06/07/19 第3回運動所要量・運動指針の策定検討会議事録           第3回運動所要量・運動指針の策定検討会                                                                 日時:平成18年7月19日(水)10:00〜12:00                場所:虎ノ門パストラル アジュール(新館6階) ○出席委員   泉委員 太田委員 加賀谷委員 久野委員 小林委員 芝山委員  下光委員 鈴木委員 相馬委員 田中委員 田畑委員 富永委員  戸山委員 能勢委員 塙委員 増田委員 吉池委員  高崎氏(斎藤委員代理)  ○厚生労働省出席   中島参事官 矢島生活習慣病対策室長 成田室長補佐 石井室長補佐 ○次第 I  開会 II 議題      1.「健康づくりのための運動基準2006」について    2.「健康づくりのための運動指針2006(案)」について    3.「健康づくりのための運動基準2006」及び      「健康づくりのための運動指針2006(案)」の普及・活用方策について    4.その他 III 閉会  石井室長補佐 定刻となりましたので、小林委員と芝山委員は遅れていらっしゃる ようですが、ただいまから、第3回運動所要量・運動指針の策定検討会を開催させてい ただきます。  本日の御出欠ですが、今村委員、斎藤委員、信藤委員、樋口委員の4名から欠席の御 連絡をいただいておりますが、斎藤委員の代理として高崎様に御出席をいただいており ます。  また、吉池委員は10時45分ごろに御到着との御連絡をいただいております。  また、能勢委員からは、本日、大雨による交通機関の乱れによりまして、11時ごろに 御到着との御連絡をいただいております。  次に、お手元にお配りいたしました本日の配付資料の確認をさせていただきます。  まず、「第3回運動所要量・運動指針の策定検討会」と書いてございます議事次第、 委員名簿、座席表がそれぞれ1枚紙です。それに続きまして、資料1「健康づくりのた めの運動基準2006」、資料2「健康づくりのための運動指針2006」、資料3「健康づく りのための運動基準2006」及び「健康づくりのための運動指針2006(案)」の普及・活 用方策についてでございます。参考資料といたしまして、財団法人健康・体力づくり事 業財団より提出いただきました「平成19年より新しい「健康運動指導士」が誕生しま す」でございます。  資料の落丁、不足等がございましたら、お申しつけください。大丈夫でしょうか。  それでは、以後の議事進行を富永座長にお願いしたいと思います。富永座長、よろし くお願いいたします。  富永座長 おはようございます。ただいまから議事を進めたいと思います。  議題1は「健康づくりのための運動基準2006」についてでございますが、これにつき ましては前回の検討会でいろいろ御意見をいただきましたけれど、座長である私に一任 させていただきまして、その御意見を考慮した上で最終案を作成すると御説明しており ますので、本日の資料1について事務局から変更点を中心に御説明いただきたいと思い ます。  石井室長補佐 それでは、資料1を説明させていただきます。「健康づくりのため の運動基準2006」でございますが、ただいま富永座長からお話がありましたように、前 回の本検討会において御了承いただいたということでございますけれど、何点か修正を いたしましたので、その御報告をいたします。  1枚おめくりください。1ページですが、前回の報告書には目次がついておりません でしたので、今回新たに目次をつけ加えまして、それからページ数をつけ加えたという、 体裁の変更がまず1つでございます。  2ページでは、前回は「概要」というものが表紙の頭に来ておりましたが、これを目 次の次の2ページ目に持ってきました。これが2点目の体裁の変更点でございます。  次に、4ページでございます。2の策定に至る経緯でございますが、4つ目の段落の ところで、「また、「平成16年国民健康・栄養調査」によると」となってございますが、 前回では平成15年のデータしかございませんでしたので、これを直近の平成16年のデー タに差しかえをいたしました。  次に、6ページでございます。4の健康の維持・増進に必要な身体活動・運動量とい う項目でございますが、【身体活動量】の下の3つ目の段落で、「強度が3メッツ以上 の身体活動としては、運動の他、日常的な歩行(買い物、通勤など)、床そうじ、庭仕 事、物を運ぶ、子どもと遊ぶ」といった「生活活動」という言葉をここで用いておりま す。  これは運動指針の小委員会におきまして、運動指針について御議論をいただいている 中で、全ての体を動かす活動を「身体活動」として、その中で体力の維持・向上を目的 として計画的に行うものを「運動」、それ以外を「生活活動」と定義をいたしましたの で、そことの整合性をとるという観点から、こちらの運動基準でも「生活活動」という 言葉を使わせていただきました。  11ページをごらんください。下から3つ目の段落のところに「運動習慣者」と書いて ございますが、これは健康・栄養調査の結果でございますが、前回のバージョンでは平 成15年のものをお示ししておりましたけれど、新しいデータが出ましたので、平成16年 のものに更新をいたしました。  その下の段落でございますが、歩数の現状値につきましても、前回は平成15年の健 康・栄養調査のデータでございましたけれど、こちらも平成16年のものに差しかえをい たしました。  12ページでございます。ここは用語の解説でございますが、身体活動というものをこ ちらで解説をしております。前回では身体活動全体として身体活動と運動というものに ついて解説をしておりましたが、運動指針の小委員会での御議論を踏まえまして、生活 活動というものをこちらでも定義したところでございます。  17ページをごらんください。下の8)「健康日本21」における目標値に対する暫定直 近値実績値等という表がございますが、こちらも前回はすべて平成15年の健康・栄養調 査の結果でございましたけれど、平成16年の健康・栄養調査の結果が出ましたので、こ ちらもデータを差しかえております。  運動基準につきましての修正点は以上でございます。  富永座長 ありがとうございました。ただいま、前回の報告書から修正された点を中 心に御説明いただきましたが、御質問あるいは御意見はございませんか。  よろしいでしょうか。  それでは、本日の議題は次の議題2が中心でございますので、この報告書は次の議題 の「健康づくりのための運動指針2006」の根拠になる基礎的な資料でございますので、 次の「運動指針(案)」についての報告を事務局から御説明いただきたいと思います。  石井室長補佐 それでは、資料2をごらんください。先週の運動指針の小委員会にお きまして御了解をいただきました「健康づくりのための運動指針2006」について御説明 申し上げます。  まず、表紙をごらんください。タイトルでございますが、「健康づくりのための運動 指針2006〜生活習慣病予防のために〜」、そして副題といたしまして「エクササイズガ イド2006」とのタイトルにさせていただいております。  1ページの目次をごらんください。この運動指針の構成について御説明申し上げます。  この運動指針につきましては、まず策定の趣旨、第1章の理論編、第2章の実践編、 そして参考資料という構成となっております。  まず、第1章の理論編におきましては、身体活動・運動量というものがどういうもの であるかという解説を加えまして、では、その健康づくりのためにはどれだけの身体活 動量と運動量が必要であるかということにつきまして、まず理論についてお示しをして おります。  第2章の実践編におきましては、その第1章の理論に基づきまして、では、実際に運 動をどのように行っていけばよいかというものを、国民の皆さんがこれを読んで実践で きるようにという観点の構成となってございます。  それでは、本文と説明に移らせていただきます。  2ページの策定の趣旨から御説明申し上げます。  3ページ、策定の趣旨とございますが、先ほど富永座長からもお話しいただきました ように、この運動指針といいますものは、まず1つ目の○に書いてございますように、 生活習慣病を予防するための身体活動量、運動量、体力の基準値というものがまず運動 基準でお示しされたということを踏まえまして、2つ目の○に書いてございますが、こ の運動基準に基づきまして、安全で有効な運動を広く国民の皆様に普及するということ を目的といたしましてこの運動指針を策定したということでございます。  3つ目の○でございますが、この運動指針の対象となる方は、健康な成人の方を対象 としております。健康な成人の方がこれだけの身体活動・運動を行うことによって生活 習慣病の予防ができるという運動基準の根拠に基づいておりますので、対象は健康な成 人の方としております。  では、4ページ、第1章の理論編について御説明を申し上げます。  5ページ、1の身体活動・運動についてでございますが、ここでは、本指針におけま す身体活動・運動について、その定義と、それをあらわす単位について御説明をしてお ります。  図1をごらんいただきながらお聞きいただければと思いますが、まず、「身体活動」 とは、安静にしている状態より多くのエネルギーを消費するすべての動きのことと定義 しております。  身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施するもの、図 1では速歩ですとかジョギング、テニス、水泳、ストレッチングといったものが例とし て挙げてございますが、こういった体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に行 うものを「運動」と定義いたしました。  そして、「身体活動」のうち、この運動に属さないもの、図1の例では歩行ですとか 床そうじ、庭仕事、炊事・洗濯などの家事といったものについては「生活活動」という 定義をいたしました。  また、身体活動の強さと量をあらわす単位といたしましては、まず、身体活動の強さ につきましては、運動基準と同じく「メッツ」を用いました。  身体活動の量につきましては、運動基準におきましては「メッツ・時」という表記の 仕方をしておりましたが、ここでは「エクササイズ」という呼び方を用いることといた しました。  「メッツ」についての解説を簡単に書いてございますが、「メッツ」とは、身体活動 の強さを安静時の何倍に相当するかということであらわす単位でございまして、座って 安静にしている状態が1メッツ、普通に歩いている状態が3メッツでございます。  また、運動の量をあらわす単位といたしまして、「エクササイズ」ですが、この単位 は運動強度であります「メッツ」にその活動を実施している時間、1時間単位ですが、 これを掛けた単位でございまして、例のところに書いてございますが、例えば3メッツ の身体活動を1時間行った場合は3メッツに1時間を掛けまして、「3メッツ・時」、 本指針では「3エクササイズ」ということになります。  6ページに、1エクササイズがどれだけのエネルギー消費量になるのかということを 参考までに簡易換算式というものと、体重別に1エクササイズの身体活動を行った場合 にどれだけのカロリーを消費するかをお示ししております。  また、参考の2つ目に書いてございますが、本運動指針におきましては「エクササイ ズ」と「メッツ」という単位を使い、「カロリー(kcal)」という単位をなぜ使わなか ったかを簡単に書いてございます。