07/03/29 「心身障害者扶養保険検討委員会」(第1回)の議事録について 心身障害者扶養保険検討委員会(第1回) 日時:平成19年3月29日(木)                           11:00〜12:30                        場所:厚生労働省専用第10会議室 ○湯村企画課長補佐   定刻となりましたので、ただいまから第1回心身障害者扶養保険検討委員会を開催さ せていただきます。  なお、社会・援護局長、社会・援護局総務課長は、ただいま国会用務のため遅れて参 るということになっております。  狭い部屋で大変恐縮でございます。委員会の開催に当たりまして、中村障害保健福祉 部長よりごあいさつ申し上げます。 ○中村障害保健福祉部長   障害保健福祉部長の中村でございます。よろしくお願いいたします。1回目の心身障 害者扶養保険検討委員会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。  初めに、委員の皆様方には今回誠にお忙しい中、委員をお引き受けいただきまして、 本当にありがとうございます。また、本日は年度末の大変忙しい中で御参加をいただき まして、これにつきましても感謝を申し上げたいと思います。  心身障害者扶養保険制度につきましては、障害者の保護者の相互扶助の精神に基づい て、保護者が生存中に掛け金を支払い、保護者の死亡などの場合に残された障害者に終 身年金を支給するという制度でございます。昭和45年に創設された任意の加入制度で ございまして、地方公共団体が実施する扶養共済制度を独立行政法人福祉医療機構が再 保険をするという仕組みで行われているところでございます。  この制度につきましては、財政の安定ということがかねてから課題になっております けれども、平成7年度に保険料の引上げと、公費を投入するという措置を講じてまいっ たわけですが、その後の財政状況を見ますと、金利が非常に低い状況で推移している、 あるいは障害者の平均寿命の伸長というような事情もありまして、平成7年度の改正以 降も大変厳しい財政状況にございます。そういうこともありまして、厚生労働省内にお いて検討を進めてまいりましたけれども、今後、関係省庁あるいは関係団体と調整を行 いながら進めていくという段階になりました。その際に外部有識者の方々からの意見を 聞くということも大事であろうということで、今回この検討委員会を設置することにい たしました。ここで御議論をいただいた上で、私どもとしては、平成19年度中に制度 の見直しを行いたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っております。 この仕組みは実施主体でございます、道府県、指定都市と加入者及び受給者の方々を初 めといたしまして、厚生労働省、福祉医療機構、生命保険会社、信託銀行などさまざま な関係機関がかかわる複雑な仕組みになっておりますけれども、制度を安定化させるこ とが課題でございますので、いろいろな意見を率直にいただければ幸いだと思っており ます。よろしくお願いいたします。 ○湯村企画課長補佐   最初に、各委員の御紹介を申し上げます。50音順で申し上げさせていただきます。  全国重症心身障害児(者)を守る会副会長の秋山勝喜委員でございます。  横浜市健康福祉局長の佐々木寛志委員の代理の外ノ池様は遅れていらっしゃるという 御案内をいただいております。  栃木県保健福祉部長の田中一成委員も本日御欠席でございます。代理の同障害福祉課 長の福田様でございます。  前みずほ年金研究所顧問の戸田五七朗委員でございます。  生命保険協会副会長の西岡忠夫委員でございます。  読売新聞東京本社編集局社会保障部記者の林真奈美委員でございます。  上智大学法学部地球環境法学科教授の堀勝洋委員でございます。  全日本手をつなぐ育成会常務理事の松友了委員でございます。  神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部社会福祉学科教授の山崎泰彦委員でございます。  心身障害者扶養保険制度の見直しについての御検討や御協議に当たりまして、御尽力 いただきますようお願い申し上げます。  続きまして、事務局の職員を紹介させていただきます。  心身障害者扶養保険制度を直接所管いたしております障害保健福祉部の藤木企画課長 でございます。  同じく障害保健福祉部の鎌田企画官でございます。  本検討委員会の運営に当たりまして、座長を山崎泰彦委員にお願いいたしております。 また、座長代理には堀勝洋委員にお願いいたしております。よろしくお願いいたします。  なお、本検討委員会についてでございますが、個人情報や特定の団体の情報に触れる ということがない内容となっておりますので、本検討委員会は公開で行わせていただい て、会議資料及び議事録についても公開とさせていただきたいと存じます。  それでは、この後の議事の進行につきましては、山崎座長にお願いいたします。 ○山崎座長   それでは、心身障害者扶養保険制度の見直しについて、事務局から説明をお願いしま す。 ○鎌田企画官   おはようございます。それでは、御説明申し上げます。  お手元に資料が幾つかございますが、資料3「第1回心身障害者扶養保険検討委員会 資料」という表紙のついたA4横の資料に基づきまして、御説明させていただきます。  1枚めくって目次をごらんいただきたいのですが、今日は第1回目ということでござ いまして、制度の概要、それから、現状について概略を申し上げ、概要なり現状につき まして皆様の御意見をいただければと考えているところでございます。  それでは、1ページをごらんいただきたいと思います。心身障害者扶養保険制度の概 要でございます。部長のごあいさつでも触れさせていただきましたが、相互扶助の精神 に基づきまして、障害者の親である保護者の方が生存中に掛け金を納入することによっ て、保護者の方が亡くなられた場合などにお子様である障害者に終身の年金を支給する というものでございまして、いわば親亡き後の子の将来の不安を軽減するということを 目的とした任意加入の制度でございます。  (2)にございますように、地方公共団体においてこういった制度が先行的に実施され ておりまして、昭和45年に全国的なものに広めたものでございます。それは、多くの 方が入ることによって制度の安定を図る、あるいは引っ越し等に伴う事務負担の軽減あ るいは制度のあるなしを防ぐということもあったということでございます。  3ページをごらんいただきたいのですが、「心身障害者扶養保険制度の仕組み」とござ います。後で詳しく御説明しますが、先ほど部長のあいさつで複雑な仕組みと申し上げ ましたけれども、基本的にこういう絵になってございます。右の方に点線で囲ってござ いますが、条例に基づく扶養共済という条例の問題、それから、中程に地方公共団体と 独立行政法人福祉医療機構の間に基づく保険契約、更に、独立行政法人福祉医療機構と 生命保険会社の契約である団体生命保険契約、それから、独立行政法人福祉医療機構と 信託銀行の間を結ぶ信託契約の4つの契約関係によって、個別に当事者関係を形成する という仕組みになってございます。すなわち、条例に基づく扶養共済というのは、地方 公共団体と加入者が共済関係を成立させ、更に、地方公共団体と独立行政法人福祉医療 機構が保険契約によって地方公共団体の共済責任を機構が保険する関係になってござい ます。更に、独立行政法人福祉医療機構と生命保険会社が団体生命保険契約でございま すが、これは加入者を被保険者として機構が保険受取人とする、いわば再保険的な生命 保険契約となっているというものでございます。そして、独立行政法人が受け取った保 険金を信託銀行に信託契約で運用して、それを原資に年金として渡すという仕組みにな っているということでございます。詳細はまた追って御説明いたします。1ページに戻 っていただきまして、それが1の(2)でございますけれども、地方公共団体が条例に基 づき実施する共済制度を独立行政法人が再保険する制度というのは、そういった仕組み でございます。  制度の内容でございますが、加入者は次のいずれかの障害者を扶養していらっしゃる 65歳未満の方ということでございまして、知的障害者の方、身体障害の1〜3級までに 該当する方、精神あるいは身体に永続的な障害のある方で、障害の程度は身体障害と同 程度の方ということで、精神病の方、脳性麻痺の方、進行性筋萎縮症、自閉症、血友病 の方などでございます。  加入者の方が払うのは保険料と書いてございますけれども、正確には掛け金でござい ます。