07/01/17 第11回子どもの心の診療医の養成に関する検討会議事録    第11回   子どもの心の診療医の養成に関する検討会       日時:平成19年1月17日(水) 13:30〜15:30       場所:中央合同庁舎第5号館5階共用第7会議室 ○齋藤母子保健課長補佐  定刻となりましたので、ただ今から、第11回「子どもの心の診療医の養成に関する 検討会」を開催します。まず、お手元にお配りしました配布資料について確認をさせて いただきたいと思います。委員の先生方の机上にクリップで留めてある資料と留めてい ない資料があります。まず留めてある方の資料の一式の中に、議事次第と検討会の開催 要綱、委員名簿、「子どもの心の診療医」の逆三角形のイメージ図、そして資料1とい うことでスケジュールを用意させていただきました。それから資料2のシリーズとして 資料2-1、2-2、2-3と右肩に書かれたものを3点用意させていただいています。それぞ れ(柳澤委員)、(山内委員)、(奧山委員)と表紙が付けられたものが資料2-1〜2-3です。ま た資料3ということで、「子どもの心」の診療に専門的に携わる医師の養成について(議 論のたたき台)という資料を用意させていただいています。資料2の後に、別綴じで別紙 3そして参考1という資料を付けています。それから、委員提出の資料として、今回は 冨田委員から日本小児心身医学会の資料を、そして、杉山委員から日本小児総合医療施 設協議会の資料をいただいていますので配布させていただきます。もう一つ、机上にピ ンクの小冊子で平成17年度の本検討会の報告書を用意させていただいております。資 料の方はおそろいでしょうか。それから、第10回の本検討会の会議の議事録について は、厚生労働省のホームページにアップロードさせていただいています。  本日は、委員16名がご出席で牛島委員、星加委員の2名が欠席です。また、桃井委 員は遅れてご到着と承っています。  それから、事務局に関して、前回8月の本検討会の開催以降、9月に事務局側の人事 異動がありましたので、ご紹介申し上げます。まず、雇用均等・児童家庭局長が北井局 長から大谷泰夫局長に替わりました。 ○大谷雇用均等・児童家庭局長  遅れまして恐縮です。大谷でございます。どうぞよろしくお願いします。 ○齋藤母子保健課長補佐  それから、母子保健課長が佐藤課長から千村浩課長に替わりました。 ○千村母子保健課長  千村でございます。よろしくお願いします。 ○齋藤母子保健課長補佐  また、遅れて到着予定ですが、総務課虐待防止対策室長が山本室長から伊原和人室長 に替わりました。  それでは、柳澤座長どうぞよろしくお願いします。 ○柳澤座長  柳澤です。もう改めて新年のごあいさつということもないと思いますけれども、今年 もぜひよろしくご協力のほどお願い申し上げます。  それでは早速ですが、議事次第に沿って議事を進めさせていただきます。今、資料の 紹介がありましたように、まず最初に前回の検討会の際に、担当の割り振りなどを行っ た一般の小児科医・精神科医、そしてより専門的に子どもの心の診療に取り組む医師の ためのテキスト、ここでは「子どもの心の診療を定期的に行っている小児科医・精神科 医」という呼び方をしていますけれども、そういった医師のためのテキストおよびカリ キュラム作成、あるいはモデル研修事業などについて進捗状況の確認を行い、意見交換 を行いたいと思います。  2番目として、昨年の検討に引き続いて逆三角形の頂点の部分、今日配られた資料の 中にも図がありますけれども、その三角形の頂点の部分である高度専門的な医師、言い 方を代えると、専ら子どもの心の診療に従事している医師の養成方法について検討を行 いたいと思います。一応、この検討のためには、今回を含め2回ほど会議が予定されて いて、次回の3月の検討会で意見の取りまとめを行う予定になっています。  そして、もし今日時間があれば、子どもの心の診療医の養成に向けた最近の関係者の 取り組みについて、適宜委員の皆さまから報告してもらいたいと思います。  それでは資料2をご覧ください。今申し上げたような、逆三角形の一番底辺の部分と 2番目の部分。第1と第2の医師グループについては、平成17年度の報告書で取りま とめた教育研修の到達目標、一般到達目標と行動到達目標がありましたけれども、養成 研修モデルの実施のため共通テキストやカリキュラムづくりを行うことを中心としてい ます。  前回検討事項ごとに担当委員を決めて、その委員にテキストやカリキュラム作成の取 りまとめを担当していただくということにしました。第1の医師グループのうちの一般 小児科医については私が取りまとめを行い、一般精神科医については、山内委員にお願 いしました。第2の医師グループについては奧山委員が担当しています。それぞれ数名 のチームを作ってテキスト編集などを取りまとめていただいておりますので、それぞれ 担当の委員から進捗状況を報告していただき意見交換を行いたいと思います。  また、これらのテキストなどを用いてさまざまな研修やセミナーなどが、これからモ デル的に行われる予定になっています。これらの予定についても併せて簡単に報告をお 願いします。  それでは、第1の医師グループのうちの一般小児科医について、私の方で取りまとめ をさせていただいていますのでご報告します。資料は2-1で、それをご覧になりながら 聞いていただければありがたいと思います。この一般小児科医のための研修テキストの 作成については、柳澤、別所、保科、宮本という本検討会の4名の委員が担当して作業 を進めて参りました。表紙をめくっていただくと、手紙の依頼文の下の所にその4名の 名前が記されています。先ほどから何度も申し上げている、「子どもの心の診療医」の三 つのカテゴリーについて説明し、一般小児科医向けテキストであって、平成17年度の 本検討会の報告書に記された一般小児科医の到達目標を目指すというテキストを作りた い。そして、一般小児科医に望まれる子どもの心の問題に関する診療範囲、また日常の 診療の中で見られる訴えや症候から、どのような疾患を考えどのような対応をするかと いうことを示すものとしたい。また、教科書的ではなく、できるだけ簡潔・簡便なもの としたい。  そういうことで、もう少し具体的に申し上げると、この一般小児科医向けのテキスト については、症候や疾患を三つのレベルに分けました。第1には一般小児科医が医師自 身で診断・対応できることが望まれるもの。2番目として、診断と初期対応をしてほし いもの。3番目として、疑ったらより専門的な医師または医療機関に適切な紹介をして ほしいものというように内容を分けております。もちろん、自身で診断・治療と言いま しても経過が思わしくないというような場合には紹介するということは当然だと思いま す。  こういうことで一般小児科医向けのテキストを企画したわけですが、その際に、山内 委員担当の一般精神科医向けのテキストとの整合性とページ数も含めて、あまりかけ離 れたものにならないようにするために、山内委員とも協議を行っています。  今お話ししたような観点で、4名が目次を検討し、分担執筆者の選定を行い、さらに 執筆の依頼をしました。今日お配りした2-1の資料には、依頼の際に用いた依頼文とと もに執筆要領。これには執筆のフォーマット、また、執筆例なども含まれています。め くっていっていただきますと、目次には各項目のページ数。全体を合わせると、A4版 で70ページ程度になる予定です。それと執筆者名を記した表があります。さらに検討 会の報告書のうちで一般小児科医にかかわる部分をコピーして同封した上で、執筆の依 頼をしました。昨年の11月に依頼をし、本年の1月31日を期限として執筆のお願いを しています。まもなく脱稿期限が来るわけですけれども、現在少しずつ原稿が集まりつ つあります。このような経過で年度内に編集作業を行って、この年度内には印刷直前の 段階まで持っていきたいと考えています。  以上が、私が取りまとめをした一般小児科医向けのテキストの進捗状況です。これに ついて何かご意見・ご質問がありますでしょうか。 ○杉山委員  あいち小児保健医療総合センターを中心に、「あいち心の診療医研究会」というものを 立ち上げ、そこを舞台にしてスポンサーを付けて5回の講義と1回の臨床のベシュライ バーを義務付けるということで愛知で始めたのですが、小児科医の先生がベシュライバ ーまで付いた方が約50名、講義だけの参加が約100名と、非常にたくさんの反響があ ったのです。その中で感じたことが二つありました。一つが、まず一般の小児科医の先 生が心の問題を診るのだという覚悟をするということ。これをするかしないかが非常に 大きくて、「私の専門外だからさようなら」という発想をいかに防ぐかということが一つ です。それから2番目が薬なのです。薬の使い方のハウツーを多少出しておきますと、 あるレベルのところまでキープできる。これは山内委員がまとめられた精神科医のとこ ろとも重なるのですけれども、逆に一般精神科医の場合には、薬をバーンと使うという 非常に悪い癖があるものだから、それも逆にいろいろな警告が必要なのだと思うのです。 その2点を非常に強く感じました。 ○柳澤座長  大変貴重なご意見をいただきました。この一般小児科医向けは、すべての小児科医が 基本的に子どもの心の問題や診療に何らかの形で携わってほしい、関心を持ってほしい ということが根底にあるわけで、今、杉山委員が言われたことは、まさにその通りだと 思います。それから薬に関しては、一般小児科医のレベルで、薬物療法としてはこの程 度のところまで、というようなことも一応触れられています。 ○杉山委員  どちらかというと、抗精神病薬の使い方です。 ○柳澤座長  その辺について、このテキストとしてどのように捉えているかということに関して、 一緒に企画に加わった宮本委員、あるいは保科委員、別所委員から何かございますか。 ○宮本委員  筑波大学の宮本です。この編集に一緒にかかわらせていただいております。杉山委員 の指摘された点はごもっともだと思います。実は私どもは昨年度の、この検討会とは別 の厚生労働科学研究の研究班で、専門ではない一般の小児科の先生方の心の診療状況に ついての実態調査をしております。その結果、もちろん回答が戻ってきた方々というこ とで、ある程度バイアスがあるわけですが、回答が戻ってきた方々の中では、もう8割 から9割の方が何らかの心の問題の診療に直接かかわっておられます。杉山委員がかか わる決意を持ってほしいのだと言われましたが、これは恐らく忖度するに、そこまで決 意するほどではなくて、どこにも送れないので診ざるを得ないという状況がある。