07/03/23 第9回看護基礎教育の充実に関する検討会議事録 第9回 看護基礎教育の充実に関する検討会議事録                                                                 照会先:厚生労働省医政局看護課                      島田(2599)初村(2595)                       電話:03−5253−1111                        直通:03−3595−2206 第9回看護基礎教育の充実に関する検討会           日時 平成19年3月23日(金) 13:00〜 場所 厚生労働省専用第18〜20会議室(17階) ○事務局(柴田)  ただいまから、第9回「看護基礎教育の充実に関する検討会」を開催いたします。委員 の皆様方におかれましてはご多忙にもかかわらず、当検討会にご出席いただきありが とうございます。本日は榮木委員よりご欠席の連絡を受けています。それでは座長、議 事の進行をお願いいたします。 ○遠藤座長  まだ、ご出席されていない委員の方が何名かいらっしゃいますが、追い追いいらっしゃ ると思いますので議事を進めたいと思います。  前回、第8回において、カリキュラム改正案と看護教育における教員および実習指導 者の資質等についてご議論いただいたところです。皆様方からのご意見を事務局が整 理し、本日「看護基礎教育の充実に関する検討会報告書(案)」を作成しました。お手元 にあるものがそれでございます。お話申し上げたとおり、本検討会の開催は今回までで あります。限られた時間ですので、本日も建設的なご議論がなされるよう、ご協力を賜 りたいと思います。最初に、事務局より資料の確認をお願いします。 ○看護課長補佐(岩澤)  お手元に配布しております資料の確認をお願いいたします。 「議事次第」に続き、「検討会メンバー」、「座席表」、「資料」でございます。冊子になっ ていますのが「看護基礎教育の充実に関する検討会報告書(案)」です。  参考資料1として、「報告書(案)」、平成19年3月23日まとめとして1枚にまとめたも のです。参考資料2は、「看護教育に新設した統合分野の考え方について」であります。 乱丁、落丁はありませんでしょうか。 ○遠藤座長  よろしいでしょうか。それでは、早速、事務局より資料の説明をお願いしたいと思います。 よろしくお願いします。 ○看護職員確保対策官(小野)  委員の先生方には事前に送付いたしましたが、本日ご用意しましたのは「看護基礎教 育の充実に関する検討会報告書(案)」と、その参考となる2枚の絵です。この2枚の 絵については、黄色が今回の検討会報告書の内容などをコンパクトにまとめたもので す。もう1つ、参考資料2が看護師教育に新たに導入する統合分野の考え方について 説明申し上げたものです。適宜、ご参照いただければと思います。  早速、「検討会報告書(案)」をご説明申し上げます。下のほうに頁がありますが、 ローマ数字ではない1頁をご覧いただければと思います。I「はじめに」、ここの箇所で はこれまでの経緯を簡単に記述しているところです。IIの「看護基礎教育の現状と課 題」については、看護師教育、保健師教育、助産師教育のそれぞれについて現状の教 育の問題点、課題などについて整理をしています。これについては、既におまとめいた だいています「中間的なとりまとめ」において詳しく記述していますので、こちらではごく 簡単な記述にとどめているところです。  4頁、III「カリキュラム改正案」です。「1.改正の趣旨」では、今回の改正案の特徴と して2段落目、習得するべき技術項目の精選、到達度の明確化のこと、あるいは看護 師基礎教育において統合分野を設けたこと、それぞれそういったことを指摘していま す。  同じ頁の「2.改正案」です。これはそれぞれ保健師教育、助産師教育、看護師教 育について、改正の趣旨の解説と具体的なプログラム案をお示ししているところです。 まず「保健師教育」についてですが、(1)の「基本的考え方」の改正、これは看護師 と養成所の運営に指導要領で示しています、「基本的考え方」の改正の趣旨をここ に記述しています。  5頁の(2)教育内容のところです。内容については、前々回に村嶋委員からご説 明いただいたこととだいぶ重複しますので、詳しい説明は省略させていただきたい と思います。一方で単位数ですが、7頁をご覧ください。前回の検討会の終了後に 先生方から頂戴した意見の中で、保健師の単位数の増ということですが、現行21単 位あるところを今回は26単位、5単位増だったわけですが、現場の負担を考えるとそ れは多過ぎるのではないかというご意見がありました。今回、単位数を増加させまし た「保健福祉行政論」について、前回のご提案では4単位としていたものを3単位に、 また実習のほうで「地域看護活動展開論実習」と「地域看護管理論実習」を合わせて の単位数ですが、前回は4単位としていたものを今回は3単位とそれぞれ減少させて、 合計で24単位、現行の21単位から3単位増という形でここでご提案申し上げる次第 です。  併せて「備考」欄、「継続した訪問指導を含む」という所です。前回は「保健所、また は市町村での」という言葉が入っていましたが、これについても、同様の考え方から 修正しています。  8頁、9頁では指導要領の基本的考え方、留意点を書いています。いまの規則同様 の単位数減を反映させていますが、さらに9頁、総計の時間数のところ、前回26単位、 850時間というようにしていたものを今回は24単位、790時間というようにしているとこ ろです。なお、留意点の変更については特にありません。  10頁は「助産師教育」です。保健師と同様、(1)では「基本的考え方」の改正、(2) では教育内容の改正について説明しています。いずれも前々回、堀内委員からご説 明いただいた内容とほぼ重複しますので省略します。  12頁、助産師の単位数については特段のご意見がありませんでしたので、変更して おりません。一方、その後のご相談の中で、前回ご提案しました実習期間中に妊娠中 期から産後1カ月まで、継続して受け持つ実習を1例以上行うことについては、現場の 負担を考えるとなかなか厳しいというご指摘もありましたので、指定規則からは削除し ているところです。13頁にあります指導要領では、単位数、時間数、留意点、すべて特 段の変更をしておりません。  14頁、「看護師教育」です。同様に(1)では「基本的考え方」の改正、(2)は教育内容 の改正です。これも小山委員に既にご説明いただいたこととほぼ重複しますので省略い たします。ただ、名称ですが、統合分野中、新たに定めることにしたものについて、科目 名を「統合科目(仮称)」というように前回しておりました。それではなくて、名称として 「看護の統合と実践」というものをご提案申し上げています。  18頁をご覧ください。「看護の統合と実践」というようにしたことと、あと単位数でありま す。保健師・助産師同様、先生方から頂戴した意見の中で、単位数が現行93から100 単位への増というのは、現場の負担を考えると多過ぎるというご意見を頂戴いたしまし た。今回、新たに盛り込むことにした「看護の統合と実践(仮称)」の実習について、前 回は3単位としていたものを2単位に、また現状において、実際に実習の対象の患者が 高齢の方が多くなっていて、「老年看護学実習」との重複もあるというご指摘のある「成 人看護学」の実習について、現行8単位となっているものを6単位としています。その上 で、合計97単位という形にしています。  19頁、20頁が指導要領です。19頁は特段の変更はありません。20頁、時間数につい て、前回は100単位、3,135時間としていたものを今回97単位、3,000時間と先ほどの変 更を反映しているところです。  留意点については2カ所変更があります。19頁の「基礎看護学」、上から6行目、「事 例等に対して、看護技術を適用する方法の基礎を学ぶ内容とする」となっているところで す。前回は「成人・高齢者の事例を通して看護技術を統合し、看護の展開方法の基礎を 学ぶ内容とする」としていました。この修正の趣旨は、「基礎看護学」という、比較的教育 の初期の段階で学ぶことの内容の留意点としては、「事例を通じて看護技術を統合し、 看護の展開方法を学ぶ」というような前回の文言では水準が高過ぎるのではないかとい うご意見があり、いまの案文にしたものです。  もう1点、20頁の下のほう、「統合分野」の「看護の統合と実践」の「夜間の実習」に ついてです。いちばん最後の行、前回は「夜間の実習を行う」という言い切りの表現にし ていましたが、これも学校ごとの事情によって困難な場合もあるというご意見もありまし たので、「望ましい」という語を補っているところでございます。その他の変更は特にあ りません。  21頁は「保健師・看護師統合カリキュラム」です。考え方は特に変更はありません。22 頁は単位数です。これは前回提案として、先ほど申し上げた看護師・保健師の単位減を 反映し、前回は122単位、3,880時間としていたものを今回は118単位、3,700時間とさせ ていただいています。  同様に23頁、24頁は「助産師・看護師統合カリキュラム」です。これについても考え方 に特に変更はありません。24頁は単位数のほうですが、これも同様のことで、ほかの部 分の減を反映して前回は122単位、3,780時間となっていたものを今回、119単位、3,640 時間としています。  25頁、「3.改正の実施に際して留意すべき事項」を整理しています。大きく分けて3 点あります。25頁は1)として「専任教員について」です。26頁の中段からは2)の「実 習指導者について」、27頁では3)の「教育方法について」という3つの大きな柱で記述 しています。  25頁、1)の「専任教員について」の箇所であります。(1)においては専任教員の要件 について書いています。保健師養成所および助産師養成所についても、看護師養成所 と同様の要件を加えることを書いています。  (2)は前回ご議論いただいた、看護師学校養成所の専任教員数の経過規定です。 これについて見直しをする、(3)は保健師養成所および助産師養成所の学生定員数に 合わせた専任教員の数について、より明確にすることを追加するということです。  (4)では専任教員の自己研鑽に努めることを書いています。(5)は養成所の「実習 指導教員」の配置について、望ましいものであることを明記することとしています。  2)の「実習指導者について」です。(1)については、実習施設での指導者について、 専任とすることが望ましいが、人数については現場の事情に応じたものとすることとなっ ています。