05/07/25 社会保険新組織の実現に向けた有識者会議第2回議事録          第2回 社会保険新組織の実現に向けた有識者会議                         日時:平成17年7月25日(月)                            18:00〜20:05                         場所:厚生労働省専用第15会議室  佐藤座長  定刻になりましたので、第2回目の「社会保険新組織の実現に向けた有識者会議」を 開催させていただきます。委員の皆さんの出欠ですが、岸井委員と大山委員が若干、遅 れておいでになると思います。なお、袖井委員は到着が遅れるということですので、き ょうは全員の皆さんの御出席をいただけると思っております。厚生労働大臣も遅れてお いでになるということです。  前回は「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」の金子座長から有識者会議におけ る議論の状況や最終とりまとめの考え方などを伺いまして、その後、委員の先生方の御 意見を承ったところです。  お手元の資料1をご覧いただきたいと思いますが、前回の会議において御確認いただ きました検討スケジュールが掲げられております。今後、9月までに新たな業務改革プ ログラムと新人事評価制度について御意見を伺い、集約をしていきたいと考えておりま す。  したがって、本日は「新組織の発足に向けた業務改革」と新人事評価制度を含む「年 金運営新組織の構造改革」の全体像につきまして御意見をいただきたいと思っておりま す。  本題に入る前に、前回御欠席されました小林委員から一言ごあいさついただければと 思っております。よろしくお願いします。  小林委員  前回、よんどころない事情で欠席をいたしました東芝の小林でございます。よろしく お願いいたします。  佐藤座長  ありがとうございます。それでは、本日は議論が広範にわたると思いますが、前半部 分をほぼ1時間かけまして、業務改革の御議論をいただきたいと思います。後半は構造 改革の議論をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。  まず、事務局から業務改革に関する資料の御説明をよろしくお願いします。  清水参事官  お手元に資料があろうかと思います。資料2−1、資料2−2、資料2−3は、前回 の会議におきまして御要請がございましたものについての資料でございます。本日、前 半の議題の業務改革に密接に関連していますので、まずはこれらの資料の説明をしたい と思います。引き続きまして、資料3の検討課題例、これについても御説明をさせてい ただけたらと思っています。まず、前半の3つの資料、資料2−1、2−2、2−3に つきまして、社会保険庁総務課長から説明をさせたいと思います。よろしくお願いいた します。  宇野総務課長  社会保険庁総務課長でございます。資料2−1ですが、これまでの各種事案への対応 状況をまとめております。まず、保険料等の無駄遣いですが、年金保険料を職員宿舎、 長官の交際費、公用車、社会保険大学校のゴルフ道具、社会保険事務所の家賃、年金福 祉施設等に安易に使用しているという御指摘につきましての対応状況ですが、事務費の 一部に保険料を充当する措置につきまして、「年金保険料は年金給付及び年金給付に関 係する経費以外には充てない」という方針のもと、17年度予算では適用、徴収、給付事 務、システム経費に限定し、これまで年金保険料を充てていた職員宿舎、公用車等につ いては国庫負担といたしました。  また、予算の厳正な執行に努めておりまして、個々の事案につきましては対応状況を ここに掲げさせていただいております。なお、次のページの(8)でございますが、厚生 年金会館等の福祉施設等につきましては独立行政法人を設立いたしまして、5年以内に 廃止・売却いたします。  3ページでございますが、安易な随意契約ということにつきまして、対応状況です が、2番目の丸のとおり、昨年8月以降、会計法令上、随意契約ができる場合であって も、原則、競争入札または企画競争に付すこと。(2)といたしまして、昨年10月、本庁 に「社会保険庁調達委員会」を設置し、本年4月には各社会保険事務局に「契約審査会 」を設置して厳正な審査をしております。  次のページでございますが、金銭登録につきましては国会や新聞報道等におきまして 導入経緯等にかかる問題が指摘されまして、社会保険庁の元課長が納入業者であるカワ グチ技研からの収賄容疑で逮捕・起訴されました。社会保険庁において調査を行ったと ころ、元課長は権限がないのに業者の選定や契約形態の決定に大きな影響を与え、ま た、決裁手続きが不十分であるなどの問題点が明らかになりました。このため、調達に 当たりましては、事業の企画立案や機能選定等を行う「事業担当課」と、契約の締結や 予算の執行等を行う「経理課」との役割分担を明確にした決裁手続きを導入するととも に、金銭登録機に関しましては平成16年度から競争入札としております。また、元課長 は懲戒免職処分といたしました。  次に届出用紙等印刷システムですが、これにつきましても同じような問題が指摘され まして、調査を行ったところ、当時の担当班長が契約締結の前にシステムの導入を計画 している旨の文章をカワグチ技研に手交していた、また、使用状況を把握しないなど、 管理がなおざりであったことが明らかになりました。これにつきましては遅ればせなが ら使用状況を調査して、使用頻度が低調であったので16年7月末で契約を終了させてお ります。  (3)の会計検査院の指摘というところですが、金銭登録機、届出用紙等印刷システ ムの導入につきましては、会計検査院から会計法令の趣旨に反し適切でなかった等の指 摘を受けております。また、弁済責任の問題につきましては、現在、会計検査院におい て検討が行われており、その結果を踏まえて対処いたします。  6ページでございます。カワグチ技研、ニチネン企画からの物品の授受等でございま すが、これにつきましては平成17年1月にその事実関係を公表し、4月に懲戒免職2名 を含む行為者76名に対し厳正な処分を実施いたしました。また、3番目の丸ですが、全 職員を対象に、今回の処分を事例とした公務員倫理研修を実施するほか、法令遵守委員 会や法令遵守推進者を置き、内部牽制体制を強化いたしました。  次に、予算積算と執行の乖離につきましては、18年度予算編成において見直しを徹底 することといたしております。  8ページ、監修料ですが、これにつきましては、今後これを一切受け取らないとする 厳格なルールを定め徹底するとともに、こうした事態を招いたことを組織として重く受 け止め、幹部職員をはじめ一定の地位にあった者が、これまでの慣例を大きく上回る形 で給与の一部を自主的に返納しております。  次に年金個人情報の業務目的外閲覧の問題です。この事案は昨年の春に国民年金保険 料等の未納情報等が漏洩しているという報道がなされまして、社会保険庁において調査 の結果、情報漏洩の事実は確認できなかったものの、321名の職員が未納情報等を業務 目的外で閲覧していたことが判明したものであります。さらにその後、自民党の社会保 険庁等の改革ワーキンググループ等合同会議において再調査の指示を受けまして、自己 申告調査を行った結果、1,535名による業務目的外閲覧が明らかになり、併せて行った オンライン通信履歴をもとにした調査でも188名の閲覧が明らかになりました。  対応状況ですが、321名については管理監督者を含めて処分いたしました。しかし、 その後の調査で業務目的外閲覧行為をした者が321名のほかにも多数おり、また、閲覧 しないと自己申告した者の中にも相当数が閲覧していたことが判明したため、さらに詳 細な調査を行っております。結果がまとまり次第、厳正に対処することといたしており ます。一方、個人情報の保護対策ですが、3番目の丸をご覧いただきたいのですが、管 理規程を改正しまして、業務目的外閲覧行為の禁止を明記する、端末操作に必要なカー ド番号を固定化する、本人識別のパスワードを導入する、被保険者記録へのアクセス内 容を監視できる仕組みを導入するなどの対策を講じております。  最後に年金の過払い・未払いでございますが、15年6月以降、これまでに27事象が判 明しております。給付誤りが判明した場合には速やかに公表するとともに、過払いとな った方にはお詫びの上、返納方法を調整し、未払いの方には、速やかに追加支払いを行 っております。  次に資料2−2をご覧いただきたいと思います。1枚めくっていただきまして、国民 の皆様からの御意見についてどういう対応をしているかということでございますが、第 1といたしまして、「長官へのメール・長官への手紙」の状況でございます。これは社 会保険庁長官が国民の皆様から広く御意見・アイデアを募集いたしまして、いただいた 御意見等を今後の改革に役立てようとするものでございます。長官へのメールは社会保 険庁ホームページにおきまして、長官への手紙は社会保険庁本庁において募集しており まして、主なものについては社会保険庁ホームページに回答とともに掲示してありま す。  実施状況を2ページ以下に掲げておりますが、長官へのメールは昨年10月分から本年 6月分までで4,646件の受付がありまして、そのうち(3)の具体的な批判、(4)の個別ケ ースの問い合わせ等が多くなっております。  次のページに内容を分析した表を載せております。これによりますと、保険料の無駄 遣いなど、予算執行等に関するものが1,598件と断然多く、次いで保険料収納対策など 国民年金に関するものが643件、以下、手続きに時間がかかりすぎるなど、年金給付に 関するもの、窓口対応が悪いなど、お客様への対応に関するもの、健康保険証の交付に 時間がかかりすぎるなど、健康保険・厚生年金に関するもの、不祥事に関するものが続 いております。なお、代表的な事例につきましては9ページ以下にまとめております。  4ページでございますが、長官への手紙の実施状況でございます。これは件数として は204件でございますが、その分布の状況、分析結果は長官へのメールとほぼ同様の傾 向が見てとれます。  次に6ページでございます。2番目といたしまして、「国民の声対応報告制度」につ いてであります。これは社会保険事務所、社会保険事務局、社会保険業務センター、本 庁等の窓口ごとに御意見や苦情に対応する責任者を置きまして、寄せられた御意見等に つきましては社会保険庁長官の指示の下に担当課において対応することといたしたもの でございます。特に業務改善の検討を行うこととしたものにつきましては、社会保険庁 LANに掲示して役立てることにしております。  7ページはこれまでの受付状況ですが、678件となっています。  8ページに同じように分析をしておりますが、こちらでは1番の予算執行等に関する ものが少ない一方、10番の電話がかかりにくいなどの電話に関するものが多くなってお ります。  19ページを開いてください。今度は職員からの改善提案についてです。「内部改善提 案制度」とありますが、これは第一線で業務に携わる職員からサービスの向上や業務改 善に向けた提案等を活発化させ、内部からの改革を進めるために、社会保険庁LANの 掲示板にコーナーを設けまして、職員からの自由な提案・発表を可能としたものです。 