05/09/08 社会保険新組織の実現に向けた有識者会議 第3回議事録          第3回 社会保険新組織の実現に向けた有識者会議                        日時:平成17年9月8日(木)                           13:30〜15:30                        場所:厚生労働省 専用第15会議室  佐藤座長  それでは定刻ですので、ただいまから第3回「社会保険新組織の実現に向けた有識者 会議」を開催させていただきます。本日は、大山委員が30分ばかり遅れるとのことで す。  前回は「新組織の発足に向けた業務改革」、「年金運営新組織の構造改革」について の御議論をいただいたところです。また、先日、社会保険業務センターと社会保険事務 所を見学させていただきました。  本日はそういう前回の議論、あるいは現場を拝見させていただいたことを前提にした 上で、前回も冒頭で御説明申し上げましたように、スケジュールを既に示しております ので、それに従って、次回にとりまとめを予定しております「新たな業務改革プログラ ム」、「新人事評価制度」についての議論を進めたいと思っております。次回にはほぼ 考え方をまとめたいと思っておりますので、それを前提にしていただいた上で「新たな 業務改革プログラム」と「新人事評価制度」につきまして御意見をいただきたいと思っ ております。  それでは本題に入らせていただきますが、まず8月末に厚生労働省に人事異動があっ たようですので、御紹介いただければと思っております。  塩田政策統括官  8月26日付で社会保障担当の政策統括官に就任しました塩田です。どうぞよろしくお 願いいたします。  佐藤座長  それでは、議論が広範にわたるかと思いますが、前半の約1時間で業務改革に関する 議論を進めたいと思っております。後半は新人事評価制度について議論を行いたいと思 っております。  まず、事務局から業務改革に関する資料の御説明をいただきたいと思います。よろし くお願いします。  清水参事官  お手元に資料が配付されているかと思いますが、資料の1−1から1−7までは前回 いろいろと御指摘いただきましたことについての説明資料、いわば宿題返しといったも のです。資料1−1から1−7までは資料2「新たな業務改革プログラムの在り方」と 関連しておりますので、資料1−1から資料2までを一括して事務方から御説明申し上 げたいと思います。なお、委員の皆様方にはこれらの資料を事前にお渡ししております ので、この場では大変恐縮ですが、駆け足で説明をさせていただければと思っておりま す。よろしくお願いいたします。  石井総務課長  社会保険庁の総務課長です。それでは私の方から、今紹介のありました資料につい て、順次説明をさせていただきたいと思います。  まず資料1−1、「緊急対応プログラム等に基づく取組の費用対効果等について」と いう資料です。様々な取組の費用対効果を整理させていただいたものでして、年金福祉 施設等については保険料財源を投じないことといたしておりまして、さらに本年10月に 発足する独立行政法人のもとで整理合理化を行うこととしております。  事務コストにつきましても、昨年度から厳正な予算執行に努めておりまして、2ペー ジですが、本年度予算でも職員宿舎など厳しく見直しをさせていただいております。こ のページの下の方ですが、調達委員会による厳正な審査を通じまして、16年度、それか ら17年度は7月開催分までですが、合計で約68億円の削減効果が出ております。  次に3ページですが、今度は主な取組の費用対効果です。まず、年金個人情報の提供 ですが、この趣旨といたしましては、受給開始年齢前の年齢層の方々を対象として、そ れぞれ御自身の加入記録などの情報をあらかじめ通知などでお知らせするという取組で ありまして、結果的にはわざわざ事務所にお越しいただく手間を省くことで来訪相談の 需要を減少させる効果が期待できるということです。4ページの下の表をご覧いただき たいのですが、この表にありますように、被保険者記録の通知を初めといたしまして、 5つの取組が行われなかった場合と行われた場合との業務量を比べております。取組が 行われた場合には人員換算で職員423人分の縮減効果があるのではないかと推計される わけです。  次に7ページをおあけいただきたいと思います。国民年金保険料の収納対策の効果で すが、一番下の表をご覧ください。約107億円の投入によりまして、およそ3,700億円の 収納に結びついていると言えると思います。次に8ページですが、厚生年金・健康保険 の未適用事業所の適用促進でございまして、これもページの中ほどにありますが、約5 億4,000万円の費用を用いまして、その結果、16年度において約31億円あまりの保険料 収納を実現したと評価できるのではないかと思っております。  9ページですが、現行の社会保険オンラインシステムは、私どもの現在の考え方で は、平成23年度に次期システムへ移行することとしてはどうかと思っておりますが、そ の場合、それに伴いまして初期コストがおよそ1,300億円かかるわけです。しかしなが ら、その後の運用コストですが、年間600億円ということになりまして、現行の900億円 よりも毎年300億円ずつ少なくて済みます。このため、初期コストの1,300億円は平成27 年度までの5年間の削減効果分、合計1,500億円で回収できると見込まれるわけです。  次に資料1−2の方に移りたいと思います。こちらの資料では年金制度を理解してい ただくための取り組みについて整理をさせていただいているわけですが、このページの 3の課題のところ、最初の丸にありますように、振り返って見た場合、これまで国民年 金の未納者に対する収納対策関係の広報にやや比重を置いていたのではないかと思って おりまして、制度をわかりやすく説明し、疑問に答えていく取組が不足していると言え ようかと思います。  次のページですが、このような観点から、4の(2)ところでございますが、国民年 金の実力、安心、お得といった点をポイントとして解説をさせていただく「総合カタロ グ」などの媒体をこれから作成する。また、インターネットも最大限活用して、様々な 方法で措置をしていくということを進めたいと考えております。  次に資料1−3の「学校における年金教育の推進について」ですが、1の最後のとこ ろに書いてありますように、これは平成5年度から取組をしておりまして、2にありま すように、中学・高校の担当教員の皆さん、あるいは生徒さんに直接、年金セミナー等 を行ってきております。2ページですが、さらに平成15年度からは社会保険、教育関係 の方々で構成する協議会を設置いたしまして、さらに地域などの実情に応じた取組体制 を敷いているわけです。課題ですが、なかなかこのセミナーなどのために新規に時間を 割いていただくことが難しい状況にありますので、地域間の格差が生じているわけであ りまして、したがって今後の重点事項といたしましては、生徒さんに対して直接行う 「年金セミナー」の拡大を図るという視点から、各学校が協力しやすいメニューづくり を推進することを重点として取り組んでいきたいと思っております。  次に資料1−4です。これは社会保険大学校の現状と役割について整理をさせていた だいたものでありまして、(2)のところですが、社会保険大学校では職務階層別の研 修と業務別の研修を実施しておりまして、17年度は4,300人の研修受講者の受け入れを 予定しております。(4)ですが、今後、外部有識者の参画を得まして、研修の在り方 等に関する検討を行っていく予定です。  次に資料1−5です。これは非常勤職員の給与等について整理をさせていただいたも のでありまして、国民年金の保険料収納対策の戦力でございます国民年金推進員につい て申し上げれば、現在、一律の給与になっているわけですが、これを改めまして、成果 に応じて支給する新給与体系をこの10月から導入させていただくことといたしておりま す。  次に資料1−6をご覧ください。こちらはオンラインシステムの現状とシステム再構 築について整理をさせていただいたものですが、現状のところに書いてありますよう に、特定の業者との長期にわたる随意契約により、費用が割高になっているのではない かという指摘を踏まえまして、利用者の利便を下げずにトータルコストを削減する刷新 案に基づきまして最適化計画の策定を進めているわけであります。  次に資料1−7ということで、大変分厚い資料です。これは社会保険庁と2つの職員 団体との間で「覚書」あるいは「確認事項」というものを長期にわたって交わしてきた わけですが、これを16年度、破棄しておりますが、その対象となった全ての「覚書」等 の写しです。今後、このような「覚書」等は一切結ばないという方針を立てておりま す。  以上が御要請のありました資料に関する説明です。  次に資料2、「新たな業務改革プログラムの在り方について(素案)」について説明 をさせていただきます。まず1ページですが、基本的な考え方です。社会保険庁におき ます業務改革はこれまで、昨年11月に策定いたしました「緊急対応プログラム」に基づ いて実施してきておりますが、今回、この新プログラムを策定することで、新組織が発 足する20年度における業務改革の到達目標を示した上で、それまでの間に取り組むべ き、もう一段の業務改革の在り方を明らかにさせていただこうという趣旨のものです。  具体的な設定の分野ですが、3ページをご覧ください。新組織発足時における業務改 革の到達目標でありますが、分野といたしましてはまず国民サービスの向上でありまし て、サービス改善を恒常的に推進する仕組みの整理等を列挙しております。2つ目の分 野が年金制度の周知徹底であります。3が保険料収納率の向上ということで、この3分 野については最重要課題というとらえ方で参りたいと思っております。これに並ぶもの として予算執行の無駄の排除、個人情報保護の徹底、意識改革の徹底についても同様の 取組を進めようということであります。  4ページですが、ここからがそれぞれの項目について到達目標を記載し、これまでの 取組、今後の取組の方向を整理させていただいている部分であります。主なものについ て説明をさせていただきます。まず、お客様の声に対応したサービスの改善です。今後 の取組の方向ですが、お客様満足度アンケート調査を定期的に実施するということ、民 間の調査機関によります窓口サービスの調査でありますとか、通知書等をわかりやすく するための見直しをしておりますが、それらに関するモニター調査の実施を検討いたし ます。  次のページをお願いいたします。