07/06/08 歯科医師臨床研修推進検討会 第3回議事録 歯科医師臨床研修推進検討会(第3回) 日時:平成19年6月8日(金)14:30〜16:30 場所:厚生労働省共用第6会議室 ○ 杉戸専門官  それでは定刻になりましたので、ただいまから第3回歯科医師臨床研修推進検討会を 開催させていただきます。委員の先生方におかれましてはご多忙のところご出席いただ きまして、まことにありがとうございます。  本年4月づけで事務局に一部異動がございましたので、ご報告させていただきます。  歯科保健課長補佐の遠山でございます。 ○ 遠山課長補佐  遠山でございます。よろしくお願いいたします。 ○ 杉戸専門官  歯科医師臨床研修専門官の神田でございます。 ○ 神田専門官  神田でございます。よろしくお願いいたします。 ○ 杉戸専門官  よろしくお願いいたします。それでは議事の方を石井座長、よろしくお願いいたしま す。 ○ 石井座長  声が昨日よりは少しはよくなっていると思います。お聞き苦しいところがあるかもし れませんが、よろしくお願いいたします。本日の議事はお手元の次第に書いてあります ように4点ありまして、第1点は俣木先生が主任研究者をなされました、平成18年度の 厚生労働科学研究です。2番目は歯科医師臨床に係る論点整理ですね。これを煮詰めて いきたいと思います。それからヒアリングが必要ではないかとこれまでの議論からも出 てきておりますので、これについてもお諮りしたいと思います。それと今後の予定でご ざいます。  それでは資料の確認を事務局からお願いします。 ○ 杉戸専門官  それでは事務局の方から資料の確認をさせていただきます。お手元のクリップでとめ てある資料でございますが、まず議事次第、その次に本検討会の委員名簿、座席表。資 料1としまして、俣木委員の方から今日ご発表があります厚労科研の特別研究事業の結 果の概要がございます。資料2としまして、前回ご討議いただきました論点整理メモを、 皆様のご意見を少し反映させた形で改訂させていただいたものがございます。資料3と しまして、歯科医師臨床研修制度に係るヒアリングについて(案)という資料がござい ます。あと机上配布としまして、俣木委員の特別研究事業の研究報告書を配布させてい ただいております。落丁等がございましたら事務局へお知らせください。以上です。 ○ 石井座長  よろしいでしょうか。それでは最初に俣木先生の方から、研究班のご報告をお願いし ます。 ○ 俣木委員  それではご報告申し上げます。ご報告並びに説明になります。机上配布いたしました この冊子体の方でございます。あとその抄録といいますかまとめた概要ということで、 資料1を用意させていただきました。  まず最初にこの冊子体の表紙の医療安全医療技術評価総合事業というのは、これは平 成19年度のもので、ちょっと申請の方と報告の方を勘違いしまして、こちらの資料1の 方が正しいタイトルでございます。  詳しくは冊子体の方をごらんいただければよろしいのですけれども、今日は時間も限 られているというところで、資料1にまとめさせていただきました。  本研究の目的は、今後の歯科医師臨床研修制度の運用、改善に向けた基礎的資料の収 集ということです。この研究の内示がありましたのが昨年末ということでしたので、実 際に予算等のすべてが決まりましたのが1月5日でございましたので、それからのスタ ートということで、非常に短期間のうちに行ったものであります。  冊子体の1ページを開けていただきますと、分担研究者が出ておりますので、お目通 しいただきたいと思います。私は主任研究者を拝命しておりますけれども、実際にそれ ぞれの研究を行った分担研究者並びに研究協力者の先生方に大変お世話になりました。  対象といたしましては主にアンケート調査研究ということで、その対象者はここにあ ります研修歯科医、単独型・管理型臨床研修施設の指導あるいは臨床研修の任を担当す る者、また協力型臨床研修施設及び研修プログラムについても研修歯科医から評価をい ただいております。  調査項目はここに書いてあるようなものでございます。主な内容としては、研修内容、 研修効果、研修歯科医のストレスに関係するメンタルヘルス、研修歯科医の分布状況、 中断・休止・再開の事例とその検討、及び歯科大学附属病院、言い換えれば歯科医師の 養成機関である大学のない府県における、臨床研修施設及び研修歯科医に対する聞き取 り調査ということでございます。  倫理面の配慮につきましては冊子体の2ページで、調査期間と方法というところに書 いてございますので、ご一読いただきたいと思います。各分担研究者の研究の単元のと ころにも、さらに詳しい手順を書いておりまして、この点については細心の注意を払っ て研究は遂行されたということでございます。なお本研究は、東京医科歯科大学の歯学 部の倫理審査委員会の審査の承認を得て、行ったものでございます。  結果に移りますが、資料1の結果はこの冊子体にあるものを横書きで書いてあるよう なもので、数字で書いてあるものは、どちらかと言えばわかりやすくした方がいいだろ うと思いまとめてみたのですが、かえってわかりにくくなってしまったかもしれません。 少ない誌面でなるべくまとめるようにということを試みました。  最初の結果でございますが、「研修内容について」ということで、これは一番基本的な 条項になることであります。群方式が全体の60%、単独方式が40%です。これは研修歯 科医の回答が694名、単独・管理型が92施設、協力型施設が309施設ということで、非 常に短期間の調査期間でしたので、全体としてはサンプル数が非常に少ないのですが、 今回はその範囲内での結果ということでございます。  研修期間は大半の95.4%が1年コース、2年コースが4.6%、2年コースは主に歯学 部歯科口腔外科あるいは病院歯科でございます。比率は公私立大学63.3%で、国立大学 の附属病院が27.4%ということでございます。  研修内容につきましては、このくくりはまずカリキュラムプランニングの概念の順番 に並べたつもりです。まず「到達目標の到達度について」、左の欄に回答者はどう思って いるか、平均到達度はどのぐらい到達したと思うかということを、各ユニットごとに基 本習熟コースと基本習得コースで記載しております。また、指導歯科医側、施設側の管 理・単独型の施設の方にこういうユニットに関しては、どの程度重要視されていますか という聞き方でやっております。協力型から同じように、協力型の指導歯科医あるいは 研修実施責任者の方からの回答を、このように何件か得ております。  基本習熟コースを見てみますと、研修歯科医自身では到達度はかなり高いと思われる ものは、やはり医療面接とか予防・治療基本技術、総合診療計画というようなものがあ りますが、低い方を見ますと69.8%の応急処置、あるいは医療管理・地域医療というも のの習得が、ほかのものに比べると相対的には少し不十分という判定になっております。  また臨床研修施設側の各ユニットの臨床研修プログラムの中での重要視、特にその研 修施設でその研修内容について、どの程度重きを置いているかという観点、あるいは実 際にどのくらいできたのかというような意味合いで答えていただいているかと思います。 おおむね似たようなパーセンテージで、すべてが若干低めになっておりますけれども、 総体的な比較としては、やはり医療管理・地域医療が割と低い到達度といいますか、重 要視度ということになっております。医療面接等は比較的高い点、総合診療計画等も比 較的高い部分ですけれども、どうしても応急処置あるいは地域医療というところの部分 が、若干低めになっています。  基本習得コースにつきましては、研修歯科医では救急処置がやはり低いということと、 地域医療がやはり出てきております。医療管理等に関しては比較的高く8割程度が出て おります。ほかのユニットに比べますと救急処置・地域医療が低めということでござい ます。  あと管理型の方から出ていて非常に低いパーセンテージは、やはり地域医療でござい まして、特にこれは協力型でも同じであり、どうしても表の一番右側のところが低めに 出るということでございます。そういう点ではかなり共通点というものが、教える側に も教わる側にも、その辺の到達度、あるいはどのくらい研修を重要視、あるいはこのプ ログラムでよく行われているかということに関する総体的な傾向としては、おおむねこ のような結果になっております。  全般通してずっと行ってよろしいでしょうか。それとも一度切りましょうか。 ○ 石井座長  そうですね。この辺で質問があれば、何かございますか。 ○ 鴨志田委員  重要視度というのは、研修歯科医が到達度をどの位重要視しているかということです か。 ○ 俣木委員  はい。 ○ 鴨志田委員  到達とは関係なく重要視している。 ○ 俣木委員  はい。プログラムの中で。 ○ 葛西委員  上の2つが重要視していて、下の2つがしていないという意味ですね。聞かれている 項目は、重要視している、ややしている、ややしていない、していないの4段階だと思 います。  基本習得コースの救急処置のところの達成度が低いというのは、一次救急で実践する というのもありますから、これはチャンスが相当ないと多分無理だと思うので、多分そ れ以外は座学ですからそっちの方はいいのでしょうけれども、この項目が悪いのだと思 います。 ○ 俣木委員  その研修歯科医の思っている到達度、どのぐらい到達したかという、研修歯科医側か らの評価、到達目標ですね。 ○ 石井座長  よろしゅうございますか。あとこの研修施設としての重要視度というのですけれども、 これは研修を実施してみての感想なのでしょうかね。プログラムを見ただけでは答えら れないでしょう。 ○ 俣木委員  実施した上でのこの時期でのお答えだと思います。 ○ 石井座長  そういうふうに見るのでしょうね。 ○ 俣木委員  はい。 ○ 住友委員  研修歯科医の694名の内訳というのは、群方式がどのぐらいだとかそういうものはわ かりますか。 ○ 俣木委員  群方式が60%、単独が40%です。 ○ 住友委員  研修歯科医の内訳がそうなっている。 ○ 俣木委員  はい、そうです。 ○ 住友委員  わかりました。 ○ 石井座長  ではよろしいですか。続けてください。 ○ 俣木委員  次は方略に移ります。すべての研修を100%としたときの研修内容の内訳ということ で、これも対象を研修歯科医自身に尋ねた部分と、単独・管理型の施設、協力型に尋ね た回答をまとめたものであります。  研修歯科医、研修する側の立場としては、座学が1割弱と実習が11%、見学、アシス トとだんだんふえてきて、やはり自験が最終的には大部分というか「非常によかった」 というか「ためになった」を100%として、「時間だけの意味ではないと思います」の方 に重きを置いている結果だろうと思います。  単独・管理型についても、やはり自験を非常に意識した研修内容のやり方でありまし て、これはほぼ似ているのですけれども、協力型に行きますと若干その辺が変動しまし て、主にこれは診療所が多いかと思いますけれども、やはり実習が他のところよりもふ えて、実習、見学、アシストぐらいがほぼ同じような割合で分布して、自験というのが 若干それよりも低いことになっている。これは施設側からの印象としての研修内容の内 訳ということでありまして、これはやはり回答者の立場の違いで、そのような感じ方の 違いが出ているのだと思います。  この点についてはいかがでしょうか。 ○ 石井座長  この自験という意味がわからない。 ○ 俣木委員  自分で研修するということです。 ○ 丹沢委員  協力型は単独・管理型のところに比べると、研修歯科医のクオリティーをつかんでい ないので、それで実習を一度はやって確認しているのではないですか。 ○ 俣木委員  様子を見て。はい、そのとおりだと思います。そういうのが見えてくると思うのです ね。なので、この辺が本当に横並びというか、実習、見学、アシスト、自験というよう な、何となく流れできている印象が非常にあります。やはり協力型の施設では、そこで 研修される研修歯科医の力量等の判断もある程度必要であり、期間的な問題もあるかと 思いますけれども、やはりこういった段階を追った研修方式が行われていることの表れ だと考えております。 ○ 葛西委員  先生、このその他というのが何か気になるのですけれども、少ないですけれども何か 特におもしろい方略があるのでしょうか。 ○ 俣木委員  自習じゃないですか。 ○ 石井座長  ここは自由記載だったのですか。 ○ 葛西委員  その他のところは自由記載になっていますね。これは何かどこかにあるのですか。 ○ 俣木委員  すみません。分担研究者に照会することを、今日午前中にやってくる予定だったので すが、ちょっといろいろと予定外のことが起きまして、その情報を得られておりません。 申しわけございません。調べておきます。 ○ 丹沢委員  うちなんかでその他に相当するものとすると、先輩とか同僚とディスカッションとい うか、耳学問的なそういう内容を研修ととらえれば、入ってくるのではないかと思いま す。1つのことからかなりいろいろなことを発展させていますよね。 ○ 住友委員  研修会議のような。 ○ 石井座長  いいですか。では次をお願いします。 ○ 俣木委員  あとこれは方略関係でございますので、適切な研修期間について尋ねたものです。  これは研修歯科医の7割ぐらいが1年間、2年間という答えも2割、その他8.8%で す。  管理・単独型ではやはり1年間が35%で、60%というのが2年間を適切とお答えにな っております。  協力型については約6割が1年間、4割が2年間というのが研修期間の回答でござい ました。協力型のみに聞きました適切な協力型での研修期間ということにつきましては、 やはり圧倒的に6カ月ですね。半年間が半分近くの45.8%、あとやはりこれは2年コー スの場合を想定した上での関係と見えますが、1年間の答えもかなりの数があったよう でございます。 ○ 石井座長  ここでどうでしょうか。 ○ 住友委員  6カ月の協力型の割合が多いのですが、この理由はアンケートでとっているのですか。 ○ 俣木委員  ないのです。すみません。 ○ 住友委員  何となくわかるような気がするのだけれど。 ○ 石井座長  今までのいろいろな指導歯科医講習会等での先生方とのお話し合いで、やはり3カ月、 4カ月ではちょっと短い。本当に戦力として使えるようになるには、やはり6カ月は欲 しいという意見が多いですよね。 ○ 俣木委員  それ以上ではまた適切と思われない人がいた場合に、困るのではないでしょうか。 ○ 石井座長  管理型と協力型とで、明らかにどの項目がいいと差がありますね。これは大学と診療 所の違いなのか。診療所でこういう管理型になっているところは少ないですけれども、 そこは管理型になると管理型っぽい意見になるのか、あくまでも診療所なのか。これが 研修の機能の違いなのか、医療機関の機能の違いなのか。感じとしてはわかりますけれ ども、上が大学病院、下が一般病院及び診療所ということなのかですね。 ○ 俣木委員  おおむねそうくくっても、そうは外れないと思います。 ○ 石井座長  大体そうですね。もしそこが見られるのであれば、診療所あるいは一般病院で単独型 をやっているところの状態を知りたいのですね。 ○ 俣木委員  さらに分けて拾ってかまわない。匿名化されているから、元のデータまで見ないとわ からない。ただ、最後の末端のデータだけではちょっと拾えないので、遡らないといけ ないと思います。けれども、病院の単独型は、おそらく40いくつかあるかと思いますの で。 ○ 石井座長  今回、協力型の方が多く答えていますね。 ○ 俣木委員  はい。協力型の方からかなり多くいただいています。 ○ 丹沢委員  これは例えば適切な研修期間に関しては、私が思うには、管理型と研修の部分を請け 負っている協力型の違いがはっきり出てくると思うのですよ。私たちはなぜ2年間やら なければいけないかと言ったら、自分の施設ではあの項目を全部埋める、患者さんが来 てくれて、全部間違いなくやるには2年間かかるということから出ているので、管理型 はやっぱり全体を見て、不足になる部分を埋めるためには2年必要だという発想だと思 うのですよ。それで研修歯科医とか協力型は、そこの協力型の施設に来る患者さんの需 要を満たせるとか、研修歯科医がやってみたいことが一通り満たされてできる。そうい う感覚から判断しているのじゃないかと思うのです。 ○ 俣木委員  特にやはり大学で2年型をやられている医学部の歯科口腔外科、あるいは公立病院等 の口腔外科系の考え方といいますか、そういう機関ではやはりそのような考え方をされ るところが多いかと思います。 ○ 丹沢委員  ただ僕らは口腔外科として反省したりすると、どうしても専門研修だと、卒直後の初 期研修の部分が混在しているのですよ。それで患者さんの数と疾患の種類でどれだけ供 給されるか。そういうことから考えるときに、純粋にその初期研修ということだけで考 えて、そういうふうに言われているところが実際に少ないかもしれないのですよ。やっ ぱり歯科医というのはこうあるべきだとか、そういう概念のために2年間というところ が結構あるのじゃないかと思うのですよ。  そうじゃなくて、疾患の種類とか患者さんの数とかで、やっぱり研修をやるためには、 どうしても自分の施設ではだめだなとか、そういう判断から出れば、この初期研修の適 切な研修期間なのですけれど、何をやるべきかということで2年間主張されるとちょっ と混乱があると、いつも口腔外科の会議では思っているのです。だからちょっと割り引 いて考えてもいいのかなという気がするのです。 ○ 俣木委員  今回のアンケートの結果だけですので、これが一般的な第1回目の新制度のことを、 すべてが直接反映しているかどうか、ちょっと難しいところがあるのですけれども、た だ、今回のアンケートの結果ではということです。 ○ 丹沢委員  もう1つすみません。適切な協力型研修施設での研修期間というのは、どこの時期で 出したかによって、つまりその人の研修期間の後半で出したとかで、充実度がかわるの ではないですか。 ○ 俣木委員  このアンケートですか。 ○ 丹沢委員  そうじゃなくて、研修を受けた人、それから施設の方ですね。それによっても違うと 思うので。 ○ 俣木委員  そうです。ストレスのところでも言っているのですけれども、やはり評価時期とかア ンケートを行った時期とか、時期的な回答のずれというのは出てくると思うので、やっ ぱり研修の途中とか何回かに分けてやる必要もあるのじゃないかと思います。 ○ 石井座長  あとはいいですか。では次を。 ○ 俣木委員  では、資料をおめくりいただきまして評価方法です。これは対象者別に複数回答で、 どのような研修評価方法で評価をされたのか、あるいは自分で評価をしたのか、あるい は指導や評価を行ったのかということであります。かなりの部分で研修歯科医に関して のマークが多かったのが、研修手帳とポートフォリオ、症例検討という順番になってい ます。24.9という数字が観察記録、DEBUTは2割程度です。普通回答の2割でございま すので、かなり少ない。あとレポートと口頭試問ということで、研修歯科医の印象とし ては口頭試問での評価の印象は非常に低いというか、重要度に関しては余り総体的には 感じていないのではないかという結果でございます。  それと対照的なのは協力型では、口頭試問が断然トップに来るというところが特徴的 なところであろうと思います。逆に大学等の単独・管理型のところでは、症例検討会あ るいは研修手帳、レポート、口頭試問、観察記録、ポートフォリオといったような形に なっております。