この表にございますように、加入時における年齢区分によって分かれているとこ ろでございまして、35歳未満の場合には1口3,500円で、60歳以上65歳未満は1万 3,300円まで段階的に分かれているところでございます。  注2にございますけれども、加入者一人当たり2口まで入れることになってございま す。一方、注1でございますが、65歳に達しまして20年継続加入していた場合には、 加入者の保険料の納付が免除されるという仕組みも入っているところでございます。  2ページ、保険料納付に対する給付の内容でございますけれども、3つございまして、 1つは年金。これは御案内のように加入者の方が亡くなったり、障害を持たれたときに、 その子である障害者に1口当たり月額2万円を支給する仕組みでございます。  弔慰金でございますが、逆に加入者の方が生存されている間にお子様である障害者が 死亡した場合などに出すのが弔慰金という形で、額自体は加入年限によって変わってい るところでございます。  更に、脱退一時金。これは平成8年に創設されたものでございますけれども、加入者 が生存されている間にこの制度を脱退するときに、加入年限に応じて一時金が支払われ る仕組みをとっているところでございます。  加入者及び受給者の平成17年度末の状況でございますが、加入者、保護者の方は延 べで9万5,000人。これは先ほど2口加入と申し上げましたので、2口加入者を1人と 数えた実人員ですと6万7,591人でございまして、お子様の障害の種類でございますが、 このような身体障害、知的障害、精神障害の割合になっているところでございます。  受給者でございますけれども、延べ人数で4万1,312人、実人員で3万6,329人にな ってございまして、その障害の種類はここに記されているとおりでございます。  3ページでございまして、ここは先ほど御説明したものでございますが、お金の流れ で御説明申し上げます。まず、右下をごらんいただきたいのですが、点線が条例に基づ く扶養共済でございますけれども、加入者である障害者の保護者と地方公共団体で共済 契約を結んでいただきまして、一月当たり加入時年齢によって保険料を払っていただく のですが、それが(1)で総額年額45億円になっているところでございます。そうすると、 地方公共団体が45億円をもって独立行政法人と保険契約、保険料として45億円を払う という仕組みになってございます。その下にございます特別調整費は後で御説明いたし ます。その保険料がどうなるかというと、今度は独立行政法人福祉医療機構が生命保険 会社に保険料として当然再保険してもらうので払うことになります。そうしますと、生 命保険会社の方には今、残高として691億円あるわけでございますけれども、先ほど申 し上げたような給付がございまして、加入者が被保険者として機構を受け継ぐ保険契約 でございますので、加入者の方が亡くなられた場合には、保険金が機構の方に支払われ る、それが(4)にある保険金(年金原資)80億円でございます。  その保険金80億円について、機構が信託契約をしております信託銀行に渡しまして、 月々必要となるお金が(6)でございますけれども、年金給付保険金として100億円支払 われる。その100億円を独立行政法人の方から地方公共団体に(7)年金給付保険金で渡 しまして、地方公共団体が(8)年金1口月額2万円として今お渡ししているという状況 でございます。それが大まかな流れでございます。  先ほど途中飛ばしましたけれども、(2)の下に特別調整費92億円というものがござい ます。これは詳しくは後で御説明しますが、平成8年に第3次改正を行いまして、実は そのときも財政的に苦しいということで、過去の積立不足が発生するということで、過 去の積立不足に対応するために92億円を国46億円、地方公共団体46億円拠出し、足 りない分を出すという仕組みを講じました。それを特別調整費と称しているわけでござ います。  上に行きまして国とございますけれども、国は基本的にはこの制度を助長するという 観点から、国から独立行政法人を指導監督し、運営交付金として1億円出しているとこ ろでございますが、それに加えまして、制度の助長としてここに特別調整費2分の1、 これは補助でございますから、地方公共団体が特別調整を出す半分の46億円を負担す るということで、国から46億円を地方公共団体に渡し、地方公共団体が46億円を更に 出して合計92億円を(2)の下にある特別調整費92億円出すということです。先ほどの お金の流れでいきますと、保険料で集まる45億円に特別調整費の92億円が原資になっ ていると。具体的には、独立行政法人から生命保険会社の方に原資の確保で(3)保険料 45億円、(5)特別保険料46億円行っております。一方、その下に独立行政法人から信 託銀行に信託金80億円、これは保険金でございますけれども、その下に特例保険金46 億円とございます。すなわち、特別調整費の92億円は保険収支における不足として46 億円出し、それから、年金原資における不足として46億円出されていて、先ほど申し 上げたお金の流れになっているというところでございます。  続きまして4ページをごらんいただきます。加入者及び受給者の推移でございますけ れども、昭和45年に発足しまして、発足時はドンと加入者が伸びまして、後は淡々と 伸びていったわけでございますけれども、平成6年がピークになってございます。大き な改正の検討が平成6年から始まりましたので、その改正のアナウンス効果があったか ら、新規加入者が減ったということが考えられるところでございます。受給者につきま しては、経年的に増えているという状況にございます。  次に5ページでございますけれども、加入者数及び受給者数の現況。入っている道府 県、指定都市別でございまして、まず加入者の方を見ていただきますと、2口加入もそ れぞれ1人とカウントした場合の総数でございますが、総数が9万5,000人で3,000人 を超えているところが北海道、埼玉県、愛知県、大阪府、兵庫県ですが、一方で愛媛県 が6,000人ということで一番多くなっているところでございます。見ますと、1口加入 が3,400人、2口加入が結構いらっしゃるということでございまして、人口分布との相 関もある一方で、必ずしもそうではない。やはりこれは地方先行的に団体の方あるいは 地方公共団体が取り組んできたという経緯もあるのかなと推察しているところでござい ます。  指定都市の総数でいきますと、名古屋市が一番でございますけれども、1口加入で見 ると京都市が一番多いということでございます。受給者でいいますと北海道が一番で、 兵庫県が2番目、愛媛県は3番目というような状況でございます。  続きまして、6ページをごらんいただきまして、過去どういった改正を行ってきたか ということでございます。大きく3回の改正がございまして、第1次改正が昭和54年 10月でございます。昭和54年に制度発足10年が経ちまして、加入者が増えたことも あって、年金額の増額あるいは加入年齢の要望、加入時は原則45歳未満となっており ましたので、もっと加入年齢を緩和してほしいという要望が出されたところでございま す。それを踏まえまして、年金につきましては、額の総額ではなくて2口加入できると いう制度を創設して、4万円受け取れるようにしたということでございます。  加入年齢につきましても、発足時は45歳未満が原則でございましたけれども、特例 として45歳以上の方が加入したこともありまして、65歳未満まで拡大したところでご ざいます。  保険料につきましても、前は一部65歳未満まで加入できたことを踏まえまして、一 部そうした方につきましては、加入時年齢による保険料で固定する方式を導入したとい うのが第1次改正でございます。  続きまして、7ページ、第2次改正でございますが、昭和61年に行われまして、こ こに書いてあります制度発足当時は実態が不明であったというよりは、正確には初めて の制度であり、加入者数なども少なかったので、必要なデータがなかったからでござい ますけれども、それから、福祉政策という観点から保険料が正直低めに設定されている ところでございまして、財政的に苦しくなったということで行われました。まず、加入 時45歳未満の既加入者の保険料、2口加入は前回認めましたので、1口目の額につき ましては、保険料をまずアップさせるとともに区分を変更して、年齢階層別の保険料を 3区分から4区分に変更したというところでございます。  更に、加入時45歳未満で既加入者の保険料という形で免除の開始要件を改正したと いうことで、こうした加入者の保険財政を考えて、20年加入から25年加入にしたとい うことでございます。  (3)でございますが、加入時または付加時の年齢区分による保険料の固定方式は、前 回改正で一部だけでしたが、全面的に加入時年齢による保険料固定方式にしたというこ とでございます。  更に、弔慰金につきましては、それまでは一律2万円でございましたけれども、現行 にあるように加入期間に分けて支給する仕組みをとったところでございます。  8ページでございますが、第3次改正で、これが大きな改正でございます。2回の改 正を経たわけですが、障害者死亡率の改善あるいは運用利率の低下などによりまして、 年金給付に必要な費用が不足しているという状況にございまして、平成10年には年金 の支払いが困難になるおそれがあったということでございました。したがいまして、保 険料の引き上げをする一方で、過去の保険料の納付不足分につきましては、国、道府県・ 指定都市が2分の1ずつ負担する措置を講じたということでございます。  具体的には、(1)保険料の改定ということで、基本的に全面的に引き上げまして、引 き上げ幅が2倍から2.5倍ということでございまして、途中、既加入者については段階 的に引き上げたわけでございますが、35歳未満であれば月額1,400円であったものを 3,500円にいたしましたし、60歳以上65歳未満であれば月額6,800円であったものを 1万3,300円に引き上げたというところでございます。  9ページをごらんいただきたいと思います。更に、これは任意加入の制度でございま して、保険数理に基づく保険料改定を行ったこともありますので、脱退一時金がなかっ たということを踏まえまして、脱退一時金を創設いたしまして、一定期間加入した場合 には、加入期間に応じて支給する制度をこのように設けたところでございます。  (3)が、先ほど途中で触れた財政支援の実施、特別調整費でございまして、平成7年 12月時点の既加入者、年金受給者の年金給付に必要な費用のうち、過去の保険料納付の 不足分を算定しましたところ約1,200億円あったわけでございますが、これを国、道府 県・指定都市が2分の1ずつ20年間負担するという仕組みを講じたところでございま す。  具体的には、所要額として国が46億円、地方が46億円で、今のところ平成27年度 まで続くと見ているところでございます。  10ページは段階的な引上げを図示したものでございまして、11ページをごらんいた だきたいのですが、今までの制度の概要、経緯で現状どうなっているかということでご ざいますけれども、平成8年の改正は今申し上げたように保険料を2倍から2.5倍に引 き上げましたと。 それから、過去の積立不足について利回り4.5%、20年で償却するために国と地方でそ れぞれ46億円ずつ公費を投入する仕組みを講じました。それから、脱退一時金を創設 したわけでございますけれども、現状はどうかというと、同じく運用利回りが低下して いる状況にございますし、後で御説明しますけれども、障害者の方の受給期間も延びて いるというところでございます。更に、制度運営の観点から掛け金を見送ってきたとい うことによりまして、新たに積立不足が発生しているというところでございます。  下に「※」がございますように、平成8年の改正時には5年に一度の制度見直しを行 うこととしたわけでございますけれども、平成7年の改正の保険料の改定でごらんいた だきましたように、段階的な措置を講じたということでございまして、平成12年度に は経過措置が終了したばかりであるという理由で、改正を見送って今日に至っていると いうところでございます。  12ページをごらんいただきまして、加入者像がどう変わったかということでございま す。特に今触れましたように(2)の受給者でございますが、平均受給期間が平成7年の 9年7か月から、今は13年11か月に延びておりますし、その結果、生涯受給できる額 も230万円から330万円に伸びているところでございます。  続きまして、13ページをごらんいただきたいのですが、数字の点につきましては、今 制度運営をしている福祉医療機構からもらった数字しかないのですけれども、保険収支 と年金収支ということで、保険収支は先ほど申し上げた福祉医療機構と保険会社との保 険約款関係の収支でございます。収入としては平成17年度でいけば保険料として45億 円あり、特例保険料が公費ですけれども46億円あり、運用利回りを合わせて100億円 強ございまして、運用利回りが1.49%という状況になっていると。支出については、基 本的に保険金でございますが、保険金支出が80億円あって、80億7,900万円ぐらいに なっていると。収支差が約20億円あるんですが、保険資産としては691億円ほど積み 上がっているんですが、これについては寿命の伸長なり運用利回りの環境を考えるとど うかという御議論があるところでございます。  それから、年金収支は機構が信託に運用して、それを自治体に最終的に渡すものでご ざいますけれども、収入としては130億円ありまして、保険金収入が80億円あり、公 費の負担が46億円あり、運用利回りは今は時価でやってございますけれども、4億6,000 万円あるというところでございまして、支出の方が同じく約100億円あって、その収支 差は30億円あって、年金資産としては540億円積み上がっているわけでございます。 ここに多少簿価とか時価とか出ていますが、注1にございますように、年金資産は平成 15年度の上期までは簿価管理、下期以降は時価管理というのがポイントになっていると ころでございます。  具体的にどんな収支状況で差があるのかということでございますが、14ページをごら んください。機構の決算書にある年金収支をそのまま記載しているんですが、これにつ いては前提が必要なので今後考えなければいかないところがあるんですけれども、障害 者の死亡率を平成7年から9年度実績を使って、予定利率は今4.5%になっていますの で、4.5%で見ますと、(1)は今お支払いしている年金の現在価値の相当額が1,280億円あ るということでございます。公費の現価が350億円あって、責任準備金が920億円積ん でいるんですが、持っている年金資産が540億円ありますので、繰越欠損として380億 円あるというのがこの数字でございます。  この繰越欠損について、福祉医療機構の方ではやはり経営の観点がどうかということ がございまして、15ページをごらんいただきたいんですが、今は独立行政法人になりま したので、外部から評価を受けます。厚生労働省や総務省から評価を受けているわけで すが、1が厚生労働省の独立行政法人評価委員会ですけれども、業務実績の評価の中に ございますように、やはり議論になってございまして、(5)でございますが、心身障害者 扶養保険事業ということで、その解消に向けて検討が進められることになっているとい うことで、検討が期待されているということで、平成16年度、平成17年度も同じよう にここ数年御指摘を受けているところでございます。  更に総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会については、福祉医療機構の主要な 事務に関する勧告の方向性というところで、これは昨年11月に出されたわけでござい ますけれども、心身障害者扶養保険事業の見直しについては、平成17年度末で約388 億円の繰越欠損が発生しておりますので、その方向性が定まった段階で、具体的な措置 を定めるという勧告が言われているところでございます。  16ページでございますけれども、同じように東京都も独自の扶養年金制度を持ってお りました。先ほどから道府県と言っておりますが、東京都だけは別制度として制度を維 持運営しておりまして、それが今般廃止されたわけですが、基本的にこれらの目的は同 じでございますし、創設年度も全国制度よりも10か月早い程度でございます。それか ら、内容も年金額が途中で引き上げられまして、国よりは高い3万円でございます。そ の分掛け金は国より高くなってございます。  加入要件は多少、国が全国制度よりも広めの加入要件となっているというところでご ざいます。  17ページですが、東京都は今まで独自に全国でやっている制度とは別にやっていたわ けでございますけれども、やはり平成23年度には基金が枯渇する状況にあるというこ とで、廃止されました。平成19年3月1日、今月廃止されたわけでございますけれど も、どうしたかというと、新規加入は受け入れないと。それから、既受給者については 現行の3万円を支払いを継続するというところでございます。  3つ目の「○」でございますけれども、既加入者、保険料を払っている方ですとか、 あるいは払い終わった方でまだ受け取っていない方については、解約して国制度並みと いうのは3万円ではなくて2万円という形で、ここには「・」が2つありまして、納付 完了者と掛け金納付途中の者と分けてございます。