07/02/15 第2回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会議事録      第2回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会     日時 平成19年2月15日(木)     14:00                                 場所 厚生労働省専用第15会議室                       照会先:医薬食品局審査管理課                           医療機器審査管理室                           担当:広瀬・木下                           電話:03-5253-1111(内2912) ○北村座長 まだお見えになっていない方がおられるかと思いますが、第2回目の「医療ニ ーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」を開始したいと思います。本日は、ご多 忙の中お集まりいただきましてありがとうございます。また、医薬食品局は局長さんを初め、 多くの方々にお見えになっていただきましてありがとうございます。  まず、出席の確認ならびに配付資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○事務局 まず、ご出欠につきましては、本日は加納委員、田野委員がご欠席との連絡をい ただいております。四宮委員、笠貫委員、中谷委員は遅れてご出席になる予定でございます。 事務局ですが、出席予定でございました安全対策課長、安全使用推進室長が所用により欠席 させていただいています。  配付資料の確認をさせていただきます。お手元に議事次第、座席表、資料1は開催要領、 資料2は委員名簿、資料3は検討会の進め方、資料4はWGの設置について(報告)、資料 5は学会からの要望の収集について、資料6はWG報告書です。それから委員の先生方の机 上にはこれは既にご確認いただいて公開したものですが、前回の議事録と学会要望書のコピ ーを参考資料として配付させていただいています。過不足などありましたら、お知らせいた だければと思います。以上です。    ○北村座長 よろしいでしょうか。それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。 本日の議事は「学会要望について」となっていますが、議事に入るに当たりまして、前回の 復習と申しますか、資料3に基づき事務局からご説明をお願いいたします。  ○俵木室長 資料の3をお手元にご用意いただきたいと思います。前回10月に開催いたしま した第1回の検討会におきまして、この検討会の進め方についてご議論をいただきました。 資料3についてご確認・ご了解をいただいたものです。この資料の最後の頁にフローが図に なっていますので、それに基づきまして前回のご議論をもう1回報告させていただきます。  本検討会の目的は、未承認または適応外の医療機器等について、欧米等で使用されている ものがまだ日本の医療の現場で使用できない状況に鑑みて、そういったものを迅速に導入す るために、まずは最優先で導入を検討すべき医療機器をご評価いただくということでして、 この図の流れに従って検討を進めていくということで、前回ご確認をいただきました。  まず、いちばん左の端にありますが、「医療ニーズの高い医療機器等」にどういったもの があるのかということで、ニーズの把握をするということでした。ニーズの把握は学会等か らの要望を収集することで実施するとされまして、既に昨年11月いっぱいに学会にご要望の 提出をお願いして集めております。本日そのご報告をさせていただく予定です。この学会の 要望を集めるに当たり、対象とした範囲は、我が国と同様の承認制度を有する主要な諸国に おきまして使用されているものであること。また、生命に重大な影響がある疾患又は病気の 進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患、そういった疾患を対象にした機器 等であるということで、要望をいただくようお願いをして集めたものです。  この出てきた学会の要望の中から、まずは優先的に検討すべき医療機器等の種類をご検討 いただくために、選定のWGを開催することになっていました。選定のWGにおいては疾患 の重篤性、または医療上の有用性、又は諸外国での承認の有無、そういった観点から情報を 整理しまして、優先的に検討を進めるべき医療機器等の種類について取りまとめていただく ことになっていました。本日は、先週開催されましたWGの打ち合わせで、そういった検討 をいただきましたので、その結果をご報告させていただく予定です。その次の流れのピンク の枠囲みになっている所ですが、WGの検討結果を基に、検討する医療機器等の種類を決定 いただくのが本日の検討会の位置づけです。WGの結果をこれからご報告させていただきま して、優先的に検討を進めるべき医療機器の種類について、本日お決めいただければ更に先 に進めていきたいと考えています。  本日お決めいただきましたならば、その次にこのフローで黄色吹き出しになっている部分 ですが、Web等を経由して開発協力をしていただける企業に資料提供をお願いする公募をか ける予定です。製品の概要であるとか、これまでの臨床データの概要であるとか、諸外国で の承認状況、使用状況等々について、情報を提供いただきまして、それを基に評価WGを開 催する予定にしています。評価WGでは医療機器等、それぞれの製品、種類ごとに個々の製 品の情報、公募をかけさせていただいて、各企業からご提供いただいた情報に基づいて、我 が国の臨床上の必要性、早期導入の実現可能性等について、評価レポートを作成していただ く予定です。その評価レポートをその次の段階の検討会、濃いピンクの枠囲みですが、WG のレポートに基づきまして、早期導入の妥当な製品についてご検討をいただく。これは次回 の検討会と予定をしています。その段階では早期導入後の適正使用に関する確保策について も、検討会のご意見をいただきたいと考えています。このような形で検討会で、早期導入を 進めるべき製品についてご検討をいただきましたら、その個別の製品については、今後申請 に向けた個別の対応を、これは企業と厚生労働省または総合機構との間で進めていくことに なります。必要により総合機構との個別の相談をしていただきながら、既存データの活用を 考えつつ、場合によっては治験が必要な場合もあるかもしれませんが、そういった内容につ いては個別に相談をしつつ、早期の申請に結び付けていきます。申請をいただきましたら、 承認審査の段階ですが、優先審査等で迅速に審査を進めていき、早く承認に結びつけていき たい。承認後の適正使用の確保については、ご要望いただきました学会の協力もいただきな がら、必要な市販後の安全対策を実施していくことを考えています。また、承認審査の経過 については進捗状況について、この検討会にフィードバックさせていただきます。以上が前 回の検討会でご確認・ご了解いただきましたこの検討会の流れです。本日はいちばん左の緑 の「ニーズの把握」が終了し、選定WGを終えて、優先的に検討を進めていただくべき医療 機器等の種類について、ご決定をいただきたいということです。 ○北村座長 昨年10月に発足した会の第1回目で決定しましたこの委員会の流れを再度復 習していただきました。その後、ご存じのように学会に希望、要望を収集していただきまし て、後ほど出てきます100件を超えるという数が出てまいりました。本日はその中でWGの 検討結果を中心に、本検討会で見ていただき、こ議論をいただきまして、どのような医療機 器について優先的に審査をするかを決定していきたいと思います。