06/03/30 小児薬物療法検討会議 第1回速記録             第1回 小児薬物療法検討会議                           平成18年3月30日(木)                  於、厚生労働省17階 専用第19・20会議室 ○事務局  ただいまより小児薬物療法検討会議を開催いたします。それでは開催に際しまして大 臣官房審議官医薬担当の黒川よりごあいさつを申し上げます。 ○黒川審議官  大臣官房審議官医薬担当の黒川でございます。先生方におかれましては、御多忙にも かかわらず本検討会への御参加について快くお引き受けを賜りましたことを、まず心よ り厚くお礼を申し上げます。また、日ごろより厚生労働行政につきまして格別の御支援 をいただいておりますことをあわせてお礼申し上げます次第であります。  さて、先生方も御案内のとおり、一般に小児に使用される医薬品には用法・用量が明 確でないなどの理由で、医師が使用しにくいというような問題が指摘されております。 また、一方では経済的な理由等もございまして、製薬企業が小児用量、小児用法などの 検討はなかなかされにくいという場合もあるという指摘をされ、承知しているところで ございます。  そこで医薬品自体は我が国で既に承認されているものの、小児の用法・用量や効能効 果が確立されていないため、なかなか適切な治療環境が整えられていないケースについ て、これを解消することが本日お集まりいただいた小児薬物療法検討会議の先生方にお 知恵を拝借いたします問題かと思っております。また、解決すべき問題とも考えており ます。  すなわち小児薬物療法に関する科学的なエビデンスを収集いたしまして、先生方によ る科学的な評価を経ることによって、有効性、安全性を確認しつつ、用法・用量等の明 確化を図っていきますとともに、医療従事者への情報提供を推進したいと考えている次 第であります。そのためにも先生方のお力添えをちょうだいいたしまして、小児薬物療 法に関する環境整備を迅速かつ力いっぱい進めてまいりたいというのが我々の考えてい るところでございます。  先生方には御多忙のところ、本検討会への御参加のお願いを申し上げ、まことに恐縮 ですが、何とぞ趣旨を御理解いただき、協力をいただきまして、患者様、その御家族及 び医療従事者の方々の御要望に迅速にこたえていきたいと考えております。第1回の検 討会議の開催に当たりまして、一言お願いと今回の検討会議の趣旨を御説明申し上げま して、私のごあいさつにかえさせていただきたいと思います。きょうはどうもありがと うございました。よろしくお願い申し上げます。 ○事務局  それでは本日御出席いただきました先生方の御紹介をさせていただきます。先生方の 名簿につきましては資料2に示させていただいております。  東京大学医学部教授の五十嵐先生でございます。  香川大学医学部教授の伊藤進先生でございます。  国立病院機構東京医療センター病院教育研修部長・小児科医長の岩田先生でございま す。  東京女子医科大学医学部小児科主任教授の大澤先生でございます。  神奈川こども医療センター病院長の大浜先生でございます。  国立成育医療センター病院特殊診療部遺伝診療科医長の奥山先生でございます。  国立成育医療センター病院薬剤部長の櫛田先生でございます。  国立成育医療センター病院臨床検査部長の田中先生でございます。  滋賀医科大学医学部講師の中川先生でございます。  国立成育医療センター病院治験管理室長の中村先生でございます。  藤田保健衛生大学医学部教授の橋本先生でございます。  国立成育医療センター総長の秦先生でございます。  大阪府立母子保健総合医療センター病院長の藤村先生でございます。  明治薬科大学教授の古澤先生でございます。  国立成育医療センター病院手術集中治療部長の宮坂先生でございます。  昭和大学病院薬剤部長の村山先生でございます。  横浜市立大学医学部教授の横田先生でございます。  本日は参考人として、日本外来小児科学会から慶應義塾大学助手医学部小児科学の関 口先生にお越しいただいております。  続きまして本検討会議について簡単に説明させていただきたいと思います。お手元に 資料1として検討会議の開催要綱を配布いたしました。開催要綱(案)の目的でござい ます。小児薬物療法を行うに当たり、小児における標準的な用法・用量が明らかでない ことや、小児医療に必要な適応が承認を受けていないこと等の理由により、事実上、小 児に投与することが困難な医薬品が存在することが指摘されております。  小児医療におけるこれらの問題点を解決するため、本検討会議では、小児薬物療法の 有効性及び安全性に関する文献的エビデンス等の収集及び評価及び国内における小児へ の医薬品の処方実態の把握等を行い、さらにエビデンスを医療従事者に情報提供するこ とにより、適切な小児薬物療法が行われるよう環境整備を進めることを目的とします。  2つ目に検討事項でございます。1つ目が小児薬物療法の有効性及び安全性に関する 文献的エビデンス等の収集及び評価、2つ目が国内における小児への医薬品の処方実態 調査の実施及び結果の評価、3つ目が得られたエビデンスの医療従事者への情報提供、 これらについて御検討をいただきたいと考えております。  委員につきましては先ほど御紹介させていただきましたとおり、小児領域における薬 物療法に関する医学的薬学的な学識経験を有する先生方で構成しております。  この2つ目ですが、検討会議は委員のうち1人を座長として選出することとなってお ります。事務局といたしましては、国立成育医療センター総長の秦先生に本検討会議の 座長をお願いしたいと考えておりますが、委員の先生方いかがでございましょうか。                   (拍手)  それでは座長は秦先生にお願いしたいと存じます。秦先生、座長席にお移りください ませ。 ○秦座長  大変僣越でございますが、座長を務めさせていただきます。よろしくお願いします。 ○事務局  それでは秦先生、以降の議事進行をお願いいたします。まず座長代理を御指名いただ けますでしょうか。 ○秦座長  代理という変な役割をお願いして大変申しわけございませんが、藤村先生に座長代理 をお願いしたいと存じますが、いかがでございましょうか。                   (拍手) ○事務局  それでは座長代理は藤村先生にお願いしたいと存じます。藤村先生、座長代理の席に お移りいただけませんでしょうか。 ○秦座長  それでは本日の議事を進めさせていただきます。まず最初に本日の配布資料の確認を 事務局からお願いいたします。 ○事務局  それでは配布資料の確認をさせていただきます。配布資料一覧としてお手元に資料1 の「小児薬物療法検討会議」開催要綱(案)、ただいま読み上げさせていただいたもの から、資料8の「小児薬物療法検討会議」において検討を開始する薬物療法(案)まで の資料と、あとは参考1〜参考10、参考資料につきましては1つの文書としてまとめ させていただいております。以上が配布資料となります。 ○秦座長  何か資料の欠落等はございませんでしょうか。もしありましたらお知らせいただきた いと思います。それでは本日配られている議事次第にそって議事を進めさせていただき ます。まずは議題3として「小児薬物療法検討会議」の趣旨などについて、事務局から 御説明をいただきたいと思います。 ○事務局  議題3の「小児薬物療法検討会議」の趣旨等について、資料の3「小児薬物療法検討 会議」における検討事項(案)に基づき御説明させていただきます。  本検討会議においては、小児薬物療法を推進することを目的として、1つ目に小児薬 物療法に関するエビデンスを総括的に収集し、2つ目に収集したエビデンスを科学的に 評価し、3つ目に評価したエビデンスを医療従事者に提供する、これらについての御検 討をお願いしたいと考えております。  それぞれの詳細につきましては、(1)エビデンスの収集といたしまして、具体的に は検討対象とする薬物療法の選定、選定した薬物療法に関する文献的エビデンス等の把 握、この文献的エビデンス等と申しますのは、欧米4カ国、英米独仏の承認状況や文献 報告、国内使用実態についての情報を指しますが、これらについて調査して把握してい ただく。次に既存の資料で不十分な場合には国内処方実態調査を追加で実施することを 行っていただきたいと考えております。  2つ目のエビデンスの科学的評価につきましては、1.エビデンスの収集、収集した エビデンス、即ち文献的エビデンス等や国内処方実態調査結果について科学的評価を行 っていただく。  3つ目のエビデンスの提供に関しては、1及び2で得られたエビデンス及びエビデン スの評価結果につきまして、医療従事者へ情報提供を行う際の方法、添付文書の改訂の 要請、あるいは承認事項一部変更承認申請の要請について御検討をしていただくという 御検討事項を考えております。   秦座長 どうもありがとうございました。本検討会議の検討事項についてただいま御 説明いただきましたが、何かこの検討事項に関して御討議をしていただくこと、あるい は質問などがございましたらお願いいたしたいと思います。委員の先生方何か御意見を お持ちでいらっしゃいましょうか。例えばこういうことを追加するべきだとか、こうい うようなことを含めていかがでしょうか。 ○藤村委員  1番2番は今までもいろいろ議論されてきてよくわかりますが、3番について耳新し い点もあるので御質問をしたいのですが、医療従事者への情報提供ということで、従来、 医薬品は添付文書で基本的には承認された内容で情報提供をされている。ここで先ほど 御説明がありましたとおり、添付文書の改訂も含めというふうなことを説明いただきま したが、かなり薬の有効性・安全性というのは法的に定められた情報ですから、うかつ に情報提供というふうな形にはできないと思うので、どのような形をお考えなのか、あ るいはそれもここで議論するのか、その辺はちょっと提案者の方から御説明をいただけ たらと思います。 ○事務局  それでは事務局の考え方について御説明させていただきます。エビデンスの提供の医 療従事者への情報提供の方法でございますが、事務局といたしましては、第一にいただ いたエビデンス個々について、あるいは添付文書の中の情報提供、小児への安全性の部 分、安全性が確立されていないというところについて評価結果を記載していただく、あ るいは承認事項に係るところにつきましては、承認事項一部変更承認について企業に要 請していただく、それぞれの個々のケースによって大きく異なることがあると思います ので、その点も含めてこの検討会議で先生方のエビデンスの評価結果の御報告の後に御 検討をいただければと考えている次第でございます。 ○秦座長  藤村先生、よろしゅうございますか。  ○藤村委員  今のお話で、要はこの検討会議から何か直接的に医療従事者に情報提供を何かすると か、そういうふうな意味ではないですね。