06/11/08 医療情報ネットワーク基盤検討会第13回議事録 第13回医療情報ネットワーク基盤検討会                日時  平成18年11月8日(水)                    13:00〜                場所  霞ヶ関ビル33階東海大学校友会館望星の間 ○三田補佐  定刻になりましたので、ただいまから「第13回医療情報ネットワーク基盤検討会」を 開催いたします。委員の皆様にはご多忙のところご出席いただきまして、誠にありがと うございます。本日の委員会は公開形式で行います。  最初に、検討会開催に当たりまして、厚生労働省医政局の松谷局長よりご挨拶申し上 げます。 ○松谷局長  先生方には大変お忙しいところをご出席賜りまして、本当にありがとうございます。 第13回の基盤検討会ですが、しばらく開催しておりませんでしたが、また新しい局面と いうことで、改めてお願いを申し上げた次第です。  本検討会は、ご存じのとおり平成15年6月に医政局に設置され、12回にわたりまし て、患者・国民の視点を重視した、質の高い効率的な医療提供対策の実現という観点か ら、今後の医療情報ネットワーク基盤の在り方について幅広くご検討いただき、平成16 年9月には最終報告としてとりまとめをいただいたところです。本日はお集まりいただ いた委員の方々、あるいはそれぞれの団体の前任の皆様には大変ご協力をいただきまし た。改めて御礼を申し上げたいと思います。このときいただいた最終報告を踏まえ、平 成17年3月には医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを作成したところで す。  しかしながら、その後、ご存じのとおり、総理を本部長とするIT戦略本部の下に設 けられた「情報セキュリティ政策会議」において、平成17年9月に結成された「重要イ ンフラの情報セキュリティ対策に係わる基本的な考え方」におきまして、医療における IT基盤の災害、サイバー攻撃等への対応を体系づけ、情報セキュリティ確保に関わる 安全基準等を明確化することがまとめられたところです。  さらに、IT戦略本部においても、本年1月には5年計画である「IT新改革戦略」 が発表され、6月にはそのアクションプランである「重点計画2006」が発表されたとこ ろです。これらについても安全なネットワーク基盤の確立が掲げられるなど、早急なセ キュリティ対策の構築が求められている状況になっている次第です。これは、国際情勢 その他のことから政府全体として取り組んでいる中の一環ということで、ご認識いただ ければと思います。  このような背景のもと、今回は医療のITへの依存度も適切に評価していただいた上 で、医療における災害、サイバーテロ等への対策について、本検討会でご議論いただき たいと考えている次第です。主にセキュリティの観点から医療に関わる諸機関の間を結 ぶ際に適したネットワーク要件、運用指針についてご議論いただくことをお願いしたい と思っております。  最終的には、これら課題をご議論いただいた結論を踏まえ、先に述べました「医療情 報システムの安全管理に関するガイドライン」の一部改訂を、できれば今年度内には行 いたいと考えています。大変タイトなスケジュールで恐縮ですが、適宜検討会のもとに ワーキンググループなどを設け、機動的に議論を進めさせていただければと考えていま すので、是非活発なご議論をいただきますようお願い申し上げまして、ご挨拶といたし ます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○三田補佐  前回の第12回検討会より少し間があいていますので、本検討会の委員の方々をご紹介 させていただきます。日本歯科医師会常務理事の稲垣明弘委員、東京工業大学像情報工 学研究施設教授の大山永昭委員、東京医科歯科大学大学院政策科学分野教授の河原和夫 委員、東京工業大学像情報工学研究施設特任教授の喜多紘一委員、日本製薬工業協会医 薬品評価委員会電子情報化部会長の澤向慶司委員、保健医療福祉情報システム工業会運 営幹事の篠田英範委員、日本医師会常任理事の中川俊男委員、日本薬剤師会理事の原明 宏委員、日本看護協会常任理事の廣瀬千也子委員、日本インターネット医療協議会事務 局長の三谷博明委員、読売新聞東京本社編集局解説部次長の南砂委員、日本医師会総合 政策研究機構主任研究員の矢野一博委員、東京大学大学院情報学環・学際情報学府助教 授の山本隆一委員、日本画像医療システム工業会医用画像システム部会長の吉村仁委員 です。