05/06/10 第8回医業経営の非営利性等に関する検討会           第8回 医業経営の非営利性等に関する検討会 日時    平成17年6月10日(金)10時00分から12時00分 場所    厚生労働省専用第22会議室 出席委員  石井孝宜、木村光雄、品川芳宣、石井暎禧(武田委員代理)、田中 滋、       豊田 堯、西澤寛俊、松原由美、三上裕司、山崎 學                              (五十音順、敬称略) 議事内容 ○田中座長  ただいまから、第8回「医業経営の非営利性等に関する検討会」を開催します。委員 の皆様方におかれましては、ご多忙中のところ、当検討会にご出席いただき、誠にあり がとうございます。本検討会の開催も本日と次回の2回の予定となりました。次回の検 討会報告書の取りまとめに向けて、本日は皆様方の積極的なご意見をお願い申し上げま す。初めに、委員の異動についてご報告いたします。去る4月30日に、この検討会でい つも議論の整理に役立つ非常に的確なご発言を、笑顔とともにいただいておりました川 原委員がご逝去されました。心からお悔み申し上げます。代わって、日本医業経営コン サルタント協会の木村理事に新しく委員にご就任いただきましたので、一言ご挨拶をお 願いします。 ○木村委員  ただいま、ご紹介をいただきました木村でございます。日本医業経営コンサルタント 協会の理事としてこの検討会に出席させていただきます。MMPGの専務理事をしてい る関係もあり、川原邦彦委員の後任に推挙されたものと思います。また日本税理士会連 合会の副会長にも就任しています。少しでもお役に立てるように頑張りたいと思いま す。よろしくお願いします。 ○田中座長  ありがとうございます。出欠状況ですが、本日は武田委員よりご欠席との連絡を受け ています。代理として日本病院会の石井常任理事にご出席いただくことについてご了承 いただきたいと存じます。 ○日本病院会石井常任理事(武田委員代理)  日本病院会常任理事の石井でございます。武田が体調を崩しまして今日は出席できま せんので、私が代わりに出席させていただきます。既に日本病院会の中では医業経営の 非営利性に関する委員会で、武田を委員長として検討していまして、私もその委員とし て経緯についてはその委員会で伺っていますから、一応、理解しているつもりです。よ ろしくお願いします。 ○田中座長  よろしくお願いします。もうお1人、真野委員から急遽欠席との連絡が入っていま す。それでは議事に入らせていただきます。前回の第7回検討会において「透明性の確 保」、「安定した医業経営の実現」及び「新たな医療法人制度の方向性」について議論 いただきました。今回は最後の議題である「新たな医療法人制度の方向性」について、 前回の資料の「医療法人制度改革の基本的な方向性について」に関して、いただいたご 意見募集の取りまとめ結果と、それを踏まえて修正した資料を元に、さらに皆様方と議 論を深めてまいりたいと存じます。  そのほか、本日は、事務局において今年1月から3月にかけて実施した特定医療法人 ・特別医療法人を対象としたアンケート調査結果についても報告をお願いする予定にな っています。事務局から資料の確認をよろしくお願いします。 ○山下指導課長補佐  資料の確認です。議事次第、委員名簿、座席表、資料の名簿が1枚ずつあります。資 料1は「医療法人制度改革の基本的な方向性」に関するご意見、資料2は「論点整理」 と「たたき台」と「修正案」の対比の3段表、資料3は「公益性」に関する考え方の整 理と医療計画による位置づけ、参考資料1は国公立病院の経営情報の開示の取扱いにつ いて、参考資料2はNPO法における情報開示制度について、参考資料3は医療法人の 自己資本比率の状況について、参考資料4は特定医療法人・特別医療法人に係る状況 (アンケート)集計結果です。ないものありましたらご指摘いただければと思います。 ○田中座長  引き続き、資料の内容の説明をお願いします。 ○山下指導課長補佐  資料1から順に説明したいと思います。前回、ご議論いただいた「医療法人制度改革 の基本的な方向性(今後の議論のたたき台)」について、4月22日から5月15日までの 3週間に、厚生労働省のホームページでご意見を募集した結果、8件のご意見をいただ きました。それについて我々のほうで適宜整理し、基本的にいただいたご意見の文章を 活かして提示しています。  内容について少し説明したいと思います。(A)の非営利性を徹底した新しい医療法 人制度の将来の姿というところで、非営利性の徹底についてご意見をいただいていま す。昭和25年に制定された医療法人制度は、医療経営に対しては、卓越した法人制度で ある。しかし、残念なことには、制度の根幹「非営利性=営利法人たることを否定した 法人=剰余金は出資者に帰属しない=医療法人の剰余金は安定確保=永続可能な法人」 が理解されることなく普及し、多くの医療法人では、長年、誤った運営がなされてお り、「営利法人たることを否定した法人」として立法されながら、その非営利性が完結 されていないどころか、医療法違反を犯した医療法人が多数あることは否定できない。  認定医療法人に関しては、時代の要請として立法の必要性は理解できる。従来の医療 法人に対しては、その誤りを、指導で修正すれば済む事である。しかし、長年月経過し すぎており、医療法改正で、過去を清算したい意図も理解できる。  「非営利性=営利法人たることを否定した法人=剰余金は出資者に帰属しない=医療 法人の剰余金は安定確保=永続可能な法人」の完全履行を唯一の目的とする法改正こそ 望ましいという意見です。  次は、医療法人は現在の民法公益法人病院を含めて一層非営利化を推進すべきとし、 最後の行ですが、公的保険の医療を改善させるための最終手段としても非営利医療法人 化には大いに期待したいという意見です。  1頁のいちばん下の○で、民間病院に20%以上という自己資本比率の条件を課すこと は、非営利と言いながら高収益追求を認めるという矛盾を生じさせ、医療費高騰を悪化 させるため、自己資本比率20%以上の条件を廃止すべきという意見です。  2頁の最初の○ですが、健康保険を療養担当規則に沿って公正に実行しているかで、 非営利性(医療費の無駄使いをしないという)を承認すべきである。適正な医療事務の 調査が適正な保険医療の履行につながって、患者負担の軽減と良質な医療を保障すると いう相乗効果が図られるという意見です。  2つ目の○は、トンネル株式会社を家族(社員、理事等)に経営させ医療法人の経営 がそのトンネル株式会社に不当に高く支払われるケースがある。これは一種の配当であ り、医療法で認められていない。これらについて専門に検査をさせる第三者機関を設立 すべきという意見です。  3つ目の○は、株式会社の参入・混合診療の解禁を前提とした医療法人制度改革はす べきではないという意見です。  4つ目の○は、教育と医療は公益性、透明性をともに強く求められている。学校法人 は株式会社に近い形態まで規制緩和されている。21世紀の医療法人を公益性・透明性の 観点からどのように位置付けるか、根本的な議論が必要という意見です。  5つ目の○は、剰余金の使途の明確化という理念は理解できるが、剰余金は会計上貸 方科目であるので、剰余金を医療に再投資させることによる仕訳を行うことが不可能で ある。少し飛ばして、したがって、「剰余金」という文言ではなく、キャッシュフロー 計算書で用いられる「フリーキャッシュフロー」という文言を用いてはどうだろうかと いう意見です。  3頁の1つ目の○は、剰余金が医療法人に帰属することを明確に規定した場合、その 剰余金の額につき、出資者、医療法人に対して課税されるのではないかという意見で す。  2つ目の○は、医療法人が営利法人から資金調達を行い、その営利法人から役員を招 聘した場合に、その営利法人の名称を開示したとしても、医療法人の経営が営利に傾斜 することは避けられないのではないかという意見です。  3つ目の○は、既存の医療法人の大部分は「退社時に出資額に応じて剰余金を分配」 するような定款であるが、これについても強制的に定款変更させるのか。この場合、憲 法第29条の財産権の侵害に抵触しないのかという意見です。  4つ目の○は、独立行政法人福祉医療機構では、社会福祉振興試験センターに一定の 保証料を支払うことを条件に、これは社会福祉法人の場合ですが、代表者個人の連帯保 証を不要としている。しかし、医療法人が福祉医療機構より融資を受ける場合、上記の ような制度はなく、理事長及び施設管理者(院長、介護法人保健施設管理者)を含む役 員2名以上の連帯保証人が義務づけられている。4頁ですが、認定医療法人に財務状況 の開示と公認会計士等の財務監査が義務づけられるのであれば、個人の連帯保証につい ては不要とする制度を検討していただきたいという意見です。  4頁の1つ目の○は、出資者の個人的(法人的)影響を受けないように、出資持分 は、出資額を限度又は、持分なしがよいと考えるという意見です。  2つ目の○は、民間医療機関が「非営利性を徹底した新しい医療法人」を選択する場 合、医業が継続継承できる制度内容を強く希望するという意見です。  IIIの効率性の向上で1つ目の○ですが、医療法人の場合、株式会社と異なり0円出 資社員がいるため、継続保有期間要件、訴訟権者の範囲を検討する必要がある。  2つ目の○は、医療法人のモデル定款によれば、所有と経営の分離が図られていな い。所有と経営の分離を明確にしなければ、社員から理事に対する代表訴訟制度も形骸 化すると思われるという意見です。  IVの透明性の確保で1つ目の○は、医療法で債権者に決算書の閲覧を許しているから といって立場的に弱い業者が閲覧することは、現実的に不可能。行政あるいは医療法人 は国民に公表するような法律改正を行うべき。患者側としても経営の安定した医療機関 のほうが安心して受診できるという意見です。  2つ目の○は、医療法人の身売りが頻発していることから、理事長が変更した場合は (重任を除く)組織運営、事業運営、資金計画の履行状況等を報告させるとともに理事 長兼任は認可事項とすべき。また、医療法第63条の立入検査は同法第25条と異なり、 「必要な場合は」という文言がないので定期的な検査が不可能であるため、第63条を改 正して「必要な場合は」立入検査できるようにすべきという意見です。  