05/08/01 第5回アレルギー対策検討会の議事録について             第5回アレルギー対策検討会 議事録               日時: 平成17年8月1日(月)13:03〜14:46               場所: 厚生労働省専用第19・20会議室(17階国会側) ○事務局  それでは丸井委員がまだ到着しておりませんけれども、ただいまより第5回アレルギ ー対策検討会を開会いたします。委員の皆様方には本日お忙しいところお集まりいただ きましてまことにありがとうございます。  本日の会議の出席状況でございますが、岡谷委員、下川委員、古江委員の3名が御都 合により欠席されていることから、丸井委員がいらっしゃいましたら10名の委員に御出 席いただいていることを御報告申し上げます。  また本日は厚生労働省側の出席者といたしまして、事務局の健康局疾病対策課のほか に、食品安全部基準審査課から海老名主査が御出席されております。  それでは以降の進行を秋山座長にお願いいたします。 ○秋山座長  皆様お忙しいところどうもお集まりいただきましてありがとうございました。本日も よろしくお願いいたします。  それではまず議事に入ります前に、事務局からの配付資料について事務局の方で御確 認をお願いいたします。 ○事務局  それでは資料の確認をいたします。まず最初に座席表、議事次第、委員名簿がござい まして、  資料1 リウマチ・アレルギー対策委員会等についてが2枚。  資料2 アレルギー対策検討会報告書(案)、こちらが両面刷りで35ページまでござ います。  資料3 アレルギー疾患対策指針(案)、こちらが5枚。  以上でございますが皆様に配布した資料に漏れ等はございませんでしょうか。  丸井委員が御到着されましたので、10名の委員の出席をいただいております。  以上で資料の確認を終了いたします。 ○秋山座長  はい。どうもありがとうございました。それではただいまから議事に入っていきたい と思いますけれども、まず資料1をごらんいただきたいと思います。  資料1にはこの会が始まる最初に配付された資料等でありますけれども、そこに検討 スケジュールがその後の検討会の開催によりまして検討内容あるいは検討月日とかが一 応全部埋まってきたものでありますけれども、当初はアレルギー対策関連の報告書はこ の検討会で取りまとめるという形が想定されておりましたけれども、より広い見地を持 って施策を取りまとめるという方がいいということになりまして、疾病対策課部会の専 門委員会でありますこの親委員会と言いますか、リウマチ・アレルギー対策委員会にお きまして、このアレルギー対策に加えてリウマチ対策についても留意しながら深く御議 論いただいて、リウマチ・アレルギー対策委員会報告として取りまとめていくことにす るということになっております。  そのために、本検討会におきましては委員会に提出する報告書、本日検討いただく報 告書案と、それからやはり本日検討いただきますアレルギー疾患対策指針、これにつき まして作成するということにしたいと思います。このことにつきましてまず皆様に御了 承いただけるかどうかということを伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。特に御 異論がなければそういうことで進めさせていただきます。  それでは今のこの検討委員会の資料1ですけれども、ありますように設置目的、最初 の時に事務局の方から申し上げていただいたわけですが、検討課題としましてリウマチ ・アレルギー対策委員会の下でリウマチ対策検討会、ここにあります(ア)から(ク )、それからアレルギー対策検討会、同じく(ア)から(ケ)までということで検討を してまいったわけでございます。  そして特にこの検討スケジュールの方ですが、リウマチ対策検討会も既に4回終わり まして、アレルギー対策検討会は本日の5回が最終回ということになるわけでありま す。そこで本日ここにありますような報告書案と、それから指針案につきまして皆様の 御意見をいただきまして最終的にまとめていくということになるわけでございます。  それでは次の議事ということでありまして、ここにありますように前回委員の皆様方 に御審議いただいたわけでありますけれども、その内容を踏まえましてこのアレルギー 対策検討会報告書(案)、この資料の2ですけれども、これにつきまして御確認をいた だくと。特に今回いろいろな変更点、前回の御意見等を含めましていくつかの変更点が あるわけですが、それにつきまして事務局から資料の説明をお願いしたいというふうに 思います。 ○事務局  それでは事務局より資料2、「アレルギー対策検討会報告書(案)」について御説明 申し上げます。  ただいま座長より御説明がありましたとおり、網掛けになっているところが主な前回 の配付資料からの変更点でございます。  ページをおめくりいただきまして、5ページ(2)主なアレルギー対策の経緯の中 で、普及・啓発について、厚生労働省で実施してまいりました普及、啓発について追記 しております。  ページをおめくりいただきまして6ページ、アナフィラキシーに対するエピネフリン 自己注射用キットについて前回検討会での御審議を踏まえて追記しております。  7ページ、(2)地方公共団体におけるアレルギー対策、これについても御意見いただ きましたところから追記しております。  8ページ、平成16年11月から専門医制度に一本化されたなど、日本アレルギー学会に ついての記載がございます。  次に13ページにまいります。今後のアレルギー対策についての中で、(「自己管理可 能な疾患」へ)というところと、国と地方公共団体との適切な役割分担と連携体制の確 立のところで修正変更点がございます。  次のページにまいりまして、アレルギー対策の具体的方策でございますけれども、医 療の提供についてと情報提供・相談体制について15ページ、かかりつけ医を中心とした 医療体制の確立、アレルギー疾患に必要な医療体制について、これについても皆様方か らの御意見を踏まえて修正変更しているところでございます。  喘息死等を予防する医療体制:「喘息死」ゼロを目指し、のところも若干修正点がご ざいます。  16ページ、(2)人材育成についてですけれども、これにつきましてもかかりつけ医の 育成ということでございまして診療ガイドラインの普及、医学教育、臨床研修、日本医 師会における医師の生涯教育、アレルギー専門の医師の育成、関係職種の育成について 記載しております。  17ページ、(2)情報提供・相談体制のところも大きな変更点は、前回の御議論いた だきました19ページにございます情報提供手段のところで医療機関の広告についても記 載しております。  (3)相談体制の確保については、より具体的な網掛けの場所が変更されております。  20ページ、(3)研究開発及び医薬品開発の推進について、研究課題の設定について のところ、小児に特化した調査に関してのところ。(2)研究目標の明確化は最優先研究 目標の内容と着実に進めていくべき研究目標、その他必要な研究について前回御審議い ただいた内容を踏まえて変更しております。  医薬品の開発促進等、22ページ(3)でございますけれども、ここで国において治験環 境の整備に努める。特に小児に係る医薬品についての記載を追記しております。  主な変更点について、駆け足でございますけれども以上で説明を終了いたします。 ○秋山座長  はい。どうもありがとうございました。それでは今事務局の方から御説明がありまし たけれども、前回との変更点等につきましては網掛けで書かれているということであり ますので、これから約40分ほど皆様でこの報告書につきまして御審議いただきたいと思 います。  審議の、順序といたしましては最初の目次にありますように、大きなIが「アレルギ ー対策の現状と問題点」、そして次に「今後のアレルギー対策について」というような 順番にこのページに沿って皆様に御意見いただくのが審議しやすいのではないかと思い ますので、そういうような方向でいきたいと思いますが、まず最初にこの「はじめに」 というところですが、これにつきましては特に前回との変更点というのはないようです が、何かこのへんにつきまして新たな御意見等がもしございましたら、出していただき ますが。  これは一番最初の時点でのアレルギー検討会についての最初の序文というようなとこ ろだと思います。もしよろしければその次の、「アレルギー対策の現状と問題点」の中 におきまして、まず1の我が国におけるアレルギー対策の現状というのが2ページか ら、(1)アレルギー疾患患者の動向、(2)主なアレルギー対策の経緯というような 形で2ページから8ページまで出ておりますけれども、このへんにつきまして何か御意 見、こういう報告書として不足している分あるいはもう少し触れておいた方がいいと か、何かそういう御意見がございましたら出していただきたいと思いますけれども。  特に網掛けの部分、例えば5ページでありますが5ページの主なアレルギー対策の経 緯、厚生労働省におけるアレルギー対策としての普及・啓発というところですが、これ は事実を述べてあるところですので、特に御意見はないかと思いますが。  その次の6ページの、アナフィラキシーに対するエピネフリン自己注射用キット、こ れが今承認されて、今までの蜂毒のみならず食物アレルギー等にも適用になったという ことと、成人のみならず小児用のものも処方可能になったということが示されておりま すけれども、この内容について特に何かまたさらに加えるようなこと等ありますです か。  栗山委員何か。 ○栗山委員  これは今までやってきたことなので、ここに加えるべきではないのかと思うのですけ れども、ちょっと後の方にエピネフリンのことが出てこないので一言、適切じゃなかっ たらあれしてください。