05/06/10 家庭用の医療機器等の販売管理者制度等のあり方に関する検討会 第1回議事録                    議事録                          照会先:                           医薬食品局審査管理課                           医療機器審査管理室                           担当:安田                           電話:03-5253-1111(内2912)     第1回 家庭用の医療機器等の販売管理者制度等のあり方に関する検討会                      日時 平成17年6月10日(金)                         10:00〜12:00                      場所 経済産業省別館1111号会議室 ○山本室長  ただいまから、第1回「家庭用の医療機器等の販売管理者制度等のあり方に関する検 討会」を開催いたします。私は、厚生労働省医薬食品局医療機器審査管理室の山本で す。座長選出までの間、私が議事進行を務めさせていただきます。最初に、黒川厚生労 働省大臣官房審議官からご挨拶を申し上げます。 ○黒川審議官  皆様おはようございます。第1回家庭用の医療機器等の販売管理者制度等のあり方に 関する検討会の開催に先立ち一言ご挨拶を申し上げます。ご案内のとおり、薬事規制に おきまして、社会構造の変化、一層の安全性の確保、国際整合性の追求、これらに対応 することを目的に、去る平成14年にかなり大がかりな法律の改正が行われ、そして本年 4月から施行されたところです。  医療機器の分野に目を転じてみますと、そういう改正の中で国際的なリスク分類の導 入、医薬品分野における規制への近接化、さらに低リスクの医療機器については、大臣 承認から登録認証機関による認証に移行するなどを行い、また、リスクに基づき、製造 販売制度及び販売制度を構築・整理してきたところです。  一方、医療機器をつぶさに見ますと、従来より慣例として医療機関で使用される医療 機器と、専ら家庭で使用される医療機器に分かれており、それぞれの規制について、製 造等の規制は共通であったものの、販売規制はその特質を基に構築されてきたという歴 史的な経緯があります。  この考え方は現在においても同様で、特に家庭用の医療機器等については、同じリス ク分類ではありますものの、その中でもさらに医療機器の特質を踏まえた管理を行うこ となどにより、一層きめ細かい対応を講じることができるのではないかと、本日この検 討会の開催に至ったところです。  振り返ってみますと、医療機器の販売業のうち、特に家庭用の医療機器等を取り出し てご議論いただきますのはこれが初めてと考えております。この検討会における結果に 基づき、必要に応じ、省令等の改正を予定しておりますところ、検討会の結果はこの秋 までには取りまとめることができるようにいたしたいと事務局では考えております。  家庭用の医療機器等の販売にあっては、薬事法の規制以外にも、各種の規制が存在し ており、それらが複雑に組み合わさって今日があるわけです。したがって、自ずから本 日は第1回でありますので、多岐にわたるご意見、ご指摘等を賜れるのではないかと考 えております。短い時間のご議論となりますが、なにとぞよろしくお願い申し上げま す。ありがとうございました。 ○山本室長  お願いをしております、この会の構成員をご紹介いたします。お手許の構成員名簿の 順序に従ってご紹介申し上げます。  明治大学大学院グローバルビジネス研究科教授の上原征彦先生は、本日はご欠席で す。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部教授の小野哲章先生です。東京女子医科大学 循環器内科学主任教授の笠貫宏先生です。順天堂東京江東高齢者医療センター副院長の 金井淳先生です。順天堂大学医学部麻酔科学講座教授の釘宮豊城先生です。社団法人日 本ホームヘルス機器工業会参与の楠敏夫先生です。独立行政法人国民生活センター商品 テスト部調査役の宗林さおり先生です。日本コンタクトレンズ協会相談役の松岡慎吾先 生です。日本医療機器販売業協会会長の諸平秀樹先生です。  事務局をご紹介申し上げます。黒川厚生労働省大臣官房審議官(医薬担当)です。厚 生労働省医薬食品局医療機器審査管理室長補佐の安田です。私は、医療機器審査管理室 長の山本です。  本日の配付資料は、議事次第、座席図、資料1「家庭用の医療機器等の販売管理者制 度等のあり方に関する検討会設置開催要綱」、資料2「改正薬事法における医療機器の 販売規制について」、資料3「薬事法改正に伴う医療機器販売業制度の概要について 」、資料4「販売管理者基礎講習会テキスト」、資料5「医療用具及び家庭用の医療機 器の生産額等の推移」、資料6「家庭用の医療機器の一般的名称及び定義」、参考資料 1「薬事法令に関する販売業関係規程」、参考資料2「販売関連通知」です。  