06/03/08 第9回「子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成に関する検討会」議事録 第9回 子どもの心の診療に携わる専門の医師の養成に関する検討会        日時:平成18年3月8日(水)16:00〜18:00        場所:富国生命ビル 28階第2会議室 1.開会 ○母子保健課長補佐  定刻となりましたので、ただ今から第9回「子どもの心の診療医の養成に関する検討 会」を開催します。本日は伯井委員が欠席で委員15名が出席です。それでは裄V座長 よろしくお願いします。 ○裄V座長  それでは、早速、議事を進めさせていただきます。今年度の検討会もいよいよ大詰め となりました。ぜひ皆さま方には進行へのご協力をお願い申し上げます。  まず、事務局から簡単に資料の確認をお願いします。 ○母子保健課長補佐  それではお手元の資料について順番に確認させていただきます。まず、「座席図」、 「会議次第」それから資料の一覧表。資料1が検討会の開催要綱で、検討会委員名簿、 検討会のスケジュールと続いています。次の資料3が「子どもの心の診療医の養成に関 する検討会」平成17年度報告書(案)で、こちらは前回の第8回検討会での報告書の たたき台に対して委員の先生方からいただいた意見を盛り込んだもので、本年度分の報 告書の形式に整えたものです。  本日はこれに加え参考資料として、後ほど説明がある予定ですが、文部科学省からの 提供の資料が横書きの一枚紙、また、事務局サポートチームの都立梅ケ丘病院市川院長 からの参考資料で、全国児童青年精神科医療施設協議会の第36回研修会のプログラム をいただいています。さらに、杉山委員から、オレンジ色で2枚紙の横書きの資料で、 「日本小児精神神経学会認定研修施設一覧」をいただきました。  齋藤委員からは情報提供をいただきました。『教育と医学』という慶應義塾大学出版 会の雑誌で、2006年3月号に「子どもの心の専門家を育む」という特集が組まれて いますので、ご紹介させていただきます。  また、資料の最後に第8回検討会の議事録があります。この議事録は厚生労働省のホ ームページで随時掲載しています。  なお、委員の先生方にはあらかじめご案内をさせていただいていますが、前回の検討 会の際に、平成17年度の報告書のたたき台を総務省のホームページに載せるというパ ブリックコメントを行うことを検討していましたが、今回、検討会議が引き続き行われ ることが決まり、報告については中間報告的位置付けになったことと手続上も必要では ないということが確認されましたので、パブリックコメントは行わないということをご 報告申し上げます。以上です。 2.平成17年度報告書とりまとめ ○裄V座長  どうもありがとうございました。資料の方はよろしいでしょうか。  前回の報告書のたたき台に関する議論を踏まえて、平成17年度の検討会の報告書 (案)を事務局に取りまとめていただきました。それが、今、紹介があった資料3「子 どもの心の診療医の養成に関する平成17年度検討会報告書(案)」ということになり ます。早速、資料3を使って議論を進めたいと思います。  それではまず、事務局から資料3の内容を説明していただけますでしょうか。 ○母子保健課長補佐  それでは、資料3「子どもの心の診療医の養成に関する検討会」の平成17年度報告 書(案)について、簡単に説明させていただきます。こちらは、先ほどご案内の通り、 前回の検討会での報告書のたたき台に対して委員の先生方から、その後または会議の際 にいただいたコメントを反映させているものです。また、報告書という形式で本文と資 料の関係を整理して編集を行ったものです。  この報告書(案)の中での前回からの主な変更点を紹介させていただきます。まず、 資料と本文の整理を行ったということ、それから、報告書の目次をご覧いただければと 思います。これまで全部一括して「別紙」という形で先生方のご議論を踏まえて、様々 な図表などをまとめていたものを、しかるべき場所に図表という形態で、あるいは資料 ということで本文中に入れ込んでいるという編集作業を行っています。  まず1頁目の「I.はじめに」のところですが、この導入部に当たるところに検討会 の開催経緯を、下の方に詳細に追加したこと。また、2頁目には、今回の平成17年度 の検討会で、取りまとめられた内容を列記したこと。また、同様に平成18年度にさら に検討する内容を取りまとめています。  2頁の二重線の四角の中ですが、こちらは検討会で実際に議論を行う上で、これまで 分類を行ってきた3段階のレベルの医師の説明を整理して記載しています。これについ ては、この三つのレベルの医師の説明ということで、以前は「専門性」という用語が幾 つかの違う意味合いで使われていたところを「専門医」と話しているのか、あるいは「一 般的な意味での専門性」を指しているのかなどが若干わかりにくいという指摘があった ため、なるべくわかりやすく平易に書き直しています。この辺りをご覧いただければと 思います。  また同じ2頁の点線の枠で囲っている(注1)のところですが、これは先生方からい ただいた意見を基に、事務局サポートチームと座長に相談させていただいて、この三つ のレベルのそれぞれの医師数の推計を改めて行いました。  次に3〜4頁ですが、以前は「別紙」となっていて、この検討会の最初のころにご議 論いただいた、この検討会が対象とする「子どもの心の問題」が非常に多様ですので、 その例示を本文の中に盛り込むことで、報告書で対象とする「子どもの心の問題」、「疾 患状態」にはどのようなものが含まれるのかを明確にしました。  このあと5〜7頁に関しては、微修正です。7頁の「3.子どもの心の診療に専門的 に携わる医師のための研修(専門レジデント研修等)の現状」についてですが、こちら は事務局サポートチームと一緒に現時点で研修を行っている施設を調査・整理をして記 載しています。  なお、前回、前々回に議論のあったところですが、大学付属病院以外にも大学で発達 領域に関しての診療を行っている大学などもあるという指摘をいただいて、座長と相談 の上、今後さらにこの点については厚生労働科学研究班でも大学も含めた子どもの心の 診療に関する研修実施施設の調査を踏まえて、データを今後追加していければというと ころです。  次に8頁ですが、こちらは教育研修の到達目標でして、これ自体が平成17年度のこ の検討会の議論の大きな成果であるということで、巻末に別紙資料として置いていまし たものを本文の中に移動しています。この項目は到達目標が8頁ほどあり、分量がやや 多かったため、見やすくするための工夫として、9頁目に、まず、卒前教育から下の方 ですが、卒前教育から始まり、3段階のそのレベルの医師それぞれについて「一般到達 目標」と「個別到達目標」を示して、まず、いわゆる全体像の図を最初に示し、その次 にそれぞれの一つ一つのコンポーネントについて説明を行っていくという形で編集し直 しました。  ですから、10頁から順番に「卒前教育」、11頁は「一般の小児科医・精神科医」、 13頁は「子どもの心の診療のニつ目の医師グループ」、それから15頁は「三つ目の 医師グループ」といった形で、どこの部分についての説明かということをわかりやすく するような工夫を試みました。この辺りの表現等、検証方法等について、さらにコメン トをいただければ幸いです。  なお、9頁から始まる資料の一群については、下の方に付けている資料の頁に加えて、 上の方に「図表2−1」〜「図表2−8」と付けていますが、これは今、説明させてい ただいた到達目標のセクションの中で、どの部分を説明しているのかをわかりやすく示 すために試みたものですが、やや番号の付け方がわかりづらいかもしれませんので、さ らに工夫を試みたいと思います。これが到達目標のところで内容ではなく編集というこ とで対応させていただきました。  それから17頁から始まる「IV『子どもの心の診療医』の養成の方法について」です が、こちらは前回の検討会からの委員のコメントや、文部科学省や厚生労働省の関係部 局からのコメントなども勘案した上で微修正を行っています。