この文章自身がちょっとわかりにくかったの で。今のように個々のエビデンスについて評価して、添付文書の一部、小児の今まで安 全性がまだ不確実だとか、そういったところについてどういう評価するかとか、あるい は承認事項の一部をやはり改訂する必要がある、企業の方と相談する、そのような提言 を行うとか、そういうふうな理解をしてよろしいですか。 ○事務局  おっしゃるとおりでございます。 ○秦座長  医療従事者への情報提供という、一言で書いてありますが、今、藤村先生が御指摘に なったように、非常に重要、しかもかなり微妙な問題も含んでいると思いますので、こ の点に関してはこの検討会議で今事務局からと藤村先生との間で討議されたことを十分 確認するということで進めていきたいと思いますが、そういうことでよろしゅうござい ましょうか。  他に何かこの検討事項について御質問など、あるいは御討議などはございませんか。 ○宮坂委員 1番のエビデンスを収集のところで、検討対象とする薬物療法の選定、こ れの具体的なやり方というのはこれから討論するということですか。 ○事務局  おっしゃるとおりでございます。具体的には資料5でどのようなものを検討対象とす るかのクライテリアを提示させていただく予定でございます。 ○宮坂委員  というか、その選定の仕方も含めてこれから討論するということですよね。 ○事務局  おっしゃるとおりでございます。 ○岩田委員  東京医療センターの岩田ですが、先ほどの藤村先生の質問に関連してですが、そうし ますと我々がエビデンスをいろいろ探して、こうこうこうですよというふうなことで、 ここはもっと適応を広げたらいいのではないかというようなことになった場合に、国内 で臨床試験とかやらないで添付文書が改訂される可能性があるということなんでしょう か。 ○事務局  得られたエビデンスのレベルにもよると思いますが、科学的評価をこの会議で行って いただいて、その結果、これは相当程度のエビデンスがあるとする場合には、安全性の 情報について添付文書の改訂を各関係企業にお願いすることとなると思います。それは いわゆる治験を経ずにエビデンスの収集情報として、この検討会議から関係企業へのエ ビデンスの評価結果も含めて御提供いただくことを考えております。 ○川原医薬食品局審査管理課長  今の御質問でございますが、話が出たかもしれませんが、この小児の話に先行するよ うな事例としまして、抗がん剤の適応外の問題がございまして、それがこれとちょっと 似たようなスキームで処理をさせていただいたんですが、その場合も海外のエビデンス で十分であろうということであれば、国内で新たな臨床試験とか、そういったものは行 わずに、場合によっては症例報告とか、そういったものの集積でエビデンスレベルとし ては低くなりますが、そういったものでも追加とか、それから追加文書の改訂というこ とは行われ得るということでございます。 ○秦座長  他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 ○事務局  お手元の参考資料の7、8に、詳しくは御説明いたしませんが、抗がん剤の併用療法 の拡大適応スキーム、課長から御紹介させていただいたスキームと、あとは岩田先生か らの御質問の関連した通知が参考の8及び、その通知に基づく承認品目リストを掲載さ せていただいております。 ○中村委員  このスキームにのるということは、似たような形であるということは薬食審での事前 評価を考えている、ここの迅速審査とか、薬食審の事前評価とか、抗がん剤の併用療法 はかなり猛スピードで進めていますが、流れはこれと似たようなということですか。 ○川原課長  同じようなことを考えております。 ○藤村委員  今の議論の流れの中で、以前に審査管理課長と研究開発振興課長が出された2課長通 知というのがあると思うんです。104号通知ですが、この通知とこの検討会で進めて いる作業とは関係があるように思いますので、もしよろしければその関係等御説明いた だけたらありがたいのですが。 ○川原課長  その104号通知につきましては、参考資料の8として35ページにございますが、 時間の関係上やや縮めて御説明申し上げますが、この通知は基本的に医薬品を供給する 企業が効能を追加するということで、全国統一でその効能に対して有効性、安全性、そ れから被害補償の関係も含めて使えるようになるというシステムでございますので、企 業の方に対してこういうものの場合には、この通知の内容を細かくは省略いたしますが、 こういうものを集めて一部変更承認申請をすれば、必ずしも国内の臨床試験、新たな薬 事法上の臨床試験をしなくても効能追加を可能としますよという通知なわけでございま す。  ただ、これはあくまでも企業に促しているわけでございますが、抗がん剤の時もそう でございましたが、企業としましても、ここは経済的な問題等もありますけれども、エ ビデンスを収集するだけと言いましても、効能の追加に投入しなければいけないリソー スの問題ですとか、いろんなことを考えますと、なかなか企業が進んでやってくれない というケースもございます。  やってくれている事例もございまして,その辺もリストとして37ページ以降に具体 的に効能追加をこの通知に基づいてやってくれたものについてもリストアップしてある わけですが、必ずしも会社の研究開発部門のリソースをどんどん投入してやってくれる という形にはなかなかなりにくいというところがございまして、医療の現場で小児科の 先生方のニーズの部分とちょっとギャップが起きているということで、そこを縮めると いう形で学会の方の御協力、各先生、ここにお集まりの先生方の御協力をいただいて、 こちらの方でもエビデンスを集めて、企業の方にも一部変更承認申請をより強く促して いくという、こういうスキームというふうにお考えいただければと思います。 ○秦座長  ここで事務局で用意していただいた資料3の本検討会議における検討事項というのは、 かなり総論的なことが中心に書いてありまして、細かい点に関しては、この検討会議で 検討していくという、そういう立場でよろしいわけですね。それで検討会議での合意の もとで結果として出す、そういう形でやっていきたいと思います。  今いくつか御質問がございましたが、今日討議する内容等もかなり絡んでおりますの で、それぞれの議題のところで討議をしていただくというような形になると思います。 そういう形でよろしゅうございますか。それでは総論的にこの小児薬物療法会議におけ る検討事項に関してという議題に関しては大体よろしゅうございますでしょうか。次に 進まさせていただいてよろしゅうございますか。  それでは議題4に入りたいと思います。議題4は小児薬物療法検討会議における検討 の進め方についてということでございます。これも事務局から御説明をいただきたいと 思います。 ○事務局  それでは議題4の小児薬物療法検討会議における検討の進め方について、資料4、5、 6、7まで用いて御説明をさせていただきたいと思います。  まず資料4ですが、こちらに本検討会議の検討のフローチャート(案)を示しており ます。まず学会からの候補薬物療法の要望を把握します。当方が把握している要望につ いては後ほど資料7でお示しいたします。これらの候補薬物療法について、これも後ほ ど御説明いたしますが、資料5で示す基準に即して検討を開始する薬物療法を選定して いただきます。  それぞれの薬物療法について、その領域を御専門とされる委員の先生を担当とし、文 献的エビデンス等の調査を検討会から依頼していただきます。検討会議の委員の専門分 野以外の場合には、参考人の出席を要請して、調査を依頼していただきます。担当委員 もしくは参考人は文献的エビデンス等の調査結果について、次回もしくは次々回の検討 会議で御報告をいただきます。その報告に基づいて当該薬物療法について検討会議で科 学的評価を行っていただくこととなります。  検討会議による科学的評価の結果、十分なエビデンスが存在すると評価された場合に は、検討結果を医療従事者へ情報提供する方法について御検討いただくこととなります。  一方で、追加エビデンスの収集が必要と考えられる場合には、国内処方実態調査の実 施を決定していただき、拠点医療機関ネットワークを活用した処方実態調査を行ってい ただくこととなります。処方実態調査については、結果の解析が終了次第検討会議に報 告され、その結果について検討会議で再度科学的評価を行っていただくこととなります。  その結果、十分なエビデンスが存在すると評価された場合には添付文書の改訂等を含 む対応を関係企業に要請し、検討結果の医療従事者への情報提供を図るという検討の進 め方を考えているところでございます。  引き続きまして資料5、「小児薬物療法検討会議」においてどの薬物療法を検討対象 とするか、その基準について御説明させていただきます。まず、検討を対象とする医薬 品の類型としましては、資料5の1枚目にお示ししましたとおり、1つ目として国内に 同一有効成分の医薬品はあるが、必要な剤型がないもの。  2つ目に国内に同一有効成分及び同一剤型の医薬品はあるが、小児あるいは特定の年 齢群の必要な適応、これを新規適応と申しますが、この新規適応がないもの。  3番目に国内に同一有効成分、同一剤型及び同一適応の医薬品はあるが、小児あるい は特定の年齢群の用量が不明確なもの。  4番目としまして、小児での安全性が確立していないもの、安全性の記載が不十分、 あるいは行き過ぎているもので、保険で査定される可能性が比較的高い等の問題がある ものを考えております。  一方で、海外で承認されている、あるいは海外で治験中であるが、まだ国内に製剤が ない、原則として新規性の高い医薬品、または海外で承認されている臨床上必要不可欠 な比較的古い医薬品で国内に製剤がないもの、いわゆる国内未承認薬につきましては、 本検討会議の検討対象とはいたしません。未承認薬使用問題検討会議の対象として考え ておりまして、その未承認薬使用問題検討会議につきましては、参考資料の9及び10 に詳しい資料を掲載させていただいております。また、試薬を転用している医薬品、施 設で化学合成している医薬品などについても対象外とすることを考えております。  これらの対象医薬品について、優先度を決定する際の基準といたしましては、同じく 資料5の2枚目に案をお示ししております。すなわち、アでお示しするエビデンスレベ ル、イでお示ししている適応疾病の重篤度等、こちらについて列挙しているいずれかの 基準を満たす医薬品について、ウにお示ししております小児科領域における医療上の有 用性を加味して優先度を決定することを考えております。  次に御検討いただいた結果を報告する様式、フォーマットを資料6にお示ししており ます。