06/07/04 第5回医療機器の薬事規制に関する定期意見交換会議事録 第5回 医療機器の薬事規制に関する定期意見交換会 日時 平成18年7月4日(火) 15:00〜 場所 (独)医薬品医療機器総合機構第1会議室(6階)                    照会先:医薬食品局審査管理課                           医療機器審査管理室                           担当:広瀬                           電話:03-5253-1111(内2912) ○山本室長  ただいまから、第5回「医療機器の薬事規制に関する定期意見交換会」を開催いたし ます。私は、厚生労働省医療機器審査管理室の山本です。これまでと同様に本日も司会 をさせていただきます。まず、業界と行政の代表からご挨拶をいただきます。行政を代 表して黒川審議官からお願いいたします。 ○黒川審議官  医薬担当審議官の黒川です。一言ご挨拶申し上げます。第5回の医療機器関係業界と の定期意見交換会ということで、本当にお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にあ りがとうございます。  昨年4月に施行されました改正薬事法に関し、産業界の皆様方には多大なるお力添え、 ご協力をいただいて今日までに至っておりますことを改めて厚く御礼申し上げます。平 成16年12月から開始されましたこの意見交換会も、早5回目ということです。前回以 降、今回までの間懸案となっておりました、改正法に基づきます医療機器の承認や認証 に係る通知を発することなど、いよいよ新法の具体的な施行の段階となってきているわ けです。この意見交換会の場における率直な意見交換を通じ、皆様方と私ども行政側と 共に、一層の相互理解を深めていきたいと考えております。また、この成果をそれぞれ の日常の業務に反映し、成果物に結び付けていきたいと考えております。  このほか、まだまだ課題は山積していると思いますけれども、言うまでもなく新法の 施行を円滑に進めていくことを重要な課題として改めて位置づけ、取組みを進めていこ うと考えておりますので、産業界の皆様におかれましても、引き続きさまざまな面でご 協力をお願いいたします。  本日この場を設けるに当たり、医機連の和地会長をはじめとする皆様方に、開催に際 しまして改めて敬意を含め、御礼を申し上げますとともに、本日この会合が有益かつ効 果的になる期待と、お力添えをお願いいたしまして、簡単ですが私の挨拶とさせていた だきます。よろしくお願いいたします。 ○山本室長  業界を代表いたしまして、和地医機連会長からお願いいたします。 ○和地会長  医機連会長の和地です。本日は、薬事規制に関する意見交換会を開いていただきまし て感謝申し上げます。改正薬事法が施行されて、1年3カ月が経過いたしましたが、予 想以上にハードルが高いところがあります。業界・企業共に対応に苦慮しているところ があります。このような意見交換会の場を通じ、当初の目的に沿った運用のレベルアッ プにつながればと期待しております。  具体的な論点については、後ほど個別にご説明いたしますが、私からは1年経過した 時点で感じている、マクロの視点についていくつかお話をさせていただきます。今回の 改正薬事法は、医療機器の安全確保に焦点が当てられていると認識しております。医療 機器産業全体のレベルアップに必要なことを捉え、業界・企業共に積極的に対応してま いりました。しかしながら、後ほど具体的に述べますけれども、現時点では医薬品と比 較すると、残念ながら医療機器産業にとってのメリットを出すには至っていないという のが率直な実感です。  欧米と比較し、患者へのメリットという点では共通しておりますけれども、医療機器 産業ビジョンで掲げているような、国際競争力の強化、あるいは新経済成長戦略におけ る産業振興による国への貢献、という視点がやや薄いのではないかと考えております。 私見ですが、その背景としてはご承知のように、欧米では企業の自己責任をベースとし ていることに対し、日本は国の責任が問われるために、安全サイドに強く振れたり、新 しい物に対する判断しにくい面もないではないとは危惧しております。すぐに解決でき る問題ではありませんし、当然のことながら行政側だけの問題でもありませんので、例 えば審議の迅速化を実現する等、業界・企業側がやるべきことを明確にしてこれから進 めていく必要があろうかと思います。  2つ目は何度も私が繰り返していることですけれども、医療機器の特性をご理解、ご 配慮いただいたということですが、改正薬事法は、医療機器に焦点が当てられておりま すが、ベースとなる考え方は、医薬品の発想の延長線となっているものが多い、という のが率直な感じです。  また、医薬品にとってはメリットとなることが、医療機器にとっては必ずしもメリッ トにならないという点があります。例えば、製造委託については、医療機器は多種多様 で、製造方法や設備も多彩です。生産技術あるいは製造ノウハウや、迅速な改善・改良 が特徴です。品質が生命線でもあります。製品の種類にもよりますけれども、医薬品ほ どには全部を委託する等のメリットは出にくいというのが現実です。  2つ目は、EC主導の治験については、医薬品の適用拡大において、対象医薬品が入 手可能ですので、医師主導の治験を活用するメリットが大きいですけれども、医療機器 については、適用拡大というケースはほとんどありません。新規の医療機器については、 物を入手する手段がないために、医療機関側のハードルが高くて活用されていないのが 実態です。  医療機器の大きな特徴として、操作方法が性能に大きく影響するということと、改善・ 改良が比較的容易に可能である。言ってみれば、改善・改良が医療機器の歴史みたいな ものです。使いながら進化させることができるのが、医療機器の特徴であります。この ような医療機器の特徴を踏まえ、最低限必要な安全性・有効性の確認ができた時点で、 条件付きの承認を与えて、市販後の使用実績を踏まえ、改善・改良が加えられるような 仕組みを是非検討していただきたいと思います。これは、薬と根本的に違うところだ、 ということを是非ご理解いただきたいと思います。このような医療機器の特性に係るこ とを、基本的な問題として是非ご認識いただければと思います。十分ご存じだと思いま すが、ご認識いただきたいと思います。  3つ目はコストの増大です。審査手数料の引上げ、安全対策の拠出金、相談手数料の 新設、改正薬事法施行に伴う手続・書類整備・表示変更等のコストなど、企業のコスト 負担は大幅に増加しております。これは、本当に大変な金額になっております。例えば、 表示変更や認証品目への移行に伴う手続の簡素化、あるいはいまご検討いただいている と聞いておりますが、事前相談の内容に見合った手数料の設定など、合理的でないコス トの発生をできるだけ抑えるための配慮をお願いしたいと思います。  最後に、グローバルハーモニゼーションについてです。欧米諸国は、ご承知のように ISOやIECをあくまでもガイドラインということに位置づけているのに対し、我が 国ではそのまま規制化しています。言ってみれば、世界一厳しい日本の薬事規制ですけ れども、残念ながらそのことが海外では十分認知されておりません。あるいは、認知さ れていないと危惧しております。アジアでも、FDAの認証やCEマークは認められて おりますけれども、日本の認証は認められていないケースも多いと聞いております。医 薬品のICHと比べると、相互認証については遅れていると考えざるを得ません。是非 日本の認証が海外で認められるための働きかけをお願いしたいと思います。  治験における海外データの活用についてですが、国内で申請するための治験において、 アジアを中心とする海外症例を組み込んで、そのデータを含めることを可能としていた だきたいと思います。これもご検討いただいていると聞いておりますが、是非よろしく お願いいたします。  種々要望を申し上げましたけれども、いま改正薬事法の定着化にとっていちばん大事 なときだと思いますので、率直に考えていることを申し上げました。よろしくお願いい たします。 ○山本室長  本日の意見交換の進め方についてご説明いたします。本日の配布資料は、議事次第、 座席図、参加者一覧、資料5−1の業界側からの提出議題についてです。  本日の議題は、議事次第のように、事前に事務局で調整させていただいておりますの で、これに沿って進めさせていただきます。今回は、時間の制約等もあるために、行政 からの提出議題は割愛いたしまして、業界からいただいた議題のうち、議題として検討 すべき7議題の内容について、業界からそれぞれの議題の項目ごとにご説明いただき、 それに対して行政側から回答を行い、さらにそれに対する意見交換をするということで 進めさせていただきます。  事前にお送りいただいております「回答のみで可の事項」については、おそらくこの 2時間余の中では扱えないと思いますので、その辺りについては別の場でやらせていた だきます。  出席者の紹介については省略させていただきます。出席リストと、実際に出席してい る人間が若干異なっておりますけれども、概ねリストのとおりですので適宜ご確認いた だければと思います。議事進行に当たり、記録の便宜のために、お手数ではありますが 発言される場合には所属とお名前を申し添えていただければと思います。本日の議事録 については、前回までと同様に、案を作成し、事務局を通じて確認の上インターネット で公開する手はずで進めます。 ○広瀬室長補佐  出席者については、当初飯村GMP指導官が出席の予定でしたが、代わりまして富永 企画官が出席させていただいております。本日資料としてお配りした中に、番号を振っ ていないもので「新医療機器メトリックス管理システム」があります。これも併せて本 日の資料とさせて扱わせていただきます。 ○山本室長  意見交換に入ります。議題として資料5−1「業界からの提出議題について」が用意 されております。大きく7つの議題に分けていただいている中で、実際に項目として片 括弧付きのものが21ありますので、この21について逐一やっていきます。1項目5分 強ぐらいでお願いいたしますが、適宜議論が及ぶところについてはそれなりに時間を取 ってやりたいと思います。  1の「移行通知発出通知に関すること」について医機連の承認・認証委員会からお願 いいたします。 ○石川委員長  承認・認証委員会の石川です。2つありまして、1は認証関連です。今回新しく指定 管理領域といいますか、基準のあるものに関しては第三者認証機関を使って審査をする。 その代わりにPMSのほうがハイリスクのほうには特化するという制度になりました。 ハイリスクのほうに関しては、今回の移行に関しては、先ほど会長がおっしゃられたよ うなコストの面も非常に考えていただき、一括申請等でやっていただけたと思います。  ところが、残念ながらリスクの低いものに関しては、逆にほとんど新法に近い資料の 要求がされております。本当にここまでしなければいけないのかということの問題があ るのではないかと思います。ハイリスクのほうは、単なる記載整備でいいけれども、認 証に移行するものといいますか、認証に当たるものに関しては、リスクは低いけれども 新法と同じだけの資料を全部用意しろということは、先ほど会長がおっしゃられたコス トの中の、企業で発生するコストが相当にかかっているということです。ただでさえい まかかっている中で、移行するという単純なる期間の間においてでもかなりのコストが かかるということに関しては、リスクをベースにした審査を考えていたという前提から すると、企業としては論点が逆転しているのではないかと思います。  確かに、登録機関に関しては第三者機関であり、民民のベースで考えろという答えは 何回もいただいておりますが、ここはどうしてもリスクが反転していることからしても、 なかなか納得できるところではないということと、新しい制度であるということと、移 行期間であるということも含め、効率的に効果的なやり方を検討していただけないもの かと考えております。それについての考え方をいただければと思います。  2のほうですが、移行期間に関しては、確かにみなしという前提の下にあって、これ は法律ができた時点から本来このことは発生し、そこから移行に関することのさまざま なことが起きるわけでしたが、残念ながら通知が出たのが今年であるということで、も はや1年以上経ってしまったわけです。しかしながら、法律で決まっているからお尻は 変えませんということになっているとすると、実質的な期間はどんどん短くなってきて います。その間に一括申請もいいのだけれども、原則1回で全部やってほしい、分割は 駄目だという話が出てくると、これまた企業にとっては非常にコストがかかることにな ります。確かに法律はそうでしょうけれども、出てきた通知が遅いということを鑑みて、 移行期間に関しては何らかの通知を出していただいて、実質的な期間を確保していただ くようにしていただければと思います。  資料には出さなかったのですが、この移行に関しては6月30日付で「Q&Aその1」 を出していただきまして非常に助かりました。これを作る前段階で、私たち両方でやっ ていた中で1つ抜けているのは、いまの期間の問題に組み合わせて表示の問題が絡んで います。表示はちゃんとしろということもあります。もし旧法で生きているとするなら ば、旧法のままで動かしていただくことがいいのではないかということです。残存期間 内において云々という場合においては、表示に関してはコストも非常にかかるわけです し、企業は設備投資もしなければいけないという状態があります。ここに関しては、旧 法のままでもいいというふうにしていただけないかということがあります。  今回出た「Q&Aその1」においても、表示番号等に関してはまだ決まらないで、こ れから通知を出すと書かれております。こういうことであれば、表示に関してはまだ動 けないということなのです。形的には動き始めたように見えるのですが、実質的にはま だ動けないということもありますので、この移行期間の延長ということも併せてご検討 願いたいと思います。以上です。 ○山本室長  それでは、機器室から回答をお願いいたします。 ○広瀬室長補佐  認証関連の部分で、旧法において製造又は輸入されていた医療用具の、新法への移行 に伴う手続、経過措置等については、当該医療機器の現場での必要性等を考慮し、リス クの高い医療機器、いわゆる承認品目でありましても、また認証品目でありましても、 日本医療機器産業連合会、医薬品医療機器総合機構とも協議を重ねた上で、承認又は認 証へのそれぞれの移行に関する取扱いについて薬事法の規定に基づき、可能な限り簡略 な手続ということをしてきたところです。  今回、承認の制度の中に、新たに制度的に認証というものが入ってきたということが、 今回ご提案いただいたものの背景にあります。これは、本来のリスク云々ということよ りは、制度的に新たな仕組みが入ってきたがゆえに、その認証の中ではどうしても新規 として扱わざるを得ない一面が出てきてしまっている部分などもあります。そのような 状況がありますので、ご理解いただければと考えております。  移行期間の関連のところですが、移行に伴う経過措置の関係では、平成16年度末に業 許可を前倒ししての更新を行ったところということもあり、当該通知における申請期限 については、当該前倒し更新による申請時期の集中を考慮し、業期間の有効期間内又は 平成20年3月末のいずれか早い時期までとさせていただきました。