本検討会の趣旨についてご説明いたします。資料1の目的にあるように、医療機器販 売業の規制に関し、特に家庭用に使用するもの等について、実態に応じたより合理的な ものとするということのために、そのあり方について検討していただくということで す。  検討事項として、(1)から(5)にあるように、家庭用の医療機器のリスク、販売 業の現状の整理、販売管理者の役割の検証について、さらに販売管理者の要件のあり方 について、その他関連する事項についてご議論賜れればと考えております。  構成員については、いまほどご紹介いたしました先生方、医療機器に関する学識経験 者、家庭用の医療機器販売に関する専門家です。この構成員の先生の中から、1人を互 選により座長として選出していただきます。  運営としては、月1回程度を目途に考えますが、必要に応じて随時開催いたします。 検討会としては、知的財産に関すること、あるいはプライバシーに関すること等を除い ては、原則公開するとともに、議事録を作成し公表することとしております。そういう ことで、本日も公開の会議となっております。  検討会は、必要に応じて個別の検討事項に係る専門家からなる専門作業班を招集する こともできることにしております。この庶務は、私ども医薬食品局審査管理課医療機器 審査管理室で行うこととしております。以上のようなことでこの開催をしたいと考えて おりますけれども、これに関してご質問、ご意見等がございましたらお願いいたしま す。                 (特に発言なし) ○山本室長  差し支えなければ、この規定に従って座長の選出をお願いいたします。開催要領によ り、構成員のうちどなたか1名を座長として選出することになりますが、どなたかご発 言ございますか。 ○金井委員  座長として、小野哲章先生をご推薦いたします。 ○山本室長  ただいま、小野先生を座長にお願いしてはどうかというご推薦のご発言をいただきま したがいかがでしょうか。                  (異議なし) ○山本室長  それでは、小野先生に座長にご就任いただきます。小野先生には、座長席にお移りい ただきまして、以後の進行をよろしくお願いいたします。 ○小野座長  ただいま、座長に選出されました小野です。座長就任に当たり、一言ご挨拶申し上げ ます。私は、個人的には、従来よりいろいろなJIS(日本工業規格)等にかかわって きておりますけれども、家庭用の医療機器の分野においてもJISの作成には協力して きております。その観点から、現在の家庭用の医療機器の特質の一端は理解しているつ もりです。  今回、家庭用の医療機器の販売に当たり、従来は自由な販売規制であったものに少し 規制が加わったわけです。家庭用の医療機器は日ごろ目にするものですので、私たちに も広く馴染みのあるところです。家庭用といえども医療機器は医療機器ですので、安全 性、信頼性等は薬事法で規制されるべきものではあると思います。ただ、いろいろな問 題はあるようですので、販売においてもこれを踏まえたいろいろなことを議論していか なければいけないということで、今回この会が招集されたと思います。できる限り良い アウトプットを出したいと思いますので、委員各位のご協力をお願いいたします。よろ しくお願いいたします。  議事の3.「説明」に入ります。事務局からお願いいたします。 ○安田室長補佐  議事3.の(1)「検討会について」は省略させていただきます。(2)の「薬事法にお ける医療機器販売規制について」と、(3)の「家庭用の医療機器等の概要について」を ご説明いたします。  資料2は、平成17年4月に施行された改正薬事法における医療機器の規制についてで す。今回の薬事法の改正において、医療機器の規制は国際的に合意されている分類を導 入いたしております。クラスI、クラスII、クラスIII、クラスIVといわれている分類と いうのは、人体に対するリスクとなっております。クラスIについては極めて低い、ク ラスIIについては比較的低い、クラスIIIについては比較的高い、クラスIVについては 生命の危機に直結するという分類です。  このクラスに応じ、薬事法上の規制としてクラスIに該当するものとして一般医療機 器、クラスIIに該当するものとして管理医療機器、クラスIIIとクラスIVはリスクが高 いということでそれをまとめて高度管理医療機器と定義し、それぞれ該当する医療機器 について告示で名称を定めております。  具体的にどのようなものが入るかというと、クラスIの一般医療機器については、よ く使われる鋼製小物のメス、ピンセット等。