07/12/25 第一回女性の健康づくり推進懇談会議事録 第1回 女性の健康づくり推進懇談会 議事録(案) 1.日 時:平成19年12月25日(火) 10:00〜12:02 2.場 所:KKRホテル東京(11階孔雀の間) 3.次 第:   議 事   1.女性の健康課題について   2.国民運動としての普及啓発について   3.その他 4.議 事 ○関室長 おはようございます。定刻の10時となりましたので、ただいまから「第1 回女性の健康づくり推進懇談会」を開会させていただきたいと存じます。  本日は、年末の何かとお忙しい時期、また、お寒い中、お運びいただきまして、まこ とにありがとうございます。  座長を選任させていただきますまでの間、進行を務めさせていただきます事務局の生 活習慣病対策室長の関と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  なお、冒頭、厚生労働省を代表いたしましてごあいさつということで、西山健康局長 が参ってごあいさつする予定となってございましたけれども、急遽、国会の方の対応が 入りまして、国会の方の対応が終わりましたところで途中から参りまして、その時点で ごあいさつをさせていただくということで考えてございますので、どうぞ御了承いただ ければと思います。  それでは、まず、本日御出席いただきました方々の御紹介をさせていただきます。  時間の関係もございますので、私の方からお名前を読み上げさせていただきまして、 お席で会釈していただくような形で御紹介できればと思ってございます。  お手元の資料1というのがございますが、この会の趣旨等をこの後簡単に御説明申し 上げますけれども、その資料1を1枚めくっていただきますと、この懇談会の構成員と いうことで、別紙ということで名簿がございます。この名簿の順に委員の御紹介を申し 上げたいと存じます。  まず初めに、千葉県衛生研究所所長で内科医の天野恵子様。  社団法人日本看護協会常務理事の井伊久美子様の代理として和田幸恵様。  聖マリアンナ医科大学産婦人科学教授の石塚文平様。本日、ちょっと遅れておられる  ようでございます。  社団法人日本医師会常任理事で産婦人科医の今村定臣様。  財団法人日本食生活協会理事で戸板女子短期大学学長、日本女子大学名誉教授の江澤  郁子様。  資生堂健康保険組合常務理事の岡良廣様の代理として古山晴夫様。  東京大学先端科学技術研究センター協力研究員の河原ノリエ様。  更年期と加齢のヘルスケア研究会代表世話人の小山嵩夫様。  社団法人日本栄養士会副会長で仁愛女子短期大学教授の清水瑠美子様。  続きまして、社団法人日本産婦人科医会会長で浜松医科大学学長の寺尾俊彦様。  日本更年期医学会理事長で弘前大学大学院医学研究科産科婦人科学講座教授の水沼英  樹様。  社団法人日本薬剤師会地域保健検討会副委員長の宮野廣美様。  NPO法人メノポーズを考える会理事長の三羽良枝様。  東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯学教育開発学分野教授の森尾郁子様。  花クリニック院長の矢花芙美子様。  社団法人全国結核予防婦人団体連絡協議会理事で事務局長の山下武子様。  社団法人日本産科婦人科学会理事長で慶應大学医学部教授の吉村泰典様。  また、オブザーバーといたしまして、内閣府男女共同参画局推進課長の塚崎裕子様。  それから、石塚先生、今、御到着になられましたので、改めまして、聖マリアンナ医  科大学産婦人科学教授の石塚文平様。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、座って恐縮でございますが、資料1の冒頭の部分を説明させていただきた いと存じます。  本会の設置開催に係ります要綱でございますけれども、本年4月に策定されました 「新健康フロンティア戦略」、これは官邸の方で主導しまして、賢人会議というものを 設けまして検討してきたものでございます。後ほどまた資料の中で御説明申し上げます が、この中で「女性の健康力」というものが柱の一つに位置付けられて、国民運動とし て展開することとされたものでございます。女性が生涯を通じて健康で明るく、充実し た日々を自立して過ごすために、女性のさまざまな健康問題を社会全体で総合的に支援 する必要があるという趣旨をうたってございます。  こういったことを踏まえまして、女性の健康に関する普及啓発を推進する、また、女 性の健康づくりを国民運動として展開するために、今回、この懇談会を健康局長の下、 厚労省の方で設けたということでございまして、この場を通じて女性の健康問題につい ての総合的な検討を行うことといたしたいと考えてございます。  当面の検討課題でございますが、大きな柱として「女性の健康課題について」、そし て「国民に対する普及啓発の推進について」という大きな柱を御検討いただく、あるい は推進いただくということが目的と考えてございます。  4のその他でございますけれども、この会の庶務につきまして、厚生労働省健康局総 務課生活習慣病対策室が行うことといたしてございます。  それでは、続きまして、相前後いたしましたが、事務局よりお配りしました資料の確 認をさせていただきたいと存じます。 ○坂本室長補佐 それでは、資料の確認をお願いいたします。  私、生活習慣病対策室の坂本と申します。どうぞよろしくお願いします。  大変失礼ではございますが、資料が多うございますので、着席にて失礼させていただ きます。  実は、マイクがかなり近付けないとなかなか音が拾えないということですので、申し 訳ございませんが、皆さん、発言なさるときはマイクに近付けて御発言いただきますよ うお願いいたします。  それでは、資料の確認をさせていただきます。  まず、「第1回女性の健康づくり推進懇談会議事次第」という1枚の紙がございまし て、その次に、座席表があります。  それから、ホッチキスでとめてあります資料がずっと続きますが、資料1「女性の健 康づくり推進懇談会開催要綱」。こちらは先ほど室長より説明かございました資料でご ざいますが、この資料1が2枚ございます。  それから、資料2「新健康フロンティア戦略における女性の健康づくりの取組」と題 しました資料でございます。こちらは、本文が3ページ、参考と書いてございますペー ジが3ページ、合計6ページになっております。  次に、資料3でございます。「女性の健康課題の現状」というホッチキスどめの資料 でございますが、こちらは、本文が9ページございます。  資料4に移ります。資料4は「女性の健康課題等についての意見」という表題がつけ てあります。全部で5ページの資料とです。  続きまして、資料5でございます。資料5は「女性の健康週間実施要綱(案)」でご ざいまして、こちらは2枚の資料でございます。  最後に、資料6でございまして、こちらは「今後のスケジュール(案)」ということ で、1枚の資料となっております。  なお、今回、御意見を委員の皆様方に事前にお伺いしましたところ、添付の資料をた くさんつけてくださったという状況でございます。「参考」という冊子のようになった 資料がお手元にあろうかと思います。こちらの資料には、実はお送りいただいた資料の 全部を御紹介したかったのですが、余りにも量が多いので、表紙と概要の部分だけをコ ピーしてお配りさせていただいたという次第でございます。  以上、資料の不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。 ○関室長 皆様方、資料の不足等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、続きまして、本懇談会の座長の選出に移りたいと存じます。  座長につきましては、事務局の方から提案させていただければと存じますが、江澤様 を推薦させていただきたいと考えておりますが、皆様、いかがでございましょうか。 (拍  手) ○関室長 ありがとうございます。ただいま拍手いただきましたことをもちまして、皆 様方から御承認いただいたというふうに理解させていただきます。  これ以後の進行を江澤様にお願いしたいと存じます。江澤先生、座長の席の方にお移 りいただければと存じます。 ○江澤座長 ただいま御承認いただきました江澤でございます。よろしくお願いいたし ます。  私、骨粗鬆症予防ということで研究を続けておりまして、昨今は特に、心と体の健康 に食生活がいかに重要であるかということに取り組んでおります。  この国民運動としての女性健康づくりの推進は、非常に重要な課題であります。皆様 の御意見をいただきながら、健康づくりの方策を考えてまいりたいと存じますので、ど うぞよろしくお願いいたします。  それでは、早速、議事に移らせていただきます。  まず、議題1「女性の健康課題について」です。まずは、本懇談会を開催するきっか けとなりました「新健康フロンティア戦略」の概要と、女性の健康課題の現状について、 事務局から説明をお願いいたします。 ○坂本室長補佐 それでは、女性の健康課題について説明をさせていただきます。お手 元の資料2をごらんください。  資料2は、「新健康フロンティア戦略における女性の健康づくりの取組」と題しまし て、「新健康フロンティア戦略」の女性に関する部分の抜粋をしております。  ご存じのとおり、「新健康フロンティア戦略」は、本年4月18日に新健康フロンテ ィア戦略賢人会議においてまとめられ、発表されたものではございますが、国民の健康 寿命の延伸に向け、予防を重視した健康づくりを国民運動として展開することを目標と しております。特に、女性の部分に関しましては、資料2の第1部のところでございま すが、「国民自らがそれぞれの立場に応じて行う健康対策」といたしまして、「女性を 応援する健康プログラム(女性の健康力)」として明記されてございます。  この趣旨といたしまして、女性の明るさというのは、社会の明るさであり、女性が活 躍する社会というものは、つまり、女性の活躍によって社会の活力が保たれていると。 女性が健康で、能力を発揮できる社会こそ、すばらしい国であろうということでござい ます。  女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を自立して過ごすことを応援するた めに、生活の場、これは家庭、地域、職域、学校、その他たくさんございますが、生活 の場を通じて、女性のさまざまな健康問題を社会全体で総合的に支援することが必要で ございます。  この社会の取組といたしまして、まず、(1)にございますが、女性の健康的な「自 分」づくりを支援しましょうということで、例えば、「思春期の女性に対する支援」、 あるいは「職場内における働く女性の健康への適切な対応の推進」、次のページになり ますが、「女性の健康問題のニーズに応じた個別の予防プログラムを受ける仕組みづく り」、あるいは「女性の健康週間の創設による国民運動の展開」といったものが課題と して挙げられております。  次に、「女性のニーズに合った医療の推進」といたしまして、最初に、「女性のニー ズに合った医療」を提供すること。次に、身近な場所で、気軽に情報入手や相談ができ る体制を整備すること。そして、性差を考慮した医療に役立つ研究を推進することの3 つが挙げられてございます。  その次の部分、(3)でございますが、「女性のがん」への挑戦でございます。