事務局といたましましては、資料6にお示しするとおり、大きく分けて4点、1 つ目に小児医療を行うに当たり必要と考えられる処方等に関する概要、2つ目に文献情 報等について、3つ目に国内使用実態について調査をしていただき、それらの調査結果 を踏まえて4番目の総合評価を御記載いただければと考えております。  特に2番目の文献情報等につきましては、1つ目の項目といたしまして、欧米4カ国、 英米独仏を具体的には考えておりますが、この欧米4カ国での承認状況についてお書き いただくとともに、欧米4カ国以外の承認状況がある場合にも、こちらに御参考までに 御記載いただければと考えております。  2つ目にエビデンスレベルが高いと考えられる無作為化比較試験等の公表論文として の報告状況をお示しいただき、それぞれのエビデンス評価をしていただければと考えて おります。  3つ目に教科書等への標準的治療としての記載状況と、それぞれのエビデンス評価を 同じように御記載いただき、4点目としてピアレビュージャーナルの総説、メタ・アナ リシス等の報告状況とそれぞれのエビデンス評価、さらには5番目といたしまして、学 会または組織、機構の診療ガイドラインへの記載状況とそれぞれのエビデンス評価を行 っていただければと考えております。  また3番目の国内使用実態につきましては、国内使用状況を把握していただくととも に、2番目から4番目といたしまして、用法・用量、有効性、及び安全性の情報収集を していただく。さらに5番目といたしまして、対象疾患治療における位置づけ、つまり 既存治療の有無もしくは対象とする薬物療法が疾患治療においてファーストラインであ るか、もしくはセカンドラインであるか等の使用法について調査をしていただくことと なります。これらを踏まえまして4番目の総合評価として、投与量の妥当性の用法・用 量について、有効性について、及び安全性について総合的に考察を行っていただくこと を考えております。  最後に資料7でございますが、こちらは本検討会議の開催に先立ち、厚生労働科学研 究班、松田班の取組みを通じて各学会から要望医薬品のリストを作成していただいたも のをまとめたものでございます。松田班の概要につきましては、参考3にお示ししてお ります。そのリストをまとめたものが資料7でございますが、各学会からいただいたリ ストそのものにつきましては参考4にお示ししている通りでございます。  以上をまとめますと、事務局の案といたしましては、資料4に示したスキームで御検 討いただければと考えております。資料7に示した各学会からの要望、リストをもとに、 資料5に示した基準に即して検討を開始する医薬品を選定し、御専門の委員の先生に調 査していただく。検討会議への御報告は資料6の報告書に基づいて行っていただき、本 検討会議では科学的評価によって追加エビデンスの収集の要否を御検討いただく、必要 に応じて国内処方実態調査を実施した後、検討結果を医療従事者へ情報提供する方法を 御検討いただくこととなります。以上でございます。  ○秦座長  ありがとうございました。この検討会議における検討の流れ、それから検討の対象と なる医薬品のクライテリア、それから検討結果の報告書の書式、それからこの検討会議 で検討する薬物療法の候補について、資料4〜7まで事務局から御説明がありましたが、 これはこの検討会議の重要な目的に関連すると思われますので、ここで委員の先生方に 御意見あるいは御質問などをお願いしたいと思います。いかがでしょうか。 ○櫛田委員  資料6の3番ですが、国内使用実態についてですが、国内のいわゆる使用状況につい て調査をする場合の症例数をどのぐらいというふうに、専門領域によっても違うのでし ょうが、通常使われる専門分野でもって汎用されている場合での症例数をどのぐらいの 症例数というふうにお考えでしょうか。どのぐらい集めればエビデンスとして使えるも のかどうかというか、その辺のところを教えていただきたい。 ○川原課長  これはいわゆる使用実態ということでの症例ですので、できる範囲での症例数という ことにしかならないと思います。実際にどれぐらいまれな疾患かどうか、またそれに対 して薬物での介入が比較的行われているかどうかということにも関係すると思いますし、 それはケースバイケースで一概には申し上げにくいかなというふうに思います。ただ、 そういう症例の集積が出てきた時に、それが統計的にどのぐらいエビデンスのレベルと いう話とちょっと関連してくるかというふうには思いますが。  もともとエビデンスレベルの高い臨床試験が小児を対象にして、欧米では行われてお りますが、我が国でダブルブラインドの試験というのはなかなか難しいと思いますので、 そういう意味では症例の集積とか、こういう報告等を集めて、それを有効性・安全性の 評価に生かしていくということしか、一般論としてはなかなか難しいだろうと思うので すが、症例がエビデンスレベルとして統計的にどうかという話になると、私ども一般的 には40例とか60例といったような数字は一般論としては出しておりますが、それぐ らいは目指すのかなというふうには思いますが、ただ、疾患とか薬の使用実態とかによ って一概には言えないんだろうというふうに考えます。 ○秦座長  櫛田委員、よろしいですか。それでは他にいかがですか。 ○中川委員  同じ内容なんですが、資料4のフローチャートの十分なエビデンスが存在する場合、 検討会議による科学的評価に基づいて十分なエビデンスが存在すると考えられる場合は、 国内の処方実態調査を省略できるというコースをとると思うのですが、この場合はこれ に該当するだけのヒストリカルなデータが含まれるということが条件というふうに考え てよろしいでしょうか。  要するに時代に即した使用実態調査で、この薬剤が改めて国内の処方実態調査をやら なくても、それに匹敵するだけのエビデンスか存在すると、上の検討の過程で、そうい う文献的情報があるという場合に限り、この十分なエビデンスが存在というコースをと るというふうに理解してよろしいんでしょうか。 ○川原課長  私が正確に先生の御発言を理解できたかどうかわかりませんが、一応私どもとしまし ては、先ほど資料7にございましたように、欧米でも海外の規制当局によって承認をさ れているということであれば、そのデータの信頼性はGCP等もチェックを受けた上で、 信頼性が確保されたデータをもとに、例えばアメリカのFDAが承認をしているという ことであれば、それのデータの信頼性とかエビデンスのレベルというのはしかるべきも のだろう。  その他に、例えば我が国におきましても、例えば学会等である程度その何らかの研究 班とかで集まって調査なり研究なりがある、それはいわゆる臨床研究の分野で、薬事法 上の治験とはちょっと違うものではございますが、しかるべき方々が集まってやって、 きちんとした形でデータが集まっているということであれば、日本でもそれなりのエビ デンスレベルのデータがあるということもありうると思います。もちろん最終的にはこ こでの評価はそれらを総合して行うということになりますけれども、そういう場合は処 方実態調査といったようなところは省略して、添付文書の改訂であるとか、承認事項の 一部変更承認申請の要請というところへ進んでいってもいいというふうに考えておりま す。 ○中川委員  裏返しの質問をさせてもらいます。要は改めて国内調査をしなくてもいい条件として は、おそらく国内ですね、国内での、日本でのデータが必要になってくると思いますの で、海外だけではなくて、そういうのがあればということですね。 ○川原課長  はい、そういうことでございます。海外にはいくらあっても、国内では使用経験の報 告ですとか、いわゆる症例の集積の報告ですとか、そういうものすら全くないという場 合には、ここで海外の小児に使用したデータだけで、本当に日本の小児への使用をオー ソライズするだけに十分な根拠かどうかということになると、なかなか合意が得られな いのではないかというふうに思います。したがって、そこはどうしても薬事法上の治験 でなくても、何らかの症例集積報告なり、何なりかは国内のものが必要じゃないのかな というふうに考えておりますが。 ○秦委員  中川委員、よろしゅうございますか。 ○中川委員  はい。 ○伊藤委員  2点なんですが、資料4のところなんですが、実態調査のその具体的な方法は、石川 班がやられたような、ああいう方法でやっていただけるということなんですか。やっぱ り用法・用量の決定が一番大切なところで非常に難しいところだと思うのですが。 ○川原課長  はい、そのように考えておりまして、参考資料で16ページになりますが、これがモ デル的に先行して成育医療センターの石川先生に行っていただいたものを模式化したも のでございますが、こういうものを活用して、国内処方実態調査が必要だということに なった場合にはそちらを行う、過去にこれでモデル的に取り上げられているもので、そ れが活用できるものまで新たにやるかどうかという議論は、ちょっと細かくなりますが、 それは別といたしまして、一般的にはこういう形を考えているということでございます。 ○伊藤委員  それともう1点なんですが、結局、検討結果の医療従事者の情報の提供のその具体的 な方法なんですが、添付文書にいくというところは、これは厚生労働省の方で全部やっ ていただけるんですね。 ○川原課長  添付文書の改訂等につきましては、厚労省の方で医薬品医療機器の安全性情報という 形で、添付文書の改訂につきましては毎月医療関係者を中心に情報提供しております。 もちろん一般の国民の方々もアクセスして見ることができる形で公表しておりますが、 そういうものがございますし、あとは個々の医薬品を医療機関に納めている企業の方に もそういう添付文書の改訂等を医療機関等に情報提供するというのは義務がかかってお りますので、そちらの方も通じて複数の経路で行われてくることになると思います。 ○伊藤委員  そこの1つ難しいのは、いろんな会社が同じ薬を販売しているんですね。ある一定の 企業がその添付文書を改訂するのか、全体的なもの、要するに1つの薬に対して種々な 製薬企業が異なった名前で出されておりますね。それはどのようにされるんですか。 ○川原課長  そこにつきましては、個別のケースでいろんな対応があり得るかと思いますが、ある 製品を1社しかやってない場合は、先生御承知のようにその企業にやってもらうという ことになりますが、大人用は10社ぐらいやっているんだけれど、小児についてはどこ の会社もやってくれてない、そういったような場合には私どもの方で、これは別のそう いう企業への働きかけをする部署の方からまとまってもらえないかとか、そういうのに 賛同する企業に手を挙げてもらって、例えば数社まとまって対応してもらうとか、そう いうようなことにおそらくなっているかというふうには思います。 ○伊藤委員  どうもありがとうございました。 ○村山委員  資料の4で文献的エビデンス等の調査をするということなんですが、海外のものもも ちろん含むと思いますので、その場合には小児の年齢のとらえ方が、日本だと15歳で すが、欧米だと18歳ぐらいでとっているところとかあるような気がするのですが、そ の辺の年齢をある程度少し3歳ぐらい上でも文献としてのエビデンスとして有効という ふうに考えていいのかどうか、ちょっと細かい問題になるかと思いますが、その辺のこ とと、あとは小児として1つのクライテリアで包括されちゃいますが、中村先生は特に この辺成長薬理というようなこともありますので、その辺のエビデンスの集め方という のは、また集まった後でその年齢によってどうであるかという、そういう考え方でよろ しゅうございますでしょうか。 ○事務局  おっしゃるとおりでございます。なお、参考資料の6、小児集団における医薬品の臨 床試験に関するガイダンスの2の5に、小児患者の年齢区分という項がございます。先 生方のお手元の資料では28ページにお示ししております。こちらはICHという日米 EUの3極で承認に係る事項を統一化しようという取組みを行っておりますが、その中 で早産児、正期産新生児、乳幼児、児童、青少年という区分がございますので、でき得 るならばこの基準にしたがって御記載いただければ、各医薬品で統一的な見解が得られ るのではないかと考えておりますので、御協力をお願いしたいと考えております。 ○村山委員  わかりました。 ○中村委員  追加というと変ですが、私もかつて審査もしておりましたが、やはり海外でも年齢に よって、例えば3歳以下禁忌とか、1歳未満の安全性が確立しないとか、そういう切り 方をされていることも多くなりますので、そことの並びといいますか、やっぱり海外、 国内で治験をやっていない以上、海外での治験とか臨床試験のデータを重視せざるを得 ないとは一般論としては思いますけれども。 ○秦座長  他にいかがでしょうか。 ○藤村委員  資料4で先ほどから議論になっている追加エビデンス、もしくは十分なエビデンス、 追加エビデンスの収集が必要といった場合に、国内処方実態調査の実施ということにな るんですが、このあたりはもうちょっと具体的にお考えの内容を説明いただけますか。 どのようにして、誰が実施するのかとか、そこらあたりをちょっと御説明いただけます でしょうか。 ○事務局  追加エビデンスの収集が必要となった場合の国内処方実態調査でございますがお手元 の参考資料の1の小児薬物療法根拠情報収集事業というのをごらんいただければと存じ ます。参考資料1ページの1枚目でございます。現在、この本検討会議につきましては 厚生労働省という枠で専門家による調査リスト作成とエビデンスの評価という部分で書 かせていただいております。  この図の中で国内処方実態調査につきましては、拠点医療機関ネットワークを通じて 各拠点医療機関の国内処方実態調査を行っていただき、小児処方の有効性情報について は、国立成育医療センターの中でデータ解析をしていただく、そのデータ解析について 解析結果の報告をこの本検討会議で行っていただくこととなります。具体的には先ほど 御説明させていただいた参考の5でお示しいたしました厚生労働科学研究班の石川班を 通じて処方実態調査の実施を行っていただくこととなります。  一方で、安全性情報につきましては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の事業で ございます、こちらは参考の2に小児薬物療法に関する医療機関ネットワークについて、 安全性確認のための調査として示させていただいておりますけれども、その事業の中で 取り扱っていただく。この2つの有効性及び安全性について成育医療センターの方でデ ータ解析をしていただき、その解析結果を厚生労働省のこの本検討会議に御提示いただ くことと考えております。 ○秦座長  何か追加はありますか。 ○中村委員  成育センターの中村でございますが、この事業は今年度スタートしておりますが、こ の処方実態調査、石川班での経験を生かすということで、石川班と同様でWEBベース で入力していただくということで準備を進めております。成育医療センター内にはこの 事業に対応するべく、小児薬品評価推進室というのを設置して、この検討品目を各先生 方と御相談の上で処方実態調査ができる準備を進めております。  ただ、実際の拠点医療機関ネットワークとは申しましても、疾患によっては既に先生 方の方が疾患をきちっと把握しているという、小児疾病であるとか、循環器の先天性の 疾患等も患者様がむしろ集中して特定の専門の先生のところにおられるような場合とい うのは、そちらの先生方の情報を集積させていただくということ、それからもう1つは 使用実態調査についても、やはり専門の先生方の目で見ていただかないと適切な評価が できない、あるいは適切なデータの収集ができないということがありますので、私ども のスタンスとしましては、先生方が必要な情報をお集めになるののお手伝いをさせてい ただく、それから解析のところのお手伝いといいますか、先生方の専門的な視点で見て、 いろんなこういった解析をしたいというところのお手伝いをさせていただくというふう な認識でおります。 ○藤村委員  非常によくわかりましたが、実際的にはこれは、今中村先生から御紹介していただい たお仕事は大変なお仕事じゃないか。というのは薬の数を考えましても相当なもので、 私はこれは御賛同いただけるならば、この検討会議の要望事項として、成育医療センタ ー評価推進室に、ぜひ厚生労働省としても人員とか経費等で力を入れていただくという ことをお願いしないと、そこでボトルネックになって、どっと集中してしまって、物事 が進まないということがもしあれば、これはまずいとは思いますので、もちろん関係学 会とも一緒に協力しないといけないとは思っておりますが。 ○秦座長  藤村先生、大変貴重な御示唆をいただきましてありがとうございました。他に何か資 料4から7までについてございますか。 ○中村委員  この検討会の検討課題からははずれるのですが、この薬物療法検討会議の検討対象か ら試薬を転用している医薬品、施設で化学合成している医薬品などをはずすということ は、この会議での検討の性質上仕方ないとは思いますが、奥山先生の方がお詳しいので すが、実際に希少疾病等では、こういった薬が多くあって、それの開発のメドがほとん どの場合たっていないという状況がありますので、この検討会ではというわけではない でしょうけれども、ぜひここの道筋についても御検討いただけるということを要望させ ていただければと思います。 ○川原課長  そちらのものにつきましては、先ほど事務局の方から説明いたしましたように、昨年 の1月に立ち上がりました未承認薬の使用問題検討会議というものがございます。この メンバーでも大澤先生の方にメンバーとして入っていただいておりますけれども、そこ で経緯もございまして、抗がん剤の関係が多いのでございますが、小児の希少疾病等、 関連の薬剤につきましても、その検討会議の方に上がってきておりますので、現場の方 で試薬でございますとか、それから欧米から個人的にドクターが輸入して使っていると いったようなものにつきましては、未承認薬使用問題検討会議、この資料は後ろの方に 参考でつけておりますし、WEBでも会議の議事録等々全部公開しておりますのでごら んいただければと思いますが、そちらの方に先生方の方からぜひ未承認薬使用問題検討 会議の検討対象薬物としてやってくれということで、御要望いただければ検討できる形 になっておりますので、あわせてちょっと御説明をさせていただきます。 ○秦座長  他にいかがですか。 ○奥山委員  院内製剤という病院の中の薬剤室の方で生成しているという薬品もどうも使用疾患の 中にはあるみたいなので、それは多分未承認薬使用問題にはちょっとかかりにくいかな と思うのもあるので、そういうのも情報を私なりが収集して、また問題提起をさせてい ただければと思っております。 ○川原課長  どうもありがとうございました。 ○秦座長  他にいかがでしょうか。大体よろしゅうございますか。この検討会議の非常に重要な 流れ、あるいは対象となる薬剤のクライテリア、その他非常に重要な根幹をなす部分で ございますので、十分共通の認識をもつ必要があると考えております。 ○宮坂委員  各論になってしまうかもわかりませんが、今の未承認薬問題検討会議、こちらのチャ ンネルはこの委員会から何か出すということですか。それとも直接こちらの委員会に出 すということですか。  例えば今気になっているのはアミオダロンという薬がありまして、今回国際的な救急 蘇生のガイドラインで多分この2〜3日のうちに決まるんだと思うのですが、日本では 薬はあっても剤型がない、おそらく成人が認められて今度小児というような、そういう ようなことがありますよね。この委員会では検討できないわけですから、多分未承認薬 の方にというふうになるんだと思うんですが。 ○川原課長  そこにつきましてはちょっと御説明させていただきますと、未承認薬は現在のところ はいわゆるニューケミカルエンティティに限定をしてちょっと検討しております。した がいまして実は剤型違いといったようなものも、できればこの会議で将来的にはやりた いというふうに考えております。  ただ、先ほど藤村先生の方から御指摘もございましたように、いずれにしましても今 年度からこの事業をスタートしていくという段階で、各先生方も非常に日常診療がお忙 しい、各医療の現場も大変忙しい中で、いろいろこういう調査とか、それから解析とか、 そういったところでかなり御協力いただくという中で、最初のうちはある程度ものを選 びながら少しずつ全体がうまく回っていくところを、ちょっと確認しながら、だんだん 応用問題を追加していくというやり方にさせていただけないかなというのが私どもの本 音のところといいますか、そういうところでございます。  もちろんいろんなところのリソースが十分あれば、もっと最初から聞くというのもあ り得るのですが、いろんなところにかなり抗がん剤の場合にも負荷がかかった、エビデ ンスを集められる各先生方は、私も2日徹夜させられちゃったよとか、結構いろいろご ざいまして、各先生方のレベルではかなり御協力いただいたり、また私どもと調整をい ただくということで、いろいろ御負担をおかけするということもあるかと思いますので、 まずはそういったところからということでございます。  将来的にはアミオダロンの剤型の注射の方だろうと思いますが、そちらの方ですね。 あとは個別には個々の薬剤については場合によってはここで取り上げなくても、企業が 独自に商品化を目指して治験を開始するということも、学会の働きかけによってはある かと思いますが、その辺につきましてはできるだけ情報交換を密にしていきたいという ふうには思っております。 ○秦座長  今課長が言われたことは非常に重要なことだと思います。