クラスIIについては、例えば電子体温計、 家庭用永久磁石磁気治療器、家庭用電位治療機、血圧計、MRI等。クラスIIIとクラ スIVに当たる高度管理医療機器については、コンタクトレンズ、人工透析器、さらに生 命に直結しているペースメーカー、人工心臓弁といわれているもの等が該当します。  今回の薬事法の改正は、この分類に従って製造規制として、リスクが極めて低いとこ ろについては自己認証。リスクが比較的低いところについては認証基準を定め、その認 証基準といわれているものがある場合には、民間の登録認証機関による認証ということ で、ヨーロッパでよく行われている第三者認証制度を定めております。この認証は、認 証基準がある場合ですので、認証基準がない場合については、大臣承認という形をとら せていただいております。リスクの高いところの高度管理医療機器については、大臣承 認という形をとらせていただいております。これが製造規制です。  これと同じように、国際分類に従って、販売規制もこの分類に従って構成しておりま す。クラスIについては、規制は特に存在しません。クラスIIについては、基本的に届 出が必要です。クラスIII、IVについては、許可が必要な制度に改正されました。ただ し、同じクラスIIの機器であっても、例えば電子体温計については、公衆衛生上の目的 から広く販売される必要があることから、販売規制においては規制は設けないという形 をとっております。  また、同じクラスIIにMRIといわれているものがあります。同じクラスであって も、今回の規制の中で、もう1つ特定保守管理医療機器といわれるものを定めていま す。クラスに関係なく、高度な医療機器であるがために、特定の保守が必要なものにつ いて十分な管理が必要だということで、特定保守管理医療機器という区分をつくって おります。そうしたものについては、高度管理医療機器と同じ規制をつくっています。 MRIについては、特定保守管理医療機器に該当し、その意味でこちらは許可制をとっ ております。  以上、今回の薬事法の考え方は、国際分類に従ってそれぞれ区分し、その区分に応じ て製造規制、販売規制をそれぞれ整合させていくところが今回行われた制度改正です。  この改正により、医療機器の販売業者は具体的にどういう義務になるかということで す。先ほどご説明いたしました、一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器につ いて、薬事法上販売業者に関する規制として、1つは「販売業者の手続」です。従来は 届出であったものが、今回の改正により届出又は許可制になりました。「販売者の義務 」として、販売業者の営業所には、管理者を設置する、あるいは管理者の講習の受講が 求められています。  それぞれに該当するものをこの規制で見ていくと、一般医療機器の例として、メス、 ピンセットというものがあります。鋼製小物については、今回の改正前、改正後におい ても届出等の義務はかかっていません。届出の必要がありませんので、管理者の設置、 あるいは管理者の講習義務は求められていません。  高度管理医療機器の中で、人工腎臓透析器、ペースメーカー、人工心臓弁について は、改正前は届出になっていました。今回は、リスクが高いものを扱うということで、 許可制になりました。手続としては、届出から許可と変わりましたが、販売者の義務と しては、従来から管理者の設置が必要でしたが、改正後においても管理者の設置は変わ りません。管理者の講習義務として基礎講習と書いてありますが、従来も管理者の要件 として定めてありましたので変わっていません。  ところが、管理医療機器のところを見ますと、電子体温計については、改正前、改正 後においても届出の義務は生じないので、今回、販売者の義務としての管理者の設置に おいても必要はありません。  1つ例を挙げますと、家庭用の永久磁石磁気治療器みたいなものは、改正前において は届出も何も必要ありませんでした。ですから、販売者の義務として、改正前において は管理者の設置は必要なかったので、講習の義務もなかった。ところが、今回改正を行 うことにより、届出の義務が生じる。届出の義務が生じたとともに、併せて管理者の設 置が求められ、管理者の設置と併せて管理者の要件として基礎講習を受けてください、 というところが増えています。  管理医療機器の別の区分として、家庭用の電位治療器については、改正前においても 届出が必要な品目でした。改正前には届出が必要だったのですが、販売者の義務とし て、管理者の設置は求めていませんでしたので、管理者を定める必要がありませんでし た。今回の改正により、届出が必要になりました。管理者の設置が必要になり、管理者 の要件として基礎講習を受けることが必要になりました。  管理医療機器の1つの類型として血圧計があります。