05/06/17 第5回今後の児童家庭相談体制のあり方に関する研究会議事録 第5回 今後の児童家庭相談体制のあり方に関する研究会 議事録 日時:2005年6月17日(金) 13:00〜16:00 場所:厚生労働省 専用第16会議室(13階) 出席者:  委員   山縣座長、井上委員、岩佐委員、上廣委員、江成委員、小野委員、川崎委員   後藤委員、佐藤委員、菅野委員、関根委員、高橋委員、濱田委員、前橋委員  事務局   伍藤雇用均等・児童家庭局長、高井総務課長、長田総務課長補佐   山本虐待防止対策室長 議事:  1. 開会  2. 事務局説明  3. 横須賀市の取り組みについて(高橋委員)  4. 相模原市の取り組みについて(江成委員)  5. 水巻町の取り組みについて(小野委員)  6. 討議  7. 閉会 配布資料:  資料1 第4回研究会における主な議論の概要  資料2 横須賀市の児童虐待対策への取り組み(高橋委員提出資料)  資料3 相模原市における児童虐待防止対策事業(江成委員提出資料)  資料4 ほっとステーション4年間の歩み(平成13〜平成16年)の報告について (小野委員提出資料)  資料5 市町村における児童家庭相談体制の整備について  資料6 関連資料 ○山縣座長  まだ関根委員は若干遅れるという案内があるようですが、岩佐委員は特に入っていま せんけれども、定刻になりましたので、ただいまから第5回の研究会を開催させていた だきたいと思います。  本日はお暑いところお集まりいただきましてありがとうございました。早速ですが、 改めて出席状況の確認と、今回もたくさんの配布資料をいただいておりますので資料の 確認をお願いしたいと思います。 ○長田総務課長補佐  事務局でございます。まず冒頭、ご案内でも案内させていただきましたが、この霞が 関付近は6月以降、軽装励行ということで対応させていただいておりますので、軽装で 対応させていただいております。  それから出欠の状況でございますが、小林委員が所用により欠席とのご連絡をいただ いております。岩佐委員はまだお見えになっておられないようですが、小林委員以外の 先生方はいずれもご出席ということで。あと関根委員は30分程度遅れるというご連絡 をいただいております。  それから資料の関係でございますが、配布資料として全部で6点ございます。いつも の「前回の研究会の主な議論の概要」ということで資料1を。それから資料2以下でご ざいますけれども、本日これから後ほど高橋・江成・小野委員にそれぞれのお取り組み の状況ということでご説明をお願いしておりますが、高橋委員からの提出資料が資料2。 江成委員からいただきました資料が資料3。それから小野委員からちょうだいしました 資料として資料4ということでございます。  それから一枚紙でほとんど項目が書いてあるだけなんですが、「市町村における児童 家庭相談体制の整備について」という論点メモみたいなものが資料5で用意をしており ます。それから関連資料ということで、資料6を用意させていただいております。以上 が資料の関係でございます。  それから、参考資料ということで、前回のご議論の中で、それぞれ都道府県が独自に 市町村向けのマニュアル等を作成されているというような実践のご報告もいただきまし て、座長からもぜひそういう物を配布してほしいというご要請がございました。3点ご ざいまして一つは「愛知の子ども虐待対応マニュアル」ということで、これは実は以前 から井上委員から既にご提供をいただいておりましたもので市町村の議論のときに配布 をさせていただこうと思っておったのでございますが、このタイミングになりまして恐 縮でございます。それから江成委員からご提出をいただきました神奈川県で作っておら れる市町村向けのガイドライン。それから関根委員からご提供いただきました埼玉県が 作られています市町村向けの指針ということで市町村マニュアル関係が3点ございます。 それから4点目としまして山縣座長の方からご提供いただきました山縣先生が主任研究 者で対応されました厚生労働科学研究の報告書をちょうだいしておりますので配布させ ていただいております。それから最後に表・裏の一枚紙でございますけれども、虐待の 予防、推進及び新たなニーズに対応する母子保健事業に関する研究ということで、これ は前回の研究会の中で高橋委員からご紹介いただいた関係の研究でございますが、それ を受けまして山縣座長からぜひその内容を配布してほしいということでご要請がござい ましたのでご用意させていただいたものでございます。以上でございます。 ○山縣座長  はい、ありがとうございました。資料の欠落等、ございませんでしょうか。本体の方 の資料につきましては、今日の議論でいろいろ活用していただくということになります し、参考資料につきましてもいくつかはひょっとしたら今日の議論の中で活用するもの が出てくるかもしれません。各委員の方々、ご提出ありがとうございました。  それでは、引き続きまして今回の課題、本日の議事の確認をしたいと思いますが、今 まで県レベル、あるいは県の関連機関というところでの議論を進めてまいりましたが、 今日は、いよいよ市町村における取り組み状況ということで、いろんな情報交換・意見 交換をしていきたいというふうに思います。特に前半では3人の市町村の方々に来てい ただいていますので、それぞれの市町村における取り組みをご説明いただくということ を考えています。後半は若干休憩を挟みまして、これまでの課題で少し消化不良の部分 といいますか、十分議論を尽くしていない部分につきまして、時間を取ってご意見を伺 うということにしたいと思います。  早速ですが市町村の議論の進め方につきまして、何か事務局の方で準備があるようで すので。 ○長田総務課長補佐  以後座って説明をさせていただきます。本日先ほど申しましたように高橋委員・江成 委員・小野委員から、それぞれお取り組みの状況をご説明いただくということでご快諾 いただいておりますけれども、まず順番といたしましては自治体の人口規模順というこ とで高橋委員に最初にご説明をいただきまして、その次には江成委員、最後に小野委員 ということでお願いできればと思っております。それから、説明の一応の目安というこ とでは20分程度ということでお願いをしたいと思っておりますが、もちろんしっかり と内容を学ばせていただくということが肝要でございますので、若干その話が延びると いうことにつきましては柔軟に対応していただければと思っておりますので、どうぞよ ろしくお願いいたします。 ○山縣座長  それでは人口順ということだそうでございますので、高橋委員からよろしくお願いし ます。 ○高橋委員  人口では相模原よりちょっと少ないですね、横須賀の方が。では最初にお話させてい ただきます。  横須賀市は三浦半島の端の方にあるところです。人口は43万ちょっとというところ で平成13年から中核市になっております。年間の出生が3,700弱で、ここ何年も推移 している、というようなところです。保健所は保健所政令市ということで昭和23年こ ろからずっと持っておりまして、平成9年に保健所の機構改革、整理などをしまして3 保健所あったものを1カ所にし、市内に4カ所の健康福祉センターを立ち上げてそこで 母子保健を行うというような形でやってきておりますので、中核市ではありますが、保 健所に医師がいたりとか、いろんな職種がいたりというところは、わりと長い経験があ るというところはあります。  私が今日お話させていただくのは、横須賀市で平成12年から虐待防止事業というこ とで立ち上げてきましたので、その辺の経緯と今どういう取り組みをしているかという ことと、これからの課題あたりをお話させていただきたいと思います。  めくっていただきまして、横須賀市の場合は虐待事業というのは母子保健事業の中で 最初に位置づけ、今はいろいろな機構改革の中で児童福祉と母子保健が一緒に動いてお りますので、かなり一緒に児童福祉の中であったり母子保健の中であったり、両方に事 業が組み込まれて動いてはおりますが、当初は母子保健の中から立ち上げてきたという 経緯があります。  最初、母子保健の中でどうして起きたかというようなところが、スライドの順序が大 分違ってしまったのですが、3ページ目の、横須賀市の児童虐待防止事業取り組みの経 緯というところを見ていただければと思います。3ページ目の下のスライドです。母子 保健事業の中では、新生児の方も赤ちゃんが生まれてから1カ月以内の訪問であったり とか、乳幼児検診であったり、いろんな教室などで、どこの市町村も同じかと思います が、ほとんどの親子に接する機会があります。横須賀市の場合も、乳児検診が100%近 い受診率であったり、1歳半・3歳の検診でも94〜97%という受診率をずっと得ていま すので、ほぼ全数の親子にかかわるチャンスがあります。  そんな中で、昔は障害をいかに早く発見するかというような関わりの中でそこのサポ ートを中心にやってきたんですが、平成6年7年ころからそういった従来の手法だけで はちょっと解決しない虐待の事例に出会うことが多くなってきました。  そんな中で私たち保健師も従来の手法だけでは自信がないというか、これで良いのだ ろうかという疑問を持つようになってきたり、それから親御さん自身の、主にお母さん ですが、お話を聞いていくと、虐待しているとかそれが疑われるようなお母さんたちが 非常に孤立していて、「こういうことをしているのは私たちだけなのだろうか」というよ うな声がかなり出てきていましたので、そこを何とかしたいという思いで児童相談所と いろいろ連絡を取っていくのですが、児童相談所はかなり重たいケースに対応しており ますので、いわゆる軽いというか疑われるとか、そういうケースについてのケース会議 を開くのはなかなか難しい、時間的にも難しい。それから中等度であっても、市町村の いろんな人たちが関わっていく中で児相ではまだまだ軽いだろうと思われていても主任 児童委員さんを含め保育園等が非常に混乱していくということがたくさん出てきました。  そういう中で、このまま児童相談所だけに虐待問題をお願いしていくのはちょっと無 理があるだろうというような思い、それから私たち市町村の職員に対してスーパーバイ ズしてくれる機能をきちんと作らないと、私たちも混乱してしまうというような思いか ら12年度に虐待防止事業を立ち上げてきています。このときがちょうど保健部門と福 祉部門が課として統合した時期に一致します。  このときに、今申し上げたようなケース会議を市町村が立ち上げられるようにという ことでネットワーク会議(ネットワークミーティングと呼んでいますが)を起こしたり、 それから親御さん同士のMCGといわれる気持ちを吐露するような場、私たちはラベン ダーと呼んでおりますが、そんな場を設けたり、それから従事者のための研修の予算を 取ったり、スーパーバイザーの予算を取ったりという形でやってきています。スーパー バイザーとしては東京都の虐待防止センターの方からかなりのご協力をいただいて、や ってきております。  それで、この虐待防止事業という看板を立ち上げることによりまして、4ページを見 ていただきたいのですが、相談件数がかなり増加してきました。それから情報があって 即、現場を見に行かなければいけない、判断つかないような状況が結構あがってきてお りました。  それと併せて児相の一時保護所がいっぱいであると。施設がいっぱいであるというこ とを含めて、特に乳児の母子保健の場合は、先ほど申しましたように健診や家庭訪問か らケースを把握することが多いものですから、年齢の低いお子さんたちへの対応がなか なかできない。親子分離しないまでも短時間分けて、安全を守ったり親御さんのレスパ イトをできるような政策が欲しいということで平成14年にこんなことを取りまとめて 子ども虐待予防相談センターということで、通常YCAPと呼んでおりますが、この組織 を立ち上げ子ども虐待に対応する専従のチームを作りました。  これは子育て支援課の中に置きましたので、児童福祉も母子保健もやっているところ になります。ここの職員は、ここには書いてありませんが、保健師と事務職とそれから 非常勤の保健師や心理職、保育士、あと精神科のドクターに月1回、相談に来てもらう という形で立ち上げてきています。  これを立ち上げるときに一番問題になったのは、虐待予防相談センターということで 私たちは予防をやろうということで立ち上げてはいるんですが、市民から見て、児童相 談所と、このYCAPとで混乱するのではないかということが、とても懸念されました。  その下にあるように、一応役割分担というようなことで児童相談所とYCAP、それか ら市内に4カ所あります健康福祉センターとの役割分担、それから主任児童委員さんを 中心として保育園等も入りますが、地域を見守ってくださる人たちとの役割をというこ とで、こんな図をつくってみました。  が、実際にはこんなにすっきりいくものではなく、重複しているところももちろんあ るのですが、そのケースそのケースで結構議論をしたり、混乱したりしながらずっと経 過してきております。  5ページを見ていただきまして、この虐待予防相談センター・YCAPの事業は一応こ のようになっております。一般相談ということで、これは随時電話や面接で市民の方か ら要望があったときに職員が対応しています。保育士・保健師・心理相談員が対応する ということです。それから心理相談員による心理相談ということで予約制でやっており ます。それからメンタルヘルス相談というのが精神科医師による予約相談です。これは 市内の総合病院の精神科のドクターにお願いしています。ラベンダーというのが12年 からやっておりますグループミーティングです。  それからネットワークミーティング、これは横須賀市の場合は今まで二層構造という ことで全体会と各ケースへの対応の部会ということで、二層でやってきております。  それから緊急一時保育と緊急一時入院、この二つをこのYCAPを立ち上げと同時に作 っております。これは先ほどの乳幼児の対応策の一つとして事業立てしたものなのです が、保育園で一時保育というものをやっておりますので、そこを虐待予防のために原則 六日間という形にはしてありますが、利用者負担なく使えるようにという形でやってお ります。それから市内の市立病院の小児科に緊急一時入院ということで昼夜分離した方 が良いようなケースの場合には病院で受け入れてもらおうということで、これも利用者 負担なしに、事業立てしてきました。  あと啓発活動ということで、予防活動を中心に立ち上げたということもありまして、 かなり力を入れて啓発活動をやってきております。そこに啓発活動の対象者ということ でいろいろ書いてありますが、この中で学校とか医療機関というのは、外で場所を変え てやってもなかなか出てきていただけないということがありまして、病院については毎 年順番で市内の総合病院を会場にお借りして医師会や看護協会とタイアップしてやらせ ていただいてきております。  それから、学校への啓発活動は、最初のうちは、なかなか参加者が少なかったりとか、 その後の効果がどうなんだろうかとか、いろいろ悩む時期もあったのですが、ここ何年 か経過してきますと今は学校でのいろんな啓発活動の成果が出てきたなというふうに感 じております。それはまたこの後の数字でお示ししたいと思いますが。  というような形で平成14年度からこのYCAPを立ち上げ、次の6ページを見ていた だきまして、現行の母子保健事業と子ども虐待防止事業の関連図ということで書いてあ ります。これは母子保健事業中心に書いてありますが、この枠の外に保育園があったり 幼稚園があったり当然その外に連結する場所として児童相談所があるわけであります。 私たち保健サイドに携わる者としては医療機関との連携は非常に取りやすいと思ってお りますので、その辺が見えるようにと思っています。  右上の方に二重線で囲んであります周産期保健看護連絡会というのが、これが市内の 小児科・産科を持っている病院との看護職との年一回の連絡会を持ってきております。 これを平成11年からやっておりまして、回を重ねるごとにかなり早い時期に妊娠中の ケースの紹介があったり、フォローの必要なケースについて妊娠中から連絡があったり 出産時の入院中から連絡をいただいて退院する前に病院に行ってお母さん・子どもと面 接できるという関係がかなりできてきています。  