06/03/01 平成18年3月1日腎臓移植に関する作業班・肝臓移植に関する作業班議事録 肝臓移植に関する作業班・腎臓移植に関する作業班合同会議 議 事 録     開催日:平成18年3月1日(水)     場 所:厚生労働省共用第7会議室 ○高岡主査 ただいまより肝臓移植に関する作業班・腎臓移植に関する作業班の合同会 議を開催いたします。  川崎先生から遅刻という御連絡をいただいております。  議事に即しまして、横浜労災病院の藤原院長、日本臓器移植ネットワークの菊地チー フコーディネーターを参考人としてお呼びしております。  全体討議の議長といたしまして、肝臓移植に関する作業班の清澤班長にお願いするこ ととしております。それでは清澤班長、お願いいたします。   ○清澤班長 司会をさせていただきます、肝臓班の方の班長の清澤と申します。よろし くお願いします。  それでは、簡単に自己紹介をお願いします。門田先生から順番にお願いします。   ○門田班員 大阪大学の外科の門田でございます。よろしくお願いします。   ○松井班員 筑波大学大学院小児科の松井と申します。よろしくお願いいたします。   ○藤堂班員 北大の藤堂と申します。   ○田中班員 先端医療センターの田中です。   ○佐田班員 久留米大学の佐田と申します。   ○市田班員 順天堂大学の市田と申します。   ○大島班長 長寿医療センターの大島と申します。よろしくお願いします。   ○両角班員 名古屋日赤病院の両角と申します。よろしくお願いします。   ○寺岡班員 東京女子医科大学の寺岡です。よろしくお願いします。   ○木村班員 東京医科歯科大学の木村です。よろしくお願いします。   ○柏原班員 聖隷佐倉病院の柏原と申します。よろしくお願いいたします。   ○飯野班員 日本医科大学の飯野です。よろしくお願いします。   ○藤原参考人 横浜労災病院の藤原と申します。   ○菊地参考人 臓器移植ネットワークの菊地でございます。よろしくお願いいたします。   ○片岡室長 厚生労働省臓器移植対策室の片岡でございます。日ごろより大変お世話に なっておりましてありがとうございます。よろしくお願いいたします。   ○矢野補佐 同じく臓器移植対策室室長補佐の矢野でございます。よろしくお願いいた します。   ○高岡主査 臓器対策室主査の高岡でございます。よろしくお願いいたします。   ○清澤班長 それでは資料の確認をお願いします。   ○高岡主査 事務局より資料の確認をいたします。  まず肝臓移植作業班・腎臓移植作業班の議事次第、配付資料一覧、座席表、名簿がご ざいます。  資料1 肝腎同時移植について、こちらが4枚  資料2 肝臓移植希望者(レシピエント)選択基準の見直し(案)、両面刷りで1枚  参考資料1 肝臓移植希望者(レシピエント)選択基準  参考資料2 腎臓移植希望者(レシピエント)選択基準  参考資料3 第22回公衆衛生審議会疾病対策部会臓器移植専門委員会        (平成11年10月27日)の資料(抜粋)  資料は以上です。   ○清澤班長 それでは肝腎同時移植希望者の取り扱いについて御検討いただきますが、 まず事務局から事前の説明をお願いします。   ○高岡主査 それでは事務局より説明いたします。資料1ですが、「肝腎同時移植につ いて」とございます。  1.現状といたしましては、肝移植を必要とする肝疾患患者の中には、不可逆的な腎 不全の合併症例があり、肝腎同時移植が望まれています。現状では、両臓器の移植を希 望して日本臓器移植ネットワークに登録していても、両者で緊急性の順位に違いがある と、肝腎同時移植を受ける機会は極めてまれとなっています。  希望登録者につきましては、次のページの別添1に記載してあります。これは日本臓 器移植ネットワーク医療本部調べです。  現在、肝臓・腎臓とも移植を希望し登録している方は1名。原疾患は肝臓が二次性胆 汁性肝硬変、腎臓は多発性嚢胞腎と伺っております。  肝臓を移植した後に、現在、腎臓移植を希望し登録している方は1名。こちらは生体 間移植が済んでいる患者さんということです。  腎臓を移植した後に、現在、肝臓移植を希望し登録している方は0です。  1ページに戻りまして、肝臓移植希望者と腎臓移植希望者の待機日数等の比較の表が ありますが、平均待機日数は腎臓移植が2,656.7日、肝臓移植は579.4日となっています。  2.脳死肝移植適応評価委員会委員長からの要望ですが、3ページの別添2にござい ます。本日、参考人でお越しいただいております藤原先生が脳死肝移植適応評価委員会 の委員長でいらっしゃいましたので、そちらから要望書をいただいておりました。  これを受けまして、また1ページに戻りますが、3.第25回移植関係学会合同委員会、 第21回臓器移植委員会において肝腎同時移植についての議論がなされました。その概要 については4ページの別添3にございます。  主な議論は次のようになっております。  ・肝腎同時移植の場合、肝臓がその移植の適応でなかった場合の規定を明確にしてお く必要がある。  ・欧米では、肝腎同時移植は同一ドナーからの成績がよく、日本でも道が開けるよう に図ってもらいたい。  ・これまで、肝臓と腎臓が同時に悪くなった方は、生体肝移植と生体腎移植を受けて きていた。  ・平成17年9月現在、肝臓移植も腎臓移植も登録されている方は2名であった。  ・肝腎同時移植のみならず、複数臓器移植のルールについても検討すべきである。  ・複数臓器移植のルールは、一律に決めることは困難で、ニーズがはっきり見えてか ら議論するべきである。  1点だけ資料の修正がございます。第21回臓器移植委員会における主な議論の2つ目 のポツに「潜在的ドナーが登録してくると考えられる」とありますが、「潜在的レシピ エント」の誤りですので、訂正いたします。申し訳ありません。  また1ページに戻りまして、4.対応(案)として、肝臓移植希望者(レシピエン ト)選択基準で選ばれたレシピエントが肝腎同時移植の待機者である場合であって、か つ、臓器提供者(ドナー)から肝臓及び腎臓の提供があった場合には、当該待機者が腎 臓移植待機リストで下位であっても、優先的に肝臓及び腎臓を同時に配分する。上記要 望について先生方に検討していただきたく存じます。  具体的なレシピエント選択基準の見直し案については資料2に記載しております。以 上です。   ○清澤班長 藤原先生、つけ加えることはありますか。   ○藤原参考人 特にございません。   ○清澤班長 症例として多くはないと思いますが、肝と腎と両方移植する方もいらっし ゃるので、そういう方については、肝の上位の方に優先的に腎をあげるという趣旨の提 案ですね。  それでは資料2に移りたいと思いますが、肝臓移植希望者(レシピエント)選択基準 の見直し(案)ですね。事務局から説明していただけますか。   ○高岡主査 それでは事務局より説明いたします。肝臓移植希望者(レシピエント)選 択基準の見直し(案)ということですが、現状から説明いたします。  1.適合条件ですが、ABO式血液型、前感作抗体、HLA型、搬送時間、これらの 適合条件があるということです。  2.優先順位ですが、医学的緊急性として、予測余命が1か月以内が9点、1か月〜 6か月以内が6点、6か月〜1年以内が3点、1年を超えるものは1点というポイント がつけられています。  ABO式血液型に関しましては、ABO式血液型が一致している場合は1.5点、適合 している場合は1点ということです。  3.具体的選択法です。  (1) 移植希望者の選択順位については、2の合計点数が高い順とする。ただし、こ れらの条件が同一のレシピエントが複数存在した場合は、待機期間の長い者を優先する というのがこれまでの基準です。  (2) (1)で選ばれたレシピエントが肝腎同時移植の待機者である場合であって、かつ、 ドナーから肝臓及び腎臓の提供があった場合には、当該待機者が腎臓移植待機リストで 下位であっても、当該待機者に優先的に肝臓及び腎臓を同時に配分する。  (3) (2)によって肝腎同時移植希望者が選定されたものの、臓器摘出手術の開始以降 に肝臓が移植に適さないことが判明した場合には、腎臓移植希望者の選択をやり直すこ となく、肝臓移植希望者に腎臓のみを配分する。これは膵腎同時移植で膵臓が移植に適 さないことが判明した場合の取り扱いと同じ取り扱いを記載しております。以上です。   ○清澤班長 赤字の部分が新しく改定する案ですが、これについて討議をお願いしたい と思います。赤字以外のところは現行の肝臓移植の選択基準です。赤のところが、今回、 同時移植ということで、このようにしたらどうかという案です。  まず(2)ですが、ここはいかがでしょうか。そんなに問題はないかと思うんですが、 よろしいですか。  (3)ですが、ここはいかがですか。肝腎両方を希望して登録して、1位になったもの の、ドナーの肝臓が使えなかった場合、そのドナーの腎臓を肝臓の患者さんにあげると いうことですが、皆さんの御意見を伺いたいと思います。   ○田中班員 この問題については2点ほど審議する必要があるのではないかと思います。 1点は、肝腎同時移植の患者さんが、肝臓が使えないので腎移植を受けるのですが、そ れに十分耐術性があるかどうか。  もう1点は、Hyperoxalosisの場合、肝腎同時移植がいるんだけど、腎移植だけ優先 的にやっても、その移植腎はすぐだめになると思いますから、この2点はぜひ検討する 必要があると思います。   ○清澤班長 第1点の耐性という問題は具体的にはどういうことでしょうか。   ○田中班員 例えば肝硬変で、ずっと悪くなって、腎臓も悪くなった。透析を受けてい て、肝腎同時移植を受ける時に、腎移植を受けるだけの肝臓の予備能力があるかどうか ということです。   ○高岡主査 事務局から補足で説明させていただきますと、このレシピエントに腎臓の みを必ず配分しなければいけないわけではありませんで、状況に応じて選んでいただく ことになります。その時に、臓器移植ネットワークにおける対応が混乱してしまわない ように、レシピエントの選択をやり直すことはなく、とりあえずはその患者さんに権利 がありますよということで御相談していただくということです。  