05/10/07 先進医療専門家会議平成17年10月7日議事録 05/10/07 平成17年度第5回先進医療専門家会議議事録 (1)日時  平成17年10月7日(金)15:00〜15:45 (2)場所  東海大学校友会館 朝日・東海の間 (3)出席者 猿田享男座長 吉田英機座長代理        赤川安正構成員 越智隆弘構成員 片山容一構成員 金子剛構成員        佐伯守洋構成員 笹子充構成員 竹中洋構成員 田中憲一構成員        田中良明構成員 辻省次構成員 寺岡暉構成員 永井良三構成員        福井次矢構成員        <事務局>        審議官 医療課長 企画官 保険医療企画調査室長  他 (4)議題  ○先進医療の科学的評価(8月受付分)について        ○先進医療の届出状況(9月受付分)について (5)議事内容 ○猿田座長  時間が参りましたので、第5回の先進医療専門家会議を始めさせていただきます。本 日の委員の出席状況ですけれども、欠席は北村構成員、竹中構成員、谷川原構成員、坪 田構成員、渡邊構成員の5名でございます。それから8月26日付で厚生労働省において 異動がございましたので、事務局から紹介をお願いします。 ○医療課企画官  それでは紹介させていただきます。宮島俊彦審議官でございます。 ○審議官  宮島でございます。よろしくお願いします。 1.先進医療の科学的評価(8月受付分)について ○猿田座長  それでは早速ですけれども、議事に入らせていただきます。8月に届け出のありまし た新規の手技に関しまして先生方から事前評価をいただいておりますので、それに関し て事務局の方から御説明をお願いします。 ○医療課企画官  それではお手元の資料先−1の「先進医療の届出状況について(8月受付分)」と、 同じく資料先−2の「先進医療として届出のあった新規技術(8月受付分)に対する事 前評価結果等について」、この2つの資料でまず御説明をさせていただきたいと思いま す。先進医療技術名は一連のものでございますので、1の資料と2の資料をあわせて使 って説明させていただきたいと思いますので、あらかじめ御了承いただきたいと思いま す。  まず先−1の資料をごらんいただきたいと思いますけれども、8月受付分としては、 整理番号4、5、6と3つの先進医療という形で、4つの医療機関から出てきてござい ます。  まず整理番号4について御説明申し上げます。先進医療名としましては「自動吻合器 を用いた直腸粘膜脱又は内痔核手術(PPH)」2医療機関からでございます。適応症 につきましては、直腸粘膜脱、内痔核ということになっております。費用の部分でござ いますけれども、先進医療費用として自己負担の部分につきましては、こちらにお示し してございますように5万5千円という形と7万9千円。大体5万円強から8万円弱に なっております。特定療養費、保険給付分でございますけれども、入院3日間15万9千 円、入院2日間14万3千円というような内訳となってございます。技術の概要につきま しては次のページをごらんいただきたいと思いますが、別紙1でございます。3ページ 目に、どういったものがこの場合の技術に自動吻合器として使われるかというものをシ ェーマで示したものでございます。参考にしていただきながらごらんいただければと思 います。  自動吻合器を用いた直腸粘膜脱又は内痔核手術ということでございまして、まず内容 をごらんいただきたいと思いますが、「先進性」というところでございます。これは3 ページにお示ししてございます自動吻合器を用いた痔核手術ということで、この手術に よる場合には、既に保険適用されている根治術と比べて、より低侵襲な手術が可能とな り、患者さんの負担が軽減されるというものでございます。  具体的にどのようなものかということで「概要・効果」のところをごらんいただきた いと思います。痔核の手術としましては既に保険適用されている根治術というものは、 肛門部の皮膚を切開して、そこから痔核につながります根部の血管及び痔核を結紮、切 除するものでございます。一方この自動吻合器を用いた痔核手術PPHは、専用の自動 吻合器を用いまして、痔核そのものを切除するのではなく、痔核の上方にある脱出した 直腸粘膜とそこに入ってくる血管を環状に切除、吻合いたしまして、痔核を正常の位置 へ吊り上げつつ縮小させるといった手術でございます。従来の方法と比べまして、侵 襲、患者さんへの負担というものを低減できまして、肛門周囲の皮膚を切開しないため に術後の痛みも少ないというメリットがございます。また従来法では1週間程度であっ た入院期間でございますけれども、新しい方法ですと4日程度まで短縮するなど、より 短期間で退院が可能になる。