(2)は実施指導を担当できる方について、助産学実習や小児、母性看護学 実習の対象施設を拡充するという観点からの変更をしています。 3)の「教育方法につ いて」です。最後から2行目になりますが、教育方法について「演習用の機械器具や模 型の活用の推進」といったことについて盛り込んでいるところです。  28頁、IVとして、「今後の課題」についてを整理しています。まず、「1.看護基礎教 育の抜本的な検討について」の3つ目の段落、「今後、看護職員の需給バランスへの影 響等の課題にも配慮し、本検討会の議論を踏まえつつ、教育の方法や内容、期間につ いて、こうした将来を見渡す観点からの望ましい教育のあり方に関する抜本的な検討を 別途早急に行う必要がある」としているところです。なお、次の段落、「なお、本検討会」の ところですが、ここで卒後の臨床研修についても、「検討に速やかに着手すべきである」と いうことを記述しています。  「2.改正カリキュラム導入に際して」の1段落目、これは新たに設けることとしてい ます「看護の統合と実践」を指導する方はどういった方がふさわしいのかということ。ま た、2段落目、「また保健師教育においては」の箇所ですが、保健師教育について、大学 教育において臨地実習の密度の低下などの弊害が指摘されていることについて記述して います。  29頁、「3.学生の実習への協力について」です。これは、学生の実習への協力の呼び かけを私どもが尽力するようにという、先日の会議でのご意見を反映しているところです。  以下、30頁に本検討会の名簿を載せています。31頁は検討会の開催の経緯、32頁、 33頁にはワーキンググループのメンバー表があります。34頁はワーキンググループの検討 の開催の経緯です。35頁からは保健師・助産師・看護師、それぞれについてワーキンググ ループでおまとめいただいた技術項目と卒業時の到達度を掲載しています。このうち、保健 師教育については来年度さらに研究を重ね、確定版を作成していきたいと考えています。 助産師・看護師については、現時点において、ひとまずこれで確定とさせていただければと 思っています。最後、42頁、43頁は前々回の会議でご報告いただいた、ワーキンググルー プでまとめていただいた保健師教育・助産師教育における望ましい単位数という、ワーキ ンググループ作成のものを掲載しているところです。  以上、大変駆け足になりましたがご説明といたします。どうぞ、よろしくお願い申し上 げます。 ○遠藤座長  ありがとうございます。前回の検討会の席上、およびその後ご意見があった ものをできるだけ反映した形で、今回この案文ができたわけです。  早速、中身についてご議論いただきたいと思います。内容的には非常に豊富ですので、 少し分けて議論していきたいと思います。まず、Iの「はじめに」とIIの「看護基礎教育 の現状と課題」、頁数で言えば1頁から3頁になります。この辺から始めたいと思います。  まだ、いろいろなご意見があるかと思いますが、ここに書かれている内容について、繰 り返してご議論いただくのも時間がもったいないので、修正が必要である、あるいはどう しても追加したいということについてご議論いただければと思います。それでは、1頁か ら3頁について、特段何かご意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。 ○菊池委員  1頁から2頁にかけて、「看護基礎教育の現状と課題」は、中間まとめを要 約してあるかと思います。中間まとめを見ればわかることなのですが、2頁の○の4つ目、 カリキュラム改正の経緯を簡単に時間数の経緯でまとめていただいています。  これについては、老年看護、在宅看護、精神看護が追加になっているということがあり ますので、教育内容が増えたということを追加していただければと思います。 ○遠藤座長  わかりました。その点、もうちょっと中身がわかるように、内容も少し付け 加えたほうがいいのではないかというご意見でした。ただいまのご意見も含めてでも結構 ですし、ほかのご意見がありましたらお願いします。 ○草間委員  中間まとめに詳細がということですので、出来れば1つでわかるように、例 えば中間とりまとめを最後に、参考のような形で付けていただくことはいかがでしょうか。 ○遠藤座長  報告書の構成上の問題ですね。 ○草間委員  はい。中間とりまとめにまとめてありますということですので、最後に中間 とりまとめがあれば、皆さん見やすいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○遠藤座長  中間とりまとめをまた別途、後ろに「参考資料」ということで付けておくと いうことですか。 ○草間委員  はい。 ○遠藤座長  これについては構成上の問題だと思いますので、事務局と相談させていただ きたいと思います。ほかによろしいですか。それでは、この箇所で問題があれば、また戻 っていただくことにします。続いて、ある意味、今検討会のいちばんメインになるかと思 いますが、III「カリキュラム改正案」、「1.改正の趣旨」から、「2.改正案」の中に は1)の「保健師教育」から始まって、6)の「助産師・看護師統合カリキュラム」まで、 こちらの議論に移りたいと思います。4頁から24頁までですが、実際の数字が入っている 議論になるかと思います。 ○浅田委員  前回、看護師が100単位とか保健師が26単位という提案があったと思います。 その2単位なり3単位を削ったところはわかりましたし、理由は現場の負担ということで した。そのきちんとした根拠を示していただけますでしょうか。なぜ、単位数を減らすの かという。  つまり、きちんとした看護の基礎教育が必要だと言ったものの、そこをなぜ削っている のかというのは、単なる現場の負担だからというのであれば、この案が出たら「現場は大 変」ということでまた削るのですかということになるのではないですか。なぜそれが減ら されるのか、基準の根拠を示してください。それがなかったら、なぜこれが減ったのか理 由がわかりませんので。なぜ、3単位減っているのか理由を示していただきたいという質 問です。つまり、ここでは議論はしていませんので、なぜそれが減らされたのかという根 拠を示していただきたいということです。 ○遠藤座長  先ほど、「現場の負担」という言葉が出たわけですが、それが不十分だとい うことですか。 ○浅田委員  負担が多いということがもっと出てくれば、また減らすのかということです。 ○遠藤座長  ご質問の趣旨はわかりました。事務局、お願いします。 ○看護職員確保対策官  まさに、単位を現場の負担ということで少し減らしたわけです。そもそもカリキュラム改 正案も、作ったはいいけれども、実行していけるという確信がなければいけないわけで す。もちろん、100%の確信というのはこれからの準備次第になるわけですが、その中 でどの程度であれば実行できるかを先生方からご意見を伺って、現実の可能性を考え たということで。  どこを削ったかについては先ほど申し上げた次第です。そのように、前回の提案であ る100単位・26単位のままではなく、今回おまとめいただいて、単位数増以外にも前に 進む改正のアイテムがいっぱいあります。そこを実行するために、単位数の減を提案申 し上げている次第です。もし、補足があれば、また何かお願いできればと思います。 ○遠藤座長  ただいま、事務局から理由についてのご発言があったわけです。現場のご意 見ということで、もし補足説明するようなことがあればよろしくお願いいたします。 ○村嶋委員  「保健福祉行政論」を本当は4単位と考えていたわけですが、個別の事例を 用いた演習を学内でやることを考えて、何とか1単位の範囲でプラスの演習をすることに 致しました。本当は内容も少し増やしたかったところです。  また、実習は「地域看護活動展開論実習」と「地域看護管理論実習」を併せて4単位あ ると望ましいと思ったのですが、地域看護管理の政策の部分は「保健福祉行政論」で演習 の部分に持っていくことが可能かというところもあり、4単位と考えたところを3単位に 収めました。 ○遠藤座長  関連してご説明はありますか。よろしいですか。ただいま、お二方からご説 明がありました。 ○浅田委員  それは説明になっていないと思います。「その科目」と言われたけれども、 ほかの科目でもそういうことは可能なのかどうかということはどうなのですか。例えば、 演習を入れるなどで、ほかの科目の単位で削られる可能性があるわけです。もともと、 保健師なら保健師で、こういう能力が必要だと言われたときに出てきたもので、その中 の一部だけが「可能だから」というのは、聞いているほうは納得できません。  看護も同じだと思います。「実施可能」という言い方をされましたけれども、現実問題 として、いま出されたものが最初100単位から出てきたわけでしょう。それだけ必要だと いう基準で出してきたものに対して、一部だけ削られるというのがどうも私には納得が いかないと思います。  もう1つ言えば、今日も午前中別のところでお話したのですが、実際に看護学校の先 生方にお聞きするとそれぞれに工夫はされているわけです。その部分が今回、このこと で非常に阻害される可能性が高いとおっしゃっている。そうすると、実際には、この単位 数で実行するのはかなり難しいという考えがあったと思います。  ということは、一部の委員の意見で「実行できるかな」とおっしゃったのですが、本当 に実行できるかどうかまだ疑問は大きいと思います。であれば、もう少しきちんと、精選 できるのであればきちんと理由を示して精選していただきたいという気がします。97とい う根拠は私には見えないのです。100であったり97であったり。そこのところの説明がき ちんとなければ、実際の学校をどうやって動かしていくのですか。そこのところ、あまり責 任ある提言だとは思えません。もう少し、きちんと説明していただきたい。何も反対して いるわけではなくて、納得いく説明をしてくださいと言っているわけです。 ○看護職員確保対策官  実行の問題についてですが、おそらく100単位なり26単位なりとい うように単位増によって、現場ではかなり工夫をしていただいたり、ご尽力をいっぱいい ただかなければいけないことになると思っています。そういったことがあるわけで、実行が 厳しいという現場の事情がある中でも前に進んでいかなければいけない。それはどの程 度のことなのだろうかということをこの間、先生方にいろいろご意見をいただいたところで す。 