05/07/29 第4回リウマチ対策検討会の議事録について             第4回リウマチ対策検討会 議事録                   日時:平成17年7月29日(金)10:00〜11:40                   場所:厚生労働省専用第21会議室 ○事務局  それでは定刻となりましたので、ただいまから第4回リウマチ対策検討会を開会いた します。委員の皆様方には、本日はお忙しいところお集まりいただきましてまことにあ りがとうございます。本日の会議の出席状況ですが、岡谷委員が御都合で欠席されてい ることから、7名の委員に御出席いただいていることを御報告申し上げます。それで は、以降の進行を越智座長にお願いいたします。 ○越智座長  座長をさせていただきます越智でございます。本日もよろしくお願い申し上げます。 議事に入ります前に、事務局より資料の御説明をよろしくお願いいたします。 ○事務局  それでは資料の確認をいたします。まず最初に、座席表、議事次第、委員名簿がござ いまして、資料1「リウマチ・アレルギー対策委員会等について」が2枚。資料2「リ ウマチ対策検討会報告書(案)」が、19ページまでになっております。資料3「リウマ チ対策指針(案)」、こちらが5枚です。以上でございます。資料に漏れ等がございま したらお申しつけください。 ○越智座長  よろしいでしょうか。それでは議事に入らせていただきます。まず、今までこのリウ マチ対策検討会で、配布されております資料を中心にして、報告書についてとりまとめ ということを想定していろんな御議論を続けていただきましたけれども、最後はより広 い見地から施策をとりまとめることが妥当ではないかという考えに及びまして、疾病対 策部会の専門委員会であるリウマチ・アレルギー対策委員会において、アレルギー対策 についての留意を加えながら御議論いただき最後の報告書をとりまとめるということに させていただきたいと思います。  ですから本検討会におきましては、今申しましたリウマチ・アレルギー対策委員会に 提出する報告書案及び指針案の作成ということで御了解いただきたいと思います。特に 御異論ございませんでしょうか。それでは次の議事に入らせていただきます。  前回皆様に御審議いただいた内容を踏まえまして、本日の検討会から委員会へ提出す る「リウマチ対策検討報告書(案)」、資料2でございますが、それについての御議論 をお願い申し上げたいと思います。前回の資料と今回では、いろんな御意見をいただき まして少し変更点がございます。その変更点に関して、まず事務局より資料の説明をお 願い申し上げます。 ○事務局  それでは、事務局より資料を説明申し上げます。資料2でございますが、主な変更点 は薄く網で掛かっている箇所になっております。  まず2ページ目の、研究成果をシンポジウム、パンフレット等によって情報提供して いるということと、「リウマチ・アレルギー相談員養成研修会」を実施しており、「関 節リウマチ診療マニュアル」等の診療ガイドラインを作成し配布しているといった、厚 生労働省の行っている取組について加筆しております。  「地方公共団体の対策の現状」というところで、リウマチ対策については自治事務と して取組まれており、その中で各自治体においての取組の現状について記載されており ます。  「専門医療の現状」のところですが、前回の検討会でも御議論いただきましたとお り、日本リウマチ学会、日本整形外科学会、日本リウマチ財団のそれぞれの認定制度に ついての記載をしております。  ページをおめくりいただきまして4ページに参りますが、「リウマチ医療における問 題」でございます。メトトレキサートに関する記述がございますが、日本の医療と欧米 の医療の比較についても記載すべきではないかという御議論もいただきましたので、記 載しております。  5ページに参ります。「適切なリウマチ診療の可能な医療機関」ということで、(4) でございますけれども、医療機関の立地については地域により様々という記載。  (5)の「リウマチの診療に従事する医師の更なる資質の向上」のところで、診療ガイ ドラインの普及についての記載が変更されております。  「今後のリウマチ対策について」、7ページ以降でございますが、8ページの「かか りつけ医を中心とした医療体制の確立」のところで、リウマチ患者に対する医療体制の ところ、地方公共団体における医療以外のリハビリテーションに関するところで、御議 論いただきまして御意見をいただいたところを加筆しております。  9ページの(2)でございます。「リウマチ診療に精通したかかりつけ医の育成」のと ころで、医学教育のところを詳しく「医学教育モデル・コア・カリキュラム」において 掲げられているということで記載しております。  次に12ページの「(3)相談体制の確保」のところでございます。国の取組を踏まえて 都道府県等で実施されている、もしくは期待されていることについて記載しておりま す。  13ページですけれども、「研究開発及び医薬品の開発の推進」の中の、明確化すべき 研究目標のところでさまざま御意見をいただいておりまして、「関節リウマチ重症化防 止」と、次のページに参りますが、「関節リウマチの予防法と根治的な治療法の確立 」。当面成果を達成すべき研究分野と長期的目標をもって達成すべき研究分野について 御議論いただきましたところで、整理して記載しております。  16ページの「終わりに」のところで、中間報告「今後のリウマチ対策について」、平 成9年8月29日第1回のときに越智座長より参考に御提出いただいている資料について も整合性を考えて記載しているところでございます。事務局からの説明は以上でござい ます。 ○越智座長  ありがとうございました。それでは、少し薄い網掛けですけれども、新たにきょう用 意していただきました資料2報告書案の、主に網掛けの部分がこれで適切であるかお目 通しいただきたいと思います。  最初の部分が国の対策の現状、2ページにございますが、研究成果はシンポジウム、 パンフレット等によって情報提供するということと、ホームページ上に開設して正しい 情報の普及の強化に努めているということが書かれております。  次に、地方公共団体の対策の現状。特に今回の報告書の中ではかなり地方公共団体の 対策ということが盛り込まれておりますが、(2)の文章にも書かれています。2行目で す。「しかしながら、現時点においては、各都道府県で関節リウマチ患者に関する調査 等は行われておらず、患者の実態が十分把握されていない可能性がある。リウマチに関 する相談、普及啓発については一定程度実施されているものの、ほとんどの都道府県に おいては計画的で十分なリウマチ対策は行われていない」という中で、地方公共団体で も取組んでいただきたいという施策を示すものであります。  山中先生、このあたりはよろしいでしょうか。 ○山中委員  ここについては、私が報告書案の意見という形で出させていただきましたけれども、 実際に地方公共団体におけるリウマチ対策となりますと、いわゆる難病対策の一環とし てしか現実は動いておりません。ただ、リウマチの患者さん、あるいは重症化していろ んな障害を持った患者さんがこれから増えていくことを考えると、やはり計画的な対策 をとっていく必要があると思いますので、こういった現状でいいのではないかと思いま す。 ○越智座長  よろしいでしょうか。ずっと見ながら流していきます。「専門医療の現状」。これは 最初のところで整形外科の認定リウマチ医に対しての情報がちゃんと提供されていなか ったので、ここに出ていなかったので、後で戸山委員から整形外科認定リウマチ医の人 数などが報告されてここに記載されているという部分の修正であります。  次の修正点は4ページに入りまして、「リウマチ医療における問題」。この中の網掛 けです。「医療技術等の進歩により、リウマチ治療においてはメトトレキサート等の抗 リウマチ薬の積極的な使用及び生物学的製剤の登場並びに人工関節を中心とする外科的 治療の進歩が図られており、寝たきりリウマチ患者の減少に寄与している。しかしなが ら、日本のリウマチ診療は欧米の水準から著しく遅れているとは言わないまでも、抗リ ウマチ薬の開発や承認の遅れが指摘されているところである」。  これは橋本委員から、海外の状況と日本の診療の状況をどこかで明示した方がいいの ではないかという御意見があって付け加えられたものだと理解しておりますが。 ○橋本委員  確かに前回お願いしたのですが、これを拝見しますと、MTXに特化した、限定した 書き方のように受け取れるのです。