07/12/06 第1回「歯科診療所における歯科保健医療の標準化のあり方等に関する検討会」議事録 第1回「歯科診療所における歯科保健医療の標準化のあり方等に関する検討会」議事録 開催日時:平成19年12月6日(木)10:00〜12:00                場  所:経済産業省別館10階1012号会議室 ○鳥山補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまから「歯科診療所における歯科 保健医療の標準化のあり方等に関する検討会」を開催します。  委員の皆様方におかれましては御多忙中のところ御出席いただきまして、まことにあ りがとうございます。最初に、医政局長の外口よりご挨拶を申し上げる予定でございま したが、国会への出席のため本日は欠席させていただいております。代わりに歯科保健 課長の日高よりご挨拶を申し上げます。 ○日高歯科保健課長 歯科保健課長の日高でございます。ただいま申し上げましたよう に、局長は急遽、国会へ参りましたので、代わりまして一言ご挨拶を申し上げます。先 生方におかれましては大変お忙しい中、本検討会の委員に御就任いただきますとともに、 御出席いただきましてまことにありがとうございます。また、皆様方には日頃から厚生 労働行政の推進に御尽力いただきまして、併せまして御礼申し上げます。   我が国は、医療制度全体についての見直しが進められているところでございます。国 民がより良質な医療の提供を求めていることなどを背景に、昨年の夏、国会で医療法等 の改正が行われました。医療サービスが適切に提供される医療提供体制を確立するとい うことが趣旨でございまして、その主な部分は本年の4月から施行されております。歯 科の分野におきましても、色々と検討を進めてまいりまして、ちょうど1年前の昨年の 12月に「今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討会」の中間報告書が 出され、患者の視点に立った良質な歯科保健医療を提供するための今後の方向性が示さ れております。その報告書の中で、歯科につきましても、科学的根拠に基づく医療を実 現するということが必要であり、歯科診療ガイドラインのあり方について早急に検討し ていく必要があるというような提言がございました。  これらの状況を踏まえまして、この検討会では、歯科疾患の予防方法及び治療方法の 標準化指針につきまして幅広く検討していただき、今後の指針作成の方向を示していた だくことを目的に開催をさせていただきました。先生方には御負担をおかけすることに なりますが、今後の国民の皆様に安全・安心で質の高い歯科保健医療サービスを提供す る観点から、ぜひ御協力をお願いしたいと考えております。活発な御議論をいただきま して、この取りまとめをお願いしたいと思います。  以上、簡単でございますが、開催に当たってのご挨拶とさせていただきます。本日は よろしくお願いします。ありがとうございました。   ○鳥山補佐 続きまして、歯科保健課長より委員の皆様方を御紹介させていただきます。   ○日高歯科保健課長 恐縮ですが、着席したまま御紹介させていただきます。五十音順 で御紹介させていただきます。  東京歯科大学の石井委員でございます。日本歯科医学会長の江藤委員でございます。 日本歯科医師会常務理事の江里口委員でございます。東京慈恵会医科大学の杉崎委員で ございます。日本歯科大学の住友委員でございます。国立保健医療科学院の花田委員で ございます。新潟県立看護大学の藤田委員でございます。北海道大学の森田委員でござ います。よろしくお願いします。   ○鳥山補佐 引き続きまして事務局の紹介をさせていただきます。  歯科保健課長の日高は先ほどご挨拶をさせていただいております。課長補佐の遠山で ございます。歯科保健医療調整官の小椋でございます。最後に私は鳥山でございます。 よろしくお願いします。  それでは本検討会の座長を選任したいと思いますが、どなたか御推薦があれば恐れ入 りますが挙手をお願いします。   ○江里口委員 日本歯科医学会の会長の江藤委員が適任だと思われますが、いかがでし ょうか。   (全員 異議なし)   ○鳥山補佐 それでは江藤委員に、恐れ入りますが座長席の方にお移りいただきまして 議事進行をお願いします。 ○江藤座長 皆様、おはようございます。江藤でございます。ただいま御指名いただき ましたので、座長を務めさせていただきます。  今回のこの検討会でございますが、先生方は御存じのように、医科に比べて歯科は診 療ガイドラインの整備が遅れているということが一つの懸案事項でございました。それ で、議題にございますように、この歯科の診療ガイドラインの基本的な方向を定めると いうのが本検討会の目的でございまして、既に石井先生の厚生労働科学研究の班で、ガ イドラインの考え方については18年から作業が始まっております。それを踏まえて本日 はこの基本的な方向性を検討していくということでございますのでよろしくお願いしま す。   ○鳥山補佐 次に、座長代理の選任をお願いしたいと思います。どなたか御推薦があれ ばお願いします。   ○江藤座長 それでは座長の方から指名をさせていただくということで、よろしゅうご ざいますか。歯科医学会の総務理事でありますし、厚生労働科学研究の委員でもござい ます住友委員に座長代理をお願いしたいと思います。   (全員 異議なし)   ○江藤座長 ありがとうございました。皆様、御承認でございますので、ご挨拶をお願 いします。   ○住友委員 座長がいつも来られて、運営をしていただければ代理は必要ないわけでご ざいますが、何かお役目がございましたら努力したいと思います。どうぞよろしくお願 いします。    江藤座長 それでは初めに、事務局から本検討会の公開について説明をいただきたい と思います。よろしくお願いします。   ○鳥山補佐 本検討会につきましては、会議議事録と資料を公開とさせていただくこと で御了承をお願いしたいと思います。   ○江藤座長 公開の件でございますが、よろしゅうございますか。   (全員 異議なし)   ○江藤座長 ありがとうございました。次に資料の確認をお願いします。 (資料確認)  ○江藤座長 それでは、まず資料1の説明をお願いします。 ○鳥山補佐 その前に申しわけございません。本日はCOML代表の辻本委員が所用に より御欠席をされておりますので、この場で御紹介させていただきます。   それでは資料1の一枚紙を説明させていただきます。本検討会の設置についてまとめ た資料でございますが、1に目的を記しております。  患者の視点に立った安全・安心で質の高い医療が受けられる体制を構築する一環とし て、科学的根拠に基づく歯科疾患の予防方法及び治療方法の標準化の推進に資するため、 歯科診療所における歯科保健医療の標準化のあり方等に関する検討を行い、歯科診療所 における歯科保健医療の標準化指針、いわゆる診療ガイドラインを作成するための基本 的な方向性を整理する。  2番として検討事項、(1)〜(3)まで、これはまた後ほど出てまいりますので、 その際に説明をさせていただきます。  3番として検討会の運営、4番としてその他、以上でございます。   ○江藤座長 ただいまの資料1の御説明でございますが、何か御質問等がございました らお願いします。  それでは、次の資料2に移らせていただきますが、一通り委員から説明をしていただ いた後、御意見を逐次お伺いしたいと思います。まず厚生労働科学研究の進捗状況につ いて石井委員から御報告をお願いします。   ○石井委員 それでは私から診療ガイドラインについてご報告いたします。資料4をご 覧ください。  ページが、一番最初に枠で大きく囲ってありまして、「研究要旨」と書いてございま す。平成17年に文献上、入手できる国内外の診療ガイドラインかなと思われるものにつ いて集めてみました。