06/10/10 要介護認定調査検討会 第1回議事録 第1回要介護認定調査検討会議事録 日 時  平成18年10月10日(火) 15:00〜16:45 場 所  厚生労働省17階 専用第18・19・20会議室 議 事 次 第 1.要介護認定調査検討会設置について 2.高齢者介護実態調査について 3.今後の進め方について 議事内容 ○福原課長補佐 定刻となりましたので、第1回要介護認定調査検討会を開催させてい ただきます。  初めに、老健局長から御挨拶を申し上げます。 ○阿曽沼老健局長 9月1日付で老健局長を拝命いたしました阿曽沼と申します。よろ しくお願いします。  委員の皆様におかれましては、お忙しいところ本検討会に御出席いただきまして心か ら感謝を申し上げる次第でございます。  介護保険制度もスタートしましてから7年目にいよいよ入ることになりました。平成 12年4月からでございますので、要介護認定につきましてもかなりいろいろ改良を重ね てきたわけでございますけれども、この間、高齢者の介護の実態も変化をしております し、いろいろなケアにつきましても集団のケアから個別ユニットケア、あるいはまた個々 のケアの中身も変わってきておりますので、更に今年の4月から介護保険法の見直しが 行われまして予防重視型に切り換えるとか、新予防給付をつくるとか、そういったよう な制度の改正が一方で行われておりまして、介護の実態も変化している、あるいは制度 も変わっているということでございますので、新しい時代に合わせた要介護認定という ものをこれからつくっていく。そのための専門的、技術的な検討を開始をしようという ことで先生方にお集まりいただいたという経緯でございます。  せっかくお集まりいただきましたわけでございますから、是非率直な意見交換をいた だきまして、一次判定をより一層精度を上げるという目標に向かって忌憚のない御意見 をいただければ幸いでございます。  開会に当たりまして一言、私の方から御挨拶をさせていただきます。どうぞよろしく お願い申し上げます。 ○福原課長補佐 局長及び老健課長の鈴木は、国会対応のためここで退席させていただ きます。           (阿曽沼老健局長・鈴木老人保健課長退室) ○福原課長補佐 続きまして、本検討会の委員を御紹介させていただきます。お手元の 委員名簿にありますように、本検討会は12人の委員により構成されております。本日、 安西委員と村嶋委員につきましては御欠席の連絡をいただいております。  委員長席より向かいまして左前から、日本社会事業大学大学院の今井委員です。  国立長寿医療センターの遠藤委員です。  国際医療福祉大学の開原委員です。  東北福祉大学の加藤委員です。  静岡県立大学の小山委員です。  右前に移りまして、医療法人真正会霞ヶ関南病院の齊藤委員です。  和洋女子大学の坂本委員です。  国立保健医療科学院の筒井委員です。  杏林大学の鳥羽委員です。  日本リハビリテーション医学会の浜村委員です。  以上でございます。  続きまして、事務局の紹介をいたします。  老人保健課長補佐の鈴木でございます。  議事に先立ちまして、本検討会の運営について御説明させていただきます。  第1点、議事は原則公開であること。  第2点、議事録も原則公表されること。  以上でございます。  なお、本検討会の委員長は委員の互選により選任することとされていますが、どなた か御推薦いただけないでしょうか。  では、遠藤委員どうぞ。 ○遠藤委員 前回の経験もありまして、国際医療福祉大学の開原先生にお願いしたいと 思います。 ○福原課長補佐 開原先生を御推挙いただきましたが、ほかにございませんか。  それでは、開原先生に本検討会の委員長をお願いすることに御異議はありませんか。                  (拍手起こる) ○福原課長補佐 開原先生、よろしくお願いいたします。  それでは、委員長席にお移りいただき、以後の議事の司会を御担当願います。              (開原委員 委員長席へ移動) ○開原委員長 それでは、一言御挨拶を申し上げます。  ただいま、図らずも委員長を仰せつかりましたけれども、前にも一度経験がございま すので、できるだけのことをさせていただきいと思いますが、皆様も御協力をどうぞよ ろしくお願いいたします。  この介護保険というのは今、世界では3つの国しかないそうでございます。ドイツと、 ルクセンブルクですか。今、韓国も日本のことを一生懸命研究して、間もなく韓国でも やりたいということのようでございます。そういう意味で、この介護保険制度というの は私は日本が誇るべき制度の一つではないかと思っておりますが、その中でも要介護認 定というのはある意味では一つの根幹をなすところでございますので、どうぞよろしく お願いをいたしたいと思います。  あいさつはそのくらいにいたしまして、早速議事の方に入らせていただきたいと思い ます。まず、事務局の方から本日の資料の確認をお願いいたします。 ○福原課長補佐 お手元の資料について御確認させていただきます。  まず資料1が1枚紙になりますが、「要介護認定調査検討会要綱(案)」です。  資料2が、ホチキスで止めてあります「高齢者介護実態調査の概要」です。  資料3が「ケアコード一覧表」です。  資料4が「認定調査票」です。  資料5が、これも1枚紙になりますが、「高齢者介護実態調査事業における想定スケジ ュール(案)」です。  参考資料1が、「認定ロジックについて」です。これは、委員の先生方にはカラーでお 配りしております。  参考資料2が、「高齢者介護実態調査について」、これもカラーでお配りしております。  以上であります。資料等に不足や乱丁がありましたら事務局までお願いいたします。 ○開原委員長 よろしいでしょうか。  それでは、早速議事に移らせていただきたいと思います。まず「要介護認定調査検討 会設置について」を事務局から説明していただきたいと思います。では、どうぞよろし くお願いします。 ○福原課長補佐 お手元の資料1の「要介護認定調査検討会要綱(案)」をごらんくださ い。  1.趣旨  要介護認定における一次判定の仕組みについて、専門的・技術的検討を行うため、要 介護認定調査検討会(以下「検討会」という。)を開催する。  2.主な検討事項  (1)今般の介護保険制度改正に伴い、新たに実施されている要介護認定手法に関す る技術的検討  ア.要介護認定情報管理事業等を通じて得られる市町村ごとの要介護認定の実施状況 についての定量的な検証  イ.介護認定審査会に係る事項の技術的検討  (2)その他、要介護認定に係る事項の技術的検討  3.検討会の運営等  (1)検討会は、厚生労働省老健局長の私的検討会とする。検討会の庶務は厚生労働 省老健局老人保健課において行う。  (2)委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。委員長は検討会を総理する。  (3)参考人の招致  委員長は、討議の必要に応じ、適当と認められる有識者等を参考人として招致するこ とができるものとする。  (4)審議の公開  審議は原則公開とする。  (5)検討スケジュール  平成18年10月に再開後第1回会合を開催し、以後、必要に応じ適時開催する。  以上でございます。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの要綱案の説明につきまして何か御質問、御意見がございますか。 よろしいですか。  それでは、この要綱案を了承させていただきたいと思います。どうもありがとうござ いました。  引き続きまして、議事2の「高齢者介護実態調査について」を事務局の方から説明し ていただきたいと思います。 ○福原課長補佐 お手元の資料2の「高齢者介護実態調査の概要」をごらんください。  本検討会の目的は要綱案でもお示ししましたとおり、要介護認定手法の技術的検討で ございます。今回の開催につきましては今年度、国の事業として実施予定の高齢者介護 実態調査、その中でも特に調査に用いる調査票とケアコードの内容の審議であります。 したがいまして、今年度実施予定の高齢者介護実態調査の概要について事務局の方から 説明させていただきます。  「1.介護保険制度における要介護認定の仕組み」とありますが、(1)で要介護認定 の概略について説明いたします。  介護保険制度では、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態、いわゆる要介 護状態になった場合や、要支援状態になった場合にサービスを受けることができます。  この要介護状態や要支援状態にあるかどうか、要介護状態にあるとすればどの程度か の判定を行うのが要介護認定であり、保険者である市町村に設置される介護認定審査会 で判定されます。  要介護認定は、その基準については全国一律に客観的に定めております。  「(2)要介護認定の流れ」について御説明いたします。1枚おめくりください。まず 被保険者が市町村窓口に申請いたしますと、市町村から認定調査員が申請者の自宅まで 参りまして、そこで心身の状況に関する調査、認定調査を行います。その結果と、主治 医意見書の内容を踏まえましてコンピュータによる要介護認定等基準時間が算出され、 それに基づき一次判定がなされます。  この一次判定の結果と認定調査の特記事項、主治医意見書を保健・医療・福祉の学識 経験者から構成される介護認定審査会により審査されまして、二次判定がされるという ことです。  