ですので、大ざっぱに言うとポートフォリオの位置づけは、まだまだ 施設側あるいは指導歯科医側の方では、いろいろ数ある評価方法の中では、それほど重 用されていないということです。非常に明確なのは、やはり口頭試問の使われ方という のは、協力型では圧倒的に多いことがわかると思います。それから観察記録、レポート 等がほぼ同じような形で出ていると思います。  この評価のされ方について、これは研修歯科医を対象としたものが適性度と言います か、この適性の性の字がこれでいいのか、あるいは正しいという方が正しいのか私もよ くわからないのですけれども、研修歯科医が今回の評価方法あるいは評価に満足してい るか、不満である、どちらとも言えないということで、これはなかなか何ともどちらと も言えないみたいな結果なのですが、不満はそれほどないけれども、それほど満足はし ていない、何とも言えない、どちらとも言えないような形であります。またこれはしば らく様子を見てみないとわからないのかなと思いますけれども、アンケートのつくり方 等も工夫をしないといけないかと思います。  全体として今回のこの新歯科医師臨床研修制度は「歯科医師としての資質の向上へ貢 献したと思いますか」ということで、「貢献した・少しは貢献した・どちらかと言うと貢 献しない・貢献しない」というような4段階であったかと思いますが、おおむねその辺 は「貢献した・少しは貢献した」を含めますと大体8割以上ということで、このような 印象の回答がございました。よろしゅうございますか。 ○ 石井座長  ここまででいかがでしょうか。 ○ 住友委員  このアンケートを配った時期はいつごろでしょうか。 ○ 俣木委員  2月中旬です。 ○ 住友委員  そうすると評価の適性というのは、まだ修了していない。 ○ 俣木委員  大体3月の頭で終わっていますので。 ○ 住友委員  そうすると多分評価方法をというか、こっちの誠意を感じているのですか。こういう 評価の方法でよかったかということですか。修了証をもらったら、みんな適性であった と言う。満足していると。 ○ 石井座長  それからこれは十何年とか。所属とかそういうのは別ですね。 ○ 俣木委員  別です。なかなか短期間にやったということと、時期的に3月のいろいろなときで、 自宅の作業が相当大変だったのですが、インターネットというか、Web上でちゃんと答 えていただかないことにはデータが集まりませんので、随分期間を延ばして、ホームペ ージ上で中間的な結果も発表しながらできた経緯がございます。 ○ 石井座長  評価方法は、単独型臨床研修施設の方は実際にこれを使ったということだし、研修歯 科医の方はこれを使っていると思っているのか、これでやられているのだろうと思って いるということですね。そういう予測をしているわけですね。 ○ 俣木委員  はい。そういうことで研修手帳を利用しているということの方が正確かもしれません。 ○ 石井座長  だからそういう意味では、研修歯科医は研修手帳とポートフォリオをすごく大事に一 生懸命に自分で管理したりつくったりしているにもかかわらず、施設側はそれほどこれ を見てくれていないということですね。 ○ 俣木委員  見てくれていなくて、やっぱり症例検討会をかなり重要視しているということですね。 ○ 石井座長  ポートフォリオなんかとんでもない。 ○ 葛西委員  ポートフォリオは書くの大変だから。 ○ 俣木委員  研修歯科医は自分のことだけを書けばいいのでいいのですけれど、指導歯科医はポー トフォリオを書くのはすごく大変なのですね。やはりそういう深層心理もあるかもしれ ません。 ○ 石井座長  ありますね。ある意味では評価への傾向と対策というのを思った場合には、研修歯科 医の山は外れているということですね。 ○ 葛西委員  先生これ、管理型施設の回答というのは1施設1回答ですか。それとも複数回答もあ るのですか。 ○ 俣木委員  いいえ。1つの施設からもちろん1回答です。 ○ 葛西委員  これは指導歯科医の方全員に答えてもらうのではないですね。 ○ 俣木委員  ええ、違います。管理型・単独型の数はこの上に書いてある92施設です。多分93の データが出ている場合と、92の場合と個々にあるかもしれませんけれども、その程度で す。 ○ 石井座長  ほかによろしいですか。では次をお願いします。 ○ 俣木委員  これはまたそれぞれ望むことや思いを、研修歯科医が望むこと、管理型・単独型施設 がということで、これも実は、これが大体何人ぐらいあったのかを、ちょっと聞き書き おきをしておかなければいけなかったのですが、ちょっとこれは申しわけないのですが、 実数が不明でございます。ただ、1とか2とか10以下はないことは確認しております。 複数回答で2ケタ以上ということでございます。  「研修歯科医が望むこと」としては、「管理型・単独型施設へ」は、(1)指導歯科医の資 質向上、増員、(2)給与の増額、交通費の支給、(3)やはり患者をたくさんやりたいという 思いがあるのかと思いますが、患者数増加、(4)プログラムの充実というようなことであ ります。「協力型施設へ」は、(1)指導歯科医のレベルアップということで、これが真っ先 に来るということは、やはり管理型も同様で、やはり指導歯科医の資質ということにつ いて、かなりご意見がある。(2)患者数の増加とか多くの症例をやってみたいということ だと思いますが、自験例の増加。(3)おそらく複数の施設を回ったときに感じられている 例かと思いますが、施設間の格差をなくして欲しい。あと(4)研修内容の充実ということ で、これはプログラム内容の充実とほぼ同じだと思います。「国に対して望むこと」とし て、(1)給与の増額か、アルバイトの許容という非常に虫のいい都合のいいことが書いて ありますが、アルバイトというのはなかなか難しいと思います。それから(2)おそらく臨 床研修をされているところの施設等に関して、そういう配慮が欲しいというようなこと を研修歯科医ながらにも思っていると思われる、保険点数の増点。(3)協力型施設の拡充。 あと(4)本制度の是非というところが出ております。  あと「管理型・単独型の施設が望むこと」として、「研修歯科医に対して」は、(1)積極 性、(2)医療人としてのマナー。「協力型施設へ望むこと」としては、(1)診療機会の増加と いうこと。「国に対して」は、(1)研修期間の延長、(2)補助金の増額、(3)事務手続きの簡素 化。事務手続きの簡素化に関しては多少反映されております。  「協力型施設が望むこと」としては、「研修歯科医へ」は、(1)研修歯科医としての自覚、 (2)積極性、(3)コミュニケーション能力の向上。「管理型施設へ」、特に大学へは、(1)卒前・ 初期研修の充実ということで、やはり卒前臨床実習としてもう少し臨床能力を上げるよ うなことを強く望んでいると思われます。あと(2)協力型へ研修歯科医がどのようなプロ セスをへて決まっていくかということの、医療側のそれぞれの関係性でこういうご意見 が出てくるかと思いますけれども、マッチングという回答がございました。(3)情報提供、 これは臨床研修制度そのもののことでもありますし、管理型、協力型の間のプログラム 運用と種々いろいろな情報提供、あるいは研修管理委員会等にかかわるいろいろな情報 の交換等での、やはりもう少しスムーズなことは求められているということだと思いま す。あと(4)受け入れの期間と時期、これはいろいろ各診療所さんのそれぞれのご事情等 もあるようでございまして、この辺ももう少し弾力的に運用してほしいということだと 思います。あと「国に対して」は、(1)補助金の増額と(2)医科との格差是正、これはおそ らく医科と併設されているような病院あるいは診療所等からのご意見、あるいは医療界 全般を見渡した上でのご意見ということです。あと(3)本制度の是非、(4)事務手続きの簡 素化ということでございます。  一応、これで研修内容等に関する1個目の大きな山の終わりでございます。 ○ 石井座長  いかがでしょうか。確かに本文を見ても、研修歯科医が望むことについて(1)(2)(3)(4)と ありますが、数はわからないですよね。 ○ 俣木委員  はい。申しわけないのですが、本当に私もそれが気になって、今日実は午前中に患者 対応のことで完全に時間を取られまして、この準備ができなかったものですから、本当 に申しわけございません。 ○ 石井座長  そこのところで、例えば自験例の増加というのが「協力施設へ」にあるけれども、管 理型にないというのは、では管理型は自験が多いのかというと、(3)番目に患者数増加と いうのがあるから、ずっとずっともっと自験例の増加以上に、要望する内容がいっぱい あったから後ろなのかということもありますよね。このあたり知りたいところですから ね。 ○ 住友委員  結局、声なき声というのはある意味では満足していて、絶対少数の意見なのかもしれ ない。 ○ 石井座長  それもありますね。 ○ 住友委員  よかったという意味ですね。その人たちにはこういう問題点というのは出てこない。 ○ 俣木委員  ただ、先ほど申し上げましたように、1ケタの意見は上がっていません。 ○ 鴨志田委員  指導歯科医の資質の向上を見ると、指導歯科医のレベルアップとそれは違った形です か。 ○ 俣木委員  いや、同じです。 ○ 鴨志田委員  管理型と協力型の指導歯科医に対する違いはありますか。 ○ 俣木委員  私は同じだと思います。たまたま拾ってきたキーワードが、まともな形で一番頭にあ ったのです。協力型で増員というのは無理だろうからということで、増員は入っていま すが、まあ、レベルアップですね。 ○ 歯科保健課長  本制度の是非というのは、どういうことなのでしょうか。内容はちょっとわからない のですけれどもね。 ○ 俣木委員  そうなのですよ。それもあるのでしょう。