07/06/29 第2回糖尿病等の生活習慣病対策の推進に関する検討会議事録 ○日時:平成19年6月29日(金) 10:00〜11:30 ○場所:三田共用会議所 大会議室(A〜C) ○議事次第 1.開 会 2.糖尿病等の生活習慣病対策を推進するための方策について 3.その他 4.閉 会 ○出席構成員(敬称略・五十音順) 井伊久美子、今村聡、春日雅人、北村惣一郎、笹月健彦、篠崎英夫、久道茂 井上浩一(二見大介構成員代理)、渡邊昌 ○オブザーバー 亀井国立成育医療センター運営部長 ○厚生労働省出席者 矢島健康局総務課生活習慣病対策室長、平子医政局国立病院課指導官 ○照会先 健康局総務課生活習慣病対策室(内線2974,2971) ○矢島生活習慣病対策室長 定刻となりましたので、ただいまから、第2回「糖尿病等の生活習 慣病対策の推進に関する検討会」を開催させていただきたいと思います。  まだ、1人委員が御到着いただいていないようですけれども、今、御連絡をとらせていただい ているので、間もなくお見えになるかと思います。  まず初めに、本日の出欠状況について御報告をさせていただきます。二見委員からは、御欠席 の連絡をいただいておりまして、代理として井上常任理事に御出席をいただいております。  それでは、以降の進行を久道座長にお願いをいたします。 ○久道座長 よろしくお願いします。  前回の会合における議論を踏まえまして、今日は具体的な生活習慣病対策の推進方策について 検討を進めていきたいと思います。  それでは、議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、お手元にございます資料について、御確認をさせていた だきます。  まず、議事次第、座席表のほかに、資料1といたしまして「糖尿病等の生活習慣病対策の推進 に関する論点(案)」。  資料2といたしまして「新健康フロンティア戦略における糖尿病等の生活習慣病対策の推進に 関する議論」。  資料3といたしまして「糖尿病対策推進会議について」。  資料4といたしまして「生活習慣病予防活動支援モデル事業について」。  資料5といたしまして「栄養ケアステーション事業の『事業領域』概念図」。  参考資料1といたしまして「糖尿病対策推進会議について(補足資料)」。  参考資料2といたしまして「国立高度専門医療センターの今後のあり方についての有識者会議 報告書(案)」。  参考資料3といたしまして「健康日本21の中間評価報告書(抜粋)」。  参考資料4といたしまして「新健康フロンティア戦略〜健康国家への挑戦〜」でございます。 もし、不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し付けいただきますよう、お願いをいた します。 ○久道座長 よろしいでしょうか。  それでは、早速議事に入ります。  まず、第1回目の検討会でいろいろ議論をいただきましたので、それを踏まえて、糖尿病等の 生活習慣病対策の推進に関する論点を整理しておりますので、事務局から資料1の説明をお願い いたします。 ○矢島生活習慣病対策室長 それでは、お手元の資料1「糖尿病等の生活習慣病対策の推進に関 する論点(案)」について、御説明をさせていただきます。  まず「1.糖尿病等の生活習慣病対策の現状」でございます。  ○糖尿病等の生活習慣病は、適切な食習慣、適度な運動習慣により予防可能であるにもかかわ らず、有病者・予備群者の数は増加傾向である。  ○従来のすべての対象者に対する一律の予防・治療方法だけでなく、個人の特徴に合わせた予 防・治療ということで、テーラーメイド予防・テーラーメイド治療の方法の研究開発及び普及が 求められている。  ○糖尿病等の生活習慣病対策としては、糖尿病、高血圧症、高脂血症の予防や治療だけでなく、 合併症としての急性心筋梗塞、脳卒中等の予防や治療まで、幅広い対策が必要であり、各分野に おける専門機関が一体となって対応する必要がある。  ○医師、保健師、管理栄養士等の医療関係者だけでなく、都道府県や市町村の職員、医療保険 者等のさまざまな職種・機関が生活習慣病対策を担うということが、まず現状でございます。  「2.各地域における糖尿病等の生活習慣病対策の推進」でございます。  ○都道府県及び市町村は、健康増進計画を策定し、生活習慣病対策を推進。具体的には、市町 村によるポピュレーションアプローチ、医療保険者によるハイリスクアプローチ。これは、平成 20年4月から実施されます特定健診・特定保健指導のところを指すわけでございますが、それ を実施する。  ○都道府県は、医療計画を策定し、糖尿病、脳卒中、急性心筋梗塞に関する医療体制を整備。  ○各地域において、効果的・効率的に生活習慣病対策を推進するためには、どのような方策が 考えられるかということで、例えば日本糖尿病対策推進会議の活用方策というものがあるのでは ないかということでございます。  「3.地域における糖尿病等の生活習慣病対策の支援」でございます。  ○各地域における糖尿病等の生活習慣病対策を推進するためには、がん対策において、国立が んセンターが果たしている役割を担う機関が不可欠であるとともに、当該機関が、地域における 予防体制・治療体制と有機的なネットワークを構築することが必要だというシステムが既にある わけでございます。  ○運動療法、食事療法、薬物療法等について、個人の特徴に応じた予防・治療(テーラーメイ ド予防・治療)を含め、効果的な予防方法、治療方法の研究開発を行うためには、どのような体 制が必要か。また、どのような研究や事業を行う必要があるか。例えばITを用いた効果的な保 健指導の開発というものもあるのではないだろうか。  ○糖尿病の予防方法、治療方法の開発を効果的・効率的に行う上では、どのような情報を集積 し、どのように活用する必要があるか。例えば平成20年4月から実施されます特定健診・特定 保健指導では、データが電子的に集積されることになる予定でございますので、電子的に集積さ れることとなります特定健診・特定保健指導のデータをどういうふうに活用したらいいかという ものが考えられるのではないだろうか。  ○糖尿病等の生活習慣病に関する予防・治療に携わる医療関係者や、患者や一般国民はどのよ うな生活習慣病に関する情報を必要としているのか。その提供体制はどうあるべきか。  ○生活習慣病の予防・治療に携わる医療関係者や、都道府県や市町村の職員、医療保険者等に 対する研修(人材育成)は重要であるが、国立保健医療科学院等で既に行われている研修のほか に、どのようなものが有用か。  大体、このような論点ではないかと思いますが、勿論これはあくまでも案でございますので、 これを含めて、また御議論をいただければと思っております。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  ただいま説明のありました3つの論点でありますけれども、それぞれ関係する資料を資料2以 降に用意してございます。論点ごとに説明を行った上で、議論を進めていきたいと思います。そ の前に、この3つの論点の案が出ておりますが、全般として、この論点に何か加えておく事項が あるかどうかお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。  なければ、早速個別の論点ごとに検討を進めていきたいと思います。  まず「1.糖尿病等の生活習慣病対策の現状」のうちで、下線が引いてある「個人の特徴にあ わせた予防・治療(テーラーメイド予防・治療)方法の研究開発及び普及」の必要性についてで す。新健康フロンティア戦略賢人会議において、どのような議論が行われたのか、春日委員から 御説明をお願いしたいと思います。その後、事務局から補足の説明等をお願いして、議論したい と思います。  それでは、先生お願いいたします。 ○春日委員 お手元の資料2をごらんいただきたいと思います。新健康フロンティア戦略の第3 分科会の中でメタボリックシンドロームあるいは糖尿病に関してなされた議論につきまして、特 にそのときに用いられました資料を中心に、御説明を申し上げたいと思います。  1ページの上段の真ん中の図にございますように、今後、肥満あるいは糖尿病の患者さんは、 平成19年から新健康フロンティアの10年間にわたりましても、現状のままですと増加する一方 であるということで、この対策をということでございます。  メタボリックシンドロームが、糖尿病、心血管障害、要介護という一連の流れの中で、その一 番上流にあるということで、メタボ対策が重要であると結論されました。  