こういった形の中でやってきておりまして、7ページYCAPの形態、今年4年目に入 ってきておりますが、法的な根拠がない中でやってきておりますので、いろいろYCAP のあり方そのものも、右の方にずれたり左の方にずれたりといろいろ揺れながらやって きはおりますが、児童福祉法が変わってからYCAPをどうしていくかということは今議 論をしている最中であります。この児童福祉法が変わって児童相談の一時的な相談が市 町村になったということで今はYCAPが虐待問題を担当し、青少年相談センターという ところがありまして、そちらが青少年非行の問題を担当したり教育相談の場所があった りいろんな相談場所が市の役所の中に点在していますので、そこを少し一本化しなけれ ばいけないということで児童家庭相談窓口の強化ということで今、体制を整える準備を しているところです。  それから子育て支援課という課が児童福祉の担当課でもありますので、児童扶養手 当・母子家庭の手当とか、いろいろその手当を申請に見える方が非常に大きな悩みを抱 えていたり、いろんな問題を抱えていたりということがありますので、とりあえず今年 のこの相談窓口強化の入り口としまして、子育て支援課の中に、相談窓口をきちんと体 制づけるということで今準備をしております。  それから結構夜間、といっても10時ころまでの間なのですが、職員が残っていると、 いろんな相談が入ってきます。その辺を夜間休日対応できる政策を何とかということで、 来年18年1月から休日夜間の相談体制ということで24時間相談に対応できる準備を今 進めております。これについては非常勤の職員で心理職員でというふうに予定しており ます。  それから、今まで虐待のネットワーク会議を持っておりましたが、虐待だけでなくと いうことで児童家庭相談ネットワーク、この名称がちょっと変わりましたが、子ども家 庭地域対策ネットワーク会議をこの7月に立ち上げる準備をしています。従来の虐待の ネットワーク会議を再構築という形で、準備しております。従来、横須賀市が二層構造 でやってきましたものを三層構造に変えるということで、準備しております。  それから、中核市でも児童相談所が持てるというふうに児童福祉法が変わりまして、 18年4月、市の児童相談所を持つということで準備をしております。これについては本 当に課題が多くて、県の児童相談所のご指導をいろいろいただきながらやっているとこ ろです。  その後に横須賀市の児童虐待の状況ということで数字を出してきております。7ペー ジの下の図と表は県の横須賀児童相談所から数字をいただいたものです。トータルの、 表の右端の数字を見ていただくとわかるかと思いますが、15年度から倍以上に横須賀児 相の受理件数が増えてきております。右グラフを見ていただくと、その中でもネグレク トがかなり急激に伸びているという状況があります。その下の表を見ていただきますと、 乳幼児も半数を占めておりますが小学生・中学生が80%近くを占めております。この辺 で、以前はなかなか学校からの情報があがってくるというのは非常に時間がかかって難 しかった状態があり、学校間の格差もかなりあったのですが、この辺15年16年と数が 伸びてきている。一つには学校を対象にした啓発活動の成果かなと思っております。そ れから乳幼児のところでは保育園からの数も結構あがってきております。  その次の8ページをお開きください。YCAPの活動状況ということで載せさせていた だいています。平成14年にYCAPを立ち上げていますが、このように12年に虐待防止 事業を立ち上げるに当たって平成10年から少しずつ数字を集めてきております。12年 に虐待防止事業を立ち上げると同時に、(これは主に健康福祉センターの保健師たちの持 っている数字です)虐待だけではなくて疑いの件数もかなり含まれますが、数がどんど ん増えてきておりまして、YCAPという看板を掲げると、またまた増えてということで 数的には非常に多くなり、対応している職員はかなり忙しい中でやっております。  把握契機の方を見ていただきますと、16年については本人からの相談が30%弱、27% となっております。これは開設当初よりもだんだん増えてきております。看板を掲げる ことによって悩んでいるご本人が相談しやすい場所ができたということと受けとめてお ります。  それから8ページ下の表を見ていただいて、把握方法ですが、これは15年16年しか 表の中には入っていませんが、当初は保健サイドからということで健康診査や家庭訪問 からの把握数が大半を占めていたのですが、最近では関係機関からの相談とか情報がか なり入ってきております。  それから4番の把握時の年齢ですが0歳が22%。この中では新生児・3カ月健診あた りでの把握が22%の中の大半を占めてきております。それから1〜2歳、2〜4歳という ことで3歳半まで母子保健の中で健診をやっていますので、この中での把握、それから 保育園からの情報がかなりあがってきています。  9ページについてはYCAPで行っております事業の集計数です。先ほど申し上げまし た緊急一時入院・緊急一時保育というのは、親御さんの了解を得た上でやっているもの ですが、年間大体このくらいの数が毎年あがってきておりまして、病院に緊急一時入院 という形で入院した後を児童相談所の一時保護という形に切り替えて使っているケース もあります。  ラベンダーの親御さんの教室の方は数としてはなかなか増えてはいきませんが、ここ に参加したいということで登録している方は、毎年30名くらい、いらっしゃいます。  この3年間YCAPというものを立ち上げてきた中で、いろいろ見えてきたものを最後 にまとめさせていただいています。  看板を掲げることによって、ご本人も悩んでいるというのが見えてきます。本人から の相談が増えてきたり、それから関係機関からの情報がかなり増えてきています。この 中には、学校もちろんそうですが保育園・幼稚園からの相談。見守り機関として保育園・ 幼稚園はかなり期待されますが、そこでの職員はかなり悩みながら混乱しながらやって いるというのも、よく見えてきました。その辺の職員をサポートするという意味で、精 神科医や心理相談員に保育園・幼稚園に出向いて行って事例検討をやったり、いろいろ 相談に乗ってもらったりということをしてきております。そういった職員のサポートを していかないと、この虐待問題にかかわる職員・関係者も疲労困憊してしまうというこ とを痛感しています。  それから虐待者本人へのサポートということで、YCAPの方ではこのMCGであるラ ベンダーとか個別相談を実施してきています。児童相談所は児童相談所で面接をし、指 導してくださっておりますが、親御さんの方は上手に使い分けて、気持ちを癒したいと きにはYCAPの方を使ったり、いろいろ預けたいという思いがあると児童相談所に行っ たりという形で、結構うまく使い分けている方もいらっしゃいます。  それから、啓発活動の効果として先ほども申し上げましたがネグレクトの把握がかな り増えてきているという状況があります。  今、児童福祉法が変わったりいろいろ体制を変えていく中での今後の課題ということ で、10ページにまとめさせていただいておりますが、保健と福祉は比較的同じ役所の中 でずっとやってきておりますので、壁がないというわけではありませんが比較的低いハ ードルでやってこられました。ただ学校教育の場は、いろんなところでなかなか難しい ということを虐待問題だけではなく他の事業でもよく感じたのですが、まだまだこれか らいろいろ検討していかないといけない部分があります。  いろんな相談が市町村に降りてきていますが、いろんな調査も市町村でといったとき に、学校に行ってからのいろんな問題は、非行との絡みがあったり結構重症化している ケースが多くて、そこのところをどう、誰が担っていくのかというのが、まだ私たちの ところでは整理しきれていないところです。  それからこういった虐待問題をやってきますと、最初のスライドに、虐待の関連の家 庭訪問ということで、1ページ目の下のスライドに書いてあるのですが、横須賀市での 16年度の家庭訪問のうちの実家庭訪問件数のうちの14.9%、15パーセント弱、延べで いきますと25%弱を虐待関連ということで家庭訪問してきています。保健事業の中では いろんな意味で予防ということを大事にやってきているのですが、この虐待問題に取り 組んでいきますと何度も重複して関わっていくことが出てきますし結構エネルギーも時 間も使います。そうすると、どうしても予防の部分が薄れていってしまいますので、今 回の法改正の中で市町村に降りてきたとき、市町村が担う予防の部分をどう守っていく のかというのは、今私たちの中では大きな課題となっています。そこを守れるような体 制にしていきたいなと思っています。 それからそのことも含めて、3番目の児童相談所との役割の明確化というのが必要に なってくるかと思いますが、横にきれいに線で仕分け、ここからここが児相、ここから ここが市町村というふうにできるものでありませんので、お互いに引いたり出たり重複 しながらやっていくものであろうとは思いますが、いかにその隙間をなくしていくかと いう一番のキーは、やはり人間関係かなというふうに思っています。  それから先ほども申しましたが、私たち横須賀市では非行へのケースワークという部 分はほとんど経験がなく、いろいろ啓発事業とか相談とかをやっておりますが、個々の ケースワークという部分では非常に経験が少なくて、この分野をどうやって対応してい くのかということ、それから職員の人材にも限界がありますし、それから人事交流とい う意味でも限られた中で現役とは違いますので、そういった中で職員をどうスキルアッ プしていくかということが大きな課題になってくるかと思います。   ○山縣座長  はい、ありがとうございました。  いろいろなご質問等があろうかとは思いますが、一括をしていこうと思いますので、 申し訳ありませんけれども、次の相模原の状況につきまして、江成委員にお願いをいた します。 ○江成委員  それでは相模原市における児童虐待防止対策事業ということでご報告をさせていただ きます。  児童虐待防止対策事業ということで銘打ってはいるのですが、この4月から体制を少 し変えておりますので、児童家庭相談の体制についても踏まえながら少しお話をさせて いただきたいと思います。  相模原市についてですが、北東側を東京都に接する神奈川県の北部に位置しておりま す。  面積的には90.41平方キロメートル、東京から40キロという距離的なところもあり まして、人口の増加が続いております。  現在の人口は約62万人を超えているところです。  昨年度の出生数は5,819人、人口増加数は3,043人で、市民の平均年齢は約40歳と いうことになっております。  市としては平成12年に保健所政令市となりまして、15年4月には中核市ということ になっております。  余談にはなりますが、現在津久井郡4町との合併の協議を進めている最中でして、合 併によって面積は329平方キロメートル、人口的には約70万人となるということが見 込まれているということになります。  めくっていただきまして、市の組織について、虐待関連ということで簡単にご説明さ せていただきたいと思います。  相模原市においては保健福祉部と保健所、それから教育委員会が中心となって児童虐 待防止に対応しているところです。  今年4月の組織改正によりまして、昨年まで虐待ネットワークの事務局であった子育 て支援課の方の組織改正を行いまして、次世代育成推進支援対策行動計画の方の進行管 理とか児童手当の関係等を担当しますこども育成課、それからもう一つ、課としては子 どもセンターとか児童クラブとかそういったところを担当しますこども施設課の二つに 分かれました。  さらにこども育成課内の課内室ということで、子どもとその家庭に関する相談体制の 充実とか、児童福祉法及び児童虐待防止法の改正に対応するためのこども家庭支援セン ターを設置した、という形になっております。  次の図になりますけれども、相模原市では平成12年11月の児童虐待防止法の施行を 受けまして、平成13年5月に相模原市児童虐待防止ネットワークを設置しております。  ネットワークの構成自体は、児童虐待防止協議会と児童虐待防止連絡会議で構成をし ておりますが、協議会については児童虐待への取り組みに関する情報交換・協議・連携 等に係る事項を所掌しまして、次のページの上の方の図になるのですけれども、保育園・ 幼稚園・学校・警察・医師・弁護士・および県相模原児童相談所など市内の関係機関の 代表で構成されております。  昨年度は2回ほど開催をしております。  また連絡会議の方なのですが、さらに連絡会議は二つに分かれておりまして、全体会 議とケース会議を置いております。  全体会議については、市における児童虐待防止対策事業の方向性の検討や、庁内関係 機関のスムーズな連携などについて事項を所掌しておりまして、次のページの下の図の ようなメンバーに、保健・福祉・教育・救急といった市の関連機関の長、および相模原 児童相談所の指導課長で構成されております。  例年3回くらい開催したところなのですが、昨年度は2回の開催ということになって います。  さらに連絡会議の中ですけれども、個別事例の関係機関の担当者で構成されて、個々 の事例に対する情報の共有や具体的な対応方法、それから役割分担を検討いたします児 童虐待対応の中心となる会議という位置づけで、ケース会議を置いております。  昨年度は1年間に80回、各個別のケースについて80回の検討をしているという形に なります。  ページの方は4ページに進んでいただきまして、ただいまご説明しましたネットワー クにおいて全体会議協議会の位置づけは図のようになっておりまして、状況に応じて児 童相談所の方と連携をしながら通告・相談等の児童虐待に対応していくという形になり ます。  次の図になりますけれども、児童虐待把握件数の推移ということで、市民や保育園を 始めとする関係機関からの通告、および母子保健活動の中での把握等による児童虐待把 握件数は、ネットワークを立ち上げた13年度に大きく伸びて211件となりまして、そ の後は同程度で推移をしております。  昨年16年度については197件ということになっております。  また前年度からの継続ケースも含めまして、現在は約360件のケースを持っている、 ケースとして対応しているというような状況になります。  続いて5ページになるのですけれども、具体的な昨年度の児童虐待防止対策事業の状 況ということでご報告させていただきますが、先ほど申し上げたケース会議以外にも、 約360件の市が対応しているすべてのケースについて、昨年までの、これは昨年の話に なってしまうのですが、ネットワークの中心機関であった子育て支援課、それから福祉 事務所、保健所に加えまして、教育委員会の方にも就学児のケースについては出席して いただきまして、各ケースについて個別に対応方法を検討していく定例ケース会議を年 に2回、半年ごとに開催をしております。  定例ケース会議は、ケースが抱えるリスクの複雑化、対応件数の増加が進む中で、各 担当者にとっては、通常の業務に併せてこれをやらなければいけないというところで非 常に負担の大きなものですけれども、半年に1度状況が安定しているようなケースにつ いても含めまして、すべてのケースについて状況の確認ができることから、ケースの支 援に当たっては非常に有効な会議ということで位置づけております。  また児童相談所とは、市の方で対応しているケースのうち、児童相談所と連携して対 応しているものについては、随時のケース会議とは別に年に1回児童相談所と対応方法 の確認を行うということになっております。  また、3月になるのですけれども、新年度に小学校に入学するようなケースについて は、小学校にどのような形で見守りをお願いするのか、また見守りをお願いする必要は ないのかどうか、というようなところを視点に、教育委員会と対応を検討しているとこ ろです。  加えて、新規把握ケースの情報を共有するとともに、状況改善などによる虐待対応の 終結を検討することを目的としましたケース確認会議を、月に1回、開催をしておりま した。  先ほど申しましたとおり、複数の機関でネットワークの中心を担っていたので、そう いった形で月に1回必ず担当者が顔を会わせて、情報の共有を行っていたというような 形になります。  下の図になるのですけれども、この4月に立ち上げました「こども家庭支援センター の概要について」ということでご説明をさせていただきます。  