市田班員 今の話はよくわからなかったんですが、肝臓で9点とか6点とかで医学的 緊急度の順番が付きます。手術開始以降にその肝臓が適さなくなったら腎臓だけを移植 に使用するという話ですよね。   ○寺岡班員 ドナーの摘出手術開始以降です。   ○市田班員 セカンドレシピエントを用意しておくという意味ですか。   ○寺岡班員 状況が理解しにくいと思うんです。田中先生のおっしゃるとおりで、膵臓 と肝臓は状況が全く違うだろう。肝臓の状況によっては腎臓だけ先に移植するのはかな り難しいと思います。ほとんど無理ではないかと思います  どうしてこういうことを厚生労働省で書かれたのかというと、膵腎同時移植の方がい らして、トップに当たったわけです。ところがドナーの膵臓が使えなくなったんですね。 その段階で腎のレシピエントを選び直すのか、膵腎同時移植で1位になった人に膵臓は いかないけど、腎臓だけを移植するのかということで大混乱をきたしたわけです。いろ いろあったので、そういった混乱が起きないようにということで、こういうことを追加 されたわけです。  ただ、膵臓移植の場合は糖尿病の人に腎移植をやるだけですから、これはできますけ ど、肝不全の方に腎移植だけやることはあり得ませんよね。肝臓の状態にもよるでしょ うけど。   ○市田班員 ランキングが上だからといって、肝腎同時をおこなわずに腎移植だけを施 行することはできないはずですよね。肝予備力が悪いんだから。   ○寺岡班員 できないと思います。ですから、これは削除してもいいんじゃないかと思 いますけどね。   ○清澤班長 肝臓が使えないからといって腎臓だけ移植しても、そのレシピエントが亡 くなることもあるわけで、そうすると腎臓がもったいないということが考えられるんで すね。   ○寺岡班員 これをやるとなると、腎移植の適応基準を変えなくてはいけなくなります。 今は肝不全があった場合は腎移植の適応になりませんので。唯一、肝腎同時移植でのみ 適応があるわけですよね。   ○清澤班長 普通に考えれば、腎臓のドナーに戻す方がいいのではないかと思ったんだ けど。   ○寺岡班員 腎のレシピエント選択をやり直した方が混乱は起きないと思います。   ○清澤班長 僕は寺岡先生や田中先生の意見と同じですが、皆さんのお考えはいかがで しょうか。ドナーの意思にこたえて、ドナーの臓器を有効に活用することが一番大事な ことではないかと思うんですが、肝臓が悪い方に肝臓が使えないから腎臓だけ移植しよ うというのは、いただいた方のレシピエントの患者さんはそれでいいかどうかというと、 ちょっと問題があると思うんです。   ○門田班員 私も賛成です。肝臓や心臓と違って、保存時間も許せるだろうと思います し、順位からすれば相当悪い状態で上がってくるはずですから、皆さんがおっしゃると おりでいいと思います。そういうやり方をしても、可能性はあると思うんですね。です から変更した方がいいのではないかと思います。   ○片岡室長 先ほどご説明しましたように、膵腎同時の基準ではこの規定を置いており ます。現実に膵腎同時でこのようなケースは過去2例ございまして、1例は、膵臓はデ ータでも疑問はありましたが、摘出手術の際に実際に確認して移植には適さないと判断 した。この時、膵腎同時で待ってる患者さんに腎臓だけでも移植を希望しますかと聞い たところ、1例の方は腎臓だけでも受けますとこたえられ、もう1例の方は膵腎同時移 植を希望するので今回は結構ですということでした。この場合には、腎臓の第1候補者 には片方の腎が既に選択されていますので、第2候補者の方にあらかじめ意思確認はさ れていたので、その方が選択されることになりました。  (2)肝腎同時移植希望者に選定されたものの、摘出手術以降に肝臓が移植に適さない ことが判明した場合ですが、腎臓移植の希望者への意思確認はあらかじめ8番候補者ぐ らいまで聞いてありますので、新たに選択をやり直す必要はなくて、選択することは可 能と思います。こういう可能性があると考えて膵腎と同じように書かせていただいてお りますので、その点について御議論いただければと思います。   ○門田班員 ここに優先順位が書いてありますけど、9点がついてる人は余命が1か月 ですよね。今は6点のところが当たってると思うんですが、6点の人でも余命が6か月 以内ですよね。膵腎とは全く意味合いが違うということから考えれば、別個に考えた方 がいいんじゃないでしょうか。   ○清澤座長 ネットワークの方で、そういうことが生じた場合、その時点で腎のレシピ エントを探すのにどれだけ時間がかかるかですよね。   ○菊地参考人 肝腎同時移植の1位の患者さんが医学的に腎臓の単独移植のみは行わな いということが決まっていて、肝臓が移植に適さないことが判明した場合には、腎臓の 単独の希望者に腎臓を配分するというふうにルールが決まっていれば、腎の患者さんに つきましては既にダイレクトクロスマッチも終わっていますので、対応は可能だと思い ます。   ○清澤班長 混乱はないですね。スムーズにいくということでよろしいですね。時間的 にも十分間に合う。   ○寺岡班員 もう1腎の検索をやってますので、その1位、2位が決まって、1位の人 に残った腎臓がいくわけですね。肝臓の人が使わなければ、2位の人にもいくわけです。 もう選択は終わってるわけですから、その辺はスムーズにいくと思います。むしろ肝臓 の人が受けるかどうかという手続をやることの方が混乱をきたすと思います。   ○清澤班長 肝臓は12時間以内、腎臓はもっと長いですよね。死後でもいいということ になってるわけだから。   ○菊地参考人 総阻血時間は48時間可能となってますが、ネットワークとしては24時間 を目安にしていますから大丈夫だと思います。   ○市田班員 患者さんに尋ねてもわからないと思うんですね。そういう無用なことはし ないで、肝腎同時移植をするべきところを肝臓の状態が悪かった場合は、それは仕方な いと思うんです。妙に腎移植だけでも受けますかと聞いたりして、もしその方が受けた いといったら、医学的にどう説明したって無理かもしれないですね。妙なことは書かな い方がベターだと思います。   ○清澤班長 いろいろな意見が出ましたが、大島先生はいかがですか。   ○大島班長 全く異議ございません。   ○清澤班長 その方が貴重な腎臓が使えるのではないかと思いますので、そのようには っきり書いておいた方がネットワークでもやりやすいのではないかと思いますが、それ でよろしいですか。  それでは、肝が使えない場合は腎に戻して、腎の順番にのっとって使っていただいく ということにしたいと思います。そういう文言に変えたいと思います。事務局もよろし いですか。   ○高岡主査 はい。   ○清澤班長 先ほど田中先生から問題提起がありましたが、具体的にどういう疾患にど うやってやるかということが問題になると思います。  参考資料2を見てください。腎臓の選択基準では、リンパ球直接交叉試験とかHLA 型の適合度というのがあるわけです。肝腎同時移植の場合はこれをやらないといけない んですよね。そこはどうなんですか。   ○菊地参考人 ルールとして決まったものがありませんので、肝臓はダイレクトクロス マッチを行わずに移植をしていますので、医学的に腎臓移植もダイレクトクロスマッチ をすることなく、また腎臓のミスマッチ度も見ることなく移植ができるかどうかという ことところが問題になってくると思います。   ○清澤班長 今は血液型だけでほとんどやってると思うんですが、肝腎の場合はHLA 型の適合度までやらないといけないということになると、肝臓のレシピエントの登録を する時に厳格に検査をしておく必要があるということですね。その場合の手続は改めて つくらないといけないのか、あるいは腎の登録をこのまま加味したものでいいのかどう かという議論になると思うんですが。   ○寺岡班員 腎臓は登録されてますから、HLAもあるし血清も保存されてますよね。 だからすぐ検査できますよね。   ○菊地参考人 肝臓の先生方もダイレクトクロスマッチが必要だということになると、 そのルールさえ決まっていれば、準備は整っています。   ○寺岡班員 肝腎同時移植の場合、腎はクロスマッチは必要ですか。   ○藤堂班員 普通はしません。PRAで確認しますけど、落ちる時は腎臓が先に落ちま す。それは90年の初めのころまでで、今はCD25の抗体なんかもありますから、随分楽 になってますので、特に問題はないと思います。   ○清澤班長 腎に同時に登録しているということだから、問題はないという解釈でよろ しいですか。   ○菊地参考人 ダイレクトクロスマッチを実施するかしないかを医学的に決めていただ ければ、どちらでも対応できます。もう一つは、膵臓の場合ですとHLAのマッチ度が DRが1マッチ以上の場合にのみ優先的に配分するというルールになっていますので、 そのルールを適用するかどうかだと思います。HLAのマッチ数に関してはさほど影響 がないというのであれば、そこは導入しなくてもよろしいです。その辺は先生方の御意 見次第かと思います。   ○清澤班長 それはいいですね。次に同時に申請する場合、肝の方はこっちの委員の先 生方に評価してもらってるんですが、腎の適応評価についてはどこで評価するのが妥当 なのか。肝臓で評価すれば自動的に決まるのか。   ○寺岡班員 腎で登録してあれば、その人は適応があるということになります。登録し てある人は腎移植は適応があるということになりますから、問題ないと思います。   ○清澤班長 登録する時に肝腎同時ということを明記しておけばいいということですね。   ○寺岡班員 肝臓は肝臓、腎臓は腎臓で登録してもらうわけでしょ。   ○菊地参考人 はい、そういうことになると思います。   ○寺岡班員 コンピュータを肝で開くと、この人は腎にも登録してある。腎を開くと、 この人は肝でも登録してあるということがわかるようになってますので、その辺は問題 ないと思います。   ○田中班員 手続上は複雑になってくるんじゃないですか。肝臓の場合は適応評価委員 会に責任者の名前でこういうデータですということでOKをもらいますね。その施設に 腎移植のチームがいればそういう手続がわかってると思うけど、この辺はもう少しシン プルになりませんかね。   ○寺岡班員 2つのケースが考えられます。例えば京大から肝臓も登録し、京大から腎 臓も登録してあれば、当たった時に一番いいわけです。ところが肝臓は京大で登録し、 腎臓は京都府立医大に登録している場合、肝腎の話し合いで、バイタルオーガンは肝臓 ですから、肝臓の方でやっていただくことになるんでしょうね。   ○大島班長 それは少し変だなと思うんだけど、肝をしなければ腎はしないわけでしょ。 今の話を聞いてると、腎と肝で別々にやると、腎だけで単独で当たることもあるという ように聞こえる。   ○寺岡班員 そうなんです。   ○大島班長 腎だけ単独で当たったら、肝の希望がついてれば、その時点でエクスパイ アされるという仕組みになってるんですか。   ○寺岡班員 その人は肝臓も同時に登録してあるということになると、腎だけ来た場合 はエクスパイアすることになります。   ○大島班長 そういう形にしないとだめですね。   ○寺岡班員 同じ施設で肝臓も腎臓も登録していただいた方がシンプルになります。患 者さんにお話しすれば、患者さんはそういうふうにされるんじゃないでしょうか。   ○田中班員 施設から登録する時に、これは施設にきちんとアナウンスしておかないと、 施設は肝移植だけ登録することが多いですから。肝腎同時移植は必要ですよという登録 ができるような仕組みがネットでできれば、それでいいんじゃないですか。   ○大島班長 腎にも登録してあり肝にも登録してあって、腎だけが当たった場合、肝に も登録がしてありますから、これはしませんよということであれば、そんなことをする 必要はなくて、肝だけ登録しておいて、腎臓もということを一緒にくっつけておけば、 それで選択ができるんじゃないかと思えるんだけど、そんなことはないんですか。   ○菊地参考人 コンピュータ上、その選択は可能です。心肺の登録をしてるんですけど、 心肺同時移植においても、肺だけの移植、心臓だけの移植を先にするというのは今のル ール上は行われていません。心臓の施設のチームが肺の登録も一緒に行っていただいて ますので、肝臓の施設は肝腎の登録を行っていただくのが一番わかりやすいと思います。 先に腎臓の登録をされている方がおられると思うんですが、合意が保られるのならそれ もいったん吸い上げて、同時にネットワークに登録していただくというのが一番わかり やすい方法と思います。   ○寺岡班員 肝臓だけで登録している人が肝腎に当たったら腎臓もいくということにな ると、腎臓で登録してない人に腎臓がいくことになっちゃうんですよね。登録だけはし ておいた方が公正性という面からいいんじゃないかと思います。   ○清澤班長 ネットワークにお聞きしたいんだけど、腎臓はブロックごとに登録してる よね。あれは全国登録で、選ぶ時だけブロックで選ぶということですか。   ○菊地参考人 そうです。ブロック内の患者さんが選ばれることになります。   ○清澤班長 だけど全国の登録者がわかるわけね。   ○菊地参考人 移植希望者のデータは全国で一元化していますので、肝臓の1番に選ば れた方が肝腎同時移植を希望していた場合は、すぐさまわかるようなシステムを組むこ とになると思います   ○柏原班員 藤原先生が書かれている中に「不可逆的な腎不全」という文言があります ね。これは透析患者という意味ですか。それとも肝移植の適応があるんだけど、腎臓も 進行性の腎不全ということで、透析にはまだ入ってないということなのか、どうなんで しょうか。膵腎同時移植の場合は、腎不全の患者は透析をやってるというのが基本にな って、それに付加的に膵移植をやるということですけど、この場合は同じレベルなんで すか、それともレベルが違うのかを教えていただければと思います。   ○藤原参考人 これを決めた時にはirreversibleで透析を受けていることを原則とする、 その原因疾患についてはいろいろあり得るだろうという話だったように記憶してるんで すが、藤堂先生、田中先生、いかがですか。   ○藤堂班員 一般には器質的な変化があって、例えば 糸球体腎炎があるという疾患が 前提になっています。機能的な腎不全ではありません。   ○飯野班員 アメリカではCKDといわれてますけど、保存期の腎不全で、ある程度悪 い方で透析に入ってない方、これはirreversibleですね。そういうのを含めるかどうか という質問だと思います。   ○大島班長 その議論をし始めて、それを含める含めないなんていう話になったら大変 なことになって、腎臓移植のクライテリアから何から全部ひっくり返るような話になり ますから、藤堂先生の御返事で、そうなんだということで、それ以上進んだ議論をする 必要ないと思います。   ○藤堂班員 今の補足ですけど、欧米では慢性透析に乗る場合、透析をしますか、移植 を受けますかということを最初にインフォームして、患者さんに選んでもらいます。そ れだけの腎臓提供があるわけですから、そういう選択肢があるということです。そうで はければどうするかというのは、おのずから明らかになると思います。   ○柏原班員 先ほど寺岡先生が言われた、別の施設からの登録ということは余りないわ けですね。   ○寺岡班員 透析患者さんで登録をしていて、だんだん肝臓が悪くなって、後から肝臓 の登録をすることはあるわけです。その時に同じ施設に登録していただければテクニカ ルには済むわけです。   ○門田班員 心肺同時移植の場合は心肺同時移植というファイルをつくるんですか。   ○菊地参考人 心臓と肺は別々に登録していただくことになります。ファイルは別です。 肺で1位に上がった方が心肺同時移植であれば心臓の順位が下位であってもジャンプア ップして肺で1位に選ばれた患者さんに移植する。逆に心臓で1番に上がってきた方が 心肺の移植を希望されており肺の順位が下位であったとしてもジャンプアップして移植 するというルールになっています。   ○門田班員 肝腎はプライマリーが肝臓ですから、ちょっと違うのね。   ○菊地参考人 先生方のお話を聞いたところによると少し違うのかなとは思います。   ○門田班員 肝腎の場合は軸としては肝ですから、別個のファイルにするんじゃなくて、 一つにするという方針でやらないと仕方ないんじゃないですか。   ○寺岡班員 ファイルとしてはそうなってるけど、運用としては先生がおっしゃるよう になるわけです。運用の段階で肝にぶらさがることになるわけです。   ○藤原参考人 肝臓の施設から登録するということは可能なんですか。腎臓の実施施設 という立場からみて。別々に登録してないといかんわけだけど、それはできるんですか。   ○寺岡班員 わかりやすい例で言いますと、C型の慢性肝炎で臨床的には大したことな い透析患者が腎臓移植に登録してる。5年、10年と待機しているうちに肝硬変になって 肝不全になってきた。そうすると、腎臓だけでしたらこの人は適応から外れちゃうわけ です。その段階で肝臓で登録するのであれば腎臓も一緒にその施設で登録してもらうこ とが一番リーズナブルだと思います。   ○藤原参考人 肝臓の施設ではあるけど、腎臓の施設になっていないところが当然ある はずですね。登録するからには、そちらからでないと出せないわけだから、それでもで きるのかというのが僕の質問です。   ○寺岡班員 各施設でそういう体制をつくっていただくしかないんじゃないですかね。   ○片岡室長 脳死下での肝臓移植については13施設になっておりますので、47都道府県 にあるわけではございません。脳死下での肝移植は移植関係学会合同委員会で決まった 施設に限られておりますので、今回の肝腎の場合も肝臓が基準になりまして、そこの施 設でしか移植はできません。   ○市田班員 肝臓移植の脳死施設があって、そこでも腎臓の脳死移植ができますかと藤 原先生は聞いておられるので、そうなってなければ、その施設では登録しなければいい じゃないですか。   ○藤原参考人 14施設が同時に腎臓の登録ができる施設ですかというのが僕の質問。   ○片岡室長 それは全てできることとなっています。   ○田中班員 こういうのはできるだけシンプルにした方がいい。肝腎同時移植の具体的 選択法がここで決まるわけでしょ。肝腎同時移植が必要な人で、肝臓が当たった場合は 片方の腎臓を優先する。これがあれば、寺岡先生のいう腎移植を待ってる人が云々とい うルールはアクセプタブルですね。問題は、腎移植の人に肝臓と腎臓が当たった場合は 複雑になるんですね。肝臓をどうするかという問題になってくるでしょ。当たった人が 肝腎同時移植だったら肝臓を優先的にもらう。こういう逆のこともあり得るので、ここ はシンプルにしておいた方がいい。  もう1点は、2つの登録をすると、患者さんは登録料をどれだけ払うのかという問題 もあります。コンピュータでできれば、肝腎移植という形で登録して、肝臓が当たれば 腎臓も当たるという形にした方が非常にシンプルじゃないですか。できるだけ複雑にし ない方がいいんですが、それで十分カバーできるかどうかというのを審議していただく。   ○寺岡班員 そうした場合は膵腎も心肺も全部同じにしないと不公平になりますね。   ○田中班員 心肺はちょっと違うんじゃないですか。   ○片岡室長 先ほどのレシピエント選択基準で、膵腎の場合は膵臓が適さなかった場合 でも腎臓のみを選択することがあり得るので、この規定を入れましたが、肝腎の場合に は肝腎で待ってる人が腎臓だけ移植することはあり得ないというお話でございましたの で、膵腎と肝腎では違うルールということにさせていただきました。田中先生の先ほど のお話ですと、肝腎の人で腎だけというのはないということでよろしいですか。   ○田中班員 ないから、2つを同時に別々に登録する必要はないんじゃないんですかと いうことです。   ○菊地参考人 確率は少ないですけど、脳死移植で腎臓が1位で肝臓が下位に選ばれる 確率はゼロではないです。その方が肝臓の順位をジャンプして同時移植を行うか否かは、 ここでのルール決めになると思いますけど。   ○寺岡班員 心肺はそのルールなんですね。   ○菊地参考人 そうすると、肝臓と腎臓を別ファイルにしないとコンピュータの構築は 無理だと思います。   ○大島班長 その前の話のところで、肝臓をやらなければ腎臓はあり得ないんだという ことだったでしょ。   ○菊地参考人 たまたま1番に上がってきたのが腎臓のレシピエントが肝臓も登録して いた場合です。   ○寺岡班員 脳死ドナーの腎臓が当たったら肝臓ももらえるという逆のことなんです。   ○菊地参考人 心臓停止後の腎臓移植で肝腎同時移植に登録している人が当たっても、 それは腎臓の配分は行わないことになります。心臓停止後は肝臓の提供はないですから。   ○門田班員 それじゃなくて、中心は肝臓に合わせる。心と肺の場合は両方ともバイタ ルだから、どっちかが当たった場合は両方やるというのは理解できる。肝臓の場合はそ うじゃないから、ここで決めてしまったらいいんじゃないですか。   ○菊地参考人 そちらの方がいいと思います。   ○藤原参考人 肝臓に1点というレベルの障害があって、腎臓は緊急性があるという登 録をした人が、肝臓がacute on chronicのような形で6点なり9点なりということはあ り得ます。経過中に。この人については肝臓の施設だけに同時移植の登録をすればいい という話では済まなくなる。こういう極端な例も視野に入れたらいかがでしょうか。   ○寺岡班員 現実には肝障害がある人の腎移植はものすごく成績が悪いですよ。免疫抑 制剤も余り使えない。肝臓のレベルにもよりますけど。   ○清澤班長 これは肝をメインにして考えて、できるだけシンプルにした方がいいと思 うんですよ。   ○菊地参考人 一つだけ確認です。肝腎同時移植の登録希望者がいて、腎臓はかなり以 前から登録していた。新たに肝臓を登録して、ドナーが出た場合、肝臓の順位は後ろの 方だけど、腎臓が1位に上がってくることがあるわけです。この方に肝臓を優先的に配 分することはないということですね。   ○大島班長 それは最初に確認したことであって、肝臓をしなければ腎臓はあり得ない わけだから。   ○菊地参考人 この方は肝臓の移植も希望されてます。選択するところは肝臓だけに絞 るということですね。   ○寺岡班員 そういうふうにシンプルにしよう、と。   ○菊地参考人 そうです。そうすると一つのファイルでできる。   ○大島班長 言ってることが全然わからない。肝臓をしなければ腎臓はあり得ないんだ から、最初に腎臓を登録してあっても、肝臓が悪くなった段階で肝臓が優先的にくるに 決まってるわけでしょ。腎臓が当たったから、レベルの低いところが当たるなんていう ことはあり得ないわけでしょ。そんなシステムはつくらないということを最初に決めた わけでしょ。そんなことはあり得ないんで、そんなシステムをつくってもらっては困る んです。   ○菊地参考人 それでいいのであればいいです。   ○門田班員 腎臓の場合はマッチングとウエイティングなんでしょ。ところが肝臓の場 合は余命で決まってるわけです。1か月以内とか1年以内の者にいくということは許さ れないでしょ。   ○寺岡班員 菊地君はそこをわかった上で、わずかなチャンスだけど、肝腎同時移植を 受けるチャンスをもうちょっと広げたいというのが彼の考えなんですよ。脳死ドナーの 腎臓がトップで当たったら、その人に肝臓もくっつけていいじゃないか、少しでもそう いった人がチャンスがふえるじゃないかというのが彼の考えなんですよ。   ○松井班員 実際にそういう例があるんですか。腎臓の方が先行していて、後から肝臓 移植の適応になるという患者さんが実際にあり得るんですか。   ○菊地参考人 あります。腎臓移植を20年間していた方が肝腎同時移植が必要になった 場合があるとすれば、腎臓が20年先に登録されていて、肝臓が悪くなった時に後で登録 されるわけです。ドナーが出た場合、肝臓の順位としては下位にいたとしても、腎臓の 順位としては1番に上がってくることがあるわけです。これは肝腎同時移植の患者さん です。そうした場合、肝腎同時移植を優先しなくてもいいんですねということを私は聞 いてるんです。   ○田中班員 それはリセットという考え方を入れたらいいんです。腎臓で20年間ずっと 登録してる。その人が肝臓移植が必要になったら肝臓移植で登録し直せばいいんです。 その時には肝腎が必要ですという形で登録するから、20年間待ってるということはそこ でなくなるからね。これをやりましょうというのがプロポーズで、システムとしてでき ますかということを聞いてるんです。   ○菊地参考人 システムとしては可能です。ただ、細かな選択基準ということになりま すと、肝臓の同じ点数の方がおられた場合、待機人数は肝臓のものを優先して、それで も同じであれば腎臓の待機日数を優先することもありますので、そういうところまで考 えて、よろしくお願いしたいと思います。   ○市田班員 腎臓移植の場合、1年ごとに更新してますよね。重篤な肝障害が出たらオ ミットされるんじゃないですか。   ○寺岡班員 重篤な肝障害が出たらオミットされますけど、残ってる人もいましたね。 亡くなりましたけど。   ○市田班員 そういう基本だと、今のリセット論でいいんじゃないですか。   ○寺岡班員 僕は最初からシンプルに、肝臓側からだけでいいんじゃないかと思います。 