そして半年に1度、特に優秀な提案を行った職員に対しては長官表彰を行っておりま す。  22ページをご覧いただきますと、16年度下半期における提案のベスト30、これは430 件の提案があったのですが、そこから選ばれたものを掲載しております。丸印のある提 案が長官表彰を受賞した提案です。  最後、25ページには「帳票類の見直しに関する提案」の状況を掲載しております。  次に資料2−3をご覧いただきたいと思います。資料2−3は「80項目の緊急対応プ ログラム」に基づく業務改革の進捗状況について一つ一つまとめておりますが、本日は 時間の関係から要約表を使って御説明します。  まず国民サービスの向上ですが、国民のニーズの把握については既に御説明したとお りです。ニーズに対応したサービスの提供につきましては、年金相談の充実としまし て、毎週月曜日における相談時間の午後7時までの延長。休日における年金相談の実 施、これは4月より第2土曜日に行っておりまして、9月までは第3土曜日も行ってお ります。また、16年度には年金相談センター2カ所、年金電話相談センター13カ所を増 設しました。  年金相談にお越しいただく必要をなくすための取組といたしましては、インターネッ トによる個人年金情報の即時提供、国民年金第1号被保険者に対する保険料納付記録の 通知、いずれも17年度中に実施の予定です。また、分かりづらいという苦情の多い各種 申請書について総点検を実施しています。年金裁定請求書の事前送付というのは、社会 保険庁で把握しております年金加入歴をあらかじめ印字しまして裁定請求書をお送りす ると。それで記載の負担を軽減するとともに、裁定請求漏れを防止するための施策で す。これは17年10月より実施予定です。  2の予算執行の透明性の確保、3の個人情報の保護につきましては資料2−1で御説 明した内容と重複いたしますので省略します。  4は保険料徴収の徹底です。19年度までに国民年金の収納率を80%まで回復させるた めに様々な取組を行っています。まず要因別収納対策といたしまして、市町村から頂戴 した所得情報を活用して、十分な負担能力がありながら納付義務を果たさないと認めら れる方に対して強制徴収を行っています。16年度は3万人を対象に実施、17年度が10万 人を対象に実施する予定です。また、コンビニ・インターネット等による保険料納付も 推進しております。若年者の納付猶予制度、口座振替割引制度につきましては16年度の 年金制度改正で導入されたものですが、それがこの4月から施行されております。年度 別行動計画ですが、これは社会保険事務所ごとに19年度までの目標納付率を定め、それ を達成するための納付督励業務の行動計画を策定したものです。  5番目の内部組織の改革につきまして、まず組織・人員の配置の見直しといたしまし て、社会保険事務局や社会保険事務所の人員配置が業務量に応じた適正なものになるよ う、3年計画で地域間の格差を是正する。また、国民年金保険料の収納業務等の市場化 テストを実施するなどがあります。職員の意識改革のためには内部改善提案制度を実施 するとともに、各事務局・事務所ごとの業務実績を公表して競争を促進することとして います。以上です。  清水参事官  説明が続いて恐縮ですが、資料3の説明までさせていただければと思います。資料3 は、業務改革、いわば仕事の仕方の改革についての検討課題の例でございます。あくま でこのペーパーは、この場で御論議いただくためのよすがと言いますか、そのためのも のでございます。このペーパーの枠に納めようとかいうものではございませんので、 「例」と書かせていただいてございます。  内容です。今、社会保険庁から説明がありましたように、昨年の11月に「緊急対応プ ログラム」をつくったわけですが、本年秋以降、新組織が発足するまでの間に速やかに 取り組むべき、もう一段の業務改革が必要ではないか、「新たな業務改革プログラム」 の策定が必要ではないか、という御検討を9月末までお願いしたいということでござい ます。  その論議に当たりまして、私どもなりに考えた視点、3点ほどあるのではないかとい うことです。3つ目の丸にありますように、1つ目は、今社会保険庁から説明のあった プログラム、これまでの成果をどのように評価するかということが1点あろうかと思い ます。2点目は「国民の皆様からのお声」を御紹介しましたが、そういったお声、ある いは更に踏まえるべき点がないかどうかといった点かと思います。3点目ですが、今後 の社会保険事業の課題、それは特に収納でありますし、国民サービスでありましょう が、そういう課題に対応した業務改革の在り方はどうあるべきかといった、このような 3つくらいの視点が考えられるのではないかということであります。  こういったこともできれば踏まえていただきまして、いろいろと活発な御論議を賜り たいと考えています。「新たな業務改革プログラム」をつくった後も、もちろん改善し ていくわけでありますが、まずはこの秋までに「新たな業務改革プログラム」をつくり たい。そのために御論議を賜りたいということでございます。  具体的な内容がどういうことかというと、あくまで検討課題例ですが、1ページ目か ら4ページ目にあるわけでございます。そのうち1番目、国民サービスの向上のための 取組。2ページ目の真ん中辺りから始まりますが、保険料収納率の向上のための取組。 この2点が一番のポイントになろうかと思います。すなわち、社会保険庁と言いますか 事業体が、国民の皆様、利用者でありあるいは負担者である皆様方のお顔を見ながら、 遠隔的に見る電話などでということも含まれますが、いわばお顔を合わせて、利用者・ 負担者の皆様方に面して仕事をするといった点でございます。この1番、2番がより大 切なこと、この場でより御論議を深めていただきたいことと考えてございます。3番以 降も重要なことでございますが、いわば当然やるべき事柄と考えてございます。これら についても御意見があれば賜りたいと思います。  駆け足でおのおのの丸を見ていただきたいと思います。1ページの一番下でございま すが、年金相談につきまして、下の4行に書いてございますようなことはやっておるわ けでございますが、今後さらに地域の状況に応じた、もっとよい取り組みといったもの がないかどうかといった点。2ページ目、最初の丸でございますが、わざわざ社会保険 事務所にお越しいただかなくてもいいような、電話でございますとか、インターネッ ト、それらをどのような取組で進めるべきものがあるかどうかといった点。3つ目の丸 でございますが、スピードといった点についてもいろいろと御提言、御議論等をいただ ければと思ってございます。  2点目の大きなテーマである保険料収納率の点ですが、年金制度についての理解とい うことで、年金教育・年金広報にどう取り組むかといった点。それから、いわばへそに 当たることになろうかと思いますが、強制徴収の拡充といったこと、免除申請の勧奨と いったことがございます。  3ページ目以降は、そういう国民の皆さんに直接ということではないわけでございま す。民間への外部委託、市町村との相互連携、予算執行の無駄の排除、コンピューター のオンラインシステムの刷新、個人情報の徹底のためにさらにどのような取り組みが必 要かといった点、4ページ目でございますが、職員の意識改革の点といったようなこと が検討課題例なのではないかと思います。  資料説明が長くなりましたが、以上でございます。よろしくお願いいたします。  佐藤座長  ありがとうございます。前回御要望のあった点についての御説明があり、本日の前半 約1時間を想定しまして、「新組織の発足に向けた業務改革」の現状、進捗状況と今後 の課題を特に資料3でまとめていただいておりますので、これを拝見しながら、いろい ろ御議論をいただきたいと思っております。これで検討課題は果たしていいかとか、あ るいは対象はもっと他にもあるのではないかとか、あるいはより本質的なものは何かと か、その辺りを含めて御議論いただければ大変ありがたいと思います。それではどうぞ 御自由に。最初は業務改革を中心に取り上げたいと思っておりますが、御発言があれば いただきたいと思います。  陶山委員  ただいま御説明のありました中で、相談業務の問題ですが、相談業務の体制を充実さ せるということは大変重要な視点であろうと思います。この中で電話相談センターとい うのが出ております。私事で恐縮ですが、たまたま親族に頼まれたりいたしまして、高 井戸の業務センターに何回か電話をかけたことがあります。一度も電話は通じませんで した。業務センターの相談室というのは、社会保険庁からの年金関係の通知書類の封筒 に電話番号が印刷してあるわけです。それをもらったお年寄りは、分からないことがあ りますと大体その電話番号に電話をかけるというのが普通のことになるわけですが、私 自身がかけた経験では、相当回数をかけたのですが通じなかった。つまり、回線が非常 に混雑しているということであろうと思います。  この電話相談の窓口の整備というのは、素人考えで申し訳ありませんが、人を配置し たブースを備えた通常の意味の相談室に比べると、そこに足を運ばなくてもいろいろな ことを照会したり、相談できたりするという意味で両者にとっては大変に効果が大きい と言いますか、利便性が高い。そして体制整備の観点から見た場合には、コスト的に、 例えばOBの方の活用等の方法もあり得ると思いますので、年金電話相談センターの充 実というのは大変に有意義な手段として努力される価値が大きいと思います。  教えていただきたいのは、通常の相談センターというのはイメージがわかりやすいの ですが、それとは別に電話相談センターの整備と銘打って掲げておられるものですか ら、電話相談センターというのは具体的に、人の体制とか、対応の仕方とかにどういう 特色があるのかということを事務局から教えていただければありがたいと思います。  中野企画課長  社会保険庁の企画課長でございます。御説明させていただきます。電話相談に対する 対応としましては、資料3の2ページの冒頭にございますが、中央におきまして中央年 金相談室というところで対応をいたすものが一つございます。こちらの方、56ブースご ざいます。それで対応しております。これ以外に地方事務局単位で電話相談センターと いうものを順次整備してきておりまして、こちらの方は現在23センターが整備されてお ります。合計いたしまして約470のブースがございます。これらの電話ブースで御相談 に応じてきているところですが、特に中央年金相談室の部分につきましては、先ほど御 指摘がございましたが、大変応答率が低くなっております。現在、20%程度の応答率と いう状況になっております。さらに季節的な変動がございまして、相談が集中するよう な、問い合わせが集中するような時期には非常にかかりにくいといった状況が生じてお るという状況です。  稲葉委員  今の点に関連してですが、相談ということで、陶山先生にもちょっとお伺いしたいの ですが、むしろ行政相談に関しては旧総務庁、総務省、その前の行政管理局時代からの 歴史がずっとありまして、行政相談員制度というのがございますよね。