07/11/09 第3回要介護認定調査検討会議事録 ○田中老人保健課長補佐 それでは、定刻となりましたので、第3回「要介護認定調査 検討会」を開催させていただきます。  私は、厚生労働省老人保健課、田中と申します。  なお、本日は、加藤委員、斎藤委員、浜村委員につきましては、御欠席の連絡をいた だいております。  また、小山委員におかれましては、若干遅れるとの連絡をいただいております。  初めに、厚生労働省老健局老人保健課長からあいさつをさせていただきます。 ○鈴木老人保健課長 おはようございます。老人保健課長でございます。  開原委員長を初め、委員の先生方、大変御多用の中、お運びをいただきまして、まこ とにありがとうございます。  実は、この検討会は第3回でございまして、前回は昨年12月でしたので、少し間が空 きましたので、全体像をもう一度、恐縮ながら復習させていただきたいと思います。  要介護認定については、一次判定、二次判定ということでございまして、一次判定は コンピューターによるプログラミングということでございますが、本検討会については、 一次判定について御検討いただいております。  現在、82項目でやっておりますけれども、そのモデル事業をする際に、タイムスタデ ィをする際に、どういう項目を加えるべきかということを前回、御審議をいただきまし て、現在、110項目を加えてタイムスタディをしたところでございます。  今日は、その110項目についてのデータをお示しをして、取捨選択をしていただいた 上で、先ほど申し上げた82項目を加えて、何項目で実際に一次モデルを140余りの市町 村でやっていただくかということを御検討いただきます。その後、実際には二次モデル に進んで、最終的には平成21年度から新しいシステムを稼働させたいというふうに思っ ております。  この新しくする背景としては大きく2点ございまして、1つは、平成18年度以降、も ともとの要介護1を要支援2と要介護1に分けるという手間を2段階で今、踏んでいま すので、それを1つにできないかということ。  もう一つは、介護技術の進歩によって、またタイムスタディ等が変わってくる可能性 があるということでございます。  今日はちょっと数学的な話も多くて恐縮でございますが、よろしく御検討のほど、お 願い申し上げます。 ○田中老人保健課長補佐 老人保健課長は所用により退出させていただきます。  それでは、これからの進行は開原委員長にお願いいたします。 ○開原委員長 おはようございます。大分時間がたったんでございますけれども、よろ しくお願いをいたします。  最初に、本日の資料の確認をお願いいたします。 ○田中老人保健課長補佐 お手元の資料について確認させていただきます。  まず「第3回要介護認定調査検討会」と書かれました座席表です。  「議事次第」になります。  「検討会委員名簿」になります。  それから、「資料一覧」になります。  資料1−1と番号が振ってありまして、「要介護認定一次判定ロジック変更の流れ」 でございます。  資料1−2「要介護認定調査項目選定の流れ」でございます。  資料1−3「高齢者介護実態調査結果」でございます。  資料2「モデル事業に向けた調査項目の選定について」でございます。  続いて、別添1「モデル事業に向けた調査項目の選定の流れ図」でございます。  別添2−1「項目選定条件について(1)」、別添2−2「項目選定条件について(2)」、 別添2−3「項目選定条件について(3)」、別添2−4「項目選定条件について(4)」、別 添2−5「条件1〜4による選定状況のまとめ」、別添2−6「条件−(1)及び5−(2)に よる選定状況のまとめ」でございます。  資料に不足、乱丁等ございましたら、事務局の方までお願いいたします。 ○開原委員長 それでは、よろしいですか。  では、早速でございますけれども、議題に移らせていただきたいと思います。まずは、 1の「平成18年度高齢者介護実態調査の結果報告について」というところで、よろしく お願いします。事務局の方から。 ○田中老人保健課長補佐 まず、お手元の資料1−1をごらんください。最初に、これ までのロジック作成の流れについて、内容を御説明申し上げます。  去年度、18年10月10日と12月6日に検討会を開催いたしまして、心身の多様な状 態に関する評価ということで、調査項目の追加の提案をいただきまして、82項目に110 項目を追加したタイムスタディを18年度に実施してございます。  次の四角の検討会が本日の検討会に当たりまして、本日、モデル事業に向けて追加調 査項目を決定していただきまして、モデル事業を実施する運びになっております。  更に、そこから得られたデータ等を勘案しまして、再度、検討会等を開催しまして、 ロジックを作成する運びになっております。  20年度は、第二次モデル事業と題しまして、全国展開するモデル事業を予定しており ます。その結果をもちまして、最終的な判定ソフトを開発いたしまして、21年度の制度 に導入しようというふうに考えております。  続きまして、資料1−2「要介護認定項目選定の流れ」でございます。現在のところ、 今までの検討会で提案していただきました110項目について、本日の検討会で選定して いただきまして、モデル事業に導入するというものをお示ししております。  また、モデル事業の後、ロジック作成に伴いまして、調査項目をまた選別されるもの と思われます。最終的にβというふうに書かせていただきましたけれども、こちらをも って今後の認定調査の項目数というふうになる見込みでございます。  それでは、資料1−3「高齢者実態調査結果」の報告をさせていただきます。  参加施設数は最終的には60施設になっておりました。また、調査対象者は、状態調査 の結果を得られた者が3,519名というふうになっております。1ページ目から2ページ 目にかけまして、男女の人数構成、年齢別の人数構成、介護度別の人数をお示ししてお ります。  3ページに移りまして、こちらは介護時間調査、いわゆるタイムスタディでございま すけれども、ごらんのとおり、介護度が高くなるに従って介護に要した時間が伸びてい るということがわかります。こういった調査結果が得られました。  続きまして、4ページに移ります。一番最初の「既存項目」のところで「82項目+6」 というふうにお示ししてございます。この6項目といいますのは、麻痺の有無、本来、 麻痺は、右−上肢、右−下肢、左−上肢、左−下肢、その他というふうになっておりま すが、それの「ない」というところをグラフにしたものでございます。同じように、拘 縮の有無に関しても1つグラフを設けております。  それから、6−5、従来ですと、「生年月日を言う、または年齢を言う」というふう な項目になっておりますが、今回は「生年月日を言う」というのを1つの質問項目とい たしまして、「年齢を言う」という項目をまた別に設けております。  同じように、特別な医療に関して、8−9、従来、「経管栄養」というふうになって おりましたところを「経管栄養括弧胃ろうを除く」となり、「胃ろう」という項目が増 えております。  あとは「障害高齢者の日常生活自立度」と「認知症高齢者の日常生活自立度」の6項 目がこちらのグラフでお示ししているところです。  30ページ目からは、追加項目についての調査結果になっております。  事務局からの説明は以上でございます。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。1年間の間に大変なデータができたと 思います。このデータをつくるに当たっては、タイムスタディで大変な御苦労があった のではないかと思いますが、この中には御参加いただいた方もあると思います。いずれ にしても、貴重なデータがたまりましたので、それを今日はいろいろと御審議いただく わけでございます。  ただいまの資料1−1から1−3でございますけれども、何か御意見がございますで しょうか。これは事実だけですので、意見というのも余りないかもしれませんが、何か 御質問でもあればどうぞ。  この調査は大体順調に行ったんですか。余りトラブルなく、きれいにデータが取れた んですか。 ○田中老人保健課長補佐 調査対象施設としては、ノロウイルス等がはやってしまって、 辞退を余儀なくされたというようなお話は聞いておりますけれども、全体的にはしっか りしたデータが取れているのではないかというふうに考えております。 ○開原委員長 ああ、そうですか。それでは、よろしいですか。これは事実としてまず 受け止めておきまして、この追加の調査項目というものがここに出てきたという、そう いうことでよろしゅうございますね。  それでは、その次の資料2の方について、御説明をお願いしたいと思いますが、よろ しいでしょうか。資料2ということは、今度は議題の2に行くということでありますけ れども、「モデル事業に向けた調査項目の選定」ということであります。幾ら何でも19 2項目では今後、作業ができませんので、だんだん絞っていかなければいけないわけで すが、それでは、またお願いいたします。 ○田中老人保健課長補佐 資料2をごらんください。説明させていただきましたように、 高齢者介護実態調査では、既存の82項目及び新規の110項目、それにその他として調査 を実施いたしました。  モデル事業については、現在行われている認定調査を活用しながらデータを収集する 予定になっております。そのため、認定審査を行うための82項目というのは引き続き使 用します。  それに加える追加調査項目の110項目についての選定の方法について御提案させてい ただきます。  別添1を併せてごらんいただきたいと思います。その選定条件といたしまして、まず 条件1、新規の110項目の中で、どの要介護区分のものであっても、回答の構成が似て いるというものについては除外をさせていただいております。  また、条件2、誤植がありまして失礼しました。「どの」を削除していただきたいん ですが、要介護区分と調査項目の回答に付された順序とに関係がない項目については除 外対象とさせていただいております。  条件3といたしまして、調査項目の回答が異なっても、ケアに時間の差が出ない項目 については除外の対象とさせていただいております。  条件4といたしまして、既存の調査項目と回答との関連性があり、既存の調査項目で 代用可能と考えられるものに関しては除外とさせていただきます。  この4つの条件に対して、59が除外された後、残っております。  更に、条件5といたしまして、認定調査項目として適切でないと考えられる項目を除 外しております。  もう少し詳しく説明させていただきます。これからは資料2と別添2−1から2−5 を併せて参照していただきたいと存じます。  まず、別添2−1になりますけれども、選定条件1について御説明申し上げます。回 答と二次判定の要介護区分のクロス表を作成いたしまして、それにΧ2検定を実施して おります。こちらは、いずれの介護区分にあっても回答構成が似ているものは介護区分 の振り分けには適していないという理由で除外させていただいております。  なお、別添2−5の条件1の部分でΧ2検定におきましては、有意水準0.1を満たさ ないものに×印が付されております。そちらに関しては除外の対象というふうにさせて いただいております。  続きまして、別添2−2をごらんいただきたいと思います。回答と二次判定結果につ いて、Kruskal Wallis検定を実施し、各群の指標に付された順位に関係がないかを検証 いたしました。  図の方でKruskal Wallis検定について御説明申し上げます。例えば、ある調査項目に つきまして、まず、自立、見守り、一部介助、全介助の順で順序をつけさせていただき ます。ここでは20人のサンプルがある調査項目に対する回答と、介護区分の関係につい てお示ししております。  本来ですと、同じ状態に対しては同じ順位、ここで言いますと、例えば自立に関して は、1〜5を足したものの平均を付すべきなのですが、ここは視覚的にわかりやすいよ うに、一律に1ずつ繰り上げられる順位を付しております。  自立、見守り、一部介助、全介助の順位を付けましたところ、上の例では、要介護1 では小さい数字の順位のサンプルが固まっております。逆に、要介護5では大きい数字 のサンプルが固まっております。また、要介護2、3、4の中には中間の順位のサンプ ルが固まっております。  一方で、下の例の20のサンプルでは、順位に規則性がございません。このように、順 位から計算された統計量より順位と介護区分との関係を検証し、順位と介護区分に関係 のないものを除外の対象とさせていただきました。  同じように、別添2−5で、条件2といたしまして、Kruskal Wallis検定によって除 外されたものが×印を付けさせていただいております。  続きまして、別添2−3でございます。こちらは、回答とケアに要した時間の関係を 一元配置分散分析で確認し、回答とケアに要した時間に差が認められない場合、除外の 対象とさせていただいております。  同じように、別添2−5の条件3の部分で除外された項目が示されております。  続きまして、選定条件4について御説明申し上げます。別添2−4をごらんください。 新規項目と既存項目との関係について、クラメールの独立係数を計算し、関係性が強い と考えられている独立係数0.5以上の項目を既存の項目で代用可能と考え、除外させて いただいております。  上の図は、「毎日の日課を理解できる」という既存の項目と「今の時間を理解するこ とができる」という新規の項目についての関係を見ております。毎日の日課を理解でき る人は、大抵、今の時間を理解している人で、逆に毎日の日課を理解できない人という のは、同じように今の時間も理解できないということが現象として見られております。 このような似たような振る舞いをする項目というのは2つ要らないという論法で、新規 項目を除外させていただいております。  ここでまた資料2に戻らせていただきます。2ページになりますけれども、このよう に4つの条件で選別したところ、追加項目は110から59になっております。  更に、3ページに行っていただきたいんですけれども、別添2−6を併せてごらんい ただきたいと思います。こちらは、回答に著しい偏りがある場合、すなわち90%以上同 じ回答になる調査項目については、回答者のほとんどにとって振り分けには有効に働か ないという論法により、除外の対象とさせております。  また、客観性が担保できない等、調査項目として適当でないと考えられる項目につい ても除外させていただいております。  条件5を用いまして選定した結果、10項目がモデル事業で追加するべき項目として残 っております。  事務局からは以上です。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。ちょっと話が面倒な数値の話ですので、 一つひとつ検討するわけにもいかないのですが、非常にきれいにまとめていただいてお りますので、論理的にはすっきりしていると思います。  まず、実際にどれを選定するかということの前に、今の話の進め方、こういう形で除 外をしていくという流れですね、その点について、何か特に御意見がございますか。ど うぞ。 ○安西委員 国立精神・神経センターの安西でございます。対象の方の特性といいます か、今回の対象は高齢の方で、年齢分布も示していただいているんですけれども、この 方々、主として身体的な機能の障害をお持ちの方が多いように見受けられるんですけれ ども、この中で、認知症といいますか、認知機能に障害がある方が大体どのぐらい含ま れているとか、診断についてはデータがあるのかどうかわかりませんが、そういった身 体機能以外の特性に関する対象の特徴といいますか、その辺について何かございました ら教えていただきたいと思います。 ○田中老人保健課長補佐 「高齢者介護実態調査結果」の28ページをごらんいただきた いと思います。こちらは調査員の目で見た割合になるんですけれども、「認知症高齢者 の日常生活の自立度」として、コミュニケーションができる等によって、自立から最重 症のMまでの認知症のぐあいを示したデータがこちらになっております。 ○開原委員長 よろしいですか。どうぞ、今井先生。 ○今井委員 繰り返すようで申し訳ないんですが、ちょっと期間が長かったので、もう 一度整理させていただきたいんですけれども、今回の110項目を加えて調査した理由と いうものと、今までの82調査項目ではいけないという、何かデータがありましたか。 ○田中老人保健課長補佐 110項目検討させていただいた理由といたしましては、心身 の状態に関して多様な指標から、より介護に要する時間を評価するのに適した指標を洗 い出すという意味で、幅広く列挙していただいたものでございます。 ○今井委員 それは、前回の82では出てこなかったということなんですか。 ○田中老人保健課長補佐 見直しに関しましては、前回の13年のタイムスタディでは時 間が経過しておりますので、再度、タイムスタディによって介護に要する時間に関して データの収集が必要ではないかというようなことがきっかけになっております。そのき っかけを利用いたしまして、追加できる項目がないかというようなことで、今回、こう いった調査項目の検討をさせていただいた次第です。 ○今井委員 ちょっとしつこいようで申し訳ないんですが、今までの82の項目の中で、 これはふぐあいがあるとか、きちっとした評価がされていないという、何かエビデンス があるんでしょうか。いけなかったという。それはないんですか。 ○田中老人保健課長補佐 特にそういった問題点が指摘されて見直しを迫られたという ものではございません。 ○鈴木老人保健課長補佐 追加ですが、課長のあいさつにもありましたけれども、もう 一つ、今回の見直しで大きな点は、平成18年のときに要介護1が要支援2と要介護1に 分けるということがございましたので、そこについても何かロジックの中でシスティマ ティックに分けられないかというようなこともございましたので、それらを加味して、 もう一度きちんとしたデータを取って、新しくしてみましょうというのが発端でござい ます。 ○開原委員長 どうぞ。 ○鳥羽委員 私が答えるのも変なんですけれども、要するに、前回のこの委員会の最後 に、認知症については、より勘案するという形で、意見書の方を重視した形で要介護判 定を付けるという形になっていたものに関しては、認知症のケアの技術が進展したとき には、そのケアの時間を測定する項目を加えて、より客観的に判断できるようにという 申し送りや結論になっていたというふうに思います。ですから、今回、認知症の、特に 周辺症状の項目が大幅に加わったものに関しては、5年経過した中でのケアの質の向上 を加味した新しい調査項目だと思います。  それから、先ほどの認知症の3施設ですけれども、ほかはちょっとわかりませんが、 少なくとも老人保健施設では86%が認知症です。ですから、ほかの2施設もほぼ同じで、 約9割が認知症の方が対象の施設で測定されているというふうに考えます。 ○開原委員長 よろしゅうございますか。今、また最初のところへ戻ったような感じの、 御議論をいただきましたが、今度は今日の話で、まずはこうしてデータを取ったけれど も、これをこれから減らさなければいけないわけですが、減らし方については、これは どちらかというと論理的に減らしていった方がいいというわけで、こういう形で減らし ていったわけですが、多分、どなたか御相談に乗っていただいた方があるのではないか と思います。 ○鳥羽委員 私は相談に乗っていないので、質問させていただきます。論理の中で1つ 疑問があるのが、2−6は大分問題があると思うんですが、2−2で、群間に差がない という検定をされているんですけれども、勿論、要介護度の1〜5までで、次第に直線 的に重くなったり軽くなったりしたものに関してはいいんですが、山形になったり谷形 になったりしたもの、例えば、認知症の周辺症状の陽性症状のものは中期に一番強く出 ますけれども、そういうようなものとか、陰性症状のように初期の抑うつと末期の無意 といったような谷形になるようなものに関して、この検定の中で除外される可能性があ るかどうかをお聞きしたいんです。 ○開原委員長 事務局は大丈夫ですか。 ○田中老人保健課長補佐 一応、問題はないというふうに認識しております。 ○鳥羽委員 そういうものは除外されないということですか。差があるというふうに出 るということですか。群間で差があるというふうに出るということで理解してよろしい ですか。 ○田中老人保健課長補佐 全体として、群間に差が出るというふうに、そういう検定に なっております。 ○開原委員長 よろしいですか。ほかに何か御質問がございますか。  この流れをよろしいということになると、ばーっと行きまして、さっき何項目とおっ しゃいましたかね、50ぐらいまでにはなるのだと思います。 ○小山委員 先生、ちょっと御質問いいですか。 ○開原委員長 はい、どうぞ。 ○小山委員 これ、110項目ではやりようがないから数を減らさなければいけなくて、 減らすルールを考えていただいて減らしたので、私は、やり方としては、技術的にどう のこうのというのはよくわかりませんけれども、これならこれなのかと。  ただ、ちょっと教えてほしいのは、選定条件の最後で10個出てくるんですが、かなり 気になることがあるんです。いただいた資料の46ページを見てください。問題は、46 ページの14−20「気になることにひどく心配する」というんですね。私は気になること をひどく心配する性格なので、これは明らかに要介護度が上がるほどないんですね。ほ かのものは、ぐちゃぐちゃになっていたり、逆の右肩下がりになるんですが、これだけ は右肩上がりなんですね。  そうすると、選定条件5つはいいんですけれども、「気になることにひどく心配する」 というのは、要支援ではないんですけれども、要支援2では「ない」が30%ぐらいで、 要介護5になると「気になることにひどく心配している」方が95%ないんです。だから、 「気になることをひどく心配している」かどうかももうわからないわけだから、これは 質問項目として不適切としか言えないと思うんです。例えば一つの例ですよ。  ですから、これは今日決めろと言われても、今日初めてのデータなので、私は条件選 定式で事務局が5つやってきたことに対しての御苦労は認めます。ただ、最終的に14− 20だけは非常に難しい。「気になることにひどく心配する」という質問が適切かどうか ということは、つくった人たちが考えたことですけれども、これは要介護度とまず関係 していないし、非常にファジーな言い方です。  例えば「買い物」などというのは客観的事実ですからいいんですけれども、「同時に 2つのことができない」というのは、同時に2つのことをやって失敗する人と、同時に 1つに集中できる人では、1つに集中できる人の方が能力が高いというのが普通の考え です。条件5まではいいとしても、残りの10個について、そういう疑問がある。どうこ うしろと言っているんではないですが、これだけはちょっとおかしいです。  それと、ここまで努力されるなら、もともとの82項目についても削れるものがあった ら削ってもいいんではないかという気が今、してきたんです。私、今日、これをもらっ て、ちゃんと見たのは初めてなんですが、大体、要介護認定の項目を覚えていますから いいんですが、ちょっと申し上げたいのは、24ページを見てください。8−2に「中心 静脈栄養」というのがあって、「透析」があって、「ストーマ」はいいんですけれども、 「レスピレーター」とかがあって、これは全部ゼロなんですね。  ゼロの項目は、1%でもあれば聞けというよりも、そもそも、これは要介護認定を開 発した大昔の話で申し訳ないんですが、これは追加した項目なんですが、結局、ゼロの ものの項目を聞く理由があるのか。例えば、特記事項があるんですから、その他の医療 行為で特記することがあるかと聞いた方がよりいいわけです。  例えば、透析といっても、毎日透析している人もいれば、週3回透析している人もい て、それは全然話が違うし、中心静脈栄養とレスピレーターというのも、これもいろい ろな方法があって、お手間は何か違うようですし、気管切開の処置といっても、1日1 回やればいい人から、しょっちゅうやらなければいけない人というのがあります。  結局のところ、こういう医療行為が付いているものについては、要介護認定調査のと きにかなり特記事項で先生たちがお書きになるんです。そのことはそのことで事実です が、それだと、残りの要介護認定を受けている300万近い人は、中心静脈栄養と透析を 全部チェックしなければいけないわけです。その必要はないではないですかという疑問 があります。  ですから、はっきり言わせていただくと、新規110項目についての整理の仕方で若干 疑問がありますけれども、これはまたお考えいただいて、私がどうこうしろと言っても、 データも見せてもらっていないので、原データも見ないで議論するのはちょっと研究者 としては恥ずかしいので、何も言えませんけれども、現行の82項目の方の中も、同じよ うに減らせる方法があるなら減らしてみたらよろしいんではないかということなんです。 それだけです。 ○開原委員長 これはかなり根本的な話でございます。事務局の方で何かコメントがあ りますか。 ○田中老人保健課長補佐 一時モデル事業は新しい樹形図に反映させるため追加項目に ついてデータを収集するというものになっていて、今回の検討会の目的の一つが、その モデル事業のための追加項目の選定するということになっとおります。モデル事業の事 業スタイルが現在の認定業務の中で追加して調査項目を加えるというようなことでござ います。そのため、今回、82項目については、この検討会では手をつけないんですけれ ども、樹形モデルを作成するに当たっては、より効率的な認定調査をするという観点か らは、選定が必要になるんではないかと考えております。その場合、また検討会等で先 生方に御相談させていただきたいと思っております。 ○開原委員長 どうぞ、筒井委員。 ○筒井委員 今の小山先生のお話は、まず、この手続は、こういう手続を取っていただ いてよかったと思っております。項目を削除したプロセスについては、おおむね論理的 に進んでおられると思うんです。  最後に残った項目については、ダブルミーニングというか、「同時に2つのことがで きない」とか「気になることにひどく心配する」とかというのも勿論、項目としてまず いなと思うんですが、条件が先に付くような項目はいかがなものかなというのがまずあ ります。  例えば、「新しい環境等で情緒不安定になる」ということは、新しい環境に行かない 人については判定できないということになるので、寝たきりのお年寄りとかが新しい環 境に行くと想定する場面というのは非常に限られた場面でして、こういうダブルミーニ ングとか、条件が必要な中身を要求する項目は300万人に聞いていくのは余りふさわし くないんではないかという基本的な問題があると思うんです。  それから、「要求を断れず」というのは、そもそも要求をされている人については回 答ができるわけですけれども、要求がないというか、要求されない人は、これは回答で きないということになると思うんです。