「処方が可能となった今後は、実際に使えるような体制の整備 に努める」みたいなことがあったらうれしいです。 ○秋山座長  わかりました。これにつきましてはそれではどこに入れるかというようなことにつき まして、また事務局と座長とで相談してということで。 ○栗山委員  はい。ありがとうございます。 ○秋山座長  わかりました。ほかに。もしなければ7ページに、はいどうぞ。 ○橋本委員  これはリウマチ対策のときにも申し上げたのですが、我が国におけるアレルギー対策 の現状、これはこれで結構だと思うのですが、やはり国際的に見て世界におけるアレル ギー対策の現状というようなことは一言どこかに触れなくてよろしいでしょうか。  つまりこれが、国のアレルギー対策の報告書になるならば、世界におけるアレルギー 対策と我が国におけるアレルギー対策というものをやはり比較する意味において書いて おいた方がよろしいのではないかと思いますけれども。  あまり出てこないで言って申し訳ありません。 ○秋山座長  今橋本委員からそういう御意見が出ましたが、これにつきまして確か最初の検討会で 各委員の方が国際的な現状というようなことを示されておりましたので、その中から少 しこの中に入れるということで。ではこれもまた事務局と最終的な報告書のところで何 らかの形で少し入れていくというようなことで検討したいと思いますが。他に特にござ いませんか。  それでは7ページのところで、これは理研と相模原のことはこれも事実として書いて あるということですが、地方公共団体におけるアレルギー対策ということでこの取組み についてまだ不十分であるというようなことが示されておりますが、このへんの表現の 仕方を含めて何か御意見ございますか。 ○丸井委員  表現上のことですが、7ページの一番下から2行目、「各都道府県間には温度差があ り」というのは報告書ではちょっと。「温度差」というのは使わない方がいいと思いま す。 ○秋山座長  何か、「格差」ぐらいですかね。ではそういう表現にということで、では事務局の方 それよろしくお願いします。 ○山中委員  よろしいですか。ここの部分については少し私の方も意見を述べさせていただいたの ですけれども、リウマチ対策に比べるとアレルギー対策は地方公共団体においては比較 的取り組まれていると思っております。特に相談体制、普及啓発については、花粉症だ とかあるいはシックハウスについてはほとんどの都道府県が取り組んでいるというふう に思いましたので、前はもうちょっと取り組んでいないような書きぶりだったのです が、やっているところ、やっている対策、それからあまり進んでいない対策を分けて記 載していただくようにお願いして、その意見を取りくんでいただいたというふうに思っ ております。 ○秋山座長  この表現になっているということで。はい、わかりました。  ではこのところでは言葉の使い方について少し変更ということだと思います。  そして8ページの方になりまして、これはアレルギー学会の方での認定専門医制度の 変更に伴って一番新しい情報を示されているということだと思います。これについても 特に。こういう事実を皆さん知ってどうするかという、現状はこうであるということが まずわかっていただくということだと思います。  そういうことで、現在の我が国におけるアレルギー対策の現状、それからこうである というまず事実を示しているということでで特に何か問題ございませんか。 ○橋本委員  最後の専門医の問題ですが、これはアレルギー学会に限らないのですが、現在日本の 専門医制度のあり方について抜本的に見直し検討が始まっているところですが、どの学 会も専門医の増加、専門医の増加というわけです。本当に日本に必要な専門医の数とい うようなことがはっきり各学会で検討されているかどうかという問題はよろしいのでし ょうか。  どのくらいまでこのアレルギーの専門医が必要なのか、そして専門医の地域格差とい うものもあるだろうと思いますが、そのへんは触れなくてよろしいでしょうか。 ○秋山座長  今の御意見に対してどなたか何かございますでしょうか。はい、島崎委員どうぞ。 ○島崎委員  私は専門医認定機構の理事を一応やっているのですけれども、実際に各学会の専門医 の日本の中における実際の必要数はどこも検討していないのですね。自己増殖的に増や せ増やせなのです。  専門医認定機構の中で、これからになると思いますけれども各学会で必要数をまず検 討しなさいと、患者数と現状の医師数を把握して。本来これは国のやるべき仕事だと思 うのですけれども学会認定機構でこれから手がけていくということで、実情としてここ では増やせと書いてあるのですけれども、報告書としてはこういう格好になると思うの ですけれども、やはり実態を把握してそれなりの必要数をきっちりと把握すべきだとい うことは、書いておくことは必要でしょうね。 ○橋本委員  おっしゃるとおりだと思うのです。そのことをやはり1行入れておいた方がいいと思 いますね。ただ増やせではなくて、検証がされていないので今後検討すべきであると。 ○秋山座長  はい、どうもありがとうございました。ではこのことについておそらく皆さん御異存 ないと思いますので、入れる場所はここでいいですか。はい。  では今のアレルギー専門の医師等の認定制度、そこのところにおきまして適正な数に ついてのまだ検証がなされていない、今後検証すべきであるというような形の文言を入 れていただくということにしたいと思います。  そういうことで、まずアレルギー対策の現状につきましては8ページまでですけれど も、特にこの8ページまでの現状を通しまして何か御意見ございますか。はいどうぞ、 山本先生。 ○山本委員  お医者様の方ほど栄養士の方はまだ進んでいないのですが、病態栄養専門師だとか、 あとこれはまもなく始まると思うのですけれども、栄養士の生涯教育の中で専門管理栄 養士の養成というのが始まりかけているのです。  病態栄養専門師についてはもう既にスタートしていることなのでここにも入ってもい いのかな。後半の今後の人材育成の中にもちょっとそのあたりを加えていただければと は思っているのですが、実際にスタートしている部分についてはこの中に、食物アレル ギーなんかもあることですので加えておいてもいいかなと思ったのですが。 ○秋山座長  そうしますとページで行きますとどこに。 ○山本委員  今(3)でアレルギー専門の医師等の認定制度というのがありますよね。その後に病態 栄養専門師とかあるいは専門管理栄養士というようなことを加えていただけるといいの かなと思いますが。 ○秋山座長  なるほど。ではそれにつきましては事務局の方でもう一度山本委員と確認していただ いて、そこにそういう形でいくつか、現状としてはこうなっているということを示すと いう意味ですね。 ○疾病対策課長  できましたら9ページの医療面の問題のところで若干現状について書き加えていただ いておいて、そして今お話しいただきました専門管理栄養士と病態栄養専門師は何をす る人かというのもよくまだ広まっておりませんので、そういった用語についても後でお 教えいただければと思っております。その後に17ページに追加すると。できれば文案を 事務局の方にお寄せいただければありがたいと。 ○秋山座長  ということは問題点の方と。 ○疾病対策課長  問題点や現状の部分に、専門管理栄養士とかそれから病態栄養専門師の状況も書いて おいていただいた方が、「今後のアレルギー対策について」というところでいきなり病 態栄養専門師とか専門管理栄養士が出てどういうふうに育成したらいいのかというとこ ろが不確かにならないようにしてはどうかということであります。 ○秋山座長  今の山本委員はまず現状のところに一度述べてという。 ○疾病対策課長  述べていただいて、そして17ページのところに追加する、ということで進めて。単純 に管理栄養士ということではなくてですね。 ○秋山座長  ではそういうことで、最終的な点はまた事務局と山本委員の方とで詰めていただくと いうことにしたいと思います。 ○疾病対策課長  ちなみにここは栄養士協会においてもそういう何か研修をきちんとおやりになってい るということなのですね。 ○山本委員  そうですね。生涯教育というのがやはり栄養士会の方でもあるのですけれども、専門 管理栄養士についてはまもなくスタートするということで、まだ実際には動いていない です。  病態栄養専門師という方については、もう既に始まっておりましてその認定を受けて いる方もおります。 ○疾病対策課長  ではなおさらそこの点を追加していただければと思います。 ○秋山座長  今のは栄養士協会というのですか学会というのですか、そこの認定ということです か。 ○山本委員  そうですね。病態栄養専門師に対しては日本病態栄養学会、そちらでの認定というこ とで、専門管理栄養士については多分日本栄養士会の方でということになると思います が。 ○秋山座長  わかりました。ほかに。現状につきましてもし特に御意見がなければこの次のアレル ギー対策における問題点ということで、9ページから12ページまでのところであります けれども、まずミスプリといいますか9ページの真ん中の早期診断の問題の最後に括弧 づけで(図6)と書いてありますが、これは(図5)の間違いだと思いますので、後ほ ど訂正しますけれども一応訂正させていただきます。  アレルギー対策における問題点ということで、医療面の問題、情報提供・相談体制面 の問題、研究面の問題等がありまして、これにつきましては特に網掛けの部分がないよ うですので前回と同様の文面だと思いますが、この問題点の提示といいますか記載につ きましてまた新たな御意見等ありますでしょうか。  