ああいう年金相 談員制度みたいなもの、国民年金推進員というようなのが資料の中に見えるのですが、 相談との関連でそういった制度が既にあるのかどうか。あるいは、ない場合には、例え ばOBの方なんかも含めて、あるいは地域の方で詳しい方を委嘱するとか、そういった 考え方も一つあり得るのではないかと思うのですが、その点について教えていただきた い。相談窓口の一つとして、今の行政相談員制度というのは全国で定員が5,000人ぐら いという、これは民間の方に委嘱してというやり方ですが。  中野企画課長  社会保険事務所に事務局単位で設置をしております年金相談センターという組織がご ざいます。そちらの方で来訪された方についての御相談に応じているということでござ います。そこでの職員の対応でございますが、正規の職員が窓口において対応する部分 もございますが、特に年金相談センターの部分につきましては非常勤の職員に相談対応 を依頼させているという部分がございます。その部分につきましては、OBも一部いま すが、基本的に相談対応についての知識のある方ということで募集し、相談対応をさせ ているという状況です。  清水参事官  追加でございますが、年金相談の多くのものは、私の理解では、自分の年金額がどう なるのか、それがどういう理由で幾らになるのかといった点が多いかと思います。そう いうことにつきましてはコンピューターの端末で個人の年金の状況を見ながらでないと なかなか応答ができないわけでございますので、そういう中核的なものにつきましては 具体的な年金相談センターなりの場所でコンピューターを叩きながらという操作が必要 になってくるということかと思います。  杉山委員  本題に入る前に一つ、資料2−1で対応状況の説明があったかと思うのですが、こち らの8ページに監修料に関しての対応というのが出ているわけですが、丸の3番目のと ころで、組織的な管理の仕組みの存在を積極的に明らかにしなかった人たちがいたとい うところで、結局、厳重注意が紙のものと口答の処分であったというのが、私の感覚か らすると随分甘いのではないかと。組織ぐるみでやったんでしょうみたいなところが、 お役所だとそれはとても大変なことなのかどうなのかもよくわからないのですが、ちょ っと甘いかなという感じがしました。  それが一つと、いろいろなサービス、年金相談の、先ほど出ましたようなところとか で、充実していくというのはとてもいいことだと思うのですが、すごく気になっている のは、それにどれだけコストがかかっているんだろうかということだと思うんです。こ ういう「緊急対応プログラム」を導入したがために、逆にコストがすごくかかってしま ったということではあまり意味がないような気がして、昔はこれだけの年金を支払うの にこれだけのコストがかかったけれども、今はこれだけの年金を支払うのに年金相談と か、いろいろなことを含めてこれだけのコストに下げることができましたというよう な、たぶん企業だったらどこでもやっているようなことだと思うのですが、一方、幾ら 集めるのに幾らお金がかかったかというような、そういうプログラムを入れたことで変 わりましたという数字の出し方というのはできないのものなのかなと思うんです。それ でやたら人件費が上がってしまいましたというのであったらあまり変わった気がしない というか、そこら辺、人件費とか、さまざまな経費を抑えながらもサービスは向上しま したというような、そういうことをたぶん国民は求めているのではないかという気がい たしました。  もう一点は質問ですが、資料2−3の6ページ、22番、年金相談の民間ビジネスとし ての環境整備方策の検討と。これはどういうことをお考えなのかなと思っておりまし て、御説明をいただければと思います。  宇野総務課長  今の御質問等にお答えしたいと思います。まず監修料の件でございますが、これは国 民の皆様にも、お騒がせして大変申し訳ないことだと思っていますが、ただ、法律的に 申します監修作業を行った個々人が出版社と契約しているという私的な関係になること もありまして、処分を行う際には国家公務員法には触れないのではないかという判断が ございまして、こういう処分になっているわけです。ただ、厳重注意(文書)という処 分であっても、給料、ボーナス等をカットいたしまして、経済的な制裁も加えられると いうことですし、口頭注意の方は、これは監督者の方、調査に携わった者が十分調査を していなかったということの処分なものですから、口頭厳重注意というのもあったとい うことでありまして、ちなみに私も口頭厳重注意を受けました。  「緊急対応プログラム」のコスト面での対応はどうなのかということでございます が、例えば国民年金推進員を配置しまして、国民年金の収納を上げようとしているわけ ですが、そういった対応にかかるコストがどのぐらいで、どういうパフォーマンスにな っているのかというような点につきましては、ちょっとお時間をいただいて提出させて いただきたいと思います。  3番目の、年金相談の民間ビジネスとしての環境整備ですが、公的年金の加入状況は 個人情報でございまして、御本人以外の方にみだりにご覧にいれることができないとい う性格のものなのですが、御本人に年金の加入状況をお知らせして、御本人が例えば民 間の専門家に相談するということは御本人自身のことですので可能だろうということ で、個人に対して積極的に年金の個人情報を提供していくという中で、例えば金融機関 等とか、あるいはファイナンシャルプランナーとか、そういう方たちがビジネスをする 余地があるのではないかと。こういうことで検討しているということです。  杉山委員  追加でお話をすると、年金相談はかなり時間がかかるし、私の印象だと無料にする必 要はないのではないかという気がしていて、こういう形でビジネスになっていって、例 えば御本人がよき相談者を得て、公的なものも、個人のものも含めて自分のお金がどう いうふうになっているのかということをアドバイスしてもらいながら運用していくよう な、そういうビジネスはあり得るだろうと思うんですね。そこが可能になるような仕組 みづくりというのを今後御検討していただいたらいいかなという気がしました。以上で す。  袖井委員  今のに関連のすることですが、監修料のことについて、今の御説明というのはちょっ と納得いかないんですね。というのは、国家公務員の兼業禁止とか、そういうのがあり ますよね。だから個人的な契約だからいいとおっしゃったのですが、その方たちは兼業 するということを上司の許可を得てなさったのでしょうか。その辺のところを説明して いただきたいと思います。  宇野総務課長  これは社会保険庁及び厚生労働省全体で調査をいたしたと思うのですが、監修作業自 体は時間外に行っていたということで、自宅で、例えば勤務時間後とか、土日に行って いたと、そういうことなものですから、兼業ではございません。もう一つ、公務員倫理 法上のルールの問題もございまして、これは公務員倫理法上のルールがまだ定まってい ない段階のことなものですから、そういう面からもなかなか処分というまでには至って いないということでございます。  袖井委員  遅れて来てしまって、説明があったかどうかわかりませんが、資料2−3の15ページ の63番、年金教育における社会保険大学校の活用ということが書いてありますが、社会 保険大学校があまりよくわからないので、できましたら資料を次回にでも出していただ きたいのですが。前から気になっていたのは、各役所がそういう何とか大学校を持って いること自体、私は意味がないのではないかと思っているのです。ネットで調べました ら、社会保険大学校が一番お粗末なんですね。何も書いていないのです。自治大学校と か、労働大学校とか、税務大学校とか、それは歴史とか、何をやっているとか、何人教 えたとか、ずっと書いてあるのに、社会保険大学校はほんの少ししか書いていないんで すね。本当に何をやっているのかなという気もしますし、活用なんて書いてあるのです が、本当にできるのかなと。社会保険大学校はどういうことをやっているのか、職員は 何人いるのか、全然わからないのです。できましたら、次回にでも資料を出していただ きたいし、ああいうところだけが今回の改革から取り残されてしまっては非常に問題だ と思いますので、ぜひお願いいたします。  宇野総務課長  わかりました。資料を出させていただきます。ただ一つだけ、お答えになるかどうか あれですが、社会保険大学校は社会保険の職員に専門的な知識、倫理を教えるというと ころでございまして、1年間フルにプログラムを組んでおります。そういった内容につ きましては次回に資料を提出させていただきたいと思います。  小林委員  業務改革の進捗状況のリストがございますが、こういう実施項目が実際にどのぐらい 成果を上げているのか、あるいはうまくいっていないのか、実際どこをどのように点検 をされているのか。うまくいっていない場合にはうまくいくように軌道修正をしていく というような、そういう作業がなされているのか、そのあたりを伺いたいと思います。 先ほど、電話相談で応答率20%というお話が出ましたが、例えばそういう現状をだれが どのように受け止めて、それをどのように評価し、次の改善につないでいくのかとい う、その現場の実態、作業の仕組みを教えていただければと思います。  佐藤座長  資料3に、「新たな業務改革プログラム」策定に当たって3つございました。それと の関連が今の御指摘の点にございますので、ぜひ伺っておきたいのですが、一つはたぶ ん(1)にかかわる問題でございますね。それから、差し当たり(3)の今後の課題ともかか わるかもしれません。その辺りを含めてちょっと伺っておきたいのですが、よろしくお 願いします。  宇野総務課長  社会保険庁の改革につきましては、内からの改革ということで社会保険庁改革推進本 部というのをつくっております。そこで、改革の進捗状況も管理することにしておりま して、今、御指摘のありました年金相談につきましては、応答率が非常に低いというこ とで、今年の秋から応答するブースを3倍以上に増強しようということを計画しており ますが、それは「緊急対応プログラム」に入っていないわけでございまして、そういう 点も含めましていろいろ御検討いただければと思っております。  大山委員  私もちょっと遅れてきてしまったので議論に十分ついていっていないかもしれませ ん。その場合には申し訳なく思います。実は1年前からこの話を、私自身もある意味 で、初めてしっかり勉強させてもらいました。その中で気付いたことについて話させて いただきます。私自身、大学にいますので、学生や同僚の教員さらには親族などに、様 々な問題に端を発した社会保険庁の改革を含めた各種の取り組みに関する話をしまし た。そこでは大変だねという話で終わるのですが、その後に、年金をこれからどうすれ ばいいのかという話題になると、若い人達に払わなければ駄目だと説得しきれません。 私自身がわかっていないのならもっと教えていただきたいし、私も収納率の向上に対し ては前向きに努力したいと思うのですが、どう考えても上手く十分に説得しきれないの です。  そこでお願いなのですが、このまま減っていったらどうなるのかというシナリオをは っきり出すことはできないでしょうか。