06/12/06 研修・技能実習制度研究会 第5回議事録 第5回 研修・技能実習制度研究会 日時 平成18年12月6日(水)10:00〜 場所 厚生労働省共用第7会議室 ○今野座長 第5回の研究会を開催します。本日は上林委員がご欠席です。当研究会に 課せられた当面の課題である「制度の適正化に関する事項」について、より議論を深める とともに、制度全体について引き続き総括的な議論をしていきたいと思います。  まず、事務局から資料の説明をお願いします。 ○外国人研修推進室長 前回まで「制度の適正化について」も含めて、研修段階・技能実 習移行段階において一通りの問題点等についてご議論いただきました。前回、この研究会 のミッションはというお話もございましたけれども、まずは「規制改革・民間開放推進3か年 計画」において、研修生の「実務研修中の法的保護の在り方」等、その制度の適正化に関 する部分については、本年度中に政府としての結論を求められています。それに資するご 議論をこの研究を通してお願いしたところですので、まず、この適正化の問題について、一 度議論をお願いできればと思って資料を用意しています。また、前回で総括的なご議論も ございましたので、それに関する資料もご用意しています。大きく資料1、2という形で2つ の資料を用意しています。ご説明させていただきます。  資料1−1ですが、制度の適正化に関する事項について問題点等を整理した上で、第3 回において労使のヒアリングも行いましたので、その中で出された適正化に関する意見を まとめています。  1頁の1は「『実務研修中の法的保護の在り方』について」ということです。「研修」と「労 働」の区別については、いわゆる「実務研修」においては、実際にその商品の生産等に従 事しながら技能を修得するという形態ですので、通常の勤務時間内の活動については、外 見上、それが「研修」なのか、資格外活動たる「労働」なのか、明確にできるかどうかという のが、1つの論点です。特に、組織的な労務管理が十分になされない零細の中小企業に おいて、「研修」としての性格、実効性を担保することが可能かどうかも論点だろうというこ とで、第2回の研究会においても整理して提示しています。  研修手当については、現在のところ、実態としては平均6〜7万円という研修手当が支給 されているわけですが、その手当の額の水準については、現行制度においては何ら基準 は示されていません。この研修手当の名のもとに、実態的には低賃金労働として扱われて いる例が見られるという問題があります。第2回の議論においても、そもそも研修手当とい うものの性格をどう位置づけるべきか、それは企業の実態によってさまざまであろうという 意見もありました。そういう性格があいまいな中で、この研修手当の最低基準を設定するこ とが可能かどうかというのが、1つの論点だと思っています。  「労使の意見」というところですが、主に労働側から具体的な提案が出ていますので、そ れも参考にしていただきながら、具体的な方策についてご議論いただければと思います。1 つは、入管法上の今の研修という在留資格について、その解釈を「研修期間のうち実務研 修の比率が低いもの」に限定し、一方、研修内容の半分以上がOJTとして現場に出ている 当該制度については、新たな在留資格を新設すべきではないか。この新たな在留資格に ついては、時間外労働を禁止しつつ、労働諸法を適用させ、受入れ企業と直接雇用契約 を締結させる必要があるのではないか、という意見が出されました。  また、保護という観点で、事業場ごとに「研修生の理解できる言語」による安全衛生教育 を実施することが不可欠だということ。労働基準監督署の査察の強化に加えて、事業場の 安全衛生管理体制の強化や研修生に対する安全衛生教育の実施状況といったものも、受 入れ継続の可否の判断基準とすべきではないかという意見がありました。  3点目に研修手当の問題ですが、この研修手当の手取り額については、最低基準を「地 域別最低賃金」として、これを大幅に上回る手当を支給している場合に限って、食費・住居 費等の天引きを可能とするという意見がありました。なお、第2回の議論の中でも、受入れ の一定の責任という観点からも、何らかのミニマム、最低基準というのを設けてはどうかと いう意見が先生から出されています。  2頁、2点目の課題として「技能実習生に対する在留資格の創設」の問題です。現行制度 は、ご案内のように研修から技能実習移行の際には、一定の評価試験等の要件を満たし た場合に、法務大臣の認める特定活動という在留資格に資格が変更されます。これにつ いては、法律、政省令レベルについて、その在留要件等が明確に規定されておらず、現行 上は法務大臣の告示等の指針レベル、言ってみれば運用レベルに要件が記載してあると いう状況です。これについて規制改革会議でも、法的地位が不安定ではないかという指摘 がされています。当研究会においても、例えば、他の技能とか技術者の外国人に比べて遜 色ない数の技能実習生がいるにもかかわらず、在留資格が特定活動の1つとしてワーキン グホリデー等と一緒になっているのはどうなのか、という意見が出ました。  なお、右の労働側の意見ですが、これは現在の在留資格でも技能実習生は「労働者」で、 実態はともかく、法文上は法的保護の対象となっていて、在留資格を創設する実質的なメ リットはないのではないか。むしろ、一部企業において技能実習生を「戦力」とみなしている ケースも散見され、こうした在留資格の創設が、「間違った認識」を増長させる恐れはない かという意見が出されています。  次に3点目ですが、「法令以外の規定に基づく規制等の見直し」ということで、規制改革 会議のほうでは、現行の研修・技能実習の要件あるいは規制のレベルが、省令や指針な ど法律のレベルとしても低い運用に任されている部分が多いということがありますので、そ れをしっかりと入管法に基づく政省令レベルに引き上げるべきではないかということ。その 上で、例えば不正行為に関する受入れ停止期間であれば、いま3年ですけれども、これを 5年に延長する等の厳格化を図ってはどうかという指摘があります。  これについて、規制改革会議の指摘の受入れ停止期間を5年に延長する案について、ど のように考えるか、あるいは、この研究会でもさんざんご意見をいただいていますが、研修 生・実習生の受入れ事業のみを目的として事業協同組合を新設して受入れを行うケース について、何らかの規制を行うべきかどうかというのが論点だと考えています。  また、団体監理型について、研修中においては一次受入れ団体としての監理責任が課さ れていますが、技能実習移行後には、制度上はそういう責任が課されていないという状況 があります。ただ、技能実習移行後も問題となる事例がありますので、技能実習について も団体に監理責任を負わせる必要があるのではないかということも、論点の1つかと考えて います。  右側の「労使の意見」のところで、規制の面ですが、研修中の「残業」というような事案に ついては、一次受入れ団体も含め「即時受入れ停止」とすべき、厳罰化を図るべきという意 見です。「もっぱら研修・技能実習生の受入れを行っており、それ以外に具体的な活動が 見られない事業協同組合」に対しては、以後の受入れを許可すべきではないという意見も ありました。また、受入れ企業による制度の趣旨を逸脱した行為に対しては、受入れ停止 期間の延長にとどまらず「将来にわたって受入れ禁止」とすべきであり、その企業にかかわ った受入れ団体についても、それ相応の罰則を設けるべきであるという意見が出ていま す。  また、この不正行為に対する規制については使用者側からも意見が出ていて、不正行為 を行った受入れ機関に対してはより厳しい処分を行うべきである。例えば、現状では3年と されている新規受入れ停止期間を5年に延長する等の意見です。不適正な受入れを排除 して、受入れ団体・受入れ企業の適正化を図ることが必要である。あるいは適正実施のた めに支援機関や受入れ団体、企業等の取組みが重要であり、これらに対する強力な支援 措置が必要ではないかといった意見がありました。  3頁ですが、「同等報酬要件の実効性確保」についても、ご議論いただいています。同等 報酬要件のチェックは、年齢、職歴、技能レベル等がさまざまな労働者について、何をもっ て同一労働とみなすか難しい面がありますが、現状の技能実習生において、かなり最低賃 金ぎりぎりの賃金が支払われている実態も、結果としては出ていますので、何らかのチェッ クの方法が考えられないかということを論点として挙げています。  これについて労働側から意見があって、日本人との同等報酬要件については、受入れ企 業に該当者が存在しない場合等を理由に考慮しないのではなく、最低でも毎年発表される 賃金構造基本統計調査による都道府県別高卒初任給平均額を支払い、同等報酬要件の 実効性を確保すべきであるという意見が出ています。  以上が労使の意見をまとめたものです。こういったものも参考にしながら、さらにご意見を いただければと思います。後ろに付けている資料1−2、1−3、1−4は、これまでもお出し した資料ですが、改めて「研修」と「技能実習」の制度上の比較を簡単に示したものを1−2 でお出ししています。1−3は不正行為の類型とその処分の内容、1−4は規制改革・民間 開放推進3か年計画の抜粋です。以上が資料1です。  引き続き資料2についても説明します。資料2−1は、前回、前々回と、座長をはじめお話 がありましたが、いまの技能実習生の受入れパターンとして3タイプぐらいあるのではない か、それについて改善すべき点があるかないかという部分について議論がありました。あく まで抽象的なイメージですが、議論に資するようまとめてみました。  技能実習生の受入れパターンとして3タイプあるのではないかということで、1つがAタイ プです。送出し国の現地法人での採用や、海外進出の足がかりということで、研修・実習目 的で、この制度を利用するというタイプです。こういったタイプは送出し国において、移転し た技能が活用され、技能移転としての実効性が図られていると考えられますので、本来の 制度趣旨に即しているのではないか、ということで整理できると思っています。多くの企業 単独型の受入れや団体監理型においても、そういった現地での海外進出を見越した受入 れというのもあるようですので、そういったものがこういうタイプではないかと考えられます。  