05/12/22 第7回第六次看護職員需給見通し検討会議事録 第7回 第六次看護職員需給見通しに関する検討会 日時 平成17年12月22日(木) 15:00〜 場所 経済産業省別館1036会議室 ○事務局(赤熊補佐)  ただいまから第7回、第六次看護職員需給見通しに関する検討 会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、ご多忙中のところを当検討会に ご出席いただき、ありがとうございます。本日は田村委員、内藤委員がご欠席との連絡 を受けております。西澤委員におかれましては、飛行機の都合で若干遅れるということ です。青木委員は、もうしばらくして来られると思います。それでは座長、よろしくお 願いいたします。 ○宮武座長  前回は全国の需給見通しの暫定版と、報告書の骨子案を元にしてご議論いただきまし た。その後も、会では言いそびれたことも含めて、2、3ご意見も寄せられていると聞 いております。それを踏まえて、事務局で報告書(案)を整理していただいております 。すでに各位のお手元に配っておりますが、本日も、これを基に検討したいということ です。まず事務局のほうから、配布資料の確認と説明をお願いいたします。 ○事務局  資料の確認をさせていただきます。座席表の下に議事次第、検討会メンバー、資料1 として、検討会報告書(案)、資料2として第六次看護職員需給見通し。 それから資料番号はございませんが、青木委員から意見が出されております。  いちばん下ですが、前回の議事録を付けさせていただいております。恐縮ですが、修 正等ありましたら事務局のほうまでご連絡いただきたいと思います。 ○宮武座長  需給見通しについては、各都道府県からの数値も確定されているようです。 公表に当たっては、報告書と併せて公表されることになります。また報告書には、策定 の方針やその数値についての説明なども記載されておりますので、まとめて事務局から 報告書案を読み上げてもらった後で、需給見通しの変更箇所についても説明をお願いし たいと思います。 ○事務局  第六次看護職員需給見通しに関する検討会報告書(案)を読み上げます。 (読上省略) ○鎌田看護職員確保対策官  私のほうから資料2について、前回お配りした暫定値と変わった点について申し上げ ます。まず、変更した大きな理由は、前回暫定値で申しましたように、都道府県に前回 の検討会に間に合うように出してもらいましたので、4つの都道府県において、その後 数字の精査等により変更があったという連絡がきたものです。  まず需要の見通しのところですが、平成18年、いま131万4,100人となっておりますが 、前回は下3桁が100人〜300人でした。これはマイナス200人です。平成19年、20年、 22年、21年は割愛しますが、平成22年については、今回140万6,400人ですが、前回はそ の下3桁が200で、逆に200人増えています。  供給の見通しのほうは、現在127万2,400人となっていますが、前回は127万700人です ので、前回に比べて1,700人増えているということになっております。平成22年は今回 139万500人ですが、前回は138万9,100人で、これについても1,400人増加というところ です。  その下の需要見通しと供給見通しの差ですが、その結果、平成18年に今回4万1,600 人ですが、前回は4万3,700人ですので、マイナス2,100人です。平成22年は1万5,900 人ですが、前回1万7,200人でしたので、マイナス1,300人となっております。  平成18年と平成22年の需要見通しに占める供給見通しの割合は、平成18年が96.8% で、前回は96.7%、22年が現在98.9%で前回は98.8%となっております。  3頁目に、各都道府県別の数が出ていて、今回数の変更があったと連絡があったのは、 北海道と新潟と兵庫と高知県です。北海道については、平成18年について、需要見通し が上がる一方供給見通しが下がり、この需要見通しと供給見通しの差のところで、今回 4,254ですが、前回は5,283で、マイナス1,029となっております。平成22年は、需要見 通しと供給見通しの差が今回1,763ですが、前回は2,004ですので、マイナス241となっ ております。  新潟は、平成18年、22年もそうですが、需要も増えて供給も増えていて、需要見通し と供給見通しの差は今回414ですが、前回444でマイナス30となっております。