確かに、ほかの先生方からは別の意見をいただいているところもあるわけですが、今回、 今日に至るまで、個別に先生方にご相談していく中で、97単位、24単位がこの検討会、こ のワーキンググループを踏まえての中では、いちばんコンセンサスが得られる数字だろう というところでこの数字を提案しているわけです。  確かに「現場で工夫していただいているところが今回のカリキュラム増で阻害される」と いまご指摘をいただきました。そのような現場のご苦労には、我々も本当に敬意を表してい る次第です。今後、これを実施していく中でどのように現場のお考え、現場のお悩み、現場 のご苦労を我々が救っていけて、政策としてヘルプしていけるかをしっかり問題意識を持っ て考えてやっていきたいと思います。 ○遠藤座長  浅田委員のご意見もよくわかりました。ほかにありますでしょうか。 ○南委員  過去2回、欠席をいたしました。議事録を読んで、何が議論のポイントかは拝読させていた だいています。  前回の議事録の中で、議論があまりされていなかったのは、保健師・助産師の教育課程 だったのではないかと思います。かつては、助産師の課程が22単位だったものが今回23単 位になって、実習が8単位だったものが9単位になるというご提案でした。保健師の場合は 21単位でしたが、それがプラス3単位の24単位、実習も3単位から5単位になるという改正 の提案がされているところです。ここに至るまでの間、それぞれのワーキンググループでは ずいぶんご苦労なさったとお察知いたします。委員会のご意見で、厚生労働省の看護課で もずいぶん詰めていただいたと感謝しています。  ただ、もともと、非常に技術力の高いことが求められている助産師が22単位だったものが 1単位増えて23単位に留めているのに比べ、保健師養成の単位が大幅に増えていること に疑問を感じます。保健師の場合は繰り返し申し上げて、今回も特に保健師について申し 上げたいと思います。保健師というのは、「保健師」という名称を用いて保健指導をする職 種です。名称独占のある職種で、働く場も非常に拡大してきていると思います。  ところが、拝見しているカリキュラムは、主としてやはり行政に重きを置いた実習、また はカリキュラムだなと思います。一方、看護教育のほうも介護保険制度等が出てきていま すので、制度上の問題のカリキュラムはかなりお考えいただいているようで、オーバーラップ するところがあって前回よりは1単位下げられたようです。しかし、私から見ると、実習の 在り様から見れば統合カリキュラムの場合には単位を見ながら減らすことができる、カッコ の中の数字が実習には含まれていないわけです。このように、行政に特化していく表現の 保健師であれば、私はむしろ卒後研修に力を置いて、卒後に研修をさせることができる分野 だと思えます。したがって、3単位が一挙に5単位に実習が増える。この2単位の多さという のはいかがかと思います。  もちろん、6カ月コースを想定しての保健師ですから、1年教育をやっているところは現 行のカリキュラムよりももっともっとたくさん増やすことができるし、学校の裁量で特にど の力を持つか。例えば外来看護等でも、これから保健指導が非常に重要になってきます。 いわゆるプライマリーな予防よりは、むしろ病気を持ちながら生きていく。生活習慣病の人 たちがそれ以上悪くならない、個別指導の問題等にむしろ取り組んでいくこととか、国際的 なスタンスで活動をするとか、さまざまな工夫は学校単位でできることだし、保健師の専攻 課程を持っていらっしゃるところはいろいろな工夫があると思います。  私から見れば、21単位から24単位と3単位増加になったことと、そのうち特に実習が2単 位増加になっていることは、もう少し調整が効くことではないか。特に、浅田委員が先ほど お話になりましたが、保健師はこの単位だけで保健師になれるわけではなくて、看護師教育 の上にこのカリキュラムという発想をされています。保健師は看護師の教育とあいまって、 保健師になっていくプロセスがあるのだと思います。  そういう意味では、このたび看護の統合の考え方を入れられた看護のワーキンググループ の方々は大変素晴らしい考え方をされて、それぞれの学校の裁量の幅が広がっている。単位 数全体の枠が多くなったために、先ほど浅田委員がおっしゃられたように、3年課程の中で の裁量課程が非常に狭まったことの危険性があるかもしれません。ただ、97単位は最高の努 力だったと認めています。唯一、気になるのが保健師の実習2単位であり、これをもう少し それぞれの学校が裁量できるような、もう少し働く場が広がっていけるような、ただ保健所 や保健センターが大変だから保健師の数は要らないという発想ではなくて、いろいろな場で 保健指導ができるという発想に立ち返って、保助看法の精神に則ってこれを考えていただき たいと思います。 ○遠藤座長  ただいま、保健師の具体的なカリキュラムについての話になりましたので、保 健師問題に関連してご意見を承りたいと思います。 ○村嶋委員  ご意見をどうもありがとうございました。保健師の教育に関しては、前回の指 定規則改正で出されました3単位が、やはりあまりに少な過ぎたという反省が、ワーキング グループの委員の中でずいぶんありました。保健師は、国家免許をもつ専門職ですので、き ちんとした技術を持って卒業しなければいけませんが、3単位の実習の中では見学しかして いない実態があります。それから、保健師として就職後すぐに必要になる家庭訪問も、健康 教育もほとんど体験しないまま卒業してしまっている学生が3分の1とか半分とかある。そ れはあまりに専門職教育としては低過ぎるのではないかという反省がずいぶんありました。 今回、最低限の技術は実習として自ら体験し、自分のやった技術を評価して、次に進んでい くべきだという反省が強くありまして、実習の単位を増やしました。少なくとも、免許を持 って卒業するものですので、そのことは十分ご勘案いただきたいと思います。  特に実習の中では、今回大きく3つに分けています。個人・家族・集団の生活支援実習は、 結核や難病、それから健常な母子の指導など、相手の家に出向いて継続してお会いすること によって、関係性が深まっていくことを是非体験させたい。それには最低2単位は必要だと いうことです。もう1つ、保健師の保健指導は看護師の行う患者教育と異なり、集団を対象 にしている。ポピュレーションを持っているということが大きな特徴です。そういう意味で 「地域看護活動展開論実習」「地域看護管理実習」ということを出しました。ポピュレーシ ョンを対象にしてその集団のもつ問題を診断し、それに対する対策を立てる。また、抜本的 な対策を立案するという意味で「管理論実習」を入れています。これにはどうしても3単位 必要である。免許としての質を担保するためには、やはり、どうしてもこれだけの実習が必 要であるということで、是非お認めいただきたいと思います。 ○草間委員  先ほど南委員から、保健師の指定規則がどうも行政保健師に偏ったカリキュラ ムではないかというお話でした。私はそうではないと思います。地域をどう読むか。地域と いうのは必ずしもエリアとしての地域だけではなく、これから保健師がまさに名称独占で 「保健師」の名称を用いて保健指導を行うことになると、平成20年から取り入れられている 特定保健指導等も被扶養者を対象にした保健指導等も大変重要になってきます。  地域というのはまさにコミュニティーと考えるべきであって、単にそれぞれの市町村だけ ではなく、産業現場も地域の1つ、まさにコミュニティーの1つであると考えると、やはり 保健師の活動範囲というのは単に行政保健師だけではなく、産業保健師もあり、場合によっ ては学校保健師もありという形です。実習についても、ここに「保健所、市町村での実習を 含む」と書いてあるのを見ると、これを産業現場でもやっていただくし、場合によったら学 校保健もやっていただくという形で考えていただくことが必要ではないかと思います。是非 、この地域看護学実習、コミュニティーを対象にした実習5単位というのは残していただき たいと思います。 ○坂本(す)委員  先ほど、浅田委員から根拠についていろいろお話されています。根拠と いうことからではなくて、現場から見たという形でちょっとお話させていただきます。保健 師の実習ということに大学も、保健師学校も苦慮している実態があります。その中で、また 実習を増やすのかということにおいてはいかがなものか。南委員が述べられているような深 いことからではないのですが、実態として本当にそれで行けるのか大変疑問を感じています。 実習場所を探すのに大変苦労している中で、これがまた2単位増えるということは現場にあ る意味負担がかかってくると思います。現場の 負担から教育を考えるのではないという考え方もわかりますけれども、実態としてもう限界 であるならば、やはりそれも考慮しなければいけない。あと、私は南委員が言われた臨床研 修のほうで、もう少し具体的に踏み込んでいくやり方をしない限りは、いまある保健師の数 の中で現場で臨床実習をしようという、受けるほうの枠組みが大変ギブアップしているので はないかということがあります。 ○村嶋委員  それに関しては、「いまある体制の中で」というようにおっしゃいました。全 員が保健師の実習をするという前提に立てばそうですが、もっと少数精鋭にして、本当に志 向性のある、いまなりたい人だけを対象にして保健師の実習をすれば十分に収まる数です。 ○南委員  きっと、専門の方に聞けば村嶋委員のようにおっしゃると思います。多ければ多 いにこしたことはないし、良い教育をしたいという気持はそのとおりだと思います。ただ、 法律でこのように規定していかないといけないのかということが1つです。草間委員も「地 域看護学はもっと広い意味だから」とおっしゃっているのですが、8頁の「地域看護学概論」 、ここが地域看護学の基本的哲学を示すと思います。ここで概論を述べますと、「公衆衛生 看護の基本理念と目標を学び」、ですから公衆衛生学です。「地域における看護活動の基本 的知識及び考え方、地域を基盤とした予防の考え方と対応の基本についてを学ぶ内容とする」 とおっしゃっています。基本的には、公衆衛生学ですので予防的に考えています。ところが 健康教育や健康指導というのは、昔はこれでよ かったと思います。昔は病気をした人は入院を長くして、病気が良くなって帰るというパタ ーンでした。ところが、いまは病気を持ちながら、自分の健康を維持・増進していくという パターンの人が増えている。それは高齢者が増えたからです。高齢者で健康障害を持ってい る人がたくさんいらっしゃって、健康問題を持ちながら社会の中で生きていく。