いまご説明がありました フレームワークのピンクの囲みの左のほうが本日の位置づけです。  まず、WGの作業の報告に入る前に、その設置について事務局よりご報告をいただきたい と思います。 ○俵木室長 資料の4です。資料の4についても前回の10月の検討会でご確認・ご決定をい ただいた内容です。  WGは学会等から医療ニーズが高いとして要望があった医療機器等を踏まえ、複数の領域 の専門家で構成する。  WGの専門家は、各領域における医療機器等の研究開発及び臨床使用状況に精通した者を 検討会の座長が指名し、検討会に報告する。WGの専門家は、検討品目の検討のために必要 な資料を事務局等から入手し、検討品目の開発企業及び個人からの直接資料提供を受けるこ とができない。  また、WGの専門家は検討品目に関して関与又は特別の利害関係を有する場合は、検討会 の座長に申し出ることとし、関与等があった場合は、当該品目について検討をすること及び 発言することができないとされています。  2枚目にWGの専門家リストを付けています。前回の検討会でも先生方からWGの専門家 として推薦したい先生がいるというお話もありまして、ご推薦をいただいてWGの専門家を 北村座長にご了解いただいて、お願いしたものでございます。前回の検討で本検討会の委員 でもあります北里大学の佐藤先生にこのWGの座長、取りまとめをお願いすることもお決め いただいたところです。これら、WGの専門家の先生方につきましては、WGの検討対象と なった、本日ご報告ですが、各学会からご要望のあった個別の医療技術、品目について、特 別の関与、利害関係を有する方はいないということは、WGで確認をさせていただいている ことをご報告させていただきます。以上です。 ○北村座長 ありがとうございました。前回以降、この検討会の委員の先生方からもご意見 を頂戴いたしまして、WGをいまお示しいただいたメンバーで発足させていただいたところ です。そのWGの検討結果に入る前に、今までの時点で委員の方々からご質問、ご意見等が ございましたら。特にございませんか、よろしいでしょうか。ただ、このメンバーについて は、品目、検討する課題によって、今後とも適宜入っていただいたりすることが可能である ということを申し述べさせていただきます。  それでは「学会要望の収集について」、これは膨大なものですが、事務局より報告をお願 いしたいと思います。 ○宇都宮室長 「学会からの要望」の全体の状況について、まず説明させていただきます。 資料の5です。こちらに書いてありますように、昨年の10月の検討結果を受けまして、要望 書を受け付けましたところ、38学会から114件のご要望をいただきました。ただ、その中に 既に国内で承認されているものもありましたし、また、先ほど資料3でご説明申し上げまし た基準である、既に海外で承認されているという条件に合致していないものもありまして、 そういったものを除いたところ、33学会、94件です。医療技術数として59種類。これだけの 要望が残りまして、これらについて選定WGの検討対象としたところです。以上です。 ○北村座長 続いてこの要望のあった医療機器等についての検討については、WGで検討し た結果をご報告いただくことになります。WG座長を務めていただきました佐藤委員から、 ご説明をお願いいたします。 ○佐藤委員 北里大学の佐藤でございます。資料6を説明させていただきます。資料6を作 成するに当たりましては、先ほどご説明のありましたとおり、各学会より提供いただきまし たデータシート、委員の方々のところに参考資料として厚いものがありますが、これを提供 いただきまして、これプラス若干の補充資料を基に、WGで検討させていただきました。  検討するに当たってのクライテリアですが、資料6の1枚目です。先ほど俵木室長から対 象医療機器等の選定の考え方ということで、資料3の3頁目をご説明いただきましたが、こ れを基に表のとおり、適応疾病のa)学会等から要望があるもの。b)我が国の同等の審査 制度のある国等で承認されているもの。c)医療上特に必要性が高いと認められるものとい うことで、適応疾病の重篤性及び医療上の有用性、これらについてその表のA、B、Cにあ るとおり、どのカテゴリーに入るかを検討させていただきました。  A、B、Cを分けるに当っては必ずしも明確な分け方がすべてにおいてできるというわけ ではありませんので、若干の議論がありました。例えば重篤性については、癌のような生命 に重大な影響がある疾患においても、その医療機器等が必ずしも完治を目的とするものでは ないようなもの等については、必ずしもAとならない場合もあります。また、医療上の有用 性においては、代替品がないということになりますと、すべてAになるのですが、この代替 がないというところについても、適応患者が広がることによって、それがその人たちにとっ ては代替がないと考えるのか、あるいはこれはあくまでも適応患者を広げたということでB になるのか、その辺に若干解釈上の揺れがありますので、今回の表の結果はあくまでもWG の案ということで、各委員の先生方にはご議論、ご意見をいただきたいと存じます。  2頁目の表を見ながら、いまの補足について若干説明させていただきます。表の上の所に 各項目の名前が書いてありますが、いちばん左側の総合評価は、先ほどの適応疾病の重篤性、 医療上の有用性のA、B、Cランクから、あくまでも案として付けたものです。これはあく までも参考までということですので、よろしくお願いいたします。  その右側から順に、整理番号、これは各学会からのデータシートに振ってある番号に対応 します。そして、次に、医療機器等の名称がありまして、製品名。同じ医療機器等でも製品 名がいくつかありますので、これが複数になっているものもあります。対象疾患、要望学会 とありまして、右が海外での承認、FDAあるいはEUがあるかないか。その承認年月です。 そして先ほど来申し上げている適応疾病の重篤性、医療上の有用性が次の2つのカラムに入 っています。  「その他」のカラムには、参考までということで、前回申し上げましたDALYの数値を 計算できるものについてはここに掲げています。もう一度申し上げますとDALYというの は、何らかの疾患により、早期に死亡してしまう損失と、何らかの障害を有するための損失 を足し合わせたものです。ここでDALYの前にΔDALYと書いてありまして、対象とな る医療機器等を導入することにより、このDALYをどれぐらい減少することができるかを、 資料を基に計算した値をここに書いています。DALYの算出に当たりましては、対象の人 数、そしてその医療機器を導入することによって先ほど申し上げたような早期の死亡をどれ だけ予防できるか、あるいは障害をどれだけ取り除くことができるかというデータがないと 算出できないので、一部のものについては、算出ができないということで、「−」が振って あります。  そのいちばん右側については、選定WGからのコメントとして、若干、議論があったもの については、各委員からのコメントを載せています。以上が簡単な説明ですが、何かご意見 ご質問がございましたらお願いします。 ○北村座長 お手元の資料6、大変大きなものですが、今回、前回ご説明いただきましたD ALYの資料、私もよくわからないのですが、2万というのやら、623というものとか、ゼ ロというものまでありますが、これは特に今回の審査では先生。 ○佐藤委員 ΔDALYとここに数字が上っているものに関しては、その医療機器を導入す ることによって、それだけの健康の損失が予防できるということなので、やはり数値が大き いに越したことはないのですが、必ずしもこの数値を基に医療上の有用性を、このA、B、 Cを分けているわけではありません。経験的あるいはいろいろな知識から、Aだと考えられ るけれども、残念ながら学会からのデータとして、これを算出する根拠がなかったというこ ともあります。