「カロリー」という単位は個人の体重によって差が 生じてしまうということがございますので、個人の体格に関係なく共通の目標をお示し するという観点から、この運動指針におきましては「メッツ」と「エクササイズ」とい う単位を用いることといたしました。  では、実際に健康づくりのためにはどの程度の身体活動量が必要であるかを、7ペー ジ、2の健康づくりのための身体活動量でお示ししております。  (1)身体活動量の目標ですが、黒枠で囲ってございますけれど、目標は、週23エク ササイズの活発な身体活動を行う。この身体活動には運動と生活活動の両方が含まれま す。そして、そのうち4エクササイズは活発な運動をということを目標としております。  これは身体活動・運動と生活習慣病との関係を示す内外の文献から、生活習慣病予防 のために必要な身体活動量と運動量の平均を求めて設定したものでございます。  また、この目標に含まれる活発な身体活動といいますのは3メッツ以上の身体活動で ございまして、例えば座って安静にしている状態は1メッツでございますが、このよう な3メッツ未満の弱い身体活動は目標に含まないということでございます。  図2に1エクササイズに相当する活発な身体活動をお示ししておりまして、真ん中に 強度が書いてございまして、上が強度の低い身体活動、下が強度の高い身体活動、そし てその目盛りの左側にあるのが運動、右側にあるのが生活活動でございまして、これら 運動、生活活動すべてをあわせまして1週間で23個をやることを目標としていただきた いと。  運動につきましては、左側の部分でございますが、週に4個以上を目指すということ が健康づくりのための運動量の目標ということでお示ししております。  8ページ、(2)身体活動量と生活習慣病の発症リスクの関係でございます。身体活 動または運動を行うことがなぜ生活習慣病の予防にいいのかということをお示しさせて いただいております。  本指針におきましては、身体活動・運動が生活習慣病発症に与える影響に関する研究 成果を踏まえまして生活習慣病の発症リスクが低くなるという、具体的な身体活動量と 運動量の目標につきまして、それぞれ週23エクササイズ、週4エクササイズということ でお示ししたものでございます。  9ページ、参考として、内臓脂肪減少のための身体活動量という項目を設けてござい ます。策定の趣旨のところで申し上げましたが、本運動指針につきましては、健康な成 人の方を対象としているところでございますけれど、近年、メタボリックシンドローム の該当者・予備群という方が非常に注目を浴びているというところから、メタボリック シンドロームの該当者・予備群の方が内臓脂肪を減らすためにどうすればいいかという ことを、こちらで参考までにお示ししております。  (ア)内臓脂肪を減らす必要性はこういうことだということを書いてございます。こ の中では、運動量の増加と食事の改善を行うことによりまして内臓脂肪量を減少させて、 メタボリックシンドロームを改善して、心筋梗塞ですとか脳卒中といったリスクを改善 することが期待できるということをお示ししております。  (イ)運動と食事改善の併用が効果的ということでございますが、ここでは、腹囲を 1cm減らすためには1kgの体重の減少が必要であり、また、1kgの体重を減少させるた めにはエネルギー消費として7,000kcalが必要であり、それを1カ月でやるとなります と、1日当たり約230kcalであるということをお示ししております。  (ウ)内臓脂肪減少のために必要な運動量でございますが、先ほど、健康づくりのた めの身体活動量のところで、運動については週4エクササイズということをお示しして おりますが、この内臓脂肪を減少させるという観点で文献を拾っていきますと、週10エ クササイズの運動が必要であるということが明らかとなっております。  10ページ、3の体力でございます。  (1)健康づくりのための体力でございますが、体力とは、身体活動を行う能力に関 連する複数の要素から構成されまして、その要素には、持久力、筋力、バランス能力、 柔軟性などがあります。この運動指針におきましては、生活習慣病予防との関係が明ら かで、国民が実践することができ、自己評価することができるという、持久力と筋力に ついて取り上げております。持久力、筋力につきましては、それぞれが高いと生活習慣 病の発症リスクが低くなるということが明らかとなっております。  (2)体力に応じた運動の必要性でございます。運動を実際に行っていただくために は、自分の体力に応じた運動を選択することが非常に重要であるということをこちらで お示ししておりまして、体力に合わない運動をいたしますとなかなか効果が得られない ということがございましたり、もしくはけがの原因になるということもございますので、 体力に応じた運動を行うことにより、運動を効果的に安全に行うとともに、爽快感を得 ていただくことが重要であるという考え方をこちらでお示ししております。  以上で理論編が終わりますが、このように理論編では、身体活動・運動についての定 義、また本指針で用います身体活動・運動量の単位、そしてどれだけの身体活動量・運 動量が必要であるかといったことの解説を行っております。  11ページ、第2章の実践編でございます。こちらでは、第1章の理論編を踏まえ、具 体的にどのように身体活動量を増したり運動を始めたりすればよいかということについ てお示しをしております。  12ページ、身体活動量の評価から実践までの流れというフローチャーのシートをごら んください。  実践編の流れにつきましては、1の現在の身体活動量の評価におきまして、実際に御 自身が現在どれだけの身体活動量があるのか、どれだけ日常生活で動かれていて、どれ だけの運動をされているのかをまずチェックをして評価をしていただきます。  2の現在の体力の評価におきまして、実際に現在の御自分の体力がどうなっているか を、ここでは持久力と筋力について評価を行っていただきます。  3の身体活動量の目標設定におきまして、(1)では、1で評価を行いました身体活動量 につきましてどのような目標設定をするのかということで、どれだけ増やすかというと ころで目標を設定していただきます。  (2)として、目標を設定していただくに当たりまして、どういう運動を選択するのかと いうところで、2で評価していただきました体力に応じた運動を選択していただくこと を踏まえまして、目標の設定をしていただきます。  そして、4の実践におきましては、(1)その設定した目標を実践していくためにはどの ようなことに気をつけていけばよいか、あるいは、(2)安全に運動を行っていただくため にはどのようなことに御注意いただければよいかについてお示ししております。  それでは、実践編について御説明を申し上げます。  13ページ、1の現在の身体活動量の評価でございます。ここでは、実際に御自身が現 在どれだけ身体活動量があるのかということをチェックシートを用いまして評価をして いただくということでございます。  上の身体活動量評価のためのチェックシートを用いまして、1週間でどれだけの生活 活動・運動をされているかを、下の1エクササイズに相当する運動の例、そして1エク ササイズに相当する生活活動の例という2つの表をごらんになりながら、実際に御自分 の身体活動量を評価していただくという構成になってございます。  下の例は一部代表的な種目を上げましたので、そのほかの例につきましては、下の欄 外に書いてありますように、34ページに詳細な表が載ってございますので、そちらを参 照していただければと思います。  まず、ここで身体活動量の評価につきまして、1週間で運動がどれだけ、生活活動が どれだけ、それを合計いたしました身体活動量がどれだけあるのかということを評価し ていただきまして、身体活動量の目標23エクササイズ、運動量の目標4エクササイズに どれだけ足りないのか、もくしは今もう達成しているのかどうかということを評価して いただきます。  14ページ、2の現在の体力の評価でございます。  まず、身体活動量の評価を行っていただき、それに続きまして体力の評価を行ってい ただきます。実際に運動を始めていただく際に、体力に応じた運動を行っていただくた めにまず現在の体力を評価していただくということで、体力の測定方法にはいろいろな 方法がございますが、本運動指針におきましては、自分でできる簡単な持久力と筋力の 評価方法をお示ししております。  14ページの(1)では、持久力の評価について評価方法をお示ししてございます。こ こでは、持久力につきまして、その代表的な項目とされております全身持久力の評価方 法につきまして、3分間の速歩を行っていただきまして、その歩行距離で持久力の測定 を行うということでございまして、測定した距離の結果を表1の性・年代別の歩行距離 の御自身の性と年齢のところをごらんいただきまして、その距離を超えている場合には 体力の目標値を達成している、その距離に足りない場合には持久力が目標よりも低い、 そういう評価の方法でございます。  15ページ、(2)筋力の評価でございますが、ここでも御自分でできる手軽な体力の 評価方法ということでございまして、筋力につきましては、まずどこを測定するかとい う問題があるわけでございますけれど、特にここでは下肢の筋力が加齢による影響を受 けるということから、下肢の筋力の評価方法をお示ししております。  評価方法といたしましては、下の絵にかいてありますように、いすの座り立ちという ものを10回行っていただきまして、そのかかった時間によって評価を行うというもので ございます。  下の表2にお示しいたしました性・年代別の時間で、御自身に該当する性と年齢のと ころをごらんいただきまして、そのかかった秒数が「速い」もしくは「普通」に属する といった場合には筋力の目標値に達成している、「遅い」に該当する場合には目標値に 達成していないということでございます。  このように、御自分で手軽にできる体力の評価方法として、持久力と筋力の評価方法 についてお示しをしております。  16ページでございます。1と2におきまして身体活動量の評価と体力の評価を行って いただきまして、次は、その評価結果を踏まえまして、3として身体活動量の目標設定 について解説をしております。  (1)目標設定の考え方でございます。下の黒枠で囲った部分で、「いつでも、どこ でも、楽しく歩こう1日1万歩!」と「自分に合った運動でいい汗かこう、週合計60 分!」という2つの標語が書いてございますが、これは理論編の7ページで、目標は週 23エクササイズの活発な身体活動、そのうち4エクササイズは活発な運動でということ に対応することでございまして、週23エクササイズの身体活動を歩数に換算して、さら にそれを1日当たりとしますと、1日当たりおよそ1万歩となると。ですから、1日1 万歩によって週23エクササイズの身体活動が達成できる。  それから、週4エクササイズの運動でございますが、これを速歩(ウォーキング)に 換算しますと約60分ということでございますので、「自分に合った運動でいい汗かこう、 週合計60分!」というところで運動の4エクササイズを日常の生活におきましてわかり やすくここでお示ししているということでございます。  下に、(ア)身体活動量の目標前提、(イ)運動量の目標設定におきまして、それぞ れどのような目標設定を行うのかをお示ししております。  (ア)身体活動量の目標設定ですが、身体活動量が目標に達成していないという場合 は、まずは日常生活の中の歩行ですとか自転車に乗るといった生活活動を増やして、身 体活動量の目標を達成することを心がけてくださいということをお示ししてございます。  また、既に身体活動の目標を達成されている方につきましては、現在の身体活動量を 維持していただくとともに、体力の評価結果に応じた運動を行っていただきまして、体 力の向上を行ってくださいという考え方が書いてございます。  (イ)運動量の目標設定でございますが、運動量の目標設定につきましては、体力に 応じた運動を行っていただくということ、それから、現在の運動習慣に応じた運動を行 っていただくということ、この2つが非常に重要でございます。  まず、運動習慣に応じた運動ということでございますが、こちらの運動基準にも記載 があるところでございますけれど、運動習慣のない方はいきなり週4エクササイズを目 指すのではなく、週2エクササイズから始め、なれてきたら4エクササイズを目標にし ていただく。また、既に週4エクササイズの運動をやっていらっしゃるという方は、週 10エクササイズを目標に増やしていっていただく。そういうことが運動習慣に応じた運 動量の目標設定の仕方でございます。  では、運動の量を設定した後に、どのような運動をどのように行うのかということに つきましては、体力の評価結果によって得られました体力の状況に応じて、御自分の目 的とする体力を安全かつ効果的に向上させるための運動を行っていただくことが重要で ございますので、次の17ページから、体力に応じた運動についての説明をさせていただ きます。  17ページ、(ア)体力に応じた運動でございます。ここでは、体力に応じた運動につ きまして、(ア)持久力を向上させるための運動、次の18ページでは、(イ)筋力を向 上させるための運動についてお示ししております。  まず、(ア)持久力を向上させるための運動でございますが、これはQ&A方式にし てございまして、Q1「持久力を高めるための運動にはどのようなものがあります か?」ということで、具体的な種目といたしまして、速歩、ジョギング、自転車、エア ロビクスなどをお示ししております。その中でも、手軽に始められるという観点から、 速歩につきまして、注意事項をイラストでお示ししております。  また、Q2「どのくらい運動したらよいのでしょうか?」ということで、どのくらい の強度をやったら持久力が向上するのでしょうかというところで、ややきつい運動がい いですということをお示ししておりまして、では、その「ややきつい運動」というのは どの程度の運動なのでしょうかということを、いつも歩いているより速い、ちょっと息 が切れるが多少の会話ができるといった具体的な項目を上げまして、どの程度のきつい 運動をやればいいのかをお示ししております。  18ページでございます。(イ)筋力につきましても同じ構成になってございまして、 まず、Q1「筋力を高めるための運動にはどのようなものがありますか?」につきまし ては、やはり筋力トレーニングというものがよいということが書いてございます。  また、自宅でできる筋力トレーニングの例といたしまして、ここでは3種目ほど上げ ておりまして、絵と解説を使ってお示ししているところでございます。  19ページでございますが、18ページでお示しいたしました筋力トレーニングをどの程 度やればよいのかということをQ2に対するA2でお示ししておりますが、15ページで 筋力の評価を行っていただきますので、その評価結果に応じてトレーニングのセット数 はこのようにやっていったらいいですということをお示ししてございます。  また、Q3に対応するA3におきまして、日常生活における筋力を向上させための工 夫を御紹介しております。 20ページでございます。では、具体的にどのように身体活動量を評価して、またその目 標設定を行っていくのかということですが、(3)具体的な事例として、ここでは2例 ほど紹介をさせていただいております。  20ページでは、電車通勤をしているサラリーマンAさんの場合でございます。この表 と右側にAさんの1週間の身体活動が書いてございまして、実際に御自分の毎日の通勤 ですとか、趣味でやられている運動がどの程度の身体活動量に相当するのかというのを、 まず評価を行っていただきます。この表では、Aさんは、運動が3エクササイズ、生活 活動が16エクササイズ、合計した身体活動量が週19エクササイズということで、運動の 4エクササイズ、身体活動の23エクササイズ、両方とも目標に達成していないというこ とです。  また、Aさんは体力測定をやってみると、持久力が目標より低いということがわかっ たということでございます。そこでAさんはまず、身体活動量・運動の目標を達成する ために、バレーボールと散歩を増やし、また、運動を行うことによって持久力の向上を 目指すというような目標を立てているという事例でございます。  21ページでございます。別の事例といたしまして、家庭にいることが多い主婦Bさん の場合でございます。まず、同様に自己評価を行っていただく。そうしますと、Bさん の場合は、この方は少し運動をされている方なので、運動量としては6エクササイズで 基準を満たしていると。ただ、生活活動が週15エクササイズと少し少ないということが ございまして、身体活動量合計では21エクササイズということで、目標といたします23 には足りないと。それから、少し筋力が低く、目標を達成していないということがござ いますので、Bさんの場合は筋力トレーニングを追加ということで、合計の身体活動量 の合計23エクササイズの目標は達成したと。また、筋力の目標を達成するように、今後 もトレーニングを続けていく。こういった事例を紹介させていただいております。  22ページでございます。参考といたしまして、内臓脂肪減少のための身体活動量の目 標設定という項目を立ててございます。こちらは、理論編の9ページに対応するところ でございまして、理論編の9ページにおきまして、内臓脂肪がなぜ減少が必要なのか、 それを減少させるためにはどうしたらいいのかという解説が書いてございましたが、そ れを踏まえて、実際に内臓脂肪を減らしていくためにどのような目標を設定していった らいいのかを、22〜23ページでお示ししております。  22ページでは、内臓脂肪減少シートというタイトルをつけてございますが、まずは御 自分のおなかの周り、腹囲を図っていただき、それから、メタボリックシンドロームの 診断基準である男性85cm、女性90cmとの差を図っていただく。そして、その後に、何カ 月間かけてこれを減らしていくのかの目標設定をしていただく。  そして、理論編でも出てきましたが、1cm減らすのに7,000kcalのエネルギーが必要 であるということでございますので、7,000kcalを30日で割りますと1日当たり230kcal であると。例えば、1カ月に2cmを目指すという場合になりますと、単純に2倍になり ますので、そうすると1日当たり460kcalということになりますが、例えば1カ月1cm ということで、1日当たりに減らすエネルギーのところが230kcalという場合ですと、 運動と食事をバランスよく減らしましょうといった場合に、運動をどれだけやればいい のでしょうかということで、23ページに、内臓脂肪の減少シートを作成するためのツー ルといたしまして、運動で消費するエネルギー量というものの一覧表が載ってございま す。  ここでは代表的な運動種目を上げてございまして、それぞれの強度(メッツ)、そし てそれぞれ平均的な1つの単位といたしましての運動時間をお示しして、それに対応す る運動量はどれほどだというものが上の3行で書いてございまして、それに対応する体 重別の消費エネルギー量が書いてございまして、ここで御自分の体重に近いところを見 ていただきまして、その消費カロリーで計算していただきまして、運動で1日当たりど れくらい消費していただくかという計画を立てていただきます。それから、運動で 100kcalまず消費するとしたら、残りの130kcalを食事の改善によって減らすというよう に、バランスよく減少目標を達成していただくためのシートとして設けてございます。  23ページの下には、腹囲の測定方法といたしまして、どこの部位をはかったらいいの か、どういうことに気をつけて腹囲の測定を行えばいいのかということについてお示し してございます。  24ページ、4の目標を達成するためにでございます。では、具体的に身体活動量の増 加あるいは運動につきまして目標を立てていただいて、それをどのように達成していっ たらいいのかということにつきまして、ここではアドバイスという位置づけでお示しし ております。  (1)目標を達成するためのアドバイスにおきましては、目標を達成するための総論 的なアドバイスをお示ししております。ここでは、生活活動の増加、運動量の増加に向 けたアドバイスといたしまして、2つに分けてお示ししております。  (ア)生活活動増加に向けたアドバイスでございますが、日常の生活活動を増やすた めには、日常生活における歩数を増やすということが非常に重要でございますので、歩 行習慣を身につけるためにはどのようなことに気をつければいいのかということにつき まして、6つのポイントを挙げて解説をしております。  (イ)運動量の増加に向けたアドバイスでございますが、運動を行うに当たっては、 週当たりの総運動量が目標値に達成していることが重要であるということをお示しいた しまして、ライフスタイルに応じて、週に1回まとめて60分行うということでも構いま せんし、小分けにして週に6回10分ずつでも構わないということが書いてございます。  25ページでございます。(1)で総論的なアドバイスという位置づけでお示しいたし ましたが、(2)ステージに応じた目標達成のためのアドバイスでは、現在のその方の 身体活動の状態、運動に対する考え方、その運動や身体活動に関する現在の実践してい る状態など、その方の状態に応じたアドバイスをお示ししております。  下に運動実践に関する質問というところで始めるフローチャートがございますが、こ ちらで現在の御自身の状態を判断していただきまして、御自身のステージに応じたアド バイスを26ページからお示ししているという構成となっております。  簡単に御説明いたしますと、Aの前熟考ステージは、現在、運動も行っていないし、 身体活動量も少ない、またそれを改善する気も余りないという方で、Eの維持ステージ の方は、もう目標を達成しているし、それをずっと継続しているという方で、B、C、 Dはその中間に当たる方でございまして、それぞれのステージの方に応じたアドバイス をそれぞれのページにお示ししております。  31ページをごらんください。5の運動を行うに当たってでございますが、ここでは、 事故を起こさず安全に行うためにはどうしたらいいのかということにつきまして、 (1)安全に運動を行うための注意事項といたしまして、(1)準備運動、整理運動をしっ かり行っていただくこと、(2)持病や合併症をお持ちの方についてはかかりつけの先生方 からの注意を十分に守っていただきたい、(3)血圧の高い人は十分注意してください、(4) その日の体調に合わせて運動を行っていただきたい、(5)この季節は非常に暑くなります ので、脱水や熱中症に十分注意して水分をとりましょう、(5)服装や靴についても気をつ けてくださいといった、全般的な注意事項をお示ししてございます。  32ページ、(2)準備運動・整理運動におきましては、具体的にどのような準備運 動・整理運動を行えばよいのかということにつきまして、図でわかりやすくお示しして おります。  