そうすると 、プリベンティブだけではなくて、キュラティブまで踏み込んだ公衆衛生も考えていないと 地域看護は広がらないと思います。産業保健と学校保健だけではないところに、福祉、ここ には福祉は全然なく、あとの科目として出てくるのですが、考え方が広がってきていること をもう少し、医療の分でも健康指導は非常に重要になってきていますし、保健師が名称を使 って行う職場開発が絶対必要だと思います。行政や企業、学校保健だけ考えていたらやはり 限界はあると思います。  もう1つ、保健師になりたい人が保健師の教育を受けたらいいという発想は、それ自体本 当にそうなのでしょうか。例えば、保健師になりたい人が保健師の学校に行くのは当然です が、保健師という職種を使わなくても看護にとって保健は非常に重要な部分なので、 「保健師になりたい人だけが」と限定しないで、看護師の人たちも将来は保健の教育を統合 カリキュラム、118単位のカリキュラムがここで示されています。そういう教育を受けた看護 職がたくさん増えることで、社会が非常に豊かになっていくと思います。 きている。看護師の教育ももっと単位がほしい、実習がほしい。先生はこれだけ減らされるの はつらいと、きっと思われると思います。そこをもう少しお考えいただけないかということで す。 ○菊池委員  保健師を希望する者だけでなく、看護師の人にも保健師の教育があったほうが良 いというご意見がありました。今度、14頁、看護師教育の基本的な考え方のところで、看護の 対象者を「健康を損ねている者」のみでなく、「疾患や障害を有している生活者」として幅広 くとらえて、看護師の教育を考えていくという観点があります。看護師の教育の中で、いま保 健師教育で行っているような教育内容が少し充実されるのではないかと考えます。  保健師は保健師としての専門性を1つの免許として確立したほうが良いと考えます。また、 保健師免許で就職する方が年間800人ぐらいなのに、1万人以上の養成定数があるというギャ ップがあります。保健師を望む人に充実した教育をすることで対象者を絞れば、実習場所の問 題もいまより解決されます。指定規則上は6カ月以上となっていますが、実際には看護大学で の教育がかなり多数を占めています。専門学校においても6カ月でなく、1年の教育で行われ ていますので、平均としていまの指定規則以上、1.4倍ぐらいの単位で実際に教育が行われてい ます。ゆえに、実習を5単位とすることについてはぎりぎり可能かなと思います。  新人の保健師を受け入れる現場の意見も、日本看護協会で聞いて報告書にまとめています。 現場での新人保健師を受け入れる側の立場からすると、保健師の教育が見学程度になっていて 、1人で家庭訪問にもいけない。そういう状況で出てきていることについて、やはり保健師の 基礎教育のところでもう少しきちんと実習をやって、育ててから送り出してほしいという意見 が出ています。  先ほど、南委員から卒後の研修のほうで見てはどうかというご意見がありました。保健師教 育で実習を充実しても、最初から先輩たちと同じように動けるわけではありません。それはそ れで、新人の研修というのは別途必要かと思います。基礎教育は基礎教育で、いまの状況を少 しでも改善するためにこの程度は実習を充実してはどうか、ぎりぎりのところで必要ではない かと思います。 ○遠藤座長  保健師に関してほかにご意見はありますでしょうか。 ○小山委員  いま、保健師の受験生が多いのは、大学が増えたための数だと思います。前回、 医学教育課長から、大学の教育の方針として、原則として看護師と保健師の統合カリキュラム とするというお話をいただいたと思います。いま、村嶋委員等の提案では、こちらで勝手に選 択制にするという前提で動いているのですが、文部科学省では原則として選択制ではなく、統 合カリキュラムという方針ですと、ここで選択制にするという前提で進めていって何の問題も ないのか大変懸念いたします。その辺、厚生労働省の方及び医学教育課長にご意見をお伺いし たいと思います。ここで私どもが選択制にすると言っていいのか、その辺がよくわかりません ので。 ○遠藤座長  制度上の話なので、一旦、事務局にお答えいただきます。 ○看護職員確保対策官  選択制にすることについて、厚生労働省として選択制に必ずしていた だきたいとは考えていません。 ○文部科学省医学育課長(三浦)  私ども、大学の設置認可に当たっては、看護教育と保健師 教育、これは選択制ですが助産師教育、その三位一体というか、3つの教育を統合して行うこ とが原則、そういう形でのみ大学の設置を認めている。現時点で、少なくとも選択制にするこ とについて、ただちにそれを認める立場にはないということであります。 ○看護職員確保対策官  付け加えると、今回のものについては特段、どういうように大学のほ うでということを念頭に置いたものではありません。大学教育の中身がどうあるべきかについ ては文部科学省でお考えいただくことであると考えています。 ○小山委員  ただいまの医学教育課長の返事をふまえて考えますと、大学では大学設置基準 があって124単位になっています。そうしたときに、一般教養はここでは13単位になっています けれども、大学設置基準ではもっと多いわけです。いまの段階で保健師と看護師をプラスする と、大学教育が成り立たなくなる。非常に専門 学校的な大学になってしまうことになる。これは看護界の大変な損失になってしまうと思いま す。  その辺をふまえ、やはり実施可能性を考慮しながら、どこをどのように削ることができるの かという点で検討しないといけないと思います。この検討会の前期の段階から、3単位の大学 生を受け入れるのは非常に難しいという意見が出ていましたが、それを5単位に増やすことに よってさらに難しくするのは実施可能性としていかがなものかと思います。 ○草間委員  医学教育課長に確認いたします。大学では、保健師・助産師・看護師について統 合カリキュラムでということなのですが、助産師については選択でいいというわけです。保健師 に関しては必須、これは制度的にきちんと書かれたものがあるのでしょうか。 ○文部科学省医学教育課長  私ども文部科学省の中で、看護教育をどのように行うのかについ て議論していただいた経緯があります。そのときに、統合カリキュラムが基本であるというご 意見を取りまとめていただいた。専門家による議論として、そういう形で結論が出ています。 それをもって、私どもとして看護系の大学を新たに作る場合については、いま申し上げたよう なルールを適用しているということでございます。 ○村嶋委員  それは永続的なものでしょうか。 ○文部科学省医学教育課長  何事もルールですので、ルールが永久に変わらないということは ないだろうと思います。少なくとも、いまの時点で、看護教育の中で保健師を選択制にするこ とについて、そのような方向性が示されているものはないということであります。 ○遠藤座長  ありがとうございます。おそらく、まだご意見があるかと思いますが、保健師教 育のことだけを議論するわけにもいきません。ただいままでの議論の中身を勘案して、「ほぼ 原案どおり」、それから「原案は引き下げるべきである」という意見が伯仲している状況にある かと思います。とりあえず、現状では合意が得られていないということで一応判断させていただ いて、ほかの2つ、看護師と助産師についてもご意見を賜りたいと思います。いかがでしょうか。 ○堀内委員  助産師教育に関しては実習を1単位増やしたということでした。主な理由として 、13頁、「指導要領」の「留意点」にあるように、従来行われてきた分娩のほかに、さらに継続した ケースとして妊娠中期から産後1カ月まで持つ実習を増やす。また、新人の習得能力の部分で不 足であった妊娠期、あるいは産じょく期、新生児期の実習を十分に行う。かつ、指定規則の6カ月 という範囲内で増やせる最大ぎりぎりのプラス1単位というようにしているわけです。  ですので、13頁にあります指導要領に準じて教育をお考えいただければ大変ありがたいと思 っています。なおWGでは、資料の1番最後にありますが、34単位が現行の助産教育で行われ ている、ほとんどの学校が1年コース、あるいは大学の場合は4年の中で行うということですが、一 応1年でやっている34単位というのが望ましい単位ですので、いずれ望ましいものに向かって改正 する時期がありましたら、そのときには是非こちらのほうを検討していただきたいと思います。 ○遠藤座長  ただいまのような解説があったわけですが、ほかにご意見はございますか。 ○草間委員  備考のところで、妊娠中期から継続して見るというのが外れたわけですよね。そ れはやはり6ヶ月でやらなければいけないというような制限の中で考えると無理だと考えたか らですか。妊婦さんも妊娠中期から分娩まで継続して持つということが外れた理由は、6ヶ月で実習 をやろうとすると無理があるからということからでしょうか。 ○堀内委員  私ども提案したものとしては、これを取り下げているつもりはありません。指導要領に含 まれているということです。 ○遠藤座長  調整プロセスは、みなさんのご意見を賜って事務局が行っておりますので、事務 局にその辺のところをお話いただきたいと思います。 ○看護課長(野村) 指定規則でそういった表現をせずに、指導要領でしているというところ ですが、指定規則ではこれは養成所及び大学両方の規定になります。おそらく養成所において は、妊娠中期からの実習が1例以上というのが確実にできるかと思いますが、4年生の大学の中で、 助産師教育をやっていく場合に、そこのところをきちっとやらねばならないという位置づけになります と、期間的に厳しいというようなことも考えられました。望ましいということは当然ですけれども、それ をしなければならないという位置づけには、しなかったということです。 ○浅田委員  大学と養成所では助産師の養成は違うということですか。違ってもいいというこ とですか。つまり、その辺は望ましいのだが、片方はやっていて片方はやっていないというこ とは、助産師方にあなたはどこを出ましたかと聞くことになりますよね、やっている保証は片方はない ということになれば。スタンダードを別にするというのはおかしいと言っているわけですよね。そうでは ないのですか。だからそこの中に必ず入れてほしいと思うのです。それが必要だということを言ってい るのに、実際大学ではできないから削りますと言ったら、大学の養成と養成機関では、違う助産師を 養成すると明言しているのと同じですよ。 ○看護職員確保対策官  教育のスタンダードとしてどのようなものがふさわしいかということ で、指定規則があるわけです。それは大学と養成所と共通です。