そういった場合にはDALYの数字は入っていません。例えば61の人工血管 に関してはDALYは算出できなかったのですが、医療上の有用性はやはりAだろうという ことになったわけです。 ○北村座長 ありがとうございました。事務局からの補足等がありますか。 ○俵木室長 若干補足させていただきますが、いま佐藤先生からご報告のありましたとおり、 WGではこの疾病の重篤性、医療上の有用性について、A、B、Cということで3段階に分 けていただいて、確かにAとB、またはBとCの線がどこにあるかということを明確に引く ことが難しい部分もありましたが、先ほど先生からご報告がありましたように、ニーズの高 い技術を早期に導入するために広めに考えましょうということで、ご議論をいただいたと記 憶しています。資料6の2頁をご覧いただきますと、そこの欄にAAとなっているものにつ いては、WGではいちばん左端の総合評価のところにA:優先度1ということで、優先度が 最も高いのではないかということで、ご意見を取りまとめていただきました。また、BAと なっているものについては、総合評価としては優先度がその次に高いのではないかというこ とで、A、Bの順にこの表は並べ直しをさせていただいています。3頁目以降については、 疾病の重篤性及び医療上の有用性がAAまたはBA以外のものが並んでいますが、これらに ついてはその次にくる優先度といいますか、優先度としては最も高いもの、その次のものよ りも優先度としては下がるのではないかということで、ご議論をいただいたものです。 ○北村座長 資料6の2頁をご覧いただきたいのですが、中ほどから少し右側の「重篤性」、 「有用性」の評価でAAとBAとか並んでいまして、その総合評価がいちばん左側に並んで いまして、AとBという2つの評価が残っていますが、本日はこのAとBを対象にしてはど うかということでよろしいですか。3頁以後には総合評価が付いていませんが、それについ ては次回に。 ○俵木室長 それらについては、最優先で検討を進めるべきものとしては、その次にくるの ではないかということで、事務局としては理解していまして、もちろんこれらについても開 発が進められていって、いずれにしましても各学会からのご要望をいただいたものでもあり ますので、個別の相談等を、またはその申請があれば審査を進めていくことになりますが、 最優先でいま審査を進めるべきは、いちばん左がAまたはBとなったものなのかと考えてい ます。 ○北村座長 そうすると、この優先順位が今回高く、AとBに総合判定になっていないもの でも、今後申請があれば審査をしていくということで、よろしいのですね。あとCが付いて いるものの取り扱いは、どう事務局は考えていますか。 ○俵木室長 例えば6頁をご覧いただきますと、疾病の重篤性もその他C、医療上の有用性 もその他Cというものもありますが、こういったものについては命に関わるような疾病では 必ずしもなく、また、既存の治療法があるということでご評価をいただいたと理解していま す。こういったものも、もちろん申請があれば通常どおり審査の過程で粛々と審査をしてい きますが、この検討会の対象である医療ニーズの高いものを迅速に導入するトップランナー ではない、ということで理解しています。 ○北村座長 いまからご質問を受けたいと思いますが、何を優先的に検討するかという議論 に入らせていただきます。いまご説明があったように、AAあるいはBAのものをAAを第 一に、BAを第二に優先的に審査検討項目としたいということですが、ご意見をいまから頂 戴したいと思います。 ○笠貫委員 これだけの学会からこれだけの要望が出たということと、WGで、全体として の重篤性・有用性から総合評価を付けられたということについては、高い評価をすべきだろ うと思いますが、個々に見ますと、非常に大きな問題を抱えているのではないかという感じ がいたします。  例えば、これはWGがどういう議論の過程で決定されたか、詳細はわかりませんが、例え ば3頁の26番のリード抜去システムのところがBBとなっています。これはペースメーカー リード、ICDのリード等を含めて、2本から6本と複数のリードが心臓の内に植え込まれ ていて、その抜去がどうしても必要な場合があります。  その抜去というのもリードと心室筋が器質化して離れなくなってしまって、それを例えば 感染や静脈の閉塞、リードによる弁機能異状や肺梗塞とかいろいろな症例について抜去が必 要になってきます。今は開胸手術と開心手術しかこの方法がないのですが、そういう意味で は重篤性ということでは、これは当然Aに入るものであり、また、今これに代るシステムが 日本にはないということから言ったら、これが例えばAAになるのではないか。これがなぜ BBになるのかという根拠がわからないという例がいくつかあるのです。重篤性と有用性に ついて客観的にどう判断されたか、リード抜去は最たるものかなと思いましたので、まずそ こから質問をさせていただきたいと思います。 ○北村座長 それでは、WG委員長の佐藤先生、何かご意見ございますか。 ○佐藤委員 ただいまご質問いただきましたリード抜去システムにつきましては、26にあり ます。これにつきましては資料6のコメント欄にもありますとおり、委員のほうから、「既 存の類似品はないが、安全性に関して、既存の技術と同等か不明であるので、有用性はBと した」ということがあります。この26番のものにつきましては若干、安全性の問題があるが Aにすべきであるかということなのですが、Bを判定するに当たりまして、資料6の1頁目 にありますように、一応、有用性は有効性と安全性、肉体的・精神的患者負担という3つの 側面から見ていまして、いま笠貫先生からご説明がありましたとおり、有効性も優れており、 ほかには代替がないということではありますが、この安全性についてのコメントがありまし て、コメント付きでBとさせていただいたということです。これについては、もちろんその ようなご意見があって、さらにご検討をしていただければと思います。  重篤性については、先ほども若干申し上げましたように、もちろんケースによって今回の 場合、死に至る場合もあると思われますが、すべての場合といいますか、そういう場合もあ るということで、この辺はBが適当ではないかというのが、WGの意見でした。 ○笠貫委員 こういったケースは日本の中でも非常に症例数が少ない。稀だけれども重篤で どうしても必要だというケースを、どういうふうに取り扱うかということだと思います。で すから、いまのがかなり重篤で、ほかに方法がないということで選択するわけですから、当 然、日本で行われる施設は限られるだろうと思います。ただ、それがあることによって患者 にとっては命に関わることから救われます。患者としては少ないけれども、非常に重篤でこ れに代わるものがない時に、その安全性についてはデータがないと言いますが、アメリカ・ ヨーロッパはかなり出ていると思うので、それのデータが不十分かどうかということについ ては十分検討をしていただきたいと思います。確かに出ているデータだけから判断をするの は難しいかと思うのですが、私がここのリード抜去で言いましたのは、日本での患者として は少ない。しかし、これでしか救われないというケースがある。そういう高度の最先端の技 術を導入するという代表例として、この器械が挙げられるのではないかというのが、私の感 じです。 ○吉田(茂)委員 議事の進め方についての質問です。先ほどの説明ですと、上にあった1 頁目だけをやるような話でしたが、結局、WGの評価をそのまま受け入れるのではなくて、 今のような話は、当然この場所であとで議論をすると思う。だから、それは込みですよね。 