その結果、ここに書いてございますが、日本語で書かれた歯科領 域における診療ガイドラインと称されるものが6編ございましたが、これらはすべてエ ビデンスベーストの診療ガイドラインではありませんでした。このことは後でまた申し 上げますが、いわゆる診療ガイドラインに値するものはこの時点ではなかったというこ とでございます。それから、英文のガイドラインにおいても、世界的に見てもエビデン スベーストのものは9件しかなくて、歯科というのは医科に比べますと、医科で言われ ているようなエビデンスに基づいた診療ガイドラインというものが極めて少ない、ほと んどないに近いということがはっきりしました。  それから次に(3)日本の各専門学会、それから(4)の臨床の歯科医師に向けて、診療ガイ ドラインについてどのような認識を持っているか。専門学会においてはガイドラインを つくる意向が今後あるかどうか、それから開業医の場合にはガイドラインが必要だと思 うかどうか、ずばり実態を調査しました。そうしますと、専門学会は対象とした15の学 会全てが診療ガイドラインに対する取り組みを行っているとの回答がありました。この 時点で1つは既にできており、現在作成中のものが平成18年の12月の時点で、12ぐら いありました。ただし、その内容を見ると、いわゆる医科で言っているエビデンスに基 づいた診療ガイドラインではないのではないかということが懸念されました。それから 一般開業歯科医に対して診療ガイドラインについての認知度を聞いたわけですが、結果 としては、ほとんどの方が、エビデンスに基づいた診療ガイドラインというものの認識 がないということがわかりました。  それで資料2をご覧いただきたいのですが、これは日本医療機能評価機構が出してい るホームページにある「Minds」というものです。これで診療ガイドラインのこと が見られるようになっており、後でまた説明があるかと思いますが、このホームページ そのものを知っている一般開業医の方が極めて少なく、7割強の開業医の方がこのホー ムページを知らないということでした。言葉で聞いているけれど診療ガイドラインとい うものが歯科界には知られていない、もちろんこの「Minds」も知らないというこ とが一つの事実ではないかと思います。学会は、15学会中「Mindsを知っている」 というのは7学会でして、8学会は「聞いたことがない」ということでしたから、いわ ゆる先行している医科の診療ガイドラインを、学会も一般開業医の方もあまり認識して ないことがわかりました。  それで一番誤解があるのは、資料3の3ページにありますが、診療ガイドラインの定 義というのがずばり出ており、診療ガイドラインというのは「医療者と患者が特定の臨 床状況で適切な決断を下せるよう支援する目的でつくられたもの」と、ありますが、実 際は、こういう認識ではつくっていないわけですね。歯科界がつくっている診療ガイド ラインというのは、リベースのやり方のような、診療ガイドラインの定義からいったら 全然関係がない、診療ガイドラインではないものなんです。そのもの自体は必要でしょ うが、いわゆるこういうものは診療ガイドラインでは全くない。そういうものをいっぱ いつくっている。  ですから、つくる過程も2ページにあるような手順でつくっているものが、ようやく 最近、幾つかの学会でに似たものが見つかるようですが、クリニカル・クエスチョンと いうものを設定していないわけです。元々こういうものとは関係ないものがつくられて いて、似もしない非なるものが歯科界における言葉だけ「診療ガイドライン」と言って つくられてきているという状態がわかりました。  それで、研究班としては資料5にありますが、医科ではどんどんそういうものが出て くるのに、歯科ではそういうものが生まれてこないというのは、医療と歯科医療、ある いは医科疾患と歯科疾患との根本的な違いなのかなと思います。世界的に歯科領域では 診療ガイドラインというものをつくろうという動きがないし、ほとんど影響を受けない わけですね、我々は。ですから医科の方は国際的にどんどんそういう方に動いているわ けで、特にイギリスとかアメリカとかニュージーランドとかはすごく影響力のある地区 でそういうものがつくられていて、国際的にもどんどん情報が交換されてつくられてい るのですが、ほとんど歯科ではそういうことはないのです。そのことから言っても根本 的に違うかもしれませんが、ひとまず医科疾患に関するスタンダードに合わせたものと して1つつくってみようということで、この資料5にありますような顎関節症について の診療ガイドラインについて、先ほど「Minds」に示された基本的なフローチャー トに従って今やっているところであります。  これについては自主的に御尽力いただいているのは杉崎委員ですので、杉崎委員の方 から御説明をお願いします。   ○杉崎委員 日本顎関節学会がクリニカル・クエスチョンを日本歯科医師会会員等にお 願いしました。回収率は23%と少なかったのですが、クリニカル・クエスチョンは4,00 0集まりました。この4,000をみますとスプリントという用語でも約50種の用語がつかわ れているため、本来ならば統計学的手法であるテキストマイニングを使うのですが、ソ フトを購入する予算がないためにそれをできずに、現在は手でやっております。   4,000集まった中には、クリニカル・クエスチョンとして類似のものがありますので、 結局、約32問のクリニカル・クエスチョンが集まりました。この32問のクリニカル・ク エスチョンというのは今までの医科におけるクリニカル・クエスチョン、すなわち一つ の臨床問題におけるというのは日本顎関節学会では顎関節症の初期診療においてという ことですから、顎関節症の初期治療という臨床問題においてのことにすれば大体妥当な クリニカル・クエスチョンが集まったのではないかと思っております。これに対してエ ビデンスとなる文献を既に集めてありますので、現在はそのアブストラクトテーブルを どのような形でつくろうかという現状に至っております。以上です。   ○石井委員 資料4の、先ほどご覧いただいた研究報告書総括から6枚目に、この時点 で調査した各学会の診療ガイドラインのタイトルが出ています。ご覧いただくとわかり ますが、ここにあるように例えば「接着ブリッジのガイドライン」という切り口は、そ ういうガイドラインがあってもいいのですが、ここで言われているエビデンスに基づい た診療ガイドラインではないんですね、全然違います。これは患者さんと一緒になって 何を意思決定するのか、そういうもののためにあるものではありません。「有床義歯」、 これも違うと思います。「う蝕」の歯科診療ガイドラインは、まさしくそうかもしれま せん。ご覧いただくとわかりますが、「リライニングとリベースのガイドライン」とな っていますが、今日はこういったところを御議論いただければいいと思いますが、歯科 界が思っているガイドラインというのはいわゆる診療ガイドラインではないものが相当 数あるということがおわかりになると思います。ですから、根っこからの議論も必要か と思います。以上です。   ○江藤座長 ありがとうございました。ただいま石井先生、それから杉崎先生に厚生労 働科学研究の御報告をいただきました。続きまして資料6〜9までを事務局から御説明 いただいた上で御議論いただこうと思います。それでは資料6〜9について。   ○鳥山補佐 資料6〜9までについて御説明をさせていただきます。まず資料6ですが、 今、石井委員の御説明にもございましたが、「Minds医療情報サービス」の中に医 科領域の診療ガイドラインが掲載されております。ただ、ここに掲載されているものが 医科領域におけるガイドライン全てではございません。あくまで「Minds」に掲載 されているものがこれだけあるということです、現在は約40種類ほど掲載されておりま す。