年金相談体制、年金個人情報の提供関係ですが、ま ず年金相談につきましては、到達目標のところの2つ目のポツにありますように、現 在、電話応答率は低いのですが、これを早急に5割に持っていき、さらに8割へ向上さ せるということ、年金個人情報の取組の更なる充実を図ることを到達目標としておりま す。年金相談についてですが、今後につきましては、8月29日に足をお運びいただきま した高井戸の業務センターの電話相談ブースの大幅拡充、全国統一番号のもとでの全国 の年金電話センターとのネットワーク化を行うことで応答率を高めたいと思っておりま す。年金個人情報の提供の関係では、今後、平成20年度にポイント制を導入することと しておりますが、それに先立って、例えば被保険者期間のちょうど中間点に達する35歳 の方々を対象にして、御自身の年金加入状況を確認していただくための通知を行うとい うことを検討していく考えでございます。  8ページをお願いいたします。迅速なサービスの提供を実現するため、本年4月より 「サービススタンダード」というものを実施して、その達成率を100%に持っていこう としておりますが、その徹底を図るとともに、問題点が出た場合には速やかに改善の措 置をとっていきたいと思っております。特に年金の裁定につきましては裁定請求書を御 本人に事前に送付することなどによって、できるだけ処理日数の短縮化を図ることとし ております。  次は14ページをおあけいただきたいと思います。年金制度の周知徹底ですが、年金制 度への幅広い理解を得るために、取組の方向といたしまして、まず年金サービスに従事 する全ての職員が制度の意義・役割を十分にお伝えできるように職員教育を徹底してい きたいと考えております。そして、わかりやすい制度の解説広報を展開するということ で、以下の3点がありますとともに、地域に根差した公開講座でありますとか、あるい は、先ほどご覧いただいたように、中・高校生へのセミナーに取り組んでございます が、新たに大学ごとに年金セミナーを開催するといった取組を進めていこうということ です。  16ページをお願いいたします。今度は保険料収納率の向上の分野ですが、効率的・効 果的な収納対策を実施するために、今後の取組の方向といたしまして、市町村からの所 得情報を電子媒体で取得いたしまして、未納者の属性に応じたきめの細かな、効率的な 対策を推進する必要があるということで、免除等の対象者層に対してはその勧奨を拡大 する。逆に、一定額以上の負担能力のある層に対しては強制徴収の拡大を行っていく。 また、中間層については様々な形で納付の督励を行っておりまして、そうした事蹟に基 づく督励の徹底を図っていくということであります。また、首都圏におきましては大量 に発生します新規未納者に着目した対策を先行的に実施することとしております。  次に18ページをお願いいたします。保険料を納めやすい環境を整備することが非常に 重要であると思っておりまして、これまでにも、昨年の2月以降、コンビニあるいはイ ンターネット、携帯電話等を活用した納付を可能としておりますが、今後、クレジット カードによる保険料の納付について道を開きたいということで検討をしていくこととし ております。  次のページをお願いいたします。民間委託の推進についてですが、民間のノウハウと の組み合わせによりまして、効率的で質の高い保険料収納業務を実現するという趣旨か ら、今後、まず、今年の10月から、全国5カ所で市場化テストのモデル事業を実施する こととしております。また、その実施状況を踏まえまして、より効果的な実施方法、あ るいはモニタリングの方法を検討しつつ、全国的な展開を目指してこのモデル事業の実 施箇所数を段階的に拡大していこうと考えております。  次に20ページをお願いいたします。免除の関係ですが、現在、国民年金の保険料の納 付の免除を受けようとする場合には、毎年度、申請書の提出が必要なわけですが、今後 の取組の方向といたしましては、全額免除、あるいは若年者納付猶予を受けている方に ついてはあらかじめ申請をしていただくことによりまして、承認をした翌年度以降にお いても所得要件を満たす場合には、毎年度、申請書を提出しなくても免除の承認を受け られるような仕組みを導入することといたしております。  次のページ、市町村あるいは各種団体との連携・協力ですが、国民年金の保険料収納 対策におきまして、国民健康保険の保険者であります市町村との連携や、市町村が他の 公金と併せて国民年金保険料の収納、口座振替の促進ができるような方策などを検討し ていこうということです。  個々の項目についての紹介は概ね以上ということにいたしまして、28ページをご覧く ださい。ただいまずっと申し上げてまいりましたが、業務改革メニューの全体像をここ で示しております。昨年11月に策定をして以降、取組んでおります「緊急対応プログラ ム」80項目、このうち29項目について今回取り出しまして、その具体化あるいはその発 展系での取組を考え、27項目という整理で新たにプログラムに組み込もうというもので す。また、新規の取組として44項目を立てまして、「新たな業務改革プログラム」とい たしましては71項目で策定をするという考えです。「緊急対応プログラム」の方にもな お51項目、このうち2項目は実施済ですので49項目となりますが、この49項目と今申し 上げました新プログラムの71項目の合計120項目で、20年の秋に年金新組織が立ち上がる わけですが、それまでの間、もう一段の業務改革の推進ということで取り組んでいきた いということです。最後のページですが、今申し上げた、具体化させ、発展させた形の 取り組みの27項目と新規の44項目それぞれを列挙したものです。  なお、この資料とは別に参考資料として、平成18年度社会保険庁の概算要求の概要と いう資料がございます。あくまでも参考でございますが、今申し上げた項目の中で18年 度において取組を予定しているものについてはこの中に極力盛り込むということで整理 をさせていただいております。以上でございます。  佐藤座長  ありがとうございます。まず、前回出ておりましたいろいろな資料要求につきまして 御提出いただいたことが一つあります。もう一つは、本日の議論の中心は資料2、ただ いま御紹介いただいた「新たな業務改革プログラムの在り方について」、これは20年度 を完成年度と考えて、それぞれ検討すべき対象、項目を挙げていただいておりますの で、それで果たして十分か、あるいは足らざる点は他にないかどうか、さらに内容につ いてもこれでいいのか、そういうことなどを御議論いただくというのが主たるねらいだ と思うのです。  一方で、どんどんやれるものは既に並行してやっているという状況にあるものですか ら、特にこの会議で、報告書を取りまとめるということよりは(勿論必要があれば途中 で報告書を書くということはございますでしょうが)直ちに実施すべきもの、あるいは 20年度を目指した業務改革、あるいは人事評価等も含めてですが、社会保険庁の在り方 をどうするか、一方では実施しながらやり方等についていろいろ注文をつけていく、あ るいは要請、あるいはお願いをしていくという形になろうかと思うのですが、いかがで しょうか。  まず宿題の資料について、御質問や御意見を伺い、その後、本日の主要な課題であり ます資料2、業務改革の在り方について御議論いただきたいと思っております。よろし くお願いします。  岸井委員  確認事項の問題なんですが、個々の内容についてかなり膨大なもので、御提供いただ いてありがとうございました。これは座長を初め、委員の方々の同意を得てということ ですが、これは破棄されたことですが、組合側のいろいろな考え方とか、これまでの経 過とか、今後の対応について、できれば意見を聞きたいなと。ヒアリングでもする機会 を設けていただけるかどうか。その点だけちょっと確認をしたいと思います。  佐藤座長  その点は、いずれにしましても、組合もあるでしょうし、あるいは実際の加入者の問 題もございますよね。そういう方々を含めて、多分御希望が出ると思っておりました が、私自身もある一定の段階で御相談の上、しかるべき方々に伺う必要があると考えて おりました。しがたいまして、どういう方々、あるいはどういう団体、ヒアリングすべ き対象について御希望があれば出していただけるとよろしいと思います。ここでいちい ち出していただいて議論するというのも何ですから、事務局へ出していただいた上で、 またしかるべき時期に検討していきたいということでよろしいですか。  岸井委員  わかりました。よろしくお願いします。  佐藤座長  他にいかがです。それでは早速、「新たな業務改革プログラムの在り方」につきまし て、資料2を中心に御議論いただけないでしょうか。  大山委員  もう話すチャンスがなくなるかもしれないので、ここで申し上げたいことがありま す。資料の1−1、緊急対応プログラム等に基づく云々に関してですが、この中の3ペ ージ目の1で、インターネットによる年金個人情報の即時提供の話が出ています。これ についての詳しい説明は、今日ここではなかったと思います。本来ですと、社会保険庁 側からの説明のあとで指摘すべきことですが、重要なことなのであえて私から指摘させ ていただきます。  聞き及ぶところでは、アカウントとパスワードを使ってインターネットで本人確認を することになっているかと思います。このやり方は、利用率や利便性の観点から採用す ることになっていることは承知していますが、一方では、つい先日まで、特にクレジッ トカードで問題になっていたフィッシング詐欺の脅威が存在します。このフィッシング は釣りと同じフィッシングですが、スペリングは「fi」じゃなくて「phi」で、 「sophisticate」の「ph」を使った造語です。これによってクレジットカードの番号 や、暗証番号をとられるという被害がありました。これらのカード番号や暗証番号を一 度盗られると、どういう被害が起きたかは報道等でご存知と思います。このインターネ ットによる年金個人情報の即時提供についても、フィッシングにより不正に盗られた場 合には、盗られた人の年金情報が漏れることが当然予測されます。現時点では残念なが ら、フィッシングに対する有効な対抗策が無いというのが私の認識です。  したがって、インターネットによる年金情報の提供を、今申し上げたアカウントとパ スワードで行うのであれば、フィッシングに十分配慮すべきであると思います。もちろ んフィッシングにより他人の情報を覗き見することは悪いことですが、漏れた時の対応 は結構厄介な話になるのではないかと予想します。本人に開示することが非常に重要で あることは分かっていますが、危険性とその対策さらには開始時期などを適切に考慮す ることが必要ではないかということを意見として申し上げます。  