平成22年 は、需要と供給の差が今回は2となっていますが、前回は382となっていて、前回は 382に足りないところ、今回プラス2で出てきているので、差がマイナス384ということ になっております。  兵庫県は、本当に計算ミスです。高知県は需要がそれぞれ減っていて、平成18年は、 1万3,158ですが、前回は1万4,160で、その結果需要と供給の差が現在892です。前回 は1894ですので、マイナス1,002に減っています。平成22年は、高知県は現在1万3,345 ですが、前回は1万3,952で、これも前回が需給の差が1,000ですので、マイナス607と なっております。聞いたところ、それぞれの県の検討会において、踏まえた修正点など について作業しているところですが、北海道について申し上げると、病院について、 算定に際して病床規模別に算定していたのですが、その病床規模の区分は検討会の意見 を踏まえて算定した結果によるということを言っていますし、例えば新潟県については 、できるだけ現場の声を反映するということで、回収率を100%に上げるべく努力して、 最後まで頑張って、なるべく実数を反映させようとした結果だというふうにうかがって いるところです。兵庫県は、本当に数字の記載ミスだと聞いています。  高知県については、前回高知県で作成作業に当たっていた田村委員からも、少し夜勤 などについて精査したいとおっしゃっていたのですが、聞きますと、夜勤の人数につい て、準夜と深夜を別にすべきところを一緒にしてしまって、二重に計算していたとか、 そういった見直しをした結果だと聞いております。また、看護補助者を混在していたと いうようなことがあって、いずれにしても県の段階で精査して、それで県の検討会にも ご連絡して、このような数字を最終的に報告してきたということです。  助産師についても、若干変わっていますが、それぞれ100人単位なので詳細な説明は割 愛させていただきます。以上です。 ○宮武座長  それでは全体についてご質問なりご意見なり、自由にご発言ください。青木委員から は、別に1枚の問題点というのが出ておりますので、できましたらこれについて。 ○青木委員  私どもは前回各都道府県の担当から送られた最終的なデータでないというものも入っ ていたようですが、そのものによる試算を行ったところ、非常にたくさん不合理な部分 が出て、厚労省のほうに資料をお渡しして再検討をお願いしました。その結果が本日の 数字であると伺いました。日本医師会を代表して意見を述べるものとして、本日のこの 数値が納得できるものではないということだけは申し上げておきたいと考えます。  それで、最後に付けてある資料は、私どもが現時点において、まだ明らかに問題があ るだろうと考えているところは、私の名前で出させていただきました。  まず最初は第五次の需給見通しで、平成13年から17年の5年間のものですが、これと 比較すると、最就業者数が、例えば北海道で第五次のときには1,800人台から2,300人台 であったものが、第六次においては5,000人から5,900人になっているということがあり ます。  それから、同じく再就業者については、経過する平成18年から22年の5年間での伸び が、他と比較してあまりにも大きすぎるのではないかと考えられる件がありました。 それは、全国のこのデータをみると、平均は1.16倍です。それが栃木以下鹿児島までの 間では相当乖離がある。常識的に考えても、倍になるというようなことは少し考えにく いのではないかというところです。  再就業者数そのものの、当初の基礎になっている数が、供給の数に比較して著しく大 きいのではないかと思われる県がいくつかあります。それは、基礎数というのは平均7 %ですが、供給の規模に比して大きいのではないかと思われるところが大体13%とか11 %という、供給に占める再就業者の割合です。  もう1つは、ちょうど平成21年、22年頃というと、いまのままでいけば退職者が相当 増えることを想定しなければいけないのかなというふうに。これは、定年が65歳にだん だん移行してきていることとか、逆に、逆な要素がないとは言えないので、あまり強く 主張できることではないと思いますが、ただ、ここのところの見通しが県によってバラ バラだと。かえって減ってしまっているようなところもあるというのは、やはり全国的 な統計の取り方として、将来の見通しですから、ある程度考え方がそこに入るのはごく 普通のことであって、その考え方が提示されていないと、こういうことが起こるのでは ないか。