実際にはそれぞれの、例えばアルツハイマー型痴呆のところであれば、これをクリ ックすればガイドラインの内容をご覧いただけるという体裁になっております。  続きまして資料7ですが、これも先ほど石井委員から詳しく説明がございましたが、 日本における歯科関連のガイドラインを幾つかここに掲載をさせていただいております。 ただ、先ほどの石井委員の説明のとおり、いずれもいわゆるEBM手法に基づくもので はございません。ただ一点、私ども厚生労働省の研究班で佐藤田鶴子先生を主任研究者 として、「エビデンスに基づく一般歯科診療における院内感染対策の報告書」というも のをまとめていただいております。さらにそれを少し改編して、日本歯科医学会の監修 で今は市販されております。このベースはCDCのガイドラインで、エビデンスベース トのある種、ひな形になるようなガイドラインでございます。  これともう1つ、実は2種類ございまして、より臨床家向けの実践ガイドラインとい うもの、臨床家向けによりかみ砕いた実践編というものを2冊出されております。先生 方に供覧させていただきたいと思います。  続きまして、資料8・9について御説明させていただきます。資料8・9につきまし てはこれから御検討していただく内容でございます。資料8をごらんください。検討項 目の案として、ここに5項目とその他を、私どもで提示させていただいております。ま ずガイドラインの作成主体はどこになるのかということ。おそらく先ほど石井委員の研 究班の報告の中でも御説明があったそれぞれの学会にお願いすることになるのではない かと思います。  2点目が、ガイドラインにおける歯科の固有性とか特殊性というもの。医科のガイド ラインは主として診断とか投薬、あるいは検査というものに非常にウエイトが置かれて いますが、歯科の場合には医科領域と比べますと非常に手技の部分の比重が多いので、 そういう特性を踏まえた何かガイドラインの作成というものをお考えいただくのかなと 思っております。  3点目がガイドラインのテーマでございます。疾患別とか治療方法別とか幾つかのテ ーマが考えられると思いますが、今回の検討会の趣旨があくまでも「一般歯科診療にお けるガイドライン」ということですから、例えば専門医しか行わないようなそういう限 定された領域のガイドラインはテーマとしては考えておりません。  4点目はガイドラインの作成の手順でございます。ここに7項目ほど書かせていただ いております。一つはまず歯科医師向けのガイドライン、2点目が患者向けのガイドラ イン、3点目がエビデンスのレベル、それに基づくリコメンデーションの強さ、あるい は外部評価、最近はいわゆる専門家だけでなく患者代表の方とか、あるいは法律の専門 家、こういう方の外部評価も必要であるということをしばしば耳にしております。  最後に有効性の評価と改定でございます。えてして一度つくるとつくりっぱなしにな ってしまうのですが、定期的にブラッシュアップをしていただくことが必須になると思 っております。  次にガイドラインの周知・普及のあり方ということで、ホームページへの活用という ことになると思いますが、例えば日本歯科医師会あるいは日本歯科医学会関連の各種学 会などのホームページを活用して、まずは歯科医師向け、次いで段階を踏んでというこ とになると思いますが、やはり患者向けへの周知もお考えいただきたいと思います。  そして、今あるガイドラインが先ほど石井委員の説明にもありましたように、いわゆ るEBM手法に基づくガイドラインではないものですから、そういう既存のガイドライ ンをどのように位置づけるかということも御検討いただければと思います。  最後に資料9でございますが、診療ガイドラインの作成の流れの案を、図でおまとめ させていただいております。例えば歯科診療所向けの診療ガイドラインについては、こ の検討会でガイドライン作成のための基本的な方向性をお示しいただき、その報告書に 基づいて歯科医学会が具体的なテーマをお決めいただくということになると思います。 さらにそのテーマを決めて、各学会の協力のもとガイドラインを作成していただき、日 本歯科医師会が中心になってそのガイドラインの周知・普及をしていただくという流れ です。  もう一方の囲みの方ですが、専門家向けの診療ガイドラインとして既存のガイドライ ンの改定や新しいガイドラインを作成する場合には、今回この検討会でおまとめいただ くガイドライン作成のための基本的な方向性を参考に、今後はそのガイドラインの既存 のものの改定、あるいは新しいガイドラインの作成に着手をしていただいてはどうかと いったこと。いずれにしても作成された診療ガイドラインを日本歯科医学会の先生方に より、その内容を、言葉はきついかもしれませんが、第三者的にチェックしていただく、 そういう仕組みも必要ではないかと考えております。以上でございます。   ○江藤座長 ありがとうございました。最後の資料9について、これは流れでございま すから若干補足をさせていただきます。本検討会があって基本的な診療ガイドラインの 方向性を出す。それで具体には、この下にワーキンググループができるわけでございま すが、本検討会のいわば本務というのは歯科診療所向けの診療ガイドラインの基本的な 方向性を定めるということです。それで、この資料9をごらんいただきながらお聞きし ていただきたのですが、右側の専門家向け診療ガイドラインは、先ほど石井委員からの 御説明にありましたように、既に各専門分科会は準備をしてございます。これは「ガイ ドライン」という名前をつけてもいいのかと先ほどおっしゃっておりましたが、これは 「マニュアル」にした方がいいのではないかとか、そういう整理を含めていわゆる「専 門家向けの診療ガイドライン」というように定義してございます。ですから、必ずしも 個別には「ガイドライン」という名前がつくかどうかは今のところ不明でございます。  それで、この両者についてかかわる委員会というものを歯科医学会の中に既に名称だ けは立ち上げてございます。歯科診療ガイドライン作成委員会、これは仮称でございま すが、そういう委員会を歯科医学会の中に設けて、左側の方は、本検討会で方向性が決 まりました後、具体的な作業をすることが一つ。それから右側の方については、歯科医 学会の中の委員会が整理をさせていただくと。それで右側の方について各専門分科会で ガイドラインなり指針なりマニュアルという名称で出す場合には、一応厚生労働省と御 相談をさせていただきながら各専門分科会、並びに歯科医学会の名前で右側の方のガイ ドライン、ないしは指針、ないしはマニュアルを出版していく。そういう手続であると いうように御理解をいただきたいと思います。  それでは資料9まででかなり色々なものが入っておりますが、まず石井先生の御説明 された、それから杉崎先生の御説明をされた資料について個別に何か御質問等がござい ましたらお願いします。   ○住友委員 石井先生にご質問です。大変細かいところで申しわけないんですが、この 資料3と資料5で少し気がついたところがございまして、先ほどの資料3でいきますと、 3ページ目になるのですが、診療ガイドラインの定義がございましたね。これが2007 年の定義で、資料5のところにあるのが2006年のガイドラインの定義なんですね。それ で、わずかなところだけど、だれが適切な決断を下すのかというところで、主語が「医 療者と患者が」と変わっていることに気がついたのです。恐らくこの2007年の定義でも って今後はいくんだろうと私は思ったのですが、そういう認識でよろしいでしょうか。 2006年は「患者さん」もしくは「医療者」というのが主語となっていないのですね。   ○石井委員 それは「Minds」の話でしょう。これは何のためかといろいろ見てい くと、基本的にはこのガイドラインは医者と患者を対象としたものではなくて、疾患に ついてどういうものが必要になるかという時に、両者の合意を得るために使うものです。 