次に、5ページ目をおめくりください。「要介護認定発足から現在までの改正の経緯」 を御説明いたします。要介護認定発足当時の初期要介護認定について、まず準備要介護 認定は平成11年10月から開始されました。平成7年の高齢者介護実態調査の分析結果 を基にロジックを作成しております。この当時は、要支援者と要介護者の判別が難しい との意見や、認知症高齢者の認定が軽く出るとの意見がございました。  次に、平成15年4月の改正におきましては認知症重視の認定に改められ、特に運動機 能の低下していない認知症高齢者に対してレ点を採用し、1段階もしくは2段階上げる という処置がなされました。  平成18年4月、今般の改正につきましては予防重視型要介護認定とも呼べるもので、 基本骨格は変えず、一次判定が要介護1相当の者を介護認定審査会の状態の維持・改善 可能性に係る審査によって要支援2と要介護1に判別しております。  次をおめくりください。「要介護認定の課題」でありますが、2つございます。  1つ目は「認定ロジック作成に使用したデータが古いのではないか」という指摘がご ざいます。初期要介護認定は、平成7年の高齢者介護実態調査の調査結果に基づき作成 され、平成15年の改正には平成13年の高齢者介護実態調査の調査結果が用いられてお ります。認定ロジックはその時々の最も優良なサービス提供施設のケア時間を基につく られることとされており、平成13年当時と比べるとサービスの在り方に関する考えにも 移り変わりがあることが予想され、また、先般の国会においてもデータが古いのではな いかとの指摘がなされております。  2つ目は、「要支援2と要介護1の判別」でございます。現在、一次判定は要支援1、 要介護1相当、要介護2から5の6区分にのみ判定されます。  要支援2と要介護1の判別については、介護認定審査会の場で一次判定の結果に対し 介護の手間に係る審査、その結果、要介護1相当と区分された者に対し、改めて状態の 維持・改善可能性に係る審査が行われることにより、割り振りがなされる仕組みとなっ ております。  このような多段階の審査プロセスを簡略化するため、一次判定ロジック自体に要支援 2と要介護1の判別ロジックを組み込む等の検討を行うというものであります。  ただ、これにつきましては本調査のほか、在宅調査等の結果を併せて検討を行う必要 がございます。  次をおめくりください。「4.高齢者介護実態調査について」を御説明いたします。  まず「目的」は、介護が必要な高齢者に対し、心身の状況に応じてどのようなサービ スが提供されているかを数量的に把握し、両者の関係を分析するための基礎資料を得る。 なお、このデータは認定ロジック作成の資料となります。  「(2)今回の特徴」でございます。高齢者介護実態調査は平成7年、平成13年の2 度行われております。今年度実施予定の調査は、前回の調査後5年後経過し、サービス の質の向上や理想とするサービスの在り方に関する考え方の変化等を要介護認定におけ る認定ロジックに反映させるため、少しでも介護のために関与しそうな項目は認定ロジ ックに影響する如何にかかわらず、すべて盛り込んでございます。そのため、従来の調 査に比べて幅広い調査項目であることが特徴でございます。  「(3)調査概要」です。調査施設につきましては介護保険施設約60施設、4,500人 程度の入所者を対象と考えております。  調査時期につきましては、平成18年11月から平成19年2月を予定しております。  「実施内容」は介護時間調査、状態調査の2つの調査を予定しております。  介護時間調査は、1分間タイムスタディ調査とも呼びます。調査対象の高齢者に対す るサービスを48時間記録いたします。具体的には調査対象高齢者にサービスを提供する 職員全員に1人ずつ調査員が付き、職員が行うサービスの内容を1分間ごとに調査票に 記録いたします。  状態調査ですが、調査対象高齢者全員に対し、現行の要介護認定調査を基礎として新 たに作成した調査票による調査を実施いたします。これは、施設介護時間調査が行われ ていない日程で各施設の職員が実施するものです。以上でございます。  次に、資料3の「ケアコード一覧表(案)」、資料4の「認定調査票(案)」について、 実際にこれらの作成に携われた遠藤委員の方から具体的に説明していただきます。よろ しくお願いいたします。 ○遠藤委員 長寿科学総合研究費というものがありまして、平成16年、17年度、私ど もグループ班を形成させていただきまして、実は今回の調査に関わる基礎的な準備をさ せていただきました。その概略をまず最初に紹介させていただきます。  研究テーマは、要介護状態の評価における精神・知的及び多様な身体障害状況に適切 に反映する手法の開発に関する研究と、ちょっと長ったらしい話ですけれども、その中 で2年間研究をさせていただきました。特にこの研究班については障害部の方との協力 連携もありまして、立教大学の高橋先生にも御協力をいただいております。  平成16年度、1年目においては先ほど提出しております新しいケアコードの開発とい うことでプリミティブな第1バージョンを開発しております。また、多様な障害という ことでいろいろなスケール、認定調査の新しいものを使うに当たって、よりよいものは ないかということでギャフとかフーノスとか、いろいろなスケールを適宜取捨選択しな がら、専門家の意見を聞きながら開発調査をしてまいりました。  その中で、特にいろいろな障害においてIADLという項目が非常に重要であるとい う調査結果が得られましたので、その結果を基に、先ほど障害部との連携ということを 言いましたが、今回の10月から施行されました障害者自立支援法の認定方法にもモデル 事業を経て我々のいろいろなデータを利用していただいております。  その中で私たちがケアコードの開発もしくは認定調査票の多様な障害に対する問題を 解決するために参考にしたのは、専門家の意見ということ、いろいろなスケールを考え るということ、落ちがないようにするということ、それからICF、それから現在ある それぞれの障害に使われているようなスケールのすべてを網羅して検討してまいりまし た。ですから、ここに今日出させてもらっているのはとりあえず班会議の班のグループ の意見で、現時点の総和であるということを追加します。  昨年度、17年度においては16年度に一応まとめたものを用いまして、高齢者の実際 の在宅調査に用いれないかということでトータル60件くらいですけれども、在宅での1 分間タイムスタディの可能性について探りました。これについては24時間やることは大 変困難でありましたので、3時間程度もしくはそれを2日間ということで、在宅サービ スが提供されている間にお邪魔して1分間タイムスタディのプリミティブなものを在宅 でもできないかという調査を行わせていただきました。いろいろなトラブルはありまし たが、一応やれる方向ということで検討をさせていただきました。  更に今年度に入りましてメンバーを充実するという方向で考えつつ、ケアコード、そ れから認定調査の見直しということをやってまいりました。そういうことで、今回資料 として提出させていただきます。  お手元の資料3のケアコードに入らせていただきます。最初の一次判定の樹形図に使 われるケアコードというのは、1分間タイムスタディで用いたものはたしか360とかの 項目があったと思いますが、それを基に検討を重ねました。特に多様な障害ということ で今後見込まれるといいますか、高齢者においても必要と思われる生活機能とか、どの ような障害にも対応できるということを検討してまいりました。  そういうことで、お手元の資料の中で大分類だけ紹介しますが、大分類も拡張しまし たし、中分類もそれぞれかなり充実させました。小分類は認定のケアコードの分類のと きに実際に1分間タイムスタディのときに使われるものですので、今日は省略させてい ただきます。  大分類は1番ですけれども、まず最初に「入浴・清潔保持、整容・更衣」という項目 にしてあります。その中に中項目、中分類が入浴、清拭、洗髪、洗面・手洗いというこ とで、前回のものよりかなり細かくなっているかと思います。  そして2番は「移動・移乗・体位交換」ということで、敷地内の移動、移乗、体位交 換と、これまで以上に在宅を意識したものをつくっています。  3番は「食事」であります。調理、配膳・下膳、食事・嚥下、食器洗浄・食器の片付 け、水分摂取。  4番の「排泄」は排尿、排便に分けています。  大分類の5が「生活自立支援」ということで、特に我々は今まで見落としがちだった ICFの生活機能の方を入れました。ほかの中分類と重なるところもあるのですが、と りあえず整理したものが入っています。1.洗濯、2.清掃・ごみの処理、3.整理整 頓、4.食べ物の管理、5.金銭管理、6.戸締まり・火の不始末・防災、7.その他 の日常生活となっておりまして、単なる施設の調査というイメージではなくて在宅も視 野に置いて、しかも多様な障害に対してできるようなものにしています。  次の3ページですが、6も同様でありまして「社会生活支援」、行事・クラブ活動、電 話・FAX・E−mail・手紙、文書作成、来訪者への対応、外出時の移動、外出先での 行為、職能訓練、社会生活訓練。  7番が「問題行動」で、これをBPSDにするという意見もありましたが、とりあえ ず今までどおり問題行動で、発生時の対応、予防的対応、予防的訓練。  8番が「医療」でございます。