要するに、平成21年、22年の頃になると、団塊の世代が退職年齢に達してきま す。このときに、退職者数が、ごく単純に考えれば増えるのではないか。そこのところ の全国の各県における考え方が非常にバラバラになっているということで、これもやは り推計をする上ではもう少しちゃんとしておくべきことだったのではないかと思います。  私どもは、ある意味ではこんなに充足したような数ではなくて、もっと足りないです よということを、本当のところ、心の中では思っているわけです。しかし、将来の推計 ですし、5年間のこととして、今回、1年かけて努力してきた結果として、厚労省が各 県から出された数値をそのまま積み上げたということですので、こういう結果であった ということだけは受け止める。ただ、この結果を評価するときには、私どもとしてはい ま申し上げたような評価をしております。こういうことですので、全く認めないからと いって、という話ではありません。 ○宮武座長  大変厳しいご意見でした。一義的には都道府県の問題かもしれませんが、全体の調査 設計をしたのはこちらですので、何か釈明なりはありますか。 ○鎌田看護職員確保対策官  まず青木委員からご指摘いただいた数字について、我々のほうでもまず調べまして、 これはまさにこのとおりです。それについては、再就業者数、退職者数ともに基本的に は現在の雇用の流動性とか、その辺を反映したものではない。 特に聞きますと、介護保険の分野がそうした働き方が多いということの表れではないか と思います。ただ、最後に青木委員がおっしゃったように、大事なのはこの再就業者数 が増えていること、あるいは退職者数の伸びが横這いである結果、ある意味で供給源に なっているということであれば、報告書にも案としてありますが、新卒看護職員の離職 防止に加えて、再就業者数、潜在看護師の数、そういったことが課題ですので、まさに 評価の部分において、我々としての1つの政策課題として受け止めていきたいと思って おります。 ○宮武座長  わかりました。 ○浅川委員  前回欠席して、第7回で大変見ごたえのある報告書が出来上がって、委員会の委員と して参加させていただいて、大変感概を覚えているところですが、いま青木委員からお 話いただいたのは、今後の確保対策を進めていく上で、とても重要な視点だと感じてお ります。神奈川ですが、実際に調査の結果等も見せていただくと、本当にいまの医療、 福祉現場の看護職員の就業状況はよくわかりました。そういう意味では、法令で定めら れているものよりも、かなり手厚い配置状況や夜勤状況があるということも見えてきた ので、ある意味では水準をどこに置くかというときの貴重なデータになったということ を今回感じています。  それと、今後の供給の見通しを立てていくときに、どうしても供給していかなければ いけない。それをどこで担保していくかというときに、1つはやはり退職しなくても済 む環境づくりということがあって、それを配置の濃度に置き換えていただくような働き かけをしてきたというのが1点。もう1つは、定年になってもやめない方たちは、予想 を上回る数で示されたという点については、大変うれしく感じて、その方たちをある程 度実数で見込める、期待がもてるという感触を受けました。  ただ、確かにご指摘のある伸びを、本当の意味で担保していくときには、政策との関 連が非常に濃いと思いますので、数は数として、これを担保する政策についても、やは り私どものような団体は、よく行政とすり合わせをしながら進めていかなければいけな いという感じがしております。 ○宮武座長  鎌田委員、どうぞ。 ○鎌田委員  青木先生の意見の中で、4つあったわけですが、再就業者数の平均倍数とか、あるい は基礎数とか退職者数とか、これは私たちの委員会でのデザインの仕方もあって、それ ぞれの県にお任せするという形で、これはいた仕方ないかと。確かにちょっと心配な点 は、青木委員が言われたとおりだと思うのですが。  いちばん上のところだけ説明を聞きたいと思ったのですが、北海道の五次と六次で、 このようになってしまった理由はある程度あるはずで、少し想像のつく範囲で説明させ ていただければ、調査が全部いい加減だったということだと困るので、倍率のところな どは仕方がないのですが、この辺の事実関係などは、はっきり聞いておきたいと思いま す。 ○宮武座長  お願いします。 ○鎌田看護職員確保対策官  再就業者数ですが、ご指摘のとおり前回第五次に比べて倍の数字になっていて、北海 道のように、前回2倍以上となっているのが19県あって、平均して大体1.9倍くらいが 全部です。いくつか、我々のヒヤリングを通じて把握したことによると、1つは、鎌田 委員がおっしゃるように、第五次のデザイン、策定方針においては、再就業者数につい て、ナースバンクのデータで算定と書いてあったのです。第六次については、ナースバ ンク等のデータに加えて実態調査のほうも加えておりますので、ハローワーク課のデー タも参考にしたようですし、さらには従業者届けなどのデータも活用したので、ある意 味、報告書(案)にも記載されておりますが、いわゆる口コミ、個人間の動きも多少は 県当局で把握できたかと思っております。  もう1つは、やはり介護保険の関係で、第五次のときはちょうど始まったこともあっ て、介護関係の方の働き方まで読みきれていなかったということがあり、多くは、やは り介護のほうも再就業者数が増えるところです。しかも聞きますと、退職された方が、 そういったところに参入しているというのは、結構傾向としてヒヤリングでは把握でき たというところでございます。 ○鎌田委員  五次よりも六次のほうが実態に近いと考えていいでしょうか。 ○鎌田看護職員確保対策官  供給のほうは、これまでの過去の経緯プラス供給数については過去のトレンドと、そ れから政策的な加味ということで策定してくださいとお願いしたところ、積極的に政策 的な判断をしたところもあるし、一定程度ありますから、その政策的な効果をどう見込 むかはあるのですが、その水準が上がった。水準というか、再就業者数が増えていると いう部分については、ある程度の実態を表しているところはあるのかと思っております。 ○森委員  私は愛知県で需給見通しを策定した立場でちょっとお答えさせていただきたいと思う のですが、2箇所に愛知県は出ておりますが、いま説明がありましたように、実態調査 の中で離職者も非常に増えていましたが、再就業者も非常に増えているという実態がご ざいました。それは、再就業者がどこから再就業したかという調査も入れていましたが 、ナースセンターというよりもハローワークと、その他というところがあるのです。こ のその他というのが、おそらくここにちょっと書いてあるように、知人だとかそういっ たところというふうになるのかなと考えております。愛知県の場合も、この再就業者数 でまかなっていくという不安がかなりありますので、その辺の分析を少しやっていく必 要があるかなということを、今後の課題ということで残しているところです。 ○菊池委員  今回の需給見通しでは、病院や診療所など全数調査ということで、かなり詳しい実態 調査をして需要を拾っていただいたということで、前回よりも結構丁寧に拾われたので はないかと感じています。  ただ、その後の県の段階で、いろいろな政策的な要素を加味するときの、その加味し 具合が、県によって差があるということをお聞きしましたので、今回のやり方の限界も 一部あったかなと思いますが、全体としては、かなりの部分を拾ってくださったのでは ないかと思っています。  前回も申し上げたのですが、県でかなり詳しい調査をしたということで、看護職員の、 どういうところにどういう需要があるかとか、どの辺が足りないかとか、あるいは労働 条件がどうなっているかということを、詳しくご理解いただく基になるベースができた と思うので、それを基に、是非県のレベルでも看護職員確保対策を進めていただきたい と考えております。これは希望ですが。  それで、需給見通しの差を見ると、需要見通しが平成22年に140万で供給見通しが139 万ということで、今回は一応1万5,900人の差が出ているということです。前回のとき は5,000人くらいの差だったのですが、今回はそれよりちょっと多いというところが気 になっていて、この辺をやはり政策的に強化していく必要があると思います。一応報告 書の中にもそのことは書いてあり、基本的な指針を見直すということも書いてあります ので、ここを是非きちっとお願いしたいということが1点です。  それから、県のレベルでの供給見通し全部を足して139万ということで、需要に1万 5,900人追いつかなかったということは、県の段階だけの確保対策では、足りない部分 があるということで、国の支援の部分もやはり必要という点です。