そういった先進性と効果メリットを持っている手術である ということでございます。  恐れ入りますが、そのまま先−2の資料をごらんいただきたいと思います。同じく整 理番号4のところで、一連のものですので御説明させていただきますが、事前評価結果 ということでございます。総評につきましては適ということで、審査結果としての適応 症は直腸粘膜脱、内痔核ということでございます。評価の詳細につきましては後ほど事 前評価の担当構成員であります笹子先生の方から御説明いただければと考えてございま す。以上が4の先進医療についてでございました。  また先−1の方にお戻りいただきまして、整理番号5でございます。先進医療名とい たしましては「遠赤外線均等低温サウナ浴による温熱療法」というものでございます。 適応症としては心不全という形で上がってきてございます。医療費については自己負担 分、保険給付分はお示ししたとおりでございますけれども、資料先−2の方にお移りい ただきまして、整理番号5のところ、事前評価結果等の四角い評価表の「その他」のと ころをごらんいただきたいと思いますが、この技術につきましては、医療機器について 薬事法の承認が優先されると。サウナ浴をするいわゆる医療機器セットのような形にな っておりまして、そこの部分の内容が心不全という形での適用をまだとっていないとい うことですので、そういった薬事法の承認が優先されるということから、承認後に再び 届け出を出していただくという形で事務的に対応させていただいたらどうかというもの でございます。  それから整理番号6でございますが、また先−1の資料にお戻りいただきまして「画 像支援ナビゲーションによる膝靱帯再建手術計画」というものでございます。これにつ きましては適応症が前十靱帯の損傷、それから後十靱帯の損傷ということでございま す。先進医療、それから保険給付に当たります特定療養費分の経費はお示ししたとおり でございます。同じく先−2の資料の整理番号6をごらんいただきまして、事後評価結 果等についての「その他」の部分でございますけれども、これにつきましては、提出い ただいた書類に若干の不備がございますので、書類の不備を訂正していただいた上で再 届け出をしていただくという形で事務的に処理をしているところでございます。  8月受付分の先進医療の届け出状況、それからその事前評価の概要につきまして事務 局からの説明は以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。今御説明がありましたとおり、まだ始まって間もな いせいか受付分はそれほど多くないことと、いろんな点での不備の問題もあったという ことです。まず整理番号4ですが、これは事前評価を笹子先生にお願いしていますか ら、笹子先生の方から御説明をよろしくお願いいたします。 ○笹子構成員  まず資料先−1の2ページのところで、この資料そのものに僕は目を通していなかっ たのですが、「概要・効果」のところの「既に保険適用されいている根治術は、肛門部 皮膚を切開し」というのは、肛門部皮膚を切開する場合もあるかもしれませんがそれは 本質的ではないので、直腸粘膜下での血管結紮と痔核に……その後と同じですね。要す るに血管の結紮と痔核の切除という簡単な表現でできると思います。そこは一部誤解が あると思いますので、直させていただきます。  それから資料先−2を見ていただきまして、2ページ目、適格性に関してです。適応 症に関しては、一番下の総評のコメントのところに「完全直腸脱は禁忌」、それから不 完全直超脱も長いものですと、壁全体がずれ落ちているような直腸脱との鑑別等いろい ろ問題が起こってきて、事故が起こる、あるいは重篤な合併症が起こり得るということ がありますので、コメントをつけて適応を2つ直腸粘膜脱または内痔核というところに 絞ったということであります。そうであれば妥当であろうということです。  有効性に関しては、時間の短縮それから手技も簡単ということもありまして、有効性 は今までのものよりはあるだろうと。合併症も、適応を守っている範囲においては出血 ぐらいであろうと思われます。技術的成熟度に関しては、こういった器械で消化器管の 粘膜をきちっとやるという経験をある程度積んでいただくということがありますので、 Bランクといたしました。倫理的な問題は特に討議する対象ではないと思います。  このような形で行うほどひどい内痔核あるいは直腸脱、粘膜脱自体はそれほど多くな いと思いますが、あることはありますので、現時点でどれくらい普及しているかという はっきりしたデータはありませんが、それほど普及していないのではないかと思いま す。