これ は、がん、多くの臓器にあらわれる疾患ではございますが、特に女性に特有ながんに対 しての挑戦でございます。  例えば、乳がんの対策、あるいは子宮がんの対策といったものは、まさにこれでござ います。このがん対策を推進するに当たって、安心で利用しやすい検診体制を整備する ことや、あるいはキャンペーンを行うことが明記されており、また、がんになってしま った患者さんに対する支援、これは長期にわたる支援が必要であると言われております が、こういった支援。それと同時に、がんという疾患そのものに対する研究を推進する というようなことが目標として掲げられております。  「参考」の方に移ります。次のページでございますが、こちらに「新健康フロンティ ア戦略」の概要ということで木の絵がございます。「健康国家への挑戦」という太い幹 がございまして、女性の健康力というのが左の上に伸びる枝になっております。健康で 住みやすい国家をつくるというのは非常に重要なことでございまして、いろいろな要素 がございますが、「女性の健康力」という部分につきましても、重要な課題であると 我々、認識しております。  次のページをお願いいたします。こちらは、先ほどの木の絵で示されました、例えば 子供の健康力、女性の健康力、メタボリックシンドローム克服力、がん克服力、がん克 服力、こころの健康力、介護予防力、歯の健康力、食の選択力、スポーツ力という9つ の枝につきまして、簡潔に記したものでございます。  次のページを見ていただきますと、こちらが「新健康フロンティア戦略賢人会議」の 有識者のメンバーの御紹介でございます。  次に、資料3を御紹介いたします。資料3は、「女性の健康課題の現状」といたしま して、新健康フロンティア戦略会議における資料をもとに、事務局で編集をしたもので ございます。  資料の内容の説明に移ります前に、若干現状と違っているところがございますので、 先に申し上げておきます。  1番の「栄養摂取と食育」という点でございますが、こちらは、賢人会議の資料とし て作成されたものをそのまま使っておりますが、本表では「栄養所要量」という表がな されております。この表は、実は2000年の6次改訂では使われていたものですが、そ の次に行われた改訂につきましては、「日本人の食事摂取基準」という別の表現になっ ておりますことを申し添えておきます。  それでは、内容について説明をさせていただきます。  まず、「栄養摂取と食育」についてでございますが、全体的に見たところでございま す。妊婦や受乳婦というのは、エネルギーを初め、カルシウム、鉄、ビタミンDについ て所要量を確保できていない状況にある。特に、妊婦については、たんぱく質も少ない 傾向があるというような課題がございます。  次のページでございます。「やせすぎ」の問題でございます。やせすぎの問題といい ますと、特に顕著なのが若年層の女性でございまして、20〜29歳女性の低体重の者の 割合は、平成16年は21.4%でございました。これは、昭和59年を見ますと14.8%で ございましたので、約1.5倍に増加しております。  次のページを見ていただきますと、特に問題でございますのは、既に低体重であるに もかかわらず、さらに体重を減らそうとしている方がいらっしゃるという点でございま す。たとえば、20〜29歳のやせている女性におきまして、その17.5%がさらに体重を 減らそうとしているというような現状がございます。  次のページでございます。こちらは、「性感染症」に関する問題でございます。性器 クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症、梅 毒について、感染症発生動向調査をもとにまとめております。薄く灰色に網かけをして おりますところが、女性の患者さんの方が多い疾患でございます。注意すべきこととし ては、性器ヘルペスウイルスでございまして、こちらの女性患者は年々増加する傾向を 示しているという状況でございます。  次のページをお願いいたします。「がん(乳がん、子宮がん等)」でございますが、 まず、乳がんでございます。  乳がんは、罹患率を見ますと、30歳代に罹患率が増加し、40歳代後半にピークがご ざいます。資料のグラフを見ますと、罹患率、人口10万人当たりの患者数でございま すが、2001年、▲のプロットで実線の部分です。これは、過去に比べて増加する傾向 が見られております。乳がんに対しまして、検診は、マンモグラフィと視触診を併用す ることで、かなりの早期発見ができると言われております。  次のページでございます。子宮がんでございます。子宮頸がんでございますが、こち らは、30歳代から罹患率が増加し、子宮体がんは、若干遅い40歳代から罹患率が増加 するという傾向がございます。子宮頸がんのリスク要因に、ヒトパピローマウイルスの 感染がございまして、細胞診による検診が有効であると言われております。  実際、子宮頸がんの罹患率のグラフを見ておりますと、2001年、同じく▲のプロッ トで実線の部分ですが、年々増加する傾向が見てとれるという状況でございます。  次に、めくっていただきまして、「5 更年期障害、更年期症状」でございます。45 〜59歳の女性、約1,330万人程度でございますが、この年齢層の女性たちにおいて、 不定愁訴で医療機関を受診している方が相当数いらっしゃると言われております。  女性ホルモンの欠乏によって更年期障害が起こるわけでございますが、女性ホルモン の欠乏という根本的なものを考慮せずに、対症療法を実施しても症状は改善しないとい うことが言われております。  次に、「骨粗鬆症」でございます。骨粗鬆症は、患者数で見ると、女性に非常に多く 見られるという疾患でございまして、高齢者が寝たきりとなる原因の一つでございます。 骨粗鬆症は、骨密度の低下だけでなく、筋肉量の減少も関与しているといわれており、 個別の事情に適した運動プログラムによって回復することが期待できるとも言われてお ります。  次のページでございます。「うつ」の部分でございます。うつは、最近、社会的に大 きな問題になっておりますが、特に女性におきましては、思春期において女性ホルモン が増加すること、あるいは、妊娠や出産など女性に特有な事情による環境の変化によっ て、うつ病になりやすいということが言われております。  うつの問題点といたしましては、実際に症状を抱えていながら、医療機関を受診する 者は少ないということでございまして、厚労科研の14年度の研究でございますと、大 体4分の1程度しか受診がされていないということでございます。  次に、「喫煙」でございます。喫煙は、男女を問わず健康への悪影響が指摘されてい るところでございますが、女性の喫煙習慣者の割合は、20〜59歳において、近年、増 加傾向にございます。グラフの黒く塗っております部分でございます。平成16年の部 分をご覧いただくと、過去に比べて増加する傾向がみてとれることかと思います。  次に、9ページでございまして、「飲酒」でございます。女性の場合の飲酒は、家庭 内における孤独な飲酒ということが問題とされておりまして、問題飲酒の発見や、医療 機関の受診が遅れがちであると言われております。また、男性に比べて少ない飲酒量、 かつ短期間でアルコール性肝障害を引き起こすという指摘もあり、特に問題なのが、ア ルコール依存症として診断される前にうつ病として治療を受けているような場合もあり まして、なかなか見つからないというような状況がございます。  それから、10番目の「歯・腎疾患等」でございますが、歯のことにつきましては、 妊娠/出産期には、歯肉炎になる方の割合が非常に増えるということが言われておりま す。また、妊産婦におきまして、特に妊婦の歯周状態が悪い場合には、低出生体重児が 多いという傾向が見られるそうです。高齢期の女性は、男性よりも歯の数が少ないとい う傾向にあることは、平成17年の歯科疾患実態調査で出されております。また、腎疾 患につきましては、妊娠期における、いわゆる妊娠腎と言われる腎疾患、それから、高 齢女性における失禁という問題が挙げられております。  次に、資料4でございます。資料4は、女性の健康課題について、委員の皆様に御意 見をいただいたところでございます。非常に短い期間でございましたので、すべての委 員から御意見をお伺いするというのが少し困難な状況ではございましたが、それでも委 員の方々にはたくさんの意見をいただきました。ありがとうございます。  健康課題につきましてですが、天野委員からは、思春期から超高齢者まで生涯にわた る女性の健康問題について懇談会で取り上げるよう期待している。中でも、高齢者の健 康のあり方について考えたい。メンタルケアの充実と東洋医学の充実を訴えたい。男女 共同参画と女性の健康。介護・引きこもりを抱えた女性の健康問題について。という意 見をいただきました。  石塚委員からは、年代別・地域別に、健康観やライフスタイルについてのアンケート を行ったらどうかとの意見をいただいております。  江澤委員からは、特に、食生活のあり方についての御意見をいただきました。  また、岡委員からは、健康保険組合の理事をされているということもありまして、特 に、女性の社会進出といったことに関して御意見を伺ったところでございます。  河原委員からは、提案したい症例としては、女性の頻尿や尿失禁。検討してほしい事 項として、医療と美容の融合ということを伺っております。  次のページでございますが、宮野委員からは、若い女性は、マスメディアがつくり出 した表面的な美に目が行き過ぎているのではないか。本当の美しさとは何だろうかかん がえるべきではないかというような御意見を伺っております。  また、三羽委員につきましては、特に、更年期障害に関する問題点についてお伺いし ております。  それから、森尾委員からは、女性のライフステージの変化に伴う口腔内環境の変化へ の意識や対応が十分でない旨の意見を伺っております。  次に、各団体における取組でございます。委員の方々が所属されている団体にはいろ いろございまして、天野委員からは、性差医療・医学研究会における取組、性差医療情 報ネットワークにおける取組を御紹介いただきました。  井伊委員からは、看護協会における取組を御紹介いただいております。  江澤委員からは、東京骨を守る会の取組を御紹介いただき、また、骨の健康づくり委 員会の活動についても御紹介いただきました。  岡委員からは、健康保険組合が企業と一緒になって行っている事業につきましての取 組を御紹介いただいております。  河原委員からは、障害児の母親に対する精神的支援、がん患者さんに対する支援等の 取組を御紹介いただいております。  また、次のページでございますが、宮野委員からは、都道府県薬剤師会の取組、日本 薬剤師会の取組を御紹介いただきました。  三羽委員には、NPO法人として取り組んでおられます、更年期から始める生涯を通 じた健康づくりについての、例えば電話相談であるとか、セミナーであるといったこと の紹介をいただいております。また、検診率向上キャンペーン、骨の健康づくりキャン ペーンも行っているということで、資料の提供をいただいております。  森尾委員からは、歯科として8020運動、歯の衛生週間などの御紹介をいただきまし た。  参考として、懇談会の構成員の方から送付いただいた資料を一覧にしました。詳細は、 冊子となっている部分をごらんいただければよろしいかと思いますが、たくさんの意見 をいただきました。  