5頁の○ですが、都道府県知事に届け出る医業経営の情報は、新病院会計準則など一 定の形式によって作成された財務諸表により提出するのか。決算届の様式は改められる のかという質問です。  6頁で(B)の公益性の高い医療法人制度に関する意見ですが、Iは非営利性の徹底 で、認定医療法人の理事報酬について、「資産・収入の状況からみてあまりに多額にな った場合」とあるが、その基準はどの程度のものなのかという質問です。  IIの公益性の確立ですが、公益性の高い医療の実施は認定医療法人の要件となるの か。医療計画の策定を都道府県が主導的に行った場合、民間医療法人の実施が困難なも のが作成される恐れはないのか。認定医療法人が自治体病院の経営を行う場合、事務委 託方式となるのか、施設譲渡方式になるのか。また、累積赤字や従業員も引き継ぐ必要 があるのかという質問です。  IIIの効率性の向上ですが、法人グループの定義を明確にすべきという意見。次に、 医療法人理事長は特例を除き医師に限るものとすべきという意見。認定医療法人の役員 又は社員について、同一の親族が占める割合を一定程度に制限するとあるが、現行の特 定医療法人・特別医療法人と同等の基準と理解してよいのかという意見。親族等制限は 「役員又は社員」となっているが、法施行後は「役員及び社員」という取扱いに変わる ことはないのか。「又は」か「及び」で認定医療法人の普及率が全く違うものになると いう意見です。  7頁でIVの透明性の確保ですが、事業計画書や財務諸表等の閲覧について、利害関係 人から不当な理由に基づく請求があった場合には開示する必要はないとあるが、不当な 理由の具体的例示はあるのかという意見。情報開示にあたっては利害関係人の範囲を明 確にする必要があるという意見。医療法人は、地域で安定的な医業経営を実現するため に公認会計士等の財務監査を受けなければいけないものとあるが、監査の目的が不明確 なので、主たる監査の目的として、(内部管理のサポート)(継続企業の前提について の意見表明)(財務諸表の適正性確保)(公益性の向上)(自治体病院の受け皿となる ことの前提)(税理士法第33条の2書面の普及)(公募債を発行する認定医療法人) (医療法人会計基準の制定)、これらについて明確にしていただきたいとしています。 医療法人会計基準の制定については、日本公認会計士協会、日本医療法人協会等が主体 となり、医療法人会計基準監査のよるべき慣行法が早期制定されることを望むなどが、 意見として出されています。  Vの安定した医業経営の実現ですが、税務上はもちろん優遇されるべき。国の方針と して毅然とした対応で、医療の安定を図っていただきたいという意見。認定医療法人の 税制優遇については、公益法人制度改革の枠組みのなかで検討されるのか。それとも、 別個の優遇措置として検討されているのかという意見。また、どの程度の優遇措置を想 定されているのか。固定資産税や印紙税を現在免除されている自治体立病院や公益法人 立病院からの移行が進まないと考えられるが、いかがかという意見。住民が求める医療 を担わないものは認定医療法人になれないのか。「住民が求める医療」とは都道府県の 医療計画で作成された医療を指すのかという質問。認定医療法人への寄附の税制上措置 は、寄附した側は寄附金控除の対象とし、受け取った認定医療法人も法人税が課税され ないようにしてはどうかという意見。一般の企業が、研究開発や組織拡大のために継続 的な資金調達を必要とするのと異なり、医療法人での市場調達による資金確保は、増改 築や移転新築の際など一部に限られており、継続的な債券発行が行われない点と、発行 額のロットが比較的小さいことから、優良な格付を得にくいものと考えるが、いかがか という意見です。  10頁で、Cのその他医療法人制度に関し見直すべき事項については、独立行政法人国 立病院機構の完全民営化又は廃止、自治体病院の完全民営化又は廃止を前提とした医療 法人制度改革を進めるべきという意見。一人医師医療法人の成り立つ枠が必要という意 見。国民皆保険制度が堅持されることを前提とした制度改革かそうでないのか分かりや すくすべきという意見。法人設立の認可申請時に各都道府県によって個人病院・個人診 療所時代の実績を求めてくるが、統一化を図るべきである。法人設立の認可申請では医 療法人への借入金の引継ぎを認めるべきである。通常は、借入金が病院の運転資金に充 てられているからであるという意見。認定医療法人の資格審査については、本庁か少な くとも厚生局でやらなければ、A県の衛生主管課では全く無理であるという意見です。 資料1の説明は以上です。  次に資料2です。仮に3段表と言いますが、前回、2段で昨年の12月に我々のほうか ら出した「論点整理」、またその後の議論を踏まえて前回出した「今後の議論のたたき 台」、それに対して今のような意見等を踏まえて本日、その「修正案」として修正した ものがいちばん右側にあります。真ん中の2段目のところから修正した点だけ、あえて いちばん右に書いています。時間もありませんので変わったところだけ強調して説明し ます。  1頁で、医療法人の剰余金については従来より医療法人に帰属するものであるが、こ れについては、今回の医療法人制度改革の一連の中で医療法関係法令又は通知等を通じ て周知することとし、社員の退社時に出資額に比例して剰余金が分配されないようにす るものとすると変えています。  2頁で、医療法人が解散する場合の残余財産の帰属先について、4月では定款又は寄 附行為の定めるところによるものとすると書いていましたが、他の医療法人、国又は地 方公共団体でなければならないということを医療法上規定するものとすると書いていま す。  基本的には真ん中と変わらないということで、飛んで12頁の公募債のところです。認 定医療法人については、証券取引法に基づく有価証券としての位置づけである公募債を 発行できるものとする。ただし、当該債券の利率が例えば認定医療法人の収益に連動す るのであれば、剰余金の配当禁止に抵触する形になりますので、そういった取扱いにな らないよう留意するものとすると書いています。  13頁で、その他のところでの修正点ですが、厚生労働省は、医療法人に対する都道府 県の事務について、法令に基づく適切な対応がなされるよう、引き続き、情報面での周 知徹底を図るものとする。また、厚生労働省は医療法人の経営が今後とも透明性が確保 され、効率的に推進されるよう、医療法人制度の不断の見直しを行うとともに、医療法 人や医療法人の経営に関わる者が安定的に経営に従事できるよう別途支援策についても 検討するものとする。  約4万に及ぶ現行の医療法人が、その組織・事業等を見直しつつ新制度に適応してい くため、新制度の施行前に既に設立されている医療法人に対しては一定の経過期間を設 け、経過期間の間にこれら医療法人が自主的に新制度へ移行できるようにするものとす る。特に、医療法人の残余財産の帰属先を医療法人に限定することについては、当分の 間、経過措置を設けることが必要である。また、厚生労働省や医療関係団体は医療法人 が新制度に円滑に移行していくために新制度の趣旨・内容について、周知徹底に努める こととすると修正しています。資料2の説明は以上です。  次に資料3ですが、これは3月8日の第6回非営利性の検討会の場で事務局から提示 し、「公益性」に関する考え方として整理して、それを例えば都道府県が作成する医療 計画で位置づけてはどうかということで提案したものです。公益性についても具体的に どういうものがいいのかという議論が鍵になってきますので、あえて提示しています。 簡単に説明します。  1頁で、公益法人制度改革においても公益性の考え方について整理されていて、法人 のガバナンスの強化を通じて自律的な監査・監督機能の充実と情報開示の徹底を通じた 社会監視の充実を図る。また公益性を有する法人の目的というのは、積極的に不特定多 数の利益の実現を図ることを基本として、少し飛びますが、公益的な事業について、市 場経済では適切な供給が困難な財・サービスを提供する事業であることを基本とし、公 益目的との関係で、事業による受益の及ぶ範囲が社会的な広がりを有することが適当と あります。  それに関して、例えば3頁で、公益性の高い医療についてはどうなのかですが、「通 常提供される医療(活動)と比較して、継続的な医療(活動)の提供に困難を伴うもの であるにもかかわらず、地域住民にとってなくてはならない医療(活動)」と定義し、 例えば継続的な医療(活動)の提供に困難を伴う事例として、(1)救命のために常時医 療を提供するものであること。(2)居住地域や病態の程度にかかわらず等しく医療を提 供するものであること。(3)医療従事者に危害が及ぶ可能性が高いにもかかわらず提供 することが必要な医療であること。(4)患者や地域の医療機関に対し無償で相談助言や 普及啓発を行うものであること。(5)高度な医療技術などの研究開発や質の高い医療従 事者の養成であって科学技術の進歩に貢献するものであること。こういう類型化をし、 それをさらに具体化した公益性の高い医療の(案)として、下の括弧の中を提示してい ます。資料3の説明は以上です。  次に、前回の議論で委員から指摘のあったところについて参考資料1で提示していま す。国公立病院の経営情報の開示がどうなっているのか。制度について、国立病院機 構、国立大学法人、自治体立病院がそれぞれどういうふうになっているのか。国立病院 機構のところの(1)に財務諸表とあり、この中には貸借対照表、損益計算書、利益処 分損失処理の書類、キャッシュフロー計算書、事業報告書、決算報告書、監査人の意見 等について大臣に提出して承認を受けなければいけない。それらの情報については事務 所に備えて一般の閲覧に供する方法やインターネットの利用その他の情報通信の技術を 利用する方法によって開示するとなっています。  各施設においても貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書について、各事 務所、各施設に備えておき、5年間、一般の閲覧に供しなければならないとされていま す。国立大学法人についても基本的に同じで、事務所に備えて一般の閲覧に供する方 法、インターネットに載せて開示するとなっています。