国際的状況においてリウマチ薬の開発や承認の遅れ が指摘されるということでしょうけれども、私がお願いしたかったのは、ジェネラルな ことをもう少し付け加えていただきたいと思ったわけです。やはりこの平成17年の時点 で国のリウマチに関する報告書が出されるわけですから、我が国の現状と世界を視野に 入れた状況、これをもう少し書いていただけたらよいのではと思います。グローバルス タンダードに準じて治療できるような医師、これは後の人材育成のことになるかもしれ ませんけれども、もちろん重症化を防ぐということが後で出てきますけれども、もう少 し世界的な視野を入れたリウマチ医療ということを加えていただければと、その辺をお 願いしたかったのですけれども。 ○越智座長  私もさっと読んだ感じは、決して日本のリウマチ医療は欧米に遅れているとは思わな いと。ただ、薬の承認が遅いという部分がありますけれども、これを見て、「水準から 著しく遅れているとは言わないまでも」というのが、何かもう少し前向きといいます か、余り遅れていないと思っているのですが。 ○宮坂委員  これは重症リウマチの定義にもよると思いますが、欧米で言っている重症リウマチは 既存の治療をしても治療抵抗性でどんどん関節破壊が進行していってしまう、ムチラン スに代表されるようなタイプですけれども、日本の重症リウマチというのは実は2通り あって、1つは今申し上げたようなタイプですが、もう一つは初期治療がうまくいかな かったために、あるいはメトトレキサートを中心とするグローバルスタンダードに合致 した治療が十分にできなかったために重症化していってしまう患者さんも少なからずい ると思うんです。  ですから、これはこの間からここでの議論になっていますけれども、どこに標準を合 わせるかですけれども、今越智先生は欧米とそんなに違わないと。一部の人たちの、特 にここにいらっしゃるような方たちの治療はもちろん欧米の水準と変わらないのですけ れども、押しなべて一般水準として見れば、結局メトトレキサートを中心とする抗リウ マチ薬の積極的な使用が十分行っていませんから、そういう意味で重症化する患者さん が日本には少なからずいるというのは事実だと思うんです。だから、そこをむしろ底上 げするようなことをこの対策でうたうことが私は必要ではないかと思うんです。要する に、現状認識の違いだろうと思いますが、現状がうまくいっている、全く欧米と同じだ というならば、寛解導入率もいいはずなんです。しかし、必ずしもそうでもないわけで すから、もう少しそこがきちんと書けてもいいのかなと私は思います。 ○越智座長  遅れていないんじゃないかという意味は、例えば海外に出張されていたとか、いろん な意味で、海外の患者さんが英文の、欧文の紹介状を持ってくることがよくあります ね。その続きを診ている患者さんと話していても、こちらに来てから何か治療内容に対 して不足があるかといえば、余りそれはないように思うんですけれどもね。 ○宮坂委員  欧米で治療された患者さんがこっちへ来た場合ですね。だから、我々のところに来る 限りは、我々は全く同じ方法をとっていますから問題ないのですが、それがほかの日本 の一般的ないわゆるリウマチを診ておられる先生も全く同じにやるかというと、そうで はないために、一部では初期治療がうまくいかなくて重症化してしまう患者さんが、私 は日本には少なからずいると思っているわけです。 ○越智座長  そのあたりをどう表現するかですね。頭から読んで、「水準から著しく遅れていると は言わないまでも」というのも何となく寂しいなという感じがするんですよ。これも突 き詰めて言うものでもないかと思いますが、今橋本先生が、MTXだけではなくもう少 し広い範囲の何かオーバービューがあればいいなという意味で言われましたけれども、 課長いかがですか。この文書の目的からいってどうなのか。どこまで広い範囲のバック グラウンドを書くのかといったところもあると思いますが、もし見解があれば。 ○疾病対策課長  「リウマチ診療」と書いたのは、諸外国の医療制度は除いて、そして医療サービスに ついてだけ着目して水準がどうかと。水準でも、量的なものと質的なものがあるのです が、今宮坂先生はまさに質的な問題でお話しされたということで、その質的な違いはど こにあるのかというところは、まさに先生方の御議論の中で整理していただければと思 っております。  いずれにしても、今回のリウマチ対策についての1つの柱としては、重症化防止策を どうするかというところにねらいがありますので、もし宮坂委員がおっしゃっているよ うな点があるならばそれは記載するとしても、それに対する対策というのは、7ページ 以降にボトムアップするような対策をそれぞれ記載しております。したがって、重症化 に対する初期治療の問題というのを書く必要があるならばそこもお書きいたしますが、 先ほどのそんなに遅れていないよということについては、どの分野で遅れていて、どの 分野で遅れていないのか。したがいまして、重症化が初期治療に問題があるならばそこ を限局的に書かせていただくと。それ以外についてはそうそう外科的な問題にはないと いうことであるならば、その点だけ記載させていただければなと。いずれにしても御議 論で、焦点を当てるとするならば、重症化の初期治療ということで書くということは、 流れとしては素直な流れかもしれません。 ○越智座長  重症化予防という意味では、後半のあたりにかなりしっかり書かれていると思います が。それから、今橋本委員がおっしゃいました少し広い範囲というのも、この中で表現 できる範囲内で少し考えてみるということにさせていただきたいと思います。 ○橋本委員  実際に表現するとなると難しいと思いますが、よろしくお願いいたします。 ○山本委員  要するに、今まで日本の医療の先輩が築いてきたリウマチ対策が決して悪いわけでは ないと思うんですね。ただ、リウマチの分野がものすごく激しい勢いで動いているとき に、そういう意味で言えば日本が初期のスタートダッシュをできない状態だったという ことは間違いないですね。そのために患者さんがこうむる被害というのが、ひょっとし たら10年後か20年後に出るかもしれない。なるべくそうならないようにしようというの が、この委員会の1つの責務かもしれません。  ですからトータルで見れば、決して日本のリウマチ医療は悪いわけではないけれど も、欧米のここ数年のダッシュというか、新しい治療に対する勢いがすごいので、それ が恐らくグローバルスタンダードと言われているところだと思いますが、そういう意味 でのトータルの総合的な力は、ここ数年日本は頑張らなければいけないぞというニュア ンスを何とか盛り込めたらいいなという気がするんです。 ○橋本委員  まさにそのとおりで、そういったことを入れ込んでいただければ、この時点での日本 のリウマチ対策というものが、後の人が読んだときに、あのときは世界の状況を勘案し ながら作成したんだなと思ってくれるのではないかということを申し上げたかったんで す。 ○越智座長  急速に進みだしたリウマチ医療といいますか医学といいますか、それに少し遅れをと っているということですね。ほかによろしいでしょうか。  網掛けのところを見ていきます。5ページの(4)ですが、「適切なリウマチ診療の可 能な医療機関」で、単純な誤字ですけれども、下から2行目「リウマチ認定医」とあり ますが、整形外科の場合には、日本整形外科が認定している「認定リウマチ医」という 学会内の呼び名ですので、「リウマチ認定医」を「認定リウマチ医」にかえておいてい ただきたい。  それから(5)の網掛けは、診療ガイドラインのことについて書いてあります。特に問 題ないかと思いますが。  第1番目の6ページまでのところでお気づきのことがございましたら。西岡先生どう ぞ。 ○西岡委員  さっき課長が言われたことですけれども、要するに最初の初期段階の治療にフォーカ スを置いた方がいいのではないかということですよね。 ○疾病対策課長  そういう議論がなされていますので、まさにそういったところをきちっとやっておけ ば重症化防止対策につながるということですね。 ○西岡委員  というのは、この間のディスカッションにもあったのですけれども、進行したところ では、整形外科の機能再建率というのは日本ではすごく進んでいますから、むしろ最初 の入り口の段階をきちんと整備するということが一番大事だと思います。 ○越智座長  先ほど課長が言っておられた方向をもう少し明示すればいいということですね。 ○西岡委員  僕はそう思います。 ○宮坂委員  (4)のところですが、「適切なリウマチ医療の可能な医療機関」で、日本リウマチ学 会の認定しているリウマチ専門医、日本整形外科学会、そしてリウマチ財団という順番 で書いていますね。