Bタイプですが、これが実態としては多いのではないかと思われます。Aタイプのような直 接的な研修・実習目的、海外への進出や現地企業があるというものはないのですが、実習 を行いつつ、実態としても労働力の補完を行っているタイプです。これについては、労働力 としての活用の面がありますが、OJTによって、実習としての効果がありますので、程度の 差こそあれ、結果としての技能移転が図られているのではないかというものです。「結果と して、制度の目的が達成されている・・・」としていますが、このBタイプは、実態としていろい ろなパターンが実際にはあるだろうということで、次の頁で少しご議論いただきたいと思い ます。  その前にCタイプですが、これは実態としてなかなか把握できない部分もありますけれど も、外国人研修生・技能実習生を低賃金の単純労働力として悪用するタイプです。単純労 働力としてのみ活用し、悪質な場合には、労働基準法違反や人権侵害等の事例が見られ る。まさに悪質な例として排除していくべきのような事例です。これは最初にご説明した適 正化の部分にもつながってくると思いますが、こういったものについては制度の趣旨に反す るということで、これらが排除できるような適正化の方向性が必要ではないかと考えていま す。  次の頁は、いちばん多いのではないかと思われるBタイプですが、これについてもいろい ろなパターン、あるいは大まかに、例えばということで4つに分類していますけれども、この 4分類も非常に境界があいまいですし、中には2パターンぐらいの目的を持ってやっている ような、あるいは2パターン、3パターンが重なるような部分もありますので、議論のための 資料という形で考えていただければと思っています。  いちばん上がB1タイプで、簡単に言うと真面目にやっていただいている所ではないかと 思っています。日本人の労働者もそれなりに数がいて確保もできている。補完的に日本人 とほぼ同等の賃金、あるいは低くても著しく低いことはないような賃金レベルで、研修・技能 実習制度を活用してOJT訓練をしていただいている場合です。  ここについては前回、そういう現行制度を前提としても、その実習の実効性の確保という 意味で、今の現状でいいかという議論をしていただきました。1つは技能実習計画の内容、 技能実習終了時の評価の問題、指導の体制といったものは、いま真面目にやっていただ いている企業においても、このままでいいのかという論点は別途あると思っています。「実 習の実効性をより確保する必要はないか」というのを、1つの論点として挙げています。  B2タイプですが、一定の水準の賃金で求人を出している。しかしながら、例えば3K職場 等のため、日本人労働者、特に若い人が来ない、確保できない。そういう中で、ほぼ同等 の賃金、求人賃金と同じぐらいの賃金で研修生・実習生を基幹的な労働力として活用して いるという例です。  こういった企業においては、技能実習制度の枠内で適正にやっていただいているわけで すが、その実態を見て考えると、この労働環境・労働条件等の改善に、まず努力してもらう といったことは考えなくていいのかどうか、技能実習制度として見た場合であっても、こうい った面を放置していいのかどうかというのが、1つの論点としてあるのかなと思って書いて います。  B3タイプですが、これは一定の水準で求人を出せば、日本人を確保できる可能性がある にもかかわらず、あえて求人を出さない。コスト削減というのを少しメインに考えて、日本人 よりも明らかに低い賃金で、この制度を活用している例というのもあるのではないか。こうい った場合については、本来的には日本人に対する求人を出していただいたり、日本人の採 用をまずは促すということがあって然るべきではないか、技能実習制度の活用という前に、 本来的に受入れ企業としての適正を確保するためには、こういった努力をある程度しても らったほうがいいのではないかという考えです。  B4タイプは、産業構造上、日本人が望む賃金水準の求人を出すことができず、求人を確 保したくても高い賃金が払えないといったことから、日本人が確保できなくて、こういった研 修生・実習生に頼っているという企業があるのではないかということです。こういった場合は、 そもそも求人賃金が高く設定できないという産業構造上の問題があるのではないか。地域 の経済や雇用に貢献していると言えるか。あるいは産業の高度化を図る必要があるので はないか。こういったことがまずあるのではないかという視点です。  いずれにしても、技能実習制度を受け入れていただいて、結果としては技能移転が図ら れている。そこはいいわけですが、受入れ企業として本当にいろいろな例があるわけです。 制度を動かす上で、受入れ企業としてこういったいろいろなパターンがありますけれども、 すべてを良しとしていいのかどうか。そういう観点も一度議論していただいたほうがいいと 思って用意してみました。  資料2−2、2−3、2−4は前回お配りしたものを、そのまま参考までに付けていますの で、ご参照いただければと思います。参考2、参考3は以前出したものを付けています。  参考1を簡単に説明させていただきます。失踪者の数が、最近、マスコミで何回か取り上 げられていて1万人を超えるという数字が出ていたりします。あの1万人を超えるという数 は研修生・実習生を合わせた数で、過去5年プラス今年度わかっている数字ということで、 足すと1万人を超えるというものです。技能実習生だけに限って見ると、過去5年間で5,173 人です。足すとかなりの数にはなりますが、母数としてどれぐらいの数の技能実習生がこれ までいて、それに比べてどうかというものを出してみたのが参考1です。  例えば平成13年に失踪する可能性のある実習生というのは、平成12年、13年に入って 来ていますので、平成12年から17年まで足すと12万7,437人の実習生が研修生から移 行しているということです。この12万7,000人を母数にすると、失踪者5,000人の割合は 4.1%ということです。当然、5,000人という数自体は重く受け止めなければいけないと思い ますが、逆に言うと、約96%の実習生は、技能実習を終えて適正に帰っていただいている という結果になっています。以上、マスコミ等で報道されていますので、もう一度ご留意いた だければと思って用意してみました。  資料としては以上です。まずは適正化の議論をしていただいて、後ほど資料2で今の受 入れ実態についての議論もしていただければと思っています。よろしくお願いします。 ○今野座長 それでは資料1に沿って適正化の議論をしましょう。 ○丹野委員 1の「『実務研修中の法的保護の在り方』について」のところで、たしか、この 研究会が始まる当日の日本経済新聞にも出ていたと思いますが、基本的な方針として、要 するに労基法がかかるような方向に持っていくのだと、半ば新聞発表もされているような状 態だと思います。それでは、この研究会は労基法がかかるという前提のもとで考えていい のでしょうか、それとも、それとは別個にあるのかということでずいぶんと違うと思います。  労基法がかかるのであれば、賃金は現金で払わなければいけなくなります。今までのよう な物納というか、現金以外の支払いなんていうことは不可能になってしまうのであって、もし くは当然、そのときは最賃もかかってきてしまう。そうすると、労基法があった上での法的保 護というものを考えるのか、労基法とは関係なく、今の現状の上でさらに何らかの法的保 護を考えるのかで、最初のスタート視点をどこに置くのかが変わってしまうと思います。どち らなのですか。 ○今野座長 ここで考えるのです。 ○外国人研修推進室長 労働基準法を適用する云々の記事が出ていましたけれども、あ れは全く何も決まっていない段階での憶測記事だと承知しています。一方、確かに規制改 革会議においても、研修生の保護についての議論はしていますので、そちらの意見もあり ますけれども、いまのところ何も決まっていないという状況でご意見をいただければと思い ます。  現状としては、前回も若干説明しましたけれども、行政上の解釈としては、この研修・技 能実習制度が始まった際に労働基準局から解釈通達が出ています。ちょっと読み上げさ せていただくと、「研修生については入管法上、報酬を受ける活動は禁止されていることも あり、一般には労働基準法上の労働者とはならない」と解釈されています。ただ、「しかしな がら」ということで、「実態によっては労働基準法上の労働者に該当することとなる場合の 生じることは従前のとおりである」と書いてあります。これは何かと申しますと、たとえ研修 生という名の下であっても、実際に使用従属関係があって、指揮命令関係があって、労働 基準法は実態で判断しますから、まさに実態判断として労働者であれば、それは当然労働 者性が認められて、基準法の適用があるということを入念的に書いています。  ここは、聞いている限りで申し上げますと、例えば現場で労働基準監督署の監督官が査 察に入ります。例えば、明らかに労働をしていると現認するとか、残業命令が出されている 書類をつかむとか、そういう実態がわかれば、それは労働者性を認めて、基準法違反とい う措置を講じることはできると思われます。ただ現場に行って、研修生です、実務研修です ということで働いている場面を見ただけでは、監督官といえども判断できないという部分が ありますから、研修生ということであれば、基本的には基準法の適用はないという整理がさ れているというのが現状です。 ○今野座長 でも理論的に言うと、OJTというのは指揮命令なのです。必ず指揮命令下で やっているからOJTなのです。 ○外国人研修推進室長 就労に対する報酬があるかどうかというところと。 ○今野座長 報酬はあるだろうと思う。 ○外国人研修推進室長 使用従属であるかという点と。 ○今野座長 残業の問題は、例えばパートだって指揮命令なのだから、残業がなくてもそ れはあまり関係ないのではないかと思います。やはりOJTは指揮命令下で働きながらやる ということですよね。 ○山川委員 OJT概念としては、実はあまりよく分からないのですけど、一定の指示をする こと自体は、場合によっては指揮命令と評価されないこともあるという感じはするのです。 