特に、このサービスに要する費用が9億3,800万になっていることを考えると、この 額の内訳云々はいろいろあると思いますが、例えば、より安全性を高めたときにも、そ のシステムのほとんどが移行できるような設計にしておくことが重要です。今の方法が 不十分になる可能性があるわけですから、その時に全部作り直しになるのではあまりに も無駄が多いと思うわけです。このことは、官房長官の下で開催された有識者会議でも 正式には申し上げなかったので、今日ここで指摘させていただきました。  佐藤座長  重要な御指摘ですが、今の件の対応はいかがですか。  中野企画課長  御説明申し上げます。私ども、インターネットを通じて年金加入状況のお知らせをし ていきたいということで、現在、ID・パスワードを使った形で機械化された形、一日 中、いつでもご覧いただけるような形のシステムを構築していきたいと考えておりまし て、来年3月を目標に整備を進めているところです。  御指摘のとおり、基本的に現時点での運用の方法といたしましては、ID・パスワー ド方式、民間の金融機関で使われております最高レベルでの認証の仕組みを使っていき たいと考えておりますが、あわせて将来、公的個人認証が普及してまいりまして、そう した形での利用が十分見込めるという状況になりましたら、公的個人認証を通じてこの システムにアクセスをしていただくこともできるような形に最初の時点からシステムの 設計をしてまいりたいと考えております。そういう意味で、当面の運用と公的個人認証 を踏まえた将来の情報提供の仕組み、両方を念頭に置きながら現状の情報提供システム を構築していきたいと考えております。  大山委員  その点は私も理解しています。申し上げたいことは、ID・パスワードでサービスを 開始するときに、パスワードがいかに重要かということと盗られるとどうなるかを十分 に説明しなければならないということです。これを周知徹底しないと、誰かの年金情報 が本人の意図に反して漏れるということが起こりえるということです。今までに起きた ことから、我々はそこをしっかり学ばなければならないと思うわけです。したがって、 現時点で想定されている手法は、今申し上げた危険性が十分あるということをはっきり 公表しておくべきであり、そうでなければ危ないのではないかということを申し上げて いるのです。ぜひよろしく対応いただくようお願いしたいと思います。  佐藤座長  御指摘がございましたので、当然、国民サービスの向上を目指せば、この問題は避け て通れない。しかし、今のご指摘のように、それは意識して準備をされているというこ とですので、これを今度は年金加入者の皆さんにもきちんと並行して理解をしていただ いておくという、そういう御指摘だと思うのですが、よろしいですか。他にいかがでし ょうか。  杉山委員  どの関連になるかわからないのですが、業務改革のプログラムのところの周知徹底に も係ると思うのですが、資料1−3にも関連する、学校における年金教育の推進のとこ ろでちょっと質問なんですが、割と小さいうちからの年金教育というのはすごく重要だ というのは私も思っていて、特に世代と世代の支え合い的な認識というか、学びという のはなかなか子供たちには浸透していないのではないかという気がするんですね。今は 社会保険事務所の方なりが学校に出向いていかれる、もしくは学校の先生にそれを教え て伝えるということで、また、授業も、授業の中に組み込むのではなくて、特別に時間 をあけてもらってやっているという状況だと伺っているのですが、できれば、これはも う教科書の中に入れてもらって、センター試験みたいなところで当然学ぶべきこととい うことにしてやっていくことが必要なのではないかと思うわけです。  例えばスウェーデンの中学校の教科書は、皇太子殿下も取り上げてだいぶ話題になっ たかと思うのですが、社会保障制度のことをしっかりと学んでいるわけですよね。だか ら、そういう教科書というのもやろうと思えばできるわけで、質問というのは、それぐ らいのことが、例えば文部科学省との話し合いの中で進めていけるのかどうなのか、い や、そこは壁が厚くて、連携といっても、授業の単位を、ちょっと時間をあけてもらう ぐらいしかできないんだという話なのかどうなのかというところを一点お伺いできれば と思っています。  もう一点が、資料2のところなんですが、今、幾つかプログラムがあるということだ ったので、これをやったらどれぐらいの効果が上がるのかみたいな、費用対効果も含め て、これが効果であるよというものを見せてもらえたらというのと、ざっくりとしたス ケジュールは後ろの方にあったかと思うのですが、もうちょっと細かいところで、これ はいつぐらいまでにここまではやるというような、スケジュールみたいなものをお示し いただけたらと思います。以上です。  佐藤座長  2つですが、業務改革の年金制度の周知徹底ともかかわる、あるいは世代間のコラボ レーションが必要になる。  鈴木年金保険課長  年金保険課長でございます。今御指摘をいただいた点は私ども非常に重要だと思って おりまして、従来から文部科学省にもそういった働きかけをしているわけでございま す。今先生がおっしゃった、教科書に書く、あるいは自分の身を振り返っても、試験に 出るということになると、これはばっちり頭に入るわけで、そうしていただければ一番 いいのだろうと思いますが、やはり問題は教育課程ですとか、教科書に何を入れるかと 言いますと、例えば環境が大事だ、もちろん年金も大事だといろいろな大事なものにプ ライオリティをどうつけていくかというのも文部科学省の中で御検討いただいているよ うでございますが、これはやはり世の中全体の声というのは大事だと思いますので、私 どもも文部科学省に申し入れるべきは引き続き申し入れたいと思っておりますし、その 点もぜひまた応援をしていただければと思っております。  吉岡企画室長  企画室長でございます。資料2についてですが、本日、取り急ぎこの業務改革プログ ラムの素案という形で用意をいたしました。本来であれば、今御指摘いただきましたよ うに、スケジュールであるとか、あるいは効果といったものを明示すべきだったと思い ますが、ただいまの御指摘も踏まえまして、次回までに極力そうしたスケジュール、費 用対効果を含めた効果といったことにつきましても、それぞれ明らかにできるように資 料を整えさせていただきたいと思っております。  袖井委員  資料2で、1つは10ページ目の事務処理の効率化というところなんですが、私は小田 原と鶴岡と新宿区の国民年金課というところでいろいろお話を聞いたり、説明していた だいたのですが、一番びっくりしてしまったのは届出のフォーマットが統一していない ということです。電子化するということ、これはもう必要だと思います。今、紙媒体で やって、それを送って、それを社会保険事務所でまた直してということをやっていらっ しゃるのですが、まずフォーマットを全国統一していただかないと合理化できないと思 うんですね。びっくりしてしまったんですが、23区内でも一緒じゃないというので、 「えっ」という感じだったのですが、そういう基本的なフォーマットをまず統一しない と、紙から電子にしても、それぞれの自治体から送ったものをまた大もとで直さなくて はいけないというのではあまり意味がないので、それは是非やっていただきたいと思い ます。  それから21ページ目のところで、市町村・各種団体との連携ということですが、これ も今の話とちょっと関連するのですが、いろいろなところで聞きますと、既に人員削減 してしまっているんですね。ほとんど半減ということで、いわゆる地方事務官廃止とい うこと、年金事務が社会保険庁の方に行ってしまったということで、各自治体としては スタッフをうんと減らしてしまっているわけですね。ですから、どういう形でこれに協 力してもらうか。やはりそれなりのお金を出さないとやれないだろうということと、今 なら間に合うかもしれませんが、地域によっては、地域とのかなり綿密なコミュニケー ションをとっているところがあるんですね。例えば町内会とか自治会の非常に強い地域 ですと、そこの会長さんと頻繁に会合を持ったりというのをやっていたそうですが、そ ういう年金事務が社会保険庁、社会保険事務所に行ってしまってからは、そういうこと もやめてしまったと言うんですね。  ですから、どうやって市区町村あるいは各種団体にこれをお願いしていくかというの をかなり慎重にやらないと、かなり難しいかなと思います。先ほど、岸井委員の方か ら、ヒアリングということがありましたが、もしヒアリングをなさるのでしたら、自治 体の方のヒアリングということも入れていただきたいと思っております。以上でござい ます。  陶山委員  ただいま袖井委員からの御発言は、実は私も申し上げようと思っていた一つであっ て、まことに同感であります。このことに関連して一言コメントさせていただきます が、いわば業務改革を進めるための背景事情の見直しという意味においても、袖井委員 がおっしゃったようなことは極めて重要な事柄の一つだと思います。おっしゃったよう に、地方事務官の制度で社会保険の仕事を運営されてきた。この時代が極めて長い時間 続いたわけですから、長年、都道府県を単位として、業務とか人事の運用というものが 行われてきた。そのことによって、言ってみれば、言葉として適当かどうかは別といた しまして、地域主義と言いますか、ローカリズムと言いますか、そういう意味の地域性 というものが職員の意識の上でも定着してしまったと思います。  当然その制度は変わったわけでありますから、そのことを前提として全国統一的な、 合理的な、効率的な業務運営の仕組み、システムというものを、既に始まっております が、改めて意を用いて努力をしていく必要がある、そういう状況にあろうと考えており ます。書式の統一とか、様式の統一というのは極めて単純なことのようでありますが、 全国的な事務運営の統一化、合理化、効率化という観点から言えば、文字どおり基礎の 基礎、物事の基本になるはずですから、事柄は簡単なようでも、一層の注力、留意、エ ネルギーを注ぐべきだと私は思います。具体的には、このスピードアップ化について社 会保険庁当局は強力に推進される必要があると思います。  後ほどまた人事の制度の問題が出てまいりますが、人事運用の問題にも、今申し上げ たような地方事務官制度時代の地域性、ローカリズムというものが非常に色濃く反映を しているはずでありますから、人事運用の改革を考える場合にも、背景事情としてその ことを関連づけて改革の方向を考えるということが必要であろうと思います。  石井総務課長  御指摘をいただきました1点目の届出書などの様式が統一されていないということの 問題ですが、実は私ども、このような実態になっていることを大変深刻に受けとめてお りまして、できるだけ早く統一を進めていかなければいけないということから、国民サ ービスの向上に関する様々な取組の中でも、かなり高い位置付けで、順次、取組をさせ ていただいております。