06/09/19 ホームレスの実態に関する全国調査検討会第2回議事録 第2回ホームレスの実態に関する全国調査検討会 厚生労働省社会・援護局 第2回ホームレスの実態に関する全国調査検討会 議事録 日時:2006年9月19日(火) 14:00〜16:09 場所:厚生労働省専用第12会議室(5階) 出席者:  委員   岩田座長、森田委員、安江委員、山口委員、山田委員、古屋委員、駒村委員、   大橋委員、阿部委員  行政担当者   中村社会・援護局長、藤崎課長(地域福祉課)、島村課長補佐(地域福祉課)   北條室長(職業安定局雇用開発課就労支援室)、   長田課長補佐(国土交通省住宅局住宅政策課)、   吉田補佐官(法務省人権擁護局人権啓発課) 議事:  1. 開会  2. 議事    (1) ホームレスの実態に関する全国調査の内容等について    (2) その他  3. 閉会 配布資料:  資料1 ホームレスの実態に関する全国調査実施要領(案)  資料2 ホームレスの実態に関する全国調査票(概数調査票)(案)  資料3 ホームレスの実態に関する全国調査票(生活実態調査票)(案) ○岩田座長   ちょっと早いんですが、もう皆さん、おそろいですので。第2回の「ホームレスの実 態に関する全国調査検討会」を開会したいと思います。  どうも、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。まず、出 席状況等について事務局よりお願いします。 ○島村課長補佐   はい、本日は各委員全員の御出席をいただいております。なお、9月1日付で厚生労 働省の人事異動がございました。地域福祉課長が異動になりましたので御紹介させてい ただきます。地域福祉課長の藤崎です。 ○藤崎課長   藤崎です。よろしくお願いします。 ○岩田座長   それでは議事に入りたいと思います。既に皆様からたくさん御意見をいただきまして ありがとうございました。きょうは実施要領、概数調査票、それから生活実態調査票の 3つについて御意見をいただきまして、変えていくという作業を進めたいと思いますが、 時間に限りがございますので、多分、議論の中心は生活実態調査の内容になるかと思い ます。きょうはともあれこの3つについて全部おさらいをしまして御意見、改善の可能 性というものを一わたり検討しまして、次回もう一回議論するところをはっきりさせる というように作業したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  では、まず最初の調査の実施要領と概数調査票の方から進めていきたいと思いますの で、事務局から御説明いただきたいと思います。 ○島村課長補佐   はい、それでは御説明いたします。まず資料1をごらんいただきたいと思います。調 査実施要領(案)について御説明をいたします。  まず、調査の目的でございますが、これは第1回検討会でもいろいろ御議論いただい ておりますとおり、法律どおり基本方針の見直しの検討に必要な情報を得るということ を目的とするというようにしております。  それから、2番目の調査の客体でございますが、これにつきましては前回調査を踏襲 することとしたいというように考えておりますが、前回の御議論の中で委員から、調査 の精度を上げる工夫の必要がある、という御指摘をいただいております。それを踏まえ まして、概数調査につきましては調査の精度を上げていただくために、事前にホームレ スの所在を確認するなどの事前準備を行っていただきたいということを明記いたしまし て、より確実な把握をお願いしたいということで追加をさせていただいております。  また、調査の時間帯につきましても、前回調査の実施要領では「原則昼間」という言 い方をしておりましたが、これについてもより正確・効果的な調査ができる時間帯に実 施をしていただきたいというように修正をしております。  一枚めくっていただきまして、生活実態調査についてでございますが、生活実態調査 につきましても調査の効果的な実施ということで、より効果的な時間帯に実施をしてい ただきたいということを修正させていただいております。  それから、生活実態調査の対象自治体についてでございますが、済みません、一枚め くっていただきまして、調査対象の自治体でございますが、これについても前回の調査 と同様で、東京23区、政令指定都市、及び前回調査において100人以上のホームレスが 確認された自治体として、そのおおむね1割を調査目標として実施していただくという ことで整理をさせていただいております。なお、100人以上のホームレスの確認された 自治体ということで、対象となる市が幾つか前回と入れかわっております。  それから、一枚めくっていただきまして、調査期日につきましては19年1月実施。  それから調査事項につきましては、これは現在の事務局原案の調査項目、問い番号を 入れさせていただいております。それと5ページで1点修正をお願いしたいと思います が、(5)の自立についての、「民間賃貸住宅等に関する情報提供の状況」というところで、 問い番号38がダブっております。大変申しわけございません、修正をお願いします。  調査の実施要領につきましては以上でございます。  引き続きまして資料2、概数調査票について御説明をさせていただきます。  概数調査票につきましては、前回調査より大きな変更は行っておりません。ホームレ スの数につきまして、すべての市町村について調査をしていただいたものを県を経由し て報告してもらうもの、それから都道府県が県内の市町村数の数を取りまとめて国に報 告してもらうもの、この2種類の概数調査票となっております。なお、概数調査につき まして移動型と固定型の区分ができないのかという意見もございましたが、この両者を 明確に定義するというのはなかなか難しく、またこのような区別が実際に可能かという ことで幾つか自治体に確認させていただいたところですが、なかなかその厳密な区分は 難しいということでございましたので、概数調査票につきまして前回調査と同様の整理 をさせていただいております。  資料につきましては以上でございます。 ○岩田座長   ありがとうございました。それでは今、御説明いただきました実施要領と概数調査の やり方について御意見がございましたらお願いします。 ○森田委員   おおむね前回のいろいろな意見を組み込んでいただいて、大変、実施要領も前回より 精度が上がるものというように予想されます。そこで、実際に生活実態調査の方の調査 の対象者を、これは一応2割に、調査目標数が、実際の平成15年の1月の調査に合わせ て、そこから一定の比率でこの対象者を選ばなければいけない。この選び方の基準、こ れをどういう具合に設定されるかによって、調査の内容が大幅に変わってきます。全く 相手にお任せする、ゆだねるというのも一つのやり方です。もちろん、その場合にはそ の地域の状況がある意味では反映するような形で、ある程度やはり選び出していただく。 その場合に、どこに着目して選び出していくのか。例えば移動型の層、あるいはテント・ 小屋がけの固定層、あるいは前回出ましたような往還層、このようなタイプの構成であ る程度、正確な比率とまではいかないけれど、それらが代表性を持ってある程度選ばれ るかどうか。そのあたりは完全にフリーにしますと、どういう基準で選ばれてきて一定 のサンプルが抽出されてくるのか、この辺が不明確なままの調査になってしまいますの で、このあたりを何かお考えなり、あるいは我々の間で議論すべきことが残ってやせん かなという気がしますので、その点についてちょっと事務局の方からお答えいただきた い。 ○岩田座長   今の点について事務局の方はいかがでしょうか。 ○島村課長補佐   先ほどの実施要領の2ページをごらんいただきたいと思いますが、生活実態調査につ きましては(2)の「リ」で、調査客体につきまして定住型のホームレスに偏らないように、 移動型についても十分に配慮してくださいということをお願いしております。それで私 ども事務局として、ある程度そこは調査をしていただきます自治体の方にお願いする立 場でございますので、こういう形で十分に調査の場面で御配慮いただきたいということ をお願いしたいと思っております。 ○森田委員   もう1行加えていただくというわけにはいきませんか。「地域の実情を反映した形で」 というような文言を一つ入れていただきながら、「偏らないように」ということを少しつ け加えていただくということは。「考慮して」とか。 ○島村課長補佐   はい、それは可能です。 ○岩田座長   「本調査の調査客体は、当該地域のホームレスの実態を十分に反映するように配慮さ れたい」と書いて、その後で例えば「定住型のホームレスに偏らないよう」とか、そう いうように一言入れられませんかね。 ○森田委員   その方がいいと思いますね。 ○岩田座長   そのほか、何かございますか。よろしいですか。  それでは、もし何かありましたら、また後で御発言いただくということにしまして、 議論の中心はむしろ生活実態調査の内容になると思いますので、そちらに移りたいと思 いますが、よろしいでしょうか。  それでは、まず皆様方からたくさん意見をいただきまして、それらを事務局の方でま とめていただいておりますので、まず全体について事務局の方から御説明をいただきま して、かなり大部ですので、大きな数字のI、IIというように項目に区切って議論した いと思います。では、事務局から説明をお願いします。   ○島村課長補佐   はい、それでは生活実態調査表について御説明させていただきたいと思います。資料 の3をごらんいただきたいと思います。  調査票につきましては事前に各委員に事務局案として配布させていただきまして、大 変お忙しい中、また大変短い期間にもかかわらず御検討いただきまして、事前に御意見 をいただいております。この場を借りて厚くお礼を申し上げたいと思います。  本日の配布資料は、事務局案として御提示させていただきました調査票に各委員から いただいております御意見を記入したもの、これを配布させていただいております。初 めに事務局から配布させていただきました原案につきまして、一通り御説明させていた だきたいと思います。  まず全体の考え方でございますが、まず問いの数につきましてはなるべく前回と同じ 程度にすることを基本として考えております。