ここでも、本文の中のモ デル研修コースの図が別添となっていたところを本文の終わりに移動しています。ここ までが本文で、25頁からは、委員の意見と養成に関しての関係者の取り組みと今後の 取り組みの計画のアンケート結果ということで、これを資料1、資料2として併せてい ます。  最後に54頁、55頁には、今回の検討会の構成員名簿と事務局サポートチームの名 簿を資料3として、資料4としては平成17年度の本検討会の開催経緯を掲載させてい ただきました。以上です。 ○裄V座長  どうもありがとうございました。今回、報告書らしい形式に整えていただいた工夫の ほどを今、ご説明いただきました。かなり編集面で大きく変わり、工夫が凝らされてい るように拝見しました。  今回が最終回ですので、最初から順番に検討していきたいと思います。もし、いろい ろな意見があった場合には、座長に預からせていただき、事務局と相談して、修正を含 めて今後の取り扱いを考えたいと思います。  まず「はじめに」というところで、そこには図表として「『子どもの心の問題』の例 (受診理由と診断名)」、「『子どもの心の問題』に関する受診理由」、それから、「ど のような『心の問題』があるのか」という診断名が「図表1」として付いていますが、 この部分に関して何かご意見がありますでしょうか。今までの議論を踏まえて、この「は じめに」のところも一部修正されていると思います。1〜2頁の辺りを少しご覧になっ ていただきたいと思います。  この部分に関してよろしければ、次は5頁になります。「II.『子どもの心の診療医』 の養成の現状(資料2)」と、その中には「1.一般の小児科医・精神科医のための研 修の現状」「(1)卒前教育(医学部教育)の現状」。それから、「卒後研修の現状」 「1)卒後臨床研修の現状」。「(2)小児科・精神科の一般専門教育の現状」。そし て、さらに「(3)生涯教育の現状」で、また1)、2)、3)と分けられています。 ○牛島委員  一部訂正があります。6頁の日本児童青年精神医学会のところ、これは「専門医制度」 ではなくて、「認定医制度」ではないでしょうか。(2)のですね。 ○裄V座長  まだ、そこまではお話ししていなかったのですけれども。まず、IIの「1.一般の小 児科医・精神科医のための研修の現状」それに続いて「2.子どもの心の診療を定期的 に行っている小児科医・精神科医のための研修・生涯教育の現状」と。そこに(1)〜 (6)まで列挙されていて、今、牛島委員からご指摘があったのは、「(2)日本児童 青年精神医学会」、ここに「専門医制度(成人の精神科の研修が必要)があり、現在1 00人程度が専門医を取得している」と。今ご指摘があったのは「専門医」ではなく、 「認定医」という呼称であるということです。これは間違いですので修正をしたいと思 います。 ○神山委員  5頁の(1)のマル3に「小児行動異常」という言葉が出ていて、そこに「注意欠陥 多動障害、自閉症、学習障害、チック」と書いてあって、一方で、少し戻って恐縮です が、1頁目の「はじめに」のところには、「発達障害者支援法」という言葉が出ていて、 その後で「発達障害」が出ています。  文部科学省の方で、「軽度発達障害」という言葉を使ってADHD、自閉症、学習障 害ということをまとめているということもあるので、いろいろな言葉が出てきて非常に 混乱を招くという気がしないでもないのですけれども。私に名案があるわけではないの ですが、言葉が煩雑になっているという気がしました。  前回、(注)という形で軽度発達障害あるいは発達障害ということの説明を加えさせ ていただくような提案をさせていただいたのですけれども。少し検討いただければと思 います。 ○裄V座長  ただ今の指摘は、この中で発達障害あるいは軽度発達障害、それから5頁には1の(1) のマル3に、「小児行動異常」としてその中に「注意欠陥多動障害、自閉症、学習障害、 チック」という例示がされていると。その辺が少し不統一ですが、どうでしょうか。例 えば、ここの卒前教育など医師国家試験のガイドラインにどう書かれているかとか、そ のようなことが関係してくるかもしれません。その辺を見た上で、なるべく統一したい と思います。今、何かこの場でありますか。よろしいでしょうか。 ○母子保健課長補佐  ご指摘は理解しました。注釈という形で、幾つか違う用語が使われています。それは 何を指しているのかということを明記するようにします。 ○裄V座長  よろしいでしょうか。そのような形で、ぜひ配慮したいと思います。 ○奥山委員  編集の過程でこうなったのかと思うのですけれども、7頁の大きな3番のところの…。 ○裄V座長  まだそこまで行っていない。 ○奥山委員  では、1からということですね。「養成の現状」全体ではなくて、1のところだけと いうことですね。 ○裄V座長  養成の現状の中の1、2と来たところです。6頁まで。7頁ですか、では先へ進みま しょう。「3.子どもの心の診療に専門的に携わる医師のための研修(専門レジデント 研修等)の現状」。そこに(1)(2)それから、四角で囲った(注2)、(3)(注 3)、(4)とあります。これについてご意見があればどうぞ。 ○齋藤委員  神山先生が仰った辺りで、今こうやって見るとやはり気になるのですが。自閉症にし ても学習障害にしてもチックにしても、ある疾患名の一部を使っており、それなりに聞 けばわかるのですが、この「注意欠陥多動障害」というのは、「多動性」が抜けていれ ればDSMになるかと思うし、「注意欠陥」を取ればICDですし、ということで、非 常に中途半端なものですから「多動性障害」とか「注意欠陥」を取って「多動性」を入 れた方が良いのではないかと思います。 ○裄V座長  先ほどの神山委員のご指摘に関連して病名の表し方についてのご意見でしたけれども。 ○文部科学省高等教育局医学教育課(小谷課長補佐)  文部科学省医学教育課です。ここの記述については、平成13年に出ている「医学教 育モデル・コア・カリキュラム」を抜粋した形で引用させていただいていますので。 ○裄V座長  どこの部分ですか。 ○文部科学省高等教育局医学教育課(小谷課長補佐)  先ほどからご指摘の、5頁の(1)のマル1〜マル4です。そういった意味では、こ の検討会での皆さまのご審議は反映されていない形になっているということはご理解い ただきたいと思います。 ○裄V座長  それを、そのまま同じ言葉遣いで引用するかしないかということは、問題なのですけ れど、いただいた意見を踏まえて、サポートチーム、さらに神山先生からの意見なども 入れていただいて、検討、修正するということにしたいと思いますが、よろしいでしょ うか。この7頁について意見ありませんか。 ○奥山委員  7頁に関しましては、最初に「ナショナルセンター」というのがあがっていて、「(2) 全国児童青年精神科医療施設協議会」では「国立精神・神経センター国府台病院」が入 っていて、「(3)日本小児総合医療施設協議会(小児病院)」では「国立成育医療セ ンター」が入っていないという形になっています。重なるから取ったとすれば「国立・ 神経センター国府台病院」は取らなければならないし、両方入れるのであれば入れると いうように統一していただいた方がいいと思います。 ○裄V座長  はい。ごもっともというか、事実そのとおりです。 ○齋藤委員  すみません。ケアレスミスです。準備する段階で気が付くべきだったのですが、同じ ように7頁の(注2)の点線で囲んだ中で「神奈川県立子ども医療センター」が、同じ 文章の下の方では「神奈川県立子ども病院」になっているので、ここを「神奈川県立子 ども医療センター」に直していただけますでしょうか。 ○裄V座長  (注2)では「神奈川県立子ども病院」になっていますけれども、これは「神奈川県 立子ども医療センター」です。 ○齋藤委員  2カ所でてきまして、上の方は「神奈川県立子ども医療センター」で正しいです。 ○裄V座長  そういう細かい修正はこれからきちんと見直していかなければならないと思います。 