薬剤の使用、呼吸器・循環器・消化器・泌尿器にかか る処置。3番は運動器・皮膚・眼・耳鼻咽喉科及び手術等々、4番は観察・測定・検査、 5番は指導・助言。  9番が「機能訓練」でございます。1番が基本日常生活訓練、2番が応用日常生活訓 練、3番がコミュニケーション訓練、4番が体力・スポーツ訓練、5番が牽引・温熱・ 電気療法。  更に0として、「対象者に直接関わらない業務」として付加的に対象者に関すること、 職員に関することということで、いろいろなタイプの施設がございますので、こういっ たものも入れた方がいいという議論の基にプラスしました。  このケアコードを用いて実際の1分間タイムスタディはできないかということで、後 先になりますが、後ほどケアコードの流れは説明したいと思います。  一番御批判、御討議いただきたいのは資料4でございます。これまでも基本調査とい うのは73から始まって変更を繰り返しながら今のものがあるわけですけれども、実際に は一部障害者自立支援のときに107に増えたということがあったり、介護予防で変更が あったりということを踏まえながら認定調査を検討しています。そういうことで、黒字 のところは今までどおりなのですが、今回我々の研究班で検討をして必要であろうとい うことを付加したものが赤色になっています。例えば3ページの6−5の記憶・理解の ところでは今の時間を理解するという時間の検討式を入れたり、ケで10以上のものを数 えることができるか、できないかということも入れております。  7番についてはそのままですが、4ページの8−2にはてんかん発作についてという ことも項目を入れております。  それから、5ページにおいて9−4、9−5辺りは全部新しく付加しておりますが、 毎日の移動範囲とか、外出の理由とか、居宅を訪問してくれる人とその頻度、日中の過 ごし方について、それから1年前の身体状況ということで、かなり在宅を意識した調査 項目になっております。これは、実際は1分間タイムスタディに先生方から御意見をい ただきたいのですけれども、実は調査が終わった後にまた有意な統計的に残るものとい うことで整理できますので、これがすべてになるわけではございません。  次の6ページの10番は「家や地域における日常の活動レベルについて」ということで、 ここはかなりICFを意識しまして、調理もICFは2つに分かれていまして、簡単な 調理と手の込んだ調理とか、全般的な食事の用意というふうにかなりこの辺は意識して グループで作成いたしました。  一部IADLと重なっているところもあるかもしれませんが、10−3辺りは金銭管理 とか、薬の管理とか、情報機器の操作とか、買い物についてとか、交通手段ということ で、こういった調査項目で対象者の評価をして客観的な介護時間に用いれないかという ことであります。  11番はかなりボリュームがありますが、1から36までありまして、これまでの「問 題行動について」というものを膨らませて足りない部分を補いました。これは諸団体の 先生方にもいろいろ御意見をいただきまして、可能な限り増やそうというスタンスで増 やしました。落ちているものがあれば指摘をいただきたいと思いますし、また必要でな いだろうということがあればそれも御指摘いただきたいと思います。11についてはここ にありますように知的、精神のものが集めてあります。  8ページで12についてですけれども、生活の状況についてということで、やはり大切 なものを管理することができるとか、栄養のバランスに配慮した食事ができるというこ とでいろいろな障害の方が在宅で生活するという今回は在宅を意識した調査に持ってい きたいということでやっております。  13番も御批判いただきたいのですけれども、作業課題という難しい質問です。「作業 課題の段取りを組む能力について」ということで、議論百出しましたけれども、とりあ えず今はこのままの名前で、キーワードで出しております。  特記事項についてもこれまでのものを踏まえながら一部加えて2ページになっており ます。特に2ページ目の11番、12番、13番辺りが特記事項で、調査員の方に手で記述 していただくということで増やしてあります。  そういうことで、これまでのものに比べて2倍くらいのものになっていまして、これ を使いながら今回の現状の新しい1分間タイムスタディ、介護時間調査ができないかと いうことの提案であります。  次に、参考資料1について簡単に説明させていただきます。今日お願いしたいのは調 査項目の検討ということになりますが、参考資料1については皆さんここにおられる方 は専門家なのではしょっていきたいと思います。筒井先生は専門家でございますけれど も、2ページに「要介護認定のロジック」ということでどういう経過、どういう頭のス トラテジーでこれが検討されていくかということがまとめてあります。  3ページを見ていただきまして、必要なサービス量を定量化していくということなの ですけれども、第1段階は3ページの下のところに「必要な介護サービス量は測定出来 ないので、何か別のもので置き換える必要がある」ということで、必要な介護サービス 量は欲しいんですけれども、それに代わるものを定量化というか、いろいろな統計デー タから出していくということで、第2段階で「施設入院、入所者に提供されているサー ビスを調べる」ということで、これは1回目の調査なので施設における1分間タイムス タディということで紹介されています。  第3段階は「同じ入院・入所者の心身の状況を調べる」ということで、その方がどう いう障害を持っているかという調査を、当初は73項目ですが、今回は大幅に広げた調査 項目で行えればと考えています。  第4段階は「二つの調査結果を突き合わせる」ということで、コンピュータで分析し てそれを基に樹形モデルということで5ページの下になっています。  そして、それを統計的に見ながら7ページでございますけれども、本当に直線上に介 護のサービス量と介護の状態というものが乗れば簡単ですが、現実はそうではないとい うことで統計のいろいろな工夫をしていただいたということで、このロジックに関して は筒井先生、小山先生が専門家だと思います。  基本的には最後には9ページの下のような樹形モデルというものが完成し、調査項目 とケアコードの分析ということを踏まえて樹形モデル図を新たに我々も検討したい、作 成したいと考えておりまして、10ページにありますような統計介護時間というものを推 計値といいますか、分岐項目としつつ、その平均値のまとまりを工夫しながら樹形図を つくっていくということで、改めてこの方法が多分現状の調査方法としては一番いいの だろうということで、新しい介護保険の中で現状の中でいい施設においてこの調査を行 いたいと考えています。  13ページは先ほど補佐の方からもありましたように15年度の改訂ということで、認 知症のことは改訂ということで、今ここにおられるメンバーの多くの方はそのときの委 員であられました。  結果として14ページは、認知症の問題については動ける認知症、運動能力のある認知 症に関して特別扱いというか、枠をつくって別に考えることで一直線上に乗るような統 計の処理をしたということで、この後、認知症に関しては余り低いという苦情が減った という成果を得たと思います。  これは今回のマターではないので省略させていただきますけれども、ただ、今回の新 しい予防重視型の認定について22ページを見ていただきますと、要介護1だったものが 切り分けを要支援2と要介護1にするということで、先ほどのこの研究会の目的にもあ りますあいまいな部分を新しい調査で整理をしていくということで、実際の認定調査会 に余り御負担をかけないように一次判定でこれが整理できないか。時間で整理するとか、 例えば認知症の判定もしくは急速に悪くなるようなものを何かの指標でここの中にもと もとに組み込んで処理ができないかということで、現状ではまだ調査中でありますけれ ども、その調査の結果を今回出していただくことになろうかと思いますが、現状では少 し全国的にばらつきが多い。要支援1と要支援2と要介護1のところが合議体によって ばらつきが多いということが課題になっているようですので、そこを何とかこの委員会 でも整理をお願いしたいというところがあります。そういうことで、この資料は終了さ せていただきます。  次に参考資料2で、では我々が目指す1分間タイムスタディは何かということなので すけれども、どんどん介護状況が変わっていく中で新しく3回目といいますか、1分間 タイムスタディを行うということになります。  2ページ目を見ていただきまして、調査で高齢者の状態の質問、これが先ほどの認定 調査になって、判定というのは認定の流れなのでこれは踏襲するわけですけれども、そ の基の1分間タイムスタディによって樹形図をつくるということが今回の目的になりま す。  3ページを見ていただきまして、1分間タイムスタディは調査者を別に雇うことにな ります。調査者をお願いして、基本的には交代になりますが、48時間職員1人について 調査員を付けるということで、これからそういう段取りをしていくということになりま す。  4ページを見ていただくとわかりますが、調査者は付かず離れず職員に付いて、どの 高齢者にどんなケアをしているかということを調査して、その内容についてケアコード に落とし込むということをします。  5ページですけれども、いろいろな業務があって、それを毎分0秒の段階で調査を行 う。