ですからこのWGの評価がどうだった、こうだったということでやり合っていてもしようが ないので、基本的にWGがおかしいといえばおかしいでいいですが、この検討会ではここに 挙げたものでなくても拾うべきものについて意見があれば、どんどん言っていいと、こうい うことでよろしいのでしょう。どんどん取り上げていく。ここの中にあるもので、A評価や B評価になっていないものでも、必要性があると委員の先生方が考えたものについては、議 論の場に乗せていくのでしょう。 ○俵木室長 ご意見をいただければと思います。WGでのご議論をその場その場で報告させ ていただければと思います。 ○吉田(茂)委員 WGの意見だけが全部ではないということで、もちろんいいのでしょう。 そういうことで、今のようなお話はこれからの議論の中で出していただいていいのではない かと私は思うのです。 ○北村座長 WGの試案も尊重していただきたいという気持はございますが、必ずしもその 領域に精通した方々がすべて意見を出し合ったということはない場合がありますので、各専 門領域でこの扱いは適切でないというご判断がありましたならば、この機会にお受けしたい ということです。いまの笠貫先生の26番の議論につきましては、BBの評価を、笠貫委員は AAであるというご主張であろうかと思いますが、ご専門以外の方には、それがまた適切な のかどうか、大変難しい判断で、この委員会で決定するのも難しいと言われる方もおられる かもしれませんが、事務方としては何らかの決着をつけて進めていきたいという意向もあり ますようで、AAと見直してよろしいかということを、皆さんにお伺いしてもよろしいので しょうか。  それでは、まず、おかしいというのを、いまこの書類からいくつか。これは事前に委員に は渡っていたのですか、今日が初めてですか。 ○俵木室長 はい。 ○北村座長 なるほど、そうすると2頁目のABの取り扱いについては異存ございませんか。 ○千葉委員 ここの医療上の有用性ということは、いわゆる経済性も含めてのことでしょう か。例えば非常に手術が、あるいは結果がよくなるような装置であるということだけではな くて、これをすれば例えば手術時間が短縮するとか、あるいは同じ結果でももっと手術が安 くあがるとかいった経済的な部分も含めての有用性だったのでしたか。 ○俵木室長 資料の6の1頁目にありますように、肉体的・精神的な患者負担という意味で、 例えば入院が外来になってできるとか、または通院回数が激減するとか、または侵襲性が著 しく改善するという点において評価をしていますが、必ずしも経済的な観点での評価はWG ではなかったと理解しています。 ○千葉委員 そうしますと、この検討会ではそういったところも含めて、若干意見を出して 見直してみる部分があってもいい、ということですね。 ○俵木室長 この判定のクライテリアと言いますか、重篤性、3頁、医療上の有用性につい て、どういう観点でやるかということについては、前回の検討会でご議論をいただきました。 資料の3の医療上の有用性については、有効性、安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点 から、従来のものよりも優れているということで評価するというふうに議論をいただいてい るところです。 ○北村座長 よろしいでしょうか。ここでCのものは、「この委員会」の対象にはしないと いう考え方ですが、通常の薬事申請の手続を踏んでもらうことにおいてはもちろんあるので、 この委員会で決めるのは優先的に審査する品目を決めるということでして、決してこれがこ こで承認されたら、ただちに明日、薬事が通るというものではないのです。それは誤解のな いように。ここで承認されたものは、優先的に審査にかけて、更に治験を要求するのか、そ のまま資料をもって薬事承認とするのか、そこをPMDA等との相談において決定していく 形で、必要な患者さんがおられる、ニーズが高いということなので、審査を迅速にやる医療 機器を決定することで、決してCは見捨てるというものではないということをご確認いただ いて、優先すべきかどうかという判定が今回AとBですが、いまありましたが、もう少し時 間がありますので、見ていただきました中で、特に急いで審査すべき品目がWGの判断した もの以外にありますればお受けしたいと思います。 ○笠貫委員 私、先ほどのリード抜去システムは非常にレアーな患者でも必要なものを早急 に優先的に審査をしていただけないかという例として挙げたのです。もう1つ、医療機器の 早期導入の臨床の現場での要望は、医療機器というのは常に改良されていっている。医薬品 との違いはそこにあるのだと思うのです。医薬品は承認を受けたときから、そこから進歩は ないと言いますか、後は特許が切れるまで待つ形ですが、医療機器は日進月歩でどんどん改 良していきます。改良をしていくと、使う医師側もそれが安全にかつ成功率が高くなってく る。それはそれだけ患者にとってはプラスになっていく。その改良をしていく物をどういう ふうにして、早期導入の中に入れてくるかというコンセプトがこの全体の評価の中に反映さ れていないのではないかという感じがします。それが医薬品と医療機器の違いだということ だと思うのです。  そういう意味で資料6の3頁目の所でいきますと、例えば植え込み型除細動器などもそう なのですが、植え込み型除細動器その物としては、重篤度Aでいいのですが、この中にはも う今は植え込み型除細動器の中に心房細動に対する治療アルゴリズムとか、心室頻拍につい てのアルゴリズムとか、どんどん新しい物が改良されてきているわけです。日本ではいちば ん最初の機種だけが承認されて、改良されたものについて、早期導入が1つ求められている ということから言うと、私は確かにこの有用性というのは、ほかに代わるものがないという Aではないけれども、改良されたというものからいったら代替品はない。そういう観点から 言うと、私は医療機器というものの既存の治療法、予防法、診断法はないということなので すが、改良されたものは既存のものとは違うものですから、そういう意味で医療機器の改良 されたものをダイナミックに捉えるという意味では、私はこれがすべてBなのかというと、 むしろAに積極的に考えていくという見方が1つあっていいのかなと感じがいたしました。  例えば資料6の3頁の植え込み型除細動器がA、Bになっていますが、そういう意味では 患者にとっては、より最先端の機能を持っているものという意味では、私はBではなくてA なのではないかという考え方になるかなと思うのです。  もう1つ、3頁のところで、電気生理的マッピング及びアブレーションというものですが、 これは認可のところの1つの問題点であったのかもしれないのです。カテーテルアブレーシ ョンと電気生理的マッピングは、不可欠の機器なのです。そのままカテーテルをアブレーシ ョンに使えるカテーテルがあるのですが、それが認可されていない。そうすると、そこで診 断をして、ここでカテーテルアブレーションをしていいという時に、別なカテーテルにわざ わざ代えなくてはいけない。そのまま使えるのに使えないという認可の不備であったものを、 どういうふうに変えるかという問題がもう1つある。それも早期導入と言うのかどうかはわ からないのですが、そういう意味では、私はこの中にわりに早く優先審査されるものでも早 期にできるものと、優先審査でもなかなか難しいものと、いろいろなものを混在しているの で、それを分類してみるのも非常に必要なのかなという感じがするのです。 ○北村座長 笠貫委員の言われる医療機器のニューバージョンされたところの評価の考慮 をしてほしいということですね。そういったことをWGの佐藤先生のほうでもまたご検討を 賜ることをお願いしたいのです。