これは実際のインタビュー調査の場面で、 余り問いの数が多くなりますと調査を受けるホームレスの方からの協力が受けにくくな ってしまう恐れがあるということや、それから調査員の方の負担も大きくなってしまう のではないかということがありましたので、なるべく前回と同じ程度の問いの数にした いというように考えております。  また調査の内容でございますが、前回との比較を行うという必要もありますので、修 正についてはなるべく少なくしたいというようなことを考えております。  また、前回聴取した事項であっても、生活上の感想を尋ねているような問いにつきま しては、これは問数を圧縮する観点から整理をさせていただいたというのが全体の考え 方でございます。それでは項目に沿って御説明させていただきたいと思います。  まず1番目の「路上での生活について」でございます。まず、1ページ目の旧問2で ございますが、これは路上生活の期間について尋ねておる部分でございますが、一枚め くっていただきますと、旧問6と期間についての話が重複している部分があると思いま すので、これについては整理させていただきました。  それから一枚めくっていただきまして、旧問4でございますが、食事の関係でござい ます。食事の関係につきましては、食事の回数について単に確認しているという状況で ございまして、その具体的な内容まで聞いているということではありませんので、これ についてはちょっと問数圧縮の観点から整理をさせていただいております。  それから、新番号の問4ですが、これについては選択肢を細分化させていただきまし た。これは前回調査から約4年が経過しておりまして、4年以上の路上生活ということ であれば、前回から引き続きホームレスであったということが推定できることではない かと考えられることから、この選択肢を細分化して整理させていただきました。  それから一枚めくっていただきまして、問6から問8まで、これについては選択肢の 中の字句の修正を行っております。  それから、旧問12番、これについては前回調査結果でも単独生活というのがほとんど ということで回答になっておりますので、質問の必要性が低いのではないかと考えられ ることから削除をしております。  それから一枚めくっていただきまして、旧問13、これは路上生活での困ったり、つら かったりということで、路上生活の感想を聞いているというような問いなのではないか ということで、これについては整理をさせていただいております。  続きまして、大きな項目の2番、「路上生活までのいきさつ」でございます。問10番 〜問13番までにつきましては、前回と同様で修正は行っておりません。  それから問14番につきましては、選択肢がダブっているのではないかと考えられるこ とから、これを少し整理させていただきまして、仕事の関係、病気の関係、それから家 賃や借金の関係、その他の要因ということで、少しくくりを整理して選択肢を修正させ ていただいております。  それから一枚めくっていただきまして、問15番、これにつきましては選択肢の修正で ございます。公団を正式な「都市機構賃貸住宅」というような言い方に修正したこと。 それから、「24時間営業の飲食店」というように修正しまして、いわゆる24時間のコン ビニ・レストラン等も含まれるような形で「飲食店」ということに整理をさせていただ いております。  それから問16、17番につきましては、ホームレスの移動でありますとか流入といった ホームレスの移動につきまして自治体からの意見もかなりありますので、その辺を把握 するためにより具体的に確認できるように問いの修正をさせていただいております。ま た、問17番で、移動の理由についても聞くということで、問17を追加させていただい ております。  それから一枚めくっていただきまして、大きな項目の3でございます。前回調査では 「健康状態と福祉制度」というようになっておりましたが、今回は「III 健康状態」とい うことにしております。健康状態の質問項目の内容については、大幅な修正はしており ません。字句修正等をさせていただいております。  それから一枚めくっていただきまして、旧問27でございますが、福祉事務所への相談 につきましては後ほど生活保護の利用について質問項目がございますので、これについ てはここでの質問は削除させていただきました。  続きまして、「福祉制度」についてでございます。福祉制度につきましては、前回調査 以降、ホームレス対策事業ということとして取り組まれておりますホームレスの総合相 談事業、それからシェルター事業、それから自立支援センター事業、それぞれにつきま してその利用状況について確認するということで新たな問いを起こしております。また、 特に自立支援センター事業につきましては、単に利用の有無だけでなく、就労自立の観 点から利用後の退所動向等につきましてもう少し細かく確認させていただきたいという ことで、原案のような退所後の動向について確認をしていただくこととして問いを作成 させていただきました。  それから、めくっていただきまして、旧の問32、33については何らかの支援というこ とで、これについては問数を圧縮する観点からこれは削除させていただいております。  それから、めくっていただきまして、5番の「自立について」でございますが、問28 〜34までにつきましては大幅な修正は行っておりません。選択肢の文言の修正等をさせ ていただいております。  それから、めくっていただきまして、問34、これにつきまして免許の関係でございま すが、免許や資格の有無につきましては、就労に当たりましてやはり大きな要因である ということでございますので、これはこれについての今後の希望について確認すると。 それから、これらの資格の取得について技能講事業の利用状況などについて確認すると いうことで問いを起こさせていただいております。  続きまして住宅の関係でございますが、住宅につきましては基本方針におきましても 民間賃貸住宅の情報でありますとか、それから保障会社に関する情報につきまして、民 間賃貸住宅関連団体と自立支援センターやその支部局との連携を図るということを要請 しております。これらのことから実際の場面での情報提供、情報把握の状況につきまし て把握したりということで、問いを追加させていただいております。  それから、めくっていただきまして、最後の生活歴の部分でございます。生活歴の関 係でございますが、問42でございますが、収入について、仕事以外の収入ということで、 前回の調査でも「仕事以外の収入がある」という回答もございましたので、年金の状況 についてどのような状況かということで確認をしたいと思いまして、この問いを追加さ せていただいております。  それから、次のページの借金の関係でございますが、借金につきましてはホームレス になった原因として「借金」ということで言及されることが多くありますので、確認を させていただきたいと思って追加をさせていただいております。  それから最後のページでございますが、最後の「その他」、自由回答欄でございますが、 前回は行政、ボランティア、民間団体というような区分でございましたが、今回は具体 的な内容がイメージできるように項目を入れた形で要望について記入していただくよう に整理させていただいております。  調査票につきましては以上でございます。 ○岩田座長   ありがとうございました。それでは一つずつこれからやっていきたいと思います。よ ろしいでしょうか。  まず、最初の大きな項目のI「路上での生活について」というところです。この青い 文字が皆様方の御意見があったところで、ここが大変多いのですが、一つの問題は1ペ ージの旧問2、それから2ページの新しい問3、それから3ページの問4という3つ路 上生活の期間を聞いている場所です。事務局案は最初の問2を削除ということですが、 委員の方々の御意見ではむしろ問2は復活させて、問4と問3をくっつけるというか、 調整して一つにする、あるいはそれぞれ聞くというのが大きな議論になるところだと思 います。あとは、旧問4の復活ですね。  それから、もう一つは、今の野宿期間と、それから収入の聞き方で、カテゴリーにし てあるものをそのまま実数値で聞いてしまうかどうかということがあります。それで一 番最後の、6ページの問13については復活希望が出ていて、あるいはちょっとそれを変 えて復活希望という御希望が2件出ています。そういうことですが、どうぞ御意見をい ただきたいと思います。  まず野宿期間ですが、いかがでしょうか。問2は「今いるところ」ということで、そ れから2ページの問3は、要するに人生の中で初めてというぐらいの構えになるのです が。それから3ページの「今回の」というのは、これもかなり微妙な言い方ですが。要 するに、今いるところではないところにもいて、移動してきて今のところにいるという 可能性が非常にあるものですから、ともかく92〜93年ぐらいからワーッとふえてきたラ ウンドで、まず野宿してからどのぐらいたったかというのが3ページの問4なんですね。  それで、最初の1ページ目の問2の、ともかく今いるところについて聞くのは、固定 層、テントがけとか小屋がけとか、その場所に固定している層をとらえる意味で不可欠 だという御意見があるわけですね。それでちょっと危惧されるのは、私たちは大体そう やって了解して設問をするんですが、調査をする人とか答える人がそのあたりが混乱し て、3回聞いていますから、混乱して。前回調査でもそこにやや齟齬のある答えが出て いるということはあります。前回調査は幸いに、今、阿部さんがやってくださいました けれど、余り細かいクロスをかけたりしなかったのでいろいろな齟齬が見えないのです が。それで、この調査の特質性として、多分、現場でのチェックがしにくい。それから、 齟齬が出ても戻れない調査であるということを考えますと、余り複雑にしない方がいい かなと思うんですね。そうすると、せいぜい3つではなく2つ。そうするとどうでしょ うか。 ○森田委員   非常に現場を混乱させる元になりますよね。 ○阿部委員   問4は、ぜひ重要なんじゃないかと思います。というのは、この方が5年前の調査の ときに対象かどうかというのは別の問題ですが、いろいろな施策ができ始めてきたその 後に来たホームレスの方なのか、それともそういういろいろな施策がありながら横目に 見ながら何もしなかったのか、というのを見極めるというのが非常に重要かと思いまし て。