このように、実践編におきましては、現在の御自身の身体活動・運動についてまず評 価を行っていただき、その評価の結果に応じた目標を立てていただいて、その目標を達 成するためにどのようなところに注意して行えばいいのかというポイントを解説すると いう構成となってございます。  33ページからが参考資料となってございます。  34ページ、参考資料1として、身体活動のエクササイズ数表でございますが、先ほど 代表的なものをお示しいたしましたが、それ以外の運動ですとか生活活動といったもの がどれだけの強度で、どれだけの時間を行うことによって1エクササイズに相当するの かという表でございます。  34ページには、3メッツ以上の運動についてお示ししてございます。  35ページにおきましては、3メッツ以上の生活活動についてお示しをしております。  36ページにつきましては、3メッツ未満の身体活動について参考としてお示しをして おります。  37ページ、参考資料2でございます。ライフスタイルに応じた身体活動量を増加させ るための事例集でございまして、ここでは個人の運動歴ですとかライフスタイル、身体 状況に応じて身体活動量を増加させるために、具体的な例というものをメッセージとし てお示ししておりまして、これを読んでいただく方に近い例、または共感できる例を探 していただいて、御自分が身体活動量を増やすための参考にしていただきたいというこ とで、事例を6つ挙げてございます。  事例1は、メタボリックシンドロームを予防したい30代の男性について。事例2は、 メタボリックシンドロームと言われてそれを解消したい50代の男性。事例3は、運動不 足の30代の女性の方が運動を始める。事例4は、同じく運動不足で少し肥満になってし まった40代の女性の方が、運動と食事に気をつけてダイエットを始めていくというスト ーリー。事例5は、大病をされて少し健康不安がある50代の女性が運動を始めていかれ る。事例6は、関節が痛くなってきて外に出かけるのがおっくうになってきた60代の女 性が運動を始めて、活発な生活を送っていきたい。このような事例となってございます。  以上が参考資料の構成でございます。少し長くなりましたので、運動指針に関する説 明は以上で終わりたいと思います。  富永座長 ありがとうございました。大変丁寧に的確に御説明いただきました。  座長をしておりますとなかなか発言の機会がありませんので、最初に一言申し上げま すが、資料1の「健康づくりのための運動基準2006」も含めまして、ただいま御説明い ただきました「健康づくりのための運動指針2006」、2つとも大変いいものができたと 思います。  まず、率直に思ったところだけ1〜2点問題提起をさせていただきまして、それから 委員の先生方から御意見あるいは御質問を受けたいと思います。  1点目は、例えば、理論編の5ページをごらんいただきますと、図1で身体活動が運 動と生活活動に分かれております。ここは非常に簡単な例示でございますが、生活活動 の中には、一般的に日常生活に関連したことばかりが書いてございます。後ほどの34ペ ージ以降もそうでございますが、多くの人が実際に働いておりまして、職業上の身体活 動もかなりたくさんあると思います。ですから、それをもう少し入れておいた方が、生 活活動というのは職業上の活動も含んだものであるということがわかりますので、誤解 されないように、「生活活動(職業上も含む)」とか、あるいは例示のところに、皆無 ではありませんで2〜3入っておりますが、もう少し加えた方が誤解を招きにくいので はないかと思います。これは意見です。  それから、今から各委員の御意見をお聞きしますが、5ページで、運動の単位をどう するかということで、ここでは「エクササイズ(Ex)」(=メッツ・時)(量の単 位)とありまして、「エクササイズ」という言葉を提案されております。これは最初、 「あれ?」と思いますが、ただ単に単位、あるいは、1個、2個、3個というよりは、 この方がいいかなという印象がありました。事務局も大部分は「エクササイズ」で通さ れましたが、何回か「何個」という言葉が出てまいりましたけれど、その「何個」と聞 くと正直少し違和感を覚えました。ですから、「エクササイズ」の方がいいかなとも思 うのですが、これは非常に大事なこの報告書の核心の1つになりますので、単位の表現 について、「エクササイズ」でよろしいかということですね。あるいは、もっといい対 案があるかどうか、お聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  田中委員 私もそれは気になっていたところなのですが、「エクササイズ」という単 位は、随分わかりやすくなったなと思いました。ただ、「エクササイズ」で心配するの は、身体活動は「フィジカル・アクティビティ」であり、運動は「エクササイズ」であ るとすると、せっかくの身近なところで工夫すればできるというニュアンスから、ちょ っと遠ざかるのではないかなという気がします。  私は前に提案させていただきましたが、例えば「セット」ということで、「1セット の運動」、「1セットの身体活動」という方が私はすっきりいくような気がします。こ れで以前の「何個」よりはいいと思います。それが気になりました。  富永座長 田中委員から、「1セット」という単位はどうかという御提案ですが、同 意される方、あるいはもっといい表現がある方、いかがでしょうか。  下光委員 私も、「個」よりはいいかなと思うのですけれど、「エクササイズ」とい いますと、やはり運動の方にシフトするのかなという気がします。今回は身体活動全体 をプロモートするというところに重点が置かれるべきだろうと思いますので、できれば それに関連した用語の方がいいのかなと思います。  そこで、ちょっと考えたのですけれど、「活動」とか、「アクティビティ」でもいい と思いますが、「1活動」とか「2活動」と、変かもしれませんけれど、「エクササイ ズ」よりはいいのかなと。「活動」だと、「1活」、「2活」というふうに略すことが できるんですけれど(笑)、ちょっと変かなという気もしますけれど、いかがでしょう か。  富永座長 どれにするかは別にして、最初に何かいい案があればどんどん出していた だいて、その中で最終的にどれかを選べばいいと思いますので。「セット」、「アクテ ィビティ」、「活」と出ましたが、ほかにいかがでしょうか。  太田委員 この単位は非常に重要なポイントだと思います。ただ、とてもリーズナブ ルな意味合いと、そのものをダイレクトにあらわすという意味合いがあった方がいいと 思います。したがいまして、単位とかセットみたいな表現よりは、「エクササイズ」と か「アクティビティ」とか「活動」みたいな、ネーミングそのものがキャンペーンにな るという形の方がいいのではないかなと私自身は思っています。  富永座長 「アクティビティ」に関しましては、私は率直に言いまして、長いこと研 究生活を送っておりましたので、研究生活で非常に成果を上げている人を「アクティビ ティが高い」とかという表現をしますので、本当のフィジカルな「アクティビティ」と 少し意味が違う点がございますね。  加賀谷委員 今のお話を伺うとちょっとだめかもしれませんが、「アクティビテ ィ」の単位だから、「アクティビティのユニット」として「AU」にすると、 「arbitrary unit」と似ているので、ちょっとうまく避けられるかなと思いました。  今、富永先生が、研究活動もアクティビティだしというお話をされましたが、それに 関連して、この定義のところで「運動」という分け方をされていますが、最終的にはこ れでいいと思うのですけれど、これも「フィジカル・アクティビティ」のことをここで は言っていると思うのです。一般的に「運動」というと「ムーブメント」も「運動」で すので、私たちが集まればもう絶対に身体運動なのですけれど、誤解される点があるの で、(2)の「運動とは」というところで、「計画的・意図的に実施するものが身体運動で あり、本指針ではそれを運動と称する」とか、そういうふうにして運動というふうに使 っていけば、「運動」でもいいかなと思いまして、先生の発言に関連して定義のところ も申し上げたいと思います。  それで、「フィジカル・アクティビティ・ユニット」とか、そういうことでもいいか なと思いました。  富永座長 ほかに案はございますか。  田畑委員 ちょっと靴の幅の単位のようで変なのでが、例えば、「1E」とか「3 E」とか、「いい生活習慣は気持ちいい」というのが去年出ていましたが、そんなのも いいかなと。  富永座長 「エクササイズ」のEに引っかけてですね。「1E」、「2E」ですか。 なるほど、それも1つの案ですね。  小林委員 非常におもしろい提案をされたなと思いますけれど、「エクササイズ」と いうのを1つの単位にするという意味なのですが、しかし、本来、「エクササイズ」と いう言葉の中には単位という内容はないのだと思います。これは「運動する」という意 味ですから、「1エクササイズ」というとまた別の意味が出てくると思いますので、こ れは多分造語で単位に使おうという委員の方の大変アイデアだと思うのですが、「エク ササイズ」という言葉自体を運動の単位にするというのはどこかに少し無理があるかな という感じがするので、例えばですけれど、「エクササイズ」と書いて、「1エクサ」 とか「Ex」でいいのですが、何か別の新しい造語をつくってしまった方が、むだな議 論をしないで済むんじゃないかと思います。「エクササイズ」という言葉が本来英語に あるのに、それには単位の概念がないのに、無理やり単位の概念をつくろうというのは、 国の政策としては少し無理があるかなと。ですから、「Ex」は非常にいい概念なので すが、単位の呼び方を今までにない言葉で表現するということをすると、うまいこと解 決できるのではないかと思うのですが。  田中委員 それでは、こんなのはどうでしょうか。「ワン・アクト」――「アクティ ビティ」と「アクション」の造語で。  最初に見たときに、「個」よりも「エクササイズ」の方がいいと僕は率直に思ったん です。ただ、せっかく、身体活動の中の身体運動と生活活動というふうに分けているも のですから、そうすると、ちょっと気になるかなと思いましたので、先生がおっしゃる ように造語でいいと思うのですが、強度と量のこういうとらえ方は非常にグッドアイデ アですから……。  小林委員 私が申し上げたのは、「アクティビティ」だろうと「エクササイズ」だろ うと関係ないんです。体を動かすということの概念、どれぐらい動かしたかというので、 1か2か3か動かしたという意味だと思いますので、別にアクティビティであろうと何 であろうと関係なくて、体を動かすという1つの単位は、「1Ex」、あるいは「1エ クササイズ」ということで、非常にいいんじゃないかなと思いますが。無理やり「アク ティビティ」だとかということは……。  田中委員 同じ意見だと思うのですけれど、ただ、「エクササイズ」ということに身 体活動・運動、生活活動という概念を規定した場合には、ちょっと気になるなと思った んです。  久野委員 僕は田中先生の意見とちょっと違いまして、今回の特徴は、身体生活活動 そのものもある面運動でいいんだよというところですから、僕は小林先生の意見に賛成 で、呼称は変えた方がいいと思いますが、そういう身体生活活動も「1エクササイズ」、 「2エクササイズ」と理解するのに、かえってそういう考え方も成り立つのではないか なと。  