定義がそうなっています。  ですから、住友先生のお話を取って恐縮ですが、先ほど鳥山補佐からも整理がありま したが、歯科界にあるものは実はエビデンスに基づいた診療ガイドラインと、エビデン スに基づかない診療ガイドラインと、それからエビデンスに基づいた診療でないガイド ライン、例えば先ほどの感染症のものはエビデンスに基づいているけれど、それはいわ ゆる疾患に対する診療ガイドラインではないわけですね。エビデンスに基づいたガイド ラインではあるけれど、診療ガイドラインではないですね。そういうことで、エビデン スに基づかない何でもないガイドラインとか、こういうように4つあるわけですね。そ れでエビデンスに基づいた診療ガイドラインというのが極めて少なくて、今は顎関節学 会でやろうとしているのがそれで、恐らくそれは基本的には患者と医療機関との間にち ゃんと位置づけられると。それでクリニカル・クエスチョンはちゃんと明確になってい て、それでさらにどうするかという時に推奨レベルまで出ていて、こういう場合にはこ ういう治療はエビデンスに基づいて適切であると。そこまで示されるものであれば、初 めて使えるわけですね。  ただ、歯科界は先ほど言ったように、エビデンスに基づいた診療でないガイドライン というのがいっぱいあるわけですね。恐らく各学会がつくろうとしているのはそういう ものだと思います。非常にテクニカルなものだから、そういうものが要るだろうと。エ ビデンスに基づいたリベース法とか、患者さんとの間に使うものではないけれど、そう いうものは必要でしょう。タービンの使い方みたいなものが必要だということであれば、 そういうものを歯科医学会でつくることはいいと思いますが、まさにこういう厚生労働 省の場で議論するものをつくるのかという、そこのフレームをある程度は詰めておいた 方がいいと思います。   ○住友委員 今、石井委員が言われた、医療者と患者が主語になって適切な決断を下す ためのガイドラインが、我々が研究班の時に言っている診療ガイドラインです。だけど、 ガイドラインというのは例えば院内感染等については、これはいわば我々サイドのもの ですね。でも、僕はマニュアルというものもやはりエビデンスに基づいていないとおか しいと思っています。ですから、そういうものもここで検討する必要があるのではない でしょうか。というのは、歯科の領域においては、やはりそういうものもやはり重要性 があると思うんですね。医科の場合にはどうしても疾患をベースにしたものがあるゆえ に数が多く出てくることになるけれど、歯科の疾患だけで言ってくるとかなり限定され るところがある。ですから、診療でない、先ほど言った定義とは少し離れるものまで広 げるのかどうか、私には、皆さんとディスカッションして決めておかないと難しいと思 っています。ですから定義には定義の部分もやるけれど、それ以外にも我々サイドとい うか、患者さんの適切な決断を下せるものでないものも必要なのかということです。以 上です。   ○江藤座長 ありがとうございました。ただいまの御意見は、先ほど資料4で石井先生 が指摘されましたことと、6枚目の各専門分科会で準備中のもののガイドラインのリス トがございましたので、この整理につきましては歯科医学会の委員会の方で整理をさせ ていただこうと思います。しかし今、住友委員から御指摘のあった、どこまでを大まか には含めるのかということはここで一応議論しておいていただきたいと思います。疾患 だけに絞るのか、それとも既にこれは院内感染の方は「ガイドライン」と銘打ってしま ったという既成事実があるわけでして、その既成事実があるんですが、先ほど石井先生 から定義がございましたが、医療者と患者と両者の決定に資するというか、支援すると いう、この範囲をどこまで大まかに含めるかという議論をしていただきたいと思います。   ○日高歯科保健課長 資料8をご覧いただきたいと思いますが、今、先生方がおっしゃ ったことを踏まえまして、検討項目案の一番上の「標準化指針」という言葉を使わせて いただいて、(いわゆる診療ガイドライン)とさせていただいたのはそういう意味がある わけです。それで(2)のところで、歯科の固有性・特殊性ということをあえて言っており ますので、今議題になっております範囲につきましてはぜひ先生方の方で方向性を示し ていただきたいと思います。お願いします。   ○江里口委員 結局、歯科の開業医で診療しているガイドラインもどきは、手技の指針 というか、教科書的なものというのは多くはエビデンスに基づいていないから、それを エビデンスに基づいて、それがいいものかどうかというのを判断するのか、今のものは もう全部なくしてしまってエビデンスに基づくガイドラインを1つずつつくって構築し ていくのかという、そのこともこの検討会のやり方の一つだと思います。  もう1つは、もし今のものが全部エビデンスに基づいていないから診療として適切で はないということになりますと、学校で教えている教科書というのは何なんだというこ とになってしまうと思います。教科書とこのガイドラインというものの峻別というか、 その辺についてお聞かせいただければ少しは私の頭の整理がつくかなと思います。   ○江藤座長 これは非常に難しいというか、大学で教えていることは何なんだという話 なんですが、色々な専門分科会で、完璧にエビデンスがそろわなければガイドラインと しての体をなさないかという質問が来るんです。その時に、ここはエビデンスが外国の 文献を引用するとしてもある、ここはないということだけはまず出してくれと言います。 それでブラッシュアップをしながら、ないところについては逐次エビデンスを満たして いくという方向しか多分ないだろうと思っています。これは一般的な考え方です。  ですから、大学で使っている教科書をどういう形で使うかということにつきましても、 それのすり合わせということは多分あり得なくて、ガイドラインを作成していく途中で 参照はするだろうと思いますが、ガイドラインのコンセプトを定めた以上はそれに従っ てエビデンスを逐次つけていきながら、ないものはここは経験的なものであるという記 載をして作業が進むんだろうと、これは私の見解ですが、そのように考えております。 そういう形でないと、いつまでたっても完璧なガイドラインはできないだろうと。そこ ら辺のところも含めて議論いただきたいと思います。   ○鳥山補佐 実は昨年の夏に石井先生が主任研究者の研究班のシンポジウムがあった時 に、京都大学大学院の中山先生から、今、「エビデンス」というと非常に高い臨床疫学 に基づくエビデンスのみをもって「言われることが多いですが、実際にはそのエビデン スがないとか、存在しないということではなくて、例えば専門家の方が築いてこられた ものも、実はそれはそれでエビデンスがあって、ただこの検討項目の8にありましたよ うに、エビデンスのレベルとか、それに基づくリコメンデーションということになると 高いランク付はされないけれど、決してエビデンスがないということではないというよ うな趣旨をおっしゃっておりました。  そうしますと、今、歯科の一般臨床で行われている全ての行為に非常に高いエビデン スのレベルを求めるというのは、いささか非現実的ではありますので、そういう時に何 を優先的に今回のガイドラインのテーマとして設定していただくのか、あるいは昨年の シンポジウムの時にもこれは御指摘があったんですが、一定レベル以上の文献を検索し ようとしても、そもそも文献がヒットせず、十分な文献が得られない場合に、何かそれ を補足するための方策を、いわゆる「Minds」が示されているような理想的なガイ ドラインの作成手法ではない、何かそれに置きかわるようなものをこの検討会として何 か御提言をいただけるのかどうか、そのあたりについて御意見をちょうだいできればと 思っております。   ○杉崎委員 今お話にありましたように、「Minds」の方法というのは非常に推奨 レベルを決めるのに難しいところがあります。