質問自身に要介護高齢者の属性に合っていない ような内容が含まれているので、これは是非検討していただきたいと思うんです。モデ ル事業をされる地域の方がこういうのを調査員に説明されるときに、とてもお困りにな られると思うんです。ですから、少なくとも今、申し上げた14-11、14-16、14-17、14- 20については、削除していただきたいなと思います。  それと、さっきおっしゃられましたけれども、第一次モデル事業で、現行の認定に加 えてやるということで、82項目については今回の検討案件には入っていないということ ですけれども、これだけのプロセスを経て110項目を減らしてこられているわけですか ら、当然、先ほどおっしゃられたようなプロセスを82項目についてもおやりになられた 方がいいと思います。それについてはまた、御回答があったように、次回のモデル事業 の結果を基に議論された方がよいのではないかというふうに思います。  以上です。 ○開原委員長 それでは、少し自由に御議論いただいて、後でどうまとめるか考えまし ょう。どうぞ。 ○鳥羽委員 項目の数の問題ですけれども、前回の委員会のときには、分類するという 機能だけであれば、論理上も相当少ない項目、30項目くらいでいいではないかという発 言を何回もさせていただいております。  ただ、そのときに、項目を残す理由は、この要介護認定調査項目は、単に分類するだ けではなくて、これらに該当した場合に、ケアプランに生かしていくんだというような ことで70数項目が残った経緯があるわけです。  したがって、今回も分類に使う項目と、分類には必ずしも論理上、コンピューター上 乗らなくても、必須のケアプランの要素として必要な項目といった形で考えていく必要 があるんではないか。もしそうでなかったら、20項目でも15項目でも、項目としては 構わないわけですし、以前出た状態像の分類でもいいというような議論にまでさかのぼ ってくると思うんです。ですから、そういう意味で、項目は少ない方がいいですけれど も、新しい、必要なケアの要素というものはやはり入れていく必要があるんではないか。  そういう意味で、この2−6を見させていただいて、確かに今、言った、論理的に2 つの意味が入っているのは整理する必要がありますけれども、もう一つ、例えば14−7 の「昼間から寝ていたり閉じこもる」というのは、以前の昼夜逆転と余り重ならなかっ たのもちょっと不思議な統計的な気がいたしますし、もう一つ、14-26「集団への参加が できない」は意欲の問題であり、介護の要否に関係しないとありますけれども、意欲の 低下というのは最も介護で時間をかけたり励ましたりして、集団療法をやる上で阻害さ れる要因であると私は思っておりますので、意欲の問題が介護の要否に関係しないとい うのは、後期高齢者医療の中に意欲やADLや認知機能を評価して介護の施設などを、 適切な介護を決めるという厚生労働省の文書の中とも矛盾していると思いますので、こ の14-26は×をつけた理由がよくわかりません。  それから、14-15〜17に関しては、要介護に方に関しては非常に微妙な問題ですので、 もう少し不安症状とか集中力とか、精神的な病態に即した設問にまとめて切り替えてい くべきではないかというふうに思います。  以上です。 ○開原委員長 御自由に御意見をお願いします。どうぞ。 ○遠藤委員 110項目を去年、追加するときに、当時は事情があって、多様な障害者を 含むというようなことが念頭に置かれて、落ちがないように項目を増やして110入れて 調査をしていただいたんですけれども、それはある意味では、多様なというのは高齢者 以外ということを念頭に置いてつくったもので、それが今回の10項目の中に幾つか残っ ている。先ほど問題が指摘されたようなことは、高齢者に不適ではないかというのも入 っているので、政策的なことも含めて、この10項目はもう一度見直しした方がいいと私 自身も思っています。  それから、もう一点、要支援1、2に関して見直すという発言があったと思いますが、 今回のデータは施設のデータで、基本的には要介護1以上のはずだというふうに認識し ていますが、たまたま要支援1の方が12人入っておられて、一部そういう方もおられる んですけれども、3,000何人のうちのほとんどが要介護1以上なので、要支援1、2を 見直すということに関しては、今回のデータはちょっと適さないんではないか。  そうすると、在宅のデータとか、その他のデータを勘案するということが必要ではな いか。この時点で項目を絞ってしまうと、要支援1、2の見直しはまた難しいんではな いかなというのが印象としてあるので、この2点ですね。10項目残ったものの詳細な検 討と、要支援1、2の検討を今後どうするかというのがちょっと疑問として残っていま すので、御検討いただければというふうに思います。 ○開原委員長 ほかに御意見をいただければ。どうぞ、安西委員。 ○安西委員 最後に残った10項目に関してですけれども、さっき筒井先生がおっしゃっ たような御指摘の点もごもっともだと思うんですけれども、精神機能に関連したような 項目もこの中に幾つか見られるということで、私としては、ADLのレベルから、実際 の介護においては、そういった精神機能、この場合には主として認知症ということにな るんでしょうけれども、精神機能にかかわる部分が介護においてはかなり重要なポイン トになるということで、しかし、これが調査の結果、先ほども御指摘になったような手 順に従って項目が残ってきたという点が、なかなか私としては興味深いといいますか、 ひょっとしたら介護における重要なポイントがここで抽出されたのかなというふうに思 いますので、今後よく検討していただいて、必要なものは削除するということで、慎重 に処理をお願いしたいというふうに希望するわけです。 ○開原委員長 ほかにももし御意見があればどうぞ。  そうすると、まず、110項目を追加して調査したというのは、これはもう調査してし まったわけですから、これを今更やるなというわけにもいかないし、これをまた繰り返 すこともできませんので、これはせっかくのデータですから、ありがたく受け止めるこ とにします。この項目がどうして出てきたかということについては、先ほどちらっと触 れられたように、この調査の目的が途中で少し変わったようなところもないわけではな いので、いろいろ考え方はあろうかとは思いますが、出てきたデータは、せっかくです から大事にするということにしましょう。今までの御議論を伺うと、条件の4のところ までは、機械的に落としてきたということで、特に御異論はなかったように思いますの で、59項目のところまでたどり着いたというところはいいのではないかと思います。最 後のところで、59を10に絞り込む選定条件の5というところについては、今、伺うと、 いろいろ御議論があったところだと思います。  いずれにしても、すぐ先にモデル事業をやらなければいけないということが控えてい ることでもありますので、田中先生、これは今日どうしても決めてしまわないといけな い話ですか。 ○田中老人保健課長補佐 できれば、ここで議論していただいて、決定していただきた いと思っております。 ○開原委員長 デッドラインはかなり厳しいようです。勿論、またこういう委員会を開 いてやり直すということも大変でしょうから、いろいろ御議論をいただいて、最終的な ものについては座長が預からせていただいて、またもう少し詰めて決めるという格好で もいいですか。今日、ここで決めてしまわないといけないですか。 ○田中老人保健課長補佐 モデル事業の日程等の関係で、本日、決めていただきたいと いうことが1つございます。 ○開原委員長 それから、これは10でないといけないのですか。11になったり、7つ になったり、減ったり増えたりすることはどうなのですか。 ○田中老人保健課長補佐 モデル事業のソフト開発の契約の関係で、その契約も先延ば しになってしまうということがございますので、早い方がいいんですが、一番のプライ オリティーというのは、項目数として10項目以下に収まる程度の項目数が要求されてお りまして、期日に関してはセカンドプライオリティーかと思います。 ○開原委員長 ああ、そうですか。そうすると、10より減ることは構わないわけですね。 ○田中老人保健課長補佐 構わないです。 ○開原委員長 なるべくならば、増やすことはしてもらいたくないということですね。 というようなところが今日の議論の周辺状況のようです。そうすると、これはどうしま しょうか。本当は、できるだけ今日、決めてしまった方がいいんだとは思いますが、皆 さんも初めてごらんになった方も多いかとは思いますので、なかなか大変かなという気 はいたします。  ただ、救いと言えば、別にこれが最終的なものになるわけではなくて、モデル事業を やった上で、もう一度検討する機会はあるので、そういう意味では多少不適当なものが 入ってきても、後でもう一回切る機会はあるということにはなろうかと思います。いか がでございましょうか。  