メタボ対策というのは、基本的には肥満対策でありますけれども、肥満に伴いまして、糖尿病 以外にも、高脂血症、高血圧等の合併が生じやすいのですが、特に糖尿病対策を中心に置いた理 由といたしましては、大血管障害(マクロアンギオパチー)の発症には、糖尿病、高血圧、高脂 血症のいずれもが密接に関連するわけでありますけれども、糖尿病では、それに加えて細小血管 障害(ミクロアンギオパチー)すなわち糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害等が 発症するということであります。3ページをごらんいただきたいと思います。  これは、人工透析によって加療されている患者さんの数を示したものであります。そこにござ いますように、2005年12月現在で約26万人の方が透析を受けていらっしゃいますけれども、 そのうち、実に30%が糖尿病性腎症が原因であるという結果になっております。ごらんいただ きますように、透析の原疾患として糖尿病性腎症が増加する一方、慢性糸球体腎炎等が減ってい るわけであります。また2000年からは、新規透析導入の第1の原因が糖尿病になっております。 現在、透析医療費が1兆〜1兆2,500億円ぐらい毎年かかっておりますが、その30%が糖尿病が 原因ということで、医療経済の観点からも、これは非常に大きな問題であると考えられます。  また、糖尿病対策が重要である理由として、これは私の個人的な見解ですが、各種の臨床研究 で経口薬の服用により高脂血症ならびに高血圧はかなりよくコントロールできるという成績が 多いわけです。例えば有名なSteno-2 studyによりますと、高血圧あるいは高脂血症に関しては、 薬剤を服用することにより70〜50%ぐらいの人がその目標値を達成できた。ところが、血糖値 に関しては、15%の人しか目標値を達成できなかったという成績があります。このように高血糖、 高血圧、高脂血症の中で、血糖のコントロールが一番難しいという成績が一般的であります。  4ページでございます。  そういうことで、糖尿病対策というのは、予防から糖尿病の治療、糖尿病の合併症への移行阻 止、そして合併症の治療という非常に幅広い対応が必要だろうということになったわけでありま す。  5ページでございます。  新健康フロンティア戦略では、すべての取り上げました課題に関しまして、研究開発と提供体 制という2つの面からのイノベーションを通じて新しい具体的施策を行うというのが基本方針 でございます。  メタボ並びに糖尿病対策に関しましても、同じようにこの研究開発、提供体制整備の両面から のイノベーションを通してのアプローチというふうに考えたわけであります。  6ページ、まず、研究開発の方であります。  先ほどからお話がありましたように、個人の特徴に合わせたテーラーメイド予防・治療という ことから、まず、そこにあります「遺伝素因」「バイオマーカー」「臨床指標」というものを参 考にして、テーラーメイド予防なりテーラーメイド治療を行わなければいけないのではないか。 そのためには、この遺伝素因、バイオマーカー、臨床指標が解明され、適切なバイオマーカー、 臨床指標が簡便に、なおかつ精度よくとらえることが重要であるということになったわけであり ます。  ごらんいただきますように、遺伝素因に関しては、現在15%程度、バイオマーカーは30%、 臨床指標は約50%解明されているけれども、それを5年間で更に解明するためには、やはり研 究が重要ではないかということでございます。  7ページでございます。  イノベーションの成果に立脚した糖尿病の予防・治療法を開発するということで、例えば生活 習慣の評価に関しましては、現在、ある個人が食事とか運動でどの程度のカロリーをとって、ど の程度のカロリーを消費しているのかというのは、なかなか簡単にはかる方法がない。例えばそ ういうことを可能にする機器の開発も重要だろうと思います。  臨床指標に関しましては、内臓脂肪量も実際には簡単にははかれていない。腹囲は必ずしも内 臓脂肪量を正確に反映しているわけではないだろう。従って、例えば内臓脂肪量をより簡便に非 侵襲的に正確にはかれる方法とか、あるいは基礎代謝量をより簡便にはかれる方法の開発などが 重要であろう。  バイオマーカーでは、いろんなバイオマーカーがございますけれども、例えば内臓脂肪に特異 的なバイオマーカーを見つけるとかということが必要だろうと思います。  遺伝素因に関しましては、現在いろいろ検討されておりますが、東アジア人といいますか、日 本人を含めたいわゆる漢民族での遺伝素因は必ずしもまだ十分に解明されていないと考えられ ます。  8ページは、糖尿病合併症の予防法・治療法の開発でございます。  これに関しましては、1つは、合併症リスクエンジンというものを構築したいと考えておりま す。これは、いろいろなコホート研究あるいは糖尿病戦略研究などの結果を基にして、血糖値と か血圧、血中脂質の値、あるいはたばこを吸っていないかどうか、遺伝素因の有無などを入れま すと、その方がどの程度糖尿病の合併症、例えば大血管障害の合併症のリスクがあるかとかとい うことを計算できるような式をつくって、それによって予防あるいは治療法の選択に役立てよう ということでございます。  また、大血管障害という意味ではイメージング、特に動脈硬化のプラークのイメージング等が、 今後重要ではないかという議論がありました。  9ページでございます。  以上が技術開発といいますか、研究開発でありますけれども、もう一つは提供体制の構築でご ざいます。  ここにございますように、研究開発で新しく見出された予防方法、治療方法も広く国民の方に それを理解していただかなければいけない。そして、さまざまな国民の階層といいますか、対象 者がいらして、すべての方に理解していただくためには、いろいろなルートを使って、「行政」 「地域」「職域」を中心にして、さまざまな方法で糖尿病に関する新しい知識の普及、啓発、あ るいは予防・治療法の標準化等を行わなければいけないだろうということでございます。  10ページでございます。  以上から、メタボリックシンドロームあるいは糖尿病の対策というのは、基礎的な研究から提 供体制の整備まで、非常に広範囲な事業であるということで、例えば研究に関しても、どこでど のような糖尿病に関する研究が行われているかということを把握して、それを評価していくこと も必要でしょうし、あるいは実際の提供体制の整備も全国津々浦々でそういう提供体制の整備が きちんと行われているかを把握することも必要ですし、それをまたフィードバックしていかなけ ればいけないということを考えますと、そのとき出ました議論はこのような対策を全国レベルで 統括する司令塔が必要であるということでした。そのためには、現在あるナショナルセンターに 御協力をいただいて、予防から糖尿病の治療、更には合併症の治療ということで、国立健康・栄 養研究所あるいは国際医療センター、循環器病センター等に御協力いただくのが、現在考えられ る方法ではないかという議論がございました。  そして、行政としての取組みということもありますので、保健医療科学院にも是非これに加わ っていただきたいという議論でございました。  11ページが最後の資料でございます。  今、申し上げましたような点から、1つは、基礎的な研究を含めた研究所が糖尿病対策の司令 塔としては必要ではないか。  もう一つは、いろいろなナショナルセンター等の御協力をいただいて、もしこういうものをつ くるとした場合に、それらを連携ならびに統合する仕組みも必要ではないかと考えております。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  事務局から、追加をお願いします。 ○矢島生活習慣病対策室長 ただいま、春日先生から御説明がありました内容について、ナショ ナルセンター等の役割についてもお話がございましたが、厚生労働省におきましては、国立高度 専門医療センターの今後の在り方について検討を行っております。これはまだ検討中のものでは ございますが、その方向性を御紹介をさせていただければと思います。  お手元の参考資料2「国立高度専門医療センターの今後のあり方についての有識者会議報告書 (案)」でございます。これは、6月25日に行われました有識者会議の資料の抜粋であるわけ ですが、その中の14ページをお開きいただきたいと思います。  この中に、各国立高度専門医療センターが取り組む主な医療課題の概念図があるわけでござい まして、生活習慣病の関係といたしましては、国立がんセンターががんを取り組む。  国立循環器病センターが、脳卒中、心筋梗塞といった循環器病を担当する。  