例えば「ナショナルセンター」、これも一般的によく使われる言葉ですけれど、正式に は「国立高度専門医療センター」です。  以上、大きな見出しの「II.『子どもの心の診療医』の養成の現状」というところを 手短に見てきました。これを通して何か、他に意見がありますでしょうか。病名あるい は病院の呼び方、そういったところに関してもう一度、きちんと見直す必要があるとい う意見をいただいたと思います。もし時間があれば、また振り返ってみることもできる と思います。  それでは8〜16頁までの「III.子どもの心の診療のための教育・研修の到達目標に ついて(図表2)」、この部分について、もう一度よく見直していただきたいと存じま す。 ○奥山委員  これは報告書としてこのままの形なのでしょうか。それとも、昔あったような大きな 図表が入るのでしょうか。このままの形で載るとすれば、これに実際に入れ込まれたも のを見るという形にはならないということですね。 ○裄V座長  9頁は最終的な報告書でも横向きです。 ○奥山委員  昔は、9頁のこれに本当に大きなA3の大きさで内容が入っていたのです。それはな いということですね。 ○裄V座長  事務局の方で工夫されたところだと思いますけれど、その代わりに、10頁から後に 色を順番に変えてその下に内容を書いて、こういった報告書のスタイルとしてはユニー クだと今、拝見しておりましたところです。これらも事務局で考えていただいて、大変 工夫されたところだと思いますが、いかがでしようか。 ○牛島委員  少し質問ですが、真中の「2−A)一般到達目標」の上の方に5つの施設、学会が挙 がっておりますが、先日の裄V座長からの研修協力要請の中に、思春期青年期精神医学 会がございました。これを入れておかなくてもよろしいですか。 ○裄V座長  こういうような取り組みをしていただいている学会あるいは専門団体、協議会という のはこれだけではないと思います。 ○牛島委員  そうですね。乳幼児医学心理学会もありました。 ○裄V座長  はい。そういうことで「等」というところで、ここに出ておりますのは、いわば、こ の検討会のメンバーとして代表のような形で出ていただいているところです。 ○牛島委員   はい。「等」もございますので、無理をすることもないと思ったのですが、承知しま した。 ○裄V委員  もっといろいろな団体に協力のお願いをすべきだと思います。 ○山内委員  8頁のところなのですが、「一般到達目標」と「個別到達目標」となっていて、細か いことですが、「個別到達目標」が「求められる知識や技能の詳細な指標」となっていま す。「目標」が「指標」というのはなじまないし、一般的には、到達目標には、「一般」 と「個別」があるということも承知しているので、あえて定義と言わずに「身につけら れることを求められる知識・技能を一般到達目標と個別到達目標に分けて明確にした」 というようなことでよろしいのではないでしょうか。 ○裄V座長  この呼び方も前回版と修正されているところで、これはよく教育領域等で使われてい た一般教育目標GIOそれから個別行動目標SBOですが、聞くところによりますと意 味がわかりにくいという意見があったということで、「一般到達目標」「個別到達目標」、 「一般」と「個別」とその意味するところは同じだと思いますけれども、こういう言葉 にしたと。この辺もいろいろなところで、多少違った言葉使いしていることも事実だと 思います。例えば、新医師臨床研修の指導者ガイドラインでは少し違う言葉使いで、そ の辺をこの検討会ではこのように統一をさせていただいたということです。その定義・ 説明に関しては、山内委員が言われたように、「一般」と「個別」に分けて記載し、明 確にしたということでも十分わかる。どこまで詳細かというのはいくらでも言いようが あるわけですから。それで9頁にイメージとして示されたものの左側から順番にその内 容が記載されています。  10頁には「卒前教育(医学部研修)」。これは「(医学部教育)」ですね。10頁 の「0.卒前教育(医学部研修)」と書いてありますが「(医学部教育)」の間違いで す。それと、「卒後研修(卒後臨床研修)」ということです。また10〜11頁の上の 方にかけて「卒前教育(医学部教育)」と「卒後研修(卒後臨床研修)」に分けて記さ れております。順番を「0」から始めたというところもまた工夫というか、0番線のよ うな感じですけれども。この辺の内容については今までずっと示されてきて、何度か議 論されてきたところで、特に今回のバージョンで編集の工夫以外に大きく変えられてい るところはないと思います。それでも、もう一度見ていただいて何か意見があれば、ぜ ひお聞かせ願いたい。 ○森委員  先ほどの話で、また混乱してしまったのですが、「一般到達目標」がこれからたくさ ん出てきて、「個別到達目標」というのも出てくるため、わかりにくいので、多分、定 義というのがあったのだと思うのですが、この内容はどういう分け方をしているのか、 定義のところの文章をどうされるのかを、ぜひ教えていただかないとその後が非常に読 みにくいと思ったのですが。 ○裄V委員  8頁の「一般到達目標」と「個別到達目標」ですか。 ○森委員  一般目標といったものは大きな目標、全体を指しているわけですから、個別目標を全 部マスターすると一般目標が到達できるというのが一般的な考え方だと思っているので すが、この後ずっと見ていくと一般目標がずらずらとたくさんでてきて、個別目標もた くさん出てくる。一般目標は下のランクでさらに上のランクが個別目標のような書き方 をしているところもあります。一見して、必ずしも統一されていないので、どういう定 義で作られたかを教えていただきたい。 ○裄V座長  前の検討会で一般目標と個別目標について、森委員から似たような指摘があったと思 いますが、どうでしょうか。 ○母子保健課長補佐  森委員からのご指摘も踏まえまして、例えば、他の学会等で行われているものですと、 まず上位概念があって、その下に幾つか、より下位の詳細なものがあって、それがかな り対応しているというのが通例だと聞いております。幾つかのそういう事例を調べてみ て、先ほど、座長が仰ったように、こちらの検討会では一般的にはこういった技能が求 められるというものをまずは集約をいたしまして、それをさらに詳細に見ていくとこう いう技能があるということで、森委員がご指摘のように確かに必ずしも1対1あるいは これとその次の個別目標がきれいに対応しているという形には、今回整理をしておりま せん。 ○裄V座長  その辺は、いろいろな領域の教育目標の記述でそれぞれ多少ずれのあるところだと思 いますので、この到達目標に関してはそのような形でまとめられたということでご理解 いただければと思います。 ○奥山委員  事務局サポートチームといたしましては、皆様のいろいろな意見をまとめる過程で増 えてしまった分はあると思うのですけれども、ご覧になっていただくと、例えば12頁 の【精神科】の「一般到達目標」等に関しては、「どれぐらいの年齢に関してはこれが できる」、「この年齢に関してはこれができる」というような形で目標を立てて、これ を一つの文章にすると返ってわかりづらくなるという部分も少しあったので増えている ということは言えると思います。 ○森委員  ここだけですと、例えば「年齢に応じた、あるいは世代に応じた精神障害の診断と治 療ができる」という言葉が、普通ならば「一般目標」になる、それでその下のところの 「個別目標」のところに個々のものが入ってくる。 ○奥山委員  実は、高校生以上に関しては「全部きちんとやってください」、中学生以上に関して は「初期対応まで」、最後に関しては「疑診と紹介ができる」と違えています。 ○森委員  それは一般的には「個別目標」ではないのですか。ところが「一般目標」になってい ます。要するに、どの水準で一般と個別に分けたのか、わかりにくいと思ったのですが。 ○奥山委員  つまり、年齢に応じた対応ができるということになると、「年齢に応じた精神的な対 応は全部してください」ということになるのだと思います。