はい。丸井委員どうぞ。 ○丸井委員  これは厚生労働省からの報告書ということですけれども、例えば食物アレルギーなん かを含めて先ほどの栄養士さんの活動もそうですけれども、例えば学校とかそういう教 育の場での幼稚園、学校、そういうところで教育の場での対応というのも患者さんのQ OLを高めるあるいは下げないため非常に重要だと思いますので、ここであまり出てい ないのが横の組織との連携とか、そういうところも。  例えば6月には厚生労働省、農林水産省、文部科学省で食育基本法が通りましたし、 例えば食物アレルギーなどについては教育の場で横に連携していくというようなことも 考えていく必要があるので、特にアレルギーの問題に関してはどの部分にどういうふう に入れるかなのですが、横の連携という、どういう言い方が適切なのかわかりません が、そのようなこともどこかに入れておく方がよいのではないかというふうに思いま す。 ○秋山座長  はい、ありがとうございました。これにつきましては(1)の医療面の問題か、ある いは相談体制・情報提供という(2)かそのあたりということですね。 ○疾病対策課長  これは今のお話ですと、23ページでしょうか、施策の評価等となっておりますが、他 省庁との連携というようなことでここで書いておいた方がもしよろしければ、具体的に そういう取組みをしろという御意見ですとここに書いておいた方が落ち着きがしやすい でしょう。 ○丸井委員  そうですね。その前提として現在あまり十分でないというので今問題点のところでち ょっとあげさせていただいて、将来的には連携した取組みが必要だということで、それ を受ける形でどこかにあげてもいいのではないかと。 ○疾病対策課長  ちなみに、13ページにはそういった「関係省庁と連携してアレルギー対策を推進して いくことが必要である」というようなことを書いています。そういった現状認識を。 ○丸井委員  はい。そうすると最後のところにそれを引き受ける形で何かあればいいのかもしれな いと思います。 ○秋山座長  先ほどの山本委員の場合と同様に、そういう横の連携がまだ十分ではないという現状 あるいは問題点を出して、実際の施策としてこうこうすべきであるという形で持ってい くという、そういうことですよね。はい、わかりました。  ではこれにつきましてはやはりまた事務局の方で検討していただいて、丸井先生とま た御相談いただいて最終案に入れるということになります。いいですか、はい。  それではそのほかにこの問題点におきまして、例えばまだ抜けている面とかあるいは 少し変えた方がいいというとかいう御意見がありましたら御発言いただければと思いま すが。この問題点というのは、今後の施策、対策の前提となることになりますので、あ る意味非常に重要な問題と思いますけれども、まず医療面で、適切なアレルギー診療の 可能な医療機関の問題。早期診断の問題。アレルギー疾患を診療する医師の資質の問 題。アレルギー疾患に関連した死亡の問題。  それから情報提供・相談体制面での問題では、10ページにありますが、慢性期医療管 理の問題。薬剤副作用の問題。情報の問題としては情報の氾濫という問題。あとは相談 についての問題点。  それから11ページの研究面の問題では、患者さんの実態の把握という点。予防法が未 確立であるということ。それからどの医療機関でも実施できる抗原確定診断法が未確立 であるということ。根治的治療法が未確立であるということ。という研究面で進めてい かなければいけないことについて書いてあるのですが、さらに加えて問題点何かござい ますか。  もしなければ、その後の対策のところでまた場合によっては元に戻ってということに なると思いますので、一応問題点につきましては一応皆さんの御了解を得たということ で、次の今後のアレルギー対策についてということにつきましてですが、その中でのア レルギー対策の基本的方向性ですが、13ページで、今後のアレルギー対策の目標という 中で、前回もやや問題になっておりました自己管理ということですが、(「自己管理可 能な疾患」へ)というのがありまして、この括弧は何か意味があるのでしたっけ。 (「自己管理可能な疾患」へ)の両方の括弧がついているのは。特に意味はないのです か。 ○疾病対策課長  特にないです。 ○秋山座長  はずしてもいいのですか。 ○疾病対策課長  はい。 ○秋山座長  とにかく対策の目標という中に(「自己管理可能な疾患」へ)ということであります が、これにつきまして栗山委員がおっしゃっていましたけれども、何かこの表現の仕方 でもし問題があればですが。  今回、前回あれですが「医療関係者等の支援の下」というのが前提に入っているとい うのがありますけれども。 ○栗山委員  「等」と書いてあるのでその「等」がどこらへんまで入るのかなと今ちょっと思っ て。 ○秋山座長  「等」というとどこ。 ○栗山委員  「医療関係者等の支援の下」にといったときに、行政とか医療関係者だけではなくて 私のイメージとしては患者団体もそれなりの分野の分担を担えるのではないかなと思っ ているのです。そこの部分と、あとは治療法を「正しく把握し」というよりは「正しく 理解し」、その方がいいというのではなくて「理解し」という方がなんとなく普通の、 患者が読んだ場合の普通の言葉かなというような気がしました。  その今のパラグラフの下の段で、「なお、このような取組みに重点を置きつつ、長期 的視点に立ってアレルギー疾患の予防及び根治療法の確立のための研究の更なる推進」 となっているので、この間も申し上げ、別のところで申し上げたかもしれないのですけ れども、研究ももちろん大事で、それは書いていただきたいのですけれども、そのほか に実際に患者が活用できるような状況まで、何て言いますか、使いやすい状況。 ○秋山座長  実現するというようなことですか。 ○栗山委員  はい。実現するというか、研究だけではなくて研究から。 ○秋山座長  もう1歩進んでということですか。 ○栗山委員  はい。ただそれはちょっと悩んでいるところなのですけれども、情報提供の部分にか かるのかなと思っていて、ここで言うのが適切かどうかわからないのですけれども、こ れが研究だけにかかっていると、という意味で申し上げさせさせていただきます。 ○秋山座長  わかりました。研究だけではなくて実際に応用というか実現して患者さんが使えるよ うにという、そういうことですね。 ○栗山委員  それで、自己管理が可能なようにサポート体制を作るということを書いていただきた かったのですけれども。 ○秋山座長  それはどこかにありませんでしたっけ。 ○栗山委員  その後でありましたか。 ○疾病対策課長  まさに今お話があったようなことを書いたことなのですけれども。やはり患者さん、 家族が。あとは「等」の中には当然のことながら患者団体の方々も、たくさん幅広なの で、したがって(2)のところで国と地方公共団体、そういったところでもう少し横の 支える母体というものをよく書いたと。 ○栗山委員  はい、わかりました。ありがとうございました。 ○秋山座長  この項目は基本的方向性ということでありますので、具体的なところでまたさらに述 べていくということになると思います。  ではこの13ページに関しましてはほかに御意見、丸井委員どうぞ。 ○丸井委員  今の部分ですけれども、栗山委員の御希望はおそらく私風に言うと、例えばこの2行 目の終わりから「このため」の後に例えば、そのセンテンスの一番最後の「アレルギー 疾患の自己管理が可能となるようにするために身近なかかり医をはじめとした」云々と いうのがずっとあって、「客観的に評価する等」が「必要である」というふうな構成に なるとはっきりするのではないかと思います。  つまり、こういう条件があって自己管理が可能となる必要があるというのではなく、 自己管理ができるようにするためにこういうような支援体制を作る必要があるという話 なのではないかと思いますが、いかがですか。 ○栗山委員  はい、ありがとうございます。そういうふうに書いていただいた方がわかりやすいと 思いました。 ○秋山座長  おそらく思っている方向は同じだと思いますが、書き方をもう少しわかりやすいとい いますか、皆さんが合意を得られる方向でまたそれも事務局でお願いします。 ○丸井委員  それともう1つ、この1つのセンテンスの中に先ほどちょっとお話にありました、 「医療関係者等」があり、「医療情報等」があり、「客観的に評価する等により」とい う「等」がずっとたくさん出てくるのですが、この「等」というのが個々の場合に、例 えばこれ患者団体等が入るのだとか、入らないのかとか、そういう「等」を使うことに よってある意味で内容としての一種正確さは広がるのですけれども、具体的な内容につ いて非常にわかりにくくなる、あるいは読み方によって判断の幅が非常に大きくなって きて、それがどこかで「等」の範囲というのがわかるようにしておかないと本来はメッ セージとして非常にあいまいな、結局あいまいなものになってしまうように思いますけ れども、このあたりは官公庁の文書の作り方としてこうであるということはわかります けれども、どこに向けた報告書にするかによってそのあたりはきちんと「等」の幅を明 示する必要もあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○疾病対策課長  科学技術の場合はやはりいろいろ変わってくるので、そのコミュニケーション手段 が、これはここについての基本的方向というのはここ5年間ぐらい考えますとがらっと 変わる可能性もあるので、ちょっと幅を持たせて書かせていただいたということで、な かなか定義づけをするというのが難しい。  