有効期限を延長する ことについては、審査システムとか、審査担当員が当該通知に対応可能な体制維持のた めに、結構長い期間割かれることがありますので、総合機構の業務の効率を低下させる ことにもつながるということから、延長は難しいということを行政としては考えている 状況です。表示については、監麻課からお願いいたします。 ○束野GMP指導官  監視指導・麻薬対策課ですが、表示の件については事前にいただいておりませんでし たので、後日相談をさせていただければと思います。 ○山本室長  さらにありましたらお願いいたします。 ○石川委員長  広瀬さんがおっしゃるとおり、1番目は新しい制度を作ったために起きたことです。 始まったばかりということと、そのことが原因になっていてリスクとは関係ないとおっ しゃいますけれども、リスクをベースに分けた結果の新しい制度であるわけですから、 いまの答えでは私たちは納得できないです。ロジカルには、いまのは全然答えになって いないと思います。  移行に関しては、確かにそのような答えもあると思います。特に、クラスアップにな ったり、またダウンしたものに関しては、先ほど申し上げましたように表示又は番号の 整備もまだできていない状態なのですから、これは時間を取ったほうがいいのではない かという気がしております。  監麻からの話のところはいろいろな問題があると思います。非常に根が深い問題が出 てくると思います。さらにいま申し上げた表示の問題もありますので、なるべく早く解 決していだかないと、実質面では全く動かないのです。Q&Aは出ましたけれども、こ れではまだ動けないのです。そういうことをよくお考えくださればと思います。 ○山本室長  行政側からお願いいたします。 ○高江専門官  広瀬補佐から回答させていただいたところにまだ疑義があるというお話をいただきま したので、追加でご説明させていただきます。おっしゃられるとおり、今回はリスクを 基にそれぞれのリスクに応じた規制を段階的に導入したという形の中で、なぜ認証のほ うで新たにいろいろな資料を要求されるのかわからないということだと思います。  現行法の体系から見ると、確かにごもっともだと思います。先ほど広瀬補佐が申し上 げましたように、これまで皆様が医療機器をずっと作られて、医療の中に貢献されてき たというところがあります。いままでは承認のものであったり、許可品目でいろいろ供 給されていました。それを、今後新法に移行するときに、なるべく障害を少なくした形 で、円滑に移行ができるような形ということで、今回通知のほうを局長通知で承認基準 を示した上で、承認への移行、また認証への移行ということもセットでお示しさせてい ただいたという認識です。  旧法上は、そのリスクに基づいての資料の要求の度合の違いが、許可品と承認品目は 当然ありますけれども、承認品目の間では同じだということもあります。承認から承認 へ行くもの、承認から認証に行くもの、許可から認証、許可から承認といろいろなケー スがあるわけです。承認に移行、また認証に移行というものを、トータルのパッケージ として移行のシステムとしてリーズナブルな形で、機器の移行がスムーズにいくような 形で今回提案をさせていただきました。  それを、実際に移行する企業の方々に、どのような形でその運用の周知徹底をさせて いただいて、行政のほうも円滑に運用させていただくのかという点については、Q&A を出させていただきましたけれども、まだほかにもさまざまな問題があると思いますの で、そのセットとしての承認への移行、認証への移行をどのようにうまく、スムーズに 運用できるかというところで、今後もQ&A等が追加で必要になってくると思いますの で、その中で引き続き議論をさせていただければと考えております。 ○石川委員長  パッケージという考え方もわからなくはないのですが、少なくとも改正薬事法になる 前は、登録であれ、承認であれ皆様方が認めたものをいままで市販していたわけです。 そこにおいていま何をしているかというと、単にこれはクラス2になったものだよ、こ れは3のままだよ、4のままだよ、1のままだよということの確認をすることだけが目 的だったのであって、その中身を安全性等に関して新たな基準をもって調べるという、 新たな作業をさせることが目的ではないはずなのです。既得権があったと思うのです。  それをパッケージとしての意味合いがあるのならば、なおさらそこは考慮していただ きたい。確かに、届出から上に上がるのではないかといった場合それはリスクです。リ スクが新法で上がるのだからそれなりのことをしなければいけないという論理だと思う のです。それだったら、高いものは高いもので何もしていないということの論理とどう 違うのか。これを私が言い出すと諸刃の剣でいろいろなことが起きてくるかもしれませ んが、パッケージならパッケージで構わないのですが、もともと既得権があって、今回 の新法でなんとか新しいルールに合わせて、今度あなた方はこういう分類にあるのだか ら、新法においては今後こういう形でやりましょうね、という理解をずっとしていたつ もりなのです。そのようなことも逆に含んでいただいて、Q&A等も考えていただけれ ばと思います。 ○山本室長  私からも申し上げますと、特に認証制度の部分については全く新しい制度なものです から、そもそも円滑に動いてはいない。その中で、特に今回は移行に関する扱いもやっ ていかなければいけないということで、石川委員長からもご指摘のとおり、まだ片づい ていない課題があると思います。  それについては協議をする中で、例えば追加のQ&Aなどの中で対応していきたいと 思います。もう1つは、円滑に認証が出るようにということについては、認証機関と私 どもといろいろ協議・相談をしながら、できる限りうまい形で運用できるように進めて いきたいと考えております。 ○近見委員長  臨薬協法規委員会の近見です。先ほどの移行通知について、体外診断用医薬品につい ては、残念ながらまだ出ていない状況です。いま石川委員長からお話がありましたよう な内容で、体外診についても十分その辺を考慮していただいた形で通知、またそれ以降 Q&Aを是非ともお願いしたいと思います。  体外診については、少なくともいままではすべてが承認品だったわけです。それを、 今度は認証に移す作業の中で、我々も膨大な作業をしなくてはいけないということです ので、その辺の考慮をよろしくお願いいたします。 ○山本室長  体外診断薬についても、対応しなければいけないということは重々認識をして、いま 鋭意作業を進めているところですので、それについてもなるべく早く出せるようにした いと思います。  まだ論点はあるわけですけれども、ほかにも重要な問題がいくつかあると思いますの で次へ移らせていただきます。次は、2の「合理的な審査に向けた審査プロセスに関す ること」について、石川委員長からお願いいたします。 ○石川委員長  お手元には長々と書いてありますが、少なくとも承認プロセスというものの中を、私 たちはできるだけ早くしたいということで、審査料のユーザーフィが上がっても、市場 に投入される時間が早くなるならば、それによっていいだろうという業界側の考え方も あり、今回の改正薬事法においての新たな審査料等に関しても受け入れてきたわけです。  その中に、できるだけ時間をセーブするためという考え方の1つにISO13485があると 思います。これに関しては後で申し上げます。いろいろな面で国際整合をしなければい けないということと、先ほど会長からも何回か出てきましたが、国際的なものに対して 私たちが産業ビジョンでいって、どれだけ日本の産業を増やそうかという中で、市場へ の投入の時期が遅れるということは、審査が長期化することが原因で遅れるということ は、必ずしも私たち業界ではなく、患者にとってもそれは非常に問題であろうというこ とだと思います。  そういう意味では、できるだけ新しい技術を、どれだけ早く市場に出すか。一方では、 先ほども会長がおっしゃられたように、自己責任という考え方ではなく、国が見なけれ ばいけない。一方では第三者機関というものを取り入れてきたわけで、民間同士でも確 認をしなさいということが出てきました。  そういう中で、機械又は医療機器というのは進歩が激しいというか早くて、一旦作っ ても、今度それを改良していくということ。なぜそれが起きるかというと、それに介在 する人の問題があるからなのです。人間を介在して医療機器が使われるわけなので、そ のためにもユーザビリティの問題とか、確かに機械ですから物が壊れて不具合が生じま す。そういうものをどんどん直していくことにより、使用者との間で改良を加えていっ て良くなる、というプロセスが医療機器にはあるわけです。  そういう中において、どうやったら早く審査の過程を経て外に出せるかということを 考えてみると、どうもいま見ていると承認基準でも認証基準でも、例えば承認基準にい ま規定しますと、承認基準があるかといっても、審査の中においてはいろいろなことを 聞く。特に新しい機械の場合には、それが本当に有効なのかということに関しても、臨 床的なデータがないと駄目だということもある。  おっしゃっていることはわかるのですけれども、それをとことん突き詰めて最後まで やらなければ市場に出さないという考え方だとするとなかなか出ない、というのは当た り前のことだと思うのです。それは日本だけではない所で動いている機械だってあるわ けなので、その辺りのことをもう少し考慮し、新しい方向で考えてみたらどうかという のが今回の提案になります。  発言の趣旨としては、先ほど和地会長から申し上げたとおり、簡単に言ってしまうと 先に物を出して、その後からもっと調査をして、さらに良い物にしていく。つまり、条 件付きの承認を取っていったらどうだろうか。そうすることによって、いま皆さんが心 配していることというのは、実を言うと使う人がいるということが条件ですから、それ を使っている人からの情報も入ってくる。いまは使ってもいないのに、机の上だけで一 生懸命こういうことがあるだろう、ああだろう、又はどこかでやったデータを持ってこ なければ満足できないというのではなくて、使っている間に起きてくることを、という のを十分考慮した上で、新たな審査というスキームを考えてみたらどうだろうか。  これはそう簡単にはいかないと思いますが、不具合等に関しても、安全部のほうでい ろいろな情報を収集し、聞くところによると承認基準等を作るプロセスの中においても、 安全部が関与することによって、過去に起きたこと等もちゃんと考慮しながら審査をし ていくという新たなチームワーク的なことが、審査の中のチームだけではなく、他の部 門も含めたチームワークとしての承認をしていこうと、基準を作っていこうというふう にも私には見えていますので、それをさらに発展させた、このように新しい物を早く市 場に出すということを目指したものがあってはどうだろうか。  これは、別に患者のことを無視しているわけでは全くなく、医者が要求している物、 また患者も要求しているだろうという物を、より早く市場に出すための1つの方策とし て考えてみたらいかがかということで提案させていただきました。 ○山本室長  これについても機器室からお願いいたします。 ○広瀬室長補佐  いまご要望がありましたように、安全な物を迅速に審査をして出していくことについ ては、厚生労働省としても非常に重要なことだと考えております。そうした中で、外国 における臨床試験成績の受入れの促進や、適用外使用に係る医療機器の扱い、承認申請 に当たって新たに求める臨床試験成績が少なくなるような措置をこれまで講じてきたと ころです。  ただ、今回ご提案いただきました中身について、例えば医療機器の承認審査について は、人の生命・健康にかかわることがあり、有効性・安全性について国が審査を行う仕 組みであるということが前提になっている以上、事前の審査は必要なのではないかとい う考え方でおります。ご提案の趣旨は理解しているつもりですけれども、承認が必要な 審査を販売後に行うという形での対応はなかなか難しい状況ではないかと考えておりま す。 ○石川委員長  いまのは、広瀬さんの所で曲解されていると思うのです。国の承認申請のプロセスを なくせと言っているわけではなくて、当然それは先ほど言った承認基準やいろいろなこ とをやるわけです。そのプロセスは重要だと思うのです。それを追求するがあまり、細 かいところに集中するがあまり、本質のところでの審査に時間がかかってしまって、実 際に出るのが遅れているのではないかという危惧をしたわけです。  それならば、実際に出来上がった機械を使うのはユーザーである人なので、その人が 使った結果というのは治験のデータは取れませんけれども、それは自動的に出てくるわ けです。それから、不具合というのは必ず起きるわけですけれども、それはユーザビリ ティの問題で起きたものか、機械の問題か、先ほど会長がおっしゃったように、どんど ん改良していくというのが医療機器の生命であって、出来上がったものをずうっととい うのは、マーケットでそういう要求がない限り市場的にはないわけです。患者もそれが いいかというとそうではなくて、いかに良い物を、新しい物を、どれだけの効果がある 物が早く出るかのほうが大事なわけです。  そういう意味で、国がやらなければいけないというベースに立った上で、さらにその 後のことも含めた承認のプロセスというのを考えてみたらいかがかということなのです。 だから、全然無視しているわけではありません。その結果トータルのマーケットインす る時期がいまより早くなるならば、それは双方ともハッピーではないか。データも集ま るということです。 ○広瀬室長補佐  そういう意味では、現行のシステムの中でも、将来的に起こる事故で、これが予想さ れる、あれが予想されるということで、必ずしもその承認ができないということではな く、その部分はある程度治験の中で安全性なりが確認されれば、一応承認させていただ いた上で、市販後におけるデータなどから再審査機関におけるデータ収集なども含めて 見直す、という形での対応をさせていただいているところです。 ○和地会長  大変大事な話なので、私からもう一度お願いしておきます。薬の頭を一回なくしてい ただきたいのです。要するに、薬を審査して副作用があると大変なことです。もしパー フェクトな医療機器ができても、使い方によって副作用が出てくる、不具合が出てくる。 それと同時に、医療機器はどんどん進化しているわけです。一回薬を作って、それを改 善・改良するのは大変なのですけれども、医療機器は明日からでも、あるいは今日の午 後からでも改善・改良なのです。  私はいろいろな所で話すときに、病気するのだったら、1年でも遅く病気になったほ うがいいよ。そのぐらい医療機器は改善・改良がどんどん進んでいるんだ。それに見合 った審査の体制をとらないと、医薬品の審査と同じ発想から抜け出せていないというの がいちばん問題だと言っています。非合理的なことをやっていて、お互いに時間と金を かけているのは阿呆です。そこは、もう一度頭を切り換えてもらいたい。私は口をすっ ぱくして、医療機器と薬というのは基本的に違うのだということを何度も言っています。 先ほどからの答弁を聞いていると、薬のいままでの審査の考え方にずうっと引っ張られ ている。