いずれにしても、そういう新しいのが出てくれば、基本に なる資料が十分そろっていれば、まさしくそういうものをこの会に出していただいて、その 先生が述べられました趣旨を企業とPMDAとの中で安全性はもう既に確保されて、この部 分だけが改良されて良くなっているということの判断に基づけば、治験なしで承認のことも ありましょうし、いくつか日本人に適正かどうかの判断のため、少し治験をするという形に 判断が下る場合もあるかと思いますが、いま笠貫委員の言われたようなものこそ、この委員 会におかけいただいて、早く導入の可能性を探ることがいいのだと思います。  あと、先生の言われたような理念を、輸入する企業の方々も、PMDAとの折衝でしっか りと述べていただいて、エビデンスを示していただくことが肝要なのではないかと思います。 ○俵木室長 今の笠貫先生のご意見は貴重なご意見で、WGでもAなのか、Bなのかという 医療上の有用性について、難しい判断というか議論がいろいろありました。本日お配りして いる中でご覧いただきますように、医療上の有用性の欄がBとなった製品が多数あります。 これは笠貫先生が言われたような、従来に比べると何らかの点で改良が行われていて、今ま でであればカテーテルを変えて、もう一度アブレーションに行かなければいけなかったもの が、マッピングしたものでそのままアブレーションできるという改良が重ねられている。い ずれにしても従来のものに比べると有用性がありますが、ただ、全然そういう技術がないと いうわけではないということからBになっています。そういった改良のものについては、い ま北村先生が言われましたように、差分の審査をどのように早く行うのかというところが重 要な、今後、検討されるべき論点なのかなと思います。今回、WGで非常に難しいご判断を いただいたと事務局としても思っていますが、医療上の有用性がAとなったものについては、 やはりこの技術がないと、ということでご評価をいただいたと理解しています。もちろんこ のBのものについて審査をしないということではないので、Aになったもののほうをより先 に優先的に迅速な導入に向けての検討を進めていくべきではないかということで、Bのもの を全部Aにすると、また、どの順にやっていけばいいのかというか、難しい議論になってし まいますので、WGでもまさしく今の先生方のご議論の中にあるよう議論があったのですが、 AとBを付けていただいたということです。Bについては既存品よりも改良されていいもの である。そういったものが学会からたくさん出てきたわけでして、そういったものの審査、 差分の審査、医療機器に特有な改良を重ねていく差分の審査をどのように早くしていくかは、 別途審査当局に与えられた課題だと理解をしています。 ○吉田(茂)委員 それに関連してですが、改良型というのは、例えば薬の場合の一変みた いに、審査が通常と違って簡便化されるということは、器械の場合あるのですか。改良型も 新規の物も全く同じ審査になるのですか。 ○俵木室長 もちろん改良の程度にもよりますので、一概には言い難いところがあります。 もちろん一変になる物もありますし、新規な製品として申請をいただかなければならない物 もありますが、確かに差分の審査をどう早くするのかは、変更の程度にもよって検討がいる のかなとは思っています。 ○吉田(茂)委員 大きな変更でなければ一変に準じてやれるというのであれば、申請すれ ば、比較的短期間で承認される可能性が高いということになりますね。 ○俵木室長 そういうこともあり得ると思います。 ○吉田(茂)委員 ですから、大きな改良の場合は、こちらで後押しをしてやらなければい けないというものもあるかもしれません。 ○俵木室長 それもあるかもしれない。 ○吉田(茂)委員 今日の位置づけですが、今日はノミネーションするだけで、今日決める わけではないですね。だから、今日、広く選んでもWGが大変なだけで、要するに最終的な 判断は次回になるわけでしょう。だから、そこをギシギシやっても、例えばWGの判断が変 だとか言い合ってもしようがないと思うのです。ですから少しおおらかに拾い上げるという 気持でやればいいのではないかと思うのです。 ○北村座長 ありがとうございました。ただ、第1回目でして、この委員会がWGのあり方、 やり方について、大きな疑問を残すという形は避けたいと思いますので、ある程度、WGの 判断は一生懸命にやっていただいたところを尊重していただきたいとは思いますが、時間が ある限りご討論をいただいてもよいのではないか。どうしてもここは優先すべきであるとい うことも、この委員会はWGの上にありますので、そのご意見を拾い上げてもらってもよい というのが事務局のお考えと認識しています。 ○四宮委員 2頁目の10番なのですが、骨粗鬆性椎体骨折に対する骨セメントと書いてあり ます。私の知っているところによると、別の医療機器会社でもう治験をやっているものがあ るはずです。これは、IVR学会から出ていますが、本来整形外科が最も関係がある疾患だ と思います。このボーンセメントは既に高度先進医療をやっておられますので、それは出し て当然ではないかと思うのですが、ただ、この危険性に関しては我々、整形外科の医師の経 験が多くて最もよくわかっています。本当に注意してもやはりある一定の危険率がある材料 だと思うのです。ただより安全な使用法がもう既に、例えば治験をやっているとかいう状況 にあります。実際そのような治験に私どもは関与していますし、その意味でもボーンセメン トに関しては整形外科医に相談していただければ、役立つことを提案できるのではないかと いう気がいたします。 ○俵木室長 骨セメントとして、これはIVR学会から要望いただいていますが、骨粗鬆症 による圧迫骨折の部位を改善するための機器ということで、製品としてはこれを学会から紹 介していただいています。本日はそういった手技に使われる医療機器の種類を優先的に日本 の医療に導入すべきだということで決定をいただければ、この後そういった手技に使われる 機器として、日本国内への早期導入に協力いただける企業を公募することになりますので、 そこでいくつもの製品があるのであれば、ご協力いただけるのであれば、資料をいただいて、 この後またWGで個別の製品についての評価レポートを書いていただくことになるという ことです。 ○四宮委員 大変に課長さんには重要なことを言っていただいたと思います。この手技は非 常に良い手技で、必要であり、患者にとって非常に有用である。ですから、その範疇の機器 の中でも安全で有効である種類の機器を1種類又は2種類ワーキンググループで今後選考 するという考え方でいいわけですね。 ○北村座長 個々の品目は企業を求めますので、まだ先の話になります。本日はどういう種 類のものを優先的な審査にかけるかです。例えば人工血管にしても人工心臓にしても、多種 類が上がっているのです。その種類のどれなのかということは決定は今日はいたしません。 こういった人工心臓を早期導入することでAAと判断して、それをお認めいただくかどうか が本日の大きな点です。その中でもこれがいいのだというご意見ではなくて、骨セメントに ついてはわかりかねる点もありますが、そういった骨の圧迫の所に詰める物として、そうい う種類のものということでご判断いただいたらいいのではないかと思います。 ○笠貫委員 そういう意味で全体として見て、重篤性というところで、まず違いがあるかど うかという見方と、有用性としてどこに問題があるのかと別に分けたときに、なぜ重篤性の ところでAとBと違いが出てくるのかと疑問に感じるのです。例えばリード抜去のところも そうですし、電気生理的マッピングアブレーション、あるいはイリゲーション機能付きアブ レーション、対象が心室頻拍ですから、これは重篤性として命に関わりますということでい ったらAなのになぜBなのかという重篤性の評価も、もう少し検討をしていただきたいのが いくつかあります。  もう1つ有用性のところで、先ほどBについて、改良版のところに、先ほど言いましたよ うなお考えを入れていただけるということであれば、そういう意味のBと、ここで外科と比 べて外科があるから代替療法はあるのだという考え方はいかがなものかなと思います。