07/03/12 平成18年度第4回特定疾患対策懇談会 平成18年度第4回特定疾患対策懇談会 開催日:平成19年3月12日(月) 場 所:厚生労働省専用第22会議室 出席委員  朝倉  均   内田 健夫  ○金澤 一郎   神崎  仁       桐野 高明   齋藤 英彦 笹月 健彦   猿田 享男    田中 靖彦   谷口  克 辻  省次   中村 耕三       埜中 征哉   秦  順一   溝口 秀昭 武藤 輝一  矢崎 義雄 矢野 正子                               ○:座長 1 .開会 2 .議事 (1) 難治性疾患克服研究事業の対象疾患について (2) その他 3 .閉会 ○金澤座長 それでは時間になりましたので、平成18年度の第4回特定疾患対策懇談会を 始めたいと思います。本日はお集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。  それでは開会に先立ちまして、外口健康局長から一言ごあいさつをいただきたいと思い ます。よろしくお願いします。 ○外口局長 第4回の特定疾患対策懇談会の開催にあたりましてごあいさつ申し上げま す。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところを特定疾患対策懇談会に御参集いただ きましてまことにありがとうございます。また、日ごろから難病対策の推進に格別の御理 解御尽力を賜り、重ねて御礼申し上げます。  さて、昨年8月より、3回にわたり御議論をいただき、12月には希少性の要件を大幅に 超えている疾患について、希少性の要件に該当するよう、特定疾患対策懇談会治療研究事 業の対象者の範囲を見直すとの取りまとめをいただきました。その後、与党等から患者の 生活実態等に配慮し、現在事業の対象となっているものに対し、医療の継続が図られるよ うな措置を講ずること等を内容とする決議が提出され、さらに検討するように求められた ところでございます。  このような状況を踏まえ、平成19年度の特定疾患治療研究事業の対象については、従来 と同様として行うことといたしました。今後は委員の皆様方や患者団体の皆様からの御意 見を伺いながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。  本日は来年度に向けて、事業の対象疾患の選定に関する御議論をお願いしております。 来年度の特定疾患治療研究事業の対象につきましては、従来と同様としてまいりますが、 一方で重篤な希少疾患の研究を望む切実な御要望もございますことから、難治性疾患克服 研究事業の新たな対象疾患の選定についての御検討をお願いしたいと考えております。当 懇談会での御議論を受けまして、研究を一層推進し、難病対策の充実に努めてまいりたい と考えております。先生方には忌憚のない御発言をいただきますようお願いいたしまして、 あいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○金澤座長 ありがとうございました。それでは議事に入りますが、その前に事務局から、 委員の出席状況及び配付資料の確認をお願いいたします。 ○日下補佐 それでは本日の出席状況について確認させていただきます。本日は大野委員、 工藤委員、長谷川委員、本田委員が御欠席でございます。本日の参加委員は過半数は超え ておりますので、本懇談会は成立となります。  それでは資料の確認をさせていただきます。  資料1 難治性疾患克服研究事業の概要  資料2 難治性疾患克服研究事業の対象疾患と研究班の構成  資料3 対象疾患の要件について  資料4 難治性疾患克服研究事業の候補疾患について  参考資料1 厚生労働省に特定疾患への指定に関する要望等が提出されている疾患  参考資料2 難治性疾患克服研究事業の候補疾患書に関する患者団体提出資料  以上、不足しているものや乱丁等がございましたら、事務局までお申し付けください。 ○金澤座長 ありがとうございました。これから議事に入りたいと思うのでありますが、 まず初めに、今、外口局長からも御説明がございましたけれども、先生方の御協力でいろ いろ議論をした結果が少し変わった形になりました。その辺も含めて、前回の特定疾患対 策懇談会以降の経過を踏まえて、きょうの議題についてもう一度事務局からきちんと説明 をしていただきたいと思います。よろしく。 ○日下補佐 それでは前回の特定疾患対策懇談会以降の経過について、御説明申し上げま す。前回の特定疾患対策懇談会では、特定疾患治療研究事業の対象の範囲については、希 少性の要件を上回る疾患について、対象者の範囲を見直すという御提言をいただきました。 先ほど健康局長からお話しさせていただきましたように、その後、各方面から様々な御意 見をいただきました。特に与党からは事業の対象となっているものに対し、医療の継続を 図れるよう、さらに検討するよう決議をいただきました。これらを踏まえま、当面の方針 としては、特定疾患治療研究事業、これは45疾患ございますが、この対象範囲について、 平成19年度についても、平成18年度と同様の範囲としたいと考えております。  一方、大変な難病で苦しんでいらっしゃる患者さんもおられることから、研究を望む声 も大きいこともあり、来年度、難治性疾患克服研究事業、現在121疾患ございますが、こ れにいくつかの疾患を追加しまして、研究を推進したいと考えております。そのため、具 体的な追加疾患に関する検討を本懇談会にてお願いしたいと思っております。以上です。 ○金澤座長 ありがとうございました。要するにその45疾患に追加ということではなく て、121疾患について追加をしようというのが具体的なことでございます。御自分の疾患 について研究してほしいという思いは、これは難病の方々、皆さん等しくそのようにお考 えだと理解しております。少なくともそれに近づけるような努力をしようということでご ざいます。今後難病対策についてはいろいろな検討がなされるとは思いますけれども、研 究対象として緊急度の高い疾患を、やはり研究の対象にすべきだということが今まで語ら れてきたと思います。そういう思いで本日、正確に言いますと「難治性疾患克服研究事業 の対象疾患を選ぶ」ということになります。  ただ、これは好き勝手にやりますともうめちゃくちゃになってしまいますので、まずは 少し総論的な選定の方針について議論をしていただきます。ただ、そのときは具体的な疾 患の名前を出さないでいただいて、総論的なことをまず御議論いただいて、それから先ほ どの資料にありました具体的な疾患について、そういう総論に基づいて議論をしてはいか がかと思っております。そのようなわけですので、総論的なところ、全体の方針について、 事務局からまず考え方を示してもらえますか。 ○林補佐 それでは資料1から資料3までを基に、これまでの研究事業の考え方につきま して、御説明をさせていただきます。まず資料1でございます。難治性疾患克服研究事業 の概要というペーパーでございます。難治性疾患克服研究事業とは、原因が不明であって、 治療方法が確立していない、いわゆる難病の中でも積極的に研究を推進する必要のある疾 患について、調査研究、重点的研究、横断的研究からなる研究事業を行うものでございま す。  対象疾患としては、いわゆる難病の中でも、希少性、原因不明、効果的な治療方法未確 立、生活面への長期にわたる支障の4要素を満たす疾患の中から、特定疾患対策懇談会の 御意見を聞いて設定をさせていただいております。現在121疾患が対象となっております。 先ほどから御説明させていただいております特定疾患治療研究事業、すなわち医療費の公 費助成の対象につきましては、この中の45疾患が対象となっているものでございます。  続きまして資料2でございます。難治性疾患克服研究事業の対象疾患と研究班の構成に ついて、御説明をさせていただきます。この表には左側に121疾患の病名が列挙されてご ざいます。これを39の研究班に分けまして、診断基準の策定や疫学調査、治療法の開発や 普及などの研究を実施させていただいております。研究班の名称が右側に、研究課題名と いうところに書かせていただいております。これが1ページ目、2ページ目までが臨床調 査研究のグループの研究班の一覧でございます。  続きまして3ページ目が横断的基盤グループ、そして重点研究グループの一覧でござい ますが、疫学などの横断的研究、また画期的治療法の開発などの重点的な研究を含めまし て、1ページ目から合わせて61の研究班において、この121疾患の研究が実施されており ます。  続きまして資料3、対象疾患の要件についてでございます。平成7年度以降、公衆衛生 審議会難病対策専門委員会等の下で様々な検討がなされてまいりました。平成7年12月 27日にまとめられました公衆衛生審議会成人病難病対策部会難病対策専門委員会の最終 報告の中では、希少性、原因不明、効果的な治療法未確立、生活面への長期にわたる支障 という4要素に基づき、対象疾患として取り上げる範囲を明確にすることが必要であると の取りまとめをいただきました。  また、平成9年3月19日の特定にまとめられました特定疾患対策懇談会特定疾患治療研 究事業に関する対象疾患検討部会報告を、簡単に御説明をさせていただきますと、次の2 ページでございますが、(1)の希少性としては患者数が有病率から見て、おおむね5万人未 満の疾患とする。これは調査研究事業の目的の1つは、患者数の少ないいわゆる希少疾患 に対して研究者の目を向けさせ、効率的な研究体制を構築することにあるという理由で、 このような希少性という要件が書かれております。  また(2)の原因不明といたしましては、原因または発症機序(メカニズム)が未解明の疾 患とするとされております。ただし、病因としての遺伝子異常が同定された疾患や一部同 定された疾患があるが、その遺伝子異常がどのようにして発症に至るのかが依然として不 明である疾患については、治療法の確立に向けた機序の解明が必要であるため、本調査研 究事業の対象疾患となり得る、とされております。  (3)の効果的な治療法未確立に関しましては、完治に至らないまでも進行を阻止し、また は発症を予防し得る手法が確立されていない疾患とする、とされております。  続きまして(4)の生活面への長期にわたる支障につきましては、日常生活に支障があり、 いずれは予後不良となる疾患或いは障害にわたり療養を必要とする疾患とするとされてお ります。  (5)その他といたしまして、癌、脳卒中、心臓病、進行性筋ジストロフィー、重症心身障 害、精神疾患などのように別に組織的な研究が行われているものについては、効率的な研 究投資の観点から、従来のとおり本調査研究事業から除くべきである、とされております。  また、平成14年8月23日にまとめられました「厚生科学審議会疾病対策部会難病対策 委員会今後の難病対策の在り方について中間報告」におきましても、基本的にこの特定疾 患対策懇談会の部会報告を踏襲する取りまとめがなされております。  資料1〜3の御説明については以上でございます。 ○金澤座長 ありがとうございました。今資料の説明がありましたが、いかがでしょうか。 この資料1、2、3につきまして何か。まず御意見ではなくて御質問をいただきたいので すが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。資料2の左側に系があって、その後に病 名が並んでいますね。これはほぼ班の名前に対応しているわけですね。そして対象疾患が そこに書いてある。○印が治療研究対象で、○印がないのが121の克服事業の対象疾患で あると、こういうことですね。 ○林補佐 はい、そのとおりです。 ○金澤座長 さて、何か御質問はございませんでしょうか。どうぞ、田中先生。 ○田中委員 4つの条件についてです。この中でいつも気になっているのは、希少性とい うところなのですが、こういう疾患を国を挙げてやるという非常にまれな類を見ない非常 にユニークな研究体制だと思うのですが、希少であるということをどこまで信頼性を持っ てとらえられているかということが、いつも希少であるがゆえに知らないで見過ごされて ありはしないかとか、そういう危惧があるので、データの蓄積その他はかなりできるよう になってはきていますけれども、全国的な研究を必要とするというところが、まだ確実で はないのではないかというような気がしますので、そういうところをもう一歩突っ込むよ うな議論も、我々はしなければいけないというふうに感じています。 ○金澤座長 ありがとうございます。今までですと患者さんの数が多くなってしまったこ とに、むしろ注目をしていたわけですけれども、先生のおっしゃるのはよくわかります。 たしか全国に19人しかいない患者さんのために薬を開発する云々という話もあったこと がございますが、そのようにむしろ非常に少ない病気について、今後どういう目を向けて いくか。何か事務局の方から御意見ございますか。たしか研究班の中で少し検討するとい うようなことがあったと思うのですが。別に少ないことだけではないですよ。希少性とい うことについても、あるいは各学会から御意見を伺うとか、いろいろな考えがあったと思 いますけれども。 ○林補佐 総論的には先生方のお考えのとおりだというふうに思っておりまして、ほかの 研究事業の対象にならないような希少な疾患の症例を収集するといったことも含めて、研 究をできる場所というのがほかになかなかございませんで、そういう対象を研究すること こそが、この事業の意義だというふうに考えております。さらにどういうふうに要件を具 体的に運用していくか等につきましては、先生方の御指導御意見も賜りながら、進めてい きたいというふうに考えております。 ○金澤座長 ありがとうございました。ほかに。それでは笹月先生。 ○笹月委員 いわゆる患者さんに経済的支援をしようというのではなくて、これは研究の 話ですね。そうしますと希少性ということを言う必然性があるのかどうか。1つにはそう いう希少な疾患なので、他では余り研究のサポートが得られないというお話もあるかと思 いますが、むしろ研究にかかる費用というのは、患者集団が大きくても小さくても、おそ らくそう変わりはないだろう。そうするとその成果が今度は患者さんに還元されるという 意味では、多い方が多くの人がその恩恵を受けるということにもなろうかと思って、その 希少性ということが研究対象としての疾患を選ぶときには、必ずしも今ひとつクリアでは ないような気がするのですが。 ○金澤座長 先生も似たような御意見の話ですか。そうではない。 ○齋藤委員 違います。 ○金澤座長 わかりました。今の御意見に関してはいかがですか。どうぞ。 ○林補佐 そのあたりも含めて、先生方の御意見をいろいろいただきたいということでは ございますが、これまで希少性という要件をこの事業で取り上げておりますのは、それは 公費助成のためだけというわけではなくて、この難治性疾患克服研究事業においても、過 去の議論の積み上げの中でその希少性という要件をその要件の1つとさせていただいてお ります。これは研究としての意味で人数の大きい疾患の研究を行うことが、重要であると いう御指摘もひとつもっともではあるのですけれども、そのように考えられている研究事 業が、民間あるいはほかの公的な助成も含めて大半でございますので、この研究事業に関 しては、そういう研究事業で光の届かないようなところに希望を与えることが、1つの大 きな課題また目的であると考えております。 ○金澤座長 そのとおりです。それをきちんと言ってくれないと困るのですが、光が当た らないところに光を当てるというのがこの事業でございますので、御理解をいただきたい と思います。ほかにどうでしょうか。ごめんなさい。齋藤先生、お約束でした。 ○齋藤委員 もう1つの要件であるこの原因不明についても、改めてこの資料2の疾患を 見ますと、どの疾患とは言いませんけれども、もうかなり原因がわかっている疾患もあり ますよね。これは厳密に言うと、遺伝子異常から発症に至る過程もわかっているものもあ りますし、あるいは免疫異常などもかなり現在ではわかっている疾患があって、それはと りもなおさずその研究班の方々が30年間にわたって非常に一生懸命やられたのでわかっ たと思うのですが、やはりこれもそういう意味では、絶対的なクライテリアではなくなっ てきていますよね。 ○金澤座長 大変貴重な御意見だと思いますが、だんだん選定の方針の議論に入っており ますので、もう議論に入りましょう。個別の病名ではなくて総論であります。選ぶについ て、きょうのここでの議論というのは、新しい疾患を選ぶということでありますが、それ に向けて今までのものを少し見直すと言いましょうか、少し振り返って御意見をちょうだ いしていたわけです。もう少しこの御意見をいただいて結構だと思いますが、いかがでし ょう。希少性の要件と原因不明という要素についての疑問を提出していただきました。ど うぞ、神崎先生。 ○神崎委員 今の話に関連がありますが、治療法が一部の患者さんに対しては有効な疾患 もあると思うのですね。あるいは一部が外科的に手術できるというようなものもあるので、 疾患を選んでも、その中で全く治療法がないものと一部あるものというのが混在している ので、それらをどういうふうに扱うかという問題が1つあると思うのです。  厳密に言えば例えば腫瘍があって、その腫瘍がなぜできたかわからないけれども、腫瘍 をともかく取ればよいというものは、これは原因がわかっていると言っていいのか、ひと ことで原因不明といってもいろいろなニュアンスがあるというふうに思います。 ○金澤座長 ありがとうございます。確かにそういう面があろうかと思いますが、ほかに 御意見はいかがでしょうか。希少性の問題と原因不明性の問題については、今御意見をち ょうだいいたしました。ほかの部分に関してはそうですね、一部効果的な治療法未確立と いうのがありましたが、これについても御議論が少し出たかと思います。生活面への長期 にわたる支障というのも、これは長期療養を必要とすると言われておりますが、何をもっ て長期と言うのかというのは、確かにいろいろ問題があるかもしれません。  しかしそういうすべての要件について、そのように厳密に言いますと、難しい問題が含 まれているわけです。それは実は承知の上でこの何十年かやってきたわけでございまして、 一応の御理解は得られているものだと理解はいたします。ただし、今後まだその部分につ いても、なおまだ議論の余地はあるということだけは理解しておきたいと思いますが、総 論について何か御意見は。先生何かございますか。 ○矢崎委員 今の御議論で1つ出なかったのはADLの障害ですね。その程度がどのぐら いかということと、特に長期にわたる療養が必要なケース、例えば、幼児期、小児期から 発症するのがそれに当たるのじゃないかという視点があると思うのです。そういう疾患が 特に遺伝子異常なんかに基づく疾患があるのですね。だから遺伝子異常が明らかだから病 因論から除外ということではなくて、やっぱり遺伝子異常がわかっても、病気の発症がわ からない部分がありますので、やはり病因というのが一概に片付けられないということ。 それから疾患の治療に関しても、疾患というのは、単一ではありませんので、一部には治 療法があるものもあるといった場合には、治療法が全くないのだという方を優先すべきか なという感じがします。  それと希少性は座長が言われるように、極めて少ない患者さんではなかなかサポートす るシステムができていないので、私としてはなるべく希少性というのは、やはり公的に病 因解明推進のためのサポートとしては重要な要件ではないかなと。おそらく今までそうい うふうに議論されてきたと思うのですが。 ○金澤座長 ありがとうございます。新しい仲間を選ぶ方に向けた御意見をちょうだいし たと思います。いかがでございましょうか。できればそういうふうに新しい仲間を選ぶ方 向での総論をいただきたいと思いますが、ただいまお話しいただきましたのは、声が一本 にまとまるには小さい、そういう疾患に目を向けてはどうか。それからADLについてや はりより厳しい疾患、そしてもう1つは現在のところ治療法もはっきりしない、ないとい うようなものを優先してはどうかという御意見でした。どうぞ。 ○桐野委員 もう意見が出ていると思うのですけれども、難病度インデックスみたいなも のがあるとすれば、そのインデックスを測定して、そしてこれでよろしいですかというこ とで決まっていくと思うのですが、実際はそういうことができないので、こういうところ で議論せざるを得ないのだろうと思うのですね。その条件の中で希少性、原因不明、効果 的治療法がないというのは、どっちかと言うとそのランクがいろいろあるというよりは、 かなりall-or-nothing的で、こういうものに大体当てはまるものであれば、どうしてもそ の疾患の深刻さというのをやっぱりある程度考えざるを得なくて、もう1つは従来45疾患 を選んできた経緯と物すごく異なった新たな基準を今回設けるということは、恐らく難し いだろうと思うのです。  