ただ痔の疾患自体が特殊な専門施設で多く扱われているので、そのような施設では 多数ある可能性はあります。効率性は、やや効率的であろうと。  したがいまして、今の手技よりもこの手技がきちっとやれるようであれば、時間その 他も短縮できますし、患者さんにとってもメリットも非常に一般的に大きいと思われる ので、保険適用を考えるべきであろうということでございます。  次のページに行かせていただきまして、この技術の医療機関要件の案でございます が、診療科は外科ですが、中に肛門科という形で標榜しているところもありますので、 外科または肛門科といたしました。  資格としては、外科専門医又は消化器外科専門医。診療科の経験は10年以上。当該技 術は1年以上。これは、先回議論が出ましたが、この技術そのものを20やる必要はなく て、助手として10、術者として10であれば、一応こういう形の先進技術申請ができると いうことにしていいのではないかと考えました。  一応常勤医師が2名ということにいたしました。それから他の診療科、これは肛門科 の専門病院ですと単科でございますので、不要。麻酔はほとんどがルンバールあるいは 仙骨の麻酔ですので、麻酔科も要らないということになります。看護配置に特別なもの は要らない。その他の医療従事者の配置も不要。前回にならいまして、1床以上。入院 が必要であるということです。診療科は外科。  当直体制は要ですが、当直は必ずしも外科医でなくても外科系の医師、あるいは考え られる合併症が出血だけですので、内科の先生でも、とりあえず肛門に何かを詰めてい ただければ血はとまりますので、当直がいればいいかなということで少し緩めの設定を しました。緊急手術、そのときにはどなたか当直医が外科の先生を呼んでいただいて、 あるいは執刀医を呼んでいただいてやれる体制があればいいと考えられます。したがっ て患者の移送が必要な合併症は考えられませんので、不要であろうと思います。院内検 査は、出血等のモニタリングが、ヘマトクリット、ヘモグロビンぐらいはできる必要が ありますので、要ということにしました。医療機器の保守体制は不要。倫理委員会も要 らない。安全管理委員会に関しても、この技術に関しては要らないのではないか。施設 としての実施が10例以上で先進医療として申請できるというふうにいたしました。危険 度が余りないということから、実績報告に関しては通常の報告でよろしいということで す。以上です。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。ただいまの御説明にどなたか御質問ございませんで しょうか。 ○佐伯構成員  佐伯でございますが、内痔核に対する手術としては根部血管の結紮と内痔核の切除、 粘膜の切除、これは妥当だと思いますが、直腸粘膜脱にもこの技術を使うと根部血管の 結紮が行われるわけですよね。それは必要なんですか。 ○笹子構成員  直腸粘膜脱と一般に言われているのは、要するに内痔核が集合してひどくなっている ものではないかと思いますが、それで結局バリックスが下がってきて外へ出てきてい る。 ○佐伯構成員  そういうことであれば同じ技術でいいと思いますけれども、直腸粘膜脱という疾患も ありますよね。 ○笹子構成員  というか、直腸粘膜脱自体がそういうものだと僕は解釈していたのですけれども。た だ単に粘膜だけが出てくるということは通常ありません。 ○佐伯構成員  子供ではあるものですから、内痔核がなくて粘膜脱があるというのが。 ○笹子構成員  そうですか。大人ではほとんどないと思います。 ○佐伯構成員  わかりました。 ○猿田座長  ほかにございませんか。このテクニックは疼痛に対してはかなり少なくなりますか。 ○笹子構成員  痛みは、従来のものより軽く済むのではないかと思います。切除するというよりは、 1回でバチンとやってしまいますから。 ○猿田座長  その点では患者さんにとってはかなりメリットがあるということですね。 ○笹子構成員  メリットがあると思います。 ○越智構成員  先進医療の審査の基本的な考え方になるかと思いますけれども、新しい技術を認めた ときに、やはり頻回の実績報告が必要なのではないかと。III番目の「その他の要件」 の頻回の実績報告が不要とありますが、必要なのではないかと思います。例えば出血の 状態であるとか、実際にやった実績報告がある程度必要なのではないかと思いますが、 いかがでしょうか。 ○笹子構成員  不要としてあるのは、年に1回の通常報告でいいという考えです。年1回はしていた だく。年1回がレギュラーと聞いておりましたので、半年ごとというほどのモニタリン グは要らないのではないかという解釈です。 ○猿田座長  ちょっと今のとも絡むのですが、そうするといわゆる医療安全委員会的なものはどう ですか。 ○笹子構成員  一応なしでいいのではないかとしたんですけれどもね。 ○猿田座長  今先生がおっしゃったことも関係するとすれば、最初だけちょっと……。 ○笹子構成員  ただ、これはどういうルールになっていたかちょっと僕も覚えていていないのです が、重篤な何かがあった場合にはアドホックにその時点で報告は必要なんですよね。そ うであれば、私はよろしいかと思います。 ○猿田座長  事務局の方、その点どうでしょうか。 ○医療課企画官  今笹子先生の方からありましたように、重篤なケースがあった場合には直接厚生労働 本省の方と社会保険事務局の方と、その2つのルートで御報告をいただくという形に安 全性という観点からはあるということでございます。それと、今までの議論を踏まえま すと、医療機関の要件について、基本的な方向性として安全性については、特に走り出 しの部分についてはできるだけ注意を払っていただく方向で考えていくというところ が、過去何回かの御議論ではなかったかということでございます。 ○猿田座長  そうすると笹子先生、もしあれだったら一応委員会は要としておいてもよろしいでし ょうか。 ○笹子構成員  その方がよろしければ、それは構わないです。 ○猿田座長  最初でございますので、それではここのところは要とさせていただいた方がいいと思 います。 ○赤川構成員  自分もさっきの頻回の実績報告が気になったことと、もう一つは、医療機関としての 当該技術の実施症例数が10例というふうに先生は言われたのですが、申請の方には両機 関とも20例となっていたと思いますが。それは10例でいいという御判断でしょうか。 ○笹子構成員  前回議論があったので、要するに経験をたくさん持っている人が移るということを考 慮してということです。それと、助手として10例やって、自分で10例やればもう十分で あろうと。そのレベルの技術です。むしろ従来の手術よりも、だれがやってもある程度 の結果が得られるというものだろうと思います。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。ほかに御意見ございますでしょうか。 ○佐伯構成員  先ほどの直腸粘膜脱に戻りますが、もしそれが内痔核の集合体であるということであ れば、内痔核に対する手術ということでいいのではないですか。 ○笹子構成員  ただ疾患名としては直腸脱という呼ばれ方をします。 ○佐伯構成員  だけど、もとは内痔核が集まったものだということなので、それがどうもすっきりし ないのですが。 ○笹子構成員  ただこれは、粘膜脱という先生がおっしゃっているような形で、内痔核に伴って内痔 核が3方向に基本的に出てくるのですが、全部がひどくなってくると引っ張られて全体 が出てくるわけですね。ですから、粘膜そのものがたれている部分ももちろんあるわけ です。それは一緒に切れてしまいますから、そういう意味でひどくなって直腸粘膜脱と 言っているのはおしりから外へざーっと出てくるわけです。だからそれは内痔核だけで はなくて、さらにそれが全体のを一周、粘膜を引っ張り出しているような状況になって いるというものです。 ○猿田座長  ほかに御意見ございますでしょうか。 ○金子構成員  これは将来保険に収載されるときには、また新たに治験をする必要があるのか。ある いは、器具だと治験が必要になると思いますが、技術だからそういうことを考えなくて もいいのか。それはどうなのでしょうか。 ○笹子構成員  少なくとも薬事法で、腸にこの器械を使っていいという治験が終わって許可されてい るからここへ出てきているので、全然そういったことは必要ないと思います。 ○猿田座長  ほかに御意見ございますでしょうか。今のお話で、技術的には20例ぐらい、術者と助 手と両方でやって20例ぐらいあれば大体できるだろうということと、比較的安全である ということと、腰椎麻酔程度で済むだろうということで麻酔科も要らないということ と、訂正したところは、最初ですから医療安全管理委員会の設置は一応していただくと いうことで、もし特に御意見がなければ承認を……。 ○吉田座長代理  2施設から出ている値段ですが、どっちをとった方がいいのですか、5万5千円と7 万9千円というのは。といいますのは、各学会から先週ぐらい依頼がございまして、同 じ手技で多数医療機関が出した方がいいのかと。ここでは1個でいいですよと言ってい るのですが、インターネットを見ても、たくさん出した方が有利かというのが結構ある んですね。そうすると値段がばらばらになってしまうんです。