これは是非変えていただきたいということを強くお願いいたします。 ○山本室長  私からお答えしますけれども、ご指摘のように医療機器の特性に合った審査の規格は、 自ずから医薬品とは違うべきというところがあります。それは、総合機構も含めて、厚 生労働省も含めて重々認識しているところです。例えば、それを承認条件だとすること により、臨床試験にかかる負担などが軽減できないのかということについては、それで 解決できるスピードアップと、一方では承認条件のあり方とか、国の果たすべき責任の 位置づけという点でかなり整理をしなければいけない問題もあるだろうし、医薬品と医 療機器の違いについて着目し、さらに審査を改善していくということは非常に重要なこ とという認識をして、さらに今後整備をさせていただくということでお答えに代えさせ ていただきます。 ○石川委員長  さらに追い打ちをかけるようで申し訳ないのですが、治験に関しては先ほど来会長も 私も言っていますけれども、集まってから、それを全部完璧にしてからとやっていたの では遅いのです。機械の場合は人が使ったりするわけですから、やりながら見ていくと いうことも1つではないかと思うのです。いまは、確かにそういう仕組みがないことを 申し上げているので、ご答弁からすると、ないものを言われたって、それはないものね だりよと言われるかもしれません。  できれば機構も含めて、新たな審査の体制ということも含めてチームを組んでいただ いて、これから検討していくということでいかがでしょうか。業界と一緒になっていく という検討の場をつくっていくということでいかがでしょうか。 ○川原課長  検討していくことについてはやぶさかではないと思いますけれども、最終的にはそう いうのをやるときに、法律上の国と申請者の責任のあり方とか、広く国民にもどうなの ですかと。国民の中には、必ずしも皆様方がおっしゃるようなことに賛成とおっしゃら ない方もいるかもしれません。いや、それはそういう特性があるのだから、そういうや り方のほうがプラティカルですねと理解してくれるかもしれませんので、その辺はどの ように検討していくかということの議論も必要だと思います。 ○黒川審議官  和地会長が、大変重要な問題であるとご指摘されたわけですけれども、私もそう思い ます。和地会長のお話はいろいろな場で何度も伺っております。私は、立場上広く薬事 法製品に関して見ているわけですけれども、昨今のマスコミ等で話題になっている、薬 事法関連商品の訴訟とか国民の関心ということ。もちろん新しく作られた機械を早く使 わせていただきたいというのと同時に、生活の安全、その中での医療の安全、機器の安 全性といったようなものも満たしてほしい。  石川さんが、患者が要求しているということをおっしゃったのですが、同時に患者は 自分に施される医療が、有効かつ安全であることを要求しているのだと私は思います。 そういう点で、例えば和地会長が繰り返しおっしゃっている、絶え間ない改良を取り入 れられるような形での承認の仕組みがあるのかどうかということを、機器室なり管理課 なりさまざまな所で知恵を出し合って、それで患者の皆様にお勧めできる内容を少しず つ作り上げていく、というようなことではないかと思います。少しずつと言うとまた怒 られますけれどもなかなか難しいのです。  足らないのは、私たちがある程度状況を知っている間の専門家のジャーゴンのやり取 りなのです。それが社会に受け入れられるためには、わかりやすい言葉で、患者や医師 は言うまでもなく、その周辺のパラメディカルの方々に対してもよく理解していただく。 私たちが安全に使うためにはこうしたらいいのだ、という一人ひとりの緊張感や責務に ついて明らかにし、かつ何かあったら適切な場所にフィードバックする。そのフィード バックのシステムの問題です。それをどう活かして、歪みのないようにしていくか。そ ういうことは、勝れて私どものディスカッションのテーマだと思っています。これが、 課長・室長が申し上げたい背景だと理解しております。 ○和地会長  審議官以下ご理解いただいていると思うのですが、我々としても有効性や安全性の確 認というのはいちばん大事なことですから、そういうことを疎かにしようと言っている のではないのです。ただ現場の所になると、いろいろな形で薬と同じような要求をされ て、それは違うのではないのか。先ほどもありましたけれども、こういう医療機器の特 性を踏まえて、どういう審査がいちばん合理的かという検討をするのは無駄ではないと 思いますので、是非ご検討いただければと思います。 ○山本室長  次の議題へ移ります。2の現行審査プロセス等の改善について、石黒委員長からお願 いいたします。 ○石黒委員長  医機連法制委員会の石黒です。いま、今後の新しいというところについてお話があり ました。当面現行の審査についてもいろいろありますので、そこのプロセスについて改 善をしていただきたいということで4点ほど挙げさせていただきます。こちらは、法制 のほうとACCJでお話をさせていただきたいと思います。  1は、審査経過の開示等をしていただきたい、審査のプロセスがもう少しわかるよう にしていただきたいということです。以前にもお話をしておりますけれども、各ステー ジでの日数を明示していただくことにより、いまどのぐらい進捗しているのかというこ とが申請者側にもわかります。こちらにとっては、いつ承認がいただけるのかというの は大きなテーマになりますので、そういうところをある程度お互いに情報が共有できる ようなことをしていただきたいということです。もう1つは、以前にもそういう状況を 開示するというお話をいただいていますが、その辺の進捗はどうなっているのかをお話 いただければと思います。  これは関連するので、4項目まとめて回答をいただければと思います。2は、承認審 査における指摘とタイムクロックということで、最近も工業界等でもいろいろ指摘があ ります。審査が長期化しているというのは、こちらの問題も当然あると思うのですが、 何回も指摘が来るとか、あるいは遡った内容で指摘が来るとか、その内容が不統一だっ たりと、業界の中でもいろいろな声が上がっております。これも、タイムクロックに大 きな影響がありますので、是非指摘はまとめていただくというところをお願いいたしま す。  3もこれに絡んでくるのですが、特に材料系などの場合に、原材料が大きな問題にな っていて、ここで審査がかなり止まっているという情報も上がっております。それをい ろいろ見ていますと、お互いの認識のずれが結構大きいのかなというところもあります。 また、先ほどからありますように医療機器は多種多様ですし、なかなか製品を理解しづ らいところもあるかと思います。そういうことも含めて、是非実務者というところでの 情報交換をし、お互いに情報を共有化する、認識を共有化する。実務者で、お互いに問 題を前向きに解決していくような場を設定していただく。あるいは、個別の部分につい ても説明会というようなことで、行政あるいは機構が考えている内容の周知を是非お願 いしたいと思います。  4は、ACCJさんからお話をさせていただきます。 ○本間氏  4は、ACCJからの提案です。いま、審査の担当官は、いろいろなトレーニングや 研修を受けて用意されていると聞いています。ただ、機器の場合は種類がたくさんあり ますので、それを理解していただくのは非常に難しいと思います。業界としては、国内 外問わず、例えば製造承認に来ていただいて、実際に製造の現場を見ていただくとか、 種々多様な機器を説明できる機会、研修の場としてお使いいただけるような機会を設け たいと思いますので、研修の1つとして是非取り入れていただけないものかと思いまし て提案させていただきます。 ○山本室長  この問題は、総合機構と本省の部分と両方かぶるので、まず現行の審査の進行という ことで総合機構から答えていただいて、本省機器室から補足的なご説明をいたします。 ○木下部長  1は1としてこちらでお話をして、それで業界の皆さんのご意見を聞いて、その次に 2に進むというステップでしょうか。それとも1から4まで全部やってしまうというこ とでいいのでしょうか。 ○山本室長 長くなりますけれども、全部やってください。 ○木下部長  1の審査経過の開示については、総合機構としても審査期間の予測可能性を高めるた めに、昨年度から新医療機器を対象として、審査プロセスごとの事務処理期間を公表す るためのメトリックス管理システムを導入しております。本日お手元に配布されている 資料がそれです。これは、私ども総合機構の運営協議会の資料や、審査安全業務委員会 の資料の中で既に公開しているものです。まだ電子化されていないので、機構のホーム ページには出ていないと思います。これについても、電子化できれば機構のホームペー ジに掲載していきたいと思っております。  こちらをご覧いただければわかりますとおり、審査プロセスで受付から初回面談まで どれぐらいかかったのか、初回面談から初回専門協議までどれぐらいかかったのか、初 回専門協議から審査結果の通知までどれぐらいかかったのか、審査結果の通知から承認 までどれぐらいかかったのかというのを、それぞれのプロセスごとに処理件数と総審査 期間。総審査期間というのは、行政機関側の持ち時間だけではなくて、申請者が対応し た期間も含めてカウントしたものですがそれを示してあります。これでもって、いまど このプロセスにいて、普通はどれぐらいの日にちがかかっているのか、こういうものは ある程度指標として見ていただけるのではないかと思っております。  ただ残念ながらメトリックス管理システムは、まだ運営を始めたところなので、平成 16年4月1日以降の申請分についてまとめて順次公開しているということです。平成17 年度分についてはお示しした資料ですべてということになります。  私どもでは以前にもお話をさせていただきましたが、第3回定期意見交換会において もご説明させていただいておりますように、初回プレゼンテーションを申請後2カ月以 内に実施することを目標としておりますほか、指摘事項に対する回答書受理後の審査期 間の目標値も2カ月とさせていただいております。  事前にいただきました今回の要望内容について拝見させていただきますと、お互いに それぞれ目安となるタイムクロックを定めということですので、この総審査期間を見る とわかりますが、総審査期間はあくまで私どもの時間だけではなくて、皆さんの時間も 入っています。そうすると、お互いの審査期間を短縮するということになると、皆さん 側にも逆にタイムクロックを設定せざるを得ないのかと思います。  実際にいまの審査品目の実績としてどのような感じになっているのかというのが、2 枚目と3枚目に挙げてあります。整形外科、形成外科分野の品目について実際に承認さ れている品目のヒストグラム、整形外科関係のものについては、平成17年4月1日から 平成18年3月31日までに承認したものが20品目あります。行政側の持ち時間は、中央 値としては203日、申請者側の持ち時間は中央値として516日でした。  次に、ペースメーカーの事例を挙げております。ペースメーカーは、同じく平成17 年4月1日から平成18年3月31日までに承認したものが56品目あります。これについ ては、行政側の持ち時間の中央値が102日、申請者側の中央値が245日ということで、 それぞれ時間をどのように使っているかが明らかではないかと思います。  この分布を見るとわかりますとおり、物によってだいぶ違います。この後で何番かで ご提案がありましたけれども、品目ごとにそこのところについては深く講習会などを実 施していくべき、というご提案はまさにそのとおりだと思います。  戻りまして、申請者側においても回答期間のタイムクロックを定めるということを今 回ご提案されているのかと思ったのです。もし、それが本当に可能で遵守されるという ことであれば、私ども機構のミッションでありますところの、より有効でより安全な医 療機器をより迅速に患者の皆様へお届けすること、これを達することにも資するもので ありますので、総合機構としては歓迎をしたいと思います。いずれにしろ、審査の迅速 化、総申請期間の短縮については、総合機構のみの努力で達成できるものではなく、申 請者側の方々にも申請内容の改善等を積極的なご協力をいただかなければ達成できない ことであり、その点についてはよろしくお願いいたします。  2の承認審査における指摘とタイムクロックの件については、以前より皆様方から審 査の質の向上を図るために、工学系の人などを増やしてくださいという要望がありまし た。私どもでは、工学系のほか医学系などの、高度な専門性を有する審査担当の増員を 図るとともに、昨年4月からチーム審査制を実施しております。  ご指摘のような事例については、このような体制が組まれる以前にもしかするとあっ たのかもしれませんが、現状ではなかなか考え難いのではないかと思っております。先 ほどのペースメーカーの事例にしろ、麻酔器の関係にしろ、これについては私どもさら に細かく分析をしております。本日資料はお配りしておりませんけれども、指摘事項の 傾向が全く違うのです。製品群において、指摘事項の傾向が全く違うということがあり ます。  例えばペースメーカーであれば、平成17年4月1日から平成18年3月31日までに承 認を受けたものは36品目あります。その中に約3割くらいは指摘事項として受けている ものとして、記載整備に関する指摘を受けています。これは、どのような内容の指摘を 受けているかというと、ペースメーカー承認基準があり、承認基準に対する適合性をき ちんと説明しておられないので、それを説明してと言っているような、ごくごく初歩的 な指摘事項になっています。2つ目として指摘事項が多いものとしては、ペースメーカ ーについてはEMCの問題が多くなっています。  整形の事例についてどうなっているかということで申しますと、整形についていろい ろあるので一律に語ることは難しいですから、人工関節の例で挙げますと、指摘事項が いちばん多いのが性能に関するデータを示してくださいというものが多いです。このよ うに製品群によって指摘事項、最も回数が多いもの、2番目のものと3番目のものと全 部分布が違っていて、一律にあれが原因だからこうだとか、そんな単純な問題ではあり ません。だからこそ、まさに皆さんから提案のあったような製品群ごととか、そういっ た丁寧な説明会を実施をしていく必要があるのかと私のほうでは思っております。  現状、繰り返し同じような指摘事項がされるというお話がありますが、これについて は照会に対する回答が擦れ違い答弁的なものというのが非常に多く、こういうようなも のが先ほどのヒストグラムの中にあるような結果につながっているのではないかと思っ ています。  また、回答内容が提出資料や過去の回答と齟齬を起こしているものも非常に多いです。 これは個別の製品群ごとの講習会などの機会がありましたら、私のほうとしては、具体 的に製品群ごとにどういうことが起こっているのかということを丁寧に説明をして、皆 様方と理解を共有して、そういうようなトラブルが発生しないように努めていきたいと 思っています。  いずれにしろ、改めて照会が必要になるようなケースは、現実として少なからず存在 しており、こういった照会回数を減らして、総審査期間、私どもがターゲットにしてい るのは行政側の審査期間ではなくて、総審査期間をいかに短縮するか、この点にありま すので、皆さん方にも信頼性の高い回答をきちんと出していただくようにお願いしたい と思います。  