確かに法律で納めなければならなくなっている のは分かるのですが、そうは言っても、罰則規程はどうなっているのかという疑問がわ きます。そもそも、互いに支え合うという精神を基にいろいろな観点を加味して、今の 制度ができているのはよくわかっていますが、そうは言っても財源不足や少子高齢化の 問題など、様々な社会的な要因が変わってきているのではないでしょうか。だからこ そ、社会保障制度全般についての議論が別途進んでいると承知していますが、それにし ても何か簡単かつ明瞭に説明できるものはないのかと思うわけです。  それをもって若い人たちをしっかり説得できるような仕掛けが手元にないと、なかな かつらいものがあると実は思っています。ぜひ、そもそもの考えでいう、掛けた年数に 応じて受け取る金額がどうなるかという話を含めて、分かりやすくしていただきたいと 思います。さらに、多くの人々が年金を掛けなければ年金はどうなるのか、そしてその 結果、税金を考えなければいけなくなるとか、いろいろな選択肢があると思います。こ れらのことが分かるシナリオをお出しいただくことはできないだろうかというお願いで す。  佐藤座長  いかがですか。直ちに御回答というのはなかなか大問題ではありますが、またお考え いただくとしましても、とにかく御回答いただきたいと思いますが、よろしくお願いし ます。  宇野総務課長  間違ったことを申し上げるかもしれませんが、今まで世代と世代の助け合いというこ とをあまりはっきり言ってこなかったということの反省があると思います。  やはり年金制度はそういう理念に基づいているんだということをもう少しはっきりと 言わなければいけないのではないかと考えておりますし、一方、実務面におきまして も、十分な所得があるにもかかわらず保険料を払っていただけない方には、強制徴収を していくということで不平等感をなくしていこうと考えておりまして、我々としまして は国民年金納付率がこれより下がるということは考えていないですし、80%まで、でき る限り早期に回復させるため様々な対策を講じていきたいと思っているところです。  陶山委員  ただいまの大山先生の問題提起に触発されて、私なりに一言意見を申し上げてみたい と思います。前回申し上げたように、ちょうど25年前に、当時の臨時行政調査会という 場で地方事務官制度をどうするかという議論がありましたときに、私は直接の当事者と して関わりを持ったということを申し上げましたが、当時の社会保険を巡る状況という のと今日ただいま議論の俎上に上っている状況というのは余りにも状況が変わってしま っているという思いを新たにいたしております。  当時は、25年前でありますから、恐らく現役の公務員の方々は記憶にない方がかなり 多くなられたわけですが、社会保険を巡る状況というのもある意味ではもう被保険者が どんどん膨らんでいく、保険料収入もどんどん入ってくる、ただし年金の支給対象者も どんどん膨らんでいく。しかし、全体としてサイズが大きくなっていくという意味で は、行け行けドンドンというのは大変妙な表現なんですが、明るいバラ色とまでは行か ないまでも、将来的に危惧すべき要素という意味においてはあまりなかったのではない かと。  当時の国民年金の徴収の、今で言う収納率というのは、当時は市町村が国民年金の徴 収事務を担当していたわけですが、確か86〜87%でありました。当時、厚生省の主張に よれば、地方事務官制度の廃止に伴って、国が徴収事務を含めて一元的な管理をすれ ば、徴収率はもっと上がるであろうと。100%とは言わないまでも、それに近づく可能 性は大きいという説明があったことも記憶いたしております。  この徴収率の問題につきましていろいろな議論が行われているわけですが、大山先生 がおっしゃるように、特に若い方々の意識というものが、私が当時、この議論に加わっ ていた時代の全体的な雰囲気と言いますか、一般的な保険に関する国民の意識というも のとはがらりと違ってきておりますから、大山先生がおっしゃっていることはまさしく 今の時代の一般的な人々の意識を代弁されていると理解してそう間違いではなかろう と。  六十数%という数字は、これは統計のとり方として、母数をどうとるかによっても少 しずつ違ってくるとは思いますが、保険制度としては恐らく大変危機的な数字であろう と思います。その数字だけを見ると、本当に大丈夫かと。自分が年金をもらえるような 段階になったときに本当に大丈夫かと多くの人たちが心配するということも、これまた ある意味では、当然とは申しませんが、そういう危惧が出てくるというのは、ある意味 で仕方のないところであると。  このことに関連して、市町村との連携というのが、この資料の中にも、今後の検討課 題として、いろいろな側面から提起されているわけでありますが、収納率の向上という 観点で市町村との相互連携の仕方ということについて、当時、議論にかかわったという 経験も含めて、私なりに考えていることを若干申し上げたいと思いますのは、保険料の 徴収について、例えば先般、一部のマスコミで、市町村が保険者である国民健康保険の 保険料と同時に徴収するということを厚生労働省が検討されているという報道がありま した。これは本当にうまく行くのかどうか、素人の私は全然わかりませんが、保険料徴 収に市町村が直接関与するという仕組みというのは、徴収事務が国へ一元化されたとい う制度変更がありました以上、制度的に見て、大変に難しい問題であろうと思います。 場合によっては、仮に市町村が徴収事務自体に関わってくるということを想定します と、事務運営に混乱を来しかねないという感じを受けております。  そこで、納付率向上のために、これは一般論ですが、そのための基盤整備をどうする かということを考えますと、これまたある意味で一般論で常識論かと思いますが、きめ 細かな広報、つまり制度ピーアール、これをきめ細かく継続的に、いわば持続的なピー アールをやっていくということが非常に大事なことではなかろうかと思います。そうい う観点から、住民に身近な存在である市町村、この強みを制度ピーアールに生かしてい くと言いますか、国として市町村の協力を得て、その強みを生かしてもらうということ ができないのかと。これまでもいろいろ協力してもらってこられたと思うのですが、よ り一層積極的な協力を市町村にやってもらうということが持続的な制度ピーアールのた めに、実際的な方法の一つとして考えられるのではないかという感じがしております。  さらに具体的なことを若干申し上げますが、こうした市町村の協力を得るというとき の対応として、市町村というのは、これは必ずしも全国一律ではないかもしれません が、まず間違いなく広報誌というのを発行している。これは自治会を通じて年に数回、 大体全戸配布というやり方をしているというのが普通であろうと思います。これはいろ いろ創意工夫が必要だと思いますが、その広報誌に掲載してもらうということと、それ 以外に市町村にいろいろと頼んでみれば、接触してみれば、意欲のあるところがかなり あるのではないか。そうした意欲のある市町村には、もちろん広報誌に掲載してもらう こと以外に、いろいろと独自のピーアール方式もあり得るのではないかという感じがし ております。  こうしたときに、大山先生がおっしゃったような支払義務が法律上はあるという支払 義務の強調というのは、現在の、特に若い年代層の人たちの意識からいたしますと、恐 らくあまり効果はないと思います。むしろ、国営年金が有利ですよと。つまり、俗っぽ い表現ですが、お得ですよということ、国営年金の保険料を支払うことのメリット、こ れを強調するということが支払い義務を強調することよりは余程実際的なのではない か、効果があるのではないかという感じはしております。  よく民間の年金保険に必要ならば入ればいいじゃないかという議論があるそうです が、私の知るところでは、民間の金融機関はこれを営利事業としてやっているわけです から、恐らく運用コストがかなりかかっております。中途解約の場合に、相当不利が出 てくることはやむを得ない。そういう民間の制度と比べますと、国営保険はもちろんそ ういうことはないわけですから、その公的年金であることの有利性ということを社会保 険庁は胸を張ってではないですが、きちんと客観的に説明をして強調されるということ を持続的にやるしかないのではないか。  今、大山先生がおっしゃったように、保険の制度というのは大変難しいものですか ら、一般的に法律ではこうなっていて云々というような説明の仕方というのは、一般の 方にはなかなかなじみにくい。現に年金の裁定請求書、私も経験しましたが、普通の家 庭の主婦で基礎年金の請求書を書ける人は恐らくあまりいないと思います。自分ではな かなか書けない。それは社会保険庁の保有データを打ち込んで直前に送付するというこ とを今検討していらっしゃるようで大変結構なことだと思うのですが、制度のピーアー ルをするときに、説明の内容とか、ピーアールの形式、これはあくまでもわかりやすさ を旨とした創意工夫が絶対に必要であろうと思います。  最近の新聞でもよく紙上にありますが、難しい問題の解説はQ&Aという形式で、質 問に対して回答していくというような方式が多いのですが、例えばそういうようなこと でいろいろ工夫をしながら、広報誌なら広報誌に載せてもらうモデルとか、ひな形と か、そういうものを市町村の方に提示して、そして選択をしてもらう。意欲のあるとこ ろにはそれ以外のやり方についてもお願いしていくということを全国市長会とか、全国 町村会とか、そういう全国団体にまずはいろいろ事前に相談をし、同意をしてもらっ て、難しい面は非常にあるとは思うのですが、全国ベースでわかりやすい周知に努力し ていくということで、公的年金の制度を維持していくために、一般の国民の皆さんに、 ちゃんと払った方が自分のためだ、身のためだということを理解してもらう。これが基 盤整備として非常に大きいのではないかと。素人感覚で大変恐縮ですが、生活している 一般のごく普通の人たちのレベルから見た公的年金の維持のための一つの重要な観点で はなかろうかという感じがしております。  木村委員  1〜2点申し上げます。私は電力会社ですが、この電話相談応答率というのと同じか どうかわかりませんが、お客様からの電話は非常に多く、それをさばくために、十分と は言えないのですが、たくさんの人を置いて対応しています。応答率の20.5%というの は、私どもの感覚からいうと応答していないという数字でございまして、私ども、80と いう数字があっても、それでは全然低いということで、100とは言いませんが、できる だけ100に近いレベルまでどうやって持っていくのかと考えて対応しています。  当然、電話が集中する時間とか、そういったものもあるでしょうから、ピークに必ず しも対応した人員を用意するというのはなかなかできないので、うまく平準化できるよ うにしながらできるだけカバレッジを高める、こういうことでやっております。ここに 書いてあります年金相談室での電話の内容というのは、たぶん私どもにかかってくる電 話よりも標準的なものが多いのではないかと思います。私どもは、例えば電柱が邪魔だ とか、電気をとめられたとか、契約をふやしたいとか、さまざまなものが一度に来るわ けです。  