その観点から、今回というのは、病院から出てきた、またはドヤに入っていた、生 活保護にかかっていた、シェルターに入っていたとか、何でもいいんですが、からどれ ぐらいたったか聞くのは非常に重要かなと思いました。逆に、初めての路上生活という のは、どちらかというと生活歴に入る部分かと思います。この人がどういう生活経験を してきたかというところで、ここに入れてしまうとかえって混合になってしまうし、こ の質問が必要であれば。または、なくてもそのほかの教育歴とか職業歴である程度カバ ーできるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○安江委員   今、阿部委員がおっしゃった施策との関連で今回の野宿期間を聞くというのは、施策 は自立支援事業なり生活保護もあるわけですが、路上からの脱却というのと、それの往 還構造がありますので、例えば自立支援事業が始まってからと、この野宿者の今回の野 宿と余り因果関係がないというか。だから、「施策が始まってから」というのと絡めるの は難しいと思います。「今回の野宿」というのは、自立支援センターから出てきたり、宿 泊所から出てきたりして再路上しているかもしれないので。 ○阿部委員   それをこの質問と後の質問とあわせて、例えばこの人は4年前からずっと路上生活を していると。今の今回の路上生活。ですけれど、自立支援センターがこの地域では3年 前にできたのに、どうしてその間この人はずっと野宿なんだろう、というような分析が できるかと思います。でも、この人がいつからいるのかわからなければ、その人がつい この2年前に来て、あるいは1年前に来たというだけなのか、3年間ずっと横目で見な がらほかに施策があったのに入らなかったという選択をしたのか、その違いというのが、 その2人が区別できないんじゃないかと思いますけれど。 ○安江委員   さっきちょっと言い忘れたんですが、もう一つ大きな往還の、路上と飯場の往還とい うのがあると思いますので、「今回の野宿」ということを聞くことの意味というのが施策 と絡めてうまくきれいに出るとは思えないんですが。 ○岩田座長   そういう意味で言うと難しいんですね。私も初めて路上生活者に、どのぐらい前です かと聞いたら、4歳のときと言われて困ったことがあった。でも、今回そこを聞きたい わけではないんですよね。だから往還も含めて、あいまいなものを2つ置くよりは一つ にした方がいいんじゃないかと思います。  それで、安江委員がちょっと書かれたように、阿部委員も同じ御意見だと思いますが、 問3と問4をともかく何か合体させて、ちょっと文言を工夫して、ともかく今の場所に 来てからどのぐらいかというのと、場所がかなり変わる人もいるので。今の場所ではな いけれど、ともかく野宿が多くなってきたのはいつごろからかというような、今を基点 に何か聞くような、そういうような工夫をして一本にするということでいかがでしょう か。 ○森田委員   問2は、これは私は大阪ではこだわっているんですが。いわゆる全国的なホームレス 調査、大阪ならこの調査項目は絶対に見逃せない、むしろ非常に根幹になっている部分 なんですが。ただ、そういう比較的移動する層が多い地方、あるいは東京もそういうタ イプには属すると思いますが、そういうところにいると。いわゆる地域の特性を全国調 査で出してもいいのかどうかというのが、ちょっと私も迷いがありまして。だから、そ の点の御判断もちょっといただければと思います。ただ、大阪は数が多いだけに非常に これは悩ましい問題ですので。 ○岩田座長   職業なんかも聞いていきますので。はい、どうぞ。 ○大橋委員   問2と問4で新しい、赤字でついているところですが、この2つで問2はカバーされ ているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○岩田座長   という御意見がありますが、いかがでしょうか。 ○安江委員   森田先生のおっしゃるのは、問2を残すというか、大阪にとっては重要だとおっしゃ るのは、小屋がけになって定着してからどれぐらいたつのかということを知る必要があ るという意味ですよね。 ○森田委員   はい、つまりそこに生活の根城を確保して、生活のシステムができ上がっていて。つ まり自立支援政策の支援センター、脱野宿というパターンが当てはまらないというか、 そういうものに見向きもしない方々、この層があるんですね。ある意味では我々が法律 の中で規定しながら用意した福祉の例文に載っからない、あるいは非常に載ることを避 けている、そういう層。この層に対する対応策をどうするかをどこかでふるい分けない と。それだけこういうタイプの多い地域の問題というのはなかなか解消しがたい、どう してもそこのところがネックに残ってしまうという問題があるので、それを拾い上げる 工夫をするためにはこの問2が有効だろうという判断です。 ○岩田座長   問2は大橋先生がおっしゃったように、新しい問2と問4で、固定しているかどうか 確かにわかるんですね。それで多分、前の問2でこだわるのは、固定したところでどの ぐらいたっているかというか、そういうことなんだろうと思いますね。 ○大橋委員   だから固定していない人もいますから、だから問2と問3の方が固定していない人も 答えられるようになっていますから、それで問2と問3、問4も含んで固定していない 人も含むような形になっていますから、これで情報が得られるかなと思ったんですが。 ○岩田座長   では、そこのところがちょっと問題点ですが。今、ともかく一つの案としては、問2 がなくても新しい問4と新しい問2があればわかるんじゃないかという意見で、事務局 原案どおりに問2は取ってしまうという案が一つあって。それからもう一つは、問2を 復活させて、問3をむしろ取ってしまうという、2つあるというぐらいに整理しておき たいと思います。次に、期間はカテゴリーをつくらずに実数値で聞きましょうか、基本 的に。 ○大橋委員   聞きやすければ実数値の方が後の分析はやりやすい。それと、聞く方もどっちみち「ど れぐらいたちますか」と聞きますから。 ○岩田座長   そうですね。問題は1カ月未満とか、1年未満を、1年未満は月ごとに聞けとか、1 年以上は年単位で聞けばいいとか、いうことを決めればいいですね。  それから、ついでに数値については仕事の収入も数値で聞いてしまうという御意見が ありますが、これはいかがでしょうか。これは5ページの新しい問7の、収入のところ ですが。これはこの下の問9と同じようにすればいいということですね。 ○森田委員   実態の方のカテゴリーは実態の中から浮かび上がってくるから、だからこのあたりの 期間に多いとか少ないとか、このあたりの収入値が多いとか少ないとか、その実態に合 わせながら。それは実態のある事実、現実を反映した形であるわけですから、余り最初 からカテゴリーにこだわらずに、むしろ実数で聞ける部分は実数で聞いて、その語句の 中で処理していくという方が私はいいと思います。 ○岩田座長   では、これは後の集計の費用の問題ですから、私たちには関係ないので、そういうよ うにしておきたいと思います。大して違わないと思います。 ○森田委員   それは後の集計の段階でどうにでもなりますから。 ○岩田座長   そうですね。では、そういうように少し融通性を考えて、期間と収入については実数 値で聞くと。その聞き方については万円単位で聞くか、未満についてはもうちょっと細 かく聞くかというあたりを、期間も1年以内の場合の単位をどうするかというのだけ考 えるということにしたいと思います。 ○大橋委員   済みませんけれど、これは後では単純集計しかしないんですか。例えば賃金関数をは じくとか、そういうことはしないんですか。ホームレスの賃金関数、所得関数のような ものは。 ○岩田座長   きれいになったデータをもらって、いろいろ皆でいじってみるということにしましょ うか。 ○島村課長補佐   調査検討会が終わった後も分析とか評価をしていただきますので、そのときに。 ○岩田座長   少しいろいろやってみたらいいんじゃないかと思いますので、大橋先生、よろしくお 願いします。 ○大橋委員   それから先ほどの自立支援センターの例えば施策の効果のような話が出ていましたけ れど、これは自立支援センターのある地域とない地域をうまくばらつきますか。 ○岩田座長   そうですね。 ○大橋委員   わかりました。 ○阿部委員   あと、同じページで安江委員も御指摘しているんですが、「仕事以外の収入」というと ころで、収入源は何かというのは、前回の調査では全く調査されていなかったんですが、 もしできるのであればそれぞれの内訳を聞くのは難しいとしても、複数回答で幾つでも 「○」をつけられるみたいな形にしていただけると、一体どういう形で生活が成り立っ ているのかというのがもっと詳しく見えると思いますが。 ○岩田座長   5ページの新しい問8にかかわって、これは阿部委員と安江委員と同じ内容の収入源 についての附問というか、その要求が出ていますが。これはできれば余りふえないよう でしたら、ぜひ入れたらいいかもしれませんね。特に固定層なんかがどういうようにし ているかというのを。  それで、ちょっと戻りまして、2ページ目の食事ですが、古い問4の食事の状況につ いて、阿部委員から復活した方がいいんじゃないかということと、古屋委員から、内容 をこのように変更して書くというか、その御要望が出ていますが、これについてはいか がでしょうか。 ○阿部委員   食事がとれているかどうかというのは、その人の身体状況とか経済状況とかすべてを 包括して、ウェル・ビーイングというか、本当に困窮にある人はどういう人かというの を判定するにもすごく役立つ質問かなと思います。後々に健康の欄がありますが、健康 に支障が出てくるまでにこのようなところで支障が出てくるところがありますので、こ の質問は実際にどう感じているかというだけでなく、その方の困窮状況を諮るという意 味でもぜひ復活させていただきたいなと思います。特に前回との比較という意味でも非 常に重要かと思います。 ○島村課長補佐   食事の状況でございますが、前回調査では1日1回とっている方が16.9%、それから 1日2回とっている方が46.2%、それから1日3回とっている方が28.9%、こういう回 答が出ております。   ○大橋委員   生活費を聞いた方がよりそれも含んでしまうと思いますが。