手術 療法はもちろん確立されていいものがあったとしても、そこに例えば腸骨大腿動脈のステン トグラフトとか、外科に替わる非観血的な治療法としてステントが入ってくるというものに ついては、これを外科があるから代替治療法があるのだという考え方は、医療機器、医療技 術の進歩ということから言ったら、意味が違うのかなという意味で、このBの中にどういう 種類でBで入れたのかを明らかに分けていったほうがいいという感じがいたしました。  私は循環器でも不整脈に関わるので、不整脈のほうばかり言いまして申し訳ないと思いま すが、例として挙げて言いますと、例えばCとして挙げられたものが、通常の評価でいいの ではないかということが、国民にとってそれでいいのかと。今回何品目やるかはモデルケー スですから限られていると思いますが、今回優先として取り上げなくても、今後の優先とし て考えるときに、Cというものの捉え方についてどう考えていくかを一度WGで考えていた だきたいと思うので発言させていただきます。  例えばCとして5頁の電気生理的マッピングというのがあります。これはエンサイトNavX とCARTO XPですが、先ほどの改良版と関係しますが日本で使われているものは旧式のもので す。マッピングシステムが日本で認められているのは非常に古いもので、いま世界的標準に なっているものはここに書いてあるエンサイトNavXとCARTO XPです。これが未承認でした。 やはり心臓を立体的な画像で参照しながらアブレーションするということは、より成功率を 高めるし安全性を高めることからいうと、捉え様によっては不整脈は心室頻拍という重症な ものとなるとAになるし、いまの古いマッピングシステムから新しいシステムに変わりまし たと。ちょっとした改良版より、もっと新しいシステムになりますから、これはCではなく てAになるのではないでしょうかという考え方ができるので、CにされているものにもCで ないものも含まれないでしょうかということでご検討をいただけたらありがたいと思いま す。 ○千葉委員 折角WGが検討を重ねてくださったわけですから、特に検討会の中で問題点が なければ総合評価Aのものは大体選んでよろしいわけですよね。特に反対がなければですが。 あとは、いま笠貫先生がおっしゃった点とか細かいところをこの場で決めてしまわなくても よろしいのですよね。 ○俵木室長 この場では先に進めるべき医療技術というか、医療機器等の種類についてご決 定をいただければ、その後はその技術を最優先に導入のための評価をWGの作業としてお願 いをする予定です。 ○千葉委員 その評価がAに関しては、検討会の委員の間では問題ないのでしょうか。 ○北村座長 次にそれを決めましょう。いまは皆さんのご意見を聞かせていただきます。 ○平岡委員 別の観点から質問します。この学会の数は、実際に大体どのぐらいの学会が回 答されたかということです。このリストを見ますとかなり多い学会と少ない学会の差がある。 そのあたりの理由がどうなのかということをお聞きしたい。それと、先ほど骨セメントの話 が出ましたが、それはIVR学会から出ていますが、整形外科と関係していますよね。他に も、そういうものが結構あります。例えば皮膚科から出るガンマープローブ、血管内治療な どです。そういう場合、1つの学会から出たものが関連する学会でどういう評価を受けてい るのかを見ていくことによって、もっと客観的な有用性、ニーズというのが出てくるのでは ないかという気がします。そのときに学会にもう1回アンケートをするのがいいのか、WG の層を厚くして、もっと多様な人の意見を聞くのもあるかなということをこれを見て感じま した。 ○俵木室長 学会の数は資料5に示しましたように、もともと要望をいただいたのは38学会 ですが、そのうち既に承認になっているもののご要望だったものについては、今回の対象で はないこと。また、諸外国でもまだ承認のないものについてご要望いただいたものについて は本日の資料から除いていますので、そういう意味では本日の資料に要望の載っている学会 の数としては33学会です。1つの学会からいただいたご要望の数は確かにばらついていまし て、たくさんの技術についてご要望いただいた学会もあれば限られた数のご要望いただいた 学会もあります。それは、いくつかの条件というか諸外国で一般的に使われていて、命に関 わる、またはQOLを著しく改善させるようなものといった選定基準をお示しした中で、そ れぞれの学会からいただいたものです。 ○平岡委員 私が質問したかったのは、どちらかといえば医薬品に対しては皆さん関心が高 いのですが、医療機器に対しては関心が低い。学会もそういう傾向があるわけですよね。だ から、こういうことを通して医療機器が重要だということを学会に認識していただく役割も あるのではないかと思います。そういう意味で、回答していない所には再度問合せをする。 全体にどのぐらいの学会があって、どのぐらいの率できているとか、本来はこういうのが出 て当然だろうというところが来ていないとか、そのあたりのことはどう見ておられるかとい うことです。 ○俵木室長 この学会からのご要望の結果については、今日の検討会にもお示ししたとおり オープンにして、それぞれの学会にも見ていただきたいと思いますが、この会の目的は何度 も言って恐縮ですが、まずはニーズからいって日本の医療に最優先で導入すべきものをお決 めいただいて、先に作業を進めて早期導入に結び付けていくということで、この作業は、迅 速に進めていかなければならないと思っています。したがって、本日お示しした59の医療技 術のうち、先に進んでいくものを本日お選びいただきたいと思っていますが、A、Bのもの でよろしければその先に進めてまいります。それ以外のそこに挙がらないものについては、 個別に申請があれば審査をしていきます。先に進めていくものの進捗も見ながら事務局とし ては、将来のどこかの時点で、まだ医療ニーズで足りないものがあるのかどうかということ で、学会にご要望をお伺いすることも検討しなければいけないかなと思っています。それが どの時点なのかはいま、はっきりと決めているわけではありませんが、まずは先に進めてい くべき医療技術の作業の進捗を見ながら、また改めて学会のご意見を聞きたいと思います。 その際には今回の結果も踏まえながら、学会からご要望をお寄せいただければありがたいと 思います。 ○北村座長 すべてお分かりのことと思いますが、できればキャパシティが豊富にあるので あれば全部Aでいいのです。ただ、それはこの審査をしないというのではないです。この委 員会を通れば審査はなくなると思っていると大きな間違いで、通常どおりの審査をします。 しかし、優先的に順位を高くする。現実問題として、既にAA評価の中にもBA評価の中に も企業が薬事申請をしているのもあります。ですから、既に始まっているものもあります。 学会が欲しいということで、企業も動かれて申請に入っている部分もたくさんありまして、 それらを含めて優先的にやる項目を選びたい。それは唯一のPMDAの評価、審査過程を経 るキャパシティの問題で優先したいものを決めていただくということで、これでどのくらい 早くなるかは1年でやりたいという形で考えられています。 ○梅田委員 いま、ここのお話では優先的に審査するものをまず挙げたいということですか ら、そういう意味で言えば作られた器械が非常に独創的でほかにない、しかも、臨床的な有 用性が高いものにまずは絞るべきだと思います。私どもでは消化器学会と内視鏡学会と相談 してカプセル内視鏡を出しましたが、これは小腸という全く暗黒の分野、診断上非常に難し い、できない分野なのです。従来小腸に関しましては、有用な診断機器がなかったのですが、 カプセル内視鏡というイスラエルの軍事技術を応用し、アメリカで開発された器械が出て参 りました。