基本的には平均受給期間というもの を想定して国並みの額を受給したらどうなるかと換算してお支払いするという制度を講 じたところでございます。そういう制度を講じて平成19年3月1日に制度を廃止した わけでございますけれども、一番下に「ただし」とございますように、既加入者につい ては平成20年、つまり1年間経過措置を設ける。これはどういうことかというと、わ かりやすく言えば、この1年間既加入者については保険期間とみなして、例えば、加入 者の方が亡くなれば年金を受給するという形を期間としておりますし、それから、1年 間の間に既加入した方が清算金と言っておりますけれども、それを受け取るのか、ある いは民間保険に入るか判断される期間としております。そのために一番上の新規加入の 廃止にも書いてございますけれども、東京都の報告書では国の方でもこのように見直し をしていることもあるので、見直し後の全国制度に都民の方が加入されることを希望す るとの提言をいただいておるところでございます。  最後、18ページですが、こうした扶養保険制度の現状があって、我々としても財政状 況などを踏まえまして、先生方に御検討いただきたいんですが、今日はフリーディスカ ッション的でございますので多少口幅ったいんですが、こういった視点から見ていただ けないかということを我々で用意しました。そもそも本制度は冒頭申し上げましたよう に、障害者の保護者の相互扶助の精神に基づきまして、親亡き後の障害者に終身にわた り支給する任意加入の制度であるという点をどう考えるかということが重要ではないか ということでございます。  それから、本制度はあくまで公的所得保障の上乗せであって、加入者、受給者の数は 総体的に少ないということでございまして、制度発足時に比べますと、障害基礎年金と いうものができて、その額も引き上げられた経緯がございますし、更に、特別障害者手 当など各種手当もあるという状況の中で、こういった任意加入制度をどう考えるか。更 に、障害者の方は650万人あるいは660万人いらっしゃるということですけれども、先 ほど申し上げた加入・受給の状況であるということでございます。  他方、途中御説明申し上げましたが、運用利回りが低下していること、障害者の受給 期間が長期化していること、更に掛け金のみ引上げ見送りによりまして、今、積立不足 が発生していると。こうした状況をどう対処するのかということを考えなければいけな い。そうすると、仮に制度を維持するということであれば、当然の過去の積立不足の対 応は必要でしょうし、更に、維持するのであれば、新たに積立不足を発生させない対応 ということも考えなければいけないと思います。  また、廃止の場合、先ほど東京都が廃止した場合がございましたけれども、やはりそ れから同じように受給者、既加入者の対応など廃止に伴う対応が必要であるということ も考えなければいけないと思います。  それから、最後、こういった大きな論点と違うディメンションですけれども、機構に おける年金資産の運用というものを今後きちんと考えなければいけないということでご ざいます。  ということで、先生方の御意見をいただきたいと思います。 ○山崎座長  ありがとうございました。局長、総務課長がいらっしゃっていますが、何かございます か。 ○中村社会・援護局長   社会・援護局長の中村でございます。今日は、参議院の厚生労働委員会がございまし て、その審議がありましてと申し上げたいんですが、ちょっとトラブルがあって審議も ストップしたんですけれども、ずっと大臣と一緒に拘束されまして、今解放されて参り ました。今回は心身障害者扶養保険検討委員会を設置することといたしまして、委員を お引き受けいただき、ありがとうございました。今、企画官から御説明しましたけれど も、なかなか難しい状況にありますので、十分御意見を聞かせていただいて判断に誤り がないように我々してまいりたいと思いますので、何分よろしくお願いいたします。 ○矢崎総務課長   社会・援護局総務課長の矢崎でございます。私も国会の方に行っておりまして、遅れ て申し訳ございませんでした。  今御説明した中で、制度を運営しております独立行政法人福祉医療機構が私どもの所 管ということで、いろいろな評価委員会からも御指摘いただいて、そういう立場から参 画させていただいております。事柄自体非常に難しい面あるいは技術的に知恵が要る話 だろうと思っております。是非、先生方のお知恵を拝借して、いい形で展開したいと思 いますので、よろしくお願いします。 ○山崎座長   ありがとうございました。  それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見・御質問がありましたら、どうぞ。 今日はフリーディスカッションにしたいと思います。 ○堀座長代理   単純な質問を含めてお伺いしたいと思います。  1つは、3ページの図で特別調整費92億円が生命保険会社に46億円行って、信託に 46億円行くということだと思うんですが、これはちょっと言い方があれですけれども、 まだ亡くなっていない方の保険料として生命保険会社に行って……、そうではないんで すか。亡くなった場合の生命保険金として信託銀行に46億円行くのか、それが1点目。  それから、これも単純なんですけれども、6ページの保険料の固定方式あるいは次の ページにも出てくる、これはどういう意味なのかわからないんですが、当たり前の話で すけれども、要するに加入したときの保険料でずっと行くということなのか。  それから、年金と信託との関係なんですけれども、資産運用の話が出たんですが、こ れは生命保険会社も信託銀行もいわゆる市場ベースというのか、特別な配慮を行わずに こういうことをやっているのか。生命保険契約なら一般の生命保険契約と同じでやって いるのかどうか。信託銀行もそうですけれども。例えば、生命保険については加入者の 寿命が延びれば率としては有利に働くという、その辺はどういうふうに考慮されている のか。ちょっと言い方があれですけれども。  最後なんですが、先ほど加入している人は少数だとおっしゃったんですが、加入率と いうのが出ていないかどうか。加入率と言っても障害者全体に対する加入率と、これに 加入できる人に対する加入率というものもあると思うんですが、そういう数字は出てい ないかどうか。  最後に、独立行政法人が適正に信託とか生命保険会社と契約をしていると思うんです けれども、それは数字としては出ていないですかね。資料としては出ていないというこ とですかね。  最後の点はいいです。失礼しました。 ○鎌田企画官   順を追って御説明いたします。  3ページについて、92億円が保険収支の方に46億円、信託の方に46億円というの は御指摘のとおりでございまして、こういった制度を創設する以前の方の保険料につい て再計算したところ、過去の保険料が少し足りないのではないかということで積立不足 があるということで46億円特別保険料として追加してございますし、今度受給者にな っている方についても、当然保険料と保険金の関係で商品ごとに保険金を出されている わけですから、当然保険金が少なかったと、必要な原資が足りなかったということなの で、その分信託銀行の方に渡して一緒に運用してもらっているというところでございま す。 ○堀座長代理   完全に二分されるようなデータというのはあるんでしょうか。要するに、これは生き ている方と亡くなられた方という感じだと思うんですけれども。 ○鎌田企画官   二分されるというのは。 ○堀座長代理  考え方の話だけですか。 ○鎌田企画官   まず、年金の方は今でもそうですけれども、毎月入ってくる80億円ですとか、手元 の541億円で基本的に運用して、それを基に収支を計算するんですけれども、平成7年 当時計算したときの4.5で割り戻ししたときに、将来受給者の数等を推測したらトータ ルで幾ら足りないので、それを毎年払うと46億円という計算をしたということでござ います。当時の考え方という意味はそういうことでございます。そのときの加入者の伸 びですとか、あるいはまさに寿命などを考慮してそういう計算をしたということでござ います。  それから、2番目の保険料固定方式というのはそのとおりでございまして、現在1ペ ージにございますように、これは加入時年齢で固定となってございますので、35歳未満 で加入された方はずっと月3,500円になっていると。その方式を一部導入したのが昭和 54年ということでございます。 ○堀座長代理   最初は、年齢ごとに例えば35歳の人が40歳になれば6,000円になったということで すね。 ○鎌田企画官   納付時の年齢で分かれていた、まさにそういうことになります。ちなみに、当時です と同じように段階になっていて、35歳未満は1,000円で、35歳以上になれば1,300円 に上がるとか、そういうふうに納付時の年齢で変えていたという制度でございました。 加入時ではなくて、その時々払うときの年齢で、年齢が高くなれば保険料も上がるとい う仕組みだったのが発足当時ということでございます。 ○堀座長代理   年金財政的に言うと、それは悪化させる要因にならないですか。要するに、若いとき に入った人は低い保険料でずっと行くということですか。 ○鎌田企画官   勿論、低い保険料というのは相対的には低いんですが……。 ○堀座長代理   改正前と比べてという意味ですけれども。 ○鎌田企画官   ですから、考え方で、これは保険商品ですから、我々もそうですけれども、加入した ときの年齢で保険料が決まって、解約してもう一度入ればそのときの年齢で保険料が高 くなりますよね。これは民間保険、任意保険の仕組みですから、原則に立って、それこ そ加入時に親御さんが大体どのくらいで平均的に死亡されるかとか、加入期間があるの かに対して、給付額がどのくらいか、保険設計のもとでやっている商品ですので、加入 時で固定したと、そういう思想に立ってやったというものでございます。賦課方式とか ではなく完全に民間の保険商品の考え方に立っているということです。  運用は、生保会社あるいは信託銀行は市場ベースでやっているのはそのとおりでござ いまして、ほかの商品なり何なりと一緒に運用していると聞いております。  それから、加入者の寿命が延びると有利に働くのではないかということでございます が、これも今と同じでございまして、だからこそ正直きちんと定期的な見直し、基本的 には平成7年の体制では、そのときの加入者の平均寿命なり何なりを考慮して、そのと きの給付に必要な保険料というものを計算したということでございまして、先ほどの提 案でございましたように、当時に比べましたら、財政に関係するのは障害者の受給期間 の長期化ですとか、あるいは一方で加入者の加入期間も増えていますから、それに応じ た制度の見直しが必要だと考えているところでございます。  それから、5番目の加入者は少数と言っているけれども、加入率はあるかというと、 正直障害者の数などは推計の部分がありますので、現在加入率というものは特に出して ございませんで、もし、御用意できる資料があれば考えてみたいと思いますが、わかっ ているのは障害者全体で650万から660万いるというところでございます。  以上でございます。 ○松友委員   幾つか質問というよりも要望があるんですが、1つは、この制度は私は先輩から聞く ところによりますと、私たち育成会が兵庫県の自治体でやっていたものを運動として強 く要望して国の制度としていただいた。そういう意味では、私は先輩の後を引き継ぐ者 として、この検討に対する対応が重要だなと。特に、平成8年の第3次改正の年から私 は今の業務をやっているものですから、あのときも大変だなと言われていたんですが、 それから11年間ぐらい何ら動きがなかったので、どうするんだろうなと言われながら、 ちょっと間が開き過ぎたのではないか、対応の仕方がちょっとかなというのが第1点。  第2点は質問になるんですが、この間一番大きなものは、我々は通称「心身障害扶養 年金」と呼んでいたんですが、従来から「扶養保険」と呼ばれていましたか。東京都は 明らかに今でも条例で「年金」と呼んでいるんですね。この前、委員会のお呼びが来た とき、初めて扶養保険というので「え?」という感じがしたんですが、それは保険シス テムだということを強調するためにされたのか、国は昔から扶養保険とおっしゃってい て、私は東京都に住んでいるもので、つい年金と通常的に言っていたのか、それとも態 度が変わったのか。それは実は全国レベルで見ると非常に大きな問題なので。  3つ目は、今回の見直しと全然違うことで今大きな問題になっているのは、いわゆる 自立支援法が導入されて、我が全日本育成会は早々と賛成したということで全国から批 判を受けておりますけれども、その中で一番大きいのは1割負担という問題があるんで すね。所得計算の中で、この扶養年金の収入が収入算定されるのがけしからんという全 国からかなり強い要望があるんですね。ですから、その意味で扶養保険について急に注 目を持ってきた矢先に今回の見直しが入ったので、これは大変だなというのが3つ目で す。言うなれば、年金の呼び方と、つまり自立支援法に絡んで出てきているということ、 これが一つの状況説明。  4点目は、御存じのように自立支援法については賛否両論いろいろあるんですが、一 番大きなものは所得保障制度が未確立の中でいわゆる応益負担がけしからんと。我々も そういう言い方をして、応益負担するのは仕方ないとしても、所得保障が未確立なのに 払えないじゃないかということで、応益負担制度は否定はしていないけれども、払える ように所得保障体制を強力にしようという矢先に、従来の一つの所得保障だった年金保 険が解体しようという状態なのは、ますます大きな流れから逆行すると。  5点目が一番大きいんですが、システムから見ると保険システムですが、根本的ない わゆる日本の年金制度の崩壊の予兆になるのではないかという感じがするので、かなり 慎重に対応していかないと、たかが数万人の重度障害者の年金ではあるんですが、結局、 国家が約束してスタートしておきながら、ある段階で破たんしたらやめます、あるいは 大幅に云々というのが、なかなかそう簡単に行かんだろうと。私も引き継いだ者として 簡単に行かんだろうという非常に大きな背景があるかなと。  最後に、先ほどから聞いておりますと、11年前のときもそうだったんだけれども、何 ゆえに結局このようにだめになったのかを、加盟されているお母さんたちにわかるよう にしないと、4ページ目の表は私の能力にもよるんですが、非常に難しくて、どこでど うなったかと幾ら説明を聞いてもわからないし、ましてや人に説明はできない。簡単に 言うと、要するに受給される障害者の年齢が長くなった、非常によろしくない言い方を すると、受給される障害者の寿命が長くなったので、何年で亡くなるだろうと予測して いたのが全然そうではなくて、なかなか亡くならないなどということを11年前のとき には最大の原因だと聞いたんですね。要するに、受給年齢の測定の予測の健康状態とか いろいろな状態によってそれがよくなった、これはハッピーなんだけれども、それに伴 う支払いが長期化する、肥大化するとともに、一方では加盟される方の人数が非常に促 進しない、このバランスだと聞いたんですが、そういうふうに理解していいのか。とい うのは、逆に言うと、どうすれば東京都のように終えんしないで持続できるのか、それ とももはや終えんする形でこれから議論しなくてはいけないのかという大きな背景にな ってくる。すなわち、修理がきくものなのか、この制度そのものを再起動させられるも のなのか、もはや取り替えなくてはいけないものなのか、その大きな根本の原因究明と いうか、この委員会においてとともに一般の加盟者の方にきちんと説明できるような状 態にどうするのか、これをできるだけわかりやすく説明いただきたい。  最後に、私は東京都に加盟しておりましたので、東京都は御存じのような結果になり ました。一昨日に案内が来ました。私は35年間加盟しておりましたので、予想の4倍 ぐらいの一時金の計算表が来てびっくり仰天しているんですが、これぐらいの計算で出 せば、場合によっては終えんするにおいても、ソフトランディングできるのかなと。  ということは、逆に言うと、ソフトランディングする条件、背景等は、なかなか簡単 にいかないだろうなという辺りを含めると、我々委員会の役割というか、特に私の立場 は利益者というか加盟者を代表してきているものですので、おまえはいつも厚生労働省 の言いなりだと言われておりますので、そうではないという意味では、やはり所得保障 制度の別の意味の確立が、一時期基礎年金が途中でできましたけれども、あれでは不十 分という中で、我々が言っているいわゆる障害手当の増額であるとか、いろいろな形が 一方でないと、このスクラップだけではなかなか来年1年でソフトランディングはきつ いかなと。  ちょっと長々と8点ほど述べましたけれども、ただ1つ質問は、名称変更についてお 答えいただいて、あとは単なる要望というか意見として聞き流していただければ結構な ので、よろしくお願いいたします。 ○鎌田企画官   名称なんですが、もう一度古文書などを見なければいけないのかと思うんですが、手 元にあるものによると、今御指摘のあった神戸市などでも保険扶養制度と言っています し、昭和45年のときから心身障害者扶養保険制度発足とありますので、ずっと保険制 度で来ています。もう一度確認してみたいと思いますが。 ○松友委員   わかりました。我々は東京都の制度で入って国のことを論じたので、済みません。 ○鎌田企画官   あと、御要望の点につきましては、正直皆さんからそういう点を踏まえて御指摘・御 意見をいただきたいと思うので、まさに最後御説明いたしましたように、そういった状 況を踏まえてどうするのかということを御議論いただきたいと思います。  また、我々の方からもその際に御議論に資するような形で、できるだけ資料なり何な り用意するとかして、その辺は内容をわかりやすく、更に理由もわかりやすく努めてい きたいと思いますし、先ほど言った11年があき過ぎたのではないかという御指摘はそ のとおりでございまして、素直に我々の方の資料で書きましたけれども、平成8年から いろいろ理由はあれ、あいたということで11ページにございますので、やはり平成8 年の考え方は先ほどの堀先生の質問にも関係するんですけれども、その時々ちゃんと定 期的に加入者の方、受給者の状況を見て適宜見直していくということであったというこ とでございますので、そういったことも踏まえてどうするかということが、我々に課さ れている課題ではないかと理解しているところでございます。 ○松友委員   わかりました。過去のことをいろいろ言っても仕方がありませんので。 ○秋山委員   今いろいろ御説明あったので、もうそれに付け加えることもないんですけれども、先 ほど制度の概要のところで御説明がありましたように、これはやはり親亡き後の保護者 の不安、これは当時非常に不安が強くて、親が死んだ後子どもさんをどうしようかとい う観点で、こういうものが成立してきたのだろうと思っています。  では、それを現在に当てはめてみますと、現在では十分になったのだろうか。社会保 障制度は確かに充実しましたけれども、いまだ所得保障は十分とは言えないのではない か。そういうものが支援法の今のお話にありましたように、例えば6万円ぐらいしかも らっていない年金で生活できるのか、あるいは補完的にどこからかそれを支援するもの が出てくるかどうかというようなことが言われておりまして、利用料負担金の問題につ いては、その2万円も収入にカウントされるということですが、2万円というのは非常 に大きな意味を持っていると思うんです。今後、将来的にいった場合に、貨幣価値がど うなるかという問題は勿論あるんですけれども、やはり今の段階で2万円ぐらいと言う と語弊があるかもしれませんが、これはかなり生活の上では大きな意味を持っている。 例えば、障害者が一生懸命働いても平均的に2万円稼ぐのが容易ではない。さらに重い 障害者の人たちはそれができない状態になっている。そういうことから考えると、この 扶養保険はある意味では非常に障害者を支えるものになるのではないか。  これは私的年金ということでありますので、そうはいっても社会保障が十分であれば こういうものは要らなかったのだろうと。それがまだ十分でないとすれば、やはり補完 する役割というのはまだあるのではないか。制度が先ほどご説明の予定の利率が、平成 7年で改正されたようなところまで行けば、自主的に運用できるだろうと思うんですが、 そこはできなかった。過去の不足分を20年間保障することによって自主運用ができる ということで制度を改革されたものであると思う。経済状態がよくて、運用利率がよけ ればこういうふうにならなかったのかもしれない。けれども、それができなかった社会 経済状態に問題があったので、これは国の経済全体の問題に押さえられてしまったとい うことで、むしろ赤字を抱え込んできたということですから、そういうことを考慮して 見直しをしていただきたい。それには保険料の負担の増もあるいは伴うのかもしれない。  もう一つは、先ほど受給者の年齢も長くなっていくという一方で、親御さんの死亡率 も少なくなっているのではないか。そういうことも含めて御検討いただければありがた い。私は、この制度を存続していただくような方策を何とかここで考えていただければ ありがたいと思っています。 ○山崎座長   一応御意見として伺っておくということにしたいと思います。  ほかにございますか。 ○田中委員(代理:福田氏)   行政の立場からということになろうかと思いますけれども、質問というか課題という か、どちらで言ってもよろしいでしょうか。実際に質問に近いんですけれども、課題と して発言させていただければと思います。この保険制度そのものは、今の所得の保障と の絡みになるのは事実だと思います。一方では所得を上げるという取り組みの中で、こ の制度をどうするかということでの見方から発言をさせていただくと、制度そのものは もう数年後破たんするというのがわかっていて、あるいは破たんしているような状況だ からこそ、特別な資金を投入して国や道府県が維持をしているということですね。そう すると、県の立場からすると、この制度を維持するために一般財源をどう投入するかと いう確保の問題が当然出てくるということになろうと思います。もしくは、廃止をする と言ったときにも、東京都がそうであったように、財源を投入することになるというこ とがありますので、その財源の確保の部分を数が少ないという言い方の中身にはなるわ けですけれども、この制度を期待をして加入していただいた方々を裏切らないための確 保の部分と、多くの一般県民といいますか、国民に理解を得られる計算式のもとでの財 源の確保で廃止という形になるのだと思うんですね。その2つが課題としてありますと いうことをお伝えしたいというのが1つ。  2つ目として、例えば維持にしたときに、保険料の見直し等についてもずっとやって きたんだけれども、途中やったばかりなので見直しは少しいいかみたいな、政治的な絡 みもないとは言えないと思うんですね。政治判断も含めて、どうこの制度を維持するか といったときに、当然、健康保険も含めていろいろな保険制度というものは保険料を上 げないと、支給金額が多くなればそれだけ保険料で賄わなければいけない、あるいはそ こに一般財源も入れなければいけないということで賄うわけですから、そうすると、保 険料を上げるとどうしたって加入が減ってくる。これは一時の平成6年からの加入の減 ということが明確示しているわけですので、そうすると、加入者が減ってきてまた結果 的には制度を維持できないじゃないかというところでまた保険料を上げるんですかと、 結局堂々巡りしている、それは医療費と同じような意味合いでの課題として、行政の部 分では感じてしまうという気がします。  その上で、ここからは質問という形になります。東京都の希望する加入者の方が今検 討する仕組みの中に入りたいというような意味の希望が出ているとすれば、何万人ぐら いの人たちが加入をするか。現実には廃止されている状況だから、それは東京都の仕組 みの中で済むわけですけれども、そうすると、場合によっては今の破たんの上に少なく とも同じ人口規模で入ってくると、これは東京の問題かもしれませんけれども、東京は 東京として財源の確保をどうするのかなということも含めて、人口割で先ほど45億円 とか92億円が計算されているとすれば、人口割で栃木県には栃木県として来ているの だと思いますけれども、東京都までの上乗せにはなりませんよねみたいな話も含めて制 度設計をしていかないと、その辺りが課題のような質問のような。 ○山崎座長   では、後半の質問の点についてお願いします。 ○鎌田企画官   一言で言うと、何人入ってくるかということについては我々としても予測はできませ んし、東京都の報告書を見ても、見直した後の制度に加入される措置を講じてほしいと いうことは書いてあるものの、先ほど言ったような制度廃止に対しての設計の文書を見 ても、具体的に何人ぐらいが新たに加入するかといったことは書いてございません。東 京都に確認したいと思うんですが、手前どもの数字としてはないというふうにお答えさ せていただきたいと思います。 ○山崎座長   それから、地方負担は人口割なのか、加入者割なのかという御質問でしたね。 ○湯村企画課長補佐   過去の分なのものですから、改正時点の加入者割です。 ○田中委員(代理:福田氏)   いずれにしても、その部分が上乗せすることになっていくのかどうかも、当然制度全 体ですので、過去のということだから問題はないんですけれども、今後将来のという話 も必要であればということですが。維持のために。    ○鎌田企画官   東京都の制度で言うと、受給者が9,000人いて、これは関係ないとして、納付完了者 が1万人ぐらいいたんですが、これも関係ないとすると、掛け金納付者途中の方が8,900 人ぐらいいたということで、あと新規がどのくらいかということではあるんですが、そ のうち何人がどういう選択をされるかということではないかと思います。特に、途中の 方でも先ほど言ったように一定の額が返ってきておられますので、まさにそういった所 得とかいろいろなものをお考えになって御判断されるものと考えております。 ○山崎座長   ほかにございますか。 ○松友委員   極めて個人的な感じになって、この場ではよろしくないんですが、東京都の制度がも う終わると。そうしたら、国に乗り換えませんかと、3つほど出されていますよね。乗 り換えた国の制度がおかしくなったら、都が責任を取るんですか、国がそれまで抱え込 むのか。つまり、私は受給者なので頭の中がビバレントなんですが、要するに委員会と して今おっしゃったように、来た諸君をどう受け止めてこの制度をどう議論するかとい うことと、そこに動かれる現在東京都に加盟されている方に国はどう説明するのか。東 京都の説明は、どうぞあっちにお行きになる方はと幾つかのルートを出しているだけで すけれども、その後にこっちに来たときに、つまり今の制度を前提で受けるわけですよ ね。ところが、逆に言うと、都は将来の見通しのないものに案内したということは一種 の詐欺行為というか、きつい言い方をしますと、沈むかわからん船に乗ったらどうです かと言って沈んだと言われたら……。私の家庭内におけるこれからの戦術会議のデータ になるだけの話かもしれませんが、こういう言い方をしてはいけないですけれども、こ れは東京都さんの別制度から来る一つの副次的問題かと思いますけれども、今おっしゃ ったように、それも考えていかなければいかんなというのはありますよね。 ○中村社会・援護局長   都の方から率直に言って、自分の方では廃止を検討しているけれども、今まで都は独 自制度でやってきて、国の制度には入れていないわけですけれども、廃止してしまうと。 そうすると、国は頑張って絶対に都民は入れないと、局長そういう態度で来ますかとい う打診がありまして、私はいい人間ですから、別にそういうことを決めているわけでは ありませんと。そうであるとすると、都としては自分たちは勝手にやめるけれども、や めた暁には国の方に入るというのも一つの選択肢として考えられるのではないかという ことは言いますよというお話はありまして、私どもは経緯を考えるとやや勝手だなと思 わないわけでもないですが、東京都民も国民ですから、東京都がそういう御案内をする ことについて、私どもから困るとかそういうことは言いませんでした。  先ほど来お話が出ていますように、我々も平成7年に改正して、持続可能な制度とし てやっていくために定期的に見直しをするということを考えると、やはりこれまでの間 にきちんと中間的な見直しをすべきであったと今から思うとそうなんですが、やはりこ の間の経済状況や国の年金制度も平成11年に改正がありましたけれども、長い年金改 正の歴史の中で平成11年改正は保険料凍結だったんですね。そういう特別な状況があ りましたので、年金制度全体が凍結されている中で見直しをすると言っても、保険料を 上げるということは私は現実的にできなかったと思いますので、あえて弁護するわけで は……、弁護しているんですが、当時の人間としてはとてもできないということではな かったかと。その分、最近の経済状況なりもあって、我々としてはこちらの都合かもし れませんが、独立行政法人に担い手である社会福祉医療事業団が福祉医療機構となり、 独立行政法人について政策評価がされるということになると、一種のこういう問題を抱 えているスキームをそこの機構が持っていることは、やはり政策評価としても困るとい う現実的な我々の動機が一つ強まったということ。  それから、制度そのものを考えても、今判断しないといけないという状況。それから、 幸か不幸か東京都が制度を廃止されて、今御懸念があったように、東京都難民がこちら に来たときに、我が船としてどういうふうにするのかということは、またこの会でも御 議論いただいた方がいいと思うんですね。では、東京都は入れるなというのもあるかも しれない。船が沈みそうなときに、また乗ってこられたら沈んでしまうという判断があ れば。いや、受け入れても沈まないようにすべきだという判断もあるでしょうし、とに かくその船自体沈めてしまおうとかいろいろな選択肢があると思いますので、そこにつ いては我々も資料を提供し、今、御注文をいただいたと考えていますので、そういった ことも含めて彼らの経過措置が平成20年3月31日までですから、その処理も含めてこ の会で結論を出す本当に最後のチャンスではないかと思ってお願いしているわけでござ います。ですから、このことについてもひとつ検討課題であるし、東京都問題を踏まえ た上で今後の対応を御判断、この会で練り上げていくということではないかと思ってお ります。 ○堀座長代理   感想ですけれども、当初、数理的に健全な中で発足したのかどうか、あるいは途中の 段階できちんと数理計算されて、勿論、寿命が延びるとかそういう要因はここに書いて あるようにあると思うんですが、先ほど言ったように、保険料の年齢の固定に変えたと か、そういう政策的な要因とか、先ほど松友委員がおっしゃったように、何でこういう 状態になったのかという、単に制度改正するというだけではなくて、ここに戸田委員が おられますので、そういうことを少し数理的にもきちんとした方がいいのではないかと 思うんですが、今後も存続を前提にして、どういった場合にどう対応するのか、そうい うことの教訓になるのだと思います。こういうふうに財政が不健全になった。そこは何 かやってほしいなという感じがします。  もう一つは、先ほど松友委員が東京都の例を挙げて、お金を出せばある程度修理でき るのではないかということでしたが、確かにそうだとは思うんですが、やはり相当程度 国費を入れなければできないわけなので、存続しても国費の投入が必要だと思うんです が、先ほど加入率のことを言っていましたけれども、やはりそんなに多くは加入してい ないということを考えると、制度に加入した人が相当な得をしているというようなこと は、なかなかやりにくいような感じがします。秋山委員からありましたように、きちん と保険料を払ってもらうというのが一つの方針かなと思います。  私はずっと年金をやっていますけれども、これは積立方式なんですね。積立方式とい うと物価、賃金の上昇に応じて目減りするんですね。昭和45年につくったというんで すけれども、昭和48年に石油ショックに伴う大幅な物価上昇がありましたよね。あれ で相当目減りしていると思うんです。ですから、昭和45年につくったときに期待した 額と、今後そういう物価上昇があるかどうかというのはわかりませんけれども、経済は 動いていますからあり得る可能性はあると思います。だから、期待したほどもらえなか ったということも存続に伴うリスクではあると思います。その場合に、国と地方公共団 体との関係はなかなか難しいと思いますが、基本的にはこのスキームは地方公共団体が 実施主体になってやっている、国は枠組みをつくっているというイメージを受けるんで すが、そういう意味で国と地方団体がどう責任を負うか、先ほど福田さんがおっしゃっ たことをこれから考えていく必要があるのではないかという感想を持ちました。 ○中村社会・援護局長   加入率のお話もさっき出まして、何を分母にとるかによって大分イメージが違うと思 うんですが、例えば障害者自立支援法で知的障害の方で施設サービス、通所サービスを 受けておられる方は20万人、3障害でも施設・通所サービスを受けている人は40万人、 それから、ほかにホームヘルプサービスとかあらゆるサービス全部ひっくるめても3障 害で65万人というのが障害者自立支援法でサービスを受けている人ですから、そうい う意味では障害者600万人という数字は、いろいろな意味での障害の方がおられますか ら、いわゆる障害者問題で皆さんがイメージし、重度の障害をお持ちで地域生活あるい は日常生活するためにサポートが必要、あるいは就労するために自立支援のための援助 を必要とされている人の範囲は、今の日本の制度の中では現状でマックス65万人。障 害別に見ていくと、知的障害で20万人程度ですから、そういった中で9万人という数 を多いと見るか、少ないと見るか、その辺の判断もあると思います。