食事も。   ○岩田座長   貨幣タームで計れない残飯とか現物調達だから。ですから、やるとすると古屋委員の 提案のように、むしろこれと絡めて具体的なことを聞いた方がよりわかるというような。 ○阿部委員   何回でも聞かないと、どういう人が1日1回もとれていないのか、1日1回しかとっ ていないのかというのも絡めて、古屋委員のとあわせて両方必要かなと思います。 ○岩田座長   これは多分、固定層とか移動層とかの野宿期間との関係があって、固定すれば当然こ うなるというパターンはあるんですね。だから、それを確認するということになる。も ちろん、ある困窮指標であることは事実ですが、むしろ先ほど森田先生がおっしゃった ように、ある生活構造の確立というようなことともかかわっていて、では3回とれてい るから困窮していないかということにもならないというか、ホームレスの場合には難し いところですね。では、ここは全体の中でまた入れられるかどうかということを検討し たいと思います。項目数等々とも。それと、後の方でも似たような困窮状態についての 指標が出てきますので。  それから一番最後の6ページですが、ここもちょっと似ているんですね。問13、路上 生活でどういうことが困っているかということを聞いていて、ここも今、阿部委員がお っしゃるような、むしろ困窮状況というような指標でもあるわけですが、これはいかが でしょうか。お2人から復活の希望が出ていますが。 ○安江委員   食事の回数か、一番困っていることは何か、どちらかやっぱり野宿を余儀なくされて いるというか、こういう調査に赴くときに、こういうことを聞けば本当に心を開いて答 えると思いますので、どちらかはやっぱり復活していただいて、本当にその気持ちとい うか、そういうことで答えられるような項目がある方がいいと思います。 ○岩田座長   そうなんですね。調査というのは、野宿生活は大変でしょうね、というのをつくって おくというのは大事ではあるんですね。問13は、私が前にやったときの経験では、4み たいに入浴とかそういうのは長い期間の人がよりつけて、食べ物とか寝場所というのは 早い人がつけるという傾向がありますね。  では、どちらか、ともかく野宿生活の形態を、どこで寝ているとか、何年いるという だけではなくて、食事とかそのほかの状況について何か一つは立てておいたらどうかと いう御意見として、少し事務局の方で考えていただくということでよろしいでしょうか。 ○駒村委員   今の13のところですが、これは「幾つでも」と前回はやってしまったわけですよね。 これは「幾つでも」と書いてあるのは、極端に言えば全部「○」ということもあるわけ ですね。だから古屋委員の御指摘のように、「一つだけ」というようにすればいいと思い ます。 ○岩田座長   「一番困っているのは何ですか」と。 ○駒村委員   あるいは1番か2番。 ○岩田座長   では、ちょっとその辺も含めて。 ○山田委員   例えば、一番困っていることはその他になっていますが、「仕事」という方も多分おら れるでしょうね。仕事はまた後から出てくるかもしれませんが。これは食事的なものば かりですよね。身の回りの。 ○岩田座長   あるいは、選択肢をつくらないで聞いてしまうか。そうすると後から大変なことにな りますけれど。 ○山田委員   「お金」とか「仕事」とか、皆そこに「○」をしてしまうからね。書いたら。 ○岩田座長   では、ちょっとこれも何かいいアイデアがあれば事務局の方にお寄せいただきたいと 思います。Iのところはよろしいですか。 ○大橋委員   困っているというと、「何が欲しいか」と言えばいろいろなものから選択するかもしれ ませんね。だから比較考慮を、聞かれた方が「困っているのは皆」ということになるか もしれませんから。「一番ほしいのは何か」と聞く手もあるかもしれませんね。 ○岩田座長   私も聞いたことがあるんですが、即座に「お金」と言われました。失礼しましたとい う感じで。なかなかこの辺は難しいんですが、でも、ともかく野宿生活についての思い とかそういうことを伺うという意味でも、何か一つ工夫してみたいと思います。 ○森田委員   調査票をつくるときにこれは基本的な技法なんですが、そういう捨ての質問というの がよくあるんですよ。それは調査技法上、これは本当に分析するにも値いしないような 調査でも、やっぱり対象者との感情的な一体感を持つようなそういう質問というのがあ るんですよ。それに非常に近い意味合いもありますから、それが有効に生かせればなお かついいわけですから、ぜひとも何か一つはどちらか入れておいていただければ。 ○岩田座長   それでは「I」についてはまだはっきりしないところがありますが、よろしいですか。 一応きょうは全体をまず見たいと思いますので。 II「路上生活までのいきさつ」 ○岩田座長   そうしましたら、大きなIIのところ、「路上生活までのいきさつ」というところに行き たいと思います。  ここでは職業歴、住居歴というか、直前の住居、それから野宿の理由を聞いているわ けですが、ここに新しく直前の地域、それから同じことですが、どうしてそこに来たか ということ。これは自治体にとっては非常に重要な項目なんだと思いますが、それが入 っています。それとの関係で、御意見としてはまず仕事のところは「職種」と従業上の 「地位」と両方を聞いているんですが。7ページの山口委員からの御意見として、雇用 形態をまず聞いてしまえという御意見が一つあります。これは一応、問11で聞くことに なっているんですが、いかがでしょうか。 ○駒村委員   職業歴というのは明確に本人がわかるものなんですかね。社会保険の負担の意味を考 えて。 ○山田委員   きょうはちょっと各委員の先生方に封筒で入れているんですが、この間、7月に特別 就労事業の従業員を対象に、全部ホームレスや日雇いの高齢者なんですが、職歴調査も 全部やったんですよ。やっぱり雇用されていたかどうか、あるいは自営で人を雇ってい たかどうかがちゃんと上がってきましたから、それなりに皆それは答えると思いますが。 ○駒村委員   社会保険の負担という意味では。 ○山田委員   それは3割ぐらいの人は「わからない」と答えますね。 ○駒村委員   社会保険の負担という意味では、正規・非正規の分け方ではわからないですよね。年 金に入っていたかとか、雇用保険に入っていたかということでは、「入っていた」「入っ ていない」、それと「わからない」という答え方があります。 ○岩田座長   もちろん雇用者が圧倒的に多いんですが、それでも自営業なんかも一定程度当然いま すので、一応は年金について後で聞くということを前提に、よろしいでしょうか。   それで仕事については、これは要するに質問者が具体的な仕事を聞いて、この中に当 てはめて「○」をするという形になりますので、調査員の方の熟練度がむしろ要求され てくる。要するに、「会社員」というように書かないでほしいということをよく説明して いただくということが前提になります。  それから、この8ページの問12は「最長職」と私たちが呼んでいるもので、主な仕事 という意味ですが、古屋委員から追加として、そのときにどこにいたかという地域を聞 いてくれというような御意見があります。これは先ほどの都道府県の一番の疑念という か、どういう地域移動をしているかということだと思いますが。これは幾つか地域移動 についてはあるんですよね。10ページに、「今回、路上生活をする前に住んでいた地域 はどちらですか」というのを聞いたんですが。それでこっちは最長職ですから、一番長 く働いていたときにはどこにいたかということで、確かにいわゆる出身地というのを聞 くよりは確かにこういうのがあればいいんですが。 ○古屋委員   だから10ページの下に書かせていただきましたが、この野宿生活にいたる前に都市に 移動して、その後引き続き親経済住居の中におおむね住めるパターンということで、こ ういう部分が10ページの問16だけではちょっとつかみ難いのかなということで、大都 市の流入状況を把握する一助にということでこれを追加させていただいたわけですが。 ○岩田座長   問16との関係になりますね。いかがでしょうか。 ○山田委員   これはぜひともきちんとやった方がいいですね。うちもこれをやってみたんですよ。 そうすると、おもしろいデータがボンボン出てきますから。 ○岩田座長   これをもし入れるとすれば、問16の書  き方がちょっと、こっちを変えるという手もありますね。「すぐ前にやっていた仕事は 何ですかと」と聞いていますよね。だから逆に、「そのときにはどこにいましたか」と。 そして「長いことやっていた仕事は何ですか」「そのときにはどこにいましたか」という のを。私の希望としてはついでに住居も全部あわせて、住居と地域と仕事を、職前と最 長で同じことを単純に聞いてもらう。ややこしくなく。もちろんホームレスになってか らの移動というのもあるんですが。ですから旅費とかそういう話はそこでちょっと出て くるんですが。  そうすると、問16を逆に、野宿してからこういうことがあったか、という話にしてし まうという手もありますね。野宿状況になってから移動したことがあるかと。そのとき に何か公費で片道切符をもらったことがあるかとか、そういうのを聞いた方がすっきり するかもしれない。一番前と、直前と、野宿してからの地域移動と、3つを仕分けて聞 くというやり方ですが。これもそんなにいっぱいふやしてもいいのかというあれもあり ますが、整理さえすればそんなにややこしくないと思いますが、整理しないで置いてお くと先ほどの期間と同じで、後で集計したらとんでもないことになったりするかもしれ ない。 ○森田委員   聞き方が同じパターンになりますから混乱はしないと思いますよ。 ○岩田座長   では、ちょっと今のところを工夫していただくということですが。  9ページの問14、これはなかなか難しいところですが、野宿の理由ということについ て少し文言、選択肢の訂正があり、これについての修正、追加意見がたくさん出ていま す。このことについて特に御意見はありますか。御意見を入れていただいて、もう一回 この中味を組みかえていただくということになると思いますが。 ○森田委員   労働条件、労働環境の非常に劣悪な状況というのは、これもある意味では一つすくい 上げていかなければいけないものだろうと思います。