また本日ご出席の以上の皆様のほかに、名古屋大学名誉教授の石垣委員、東京大 学法学部教授の樋口委員から、本日はご都合により欠席されるとのご連絡を承っていま す。なお、第12回検討会まで委員でいらっしゃいましたエッセイストの岸本葉子委員に おかれましては、委員を辞退されるとのご連絡をいただいております。  続きまして、本検討会へオブザーバーとして参加いただいている方々をご紹介させて いただきます。内閣官房情報通信技術担当室の西原栄太郎情報通信技術参与、総務省情 報通信政策局情報流通振興課情報流通高度化推進室の藤本昌彦室長の代理と致しまして、 本日は飯村由香理補佐にご参加いただいています。経済産業省商務情報政策局サービス 産業課医療・福祉機器産業室の堀口光室長の代理と致しまして、本日は堀越裕太郎室長 補佐にご参加いただいております。  引き続き、事務局の紹介をさせていただきます。厚生労働省医政局研究開発振興課医 療機器・情報室長の宇都宮でございます。同じく、医療機器・情報室室長補佐の松本で ございます。同じく、私、医療機器・情報室長補佐の三田でございます。よろしくお願 いいたします。  それでは、以後の議事進行を大山座長にお願いいたします。 ○大山座長  大分間があきましたが、この会は一時休会をしていたとのことで、再会の状況になっ たので、引き続き私が座長を務めさせていただくことになりました。よろしくお願い申 し上げます。  早速議事に入りますが、その前に、まずは事務局で資料の確認をお願いしたいと思い ます。 ○三田補佐  資料の確認をいたします。資料1は、医療情報ネットワーク基盤検討会開催要領で す。資料2は、「IT新改革戦略」より抜粋、「重点計画2006」より抜粋です。資料3 は「重要インフラにおける情報セキュリティ確保に係わる『安全基準等』策定に当たっ ての指針」の概要についてです。資料4は、重要インフラにおける情報セキュリティ確 保に係わる「安全基準等」策定にあたっての指針です。資料5は、医療情報システムの 安全管理に関するガイドラインです。資料6は、今後のスケジュール(案)です。以上 で、資料の確認を終わります。もし資料の未配付など不備がございましたら、事務局に お申し出ください。 ○大山座長  資料の過不足等はございませんか。それでは、本日の議事に移ります。  議事(1)医療機関等で用いるのに適したネットワークに関するセキュリティ要件定 義、及び(2)自然災害・サイバーテロによるIT障害対策等について、併せて事務局 から説明をお願いします。 ○三田補佐  本日の議事に関して説明いたします。議事(1)医療機関等で用いるのに適したネッ トワークに関するセキュリティ要件定義についてです。資料2をご覧ください。こちら に、IT戦略本部で本年1月に決定しました「IT新改革戦略」の中で、赤字の部分で すが、「安全で安心なネットワーク基盤等を2008年度までに整備する」とあります。ま た右の「重点計画2006」も、IT戦略本部により本年7月に決定されましたが、赤字の 部分、「安全かつ円滑に健康情報を流通させるためにネットワークに求められるセキュ リティ要件等について2007年度までに明確化する」とあります。このように本検討会に おいては、医療機関等で用いるのに適したネットワークに関するセキュリティ要件定義 についてご検討いただきたいと思います。  資料1に移ります。段落2つ目の「背景・趣旨」から6行下にありますように、具体 的にセキュリティ要件に関してネットワークがどのような用途によって使われるのか、 またその用途においてどのような脅威が存在し、脅威への対抗策、またそのネットワー クをどのように普及していったらいいのか、普及においての課題は何か。そのような 様々な観点から医療に関わる諸機関を結ぶのに適したネットワークの要件を定義してい ただくということになっております。また、それのみならず、ネットワークの運用の指 針も併せて当検討会においてご議論いただきたいと思います。  続いて、議事(2)自然災害・サイバーテロによるIT障害対策等についてです。先 ほどの資料1の続き、下から6行目からご覧ください。平成17年9月に、IT戦略本部 において設置された「情報セキュリティ政策会議」は、内閣官房長官を議長としていま す。そちらで決定された「重要インフラの情報セキュリティ対策に係わる基本的な考え 方」において、「医療」をIT基盤の重大な障害によりサービスの低下、もしくは停止 を招いた場合に、国民の生活・社会基盤に重大な影響を及ぼす「重要インフラ」と位置 づけ、医療におけるIT基盤の災害、サイバーテロ等への対策を体系づけ、明確化する ことが求められています。  