いずれにしても重要な点ですので、審査過程において疑問が生じた場合は、そのまま にしておくのではなくて、まず担当審査チームにきちんと内容の確認をしていただくと いうこと。それでも疑問が解消しない場合には、各審査チームを管掌する審査役に相談 いただくとか、必要があれば部長面談等の機構の制度がありますので、そういったもの を活用いただければと思います。  次の3です。総合機構との実務者意見交換会のルール・定例化ということですが、提 案の実務者レベルでの定例の意見交換会と各種説明会の実施については、行政側と申制 者側の相互理解を深め、以て総審査期間、すなわち行政側の持ち時間と申請者側の持ち 時間を合わせたものですが、これを短縮することにつながるのではないかと私どもは考 えておりまして、総合機構としてはこの提案については歓迎しています。  なお、定例の意見交換会については、すでにペースメーカー、除細動器のグループ、 眼科グループ等は実施しています。今回提案がありましたのは原材料関係なので、こう いったようなものについても定例化をすることとしたいと思います。  また、説明会については、従来のような医療機器横断的な講習会ばかりでは不十分だ というのは、いま私が説明したとおりですので、審査チームごとにより深い内容の説明 を行え得るような講習会の実施などについても、関係業界団体の皆さんの協力を得なが ら、着実に実施していきたいと思っています。さらに、現在関係業界団体の方から提案 を受けている眼科関係の説明会や原材料規格の記載に関する説明会などについても、着 実に実施をしていきたいと思っています。  次に4の製品知識や製造プロセスの研修等機構職員研修への組み入れについてです。 これについては研修関係なので私ども機構の研修国際課からコメントをいただいており、 総合機構としては新任者の施設見学・研修における医療機器工場の見学や、特定医療機 器分野の業界の協力による審査担当者の勉強会などをすでに行っています。  さらに提案の医療機器製造所での見学・研修などは非常に意義深いことと考えられる ので、今後ともその充実を検討していきたいと考えており、むしろこちらからも皆さん にご協力をお願いしたいと思います。また、業界団体から具体的提案があれば、それを いただいて、是非検討を進めていきたいと思っております。 ○山本室長  引き続き機器室から補足説明をお願いします。 ○広瀬室長補佐  審査の進捗や状況の開示のところについて、機構からメトリックス管理システムの話 をしていただいていますが、厚生労働省でも第3回の定期意見交換会の中でどのように していくかという形で機構から発言があった際に、FDシステムのメリットなども含め て議論をしていくということで、こちらからお話させていただきました。まだ具体的な 方針は定まっておりませんが、引き続き業界と協議していきたいと思っていますので、 よろしくお願いいたします。 ○山本室長  だいぶ長くなりましたが、さらに石黒委員長からお願いします。 ○石黒委員長  審査過程の開示ということで、先ほどから新医療機器ということでお話がありますが、 残念ながら医療機器の場合は新医療機器というのは少なくて、その他のものが大多数と いう状況です。そういうものについての情報がほとんどないということもあるので、新 医療機器だけではなくて、その他の医療機器についても、是非FDを含めて検討いただ ければと思います。  審査の指摘の問題ですが、確かに業界側の問題もないとは思っていないのですが、た だ、お互いに意思疎通ができていないとか、考えていることが伝わっていないというこ ともあり、繰り返し指摘が出ています。これは時期の問題もあるかと思いますが、やは り工業界で調査をしますと、かなり出てくるのです。内容的にいうと、こんなことを言 われてしまうのかなという事例もいろいろ出てきており、そういうことについても確か にいまはないと言われるかもしれないけれども、そういう現実もあるというところで、 具体的なお話も是非させていただければと思います。こちらの一方的な話ではなく、お 互いに認識を共有化する中で改善をしていくということが大事かと思っていますので、 そういうところについてこまめに検討するようなことを、是非お願いしたいと思います。  3と4は先ほど歓迎していただくということでしたので、こちらも考えていきたいと 思います。特に研修についてはスポットということではなくて、継続的なものとして考 えていただければと思いますので、その辺も協議して、お互いにより良く進めるという 観点での対応をご検討いただければと思います。よろしくお願いします。 ○山本室長  石川さんお願いします。 ○石川委員長  まだちょっと何となく擦れ違いの答弁というか、お互いの思いは同じなのかもしれな いけれども、言っていることが若干違うのではないかという気がしたので、少し伺いた いと思います。この間から申し上げていたのも今おっしゃったように、もう少し中身の ワークフローの中で、ステップが少し見えて、その中での形が見えないかということな のです。そういうことで1から4までありますが、そういう組分けではなくて、初回面 談から専門の間でどのようなステップで審査をしていくのかということが私たちに見え て、その中でいま自分がどこにあるのかがわかればいい。おっしゃるように申請側の問 題があるならば、それはそれで片付けなければいけないところだと思っています。  ちょっと擦れ違っていると思ったのは、指摘の内容で、(2)にあるように、こちら側の 皆さんが言った不満は何かというと、1回で指摘してくださいと。出してはまた次、出 してはまた次ではなく、1回で出してほしいというのがポイントなのです。何が起きて いるかというと、どうも先ほど言ったワークフローのプロセスの中で何を見ているかと いうのが、よく見えなくなっている。だから、本来こういう部分の中での質問でなくて、 なるべくならば1回で答えたいということがあるので、指摘は1回にしていただきたい というところが、そうすることによって、木下さんがおっしゃるように我々のタイムク ロックは短くなってくるだろうと思っています。  決して我々はどのくらいでと決めたいと思っているわけではなくて、より良くどのよ うな情報を出せばいいのかがわかれば、それに邁進したいというのが皆さんの気持なの で、いま言ったように1回指摘をしてくだされば、それも効果的にできますし、先ほど おっしゃったそれぞれのテーマごとに、何がいま問題になっていてこういう指摘をした のだから、いまはこのようにしていただきたいということをどんどんやっていただくと、 それがたぶん承認の基準などに跳ねていったり、皆さん方が共有することになっていっ て、それが強いては全体のトータルの承認プロセスが短くなるのではないかと思ってい ます。  だから、最後のところの教育に関しては、ACCJさんからお話があったように、非 常に業界としてはコストはかかるけれども、やはり審査をされるレビュアーの方々の知 識を恒久的に増やすためには、単に工場のプロセスを見るだけではなく、製品そのもの に関して、というのはときどきの質問が、製品そのものに関しての質問が結構見られる ので、それを避けるためにもできるだけそういう場を利用したらどうだろうか。そうす ればお互いにセーブできるのではないかと思います。石井さん側としてのお話の仕方も わかるのですが、逆に我々側とも若干擦れ違って、少しトーンが違っていたのかと思っ て加えましたが、ACCJのほうはそれでよろしいですか。 ○本間氏  結構です。 ○山本室長  それに関して追加することはありますか。 ○木下部長  それでは1回の指摘という点に関していくつかコメントしておきたいと思います。お そらく個々の品目によって1回の指摘という意味がだいぶ違っているのではないかと思 います。石川さんがおっしゃるとおり、全然違うことの指摘をしているケースも、絶対 にないとは残念ながら言えないとは思いますが、多くの場合は回答した内容に対して、 こういう回答であれば次はこうですねという指摘をしているのです。そういうようなと ころについて、かなり擦れ違い答弁になっているのは輸入品でたくさんあります。我々 が特にそういうトラブルの多い輸入品でお話をしているのは、こちら側も中身のわかる 人をつれてきてくださいと。製造元の人をつれてきてくださいという話をかえってお願 いをしているところです。  いずれにしろ、改正薬事法はまだ施行されたところですので、制度的なところについ てもお互いにまだ十分に認知していないところもあるかもしれませんが、そこのところ については講習会・説明会なども、私どもも勉強しますし皆さん方にもきちんと勉強を お願いしたい、という趣旨で説明させていただいています。 ○山本室長  私からも追加で申し上げますと、審査を円滑に進めるためにはとにかくお互いの意思 がしっかり噛み合って、その対話が成立しなければ難しいわけですので、コミュニケー ションが不十分なところで審査が進められているとすれば大変不幸なことです。是非そ こについては総合機構も十分に意を払っているところですし、私どもも制度的な面、あ るいはオペレーションの面でも気を付けたいと思います。  特にミスコミュニケーションというか、担当者に対する遠慮があってものが言いえな いということがあるとすれば、そのようなことについてはまさしく木下部長からお話に なった、部長面談やいろいろな苦情処理システムは、担当者との間では言えないような ことについて別のチャンネルに持っていっていただくというシステムをうまく活用して いただければと思います。  そういう点で総合機構との対話だけでなく、それが制度的に話が及ぶような可能性が あるようでしたら、私どものほうにもそういった問題点についての指摘を忌憚なくいた だければと思っています。 ○岸田技監  研修の件について提案がありましたので。新人研修に製薬工場のみならず医療機器の 工場の協力によって見学する機会を与えていただいており感謝申し上げます。また、今 年も計画をしているところなのですが、継続的な研修をするに当たって、私どもで気に しているのは、毎回同じような施設に行くことが、かえって皆さん方の迷惑になるので はないかということで、どこにしたらいいのかと迷うことがあります。したがって、業 界でこういう施設を継続的にやってほしいとか、先ほど言われた製品についての見学と いうことであれば、どういう施設のどういう製品をということを、できればこれから詰 めてお互いに検討していきたいと思います。 ○豊島センター長  先ほど審査経過の開示等のお話がありましたが、その中に照会事項を一遍に出してほ しいとかいろいろあったと思います。それを解決するためにはお互いのコミュニケーシ ョンが重要だと思うのです。3で出ていた総合機構との実務者意見交換会のルール・定 例化というのがありますが、定例化というか、まずその辺で意見交換をよくすることが いちばん大事だと思っています。 ○山本室長  ひとまずここで、この議題は終わりにして、だいぶ時間も押していますが、ここまで は重要なことですので時間をかけさせていただきました。それでは次の説明をお願いし ます。 ○石川委員長  JISと書きましたが、日本の場合基準といったらJISと言わないといけないみた いな、その辺りが非常に諸外国も含めて非常に問題な言葉ではあるのですが、我々は国 際基準の翻訳をしたものがJISだと理解しています。ここに書いたことは何かという と、いわゆる業務要件に適用の証明として使っているいろいろな基準にJIS、IEC があるわけですが、そういうボランタリーな基準に関して、年度によって、または時間 によって変更が生じるのです。そういうときにどういうルールで移行していくのかとい うことに関して、移行のルールを早めに明確にしておいていただいたほうがいいかなと。 いきなりこうなったから明日からと言われても困るということと、我々としてはJIS といっても薬事法において使っているものという理解が非常に強いものですから、適用 証明のために使っているボランタリー基準のものだという認識が非常に強いところがあ りますので、いわゆるルール化をきちんとして明確にしていただければという意味で、 検討していただければということでお願いをしております。 ○山本室長  これについて機器室からお願いします。 ○広瀬室長補佐  JISの取込みも含めて認承基準、承認基準の発出や改正等に伴う取扱いのところは いろいろな問題があるので、どのようにしていくかも含めて、医機連とも協議をしてい きたいと考えています。  国際会議に参加する部分については、人員が不足している現状ですが、平成17年4月 の薬事法改正により、国際整合を基本とした薬事法改正の基準作成というのを進めてき ているところです。そのようなことから、ISOなどの国際基準の策定の重要性につい ても、十分に認識をしているところですが、案件に関する専門家及び関係工業界等の協 力をいただきながら、状況把握に努めていきたいと考えているところです。  総合機構の品質管理部に基準課があり、ISOの活動情報などを収集させていただい ており、その結果を基に、ISOの分科会やワーキンググループへの参画についても検 討を行う予定とさせていただいております。 ○山本室長  これについて追加、補足の発言はありますでしょうか。もしなければ、次をお願いし ます。次は4、新工場設立時の申請・審査等の迅速化について、ACCJの佐藤さんか らお願いします。 ○佐藤氏  ACCJ RAQAグループの佐藤です。改正薬事法では旧法で品目追加許可と承認に 分かれていたものが、新法においては承認申請の中で製造所情報、製造工程が記載され るということになりました。それに伴い、例えば委託の滅菌施設を想像していただきた いのですが、新たな滅菌施設を追加したいという変更が起こる場合、1品目に限らず、 取り扱っている品目がかなりの数で変更が起こるというようなことがイメージされると 思います。こういった変更が起こった場合、対象の品目がかなりある。それから横断的 に書類の整備をして一変をかけていかなければいけない。一変の時期がわからないと製 造開始時期がわからないという、いろいろな生産管理上の問題が発生します。  こういったことから今回、提案させていただきたいのは、まず、新たに追加する製造 施設が他の品目、もしくは他社の申請でQMS調査が行われて完了している場合におい ては、軽備な変更届の範囲として取り扱っていただいて、直ちにQMS調査を割愛させ ていただいて、製造所での製造が開始できるような取り扱いにしていただきたい。  それから一変に関してですが、その製造所に該当する部分のみを簡易な一変という形 で、迅速審査をしていただきたい。STED部分と申請書部分の該当部分のみを申請対 象として、複数の品目がある場合には一括申請、しかも申請手数料は1件分という形で 取扱いしていただけないかという提案です。よろしくお願いします。 ○広瀬室長補佐  医機連の拡大法制委員会においても、提案をもって前向きに協議するということで、 回答させていただきました。現状では品目によって総合機構で行う場合、都道府県で行 う新規の製造業の許可やQMS調査などもあること、また、総合機構で一変書類審査な どを行うことから、今回提案の内容について、承認要件としてのQMS適合性の確認、 審査の公平性の確保並びに薬事法手数料令で定められている内容もありますので、運用 上可能なQMS適合調査の合理化、審査の効率化、事務手続の効率化の見直しにつき、 協議をさせていただきたいと考えています。 ○山本室長  これに関して双方で追加のご発言はありますか。 ○佐藤氏  制度上可能な範囲ということで検討いただけるということで、ありがとうございます。 ただ、工業界としてはいつから製造が開始できるのか、その辺の製造計画をきちんと立 てなければいけない企業の使命がありますので、例えば承認取得希望時期を備考欄に記 載させていただいて、それまでに審査をしていただくとか、そういった形で産業界が困 らないような措置を採っていただけたらと考えております。 ○高江専門官  いまの追加の要望ですが、承認取得の希望時期やタイムクロックの問題が、各企業の 方にとってかなりクリティカルなところだというのは、重々認識しています。ただ、新 法の施行に関して、現時点では承認数がかなり減ってきているということがありますが、 今後、新工場の設立の一変やその移行の各種申請の形で、かなり機構の業務量の負担も 今後増えてくるだろうと大まかには予測されます。実際上、タイムクロックは申請数が どのくらい見込まれて、どういう形になるかというのが、ある程度は統計なり予測の資 料として出てこないと、こちらとしても希望時期を書いていただいても、それに逆に沿 うことができない。更新を前倒しさせていただいて、それで猶予期間を長くという形で 法改正の施行直前にさせていただいたということもあり、全体的に企業の方もそうでし ょうけれども、行政としても全体のパッケージとして、どういう形で今後申請がくるの かという予測がなかなか立てづらいところもあるので、まずはそういったところも含め て、いろいろ意見交換を引き続きさせていただきながら、制度上可能な中でどのような 形で要望に応えていけるかを検討させていただければと思います。 ○山本室長  これに関してさらに追加の発言はありますでしょうか。それでは次をお願いします。 ○石川委員長  またまた大きい問題で少しくどいのですが、これも品質システムのことです。ご存じ のように13485というものが今回GQP省令で取り入れたわけですが、これは前回、前々 回を含めて工場という箱物に対しての品質システムで、それがきちんとできているとい う前提の下に立っているということ。1と2の両方を合わせて説明しますが、我々とし てはそういう箱物である工場が、きちんと品質システムができているのだという前提の 下に物を作って、品目ごとの申請を行うわけです。現在の法律においては普通の承認申 請書のほかに、品目ごとにおける品質に関する調査をしてくださいというのを私どもは 出し、そのために品目ごとに手数料を取られることになるわけです。  品目ごとの品質システムというのは一体何を指すのかということに関して、業界とダ イログをやっている最中ではあると思いますが、どうしてもなかなか理解できないとこ ろです。実際問題としてこれを誰が見に行くのかということです。これに関しても実際 に見に行く人がどうなるかということは、次頁にあるように、クラス2と3、4を持っ ていますと、二重どころではない、三重のことをされなければいけないことが出てくる わけです。  品目ごとの話に1回戻しますと、一体何のために品目ごとにしなければいけないのか。 私たちは先ほど会長から「元のそれぞれの改正薬事法の本来の目的にもう一遍立ち戻っ て効率化を考えましょう」とおっしゃったと思うのですが、本来が工場そのものの品質 ができていることを前提の上に、品目ごとの製造販売承認、または認証等を取るわけで す。そこにおける何を一体見るのかというところです。それに関してはきちんとお互い が納得しないと、1件ごとに取られるわけなので、これは馬鹿にならない値段になると いうことです。  それから誰が見るのかということも問題です。承認審査のプロセスを見ていない方が 見るというのはちょっとおかしくて、私たちは最初はこの改正薬事法においては「承認 のプロセスの一環としてそこを見る」と聞いていたのです。したがって、いま承認審査 のほうは審査課からそういう指示が出て、こういうことは見ていただきたいということ が、見るほうに出ているのだろうと思うのですが、一体どういう内容を見ろと指示され ているのかということを明確にしていただかないと、受ける側も非常に困ります。  2つ目は先ほど言った箱物の工場に関しては二重、三重になるといけないので、1回 その工場が13485で認定されていればいいではないかという、非常に私たちから言うと 合理的かつ有効的なお話をしていると思うのですが、そこも法律の壁をもって「それは いけない」ともしおっしゃるとするならば、先ほどの箱物であるというお話から自己矛 盾を起こしてくることになると思います。  したがって、このことも含めて、1つは品目ごとにおける品質は何を審査課はプロセ スとして見ようとしているのかということの明確化と、できれば13485の認定を国でし ていただくことによって、どこか1か所でやっていただければあとはいいという、この 2つを考えていただければと思い提案します。 ○山本室長  これについて行政側から、QMSのことで束野指導官からお願いします。 ○束野GMP指導官  承認品目について回答します。承認品目についてはQMS省令に定める基準への適合 性が薬事法第14条第1項の品目ごとの承認の要件となっていますことは、薬事法の14 条第2項4号に示されているとおりです。一方、ISO13485の2003は、品質システム の適合性を要求しており、承認書記載の品目仕様等については要求していないわけです。 また、QMS省令については包装等製造業、生物由来医療機器等の製造業、体外診断用 薬品の製造業等の区分ごとに異なる要求事項が定められています。  ISO13485の認証を持って、直ちにすべての製品についてのQMS省令に定める基 準への適合と見なすことはできませんが、ISO13485の認証結果を参考として活用す ることは可能であろうと考えています。  他の調査権者の調査結果の写しは、平成17年、昨年の3月30日の薬食審査発第 03300015の通知の第3の9というところにおいて、他の調査権者の調査結果の写しを、 適合性調査申請の際に添付してくださいということはお伝えしているところで、こうし た今後、他の調査権者が実施したQMS調査の調査結果の活用については、検討させて いただきたいと考えています。 ○広瀬室長補佐  認証の部分について機器室から答えさせていただきます。認証品目のQMSの省令の 適合性の確認については、ISOの13485の結果をどの程度活用いただくかという部分 については、登録認証機関における判断もあるので、その取扱いについては登録認証機 関で示されるものであると考えています。 ○石川委員長  これまた擦れ違い答弁みたいになって、あまりよくないのですが、監麻のほうにお聞 きしたいのは、審査のプロセスの中で、確かに法律に書いてありますが、何をご覧にな ろうとされているのですか。審査書の中身をご覧になる立場にいますでしょうか。見よ うと思えば見られると思いますが、仕組みとしてはそちらには承認申請の中身はいって いないのではないかと思うのです。単純にGMP上のあれを見てくれということを言っ ているだけで、承認の中身はないと思うのです。そこはいかがでしょうか。  そういう中において一体何を品目ごとに見るのかと、ものすごく疑問というか、すっ きりしないのです。ですから、何を見るかということを出していただければありがたい し、認証に関しては確かにそれは第三者機関が見るのだからそちらに任せろというのは、 あまりにも無責任ではないかと思います。承認の中においてやることと、私はあまり変 わらないと思っているので、そういう意味で、そこは任せるというのはおかしくて、そ れも法律に書いていないことは確かなのですが、何かロジックが私には合わない気がし ます。 ○山本室長  この点については実際にQMSを見ている機構の品質管理部長からお願いします。 ○新見部長  いまおっしゃった中で、調査に行く場合に承認申請書を見て行かないということは絶 対にあり得ませんし、少なくとも機構の中では医療機器審査部と品質管理部で絶えず連 絡を取り合いながら、この点について見てほしいというようなことがあれば、それをま た連絡を取り合って、見に行っていますので、承認申請書を見ないで、調査申請書だけ でいくということはありません。 ○石川委員長  何をご覧になるかを知しりたいのですが。 ○新見部長  何をというのは、省令に記載してあることと、個別の品目によって注意すべき事項と いうことで、当然ケース・バイ・ケースになっています。 ○石川委員長  ですから個別の品目で何を申請書の中に書いてあるのか、製造所のことしか書いてい ないのですが、そこで何を見たいのですか。少なくとも私から言うと、それぞれの工場 はそれぞれ海外では認定され、登録され、それぞれであるということはわかっていて、 そこが医療機関の更新ごとにそれがどうなったという情報はお入りになっていると思う のです。品目ごとに何をそこでご覧になろうとしているのか、教えていただきたいと言 っているのですが、そこはどうなのでしょうか。 ○束野GMP指導官  QMS省令上は例えば44条に各滅菌ロットごとの工程指標値の記録があるかどうか ということが定められていますが、その製品について確認することができるのですが、 その製品で確認したから別の製品の滅菌ロットごとの指標値の記録を確認しなくても構 わないということにはならないかと思います。 ○石川委員長  それも反論してよろしいでしょうか。それは承認申請書の中にわざわざステットがあ って、滅菌に関するデータを出せとなっていて、そこに書いてあります。しかも試験証 も出せとなって出させています。さらに、何をご覧になりたいのですか。 ○岸田技監  前の話合いの中でも、意見がお互いに理解できないところがそこなのです。業界側は 全体として管理ができていればいいのではなかろうかという主張なのですが、こちらの ほうは全体の管理はさることながら、品目ごとの管理がきちんとできているのか。それ が品目ごとの使用書、いうならば承認申請書に書いてあるとおりにきちんといいのかど うか、そういうところを実地調査で見ているという理解をしているのですが、どうも前 から噛み合わないところがあるので、別な場所でもって議論をさせていただければと思 います。 ○山本室長  これは引き続きこれまでも議論になっていることですので、さらに引き続き協議をさ せていただくことでお願いします。次は認証基準・承認基準を活用した申請、ACCJ です。 ○本間氏  認証基準・承認基準の一部活用ということで提案です。認証基準・承認基準があって も一部だけ基準から外れてしまうケースが間々あろうかと思います。ただ、その外れ方 によってかなり扱いは違うとは思うのですが、単純なほんの一部だけが外れているよう な場合、当然多くの部分の審査に関しては認証基準・承認基準が使えます。実務的な審 査の量は非常に減るのではないかと思います。そのような場合に、現行のPMDA、手 数料の「基準有」といった扱いでそういった製品を扱うことはできないでしょうか。当 然その外れる範囲についての議論は今後必要になるかとは思うのですが、こういった柔 軟な対応ができないでしょうかという質問です。 ○山本室長  これについて回答をお願いします。 ○木下部長  それでは回答します。提案にありますような承認基準などが作成されていても、一部 基準に適合していないものについては、現時点において審査に当たって、基準に適合す る項目については当該承認基準などを活用して審査を進めています。しかしながら承認 基準などに一部適合しない場合については、単に基準に対する適合性を確認すればよい という単純なものではもちろんないわけです。当該品目自体の有効性・安全性・品質を 総合的に評価せざるを得ないため、申請時の定制度区分についてはPMDAが決めてい るのではなく薬事法関係手数料令の法令の規定に基づき、適切な区分で申請をしていた だいております。 ○本間氏  おっしゃるとおりだとは思います。その上で、何とか柔軟な今後の取組みになると思 うのですが、考えられないでしょうかというお願いです。 ○石黒委員長  木下部長が言われるのはいまの制度上ごもっともだとは思うのですが、承認基準を作 ろうと思ってもなかなか作れないのが現状です。こういう面で効率化したいとお互いに やっています。ですから、そこを何とか少しでも活用できる、いまは制度上少し難しい のであれば、今後の運用としてもあまりにぎちぎちのものでやると、動かなくなってし まうのではないかと思っていますので、今日、明日ということではなくて、是非こうい うことを活用して基準を増やしていくとか、そういうことを是非検討していただきたい と思います。 ○木下部長  審査の中身としてはもちろんガイダンスとして活用しています。だから基準として活 用していないというのは大きな誤解だと思います。問題とされているのはあくまでも手 数料の話ではないかと思うのですが、違うでしょうか。 ○石黒委員長  手数料の話ではあるのですが、そこのところを、外れている部分というのは当然物に よって差があると思うのです。ですから一義的にはいかないと思うのですが、もう少し 申請をしやすくするという意味で、手数料のことも今すぐというわけにはいかない部分 はあると思うのですが、そこも是非検討していただきたいということです。 ○山本室長  現状については木下部長の説明のとおりではあるのですが、将来の課題については認 識をして対応していきたいと思います。恐縮ですが時間が押していますので、次をお願 いします。 ○石川委員長  次は移行とも関係するのですが、今度の薬事法改正で製造販売という言葉になったの です。製造販売をするかしないかということがキーワードになっていまして、特に今回 出ている通知から言いますと、記載整備等を行うものに関しては、今後製造販売を行う ものが対象であって、と書いてありますから、逆にいうと、ここに書いてあるように新 法における承認申請や認証申請を記載することの手続は不要だと私たちは理解していま す。  その上でなのですが、もしそうだとした場合、世の中には機械をまだまだお使いにな っているユーザーさんがおられます。そのために製造販売をしないけれども、旧法によ って承認等をされている製品、その製品の付属品、部品を作って納めることが必要にな ってくるわけです。そういった場合に新法ですから、皆さん方のいうロジックからいう と旧法上のものはなくなっているわけです。  そうすると、そういうものを輸入する場合にはどういう形で輸入すればいいのでしょ うかということ。その辺の輸入も含めて、製造販売承認等がないわけですが、その辺に 関しては何かがあった場合に、不具合も起きるわけですが、どのように処理をしたらい いのかということで、確実に輸入監視等に関してはいまは何の通知も出ていない状態に なっています。特に新法ではなく、旧法製品での製造販売をしないものの輸入等に関し て、または部品等の製造等に関して、お答えいただければと思います。 ○束野GMP指導官  お答えします。製造中止後であっても、品質管理監督文章等、規定年限を保管する義 務等、QMS省令上の義務は一部果たさなければいけないということになろうかと思い ます。