従来45疾患を選定されてきたような考え方に従って、大体おそらくこの制度の場合は2 つの足に立っていて、1つは希少な難病に対する研究を促進するという側面と、もう1つ は非常に長期にわたって深刻な状態に置かれた患者さんの、ある程度のサポートをすると いうことだろうと思うのですね。そういうことになるのかなと。ただ、実際にどうするか と言われても、なかなか難しいなというのが印象です。 ○金澤座長 ありがとうございます。45とおっしゃったけれど121疾患ね。ほかに御意見 はございませんでしょうか。どうぞ、朝倉先生。 ○朝倉委員 今までは希少性、難治性、原因不明及びQOLです。このQOLは大分後か ら付け加えた定義だと思います。なぜ希少性あるいは陽が当たらない疾患が大事かといい ますと、ある程度のcommon diseaseは結局1つの研究室とかあるいは1つの病院の診療 科で、ある程度臨床的な研究ができるわけです。しかし稀な疾患では1つの病院とか1つ の研究室ではできないので、そういうものを持ち合わせて、みんなで検討しながら答えを 出していこうというのが、この調査研究会の重要なテーマであったわけです。これは文部 科学省的なところではできないので、厚生労働省が一番適切な場所ではないかということ で、研究が行われてきたと思います。ですからやはり希少性というのと、これらの4条件 は必要かと思います。  では、今回いろいろ申請してくるのに、どういう疾患を選ぶかというのは、どれもみん な4条件を満たしております。そこでもう1つ条件を加えるのか、加えないのかというと ころが問題になってくるわけです。先ほど矢崎先生が言われたように、若年発症してある 程度生命予後的に悪いような疾患、そんなところにも少し光を当てて上げるのが、一番大 事ではないかと私は考えています。  私は長らく臨床をやってまいりまして、やはり生活QOLの悪いのも、確かに患者さん にとってつらいのですけれども、やっぱり生命の予後が非常に悪い疾患にとっては、その 患者さん及び家族にとっては切実な問題ですので、そんなところに光を当ててあげるのが 一番大事かと私は考えています。 ○金澤座長 ありがとうございました。大変大事な御意見をちょうだいしたように思いま す。どうぞ、谷口先生。 ○谷口委員 もちろん治療法がないとか、希少性とか、原因が不明とか、患者さんの集団 の多いところと少ないところというのがあると思うのですけれども、研究する側は、希少 性で数が少なくなればなるほど疾患を対象としている医者も研究者も少くなる。そういう 意味では、ほとんどの医者が生涯目に触れることがないような疾患もあると思うのですね。 そうすると医学部で教える以外にちゃんとやっていくためには、こういうところで取り上 げておくことが必要なのではないかと思います。そういう意味で研究者がいない場合でも なるべく幅が広く、121の中に取り上げておく必要があって、ある程度機が熟してきたら 45疾患の方に行くというグランドデザインを、国としては持っていた方がいいのではない かと思います。 ○金澤座長 ありがとうございました。今谷口先生のお話を伺っていて気がついたのです が、日本に全く研究者がいないというのはまたちょっと困ったもので、多少は研究を進め ないといけないので、そこだけはたくさんいる必要はないかもしれませんけれども、例え ば地球上のどこかで研究をやっている。そこと結ぶことぐらいはやっぱりやってさしあげ ないといけないわけで、そういうことがあるといいと思っています。いかがでしよう。ほ かに御意見はございませんか。 ○辻委員 今のグランドデザインに関してですが、このような疾患の研究を、例えば病因 解明を進めていくためにも、研究チームを組織して研究を推進する必要があります。これ はなかなか難しいことかもしれませんけれども、研究費のさらなる増額が実現して研究チ ームが構成できて、研究が進むということが大切だと思います。今回は疾患を追加するか どうかということで議論だと思いますが、予算的な追加もあると良いと思います。  それからもう1つは、こういった非常にまれな疾患については、例えばそういう生体資 料を集めるとか、あるいは診断そのものをきちっと提供するとか、そういったシステムは 一方では必要なことで、それを日本でどのように整備するかという点が課題であると思い ます。それはかなり問題になっていると私は思っておりまして、稀な疾患に対しての生化 学診断あるいは遺伝子診断などのサービスが途絶えがちな状況があると思うのです。だか らそういったものをどういうふうに整備あるいは維持するかという問題も、大きな問題だ と思っています。 ○金澤座長 ありがとうございました。ほかに。どうぞ、笹月先生。 ○笹月委員 既に認められている疾患、それから候補に挙げられている疾患、いずれも遺 伝子病、遺伝子の変異による疾患というのがあります。そうしますとこの資料2の3ペー ジのところに、横断的基盤グループ、あるいは重点研究グループというカテゴリーがあり ますが、私はぜひこの横断的基盤グループの中に遺伝子治療の開発研究、例えばベクター の開発とかそういうのをぜひ取り上げていただくと、疾患ごとには認められなかったけれ ども、いいベクターが開発されれば、それはすぐどのような稀少な遺伝子疾患にも応用で きる可能性を秘めておりますので、私はそれをここに入れていただくのが非常にいいので はないかと思います。 ○金澤座長 ありがとうございました。貴重な御意見をちょうだいしました。武藤先生、 どうぞ。 ○武藤委員 皆さんいろいろ御意見があるのですが、この特定疾患の支援事業も入ってい まして、本当はこの研究は生存期間がとにかく生まれてから、あるいはあるときに発症し ましても、ほかの疾患と比べて大変生存期間が短いというような方、あるいは極めて症状 が強くて生活に困難であるという疾患を対象としながら、この原因と治療の研究を進める こと。この患者さんの支援の方は、調査研究は必要でございますから関係あるのでありま すが、患者さんの支援とは少し別の方向で考えていただいていいのではないかというふう に思います。 ○金澤座長 ありがとうございます。いろいろな貴重な御意見をちょうだいしております が、そろそろ少し総論をまとめないといけないのですが、先ほどから選定に当たっての心 構えのようなものはいろいろちょうだいしておりますので、大体はおわかりだと思います けれど、希少性疾患の4要件をもうちょっと現実的に、非常に生命予後にかかわる問題の 疾患であるとか、あるいは本当に治療法が全くないようなものであるとか、あるいは若い ときから発症して進行性でというものであるとか等々、いろいろ要件をちょうだいしたと 思います。研究についてもある程度は研究者がいるような、そういうものもお話があった かと思います。  さて、そろそろ具体的な疾患の話に入りたいと思うのですが、どうですか、事務局で少 しまとめたものがあれば、少し候補についての具体的な話に入る前の話をまとめてという ことになりますか。候補疾患についての。今のところ候補疾患を出しているわけですから。 ○林補佐 それでは資料4に基づいて、難治性疾患克服研究事業の候補となる疾患につい ての資料の御説明をさせていただきます。今回、検討の対象としてお願いをしたいと考え ておりますのは、患者団体から厚生労働省に要望書が提出されている疾患、それから難治 性疾患克服研究事業の各主任研究者の方にお伺いいたしまして、主任研究者等から御提案 のあった疾患につきまして、難治性疾患克服研究事業の研究班の先生方にいろいろお願い をいたしまして、文献等から情報収集をお願いいたしました。それを主題にまとめたもの が資料4でございます。  対象としたものが希少な疾患でございますので、情報が不十分な疾患も多々ございます が、文献等に書かれたものや既存の情報からの推計でありますとか、先生方の経験に基づ く情報なども含めて、最善の努力をお願いをしてまとめていただいたものでございます。  1ページおめくりいただきまして、まずこの表の構成について御説明申し上げます。まず 疾患名が一番上にございまして、続いて大まかな人数の調査をお願いしました。十分に実 情のわからない疾患や診断基準が明確でなく、人数の把握の困難な疾患もございますが、 できるだけ検討に資するよう、大まかな人数であっても記載をお願いいたしました。続い て原因の解明、そして主な症状、主な合併症について、研究班の先生方に記載をお願いい たしました。主な治療につきましては、効果の度合を治癒するもの、著効するもの、効果 があるもの、症状を緩和するもの、または効果はわからないが行われることがあるという ものに分類をしていただきました。  また治療につきましては、当該疾患に適応のあるものに限らず、研究段階のものを含め て効果のあるもの、行われることがあるものを挙げていただきました。長期にわたる疾患 の状況につきましては、これは一部の患者さんに該当するということではなくて、多くの 患者さんに数年以上にわたって該当するものを記載していただきました、したがいまして 一部の患者さんにつきまして、記載より重いという可能性があることはお含みいただけれ ばと考えております。記載の内容といたしましては、発症年齢として小児、成人、高齢者 のいずれに多く発症するか。生命予後として寿命が健常者と同じぐらいか、あるいはやや 短いか、もしくは死亡のリスクがあるか。ほかには痛みや呼吸困難などの苦痛が継続する かどうか。ADLの障害が著しいかどうか。そして一般的に就労可能な年齢で全く就労が できないということになるかどうか。外出、通学といった社会的な生活への支障が継続す るかどうか。症状が急激な増悪を来すかどうか。入院の頻度や期間が長いかどうか。経過 が何十年といった長期に及ぶかどうか等に着目をして御記載をいただきました。  具体的な疾患名を簡単に御紹介させていただきますと、まず2ページ。HTLV−1関 連脊髄症。いわゆるHAMという疾患でございまして、HTLV−1感染に伴って起こる 神経障害を来す疾患でございます。続いて腹膜偽粘液腫。これは粘液を持つ腫瘤が腹腔内 に充満する疾患でございます。  続いて3ページ。1型糖尿病でございますが、膵β細胞の特異的な破壊に伴い、インス リンの分泌が枯渇する疾患でございます。続いて先端巨大症、成長ホルモンの過剰分泌に よりまして、顔貌の変化や手足の容積の増大等をきたす疾患でございます。  4ページ目でございます。下垂体機能低下症、これは下垂体ホルモン分泌が低下した結 果、甲状腺、副腎、性腺機能低下症等ホルモン分泌障害をきたした疾患でございます。続 いてクッシング病は下垂体腫瘍によるACTH過剰分泌のため、副腎皮質ホルモン分泌が 亢進する疾患でございます。  