資料3をご覧ください。この安全基準の策定が求められる経緯としまして、昨今、証 券取引や航空関連の情報システムの停止、また重要情報の漏洩など、国民生活・社会経 済活動の基盤となる重要インフラのIT障害が多発する状況がありました。そういう観 点から、昨年12月の情報セキュリティ政策会議において、IT障害から、医療を含めて 重要インフラを守るための全体計画として「重要インフラ情報セキュリティ対策に係わ る行動計画」が策定されました。また、この行動計画の中で、喫緊に対応すべきものと して、重要インフラ分野ごとに「安全基準等」をしっかり定める。その中で、対策を行 うべき事項を具体的に定めたものとして、本年2月に「重要インフラにおける情報セキ ュリティ確保に係わる『安全基準等』策定にあたっての指針」、安全基準の指針が策定 されました。  「重要インフラの『安全基準等』の指針」に、4つの柱と3つの重点項目がありま す。分野横断的視点から、情報セキュリティ対策の実施に当たって、対処がなされてい ることが望ましい項目を、具体的に列記しています。この指針に沿う形での安全基準の 策定が求められているわけですが、原則として医療を含めた重要インフラの10分野ごと に基準として定めるものが求められています。  すでに医療分野においては、ご存じのとおり「医療情報システムの安全管理に関する ガイドライン」がありますので、大部分については整理がついているという認識になっ ていますが、上記指針において必要とされ、既存のガイドラインに記載されていない、 サイバーテロ災害その他に関してご議論いただく形になるかと思います。  資料6をご覧ください。議論の進め方、今後のスケジュールについての案です。「医 療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の改訂版は、本年度中の改訂を目指 しています。そうしたことから非常にタイトなスケジュールになっています。作業班を 2つ、先ほどの課題に向けて結成します。その作業班で、具体的にガイドラインの案を 練っていただき、1月下旬もしくは2月上旬ごろに「第14回医療情報ネットワーク基盤 検討会」を開催し、案を作業班からご提示いただき、こちらの検討会でご議論、ご検討 いただく。そしてご検討いただいた内容を反映させる形で、ガイドライン(案)を修正 し、2月中旬に「第15回医療情報ネットワーク基盤検討会」を開催して、ガイドライン (案)の承認をいただく。その後、パブリックコメントを30日間募集し、今年度中の 「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の改訂を予定しています。  資料5をご覧ください。「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」につ いては、本検討会でご議論いただいた内容を踏まえ、平成17年3月に策定したもので す。多くの委員の皆様にはご尽力いただいてご存じかと思いますが、新しく委員に加わ った方もいらっしゃいますので、ご説明いたします。  本ガイドラインは医療機関の責任者、情報システムの管理者等を対象とし、セキュリ ティの観点より実施すべきこと、実施したほうが良いこと等を記載しています。具体的 な項目として、資料5の2枚目の目次をご覧ください。6章では、情報システムの基本 的な安全管理に対して、物理的、技術的、人的な安全対策を求めています。また7章で は、電子保存の要求事項として、真正性・見読性、保存性の確保について、8章では診 療録等の医療情報を外部に保存する際の基準について書かれています。政策会議より提 示された指針において求められた、災害、サイバーテロ対策その他、追記が必要なは、 こちらのガイドラインに追記する形となります。  また、ネットワークに関するセキュリティ要件については6.9章29頁に、ただいま 1頁ほど書かれている形になります。ただ情報技術の急速な発展に伴い、現状において やや不十分であるところもあることから、修正・追記を加えるということが、本検討会 の検討事項です。以上で説明を終わります。 ○大山座長  委員の皆様方には、非常にタイトなスケジュールでご検討いただくという話が出てき て恐縮ですが、事務局側から流れを説明いただきました。後ろが切れているため、逆線 引きをするとこうなるというのが本当のことではないかと思います。