ただ、「医療情報等」というのは、ここだけは次に出てきます相談体制というところ にあたろうかと思っています。ただ、「客観的に評価する等」というようなところと か、それから「医療関係者等」というのはなかなかここは難しかったと。何かいいお知 恵があればと。  こういう支える方々はいろいろ多様性があってよいと思いまして、そういったことで こういうような書き方あるいは「評価する等」のこの「評価」は、ほかにいろいろな自 己管理が可能となるような手法というのがほかに出てくる可能性があるのではないかと いうことで、このような書き方になったということです。 ○秋山座長  ということでありますけれども、「等」というのは確かに便利なあれなのですけれど も、ただこの後半の具体的な方策でかなり具体的なことが指摘されていますので、それ からまた最後の方にも多分出てきますけれども、見直しを行っていった段階で「等」の 中身がまた少し変わっていくということがあるので、少しある意味幅を持たせるという のも必要なのかなという気も私はしています。ただ具体的なというところでそれなりの 縛りというかが出てくるのではないかと思いますが。  ほかにございますでしょうか。もしこの基本的方向性につきまして、ではこれでいい ということであれば次のアレルギー対策の具体的方策、これがより実際的なものであり ますけれども、この具体的な方策につきましては14ページから最後まで行くわけです が、その中の1つ1つをやっていかなければいけないのですね。  まず医療の提供という、その前に総論的なところで14ページに、「今後5年(平成22 年度まで)を目途に重点的に取組む具体的方策は以下の通りである」ということで、ま たこれも括弧づけで書いていますけれども、これも特に囲む必要はないのだろうと思い ます、(今後の方向性)ということで書かれていますが、「1.(1)を実現するため に」、1.(1)というのは先ほどありました今後のアレルギー対策の目標ということ だと思いますが、これを実現するために、以下の取組を国は推進する必要があるという ことで医療の提供、医療情報・相談体制、研究開発の推進、情報収集体制の整備、それ から各疾患ごとの重点項目等が述べられています。  網掛けの部分としましては、医療の提供と情報提供・相談体制につきましては前回と やや変更点があるということでありますが、まずこの14ページの内容につきまして御意 見等ございますでしょうか。  特にもし具体的になければ、次の(1)からの中で具体的なところが出てきておりま すので、そのところでまた述べていただいて、必要に応じてまた14ページに戻るという ようにしたいと思います。  では15ページからの(1)医療の提供という点でありますけれども、これにつきまし て(1)としましてかかりつけ医を中心とした医療体制の確立、16ページ(2)として人材育 成、(3)としまして専門情報の提供というのが出されております。  網掛けの部分として(1)のかかりつけ医をを中心とした医療体制の確立につきまして と、それから「喘息死ゼロ」を目指しというところですか。まずこのかかりつけ医をを 中心とした医療体制の確立ということにつきまして御意見等ございますでしょうか。  はい、栗山委員どうぞ。 ○栗山委員  ここの場合のかかりつけ医というのはアレルギーの専門医ということではないと思う のですね。10万人に1.6人しかいないわけですから。  そうなった場合にちょっとこの本文からははずれるのですけれども、2日か3日前 に、新聞報道しか読んでいないのであまり確かなことは申し上げられないので間違いが あったら直していただきたいのですけれども、歯科の治療に行ったお子さんが麻酔のア ナフィラキシーショックによって意識を失って、そのことに気がつかなかった歯科医師 がそのまま治療した結果、そのお子さんが亡くなられたという事故があったと思いま す、2年か3年ぐらい前に。ところがその判決は、一般医であればそれは仕方がないと いう、要するに責任は問わないという問題だったように思います。  それと同じ日の同じ新聞に、かかりつけ医、これからはかかりつけ医、ここで使われ ているかかりつけ医と同じかどうかわかりませんけれども、かかりつけ医を持ってまず はそこで診療してもらおう、のようなことが書いてあったのですけれども、一般開業医 において麻酔によるアナフィラキシーショックがそのレベルであれば仕方がないという 範囲であって、かかりつけ医を中心とした医療体制というのは、あまりにも私たちにと ってはつらい現状です。  国民の3分の1の方には何らかのアレルギーがあるといわれつつ、麻酔によるアナフ ィラキシーショックは避けがたいのは仕方がないことであるという中で、この体制が実 現されるのはとてもつらいことなので、ぜひ医師会とか学会とかの皆さんの御協力のも とに、かかりつけ医がアレルギーにおける麻酔とか造影剤の危険について十分に御理解 いただける体制をぜひ作っていただいてのお話にしていただきたいと思います。 ○橋本委員  それは「かかりつけ医」という言葉に対する誤解があるのだと思います。  「かかりつけ医」というのは診療科の名称ではないのです。「かかりつけ医」という のは臨床医の機能を言っているわけです。ですから「かかりつけ医」というものの臨床 能力を高めることは努力しなければいけません。「かかりつけ医」というのは何でもか んでも診られるというふうに誤解されては困るわけでして、どんな病気に対しても普段 相談できるということが基本的なスタンスです。勿論、自分の専門領域に対してはしっ かり診療できる、自分の専門領域でなかったらそれを専門家に送ると、これが「かかり つけ医」のファンクション、機能なのです。  ですから、「かかりつけ医」が何でもかんでも診られるかどうか心配だということは 誤解です。何でもかんでも診られるものではということを申し上げておきます。 ○栗山委員  かかりつけ医が何でもかんでも診られるというふうに申し上げているつもりはござい ません。ただ、かかりつけ医というのが臨床医の機能でしかなくて、「機能」とおっし ゃいましたよね。臨床というようなことというのはどこかでは定義されているのかもし れないのですけれども、一般の私たちの中ではなかなか理解するのが難しい問題である と思います。  それから、10万人に1.6人しかアレルギーの専門医がいない中で、かかりつけ医という のをどういうふうに選べばいいのかという問題もあると思います。ですからこれが悪い と言っていることではなくて、こういう体制は大事だと思いますけれども現実には10万 人に1人しかいない、いわゆるアレルギーの専門医という人たちを私たちが集中して診 ていただけるわけにはいかないので、いろいろなところでそういう機能を十分に果たせ るような方々を育成していっていただきたい、そういう方をかかりつけ医というふうに 育てていっていただきたいと思っておりますということなのです。 ○橋本委員  今ここで「かかりつけ医」の定義をする気はございません。ある特殊な状態の患者さ んに対しては適切な相談指導ができるようでなければいけない。それはやはりかかりつ け医の1つの機能です。  ですから、そういうふうに「かかりつけ医」というものを御理解いただきたいと思い ます。 ○疾病対策課長  今の御発言については、座長も後ほど進められると思いますが16ページの人材育成、 アレルギー疾患診療に精通したかかりつけ医の育成、先ほどの15ページもそのような言 葉を使っておりまして、これについては国の1つの業務として、関係団体と連携して診 療ガイドラインがありますのでその普及に努めるということと、あわせて医学教育と臨 床研修においても必要な措置が講じられていると、日本医師会においても生涯教育の中 でアレルギー疾患についての教育を充実していくということでありますので、したがっ て栗山委員のお話というのはこういうようなことで対応できるのではないかということ であります。 ○栗山委員  そうですね。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 ○秋山座長  はい。ほかに御意見ございませんか。  それでは今のかかりつけ医を中心とした医療体制の確立という点につきましてはこの くらいにしまして、次の(2)の人材育成は関山課長の方からも既に御発言がありました けれども、人材育成の中にアレルギー疾患診療に精通したかかりつけ医の育成というの が大きな項目としてあります。  そしてその次17ページには、アレルギー専門の医師の育成。保健師、看護師、薬剤師 及び管理栄養士等においても、というコメディカルの方々の育成といいますか、そうい うようなことについて述べられておりますけれども、このへんのことにつきまして御意 見ございますか。  はい。山本委員どうぞ。 ○山本委員  先ほど申し上げたようにここのところに今後の方向性として専門栄養士、専門管理栄 養士というのが先ほどの前の部分を受けてここに入ってくるといいのかなと思っていま すが。 ○秋山座長  そのほかにございますか。はい、橋本委員どうぞ。 ○橋本委員  人材育成のパラグラフの2つ目ですけれども、この卒前教育、モデル・コア・カリキ ュラムが「アレルギー疾患の特徴とその発症を概説できる」というだけでは卒前教育の アレルギー疾患への理解が少し足らないのではないかと思うのです。  つまり発症のメカニズムだけを理解するのではだめで、診断と治療ということも卒前 学部教育の医学生は十分理解しておく必要があります。もしこれが文科省のコア・カリ キュラムがそうであるならば、国のアレルギー対策会議では卒前教育のコア・カリキュ ラムの中に、アレルギーに対する発症、診断、治療こういったものを理解するようにし てほしいというようなことを入れておいた方がいいのではないかと思います。