5ページ目。原発性側索硬化症でございますが、運動ニューロン疾患の一型で、運動障 害、嚥下障害あるいは呼吸障害等を生ずる疾患でございます。一次性ジストニア、これは 中枢神経系の障害に起因致しまして、様々な部位の不随意運動が見られる疾患でございま す。  6ページ目。有棘赤血球を伴う舞踏病でございます。舞踏運動などを中心とする不随意 運動を来す疾患でございます。続いて反射性交感神経ジストロフィー(RSD)でござい ますが、外傷後に反射的に起こる交感神経の亢進が消失せず、持続的な疼痛をきたす疾患 でございます。  7ページ目。狭窄性細気管支炎、これは細気管支の炎症や線維化のため換気ができなく なる疾患でございまして、近年では骨髄移植後等の患者に高頻度に発症するとされており ます。肺胞蛋白症でございますが、肺胞腔内が粒状物質によって充満される疾患でござい ます。抗GM−CSF抗体による自己免疫疾患とされております。  続いて8ページ。強直性脊椎炎は主に体軸の骨格が侵される全身性の慢性炎症性疾患で ございます。続いて進行性骨化性線維異形成症(FOP)でございますが、小児期から骨 格筋、腱、靱帯などで異所性骨化が進行し、全身の可動性が低下する疾患でございます。  続いて線維筋痛症、これは慢性の軟部組織のびまん性の疼痛および筋肉のこわばり、疲 労感、抑うつ症状などをきたす疾患でございます。続いて再発性多発軟骨炎、これは軟骨 組織等に炎症をきたす慢性の炎症疾患でございます。  続いて10ページでございます。胆道閉鎖症は妊娠末期から出生後にかけて、胆管の一部 または全部が閉塞して閉塞性黄疸をきたす疾患でございます。エーラス・ダンロス症候群、 これは皮膚の過進展、関節の過可動性、皮膚及び血管の脆弱性等を伴うコラーゲン代謝異 常が原因の疾患でございます。  水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症でございますが、遺伝性角化異常症でございまして、全身 の水疱形成、ひび割れ、鱗屑などが見られる疾患でございます。非水疱型先天性魚鱗癬様 紅皮症・葉状魚鱗癬でございますが、これも遺伝性の角化異常症でございまして、全身の 鱗屑、落屑がつづく疾患でございます。  12ページ。色素性乾皮症でございますが、これは紫外線により癌を含む皮膚障害を引き 起こす遺伝性疾患でございまして、一部に神経障害も見られる疾患でございます。  von Hippel-Lindau病は中枢神経系を初めとして、副腎、腎、膵島などに腫瘍が多発す る疾患でございます。  最後のページでございますが、Prader-Willi症候群。これは筋緊張の低下、摂食障害、 肥満、精神遅滞などをきたす先天性の疾患でございます。マルファン症候群は骨格、眼、 心臓血管系の結合組織の異常をきたす疾患でございます。  この24疾患について御検討をいただきたいと考えております。  続きまして参考資料の1でございます。これが厚生労働省へ特定疾患への指定に関する 要望書等が提出されている疾患でございます。前回、12月の特定疾患懇談会でお示しいた しました資料と比べて、その後要望書をいただいたところも含めて、6つ追加されており ます。これらの新しい要望につきましても、先ほどの資料4の方に反映をさせていただい ております。ただし、ここで難治性疾患克服研究事業の対象となっているものに○がつい ている疾患に関しましては、既にこの121の疾患には取り上げられているということで、 今回の検討の対象としてはお願いをいたしておりません。  続きまして参考資料の2でございます。これまで難治性疾患克服研究事業の対象ではな いが、研究事業への追加の要望のあった疾患の患者団体の皆様に、今年2月に呼びかけを いたしまして、この特定疾患対策懇談会で訴えたいことを2ページ以内ということで、資 料を御提出いただいたものでございます。これらの研究者の先生方の資料、また患者さん からの資料の両方を御参考にしていただいて、御審議御検討をお願いいたしたいと考えて おります。以上でございます。 ○金澤座長 ありがとうございました。たくさんの資料とともにお話しをいただいたわけ でございますが、ここには専門の先生がたくさんいらっしゃるわけでありまして、資料の 中で何か間違えでもありますといけないので、何か訂正その他、ここはちょっと間違って いるじゃないかということがもしありましたら、御訂正をお願いしたいと思いますが、い かがでしょうか。何かございますか。どうぞ。 ○笹月委員 資料4の9ページ。線維筋痛症の人数というところがおかしいですね。 ○金澤座長 二百万は多すぎますか。結構あれはパーセンテージが高いのですよ。女性が 多いのですけれども、人口の2〜3%ではなかったかと思います。 ○林補佐 これの根拠となっているものはある集団に対する疫学調査で、その集団の2% 程度に症状があったということから推計をして、この二百万人というふうに御記載をいた だいております。ただ非常にすそ野が広い疾患でございますので、どこを診断基準ととる のかということは確かにあるかというふうに思います。 ○金澤座長 どこに線を引くかというのが問題だと思います。どうぞ、齋藤先生。 ○齋藤委員 もう1つ、頻度といえば4ページのクッシング病。287人となっていますが、 こんな少なくはないと思うのですね。 ○金澤座長 これは申請を出した人の? ○林補佐 このクッシング病に関しては、ある調査で拾い上げられた人数そのものを書い ていただいたものだというふうに考えております。そういう意味ではほかのところとは記 載の根拠が異なっている可能性がございます。 ○金澤座長 大体約で287ということはないだろう。どう見たって。 ○猿田委員 班に関連していますが、全然これは少ない。 ○金澤座長 少なすぎる? ○猿田委員 ずっと多いです。 ○金澤座長 ということでございます。ほかに御訂正などございましたらどうぞ。それで は御質問をいただきましょうか。もし何か疑問がございましたら。よろしいですか。それ では個別の候補の疾患について議論をしていただきたいと思いますけれども、これはなか なか難しくて、どうでしょうね。患者団体の皆さん方は非常にきちっとした資料をたくさ んつくってくださっておられますし、この疾患はやめておこうなんて議論は、やっぱり非 常にやりにくいというか、やるべきではないと思いますし、むしろこの疾患をという応援 演説をやっていただくのが、多分よろしいのではないかと思いますけれども、どんなもの でしょうか。 ○神崎委員 先生、その前に今まで議論のあった4条件を、ちょっとまとめていただいた 方がいいかなと思います。いろいろ意見が出ましたけれども、それを考えながらこの疾患 はどうするというのではなくて、4要件はかなり厳しく決まったと思うのですね。例えば 希少性については、数十人とか数百人とか、人数にこだわらなくていいというようなこと とか、あるいは原因が遺伝子だとわかっていても、その発症メカニズムがわかっていなけ れば、これは入れてもいいとか。治療法は一部に治療法があるようなものは除外する。厳 密に言うと取り上げは厳密にして、全く治療法がないということに限るとか。それからA DLとかQOLを重視するとかというようなことが、大体話し合われたと思うのですね。 ですからその基準をちょっと修正していただのを出していただいて、それに基づかれてや っていった方が、24から例えば幾つ選ぶか知りませんけれども、選ぶのを議論していると 大変じゃないかと思うのので。 ○金澤座長 そうですか。わかりました。それゆえに総論をまずやったのですけれども、 そしてある程度のまとめをしたつもりなのですが、どうなのでしょうか。こういうふうに するというふうに決めるとなかなか難しい。どうぞ。 ○矢崎委員 その前に1つ考え方があると思います。要するに事業の予算というのはある 程度決まっている。前回は新しい難病の研究推進をやるために、少し整理を行うという議 論をされたと思うのですね。ところが今、現状での研究推進となると、1つは余り数が多 くなると、また推進の方が薄まってしまう可能性があるので、ある程度数を考えないとい けないのではないかというのが1つあります。  今までの経緯を見ますと、平成9年に118の疾患が指定されて、それから平成15年に+ 3で今の121になったわけですが、これをやはり少し見直しを徐々にやっていくというこ とで、10年近くたってまた見直しではなくて、もう少しきめ細かに見直していくという方 針をお認めいただければ、ある程度の数に絞っていくことが可能と思います。従来どおり のスケジュールで見直しとなると、もう本当にまた埋もれると、また10年近く入れられな いのではないかということになるので、何か少し数をごく絞った場合、あるいは予算的に 何か少し余裕が出たときはすぐ反映させるとか、柔軟に対応していただければ、先ほど皆 さんが御議論いただいた基準である程度絞り込むのも可能ではないかと思いましたので。 ○金澤座長 ありがとうございました。大変大事な御意見をちょうだいいたしました。先 ほど神崎先生がおっしゃったのは、もっともそのとおりでありまして、そのために実は総 論をやったつもりだったのです。ただ、治療が全くないものとか、そういう非常にクリテ ィカルなことを言いますとちょっと問題だと思いますので、先ほどのまとめでも申しまし たように、治療が今の時点においてもなお困難なものとか、非常に頼りにする治療がない ものとか、そういう程度にしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。余り厳密にし てしまいますと、今の時点では大変厳しいと思いますので。  さてその上で矢崎先生の話は確かにそのとおりでありまして、現状を申しますと、この 10年間に3つぐらい加わっただけだと思います。そうなりますとおそらくこれは氷山の一 角であって、今後こういう検討をしているということを、さらにいろいろな場面でお知り になりますと、もっともっとたくさんの疾患が出てくるだろうと思います。ですからそう いうことも含めまして、そんなたくさん選ぶことはおそらく無理だと思いますので、今回 は2、3になりましょうか、とりあえず今回はいくつか選ばせていただいた上で、また翌 年でもあるいは翌々年でも、追加の形でまた検討させていただくということがあると、大 変いいと思うのですが、どうですか。 ○林補佐 はい。私たちも同じような気持ちを持っております。やはり切実な病気がある ものから優先して研究を進めていくという考えで、今回対象疾患を検討しなければという ふうに思っております。 ○金澤座長 ありがとうございました。どうぞ。 ○矢崎委員 大変恐縮ですが、局長もいらっしゃるので、やはり難病の推進の研究費を、 先ほど武藤先生が言われたように、何とか工夫してサポートしていただけるように、従来 の枠だからこうだということではなくて、やっぱり研究推進という視点から少し考えてい ただければ大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○金澤座長 どうぞ、谷口先生。 ○谷口委員 私、さっき申し上げたのは総論でいいのですけれども、具体的に取りあげる 疾患の数という問題が出た場合、そこからあぶれたものについては、どういうふうに対処 するかという見通しがないと、患者さんの方では非常に不安だと思います。今度3つを追 加したら、また10年間経過しなければ対象にしてもらえないというのでなく、ある程度先 行きをどういうふうにして行くのかやり方がみえるようにする必要がある。本当に少ない ものに対しても、診断の方針とか、患者数の把握とか、そういうことをやるだけでも、結 構重要なことではないかと思うのです。そうすると物理的に疾患の数を制限しなければい けない必要があるのでしょうか。あるいは名前としてはこういうふうに挙げておいても、 実際に研究者がいなければ研究はできないわけで、研究を助成していくという意味でも疾 患名は取り込んでおいた方が良いのでは。具体的に予算の配分は、現実的な研究基盤がで きた段階でやるという形もあるのではないかと思います。切り捨てられてしまうというふ うな不安感は持たせない形がいいのではないかと思うのですけれど。 ○金澤座長 それが今議論しておりました、来年もまたこういう階で議論していただく余 地があるのだということを、今約束していただいたわけでございますので、そこはちょっ と御理解いただきたいと思います。切り捨てという言葉が使われるとちょっと困るのです。 そういうことではないのです。ピックアップするということでありますので。どうでしょ うか。どうぞ、齋藤先生。 ○齋藤委員 もう今既にあるこの研究班の構成で、資料2を見てもすぐ気がつくと思うの ですけれども、班によっては1つだけの疾患を対象にしているところもあれば、7つとか 8つというところもありますね。実際にこの研究の進行状態を見ていますと、毎年必ずし も7つも8つも抱えているところはやっているわけではないのですね。おそらく班長にな られる方がピックアップして、重点的に時代によって進めていると思うのです。したがっ てきょう少しぐらいたくさん選んでも、どこかに入れておく、あるいはグループをつくっ ておけば、一応患者さんの方も安心されるし、ここにあるからと言って毎年非常にインテ ンシブに実際研究はされていないと思うのですね。ですからその辺のことを考えると、少 し数の余裕を持ってもいいような気もしますね。 ○金澤座長 大事な御意見ですが、今の御意見はどうですか。どうぞ、神崎先生。 ○神崎委員 私も今の御意見に賛成したいと思います。例えば神経の変性疾患の研究班が ありますね。今回挙がっている候補の中の変性疾患を、名前だけ入れておいて、ここで取 り上げられなかったときにそこで救済できればと思います。言葉が悪いですけれども例え ば、血液疾患のものは血液の研究班に入れておくとか、そういうことをこちらからこの研 究班にお願いすることができればいいのじゃないかと思います。 ○金澤座長 ありがとうございます。大変ダイナミックな御意見でありますが。血液の話 で溝口先生、どうですか。 ○溝口委員 ちょっと私は今現場にいないのでわからないのですが、2つの問題があると 思うのです。1つは研究費の予算でお金がふえるのかどうかということがありますね。も う1つの問題はマンパワーの問題です。齋藤先生が「1つの班に少しくらいたくさん選ん でも、あるときはどこか1つの疾患に重点的にやればいい」と言われましたけれども、班 長であった経験からすると、やっぱりそうはいかないので、全部に目配りをしていかなく てはいけない。そうするとそれだけのマンパワーがあるかどとうか。特に分野別に見ます と、かなり多くの疾患を抱えている分野もありますけれども、そういうところはやはり難 治性である点を解決するのに、マンパワーが十分であるかどうかという問題もありますね。 だからそうなると、ただ入れればいいかどうかというところは、ちょっと議論があると思 います。 ○金澤座長 ありがとうございます。予算のことが出ましたけれども、コメントはいかが ですか。 ○林補佐 競争的研究費でございまして、成果を上げていただくと研究費がふえるという 形の中で、先生方に非常に御尽力いただいているということがまず前提にございます。あ と一つひとつの班の研究費をどう病気ごとに使っているかということは、確かに主任研究 者の先生方にお任せをしているところではございます。齋藤先生のおっしゃるような、確 かに長く研究がされて、古くと言いますか伝統的にやられていて、もう研究をし尽くされ ているような病気で、若干研究の重みづけが低下しているような病気があるということも 伺うこともありますけれども、新たに研究対象とするというところには、やはりそれなり のお金もかかるのだろうというふうに思っております。今年度は昨年度までの24億円より も、若干研究費の増額を認められておりますので、そういった範囲で研究が推進できるよ うにしていただければというふうに思っております。 ○金澤座長 ありがとうございました。神崎先生がおっしゃるように、あるいは齋藤先生 がおっしゃるようなことは、非常に大事なことではあるけれども、現実問題としてはやは り無視するわけにはいかないので、活動との兼ね合いということもあって、無制限という わけにはいかないのじゃないかなというのが、おそらく皆さんの御意見かなと思いますが、 そういうことを考慮に入れて選びましょうか。  10年間に3つ選ばれたから、ここで1年間で3つというわけにもいかないかもしれせん ね。もうちょっと多いかもしれませんし、その辺は皆さん方の御議論の結果でいこうと思 いますが。先ほどから申し上げているように、選ぶのはきょうがもう最後というわけでは ありませんから、そこら辺は緩く考えていただいて。どうぞ。 ○辻委員 今後のロードマップについてお伺いしたいのですけれど、こういった追加とい うのが、例えば今後10年ぐらいのタイムスパンで考えたときに、どのような見通しである かということも把握できれば、それによっても大分選定の仕方が違ってくるように思うの ですが、いかがでしょうか。 ○金澤座長 事務局から何か御意見があれば。 ○林補佐 そのような課題についてもよく認識をいたしております。研究事業のあり方や 対象につきましては、冒頭、局長からも申し上げましたように、引き続き検討していくと いうことでございまして、私どもも研究費の確保等も含めて、できるだけ頑張っていきた いと思っております。ただ、今年に関しては、そういった、これまでからの研究の枠組み を基本的に維持する中にあっても、研究を優先して進めていくべき切実な必要性がある疾 患の研究を進められるように、選定をしていただきたいと思っておりまして、長期的なこ とにつきましても、引き続き検討してまいりたいと考えております。 ○金澤座長 いかがでしょうか。それでは資料の1はもう総論ですからいいですね。2、 3、4をすべて見回して、この疾患は今回お仲間に入っていただきましょうよというよう な御意見がいただけるとありがたいのですが。それをいくつかやっていきますと、大体の 線がでるかなと思っていますが。どうぞ、埜中先生。 ○埜中委員 その具体的な病気に入ってよろしいのですか。先ほど矢崎先生が言われたよ うに、小児から起こっていて、大人になって非常に長期にわたるそういう病気というと、 この中では「進行性骨化性線維異形成症」。これは昔は化骨性筋炎と言われていて、ちょ っとした外傷でもって、そこのところの筋肉とか皮膚のところは骨になっていく。だんだ んそれが広がっていって、その骨も尖った骨で、先端が手を曲げたりするときにその骨が 筋肉に突き刺さって非常に苦しい病気です。そこがまた骨になるということをくり返し、 全身骨になってしまうというような、そういう病気なのです。  数はここには30人と書いてありますけれども、私も何人か診ておりますので、実際には もうちょっと多い病気だろうというふうに思います。原因は遺伝子の異常はわかっていま すけれども治療法はなくて、あとは寝たきりで身動きをすると痛いというような病気です ので、こういう病気はひとつ候補だろうと思います。  それからもう1つは「色素性乾皮症」ですが、これも小児から発症する病気で、皮膚が 癌になるだけでなくて、神経症状を伴うのが大体3割〜4割くらいあるということで、大 人になってもなかなか。これは慢性で小児の間はいいのですけれど、大人になった場合に は非常に悲惨であるということで、私は先ほどから先生方がディスカッションされている 中では、この2つの病気が、候補になる病気ではないかというふうに思います。 ○金澤座長 ありがとうございました。欲張って2つおっしゃったのですね。 ○埜中委員 済みません。 ○金澤座長 資料4の8ページと12ページですね。8ページを見てください。FOPと書 いてある、かつては骨化性筋炎とおっしゃった。100人未満と書いてある。30も未満では ありますけれど、さっき30とおっしゃった? ○埜中委員 100人未満。済みません。 ○金澤座長 こんなものですか。 ○埜中委員 どこかで30人という文献を見たものだから誤解していました。100人未満で す。 ○金澤座長 ステロイドが効くことはあるのですか。 ○埜中委員 いや。もうほとんど効きません。 ○中村委員 私は整形外科なのですけれど、外傷を受けると局所が腫れ、そこにどうも炎 症が関与して、それが実際には筋肉そのものではなくて、筋膜とか結合組織が骨に変わる のですね。そのイニシエーションのところをとめられないかということでステロイドが使 われるのですが、報告がバラバラなので、今のところ効果についてはわからないというこ とだと思います。埜中先生のお考えに私も賛成です。 ○金澤座長 ありがとうございました。もう1つ。12ページの左側ですね。Xeroderma Pigmentosum「色素性乾皮症」。これについてはいかがでしょう。これは癌の方ではおそら く扱っていないのですね。変性疾患というか、難治性の疾患ということで。ただ、これは 癌は合併ということですね。変性疾患というか、難治性の疾患ということで。何か御質問 はございませんか。