数にいたしますと400を超えるものがありまして、また、お知 らせの類でも同じような状況があるわけですが、その通知の重要性でありますとか、あ るいは交付枚数の多さとか、申請された方が受ける利便の大きさなど、そうしたことを 念頭に置いてプライオリティをつけて、現在、それぞれの部署においてチームを組んで 整理をしております。  特に年金の場合は、この新しいプログラムの中でも、定型的な業務については事務所 で行われているものを集中化させて、できれば外注化するということで、一層の効率化 を図ろうと思っておりますが、適用関係から、この先、給付まで視野に入れていきます と、そうした統一化を図る必要が、添付書類を含めて、一層重要になると考えておりま して、できるだけ早急な取り組みによりまして、不統一なものがなお残っているという 状態を早急に改善していきたいと思っております。  佐藤座長  早急というのは大体どの辺りが目途ですか。先ほどから、スケジュールをこれから個 別的に想定しながらいきましょうというのが皆さんの御意見なんですよね。  村瀬社会保険庁長官  基本的には18年度中にやります。実は、帳票類はばらばらですが、既にシステムの関 係でインプット項目は統一していまして、全国統一のインプット項目に今年から変えて おります。最重要課題だと思っております。  大山委員  関連することです。既にお二人の委員がおっしゃっていることは、私も全くその通り であると思っています。実は、様式の統一というのは一見単純なことのように見えます が、各様式はその裏にある業務のフローと密接に関係しています。したがって、様式を 統一するということは、外に対するサービスだけではなく、内部の業務改革につながり ます。この点をしっかり認識することが重要であると思います。  さらに、行政のトップランナーとして社会保険庁さんがおやりいただくというのは、 まさしく今、機を得たことであると思います。というのは、中央省庁全体の中でも電子 政府の構築計画等があり、そちらでも同じように帳票類のフォーマットの統一を進める べきとの議論が行われています。そしてその目的は行政内部の業務改革であることを明 確に位置付けていこうとしているので、社会保険庁さんには、この統一が内部改革につ ながるということを明確に意識して取り組んでいただきたいと思います。ぜひ頑張って いただきたいと思います。  小林委員  資料2の5ページ、年金相談体制及び年金個人情報の提供の充実のところに関係する のですが、書式の統一の作業の中で、ここのページで出てくる、様々な具体的な相談事 項をうまく反映できないかということを感じました。どんなことで皆さんは困っている んだという、その最大公約数的なものは相談をとおしてつかめるわけで、それらをこう いう書式や通知書に反映させると言いましょうか、フィードバックすると言いましょう か、そういうことも並行しておやりになっていただけると非常にいいのではないかとい うことです。  それからもう一点、このページの関連で申し上げますと、5ページの下の方ですが、 先日も見せていただきました56ブースを180ブースに相談ブースを拡大するというお話 しですが、そのとき、あわせて伺ったのが、民間委託の可能性でございますね。かなり の民間委託が既に入り込んでいるし、今後も拡大していけるというお話を伺いました が、これについてのスピードアップをお願いしたいということです。恐らく苦労もおあ りになろうかと思いますが、いわゆる市場化テストという話になるのでしょうか、この 領域についてはあらゆる手を使ってスピーディーに民間委託を拡大することが効率向上 の観点から大事ではないかと感じました。  木村委員  この資料2は、新たな業務改革プログラムということで、いろいろな項目を多岐にわ たって展開しておられる資料ですが、村瀬長官の熱意を非常に感じるところです。非常 に巨大な会社組織のようなものがどのようにして勢いを取り戻して効率的に機能してい くかという問題だと思うのですが、民間の会社であれば、収益を伸ばしてコストを抑 え、それでお客様に最大の満足を与える、こういうことを会社組織として、一丸として 実行していくということかと思うのですが、全体の中で、仕組み、システムという問題 と、そういうものを扱う人、あるいはそれを受ける受益者の意識の問題と2つに分けて 考えてみます。まず仕組みの問題ですが、たくさんの項目を着実にすべて満足のいくよ うにスピーディに進めていくことは非常に大事なんですが、一つ一つ効果を確認しなが ら進めていった方が、結果的には着実な歩みになるのではないかと思っております。  会社でも、その状況に応じていろいろな改革をしていくのですが、スピード感は持た ないといけない。しかし、上滑りしないように一つ一つ、PDCAというそういうチェ ック機能をかませながら進めていく。こういうことだと思いますので、基本的に、コス トの面も含めて収益が上がり、コストが抑えられる、こういう感覚を持って一つ一つの 仕事を見ていくことが大事だと思います。これはそういう考え方なり、仕事の仕組みな りがDNA化するような、そういうところまで浸透すれば、次第にそれがいい方向に回 って、次のステップに進めるということではないかと思っております。  この中にあります債権回収と言いますか、口座振替の収納率、これは40%を割るぐら いのレベルと承っておりますが、私の電力会社では今、80%ぐらいが口座振替です。コ ンビニ等での収納も始めていかれるということですが、これも10%以上を超える率にな っております。できる限り、仕組みとしては、自然に納めてしまうといっては何です が、一回一回のものを獲得するのではなくて、継続的にそれをとるような仕組みの中に 追い込んでいけば、必然的にコストも下がっていくということになりますので、何とし ても口座振替の率、こういったものをふやしていく必要があるのではないかと思ってお ります。  18ページに書いてございますが、国民年金推進員の方の使い方、これは電話での督 促、1年以上たち、2年ぐらいたったものを集めていく。それでどうしても収納できな い場合には60万件ぐらいにふやした形での強制徴収をというステップでお考えのようで すが、1回だけの収納ではどうしてもコスト増になります。どうしたら口座振替がふえ るのかということをもうちょっとピーアールする、あるいは割引制度もおやりのようで すが、割引されるからこの方が得だとか、そういう仕組み、あるいはそれぞれの現場に おいて、私どもは強化月間などと称して、どれだけ集めるという目標値を設定して、そ れに向かってどれだけ達成したかということをやっています。そういうものの成果とそ れの評価、報酬についても差をつけていかれるということですが、そういう仕組みをも っと拡大しておやりになると、効果がもっと出るのではないかと思っています。  私どもは、例えば集金員あるいは検針員、こういう職務の者が口座振替のお客様を獲 得してくると、1件について幾らという手数料を出しております。したがって、たくさ んとってくれば、その人の収入は増えると。これはまさしくこちらの月額の報酬の差を つけるというのと同じ意味合いかと思いますが、一件一件という形にした方が、私ども は効果が出るということで、そういうような扱いをとってきたわけです。そういうやる 気を起こさせる仕組み、こういうものを含めて考えていく必要があるのではないかと思 います。  私ども、例えば口座振替は、今80%と申し上げましたが、これは3月とか、そういう 引っ越しの時期、こういうときには住所変更をするものですから、口座振替が解約にな るんですね。解約になって、その時点では落ちるんです。落ちるけれども、それをまた もとに戻すように、強化月間というような形でそれをリカバリーすることをやっており まして、したがって、予防保全と言いますか、払ってもらうというだけでなくて、高め たものを維持する、こういうような考え方も仕組みの中で入れていくことが必要かなと 思っております。資料の16ページに、新規未納者に着目した対策をとるということが書 いてございますので、そういうようなこともあわせてお考えになった表現かと思ってお りますが、それも一つ重要かと思います。  督促の手法ですが、私どもも電気料金をお支払いになっていただけない方に何回か督 促のお手紙を出します。これは回ごとに表現などを変えて、ちょっと強い表現にした り、そういうようなこともしております。あと、対面でのお客様へのお支払いの要請と いうことで、職員が直接出向いて、なかなかお会いできる数字が高くならないのが残念 なところなのですが、できるだけ対面での督促ということをするようにしております。 そういうことでかなりの収入が確保できているのではないかと考えております。したが って、文章の工夫ですとか、電話も重要かと思いますが、直接会うというような形をと るとか、そういうような意味での督促の手法をもうちょっと考えていく必要があるので はないかと思っております。  債権を確保するという意味では、お支払いにならない場合に払ってくださいと言うの ですが、ただ単に言っているだけではなくて、現場に対する指導というものも極めて重 要でして、それぞれの現場へ専門家というか、非常に上手な者もいろいろおりますの で、多分おやりになれば非常に上手に督促される、あるいは電話が上手という方はいら っしゃるわけですね。したがって、そういう方をオン・ザ・ジョブ・トレーニング的に 活用していただいて、成果を高めるといったようなことも必要かなと思っております。  もう一つの意識の問題なんですが、意識改革ということでは、書いてありますほかに は、職員の方で成果を競うという要素をもうちょっと強く出されてもよろしいかなと思 います。表彰ですとか、いろいろな仕組みが考えられると思いますが、成果に対する報 酬があるということが、民間企業としてはそれによって活力がもたらされる、こういう ふうに思いますので、そんなところもお考えになったらいかがかと思います。以上で す。  佐藤座長  ありがとうございます。小林委員の御質問が大きく分けて2点ありました。それから 今の木村委員の御指摘がございました。まず御回答いただける限りで、いかがでしょう か。  中野企画課長  御指摘のありました幾つかの点につきまして御説明申し上げたいと思います。まず、 帳票の整理の関係でございますが、帳票の整理について内部的な改革、それから外部の お客様の皆様から見てわかりやすいものにしていく必要があるという御指摘でございま す。