こども家庭支援センターでは、これまで各機関で児童虐待対応に当たっておりました 職員を集約するような形で、保健師・福祉職・保育士などの専門職を中心とした8人の 正規職員および心理相談員・家庭児童相談員・育児支援家庭訪問相談員などの非常勤職 員を配置しております。  相談室とプレイコーナーを配置して相談業務に対応しておりますけれども、主な業務 内容としましては、子どもとその家庭にかかわる相談および児童虐待防止対策事業とい うことで位置づけております。  子どもとその家庭にかかわる相談としましては、保健師、福祉職、保育士、それから 心理相談員などによる専門相談や家庭児童相談員による下位な相談ということで実施を しています。  また児童虐待防止対策事業としましては、児童虐待の相談通告の受け付け、児童虐待 防止ネットワークの運営や個別ケースの進行管理、育児支援教室(MCG)、それから新 規事業として育児支援家庭訪問事業について、その事業については現在実施に向けて調 整をしている最中ということになります。  次のページに移っていただきまして、子どもとその家庭に関わる相談ということでは、 家庭児童相談員が中心となって育児やしつけなどの簡単な相談には対応していただく、 さらに心理相談員や保健師、福祉職、保育士といった専門職が電話や面接、家庭訪問な どで虐待の相談を含む相談に対応していくという形になります。  市の組織としてはこども家庭支援センターですべての相談を受けるということはでき ないものですから、継続的なかかわりや専門的な指導が必要なものについては、保健所 の方の育児相談や療育相談室の方での障害相談、青少年相談センターの非行相談や不登 校相談、保健予防課の方のひきこもり相談といったような形で、適切な相談窓口に引き 継ぐような役割を担っていきます。  続いて、児童虐待防止対策事業についてなのですけれども、児童福祉法・児童虐待防 止法の改正に伴いまして、市町村の役割が強化されたことから、こども家庭支援センタ ーは相模原市における児童虐待対応の中心的な機関としまして、各機関と連携するとと もに、市民や各機関からの虐待に関する相談通告窓口と位置づけております。  児童虐待防止ネットワークはこども家庭支援センターが中心となって運営をしていき まして、今年の秋ごろを目指しているのですけれども、要保護児童対策地域協議会の移 行についても調整を進めていくということで位置づけております。  次のページになりますけれども、こども家庭支援センターでは、虐待や緊急対応が必 要な相談を受けた場合、随時、緊急受理会議および緊急支援検討会議を開催して、必要 な情報や初期対応について組織的に検討した上で、児童の所属施設や自宅への訪問など による安全確認を行っているところです。  また、週に1回支援検討会議を毎週火曜日に開催しているのですが、そちらの中で緊 急でない相談ケースの受理や支援方針の再検討が必要なもの、それから支援を終結する ような部分について、こちらについても組織的に検討していくというような形で位置づ けております。  また、対応の中でケースの状況に応じて、一時保護などの法的な権限や専門的な判定 が必要だというふうにその場で判断をした場合には、速やかに児童相談所の方に連絡を して措置を行いまして、連携をしながら対応していくというような検討の体制となって おります。  また各機関との連携というところでは、通常のケース会議の他に、先ほどご説明をし ました半年に1度の定例ケース会議や新就学児のケース会議などを開催をしていくとと もに、児童虐待対応における課題などを各機関の虐待相談者で検討するような虐待担当 者会議を開催していくというふうに位置づけております。  次の図に移るのですけれども、相模原市の方ではケースが抱えるリスクの複雑化や対 応件数の増加に対応するために、効率的に支援を実施するために、独自の取り組みにも 力を入れているということになります。  まず一つ目なのですけれども、保健所ではケースの約80%を乳幼児が占めているので すけれども、そういった乳幼児のケースについて積み上げたデータをもとにして、一般 的なチェックリストの項目、かなり多くなるかと思うのですけれども、そういった項目 が保健所の中の対応においては必ずしもすべて必要ではない、ということをスーパーバ イザーの先生にお願いした中で、統計学的に分析した上で、相模原市の現状に合った88 項目を選出して、リスク把握のための時間を大幅に短縮させた、市独自のチェックリス トを作成しております。  記入例を9ページにつけさせていただいておりますので、そちらを見ながら聞いてい ただけばと思うのですが、さらにその88項目を11グループに区分をしておりまして、 各グループに重症度の係数をかけることで、重症度を自動計算すると。重症度判定の際 の参考にするような形をとっております。  幼児については既にデータが蓄積されているということがあるのですけれども、その 88項目のすべてに個別に係数を設定しまして、さらに判定の精度を高めているというよ うな取り組みも進めております。  しかしながら自動判定というのはあくまでも予測ということにしまして、最終的な重 症度判定については予測値を参考としまして、担当者自身が決定をするというような形 でやっています。  またチェックリストの記入の手引を作成しまして、チェックリストによる評価頻度や 重症度による基本的な対応を明確にするとともに、記入に当たってのばらつきが出ない ようにしていると。すべての職員が同じ基準でできるような手助けになるように、とい うことで手引の作成をしているという形になります。  チェックリスト作成に伴う効果としては、項目数は通常のチェックリストの約3分の 2に整理したことで、チェックリストの記入時間および重症度判定の時間が短縮された、 また重症度自動計算式によって客観的な重症度の判定が可能になった、記入の手引を作 成することによって共通の認識でチェックリストを記入できるようになった、といった ことが挙げられるかと思います。  ただこのチェックリストおよび重症度判定式につきましては、現在こども家庭支援セ ンターと保健所でのみ使用をしているところです。  一般的に広くお知らせするような内容ではなく、ある程度あくまでも予測であるとか、 そういったところを勘違いされてしまったりとか、そういうところもありますので、そ ちらの二つの機関で使用しておりまして、一般の保育園とか小学校とかそういったとこ ろにつきましては、対応マニュアルをお配りしているのですが、その中で県の方が作成 をしております一般的なチェックリストの提示をしているところです。  次のページに移っていただきまして、独自の取り組みということで二つ目になるので すけれども、昨年度までネットワークの中心組織であった子育て支援課、福祉事務所、 保健所は定例ケース会議だけではないのですが、通常の一般的なケース会議等も含めま して、それぞれが参加をしまして、共通の認識のもとにケースの検討をするためのツー ルとしまして、育児困難家庭のための支援評価シートを作成しております。  記入例としまして10ページにつけているところなのですけれども、支援評価シート は虐待対応においてチェックリストで把握した各リスク要因について、必要な支援計画 を立てまして、実施した支援の効果を評価する一連の流れを1枚のシートで行いまして、 今後の支援方針を効率的に検討することを目的としております。  この支援評価を利用して、支援の計画・実施・評価・改善を繰り返し行うということ は、いわゆるPDCAサイクルというふうに一般的に言われているものだと思うのですが、 そういったことで効果的なケースの状況把握と支援の評価が可能になったということで 評価をしております。  支援評価シートの作成に伴う効果としてはリスク要因の有無から支援の効果までが視 覚的に把握できるようになって、支援が不足しているリスク要因を効率的に把握できる ようになりました。  またケースの現状把握や関係機関による共通理解のために必要な時間が短縮されまし て、支援方針を検討するための時間を確保できるようになりました。  またリスク要因の新旧を把握できるような、編み掛けをするような形で、それからま たプラスマイナスで現在リスクが有る・無しを評価・表現をするところで、リスク要因 の新旧を把握できることで、これまでの経過を含めた継続的な支援評価ができるように なった、というようなことが挙げられるかと思います。  支援評価シートによって、限られた時間の中で多くのケースについて検討を行います 定例ケース会議などにおいては、効果的に支援の評価と今後の支援方針の計画等ができ るようになったというふうに考えております。  図の方については以上になるのですが、最後にこども家庭支援センターは4月に設置 ですので、まだ2カ月半しかたっていないのですけれども、そちらについて評価をさせ ていただきますと、こども家庭支援センター設置の効果としましては、子どもと家庭に 関する相談の窓口や児童虐待に関する通告窓口がまず明確になったということが挙げら れるかと思います。  また昨年に比べまして、複数の機関ではなく中心機関が一つになったことから、支援 方針を組織的に決定することが容易になったということが挙げられます。  また担当者が一つの部署に集約されることで、複数職員による現場対応や、困難事例 について相談できる体制が整った、というようなことが挙げられるかと思います。  逆に、新組織の体制がまだ確立しているとは言えないような状況にはあるのですけれ ども、すでに多くの相談や通告が寄せられておりまして、新規ケースの対応、4月以降 で把握したケースの対応に追われて、継続ケースについて十分な対応ができているとは 言えないような状況にあるかと思います。  また、こども家庭支援センターが、児童虐待対応の専属機関ということで庁内に位置 づけられたことから、市役所内の他の機関との役割分担や、他の機関の児童虐待に対す る認識の低下などの問題がすでに出てきているのではないかというふうに考えておりま す。  組織体制の確立や他機関との連携の強化というところについては、早急に解決をしな ければならない問題だというふうに考えているのですけれども、さらに加えて要保護児 童対策地域協議会の設置とか、育児支援家庭訪問事業の実施といったようなことで、そ の他にも課題が山積をしているような状況でして、庁内的にもかなり頑張っていただい た中での8人という体制であるのですけれども、正直申し上げてその体制では非常に厳 しい状況が、今、続いているというふうに考えているところです。  簡単ですが、以上で報告を終わります。  ありがとうございました。   ○山縣座長  はい、ありがとうございました。  では引き続きまして、小野委員、お願いいたします。   ○小野委員  それでは水巻町の児童少年相談センターの報告をさせていただきたいと思います。資 料4の「ほっとステーションの4年間の歩み」というところをご覧ください。  まず水巻町は北九州市の西側に隣接しています、面積11.03平方キロ、人口約32,000 の小さな自治体です。  児童関連施設としましては、中学校2、小学校5、幼稚園、保育所、児童クラブ、子 育て支援センター、母子生活支援施設などがあります。  センター設置の経緯ですが、行政と議会の協議を経て、0歳から19歳までの子どもの 発達段階での本人や家族のあらゆる問題・相談に対応できる相談機関にしようというこ とで、相談センターの設置および運営条例というのを作りまして、その条例に基づいて 設置されたものです。平成13年4月に町の教育委員会の生涯学習課の中に設置されて います。設置当初は旧保育所が倉庫の状態だったものですから、それを改修して相談セ ンターを設置したのですけれども、16年4月に新築しまして、愛称を小学校と中学校か ら募集したのですけども、その結果「ほっとステーション」という名前にしていただい て命名したということです。  センターは建築面積が210.6平方平米で、事務室1、相談室2、子供室2、多目的室1、 倉庫1ということで、これは宮崎県産の杉の間伐材を利用しての木造平屋建てのセンタ ーで、中に入りますと杉の木立にいるようなそういうふうな建物になっています。  相談対象とか業務・機能ですけれども、今申しましたように0歳から19歳までの本 人および家族、あるいは関係機関の相談に当たっています。この関係機関というのが実 は教職員からの本人からの相談が時々メンタルであるものですから、そういうふうなも のも相談に当たっています。  業務は児童虐待防止に関する業務、いじめ・不登校・ひきこもり・非行等の防止に関 する業務、その他未成年の健全育成に関する業務ということで、こういうふうな三つの 業務を主にやっています。  センターの機能ですけども、これは相談機能、ネットワーク機能、居場所機能という 三つの機能が主にありますけれども、この中核的なものはここに書いてありませんけれ ども、事務局機能というのがなり大きなウエートを占めているかと思います。  4の「相談センターの職員体制」ということですが、現在は5名体制でおります。私、 所長1名と相談員3名、臨時職員が1名ということです。  それぞれ資格を持っておりまして、産業カウンセラーだとか社会福祉士、精神保健福 祉士、それから保育とか教育関係のいろいろなキャリアを持った担当者が、日々相談に あたっているということです。  基本的にはカウンセリング理論やスキルを習得していまして、本人や家族のあらゆる 相談に対応できている状態です。  家族の相談では、相談員が母親担当、父親担当など役割を分担して相談に当たったり、 所内のケース・カンファレンスで相談者の問題等を検討しているということです。  相談は通常はセンター内で受けていますけれども、家族の希望があれば家庭まで出か けて行って、訪問して相談に当たるということもあります。  特に社会福祉士の資格を持っている相談員は、社会資源の情報提供とか紹介、必要な 関係機関の組み合わせ、なども視野に入れて相談に当たっているということで、どうい うふうな機関の連携をとったらいいのか、ということも頭に描きながら相談ができると いう体制にあります。  水巻の「いきいき子どもネット」というものは平成14年2月16日に設置しています けども、設置が現在16年度の児童福祉法の改正で求められております要保護児童対策 地域協議会にほぼ一致しているのではないかと思っています。現在32名の委員で構成 されています。  これは別添の資料で条例とか規則をつけていますけれども、ほぼ子どもの関係機関を 網羅した体制を取っています。  次の表はネットワークの委員構成ですけれども、保健・医療機関代表者の医師、この 方が小児科の医師なのですけれども、このネットワークの会長になっていただいて、会 議を運営していただいています。  以下、教育関係から小中学校・幼稚園、福祉関係から児童相談所・福祉事務所・町内 の私立の保育所、司法の関係で保護司・弁護士・警察官、議会から3名、この議会から 3名というのがちょっと多い気がするのですけれども、水巻町は議会と町が協議してで きたセンターなものですから、議会にとても関心を持っていただいていまして、議会か ら常時議員が3名出てきて、理解をしていただいているということです。  その他、ここに書いていますように、区長から公民館長他の委員に参加していただい ております。  いきいき子どもネットはそれぞれの機関の代表者の会議として年2回開催していまし て、3回目の年1回の分は委員の研修ということで、この方たちに児童虐待の現場をよ く理解しておいていただかなくてはいけませんので、ある意味危機感を常時持っていた だいている必要があるだろうということで、昨年は北九州市立の病院の小児科医の先生 に来ていただいて、医療の現場から見た虐待ということで講演会をしたりしています。  このネットというのは下部機関に地域連絡会議とか事例検討会議を置いていますけど も、担当者が常時気楽に出席できるように環境調整を主にしてもらうというのが大きな 役割になります。  いきいき子どもネットには水巻町での年間の相談件数や相談事例から見えてくる子ど もの家庭の状況などについて、相談者のプライバシーに配慮しながら情報を提供してい ます。相談センターの運営について検討を行うことで、センターの役割や機能に対する 理解や信頼を深めていただいています。このことを通して、ほっとステーションの方か ら事例の検討会議だとかその他の会議のときに電話一本で、上司に理解を持っていただ いていますので、すぐ集まることができるという環境づくりをしています。  