局長のご挨拶の中 にもありましたように、状況が大きく変わってきていること、それからやるべき目標 が、それも年度を切られて示されていることなどの背景を考えますと、何としても今年 度中にこの2つの重要な案件についての答えを出す必要があるというのが、事務局側と 相談したときの共通認識です。したがいまして、実質的な作業は作業班A、作業班Bと 仮称で出ていますが、先生方に毎週お集まりいただくことはできないと思いますので、 別途作業班を編成し、作業していただいた中から案を本委員会に提示いただくというの が、事務局側と相談した案です。  この後、今回のこの検討会がやるべきこと、それからゴールがどういうことであるか という部分も含めて、皆様方からご意見をいただき、議論を進めるのに当たって参考に させていただきたいと思います。特に、作業班A・Bという形を仮称でとっています が、この辺のあり方を含めて、皆様方のご意見があれば、少し時間を取りご自由にご発 言をいただければと思います。発言のときには挙手をお願いしたいと思います。いかが でしょうか。  ネットワークについては現在のガイドラインでは1頁ぐらいで記述されていますが、 医療分野に加えて健康のほうにも、その必要性が広がっています。福祉関係にも進展す ることを考えると、利用形態を踏まえて要件を明確にすることが必要ということです。 もう一つはサイバーテロの関係です。まだ現実には起きてないのではないかと思います が、この先のことを考えると、いろいろと心配になることもあり、今回検討いただきた いということです。 ○中川委員  ガイドラインですが、保険局から「オンライン請求に関するセキュリティに対するガ イドライン」というものが出ているのです。我々現場から言うと、やはり2つ以上、複 数のガイドラインがあると、非常に混乱をまねく恐れがある。その辺のところを、整合 性といいますか、できれば一本化するというか、その辺も考えていただければと思いま す。 ○大山座長  ごもっともなご意見だと思いますが、関係するご意見等ありますか。局が違うからと いうのは、たぶん答えにならないですね。 ○矢野委員  いま中川委員のおっしゃったとおり、今回ターゲットとするのがネットワークであ り、オンライン請求自体をどうするかはちょっと置いておいて、6.9章を追記してい く時に1つのガイドラインということを想定して加える。そういう形の追記を想定し て、一本化するときは、通知等で発している保険局の都合もあるので、手続は逆に事務 局にお任せしたいかと思いますが、やはり現場から見て統一されたガイドラインが見え るほうがいいと思います。是非ともお願いをしたい。補足になりますが、意見です。 ○大山座長  非常にごもっともなご意見が出ていて、ここで皆さんにお聞きすると賛成いただける のではないかという気がするのですが、確かに最終的な落としどころはそれぞれ事務局 側の対応の仕方がありますが、やはりスコープとしてはいまのようなことも含めて考え るべきと考えてよろしいですね。  要するに、保険局から出ているものとは別にするのではなく、やはりこの2つは整合 しなければならないと思うのです。その意味では、保険局側のものをここで詳細には見 ていませんが、あちらの請求の話と、病病連携、病診連携あるいは将来EHRに絡むよ うな関係を扱っているこちらの委員会との関係から見ると、例えばどちらかが包含する 関係になるのかは未だ分かりませんが、どちらにしろ、整合性の確保を念頭に置いて議 論をすべきというご示唆であったと理解いたします。そういう考え方でいいということ ですね。 ○澤向委員  本件で、特に6.9章の部分ですが、これは例えば、現時点で製薬メーカーが新薬を 開発する際に、病院のほうにお願いをしている、いわゆる臨床データといわれているも のが、こういったカルテなりシステムと連携してというようなアイディアで、昨今検討 されている動向があります。これにもやはりスコープされるかどうか、その辺確認をさ せていただきたい。 ○山本委員  前回のガイドラインの編集をやった者ですが、患者さんの個人情報が含まれている限 りは含まれると、我々はそう考えて作ってまいりました。 ○大山座長  宇都宮室長から、お答えになられるのなら、よろしくお願いします。 ○宇都宮室長  答えというのではないのですが、こちらでそのような検討については伺っておりませ んので、ちょっと確認させていただけますか。 ○大山座長  いまのガイドラインの中に、どこから出されてどこへ到達して、その間の安全性の確 保を十分やりなさいということが書いてあるので、そこはどの分野というよりも、いま お話になられている範囲が同じではないかという気がします。皆さんのご意見ももちろ ん必要なところですので、ほかにご意見があれば承りたいと思いますが、いかがでしょ うか。 ○篠田委員  工業界としても、システムの立場で、システムをサプライするほうですが、サプライ する側ではどういう安全基準が必要かということについては、JAHIS・JIRAで 議論を行っております。一部は既にまとめておりますが、議論の結果によって新たに順 次対応して行くことが必要と思います。また、既に対応した部分についても見直しが必 要であれば改訂して行くことになると思います。 ○吉村委員  こちらとしても画像分野にいま特化している工業界がございます。そういった格好で JAHISさんと共同でセキュリティのガイドラインを考えておりまして、かなり個々 に特化した分野の部分についてはガイドラインを考えている、細かい部分をつめている 段階です。そういう所をご参考にしていただければとは思います。 ○大山座長  ありがとうございます。現場から見たときのさまざまなご要望、あるいはこういう安 全性を、今回のガイドラインにも追記して改訂する形になっています。これらについて、 作業を含めて何かご要望があれば承りたいと思いますが、いかがですか。 ○山本委員  私は厚生労働科学研究の研究班で、昨年度末、つまり今年の3月に、全国2000の大小 さまざまな医療機関に、個人情報保護と情報システムの安全管理に関するアンケート調 査をしまして、多くの医療機関のご協力を得て、今年度の報告書にはまとめて書いてあ るのです。その中でこの安全管理に関するガイドラインに関してお聞きしたところ、ま ず知名度が比較的低い。「知らない」と答えた所が約半分ぐらいありました。これはご 承知のように、本当にレセプトコンピュータだけであっても、この6章が全て適用にな るわけです。本来なら日本の医療機関の90%以上が適用対象になるガイドラインです が、認知度はそれほど高くない。  それからもう1つは、もうご承知のように、非常に厚くて大きいものですから、内容 もさまざまな規模の医療機関に適用できるようになっている。簡単に申しますと、小さ な医療機関ではあまり関係のないような記載もかなりあって、読みづらい、分かりにく いという答えもかなりの数ありました。その一方で、「甘すぎる」という答えがやはり あったのです。特に、かなり積極的に地域連携をやられているような所では、このネッ トワークの部分とか、そういうところの記載が不十分で、これに準拠したからというこ とで安心感が十分得られないという答えもありました。参考までに、そういうことがあ ったことを報告します。 ○大山座長  ありがとうございました。確かにそう言われると、だからこそ今回やっているという ふうな言い訳になってしまいますが、周知徹底するというのは、何かありましたか。ガ イドラインを知らなかったと言う人は、初めて知ってくれたということですね。でも中 身はまだ別ですね。 ○山本委員  アンケートですから、出した所はすべての医療機関ではなく、ランダムに施設を選ん で出したので、おそらくそれ以外の所はまだ話題に出ていない状況で。何らかの形でも う少し周知を図る必要があるだろうというのが1つです。  もう1つは、たくさんガイドラインがあると複雑になっていけないということで、で きるだけ今までのガイドラインを統合して一冊にまとめたわけです。まとめるのはいい ですが、やはり規模別に分けたほうが理解はしやすいかという感想は、今でも持ってい ます。ただ、今から今年度中に、タスクの中身まで含めると、とてもできないでしょう けれども、これに関しては少し継続的に考えていくべきではないかと考えています。 ○大山座長  参考になるかどうか分からないのですが、電子政府のほうで、システム刷新化計画の 作り方というガイドラインの作成を行ってきました。例えば、社会保険庁のシステムを 入れ替えるのにどういう計画を作って、どういう手順で進めるかとあるのですが、これ も社会保険庁のようにものすごく大きなシステムから小さいシステムまで全部をカバー してしまったために、小さいほうのシステムにはやりきれないとの指摘がありました。 先方も同じようなことで作業を進めていると思いますので、少なくとも経験を共有する 意義があるのではないかと思います。  さて、皆さん方からご意見をいろいろいただくのはもちろんですが、特に今日の会に は、作業班を2つに分けて進めるということをご承認いただく必要があると思います。 その意味では、ネットワークの関係、それから自然災害・サイバーテロの関係さらにI T障害対策等の検討等について皆さん方からご意見があればいただきたいと思います。 できるかどうかまだちょっとわかりませんが、順位づけも必要になるかもしれません。 