そうではなくて、「ここま ではやってください」という形で、一般目標の中に「限度を入れた」ということになる のだと思います。 ○森委員  そうすると定義のところで説明をしていただかないと、多分これを読んで研修をされ る方はどこを自分はマスターするのか、これを見るだけでは非常にわかりにくいと思い ます。今の話で私はわかりましたけれども、そこの辺りがわかる定義を作っていただき たいです。 ○奥山委員  かえって定義をきちんと作った方がいいかもしれません。 ○裄V座長  また定義といっても上手にできるかどうか、というのはかなり工夫がいるところだと 思います。先ほどの山内委員の意見と今の森委員の意見の両方を勘案して、もう 一度そ の点に関して預からせていただいて、事務局あるいはまたサポートチームと検討させて いただきます。  11頁には「1.一般の小児科医・精神科医」という2番目の、診療医としては第1 のカテゴリーについて「一般到達目標」、「個別到達目標」を、「小児科」、「精神科」 に分けて記してあります。森委員からの指摘のように、「一般到達目標」というところ に項目がかなり多いというのは確かです。「個別」の方はもう少しそれに対して具体的 な記述がしてある、そういう構成になっております。 ○山内委員  確かに皆さんに理解してもらうためには、その辺の「一般到達目標」と「個別到達目 標」をもう少し分けた方がいいのかもしれないと今の議論を聞いて思いました。例えば、 そうなると8頁のところは「一般到達目標として『子どもの心の診療医』に求められる 全般的な知識や技能とそのレベルを包括的に述べる」として、その具体的な目標を「個 別到達目標」として記載するようにしておいて、この中を整理してそういう目標設定に 合うようにまとめた方がわかりやすいのかもしれません。 ○裄V座長  先ほどに引き続いての議論ですが、今の山内委員からの意見等も踏まえて工夫をして みたいと思います。 ○神山委員  11頁の【小児科】1−A) 最後のところの「子どもの心の問題に関係する社会資源 と連携して、子どもの精神保健に間接的に係わることができる」、正直言って、読んだ ときに全然わからなかったのですけれども、13頁の「2.」のところにいくと、今度 は「直接的に係わることができる」と。レベル2の先生は「直接的」だけれど、レベル 1の先生は「間接的」となるわけですけれども、「間接的」というのはいまいちわから ないです。「社会資源」というのはいろいろな役割の方という意味だと思うのですが、 ここがよくわからなかったのですが、すみません。 ○裄V座長  11頁の1−A)「一般到達目標」の最後のところに「子どもの精神保健に間接的に 係わる」とあります。確かに13頁の一番下の方には「子どもの精神保健に直接に係わ ることができる」、こういう記述がありますけれど、これはやはりサポートチームから でしょうか。 ○神山委員  すみません。多分これもその前の議論に関わった一般目標というところに、こだわっ た書き方をするとこういう形になるのかなという話を森委員としていたのですけれども。 ○奥山委員  恐らく、そうだと思います。これを書いてくださった先生と、そこのところを議論し なかったのが悪いのですが、保健所での健診などの場合に保健師と相談しながら間接的 にかかわることができるということと、後の方はどちらかというと中心的に実際に精神 保健を進めていくということができるという意味だと解釈しております。 ○神山委員  もう少しわかりやすい表現の方が。 ○奥山委員  そうですね。わかりやすくするということを後で考えた方がよいかもしれません。 ○牛島委員  「間接的に」を取れば、済むのではないですか。 ○裄V座長  間接的と直接的、そういうように対応させると本当にどういうことを言っているのか というのがわかりにくいです。今の牛島委員からの意見も踏まえてこれも検討すべき点 です。いろいろ出てくると思います。  13頁からは「2.子どもの心の診療を定期的に行っている小児科医・精神科医」い うところで、今、「2−A)一般到達目標」で「子どもの心の問題に関係する社会資源 と連携して、子どもの精神保健に直接に係わることができる」こちらは「的」はないで すが。ここの部分は小児科医と精神科医という分け方をしておりませんので、どちらの 医師にとってもそういった子どもについて直接的、中心的にかかわることができるとい うことでなければいけないと思いますけれども。 ○齋藤委員  これから検討する「3.」のところに高度の専門性を持つ、専門的に携わる医師のと ころで「中心的役割を担う」という言葉がでてきますので、13頁の「2.」のところ は「子どもの精神保健に積極的にかかわることができる」ぐらいではどうかと思います が。 ○裄V座長  なるほど。そのように使い分けているのですね。「間接的」「直接的」「中心的」と。 ○齋藤委員  最初の「間接的」は要らない。 ○牛島委員  指導的という言葉はどうかと。 ○齋藤委員  3番目ですね、指導的といったら。 ○牛島委員  精神保健の部分は3番ですか。 ○裄V座長  今、問題になっているのは15頁の中ほどの「中心的」というところです。  あと、私個人としての意見というか質問をさせていただきます。  14頁の2−B)個別到達目標の(1)知識の下の方に「生育環境」という言葉があ って、「国立成育医療センター」は「成る」「育つ」に対して、これは「生きる」「育 つ」という言葉が使われている、これは確かに精神科領域ではこういう言葉は昔から使 われていますけれど、「成る育つ」ではいけないでしょうか。 ○奥山委員  そうですね。これは生育歴という頭があったのです。それで「生きる育つ」で生育歴 というと考え方なのですけれども。 ○裄V座長  「生育歴」という言葉がよく使われていましたが。 ○奥山委員  でも、生育歴というとこちらの感じになります。その辺どちらがいいのでしょう。 ○山内委員  精神科もこだわらないです。 ○牛島委員  この頃もっぱら「生活史」なのです。「生活史」「生活歴」です。 ○山内委員  「生活史」なのです。 ○裄V座長  「生活史」、「生活歴」ですか。精神科の先生もそうこだわりはしないということだ け伺っておきます。  「子供の心の診療に専門的に携わる医師」、15〜16頁にかけてもご検討いただき たいと思います。幾つかこの部分に関して、大事な指摘をいただきましたけれども、こ れももう一度、よく検討させていただきます。  17頁から「IV.『子どもの心の診療医』養成の方法について」ここがいわば到達目 標と並んで、非常に重要な部分でもあるわけです。まずは23頁のこの「IV.『子ども の心の診療医』の養成研修コースのモデル」というのもやはり横置きの図表として示さ れています。それと関連した内容が17頁からの記述になっているわけです。 ○森委員  17頁で、マル7の「厚生労働省は云々」というのと、マル8の「国」は何を指して 「国」というのでしょうか。国のどこですか。国というのはよくわからないですが。 ○母子保健課長補佐  厚生労働省、文部科学省等でございます。両方合わせて、「国」ということです。 ○森委員  それで、いいのでしょうか。 ○裄V座長  マル7は厚生労働省の問題であると、マル8は複数の省庁にかかわることなので「国」 と書いたということでしょうか。 ○山内委員  そういう意味では今後、充実を図る主体がはっきりしていることがいいので、「厚生 労働省・文部科学省等」は入っている方がいいのでしょう。 ○神山委員  そうすると「厚生労働省と文部科学省が今後よく相談しながら」ということも含めて いるのが重要ですか。 ○裄V座長  その通りだと思います。後ほど、文部科学省からおいでいただいている方には発言を いただく機会を持ちたいと思います。  卒前教育、医学部教育、それから卒後研修。まず、19頁の上の部分に関して見てい ただきたいと思います。ちなみに卒後研修に関しては、「卒後臨床研修」という言葉が 使われていますが、「卒後臨床研修」、「専門研修」、「生涯教育」という言葉の使い 分けがされています。