余り満足な研修は行われなかったのですか ね。私もわかりかねます。 ○ 江里口委員  是非と読めるのですけれどもね。これ全体の望むことと、それから評価方法のところ をずっと見てみますと、指導歯科医の資質それから施設間の是正というもの、それから 自験とか、いろいろな評価全部を含めますと、臨床研修制度の本来の目的は、こういう ことが当たり前のようにあってしかるべきでスタートした制度ですね。もしこれを全部 きちっとやろうと思えば、歯科大学を7年制にするという形の方が、資質も各医院のば らつきもない1つの共通したプログラムで全部やってしまえば、こういうデータが出て こない。各施設での独自のプログラムで、歯科医が6年間の完成型ではない、未完の状 態で出た人たちを、いろいろなプログラムで1人の歯科医師に仕上げていこうという考 え方ですと、必然的にこのように分かれるのではないかと思います。  それから指導歯科医のレベルアップとか、資質の向上ですが、指導歯科医は非常に高 いレベルはあると思うのですけれども、その指導歯科医が現在大学なんかですと、自分 のことが忙しくて、研修歯科医にどれだけ情熱を出すかということの差だと思うのです ね。それと同時にそこの研修歯科医が非常に熱心であれば、当然指導歯科医も熱心にな ってしまうから、その辺の本当に少数意見のような気がちょっと僕にはするのです。大 勢の方は指導歯科医とうまくやって、歯科医として人間的にもいいから、何も言わない。 ここに出てくる人は非常に少数で、歯科医としてというか医療人として、悪く言ってし まうと非常に問題がある人たちに、こういうことが出てくるのではないかなという気が します。 ○ 俣木委員  私も項目を見たときに非常にそれを感じました。本当に出てくる人というのは、聞か なくてもこういうことは言いそうかなと思います。クレームというわけではないのです けれども、そういうご意見の持ち主であるということは、何を反映しているのかなと思 います。 ○ 江里口委員  評価方法のところで、協力型で口頭試問が大きく取り上げられているのですけれども、 どうも協力型では、この口頭試問と症例検討会とかが、何かごっちゃになってしまって いるのではないかと思うのですね。管理型の方は完全な口頭試問というと、純然たる口 頭試問じゃないかと思うので、それで下の方に落ちているのかなという気がして、やっ ぱり症例検討会がトップになるのは当然かなと思います。協力型の場合は、本当の意味 での口頭試問をそこで毎回やっているのではなくて、多分、症例検討会の中に一緒にと 言っては変ですけれども、聞いてみる、そして聞きながら教える、そういうところが強 いのじゃないかなと思います。 ○ 俣木委員  指導歯科医講習会等でよく例に出されていますが、協力型の施設等での研修評価の方 法としては、やはり口頭試問を診療室で実際にやられたり、あるいはスタッフミーティ ングで今日の治療予定とかを書いておきながら、どういうふうにして行うかというよう なことで、実際の診療の準備の段階でも研修歯科医とのやりとりがある。そういう意味 では症例検討会の意味もあるし、今日の診療内容のことについて、こういうことを知っ ていますかとか、こういう場合はどうしますかというような色々な場合を想定した口頭 試問が一番よく出てくるのかというふうに思います。 ○ 石井座長  ではよろしいですか。 ○ 葛西委員  この臨床研修制度の是非という観点としての話なのですけれども、自験の率ですが、 自分でみずからするというのは30%台で、臨床実習だと各大学によって違うかもしれま せんけれども、余り差がないような気がしないではないですが、この制度を維持するに は、この自験の率を本来ならもっと高めなければいけない。その問題の根底にあるのは、 やっぱり患者数だと思うのですが、どうやって研修歯科医の患者さんを確保するか。こ れは各大学病院でどういう工夫があるかという調査も、今後していただきたい。という のは、メリットとデメリットで、患者さんが研修歯科医を担当医に選ぶというメリット は何もないじゃないかという話がよくあって、どうせ大学病院に来たならば、やっぱり いい先生に診てもらいたい。研修歯科医をいいですよと言ってくれる患者さん、あるい は研修歯科医に患者さんを持っていくうまい方法をちょっと考えないと、この自験の率 が上がらない。ここで上がらないと、やっぱり1年間を2年間に延ばしていかないと、 自験の率の30%が多分2年目にはもうちょっと上がるだろうということになるのです けれども、この辺の数字をもうちょっと上げないといけないと思います。  僕は臨床実習のデータを持っているかどうかわからないのですけれども、内容はちょ っと違いますけれども、このぐらいは多分学生レベルでも同じなのでしょうか。俣木先 生、3割というのはどうなのでしょうか。こんなものだと思ったデータなのでしょうか。 ○ 俣木委員  これは100%とした場合に、それは症例数を言っているのか、その研修歯科医にとっ て何が本当に効果があったと思うかという感じ方の物差しが、個人にとって違う受け止 め方をしている可能性があります。だからこれがすなわち症例数を反映しているかどう かは別だと思います。 ○ 丹沢委員  こういう全国一律型で多数の研修歯科医を抱えてやる研修制度というのは、何を目的 としているかということを考えると、実はあるレベルに落ちてしまっている人たちを持 ち上げてやるということを目的としているので、全体として上げるということよりも、 最低限を支えるという意味がすごく大きいような気がするのですよ。そうすると30%ぐ らいというのは、現実の歯科診療で患者さんが減っているとか、いろいろなことを考え ると、そうなのかもしれないのですね。  それからもう1つは、医科とか総合病院の歯科の場合には、実は患者さんとの人間関 係で患者さんを持つのですよね。病院によっては患者さんが来られて、例えばガンだと かほかの内科だとかいろいろなところで本当に1人の患者さんと1人の研修医が治療で くっついて、その患者さんの相談に乗って、何でもその患者さんのことはやってあげら れるわけですよ。ところが歯科なんかでも、補綴だとか保存だとか、何だとかとやると、 それよりもこの歯を治してください、入れ歯を入れてくださいとか、そういう具体的な 疾患でかかると思うのですよね。そうするといろいろな意味で医科の方は、疾患をいろ いろそろえることは難しいですね。それで歯科の方はおそらく数を研修歯科医に回すの が難しくなる。これをもっと大学だからいい先生に治してほしいと思ってくるので、そ の辺は難しい。ちょっとその難しさが違うと思うのですね。  それからもう1つは、診療医療ということでやっている中に研修を持ち込んでいるの で、やっぱり歯科点数も何とかして欲しい。そうしないと資格を抱えられないとか、で きれば研修専門のそれしかやらないスタッフをうちでも雇いたいと思っているのです。 補綴の専門の先生とか、それだけしかやっていかない先生を抱えていますけれども、そ れがなかなか許されない。 ○ 石井座長  では次をお願いします。 ○ 俣木委員  おめくりいただきまして、次に2番目の柱でございますが、研修歯科医のメンタルヘ ルスに関することで、これは日本歯科大学の秋山仁志先生がやられた調査研究でござい ます。  総回答者数は638名で、これは全研修歯科医の約4分の1ということです。これは2 月22日から3月7日という期間でしたので、そのぐらいの回答数であったということで す。この辺は、本年度はさらに工夫をして、回答者数も増加を図りたいと考えておりま す。  2つの大きな評価票がここに書いてありますが、【簡易職業性ストレス評価票】は57 項目でありまして、この平均的な者は健康リスクが大体100ぐらいになるのが、標準的 な集団と言われているところでございます。全体的には102.83ということで、この638 名全体として評価した場合には、このような健康リスクという結果が出ております。  またもう一方の【抑うつ状態自己評価尺度】は20項目のものでございますが、これは 平均が17.06ということで、16点以上のものは若干抑うつ傾向があるということで判定 をされます。ただし、この健康リスクの欄は、回答者数638名の内訳を、各所属の管理 型、協力型という形で一番多いところから書いてございますけれども、大学病院の管理 型と診療所の協力型が309名ですけれども、ここはほぼ平均値と変わらない。ここが平 均に一番寄与しているところだろうと思います。ずっと下の方になってまいりますと、 回答者数がもう12とか5とか2とか1とか、この調査の信頼性というのが非常に問題に なってきまして、この中にも書いてありますように、1つの部署に10名以上、できれば 20名以上のサンプル数がないと、この判定はなかなか難しいということが、この調査を 行うに当たってのマニュアルにも記述されております。ですからこれは非常に高い値が 出ておりますけれども、これはかなり一部の限った数値ということでございまして、※ 印の参考値ということにさせていただいております。従いまして、上の4段目までの集 団のものが比較的健康リスクに関しては参考になるであろうということでございます。 たとえこの高値が出ておりましても、傾向としてはそういう傾向があるというお考えで いいと思います。必ずしもそうだというわけではないということでございます。  抑うつ傾向等について見ましても、この健康リスクと合わせて考えてみてみますと、 それぞれの施設で最高60、最低0という評点になります。かなりの分布をしております が、おおむね13点から17点で、22点というのもございますが、そういう傾向でござい ます。  よく見てみますと、どの施設においても16点以上に若干抑うつ傾向という、ここがカ ットオフポイントという区分点として16点が一応設定されていますので、それをそのま ま入れ込みますと、各施設で大学病院の管理型と診療所協力型でも、半分近くの309名 中145名の46.9%が16点以上になってしまうということになっております。  