自治体立病院も基本的には同じ です。  次の頁ですが、例として自治体立病院はホームページにどう表わされているかという と、地方公営企業年鑑が自治体については総務省のホームページから見ることができま す。例えば北海道の公立病院について、それぞれデータが開示されています。寿都病院 は病床数が60床であること、1日の平均患者が入院は16名、外来は75名と非常に細かい データについても開示されています。参考資料1の説明は以上です。  参考資料2ですが、NPOの情報開示制度について我々のほうで調べたものについて の報告です。NPO法人の開示文書ですが、そもそもNPO法人は、自らに関する情報 をできるだけ公開することによって市民の信頼を得て、市民によって育てられるべきで あるという考え方から、非常に広範な情報公開制度を採用しています。開示対象文書に ついては2にあるとおり、前事業年度の事業報告書、財産目録、貸借対照表、収支計算 書、役員名簿、社員のうち十人以上の者の氏名、定款について開示対象文書になってい ます。  3はどのように開示するかです。事務所に備え付けておき、そこで閲覧できる者は利 害関係人に限られます。その利害関係人は社員、債権者、保証人、法人と取引等の契約 関係にある者、法人に対して損害賠償請求権を有する者等を指します。またNPO法人 はその書類を所轄庁(内閣府又は都道府県)に提出しますが、この所轄庁においては一 般国民が閲覧することが可能となっています。  参考資料3は医療法人の自己資本比率の状況についてで、前回、ご指摘がありました ので我々のほうで調べたものです。医療法人の自己資本比率については、平成14年度の 病院経営指標で、平成14年10月1日現在、医療法人が開設する病院についての平均値と して自己資本比率が出されています。全体としては一般病院32.1%、療養型病院37.2 %、精神病院46.8%という自己資本比率です。また国と県にまたがる場合の医療法人は 大臣所管の医療法人になりますので、我々のほうで各ブロック厚生局に問い合わせて調 べた結果、平成15年度の大臣所管の決算書を見ると、自己資本比率の平均値は32.2%に なっています。長くなって恐縮ですが私のほうからの説明は以上です。 ○田中座長  ありがとうございました。ただいまの説明についてご意見等ありましたら、ご発言を お願いしたいと思いますが、その前に豊田委員からご意見が出ていますので、こちらの 説明を先にお願いします。 ○豊田委員  「医療法人制度改革に関する意見」、社団法人日本医療法人協会豊田堯と書いている 資料について説明申し上げます。1頁に線で四角に囲ってあるのは意見の概要です。い ちばん上の○が、現在の医療法人制度は改革すべきである。2つ目の○は、医療におけ る「非営利」とは、「医業にあたって営利を目的としない」ことであり、規制改革・民 間開放推進会議や公益法人制度改革で論じられる営利・非営利概念をそのまま医療政策 に当てはめるべきではない。3つ目の○が、医療法人の類型は、(1)公益性の高い医療 法人(認定医療法人)、(2)非営利性を徹底させた法人(出資額限度法人)、(3)持分の ある社団医療法人−の3類型を設けるべきである。これまで議論された2類型とする厚 生労働省案には、それを強力にやると憲法違反や課税問題の弊害が生ずるので反対する ということです。その他、厚労省案の主要点について、賛否を述べています。  1頁の下から申し上げます。一の「医療法人制度改革について」、昭和25年に医療法 人制度が創設されたわけですが、半世紀以上が経過するなか、経済社会情勢の変化に伴 い、本制度にはさまざまな問題が生じている。  とくに医療法人の創設者の世代交代に伴う持分の払戻しや、巨額の相続税負担は医療 法人の存続を脅かしており、このままでは制度創設の趣旨である「医療機関の経営に永 続性を付与」するということが十分に果たされない状況が危惧されています。また、必 ずしも合理性の認められない制度が医療法人の経営を縛っている結果、効率的な経営を 阻害し、ひいては医療基盤の充実を妨げている例も散見されます。  このような問題を解決するため、日本医療法人協会では医療法人制度改革の必要性を 早くから主張し、なかでも出資額限度法人の法制化を強く求めてまいりました。したが って、厚生労働省は平成18年医療法改正を視野に入れ、医療法人制度改革を検討してい ることには賛同するものであります。  2頁で、二の「医療法人制度改革の前提について」ですが、医療法人制度には各方面 からさまざまな指摘がなされているほか、関連する法制度改正との関わりも問題となっ ています。その代表的なものが政府の規制改革・民間開放推進会議での議論と、公益法 人制度改革をめぐる動きです。これらは医療法人制度改革論議に大きな影響を及ぼして いて、そのいずれにおいても「非営利」概念がポイントになっています。  そこで、医療法人制度改革の方向性を論じる前提として、これらの問題について検討 する必要があると考えます。以下に述べます。  1の「医療における『非営利』」ですが、医療における「非営利」を規定した根拠条 文には、医療法7条5項と54条があります。7条5項には、「営利を目的として、病 院、診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては、前項の規定にかかわらず、第 1項の許可を与えないことができる」としています。医療法54条には、「医療法人は、 剰余金の配当をしてはならない」と明確に規定されています。  この両条項の趣旨と関係を考察すると、7条5項は個人、法人を問わず、営利目的で 医療施設を開設してはならないという原則的な「非営利」を規定しているのに対し、54 条はこの原則を具体化するため、医療法人のみを対象として剰余金の配当を禁止した規 定と捉えることができます。言い換えれば、7条5項のいう「非営利」こそ、医療にお ける本来的な「非営利」を意味し、54条はこの原則の具体化にとどまると考えるべきで す。  これを踏まえるならば、7条5項の「非営利」とは、医療における一般的な「非営利 」の意味、すなわち日本医師会の『医の倫理綱領』というのがありますが、ここで言う 「医業にあたって営利を目的としない」ということと解釈できます。すなわちこれが、 医療における「非営利」の意味であると捉えています。  2の「規制改革・民間開放推進会議の第1次答申」ですが、平成16年12月に規制改革 ・民間開放推進会議が提出した第1次答申は、「株式会社に医療法人の社員としての地 位を与え、出資額に応じた議決権の付与を可能とすれば、医療法人へ出資するインセン ティブが高まる」と述べていますが、これは営利企業の医療への間接的な参入を提言し ているものです。  しかし、医療とは人間の生命、身体の安全に直接関わるものであります。生命、身体 はいったん損なわれれば、回復不可能となる恐れがあるだけに、市場原理に委ねること は不適当です。わが国では医療は非営利であるとの原則が採られているのも、それが理 由と考えます。当協会としては、あらためて営利企業の参入には反対の立場を表明いた します。  第1次答申にはまた、持分の定めのある社団医療法人について、「剰余金の配当こそ 禁止されてはいるものの、脱退・解散時の出資者の払戻・分配請求権が保証されてい る。これは、そもそも寄附を前提とした社会福祉法人等の非営利法人とは異なり、出資 者の財産権が保全される法人格であるため、実質的に個人企業の形態に近く、現に、税 法上も営利法人と同じ扱いを受けている」と述べています。これは医療法人を営利法人 と同じようにみなし、医療への営利法人参入を示唆するものと理解されます。  剰余金の配当を基準にした営利法人、非営利法人の区分は、法律学における法人分類 学では一般的に行われているところであり、特段これを否定する理由はありません。し かしながら、営利・非営利の区分を同一の基準により律し、それを各種の政策に及ぼし ていくという立場は、政策領域の相違やそこにおける歴史的経緯を顧慮しないという点 においては失当と言えると思います。  医療法人のあり方は、何よりもまず「医業にあたって営利を目的としない」というこ とを基本に、その上で医療法人に求められる非営利性の具体的な条件はいかにあるべき かを、社会的要請を踏まえつつ検討すべきです。  3の「『公益法人制度改革に関する有識者会議』報告書」ですが、報告書は、社団法 人における「非営利」とは持分を有さないことを要件としています。この点、非営利を 原則とする医療においても無関係とは言えないところですが、しかしながら、医療は国 民の生命、身体の安全に深く関与するものであり、そのためにこそ、根本的に営利性が 許されないものとして理解され、それを堅持する医の倫理が国民の信頼につながってま いりました。その根本的な医療の非営利原則とは、「医業にあたって営利を目的としな い」ことであり、この意味での非営利原則こそが医療にとって本質的に重要な問題で す。  例えば、医療において過去も現在も、個人の尽力により地域住民の健康を支えること は当然のことながら行われてきているわけですが、報告書の「非営利」概念からは、こ のような個人経営の医療機関がすべて除外されることになります。これは国民常識から もかけ離れた結果といわざるを得ません。  以上により、報告書の「非営利」概念を医療に及ぼすことは適当ではないと考えま す。  4頁で、三の「医療法人制度の方向性について」、1の「医療法人の類型」で(1) の厚労省案の問題点について述べます。これは昨年12月、そして4月と、たたき台で示 されてきた部分についての指摘です。  厚生労働省が「医業経営の非営利性等に関する検討会」に提出した、「医療法人制度 改革の基本的な方向性について」は、将来の医療法人制度を次の2つに整理することが 提案されています。(1)は非営利性を徹底した新しい医療法人制度、(2)は公益性の高い 新たな医療法人制度、現在は認定医療法人制度と言われています。この2つに整理する ことが提案されています。  このうち、(1)の非営利性を徹底した新しい医療法人制度については、社員の退社時 に出資額に比例して剰余金が分配されないようにするとともに、解散時の残余財産の帰 属先も特定の個人や団体に帰属させないこととし、4月のたたき台では例外的に拠出金 制度を選択することもできると、こういったふうに整理されています。  