この器械は小腸からの出血の診断に非常に役立ちます。小腸出血を来す疾患の中 には小腸の癌及び肉腫も入りますので是非AAとして最優先して審査としていただきたい と思います。 ○北村座長 ありがとうございました。カプセル内視鏡についての審査は出ていますよね。 そのあたりは申請されているのですか。 ○俵木室長 申請は来ています。 ○北村座長 最優先項目がBA評価になっていますが、そういった意味では先生のおっしゃ るようなことで企業も動いておられるものがあります。これは学会からの要望ですので、学 会はその辺の書類といっても、そこまで精査し尽くしていないものがあります。 ○梅田委員 学会ともいろいろ相談していますが、その上でよかろうという形で出しました。 ○北村座長 ありがとうございます。 ○渡辺委員 質問です。いわゆる重篤性というところで質的に非常に重篤であると理解した のですが、Bであっても非常に数が多い疾患とか数が多い病態、致死的な疾患でも稀なもの とか、数的なものはどう判断されたかを教えていただきたいのです。 ○佐藤委員 先ほど来、重篤性のA、Bの分け方に疑義がかなりありますが、私どもが考え たのは取り扱う疾患としては致死的なものが含まれるものがBになっている辺がわかりに くかったかと思います。この医療機器を取り扱う対象患者が、この機器を使うことによって 致死性が低くなる確率が高い、あるいは逆に言えば対象となる患者の中で放っておくと致死 性が高いものが自動的にAになります。診断機器の場合、その医療機器を取り扱った場合に すべての人にがんが見付かるわけではありませんので、そういった違いを付けたとお考えい ただければ。その辺が若干曖昧になって誤解を与えやすいのかと思います。そういった意味 で、すべてをAにしてしまえばわかりやすかったかもしれませんが、その辺で違いを付けな ければならなかったということであります。 ○渡辺委員 つまり、医療ニーズが高いというのは量的なものもかなり影響するのではない かと考えましたので。 ○佐藤委員 その辺を勘案していただいて、この辺のA、Bをご検討いただければというこ とです。 ○北村座長 初めての評価委員の方々の評価で、いろいろ難しい細々したポイントがたくさ ん出てくるのではないかと思いますが、委員長におかれましては今後このような意見があっ たということも鑑定に入れてご評価いただきたいと思います。いま笠貫先生からいただいた ご意見、カプセル内視鏡のご意見、決してC評価というものが優先的にはならないけれども、 通常の審査には申請を早くしていただければしていただくほど早くなるという形はあると 思います。ここの会議では最優先項目を決めます。したがいまして、この表にありますよう にAAの6種類、BAの6種類。BAにカプセル内視鏡が入っていますので含まれますが、 含まれていないのは笠貫先生の強いご意見の26のリード抜去システムをBAあるいはAA に格上げして、この中に含めてもらうかどうか。この判断で決定したいと思います。それは おかしいというご意見がありましたら。 ○吉田(茂)委員 WGのコメントを見ますと、既存の技術と同等か不明であるので有効性 はBとしたというのですから、既存の技術と同等ではないということであれば有効性はAに なる可能性もあるのではないですか。26です。 ○千葉委員 その分類の中で、BAとABの違いを付けるのでしょうか。要するに、Aの項 目やその疾病の致命率と医療的な有用性のどちらを優先するかになりますが、これは社会的 に見ればどちらも大事は大事ですね。ですから、BAとABをあえて区別する必要があるの かなというのが私の感想です。 ○北村座長 WGあるいは事務局からご意見はありますか。 ○俵木室長 BAを優先度に位置づけさせていただいて、ABいわゆる重篤性は高いけれど も、有用性の点ではこれのほうがいいけれども既存のものがあるものについてはABという ことで、まずは既存の方法がないものを優先にしていただいたと理解しています。 ○佐藤委員 WGでは、BAとABのどちらを優先するかについては、一応こういった考え 方があるということで参考までという理解でした。先ほど来、笠貫先生からもご指摘があり ましたように、AとBは有用性についてはどう捉えるかによってBがAになってしまうこと もあろうかと思います。既存の対象者、使えない患者数が増えるということであれば代替が ないということでAになり得るわけですし、Bの中での量的、質的な評価をしていただいて 検討していただければよろしいかと思います。そういった意味では、総合評価のA、Bです べてというわけではなくて、いまありましたようなABについて拾い上げるものがあれば、 AB、BAとどちらを取るかというのはディスカッションしていただいてよろしいかと思い ます。WGとしては、あくまでも検討のデータを資料にまとめたということです。 ○吉田(茂)委員 いまの議論は資料6の1頁にあって、重篤性がBで医療上の有用性がA であるものは優先度2である。重篤性がCであったらば、医療上の有用性がAであっても優 先度はない。次に、医療上の有用性がB以下であれば優先度はないという判断になっていま す。ですから、BAは通るけれどもABは通らないということで判断されたと思います。優 先度については、前回の議論のときに目が見えなくなるとか、そういうことも含めて生命の 重篤な、というところをもう少し広く取る必要があるのではないかというご指摘があって、 ですからBであってもAであっても医療上の有用性が高ければ入れようということだと私 は理解しています。 ○北村座長 ありがとうございました。佐藤先生、それでよろしいですか。 ○佐藤委員 資料6の1頁の2の表について、いま吉田先生から補足していただいたのです が、優先度2「以下」がすべて横棒になっているのは、この辺は検討があるかもしれないと いうことで理解していたと思いますが、事務局はそれでよろしいでしょうか。 ○俵木室長 これ以下のところに順番が付いていないということだと思いますが、AA、B Aの順に優先的に評価を先に進めていくべきではないかという議論ではなかったかと理解 しています。 ○佐藤委員 そういうことですが、優先度2をどうするかについては一応WGとしてはBA がいいのではないかということですが、その以下については優先度を付けて、2のBAにつ いてご議論があってもよろしいのではないかという理解です。 ○北村座長 今回、この会議では数を絞らなければいけません。数個以内、はっきり申して おきますが、それぐらいしか能力がないですよね。これは、もっと予算をいただいてやらな いと、いい加減なことができません。限られた数の中で、どれをするかというコンセンサス 会議ですので、多くの方からご意見がたくさん出てくると思いますが、道がないわけではな くて早く企業の方に申請していただいたら、優先審査を受けるより、去年から進んでいるも のが早くなる可能性もあるわけです。これを1年、普通でやったら2年といっても差が1年 あるかどうかはわかりませんが、1年前にやっていればそちらのほうが早くできることもあ るわけで、それにもかかわらず急がねばならないところをなんとか国民のために、患者のた めにしようというのが趣旨ですので、どうかそこをご理解いただきまして、1回毎に開けて いきますが数個ぐらいしかできないだろうという判断で優先をお願いしているわけでAA となったわけです。その判定基準についてはいろいろな疑問点もあることは十分理解できま すし、これはWGの中でそういった意見も踏まえてご検討賜りたいとは思います。  本日出ている資料の中で、AA相当の6種類を見ていただきたいと思います。2頁です。 それから、BAになっている6種類をまずお認めいただけるかどうかの再度の審議に入りた いと思います。AA、BAで認めるべきでないというご意見のあるものがあればおっしゃっ てください。