いままで、血圧計は医療機関で 使うことを目的として定められてきたものですが、こちらについては改正前、改正後に おいても規制は変わっておりません。改正前から、血圧計を販売するに当たっては、管 理者の設置が求められておりましたし、改正後においても管理者の設置が必要です。管 理者自身に講習の義務がかかってきます。  コンタクトレンズは、今回の改正において高度管理医療機器に指定いたしました。従 来から、販売については届出が必要だったのですが、管理者の設置については求められ ていませんでした。今回、高度管理医療機器になりましたので、販売に当たっては許可 制になるとともに、管理者を設置してください、管理者は基礎講習を受けさせなければ いけないことになりました。  今回の規制の中で、従来は管理者といわれていた人たちに求められていたのは、管理 者の設置と講習を受けることでしたが、毎年度の継続研修も受けていただくことが必要 になりました。継続研修というのはいままでなかったので今回の改正によって新設した ものです。  管理医療機器においても、×から×になっていますが、その×のところはいま現在電 子体温計以外のところは継続研修を受講するよう努めなければならないという努力規定 になっております。高度管理医療機器のほうは、管理者に受講させなければならないと なっておりますので、こちらは×から○となっております。  今回の改正により、ある一部の医療機器の販売において規制を大きく強化していると ころです。その大きく強化しているものは何なのかというと、いわゆる専ら家庭用に使 われる医療機器の分野となっております。  参考ですが、今回管理者が義務付けられた場合に、経過措置規定を設けております。 専ら一般消費者に販売する医療機器の営業所の管理者については、改正前には管理者の 設置は必要なかったのですが、改正後は義務付けられております。  そうはいっても、平成16年度までは求められていなかったのに、平成17年度からすぐ に求めるというのはなかなか困難ですので、管理者の従事経験は3年以上と規定してお りますが、経過措置として平成17年中は、これを1年以上に緩和いたしました。それか ら、基礎講習の受講は、事前に行われなくても、平成17年度中の受講を行えば認める形 にしております。継続研修は、今年度は行わず平成18年度から始めるということです。 これが、改正薬事法に基づく規制の概要と、販売業の大きな変更です。  具体的に、販売業者の販売業制度はどのようになっているかをご説明するのが資料3 です。先ほど、一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器という概念を国際的な 分類に従ってつくり、それぞれに当たるものの名称を告示しましたというご説明をいた しました。いま現在、医療機器というのは名称としてどれだけあるかといいますと、指 定したのは4,044の名称です。今回は、一般医療機器の中で8、管理医療機器の中で49、 合計57の名称を専ら家庭用ということで定めております。  2頁で、医療機器販売業に関する主な制度改正ですが、1つは医療機器のリスクに応 じた規制の導入です。もう1つは、安全対策の導入ということです。高度管理医療機器 の許可制といわれているところは、リスクの高い医療機器をいかに安全な形で提供して いくか、というところから許可制を導入したということになっております。それととも に、安全対策ということで、高度管理医療機器であれば許可にしましたので許可要件を 導入、管理医療機器については遵守事項を見直しました。  それは、具体的にどんなものかというのが3頁です。管理医療機器販売業者の遵守事 項となっていますが、どういうことを遵守しなければならないかというと、営業所ごと に管理者を設置してください。管理者には、毎年度継続研修を受講させるよう努めなけ ればならない。医療機器の授受、譲渡に関する記録を作成・保存に努めなければならな い。自ら販売授与、賃貸等に対して医療機器の不具合、その他の事由によるものと疑わ れる疾病、障害等の発生を知ったときで、保健衛生上の被害の発生、又は拡大防止をす る必要があると認めるときには、販売業者がきちんと製造・販売業者等に通知してくだ さい、連絡してくださいというのも、努めなければならないという形で遵守事項として 定めております。  管理医療機器のほうは遵守事項ですが、4頁で高度管理医療機器の販売業者において は、法令上の義務となっております。営業所の管理者の設置は、実地に管理する者を置 かなければならない。2番目は、管理者に継続研修を毎年度受講させなければならない という規定になっています。3番目は、管理医療機器の場合は医療機器の譲受、譲渡に 関する記録を作成・保存に努めなければならないでしたが、高度管理医療機器では、品 質確保の状況、不良品の状況、管理者の継続研修の受講状況等に関する事項を記載した 帳簿を作成し、最終の記載日から6年間保存しなければならないとなっております。