私ども、コンピュータシステムの見直しを先ほど御説明申し上げましたが、その中 で今後、内部で使う帳票の整理、外部にお知らせをする通知書のわかりやすさというこ とも念頭に置きまして、システムの見直しをしていきたいと考えております。  年金相談についてお尋ねがありました。私どもの方に大量に年金相談という形で様々 なお問い合せが来ております。1つ例を申し上げますと、窓口での来訪相談の場合です と、被保険者記録がどうなっているかというお尋ねで、これが大体3分の1ぐらい。年 金見込額についてのお問い合せに同じぐらいの量が来ております。そのほか、様々な形 で、お送りをしました通知文書についてのお問い合せのようなもの、季節的にそういっ た文書を発送いたしますと、そういったお電話、あるいは来訪でのお問い合せというも のが集中するという傾向にございます。したがいまして、そういった通知文書のわかり やすさを図ることによりまして、そういった点について、お客様に御迷惑をかけない、 職員としての業務量も軽減、効率化を図っていくことにしたいと考えております。  相談業務につきましての外部委託の件でございますが、現在、市場化テストという形 で全国23あります年金電話相談センターのうちの2カ所を外部の事業者に委託をするこ とといたしておりまして、10月からその外部委託事業が開始いたします。中央年金相談 室の方につきましては先日御視察いただきましたが、外部事業者に委託をして、業務量 の拡大をしているところでございます。  将来でございますが、業務改革プログラムの中でもこういった年金電話相談センター の集約化を図ってまいりたいと考えておりまして、将来的には2カ所程度に集約をして いきたいと。その際、当然のことながら、外部委託という形で業務を担っていただくこ とが重要だろうと。年金電話相談センターを的確に運営していくためには要員を柔軟に 配置する必要があります。そういう意味で国家公務員としての職員が直接担うよりも、 外部委託という形で弾力的に要員の配置をしていくことが効果的だろうと思っておりま すが、そういうことで積極的な活用を将来的には検討していきたいと考えております。  鈴木年金保険課長  木村先生の方から非常に実践的で本質的な御指摘を多々いただきまして、誠にありが とうございます。まさに口座振替を定着させていくというのが納付実績向上に一番力が あるのではないか、力が一番あるツールの一つだと思っておりまして、私ども、あらゆ るツールを通じてこれをやっていこうということで、市町村のいろいろなところにパン フレットや勧奨のものを置いていただくのはもちろんですが、郵便局を初めとします金 融機関とタイアップして、そのお勧めをしていただいたり、もちろん市町村のお力も借 りて、加入登録のときにお勧めをいただいたりということをやっております。今御指摘 がございました電話での勧奨、いろいろな工夫をして、文書のいろいろな表現を変えて の勧奨、これもできる限り工夫をしてやっておりますが、またさらにやっていきたいと 思っております。  重要なのは、先生がおっしゃいましたように、面談で推進員さんが行ってとってく る。これはやはり一番強力なんだろうと思っておりまして、10月から給与のメリット制 と言いますか、成功報酬を入れておりますが、その中でも単に1カ月の納付をとってく るのに比べて、例えば口座をとってくるとその9倍ぐらいポイントをつけて評価してあ げるとか、そのようなことも試みにやることを予定しておりまして、またこの面でいろ いろ、今御指摘いただいた強化月間なんていうのは私どももぜひ、引っ越しの多い時期 などに照準を定めてやってまいりたいと思っておりますし、またアドバイスをちょうだ いできればと思っております。  佐藤座長  もう一つ、木村先生の御指摘と関係があるかどうかわかりませんが、緊急対応プログ ラムで全体の対応する課題があって、既に実施しつつあるものもあり、これからやろう というものもありということなんですね。そこで、実施しつつあるものについて、本当 にそれはねらいどおりの効果があるかどうか、この辺りもあわせて検討をやっていかな いといけないかもしれませんね。そういう感じを受けたのです。なぜかと申しますと、 いろいろこれをやっていけば、確かに国民にはサービスになる面は多いのでしょうが、 かといって、無限にサービスの拡大をしても果たして効果があるのかどうかわからない ものについてまでやるのか。いったん作ってしまうと、役所の場合ですと、なかなかそ れを変えたがらない。だいぶこれを変えようというのが長官のお考えですから、それは 昔の話だとおっしゃるかもしれませんが、なかなか変えにくいんですよね。そういうこ ともございますので、並行して、手を打っているものについても見直しを少し、あるい はその都度御意見を伺いながらやっていきたいと。そういう感じを受けたのですが、そ れを一つよろしくお願いします。  陶山委員  資料2の3ページのところに、業務改革の到達目標という一覧的な資料がございま す。これは全体像を項目的にわかりやすく整理されたと理解いたしますが、業務改革の 目標としてこうやって整理されたものを拝見すると、言ってみれば要素としてはおよそ 尽きていると考えられると思うんですね。問題はそれぞれの項目についてきちんと今後 具体化を図っていくと。そのためにどうするかということであろうと思うんです。  ここで一つ、社会保険庁の事務当局にぜひ配慮していただいた方がよろしいという意 味で、提案的な意味で若干申し上げたいと思いますのは、これは対外的に、国民一般に 対して、社会保険庁が、今後の業務改革はこういう内容についてこうしますということ を宣明される性格のものであるはずですから、対外的にできるだけ説得力のある説明の 仕方を工夫された方がより効果的であることは間違いないわけです。  そのために、いろいろな項目を見てみますと、大きく分けて2つに区分できるのでは ないか。一つは改革の姿勢とか、あるいは努力目標とか、そうした内容のものです。も う一つは、これは雑駁にくくりますが、具体的に何割アップするとか、何パーセントと かというふうに数字が出せるような項目と。表現は少し乱暴ですが、定性的な性格のも のと、具体的な数字が示せる性格のものと、大きく2つに区分してみますと、定性的な ものは、それはそれとして、できるだけ具体的に今後の改革の姿勢とか努力目標という ものを、当然のことながら、これは言ってみれば文章表現と言いますか、そういうスタ イルで示していくしかない。  もう一つ、後の方の具体的な数字が出せる要素のもの、これについては極力、工程管 理表的な整理の仕方をされた方がわかりやすいのではないか。これは政府のいろいろな 改革の対象のアイテムがあって、それぞれにいろいろな工夫がされておりますが、要す れば、いつまでにどこまで実現するかと。そういうことを砕いてスケジュールに落とし ていくと。そういうことだと思うんですね。もっと具体的なレベルで言えば、この問題 についてはいつの通常国会に法律の改正を提案する。あるいはいつまでに法律改正につ いて結論を得る。あるいは細かな問題であれば、政省令の改正について、いついつ実施 する。あるいはいついつまでにそのための結論を出す。経費的な要素が絡む問題も多々 あるわけですから、これについては予算化の時期について、いつの予算で実現する、あ るいはそれを目標にすると。  そういうふうに、それぞれの具体化できるようなアイテムについては何をどこまでや るかということを極力砕いて整理をすると。それを定性的な要素とあわせて、わかりや すい形で国民にアピールするような整理の仕方を考えていただくというような、言って みれば整理の仕方の工夫の問題ではありますが、対外的に受け取る方の立場で、わかり やすい恰好の説明の仕方を、この配布されているような漫画やポンチ絵を使ったパンフ レット、こういうわかりやすいものをつくっていらっしゃるわけだから、できるだけ説 明の仕方を工夫するということを一層努力していただいた方がよろしいのではないか、 そういうことであります。  佐藤座長  後ほど、もし長官ないし大臣に御意見があればいただきたいのですが、今の陶山委員 の御指摘は社会保険庁に対して、そういう姿勢をとってほしい、対応してほしい、こう いうことですよね。今度は私ども、この会としましても、社会保険庁がこの年金業務を 引き受けていく以上、こういう議論を経て、少なくともこういう点はこう変えてほし い、変えるべきだという指摘を受けているということをどこかで言わなければいけない と思うんですよね。私どものこの会議体としましてもね。皆さんに言うと同時に、普通 こういう会議ですと報告書を書いたりするのでしょうが、それがねらいではございませ んので、むしろこの有識者会議では、サービスの点では、項目が挙がっておりますか ら、こういう点を少なくともやるとか、あるいは早急に改めるべきだとか、私どもとし ましてもそういうことをある一定の時期に言わなければいけないかもしれませんね。と いう感じもするのですが、これは今後の議論の推移を見ながら、両面ございますので、 社会保険庁が国民の皆さんにおっしゃるという形、これは基本でしょうが、それ以外に 私どもとしても指摘をする何らかの形をとらないといけない場合があるかもしれませ ん。今度またこれを御相談させていただきますが、よろしくお願いします。  それでは、多少時間のやりくりがございますので、こういう業務改革等を進めるとい うことであれば、人の問題と当然かかわってきて、単純に言うと、職員の皆さんが本当 にやる気を持ってやれる、そういう人材育成とか、処遇とか、あるいは職場環境の在り 方とか、それにかかわると思うんですね。既に一部も出ておりましたが、やったらやる だけの対応もしてあげなければいけないと。そういうことも絡めて、次は検討中の人事 評価の問題を取り上げてみたいと思っているのですが、よろしゅうございましょうか。 業務改革とあわせて、全く別個のものではございませんので、それぞれオーバーラップ させた御意見でも結構でございますから、それでは人事評価等の部分に軸足を移させて いただきたいと思います。よろしくお願いします。  清水参事官  人事評価の関係につきましてはお手元の資料3でございます。内容は社会保険庁の方 から説明をさせますが、この新たな人事評価制度、国家公務員分野ではほとんど初めて の取組かと思っておりまして、民間のやり方・考え方など相当導入いたしまして、事務 方としては力を入れて叩き台をつくったものでございます。まずは内容を簡単に説明申 し上げます。  石井総務課長  それでは社会保険庁総務課から説明をさせていただきます。内容ですが、表紙にあり ますように、5点からなります。なお、これから説明します内容ですが、私ども本庁内 にプロジェクトチームをつくりましてまとめたものです。