最初の2つはこの前から申し上げているように、試験を経た専門 医、要するに内科学会あるいは整形外科学会の上に2階建として乗っているサブスペシ ャリティーの専門医ですね。財団が認定しているリウマチ登録医というのは、もう少し 裾野を広める意味で、別に試験を要求されているわけではないですよね。  ですから、この順番が妥当であって、そうすると3ページのところは逆なんですよ ね。登録医から書かれて、日本リウマチ学会そして日本整形外科学会とありますが、本 来はきちんとしたサブスペシャリティーの本当の専門家が何人いるのか。そして今度は それに準ずる、さらにそれを広げたところでどの程度いるのかというふうに書くのが本 来だと思います。  それからもう一つは、ここで書いたらいいのかいけないのかわかりませんけれども、 今例えば心臓の分野でも、あるいはがんの分野でも、専門医が混乱していますよね。各 学会が勝手に専門医をつくっている。そういうものを統合する必要性というものは、こ れは今後の対策ですから、そういったことも望ましいということをここに入れてもいい のではないかと私自身は思いますけれども。 ○越智座長  もう少し消極的ながら後ろの方にたしか書いていますね。 ○疾病対策課長  3ページについては、年代の経過を追って書いたものであります。それからここの表 題が「専門医療の現状」と書いていますので、先生の御意見として登録医が専門医療な のかという問題意識がおありですと、そこは一般診療の質の向上ということで、先ほど の認定医と整理させていただいておりますので、そういうことで年代順に書かせていた だいていると。(4)は何の意図もなくこういう順序で書いております。ここは特段順番 についての意図はございません。そういったことですので、我々もそんなに深くは考え ていなかったんですけれども。 ○橋本委員  その問題は私も申し上げようと思っていたのですが、9ページに「人材育成」という 項がありますね。10ページにも専門医の問題が出てまいりますので、そこでもう少し具 体的に提言なり何なりまとめていただこうかと思っていますから、そこへ来たら申し上 げようと思っています。 ○越智座長  宮坂先生がおっしゃった後半の部分ですけれども、後ろのこの10ページのあたりに少 し詳しく書いていますから、多分そっちだと思うんです。最初におっしゃった部分は、 今課長からありましたように、(3)の部分はそれがつくられた年代順に書いてあると。 最初は学会がこの登録医制度をつくり、それから財団に渡したんですよという経過を一 応ここで書いてあるということです。決まった経過というなら、これはこれでいいでし ょう。 ○宮坂委員  1つのポリシーで書いておられるなら。ただ、そうだとすれば、後ろも順番をそれに そろえるべきだと思いますけれども。 ○越智座長  後ろの方は先生がおっしゃったような形で、学会がというのと、財団が認定している というもの。順序をどうするか、後でまた検討させていただくということにします。  それから対策の問題点の中で、今の重症リウマチに対する対策の問題。特にメトトレ キサートのことを中心にして、国際的な視野で書くならもう少し追記すべきではないか と。特に欧米で開発が非常に進んだ関係で、少し日本がそこについていけていないとい うのはなぜかというようなことも含めて書いた方がいいということでございます。それ から診療ガイドライン。  次に「研究面の問題」というところに移って、特に後ろに詳しくなりますので、「今 後のリウマチ対策について」を見ていただきます。「(1)今後のリウマチ対策の目 標、(2)国と地方公共団体との適切な役割分担と連携体制の確立」。網掛けとしまし ては、8ページの「2.具体的方策」の中の「(1)かかりつけ医を中心とした医療体制 の確立」。このあたりが網掛けの1つであります。  「リウマチ管理に必要な医療体制」が、かかりつけ医の問題。重症例や著しい増悪時 には専門的対応ということで、専門機能を有している医療機関、いわゆるリウマチセン ターなどの診療支援システムです。「リウマチ患者に対しては」というパラグラフの下 から3行目ですね。「リウマチはほぼ全身の臓器に係る疾患であることから、このよう な専門医療機関等を支援できるよう都道府県に1カ所は集学的な診療体制を有する病院 を確保する必要がある」。それが1つの柱かなと。  それからその次の黒マルですけれども、リウマチの機能障害の回復のためにリハビリ テーションができる環境の確保ということが書いてあります。特に地方公共団体にあっ ては高齢者が寝たきり状態になることを予防するために実施している地域リハビリテー ション推進事業や老人保健法に基づく機能訓練の活用も考慮して、地域におけるリハビ リテーション体制の整備に留意するということを、少し踏み込んで書いていただいてお ります。  あとはこの部分に関しては網掛けがございませんが、次に人材育成のことが書いてあ ります。これは今橋本先生が少しおっしゃりかけていたことがあります。先に「かかり つけ医を中心とした医療体制の確立」は2カ所網掛けがございますが、特に問題はござ いませんでしょうか。  それでは「人材育成」です。人材育成に関しては中抜きのマルの次の黒点で、「診療 ガイドラインに基づく治療を行うことにより、患者のQOLを向上させ、効率的かつ適 切な医療の提供を促進できることから、国においては、日本医師会等医療関係団体や関 係学会等と連携して、診療ガイドラインの普及を図ることで、リウマチ診療に精通した かかりつけ医の育成に努める」。これは問題ないかと思います。  それから、「医学教育においては、全国の医科大学の教育プログラムの指針となる 『医学教育モデル・コア・カリキュラム』において、『関節リウマチの病態生理、症 候、診断、治療とリハビリテーションを説明できる』等の到達目標を掲げており、各大 学においては、これに基づいて教育カリキュラムを策定し、その充実を図ることが必要 」。これも非常にありがたい表現だと思っております。  それから次のページに入りまして10ページですね。 ○橋本委員  9ページの「日本医師会において」というところですが、「医師の生涯教育において 今後ともより一層リウマチに係る教育が充実される」ということはそのとおりですが、 「望ましい」という表現がちょっと引っかかるので、「望みたい」と直せますか。 ○疾病対策課長  はい。 ○橋本委員  つまり医師の生涯教育を昭和62年以来制度化している日本医師会では、ちゃんとした 生涯教育カリキュラムを持っているわけです。その中に明確にRAが入っております。 ですから、これを都道府県医師会、郡市区医師会でRA診療に関して教育するようにと いうことは可能です。ですから、国がぜひそういうことをやってほしいと望む方へ持っ て行ってくださった方がやりやすい。言葉だけの問題ですけれどもね。お願いしたいと 思います。 ○越智座長  貴重な御意見ありがとうございます。 ○宮坂委員  この「人材育成」のところでかかりつけ医ですけれども、さっき西岡先生も初期治療 がすごく重要だと言っていただいたと思いますが、やはり初期治療をきちっとするとい うことをもう少しうたってもいいのかなと。このQOLというのはどうしても患者さん のケアになるわけですけれども、今の治療はケアからキュアを目指す治療にかわってき ているんですね。適切な初期治療をすることでケアではなくキュアに変わっていく、そ の部分をこのかかりつけ医が担うんだということが、もう少しここでうたわれてもいい のかなと思いますけれども。 ○戸山委員  私も宮坂先生と近いのですけれども、「重症リウマチに対する対策」というところに 初期の適切な診断治療というものが入ってしまっていますから、できれば太字にするか 項目を場合によっては1つ設けてそれを明記した方が、よりアピールとしてはいいので はないかという感じがしますが、どうでしょうか。 ○越智座長  この部分をまとめて1つの黒い点にするわけですね。 ○戸山委員  今ですと、重症化防止策の中に初期に診断治療というところが入っていますけれど も、今までの検討会でも、初期の診断ないし治療は非常に重要であるし、その治療もで きればグローバルスタンダードで持っていくという方向の意見だと思うので、それはち ょっと目立つといいますか、項目を別にして書くのも1つかなと思いますが。 ○山本委員  今戸山先生が言われたのと同じですが、グローバルスタンダードが年々変わってき て、特に欧米では初期関節炎クリニックというか、初期の関節炎を呈している方、リウ マチと診断できるかできないかという方を集中的に診療して、リウマチと診断したら抗 リウマチ薬を投与する。