ですから、中には毎時1分と2分の間の短時間の目配せとか、見守りというのが見 逃される可能性はあります。ただし、総体で何千人とやりますので、その誤差といいま すか、多分ネグレクトできるだろうということで、毎時0秒の時間で何をされているか ということを調査するというのが1分間タイムスタディだと思います。  6ページは先ほど紹介しましたケアコードがありまして、それは結果的に何をしてい るかを付けた後、最終的に調査員もしくはアナライザーがケアコードのチェックをさせ ていただきます。  そういうことで、先ほど説明しましたが、8ページを見ていただきます。ケアコード は以前のものなので9種類に分類したということで、今回は新しく更に増やしておりま す。それで、大分類、中分類、小分類を見直したということになっています。  そんな流れで、今後の課題としましてはどういう施設でお願いするか、調査員をどう するか、調査員の研修をどうするかというのが当面課題ではありますが、この委員会の 御指示をいただきながら長寿科学の研究班の中でも調査員用の研修を規格したりとかと いうことを進めながら、この調査が円滑にいくようにしていきたいと考えているところ です。以上です。よろしくお願いします。 ○福原課長補佐 ありがとうございます。  続きまして、委員の先生方には事前に資料を配布し、御意見を賜っております。  筒井委員の方から、追加すべき項目について御提案がありましたので、詳細について 御説明をいただきたいと存じます。筒井委員、お願いいたします。 ○筒井委員 この調査項目につきまして、大変網羅的な項目でいろいろな障害に対応で きるということなのですけれども、私どもの同じ長寿科学研究の方で経年的なデータを 分析しまして、予後予測をする項目の分析をずっとしてきていたのですが、その中で問 題行動の中のわずか1つの項目なのですが、昼夜逆転というか、夜間睡眠についての項 目がどうも認知症の前駆症状になるのか、それとも認知症のメルクマールになるのか、 それはまだ判別できていないのですけれども、これまで認定の中には含まれていなかっ たのですが、睡眠に関して少し検討した方がいいのではないかということを局の方で発 表させていただいておりまして、睡眠に関しての項目をできたら加えていただけないか という御提案をさせていただいております。  それからもう一点は平成7年度の調査なのですけれども、7年度、13年度と比較をす るということを検討していく必要があると思うのですが、7年度から13年度の間に削除 された項目が幾つかあるのですが、今回ケアの内容が変わったということと関連するか どうかということで、上肢の機能を測る項目として片手持ち上げという項目をもう一回 復活させていただけないか。  それから、特にこの項目は医療療養型ですとか急性期の方の患者さんの容体との関連 性が出ているということで今、入院基本料の要件となっております尺度の中でも使われ ておりますので、できれば付け加えていただきたいということをお願いしたいというこ とで意見を出させていただきました。  ケアコードにつきましては詳細な御説明をいただいたんですけれども、具体的な小分 類までしかないので具体的な行動について資料を、別にこの委員会でやるのは大変でし ょうから見せていただいて、13年、7年と比較できるようなことを確認して進められる とよろしいのではないかと思っております。以上です。 ○開原委員長 それでは、全部いろいろと御説明をいただいたわけでございますが、い ずれにいたしましても遠藤先生の研究班は大変御苦労様でございましたということで、 ここでつくっておいていただけると、後は大分やりやすくなっているということであり ますが、どうぞ改めてここの委員会としてただいまの御説明に対しまして、調査票の問 題でも、コードの問題でも、また筒井先生から御提案の問題でも、最初はどこでも結構 でございますので、是非御意見をいただければと思いますが、いかがでございましょう か。  では、鳥羽先生どうぞ。 ○鳥羽委員 まず大きな枠組みからちょっと御提案したいのですが、今の筒井先生のも のとも重なるところがあるのですが、ケアコードのボリュームと状態調査のボリューム ですね。各々の分類をしたときに、ケアコードでは少ないのに調査の方で非常に内容が 濃いものがあるような気がします。具体的には特にBPSDのところなのですけれども、 ケアコードの方でよほど詳細に実例とか内容、例えばBPS、BPSDに対してどのよ うなものが直接介助で、どのようなものが間接で、どのようなものがというようなこと が一つひとつ実例で示されないと、なかなか一致することは難しいのではないか。そう でなければ両者のボリュームはある程度バランスが取れるようにしないと、大きさがち ょっと違うのではないかということが少し気になったところでした。以上です。 ○開原委員長 ありがとうございました。この調査票はここでおしまいではなくていろ いろまだ説明書きのようなものができるのか、もう既にあるのかですね。 ○遠藤委員 調査マニュアルについても西村先生と一緒に、今あるものについてはつく っております。それで、新しく今、筒井先生から御提案をいただいたものに関しては、 そういう調査までに説明書というものをつくる必要があります。それから、鳥羽先生の 今、言われたBPSDの解釈といいますか、そういうものについても検討をして、それ はまた新しくつくることになると思いますけれども、早急に対応したいと思います。  調査内容について、我々も認定調査についてもなるべく落ちがあってはいけないとい うことで、どんどん増やしてしまったという経緯があって、調査員が大変ということに なろうかと思いますが、実際には最終的にはロジックを形成するときにかなり落ちるも のもあるだろうと思います。これをスリム化するという過程があると思いますので、基 本的には先生方の意見をこれから追加させていただきたいと思います。 ○開原委員 ほかにも何か御意見がございましたらどうぞ。 ○鳥羽委員 もう一つ具体的な提案なんですけれども、この認定調査検討会の中で前回 レ点を付けた理由ですね。動ける高齢者ですが、認知症高齢者に対するケアはその当時 まだ十分確立していない。ですから、この5年の間にある程度介護の技術が発展してき たならば、そのような内容を織り込んで調査を検討したらどうかというようなことが委 員の皆さんのコンセンサスになったような気がします。  そうしますと、このケアコードの分類が3つというのは余りに寂しくて、例えば状態 像に分かれるようないろいろな攻撃的なもの、あるいは抑うつ的なものとか、さまざま な分類に分けて、具体的にこの分類を増やした上で対応した方がいいんじゃないかと私 は思うのですが、いかがでしょうか。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。ここですべてを決めてしまう必要は必 ずしもないかと思いますので、是非いろいろな御意見をいただいた上で、その中で取り 入れるべきものがありましたら最終的に遠藤先生の方でいろいろ取り入れていただけれ ばいいかと思いますが、ただいまの問題について遠藤先生から何かコメントはございま すか。 ○遠藤委員 実際には精神科のグループの先生にも大分入っていただいているので、お 聞きしながら修正というか、追加させていただきたいと思います。多分もう1回か2回 かわかりませんけれども、ここの場で新しいものを提示させていただきたいと思います。 ○開原委員長 では小山先生、どうぞ。 ○小山委員 局長からは一次判定の精度を上げるため、それから調査を新しくするのは データを更新するため、多分3つ目の理由は障害者関係のものと連携を取ることという のが今回の調査の重要な目的になっていると思いますが、今お聞きして私は驚いている のですが、鳥羽先生がおっしゃっているとおりのことですが、例えば排泄のケアコード は間接、直接、言葉かけというので、排便を421、422 、423で、これで終わりにしよう ということを遠藤先生がおっしゃっているとすれば、もう科学の世界ではないですね。 これについては、これでおやりになるというのが研究会の科学的な検討の結果なのでし ょうか。お尋ねです。 ○遠藤委員 このもの自体はこれを最終版とは思っていませんので御意見をいただきた いと思いますけれども、これはもともとある350のものを多様な障害ということを念頭 に増やしてきたものですから、個々のものについてはここで御意見をいただきたいと思 います。○小山委員 質問が御理解いただけていないものですから。例えば排泄のケア というのは今日お配りになった参考資料2の5ページで、これはずっと昔に筒井さんた ちとつくったものがまた何十年ぶりに同じものが出て何も進化していないことがよくわ かりますが、この5ページに書いてあることは排泄については排泄の声かけ、車いすへ の移乗介助、トイレへの移乗介助、便器への移乗介助、排泄時の見守り、排泄の清拭介 助といっぱいコードをつくって、このコードの組合せでコードをつくっているんです。  これが要介護認定ができたことですが、もう一回お尋ねしますが、それを直接間接、 言葉、働きかけ、見守りという4つのコードでおやりになるんですねとお尋ねしている んです。 ○遠藤委員 私の勉強不足かもしれませんけれども、それぞれの項目について、排泄だ けではなくてほかの移乗などの要素もよそのコードで拾えるかと思っていたんですが。 ○小山委員 非常に重要なことで、筒井さんがつくった7ページの資料を見ていただく と、調査の実態は7ページの上にあるように排泄への声かけ、車いすへの移乗、トイレ への移乗、便器への移乗と、それぞれの行為を1分間ごとに付けて、それをケアコード に直しているわけですから、ここからここまでの全部は直接介護という形で、421、421 とずっと421が付くということです。  それで最後に驚くことをおっしゃったのは、樹形精度を高めたい。コードをまとめて しまったら樹形の精度なんかどんどん落ちちゃうんじゃないですか。これは基本的な統 計の話で、学問的議論には対応できないんじゃないですか。私はそう思うのですが、鳥 羽先生のおっしゃっていることはそういうことですよね。 ○鳥羽委員 ちょっと違うんですけれども、このケアコードの細かい説明があるんじゃ ないんですか。これは単なる最初の分類のコードで、小山先生がおっしゃるように直接 介助、間接何とか、見守りというのがすべて同じものでいいかという議論は別として、 この分類の大分類というか、最初の項目について少な過ぎるかというお尋ねはもう一つ の状態像の調査とのバランス、すなわちこれは学問的な考えだと思うんですが、その重 要性において考えられるべきであるというのが私の意見で、先生と言っていることは一 部は合っているけれども、先生の方は排泄に関して少な過ぎるという御意見ですか。 ○小山委員 新たな調査票をつくって、今までの調査を踏襲して樹形モデルをつくると おっしゃっているから、ならばどうしてこんなに直接、間接だけで出るんですかと聞い ているわけです。一次判定のロジック自身おわかりになっているならば……。  局長から私は最初に、一次判定のより精度を上げると聞いたので、一次判定のより精 度を下げると言っていただけるならば別に何も問題ないのですが、私は資料しかいただ いていないので、今日局長の御挨拶で一次判定の精度を上げる、データを更新するとお っしゃったので、データの更新ということはデータを全く違うものにするというふうに は考えられないし、第一同じケアコードで取っておかなければどこがどう変わったのか 比較検討もできないわけじゃないですか。  もうちょっと聞きますと、このケアコードをこういうふうにつくって解析が可能だと いうことを説明していただければ私は別に構いません。一応科学者のはしくれなので、 今まで樹形モデルで使っていたコード番号をこれだけ細かいもの、トイレの移動、便器 への移乗、排泄時の見守り、車いすの移乗、車いすの移乗というのはトイレだけではな くてもベッドから車いすの移乗もあるし、いろいろなところで移乗のコードは出てくる わけです。それを樹形モデルにするわけで、それを最初から排泄、直接介助、間接介助 とすることについては、済みませんが、調査をする前にコード表をつくっておかなけれ ば調査の集計はできないわけですから、もしそうだとすれば一次判定の精度を上げるこ とも、データを更新することも、違う理由にしていただかないと……。  私はそのようにしか思えませんが、もし違うとおっしゃるんだったらその理由を説明 していただきたい。データを更新するのになぜコード表をこんなに縮めてしまうのか。 もう一つは、データの精度を高めるのに、それぞれの行為ごとに分類されたケアコード 表を今まで使っていたのに、なぜ今回に限って直接、間接、見守り、そしてその他に急 に変えられるのか。この1点だけでいいんです。排泄の部分のこの1点だけを説明して いただければ、私の頭でも理解できると思うのですが。 ○遠藤委員 私どもは前回のものを参考にしながらやっているんですけれども、小山先 生と筒井先生は大御所というか、もともとの方なので、むしろ意見をいただいて変更し たいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○小山委員 この会議は意見を言ってもよろしいのでしょうか。意見を言ってよろしけ れば、前のケアコード表と同じにしてやらないと踏襲できないから危険だと思います。 ですから、前のコード表をもう一回出してきて、こういう不都合があるからこう変える と言っていただかないと、後で全然比較できなくなってしまいますので、調査票も変え てコード表も変えて調査をして、ぐしゃぐしゃにしてしまって精度が上がりましたかと 言っても、精度が上がったかどうか判定できないんじゃないでしょうか。  私の言っていることはおかしいでしょうか。ですから、私は前のケアコード表を大事 にもう少し詳細に検討していただければ、それで検討したと言うのだったらそれで結構 ですけれども、よろしくお願いします。 ○遠藤委員 もう一度原点に戻って、追加項目もありますので、また相談させていただ きたいと思います。 ○開原委員長 確かに参考資料の方のコード表と、ここに出てきたコード表は別にしな くてもいいのかもしれないですが、食い違っているということもありますので、これは あくまでも参考資料と言えば参考資料なんですけれども、小山先生のおっしゃるところ ももっともでございますので、今日は最初でございますし、自由にむしろ御意見を言っ ていただいた方が今後のためにいいかと思いますので、是非よろしくお願いします。  筒井先生、今のところの問題について前の御経験から何か御意見はありますか。 ○筒井委員 恐らく遠藤先生の方で、このコードを排泄の介助に含めたいという案はも うお持ちだと思うのですが、それが今回示されていないので、ちょっと私どもでは判断 できないところがあったということだと思うんです。  それと、平成7年のときには結局このケアコードで、発生した業務と状態像の項目を 一つひとつ解度という統計的な手法をもってこの認定項目を出してきたというプロセス があるので、ケアコード自身は大変重要だと思うんです。一つひとつが独立している。 ですから、それを考えますと、多分もう案がおありになって大部にわたるので出てきて いないものだというふうに私は理解しましたので、できるのであれば統計的には当時残 っていた認定項目というか、関連性があった項目と今回項目が変わるかどうかというの か大変重要なエビデンスになると思うので、それをやっていただけるといいのではない かと思っております。  それから、ちょっと別の件で最初というか、大枠の話に戻るのですけれども、要支援 というか、現在要支援1と要支援2というものを認定のロジックに二次審査会の主治医 の意見書等を入れて要支援2というのを決定しているプロセスになっておりますが、こ の要支援という対象者を認定ロジックの中に入れるということをおっしゃられたような 気がするんですけれども、これは正しいでしょうか。 ○開原委員長 最初の福原先生の中には、確かにそういう御意見がありましたね。 ○福原課長補佐 タイムスタディの結果だけではなくて、筒井先生にも認定と給付の両 者を突合させたデータを解析させていただいたりもしたので、そういったデータも踏ま えて、つまりタイムスタディだけではなくて、審査会の負担を減らすという意味でコン ピュータ判定できないかというふうなことで提案させていただきました。 ○筒井委員 これに関しては、予防給付を受けておられるタイムスタディのデータが施 設の調査では入手できないと思うんです。それと在宅で部分的にやられるということが あるのでしょうが、恐らく予防給付対象者についてどういう人が予防給付にふさわしい かというのは介護の手間を測る軸ではなくて、予防給付が効果があるという軸を新しく つくる必要があるのではないかと思うので、それはこの委員会の目的ではないというか、 委員長にどこまでこの話を議論すべきかということをお伺いしたいと思っているのです が。 ○開原委員長 確かに筒井委員が言われるように、その判別というのは幾らタイムスタ ディをやっても出てこないということにもなりますね。ただ、全く出てこないかどうか は、場合によるとまた別な観点でやってみると結果として一致するところがあるのかも しれないとは思いますから、目標に置いておくのは別に悪くはないと思いますが、確か に判定の軸は違っていてタイムスタディではないんですね。むしろ予測をして考えよう ということですから、人間の判断の方が入ってこないとなかなか難しいのかもしれない。 そこはどうしますか。  だけど、ここはタイムスタディを今のところやろうというわけですから、できるだけ それに近いようなものが項目として考えられるのであれば、いろいろ皆様のお知恵を拝 借してそれに代わるような形で判定できるような、タイムスタディに還元できるような ものがあれば、いろいろ考えていただくといいかとは思います。 ○鳥羽委員 厚生労働省の長寿科学で寝たきりプロセスの班長を6年間もやらせていた だきましたので、そのデータから参考になることを発言させていただきます。  1つは、要支援と要介護の境目というのは軽い虚弱といったような概念でとらえられ るわけですけれども、その虚弱になるプロセスでどのようなものが落ちやすく、どのよ うなものが元に戻りやすいかといったような知識が整理されているならば、今の在宅型 も含めた調査項目の妥当性については判断できるものがあるのではないかと思います。  例えば、私たちの調査では、認知症の場合に最初に落ちる機能は料理と、ここに入っ ていないので不満なんですけれども、買い物という機能が落ちやすい。それがIADL 訓練で治るとする。まだ十分データはないんですけれども、それならばそれを入れれば いい。ほかの項目についても逐一それが点検されているとするならば、これらの項目は 科学的であるというふうに考えられます。  ただし、これらの項目はすべて点検されているかというと、若干疑問のところはあり ます。