需給の差が、県だけ の計画ですと、どうしてもこういうふうに出てしまうということで、国のレベルの確保 対策が、今後とも必要と考えておりますので、国と県と両方で進めていただきたいと考 えております。 ○上泉委員  今回実態調査を基にして、報告書ができているということについても、地元のほうで この委員会に参加していたものですから、非常に貴重なデータが各都道府県で得られて いると私は思いました。そういうことから、やはり、それぞれの自治体が得られたデー タについて、公開なり、あるいはそれぞれの自治体で活用するという方向を、是非進め ていただきたいと思っております。また、こういうことを通した結果、やはり今回の見 通しはかなり実態が反映されたものになっているのではないかと思いました。  もう1つ、実態反映のところでですが、報告の6頁に、いちばんの下の30行ですが、 県外への流出あるいは流入といったこと、それから地域とか医療機関の偏在といったこ とについて、ここに書いてあるとおり、まさに今回はその点についてはデータが得られ なかったということなのですが、是非今後、この点について検討していかなければいけ ないのではないかと思いました。  看護職のキャリアアップのことを考えると、私は地方におりますので、何かほかで勉 強して、それで戻ってくるといったようなこともありますし、この辺の流出・流入の見 通しが、かなりこれからの看護職の供給の見通しのところで影響するのではないかと思 いました。  このことについては、単に都道府県のデータを積み重ねるだけではなくて、何か全体 としての供給バランスのあり方とかを検討する必要があるのではないかと思いました。 ○尾形委員  ちょっと欠席していたので、あるいは見当外れかもしれませんが、報告書案について 2点ほど質問といいますか、確認したい点があります。  1つは7頁のいちばん最後の「おわりに」の所ですが、3つ目のパラグラフで、平成 18年の医療制度改革の影響は見込んでいないということが書かれていて、最後の所の下 から5行目に「医療制度改革等を踏まえた適時的確なものとすることが求められる」と 書いてあるのですが、これはどういう意味かということです。何か2つくらい解釈がで きるのかなと思うのですが、1つは、次回はちゃんと制度改革に合わせて見直しをする という意味なのか、それとも今回の見直しを経過期間中であっても、適宜見直していく という意味なのか。ちょっとその辺を教えていただきたいということが1点です。  もう1点は、1頁に戻っていただいて、3つ目のパラグラフで、「医療提供体制の改 革のビジョン」を引用されていますが、これは何か特に意味があるのかなということで す。というのは、もう構造改革試案が出たり、あるいは政府与党の大綱みたいなものが 出ていて、あえてここに戻るというのは、何か意味があるのかどうか。その2点です。 ○宮武座長  それではお答えください。 ○鎌田看護職員確保対策官  まず7頁の終わりの所ですが、ここはある意味、今回のこの検討会、いまこの場でも お話がありましたように、11行目にあるように、現場の声を反映させるという観点から 策定したけれども、一定程度は出るけれども、まだもの足りない感じがあるということ を申し上げました。2番目に、供給等について現実的なことを考えたとあるのですが、 さらに先生のご指摘のところですが、ここは今回そういった見通しは、これまでの動き があったものですから、まさにこの策定作業が後に出てきた医療制度改革、今回、患者 の選択、あるいは医療安全の確保、特に在宅医療とか看護職にも影響する部分があるの ですが、ここは考えておりませんので、そういった点はなされていないと事実を申し上 げて、それでご指摘の23行目以下は確保対策をどうするかですので、やはり医療制度改 革、だんだん具体案も出てきておりますので、それを踏まえて、やはり必要な確保対策 というものをきちんとその時々の政策あるいは需要に応じて組むべきであるということ を申し上げているところで、見通しを変えるというよりは、そうした制度改革、あるい は現場の需要に応じた供給策、確保対策を進めるべきということを言っているところで す。  1頁目のビジョンについて引用といわれますと、あまり考えていなかったことがバレ て恐縮なのですが、策定方針にこのように書いたビジョンに沿って、いま質量ともに確 保しなければならないというところであったので、初めのところは経過を書きましたか ら、そのように策定方針を踏まえて書いたというのが正直なところです。  