DNAの修復障害ですね。どうぞ、溝口先生。 ○溝口委員 私もこのXPは非常に大事で候補の1つだと思います。特に朝倉先生のおっ しゃった寿命が短いとか、矢崎先生のおっしゃったADLが非常に悪くなるという点があ りますし、DNA repairというのは血液病でも非常に興味がある部分で、その障害が認めら れている病気でありますし、日本の研究者がその病態解明はかなり大きく貢献した部分で ありますし、先ほど笹月先生がおっしゃった遺伝子治療のターゲットになりますので、ぜ ひこの病気は大事だと思いますので、お願いしたいというふうに思っております。 ○金澤座長 ありがとうございました。12ページのXPについては、研究者もちゃんと日 本で頑張っているということですね。8ページの方のFOPの研究者というのはどのぐら いおられるのですか。 ○中村委員 確かに埜中先生がおっしゃるように、皆さん多分数人ぐらいしか診ていない と思うのですね。私自身も2人しか診たことがありませんので。あとは先輩からのお話を お聞きしているぐらいです。ですから非常に散らばってといいますか、まとまっていない ので、その辺がよくわからないということです。 ○金澤座長 逆にそういうことはこういう班を構成して、全国で力を合わせてというのに は適切だと。 ○中村委員 そうですね。ですから小児の整形をやっているような先生方は、皆さん1、 2例ずつどこかで知っておられるというような状況だろうと思います。 ○金澤座長 ありがとうございました。どうでしょうか。何か御意見はございませんか。 ○秦委員 私もXPは賛成です。これは皮膚癌が中心に言われていますけれど、全身症状 が出てまいりますので、そういう意味でXPは非常に重要な疾患だと思います。 ○金澤座長 どうもありがとうございました。XPとFOPには賛同なさる方が結構多い ように思いますが、ほかはどうでしょうか。どうぞ、辻先生。 ○辻委員 私は神経内科ですけれども、「原発性側索硬化症」が候補として挙がっていま すけれども、これはALSとも多少関係があるかもしれない病気で、発症は成人が多いと 思いますが、療養を余儀なくされ、原因が全く不明だと思います。まだ余り研究も進んで いないという状況がありますので、「原発性側索硬化症」もぜひ検討いただければと思い ます。 ○金澤座長 ありがとうございました。何ページでしたか。 ○溝口委員 この疾患に関しては、5ページの左側の上の方に「ALSの1亜型との考え もある」と書いてあるのですが、血液病ですと例えばPNH-aplastic anemia syndromeは aplastic anemiaの1亜型として、治療研究の対象の45疾患の方に入ってしまっているの ですね。この場合にALSはもちろん45疾患ですね。臨床の現場ではこの疾患はALSと 一緒に治療研究の対象にはならないのでしょうかね。 ○辻委員 そこはどういうふうに整理をするかということになろうかと思いますが、先生 のおっしゃるようなロジックもあり得るのだろうと思います。ただ、追加のポリシーとい うか、疾病対策課の方のその考え方にもよるのだと思いますが。 ○金澤座長 では疾病対策課の考えをお聞きしましょう。 ○林補佐 神経内科の先生は非常に診断を厳格に捉えられていると、私どもも考えており まして、これまでALSという病気として、特定疾患研究事業あるいは難治性疾患克服研 究事業の対象としてなっているものについては、この原発性側索硬化症は含んでいないと いうふうにとらえております。 ○朝倉委員 パーキンソン病ですと結構類縁疾患も中に入っています。この疾患がどうし て漏れたのかと思って、筋萎縮がないからなのですか。非常に病態的には似ています。 ○辻委員 例えば運動失調関連がございますけれども、これは実は非常に幅広く含めてい るのですね。この中には数多くの疾患が含まれています。ですからそこをどう考えるかに よるのだと思いますけれども、溝口先生のような整理の仕方でいくことが可能であるとい うことであれば、その方向も1つかとは思うのですけれども。 ○溝口委員 PNH-aplastic anemia syndromeはaplastic anemiaの1亜型として申請書類 の中に入っているのですね。そこを○つければ治療研究の対象として全く問題にならない。 もちろん研究テーマにもなっています。 ○神崎委員 先ほど既にある研究班の中に入れてほしいというのは、こういう疾患のこと を言っているわけですね。いろいろ予算の問題とか研究者の数の問題とか、あるとは思う のですけれども、何とかそこで拾っていただけるように予算化していただければ、ここで もう1つほかのものが拾えるという、メリットはあるのではないかというふうに思います。 ○辻委員 どの辺までこういう整理の仕方をするかということで、この疾患に関して限っ てそういう対応をするということであれば、1つかもしれませんですね。逆に言うと、い ろいろなものの歯どめがかからなくなるという心配も一方にあろうかと思います。その辺 のところをきちっと整理いただくことが重要だと思います。 ○金澤座長 その辺は事務局からコメントしてください。 ○林補佐 これまでの考え方を御説明させていただきますと、先ほど例に挙がったパーキ ンソン病の関連疾患でございますけれども、その中には進行性核上性麻痺、大脳皮質基底 核変性症、パーキンソン病という3つの疾患がそれぞれ並べられております。これらの進 行性核上性麻痺、あるいは大脳皮質基底核変性症につきましても、特定疾患対策懇談会で 一つひとつ御議論いただいて、加える、加えないということを議論いただいた上で、最終 的に類縁疾患としカテゴリーが組まれているということでございますので、やはりこの似 ているものは明確でなく入っていくということではなくて、その一つひとつをやはり御議 論いただくということが必要だろうというふうに思っております。 ○金澤座長 この場でその議論をしていただいていいわけでしょう。 ○林補佐 したがいまして原発性側索硬化症というのは今問題になっておりますけれど も、それを加えるのか、加えないのかということを、まさに御議論いただくということで ございます。 ○金澤座長 121じゃないのですよ。 ○林補佐 121を御議論いただく。 ○金澤座長 まずはね。 ○林補佐 はい。 ○金澤座長 ちょっと待てよ。そうじゃないんだよ。どうぞ。 ○矢崎委員 私は専門家でないので、ちょっと乱暴なお話をしますけれども、私どもの病 院機構では、神経難病ということで患者さんをたくさんお受けしているのですが、そこで はALSを中心に、原発性側索硬化症はその類縁疾患として臨床的には対症療法ですが、 やっているのですね。その侵されるメカニズムはその疾患によって違いますけれども、大 体侵されるニューロンの位置づけで疾患が区別されている。しかし、最終的な病像という のは余り変わらないということがあります。やはり運動ニューロンの障害という広い概念 から、3番目の原発性側索硬化症はそういうふうな整理でやられたらいかがでしょうかと いうことで、ちょっと乱暴な言い方で申しわけありませんが。 ○金澤座長 ありがとうございました。私も神経内科の人間なので、座長でそういうこと を言ってはいけませんけれども、今のような整理で私は構わないと思います。皆さんが御 理解いただければ、その方向で少なくとも考えさせていただきたいと思いますが。どうぞ。 ○林補佐 ALSが1つのカテゴリーになるかどうかというのは、最終的な結果の問題で ございまして、今この原発性側索硬化症というのは、121疾患のカテゴリーに入るのか、 入らないのか。そこをまさに御議論いただきたいということでございます。 ○矢崎委員 今入っても、そちらの方の整理でいかがでしょうか。だから121に入るのは、 ですから3番目の候補とすれば、そちらはそちらの方に整理していただいて、新たに認め るのは今の御議論ではFOPとXPはいかがなものかということで。 ○金澤座長 そのとおりで、そういう御指摘なのですよ。つまり121に入れるのではなく て、このprimary lateral sclerosisはね。要するにALSのグループに入れるというこ とを検討してはどうかという御示唆なのですよ。 ○林補佐 今までALSと呼んでいなかったものをALSというふうに呼ぶというのは、 かなり発想に開きがございますが。 ○金澤座長 これは運動ニューロン疾患ということで、ひとまとめには十分できるのです。 ですからこれは班長もいることですから、班長とも相談をすることによって、またいつか のこの会で議論していただくことに。 ○林補佐 最終的に将来の課題として、一つひとつが121疾患の対象になったときに、そ れを運動ニューロン疾患としてまとめるということはあり得るのだと思うのですけれど も、運動ニューロン疾患というふうに入れるとすると、これは原発性側索硬化症だけの問 題でもございません。まだほかの121疾患に入っている病気等との整合性がそれぞれござ いまして、今ここでそれをALSと固めて、特定疾患治療研究事業の45疾患の対象に加え るというところまで決めていただくのは、ちょっとそういうわけには難しいというふうに 思っております。 ○金澤座長 わかりました。どうぞ。 ○溝口委員 では今のALSの班で、この原発性側索硬化症の研究はしていなかったので すか。 ○金澤座長 臨床研究はおそらくできていなかったと思いますよ。ただ、発表という形で 個別にはやっていたと思います。ですから個別にはやっておりましたが、班としては取り 扱っていなかったと思います。 ○矢崎委員 せっかく患者さんの訴えもあるので、この名前は残しておいて、3番目の候 補としてに加えることではない対応もあるのではという御議論いただいて。我々にはその 権限がないのですかね。 ○金澤座長 ここの会からこういうふうにしてはどうかという御意見をいただくというこ とは、十分あり得ることだと思うのですが、今のお話を伺っておりますと、まずは少なく とも事務局の考え方を取り入れますと、まずはともかく121にするかどうか決めてくれと。 121にした後にALSのグループと一緒にするかどうかは、班その他でまた検討して、こ こにまた議論を持ち出してということを考えているのではないですか。違いますか。 ○林補佐 そのとおりでございます。運動ニューロン疾患というふうに呼ばれているもの の中には、ALSあるいは原発性側索硬化症以外のものもございます。ここでその2つだ けをALSのカテゴリーにするというふうに決めていただいても、またこれはほかにもい ろいろ調整が必要でございますので、まずは121の疾患に入れるのか、入れないのか。