そし てその診ざるを得ないという状況の中で、実は一般の小児科の先生方はかなり一生懸命 ご覧になっていただいております。そして、そのときに出てきたことが、どうしても自 分が手に負えなければもちろん送るわけですが、そのときに一番困るのが送り先と、そ れから送り先が満杯で待機時間が長いということ。そして、待機されている平均は3〜4 カ月なのですが、「その間はどうされているのですか」と尋ねましたところ、何とか診て おられるのです。ということは、一般の小児科の先生方には3カ月最低頑張っていただ くノウハウを持っていただくと、何とか、かなりの問題も次につなげられる。というこ とで、このテキストは一般の先生方に、ある程度最後まで診ていただきたいもの、初期 の部分を何とか持たせてほしいというもの、最初からもう紹介しても構わないですよと いうような三つの段階に分けているわけですけれども、そのような分け方をすることで、 逆に、杉山委員が今言われたようなところも、むしろ一般の小児科の先生方にもご負担 なく理解していただけるのではないかと。つまり、例えば抗精神病薬の使い方は確かに そうなのですが、一般の小児科の先生方が抗精神病薬を半年も1年も使い続けなくてい けないという状況は必ずしも望ましいとは思わないのです。でも最初の1〜2カ月は、 どうしても仕方なければこういう使い方は可能ですよという、そういう指針を示すこと はあまり抵抗なく受け入れられるのではないかと思っています。 ○山内委員  山内です。私もテキストはどういう意味を持っているかということを考えていたもの ですから、杉山委員のご指摘は大変重要なところだとは思うのです。ただ、テキストに すべてを委ねるわけにはいかないので、やはり手引き書的な意味があって、どちらかと いうと知識の側面をカバーするものであると。このくらいの基準はきちんと心得ておい てくださいというようなことが目的かなと思っていました。ですから、その他の技能と 言いますか、薬の使い方などの技能や態度というものは、これだけでは対応できないわ けですから、やはり今指摘のあったようなことはまた別の方策で学んでいってもらわな ければいけないのではないかという位置付けで考えています。 ○柳澤座長  他にございますでしょうか。保科委員あるいは別所委員から何か。 ○保科委員  保科です。日本小児科医会の方も随分開業の先生を集めて研修会などをやって、杉山 委員にも講演をお願いしているのですけれども、実際にやっていて、そこまで踏み込む か踏み込まないかというのは、非常に皆さんが迷っているのです。ある程度の限度を超 えたら、やはり専門の先生にお願いしたいというのが基本的なスタンスだと思うのです。 その前の初期段階に何とか対応していきたいというのが一般の開業医の先生ですから、 杉山委員のところへ100人以上集まったというのは、全国から本当にやりたいという先 生が申し込んだのだと思います。これは恐らく毎年やっても100〜150人の先生は必ず 出てくると思うのです。というのは、研修会でも毎年のように新規の人が150〜200人 出てきているのです。ですから、それはあると思うのですが、そこで薬の使い方まで、 どこまで踏み込むかというのは私たちも迷ってはいるのですけれど。 ○杉山委員  よろしいですか。 ○柳澤座長  では、簡単にお願いします。 ○杉山委員  あくまでも愛知の個々の診療医として、愛知県下の原則としてあいち小児保健医療セ ンターに医療連携の登録をしている方を中心にしているのです。それで100人来たので す。それから、私が申し上げているのは、つまりこういうことです。心の問題というの は積算すると2割くらいになります。そのくらい頻度の多い子どもの問題というのを、 子どものプロフェッショナルである小児科医が診ないというわけにはいかないだろうと。 それから、抗精神病薬というのは、ずっと使うわけではなく、私がイメージしているの は、発達障害の子がパニックを起こしたときに少ししのげる。1〜2カ月ですね。そうい う使い方をしていると全部が三次医療機関までいかないだろうという、そういうイメー ジです。 ○柳澤座長  今、杉山委員がおっしゃったことは、まさにその通りだと思いますし、そういう状況 だからこそ、こういう検討会が組織されて検討を行い、またこれからテキストをつくっ たり、カリキュラムをつくったり、モデル研修をやったりということが計画されている のだと思います。  それでは一般精神科医向けのテキストに関しては、山内委員からご説明をお願いでき ますか。 ○山内委員  山内です。お手元の資料の2-2がそうなのですが、「一般の精神科医のための研修テキ ストの作成について」ということで、1枚めくっていただきますと説明文がありますが、 ここにあるように、この委員会のまとめを受けまして日本精神神経学会の中に、「児童精 神科医養成に関する委員会」というものをつくっていただきました。担当理事は、ここ におられます森委員と前田先生ということで、この委員会が中心になって、研修テキス トの作成をしようという仕組みにしました。下の方に名前が書いてありますが、「子ども の心の診療医の養成に関するテキスト作成のためのコア委員会」の委員長は福岡大学医 学部の西村教授にお願いして、そこでいろいろな領域の方にお集まりいただいて執筆者 等の選任をするという形で進めました。字数、締め切り等については、柳澤座長と打ち 合わせをして、小児科領域と足並みをそろえるということでお願いしてあります。次の 2ページ目が執筆要領ということで、そこでは、あくまでも「子どもの心の診療」に関 する一般精神科医向けのものであると。一般精神科医に望まれる「子どもの心の問題」 に関する診療範囲と、日常の診療の中で見られる訴え・症候から、どのような問題・疾 患を考え、どのような対応をするかを示すもので、教科書的ではなく、できるだけ簡潔・ 簡便なものにしてほしいということで、ご説明申し上げました。そこにあるように、字 数等は、小児科領域に合わせてありますし、脱稿期限も1月31日で今年度中に発刊す るということです。次のページに、多少それぞれの総論・各論についての書き方の基本 等を示して、項目としては、概要・疫学・成因・基本症状・合併症・併存症・診断・経 過・対応等を考える。それから専門機関への紹介も状況を説明してほしいというような ことになっています。5ページ目からが目次になります。それぞれ執筆をお願いする方 のお名前がそこに挙がっています。これについては、いろいろな分類の仕方、項目の挙 げ方があると思いますが、先ほどのコア委員会で検討していただきました。中には他機 関との連携ということで専門医療機関への紹介の仕方、あるいは他機関との連携、ある いは社会資源という問題についても知っておいていただきたいということで、そのよう に挙げています。たくさんの方に書いていただくものですから、多少温度差があったり 書き方に問題があったりすることも懸念しまして、お願い文の中には全体の統一性の観 点から編集者が加筆・削除・修正を行うことがあることはお願いしています。一人ずつ の執筆が長い枚数ではないので、こちらとしては年度内の発行ができるようにと今期待 しています。以上です。 ○柳澤座長  ありがとうございました。今の山内委員からのご説明について何かご質問・ご意見、 あるいは森委員、市川委員から追加するようなことはありますか。 ○森委員  森です。今ご説明がありましたように、日本精神神経学会の中にこの委員会をまず立 ち上げたわけですが、そのときに多くの委員の先生から、テキストがどういう位置付け になるのかということを非常に質問されるのです。それがこちらもきちんと答えられな い状況で、もちろんこの流れの説明はできるのですが、今後どのようにこのテキストが 位置付けられていくのかということについては、できてみないとわかりにくいところが あります。それによって書く内容も違うという意見が出ました。 ○柳澤座長  その点に関してよろしいでしょうか。例えば一般小児科医向けであれば、一般小児科 医を対象とする研修会のようなことがこれからずっと計画されている。そのときに使う テキストであるということが一つ。それとともに日常の診療において随時参照もできる ということももちろんあると思いますが、基本的には研修テキストと位置付けて山内委 員もそういうことで計画されたと思います。 ○森委員  その点はもちろんご説明はしていますが、ここでもたくさん出てくるかと思いますが、 児童・青年期とか思春期の精神科の先生方のお集まりがたくさんあります。そういうと ころでいろいろ企画したり研究会をやったりしている。そういうものとのリンクをすぐ に考えられるのです。そうしたときになかなか難しい問題があると思って聞いていたの ですが、これはそれとはまったく別の形でスタートしているのですかという質問もあり ました。そこら辺は、学会代表が集まって作るテキストというよりは厚生労働省の委員 会が中心になって作るテキストで、それをどう使うかというのは、逆に言えばそういっ たそれぞれの研究会・学会が考えることだと思ったものですから、そう回答したのです が。 ○柳澤座長  私はそう思っています。 ○杉山委員  何度もすみません。私自身はもしも厚生労働省が音頭を取ってこういうことをするの だとすると、これは一般精神科医向けですよね。そうすると大学を卒業して一般精神科 臨床に立った時点で、これだけの知識を持っていてほしいというテキストになると思い ます。現状は先生方もご存じのように、18歳で切ってしまったり、あるいは青年期は診 ないということが前提になっていたり、一般精神科医は例えば子どもを診るか診ないか というレベルではないと思うのです。 ○森委員  その通りです。ご存じのように日本精神神経学会は大学の先生がたくさん集まってお られる学会ですから、大学でもあまり教えていない部分で、どこでこれを教えるのかと いう部分に抵触してくることだと思います。例えば卒後研修の最初のところでこのカリ キュラムを入れるように一応提言は出していますが、そこにどの程度入ってくるのか。 全くそれとは別に研修会を開かなければいけないのか、具体的な問題に現場の先生方は 結びつくみたいです。そこら辺が明確な説明をしにくいのです。例えば学生のコアカリ キュラムの中にこういうものが含まれるのですかと言われても、そういうことではない のですということになります。その辺のところの明確さはわかりにくいものですから。 山内委員がいろいろ説明をしていただいたのだと思いますけれども。 ○山内委員  その点について思うのは、この報告書の逆三角形をよくわかってもらわないと、児童 精神科医の専門の先生方の書いたテキストと混乱してしまうので、あくまでもプライマ リー・ケアと言いますか、まず最初に応対するレベルでということをいろいろなところ で強調しなければいけないのではないかということが一つ。それから精神科では今度専 門医制度ができまして、前にもここで示したことがありますが、専門医制度の研修項目 の中に子どもの心を診る能力を持つということがありますので、ちょうどそこに合うよ うなものであるという位置付けで考えたらいいのではないかと思っています。 ○柳澤座長  今非常に的確にご説明いただいたと思うのですが、小児科医向けについても同じよう な位置付けだと思います。  それでは次に何度も話の出ている逆三角形の第2のカテゴリーというか、医師グルー プである「子どもの心の診療を定期的に行っている小児科医・精神科医」について。こ れは関連する六つの学会の連絡会のワーキンググループが組織され、そこが中心となっ て進めていただいています。その事務局をされている奥山委員が取りまとめをしておら れますので、奥山委員の方から説明をお願いします。 ○奥山委員  資料2-3になります。第2のカテゴリー「子どもの心の診療を定期的に行っている小 児科医・精神科医」については、前回の委員会のときに私がまとめ役を仰せつかりとい うことで、牛島委員、桃井委員、冨田委員、星加委員とテキスト作成をすることになっ ておりましが、それぞれの委員にご了解をいただきまして、子どもの心の診療に関連す るう6医学会の集まりである子どもの心の診療関連医学会連絡会のワーキンググループ でさせていただくということになりました。そこでワーキンググループの方で集まりま して、テキストの目次を作り、それぞれの学会の中で担当者を決めていただいて、でき たものが目次のところです。色分けになっていなくて黒くなってしまったのでわかりづ らいかもしれませんが、例えば理論という後ろに「小児神経+児童+乳幼児」と書いて あるのは、この三つの学会でこの部分を分担するということで、一つの学会で分担して いないところは(小児神経)(児童)と書いてあります。小児神経と書いてあるのは日本 小児神経学会で、児童は日本児童青年期精神医学会、乳幼児は日本乳幼児医学心理学会、 小児精神は日本小児精神神経学会、小児心身は日本小児心身医学会、思春期青年期は日 本思春期青年期精神医学会を指します。  基本的に締め切りとか作成に関しては、前の二つの先生方のお話と全く同じですが、 少し重みをつけて、こちらの方は1項目2ページということで、全体では250ページほ どになると思います。ただアスタリスクがついているところは1ページでお願いをする という形になっています。今のところ執筆をお願いしている段階で、それぞれの学会で ある程度取りまとめていただいてワーキンググループの方で編集をし、最終的にまとめ ていこうと考えています。また、このグループの方は6医学会全体で今後の研修を考え ていく方向であることも前回もご報告させていただきました。それぞれの学会ごとにポ イントを取っていくようなことも考えるし、全体として集まっての研修ということも考 えていく予定です。その第1回ということで6ページをご覧いただきますと、「第1回 子どもの心の診療医専門研修会」ということで、3月17日にとりあえずまず1日で開催 することになりました。それぞれの各医学会の先生方にお願いをして、今回は今1番話 題になっている発達障害を取り上げ、各学会の先生に講師としてお話いただきます。小 児心身医学会は理事長の冨田委員が講師ですが、ワーキンググループのメンバーは田中 英高先生がして下さっております。その他の講師の先生方はワーキンググループのメン バーです。第1回なので自分たちが頑張るということで組んでおります。第1回はかな り力の入ったものになっておりますし、乳幼児から成人期までそれぞれ非常にポイント を突いたプログラムになっていると自負しています。それぞれの学会で宣伝をしていた だいております。実は意外に参加が多いのではないかという不安がありまして、書いて ありますように20日に一斉に申し込みをスタートさせます。今までも少し連絡が入っ ているのですが、20日にお願いしますということで一斉スタートで受け付けをするとい うことにしています。以上、テキストのことと研修会のことを一緒に説明をさせていた だきました。 ○柳澤座長  ありがとうございました。テキストの企画と関連6医学会で今企画している3月17 日に行う研修会についても併せてご説明をいただきましたが、何かご質問はありますで しょうか。このグループのテキストは先ほどの一般小児科医向け、一般精神科医向けと かなり性格は違うのではないかと思います。かなり高度なレベルを目指す人にも使える テキストですね。 ○奥山委員  その辺をいろいろ議論したのですが、現在のところ三角形の1番ボトムというか、高 度専門の人数が非常に少なくて、2番目3番目を一緒に専門家的な方と考えて研修する 方がいいだろうという結論に達しました。ですから、どちらかというとかなり専門的な ものと考えています。 ○杉山委員  ここの部分は小児科医あがりと精神科医あがりを一緒にしていいのでしょうか。 ○柳澤座長  それについては昨年の1年間の検討会で、第2グループに関しては子どもの心の診療 を定期的に行っているという言い方をしていますが、小児科医・精神科医を一緒に考え るということが議論の流れだったということで、それがここにまで反映されていると思 います。 ○奥山委員  もともとここでの議論がそうだったと思うのですが、2番目のところに入っている 方々はそれぞれの中で、得意な分野や苦手な分野があり、苦手分野に関しては照会する ということもあると言う前提です。最後の高度専門の方はほとんど全部できないと困る ということがあると思うのですが、2番目のところはある程度凸凹がある前提です。テ キストもかなり網羅していますけれども、部分的にピックアップしても良いと思います。 ○森委員  2番目のランクのところですから研修会も一緒にやれて非常にわかりやすい気がした のですが、参加対象というのは6医学会のいずれかの会員でないとここには参加ができ ないということですか。 ○奥山委員  一応そうしているのですが。 ○森委員  要するに2ランク以上のことをやろうと思うと、次のランク以上のことを専門的に見 ていこうとする場合、どこかの学会に参加しなさいということになってしまいます。 ○奥山委員  どういうふうに狭めるかという。 ○森委員  わかっているのですが、誤解を生むかなと。その6学会等が中心になるということは 去年の検討会でやったわけですから、もちろん中心になるのですが、今後それを広げて いく必要がありますよね。そこら辺のところを誤解のないようにした方がいいのではな いか。この募集案内を見ると、例えば専門でやっていると、たまたまどの学会にも所属 していない人がいるかもしれませんが、あるいはもっと専門的な知識を得たいという人 はこれを読むとこれに出られないわけですね。そこら辺は今後ぜひ配慮していただけれ ば。 ○奥山委員  そうですね。その辺のところは、例えば今後6医学会の中でのポイントは当然学会の 方がお互いに交流するという形にして、こういう全体の会はいろいろな所から集めると いうことを考えてもいいのかもしれません。ご意見を参考にさせていただいて今後検討 したいと思います。 ○森委員  よろしくお願いします。 ○齋藤委員  この研修会の構造は、基本的に中央でやる研修会というのはスタンダードとか平均的 なところ示し、それを学んでいただく、情報を得ていただくという限定した目標でやる のだろうと思うのです。具体的に子どもの心の診療を行う技能とか、細かなケースに対 する具体的な対応ということになったら、恐らく診療しておられる地域における診療の ネットワークの中でさまざまな検討会や研究会を行う中でやるのが一つと、もう一つは 所属しておられる専門性の高い学会での事例検討とか、突っ込んだ研修の機会を作って いただくということで、恐らく6学会が計画した研修会は、最低限このくらいのことは というのを中心に、そこへ少しトピックスを加えていくような研修会になってくるので はないかと考えています。 ○柳澤座長  他にございますでしょうか。 ○南委員  私も今の点ですが、森委員がおっしゃったようにこの学会のいずれかに入っていない と入れないというふうにも読めますが、もう片側から見れば、逆にこういうことを専門 にしている方は、六つの中のどれかには最低入っていて下さるくらいの専門性を持って いただきたいという部分もあるかと思います。日本の場合、医学会自体が強制参加でも なく職能団体になっていないという非常に大きな問題が背景にあるわけですが、ここは 最先端の部分ですから人数もそう多くないということになると、最低限いずれかの専門 の学会には入っていただいて、お互いに大体この分野にはどういう方がいるとわかるく らいの煮詰まった部分なのではないかという感じもします。逆に言うと学会とあまりか け離れた方というのは逆に消費者側から見ると心配かなと思います。 ○柳澤座長  ありがとうございました。 ○今村委員  この分野というのは私ども医師会においても非常に大事な部分だと考えています。そ ういう意味で私も参加させていただいておりますが、この日時を見て、その後にいずれ かの会員である医師と書いてあると、医師会というのは対象になっていないという感じ なのです。たまたま私は他に先約がありましたので許されても行けないのですが、医師 会の立場として見ると多分この学会には入っていない方がほとんどだと思うのです。そ ういうときに大事だなと思っている人にリジェクトされている感覚を持つような違和感 があります。 ○柳澤座長  第1回と銘打った3月17日の会については、このようにワーキンググループで計画 をされたということはありますが、今後のこういった研修会の進め方に関しては森委員 あるいは今村委員からのご意見、それに南委員のご意見も十分勘案して計画を立ててい ただきたいと思います。 ○市川委員  この研修会はどういう意義なのか。今村委員がおっしゃったように、これに参加する ということが専門性と関係するということでしょうか。研修会を企画している方にお聞 きしたいのですが。 ○奥山委員  前回から6医学会で何らかの研修体制を議論していこうという話になっていました。 それぞれの6医学会が学会の中である程度研修的なものを組んで、他の学会の先生もそ の部分に出られるように交流をして、修了シールなどを自分で張っていくと、自分はこ のくらい研修ができたと思えるようなシステムを作ろうというような議論を続けていま す。