その次は、BBになりました26をBAとして含めるべきか、AAとして含める べきかをご判断いただければ私の使命は終わると思います。まず、AAはご了承いただけま すか。                   (了承) ○北村座長 BAを次の6種類としてお認めいただけますか。                   (了承) ○北村座長 26の笠貫先生の熱意に皆さんがお応えになるかどうかですが、これをBAとし て含める。笠貫先生、AAでないと駄目でしょうか。 ○笠貫委員 私は含めていただければありがたいのですが、このリード抜去にこだわりまし たのは、非常にレアなケースでも最先端のもので日本の患者が早期に救われるという意味で は、いまどこの施設でも困っていることなので、ここはたぶん会社の問題も入ってくるだろ うと思います。会社がいい所ですか、どうですかというリード抜去システムを入れるに当た ってはいろいろな問題が指摘されてくると思うので、今度は1つのモデルケースですので、 それぞれ早期導入の優先審査をするときの問題点を出すには臨床的な意味からもこれを入 れていただけたら、私はAAというイメージですがBAのイメージで、Bでも構いません。 ○北村座長 ありがとうございました。それでは、AAあるいはBAとして含めることとし て、数量的なものはいかがでしょうか。 ○俵木室長 頑張ってやってみたいと思います。 ○北村座長 意見を言わないと損をするという会にはあまりならないほうがいいと思いま すが、よく勉強して意見を述べていただくと、こういうWGの判断を変更していただくこと は、この検討委員会でも可であるとされていますのでご審議いただいたわけです。BAにす るかAAにするかは、佐藤委員どうしましょうか。 ○佐藤委員 有用性に関しては先ほど来申し上げましたように、WGでもAAにすべきでは ないかという意見もありました。ですので、AAについては私どもは異存はありません。重 篤性のABについて、ほかとの兼ね合いから見るとここはBのままにしたほうが、整合性が 取れるかなと思っています。 ○北村座長 わかりました。WG委員長の意見、笠貫委員よろしいですか。 ○笠貫委員 はい。 ○北村座長 それでは、BAで優先審査にお回しいただければいいのではないかと思います。  そのほか、いろいろなご意見があると思います。時間がもう少し残っていますが、最後に 事務局からまとめた結果をご報告いただきたいと思います。そのほか、本日出されても討議 できないよというのを私自身も感じるのですが、WGの結果を公表できる範囲で本検討会前 にこういうご意見をいただいて、ある程度はっきりといまのPMDAの審査の詰まり具合な ども判断して、第1回目は5件、第2回目は第1回のときに1年間通じて、それほど数は増 やせないとなっていましたが、そういう情報に基づいて絞り込むための委員会だと思います。 それと予め資料が出れば、これは不当な扱いだというご意見も含めるかもしれませんが、事 務局としても公開できる範囲があるかもしれませんが、予めこの委員の方々にお渡ししてい ただくことは可能でしょうか。 ○俵木室長 次回のWGは、今日お選びいただいた品目の評価レポートを書いていただくこ とになりますが、それについてはできるだけ早く先生方にお渡ししたいと思います。 ○北村座長 そのほうが、皆さんのご意見を頂戴しやすいのではないかと思いますし、その 領域のエキスパートの方々でしたら現場でも意見が述べられるかもしれません。少し調査し てから意見を述べたい方もおられると思いますので、できる範囲で。こういう書類が出来上 がるのは、事務局も忙しいからギリギリでしょうけれども、1日でも2日でも早めにできれ ばここへご出席いただく前に調べていただいて、ご意見を伺うほうが委員会としては良い判 断ができると思いますので、よろしくお願いします。  いまの結論と進め方を含めて、室長からお願いします。 ○俵木室長 本日お選びいただきましたAA、BAのものについて、迅速に導入するための 検討を先に進めるということで作業を進めていきたいと思いますが、先ほどお話にありまし たように、お選びいただいた医療機器等の種類の中には既に審査に入っているものもありま すので、現在審査中の品目について、最優先で審査を進められるように作業を進めたいと思 います。まだ申請のない技術のほうが多いですが、それについては先ほどのフローに従って 情報を公募させていただいて、ご協力いただける、申請に結び付けていただける企業のご協 力をいただきまして、WGでの評価に入る作業を進めていきたいと考えています。 ○北村座長 WGでは、その領域の専門家が不足して出しにくいことが実際にあったのでし ょうか。それとも、自由にとは申しませんが過不足なく補充ということが認められています ので、例えば整形外科、歯科、その他の専門家がいない場合には適宜事務局にして歯の補填 の専門家。歯でも心臓でもいろいろな領域がありますので、それぞれの専門家の意見を積極 的に求めていただきたい。WGも100%の出席が得られないので、専門家が欠損する場合も ありましょうけれども、テーマに上がっているものの審査にはよく精通された方の意見を求 めるように人材を事務局に依頼していただいて。 ○佐藤委員 そのようにさせていただきます。 ○北村座長 それもよろしいですね。 ○中谷委員 いま言われた中で、例えば人工心臓でも4つ上がっています。確かに1つは既 に申請が行われていますが、今回の趣旨からいくと日本人の体格にあったという意味で、今 申請中のものは必ずしも全ての日本人に合っていません。また、適応に関して、今回のニー ズの高い医療機器ということで、これまでの適応に加え、デスネーションとしての適応も含 めて考えられています。そのため、この4学会からこういう形で上がってきていますが、既 に申請されているからおしまいではなくて適応等に関しても広く考えて出されていますの で、その辺はどういう扱いになるのでしょうか。 ○俵木室長 同じ植え込み型の人工心臓といっても、目的なり対象患者が違うということで あれば、対象品目についての情報を集めたいと思います。 ○北村座長 どの品目にするかは本日の課題ではないのですが、特定の品目を扱う企業が医 薬品医療機器総合機構に相談して、どういうことでいまおっしゃられた日本人の体格に合う 機種でこれは強く求められているものですと。これは、なかなか日本人には使えない器械で すというものに企業が新しく取り込んでくれるかどうかはわかりませんが、日本人に適応が あるとなればこの器械を扱う企業は、その趣旨を強く持ってPMDAと相談していただく。 それで了解が得られれば優先審査として、1年以内に認可すべき方策を相談して落とす形な のです。ですから、日本人の適切なというところは学会側の意見もあろうと思いますし、企 業側ももちろん精通した上での自分の所で引き受けるということになろうと思いますし、そ れと機構との話合いの下で進められている形になっている。それでよろしいですか。  時間がもう少しありますが、どうしてもおっしゃりたいことがありましたらおっしゃって いただきたいと思います。なければ、事務局から今後の予定がありましたら。大体いまのよ うなことで、申請を審査する時間的なものもあれば。 ○俵木室長 この資料3のいちばん後ろに付いているフローですが、本日優先的に検討を進 めるべき医療機器等の種類についてご決定いただきましたので、これらのうち既に審査に入 っているものはそれを進めますが、それ以外のものについてWebでの資料提供をこれから公 募させていただきます。ご提供いただいた資料について、次回の評価ワーキング。ここは先 ほど北村先生からもご指摘がありましたように、適切なWGの先生を必要により追加してレ ポートを書いていただきたいと思います。そのレポートが順次できたところから、この検討 会へお諮りをしたいと思っています。 ○北村座長 ありがとうございました。それでは、第2回の検討会を終わります。