現在制度として行われているのは、正式な名前は新医師臨床研修 制度ということですが、これも聞くところによると、「卒後臨床研修」という言葉に統 一すべしということのようです。  この卒前教育の部分などに関しては、文部科学省などとも相談、意見交換の上でこの ように書かれているということでよろしいでしょうか。  卒後臨床研修については、「新医師臨床研修制度における指導ガイドライン」の次の 改定の際に、ぜひ検討をしていただこうということしか書いていません。  「2)小児科及び精神科の専門研修(卒後臨床研修修了後の研修)と生涯教育」。こ れが非常に重要な部分になると思います。 ○奥山委員  23頁の図を先に説明した方が良いかと思います。どういうイメージを持って成り立 っているかということで、図表3「子どもの心の診療医の養成研修コースのモデル」と 書かれています。三角形のマル1〜マル3が左の方に書かれていて、それぞれこんな研 修を今後、組み立てたら良いのではないかというモデルが書いてあります。特にマル1 が今回は重要ですが、「マル1学会での教育講演などの聴講」と。それから、なかなか 学会に参加できない方もいますので、視聴覚教材による学習をしていただくと。それで 100%の研修という目標を、ぜひ達成して行きたいと考えています。 ○裄V座長  その辺のところは、後ほどもう一度議論したいと思います。 ○奥山委員  その下ですが、日本小児科医会で行われているような研修をイメージしております。 マル1、マル2プラス少し強化したい方たちのために、こういう強化研修を考えてはど うかということで、ここにマル3として入れてあります。次を簡単に説明しておきます と、マル1はいろいろな学会が他の学会から呼ぶ形で連合体のようなものを作って、そ の研修のモデルを作っていくという考え方です。マル2、マル3はどこかの施設で研修 を行う形での研修モデルになっています。最後はレジデント研修ですので、あまり複雑 ではないと思います。一応そのような形で考えたことを報告します。 ○裄V座長  どうもありがとうございました。  23頁のイメージ図でこういう形の研修をイメージし、その内容として、17頁は卒 前教育ですが、それ以降、卒後研修からの研修コースをこのようなイメージで行うこと を理解した上で、内容を見るということで、17頁から目を通していただきたいと思い ます。特に今回の検討会として重要なのは、「一般の小児科医・精神科医」のところで す。そこでの研修のイメージとしてこういうものを考えていますと。 ○杉山委員  非常にきれいにまとめてあり、事務局が非常に苦労されているのがよくわかります。 こういうきれいなまとめをありがとうございます。少し目標などが直線的過ぎる印象が あります。違和感があるのは何かと考えていたのですが、14〜15頁のレベル2の専 門家の方とレベル3の方との違いを考えたときに、一番具体的な違いは何かと言うと、 複合的なケースが難事例になるわけです。15頁には「重症例、難事例の診断と治療が できる」と書いてありますが、この個別到達目標や技能やSBOなど、そういう書き方 にすると、多分、複合的な多問題家族への治療などは載らないのではないかと思います。 実は、一番専門性が発揮されるのはそこの部分ではないかというのがあって、その辺り を文面に盛り込んでいただけたらと思います。言っている意味がわかりますでしょうか。 ○奥山委員  杉山委員が仰っているのは、個別到達目標の中にという意味ですか。 ○杉山委員 一番難しいケース、というかそこの辺りが子どもの診療が嫌がられる理由なのです。 ○裄V座長  15頁に「子どもの心の診療に専門的に携わる医師」、専ら子どもの心の診療にあた っている医師の一般到達目標の中に、「重症例・難治例への診断と治療を行うことがで きる」とありますが、この書き方では不十分だという意味ですか。 ○杉山委員  それが個別目標のレベルにいった場合、具体的には複合的な問題の解決ができること になるのだと思います。これによると、そういう問題があってそれに対応ができる、こ ういう問題があってそれに対応ができるというレベル2とレベル3の差があまりよくわ からなくなってくると思います。 ○裄V座長  そういう内容をレベル3の個別到達目標の中に盛り込むべきだということですか。 ○杉山委員  専門家の専門家たる所以が一番発揮されるのは、そういう複合的な問題です。例えば、 子どもの治療と並行して親の治療もやらなくてはならなかったり、家族で三つも四つも カルテを作っていたり、警察まで動員したりというケースになってくると思うので、そ の辺りがきれいに切り分けすぎている印象があります。直線的なモデルで書かれると、 一番対応が難しいケースの問題は、逆に言うと、一般的な生物学的な医学モデルのやり 方で行った場合に、一番うまくいかないのが児童精神科領域だと思いますので、その辺 りのことをどこかにニュアンスとして入れてほしいと思います。 ○奥山委員  16頁の技能の上から7番目にそれらしいことが書いてありますが。これを上に出し ていった方が良いことですか。 ○裄V座長  今、杉山委員が言われたニュアンスが、このカテゴリー3の到達目標の中に反映され ているかどうかということをもう一度見るということです。 ○奥山委員  確かに杉山委員の仰ることは理解できます。しかし、実はこれは「子どもの心の問題」 という入り口からスタートしています。おそらく「子どもの心の問題」という捉え方で はなくて、多問題家族などと捉え方自体を広くして、それに対しての診療を考えるとな ると、またこの考え方の構造が変わってくるので、あくまでここは「子どもの心の問題」 からスタートした書き方になっています。決して杉山委員が仰っている内容を省いてい るわけではないですけれども、最初の入り口となる視点を定めるとこういう書き方にな るということでご理解いただければと思います。 ○裄V座長  今は到達目標に少し戻ったわけですが、この研修のイメージ図を見た上で。 ○杉山委員  それが養成のところにもつながってくるわけです。例えば、小児科と精神科の研修の 両方をやった方が良い理由は、多分そこにあるのだと思います。 ○裄V座長  特に今、問題にされている3番目のカテゴリーの医師の養成に関しては、これは23 頁の図表においても、言ってみれば空欄に近いと思います。ですからこれは次年度の検 討課題ということで、改めてもう一回やります。 ○杉山委員  わかりました。了解しました。 ○裄V座長  今、大体23頁の本文の部分に関して、平成17年度報告書案を見直してきたのです が、全体を通じて何かご意見がありますか。 ○山内委員  2頁の三つの「一般の小児科医・精神科医」、「定期的」、「専門的」というこの分 類は、全体を通して拝見すると非常に重要な柱になっています。この我々が慣れ親しん だ逆三角形が、この部分に入った方が皆のイメージ作りには良いのではないかというの が1点です。まず、そこで三つにカテゴライズされて話が進むということを明確にして おいた方が良いのではないでしょうか。  もう1点は、今回、「定期的」という言葉が出てきたのは、先ほど事務局から説明が あったように、「専門」などの言葉が不明確に使われているからということだと思いま すが、実際には、1は一般の小児科医、2は定期的に行っている人、3は専門的という のは、カテゴリーの基本が少し違うから、定期的とは何かとなると思います。「定期的」 は何回なのかという違う発想になるので、前回まで我々が議論してきたような、「一般 の小児科医・精神科医」と「子どもの心の診療を専門的に携わっている小児科医・精神 科医」と「高度専門的にかかわっている」となった方が、イメージとしては良いのでは ないかと思いますが、いかがでしょう。 ○裄V座長  この部分はいろいろな意見を踏まえて、今回、事務局とサポートチームで工夫したと ころですが、今の山内委員の意見・質問に関して何かありますか。 ○牛島委員  このままでこれ以上何か動かせとか、変更しろと言うつもりは毛頭ないです。これで 結構だと思いますが、この分け方に、先ほど出たような矛盾を含んでいる認識をしてお く必要があるだろうと思います。