それと並行して、なかなか小さな学会で自分のところでそれだけやりきれないとい う学会もあって、できれば年に1回くらいは全体としての研修会も持っていった方が6 医学会の連携もできますし、そういう意味でいいのではないかという意見もあって研修 会を志向することになりました。ですから、この研修を受けた方にはある程度研修修了 書のようなものを出すという方向で計画しております。 ○市川委員  将来のポイント制の移行に入っているとすれば、ある程度平等性を保った方がいいと 思います。恐らくこの6学会の医者のライセンスを持っている人だけでも、100人とい うのは少ない気がします。 ○奥山委員  ポイント制というのはあくまでも自己研鑽のためのポイントですから、最初から何か の資格を得られるわけではありません。 ○市川委員  その辺りをはっきりさせておいていただければ、100人という数も、理解できると思 います。 ○奥山委員  これは最初どのくらいの数からどうしていいのかが全くわからないので、この日に取 れる場所の問題もありまして、そういうことも含めてです。 ○山内委員  飛躍した話ですが、実際には逆三角形の2番目3番目は専門性が高いわけですから、 専門医というような位置付けが、6学会か7学会かわかりませんがそういうところから 出てくれば、そういう人たちが専門医になるための研修だとか、生涯教育としての専門 医のための研修というはっきりした位置付けができると思うのです。ぜひそれはこの委 員会の発展的な姿として、子どもの心を診る専門医という発想に結びついてもらえれば ありがたいです。 ○杉山委員  2番目と3番目が結びついているという前提で一つクレームを付けたいと思うのです が、先ほど小児科と精神科で同じものを使うのかと申し上げたのですが、トレーニング の過程で随分違うと思うのです。例えば子どもの心の問題はある程度深く入るとすると、 精神科医である私から見て小児科の先生方は人のいい方が多いのです。心の問題を扱う 場合には悪意で人を見るということが非常に必要になってきて、専門的にやっていらっ しゃるこの辺の小児科医の方ですと十分人が悪くなっていらっしゃるというか、そうい うところが多分必要なトレーニングになってくるのだと思います。それから、患者が治 らないことにフラストレーションを起こさないとか、そういうちょっとした部分とか、 逆に精神科医は発達の視点がない。そういうところというのは、実はあるレベルから上 に行くときに非常に大事なトレーニングになってくると思います。 ○柳澤座長  今議論されているようなことは、ある意味では高度専門的な医師の養成ということに かかわってくると思うのですが、それについては今日の後半で十分に議論する時間を取 りたいと思います。このテキストの作成、また計画している研修会の進捗状況の報告と いうのはこの辺でとどめさせていただいて、厚生労働省の方でも来年度19年度に研修 事業などの取り組みを行うと伺っていますので、これについて事務局の方からご説明を お願いします。 ○千村母子保健課長  2点ほど簡単にご説明を申し上げます。1点目ですが、子どもの心の診療研修会とい ったようなものを平成19年9月頃をめどに開催したいと思っています。これは厚生労 働省、恩賜財団母子愛育会、日本小児科医会の共催ということを考えているもので、一 般小児科医・精神科医等広く子ども心の診療に携わっていらっしゃる先生方、あるいは この問題に関心を持つ先生方を対象にしたいと考えているものです。2点目ですが、こ の検討会で作成していただきました各種の子どもの心の診療テキストを普及したいと考 えていまして、そのための予算を19年度に計上させていただく予定にしています。具 体的な方法等につきましてはこれから検討していきますが、できるだけ幅広く小児科 医・精神科医、それから関係団体等々にこのテキストを配布し、関係者の皆さまの意識 を高める手立ての一つにしたいということで、この2点を19年度に実施していこうと 考えています。以上簡単な報告です。 ○柳澤座長  ありがとうございました。厚生労働省としても平成19年度にこういった研修、それ から今作ろうとしているテキストの普及といったことに予算を組んでくださっていると いうことで、大変ありがたいことだと思います。 ○森委員  今お話を聞き漏らしたのですが、19年度のものは三つのランクのどこの研修というこ とですか。 ○千村母子保健課長  一般小児科医・精神科医の部分ということです。 ○森委員  昨年度の議論の中では、1番裾野を広げるそこの部分は小児科と精神科は一応別立て で考えたのですね。そこら辺のところはどういうふうに配慮するのかということを一つ 質問したい。もう一つ、日本精神科病院協会の立場から話をしなければいけないのです が、日本精神科病院協会で精神・障害保健課の方と今までずっと研修会をやってきてい ます。一般精神科医に向けての研修会を3日間やってきていて、ここにいらっしゃる委 員にご協力を願ってやってきたものがあるのですが、それとの関係はどういうふうにな るのですか。それも予算付けをしなければいけない話だと思いますので、その2点をお 教えください。 ○山本障害保健福祉部課長補佐  精神・障害保健課の方で日本精神科病院協会にご協力をいただいています研修につい ては来年度も予算を確保していますので、またご相談させていただくことになると思い ます。母子保健課の研修との関係につきましては、今後ご相談をさせていただくことに なると思いますが、よろしいでしょうか。 ○森委員  うまくリンクができた方が受講者にとってわかりやすいと思うので、そこら辺のとこ ろの整理をお願いしたいということ。それから1点目の、小児科医と精神科医を一緒に 集めるということの問題点はないのでしょうか。 ○千村母子保健課長   今ご説明申し上げたのは、ごく大ざっぱな来年度の予定ということで、具体的にどの ような形で開催をするかということも含めてこれから具体的に検討していきます。そう いった点では今日この場でご議論いただいた点も十分参考にさせていただきまして、開 催をしていきたいと考えています。 ○柳澤座長  平成19年の秋に予定している研修会に関しては、まだ非常に漠然とした状態で、一 応予算だけは取ったという段階と私も聞いています。それにしてもこういった予算的な 裏付け、他にもいろいろな関係者、そういった立場立場でこういった研修の機会などを 作っていただくということが非常に大事なのではないかと思います。以上のような点に 関しては引き続き作業を進めることとして、次回3月の検討会でまた進捗状況の確認を したいと思います。  それでは次の話題に変えさせていただいて、高度専門的な医師の養成の方法に移りた いと思います。何度も話の出ております逆三角形の頂点に当たる第3の高度専門的な医 師グループについては、昨年度は詳細な検討が行われませんでした。今回、その養成方 法について改めて具体的な検討を行っていただきたいと思います。養成研修のあり方を なるべく具体的に提言する必要がありますので、議論を効率的に進めるために厚生労働 省の事務局と一緒に論点整理を行っていただく委員として、前回の検討会の際に齋藤委 員と奥山委員を指名させていただきました。最初に、今回、議論のたたき台として配ら れております資料3について事務局の方から説明をお願いいたします。 ○齋藤母子保健課長補佐  事務局の方からは、たたき台の資料3の構成について簡単にご説明をさせていただき ます。内容面については、この後に引き続き齋藤委員からご説明をお願いできればと存 じます。  まずこの資料3は、平成17年度の検討会報告書の際にいただきましたご意見や報告 書の記載などを基に作成しております。17年度はこの領域の高度専門的な医師の具体的 な養成方法に関して議論を深める必要があるというご指摘をちょうだいしましたので、 今回そのたたき台としてご用意させていただきました。  このたたき台は二つのパートに分かれています。まず、1・2ページ目のところは「子 どもの心」の診療に専門的に携わる医師のための研修の現状についてという現状編でご ざいます。現状編につきましては17年の報告書のカテゴリーを用い、齋藤委員が中心 となって実施されている調査などを基にアップデートをさせていただいているものでご ざいます。また2ページ目のところには参考といたしまして、実際にこの領域の3番目 の医師グループが何人おられるか、また推計をするならば何人ぐらい必要と考えられる のかということにつきまして、齋藤委員に相談し推計というものを追加しています。そ の試算の方法につきましては、その後に参考1という2枚組みの資料をお付けしていま す。  引き続きまして後半の3・4ページ目ですが、実際の医師の養成の方法について、17 年度の報告書の記載と、一部いただきました意見集などを参考といたしまして、六つほ ど論点を整理させていただきました。もちろん論点がこれに尽きるということではござ いません。実際に大きく分けるとこのような問題なども考えられるのではないかという ものをまとめさせていただき、それぞれ(1)〜(6)に論点を整理しております。幾つかの記 載の後には★印と斜体で、特に掘り下げてご意見をちょうだいするとすればこのような 点はいかがでしょうかという論点につきまして追加をさせていただいています。  なお、参考資料としてあと2点ほどございます。1つはパート1の現状編のところに 出て参ります全国児童青年精神科医療施設協議会と日本小児総合医療施設協議会の会員 名簿を別紙1・2としてお付けしています。今回、日本小児総合医療施設協議会の方か ら新しい名簿をちょうだいいたしましたので、机の上に1枚追加をさせていただいてお ります。こちらの新しい方を更新版としてご活用ください。  最後に別紙3のやや大きな綴りです。こちらの方は本文中に少し記載させていただい ておりますように、現状編のところの実際の専門レジデント研修の例として、主だった もののプログラムを参考としてご用意させていただきました。 ○柳澤座長  ありがとうございました。それでは、もう少し内容に踏み込んだご説明を齋藤委員に お願いします。 ○齋藤委員  説明させていただきます。資料3に沿ってお話させていただきますけれども、最初に 2ページ目の(参考)というところで、現実に今いる逆三角形の先端の部分の医者の状況と、 これから日本でこうした活動がもっと広がっていくためにはこれがどれぐらいのグルー プになるか、すなわち今考えているこの研修の養成システムが、いったいどれくらいの 人間を常に供給し続ける研修体制でなければならないかという目標を最初にご説明させ ていただきたいと思います。  