ただ、菊地君は好意で、そういう人にも少しでもチャンスを広げたいということです。   ○市田班員 シンプルでいいんじゃないですか。   ○寺岡班員 肝臓が3点という人は当たりませんよね。腎臓で20年待ってる人は当たり やすいわけです。そういう人は肝臓ではなかなかチャンスがないけど、腎臓で当たれば 肝腎同時移植を受けて救われるじゃないか、そういうチャンスを与えてあげてもいいん じゃないかと彼は言ってるんですね。肝臓のところだけで決めるということで決まれば、 彼は問題ないと思いますよ。   ○市田班員 今一つ分からないのは、なんで再登録する時に、肝臓の重篤な病気になっ た人が腎臓移植の登録を続けてるんですか。その方がおかしいんじゃないですか。そこ でオミットという言葉は悪いですけど、そうすれば今の話はなくなるんじゃないですか。   ○清澤班長 リセットして、改めて肝腎同時の方に登録するということが今までのスト ーリーとしてはいいと思いますね。   ○寺岡班員 僕は最初から言いますように、肝臓を中心にして決めるべきだと思います。 ただ、彼の言ってることが誤解されてるから、こういう意味ですよということを解説し ただけです。   ○清澤班長 肝腎同時移植というのは一本化することになったんだけど、登録のシステ ムを新しくつくらなくてはいけないんですか。   ○菊地参考人 肝臓移植の中で肝腎同時移植を選ばれてる人が上位に当たれば腎臓を優 先的にするというのであれば、肝臓のファイルだけでいいですので、特に新たな別ファ イルは必要ないと思います。   ○清澤班長 今の肝臓の申請のシステムで肝腎同時という1項目だけ設ければいいとい うことですね。   ○菊地参考人 肝臓の単独移植か肝腎同時移植を希望しているかがわかれば良いので、 ルール上の順位の変動はないわけですから、今でもできるシステムだと思います。   ○清澤班長 脳死の腎移植の施設は決まってますよね。   ○菊地参考人 決まってないです。   ○寺岡班員 173施設ありますから、ほとんどの施設ができるということです。   ○木村班員 今の議論でよろしいと思います。ただ、肝腎の場合、肝臓を優先すること になると、腎臓移植の適応ということが無視されるというか、腎臓側は先ほど藤堂先生 がクロスマッチをほとんどやらないで行うとおっしゃいましたが、それを認めることに なりませんか。クロスマッチなしで優先的に腎臓移植を行うことにならないかどうか。   ○藤堂班員 欧米では陽性でも肝移植をいたします。救命のためという大前提がありま すので。今は免疫抑制剤がいろいろ出ていますし、拒絶反応は一般にコントロールしや すくなっています。腎臓に関してはアウトカムで10%ぐらい下がる程度ではないかと思 います。生活の質を優先するのか命を優先するのかということになると命を優先するこ とが大前提で、もし腎が拒絶されても透析に戻ることができますから、患者さんにとっ ては大きな朗報だと思います。   ○清澤班長 肝腎同時移植に限ってという前提ですよね。   ○寺岡班員 クロスマッチはやるだけやって、それを免疫抑制療法に反映させた方がい いですよね。プラスになったからやらないということではないということですね。   ○菊地参考人 クロスマッチをやって、選択基準には反映させないということですね。   ○寺岡班員 治療に反映させるということです。   ○清澤班長 基本的なことはディスカッションできたと思うんですが、何か御意見はご ざいますか。細かいことは詰めなくてはいけないことがあるかもしれませんが、事務局 とネットワークと私どもで整理させていただいて、全部できたら、委員の先生方に見て もらうことが必要かな。   ○寺澤班員 厚生科学審議会に最初にかけるんでしょ。   ○片岡室長 先ほどのレシピエント選択基準について今回決めていただきたかったので すが、これについては膵腎と違ってそのようなことあり得ないということでしたので、 選択基準の見直しのところに(2)、(3)とありますが、(3)は削除して、(2)のみというこ ととして、これで文章として適切かどうか確認させていただきたいと思いますが、特に もう一度見ていただく必要はないかと思います。   ○清澤班長 今後の段取りについて説明していただけますか。   ○田中班員 (3)は削除じゃないですよ。   ○清澤班長 削除じゃなくて、ちゃんと記載してもらう。肝臓が医学的理由で適さなか った場合は腎独自の順位にのっとってやるということですから、そのように明記しても らう。   ○高岡主査 それでは、本日の御議論を踏まえまして、肝臓移植希望者(レシピエン ト)選択基準について、両班長に見ていただくということでとりまとめます。その後、 臓器移植委員会に報告いたしまして、それで決定という形にしたいと思います。臓器委 員会はこの春開催ということで調整しているところですので、また御連絡いたします。   ○清澤班長 それでは、本日の会議はこれで終わらせていただきます。どうもありがと うございました。                                   (終了) 照会先:健康局疾病対策課臓器移植対策室 高岡  内線 :2362