そのために顎関節学会はGRADEシス テムという方法を取り入れようとしています。いわゆるエビデンスレベルと推奨レベル を変えるということがあります。それでエビデンスレベルはRCTがないからエビデン スにならないと言われても、疾患自体が数が少なければRCTはできませんし、医者の 研究のみというのもございます。ただし、その推奨はそのレベルでRCTができない研 究であるというのはもうわかっていれば、それはそれで構わない。それで、誰のための ガイドラインかというと、先ほどからありますように最終的には患者さんのためのガイ ドラインであって、POSの考えが成立する限り現状の考え方が変わればまた変わるで しょうが、現状で許されるものという形でお出しするしかないと考えています。   ○江藤座長 ありがとうございました。このエビデンスベーストの中にグレードがあっ て、いわばそこに達しない推奨レベルのグレードがあるだろうと。そういう考え方で推 奨レベルからエビデンスレベルにバージョンアップするごとにガイドラインを上げてい くという方向だと思いますが、具体的にこの推奨レベルをどうするか、それからエビデ ンスベーストレベルをどうするかについては、これは各作業の過程にゆだねられると考 えておりますが、そこら辺のところはいかがでしょうか。   ○杉崎委員 各学会によってエビデンスレベルを変えています。ですから、それはそれ ぞれの学会で、できれば統一された方がいいのですが、統一が難しければエビデンスレ ベルもある程度は変わってくるのは仕方がないと思います。それに伴って責任というわ けではありませんが、推奨レベルをそれぞれの学会が、あるいは作成者が決める。それ は先ほども申し上げましたように、現在の科学のレベルによって決まってしまうという ことになっている。ですから、現在、医科のガイドライン全てがエビデンスレベルが一 緒かというと、変わっていますし、コクランハンドブックもエビデンスレベルの強さを 示すものはバージョン5に変換したばかりです。ですから我々がその全てを追従すると いうのはちょっと困難というのが現状です。   ○花田委員 保健医療科学院の花田でございます。具体的な私が直面した例を御紹介し たいのですが、ある医薬品の歯科口腔領域の適用に変えてくださいとメーカーにお願い したところ、RCTまでやれば3億円かかると言われましたつまり、先生が10億円の市 場をつくってくれれば喜んでやりますよというようなことでございました。ただし、今 現在、歯科には10億円のヨード製剤に対する市場がないという判断で、耳鼻科用を歯科 用にすることはできない。だから適用外使用をしてくださいという回答でございました。 今のレベルでは実験室ではヨードが非常に口腔細菌に対してよく効くという、試験管の レベルのエビデンスしかないというようなことにとまってしまう部分もあると思います。 ですから、やっぱりEBMのグレードを高くしていくということを目指す必要はあると 思いますが、今の段階でエビデンスはRCTをやっていないからだめと言われると、何 もいいものも潰れてしまうということになってしまいます。やっぱり段階を追って進め ていく必要があると思います。   ○石井委員 先ほどの江里口先生の話も今の話につながるんですが、あらゆることにつ いてこういうものが必要かということがあるんですね。医科の場合にも、今は何をつく るべきかということは決まっていて、それは国民からの必要性とか現場の先生たちの必 要性から来ているわけです、歯科の場合に一番多いのが歯髄炎というのがあって、歯の 痛みがあって、抜髄する時に、これだと有効だみたいなものはないから、教科書に書い てあるけれど、それは先ほど先生が言われたようにエビデンスに基づいたものかどうか と言われると、そういうものはやってないわけですよ。ないけれど、歯髄炎があって抜 髄、根管治療には有効というのは普通は出ていますね。それを改めてやってみたら、極 めて有効だったというエビデンスは得られるかもしれませんが、それで改めて教科書を 書き直すということが果たして必要なのかということがあります。  ただ、今後は、特殊な、いわゆる歯髄炎があった時に抜髄しなくてもこういう療法が できたといって、それが有効かどうかというのは、患者さんからこういう治療法がある けどどうですかと言われた時に、聞いたことがあるけれどどうかわからない、それでこ ういうガイドラインを見ると、これだけの研究論文になって抜髄よりもこの場合にはこ ういう方が有効だというのがあれば、それで初めて使えるわけですね。だから今のとこ ろ一番多い歯髄炎のようなものとか、あるいは歯周疾患が今度は出るかもしれないけれ ど、ほとんどがある意味で歯科治療は成熟して世界的に大体もう決まっているので、非 常にアクティブなこういう運動が起こっていないんだと思うんです。新たな治療が出て くると、初めてそこでもう一回う蝕とか歯周疾患についての議論が、再生医療とかそう いうのが初めて出てくると、もう一回概念的にということがあると思いますが。  各学会でやられているのは、そういう意味では残念ながらそういうものではないわけ ですね。それで顎関節のようなものは今、新たに起こってきて現場の歯科医師も患者さ んも困っていて、そういうものについては必要が出てくるんだろうと思います。  だから、各医療機関にどういうガイドラインが必要だと思いますかと聞くと、歯周病 というのはありますが、あとは抜歯とか補綴のガイドラインという、これは手技のよう なものだと思います。歯科医師の方も今これが必要だというものについては、本当に必 要かなと思うのは摂食・嚥下とか、今どうしたらいいかというようなことがあるんです が、疾患量がそれほど多くないために必要性が歯科界ではわかっていないんだと思いま す。本筋はそういうことであって、先ほど花田先生が言われたように、それこそ耳鼻科 で使われているものを歯科に使ったら効くかということについて、それはエビデンスが ないから使えないというのは別の論理であって、効くに決まっているわけですよ。薬効 上は。それを制度上、何かをやるための手続手段として認めてくれないみたいになって いるから、やれば効くに決まっていることを確かめるためにすごくお金をかけるという のは果たして適切かなと。先ほど歯髄炎があった時に抜髄が有効かということを、改め ていまさらやってみてというのと近いものがあると思いますね。さっきの話とはまた別 の話だけど、効くに決まっていることをもう一回やってみて、それでエビデンスを求め るということが時々ありますよ。そのことも実は横目で見ていく必要があると思います ね。   ○江藤座長 この議論を少し戻しますと、本検討会は資料9の左側の歯科診療所向けの、 いわば臨床現場で使える診療ガイドラインの基本的な方向性をお示しすることでござい ます。その限りにおいて、石井先生が資料3で示された「医療者と患者が特定の臨床状 況で適切な判断を下せるよう支援する目的で、体系的な方法に基づいて作成された文書」、 これをすなわちガイドラインと呼ぶこととします。この範囲をどれだけ設定するかとい うことを大まかに、具体にはワーキングにグループに下ろしますが、その辺のところを まず御議論いただきたいと思います。  それからもう一つつけ加えておきますと、診療ガイドラインは非常に広義に分けます と、一つは歯科診療の標準化でございます。2つ目は、歯科医療の器械材料の手技開発 等に資するもの、3つ目が、診療報酬に資するもの、こういう分け方ができると思いま す。そこでまたガイドラインの分け方が非常にややこしくなるんですが、実は保険局の 担当される今までの「ガイドライン」という名前のついたもの、これは歯周病と有床義 歯のものがございますが、今回の改訂でガイドラインという名前は紛らわしいのでなく す予定であります。