このいきいき子どもネットの下部組織に、今申し上げました地域連絡会議や事例検討 会議をしておりまして、地域連絡会議というのは、水巻の場合は職域ごとの連携を深め ようということで、保育所・幼稚園の連絡会議だとか、中学校区協議会ということで、 中学校区にある小学校と中学校の連携を取りながら、兄弟の問題や申し送りや申し送っ た後の子どもの状況などを小学校・中学校などと連絡を取りながら情報交換をしている ということです。  事例検討会議では、ケースが抱えている問題の解決のための支援というものをどんな ふうにするかということで、常時検討会をしています。  センターは専従の事務局員ということで、いきいき子どもネット地域連絡会議・事例 検討会議の日程の調整、記録や統計資料の作成などあらゆる事務処理を担当しています。 実は、事務局ではこういうところがかなり大変なので、日程の調整なども毎回かなり苦 労をしているところです。  通所の児童・生徒のコミュニケーションをとって、学校と連携して登校できるような 方向づけなども行っています。  次に連携による関係機関の変化ということですが、当センターは相談者が来談しない ことには業務が始まらないという、相談だけのセンターなものですから、設置したとき にはセンターの業務や機能について、まったく地域の機関の認識がなかったという状況 でした。そもそも法律に基づいた施設ではないものですから、相談だけをするというと ころについてどういうふうに理解をしていただいたらいいのかなというのが最初の問題 点だったんですけれども、そういうところから各機関を訪問して、センターの理解を深 めたり、相談事例があったらセンターに紹介してもらえるような働きかけを常時行って いました。  設置当初は来談して相談者を受け付けても、2回目に来談してくれるかどうかという 不安を抱えながらの相談業務が続いていました。  それから、他機関は行政が立ち上げた相談機関であることや、理解を示しつつも、相 談事業のみで行うセンターというのに「相談だけで」という不安もあったように感じて います。  そういうふうな中から4年間経過してきたわけですけれども、相談機関が早期に事例 を開示できるようになったということで、担当者の負担がかなり軽減されています。  それから、2が相談センターが環境調整など事務局を引き受けることで、現場の担当 者が業務に専念できるようになったということがあります。また、事例については共通 理解が進み、機関の役割が明確になって、関係機関が安心してかかわれるようになった。 それから、事例検討会議での検討を通して、機関同士の信頼関係が深まり、最新の情報 や支援の方向を共有化したり、事例を全体的な視点で捉えられるようになってきていま す。  次に、居場所の提供です。  これは児童虐待防止に関しては子育て不安を抱える親などが、子どもを抱えて出かけ てきて、しばらくセンターで過ごしていくというふうな場所になっています。  不登校児童・生徒に対しては親や学校からの依頼を受けて預かっています。子どもた ちは親や学校から干渉されずに将棋をしたり卓球をしたりして過ごしながら、自然に自 分の成長を待っているという状況です。相談センターへの通所については、登校扱いと してカウントしています。  次に、相談件数の推移なんですけれども、相談センターが平成13年度から4年間受 け付けた相談件数を示しています。  13年度は立ち上げただけなので、実件数なのですけれども、以降徐々に継続のことも 含めて、件数が増えてきています。カッコの中は当該年度の新規相談件数ということに なっています。延べ件数は、1件当たりかなりの相談を行うものですから、下のような 件数で、16年度は3,000件程度の相談をしています。  毎年ごとの受付件数は60件台で推移していますから、16年度は76件と増加してい ます。前年度受付件数の半数程度が、次年度に継続しています。延べ件数では、開設時 からだいたい2倍程度の増加となっています。  相談種別の件数、これは新規について分析したものですけれども、各年度の新規の受 付件数を相談種別ごとに分類しています。  児童虐待の恐れ、不登校、引きこもりなどの件数ごとに、件数を分類していますけれ ども、今申しましたように平成16年度は76件というふうに、だいたい毎年60件程度 のものが、16年度に増えている傾向があります。  不登校と非行児童・生徒対策については、当該学校と役割分担をして対策を行ってい ます。センターは不登校と非行の子どもを同時に扱える形にはなっていますけれども、 不登校の子どもと非行の子どもを一つにすると、不登校の子どもがセンターに来なくな ったりするということがあるものですから、学校と役割分担をして、学校の方では非行 の方を中心に扱ってもらったりということで、主にセンターの方では不登校の子どもを 扱うケースが多いということです。  不登校の相談件数は減少傾向にあります。水巻町の不登校生徒数、これは中学校です けれども、平成13年度は25人ほどあったのですけれども、平成16年度は11人と減少 しています。これは全国平均で9.2人ということで、そこまではいきませんが、県のだ いたい平均の数までなっていまして、かなり減少傾向にあるということがいえると思い ます。  虐待の恐れの件数は30件前後となっていますが、母親の情緒不安による虐待、義父 による虐待など深刻なものが多く、医療機関につないだり、児童相談所と密接な連携を 取りながら対応を行っています。  平成16年度のその他の件数が増加しています。  ダウン症児の養育問題、子どもがかわいいと思えないなど家族からの相談が14件、 多動、授業妨害、母親の自殺未遂によりショックを受けた子どもへの対応など学校から の相談が7件、友人関係に悩む本人からの相談5件などが大体の内訳です。こういうふ うな情緒不安に絡む相談が、かなり相談件数としては増えてきている傾向があります。  不登校・非行件数は保護者や学校からの相談紹介のあった件数で、学校が把握してい る不登校件数とは異なっています。  次に関係機関会議の実施件数ですが、相談センターが平成13年度から4年間で受け 付けた件数の内、関係機関会議を開催した件数および児童相談所が関与した件数という のは下記のとおりです。全件数の内、さまざまの機関とその都度電話などで調整・検討 しながら事例対応を行っています。  関係機関会議として開催した件数は、全相談件数の約4分の1程度、関係機関会議の 内、児童相談所が関与した件数がほぼ3分の1ということで、全体の件数からみれば、 児童相談所が関与した件数は1割程度になっています。  関係機関会議の開催についての判断は事例の特性に基づいて行っています。  事例の緊急性や心理的・社会的・福祉的アセスメントから関係機関の共同によるアプ ローチが必要と思われることが、だいたい開催の主たる要因です。  事例に対して必要とする関係機関については、相談センターと児童相談所が協議をし て調整を行っています。  次に、関係機関会議の種別の件数ですけれども、関係機関会議の内、種別の件数はこ の表の通りです。関係機関会議件数の内、約5割が児童虐待の恐れということになって います。不登校にかかわる関係機関会議は減少しています。  次に、直接ここと関係あるかどうか分かりませんが、勤労体験支援事業というのを、 水巻町では健全育成の一環としてやっています。これは、目的は不登校や非行により、 中学校を卒業後進学または就職していない者に対し、勤労体験を通して自尊感情を醸成 し、社会性の向上を図るということです。通常、不登校・非行の子どもは学校に行って おりませんから、学校の中での勤労・職業体験というのがないまま卒業してしまうとい うことで、こういうふうな問題が起こるので、行っています。勤労体験を通して今後の 進路に対する新たな動機づけを図りたいということが目的です。  運営方法については町内の協力事業所、これは緑地会社、和風レストラン、そば屋、 生花店など8店舗に今は協力していただいていますが、3カ月間勤労体験を行うという ことです。  この事業は福祉担当が窓口となって、希望者および保護者の面接、希望する事業所の 決定、事業所との面接などの調整を行っています。  相談センターがこの事業そのものを立ち上げたのですけれども、相談センターが直接 この事業を行うと、どうしても不登校や非行の子どもが安易に流れる傾向があるので、 窓口を変えて福祉担当の方がハードルを作って、そこで面接をしたりしながら勤労体験 に臨む体勢と言いますか、心理的な構えのようなものをここで作っていこうということ で、窓口を変えています。  体験時間・体験内容などは協力事業所と話し合って決めるということで、さまざまな かかわりを通して体験者を支援しています。この体験に対しては、町が体験者に対して 費用弁償を1日2千円程度支払うということで、本人にしてみればアルバイト料をもら ったという形になっているということです。  事例は、後ほどこの事例紹介で詳しく書いていますけれども、非行事例では緑地会社 に3カ月行ったのですけれども、その後他の緑地会社に就職したりしています。不登校 の子どもで生花店に行った子は、そのまま現在もアルバイトとして勤めています。その 他不登校でそば屋に行ったり和風レストランに行ったり、いろんな経験を通して次のス テップを目指す子どもが出てきたりしています。  今後3カ月という期間が短いということで、直接就労につなぐというのはなかなか難 しい現状ですけれども、何か働くということを通して、いろんな気付きや得るものが多 いということを事業所の方から話を受けています。  次に相談センターの特徴ですけれども、いきいき子どもネットには町議会から3名の 議員が参加しておりまして、議会からの理解がかなり得られています。  0歳から19歳までの幅広い年齢層の子どもと親を対象に、それぞれの発達段階で起こ る問題・課題に対して対応しているので、ケースデータの一括管理ができています。  相談業務だけに特化したセクションで、産業カウンセラー・社会福祉司・教師などの 有資格者を配し、スタッフの専門性を生かした相談体制が取られています。  教育委員会の部局にありますので、学校の連携が常に取られていまして、何か学校で 心配事があると担任が直接センターに子どものことで相談に来たりということで、ある いは校長が一緒に来たりということで、常に連携は取れている状況です。  それから、カウンセリングを基礎にした相談活動を行っています。  水巻町の相談業務はカウンセラーの態度であります三条件を基本にしまして、成長モ デルによる分かろうとする相談業務を心がけています。  相談の対象者は0歳から19歳までのあらゆる相談に応じていますが、相談を通して、 精神的に何らかの問題があると思われる場合は、相談者に配慮しつつネットワークを活 用して、臨床心理士や医療機関につないでいます。  スタッフによる事例の共有ということで、スタッフ全員がすべての事例に承知してお りまして、所内検討を随時行っております。  虐待相談について初期相談及び事例に関してのコーディネート機能を有していますけ れども、こういうふうなところが、町民及び各関係機関の認知が広がってきています。  卒業後の進路支援は非行防止対策の一環にもなっています。  相談センターで児童家庭のすべての相談を受け付けているので、関係機関との連携が とても取りやすいという状況にあります。  若年母子、これはセンターでは19歳までを対象にしておりまして、19歳まででお母 さんになるという若い母親がかなりいますので、そういうふうな子どもというかお母さ んに対しては、保健師と協力しながら妊娠時からの相談・支援なども行っています。  勤労体験時での悩みや体験後の進路相談として、ハローワークの案内や履歴書の書き 方の指導、それから職業パンフレットの紹介なども行っています。  人間関係等のストレスを抱える児童・生徒が放課後にセンターによく遊びに来るので すけれども、職員と交流することで気持ちを持ち直して登校を続けています。  不登校児童・生徒にとっても、遊びに来る小中高生たちと年齢を超えた交流が自然に できて、本人の成長の一助になっています。  ただこれは13年度から始めた事業で、相談員そのものが、その当時からかなり資格 を持った者が対応していたということです。  ただ、これから先、町自身(これは相談員が町の金を使って時間を使って相談員を養成 しているわけではなくて、自分たちが自分たちの金と時間を使って勉強しているわけで す)今後そういう状況を維持できるかというとかなり難しいと思います。このままではで すね。だからそういう養成機関といいますか、いろんな社会資源でやるそういう外部の 相談の養成機関がありますので、そういうところと職員の相談レベルといいますかスキ ルの向上の研修などを委託したりとか、場合によっては専門のそういう協会の方と連携 を取りながら、職員の派遣などの体制づくりをしてみようかとか、そんなふうなことを しながら、この相談体制というのをどんなふうに今後維持向上させていくかというのが 課題かなと思っています。  以上です。 ○山縣座長  はい、ありがとうございました。  以上で、横須賀、相模原、水巻とそれぞれ、相当人口規模の違うところでの、いわゆ る先駆的な取り組みのお話を伺うことができました。  今から30分ぐらい取れますでしょうか。  各委員さん、ただいまの事例につきましてのご質問等ございましたら、順序は3自治 体どれから先でも結構でございますので、各委員さんのほうからお願いをしたいと思い ます。  いかがでしょうか。 ○岩佐委員   初歩的な質問になるのかもしれませんが、横須賀市と相模原市とそれぞれ福祉事務所 との関係というか、要するに福祉事務所はどういう仕事をしていて、そことネットワー クとの関係がどんなふうになっているのかということのイメージを教えていただけると ありがたいのですが。  質問の趣旨は、要するに法律の枠組みとしては児童相談所と福祉事務所というのがあ って、福祉事務所というのは児童相談所の小型みたいな感じで、いろいろやるというこ とが、もともとは建前になっていたと思うのですが、現実には法律上の福祉事務所とい うのがあっても看板がなかったりとか、もしくはいろいろ統廃合が進んで、自治体によ ってかなり実情が違うのだと思うのですが、この虐待のネットワークの中ではどんな感 じになっているのかというのを教えていただきたいと思って質問しました。 ○山縣座長  ついでに今のに家庭児童相談室も絡めて、もし可能であればお答えいただけますでし ょうか。では、高橋さん。 ○高橋委員  横須賀市の場合は、福祉事務所が独立してはないのです。福祉部門の中で措置権を持 っていることころに併任という形で福祉事務所がかかっています。  児童福祉の部分で言えば、保育園の入園決定とか、手当て担当のところなどが福祉事 務所として位置づけられております。母子保健のところは、もともとは福祉事務所の位 置づけはありません。  このYCAPを立ち上げ、いろいろ活動していく中で、福祉事務所であるのかないのか の議論はずっとしてきまして、今年この4月から部が変わりまして、子ども育成部とい うことで子どもに関する部分が全部、妊娠期から青少年まですべて一緒になりまして、 それと合わせて子育て支援課全部が福祉事務所という位置づけになりましたので、 YCAPも福祉事務所の一環という形にはなっています。  それから、家庭児童相談室については、横須賀は持っておりません。 ○山縣座長  はい、ありがとうございました。江成委員さん。 ○江成委員  相模原市の場合は昨年までは福祉事務所が通告機関ということで、市町村には通告機 関が置かれていませんでしたので、福祉事務所の方が通告機関ということでネットワー クに中心的にかかわっていたということになります。  相模原市の場合は、先ほどの資料の組織の図の中にもあるように、昨年ですと子育て 支援課ですね。子育て支援課や生涯福祉課というのがまた別にありまして、企画をする ような部分ということでありまして、それとは別に地域ごとに相模原福祉事務所と南福 祉事務所の2カ所の福祉事務所を持っているという形になります。昨年の児童虐待の防 止というところでは、福祉事務所が通告機関としてネットワークの中心組織ということ でかかわっておりました。  ただ今年になりまして、通告機関の方は福祉事務所の方からこども家庭支援センター の方に移したので、そういった虐待についての通告や相談を福祉事務所が受けるという ような業務はなくなっております。  