自 らが販売授与、賃貸した医療機器の不具合、その他によるものと疑われるものが発生し た場合で、保健衛生上の被害の発生又は拡大の防止をする等の必要がある場合には、製 造販売業者又は必要な所に通知しなければならないことになっています。5番目は、名 称、数量、製造番号、譲受又は販売、賃貸、授与の年月日、譲受人又は譲受人の氏名、 住所を記載した記録を3年間保存しなければならないとなっております。ただし、ここ では医療機関以外に販売するに当たっては、製造番号、製造記号の欄の記載は不要です が、譲受・譲渡の記録を作成した上で保存しなければならないという規定になってい て、高度管理医療機器のほうは、義務としては厳しくなっております。  先ほどから、管理者の要件の話をさせていただいておりますが、管理者にはどういう 要件がかかってくるか、というのが5頁の図です。最初に、管理医療機器の項ですが、 1つは医療機器の販売又は賃貸に関する業務に3年以上従事した後に、別に厚生労働省 令で定めるところにより、厚生労働大臣により登録を受けた者が行う基礎講習を修了し た者。もう1つは、必ず皆さんが受けなければならないというわけではなく、厚生労働 大臣がこれと同等以上の知識及び経験を有すると認めた者には、最初に従事経験、基礎 講習といわれているところは免除される形になっています。それはどういう人たちかと いうと、以下のイからヘに記載されている者です。医師、歯科医師、薬剤師の資格を有 する者。医療機器の第一種製造販売業の総括製造販売管理者の資格を有する者。医療機 器製造業の責任技術者の資格を有する者、修理業の責任技術者の資格を有する者、薬種 商販売業許可を受けた店舗における許可申請者又はその適格者、医療機器センター及び 日本医科機械商工団体連合会が共催で開催した販売管理者講習を修了した者が、販売管 理者と3年以上の従事経験及び基礎講習を受けた者と同等とみなしているところです。  いまは管理医療機器についてご説明いたしましたが、6頁で高度管理医療機器におい ても販売管理者の要件は同じものを要件として決めております。  7頁で、高度管理医療機器の場合、毎年度の継続研修が平成18年度から開始されると いう説明をいたしました。もともとの条文が、「高度管理医療機器等の販売業者等は、 高度管理医療機器等営業の管理者に対して、別に厚生労働省令で定めるところにより、 厚生労働大臣に届出を行った者が行う研修を毎年度受講させなければならない」とあ り、ここでいう毎年度というのは、毎年1回なのか、年度内に1回なのかということが あります。毎年度というのは、年度内に1回受講してください、ということで定めてお ります。  販売業で、届出あるいは許可という話をいたしましたが、そのときにどういうものを 届け出るか、あるいは許可の申請をするときに必要なものは何かというのが、8頁から 9頁に続くところです。届出をするときに届出書に記載するものは、営業所の名称、所 在地、営業所の構造設備の概要、営業所の管理者の氏名及び住所となっております。こ の管理者といわれているものが、先ほどからご説明している管理者要件を満たしている 管理者の名前と住所を書いていただくことになります。添付資料として、営業所の平面 図を出していただくことが、この届出をするときの要件になっております。  高度管理医療機器、要するにリスクの高い医療機器の販売業の許可にあっては、申請 書に営業所の名称、所在地、構造設備の概要、営業所の管理者の氏名及び住所等を出し ていただくことになります。それと併せて添付資料として、営業所の構造設備に関する 書類、法人の場合においては登記簿謄本、営業所の管理者が管理者要件を満たしている ことを証明する書類を添付していただきます。それ以外にもいくつかありますが省かせ ていただきます。こういうことで、許可と届出では若干の違いが存在することになりま す。  基礎講習と継続研修の話をさせていただきましたが、いま基礎講習はどのような制度 になっているかが10頁です。基礎講習を行う者といわれている人たちは、登録講習機関 といわれています。登録講習機関自身は、登録要件を満たしていれば厚生労働大臣によ って登録がされ、必要な基礎講習を実施することができるとなっております。  本日現在登録されている機関は3機関です。財団法人医療機器センター、社団法人日 本ホームヘルス機器工業会、財団法人総合健康推進財団の3つが基礎講習を行える者と なっております。基礎講習の中身として、何を講習として行うのかが右側の講習の内容 です。医療機器販売業及び賃貸業に関する薬事法の規定、関連する法令の説明、流通に おける医療機器の品質確保、医療現場における販売業者の役割、販売倫理と自主規制の 4つで、講習時間は6時間です。