そうすると、この59項目から、今、ここに10項目に絞ってあるわけですけれども、4 9落としてしまったわけですが、その落とした中で、これはちょっと落としてもらって は困るというのがあるかどうかという、まず、そちらの方を御意見を伺いましょうか。 ○鳥羽委員 よろしいですか。先ほどの遠藤先生の話、要するに、IADLや、アドバ ンスのADLの、別添2−6の1ページの項目です。特に12−1から12−6まで、「買 い物」だけが生きているわけですが、老健、特養、療養型で、料理を中でするというこ とはほとんどあり得ないわけです。実際、分布を見ても、ほとんどゼロなわけです。  ところが、要支援1、2というのは、その辺のところが一番分布が、虚弱、しっかり した人の分布が出てくるに決まっているわけです。それはもうこのデータを見なくても、 文献的にわかっているわけで、このやり方でここを落とすということは、要支援1、2 を、もしクラシフィケーション、分類しようとしたならば、落とすことは絶対にできな いわけです。  逆に、その次のページの14-11、15、16、17というものは要らない。これは今までの 周辺症状のことでよくて、むしろ周辺症状の中で陽性症状だけが出て、陰性症状が全然 取り上げられていない。寝てばかりいるとか、意欲がないとか、そのような働きかけが 必要とするような病態が取り上げられていないことが問題なので、私の案としては、14 -11、15、16、17、20も削除。  それから、「独り言や独り笑いをする」は、非常に進行した認知症の症状ですけれど も、頻度が低いので、これも要らない。逆に、14-26を復活させるという案を提出した いと思います。  ですから、2ページ目では5つ削除で、14-26を復活。1ページ目では、12−1から 5を復活と、こういう案です。 ○開原委員長 12−1から5は取るんですね。 ○鳥羽委員 復活させないといけない。ただし、この場合に、施設でもう一回やっても 全く意味がないので、在宅と分けてやる必要が出てくると思います。 ○小山委員 先生、済みません。 ○開原委員長 はい、どうぞ。 ○小山委員 要介護認定の調査は、まず施設でしかしていないわけです。施設のデータ で、もともと360近くの質問項目をつくって、状態像の調査とタイムスタディの調査か ら介護時間を推定するロジックをつくったわけです。私が言うのもおかしいですが、そ の推定するロジックに効いていた項目は73項目でしたという話なんです。それプラス医 療の必要度を入れようという形で13項目入れて、でも、73項目はその後、69項目に減 らされて、13足して69項目なんです。  ここまでの話は何が言いたいかというと、施設の要介護認定で要介護度を判定するの に必要な項目だけを選んだんです。それと、今、要支援1と要支援2を分けるために質 問項目が必要だと先生がおっしゃる話は、今までの手続論からまた別の議論、この中で 幾らやったって出てこないんです。  つまり、今できることは、要介護状態か要支援状態かといって、今度は要介護1にな った人の中で、要支援2に回せる人はどうだという議論ですから、何が要支援1と要支 援2を分けている項目なのかという話になると、施設にいる人がやっていても、この範 囲では出てこない。その議論はしても、ここではどうしようもない。ですから、全く平 場の議論になってしまう。  それと、14-26の「集団への参加ができない」というのは意欲の問題で、施設では大 事だとおっしゃいましたけれども、そういうことを言っているんではなくて、14-26を 田中先生が御説明になりましたが、これは現場で効くから効かないからという議論は一 切関係なく、48ページを見てもらうと、要支援2から要介護5まで、何となく要介護1 から5の方に「よくある」が少しは増えているんですけれども、全体として見ると、「集 団への参加ができない」というのが要介護度別にかなりきれいに出ているかというと、 出ていませんというだけで、この文章が、意欲の問題であり、介護の要否に関係ないと、 ちょっと言い方がきついんですけれども、これだけ見ると、例えば要介護度が高くなる と「集団への参加ができない」というのが多くなるとか、逆の形になるという傾向がな いというだけです。  いろんな現場にいらしたり、診療に携わっている先生方が何を見ていらっしゃるのか、 何を気になさっているのか、あるいは現場の看護職がどんなことで苦労しているのかと いう話と、今日のこのデータと今までの要介護認定を営々と老人保健課さんでやってき た議論とはまた別にしないと、ここで要支援の1と2を分けろと言われても、このモデ ル事業では、私はもう無理、10人に2人ですよね、12人しかいないので、これは無理で す。  もともと標準介護時間で要支援1と要支援2がきれいに分かれるかというと、私はす ごく疑問です。もともと要支援というのと要介護1というのをつくって、要介護1の中 から要支援に回せるものを要支援2にするというロジックですね。ですから、それは、 大量のデータがあって、要支援1と要支援2を分ける科学的データが存在するのかとい うことになると、ないということなんです。  ですから、それを今、議論してしまうんだとすれば、ここでは完全にお手上げです。 データがないのにここで議論してもしようがないし、110項目出てきて、今の条件でや ったんですから、私は5つの条件でやられて、10項目に減らされて、10項目中、筒井さ んがおっしゃるんだから、4項目あれして、6項目でモデル事業をやってみて、それと ともに要支援1と要支援2については、また別に検討するか、でなければ、現在、要支 援1と要支援2に分けられている人の要介護認定審査委員会のデータを引っ張ってきて、 何を根拠に1と2と分けているのか。  1と2と分けているというよりも、要介護1になった人のうちから除外している例と いうのが、何で除外されているのかということでもいいんですけれども、それは別途、 要介護認定の資料もうまくすれば集まっているようですから、それはそれで平場の議論 ではなく、データを出して、統計的に検証して議論するべき問題だと私は考えます。  以上です。 ○鳥羽委員 ですから、そちらまで広げないということが前提であるならば全然問題な いわけですけれども、今回の途中で要支援が変わったことに関しても、この新しい調査 項目を広げて、それらを検討するかということは、私、そういうふうに理解したもので すから、それであれば項目が必要である。その対象は施設ではなくて、在宅の人を中心 にしないとできない。前回も施設のでやりましたけれども、在宅のモデル事業もやって いただいて、ばらつきは多かったですけれども、相当いいデータが出ていた記録があり ます。ですから、全くこの施設だけでやるという前提なのか、それによって全然話は違 ってきますので、あるいは要支援の分類に関しては、今回はこれはもう、全然そこを対 象としないのかということを決めていただければ、それは項目選定にも当然かかわって きますので、わざわざ前回、このようなアドバンスのものを提案する必要もなかったと いうことで、それは整理していただきたい。 ○開原委員長 わかりました。まず、要支援のところの話を、そうきれいに決着がつく かどうかはよくわかりませんが、そういうものがうまく分かれるといいという希望は勿 論あるのです。ただ、このデータからそれが見つけられるかというと、小山先生もおっ しゃったし、遠藤先生もおっしゃったし、これは無理ですね。だって、ないのですから、 それは無理です。この中で要支援が分かれるようなものが偶然紛れ込んでいるというこ とはあるかもしれないけれども、それを今、このデータから見つけようと思っても、そ れは無理だという話になります。  今回は要支援の話は、もしラッキーであれば後で分かれるような何かが紛れ込んでい るかもしれないという、そんな感じでしか扱えないと思います。強いてやるとすれば、 ここで議論的に、こんなのを入れたらいいというのを頭の中で考え出すということはあ ってもいいけれども、今更、これ以外のものをここでつくるというのも大変ですから、 それはうまくいけば、何かそういうものが紛れ込んでいることがあるかもしれないとい う形にして、それ以上は議論をしてもしようがない。それでいいですか。 ○村嶋委員 そのときに、要支援の1、2に関しては、検証に関してどういう展望をお 持ちかも一緒に教えていただけるとありがたいんです。 ○開原委員長 それは私が答えるのも大変ですけれども、しようがなければ、今のまま でいく以外ないと思うんです。ただ、今のやり方はちょっと複雑だから、将来、何項目 になるかわかりませんが、それでもって分かれれば、それはそうなってくれればいいと いうことは確かです。しかし、分かれなければ、しようがない、今のやり方を踏襲する ということにしかならないのではないですか。田中先生、どうですか。 ○田中老人保健課長補佐 現在の要介護1と要支援2の振り分けというのが、認知のぐ あいと、6か月程度の予後を判定するというものについて、それが判断のメルクマール になっているんですけれども、現在の老健局で運営しています長寿科学総合研究等で、 介護度の変遷というのを見ていたり、そういった研究成果が反映できるんではないかな ということは期待しております。 ○開原委員長 どうぞ。 ○筒井委員 要支援ということを具体的に、そういう概念が出る前の話なんですけれど も、老健局の方で、そういう委員会がありまして、一応、どういうふうなロジックで要 支援を分けたらいいのかというのは、3年ぐらい前に委員会がつくられていて、休会状 態という状態なんですけれども、それはなぜかというと、介護予防サービスを受けてい ない状態でその委員会を立ち上げてしまったので、そのデータが集まってから、もう一 回それは再開されるということで、一応、研究としては続いている状態なんですね。  ですから、要支援ということを、どういうふうに概念設定するかということも含めて、 その委員会で、鈴木課長が来られる前のときから継続してやっている委員会というのが、 今は休会状態ですけれども、存在している。それが今回のモデル事業のデータが集まっ て、要するに、介護予防サービスを受けている群というのが経年的に集まらないと、要 支援の認定というのはできないだろうというのが、今、休会中なんですけれども、その 委員会の最後の結論だったんです。 ○開原委員長 という状況。 ○小山委員 先生、もう一回。 ○開原委員長 はい。 ○小山委員 私が答えるのはおかしいですけれども、もう一回言いますが、要支援1と 2を分けるロジックがタイムスタディから出ているわけではありません。要支援と要介 護1は分かれます。要介護1になった人を要支援2にするかどうかについては、老人保 健課さんがマニュアルをつくって、今、田中先生が言ったように、6か月後の予後とか というんで判断してくださいということを、認定審査委員会の方に向けて言っているだ けです。  ですから、今、幾ら議論をしていても、新しい要介護認定で要介護認定の調査をして、 要支援2が調査をすれば出てくる状態にないはずなんです。今度のロジックでやって、 要介護1と2が出てくるということはないんです。ですから、私は、6か月以降の予後 というのも、そういう決めで要支援2をつくるときに、そこでお話になりましたし、要 支援2をつくるときの国会答弁等もございますが、幾ら読んでも、そうとしかわからな い。  つまり、要介護認定、一時判定というのが、要支援か要介護はわかるんだけれども、 要介護1と2の線引きが今の調査項目でできると言ったら、ちょっとうそになりますね。 今、先生と話していることはデータがないんだもの、ここでやってもしようがないから、 別のところでやってくださいという御提案をしているので、今、この調査の流れと、こ のモデル事業のやり方というのを、今までのモデル事業と違うやり方を老健局さんが新 しくやるんですかということになると、そうしたら、前にもうモデル事業が来てしまっ ているので、議論がぐじゃぐじゃになってしまうんではないかというふうに私は考えま す。 ○開原委員長 今の要支援を分けるという話は、大体、皆さんのおっしゃることは一致 しているところでありまして、ここのデータで分けることは無理だということですので、 将来、どうしても分けたいのであれば、何か別なところから別な研究を持ってきて、こ れに追加するということしかないので、今、ここで選んだもの、それを目的にして選ぶ ということは、少なくともデータの上からはできない。  しかし、先ほど言ったように、何らかのラッキーチャンスで、後でやってみたら、意 外にそれが分かれたなどということも、世の中には不可思議なことがないわけではない んで、そういうことが絶対ないとは言えませんけれども、少なくともそれを目的にして ここから選ぶということはちょっと無理があるということで、そのことは置いておくこ とにしましょう。  置いておいた上で、話の道筋としては、まず59項目にたどり着いたということは皆さ ん結構だと思いますので、そこから先の議論で、更にこの中から復活するものがあるの かどうなのか、それを先に決めて、あとは落とすことを決めればいいかと思います。  今の復活の方の話ですが、さっき14-26の「集団への参加」の話が復活項目として挙 がっておりますが、これは意欲の問題であり、介護の要否に関係していないという理由 で落としてしまっているのですけれども、これは実は、このデータだけ見ると、それ以 前の段階でも落ちても不思議はないのかもしれないですね。このデータの格好から見る と。しかし、前の条件では残ってはきているのです。ですから、入れても、逆にあのデ ータが余りきれいでないので、どれだけ有効に作用するかどうかというのはちょっとよ くわからないところがあります。しかし、入れた方がよければ、ほかで落ちそうですか ら、10の中には入りますけれども、どうしましょうか。 ○鳥羽委員 1つには、これを調査するときに、先ほどの2つの意味もありますけれど も、質問をして、調査して、ばらつきというか、難しい回答のはだめだと思うんです。 「気持ちの切替えができない」とか聞いても、そのときの日によっても朝によっても違 いますし、「同時に2つのことができない」というと、試さなければいけないとか、非 常に難しい設問に比べて、例えば「集団への参加ができない」というのは、いつもでき ない、時にできる、割合簡単な設問なんです。ですから、この調査項目に関しては、非 常にシンプルなものにする。これを選べという意味ではなくて、残ったものでも、複雑 な設問は落としていくべきだろうと思います。  それから、先ほどの1ページ目の復活の話ですけれども、「買い物」が残ったのは非 常によくて、今までも「服薬管理」というものがありますので、この2つが残っていま すが、私の希望としては、寝たきりプロセスの5年間の地域の研究をさせていただいた 者としては、「料理」というものは是非入れてほしいと思います。「買い物」や「服薬 管理」と同じように、非常に早期に落ちやすい機能ですので、今回は施設で出なかった ですけれども、「料理」といったものを入れていただければと思います。 ○村嶋委員 調理。 ○鳥羽委員 「調理」を入れていただければいいと思います。 ○開原委員長 それでは、一応、「集団への参加の話」と、それから、12−1というの はどんなデータの格好をしていたのかな。これは今まで落ちてこないのですから、それ なりの格好はしているんでしょうね。しかし、要支援1と要支援2のところのデータが ありますので、これは少ないデータですから、余りそこを言うのはよくないのですけれ ども。 ○鳥羽委員 これはきれいに出ると思います。 ○小山委員 要支援1、2だけを見るんだったら、10例に2例ですから、統計的に全く 意味がない。もしどうしても決めなければいけないというんだったら、要支援1と2で、 それでモデルかければ、それの新しいもので、在宅で、どこかプレテストをやってみて、 きれいに出れば、鳥羽先生が言っていたことは私は間違いないと思っていますから、そ れを入れて、確かに「服薬管理」「調理」「買い物」と入れてみて、モデルをかまして みて、かましてみてっておかしいけれども、在宅でも、小さくてもいいから、あちこち で検証してみて、効くんだということになれば、それでいいのかなという感じはします。 つまり、絶対10項目というんではなく、こっちの10項目を幾つか減らして、3つ加え るとかというのは、この委員会でやってもいいんですか、田中先生。やってもいいんだ ったら。 ○開原委員長 それはやってもいいんでしょう、勿論。 ○田中老人保健課長補佐 勿論、ここが決定機関になっていると認識しております。 ○小山委員 2例と10例、データがないからできないとさっきお話ししたんですけれど も、データがないんだったら、入れてやってみたら、きれいに出るんなら、それでいい ではないですかという話ですね。それはだから、どこか別の研究班とか、地域とか、や っていただくとか。 ○開原委員長 どうぞ。 ○鈴木老人保健課長補佐 今回の一時モデルなんですけれども、これまでのタイムスタ ディについては、時間の関係もあったので、在宅でやるというのは非常に難しいという ことで施設でやらせていただきまして、そのときの分布がこういう形です。バックとし て時間のデータがあるんです。  今回の、次に行いますモデル事業についてなんですけれども、これは要介護認定と同 時に調査をしますので、これについては在宅の方、施設の方、それぞれいらっしゃって、 その中でやっていただくということになりますので、鳥羽先生が、この辺は在宅でも関 係しそうではないかというのが次回のモデルのときにはきちんと出てくるんだろう。  そういうところも含めて少し御検討いただきたいというのと、実は、私どもとしても、 条件の1から4まではかなりロジック的にといいますか、データ的に落とせたんですけ れども、残った59項目をどう落としていかなければいけないのかというところを考える ときに、事務局の案としてはこういう考えなんですけれども、ここは先生方に、少なく とも59以外のものについては、箸にも棒にも引っかからないだろうというふうに思って いますが、これについては、今、もうちょっと御議論いただいて、データもありますけ れども、ただ、統計学的にはきれいでないわけですので、そこは先生方に御議論いただ いて、こういう可能性もあるので残した方がいいということを御議論していただいて、 最終的には10項目にしていただけないかというふうに思っているところでございます。 ○開原委員長 厚労省から出てきた案をそのまま承認するのでは委員会の意味がありま せんから、是非ここで御議論いただいて、本当に必要なものは加えるし、おかしいもの は落とすということにしたいと思います。ということで、小山先生の御質問は、やって もよろしいという御回答をいただきました。  そうすると、今の御意見では、12−1の「調理」を残す、これはあわよくばの話です けれども、あわよくば、場合によると、さっきの要支援のところに使えるかもしれない。 それから、14-26の「集団」を復活させるというと、今のところ2つ加えましたので、 今度は逆に落とす方の話を、先ほど筒井先生の方から御提案と、それから、小山先生も ほぼ同じような御意見をいただいておりますのは、14-11の「新しい環境等で情緒不安 定になる」というのは、条件付きなので非常に難しいのではないか。それから、14-16 の「同時に2つのこと」も難しい、やってみないとわからないところもある。14-20の 「気になること」、この3つでしたか、筒井先生。もう一つありましたか。 ○筒井委員 私もそうですけれども、鳥羽先生は、11から13、15、16、17、20、25は 余り意味がないんではないかという意見をその後、おっしゃられたと思うんです。この 辺りの設問はとても難しいと思います。「具体的な作業指示が必要」とかという、具体 性をどういうふうに調査員に説明するのかとか、かなり難しい項目になるので、さっき 鳥羽先生おっしゃっておられたように、14-11から14-25まではほかの項目で大体でき るんではないか。そういう私の意見です。 ○開原委員長 しかし、一方で、先ほど安西先生おっしゃったように、どちらかという と精神的なものが生き残ったのであれば、そういうのも、残るものなら残したいという お気持ちもおありでしたね。確かに調査という点から考えると難しいかもしれません。 どうしましょうか。そうかといって、14を全部落としてしまうと3つしか残りません。 それにさっきの2つを加えても5つです。14-11、13、15、16、17、20、25は非常に強 度の認知症なのかもしれませんから、これはいいのかもしれませんが、11〜20はどうい たしましょうか。皆様の御意見に従いますが、何か御意見ございませんか。  全部落としてしまうというのも多少気にはなるところです。この中で比較的調査しや すいものがあるとすれば、どれですかね。確かにみんな難しいことは難しいですね。鳥 羽先生、どうですか。 ○鳥羽委員 今までは認知症の分類は、認知症に伴う痴呆性老人の自立という形で分か れていたんですが、その要素が非常に混在していて、ALDの問題とコミュニケーショ ンの問題と周辺症状の3つがごっちゃになった分類なんです。あれはいつか改定しなけ ればいけないと思っていました。そうしますと、調査項目は、例えばアルツハイマーで いえばファストとか、いわゆる認知症のレベルに応じて起きやすい要素、例えば1〜7 のうちの1、3、6といったようなところの設問に3つくらい残っているような項目が あれば、重いときに出るもの、中くらいに出るもの、簡単に出るものの設問で生かすと いうのは一つの考え方で、今までの項目の中でそれが足りないものがあるとすれば、そ れは今井先生にお聞きすれば、大体選んでいただけると思います。 ○開原委員長 では、今井先生。 ○今井委員 よろしいかと思いますが、この59項目の中から10項目を選んだ過程の中 で、確かにこの10項目というのはいろいろ問題のあるところもあると思うんです。今度 は一次のモデル事業ですね。ですから、これで決定するわけでないんで、ちょっと多め に選びながら、その中でもう一度検討するということもできるし、今度は3万7,000件 やるわけですね。 ○田中老人保健課長補佐 目標として、それだけのサンプルを見込んでおります。 ○今井委員 そうすると、小山先生にお聞きしたいんですが、こういうことで、少し要 支援に関連するような項目を選んでおいて、判別できるかどうかというのも、一次モデ ルでできますね。 ○小山委員 済みません。恨み言なんですけれども、要支援2というのが、制度ができ てから後でできたもので、何かすごくつらくなってしまったというのが事実なんですけ れども、私は今、ちょっと変なことを言いましたが、「調理」「買い物」「集団で活動 できる」というのを入れて、この10項目のうちの14-11から20を全部切ることに賛成 なんです。  なぜかというと、多分、多めに入れても、3万何千件やるんですけれども、要介護1 と要介護2を分けるのが、そのデータでどのぐらい統計的に出てくるか、非常に疑問な んです。ですから、要介護1、2というときに、もう1年半もたっているんですから、 要介護1、2を判定する、ちゃんとした研究者の、エビデンスがちゃんとした研究論文 を出してもらわないと、私は、要介護認定のこの項目を減らす、要介護認定に関しては、 なるべく現実のデータで科学的にやらないと、お金がかかっていますし、そう簡単に、 軽々に判断できないんです。  ですから、非常に事は慎重にしなくてはいけなくて、だれかが決めたからそうだった ということになると、説明責任が負えない。事務局としては、5段階までで50幾つ残っ たんですけれども、それにいろいろ理由をつけて、さすがだなと思うんですけれども、 もっともらしいことを書いてあるわけですから、それで消した。  14-26みたいなものはそうではないし、「買い物」が入ったんだったら「調理」も入 れればもっと出るよなという話だったら、せっかく時間がセットされていますので、10 項目までしかできないんだったら、6つ減らして3つ入れて、モデルをやってみて、そ の後、またいろんなことがあるわけですから、小さな地域でも本当に要介護1、2か何 かで、どなたかやってもらえないですかね。  52項目全部やって、要介護1と要介護2というのはどんなになったかというのを補足 資料でやってみれば、それでまた復活するものがあれば、今度のモデル事業に入れられ るかというと、今度のモデル事業で要介護認定をつくってしまうんだから入れられない ので、しようがないから、要介護審査委員会で重要として見てもらうのはこうですよと いう話にしないと、なるべく要介護認定に何かを加えたり、何かを足したり、それが人 間の専門性だったり、もっとひどいことを言えば、申請がたくさん入れば入るほど、要 介護認定のロジックに対する信頼感がなく、要介護認定に対する信頼感がなくなるとい うことは、介護保険制度全般に対しての信頼度をなくすわけです。  ですから、ここは心を鬼にしてきちっと、4まではよかった、5は理由がついた、理 由がおかしいものを鳥羽先生が御指摘された、それについては入れてみましょうという 形で、もう一個、条件5で出た10項目については、聞いてもなかなか難しいよね、結局、 項目自身に瑕疵があるわけですから、その瑕疵がある項目をなぜモデルで3万何千人や るんだということになりますから、私は理論的には4−11〜25は外して、10項目以上は できないとおっしゃっているんですから、そうすると、何かよくわからないんですけれ ども、6個引いて3つ入れるから、7つで、セブンスターでいいかななんて思います。 ○開原委員長 ちょっと待ってくださいね。今のところ、6つではないですか。「調理」 の話を復活させて、「集団」と、もう一つ何か復活させるのがありましたか。 ○小山委員 「調理」「集団」で2個ですか。 ○開原委員長 2個なんですよ。そうすると、セブンスターではなくてシックススター。 ○小山委員 6ですね。 ○開原委員長 11〜20を全部切ってしまうというのは、多少しのびない気もするんです が、安西先生、生かす立場から、何か大丈夫なのがあれば、1個ぐらいは残すのは。 ○安西委員 現在の要介護の判定としては、ADLはADL、一部、IADLが入って いると思うんですけれども、コミュニケーションと認知機能といいますか、それを何ら かの評価可能なところに落とし込んで組み入れていくというのが今後必要なんではない かと、イメージの中でそう考えております。そうしますと、今回の、今、評価が難しい と言っているのは確かにそうなんですけれども、例えば具体的な作業指示が必要とか、 こういったことは確かに評価は難しいけれども、認知機能への踏み込みとしては、組み 入れられれば組み入れたいと思っているところではあるんです。 ○開原委員長 この中で、比較的、客観的に評価できるとしたら何ですか。 ○安西委員 13かなと思うんです。例えば、洗顔とか、日常行動について、援助者から 言われれば行動できるかできないかというのは、日常援助にかかわっている方では評価 できるかなと思うんです。 ○開原委員長 つまり、14-13ということですか。 ○安西委員 はい。 ○筒井委員 それは、でも、「指示への反応」というのが認定項目の中にあるので、同 じことだと思うんです。 ○鳥羽委員 ですから、資料の16ページ〜23ページまでのところに認知症の記憶、あ るいは周辺症状、コミュニケーションに関する項目が相当たくさん挙げられております。 ですから、落ちているものは実は抑うつと無欲のものが今まで入っていないんですね、 要介護認定。ですから、そこを加えてほしいと前から申していますけれども、周辺症状 の中でも、新しく項目を付け加える場合には、その要素として第1に足りない。  第2には、もしそのような項目を加えた場合に、それに対して有効なケアプランが最 近、非常に開発されているので、これらは入れてほしいということがあれば入れるべき でしょうけれども、そうでない場合には、この項目が新しく二重にならないという保証 が余りないので、どうでしょうかというのは私も同意見です。ばっさり切ってもいいの かもしれません。 ○開原委員長 今の鳥羽先生の御意見は、特に追加しなければいけないものはないとい うことですね。 ○鳥羽委員 そうですね。ちょっと見ますと、「ひどく心配する」というのがあるんで すけれども、実際は「感情が不安定」というものがあったり、大体、前の中に要素とし ては入ってしまっているんではないかと思います。ですから、殊更新しい要素があるか どうかを、調査結果ではなくて、この中で、論理的にみんなで1項目ずつ検討してみる のがよろしいんではないかと思うんです。 ○開原委員長 それでは、今の御意見をまとめると、14-11〜14-20は切ってしまってい いだろうということで、それに先ほどの12−1と14-20を加えて、全部で6項目に減ら すことになりますが、それを加えて今度のモデル事業をやるということに、大体の御意 見が収れんしたように思うんですけれども、そのことについて、いかがでございましょ うか。 ○村嶋委員 私は「調理」を復活させるのは賛成なんですが、12−1がいいのか、13− 1がいいのか、それはちょっと御検討いただいた方がいいと思います。  データを見ますと、37ページの12−1と39ページの13−1は大変似ております。違 いは、12−1が献立づくりを含む、その人の生活に対するコントロール感といいますか、 そういうのを含んでおり、13−1は簡単な調理ということで、何ができるかという、自 分でどのぐらい動けるかということがメインになっているのかなというふうに思います。  結果としては、どちらかも非常に似ておりますので、どういうふうに統一感があって、 わかりやすいかということなんですが、簡単な調理だと、ここはイメージがそろいにく いということだったらいいんですけれども、例えば、電子レンジで温めるとか、何か混 ぜるとか、そういうものがきちんとイメージできるんだったら13−1の方かなというふ うに思うんです。表現の問題ですね。 ○開原委員長 鳥羽先生、何か御意見ありますか。 ○鳥羽委員 この料理に関しては、今、言ったのを別々に聞くんではなくて、簡単な調 理ができるか、複雑なところまでできるか、献立まで考えてできるか、この3つの設問 は上手に混ぜて1つにできると思います。欧米の設問形式は大体そのようになっている と思います。 ○開原委員長 データから見ると、両方ともまあまあのデータの格好はしていますね。 そうすると、12−1、今からこの設問自体をいじくるということはできるんですか。 ○田中老人保健課長補佐 今の鳥羽先生の御意見に関しての御説明といたしましては、 データとして、非常に単純に調理ができるというものでしか取っていないことと、逆に 簡単な調理ができるという時間しか取っていないので、2つの要素を組み合わせた質問 ということに関してはデータがないのです。 ○鳥羽委員 データがないということ。 ○田中老人保健課長補佐 はい。 ○鳥羽委員 ですから、話を蒸し返すようですけれども、料理に関して、どこをターゲ ットにするかということで、要介護2、3、4、5を分ける必要は全然ないので、今ま でにあるデータは非常に数少ないですけれども、要支援2、1、要介護1というところ の判別に一番役に立つのを選ぶとしたらどれでしょうか。ということは勿論、ある程度、 手の込んだ料理とか、簡単な料理でないことは間違いないと思います。 ○今井委員 男女差というのは考えないでよろしいんですか。 ○筒井委員 もともと男女差がとてもある項目なんですね。 ○今井委員 例えば、お茶を入れるというのは男もやるんでしょうけれども、複雑な料 理とか、男女差を考えると、これは付けづらい部分があるのかなという気はしないでも ないですが、いかがですか。 ○鳥羽委員 おっしゃるとおり。ですから、これは余り男性には、特に70歳以上の男性 は料理をしない人が多いので、ちょっと使えない項目なんです。男性はだめだからとい うことであれば、料理自体を削除してしまうということになります。ただし、若い人で は大分できるようになっているようです。そういう意味で、簡単な料理というところで 妥協する方法もあります。 ○開原委員長 それでは、御意見はいろいろあるでしょうけれども、データの格好から 見ても、どっちを取ってもよさそうですが、13−1の「簡単な調理」というのを取ると いうことにさせていただいてよろしいですか。  それでは、先ほど申しましたように、6項目が落ちて、2項目が復活をして、したが って、全部で4プラス2で6になりますが、田中さんの方としては、10でなくても、そ れでよろしいですか。 ○田中老人保健課長補佐 結構でございます。 ○開原委員長 それでは、もう一度繰り返しますが、先ほどの原案の中の14-11〜14-20 までは落とします。それから、13−1と14-26を復活させて、そこをプラスして、全部 で6項目というのをここの検討会の結論といたしたいと思いますが、それで御異論はな いでしょうか。どうもありがとうございました。それでは、そういう形で調査項目を決 定させていただきたいと思います。  以上で議題の2は終わりにいたしまして、議題の3のその他というのがあるんのです が、これは何かありますか。どうぞお願いします。 ○田中老人保健課長補佐 まず、議題2の確認をさせていただきます。11-3-16「話がま とまらず、会話にならない」、12−6「買い物」、13−1「簡単な調理ができる」、14 −9「自分勝手に行動する」、14-25「意味もなく独り言や独り笑いをする」、14-26「集 団への参加ができない」、この6項目でよろしいでしょうか。この6項目を用いまして、 モデル事業を実施する予定でございます。  また、資料1−1を使って説明させていただきます。現在、推薦を受けました市町村 に対して、説明会を実施し、ソフトウェアの完成の時期にもよるんですけれども、モデ ル事業は12月に開始したいというふうに考えております。次回の検討会は未定ですが、 樹形モデルの作成等について御相談申し上げたく存じます。  事務局からは以上です。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。  その他について、つまり、今後のことについて、何か御質問がありますか。  このモデル事業と、平成21年度からの本番の間では、まだ少し項目の出し入れという のは可能ですか。それとも、今度のモデル事業はほとんど本番のものだというふうに考 えられるのですか。 ○鈴木老人保健課長補佐 先ほど冒頭にも申し上げたと思いますが、今回、82項目につ いては、認定調査等を同時で実施するという観点から、動かしてはいません。プラス今 回選んでいただきました6項目を含めまして、88項目で一次モデル事業、データの収集 を行いたいと思っております。それが終わりましたら、今度は全体88項目をまた取捨選 択していただき、残ったものについてでロジックを作成していくというようなことで考 えているところでございます。したがいまして、今回、82項目は手をつけませんでした が、次回のときには何らかの検討をいただくということになると思います。そのときに、 一次モデル事業の結果の御報告も含めて、またこの会議を開催させていただきたいとい うふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○開原委員長 この問題は、先ほど小山先生もおっしゃったように、非常に大事な問題 でもあるし、皆様も御関心あると思うので、できれば少し事前に皆様にも御検討いただ いて、ここで初めてデータを見て、それで大変大事なものを決定しろと言われても、皆 さんも困ってしまうと思うので、次回はそういう事前のプロセスをできればお願いした いと思います。 ○鈴木老人保健課長補佐 今回は大変時間がなくて申し訳なかったと思っております。 次回につきましては、データの方も入手して、ある程度まとまったときに一度、先生方 にも結果については御相談させていただいて、またその後に会議を開くような形にさせ ていただきたいというふうに思います。 ○開原委員長 それでは、今日は終わりますが、よろしゅうございますか。どうも大変 ありがとうございました。 2