養成所におきましては、それ をやったほうがいいと書いているのです。患者さんの立場、この場合は産婦さんということになります けれども、お立場から見て、助産師さんという方をこの人は助産師なんだというように確信が持てるこ とは、国家試験のほうでそれは担保していることでございます。やはり私どもは制度改正をする上では、 望ましいことと現実ということを考えて、どこで折り合いを付けていくかということを様々考えていく中で 行うということですので、そのように物事が決まっていくように私どもは考えているということをご理解 賜ればと思います。 ○浅田委員  でもそれはおかしいと思います。対策官がご説明になったように、国家試験は筆 記試験であって技術はその指定校で保証することが前提でやっているということですから、そこのと ころの違いがあるというのはおかしいのではないでしょうか。言っていらっしゃることはわかるのです が、きちんとした基礎教育をした上でということを前提としてものを言っているときに、片方は違うとい うことは、納得できないと思います。そこのところをどのようにお考えなのか。つまり国家試験制度は、 この前私が質問しましたけれども、結局技術というものは各指定校できちんと保証されている。それ プラス知識は筆記試験でやっているということが前提ですから、指定校は技術を保証しているところ が、違うことをやっているということであれば、それはおかしいのではないですか。 ○看護職員確保対策官  技術につきましては、技術の到達度を今回明確にするということで、 それで担保するということで考えております。 ○堀内委員  私の理解では指導要領というのは望ましいというのではなくて、やはり、看護師 ・助産師学校の養成所に指定されているところは、みなやはり13頁にある指導要領に則って教育す るものだと思います。それは大学であろうが養成所であろうが、この指導要領は、守るべき要領だと 考えております。ただ、その1つ手前の指定規則に関しては、文科省と厚生労働省との合同省令だと いうところで、先ほどのご説明の部分があったために、この備考からは取り除かれたというように考え ています。ですから、助産師養成をしている学校は指導要領に書かれていることは、最低守るべき内容 だと思っています。望ましいではなく、守るべきことだと思っています。 ○浅田委員  お聞きしたいのですが、前に母性看護そのものもきちんとやっていただきたいと いうことがあったのですが、今回はたぶんその分あまり変わっていないままで、助産師のほう は、その部分には触れられていないのですが、その部分に関してはいかがなのですか。 ○遠藤座長  これは誰に対してですか。 ○浅田委員  堀内委員です。つまり、WGがつくられたときに、いまの現行というか、看護師 が変わるとしてもそこの部分はいじられていないと思うのですけれども、その前提の上ですか。 それともいまの範囲内きちんとやっていただければいいという認識で、この助産師のカリキュ ラムというか、単位数は出てきているのですか。 ○堀内委員  看護教育の実習のところで、母性、小児では実習が得られにくいので、少し変わ ったところがあったかと思います。診療所や病院等だけではなく、診療所等も実習施設として 確保するべきだというような、具体的な実習がよりやりやすく、確保しやすくなるように今回は変わってい るのではないかなと思っていますので、そこで従来どうりの2単位分はきちんとやっていただきたいと思っ ております。 ○浅田委員 その中の枠であればいいということですね。 ○堀内委員  はい。 ○遠藤座長  それでは、助産師ですけれども、単位数につきましては、原案について特にご異 議はないというふうに考えてよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○遠藤座長  削除した部分については、若干のご異論がありますけれども、削除した部分につ いてもこのような削除では望ましくないというお考えの方は、浅田委員はそのように考 えてよろしいのでしょうか。 ○浅田委員  どちらかに統一して。 ○遠藤座長  どちらかにすればよいということですね。その判断根拠ということですね。それ では削除した部分についても特にご反対がないというふうに理解してよろしいでしょうか。              (特に発言なし) ○遠藤座長  それでは、助産師については、原案どおりという形にさせていただきたいと思い ます。残りの看護師ですが、看護師教育の3年課程2年課程、統合のカリキュラムについてで すが、これについてご意見を賜りたいと思います。看護師は、随分議論をしてきたので、この 段階ではあまりないのかもしれませんが、どうぞ。 ○小山委員  16頁の上から10数行目の「『看護の統合と実践(仮称)』の臨地実習においては、 それまでに学習した云々」と書いてあるところが、「それまでに学習した各看護学の学習にお いて、主として1人の患者に対する看護の実践を学ぶのに対して」とありますが、ここの部分 を削除していただくほうが良いと思います。といいますのは、実態調査によりますと、いまま でのカリキュラムであっても、複数患者を受け持っているところもありますので、こう書いて しまいますと、いかにも1人でここのところは持つのですというメッセージになってしまいま して、誤解を与えることになりますので、却ってマイナスになると思います。「臨地実習にお いては、複数の患者を受け持ち」というので十分かと思うのですが、いかがでしょうか。  それからもう1つ、同じく16頁、(3)のところです。卒業時の到達度の説明ですが、「総 合的な評価を行うため」と書いてありますが、いかにも評価のために到達目標があるように錯 覚を受けられますので、これは削除して、ここの文言を「看護基礎教育卒業時に習得する看護 技術の種類と到達度を明確にした」でいかがでしょうか。 ○遠藤座長  文言の修正のご提案でありますが、いかがでしょうか。適切なご指摘だと判断さ せていただいてよろしいですか。                (異議なし) ○遠藤座長  それでは、そのような修正をお願いしたいと思います。ほかに看護領域について ほかにございますか。 ○石垣委員  19頁の「教育の基本的考え方」のところの1番最初なのですが、人間を身体的・ 精神的・社会的に統合された存在とずっと言われてきているのです。最近国際的にもスピリチュ アルな側面を持った人ということが非常に強調されております。今回、終末期のケアを重視し たことと、もちろん救急の場面でもそうですが、「人間を身体的・精神的・社会的及びスピリ チュアルな側面を持つ統合された存在として」という言葉を1つ入れてはどうかと思うのです が、いかがでしょうか。 ○遠藤座長  ただいまのようなご意見ですが、言葉をそのまま使うかどうかはあれでしょうけ れども、そのような趣旨の言葉を入れるべきかということですが、強いてご反対の方はいらっしゃいますか。 ○看護職員確保対策官  ご参考までに申し上げますと、スピリチュァルという意味合いが様々 な意味合いに捉えるという部分がありまして、WHOで健康の定義をずっと議論してきている わけですけれども、それについてスピリチュァルを入れる入れないという話は1つの大きなイシュー となっております。現段階において、スピリチュァルという言葉はそこでは書かれてい ないのですが、いまおっしゃられた意味合いとしては、そこの「身体的・精神的・社会的」の 中の部分部分に、そういったニュアンスを我々としては含んだ意味合いで考えているところでございます。 ○遠藤座長  石垣委員、いかがでしょうか、事務局の発言に対しましては。 ○石垣委員  あまり納得はしていませんけれども譲歩いたします。 ○遠藤座長  わかりました。ほかにございますか。 ○浅田委員  まず「看護の統合と実践」という言葉なのですけれども、何を統合するのですか。 看護の統合というのは。仮称なのでしょうけれども。 ○遠藤座長  これは事務局でしょうか。あるいはこの言葉は事務局の提案ですか。 ○看護職員確保対策官  こちらの参考資料の2に、「看護の統合と実践」の考え方が書いてあ ります。まさにここでは何を統合するのかというのは書いてないわけですが、目標としては、 ここに青字で書いてあるようなところができるようになるような教育をしたいという意味合い です。何を統合するのかと言いますと、列挙する暇がないと思いますけれども、いままでの教 育の過程の中で学んできたこと、それらすべてを統合して、現場に出ていく前に、一人前にな っていくための機会を与えるというのが、この「看護の統合と実践」の意味合いであると理解し ています。 ○浅田委員  例えば他の看護学の実習というのも、ここで言ったような、例えば当然チームが 出てくるわけで、あえてこの科目というのが、そことは違うというのはどういうことなのでし ょうか。つまり、看護の統合というものをあえておいているのですが、ここのところがまだよ くわからないのです。例えば何でもいいのですが、在宅看護は統合に入っていますけれども、 母性看護でも何でもそれだけ単独で成立するわけではなくて、当然いろいろなところとチーム があったりとか、共同があるわけですよね。そこは役割が違うと思うのですが、だとすれば、あ えてそれをリーダーシップ的なことができないといけないみたいな形に持っていくという、 かなり高度なことを要求していると思うのですけれども、あえてそこまで要求しないといけない わけですか。たぶん出てきた元々は、実践的能力ということなので、現場でどう使えるかであって、 そこでのリーダーシップとかそういうことまで求めているとは私には思えなかったのですが、そこま では求めないといけないということですか。 ○看護職員確保対策官  私どもといたしまして、やはり青字のところにあるように、メンバー シップ及びリーダーシップを理解することだと思っております。要はみんなでチームワークを 持って様々な仕事をしていこうというのが看護の現場だと思っておりますので、そのときには リーダーになる人もおられれば、リーダーをサポートする方もおられる。そういうところで、 チームワークを理解していく中でメンバーシップやリーダーシップの理解が必要なのだろうと考えています。 ○遠藤座長  ありがとうございます。したがいまして、ネーミングが適切であるかどうかとい うこともあって仮称という形になっていますので、もし浅田委員にベストなネーミングがあればご示唆し ていただければと思いますが。 ○浅田委員  私はその文言を読んだ限りでは、逆に言うとなぜ置く必要があるのかわからなく なったということです。