国立国際医療センターが、感染症及び糖尿病等を取り組んでいくという方向で検討が進んでい るところでございます。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  今、お二人から説明をいただきましたが、皆さんから何か御意見や御質問はございませんでし ょうか。いかがでしょうか。特にないですか。よろしいでしょうか。  それでは、また後で御質問があったら戻っていきたいと思います。  続きまして、論点案の2番目、各地域において、効果的・効率的に生活習慣病対策を推進する ための方策として、新健康フロンティア戦略でも取り上げられておりますこの下線のところです が、日本糖尿病対策推進会議について、今村委員から説明をお願いしたいと思います。お願いし ます。 ○今村委員 先ほど、春日先生から御説明をいただきました新健康フロンティア戦略の資料2の 9ページで、地域における行政、職域、地域の中で、普及、啓発、予防・治療法の標準化という ことで、糖尿病対策推進会議の活用といったことが位置づけられております。  私の方は、資料3と参考資料1で御説明させていただきたいと思います。  平成17年2月に日本糖尿病対策推進会議ということで、日本医師会と日本糖尿病学会、日本 糖尿病協会の3者で設立されておりまして「目標とする3本の柱」ということで、(1)かかり つけ医機能の充実と病診連携の推進。  (2)受診勧奨と事後指導の充実。  (3)糖尿病治療成績の向上という3つの目標を掲げてつくられました。  2ページでございます。  日本医師会は、かかりつけ医である診療所医師あるいは勤務医、大学の先生、病院の先生等を 含めて約16万人の医師の集団であります。  また、日本糖尿病学会は 、糖尿病の専門医として、正会員1万4,500人の団体でございます。  3ページ、糖尿病協会は、医師だけではなく、患者さんであるとか、コメディカルの糖尿病療 養指導士等の約8万人の会員であるということで、この3者がつくり上げました。  これにつきまして、一番下に現在の役員名簿が出ております。実は各都道府県あるいは郡市区 レベルで既にこういった形で同じような組織がつくられているところもございます。都道府県あ るいは地区においては、この3者だけではなくて、それぞれ独自に薬剤師の方であるとか、管理 栄養士の方、看護師の方、保健師の方、あるいは行政も入って、それぞれ御自分たちの地域に即 した形でその医療機関であるとか、人的な資源も含めてそういうネットワークをつくられており ます。  4ページの上は、糖尿病治療の標準化ということで、糖尿病学会が「糖尿病治療のガイド」と いうものをつくられているのですが、ガイドを参考にして、より簡便にかかりつけ医が糖尿病治 療の標準化ができるようにというもので、これは参考資料1を見ていただくといいかと思いま す。  これは現物をコピーしたもので、大変量が多くなって恐縮なんですが、表紙から始まりまして 「病診連携」「糖尿病患者初診のポイント」「治療目標・コントロール指標」「食事療法・運動 療法」「薬物療法のタイミングと処方の実際」「糖尿病合併症」ということで、インスリン治療 まで含めてかかりつけ医が診療していくときの手助けになるようにという形で、こういったもの をつくらせていただきました。  また資料3に戻っていただきまして「健診受診率向上のためのリーフレット」。  健診で見つかった受診対象者に対する「受診促進のためのリーフレット」。  「糖尿病患者に配布するリーフレット」。  更に糖尿病の患者さんは、神経障害も大変大きな合併症になるわけで、この足チェックポスタ ーは、医師へも啓発になるし、患者さんにも啓発になるということで、かかりつけ医のところで 定期的に靴下を脱いで足をよく診てもらいましょうというポスターをつくりました。そのとき に、患者さんに実際に神経障害がないかどうかをチェックするための足チェックシートというも のを同時につくらせていただいております。  参考資料1の中ほどに、そのポスターとチェックシートをもう少し拡大したものが出ておりま す。  実は、これをある一定数お送りして、もし必要な部数が欲しければ、是非申し込んでいただき たいということで、全国に資料提供の申し出をいたしましたところ、この参考資料1の26ペー ジにございますように、全国から資料申込の医師が1万9,000人。延べこの足チェックシートと ポスター等を併せて100万ぐらいの数字になったかと思いますけれども、申込がきました。  実は、このチェックシートが、また逆に地域の先生たち、糖尿病対策推進会議を中心とした先 生たちの中で、これを基にいろいろ調べてみようということで、27ページにございますような、 北は北海道から南は沖縄までの111の組織で、これは糖尿病対策推進会議であったり、医師会で あったり、あるいは糖尿病の合併症に関する研究会であるとか、いろんな団体名にはなっていま すけれども、こういったところが延べ1万1,530の施設。右下にございますけれども、1万1,950 の参加医師で患者さん32万1,350人の神経障害を調べようということで、今、全国でこの調査 が行われているところであります。現在進行中で、データを集積しているところであります。  このような形で、これは本当にたまたまこれを目的にして配ったわけではないんですけれど も、全国のかかりつけ医、あるいは専門医の先生たちがこれを使って、今、こういう動きを始め ているという現状でございます。  今後、医療計画の中で4疾病の医療計画、糖尿病の医療計画をそれぞれの都道府県で作成しな ければいけないということになっているわけですけれども、その中で行政を中心として、あるい は糖尿病対策推進会議がお役に立って、そういった計画を立てていければ、非常に効率的にでき るのではないかと考えております。  以上です。 ○久道座長 どうもありがとうございました。  ただいまの説明に何か御質問、御意見ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、続きまして、日本看護協会、日本栄養士会の取組みについて、井伊委員と井上委員 から御説明をお願いします。  最初に、井伊委員からお願いいたします。 ○井伊委員 それでは、資料4をごらんいただきたいと思います。  資料に少し不備がございまして、申し訳ございませんが、傍聴の皆様におかれましては、資料 4の1、2枚目と3、4枚目の順番が変わっておりますので、入れ替えてごらんいただきたいと 思います。委員の先生方には、この順番で御説明をさせていただきます。  そして、この表題ですが、これは日本看護協会が実施している生活習慣病予防活動支援モデル 事業ということですので、日本看護協会生活習慣病予防活動支援モデル事業ということで御了解 いただきまして、説明をさせていただきたいと思います。  これは、来年度から特定健診保健指導がスタートするということを前提にいたしまして、今年 度このモデル事業として、そこに書かせていただいておりますように、対象、地域、領域で13 事業者、産業保健領域で3事業者のモデル事業を今年度から開始をさせていただいているという 進捗状況です。  当初、保健指導につきましては、協会の中でも検討委員会を立ち上げまして、まず看護協会と して、保健指導の質の向上と確保ということを主眼といたしまして、このモデル事業を立ち上げ るということで進めさせていただいています。  実施内容といたしましては、昨年度からこれは準備をしておりますので、準備段階として、そ れぞれ事業者の地域分析、健康診断等の既存の情報分析、それぞれこれまでも取り組んでまいり ました保健事業の振り返り等を経まして、そしてそれぞれの事業に参加をする一般の対象の方々 の選定をするという準備をしております。  とりわけ、これは地域保健の中では特にその対象になる方々の生活状況、その方が持っている 地域の文化背景などが関連してきますので、主に家庭訪問を中心にして、対象の方々のアセスメ ントをしていくという準備を昨年度中に行っております。  プログラムの内容ですけれども、実際にどういう内容でこのモデル事業をしているかというと ころですが、これはグループ支援の1つのモデルということで御理解いただきたいと思うんで す。保健指導の実際の現場では、やはり習慣を変えるということが大変大きな課題だと認識をし ております。疾病の理解ができても、だからといってすぐ自分の食べ方を見直していくという保 健行動に直結する方がたくさんいるわけではなく、そこが難しいというのが実情だと認識をして おります。  