現在、一つの地域を都道府県単位でイメージさせていただきますと、そういうところ に全国児童青年精神科医療施設協議会に所属する子どもの精神科部門、これはベッドを 持つという意味ですが、そういったものを持つ病院群がありますのと、もう一つは日本 小児総合医療施設協議会に所属する県立の子ども病院等の協議会でありますけれども、 この中で子どもの心の問題にそういう機能を付与している機関、特にただ今の全国児童 青年精神科医療施設協議会と類似の地域の中核機能になっておられるようなところとい うのを含めまして、そういうところで働いている常勤医師、それから後で触れますが最 近では大学病院の中にもそうした機能を持つ病院が増えてきまして、そうしたところで 働く子どもの心の診療に専ら携わっていると思われる人数というのは、常に揺れており ますので確定何名ということは言えませんけれども、60人台だと思います。わずかそれ ぐらいしかないわけです。この(参考)のところを話し始めましたのでもう少し続けさせ ていただきますが、現在あるこうした病院とその病院を持つ地域における子どもの心の 医療のネットワークというものがきちんと動いていて、概ね専門的な医師が何人ぐらい いるか、研修もきちんとやっているということがほぼ把握できる、人数と内容が把握で きる地域というのをモデル的に取り出してみまして、それが8都道府県だったのですけ れども、それが参考1です。都道府県で言いますと、北海道、千葉、東京、山梨、静岡、 三重、大阪、島根という地域が、医師の数と研修体制とネットワークの存在ということ が確認できる場所でしたので、仮に試算の対象とさせていただきました。そうしますと、 そういう機関で働いている常勤医師というのは平均しますと全国で7.5人、体を半分に はできませんので8人ということになります。都道府県での20歳未満の子どもおよび 青年の100万人に対する医師数が7〜8人という試算ができました。現時点では数を把 握できなかったものですから、そうしたことがない中に愛知も入れてしまって申し訳な いのですが、これを当てはめていきますと、やはり全国の子どもの人口というのは地域 によってかなりばらつきがありますので、こうした機関がない県にも普及していくとす れば結果的には100万人当たりあと147名ぐらいの専門的医師が最低限必要になるだろ うということです。これは最低限です。こうした試算をしまして、今いる人間と合わせ ると全国では200名を少し超えるくらいです。ただしこれはここに挙げました幾つかの 専門機関が、たいてい3カ月〜半年、事情によっては1年近く初診まで待たせてしまっ たり、入院を順番待ちさせたりしているという状況を考えますと、この200名という数 字は最低限の数字であって、これに若い人の研修まで含めますと2〜3倍は当然必要だ ろうと考えられる数字であります。(参考)というところはそういうことを表しておりま す。そして、現在70名弱いる専門医と、その専門医が辞めたりして補充をしていかな ければならない、あるいは現在も新たに設置されているこうした医療機関が少しずつで すけれども増えてきておりますが、そこで人を集めるのに非常に苦労するという状況を 見ますと、今の専ら心の診療に携わる医師たちの研修養成状況はどうなっているのかと いうことになるかと思います。それが先頭に戻りまして現状でございます。  この現状を見ますと、ほぼ研修プログラムを持って、専門的に地域の最も重いケース まで入院を含めた医療をもってこたえられる診療内容に携わる医師たちを養成している 機関は、およそ13カ所であるということが、柳澤座長の班で行いました調査などの中 で明らかになってきております。内訳は国立高度専門医療センター(ナショナルセンタ ー)の、一つは国立精神・神経センターの私が所属します国府台病院の児童精神科、それ から国立成育医療センターにおける心の診療部門、この二つがナショナルセンターであ り、レジデント制度を持っておりまして、現在合わせて20人前後のレジデントを抱え、 毎年その内の1/3ほどが卒業していくという状況になっております。  それから2番目のグループは、先ほど申し上げました全国児童青年精神科医療施設協 議会に加盟している病院であります。これは児童青年の専用精神科病棟を持つ病院が主 として正会員となっている、西田委員が代表を務めております協議会です。この協議会 には正会員が17病院ありますが、その中で6施設が専門レジデント研修の受け入れを 行っているということがわかっております。内容は国府台病院がここに入っております ので重なりますが、国立精神・神経センター国府台病院、東京都立梅ヶ丘病院、神奈川 県立こども医療センター、大阪市立総合医療センター、静岡県立こころの診療センター、 三重県立小児心療センター。西田委員のところは常勤として研修を希望する医師を受け 入れる枠があるということです。こんな形で国立精神・神経センター国府台病院は既に カウントしてありますのでマイナス1になりますが、5施設がこの全国児童青年精神科 医療施設協議会の中では構造化された研修システムを持っているということがわかって おります。  それから、日本小児総合医療施設協議会はこの検討会では杉山委員が代表として出席 していただいております。ここでは4施設と書いてありますが今日の新しい名簿を見ま すと東京都立梅ヶ丘病院も入っておられるので、数字は修正しなければいけないかもし れません。ただ、そのほとんどが国立成育医療センターはナショナルセンターで既に申 し上げましたし、神奈川県立こども医療センター、大阪市立総合医療センター、東京都 立梅ヶ丘病院は全国児童青年精神科医療施設協議会のメンバーでもあります。今見ます とあいち小児保健医療総合センター、杉山委員のところが一つ挙げることができるかと 思います。  最後に医学部の付属病院で子どもの心の診療に関する臨床研修を行っている病院を持 つ大学が、今回の調査では漏れているところがあるかもしれませんが、少なくとも5カ 所はあります。信州大学、東京大学、横浜市立大学、九州大学、東海大学の5大学はそ ういうものを持つとご回答いただきました。これらを合わせた数字が13カ所というこ とになっております。  これは現状でもレジデント希望の先生方を何人かお断りしているという状況もありま す。あまり受け入れますと診療の内容に影響して参りますので、どうしても許容範囲が あります。そういうことを考えますと現在でも足りません。今後新たな機関が設置され ていくと、少なくともこの1・2年、それから来年度を含めましても、例えば埼玉県で も始まっておりますし、栃木県では自治医科大学を中心に始まっておりますし、5月か らは岡山県立岡山病院が病棟改棟を用意しております。その他少しずつですが増加しつ つありますけれども、こうしたところに専門的な医師を配置していくための研修を現状 で作り得ているかというと、正直申し上げて現状で埋めるのがトントンなのです。定年 になられる医師を含めて抜けていかれる医師と若いレジデント出身の医師を全国に補充 しているのとがほとんど釣り合ってしまっていて、新たに開こうとする先生方が人集め に非常に苦労しておられるというのが現状です。そうしますと、やはりこのままではこ の層の医師を養成するという体制としては心もとないということで、3ページの2から 幾つかの提言をさせていただいております。  これはあくまで当面はこれくらいかということで6点ほど掲げております。先ほど事 務局からのご説明にもありましたけれども、★印とイタリックで書いてあります部分は、 この点については委員の方はどうお考えでしょうかと特にご意見を伺いたい部分なので すけれども、このように論点も含めて6点ほど挙げております。簡単に説明させていた だきますと、(1)はどうしてもこの層の医師を育てるためには2〜3年間のレジデント研 修が基本であろう。教えられるだけではなくて実際に診療に当たりながら指導員によっ て導かれていくというプロセスにどうしても数年間必要とするのではないかという点で は、今のところ我々はこんなものではないかと思っています。それにしても、それでは 待っていられないというニードが一方ではございますので、それでは1年程度の研修で、 不満な面も多々ありますが、そのぐらいのもう少し短いコースがあってもいいのかとい うところは検討の余地があると感じております。実際問題として我々のところやその他 の研修を受け入れる場所を見ておりますと、2年・3年というのが基本ではあっても、1 年間だけ特殊事情でどうしてもという方を一部は受け入れているというのが現状ですの で、それをもう少し組織的にできないかという辺りが検討課題かと思います。  2点目は、少ないけれども研修を行っている、あるいはそういう制度を曲がりなりに も持つところが、例えばナショナルセンターの二つ以外にもあるわけでして、こうした 施設はできるだけその地域の中核機関として地域や全国で行う研修会等にさまざまな支 援をしてほしいと思います。受け入れたレジデントの研修だけではなくて、もう少し開 けた研修への協力ということも考慮してもらえないかということです。  3点目は、そういうところをもっと増やしてほしいという点で言うと、全国児童青年 精神科医療施設協議会とか日本小児総合医療施設協議会の加盟病院の一部しかレジデン ト制度をもっておりませんけれども、もう少し心の診療に当たる医師の養成のために枠 を作るという前向きな努力を、この領域でしていただけないかということです。特にこ の二つの協議会に加盟する病院には、そうした取組をお願いできないかという提言であ ります。その中で、先ほどから小児科と精神科という課題も出てきていますけれども、 加盟病院間でのレジデントの研修交流ということもゆくゆくは進めていければという、 そういう体制を検討してもらいたいということを提言の中に盛り込んでいます。これは 小児科と精神科の相互に、小児科から精神科を研修し小児科に戻っていく、精神科から 小児科の研修を行って精神科に戻っていく方たちのニードにもこたえるものということ です。それから、基本的な知識、どちらかのスタンスでずっと専門的にやってきている のだけれども、精神科でずっとやってきた人間が小児科の身体ケアの技能もある程度身 につけたいということで、比較的短期の研修に臨むとか、逆に小児科の方から大人の精 神科の診療の内容や感覚というものを少しでも研修したいということで比較的短期の研 修などが可能かどうかというような点も課題として、両方の協議会の各加盟病院に検討 してもらえるとありがたいという方向性です。  