまでいっていないようなものということで考えてみますと、例 えば証券取引等監視委員会というのがあって、これは証券取引法違反の事件で告発権 限を有しています。また収税官吏は国税当局ですが、法人税法違反についての告発権 等を有しているわけです。これらの犯罪については訴訟条件等ではありません。告発 がなくても捜査、訴追ができるわけです。ただ、実際上はこういう専門機関が置かれ ているということから、検察当局は、これらの機関による告発を受けて起訴するとい う運用が行われている現状です。  このように刑事処分の決定に当たって、専門的知見を有する機関の意思を尊重する という枠組みは現在もあります。今後、この委員会や自民党でのご議論、あるいは最 終的には国会のご判断ということになろうかと思いますが、国会のご判断としてこの ような専門的知見を有する機関の意思を尊重しなさいという枠組みが導入されるこ とになってくるのであれば、検察当局におきましても、当然ながら然るべき協力の例 等がこれまでもあるわけですから、そういうような協力をしていくということになる でしょうし、そういう必要があるのではないかと考えているところです。 ○前田座長   警察庁のほうからも、よろしければお願いしたいと思います。 ○警察庁刑事局刑事企画課長  新制度の構築に当たりましては、医療関係者の不安を取り除くという視点が重要で あろうと思っております。他方、患者の方、遺族の方、国民の方々が医療に十全の信 頼と安心感を抱けるような制度設計が必要であり、この点については、全委員全く同 じ問題意識をお持ちだろうと思います。警察としてはこういった観点から議論に参画 させていただいているところであります。自民党案に示された留意事項につきまして は十分に尊重しなければならないものと受け止めており、今後も政府における実務的 な検討に参画して参りたいと考えているところでございます。  通知の在り方については、犯罪捜査の端緒は通知のみではありませんが、通知が十 全に機能するという運用になれば、それを十分に考慮するという対応になっていくの だろうと存じます。 ○山口委員  是非、その辺の打合せがちゃんとできた形になることを是非希望したいと思います。 この文書にあります警察への通知に関して、「故意や重大な過失のある事例、その他 悪質な事例に限定する」という言葉もありますが、なかなか具体的なイメージが涌か ないのですが、どの程度のものを指しているのか、イメージをご提示いただけると有 り難いと思います。そうすると、医療関係者もイメージが、「ああ、そういうことか」 と明確にできるかなと思います。それはいかがでしょうか。 ○前田座長   今日、ご議論いただく届出の範囲とある意味で密接不可分につながってきて、その 後、届け出られたもののうち、どこを通知するかということでこの会で議論していく ということですけれども、いまの段階で山口委員は、法務、警察の側で何かコメント が可能であればというご趣旨ですか。 ○山口委員   法務の専門家として、どういうことをイメージされているのかが分かれば、と思い ます。 ○前田座長  正式の議論は後でもやりますけれども、今の段階で例えばイメージとして、こうい うものが通知の対象になるよみたいなことを、もちろん厚労省の側でも準備はしてい るわけですが、法務、警察側で何か簡単におっしゃっていただけることがあれば、お 願いしたいと思います。 ○法務省刑事局参事官   この点につきましては、通知制度が導入されると、その基準については、よく検討 する必要があるのは当然であり、法務省としても関係省庁と十分協議させていただく ことになるのだろうと思います。ただ、いまご指摘ですので、若干、現実の捜査ある いは訴追場面での感覚と言ったら恐縮ですが、私見ということを交えて若干、感覚的 なことでお話させていただくとすれば、これもまた引合いに出して恐縮ですけれども、 例えば公正取引委員会は告発をすることについて、こういうものについて積極的に告 発を行いましょうと類型を提示しています。  それをご紹介すると、価格カルテル等で国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられ る悪質かつ重大な事例、違反を反復している事業者等による違反行為のうち、行政処 分によっては独禁法の目的が達成できない事例が、例えば挙げられています。このよ うな考え方とか、あるいは捜査場面での見極め的なところで考えさせていただくと、 患者の主張に対して、ここに挙げられているように、故意や重大な過失がある事案と いうのは当たるであろうと思います。  そのほかにどんなものがあるかということですが、先ほどの類型からいうと、例え ば何度も医療事故を繰り返していて、単純に行政処分をするだけでは対処困難あるい は不十分な事例が1つ考えられるかと思います。そのほか、例えばこんな事例も挙げ られるかと思います。医療事故が起きた後にカルテ等が重要な資料になるかと思いま すけれども、これらについて改ざん、あるいは隠匿をするなど、社会的に見ても非常 に悪質、不誠実という事案は、とりあえず考えられるというのは、あくまでも私見で すけれども申し上げたいと思います。 ○前田座長   関連して、警察のほうは特にございますか。 ○警察庁刑事局刑事企画課長  刑罰権の発動は基本的には謙抑的に行われるべきものであり、犯罪捜査規範等におい ても任意捜査が原則とされているわけです。専門的知見を有する機関からの通知につい ては十分に尊重すべきものであり、ここに書かれている「故意や重大な過失のある事例 その他悪質な事例」に関しては刑罰権の謙抑性という趣旨を反映した形でその通知がな されてくるのだろうと思います。調査委員会の透明性・公正性は極めて重要なことであ ります。確実に的確な通知がなされることを前提として、警察は当該通知を尊重するこ とになります。また、調査委員会への届出の懈怠、虚偽の届出、隠蔽等については、ペ ナルティーという担保措置が重要だと考えています。 ○前田座長  いま、具体的な通知の中身の議論を急にお答えいただくというのは、なかなか難し いかと思います。もうあれだけお答えいただいて本当にありがたかったのですが、こ の会の1つの狙いと言いますか、訴訟条件みたいな縛りではないですが、警察に通知 がいくときに、いちばんの中心は医療者が通知の中身をどこまで通知しなければいけ ないかにコミットするというところなのです。大野病院事件のように医療者と関係な いところで動き出してしまうのではないかということに対して、この検討会はそうで はない制度を作ろうということは、はっきりしているわけです。  ただ、捜査の観点から言ってこういうものは重要だというのはあって、それを踏ま えて医療者の側で、これは通知しなければいけないというのを固めるし、それはそん なに遠からず固まるのだと思っていますが、山口委員、この問題はこれでよろしいで すか。時間の関係で次に進みたいと思います。資料1について事務局より説明してい ただけますか。 ○医療安全推進室長  資料1をご覧ください。資料1は「医療安全調査委員会(仮称)への届出範囲等に ついて」ということで、1の「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関す る試案(第二次試案)」では、今日、ご議論いただく届出のことについては次のよう に書いています。「届出対象となる診療関連死の範囲については、現在の医療事故情 報収集等事業の「医療機関における事故等の範囲」を踏まえて定める」となっていま す。  2は、二次試案に対して寄せられたパブリックコメントについて、前回の検討会(11 月8日)のときに紹介した、届出に関する部分を再度紹介しています。このときにも、 例えばa)「診療関連死」の定義が曖昧であり明確化すべきだといった意見を含め、届 出の範囲についてたくさんのご意見をいただいたところです。  2頁で、先ほど報告した自由民主党のペーパーから再度、届出に関するところを少 し幅広に抜粋してみました。自民党のペーパーの2にあった「新制度の骨格」という ところでは、医療死亡事故発生時の医療機関から委員会への届出を制度化する。医療 機関から委員会へ届出を行った場合にあっては、医師法第21条に基づく異状死の届 出との重複を避ける。医療機関からの届出に基づいて、委員会は調査を開始する。併 せて、ご遺族からの調査依頼にも委員会は対応することとする。政府における留意事 項のところに書かれていたことは、医療機関やご遺族からの医療死亡事故の届出、調 査等に関する相談を受け付ける仕組みを設けること。新制度に基づき届出が必要な事 故の基準を明確にすること。その際、専門家の意見等を十分に踏まえ、医療の現場に 混乱が起きないようにすること。こういった指摘をいただいています。  4の死亡等に関する既存の届出制度等で、a)の医療事故情報収集等事業は後ほど説 明する別紙1です。別紙2の死亡診断書も一種の届出ですので参考までに付けていま す。この届出に関連して関連学会の提言等を事務局で整理しましたので、別紙3(9 〜30頁)に整理しています。  その上で3頁をご覧ください。