むしろ各科目の実習の中でも、こういうことは十分にやれるのではな いかという気がしたので、もう少し別の意味を考えていたので、もっと内容的な統合というよう に最初は思っていました。つまりそれぞれ専門で学んだことを、いまの疾病がかなり複雑に なってきたときに、そういうものを統合するというように考えていたのですが、そうではない ということであれば、それぞれの分野で、チームを組んでも、その中でリーダーシップが重要か ぐらい理解できるでしょうし、自分がフォロワーになるかどうかというのは別問題だと思っ たので、そこで質問をさせていただきました。 ○小山委員  「看護の統合と実践」のところは、前回から何回か説明されましたように、基礎 分野、専門基礎分野、専門分野の1と2を全部統合しまして、そして最終的に看護実践の場に もっとも類似した場で、自分で実習の場を選択し、ここに書いてあるような能力を身に付けるため のかかわりを受け、自分からも主体的に学ぶ、ということで、まさに卒業前に統合すると いうような意味でございます。その統合には内容、知識も含めますし、いままでに学んだこと すべてが含まれます。いま浅田委員がおっしゃいましたように、成人看護学、老年それぞれの専門 分野2のところの実習でも、当然統合という発想で実習には出ます。しかしながら、ある 特定の患者さんであったり、特定の疾患であったりということで、限局した見方をしますが、 統合分野では、いままでの学習すべてを統合するということで、複数患者を受け持つことであるとか、 勤務帯に入るとかの実習を期待されます。そのようなことは専門分野2では、なかな か、実習できない状況ですが、統合分野を設けたことにより、学生が実習して、実践能力を少しでも身 に付けるようにという意図です。「看 護の統合と実践」に含まれている4単位は、1単位ずつ4科目でもよしということで、どのよ うな科目名にするのかは、各学校の裁量に任されております。それを総称してどのように表現するかは、 非常に苦慮して、最終的に「看護の統合と実践」とし、ある意味では科目群と理解 していただければと思います。 ○遠藤座長  ありがとうございました。そういう背景の言葉であるということであります。 ○浅田委員  納得はしていませんけれども。 ○遠藤座長  それでは、看護について、この単位数及びここに書かれている内容について、ご 承認いただいたということでよろしいでしょうか。 ○浅田委員  まだきちんと説明されていないと思いますよ。97にしたという理由を。 ○遠藤座長  それは先ほどのご説明ではまだ。 ○浅田委員  承認したと言われるとちょっと。そういう意見もあったということをきちんと入 れていただきたいと思います。 ○遠藤座長  もちろんご発言はすべて議事録に残りますので、報告書の中で個別なご意見の趣旨 を載せるという性質のものではありませんので。 ○浅田委員  つまり、併記ということはあり得るわけですから、そこまで本当に納得できたかと 言われると、ちょっとできかねますという。 ○遠藤座長  報告書の性格をも総合的に考えまして、浅田委員のご意見、ご主張について、最終 まとめの段階で事務局と相談してどういう対応をするか考えさせていただきたいと思 います。これは明らかに議事録には残っております。 ○浅田委員  それはわかりました。 ○遠藤座長  ではそのように対応させていただきます。それでは看護師につきましては、そのよ うな形で対応させていただくということです。  さて、元に戻りまして、保健師です。これは意見が完全に分かれております。この場合の調整を どうするかということについては、基本的なルールがないわけですが、事の内容を鑑みたところ、 多数決というのは適切ではないだろうと思いますし、また、かなり議論としては集中的にできたと 思いますので、しばらく会を中断させていただきまして、私と事務局との間で調整案を作成させて いただければと思います。その調整案をめぐりまして、最終的に決めていきたいと思っております がよろしいでしょうか。そのような方向にさせていただきたいと思います。時間もありませんので、 しばし中断をさせていただきたいと思います。 ○草間委員  構成上の問題で、4頁のところで、「改正の趣旨」のところで、最後の現行の教育で 収まらない内容についても整理を行ったということで、これは参考で望ましいカリキュラムという 形で書かれているわけですので、この中に参考の1と2であるということを、明記していただいた ほうがわかりやすいと思います。資料4と資料5です。 ○遠藤座長  わかりました。その辺も勘案させていただきたいと思います。それではしばし中断を させていただきたいと思います。                   (中断) ○遠藤座長  それではお待たせいたしました。調整案ができましたので、いまお手元にある内容で 調整案としたいと思います。具体的内容につきまして、事務局からご説明いただけますか。 ○看護職員確保対策官  調整案ですが、赤字の箇所です。「臨地実習」の「地域看護学実習」、合 計5単位を4単位に修正する。中身といたしまして、地域看護活動展開論実習と地域看護管理論実 習、合わせて3単位としていたものを2単位に、合計で24単位を23単位としております。  なお、ちょっと赤字の修正のミスがありまして、「臨地実習」の真下、斜線が引いてある斜め上 の赤字の5も4の誤りでございます。失礼いたしました。いずれにしても、そういった形でまとめ させていただきたいと思います。 ○遠藤座長  ただいま説明にあったとおりのものが調整案でありまして、これに関連して、本文の 中の調整案に該当する所が修正されるという形になります。したがいまして、内容的にはこのよう に修正をいたしました。先ほど来、修正の根拠は、というようなことがずい分出ているわけですが、 基本的には、ご専門の先生方のご意見と実際の現場のご意見というものの不満を最少化するといい ましょうか、その調整を図ったという形でこのような形にさせていただきました。おそらくまだご 不満の方もおありになるかとも思いますけれど、願わくば、是非これをお認めいただければと思い ますが、よろしゅうございますか。 ○坂本(す)委員  保健師・助産師も、看護師の基礎教育に関しましても、すべてのカリキュラム のワーキンググループでは、やはりこれではいけないということで、いろいろ増やしてきたという 現実があります。それはそれで、すごくよくわかっていますが、私たちはやはり、いまの現状では ギブアップだということを十分話し合われてきたと思います。先ほど村嶋委員が言われた意見の中 では、私は大変よくわかるわけですが、いまの現状の中では、おそらく現場は大変であるだろうと 想定して、この案については賛成いたしますが。賛成するにおいては、今後基礎教育において、こ れで私たちがいままでずっと、9回やられてきた話の中で絶えず出てきた、期間についての問題、 それから、保健師と助産師と看護師の関係の問題、それをきちっと話し合うことを「今後の課題」 として書いていただいていますが、もっと太字にしていだくような状況の中で、これは忍びなく賛 成するということを意見として述べさせていただきます。 ○遠藤座長  ある意味では、原案に対してご意見をいただいたという、本当に大変苦しいお立場で もあったと推察いたしますので、いまのご発言を非常に重く受け止めたいと思います。ということ で、この調整案でよろしいでしょうか。 (了承) ○遠藤座長  それでは、ご賛成をいただいたという形で、この調整案をご承認いただいたと考えた いと思います。ありがとうございます。  さて、やや時間が押しておりまして、引き続き残っている部分があります。これが3の「改正の 実施に際して留意すべき事項」と、それから、「今後の課題」という所ですが、この2つの領域に ついて、またご意見を賜りたいと思います。 ○武委員  この会議が始まったそもそもは、卒業してくる看護師が、臨地の力がない、いまの進歩 した医療現場には実践能力が不足であるということから始まったと思います。勉強する期間を長く したらどうかとか、4年制はどうかとかいう意見も出ましたけれど、いまはこういう、押さえ込ま れた形なのですが、それはそれとして、やはり力が付くような方法を考えなければならない。27頁 に「教育方法について」というのがありますが、わずか5行書いてあるわけです。臨地実習で獲得 できる実践能力には限界があることは、ここで認めているわけです。それではどうするか。ここに 簡単に「シミュレーター等を活用する」と書いてありますが、シミュレーターそのものが、10年前 の物といまの物と全然違うわけですね。ここはきちんとスタンダードを作るべきだと私は思います。 例えばAEDからCPAP人工呼吸器、未熟児モニターなどですね。私もいくつかの学校のそういう 物を見て回りましたが、学校によって非常に整備の差があります。だから、あるシミュレーターに ついては、これだけは整備しないといけないよとか。例えば、「テルモ」という会社が医学生や看 護学生の研修用にモデルルームを作ったわけですね。そういうものを見てみると、実際に患者に当 たらなくてもかなりのトレーニングができるというものがあります。したがって、「シミュレータ ー等」と簡単に書いてありますが、実際に、「等」というのはシミュレーター以外に何を意味する のですか。 ○看護職員確保対策官  「等」につきましては、先ほど先生がおっしゃったようなものも含めて、シ ミュレーター以外にも様々な機種があります。 ○武委員  いや、さっき言ったのは全部シミュレーターです。私は入れてるはずですけど。 ○看護職員確保対策官  そういうことでありますと。 ○武委員  それでは、そちらが考えているシミュレーターとはどんなものなのですか。 ○看護職員確保対策官  いまは様々なシミュレーターがあるというのは、そのとおりだと思いますが、 シミュレーターという言葉が確かにファジーだったかもしれません。シミュレーターという言葉でイ メージしているのは、いままさに比較的ハイテクなものでして、もっと基本的な機械・器具であった としても、必ず現場で設けなければいけないと、我々もリスト化している物を含めて多々ありますの で、モデルのようなものとか、そういった物も「等」の中に含んでいるつもりでございます。 ○武委員  それでは、ここで定義しましょう。実際に患者さんに当たらなくても、看護の大学、学校 で実習するための機械・器具、そういった物を全部含めて、ある言葉でまとめましょう。種類は何十 とあるわけですね。そしてその中で、この会で決める決めないは別として、どの学校も備えなければ いけないスタンダードというのが決まるべきだと思っています。そうしないと、そういうものを整備 しない学校が出てくるわけですから。  