先ほどの参考値のところの一般病院歯科の単独型というのも、かなりの率で抑うつ状 態みたいなことになりますけれども、これは件数が非常に少ないと言いますか、こうい う一種のある特殊な状況ではあろうかと思います。そういうことを勘案して、これを見 ていただきたいということです。大体の傾向としてこのようなものになるということで す。  評価時期の影響を考慮ということで、これも先ほど言いましたように、2月の中旬か ら3月上旬までという時間ですので、そういう意味ではポートフォリオの評価とか、い ろいろ研修歯科医の抱えるストレスも、調査時点ではかなり高かったことも予想されま すので、そういう意味では、やはり1年の間でもいろいろな時期による違いというもの を考慮した調査方法が必要であろうということを考えております。  研修施設数ですが、単独型は234ということです。1施設と2施設は回った協力型の 数ですけれども、このような内訳になっておりまして、大半は1施設の協力型がかなり 多い。あとは2施設を回られている方は106で、今回の回答者の内訳ではこのようにな っておりました。  メンタルヘルスに関する調査については以上でございます。 ○ 石井座長  いかがでしょうか。 ○ 丹沢委員  抑うつ状態だから病気だということではないわけですよね。 ○ 俣木委員  はい。傾向ということです。 ○ 丹沢委員  それでは研修をしている人間が、この20前後ぐらいまでの軽度の抑うつ状態というの は、ある意味では当然というか、患者さんにもっとやってあげればよかったとか、今日 はあんなことを言われたけれど、やっぱり自分はやっておけばよかったとか、そういう ことを考えてくれなかったら研修にならないので、これはすごくいい結果なのじゃない かなと思います。20点を超えている人は余りいない。 ○ 俣木委員  20点はいません。 ○ 丹沢委員  実際に問題行動を起こしたトラブルというのはかなり特殊なというか、それが後で浮 き彫りになってきて、この数字が役に立って、それで評価されるのかなと思います。 ○ 俣木委員  16点を境にして、16点以上を抑うつ状態と判定して、気分障害の可能性が高いという ことが文献的にも示唆されている程度でございますので、病気というわけではありませ ん。 ○ 丹沢委員  研修に支障を来すとか学習に支障を来すということになると、後で問題行動の人たち のこの基礎データがすごく役に立って、何か点数で出てくるかもしれないですね。それ を期待しています。 ○ 俣木委員  ちなみに医科の方で前野先生の行った同じこのCES−Dの結果を見ますと、やはり 38.7%のほぼ4割近い研修医が16点以上になっているということがありますので、そう いう点ではほぼ似たような傾向は示していると思います。 ○ 石井座長  ほかはいいですか。 ○ 俣木委員  よろしゅうございますか。ちょっと力尽きて3番、4番は非常にはしょっております けれども、3番目の研究は分布等に関する研究で、これは需給のことも含めた形の研究 です。実はこの研修歯科医が日本全国にどのように分布をして研修を行っているかとい うことについては、今回、これで初めて把握されたという意味合いがありまして、研修 歯科医の総数がである2,645名の実際の分布について調査をいたしました。これは69 ページから79ページまでの冊子体の方をごらんいただければ、詳細については記載して ございます。  都道府県ごとに月平均の分布を見たところ、最大は東京都の432.8名、最小は高知県 の2.5名ということで、かなり大きな開きがある。これは73ページの都道府県別、月別 研修歯科医数ということでございます。かなり研修の群方式によって、研修歯科医の分 散化は図られておりますけれども、やはりこのキャパシティ自体は数の上ではかなり当 初心配されていたよりも、おおむね予測されていた程度を確保されていますけれども、 それもかなり地域の格差が大きい。特に地方での受け入れというのが、できればやはり 将来地元で研修したいというような思いもかなりあるようでございます。  あと実際この研究で行ったのは休止例ですね。1月の時点でこの調査しておりますの で、最終的なことは私も承知しておりませんが、休止例としては12例。そのうち内容が わかったものでは病気による休止が7例と、出産が3例ということで、あとの2例は不 明です。あと中断例は16例で、そのうち平成18年度中に再開したものは4例、その他 については不明でございます。  そのようなことで、最終段階での中断例とか未修了例の調査というのは、どのように なっているか歯科保健課の方にもお尋ねしたのですけれども、これは今取りまとめ中で ございます。3番目については以上でございます。詳しくはこちらの平田先生がおまと めになったものもございますので、これはかなり数的データということでございます。 ○ 石井座長  今の休止例、中断例については、厚労省で何か情報はあるのですか。 ○ 杉戸専門官  現段階できっちりとした数としてお示しできるものはございません。ただ、歯科医師 臨床研修制度のホームページの方に、今年度の4月の段階で受け入れて、開始している 数というものは載せてあります。そこに再開の方が含まれているのか、未修了で続いて いる方が含まれているのかというところまでは突き詰めておりません。これにつきまし ては、今後、我々の方としましても、夏までに、各臨床研修施設の方へ、受け入れ調査 という形で調査をかけたいと思っております。それによっては新しい情報をご提供でき るかと思います。 ○ 石井座長  いかがでしょうか。分布についてのご質問はございますか。ではあと最後のところを お願いします。 ○ 俣木委員  最後のこの4番目は聞き取り調査でございまして、非常に短期間に全国の歯科大学、 大学歯学部附属病院の存在しない都道府県を中心に参りました。その施設と研修歯科医 に対する聞き取り調査ということで、これは報告書の80ページから86ページをごらん ください。対象施設は13施設でございまして、これは表1で81ページの左上に書いて ございます。医学部附属病院単独型が2施設、病院歯科単独型が2施設と協力型が1施 設、歯科診療所単独型が1施設と協力型が7施設でございます。その中での聴取した取 りまとめは、表2及び3の方に書いてございますけれども、プログラム責任者、研修実 施責任者または指導歯科医からの主な意見は表2でございます。この中で明らかな誤植 がございまして、85ページの6)その他の要望事項等で、「医科は1年なのに、何で歯 科は1年なのか」ではなく、「2年なのに歯科は1年なのか」であります。  どういう施設からこういうご意見をいただいたのかということは、右端にご意見の出 た施設の属性が書いてございます。歯科大学あるいは大学歯学部附属病院のないところ で聞いておりますので、やはりそういう点は非常に大事な意見と感じております。今後、 特に地域医療ですね。到達目標等でも問題になったのですけれども、このアンケート調 査を取りまとめる前にこの聞き取り調査に行っておりますので、むしろそれを現場の肌 で聞いて感じたという印象があります。どうしても地域医療に関するところがなかなか 難しいとか、地域のいろいろなことがやりにくいとか、指導歯科医、研修歯科医からの 主な意見が表3にも書いてあるように、保健所ではもっと実践的な研修をしたかったと いうのもありますし、あと逆に口腔外科ではGPの臨床の機会がなかったというような 意見もありました。逆に悪かった点と思う研修項目なしというもありますし、いろいろ な評価があります。これは本当に生の声という感じがいたします。  ただ、全体的な印象としては、指導歯科医側の研修歯科医はここに書いてあるいろい ろ要望等はございますが、トータルでは聞き出しているので字面としては表れています。 表3の研修内容に満足しているとか、症例数が多かったので満足している、患者さんは 多かったとか、そういうポジティブな意見もかなりございます。あるいは歯科技工の指 導を受けることができたとか、研究を見る機会が多く持てた、インプラントの講習会を 受けることができた等、ポジティブでよかったという言葉が非常に全面に押し出されて いまして、我々の聞き取りにいった立場からしますと、この聞き取り調査をやってよか ったと思います。  初めは本当に正直、かなりのいろいろな問題点に直面するのではないかと思った点が あったのですが、それぞれ問題が多少ありますけれども、指導歯科医の先生方はかなり 工夫をされて、今できる環境内での最大限のところでご協力、ご理解をいただいて、研 修にご参画いただいているという印象を強く受けました。  以上でございます。 ○ 石井座長  いかがですか。どうぞ。 ○ 住友委員  前にこの手の聞き取り調査に行ったことがあるのですね。今回、倫理面への配慮とい うことが足かせになっていると思うのだけれど、その地域性と言いますか、その地域で なぜこれがこういう風になっているかということを前は出したのですね。施設、地域、 もちろん施設面も出した。それはやはり倫理面の足かせがあるのだけれど、やはりそこ は非常に重要なのではないか。なぜこの地域に非常に差があるのかということは、非常 に重要なことではないか。だから次年度と言いますか、今年度になるのかもしれません が、もし何かそういうことがあるとすれば、公表できる範囲でお願いします。 ○ 俣木委員  ええ、データは拾えますけれども、公表はどうなのかどうか。だから計画を立てると きに、そのデータを最大限利用して、その考え方を酌み取った形でプランニングは可能 だと思います。結果として公表、発表ということはできない。それを施策として反映す ることはあると思います。 ○ 石井座長  ほかにいかがですか。