以上でございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。ただいまの説明を受けまして、女性の健康課題 について、皆様から御意見を伺いたいと思います。  事務局の説明からもおわかりのように、女性の健康課題は非常に多岐にわたっており ます。そこで、資料1の2の当面の検討課題のうち、女性の健康課題として挙げられて いる9つの事項を大きく4つのグループに分けて御意見を伺いたいと思います。  まず初めには、「栄養摂取と食育」、「やせすぎ(過度のダイエット)」、「性感染 症」についての御意見を伺いたいと思います。どうぞ御意見よろしくお願いいたします。 挙手をしてお願いいたします。 ○清水委員 「栄養摂取と食育」、次の「やせすぎ(過度のダイエット)」について、 ぜひ取り上げていただきたいと思いますが、ここにありましたグラフからも、18.5以 下のやせの女性というのが年々増えております。私が所属しております大学でも調査を 実施しましたところ、年々増えておりまして、21.4%というこのグラフよりも少し低値 ではございましたが、2割を超えております。それが年々増えておりますので、ぜひこ の部分について、あとの骨粗などにも関係するといういろいろな報告がございますが、 やせの問題と食事の摂取量の問題と、それから、骨密度の問題とも非常に関連してきて いるということもございますので、ぜひこの部分については取り上げていただきたいと 思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○石塚委員 石塚でございますけれども、今の課題別の検討とちょっとずれるかもしれ ないんですけれども、月経関連症状が、一般的に女性の、例えば就労であるとか、家庭 生活であるとかに影響を与えていると思いまして、それが今の項目立てですとどこにも 含まれないと思いますので、その点はいかがなものでしょうか。入れた方がいいような 気がするんですけれども。  私は今まで、産婦人科学会や産婦人科医会の「女性の健康週間」をやらせていただい ていても、わりと自分の月経周期に関する知識というのは女性に欠けている部分がござ いまして、それに伴って、月経前緊張症であるとか、月経痛であるかということをもう ちょっと理解をしていただく、あるいはどういうふうに受診をしたらいいかということ をプロモートしていくということが非常に重要な気がいたします。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかに御意見ございませんでしょうか。 ○山下委員 結核予防会婦人会の山下でございます。  感染症のところなんですが、若い高校生や中学生がミニスカートで、それから、大変 日本が美しくなって、どこでも座り込んでしまうという、あのグループの中のパピロー マウイルスの検診をもっともっと早めに予防、対策を打たないと、非常に危険という直 感でございますが、このあたりを強化していただきたいと思います。 ○江澤座長 ありがとうございます。ほかにございますか。お手をお挙げになりまし た? ○河原委員 挙げてはおりませんけれども、今ちょっと、子宮頸がんの問題ですとかを、 私、子どもにがんについて教えるというプログラムをこの間中国でやって、これからア ジア全体で共有しましょうということで、子宮頸がんに関しての、どのような形で子ど もたちの時代から教えていくかということについて、今、文部科学省の方々とも少しお 話を始めているところなのですが、問題が問題なだけに、どのような形で下の年齢ぐら いから若い世代から広げていくかということは、そろそろお話を皆様の中でしていくべ き時期ではないかなとは思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。 ○水沼委員 弘前の水沼です。  先ほど石塚委員の方から、月経関連ということが出たと思うのですけれども、女性の 健康問題を考えた上で一番産婦人科として大事だなと思うのは、ライフステージから見 た健康管理をどうするかということだと思うのですね。各ステージで特徴がありますの でそれぞれのステージにあった取り上げ方をお願いします。 それから、もう一つ忘れ てならないのは、不妊症で悩んでいる女性が結構多くて、最近は非常に高度な治療方法 も出てまいりましたけれども、それでも妊娠しないと。この場合には、治療に対するサ ポートというものもあると思うんでありますけれども、どうしても妊娠しないような人 たち、あるいは妊娠をするということで悩んでいる人たちに、どういうふうな方向性と いうかアドバイスを与えるか、こういうふうなものも、一つ不妊で悩む女性にとりまし ては大きなアドバイスになるのではないかと思っていますので、こういう観点からの取 組もぜひ盛り込んでいただければありがたいと思っています。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。 ○今村委員 検討課題ということですけれども、ここに9つ挙げてございます。ただ、 こういうことについては、これだけとか、これについてどうこうというよりも、むしろ 個々の判断に任せていただいて、自分たちの団体はこういうものが重要だと考えるとい うことであれば、それについて積極的に取り組んで、厚労省の支えもいただくという形 で、あまりこればかりということも拘泥することはないのではないかと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○古山代理 どうしても女性の健康問題といいますと、視点が女性の方に、それがテー マなんですが、男性の理解をぜひ深めるような取組をしていくべきではないかなと考え ております。  それと、あと、冒頭ちょっと御説明がございましたけれども、女性の社会進出という のが非常に目ざましいものがございまして、それで、女性の結婚が30代以降とか、出 産とか、その年代とか、管理職の同様の問題だとか、あるいは介護がちょうどその時期 に重なってきたり、メンタル的なところもバランスよく取り組まなければいけないのか なというところで、そのような視点からもぜひ取り組んでいければと考えております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○天野委員 今の、男性にも理解をしていただきたいというのはとても大事なことだと 思っております。ここに、例えばがんとして子宮がん、乳がんと、こうくるんですけれ ども、女性のがんの死亡で一番高いのは、胃がんであり、大腸がんなんですよね。です から、どうして女性のがんというと子宮がんと乳がんになるのと、私はいつもそう思い ます。  基本的に、性差という視点で、男の方はこうだけれども、女の方はこうなんだよとい う情報を提示しますと、男の方も、自分のところを見て、それから奥さんのところも見 るんですよね。ですから、常に情報を発信するときには、同一の人間ではありますが、 男性と女性は明らかに違う点がありますので、それを男性にも理解していただくように 提示していくのが、一番女性を男性に理解していただく大きなツールになると私は信じ ておりますので、ぜひそのように展開していただきたいと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。 ○三羽委員 ただいま「栄養摂取」ということで始まりましたけれども、全体の項目を 見ていますと、本当に女性のすべて、生涯を通したことに通じるなと思っております。 例えば、栄養摂取といいますと若い女性というふうに思いがちですけれども、実は更年 期世代の女性は、うつ症状やら、気分が落ち込み家事ができないという症状で、やはり 栄養摂取がなかなかうまくいっていないという現状もございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。 ○寺尾委員 啓発活動を行うとき、データをどう読み、どういうことに重点を置くかと いうことは、大変重要な問題で、例えば、子宮頸がんについて見ますと、若年の子宮頸 がんが非常に増えている。そして死亡率も年々上がっている。その原因は、ヒトパピロ ーマウイルスである。だから、若年の性感染症をなくしましょう。性感染のときにうつ るので、若年に対して子宮がんの検診を展開していこうということを今やっているわけ です。データの読み方というのは大変難しいと思いまして、データに対して、きちっと 読んでいかないと、何を重点とするかという点で間違った方向に行くということがある ので、気をつけなければいけないなと思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。よろしいですか。 特にございませんですか。特にございませんでしたらば、また後でも結構なんですけれ ども、とりあえずここの事項についてはここまでにいたしまして、続きましては、次の 事項ですね。乳がん、子宮がん、今、がんのことが随分出ましたけれども、そのことに ついて御意見いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。乳がん、子宮がん、 今、出始めておりましたけれども、どうぞよろしく。御意見ありましたら。よろしいで すか。子宮がんについて少しお話が出ていましたけれども、また、乳がんの話もあると 思います。どうぞ。 ○三羽委員 私どもメノポーズを考える会では、乳がんの検診率向上のキャンペーンを いたしておりますが、当会の調査では、自己検診を行っている女性の率が低い結果でし た。。これは日々の中でできます。これは本当に啓発が大事だと思っています。  それから、マンモグラフィーでの検診受診率も、欧米に比べてきわめて少ないという データも報告されていますね。昨今特に、治療法も画像検診も非常に進歩していますの で、やはり早期発見が有効であり大変重要である。そして、早期発見によって乳房も命 も失わないという状況になってきています。それだけに検診の重要性を感じております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○水沼委員 これは検診率をいかに上げるか、すべてそこに集約すると思うんですね。 厚労省の方でも5年間50%というプランがあるようでありますけれども、そこまで持 ってくるにはどうしたらいいか。これさえ解決すれば、これはそれだけでクリアできて しまうんじゃないかと思うんですね。  なぜ検診率が非常に悪い状況になっているかといいますと、私の住んでおります青森 県の方は、1つには非常に経済的な問題とアクセスが悪いということが。特に山沿いの 方は、弘前ですと、名前を出して申しわけないんですけれども、秋田県の県北の方から 来る人たちというのは、ほとんど検診を受けるチャンスがなくて、かなりアドバンスな 状態で運び込まれると。それを見るたびごとに、もう少し早い段階で何とかなれば、も っと簡単な治療法で完治できたのにと残念でなりません。ですから、これはとにかく一 つに啓蒙、財政的な支援、間隔を、2年に一度になってしまいましたけれども、これを もとに戻すということが非常に大事ではないかと考えております。すべて検診です。 ○江澤座長 ありがとうございました。では、先生、どうぞ。 ○寺尾委員 今、先生おっしゃった、子宮がんなら子宮がんの検診率が、アメリカは八 十何%、90%ある。それに対して日本は20%。