OAを中心としたそれ以外の病気だったらそうしないというこ との重要性がものすごく叫ばれてきて、恐らくそれが正しい方向だと思います。そうい うものまで盛り込むかどうかはちょっと問題としても、戸山先生が言われたように、少 し早期の関節炎、リウマチというだけではなく関節炎の鑑別が重要だということもちょ っと盛り込んでいただくと非常にいいかなと思います。 ○越智座長  もう少し詳しく診療面について1つ項目を設けるということで、3人の先生方から御 指摘いただきましたが、検討課題ということにさせていただきます。ほかにございませ んでしょうか。 ○山中委員  小児のリウマチについては、「人材育成」のところに記載されていますように大変診 療に当たる先生が少ないと聞いております。リウマチ管理に必要な医療体制について都 道府県ごとに1カ所ということで記載しておりますが、小児のような場合は都道府県に 1カ所でも非常に難しいと考えておりまして、例えば東北とかブロック単位で医療を支 援できる施設の体制をつくるとか、そういったことも考慮していただければありがたい と思います。 ○越智座長  今のは、地方での施策の中に、各地方でも小児リウマチに対応できる体制を考えると いうか検討するというか。 ○山中委員  結局都道府県ごとにリウマチに対応できるところを1カ所となっておりますが、成人 のリウマチであれば専門医の数を合わせて何とかできると思いますが、小児については 全国でも30人とか非常に少ない数だとお聞きしております。そうすると、各県単位では なかなか医療の確保は困難だと考えられますので、例えば東北とか関東とかブロック単 位で医師の確保をしてそこで対応していただくという体制も、特に少ない(小児JRA )とかは必要ではないかと思います。少し入れていただくとありがたいと思います。  それとリハビリについてですけれども、確かに初期の治療を進めていって障害をなく すというのがこの指針の目的ではあるのですが、現実的にリハビリが必要な方たち、障 害を持った方たちがいるわけで、ここに例えば地域リハとか老人保健法に基づく機能訓 練の活用ということで入れていただきましたけれども、高齢者の場合は介護保険という 制度の中で、例えば在宅リハビリテーションとか、通所のリハビリテーションというサ ービスも受けられます。むしろそっちの方が地域リハとか老人保健事業の機能訓練より も量的にはいろんなサービスを提供できると思いますので、介護保険のサービスの活用 もこの中に盛り込んでいただけるといいのではないかと思いました。 ○越智座長  リハビリとかでほかに御意見ございますか。少し書き直していくという原案ですの で、検討項目として、貴重な御意見としていただいたということにさせていただきま す。 ○山本委員  ついでといったら患者さんに失礼ですが、身障者の認定がリウマチの患者さんにとっ ては非常に不利というか、事故を起こされた方とかの認定に適切な認定項目になってい るので、別にしろということではありませんが、関節リウマチと診断された方は別立て で身障者の認定ができるようなシステムがもしできたらいいなと。なかなか難しいと思 いますけれども、どう盛り込むかですが、もし可能でしたら御検討をお願いしたいので すが。 ○疾病対策課長  今回御議論していただくのは、疾患対策ということでやっていますので、「リウマチ 対策について」と書いてありますけれども、疾患対策を中心に書いてあります。今のよ うな障害者認定の関係については障害者制度との絡みなので、そこは御意見として承る ということで。 ○山本委員  難しいのは重々承知しております。 ○越智座長  ざっと流していきます。「人材育成」ですね。今のかかりつけ医を中心としたという ことでは、その標準的医療を上げようということ。それから生涯教育の場合には「望ま しい」ではなく、実際にされているという修正。それから10ページに移りまして、3行 目からの点ですけれども、「リウマチ学会の専門医と日本整形外科学会のリウマチ認定 医の――認定リウマチ医ですけれども、認定の基準や方法等においては、求められる専 門的な内科的治療法や手術の予後に関する知識等両分野に共通しうる事項に関しては、 統一されることが望ましい」。これそのものではないと思いますけれども、先ほど橋本 先生がおっしゃられていたことにちょっと近い。 ○橋本委員  この4行はまことにそのとおりで、統一されることが望ましいのですが、漠然として いるように見られるわけです。御存じのように専門医が現在我が国では混乱しておりま す。本来専門医というのは、言うまでもなく国民のため、患者のためにあるはずなの に、我が国では専門医は何となく学会のためにあるやになってしまっている。それが混 乱のもとではないかとマスメディアも国民も言うわけです。  そういうことから、日本医師会では日本医学会と一緒に現在の専門医制度のあるべき 姿をもう一度検討し直すということで、高久医学会会長が中心となって行っている最中 でございます。もちろん日本専門医認定制機構というものがあることは十分承知してお りますが、あれがまた外形基準9項目を満たすと広告できるということで余計に混乱を 来したというふうに認識しています。  広告できるというと、医者の方もみんなそれを取ろうとして殺到する。専門医の数が 我が国の医師の数よりも増えてしまったということになってしまった。これではいけな いわけですので、やはりこの4行は、ほかの診療科の専門医制も今後見直されると思わ れるのでそれを参考にしながら、我が国の専門医制に対応してリウマチの専門医制も実 施する、というように入れたらいかがでしょうか。  先ほど宮坂先生がおっしゃったように、認定医というのはリウマチ学会と整形外科学 会だけですが、財団の登録医はここに入らなくていいのでしょうか。ですから、このあ たりのことをもう少し具体的に書いていただきたい。最後の「統一されることが望まし い」というのはもちろんそのとおりですが、ほかの診療科の専門医制も大変混乱してい るわけですから、こういったことを視野に入れながら何かもう少し膨らませていただけ たらと思います。 ○越智座長  もう少し踏み込んで書くということですね。今の専門医の認定機構であるとか、医師 会、医学会などがやっておりますが、その方向性にもう少し沿うような形で踏み込む と。 ○橋本委員  どうなるかわかりませんが、リウマチだけの問題ではないわけです。今、全国的に混 乱を来しておりますので、それがもう少し明確になってきて、そういう事情に対応して いく。リウマチもそうだというようなことだと思います。 ○越智座長  少し検討を加えるということで。はい、どうぞ。 ○西岡委員  今橋本先生がおっしゃられた問題ですけれども、日本医学会長の高久先生と時々話し 合っているのですが、リウマチの専門医制度のあり方も含めてどういう方向性があるの かということはいつも議論するのですが、がんだとかほかの学会と同じようにやはり一 定の方向性がなかなか見出せないというのが現状なので、どういうふうに……。つまり リウマチ専門医だけ逆に走るわけにいかないと思うんですね。ですから、書くといって もこれ以上には、例えば具体的に何を書けばいいですかね。 ○橋本委員  今、がんのお話が出たのですが、御存じのように日本がん治療学会と臨床腫瘍学会と が専門医の旗を掲げました。そうしたら乳がん学会も掲げた。放射線の治療も掲げた。 そうすると、がんの専門医が4つの学会でみんな専門専門と言ってしまう。そこで、今 整合を図っている最中です。それぞれの分野でもそういう混乱が来ているのを調整しよ うとしておりますから、リウマチの場合もそういった調整が必要ではないか。具体的に は、どうしろこうしろということはまだわからないと思いますが、国民が見てわかりや すいリウマチ専門医を目指すことが必要だというスタンスでよろしいのではないかと思 います。  ですから、御存じのようにアメリカのABMSでは、リウマトロジーとして独立して ありますね。そういった形が必要ではないか。内科学会ではない、整形外科学会ではな い、リウマチ学会ではないというようなポリシーを持つ必要があるのではないかという ことです。 ○越智座長  他の領域も含めて今一番問題になっている点だと思いますので、国民にわかりやすい というスタンスで書く。ですから、「統一されることが望ましい」ですけれども、少し 膨らませてわかりやすくということかと思います。ここも「リウマチ認定医」が「認定 リウマチ医」ということ、それから共通事項に関して統一ということになりましたら、 少し具体的に書くとしたら、「内科的治療法」のところは「薬物治療」と書いた方が具 体化するかなとちょっと思いますが。