ただ、積極的な意義を、そういう正直なことを言えば、今回の一連の医療制度改革の 中で、やはり医療提供体制についてこの改革のビジョンを踏まえて進められていること を考えれば、改革のビジョンを書くことには一定の意義があるものと考えているところ です。 ○宮武座長  文章の修正なりをお求めになりますか。 ○尾形委員  いいえ、そういう意味ではありません。確認です。 ○花井委員  前回発言させていただいたことを、随分さまざまな意見を取り入れていただいたこと に対して感謝申し上げたいと思います。今回の需給見通しで、逆に問題点が明らかにな ったこともあるなという印象です。文章修正とかではなくて、最後の「おわりに」の23 行目以降の所が、大変重要ではないかと思っておりまして、是非ともこのことを実現し ていただきたい。よろしくお願いします。 ○西澤委員  今回の報告は、表に出るとやはり何年後にも看護師さんが足りないということにされ てしまうのですが、あくまでもこれは今回推計で挙げた数字であって、放っておけばこ うなるわけです。ですから、こうならないように、需給のバランスがとれるように、都 道府県はきちっとしなければならないということが裏にあるということを是非強調した い。  これからの医療計画とは、都道府県の責任でするわけですから、今回の調査では、将 来もまだ足りないから、具体的に都道府県でこういう対策をすることによって、供給が これだけ増えるという視点があまり入っていないということですので、これからは国の ほうから、都道府県に是非そういうことをしていただきたいとお願いして、結果、実態 としてきちっとバランスがとれていましたとなるのが、私たちの願いではないかと思っ ております。 ○宮武座長  特にいまの文章の中に、何か入れろということではないですね。 ○西澤委員  いえ、そうではありません。 ○宮武座長  私のほうも、この前の鎌田委員から、もう少し看護職場に明るい先行きが見えないか とか、今日も浅川委員から、現実には基準よりも手厚い配置をしている所があるのだと か、皆さんから異口同音に、看護職場の配置の問題も含めた改善を求める声が多かった わけです。  今回それを汲んでいただいて、7頁の「おわりに」のいちばん末尾の所に、「なお、 看護職の配置について検討することは当検討会の目的とするところではないが、看護職 員の勤務条件、医療安全の確保等に大きく影響するとともに、ひいては確保対策にも関 係することから、そのあり方について検討する必要性が指摘されたことを最後に付言し ておきたい」と入れていただきました。私は「看護職員の配置基準」と書くべきだと思 っておりましたが、ただ単純に配置基準というだけではなく、青木委員からもご指摘が ありましたように、職場によってはまた違った対応をとる必要もあるわけです。  ただ、看護職員の配置というのでは、あまりにもわかりませんので、「看護職員の配 置のあり方」というふうに、最後にもそう書いてあるので、「あり方」と入れていただ ければ、少し皆さんの意がここに込められるのかなと思います。お願いいたします。 ○浅川委員  積み上げた数字ですから、全体的な印象としてはもっと足りない数字で出てくるのか しらとは思いましたが、県によって相当な温度差、状況の差があるということが今回わ かったわけです。いま、いろいろなご意見を伺っているときに、本当は国や都道府県が 何をするかということがとても大事になってくる。そのありようによって、実はこの需 給見通しのバランスがとれたりとれなかったりするということになろうかと思うのです。 そうすると、この「おわりに」と書いてあるところが、実は非常に重要な意味をもって くるのですが、これは、「おわりに」でよいのかということを改めて感じました。「今 後に向けて」とか何か、これからの取り組みとかそんな感じで、もう少し前向きなタイ トルのほうが。 ○宮武座長  そうですね、おっしゃるとおりですね。これでおわりにされては困りますね。 ○浅川委員  もし取り入れていただけるならお願いします。 ○宮武座長  事務局のほうでいまのお気持を汲み取った形のタイトルに変えてもらえばということ で、言っておきます。青木委員、どうぞ。 ○青木委員  1つは、助産師に関して、産婦人科医会から私どもにお話があって、この数値という のは納得し難いということで、産婦人科医会として全国調査をするということですので、 ここで一応触れさせていただいておいて、後日厚労省にご意見を提出させていただく。 