「定期的に」や「専門的に」、「専門に診られる」と なっていますが、現実問題としては全国児童青年精神科医療施設等といいますが、そう いう専門施設に勤める医者で指導的な立場の人が専門医になります。そうすると例えば、 数日前に日本児童青年精神医学会の理事会を開いたときに、「我々はどうなりますか」 というのがあったのですが、ある人は専門になるし、ある人は日本児童青年精神医学会 の認定医といえども大学にいる人は週に2回くらいで他に教育も携わっているとなると、 真中に入ってくるのです。そういう一面がありながら、「知識・技能に関しては、劣る ことはない」という方も出てくると思いますが、分けていくときにこの問題が難しいの です。その矛盾があることを我々は含んでおかなくてはならない気がします。 ○山内委員  そういう意味ではここは非常に重要なことで、我々の議論の中で前も牛島委員から先 ほどのような、自分は高度な医療機関に行ければ高度な専門性を持つし、そうでないと ころでは2番に属するという話があったので、その辺をしっかり押さえておけば、後の 方の理解もよくなると思います。ぜひここのところに逆三角形を入れて、しかも多少の 解説をしておくと、後の方の理解が進むと思います。 ○裄V座長  そうですね。報告書の本体にこの図を入れるという意見、その上で3つのカテゴリー の定義の仕方、呼び方に関して、もう少し工夫の仕様がないかどうか。 ○齋藤委員  この辺りの診療医、専門医といったイメージが錯綜しているところもあるのですが、 今回は、ともかく三つの役割・機能に注目して、三つに分けてみたということに意味が あるところだと思っています。ゆくゆくは子どもの心の診療に携わる専門医を作らなけ ればならないわけですが、この専門医は結局、第2、第3の二つのところが合体して、 専門医という一つの専門性を持つように、いずれは整理されるべきだと考えています。 ○奥山委員  事務局で議論したときに、「小児科専門医」という言葉も入ってきますし、専門医が あちらこちらにばら撒かれていた状態だったので、できるだけ「専門」という言葉を使 わないように整理したのが一つ方向性としてありました。もう一つ、私たちとしては「サ ブスペシャリティー」という言葉が非常に使いやすい言葉ですが、一般にわかりづらい ということがあって、「サブスペシャリティー」という言葉も使わない方向で整理をし たということで、苦肉の策と言ってもいいかと思います。牛島委員が仰るように、個人 の技能とそこに置かれているシステム的な問題とを混同しているのは確かだろうと思い ます。その辺が、どういう表現ができるのか、事務局でも検討いただければと思います。 ○冨田委員  少し違う見方をすれば、この「定期的」は、例えば「関心を持っている」としたらど うでしょうか。というのは、「逆三角形の一番底の一般小児科医・精神科医は、絶対診 なくてはいけない」ということで、関心を持とうが持たまいが、医師である以上は心の 診療医としてある程度の能力・技能を持たなくてはならない。次に我々がよく会ってい る医者を見ますと、関心を持っている人はそこから少し積極的に診ているのが現実です から、二段階の医師以上は「関心を持つか否か」で分かるのかなと思いました。 ○杉山委員  冨田委員の分け方は現実的だと思います。関心を持っているというレベルにしては、 ここに書いてある目標がとても高度です。これはバリバリの専門家向けの目標が書かれ ています。理想だからそれでいいかもしれませんが、そこに違和感があって、牛島委員 が仰ったことに重なりますが、結局、子どもの心の問題を専門的にやるためには、その 「場」がないとできません。その場が非常に少ないということが大きな問題なので、こ れは次年度の課題なのですか。 ○裄V座長  今まで何回も繰り返されてきた議論ですので、意見を伺うのは打ち切らせていただき ます。この3つのカテゴリーに関して、図をこの中に含めることと、この3つのカテゴ リーの表し方を、どうしても他に上手な表し方が見つからないという場合は、このまま で行くこともあり得ることも理解の上で、もう少し工夫をしていただくことにしたいと 思います。 ○山内委員  今のカテゴリーと関係があるので、細かいことですが23頁の図の一番下の注釈に1 〜3とありますが、3のところで「上記1又は上記2を経て」となっておりますが、そ うするとこれはステップで1、2、3と研修が進んでいかなくても、1から突然3に行 くことも考えているのかとなってしまうと思いますが、それでも良いのでしょうか。こ れは研修の専門性の獲得としては、1、2、3と行かなければいけないように思います。 ○裄V座長  確かに、ここに「又は」はおかしいのではないでしょうか。 ○奥山委員  大抵、レジデントをとっているところでは、小児科・精神科の研修が終わった段階で、 3の研修を受ける方も結構いて、2を通らないと3にいけないとなると、また混乱する のではないかと思います。 ○山内委員  そうすると先ほどの議論でいけば、「3が終わった人は2もできる」ということにな ってしまうわけですか。 ○神山委員  23頁の図で、1〜3の意味が少し違うと思って見ています。3は結局、養成です。 1と2は定期的に研修、つまり毎年クレジットを取りなさいということです。ですから 今の山内委員の話にもなってきますが、3は、毎年定期的に受けろということではない です。1回それを受ければいいということなので、この養成・研修というのが、3は養 成、1と2は研修と確認したかったので発言しました。 ○齋藤委員  今の神山委員の指摘で私もぼんやりしていたところが逆に整理ができました。結局、 医者が育っていく年代ということで考えますと、実際は2が最も長く続く経過なのです。 1は卒後の新医師研修、臨床研修を受けた後にずっとその位置にとどまることもできま す。そして専門レジデント研修へ比較的若い人が入っていき、1〜3年といいますが、 基本的には3年くらいやるわけで、それを行った人たちがその専門性を維持するために は、そこへ勤め続けるか、さもなければ2の研修を受け続けるということによって、専 門性が維持されるという感じではないかと思います。 ○裄V座長  実際問題として皆さんが考えていることはそういうことだと思います。1行でそれを 表すときに、どう書いたらいいのかといろいろ工夫の要るところだと思います。  以上の本文の後に資料があって、ここには委員からいただいた、様々な重要な意見が 書いてあります。これはそれぞれ大変重要な課題ではありますが、今回、この検討会に 求められている中心的な課題の周辺という位置付けで記載されています。しかもすべて 指摘があったという表現がされています。これは行政の出す報告書に付随する意見とし て書く場合にはこういう形を採らざるをえないことだと思います。  以上で、ひとわたり報告書の案を見てきました。その間にも様々な意見をいただきま した。先ほど申し上げたように、私が預かって、事務局またはサポートチームと相談し て、報告書に適宜反映させていきます。残りの時間がちょうど35分くらいになりまし た。このように検討会の報告書がまとまったということで、検討会の委員として各団体 を代表しておられる方々には、これからますます各団体として積極的に取り組んでいた だきたいと思います。 ○森委員  一言よろしいですか。23頁でどうしても気になるのですが、23頁の図の研修コー スのモデルの1に、これはボトムアップのところかと思いますが、マル1マル2があっ て、マル3がありますが、右側に「最低限マル1またはマル2のいずれかを選択」とこ こだけ「最低限」という言葉が出てきます。これは一応モデルということなので、「最 低限」という言葉がここにあるとかなりリミテーションがはっきりした形になるので、 「最低限」を取った方が良いのではないでしょうか。もう少し幅が持たせられると思い ます。 ○裄V座長  この点について事務局はどうでしょうか。よろしいですか。意見として承っておきま す。これも事務局、サポートチームとしては「『最低限』、ここの辺りは」という思い で出たのだと思いますが。 ○森委員  例えば、私ども日本精神科病院協会がやっている3日間の研修でも十分こういう部分 はできますので、この二つしかできないということになってしまうと、それはここには 入らないということになってしまうと思います。 ○裄V座長  入るのではないでしょうか。 ○齋藤委員  日本精神科病院協会は2の3日間コースの方に入るものだと。 ○森委員  ここにも入るのですね。ただ、子どものことをこれまで全く診ていなかったのだけれ ども、自分の病院に小さな子どもが入ってきたら全然わからないと。それで、ちょうど こういう研修があるからというので初めて来る先生が3分の1くらいいます。そういう 方たちは、ここで初めて学んだと仰る。そういう先生たちの感想文がたくさんあるので す。そうすると、そういう人は1ですよね。 ○裄V座長  そうです。  さて、残された時間があまりありませんので、予定されていることを進めさせていた だきたいと思います。今回は、文部科学省から情報提供をいただいていると。そのため の資料もここに配られているということで、文部科学省の方から何かご説明をいただけ るのでしょうか。 ○文部科学省高等教育局医学教育課(小谷課長補佐)  文部科学省医学教育課の小谷と申します。お手元に配付しています平成18年度予算 案における国立大学法人運営費交付金の中の小児医療等特別支援経費について説明させ ていただきます。  この運営費交付金については、国の厳しい財政事情を反映して、平成18年度予算案 においては、対前年度比約102億5,000万円減というような状況ですが、こうい った状況ではありますけれども、この四角囲みの中の◆にありますように、「虐待や発 達障害などの『子どもの心の問題』に対応できる専門医の養成が急務」との本検討会で ご協議いただいた内容ですが、こういったことなどを踏まえて、特に「国立大学病院に 対する医療ニーズが増している小児医療や精神医療に係る教育研究診療体制の充実を図 る」ために、22億2,000万円の経費を計上させていただいております。このよう に特定の診療分野に絞って支援経費を計上するのは文部科学省としては初めての試みで す。これは、1大学当たりに換算すると約5,000万円という形になりますが、実際 の配分は各病院の病床数に応じてなされることとなっております。  文部科学省としては、本検討会でご議論いただいた「子どもの心の問題」に対応でき る専門医の養成についても、各国立大学、大学病院の創意工夫によって有効な手だてが 取られることを期待しているものです。  最後になりましたが、この予算案作成の段階においては本検討会における大変有意義 なご議論や、貴重なデータを参考にさせていただきました。委員の皆さま、事務局を務 められた厚生労働省の関係各位に心から感謝申し上げます。簡単ですが、以上です。 ○裄V座長  どうもありがとうございました。私も今、拝聴して、また配られている資料を拝見し て大変うれしく、ありがたいことだと思います。これに関連して、特に卒前教育という 部分に関してですが、吉村委員からご意見をいただいていますので、この際にそれにつ いても若干の説明をお願いします。 ○吉村委員  一つお伺いしたいのですけれども、この報告書はどなた宛てに出すことになるのでし ょうか。 ○裄V座長  現在検討している報告書ですか。 ○吉村委員  この中にいろいろな大学とか学会とか専門施設に、こういうことが必要である、努め るなどと書いています。文部科学省と厚生労働省が対応していただいているのですが、 他の学会とか大学とかに対して要請するようなことはあるのですか。 ○裄V座長  こういう検討会の報告書というのは、社会に向けて広く出すということなのだと思い ますけれども。どうでしょうか。 ○母子保健課長補佐  本検討会の報告書については、もちろん委員の先生方が代表されている学会をはじめ、 その他の関連学会、さらに地方公共団体、また各大学で実際に医学部教育をしておられ る大学の病院長、大学長、また、例えば「健やか親子21」など、様々な形でこの問題 に取り組まれている連絡協議会の数多くの団体宛てに情報を提供させていただくととも に、インターネットの厚生労働省のホームページにも掲載させていただく予定です。こ れを踏まえて、各班の取り組みをさらに推進していただければということで情報提供を させていただくこととしています。 ○裄V座長  関連するところには広く送るわけですし、さらにそれに加えて一般にインターネッ ト・ホームページなどを通じて、公表するということだそうです。 ○吉村委員  各施設に、これが出たので、「ぜひ検討しなさい」という要望が行くと考えてよろし いのでしょうか。 ○裄V座長  各施設と言ってよろしいですか。 ○母子保健課長補佐  はい。 ○吉村委員  ありがとうございました。それから現在、コア・カリキュラムのことがいろいろ問題 になっています。文部科学省の下で「医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会 議」というのが高久先生の方で作られていますけれども、そこではコア・カリキュラム の改訂作業が行われていますし、将来的には抜本改訂も行われると思います。それから 全国医学部長病院長会議でもコア・カリキュラムの改訂作業をこれからやるところです ので、ぜひこういうものを踏まえて、そういうところに要請がいくとよろしいかと思う のですが。  皆さまは、コア・カリキュラムのことをあまり良くご存じないかもしれませんけれど も。これは、平成13年に大学の検討会議で作られたもので、全国の医科大学は、これ にのっとってカリキュラムが組んであります。ですから、実際には3分の2程度をこれ でやると。最小限の必須項目です。実は4年生の終わりに共用試験が入っていますけれ ども、このコア・カリキュラムにのっとって共用試験を行い、これにパスしますと臨床 実習をやってよろしいということになっていますので、非常に大事な項目になっていま す。  実際に見てみると、精神科のところなど、小児の精神科のことにはほとんど触れられ ていなくて、三角印がついているのですが、これは「卒業までにやりなさい」というこ とで、4年生の共用試験には出ませんので実際には「実習の中でやりなさい」というこ とで、講義をしなくても良いような認識になっています。ぜひコア・カリキュラムの中 に、小児についての項目を入れてくださいということを要望してはいかがかというとこ ろです。もちろん全国医学部長病院長会議には私からお願いしたいと言うつもりです。 ○裄V座長  今、発言いただいた吉村委員は、全国医学部長病院長会議のお立場で出ておられます ので、その会議にこの成果をぜひ持ち帰っていただきたいと思いますし、その上で、さ らにそういった関連する会議に対してこの報告書が届くような、きちんとした手だてを してほしいということだと思います。よろしいでしょうか。  先ほど、少し言いかけたことなのですけれども、ここに出ておられる委員の方々がそ れぞれ代表しておられる各学会あるいは団体の理事会などでも、ぜひ検討を進めていた だいて、いろいろな取り組み、現在も既に取り組みをされていると思いますけれども、 それをさらに充実させ、また拡充してこの検討会の報告書に沿った形での研修が行われ るようにしていただきたいと思います。  そういった動きとして、もう既に幾つかあると思います。日本小児科学会は、別所委 員も出ておられますけれども、日本小児科学会が中心となって日本小児科医会及び日本 小児科学会の分科会として関連する幾つかの学会が集まって、一般小児科医における研 修をできるだけ連携、協働してやると。統一的なカリキュラムの上で行うという動きを 進めてくださっていると伺っています。それから、これは私が一応、音頭取りをさせて いただいて2月1日に、「子どもの心の診療関連医学会理事長会議」という関連する学 会のトップの方にお集まりいただいて、主としてこのカテゴリー2の医師の研修につい て関連する学会が連携して取り組むということを議論いただきました。大変、活発な議 論がなされました。