教育目的で何かやりなさいということと指揮命令の骨子は一応別だということで、 インターンシップというのは一般に労働ではないとされていますよね。でも、現実に職場に いて何かやってくださいと頼むわけで、そうするとインターンシップが労働でないとすると、そ の基準と、ある意味で整合性を持たせる必要があるのではないかと思います。そのあたり、 インターンシップが労働かどうかの判断基準は、どういう感じでしょうか。 ○外国人研修推進室長 資料をご用意すればよかったのですが、手元に「インターンシッ プにおける学生の労働者性」という、これも解釈通達が出ていましたので読み上げさせて いただきます。  「一般にインターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり、使用者から業 務にかかる指揮命令を受けているとは解されないなど、使用従属関係が認められない場 合には、労働基準法に規定される労働者には該当しないものであるが、直接生産活動に 従事するなど、当該作業による利益効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生との 間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられ、 また、この判断は個々の実態に即して行う必要がある」となっています。 ○山川委員 そうしますと、結局、指揮命令ということは一義的にはなかなか分からないと いうことで、ただ、利益が帰属するという点については、研修の場合に問題が生じるという 感じでしょうか。 ○今野座長 利益が帰属するというのは、どういう意味ですか。 ○山川委員 言ってみれば、その生産による利潤が企業に帰属すると、抽象的にはそうい うことではないでしょうか。 ○今野座長 要するに、業務上の一定の必要性をもって指揮命令しているということでしょ う。OJTというのはそういうものです。新入社員が入ってきてOJTをやっている限りは、業務 と関係なく指揮命令して、研修とは言わないです。そんなことはないのではないですか。そ こはいつも両面を持っている。 ○審議官 実習のほうは、オン・ザ・ジョブ・トレーニングと明白に言えるのだろうと思います が、実務研修は「研修」という名前が付いていて、基本的にはインターンシップと同じような 位置づけで、オン・ザ・ジョブ・トレーニングまでは入らないというか。 ○今野座長 非実務研修ということ。 ○審議官 実務研修です。実務には就くのですが、「研修」という名前が付いていて、それ は実習という言葉と違っているわけです。ですから観念的な整理ですが、「実習」のほうは オン・ザ・ジョブ・トレーニングということは言えるのでしょうが、「実務研修」はインターシップ と同じようなタイプというふうに、観念的に分けられているのではないかと思います。ただ、 実際の実務ということでやりますので、実務研修と実習の区別というのは実態上は極めて 難しいということがあると思います。ですから観念的には研修・実習となっていて、実務研 修から実習というのが、それほど区別されているのかどうか。観念的には区別されていても 実態的には非常に難しい状況になっていると承知しています。 ○今野座長 いま言われた実習というのは、技能実習のことですか。 ○審議官 最初に研修を1年やって、その後実習をやります。その最初の1年の研修の中 に実務研修があるわけですが、実態的にはこの実務研修と実習というのは、かなり連続的 なものとして意識されている面があって、観念的には区別されているのですが、実態的に は区別が難しいという形になっていると思います。 ○渡邊委員 いわゆる座学というのは、それは別にいいのです。それ以外のところが非常 に性格づけがあいまいだということです。それはこの研修制度がスタートした時から指摘さ れていることです。 ○北浦委員 技能実習制度があって、それに前置する実務研修という位置づけだから、そ うなると本来は研修という中で性格づけるもので、そうすると、その整理が研修に近づけて いくということが、本当は正しいのだろうと思います。ただ、そうは言っても、そのゾーンとい うのはグレーゾーン的で、限りなくそこは現場の作業に就かせないと実効性が上がらない、 座学では出来ないということになって、そこにどうしても就労に近い実態が出るし、やってみ れば経済的利益が帰属するような事態が出てくることになるから、そのときに労働法制的 にこれをチェックしていくという側面であって、積極的に労働として位置づけるものではない という感じなのではないか。そこに微妙な技能実習との違いがあるのかなと思います。  だから、あまりそこで労働というふうに明確にしてしまうと、今度は技能実習との区別がつ かなくなるし、それをまたやると、研修という本来の効果をきちっとやらせる動機づけが薄れ ていく危険もあるかなという感じがします。そういった意味で同じことを言っているのですが、 ウエイトの置き方が問題で、一応、研修としての実効性を保つような措置を講ずることを前 提としつつ、労働の実態に限りなく近いもので、個々判断ということになると思いますが、そ ういうものについては適正に労働として処分するということだろうと思います。  その時に、ぎりぎり、基準としてある程度整理できるか、いまの現状のような個別判断で いくのか。おそらくその個別判断があいまいだということでしょうから、そこのガイドライン的 なものを何か作って整理していくことが、1つは考えられるのかなと思います。そうでないと、 あまりここを積極的にしていくと、技能実習との壁というのが完全にあいまいになっていく気 がします。 ○森永委員 実務研修をやっていて、例えば労災が起きた時に、労災保険に入っていない わけです。実際の保障というのは行われるのですか。 ○外国人研修推進室長 研修中は民間の疾病とか傷害の保険に入ることが、入管法の要 件として課されていて、民間の保険で支弁するという形になります。 ○森永委員 普通の労災保険の適用はないと。 ○外国人研修推進室長 ないです。 ○森永委員 私、法律の専門家ではないのですが、労働法の基本というのは国籍だとか いろいろな条件があったとしても、いちばん根っこのところでは労働者の人権というのを基 本に考えると私は教わってきたのですが、労災は保険があるにしても、例えば安全衛生だ とか職場環境とかいろいろな問題がありますね。そこは労働ではないとは言っても、基準は 人権で考えないといけないのではないかという気がします。 ○山川委員 その場合、いくつかの考え方があります。純粋な労働者とするという考え方 が1つありますが、そうすると単純労働力の受入れを認めるということになって、それはそ れ自体1つの議論ではあります。もう1つが、労働法上は労働者ではないけれども、例えば 一定の規定については適用する。例えば独立自営業者で個人の請負をやっていても、労 災の保険には特別に加入を認めるとか、そういった個別的な事項について労働法規を適 用していくというやり方もあります。  さらに、労働契約だとしても非常に特殊な労働契約だと、研修的な要素を非常に含んだ ものの場合、そういうのができるかどうか分からないですけれども、そういう契約を特に結 んだ場合に限って特定の取扱いをするなど、いろいろな選択肢があり得ると思います。た だ、いまの場合、特に研修の場合は直接適用がないものですから、おっしゃったような人権 侵害みたいなときに、行き場がなかなかないという問題はあるのではないかと思います。 ○審議官 研修の位置づけですが、これも研修単独のもの、研修の後に実習がつながるも の、企業単独でやっているもの、団体監理型など、そこのところでは研修の在り方を考える 場合、非常に違う状況があるのではないかということがあります。  企業単独型ですと、1年間研修に来て帰り、向こうに技能移転するということで、実務研 修があったとしても問題は発生していないのが実態です。いちばん問題が発生しているの は団体監理型で、研修の後に実習がくっついている形です。これは先ほど申し上げたよう に、実務研修から観念的には連続して実習にいってしまうという捉え方が、意識の面でも 実態でもなされやすいということがあります。ですから、どのタイプを想定して実務研修を法 的に位置づけるかというのは、少し現実的な観点から見てもいいかなという気はします。 ○丹野委員 現実的な観点から言うと、現状の基準を設けるというよりは、個別判断しかな いということに行き着くのですか。 ○審議官 個別判断になると事後的になってしまうわけで、今でもそうなのですが、人権と いうお話がありましたけれども、そういう形でよろしいかどうか。研修ということでタガをはめ たりいろいろするわけですが、中小企業や零細などでは労務管理の体制自体がない中で、 どこまでそういうものができるかなという不安が、我々行政の側にあるということです。 ○北浦委員 そのときに、いま言われたように類型化して、それでこの部分が良い悪いとい うふうに考えていくやり方もありますが、さっきの建前論でいくと、研修としての性格を担保 する措置をきちっと作る。そのことによって、ここは違うのだと言ったほうが分かりいいと思う ので、そこは事前的な問題としてやり得るのかなという気がします。それはこれまでも議論 が出ていましたから、そこのところをきちっと担保しておけばいいという見方もあると思いま す。 ○外国人研修推進室長 事務局が現場に引っ張られすぎるのもいけませんが、よく監督 官の方から聞くのは、先ほど審議官からも申し上げたように、「実務研修」と「技能実習」が 実態としては連続で区切れがない。そういう中でどこまでが「研修」で、どこまでが実態とし ての「労働」かというのが、監督官が査察に入って見分けられるかというとなかなか難しい。  一方で、実際に働いている研修生・実習生からは、監督署等に申告という形で救済を求 めてくる。その実態と外見との狭間でかなり苦労されているという話はお聞きします。もちろ ん研修は研修としての性格はあるはずなのですが、実態としては技能実習が労働とくっつ いてしまっている部分をどうするか、我々は考えなければいけないのでしょうけれども、制 度的な部分と現場でワークしなければいけない部分と、その両面をどう見ていくのかなとい うのは考え方として持っています。 ○審議官 「研修」として「労働」と区別するというと、労務管理面で相当しっかりしていない とできないわけです。現実にそれができるような体制を持つ大企業のような所と、中小零細 のような、そういう労務管理体制自体がない所では、大分状況が違うのではないかというと ころはあります。 ○北浦委員 直接的に生産工程云々というよりも、現場に出してしまったら労働の実態が 発生することは避けられないというか、あり得るのだと思います。だから、それを前提にしつ つ研修生の担保をする考え方でいける所と、明らかにワークショップ的に現場と切り離した 形でやるから、これは純粋に研修だと割り切れる世界と、そこのところはガイドライン的な、 基準になるのか分かりませんが、そのくらいを整理していく形になるかと思います。最終的 には個々判断がどうしても残ってしまうと思います。 ○樋口委員 識別が難しいから、原則的に今は労働者ではないという扱いをしているわけ ですが、反対だってあり得るわけです。原則的に識別しにくいからそれは労働者だと、ただ し、研修というものがはっきりできるようなものについては、それから外すというやり方はあ り得るわけです。原則論をどうするかというのは議論しておかないといけないのではないで すか。もしそれが研修だと主張できるようなものであれば、それは外しますというやり方は あり得るはずです。 ○今野座長 それは、山川委員が言われた特殊な雇用契約であるという立場ですか。 ○山川委員 労働契約が原則で、一定の特例的な措置が入ると、そんな感じでしょうか ね。 ○外国人雇用対策課長 1点だけ参考までに申し上げますと、日本とフィリピンでEPA協 定というのを、今般、署名したわけです。まだ発効していないのですが、これで今回、特例 的にフィリピン人の介護福祉士とか看護師を受け入れる枠組みを作りました。これは日本 の国家資格を取ることが必要最小限の要件ですが、実際になかなか取るのが難しい。特 に介護福祉士は日本での実務経験が必要です。ですから一旦上陸しなければ取れないと いう仕組みですから、資格をまず取らせるために介護福祉士の資格を持っていない者を日 本に入れる。そこがまさに1つの特例なのです。そもそも介護福祉士を受け入れないという 国是のもとで特例を作ったのですが、さらに資格を持っていない者を入れるという意味でも 二重の特例になっている。  その介護福祉士の試験に受からせるために、最大限4年まで日本で働くことを認めてい るのですが、これがまさに研修目的で、しかし雇用関係でやっているという整理になってい ます。いまの議論と直接関係があるかないか分からないのですが、そこは最初から雇用と いうことで上陸を認め、働かせて、しかし、その趣旨は試験に受かるための実務研修をOJ Tでやるというふうに割り切ってやってもらう。そのためには、受け入れた企業にはそれ相 応の責任と管理体制を取ってもらうということで、そこはきちっと管理をしていくという仕掛け を、いま検討しています。 ○今野座長 その場合の研修の担保というのは、どうしているのですか。 ○外国人雇用対策課長 ですから、まず受入れ企業が研修体制を持っているかどうかとい うのを1つ見ます。それから研修計画みたいなものを作らせて、その研修計画がきちっとフ ォローされているかどうか、受入れ支援機関というのを国内の公的団体に担わせることに して、そこが指導してチェックする。ある意味でJITCO(技能実習制度)に似ているところが あるのですが、それを雇用関係のもとでやっているわけです。ですから最初から同等報酬 要件とかみんな働いていくわけです。労働基準関係法令の適用もあります。そういうことは、 当然、最初に受け入れていただく企業にはご理解いただき、守っていただくという前提で、 3年とか4年回して試験を受けて受かっていただくというスキームです。 ○今野座長 そのときに、いま制度上、4年後で試験があって、全員落ちたときに受入れ事 業主には何かあるのですか。 ○外国人雇用対策課長 受入れ事業主というか、落ちると、4年というのはある意味で猶 予期間です。試験に受かれば、めでたく日本に残れる仕組みになるのですが、受からなか ったら帰国していただくしかないということで、ご本人ともども契約が切れて、さようならで す。 ○今野座長 そういう場合はペナルティが何かあるのですか。 ○外国人雇用対策課長 特にはないです。 ○北浦委員 その場合の実務経験は、いわゆるヘルパー資格でやるだけでなくて、いわゆ る施設の中の介護業務補助ということでいいわけですか。 ○外国人雇用対策課長 おそらく、そうなると思います。介護福祉士試験を受験するため に実務経験が3年必要だというのと、要するに同等のことをやっていただくということです。 ○北浦委員 それは大体施設でということになりますね。 ○外国人雇用対策課長 施設です。ですから教育研修の効果が上がるという趣旨から、 入っていただく現場には、介護福祉士の資格を持った方が一定以上いていただくことが最 小限必要だとか、いろいろなそういう要件がかかっています。 ○北浦委員 指導体制のある、有資格者の下で働くことを前提と。 ○外国人雇用対策課長 純然たる単純労働みたいなことだけさせていて、教育の実効が 上がっていなければ、それは適切な指導が入るということです。 ○渡邊委員 研修・実習制度と違うのは、資格試験を通れば、将来、日本で就労できると いうところです。インセンティブがあるというところです。ところが研修・実習制度は、どっちに しても帰国するという、そこが大きな違いです。この間の議論でもそうでしたが、インセンティ ブがそこに働くかどうかで、チェックがうまくいくかどうかというのがありましたね。 ○今野座長 もう1つ違うのは、最終のチェックの資格がかなり高い。 ○渡邊委員 そうです。ハードルが高いです。 ○今野座長 技能士で言うと、どのぐらいですか。3級ということはない。2級ぐらいですか。 ○北浦委員 介護福祉士は、大体ホームヘルパーの1級相当です。ですから検定でいった ら高いのではないか、どうでしょうか。 ○今野座長 ほかにありますか。2頁とかまだいろいろあります。 ○山川委員 2頁にいく前に、いまの話で続きの感想ですが、いまのような話との関連では どういう扱いにするにしても、特に労働契約にするか、あるいはそういう色彩を一部で持た せるにしても、研修ということ自体は北浦委員が言われたように、よりそういう効果が上が るものとして仕組まないと、いっそう制度的な問題が生じるように思いますので、そちらのほ うも、別途検討する必要があるのではないかと思います。  保護の適正化と研修の適正化というのは、いわば両輪みたいなものですので、資料2− 1の類型化は非常に面白かったのですが、本来、技能移転すべきものがないのに単に受 け入れているというのは、それはちょっと制度の趣旨に反しているから、一体どういう技能 移転ができるのかということを、もっと明確にした上で受入れするほうが、研修目的には合 致しているのではないか。  どういうふうにするかはなかなか難しいと思いますが、うちはこういう技能移転ができます ということが明確にできるかどうかです。そういったことを入れていかないと、労働は労働だ ということになってしまう感じがしますから、生活指導なども含めて、労働だったら何で生活 指導や日本語指導をするのかという話で、その辺の特殊性は研修という点から出てきます。 日本語指導・生活指導というのは日系人との対比で言えば、うまくいけば非常にメリットの あることだと思いますし、それは技能移転の一環として位置づけられなくもないから、研修 としての特色については、そういった方向を活かす必要があるという感じがします。 ○丹野委員 労働者保護の点というのは、まさに絶対的な基準としてここというのは確定 すると思いますが、研修過程の問題については相対的な問題としてしか扱えないということ があります。 ○山川委員 そこは難しくて、前に聞いた話では、中国から受け入れているけれども、中国 のほうが生産設備が立派で、要は賃金水準の問題だけであるということでした。そういうの は相対的に受入れ側と送出し側の問題になるので、絶対的には決められないですが、少 なくとも建前としてはというか、枠組みとしては研修がきちんとできますということを、より担 保する必要があるのではないかと思います。 ○樋口委員 そこの労働というのは、現行はどうなっているのですか。 ○外国人研修推進室長 第2回の研究会にお出ししましたが、前回、技能実習計画の様 式を見てもらったと思います。あれと同じような研修計画という様式があって、それに研修 の科目や時間数ということで、何時間で何をやったというのは書かせるようになっています。 その研修計画に基づいた実施状況というのも、当然、技能実習移行の時点で評価すること になっています。それプラス、技能検定基礎2級に合格することが要件になっています。  技能実習のところでもお話しましたように、研修の計画も今は単にどういう授業を何時間 やって、日本語教育、安全衛生教育何時間というふうにしか書かせていませんので、これ はJITCO自身は問題意識を持っていますが、そこでどういう技能を移転する目的で、どう いう訓練をするとか、あるいは先ほどお話があったどういう機械設備で何をやらせるか、そ ういう具体的な研修・実習をする際の設備や環境も書かせて、それをチェックできる仕組み に少なくともして、実効性を高めるというのはあるのではないかというのはJITCO自身も言 っています。 ○樋口委員 現行は、団体監理型については団体がそれを提出しているのですか。 ○外国人研修推進室長 そうですね。団体と企業と両方で作成します。たしか両方で作っ て出します。 ○今野座長 2頁目、3頁目もありますので、3頁目のこの組合の言っているのはどうです か。労働報酬要件で組合は高卒初任給ということです。これは企業内最賃ですか。 ○北浦委員 大体そうです。これが難しいのは、例えば法定最賃だとすると、この間も議論 がありましたように、それでどういう生活状態を想定するかということで、そういうところまで は払えない状態です。ですから、それはここで書いてあるように、もし自分で払えというのだ ったら、それ以上支給しないと暮らしていけないと思います。ただ、それは物納的に担保し ている所は多いわけで、そこをどう見るかです。払っておいてそれをちゃんと評価するのか、 あるいは物納があることを前提にして最賃でいくのか。