それでこの2つのガイドラインが4つの指針とか、必ずしも「指針」 という名前で統一されていないのですが、いわば診療報酬に直に対応するそういうもの が4種類出ることになっております。それで、ここで議論しております歯科診療のガイ ドライン、これとは一線を画するということがまずあります。ですから、ここでは臨床 現場で使われる診療ガイドラインということで始めたいと思います。  それから、先ほどありました各学会で用意している、例えば接着ブリッジのガイドラ インというように「ガイドライン」という名前をつけるのかどうかということにつきま しては、歯科医学会の委員会で全部整理をさせていただこうと思っております。その整 理をする上での大きな方向性をここで出していただくことになります。   ○住友委員 資料7で、これは杉崎委員にお聞きしたいと思っているんですがエビデン スベーストガイドラインではないという話とは別ですが、例えば一番上に咀嚼障害評価 法の云々と書いてありますね。ですから、恐らく歯科ではこの咀嚼障害に対する診療ガ イドラインというようにするのか、その咀嚼障害の中にはいろいろな疾患というものが あるから、そういうものを持ってくるのかと考えた時に、やっぱり僕らはどうしても咀 嚼障害というもっと大きな枠があって、そこの中にいろいろなものがあり、そしてそこ にある例えば咀嚼能力検査というものがあって、その下の方には咀嚼能力検査法のガイ ドラインというのがあるんですね。これは咀嚼障害の中に含まれて、そのガイドライン の中に含まれるものではないかというように思うんですね。だけど、医科の場合には例 えば具体的に咀嚼障害が起こる原因が、例えば顎関節症とか歯牙欠損症とかそういう病 名がついてしまうわけですが、我々の場合には先ほどの歯科の固有性・特殊性から考え ると、むしろ咀嚼障害という大きな枠の中でこういうものがあって、それの時の検査法 があって、例えば治療法があるという、そういう流れの方がわかりやすいのかなと思い ます。例えばそれが顎関節症というようにしてしまった方がやりやすいんだけれど、そ れでいいのか、あるいは今のようなもっと大きなくくりの方がいいのかというところで、 杉崎先生に御意見をお聞かせいただければと思います。   ○杉崎委員 例えばということで、咀嚼障害という症状が出ていたわけですが、例えば 東京医科歯科大学の黒崎班厚生労働科学研究でも、患者さんが何本の歯がありますかと いうことで、自分で本数を自覚できるかとか、そういう問題から調べる。あるいは顎関 節症の診断はどうしたらいいか、スクリーニングをやるにはどうしたらいいかというこ ともやられています。症状からやるのは非常に、入りづらい点もある。だぶるものも非 常に多いと思います。先ほども出ましたが、例えば、睡眠時無呼吸症候群の診療ガイド ラインをつくるとします。歯科の範囲はどこからかというとオーラルアプライアンスか らで、その前の診断は医科でやってもらわなければならない。しかもオーラルアプライ アンスの効果は自分たちでの診断は許されない。そういうことになりますと、我々がつ くるのは向こうが決めたものに対してこの程度のオーラルアプライアンスをつくるだけ ということになってしまう。これは睡眠障害という新たな症状をつくればいいんでしょ うが、ではブラキシズムはどうしたらいいのか、どこが担当するのか、これが朝起きた もののだるさを出して咀嚼障害にするのか、それとも睡眠障害として扱うべきなのか、 幾つか重なってくるものが出てくると思うんです。要するに疾病に伴って出てくる症状 が、患者様の訴え方によって非常に変わってしまう。そこら辺も少し危惧するところで す。   ○花田委員 今のご発言に関連してですが、まず最初にその患者さんの症状が歯科の疾 患なのか、医科の疾患なのかというところのガイドラインがまずないといけないのでは ないかと思います。咀嚼障害にしても口腔に起因しているのか、あるいは脳に起因して いるのか、あるいはメンタルなものに起因しているのかというところでまず開業医とし ては悩んでしまう。歯が痛いといっても、それが本当に歯に起因しているのか、もっと 別な神経症状に起因しているのかという整理をつけるというところで、開業医が悩んで、 誰におくればいいのかということもやっぱりガイドラインに則って、何科におくったら いいのかということをジャッジしていかなければいけないというようなことで、本当に その患者さんは歯科の患者かどうかというところからスタートしなければいけないと思 うのですが。   ○石井委員 今のようなことは必要だと思いますし、どこかでつくる必要があると思い ますが、ここで言っているものとは違うと思います。今はどうやってエビデンスをつく り上げていくのかということでありますから、診断学は基本的には必要だけど、ここで 言っているガイドラインとは違う。もうちょっと具体的になってきてから、こうだった 場合にはどうするかというのが重要だと思いますので。わからなければ、診断ができな ければ、どこか他所に頼んでくださいと言うしかないわけですから。だから診断が決ま った時にはじめてこれが役に立つという感じですね。   ○住友委員 先ほど杉崎先生が言われたことで、僕はやはり今言ったように、例えば咀 嚼障害とかそういうところから持っていくと、やはりものすごく難しくなるのではない かと思うんですね。ただ、具体的に先ほど石井委員が言われたように、歯科はそんなに ないと言っては変だけど、そこまで必要なものがそう多くはないのではないので、ある 意味ではもっとポイントを絞って具体的なものをやった方がまとまりやすいと思ってい ます。  ですから、この資料9の例えば「日本歯科医学会がGLの具体的なテーマを決定」と いうのがあって、動き出しているんですね。こういうテーマについてのガイドラインを つくってもらいたいということで、今はテーマを出してそれに応募していただいている とことです。ですから、そういう具体的なものをここでも検討していくといいのではな いかと思います。   ○森田委員 特定の臨床状況というのはものすごくファジーな言い方なので、そこを少 しクリアにしておかないと、特に開業医の先生がちょっと混乱されるんじゃないかと思 います。というのは、いろいろ調べても外国は保険制度が違うし、診療時間も全然違う だろうし、はたして外国の論文を見てどこまで日本の先生方の参考になるのかというこ とが、いつも僕は、信頼性がないとは言いませんが、現実的なものなのかどうか、日本 のEBMとしてどこまでいけるのかなということを心配しています。  それと僕のガイドラインの考え方が違うのかもしれませんが、住友先生が言われたよ うに、ある程度絞ったものでやるというのもあるのかもしれないんですが、いわゆる臨 床でじかに悩むというか、エビデンスベーストで患者さんと先生が同じ土俵というか、 そこで何か意思決定をするということになると、例えば2本歯がない時にデンチャーが いいのか、ブリッジがいいのかとか、そういう部分じゃないかなと思うんですね。だか ら、もう少し具体性のあった方が、現実的だと僕は思います。   ○日高歯科保健課長 参考資料2に、多少関連する話がございます。一般の患者さんの 代表でCOMLの辻本委員に入っていただいておりますが、今日は御欠席でございます ので、恐らく御出席であれば患者の視点ということをかなり強くおっしゃるかもしれま せん。参考資料2は「患者の声相談窓口」ということで、東京都の資料でございますが、 歯科についての相談・苦情が結構あるという話です。  それで3ページ目を見ていただきますと、相談・苦情の内訳で、歯科診療所の内容が 書いてございます。医療費についての相談も多いのですが、治療内容に関すること、健 康相談に関することが大変数が多く出ております。苦情については、医療行為、医療内 容に関することが46%で、やはり歯科について患者さんサイドからもこういう内容につ いて問い合わせ、あるいは苦情が多いということです。