5の届出について、1)医療事故情報収集等事業の届 出範囲を踏まえて、届出範囲は以下のようにしてはどうかということです。この医療 事故情報収集等事業というのは、どういうものかについて再度確認いただきたいと思 います。5頁に別紙1として医療事故情報等事業とあります。1は目的、2は実施機関 で、これは財団法人日本医療機能評価機構が実施機関としてあります。3の対象医療 機関は報告義務がかかっている273の医療機関、具体的には、がんセンター、国立循 環器病センターのような国立高度専門医療センター、あるいは国立病院機構の開設す る病院、特定機能病院等といったものです。  6頁にこの事故報告制度についての参照条文を引用していますが、最初の○が医療 法で、次の○がそれに基づく医療法施行規則、第九条の二十三の二として、イ、ロ、 ハと具体的にはあります。イのところを読むと、誤った医療又は管理を行ったことが 明らかであり、その行った医療又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に 心身の障害が残った事例等ということで、この事業は死亡だけでなく、障害が残った 場合も含めて報告の対象としているところです。  これを踏まえて、3頁に戻って1)の四角の中ですが、医療安全調査委員会(仮称。 以下「委員会」とする)へ届け出るべき事例は、以下の(1)又は(2)のいずれかに該当す ると、医療機関において判断した場合としてはどうか、ということです。(1)は誤った 医療を行ったことが明らかであり、その行った医療に起因して、患者が死亡した事案 ということで、再度、6頁の中ほどのイをご覧ください。「誤った医療又は管理を行っ たことが明らかであり」という文章をそのまま持ってきています。それが(1)で、誤っ た医療を行ったことが明らかで、その行った医療に起因して患者さんが亡くなった場 合です。  (2)は誤った医療、検査、投薬、手術を行ったことは明らかではないけれども、行っ た行為に起因して患者さんが亡くなった場合ですが、ただし、ここは括弧の中で、行 った医療に起因すると疑われるものを含み、死亡を予期しなかったものに限るという ことですから、例えば診療行為の合併症として、合理的な説明ができないような場合 が該当すると考えています。  いずれにしろこの(1)(2)の判断については、四角の中の2行目になりますが、以下の (1)又は(2)のいずれかに該当すると、医療機関において判断した場合としてはどうか。 この判断は医療機関で責任を持ってやっていただくことと記載しました。  2)は、この医療機関の判断、上記1)の判断というのは死亡を診断した医師あるい は主治医等ではなく、当該医療機関の管理者が行うこととしてはどうか。  3)は、医療機関へ届け出るべき事例として、具体的な事例を通知等において例示す ることとしてはどうか。  4)の遺族からの調査依頼についても、委員会は原則として解剖を前提とした調査を 行うこととしてはどうか。  事故があったときに、こういう仕組みがあるということは、ご遺族にはなかなかわ かりにくいと思いますので、5)医療機関においては、患者が死亡した場合、委員会 による調査の仕組みについて遺族に必ず説明することとしてはどうか、こういったこ とを書きました。  4頁の6)ですが、3頁の四角の中の届出範囲((1)(2))に該当すると医療機関におい て判断したにもかかわらず、故意に届出を怠った場合、あるいは虚偽の届出を行った 場合には、何らかのペナルティを科すことができることとしてはどうか。  7)は、医療機関においては届出範囲((1)(2))に該当すると判断しないという場合が あると思いますが、そういう場合でもご遺族が調査を望む場合があると思います。そ ういう場合には、ご遺族のほうから勝手に委員会に依頼して下さいというのではなく、 医療機関からの届出もできることとしてはどうかということ。医療機関とご遺族との 信頼関係は大切だと思いますので、こういう仕組みもあってはどうかということです。  8)は、委員会へ届け出るべきか否かについて、本日ご議論いただきたいと思います が、例えば以下のような事例についてはどう考えるかとして、A)とB)の2つのカテ ゴリーに分けて記載しています。  A)例えば、医療機関において下記のとおり判断した場合については、届け出るべき ではないか。(1)塩化カリウムの急速静脈内投与による死亡、(2)消毒薬の静脈内誤 注入による死亡、(3)投与量を誤って致死量投与したことによる死亡、(4)人工呼吸 器の接続箇所等の誤りによる死亡、と判断した場合に届け出るべきではないかと書か せていただきました。  B)例えば、下記のような場合についてはどう考えるか。(1)重度の先天性心疾患を 持つ新生児に対して、死亡率の高い手術を実施した直後に、児が死亡した場合で、事 例によっては※のところにあるとおり、赤ちゃんが手術しなければ数週間以内に死亡 するような場合もあると思いますが、そういう場合に高度で困難な手術をやったけれ ども亡くなった場合はどう考えるかです。(2)交通事故による多発外傷(瀕死の重傷) で救急外来受診後に死亡した場合、例えば救命救急センターでいろいろ治療したけれ ども、亡くなってしまった場合について、どういうふうに考えるか。高度で困難な治 療が不成功に終わった場合について、これを届出義務の範囲の中とすべきかについて も議論いただきたいと思います。  9)は、委員会において受理した事例に関して、委員会での調査の必要性のスクリー ニングを行う仕組みを設けることは可能かということで、委員会に対して多数の調査 依頼等がある可能性は十分考えられますから、その際のスクリーニングを行う仕組み を設けることはどうかということです。  3頁に戻って、いちばん下にイメージ図(案)があります。基本的にこの実線の届 け出るべき事例というのは、医療機関の専門的な判断で、1)の(1)(2)に該当するかど うかを判断いただくことになると思いますが、実線の楕円の外にもご遺族からの調査 依頼があるケースがあると思います。そういう場合についても委員会として対応して いくといった仕組みではどうかということで、当資料を作らせていただきました。説 明は以上です。 ○前田座長   ありがとうございました。届出に関しての実態的基準と言いますか、それから具体 例を中心に案を出していただいているわけです。今日はこれについて率直なご意見を いただいて、まだ完全に詰めきれていないところがありましたが、それを踏まえて固 めてまいりたいと思います。いまの説明でわかりにくいところとか、今までの流れか らいくとご意見でもよろしいですが、どなたからでも出していただきたいと思います。 いかがでしょうか。 ○堺委員   後ほど意見を言わせていただきます。 ○前田座長   ほかの方、いかがですか。 ○辻本委員  2頁の新制度の骨格の3つ目の○ですが、ご遺族からの調査依頼にも委員会は対応 することと明記されていて、これは大変わかりやすく書いてあるということで了解い たします。その次の留意点の中で、「届出、調査等に関する相談を受け付ける仕組み を設けること」とあるのですが、これは、いまの説明を伺っていてもやはり別立てに する必要があると思います。病院側からの届出、調査に関する相談と、ご遺族からの 届出と調査等に関する相談は、一律で括れるものではないと感じています。  例えば3頁の5)に、医療機関においては、患者が死亡した場合、委員会による調 査の仕組みについて遺族に必ず説明することとしてはどうかと書いてありますが、予 期せぬ死亡という場合に、どんなに説明を受けても、その場ですぐに了解できるなん ていう人はほとんどいらっしゃらないのです。以前、モデル事業のお話の中でも報告 させていただいたのですが、いまモデル事業に挙がっているご遺族から、騙されてい るのではないかとか、そうしたかなりの誤解ということで進行しているという声が、 直接、私たちのところに届いてきているのです。  そうすると、このことについてちゃんと理解をしてもらうというフォローアップも 含めた相談機関というのでしょうか、そういったものの役割と、先ほど言った医療機 関からということで、例えば4頁の9)にある委員会での調査の必要性のスクリーニ ングを行う仕組みを設けるというのは、全く別次元の仕事になっていくのではないか と思います。  今までの議論の中で、相談受付ということの話というのがなされていなかったよう に、欠席したときの議事録を拝見しても印象に残っているのですが、ここのところが 自民党案で最初に出ているように、大変に大事なことだと思います。現実、私どもの 電話相談に警察から紹介されて相談というのが回ってきているのです。患者さん、特 に遺族の側は裁判ということの道筋か、でなければ警察に駆け込んでいます。警察の 中でも医療のことはよくわからないからと、どういうリストアップをされているのか わかりませんが、そういうことなら大阪にCOMLさんという所がありますからという ことで、あちこちから警察の紹介を受けたという、ご遺族の方の電話が実際に届いて います。  