どうも先生、ありがとうございました。 ○ 俣木委員  ありがとうございました。 ○ 石井座長  今の成果とこれまでのご議論を踏まえて、次は今日の議題の2、論点整理です。資料 2です。 ○ 杉戸専門官  資料2でございますが、基本的なところは前回お示ししました資料と変わっておりま せんが、前回、委員の先生方にご討議いただきました内容を反映させた部分が一部ござ います。  それは1の1)の一つ目の○の「管理型施設と協力型施設の連携、支援体制の充実」 は、「連携体制の充実」という形だったのですが、連携だけではなくて、いわゆる相互関 係と言いますか、そういう中での支援体制も必要なのであろうというご意見がございま したので、少し文言を変えさせていただいております。  その項目の中に2つほど項目がございますが、「制度自体の周知方法の検討」、それか ら「制度として継続的な議論を行える場の必要性」の2点を加えさせていただいており ます。  あともう一点ほど、4その他の課題の一番下の部分ですが、「歯科医師臨床研修におけ る保健所の役割」というものも必要になってくるのではないかというご意見をいただい ておりますので、そのご意見を加えさせていただいて、今日の資料とさせていただいて おります。 ○ 石井座長  ということですけれども、委員の皆様から何かこれについて質問とかご意見はござい ましたら、いただきたいと思いますがいかがでしょうか。 ○ 花田委員  医師の臨床研修は義務化に伴って非常に大きく変わってきたのに対して、歯科医師の 臨床研修というのは、相変わらず附属病院が中心になって、何ら変わるところがないと いう状況を、やっぱり何とか変えなければいけないのではないか。つまり協力型施設と の連携支援体制というところを、もっと積極的に推進する仕組みが必要なのではないか なというふうに思いますし、今の俣木先生のご報告から考えましても、地域医療に対し ての取り組みが非常に少ないので、それは協力型施設との連携がとれていないので、地 域医療の入り込むチャンスがないのではないか。  口腔ケアを必要としている高齢者は非常にたくさんいるにもかかわらず、やはりそこ に歯科医師が入り込む仕掛けができていない。研修歯科医ができるだけそういう口腔ケ ア不在のところに行っていただいて、いろいろな体験をしていただいて、その後の臨床 家としての資質を向上していくというような理想を、やっぱりもうちょっときちんと掲 げて、その理想に到達するような仕掛けを、こういう話し合いの中でやっていく必要が あるのではないかなというふうに感じます。 ○ 石井座長  それは特にその他の課題のときにですかね。 ○ 花田委員  まず連携支援の一番最初の管理型施設と協力型施設の連携。ここが充実していないと いうことだと思うのですけれども。 ○ 住友委員  実際は管理型に受け入れてはいるのだけれども、実際に管理型で研修している人より も、その期間、ある時期も協力型に行ってしまっている人は多いのですね。ただ、受け 入れとして管理型というのがあるから、これを積極的にもっと推進していこうというニ ュアンスでいいですよね。医科と根本的に違うのは、管理型にとりあえず多くの数を受 け入れているということですね。ですけれども、管理型で研修してるときの人数という のは短い、もしくはそれ以外は協力型で研修しているから、管理型で実際に研修してい るのは余り多くない。私のところの病院ですと、もう3分の2は外に出ていますから、 そういう事態になっているのだろと思います。他の施設もかなりそうなっていると思い ます。 ○ 鴨志田委員  今の花田先生のご意見には全面的に賛成する部分があるのですが、先ほどどこを重要 視するかというところで、地域医療のところで特段に低い値が出ていたので、これは困 ったなと感じていました。今、花田先生がおっしゃったように僕が開業医として仕事を している中で、僕の地域だけが特殊かもしれませんが、一昔前の抜髄をしなければいけ ない、あるいはすぐ抜かなければならない、そういう僕らがカリキュラムで教わってき た技術的なところと、現実の国民の皆さんの口腔内のニーズと、少しずれているような 気がするのですね。花田先生はそうおっしゃって、おそらく推論を進めれば、高齢化社 会で実はそういうところでニーズは多くあるにもかかわらず、そちらに我々が移行でき ていないと。それを研修のところでもうちょっとテコ入れをして、ニーズに合ったよう な仕組みにしたらどうなのだと、私はそういう理解をして、全く私もそのとおりだと思 うのです。 ○ 石井座長  そうですね。日本歯科医師会から何かありますか。 ○ 江里口委員  確かに今、後期高齢者の歯科医療問題で、歯科医院自体も出おくれているというか、 ある一部分の先生方だけしか出ていないケースがあるのと、先ほどの都道府県別の研修 歯科医数を見ていますと、首都圏で言いますと、東京都、神奈川、千葉、埼玉で、ほと んど半分以上を研修している形ですね。そこに後期高齢者の研修をしようと思っても、 協力型の研修機関の先生たちで2名以上いる診療所というのは、どちらかと言うとハイ テクなことをやっていて、言葉は非常に悪いので語弊があったらこれは消去してほしい のですけれども、泥臭く施設に行って一生懸命にこういう治療をしている方のところは、 大体1人の先生でやっているようなところが多い。研修歯科医を一緒に連れて行くとい うことは、なかなかできないところだと思うのですね。  ですから、やはり前から何度も言っているように、ある程度チームでグループで行け ば、そこの地域で出せるのでしょうけれども、東京などの場合はやはり2名以上いる歯 科医院というのは、地域医療よりもどっちかと言うと、患者さんを診療室の中でこなす というような診療所が多いために、地域医療に参加する場というのが非常に少ない。  逆に数の少ない県で、大学病院もない、大きな歯科の病院がないところですと、必然 的にその地域の先生たちがそういう医療をやらなければいけない。その辺のギャップと いうか、東京の場合、特に私の台東区ですと、周りを多くの大学病院に囲まれているよ うな区ですから、該当する患者さんは全て病院に直接行ってしまう。そうすると我々が 何かアクションを起こそうと思ってもダメだと思うので、そうすると研修歯科医をいく ら受けても、そういうところの場がない。ですから地域性のこの上の方の得点ぐらいの 間に、ほとんど入っている協力型の施設というのは、そういう場がなかなかないので、 やはり逆に保健所とかをうまく利用して、そこに1カ月なら1カ月いなくちゃいけない みたいなことで強制的にやらないと、地域医療というのはなかなか難しいのではないか と思っています。 ○ 俣木委員  先ほど説明を大分はしょってしまったのですけれども、この本当に上位の方というの は、全部歯科大学歯学部がある都道府県なのですね。 ○ 江里口委員  歯科医師会の会員の診療室を協力型にして、なるべく地域医療に早い時期から若い先 生になじんでもらうということを推進しようとして、各地区が頑張っているのですけれ どもね。 ○ 住友委員  非常に難しいところもあるのだけれども、今は協力型と言っている地域の診療所を管 理型に持って行く、もしくは単独型に持って行く。そういうふうにしていくと、かなり 先生のおっしゃっているのはクリアできる。というのは、例えば東京で住居と言います か、アパートを借りているのですね。4カ月間地方へ行く是非について、研修歯科医は 非常に悩むわけですね。やっぱりこちらも覚悟して、支払いをしながら地方へ行く。そ れだったら、もう地方に1年なら1年いられる、そういうシステムをつくる方がいいの か。そうしない限り、どうしても都会中心になってしまう。  それからこの高知県の例えば2.5人というのは、協力型施設にこの時期に3人行って いた、2人行っていたという意味での数字ですね。そうするとこのときは、東京の人は その分は協力型に行っているから、例えば減っているということで表示されていますね。 ある時期はもっとほとんど全員が東京に集中しているときというのが、あり得るわけで すね。4月、5月、6月とかそういう時期。 ○ 石井座長  ほかにいかがですか。 ○ 丹沢委員  この論点整理メモのところで、臨床研修施設の要件とか指導体制とか、あるいは研修 管理委員会の役割ですが、これは評価をしたりするのがいろいろなプログラムも違うし、 全部いろいろなレベルがあって難しいと思うので、やっぱりその施設が最初のプログラ ムに沿って研修歯科医を受け入れるときに、さっきの自験例が何名とか、見学が何名と か、その施設ごとにプログラムごとに、こういう程度のことを目標にやっていますよと いうことを、数字的にある程度の目標を出して、それに対して到達度がどうだったかと いう目標や評価の仕方というのがないと、何となく終わってしまうような感じもあると 思うのです。1例でもやればいいのかみたいな話になってしまう。  だから数はそれぞれの施設でもいいと思うのですけれど、僕がすごく気にしているの は、専門研修も混ざってしまって自分のところでも悩んでいるけれども、口腔外科だっ たからGPがなかったと書いてある回答がありましたよね。あれ見てすごくショックを 受けて、やっぱり数字目標はきっちりしていて、それに対してどのくらい到達があるか とやれば、そういうことはないと思うのですね。何かそういうことは施設ごとでいいの ですけれども、初期にそういう目標を立てさせるということは、1つは研修の質にも関 係するのですけれども、量にも関係する評価になるのではないかと思います。そしてそ れが向上させる1つの評価項目になるのではないかと思います。 ○ 石井座長  今の指導体制のところ、評価のところですね。 ○ 住友委員  僕は先ほどの自験とアシスタントと見学ですが、あれは78%ぐらいですね。悪くない と思います。