今の問題も含めまして「人材育成」ですね。  次は「診断の質の向上」。これは特に網掛けはございません。「情報提供」に関して も網掛けはございません。  12ページの「(3)相談体制の確保」に網掛けがございます。これも地方自治体に関連 するところですが、このような国の取組を踏まえ、一般的な健康相談等は市町村におい て実施されているということ。体系的なリウマチ相談体制の構築について各地方自治体 でも検討するということ。それから、難病相談・支援センターとの連携についての留 意。「各保健所については、地域医師会等と連携して個々の住民の相談対応のみなら ず、市町村への技術的支援や地域での企業等におけるリウマチ対策の取組への助言等の 支援が期待される」。非常に詳しく具体的に書かれていますが、よろしいでしょうか。 これはもうこれ以上書きようがないのかなと思っております。  次に「研究開発及び医薬品開発の推進」がございます。これもこの前ディスカッショ ンしていただいた内容でかなり付け加えられております。基本的な考え方に関してはこ の前とそれほど変わっておりませんが、網掛けの部分で、13ページ下の枠の中ですね。 それから14ページの枠の中。このあたりが先生方の御意見を伺いながら修正された部分 です。治療効果・重症度の把握。早期リウマチの実態把握。早期における予後の予測。 外科治療法の開発。それから14ページの枠の方には、リウマチの病因・病態に関する研 究。リウマチの先端的治療に関する研究。ということで、少し詳しく書いてあります。 ○宮坂委員  1つよろしいですか。研究面でもう一つ、日本でメトトレキサートを中心とした積極 的な治療をみんながためらう最大の理由というのは、メトトレキサートを使ったときに 起きる骨髄抑制であるとか間質性肺炎に対するリスクマネジメントが必ずしもできな い。それを恐れてつい手を控えてしまうというところがあると思うので、例えば1番目 の「治療効果・重症度を把握するための指標の開発研究」というところに、重症度の後 に例えば「薬剤の有害事象」というのも入れて、どういう症例だったら起きやすい起き にくいということを入れて、薬害の有害事象が起きるか起きないかを把握するための指 標の開発研究という項目をもし入れられれば、そこでリスクマネジメントのことができ ると思いますが、いかがでしょうか。 ○越智座長  薬剤の有害事象に関しての研究の項目を加えると。 ○疾病対策課長  14ページに「医薬品の開発促進等」ということで、2つ目のパラグラフ。「有害事象 を的確に把握できるように医薬品の市販後調査の在り方を検討する必要がある」という ことを書いてありますので、この中に今のを含めて今まで御議論していたものが整理さ れているのかなと私どもは理解していましたが、その点について整理していただけると ありがたいのですが。どういうふうに整理するのか。この中で、有害事象を的確に把握 できるような市販後調査の在り方を検討する、その際、そういう指標を開発しなさいと いうことでここの文章に書くのか。 ○宮坂委員  そうではなしに、やはり重症化を防止するためには、積極的に抗リウマチ薬を初めと する薬剤を使うことが必要で、そのためには同時にリスクマネジメントがちゃんとでき ないと積極的な治療ができませんので、やはりこの研究目標の中に入れないと、後だけ では不十分かなというのが私の意見です。 ○越智座長  それからこの前問題になっておりました、いわゆる短期での有害事象ではなく長期で の有害事象の検討ということに関しては、13ページの(1)の最後になります。(2)の上に なりますが、「病因、病態、治療、予後等の研究を効果的かつ効率的に進める上で重要 で、科学的根拠に基づいた縦断的な定点観測体制等の構築が必要である」。こういう表 現で、長期の経過、例えば発がん性とかを見ることが必要であるという表現がされてい るということです。 ○西岡委員  今課長がおっしゃった件ですけれども、市販後調査での有害事象の把握というのは、 現在、生物学的製剤などの新薬に関してが多いわけですね。ですから、例えばメトトレ キサートとか、アザルフシンとか、ブシラミンとか、幾つかの薬剤が既にマーケットに 出ているわけですけれども、それに関する市販後臨床調査がきちんとクリティカルにや られているかというと必ずしもそうではないので、そういう意味では、14ページの一番 下のところですけれども、「有害事象を的確に把握できるよう医薬品の市販後調査」と いうのは、出た直後の薬だけでなく、全体的な抗リウマチ剤として使われているものに 関してもう一回洗い直してみる必要があるだろうと。  こんなことを言っては何ですが、明らかに効かないだろうと思われる薬が堂々と保険 薬価で通っている。こういう現状もありますから、そういうものを含めた上でデータの 上に立ってリスクマネジメントというならば話はわかるのですが、エビデンスがない、 それを確保する市販後臨床調査の在り方を1つの方向性として目指す必要性がありま す。すなわち有効性、有害事象をきちんと把握するためのデータベースをつくるという 面であったら、僕はそれで十分に網羅できていると思います。  もう1点いいですか。この間も僕は申し上げたのですが、これはどこに入れていただ いたらいいかよくわかりませんが、「その他の必要な研究」でもいいし「評価」でもい いですけれども、どんどんリウマチの医療費が高騰してくる。特に生物学的製剤です ね。レミケードにしろ、エンブレルにしろ、さらにこの後出てくる幾つかの薬剤にし ろ、非常に高い薬剤が患者さんの大きな経済的負担となっているわけですけれども、そ このところを、実際にそれを使ってみてコストに見合った値があるかどうかという点も 議論しなくてはなりませんね。高額医療に対応する有効性が担保されなければいけない だろう。つまり、この経済効果を十分評価するシステムはぜひともどこかに入れていた だきたいと思いますけれども。 ○越智座長  それが、13ページ(2)の上に書いてある「科学的根拠に基づいた縦断的な定点観測体 制の構築が必要である」では足りないということですか。 ○西岡委員  経済効果といいますか、いわゆるコストベネフィットに関してもう少しクリアにして おかないと、多分何でこんなにリウマチに対して医療費が使われるんだという問題が絶 対に出てくると思いますね。 ○越智座長  本当にそれで治るのだったら高くても意味があるだろうけれども、治らなくて小康行 為的なものだったら余り意味がないのではないかと。そのあたりのエビデンスをつくっ て、それに経済効果とか、いわゆる医療経済とか、そういう観点も含めてというニュア ンスをあらわすということですね。 ○西岡委員  そうですね。例えば具体的に言いますと、1年間で200〜300万円の薬を投与した場合 に、その薬が全く効かなったとする。ということは、これは医療費のむだになるわけで す。ですから、そういうことを含めてやはり投下した医療資本に対して、患者さんがQ OLを改善することによって経済効果が得られるというところは、きちんと独立してど こかに入れていただければより明確になると思います。 ○疾病対策課長  14ページの「リウマチの先端的治療に関する研究」のところに、「各病態に応じた治 療法の確立」とありますが、括弧の中に「その効果や費用対効果分析等」ということで 整理させていただいてよろしいでしょうか。 ○越智座長  研究内容に関して各項目をまたごらんにいただくとして、16ページの最後ですね。 「終わりに」で、変形性関節症についての書き方が網掛けになっております。平成9年 の厚生審議会のリウマチ検討部会の中間報告で、希少疾患から始まってもっとポピュレ ーションの多い変形性関節症。病態的にもかなり共通的な部分が見えてき始めたという 意味で書いておりますが、この下の5行ですね。  「本報告書を契機として、関係者の協力の下リウマチ対策が円滑に実施され、リウマ チに対する的確な予防対策が講じられ、『リウマチゼロ』となる日が来ることを期待す る。また、この取組の成果が『今後のリウマチ対策について』(中間報告)(平成9年 8月29日)において、今後の対策の方向性の中で位置づけられている変形性関節症対策 にも役立つことを期待する」。こういう表現になっております。  またお気づきのことがあれば事務局の方に御連絡いただくということで、次の資料に 移らせていただきます。資料3でございますが、リウマチ対策検討会においては我が国 におけるリウマチ対策の総合的かつ体系的な推進を図るために、今後進めていくべき取 組の方向性を示すリウマチ対策指針の素案ですね。これが資料3になります。これを作 成して、疾病対策部会、リウマチ・アレルギー対策部会に提出する。