あとは、今日の議題に入っているように、啓蒙活動を国民の方にいかに理解していた だくかということで、この呼び方がスッと入っていくような気がしますので、私はどち らかというと小林先生の考え方に賛成します。  富永座長 まだほかにいろいろあるかもわかりませんが、既に1、2……7と収拾が つかなくなるぐらい出ておりますので。今日、これがいいという発言をされていない方 で、今、御提案があった中で、自分としてはこれがいいかなと思うような御意見がもし おありでしたら、おっしゃっていただけませんか。  どれでもいいでしょうか、あるいはどれも同じでしょうか。  この単位は大変重要な問題で、今いろいろ御意見を伺って、あとは座長一任というわ けにはまいりませんので、ここで、異例のことでございますが、どういう御意見が多か ったか、その意味とかなじみやすさとか、いろいろ含めて、自分としては何がいいか、 挙手で御意見をいただければと思います。多数決で決めてしまうわけではないんですけ れど、大勢の先生の意見というのはそれなりに意味がありますので、お聞きしたいと思 います。  加賀谷委員 その前に、よろしいでしょうか。  富永座長 はい、どうぞ。  加賀谷委員 「AU」を撤回しまして、「フィジカル・アクティビティ」のPAと いうのをよく省略で使っていますので。  富永座長 「AU」のかわりに「PA」ですね。  加賀谷委員 はい。もし決をとっていただくのなら、アクティビティ関係の用語に するか、「エクササイズ」というのを用語にするか。あとは具体的にはもうちょっと詰 めていただくと、そういう形の意見を出させていただければありがたいと思います。  富永座長 そうすると、アクティビティ関係の用語といいますと、今の「フィジカ ル・アクティビティ」、そして単に「アクト」というもありましたね。それから、「活 動」という単位も出てまいりました。それから、「フィジカル・アクティビティ・ユニ ット」の「PAU」も出てまいりました。これが1つの固まりになりますかね。  もう1つは、「E」あるいは「エクサ(Ex)」、「エクササイズ」、「セット」。  それでは、最終的にまた1つずつお聞きるかもわかりませんが、とりあえず、今、加 賀谷委員が御提案になりました「フィジカル・アクティビティ」あるいは「アクト」、 「フィジカル・アクティビティ・ユニット」、「活動」というアクティビティ関係をあ らわした指標がいいと思われる方、挙手をお願いしたいと思います。  5名。  それでは、「エクササイズ」、「E」、あるいは「エクササイズ」ではないのだけれ ど、例えば「エクサ(Ex)」、あるいは「何個」、「何セット」がいいと思われる方。  私も入れますと13名ですね。  それでは、全体として意見が多いのは、「エクササイズ」、「E」、「エクサ(E x)」、「何個」、「何セット」、こちらの方がいいという御意見が多いようです。  それでは、こちらに絞り込みまして、この中から、まず今日出ている「エクササイ ズ」、そしてそれと同じことなのでしょうけれど、「エクササイズ」の「E」、「エク ササイズ」の言葉の一部をとった「エクサ(Ex)」、「何個」、「何セット」となり ますが、エクササイズ関係と「何個」、「何セット」ですけれど、「個」は今回はパス してよろしいでしょうか。  では、「個」はパスするとして、田中委員が提案された「セット」というのが1つ残 っております。それから、「エクササイズ」、「E」、「エクサ(Ex)」、この4つ に絞って、さらにどれがいいという御意見はございますか。  田畑委員 補足ですが、今回、こういうのがありますと、例えば英文に訳そうという ことが出てくるわけですが、そのときに、片仮名ならいいんですけれど、「Exercise」 と書くと合わなくなってくるので、私は、国民としては、「E」とか「運動」というの が、身体活動をあらわしているのですけれど、運動基準の指針ということであるので、 弱みというか、それで「E」を提案したということです。  富永座長 田中先生、「E」、「エクサ(Ex)」、「エクササイズ」が出ておりま すけれど、「セット」をさらに強調したいという御意見はございますか。  田中委員 「ワン・セットのフィジカル・アクティビティ」、「ワン・セットのエク ササイズ」というのはすごくわかりやすいと思います。すなわち、一つ一つをある強度 である時間をやって「何セット」ということになると思います。  富永座長 わかりました。ほかに御意見はございませんか。  太田委員 私は、そのものがキャンペーンなので「エクササイズ」がいいと思ってい まして、その中で、「E」という表現と「Ex(イーエックス)」とどちらがいいのか なというときに、「E」という表現に少し誤解といいますか、「エネルギー」というこ とでよく使いますので、そのときにちょっとややこしくなるかなと思いまして、それな らば、「Ex」の方がまだそういう混乱は生じないのではないかなと思いました。  富永座長 確認ですけれど、「エクササイズ」と言わずに、「Ex」の方がいいとい うことですか、それとも「エクササイズ」がいいということですか。  太田委員 私は、この原案どおりでいいと思っています。  富永座長 わかりました。では、原案で、片仮名の「エクササイズ」で、略称は「E x」でもいいと、そういう御意見ですね。ただ、今回出た案がいいという御意見になり ますね。  あとは、「エクササイズ」の英語の問題、あるいは外国で誤解される云々等がござい ますので、「E」あるいは「エクサ(Ex)」がいいという御意見もございました。ま た、田中先生の「セット」がいいという御意見がございました。  戸山委員 私も、この「エクササイズ」を単位にするというのは当然ひっかかるとこ ろはあるのですが、入りやすくてわかりやすいということになると、日本だとすれば、 私はこの「エクササイズ」でいいのではないかなと思います。そして、英文にする場合 は、田畑先生が言われたように、「Ex」に少しチェンジしても私は別に構わないと思 うので、「エクササイズ」が一番入りやすくて、国民が一番何となくそれだなという形 になるのではないかなと思います。ですから、原案に賛成いたします。  富永座長 ありがとうございます。中島参事官、第三者的に、御意見はいかがでしょ うか。  中島参事官 最終的には先生方の御意見を踏まえて決めさせていただきますが、最 近、メタボリックシンドロームという概念をマスコミでも取り上げていただいていまし て、正直言って最初は本当に定着するのかなと言っていましたが、今や、メタボリック、 メタボという言葉がかなり定着していて、商品名にすらなっているような状況です。  そういう意味では、メタボ、内臓脂肪というものが危険因子なのだということが国民 の中にポピュレーション・アプローチとしても定着しているのかなと。その中で、我々 としては、「一に運動、二に食事、しっかり禁煙」という運動をやってきたと。その運 動で、単位というときに、学問的に何が正しいのかということとともに、国民の中で、 意識され会話にも出て、そしてそれが自分たちの行動に即反映されるようなわかりやす さというものが要るのだろうという感じがしていて、そういうことをぜひともこの運動 指針でねらいたいなと思っているわけです。  それで、「エクササイズ」という言葉を使わせていただいたのも、概念的に生活活動 という部分が入らないじゃないかとか、そもそも単位性、量的な概念を内包している言 葉ではないのではないかということは、おっしゃるとおりなのですが、例えば、「1エ クササイズ」、「2エクササイズ」と口に出していただくことによって、エクササイズ ――体を動かすということがその言葉を使うたびに国民の意識の中に出てくるというこ とが、私はこの「エクササイズガイド2006」のねらいなのかなと思っておりまして、そ の意味では、必ずしも「エクササイズ」という言葉にこだわるわけではないのですが、 この単位を使うことによって国民が常に体を動かさなければならないということがスッ と頭に入る、そういう呼び名にしていただけると、「一に運動、二に食事、しっかり禁 煙」と言っているときのポピュレーション・アプローチ等に有効なのかなと思って、事 務局としてはこういう言葉を使わせていただいたということでございます。  富永座長 ありがとうございます。大変貴重な御意見だと思います。  大変異例なのですが、横に局長が座っておられまして(笑)、ふだんはこういうとき に御意見をお伺いしないのですけれど、これは大変重要でございますから、率直な御感 想がございましたらあらかじめお聞きしたいと思いますが、いかがでございましょう。  中島健康局長 私も、単位というのは、今後、使われていくことを想定すれば、大 事な要素だと思いますので、皆さんにすんなり受け入れられるような命名がいいのでは ないかと思いますし、また、そこからイメージできるようなものであればなおいいとい うことで、基本的には、「エクササイズ」はちょっと長いのですけれど、略称として、 「エクサ」だか「Ex」だか、いろいろな言い方が可能だとは思いますので、こういっ た表現ぶりは比較的なじみがいいんじゃないかなと思います。  それから、あわせて、気づいた点なのですが、「セット」というのも一つの考えだと は思うのですが、ここでも19ページにありますように、幾つかの運動を組み合わせて、 それを何回かやるときに、「ワン・セット」、「ツー・セット」という使い方をよくさ れるので、そこで混同が起こってしまって、言葉が混線しないかなという気がいたしま すけれど。  富永座長 ありがとうございました。  それでは、こればかり議論しておりましたので今日は時間がなくなりましたので、こ の検討会としてのあらかたの意見をまとめたいと思いますが、委員の中でも何人かの先 生方は、「エクササイズ」あるいは「Ex」かいいとおっしゃっております。事務局か らの意見表示もございまして、私自身も、事務局に根回しされたわけでも何でもないの ですが(笑)、率直に言って、「エクササイズ」という言葉は、初め、一瞬、「あ れ?」と思いましたけれど、よく考えてみると、「エクササイズ」という言葉は、 「個」とか「単位」よりも、「運動」ということを表に出しますので、単位とあわせて スローガンの一つにもなっているので、これは悪くないなと思いました。  そういうこともございますので、今回の事務局案の「エクササイズ」、「Ex」で、 やや御不満の委員の方々もおられると思いますが、今回、こういう形にしてはどうかと 思いますが、いかがでございましょうか。  田中委員 賛成です。「セット」を撤回します(笑)。中島参事官の発言でよく理解 できました。この意味は、「エクササイズ」をそのまま英語で訳すのではないと。新し い概念であるということで、大賛成です。  富永座長 ありがとうございます。  加賀谷委員 私も、「エクササイズ」を英語のexerciseに対応させないで、ここで 定義した新しい単位であるという意味に使っていただければ、賛成です。  小林委員 もともと「エクササイズ」でいいということで、ただ、単位で、「1エク ササイズ」、「2エクササイズ」という言い方が少し工夫が要るかなという、そういう 意見でしたので、原案に賛成です。  富永座長 わかりました。それでは、あらかたの委員の先生方に御賛成いただきまし たので、今回は「エクササイズ」、「Ex」ということで通したいと思います。今、2 〜3の委員から御指摘がございましたように、これは英語との関係もあるので誤解され ないように十分説明する必要があるということですね。ありがとうございました。  