そういうことからすると、この相談受付というのは別立てにしていただき、遺族側 の相談に対しては、むしろこの仕組みを説明したり、例えば解剖の費用はどこが持つ のかという基本的なこともご遺族はわからないわけです。そういった「いろは」の「い」 から説明できる窓口にしていく必要があろうかと思います。そこは十分にご議論いた だきたいということをお願いしたいと思います。 ○前田座長  2頁の政府における留意事項というのは、この会でのというよりは自民党の案の中 でということ、そしてこれはご指摘のように、いちばん最初に留意事項として出され ているものであるわけです。今日、ある程度絞って、届出をしていただくことの枠組 みということですが、この委員会を作る上で、この留意事項を改めて2頁に載せてい るのは、それをきっちりやりますよという趣旨ですから、制度設計の中ではきちっと 入れていき、いまご指摘のあった別立てという意味ですが、委員会と別組織にするの か、これはまた具体論だと思います。ただ、いずれにせよ、そういう遺族の側に対応 できる専門のブランチにするのか組織にするのか別として、考えていくというご指摘 は重要だと思います。ただ、その点はまたこの次に論ずるということで、今日は届出 の中身の基準に関して議論を進めさせていただければと思っています。ほかの委員の 方、いかがですか。 ○樋口委員  今日のたたき台の案について私が理解したところで、間違っているかもしれません が、2点申し上げたいと思います。第1点は総論的な話で第三者機関、ここでは医療 安全調査委員会という名前にとりあえずなっていますが、医療安全調査委員会ができ たときに、何らかの医療事故あるいは医療による死亡事件が起きたときにそれを届け 出るべきかどうかというのが、いま問題になっているわけです。総論的には、どうい う事例を第三者機関へ持っていけばいいのかということを、今日は議論しようという ことだと思います。  2頁に新制度の骨格ということで、これは自民党案の話になっていますが、とにか く委員会への届出を制度化し、医師法21条に基づく異状死の届出との重複を避ける とあるわけです。先ほど来の説明にもあるように、刑事責任の追及だけで医療安全が 図れるものではなくて、もっと違った道を探してみようというのが今回の狙いなので すが、その第1には、今まで警察への届出との関係が非常に問題になっていたので、 警察へ届け出るような事例については、この第三者機関へという発想があり得ると私 は思います。  いま警察へ、あらゆる医療関連死、しかも予期せぬものが届け出られているかとい うと、そんなことはないのです。もしそういうことがあったとしたら、数の上から言 って警察の仕事はパンクしてしまうはずなので、事実上、何らかの基準を作って各病 院等は対応してきたのだと思います。  しかし、それが今までの例から比べるとずいぶん増えてしまって、それ自体も問題 だという話になっていると思います。いま、ある程度の事件というのを警察が引き受 けているのを、とにかくこちらへという発想が第1にある。自分で言っておいて何で すが、そういう発想だけで今回の第三者機関を、我々が作ろうと思っているわけでは 絶対にないということを確認する必要があると思います。  それは契機の1つであって、まさにいちばん最初の目的のところで、医療安全の旗 を掲げて、つまり医療事故の責任追及というのが刑事責任でやられてきたから、それ を逃げるために、とりあえず別の仕組みを作ってということではないはずなのです。 ここにおられる医療者もそういう発想で出てきたわけではないと思っています。  だから、いま言ったように警察へ持って行っているような事例は第三者機関へ持っ て来て、専門家の目を通した上で、場合によっては警察へまた通知するというのが、 最低限のものとしてあるかもしれませんが、そこは本筋ではない。重要な筋かもしれ ないけれども、それだけに留まっているようなものを第三者機関で作るわけではない。 だからプラスアルファが非常に重要で、それは医療安全のために重要な事例は、今ま で警察は何の関係もなかったかもしれないけれども、是非とも第三者機関に届け出て もらいたい。その上で医療安全、再発防止策が図れるようなことを考えていこうとい うことなのだと思います。  他方、先ほど警察に何でも持って行けば警察はパンクすると言ったのと、同じこと が起きるかもしれないのです。ありとあらゆる事例を第三者機関に持って来られては、 医療安全という旗は掲げたけれども、旗だけがなびいていて実際には組織が動かない ということは現実にあるのです。ここまでは総論ですが、だから警察とは何の関係も ないプラスアルファで医療安全に資するような事例は、是非とも持って来てもらいた いけれども、しかし、現実にはどこかで一定の限界線はあるということだと思います。 このような説明は、私が自分自身に納得させているためのことで、すでに釈迦に説法 かもしれませんが、私の言うところの総論部分です。  次に第2点は、このたたき台案はどうやっているかというと、次の3つの観点から 届出したほうがいいよということを決めているのだろうと思います。3つの観点は、 英語を使って恐縮ですけれども、WhoとWhatとHowだということです。Whoは誰が、 つまり誰が判断して届出をすることを決めるのかというと、ここでは医療機関におい て判断した場合です。医療機関が判断してというと、できるだけ公にしたくないのが 医療機関だと国民の大多数が思っているようであれば、こんなシステムでいいのかと いう話になります。医療機関において患者が死亡した場合、こういう委員会があるこ とを遺族に知らせて、その時に知らせるだけでは十分ではないと言われたのが辻本委 員で、工夫は要ると思いますが、とにかく遺族のほうからもちゃんと届け出ることが できる。Whoというのは、医療機関だけの判断で、これは医療安全に資する事例であ ると思った事例を持って来ると思いますが、それだけではなくて、遺族のほうからも ちゃんと道が用意されている。これがWhoで、誰が持って来るかという話だと思いま す。  しかし、では何を持って来るかというWhatの話もないといけないのですが、それ はもう少しイメージを膨らませるために、4頁に示したような事例について、そもそ も第三者機関のほうで引き受けるべきかどうかという例を挙げています。この事例だ けでは割に簡単な事例しかないのでもう少し事例を細かくというか、もう少し丁寧に 列挙して、こういう事例を是非とも第三者機関に持って来てもらって分析し、その事 件限りでなくて皆のためにもなることを明らかにする。それはこれからの課題です。  ついでに言うと、Aの事例は明らかにひどい事例なので、今まで警察にも当然届け 出るべき事例で、それに代わって第三者機関へ当然届けるべき事例かと私は認識して いますが、Bのほうは、もしかしたらこれは第三者機関へ持って行く必要があるのか 非常に疑問なような、そこまですることすらないような、しかし、こういう事例だっ て医療の安全との関係で何らかの教訓が得られるような事例であれば、こういう可能 性はあるかもしれないけれどというわけで、限りなくもう一方の極(届けなくても問 題がない事例)に近いような感じです。  問題はその間の真ん中辺のグレーのところを、どうしたらいいかという話で、もう 少し中間的な事例を膨らませて提示していく必要があると思います。1つの手法とし て、私も少しだけ関与しているモデル事業で何十例かの例があって、あれを新しい第 三者機関ができたときに、そもそも第三者機関で引き受けるべき事例であったのかど うかを一つひとつ検討して提示し、概要は公表している事例ですので、しかも具体例 として真実あった事例ですから、これは第三者機関で引き受けていい事例だから、こ ういうものは持って来てくださいということを病院等にお知らせするというのが、1 つあるかなと思っています。  しかし、元に戻るのですが、WhoとWhatだけではなかなかわからないグレーの事例 は、いま言ったように例示していくのが大切だと思いますけれども、例示だけでわか ってくれるかというと、実際には例示どおりに起きることはまずないと思いますから 困るのです。そこでHowというので、遺族あるいは病院から相談する仕組みをちゃん と作っておけば、一応、WhoとWhatとHowで対処できる仕組みができるのではないか。 実際にやってみて本当にうまくいくのかどうかは、まさにやってみないとわからない と思いますが、そういうものをこのたたき台では構想しているのではないかと私は理 解しました。 ○前田座長   関連してでもよろしいですし、ほかにいかがですか。 ○加藤委員  第三者機関を作ろうということでやっているのは、いま樋口委員がおっしゃったよ うに、医療安全のためにやっているというのは当然の前提になっていると私も理解し ています。診療関連のことで、どういうふうにこの死亡の問題を届出するのかという ところで、今日の資料1の3頁で5の1)の(1)(2)に、いずれも「誤った医療を行った ことが明らかであり」とか、「誤った医療を行ったことは明らかではないが」という 概念が入ってきています。私は、この届出の範囲については、次のようにしてはどう かという意見を持論として持っています。