それが結局、自立を阻んでいる要 素になっていますから。 ○山田委員   「あいりん」なんかの場合は大概がこれです。だから今、仕事がどっと来ているんで すが、だれも行きません。  だから全体としては非常に項目がきれいすぎるというか、仕事が減ったとか、失業・ 倒産とか余りにも美しすぎて、実際にはもっと違う内容も含めてあるんじゃないかなと 思うんですよ。そこら辺が聞き出せたらもっといいのかなと思ったりするんですが。 ○岩田座長   では書いてもらいますか。 ○山田委員   そうですね、理由か何か一言。 ○岩田座長   それで当然これは、元は私も責任があるからあれですが、わかっていて、労働と住宅 とその他の3つの要素が全部入っている。そして、それに何の重みもつけないというか。 ともかく当てはまるものには皆「○」をしろと。本来は2つあるはずなんですよ。「仕事」 と「住宅」とか、2つあるから当然ホームレスになっているというか、仕事の方はなく ても、少なくとも家は出ているという想定なんですね。ただ、なかなかそう簡単な感じ でもないので、もちろん思い切って聞いてしまうという手はあるんですが。 ○山田委員   何本も多いんじゃないかと思いますが。 ○岩田座長   多いんですが、こう書くと余り「○」をつけない。それから借金もあるんですが、借 金というのはこういう調査ではなかなか出てこない。正規職員ならはっきり失業とか、 自営でやっていれば倒産とかありますが、日雇いのような場合には失業したのかどうか もそもそも、仕事が出ないとかそういう形になりますね。だから意味合いが確かに違う。 ○山田委員   うちでやった場合も失業とか倒産とか、いわば外的な要因というのよりは、「自分から 辞めた」というのが8割だろうと思うんです。だから結果としたら、嫌だけど自分で辞 めたと。切られたというよりは、その前に自分が辞めたと。 ○岩田座長   そう言いたがるんですよ。私はそう思います。つまり、首を切られる前に自分から辞 めてやるみたいな。だから、自発的かどうかというのを聞くのもなかなか難しいんです よ。 ○山田委員   だから、それをそのまま受け取られると、データ的にこれは危険だなと思って。 ○岩田座長   では御意見を勘案して、少し選択肢を変えるか、それとも思い切って書いてもらうか、 言ってもらうかということですが。 ○山田委員   「労働環境が劣悪なため」というのは、そういう内容を項目としてずっと入れておく べきだろうなと思います。今のシビアな全体的な、派遣から行くのもかなりシビアです から、それでついていけないとか、それが自己責任にすりかわるんでしょうけれど。 ○岩田座長   書いてもらうのもなかなか難しいので、一応この御意見を入れて、少しこれを修正し て、そして特にいろいろしゃべってくれた人については「その他」のところにでも詳し く書いてもらうというのを約束にして、そういうことでいかがでしょうか。  あとは11ページで新しく現在、「路上生活をしている市区町村に来た主な理由は何で すか」というのがあって、これも先ほどの地域の続きですね。ですから、ここは全体的 に職業と住居と地域という3つを、最長職のときと、直前職のときと、それから現在と、 その間に野宿してからのことという整理を一応しておいて、最終的にここにくるわけで すね。問17にくるわけですが。これは文言の修正意見が幾つか出ております。これらを 盛り込んで修正するということにしたいと思いますが、よろしいですか。何か特に強調 点はありますか。 ○駒村委員   前回休んでしまって、口頭でお願いしたいんですが。問15で、公共賃貸住宅のところ で、公営住宅は分けなくてもいいのかというお願いをしたかったんですが。これはかな り性格が違うんじゃないですか。公営住宅は独立させた方がいいんじゃないかと思いま すが。 ○岩田座長   公団と公営を分けた方がいいということですか。分けますか。ここは分けるのは大し たことはないので、答えるのは向こうは一つですから。細かくしておいて、余り意味が なければ後で合体するようにして。 ○阿部委員   実態的には公営住宅と都市機構とかと民間は同じにしてもいいんじゃないですか。前 回も、この選択肢はもともと3.2%とすごく少ないんですが、ほとんどが公営住宅では ないかなと思えるんですが。なので、「公共賃貸住宅」というようにそこでまた別の選択 肢を設けて小さいのを設けるよりも、それは上の民間賃貸住宅と性質的にはそれほど変 わらないんじゃないかな。 ○駒村委員   つまり、公共賃貸と民間賃貸を一緒にして、公営住宅のみ独立させるということです か。 ○阿部委員   はい、そうです。 ○駒村委員   都市機構の住宅賃貸なんかは事実上、民間なんかと同じ役割なので、これはもう一緒 にしてしまって、公営住宅のみを独立させてみるということですね。 ○阿部委員   そうですね、どういう対象者かというのを考えますと、実際には。 ○長田課長補佐   民間と旧公団住宅(都市機構賃貸住宅)をくっつけるということですが、都市機構の 賃貸住宅の家賃については市場家賃という形になっていますので、その点では同じよう な性質だと思います。ただ、過去から家賃を改定してきているわけですが、現実に全て 市場家賃かどうかというのは、若干疑問がありますので、「公営」と「それ以外の住宅」 でみるということであれば、分けてしまってもいいかなと思いますけれど、民間・都市 機構賃貸住宅というのはどうかなと思います。3つに分かれるということについては特 に問題はないと思います。 ○岩田座長   細かく言えばいろいろなものがあるんですよね。雇用促進住宅とか。 ○長田課長補佐   いろいろ公的な住宅というのはありますので、「公営」だけ抜いて、あとは「それ以外」 というように言ってしまうのがどうかというところです。あとは民間と公的なものと分 けた方がいいのかどうかですね。 ○岩田座長   民間を別にしてしまうとちょっとややこしいかもしれないので、そうしたらもう一つ つくって、意味がなければ後で合体してしまうということにしましょうか。それで公営 住宅を離すと。それで、ここが24時間営業の飲食店(漫画喫茶を含む)等々を入れると いう。さらに、ここに自立支援センターとかそういうのも入れた方がいいということで すよね。これは地域によって、余り多くはないんでしょうけれど、借り上げ住宅とか、 東京都の場合にはかなりたくさん。あとはNPOがやっているようなちょっとしたもの が、地域によってはある可能性はありますね。多分、出てきても1つか2つぐらいのケ ースだと思いますけれど。それはどこに入れるかということだけ決めておけばいいです ね。「その他」になるべく具体的に書いてもらって、後でどこかに入れるか、別立てすれ ばいいですね。  あとは今の「II」のところで何か御意見はありますか。 ○森田委員   ちょっと些細な議論なんですが、後で処理するというのは、公表はやはり調査票に残 せばすべて公表は出てまいりますので、その後の分析、あるいは対策の場合で合体する かどうかというだけの話であって、出るのはそのままカテゴリーを細かくすれば、それ は合体して我々が社会にこの結果を出すわけではないから、そのあたりは注意しておけ ば、後の処理の問題だけなんですけれど、我々の分析の場合にはそれは有効な御意見だ と思いますが。 ○岩田座長   調査票が公表されるので、これに単純集計がまず。 ○森田委員   そう、単純に公表しなければいけないわけですから、さっきの公共の住宅でもそうで すけれど、公団は公団でちゃんとやっぱり数値としては出さなければ。 ○岩田座長   数値のところはカテゴリーで。 ○森田委員   その他のところはどうでもいいんですが、「その他」でくくれますから。 ○岩田座長   もう一つ、「路上生活者対策施設(緊急・自立支援センター等)」と書いておけばいい んですかね。問17で特に、ここに御意見がありますので、なるべく反映させる方向で修 正するとして、特に強調しておきたいところはこれ以外で何かございますか。 ○山田委員   済みません、繰り返しではないんですが、さっきの問14のところですが、労働環境が どうのこうのと言ったんですが、逆に「自分から辞めた」というもので、「仕事が嫌にな って辞めた」とかいうような項目があってもいいんじゃないかなと思っています。これ は危ないかな、危険かなと思ったりするんですが、こういう項目は。ただ単に、倒産と か失業とか受身型のものだけじゃなくて、自分から嫌になって辞めたというようなもの を、そういう言い方だったら当たり障りはないかなと思って。 ○岩田座長   「労働環境が劣悪なため」ということをまず入れて、その他の理由で、例えばよく人 間関係でぐちゃぐちゃして嫌になって辞めたというのが結構多いですよね。だから、そ の他の理由で「自分から辞めた」というのを入れておくということ。  それではIIIに行ってもよろしいですか。   III「健康状態」 ○岩田座長   大きなIIIは健康状態のところです。13ページの問20の中に追加してほしいというの が、「歯」の話がありますね。それから、路上生活をしてから入院したことがあるかどう か、それを聞いてくれというのが東京と大阪の委員の方々から出ています。これも入れ た方がいいかもしれませんね。あとの修正は障害者手帳をもうちょっと細かくしたとい うことと、それから手帳を持っているかどうかというのを、「今持っている」「以前持っ ていたがなくした」というところに、手帳の種類を入れたらどうかということですね。 「障害はあるが持っていない」のところの内容というのは、障害の内容を。その辺の修 正をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。   ○森田委員   済みません、「歯の痛み」というのは入れなくもいいんですか。問21で、症状を聞い ていますよね。これは病気の程度を知る上で大変大事だと思いますが。この問20で「歯」 を入れましたので。「痛みがひどい」というのはないんですね。   ○岩田座長   そうですね。   ○森田委員   歯だけじゃなくて、「痛い」というのが意外にここにないんですね。   ○安江委員   頭痛、腰痛、腹痛はあるけれど。   ○森田委員   ここは「歯が悪い」がいいかな。やっぱり痛くなくても、もうぼろぼろでどうにもな らないようなそういう人がおりますから。   ○岩田座長   では、よろしいでしょうか。