昨年まで児童担当のケースワーカーが、保育の実施の部分でかかわっていた部分があ るのですけれども、今年からはそちらの保育園の関係の仕事のみになって、基本的には 児童虐待にかかわらないという形になりました。  家庭児童相談室については、相模原市の場合は先ほどもこども家庭支援センターの中 に家庭児童相談員を置いているということでお話をしたのですが、昨年まで保健福祉総 合相談課というところが(現在も)あるのですが、そちらの方に家庭児童相談員を配置し ておりました。そちらには、婦人相談や母子自立支援員というような3相談をそちらに 置いておりましたけれども、今年こども家庭支援センターができるに当たりまして、家 庭児童相談員のみこども家庭支援センターの方に配置換えを行ったという形になってお ります。  以上です。 ○山縣座長  はい、ありがとうございました。  組織としては家庭児童相談室というのは置いていない形ということで、家庭相談員が いるということですね。ありがとうございました。はい。 ○上廣委員  横須賀市さんが18年の4月に児童相談所の開設ということでずいぶん課題が多いと いう話だったのですが、たとえば具体的にどんな課題があるのかということと、相模原 市さんはいわゆるこども家庭支援センターを作られて、もう一押しすれば児童相談所が できるのではないかなという気もするのですが、その辺のそういう議論はどうされてい るのかなということと、もう1点水巻町さんのほうで、これだけの規模で随分いろんな ことをがんばってやっておられるのですが、教育委員会サイドから進んでいくのかと思 うのですが、何か動機みたいなものが、たとえば非行児が多かったとか、そういう何か これだけがんばった動機みたいなものがありましたら、教えていただきたいと思ってお ります。 ○山縣座長  マイクの位置があるので、そこから順番にいきましょうか。江成さんから。 ○江成委員  児相のお話についてなんですけれども、横須賀市さんとは同じ県内でして、非常に横 須賀市さんのほうに先駆的に取り組まれているところがありますので、うちの市でも横 須賀市さんのほうが児相を設置されるという情報が入っておりまして、それについてど うするのかというところでは、たびたび議論になっております。  現在のところ、すぐにいつ立ち上げるというような予定はございません。近い将来、 設置することになるだろうというような認識のもとで、今後調整をしていくというよう な形になっています。 ○山縣座長  では、水巻町さん。 ○小野委員  水巻町では13年に立ち上げたのですけれども、12年・11年に水巻町の場合はとても 不登校の数が多かったんですね。県下でもトップクラスで一つの学校に35人ほどいた ということで、それを何とかしないといけないというのが大きな動機でした。それと、 たまたま児童虐待防止法が施行されて翌年になったんですけれども、保健サイドと学校 教育のサイドがそれぞれの別々の充実政策を出してきたときに、これを一つにしようと いう話になったんです。  ただ、それをどちらのセクションが持つかというので、福祉は教育委員会のものは持 たないだとか、教育委員会は福祉のものは持たないということで、すったもんだあった んですけれど、当時の教育長の鶴の一声で「うちが持つ」というふうになって、教育委 員会が持ったということなんです。  以上です。 ○山縣座長  はい、では高橋委員。 ○高橋委員  来年4月ということで、もう1年をきっているので、準備室が今年から立ち上げにな りまして、課とか外の対応をしております。今は職員の研修ということで県の児相の方 に受け入れてもらったり、市内のいろいろなところに派遣研修という形で出ております。  一番の課題は、何といってもやはり職員の経験のなさというところだと思います。い かに質を担保していくかということが一番の課題だと思います。  それから横須賀の場合には18年4月に児相を立ち上げて、一時保護所ができるのが 20年ということで、2年間のブランクがあるんですね。保護所を持たないでやるという ことの大変さ、それからワーカーの業務量の増加といったところを考えますと、非常に 重たいものがあります。  それから市内に養護施設が1カ所、乳児施設がないんですね。その辺をどうカバーし ていくかという大きな課題があります。  あとは、市で持つということのメリットももちろんあって、いろいろ児童福祉の政策 とか母子保健の政策等、連動してということはできるかと思います。その辺をどう役割 分担をしながらやっていくかというところは、まだこれから整理していかなければいけ ない部分がたくさんあるというふうに認識しています。 ○山縣座長  ほか、ございますでしょうか。ありがとうございました。はい。 ○前橋委員  横須賀市さんの児童相談所の設置の方なんですけれども、もし大体分かれば、児童福 祉司、それから児童心理司等の人数ですね。 ○高橋委員  一応計画上は確定していまして、この4月に心理職を採用しております。ごめんなさ い、きちんとした数を今持っていないのであれですが、今の県の児相の人数、県の横須 賀児童相談所が横須賀市と逗子、葉山、三浦市をカバーしています。あと葉山町。4市 1町をカバーしてますので、横須賀市の割合の大体8割といわれておりますので、職員 については今の県の児相の人数よりは減らさないという、経験のなさも含めて今の県の 職員の数はそのままカバーしようということで組まれてはいます。  すみません、正しい数字がちょっと今手元にないので。 ○山縣座長  新しい人たちは全部、横須賀の職員として、新規もしくは異動によって配置される人 たちと考えていいですか。 ○高橋委員  そうです。児童福祉員については、今横須賀市の職員の中で任用資格を持っている人 たちが、今研修を受けているというところです。社会福祉司を持っている人もおります し、持っていない児童福祉司の任用資格で行く人もおります。  それから、心理職については常勤職員がおりませんでしたので、すべて新規採用で採 用しております。  開設当初については、一応2年間という予定にはなっておりますが、県の児童相談所 から応援をいただくという形は予定しています。 ○山縣座長  ほか、いかがでしょうか。はい、どうぞ。 ○小野委員  心理職の採用という心理職というのはどういう資格を持っていらっしゃるのでしょう か。 ○高橋委員  一応大学で心理を専攻したということで、ほとんどの方が臨床心理士の認定資格を持 っています。 ○岩佐委員  ちょっとこれは、どなたに質問するのかというのと、答えていただけるのか難しい質 問だと思いますが、今、お話にあった横須賀市や相模原は、かなり実質を伴って市の単 位で相談を含めた活動ができているのが、似たような規模の全国の市のうちのどの程度 の割合ができていると考えたらいいか知りたいというのが一つ。同じように水巻町のよ うにかなり小規模な地域型のところ、全国にたくさんあると思いますが、いろいろある でしょうけれども、虐待も含めて相談体制を取って一定の機能をしているのが大体どれ くらいあるかっていうのをイメージしたいなと思っての質問なのですけど。答えていた だくのは難しいですか。 ○山縣座長  県レベルの児童相談所の方でその県について答えていただけるくらいが限界かと思い ますけど、菅野さん、滋賀県でいうとまあまあできているというのはどんな感じになり ますか? ○菅野委員  申し訳ないです。滋賀県の場合には大津市の30万というのが一番大きいんですね。 私が中央に勤めていた5年前ですが、大津市は独自にいろんな、保健センターのネット ワークとか、もともと障害の関係のネットワークがあったりということで、保健サイド を中心にして虐待の対応がなされています。  町のレベルでと言われたので考えると、今は町ではなくなって合併して市になってし まいましたけれど、先駆的にそこもなぜか教育委員会をベースにして、そこにソーシャ ルワークのできる人がいて、ネットワークを組んでリーダーシップを取ってやっていた というのがあります。  数というか、今こういう取り組みを聞いていてすごいなと僕が思ったくらいなので。 どうなんですかね。それほど多くないという印象を僕自身は持っています。これから多 分ここをモデルにして皆さん取り組んでくださいということの例なのかなと、単なる僕 の感覚です。 ○山縣座長  川崎さん、京都あたりはどうですか? ○川崎委員  京都府も人口的には宇治市が19万で、京都市を除くとこれが一番大きいんですね。  正直言って、今報告を聞いていたような体制はなかなかないかなと。  宇治市に次いで舞鶴市が約10万弱ですけれど、ここがある意味では近いような体制 を考えているということで。名前は正確ではありませんが、総合相談センターみたいな 形で、教育委員会とか福祉とか併せてとにかく窓口を一つにしてやろうということで対 応はしているのですが、職員に関していうと、やはり非常勤職員が中心になっていると いうような形で複数で対応しているのですけれども、やっぱり今いろいろ言われている ようなところまでの取り組みはできていないかなと。  京都府もこの間市町村の研修とかでいろいろやっているんですけれども、実際には今 度の法改正の中でかなりバタバタしながら、いろんなことをやっていこうとしています けれども、市町村の市の関係でいうと家児室がありますので、その家児室の体制を少し 強化しながらやっているというような感じですし、町村部になるとやっぱりそこまでい かないと。  今水巻が3万人ぐらいということでおっしゃっていたんですけれども、そこに所長さ んがおられて相談員の方がいて、ということですよね。本当いうと3万人ぐらいの人口 の中でこれだけの体制があると、これだけのことができるのかなと。これが児童相談所 との連携という意味でいうと、第一次的な相談は基本的にそこで受けていただいて、一 時保護ですとか親子分離しなければいけない、施設に入所させなければいけないという 事例になってきたときに、児童相談所と協力していくということができるのかなと。  私としては市町村の業務と、その上で児童相談所との関係というのがどんなふうに進 んで行くのかという辺りを、もう少し聞かせてほしいと思っていたのですけれども。  京都府の状況でいいますと、そこまではなかなかいっていないと、率直に思います。 ○山縣座長  長田さん、何か発言できると。 ○長田総務課長補佐  十分なお答えにはならないと思うんですが、一つの数量的な参考事例ということで申 し上げます。毎年度、虐待防止の市町村ネットワークの状況調査というのをやっており まして、16年の6月1日現在の虐待防止ネットワークの設置状況というのが分かってい ます。 その後市町村合併が進んでおりますので市町村数そのものが変わっておりますが、16年 6月1日現在で全国3,123市町村がありまして、その内いわゆる虐待防止ネットワーク なるものを設置してそういう機能を持っているものが1,243ということでございますの で、設置率として約40%という数字になっております。  その活動内容ということを、どれをもってしっかりやっているといえるかというのは なかなか難しいのですが、先ほど会議の三層構造とか二層構造とかいうのがありました が、実質的に動いている一つの見方として個別ケース検討会議というのがきちんとやら れているのかどうかということが一つの判断材料になろうかと思うのですが、個別ケー ス検討会議をやっている所が先ほどの1,243カ所のうちの906カ所という数字で、1,243 に対しましては73%程度ということですから、全市町村との関係でいうと、40%のさら に70%ということで、30%前後ぐらいというような数字になっております。  ついでで恐縮ですが、事務局から質問させていただいてよろしいでしょうか?  水巻の小野先生にお伺いをしたいのですけれども、今回、児童福祉法の改正の議論の 経過の中で、市町村が相談を受けていく際に、とりわけ町村については非常に規模も小 さいので、住民のプライバシーとの問題でなかなか相談しにくいという部分で難しい面 があるのではないか、というのが町村会の方々から指摘があったのですが、実際町の住 民の方の受け止めであるとかあるいは相談経路というのはどういう形なのか。ご本人さ んが来られているのか、関係機関からの相談が多いのか、そこら辺をちょっとお聞きで きればと思うのですが。 ○小野委員  プライバシーの問題は確かに細かくいつも注意を払っているところです。特に地域の 見守りという形で民生委員さんたちが入ってくると、民生委員さんたちにどこまで把握 している内容をお伝えして、見守りに参加していただくかというところで、いつもセン ターの中で検討しています。  相談の中身は母親なりの成長の記録といいますか、かなりメンタルな問題を含んでい ますので、そういうところは取捨選択しながら参加していただいているということで配 慮しています。  それから経路ですけれども、ここに資料を持ってきていませんが、小学校、保育所、 幼稚園などがかなり多いという状況です。  数字は今日持って来ておりませんので、詳しくは分かりません。 ○山縣座長  はい、ありがとうございました。 先ほどの岩佐委員のは、どうも聞いてもそれ以上ものすごく進んでいるという答えには なりそうにないのでそれぐらいにさせてもらいまして。ほか関連質問等ございましたら。  はい、川崎委員。 ○川崎委員  横須賀のYCAPというんですか、児童相談所を作るという話と今までの活動とのその 辺の関連性とのいうんですか。横須賀市の中に児童相談所がありこのネットワークもあ るということで、その児童相談所ができた後にこの活動というのはどんなふうに位置づ けられようとしているのか、そこをちょっとお聞かせいただければと思うのですが。 ○高橋委員  結論から申し上げますと、まだ検討中という段階です。  今までは県の児相でしたので、市の立場でという形で看板を上げてもそれほど混乱も なくやっていましたが、同じ市の中に二つの看板を上げていいものかどうか。そこも含 めて今検討中であります。  児相は虐待の重たいケースに当たっていくとなると、予防のところをどこで担うかと いう問題はずっと残りますので、YCAPを今の形でそのまま残すことはないかと思いま すが、なくしてしまうのか継続していくのかは協議中ですが、予防のセクションをどこ かにきちんと位置づけなければいけないという思いで検討はしているところです。  それともう一つは、YCAPという名称が3年経ち市民にも周知されてきまして、私た ちにも結構かわいい名前になってきましたので、名前を何とか残せたらいいかなという 思いではおります。 ○菅野委員  今の話を聞いていて、児童相談所が今抱えている例えば強権の部分とその後の支援の 部分ですね。それを一つの組織でするのか、二つの組織に分けてするのか。市の中で役 割が明確だと児童相談所も支援しやすかったりすると思います。  先ほどの滋賀県の状況の追加なんですが、もちろん個別のケースのネットワークみた いなことでの相談はかなり動いているんです。だが、児童相談とか相談窓口の一本化と いうのはこれからなんだろうなというのと、児童相談所を持たれるようになると、新た な取り組みとして強制の部分と支援の関係をより機能しやすいものを作ってもらえると、 逆に既存の児童相談所のモデルになるのではないかなという気がしました。  それから小野さんにお伺いしたいんですけれども、滋賀県の場合は非行の子どもたち が学校以外に通う場所というのを作ったりされているんですけれども、不登校の子ども がほっとステーションのほうに来るとすると、学校の中に例えば非行の子どもたちの居 場所づくりみたいなことを取り組んでいるのか、もしあれば教えてください。 ○小野委員  学校の中に現在週に1回臨床心理士が来たり、高校の教育相談員が、これはもう15 年に廃止になりましたけれども水巻市では引き続き16年、17年と置いているのですが、 そういうふうなスタッフが来ていたということと、非行の対策で補導の教官がいますの で、そういう教官たちが教室を改装して非行の子どもは補導の先生がいつもそこで見る とかですね、臨床心理士とか高校の教育相談員は別のカウンセリングルームを作ってそ こに常駐して対応するということで、学校の中にそういう対策室を作っています。 ○山縣座長  他はいかがでしょうか。  それでは私のほうから一つ、どなたでも結構ですので。4月以降、児童福祉法の改正 による顕著な変化は何か感じられることがありますか。