それともう1つ、こういうカリキュラムになってしまったからには、やはり卒業生に臨床の力がつ くことはそんなに望めないと思います。そこで医者が2年間の臨床研修をするようになったように、 看護師も1年間の臨床研修をするような方向がですね。これは後ろの、その他の言葉の中でもいい ですけれど、もし3年でいくのなら、そういうものが必要なのではないかと。例え ば、社会保険病院群では今年から、卒後1年は各病棟に配置しないで、ずっと実地教育の期間で、そ ういうことを始めるそうです。そんなふうに、卒業してすぐの人を一人前とできないならば、1年間 ぐらいの臨床研修期間、医者の2年のものをモデルにしてもいいと思います。これは付属の意見でも いいですが、何かそういう工夫をしないと、このカリキュラムだけではいまの医療現場に適応する看 護師が卒業してくるとは思われない、だから工夫が必要であります。 ○遠藤座長  建設的なご意見、ありがとうございます。まだちょっと事務局に確認したいのですが、 卒後研修についてコメントしてある所は。 ○看護職員確保対策官  28頁のIV、1の最後の段落、「なお本検討会では」という所です。この点に 関し、厚労省では、委員から「実効ある教育研修を行うためには、卒後の臨床研修につ いての検討に速やかに着手すべきである」との意見が出されたことは留意すべきである、 ということで表現している所でございます。 ○遠藤座長  武委員、この文言でよろしいですか。 ○武委員  はい。ありがとうございます。 ○遠藤座長  もう1つ、最初のにつきましても、シミュレーターという言葉を使うのではなくて、要 するに、直接患者さんに会わなくてもより疑似体験ができるようなものという形で、そういう ふうに理解できるように包括的に書くべきだと、こういうお話でよろしいわけですね。 ○武委員  ええ。 ○遠藤座長  わかりました。ご意見はよくわかりましたので、そういう趣旨で文言を修正させていた だきたいと思います。他にございますか。 ○羽生田委員  私が前から申し上げていたのは、現在のカリキュラムでも全員の実力が足りないわけ ではない、そういう所もあるのですけれども。26頁のいちばん上の(4)「専任教員の自己 研鑽」とありますが、自己研鑽でなく、もう少し、やはり義務づけられた、いわゆる夏休み中 であるとかに必ず何日間か研修を受ける形を、いま各県に看護大学がありますから、それ でカリキュラムを作っていただいて、きちっとした研修を受けることをむしろ義務づけるべきで はないか。学校の先生などが休み中によくやっていますね。ですから、休みではないときに もやっている、生徒が休んでいるときもありますが、そうでなく、休みを利用しての、そういった 研修をある程度義務づけることもやはり必要ではないかとも思っています。  次に「今後の課題」のほうに入ってもいいですか。 ○遠藤座長  結構です。 ○羽生田委員  今後、早急に抜本的な検討をということですけども、まずは今回のことについて、カ リキュラムの時間的な問題だけでなく、他にいま言われたような教育方法、あるいは専任の 問題、それから到達度の評価等々、いろいろな形でいわゆる違った形でやるべきだというこ とが進められたわけですから、それについてどうだったかという評価をまずしなければいけな い。それから、今後の課題の中で、今回の改正がどのような結果になったかと、結びついた かという評価をすることをまず入れて、その上で今後どうしていくかということ、そういう2段階 で考えていかなければいけない。今回もいままでのカリキュラムで、いままでの教育で、こう いう所が足りないのではないかという議論の下に始まったわけですから、どうあるべきだとい うのが前提にあるのではなくて、今回の改正がどのようになるのかという評価をして、その上 で検討することが必要だとも思っています。  それから、やはり実効評価の「到達度」の辺ですけども。 ○看護職員確保対策官  到達度はそれぞれの所に書いてあります。 ○羽生田委員  そうですね。もう少しその辺を書いてほしい気がしたのですけども。そんなところです。 ○遠藤座長  ありがとうございます。そうしますと、1つは、専任教員の自己研鑽を義務づける、そう いうようなご主張もどこかに盛り込むべきであるということと、それから、新たな改正にともなう、 それの評価を行うということも入れるべきである。これは非常に、新しいことをやる上では必ず 検証、評価ということが必要になりますので、この報告書の中にもそういうことを入れてしまうと いうご意見だと思います。 ○羽生田委員  あと、もう1つよろしいですか。 ○遠藤座長  はい、どうぞ。 ○羽生田委員  カリキュラム上には書けないのだろうと思うのですけども、簡単に言えば補習です。い わゆる到達度がどの程度いっているかというのは個々、やはり生徒によって全部違うわけです から、いままででも十分、かなりいっている生徒がいるわけですから。それ以外の生徒が、どこ が足りないかという評価をした上で、補習という言葉は悪いですが、そこを重点的に、追加のカ リキュラムとして研鑽を積むというようなことがどこかに書ければ。カリキュラム上には書けない のですか。学校ごとの対応ですよね。 ○遠藤座長  そうですね。わかりました。ご趣旨は承りましたので、どういう形で報告書に反映できる かは事務局と相談したいと思います。 ○浅田委員  「留意すべき事項」と書いてあるのですが、行政は何をするのですか。普通は何も書いて いないのですけども。つまり、指定をして、こういうふうに決めますとなっているのですが、 実際はどういうサポートをしていただけるのでしょうか。そこがなければ、やはり現場は苦し いと思います。つまりそこの所、例えば研鑽しますと言うけど、実際問題、研修を義務化した ときに、その業務に対してどういう評価をしてくれて、あるいは、その時間をどう確保してくれ て、というサポートがなければできないわけです。ここで、教員とか学校に要求することはいっ ぱい出てくるのですが、これを実際に実行するには、行政サービスは何ができるのかというこ とを入れないと、やはり提案にはならないと私は思います。だから、まずそこを入れていただき たいと思います。  それから、教育方法で工夫はあるのですが、それこそ各学校の先生方の問題ではないかと 思います。むしろここで問題とすべきは、制度上の問題であれば、どういう教員配置をしてとい うことを明確にして、それをサポートするにはどうするか。つまり、お金がいるのだったらお金の 措置をしてもらわないといけませんし、やはりそこは明確にしていただきたいです。  それから、実習を増やすといったときに、協力を呼び掛けると言われたら、では各学校に任せ るのかと。もっとそれを保証するような仕組みを出していただかないと、実習だけ増やせと言った って、先生方は、病院を探すだけで大変ですとか言ったら、もうそれで終わりではないですか。 さっきから実行可能性と言うのであれば、そこをきちんとサポートするものを出していただかない と、やはり実際には動かないのではないか。でないと、改正案は駄目でしたという評価になったら、 何を議論してきたかわからないわけです。つまり、ここの辺をきちんと盛り込んでいただきたいとい う要望です。 ○遠藤座長  ご要望は承りました。どう対応するか、事務局と対応させていただきたいと思います。 ○太田委員  いま浅田委員がおっしゃったこととほぼ重複しますが、専任教員の自己研鑽についても、 やはり限られた時間の中で実習、授業と、本当に時間なく、日々の授業の準備等も時間外で行って いるのが現状です。先ほど、義務化というお話もありましたが、義務化された場合でも、その分研修 に出ている間のサポートと、やはり少しシステム的に検討していただかないと、現実問題ではなかな か難しいと思います。  それから、統合の部分が増えたことによって、実習の中では現場での臨床指導者等の役割がさら に大きくなると予想されますので、実習指導者が2名以上の配置だとか、専任の指導者を置くことが 望ましい等に関して、やはりこれが実現されていくための何らかの、行政の働きかけというものをもう 少し積極的に、明示していただけると有難いと思います。 ○菊池委員  太田委員と似たような意見なのですが、この「改正の実施に際して留意すべき事項」は、 実際に目指した教育内容を充実するために是非必要なことなので、体制を整備していく必要があり ます。それに向けては、先ほど小野対策官からご発言がありましたように、政策でヘルプしていくと いう、厚生労働省でも是非何らかの予算措置をすることを考えていただきたい、というのが1点です。  それから、統合分野の教育が入ったことで、臨床の受入体制をさらに充実する必要があることです。 複数の患者を受け持って実際にケアするとなると、1人の患者さんを受け持つのとはまた違ってきて、 臨床の受入れ体制整備が必要になってくると思います。そのことについて、書き込んでいただければ と思います。「2」実習指導者について」の次の3)としてもいいのですが、臨床現場の受入れ体制につ いて充実することが必要、ということも入れ込んでいただければと思います。 ○村嶋委員  20頁の、看護師の養成所の教員につきましては、「学生定員が40人を超える場合には、学 生が20人増すごとに1人増員することが望ましい」というのは、これは残っているのですが。 ○遠藤座長  25頁ですね。 ○村嶋委員  失礼しました。25頁(3)の下のほうでございます。前回までは資料7にありましたように 、専任教員について、「保健師学生の実習の場合は、学生7名につき教員、学校指導者側1人とする」 という文言が入っておりました。きめ細かく、きちんと保健師としての能力をつけるためには、是非これを 残していただきたいと思います。 ○西澤委員  最後の29頁ですが、「学生の実習への協力について」という箇所ですが、当然、国民が望ん でいるのは、安全で安心できる医療で、そのためには看護の質の向上というのは非常に大きいわけです。 ですから、国民が望む医療を受けるために、単に厚労省が協力を求めるのではなくて、もっと国民を巻き 込むべきです。当然自分たちが質の高い医療を受けるためには、より、積極的に、協力以上の、義務とい ったら云いすぎですが、そのように絡んでいかなければならないという、意識改革をするような働きかけ を厚労省でやっていただきたい。それに対しては、私たちも協力すべきと思いますので、そのあたりをう まく書き込んでください。 ○村田委員  いまの所と類似するかと思いますが、統合的な実習ということで、例えば複数の患者さんを 持つとか、夜勤の体制の所を経験することを求めるならば、それができるような仕組みがないと。