この差は一体何なのかと考えてみます と、やはり学校教育だと思うんですね。ソーシャルライフに対する教育がない。例えば、 心肺蘇生術、救命活動というのは、中学生のときには学生たちにアメリカでは実習をさ せて、子どもたちに互いにやらせる。そういうようなことをやるわけですね。そして、 子宮がん、がんの検診は当たり前だというふうな感じのことを中学生ぐらいから教え込 むわけです。日本は、そういうソーシャルライフのあり方というものを教育しないで、 社会人になってから初めて教育する。ですから、教育のあり方に差があるのではないか なと私は思っているんですけれども。したがって、啓蒙活動というのは、ある意味では 社会人に対する啓蒙活動も大事だけれども、学校教育における啓蒙活動が大切ではない かなと思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにどうぞ。 ○河原委員 今のお話につけ加えてお話しさせていただきたいと思うのですが、先ほど 申し上げた、アジア全域で一緒に子どもに対してがんを考えようよというプログラムを 先日やってみたときに改めて感じたのですが、実を言うと、子どもというのは、家庭に とっての窓なんですね。外から吹き込む。子どもがお家に帰って、我々はとりあえずお 母さんに、がんというのはライフスタイル全体なのでということで、お母さん向けの紙 も配ったんですね。お母さん、あなたの幸せが世界の幸せだから、子育てで大変だけれ ども、自分の体も大事にしようねという紙を配って、アンケート調査をしたんです。そ うしたら、中国でやったあれなので、また日本でもできればと思うのですが、子どもた ちがちゃんとお家に帰って、お父さんやお母さんに、健康とか自分の体について語った というんですね。それで、改めて親子で話し合ったという、すごくすばらしいアンケー トがたくさんきたので、学校教育というのが社会の中の一つに果たす役割は物すごく大 きいと思うので、よろしくお願いいたします。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○宮野委員 個人的な体験から申し上げますと、私が第一子を設けたとき、ちょうど子 宮筋腫合併妊娠でございました。その頃、子宮の検診を受けるチャンスが環境的になか ったわけでは、なかったのですが、二十歳という若いころに検診を受けるということを 全然意識していませんでした。「20歳からの子宮がん検診」などの普及や予防のため の意識啓発の推進を実践していくためには、女性の意識改革をしていかなければいけな いのではないかと思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。いかがでしょう か。 ○和田代理 ピンクリボンキャンペーンという大きな啓発活動に、日本看護協会も参加 しておりますが、乳がんについては非常に啓発活動が成功したがんの一つではないかな と思っております。その中で非常に感じるのは、自己検診の限界と、マンモグラフィの 普及の推進です。特にマンモグラフィーが国の制度としてきちんと配置されるべきとこ ろに配置をされること、検診でマンモグラフィを受けるときに、まだまだ高い値段が設 定されていますので、財政的な支援が必要だと思います。女性たちが乳がんについてあ まり恥ずかしいとか、隠しておきたいというようなことではなく、山田邦子さんが、今 年は取シンボリックな患者の存在として取り上げられておりましたが、乳がんに関して の啓発活動というのは非常に成功しているのではないかなと思います。今回、女性の健 康づくりという大きな枠で幾つか課題がありますが、何か焦点を当てて、キャンペーン の方法、方策を考えていくことが非常に大事かなと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。いかがでござい ましょう。よろしいですか。そうしますと、また次との関連もあるかと思いますので、 次の項目に移らせていただきます。  次が「更年期障害・更年期症状」、「骨粗鬆症」、「うつ」について、いかがでござ いましょう。どうぞ御意見をお願いします。小山先生。 ○小山委員 更年期のことで4つほど気づいたことを挙げてみたいと思います。  更年期障害が国民の間では非常に有名なんですけれども、それはもちろん大切です。 ただ、この領域のヘルスケア、医療というのは、最初の大きい説明にもありましたよう に、予防医療が大きな部分を占めていると思います。結局、人生を全うする間に、いか に元気に生きるか、その入り口が更年期と考えてもらうといいのではないかと思います。  2番目としては、更年期障害というのは、原因としては、教科書的には3つあって、 女性ホルモンがなくなることと、本人の取り巻く環境、最後が本人の気質。精神的には 性格とも呼ぶかもしれませんけれども、その3つが重なり合って出ているわけで、最初 の説明にもありましたように、その中で一番学問的にとっつきやすいのが女性ホルモン ですが、日本国民の間では、女性ホルモンが非常に毛嫌いされている現状があります。 しかし、、女性ホルモンを補うことは原因治療であり非常に簡単ですので、その辺の重 要性を少し国民に啓蒙するといいのではないかと思います。  3つ目は、やはりこれも冒頭の説明にありましたけれども、日本は症状に対する臓器 別の治療、胃がもたれたら、胃カメラを飲んで胃薬。動悸がしたら心電図、負荷心電図、 ホルター心電図をやって循環器系の薬。かゆいといったら皮膚科のアレルギー。しびれ たら神経内科。関節が痛いと整形。この調子で臓器別の治療をやりますので、更年期と いうのは非常にあっちこっち症状を訴えて、いわゆるドクターショッピング、はしご受 診という現状が日本の場合、非常に多い。これは「更年期」というキーワードで切ると、 非常にシンプルにわかりやすくなりますから、この辺のことを医療関係者も気づいてい ない人はたくさんいますので、国民及び医療関係者に十分に更年期を理解してもらうこ とが大切だと思います。  最後に、私は、医師のみでなく、薬剤師さん、看護師さん、栄養士さん、カウンセラ ーなどの人達にも期待しているんですけれども、こういった情報を十分に伝えるシステ ムを作ることが必要です。診察のときに伝えられれば最善ですが、日本は3分医療と言 われるので、難しい面もありますが、こういったことを国民に十分に理解してもらえる ように診療時に余裕をつくるなど、難しいけれども考えていく時期にあるのではないか と思います。  以上、4つほど気づいたことをお話しさせていただきました。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかに御意見ございましたら、どうぞお願いい たします。 ○石塚委員 聖マリアンナの石塚でございます。  これも今の項目とは多少ずれるかもしれないんですけれども、更年期障害も含まれま すので、一種の御提案でございますけれども、1つは、ライフスタイルですとか、経済 状態とか、そういうデモクラフィック的なデータと症状、うつですとか更年期障害です とかに関する各項ごとによる研究というのが、日本ではなかなかなされておりませんで、 今、更年期学会では、各地区別の更年期症状の頻度とライフスタイルその他のファクタ ーとの関連というのをやろうという計画がございます。  これは個人的なことでございますけれども、1998年に、来年でちょうど10年になる んですが、川崎地区北部で、そのときの50歳の女性全員に、郵送の自記式のアンケー ト調査を行いまして、約60%の回答率を得まして、そういうことをやりますと、非常 にはっきりと、例えば「のぼせ」ですとか「ほてり」という日本語で表現される症状が 閉経と関係があるということは、統計学的に出てくるんですね。  そのときに、例えば、睡眠時間であるとか、運動習慣であるとか、食事であるとかい うのをできるだけ簡略に質問をしてとってございますので、例えばそれを10年後に、 来年やりますと、私はやろうと思っているんですが、なかなか個々の大学というような 単位では難しいところがございまして、そういうことをこの厚労省のバックアップでや れれば、非常に有意義なデータが出てくるであろうと。10年間でそのライフスタイル がどういう健康や症状に影響を与えているか。  もう一つは、今の10年後の50歳の世代がどういうふうに10年前の世代と違うのか ということも出てまいりますし、これは地区別の調査が好ましいと思うんですが、そう いうことを運動の一環としてお考えになったらいかがでしょうかと考えております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。はい、どうぞ。 ○三羽委員 石塚先生のご発言に大賛成です。当会でも、中高年世代の女性を対象とし た大規模健康調査の実施の必要性を提案いたしております。  私どもメノポーズを考える会では、30代後半から生涯を通した健康づくりのための 活動を行っておりますが、中でも、電話相談では、リアルタイムで更年期世代の女性か らさまざまな問題、相談が寄せられています。これは全都道府県から電話がかかってお り、その相談カードは1万5,000件を超えていますが、その中で、現在最も問題視して おりますのが、複数科受診の実情です。  更年期女性は、一人で多様な症状を抱え、その症状毎に各専門科を受診しているケー スが多いのですが、問題は、更年期医療を受けられずに各科を巡り、服用薬も増えるが、 症状は改善が見られない、どうしたらいいだろうとのご相談が非常におおくよせられて いることです。その背景には、最寄りの地域自治体や医療機関などに更年期の相談窓口 が少ない状況や、女性自身も更年期の生理の仕組みや更年期医療などの適切な更年期情 報を持っていないなどがありますが、より問題なことは、、医療提供者側の各診療科の 大方の医師が更年期医療についての関心と理解が十分ではないという現状です。このよ うな三すくみの状況があるんですね。当会で1都1道2府40県の働く女性対象の調査 結果では、なんと8割の女性が更年期による不調を感じていました。そして半数以上の 女性が治療を受けたいと思っていました。更年期は女性なら誰にも訪れ、生理の仕組み からも一般女性の大方の人が何らかの更年期症状をかかえるのですから、更年期女性の 健康問題は、この世代が占める人口数からも国民的な問題ではないかと思われます。そ れだけに啓発の必要性を非常に感じております。先ほど寺尾先生がおっしゃった学校教 育も大事だと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにどうぞ。 ○天野委員 2つコメントさせてください。  1つは、コホート調査についてなんですけれども、千葉県では、平成14年にコホー ト調査を安房鴨川の方で国保2万人の人を対象にして、女性の健康疫学という形で立ち 上げておりまして、それは、生活習慣と女性の疾病がどのように関連していくかという ことを対象にしたコホート調査です。  最初のときに、運動習慣とか、食事の習慣とか、環境、そういうものに関してのアン ケート調査をいたしまして、その後、検診データをそれに対してとっていきまして、5 年目に疾病データと突き合わせて結果を見ると。今年5年目になりましたので、その結 果が出るわけですけれども、千葉県ではそれを全県に広めていこうということで、今や っております。  