ほかにもいろいろ御意見があると思いますので、単位以外のことで御意見をお願いい たします。  田中委員 この前の小委員会で、しっくりいかないと言ったところなのですが、エネ ルギー消費の換算ですけれど、すごく難しいなと思います。小委員会で坂本委員の意見 がありましたけれど、まず、理論編の6ページで、「簡易換算式:エネルギー消費量 (kcal)=1.05×エクササイズ」ですが、これはやはり1にすべきであろうと。その根 拠は、下に、42kcal、53kcal、63kcalと出てくると非常に正確な感じを持つのですが、 実際、メッツそのものがその人の効率等で随分誤差があるものなんですね。  ですから、これを幾らこうしたって正確にはならないわけで、アバウトでいいだろう と思います。そういう意味で、坂本委員の意見を取り上げた方がいいんじゃないかと思 います。  それから、ここのところでやはり誤解を生じやすいのは、メットのエネルギー消費量 を思いがちなので、実際に後で書いてありますけれど、ここにもただし書きで、「ただ し、安静時のエネルギー消費量も含まれることである」ということであって、「活動の 正味のエネルギー消費量は云々」という文言は入った方がいいんじゃないでしょうか。  富永座長 これは計算上のミスがあるかもしれませんので、ここは再検討ですね。  田中委員 あと2つあります。  17ページ、Q2「どのくらいの運動をしたらよいのでしょうか?」ということで、こ れはややきついところでRPで13を言っているのだろうと思います。それの根拠はどこ から来たのかということと、第1回運動所要量の基準をもとにしていただけたのかなと 思いますが、そうなってくるとちょっと気になるのが、「いつも歩いているより速い」 はいいですが、「ちょっと息が切れるが、多少の会話ができる」との表現です。「息が 切れる」というとかなりきつい感じがしますので、「息が弾む」とか「笑顔が保てる」 とか、私たちは「ニコニコペース」と言ってきて、大分使われているので、そうしてい ただけると、運動強度は余り強くならないんじゃないかなという気がします。  もう1つですが、19ページ、Q3「日常生活で筋力を向上させる方法はあります か?」というのを明記してくださったのはすごくよかったと思います。それで、これも できればですけれど、「室内でできる踏み台昇降運動」も入れていただけるとよろしい かなと思います。  富永座長 ありがとうございました。後で検討させていただきます。  田畑委員 田中先生のエネルギー消費量の換算関係ですが、間違ってはいないんじ ゃないかと思います。例えば、「軽いジョギング」だと、6メッツ・30分で3メッツな んですけれど、この中で0.5メッツを引いていますので、2.5メッツに正味のエネルギー 消費量はなるので、そうするとこれぐらいの値だと思いますけれど。必ずしも間違って いるとは思いません。例えば、「軽いジョキング」ですと6メッツですから、運動とし ては3メッツ・時なのですが、それから安静時のものを引きますと、例えば1メッツだ と1時間ですので、この場合は0.5メッツを引きますと2.5メッツ・時になりますから、 それに体重を掛けますと大体こんな値になってくると思うのですが。  田中委員 それがまずいんじゃないですかね。メッツ・時としたら、エネルギー消費 量の単位になっているわけでしょう。  田畑委員 でも、先生、計算法は同じです。  田中委員 安静時は30分だから、じっとしているのは30分で計算するということです か。  田畑委員 はい。ですから、3マイナス0.5で2.5メッツに。この場合は、2.5メッツ となるとちょっとまずいですけれど、ただ換算という点で言うと同じような……。 田中委員 だから、僕は混乱しているんだね。  田畑委員 後でやりましょう。  田中委員 後でやりましょう(笑)。  富永座長 この点は後ほどまた田畑先生と田中先生と事務局と私の間で協議させてい ただきます。  加賀谷委員 今のエネルギーの関係で、13ページですが、1エクササイズに相当す る運動の例の中の3つ目に、「軽いジョギング」の中にバスケットボールとかサッカー といったかなりインターミッテントな無酸素運動が入っているのですが、これはどうい うエネルギーの突き合わせをしたのでしょうか。「軽いジョギング」とバスケットホー ルとサッカーが同じ強度になっていますね。10分間運動すると。これはどうやって出さ れたのでしょうか。  田畑委員 これは、36ページのところと同じようにAinsworthのものから引いてきて いますけれど、基本的には酸素摂取量から出していると思います。 加賀谷委員 酸素摂取量からだけだと、バスケットとか、そういう無酸素のものは… …。  田畑委員 無酸素とは言えないと思いますけれど。  加賀谷委員 どういうものを想定しているかによりますけれどね。試合とか、練習 とか、パスをするとか……。  田畑委員 練習的なものが多いですね。  加賀谷委員 それはちょっと注釈が必要かもしれませんね。  泉委員 2つあります。  1つ目は、24ページの目標を達成するためのアドバイスですが、(ア)と(イ)とあ りまして、(イ)では「1週間に1回、60分で速歩」と書いてありますけれど、(ア) では、「1日合計1万」という言葉が出てくるんですね。ですから、そこはできました ら、「目標は1週間で7万、それは1日では1万に当たりますよ」というふうにしてい ただきたい。「1日1万歩」というのはきついです。日常の行動ではどうしてもできな い日もありますので、それは1週間単位で7万歩あれば私はいいと思っていますので、 ここのところを括弧でも入れてそれを書いてもらいたいと思います。  もう1つは、22ページのメタボリックシンドロームのところですが、内臓脂肪減少シ ートというのがありまして、ここの(1)はいいんですけれど、(2)が腹囲の基準値の差は幾 つかということで、(1)から85ないし90cmを引いて、(2)はいいんですが、現実的に、100 cmある人は85cmまで落とす必要はなくて、ほんの少し落ちても内臓脂肪は減るんですね。 ですから、これでもし85cmまで落とさなければいけないということになりますと、かな り不可能に近いということなので、この書き方を検討してほしいと思います。 それから、同じことですが、9ページを見ますと、(イ)のところで、「腹囲1cmの 減少は約1kgの内臓脂肪の減少」に果たしてなっているのかということです。それと、 内臓脂肪を1kg減少させるのに果たして7,000kcalが必要なのか。普通は体脂肪が減る のに必要なわけですね。ですから、例えば、60kgの人が体脂肪が25%だと、体脂肪全体 で15kgしかないんです。それを内臓脂肪を1kg減らすということは現実問題として大変 なことなんです。ですから、ここのところが果たして計算上こうなるのかどうかという のがちょっと疑問なんですけれど。  それから、1カ月で1kgとか、あるいは22ページも、1カ月で1cmとか、ものすごく 厳しいんです。これは運動をする人は、日常生活の中で、病気ではない人が身体活動・ 運動をやって病気にならないとかということですので、もっとゆったりと、3カ月とか 半年あたりでどれぐらい減るとかと、ちょっと軽い表現でいいんじゃないかと思うので すけれど。  加賀谷委員 最初に申し上げたかったのですが、大変すばらしいものができたと私 は思いまして、本当にすごくよかったなと思っています。  それで、後ろの実践編の12ページにフローチャートがかかれておりますが、これは指 針というよりは、健康な人のための指針であると最初に断っておりますので、このフロ ーの一番最初のところにそれを書き込んでおいたらどうでしょうか。健康上、特別に疾 患がない人、あるいは心配だったら医療機関でとか、そういうものを受けて、健康であ る人という人がこの表から流れていきますということがある方がいいかなと思います。  それが31ページのところには、「実際に運動する前にはこういうチェックを」という ことが書いてありますが、それはその日の体調ですけれど、メディカルチェックとかヘ ルスチェックとかに当たるようなところにはちょっと書き込まれた上で、1から流れて いくといいかなと思いました。  そして、それに関連して、実際に運動するときに、15ページの筋力のところには、例 えば、「関節障害があるとか、そういう場合はしないでください」という注意書きがあ りますが、その前のページの持久力のところにはないんですね。ですが、「3分間のや やきついと感じる速さ」というのは、ある程度体調チェックをしておいた方がいいと思 いますので、そこも注意書きがあればいいかなと感じました。  それから、16ページに、ならし運転のような、初心者が運動を始めるときにどのよう にしていったらいいかということを書き込まれたことは、大変よかったと思います。そ こをもう少し出していただいて、後ろのところには、「体力に応じた運動」とあります ので、ここは「運動習慣に応じた運動」とかというのを項目で出していただけるといい かなと感じました。意見です。  富永座長 大変貴重な御意見でございました。  ほかに御意見はございますか。  鈴木委員 先ほど、泉先生のお話で、22ページのシートですけれど、メタボリックシ ンドロームの予防の保健指導の観点から言いますと、こういうシートがあるのとないの とで、運動習慣とか生活活動を増やすというのには、増やすというだけではなくて、で は、その見返りとして何が起こってくるのかというのを御自身で計算していただくとい うのは、割と大きな意味を持っていて、そこで1カ月単位で1cmでなくてもいいわけで す。その方のモチベーションとかいろいろなところを加味して御自身で決めていただい てという目標設定をするのには、割とこういうシートは役に立つことがありますので、 ぜひともそれを使う管理栄養士、保健師の力量によって、ここのシートの書き方とかを その方に判断していただいて書くという習慣をつけるという意味では、私はこのシート を割と好んでいます。  それから、31ページの「運動を行うにあたって」の(5)ですが、水分の摂取について、 スポーツ栄養の観点からは、「運動前にも水分摂取をしましょう」ということを強く言 っておりますので、申しわけありませんが、「運動前・中・後の水分摂取を十分に」と いうふうに書きかえていただけたらと思います。ありがとうございました。  富永座長 大変貴重な御意見です。ありがとうございました。  小林委員 10ページですが、体力に関しての基本的な概念についてですけれど、 (2)体力に応じた運動の必要性の後半のところで、持久力を中心とした運動と筋力を 中心とした運動と、この2本立てで行きましょうといったときに、括弧で「ウェイトト レーニングなど」とここに入っているんですね。この全体の指針を見ると、重りを持っ て運動するということよりも、日常生活の中で自分の体の筋肉を使うような筋力づくり をしましょうというようなトーンで書いていて、ウェイトトレーニングをしましょうと いうことの内容が、後ろにも少し出ていますが、そういうトーンとは少し違うような気 がするんです。そこの例示で、ここにウェイトトレーニングというのが入ってくると、 ここのねらいと少しずれるような感じを受けるのですけれど、この辺はいかがでしょう か。  久野委員 ここに少しかかわってきたので。多分、私は、このウェイトトレーニン グは誤植で、筋力トレーニングと書くべきだったところで、先生に誤解を生じたという ことで、ここは「筋肉トレーニング」にしておけば、今、先生がおっしゃった問題はな いと考えます。  