相談件数でも結構ですし、経路 の問題でもあるいは県と市町村との関係でも結構ですし、何かありましたら少し教えて いただけたらと思うのですけれども。  今ちょっと高橋さんと目が合ってしまいまして。 ○高橋委員  これが一般化できるかどうかちょっとわからないんですが。児相を横須賀市が持つと いうことで、県の方が意識的、指導的にやってくださっているかなという思いもあるん ですが、調査まで市町村でするという形で法の中で位置づけられてきていることで、相 談が入ったものについては、まずは市で調査をというふうに求められてきています。  もちろんそれは私たちも行くんですが、どこまでもすべてを相談が入ったものは行く となると業務量的に限界があるかなと。先ほども申しましたように、市町村の業務とし て予防のところを大事にしていかないと、いつまでたっても後追いの処理に追われてい てはこの問題は解決していかないと思うと、何でもかんでも市町村調査というとわけに はいかないかなと。これから整理していかなければいけないとは思っていますが、ある 程度入ってきた情報の中で整理し、児相に即、措置するべきものと市町村で調査をしな ければいけないものとを整理していかなければいけないかなというふうに思っています。  それから先ほど菅野委員の方から児相と市町村の役割の整理ということでお話いただ きましたが、YCAPをつくったときにおおよその役割整理をし、児相で福祉司指導にな ったようなものについてはYCAPであったり、保育園であったり、健康福祉センターで あったりいろんな部署で市のほうで見守りをし、ネットワークを開いていくという形で やってきています。  ただ、分離したいけれどもなかなかできないようなケースがありますね。それはやっ ぱり市町村も一緒に見守りをしていかなければいけないのですが、そういうケースにか なりのエネルギーを取られているという実態もあります。 ○山縣座長  ちょっと休憩しましょうか。  30分ほど質問を伺いましたので、遅くとも3時再開。できたら55分過ぎぐらいには 再開したいと思います。少し向こうで休ませていただきます。 (休憩) ○山縣座長  それでは、3時近くになりましたし、各委員席の方にすべて帰ってきておられますの で、再開したいと思います。  前半、事例報告をいただきました3委員の方々ありがとうございました。  まだまだ質問等あろうかと思いますが、とりあえずこの議論は一旦ここで打ち切りま して、後半は関連資料等に基づき、あるいはこれまでの積み残し課題等について、一度 事務局の方から説明をいただいて、それに関する議論を行っていきたいと思います。  さらに残れば、再度今の質問等のところに戻っていきたいと思っております。できた らそれを一般化して、市町村のあり方という辺りで意見交換ができたらと。  では最初に少し事務局の方から説明をお願いします。 ○長田総務課長補佐  それでは事務局から用意させていただきました資料としまして、資料5と6というの があるのですが、ちょっと順番が逆転して恐縮ですが、まず資料6の3ページからご覧 いただきたいと思います。  まず資料6の3ページ以下が、前回ないし前々回のご議論の中で少し宿題にみたいな 形になっていたものについての整理をしたもののご報告ということでございます。3ペ ージですが、これは前々回の議論の中で一時保護の状況いうことで、前回出させていた だいた資料は、一時保護所の中ほどに児童虐待による一時保護の件数が6,113件、6,602 件、5,127件というふうに推移をしまして、その一方、一時保護委託という部分の児童 虐待という欄が1,539件、1,767件、2,730件と推移をしておりまして、この数字だけ 見ますと14年から15年にかけて児童相談所一時保護所本体の一時保護件数が6,600か ら5,100に減ったと。それに対して関係機関にお願いをしている委託が、1,767から 2,730に増えておりまして、一見、本体たる一時保護所がサボっているというふうに見 えるというような数字になっていたわけですが、それがどういうことなのかということ でございます。  これを見ていただきますと、実は一時保護は虐待だけではなくていろんな行動観察で あるとかも含めて、広く一時保護が対応されているということでございまして、虐待以 外のケースによる一時保護というのがあるわけでございます。その総数を示したものが 一時保護所というところの一番上の欄のところで見ていただきますと、13年度17,695 件で14年度16,838件、15年度は18,111件というふうに推移をしているということで ございます。  したがって14年から15年で見ますと、件数でいえば、むしろ全体としては伸びてい るようなことがあります。それから当然、一時保護も一日二日の短期で終わるものから、 かなり長期化するケースもあります。実際の在所日数も、一時保護所としての受け入れ 枠というか、受け皿として問題になるわけですが、それが13年度以降、18.51日、20.72 日、20.37日という関係になっております。それを含めた延べの保護日数で見ますと、 13年度から15年度にかけて毎年増えている、という状況があります。15年度は虐待と いうことだけを見ますと、一見減っているようにみえるわけですが、実際の一時保護所 の稼動状況というのは年々増えていて、その辺りの余力のすきまみたいなことが、こう いった状況になっているのかということです。それが1点目の宿題に対する一応の回答 ということです。 それから2点目ですが、4ページです。これも前々回の議論だったかと思いますが、 いろいろな一時保護の委託を考えるときに、精神のケースなどについて、精神病院へ一 時保護委託をするといった場合に、これは精神保健福祉法に基づく保護者の同意という ものが要るのではないか、そこが法律の精神保健福祉法との関係でネックになるのでは ないかと、あるいはなっているのはないかというご指摘がありました。この点につきま して、精神保健福祉法の所管をしている部署の公式見解も確認をいたしましたが、精神 保健福祉法で入院形態というのは、この資料にありますいくつかの類型があるわけです が、これはあくまで法制的な機能の面から見た手続きというものを規定しているにすぎ ない。したがって、精神病床をこういった形態以外で、この用途以外での入院という形 態を制限するような規制ではないということです。  したがって、例えばこの医療保護入院において保護者の同意であるとか、任意入院に おいて本人の同意に基づく入院ということになっておりますが、これはこういう形態の 入院の要件でしかないので、精神保健福祉法に基づかない入院である、児童福祉法によ る一時保護については、こういったものは適用されるものではない、ということです。 当然精神病院への一時保護委託をするということに関して、児童福祉の観点からの必要 性というものは考慮されるべきですが、一時保護による利用自体をさまたげるものでは ないと解されるものであるということです。 次が先回、里親に対する支援が非常に不足しているというようなご指摘、あるいは措 置延長に関するご指摘があったわけです。その点につきましては、確かにまだまだ不十 分な分はあるのですが、ここ数年、国としても里親支援の対策の充実をできるだけ図っ ていこうということで、そういう方向づけをしておりますので、その取り組みの状況を 簡単にご説明させていただきます。 まず5ページから6ページにかけてですが、児相がまずはきちんと里親をバックアッ プしなければならない。そのことに関しまして、今回の児童福祉法改正に伴いまして、 児童相談所運営指針を改正する際に、単に法律改正の事項だけではなくて、新たにしっ かり取り組んでいただきたい視点というものも併せていろいろ改正なり、書き加えをし ました。 その中で6ページ、5の子どもの委託というところで、(1)里親に子どもを委託する場 合に、子どもや保護者の意向・意見を十分尊重しつつ、子どもの最善の利益を確保する 観点から、ケアの連続性の確保に配慮した選定に努めるということであるとか、委託す る里親との事前の連携調整もしっかりやってくださいということを明記しております。 それから6ページの一番下の(7)では里親に対して、措置決定の通知書、これは当然で すが、自立支援計画であるとか、委託の理由・経緯、お子さんや保護者の状況等々、養 育に際して必要な資料を、きちんと送付をしてくださいということを位置づけしており ます。 7ページ、里親の支援というところですが、6の(1)で、支援担当者、主に児童福祉司 ということになろうかと思いますが、定期的に訪問することなどにより、適切な養育が 行われるよう、必要な支援を行う。特にということで、ここは書き加えた部分ですが、 特に委託直後は手厚い支援が必要であり、訪問による子どもの状態の把握や、養育に関 する里親からの具体的な相談に応ずるなど積極的に支援することといったようなことを 特に加えております。 里親の養育する委託児童の年齢ということでございますが、8ページ、20歳まで必要 と認める場合には養育を継続することができる。児童福祉法の原則は18歳未満ではあ りますが、必要性を判断した場合には、20歳までの継続は可能であるということです。 要は、そこから先はこの必要性をどう判断していくかということで、地域の児童相談所 によって、そこら辺の判断に関して、差があるところが見受けられる。抽象的にはあく までその子どもの最善の利益の考慮、措置継続をするのか、措置の解除をするのか、そ のいずれかが当該お子さんの自立にとって、より適切かどうかという観点から、われわ れとしても柔軟に考えていただく必要性があるのかと思っております。 その辺り、私どももどういった中で措置延長というのを考えていくべきかということ は、課題認識を持っていかなければいけないのかと思っております。 9ページですが、これまでが児相としての里親とのかかわりということでございます が、9ページでは、里親支援事業の概要ということで、ここ数年われわれなりに取り組 んできたものを挙げております。平成14年度には里親に対するレスパイトケアの事業 というものをスタートさせております。また2の里親支援事業ということですけれども、 2の(3)、(4)あたりは平成16年度から実施をしている事業で、里親養育援助事業という ことで、里親からの求めに応じて、児相から生活支援や相談支援を行えるような方を派 遣する事業であるとか、相互に里親自身がお互いに悩みをぶつけ合いながら、ピュアカ ウンセリング的な形で対応するといったような事業も補助金として創設をしております。 このあたりのここ最近創設した事業については、お取り組みいただいている自治体と そうでない自治体ということで多少ばらつきがありますので、われわれとしてはこうい った事業の重要性を理解いただきながら、より一層取り組んでいただけるよう、働きか けていくということかと思っております。 宿題に関係する部分は以上です。 それで戻っていただきまして、この後特に議論をお願いをしたい部分ということで資 料6の1ページに戻ってください。これは実は中身は何も書いていないのですが、当初 段階で児童相談所と関係機関との連携についてということで、各先生方にアンケートに ご回答を頂戴しております。主な関係機関として掲げさせていただいたものが1から10 まで、10はその他ですから、実質1から9までの関係機関ということを、主に重要な関 係機関ということで挙げております。  これまでの議論をふりかえりますと、(1)医療機関との連携、あるいは(2)の弁護士・弁 護士会との連携ついては、かなりご指摘をちょうだいしましたので、それなりにご意見 をちょうだいしているのです。(3)の保健所・市町村保健センターから(9)の民間NPO団 体までのここの連携に関しましては、ほとんど議論いただけていない部分でございます ので、ここのあたりを補い、ご意見をちょうだいできればと思っております。さらに時 間が許せば、市町村における児童相談体制の取り組みがもともとの本来議題であります ので、資料5ということで何も新しいものはないのですが、市町村関係の論点というこ とで、すでに初回の資料で示した主な論点事項案と、それから前回の議論で、特に児相 と市町村との連携という観点から論点事項として示したものを、念のためもう一度資料 として整理したものを出しているということでございます。  よろしくお願いします。 ○山縣座長  ありがとうございました。  大きく三つの中身ということになろうかと思います。まず最初に説明をいただいた、 これまでの課題といいますか、事務局で整理をお願いしたいといった部分につきまして、 3ページから9ページまであります。これにつきまして追加の説明等が必要であればと いうことで簡単に終わらせたいのですけれども、特に資料提出等求められた方につきま して、何かご意見・ご質問ございますでしょうか。ほかの方でも当然結構ですが。 ○岩佐委員  細かな法律論になるので、別の機会にとも思っているのですが、この精神病院の一時 保護委託の関係は、一つは現場でもいろいろ議論になっているので、もし一定の方向性 がはっきりしているのであれば、通知・通達なりで現場でやりやすいようにするという ことをご検討いただきたい、というのが1点。もう1点は私としては、これは法律でそ う書いてしまえばいいだけのことですが、法律がない状況の中で精神病院に保護委託で きるかというのは、例えば一時保護中に大けがしたときに病院に入院させてもいいのか という、その親権との関係での問題というのも1点あるのと、現場の関係でいうと、閉 鎖病棟とか、保護室に一時保護委託の流れの中で、入るといったときに、そういう自由 制限を一時保護委託の枠の中でやれていけていいのか、と細かい議論はあると思います ので、そのあたり、今議論していると、時間が過ぎてしまうと思うので、そういう問題 意識を私も持っているということで、お話だけさせていただきたいと思います。 ○山縣座長  ありがとうございます。  今の部分はここの本来の議論ではありませんので、もう少し整理、精緻な精度にして いただくということで。ほかにございますでしょうか。 ○井上委員  この精神病院への一時保護委託というのは、例えば児童精神科病棟にも当然当てはま ることなのでしょうか ○山縣座長  基本的には当然そういうふうになるということでよろしいですね。はい。  では二つめの、これは少し時間を取って議論をしてみたいところです。1ページ目、 児相と関係機関との連携で今まであまり議論をしてこなかった部分について、特に3か ら9、もしくは10くらいまで、この辺につきまして、いろいろなご意見、これは質問と いうよりも意見ということになろうかと思うのですが、いただいたらと思います。  今日、市町村の中ではあまり出てこなかった、一部は出ていましたが、このレベルで 児童福祉施設と書くと保育所が飛んでしまうようなイメージになっていますが、市町村 の関係でいうと、地域子育て支援センターもかなり重要な意味を、相談とか、事業的には 意味を持つのではないか。これは0ページ最後の3番目のところ、資料5に持ってきて もいいんですが、厚生労働省が2年ほど前に、子育て支援総合コーディネート事業とい うのを市町村事業として、予算化しておられます。その辺のコーディネーターと協議会 なり、相談あたりの関係をどこかで議論しないといけないというのがあります。  高橋さんのところですか、育児支援家庭訪問事業でしたか。そういう話も出ています。 ここ数年で、積極的に国が力を入れて市町村がその中で受けているような事業の関係を どう整理していくのかということもあろうかと思います。  とりあえず、関係機関との連携、ここら辺の項目で特にご意見ございましたら、提出 をいただけましたら。最初は直接来ておられるから、濱田さん、児童家庭支援センター。 その間にみなさんがいろいろなことを考える。 ○濱田委員  児童家庭支援センターは当初県全体をフォローアップする、県全体の社会的養護のと ころをフォローアップするようにということで作られましたが、実際は市の地域の相談、 緊急の対応ということで利用されているのが現実です。一時保護所が県下に1カ所しか ないということがあるので、緊急の一時保護の委託ということで、児童相談所との関係 は、もうほとんどそういうこと。それと今どうしても統合失調症であるとか、行為障害 であるとか、従来は児童養護施設の能力を越えるといいますか、緊急に対応を迫られる ようなケースについて、市を通じて相談ということでやっている。