そのために何をしたかというと、最初にまず、千葉県には健診センターが4カ所あり まして、市町村の健診をその4カ所で引き受けていたんですが、おのおのがデータの標 準化が違っていたものですから、それの統一をいたしました。その統一が済みました。 今回、厚生労働省が特定健診を進めるに当たって、データの標準化というのを一つ挙げ ているんですね。そうしますと、データの標準化が本当になされれば、全国でデータが 標準化されますので、各地域が比較可能になりますよね。それから、あと、問診が統一 化されますよね。問診の統一化も非常にすばらしいことなんですが、その問診の中に、 ぜひ性差に関する更年期の、A4の1枚のアンケート用紙を入れるとかということをし ますと、生活習慣病に対策のための特定健診ですけれども、その女性の性差に関する部 分とどう関係するかということもとれます。  今回の特定健診の一番すばらしいところは、今までは、健診は市町村でやっていまし て、疾病データは健保の方へ行っていたんですね。保健組合の方へ。ですけれども、そ れが全部保健組合の方へ行きますので、簡単に突き合わせができるようになりますよね。 問診も一本化、それから、疾病データと健診データも一本化されるんですから、やろう と思えば簡単にコホート調査ができるインフラが整ったわけですから、そういうマイン ドを持って、疫学者の人たちをインボルブしてやれば、幾らでもできると。私たちがこ の5年間、とても苦労したんですけれども、市町村を説得し、健保組合に行き、データ を出していただきと、苦労しましたけれども、それが本当に要らなくなるんですよね。 だから、ぜひそういう形で女性の健康問題に関するコホート調査は進められるといいと 思います。  それから、あと、もう一つは、更年期の女性に関する治療とか情報発信なんですけれ ども、私は、現在、全国で女性外来というのをずっと進めております。その女性外来を 始める一番最初のきっかけは、女性のエビデンスがない。なんで更年期症状が出るの、 エストロゲンの減り方は個々で違うのと、一生懸命文献を調べました。何もなかったで す。ですから、とにかく女性が女性の研究をしなければ、女性の医療は進まないという ことから、女性のお医者さんたちに女性外来をやってくださいとお願いして立ち上げた わけです。  当然、先ほど言われましたように、生涯にわたる女性の医療について、特にエストロ ゲンが関与するいろいろな思春期、妊娠・出産、それから更年期、そしてエイジングの ところまで、すべて網羅してお話しできるお医者さんたちはほとんどいません。ですか ら、そういうお医者さんを育て上げるために、性差医療情報ネットワークというのを立 ち上げました。そこの中で、産婦人科の先生たちからは産婦人科の医療について聞き、 精神科の先生たちからは精神科の医療について聞き、私どもは生活習慣病に関しての情 報発信をしてということでやってまいりました。少しずついい女性外来が立ち上がって います。女性外来についていろいろなことをおっしゃる方がいらっしゃいますが、基本 的には、私は、人材を育てなければ、いい医療というのは進まないと思っています。  それから、情報発信についても、私は、何度も国立成育医療センターにお願いに行き ました。国立成育医療センターが女性のための情報発信の中核になってくださいという ことで、柳沢センター長にもお願いに行ったんですね。ですけれども、あそこの返事は、 ここは成育ですということで、それ以上に足を踏み込むことはなさいましたでした。  ただ、つい先日、小林登先生にお会いしましたら、小林登先生は、僕は、成育医療セ ンターを設立しようと考えたときには、女性の生涯にわたる健康をずっと広くにわたっ てサポートしたいという理念で進めたんですけれどもねというふうにおっしゃっていま した。ぜひその理念に立ち返って、国立成育医療センターでは女性の生涯にわたるいろ いろな問題、性差の問題、思春期の問題、エストロゲンに関する正しい情報、すべてを 網羅して情報発信をしていただきたいとお願いします。 ○江澤座長 ありがとうございました。はい、どうぞ。 ○三羽委員 天野先生のお話にもありましたように、女性の生涯は、女性ホルモンの分 泌量の影響を受け、そして、女性の全身に作用をしているということを本当に女性たち に知っていただきたいし、そして、行政の保健指導をなさる方々、医療提供者側の方々 にも知っていただきたいという思いです。更年期の問題というのは、受け手と医療側と 行政、この三位一体の啓発活動というのは非常に重要だと思っています。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。はい、どうぞ。 ○河原委員 いろいろと専門家の先生方のお知恵もあるかと思うんですが、日常の暮ら しの中にいる人がそういう情報をどうやって受けとめるかということについてなんです が、我々の東大の先端研では、困難を抱えた人を学際的に支援をしようというプログラ ムが幾つか走っておりまして、その中で幾つかの軽度発達障害を抱えたお母さんですと か、がん患者さんですとか、それぞれの困難な方たちの支援の取組をいろいろとやって おりまして、その中でどれも共通しているのは、声を上げて相談機関に行けたり、自分 が抱えている問題に関して、胸を開いて相談できる方というのは、全体の中の限られた 部分なんですね。カウンセリング空間なんかに行きますと、心理的な部分で支援をした りする中で、その人の抱えている日常の生活から少しずれていってしまったりもして、 私は声を上げられない人たちに、日常の中で気軽に接点を持てるような形の情報発信の 仕方をしたらどうかと思いまして、1つやってみたのが、美容と医療の融合ということ で、医療の面から少しずれているかもしれないんですが、困難を抱えた人のところに、 こちらにいらっしゃる、お隣の資生堂さんのソーシャルビューティーの方にご協力いた だきまして、お化粧してみませんかといってみると、皆さんすごく気分が変わって、少 し暮らしや体調もよくなったとおっしゃるんですね。やはり、女性の部分はメンタルな 部分が大きいので、そういう部分に関しても、もちろん情報発信をしていく一つのツー ルとして、美容と医療の融合ということも、すごく大きな役割だなと思った。  あと、もう一つは、データとして女性の方が免疫力や何かの向上に美容や何かがどう やってサポートできるのか、そういう部分もぜひ今後いろいろな形で検討して研究して いただけたらなと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。どうぞ。 ○矢花委員 更年期ではないんですけれども、診療所のクリニックをやっていると、 60%ぐらいの人はうつの関連症状で来るんですね。その中の50%ぐらいの人が30代な んです。そんなことはずっとなかったんですけれども、この10年、7〜8年、30代の、 女性が確実に多いとは言いませんけれども、女性が60%、男性が40%という状態であ るので、30歳代の長時間労働というのはすごくひどいです。産業医を長くやっていま すけれども、11時、12時の帰宅という状態の人たちは、もちろん月経の問題もありま すし、食の問題もありますし、うつの問題もあります。そこのところをワーク・ライ フ・バランスというか、そういうのも啓蒙というか、長時間労働に引っかけたキャンペ ーンをやっていただけたらと思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。どうぞ。 ○今村委員 先ほど性差医療の講師でございます天野先生の方からいろいろ示唆に富ん だ御意見をいただきました。来年4月から始まります特定健診・特定保健指導、これに つきましては、ちょうどその対象年齢というのが40〜74ということで、非常に更年期 の部分とオーバーラップする部分がありまして、この部分というのは、性差の観点から いろいろな問診をし、あるいはデータを読むということが重要ではないかなと思ってお ります。  そういう意味から、私ども産婦人科の医師というのが関わる部分というのは非常に大 きいんだろうと思っておりまして、天野先生の御意見を参考にしながら、私ども日本医 師会、あるいは産婦人科の医師、取り組んでまいりたいなと考えました。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかに何か御意見ございますでしょうか。どう ぞ。 ○古山代理 今のお話に関連するんですが、健康保険組合としましても、これは義務化 されまして、非常に特定健診と保健指導、これをどう取り組むかというのが喫緊の課題 でございまして、漸次進め、4月からスタートというところなんですが、先ほどござい ましたように、健保としましては、レセプトと検診データをマッチングして、いかにア ラームを出して、行動変容させるかというのが非常に大きなテーマというところでござ います。特に、私どもの健康保険組合の場合は、女性が8割を占めております。したが いまして、女性の健康管理というのは非常に重要なテーマでございまして、そういう意 味では、今言われたような課題をぜひ、モデルケースでも結構なんですが、非常に何か お役立ちできることができれば、そのような形でも取り組んでみたいなというところで ございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。どうぞ。 ○小山委員 ちょっとうつを追加したいと思います。私、10年以上、東京都中央区で、 主に更年期の患者さんを中心に見ています。更年期はうつが非常に多くて、現場では物 すごい量の薬剤を投与されている患者さんをよくみかけます。この問題は、各種学会、 製薬業界などとの関係もあり、言い出しづらいところはあるんですが、実際、患者さん はべらぼうな量の薬を飲んでいるケースも多いので、これらの点については皆さんで検 討していくことも必要かと思います。  更年期のうつの場合は、症状は精神科のうつと全く一緒で、精神科のうつの場合は、 ほとんど薬物投与が中心になりますし、更年期のうつの場合はお話を聞いて、女性ホル モンの切り口から入るというのが基本です。先ほども説明がありましたように、400万 ぐらいの更年期患者さんがいて、そのうち、うつ症状を訴えるのは100万ぐらいいると 思います。そのうち、実際、治療を受けている人は2割としても20万ぐらい。残りの 80万ぐらいは、俗に言う仮面うつ病で放置されているか、背中が痛い、胃がもたれる、 またはめまいがするとかいったことで、各科に散らばっているんだと思います。私が現 場で医療をしていて感じるのは、更年期のうつはほとんど精神科のうつの治療を受けて いて、かなりの人達が薬漬けで、ボーッとした顔をしていることが多いという事実です。 丹念にお話を聞いて、更年期うつの正攻法の治療をやっていくと、表情が元へ戻ってい くこともよく経験することです。ただ、わが国ではこうした現実は、放置されてしまっ ているというのが実感です。こうした触れづらい部分も、必要があればきちんと検討し ていくことは、国のこういった会議の役目の一つではないかと思っています。 ○江澤座長 ありがとうございました。どうぞ。 ○天野委員 そこの部分ですけれども、うつの患者さんのほとんど、6割から7割は内 科医へ来ます。ですから、内科の先生が更年期に関してきちっとした知識を持つという のがまず最初の段階だと思います。  それから、女性外来をやっていますと、女性のうつを避けて通れません。