また、その習慣を変えるということにつきまして、生活を見直すとか、御自分で改善点を見つ けていくとかということは、言葉で言うと簡単ですが、実際の生活場面ではなかなかそこが難し いということもありますし、一度習慣を改善いたしましても、それを維持していき、安心すると また戻っていってしまうというのが実情ですので、こういう継続支援ということにつきまして も、何らかの方略が必要だろうということです。そういうところに小集団のグループダイナミク ス等を活用して、効果性を上げていくということを考えましたプログラムということで作成をし ているところです。もう既に、今年度5月、6月でそれぞれの事業者で活動を開始させていただ いております。  めくっていただきますと、イラストの入ったイメージ図があります。これは住民に参加してい ただく一般の皆様にもどういう活動展開であるということを御理解いただかないといけません ので、イメージが湧きやすいようにイラストを入れて、イメージ図としてつくらせていただきま した。  このモデル事業につきましては、当初、保健指導の質の向上と確保ということを目的に、実践 的に実際の対象の皆さんとプログラムを精練しながら保健指導の内容をよくしていこうという ことで進めているところなんですけれども、もう一つの大きな検討課題は、今回がこの保健指導 につきまして、受託をしていくということがございます。このモデル事業者の方々には、実際の プログラムの内容についてもさまざまな立場で御検討いただくところなんですけれども、もう一 つは、このモデル事業を通して、受託化ということについても同時に御検討いただくということ で、このモデルだっただけだということで終わらないように展開したいということを考えており ます。  2枚めくっていただきまして、そういうことを前提にいたしますと、日本看護協会といたしま して、これはまだ仮称ですし、この構想は案の段階でございますが、健康生活支援センター的な 役割を各地域ごとに展開をしていくということが必要になるだろうということで、現在こういう 構想の検討に入っているところです。  事業内容といたしましては、訓練された保健師の人材確保紹介事業。この保健指導につきまし ては、私たちはこれは保健指導技術としても高度なものが要ると考えておりますし、実際のこの 指導に当たる専門職もある一定の熟練を要すると考えております。ですので、訓練された保健師 のということを想定した人材確保というのを1つの柱として挙げさせていただいております。  2つ目は、実践者の研修。これは、今年度もう既に2回実践者研修を行っていますが、これを 継続的にいたしますのと、フォローアップとしてスキルアップをしていくような仕組みを検討す るというのが2つ目の柱です。  3つ目が、健康づくり支援事業ということで柱を挙げさせていただいております。このハイリ スクアプローチと同時にポピュレーションアプローチが非常に重要だと考えます。ですので、も う既に各市町村ではさまざまな取組みがありますが、そういう中からこの生活習慣病予防に係る ポピュレーションアプローチとして有用な手法を開発しないといけないということで、これを挙 げさせていただいております。  これにつきましても、昨年度ポピュレーションアプローチの事例を全国から35例収集させて いただき、その中から10例を事例集として掲載して、皆様に御提供しているところです。  そして、4番目が特定保健指導委託請負事業ということで、このモデル事業を通して受託をし ていくということを考えています。  こういう4つの柱立てをいたしまして、これを今回だけで十分なことではありませんので、各 地域に応じた展開が必要だろうということで、47都道府県看護協会との連携の中で、こういう 構成を検討していくということが現在の進捗状況です。  最後の4枚目は、その構想のイメージ図でございます。  以上です。 ○久道座長 どうもありがとうございます。  それでは、井上委員からお願いします。 ○井上委員 本日は、二見専務の方がやむを得ない事情がありまして、かわりまして、私、井上 が栄養ケアステーションについて御説明させていただきたいと思います。  説明資料については、資料5を見ていただければと思います。  栄養ケアステーションの構想につきましては、栄養士会も4〜5年ぐらい前から、身近な地域 において簡便なといったらいいんでしょうか、気軽に相談に乗れるような地域の拠点というのが 必要であろうという考えをしておりました。それで今回、医療改革制度の下で特定健診保健指導 が来年の4月から始まるということで、これらにも併せて、この栄養ケアステーションをひとつ きちっと地域に根差した形で進めていきたいという考えで、今、栄養ケアステーション事業構想 という形で進めさせていただいております。  1ページ、栄養ケアステーションにつきましては、あくまでも今回の特定健診保健指導だけで はなく、やはり私たち栄養の専門家としてその対応をするためには、こういう学校から、または 一般の勤めの方、または介護が必要な方までの幅広い範囲において対応が必要であろうと思って おりますので、この辺を踏まえた形での事業は、今どんなことが栄養ケアステーションでできる のかということで模索検討中でございます。  2ページは、現在進めている構想の中の一部としてのイメージ図でございます。  基本的には、日本栄養士会の本部を中心に置いて、リーダー研修または情報収集・提供、情報 解析・検証といったところまで、これらも含めて、私たちだけではなく、関係団体または民間の 機関とも連携を図りながらこの辺を進めていきたいという形で今、準備を進めているところで す。  もう一つ、やはり地域に根差したということを考えておりますので、当然、今までの考え方を しますと、都道府県の栄養士会にそのケアステーションを打ち立ててやるということで止まって いたわけですけれども、今回の健診保健指導をきちっと確実に実施していくためには、私たちは やはり地域に拠点をきちっとつくっていくべきであるという考えをしております。この拠点づく りについては、大変厳しい面もあるわけですけれども、私たちは今、関係部署または民間機関と いうか、民間企業さんも含めて、私たちは拠点をつくりながら一緒に共同でやっていけるような 事業で、地域の方々に何らかの還元ができないだろうかということで、今、検討をしているとこ ろと思っていただければと思います。  この資料の中では、二次医療圏において支部をということでありますけれども、願わくば、私 たちの希望でございますけれども、やはりもっともっと身近なところとなれば、市町村に1個ぐ らいはこういう拠点があったら、もう少し身近なところになれるのかなという気がしております ので、今後、これらについては鋭意検討をしていきたいと思っております。  今、栄養ケアステーションについてはそのような準備を進めておりますけれども、現在進めて いる点について御説明しますと、先ほど、看護協会さんの方からもお話がございましたように、 厚生労働省さんの方から看護師さん1万人ぐらいの養成は必要だろうねということがございま したので、それに向けまして今、実際に各都道府県で計画を立てて研修を開いて、人材の育成に 努めております。  それに併せて、当然ながら、人材を育成するだけではなくて、やはり活用ということが当然必 要になりますので、私たちも今、人材の登録、紹介という形でのシステムを日本栄養士会が中心 になりまして、検討を進めております。どのような形でシステム化して、紹介またはその請負を するにしても、そういう事業に対しての人材の紹介、人材を派遣とは言いませんけれども、そう いったところの事業を進められないかということで今、検討しております。  また、当然ながら、今回の事業を進めるに当たりましては、先ほど来お話ししておりますよう に、私たちは小さい団体でございますので、この拠点づくりというのはなかなか大変なところが ございます。ですから、私たちも何らかの事業を進めるに当たっては、やはり行政機関、または 医師会等関係団体さん等に御協力をいただいて、そういう指導をする、支援をするといった場所 の提案等についても御協力をいただけないかということを考えております。  また、先ほど来お話ししております民間企業ということもございますので、民間企業とも連携 を図って、拠点を協力していただけるようなところについても、模索しております。  この中で、最後に3ページを見ていただきますと、栄養ケアステーションでまだ検討中でござ いますが、今後やれるものとして、このように(1)〜(3)という形で、人材の紹介、研修会 での運営・企画、そして情報の提供・収集といったことを今、この拠点のところで進めていきた いと思っております。  