というのは、基本習熟コースと基本習得コースを分けていないから、例え ば基本習熟コースの自験例は高いのかもしれないし、78%で見学、アシスタントという のも習得に入っているから悪くないのですよね。ですからこれが一概に低いというふう には言えないのではないかというふうに思っています。  ○ 葛西委員  あの数字はイメージなのですよね。実際の時間ではなく感覚なのでわからないのです よ。 ○ 丹沢委員  僕はむしろこれは妥当なのじゃないかと思ったのですよ。それでこういう数字を元に、 それぞれに対して自分の施設でどのくらいの数ができますよというのを研修歯科医に提 示して、マッチングのときに選んでもらう。そうすると満足度が上がるし、それを保証 してあげなければいけない。何となくやりますよになってしまっているので、さっきの 口腔外科の立場としてすごくショックを受けたのです。 ○ 葛西委員  今、全国の初期研修としての質を保証するという意味で、何かそういうものがあると いい。質と量ですね。俣木先生の例の自験の患者数のところが、アンケートが1〜20人 と書いてあって、そこが一番多いですけれど、1〜20人って、まさか1人2人というこ とはないと思うのだけれど、あの辺の数が本当はどの程度なのか、非常に興味があると ころなのですけれどもね。 ○ 石井座長  自験の内容ですよね。 ○ 俣木委員  スケーリングとかそういう口腔指導とか、そういうのをやって指導したのが自験です ね。 ○ 石井座長  いかがですか。 ○ 葛西委員  もう1つ。先ほど住友先生から、協力型が単独型に変わるという話があったのですが、 その要件というのは、協力型で研修歯科医を受け入れる実績が2年ですね。これ以外な いのですか。もう何もそれとは無条件で、次は申請したから、もう単独型オーケーとい う形になるのですか。 ○ 石井座長  病院はありますけれども、診療所の方はありませんね。 ○ 俣木委員  実はうちにその実例があって、もう必修化前から参加しているところでそういう実績 を積んで、そうするとその施設にはやはりメリットなのですね。単独型になれるという ことで、研修後の将来の就職のことまで含んで、そこのスタッフとしてということで、 そういう意味では研修施設は協力型でいるよりも、単独型に移行ということで、これは 実績を積めばどんどん行くと思うので、うちの大学としてもそれをお勧めしているので す。 ○ 葛西委員  増える傾向ですね。今後どんどんどんどん増えるから。 ○ 俣木委員  それがさっき先生がおっしゃったように、いろんな展開が進んでくると思うので、こ れはある程度1年〜2年やってみないとわからない。 ○ 葛西委員  ただ怖いのは指導歯科医が1名の場合に、何かあったらそこの単独型がダメになる。 ○ 住友委員  最低2名では? ○ 杉戸専門官  指導歯科医は1名です。 ○ 住友委員  単独型の場合は1名。そうか。歯科医師が3名。 ○ 葛西委員  ですから単独型でありながら、条件を満たさなくなるということになると、非常につ らい。 ○ 石井座長  あれはやっぱり指導歯科医は2人の方がいいのですね。 ○ 歯科保健課長  この論点整理メモの案でございますが、要するに当検討会としては、やはり最終的に 報告書を取りまとめていただくということになるわけでございますが、この場ではない のですけれども、例えばその報告書をまとめるに当たって、こういった柱で整理してい く必要があるだろうという意味での骨子みたいなものでございます。  その中で先ほどから出ていますが、例えば協力型を進めていくとか、診療所の質を上 げるという意味で行きますと、この1)の○の2番目ですが、「研修プログラムの適切な 実施に資する協力型施設のあり方」で、これは診療所のことを言っていますので、その 中に指導歯科医の要件も入るかもしれませんし、あるいは施設自体の要件も入るかもし れません。  それから一番下の「4.その他の課題」のところで、先ほど来の研究報告でありまし た要望、意見の中で、指導歯科医の資質向上というのがありましたので、こういった面 の検討も必要じゃないかと思います。  それから自験例。つまり臨床実習と比較した場合の臨床研修のあり方ということで自 験例がありましたけれども、そこでは一応卒前教育と臨床研修が一体的な研修という中 で、どういう内容で臨床研修を行うべきであるかをご議論いただければ報告がいただけ るのではないかと思っています。  それからもう1つですけれど、一番下のところは前回花田先生から保健所の役割につ いてということでいただいて、これは単純に書いてあるのですが、よく考えますと、つ まり地域保健・地域医療についてなかなか不足しているのではないかというご意見があ りましたから、単にこれは保健所のことを言っているのではなくて、地域保健・地域医 療に関する臨床研修のあり方についての検討がいいということでございますので、保健 所は入りますし施設の口腔ケアも入ると思います。  そういった観点で例えばこれを報告書として整理していく段階で、こういう項目が含 まれた方がいいのではないかということを、少し念頭にご議論いただければありがたい と思います。以上でございます。 ○ 石井座長  ほかにいかがですか。いいですか。それでは以上で事務局に取りまとめていただきま すので、今までいただいたもので現時点での論点を整理していただきます。よろしゅう ございますか。  それでは次に最後の議題に入りますが、何かほかに委員の方から。 ○ 歯科保健課長  すみません。この論点整理メモを先生のご意見を順次踏まえて整理していくわけでご ざいますが、それに当たって、多分後で資料の説明があると思いますが、今日は研究報 告をいただきましたが、実際の生の声を反映させていく必要があるのではないかという ことで、当然ヒアリングから出てきた内容を、この論点整理メモに生かしていくことも 必要だろうと考えております。 ○ 石井座長  ではどうぞ。 ○ 杉戸専門官  資料3でございますが、前回までのご議論、今日のご議論を踏まえまして、次回以降、 臨床研修に携わっていらっしゃるいわゆる生の声を拾い上げたいということでございま す。その中で今までの論点整理メモを反映させたつもりではございますが、こんなこと を聞いていけば制度の問題点をピックアップしたり、よりよく制度を運用していくには どうしたらいいかとか、そういうものを考えられる内容をという形で、このポイントを 選んであります。  先生方の方のご意見で、この資料を改正していきまして、ヒアリングでご発表いただ く先生方に、こういったものを勘案しながら、それぞれの発表の方の実態に合わせてご 提示くださいという形での資料とさせていただきたいと思っておりますので、よろしく お願いいたします。 ○ 石井座長  ポイントを読んでください。 ○ 杉戸専門官  それでは順次ご説明させていただきます。  ヒアリングのポイントとしてまず最初の○ですが、「歯科医師臨床研修の現況等」とい うことでございますが、ここのくくりの中に入れてございますのは、昨年度1年間、さ らに今年度も数カ月が始まっておりますが、必修化後にどういったことが現況としてや られているのかというような報告をいただきたい内容となっております。  最初の「研修環境の概要」というのは、先ほどから少し出ておりますが、研修をする 地域性というものが結果に反映して、影響を及ぼすのではないかということがございま すので、どういうところにある施設で、どれぐらいの大きさの規模で、研修が行われて いるのかというような概要的なことでございます。  それから「連携体制ですが、管理型であった場合、そこでは協力型とどのような連携 支援体制を組んでいるか。  また「指導体制」の中で、プログラム責任者とか指導歯科医、上級歯科医等がどのよ うに研修にかかわっているか。  「研修内容」では、こちらは先ほどから出ておりますが、自験はたくさんやっている のか。たくさんやっているとしたらどういうような自験例をやって効果を得ているのか。 反対に自験例が少ないのは、どうやってカバーしているのか。そういったこともお聞き できればと思っております。  それから「メンタルヘルスへの対応」ですが、今回、俣木先生のご発表では研修歯科 医に対してメンタルヘルスのことをやっていただいておりますが、指導歯科医とかいわ ゆる教える側もある程度ストレスがあるのではないかと思われます。特に協力型の先生 方とか、そういったところではあるのではないかというところもありまして、指導歯科 医も入れさせていただいております。  「評価方法」というものも入れさせていただいております。これはカッコ内にいろい ろ書き並べておりますが、カリキュラムプランニングのワークショップを受けていらっ しゃる先生は当然おわかりになるのですが、受けていらっしゃらないような上級医であ るとかそういう方は、一般的にいわゆる上から下への評価しか考えられないというのが 常々あると思います。従って、研修に携わるすべての項目に対しての双方向性評価とい うものについて、どういうふうにされているかというのをお聞きできればと思っており ます。  また「研修歯科医の勤務環境」ですね。どういうような処遇をもって、いわゆる自分 の生活環境にある程度余裕があってやっているのか、もう汲々としながらやっているの かとか、そういった中での違いが少し出てくるのではないかということも考えておりま す。  それから「指導歯科医の資質向上策」としては、プログラムとして施設としてどのよ うに考えてやっていただいているのか等々を、現況としてお聞きできればと思います。  また次の○でございますが、「歯科医師臨床研修への導入と終了後の対応」というちょ っと漠然としたタイトルになっておりますが、導入というのは1つ目の項目の意味とお 考えいただければと思います。  「卒前教育との連携」というのは、卒前の臨床実習と卒後の臨床研修とをどのように タイアップさせて、大学関係の方なりいろいろな指導者側がお考えになっているか。  