こ れは今までもそういうふうにやってきておりますので、一つひとつ御議論をいただきたい というふうに思っております。 ○金澤座長 逆にちょっと質問したいのだけれども、もしここで121に入れないとすると、 そのALSのグループに入れることも今度は逆に大変難しくなってしまうわけですね。 ○林補佐 これまでは入っていないということですので、そういうことにはなっていない ということになります。 ○金澤座長 ファーストステップはどうもそういうことのようなのです。 ○矢崎委員 よくわかりました。 ○溝口委員 トータルいくつ選ぶかという問題とも関係すると思うのですね。3つという 仮定がもしもあるとすれば、原発性側索硬化症を入れて4つ選んでいく手もあるかなと思 います。それで後で考えてもらう。上限がなければですね。上限があるならば今のところ で原発性側索硬化症を121に入れておしまいという感じになります。その辺の数の問題を。 ○金澤座長 そうですね。ありがとうございます。自然にその限界はあろうかと思います けれど、3つはよくて4つはだめという問題ではおそらくないだろうと思いますので、そ こは自由にお考えいただいて、いいのではないでしょうか。ほかにどうでしょうか。 ○猿田委員 今意見を聞いていても、類似した疾患のところはできるだけ陽の当たらない ものをすくい上げるということですから、そこをやっぱり非常に考えてやっていかなけれ ばならないのではないかと。非常に大切なところだと思います。 ○金澤座長 ありがとうございます。そういう目で見たときに、ほかに何か候補になるも のがありませんでしょうかね。 ○猿田委員 例えばちょっと人数が多いですから、Prader-Williですが、13ページの約八 千人というのは比較的に違うところの範疇の病気ではないかと思います。 ○辻委員 関連してアンジェルマン症候群も含めて扱うといいと思いますけれども。同じ 領域の疾患でございます。日本ではかなり研究は盛んに行われている病気であります。 ○金澤座長 そうですね。ここには名前が出てきていないんだね。また次の候補かな。こ れは小児が多いですね。埜中先生、何かコメントはありますか。 ○埜中委員 Prader-Williというのは子供のときから非常に発達が遅くて、そしてもちろ ん染色体の異常もわかっていますけれども、知的なおくれと肥満が一番大きな問題なので す。ただ最近、いろいろな食事とか何かでかなり肥満は抑えられることは抑えられる。余 り運動の障害は来ないということで、やはり将来のADLからいくと、それほど深刻な病 気ではないのじゃないかなという気がします。アンジェルマンのほうは、今度は中枢神経 の方はかなりひどうございますので、そういう意味で15番目の染色体のこういう一連の疾 患ということで、取り上げるのはよろしいかと思いますけれど。 ○金澤座長 染色体異常でここに取り上げられたものは、そういえばですけれど、どのぐ らいありますかね。 ○埜中委員 いわゆる奇型症候群とか、そういうことでかなりあると思います。 ○金澤座長 そういうことですね。 ○埜中委員 個々の染色体異常を取りあげると大変な数になると思います。 ○金澤座長 小児慢性特定疾患治療研究。これの対象になっているものは、染色体異常で はないですね。Prader-Williは入っているのですか。小児慢性特定疾患。 ○埜中委員 小児慢性には入っています。 ○金澤座長 こういうものの扱いというのはどうするのだっけ。 ○秦委員 Prader-Williの場合、染色体に異常があるのではなくて、そこの遺伝子が発現 するか、インプリンティングの異常ですので、染色体が欠けているとかそういう話ではな いと思います。 ○金澤座長 そうですね。ごめんなさい。ちょっと間違えました。今のはどうなのですか。 ○林補佐 小児慢性特定疾患治療研究事業というのは、18歳ないし継続の場合20歳まで の医療費の助成を行っている事業でございます。他方、こちらの難治性疾患克服研究事業 につきましては、年齢の制限なく研究を推進するという事業でございます。基本的には子 供のときに障害なり疾病が限定されるものについては、もちろん小児慢性特定疾患治療研 究事業の方に入っていれば十分だということになると思いますが、その後にも疾病や障害 が続くというものに関しては、こちらの事業の対象になりうる。この小児慢性特定疾患に 入っているからといって、除外されるものではないというふうには考えております。 ○金澤座長 なるほど。とするとこの場合は、小児慢性特定疾患治療研究事業対象疾患と して、研究グループもあるわけね。ただしそれは子供の18歳未満のものについてのみとい うことになるのですか。 ○林補佐 研究班を組んで研究するという意味では、難治性疾患克服研究事業の方がはる かに充実をしておりまして、こちらの方にたとえると、疫学班のような班が横断的に小児 慢性特定疾患治療研究事業にも存在しているわけですけれども、個別の疾患ごとの班とい うのが常に置かれているわけではございません。先ほどのXPにつきましてもそのような 取り扱いでございまして、20歳までの発病ということにはなっておりますが、今後けれど も、今後研究推進をしてほしいというような御要望があったものというふうに理解してお ります。 ○金澤座長 わかりました。いかがでしょうか。どうぞ、矢崎先生。 ○矢崎委員 総論のときに齋藤先生が、やはり類似の病態があればそこでまとめてという 考え方はいかがなものかと提示されましたのですね。ですから今回は今、そういうものを どう扱うか十分な議論ができていないので、それについては次回までにしっかり独立した 難病にするのか。グループに入れるにはどうしたらいいかということをちゃんと明確にし てから議論しないと、121にプラスアルファにそういう類縁疾患を入れておいて、後で入 れますよというのはなかなか難しい問題ですので、最初にやっぱり議論を詰めてからやる。 今回はそういうことでなくて、やはり今議論がありました小児期で予後が大変悪く、患者 さん御自身ばかりでなく周囲の御家族の大変せつない思いといいますか、そういうことを かんがみると、やっぱり先ほど御議論のあったFOP、XPにして、それから原発性側索 硬化症も大変予後が悪くて、ADLの障害が大きいのですが、これについては齋藤先生の 提示されたものに、どう対応するかをしっかり決めてからでないと、なかなか候補に入れ るというのは難しいのではないかと思うのですが。 ○齋藤委員 今の矢崎先生の御意見に私も賛成で、だからもう1つの見方は、例えば今の 進行性骨化性線維異形成症(FOP)も患者さんの数が100人以下と書いてありますね。 ではこれだけで1つの独立した班をつくるのか。あるいは皮膚・結合組織のほかのところ にいれるのかも含めて、全体の班の構成として、疾患をどこに入れるかを含めて考えない と、数十人で1つの班をつくるというのも、いろいろな意味でこれはなかなか大変だと思 うのですね。 ○金澤座長 むずかしいでしょうね。わかりました。今の御提案を大変重く受けとめてお りますけれども、FOP、XPについては、先ほどのように小児期で重症で治療法がなく て、ADLが非常に今予後がよくないということ等々、合致するものであろうということ については、おそらく御議論の余地はないのじゃないかと思いますが、それはよろしいで しょうか。この2つについてはよろしいですか。ありがとうございます。  それでは2つはいいけれど、それではそのほか、原発性側索硬化症とPrader-Williに関 して、もう少し議論をいただきたいと思います。もちろんほかの疾患についてでも結構で すけれど。どうぞ、武藤先生。 ○武藤委員 たびたび小児疾患が出て恐縮なのですが、胆道閉鎖症も御存じのとおり、半 分くらいまでは手術はしまして、これは胆管が完全に閉塞して全くないというのがありま して、それは半分はもう治らない。吻合ができても黄疸が出てくる、肝硬変が出てくると いうのがあります。それから結果的には肝移植ができればいいのですが、日本では小児の 肝移植は15歳以下は認めておられませんし、結局は近親者からもらうしか方法はないとい うようなことで、生存期間が短いのですね。そういうことを考えて、さっきから小児ばか りでと思いまして遠慮しておりましたが、もしお考えいただければというふうに思った次 第でございます。 ○金澤座長 ありがとうございました。そういう御意見をいただきました。ほかにいかが ですか。どうぞ、矢野先生。 ○矢野委員 成人疾患として、HAMはいかがなのでしょうか。患者さんの訴えとかいろ いろ聞いていまして、非常に厳しいというか、そういう感じを受けました。 ○金澤座長 HAMについてはどうでしょうか。 ○辻委員 これは日本で原因が発見された病気でして、部分的に治療法というのはあるの ですけれども、それもまだ不十分で、脊髄障害ですから膀胱直腸障害が出てきて、ADL もよくないということと、日本で発見されたということから、日本では研究者の層は厚い と思います。そういう意味では検討していただく候補としては、私もいいのではないかな と思います。 ○金澤座長 HAMに関しては2ページ目にありますね。今盛んに蛋白質分解酵素の機序 薬が開発されつつあるところですが、まだもうちょっとというところですね。何か御意見 はございませんか。ほかにはいかがでしょうか。セコンドをなさる御意見でも結構なので すけれど、そういたしませんと伝わってまいりませんので。 ○神崎委員 先ほどと同じ議論ですが、非常に数の少ない疾患で、例えば水疱型の先天性 の疾患が37人から75人とか、100人以下のものが子供の病気であるわけですけれども、 これだけで例えば研究班をつくるというのも大変だと思うのですが、この121疾患の方に 希少難治性皮膚疾患というのがあって、もちろんそれは内容が違うと思うし、またいろい ろ理由があるでしょうけれどもこういう疾患が幾つか出て、原発性側索硬化症もそうです けれども研究班相互のあれで、例えば前に座長が事務局と打ち合わせて、そちらの班長と よく話し合っていただいて、予算を少しふやしてもらってやる方が、1つで研究班をつく るよりは経済的にはいいのじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○金澤座長 研究班をつくることを考えているのですか。 ○林補佐 ちょっと整理をさせていただくために、御説明をさせていただきます。昔、平 成9年までは研究班を決めて、その班で要求を決めて研究していただいていたという歴史 がございます。