要するに支払い賃金の最賃をクリ アする、しないという公平性と、あと、実態としての生活費的なものとの引き算です。それが 最賃から引かれるようなことになれば、今度生活ができないということになって趣旨をもとる という、そこのところをどう調整するかです。  ただ、最賃の建前からいくとそこは書いてありませんから、それを払っていれば、当然、そ の中でやりなさいということで、限りなく切り詰めて生活することもあり得るということになっ てしまうのでしょうけど、ただ、実態からいくと、そのことと、ある一定の宿泊、その他につい て整理するということは、別の話として指導するとか、あるいはガイドライン的に設けるとい うことはあるのかもしれない。そんな感じがします。 ○丹野委員 難しいのは、実態として単に24時間管理しているというだけでなく、まさに1 年間管理しているという形で行ってしまっている制度ですから、管理費の部分をコストとして 計算しろと言っても、たぶん計算できないと思います。非常にそこの部分は難しいです。 ○樋口委員 転職と言ったらいいのか、企業間の移動と言ったらいいのか分かりませんが、 それが認められていないから、市場賃金との間に最低が働かないのです。ある意味ではそ こでしか働けないわけだから、強制的に賃金を決めないといけないというところで、特に景 気が良くなってきて市場賃金は上がったけれどという話が、この場合出てくるでしょうね。こ の仕組みだと、景気が良くなって市場賃金が上がっていくと、移動しようという人というか、 途中で他の企業にという数が増えていくのではないですか。これはそういう仕組みになって いるのでしょう。景気が悪くて他に雇用したいという企業がなければ、そこに残らざるを得な いし。 ○外国人研修推進室長 たしか第2回の議論のときに北浦委員だったと思いますが、同じ 職場のいちばん低い水準、例えば新卒の採用賃金が1つのメルクマールとして考えられな いか、というお話があったと思います。 ○北浦委員 それも実態によるのかもしれませんが、ただ、建前から言ったら、そういう状 態になっているというふうに想定することは可能です。ただ、技能実習という状態の技能レ ベルがもっと低い段階ということも、絶対にないとは言えないと思います。でも一応、いま基 礎級で見ているわけだから、そうすると、そのレベルというのは建前でいくと不熟練というか、 全く技能のない人を想定したのと同じと考えれば、いま言った論理になるかなという感じが します。 ○渡邊委員 研修生として来る段階で、もう既にある程度の経験を持っている人を受け入 れているわけです。そこに差が出てくるのです。そういう所が、私が聞いた範囲では結構多 かったので、全くの素人の人を入れている所はまずないです。 ○丹野委員 製造業はそうですね。 ○北浦委員 差益……ですか。 ○渡邊委員 差益と言われても、そこが問題なのです。素人の人を入れて、それで最低の 所は適用するというのであれば、それは問題ないかもしれないですけれども。 ○北浦委員 もともとの技能というのはわかるのですか。 ○渡邊委員 ある程度は。企業の人が向こうへ面接に行って、その段階で作業をさせてみ て、採用するかどうかというのを決める、というやり方をすれば大体わかると思います。 ○北浦委員 わかりますよね。ただ、それは証拠として何か書類上どこかでチェックされて いるか、審査されているかといったらないですよね。 ○渡邊委員 ええ。 ○北浦委員 技能実習の建前からいっても、国内的にまず技能のない状態からスタートす るような建前をとってしまっているから、そこは本当はあるのだけれども、差益としてしか発 生しないという仕組みですね。それがメリットなのですか。 ○渡邊委員 大きなメリットなのだと思います。 ○今野座長 昔、JITCOの調査で、研修生で入ったときは、例えば正社員のこのレベルぐ らいで、終わったときにはこのレベルになって、技能実習生を終わったときにはこのレベル という調査をやったのです。最高水準はこのぐらいとか、平均このぐらいとか。そうするとま あまあいい線いくんです。 ○渡邊委員 主観的な評価をしている。 ○今野座長 もちろんです。でも、いま言ったような、行って面接をしてこいと言っても、それ は主観的な評価なのだから、それは一緒ですよね。 ○丹野委員 面接にまで行くような所だと前職というか、中国など行った先で、就こうと思っ ている職に何年就いているかとか、そういうことだけはきちんとチェックしています。そうする と、職に就いてから1年や2年の人が来ているというわけではないです。最低でも4、5年は その仕事に就いた人がやってくる、という形が普通だと思います。 ○樋口委員 研修内容というのは高度になっています。そういう人を前提に研修内容が組 まれている。 ○渡邊委員 先ほどの話ではないですけれども、実態を考えると、どうしても報酬との間に ギャップが出てきます。 ○丹野委員 研修・技能実習生の期間が終わると、標準的なイメージでいうと、その職業 に就いてから10年ぐらい経った人ぐらいの技能が付いているのが、普通の実態だと思うの です。だから、本当に能力を付けさせてあげた、というのとは全然違った人たちがむしろ働 いていると思ったほうがいいと思います。 ○樋口委員 「労使の意見」と書いてあるけれども、使はいくつかで、ほとんどが労側の意 見ですね。使は、こうしたいというのは出ていないですね。ということは、今のがいいと思っ ているということですか。 ○外国人研修推進室長 1点誤植がありまして、2頁のいちばん最後の「支援措置が必 要」というのも使側の意見です。 ○丹野委員 技能実習生の在留資格の創設ですが、業種と職種があまりにも広がりすぎ てしまっている現状の中では、ある意味個々別々に判断するというのはそれなりに合理的 だと思うのです。かえって、一律に在留資格がポンと出てしまうことによって、間口を広げて しまうことにつながりかねませんかね。 ○今野座長 ちょっとわからなかったのですが、在留資格にしてしまうと、どういう状況を想 定していて、それで間口が広がってしまうのですか。この真ん中がないからわからないので す。 ○丹野委員 在留資格という形になってしまうと、それは一般的な資格になるわけです。い まみたいに、個々別々に判断できるという仕組みがあれば、さんざん問題になってきている、 本日の整理のAタイプ、Bタイプ、Cタイプでいったら、Cタイプのようなところについては拒 否できるということも、当局が選択肢として握っているわけですよね。ところが、 研修生か ら技能実習生へが、一般的な資格の問題として自動的に移行しやすくなる仕組みになると、 Cタイプのところが拡大する可能性が大きいのではないですかということを聞きたいので す。 ○今野座長 そういうのは在留資格のルールをどう決めるかに依存するのではないです か。 ○丹野委員 もちろんそうです。それであっても、在留資格そのものが、個々別々に判断で きるというのは、それはそれで非合理なようで合理的な面もあって、実態に合わないものに ついては、その都度介入できるわけですよね。だけど、在留資格だからこそ、一旦押されて しまったら、その期間は常識的にはOKになるわけですよね。たぶん在留資格2年、もしく は1年ごとに更新するのですかね。技能実習生が2年という形である以上、在留期間も2 年というステータスでたぶん出ることになってしまうと思うのです。一旦押されてしまったら、 2年間はいるわけですよね。資格である以上、ポンと押されてしまったら、その期間は合法 的な労働者として、労働者と言ってはいけないのか。 ○審議官 1年、1年の更新ですから、2年丸々いるということではなくて、1年経ったところ でまた更新して、状況を見て続けるかどうかやるわけです。 ○丹野委員 一応帰りの担保は取ってあると。 ○審議官 そうです。 ○山川委員 いまの点は、資料1−4にある、規制改革会議の閣議決定との関係では、(2) と(3)が関連づけられているような感じもします。1つは在留資格は作る、しかし、現在の指 針レベルのようなものを政省令に格上げするとなると、入管上の取扱いはある意味で厳しく なり得るのではないかという感じもしますが、具体的にはわかりません。 ○外国人研修推進室長 山川先生がおっしゃるとおりだと思います。やや技術的な問題も あって、政省令などで要件や規制の内容を明確にしようと思えば、入管法上の根拠を持た せないといけませんので、そういう意味でも、いまは在留資格が特定活動という形でまさに 運用に落ちているものですから。例えば技能実習なら技能実習の在留資格を明確に作る ことによって、政省令としてしっかりと規制内容とか要件を書き込んでいく、ということを求め られているのかと理解しております。 ○北浦委員 労働側として、こちらの厳しくなることの評価というのはないのですか。ここに 書いてあるのは、むしろ誤った認識を与えるという、積極的な位置づけを与えてしまうから、 そっちのほうが心配だという効果ですね。それに対して、こちらのそもそも論的で厳しくする というのも書いてありますけれども、これに対しての評価というのは労働側にはないのです か。それは前提としつつも、この辺もあるという認識なのでしょうか。ここが評価されている かどうかで、この議論は随分違ってしまうと思うのですが、そこは明確には出ていないので すか。 ○外国人研修推進室長 出ていなかったです。 ○樋口委員 2頁でいうと、使用者側も言っていることなのだけれども、不正行為を行って いる者に対してどう厳罰するかという話と、もう1つは不正行為をやっているかどうかの監 視ですか、その制度上の問題というのは運用上、そこがちゃんと監視できているのか、チェ ックできているのかどうかというようなことで、そこの強化はここでの議論の場として具体的 にあり得るのですか。現行は、どういう監視チェックをしているか。「研修・技能実習に係る 不正行為を行った受入れ機関」とあるけれども、これのチェックですね。 ○外国人研修推進室長 ここは、資料として整理していないだけで、それは当然議論とし て監視体制をどうすべきか、というご議論はあると思っています。確かに現状として、1つは JITCOがありますが、これは国の委託を受けて巡回指導という形でやっています。