しかしながら、この厚労省案が実施された場合、次のような困難な問題に直面しま す。  (1)は現行法において、医療法人の出資は退社時や解散時の出資に応じた払戻請求権 を含むために、これはもちろん持分のある社団についていま論じているわけですが、そ ういったことを含んでいるために出資者の財産権ともいえますが、厚労省案はこれをす べて剥奪するものです。これは国民の財産権を保障した憲法29条第1項に反し、改正法 は憲法違反を下される可能性がある。憲法違反の判断についてはともかく、これについ ての法律論争はたくさん生じ、訴訟問題も起こってくる可能性があるということを言っ ています。  (2)は医療法人の98%を占める持分のある社団の多くが、個人財産の喪失を忌避し、 医療法人から個人経営に移るといったことが起こった場合、法人税、所得税等の課税が なされ、医業経営そのものが危うくなります。つまりそのことは、現在医療法人の経営 する医療機関が病院数にして60%近くありますし、全病床の40%を超える部分が医療法 人となっています。そうすると、この医療法人の混乱は直ちに地域医療、国民医療にも 混乱を生ずる恐れがあるということを、ここで述べています。  (3)は改正後の課税関係が明確でなく、税務当局から依然として個人財産として課税 される可能性がないという保証はないという、非常に不安定な状態です。  他方、厚労省案を残余財産を特定の出資者に配分する余地があるとするものとする と、仮にそういうふうに緩やかに理解した場合でも、これは4月のたたき台で拠出金の 形で出されたものを言いますが、そうした場合でも上記の問題は完全に解消しないばか りか、次のような問題を派生させることになります。  (4)は、退社の際は剰余金相当部分が払い戻されないのに、解散時には払い戻される ということがあるならば、社員が退社する際、医療法人の解散を要求するなどという事 態も生ずるのではないか。  (5)は、社員が退社した場合、当該社員が本来受けるべき剰余金相当部分について、 当該社員に対する所得税、残存社員へのみなし贈与課税がなされる恐れが出てきます。  (6)は、死亡退社した場合、相続税における出資の評価は従前と同様、剰余金相当部 分を含んだものとなる恐れが多い。税制上の問題を指摘しています。  厚労省案は以上の問題を含んでおり、日本医療法人協会としては反対せざるを得ない という結論です。  5頁で(2)の日本医療法人協会案ですが、当協会としては、医療法人の類型とし て、次の3つを提案したい。(1)は公益性の高い医療法人で、現在検討されている認定 医療法人を指しています。(2)は非営利性を徹底させた法人で、これは下に書いている 出資額限度法人のことを言います。(3)は持分のある社団医療法人です。この3つをも って制度としたいということで、この類型案は現行の特定・特別医療法人と持分のある 社団医療法人の間に、平成16年6月に「医業経営の非営利性等に関する検討会」の報告 書で提言された出資額限度法人を明記した形で創設するものです。  これは「出資額限度法人」と書いていますが、出資という概念については議論があり ますので、この辺は拠出額とするかは今後の検討でいいわけですが、とりあえず平成16 年6月の整理の出資額限度法人を法令上明記してもらいたいということ。これを2番目 に入れるということです。持分のある社団医療法人から、認定医療法人や出資限度額法 人に移行するには、あくまでも法人の任意によるものとする。ここのところは非常に大 事で、12月の厚労省案では形としては2段階にして、2段階目が出資額限度法人の形に なっていましたが、これは法令にして一気に全部改正するという形です。  そのためにいろいろな問題が起こることがこれまで議論されたわけですが、あくまで も認定医療法人が出資額限度法人に移行するについては、法人の任意によるものとする とするならば、いままで述べた厚労省案の問題点は生じず、非営利性を高めるべきであ るという時代の要請にも応えることも可能です。また出資額限度法人を法制化すること により、退社時の払戻しや出資の相続税評価も出資額に限定することが可能になり、一 に述べたような医療法人制度に内在する主要な問題点を解決できると考えています。  また、認定医療法人や出資額限度法人への移行を促進するためには、移行税制に十分 な配慮が必要で、現行の特定・特別医療法人への移行時に課税関係が発生しないとされ ていると同じような扱いがなされるべきです。いずれにしろ医療法人制度改革を実施す る場合には、税制との整合性を図ることが欠くことのできない条件となります。  なお、これらの類型に含まれない財団や持分のない社団医療法人は、この認定医療法 人と出資額限度法人の間に位置するものと考えていただければよろしいと思います。  2の「医療法人の非営利性の徹底」ですが、医療法における非営利概念は、先ほどか ら述べたとおり「医業にあたって営利を目的としない」ということです。  しかしながら、非営利概念は社会環境の変化とともに変化するものでもあります。現 在、規制改革・民間開放推進会議や公益法人制度改革において、非営利性の徹底が求め られる情勢に鑑みれば、医療法人についても、非営利性を具体化するための配当禁止規 定に加え、さらなる非営利性徹底のための措置が講じられるべきであると考えていま す。  具体的には、次の措置が講じられるように提案します。  (1)は出資額限度法人の法制化です。(2)が認定医療法人、出資額限度法人が解散する 場合の残余財産の帰属先を他の同種医療法人、国又は地方公共団体とするということで す。(3)は役員報酬等の支給規程の開示、これは認定医療法人です。このうち役員報酬 等の支給規程の開示は、現在、年間3,600万円を上限とする特定・特別医療法人の形式 的な報酬制限に代えて新設すべきです。  厚労省案には、このほか剰余金の使途に関する理念規定や、剰余金に不適切な費用負 担の禁止規定を医療法に設ける提案が、4月のたたき台に提案されていますが、これら は医療法人の運営を硬直化させる恐れがありますので、これには反対します。  6頁で3の「医療法人の公益性の向上」ですが、医療は本来的に公共的、公益的な業 務であり、社会的に保護、育成を図るべきものです。その意味では、あらゆる医療法人 は公益的存在であると言えますが、より公益性の高い業務を担う存在として、認定医療 法人制度を創設し、これに政策医療等、一般の医療法人では担うことができない困難な 医療提供を委ねるという厚労省案には賛同します。  4の「医療法人の効率性の向上」ですが、医業においては、医療サービスの提供と経 営は車の両輪というべきです。効率性の向上には経営者が経営実態把握をすることが不 可欠です。そのためには医療法人の会計ルールが明確化されていなければなりません が、現時点では医療法人の統一的な会計基準が制定されていません。早急に医療法人会 計基準を制定すべきです。その際、中小医療法人に配慮した弾力的な基準制定が望まれ ます。  厚労省案は、認定医療法人について「法人の財務については法人のグループ全体の状 況を表す」としていますが、医療法人の出資を限定している現状に、この文言はそぐわ ないのではないかという指摘です。  また、改革を機に医療法人の組織をより効率的なものとすることも必要です。例えば 現在の特定・特別医療法人には社員総会、理事会、評議会という3層の会議が設けられ ていますが、この3層構造は、屋上屋を重ねる観もまた否定できません。認定医療法人 に統合する場合、各会議の役割分担を明確にすること等も、より効率的な組織になるた めの検討が必要です。  厚労省案が、経営管理を担う人材養成を検討課題に掲げていることには賛成します。  5の「医療法人の透明性の確保」ですが、厚労省案では、次の事項が掲げられてお り、当協会としては全面的に賛同します。(1)は経営情報の都道府県知事への届出とデ ータ整備、これは全医療法人です。(2)は医療法人の財務状況や格付け情報等の広告容 認、これも全医療法人です。(3)は自己資本比率の規制の適用除外、これは認定医療法 人です。これには賛同します。  7頁で、6の「安定した医業経営の実現」ですが、厚労省案は、認定医療法人に特別 医療法人と同様、収益事業の実施を認めることとしています。他方、通常の医療法人は 業務制限により遊休資産の活用等について非常に困っています。少なくとも附帯事業の 範囲を大幅に拡大するか、あるいは一定の制限下での収益事業をすべての医療法人に容 認するか、これらについて検討していただきたい。是非、その措置を講じていただきた いということです。  また、厚労省案はすべての認定医療法人に公認会計士等の財務監査を義務付けていま すが、外部監査は費用負担等が必ずしも容易であるとはいえません。義務付けの範囲 は、他の医療法人に出資又は経営参加するといったふうに制限を付けてはいかがでしょ うか。  その他、認定医療法人に関する以下の厚労省案には、賛成します。  (1)は公募債の発行の容認、(2)は税制上の優遇措置、これは必ずやっていただきたい と思います。(3)は寄附金税制の整備で、社会福祉法人並の制度を付けていただきたい と思います。(4)は他の医療法人の運営面、資金面での支援の容認です。(5)は資産運用 方法の緩和です。これには賛同します。  7の「その他」ですが、厚労省案には以下の項目について書かれていますけれども、 私どもは賛成します。  (1)は医療法人の設立認可等の事務の透明化、(2)は医療法人に係る事務に関する合理 的でない規制の見直し、(3)は透明性確保、効率化のための不断の見直しです。特に(1) については特別医療法人を申請した法人から多くの苦情を聞きました。申請はしました けれども、いつまでも返事が来ない。一体どうなっているのかもわからない。これから 制度改革に合わせて、こういった事務的な面も透明化が、医療法人だけでなく許認可の ほうでも透明性を高めていただきたいということです。長くなりましたが以上です。 ○田中座長  ありがとうございました。ただいまから40分ほどを目処に事務局からの説明、豊田委 員のご意見に関して、ご質問やご意見があればお願いします。  