その講習自身は、講義及び試験によって行うこととさ れております。  省令の中では、基礎講習の内容を定めております。具体的にどういう形で行われてい るかを示したのが資料4です。財団法人医療機器センター、社団法人日本ホームヘルス 機器工業会で実施されている基礎講習、あるいは講習用テキストの目次の写しです。  もともと省令の中では、薬事法に関する規定、関連法令、流通における品質確保とい うのが、具体的にはテキストの中で書いているとおり、薬事法に関するところのそれぞ れの法律上の規定。2頁で、関連法規でどういう規定になっているか。医療から見たと きの販売業者とはどうあるべきなのかがあります。3頁では、医療機器の流通における 品質確保についてというところで、品質確保の仕方にはこんなものがあります、遵守事 項にはこういうことがあります。最後に、販売倫理と自主規制というところで、販売倫 理に関するものがあり、こういうことが、講習として行われております。  昨年度行われた基礎講習においては、一般的な医療機器に対する基礎講習以外に、医 療機器センターでは平成16年度に、コンタクトレンズに関する販売管理者に特化して行 っております。そうしたものが4頁からあるものです。薬事法や関連する法規は一緒な のですが、流通における医療機器の品質確保は、コンタクトレンズに特化した話です。 それから、販売業者等の品質確保業務については、コンタクトレンズだろうと何だろう と一緒です。流通における品質確保に特記して、コンタクトレンズだけの話を行った講 習が昨年度の段階で存在しております。  資料3の11頁では、まだ始まっておりませんが継続研修はどのような内容になるかを 記載しております。継続研修の実施主体は、厚生労働大臣に必要事項を記載したものを 届け出ることによって実施することができるとなっております。研修内容としては、薬 事法その他薬事に関する法令、医療機器の品質確認、品質管理、医療機器の不具合報告 及び回収報告、そして医療機器の情報提供、これで講修時間は2時間以上となっており ます。研修自身は講義により行うこととしております。以上が、いま現在薬事法におけ る、医療機器販売業の詳細です。  引き続き、家庭用の医療機器の概要をご説明いたします。資料5と資料6です。先ほ ど資料2で、今回の販売業の制度改正により、従来と規制が変わった分野はどういうと ころなのかをご説明させていただきました。資料3の1頁にありました、家庭用の医療 機器には具体的にどのようなものがあるのかということで準備したのが資料6です。  中身に入る前に、そもそも家庭用の医療機器といわれているものはどのような生産動 態になっているのかで準備したのが資料5です。医療用具全体で2兆3,000億円となっ ていますが、全体の中には輸出も含まれていますので、実際には医療用具全体から輸出 額を引いたものが、国内での生産になります。医療用具全体で見ると、2兆円の中で輸 入の比率がかなり高いし、輸出もかなりの比率で行われています。  統計で、家庭用の医療機器の中で見ますと、市場規模といわれているのは大体1,500 億円程度です。その中で、医療用具全体と家庭用の医療機器の中での、輸入や輸出が生 産に占める割合を見ますと、家庭用の医療機器の輸出入は生産と比べると、一般的な医 療機器全体で見るとかなり低くなっています。これは何かというと、日本国内で生産さ れたもののかなりが販売され、国内にかなりの市場がある、ということと考えておりま す。医療機器全体の中で、家庭用の医療機器が占める割合は、大体11〜12%程度です。  家庭用の医療機器の販売の年次推移を2頁で示しております。家庭用マッサージ・治 療浴用機器及び装置、家庭用電気・光線治療器、家庭用磁気熱療法治療器、家庭用吸入 器、家庭用医療用物質生成器と分けております。ここは、後で名称のところで出てきま すので、いまの生産がどのぐらいのものなのかを後ほどご確認いただければ結構かと思 います。  資料6は、先ほどから家庭用の医療機器といわれているところですが、一般的な名称 ということで、私どもは告示で名称とともに定義させていただきました。専ら、家庭用 の医療機器といわれているところの名称を抜き出したのが資料6です。どういうものが あるのかを確認させていただきます。  1番は、家庭用の創傷パッド(家庭用で、傷ができた場合に被覆するパッドをいう) で管理医療機器になっています。2番から4番は家庭用の吸入器で、超音波であるの か、電動式であるのか、電熱式であるのかによってそれぞれ分類しております。基本的 には、吸入液を微粒子又は噴霧させることによって吸入する機器をいうとなっておりま す。  5番から12番はバイブレーターといわれているもので、マッサージ器です。