今の問21に、「歯が悪い」を入れるということ。 IV「福祉制度」 ○岩田座長  それでは15ページ以降の福祉制度のところですが、ここは新しく自立支援政策の評価 というかそういうことになりますので、ここもふえていきます。  最初のページは巡回相談員のことですが、23と附問の23−2を統合してはどうかとい う御意見と、それから巡回相談員は会っただけじゃなくて何かしてくれたかどうかとい うことを入れてはどうかという御意見があります。後の「何を利用した」というのと齟 齬がないような形で。少なくとも何か勧めてくれたとか、何かそういうあれですね。で は、これもどういう支援を受けたかという感じで、ともかく話を聞いてくれたとか、そ ういうレベルから。これは自立支援センターなんかを持っていない市でも、こういう相 談については何かやっている可能性が一番高いので、ここは重要かもしれませんね。 ○安江委員   その相談員というのが今出ておりますように、巡回相談事業というか、それで相談員 が配置されて回って来たというのもありますし、ボランティアもよく回っていると思い ますので、森田先生がおっしゃったように、実際には話を聞いたり、知り合いとか、た まには御飯を持ってきてくれたりするとかそういうのがあるんですが。なので、これは 行政の施策を活用させるための相談員というように受け取れますけれど、結構聞くとき には実際はどうなんでしょうか。うまくそれで聞けるかどうか。   ○岩田座長   それはどっちを聞きたいかですね。それから、回っているのは支援団体の方でも、そ れは行政の委託で回っているんだけれど、ホームレスの方たちはそんなことは知らない ということはしばしばありますよね。だから、ホームレスの方に「それはどっちですか」 と聞いてもわからない。これはどうしましょうか。   ○山田委員   巡回相談員は「巡回相談員」とちゃんと言うでしょう。腕章をしているし。   ○岩田座長   一応、ここで言っている巡回相談員というのはそういうものだという了解でやるとい うことにしましょうか。切りがないですからね。   ○森田委員   切りがないし、事業評価という意味合いでちょっとここのところは必要かなというよ うに思ったので。一番上に「福祉制度の利用状況について」というここのところがあり ますので、この枠をきっちりとするために。   ○岩田座長   では、これは巡回している人という意味ではなく、巡回相談員であるということです ね。  では次のページですが、16ページ。シェルターのことですが、これは知っているのは 東京と大阪ぐらいですか。   ○安江委員   そんなことはないです。名古屋にもシェルターがありますから。公園シェルターがあ ります。   ○岩田座長   では、ここも同じで、知っている・知らないというのを一緒にして、「知っていて利用 したことがある」「知っているが利用したことがない」と。「知らない」というのは当然 利用しないわけですから、一つにしてしまった方がいいんじゃないかという御意見です。 こっちの方がさっぱりしているかもしれない。  それから、自立支援センターですが、これも同じですね。統合して。   ○阿部委員   済みません。シェルターのことですが、そこでも前回と同じように「利用したいか」 「利用したくないか」、「システムを利用したことがない」と答えた人について。「利用し たくない」のであれば、なぜかというような質問を入れたらいかがでしょうか。という のは、前回「利用したい」という人が非常に少数派だったわけですね。自立支援センタ ーもそうですが。なので、どんどんつくられているのに、なぜ利用したくないのかとい うのを聞いておくべきかと思いますが。   ○岩田座長   利用していない人の理由について聞くときに、「希望しない」というような項目をつく って、その理由を聞きますか。   ○阿部委員   「希望する・しない」と、「希望しない理由」というのを一緒に聞くことができるかも しれない。   ○岩田座長   そうですね、ちょっとこの辺は難しいかもしれない。例えば東京のようにステップが はっきりしている場合は、自分が利用したいか・したくないかにかかわらず、何かある ステップに乗るわけですから、もちろんその場合に出てしまうということもあり得ます けれど。一個一個選択して利用しているわけでは必ずしもないということはありますね。 でも、いちいち聞きましょうか。そして「ある」という人の場合の退所理由を。これは 自立支援センターについてだけ聞く、シェルターの方には聞かないということがありま すね。   ○山田委員   聞くなら同じようにしたら。   ○岩田座長   大体半分ですから、東京のあれだと1/4ですね。   ○安江委員   退所理由を聞くか・聞かないかですか。でもシェルターは自立を目指して設置されて いるとか、そういう身体を休めるためというか、だから出てくるのが当然というそうい う前提になりませんかね。   ○岩田座長   だから聞かないんです。それで、これは17ページの25−2は、その他のところに理 由を書いてもらうというのと、その理由のところに森田委員の御意見では、「自主退所」 というのをその他でカバーするのかどうするかということですね。その他の理由を書け ば出てくる。では、ここに( )を入れると。  それから、路上に戻るまでの期間ですが、これも書いてもらいますかね、そのまま数 値を。今までの見合いで。そして問25−4も同じですね。その他のところに理由をつけ てもらうというようにすれば、これ以外の理由についてもカバーできると。18ページに ある阿部委員の御意見は、ともかく同じようにして、シェルターとセンターを書いて同 じように聞いたらどうかということになりますね。   ○阿部委員   今の25ですと、一自立支援センターで利用したことがない人は、「した・しない」だ けで終わってしまうんですが、次に生活保護まで飛んでしまうんですが、利用したこと がない人についても、「利用したいか」と。それで「利用したくない」のであれば、それ はなぜかというのをやはり聞く。それで退所した人についても、もう一度やってみたい か、再トライしたいかというようなことを聞いてみたらどうかと思います。そうじゃな いと希望が聞けないので。多分、入ったことがある人はもともと対象に上がってこない と思うんです。ですので、もったいないと思いますので、分析のためにも。   ○岩田座長   「知らない」という人に対して、ともかく、こういう施設だけど入りたいかどうかと いうのを聞いてみますか。   ○阿部委員   説明して、それで「入りたいですか」と聞いてもいいと思いますね。   ○岩田座長   これは今後のどうしたいかという話とも少し絡むかな。でも、これはこれで聞いた方 がいいですね。   ○阿部委員   そうですね、知っていても「入ってない」という人もいると思います。多分、そうい う方たちが大多数だと思いますので、それなら「入っていないのはなぜか」ということ を。   ○岩田座長   そうですね。それでは自立支援センターとシェルターについて少しまとめて、今の御 意見をなるべく入れながらすっきりさせる方法を考えるということにしたいと思います。 それで、次に生活保護になるんですが。   ○森田委員   ここで前は路上生活にいたるまでの理由の中で、就職先の労働条件等が入っていまし た。それで、この自立支援事業をあえてくぐった人たちが、単に仕事になじめず、ある いはみずから仕事を辞めたということだけじゃなくて、そこでももう一度改めてこれを 拾い上げたいなという気がしているんです。2回ダブりますけれど。だから、ここで書 けたので、就職による退所で引っかけておいて、それで向こうの方へ逆に戻れば集計段 階ではできるかもしれませんけれど。   ○岩田座長   それでは「就職により退所」というときに、通常、東京では住み込み就職とアパート は別に書いてあって分けますよね。あれはやっぱり2つに分けておいた方がいいですよ ね。それで、それと例えば「仕事になじめず」とかともかく何かで。   ○森田委員  「仕事になじめず」とか「仕事をみずから辞めた」というのは、相手の条件が悪すぎ て、これはひどいよという話はちょっと入っていないので。 ○岩田座長  「3」はむしろ仕事がきつくてとか、そういう環境が悪かったというのと。それで「4」 はどちらかというと、もうちょっと人間関係ですね。それで、その他の中に何かそれ以 外の自己都合のようなものを入れておけばいいですね。そうすると、25−2のところの 「就職により退所」を2つに分ける方がいいかもしれない。つまり、寮とか住み込みと か仕事先が住居を提供してくれて、住居付就職をしたか、別にアパートを借りたかです ね。それで理論上は後者の方が安定しているはずなんですが、実態は違うかもしれない。 余り関係がないかもしれないんですね。私たちはかなりこだわって最初のときにやった んですが、実態はそうでもないかもしれないなという気がする。よろしいでしょうか。  生活保護のことになります。問32の復活の要求があるんですが、私はちょっと18ペ ージのところに書いたのは、何らかの支援というか、地域によってはやっぱり自立セン ターとかがないために、こういうことでしのいでいるところが随分あるはずですよね。 かと言って、生活保護に直接つけるのも難しいからということで。それとか、医療とか 臨時的な施策はあるんですよね。何かそのあたりを、この旧問32のように書くかどうか は別ですが、何か生活保護と自立支援センター、巡回相談だけではなくて、それ以外に 何らかの食料とかそういうのをやっているところはあると思いますので、それを1問だ け、あっさりでいいと思いますが、入れておかれた方が。本当は評価も聞きたいけれど、 それはちょっと長くなりますから。  それで生活保護のところですが、「アパートやドヤ」というのと、「施設とドヤ」の2 つの組み合わせ案が出ているんですが、「施設に入所して」というのは、これはイメージ としては保護施設のことですよね。それでアパートやドヤの場合には居宅保護という意 味で。 ○安江委員  そういうように分類なさっているというのはわかったんですが、これは受給者にとっ てもドヤというのが個室で、結構長期間そこに住んだりする場合にはアパートと同様に 受け取っている人もいるかと思いますが、実際には応急援護でベッドハウスなどを利用 するような生活保護もありますし、ドヤというのはやっぱり中間施設だというか、自分 の居宅とは違うと思いますので、そういう意味でドヤは中間施設的な分類にした方がい いと思いました。 ○岩田座長   別立てすればいいですね。どうせこれは選択肢は少ないですから、もう一つ立てて。 そうすると「宿泊所とかドヤで」という感じに、宿泊所がわりに使うわけですから、宿 泊所と一緒にすればいいですね。  生活保護期間などを聞くという阿部委員からの御意見がありますが、これはどうでし ょうか。時期、期間を聞くというのは。   ○阿部委員  何回も行っている人もいると思いますので、最後の期間だけでも。本当に行き来して いる層なのかどうかということで。   ○安江委員   高齢の場合には長期にわたって受給ということが考えられますが、可働年齢層であっ たりすると廃止というか、福祉事務所の判断で廃止とかになることもよくあると思いま すが。   ○岩田座長   回数ぐらいは聞けるかもしれないけれど、時期を追っていくと生活史になってしまう 人もいるので、非常に時間が。 ○阿部委員   何年間ぐらいとか、何歳ぐらいのときに何年かかったとか、3年前までは生活保護2 年間かかってとか、そのぐらいならわかるんじゃないかと思いますが。一番最後のとき だけでも。 ○岩田座長   聞くなら詳しくなってしまう。保護歴になってしまうから。だから、むしろともかく 「利用したことがあるか・ないか」、あるいは「相談に行った」というぐらいか、あるい はもう詳しく聞いてしまうかですね。 ○山田委員   では、入院なんかについても聞かないといけないかな。ただ単に居宅だけじゃないで しょう。 ○岩田座長  そうですね、特に入院なんかがあると結構大変。だから逆に「救急車で入院したこと がありますか」とか、さっき入院の話があったから。それで本人はわかってなかったり するから。では後で、そんなに減ることはないと思いますが、すっきりしたら入れられ るかもしれないので、少しペンディングにします。   V「自立について」 ○岩田座長  では5番の自立についてというところです。これは新しいのは25ページの免許のとこ ろ、それからアパートの斡旋、そういうことですが。あとは選択肢の問題で、21ページ の「今後、どういう生活を望んでいますか」というところは、少し選択肢を整理する必 要があるんじゃないかというような御意見があります。 ○山田委員   ちょっとごちゃごちゃしているというか、こういう書き方はよくないと思っているん ですが。きちんとした仕事につきたいという部分と、あとは結局は生活保護でしょう。 生活面とか、住宅を確保してきちんとやりたいとか、細かくいろいろあるでしょうから。 ○岩田座長   むしろ「利用したい」と言っても、もうちょっと細かくしたらどうかというのが山田 委員の御意見ですね。アパートで保護を受けたいとか、施設に入りたいとか、もう入院 するしかないとか。 ○山田委員  最低でも「今のままでいい」という人は、その理由について最低限、「なぜそれでいい のか」は念を押して聞いておく必要があるかなと思ったりします。どういう答え方をし てもらえるかどうかわかりませんが。 ○岩田座長  それは古屋委員からも出ていますので。今のままでいいという場合には、ともかくそ の理由を聞こうということですね。  それから、「どういう生活を望んでいるか」というのは、これは前のあれですから、も うちょっと施策も進んでいるし、いろいろなことがわかっているホームレスもふえてき たということも前提にして、もう少し細かく軸をきちんとして聞いた方がいいんじゃな いかということ。 ○山田委員   ちょっと繰り返しますが、アルミ缶や雑誌等で生活費の収入が得られたらいいんだと いう場合にも、テント生活でこういう状態でいいという場合と、アパートを確保してそ ういう生活でいいという場合とあると思うんですね。だから、そこら辺がちょっと見え てこないというか。だから、今のままでいいという場合にも、またちょっと違ってくる かなと思ったりしまして。 ○岩田座長  これは1個を選べということですが、そういう形じゃなくて、「住居」と「生活」と「就 労」という3つぐらいの軸でそれぞれ選んでもらうという感じになるということはある かもしれませんね。今のままでいいといっても、野宿しながらかなり収入をあげている というような場合は、それで今のままでいいと言っているという可能性もある。  では、ここは軸をはっきりさせて、それぞれ○をしてもらうという形に整理して。そ れと、「今のままでいい」というのが、もうちょっとそうなると細かくなることになりま すね。例えば、就労が今のままでいいというのは、今、都市雑業的な就労についている から、ということになるかもしれないんですが、大体が「今のままでいい」というのが 出てくるかどうかはわからないですね。「今のままでいい」というのは野宿のことを言っ ているんですよね。 ○森田委員   そうですよね。 ○岩田座長   だから、ちょっと整理すれば住宅の軸で出てくるだけになりますよね。 ○山田委員   だから「アパートが欲しい」という項目があってもいいんじゃないかと思ったりもし たんですが、それを入れたら皆「○」をしますからね、いかがなものかと思ったりした んですよ。 ○岩田座長   ではこれは3つの軸に整理してみて、なるべくあいまいにならないようにして、なお かつ、なぜそう思うかということについて聞かなければならないところは聞くというよ うな、ここは一番重要なところだと思います。 ○山田委員   だから本人のニーズを正直なところを、今の気分とかも含めて、ここで聞き取れたら 一番いいかなと思っているんですが。何を要望しているのかを。 ○岩田座長   そうすると、そのことと22ページ以降の求職活動とか職業の希望というのはかなりダ ブるかもしれませんね。整理の仕方によっては附問のような形で続けた方がいいかもし れないですね。例えば、常用雇用の職員について働きたいというようなことを言った人 は、「求職活動をしているか」というような問いにした方が。 ○山田委員   そうですね。あとは「どういう職業が」とか。 ○岩田座長   そう、もう入院したいほど身体がおかしいという人に聞いてもしょうがないからね。 ただ、前との比較はちょっとできなくなるかもしれない。 ○安江委員   そうですね。今の山田委員からの御提案で、住居と仕事は軸を設定するということで いいと思いますが、問28の選択肢で、例えば建築日雇い、インフォーマルではあるけれ ど日雇白手帳を持っている人も少数おりますし、それから日通のアルバイトというよう に言われておりますが、派遣というか、登録しておいて勤めている人も結構いるので、 この答えだとどこにも当てはまらないというか、きちんと仕事はしていると思っている しで、いわゆる増収を図るというか、仕事をふやすとか、それが希望としてあるか。「仕 事は少ないけれどこれでいいんだ」というような答えになるかもしれませんし、だから その軸をきっちりするというのはいいと思います。 ○岩田座長  そうすると、例えば問28の「今後の生活」というのも、今の仕事をもうちょっとふや したいとか、収入をもうちょっとふやしたいとか、そういうのが当然あり得るわけです ね。 ○安江委員  実態としてはそういうのがあると思います。 ○森田委員   あるいは年金も取得とか、「今のままでいい」という場合には。 ○岩田座長   そうすると、求職活動というのはかなり限定して聞かないと、あんまり意味がないわ けですね。 ○安江委員   そうですね。だから求職活動というのが転職というのを入れると、就職というだけじ ゃなくて「転職」というのを入れればいいと思ったんですが。 ○岩田座長  「転職も含めて」というように表現すれば、皆に聞いてもいいと。 ○安江委員   その方がもうちょっと実態に近いかなと思ったんですが。 ○岩田座長   そうですね、前のと比較でやるとすれば独立させておいて、そのかわりに就職という のは今はともかく無職だという前提ではなく、仕事を持っている人もいるかもしれない という前提で聞くということで、文言で工夫をするというようなやり方ですね。  ○大橋委員   今の問28ですが、この問いのねらいが、要するに今後の自分の実現性を持った展望を 語らせるのか、あるいは何となく気力のような、今のままでいいという、そういう気力 のようなところを聞こうとしているのか、ちょっと何となくボヤッとしていますね。こ れを本格的にちゃんとやろうとするとかなり設問がふえますので、往還構造の分析とい うのが大きな目的ですが、今回はサラッと流すという手もあるかと思いますけれど。  それで仕事というのは、もちろん現状脱却したいかどうかということで、脱却するた めの一つの有効な手段なので、その後それが出てきていいと思うんですが、問28は軸を 分けて整理するとかなり設問が多くなるので、もう少しうまくまとめて次の設問に持っ ていけたらいいかなと思うんですが。 ○岩田座長   むしろ端的に言って、「野宿生活をどうしたいか」というように聞いてしまうという手 がありますね。それで就職のことは転職も含めて問29から聞くので。それから、生活保 護のことは前にも聞いているので、ここでは要するにともかく一日でも早くアパートに 入りたいとか、そういうアパートつきの就職をしたいとか、もっと仕事をふやしてアパ ートに入りたいとか何かそういうようなことと、「今のままでいい」という場合に理由を 聞くというようにしてしまいますか。 ○大橋委員   とか、2なんか「今のままでいい」というのとほとんど同じですよね。 ○岩田座長   そうですね。 ○大橋委員   それから「入院したい」というのは要りますね。病気だから入院したいと。 ○岩田座長   それと東京なんかはアパートの斡旋をやってしまいましたから、ともかく住居が、「住 むところが欲しい」という意見が出るかもしれませんね。 ○大橋委員   問28をもう少し整理するような感じで、本格的な展開は次の機会にというようにした 方がいいような気がしますが。 ○岩田座長   では、その後の就職については結構長くいろいろなことを聞いていますから、ここは むしろ路上にいるということをどのように考えているかというか、どのように積極的に 自分で出ようとしているのか、あるいは今は考えようもないのか、そういうようなこと を聞くと。それで就職支援のところにも住居の問題が入った方がいいということですね。 つまり、出たいと思っているけれど住むところがないからしょうがない、という意見が 出るかもしれませんね。