ここでいう構成品・付属品等で意味される物がどのようなものなのかということ にもよりますが、当該医療機器の本質をなす主要な部分を継続して供給製造するのであ れば、品質管理監督システムを維持すべきであろうと考えています。  また、承認を維持する場合に、記載整備、QMS適合性調査等新法対応の手続は、原 則必要であると考えています。 ○石川委員長  それはものすごい疑義があると思うのです。先ほど申し上げたように工場は13485と か、そういうQMS省令によって品質システムという形で担保しているわけです。一方、 法律では製造販売という形でいま規制を始めたのです。重要だろうが重要でなかろうが、 工場で物を作るのはそれが当該品目であろうが何であろうが13485のQMS省令に従っ てやっているわけです。  いま申し上げているのは、製造販売は今後しない物に関しては記載整備していないわ けですから、新法による物は何も証明されるものはないのです。輸入する場合に何をも って輸入を認めていただけるのかということ、それが1つのポイントになります。  また、製造販売業としては修理等において物を供給しなければいけないわけです。そ の場合には何もないですね。でも品質の担保はしているわけです。では法律上製造販売 から外れる物、しかも既存品がいっぱいある中において、旧法における物はどうしたら いいのか。旧法の物を若干そのまま使えるようにしていかないと、輸入等も何も全部止 まってしまいます、ということを申し上げて、そこは1つ考えていただきたい。  またいろいろなことが出るでしょうけれども、早くやらないと、実をいうともう輸入 等が始まっているわけですが、そこで止まってしまうわけです。何に基づいて輸入する の、製造販売はあるの、旧法しかありませんといったときに、旧法の物をどのように扱 うのかということです。そこを少し考えていただきたいということです。 ○山本室長  それは今後、さらに検討していただくということで、宿題とさせていただきます。次 をお願いします。 ○佐藤氏  旧法の時代に生物由来原材料については、生物由来原材料のバリデーションという形 で、ウイルス不活化の審査を一変で求められてきたところです。現在、一変で申請して いる品目が累積で400品目にのぼっているというような情報を頂戴しています。それに 応じて、PMDA、生物系審査部においては人員の増員という形で現在も鋭意対応して いただいているところで、非常に感謝しております。いかんせん、この400品目のバッ クログをどのように解消していくかは業界側としては大きなヘッドウェイクとして抱え ています。  生物系審査部は同時にワクチン等、国策に関与する重要品目を審査していただいてい るということで、どうしても現状販売をしている製品、承認品目の後追いでのウイルス バリデーションの審査は、どうしても優先度からすると、その次という形の取扱いにな っているのも現状です。  今回、提案させていただく点が、まず現状ウイルスバリデーションの審査をしていた だいている品目は、市販をしながら、要するに承認品目として製造販売を続けながら、 ウイルスバリデーションの一変審査をしていただいているという現状があるので、それ と同じ生物由来系の原材料を使った新たな製品に関しては、ウイルスバリデーションの 部分の審査は先発の審査と同時にやっていただく形にして、その部分を除いた医療機器 の部分だけの審査を先にやっていただいて、市場へ出させていただきたい。それでウイ ルスバリデーションの審査が終了した時点で記載整備等を同時にさせていただく、とい う条件付きの取扱いにしていただけないかということです。  特にヘパリン等医療機器に必須の生物系由来原材料を使った医療機器は、臨床上どう しても必要であるという市場の要望があります。したがって、ウイルスバリデーション の審査途中であるヘパリンを使った新規の医療機器が市場に出ないということになると、 医療上非常に問題が出てくることが勘案されます。その点、是非ご検討いただきたいと 思います。  2番目の提案は、ウイルスバリデーションの承認を取得した後、また新しい品目を同 一の原材料を使って出させていただく場合に、この審査の過程を通知で明確にしていた だきたいことです。  3番目は、確認申請が現在は求められているわけですが、ウイルス不活化承認を取得 している品目については確認申請という過程を省略させていただきたいという要望です。 ○山本室長  これについて機器室から制度的なことについてかい摘んでお答えいただき、それにつ いてさらに総合機構から補足をお願いしたいと思います。 ○広瀬室長補佐  概略的なことをお答えします。まずヒト・動物など各種の申請などは通知に基づいて ウイルスの安全性、プリオンの安全性など、そういった適合性を確認するための一変の 申請の総称を、マルモノと呼ばせていただいているのですが、現在未施行品の数は全マ ルモノの申請のうちの約20%、全ヒト・動物の約30%、これは2006年6月末現在の数 値です。審査が止まっているという指摘ですが、十分なデータが提出されて問題がない と確認されたものについては、順に処理をしているところです。  最初の要望の(1)について、これから何点か述べますが、そういう理由から少し難しい と考えています。1つはこれまでも医薬品も機器も、医薬品という頭を外してください というご指摘もいただいているのですが、新規申請品については資料が不足して安全性 が確認できないと、なかなか承認できないという状況です。新規申請品についてはその 中でウイルスの安全性の確認をさせていただいています。できるだけ機構としてもウイ ルスの安全性に関する確認が律速にならないように努めてきているところです。  こういう申請ものについては審査側の人員不足の問題もありますが、申請者側でも必 要な資料が出ていないとか、回答が適切でないということもあるので、これについては 申請者側にも問題が若干あるということです。条件付き承認という最初の要望は難しい 状況だと思いますが、審査に要する時間については審査側と申請者側双方の努力により 迅速化に努めていきたい、なるべくそういうことにしていきたいと思います。 2についてです。一応規制側でもそういう運用を行わせていただいているという認識で す。通知については何とも言い難いところですが、通知で明文化した場合の例外の規定 等によって、かえってフレキシブルに対応できない可能性があるのではないかというこ とを考えています。  3については確認申請と、ヒト・動物申請というのが混同されているのではないかと いう懸念があります。確認申請は細胞組織利用の医薬品・医療機器についてウイルス安 全性だけでなく品質及び安全性の観点から治験を行うことの妥当性を確認するための申 請で、確認申請の対象となる製品は培養皮膚、培養角膜、培養リンパ球など、細胞組織 を増殖、活性化、特性改変等の加工を施した製品です。詳細については医薬発第1314 号、これは平成12年12月26日の厚生省医薬安全局長通知、医薬発第906号、これは平 成11年7月30日の厚生省医薬安全局長通知を参照していただければと思います。  ヒト・動物申請においては、ウイルスの安全性のみを評価するもので、ウイルス不活 化、除去に関する評価のみが終了したからという理由で、確認申請を省略できるもので はないと考えています。  マルモノ処理を迅速に進めるため、ヒト・動物申請の審査に必要な情報の例示を作成 してほしいという要望がありましたが、ウイルス安全性評価の対象成分というのがバラ エティに富んでいること、バリデーションデータについてもかなりのボリュームがある ことなどから、生物系審査部の中で一から例示を作成することについては、かなりの時 間を要すると考えられています。業界側のほうにも案の作成にご協力いただければと考 えているところです。 ○山本室長  機構から補足することが特にあればお願いします。 ○田中部長  補足というか、いちばん最後のいわゆるマルモノ処理の例示についてですが、皺形み たいなものがあれば、判断にたる情報を含む資料の準備が円滑に進み、資料提出側も資 料評価側も処理が非常にしやすくなります。ヒト動物通知により申請された400件のう ち280件は既に片付いており、残りが120件です。例えば、その中に定形的に処理でき るものがあれば、円滑に120件を処理することができ、そのマンパワーを他に回すこと ができます。是非皺形作成に協力をいただき、例えば、記載例案を提出していただいた り、あるいは既に承認された事例について知的所有権の部分を黒塗りして提出いただい たりということですが、団体としてもご協力いただければと思います。 ○山本室長  追加がなければ次の相談業務のことについて、石黒委員長からお願いします。 ○石黒委員長  すでにご検討をいただいていて、細分化のお話を進めていただいているように思いま す。対面助言というのは審査の効率化や迅速化に大きく役立つと思っていますので、そ れを使いやすくするという意味での手数料やサービスの内容を早急に検討していただき、 この制度を早く立ち上げていただきたいということです。是非、よろしくお願いいたし ます。 ○山本室長  これについては機構からお願いいたします。 ○木下部長  総合機構の木下です。いまの進捗状況について説明いたします。対面助言の区分の見 直しについては、前回の定期協議での議論を踏まえ、機構としても平成18年度事業の重 点事項として掲げており、早期実現に努力をしているところです。具体的には医療機器 に係る治験相談、申請前相談の細分化を図りまして、例えば開発開始段階における相談 区分の新設、非臨床での安全性の確認、性能試験などに係る相談区分の新設、臨床評価 相談、探索的治験相談に係る相談区分の新設、追加相談区分の新設など、より申請者の 皆さんが利用しやすい相談区分の検討を進めているところです。今後は出来る限り早急 に案文を固め、関係業界団体の皆さんともご相談の上、必要な通知の発出を進めてまい りたいと思っております。誠に申し訳ありませんが、もう少々お待ちいただけないでし ょうか。 ○山本室長  もう少々ということでなくて。 ○田中部長  生物系審査部においても、再生医療の資料整備相談や生物由来品質相談などこの機会 に生物ならではのいろいろな相談項目も設けたいと思いますので、ご意見がありました ら当方までお寄せいただければ有難いと思います。よろしくお願い申し上げます。 ○山本室長  逐次改善を図ってということで、ご了解いただきたいと思います。では次にいきます。 ここでちょうど半分でして、少し時間が押しておりますので、恐縮ですが議論を効率化 して進行させていただきます。 ○本間氏  外国製造業者認定についてACCJから話をさせていただきます。ここで提案元を見 ていただきますと分かるようにたくさんの団体から意見が上がっています。かなり混乱 しているであろうということが分かりますし、ここに書かれています文章もかなり乱暴 になっています。そこで趣旨を、ア、イ、ウと3つありますので、ここで説明いたしま す。  ア、認定QMS調査が必要な工場の範囲。当該品目の仕様・品質・安全性に責任を有 する主たる製造所のみにしていただけないかと。当初認定という話があったときに、す べての製造所等を登録するものという理解はなかったように皆さん記憶しています。た だし、いま実態として、例えば第三者認証がかかるなど、その中でかなり細かいことを 指摘されていると、登録すべき範囲が広がりつつあるように思われます。ここについて もう一度、認定の考え方を基本に立ち返り、本来であればすべて責任を持てる主たる製 造所、ここだけの認定でいいのではないだろうかということを考えていただきたい。  イ、機器のクラス分類。例えば一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器とい うクラス分類がありますが、それに合わせたメリハリをつけた申請書類の簡素化はでき ないであろうかということ。  ウ、変更届。現状の変更届は変更後30日以内とありますが、変更の内容によっては、 例えばそれを年次報告にするとか、もう少し幅を持たせて、軽微の変更に対しては年次 報告で対応できることを是非、検討していただきたい。この3点について、ご回答いた だきたいと思います。 ○山本室長  この3点について簡潔にお願いします。 ○広瀬室長補佐  アの部分については、構成部品のみを製造する施設は原則認定不要と考えられます。 製品の品質や安全性など製品に影響を及ぼす工程を、この製造所は認定やQMS調査が 必要となります。薬事法13条3第2項で「製造所ごと」、薬事法14条第6項の中に「そ のものの製造所における」という記載があります。これは主たる製造所のみを受ければ その他を受けなくてもよい、ということを意味するものではないということです。  イの部分は、これは今後業界とも協議したいと考えております。ウの部分は、ご要望 としては年次報告ということですが、施行規則の中に「変更後30日以内」と規定されて おります。そういう意味では、変更届出の対象である構造設備の変更については、例え ば主要な変更に限って届出を提出するとか、そういうようなことについては、現在Q& Aの事務連絡を検討しており、この中で示していきたいと考えております。 ○山本室長  これについて追加のご発言はありますか。 ○石川委員長  これは海外のことで、認定ということとなぜ認定になったかという薬事法改正のとき のそもそも論に、皆さん全員が立ち戻って考えなければいけないと思うのです。確かに いま広瀬さんが言われたように、法律では書いてあります。その法律を作るときに業界 と行政の間で話合いをしてこうなったのか。そこには日本の法律が及ばないために認定 とするとか、簡素化をしようとか非常に大事なことを話されたわけです。そのことは業 界にとってコストがかからないことだったわけです。そのことと先ほどの13485の箱物 のことと、いろいろなことがばらばらに考えられて、これはこれ、これはこれとなって いるために、徐々にそれが実務的な問題として出てきていると思うのです。会長が言わ れたように、いちばん最初の改正薬事法の考え方に立ち戻って、何だったのだろうか、 ということをもう一遍考えていただければと思っております。多分いまの話は、根には そういうところがあって、いま出てきていると思っております。 ○山本室長  外国製造業者のことは、確かにいろいろな所からご意見を聞いておりますので、引き 続きいろいろと検討していきたいと考えます。次は届出に関することです。 ○石黒委員長  法制の石黒です。今まではどちらかと言うとクラスの高いものでした。一般医療機器 について従来から届出があったわけですが、今回の改正で、いわゆるクラス1であって も物を特定するということから、添付データ出しの承認というレベルにアップしてしま ったというところなのです。すべて更新まで移行させなければならないということもあ りますので、是非、そのところの簡素化をもう少し、中身を含めて検討いただきたいと いうことです。 ○山本室長  これについて機器室からお願いします。 ○広瀬室長補佐  中身を簡素化していただきたいということですが、この中身は施行前に業界とも調整 して、その上で平成17年3月31日に医薬食起発第0331002号という、医療機器の製造 販売届出に際し留意すべき事項について、という通知を出したわけですので、そこはお 理解をいただきたいというのが機器室の立場ですが。 ○石黒委員長  作っている趣旨は十分わかっておりますが、やはり更新までに移行させなければなら ないというところもありますので、ある範囲の中で少しでも簡素化できるとか取扱いが あればと。業界によってかなり偏っていると思うので、そういう部分をちょっとご配慮 いただければと思います。通知の内容は十分承知している上でのお願いです。 ○山本室長  次の認証に関すること、お願いします。 ○石川委員長  承認に関する承継がありますが認証に関する承継がないので、是非、お考えください ということです。この制度では抜けているわけです。先ほどから何日も出ていますが、 作ってしまった意味はあると思うのですが、ここはどうするのかということもあります が、ご検討していただければということです。 ○山本室長  では、回答をお願いします。 ○広瀬室長補佐  認証品目は見者が異なることとか、認証の審査システムが異なっていることがあり、 承認と同様な手続を認証に当てはめるのは、ちょっと難しい状況だと考えております。 事業の承継に際しては、新規の認証申請の中でどれだけ資料提出の簡素化ができるのか については、個々の認証機関のほうで検討いただく内容ではないかと、こちらとしては 考えております。 ○石川委員長  いまものすごく大きな発言を聞いてしまったのですが、認証機関によって審査が違う と言われましたよね、これは逆ではないですか。いまはわざわざ認証機関をつくって審 査を平準化し、標準化することによってクラス2は早くやりましょうという思想だった のではないですか。審査のほうがみんなばらばらになったとすると、第三者認証機関制 度を少し考え直さなければいけなくなる。 ○広瀬室長補佐  そういうことではなくて、一旦認証したものに対して別の機関でまた認証される際に は1から審査をするということになるのだと思いますが、それが同一の認証機関に対し て、同じ品目として申請されるのであれば、そこは認証機関の中でかなり審査が省略で きる部分もあるのではないか、ということを申し上げたつもりですが。 ○石川委員長  Aという認証機関とBという認証機関では考え方が違うかもしれませんが、法律の根 本となっていた23条基準に基づいて云々かんぬんというところは変わらないはずです。 何々の資料を要求しなさいも変わらないはずです。そこの差はほとんどなくて、差が出 るのは、それぞれの認証機関の対アプリカントに対するサービスしか違わないはずです。 行政は何もしないで、これは民間、民間だからそれぞれやりなさいというのは、あまり にも手を離しすぎではないのかな。制度を作っておきながら、それはそっちでやってく ださいというようなのは何か納得がいかない気がします。これは非常に根本的な話なの で議論するのに時間がかかると思いますので、よくご検討して次回までに回答していた だければと思います。 ○山本室長  事業の承継が円滑にいくようなシステムにするのは重要だと思います。ただ現在の法 制上は、承認と全く同じ法制で認証はできないということなので、そこは今後、どうい うあり方を考えるかを含めて検討したいと思います。 ○石川委員長  私たちの理解も、承認と同じとは思っていなくて、そのクラスも違う。ですから同じ であるはずがないと思っているわけです。先ほども言われたように、産業の活性化をし なければいけないのに逆の方向の規制というのは、あまり意味がないと思うので、そこ は納得ができる、理解ができやすいような形での運用ができるように行政のほうで、あ る程度の指導なり何かを出さないと。全部民間で、どうぞどうぞというのでは。それは 彼らがというか、言葉は悪いですが、彼らは民間ですから、仕事、ビジネスですから、 そのことに関してコンフリクトが完全に起きてしまうわけです。そこは考えていただき たいと思います。そこは制度の問題なので、じっくりと、納得いくような対応をしてい きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○山本室長  次は、安全管理に関することです。 ○石川委員長  安全管理に関しては全部で5項目あります。私のほうの委員会から提案しているのは 3つ、引き続いてACCJから2項目ほど提案をさせていただきます。1番目は不具合 報告関連です。今回改正薬事法に伴うといいますかタイミングが合ったといいますか、 定期報告制度を新たに作られたわけです。この場合には不具合の事象、品目も含めて、 大臣指定されたものは定期報告になるという非常にいい制度だと思うのです。実際問題 として定期報告に対する、この品目が、この不具合が定期報告になりますよという症例 が1件もありません。ということは使いようがない、要するに利用できていないという ことなのです。これは医薬品をベースと考えますと母数が全然違いますので、発生率と か、統計的にいったら機器は合いません。そういうことではあまり意味がないので、や はり機器の特性を踏まえ、また諸外国の例も踏まえながら、この定期報告制度をできる だけ活用していく方向を考えていただきたいというご提案です。 ○山田室長  安全対策課の山田ですが、私からお答えいたします。この制度については、ご承知の ように昨年4月に、不具合の報告制度を大きく変更して新たに導入した制度です。ご指 摘のように、現在まで検討はしているのですが、医療機器の種類ごとの不具合の発生率 をどう捉えるかとか、具体的な発生率のデータについてということで、なかなか難しい ところがあり、未だ品目がないという現状です。いまのご指摘で医薬品並びというよう なことがありましたが、不具合の発生率に基づく定期報告の制度は医療機器特有の制度 です。医薬品にはありませんので、医薬品に引っ張られたとかということは全くありま せん。今後の具体的な運用方法については引き続き検討していきたいと思っております。  FDAが同様の制度を実施していると聞いておりますので、その状況も踏まえ、業界 の方々あるいは専門家の意見も聞き、適切な運営を目指して今後検討したいということ です。 ○石川委員長  ありがとうございます。是非、検討を続けていただきたいと思います。不具合と定期 報告、あまり企業にとってはよくないかもしれませんが、逆に言うと、行政のほうのリ ソースもセーブできますし、我々のほうのレポートのコストもセーブできます。しかも 一般国民に対しては、きちんと不具合報告の開示もやっていますし、別に問題ないと思 っていますので、是非よろしくお願いいたします。  次は2番目の添付文書の電子化の問題に入ります。添付文書の電子化に関しては、い ま医機連で出した報告書にもありますように、なかなか電子化は進んでいないというこ とで、岸田さんからもお叱りを受けておりますが、なかなかうまくいかないのが実情で す。これは先ほど言った移行通知の問題、記載のところの表示の問題がまだ明確になっ ていない等々があり、業界が二の足を踏んでいるところだと理解しています。さらに、 添付文書を電子化することに関しては、企業にとっては非常にコストがかかることです。 そのために新たな仕組み、設備投資をして行わなければいけないと。特に中小において は、かなり大変な作業になっていると理解しております。しかしながら、世の中がいま 電子化がどんどん進んでいます。そういう中において、一方で電子化を我々はしますが、 機構といろいろ話をしている中において、電子化をするのならそろそろ紙物をやめたら どうだろうかと。そういうことによって労力というかコストをセーブすることが重要で はなかろうかと。  そのためには、ということでよく言われているのは、受取側の、医療機関側の情報が きちんと電子化されているのかがよく条件に出されます。ならば今回の医療法の改正に おいて、そこが改正されて管理をもっとしろということが出たわけですが、もっと明確 に利用側、つまり使用者側においては「医療機器情報管理室」をきちんと明確につくる ということ。そのことに対するインセンティブも与えながら、電子化を受取側のほうも 進めていかないと、医療機器メーカーだけに電子化しろと言ってもあまり意味がない。 紙物をできるだけなくすことと、医療側というか、使い側のインセンティブも含めて質 を出していただきたいというお願いです。 ○山本室長  問いが前半と後半に分かれておりますが、まず前半の添付文書についてお願いいたし ます。 ○山田室長  添付文書等の電子化について安全対策課からお答えします。ご指摘のようにいまIT 化が進展しており、電子的な情報伝達はこれから広がっていくのではないか。また、積 極的にやっていかなければいけないと考えています。  原則論ですが、添付文書すべてを仮に電子媒体のみで提供することになりますと、思 わぬ自然災害の発生や、あるいはコンピューターアクセスに障害を生じるという場合も 想定されます。そうした場合、医療現場では添付文書が確認できないということにもな りかねませんので、現時点においては、すべての紙の添付文書をWeb上の電子的な添 付文書とか、そういったものに置き換えるのはなかなか困難ではないかと考えておりま す。  ただ添付文書を含めた医療機器の安全性あるいは適正使用に係る情報を、医療現場に 適切に提供していくことについては、医療現場の理解と協力がもちろん前提となります が、ご指摘の添付文書を含めた情報の電子化の可能性について検討していきたいと思っ ています。また、どういう部分でということについても、さらに検討をし、業界側と引 き続き意見交換をしていきたいと考えております。 ○山本室長  後半の部分は、医療安全推進室の話ですが。 ○広瀬室長補佐  薬事法を超える部分ですが、私から紹介いたします。平成17年6月に「医療安全対策 検討会議」の報告書の中で、今後の医療安全対策についてまとめられたところです。こ の報告書においては、医療機器の安全確保に関して、当面取り組むべき課題として、医 療機器に起因した健康被害や医療機器の不具合の情報について、医療機関における収集 提供体制を強化して、改善方策等に関する情報について関係者全員への周知徹底を図る という趣旨の提案がされたところです。今回医療法の改正において、医療機関の管理者 に対して医療安全確保の体制をつくるなどの義務づけがされております。今後、医療安 全対策検討会議の報告書等も踏まえ、医療機関における機器の情報管理体制についても 具体的な内容の検討を進めていきたいと考えているところです。 ○石川委員長  ありがとうございます。是非、お願いします。これは両面で攻めないといけないこと だと思います。それと山田室長が言われた中で、私たちの提案は1回に全部とは言って なくて、段階的に電子化をしていこうというように書いてありますので、いきなり全部 という乱暴なことは申し上げておりませんので、是非、ご協力願いたいと思います。  いまの医療法の件は承知しておりますが、できれば医療機関側の情報と我々のほうの 情報を、どこかで一括して情報収集をしないと本当の医療安全にならないと思いますの で、これはまた別の機会のときに申し上げたいと思いますので、またよろしくお願いい たします。  次は3番目です。具体的な事例で申し訳ありませんが、いま「ヒヤリ・ハット」を見 てみますと人工呼吸器の問題がまだ多いわけです。平成13年に通知が出ているわけです が、それでもまだ起きているというのは何が問題なのかを考えなければいけない。これ は使用者というより患者のほうの問題になるわけですから、使用者側のほうにおいて、 これを新しいものに換える決断をどこかでしなければいけない。残念ながら、いまは予 算がないとか、補充がない等でそのままになっている状態と。このままですと、物をつ くっているほうとしては、いつまで経っても、耐用年数が超えても我々はいろいろなこ とをしなければいけないという面がありますので、出来る限り医療機関側に対するイン センティブを与えて、同じことの繰返しがないようにしていただきたいと思いますので、 ご検討を願えればと思っております。 ○山本室長  これについては。 ○広瀬室長補佐  これについてもこちらでお答えいたします。まず医療事故防止を図るということで、 例えば人工呼吸器については平成13年に医薬発第248号で厚生労働省医薬局長通知があ り、対策や基準を定め関係企業における積極的な取組みを要請し、医療事故を起こしに くいものへの改良が実施されていると認識しているところです。医療事故防止を図るた め改良を行った医療機器の対策費、要するに旧製品との切換えについては、安全確保や 安定供給等に配慮しつつ、混乱のないように行う必要があると考えております。切り換 える方法については、各医療機関が改良製品を供給する企業との間で話合いつつ、その 状況に応じ個別に決めるべき問題かと思います。  なお、税制面については、すでに平成15年度より租税特別措置法で医療安全に資する 医療機関等の導入に伴う税制優遇措置、具体的には医療安全に資する医療機器を購入し た際に、購入額の20%の特別償却を行う制度を創設し、人工呼吸器などを対象機器とし ているところです。 ○山本室長  これについて追加ありませんか。 ○石川委員長  それでもまだ起きている、なぜかを考えていただきたいという提案です。それは重々 メーカー側はわかっていますし、メーカーも何度も足を運んでいるわけですが、それで もまだユーザーのほうで抱えている理由はどこにあるのでしょうか。それを我々メーカ ー側が何とかしようとしても無理です。そこを考えていかないと、いつまで経っても同 じものがヒヤリ・ハットで上がってきて、どこかから、いつまで経っても、どこそこは 何の手も打ってないではないかということになるわけです。せっかくあるヒヤリ・ハッ ト報告の制度も意味がないようになってしまう。それは何かもったいないような気がす るのです。そういうのも含めて、これは安対課のマターではないのかもしれませんが、 厚生労働省として、全体として考えていただければと思っております。 ○山本室長  千村室長が、医政局からコメントがあるということなので、ひとつお願いします。 ○千村室長  医政局医療機器・情報室長の千村です。医政局の中で医療安全推進室が中心になり、 医療機関における安全確保等々についての仕事をしております。いまのご指摘は十分承 り持ち帰りたいと思います。 ○山本室長  では、次をお願いいたします。 ○岡本氏  ACCJ RAQAグループの岡本と申します。今回市販後に関して2点ACCJから 提案をしております。第1点目は、不具合報告に関する総合機構の役割の見直しです。 実は平成13年ごろ薬事法を変えるという話があり、そのときからACCJはいろいろな 提案をしております。具体的には、平成14年1月に文書として提案書を出しています。 その中に、例えばISO13485を取り入れることやSTEDを取り入れることなども提 案して、実際に採用していただいております。  実はその中に、医療用具不具合情報センターをつくりませんかという提案をしました。 先日ある人から、総合機構で安全対策をするようになったのはACCJからの提案、医 療用具不具合情報センター設立の提案によるものだとお聞きし、ちょっと驚いたわけで す。であれば当時の趣旨をもう一度ここで説明して、その方向で検討いただければと思 っていました。趣旨はここに書きましたが、アとイの2項目あります。  ア、集めた情報を有効に使えるようなアウトプットをいただければということです。 具体的には、我々メーカーにとっても有用ですし、使用される医療機関や患者にとって も有用な情報がたくさん集まっていると思いますので、それらを、例えば類似の医療機 器ごとに分析するとか、情報としてのアウトプットを総合機構からいただければと思っ ています。