先ほど申しました 親委員会になりますが、それに出す素案ということで、委員の先生方に御審議いただい て、資料2にある報告書案の後半「今後の方向性について」を事実上整理したものに内 容的にはなっていますが、この素案を作成するということで、事務局の方で用意してい ただいておりますので、まずこれを御説明いただきます。よろしくお願いします。 ○事務局  それでは事務局より御説明申し上げます。資料3でございますけれども、今座長から お話がありましたとおり、こちらの「リウマチ対策指針」は、検討会報告書の案をもと に作成されたものでございます。  第一に「趣旨」とございます。「我が国における関節リウマチの患者数は約60万人と 推計されており、人口構造の高齢化等も影響し、患者数は年々増加する傾向にあるとさ れる」ということで、現状と厚生労働省のこれまでの取組とかについて、大まかに説明 してございます。  「第二、リウマチ対策の基本的方向性」でございますが、これもほぼ「リウマチ対策 検討会報告書(案)」で記載されている基本的な方向性の抜粋でございます。  ページをおめくりいただきまして、2ページ目「第三.医療等の提供」のところは、 「1.かかりつけ医を中心とした医療体制の確立」、「2.人材育成」、「3.診療の 質の向上」という3本柱になってございます。こちらも報告書案のところに記載されて いることの抜粋でございますが、報告書案のところで、前回岡谷委員からの御発言がご ざいました関係職種の育成についても、前回の報告書案では記載されていませんでした が、追記になっております。網掛けになっておりませんで失礼いたしました。こちらに ついても指針案のところで、(3)で盛り込ませていただいております。  「第四.情報提供・相談体制」のところは、「1.患者自己管理手法の普及」、「2 .情報提供体制の確保」、「3.相談体制の確保」ということで記載してございます。  「第五.研究開発及び医薬品開発の推進」については、大まかな方向性のみ記載して おります。  「第六.施策の評価と指針の見直し」ということで、「本指針については適宜再検討 を加え、必要があると認められるときはこれを変更するものとする」としております。 以上簡単ではございますが、説明を終わります。 ○越智座長  ありがとうございました。資料を見てすぐに意見を言えというのもかなり難しいとこ ろがございますが、内容的に見ましたら、検討していただきました「リウマチ対策検討 会報告書」の中の案であります。特にこの対策指針に関しましては、お目通しいただい ておわかりいただきますように、1ページ目の「趣旨」の下3行。「本指針は、このよ うな認識の下、国、地方公共団体、医療関係者等における今後の新たな取組の方向性を 示すことにより、我が国におけるリウマチ対策の総合的かつ体系的な推進を図ることを 目的として策定するものである」と、この指針の目的が書かれています。  第一の「趣旨」に関しましては、検討会報告書の中に書かれたものが少しコンパクト に書かれているというものでございます。  「第二.リウマチ対策の基本的方向性」。これも先ほどのものが大体サマライズされ ているものですが、2ページ目をあけていただきますと、御検討をずっとやっていただ きました検討報告書の内容を少し踏まえながら、「上記におけるリウマチ対策の目標が 達成されるためには、国と地方公共団体、関係団体における役割分担及び連携が重要に なる」ということを明示して、「国と地方公共団体との役割分担に関して、リウマチ特 性及び医療制度の趣旨等を考慮すれば、基本的には都道府県は適切な医療体制の確保を 図るとともに、市町村と連携し、地域における普及啓発を行うことが必要である。一 方、国は地方公共団体が適切な施策を進めることができるよう、先進的な研究を実施す る等の必要な技術的支援を行うことが重要である。このような行政における役割分担の 下、厚生労働省においては、患者団体、日本医師会、日本リウマチ学会等関係団体及び 関係省庁と連携してリウマチ対策を推進していくことが必要である」。これがこの指針 の基本姿勢だと思います。ですから、国、都道府県、市町村などの地方公共団体との関 連について明示しています。  第三の少し上になりますが、この5行ほどですね。「特に現時点では」から始まると ころですが、「リウマチに関する完全な予防法や根治的な治療法が開発されていないた め、当面は関節破壊の進展阻止を目指した重症化防止に重点を置く」。要するに、これ から特に重点を置くのは重症化防止であると。それで、「リウマチ活動期に速やかに寛 解導入を図る医療を提供することによって」と。先ほど宮坂先生がおっしゃっていた部 分がここに明示されていると思いますが、「在宅医療の患者のQOLの向上を図るとと もに、人工関節を中心とする外科的治療の進歩等を踏まえて可能な限り入院患者を減少 させ、または入院しても短期で退院し社会復帰できるよう、適切な入院医療を提供する 」。このあたりが第二の骨子だと思います。  それから「第三.医療等の提供」の1番ですが、「かかりつけ医を中心とした医療体 制の確立」。かかりつけ医を中心としたというのは、これまで何年間か繰り返して言わ れていますし、先ほどの案の中にも明示されているわけですが、この第三の1の下、本 文の3行目ですが、「基本的には医療圏毎にリウマチ診療の専門機能を有している医療 機関が必要。リウマチはほぼ全身の臓器に係る疾患であることから、このような専門医 療機関等を支援できるよう都道府県に1カ所は集学的な診療体制を有している病院を確 保する必要がある」。いわゆる各都道府県にセンター的な施設を確保する必要があると いう表現であります。かかりつけ医を中心としたアクセスのいいかかりつけ医。これが 平成9年の文章にあるのですが、今の段階でもやはりまだ都道府県に1カ所の十分な集 学的診療体制を有している病院が確保できていない県もあるということを踏まえまし て、その必要があるということです。  それから特にリハビリテーションに関して、その後の文章に言及しております。「機 能低下の回復や低下を阻止するために、リウマチのリハビリテーションを行うことがで きる環境の確保」。それから、「併せて難病患者等居宅生活支援事業の活用を図る。そ の際、地方公共団体にあっては、高齢者が寝たきり状態になることを予防するために実 施している地域リハビリテーション推進事業、それから老人保健法に基づく機能訓練と いうものもこのリウマチ対策に活用していく。活用しながら地域におけるリハビリテー ション体制の整備に留意する」。ですからリハビリテーションに対してもかなり具体的 に指針を示しているということかと思います。  「人材育成」ということが次に続きますが、これは、1つは診療ガイドラインという ことであります。それから、(1)の本文の2行目の後ろからになりますが、「国にお いては、日本医師会等医療関係団体や関係学会等と連携して、診療ガイドラインの普及 を図ることで、リウマチ診療に精通したかかりつけ医の育成に努める」。  それから、卒後臨床研修のことですが、「臨床研修を受けている医師は、自らリウマ チについて経験するということが求められる」。卒後臨床研修の間に、リウマチに関し ても患者さんを実際に診なさいよということがここに書かれています。  それから「リウマチ専門の医師の育成」。先ほどもディスカッションがございました が、関連学会におけるリウマチ専門の医師の育成。小児科をどうするかということ。詳 しいことはもう一つの資料2にありますので、ここでは少し簡略にまとめられていると いう意味でこのような表現になっております。  それから3番目、「診療の質の向上」ですね。1つはクリティカルパスの整備という ことが書いてあることと、「リウマチに関する研究成果等を踏まえた専門的な医学情報 については、国は関係学会等と協力して必要な情報提供体制の確保を図る」。それか ら、専門医等からの相談に対応できるように国立病院機構相模原病院臨床研究センター に窓口といいますか、何か問題がありましたときには、医療関係に関して、あるいは研 究関係に関して窓口を設定しておくというのが、「診療の質の向上」ということであり ます。ざっと見ていきます。後で御意見を伺います。  次の「第四.情報提供・相談体制」。「患者自己管理手法の普及」ということで、4 ページをあけていただきますと(1)(2)とあります。都道府県の関係者において は、これからを活用して(1)(2)の取組を行うことが求められる。(1)は、「都 道府県においては、都道府県医師会、関連学会等と連携して研修会を実施する等して、 地域における自己管理手法の普及を図る」。