その結論として、子どもの心の診療関連医学会連絡会というものを 立ち上げて、そこにワーキンググループを作って具体的な取り組みを今年の春から進め て行こうという合意がなされました。そこに集まっていただいたのは、日本小児神経学 会、日本児童青年精神医学会、日本思春期青年期精神医学会、日本小児心身医学会、日 本小児精神神経学会、日本乳幼児医学心理学会、ここに出ておられない学会も含まれて いますけれども、そういった学会でゆるい連合体と言いますか連絡会を作って取り組み をしようということで、その事務局は国立成育医療センターの「こころの診療部」に置 いていただくというようなことが話し合われました。これからの動きとして大変重要で はないかと思います。  このような形で、ぜひ学会などの関係者間の連携を密にして、各々の団体が具体的に どのようなことができるのか。分担また連携、合同研修といったことについて検討して いただきたいと思います。「子どもの心の問題」に関するプログラムの充実、診療医養 成研修の対象者の拡大、それからその活動の充実をグループとしても図っていければと 思います。  これで平成17年度としての検討会は、今回で最終回となりました。本日ご出席いた だいている北井雇用均等・児童家庭局長から一言お願いできますでしょうか。 3.その他 ○北井雇用均等・児童家庭局長  裄V座長をはじめ委員の皆さま方には、1年間にわたり本当に活発な議論をいただき、 ありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  検討会で取りまとめていただいたことは、「子どもの心の診療医」の養成の現状分析 をいただいた上で、「子どもの心の診療医」に求められる知識・技能を到達目標として 示していただいたこと、さらに、「子どもの心の診療医」の養成研修コースの当面のモ デルを示していただいたことと思います。今、お話がありましたように、取りまとめら れた報告書は学会をはじめ関係者の方々に広く情報提供させていただいて、様々な形で ご活用いただくことを促していきたいと思っているところです。  また、この1年の会議では十分検討しきれなかったところがあります。委員の皆さま 方のご協力を得て、この会を平成18年度も引き続き開催させていただくことにしてお ります。具体的なテーマとしては、カテゴリー1のグループについては、実際に養成を 行うためのカリキュラム、テキストを作成し、できるだけ実際に研修も実施して行きた いということ。カテゴリー2のグループについては、研修のモデルをさらに具体的にし、 実施するための方法を詰めていただくということ。また、三つ目の高度専門的な医師の グループについては、どのような研修場所があるかということも含めて養成方法の詳細 な検討をいただきたいと考えています。来年度も引き続きよろしくお願いしたいと思い ます。本日はありがとうございました。 ○裄V座長  どうもありがとうございました。今、北井雇用均等・児童家庭局長から来年度もこの 検討会が継続するということを伺ったわけですが、佐藤母子保健課長から今回の検討会 の報告書(案)ですが、さらにまた一部修正が加わると思いますけれども、検討会の報 告書を受けての厚生労働省としての対応などについて何か説明がありますでしょうか。 ○母子保健課長  ただ今、北井局長の方からあいさつを申し上げましたので、重複を避けて、単純に事 務的なことから申し上げます。本日たくさんの議論をいただきましたので、コメントに ついては、先ほどから裄V座長から何度も話がありましたように、座長、それにお許し いただければサポートチームの齋藤委員、奥山委員とも相談させていただき早急に取り まとめて3月半ば〜下旬を目標に公表へ向けて準備をしたいと思います。もちろん直前 にはまた目を通していただくチャンスがあると思います。また、吉村委員他からもあり ましたように、幅広く、関係の皆さま方に目を通していただける機会を得たいと思って おります。  それから、これも局長から話がありましたが、今後の対応の中で、前回の検討の際に も平成18年度概算要求においてこの検討会の経費を要求していると報告させていただ いたのですが、その方向で平成18年度も引き続き「子どもの心の診療医の養成に関す る検討会」を開催したいと思っています。スケジュールその他については、また改めて 座長とも相談させていただき、先生方に連絡させていただきます。いろいろ熱心に議論、 討議いただきありがとうございました。 ○裄V座長  ありがとうございました。局長からまた課長から改めて平成18年度も検討会を継続 することと、その検討の内容などについても、一部、説明があったわけですが、何か意 見、質問がありますでしょうか。 ○奥山委員  せっかく吉村委員からも意見が出たので、できれば委員の皆さまが送ってほしいとこ ろなどがあれば、伝えて送っていただくような方法を取っていただけたらありがたいと 思います。いかがでしょうか。 ○裄V座長  報告書の広報と言うか。他に何かありますでしょうか。 ○牛島委員  この報告書はいつ出るのですか。 ○母子保健課長  3月半ばから下旬でしょうか。 ○牛島委員  (案)の段階で使用できますか。というのは、今、九州大学がその準備中ということ を申し上げましたけれども、そこの教授から、ぜひこの報告書を(案)でも良いから使 いたいというようなことが出てきたのです。 ○母子保健課長  既に、会議自体は公表されておりますので、常識の範囲内でよろしくお願いします。 ○牛島委員  よろしいですね。どうもありがとうございました。 ○裄V座長  他に何かありますでしょうか。まだ少し時間がありますけれども。本日ご発言のなか った委員から何かあれば。 ○南委員  私は、先生方と違って学会とかそういう背景で参加させていただいているのではなく て、やはり国民にどういうニーズがあるかという視点から常にこの会議に参加して参り ました。最終的に、この報告書が本当に子どもの問題で困っておられる患者さんのため に役立つということが強く望まれるわけです。そのためにも、ここで何度も議論した「専 門家」という言い方が、一般的に学会の専門医制度などが非常に問題になっている折で すので、「子どもの心の診療医」というものが国民にとっては「子どもの心の専門医」 という、どう言おうがそのように響くと思いますので、それがいわゆる学会の専門医性 みたいなものと非常に混乱というか、人によって様々なものを描くのではないかという ところが少し懸念されます。  第1期と言いますか今年度の成果として、底上げを図るというところを非常に大きく 目的に掲げたわけなので、最終的に最後に裄V座長が仰った連携ですね。子どもがどこ にかかっても、必ず子どもの診療の専門家の方の連携に乗れるというところを、ぜひ報 告書で国民にわかるようにしていただきたいと強く希望します。 4.閉会 ○裄V座長  ありがとうございました。平成17年度の会議はこれが最後になるわけで、1年間の ご協力について改めて座長の立場として感謝を申し上げたいと思います。非常につたな い進行役で、十分な議論ができなかったり、いろいろな意見があったりすると思います けれども、何とか報告書をまとめることができました。何とかここまで来ることができ たということを改めて委員の先生方に感謝申し上げたいと思います。そして、事務局サ ポートチームとして専門的な観点から事務局をサポートしてくださった4名の方、奥山 委員と齋藤委員はこの検討会の委員ですが、それとともに都立梅ケ丘病院の市川院長と 筑波大学の宮本教授がサポートチームということで専門的な立場から非常に力を尽くし て下さったことに関しても感謝を申し上げたいと思います。  それでは、これをもちまして第9回「子どもの心の診療医の養成に関する検討会」を 閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 ―終了― 照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課 電 話:(代表)03−5253−1111 齋藤(内線:7933) 飯野(内線:7938)