けれどもその対応と いうのは、なかなか精神保健の領域のところで、非常にまだ連携がちゃんとできていな いということです。  児童家庭支援センターの事業ということではないのですが、児童養護施設は、児童養 護施設自体が市との関係性がとても希薄ですし、あまり期待もされてこなかったし、全 国的に見ても、いまだに期待もあまりされていないのかという。連携の相手としてです ね。ただショートステイ事業を市がしているとか、児童家庭支援センターを設置してい るとか、そういうことと、それプラス従来の保育所とか学童クラブ、そういうような通 常のメニューを持っているようなときに、だれでもが気軽に相談できるという態勢にな りやすい。  そこの中でとても緊急度の高いような相談があって、先週もあったのですが、目の前 でどんどん人格が変わっていくようなケースが突然持ち込まれたときに、ちょうどそれ が例えば夜間であるとか、お休みの日であるとか、役所が休んでいるときに、突然こう ずっと変化してくわけですが、その間に警察に相談しても、精神保健福祉センターに相 談しても、市にしても「これはうちではありません」というような、ボールの投げ合い のようなことがまだ実際はよくあるのが現実です。  先ほどのYCAPのメニューを伺って本当に感動したのですが、相談の窓口として市が 位置づけられたのですが、その後の支援のメニューというプロセスがないために、応援 をしようとしているところの抱えさせられ方、問題の抱え方が非常に深刻になっている ことがあるのかなと。先ほどの高橋委員のご報告を伺ったときに、行政がそういうこと を先取りしてやっているときに、連携というようなことになっていくのかと、すごく感 じさせられたのです。  どっちにしろ、児童家庭支援センターとしては、ショートステイにしても、緊急の一 時保護にしても、ある程度の態勢を整えて、より相談の入り口のところだけではなくて、 つないでいくまでの態勢をある程度やっていかないと、応えきれていかないということ です。ですからそこの連携する拠点を作っていくこと、それと今現にあるものを機能さ せていく、「もしかして、なくしていこうとしているのかな」と不安になるようなことで はなく、それを充実させていくということで、進めていくことが大事で、そこを市町村 とやっていければと思います。まとまりのない話ですみません。 ○山縣座長  住民との関係をいくつか説明、市町村との関係を説明してもらったのですが、児相と の関係でいうと、濱田先生のところだけでなくて、全国組織としてどういうことを考え ておられるのか。今度の法改正でも、私が興味を持っている部分が2号指導の委託先、 そちらからいうと受託というのはどれくらい可能性があるとか。あるいは実際どれくら い27条に基づく都道府県の、実際児相がやっている業務で、指導を児童福祉とかがや るのが平均的な姿だと思いますが、指導委託してもいいと。そういうときに児相が全部 抱えるのは大変だからどんどん支援センター等に委託していくと家庭への支援とかがも っと活性化するのではないかという、個人的な期待をしているのです。  その2号、話が伝わっていませんか。児相の方に説明してもらうのが、私よりもいい かもしれません。 ○川崎委員  児童福祉司指導という形で支援していくんですけども、そうではなくて児童家庭支援 センターが指導をする。それを児童相談所がいわゆる2号という措置でセンターの方が 指導するのですよということを決定して、センターには指導の委託をし、その保護者・ 本人にはセンターからの指導をしてくださいと依頼することだと思うのです。 ○山縣座長  そういうものが実際結構多くなりつつあるのか、ほとんどないということなのか、そ の辺を少し。 ○濱田委員  全国的に見たときに、その調査を私は資料を持っていないのでわかりませんが、私の ほうでは増えていると思います。市町村に相談の担当ということで、おりてきてからは、 センターに直接相談があって、それからしようとしてあがっていくということもありま すし、市を通さずに、児相から直に、この2号指導ですか、というような依頼で来る場 合もあります。その場合はそういうことでやりますけれど、それを進めていくだけの態 勢が作られていないのは、気持ちがほとんどでやっている。 ○山縣座長  ありがとうございます。ほか、何かありますでしょうか。  児相の方に、どなたでも結構ですが、とりあえず関根委員は今日、まだ発言いただい ていないので、お話を聞きたいのです。いくつか関係機関が挙げられています。特に市 町村が管轄しているような保健センターとか教育委員会で、事実上、児童委員とか主任 児童委員も市町村レベルで活動しているとしたときに、保育所もそうですが、児相と直 接それぞれの機関が結びつくような態勢を考えていく方が望ましいのか。今回市町村単 位で一つしくみを作ろうとしていますから、直にそれぞれの機関に児相が結びつくより も、二度手間になるかもしれないが、いったんは市町村というところに児相は結びつい て、そこからそれぞれの協議会なり、ネットワークなりで、そういう名前のもので入っ ていく方が有効なのか。その辺について何か感じておられるようなところありますでし ょうか。 ○関根委員  両方あると思うのです。市町村でまとめ役といいますか、今度協議会ができますが、 そういう形で市町村のまとめをするところを通じて、やはり基本的にはやるべきだと思 うのです。児相が直接取り扱っているケースなどで、緊急に調査をお願いしたいという 場合は、やはり直で連絡を取るということもあると思う。ただ、基本的には市町村でま とめて、そこを通じて連携を取るということになるのではないでしょうか。  市町村の保健センターにしても、民生委員、主任児童委員にしても、今までの連携の 中で、かなり関係ができてきていますので、特に市町村の職員の方は、今度は自分たち で相談を受けるのだという意識は、もうかなりできてきていると思うのです。あとは職 員体制をどれだけ配置できるのかという、そのへんにかかってくるのかと私は思ってい ます。 ○上廣委員  ケースバイケースになると思うのですが、特に三重県の場合はまだまだケースをマネ ジメントしていくのが、児童相談所が中心にやっていますから、どっちかというと、直 接に関係機関と連携をしたほうがやりやすいのかなと。先ほど申し上げましたように、 市町村がそういう地域連絡協議会とか、いろいろな形で相談を受ける体制が整ってくれ ば、そちらのほうへ移していくのかと思っています。 ○山縣座長  虐待とか非行では警察というのも、どういう連携を組むかが難しい。組みたいような、 組みたくないようないろいろな場面を想定されますが、この辺についてはいかがでしょ う。  関根委員。 ○関根委員  警察との関係も児相ではかなり今、日常的にやっていると思います。市町村でも例え ば私どもの管内で言いますと、かなり市町村の態勢ができて動いているようなところは、 市町村と警察という連携も結構やっています。それはまだ一部だと思いますけれども、 警察との連携はおそらくこれからかなり多くなってくるのではないかと、思います。特 に非行の関係はもちろんなのですが、虐待のケースについても、これから警察を絡めて やっていくというケースは相当多くなってくると。 ○山縣座長  どの辺の機能を期待されますか。どの辺までというか。連携は必要だったらみなさん 認識は共通していると思います。どこまでが連携できるところで、例えば立ち入りのと きにはとかいうのはきっと、そうだねという話だと思います。実際の指導とかのあたり になっていったときに、警察に関してどれくらいの連携を組むのか。 ○関根委員  やはり一番多いのは緊急時の対応といいますか、深夜ですとか、そういったところで、 何かあったときに警察には連絡してもらう、警察で受けてもらうと。どうしても子ども が緊急に保護が必要だというような場合には警察から一時保護所の方に連絡がくるとい うようなかかわりをやってもらっている。  最近立ち入り調査で警察官の出動要請をするのは、私のところでは少なくなっていま すが。この1年、使っていないような気がします。 ○山縣座長  何か特別な理由があるのですか。結果としてそうなったということですか。  いかがですか。 ○佐藤委員   前にいた児童相談所のことを思い出しているんですけれども、警察との関係も非常に よくて電話一本でいつでも動いていただけるという状況がございました。例えば家庭訪 問したとき、厳しい場面が予想されるというような場合には、近くをしょっちゅうパト ロールしてくれるんですね。いつでも私どもがいざという場合声をかけやすいような、 そういうところにいてくださるという関係がよくできておりました。  そんなふうなことで何年か前の話ですけども非常にうまくいったなという記憶は持っ ております。 ○山縣座長  警察との関係について、岩佐さんマイナス面も含めて何か。 ○岩佐委員    虐待の関係でおそらく警察の方との連携・援助がいる部分とそれからあまり頼りすぎ てはいけない部分がきっとあって、もう少しガイドラインを作るとかそういうことがい るのかなというふうに私の方は思っています。  それもソーシャルワークの技術の問題なのかもしれませんけれども、児童相談所の方 とお仕事をしていて例えば虐待事例で立ち入りのときに一緒にきてほしいとかそういう ことはある意味当然のことと思うんですけれども、この事件は先に警察の方がやってく れたら事実が固まるからそれでやりやすくなるんではないかとか、そういうケースもあ りえるかとも思うんですけれども、場合によってはソーシャルワークとしては事実がは っきりしない流れの中で自分たちがどう対応するのかとか、他方で事件になってしまえ ばそれはそれで進んでいくことになるんでしょうけれども、事実がよくわからないこと は警察にやってもらうとそこはわかるようになるとか、そのあたりのところで、どこま でを頼んでどこまでを自分たちがやるのかあいまいになってしまうところがあるように 思うので、そのあたりでどこまで頼んでどこまでやるのかという線引きみたいなのがい るのかなという気がしているというのが一点。それからもう一方で、特に非行の関係は 一応建前上は触法、要するに14歳未満の非行少年というのは児童相談所が中心的にや ることになっているので、法律の建前上は児童虐待のケースと同じでケースを回す主体 は児童相談所で、もちろんいろいろと警察の協力が必要な部分というのがあるのでそこ は連携して協力してもらうというのが枠組みだと思うんですけれども、現実はなかなか そうはなっていなくてですね、警察の方が主体でいろいろと補導活動などされて、そし て選ばれたケースが児童相談所にくるというのが恐らく実情だと思うんです。そのあた りのところももう少し法に沿った形でというか、児童相談所も主体的にやれる、それは 個別のケースという意味でもそうですし、数的にもそうだと思うんですけれども、そう いう意味での警察の役割と児童相談所の役割みたなところは、もう少し議論がいるのか なというふうに私の方は思っています。  先ほどから出ている中の市町村の今後の体制のあり方の中で、非行の問題も含めて要 保護児童対策協議会でやっていくんだというふうな議論が出てくると、むしろ逆に今ま でどちらかというと警察の方だけが主体で非行対応していた部分が、市町村とか福祉分 野ももう一度そこのところ一緒に取り込んで、警察と一定のガイドラインとかそういう ことを意識しながらも協力し合いながらやっていくという新しい課題が、前向きに考え ると、出てきていると言えるのかなというふうに思っています。 ○山縣座長  いかがでしょうか。このへんの関係機関の関係について。 ○菅野委員   関係機関を全部見てというふうに言われているんですが、例えば警察との関係という のは今、岩佐さんが言われたように微妙なところがあります。  それは例えばケースのとらえ方というのが、福祉と警察のとらえ方とは少し違う。ど うしても児童相談所というのは人の心の内側から事例を見ていくと思うんですね。そう いうところと外側の行動に表れていることをポイントにする機関が連携するというのは、 その原理の違いもちろんありますし、同じ言葉なのに感じ方が違うものもある。そうい うところでギクシャクしたりするところがあって、本当は子どもにかかわるところの用 語の統一みたいなことができると、連携というものがもう少しスムーズにいくのかなと いつも思っています。  警察との関係というところで、少し問題のある家庭で支援をしていくのが難しいとい うところで学校の先生が相談ベースで保護者の方へ家庭訪問するのだけども、ちょっと 怖いということで学校から警察の方に一緒にきてくれないかという依頼をされたようで す。法的にどういうことになるのかよくわかりませんが、警察の方から児童相談所の方 に「それ何だ」という連絡があったりしました。  ある意味で警察が関係者の安全を見守ってくれる人として、児童相談所だけではなく、 いろいろな家族にかかわっていく人間たちの安心材料になれるようなシステムがあれば いいのかなと。児童相談所だけではなくいろんなところがこれから難しいと言われる家 庭にかかわっていくときに、援助依頼みたいな形になると思うのですがそういうものも 今後必要になってくるのかなというのが私の考えです。 ○前橋委員   今のお話とか先ほどの岩佐委員のお話とも少し関連するんですけれども、子どもの相 談の場合は結局相談の後のその受け皿ですね、子どもの受け皿の問題というのが非常に 大きくて、相談の部分が市町村に移っていった場合、市町村が相談を受けた子どもの受 け皿というのがどういうふうに利用できるのか、あるいは利用できないのか、ネットワ ークで話をしても結局はうまくその地域の中で使える受け皿としての資源がどのくらい あるのか、あるいはその資源の活用について児童相談所との関連がどの程度できている のか、あるいはその児童相談所そのものが管内でのさまざまな資源の活用がどのくらい できているのか、特に警察等の場合であれば児童自立支援施設とかあるいは一時保護所 の問題が非常に大きいと思うんですけれども、この辺はやはり一緒に議論する必要があ るのかなというような気がしております。一時保護所のところで以前に話題に出ていた のかもしれないのですけれども、先ほどの資料の中でも委託の方がかなり増えているん ですね。  そうすると委託の一時保護、恐らくこれは乳児院とか児童養護施設への委託が増加し ているのではないかと思うんですけれども、その辺も自立援助指針とかその辺がきっち りできてるのかどうか、その後委託から措置になった場合、その辺の問題もかなりある のではないのかなというような気もしています。 ○井上委員  変な例えなのですが自分が市民として町を歩いていたら雨の中をとぼとぼと3、4歳 の子がはだしで歩いている、あまり知らない子で近所の子でないようなときにどうする かなと思ったときに、連絡しやすいのは警察かなと思いました。  近所の子は警察には通告しにくい、市町村というのは知らない子だったらまだしやす いけれども、市町村のネットワークであれ協議会であれ、市民から見ると広報がしっか りされていないと、どこにどう連絡していいかわからない組織かなと、まだしばらくは そんな気がします。  児相はかなりイメージとしてはあっても、すぐに対応してくれそうなのは警察のおま わりさんという気がして、その辺の市民にとってのイメージからいくと、通告の段階で の連携とか、その後の連携とか結構そのときそのときで重要な連携先は警察であるのか なというふうに思いました。  市町村に移っていくときに、市町村のイメージが通告先なんだ、相談先なんだと定着 するまでは、児相の影が薄くなる中では警察も重要かなという気がしました。 ○山縣座長  専門家の研修をやっていても児童福祉法の絵を描いて通告先はどこでしょうと四角を 空けておくと、みんなで検討したら警察が通告先だと思っている人が実際いらっしゃい ます。逆にそれだけ警察が地域浸透度が高いという裏返しだと思うんですけれども、我々 がそこまでいっていない部分を逆に反省しないといけないということです。 ○井上委員  自分がその子どもに少し継続的にしっかり(市民であれ何であれ)かかわろうとする 場合には、民間ネットワークや児相・市町村ということもありますけれど、役割は果た したいけれどまずは知らない子だし自分も通りすがりというときは、このフェーズだけ ということであれば、警察を頼るということはあると思います。 ○岩佐委員   おそらくイギリスなんかも確かそうだったと思うんですけれども、一番最初の初期の 部分の緊急対応とかそういうところで警察が果たしている役割というのがきっとあって、 安全面とか夜が遅いとか、とりあえず最初はそこに連絡がくるというふうな部分の役割 はあると思うんです。  課題は、初期だけ緊急だからとか大変だからと、とりあえずやるんだけれども、その 後すぐに福祉の機関につなぐという流れになるのか、そこのところが福祉の機関が充分 足腰がないので結局そこである程度やりますということになっていくのか、そこでどう ガイドラインを引いていくのかという、そういう観点かなというふうに思っています。 ○川崎委員   この連携ということで若干私も混乱しているんですけども、今回のレジュメとしては 児童相談所と関係機関との連携ということで幾つか出ているわけなんですね。  今度児童福祉法が改正されて児童・家庭の相談を第一義的に市町村で受けるというこ とで、これは児童相談所と関係ある連携ということで、この連携というのはどことどこ というときに、「児童相談所と」ということで考えていくのがいいのか、今日は市町村の それぞれの非常に先進的な取り組みを聞かせていただきましたが、逆に各市町村の立場 に立てば当然自分のところと児童相談所も含む関係機関との連携という形の考え方にな るかと思います。そうすると、この連携を考えるときにどこにその軸足を置くのかとい うことが、非常に大きなテーマという気がします。  警察等の話が出ていたのですけれども、それを考えると、例えば児童家庭相談援助指 針にも警察から通告もありうるということが書いてあるんですけども、実際に警察の通 告書の処遇意見というところを見たら、27条の非行であれば1号2号3号のですし、 いわゆる要保護児童で保護者がいなくなったとか、親を逮捕したんだというのも当然一 時保護ということですので、実際には警察の意見は27条の処遇を求めているわけです ので、市町村にそれを持っていくというのはどう考えてもおかしいので、警察との連携 ということを考えるときに、例えば通告ということで言えば、なんやかんやいっても児 相というか都道府県が受け入れるということになるのかなと。そうすると今日聞きたか ったことがもう一つあるのは、例えば横須賀で児童相談所を作ると。さっきも菅野さん が言っていたようにここのYCAPでやっている業務というのは児童相談所が移ったらそ こで全部解消されるのではなくて、児童相談所・都道府県がやるべき役割と市町村とし てやるべき役割というのはあると思います。  さっき要望の話とかも随分出ていたと思うんですけれども、そういう意味で言うと児 童相談を受けても児童相談所の部分とYCAPで持っている市町村が担うべき(引き続き 児童相談所でなくてやるべき)役割というのはあると思うんですね。その辺を、つまり 児童相談所と連携というのをどう考えるかということがテーマになってくるのかなと。 そうすると、今日はまだ本格的な議論にはなってないですけども、この要保護児童対策 地域協議会というのができるというか、全市町村に設置しようということになります。  児相ができて、一方でYCAPというのが引き続き必要な業務をやると。そのときに今 度は要保護児童対策地域協議会というのを設置するとしたらどういう形になっていくの か。  やはり各機関の役割はそれぞれ違うわけだから、その違う機関が一緒になってやるの が連携になるので、そのときに今後のテーマとしてその協議会というのをどんなふうに 運営されているのか、今、報告していただいたところも、逆にいうとこの協議会をどん なふうに設置しようとされているのかというあたりも本当は聞いてみたかったんですけ ども。そういうことも含めて連携というのをどう考えたらいいのか、混乱したままです けどもそんなことを思っております。 ○山縣座長   前半の部分はきっと私が途中で質問したように、ネットワークとか連携というのは基 本的には市町村が核になり児相と市町村そのものが縦につながって一気に広がる、そう いう構造なのか、今までのように児相レベルでどんどんくっついているのか、どっちの 絵がいいんだろうという部分のお話だと思うのですね。それから後半については、きっ と典型的なのは、政令指定都市ではないかと思います。  児相があって、しかもたいていの場合区に分かれている。中核市設置の場合分掌エリ アはどうされるかわかりませんが、指定都市ははっきり区制度をおいていますから、区 のレベルでどう対応するかというのが非常にわかりやすい例かなというふうに思います。 今日は指定都市の方がいらっしゃいませんのでお話しできませんが、今のあたりで特に 協議会について、3委員の方、事例をいただいた方々で何か考えておられることがあり ましたらお話を聞いて、だいたいそれで終わりに近づこうかなと思うのですが。いかが でしょうか。はい、どうぞ。 ○菅野委員  この論議を聞いていて、自分たちが市町村とどういう仕事をしているのか考えていた んですけれども、通告をもらったときにやはりそのネットワークの中にキーパーソンが いらっしゃいます。その人に連絡を取って、その人がいろんなところ、保育所や保健セ ンター、ある程度情報を集めていただいて、そこと意見交換をするという形が、今仕事 の中心だなというふうに思っているんですね。だからそういう個別事例に関するネット ワーク機能というか、どこかにキーパーソンがいてその人と情報交換をすることで情報 を集めて、情報のやり取りをしながらアセスメントするというのが仕事の流れだなとい うふうに思うんですね。これは虐待事例に対してなんですけども、今度はそれ以外の相 談、児童相談一般ということになると、児童相談所と市町村がそれほど情報交換しなけ ればならないようなことはなくなるのかな、虐待とそれ以外の相談というのは違う流れ とか違うシステムがいるのかなと、僕も頭の中がまとまりませんけれども、今の印象と してそういうのがあります。 ○高橋委員  まとまりきれていませんが、私もずっとこの会に出るに当たっていろいろ考えていく 中で、私たちはYCAPというものを作ってきまして、児相との関係の中を試行錯誤の中 でやってきました。  今度、要保護児童対策協議会というものができ、総合相談という形で市町村に置かれ ると、私たちはYCAPという形できましたが、ほかの一般市町村も総合相談窓口という ところと児相との関係とか全体との関係と同じ形でいろいろ整理していかないといけな い状況になるのかなというふうに思ってきました。横須賀市の場合はこの要保護児童対 策協議会を今までは虐待ということに特化していたのでYCAPで持ってきましたが、今 回は虐待だけではないということで一応組み立ててきていますので、YCAPではなく子 育て支援課ということで事務局を持ってきています。  先ほど来ずっと言っていますが、非行について本当に経験がないのでケースワークそ のものもどうやっていいのかも見当もつかないで立ち上げていくというところもありま すので、今後どう変わっていくかは、まだ試行錯誤という段階ではあります。  それからネットワークをどう組んでいくかというときにケースの処遇についての対応 のときには児相が主たるネットワークの開催者であるものと、YCAPが主たる開催者で あるものと、うちの場合は分けています。  やはりどちらが主体的に動いたほうがいいか状態像とかいろいろあるかと思います。 それによって情報を集める機関がどちらになるのかそれから関係機関からどこに情報を 流すかということを会議の中で決めて、このケースの場合は児相が主体、こっちの場合 はYCAPというような形で今は整理しています。  その整理の仕方が主任児童委員さんや保育園からケースごとに違ってわかりにくいと いう声も聞いています。 ○山縣座長  江成さん何かありますか。管内の福祉事務所を二つに分けておられますよね。その辺 を含めて、子どもの新しい体制を福祉事務所単位で一つの仕組みを作るのか。 ○江成委員   現在もネットワークとしては一つの単位でやっておりますので、地区的には合併もあ りますので何ともいえないところもあるんですが、大きく北と南に現在分かれています が、その中でも一つのネットワークを組んでおりますので今後についても恐らく一つの ネットワークでやっていくことになるかとは思います。  ただやはり高橋さんと同じようなところで、これまでは虐待に特化してやっておりま したので、虐待以外の部分をどんなふうに、教育委員会が今現在は中心になるかと思う んですけれども、そういったところとどういった形で、主体的になるところがどこにな るのかですね、非行等の部分をどんなふうにネットワークとして連携をしていくのかと いうのは、これから考えるところなので今の時点では何とも言えません。ただ、やはり 児相が主で持っているケースと市が主で持っているケースそれぞれある中で、市が主体 的にネットワークを組むというふうな位置づけになっていて、気をつけないと市が中心 となっているケースだけの検討に終始してしまうようなことも状況としてはあり得ると いうか、市が立ち上げた地域協議会の中に児相さんの方にどんなふうに入ってきてもら うのかなというところはこれから気をつけて調整をしていかないといけないかなと考え ております。 ○小野委員  水巻はすでに13年度にいきいき子どもネットというネットワークを作って、後で地 域協議会の案を見ますとほぼそれでいいのかなあという気はしています。ですから4年 間ずっとその体制でやってきていますから、このまま変わっていかないと思います。  キーパーソンはセンターになりますね。そこのスタッフが緊急性等を判断して緊急性 があれば児相につなぐし、何とかなりそうだというのであれば町内の機関を集めてやっ て。これも4年間ずっとやってきているので大体事例にかかわれば大方間違いなく組み 合わせできるようになっています。というふうな形になっているのでセンターがある限 りはこのままでいくだろうというふうに思います。  それと児相に直接行ったものは緊急性がある場合は各学校とかいろんな機関から直接 児相に行くこともありますけども、それはあくまでその事例が緊急なだけであって、家 族の問題とかその他いろんな今後の問題もあるので、必ず今後の家族の問題のかかわり 方をどうするのかということになるとセンターがかかわってきますので、必ず児相の方 からその事例を返してもらったり、私のほうからあげた事例を一緒に検討したりという ことになります。  ということを今までもやってきているなあと思いながら聞いていたのですが、それと 主体をどこにするかということで、確かに児相の方に行った事例とかこちらも児相に渡 した事例は、基本的には児相の方でコーディネートしてもらいたいなという気持ちがあ るんですけども、どうも地元の状況というのは、水巻に重複しているものですから落と すことがあるんですね。後になって振り返りをするんですけれども、そういうところは 主体をどちらというよりは児相とセンターが事前によく協議してどういう機関連携する かというのを話し合ったほうがいいかなと思っております。  そういうふうな環境づくりはすでにできているので、今後ともそんなふうにしていく と思います。 ○山縣座長  はい、ありがとうございました。  まだまだご意見もあろうかと思いますが大体予定の時間が来ました。  私、個人的にはまだいくつかの関心がありまして、大阪にいると非常に鈍感になって いるんですけども、全国の市町村の方々に時々お話を聞かせていただくと市町村合併で それどころではないと。予想ではこの1年間で1,000カ所の市町村がなくなっていく、 逆に市がぐっと増えて福祉事務所設置型の行政区がたくさん出てくる中で、新しい仕組 みをどう作っていくかというのは協議会の前にやらないといけないことがいっぱいある んですよと言われてしまいまして、おいおいその辺もどこかで議論できたらと思ってい ますが、今日はこういうところで一応研究会の方は閉じさせていただきたいと思います。 最後ですけれども、次回の日程と課題につきまして、事務局の方から簡単に説明いただ いたらと思います。 ○長田総務課長補佐  次回の日程の前に今話題になりましたネットワークの関係で少しだけコメントさせて ください。  児童福祉法、今回創設しました要保護児童対策地域協議会というのは児童福祉法の条 文を見ていただくとわかるんですが、設置主体は地方公共団体というふうになっており まして、実は主に市町村のネットワーク設置というものを念頭に置いたものではあるん ですけれども、都道府県ももし設置をしたければ、この枠組が使えるということにはな っています。  先ほど来の議論を聞いていますと、そもそも地域協議会の創設の発想というのは個人 情報保護という問題と情報共有を図っていかなければいけないという問題と守秘義務を どう担保していくか、この問題を併せ持って解決するために考えられた手法ということ ですので、その手法を実現するため必要とあれば、その都道府県単位での協議会を設置 していただくということも十分あり得るんだろうなと思います。  その中で山縣座長に先ほど整理いただいたようにその市町村により近い機関と必ずし もそうでない機関とで児相が直接的につながっていく、例えば医療機関でも高度な医療 機関だとか弁護士会とかそういったあたりはかなり児相がダイレクトにつながっていく 枠組みなのかなと。その中で必要があればそういった地域協議会みたいなものを作って いただくということもあるだろうと思います。  あとはより身近な部分、もともと児相のケース自体8割が在宅支援という状況ですの で、在宅支援はまさに身近な市町村単位の中でケース対応をしていただくということに なりますので、上廣委員にご指摘をいただいたようにすぐにというわけにはいかないん でしょうけれども市町村にマネジメントの力をどんどんつけていただければ市町村のネ ットワークの枠組みをうまく活用して、そこに児相が全部出られないかもしれないけれ ども、形式的にはすべて協議会なり児相という名前が入って、いざというときはその協 議会の枠組みの中で動いていただくというような形がひとつの理想形としてイメージで きるのかなあというのは議論を聞かせていただきながら思いました。  次回の日程ですけれども、ご一報入れさせていただいたかと思いますが、7月22日金 曜日ということでお願いをしたいと思います。  時間は今日と同じ1時くらいからでお願いしたいと思います。  場所でございますが、ご案内をまた差し上げますけれども、場所が確保できなくて恐 縮ですが経済産業省の8階の855会議室というところで行いたいと思います。経済産業 省8階855会議室でございます。  次回のテーマでございますけれども、既に第二回の研究会のときに示させていただき ましたスケジュール案では、これまでの折り返し地点みたいなことで中間的な議論の整 理ということを行わせていただきたいと思います。  市町村の関係は今日はとっかかりという事ですので、中間的なまとめとしては児童相 談所の課題であるとか、その課題解決のための方向性という部分が中心になろうかと思 いますけれども、そのようなものの整理をしたいと思っております。できれば、座長と もご相談をさせていただいて、中間まとめのご指摘のものをこちらでご用意させていた だいて、22日より前に事前に各先生方にお示しできればと。何とかそういう形で努力を したいと思っております。  それからもう1点でございますが、来週、週明け6月20日、21日と全国児童相談所 長会というのが開催を予定されております。そこの会議には、今日ご用意できずに恐縮 なんですが、前回お示ししました「全国児童相談所の実情調査」あれは速報版という形 でご提示させていただいたのですが、さらに詳細な分析を加えて、少し内容に厚みを増 したものを所長会に出したいと思っております。あと児童福祉司の17年度の配置状況 とか、そのようなものを整理しております。その所長会で提出を予定している資料につ きましては、追って各先生方にもご送付をさせていただきたいと思っています。またお 目通しいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○山縣座長  はい、ありがとうございました。では、次回は7月22日午後ということで。今日の 時間帯。場所は経産省ということでございます。よろしくお願いします。どうも長い時 間ありがとうございました。お疲れさまでした。              (照会先)                雇用均等・児童家庭局総務課児童相談係(担当)森川 03−5253−1111(内線7829)