4番目は、大学病院でも子どもの心の診療を行う診療部門が設置されてきております けれども、まだ一桁の水準ですので、さらに増やしていくとともに専門的研修について もプログラムを設定していただけるととてもありがたいという診療側からの希望です。  5番目は、一応、公共団体に希望するところではありますが、同時にこうした子ども の心の診療のネットワークというのは基本的にはどんな機関が加わってどういうように 作り上げられていくものかということが、おおよそおわかりいただけるような内容にな っております。「子ども病院、公立病院の精神科、精神保健福祉センター、児童相談所、 発達障害者支援センター、情緒障害児短期治療施設などの、医療、保健福祉、教育など の地域関係機関が連携協力して、地域の実情と需要に対応できるよう、子どもの心の相 談・診療体制の整備を行う」という、これはまさにネットワークを作ってくださいとい うことになるわけです。「そのためには」というところが、今回のこの検討会の独自のと ころだと思います。従来、ここまでの提言はあったと思うのですけれども、それを意義 あるネットワークにするためには都道府県単位にせめて1カ所くらいは、心の診療を専 門的に行える中核医療機関がないとネットワークは機能しないという我々の経験から、 そうした中核医療機関を設置することに努めていただけないかという提言が含まれてお ります。それは専用病棟を持っていることが望ましいということになります。例えば、 公立精神科病院、公立病院の小児科や小児病院に児童・思春期部門を併設する。地域の 診療専門機関としての機能の他、子どもの心の診療に関する地域における専門研修期間 としての機能をそうした機関は付与するという、こういったことが考えられるのではな いかという提言です。  最後の提言は、先ほどから申し上げております全国児童青年精神科医療施設協議会、 日本小児総合医療施設協議会、大学のこの三つのフィールドの機関群は、各都道府県に おける専門医療機関や養成研修の現状について調査研究を実施し、全国的に情報発信を 行いながら相互連携を促していくということを期待したいということです。大体こうい う提言をまとめることができれば、日本全国で子どもの心の診療へということで、もう 少し意識が高まっていただけるのではないかと期待しております。 ○柳澤座長  ありがとうございました。専ら子どもの心の診療に従事する医師、高度な専門性を持 った医師の養成ということに関して、その現状と、一応目標とするような数のご説明と ともに、養成に関しての提言を述べていただきました。奥山委員から何か追加すること はありますか。よろしいでしょうか。それでは今のご説明に対しての質問あるいはご意 見をいただきたいと思います。 ○ 西田委員  斉藤委員にうまくまとめていただいて、アンケートに答えたかいがありました。三重 県は日本の平均的な県です。あすなろ学園と関係機関がこどもの臨床に関して現実的な ネットワークが組めています。この資料を見ると医師の数も三重県が一番多いようです けれど、それでもかろうじてカバーできているという思いがあります。子どもの医療と いうのは、子どもを地域から離せば離すほど、地域に帰っていけなくなります。なるべ く短期間に地域に帰していく、そして地域で支えるという機能がいるのだと思います。 そうするとやはり、範囲が限定されたエリアの中でそういう専門機能と地域の一般機能 が結びつくような医療体系を経験することが、専門医になる条件ではないかと思います。  実際に若い医師がたくさん研修にきましたが、自分のそれまでのやり方を変えようと せず診療に携わるとあまり専門性が育たなかったように思います。他職種と一緒にケー ス・ワークを経験し、フォロー・アップや予防、治療計画を経験していくと、1年でも コツのようなものを体得できていました。地域で実際の臨床をやっている全国児童青年 精神科医療施設協議会のようなところで、レジデント制度をもっと採用されて、そこで 1から3年ぐらい経験すると、本当に児童の高度な専門医療が実際に出来る医師が育つ のではないかと思います。  それと、県を説得するのは医療経済的な説明が必要です。研修医師は3ヶ月ぐらいす ると実際の診療行為が少し出来るようになりますので収入が上がります。給料も年間 500万ぐらいだしても大丈夫のようです。定数を増やすことは困難ですが、非常勤医師 の対応であれば何とかなると思います。全国児童青年精神科医療施設協議会に加盟して いるところが1から2名のレジデントを受け入れていくといいと思います。地方公共団 体は厚生労働省からの要請があると動いてくれると思いますのでよろしくお願いします。 ○柳澤座長  全国児童青年精神科医療施設協議会でレジデント研修が一応可能な病院というのは6 施設とここに書いてあるわけですけれども、正会員その他の多くの施設としても、今、 西田委員から説明をいただいたような形で受け入れを拡大していきたいと。  もう一つ、ここで望まれている小児総合医療施設協議会の方に関しては、ついこの間 開院したばかりの自治医科大学とちぎ子ども医療センターも子どもの心の診療科がある わけで、入院施設も今度オープンすると伺っていますので、この数に加わってくると思 います。いわゆる小児病院に関して、ここに提言されているようなことに関して杉山委 員はどのようにお考えでしょうか。 ○杉山委員   実際にレジデントの育成に当たってみて、先ほどから出てくる、小児科から来られた 先生と精神科から来られた先生でやはり随分違うというのが実感です。やはり一緒にや って、一緒に診て、実際にケースを持ってもらって、一緒にスーパーバイズをやらない と駄目なのです。そうしますと、育てることができる数というのは、やはりどうしても 限りがあります。  それからもう一つの大きな壁が、西田委員が言われた県なのです。去年私はレジデン トの希望者を2人断りました。それも結局病院全体の枠がありますから、来たいという 人を全員受け入れることができなかったのです。私は頭に来てマスコミを動員して少し 攻撃をしました。今年はそういうことでは少しレジデントは増えたみたいなのですけれ ども、そういうゲリラ作戦をいつもやらないと、研修の場すら確保できないというのが 現状です。 ○柳澤座長  現状はそうですけれども、そこを何とかという。桃井委員。 ○桃井委員   2点ですが、一つは医者の数です。医者の数によって、どういう体制が必要かが出て くるので、極めて重要なところだと思います。せっかく厚生労働省が主宰しておられる 委員会ですから、やはりこれは国家がいろいろな所にお金を投入しなければいけない課 題であると思うのです。医師の養成に必要なのは、やはり指導医の養成であると思いま す。指導医の養成と、指導医の数ももちろん引っかかってくるのですが、不確かであれ ば後で修正したいと思いますが、アメリカの精神医学のチャイルドのボードサーティフ ァイドは6,000人ぐらいだと記憶しております。人口割としても日本ですと2,000人に なってしまいます。この数は10分の1です。本当にこの数で体制を考えていいのかと。 もちろん先ほどのご説明で、大幅に超えるものと推定されるというご説明があったので、 そのようなご理解の下だと思いますが、やはり各国のチャイルドサイキアトリストの数 などを、先進国の数を検討して、本当にどのぐらいの体制の医師を考えるのか。この1、 2年の問題ではありませんので、国家としてどのぐらいの医師の養成の体制を本気に考 えるのかという数を、やはりきちんと根拠のある数を出すべきだと思うのです。それに よってそれでは指導医がどれぐらい必要なのかと。指導医が足りないことは十分皆さま そのようにお考えだと思いますので、それであれば指導医を養成するために国家がどれ ぐらいお金を投入したらいいのか、海外留学も含め、留学研修も含めて、そういう数を きちんとたたき台にして、体制を考えるべきではないかと思います。  それからもう一つですが、まず当初の議論からの専門医ということと、専門とする医 師という言葉の使い方でいろいろと議論がありましたが、もはやどちらでもいいと思い ますけれども、専門医ということを考えるときに、日本専門医認定制機構の中に入って いる、精神科の専門医というのが基盤領域にあり、小児科の専門医が基盤領域にあると。 この児童精神、子どもの精神というのは、サブスペシャリティ領域に属すると思います ので、それではどこを基盤にして、両方を基盤にしてこのサブスペシャリティを考えて いくのか。基盤とするところを両方からもできるような形にするのか、その辺をはっき りしておきませんと、専門医制度の協議の連絡協議会の機構と全く別のところが出来上 がっても困りますし、もちろんそれは精神科医の基盤領域の精神専門医である精神科医 の専門医のところと全く違うと、その機構の中で考えている、日本全体で考える専門医 制度と全く違うところで何かが生じているということは、また困るでしょうし、その辺 が明確になりませんとまず国民にわかりにくいということを当初から申し上げています が、そういう意味では、精神科の専門医からは当然でございますけれども、基盤領域の 小児科の専門医からもなれる形にするのか。そこを明確にすることによって、研修体制 は大きく変わってくると思います。その2点を申し上げます。 ○柳澤座長  後半の部分ですけれども、その専門とする医師と専門医に関しては、これは平成17 年度からのこの検討会の議論として、私は常にこの検討会で、いわゆる各学会が今まで それぞれ作り上げてきたような専門医制度というものには触れないといいますか、検討 はしないということを前提にして話をしています。だから専門的な医師、あるいは高度 専門的な医師とそういう言い方をしているわけです。今おっしゃったような小児科専門 医あるいは精神科の専門医を基盤としたサブスペシャリティとしての専門医というもの が、これから将来的にこの検討会とは別に、例えば、先ほど出てきた関連6医学会の連 絡会などを基盤にしてできてくるかもしれません。でもそれはここの検討会での議論に 連続するものではないと、そういうようにさせていただきたい。 ○桃井委員  それは承知をしております。しかし議論の念頭の中には入っていませんと問題を生じ るだろうと思います。短期決戦の対策を練るのであればそれでよろしいと思いますが、 長期的な問題を考えているわけであれば、やはり念頭にはそのことは入れておかないと いけないと思います。 ○森委員  今、委員が言われたことはすごくよくわかるのですが、日本のシステムというのは、 今専門医のシステムも、認定のシステムも、特にサブスペシャリティに関しては一学会 が自由に作れるシステムなのです。