小林委員 誤解したわけではなくて、多分これは「筋力トレーニング」の間違いだ ろうなという感じは持っていたのですが、はっきりしました。ありがとうございました。  富永座長 それでは、「ウェイトトレーニング」を「筋力トレーニング」に書き改め ます。  富永座長 それでは、もう11時半になりまして、もう1つ議題が残っておりますので、 議題2の今日の最重要課題は議論はこの辺にしておきまして、単位のほかにいろいろ御 意見が出ましたので、これは後ほど座長任せにしていただいて、事務局と協議しながら 修正案を作成させていただきたいと思います。そして、後ほど各先生方には、「このよ うに修正しました」という修正案をお送りさせていただきます。そして、その修正案を 次回の地域保健健康栄養増進部会に報告する予定になっております。  それでは、次の議題3ですが、「健康づくりのための運動基準2006」及び「健康づく りのための運動指針2006(案)」の普及・活用方策についてでございます。  これにつきましては、資料3をごらんください。5人の先生方にあらかじめ資料を御 準備いただいておりまして、本来ですとお一人5分ぐらいで御説明いただく予定でした が、時間が非常に押しておりますので、大変申しわけありませんが、2〜3分以内とい うことで、各先生方から資料3の御準備いただました資料について御説明いただきたい と思います。  それでは、斎藤委員の代理より、最初の資料の御説明をお願いいたします。  高崎氏(斎藤委員代理) 本日欠席させていただきましたルネサンスの斎藤の代理 の高崎でございます。よろしくお願いいたします。  「健康づくりのための運動基準・指針の普及啓発と活用について」ということで御報 告させていただきます。  初めに、今回作成されましたものは、私どものフィットネス産業協会の理事等も、非 常にわかりやすく、使いやすいものであるということで、歓迎しているということで、 全会一致で見ております。  この普及啓発と活用につきましては、資料にございますとおり、情報提供、プログラ ム化、個別指導の3つのシーンとステージで検討しております。  下段に参ります。情報提供のシーンにおきましては、会員向け会報誌やお客様用のホ ームページを使って、運動基準と運動指針に関する考え方や標語を広く告知するという ことで、既に弊社の例でございますと、食事バランスガイドなどでは告示準備を進めて おります。  また、フィットネス業界や財界等での発言・取材等の広報活動を通じて、運動指針や 標語を広めたいと考えております。  特に、「1日1万歩、週60分の運動」などにつきましては、私どもの業界だけであり ましても、発信した場合に、会員を中心として数百万人への告知・認知ができると考え ております。  次の2ページでございます。プログラム化でございます。  フィットネスクラブで提供するコースメニューやテキストに運動基準・運動指針の考 え方を組み込み、実際の運動指導において使用したいと考えております。  特に、今回お示しいただきました内臓脂肪減少シートなども大変使いやすいものであ りまして、我々のプログラムにマッチするものでございます。  また、医師と連携したメディカルフィットネスや、3〜6カ月間での集中的な保健指 導プログラムにこの基準や指針の考え方を盛り込み、商品化したいと考えております。  また、今回、運動ばかりではありませんで、生活活動を含めた身体活動をお示しいた だきましたので、これにつきましては統合的な生活習慣改善のお手伝いを我々ができる ことになりました。非常に感謝しております。  また、持久力、筋力だけではなく、運動基準におきましては、最大酸素摂取量という 基準値をお示しいただきましたので、これは今後の根拠に基づく健康づくりの指針の一 つとして我々業界には非常に明るい材料になっております。  最後に、下段の個別指導のシーンでございます。  運動基準・運動指針を用い、わかりやすく実行しやすい運動指導計画を作成し、特に 私どもの課題であります、「楽しく」「爽快感のある」運動の実践指導を行うというこ とで、これは行動変容のステージ指導の一文一文なども非常に使いやすいものになって おります。  また、メタボリックシンドローム対策に着目いたしますので、摂取熱量と消費熱量の バランス指導を行うため、必要に応じてMETs(個)からカロリーの読みかえも行うとい うことでございますが、簡易換算式などもさらに議論をいただきましてお示しいただき ましたので、非常に使いやすいものでございます。  今回のこの国民的運動になるであろう健康づくりの活動におきましては、私ども業界 団体初め、財界及び我々のクラブ等もあります地域におきましても、我々は歩調を合わ せて取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。  富永座長 ありがとうございました。質疑応答は最後に一括してやらせていただきま す。  ちょっと時間が長くかかり過ぎておりますので、後の先生方、ポイントだけを御説明 いただきます。  では、下光先生、お願いいたします。  下光委員 それでは、私は、大学の研究室の立場からということで、簡単に普及・啓 発について提案させていただきました。  まず、4ページですが、保健関係者への教育ということで、一般の国民に対する教 育・普及だけではなく、そのキーパーソンとなる保健関係者に対して教育を行っていく。 特に医師につきましては、臨床の場や健診の場において運動の推進をサポートするとい うのは大変効果がある。例えばサリス先生などの研究によりますと、開業医の先生方の アプローチというのは非常に効果があるということが言われておりますので、そういう 意味で、行動変容に対して積極的な支援として効果があるのではないか。  それ以外に、薬剤師、看護師・保健師、管理栄養士・栄養士、運動指導者、特に健康 運動指導士や健康運動実践指導者については、運動に関する直接的な指導者としてこれ から非常に重要な立場になっていくと思いますので、講習会や指導士の研修会等でしっ かりこれを勉強してもらうということでやっていく必要があるのではないか。  5ページですが、学会等々を活用した普及・啓発も重要であろう。特に体力医学会と か体育学会等の運動・体力関係の学会、そして医療関係として循環器学会とか医師会・ 産業医の講習会等々で普及啓発をはかっていくことが重要です。国民栄養調査の結果に よると、40代〜50代の男性という働き盛りの人たちがメタボリックシンドロームのリス クにあるということですので、職場における運動による健康づくりは非常に重要で産業 医学講習会等でこれらの普及・啓発を図っていくことが重要ではないかと思います。  最後ですけれど、これは普及・啓発とは関係ないかもしれませんが、今回の指針を土 台にした研究の推進ということも、厚生労働科学研究等々で進めていただきたいなとい うことで、少しアイデアを出させていただきました。  以上でございます。  富永座長 ありがとうございました。  次は、栄養士会の鈴木先生、短くお願いいたします。  鈴木委員 日本栄養士会では、5万7,600名の会員へ機関誌「栄養日本」の9月号に おいて周知を促します。 また、生涯学習研修会において、今年度、来年度の研修テーマとして積極的に取り上げ ることとしています。  国民への普及ですが、栄養指導の教材「健康増進のしおり」を発行いたしまして、本 年の10月に予定しております保健指導を初めとする現場指導媒体として利用いたします。  栄養士会のホームページでの情報提供、産業界と連携した普及・啓蒙を行います。  運動指針の活用の流れについて御説明しますと、管理栄養士・栄養士が自信を持って 運動指導できるよう、運動基準・運動指針を理解し、管理栄養士・栄養士自身が運動指 針を実践することにより、管理栄養士は食べているもののエネルギー量などを習慣的に カウントすることがありますが、それと同じように、エクササイズの個数を絶えず計算 に加えるように習慣化することによって、対象者のアセスメント、食生活、ライフスタ イル、変容ステージ等を加味した運動指導のプランを立てられるようになり、栄養指導 とあわせて運動指導を実践する、そのときにはその経験を生かし指導できるように推奨 していくということです。  そして、運動指針の活用について評価を行い、その評価の蓄積によって国民の健康の 維持・増進、生活習慣病の予防に寄与したいと考えております。  ありがとうございました。  富永座長 ありがとうございました。  それでは、戸山委員、お願いいたします。  戸山委員 今回、すばらしい指針ができましたが、一番のポイントは、いかに国民に 広く啓発・啓蒙してやっていただくかだと思いますので、2000年から、「Bone&Joint Decade」というものがWHOに承認されて、世界100カ国弱で動いて、日本も「運動器 の10年」という形で実は動いておりまして、もう中間に入っているのですが、こういう ものの運動の一環として、特にこういう指針の中で、「健康日本21」も入っております が、「歩け、歩け運動」というものをより積極的に啓発・啓蒙していきたい。そのため に、この「運動器の10年」というものの中で取り組んでいければなということで、提案 させていただきました。  以上です。  富永座長 大変的確なコメントでございました。ありがとうございました。  それでは、増田委員、お願いいたします。  増田委員 当財団の業務の大きな柱は、健康・体力づくりの普及・啓発というもので ございます。「健康ネット」並びに「健康日本21」、これは厚労省からの補助金で運営 しておりますインターネットサイトでございますが、この指針の最終版が出たら即ここ に掲載をさせていただきたいと思います。  また、今後、皆さんご存じのように、地上波デジタルになりますと、双方向性で家庭 のテレビからいろいろな情報がとれるということでございまして、現在、例えば民間の テレビをつくっている会社と試験的にTナビで健康に関する情報を提供しておりますの で、この運動指針につきましても、動画を含めたコンテンツをできるだけ早く提供して まいりたいと思っております。  また、当財団の月刊誌の「健康づくり」は、運動に関する指導者の方々が多く講読し ていただいているわけですが、この「健康づくり」でも、9月号に間に合うようでござ いますので、この運動指針並びに運動基準について特集を組んでまいりたいと思ってお ります。  それから、運動指導者の方々がこの運動の基準並びに指針を十分に理解して、安全に 国民の方々を指導していくということが非常に重要でございますので。現在、この健康 運動指導者の養成カリキュラムの中に運動基準並びに運動指針について盛り込むことを 考えております。  また、種々の研修会を実施しております。文科省関係の講習会も当財団ではやってお りますが、その中でも、省庁を超えて国全体の健康づくりに役立つ運動指針をこの講習 会の中で取り上げてまいりたいと思っておりますし、また、当財団ではいろいろな冊子 をつくったり、DVD等を作成しております。今年は、3本つくる中の1本は、DVD でメタボリックシンドロームを取り上げることになっております。この中に運動指針を わかりやすく盛り込んで、全国市町村に無料で配布する予定にしております。  また、当財団では、いろいろな規模の健康づくりのイベントを実施しております。こ れは昨年の「医師と歩こう!」