そこには民間企業におけるこ うした人事評価制度の策定や実施に携った経験を持つ民間企業出身のスタッフも参画し て作成したものであります。  それでは内容の方に入ります。1ページ目で、まず、この人事評価制度の基本的な考 え方についてです。新たな制度ですが、論点が幾つかあります。職員の実績・能力の評 価の在り方、任用や給与という措置にどう反映させるかなどでございます。ページをめ くっていただきまして、こうした点を踏まえての人事評価制度の基本構成でございます が、制度の導入に当たっては、ここにございます4点をきちんと踏まえる必要があるの だろうと思っております。実績評価の在り方、能力評価の在り方、評価結果の処遇等へ の活用、透明性・公平性・納得性を確保するための仕組み、これらについてそれぞれし っかり検討することが大切だと思っております。  4ページでございます。今申し上げた4つの項目の最初の実績評価についてですが、 実績とは何かなどの論点がここにはあるわけです。まず私どもの案といたしましては、 年度の初めに組織の目標を踏まえて個々の職員が自らの目標を策定いたしまして、それ に照らし合わせる形で年2回、実際到達されているかどうかを評価するということが9 月、3月に行われると。その評価ですが、SからDまでの5段階の成績区分による相対 評価という形で位置づけが行われるべきものと整理しております。また、管理職と一般 職員で評価尺度をどうするのかという点ですが、このページの右にありますように、管 理職については結果主義という考え方をベースにすべきですので、業務成果のウエイト を高める。他方、それ以外の職員につきましては、むしろ平素の取り組みの姿勢あるい は実績というところに重点を置いた構成にするということです。  5ページです。その場合の具体的な評価の着眼点ですが、この表の左側、管理職の例 が列挙してありますが、おわかりのように、国民年金収納率など、業務の量的成果を中 心とした評価が全体を多く占める形になっております。ただし、下の方、チャレンジ業 務の中にある業務改善とか業務提案など、こうした数値化には必ずしもなじまないもの を考慮した評価も同時になされるべきであると考えているわけです。  6ページですが、評価の流れです。被評価者の方ですが、組織目標を踏まえて、個人 が自らの目標を策定しますが、そのときに第1次評価者と目標の確認のための面談をし て、コミュニケーションをきちんととるということであります。その上で決定というこ とになりまして、そして業務に携わるわけですが、半年が過ぎた時点において、まず被 評価者自身が自己評価をすると。これについて評価者が、その成果がどうであったかの 確認と指導・助言のための面談を行う、フィードバックを行うということです。なお、 この評価者の面談、評価でございますが、納得性あるいは公平性を確保するために複数 の評価者が関与する体制で臨むこととしてはどうかと考えているわけであります。  次は7ページの能力評価についてであります。ここも3点ほど論点があるわけです が、まず基本的な内容といたしましては、第一線の事務所と、管理あるいはバックアッ プにあたるべき事務局、本庁、この2つを大きく区分した上で、役職に応じて求められ る能力、行動についての評価項目をまずきちんと設定するということが基本だろうと思 っております。評価におきましては、各評価項目ごとに5段階の評価を行いまして、そ の上で、それら個々のものを足し合わせた全体評価というのを総合的な観点から行う と。そこで絶対評価であったそれまでのものが相対化されまして、SからDまでの5段 階のいずれかに位置づけられるという形で評価がなされるべきではないかと思っている わけであります。  8ページですが、この能力評価の方の流れは、実績評価は短期的な成果を意識したも のでございますので、実績評価の方は年に2回でございますが、能力評価は長期的なも のであるということで、年1回、9月の時期に行うということでどうかと考えておりま す。第1次評価者は被評価者の評価期間における客観的な行動事実の実際というものに 基づいて評価を行い、被評価者に対してその内容をフィードバックするという形でとり 行われるべきではないかと思っております。また、この能力評価につきましても、評価 の公平性を担保するために複数の評価者が関与する仕組みとしてはどうかと思っている わけであります。  ページをめくっていただきまして、4番の評価結果の処遇等への活用ですが、端的に 申し上げて、短期的な成果は年2回の実績評価に基づいて半年ごとの賞与の中の勤勉手 当に反映してはどうかと。一方、能力でありますとか、実績の積み重ね、そうしたもの は年1回行われる能力評価と実績評価、これを総合的に合わせたものに基づいて特別昇 給、適材適所の人事配置・昇格等に反映させる仕組みとして運用するということではど うか、こういう整理です。  11ページですが、今触れました勤勉手当についてです。現行制度上、勤勉手当は勤務 成績などに応じて支給される仕組みとなっておりまして、人事院通知によりますと、網 かけの表にありますように4段階の成績率に分けて支給額を決定するということになっ ております。しかしながら、実際の運用は職員の概ね2割の者にA評価を与え、残りを すべてB評価とするという形で、いわば持ち回り的な運用をしているというのが実際で あります。  ページをめくっていただきまして、そういうことで、本年の人事院勧告が8月に出さ れておりますが、ここでこのような実態を踏まえた改革が提案されております。すなわ ち、公務員給与に対する様々な批判の中には、勤務実績に関係なく年功的に昇給してい くという構造、そういうものは問題ではないかというものです。したがいまして、この 人事院勧告に盛り込まれております改革におきましては年功的な給与上昇の抑制を図る と同時に、逆に、職務・職責に応じた給与構造への転換を図るという点に重点が置かれ た勧告になっております。具体的には、下の表のように、成績区分は4区分ですが、こ のうち「特に優秀」というところと「優秀」というところに、従来は分布率の提示はあ りませんでしたが、この勧告では5%以上、25%以上というふうに具体的な数字が明示 されているところが極めて特徴的です。  次のページです。このような人事院勧告における一つの見直しの方針というものを踏 まえて私ども社会保険庁はどうすべきかということですが、私どももこの勤勉手当の位 置づけにつきましては、まさにこの人事院勧告の趣旨を踏まえて対応したいと。具体的 には5段階の成績区分によりまして支給額を決定するという構造を基本としつつ、特に 結果を出した事務局、事務所の職員に対しましては上位の成績区分へのランクアップが 可能になるような追加資金の交付などの措置を別途ビルトインしたいと思っているわけ です。  次のページをご覧いただきますと、特別昇給についての説明ですが、これは普通昇給 とは異なりまして、勤務実績が非常によい、あるいは能力的に非常に優秀だと判断され るような一定割合の職員について特に昇給させる制度ですが、実際の運用は成績主義で はありませんで、まさに年功的な給与処遇がなされてきているのが実態です。  次に15ページですが、昇給の在り方につきましても、先ほどの人事院勧告におきまし ては大きく改革をすることといたしておりまして、社会保険庁といたしましても、この 点におきましても人事院勧告に基づく昇給制度としていきたいと思っております。その 具体的な運用の姿を例示したのが次の16ページです。例えば、勤勉手当の成績率による 支給額の比較をしたものですが、社会保険事務所の所長の場合、最上位に評価される者 と一番低く評価される者との間の1回当たりのボーナスにおける勤勉手当の差は、今申 し上げたものでいきますと18万円弱という大きさになるのではないかと。同様に、事務 所の係長の場合ですと、10万円あまりという差が出るのではないかということです。  また、今度は視点を変えまして、時系列で見た場合どうかということですが、現在4 級6号俸の社会保険事務所の専門官、年収はここにございますような金額の者の場合で ありますが、普通昇給のみで10年間を過ごした場合の10年目の年収が555万と。他方、 優秀ということで、3回の特別昇給、2回の昇格を経た事務所の課長の場合、700万余 ということで、この間153万円の差額が生ずる。要するにそういう制度へと私どもは転 換していくべきではないかという趣旨です。  めくっていただきまして、制度の運用に当たって必要な透明性・公平性・納得性を確 保するための仕組みですが、その第1は評価者の体制でありまして、複数の評価者によ る評価をきちんと行うようにすべきであるということです。次のページですが、同時に 評価に関する職員の苦情や不満というものに適切に対応する仕組みとして、苦情相談制 度というものをつくる必要があると考えております。  20ページですが、そういう基本的な考え方、枠組みで新しい人事評価制度というもの を私ども検討させていただいているわけですが、本年10月から、今申し上げた新制度の 試行を一定レベル以上の職員について実施していきたいと考えております。具体的に は、この表の網かけのものでして、7級以上の本庁、地方社会保険事務局、社会保険事 務所の職員に加えて、7級未満でございますが、事務所の課長、これは評価者となりま すので、このグループの中に追加的に入れまして、これらの者を対象に試行していきた いということで、そのスケジュールが21ページです。  今申し上げましたように、これら7級以上の職員については、来月10月1日から半年 間、試行をさせていただくと。この間、アンケートなどもとりまして、必要な修正、改 善を図っていこうと思っております。その後に、18年4月より本格実施に入りたいと思 っております。その他の職員ですが、試行は来年の4月から1年間行うことといたしま して、その後、19年の4月より本格実施に入る、こういうスケジュールを考えておりま す。評価結果を任用や勤勉手当、あるいは昇給へ反映させるという措置は試行段階では 行いませんで、本格実施の段階から行うこととさせていただきたいと思っております。 また、納得性を高めるためのアンケートも継続的に行っていく、そういう考え方であり ます。以上です。  佐藤座長  ありがとうございました。ただいま御説明いただきました新しい人事評価制度の在り 方ですが、いかがでしょうか。御意見を承りたいと思います。  稲葉委員  とりあえず質問なんですが、1つは簡単なところで、21ページの第1次の試行の7級 以上の職員ということですが、人数と言いますか、全体での割合というのはどのくらい になるのでしょうか。  それから、複数の評価者による評価ということなんですが、例えば17ページのところ に評価者体制というのが書かれていますが、1次、2次、3次まである場合と、やむを 得ないと言いますか、その職制上、2次にとどまるという場合とあるようなんですが、 最終評価者の役割ですね。