先ほど出ている所 得保障の必要性とか、そういう議論の中で、障害者自立支援法との関係で議論の俎上に 上る人のオーダーというのは、そういった意味で100万人オーダーではなくて、数十万 人オーダーの中の、この加入者が分母の中に全部入っているかどうかの検証は必要です が、ここに書いてあるように身障1〜2級とか、そういった方が5割というのは大体そ のオーダーの中の世界と考えて議論していただいた方がいいのではないかと私は思って おります。次回またこの点に関しても、障害部の方から対する割合と考えるかというと きの分母に対する資料は出してもらいたいと思っております。 ○戸田委員   先ほどの堀さんの御発言に関してですけれども、過去の詳細については私は知りませ んが、きちんと保険契約されている保険料のことですから、当時の前提に基づいて、一 定の保険原則に基づいて計算されたものだと思います。当時は、納付時年齢ということ で、年齢が上がるごとに保険料が高くなるような方式だったものを、途中から加入年齢 に置き換えたんですが、それ自体は当初から加入時年齢で設定すれば少し高い保険料に なっていたということであって、保険数理的には等価だったろうと思います。ですから、 それは恐らく納付時年齢にした方が保険料が安くなって、加入しやすいという判断があ ったのかもしれません。詳細はわかりませんけれども。  それから、現状で言えば、これは生命保険会社ときちんと保険契約された保険料です から、明らかに保険原則に基づいてきちんと計算されたものと。そういう意味で、あく までも積立方式の保険料であると考えてよろしいと思います。 ○松友委員   今いろいろ保険システムの話が出まして、全くそのとおりなんですが、ただ一般的に 私が加盟したときもそうでしたが、東京都の話ですけれども、保険システムなのか税金 のシステムなのかわからないんですよね。役所が絡むとこれは役所が責任を持って手形 に上書きしていただいているというのがあるので、基本的な年金制度そのものもあれで すよね。半分は税金をつぎ込んでいるわけで、全部拠出だけではないですよね。どうし ても日本の場合は保険と言いながら税も絡んだりするので、甘いと言われるのかわから ないんですが、期待するというのは日本の場合一般的だと思うんです。論理的に言いま すと、保険制度とは違うんだと説明できるんですが、それで納得はなかなか得られない だろうなというのが1つ。逆に、それだけ行政、官に対する国民の期待から従来から大 きかったと。  2つ目は、私は子どもが1歳数か月で障害認定されてすぐ加盟した、非常に素直に役 所の御指導に従う者として、だから、加盟された方は大体そういう方が多いと思うんで す。余り突っ張ったり、役所に期待できるかではなくて、制度があるんだったら積極的 に利用しようと。だから逆に言うと、そういう方にきちんとどう応えていくかというこ とがないと、いろいろな制度・施策を新たにつくっていっても、なかなかうまくいかな い。これが2点目。  3点目は、逆に私もいろいろ探していますけれども、障害基礎年金制度ができたとき、 DPIとかいわゆる障害者、主に身体障害者本人の方から、この制度の廃止の提案が出 ていた記憶があったんですが、その理由は、親亡き後ではだめだと。親がいようがいま いが関係ないので、20歳になったら出すようにせよとか何とかということで、私たち育 成会はそれは違うんじゃないかと言って若干の論争があった記憶があるんですが、それ と今回は全然違うんですけれども、別の視点からある一時期、今から十何年か前に、こ の制度の見直しの提起が当事者団体からあったというのは一つの、参考になるかどうか わかりませんが、過去のデータとして調べ直して、それが逆のある種の新しい時代の親 を含めた一つの理解というか、パラダイムシフトのある面でのデータになるのかもわか らないと思い出したので、データがあれば、私も探してみますけれども、役所の方もち ょっと調べていただければと思います。  以上です。 ○山崎座長   ほかにございましょうか。御発言がない方もありますが、よろしいですか。○中村障 害保健福祉部長 検討項目の最後、18ページに年金資産運用の改善ということ、先ほど 堀委員の質問にも関係があるのかもしれませんけれども、平成7年当時と現在では多分 様子が変わっていて、この資料の中にも時価主義、簿価主義の話も出ていますし、それ から、運用規制について一般の年金の運用だと5・3・2とか過去の遺物になっている んですけれども、平成7年当時の検討では恐らくそういう当時の状況を踏まえた運用の 有り様になっていると思いますので、それも含めて少し議論をしていただいたらと思い ます。 ○佐々木委員(代理:外ノ池氏)   これは条例をもって各道府県やっていることだと思いますが、保険という色彩でこれ から先説明を続けていくとするならば、今現在でも既に保険では説明ができない、例え ば生保世帯は免除するとか、保険と言いながら掛け金を掛けていない部分について、公 がその未納分を代替わりするようなところというのは、ちょっと細かい話ですけれども、 これは保険ではあり得ない話だと。ですので、例えば掛け金未納分というのは、どの年 金制度を使っても、その分は年金額が差っ引かれるのが普通であると。ないしは年金権 そのものが発生しない。それから、生保世帯の問題についてはいろいろな場面で議論さ れていることですけれども、そもそも生保の中から保険金を払うのか免除するのが妥当 なのかという議論が行われないで今現在免除して加入させていることの妥当性というも のも、この機会に併せて整理していただいて、何らかの改正が行われるなり、廃止が行 われるなりするときにも、今の加入者を含めた説明を全国がする場合に、筋の通った簡 単な説明をさせていただければと思っております。  また、次回にもう少しそんなことでお願いしたいと思います。 ○鎌田企画官   それについては先ほど堀委員から御指摘がありましたように、これはそういった制度 設計、最終的には地方自治体の条例で、地方公共団体が主体となっている仕組みでござ いまして、我々の方からこういう検討経過まで出しておりますけれども、そこでは免除 などの規定はございませんで、自治体が独自でされているという点はお考えいただきた いと思います。 ○中村社会・援護局長   それも含めて整理するような。 ○堀座長代理   自治体は免除した分、公費で補てんしているんですか。 ○佐々木委員(代理:外ノ池氏)   しております。それは多分過去いろいろな故事来歴があってやっているのだろうと思 うんですが、多分横浜だけがやっているのではなくて、ずっといろいろなところが右へ 倣えでやっていたりしますので、それをやめるとか何とかというのはまたいろいろとあ るのだろうと思います。 ○松友委員   その件はおっしゃるとおりで、私も逆にしかられたんですけれども、国民的感情から 見てそうかなと思って、私の立場で発言するわけではないですが、おっしゃるように東 京都の場合、全部免除されても受給権があるということで返ってくる金は全部一緒なん ですって。だから、それでいいのかな。一銭も払っていないのに、権利としてあったん だから、当然それは計算して出されるんだそうです。私も初期免除なんですよね。区民 税非課税世帯、学生だったもので、1年か2年は免除なんですよ。早く子どもをつくっ たもので。だから、そこは計算されないのかなと思ったら、大丈夫よ、全部入るわよと 言われて「え?」と思ったのがあるので、そこはちょっと違うことかもわかりませんが、 やはり保険システムで議論していくと、おっしゃるようなことも加盟者の権利・常識と 国民の一般のあれをバランスをとらないといかんでしょうね。 ○山崎座長   自治体独自の対応についても、整理しておく必要がありますね。  では、ほぼ予定の時間になりましたので、今日いただきました御意見や御質問を整理 して、次回以降の検討会に反映させていただきたいと思います。  それでは、事務局の方から連絡事項等ありますでしょうか。 ○湯村企画課長補佐   次回の心身障害者扶養保険検討委員会でございますが、後日メールなどで委員の皆様 方の御日程をお伺いした上で開催いたしたいと考えておりますので、よろしくお願いい たします。 ○中村社会・援護局長   次回は、もう少し広い部屋で。私は閉所恐怖症ですから。 ○山崎座長   それでは、これで終了します。どうもお疲れ様でした。                <照会先>               厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課手当係      担当:稲田、和田(内線3020)                     電話:03−5253−1111(代表)                        03−3595−2389(直通)                    FAX:03−3502−0892