患者さんあるいは家族に対して、そういう 情報を送る。それから(2)が、「市町村においても都道府県等と同様の取組として保 健指導等の場を効果的に活用してリウマチの自己管理手法の普及を図る」。都道府県、 市町村それぞれ同じように自己管理ということに対して研修会などで普及していくよう にというような指針が、自己管理という項目で書かれています。  それから「2.情報提供体制の確保」に関しては、「国においては適宜学会等と連携 してホームページを活用する」。それから、ホームページによっていろいろな情報、診 療情報、研究情報を流すということです。それと下から2行目ですが、「それぞれの地 域医師会等の協力を得ながら、医療機関等の選択に係る情報を住民に対して提供するこ とが望ましい」。各地域で例えばリウマチの患者さんの骨が突然折れたと。どこだった ら受診でき、どこだったら入院できるのだろうかということをかかりつけ医の先生方が 知りたいと思ったときに、どこで情報を得るのかということに関して、この前橋本先生 が、地区の医師会でその方向をとっているということをたしかおっしゃられたというこ ともありまして、そういうことが広がっていくようにという意味で書かれていると思い ます。地区の医師会と連携を得ながら、医療機関等の選択に係る情報を住民に対して提 供する。  それから「3.相談体制の確保」でございますが、これは数年前から疾病対策課で行 っております全国共通の相談員養成研修プログラムを作成しまして、相談員の養成をさ れている。各都道府県から毎年1名ないし2名の、これは保健士の方が主な対象になっ ておりますが、各都道府県で何名かの方が蓄積されているということもありまして、下 から4行目の後ろの方ですが、「保健所においては、地域医師会等と連携し、個々の住 民の相談対応のみならず、市町村への技術的支援や地域での企業等におけるリウマチ対 策の取組への助言等の支援を行うことが望ましい」と書かれております。  それから「研究開発及び医薬品開発の推進」です。これもディスカッションされてき た内容のサマリーですが、平成22年度までに研究成果が得られるように、第一の目標が 重症化防止であるということで、「長期目標を持って達成すべき研究分野を選定し」 と。重症化防止ということでの、長期目標での研究分野を選定していくんだという方向 性。  それから5ページにわたりますが、医薬品の開発促進に対しては、国は適切な外国デ ータがあればそれも活用できるようにと。「優れた医薬品が早く患者の元に届くよう治 験環境の整備に努める」ということであります。  それから最後の「第六.施策の評価と指針の見直し」。「国においては、国及び地方 公共団体が実施する重要な施策の実施状況等について評価し」と。このような指針が出 ても、実際に行われる地方公共団体もあり、行われないところもある。そういうことも 含めまして、実施状態について評価する。「的確かつ総合的なリウマチ対策を講じてい くように努める。地方公共団体においても、主要な施策については政策評価を行うこと が望ましい。本指針については、適宜再検討を加え、必要があると認められたときには これを変更するものとする」というのがリウマチ対策指針素案でございますが、御意見 を伺いたいと思います。宮坂先生どうぞ。 ○宮坂委員  2番目の基本的方向性ですが、もちろんここで言っていることはみんなもっともなこ とですけれども、どうしても感触としてはリウマチのケアの重要性を説いている部分が とても多いと思うんですね。先ほどからも出てきているように、重症化を防止すると同 時に完全寛解あるいはキュアを目指す治療というのは、早期に診断して早期に治療す る。そこが重要であるということを基本的方向性で示す。そして、どうしてもそこのと ころがうまくいかなかった方の場合にはケアに入ってくると思いますが、最初の入り口 の部分がもう少し強調されてもいいのではないかと思います。 ○越智座長  指針の中にもそれを表しておくと。報告書作成の段階で指摘されていて、また書き直 されている部分ですけれども、この趣旨にありますように、どうしても地方公共団体あ るいは地方の医療関係者に関してはケアが中心になっていますけれども、早期診断、早 期治療、キュア。ですから、もう少し人々に対してそういうことを呼びかけ、もう一度 意識を高めることによって予後をよくするという方向で付け加えるべきだということで すね。 ○宮坂委員  それが実はグローバルスタンダードの治療なんだと思います。 ○山本委員  キュアというのはちょっと言葉としては…寛解にはなるけれども今のところは治らな いので、そこのところは指針としては間違えないようにした方がいいと思います。だか ら、「寛解を目指す」とか。 ○橋本委員  繰り返すようですけれども、この対策指針は報告書をサマライズしたものですね。そ うするとまた「人材育成」になるのですが。 ○越智座長  報告書の中で、この「趣旨」にありますように、特に地方公共団体、医療関係者に関 しての方向性を示すということで、最初の報告書の後半部分のサマライズ的なもので す。 ○橋本委員  その「人材育成」の3ページですが、「(2)リウマチ専門の医師の育成」。これが こっちの10ページをサマライズしたものとは違ってしまっているのではないかというこ とが1点。  もう一つは、3ページの「医師の偏在を是正するためにリウマチ専門の医師の育成の 促進」。これはそうですかね。と申しますのは、リウマチ専門の医師の偏在を是正する ことでリウマチの医者をいっぱいつくってしまうことになるのではないでしょうか。む しろ先ほど申しましたように、今日本に必要な専門医の数はどれくらいかということを 検討しているわけですから、そういうことがまず第一です。リウマチ専門の医師の育成 はいいと思いますけれども、医師の偏在是正を図るために専門医をどんどんつくってし まうというふうにとれてしまいそうですが、よろしいでしょうか。 ○疾病対策課長  これは、質の向上は重要でありますが、今までのご議論ですと、東北地方それから一 部の西日本ではリウマチの専門医が不足しているということなので、「偏在」という言 葉を使っていいのかはありますが、そういったところの不足している医師の確保という ことも学会として御尽力いただけないかという御議論を踏まえて整理させていただいた ということです。もし何かよろしい言葉があれば。 ○橋本委員  診療科偏在というのはリウマチに限っていないわけですから、もっと抜本的なものを 見直さなければならない。ですから、ここでリウマチの専門医をどんどんつくってしま っても、やはり東北では足りないということも起こるわけです。もし偏在ということを 言うならば、別の観点で書かなければいけないと思うんです。しかしこのタイトルは 「専門医の医師の育成」ですから、それをもし報告書からサマライズするとすれば、こ こはそういうことを書いていないわけです。 ○疾病対策課長  「偏在」ではなくて「確保」ですか。そういうような……。 ○橋本委員  申し上げたかったのは、報告書をサマライズするのだったら忠実にこちらの9ページ から10ページをこちらに写すことでいいのではないかと思うんです。 ○疾病対策課長  そこを忠実に写してしまうとかなり文章量が多くなって、要するに指針ですから、報 告書で流れる基本的な柱を書かせていただいたと。かなりサマライズするとこういうふ うに濃縮してしまいますので、もう一度御指摘いただいたところも留意しながら整理し たいとは思いますが、濃縮した柱をここに書かせていただければということで御理解い ただきたいと思います。 ○西岡委員  橋本先生のおっしゃることは非常によくわかるんですよ。要するに、リウマチの専門 医は何かというところまで突っ込んでしまわないと、どのくらいの知識があって、専門 医のあり方というものも含めてそこから切り込まないと。例えばかかりつけ医というの は、実際問題としてリウマチ財団の登録医というのがありますし、なるべく財団として はとりあえずリウマチ学会に関するミニマム・リクワイアメントを知識を有する医師を 養成しリウマチ診療のすそ野を拡げ、医師をいこうということで地域格差をなくす。そ れからもう一つは、本当にエキスパートとしての専門医ですね。これは多分従来の専門 医制度審議会等が検討している専門医のあり方だろうと思いますが、そこのところを増 やしてしまっても意味がないだろうと思います。それは非常によくわかるのですが、こ の辺の議論がきちんとされないと、それは書けないのではないでしょうか。 ○橋本委員  先生のおっしゃるとおりだと思うんです。先生のおっしゃる議論はこの報告書に書か れることであって、これをサマライズするということでは、ここで地域偏在ということ が急に出てきているということを言いたいんです。