というイベントの写真でございますが、その最後のとこ ろを見ていただきますと、今年度は11月20日からの1週間、コンセプトとして「1億2 千万人の健康・体力づくりキャンペーン」ということで、この週、23日・25日・26日と、 大きなイベントもあるわけですが、全国のスーパーマーケット並びにコンビニに御協力 をいただきまして、1週間かけていろいろなところで健康づくりの普及・啓発活動を行 ってまいりたいと思っておりますので、この機会に運動指針をわかりやすく近くの住民 の方々に啓発してまいりたいと思っております。  また、当財団は文科省と厚労省の両方の所管でございますが、今までは別々にイベン トを実施しておりましたけれど、今年からは、この1週間の間に両方一緒にやろうとい うことで、当財団の方で「健康日本21」推進協議会では「医師と歩こう!」という大会 を考えておりますし、また、文科省関係では総合型地域スポーツクラブの活動的な団体 を集めまして、クラブサミットというものを開催したいと思っております。  以上でございます。  富永座長 ありがとうございました。  ただいま、5人の委員の方々から、今回つくりました健康づくりのための運動基準と 運動指針をどのように普及・活用していくかということについて、それぞれのお立場か ら御報告いただきました。  特に戸山委員には大変手短に御説明いただきましたが、「運動器の10年」について10 ページぐらい資料をつけていただいておりまして、大変興味深い事業でございますので、 ぜひ後ほどお目通しいただきたいと思います。  何か御質問や御意見はございますでしょうか。  それでは、これは報告にとどめさせていただきまして、それに関連しまして、健康体 力づくり事業団から、もう一つ別の資料で、平成19年度より開始される健康運動指導士 の資料がございますので、これを簡単に御説明ください。  増田委員 それでは、続けて御説明をさせていただきます。  1ページをごらんください。今回、当財団としまして養成をしております健康運動指 導者の質と量を両方とも確保する必要があるのではないかということで、昨年1年間、 当財団で委員会を設置したりしまして議論をしてまいりました。この1ページは、皆さ ん御存じのように、今後の日本の健康づくりのいろいろなところで、安全に確実に運動 指導をするという指導者のニーズがますます高まっているのではないかと理解をしてお りまして、当財団といたしましては、2ページをごらんください、今後、今までの健康 運動指導士の養成の制度を変えるということを考えております。  平成19年度から実施をさせていただく予定でございまして、ポイントは5つございま す。  まず、カリキュラムの充実・強化でございます。メタボリックシンドローム、生活習 慣病予防、介護予防というものを運動指導者の方に十分に理解をしていただくというこ とで、現行の96単位を120単位にするということでございますが、今でさえもちょっと きついという話もございまして、ポイント3、ポイント4で後ほど御説明させていただ きますが、保健師、管理栄養士の資格を持っている方々の一部科目免除もさせていただ く予定にしております。  ポイント2といたしまして、今の講習会制度では年間1,000人養成するのが精いっぱ いでございまして、これからは、今、実践指導者で既にやっております養成校制度をス タートしていこうということで、基本的には4年制体育大学の御協力を得まして養成を してまいりたいと考えております。  また、ポイント3でございますが、今までは、保健師・管理栄養士さん等有している 資格に関係なくすべての方が同じ科目を受講していただいていたのですが、今回、120 単位にするということで、既に学生のときに習得されている知識については免除してい こうということで、例えば、保健師・管理栄養士さんについては120単位のうち69単位 をとっていただければと考えております。 また、早急に運動指導士の数も確保をしてまいりたいと思っておりますので、あくま でもこれは5年間の経過措置なのですが、実際にもうフィットネスクラブ等、民間、公 的なところをかかわらず、5年以上の実務経験のある方につきましては、健康管理論や 生活習慣病等に関する講義を受けていただいて、受験資格を与えるということを考えて おります。  また、ポイント5といたしましては、今までは登録更新時の講習というものは何でも 受けて5年間でとってくださいという形でやっていたのですが、登録更新時にもその時 宜を得た最新の厚労省の施策等の新しい知識を盛り込んだ更新時講習を強化してまいり たいと考えております。  以上でございます。  富永座長 ありがとうございました。これに関連いたしまして、御質問や御意見はご ざいますでしょうか。  高崎氏(斎藤委員代理) フィットネス産業協会からの御報告でございますが、今 回、育成方法等を充実・強化されましたこの健康運動指導士につきましては、その質や 量的なニーズにつきまして、私どもが進める健康づくりにも大きな推進力となると考え ておりまして、また、業界としての受け入れも含めて対応したいと考えておりますので、 よろしくお願いいたします。  富永座長 ありがとうございました。  芝山先生、何かございますか。  芝山委員 厚生省が「一に運動」と言ってくださって、体育大の存在を認めていただ いたということは、大変感謝しております。ただ、体育大の学生は講習免除だけで、試 験に合格して卒業すればというような条件がついているけれども、体育大の授業科目は、 講習会だったら、例えば私が担当したような運動生理学で言えば、1コマか、せいぜい 2コマです。それを体育大は最低でも15時間とか30時間とか、多いのは120時間もやっ ているわけです。ですから、そこで単位が認定されたら、学習している時間が違うのだ から、私は無条件で認めていただいていいのかなと。スポーツ好きの中卒者とかスポー ツ好きの高卒者と同じように試験を受けさせるというのはどうなのかなと私は考えてお ります。  特に体育大学の存在意義というのは、こういう健康運動実践の場面ではかなり認めら れております。鹿児島県でも、健康運動実践指導者を養成制度をつくって養成している わけですが、そこでも体育大はかなり優遇されています。それは学習の積み重ねが違う からです。ですから、そこをせっかく規制緩和ということで、省庁認定は外されてこの 制度ができたわけですから、規制緩和というのは何かというと、準備の準に規則の則と 書いた「準則主義」、それが規制緩和だそうです。  では、「準則主義」とは何かというと、必要な条件を満たせば原則許可する、それが 規制緩和のねらいです。それからすれば、もう十二分に条件をクリアしているわけです から、当然、「原則許可する」で今の規制緩和の方針に沿った方向だと私は考えていま す。もしかすると、健康・体力づくり事業財団が国策にふさわしくない提案を無理に押 しているのではないかと考えております。  富永座長 ありがとうございました。大変貴重な御意見でございまして、増田委員に、 今後、御検討、御考慮いただきたいと思います。  中島参事官 最後の御意見で若干誤解があると思いますのは、養成校を出られれば 即受験資格が与えられるので、これまでは体育系大学等をお出になっても、健体財団の 講習を受けていただかなければならなかったわけですが、そこが完全になくなるわけで す。それで、この健康・体力づくり事業財団におかれたこの見直しに向けての検討会は、 私もオブザーバーで出席させていただいておりましたし、体育系大学協議会の会長の朴 澤先生にも出ていただいて、体育系大学で十分勉強されておられるということは十分認 識した上で、やはり試験には合格していただく必要があるのではないかということで御 結論をいただいて、養成校を出て、一定の科目をきちっと勉強しておられることが証明 されれば、即受験資格ということでございますので、これまでの原則講習だということ からは大きく転換をさせていただいたのかなと思っております。  増田委員、何か補足があれば、よろしくお願いいたします。  増田委員 いえ、私の言いたいことはすべて言っていただきまして、ありがとうござ います。  富永座長 ありがとうございました。  ほかにございますか。  吉池委員 国立健康・栄養研究所でございます。厚生労働省所轄の研究所として食 生活・運動の研究をしており、今回、メタボリックシンドロームの予防を中心とした保 健指導のツールが出そろった形ですので、私どもの研究所としても、専門家向けの普 及・啓発研修等を積極的に行っていきたいと考えています。既に日本栄養士会、下光委 員からも御提案のあったような研修等について、連携を図りながら、この秋を中心に全 国数カ所で展開していきたいと思っておりますので、どうぞ御協力をお願いいたします。  富永座長 ありがとうございました。  ほかによろしいでしょうか。  それでは、ちょうど時間ですので、これで議題3を終わります。  議題4はその他でございますが、事務局から今後の予定などがございましたら。  石井室長補佐 今回の検討を踏まえまして、座長とも相談をさせていただきまして、 早急に修文を行いました後、来週、7月25日に開催いたします第23回厚生科学審議会地 域保健健康増進栄養部会におきまして、本「健康づくりのための運動基準2006」及び 「健康づくりのための運動指針2006」を検討会の決定として報告させていただくことと いたします。  最後に、事務局を代表いたしまして、中島健康局長より皆様にごあいさつ申し上げま す。  中島健康局長 運動基準、そして運動指針の取りまとめに当たりまして、一言お礼 を申し上げたいと思います。  委員の皆様方におかれましては、昨年の8月から本日に至るまで、大変御熱心に御議 論いただきまして、まことにありがとうございました。  今般の医療保健制度改革において、御承知のように、生活習慣病対策が重要な課題と して位置づけられているところでございます。厚生労働省といたしましては、生活習慣 病の発症、重症化の予防ということで、運動習慣の徹底と食生活の改善が基本であると いう考え方を国民に広く普及をしていかなければならないと考えております。  その中でも特に運動に関しましては、現代文明の中で生活をしておりますとどうして も運動不足になるということから、生活習慣病になってしまうということで、この過程 について国民に広く認識していただくということと、これに対して積極的に運動等に取 り組んでいただくという意識改革が不可欠なのではないかと思っております。  その上で、生活習慣病予防に必要な身体運動量のエビデンスということでの運動基準、 また、これに基づいての実際に運動を行っていただくツールとしての運動指針を今回作 成していただいたところでございます。  本日、先生方からいただきましたさまざまな指針に対する御意見につきましては、こ れを法案にさせていただき、また、普及・活用方策につきましては、それぞれの御提案 を御参考にしていただき、関係団体におきましても積極的にこれの普及・活用・啓発を していただければ、大変ありがたいと考えております。  今日に至るまで、富永先生を初め各委員の皆様方の御協力に重ねてお礼を申し上げま すとともに、今後もさまざまな機会におきまして引き続き御指導、御鞭撻をお願い申し 上げまして、私のごあいさつといたします。どうもありがとうございました。  富永座長 ありがとうございました。  それでは、これにて第3回運動所要量・運動指針の策定検討会を閉会とさせていただ きます。どうもありがとうございました。                           ○照会先 厚生労働省 健康局総務課生活習慣病対策室 健康指導係 電話:03-5253-1111(内線:2338)