値段が2つある場合に、 今後どう判断すればいいですか。 ○笹子構成員  僕は本省の方とちょっと御相談をしましたけれども、申請してきているものが全部オ ープンになりますから患者さんは選べるわけですね。高い方がうまいだろうと思って行 く人もあれば、安い方が良心的であると思って行くこともあるという解釈ということで すので、このままということです。選定医療というのは、本質的にそういうものであろ うと。私はそう理解しております。 ○猿田座長  何か御意見ございますか。 ○医療課企画官  今笹子先生から御説明いただいた考え方で、事務局としてもそのような形で基本的に はよろしいのではないかと思います。それから中医協の方からも、今ございましたよう に情報の公開というものを、いわゆる全体を集めた形の中で適切に行う仕組みを考える ようにというふうに私どもの方に宿題としていただいておりまして、そういった中で、 どのような技術に、どのような値段が、どういうところで、ということがわかっていく 仕組みを検討せよということですので、現時点では検討中というところですけれども、 そういった宿題もいただいているということをあわせて御報告させていただきます。 ○笹子構成員  ちょっと追加させていただいてよろしですか。前回のときに少しお願いしましたが、 きちっと公開していただきたい。それから、明細を一応つけて申請していますね、技術 料幾ら、器械のお値段が幾ら、それから治療の麻酔だとかいろいろ経費の内訳が書いて ある。その値段の明細も出した方がいいです。というのは、一緒に使う薬物、例えば手 術のときに一緒に使う抗生物質だとかいろんなもので、めったに起こらないような合併 症を想定してその治療に要する値段まで入れて値段計算しているものも前回の中には結 構ありました。だから、そういった何が幾らでこういう値段になっているというものを きちんと出してもらうことが、消費者側にとってはまさに選定する対象としてよくわか るということで、ぜひそれをやっていただきたいと思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。 ○赤川構成員  そうなりますと、例えばこのPPHの1つの機関からは、人件費などは全然出ていま せんよね。こういうのでもいいわけですか。 ○笹子構成員  これはむしろ今までの手術より速くなって、普通の医療の部分でカバーしてしまう。 逆に言えば、これは、本当は何年かこういう形で走ったら早く保険にしてしまった方が いいと思います。 ○猿田座長  ほかに御意見ございますでしょうか。もしございませんでしたら、先ほどの訂正部分 はさせていただくということで、この議案をお認めいただくということでよろしいでし ょうか。どうもありがとうございました。笹子先生どうもありがとうございました。  先ほどちょっと事務局から御説明がありました5番に関しては、ここで議論しておく ことはございますでしょうか。「遠赤外線均等低温サウナ浴による温熱療法」に関しま しては、先ほどの御説明で、医療機器について薬事法の承認が優先されるということで ございますけれども。 ○医療課企画官  5番につきましては、事務的に確認いたしましたところ、やはり薬事法の手続きが事 前に別途必要ということで、そちらが優先されるということでございますので、その旨 を届け出いただいている医療機関の方にお伝えいたしまして、その部分がクリアされた 時点で再度書類を提出していただくという形で対応していきたいと考えております。 ○猿田座長  永井先生、何かその点御意見ございますか。 ○永井構成員  やや特殊な心不全治療の目的のために開発された低温サウナで、60度で全身にむらな くかかるようにして、しかも心電図とかいろんなモニターができるように工夫したもの のようです。ですから、やはりこれは薬事法にかかってくるかと思います。ただ、私も 開発された方と話をしたのですが、重症の心不全でこういう治療法がかなりよいという ことで学術的にも大分検討されているようですので、薬事法を通られた後に再度相談し ましょうということにいたしました。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。そういったことで、これは薬事法を通ってからとい うこと。それから先ほどお話がありました第6番目に関しては、書類の不備があるとい うことでこの次になりましょうか、9月になってあるいは出てくるかもしれないという ことで、一応8月受付分に関しまして、きょうはこの4番を通していただいたというこ とだけになりますけれども、この8月分に関しまして先生方から何か御意見がございま すでしょうか。 ○田中(良)構成員  先ほどの4番に戻ってもよろしいでしょうか。自己負担分のことで、一方が5万5千 円と、もう一方が7万9千円という違いは、どういう内訳になっていたのか。今ちょっ と思い出したので、質問させていただきます。 ○笹子構成員  正確には覚えていませんが、5万5千円の施設は、先ほど言いましたように、器械の お値段だけで請求です。もう一つの方の施設は、従来の麻酔とかいろんなそのほか一般 の古い方法を使っても普通に使うようなものを入れて7万9千円という計算だったので はないかと思います。 ○田中(良)構成員  それは、そういうふうな算定の仕方でも事務局としてはよろしいということでしょう か。 ○医療課企画官  先ほどの金子先生の質問ともちょっと絡むのですけれども、基本的にその物だけに着 目するのか、それとも技術としてこれについて考えるのか、技術と物を一体のものとし て考えるのかということがあろうかと思います。その点につきましては、それぞれ届け 出をいただいている医療機関の方に、一応今回の技術について言うと、いわゆる痔核の 部分のアプローチの仕方が若干違うといいましょうか、哲学的に違う方法ですので、基 本的に技術と物を一体として考えていただきたいと。  これは、実は保険に収載されるときを想定した場合に、そういった形にしていかない と、物代の関係とか、技術料の関係とか、そういった現在の診療報酬の構成から考え て、いわゆる自動吻合器を使った場合にはそういった形で対応する方が合理的というこ ともございまして、そういう形の考え方の上で費用については積算してほしいというこ とでお伝えしてございます。その上での数字ということですので、事務局としてはあえ てそれ以上どうこう言うという形ではとらえていないということでございます。 ○田中(良)構成員  では、この際質問させていただいてよろしいでしょうか。先進医療にいろいろな技術 があると思いますが、そのときにどれだけの分を通常の保険診療で賄ってそれから先の 部分は先進医療かという線引きといいましょうか、それが申請施設によって、多少違う ことがあると思うのですが、そういうのはどこでどういうふうに線引きをするのかとい うことをちょっと教えていただきたいのですが。 ○医療課企画官  そこはまさにおっしゃるとおりかと思います。と申しますのは、前回御議論いただき ましたけれども、その際に循環器病センターの北村総長から御意見がございましたが、 例えばあの場合には、人体の組織を使った弁とかそういったものを心臓の手術に使う場 合に、それを一体のものとしてとらえるのか、それとも、従来心臓の弁置換術というの は技術料としてありますよ、それからいわゆる特定医療材料として人工弁というのはあ りますよ、なので材料が新しいという形で整理をするのかという、それぞれの技術につ いて考え方を整理していくということは今後必要になってくると思います。そういった ことも今後この場でいろいろと先生方の御意見とかお知恵を拝借しながら整理していく 必要があると思っております。実際にまだ運用を始めたばかりでございますので、そう いった中できょう先生からそういった御指摘をいただいたわけでございまして、これか ら運用していく中でそういう混乱がいろいろ出てくるようであれば、それについてクラ リファイしたものをここでおつくりいただいて、またそれを周知していくといったプロ セスが今後必要になってくるのかなというふうに事務局としては考えております。 ○猿田座長  よろしいでしょうか。これからの経過を見てということでございます。そうします と、事務局の方で4に関しては先ほどの形でよろしいでしょうか。御確認だけお願いで きますか。 ○医療課企画官  それでは結果の部分でございますけれども、当該技術につきましての技術の適格性は 適ということでこれは変更ございません。そして3ページ目でございますけれども、医 療機関の要件につきましては、医療安全管理委員会の設置の部分を要という形で変更さ せていただいた上で、それ以外の部分は原案のとおりで進めるということで御示唆をい ただいたものと理解しております。 ○猿田座長  ありがとうございました。本日の8月分の審議はこれだけですけれども、そうします とあとは9月の状況をお願いいたします。 2.先進医療の届出状況(9月受付分)について ○医療課企画官  それではお手元の資料の先−3をごらんいただきたいと思います。「先進医療の届出 状況について(9月受付分)」ということでございます。このうち整理番号6の「画像 支援ナビゲーションによる膝靱帯再建手術計画」につきましては、先ほども御説明いた しましたが、8月受付分の際に書類不備があったものを再度書類を整えた上で提出され ているというものでございます。