すなわち診療行為に関連し、通常予期しな い経過を辿り、患者が死亡したもの、これを届け出ていただくということでよろしい のではないか。  具体的に、例えば4頁の囲みの中で言うと、いま樋口委員が言われたようにAとB の間に大半のものがあるのだろうと思います。モデル事業でもたぶんそういう状況に なっていると思います。先ほど類型化ということが必要であるというご意見もあった と思いますが、なるべく考えられる事例を、モデル事業の中などで出てきたものなど も参考にしながら類型化し、豊富に事例を挙げていくという努力をしていく。そうい う中を共通して睨んでいったときに、診療行為に関連し、通常予期しない経過を辿り、 患者が死亡したものは第三者機関に届ける。過失があるかないかということはメルク マールとしないで、定義的にというか範囲を画してはいかがだろうかと考えています。  例えば4頁のBで事例として出ているものは、一応、医療の場で適切になされてい る場合、いま作ろうとしている第三者機関に届けるものにならなくてもいいのではな いか、というのが私の意見です。基本的には、第三者機関にありとあらゆるものを届 けるということではもちろんないわけで、先ほど言いましたように診療行為に関連し、 通常予期しない経過を辿り、患者が死亡したものということで言えば、Bの(1)(2) とも、通常予期しない経過を辿っているかどうかというところで、区別することにな ってくると思います。これはむしろ院内のカンファレンスできちっとレビューをして いただく。そういうことに委ねる領域があっていいだろうと思います。当然、院内で は、なぜそういうことになったかというピアレビューが、同僚評価としてきちっとカ ンファレンスをやっていただいて、その記録は残しておいていただく。そして次に教 訓を活かせるものは活かしていただく。  そういう意味で私は、医療安全のためのいろいろな営みというのを第三者機関だけ が一手に引き受けてやるというものでなく、重畳的と言いますか、各医療機関の独自 の院内におけるカンファレンス、MMカンファとかいろいろなことが言われたりしてい ますが、CPCもそうでしょうし、そういうカンファレンスできちっとクオリティコン トロールをしていく。そういうことに委ねていく部分もあるだろうと考えています。 ○前田座長  3頁の具体的な実態基準は、医療事故情報収集事業を踏まえて出していただいてい るわけですが、いまのご指摘は非常に重要です。それに代わると言いますか、この届 出としては、ある部分はこれより広くなるわけですね。予期せぬ事態のことは全部医 療安全の観点からチェックはすると。ただ、Bのようなものは、届出の基準と、先ほ ど議論になりました、届けられているけれども警察に通知するという基準は全く別で あり得るわけですね。全く別かどうかは、Aはまさに届出の必要性もあるし、刑事の 責任の可能性もかなり高い。量はそんなに多くはないと思いますけれども。届出の基 準と通知の基準に、医療安全のためにはこういうものを検討しておいたほうがいいか どうかというのは、いろいろな観点が入ってきていると思いますが、医療安全調査の 問題との関連で、堺先生から何かご発言あれば、いままでの経緯を踏まえて。 ○堺委員  これまで、日本医療機能評価機構のほうで資料にもありますが、指定された医療機 関から事例が報告されています。これはいま、加藤委員がおっしゃったことに非常に 近い括りで上がっていまして、そういうものを分析して対策を立てることは是非必要 ですし、そういう報告制度はこれから拡充されなければいけないと思います。  私どもがいま考えなければいけないと思うのは、ここで議論している医療安全調査 委員会で、事例収集分析、対処方の立案まですべてをやるものなのか。将来的にはも ちろんそれは必要ですが、当初もう少し狭い意味で今回の資料1に書かれているよう な事案からまずスタートして、こういうものは医療機関あるいはご遺族。このご遺族 というところはとても大事だと思っていますが、ご遺族からのお申し出によって疑問 のあるケースを解剖によって調査する。私は、現実にはそこからスタートしないと、 あまりにも膨大な事例を届け出られることになるのではないかということを懸念し ていまして、将来はもちろん予期しない事案すべてを収集することを見据えながら、 スタートは解剖を前提として調査することが必要かなと考えています。  発言し始めましたので、もう1つ申し上げます。今回の資料1は、医療関係者、ご 遺族のみならず、国民のいろいろな方々にこれを見ていただいて、これではどうかと いうご意見を伺っていくことになると思っていますので、できるだけ解釈がさまざま にならないような表現も工夫すべきかと思っています。それに関して、2つ申し上げ たいと思います。届出範囲の3頁の5)の場合、医療機関においては患者が死亡した 場合、委員会による調査の仕組みについて遺族に必ず説明することとしてはどうか。 ここだけを読みますと、普通の病気で疑いのない状況で亡くなった方も全部入ってし まうような印象を受けかねませんので、ここはあくまでも例えばですが、上の1)の (1)(2)に該当する場合と。これだけで十分かどうかはわかりませんが、何か但し書きを 付けておいたほうがよろしいのではないかが1つです。  2つ目は言葉の問題ですが、広い範囲の方々にご覧いただくとなりますと、できる だけ日本語のほうが解釈がばらつきにくいのではないかと思っています。日本語でな くても既に定着したものはありまして、例えば1頁目の下から2行目の「インフォー ムドコンセント」はかなり定着していると思いますし、2頁の下にある「ガイドライ ン」は文章の名前ですから今更変えようもないと思いますが、4頁目に2カ所ありま して、1つ目は6)の上から2行目、何らかのペナルティーを科すというところがあ ります。ペナルティーという言葉は英語ですので、日本人にとってはいろいろな重い、 軽いの解釈があろうかと思いまして、ここはできれば日本語に書き換えたほうがよろ しいと思います。どういう表現がいいかということがありますが、例えば「処分」と か、何かみんながわかりやすい日本語のほうが誤解を生じにくいと思います。  最後に同じ4頁の9)の下から2行目に、調査の必要性のスクリーニングと書いて あります。例えば、調査の必要性を審査する。そのような日本語に書き換えたほうが よろしいのではないかと思います。以上です。 ○前田座長  ありがとうございました。いまの点について、特に最後の点は事務局から何かご説 明はありますか。 ○医療安全推進室長  言葉のことは少し考えていきたいと思います。もし良い言葉があれば、堺委員のご 指摘も踏まえて次回以降に直していきたいと思います。  3頁の5)の遺族に対する説明では、むしろ事務局としては逆のことを考えていま す。患者のご遺族を選ばないで、あらゆるケースについてきちんと説明するほうがよ いのではないか、説明する遺族としない遺族がいると、「なぜ私は説明されたのだろ う」という疑問がわくと思いますし、医療機関の考えとは全く別にご遺族のほうでは 説明したほしかったということもあります。ご議論をいただきたいと思います。 ○堺委員  いまのご指摘の3頁の5)ですが、通常は病院で患者が亡くなられて、普通は亡く なられた原因をもっと詳しく調べたほうがいいと病院が思ったときには、解剖をお勧 めします。それでご承諾いただける場合もありますし、いただけない場合もあります が、そういうケースを考えていまして、もっとはっきりしたほうがいいと思ったとき ということですが、いまの室長のご説明ですと病院で患者が亡くなると、すべて医療 安全調査委員会というものがありますのでということをご説明することを義務付け ることになりますか。 ○医療安全推進室長  義務付けるかどうかは別として、すべての場合に説明するというイメージではどう かと思って書きました。 ○前田座長   児玉委員お願いします。 ○児玉委員  資料1の届出範囲等についてということで読ませていただいた感想といいますか、 感じたことを3点ほどお話したいと思います。  1つ目の論点は、医療安全調査委員会が届出を受け付ける範囲は、どの範囲なのか という問題です。医療安全調査委員会が、第三者の目で死因究明を行う、解剖も行い、 また臨床評価も行う機関であると位置付けるのであれば、大きな柱は2本あると思っ ています。それは、医療機関が第三者評価を望む範囲であり、また同時に何よりもご 家族、ご遺族が第三者評価を望む範囲であろうと思います。この2つを足し合わせて、 医療安全調査委員会が届出を受け付ける範囲としていると考えられますので、そのイ メージというのは資料1の3頁のイメージ図(案)になってくるだろうと理解しまし た。  2つ目は、医療機関が届け出る範囲は、いったいどういう範囲なのだろうかについ て、私は2つの議論の仕方があるのではないかと思います。1つは、いま更地に家を 建てるようにといいますか、白地にフリーハンドで絵を書くように、この場の議論だ けで新しい診療関連死という概念をどう定義するかという議論を続けていくという アプローチと思われます。