例えばこの表の一番上だと、2次評価者というのはなくて、 最終評価者というところに事務局長と書いてあるのですが、2次評価者と最終評価者と いうのは役割が違うということだと思うのですが、この最終評価者の役割について、も う少し御説明いただければと思います。  3点目は、特に管理職についての評価に当たって、複数の評価者による評価、これは いいのですが、部下による評価ですね。ストレートに部下による評価をそのまま生かす かどうかというのは慎重に考慮しなければいけないかとは思うのですが、例えばそれを 参考にするような制度設計も可能だと思うんですね。逆に言いますと、例えば社会保険 事務所の職員の方に対して社会保険事務局の事務局長さんが最終評価者になるというこ とですと、何かそういった関係者による評価というものをより参考にする必要も出てく るのではないかとも思うわけでありまして、とりあえず今の点、御説明いただければと 思います。  石井総務課長  まず試行の対象者ですが、20ページに書いておりますが、対象者は4分の1程度と。 全体1万7,500人おりますので、4,000名あまりということになっております。  3次の場合、2次の場合、特に最終評価者の役割ですが、まず2次の場合、これは階 層の数が十分にないために2段階にならざるを得ないという場合でありますが、特にこ の2次評価者、2番目の評価者としてかかわる場合には、1次評価者の評価、これが要 するにぶれていないかというのをきちんとチェックするということが期待されることと 思っております。3段階目の評価者ということでの最終評価者ですが、これは最も大き い役割といたしましては、全体のバランスを見まして、きちんと調整をするということ であります。  例えば社会保険事務所、小規模の事務局においては事務所が3つしかないわけでござ います。先ほどご覧いただいたように、能力評価、実績評価いずれも、いわば一定の構 成比でS、A、B、C、Dというところに位置づけなければいけないわけですが、3つ ではどうにもならないわけでございまして、例えばそういうところです。事務局の管理 職として課長相当職がいろいろいますが、それとの均衡なども考えて、最もふさわしい ところにきちんと位置づけるという、いわば最終調整というのを行うと。そういう役割 が非常に大きく期待されると考えております。  部下による評価というものを入れて、客観性の度合いを高めてはどうかという御指摘 ですが、そのような観点での検討は実はこれまでのところ十分なされておりません。そ このところは宿題だというふうにも思っております。したがいまして、試行に入る前 に、その点は検討すると同時に、試行後において、アンケート調査もしながら、例えば そういうような形で一定の要素というものを加える必要があるのかどうかも考えるとい うことで、対応させていただければと思っております。  木村委員  小林委員が御専門なのですが、これは私ども民間にとっては当たり前で普通のことで す。初めての試みとおっしゃっていらっしゃいましたが、まさしくこれは明治維新のよ うなものじゃないかと思うんですね。したがって、そういう意味では、習うよりなれろ ということだと思います。長い時間をかけてこれを作っていく、もちろん、短い時間 に、そういうスキームの中で仕事をされるようになるのが一番いいのですが、いろいろ なことがきっと起こると思うんです。部下からの評価というお話も、これは私ども、 360度評価といって、下からも見られ、上からも見られ、なかなか大変な時代だなとよ く言っております。基本的に自分の仕事自身がどう評価されて、どう全体の中で自分の 役割が果たされているのかということをチェックして、それで統一的な意思を持って進 んでいこうということだと思いますので、ともかく、先ほども申しましたように、まず なれて、こういう仕組みのよさを十分生かしていくというようにしていかれるというこ とが望ましいと思います。  ここでもう一つの問題は、官庁の方は人事異動がある程度短いということです。我々 だと通常で3年というのが普通なんですね。したがって、3年くらいを考えた業務成果 を考えるべきところで、例えば1年の成果を考えなければならない。それから2年、3 年での業務成果はどうかということもあると思いますので、そのような人事異動の持つ 意味とこの評価、この辺りをあわせて考える必要があるのではないかと思います。以上 です。  小林委員  専門でも何でもなくて、いつもこのような話で苦労している立場から申し上げます。 前回もお話ししましたが、この資料3の5ページにあるような切り口、あるいは着眼点 で評価をしていく。しかもこれに1から5まで点数をつけていくということですよね。 これは、繰り返しになりますが、定量的に成果が上がった、上がらないということで評 価ができる項目については割と簡単ですが、定性的に判断を要する項目については大変 むずかしいものがあります。この人は自己研さんをしたかしていないかとか、あるいは 部下の指導がいまいち物足りないとか、物すごく仕事はできるけれども、同僚との協調 性にちょっと問題ありとか、要するに定性的な判断で点数をつけていくということにな りますと、これは上司によっても、あるいは職場の構成員によっても、あるいはその他 の様々な条件によっても違ってくるわけですね。要は、絶対評価としてはあまり当てに ならない点数になってくる。  一方で、4ページのような形で、かなりリジッドな分布率を適用せざるを得ないわけ です。5、25、50、20%というような比率の分布がある程度きちんと守られるのではな いかと思うんですね。20人の職場だとすると、Sが1人、Aが5人、Bが10人、DとC が4人と。多分このぐらいの形で、各職場でやらざるを得ない。そうしないと全体がバ ランスしませんから。  そうしますと、結果としてあまり信頼の置けない点数をベースに、最後の分布だけは リジットになる。つまり、ほとんど同等の人が1点違いでAになった、Bになった、こ ういうことがあちこちで出現するわけで、やられる方の身になってみると、もともとあ まり当てにならない点数評価で何万円も差がついてくるということで、必ず不満が蓄積 すると思うんですね。その不満をどうやって解消するか、理解をしてもらうかというと ころの工夫を、難しい話なんですが、何かしなければならないということなのです。例 えばAとBは、確かにボーナスで差はつくんだけれども、そこには少し定性的な判断 で、金額調整の余地を残すとか、工夫ができないわけではないと思います。  それから、職場単位によっても、優秀者の集団とそうでもない集団というのはあると 思うんですね。同じ20人でも、ほとんどがAまたはSのようなレベルの高い職場もある し、ほとんどがBとCとDのような職場もないではないでしょう。後者であれば、そこ でSやAをとっている人というのは優秀組織に来ると一遍にBとかCとかDになってし まうわけでして、本人にとってみれば、「一体何なんだ自分は」と思いかねない。した がって、これはそういう制度なんだということを理解をしてもらうことが重要だと思う わけです。要は、この制度はいろいろな矛盾をはらんだ制度だということまで含めて、 教育をするというか、理解をしてもらうというか、そういう工夫を一緒にやっていただ ければと思う次第です。  木村委員  うちの会社で導入したときの話で、御参考になればということなんですが、たくさん の評価項目というか、目標が物すごく多いんですよね。これだけ目標が多いと、書くの もだいぶ時間がかかるし、大変なので、その辺りもできるだけ数値的な、数量的なもの を入れるようにされた方がいいと思います。また、個々にそれぞれ差をつけていきます から、低くランクされた人はなぜなんだという話になります。なぜなのかというのにち ゃんと答えられなければいけませんから、うちの会社ではしっかりと練習を積ませまし た。管理者は是非とも練習をされた方がいいと思います。以上です。  袖井委員  今の話と関連するのですが、相対評価というのはとても難しいと思うんですね。多 分、事務所によって全部が高いところと、あまり高くないところがある。だから先ほ ど、あるところではAであるところはBとおっしゃったので、全体的にレベルの高いと ころについては事業所全体に何かプラスしてあげるとか、そういうことも考えられない かなということを思うんです。  もう一つ、これは今言ったことと矛盾してしまうかもしれませんが、地域差があっ て、地域による経済格差があって、幾ら頑張っても徴収できにくいところもあるわけで すね。例えば沖縄なんかは失業率も高いし、経済状態も悪いんですね。だからそういう ふうにみんな同じではなくて、かなり地域差があって、頑張ってもとれないというとこ ろもあるので、どれだけとったかということだけではなくて、よくやりましたという感 じもあるので、そういうことも評価に入れないと不満が出てくるかなという気もいたし ます。  佐藤座長  13ページのこれは事務所に対する実績評価、実はこれもあるんですね。これがどうい うふうに機能するかということについて、あといろいろ御質問ありましたが、いかがで しょうか。  陶山委員  質問ではなくて、先ほど、小林委員がおっしゃったことは基本的に全く私も同感であ ります。この内容は説明を伺えば伺うほど、あるいは資料を拝見すればするほど、まこ とにもって精巧精緻に仕上がっておりますので、仮に私が責任者でこれをきちんと実行 しろと言われたら、全く自信はありません。しかし、従来の人事の慣行なり、いろいろ な問題を前提とした上で、トータルなきちんとした人事制度をつくり上げようというこ とで大変なエネルギーを恐らく使われたに違いありませんが、構想ができ上がっている わけですから、これをきちんと趣旨、目的どおりに具体化していくということはもちろ ん価値のあることだと思います。  ただし、これが本来の目的どおりに運用されるためには、相当な時間的な経過が必要 ではないかという感じがいたしますので、そのためには、この制度運用の特に中心にな って衝に当たる運用のかなめになられる立場の職員、ポストの方々は、意識として、い ろいろな困難が起こると思いますが、そうした事態をある意味の当然としながら、歩き ながら考えると。歩きながら考えて、いろいろな手直しを加えていくと。そういう意識 でこの制度運用に当たられることが一番大事なことではないかという感じがいたしま す。  佐藤座長  ありがとうございます。いずれにしましても、この試行期間が重要なんでしょうね。 