ですから例の中間法人が監査をきちんとするという 部分は基盤の専門医であって、それはサブスペシャリティのところまで手が届かない状 況だろう、今後もそうだろうと私は判断をしています。ですから今、座長が言われたよ うに、サブスペシャリティについてここでやった議論を各学会に認識してもらうことが 望ましいということは言えると思うのですが、作られてしまうものに対してここで止め ることは多分できないだろうというのが今の学会制度の問題なのです。学会の専門医制 度の問題ですから、そこに触れてしまうと、恐らくこの議論はとんでもない方へ広がっ てしまうので、これはかなり難しいのではないかというのが私の感想です。 ○柳澤座長  私からも、制度としての専門医に関しては、念頭に置かれるのはいいわけですけれど も、検討しないということは申し上げておきたい。 ○山内委員  少し視点をずらして、先ほど杉山委員がお話したことと関連して齋藤委員のこの(3) です。小児科と精神科の両方の経験をできないかという問題なのですが、私は杉山委員 が言うように、精神科医が悪いのか、小児科医が悪いのかよくわかりませんけれども、 これまではここの検討会でも最初に出自については問わないという議論があったと思い ますけれども、確かに小児科、精神科という厳然とした学問体系があって、その中で育 てられてきたので、一つの疾患に対しても、どちらから出てきたかによって見方が違っ たり、治療にまでそれが影響したりするということは今まではあったと思います。けれ ども実際に当事者から見れば、精神科にかかったらこんなことになってしまった、小児 科にかかったらこうだということはあってはならないわけで、少なくともこの逆三角形 の2番目、3番目に関しては、両方が一緒になるというのが私は今後求めていく目標で はないかと思います。大学は今は講座の枠を低くして、教育も統合カリキュラムと言っ て、臓器別、機能別にやる方向に変わってきているのです。我々の世代はそういう厳然 とした学問体系の中でやってきたので、どうしても抵抗がありますけれども、我々が意 識を変えてそちらの方向に行かないと、今の卒前教育などと合わなくなってきてしまう ことがあります。ぜひ我々が求める方向としては、小児科であろうと、精神科の医師で あったとしても、少なくとも専門的な医療に関しては、共通の認識・理解を持つという 方向で行った方がいいと思いますので、(3)は非常に重要なことだと思っております。 ○杉山委員   厚生労働省の委員会なので、ここで多分大事になってくるのは経済的な問題です。小 児科医標榜だと通院精神療法が取れないですよね。そうすると心身医療のあれが倍にな りましたけれども、やはり赤字になるのです。こういう共通の問題として、もしやるの であれば、小児科医の標榜でも通院精神療法が取れるなど、そういうような改善が多分 必要なのだと思います。 ○市川委員  入院になりますと精神科は1日全額で800点少ないという現状がありまして、大赤 字になっています。基本的には子どもの精神科の標榜ができないからだろうと思います。 もちろん経済的な問題があるので現状でやっていくしかないわけです。杉山委員から、 「いかに違うか」というお話がありましたが、私は「どこが同じか」で、立ち上げてい かなければならないと思います。私どもの研修システムは小児科出身の方も精神科出身 の方も受け入れていて、確かに初めは違いますけれども、1年もたてば、医者のセンス の問題であり、何科出身かは関係ないという気がしてます。どこが違う点かを詰めるた めにこの会を開いていると思いますので、ぜひ「どこが共通か」を考えて立ち上げてい かれた方がよいと思います。 ○柳澤座長  成育医療センターのこころの診療部も両方の基盤の医師が研修していますので、そう いう状況はどうですか。 ○奥山委員  実は、日本児童青年精神医学会で齋藤委員がシンポジウムを組まれたときにもそうい うお話が結構出ていたのですが、最近の若い先生の中には、結構どちらも研修しておら れる方がおられます。小児科だけでずっと、精神科だけでずっとという先生も、もちろ んおられるのですけれども、両方やってみたいという先生が増えておられるような気が します。うちは小児科出身と精神科出身の両方先生方のトレーニングを行っていますが、 最初の半年ぐらいは、小児科出身の先生も精神科出身の先生も、どこかでアイデンティ ティ・クライシスを起こされます。けれども1年ぐらいたってくると、いわゆる小児精 神をきちんとやる、児童精神をきちんとやるというところに収まっていく傾向がありま す。ですから逆に言うと、違ったものに触れたアイデンティティ・クライシスは、結構 必要なところがあるのかなと思っています。けれども、山内委員がおっしゃったように 共通の基盤というのが必要ですが、その上に精神科出身の先生方の特徴、小児科出身の 特徴はそれなりに持っていても構わないのだろうと思います。どちらであろうと知って いなければいけないベースラインは絶対に共通で習得すべきものがありますけれども、 その上にバラエティーは付けていける問題だと思います。 ○今村委員  私ども医師会の反省点でもございますけれども、子どもの医療あるいは心の医療とい う方面につきましては、若干の力の入れ方の不足があったのかなという感じもございま す。  また私どもは精神科の先生方とはもちろん知り合いなのですけれども、例えば厚生労 働省の中でこういうふうにお会いする、あるいは都道府県レベルで言えば、県庁内のど こかでお会いしてごあいさつをするという感じになって参りまして、個人的、あるいは 学会、医会を通じて精神科の先生方とお会いするというのはむしろ非常に今まで少なか ったのです。そういう意味で先ほど研修会の中にも医師会が入っていなかったという、 お互いに存在が希薄だったという部分が多分あるのだろうと。そういう意味で私どもは 特に子どもの心の問題につきましては、「子ども支援日本医師会宣言」というものを出さ せていただいて、こういう方面にも日本医師会としても非常に強くコミットしていくの だという姿勢を強く出させていただいたのですけれども、これからもぜひ私どもも強く かかわっていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○柳澤座長  その点は、私としても大変心強く思いますし、ぜひお願いしたい。  あと先ほど少しご意見がありましたけれども、定員の問題、レジデントの定員もそう ですし、それから指導する立場の人材の確保と、それから診療報酬など、そういったこ とも今の議論の中にありましたが、今年度中に作り上げて出さなければならない検討会 の報告書としては、単に国に要望するというものではなくて、こうすればこうなるとい うような具体的な提言でないとならないと思います。そういう観点からぜひご意見をい ただきたいと思います。 ○宮本委員  今の観点についても言いますが、先ほどの議論について一つだけ確認です。今の小児 科か精神科かとか、出自がどうのこうのというのは、基本的にはあまり考えなくてもい いだろうという議論は、これは高度に専門的な診療を行う医師に関してということは、 やはり前提として押さえておく必要があるだろうと思うのです。 ○柳澤座長  今日議論しているのはそれですから。 ○宮本委員  ですから一般の小児科医・精神科医においては、違いというのは明確に、明確にと言 うと言い過ぎかもしれませんが、ある程度踏まえておく必要がもちろんあるのだろうと 思います。そしてその上で高度の専門的な診療を行っている場合、小児科だろうが精神 科だろうが、例えば、他のどの医学のサブスペシャリティもそうですが、例えば循環器 が専門といっても、実際にはその中で不整脈が得意だけれども心筋症はちょっとねなど、 そういう得意、不得意はあるわけですから、そうすれば小児科出自では統合失調症は少 し無理だなどと、そういうことがあっても全然おかしくないだろうと思います。それが 一つです。  それと現実的な対応ということでは、私は齋藤委員が出された中で(5)が非常に重要で はないかと思っております。これは養成についての話ではありますけれども、やはり地 域の診療体制との兼ね合いが非常に重要だろうと思うわけです。それと高度の専門的な 診療をする人たちの役割、位置付けというのも、とても大事だろうと思います。何を言 いたいかと言うと、特に資源の少ない状況では、高度に専門的な診療をしている人が極 端に言えば合併症もない自閉症を診る必要はない。そういった状況を踏まえた上でと言 うと、やはりある地域の診療圏を想定した中での養成体制ということを具体的に考える というのが、現実的なのではないかと思います。 ○齋藤委員  先ほど委員がおっしゃいました医療経済的な側面について、一言だけ。宮本委員にも ご指摘いただいたように、5番目の地方公共団体の範囲の中でのネットワーク作りとい う中で、中核病院作りというのは非常に重要な部分で、これを全国に広げ得るかどうか によって、この医師グループがどれだけの人数まで増え得るかということも決定してく ると思います。加えてユーザーと言うかコンシューマーの側から見れば、こんなひどい 問題は診られませんと地域の中で言われてしまうことがかなり防げる。深さのある体制 づくりにもつながっていくわけで、ところがこの中核病院がなぜできないか、なぜ作り にくいかといったら、やはり医療経済的バックアップがないということにあるわけです。 しかも中核病院の任務の多くは、地域の中で最も重症なケースを引き受けることが多い ということになるわけですから、これは時と場合によりましては、子どもの人権につい ていささかの制限を加えなくてはならないというところまで踏み込んだ治療がしばしば 必要になると考えますと、どうしても精神病床の中でやらざるを得ない。ところが精神 病床でやると、小児病床に比べて非常に医療経済的には苦しいということから、やはり 子どもの精神科、あるいは子どもの心の入院診療においては非常にたくさんのマンパワ ーが必要だということ、そしてさまざまな教育や養育上の環境設定が必要だということ 考えますと、やはりかなり経済的なバックアップする必要がある。それをもってやはり 全国に普及させる根拠とすべきだと考えております。 ○柳澤座長  全くおっしゃる通りだと思います。座長としてあまり意見を差し挟むのは適切ではな いかもしれませんけれども、この(5)の後半の「そのためには」というところからが、こ の報告書がもし完成するとすれば一番重要なところだと思っています。  