9ページ10ページにはそのことが余 り出ていないわけです。 ○疾病対策課長  言葉としては、報告書の9ページの下から3行目に載せてはいるのですが。それを持 ってきたということです。地域偏在とは何ぞやというところを考えますと、先ほど橋本 先生のおっしゃったような問題意識が出てくるかもしれません。そこは言葉をもう少し 整理したいと思います。 ○越智座長  ほかにいかがでしょうか。全般的に見られてどこからでも御発言いただければと思い ます。西岡先生。 ○西岡委員  リウマチの医療相談といいますか、それを国立相模原病院につくるということです が。総合相談センターとありますが。 ○越智座長  地域での相談というのは、相談員というのが毎年、各都道府県で1名ないし2名育成 されていてそれが相談窓口です。医療的な何か問題点があって、各地区でしたら当然こ の文章の中にありましたような都道府県の支援病院、またその地区で主導的な大学であ るとか基幹施設ですけれども、それでまだ何か問題点があったときの窓口としては、国 の施策として中心と位置づけられている相模原病院を窓口にして、その対応を御相談す るという形です。 ○西岡委員  私達の大学の難治研センターに総合相談センターというのがあります。これは県と市 から補助を受けて保健師1名、事務員1名、それから定期的に医師がそれに応じるとい う体制をとって、年間、難病関連で大体1000くらいの相談があるんです。それを処理す るというのは実は大変なことで、ほとんどが電話でかかってくる。どこの医療機関にか かればいいのかということがすごく多いということと、難病はいろいろありますけれど も、実際問題としてこのような総合相談の窓口の情報センターなりそういうものにアク セスした場合には、僕たちはホームページで公開しているのですが、かなりのマンパワ ーがそれに使われるということです。ですから各県単位で事業をやっているわけですか ら、そこでむしろ幾つかの総合相談窓口みたいなものをつくってしまった方がいいので はないかと思います。 ○疾病対策課長  相模原にそういう相談窓口をどうするかという御議論はあるのですが、ここでお話が 出てきているのは、医療機関からの相談であって患者からの相談ではないということで す。患者の相談はまさに身近なところでやっていただければいいし、こういったより専 門的なことはそうそう出てこないと思っています。身近な都道府県の中の行政サービス 等で対応できるだろう。それでもだめな場合は、厚生労働省でもホームページがありま すので、そういうところでやる。  ちなみに花粉症のときには、窓口とはいうものの、基本的に医療従事者に対しては情 報提供を事前に流しておいて、本当に難しい事案がある場合は、一般開業医の方とかで はなくて専門医療機関から相模原病院の臨床研究センターで受ける。その受け方も、電 話はなかなか難しいのでメールでやる。そういうメール件数も今回の花粉症では10件ぐ らいの状況でありました。かなり診療の方々には通常のメールで情報が行き渡っていま すので、花粉症については事前情報があったので実際のメール件数はそんなになかった ということです。  ただ、今おっしゃられるようなことがあるならば、もう少し議論をしていただければ と思いますが。 ○山中委員  地方公共団体の実情を申し上げますと、やはり患者さんからの相談は、県型の保健所 ですとか、あるいは各県にできている難病相談支援センターにほとんど集中されている と思いますし、中身的には、どういった医療機関に行ったらいいかとか、医療の中身と いうようりは医療機関の選択だとか、あるいは福祉的な施策についての御質問が圧倒的 に多いと思っております。  今回の指針におきましても、例えばどんな医療を受ける必要があるのかといったもの は、恐らく4ページの大きい2の「情報提供体制の確保」というところにまとめられて いるのではないかと思います。いわゆる県民の方々からの一般的な相談については、3 の「相談体制の確保」ということでまとめられているのではないかと思っております。  2番目の「情報提供体制の確保」のところで、私ども地方公共団体からすると、当然 医師会あるいはいろんな病院との連携がないと、どんな医療をどの医療機関で受けられ るかという情報提供がなかなかできません。ここの下から2行目に「それぞれの地域医 師会等の協力を得ながら」と書いていますが、私どもとすると、もう少し積極的に医師 会とともにそういった情報提供をしたいと考えています。そういうこともあって、橋本 先生からも御意見を伺いたいのですけれども、もう少し医師会側も、地域ではこういっ た医療が提供できますということを積極的に発信していただけると、地方公共団体とし ても非常にスムーズに住民の方々に情報を提供できるのではないかと思いますので、そ の辺はいかがなものでしょうか。 ○橋本委員  これはリウマチに限らずいろいろな専門診療に関しての情報を発信していますから、 今おっしゃるように「協力を得ながら」ではなくて、「とともに」でも結構だと思いま す。十分それに対応するだけのアビリティーと姿勢は持っていますから。 ○越智座長  全国津々浦々そうであるかと言ったら、なかなかそうはいきませんので、きちっとこ ういうところに書いていただいて指針として流していただくというのが、この指針の目 的だと思います。 ○山中委員  ぜひその辺はよろしくお願いしたいと思います。 ○越智座長  ほかに全体でお気づきのことがありましたら。最終的にはまた後で見直していただき まして、御意見は、これは一応締め切りが8月5日になりますので、8月5日までに事 務局の厚生労働省健康局疾病対策課宛にファクシミリでお寄せくださいということでご ざいます。8月5日までにファックスでお寄せいただきました御意見を、私も一緒に加 わらせていただいて事務局で整理をさせて頂きます。きょういただいた御意見、それか らきょう言い忘れたというようなことも含めて御意見をいただきまして最終案をつくる という方向になっております。よろしいでしょうか。一応検討会としましては今回で最 終回ということになります。最初に申しましたように、アレルギーと共通になります が、リウマチ・アレルギー対策委員会にこれをもう一度上げまして、指針及びこの案に ついてその委員会で最終的にまとめる。現段階では案という形で上部委員会に上げて、 そこでまとめるという予定になっております。  特にきょうはございませんでしたら、一応そういう方向でまたお気づきのことは健康 局の疾病対策課宛にファックスでお寄せいただくということにさせていただきます。本 日が最終回になりますので、疾病対策課長よりごあいさついただきます。よろしくお願 いします。 ○疾病対策課長  このたびのリウマチ対策についての御議論、4回にわたって御熱心な御議論を大変あ りがとうございました。リウマチ対策については、国としても一定の方向性を今まで具 体的なものは出していませんでした。今回委員の皆様方によって、リウマチ対策につい て一定のお考えの案ができたということで、この案をもって今後、厚生科学審議会疾病 対策部会にございますリウマチ・アレルギー対策委員会でその成案をとりまとめていた だきたいと思っております。また、とりまとめた後につきましては、役所側においても 適切な対応をしてまいりたいと思っております。その際は、どうぞ御協力のほどよろし くお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。 ○越智座長  ありがとうございました。これで本検討会を閉会とさせていただきます。委員の先生 方におかれましては、御多忙中また遠路御出席いただきましてありがとうございまし た。特にこれは事務局をされております疾病対策課の方針ということかと思いますが、 今までのいろんな厚生労働省の検討会でここまで踏み込んだディスカッションがされ、 また記載されたかなと思うのですが、今回はその意味では非常に現場に踏み込んでいろ いろな意見を組み込んだ案をつくっていただきましたことを、事務局をしております疾 病対策課に対して御礼申し上げたいと思います。この数回でいい報告書ができかけてお りますことを御礼申し上げましてこの会の閉会とさせていただきます。どうもありがと うございました。                        ○照会先                         厚生労働省健康局疾病対策課                         tel 03−5253−1111                         担当:中川(内線2359)