女性外来へ 来られる全年齢層の20代から70代以上まで、3割か4割は、メンタルケアの必要な患 者さんです。カウンセラーさんが非常に手助けになります。  そこで、私たち、千葉県でGPネットワークというのを立てています。それは、Gは、 ジェネラルフィジシャン、一般の内科医さんです。Pは、サイキアトリスト、精神科医 の先生です。そのGPネットワークで基本的にどこにどういう精神科の先生がいて、何 を専門にしていらっしゃるのかということをまずお聞きして、みんなで一緒に手を合わ せていこうよという形にしました。  そこで非常に率直な意見が聞かれまして、精神科の先生たちから言わせますと、精神 科のクリニックは満杯で、とても忙しくて、患者さんのお話を聞いている時間はないと。 だから、内科医の先生たちに、精神科に行ってよく話を聞いてもらってくださいと言わ ないでくれというふうに言われたんですね。そうすると、内科医が頑張らなくてはいけ ないんですね。  そうすると、内科医が頑張るときに、現在、私ども内科医が30分かけて患者さんの お話を聞いても、たかだか800円ぐらいしか取れませんので、幾ら私たちが声を高くし て患者さんのお話をよく聞いてあげてくださいと言っても、フンフンという感じで終わ ってしまうというのが現状ですよね。心あるお医者さんたちが、最初にしっかり時間を かければ、その後、患者さんの治りがいいということで、一生懸命やってくださってい っているというのが現状です。  ただ、千葉県は健康福祉センターに女性の健康相談窓口と男性の健康相談窓口と両者 立ててありまして、そこで精神相談員さんと保健婦さんが相談に乗っています。それで も随分患者さんたちが助かっていらっしゃいます。ですから、そこのステップを踏んで 女性外来へ来られる方たちもいますし、一般の精神科の先生へ回される方もいらっしゃ るんですけれども、システム化が大事じゃないかなと思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。どうぞ。 ○三羽委員 当会が2,800人の女性を対象に調査をしたところ、53%の女性がうつ及び イライラ感、不安感という精神的な症状、その他、のぼせ、ほてりをはじめ多種多様な 更年期の症状を抱えていました。そして、先ほど働く女性の問題も出ましたけれども、 今、更年期世代の女性は、20代と肩を並べている労働力率なんですね。そういう女性 たちが、不調を抱えているということは、国にとっても非常に損失じゃないかと思って います。  しかし、不調で受診をしても適切な医療を受けられずにいる更年期女性が多い、それ が現状なんです。例えば、更年期からくるうつ気分で更年期医療を受けてよくなったと いう声が多く会に届いておりますが、その更年期医療にめぐり合えなかったというケー スが、先ほども申し上げたように非常に多いわけです。例えば、婦人科にダイレクトに 訪れた女性たちというのは、わずか29%なんです。また、訪れた各科の医師から、更 年期医療を受けるように勧められた更年期女性は、わすか14%でした。このことが複 数回受診につながっていると推察します。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。どうぞ。 ○寺尾委員 更年期というのは、私はかなり専門性、スペシャリティの高い分野。した がって、更年期学会だとか、特殊な学会があるわけで、私たち産婦人科の中でも、更年 期の方がいらしたら、例えば、私たちの大学病院でそういう方がいらしたら、彼が更年 期のスペシャリストだから見てもらってください。同じ産婦人科の中でもかなりスペシ ャリティの高いもので、内科ならいいとか、精神科ならいいとか、産婦人科ならだれで もいいという問題とも違うので、より高いそういう医療をするためには、そういうスペ シャリティというものもある程度考慮していただきたいと思いますね。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。山下先生。 ○山下委員 当面の課題ということで、疾病を中心に話し合われているんですが、こう いう人をつくらないということも非常に大事だと思うんですね。私ども社団法人結核予 防婦人会は、今年30周年を迎えて、「自分の健康は自分でつくる運動」という国民運 動を起こそうという大会を昨年9月14日に開催しました。今日の会議では専門家の 方々が疾病のスペシャリストであるがために、予防という視点が足りないような気がし します。私どもの婦人会は高齢化や、町村合併で随分会員が減ってきましした。でも、 550万人はまだいますが。ここまで発展したのは、市町村や行政が補助金を出して育て てきたんですね。婦人会活動のリーダーの方々は、更年期も感じない。歯も80歳を過 ぎても20本あるし、病気していられないんです。人のために何かをやるということで。  戦時中、戦後を考えますと、うつとかあったでしょうか。更年期があったでしょうか。 働かなければ食べていけなかった時代は、そういう問題を乗り越えて、病気している暇 はなかったと思うんですね。今回、特定健診・特定保健指導では、すべてこの項目は網 羅されていません。落ちています。ですから、予防が大事だというところで、社会運動 を起こすという、既にある婦人会を何歳になったら会員になるといった義務化するみた いな、市町村を含て、行政が補助金を出していきながら、既存の団体をを育てる。一た んなくなったものはつくりにくいんですが、まだ残っていますので、ここをぜひ育てて、 若年者も入れるような魅力ある活動に、予防という視点もぜひ強調していただきたいと 思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。 ○三羽委員 予防というお話、大変大切なことだと思いますが、もう一つ、今お話の中 で、戦後、働いて忙しく、食うや食わずで、更年期の症状も出なかったということが出 ましたけれども、実は、1940年代、第二次大戦が終わったのは1945年ですね。そのこ ろの平均寿命は49.8歳なんですね。ですから、更年期の不調を感じる前に寿命が終わ っていたといえるのです。戦後の寿命が30年伸びた、この60年間の間に徐々に更年期 の問題が出てきた。そして、更年期世代の女性の人口が最も多い現在、社会問題にもな っているのです。そういう意味で、今、歴史的な初の体験を我々はしているということ でもあります。更年期の症状は、気の持ちようから起こるとか、我慢すれば治るという ことではなくて、エストロゲンの欠乏ということを基本に置いて、知っているというこ とが非常に大事だと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。 ○水沼委員 予防という話が出たのでありますけれども、更年期以降の女性のいろいろ な疾患は根本的には、女性ホルモン、つまり、エストロゲンの欠落に起因している、こ れは間違いありません。そうしますと、女性ホルモンをいかに使っていくと予防できる か、という問題がでて参ります。  ところが、今の健康保険の制度では予防は認められておりません。これが非常に現場 におきましてホルモン補充療法を普及させていく上で大きな障害になっているんですね。 これは、まさに政策の問題だと思いますので、ぜひ厚生労働省の方で考えていただけれ ば、大変ありがたいと思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。どうぞ。 ○塚崎推進課長 内閣府の男女共同参画局の塚崎と申します。今日はオブザーバーとし て参加させていただきまして、ありがとうございます。  1つ情報提供させていただきたいんですけれども、私どもの男女共同参画局では、国 のさまざまな施策につきまして、男女共同参画という視点からいろいろ検討を行ってい るんですが、その一つとしまして、本日のこの会議のテーマの女性の健康の支援と関わ るんですけれども、12月18日に、高齢者の自立した生活に対する支援というテーマで、 男女共同参画の観点から中間的な論点整理をしました。この中間的な論点整理では、資 料でも配っていただいているんですが、参考資料の一番後ろの1枚おめくりいただきま して右側のページでございますけれども、性差に配慮した医療、介護予防への取組とし まして、性差医療の推進、それから、男女の違いに配慮した生活習慣病対策、介護予防 施策の推進につきまして、方向性として挙げているところでございます。  今後、中間的な論点整理につきましては、幅広く、国民の皆様の御意見を伺って、そ れを反映させた形で具体化をしまして、来年の春ごろに取りまとめを行う予定でござい ます。また、もしお気づきの点などございましたら、69ページに事務局の連絡先等ご ざいますので、御意見をいただければ幸いでございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。御意見どうぞ。 ○河原委員 とりあえず地域の中でこういうふうなお話の中で、それぞれの医療機関や 何かに行かれる方はいいんですけれども、地域社会の中で、今、お隣との関係も本当に ない中で、皆さん悩まれながらも声を上げられない。私の場合は、個人的な問題なんで すけれども、子育ての中で、自分がうつの状態になったときに、私の場合は、地回りの 保健師さんが非常に感度のいい人だったので、この人はこういうことで困っているとい って、本当にきめ細かな手を差し伸べてくださったんですね。今、地域の中で、家庭の 中に入っている人が困った状態になったときに、相談できる人がなかなかいない中で、 何とか地域医療の中で、地元の医師会ですとか、地域の保健所などがそれぞれの地域ご とに支えられるサポートの仕方をぜひ取組の中でお願いしたいと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。よろしいですか。 大体出尽くしましたでしょうか。ありがとうございました。  次のところに入りたいと思いますが、今、ここへ西山健康局長がいらっしゃいました ので、ごあいさつをよろしくお願いいたします。 ○西山健康局長 健康局長の西山と申します。年末のお忙しいところをお集まりいただ きまして、ありがとうございました。  この懇談会もそうですけれども、国会の委員会も今日12月25日開催していまして、 またそちらに行かなければいけないんですけれども、女性の健康づくりの懇談会、先生 方と御相談させていただいて、やっと第1回目ということであります。事務局から御説 明があったと思いますけれども、私、前の審議官のときに、昨年の9月ですけれども、 安倍総理ですけれども、「新健康フロンティア」というものをまとめようじゃないかと いうことで、お手元に資料がございますけれども、その中で、10本の柱をつくりまし た。厚生労働省と、内閣府が来られていますけれども、内閣府と経産省、文科省、あと 農林省ですね。5省庁が集まって、健康問題を官邸サイドで取り組むということで、初 めての試みだったわけです。安倍総理が代わりまして、現在の福田総理も引き継いでお られますけれども、その中の一つが女性の健康づくりの取組ということで、これを始め まして、お手元に資料がありますけれども、生活の場、今お話が出ていましたけれども、 家庭、地域、職域、学校を通じて女性のさまざまな健康問題を社会全体で総合的に支援 することが必要であると。