それは先ほど小山先生がおっしゃられたように、施設型の介護の内容と、それか ら介護予防型の介護の内容が大きく違う中で、その両者の項目をたくさん入れた場合で すね。介護時間といったものの配分とこれらのケアコードの枠組みの重さ、重みづけで すね。それから項目の詳細さ、それが妥当であるかということは今回の例えばいわゆる モデルプランで答えが出るのであれば即座にやってしまえばいいですけれども、それが 十分でないとするならば、少なくとも重み配分とか、項目の大きさの配分についてはこ こでもう少し議論をした方がいいのではないかと思います。以上です。 ○開原委員長 ありがとうございます。それでは、齊藤委員どうぞ。 ○齊藤委員 この要介護認定の調査は久し振りに復活なので、何となく昔のことを思い 出していたのですが、その中で感想が幾つかあります。  1つは、1分間タイムスタディと言っていいのかどうかということがすごく気になっ て、1分刻みにする必要がこの項目だったらないのではないかと思いました。当時、私 どもの病院も調査対象でしたから、もっと細かかったように思いますし、これであれば 本当に10分置きくらいでもチェックを付けることは可能であろう。だから、もっと楽に なる。調査される側としたら楽な方がいいかなということもありますけれども、この項 目で1分間タイムスタディというのはいかがなものかというのが1つです。  それから、その後のところはよく覚えていないのですが、当初はたしか身体的負担感 とか精神的負担感とか、一つひとつの項目についてどれだけ介護者が大変なのかという 部分を調査してくださったように思うんです。私の個人的な興味としては、昔と今と、 平成7年当時と今とどれくらい負担と思うものが変わっているのかということを非常に 知りたい。それが実はすごく大事なポイントなのではないかというのが2点目でありま す。  3点目は、当時も在宅と施設で、やはり在宅も調査するべきではないかというような ことでかなり紛糾したことを思い出すのですが、あのころは施設に入っている人が多か ったとは言いませんが、どちらかというと施設中心の体系であったという印象が非常に あるのが、今はこれからどんどん在宅に帰ってくる。在宅に介護者が増えてくる状況を 考えれば、やはり在宅者用のものが必要なのかなと。同じものでやれるのかどうかとい うことは私は細かいところはわかりませんが、しかし在宅医療もやっている立場で言え ば、介護の手も違えば中身も違うということを考えると、多少両方にまたがるような項 目が必要になってくるのではないかということを感じています。  それから、先ほどの筒井さんの睡眠の追加のお話は私も大賛成で、認知症の方がどう いう状況になったかということを判断するのに、睡眠時間とか、どのような時間帯でど ういうふうに睡眠が取れているかというのは評価する項目として重要だと思うので、是 非入れていただければと思います。以上です。 ○開原委員長 では、今井委員どうぞ。 ○今井委員 ちょっと確認したいのですけれども、この認定調査票は調査員が付けるん ですね。先ほどの御議論にもございましたが、実際に判定が決まっていくための調査票 ですね。そうすると、先ほど御意見がございましたように、実際にケアコードから見る と、これから恐らく中項目から大小項目に落とすときにまだ作業があるのかなという印 象を受けたので、その作業が出てからの話になるのかなという気がいたしました。  そしてもう一つ、調査票のところで赤字で追加されている項目の中に11番で知的機能 や精神的な状態について云々ということがございますが、この一つひとつのクエスチョ ンを見ていきますと、例えば2の物事の選択や意思決定をできないことがある、ないと か、よくある。これをどういうふうに調査員が判定するかは非常に難しいのではないか。 こういう項目が結構あると思うんですね。例えば、自分の役割、仕事がわかりづらく誤 解を元に行動することがある。  これはどういうふうにこういうことを決めていくのか。他人と交流することの不安や 緊張のために外出ができないことがある。本当に不安や緊張のために外出ができないの かどうかをどうやって決めていくか。私はこれは非常に難しいし、調査員に単なる印象 で付けられてしまうと非常に困ってしまうし、いつの段階でどういう頻度でこういうこ とが起こってくるのかということもこれでは判定できないので、これを入れた目的とい うのはちょっと理解できなかったのですが、その辺は御説明いただけないでしょうか。 ○遠藤委員 ここは私の担当ではないんですけれども、いろいろな先生方からこれはど うしても入れてほしいという項目を積み重ねてやっていったものであります。特に精神、 知的のところで入ってきた項目なんですけれども、これについてマニュアルをつくると いうことと、調査員に対してクエスチョンセンターといいますか、わからないときには 質疑応答をするというような対応ということと2段階でお願いするということになって、 今回は思い切ってこういう項目を入れたいということになりました。 ○今井委員 非難しているわけでも何でもないんですが、これは精神的なケアも入れよ うという意図なんですか。要するに、いわゆるメンタルケアといいますか、何と言って いいかわからないのですが、今までのように実際の日常生活の介護というものを中心と した基準というのは理解できるのですが、こうなってくると精神的にどういう対応をし なければいけないのかというところまで踏み込まないと、この調査をする意味が大変混 乱してくるのではないかという気がします。ですから、この辺の意図は、ただ入れてく れと言ったから入れるのであれば混乱をもたらすだけではないかと思いましたけれども。 ○遠藤委員 逆にこれを入れることで全体像を理解したいということがあって、むしろ 落ちることを心配しました。それで、当面はやはり調査員の理解といいますか、わかっ てもらう。精神科領域の先生からマニュアルというか、この説明書があるので、それを 見ながら付けていただきたいということで入れてあります。 ○開原委員長 どうぞ。 ○加藤委員 今のことと関連しているのですが、例えば11番も7番と似ていて、BPS Dにも含まれるような項目がたくさんあるんですけれども、わかるのですが、認定調整 票の客観性を考えたときに、例えば評価者によってマニュアルをどれぐらい読めるかに よって評価は変わってくると思います。多分これは程度は客観性がないということで頻 度で聞いているんだと思うんですけれども、そこの評価者間がどれぐらい一致するかと いうことも検討していかないと、評価する人の判断によって変わっていくとなると、や はり客観性という意味では少し問題があるんだろうと思うんです。ですから、知りたい 項目と客観的ではない項目とを分けて、はじいていくものははじかないといけないよう な気もします。  ですから、そういった場合に実際に調査票とマニュアルを使ってみてインターレータ ーの一致率といいますか、どれぐらいそれが評価者間で一致するのかということも検討 して、残すか残さないかを検討していった方がいいのではないかと思いました。  それからもう一つ気になったのは、ここだけ4段階評価なんです。ほかは3段階で「と きどき」、「ない」、「よくある」で、「まれにある」というのがここにだけ入っているのが ほかの尺度と比べてどうなのかなということが印象です。以上です。 ○開原委員長 どうぞ。 ○浜村委員 非常に御苦労があったんじゃないかと思います。私は現場におりますので、 ここの作業は厳密にやらなければいけないんでしょうけれども、御家族とか患者様から は簡単にだれでも客観的にわかる内容であると非常に説明もしやすいしということが現 場の話でございまして、あなたは2なのに私は3とかという話はしょっちゅうありまし て、お金に関係するものですから非常にややこしいところがあると思っております。  今回、今までのものをなるべく発展、進化させようという先生の御提案に、基本的に は頑張ってほしいと思っているのですが、リハビリテーションの立場から例えばケアコ ードの2のところですけれども、2と基本調査の1のところが対比できると思うのです が、まず寝返りができるかどうかという動作能力のレベルですね。それから、一人で座 れるかどうか。座って座位を保持できるか。それから、その次はやはり立てるか、立っ ていられるかというところです。それと移乗の問題があって、移動と歩行というものが 基本調査のところでは2つあるような感じになっていますが、これは内容が違うんだと 思いますけれども、生活機能のレベルを能力的に見ると寝返りができるか、座っていら れるか、立てるか、移乗できるか、歩けるかと、ここである意味ではある程度の生活の 形上の幅というものは出てきてしまいますね。  そういった意味で言えば、ケアコードの2のところが、例えば移乗と体位変換、これ は寝返りだと思うんですが、4番のところはこんなふうに中項目でくくっても問題ない のか。私はよくわかりませんからお尋ねなんですけれども、起き上がれるかどうかとう ことと立てるかどうかというのは能力的には次元が1ランク違うところなんですね。そ うすると、座っていられる人の生活のイメージと立てる人の場合ではちょっとパターン が違ってくるんですけれども、基本調査はそれを意識した調査票になっているような感 じがするのですが、そういった意味でここは整合性があった方がいいのかなと思ったり して、もし御検討の項目として挙げられればということで御提案させていただきます。 