文科省の 方に言っておくべきだということが1つでございます。  それからもう一つ、臨床研修の方ですけれども、新医師臨床研修制度、大変立派な経 験目標を作ったのですが、アレルギー疾患は取り上げられております。しかし経験目標 で1疾患というのはおかしい。アレルギー疾患というのはその中に喘息や花粉症などい ろいろあるわけですから、そういったコモンディジーズとしてのアレルギーの各種疾患 を研修医がちゃんと経験目標でもって体験しなければいけないということを明確に書い た方がよいと思います。 ○秋山座長  はい、ありがとうございました。文科省のコア・カリキュラムについては再確認して いただいて、もしなければ実際に先ほども研究だけではなくてということもあったわけ ですので、診断治療実際面での当然のことながらやはり勉強していただきたいというの はあると思いますので、もしなければこの検討会としてはぜひそういうこともというこ とで加えておくべきだと私も思います。  ほかにございますでしょうか。島崎委員どうぞ。 ○島崎委員  この人材育成の中の実際の今橋本先生がおっしゃったようなことと関連すると思うの ですが、プライマリケアの基本的診療能力と、それから喘息死の多くはやはりACL S、二次救命処置に非常に深くかかわっているのです。それができずに一般病院へ運ば れたりして亡くなられて、その一部の人が救命センターへ来るわけで、全部が全部救命 センターにたどり着くわけではないのですね。  その喘息死のほとんどがおそらく現場なりあるいは救命センターにたどり着く前の医 療機関等で亡くなられていることが多いので、それが卒後臨床研修とも絡んでくるので すけれども、何かそういう蘇生術を含むそのプライマリケアの基本的診療能力と、それ からアナフィラキシー等の蘇生にかかわるそういう基本的なものの正しい云々というも うちょっと言葉を足していただいてお願いしたいなと思いますけれども。 ○秋山座長  今島崎先生がおっしゃいましたように、いわゆるアレルギー疾患の救命救急というか 急性発作等の場合の対応についての能力をつけてもらうというようなことに関してもう 少し文言を入れてということですね。 ○島崎委員  おそらく先ほどおっしゃったアレルギー疾患の特徴とその発症が行き着くところがそ ういうアナフィラキシーの死に至るというような、そのへんのところも含めたコア・カ リキュラムになっているのかちょっと心配なのですけれどもね。 ○橋本委員  全くおっしゃるとおりだと思います。臨床研修では、コモンディジーズとしてのアレ ルギー疾患しか取り上げられていないのですね。新医師臨床研修制度は必修科目の中に 救急が入っているわけですから、そこには絶対その問題を書いておいた方がいいと思い ます。 ○島崎委員  慢性疾患としての喘息と、それが行き着いた先のところまで、これはおそらく幅広い 報告書だと思うので、そのこともぜひ入れて。 ○秋山座長  確かにアナフィラキシー等につきましてはまさにアレルギー疾患のある意味では1つ の特徴でもあるわけですので、そのへんのところについてぜひ文言として加えておくと いうことで事務局の方よろしくお願いいたします。 ○島崎委員  アナフィラキシーの超急性期のものとそれから喘息の最終段階に来た蘇生を含む両方 を、要するにACLSを含むそういう蘇生法の救急処置がこの中に書き込まれて。 ○秋山座長  これらについても研修としてということですね。はい。ではそのへんをまた最終案の ところで検討というか加えたいというふうに考えます。  ほかにございますか。それでは時間の関係もありますのでこの人材育成を終わりまし て、続きまして17ページ、情報提供、専門情報の提供ですが、これとあとさらにその次 の(2)の情報提供・相談体制の中にやや含まれる面もあると思いますが、患者自己管 理手法の習得、それから18ページの情報提供体制の確保。それから19ページの(3)相談 体制の確保、このあたりにつきまして、このへんもかなり重要なところだと思いますけ れども御意見等ございますでしょうか。  網掛けで新たに加わったところに関しましては、その17ページの(2)の直後にあり ますものと、あと19ページの(2)の後半の部分ですね。地方公共団体それから専門医の 名称、広告云々についてというようなこと、それから19ページの最後から相談体制の確 保の点についての具体的なことが書いてあります。  御意見いかがでしょうか。特になければ後で。ここの具体的な方策等に関しましては 後ほどの指針のところでも少しだぶって出てくると思いますので、そこでまた少しあげ ていただいても結構だと思います。  それでは続きまして3番目の、研究開発及び医薬品開発の推進というところでありま すけれども、その中に(1)としましては効果的かつ効率的な研究推進体制の構築という ことと、研究目標の明確化、その中で平成22年までのいわゆる当面達成すべき研究分野 というのと、それから長期的目標を持って達成すべき研究分野ということに分けまし て、当面の目標と長期的展望ということがあります。  そしてあとその他、それから医薬品の開発促進等というようなことが示されておりま すけれども、何か御意見等ございましたら。  丸井委員どうぞ。 ○丸井委員  これもやや表現上の問題で申し訳ありません、21ページの上の最初の○のところで管 理手法の確立のところですが、これが非常にわかりにくいので、なぜわかりにくいかと いうと、「国においては、これこれを最優先の目標とし、そしてこれこれと連携してま たこれを目標になんとかかんとか」と行くので、もし言い切ってよいのであれば、「国 においては、手法の確立を最優先の目標とする。そのため、関係学会等と連携し」云々 というふうにしていただくと、何を最優先としてそのための方法として何をするのかと いうことを分けた方がはっきりするのではないかと思います。  それから、最後そこの同じ部分の下3行「これら研究成果はかかりつけ医等にその技 術の普及を図り、患者がアレルギーの原因物質云々これこれ管理することを国は目指す 」、これもよくわからないので、どれが主語なのかわからないので、これもできれば 「国は」というところから始めて、もう少し整理するときちんとするのではないかとい うふうに思います。 ○秋山座長  ということでありますので、文章をもう一度また推敲していただいて、よりわかりや すい文章にということでしていきたいと思います。これはまたそれでは座長と事務局の 方に一任いただきたいと思います。  ほかにございますか。丸井先生どうぞ。 ○丸井委員  もう1つ。研究の1つとしてここの中で入っていると言えば入っているのですが、ア レルギー疾患としてさまざまな花粉症とか喘息とか食物アレルギーとかそういったも の、個別の疾患があるのですけれども、その間の関係をきちんと研究するというのがか なり必要なのではないかと思うのですが、それを必ずしも明示しなければいけないとい うわけではないのですけれども、どうしても縦割りで研究が進むので、その間の例えば 最近食物アレルギーの表示でバナナを入れましたが、バナナのアレルギーは花粉症のア レルギーとかなりクロスしている、あるいはラテックスのアレルギーと非常に交差反応 性が高いというようなことも最近聞いておりまして、おそらく各種個別のアレルギー疾 患の間の関係というのは一体どうなっているのかということを何らかの形で明らかにす るような研究というのが現在の体制では比較的難しいと思うのです。  だからこそ、何らかの形で個別疾患の間の関係を明らかにしたいというようなそうい う研究があってもいいのではないかと思うのですが、これは報告書に入れるか入れない か、あるいはちょっとお考えいただければと思います。 ○秋山座長  確かに最近の厚生労働科学研究の課題名は、かなりそういう横断的な見方の課題が出 てきていると思いますけれども、ただ実際の研究そのものはどうしても縦割りというと おかしいのですがそういうような面がありますので、文言として入れるかということに ついては、特にここの検討会でそういうのが問題になったということでは入れておくこ と自体は問題ないでしょう。 ○疾病対策課長  全然問題がないのですが、ただし私どもが御議論していただきたいのは、要するに着 実に進めていく、その研究も流行にとらわれることなく着実に進めていくようなお話に なるような課題なのかということであるならばそういうふうに入れておいていただく必 要もあるのだと思います。相互の疾患の関連についての病状発現についてということ で、それが重要であるならば、それは1つのテーマになるのだと思います。 ○丸井委員  いずれにしても、短期的というよりはやや長期的な、中期長期的な研究にはなると思 うのですが、アレルギーそれぞれの分野の御専門の先生の御意見をぜひお聞かせいただ きたいなと思ったものですから。 ○秋山座長  はい。前回以前にも岡本先生等から鼻アレルギーと喘息との関係とか、あるいは小児 科のアレルギーマーチとかそういうようなことで、それはかなり広く認識されているこ とではあるわけですけれども、課題名としてはですからダイレクトに出すのか、あるい はその課題を設定する場合にそういうのを考慮した課題名にするかということだと思い ますので。何か。  はい、島崎先生。 ○島崎委員  21ページの1番上の自己管理手法の確立がもし国の第一目標だと、まずさしあたって これを最優先で行うということだと、その次の最優先研究目標と、私そのへんのところ は専門ではないのでわからないのですけれども、これとの整合性がちょっと四角の中と 上の最優先の目標とが合わないような気がするのですが。むしろその下の○の「自宅で 治療可能な減感作」云々がこの中に入って一番上に持ってくれば全体が何かなるのかな という気もしますので、ちょっとそのへんも検討していただければというふうに思いま す。 ○秋山座長  このへんの点につきましては、はい。 ○疾病対策課長  これについては、今まで御議論していただいていたのですが、この自宅で云々○を (4)にして、最優先研究目標の中に入れてしまうと。 ○島崎委員  そうですね。 ○疾病対策課長  その閉じ方で。 ○島崎委員  上の方が全体の主題になってしまいますと、むしろこっちの方がそれの従になってし まうので、むしろそうですね(4)とか、そういう格好にした方がいいですね。 ○疾病対策課長  はい、わかりました。 ○秋山座長  ただ、岡本先生、舌下減感作療法が自己管理法という範疇のものかどうかというのは ちょっと。 ○岡本委員  そうですね。舌下減感作療法は自宅でおこなうといっても、あくまで医師の指導、管 理のもとにおこなわれている治療ですし、いわゆる自己管理法とは異なります。 ○島崎委員  そうですか。ではこれは○自宅の云々、減感作は別にして、今おっしゃったような (4)にして上のあれを入れるというのは。 ○疾病対策課長  よろしいですか。ちょっと実はこの治療法の効果を正しく判定するための指標開発と いうのを今回入れたわけなのですが、これは必ずしもアレルギー疾患患者自己管理の手 法の確立だけではなくて、当たり前のごとく必要なので、つけ足して言えばその確立、 また「等」になって何だと丸井先生からおっしゃられるのだと思いますけれども、「等 」というふうにさせていただいてすべて最優先課題あるいは最優先研究目標という名称 で書いていますが、それで整理させていただいた方がすっきりするのかもしれません。  確かにこの舌下減感作療法だけを取ってあるのは、あたかも最優先研究目標でないよ うなイメージを取られると、我々もこれはそういう意識で書いておりましたので、そこ の誤解がされるとまずいかなと思いまして。お話を伺って。 ○秋山座長  はい、ほかにいかがでしょうか。はい、橋本先生。 ○橋本委員  22ページの医薬品の開発促進、ここのところがちょっとさびしいような気がするので すが、先ほどもちょっとも申し上げましたが喘息などのアレルギー疾患の場合には、外 国の治療薬との間で何か問題はないのでしょうか。リウマチの検討会のところでは、M TXが外国と日本で使い方が大分違うと、そのあたり国際的にやはり整合する必要があ るという意見があったのです。私喘息は専門ではないのでわからないのですが、国際的 な問題と我が国の問題との対比など書かれなくていいのですか。 ○秋山座長  例えばですね、減感作療法なんかで使用可能なアレルゲンというのは外国に比べて日 本で非常に少ないと。そういうのに対して実際にアレルギー学会の方でもそれを広げる ようにということとかということは言われておりますし、あと、現在はおおむね海外で 使える薬剤は日本でも使えるというふうになってはきておりますけれども、使用量等は もちろん少しは違いますが、何かほかのアレルギー疾患で、横田先生あるいは岡本先 生、我が国で海外との比較で何か問題となるようなものは。 ○岡本委員  やはり減感作ですね。 ○秋山座長  ですかね。 ○橋本委員  「国は適切な外国のデータがあればそれらも活用しつつ」という言い方は何となく遠 慮した消極的な言い方のように思えます。  それからもう1つ、開発ではございませんが、喘息の場合のステロイドの使い方とい うのは我が国では外国と比べて大分違った印象を持ってなんとなく恐れている部分もあ る。こういったようなことについてはどこかでそういうことは触れなくてもよろしいで すか。 ○秋山座長  これはガイドラインにのっとってやっていただければいいということで、ですからガ イドラインはやはり吸入ステロイドが中心の治療法を示しておりますので、ただそれに なかなかのっとっていただけないというのがひとつ問題があるのだと思いますが。  ですから現在喘息の治療方針ということでは、ガイドラインで海外とのいわゆる整合 性がない面というのは随分なくなってきているというふうに考えられますが。 ○橋本委員  それはガイドラインを徹底するということなのですね。わかりました。 ○秋山座長  ええ。その中でということであると思いますが。  小児科の方では何かございますか。 ○横田委員  アレルギーの問題は基本的にはやはり先ほどからの、診断薬の問題が一番大きいかと 思います。小児期医療の治療にベクロメタゾン、ステロイドがようやく入り始めたのが 今度のガイドラインに集約されたのだろうと思います。  ただ、これまでずっとテオフィリン製剤がずっと来ていたものですから、それをどう いうふうに今後少なくして、ステロイドを中心にやっていくかという問題がまだ残され ていて、それをこの中にも書いてありますようにガイドラインの改訂という方向でもの が図られていくのだろうなというふうに思います。 ○秋山座長  あとはここの中にあります「治験環境の整備」という、これはあまり具体的なことは 書けないからこういうことになるのと思いますけれども、現在のこのアレルギー疾患に 限らずだと思いますが、ほかの疾患でも我が国における治験の環境というのは非常に問 題があるというのは皆さん理解されていると思いますけれども、これ以上はちょっと書 けないということなのですか。 ○横田委員  私はむしろよく書いてくださったなと今思っていますけど。むしろここは医療をやる 側がどういうふうに構築して、それをおそらく厚労省が今後対応してくれるかという問 題だろうと思っています。 ○秋山座長  ほかにございますでしょうか。  では時間も予定より少し過ぎましたので、この報告書に関しましてはまた後ほどこれ から検討していただきます指針、指針というのは基本的には報告書の対策について抜粋 した、方向性等について抜粋したものでありますので、その中でまたこちらの方に戻っ て御議論いただくということになると思います。  では続きまして、この対策検討委員会におきまして最終的に我が国におけるアレルギ ー対策の総合的かつ体系的な推進を図るために今後進めていくべき取組みの方向性を示 すということで、アレルギー対策指針というこの資料の3になりますが、それを作成す るということで、これを親委員会でありますリウマチ・アレルギー対策委員会に提出す ることになっております。  そこで、この対策指針につきまして皆様に御議論いただいて、当然これ報告書の内容 が示すのを抜粋といいますか示されておりますので、また報告書にも戻りながら御検討 いただきたいと思いますが、まず内容につきまして事務局の方から説明させていただき たいと思います。 ○事務局  それでは事務局より資料3「アレルギー疾患対策指針(案)」について御説明申し上 げます。  先ほど座長より御説明ありましたとおり、こちらは「アレルギー対策検討会報告書 (案)」の今後のアレルギー対策についてのところを要約したような形になっておりま す。  「第一 趣旨」のところで、これまでのアレルギー対策に関する取組みについて等を 記載し、本指針は、このような認識の下、国、地方公共団体、医療関係者等における今 後の新たな取組の方向性を示すことにより、我が国におけるアレルギー対策の総合的か つ体系的な推進を図ることを目的として策定するものであるというふうに目的を記して おります。  「第二 アレルギー対策の基本的方向性」というところは、アレルギー対策検討会報 告書案の中でも記載されておりましたアレルギー対策の基本的方向性に関して記載して おります。  ページをおめくりいただきまして「第三 医療の提供」のところでございますが、 1、かかりつけ医を中心とした医療体制の確立、2、人材育成、3、専門情報の提供に ついて抜粋し記載しているところでございます。  「第四 情報提供・相談体制」に関しましても、1、患者自己管理手法の普及、2、 情報提供体制の確保、3、相談体制の確保について今後のアレルギー対策のところに記 載されておりますことを抜粋しております。  「第五 研究開発及び医薬品の推進」に関しましては、具体的な研究目標等について は検討会報告書をごらんいただくということでございまして、大まかな方向性について 記載しております。  最後に「第六 施策の評価と指針の見直し」というところでございますが、本指針に ついては、適宜再検討を加え、必要があると認められるときはこれを変更するものとす るとしております。  簡単でございますが以上でございます。 ○秋山座長  はい。ありがとうございました。今事務局の方から御提示いただきましたけれども、 これはまさに今ちょうど御議論いただきましたこの報告書の対策、方向性ですか、のこ とについてまた改めて主要なものにつきまして抜粋して述べてあるということだと思い ますけれども、この対策指針につきましてまた少し前回と今までやってきたこととだぶ るかもしれませんけれども、この項目ごとにまた御意見をまず出していただきたいと思 います。  まず第一の趣旨ということでありますけれども、とにかく各種アレルギー疾患が増加 傾向にあるということからということと、これまで厚生労働省では研究の推進を図って きた、そしてこのアレルギー疾患に対して対策をより戦略的に推進するということが国 において求められていることであるということであります。  そしてこの指針というのが国と、地方公共団体と、さらに医療関係者等という、そう いうところからそれぞれがどういうような役割を果たすべきかということについて、体 系的な総合的体系的な推進を図るということが目的であるということが書かれていると 思いますが、まずこの趣旨につきまして何か御意見等ございますでしょうか。  栗山委員どうぞ。 ○栗山委員  ちょっと教えていただきたいのですけれども、この指針の裏にはこれがあるというこ とは、表に出るというかこれだけが目に触れて、その前の段階のものは目に触れないと いうようなことではない。 ○秋山座長  報告書ということですか。いや、これはちょっとどういう。 ○疾病対策課長  アレルギー対策指針というのが基本的にはこういった基本的な考え方のもとにおいて 施策を展開していくということです。これはあくまでも骨格的なお話で細かいことを書 いてもいろいろと個々の状況によっては変わってきますので、こういうことを書いてお きましょう。  そして報告書についてはさらにこの指針を具体的にどういうふうに展開するのかとい うことで、細かく御議論したものを整理したものであるということで、目に触れやすさ というのはちょっとどちらも同じ程度だと思っているのですけれども、我々はこれがで きあがればホームページにも載せてまいりますし、ただアレルギー疾患対策指針は、こ れは都道府県に対しまして具体的にこういうような施策展開で各地方公共団体で取り組 んでくれというような公文書で出すことも考えておりますので、役所的にはこちらが行 きます。  ただし、具体的にはあわせて地方公共団体においても展開するときはこちらを読まな いと具体的にはできないということで、同程度目に触れていくのだと思います。  それから何も地方公共団体だけではなくて、関係する学会、患者団体の方々にも目に 触れるように周知をしていこうというふうに考えています。 ○栗山委員  ありがとうございました。 ○秋山座長  ほかにいかがでしょうか。趣旨の項目につきまして特にもしないようでしたらその次 の、またアレルギー対策の基本的方向性ということについてですが、先ほどから自己管 理という話が出ていたわけですけれども、またいろいろ議論にもなっている、「身近な かかりつけ医をはじめとした医療関係者等の支援の下」ということが出ておりまして自 己管理を可能にする必要がある。これもまた文言の順序は少し考えなければいけないの かもしれませんけれども、先ほどの報告書の中の総論のところで丸井委員等から出てお りましたわかりやすさということについては少しもう一度推敲していただくということ になると思います。  そしてあとは長期的な視点に立っての研究の推進と、それから重点的な研究の推進と いうようなこと、それからこれらの目標が達成されるために国と地方公共団体、関係団 体等の役割分担あるいは連携が重要であるということが示されております。  ここで見ますと、基本的には、都道府県は、適切な医療体制の確保を図る。さらに市 町村と連携しつつ地域における普及啓発を行う。一方、国は地方公共団体が適切な施策 を進めることができるよう、先進的な研究を実施等の必要な技術的支援を行うというこ とが必要であるというふうに書かれています。  それから、厚生労働省におきましては、患者団体、医師会、アレルギー学会等の関係 団体、関係省庁と連携してアレルギー対策を推進していくということで、特にまず緊急 な課題といいますか、5年間での重点的な課題ということでここに示されております が、花粉症については舌下減感作療法等の、これもまた「等」が入っておりますが、開 発の推進。喘息については、喘息死の減少を目指し、適切な医療体制の確保を図るとい うこと。食物アレルギーについては、患者さん自身が自分の抗原を正しく知って回避で きるような対策を講じること。アトピー性皮膚炎につきましては、QOLの向上を目指 して継続的に医療を受けられる支援をするということと自己管理ということが示されて います。  この喘息に関しては前回の検討会で、特に小児の場合は喘息死というよりもさらにい ろいろな医療自身の問題あるいは環境の問題ということだと思いますが、この適切な医 療体制の確保の中に含まれるというふうに考えていいのかという気もしますけれども、 今のこのアレルギー対策の基本的方向性ということにつきまして御意見ございましたら お願いしたいと思います。 ○池田委員  ちょっとよろしいですか。 ○秋山座長  はい、池田先生どうぞ。 ○池田委員  この1ページ二のところのパラグラフにアレルギー基本的方向性として、下から4行 目ぐらいには「治療法を正しく把握し、生活環境を改善し」等々のことが書いて、それ の具体的な取り組みとして2ページの中ほどよりちょっと下のところに・で示してある と思うのですけれども、「生活環境を改善し」に相当する・というのがどれにあたるの かというとなると、具体的に「生活環境を改善し」という点に関してはあまり具体的な 取り組みがないような印象を受けるのですけれども、どれがどれにあたるのかというの はどうなっているのでしょうか。 ○秋山座長  先生がおっしゃるのは2ページの「このような基本的方向性に沿った」という以下 が、ある意味で具体的な。 ○池田委員  取組む事項としてはということで・で4つ。 ○秋山座長  疾患ごとに書いてありますが、いわゆる環境の改善ということについての項目がここ にはないという。 ○池田委員  ないようですけど。そのへんはいいのでしょうか。 ○秋山座長  これにつきましてはあれですね。 ○池田委員  例えばいわゆる喘息の空気中のアレルゲンを減らすための研究とかそういう方策を考 えるとか、そういったようなことはなくてよろしいのでしょうか。食物アレルギーにつ いては自己管理、患者が抗原について回避できるような対策を講じる、そのための情報 提供をするということなのだと思いますが。 ○秋山座長  これは喘息については喘息死の減少を目指し、適切な医療体制の確保を目指す、環境 整備等については喘息死とも関連するのかもう少し具体的に書くとそういうのが書かれ る、これはかなり総論的に書かれているというふうな理解なのか、そのへんはどうでし ょうかね。はい。 ○疾病対策課長  今おっしゃられた「生活環境」、非常に狭義の意味での生活環境にとらえますと、と らえられたとしてもいずれにしても花粉症それから喘息、食物アレルギー、そういった 患者さん自身の御家庭の生活環境というのは何らかの形で改善していく必要があろうか ということで、ここにはそのものずばりその言葉は書いておりませんが、そういうこと は必要でしょうということであります。  そういった生活環境の改善ということについては、患者自己管理法の手法の普及とか そういったところで4ページ以降、言葉はそのものずばり出てきていませんが、そうい うことで考え方として整理をさせていただいていると。  報告書の方はかなり詳しいところを書かせていただいておりますが、ここの文章です らその生活環境というのをなくしてしまいますと十分意を尽くした文章になり得ないの ではないかと思いまして書いたと、骨子を書かせていただいたというようなことで御理 解をいただければと思っておりますが。 ○池田委員  はい。だから私は1ページのこれはなくせと言っているではなくて、むしろどこか適 当なところにこれをもうちょっと具体化した文言を入れる方が。 ○疾病対策課長  これは具体化というか骨子を書いていますので、もし何か骨格的なものでこういうこ とは書き漏らしてはいけないというお話がありましたら教えていただければと。具体的 にどういうふうに書いたらいいのかというのをお示しいただければ。 ○池田委員  例えば、環境改善に関する情報の提供とか、相談体制のところあたりに将来入ってく るのですかね。  さっきおっしゃった、4ページ目の情報提供の体制の確保の中あたりにでも入れてい ただければいいのかしら。 ○秋山座長  結局先ほども課長からもおっしゃっていましたけれども、指針と報告書が一体となっ てというか、指針の具体例が報告書に表すような格好で報告書で示していくということ なのですかね。 ○疾病対策課長  ちなみに、報告書で言えば情報提供体制の確保ということで、18ページですけれども 生活環境、これは狭義の意味です、生活環境等に関する情報というのを提供しましょ う。そういうことで整理しています。  それ以外にもいろいろな情報提供をしていく必要があろうかと思っております。 ○池田委員  すみません、18ページのどのへん。 ○疾病対策課長  18ページの(2)情報提供体制の確保。アレルギーの下に書いています。 ○池田委員  わかりました。そうですね。わかりました。 ○疾病対策課長  もし何か必要がありましたらば。 ○秋山座長  ほかにはございますか。はい島崎先生。 ○島崎委員  今の発言と関連するかもわからないのですけれども、基本的にアレルギー性鼻炎ある いは花粉症で生活環境を整えるというか、あるいはアレルギーの空中飛散を減少させる ような、医学的というよりもっと生活環境的な面での研究とかはどこかでされているの ですか。 ○疾病対策課長  それはまさにこの前委員から御報告がありましたように、例えば布団を干したときに ぽんぽんとたたくだけではなくて掃除機で吸いとった方がダニとかそういうものがきち んと吸収されるとか、そういう情報がもう既にかなりの面まで研究されていますので、 そういう池田委員を中心とした研究成果というのをアクセスできるような体制作りは必 要だと。 ○島崎委員  生活に直結した、もちろんそういうものも非常に重要だと思うのですけれども、例え ばスギ花粉とかその他、物理的なものを含めた減少させる方策というのはやっておられ ますね。 ○疾病対策課長  はい、やっております。そういった研究をやっております。 ○島崎委員  そのことを先生一部この中へ入れられればと思いますが。 ○池田委員  そうですね。やはり入れていただければと思います。 ○疾病対策課長  これ、ですから報告書ではなくて、まさに骨格的なものを書いておりまして、もしそ れがかなり重要で骨格的なものになり得るならばここで御審議していただいて整理して いただければありがたいと。 ○秋山座長  今はスギ花粉に関しましては総合科学技術会議というのですか、そこで農林省、林野 庁がやっておられるのは花粉の飛ばないスギとか、アレルゲンの少ない花粉を持ったス ギとかいうのが研究がされていると思いますが、それはまだまだかなり先が長いのです が。 ○池田委員  伐採なんかも始まっていますし、ただそれが実際どの程度いつ有効になるかというの は直接この数年とかここに出てくるような5年とかそういうのではもちろんないわけで すけれども、農林水産省でかなり進められているようです。 ○秋山座長  もしかすると報告書の方のどこか情報というか現状のところで何か述べるというのが 1つの方法かもしれませんですね。  ほかにございますでしょうか。では次に進みまして、2ページ目の第三の医療の提供 でまた出てきますが、かかりつけ医を中心とした医療体制の確立、人材育成、それから 専門情報の提供ということで、先ほど議論になったばかりのところですが、ここにつき まして、まずかかりつけ医を中心とした医療体制ということに関しましては、安定期に はアレルギー疾患に精通した身近なかかりつけ医が診療し、重症難治例や著しい増悪時 には専門的な対応が必要であるから医療圏毎にアレルギー診療の専門機能を有している 医療機関が必要であると。  そして、アレルギー疾患が全身臓器に係わる疾患であるので、専門医療機関を支援で きる形で都道府県に1カ所は、集学的な診療体制を有している病院を確保する必要があ るというようなことが示されています。  あと喘息死との関連では、基本的には医療圏単位で、アレルギー専門の医師の確保が なされている救急病院が確保されることが望ましいということが、まずここのかかりつ け医を中心とした医療体制の確立という中に示されております。  これにつきまして、あるいは続きまして人材育成の方にも行きますが、この人材育成 の中には、アレルギー疾患診療に精通したかかりつけ医の育成、それからアレルギー専 門の医師の育成、関係職種の育成ということが示されています。  そして情報提供の方では、専門的な医学情報についての提供体制、それから専門医療 機関等からの相談に対応する体制ということが示されていますが、何か御意見等ござい ますでしょうか。  先ほどかなり突っ込んだ御議論をなされたと思いますけれども、またここで新たにつ け加えておきたいというようなことがありましたら、おっしゃっていただければと思い ます。特にございませんか。はい。  それでは続きまして第四ですが、3ページの一番最後ですが、情報提供・相談体制と いうことで、1としまして患者自己管理手法の普及、2としまして情報提供体制の確 保、そして3番として相談体制の確保ということにつきまして、国それから地方公共団 体から関係団体といいますか、そういうようなことについてそれぞれの役割をここに示 しているというふうに思われますが、何か御意見ございますか。  はい、丸井先生どうぞ。 ○丸井委員  内容ではなくて形ですけれども、指針なのですがここのページは割とわかりやすいの で、ほとんど質問ですけれども、1、2、3とありまして、1患者自己管理手法普及の ところのは「国は」と言って、2の情報提供体制は「国においては」、3番でまた「国 は」なのですけれども、これは全体として「国は」という始まり方と「国においては」 とか「厚生労働省においては」というのと、「国は」と「これにおいては」というのを 使い分けていらっしゃるようなのですが、それは何か込められた意図とか、あるいは実 際の手法が違うというようなことなのかなと思って。  特にこのページは3つの1、2、3で始まり方が違うのが1ページに見えるので、特 に指針なので、何かそのへんのところの違いがあるのかどうか。別に揃えろといってい るのではなくて、何か違いがあるのかどうかというのをちょっと表現上のところでお聞 きしたかったので。 ○秋山座長  行政的には何か意味は。 ○疾病対策課長  特段ないわけですけれども、「においては」というふうにやった場合は「国は」より も強調されるのだろうということになろうかと思います。  ちょうど4ページのところは確かにこれは「国は」の方がよろしいかと思います。他 の機関と対比しながら書いた場合は「国においては」とか、そういうことで整理をさせ ていただいております。  これは確かに文頭「国は」の方がよろしいかと思います。 ○秋山座長  というようなことですので御理解いただけますか。ほかに。情報提供、相談体制につ きまして何かつけ加えること、あるいは何か御意見ございますか。  ではなければ第五ということで、4ページの最後ですが、研究開発及び医薬品開発の 推進ということで、ここで「国は」というような形が出ておりますけれども、重点的に 研究を推進するということ、研究目標を明確にしていくということが示されているの と、医薬品の開発促進についてはとにかく適切に対応する、特に治験環境の整備に努め る。特に小児に係る医薬品についての対応が不十分であるということを認識して、その 推進を図るということが示されておりますが、これについていかがでしょうか。  これは先ほど議論が出たところですけれども、特にございませんか。ではないようで すので、第五に関しましてはこういう状態でいきます。  第六ですけれども、施策の評価と指針の見直しということで、国においては、これは 「国においては」ですね、実施状況についての評価から的確かつ総合的なアレルギー対 策を講じていく。地方公共団体においてもそれぞれの役割分担があるわけですが、そこ についての主要な施策についての政策評価を行うことが望ましいということと、それか らこの指針そのものについて適宜再検討を加えて、必要があると認められるときには、 これを変更するものとするということで見直しを図りながらこの指針を実現を図ってい くということだと思いますが、これにつきまして御意見はございますか。  特にありませんか。ではなければもう一度また指針そのものにつきましてまた総体的 に御意見がございましたら、ここでちょっと出していただきますが。はい。  それでは特にもしなければ、この議題本日アレルギー対策検討会におきましての報告 書とそれから対策の指針、これを今後リウマチ・アレルギー対策委員会ですか、そちら の方に報告書あるいは試案として出しまして、そちらの方でリウマチとの整合性を諮り ながら、最終的な報告書、指針を出していただくということになると思います。  ではそういうことで、ちょうど健康局長田中先生がいらしていますので、田中先生に ごあいさつと言いますか、お願いしたいと思いますが。 ○健康局長  健康局長田中でございます。  アレルギー対策検討会、半年ぐらい御議論いただいたわけでございますけれども、よ うやくこの報告書とそして指針案をおまとめいただきまして大変ありがとうございまし た。秋山座長をはじめ皆様方におかれましては大変お忙しい中いろいろと御助言、御指 導をいただきまして感謝申し上げます。  今座長の方からもございましたけれども、この報告書でございますけれども、厚生科 学審議会の疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会、ここに提出して承認を得る という手順をこれから取ることになります。そして、厚生労働省、「国としましては」 でございますけれども、指針をまとめ、それからできるだけ早くこの御承認をいただく とともに、18年度の予算でこのアレルギー対策検討会でおまとめいただいたものを少し つまみ食いといいますか、前倒しで事業化もしていきたいというふうに考えているとこ ろでございます。また研究費もぜひ充実させていきたいと、この報告書にありますよう な方向で研究費の方も充実させていきたいというふうに考えているところでございま す。  地方公共団体とかあるいは関係の学会とか医師会、関係省庁、皆様方の御協力を得な くてはいけないということでございますけれども、ぜひアレルギー対策の推進をこれか らも一生懸命やっていきたいというように考えておりますので、よろしく御協力をお願 いしたいと思います。  秋山座長はじめ委員の皆様方の御協力によりまして、非常に立派な報告書そして指針 案ができまして本当にありがとうございました。  簡単ですけれども、私のごあいさつに代えさえていただきます。ありがとうございま した。 ○秋山座長  それでは、本日のこの会が最終回でございまして、先ほどから申し上げておりますけ れども、報告書案あるいは対策指針案につきましていろいろ御意見をいただいたことに 関しましては、座長と事務局とに一任いただきまして文言等を直させていただきます。  それで、その過程でまた皆さんの御意見を伺うこともあるかと思いますけれども、そ ういうことでこの最終案を先ほど田中局長からありましたけれども、リウマチ・アレル ギー対策委員会の方にあげさせていただくということになります。  本日が最終回で、非常に私の司会が不手際がいろいろありまして御迷惑をかけました けれども、皆様のいろいろな御意見を伺うことができまして、今後、もちろん厚生労働 省もそうですが、私どももアレルギーにかかわるものとしましてぜひ患者さんが本当に 今後のQOLといいますか、栗山さんからもいろいろお話が出ましたけれども、患者さ んにとって本当に有用な施策になっていくというようなことを期待しております。  本日、それからこれまでの5回の検討会に御協力いただきまして、まことにありがと うございました。どうもありがとうございました。                        ○照会先                         厚生労働省健康局疾病対策課                         tel 03−5253−1111                         担当:中川(内線2359)