追加的に検討すべきではないかというご意見があれば、この機会に言っていただきたい と思いますが、いかがですか。特にございませんか。それではご承認いただくという形 でもよろしいですか。 ○篠田委員  確認をさせていただきたいのですが、最初に中川委員からもご指摘がありましたよう に、いくつかガイドラインがあるようなので、その全体的にどういう関係になっている かというのを明確にしておいたほうが良さそうな感じがするのです。このスケジュール によると、初めから作業班が2つできるということになっていますが、この上に、全体 をまとめるワーキングかプロジェクトか知りませんけれども、そういうものが当然あっ て、その下で、この2つが動くということと、理解してよろしいのですか。 ○大山座長  いかがですか。そこについて、お願いします。 ○宇都宮室長  まさにこの検討会が屋根となって、その下に作業班を2つ作るということです。先ほ どの保険局のほうの話というのは、特にどちらの傘の下でということではなく、むしろ そちらのとこちらと整合性を取りながら、適宜相談なり情報交換なりしながら連携をと ってという整理になっています。 ○大山座長  可能性ですが、場合によっては、今から次の予定までの間に、この会を開く可能性は ないとは言えないと思ってもいいのですか。 ○宇都宮室長  このスケジュールはあくまで案ということです。ですから作業班の作業の進み具合、 あるいは本日の委員の先生方のご都合、そういったものを加味して日程は決まります。 これは必ずしも1月末に開くと決めているわけではありません。おおむねこの頃という 感じを、案としてお示しさせていただいているだけです。それは状況によって変わるこ とはあり得るということです。 ○大山座長  ということですが、ほかに、いまの関係でご意見があれば承りますが、いかがです か。 ○矢野委員  若干スケジュールの確認ですけれども、たしかセキュリティセンターのほうでは秋口 ぐらいにガイドラインの整備をせよというような話があったかと思うのですが。この作 業班A、Bは私は個人的にはこれでいいと思うのですが、例えばサイバーテロというの はそもそも何者かというところからの検討を作業班で始めていかなければいけないと思 うのです。ということは、タイトとはいえ結構じっくり取り組まなくてはいけないよう な気がするのです。ちょっと部局間、省庁間でどうなるか分からないのですが、少なく とも医療情報システムの安全管理に関するガイドライン、もしくは厚生労働省側のガイ ドラインというのはじっくりと検討した上で、この3月末までにきちんとリリースをす るというスタンスのスケジュールになっているという理解でよろしいですか。お尻を詰 められてしまうと、変な検討をして変なものを出すということは避けたいと思いますの で、そのような認識でよろしいですか。 ○宇都宮室長  じっくりと言うには期間が短くて申し訳ないのですが、この中でできるだけ詰めた議 論をしていただければと考えています。 ○大山座長  今のことに関連して、現場のほうでサイバーテロ的な経験あるいは事例というのは、 今までにあるのですか。経験がないとすると、随分違うと思うのです。セキュリティセ ンターのほうは実際に問題が起きたところからスタートしていたのがクローズアップさ れているものもあります。もちろん今までないからこの先もないというつもりは全くあ りません。将来的には、十分あり得ることと思いますが、その辺のところは何か経験、 例えば事故あるいは障害みたいな話で報告があるのでしょうか。 ○山本委員  サイバーテロはないと思います。サイバーテロではなくて、この要するに情報セキュ リティという意味では、例えばコンピュータウイルスに侵されたというのはございます が、サイバーテロというのは知らないし、たぶんないと思います。 ○大山座長  もしそうだとすると、この先はそういうことが起きたらどうやって通報するか、どこ に届けるのか、どういう事例の書き方のスタイルにするのか、対策との対比をして十分 かどうかを見てのが、一般的なやり方ではないかと思います。  先ほどの篠田委員からの話に関係してですが、作業班A・Bという仮の形で名前にな っていますが、こちらが立ち上がるということは、それぞれの作業班の班長というか、 まとめ役の方にお入りいただき、少なくとも事務局とまとめ役の方と私で、主として事 務局側にお願いしたいと思いますが、ほかのガイドラインと整合するためにスコープを どう合わせられるかを含めて、必要な作業を別途やらせていただくことになるのではな いかと思います。