最初に申し上げましたように、取りまとめに当たって、先生方のご意見を聞く貴重な 機会ですので、できる限り多くの委員からの意見の開示を期待しております。よろしく お願いいたします。 ○品川委員  前回からの議論と、先ほどの厚生労働省からの説明を総合して最初に申し上げておき たいのですが、いろいろな意見や修正案に関しては法律の解釈論として整理するのか、 あるいは立法論として整理するのかということが非常に混乱しているのです。前回いろ いろ質問いたしましたが、医療法54条には、「剰余金の配当をしてはならない」という 規定があるわけですが、56条には、「残余財産の分配は定款又は寄附行為の定めるとこ ろにより、その帰属すべき者に帰属する」という規定になっていて、54条と56条の規定 を読む限りでは、年次配当はできないが、残余財産の最後のところが定款で自由に定め ることができると理解され、それが税務上の取扱いにも全部関連して、あるいは昨年度 の出資額限度法人の厚生労働省からの照会に対する国税庁の回答も、一応それを前提に しているのです。  しかも、厚生労働省の施行令30条の34には、「自己資本比率は20%以上でなければな らない」として、第2項で自己資本とは何かということについて、「資本金と剰余金の 合計額である」、しかも30条の36には持分について、「持分のある者からない者には定 款変更はできる」ということと、その場合、「資本金は資本剰余金に変更するのである 」と。これらの規定はすべて持分、出資、あるいは自己資本という概念を用いて、前回 説明されたように、一連の規定から見て、現在の医療法では拠出金や貸付金といった概 念は解釈できないはずなのです。  そうすると、現行の出資資本金に残余財産を分配できるという56条の規定を前提にし て、いろいろな意見について、これを立法論で解決すべきなのか、従来の解釈をどのよ うな理由で変更できるのか、あるいは厚生労働省の修正案についても、いまのような一 連の規定の解釈の変更なのか法律の改正なのか、あるいは経過規定について、どのよう な法律をつくり経過措置を講じるのか、その辺をもう少し説明していただかないと、ど うあるべきかということについてはなかなか指針が見出せないのではないかと思います が、厚生労働省側からの意見を伺いたいのです。 ○山下指導課長補佐  品川委員のご意見はよくわかりますし、そこを我々も非常に悩んでいるところです。 まず法律論ですが、昭和25年に医療法人制度が創設されたとき、「配当禁止」「残余財 産は定款に定めるところによる」とした理由は、民法の残余財産が同じように、「残余 財産は定款又は寄附行為に帰属する者に帰属する」となっているからです。公益法人た る、民法の規定を準用してつくったものであります。それが実際にどのように運用され ていたのか。昭和25年には、持分という言葉は当然なかった。国会の議事録でも反対と いうか、そのようなことはないということで、出資したことに対する見返りを求めるも のについては、営利を目的とすることになるのでいけないということです。  「剰余金は配当してはならない」についての「配当」という言葉には、商法第何条の 規定による配当という規定がない。つまり、商法による株主に対する配当を禁止してい るのではなく、お金を出したことに対する見返りを求めてはならないというのが、医療 法人制度が創設されて以来一貫してあったものです。これについて変わったのかと言わ れると、解釈としては変わっていないものであります。一方、税との関係では運用につ いて誤解というか、ぎくしゃくしていたことは事実ですし、そういった事態を踏まえて 省令で対応してきたことも事実です。いま、委員が言われた自己資本比率、持分などが 省令に書いてあるというのは、制度を50年以上運用してきた中で、いろいろな経過があ ってこうなってきたものです。  この度、ここで議論していただきたいのは、非営利性とは何かということです。私ど もとしては、皆様方の議論を通じて、お金を出したことに対する見返りを求めること自 体は、非営利性の概念からしておかしいのではないか、そのような意見ではないかとい うことを考えております。それを念頭に置いている医療法にどのように表現するか。3 段表のいちばん右側では、残余財産については定款に定める者に帰属するのではなく、 残余財産は国、地方公共団体または他の医療法人に帰属するということで、特定の個人 には帰属しないことをきちんと法律に書くことで担保しようと。  一方、毎年次の配当についてはいままでどおりで、剰余金は配当してはならないとい う条文がありますし、その解釈は引き続き維持しているつもりです。そこを改正する必 要があるのか、必要ではないのかというと、基本的にこれまでどおり維持しているもの ですから、その維持をどのように表現するかということになります。今回1頁目で書い たとおり、一連の医療法人制度改革の中で、それをどのような形で、お知らせするほう がいいのか、法律に書いて伝えたほうがいいのか、通知のままでいいのかについて、我 々の解釈が法制度上きちんとなっているのかというのは、今後内閣法制局と相談しなが ら考えていくべきものだと思っておりますので、いまちょっとトーンを変更しておりま す。 ○品川委員  いまの説明で、一連の文章やいろいろな方針について、いま法制局という話がありま したが、厚生労働省の中で法律的な検証はやっているのですか。例えば、文書課がある のかどうかわかりませんが、官房などどこの省でもあると思うのです。法律論としてう まくいくのかどうかを危惧しているわけで、もちろん、政策的にこのような方向がいい ということで決まって、そのような政策論が実施されることは一向に構わないのです が、法律論として、各省庁では、法制局にいく前に法律をチェックする機関が当然ある わけですから、そこでどのような議論がされたのかということが気になるというのが1 点あります。  いまの説明の中で、施行規則30条の36に規定されている持分云々という規定は、1950 年ごろの解釈の変更から、たまたまこのような規定が設けられたという、私の聞き取り 方がまずいのかもしれませんが、医療法の趣旨とは関係がないように聞き取れたので す。法律に過去どのような経緯があったかはともかくとして、現在の医療法をどう解 釈、適用するかということは、医療法施行令と医療法施行規則のいずれも、法律の委任 を逸脱して規定するわけにはいかないわけで、3者は一体となって医療法を構成してい るのです。そうすると、医療法に反することを施行規則に書くことはできないわけです し、逆に、施行規則に書かれていることは医療法そのものなのです。そうでないと、法 律の委任範囲を逸脱したことになるわけです。  ここではいろいろな政策の方向を議論して、法律の技術的な問題については厚生労働 省の官房なり、法制局と相談すればいいと思います。そうでないと、せっかくここで議 論したことが頓挫してしまったり、法律論として意味のないことを議論しても先々心配 であると。たまたま法律を専門とするのは私だけのようなので、ここはよく確認してお いていただければと思います。いろいろな政策の是非については、機会があれば後ほど 意見を述べたいと思いますが、取りあえず、法律的なチェック、解釈論なのか、立法論 なのか、このような政策を遂行する場合にはどの法律の解釈をすればいいのか。医療法 を読んでみると、解散のときには残余財産の分配規定があるのですが、脱退のときには どこにも書いていないのです。解散するときは持分に応じて剰余金が分配されたり、あ るいは定款でされなかったりするのは、法律上どこの規定で読むのかと思って条文をな がめていたのです。私自身、医療法全体についてよく承知していないものですから、心 配のところだけ指摘させていただこうと。後は検討していただければ結構です。 ○田中座長  後段は今後きちんとするようにとのありがたいアドバイスであったと思います。 ○石井委員  何度も同じ議論をしているのですが、少し実務家のスタンスからお話したいと思いま す。今年3月末で医療法人数は4万を超えて、そのうちの3万3,000が一人医師医療法 人で、80%です。この間の期間経過を見ていくと、現在増えているのは一人医師医療法 人です。片方で、先ほどの医療法人協会の意見書にあったような巨額の相続税負担問題 というのは、一般的には一人医師医療法人よりも、従来から存在していた病院開設型 の、比較的規模の大きな医療法人について起きているのではないかと思います。  「医療法人の剰余金については、従来より医療法人に帰属する」という表現に関し て、実務家としてはちょっと疑義があります。と言いますのは、私自身、昨日税理士と してある医療法人病院の相続税調査を受けてきました。やはり数億円に及ぶ相続税評価 をされて、当然ですがそれを前提として相続税の申告をしており、その納付も終わって いるわけです。そのような現実というのは、この何十年間か縷々起きてきている。それ に対して、もともと剰余金は医療法人に帰属するという整理をしてしまうと、どうして もそこに現実的な無理があるのではないか。新しい制度のあるべき方向という議論はわ かるのですが、実務の側から見ていくと、これから変わるという方向性、つまり、これ からの問題といままでの問題をポンとワープするような形で、単一的整理をすることは 本当にできるのかと感じます。  今回の修正案の対比表の最後に、経過期間を設けてということが書いてありますが 「当分の間経過措置を設ける」という言い方に関しても、例えば年数を明示した経過措 置の取り方なのか、あるいは、法律上よくやるところの当分の間をそのまま明記するの か。その辺りにおいても現実的には随分状況が違うのだろうと思います。現実に、いま まさに今日でも、ある医療法人病院における相続は起きているわけで、それに関わる相 続税の納税というのも行われていくわけです。納税直後に法律改正があって、例えばそ こから3年とか5年で、本来あるべき形に移行することが期限付きで制定されるとした ら、悲劇的な状態に入っていくという話になり、あるべき方向の議論といままでという 問題について、どうしても矛盾が起きてきてしまう。したがって、個人的な見解として は、「いままでの問題」と「これから」の取扱いは、分けて整理するのが適切ではない か と理解しております。 ○日本病院会石井常任理事(武田委員代理)  やはり、「これまで」と「これから」は分けないと議論が錯綜してしまうと思いま す。豊田委員からいろいろと問題点が出されましたが、これはまず分けて、各々につい て考えるという手法を取るべきではないか。と言いますのは、いま新しい医療法人制 度、いわゆる法律を改正という問題から言うと、これまでの議論というのは、基本的に 医療法人を非営利法人として発揮させていこうということに関して、皆さんの意見は一 致していると理解しておりました。  ただ、これまでの持分のある医療法人の扱いをどうするかがなかなかうまくいかない ということが問題だったのです。その辺について詰まっているような制度かどうかわか らなかったのですが、資料を見て、いままでの議論を勝手に解釈していたその辺の考え が、そのとおりの解釈でいいのかどうかわかりませんが、僕流にちょっと整理してお話 します。これまでの議論というのは、「これまで」については明らかに分配権を持って いる、社員がそれを分配できるという法人として扱われてきたし、それはもう変わらな いから、そのような事実をはっきりと、厚生労働省は経過としてはそのような意図では なかったと言われますが、ある意味ではこれまで分配できるものとして扱われてきたこ とを前提にして、それをはっきり認めるということを、これまで蓄積された剰余金につ いてはすべきではないかと。  ただし、医療法のいままでの考え方は捨て、もちろん、新しい医療法人もそうだし、 旧来の医療法人についても、「これから」発生する剰余金に関しては、やはり分配でき ないと分けることが法律上可能かどうかということをご検討願いたい。それは拠出金と いう言葉を出されたので、いままでの出資金から拠出金への概念転換がはっきりとここ で行われると勝手に理解してしまったのです。その辺については議論していないと後で 聞いたのですが、概念がガラリと変わると、全部返ってくるかどうかは別として、普通 は剰余金だけ返ってくると考えられているので、これまでについては、剰余金を含めた 全額を拠出金と理解して、新しい制度に移行することはできないのか。税法上、これは 確定された所得とはまだ言えないと思います。それが返ってくるかどうか、今後赤字に なれば拠出金も返ってこないわけですから確定されている所得ではないので、従来の持 分のある医療法人と同じように持ち越しでできるし、拠出金が返ってくる段階で、これ までの蓄積分に関しては所得が発生したり、しなかったりということが行われるので す。  現在の持分のある医療法人のこれまでの剰余金に関しては、今後、退社または解散時 に現状のままで、税金問題は矛盾なく分ければいいし、これからのものについては、む しろそういったこともやるという扱いにできないだろうか。そうすれば、現場は法人へ の移行をマイルドな形でできるのではないか。どこまでを拠出金とするか、または拠出 金としないかということについては、各々が新制度移行後に決められるということにす れば、これまでの財産権問題での矛盾は、少なくとも解決できるのではないかと思って いるのです。  そのようなことなのかということで、この間いろいろな方にお聞きしましたら、その 辺についてはまだそのような解釈では必ずしもないと。税金の問題もあるので、果たし て、法律上可能かどうかについてもよくわからないということだったので、これは単に 素人考えとして言うだけです。やはり、現実と合わせて考えるべきだと思います。 ○山崎委員  剰余金の取扱いについては前にも話合いをしたのですが、そもそも厚生労働省が作っ た標準定款に誤りがあった、あるいは茨城県の疑義照会について、当時の総務課長が出 資額に応じて返還してもいいという指導を行ったことについて、国税が本来の医療法人 制度の精神と違った形での課税行為がずっと行われていたわけです。いまの論点で法の 施行時に、施行前の剰余金の取扱いについては従来どおりの解釈にするという話になっ てしまうと、課税行為も従来どおりの課税が生じてしまう。法の施行の執行時に、剰余 金を含めた拠出金という形で処理をした場合、剰余金を含めて退社時または相続時に課 税されることになるのであれば、現在と同じ形で課税されてしまうことにならないので すか。  本来の法人制度の趣旨というのは、剰余金は法人に帰属するという法人制度であった のを、国税が間違って課税していたという経過があったわけですから、本来の形に戻せ ばいいわけです。資料2の1頁にあるように、「医療法人の剰余金については従来より 医療法人に帰属するものであった」ということが書いてあるし、今年2月に精神科病院 協会から出された疑義照会に対する指導課長の回答の中でも、剰余金については法人に 帰属するものであるときちんと回答が出ているので、現行を容認するような流れにいっ ているのはおかしいと思います。あくまでも剰余金というのは、50年前から法人に帰属 していたのを、国が間違って課税していたわけです。そこにまた戻ってしまうと思うの ですが、いかがでしょうか。 ○品川委員  そこが先ほど私が申し上げた解釈論と制度論が混乱しているところだと思うのです。 どの法人であっても稼得者財産や剰余金がその法人に帰属するというのは当たり前のこ とです。帰属した剰余金をどう分配するかも法人の意思です。先ほど述べたように、こ れについて医療法は56条で、残余財産の帰属処分を決めているわけですから、これも医 療法人の自由ですし、財産の帰属先を医療法人の意思で決めることも自由です。持分云 々という問題、あるいは国税当局が間違った解釈をしている、していないという問題 も、施行規則で持分の概念を明確にしているわけで、これらの一連の規定を設ければ、 いままでの課税の取扱いのように、持分に応じた剰余金の分配が期待されているからこ そ、あのような通達が出てきて、厚生労働省も何十年にわたって国税庁と通達改正、あ るいは医療法人協会もそうですが、それを前提にして取扱いをもっと緩めるようにいろ いろな交渉をしてきたことの1つとして、昨年の照会に対する通達が出されているわけ です。  それらの一連の解釈は、財産は医療法人に帰属する、しないということが間違ってい るとか間違っていないなどという問題ではないはずです。一応、その解釈論を定着させ て、施行規則も持分の概念を明確にし、このような一連の規定があれば、いままでの課 税の取扱いも当然そうなってしまうのです。ただ今回の検討で、そうではなくて、持分 の問題については個人に戻さないような方向、医療のためにだけ剰余金を使う方向が望 ましいということであれば、そのような方向に法律を改めていけばいいわけで、過去の 解釈が間違っていたとか間違っていないということを、いまここで議論しても前に進ま ないと思います。解釈論ですから、解釈を改めなくても、いままでどおりでそのままい けば、国税の通達は全部間違っていたというのは通用しないと思うのです。法律の解釈 ですから、これも通用すると言ってしまえばそれまでかもしれませんが、片方で、先ほ ど石井委員からの指摘のように、税務調査が厳然と行われていて、それを前提に課税が 行われているわけですから、そう簡単にこちらの都合だけで、あれは間違っていたから 通達はないことにしてくれとはちょっと言えないのではありませんか。 ○山崎委員  出資額限度法人に定款変更した八王子の裁判の判決では、出資額のみの返還をすると いう判例が出ております。石井委員が話された病院も、出資額限度の定款に変更してあ って課税されているのか、出資額に応じてという従来の標準定款で税の申告をしたのか というのも問題だと思います。 ○石井委員  いま言われたことに簡単に答えるとすれば、従来の定款規定のままの相続事案です。 つまり、出資額に応じて残余財産の分配請求権があるという前提での議論ですから、当 然、最も一般的な事例としての相続事案です。  ちょっと話の視点が変わるかもしれませんが、税の専門家である品川委員にお聞きし ます。現実の問題として、当該法人が従来型持分ありの定款を持っていて、相続が起き て、ただ、確かに制度的な取扱いに関してのボタンのかけ違いのようなことはあった が、現実にそのような定款が存在していて、かつ特定医療法人や特別医療法人のような さまざまな要件を全く満たしていない、比較的フリーハンドで行っている事業をやって いて、制度の趣旨が、剰余金はあくまでも医療法人に帰属すると言ったとしても、課税 当局は現実の課税の公平の観点から、それをもって課税しないなどという判断をするの かどうかということをお伺いします。 ○品川委員  租税法の適用から、あるいは通達は別に国税庁だけではなくて、厚生労働省でもどこ でも、国家行政組織法14条の規定に基づき、各省庁の長は傘下の職員等に対してその法 律を執行する等の、単に命令を発することができるわけですから、国税庁の通達もその 命令の1つに過ぎないわけで、法律でも何でもないのです。ただ、通達がある以上、現 場の税務職員はその通達に従って課税せざるを得ないわけです。通達が間違っている か、間違っていないかというのは、国税庁と厚生労働省とでいままで相談してきたとい うか、それぞれ要望を受けて国税庁が通達を改めてきた経緯があるわけですから、厚生 労働省自体はいままでそのような解釈を前提にしてきたのです。いま、そんなはずはな かったというのは、世の中には通らない話で、いままできちんとやってきた前提がおか しいということであれば、法律を然るべく直しましょうと。解釈が誤解を与えるようで あれば、法律を直しましょうという方向で、新たに制度は改めていき、課税上も持分に 比例した課税などしないで、もっと簡便なやり方で、貸付金に準じて評価してもらえば 事は済むといった方向に持って行けばいいと思うのです。  ただ、施行規則の中で、持分云々ということを明確に書いてあるということは、医療 法と一体になっているわけですから、通達と違って施行令や施行規則は、法律の委任の 範囲でしか定められない。法律の委任の範囲で定められているということは、当時の厚 生大臣が医療法の解釈としてオーソライズした施行規則なのです。いま、施行規則は間 違っていたということは、法律論として世の中には通じない話です。施行令でも施行規 則でも、実態に合わない規定が当然出てくるわけですから、それは粛々と直せばいいだ けの話です。冒頭申し上げたように、どこをどう直して方向性を確かめようとしている のかということをもっと整理したほうが、片方では解釈が間違っていたとか何とか。