前は何となく「労働」と「福祉」という軸だったんですが、そ の前提として「住居」という感じが強くなっている可能性もありますね。  そうすると24ページの問33のところには、そういう住居を入れれば少し合体してく るということになりますね。  あとは免許のところですが。ここもいろいろな御意見がありますので、その辺は最終 的に修正はできると思いますが、特にこの辺で強調しておきたいということはあります か。 ○山田委員  問30のところですが、「なぜ仕事を探していないのか」と。むしろ、探すことができ ないのではないかというように思いまして、設問そのものがこういうように書いた方が いいんじゃないかなというのが一つ。もう一つは、単に病気とか、障害とか、病弱とか、 高齢で働けないとか、そうじゃなくて資格も何もない、自分自身がグチャッとなってい て自信が持てないとか、そういう内的な要因もあるわけですから、そこら辺もちょっと 設問項目に入れておく方がいいのかなと思ったんです。自分の希望する職業を探しても いない、希望するものがあっても、それについていくにはどうかというのは別問題でし ょう。ほとんどそこで大概ジレンマに陥って自滅していくわけですよ。 ○岩田座長  「就職活動」という言い方がホームレスにはなじまないですよね。そもそも。 ○大橋委員  住居が先なのか、仕事が先なのか、つまりきちんとした仕事を探すのには一応ちゃん としたところに住んでいないとほとんど無理だという話なのか。あるいは、きちんとし た仕事を探せばそれに伴って収入があって住居もついてくるという話なのか、これはど ちらなんでしょうか。 ○岩田座長  どうでしょうかね。「きちんとした」ということの意味ですが、住所がなくても雇って くれるところはないわけではない。でも、それは一般的に言えばかなり難しいし、余り いいところはないと。 ○大橋委員  例えば政策的に、きちんとした住居に住めばきちんとした仕事にもつけやすくなると。 その辺のところはすごく興味のあるところだと思いますが。 ○岩田座長  そうなんですよね。だから前のときの設計がちょっと労働にかなりシフトしすぎてい るので。 ○大橋委員  だから前提としては、いい仕事につけば現状から脱却できるという前提だったんです が、そうではないと。いい仕事につきたくてもつけないのが実情なんですよ。だからい い仕事につく前提条件として、住宅というのが。 ○山田委員  でも住宅だけではだめなんですよ。要するに意欲というか、そういう気力というか、 いろいろな面で。そういう意味では行ってダメージを受けていますから、前提条件とし てアパートがあればそれでとは、頑張る人は頑張るんですが、何割かはアパートがあっ ても多分だめな人もおりますよ。 ○森田委員  前回、岩田先生がおっしゃったように、やっぱりかなり労働の方にウエイトがかかっ ていた。委員会の中でも出たんですが、やっぱり住宅は基本的な条件だということは出 たんですが、やはりその場の情勢の流れの中でこちらにシフトしたんですよね。そうい う経緯があります。やはりちょっとある程度自立支援政策がここまで来て、この段階で もう一度住宅の問題を。 ○大橋委員  というのは、脱却のための必要十分条件のようなものをちゃんと洗い出して整理して おけば、うまくつくれるということ。 ○岩田座長  それは年齢や健康状態と絡んでいると思いますが。それから例えば日雇のような形で ずっと働いていた人は、毎日求職活動をしているわけですよね。それで、仕事があった り・なかったりするわけで。そういうのと、いわゆる正規雇用のようなものを前提にす るのとでそもそも話がかみ合わないということはありますから、ではここは先ほどのよ うにまず問8を修正してみて、ともかく路上から何があれば脱出可能なのかという軸で もう一回整理し直すということで、次回の議論に回したいと思います。 ○森田委員  これは安江さんとか山田さんにお聞きしたいんですが、事業として資格とか免許とい うのは来るんですが、もっと、どれだけ役に立っているのか。役に立たないから、むし ろ野宿しているというケースの方が多いわけですよね。そうなってくると、この質問そ のものの意味、あるいはここに置いておくべきかどうかというのが。これは事業の性格 からこれを外すわけにはいきませんが、少し考えてみる必要があるのではなかろうかな というように。スリム化の問題と絡んできたときに、どこまでこれを追いかけて突っ込 んでいくのか。 ○駒村委員  それは潜在的な可能性のためには残しておいてもいいなという気がする。それと事業 の性格からしても残しておいていいだろうと思いますが。 ○岩田座長  たくさん置くかどうかですよね。 ○大橋委員  そうですね。 ○安江委員  34の方は、免許が失効していたり、更新していなかったり、住所を失ったりして、復 活して就職に生かせる人もいますよね。私の経験ではときどきはいますけれど。そうや って失っているというか、そういうものの回復というのはとても大切なことだと思いま すが。 ○山田委員  これは34−1については別に要らないんじゃないかなと思ったんですが。何か関係が ありますか。「行政が行っている技能、免許、資格に係る講習によるものですか」という のは。どうしても国の方で過去の人みたいということなら、それはやってもらえばいい んですが。 ○岩田座長  調理師さんなんかは免許があってもランクが下げられてしまっているんですよね。要 するに飲食業の性格が変わってくるので免許が生きない。免許は必要だけど、技能が要 求されない。チェーン店になってきますから、そこで嫌気がさしてしまうという話もあ ったりしてなかなか難しい。いずれにしても何か一個は。   VI「生活歴」 ○岩田座長  それでは最後の生活歴のところですが、それとその他。その他は自由回答になります。 これはかなり細かい。それから生活歴のところでは住民票のところは消してあるのと、 年金ですね。聞き方の問題としてこの年金のところ、それから借金、これが追加になっ ています。それから希望として、学歴を聞いてはどうかというのが出ております。年金 のところは何か駒村先生、これでいいですか。 ○駒村委員   たしか年金を。 ○岩田座長  事務局案みたいに、ともかく「ある・ない」で聞いてしまうか、それとも阿部委員、 あるいは森田委員がおっしゃったように、わかれば知りたいわけですが、本人たちはか なり権利があってもアクセスしていない、あるいはどうなっているか全然知らないわけ ですね。聞いて答えられるものなんでしょうかね。私は随分年金証書を見せてもらいま したけれど、つまり、最後の頼みの綱なんですよ。何歳になればもらえるとか、そうい う場合もあるし、十何年かけたはずだけどその後止めてしまったからどうなっているか という場合もあるし、両方ですね。やっぱり長いこと働いてきた人たち、中年の男性で すから、年金は結構わかると思います。ただ、細かく聞いてしまうと、後で職業とクロ スさせると齟齬が出るんじゃないかという恐れもあって、あっさり「ある・ない」で聞 いてしまった方がいいかなと思ったり。あるいは、少なくとも受給できるはずだと思っ ているのか、かけたけれどもうだめだと思っているかぐらいは聞いた方がいいかなと。 ○阿部委員  見込みでもいいかもしれませんね。というのは、それによって今後の見通しというの が大分違ってくると思いますから。 ○岩田座長  そうですね。これはNPOの支援なんかでも随分年金の復活というのはあるんですよ。 一緒に行って探したら年金が出たみたいなね。 ○阿部委員  そこで調査員がちゃんと説明してくれるとますますいいんですが、それがちょっと難 しいですね。あなたは権利がありますよとは。 ○岩田座長  それで借金ですが、なかなか「はい」とは言わないけれど、もしかしたら言うかもし れない。額まで聞くというのはちょっと難しいかもしれない。学歴はあっさり聞けば問 題はないけど、学歴と聞かずに「最後に出た学校はどれですか」とか。それで、余り細 かくなくてもいいと思います。  そういうような具合ですが、全体的にちょっと、時間が延長してしまい申しわけあり ませんが、きょうぜひ言っておきたいということがあれば。  それでは、もし次回までの間にぜひこの点だけはというのがあれば、事務局の方にお 願いします。 ○山田委員  済みません、住宅ニーズについてはちょっとしつこくここに書いたんですが、やっぱ り結構あるんじゃないかと思うんですよ。例えば固定層なんかもそうですが、それなり に聞いておく必要があるんじゃないかと思いまして。住宅ニーズについてはそれなりに 質問項目を立てて調査した方がいいんじゃないかな。 ○岩田座長  先ほどの路上脱却と少しあわせて、就業だけじゃなくて、どういうイメージでと。そ うしたら、もし具体的にここはこうというのがさらにあれば御意見を事務局の方にお寄 せいただけますか。 ○山田委員  この間は言って、ちょっと書いて出したので、そういう意味合いも考慮していただい たらそれでいいかなと思います。 ○岩田座長  それではありがとうございました。時間超過で大変申しわけありませんが、それでは きょういただいた御意見を元にして事務局の方で修正していただきまして、それを次回 さらに検討したいと思います。事務局はよろしいですか。  それでは次回の日程について事務局の方からお願いします。   ○島村課長補佐  次回の日程は10月23日(月)で、14時〜16時を予定しております。場所については 後日改めて御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いします。 ○岩田座長  それでは以上で本日の会議は終わります。どうもありがとうございました。 ○山田委員  済みません、封筒の後ろに、この間うちの方でやった調査のやつと、あとは自立支援 センターのデータをいただきまして、どういう状況になっているか今調べている最中な んですが、途中経過なんですが、一応参考にしていただいたらと思って持って来ました ので、よろしくお願いします。 (終了)         照会先          [ホームレスの実態に関する全国調査検討会事務局]           厚生労働省社会・援護局地域福祉課           TEL 03−5253−1111(内線2855、2858)           FAX 03−3592−1459 1