検討会議のある程度のフォ ームは決めておくとしても、この討議の中で先ほどまさに応用問題と言われましたけれ ども、応用問題を解決するような、そういう形で議論をしていって、全体のコンセンサ スを得る、そういうふうな流れということで理解してよろしいでしょうか。  それではこの検討会議の会議の根幹をなすと考えられる、この資料4、5、6、7に 関して、先生方の間で共通認識としてもっていただくというふうに理解してよろしゅう ございますか。それではどうもありがとうございました。  それでは先に進まさせていただきます。次は議題5の小児薬物療法検討会議における 検討を開始する薬物療法についてでございます。これは事務局からまず御説明をいただ きたいと思います。 ○事務局  議題5「小児薬物療法会議」において検討開始する薬物情報について、資料8に基づ き御説明をさせていただきます。資料8の1枚目に事務局が考えた検討を開始する薬物 療法の案をお示ししております。2ページ以降はそれぞれの医薬品について添付文書か ら該当する部分を抜粋させていただいたものでございます。  これらのリストにつきましては、資料7の候補薬物療法リストとしてお示しした医薬 品のうち、ただいま御議論いただいた資料5の基準に基づき優先度が高いものと考えた 医薬品のリストでございます。資料8に示したそれぞれの薬物療法に関しましては、御 専門の先生方から御意見をちょうだいできればと考えております。 ○秦座長  ありがとうございました。それでは今事務局の方から資料8でリストをいただいたわ けですが、早速資料8に示したそれぞれの薬物療法に関して、御専門の立場から御意見 をお願いしたいと思いますが、順次進めていってよろしゅうございますか。それでは時 間もある程度限られておりますので、各薬物に関して必要最小限の御説明をしていただ きたいと思います。最初に酢酸フレカイニドに関して、中川委員お願いいたします。 ○中川委員  それでは酢酸フレカイニドについて簡単に説明させていただきます。この治療薬は頻 脈性不整脈に対して国内で承認を得ておりまして、剤型としましては錠剤と注射剤がご ざいます。成人では錠剤が心室性不整脈で、注射剤に関しましては発作性上室性不整脈 と心室性不整脈の両方の適応を取得しておりますが、ここに書かれていますように、小 児では使用経験がないということで、適応外というふうにされてございます。  外国では米国で錠剤が小児の適応を取得してございまして、用法・用量がきちんと添 付文書に明記されております。注射剤に関しましては、承認をしている国は米独仏の間 ではございません。私どもとしましては、今回の資料5にございますレベルを考えまし て、まず錠剤の方を今回の対象薬として選定させていただきました。  以前に、2年前なんですが、小児循環器学会の不整脈のグループが国内の簡単な使用 実態調査を行いまして、現在40%の施設でこの薬剤が使われている、適応外使用され ているということでございます。教科書のレベルでは小児科の国際的な標準とされてお りますネルソンの教科書にゼネラルメディケーションとして用法・用量がきちんと書か れてございますし、国内では小児循環器学会から不整脈の治療ガイドラインの中にこの 薬の用法・用量を明記してございます。ということで今回これを小児循環器学会として は対象薬としてあげさせていただきました。 ○秦委員  ありがとうございました。御意見などは全部御説明をいただいた後でまとめてやらせ ていただきたいと思います。2番目にメチルフェニデート、大澤委員からお願いいたし ます。 ○大澤委員  メチルフェニデートについて申し上げます。現在適応といたしましては、資料8の3 ページをごらんいただきますように、ナルコレプシー、抗うつ剤ということで使われて おりますが、実際の医療現場におきましては、注意欠陥多動性障害のお子さんたちにそ の必要性が言われておりまして、実際に米英独仏で使用されておりますし、ネルソンと いう代表的な小児のテキストブックにおきましても、薬物治療の第一にあげられており ます。  現在、日本におきましては国内で小児あるいは特定の年齢においては他の適応はある けれども、この注意欠陥多動性障害ということでは適応が認められておりません。また、 エビデンスレベルといたしまして、先ほど申し上げましたように、アメリカ、イギリス、 ドイツ、フランスなどで認められております。実際に適応疾病の重篤度という点でござ いますが、注意欠陥多動性障害のお子さんたちは、いろいろな点で怒られることが多か ったり、自分の不全感を感じることが多かったりして、それが思春期などまで引きずら れていきますと、二次性の障害をいろいろ起こして来ることもございまして、そういう 点で日常生活が多く障害されるというふうに認識しております。本邦におきましても広 範に使われていることが多く、カウンセリングにプラスして、この薬剤が使われている ことが多くございます。以上でございます。  ○秦座長  ありがとうございました。それでは続きましてシプロフロキサシンを岩田先生からお 願いします。  ○岩田委員  シプロフロキサシンはニューキノロン系の注射剤でございます。現在インフルエンザ 菌とか肺炎球菌、それから院内感染におきましては非常に基質の幅の広いβ−ラクタマ ーゼを産生するようなグラム陰性桿菌といった、そういったβ−ラクタム薬が効きにく い耐性菌というのは増えてまいりまして、そういった耐性菌による重症感染症に対する 治療薬としてこういったキノロン系の注射剤というのが望まれているということで、小 児感染症学会でもお手元の資料の7の7ページにございますが、一応β−ラクタム剤無 効の重症感染症を対象として学会内の優先順位では1位ということで要望が出ておりま す。  最近、欧米の各国でのものが承認されるというふうな動きもございまして、まだ実際 に使われた症例数とか、そういったものは余り多くはないと思いますので、エビデンス はこれから集めないといけないとは思いますが、小児科領域でもこういった感染症に対 して非常に望まれている薬剤だということでございます。 ○秦座長  続いてメトトレキサートということで横田委員お願いします。 ○横田委員  小児期の関節リウマチである特発性慢性関節炎、あるいは若年性関節リウマチと呼ば れる疾患に使われます。実はこれはいろいろ複雑なことがございまして、欧米で成人で 使われている量の薬半量ということで日本では認可が行われたという経緯がございまし て、成人の量の枠を超えて小児で使うということがなかなか難しい事情になっておりま す。  メトトレキサートというと多く白血病を含む小児の悪性腫瘍で使われている薬剤だと いう認識があるのですが、通常私たち、子どもの若年性関節リウマチで使う場合には、 5mgから7mgぐらいの程度でして、白血病等で使われる場合にはその約2万倍とい う量が使われます。したがって副作用等問題がないということで、既に欧米ではフィン ランドが1987年に認可した後、英米独仏、すべてが認可が通っております。アメリ カの教科書でTextbook of Pediatric Rheumatolog yというのが一番最初に有用であるという使い方を書かれております。  それからもう一つ事情がございますのは、現在新しく生物学的製剤というものの認可 が既に成人で行われたわけですが、非常に高価な生物学製剤を使うに当たっては、この メトトレキサートを使った治療法での不応例に対して使うというような流れができてお ります。したがって小児でも今年来年にその生物学的製剤が認可される予定でおります が、その時にバックアップの薬剤としてのメトトレキサートがないと非常に困った事情 が起こるだろうと思っております。以上です。 ○秦座長  それでは続いてシクロホスファミドをお願いします。 ○横田委員  シクロフスファミドですが、これは小児期に発生した全身性エリテマトーゼスへの適 応を予定しております。これまで長い間小児の全身性エリテマトーゼスはステロイド薬 がファーストチョイスということで使われておりましたが、ステロイド薬の効能に基礎 的な実験で随分と変更が加えられてきまして、そもそも免疫抑制作用とそれから抗炎症 作用を期待して使っていたわけですが、私たちが日常使っている量では抗炎症作用のみ ということがわかってまいりました。  したがって大量に使えば当然のことながら副作用が非常に強く出る薬剤でありますが、 その免疫抑制作用を目指した薬剤との併用ということでステロイド剤薬が使われるよう になってきております。そしてそのステロイド薬の併用薬としてのシクロホスファミド が欧米では既にパルス療法という形で安全に行われるようになってきておりますし、私 たち小児リウマチ医の経験でもある意味でステロイドと並行して使う薬剤として現在使 われるようになってきております。欧米では当然のことながら文献がたくさん出ており ます。以上です。 ○秦座長  続いてアセトアミノフェンです。関口先生お願いします。 ○関口参考人  日本外来小児科学会から代表してまいりました関口といいます。日本外来小児科学会 ではアセトアミノフェンを選びました。これは古くから使われている薬であるわけなん ですが、その適応がシロップ、坐剤、20%ドライシロップでは小児適応があるのです が、末、細粒、錠剤には小児適応がありません。そういう問題がございます。  ところが同じような剤型で一般薬として売られているものと、それから医療薬として アセトアミノフェンとして使われているもので、また用法・用量の記載の仕方が違うと いう問題があることもわかりました。ですので医療の現場とか家庭における解熱薬の使 用に関する混乱を避ける意味でアセトアミノフェンに関する用法・用量の適正化は優先 すべき課題であると感じまして、今回アセトアミノフェンに関して日本外来小児科学会 から提案させていただきました。以上です。 ○秦座長  続いてA型ボツヌリス毒素について、大澤委員お願いします。 ○大澤委員  小児神経学会といたしまして、A型ボツリヌス毒素をぜひお認めいただきたいと思っ ておりますが、資料8の11ページを見ていただきますように、現在の効能効果として は眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸といった用法になっております。実際には成人に 適応されておりまして、小児では使用経験がないということになっておりますが、欧米 各国におきましては、脳性マヒ時の下肢痙縮治療として試みられておりまして、実際に 有効な効果をあげております。1998年以降、英国・フランス・ドイツ初め欧州豪州 の65カ国で承認されておりまして、実際には下肢の痙縮治療ということで認められて おります。  その他に上肢につきましても一部の効果があるということが認められておりますが、 まずは下肢の痙縮に対する効果のある薬剤として認めていただきたいというふうに思っ ております。