私 も役所に勤めていたから、できるだけ手を汚さないでうまく方向転換できれば、これに 越したことはないということはわかりますが、下手をすると、却って火傷してしまうこ ともあるので、直すべきところはきちんと直してやったほうがよろしいのではないかと 思います。 ○山下指導課長補佐  法律というのは誰のためにあるのか、勝手に行政が国会の議決を経てあるものではな く、まず底辺としての考え方がきちんとあって、それを基に法律をつくるのだろう、そ れを基に我々は運用していくのだろうと。まさしく、この場は底辺となる基本の考え方 を議論している所だと考えております。非営利についてはどうなのか、公益性はどうな のかをまず議論していただき、それを基に我々は考えるのだろうと思います。  そのときに注意しなければいけないのは、豊田委員からもあったとおり、いま現実に そういった制度によって動いている方々がいることで、そこについてどのような形で配 慮しながら基本の考えに基づいたものを法律上、もしくは省令上表していくのかという 作業を今後していかなければいけないと思っております。3段表で提示したとおり、こ の考え方がある程度の方向性をいただけるのであれば、それを法律なのか、政令なの か、省令なのか、もしくは通達解釈なのか、それぞれのレベルですべて見直す。そのよ うなときは、面倒くさいからなどということは全く考えておりませんので、当然、我々 としては汗をかきたいと考えております。 ○三上委員  過去を清算して、これからどのようにするかという話については、石井委員が言われ た案しかないのではないかと。間違った解釈にしろ、持分があるということでいままで やってきたわけですし、これを解釈論で問題にすると、訴訟の問題になったり、収拾が つかないような形になると思いますので、いままでのところはあったこととして認め て、これから先は、石井委員が言われるように、いわゆる出資額限度のような形で剰余 金を配当しないということを徹底することが必要だろうと思います。  いつもこの会は、出資額限度をどうするかというところで話が止まってしまい、認定 医療法人のところまでいかないので少し全体の話をさせていただきたいのですが、医療 機関の経営形態というのは、国公立のような公設公営の形から、一人医師医療法人のよ うに、いわゆる個人開設個人経営のようなものまでさまざまな形があります。いま医療 法人制度改革は、どちらかというと公益法人制度改革を足掛かりに変えていこうという ことです。公益法人と言われるのは公設民営という形のものが公益法人として多いと思 うのですが、このときの民営の「民」が、いわゆる個人立・個人経営の「個」とは違っ た形で、どちらかというと責任のない、経営責任を最終的に取ることがない、その代わ り、公正で透明性の高い「民」だという解釈ができるのではないかと思います。  現在ある医療法人の98%は個人立、いわゆる個設個営と言われるようなものです。一 方で、個設個営ということでその創業者、オーナー一族が利益を吸い上げる。例えば、 配当禁止だといってもMS法人、トンネル会社をつくって収益を吸い上げるなどの批判 があるわけですが、本来の医療法人制度は配当が禁止されているということで、本来の 形でやれば出資額限度であって、創業者が利益を吸い上げることはない。そのような制 度にして、経営を安定させるためのものだったと思いますが、解釈の違いによっていま のようになってしまったと。  逆に、経営責任のない民が経営をすることになると、いわゆるオーナーシップという のがどこにあるのか、それがなくなった場合、企業体というか事業体の経営パワーとい うものが、どの程度に弱まっていくのかということは、株式会社であっても同じような ことが言えるし、特殊法人、公益法人は経営体質が非常に弱いと言われるのは、オーナ ーシップのなさが原因だと思います。先ほど3万3,000と言われましたが、一人医師医 療法人はかなり多くありますし、現実的には、出資額限度と認定医療法人という2階建 は理想的な形ですが、1階部分はある程度残れるというか、現状のままやっていくこと も可能であるという形にしないと、医師会としては、経営の現場が非常に混乱するので はないかと考えています。 ○山崎委員  資料2の本日の修正案ですが、3点ほど要望があります。1点は、2頁の医療法人が 解散する場合の残余財産の帰属先について、「他の医療法人」が入っていますが、これ は必要がないと思います。国もしくは地方公共団体だけでいいと思いますが、いかがで しょうか。  2点目は11頁の○の初めですが、平成16年12月には、「特別養護老人ホームの設置な ど施設サービスを含めた介護福祉事業も行えるようにする」となっているのが、平成17 年4月では、老人福祉法の規定があってできないに変わっておりますが、平成16年12月 の項目をそのまま修正案で復活していただきたい。老人福祉法の改正あるいは追加をす ればいい話ですから、復活させていただきたいと思います。  3点目は12頁で、公募債の発行ができるとなっていますが、前回の検討会でもお話し したように、公募債の発行をした場合、公募債で調達した資金を、他の病院のTOBの 資金として使えないようにしてほしいと思います。 ○田中座長  これは即答というよりも、事務局の検討課題ということになります。他にご意見がな ければ、一当たりしたことにして、さらにご意見があれば、後日事務局に申し出ていた だければと思います。最後に、特定医療法人・特別医療法人を対象としたアンケート調 査結果について、事務局から説明をお願いいたします。 ○山下指導課長補佐  参考資料4に基づき、事務局でまとめたアンケートの集計結果を説明したいと思いま す。平成18年度の医療制度改革の一環として、この非営利検討会においては医療法人制 度改革について議論していただいているところであり、その議論に資することから、す でに特定医療法人になっている方、特別医療法人になっている方に対し、どのようなこ とが公益性としてあるのか、法人の規律と、やっていることについての公益性について 把握するために、アンケート調査をしました。平成16年3月31日現在の特定・特別医療 法人、378ありますが、それらについていただいた中で、平成17年3月31日までに285の 法人から回答を得ているものを取りまとめたものです。  2頁は法人の種類で、ご覧のように分かれていますが、法人の規模は、いただいた 285すべてを1医療法人に平均すると、病院は1.31箇所、診療所は0.72、介護老人保健 施設は0.55となっています。病床についても、1医療法人の平均にすると、それぞれこ のようなデータが出ているところです。3頁は、同様に法人の役員、評議員、従業員に ついても、1医療法人の平均として捉えると、このような形になっています。特別医療 法人・特定医療法人については、同一親族の割合が規制という形で公益性を担保してお りますので、その中の同一親族についても、このような形がすべて守られているところ です。  6頁は法人の経営の開示状況ですが、それぞれの法人が一般に何を公開しているのか についてです。「財産目録」「貸借対照表」「損益計算書」「決算書」「事業計画書」 「事業報告書」、「資金面での支援を受けている場合、その支援をしている者の名称 」、「役員に対する報酬の支給規定」、「役員に対する報酬額」について状況を聞いた ところ、ご覧のようになっておりました。これは割合ではなく、法人数でこのような状 況になっております。  7頁は、法人経営に対する公認会計士等の外部監査の状況ですが、グラフ5で、約4 分の1の法人が監査法人や公認会計士の外部監査を受けていることがわかります。10頁 は、今後実施したい収益事業で、具体的にこのような収益事業をやりたいということで いただいているのは、「ケア付住宅」、予防としてフィットネスや温泉プールなどの 「健康増進関係」、「患者などの送迎サービス」「コンサルタント業務」など、基本的 に医療を中心として、それを行うときに必要不可欠になってくるだろう関連する収益業 務を展開したいという意見が非常に多いことがわかります。  11頁ですが、現在特別な療養環境、いわゆる差額ベッドの状況は30%以上は駄目とい うことになっており、それらは大半の法人が設けている、それらの割合は、当然30%以 内ですが、このようになっています。12頁は、現行の特定医療法人・特別医療法人の要 件について、経営上支障があるかどうかについて聞いたものです。要件としては、「役 職員の給与制限」「社会保険診療に係る収入」要件、「自費患者に対する請求基準」 「医療に係る経費」に関する基準、「差額ベッドの規制」、2種類ある「病院の施設に 係る要件」、「診療所の施設に係る要件」「定期報告制度」についてそれぞれ確認しま した。12頁の下にあるように、役員の給与制限については、役職員一人につき年間の給 与総額は3,600万円を超えないことになっております。「支障がある」とした理由に、 例えば経営責任の重さ、貢献度・成果に応じた報酬が支給できない、医療スタッフだと 思いますが、優秀な人材が確保できないといったことがあります。  13頁は社会保険診療に係る収入ですが、これらは全体の収入金額のうち、社会保険診 療に係る収入の割合が8割以上あることになっています。「支障ある」とした理由に、 健診や人間ドックなどの健康増進、疾病予防活動を拡大できないといったことが書かれ てあります。また、正常分娩に係る収入を算入できないというものもあります。  (3)に「自費患者に対する請求基準」ということで、いわゆる自由診療部分について は社会保険診療報酬と同一の基準となっていますが、これらについてはコストに見合っ た収入を得られない、高度医療などの医療技術の進歩に支障があるといった意見があり ました。(4)に医療収入に係る経費について、医療収入は医療に係る経費の1.5倍以内で あることとなっていますが、「支障ある」とした理由は、経営努力をして何とか経費を 削減しようとすると、この規定で阻害されるといったことがあります。(5)に、差額ベ ッド規制は、全病床の30%以内にしてくださいということについては、患者の需要に応 えることができない、個室化の流れですが、療養環境の充実が図れないといった意見を いただいております。  