はい、どうぞ。 ○森委員  少し追加をしたいのですが、この議論はもともと逆三角形というところがベースとな っている。逆三角形というのはそれぞれ役割分担が少し違うのです。問題なのは、今出 ている医療経済の問題もそうなのですけれども、地域にこれからフィードバックされな いといけないわけですけれども、地域に役割分担が実はされていない。地域の医療機関 というのはというのは実は役割分担があるようで、実際には役割分担がなされていない。 一時期、中核病院とそれに関連する病院、あるいはゲートキーパーになるような診療所 というような役割分担を国は計画をしたけれども、実際にはそうなっていないのです。 ですから逆三角形がきちんと機能するためには、地域の子どもに対する役割分担もきち んと機能させないといけない。要するに施設的な問題です。そういうところに対してお 金の付け方をきちんと変えていかないと、最終的にはこの逆三角形はグジャグジャにな ると思います。ですから今の医療経済の問題というのはまさにそこの部分だと私は思っ ていて、地域のまさに施設の役割分担などといった部分が、一部の地域ではうまくでき ているのかもしれないですけれども、多くの地域ではそうできていないわけです。それ はどういうことかというと、一律の医療経済的な配慮しかされていない、いろいろな補 助金の出具合が違うなど、いろいろな問題があると。それはお金の問題も非常にかかわ っているし、国の方針も、言ってみたけれどもそれに対する機能分担、機能分化ではな くて機能分担がうまくいっていない。そこら辺のことがクリアされないと、せっかく逆 三角形で、この三つにここで議論している深まりのある議論が結果的にはあまり役に立 たないかもしれないという危惧を抱きましたので、少し追加します ○柳澤座長  その点は私も同感で、役割分担あるいは地域のネットワークというものが、きちんと できること。それがなければ役割分担はできない。そのためにはこういった中核的な施 設が必要だと。それがないと養成もできないという、ぐるぐる回りになるのだろうと思 います。  はい、どうぞ。 ○奥山委員  それに関しても、子どもの特殊性を考えなくてはいけないと思います。先ほど西田委 員がおっしゃったように、子どもは環境によって相当変わってしまうので、その地域の レベルアップということが重要になってきます。もう一つの問題は昨今の要保護児童の 増加です。生活の基盤のない子どもたちの問題ということも非常に大きな問題になって きていて、医療だけでは抱えきれない生活基盤の問題も心の問題には非常にかかわって きます。例えば、児童相談所や、情緒障害児短期治療施設などとの係わりも考えていか なければなりません。今回は医療のことを中心に考えているわけですけれども、医療を 取り巻く周りの、子ども取り巻くシステムそれから生活の場ということをもう少し考え ながら、そのシステム作りというのをそれぞれの地域の特性に合わせてやっていってい ただかないと、子どもたちがいい方向に行かないのではないかと考えましたので、少し 発言させていただきました。 ○西田委員  子どもの専門医療機関を作るといっても、医療経済的にもなんとかやれるというのが ないと、皆さん手を上げれないと思うのです。そこで医者も養成できるし、地域のネッ トワークもその地域の特性をとらえながらできる、そういうシステム作りに関してモデ ルとなる取り組みが必要です。医者だけでなく、医療だけに特化していない、社会性の ある医療が必要となってくるので、そういうことはやはり国の施策としてバックアップ してもらわないと出来ないと思います。  そういうことを今実際にやっているところに、子どもの心の診療の専門レジデントを 限定して欲しい。それからその間は、アルバイトしないで研修に専従できるように、あ る程度の経済的なバックアップも必要と思います。病院としては収益が上がりますので、 そういうことも含めて提言すれば、それぞれの都道府県は手を上げると思うのです。 ○杉山委員  我々のセンターというのは、今ここで議論になっている一つの理想モデルになってい ると思うのです。あいち小児保健医療総合センターは子ども病院でありながら、中に院 内の小児保健センターがあって、そこが地域の諸機関との窓口になっていて、虐待のネ ットワークや、児童相談所からのケースが舞い込んでくる。そして小児科病棟でありな がら、閉鎖ユニットを持っているのです。これはいろいろな人権の問題がありますが、 小児科病棟のメリットというのは入院に関してまるめができているのです。その他の小 児科の医療に比べれば低いのですが、実はあいち小児保健医療総合センターの中の診療 単位の中では、困ったことに最高の収益を上げているのです。それはその例示なのです。 研修をやっていて、よそに頼っていられるかと、今年に小児科医対象の発達障害の実践 講座をやって、来年度は情緒障害の同じことをやるつもりです。それで医療ヒエラルキ ーを地域に作ってしまおう、逆紹介してやろうと今張り切っているのですが、それでな おかつ今みんな疲弊し尽くしているのです。もう医者がもたないのです。やはりこうい う状況というのを、全体を少し見直していただかないと。我々の地域というのは一つの 理想モデルを作ってきたと思うのですけども、やはりもたないです。その理由というの は、やはりニードがすごく大きいのに、専門家がすごく少なすぎるのです。そのことを 長期的に考えますと、私はやはり子ども病院よりも大学だと思います。大学がそのセク ションを持っているということ、医者の養成機関にそのセクションがないと、やはり駄 目なのではないでしょうか。 ○山内委員  大学側ということではないのですが、齋藤委員の挙げた(4)に少しそのことが触れられ ていて、あまり医療経済には立ち入らないという座長の方針があったものですから黙っ ていたのですが、実はこれはやるところは結構出てきたと思うのですが、結局やっても 採算が合わないというところが一つのネックになっていると思います。ですから、大学 の使命というのは我々はわかっていますし、卒前でもそういう教育をするということが すそ野を広げるということにもなりますし、精神科、小児科の研修でもでもそうだと思 っていますけれども、この辺を不採算でやるのは、独立行政法人化された所などは特に 今お金でものを考えていますので、困難なので、例えば市川委員の所や、杉山委員の所 でこうやれば大丈夫というモデルを示してもらえれば、みんなやるということになるか もしれないですけれども。疲弊してしまうと困りますけれども。 ○杉山委員  少しよろしいですか。大学では一番ネックになるのは、医療経済よりもこの領域をや っていて国際的なインターナショナル・ジャーナルに載るような論文にならないという ことだと思います。 ○山内委員  それは、最近はいろいろな大学のプロモーションや何かでも、インパクトファクター とかサイディング・インデックスだけに頼らない、どのくらいの診療能力があるかとい うことを重視するようになってきていますので、論文数だけではいかなくてもよいとは 思うのです。けれども、やはり病院長をはじめとして、それに「うん」と言ってもらえ ないとなかなか我々も動けない。 ○市川委員  私は、学会の関係で30年近く、「大学の中に子どもの精神科講座をつくってほしい」 と要望していて、現実にはできていません。それよりは、小児医療センターのようなも のをつくっていくべきではないでしょうか。東京都の場合は3年後に子どもの小児総合 医療施設をつくって、13の体の病棟と8つの心の病棟をつくり、(3)に当たる医師をつ くる方向でいます。採算の問題は、これはここで論じているだけでは解決しない問題だ と思います。この齋藤委員の資料は非常によくできていると思うのですが、やはり視点 としてもう一つ民間のクリニックをどこかに入れないとまずいのではないでしょうか。 ○柳澤座長  民間の、ですか。 ○市川委員  民間のクリニックも実際に第1段階ではありますし、恐らく、この専門のある医療機 関でも、民間のクリニックとの連携ということをやっていかない限り、いくら治療して も地元へ戻れないのではどうしようもないですし、現実にマンパワーは限られていると いうこともあります。この視点は入れておいていただければと思います。 ○柳澤座長  地域のネットワークという中にですね。 ○市川委員  そうです。前回も申し上げましたけれども、都内の場合、インフラが良いということ もあり、私どもの病院は入院を持ち、外来は民間を含めたクリニックにお願いすること を考えています。今40ぐらいの医療機関が入ってくれています。外来だけですと、精 神科は経済的に収支が合うということで、クリニックが新しくできています。ネットワ ークを作っていかなければいけないのではないかと思います。そういう住み分けもあり ますし、先ほどおっしゃった疾患による、小児科と精神科の住み分けもあります。その 辺りの住み分けを考えていくのが現実的だと思います。 ○柳澤座長  まだまだ、いろいろなご意見があると思うのですけれども、予定した時間になってし まいました。今日いただいた、さまざまな意見を加えて、このたたき台を事務局の方で リバイスし、それをまた齋藤委員や奧山委員と共に、次の検討会で示していただく。そ れを改めて議論するということにさせていただきたいと思います。今日は、他にも資料 を提出していただいた委員もいらっしゃるのですが、そのための時間を取ることができ ませんでした。座長の不手際で大変申し訳なく思います。今日の検討会での議論はひと まずこれでおしまいにさせていただきたいと思います。  事務局の方から何かございますか。 ○齋藤母子保健課長補佐  次回の第12回の検討会で平成18年度の取りまとめを行う予定ですけれども、現在日 程を調整中でございますので、確定次第ご連絡させていただきます。また、本日のたた き台に対してご意見などがありましたら、ぜひ事務局の方までお寄せいただければと思 います。ありがとうございます。 ○柳澤座長  そうですね。この場で、まだ述べ足りなかった意見などがもちろんあると思います。 それはぜひ事務局の方へ直接届けていただければと思います。その上で、次回、また案 を示していただくということにしたいと思います。今日は座長の不手際で延びてしまい ましたけれども、どうもありがとうございました。これでおしまいにしたいと思います。 ―終了― 照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課 電 話:(代表)03−5253−1111   齋 藤(内線:7933) 佐々木(内線:7938) 30