それに対して、基本的にはまず第一線の人がその電話をとります。ちょっと難しそう だというと、すぐ後ろに難しい問題に対応する人が控えていて、それをフォローしてと る、こういう対応で、できるだけワンストップで早く量をこなす、こういうのが電話の 応答センターのベースだと思いますので、満足度アンケートの実施とか、ブースを3倍 になさるとか、いろいろ対応をとられているのは伺いましたが、できるだけ、どういう 質問がどういう時間帯に来るから、それに対してどういう対応をとったらいいのかとい うようなことを分析の上で、やたらに人をふやせばいいという問題ではないと思うんで す。そういうことも考えて対応していかれたらいいのではないかと思います。  インターネットの問題、これは情報の即時提供ということがありますが、年金相談室 に質問したいという層と、収納、払うという層、これはたぶん違うと思うんですね。先 ほどのインターネット検索、できない人はいないと思うんですが、インターネット世代 ではない人が検索をしたいということも中にはあると思うんです。したがって、今、時 代の切りかわり時期みたいなものかもしれませんが、ある程度、数年後をにらんだイン ターネットでの解決、これが図れれば電話の相談も減るわけですから、そういったもの のある程度先を見た対応、それに加えて大山先生の方で取り組んでいただいているシス テム、こちらの方がどれだけこういう電話応答などにも役立っていくのかということ で、できるだけ疑問の点は速やかに理解してもらって、保険制度の信頼性を増していく ような対策をとっていくということが大事かなと思います。  収納率のところですが、払わないとどうなるかというのを教えても、表現は悪いので すが、教えがいのある人、教えて理解してもらえる人、もらえない人、いろいろあると 思いますので、やはり強制徴収の方向というのは、前回も申し上げましたが、ある程度 やむを得ない、そういう対応をとっていくことによって、そういうものだという感覚を みんなが持つ、こういうことが大事だと思います。以上です。  佐藤座長  今、業務改革を中心に御議論いただいているわけですが、その中で、資料3で示して ありますように、一つは国民サービスの向上という点に取り組んではおられるのです が、先生方の御意見では、まだ工夫が足りないとか、もっと別のやり方があるのではな いか、さらに例えば徴収料、保険料収納率の向上の問題についても、あるいは電話相談 なども含めてですが、今度はコストとの関連等が、最初に御指摘があったように、十分 意識されていないのではないかとか、厳しい御指摘がありましたし、保険料収納率を上 げていくためには、大山先生の御意見から始まったのですが、その前提になる理解の仕 方、その他関連する問題点をきちんと整理して、どういう考え方で、どう国民の皆さん に説明し対応していくか、その辺りも明確にしていかなければなりません。それからま た市町村等との連携の仕方も、陶山委員もおっしゃっておられるように、いろいろやり ようがあるわけでしょうが、その辺りも考慮しながら考えていかないと対応できないの ではないか。それは広報一つ取り上げてもということなどが御指摘あったのですね。こ れはさらにまた今後議論をしていくのですが、時間の関係もございますので、もう一つ のテーマを合わせて御議論いただきながら御発言いただこうかなと思っています。  岸井委員  次のテーマに入る前に一つの説得性を持つかどうかの関わりの問題なんですが、これ までの各種事案について対応状況を伺いました。それなりに対応されて、一つの襟を正 す姿は見えてきているように思うのですが、改めて、これだけのことが次から次へと何 で起きて、それが見過ごされて許されたかという、そもそも論のところに、もの凄く疑 問が残るのです。これはどういう組織なんだと。どこに原因があったかということを現 時点でどう総括されているか、大臣と長官から一言ずつでもいいのですが、その点につ いてまず伺いたい。何でこういうことが許されたかということと、その間の社会保険庁 幹部や厚労省の側がそういうことを本当に全くわからずにいたのか。あるいはある程度 わかっていても見過ごさざるを得ないような状況があったのかというところに、この事 案を見ていて非常に疑問が残るんですよね。対応していることについては理解します が、それで終わるわけではなくて、根本的なところはどうだったのかなという疑問が残 っているので、それについてまずお話を伺いたいなと思います。社会保険大学校で何を 教えていたんですかという気もしますよね。  村瀬社会保険庁長官  今の岸井さんの御質問にお答え申し上げたいと思います。不祥事案件につきまして は、実は1月に、社会保険庁が様々な形で起こりました不祥事案件につきましてまとめ をしてございます。そのときの結論から申し上げますと、まず1つは、民間企業で言い ますと、ガバナンス体制が全くなっていないと。これが最大のポイントでございます。 2点目は、先ほど地方事務官制度という観点がありましたが、現在の社会保険庁は厚生 労働省の本省採用、社会保険庁採用、地方事務官という3層構造になってございます。 この部分が組織の一体化という形にはなかなかならずに、ばらばらになっていたという ことでございます。そもそも、厚生労働省並びに社会保険庁は指示行政でございまし て、本来、実施庁であるにもかかわらず、具体的な指示を出すだけで、結果責任を負わ ないという体制。こういうもろもろのものが、こういう不始末が起こった大きな原因だ ろうと考えております。  従いまして、ガバナンス体制をいかに強化するかというのは極めて大切ということ で、前回の有識者会議の結論の中で意思決定機能、監査機能という形で、そこの部分に ついて民間の知見を入れた組織にしていかないと抜本的に変わらないという形で有識者 会議では結論をいただいたと考えております。  尾辻厚生労働大臣  私からも申し上げたいと存じます。私が昨年の秋に大臣に就任いたしまして、いきな りこの問題を突きつけられました。以来、今の御質問は私自身がずっと考えていたこと でございます。本当になぜだろう、何でこんなことが起きるんだろう、ずっと思って、 率直に申し上げると、今日なお、思っております。答えを申し上げるというか、今の時 点で、ではどういうふうにお答えするのかということになると、今の長官の答えとほぼ 同じ答えになります。改めて申し上げますと、大きく1つは、日本の役所の持っている 体質、そう言わざるを得ないと私は今、思っております。  社会保険庁に限って言うならば、今、長官から3層構造という話がありましたが、こ のことが極めて大きな弊害になっていた。そしてそのことが生んだ一つの現象と言いま すか、こういう不祥事をつくってしまったことと思っております。大きくお答えをしま すと、以上申し上げたようなことになります。  佐藤座長  先ほどの岸井委員の御質問があって、今の御回答があったのですが、そういうことを 念頭に置きながら次の構造改革問題などに入ってよろしいですか。  杉山委員  先ほどの若者に対する徴収のことに補足でお話しさせていただきたかったのですが、 そもそも今、社会保障が高齢者に厚くて子供や青少年に薄いというのは、もう国民はみ んなわかっていることなわけで、そこをごまかしたような形で進んでいくというのは若 者に対して不誠実であろうと思うんですね。今、若者がニートとかフリーターという形 で雇用の場からもはじき飛ばされて、機会が得られないとか、さまざまな現状も引っく るめてこういう現象が起きているというような理解は必要であろうと思います。  そこからどうするかと考えていかないといけないのではないかというのが一点と、こ れは資料の請求をお願いしたいのですが、15ページの61番の中・高校生を対象とした年 金教育の拡充というところ、非常に興味があります。どういう年金教育推進協議会とい うのができていて、実際どういうことをやっているのかというような実態をお知らせく ださいというのと、副読本はどんなものか、現物をぜひ見てみたいと思っておりますの で、ぜひ御提出いただければと思います。以上です。  佐藤座長  資料の請求が一つございます。もう一つは考え方の問題として、高齢者に対応する年 金問題、あるいは若者との関連ですよね。こういう点も念頭に置かなければいけないの ではないかという御指摘なんですが、まだ次回もございますから、伺っておきます。  岸井委員  関連で資料要求、いいですか。先ほどのガバナンスにかかわる点で、直接不祥事など と因果関係があるかどうかわからないのですが、村瀬長官のもとで廃棄されたという 100項目に近い職員組合との覚書きがありますね。これは御提出いただけますか。全部 というと大変でしょうが。どういう覚書きで業務がなされていたということが、こうい うものに関連しているかどうかチェックしたいというところがあるのですが。  村瀬社会保険庁長官  それは前回の有識者会議のときにも提出していますので、今回も必要であればお出し させていただきます。  佐藤座長  よろしゅうございますか。いずれにしろ、今回だけで終わるわけではございませんの で、もう一つのテーマも議論を少し手がけておかないと並行して進められませんので、 お願いしたいと思っております。それでは新組織の構造改革について事務局の方から御 説明いただいた上で御議論いただきたいと思います。  清水参事官  資料4が中心ではございますが、ここに関連しまして資料1と資料5も参照しながら という変則的な形で御説明をさせていただければと思います。なるべく手短にやりたい と思います。  まず資料4ですが、組織の構造改革について、組織立てをどうするかといったことの 検討課題です。資料4の枠の中に掲げてありますように、大きく分けますと4点あろう かなと思います。1点目は枠の中の3行目に書いてありますように、年金運営新組織の 意思決定機能等に関する組織改革、これが1番大きな点ですが、これにつきましては準 備の都合等がございます。10月以降ごろに私どもの準備を整えまして、いろいろ資料等 を提出させていただきたいと思いますので、10月から年末までにかけて御論議賜りたい と考えています。  そのほかの3点はかぎ括弧に入ってございます。2点目「民間企業的な人事・処遇の 導入」、3点目「地方組織の抜本改革」、4点目「組織の効率化と人員の削減」、この 3点につきましてはこのペーパーの資料4の真ん中からちょっとブレークダウンしたも のが書いてあります。これのスケジュール的なことですが、「民間企業的な人事・処遇 の導入」につきましては、私ども、10月から幹部を対象に試みの実施をやってみたいと 考えてございますので、ここの「民間企業的な人事・処遇の導入」につきましては、で きる限りさまざまな御論議を早めにいただきたいと考えてございます。  資料4の下の方にあります「地方組織の抜本改革」、これは資料1の一番下の枠、来 年の夏までということでございますので、これは若干時間の余裕があるかなと思いま す。  資料4、2ページ目、「組織の効率化と人員の削減」。組織の効率化は仕事の仕方、 業務改革と絡みがあるわけでございますが、人員の削減は資料1で見ていただきますよ うに、今年の末までということですので、そういうスピード。おしりがおのおの違って いる。