したがいまして、そういうもの を勘案して今、森田先生がおっしゃったようなことと関連するんだろうと思いますが、 そういう視点もどうやって入れていくかということも御議論いただきたいと思います。  それから、藤田先生は歯科以外の専門家でございますので、また御意見があれば歯科 の専門家とは違う観点からもお話いただきたいと思います。   ○藤田委員 私は臨床歯科医ではありませんので、患者さんの歯を治したとかそういう 経験は全くございません。ただ、私の知識として持っている段階では、歯科の病気はう 蝕と歯周疾患、これで恐らく80〜90%ぐらいいくのではないかと思います。ちょっと段 階をおくと、多分、顎関節症とかインプラントとかブリッジとか出てくると思いますが、 う蝕というもののガイドラインというもの、あるいは歯周病というもののガイドライン があって、それがちょっと高いレベルというと変かもしれませんが、非常に我々がかか りやすい病気、そういう病気に対してのしっかりとしたガイドラインがあった上で、そ の下の方にここにあるいろいろな歯科麻酔学会とか、口腔衛生学会とか、老年歯科医学 会とかございますが、そういうところからの専門的なガイドラインが出てくるのかなと 思います。やっぱり患者さん側からすれば、やっぱり歯周病とむし歯で歯医者さんにか かることが多いので、まずそこのガイドラインがきちんとしていて、そこから何かちょ っと派生してくるような感じで11幾つか20ぐらいあると思いますが、そういう学会の いろいろなガイドラインが出てくるのかなと思います。だから、ちょっと大きなガイド ラインと、そこから派生していくようなガイドラインがあるのかなと私は考えます。   ○江藤座長 ありがとうございました。大づかみな方向性ということでは極めて示唆に 富む御意見でございました。先ほどから御説明しておりますように、歯科診療向けのガ イドラインですから、今、御指摘のようにう蝕と歯周病が、まず必要なのかもしれませ ん。各専門分科会で準備しているいわゆる「ガイドライン」と言われるものの中で、保 存学会のう蝕のガイドライン、それから歯周病学会の歯周病ガイドライン、が既に準備 段階にあるんですが、専門学会がつくったガイドラインだけで臨床現場が間に合うのか という問題がございます。歯周病でも、補綴やう蝕も必要になってくるので、複数の学 会に入って臨床現場に行って役に立つようなガイドラインという方向性になると予想さ れてます。   ○江里口委員 先ほど藤田委員が言われたように、う蝕とか歯周病疾患とか、欠損とか 大きなとらえ方のガイドラインというものは既に歯科の中で、ある程度成熟しており、 その成熟したものが教科書のベースにあります。それから商業誌の方もいらしておりま すが、商業誌などで歯科というのは非常に狭い、ある程度成熟してきた分野なんですね。 ここで議論しているガイドラインというのは、本当に歯科で困っているというか、患者 さんと一緒に悩んでしまっているようなものを、こちらが提供して各学会に投げるのか、 そういう方法論を学会が出してくるのかで、このガイドラインのつくり方というのは違 ってくると思います。だから今、この資料9の流れから、日本歯科医学会の中でこのガ イドラインをつくろうとしていますが、それは学会から出てきたものをただどうしよう かと言っているんです。今回つくる歯科診療所向けのガイドラインですと、逆に歯科診 療所の中で今、何に困っているのかということをリサーチして、それに対してどういう エビデンスをつけていくか、あるいはガイドラインをつくるかという、どっちの方法論 をとるのかによってこの検討会の次のワーキンググループにお願いするテーマは決まっ てくると思います。   ○江藤座長 それにつきましては、資料9の左の方の歯科診療向け、要するに臨床現場 に対応できる診療ガイドライン、これがここの検討会の本務でございますので、まずこ れについて行うこととします。それで、この資料4の6枚目に出ておりますように各専 門分科会で用意しているいわゆるガイドラインというものにつきましては、歯科医学会 で専門分科会から上がってきたものをということではなく、ある程度大まかな整理をさ せていただこうと思っております。というのは、このように準備されておりましても、 いわゆる臨床現場、歯科診療所向けのガイドラインといった場合に、複数の学会がかか わりますと、では各学会で準備しているものは一体何なんだという話で、高圧的に上か らそれは止めた方がいいとか、そういうことは言うつもりは全然ないんですが、いわば ガイドラインとなるものの定義づけ、それから仕分けは結局、歯科医学会の方でさせて いただくと。それで、ここの検討会ではもっと大きな基本的な方向性を、まず臨床現場 に対して発信できるようなものにする。そういう理解で行っていただくのかなと思って おります。   ○鳥山補佐 先ほど藤田先生からう蝕と歯周病ということで御指摘がありまして、実は 歯周病学会の方でもガイドラインの見直しを既に着手していただいて作成されたものが あります。ただ、私どもが拝見しますと、どうしても歯周病学会の先生方がつくられた ガイドラインは歯周病に特化したガイドラインになり、GPの先生方はやはり一患者、 一口腔単位で治療されますので、例えば歯周治療と補綴治療はどれだけ残存歯も含めて 患者さんの口腔機能を長期的に維持するかという、こういうことが今の歯科保健医療上 では重要なテーマなんですが、どうしても歯周病の治療に特化したガイドラインしかお つくりいただけないというのが現状としてはあるかと思います。  そうしますと、先ほども委員の方から御指摘がありましたが、やはり特定の学会のみ でおつくりいただくものについては専門家向けのガイドラインとしてはそれでいいのか もしれませんが、やっぱり一般歯科臨床という視点ではいささか欠ける点があるのでは ないかと思います。  もう一つ、私どもに対して恐らく今、患者さんの立場として高齢者の口腔ケアの問題 があると思います。これは歯科医学会の資料の中で口腔ケアのガイドラインを現在作成 していただいているということですが、やはりこれについても歯科医師の役割、歯科衛 生士の役割、あるいはそういう専門家でない方々の役割、著名な米山先生の「ランセッ ト」に掲載されている論文などもありますが、恐らく歯科医師サイドよりもむしろこれ は国民的視点に立った時に非常に求められているものではないかというような気がしま す。以上です。   ○江藤座長 ありがとうございました。今、鳥山補佐が言ったように、各専門分科会の 用意するものはやはり御自分の領域に特化することになるわけですね。だけど、臨床現 場というのは、保存も補綴も全部やっているわけで、そこで役に立つような診療ガイド ラインということをまずここで大きな方向性を決めていただいて、具体的にワーキング グループでガイドラインがこういうガイドラインというのが何種類か出てくると思いま すが、それをある程度方向性が決まったら、今度はこの専門家向けの診療ガイドライン というのは各々、皆さんに考えていただくということになると思います。この検討会と いえども、歯科医学会といえども強制権はございませんので、そこら辺を考えながら専 門家向けというか、専門医向けのものなのか、それとも単なる技法上のマニュアルなの か、それともここでつくる臨床現場に向けてのガイドラインを補完するものなのかは、 各々の準備しているところでこれは当然配慮するだろうというように考えております。 ただ、勝手に皆が出してしまうと、これは必ず開業の先生からも大学の先生からもいろ いろなクレームが来ますので、大まかなくくりは歯科医学会でさせていただくことにな ると思います。   ○石井委員 「Minds」というか、あそこは今ガイドラインがすごく盛んだから、 定期的に年に何回か研修会を開くということをやっているんですよ。そこで歯科でもや っているらしいから、歯科についてのガイドラインの話をしてほしいと言われ、こうい う実情をいろいろと説明すると、それはちょっと止めましょうかと。