これが 年間6,000件弱ということで、前回も2年に一遍行けるかどうかという話をしましたが、その 中で問題がある受入れ事業場を見つければ、当然、入国管理局に報告することになって います。実態としては、入国管理局に対する、研修生・実習生からの直接的な訴えであると か、タレ込みといいますか、情報提供を端緒に入国管理局が審査に入る、事業場に立ち入 るということから不正行為を摘発する。  技能実習移行後については、労働基準局の監督署が、定期的に監督を行う、あるいは 監督署に対する実習生からの申告に基づいて指導を行うというのが現状です。件数的に 十分かどうかという問題はあると思います。 ○樋口委員 実態として、例えばJITCOはそういう形でチェックしていることによって摘発さ れたというか、出てきた事例の数というのはどんなものなのですか。 ○外国人研修推進室長 手元にないので調べます。 ○樋口委員 2年に一遍というのも少ないような気もするけれども、同時にチェックの仕方 です。そこがちゃんとできているかどうかというところが、まさに問題になっているわけです。 この間から出てきている、制度はわりとしっかりしているものがあるのだけれども、その運 用上の問題というところにこれはかかわってきます。 ○外国人研修推進室長 それは本日の資料にはありませんでしたが、労働側の意見の中 にも、体制の見直しが指摘されておりました。これも実態の話になってしまいますけれども、 公益法人という組織の性格には限界がありまして、実際に巡回指導もアポなしというわけ にはいかない、一応連絡を取っていついつ指導に行きますということでやりますので、悪質 な受入れ企業があるとすれば、どこかへ隠してしまう部分もあるのではないか。そもそも JITCOの巡回指導の体制として十分ではない、人数的にも十分ではないというご指摘はあ ると思います。 ○樋口委員 基本は、「リトマス試験紙」という表現がいいかどうかわからないけれども、こ の間から出ている、この趣旨に合った良好な受入れ機関とそうでない所をどう識別するか ということになると思うのです。そうすると、制度的な問題もあるのかもしれないけれども、 実態として運用のところをどう変えていくか、ということがかなりこの問題は問われることに なるのではないでしょうか。 ○審議官 当然ながら監督署は立入りができる、入管もできるわけですが、いま申し上げ たように、JITCOは法律根拠がなければ立入りとか、臨検とか、帳簿を見ることはできない わけです。そこのところは、一公益法人だとできないのが現状です。おっしゃるように、運用 のところでどうするかというのは問題だろうと思います。 ○今野座長 資料2−1のほうの議論もしていただきたいと思います。新しいアイディアで 出てきたパターン分けをしました。 ○渡邊委員 問題はCですよね。 ○今野座長 1頁目の「・・・」です。認めないとすると、団体監理型は全部駄目だということ になってしまいます。後はどうなれと言うのなら別ですけれども、そうはいかないでしょう。 ○樋口委員 そうはいかないでしょうね。 ○北浦委員 結果としてどう解釈するかだけれども、一応目的的にこういう趣旨を果たそう としているということでないと、建前としてBは成立しないのだろう。結果としてなってしまっ たというのではなくて、一応そういう方向を目指して、それで両面のメリットはあると。「結果 として」という書き方がね。 ○外国人研修推進室長 「結果として」というのを強調しすぎるとあれかもしれません。明ら かにBとCの違いでいえば、いま申し上げた技能実習計画をそもそも作っていないとか、研 修計画がないとか、実際に行ってみたら実習計画など何もなかったとか、そもそも実習の 設備がなかったというのは明らかにCで、そうでないのがBということで、それは現行の制度 に基づいてやっていただいているのだと思います。 ○今野座長 山川委員が言った、技能移転すべき技能がないとか。 ○外国人研修推進室長 ひどい事例だと、よく「飛ばし」とか言われていますけれども、本 来プレスで入っているのに、実際には箱詰めの作業をやっていたりしています。実際にあっ た例では、パン屋でパンを焼いていたというような悪質なものもあったと聞いています。そう いうものは完全にCだと、論外だということです。 ○今野座長 この資料は、Bを微妙にB1からB4までに分けていますので、そこも含めて お願いいたします。 ○北浦委員 Cのところで、「単純労働力としてのみ活用され」ということ。後段のところで、 「悪質な」という部分があります。後段の部分については、確かに不正であるということで明 確であるけれども、その不正のない単純労働力としてのみ活用しているというのも、この中 に悪用ではないのだけれども、そういうのも含まれているということでよろしいのですか。こ れは「悪用」となっていて、全部不正行為であると書いてあります。もちろん、趣旨にもとっ て意図的にやるのだからこうだという話かもしれませんが、この「悪用」の意味合いは、不 正を働いているというようなことと、不正はやっていないのだけれども、単純労働力を目的 として、純粋にと、明確にと、そういう2つがあるということでいいのですか。 ○森永委員 単純労働を技能実習しているというのは不正なのではないですか。 ○審議官 単純労働力自体は、実習に反するという意味では悪用だということです。 ○北浦委員 そうか、「悪用」と書いてあるからね。 ○外国人研修推進室長 技能実習制度としては、実習が行われていないという意味では 不正です。 ○北浦委員 不正行為は働いていないけれども、単純労働力としてのみ使っているという 事案があれば、それはいけないということでしょうけれども、そこの違いがあるかなという気 がしたのです。つまり、何も悪いことはしていないのだけれども、純粋にそういうふうに。 ○今野座長 いやいや、悪いことなのです。 ○北浦委員 悪い意味が違うんです。 ○丹野委員 実態として、研修生が働いてもいいと認めてしまっている水産加工業などと いうのは、ほとんどが単純労働以外の何ものでもないです。 ○北浦委員 もしそこを外してしまうと、Bとの区別がつかない一線があるのか。だから、こ の「単純労働」というのがBの中にも入り得る可能性があるのか。それは、技術移転とか、 先ほど言った担保でいいのかもしれません。 ○山川委員 違いがあるとすれば、「実習としての効果を持つため」という、Bタイプの真ん 中に出てくるところがわかりやすいというか、判定可能なような制度に持っていかないと区 別がつきにくい、ということがどうしても出てくるかなという気がします。その場合、Cタイプで 単純労働力としてのみ活用されるという場合は、入管法違反と言っていいのでしょうか。下 のほうに出てくるのは、労働基準法違反とか人権侵害ですけれども、入管法違反であるか ら不正と、あるいは受入れ条件に反したという意味での入管法違反ということでしょうか。 ○外国人研修推進室長 受入れ条件に反します。 ○北浦委員 「され、」ではなくて、「されているか」とかそういうことなのでしょうね。だから、 悪質というのが、労働法規上の違反であるとか、そちらのほうにちょっと取られてしまいま すから。規制の種類が違ってしまうのでしょうね。 ○今野座長 Bタイプでちゃんとやっても、賃金をダンピングしているというのがあります ね。 ○山川委員 賃金は、2頁のB1からB4の分類と関係するかもしれませんけれども、先ほ ど樋口先生に言われて、本当だったら外部労働市場で一応制すべきものが、それが効か ないという。技能実習段階において、転職を認めるというのは制度的に完全に矛盾してい るのでしょうか。 ○審議官 在留資格自体が、場所も特定した在留資格なのです。だから、場所を変えれば、 在留資格を変更しなければいけないということです。これは、所在をはっきりさせるというこ とがありますし、こちらからの巡回指導とかそういうこともありますし、そういう在留資格にな っているということから移動はできないことになっています。もちろん、企業が倒れてしまっ たりということもありますので、そのときにすぐ帰国させるということではなく、できるだけあっ せんして、在留資格も変えて、ほかの所へやるということはしているわけですが、そういう事 情がない限り、場所を変えることは現在ではできない仕組みになっています。 ○樋口委員 一般の外国人労働者のワーキングビザについても、雇用主の同意を明記し て承認されるわけですね。ところが、転職する事案というのは多いですか。 ○外国人雇用対策課長 転職するという事案はあります。そういう人たちを対象に、職業 安定行政の中では、外国人雇用サービスセンターを設けて、転職の支援をしているわけで す。ただ、転職に当たっては、その在留資格の範囲内の職務でなければならないという条 件があるので、例えばNOVAの先生が、いかに専門的・技術的分野であるとはいえ、私は 特別な技能があるからといって、宝石職人として仕事をすることはできないです。 ○樋口委員 NOVAからほかの英会話スクールに移ってというときには、ワーキングビザ は再申請するわけですか。 ○外国人雇用対策課長 それがないのです。これも法務省のほうの話なので、私のほうで 断言するのもなんなのですけれども、在留資格の更新のときのチェック、在留資格の変更 を要する場合の変更の許可はあるのですけれども、在留資格の範囲内での転職のような 場合には、入管が自ら立ち入ってチェックするという仕掛けはないのです。  逆に言うと、外国人雇用サービスセンターみたいな所で来る場合は、公的機関ですから、 入管そのものではないにしても、入管のOBみたいな方がいて、大丈夫かどうかというのは ちゃんとチェックしてやっているのですが、そうではないような場合というのは、100%チェッ クしきれているかどうかというのは、入管行政の実務上の限界があります。 ○樋口委員 向こうから入ってくるときには、NOVAの証明書も必要なわけですよね。 ○外国人雇用対策課長 入ってくるときにはちゃんとやります。 ○樋口委員 NOVAを辞めてほかに移っているにもかかわらず、そのときには新たな受入 れ先の証明書なしに自動更新というか。 ○外国人雇用対策課長 在留資格はそのまま有効なのです。先ほど審議官が、技能実習 は特定活動という在留資格だと、それは場所まで特定して認められている資格だと言った のですけれども、それと普通の在留資格との決定的違いは、特定活動の場合は就業場所 まで指定されて、そこ以外での活動は認められない格好になっています。