その観点から、ちょっと事務局側にお伺いします。作業班AとBは、 従来と同じ班がやるのですか。それとも別に再編成するつもりですか。 ○事務局  作業班Aと書いておりますほうについては、現在のガイドラインの6章辺りの拡充と いうことから、前回記述に携わっていただいた作業班の方々を中心にとは考えますが、 これまでなかったソリューションに対するレギュレーションとも考えられますので、ネ ットワークキャリアの方等のご意見も伺いながらというふうには考えています。作業班 Bについては、ネットワークのというか、情報のといいますか。アベイラビリティその もののお話であったりもしますので、情報セキュリティに携わられている官庁の方々で ありますとか、そういったご専門の方々にご参集いただき、ご意見を賜ろうかと考えて います。 ○大山座長  いま作業班A・Bの大まかな考えをお話いただきましたが、何かその件についてご質 問等ございますか。あるいは、私は参加したいと、すぐにここで手を挙げてくれる方が いるとかいう話もウェルカムかなと思うのですが、いかがですか。  今までの話をちょっとまとめますが、第13回、14回、15回と予定されていますが、 中川委員からのご指摘のとおり、ほかから出ているガイドライン等との関係を明らかに するために、必要に応じて、委員会の開催する日や回数が変わることもあるということ です。また、その作業については、主として事務局側で対応いただきますが、作業班 A・Bとその班長の方、私ももちろん入らせていただきますが、事務局との間でもその 辺については密に連絡させていただき、必要に応じて14回の開催を前倒しする、あるい はもう1回増やすということで、皆さん方からご意見をいただく場を設けるという形で 進めさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。いまの件ついて、ご質問や ご意見ございますか。  ちなみに、前の流れだと、班長さんあるいはまとめ役の方の候補は決まっているので しょうか。 ○宇都宮室長  座長からご指名いただければ。 ○大山座長  指名をしろというお話ですが、指名させていただいてもよろしいでしょうか。 (拍手)  ありがとうございます。それでは、山本委員に作業班Aの班長を行っていただきたい と思います。Bのほうについては、他省庁の方もいらっしゃいますし、ほかの専門家に もお入りいただくことになると思いますので、喜多委員にお願いしたいと思います。時 間の関係もありますので、ご承認を得るためにお諮り申し上げます。作業班Aについて は山本委員に、作業班Bについては喜多委員にまとめ役をお願いし、作業班A・Bの人 選については、事務局と仮称班長さんと相談の上、今までの実績等も踏まえて人選をさ せていただきたいと思います。この辺について、ご承認いただけるかどうかお諮り申し 上げます。いかがですか。 (承認) ○大山座長  ありがとうございます。それでは、このような形で速やかに作業が開始できるようお 願い申し上げたいと思います。こちらで用意した議事次第は以上ですが、その他等で何 か皆様方からあれば承りたいと思います。ご意見等があれば、ご発言いただきたいと思 います。いかがですか。事務局側、いかがですか。特に何かございますか。 ○松谷局長  いろいろご意見をいただきましたので、また事務局としてもできるだけサポートして やっていきたいと思います。先ほど保険局の話もございました。保険局のほうはご存じ のとおり、レセプトの体制をいま作りつつありますので、そちらとの連携を密にして、 その作業に反映できるようにしたいと思います。出来上がりの形をどうするかは、先方 と相談させていただきたいと思います。 ○大山座長  もう一度、閉会する前に皆様方にお聞き申しますが、何かご意見がございますか。  ありがとうございました。今日はさまざまなご意見をいただきまして、厚くお礼申し 上げます。本日の議論を踏まえ、私と先ほどお願いした作業班長という名前を使わせて いただきますが、お2人の先生方と事務局で、今日の議論を整理し、次回検討会には作 業班での検討結果を、予定として報告したいと思います。場合によっては、もう1回開 くことも起こるかもしれませんが、それについては適宜ご連絡申し上げたいと思いま す。事務局から何か発言はよろしいですか。  本日は、熱心なご議論いただき、ありがとうございました。これで閉会とします。 (了) 照会先 医政局 研究開発振興課 医療機器・情報室 企画開発係 大野 TEL 03-5253-1111(内 2588) FAX 03-3503-0595