そういうアプローチをすれば、表現はいか様にしても抽象 的なものになりますし、その範囲についてはどこまでいっても広い、狭いの議論が尽 きないことだろうと思います。ご遺族の願いを受けて、医療安全調査委員会が機能す るという大きな柱を前提として、医療機関側から届け出る範囲はどの範囲かを考える ときに、2つ目のアプローチがあり得る。それは既に使われてきた概念で、しかも具 体例の実績が既に積み上げられている概念を前提として届出の範囲を議論しようと いうアプローチだと思います。  医療機関が第三者に、自らの医療機関において死亡された患者の死について何らか の評価を加え、かつ公的な書類を作って届け出てきた実績が現に積み重ねられている ものは2つあります。1つ目は別紙1、資料1の5頁以降に記載されている医療事故 情報収集等事業で、もう既に医療法施行規則として実際の法制度にもなっていますし、 7頁の表になっているものについて死亡以外のものも含めた表現ではありますが、明 らかに誤った医療行為又は管理に起因して患者が死亡し云々という後ろを削除すれ ば、死亡事例について既に基準もあり、また実例も積み重ねられている事例だろうと 思います。2についても同様です。こういうアプローチと、もう1つ論理的にあり得 るのは、8頁の別紙2の死亡診断書の中段に、病症及び自然死あるいは不詳の死、外 因死という分類を記載する欄があります。この判断も、医療機関は日常的に実践を積 み重ねているところです。  いずれの基準が現状の文脈の中で、個人的に我々が新しい医療安全調査委員会への 医療機関からの届け出る範囲を考える上に、現状の手持のものの中でいずれが望まし いかを考えるときには、事故情報収集等事業の報告事例、7頁の事例に準えて、既に 積み重ねられた、集積された事例を踏まえて、さらにその中身を議論していくという のが建設的ではなかろうか。天から降ってきたように診療関連死という概念を新たに 定義するというのは、誰にとっても不可能ではないか。そして、決してコンセンサス が得られない作業を多くの人に課するのではないかと危惧をするわけです。  3つ目の議論は、届出を怠った場合にペナルティーを科される範囲とペナルティー とは何かという問題があると思いますが、少なくとも故意に届出を怠ったり、虚偽の 届出を行った場合には何らかの形でその悪さの程度に応じて、適切な対応が取られな ければいけないのではないか。国民的な納得が得られないのではないかという感想を 持ちました。4頁の上段です。   先ほどの堺先生のコメントで、ペナルティーという言葉はさまざまな意味合いが ある。日本語として置き換えればどうかについて、私が知っている日本語の用語で医 療に関連する例えば個人情報保護法であれ、その保険関連の法制度であれ、3つぐら いの概念が「ペナルティー」にはあるのではないかと思います。1つ目は勧告指導と いう概念。良くしなさいという概念。2つ目は行政処分。3つ目は謙抑的でなければ いけないですが、刑事処罰というものもあり得る。そういう3段構えになっている法 制度の例は、多数あるように思います。以上が感想です。 ○前田座長  どうもありがとうございました。非常に大事なご指摘で、いままでの議論の流れに もつながってポイントを含んでいると思います。しかし、私の司会の仕方がまずくて、 少し戻ります。堺委員のご指摘と室長とのやり取りの中で、死亡した全ご遺族の方に 委員会の存在をお知らせするのは、現状では広すぎるのではないかというご指摘です よね。それに対して、室長は必ずしも広すぎないということで、広すぎるという意味 をもう少しご説明いただいたほうが。 ○堺委員  では、追加します。こういう委員会が作られた。そこに医療機関のみならず、ご遺 族も誰でもそこへ届けられるということは、是非普段から周知徹底すべきだと思って います。その上で、そういうことが一般社会に常識として行き渡ったことを前提とし て申し上げていますが、そのときに果たしてどこまでそういうことを必ずご説明しな ければいけないかなと感じて、先ほどのことを申し上げました。 ○辻本委員  患者の立場として申しあげたいのですが、すべての人が不信感の塊ではないのです。 治療のプロセスの中で、お世話になったという感謝の気持を持って家族の死を受け入 れようとしているときに、「実はこういうものがありますので、もしよろしかったら どうぞ」と言われると、かえって不信感というものがムクムクと湧いてきてしまった りとか、いまはやたらと何でも書面でやり取りということでアメリカ型になってきて しまっていますが、それを患者が良しとしているわけではない部分もあると思います。 ですから、すべての人にというのは少し議論の余地があると感じます。 ○豊田委員  いま辻本委員がおっしゃったように、確かにすべての人が不審を持っているわけで はないので、説明することでかえってそういう思いになってしまうのではないかとい うご意見は分かりますし、医療機関側のほうも実質的に難しいと思うのではないかと 思います。実際、私は病院の中でそういったことをご説明する立場ですので、確かに 亡くなられたすべての患者ご遺族に対してご説明するのは難しいかなという思いは あります。ただ、私も実体験からしても、遺族として不審に思っていても病院のほう ではミスや過失だと思っていないということで、解剖は一切説明されない、勧められ ないというような例もたくさんあることを知っていますので、それを考えると何らか の形で遺族が知る必要があると思います。これは大きな死亡事例にかかわらず、日常 的なちょっとしたことを相談したいということに関しても言えることで、病院の中に きちんとした相談窓口があるにもかかわらず、病院内にそういう窓口があることを知 られていない医療機関がいまだにたくさんありますので、それでは役割を果たしてい ないことになってしまいますから、そういった意味でも、これが当たり前だというよ うな形で知っていただけるように、個別にお知らせするような形よりは、こういった 制度がきちんとあるのだということを全国民に知っていただくような形を作ってい ただきたいと思います。そうでないと、対応する人だけの負担になってしまうと、そ れもまた少しずつご遺族と医療者の関係がずれてきてしまう可能性もありますし、ま た全くそういうことを教えてくれなかったということで不信感につながることにも なりますので、そういったものが当たり前だという制度をきちんと作っていただきた いと思います。 ○前田座長  ありがとうございました。その点は非常に重要なので。戻って申し訳なかったです。 児玉委員に先ほどご指摘いただいた3点は非常に重要で、委員会の受け付ける範囲と して3頁の下の図、医療側から見た専門性と、遺族からの調査依頼のかぶった部分を ということで、ここは大方ご異存ないと思いますが、ご議論いただきたいのは2つ目 です。届出の範囲として3頁の上の欄の、医療安全調査委員会である程度実績のある ようなものを中心にそれを踏まえていくのか、医療安全という言葉にもう少し広い範 囲の死亡事例までを入れていくかどうかですね。児玉委員の発言にもありましたし、 それに対して別の方向からのご議論もあったので。ペナルティーという言葉をつい使 ってしまいましたが、届出義務を担保する手段の問題はあとでまとめて議論させてい ただくとして、届出範囲に関して医療安全調査委員会でやってきたようなもの。つま り誤った医療を行ったことが明らかであるパターンと、行ったことは明らかではない が患者が死亡した事例で、これは先ほど加藤委員がおっしゃったのとそんなに違わな いかもしれませんが、大体このようなものを基準に出していって、あとは具体例を積 み上げていくことで動いていると思いますが、それに関してご議論があればいまの段 階で出しておいていただきたいと思います。いかがでしょうか。ただ、いちばんよく わからないのは、少し緩めるとどの程度の数になり、どの程度の数までがキャパとし て対応できるのかという現実感が我々はないので、例えば3頁のような決め方をして ガイドラインを示すことによって、委員会が動くのかどうかという感じです。 ○山本委員  私の質問は純粋に法律家的経験からの質問ですが、3頁目の(1)と(2)についてお伺い します。これは、厚生労働省の文言によっているということですが、法律家的に見れ ば(1)と(2)、1号、2号は誤った医療を行ったことが明らかである場合と明らかでない 場合で分けて、2号は括弧内の規律が明らかではない場合には適用されると読めるわ けです。もし、そういう読み方が正しいとすると、誤った医療を行ったことが明らか であるけれども、その行った医療に起因して患者が死亡したとは言えない。ただ、そ の死亡が行った医療に起因すると疑われるような場合は、1号にも2号にも含まれな いように文言上は読めるわけですが、そういう理解でよろしいのかどうか。あるいは そうでないとすれば、そうでないように読めるのかどうか。その点を確認させていた だければと思います。 ○前田座長   室長、この点はいかがですか。原案を書いた側として。 ○医療安全推進室長   もう一度言っていただいていいですか。 ○山本委員  私の理解は、(1)は誤った医療を行ったことが明らかである場合の規律で、(2)はそれ が明らかでない場合の規律のように思えます。法律家的にいえば、前段は過失の有無 のことを書いていて、後段は因果関係の問題を書いているように読めますが、2号は 過失があるかどうかが明らかでない場合について書いていて、その場合には括弧内で、 死亡が行った医療に起因すると疑われ、因果関係が不明な場合も含まれるように読め るわけです。そうだとすると、(1)で誤った医療を行ったことが明らかである。つまり、 過失があると認定される場合に、しかしその過失に患者の死が起因するかどうかは疑 いがあるだけである。つまり因果関係が明確でない場合は(1)には含まれないように思 われ、過失があることは明らかなので(2)にも含まれないという規律のように読めるの ですが、そういう読み方が正しいのかどうか。正しいとすれば、それはどういう理由 でそうなるのかをお伺いしたいということです。 ○医療安全推進室長  例えば投薬ミスがあった。そのミス自体は誤っているけれども、そのことによって 患者が死んだわけではない。 ○山本委員  ある程度、死んだかどうかは疑われるだけである。民事の裁判例などをよく読んで も、そういう過失は非常に明確であるけれども、その過失と死亡の因果関係は認定で きない場合はかなりあると思いますが。 ○総務課長  現行の制度を前提にこういった案を提示していまして、基本的に言いますと医療機 関側として自分が届け出るべきだ。いわば、誰の基準でいくのか。要するに主観的に 医療機関が、これは自分は届け出るべきだと思うかどうかがポイントで、神様の目か ら見て届け出る範囲を決めているわけではないのだ。医療機関が「届け出る範囲だよ」 ということで、先ほど樋口先生がおっしゃられたとおりで、誰がと。その代わり、も う1つ遺族ルートを確保しなければいけなくなる。届出の範囲が狭くなってしまうか もしれないから、ということもあります。そうすると、医療機関側としていえば、自 分はこれは確かに間違った。その間違ったことによってお亡くなりになられた。医療 機関として思った。これがいちばんだと。  その次は、医療機関としてわからないというケースです。明らかに、これは当然病 死で、こういう経過でお亡くなるべくしてお亡くなりになったと医療機関として思っ たというのは当然入らないわけですから、それ以外のわからないものが2つ目に入っ てくるということです。ここに関して、今回であれば今後法律上の仕組みとして作り ますから、そこについての規定ぶりに関して言えばもっとよく相談しなければいけな いだろう。これまででいえば、実態上の収集事業で施行規則でやっている部分ですか ら、そういった部分までの詰めが十分にできていないのかもしれません。ただ、ここ で提案したのは、あくまで医療機関として自分は誤りだと思う。それによって亡くな る。それから、わからない、不明であるというジャンルがもう1つある。この2つを 届出範囲にしたらどうなのだろうかという提案です。 ○山本委員  判断権者の問題は、私も医療機関が判断するということで結構だと思いますが、い まのご説明は実質としては過失が明確であって、しかし因果関係は疑わしいというも のも、この文言で読めるかどうかはともかくとして、含まれる方向で規定をするとい う理解でよろしいですか。私も、そうあるべきなのではないかと思います。 ○前田座長  私が説明いただいた当初の案もそういうことで、ただ書き振りに先生がご指摘のよ うな問題を含んでいるのはよくわかりました。いまの問題に関連して、児玉委員。 ○児玉委員  いまの因果関係の話について、私が知っている範囲で4つ例を挙げます。1つ目は 刑事の因果関係。2つ目は民事の因果関係。3つ目は、例えば損害保険料率機構など が交通事故の被害者保護のために考えているときの因果関係。4つ目は労災の因果関 係。最初の3つの刑事、民事、例えば被害者保護のための自動車強制保険の認定、死 亡因果関係の認定に使われている法文上の言葉は、通常「よって」を使っていると認 識しています。「その行った医療によって患者が死亡した場合」、「よって」という言 葉が、因果関係を明瞭に示すというのが一般的な法律家の理解だと思っています。  ただし、刑事の場合は釈迦に説法とは思いますが、合理的な疑いを入れない立証、 ビヨンド・リーズナブル・ダウト、90%を超える立証が必要だと通常は言われていま すし、民事の場合はプレポンダランス・オブ・エビデンス、証拠の優越の程度という 51%を超える立証が必要だと言われていますし、被害者保護のための強制保険の自動 車保険などの認定においては、もう少し緩やかに時間的な近接性や諸般のファクター を考慮した被害者保護の観点からの因果関係認定を行っています。最後に、労災の場 合は明瞭に「よって」ではなくて、これと同じ起因性という、業務に起因してという 言葉を使っていますが、この場合の起因してというのは法的な民事、刑事における因 果関係とは違った、さまざまな政策的な配慮が含まれる形で現状運用していると承知 しています。 ○前田座長  そのことも含めて、一般の方にもわかりやすいような形で書き振りを。ただ、基本 的には先ほど総務課長のご説明にあったように、山本委員の実質として欠ける部分が 起こることはない。要するに、過失が明らかで因果性が不明確な部分を落としていい という趣旨ではないことは確認したということで。 ○樋口委員  前田先生がおっしゃってくださったとおりなので、とにかく優れた法律家2人の議 論を聞いても私を含めてなかなかわからないところがあると思うのです。実際のとこ ろは山本委員のおっしゃったとおりで、この案に論理的には欠缺があることになりま すが、それはそのかけた部分を問題にしないという趣旨はないので、そこまで言わな いでもいいかもしれません。6頁を見ると先ほど児玉委員がおっしゃったように、こ れが基になった既存のルールをできるだけ適用して、新たなものを持ち込むのではな くて、政策は継続性があるわけですから、医療機能評価機構でこういう事例を集めて という医療法施行規則があって、それを生かそうということでしたね。すると、この 案ではイとロだけを引き継いでいますね。元の施行規則では、ハのところの「イとロ のほか、事故の発生の予防及び再発防止に資する事案」というところで、山本委員が おっしゃっているのはそういう意味では全部拾えるわけです。だから、医療法施行規 則も法律家が見るとおかしいのではないかという話でもなくて、今回ハに当たるもの をわざわざ抜かしたのは、ここは義務としての届出ということを言うので、最後の「あ りとあらゆる事故の発生の予防及び再発防止に資する事案」だとあまりに広くなると いうので、たぶんイとロだけを継承するような話を持ってきたと思います。それで座 長が言ってくださったように、山本委員もそこまでのことはおっしゃられていないと 思っていますが、どこかに穴があって、その穴のことは見逃していいのだよと誰も思 っていないことは確認しておきたいと思います。 ○山本委員  私もよくわかっています。たぶんハのようなバスケットクローズがあるので、この 施行規則はこういう形で成り立っているのだろうと思いますが、今回はそのバスケッ トクローズがなくて、かつこれを怠った場合には何らかのサンクションが科されると いうことですので、文言は明確に規律する必要があるのではないかというご注意まで に申し上げたという趣旨です。 ○前田座長  おっしゃることは全くご尤もですので、この次に直すということで。高本委員、お 願いします。 ○高本委員  いま、届出の問題がいろいろ議論されていますが、先ほど児玉委員が言われました ように、届出と委員会の受付の間にいまのモデル事業ですと総合調整員医がいるわけ ですね。届出が必ずしも全部受け付けられて解剖されて、調査委員会に行くという仕 組みでもないだろう。それほどたくさんは処理できないでしょう。その中で、あるも のは院内の病理解剖でやってほしい。あるものは病理解剖もいらないのではないか。 間にいる総合調整医、アメリカでいえばメディカルイグザミナーの役目の人が非常に 大切ではないか。4頁の9にスクリーニングを行う仕組みの必要性が書いてあります が、この仕組みを実際的に動かすためには、この総合調整医が非常に大事だろうと思 います。それには、まず臨床の経験の多い医療者がその任務に付いて、結局24時間 365日対応しなければならないわけですから、各ブロックで複数いるわけです。端的 に言うと、3名以上いるわけです。それが、豊富な経験に基づいて適切な判断をする。 しかも、その人たちが日頃修練して、届出と調査委員会の間を取り持つ。最初はこれ がうまい具合にいかないかもわかりませんが、こういう判断をきちんとやる仕組みが、 この事業をうまい具合に生かすコツではないかと思います。  もう1つ児玉委員が先ほど言われましたペナルティーに関して3つの仕組み、勧告 指導、行政処分、刑事処罰とありますが、ペナルティーが科せられる対象というのは 届け出る医療機関であるわけですが、医療機関に刑事処分というのは、どういうもの ですか。 ○前田座長  行政処罰で、おおよそ法人、機関に対して刑事罰があり得ないかというと、罰金の 制度というのはいくらでもある。罰金も刑罰ですので。 ○高本委員   誰かが牢屋に入るとか、そういうわけではないわけですね。 ○前田座長  それは無理です。ただ、利用価値規定とかいって、責任者が自由刑に問われる可能 性が全くないとは言えない。ただ基本的にこういう制度で考えるときには、罰金制度。 罰金も額が大きくなっていますので、非常に重大な制裁にはなると思います。 ○高本委員  ペナルティーに関しては非常に国民も関心を持っていまして、調査委員会から警察 への通知から刑事処罰というルートが全くないわけではない。少しはある。もう1つ の届出に関するペナルティーが、刑事処罰という大きいものであると二重に処罰され るのではないかという不安が国民の中にありますので、いずれも刑事罰は謙抑的であ るべきと思います。おそらくこれの対象というのは医療機関の長、病院長、副院長あ たりですので、病院長が肝っ魂の小さい人ですと、全部何でも届けろということにな って、かえって萎縮してしまう事態も招きかねないと思います。従って、このペナル ティーはかなり強い行政処分でいったほうがいいのではないかという感じがします。 ○前田座長  先ほどの児玉委員から3点のご提示があって、最後の問題に入りましたが、その前 に高本委員がご指摘になった点を確認的に整理します。先ほど辻本委員がおっしゃっ たこととつながって非常に大事なご指摘で、審査委員会で解剖したりして解明するこ と以前に、その中間の部分でどこまでを受け入れるかが重要だと。それは、患者側に 対して説明をする機能というのはかなり重要だというのと重なって、その組織を作っ ていく上で審査をする委員会のほかに、その1つ外側の組織をきちんと考えなければ いけないということで承って、その次のペナルティーの話に移ってまいりたいと思い ます。  ペナルティーに関してのご指摘は非常によくわかりますが、先ほどの児玉委員のご 指摘だと我々法律家ではよくわかりますが、非常に悪質な場合には必ずしも刑事罰と いうのはそんなに。刑事罰があるから縮み上がって必要もないものを喋るみたいな事 態が考えられているのではなくて、明々白々いろいろ偽造してみて届出を占奪するみ たいなことが明らかになって、それを繰り返している事業所である。そういうものに ついては、ペナルティーとして処罰、刑事罰まで行く可能性はある。ただし、4頁の Aのグループと同じようなものでして、これが我々が言っていた刑事罰の対象、医療 過誤で、ほとんど数がないといえばないのです。いまの届出も故意に届出をしないと か偽るというものについて、刑事罰を科す可能性は本当に例外的でしょうが、あるの ではないかという感じがしてしまいます。お気持はわかるし、普通に意図的に出さな かったことを刑事が立証しなければいけないわけで、それはよほどのことでない限り。 内部告発があって具体的に。また改ざんが出てきたりとか、そういうことでもない限 り刑事というのはあり得ないと思います。私が喋りすぎて申し訳なかったです。どう ぞ。 ○加藤委員  都立広尾病院事件は、確かにそういう意味では刑事処罰が相当な事件だと多くの人 も理解しているだろうと思います。ここで併せて文言の中には医療機関において判断 したという言葉が出てきますが、実質的にはこれは医療安全に関して、病院の管理責 任者である院長のリーダーシップというのは極めて大事だと言われています。この院 長が実質的には届出をするということで、この「医療機関において判断した」という のは条文的に書くときはこうなるかもしれませんが、医療機関の管理責任者において 判断したということでよろしいのでしょうね。この書き方はこうなるけれども、基本 的には院長の判断。  少しそれに関連して、届けるか届けないかの院内での議論のときに、医療チームの 一員が届けたほうがいいのではないかという場合があり得るわけです。これが、日本 学術会議の平成17年6月23日の提言の中に、医療チームの一員等がその死因につい ての説明の合理性に疑義を持つ場合には届ける方向になっていて、ある意味では院内 のピアレビューを救い上げるような仕組みを用意していることに1つの英知があるか なという気がします。ですから病院長がどうリーダーシップを取るのか、その判断が たぶん、これは届出の時間的な制約も出てきますよね。24時間とか、ある一定の期間 内にそうした判断をしていかなければいけないという意味でも、大変院長のリーダー シップが問われる場面だと思いますので、少しそのあたりのディスカッションもして おいていただいてはどうかと思います。 ○医療安全推進室長  条文をどう書くという段階では全然ありませんが、届出をしなければいけないのは、 3頁の2)にありますとおり、主治医等ではなくて医療機関の管理者としてはどうか と書いています。おそらく現実には、病院として管理者が判断するに当たって各病院 に安全管理委員会がありますので、そういう所での議論を踏まえてといったことも病 院によってはあり得るかと思いますし、そのような体制が強化されたほうが良いので はないかとも思います。 ○木下委員  3頁の届出の具体的なこととして(1)、(2)がありますが、(2)をよく見ますと最終的に は死亡を予期しなかったものに限るとしても、いろいろな事例であるパーセント、極 めて危険なことがあるような処置をしたときに、不幸にしてそうなったということは 予期しなかったことに入ります。そうすると、かなり広い範囲でとにかく届けなけれ ばいけないのだという方向になっていくような気がします。特に6のペナルティーが、 届けなかったがゆえにペナルティーなのか。例えばこれは想定し得る合併症として不 幸なことがおこったとご説明申し上げたときに、医療側としては医学的にロジカルに 説明できたとしても、ご家族の方、ご遺族の方が解剖してまでも死因の調査をしてほ しいということであれば、それは届けて調査をしていただくことになります。御遺族 が、その段階のご説明で納得なさったときでも死亡は予期できなかった事例ですから、 亡くなった事実に対しては第三者機関に届けるとすると、このような事例を全部入れ ますと、先ほどのスクリーナー的な機能を持った組織をつくりませんと、本当にこの 委員会が機能するかどうかが難しくなると思います。  同時に、このペナルティーをどの段階で科すのかですが、いま申し上げましたよう にご遺族も医師側も届けないでいいとなって、しかしあとになってご遺族の方が「や はりこれは調べてほしい」と言われたときに、そこでいろいろと調査したときに、こ れは本当は届けておくべきだったというようなことが判ったときには、ペナルティー を科すことになるのでしょうか。ただ届けなかっただけでペナルティーとするといま 申し上げましたように、(2)に該当する事例の中には、届けなくてもいいものが入るは ずだと思います。医師たちに説明して納得させるときに、具体的なことを伝えていか なければならないわけで、その辺の仕組みをもう少し詰めておいたほうがよいと思い ます。 ○前田座長  先ほどの加藤委員の話で、届出主体、医療機関の内部でのという問題も残っていま すが、これもご意見がなければ。それから、いま木下委員がご指摘になったペナルテ ィーの科される範囲は、この制度に対して、ここにも大勢来ていらっしゃいますが、 それがまたネットにのってワッと広がっていって、誤解が誤解を生んでいく可能性も ありますので、ある程度弁明をしておいたほうがいいと思いますが、木下委員がおっ しゃった例はある意味で、私は医療は素人ですからあれですが、四角で囲んだBの、 可能性という意味ではいろいろあるかもしれないけれども、1の重度の先天性心疾患 や2の交通事故による多発外傷がありますね。これは、おそらく基本的には届出をし なくてもいい。Aは届け出る。先ほどは、この中間を拾わなければいけないという議 論だったと思います。おそらくBが届け出なければいけないという議論はなかったと 思います。そういうことも踏まえて、故意に届出を怠ったというのが後になって届け 出たほうがよかったねみたいなものを、届け出なかった不作為の行為時に故意があっ たと言うか。それは言わないということで、先ほど申し上げたように故意に届出を怠 った場合や虚偽の届出を行った。先ほど法務省からご説明がありましたが、非常に悪 質な事案。それは、ほかの例からいってもある程度類型化されているということで、 確かにペナルティーというといつ何が降ってくるかわからないように見えますが、こ れは極端なことをしない限り責任は負わないというご趣旨で書かれていると思いま す。  先ほどの加藤委員の学術会議ですが、そこもご議論があれば出していただいたほう がいいと思いますが、医療機関の委員会の中で1人でも疑問を呈したら届出義務があ ると考えたほうがいいというご趣旨ですか。 ○加藤委員  この学術会議の提言の読み方としては、医療チームの一員が疑義を持つ場合は、た ぶん3頁の枠組でいうと(2)に入れていくことになるだろうという気がしました。疑わ れるものを含んでいくという範囲内です。 ○前田座長   非常に具体的な例ですが、それもご意見があれば。山口委員お願いします。 ○山口委員  いま木下委員の言われたように、院内の調査委員会の判断を尊重することは重要だ と思います。この第三者機関の提言を誰が役立てるかというと、各病院における積極 的な委員会活動が絶対に必要で、病院のアクティブな活動なくしては実効はないと思 います。その意味からも、その院内委員会の判断がその時点でこれは届け出る必要が ないというのだったら、それはそれで尊重すればよいと思います。しばらくしてご遺 族からの申立てがあって、もう一度検討してみたらここに問題があったとなったら、 その時点で届ければいいので、それでは遅かったという話はないと思います。その病 院の調査委員会で届出事例と判断したにもかかわらず届けなかったという場合はペ ナルティーに値するかもしれませんが。そういう意味では、院内の調査委員会を設け ること、あるいはその調査委員会に外部の人をどれだけ入れるかはきちんと決める必 要があると思います。その委員会でたった1人でも反対があったから届けなければい けないというのでは、その病院における委員会が正常に機能しないと思います。やは り委員会総意としての判断が尊重されて、その判断に基づいて届出がなされなかった としてもペナルティーではないということでよろしいと思います。 ○前田座長  原案は、当該医療機関の管理者が行うというのはいま山口先生がおっしゃったよう な趣旨で書かれています。それに対して、ただ学術会議ですから、意見もそう矛盾す るということではなくて、なるべく民主的にいろいろな委員の声を踏まえた意思決定 をすべきだという程度に留めて、1人でもいたら必ず届出を義務づけるみたいな形に してしまうと組織としては動きにくくなるかなという感じがする。これも検討課題と して。ただここで伺っていて、医療の現場が非常に理想どおり動いていれば、院内の 調査委員会もほとんどの病院がそうだと思いますが、大きさや病院によってはいろい ろなものがある。1つは、院内の委員会に対して患者側が不満を持つ、疑念を持つ。 こういう制度を作るときには、それを性悪説に立ったら駄目だという考え方もあるの ですが、そこのところを国民に向かって説得できるだけの現状といいますか、それと のバランスだと思います。ただ、このシステムはその意味ではかなり性善説に立って、 医療者に任せる。届出も任せる。最後は、判断も医療者に任せる。ただし、それを止 める担保としては遺族は直接これに持っていける。真摯にそれを受け止めなければい けない。  もう1つは、医療者の側で明らかに不当な届出義務違反を行ったようなときにはペ ナルティーを科しますよと。ただし、それはもうギリギリの本当に極端な場合だけで すというシステムで作ってあるわけです。そこのところは、どちら側からもご不満が 残るわけです。もう少し詰めなければいけないところが残ると思います。時間があと 5分ぐらいです。ご発言いただかなかった委員から是非一言ずつでも、この案につい てご意見を頂戴して閉じたいと思います。楠本委員いかがですか。 ○楠本委員  届出についての3頁の(1)(2)はいいかなと思うのですが、7頁の医療事故情報収集等 事業のところの前の項目最後のところで、管理に起因するところが今回外されている わけです。それから医療行為にかかる事例のところで5つ目の、重要な徴候、症状や 検査結果の見落とし、又は誤認による誤診という、これは個人の責任を問うような意 味合いになるので外したのかなと思われますが、実際に現場では患者たちは、あれだ け症状があると訴えていたのに聞き入れてくれなかった。あのときに診てくれていた ら、あのときに処置してくれていたらということが多いので、どう書くかは難しいで すが、通知の事例の中にこういったことも、届出の事例という書き方をしたほうが、 こういうことになると遺族の方々がみんな直接書かなければいけないということに なるのではなく、医療側もこういうことをきちんと認めるような事例の出し方が必要 ではないかと思います。  そういうことを含めますと、届出の事例が増える可能性はたくさん出てくると思い ますので、スクリーニングの仕組みをしっかりやることが大事だと思います。以上で す。 ○山口委員  届出の事例が結構増えそうなことに関して、実際に現在情報収集事業が実施されて いますので、同じ定義で死亡事例が何床のベッド数を対象として、年間にどれだけの 報告があったかというのを是非数字としてお示しいただきたい。それによってスクリ ーニング機能がどの程度必要か明らかになると思います。実際的な解剖のキャパシテ ィーと照らし合わせて、現実的な判断をする必要があるのではないでしょうか。 ○前田座長   室長から、いまの段階でお答えいただけることがあれば。 ○医療安全推進室長  現在の事故情報収集等事業に関して、参考資料集の101頁に「医療事故報告の件数」 というのがあります。医療機能評価機構に届け出られている件数としては、死亡以外 も含めますと平成18年の1年間で1,296件になります。このうち死亡に関しては152 件になります。日本全国では約9,000の病院がありますが、届出義務のかかっている 273病院だけで、病床数でいきますとここに記載されていますとおり14万7,836床で すので、日本の病床数の10分の1弱です。そこで152件の死亡の報告がある現状で す。 ○山口委員   1と2の両方を含んでいるということですか。 ○医療安全推進室長  はい、そうです。それから、この件数はイ、ロ、ハの合計です。つまり、現行の施 行規則のハの部分です。資料1の6頁の中ほどのイ、ロに加えまして、先ほどもご議 論がありましたハがあります。ハは、イ及びロに掲げるもののほか、医療機関内にお ける事故の発生の予防及び再発の防止に資する事案。これも含めて、年間で152件の 死亡事例が報告されているのが現状です。 ○前田座長  よろしいですか。この次に、先ほどおっしゃったようにどれだけ絞り込まなければ いけないかという判断の基礎となる大事なデータですので、またよろしくお願いしま す。南委員お願いします。 ○南委員  まず、この届出範囲について、先ほどご指摘がありましたが、届け出る対象と委員 会が受け入れる対象をきちんと決めておいて、それの間を調整する機能がないと、慎 重を期して、かなり多数の届出が出てくることが考えられ、委員会が機能できるかど うかというところが1つ問題になるのではないかと思います。  他には、あれこれ気付いたところですが、3頁の死亡を予期しなかったものに限る というのも全体的にはよく書かれていて大体いいと思いますが、細かに読んでいきま すとたぶん医療現場の方々の間で非常にいろいろな不安の声が聞かれるのもこうい う点だと思うのですが、例えば死亡を予期しなかったものに限るといっても、どんな 医療行為でも死亡を全く予期しないということは論理的にはないわけですよね。どん なに小さな医療行為でもリスクはゼロということはないわけですから。そのように、 医療現場の立場に立ってことばを詰めていくと、まだまだ検討の余地があるのかなと 思われます。  また、患者が死亡した場合に必ず説明するというのは、患者側としては普通の経過 で亡くなった場合にも「ところで、こういう委員会がありますよ」と唐突に言われる のは心情的にはあまり受け入れられない部分があるのではないか。  最後に4頁のペナルティーの部分。医療機関において判断したにもかかわらず怠る というのは、普通には考えにくいことなのではないか。つまり判断したことが何か紙 できちんと残っていて、にもかかわらずそれを届けないということは、なかなか考え にくいのではないかと思われます。逆に紙にでもしていないのなら、これを判断した にもかかわらず届出を怠ったというのは、どう証明できるのかということになる。具 最後に、これまでのモデルケースと違って、非常に規模の小さな病院とか人手のない 病院が全部対象になるわけで、そこできちんと働く院内の調査委員会を期待するのは、 医療現場の実情を考えると重荷になる可能性があると、そこが心配されるところかと 思います。 ○前田座長  どうもありがとうございました。まだご意見がいろいろあろうかと思いますが、予 定した時間は過ぎてしまいましたので、今日はここで閉じます。これは、いろいろニ ーズがあるから出てきた委員会で、ある程度具体的な成案を作っていかなければいけ ないということです。本日いただいたご意見を踏まえて、さらに事務局で資料を整理 して、次回に引き続きご議論いただきたいと思います。  それから、自民党の案にも随分注文が入っているわけで、なるべく早くそれに対応 して、この検討会でどこまで案を作っていくのかの射程はよくわかりませんが、是非 予定どおり国会で案ができますように進めていただきたいと思います。室長から、次 の予定についてお願いします。 ○医療安全推進室長  次回の検討会の日程は、来年の1月下旬を目途に現在調整をしていますので、日程 調整がつき次第、またご連絡をしたいと思います。本日はどうもありがとうございま した。 ○前田座長    どうもありがとうございました。 (照会先)  厚生労働省医政局総務課医療安全推進室   03−5253−1111(2579) 1