こういう答申をいただいたんですけれども、この検討会は、 そのうちに幾つか私自身びっくりしたことは、天野先生のデータだったか、女性外来の 方、今日もお話に出ていましたけれども、うつの方が半分以上来られていると。これは、 私ども、知らなかったですね。私は知らなかったんですけれども。  それから、もう一つは、日本の女性はがん検診が嫌いだ。要するに、欧米に比べて乳 がんの検診率が非常に低いということで、これも理由がわからないというようなことが ございました。  それから、「新健康フロンティア」をつくるときには、たまたまですけれども、その 検討会の中に更年期がわかる方がおられなかったということで、この中には更年期は入 っていないということで、非常にお恥ずかしいペーパーの部分があるんですけれども、 そういったこととかを考えまして、これは、今日、この後、懇談会でぜひ、今の日本に、 私自身が思うのは、欠けていますのは、プロパガンダ。役人を27年やって、更年期障 害だとか、あるいは乳がんだとか、女性の外来がこんなに多いだとか、知らなかったと いうのを恥じているわけです。そういう意味では、3月1日から産婦人科学会がこれま でやってきた「女性の健康週間」というものを、この1週間で、皆様方がおっしゃるよ うなことをどれだけプロパガンダ、啓発普及できるかということが非常に大事なのでは ないかと思っております。今、ボランティアの方、結核予防会ですとか、食生活の改善 推進員の方、栄養委員の方ですとか、あるいは、私どもの局には美容師の方の団体もご ざいます。女性の方のグループもありますし、あと、薬局ですね。まちの薬局さんも、 女性の方が多いわけですから、それを、時間はないんですけれども、ぜひ3月1日から の1週間に、科学的な部分、一般的な参画を含めまして、あとは学校の女学生ですか、 19歳、二十歳ぐらいの学生さんを含めて、ぜひ女性の健康づくりに関する健康週間と いうものを実りあるものにしていただきたい。  舛添大臣とも、縷々、話をしていまして、今日もまだ大臣は国会におられますけれど も、今日の日を楽しみにしていたんですけれども、そういうことで、あいさつしてから しばらくでまた退席いたしますけれども、そういうことでございますので、ぜひ座長の 下ですばらしい案をつくっていただきたいと思っております。  また、いろいろな提案もございます。とりあえず来年度、女性の健康に関する実態調 査みたいなものが実はこれは予算の要求も終わっているんですけれども、研究費の中で 何かしらできないのかなと思ったりもしていまして、大所高所からまた御指導いただけ ればと思っております。  そういうことで意をくんでいただきまして、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 どうも失礼しました。 ○江澤座長 どうもありがとうございました。それでは、今の更年期のところをここで 打ち切りまして、次に「喫煙や飲酒」、「歯、腎疾患」についてということで御意見い ただきたいと思います。よろしくお願いいたします。どうぞ。 ○森尾委員 医科歯科大学の森尾でございます。  こういった会議に歯のことも取り上げていただきまして、本当にありがたいと思って おります。本日の資料3の9ページ目をごらんいただきますと、棒グラフが出ておりま すけれども、歯科界挙げて8020運動と言いまして、80歳になっても自分の歯を20本 保とうという運動を展開しております。自分の歯とありますけれども、上の方の出てい る部分に関しては、詰めたり、かぶせたりということはもちろんいいんですが、根っこ の部分は自分の歯が残っているということです。20本ぐらいは80歳になっても保って いることが、一つかむ力とを確保するために大事だということで、歯科界挙げて運動に 励んできたところです。  9ページの資料を見ていただきますとわかりますように、各年齢で20本の自分の歯 を有する者の割合が出てございますけれども、残念ながら、目標としております80歳 になったところを見ますと、男性に関しては、3割近くがそういった目標値を達成して おりますが、女性においては、なんとその半分、1割半ぐらいの女性しかこの数値を達 成していないという状況にあります。  お口の中を拝見させていただきますと、非常に女の一生が非常によく出ているといい ますか、そこに刻まれている歴史というのは、いろいろなものを物語っています。歯科 に関しては、特に妊娠ですとか出産ということは注目されてきたんですが、本日いろい ろお話を伺っていて、思春期からずっと妊娠・出産、また更年期に至って、それから高 齢者になるまで、他にも注目すべき点があると感じました。かなりホルモンの影響もあ りますし、当然のことですけれども、口も体の一部でございますので、そういった変化 を受けます。、また、女性は特に男性よりも子育てで仕事を離れたり、また仕事に戻っ たり、また仕事を辞めたりと、社会的にも非常に変化が多いということがあると思うん です。そういったところで、20歯以上の歯を有する者の割合を見てみますと、女性に 関して言えば、こういった統計は確かに読むのが難しいという点はあるかと思いますけ れども、ここに至るまでに、どこかで歯科医療から抜け落ちてしまっていた、あるいは 歯の健康に関する情報が届かなかった方たちがいるのではないかということを考えざる を得ないと思います。全身との関係というのも、最近は、いろいろ生活習慣病等と歯科 の疾患との関係が言われております。歯科医師の側も認識が不足していた部分もあると 思うので、そういった点も少し勉強しながら、ぜひこういった女性の一生を通じての口 腔のケアに取り組んでいかなければと考えています。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○三羽委員 更年期にエストロゲンの欠乏から骨粗鬆症になりやすいことはしられてい ますが、骨粗鬆症が下顎骨にも影響しているということが余り知られていないというこ と、さらに、歯周病にも女性ホルモンを補充することで治療効果が上がっているという ことも女性ホルモンの視点を持って治療に当たっている歯科医の方から聞いております ので、女性にとっての女性ホルモンの影響の大きさを実感しております。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。どうぞ。 ○天野委員 性差医療の観点からいきますと、歯科の先生にもうちょっと頑張っていた だきたいと思います。女性外来をやっていて一番困るのは、歯の治療をした後のうつと いうのはとても多いんです。歯のかみ合わせが合わないとか、その後、何とも口の中が 粘つくとか、そういうことからうつになってくる方が多いんですね。口腔外科の先生の 方へお願いするんですけれども、本当に回答がありません。ぜひ女性の、特に更年期以 降、それから、その前の歯周炎ですね。歯周炎と動脈硬化というのも関係があるという ことがエビデンスで出ていますので、もうちょっと頑張っていただきたいなと思います。 ○江澤座長 どうぞ。 ○森尾委員 大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。大学ですと、 心身医学的アプローチを専門としている外来もあるんですけれども、一般の開業医の先 生方もこういった問題に対して意識を高くしていかないと、問題は解決できないと思い ます。不定愁訴の中で口腔に関係したものがかなり多いと聞いておりますので、ぜひこ れは検討したいと思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。どうぞ。 ○山下委員 喫煙の方、よろしいでしょうか。今、高齢者のたばこ病、慢性閉塞性肺疾 患(COPD)で高齢者の方々が500万人以上いるらしい。けれども、まだ見つかって いない。そこには女性もいらっしゃると思います。それから、若年者女性の喫煙。もし 彼女らが妊娠したときに、胎児の肺の細胞が少なく生まれるというデータもあると聞き ます。ですから、生まれながらにして呼吸器の弱いお子さん、という問題もありますの で、女性の喫煙、特に日本は増えているようですから、ここを何とか強調していきたい と思います。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。 ○古山代理 喫煙に関することでございますが、WHOでも、非常に体に悪いと警告を 発している。その中で日本の中の取組というのは、どう言ったらいいんでしょうか、た ばこ税の問題もあるんでしょうか、そういうこともあるのかもしれませんが、取組とし ては世界から比べて比較的緩やか過ぎないかなというのが私個人の考えなんですが。  特に、女性の喫煙なんですが、11%とか12%台とかというそれぞれの調査の指標が あるわけですが、化粧品業界でいきますと、その2倍から3倍ということで、この業種 自体が何も私ども化粧品業界だけではなくて、アパレルだとか、あるいはデパートとか 流通業、そういう女性の活躍が目立つところでは、特に多い。その原因というのが、1 つはストレスにあるのか、いろいろな要因があろうかと思うんですが、私どもとしては、 そこの原因の調査を化粧品4健保で共同で調査をして、それの結果に基づいて、少しで も喫煙を低下させたいというところで取り組んでおります。  メラニン色素が、喫煙者と非喫煙者では、約5歳メラニン色素が早く増えて、肌の衰 えが早いということもありますし、厚生労働省さんでも、今言われましたように、若年 の女性の喫煙率を下げたいということでございますので、ぜひ私どもも一緒になって、 喫煙問題、特に健康に悪いと言っていながらなかなかやめられない現状を何とか低下さ せたいなと思っております。  そういう調査がございますので、もし結果が出ましたら、皆様のところに、エビデン スまでいくのかどうかわかりませんが、動機とか、そういうところに視点を当てて、少 しでも低下できるような取組に活用、お役立ちしたいなというところでございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。どうぞ。 ○天野委員 これは予防に続いていくんですけれども、たばこの影響は男女で物すごく 性差があるんです。今、たばこを吸っている20代の女性と男性がいたとします。そう しますと、普通は、男性の場合には、着々と動脈硬化は進んでいくわけですよね。肺が んの予備群として育っていくわけですよね。女性の場合、どうなのか。たばこを吸わな ければ、まず、閉経前に動脈硬化になることはないんです。閉経後に動脈硬化が進んで いくんですね。ですけれども、たばこを吸っていますと、女性ホルモン、エストロゲン のいい影響がすべてチャラになってしまいますので、男性と同じカーブを描いて動脈硬 化は進んでいくわけですね。ですから、閉経前に狭心症とか心筋梗塞の女性が救急車で 来たとすれば、大体チェーンスモーカーか、家族性の高コレステロール血症の患者さん かという話になるわけですね。  そのほかに、たばこをやめると、今までずっと吸い続けていた人、やめた人、それか ら、飲んだことのない人ということで、心筋梗塞とかがんの死亡率がどうなるかという データが日本人で出ています。そうしますと、がんについては、おやめになると、どの 時点でやめても男女とも効果があります。ところが、心筋梗塞に関しては、男性には効 果があるんですけれども、女性の方は効果はないんですよね。