以下9月受付分につきましては、6番から13番までの ここにお示ししている技術について届け出がなされたということでございます。ただこ の中で、まだ制度が発足して間もないということもございまして、幾つかのものは書類 が不備のものとか、薬事法の関係で少し事務的に精査しなければならないものがあると いうことをあわせて御説明させていただきます。以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。これからだんだん案件がふえてくると思いますけれ ども、担当なさる先生方はいろいろと大変かと思いますが、よろしくお願いいたしま す。一応9月に出ているのはお手元の資料のような状況ですけれども、何か御意見ござ いますでしょうか。 ○吉田座長代理  これは実際の概要版と詳細版はいつごろ来るのですか。 ○医療課企画官  一応事務局で精査した上で、既に発送済みと聞いておりますので、既に着いていらっ しゃるところもあるかと思いますし、まだ途上のところもあるかと思います。 3.その他 ○猿田座長  ほかに御意見ございますでしょうか。 ○越智構成員  今回8月のものに関しましても、薬事法の問題とか書類不備で流れておりますけれど も、受付の早い段階でこれがチェックできれば、ここまで上げてという前でしたら審議 も1カ月ぐらい早くなりますし、少し早い段階でのチェック方式がないのかなというの を一つ思います。  もう一つは、先ほどからも繰り返しディスカッションされていることですが、例えば 先ほどの4番を例にとりましたら、同じようなものを後から申請されるときには、やは り同じような形で費用が違うだけということでここに出すのかなと思ったりしているの ですが、今後案件がふえてくる中で、そのあたりは合理化できないのかなと思います。 ○猿田座長  ありがとうございます。御指摘のとおりだと思いますので、こちらも、そういった点 は事務局とよく相談しながらできるだけ……今事務局の方も始まったばかりで混乱して おりますので、そういった点はきっちりやっていきたいと思います。ほかにございませ んようでしたら、だんだんこれからは忙しくなりますので、きょうは特にないというこ とであれば……。 ○吉田座長代理  第4回まで医療課長も大分心配しておりましたし、今も出ましたけれども、値段につ いて、患者を呼ぶために安くしたり上げたり多分すると思うんですよ。4回まで議論が あったので、日本泌尿器科学会で理事会を開きまして、一応泌尿器科関係で届け出があ って認可を受けた場合には、次に多数の医療機関が申請に来ます。それに関してはすべ て学会に登録しろと。そして、学会で一応調整をしようと。多分田中先生もそうですけ れども、生殖医療が出てくるんですね。そうすると患者を集めるために、あっちは100 万、こっちは50万ということになってくるので、そういう調整を学会でしていいかとい うことをきょう聞いてほしいと言われたのですが、いかがでしょうか。 ○猿田座長  要するに値段の問題が非常に絡んでくるものですから。 ○笹子構成員  学会がそういうことをするのはまずいのではないかと僕は思いますけれども。という のは、例えば同じ手術でも、非常に難しいものであれば、それは値段を学会が調節して しまうというのはまずいんじゃないですか。皆さんがそれでいいと言うならばいいのか もしれませんが、本来的にはそういう代物ではないと思いますけれども。 ○吉田座長代理  じゃあそれは無視して構わないと。 ○猿田座長  御意見ございますか。 ○医療課企画官  現場の方でさまざまな取り組みが行われているということにつきまして、行政の方 で、そうすべきとかそうすべきではないと言う立場には、少なくともこの先進医療の精 神を考えた場合にはまだないのかなと思っております。ただ現実、それぞれの先生方が 御懸念されておりましたように、実際にこれが適切に運用されていく必要があるという ことがございますので、そういったところのモニタリングはやはりこの場でもしていき ながら、必要に応じてまた議論していくという形になっていくのではないかと思ってお ります。 ○猿田座長  先生よろしいですか。ほかに御意見ございますでしょうか。もしございませんようで したら、時間が早いですけれども、第5回はこれで終わらせていただきます。御協力ど うもありがとうございました。                                     −了−                【照会先】                 厚生労働省保険局医療課医療係                 代表 03−5253−1111(内線3276)