1番の「民間企業的な人事・処遇の導入」は極力急いでお願いしたい。「地方組 織の抜本改革」は来年の夏まで御論議をお願いしたい。3番目の「組織の効率化と人員 の削減」は今年の年末まで御論議をいただきたいという流れの中にあるということを御 理解を賜りまして、そこで資料4と5に即して中身と課題の例を御説明申し上げます。  まず「民間企業的な人事・処遇の導入」については、資料5の1ページ目の一番下に ありますように、本年度の後半、10月から管理職、幹部を対象に評価の試行をやりたい と思っておりまして、18年度、これを本格実施、処遇と絡めた実施もやりたいと思って います。19年度、これを全職員に拡大したいと思っています。これはどういう枠組みの 中でやるかということですが、実は現在の国家公務員制度の中でもある程度のことはで きるわけでございますが、実はほとんどの省庁で何も運用されていないという、そうい う制度になっているわけでして、それを運用してみたいということです。  資料5の2ページ目ですが、対象者の能力と実績等を見て、一つはボーナスを含めて の給与でございますが、勤勉手当あるいは特別昇給等に反映させたい。もう一つは左側 に書いてございますように、人事異動に反映させたいということでございます。現行制 度で制度上どこまでできるのかというのが横紙の3ページ目でございますが、一つは、 ボーナス。そのうち、勤勉手当につきましては3ページ目の真ん中の表にあるような形 で、相当幅を持って支給することができ得るという制度になってございます。ただ、実 際はほとんど差をつけていないわけでございますが、差を意識してつけるということが 可能であるということです。  3ページ目の下にありますように、特別昇給。定員の15%というのが、特に勤務成績 の優秀な者についてできるわけですが、これも相当活用できる制度ではないかなと。4 ページ目でありますが、普通昇給、昇格というのがございますし、昇格もあれば降格と いうものもございます。その要件はここに書いてあるとおりです。  こういうことができ得るということを念頭に置きまして、資料4でございますが、能 力評価の方法、あるいは実績評価の方法、あるいは総合評価の結果の反映方法、公正さ を担保するための苦情相談等というようなことについてどう考えるか。あるいはこれら を導入するに当たって、いろいろとさまざまな御経験された方から、この辺りでこうし た方がいいというアドバイスをいただけたらと思ってございます。  駆け足で地方組織等についても御説明申し上げます。資料5の5ページですが、社会 保険事務局、現在47と各県にございますが、これをブロック化したいと考えてございま す。利点は5ページ目の真ん中辺り、ガバナンスの点、広域的な人事管理の点、集約化 による要員のシフト、業務の均質化や優れた取り組みの普及、組織体質の改革といった 点のメリットがあるからです。この点については5ページ下の方の(2)の2行目にありま すように、コンピューターシステムと関係もあり、年金の新組織が設置される平成20年 秋を目途にやることが適当ではないかと思っております。ブロックの組織の数について は6ページに、厚生労働省も含めてほかの省庁の例が載っております。  7ページには、そういうことも念頭に置きまして、現在できるところ、要員配置の見 直しとか、ある程度着手しておりますといったことが書いてございます。このような現 状を念頭に置いていただきまして、資料4に戻っていただきまして。ブロック単位に集 約すべき業務と、県庁さんと密接なつながりがどうしてもこの点はなくてはならないと いったようなものがあれば引き続き都道府県ごとにある程度区分する業務といったもの はどういうものがあるかといった点。名称、体制。業務管理の徹底方法。それから資料 5の7ページで見ていただいたような、いろいろと先行して実施というものもあるのか な、といった点を来年の夏までに御論議賜れればと思ってございます。  資料4の2ページ目の3、組織の効率化に関しては資料5の8ページからでして、考 え方としては上の3つの枠にありますように、業務の削減、外部委託、広域集約化とい った点で減の要素がございます。一方、保険料徴収の徹底等、要員シフトということが あって、そういうものを合わせた上で人員の純減ということが基本的な考え方です。  資料4の最初の丸に、コア業務、ノンコア業務と書いてございますが、それの一つの イメージは資料5の9ページでございます。これは、かつて、コア業務と非コア業務を まとめたものです。これは御参考にということでございます。  人員の関係、資料5の10ページです。政府全体で、平成12年に省庁再編を見越して10 年間の計画を立てているということが最初の丸に書いてございます。この5年間の削減 の実績と言いますか、こういうふうにやってきたということが書かれてございます。社 会保険庁で言えば、総計1,121、各年二百数十といった点でございます。ただ、これは いわゆる片道というものでして、この削減があって、別途増員があって、純増減はその プラスですから、これだけ純正、減ったということではございません。  では、純増減はどうなったかというのが11ページにございます。先ほどの減は真ん中 の辺りでございます。先ほどの減はありますし、表の真ん中辺り、合理化等の削減、こ れもありますが、一方、こういう業務があるから仕事が必要だという増員もございま す。それらの差引きで、結局トータルで十幾つから100程度のマイナスが、この間、立 ってきたということでございます。なお、14年は国民年金業務の見直しがございました ので、この年だけは増している。この11ページの真ん中の表の一番下の欄が純増減の数 字でございます。  今年の夏、今後に関しましての政府全体の方針が決定されます。さらにより強力な定 員削減計画を立てようということで、政府部内で調整が行われているところかと聞いて ございます。  では政府全体の計画と、この場でも御論議いただき、年末までに確定すべき社会保険 庁人員削減計画の関係です。政府全体としまして検討が行われております削減計画は、 12ページ真ん中の上の辺りにございます(1)のところ、いわゆる「片道」の削減数でご ざいますし、かつ4年間のものでございます。社会保険庁について検討しなければいけ ない削減としましては、この4年間を包摂して、さらにもう少し全体の長い期間をとっ て、かつ増員をどうし、純増減をどうし、一方、政管健保法人としてどれだけ分離し、 ということ。また、これは常勤職員だけですので、そのほか、非常勤職員の配置につい ても検討するといったことが必要です。この辺り、年末まで御論議賜れればと思ってご ざいます。  13、14ページは官邸の有識者会議に出した資料でございます。参考でございます。  なお、15ページでございますが、正規職員の年齢・階級別の在籍状況でございます。 山があったりいろいろとあるわけでございますが、大ざっぱに言いますと、一つの年齢 層、400名ぐらいいるわけでございます。みんなが同じで、定年でパッと辞めるわけで はございませんが、上の点線の四角の中の3つ目の丸に書いてございますように、毎 年、概ね定年と自己都合で400名ほど辞めているわけでございます。これをいわば原資 といたしまして、純減と、一方、組織体を維持するための採用をどうするかといったこ とが、この400という数字を一つのよすがとして考えられることかなと思ってございま す。  こういうことを踏まえた上で資料4、2ページ目の「組織効率化と人員の削減」につ いて御検討賜れればということでございます。くどいようでございますが、まずは資料 4、1の「民間企業的な人事・処遇の導入」といった点についてさまざまなお話を賜 り、また、その他2、3についても時間の許す限り御論議を賜れればと考えてございま す。以上でございます。  佐藤座長  ありがとうございます。年金運営新組織の構造改革に伴って、今御説明がございまし たように資料4ですが、当面急ぐのが1の「民間企業的な人事・処遇の導入」問題とい うことです。もちろん「地方組織の抜本改革」とも関係いたしますし、当然、「組織の 効率化と人員の削減」の問題とも関係あるわけですが、ただいまのような事務局の問題 提起と言いますか、それを念頭に置いた上で、まず御質問があれば伺わせていただきた いと思います。  小林委員  今おっしゃったような、資料4に書いてあるようなことは非常に重要な組織運営アイ テムだと思うのですが、こういうことをお決めになる、あるいは決めたものを見直して いくというような作業というのはどこがやるのでしょうか。これは年金運営会議がやっ ていく、つまり企業で言えば取締役会に相当するのはたぶん年金運営会議なのかなと勝 手に思っているのですが、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。  佐藤座長  いかがでございますか。全体の改革をどこでどういうように統括していくかというこ とに関係しているんですね。  小林委員  そうですね。組織が走り出した、新制度が走り出したときに、年金運営会議というの が、今おっしゃったようなことを検討し、決定し、軌道修正をしていく。そして運営評 議会というものがいわゆる経営諮問委員会のような形で外から見ていろいろ言ってくれ る。そして特別監査官が監査役としてチェックする、そういうイメージでとらえてよろ しいのでしょうか。  清水参事官  社会保険庁から補足してもらいますが、ものによっていろいろとあろうかと思いま す。やはりこの中には法律ということで国会でも御承認を賜らなければならないものも ありますので、そうしないと始まらないものもございます。そのためにはこの場でよく 御論議賜りまして、また法案化するといった作業もあるわけでございますので、そうい ったものはその流れの中でさらに論議がある場合もあるかなと思います。ただ、直ちに できるものもあるわけでございまして、人事処遇の関係につきましては説明で申し上げ ましたが、既に法律上はでき得ることになっているわけでございますので、そういうも のはこの場で御論議賜りまして、一定の結論、方向性を見出していただいたら、私ど も、社会保険庁において取り組ませるような形にしていきたいと考えてございます。社 会保険庁で取り組むに当たっては、ここの場での御論議を踏まえることは当然でござい ますが、現在でも顧問でございますとか、評議のための組織があるわけでございますの で、それらの組織にいろいろと御提言等もいただきながらやっていきたいと考えてござ いますが、社会保険庁からも補足の説明をさせたいと思います。  宇野総務課長  例えば人事処遇の件は本年度から施行に入りたいと思っておりますし、意思決定機能 の強化というのは来年の夏以降になるので、当然この場で御検討いただくことになりま すが、手順としてはちょっと逆になると思っております。  井口政策統括官  御質問がありました新しい組織、運営会議等がどういう役割を果たすべきかというの は10月以降に主に御議論いただきたいと考えています。ただ、それが決まる前の10月か ら、できるものについては手をつけたいというものがございますので、新しい組織が発 足した場合には新しい権能に基づきましてまた見直すということもあるかもしれません が、まだ3年ほどあるものですから、その前にできるものは着手をいたしたいと考えて います。