他方、平成9年以降は、病気を決めてその病気を各研究班に割り振って研 究をしていただくという形になっておりまして、決して1つの病気があるからといって、 1つの研究班をつくるという形ではなくて、類縁疾患をまとめて1つの研究班で研究をし ていただくという形でやってきております。ただ、研究班で病気を研究するということが、 その研究班と合意できればいいということにはとどまっておりませんで、この121疾患の 対象になっているということが、都道府県にも通知をさせていただいて、居宅支援事業等 の根拠ともなっておりますので、このグループに入っているのか、入っていないのかとい うことの境界を、きちんとつける必要があるというふうに考えております。 ○金澤座長 ということですので、新しく班をつくるのが原則というわけではないのです ね。そこは御理解いただきたいと思いますが。どうでしょうか。ほかに御意見。どうぞ、 朝倉先生。 ○朝倉委員 今日検討しているところを見ますと、FOPとXPは生命予後は悪い。若年 発症とか、それから治療法がないというように、今までの4定義プラスもう1つ定義が加 わったような疾患だと思うのです。そこであと検討されている原発性側索硬化症とか水疱 症とか、今までの班研究にかなり類似疾患があるわけです。例えば水疱性疾患とか。です から話題を分けていただいて、そういう類似疾患を今後どこのところに新たに打ち立てる のか、それとも従来の中に類縁疾患として組み込むかどうかと、そういうふうに分けて検 討した方がよろしいのじゃないかと思います。 ○金澤座長 ありがとうございます。私がまさに申し上げようと思ったことをおっしゃっ ていただきました。少なくともきょうの御議論を伺っておりますと、2つの先ほど申し上 げたFOPとXPについては、皆さん方、お認めいただけたと思いますが、ほかのことに 関しては、まだまだいろいろあらかじめ詰めておかなければいけないこともたくさんある ようであります。それについての議論を、議論だけではなくて既存の班との調整も含めて、 全体的な問題がまだまだあるように思いますので、今回はこれは1つの提案です。これが ファイナルではありませんけれども、とりあえずは2つにして、ほかのものに関してはま た改めて考えようということで、いかがなものでしょうか。あるいはもう少し議論をして、 もう1つ2つ加えようという御意見があっても、悪くはないと思いますけれど。いかがで しょうか。どうぞ、田中先生。 ○田中委員 研究費が出ても、研究する人がいないという不安がやっぱりちょっとあるの です。さっき谷口先生がおっしゃいましたが、研究者を少し啓蒙するということですね。 あるいは平成9年までは研究班をある程度絞ってやっていたというのであれば、両方の折 衷案みたいなものも考えてもいいのではないか。ある程度でテーマを決めていったら、そ れに入札制度じゃないですけれども手を挙げてもらって、私たちはこういう研究班でやり ますよ、私たちはこういう方法でやりますよというのを、ある程度前もって知った上で決 めていくというのも、1つのファクターになり得るのじゃないかなと考えたのですが、い かがでしょうか。 ○金澤座長 先生のお話は資料4の成り立ちについてですか。例えば上から3行目になり ますけれども、克服研究事業の研究者からの提案があった疾患というのも、実は中に入っ ているわけですが。 ○田中委員 その中に研究者グループがあって。 ○金澤座長 おそらくそうなのでしょうね。この中に区別されていないのでわからない。 ○田中委員 ええ。その中でこれは実質的に研究費を注ぎ込めばできるのだということを、 ある程度見越した疾患と言いますか、そこに絞っていくという考え方。また元に戻ってし まうかもしれませんが。 ○金澤座長 何かコメントはありますか。では私が言いますが、患者さんの団体から要望 書が出されている疾患と、それから班を構成している研究者グループがもうあるわけです が、そこからの御提案とこれはミックスになっているのですね。ちょっとわからないけれ ど、今田中先生がおっしゃることについては、お答えのしようがないのですがね。 ○林補佐 表の一番下のところに、患者団体からの要望がある疾患については、○をつけ させていただいております。 ○金澤座長 どこですか。 ○林補佐 表の下から2行目でございます。患者団体要望と書かせていただいているもの については、既存の班のあるなし関係なく、患者さん団体から御要望があった疾患です。 ○金澤座長 それがないのは研究者からの提案だという意味ですか。 ○林補佐 はい。そのとおりです。 ○金澤座長 わかりました。田中先生、いかがでしょう。そういうことでございますので。 XPとFOPに関しては。 ○林補佐 いずれも患者さんの団体からの御要望をいただいております。 ○金澤座長 だけかどうかも、これはわからないな。 ○林補佐 FOPに関しては、研究者からも御提案をいただいていたというふうに記憶し ております。 ○金澤座長 XPの研究者いますよ。間違いない。 ○矢崎委員 これは先ほど希少性の高い疾患は、研究体制が最初から整っているというこ とは余りないのですね。今、先ほど中村先生が言われたように、全国の専門家が1人2人 の経験しかない。それがそのまま集積されないので、この研究費といっても大変失礼です が、膨大な研究費が出るわけではなくて、まず最初に調査研究といいますか、臨床像をし っかりとらえて、それを体系的にとらえて分析するということが、研究の始まりだと思う のですね。そういうところがまず十分にできていないので、最初から専門の研究者がいな いから除外するのではなくて、やはり希少疾患だからこそ、みんな全国集まってひとつ研 究を始めましょう、患者さんの病態をしっかり把握しましょうということから始まるので、 それが厚生労働省の研究だと思います。研究者がいる・いないよりも、そういう実情から 考えていただければ、大変ありがたいと思います。 ○金澤座長 ありがとうございます。少し欲張った希望を言ったのかもしれませんが、あ りがとうございました。ほかにいかがですか。どうぞ、谷口先生。 ○谷口委員 私は今矢崎先生がおっしゃったことに尽きると思います。先ほど金澤先生が おまとめになった2疾患については異論がないので、その後について検討事項がたくさん あるわけですね。グランドデザインの総論も、今おっしゃったようなことを全部踏まえる と、ある程度要求が入れられるのではないかと思いますので、そういうふうにされたらい かがでしょうか。 ○金澤座長 ありがとうございます。いかがでしょう。今の谷口先生の御意見は大変あり がたく思いますが、それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。それではきょう はFOPとXPの2疾患を、とりあえずは選ばせていただいたと。121疾患に加えるとい うこと。ほかの疾患に関しては、今後もさらに議論するということですね。今回は優先的 に選定をさせていただいたというふうに理解をしたいと思います。これは正確に申します と、難治性疾患克服研究事業の対象とするべき2疾患を選んで、それを厚生労働省に報告 をするということになります。  ほかに全体を通して何か御意見はございますでしょうか。宿題をいただいたと思ってい ます。つまりほかの残った疾患、あるいはこれから出てくるであろう疾患についてのグラ ンドデザインといいましょうか、全体的なこれからの方針について、これからも皆さん方 と御議論をしなくてはいけなくなりますので、よろしくお願いしたいと思いますが、これ に関連して何か御質問御意見はございますか。よろしいですか。  それでは最後になりますので、ちょっと事務局と言いましょうか、局長に最初から最後 までいていただきましたので、ちょっとお願いをしたいと思うのです。先回、この懇談会 で非常に厳しい結論を出させてもらいました。それは条件があって、これ以上研究費と申 しますか、サポートの額はふえないのだという条件の下で、やむなく考えたことだったは ずです。それについて政党の方から、ある意味では患者さんの立場に立った非常に力強い サポートをいただいたと思うのですね。つまりあれは考えようによっては、これから研究 費なり、あるいは医療費の補助についても、もうちょっとふやす方向で考えてくれるよう な、そういうニュアンスが少し感じ取れるようなお話ですので、私は非常に期待をしてい るところであります。ただ、そうは言うものの、天井がないわけではもちろんないのであ りますから、何らかの形で今後もああいう議論というのはせざるを得ない状況が来ること は理解しています。しかしちょっと余裕をいただいたという気はしますので、その間に本 省として、難病というものに対して本格的に根本的に考えることを、あるいはそう考える ことができる環境をぜひ整えていただきたい。それを心からお願いをしておきたいと思い ます。  先生方に御協力をいただいたことが、一時的には足蹴にされてしまったような気がして、 本当にショックを受けたのですが、しかしそれでも患者さんのためにはよかったことでも ありますし、今後の成熟した形での新しい方策が出ることを期待しています。以上でござ います。何か今のことでも構いませんが、何か局長は今のうちにおっしゃっていただくこ とはございますでしょうか。よろしいでしょうか。どうぞ。 ○外口局長 いろいろな御指摘、御意見を大変ありがとうございました。ただいま金澤先 生からお話がありましたように、この難病対策については、特に年末にもいろいろな議論 をさせていただきましたけれども、難病全体のあり方についての議論が必要なときになっ てきていると思います。確かに難病対策を始めたときと今と、大分状況は変わってきてお ります。こういった中で、何をすべきか。それもなかなか医学あるいは科学的知見だけで、 なかなか割り切れない問題もありますので、そういったことも含めて、ここはやはり国民 的議論というものをしっかり行って、そういった中で整理していきたいと考えております し、私どもの方として、予算の確保に向けて、これはしっかり努力してまいりたいと思い ます。また合わせてきょうの121疾患への追加の件につきましても、類縁疾患の取り扱い と、いろいろ今後詰めていくべき課題もいただきました。これもしっかり勉強させていた だきたいと思います。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。 ○金澤座長 ありがとうございました。それではきょうの第4回の会を終わらせていただ きます。どうもありがとうございました。 (終了) (照会先)  厚生労働省健康局疾病対策課 TEL 03(5253)1111 内線 2351・2353