普通の在留資格 は、そこに書いてある、ある程度広がりのある職務についての活動が認められている。だ から、その範囲内であれば移動は許されている、転職の自由があるということです。 ○樋口委員 丹野委員がおっしゃっていたのは、それになる可能性があるかもしれないと いうわけですね。 ○丹野委員 移動する可能性が生まれると思うのです。それをポジティブに取るかというこ とです。 ○北浦委員 ポジティブに取るかというと、またそれを前提に、それを適正に担保する措置 を考えるかということですね。 ○今野座長 そうなると、受入れ企業は研修などしたくないですね。終わった途端に逃げて しまう可能性がありますからね。そっちのインセンティブの問題もあります。 ○審議官 実習だとすれば、受入れ施設でいまはあれですけれども、基本的には研修・実 習ができる施設、受入れ要件が整っているということがあって、そこに実習を認めるとうこと ですから。労働力としては一般的にはありますが、労働力の面が先に来れば移動というこ とになるでしょうけれども、その代わり受入れ施設要件など見ない、制度的にはどこでもい いんだという話になってしまうのです。実習・研修というのがある以上は、それなりの受入れ 施設要件が。したがって、場所ということを見た上で特定するというのが筋だろうと思いま す。 ○今野座長 先ほど丹野委員が言った食品加工は、B4タイプみたいになるでしょう。 ○丹野委員 そうです、もろこれだと思います。 ○北浦委員 高度化の精査権をどちらで評価するかというのは議論のあるところで、両方 の側面があるし、ポジティブにも両方取れると思うのです。少なくとも今野座長がおっしゃっ たように、そのような現象になってきたときに、今度は企業側として、供給者が強くなるわけ です。そうすると、企業側のほうが引き止める努力をせざるを得ないということで、環境改善 の効果が働く要素があるかどうかです。 ○丹野委員 あるいは辞めてしまうか、そこのところは2つに分かれていくという効果もある かと思います。 ○森永委員 水産加工で、魚を入れると勝手に三枚におろして、切り身にまでする機械が 出来てきています。こういう形での受入れをずっと続けていくと、結局全体としての生産性 が上がらないことになってしまうので、B3、B4はまずいのではないか。 ○今野座長 B4は農業も入ります。 ○丹野委員 アパレルもこれに近いですよね。日本で3万円、4万円のスカートを作ってい たとしても、当事者に非常に低い賃金しか払えないというのは、そもそも誰かが取りすぎて しまっているわけです。たぶんデザイナーがデザイナー料としてあまりにも取りすぎてしまう から、実際の工程を担当する人の部分の取り分が少なくなっているという、まさに産業構造 上の問題があって、それはデザイナーたちが自分たちの取り分を低くしてでもいいから、技 能が地元にあるほうがいいというような合意を作ってもらって、分け前の配分の在り方自体 を変えないことには、どんな高い商品を作ってもたぶん駄目なのです。 ○今野座長 だから、B4ではないのです。 ○丹野委員 B4にはならない。 ○今野座長 つまり、日本人と同等報酬要件さえ作ってあげればいいということなのかもし れないです。産業としては成立する。 ○丹野委員 その手の産業は、パートタイマーに依存してきたという大前提がありますか ら。 ○今野座長 そんなことを言ったら、スーパーなどはみんなパートです。大手スーパーも、8 割とか9割がパートで、いなかったら潰れています。 ○外国人研修推進室長 補足させていただきます。資料の作りが不十分で申し訳ありませ ん。前回も、当研究会のミッションとして、労働力政策全般を議論する場ではないというお 話があって、その議論を踏まえた上で作っているつもりですが、趣旨としては、そういう視点 は当然あるとしても、技能実習制度の受入れ機関としていろいろな事情があって、さまざま な受入れ機関の状態がある。そういう現実を見た場合に、実習の効果の話になるのかもし れませんけれども、技能移転を的確に行う受入れ機関として、こういうタイプについて何ら かの改善策というか、要件的なものを付加する必要はないかどうか。そういう視点でご議論 いただければ、まさにこの研究会としての技能実習制度の在り方にかかわってくる問題か と思って整理したつもりです。  例えば、先ほどお話のあったアパレルなどで、一部には企業の社長と奥さん、あとはパー トの主婦が2、3名、それ以外は全員研修生、実習生だと。そういう受入れ企業について、 技能実習という効果を測ることが果たしてどの程度期待できるのか、という問題もあるかと 思っております。そういう視点でのご意見もいただければと思っております。 ○樋口委員 A、B、Cのタイプが混在しているわけです。混在しているところを分けて、例 えばマルAとか、マル合とか、これは最優良、良、お勧め、これは駄目というレッテルを貼る。 それで、仕組みとしてマル合を増やしていこうという努力としても考え得る可能性はありま すね。難しいかもしれないけれども、どう選別するのだという話はあるけれども、Bはわから ないけれども、なるべくAを増やしていったほうがいいわけでしょう。Bの上のほうを。いまは 分からないからなのか、みんな混在してしまっていて、全般的に駄目だと。それは使用者側 としても言っていることです。やはり識別してほしいと。良いところと悪いところが混在してい るところをなんとかメスを入れてほしい。良いところを伸ばしてほしい。それでこの制度を健 全化したいということですよね。そのやり方はあり得るかと思うのです。 ○__ 樋口先生のおっしゃっているのは、受入れの可否の基準ではなくて、適正化をす るためのマル適マークみたいなものなのですね。 ○樋口委員 そうです。 ○丹野委員 Aタイプだと、現行は認められていないような、Aの認証を貰えば、企業間の 移動ができるとか、何かそういう別枠を作って、それと一緒にすれば、受け入れた側だって、 うちから入れれば繁忙期になるべく多く貰えて、適正に使いますよということも言えるでしょ うし、それなりの受入れ体制も進むと思いますから、ある種の差別化が入るような仕組みは 好ましいと思います。 ○渡邊委員 これを分類するときに、日本人とほぼ同等の賃金というのは、パートを対象に して同等ということですか、それとも正社員ですか。 ○外国人研修推進室長 そこは、明確な基準がないこと自体も問題なのですけれども、実 態としてはパートしかいないような企業であれば、そのパートと比べてということになってし まいます。 ○渡邊委員 パートよりも、明らかに低い賃金でやっていたら、それはバツですよね。 ○今野座長 それをやると、最賃以下になってしまいますから、最賃で押さえています。で も、実際にはパートと同等というのは、パートでも同等の仕事をしている人ということになり ます。そうすると、かなり高くなります。 ○審議官 残業までさせていれば、パートは残業しないということで違ってしまいます。残業 までさせていれば、それは正社員と並びみたいなことになってきます。ただ、残業させない ということであれば、それはパートとの対比ということもあるでしょうし、そういうことも含めた 同等ということだろうと思います。 ○樋口委員 いま、まさにパートの均衡処遇の議論をしているので、それをそのまま適用 すればいいという話です。 ○北浦委員 B1からB4と分けてありますが、BタイプというのはB1型の要件はまだ明確 ではないけれども、そのように収斂させていくべきだという考え方なのですか。だから、B2、 B3、B4というのは、経過的に存在し得る。それは雇用管理の改善であるとか、産業政策 によってということでしょうか。 ○外国人研修推進室長 そこは、そういう経過的に捉えるのか、あるいは認めた上で一定 の新たな要件を課すとか、受入れ要件として何か条件を付けるとか、改善努力を課すとい うこともあり得るのかと思って整理しております ○北浦委員 1つ難しいのは、B4というのは先ほど森永先生が言われたように、産業政策 的なことと関係するわけです。上のほうは、どちらかというと雇用管理改善努力で、労働政 策と言えるかどうかという範疇の中で対応可能なのですが、B4タイプは広がりがあるので ちょっと違う難しさがあるということが1つです。  もう1つB3の意味が難しいと思っていたのは、出せるのだけれども出さないという、この 識別というのは、おそらく職種で相場が高いのに低いのだ、という判断でいけばこういうこと が出るのかもしれないけれども、個別企業の判断で、本当は出せるのに出せないというの はどこで判断するのかものすごく難しいです。B3というのは、結果としてわかる場合もある かもしれないけれども、そうでないと言い張られれば、これはいくらでも言えてしまいます。 このB3というタイプは成り立つのかなと。観念的にはわかるのですけれども、実態的識別 ができるのか。だからどっちかになってしまうのかなという感じがします。 ○今野座長 これは、市場テストをさせるというイメージですね。これでいくとすると、私が悪 徳会社だとした場合、ハローワークに高めの賃金を出したときに、これはハローワークでチ ェックできるのですか。職種概念がはっきりしていないから、それはできないのと一緒だよ ね。 ○山川委員 アメリカの労働市場テストというか労働証明制度では、賃金自体の水準につ いても一定の水準をという、比較的外部でわかることもあって、出すことを義務づけていま す。そうでないと、いまおっしゃられたように、低くすればするほど人が集まらなくなって、外 国人の採用が簡単になる。賃金水準の設定の適正さというのはセットになっている感じで す。  そもそも、なぜこういう労働市場テストをやるかというと、基本的に国内の労働市場の保 護というか、国内の賃金水準を下げないようにという発想で、主として目的は外国人の保 護ではないという感じがするのです。同等報酬というのも、たぶんそういうことで、結果的に 外国人との平等取扱いができるということですので、この問題については賃金水準がある 程度設定できるという前提での議論ということになります。  あとは、当然技能実習という前提でいいのでしょう。研修だと、先ほどの位置づけとの関 係が出てきますので。 ○今野座長 やはり、厚労省として全省的に職種別の賃金をちゃんと用意してもらわない と。 ○審議官 そういうやり方もあれば、ほかも可能かどうかということもあります。例えば、こ れは関連だけですが、同じ年でなくても多少日本人とのペア雇用を考えて、そのペア雇用 した日本人と同等出すとか、ちょっとわからないのですが。日本には職種別賃金の概念が ないのですが、欧米だとこれがありますので割合簡単にできるのです。そこをやるかどうか は大きな問題なのですけれども、仮にやる可能性があるとしても、おっしゃるように工夫が 必要な話になるのだろうと思います。 ○今野座長 結局、パートについても同じことでいつも問題になるし、ここでも同じ問題にな る。だから、もう作ったら。全員が使える統計をね。例えば、B1タイプでは、こういう状況を 促進しようというときに、どのような政策が考えられるのですか。つまり、B1だって増えてほ しいと思っているわけでしょう。 ○外国人研修推進室長 B1の右側に書いてある「実効性をより確保する」というのは、B1 に限らず全体にかかってくるのかもしれません。これは、前回もご議論していただきました ような、技能実習計画であるとか、実習終了時の評価の在り方といったものも考えながらと いうことだと思います。 ○今野座長 さらにそれを増やすにはどういう手があるか。先ほどのマル適マークより、も う少し花より団子の団子のほうで。 ○樋口委員 受入れの比率の数を変えるということでしょうね。そうすればメリットがあるの だったら、自己申告で言ってきたのを、それが適正かどうかを認定すればいい。それでない と大変ですよね。同等の賃金が払えているかというのは、申請者のほうが証明すればいい わけですから、それはしやすいので現実性があるということです。 ○北浦委員 これは2つあるわけでしょう。賃金要件と、労働力確保ができているか、という 2つが基準になって、そこをチェックする。 ○樋口委員 そうです。それを証明するのは申請者の責任でやればいいわけです。 ○今野座長 そうすると枠は下がりますとか。 ○樋口委員 そうです。これを言うとわからないけれども、3年、5年というのもあるかもしれ ない。 ○山川委員 再実習という話もあります。そちらで技能移転がちゃんとできているということ であれば、あるかもしれません。 ○今野座長 そういうのもあるね。 ○樋口委員 この仕組みは、インセンティブが働かないのです。企業側にとっても、なんと かこれを良くしようというインセンティブをどう持たせる仕組みにするかというのを考えてい かないと。 ○今野座長 ほかにインセンティブはないですか。これは、まだB2タイプもあるし。いつも、 駄目、駄目、駄目のほうをやっているからさ。 ○樋口委員 摘発が難しければ、逆に良くするほうのインセンティブを。鞭を出すのが難し いのだったら、飴を出すほうがね。 ○渡邊委員 これは、我々が聞き取りをやった事例ですけれども、一定の団体の間で、繁 忙期で必要とされる労働量に差があるので、組合の中で多少実習生の移動が出来れば、 非常にメリットがあるということは指摘されていました。 ○丹野委員 同じ団体内だったら、それほど矛盾は起きないと思うのです。その団体を超 えてということになると問題はあると思うのです。 ○今野座長 事業協同組合で、同じ業種でやっていればいいけれども、異業種で、小売り から工場へ行ったりということになると抵抗があるでしょう。 ○丹野委員 基本的に、同業種についてはそうだということにすればいいのでしょうね。 ○渡邊委員 同業種で、しかも適正なB1か何かをやっているような所であればということ です。異業種は実態的にちょっと難しいです。 ○丹野委員 良い所が増えると同時に、団体監理型の中で同業種が増えるような仕組み を作っていくのも1つの手なのです。 ○北浦委員 その動機づけは、繁忙期が違うということの差であるということですか。 ○丹野委員 ええ。 ○北浦委員 条件の違いで移動するようなものについては、労働者のほうはいいわけです けれども、受け入れたほうは逃げられたと、それを採ったという関係になってしまいますの で、そういう移動は難しいところがあると思います。 ○今野座長 それをもっと拡張して考えると、同じ団体内だったら転職可というのは。 ○丹野委員 長期的な……、移動を完全に認めてしまうという形ですね。 ○今野座長 団体の中でね。メンバー企業間で喧嘩するかな。 ○北浦委員 だから、いまの論理でいくと転職は喧嘩になってしまいます。 ○丹野委員 やはり、企業によって就労条件は変わりますからね。 ○渡邊委員 あくまで先ほどの話は、一時的にです。ずっと移動になったら、それはまた別 です。 ○丹野委員 配置なんですよね。 ○山川委員 その場合も、資料1にある団体監理型が、技能実習レベルにおいても一定の 監理責任はあるということとセットになるということになるわけですよね。 ○渡邊委員 そうでしょうね。 ○今野座長 先ほど、B3タイプで市場テストの話がありましたけれども、ほかに何かありま すか。もしこういうことをやるとしたら、こんな手を考えておいたほうがいいとか。 ○森永委員 資料2−3の漁業のところを見ると、日本人は19万円貰っているわけです。 技能実習生が11万円というのは、どう考えても何かやっているとしか思えないです。こうい うところは平均で見たら、監督署が査察に入る。これは、結構ひどいと思うのです。 ○今野座長 最低賃金はクリアしていると。そうすると、いま森永委員が言ったのは、同等 報酬要件からしたらおかしいという話なのだけれども、最低賃金はクリアしているのです。 ○森永委員 こういう状態でも、これはB3型になっている可能性が高いわけです。 ○今野座長 それで日本人が働いているということだね。 ○森永委員 そういう所にも監督署が入れるような仕掛けを作ったほうがいいと思うので す。 ○今野座長 技能実習だったら監督署は入れます。 ○森永委員 最賃を守っていても。 ○今野座長 守っていれば入りようがない。 ○樋口委員 同等要件のほうでしょう。 ○外国人雇用対策課長 労働基準法第3条で、国籍や社会的身分に基づく均等待遇とい うことを定めています。ただ、この均等の問題はパートの問題と同じで、実際の認定が難し いのです。労働基準法は罰則付きですから、そういうものについての判断は皆さん謙抑的 なので、監督官もここはなかなかやりにくいのです。ただ、そういう条文が基準法にあって、 外国人と日本人の差がこんなにあっていいのかというときは、そういうものも使えるのでは ないかという問題意識を職業安定局などは持っています。 ○今野座長 パートと正社員の関係で、同種の仕事をやっていて4割違う所があるわけで す。 ○樋口委員 今度はどうなるかわかりませんよ。 ○山川委員 パートの場合は、社会的身分にも一般に当たらないとされているので、基準 法がかかりにくいのですけれども、国籍の場合は明らかに当たるので、仕事が違うという説 明をより明確にしないといけないという違いはあるかもしれません。 ○今野座長 男女でもいいのですけれども、総合職、一般職で。ピンポイントで探したら、 同じ仕事をしていて賃金差がものすごく大きいのって、いくらでもあるわけでしょう。 ○山川委員 職種的には、位置づけの違いみたいなものも考えないといけない。長期的に 雇用しているから、その成長度合を見込んでという議論が出てくる。その点、技能実習だと、 短期的ピンポイントの雇用だからという説明でしょうか。 ○今野座長 そうすると、日本人の漁業については、私が事業主だったら、いや、この人は 長期的に養成を考えていますと言います。 ○山川委員 そこは有期雇用ばかりで、有期雇用で1年雇用の従業員と技能実習生の賃 金が違った場合には、トレーニング目的という説明しかないのかと思います。 ○樋口委員 いまのパート法の素案だと、どのように給与を決めたか、という説明義務が 雇用主に課せられます。能力を考えたか、能力をどのように評価したか、というのを個々の 労働者から要求があれば答えなければいけないとなってくる可能性があります。そういうの が入ってくると、だいぶ違ってくる可能性があります。外国人研修だから、実習だからという わけにはいかない。 ○今野座長 そうすると、漁業の経営者としては職域を分けますか。そうすればいいでしょ う。駄目ですか。 ○丹野委員 分けるほど職域があるのかという問題もあります。 ○今野座長 末端で捌いている人は全部研修生でしょう。 ○外国人研修推進室長 自分で書いていて思ったのですけれども、確かに賃金水準の比 較というのは難しいと思っています。先ほどの議論に戻りますけれども、B3のようなタイプ にすると、本当にその技能を実習できる体制をつくっているのかどうかとか、実習の指導員 がちゃんと置かれているのかどうか。いま渡邊委員が言いかけたことも、そういう観点かと 思います。そういうチェックをするというのも1つのポイントかと思います。 ○今野座長 一応、組合はすることもあるから、同等報酬要件としては、高卒初任給とした のです。最賃ではちょっとひどいぜと。 ○山川委員 客観的に決まらないとしたら、1つはいま樋口先生が言われたこととも関連す るのですが、手続的にこういう報酬が決められていると。こういうことをやっているからこうい う報酬だという情報開示をして、文句があるのだったら言ってくださいという形で、より契約 的に具体化していくと。手続面でのチェックは別途あり得るかもしれません。 ○今野座長 本日はこの辺で終わりにして、次回以降また議論したいと思います。 ○外国人研修推進室長 だいぶ議論をしてきていただいておりますので、次回以降は少し 論点整理等ができればと思っています。いまのところ12月25日と1月の予定を入れていた だいていたと思いますが、再調整をさせていただいて、至急折り返し連絡させていただきま すのでよろしくお願いいたします。  ご紹介が遅れましたが、「外国人研修生問題ネットワーク」という組織から、当研究会あて の意見書を持ってきております。意見の中には、当研究会の運営にかかわる要望もありま すので、それは後日座長とご相談させていただきます。 ○今野座長 それでは、終わりにいたします。 (照会先) 職業能力開発局海外協力課外国人研修推進室 TEL:03-5253-1111(内線5952) 03-3502-6804(夜間直通) FAX:03-3502-8932