現にい ま実習をしようと思っても、学生が危なっかしいのでさせられないとなってくると、そちらのほうの仕組 みが整備されないのに、求めるものがそういう実習であるというと現実的ではないと思います。これは今 後の卒後教育をどうするかという所も絡むかもしれませんけれども、変な例えですが、いまのところ、い ままでは、自動車学校でいうと、教習所の中を終えたら免許を取って出ていくというのを、やはり路上を やったほうがいいでしょうと言うならば、路上に出るための1つの日程とか、いわゆる路上ならこれをし ていいというような、仮免とはいいませんけど、何かそのような、学生か学生でないかという、ただ1つ の区切りがなくて、何かしら実習を展開できるような、制度的なバックアップを是非盛り込んでいただき たいと思います。 ○坂本(憲)委員  私はこの検討会に出て、看護師・保健師・助産師の諸問題について、様々な部分があ ることが初めてわかりました。医師は研修制度で、育てようという気概があります。国民が医療者を育て るという問題や意識はなく、ほとんど何もわからないという実態です。よりよい医療を受けたいのであれば、 看護師・助産師・保健師さんを育てるという考えが必要です。看護 師、保健師、助産師さんたちも、誰でも初めがあるのですから、国民を巻き込んだ形で育てていくという ことが必要だと思います。西澤委員がおっしゃったような、そういう意識的なものが私たちに全然流れて きていないのはすごく問題かと思います。その部分をもう少し国民にわかりやすく、そして、国民もより よい医療を受けるためには、皆さんが技術を持って、巣立ってくれなければ受けることができません。い つもそういう理解が飛び抜けてしまっているような気がするので、私たちも、まずそこを理解できるよう な情報がほしいと思います。そして、きちんと技術を持って巣立っていただくまで大きな目で見ることが 必要です。その上で、医療も望むだけではなかなか得ることも難しいのですから、双方の理解とかコミュ ニケーションの必要性がいちばん求められているのではないかと思いますので、その部分をきちんとこの 報告書の中に明記して、実態に踏まえた上での働きかけのようなものをきちんとしていただきたいと思い ます。 ○遠藤座長  ありがとうございます。時間もないので手短かにお願いします。それでは、小山委員からどうぞ。 ○小山委員  いままでに何回か出ていることですが、今回、実習が統合ということで、教育を充実させた いというので期待しておりますが、現場に交渉するのに大変厳しいものがあります。それは、今日では実 習指導者を浮かすことができない現場があるということです。現場の経済状況も大変厳しいようですので、 次世代の安全な看護師を育てるために、是非実習指導者を浮かせるための予算化をしていただきたいと 思います。それを確実にして、初めてこのカリキュラムがうまくいくようになるかと思います。  今回の改正では教員は増えませんでした。教員が増えないならば、危険を防止するという倫理的な面か らも現場で実習指導をする人を専任でおけるようにしていただきたいと思います。現場の看護師たちには やはり患者を守る態勢が重要ですので、臨地指導者を浮かせるための予算的な措置をお願いしたいと思い ます。 ○菊池委員  「今後の課題」の所ですが、「1看護基礎教育の抜本的な検討について」、3つ目のパラグ ラフで、今後早急に抜本的な検討を別途行う必要があるという、このことは是非進めていただきたいので す。その前の説明の所で、「看護職員の需給バランスへの影響等の課題にも配慮し」とあります。これは 一斉に移行した場合の、新人が出ない、看護師不足などを配慮してという意味だと思います。こういう観 点と同時に、看護職員確保という観点から、教育を充実することで離職を防止して、いま55万人といわれ る潜在看護師を少なくしていく。次の検討会ではそういう長期的な看護職員確保という観点からも議論し ていただければと思います。  それから、この検討会で出た意見を尊重して、この次の検討会で、もう少し抜本的な検討をしていただ けるということが、報告書にまとめられることについては非常に有難いと思っています。その新たな検討 会で方向性が出てから、先ほどのカリキュラム改正に手をつけていただくと、教育現場のほうもこういう 方向性の中で、まずはここをやるということがわかって、実際に取り組みやすくなると思いますので、そ ういう手順で進めていただきたいと思います。 ○羽生田委員  異議あり。離職しているのが看護師を辞めているとは限らない。高度医療の所ではついて いけなくても、ほとんどが別の病院に勤めています。そのまま潜在看護師になっているほうが少ない。 看護師がすべて辞めているわけではないので、それを離職という形で言うのは間違いです。 ○菊池委員  その実態については、おそらく詳細なデータはないと思います。 ○羽生田委員 だったら言わない。 ○菊池委員  聞くところによると、学校の先生にも相談して、辞めてしまうこともある。 ○羽生田委員  私が聞いているところでは、他の病院に行っていると聞いています。 ○菊池委員  いろいろな状況があるので、それはそれで、ちゃんと確かめていただければ有難いと思います。 どの時点で離職したか、いまの段階ではその割合を詳細に示すものはないと思いますが、現実に55万人の 潜在看護職がいるということは、やはり働き続けないで看護の現場を離れている人がいるということですの で、そういう人たちが働き続けられる状況を作って職員を確保する、という観点が重要という意味で申し上 げました。 ○南委員  私も、看護教育にもっとお金を注いでほしいと思いますし、長期ビジョンの中で看護教育を考え ていく、将来的には是非取り組んでいただきたいと思いますが、今回は、現行の看護師教育3年、保健師教 育6カ月、助産師教育6カ月と、現行からどうしていくかという改正だったと理解しています。その観点か らいくと、28頁の最後の「保健師教育においては、近年大学教育において云々」の所なのですが、何かすご く唐突に見えるのですね。他には、別に大学等のことが書かれているわけでもないし、「今後の課題」でも このことが、こういう形で言えるだけの議論がされているのも問題だと思うので、ここは削除をお願いした いと私は思います。ただし、今後もしこういうカリキュラムに対して、どうしても書くというのであれば、 大学等とのカリキュラムに関しては、文部科学省との今後のすり合わせが必要であるぐらいの所で、こんな 所に書くものではないとも思いますし、ここだけこんなふうに出てくるというのは不自然に思います。 ○遠藤座長  ありがとうございます。それでは医学教育課長、どうぞ。 ○文部科学省医学教育課長  すみません。同じ場所なのですが、これを素直に読むと、就業を希望しない学生に対しては臨地実習が 手薄でもいいとも読めがちでして、誤解を招く要素があるかというふうに思って、できれば削除していた だくと有難いです。 ○村嶋委員  保健師が大学で全員必修になっているために、保健師学生の数が増えて、そのことがいろいろ な弊害を招いていることは、ここでも繰り返し言われてきたところでございます。そういう意味で、何らか の形での、それに付随する文言は必要だと思います。南委員がおっしゃったように、文科省との協議が 十分に必要であるとか、やはり今の保健師教育にはいろいろな問題があるとか、現行の大学における 保健師教育の弊害は、きちんとしておくべきだと思います。 ○遠藤座長  ありがとうございます。おそらくご意見はまだあるかと思いますが、ほぼ出尽くしたのではな いかと理解しております。そういう意味で、単位の修正も含めて、この報告書案はおおむねご了承いた だけたと考えておりますが、よろしゅうございますか。  ただいま、皆様方から大変建設的なご意見を頂戴いたしましたので、それをどういう形で盛り込むか というところですが、実は今回が最後でありますので、できるだけご趣旨を反映できる形にしたいと思い ますが、文言、あるいはご意見をどこまで入れるかどうかも含めて、これは大変恐縮ですけど、座長預か りという形にさせていただければと思いますが、よろしゅうございますか。 (了承) ○遠藤座長  ありがとうございます。では、そういう形で今後の対応をさせていただきたいと思います。そ の取扱いにつきまして、事務局からもう少し正確に言っていただいたほうがよろしいと思いますが、 ご説明いただけますか。 ○看護職員確保対策官 先ほど、まさに座長からおっしゃっていただいたように、座長と私どものほうで、 本日いただいた意見を踏まえて、修正案を作成させていただきたいと思います。また、もし何かありました ら、来週、できれば29日木曜日ぐらいまでにファックスでいただければ有難いと思っています。また、それ をいただいた後で、私どもと座長の遠藤先生のほうでご相談いただきまして、先生方のご意見を反映させた 上で、月をまたいでしまうかもしれませんが、できるだけ早く報告書の公表をしたいと思っています。また、 この指定規則等の改正ですが、今年の夏を目途に改正に入りたいと考えております。そういったことで、こ の報告書の公表についてはそのような取扱いにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたし ます。 ○遠藤座長  医政局長、お願いします。 ○医政局長  第9回、途中にはそれぞれのカリキュラムの作成に当たっていただいた委員の先生方もいらっ しゃいますが、1年間にわたって、大変熱心にご議論いただきました。どうもありがとうございます。今日 もいい意見がたくさん出ておりまして、最終版までもう少し時間がかかるかと思いますが、最後の意見を出 していただくということで、お願いを申し上げたいと思います。  少子高齢化ということで、国民の医療に対する目は年々厳しくなり、また、要求の水準も高くなっている わけでして、そのために看護職の役割は非常に大きく、不可欠であろうかと思います。質の高い看護職の供 給の根幹を成すカリキュラムですので、それぞれのお立場から熱心にご議論をいただいたことは大変有難く 思っております。今回、カリキュラムに関する重要な報告をいただいたと思います。今後はこの報告を基に、 私どもとしても看護の基礎教育の充実に最善を尽くしていきたいと思っております。委員の皆様方におかれ ましても、良質の医療提供という点から、引き続き看護行政にご尽力、ご協力、ご理解賜るようお願い申し 上げて、御礼といたします。大変ありがとうございました。 ○遠藤座長  それでは、これをもちまして、「看護基礎教育の充実に関する検討会」を終了させていただき たいと思います。どうもありがとうございました。