また、「いわゆる後期研修の状況」というのは、一部の施設では臨床研修1年目が終わ って、2年目に入っているものが、当然出ているわけですから、いわゆる後期研修とい うものを設定されているようなところであれば、どのような形で1年目の必修化研修と 後期研修の違いとかを考え、そことの連携であるとか、そういったものをお伺いできれ ばというようなことを考えております。  これらのことを基本にいたしまして、ご発表いただく方それぞれの実態に合わせて内 容を勘案していただいて、次回以降にご発表いただきたいというふうに考えております。 ○ 歯科保健課長  ちょっと補足よろしいですか。この厚生科学研究でもやっていただいて、いろいろ数 字的なものは出していただきましたが、実際、今日もいろいろな疑問があるわけでござ いまして、では実際はどうなのですかという話を発表していただきたいと思っておりま す。しかし、先生方のご疑問がどこまでわかるかわかりせんが、一応聞いていただいて、 それなりにその施設ではこういうことをやっているということが少しでもわかれば、う まく報告書にも反映できるかなということでございまして、これははっきり言ってやっ てみなければわからないのですけれど、やるに当たってやっぱり何を聞いたらいいかと いう話をあらかじめ用意していただかないといけませんので、こういうことをお願いし ますということを、ちょっと整理しておきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○ 住友委員  このヒアリングというのは、ここにどなたか対象者をお呼びして、そしてヒアリング するということですか。 ○ 歯科保健課長  そうです。それについて、ヒアリングはおそらく実際に研修に携わっておられました、 例えばプログラム責任者とか指導歯科医とか、あるいはここで上級医と言っていますか ら、そこまで呼べるかどうかわかりませんが、施設に務めていて実際に現場で対応して いる人とか、あるいは研修歯科医そのものとか、あるいはその範囲において、これも座 長と相談して、選任はしていきたいと思います。ここでこういう人から聞いた方がいい のじゃないかというご意見があれば、ぜひいただきたいと思います。 ○ 石井座長  聞くべき対象と聞くポイントが、何か聞いていて頭に浮かんだ方もいらっしゃるかと 思いますけれども、どうぞ。 ○ 鴨志田委員  ヒアリングポイントの中で、白丸の下の4番目の研修内容ですが、ここに例示で書い てあるのは方略ですね。 ○ 石井座長  これは方略ですね。 ○ 鴨志田委員  到達目標の到達度合いというのを、ちょっと一緒に聞いてみたいと思います。 ○ 石井座長  評価ということだな。 ○ 鴨志田委員  評価ということでいいのですか。 ○ 石井座長  特に研究結果では、到達度で全部ポイントが違っていましたね。 ○ 鴨志田委員  特にさっき花田先生から出たような、地域医療で具体的にどうやっているのというの は、何かいいのがあったら聞きたいなと思いますけれども。 ○ 石井座長  なるほどね。それは1つ、地域医療の実例ですね。 ○ 鴨志田委員  はい。 ○ 花田委員  個人的に意見をお聞きしたいのですけれども、1点は患者情報の保護というのが、臨 床研修をやると非常にやりにくくなる。つまりポートフォリオ等でいろいろな情報を自 宅に持ち帰るような事態が起こってくるのを、どうやって保護していくのかという問と、 もう1つは医療事故が起きたときの対策をどういうふうにとるのかなというのが聞けれ ばと思うのです。 ○ 俣木委員  それをどうするかということ事態が研修の内容にもなりますね。 ○ 花田委員  患者情報の保護のことは非常にデリケートなことで、重要な話で、多分聞くとすれば、 今はまずそれは絶対持ち帰れませんから、持ち帰れないのを前提でやっていると思いま す。それによって研修内容が落ちるとか、学習すべきものが不足するということがある のかということですね。それは施設から聞く必要があるかと思います。今はもう既に持 ち帰れないというのは前提です。 ○ 石井座長  まず持ち帰れません。 ○ 住友委員  研修歯科医の勤務環境というところで、保険と処遇だけだけれども、そういう法令遵 守も入ってくるのだと思います。 ○ 石井座長  そうですね。医療安全、法令遵守。医療安全の確認が大きいから。 ○ 江里口委員  縛りが強くなってくる。 ○ 俣木委員  縛りが強い。そうですね。あとヒアリングの対象者の選定の具体的な概数はどれくら いですか。 ○ 歯科保健課長  お呼びしますのは4〜5人ですね。 ○ 石井座長  何回?1回ですか。 ○ 歯科保健課長  1〜2回は考えております。 ○ 葛西委員  歯科大学のないところをまず呼んでみたいですね。 ○ 石井座長  そういうのはありますね。 ○ 歯科保健課長  いずれにしましてもここの場に来ていただいて、一応こういうものの中からそれぞれ ご発表いただいた上で、ディスカッションを行いたいと思います。 ○ 石井座長  研修歯科医を呼ぶというのは、現役を呼ぶのか終わった人なのか。終わった人でしょ うかね。 ○ 歯科保健課長  どうしましょうか。それはご判断で。 ○ 石井座長  それは厚生労働省としては呼ぶつてがあるのですか。 ○ 歯科保健課長  対象者の選任についても、いろいろご意見をいただいて、最終的には座長にお伺いし ます。しかし、現状としましては、いろいろなところで事務局としてもプランはないの です。 ○ 石井座長  なるほど。 ○ 住友委員  終わって2年目のそれより、後期研修をやっている人の両方が聞ければいい。 ○ 石井座長  そうですね。何かアイデアは。どうぞ。 ○ 花田委員  臨床研修と言うと、聖路加国際病院が大人気だと思いますけれど。 ○ 石井座長  後期から。あとやっぱりあまり絞ってしまうと例が少ないから、わかってしまうかも しれませんが、歯科診療所で管理型になったところで研修を受けた方。もうわかってし まいますが。そうでもないか。 ○ 杉戸専門官  対象者等にご了解いただければいいのではないでしょうか。 ○ 石井座長  わかりました。そういう方も聞きたいですね。 ○ 歯科保健課長  あるいは先生方から、今日は出ないけれども、もしお知恵を借りるのであれば、後日 でもお知らせいただければと思います。 ○ 石井座長  こういう人から聞いたらいいのではないかとかね。それはあります。 ○ 歯科保健課長  ええ。急な話であれだったと思います。事務局にお知らせいただければ、それは座長 と相談します。あるいはこういう臨床研修に直接携わっている人もいますけれども、そ のほかに例えば患者の立場というのですかね。何かそういう方もあり得ますか。 ○ 江里口委員  診てもらった患者さんですか。 ○ 住友委員  だけど事務方が本当は一番苦労しているところがあって、そういう人の意見を聞ける といいですね。  ○ 石井座長  マネジメント。大学ですね。そうですね。それはありますね。 ○ 住友委員  書類。 ○ 丹沢委員  書類なんかも簡略化していいところと、していけないところと、わかるかもしれない ですね。 ○ 石井座長  どれだけ正直言ってもらえるかわからないですが、これの一番のネックと想定されて いるのが、協力型診療所の研修歯科医がいるところの患者さんの声ね。そこが全体にネ ガティブだという想定があるわけです。だから「うちの患者がいやがるから、研修歯科 医は来てほしくない」とか「施設になれない」という声は、よく聞かれる話ですね。だ けどそこで、「いや、いいじゃないですか」という声があれば、非常にいいですよね。先 ほど患者の声というところで、大学の患者でなくて、診療所で研修歯科医がいるところ で、研修歯科医と接触した患者さんの声が聞ければ一番いいですね。 ○ 住友委員  いいところも積極的に話してもらわないと、そういう文句ばかり聞けないから、本当 はそこが一番聞きたいところです。 ○ 石井座長  聞きたいところですね。 ○ 住友委員  AアンドBの。 ○ 歯科保健課長  あるいはそういった情報を、発表者である先生が聞けて、ヒアリング当日に持ってき てくれると一番いいですね。 ○ 石井座長  本当はそうだと思うのです。歯科医師会で話しをしたところ、必ずそういう何か言う とネガティブな意見が出るのは、研修にとってみるとマイナスだと。だけど「そうなの ですか?」というところです。そこが「そうではないのではないか」という話が出てく れば、先生のいらっしゃるところはどうですかとなりますが、多くの診療所はそういう ことをやっていますから、そこを1回聞いてみたいところですね。どなたかいらっしゃ れば推薦してください。  ほかにいかがですか。よろしいですか。では今までのものをまとめて、次回はヒアリ ングをセットすると。ではそのことも含めて、今後の予定について事務局から。 ○ 杉戸専門官  ヒアリングに来ていただく方を最終的に選定する作業は、ちょっとお時間をいただき たく思いますが、座長とご相談させていただき行っていきたいと思います。  その後に関しましては、ヒアリング結果に基づいてこの論点整理等をまた改正してい かないといけないと思います。またその後の取りまとめ方法もご討議いただきたいとい うふうに思っております。 ○ 歯科保健課長  いずれにしましても次回の開催につきましては、ヒアリング対象者を決定した上で、 また先生方の日程を調整するということでございます。 ○ 石井座長  では予定された議事はこれで終わりですけれども、何かその他、ございますか。事務 局の方もよろしいですか。では以上で検討会を終了いたします。どうもありがとうござ いました。 照会先:厚生労働省医政局歯科保健課 歯科医師臨床研修専門官 杉戸、神田 代表 03−5253−1111 (内線4141) 15/39