実際にボツリヌス毒素で使用した患者さんにおける下肢痙縮に対する手術 の必要な症例のパーセンテージと、それから手術が必要でなかった症例のパーセンテー ジには有意差が出ておりますし、また小さいころから下肢の痙縮が目立って一生そのま ま下肢の痙縮と戦っていかなければならないということは、成長期にあります子どもに とって大変重要なことでございまして、やはり早期にそれを治療として、元に戻すこと が可能であればというふうに考えております。以上です。 ○秦座長  ありがとうございました。続いてアシクロビルです。伊藤先生お願いします。 ○伊藤委員  新生児単純ヘルペスウイルスに対する静注用のアシクロビルを未熟児新生児学会から 提出いたしました。これは資料の7を見ていただきますと、2番目の候補として出しま した。各国の承認状況としましては、米英独仏ということで、フランスが一番最初に認 可されて、全部認可されて承認されているということでございます。  ただ、問題点といたしましては、用量が米英独は10mg/kgの8時間ごとの10日間 というところでございまして、フランスの場合は20mg/kgの8時間ごとの10日間と いうことになります。最近のネルソンの教科書を見ますと、やはり20mg/kgの、要す るに全身型と中枢型に関しては21日間で、皮膚粘膜型に関しては14日間ということ になっております。  国内の文献を見ましても、ない時よりもやはり治療効果はあるんですが、全身型に関 しては10mg/kgの8時間ごとの10日間では効果が悪く、用量が多くないといけない。 アメリカの方もそのようなリコメンデーションを出しておりますから、やはりきちっと 全身型、中枢型、皮膚粘膜型に分けた投与量の記載をしていただきたいというところで ございます。以上でございます。 ○秦座長  ありがとうございました。資料8にそって8剤について御説明をいただきましたが、 この資料8に示された案について何か御意見がございましたら伺いたいと思います。い かがでしょうか。 ○中川委員  例えばこのアセトアミノフェンなんていうのは非常に古いお薬だと思うんですが、お そらくこれが今までに文献として、エビデンスとして、例えば国内の使用実態調査とい うのは各国で出たことがないと思うんですね。これを新たに今回使用実態調査をすると いうことになりますと、これは今後次回の検討会までに処方された実際のところを調べ るのか、あるいは過去にさかのぼって使用実態調査をやるのかで、随分これは趣が変わ ってくるのではないかということを考えるわけです。  先ほどの僕の質問の意味はちょっと理解されなかったかもわからないのですが、そう いうことを踏まえますと、例えばライ症候群が出てからになるとものすごい使用頻度は 上がっていると思うんですが、そういうことを踏まえてどの程度までの文献のレベルが あれば、新たに使用実態調査をしなくてもっていけるのか、あるいは今後ここ2〜3年 の使用実態調査できちんとしたものをさかのぼってやるのか、その辺の決まりがないと、 疾患にもよるでしょうが、非常に混乱するのではないかなというのは先ほど質問させて もらった意図なんですが、いかがでしょうか。 ○秦座長  非常に難しい問題だと思いますが、事務局は何か御意見はございますか。 ○川原課長  ケースバイケースでここで御判断いただくということになるかなと思います。アセト アミノフェンということであれば、もう医薬品としては100年近い歴史があると思い ますし、そういう意味ではどちらかといいますと医療用と一般用の相互の部分でござい ますが、そういったところでもございますので、ちょっと年齢層によりまして、もうち ょっときめ細かくチェックをする必要がある部分はあるかもしれませんが、ものを使用 することのエビデンスという点では余り問題はなくて、どっちかというと教科書にたく さん書いてあるということで、余りその文献を調べて、エビデンスを調べるとか、処方 実態を大々的にやるというところまで、これは先生方の御同意が得られればということ ですが、事務局としてもそこまでの必要性はないのかなと思ったりいたします。もちろ ん例えばその一定の年齢層についてだけ処方実態調査をした方がいいとか、そういうこ とはあるかもしれませんが。 ○秦座長  今事務局からそういう御意見をいただきましたが、委員の先生方から何か特別な御意 見はございませんか。 ○中村委員  たしか昨晩か何かにうちの室のメンバーにはメールを差し上げたかと思いますか、ア セトアミノフェンの場合には使用実態調査をしても、頓用で5個とかいって出ているだ けなので、多分8時間おき何度以上とか、プロキロ何ミリとか、そういう情報というの は、逆に言うと日本の教科書にどうやって書いてあるか、薬品集にどうやって書いてあ るかというところでクリアされていれば、海外、これはすべての小児科医誰1人として 反論はないところで、おおむね10mg/kg、7〜15mg/kgぐらいの投与量で8時間ぐ らいは空けるとか、米国だと例えば最大60mg/kgを超えないとか、そういったところ だと思いますが、そこに異論というものを挟む余地が多分ないと思いますので、下の年 齢のところ、もしかしたら新生児あたりのところを確認しないといけないかもしれませ んが、使用実態調査はそういったところでいかがかなとちょっと考えていたところでは ございます。 ○秦座長  中川先生どうですか。 ○中川委員  全く僕も異論はないんですが、それでもやはり頓用で1回に6個処方されたとか、そ ういうエビデンスとして必要なんでしょうか。それも本当は全くある意味で意味のない 調査だと思いますけどね。 ○川原課長  そうしましたらそこの処方実態調査の要否も含めて、ここで御検討いただいて合意を 形成していただければと思います。不要と思われるところまでやるよりは、新たな別の 品目にこのリソースを注ぎ込むとか、そういう形でお考えいただければというふうに思 いますが。 ○大澤委員  資料8の9ページに(3)として細粒剤、粉末剤という部分がありまして、その細粒 剤、粉末剤の部分の下の方に添付文書上の小児などへの投与の項の記載、そこで低出生 体重児、新生児、乳児、幼児または小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の 使用にとどめるなど慎重に投与すること、そして小児などへの安全性が確立していない というふうに書かれている、これが問題なのではないかなと、実際に使用はみんな使っ ていると思いますし、これが使えなければとても困ると思いますので。 ○関口参考人  大澤先生の御指摘になった点、まさにそれが1つ、それからあとは坐剤の用法のとこ ろを見ていただくと、通常1日1回と書いてあります。これも現実とは随分大きな食い 違いがありますので、こういう細かいところを見ていくと現実の処方の内容、あるいは 海外での用法・用量の設定と大きく食い違う面がございますので、そのあたり検討して 添付文書改訂の方に提案をさせていただければと思っております。 ○秦座長  他に何かございますか。 ○横田委員  確認なんですが、先ほど資料の4で追加エビデンスが必要な場合に実態調査を行うと いうことで、その例として参考資料の1ページの拠点医療機関ネットワークを利用する ということがあったと思うんですが、例えば今御報告いただいたそれぞれの薬剤の中で、 例えば私は小児リウマチをやっておりますが、大澤先生が言われたボツヌリス毒素とい うのは、私は100%使うことはないと思うんですね。同じように私が今お話ししたメ トトレキサートに関しては、大澤先生はおそらく100%使わないんじゃないかと思う んです。  そうしますとここで言う拠点病院のネットワークというのは、例えば私が小児リウマ チ学を志している方たちのネットワークを我々がつくって、それを統括施設としての成 育医療センターとやりとりしながら、メトトレキサートならメトトレキサートの使用実 態を調査していく、大澤先生はボツリヌスの使用実態をそれぞれのネットワークをつく って、それで調査していく、そういうような形で理解すればよろしいですか。 ○中村委員  まさにこの国自体がともすると小児医療というものを、がんとか循環器と横並びで一 つにまとめること自体おかしいと思うんですが、循環器は循環器の、神経は神経の、リ ウマチはリウマチの専門医の先生方がおられるところでしか処方されていないというの は既に石川班の過去の調査で明確になっておりますので、特定の施設、例えば30施設 でどの薬についても調査するというのは全く意味がないといえると思います。  ですからリウマチの専門医がいる施設で信頼できるというか、きちっと使われている 施設での調査実態を集めないと、逆に訳のわからない先生が使っていて、常識的な用量 からはずれているという情報がいっぱい集まると、それは意味がないということも言え ますので、先生がおっしゃった通りのことを考えております。 ○秦座長  他に8つの薬物に対しての御意見をお願いします。 ○田中委員  アセトアミノフェンの先ほども言った小児に対する安全性は確立してないということ をはずそうとするには、やっぱり本当に安全かどうかという点を、副作用がどのぐらい の頻度かというのは、そういうのを集める必要というのはないんでしょうか。それとも それは文献上のことだけで大丈夫なのか。 ○中村委員  逆に田中先生への質問ですが、必要があるとお考えでしょうか。というのは年齢的に 例えばものすごい低いところについて、3カ月を切るようなところについて限定して調 べるとかというのがもしかしたら必要かもしれないと思うんですが、それにしてもかな り国内でいろんなところで使っていると思いますから、流れとしてはまず外来小児科の 方でそこあたりを評価していただく。  余りにも各病院で山のように毎日使っている薬で、それを今さら例えば本当に安全で あるということを評価しようとすれば、1,000例規模の調査が必要になってると思 うんですが、僕はここでの使用実態調査というものはたしかに海外で承認されてますよ、 でも本当に日本で使っているんですか、それから日本で使っている場合にその用量は海 外で承認されているのは、海外の教科書に載っているものと本当に一緒なんですか、日 本だけ違う使い方をしているのだったら、海外の添付文書にあわせて承認しても意味が ありませんよねと、そこあたりの確認になってくる。  N数が例えば60とか100とかいう数で、頻度が低い安全性の問題というものを評 価することは、どっちにしても無理ですので、余りそこをガチガチに言うと、すべての 薬について1,000例調べようという話になるのは大変ではないかと思っております が。 ○秦座長  事務局から何かございますか。 ○川原課長  必ずしもそういったものが必要だというふうには考えておりません。