特に10月から人事関係、評価につきましてはモデル的な事業もやりたいという ことなもので、そこをちょっと早めに御論議いただけたらありがたい、その後に、先ほ ど委員が言われたような3つの組織の役割、これが取締役会のような役割なのか、監査 役なのか、などにつきまして議論を改めて私どもで論点を整理し、御相談をしたいと考 えています。これは法律事項になりますので、とりあえずそれと切り離しをして、当 面、人事評価のあり方などについての御論議をいただければと思います。よろしくお願 いいたします。  陶山委員  資料4に掲げられておりますような人事の制度、人事処遇の問題ですが、教えていた だきたいのは、法律を含めて、例えば人事院規則も当然かかわってくる面があるのかな いのかよくわかりませんが、公務員である以上は、そういう関連する法令の改正を必要 とする事項がどの程度あるのかという、概要の輪郭で結構ですから、事務局から教えて いただきたいと思います。  吉岡改革事務局次長  民間企業的な人事処遇の導入でございますが、これにつきましては、現行の国家公務 員制度の中で一定程度対応ができることになっておりますので、それをフルに活用した いということでは、法令の改正はないのではなかろうかと思っております。ただ、議論 の中で、例えば政府全体に共通する人事院の規則を改正すべきだという御意見がもしご ざいましたら、そういう御意見をまとめて担当するところにお伝えするということをや っていきたいと考えております。  佐藤座長  3つの組織をどういう形でつくり上げていくか、それがわからないとできないという 部分もあるかもしれませんが、そうではなくて、改革のスピードという問題もございま すから、今、直ちに手をつけ実施に移せるものは実施していく。多少やりにくいのです が、それは当然、全体の構造が完成した段階で、手直しをするなりするわけでございま すので、多少前後させながら議論をし、組み立てていきたいと考えておりますので、よ ろしくお願いします。  稲葉委員  今の人事処遇の導入というところなんですが、一種の能力評価制度に関して、私の承 知している範囲では、昨年末の新行革大綱でも今年度から試行に入るということであっ たと思いますので、その限りにおいては社会保険庁だけの問題ではない。その中で社会 保険庁としての特色というのをどういうふうに出していくかというのが一つ問われるこ とではないかと思います。一種の能力評価のトップランナーになるというような御趣旨 なのかどうか、そこまでの覚悟を持っておやりになるのかどうか、横並びでやっていく ということなのかなとも思いますし、その辺一つ伺いたいところであります。  一般的な話になりますが、いずれにしましても、いい面、悪い面、能力評価制度には あると思います。これは最初の課題、新組織そのものにもかかわるのですが、例えば新 組織の任務、ミッションというのは何なんだろう。それを明確な形で今まで示してきた のだろうか。あるいは、これから考えていかなければいけないことなのか。少なくとも 社会保険庁に関しては、恐らく年金事業の適正な運営とか、そういったようなことが任 務になっているのではないかと思うのですが、それだけでは寂しいという気がするんで すね。これは新たな組織の名称等の問題にも恐らくかかわってくることではないかと思 います。組織をどんどん小さくしていったときにも同じくそのミッションが問われるこ とになり、能力評価というのであれば、それをそれぞれの部署ごとにかなり明確にしな ければいけない。目標を明確にして、一種の目標管理的な形で、組織として基本的には 動くものですので、一つの組織単位としてのミッション、そういうものを明確にしてい くということが必要ではないかと思います。  以上は能力評価の基準ということにかかわる問題なんですが、既にいろいろな形で能 力評価の案が、例えば人事院の研究会であるとか、いろいろなところで出ていますの で、ぜひそういうものを参考にされたらいいと思います。その中で、短期業績給的な考 え方ですね。例えばその年度に実績を上げたら、それに対してボーナスを与えるという ような短期業績給的なものをどのくらい取り入れるのかというところも、かなり難しい ところではないかと思います。例えば、先ほど、特別昇給のお話がありましたが、特別 昇給というのは永続的に効果を持っていくものなんですね。それを短期業績給的な形で 運用しようとするとミスマッチが生ずるのではないかという、要するに現行の制度の枠 内では例えばそういう問題もありますので、その辺のことも考えていただきたいと思い ます。  申すまでもなく一番重要なのは評価者の問題でありまして、評価者がうまくできない と瓦解してしまう制度であるというようなことも十分お考えになって、しかしトップラ ンナーとしてやられたらどうかなというふうには思います。  佐藤座長  ちょっとお願いしたいのですが、資料5の中で1ページにスケジュール表がございま して、「民間企業的な人事・処遇の導入」について、既に庁内にプロジェクトチームを 設置されているわけですよね。その御検討のプロセスをある一定の段階で私どもも伺え る、こういうことですよね。それから私どもとしての意見もまた申し上げる、こういう ことですよね。そういうことを頭に置いていただいてということで、あとどうぞ、御回 答を。  村瀬社会保険庁長官  今御質問の、社会保険庁が各省庁と順序立てをどうするかという話でございますが、 基本的には最初に導入をしたい、こういう考え方に基づきまして御提案を申し上げてお ります。  大山委員  この件についても少し思っていることをストレートに申し上げたいと思います。「民 間企業的な人事・処遇の導入」というタイトルになっていますが、そもそも論があるか と思います。繰り返しになりますが、私は1年以上、一緒にいろいろやらせていただい て、今担当なさっている方たち、主として幹部の方たちですが、その方たちの能力、実 績の評価というのは意味がないと思います。というのは、本当に十分努力なさっている と思うからです。これは別に持ち上げて申し上げるわけではなくて、それだけの立場に 置かれて、みんなやはり必死になってやっていると認められるからです。このことは一 般の方々にも広く認めてもらえるようにすべきであると思います。民間企業的な人事・ 処遇の話で言うと、前に何が起こっていたかに問題があるわけで、人事異動等でたまた まおいでになられた方や継続して努力している方との違いをはっきりさせるべきです。 このことは、能力や実績の評価以前の問題のような気がします。  同じ観点から申し上げると、幹部の方たちから始めるというのは、ある種日本的で、 すごくきれいに見えるのですが、本当にやるべきことは地方においでの方を含めた教育 ・研修ではないでしょうか。具体的にどのようになっているか私もよく知らないので、 間違っていたら申し訳ないと思いますが、例えばその方たちが社会保険庁の関係する大 学校で研修を受けるとか、いろいろな形があると思います。そこでしっかり教育、研修 を受けて理解していれ ば、こんなことは起きなかったのではないかと思います。  今おいでの幹部の方たちに敢えて能力の差をつけて、さすがにボーナスを増やすと言 ったらみんな怒るでしょうが、少し減らしたからといって、それで納得するとは思えま せん。そういうところをもっと現実的に、国民の視点で物事の対応の仕方を積極的に世 の中に対して説明していく方が、私はもっと潔いのではないかと思います。  袖井委員  非常に大きな改革で、やはりトップランナーとして行きたいという長官の熱意が感じ られるのですが、ちょっと心配なのは、トップの方はそういう意欲を非常に持っていら っしゃるのですが、地方の隅々までそういう意識がちゃんと浸透するのかどうかという ととても心配で、拝見すると降格とか、そういうこともございますよね。ですから、イ ンフォームドコンセントではないですが、対象者というか、本当に地域でやっていらっ しゃる方に対して、こういうふうになるのだということを本当に浸透させないと、日本 の男の人はすぐに鬱になっちゃったり、自殺しちゃったりするんですよね。こんな厳し いことをやって、そういう悲惨なことが起きないかなととても心配で、能力主義とか、 何とか主義は確かにいいのですが、あれで本当に大変になっちゃった人、民間企業の方 の例がよく新聞に載りますよね。あそこまでやっていいのかなと。もちろん私はやるべ きだと思うのですが、やはり職員の方々に、こういうふうに変わるんだということをち ゃんと納得させないと、本当に悲劇的なことになるのではないかと心配しておりますの で、ちょっと御意見をお聞きしたいと思います。  村瀬社会保険庁長官  どういう形で導入していくかいということについて簡単にお話し申し上げたいと思う のですが、まず一つが、先ほど、社会保険庁の場合に、ガバナンスが十分になされてい ない、組織として一体化がないと。その最大の原因は何だろうかと考えますと、例えば 組織というのは課長と部下、事務所長と課長、ここで具体的にどういう仕事をやっても らいたいかということが明確に落ちているかどうか。落ちて、それに対してきちんとし たコミュニケーションができて、あなたのこの1年の仕事は何なんだよと。途中経過に 対して、いい悪いを含めて指導しているか。ここの部分が実は非常にできていない組織 でございまして、今回、評価制度という言葉を使っておりますが、実は上下のコミュニ ケーション、仕事の統一性をどう持っていくか、これをこの制度によってつくっていき たいと。これが実は一番の根底にあるポイントでございます。  あと、公務員制度の中での評価制度でございますので、先ほど見ていただきましたよ うに、とてつもない形で変わるのかと言いますと、民間に比べますとちょっと変わる程 度と。逆に、今までそれが6年に1度、同じような形でくるくる回っていたというので あれば、逆に言えば不平等をやっていたわけでございまして、そこはしっかり説明をす れば、私は若い人ほどわかってくれるのではないかと。導入につきましては、一番のポ イントは何かと言いますと、評価をする人が評価に足り得る人かどうか。ここが一番大 事なポイントだと思っていまして、その部分につきましては、先行して管理職から入っ ていくということは何かというと、評価をされる人がまず評価者になっていくわけです から、そこをしっかり訓練をすることによって、制度に魂が入ってくるのだろうと。  従いまして、相当なスピード感でやろうということで、18年度中に正式に、これは何 としてでも管理職は入れたいと思っているのですが、19年度の若い人たちにどういう導 入をするかというのは、評価者訓練を十分行ったかどうかを見極めてやっていく必要が あるのではないかと。ただ、一つ言えることは何かと言いますと、この中でぜひ御議論 いただきたいのは、能力と実績という2つのメルクマールで評価をしようとしている場 合に、評価というのは、どちらかと言いますと業績評価が極めて短期的で難しいわけで すね。