以上でございます。○開原委員長 ほかにいかがでございましょうか。そう度々こうい う機会はないですし、今日いろいろ御意見がある場合はすべて出してしまわないと後で 間に合わなくなるということもございますので、どうぞ。 ○小山委員 私は遠藤先生に別に文句を言っているわけではなくて、ケアコードは見直 してくれるということと、今日の話では調査票ももう一回見直してくれるということの ようですから、老健局さんにお願いがあるのですが、これは要介護認定をどうやって変 えるかということもございますが、実は診療報酬では入院基本料に先ほど筒井さんが言 ったように看護必要度が入っているわけです。看護必要度に入っている24項目と、多分 23項目までは要介護認定のものは同じですが、この前回の委員会でどちらかの手を胸元 まで上げることができないというのを切りましたけれども、現在の診療報酬の中に入っ ているんです。そうしますと、それを更に今回ケアコードも、認定調査票も恣意が入っ た形で変えられてしまいますと、二度と医療と福祉は本当に兄弟が別れたまま違う道を いってしまうんです。これは高齢者の医療制度を控えていますので、政策論的に極めて 重要な問題だと思います。 その上、今年の7月1日から医療療養病床の医療区分1、 2、3、恨みは何もありませんが、一体厚労省さんは幾つアセスメント表を同じような 高齢者におつくりになるのかという根本的な政策理論の整理をしていただかないと、局 が違うから違うアセスメントでいいんだと、そんなわけにも私はいかないと思います。  今日言わないともうだめだと開原先生がおっしゃったから、私も長らく27年もお世話 になったので厚生労働省に文句は言いたくないんですが、是非医療介護政策のそれこそ 整合性は最低限国民生活を守るべく厚生労働省がきちんと整合性を合わせないと、医療 の現場で同じ人がいろいろ混乱していますし、今すぐに整理しろと言ってもしようがな いのですが、高齢者医療制度を2008年から始めると言うんだったらそれに合わせていく。 そこを射程に入れた高齢者介護実態調査であることを、是非私は心から本当にお願いし たいと思います。 ○福原課長補佐 貴重な御意見をどうもありがとうございます。持ち帰りまして検討さ せていただきます。 ○藤井企画官 小山先生、ありがとうございます。私は遅れて参りましたが、企画官の 藤井でございます。局長、課長は途中で退席させていただきましたので、急きょ参りま した。 今の小山先生からの御指摘は誠にもっともでございます。高齢者医療制度は開 始しますが、あちらの方も今、検討に入ったところで、勉強会あるいは第1回会議が10 月5日に開かれているのですけれども、両局勉強会も今、一緒に参加しながらやってい るところであります。ですから、高齢者医療制度との整合性がこの今回のタイムスケジ ュールと合うかどうかというのはお約束をうまくできないところもあるのですが、お気 持ちとしては今おっしゃったとおり、保険局だの老健局だのという話ではなくて、きち んと情報収集をしていきたいと思います。  むしろこの辺りは遠藤先生に私たちの方で整理をしてお願いをしてまいらなければい けない事項かと思いますので、今の御指摘はしっかりと受け止めさせていただきます。 よろしゅうございましょうか。 ○開原委員長 どうぞ、今井委員。 ○今井委員 私、実は今日ここへ来るときに、今までの5年間のデータというものです ね。介護保険制度が大変一般的にもなじんできて、ある意味では成功されてきていると 思うんですけれども、この5年間の認定における蓄積されたデータというのは非常に大 きなものがあると思うんですけれども、その中でいろいろな課題とか、その使い勝手の 悪さとか、それからいろいろな問題が統計的に出てくるのかなと、全くいいものだとい うことで検証をこのまま続けていくという結果で出てきたのかなとは思ったんです。  その辺のことがわからなかったんですけれども、今度の改定は今までの調査方法でい いということが大前提でやられるわけですか。そういう大前提でいいというエビデンス みたいなものはどこかにあるんでしょうか。 ○福原課長補佐 基本的に従来のやり方を踏襲しまして、こういった検討会を持ちまし て、さまざまな御意見をお聞きしながら、変えられるものは変えていきたいと考えてお ります。○今井委員 私だけかもしれませんが、私のところにはいい、悪いとさまざま な意見が、私のところには全く今のところわからないです。ですから、ここで委員して 検討するのにさまざまな御意見の内容というものがないと、この方針だけだと先ほど小 山先生がおっしゃっていたように、いい方向に改正するという方向が見えない感じがす るんです。 ○遠藤委員 途中で経過報告した中で失念したところですが、12ページですけれども、 基本的に市町村のデータで1年後、老人クラブ、それから当時ぼけ老人の家族の会とか、 いろいろな調査があって、おおむね8割は認定に関して満足しているというデータがあ った上で、課題は認知症だった。そして、それをこの以前の委員会で修正したというこ とで、かなり認定方法についてはソフィスケートされたものになってきた。  今回、課題になっているのは介護予防で要支援1になったところで、少し今データを 厚労省の方で集めておられて、おおむね認定方法に関してはいいだろう。だけど、問題 は今回修正しながらやりたいということですけれども、方法論に至ってはほかにいい方 法があれば飛び付くんですが、一回原点の1分間タイムスタディに戻りたいというのが 流れになっているかと思います。 ○開原委員長 中立的な言い方をすれば、この段階でもう一度そのデータを集め直した 上で、それを分析することによって今までのものがよかったか、悪かったかを検証しよ うということだとは思います。  ただ、そのときに今までのデータは必ずしも十分なものが取れなかったので、少しこ の場合は拡張をして、新たな制度的な問題にも対応できるようなデータを取ってみよう と、そんな感じではないかと私は理解しています。  いずれにしても今、大変重要な御議論をたくさんいただいたように思いますが、まず それをやるにしても物事というのは過去の発展の上に新しいものがあるわけであります から、過去にせっかくタイムスタディを何回かやってきたわけですので、それを拡張す るという視点は非常に大切ではないかという感じはしております。そういう意味では、 このケアコードなども過去のものはかなり皆さん注意をしてつくられたところがあるの で、その辺をもう一度出発点に置いて、それを直していく必要があれば直していく方が いいんじゃないか。そういう方法論的なサジェスチョンがただいまあったのではないか と思います。  それからもう一つは、新しい制度に対してタイムスタディが本当に適用できるのか、 できないのか。特に介護予防の問題に対してタイムスタディが有効なのかを分類すると ころで、このタイムスタディが有効なのかどうかというのはかなり根本的な問題で、私 もよくわかりません。しかし、いろいろデータを取ってみる中でちょうどそれに合致し たようなデータが取れればそれに越したことはないだろうとは思いますが、確かにタイ ムスタディとはちょっと違った理念で分けておりますので、そういう意味では本当に有 効かどうかはやってみないとわからないという感じはしております。  しかし、せっかくの機会でございますので、これまでの経験を是非少し拡張した形で もう一度ここをやろうというふうに厚生労働省の方は決心されたようでありますので、 できるだけそれが無駄にならないように皆様のお知恵を是非拝借して、いいタイムスタ ディができていいデータが取れるようにしたいとは思っております。  では、どうぞ。 ○坂本委員 幾つか今回の判定のロジックをつくる上でいろいろ教えていただきたい面 があるんですけれども、今回在宅の調査を加味して、それでロジックをつくっていこう という考え方を持っていらっしゃる部分があるのですが、在宅を調べるというのはかな りブレが出てくるのだろう。自計式になると客観性を見るのはかなり難しいところがあ って、では他計式にするかという話になると、ある一定の条件を付けないととてもやっ ていけないんだろうと思うんです。  そういったときに、調査ターゲットをどこにするのかというと、我々の今までのデー タでも、例えばトイレが狭くてとても調査員が入り込めないとか、いろいろな具体的な ことが起こっているんですね。そうすると、具体的にやるためには例えばグループホー ムを選択するとか、そういういろいろな手法を考えていかないといけないのかなという 感じがするんですけれども、もしそういうことで御意見があればお伺いしたいと思って おります。○開原委員長 これはまさにその調査方法の方に入るので、ここは今どなた が考えてくださっているんでしょうか。これは遠藤先生の班を多分超えてしまっている 話なのでしょうか。在宅をどういうところでやるかとか、その辺まで御検討いただいて いるのですか。 ○遠藤委員 坂本先生も委員なんですけれども、グループホームをやりたいということ はずっと言っているところで、グループホームが突破口になるのではないかと私は感じ ていて、できればやりたいと思っています。在宅もやらないともたないというところが あるので、在宅は自計式になるのかもしれませんけれども、やはりそういうデータを取 っていかないと批判に耐えられないし、いいデータが取れないのではないか。  ですから、そういう意味では今回先ほど提案になったのは施設ですけれども、やはり グループホームを何とか死守したいと考えています。 ○筒井委員 今ちょうどお伺いしようと思っていたというか、サジェスチョンというこ とで申し上げようと思っていたのですが、在宅の1分間タイムスタディの綿密なものを 平成6年と12年に一応やっています。それは特別に配慮していただいて他計式というこ とで、役所の保健師さんとかに一晩泊まっていただいてやってきたのですが、それは大 変限られた人数でして、難しい。  それで、私のささやかな経験から申し上げると、一番難しいのは夜間のタイムスタデ ィで、これについて今、実験的にやっている方法がありますので一応御提案させていた だきます。先ほど睡眠の調査をやっているということを申し上げたのですけれども、睡 眠を調査するのにアクチグラフと言って、その人が寝ているか、寝ていないかというこ とを判別するための時計が開発されているんです。それを介護者と、実際に介護を受け ている御家族の方の両方に付けていただいて、両方とも寝ていればそれは何も起きてい ないということで、今は時計ではなくてその簡易版ということで万歩計のような非常に 簡単な器具が出ています。これを使いますと、活動をしている状態とそうでない状態を 弁別することが9割方できますし、更に消費カロリーとか、そういうものもできるので、 在宅の調査ですとかグループホームは今、調査を始めているのですが、なかなか有効な 道具で睡眠状態も調査できるということなので負担が少ないですし、もしよろしければ そういった方法も御検討いただくとよろしいのではないかと思っております。 ○開原委員長 ありがとうございます。ここの委員会は、今日は少なくともそういう調 査方法についての依頼というのはまだ出てきていないんですけれども、そのうちどうい うところを対象にして何例くらいやるかとか、そういう話は次回辺りここで議論になる んですか。 ○福原課長補佐 まずはこの調査票とケアコードの確定で、今の筒井先生の御提案も私 の方で承っておりまして、それもある程度やる方向で調整しております。 ○開原委員長 わかりました。既にお考えだということですね。  しかし、在宅というのは本当に難しいですね。住宅構造がちょっと違っただけで全然 違ってくる。2階があるか、1階しかないかというだけでも話は変わってくるでしょう し、トイレが遠いか近いかでも違ってくるでしょうから、本当にこれは難しいので、よ ほどうまく対象を絞ってやらないときれいなデータが取れなくて、やったけれどもばら ばらで何も役に立たないというデータが出てくる可能性はありますね。その辺のデザイ ンというのはかなり大事な話になるのではないかと思います。 ○鳥羽委員 自記式の10分間タイムスタディを在宅でたしかやっているはずです。それ はコンピュータとの整合性は施設ほどではないですけれども、十分相関があって使える という形の報告だったと記憶していますけれども、その辺は今日書類がないのでわかり ません。 付け加えるならば、今回は自立訓練、社会交流、社会生活支援と大変いい項 目を選ばれていて、これらはほとんど介護予防のエビデンスの中の一つのパーツとして 有効だと思いますのでいいと思うんです。ただ、それには限られた家庭ではなくて、調 査方法の精度は落ちても10分間の自記式でも多数例の在宅でやって検証する必要があ るというふうに私は思います。以上です。 ○開原委員長 ありがとうございました。どうぞ。 ○加藤委員 今日いただいた資料2の5ページに書いてありますけれども、今回の改正 で一番大きいところというのは要支援2と要介護1が一次判定で判別できるかどうかと いうことなんだと思います。結構非常に微妙なラインのところを判別しようとしている わけなので、例えば施設をメインに調査するとやはり重い人たちが多い中で難しいと思 うんです。ですから、やはり在宅とか、いわゆるデイサービスとか、そういった比較的 軽い人たちを少しメインに、大変でしょうけれども、在宅をたくさん取っていくことが 必要ではないかと思います。以上です。 ○福原課長補佐 在宅につきましては本年度中に、それが自計式なのか他計式なのか、 それはフィックスしておりませんが、少なくとも自計式であったとしても前回同様のス ケールでやって、それプラスグループホームと、あとは筒井先生からの睡眠の評価、そ ういったものも織り交ぜて実施しようと考えております。 ○開原委員長 ほかに御意見ございますか。大体尽きたようでございますか。  それでは、今日は大変貴重な御意見をいただいたので、遠藤先生に大変申し訳ないの でございますけれども、前のタイムスタディの原点にもう一度立ち戻って、それから出 発をして拡張していくというような考え方で少し御検討いただければありがたい。そん なことではなかったかと思います。  あとは、在宅の問題とか、要支援が区別できるかどうかというところはやってみない とわからないことがたくさんあるかと思いますけれども、ただ、調査方法はかなりいろ いろな面で影響しますので、どういう調査方法を取るのかということについてもできれ ばここの場で御意見をいただける機会があるといいのではないかと思っております。  そんなことを含めて、今後の進め方についてお願いします。 ○福原課長補佐 資料5をごらんください。これは今後のスケジュール案になりますが、 調査前に2、3度事前の検討を行いまして、その御指摘、御議論を踏まえまして事務局 の方で調査票、ケアコードを修正した後、調査を実施。実施後に、再度本検討会を開催 いたします。以上であります。 ○今井委員 一言だけよろしいですか。とても気になる言葉があるんですけれども、問 題行動という言葉は今は余り使わなくなっていますし、問題行動という言葉を国で使う というのもおかしいので、行動障害なり、BPSDなり、専門的な言葉を使われた方が よろしいと思います。 ○開原委員長 言葉の問題も大変重要でございますので、よろしくお願いします。  今後のスケジュールということでございますが、そういうことでよろしいでしょうか。  そうすると、特に次回はいつごろというようなことは今日は……。 ○福原課長補佐 今月末か、来月の頭くらいに2度目を開催したいと思います。 ○開原委員長 では、日程調整は事務局の方でいろいろやっていただくことにいたしま して、これで今回の議題はすべて終わりということになりますが、特に委員の皆様方か ら何か御発言がございますか。 ○鳥羽委員 前回の項目選定に当たって、なるべく項目を少なくして単純化してほしい というふうに発言しました。  しかしながら、そのとき多くの委員から、これらのケアのコードや調査項目は介護の 施設といったものを全国に行き渡らせる教育的な項目があるので余り単純化するのはよ くないといった意見で、私も納得した経緯があります。  そうしますと、今回新しく在宅型の項目を増やし、また認知症のBPSDの項目を増 やすといったことは、単なる項目の精度だけではなくて今後このような介護あるいは要 支援高齢者のケアを重点的に見ていくんだというメッセージにもなると考えております ので、その辺はこの項目を出すに当たってどうしてこういう項目を加えたかということ をもう少し詳しく前文なり、その辺にうたってほしいと思います。以上です。 ○開原委員長 どうもありがとうございました。多分、今の点はタイムスタディの方の 問題と、それから最後の介護認定のところの項目の問題と2つあるんだと思いますが、 タイムスタディの方はある程度少し詳しくデータは取っても、最後の方の認定のところ はそれを整理しなければいけないというプロセスになるのではないかという感じはいた します。 ほかに御発言があればどうぞ。 ○齊藤委員 こんなことを今、聞いていいのかどうかわからないのですが、大体目安と いうか、いつごろどういうふうにという計画ですね。認定審査会のメンバーですので、 やはり二次判定をする上でもわかりやすい一次判定のロジックというか、そういうもの が必要だといつも感じています。  そういう中で、是非もう少しこれが具体的になって、なおかついつごろ何がどう変わ るかくらいは知りたいというのが本音でございますので、お答えできる範囲内でお答え いただければと思います。 ○福原課長補佐 初期要介護認定につきましてはタイムスタディ後に5年かかっており ます。平成13年度につきましては3年くらいかかっていますので、今回もタイムスタデ ィをやってから少なくとも3年以上はかかるものと考えております。 ○藤井企画官 具体的に申し上げますと、調査の結果をまた踏まえていただいて、幾つ かのステップがあると思うんです。まずそれをソフトにうまく加工していかなければい けない。自治体でモデル事業などで、それの確からしさなども確認していかなければい けない。そういうことを考えますと、先ほども福原補佐の方から申し上げましたように、 やはり3年以上かかるのかなというふうなスケジュール観だと思っております。 ○開原委員長 ただいまのお答えを私なりに解釈すれば、この委員会としてはまずはよ いタイムスタディをやるということが大変重要なんだというふうに伺ったところでござ いますので、それに向けて是非よろしくお願いをいたします。  ほかになければ、少しまだ時間が早いのですけれども、早い時間に終わるのは別に悪 くないと思いますので、終わりましてもよろしゅうございますか。  それでは、どうも大変今日はありがとうございました。 照会先:老健局老人保健課 連絡先:03-5253-1111 担当者:課長補佐 福原(内線3943)     主査   森川(内線3947)