そのことをご承知いただきたいと思います。  それから、尾形委員はじめ、先ほどからのお話に対する単なる感想にすぎないのです が、医療費がこのように3.16という形で、新しい技術がどんどん出てくる。そして高齢 化も進んでいるというような状況の中で、現在の内閣によって、こういう強制的に下げ られるようなことが起こったということは、私ども現場で医療とか看護の仕事をする者 にとっても、大変大きな影響を与えるものと考えます。  もちろんここでとやかく言うべき問題ではないのですが、看護の世界も、今日の報告 書の中にも触れてあるように、数が増えればいいという考え方はもう成り立たない。も とは、個人の生活があっての上でのこういう仕事というような部分があるわけですから、 数だけ増やせばいいという考え方は、私はある程度捨てていかないといけないのではな いかと考えています。  それは何を意味するか。例えば病棟に薬剤師を配置して、看護の仕事部分を少なくす るとか、助手の人たちがどこまで仕事ができるのか。そういうことをいろいろ考えて、 中に組み込んでいかないと。要するに、チーム医療ではなくてチーム看護ではないかと 思うのですが、そういうことを今後考えていかないと、2年間とはいえ、とても現在の 状況を乗り切っていくことはできないのではないか。そういうことを早く考えないと、 患者さんが不幸になる。そんなことがいちばん困ることですから、私はそういう感想を もっております。 ○宮武座長  何かございますか。もしなければ、大体議論は尽くされたということで、今日ご要望 があった点、ご指摘のあった点を微修正して、あと事務局のほうにお任せして、最終的 なものを皆さんにお配りする。こんな段取りになるかと思います。  これで一応議論を終わります。それでは事務局のほうから、連絡事項がありましたら お願いします。 ○事務局  それではここで医政局長よりご挨拶をさせていただきます。 ○医政局長  前回も本当に終わりのほうしか来ませんで、今回だけご挨拶するというのもおこがま しいのですが、委員の先生方には、1年以上、平成16年度から第1回の検討会以来延べ 7回にわたって、大変精力的にご議論をいただき、本日、平成18年以降の需給見通しに ついての報告書のとりまとめをいただきまして、本当にありがとうございました。この 場をお借りして厚く御礼申し上げたいと思います。  今回の需給見通しは、病院などの各施設に対する実態調査を行うなど、医療現場にお ける看護職員の不足感を反映させようという意欲的なもので、第五次とは違う考え方に 沿って行われたわけです。報告書にもあるように、一定程度はそれが数字としても表れ てきたのではないかと考えておりますが、一方、現場の実態を把握する課題もまだまだ 残っていると考えております。  厚生労働省におきましては、ご存じのとおり、患者さんの視点に立って、安全・安心 で質の高い医療を効率的に提供する体制の構築という観点から、医療制度の改革に向け て議論を進めているところで、前回も申し上げましたが、来年の通常国会に医療法等の 改正案の提出を予定しているところで、看護についても、助産師・看護師の名称独占の 制度化、あるいは行政処分を受けた方に対する再教育の義務化などの制度改正をその中 で行いたいと考えております。  国民に安全・安心の医療を提供するためには、看護職員について、量の確保とともに 質を確保することも重要であることは論を待たないわけで、今後本報告書におけるさま ざまなご指摘を踏まえて、制度改正に合わせて新人看護師、看護職員の離職の防止、あ るいは潜在看護職員の活用など、看護職員確保対策の充実を図っていきたいと考えてい るところです。  最後に、大変長い間、1年半にわたって熱心にご論議をいただいたことに改めて敬意 を表するとともに、今後とも看護職員確保のみならず、医療行政全般にわたって引き続 きご指導ご支援をいただきたいと考えております。本当にありがとうございました。 ○宮武座長  報告書の公表はいつになるのでしょうか。 ○事務局  26日、来週早々に修正部分について座長とも相談させていただきながら、できれば26日 、遅くとも来週早々にはと思っております。 ○宮武座長  それでは昨年6月に検討を開始して以来、たびたびご多忙の中を集まっていただいて、 本当にありがとうございました。この場を借りて最後にお礼申し上げます。 (照会先) 厚生労働省医政局看護課 代表 03-5253-1111 赤熊(2593)、茂木(2597)