このものにつき ましてはおそらくいろんな剤型がございまして、例えばちょっと話が飛びますが、錠剤 のような場合、かなり小さな子どもの場合には誤嚥のおそれなんかもあって、錠剤なん かについて例えば小児の用法を5歳以下は認めないとか、いろいろ細かなことをやった り、それからアセトアミノフェン自体はかなり古い薬でございますが、飲みやすくする ためにシロップ剤とかドライシロップ剤、用時溶かすとか、いろんなものが出てきたん だと思いますが、それぞれを別々にいろいろ手当をしていたらば、一応年齢症状により 適宜増減するというものはございますので、基本的にはその範囲の中で、先生方、診療 にはそんなに支障がない状況なんだろうというふうには思いますが、ただ、時間が経る にしたがっていろんな剤型の使われ方とか、それから標準的な用量の部分がどうもずれ てきていたといったようなことだと思います。そういう御指摘だと思いますので、そう いう実態を踏まえて剤型間の矛盾も修正していく、そういう御指摘だというふうに認識 しております。 ○秦座長  他に何か。 ○藤村委員  先ほど横田先生から専門領域における処方実態調査、これは非常に重要だ、ここのス キームでも基本になっていると思います。それを受けて中村先生がそのようにお考えだ、 多分私はここで懸念がありますのは、この実態調査というのはかなりしっかりやらない といけない、これは皆さん異存はないと思うんですが、これこそ我が国においてこうい う薬に関するインフラ、これが不十分な一つの部分ではないかと思うんです。  例えば横田先生がお考えのところが、それではリウマチ専門学会の人たちの善意に依 存して、それぞれの医療機関の手弁当でしっかりと調査しようというふうな形でスター トするのは従前の轍を踏むようなことになるのではないか、要するにここでインフラが 大事だと思うんです。  そのインフラを実は提言されている、それが成育医療センターの先ほどの推進室、た だそこで私も最初に申し上げたように、すべての薬が成育医療センターに来ては動かな いと思うんです。ですからここにおいて各専門学会が当然成育医療センターを助けて、 積極的にかなりの労力を割いて、成育はコーディネーションはきちっとやりましょう、 そういうスタンスではないかと理解するんです。そうしてこそいいものができる。  そうすると各専門学会では一定のインフラまではつくれておりませんが、それに相応 する研究費なり、それと成育との連携の仕組みとか、そういうものをつくっていく必要 があるんじゃないかと感じました。その辺についてきょう一度に決まるわけではないと 思うんですが、もし可能であれば、そういうメドをつけていただけたらと思うんですが、 課長何かその辺で。 ○中村委員  実務者同士といいますか、管理課の実務の方とも話しているのですが、調査自体をW EBベースでやって、そのデータを具体的にグラフにしたり用量を注視したりという作 業は、すべてうちのマンパワーでやるのではなくて、外部委託でやる方向で調整してお ります。かつて石川班でやってきた経験もありますので、そこでかなり一律に我々の負 荷をふやさずにできる。  ただ、問題はそれをどう最後に調査するかとか解析するかというところが、やはり専 門の先生方が、私どもは薬の専門家としてこういった切り口で見ますという一律のこと ができますが、それ以外の細かい疾患とか領域に特化したところというのは先生方のノ ウハウが必要ですので、そこをしっかりやっていただくということになるかと思います。 ですから調査の実務、こういった解析をするとかいうのは全部私どもがするわけでは必 ずしもないと考えております。 ○藤村委員  一番重要なところなんです。実はこういったものは個々の医療機関の実態を想像いた だきますと、みんな今御承知のとおり過重労働、週何十時間勤務ということで、なかな かこういう調査に的確に正しくこたえる余力がないというのが問題なんですね。それに ついてどのようなことをすれば手当できるのかというのは、確かに答えがないんです。 ただWEBベースでそういういわゆる皆さんが協力いただいて、データさえ入ればあと はという、そのデータさえ入ればというところが一番この事業のネックになってくるの ではないか。ですからそれの信頼性という問題にもなってくると思います。ですからま だまだこれは議論がいるのではないかという気がします。 ○中村委員  かつて石川班がどういうふうに動いたかといいますと、薬剤部のネットワークでやっ ていて、薬剤部の方で例えば1カ月だったら1カ月の詳細を全部ピックアップする、そ れについて小児科の先生に確認をとって、カルテの内容のチェックをして抽出して来る ということがありました。いくつか弱点がありまして、用法・用量のところのロジカル チェックとかかけていなかったもので、明らかに間違っているものを、あとまで気がつ かなかったりということがありました。  今回の調査では、そこは極端にはずれたものについては簡単なロジカルチェックでひ っかけて、全部問い合わせをかけるとか、そういったことはできるようになっていると いう点がありますし、それからもう一つはかつてはすべて手弁当でしたが、今回はいわ ゆる製薬企業の製造販売調査ほどの額ではありませんが、実際の費用をある程度協力い ただける施設にお出しする、あるいは場合によっては学会自体にお出しして、そこの実 務のところを、おそらく多量な額にはならないと思いますが、ということは考えられて いるということだと思います。 ○川原課長  藤村先生の方から先ほどから御指摘がございますように、実際にマンパワーの問題が ございまして、そこの手当ができればいいわけですが、実際に公務員全体はなかなかふ やすという状況にない。こんなことを言うと怒られるかもわかりませんが、そういう状 況もございまして、ただ、なにがしかのお金で外部の委託というような形で、そのリソ ースを外部で処理していただくことによって少し負担の軽減を図るということです。  ただ、そうは申しましてもこの事業が回っていくためにどのような工夫が必要か、そ の辺は藤村先生御指摘のとおり、その動きぐあいを見ながら本当にどこに手当をしなき ゃあいけないかというようなところも議論していただかなければならないんじゃないか と思います。ただ、現実問題としまして小児科の先生を何人かふやせとか、そういう話 というのはもう通常の診療の現場でも大変な状態でございますので、そこは非常に難し いというところも先生方も御承知だと思います。私どもとしてもそういうこともござい まして、出だしのところは各それぞれの学会から1品目、もしくは2品目ということで、 非常に数を絞っていただいた形でスタートさせていただければということで、事務局案 は作成したということでございます。 ○秦座長  ありがとうございました。なかなか藤村先生の御懸念をはらすところまではいかない と思いますが、少なくとも小児薬物療法根拠情報収集事業というものを厚労省が始めて、 それについてある程度の予算を与えた、そういうことを骨子として若干走りながら考え るという面もありますが、そういうモチベーションといいますか、そういうものを非常 に大事にしながら、学会へのアピールとか、そういうようなことを日常的にやっていく というような、極めてあいまいといいますか、総論的といいますか、という方法でしか どうも解決がないような感じもいたしますので、日常的な努力といいますか、そういう ところで解決するのかなというふうに思っております。  8つの薬物に関して御説明いただきましたが、結局議論していくと、先ほどの資料の この会議の検討事項のところに戻っていってしまうわけで、やはり一番根っこというか、 藤村先生がおっしゃるいわゆるインフラといいますか、そういうところは確立が完全に してはないけど、しかし何となくインフラを少し考えながら前へ進んでいくという、そ ういう非常に日本的なあいまいな進め方にならざるを得ないのかなという感じもいたし ますが。大体そういう感じでよろしいですか。 ○川原課長  どのようにお答えすればいいのか、ちょっと難しいのでございますが、先行したがん のケースの場合を私どもは先ほど申し上げたんですが、先生方、がんの場合も非常に化 学療法をやっておられる先生方は非常に日常の診療に本当に追いまくられている状況の 中で、このエビデンスの評価とか収集とかをしていただいたということで、非常に似て おるのかなと思いますので、そういう意味では先ほど藤村先生の方からお話がありまし たように、うまくシェアできるものはシェアをして、私どもも行政サイドとしましても できるだけお手伝いできる部分はお手伝いをしてというようなことで、とりあえずこう いうものでスタートさせていただければということでございます。 ○秦座長  わかりました。元に戻りまして、今御説明いただいた8つの薬剤に関して、とりあえ ずまずこの検討会議で検討を開始するということに関しては、よろしゅうございますで しょうか。御同意いただけますでしょうか。それでは担当の先生は大変恐縮でございま すが、次回もしくは次々回に先ほどのフォームにのっとって御報告をいただきたいとい うふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○中村委員  今8品目、アセトアミノフェンについてはとりあえずすぐにはスタートしないと思い ますが、使用実態調査の必要がない、十分に国内での使用実態についての国内論文があ るとか、ある程度学会で把握しているとかというものがあれば、今教えておいていただ けますと、私どもとしましては速やかにこれらの品目について、必要なものについては 調査をする準備といいますか、委託先との準備に入らないといけないもので、もちろん 先生方に御相談をしてですが、もし必要ないよというものがあれば教えていただけると いいかと思います。 ○中川委員  今の中村先生の質問に関してですが、実は1番の酢酸フレカイニドに関しまして、先 ほど使用実態調査というのをやったというふうに言いましたが、非常に簡易的なもので、 使ったかどうかというレベルから入っています。と言いますのは、かなり細かいところ まで調査すると、患者さんの情報が出て来るということで、倫理委員会を通さないとい けないという問題が出てくるんですね。これはかなりいろんな医療機関でネックになっ ていまして、調査の進行も遅れますし、参加してくれる医療機関も減ってくるというこ とがございます。その辺はやはりアンケートの内容、調査の内容について吟味しないと いけないのかなというふうに私は考えています。 ○秦座長  非常に重要な御指摘だと思いますが。 ○中村委員  倫理委員会はおそらく何らかの倫理審査、受託研究申請なのか、倫理申請になるのか わかりませんが、何らかの審査がおそらく必要になってくるのかなというのが、ちょっ と私の個人的な印象ではあるんですが、一般的な製薬企業の製造販売の調査というもの は規制当局からのルールに則るものということで、受託研究の審査をされればというの で、どんどん流れていっていますので、もし可能であれば100品目について1個1個 倫理委員会に通すのではなくて、こういった事業が進んでいるということで、もし可能 ならば一括で通ると随分楽だろうなとは思っております。 ○秦委員  今のことに関しては先生方で御意見はございませんか。 ○川原課長  その件に関しましても、私ども行政庁の方から、例えば各学会に協力依頼の通知か何 かを出すことによって、例えば先生方各医療機関の中でのクリアの手続の方にお役に立 つというところがあれば、ちょっと検討させていただきたいと思いますが。 ○五十嵐委員  その点に関しまして、学会だけじゃなくて、主な病院とか大学病院とかありますが、 そういうところにもぜひ小児でこういうことをやるということをアナウンスしていただ きたいと思います。ぜひお願いしたいと思います。 ○村山委員  石川班の小児薬物療法のネットワークに参加させていただいて、協力させてもらった んですが、その時に当院としては結構倫理観をしっかり持とうということで、倫理委員 会を通させていただいて、それでことが円滑に運んだという例もありますので、何らか のアナウンスをしていただけると、かなり医療機関としては動きやすいということにな ろうかと思います。  それからもう1点なんですが、先ほど議論がございましたこちらの8品目ございます が、この8品目につきましては資料7を拝見してみますと、かなりほとんどが各学会で 一番に上がっている、そういう薬物でございますし、海外での承認状況も極めてよいと いう状況にありますので、実際に次回の検討会議までに集まるかどうかちょっとわから ないんですが、調査を受ける側としては1年間という長い期間よりも、ある短い期間に 他施設に一斉に調査をいただいた方が集まりやすいんじゃないかという、今までの経緯 からその方が集まりやすいんじゃないかなという印象を持っておりますので、少なくと も統計処理ができる、そういう症例数、先ほどの櫛田先生の話につながりますけれども、 統計的な処理に関与できるだけの症例をぜひ集めるというところに目標を設定されます と、さほど時間がかからないでもいくんじゃないかという気がするんですが。 ○中村委員  統計的にどこまでものが言えるかというのはちょっと厳しい面はあると思うのですが、 必ずしも前向きにやる必要はないのかなと思います。特に希少疾病で前向きにやると3 年間ぐらい調査して、20例でしたなんてことになりますから、過去何年間、疾患によ ると思うんですね。頻度が多い疾患については何月何日から何月何日までの全例という 切り方をするか、あるいはすごく疾患が少ない場合には過去2年間の何月から何月まで の全例とか、そこらあたりは各先生方にどの程度の症例数があるかをお聞きした上で決 めることになるかというふうに考えております。 ○村山委員  よくわかりました。 ○秦座長  先ほどの五十嵐先生の御発言と、それから村山先生の御発言の前半の部分は非常に重 要なポイントで、ぜひ行政の方からもこういう事業をやっているということを各関係方 面に情報発信をぜひ明確にしていただきたいというふうに思います。ということで他に 何か御意見はございますか。 ○藤村委員  もう最初の方に戻ってもよろしいですね。一番最初の資料1なんですが、事務局から 出していただきました、しかもそのトップの目的の上から3行なんですが、要はこの検 討会の書き出しの部分が、ちょっと私の認識と少しずれたところがありまして、あえて 申し上げたいんですが、2行目にいろんなことの理由で、「事実上小児に投与すること が困難な医薬品が存在することが指摘されている」、ここのところは少し私自身の認識 と違う。   ちょっと申し上げますと、「子どもの疾病を治療するのに不可欠の医薬品であるにも 係わらず、治験が実施されてこなかったので、添付文書に必要な記載がされていない医 薬品が多く存在する」、ですから小児に投与することが困難の、困難は何か一般国民か この文章を読みますと、処方してくれていないというふうに理解しそうなんですが、実 は処方されているところが一番大きな両者にとっての問題じゃないかと思うんです。  ですからちょっとこの文章は報道等でもし出されると、私は委員の1人としてちょっ とこれは承認し難いなというところがありまして、先ほど申し上げたような趣旨で、御 議論いただくなり、修正いただけるものならいただくなり、いかがでしょうか。 ○秦座長  いかがですかね。今のは非常に重要な御指摘だと思いますが。 ○川原課長  そこの部分は非常に難しいところではあるんですが、基本的に医薬品のいわゆる適応 症をしばっておりますのは薬事法という法律でございます。これは先ほど来縷々御説明 しておりますように、基本的に企業側が、そういう医薬品を製造販売しようとする人た ちが、その人たちの責任においてデータを集めてきて、そして審査を受けて承認を得る という仕組みでございます。  実際、これは日本だけが特別ではなくて、欧米も同じでございますが、現実問題とし まして、医療の現場では薬事の規制当局が承認した効能以外に使ったらいけないのかと いいますと、そういうわけではありません。それは欧米も同じでございまして、オフラ ベル使用と言っておりますけれども、基本的に医療そのものを薬事の承認の内容で規制 をするという構造にはなってないわけでございます。これは欧米とも同じでございます。  ただ、そうは言っても現実問題としてそこの乖離が大きくなってくることがございま す。それから特に小児の場合にどうかという話になってまいりますと、そこをどうして も埋めざるを得ないということになってまいります。日本の場合、特に国民皆保険とい うこともございますし、そこが必要であるならばやらなければいかん。ところが企業は 一部最初の方でも申し上げましたが、ある程度取り組んでくれているところもあるけれ ども、取り組んでいないところもある、そうするとそこについて薬事法上の承認を通り ませんと、実際問題として承認の中身には反映されてこないという形になるわけでござ います。  そこの議論のところは非常に難しいところなんですが、抗がん剤の時も同じでござい まして、現実問題として医学的なエビデンスレベルと、薬事法上の記載をできるだけ埋 めるという中での話、それからここは言いぶりだということでの理解でこういう書き方 にはさせていただいておるんですが、それで御理解をいただければというふうには思っ ておりますが。 ○秦座長  藤村先生がおっしゃっているのは、多分精神はこのとおりなんだけど、要するにもの の言い方というか、書き方というか、それが問題で、それの方がより受け入れやすいと いう、そういう考えでは。 ○川原課長  それでは座長からそういう御指摘がございましたので、ちょっと書きぶりについては 再検討はさせていただきます。ただ、私どもの一応認識としては、今申し上げたような ところがあるということで御理解をいただければと思います。 ○秦座長  それは多分皆さん御理解なさっていると思いますので、その表現の仕方の問題だと思 いますので、もしよければ藤村先生の案を事務局の方にお伝えいただいて、それでもし それがいいということであれば、例えば持ち回りでしていただいて、承認を得るという ような、これは一応案ということになっていますので、それで承認を得るような形にな ればいいかなと思いますが、いかがですか。 ○川原課長  先生方はお忙しいと思いますし、他の会議でも途中で開催要綱を一部修正するという ようなこともございますので、また次回確認いただくということでもよろしいかと思い ます。 ○秦座長  はい、わかりました。では藤村先生の今おっしゃったのは非常にいい表現だと思いま すので、それを事務局の方にお伝えいただいて、そして次回この開催要綱というものを 確定したいと、そういうふうに思います。 ○宮坂委員  同じことを思ったんですが、これは事実上と書いてあるからなんですよね。事実やっ てないというふうになってしまうので、これを除けばいいのかなとずっと思ってたんで すが。困難だけれどもやってますよというのと、事実上やってないというふうになって しまっている。 ○秦座長  いずれにしろ藤村先生に原案をもとにしてしていただきたいというふうに思います。 ○藤村委員  言いにくいことばかり申し上げているんですが、小児医薬品の未承認薬の問題に取り 組む時に、ここに委員として参加されている方だけでははっきり言って解決できない。 それは社会的な医薬品の開発を行っている企業の責任というものがあると思うんです。 この検討会はそれぞれ御立場が医学サイド、薬学サイドの専門家という形で集まってい るんだと理解していますが、ただ、先ほどからフローチャートにもありますように、最 後の使命が企業に渡されて、承認申請で、添付文書の改訂というところで初めて実がつ くわけで、そこにいかないと何をしてたのかということになる。  ですから企業の御理解をこの会の発足当初からいただいていくというのは非常に気に なるところであり、重要なことだと思いますので、その辺については十分見通しをお持 ちだと思うので、よろしくお願いしたいと思います。 ○川原課長  本日は余りにも盛りだくさんになるかと思いましたので、申し上げておりませんが、 一応個別の薬剤を供給している企業の方、それから団体の方とも私どもの関係課室と接 触し連携をしております。したがいましてこれが順調に進んでいけば、それを会社側の 方も先ほどの絵がございましたが、ああいう形でスムーズにできるだけやってもらうよ うにしてもらっております。  特にオブザーバーという地位を与えておりませんけれども、業界関係の方もこの会議 を一応聞いていただいていると思いますし、抗がん剤の時にもあの時は場合によっては オブザーバーだったかもしれませんが、業界の代表の方にもお聞きいただいていたかと 思いますので、そちらの方につきましてはせっかくの成果が最終的なところにきちっと 反映されるように、私どもは今後ともフォローしてまいりたいとうふうに考えておりま す。 ○秦座長  藤村先生よろしゅうございますか。各委員の先生方、今事務局のお話を御了解いただ けますか。予定された議題がほぼ終了したかと思いますので、この辺で事務局にお返し したいと思いますが、事務局の方から今後のことについて何かございますでしょうか。 ○事務局  次回日程につきましては、先日先生方からお伺いしたご都合に基づいて事務局にて調 整させていただき、改めて御連絡をさせていただきたいと思います。おおむね3か月後 ぐらいを考えております。 ○秦座長  第1回の小児薬物療法検討会議をやらせていただきました。大変活発な御意見をいた だきまして、大変道のりは険しい部分はありますが、しかし少なくとも非常に重要な第 一歩を踏み出したというふうに思っております。今後とも先生方を含め、事務局の絶大 なる御支援をお願いしたいと思います。ということで本日の会議を終わらせていただき ます。どうもありがとうございました。                                     (了) 照会先 厚生労働省医薬食品局審査管理課 03−5253−1111