14頁ですが、病院の施設に係る要件としては、40人以上の入院施設を有することとな っています。「支障ある」とした理由として、40床の根拠が不明、規模を縮小して違う 事業をすることの支障になるという意見をいただいております。病院の施設に係る要件 (2)としては、救急告示病院であることになっていますが、なぜ救急告示でなければ いけないのか、その趣旨がわからないというのが基本的に多かった意見です。また、診 療所の要件としては、救急告示診療所であって15人以上の患者を入院させる施設を有す ることとありますが、基本的に、救急の流れとして、病院が非常に多くなっていること から困難、規制の趣旨、15床の意味がわからないといった意見が多くありました。定期 報告制度について、各事業年度終了後3か月以内に、厚生労働大臣の証明書を国税庁に 提出することになっていますが、作業期間が短い、提出書類が複雑、膨大といった意見 をいただいております。15頁は、その他、経営上支障となる要件については、税制上の 優遇が必要、社会福祉法人並の税制といったことが大きいということでした。  最後に、特定・特別に移行した際のメリットについて伺うと、多かったのは経営の永 続性の確保が図れる、相続問題が回避できて安定性が図れる、公益性が向上して、地域 社会や患者からの信頼が得られる、職員もそういった面でモチベーションが上がるとい ったことがありました。特定・特別への移行で何か支障があったかについては16頁にあ りますが、出資持分の放棄や、役職員の給与制限が、役員の負っている債務保証との関 係で支障があった、同族役員の制限といったことがありました。寄附について、受けた ことがあるか、ないか、また受けることについての制度上の課題について聞いたとこ ろ、約5分の1の医療法人は寄附を受けたことがあるという意見があり、制度上の課題 としては、寄附をする側、寄附を受ける側ともに課税される、寄附を受ける側が課税さ れるといった中で、寄附をする側に対しての控除を求める意見もありました。 ○田中座長  なかなか興味ある資料で、後でじっくり拝見いたします。時間もあまりありません が、何かご意見があればお願いいたします。 ○品川委員  いままでの分と先ほどの議論にも関連して、最後に私の意見もちょっと述べさせてい ただきます。いままでの議論の中で、非営利性の条件として、資料1にあるように、 「剰余金は出資者に帰属しない」ということが絶対的要件なのかどうかということにつ いて、個人的には非常に疑問があるのです。剰余金は出資者に帰属しないことを絶対要 件にすると、先ほどの豊田委員、三上委員の、医療法人は現実的には三重構想でないと まずいのではないかという意見が完全に否定されてしまうのです。豊田委員、三上委員 とは別の研究会でもいろいろと議論して、実際の医療側の意見、実態についてはよく承 知しているつもりで申し上げたいのですが、医療には莫大なコストがかかるわけで、机 上でお金のきれい事だけでは健全な医療経営というものは成り立たないと思うのです。  したがって、いまの医療法54条のように、原則として剰余金の配当はしてはいけない と。年次配当を否定すれば、通常の営利団体、営利会社は参入できないと思うのです が、それはともかくとして、医療のために自分の財産を注ぎ込んで、一生懸命医療に努 めている方に関しては、最後はある程度自分のところにも財産が戻るという仕組みがな いと、そのような人たちに対するインセンティブがなかなか働かないと思います。貸付 金で利子をもらうのはいいが、自分で出資して、まさに医療法人の財政基盤を整えた ら、何ら見返りを求めてはならないというそのバランスも崩れてしまうと思うのです。 全部貸付金にして、然るべき利子をきちんと取ったほうが、却って出資者にとって、お 金を貸した人にとっては経済的な脅威を与えながら、それは非営利性だというのも形式 論過ぎてしまうのです。  そのような問題をいろいろ考えると、できるだけ出資者に帰属させないで、病院経営 にどんどん注ぎ込んで、医療の充実に使うべきだという理念は非常に大事ですが、それ はケースバイケースで、絶対に出資者に戻ってこないという理念をあまり強調すること はないように思います。もちろん、歯止めがなくなるのではないかなどいろいろな議論 が出てくるとは思いますが、現実に4万の医療法人の大部分が個人経営であると。個人 経営であるということは、結局所得税と法人税のコストをできるだけ少なくすることを 考えると、どの中小企業もやっているのと同じように、法人なりになったほうが有利な 場合が結構多いわけで、そのことは医療経営においても否定できないと思うのです。  また、それをすることによって、医療経営上、全体の税コストを下げることは、医療 経営をバックアップすることにも繋がるわけで、あまり頑に、54条があるからすべて駄 目だというのではなく、むしろ56条のような規定があって、解釈が間違っているのでは なくて、何人かの方が間違っていたというのが、それなりに剰余金を分配する制度があ っても然るべきではなかったかと考えられるのです。それはともかくとして、3段階方 式でやるということは、相続等のことを考えると、現実問題としては、出資額限度法人 の中間的な存在が必然的に必要になってきて、一人医師医療法人のように、税とかいろ いろな経営上の必要性から、個人病院が法人なりになることも、地域全体の医療におい て、1つの医療形態としては認めることも必要ではないかと思うのです。認めるという ことは、剰余金は出資者に帰属しないことを絶対要件にならないという問題があります ので、その辺も踏まえて最終に向けてご検討いただければと思います。この辺は、むし ろ個人的な意見ですので、ご検討さえしていただければ結構です。 ○豊田委員  先ほどの説明で、3段階方式、要するに認定医療法人のグループ、出資額限度法人の グループ、持分のある現在の法人ということで提案しており、持分のある医療法人をど のように変えるかなどという話は提案しておりませんし、いまの形でしばらくの間はい くのだと。要するに、いま一気に、法律的にこの時点で変えるなどということは、いろ いろな問題が生じるということは先ほど説明しました。そうではなくて、ある程度いろ いろな混乱を回避する、制度の変化に対しては法人の自治によって変えるべきだと。新 しい制度ができても、出資額限度法人とここに書きました、あるいは認定医療法人がで きます、それがどうなるかということについて、やはり税制等のいろいろな問題が生じ てきます。法律が改正になった、直ちにこうなるなどという話は現実的ではないです。 そういったことも確かめる必要がありますし、厚生労働省は税制当局といろいろな不具 合を調整する期間もあるでしょう。そういった意味で、私が3段階方式と言ったのは、 いまの医療法人の持分のある社団については手を付けないという形での3段階ですから 確認しておきます。  いま品川委員が言われましたが、そのようにしておきながら、もし、剰余金は法人に 帰属するなどということをきちっと決めたとしたら、全く意味をなさず、話が去年の12 月に戻ってしまいます。そのようなことでないことだけ確認しておきます。3段階方式 の3段目、現在の持分のある社団をという形は、いまのままで当分の間ということで す。 ○西澤委員  確かに、現存している持分のある医療法人を急に改革するというのは問題があると思 うのですが、どうも議論が戻ってしまったような印象を受けています。少なくとも、現 存の持分のある医療法人は、非営利性の面でかなり問題があるということで検討してき たのに、それをそのまま残すということになるとちょっと厄介かなと。その上のほうは あってもいいが、現在の持分のある医療法人も、非営利性ということを検討しなければ まずいのではないかという気がいたしますので、その辺りを考えていただきたいと思い ます。 ○松原委員  同じ意見ですが、この検討会の以前に行われたこれからの医業経営のあり方の検討会 で、非営利は徹底しましょうという方向が打ち出されて、今、このような会があると思 うのです。非営利を徹底するとは何かというと、豊田委員が言われたように、医の倫理 を徹底することだと。医の倫理を徹底するというのは精神論ですので、これを具体的に 担保する担保措置、つまり組織要件をキチンと整備すること、それをもっと議論してい かないと駄目だと思います。 ○木村委員  初参加での発言で恐縮ですが、議論を伺っていて、中小企業の事業承継も同じ問題だ と思いました。同族会社株式は市場性がありませんから、換金性に乏しく、そこに相続 税がかかりますと、事業承継がスムーズに行いにくい。特に、医業の場合は公益性が高 いですから、そこに相続税が課税されると、やはり医業承継の障害になる。アメリカで は相続税は廃止の方向で決議されていて、いずれ相続税は廃止になります。日本におい ても一般の医療法人の相続課税時の軽減や非課税措置といったことも、議論されてもい いのではないかという印象を持ちました。 ○田中座長  一人医師医療法人の問題も宿題として残りましたから。皆様方それぞれの立場からの 意見を頂戴したので、最後は事務局での整理をお願いいたします。次回は、本日ご議論 いただいた「新たな医療法人制度の方向性」についての皆様のご意見を踏まえて、さら に議論を深めていきたいと考えております。次回の日程と今後の進め方について、事務 局より説明をお願いいたします。 ○谷口指導課長  次回の日程ですが、皆様にはすでにご連絡をさせていただいていると思いますが、7 月12日(火)10〜12時です。場所についてはまだ検討中ですので、追ってご連絡をさせ ていただきます。議題として、できれば次回に取りまとめをさせていただきたいと考え ておりますので、今日のご意見を踏まえまして、報告書案というものをお示ししたいと 考えております。 ○田中座長  次回は報告書案を元にご議論いただき、できる限り意見集約を行いたいと思います。 本日はこれにて終了いたします。お忙しいところ、ご出席いただきまして誠にありがと うございました。                                    (以上) 照会先 厚生労働省医政局指導課 医療法人指導官 大門 龍生(内線2560) 医療法人係長  伊藤 健一(内線2552) ダイヤルイン 3595-2194