つまり、向こうが 定期的に開催していて、歯科の話は根っこから言っていることがなかなか向こうとして もわかりにくいということがあるんですね。ですから、このワーキンググループはどこ かでやるかもしれませんが、今のことを整理するということをどこかでやっていただき たいと思います。事務方が言っていることも我々は実はなかなか、いろいろなことが多 重構造になっていて今のことを説明するととても「Minds」は講演できない状態に なるんですよ。聞いた時に、それは一体何なんでしょうかということになるので、ここ でもまとまらないと思いますので、ワーキングで歯科界がつくろうとしている診療ガイ ドラインというのはどういうものか、多重構造とはこうなんだという説明できるものを まずつくるということから始めていただいて、それでエクスキューズもいっぱい入れ込 んだものをまずつくっておかないと。それを見せれば、歯科のガイドラインというもの を、向こうにもわかってもらえるようなものがいるのかなと思います。これは実は研究 班でも同じです。   ○江藤座長 先生のおっしゃるとおりで、例えばあと何分かの間に方向性を出すという ことではなく、委員の皆様の御意見を入れて、今、石井先生がおっしゃったように、ワ ーキンググループできっちり整理して、その後、またここに挙げていただくという、そ ういう方向でございます。今日はいろいろな議論をいただくということが目的でござい ますから、それを踏まえてワーキンググループという話になります。   ○花田委員 何でも言えということであれば、ちょっと最後に言わせていただきたいの ですが。疾患のガイドラインと機能のガイドラインというのは、歯科の場合には完全に 分けた方が理解しやすいと思います。食べるというようなこと、咀嚼とかそういう機能、 しゃべるとか笑うとかそういう審美的な問題と、う蝕と歯周病という疾患の問題が一緒 になってしまうと非常にコンフューズしてしまいますので、そのあたりは分ける必要が あると思っております。   ○江藤座長 ありがとうございました。大変重要な御指摘でございます。この資料8の (2)の「ガイドラインにおける歯科の固有性・特殊性」というところで、そういう議論が 大変重要になってくると思います。   ○住友委員 この資料1、それと資料9でやることがよく見えてきました。すなわち、 本検討会は、ガイドライン作成のための基本的な方向性を示すというのが目的になるわ けですね。ですから、例えば「Minds」の作成手順のフローチャートがあります。 こういう歯科バージョンというか、これを見直してつくるということがまずこの検討会 の目的であろうという認識です。  それでもう一つ言わせていただくと、少し余分な意見になるんですが、資料9で先ほ ど御紹介しました本検討会報告書向けに日本歯科医学会がガイドラインの具体的なテー マを決定するというのがございまして、非常に一般の診療現場で必要なテーマを3つ各 専門分科会で公募しているんですね。それで、そのテーマを1つの材料として、次のス テップまでこれを適用してつくればいいという、これは余分な話ですが、それが具体的 な話につながるのではないかと思います。ですから、改めてここでこのテーマについて やれというところまで検討する必要はなく、この方法論を確立するということでいいの ではないかと思います。   ○江藤座長 大体そういうところですが、公募している話はまた歯科医学会の委員会と の連携をすればいい話です。  それでは、いただいた御意見を踏まえまして資料8、これは具体にワーキンググルー プで検討していくということでよろしゅうございますか。ですから、今、住友先生や花 田先生のように、これだけは御注文したいというようなことが他にもございましたらお 願いします。   ○森田委員 この資料8の医療者向けのガイドラインと患者向けのガイドラインが別々 にあるということそのものが、何となくすり合わせの時に困るのではないかと思います。 もう一つ統合したようなものが必要ではないでしょうか。   ○石井委員 まずは医療者用につくって、同じものを患者用にブレイクダウンするんで すよ。クリニカル・クエスチョンの言葉をペーシェンズ・クエスチョンに書き直ので、 根っこは一個です。   ○江藤座長 例えばう蝕であったら、その中の医療者向けのガイドライン、その中から 抜粋して、もうちょっと言い回しをやさしくして患者さんへのガイドラインと。それか ら、その中から適当なところを抜粋して、多分、診療報酬対応型の指針とか、そういう 話になるかなと思います。   ○杉崎委員 患者向けのペーシェント・クエスチョンというのは本来、患者団体から集 めるのが理論です。小児の喘息のガイドラインは、患者団体から集めたものもできてい ます。やはり声が違うんです。ただ、皆様がおっしゃったように、診療ガイドラインを やさしくする部分も確かにあります。それと患者様の疑問というのはとてつもないこと が含まれることがあります。その他の歯科の領域ではなかなか患者団体というのが存在 しないというのが一般的ですが、では、どういうところでそれを集めるかというと、患 者情報センターとか新たにできたそういうホームページを利用させていただくとか、あ るいは東京都のアンケート、あるいは歯科医学会がやられているだれでも入れるような ところの、質問票から集めるというのが患者の声というのがあります。   ○江藤座長 ありがとうございます。非常に貴重な御意見でございまして、医療者と患 者が特定の臨床状況で適切な判断という、こういう建前としてもつい議論としては医療 者だけで議論しておりますので、医療者の議論に論理が先行するものですから、そうい う杉崎先生の御指摘の点を入れてワーキンググループで検討していただくということで よろしゅうございますか。   (全員 異議なし)   ○江藤座長 はい、それではワーキンググループの設置につきまして、事務局から御説 明をお願いします。   ○鳥山補佐 それでは本日、委員の先生方からいただいた御意見を元に江藤座長と私ど も事務局で協議し、ワーキンググループを設置させていただきたいと思っております。 以上です。   ○江藤座長 ありがとうございました。それではワーキンググループを含めて何かご追 加等がございましたらどうぞ。   ○日高歯科保健課長 いずれにしましても、この資料8の検討項目の案に沿いましてワ ーキンググループでいろいろと作業を進めていただくことになります。まだ、多少は時 間がございますので、ぜひこの資料8の内容について、これでよろしいのか、あるいは さらに追加すべきことがあるのか、ワーキンググループが開始される前に多少は時間が あるかと思いますので、また別途、御意見をいただくことも考えておりますが、いずれ にしましても資料8をほぼ確定していただいて次の作業にいきたいと思います。ここだ け御確認をお願いしたいと思います。   ○江藤座長 この資料8に限って議論を進めたわけではなくて、資料8を眺めながら先 生方の御意見をいただいたところでございます。ですから今、日高課長からございまし たように、これについて具体的に、または違った方向から御意見がございましたら、ぜ ひまた事務局に入れていただきたいと思っております。   ○鳥山補佐 それでは次回の日程でございますが、ワーキンググループの進捗状況を踏 まえまして来年、2月か3月頃になると思います。改めて委員の先生方に日程調整をさ せていただき、御出席の御依頼をさせていただく予定です。よろしくお願いします。   ○江藤座長 ありがとうございました。それでは何か他に御質問等はございませんか。 では、本日の会はこれで閉会とさせていただきたいと思います。長時間どうもありがと うございました。 【照会先】 厚生労働省医政局歯科保健課 担当:鳥山、大坪 電話:5253-2111(内線2584)