ですから、閉経前に吸う たばこというのが彼女にとって自殺行為であるということをきちっとデータを示して女 性に教えることがとても大事だと思っています。  それから、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が男性の疾患というのは日本の認識ですけ れども、COPDは、米国やカナダでは女性の疾患です。なぜかといったらば、肺の気 管支に対するたばこの影響というのは、女性の方がセンシティビティは高いんですね。 ですから、同じ本数だけ男女がたばこを飲んでいたら、女性の方が率的にCOPDにな っていくんですね。  ですから、お子さんに疾が多くなるよとか、生まれてくる子どもがちょっと低体重に なるよとか言っても、女の方はあまりぴんとこないんですね。やはり自分、その人に即 してお話ししてあげないとぴんとこないところがありますので、ぜひいろいろなデータ が出ていますので、それをしっかりと伝えて、禁煙を勧めてあげてください。 ○江澤座長 ありがとうございました。時間が迫ってまいりましたが、ぜひという方が ございましたら。じゃ、手短にお願いします。 ○和田代理 日本看護協会は、2001年のときに会員の約6,000人を対象にして、喫煙 率の調査を行いました。本当にお恥ずかしいですが、25.7%という、4人に1人が吸っ ていたという実態がございまして、それから5年間かけて、看護職のたばこ対策に取り 組んでまいりました。2007年の段階で半減を目標にしていたんですけれども、19.9% という5.8%くらい下がったという経過がございます。  看護職は女性が非常に多い職場でございますし、先ほどの資生堂さんの御発言もござ いましたけれども、一番、禁煙に効いてきたのは2つございました。ひとつは健康増進 法の25条(受動喫煙の防止)、もう一つは、病院評価機構のバージョン5で、分煙か ら全館禁煙にするという環境全体を禁煙環境にすることが、調査では効いてきていると いうことがございますので、吸えない環境をいかにつくっていくかという視点が非常に 重要だなと思いました。  それから、女性の喫煙というのは、今、天野先生もおっしゃいましたけれども、あま り病気で脅しをかけても、なかなかやめない。ぴんとこないとということが非常に難し いところです。また女性は隠れて吸ったり、1本2本の少量の喫煙がなかなかやめられ ないという喫煙傾向があります。。育児をしながら子どもに隠れて吸ったりという、男 性とは違った喫煙傾向があるのではないかなと思っておりまして、女性を対象にして喫 煙対策をしていくというのは、一つまた工夫が必要ではないかなと感じているところで す。 ○江澤座長 ありがとうございました。さまざまな貴重な御意見をいろいろとありがと うございました。事務局の方で皆様の御意見をまとめまして、次回の資料に反映させて いただきたいと思います。ありがとうございます。  次に、議題の2「国民運動としての普及啓発について」でございますが、かなり啓発 についてはお話が出ておりますが、この点について、事務局から御説明をお願いいたし ます。 ○関室長 それでは、事務局でございます。  これまでのご議論の中でも啓発の重要性ということはたくさん出していただいたとこ ろでございますし、また、先ほど西山局長の方から申し上げましたごあいさつの中でも 既に触れられていることでございますけれども、資料の確認ということと併せまして、 手短に御説明したいと思います。資料5を御参照いただければと思います。  西山局長の話に尽きているわけでございますけれども、これまでの厚労省にとどまら ず政府を挙げての取組の中で、啓発の重要性ということが、女性の健康、あるいは性差 ということに着目した取組ということの重要性が認識されるに至ったわけでございます けれども、やはり国民の間でそういった認識というものはまだまだ広まっていない。プ ロパガンダの重要性というような言葉で先ほど申し上げておりましたが、そういうこと で、これは国として、厚労省としても取組をしていくということを世の中に示していく 必要があるのではないかということで、資料5にあるような「女性の健康週間」という ことを厚労省の方から定めましたということで、局長通知のような形でお示ししたいと 思っております。  3月1日から8日までの1週間でございますけれども、この時期を選んだ一つの理由 は、4の主唱というところに書いてございますが、主として医療界で、産婦人科医会、 あるいは産婦人科学会というところで、これまで数年間、この時期をとらえてのお取組 をしてこられておりまして、何もないところから始めるというよりは、こうした既にあ るものの上に立って、国も入り、多くの、先ほど局長が申し上げたような、さまざまな 参画者の可能性があると思いますが、そういった方々も協力しということで、この1週 間を盛り立てていこうと、それを当座の目標としてプロパガンダの第1の目標として考 えていこうという趣旨でございます。  ということで、幅広くいろいろな団体の協力をいただいて、展開していくということ が趣旨でございますので、協力というところにペンディング、Pと書いてございますけ れども、例えば、関係団体といたしましては、全国的に影響力のある団体ですとか、既 にこの会のメンバーに入っていただいている団体ですとか、そういったところが書いて ございますけれども、もちろんこの団体に限るということではなくて、厚労省の方では、 幅広く、この時期を中心とした、この時期に厳密に限るということでもないかもしれま せんけれども、3月第1週というところに着目しまして、どのような団体がどのような 活動をされるかということをこちらからもお願いし、また、そういった情報をいただき まして、一つのまとまった情報パッケージみたいなことにしまして、ここではこういう ことをやっているというようなことを厚労省の持っているいろいろなメディアとのつな がり、あるいはホームページなどで紹介していく、そういうことをいろいろとニュース としても取り上げていただくというような形で、あるいは各団体で、団体の構成員の方 にも啓発していただくような形で進めていけたらと思っておりまして、政府も入ります けれども、それぞれの団体が自主的なお取組をしていただくというもの、それを目に見 えるような形に一緒にしていこうというような取組ということで考えてございます。  具体的には、本日ここで議論いただいたことで大きな御異論がないというふうに理解 しておりますが、こういった趣旨を局長通知という形でお示ししていくということを 近々やりたいと思っております。  以上でございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。ただいまの御意見について、皆様方の御意見が ありましたら、お願いしたいと思います。また、皆様方の所属する団体において、女性 の健康づくりに関連した具体的な取組ですか、先ほどからかなりお聞きしておりますが、 この機会にぜひということがありましたら、御披露いただきたいと思います。どうぞ。 ○今村委員 具体的にどうのこうのということではないんですけれども、女性の健康づ くりというものにつきまして、国が事業として取り組んでいただくということで、非常 にありがたいなということで、敬意と感謝の念を持っておるところでございます。聞く ところによりますと、厚労省自体の予算が非常に少ないということもございまして、そ ういうことから、民間の活力を導入して、この活動を推進していくというように聞いて おりますけれども、そうであれば、私どもの活動にかなりのフリーハンドが与えられて いるのかなという感じもございます。そういう意味では、精神的なといいますか、そう いうふうな支援はしていただいて、活動自体については、それぞれに任せていただけれ ば大変ありがたいなと考えます。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかにございますか。どうぞ。 ○宮野委員 日本薬剤師会からです。日本薬剤師会では、学校薬剤師を通じまして、地 域保健活動も一生懸命やってまいりました。小学校では学校保健の中で、禁煙及び薬物 乱用の授業をおこない、実際に店頭では禁煙補助剤、ニコチンパッチなどを提供する側 として、禁煙活動もやってまいりましたが、女性に特化したものというものを今までや ってこれたかどうかというのは疑問でございますので、この週間を機会に取り組んでい きたいと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。 ○三羽委員 昨年、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会が中心で主催された3月1 日からの健康週間に、メノポーズを考える会でも電話相談を1週間開催いたし全国から 更年期のご相談がありました。今年は、厚生労働省の西山健康局長より、国として女性 の健康週間を創設し取り組まれるとのことですので、当会ではさらに力を入れて健康週 間に電話相談を連続で開催させていただこうと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。それでは、いろいろと御意見いただきましたけ れども、本日の議題を通じて、女性の健康づくりを推進するに当たって、まず、女性の 健康について知ること、それから、女性を取り巻く健康課題に対する社会の関心を高め る啓発活動、また対策の取組が重要であるということを痛感いたしました。  そこで、女性の健康週間を創設して、国民運動を盛り上げていくのに、ぜひこの週間 の趣旨に賛同いただける多くの団体に参加していただき、多様なイベントを開催してい ただきたいと思っております。  それでは、時間も迫ってまいりましたので、本日いただいた御意見を踏まえまして、 検討すべき事項を再度整理の上、次回の懇談会を開催したいと考えております。いかが でしょうか。よろしいですか。  そのようにさせていただきます。  それでは、次回の懇談会の日程について、事務局からお願いいたします。 ○坂本室長補佐 資料6をごらんください。今後のスケジュール(案)ということで、 今後の日程を示しております。  本日12月25日でございますが、次の懇談会は、年が明けまして1月30日もしくは 31日というふうに考えております。事前に御連絡がとれるだけお伺いした限りでは、 午前中の方が都合がいいという方が多いような感じでございますが、また皆様の御出席、 たくさんいただける日を設定したいと思いますので、1月30日または31日で御都合が 悪い方、いらっしゃいましたら、今日、帰りがけにでも、私、事務局の方まで教えてい ただきますようよろしくお願いいたします。日程を調整して、改めて御連絡を申し上げ るところでございます。  2回目の懇談会におきまして、健康週間における取組につきまして、取りまとめを行 いまして、実際、「女性の健康週間」、3月1日から3月8日というスケジュールで考 えております。  第3回目の懇談会といたしましては、女性の健康週間を終わりました後でございます が、3月の下旬ごろを予定しております。また、こちらにつきましても改めて御相談さ せていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。それでは、皆様方、いろいろと貴重な御意見を ありがとうございました。それでは、ここで閉会にさせていただきます。ありがとうご ざいます。またよろしくお願いいたします。