能力評価のときにある意味ではやっていかないといけない部分でございまして、 そういう点でバランスを何対何にするかによって総合評価というのは変わってくるんだ ろうと思いまして、それが例えば年齢でいくのか、職制によるかによって、どういう段 取りで入れていくかということを御議論していただければ、入り方としてはスムーズに 行く部分もあるのではないかと、こんなことも考えておりまして、是非、ここは今の検 討状況を、早めに出させていただきたいと思いますので、御議論を賜れればと考えてお ります。  小林委員  そんなに劇的に何かすごい変化があるということではないというお話なので安心した のですが、ただ、袖井先生がおっしゃったような問題というのは出てくると思うんです ね。民間企業でも、いわゆる成果主義と言われている考え方、どの会社でもとっている わけですが、なかなかこれが難物でございまして、各社とも非常に苦労している。破綻 しているのではないかと言われている会社すらあるという状況でございまして、特に難 しいのは定量的に成果が計れない仕事、知恵を出す仕事とか、スマートさを要求される 仕事とか、人と人をコーディネートする仕事とか、そういうスタッフィング業務という のは成果が非常に計りにくいんですね。営業とか、研究開発をしている人間のように、 これができた、あれができた、何件売った、幾ら売ったという形で定量的に成果が計れ ればいいのですが、そうでない業務については非常に難しい。  したがいまして、今お話が出ておりますように、相当にうまく評価者教育をして、そ この評価に恣意性が入らないような仕組みを慎重におつくりいただきたいと思います。 そういうことを専門にしているプロのアドバイザーも世の中にはだいぶいるようでござ いますので、そのようなプロも入れていただき、それから現場感覚ですね。現場がどう なっているかというのをよくわかった方に詳細設計作業にぜひお入りいただくというこ とと、当社なんかもやっていますが、今の評価制度がうまく機能していると思うかどう かを職員の方にアンケートで毎年確認していく、それで必要な軌道修正をしていく。そ のくらいのきめの細かさをお持ちになって、慎重におやりになった方がいいかなと思っ ております。  陶山委員  少し論点がずれるかもしれませんが、関連して一言だけ意見を申し上げたいと思いま す。一般論になりますが、組織が全体として活力があって、仕事に対する意欲のある雰 囲気、これが持続した形で動いていくということが、当然のことながら理想でありま す。これはあくまでも理想なんですが、そういう前提で申し上げるならば、私がたまた ま経験したのは行政組織の経験しかありませんが、責任感を持って仕事に当たる人の割 合がどれくらい高いか、大きいか。もう少し広げて、仕事に対するモラルの意識の強い 人、高い人、これが全体の中でどれぐらいのウエイトを占めているか。この2つの要素 が非常に大きな影響を持つのではないか。理想論かもしれませんが、組織全体をいい方 向に動かしていくような要素を持った仕事ぶりの人、こういう人たちに処遇の上でメリ ットを与える。具体的に言いますと、昇進の仕方ということであります。  社会保険庁について、私は詳しいことはもちろんわかりませんが、批判をする意味で 申し上げるのではなくて、長年同じ仕事で、全国組織でやっていらっしゃったわけです から、全体として社会保険一家という意識が職員の方々に定着をしてきたはずでありま す。さらに地方事務官制度という特殊な制度が長年続いてきた。人事の上で、特異な制 度でありますから、都道府県の壁ごとに人事が動いてきた。今はなくなりましたが、そ ういう制度が長年続いてきた。このことの影響もあって、全国一本として、社会保険庁 全体として、仕事の仕方を活力のある形でどう持っていくかというようなことがなかな か難しい面があったのではないかという感じがいたします。  長官のお話を伺っておりますと、職員の意識もかなり変わってきたというお話であり ますし、制度改革を含めて新たな方向に歩み出そうとしている、そういう状況でありま すが、人事の制度については、ただいま申し上げましたモラル、責任感の高い人たちが 努力すれば報われるという意味において、昇進の制度を組織全体の活力の維持に結びつ くような方向でぜひ考えていただきたいというのが、行政組織の中に長年おりました立 場での感想であります。  佐藤座長  ありがとうございます。ほぼ時間になりつつあるのですが、特に発言のある方はいま すか。  袖井委員  次回に資料をいただきたいのですが、非常勤職員に対する期待というか、非常勤職員 が改革の後もかなり残ると思うので、できればどのぐらいの給与なのか。例えば資料2 −3の最後に、国民年金推進員の給与の在り方の見直しとか書いてありますので、恐ら くとても安いのではないかと思いますので、できましたらその辺のことを、次回で結構 ですが、教えていただきたいと思います。  杉山委員  1点、先ほど小林委員から、成果の見えやすい仕事と見えにくいお仕事があるという お話があったのですが、できましたら、社会保険庁の業務の中で、これは割に成果が見 えやすいので評価しやすいとか、ここはちょっとわかりづらいというのを少し分けて資 料を出していただけたらなと思います。以上です。  岸井委員  コストの関係で言いますと、システムの刷新、これの現状と展望についてある程度わ かればと思うのですが、何か資料があればなと思います。  佐藤座長  これも可能でございますか。現状と展望についての資料を次回でも御提出いただきた いと思っております。  袖井委員  前の資料3のところに戻ってしまうかもしれませんが、国民サービスの向上のための 取り組みというのがあって、社会保険庁とか、社会保険事務所というのは待っているよ うな役でとてもフットワークが悪いんですね。それで、もっと出ていくということをお 考えできないか。例えば郵便局に出ていくとか、駅ビルに出ていくとか、週に1回ぐら い、営業時間を長くしても社会保険事務所は大体とても不便なところにあって行かれな いんですよね。ですから、そこの辺のところへ出ていくということをぜひ今後、お考え いただきたいと希望しております。  佐藤座長  国民のための利便性などを考慮して社会保険庁としても外部へだいぶ出る方向で動い ているとの御報告はありますが、不十分だということですね。ほかに特にございます か。  それでは、ほぼ時間になりましたので、さらに今後議論を続けなければいけません が、最後に長官ないしは大臣の方から御発言があれば伺っておきたいと思っておりま す。  尾辻厚生労働大臣  改めて御礼申し上げたいと存じます。本日もお忙しい中をこうしてお集まりいただき まして、長時間にわたっていろいろ御論議をいただきました。私は、極めて率直に申し 上げるのですが、実は今日は大変恥ずかしい思いをして座っておりました。電話の相談 の応答率にしてもそうであります。あるいは監修料についてのお話もございました。も っと恥ずかしそうに申し上げていいと思うことを、事もなげと言ったら言い過ぎになる かもしれませんが、申し上げているさまをここに座って聞いておりました。本当に反省 しているのかなというのが私が思っていたことでございます。  先生方は大変お優しいので、優しく言っていただいておりますが、私が先生方に国民 の目線で御論議をお願いしますと申し上げながら、一体我々の方に国民の目線というの がどこにあるんだろうということを思いますと、本当に今日、私は改めて反省をいたし ておりますし、私の立場で、そういう意味ではねじを巻き直さなければいけないなと思 っているわけでございますが、そこのところは今日申し上げているように、本当に改め て反省いたしておりますが、どうぞ今後とも、先生方の厳しい御意見を改めてお願い申 し上げたいと思います。そうでなければ、社会保険庁は変わらないと改めて今日思って いるわけでございます。  お優しいと申し上げましたが、何となく、「民間企業的人事・処遇の導入」なんてい う言葉を使いますと、えらい厳しい民間企業がねじを巻いている、そんなイメージでお とりいただいているんだと思いますが、これまた率直に言わせていただくと、むしろ悪 貨が良貨を駆逐するような、そういう組織だけはつくり直さないといけないと思ってい るわけでありまして、そういうレベルの話だと御理解いただいた方がむしろいいのでは ないかと、あえて申し上げておきたいと存じます。  横並びという話もございましたが、決してもうそんな話ではありませんで、とにかく ここはもう一回、本当に反省して出直さなければいけない。ボーナスで少々の差がつく ぐらいのことは当然だと思っておりまして、ぜひ改めて、そうしたことなんですという ことを申し上げて、今後の御指導をよろしくお願い申し上げたいと存じます。  村瀬社会保険庁長官  2点だけちょっとお話しさせてください。先ほど御質問がありましたように、費用対 効果の問題というのは、行政というのはなかなか明確になっていない部分がございまし て、私としては、同じ業務をやるにしても、いかにコストを安くしてサービスの品質を 高めるか。ここはやはり一番大事なところだろうと思っていまして、ここは徹底的に業 務の中で追求をしてまいりたいというのが1点目でございます。  2点目で、今まで、御存じのように社会保険庁は待ちのサービスを中心に考えており まして、その中で先ほどたまたま年金の相談ということで、電話もしくは来ていただい て御相談をしていただいている。膨大な数の方々に相談業務をやっているわけでござい ますが、よくよく考えていくと、相談をしていただかなくても済むようにするのが一番 のサービスではないかと。そういう観点からいきますと、年金に関して言えば、商品の 周知と、お金をちょうだいすることと、お金を頂戴した記録管理をすることと、記録管 理に基づいて年金を給付させていただく、この4点をきちんとやれるかどうかという話 でございまして、そこの部分を明確にしていけば、例えば相談業務というのは、極端な 言い方をすれば、私は半減できるのではないかと。また、それを目指すのが本当の行政 サービスではないかと考えておりまして、これは大山先生にも御協力をいただいて、シ ステムである程度対応できなければできませんので、システムをきちんとつくり上げ て、記録管理をしっかりして、国民の皆さんにしっかりしたお知らせをする、こういう 形で仕事のやり方を早い時期に変えていきたいと。ここが我々が目指さなければいけな い方向だろうと。ぜひそういう点で、これからの議論の中で厳しい御指摘をしていただ けたらと考えております。  佐藤座長  それでは予定の時間が参りましたので、本日の会議はこれで閉会とさせていただきま すが、よろしゅうございますか。  次回でございますが、8月29日午前10時から社会保険業務センターと社会保険事務所 の視察を行わせていただきたいと思っております。御案内は改めてあると思います。よ ろしくお願いします。  次々回は9月8日木曜日ですが、13時30分から15時30分までを予定しております。新 人事評価制度と業務改革の在り方について議論させていただきたいと思っておりますの で、よろしくお願いいたします。  どうも今日は遅くまでありがとうございます。                                     (了) 【照会先】  政策統括官付社会保障担当参事官室   津曲、川島   03−5253−1111   (内7702、7708)