特に、ここは少し国の方とのお考えとも多少違う部分があるかもしれませんけれども、私たち は、いろんな地域で行っておりますと、やはり私たち栄養の専門家からしますと、今の健康食品 の問題とか、そういった問題の相談事業ということもありますので、その辺は私たちも特定保健 用食品とか特別用途食品というふうに国が許可したものについては、何か紹介もしながら、そこ の中での情報も提供しながらやっていけないかということで、模索検討中ということでございま す。  以上でございます。 ○久道座長 どうもありがとうございました。  ただいま、看護協会、栄養士会が現在いろいろ検討されていることについての説明がありまし た。また、今村委員からは、中期におけるこの推進策についての取組みについて、医師会を中心 とした取組みの現状についてもお話しいただきました。  全体を通して、皆さんから何か御意見ございませんでしょうか。  どうぞ。 ○北村委員 今、お聞きしまして、特定健診あるいは保健指導を担当するかかりつけ医と申しま すか、医師会、組織を広く全国的に展開するということであれば、各地区の医師会、看護協会の 方も、各地区の看護協会、そして栄養士さんの方もケアステーション的な拠点作成をねらいなが ら、それに参画するとなると、こういう事業を医師と保健師と栄養士さんとどのような形で束ね てするのか、栄養士さんでも保健師でも医師でもだれでも可能なのか、あるいは地区でまとめた ものをだれかが監督してやるのか辺りは、どういう方向性があるのか教えてください。 ○矢島生活習慣病対策室長 来年の4月から始まります特定健診、特定保健指導、特に特定保健 指導につきましては、医師、保健師、管理栄養士が中心になりまして、特に初回面接ですとか、 いろいろな保健指導のいろいろな計画評価だとか、そういうものは医師または保健師または管理 栄養士が中心になる。  勿論、看護師の方も最初5年間は経過措置があるのですけれども、そういう人たちが連携をと りながらという形になるので、だれが束ねるとかというのではく、いろいろな役割があるのだと 思うのですが、それぞれやはり医療保険者との関係で、どういうふうなやり方が一番いいのか。 それぞれ皆さん持っているものがいろいろとありますので、それをうまく活用していただきなが らやっていただくということが、私はすごく大事なのかなとは思っております。 ○久道座長 どうぞ。 ○北村委員 そうなんですけれども、この3組織体のどこが各地区でプライオリティーを持つか ということです。例えばA県では医師会、B県では看護協会、C県では拠点をうまくできた栄養 士のところがやっているということがあるのか。その各職種別がすべて権限的なものを持ってや るというと、やはりそれを統合するようなものは必要か。各地区におけるプライオリティーをど こが持つか。どういう形になるのかというのがちょっとわかりにくいんです。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 今日の段階ではまだお示しはできていないのですけれども、私ども は今までの検討会の中では、都道府県に地域・職域連携協議会というものがございます。例えば 保健所単位にございまして、そこには勿論地域のサービスを提供する医療関係者、医師会、看護 協会の方、栄養士会の方々も入っていますし、市町村ですとか職域の人たちも皆さん入っていら っしゃいますので、そういうところでいろいろと連携をしながら、調整をしながらうまく地域の 中で、いろ いろな地域によって持っている資源が違うと思うのです。その中でやはりどういうやり方がいい のかということも含めてやっていただくということは、あり得るのかなとは思っております。 ○久道座長 どうぞ。 ○今村委員 特定健診、特定保健指導という新しい制度は、メタボリックシンドローム対策の入 り口の部分で大変重要な制度ですから、ここをきちんとやらなければいけないのは当然のことだ と思いますけれども、これはある特定の法律にのっとってやっていることですので、結局できる 人が医師、保健師、管理栄養士ということで制限されています。  ただ、これは糖尿病対策ということを考えたときに、本当に地域の中にいる人材はそれだけな のか。当然、看護師さんは資格を持っています。例えば民間の資格ではあるけれども、糖尿病療 養指導士の資格を持っていたり、あるいはウォーキング協会が地元でやっているとか、スポーツ センターを活用するとかと、本当にいろんな人たちが連携しなければ、多分これは国民的な運動 として解決できない問題が糖尿病だと理解しています。  その中で、先ほど北村先生から御指摘いただいたように、これは医師会というお名前を出され たんですが、あえて私どもは医師会ではなくて、糖尿病対策推進会議という名前を出させていた だいているのは、いろんな患者さんあるいはコメディカルの方、専門医、かかりつけ医といった 方を一体的に地域の中に入っていただいてやるということを考えて申し上げております。  都道府県の中では、看護師さんが入っていたり、行政が入っていたり、薬剤師さんが入ってい たり、あるいはそういう資格のない方たちも入ったりということでネットワークをつくってやっ ている。ですから、だれが上に立って何かを指令するとかという話ではなくて、やはり地域がネ ットワークそれぞれの地域にある資源、人材がその中で皆さんが相談されてやっていくべきであ ろうと私は思っています。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 誤解があるとまずいので、補足だけさせていただきます。  来年始まります特定健診、特定保健指導は、主にメタボリックシンドロームの予備群になりま すので、一応、特定保健指導は薬物治療をしている人たちは対象にはなりません。  逆に、医療機関で治療している人たちがいらっしゃるわけでありますので、そういう方々は重 症化防止という意味で、現に治療している人たちの、例えば医療機関でやっているいろいろな指 導もあるのだと思います。そういう場合には、勿論医療機関ですから、その中には看護師さんも いらっしゃるわけでありますので、そういうところは、看護師さんの出番だと思っています。  今、私どもは来年の4月からの特定保健指導のあくまでも予備群のところがメインになってき ます。要するに、治療になる前の人たちの予備群の人たちは、看護師さんではなくて、やはり保 健師さんがメインになっている。ですから、医師または保健師または管理栄養士が中心になって いるという考え方で整理させていただいております。 ○久道座長 先ほど矢島室長がお話しした地域・職域連携協議会というのは、実態は最も連携の 悪い協議会なんですよ。年に2回やるかやらないか程度の会議しかやらないのが実態だと思うん です。  ですから、もしこれをきちっとそういうところで連携を密にしてやるのであれば、この協議会 の活性化をきちっとやっていかないとだめかなと思いますね。  どうぞ。 ○笹月委員 今日、お伺いしたわけですけれども、1つには、ナショナルセンターの今後の在り 方有識者会議。もう一つは、新健康フロンティア。この2つの会議で、私ども国際医療センター が、糖尿病に関して、ちょうどがんにおけるがんセンターの役割を担うべしというお墨付きをい ただいて、私どもとしては大変ありがたく思っております。  前回もちょっとお話ししましたけれども、病院、研究機能も勿論既に一部はありますけれども、 国の本当のヘッドクオーターとして機能するためには、やはり両方とも少し強化していただく必 要があろうかと思いまして、これは是非お願いしたいと思っております。  情報の発信など、本当にヘッドクオーターとして機能するためには、糖尿病学会、糖尿病協会、 医師会、地方自治体などいろんなところとの協力が是非必要である。それから、今日お話しいた だいた日本看護師協会、栄養士協会。これらときちんと連絡を密にとりながらスタートできれば と思っております。  例えば日本は肝炎に関しましても、やはり同じような肝炎学会、各都道府県に推進委員会とい うのがあるんだそうですけれども、そこはまだしっかりとスタートが切れていないという県もあ るやに伺っておりますが、糖尿病に関しては、逆に学会もきちんとガイドラインもつくられてお り、対策推進会議も各都道府県で既に医師会を中心にしっかりスタートしているということです ので、これらと今後どのように密な連携をとっていくかというのが、私どもに課せられた1つの 大きな仕事だと思っております。  その中で1つお伺いしたいのは、糖尿病の予防・治療に関しては言うまでもなく、食事、適切 な運動ということがありますが、この運動に関する担当者といいますか、担当拠点が、今日のお 話の中では明確でなかったんですけれども、これはどのように考えておられますか。 ○久道座長 どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 運動につきましては、国立健康・栄養研究所が中心になって、特に 私ども今回の特定健診、特定保健指導をやるに当たりましては、幾つかのガイドラインを作成を させていただきました。その中にエクササイズガイドというのをつくらせていただきまして、内 臓脂肪を減らすためにどういう運動をやっていくかということをやらせていただいたのですが、 それは主に国立健康・栄養研究所の先生方に中心にやっていただきましたので、基本的には、運 動についてはやはり健康・栄養研究所のところがいろいろなものをこれからも担当していただけ るのではないかと期待をしているところです。 ○笹月委員 先ほど申し上げませんでしたけれども、勿論ナショナルセンターとしての国立循環 器病センター、国立健康・栄養研究所、国立保健医療科学院などと密に、やっていかなければい けないと思います。運動のことに関しては、栄養研がヘッドクオーターとなってというところは よくわかりましたけれども、今度は地域、各かかりつけ医、そこまでの本当の患者さんまで届く システムというのをやはりイメージしなければいけないと思うんですけれども、それはどのよう にお考えですか。 ○久道座長 どうぞ。 ○今村委員 運動についてはいろんな団体もあって、厚生労働省も運動指導士等を養成されてい ます。従来から、日本には3つスポーツ医というのがあって、体育協会のいわゆるアスリートを 対象としたスポーツ医。  整形外科的な疾病、感染疾患とか筋肉疾患を診ていく整形外科学会のスポーツ医。  それから、健康増進のためのスポーツ医ということで、日医認定健康スポーツ医ということで、 かなり前から数万人単位で養成しております。  ただ、従来のカリキュラムというものが、必ずしも今回のようなこういう特定健診保健指導を イメージしていない中でカリキュラムをつくられていますので、今、早急にそのカリキュラムの 見直しを行って、従来持っている有資格者の多くの方たちが、今回の保健指導を行える。特に先 生が今、御指摘いただいたような運動指導を行えるような医師としての資格を持てるような形で やろうということで、今、準備はしているところでございます。  特に糖尿病の患者さん等については、はっきりとした有所見がなくても、いざ運動したときに、 いろんな心臓であるとか脳血管障害の合併症を起こす可能性もあり得るという意味で、やはり運 動するに当たってメディカルチェックというのが大変重要になってくるということで、そういう 医学的な知識を持った、なおかつどういう運動をすればいいか、今、矢島室長がお話になったよ うなエクササイズガイドを使用しながら、実際の場でやっていくというときには、やはりある程 度医師のチェックも必要な方たちも出てくるという認識でおります。 ○久道座長 渡邊委員は特にないですか。 ○渡邊委員 はい。 ○久道座長 ちょっと春日先生に聞きたいんですけれども、糖尿病に関する全体としての研究費 ですね。例えばがんに関係すると厚生科学研究費のがん研究助成金あるいは文科省だってがん特 とかありますね。その総額というのは印象として増えているんですか。どうなっているんですか ね。先生が研究をやるにはかなり金がかかるのではないでしょうかね。 ○春日委員 基礎的な研究は文科省、ある程度臨床的な意味合いがあるのは厚生労働省から研究 費を主にいただくということがあると思うんですが、厚生科学研究費の中でも、糖尿病という別 個の枠ではなく、多分循環器の中の一部として今、入っているんだろうと思うんです。 ○矢島生活習慣病対策室長 糖尿病戦略研究。 ○春日委員 糖尿病戦略研究はありますけれども、一般的な厚生科学研究費という意味では、そ ういうことではないかなと思います。  糖尿病研究として日本の中でどういう研究がどこで行われていて全体から見るとどういう点 がまだ不十分であるとか、今後はこういう方向の研究をしたらいいのではないかという評価が、 必ずしも十分ではないかという気もしております。 ○久道座長 それは先生のところに中心にという構想なんでしょうか。 ○笹月委員 先ほど申しましたナショナルセンターの有識者会議でも議論されているんですけ れども、本当にナショナルセンターがヘッドクオーターとしてそれぞれの高度専門医療について 力を発揮するためには、関連研究費のファンディング・エージェンシーになるべきであるという ことが強く言われております。  ただ、今、春日先生からも御紹介がありましたように、糖尿病という独立のカテゴリーが厚労 科研費の中にはありませんので、やはりこれを機会に独立した糖尿病というものを設定していた だくというのが、ひとつ大きな意味を持つのではないかと思います。 ○久道座長 循環器はがんと同じようにそうなっているんですか。 ○北村委員 循環器病の方は、がんとは違いまして、多種類を含んでいます。これは実は私が就 任した後に循環器の研究費と生活習慣病、循環器とつながっているんですけれども、そういう研 究費の枠組みを初めてつくっていただいて、歴史が非常に浅うございまして、その中で多種の関 連しているものが入ってきているんです。  ですから、循環器と申しましても、心臓とかの血管の病気という単独ではなくて、糖尿病も入 っておりますし、少しずつ整理は進んでいますけれども、栄養の問題とか、運動の問題もござい ます。そういうものもかなり広範囲に含まれているのが現状で、今後は多少整理は要るかなとい う気もしております。糖尿病は今、言われましたように戦略研究として大型の5年間のものが進 んでいますので、これを5年の中期が終わった後将来どう持っていくか。それを例えば国際の方 に監督するように持っていくか、あるいはファンディング・エージェンシーも現在ではナショナ ルセンターが請負うには難しい総合科学技術会議との関係もございまして、未知な点が多いんで すけれども、中期計画の結果を見て、ナショナルセンターに任せるのか、あるいは新たな第2期 を始めるのかという議論になってくるのではないかと思いますね。 ○久道座長 これは非常に大事ですね。  何かありますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 研究費につきましては、先ほど北村先生からも御指摘がありました けれども、学術会議の方ともいろいろと厚生労働省全体の研究をどうするかという御議論もあり ますので、その中でやはり我々は今回のこれを踏まえて、これからどういうふうにやっていくの かというのはすごく大事な話だと思っております。すぐ答えが出せる部分とちょっと時間をかけ てやらなければいけない、特に糖尿病に関しては戦略研究がまだ途中ですので、これからまさに 結果が出てくるときなので、余り先走ったようなこともなかなかできない現状にはありますが、 少なくとも今あります、この糖尿病戦略研究は、やはり将来的にどういうふうにやっていくのか ということは、時間はかかるかもしれませんが、きちんとうまく方向性をこれから見つけていく ことがすごく大事な観点だと思っております。 ○久道座長 ナショナルセンターが将来、独立行政法人化されるときに、こういった事業という のは余り心配しなくてもいいんですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 多分これはそちらの方の検討会は別途やっているわけですが、ここ でやっております新健康フロンティア戦略を踏まえた議論は、我々は重要な意味合いがこれから 持ってくると思っていますので、そういう意味では、先ほどお話がありましたけれども、私ども とすれば、今回、国際医療センターに糖尿病の重要な役割をお願いをするようなことができれば、 それは1つの方向性として大事なものになっていくのではないかと思っております。 ○久道座長 ほかにございませんか。  どうぞ。 ○北村委員 春日先生にお教え願いたいと思うのは、例えばこれだけたくさんの予備群の人を糖 尿病としての何らかの医学的なコンサルテーションを行う場合に、かかりつけ医、御開業先生方 が満遍なく糖尿病をある程度はみな診れるのか。やはり糖尿病専門医というのができて、今、御 開業の先生の看板などにも、厚生労働大臣認可糖尿病専門医とたくさん書いておられますね。あ あいう御開業されているけれども、糖尿病専門医をとっておられる方を、優先的にこういう事業 の中で認めていくのか、あるいはかかりつけ医全体としてできるんだというレベルになっている のか。その辺はどうでしょう。 ○春日委員 糖尿病として非常に強く疑われる方が日本全国で740万人と推定されており、実際 にその中で医療機関にかかっていらっしゃる方はその半分ぐらい、370万人ぐらいと考えられて います。それに対して現在、糖尿病学会で認定した専門医は約3,000人です。  これは都道府県にどういう糖尿病に関する医療体制を構築するかということと関係すると思 いますけれども、基本的には非常に血糖のコントロールが難しい人、あるいはかなり合併症が進 行している人を3,000人の専門医で診させていただいて、他の糖尿病患者さんはできるだけかか りつけ医の先生に診ていただこうと考えています。従ってかかりつけ医の先生に、より標準的な 最新の診断・治療法を身につけていただいて、受療率も向上させより多くの糖尿病患者さんを早 期から診て頂こうというのが今後の方向だろうと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○今村委員 今、春日先生にお話しいただいたとおりだと思いますけれども、とにかく先ほども 申し上げたように、かかりつけ医の機能の強化というか、治療の標準化ということが非常に大事 なのではないかと思います。かなり専門的な先生、看板を掲げておられるような方は実際に開業 されていて、糖尿病では本当に専門医の病院の先生と同じレベルで診られる先生もいれば、私の ように一般内科医でありながら、日常診療の中に非常に多数の糖尿病患者をやはり診るわけで す。  そういった中で、我々もアドバイスを専門家の先生からいただきながら、あるいはこういった エッセンスのようなものを読みながら、やはりその辺のかかりつけ医の糖尿病治療の標準化を図 っていくことが我々糖尿病対策推進会議の使命だと思っております。  これは、今まで地域の中で見ると、部分的にいろんなネットワークをつくってやっておられた り、活発にやっておられる専門の先生はたくさんいらっしゃるんですが、やはりそういう点のよ うな話では、国としての糖尿病対策としては不十分だろうと思います。ですから、本当に全国で 均てん化された治療の水準のものがないと、やはりこれは国として対応できないのではないかと いうのが、我々地域でやっている本当の診療所の医師の実感でありますので、そこはうんと力を 入れてやりたいと思っております。 ○久道座長 ほかにございませんか。  先ほど、看護協会の方のモデル事業でいろんなことをやって検討するということなんですが、 いろんな分析をするには、参加対象者が割と少ない印象を受けるんですよ。例えば医療費を分析 するとか、検査結果の効果をどうかというときに、果たしてどうなのかなとちょっと感じたんで す。  ただ、事例を検討した上で、どういうところに問題があるのかというのには、当然この人数で いいと思うんですが、何か具体的な検討プランというか、そういうのはあるんですか。 ○井伊委員 これについては、現在、評価委員会を立ち上げておりまして、でも重要なのはプロ グラムの検討だとまずは考えておりますので、質的にこの事例分析をしていくというのがありま す。  もう一つは、このモデル事業をするに当たりまして、現在のところ、人員がそんなに潤沢にい るわけではありませんので、参加対象者につきましても、無制限にサンプルをとるわけにはいか なくて、こういうふうに実際に投入できるマンパワーとそれに見合う参加者を募集するというと ころで、こういう数になっているというのが現状でございます。 ○久道座長 あともう一つ、この「健康生活支援センター(仮称)の構想(案)」のところの「1. 訓練された保健師の人材確保紹介事業」ですが、これは保険者が特定保健指導をするときに、例 えば常勤の保健師、栄養士を雇えないというときに、その指導するときに合わせて派遣をすると いうことを構想されている事業なんですか。 ○井伊委員 それも1つの在り方だと考えています。  ただ、今の段階ではそこに限定して検討するというよりは、もう少し幅広く、登録制にすると かいろんなアイデアがあると思いますので、それも含めて、仕組みとしても検討したいと考えて おります。 ○久道座長 それから、もう一つ。下の方に「4.特定保健指導委託請負事業」とありますね。 これは一括して協会が引き受けてやろうという構想の1つですか。 ○井伊委員 将来的には、そうです。  ただ、保険者の方々のさまざまな地域状況もあると思いますし、私どものマンパワーもまだ潤 沢ではございませんので、保健指導の一部をいただくということも、スタート段階では調整しな がらいかないといけないかなと思っております。 ○久道座長 在職保健師とか、勤務していないと在宅保健師は、今どのぐらいいるんですか。 ○井伊委員 数としては、1万人とか何とかというのがあります。免許を取っている人と、現在 従事をしている人の引き算をするとこういう数があるというのはあるんですけれども、済みませ ん、今、明確な数はありません。  でも、免許取得者と従事者の引き算をした人たちが、完全に在宅かどうかというのは、今のと ころつかんでいないというのが実情です。 ○久道座長 実はそのことがいろんな保健指導をする側に立つ健診機関だとか、いわゆる保険者 の方が、人材をどうやって確保するかというのが最高の関心事だと思うんです。看護師の取り合 いのように、7対1のときに起こったということも起こり得るのかなと思うものですから、やは り、実際にこういうことができる、携わることができる看護師さん、あるいは栄養士さんの人数 が一体どうなっているのかというのを正確に把握しておく必要があると思うんですよ。  これは、厚労省は大体わかるんですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 そこを含めて、関係の団体とも連携をしながらやらせていただかな ければいけないと思っていますし、私ども制度の当初は、余り無理をしないで、徐々に増やして いくということが大事ですので、一応、最初の第1期計画は5年目の平成24年の目標値は示し てあるのです。 ○久道座長 45でしたか。 ○矢島生活習慣病対策室長 保健指導実施率は45%です。  ですので、それぞれの地域の実情に合わせながら、そこに向けて、最初はどこからスタートす るのかというのは現状があると思うのですけれども、その現状を徐々に毎年増やしていくという やり方で、無理なく人材も増やしていただくようにお願いできればと思っています。 ○久道座長 ほかに何か御意見、御質問ないでしょうか。  どうぞ。 ○今村委員 まず1点、栄養ケアステーションなんですが、これは必ずしも管理栄養士ではなく て、普通の栄養士さんも両方という理解でよろしいでしょうか。 ○井上委員 ケアステーションの中には、管理栄養士、栄養士というものは入っていると思いま す。ただ、今回の健診保健指導については、管理栄養士だけ当たるという形をとっています。 ○今村委員 特定保健指導という制度については、管理栄養士さんしかできませんので、この組 織としては両方あるというイメージでよろしいですね。 ○井上委員 はい。 ○今村委員 あと、看護協会の方にお伺いしたいんですが、これは特定保健指導の話なので保健 師さんということになっているんですけれども、先ほど矢島室長からもお話があったように、糖 尿病の場合に発症している人の治療ということでの看護師さんの活用ということについて、何か 協会としてお考えがあるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。 ○久道座長 どうぞ。 ○井伊委員 これもまた正確な数が手元にないのですが、看護協会で糖尿病の認定看護師がおり ますので、治療に入っている方々に関しては、この認定看護師さんたちがかなり機能を果たして いただけると考えております。 ○今村委員 何か組織化のような、例えば都道府県の中で認定看護師さんの集まりがあるとか、 看護協会の中でリスト化されていて、地域の中でネットワークをつくるときに、お互いに情報交 換をしながらそういう何かをつくっていくということは可能かどうかということを確認したい んです。 ○久道座長 認定看護師は100人いますか。糖尿病はそんなにいないでしょう。 ○井伊委員 その数ですので、リスト化はできるというところです。 ○渡邊委員 病態栄養学会で認定をしております。そんな100人、200人ということはないです。 もっと数千人になってきていると思います。 ○久道座長 それは認定看護師ですか。 ○渡邊委員 認定というか、病態栄養学会で糖尿病の看護のね。 ○今村委員 それは療養指導士ですので、また違うんだと思います。 ○渡邊委員 看護のはまた別なんですね。 ○今村委員 違うんです。 ○久道座長 認定看護師はもっと少ないですね。 ○今村委員 療養指導士の方についても、多分まだリスト化がされていなくて、資格は持ってお られるんだけれども、地域地域でどういう療養指導士がそこにいらっしゃるかというリストが、 多分まだ余りないのではないかと思います。できれば、それぞれの団体ごとにきちんとしたリス トがあって、そして団体ごとにネットワークをつくれるということがあるといいなと思います。 ○久道座長 今、何て言いました。 ○渡邊委員 病態栄養学会です。 ○久道座長 病態栄養学会ですね。  ほかにございませんか。  どうぞ。 ○笹月委員 先ほど、今村先生が糖尿病の医療の標準化ということを対策推進会議でということ をおっしゃいましたけれども、その場合には、やはり情報の収集、集約化ということが非常に重 要だと思うんですが、私どもこの糖尿病をお引受けするに当たって、その情報の集約化というこ とをどのようにするかということをいろいろセンターの中では議論しているんですけれども、こ れは厚労省側として何か既にお考えをお持ちなのか、あるいはこれから議論をしていくというこ となのかを教えていただきたいと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 まさにそういう議論がこれから大事だと思っていますので、今日は かなりいろいろな御意見をいただきましたので、そういうことも含めて、いろいろと調整をさせ ていただきながら、これから何が必要か、何ができるかということも含めて、また関係のところ とも調整をさせていただくことが大事かと思っております。 ○久道座長 ほかにございませんでしょうか。  それでは、本日の検討内容を踏まえて、今後また検討すべき事項を整理していただいて、進め ていこうと考えております。今日の資料で参考資料3と4がありますが、事務局の方で何か補足 説明はございますか。 ○矢島生活習慣病対策室長 前回の会合におきまして、生活習慣病対策の現状を御説明する際 に、健康日本21の取組みや進捗状況について御質問がございましたので、補足をさせていただ ければと思います。  参考資料3「『健康日本21』中間評価報告書」でございます。これは厚生科学審議会地域保 健健康増進栄養部会に4月10日に報告をさせていたたいたものがお手元にあるかと思います。 その中のいろいろな中間評価の中で改善したもの、悪化したものがございます。  最初、2ページの上の方でございます。  まず、対象で肥満者の割合につきましては、20〜60歳代の男性が悪化という形でございます。  40〜60歳代の女性は横ばいということで、やや改善をしているというものでございます。  「1 栄養・食生活」の1.8「量、質ともに、きちんとした食事をする人の増加」は改善をし ているということであります。  「2 身体活動・運動」の2.1「意識的に運動を心がけている人の増加(意識的に運動をして いる人の割合)」は、男性、女性ともに増加をしておりますが、2.2「日常生活における歩数の 増加(日常生活における歩数)」は、逆に悪化をしている。  それから、運動習慣者の増加はよく改善をしているというものでございます。  3ページ「4 たばこ」のところは、おおむね改善傾向にあるという形です。  「5 アルコール」のところですが「多量に飲酒する人の減少(多量に飲酒する人の減少)」 は悪化をしております。  5.3の「『節度ある適度な飲酒』の知識の普及(知っている人の割合)」は、ちょっと悪化を しているという状況がございます。  4ページ「6 歯の健康」にきましては、全体的に改善をしております。  「7 糖尿病」については、特に7.4、7.5、7.6は悪化をしております。ですから、糖尿病対 策につきましては、悪化をしているという状況でございます。  大体、以上でございます。 ○久道座長 今の資料の説明で、何か御質問ございますか。  どうぞ。 ○篠崎委員 今の3ページのところです。  たばこについては、幸いにして中間地点で改善傾向が見られるのは大いに結構なことと思いま すが、問題はアルコールですね。アルコールの多量飲酒のところは、しっかりこの検討会で踏み 込んだ方がいいのではないかと思います。次回で結構ですから、まず、どういうお考えがあるか まとめていただきたいと思います。  あと、時間もあれでしょうから、もう一つよろしいでしょうか。 ○久道座長 どうぞ。 ○篠崎委員 先ほどの御説明の参考資料1の6ページと19ページのところです。  特定保健指導をする対象者を選ぶ基準のところで、腹囲を除きましてさまざまな基準値があり ましたね。同じように対策を進める上で、糖尿病対策協議会、医師会が出しているこの雑誌の6 ページを見ていると、右下の「糖尿病型 糖尿病を疑って経過を見る」というか、指導するとい うのはこのグループとも近いんでしょう。そうすると、この基準値が126とかA1cが6.5とかの 数字と、前にお示しいただいた数字は100と5.2でしょう。  19ページの方は、同じように、中性脂肪、HDL、血圧がありましたけれども、これはみんな 数字が同じですね。 ○矢島生活習慣病対策室長 はい。 ○篠崎委員 うちの研究者にいろいろ調べてもらったら、A1cを5.2で切ると国民健康・栄養調 査の中で日本国民の48.8%がそれに入ってしまうんです。  それから、空腹時血糖を100で切るとやはり40%ぐらいが入ってしまうので、対象がすごく 増えますね。それでもいいんでしょうか。数字がこれだけ違う説明をする必要があるのではない かと思います。次回でもいいですけれどもね。 ○矢島生活習慣病対策室長 次回にまた用意させていただきたいと思いますが、今回の内臓脂肪 が腹囲がある、要するに肥満があるという条件でヘモグロビンA1cをやっていますので、そうし ますと4分の1ぐらいにかなり絞られます。 ○篠崎委員 腹囲でかけるからね。 ○矢島生活習慣病対策室長 まず腹囲があった上でのヘモグロビンA1cになります。 ○篠崎委員 そうすると、例えばHDLとか中性脂肪とか血圧は変わらないんですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 それをやった上での形になりますので、またそれは次回に資料を用 意させていただきたいと思います。 ○久道座長 次回にお願いします。  どうぞ。 ○今村委員 これは医師会という話に入りましたけれども、これは実は先ほどのちょっと申し上 げたいのは、糖尿病学会のガイドを日本糖尿病対策推進会議でかかりつけ医のためにエッセンス として抜粋したものです。  ですから、これはあくまでも学会の方でのガイドラインの中ということで、多少その辺の数字 がずれていることは、そのときも議論になったんですけれども、今の御説明のようなことですの で、よろしくお願いします。 ○久道座長 こういうのは調整する必要はないんですか。 ○矢島生活習慣病対策室長 これは検討会のときにも糖尿病学会から代表の方に来ていただい て、いろいろと御意見を伺いながら検討した経緯がございますので、また糖尿病学会も今後、基 準の見直しのときには、それを踏まえた上でまたいろいろと御議論をいただくということです が、今の段階で作業チームとしてヘモグロビンA1c5.2と空腹時血糖100としてのお考えを検討 会でいただいたものを踏まえてつくらせていただいております。 ○久道座長 ほかにございませんか。  どうぞ。 ○北村委員 篠崎先生のところでやっておられる研修がどんな内容なのかを、もし時間があれ ば、見させていただけたらと思います。 ○矢島生活習慣病対策室長 次回にまた用意させていただきます。 ○久道座長 ほかにないでしょうか。次回に対する要望でもいいですよ。よろしいでしょうか。  それでは、事務局から何かございますか。  どうぞ。 ○今村委員 もし次回に間に合えばというか、まだ厚労省から正式に出ていないと思うんですけ れども、地域医療計画の中の都道府県に対する計画の策定のためのマニュアルのようなものを多 分つくられていて、その糖尿病版というのが次回までに既に公表される予定なのか。もしそれが されていれば、大事なことですので、是非こちらでお示しいただければと思います。 ○久道座長 ほかにございませんか。  どうぞ。 ○矢島生活習慣病対策室長 今後の日程につきましては、後日、日程を調整させていただき、お 知らせをしたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 ○久道座長 それでは、本日は、これで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございま した。