アンケートをとったり、あるいは評価者のなれも必要だとか、あるいは受ける側の理解 も得なくてはいけないとか、そういうことがありますので、試行期間等に大きく我々も 期待しながら、この制度運用がうまくできればいいと思います。  いろいろ御質問がございましたが、全体としてどうでしょうか。事務局から御回答を いただいた上で、ほぼ時間にもなりますので、後にまた長官あるいは大臣からも御意見 を伺いたいと思います。事務局からまずお願いします。  石井総務課長  ちょっとランダムになるかもしれませんが申し上げますと、定性評価の項目について の扱いは工夫がいるという御指摘だったかと思います。私どももそういうふうに思って おりまして、まさにそのときに意味を持つのが、資料の6ページですが、この評価の流 れで、組織目標を踏まえて個人が自分の目標を策定するときに、評価者ときちんと相談 をすると言いますか、すり合わせを行うことだろうと思っております。例えば、定性的 な評価項目の例といたしましては、新しい制度をつくるのに貢献をしたとか、あるいは 業務マニュアルを開発したとか、そういうようなものがありますが、これは確かに数値 などでは評価しにくい面があるわけです。ただ、これに携わっている関係のスタッフ は、すべてそのことの意味というのが評価できるはずと私どもは思っておりまして、し たがって、この評価の流れに沿った運用をきちんとやるということで対応していきたい と思っております。  高い実績を出した事務所、逆になかなか頑張っても思うような成績を出せないところ についての対応をどうするかということですが、頑張ったところにつきましては、まさ に13ページの表ですが、右の大きな箱の中の右側が、このような形で、閉じた事務局の 世界の中で相対評価をして、それで済ますのではなくて、本庁から見て、さらにランク アップをすべき取り組みがここにあると評価される場合には、いわばそのための支援を 行うということで対応していきたいと思います。  そのための一つの指標にもなるわけですが、この箱の下に、事務局長については全国 ランキングに基づく相対評価を行うというふうにさせていただいております。いろいろ なチャネルを通じて各事務局、事務所の評価ができるようにと思っておりますが、端的 には、例えば事務局長の実績、あるいは能力がどうだったかということがここで表示さ れるわけでして、こういうものなどをもとにして事務所ごと、あるいは事務局ごとのい ろいろな事情というのものを勘案しながら適切な評価をしていきたいと思っておりま す。  人事異動の時期との兼ね合いをどう考えるかというご指摘を頂戴したわけでございま すが、10ページをご覧いただきたいと思うのですが、上が実績評価でありまして、4月 から9月までが上期で、9月の末のところで評価をして勤勉手当に反映させると。他 方、能力評価、こちらの方は10月1日から始まりまして、翌年の9月30日をもって終わ る、ちょうど1年間の回し方ということにしてありまして、しかも評価に当たってはこ の1年間における職員の行動の積み重ねというものをもとにして能力を評価すべしとい うことになっておりますので、人事異動との関係というのはなかなか微妙な問題です が、この評価期間以前の評価というものを入れてしまっては、このような整理が一部崩 れることになりますので、そこのところはきちんとけじめをつけつつ、しかしそれ以前 の貢献みたいなものをどういうふうにとらえていくのか、そこら辺も試行錯誤というこ とでやっていきたいと思っております。以上です。  木村委員  今の総務課長さんの御説明の中で、人事異動との関係ということで御回答をいただき ましたが、私が申し上げたかったのは、短期間の目標もあれば、中期の目標もあると。 そういう中で、課長さん以上というのは個人的にこういう仕事が重要だと、そういうよ うなところがあるので、ある程度、短期間だけの目標だけでそれを判断されるというこ とになると、なかなかこの仕組みが難しいのではないかということです。したがって、 人事異動が短ければ、あるいは3年ぐらいまで期間をとって考えるのか、そういうこと を御検討された方がよろしいのではないかと、そういうことで申し上げた次第です。以 上です。  佐藤座長  よろしゅうございますか。それでは、長官あるいは大臣の御意見を伺った上で、次回 の取り組むべきことを御審議したいと思います。  尾辻厚生労働大臣  それでは、御礼でございますので立たせていただきます。本日も先生方には御多忙の 中、しかも大変お暑い中、長時間にわたりまして、大変貴重な御意見をいただきました ことに感謝を申し上げたいと存じます。  業務改革についてでございますが、これは前の有識者会議で一度御議論をいただいた ものでございます。前の有識者会議ができましたときに、当面すぐにやってもらうべき こと、それから抜本的に改革すべきこと、この2つに分けて議論をしようということに なりまして、当面のこととして、緊急対応プログラムというものを策定していただきま した。それに基づいて私どもがこれまでやってきたことの進捗状況などを御報告申し上 げたところでもございます。今日もまた先生方の御議論をいただきましたので、ぜひ新 たな業務改革プログラムという形で先生方の御意見をお取りまとめいただければありが たいと私どもとしては考えているところでございます。  そして座長よりも今後のこと、どういうふうに考えているのだということでございま すので、率直にお願いしたいと思いますが、今後御議論いただくことも多くございます ので、ぜひこの点については次回お取りまとめいただければありがたいと考えていると ころでございます。  その後、私どもがやるべきことは2点あろうかと思っております。一点は、先生方に お取りまとめいただきました「新たな業務改革プログラム」をさらに具体的に進めてい くためにはどういうふうにやっていくのか。その具体的なものを事務局としてお示しを するということが、途中で先生方の御意見にもございましたように、必要なことかと思 います。  もう一点は、この中に法律改正を必要とすることが出てくると思います。したがいま して、その法律改正については次期通常国会になろうかと思いますが、それに向けて法 律改正をするべく、私どもの作業を進めていくということもございます。今申し上げた ようなこともございますので、ぜひ「新たな業務改革プログラム」のお取りまとめをい ただければありがたいと考えているところでございます。  「新人事評価制度」についてでございますが、これは新組織が国民の皆さんの信頼を 回復できるものとして再出発する上で、現行組織の段階から早急に着手すべき最重要課 題の一つと考えております。今日も御説明申し上げましたように、これまでの行政の組 織の中ではなかったような画期的な人事評価の在り方というものを求めたいと思ってお りますので、ぜひ先生方の更なる厳しい目でのチェックをしていただきたい、具体的な 御意見もいただければと思います。  率直にお願いさせていただきますと、この点につきましても、ぜひ次回、お取りまと めいただければありがたいと考えているところでございます。今日の御意見を拝聴させ ていただいて改めて思いましたことは、御議論いただいております内容は、ただ単に社 会保険庁をどうするかという御議論ではなくて、厚生労働省はもとより、日本の行政組 織の改革をリードしていただく御議論を今いただいていると痛切に感じたところでござ います。今後とも、いつもお願いしているわけですが、国民の目線に立った先生方の率 直な御意見をお続けいただきますように、よろしくお願いを申し上げます。  村瀬社会保険庁長官  私の方から2点だけお話を申し上げたいと思います。1点目は、先ほど御提示させて いただきました今後の業務改革の件でございますが、基本的な考え方は何かと言います と、待ちのサービスから攻めのサービスに社会保険庁を変えていきたいと。こういう考 え方で貫こうと思っております。したがいまして、その思想は国民の皆さんから信頼を 受けるために極力国民の皆さんに負担をかけない。事務処理は徹底的に合理化をする。 一方、コストという観点から言いますと、最小のところを目指しにいくと。こういう形 で攻めのサービスを展開できるものに打って出ていきたいと。こういう前提で考えてお りますので、ぜひしっかり御議論をお願いできたらというのが1点目でございます。  2点目に、人事評価制度ですが、評価制度という言葉は私も個人的にあまり好きでは ございませんで、これはある意味で上司と部下のコミュニケーションツールだと、こう いう形で考えております。今まででも、評価するしないにかかわらず、仕事のやり方に ついて、当然あるべきものが残念ながらできていなかったということで、これをしっか りやることによって、社会保険庁が最も皆さん方から指摘をされたガバナンス不足が一 気に改革できますし、職員の意識改革も進むだろうと。これができなければ、ガバナン スも強化はできない、職員の意識改革もできない、こういうつもりでおりますので、極 めて重要と考えております。  その中で、先ほどもいろいろ御指摘がありましたが、一番大事なのは何かというと、 管理をする人間が部下に対して正しく仕事を示せるかどうか。また、やっていることに ついてどういう状況にあるかということで、常に対話をしながら指導できるかどうか。 最後にそのものがきちんと評価できるか。これができない限り、組織としては運営でき ないだろうと思っておりまして、そういう点で、半年間で本当にやれるかどうかわかり ません。徹底的にそこを訓練したいと。どうしてもできないということであれば、18年 度、本当に実施できないかもわかりませんが、これは何としてでも18年度を管理職に本 格導入できるような形で、最重要課題として取り組んでいきたいと。こんな形で考えて おりますので、御議論の方をよろしくお願い申し上げたいと思います。以上です。  佐藤座長  ありがとうございます。次回の9月27日、18時から20時までを予定しておりますが、 そこで「新たな業務改革プログラム」に、本日いろいろな御意見等が加わっております から、最終的にその扱い方も含めてまた案を作っていただいて、お示しした上で、それ にゴーサインを出すべきものを出していくという、こういう形で進めたいと存じます。 また、「新人事評価制度」については、今日の御意見等を踏まえた上で、更にこれを実 施できるように御意見をいただいて、私どもの方針を決める、次回はそういう会議にし たいと思っておりますので、一つよろしくお願いいたします。  そういうことで、本日はこれで閉会にしてよろしいですか。それではどうも、皆さん 御苦労様でございました。                                     (了) 【照会先】  政策統括官付社会保障担当参事官室   津曲、川島   03−5253−1111   (内7702、7708)