さらに、この点は審査のほうも総合機構で行われていますので、承認審査に おけるリスク分析でも活用していけるのではないかと。製品のライフサイクル、市販前、 市販後にトータルでの見方をすることによって、先ほどから意見が出ております、ある 程度リスクを許容した上で市販して、そこで情報を集めて、市販後の安全性からトータ ルな安全性を担保していくこともアイディアとして生まれてくるのではないかと思って います。  2つ目は、業界ではもちろん安全対策を十分やっていく必要があります。それ以外の 医療機関や流通での問題もあります。いずれにしても患者にとってトータルで安全な情 報を、安全な医療機器行政をしていだけるような情報の収集と伝達をお願いしたいと思 って、平成14年にそうした独立した安全性情報のセンターをつくってくださいという提 案をしました。そもそもの観点に立ち返って、この辺についてもご検討いただければと 思います。 ○山本室長  これについては、まず安対課からお願いします。 ○山田室長  安全対策課からお答えします。ただいまご説明がありましたように医薬品医療機器総 合機構は平成16年4月に設立されたわけです。その際に、それまで本省の安全対策課 が行っておりました副作用、あるいは不具合等の安全性情報を収集し分析する機能を、 「安全部」を設置して、そちらのほうで一元的に行う体制を構築いたしました。総合機 構では安全部の人員等もだんだん充実させてきておりますが、不具合情報については個 別の品目、あるいは個別の不具合に対応した対策がある程度、主になっていると思いま す。ただし、ご指摘のような横断的な分析、必要に応じた情報提供、また安全対策措置 についても、総合機構の安全部で必要に応じてやっていると理解しております。これか らも十分な安全対策が行われるように、私ども安全対策課と連携を取りながら進めてい くということです。  ご提案の中に「個別事象の対応は地方自治体に」とありましたが、やはり医療機器の 安全対策というのは、個別の機器であっても全国的に使用されているわけですので、不 具合等の安全性情報については全国的に収集をして、対策を講じることが適切ではない かと思っております。ご提案ではありますが、一地方自治体が情報の収集整理を行うよ りは、やはり総合機構で一元的に実施すべきではないかと考えておりますので、よろし くお願いいたします。また、この点についてお気付きのことがありましたら、いろいろ 協議をさせていただきたいと思いますので、ご指摘をよろしくお願いいたします。 ○山本室長  よろしければ次にいきたいと思います。 ○岡本氏  いまの件については山田室長のほうにご相談に行きたいと思います。2番目ですが、 自主回収は現在都道府県の管轄になっています。自主回収にクラスの1、2、3とあり、 IIIはほとんど健康被害もないものですが、実際の事務手続上はクラス1も2も3もほと んど同じ手続をしております。唯一違うのは、プレスリリースの準備があるかないかで す。実際には報告書を何通も出したり、回収が終わった段階では、1本10円ぐらいの医 療機器であっても、トータルの出荷数と回収数がピッタリ、±0になるまでチェックを しないとできないというような、クラス3のわりには大変なことを要求されています。 多分、一部は都道府県の規定でそうなっているのだと思いますが、その辺の実態をご検 討いただいて、回収のレベルに応じた規制を、もう一度お考えいただければと思って提 案をしました。 ○山本室長  これにつきましては監視指導課からお願いします。 ○光岡課長補佐  監視指導・麻薬対策課の光岡です。確かに自主回収という意味ではクラス分けがされ ています。ただクラス2クラス3が全く健康被害の原因にならないかというとそうでは なくて、やはりクラス2の、医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性もある。 クラス3は、いわゆる製造管理や品質管理等、何らかの問題があったから回収を行って いるわけです。だから回収しようとしているということもあります。クラス分けは、起 こり得る健康被害等の内容によってされているに過ぎないので、やはり回収はきっちり とやっていただくことが当然必要なわけです。また、それを速やかに国民の皆様に公表 するということは、どうしても必要になってくるのではないかと私どもは思っておりま す。 ○山本室長  それでは最後に臨薬協からお願いします。 ○近見委員長  臨薬協の近見と申します。臨薬協から2つだけ提案をさせていただきます。我々検査 役業界にとりまして、先に医機連関係からあったことはほとんどの場合は体診に係るこ とがありますので、その辺を十分ご了承をいただきながら、忘れずに対応していただけ ればと思っております。  1つは、体外診断用医薬品の承認前試験のあり方についてで、試験ロットの見直しで す。ツウキンによると承認前試験には原則3ロットが必要とされているのですが、外国、 特に輸入品等においては、すでに外国で製造されて流通しているものについて3ロット 揃えるのはかなり至難の業です。通常有効期間が切れてから、外国では流通されている ものは製造するということですので、非常に3ロットは難しく、承認前の試験に提供す る製品は1ロットでも確保していただきたいというお願いです。「原則」と書いてありま すので1ロットでもいいですよ、ということであるのかもしれませんが、その辺は、あ る程度コンセンサスを得た形にしていただければと思っています。  審査の効率化です。資料の後ろのほうに機構のデータがありますが、要は承認前の流 れとして、審査官による審査の書類整備と、その後の試験開始前に感染研による申請資 料の確認と書類整備が行われるということで、同じようなことを行うケースが、ある事 例があったということです。全部終わった後、審査官による審査が行って、また専門協 議があるということで、非常に重複感があるのではないかということです。少なくとも 審査官と感染研担当者による申請資料の審査を並行して行うなど、審査の効率化を図っ ていただきたいというお願いです。 ○山本室長  機器室から回答をお願いします。 ○広瀬室長補佐  最初のロットの見直しですが、なぜ3ロットかというと、ロット間の差をチェックす るのが目的です。ご要望では1もあるのですが、1だとなかなかロット間の差を調べる ことができない。過去において、複数の製品でロット間差が認められていることもあり ますので、これを確認するためにも、ご要望ではありますが、原則3ロットを求めてい る状況をご理解いただきたいと思います。  2の総合機構では、今日の資料のいちばん最後の頁に「全体の承認前の審査の事務処 理の流れ」がありますが、基本的に感染研の体外診断用医薬品委員会における疑問等の 照会事項の確認に先立ち、一応ものが不十分なものについては基本的な整備を機構から お願いしているところです。図を見ていただいても、機構で審査しているのと、感染研 で審査しているのを、一応並行して流していますので、ご理解いただきたいと思います。 ○木下部長  機構から補足して説明します。今日お配りした絵をご覧ください。これを実施し始め たのは昨年度末、すなわち今年の3月ぐらいからです。多分、ご要望の点は、それ以前 の状態を念頭に置いておられるのではないかと思います。現状はこのような形で整理し、 運用してしますのでご理解いただきたいと思います。 ○近見委員長  最初の3ロットの話ですが、現実難しさは非常にあります。確かにばらつきがあるの ですが、それでは何ロットがいいのかというと、本当にロット数は限りがなくて3ロッ トでも足りないという先生もいますし、その辺の問題もいろいろあります。我々として は個別に入手できにくいものについては、ご相談にのっていただければと思っています。  同時開発の製品は3ロットは非常にできやすいのですが、先ほど申しましたように、 有効期間2年あるものを、外国でもルーチンに売っているものについては、2年間切れ ない限り新しいロットを製造しないとなると、何年も待たないといけないことが現実に あると聞いておりますので、その辺の考慮をお願いしたいと思います。 ○広瀬室長補佐  さすがに1は難しいかもしれませんが、原則ですので、どうしてもという場合はご相 談いただければと思います。 ○近見委員長  よろしくお願いします。 ○山本室長  では、最後をお願いします。 ○近見委員長  これは前回もお話をしましたが、体外診断用医薬品の手数料の見直しです。体外診断 用医薬品については、同じ第2種医薬品である一般用医薬品の機構の手数料が11万30 0円ですが、体外診断用医薬品は、基準ありの品目であっても28万2,900円は非常に高 いということです。  後ろのほうは売上規模の話ですが、規模的にも体診のほうは一般用医薬品に比べると 4割程度で、かなりスケールも小さく行っており、開発費の負担が非常に大きくなりま すので、手数料の見直しを行っていただきたいということです。あとは、一般用医薬品 と体外診断用医薬品についても、審査の実態に基づく算定根拠を示していただきたいと いうことです。これは工程数等によって違うので、私としては、どういう工程数でこの ような値段が決まったかがちょっと不透明ですので、この辺を明確にしていただければ と考えております。  この経費は大きな問題があり、ここには書かなかったのですが、手数料はこのほかに 承認基準無し品目とか、その他に申請品目があります。その手数料についても掛け算の やり方が不明確のため、膨大な、1品目何百万も払わされるというケースも見受けられ ているということですので、そういう内容の見直しも含め、通知等で考え方を示してい ただければと思っております。 ○山本室長  これについてもお願いします。 ○広瀬室長補佐  手数料の単価は市場規模というより、各業務に要する費用の積み上げの結果算出され ておりますので、1件当たりの費用として人件費や物件費、それと機構の組織単価に所 要時間を掛け算をして、システム経費や事務所借料等の実費相当額を加えて計算してい るところです。詳細はお示しできないのですが、手数料単価設定時の受付けから審査、 結果の記録等の所要時間として、一般用医薬品として計算した場合は10.59時間。体外 診断用医薬品について承認基準があるものという形での基本的な考え方では、25.63時 間と、やはり時間数に差が出ております。体外診断用医薬品の改正前については、後発 の一般用医薬品と体外診断用医薬品の区分として同じ丸めた数字で評価をしていたので すが、今回は分かれたということで、それぞれ時間数にばらつきが出ております。こう いった診断情報のリスク等により手数料を分類して、所要時間に応じて見直しを行った ことから、このような金額の差が出てきていることをご理解いただきたいと思います。  手数料の見直しについては原則3年に一度行われてきておりますので、次の機会には 見直しを含め検討をしたいと考えております。 ○近見委員長  見直しをするということでお願いいたします。先ほど一般用医薬品については、安全 性が体診よりもはるかに求められて、より多くの時間が費やされるのではないかと思っ ておりますので、その辺審査の効率化という意味で、本当にそれだけの工程数はかかっ ているのかというのは、我々にとってはちょっと納得し難いところですが、今後見直し ということでよろしくお願いいたします。 ○山本室長  これで本日意見交換を予定しておりました21項目についての討議は一通り終了いた しました。ここで締めくくりとして和地会長から、お言葉をいただきたいと思います。 ○和地会長  長時間、本当に率直な意見交換をありがとうございました。新しいことをやっていく のには必ずいろいろと問題がありますし、立場上の意見の相違等がありますが、やはり 大事なことは、お互いの信頼感を失ってはいけない、そのためのコミュニケーションだ ということと、それと問題は、前向きに両方で捉えていくことが大事だと思いますので、 我々業界側としても心してやっていきたいと思います。  私はしつこく医療機器の特性を申し上げて、もう耳にタコができていると思います。 ご承知のように医療機器が表舞台に出たのはこの数年なのですね。表舞台に出ましたが 舞台は依然として変わっていない。例えば教育のシステムやトレーニングのシステムは 全然変わっていない。また品種も、薬が1万7,000に比べて、こちらは30万、人によっ ては50万だと言われており非常に多種多様です。この特性をもう一度、我々もそうです が、謙虚に受け止めてその特性を活かすようなシステムを是非お願いしたいと思います。 あまり繰り返すと嫌われますが、是非、その辺はよろしくお願いしたいと思います。今 日は、本当に長いことありがとうございました。 ○山本室長  引き続き行政側からの発言で、まず黒川審議官からお願いします。 ○黒川審議官  審議官の黒川です。和地会長が言われたこととほとんど山彦という感じになります。 お互いに努力をしながら相手方の問題について考え、思いを述べて、最終的にはできる だけ早く良いものを繰り返し安定的に医療の第一線、患者にお届けできるようにしたい。 今回、私どもも前の国会で薬事法改正、これは一般用医薬品ですが、抱えており物理的 になかなか時間が取れなかったこともありまして、今回は多少トラックの荷物が多かっ たということもあると思うのです。これについては可能な範囲で、あるいは合理的な範 囲である程度頻繁に意見交換をして、それで、例えば3分の2は新しい問題、残りの3 分の1はこうなりましたといけるような姿を思い描いて、またお目にかかることを楽し みにしていると言うとあれですが、励みに仕事に邁進してまいりたいと思います。今日 は本当に長い間ありがとうございました。 ○山本室長  引き続き岸田技監、豊島センター長からお願いします。まず岸田技監からお願いしま す。 ○岸田技監  今日のお話を聞き、総合機構で言えば医療機器の審査部門と安全部門の連携、それか ら医療機器の審査部門と品質管理部門の連携、こういったものが非常に重要であるとい うことを思いました。また安全部においても、より科学的な不具合報告の評価といいま すか、そういったものについても、より求められているということでございます。そう いったことについて、しっかりと努めていきたいと思います。  また業界等と、やはり話合いの場が必要だと思いますので、今後ともよろしくお願い 申し上げます。 ○豊島センター長  審議官と技監から話があった通りなのですが、今日いちばん感じたのは、大事なこと はコミュニケーションの必要性だと思うのです。本日みたいな会議、審査のほうに関し て申し上げると、やはり実務担当者間の話合い、コミュニケーションが必要でしょう。 また、我々の所で設けている相談制度をしっかり利用していただくことも重要だと感じ ました。今日はいろいろ、お話ありがとうございました。 ○山本室長  次回の意見交換会ですが、このような意見交換会については3カ月後を目途というこ とで10月に行いたいと思います。また、今日の会議の途中で、他の場でやるということ が縷々出ましたが、それについては、それぞれの適切な場でもって、その間にも進めさ せていただくというようにしたいと思います。  以上で本日予定の議題はすべて終わりましたので、これにより閉会をさせていただき ます。本日はどうもありがとうございました。