マッサー ジ器も、マッサージのやり方、あるいは構成によって分けております。家庭用の電気マ ッサージ器、家庭用のエアーマッサージ器。エアーマッサージ器というのは、家庭用に 専用設計された、空気圧をかけることによって動くマッサージ器です。7番は家庭用の 吸引マッサージ器。8番から11番までが気泡浴ということで、風呂などでよく使われる ものです。泡を、どのようにたてるかというところで分けています。8番は超音波で行 うもの、9番は一般的に気泡をつくるもの。10番は、家庭用過流浴装置というもので、 温水流を噴出させ、渦巻き状にして行われるマッサージ器です。あとは、家庭用の水中 療法用の浴槽です。浴槽自身についても、マッサージ器という形で行わせていただいて おります。針付バイブレーターというのは、接触するところに針が付いていて、こちら でバイブレーションが行われるマッサージ器です。  それ以外に、13番から40番までが家庭用の電気治療器といわれているものです。家庭 用の低周波治療器というのは、皮膚の表面から微弱な低周波電流を流して、患部を治療 する家庭用の機器です。  家庭用の電位治療器というのは、人を交流又は直流の電界に置くか、絶縁状態に置い て電位を与えて治療する機械です。  15番の家庭用短波ジアテルミー装置、これは高周波の電磁エネルギーを特定部位に当 てて行われる治療器です。16番は家庭用の超短波治療器ですが、これも高周波のバンド を当て、特定の部位に照射して行われる機器です。  17番は、家庭用の高周波治療器です。先ほどは超短波だったのですが、これは超短波 よりも下の段階の高周波の電磁エネルギーを与えることにより、特定の部位の血管拡張 や血行促進を行う治療器です。  18番以降は、それぞれの組合せ機器です。例えば、マッサージ器、電位治療器、温熱 治療器といわれているものの組合せたもの。それぞれ一つひとつ類型して存在しており ますので、それを組み合わせたものとして名称を定めております。  36番からは、家庭用の電子針です。これは、圧電素子によって電圧を発生させ、局部 に電圧刺激を行う機器です。37番は赤外線治療器で、赤外線を利用して患部を治療する ものです。38番は家庭用の紫外線治療器で、紫外線を利用して、患部を治療する機器で す。39番は、家庭用炭素弧光灯治療器ということで、炭素棒を電極としてアーク放電さ せて出てくる炭素弧光を利用して患部を治す機器です。40番は家庭用の温熱治療器で、 電熱を利用して熱刺激を与え、患部を治療するものです。  あと、家庭用とあるのは41番から43番で、従来指圧代用器といわれているものです。 41番は温熱式の指圧代用器で、電熱等で加熱できる突起を設けたもので、自分の体重な どで圧迫することによって指圧する代用器です。42番はローラー式の突起物を付けたも ので、これも体重や圧迫によって指圧する装置です。43番は家庭用エアー式指圧代用器 で、空気圧で動く指圧代用器です。  44番と45番は、はり又はきゅう用の器具です。温灸器というのは、藻草などを入れて 行われる機器です。温熱刺激を患部に与えて行われる家庭用の機器です。家庭用の鍼用 器具というのは、家庭で鍼治療を行うユーザーが使用するように設計した器具です。  46番と47番は、家庭用の磁気治療器です。46番は交流電気によって磁場をつくり、そ の磁力によって治すものです。47番の家庭用の永久磁石磁気治療器というのは、磁石の 磁力によって患部を治療する機器です。  48番と49番は、従来医療用物質生成という名称でしたが、貯槽式電解水生成器、ある いは連続式電解水生成器となっていますが、いわゆるアルカリイオン整水器です。49番 までが、管理医療機器といわれているものです。  50番以降は、一般医療機器といわれている中で、家庭用といわれているものです。家 庭用の温熱パックというのは、発熱する特殊な化学物質を内蔵したもので、活性化する ものによって発熱したものを患部に当て、消炎鎮痛等を行う単回使用のパックです。  51番は整形用品で救急絆創膏です。従来、この救急絆創膏は局方品であったのです が、今回平成17年度の薬事法改正から医療機器と定義を変えております。52番は液体包 帯、53番は生理用タンポン、54番と55番がいくつか出てきたものの電子パット。  56番は家庭用貼付型接触粒ということで、粘着テープの中心に粒状の固いものを貼り 付け、身体の凝りの部分に貼り付けることによって圧迫し、凝りの緩解を目的とする器 具。57番は、非侵襲式家庭向けの鍼用器具ということで、身体には刺さないのだけれど も、皮膚に張り付けることによって鍼療法を行う器具です。これが、いま我々が専ら家 庭用として名称を定めさせていただいているものの一覧です。 ○小野座長  ただいまの説明に対するご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。 ○宗林委員  中身を深く、また細かく存じ上げないで話を聞いておりますので基本的なことをお聞 きします。販売管理者の持つ意味ですが、サラッと見ると扱っているものと、販売業者 のスペースというものの管理に終始しているようなイメージを持ちます。実際に消費者 に販売する際の関与まで含まれている部分があるのでしょうか。 ○安田室長補佐  販売管理者制度といわれているものの必要性ですが、販売管理者制度というのは、医 療機関や購入する者に対して、収集したいろいろな医療機器情報を伝達するとか、提供 していくというところを目的とした形で作っています。ですから、そうしたものが医療 機器それぞれの程度によって、その提供していく情報が違うだろうということで、それ ぞれ必要な規制を設けているものです。 ○小野座長  多分、いまのご質問は、例えば資料3の制度の8頁の管理医療機器の届出は、この程 度だけれど、その下に高度管理医療機器では、添付資料に少し差があります。多分いま 言われたのは、単純に所在地の項だけでよいのか。高度管理のほうでは添付資料の3に 「管理要件を満たしたことを証明する資料」というのがあります。管理医療機器ではそ ういうものはないわけです。義務づけられていないということだと思いますが、そのよ うなことなのでしょうか。 ○宗林委員  いえ、もっと基本的なことです。販売管理者というものの関与する範囲に関しては、 営業所の平面図であるとか、そのレベルによって証明する書類が必要であったりという ことは、この文面でわかるのですが、実際、消費者との販売などの個々の場面において は、全く関与しないという理解でよろしいのかなと思ったことの確認です。というの は、何かがあった場合に、それを製造者に報告するようなところでの関与はあるという 話を、先ほどの説明で受けましたが、例えば医薬品に対しては、必ず薬剤師が関与する ことになっていますが、そういったものとは全く異質なものですねという確認です。 ○山本室長  まず、販売業の管理者という位置づけでは、医薬品であれば一般販売業というときの 薬剤師でなければいけないとしていますが、医療機器については薬剤師に相当するよう な管理をやっていただくべき方として、この管理者を位置づけています。したがいまし て、一義的にはそういう技術的なこと、あるいは品質の管理といったことをやっていた だくということもあるのですが、同時に店舗の管理ということでいきますと、そもそも 販売業では一般に物を管理して、購入者の方について適正な情報を提供する義務がある わけです。そういった業務を適正に行うという意味での管理も当然含まれます。ただ し、薬局の調剤とは違いまして、管理者が必ずしも自らいつも対面して消費者の方に売 るというわけではなくて、管理者以外の従業員が実際に店舗で対応することがあるわけ なので、そういったことの管理をすることが、ここの管理者の仕事という位置づけにし ています。 ○金井委員  いまの委員のお話ですが、そうしますと管理者以外の販売員の知識には、どのような ことが考えられているのですか。 ○山本室長  薬事法の上では販売業者として適切な情報を買った人に提供しなければいけないので すが、そのためにどのように個々の販売員に対して、どういう知識を要求するかについ ては、特別な法律的な義務づけはしていません。したがいまして、それぞれの店の管理 において、店舗に立ってどういう説明するかをやっていただくという考え方になってい ます。 ○諸平委員  私どもは医療機関に販売をする立場です。発端から説明しますが、資料3の5頁の 「ヘ」の所、いまはもうないのですが、日本医科器械商工団体連合会と医療機器センタ ーが共催をして販売管理責任者という制度をつくったわけです。業界団体が始めたわけ です。それが今は委員の言われるように、薬の場合は薬剤師、なお薬の販売会社には 「MR制度」がありまして、消費者との接点をきちんとやっているという中で、平成2 年だったと思います、医療機器開発課ができてそれから3、4年経ったころですか、行 政のご指導もあってこういうことを業界で、医療機器について全然オープンではおかし いのではないのということが責任問題というか、発端はそこだったと記憶しているわけ です。そういう形の中で各営業所単位に管理者を1人置いて、その販売員の教育その他 も、その管理者が全部責任を負うということになっていますので、この制度も1つの営 業所単位で販売管理者が1人いて、それぞれの営業担当者の報告を全部受けるような社 内教育をしなさいということも、法律的に義務づけられていると考えています。 ○宗林委員  例えば医薬品の場合ですと、いま薬剤師の関与につき、どちらかというと緩和の方向 で販売制度を検討しているわけですが、薬剤師の場合ですと、常時原則的にはいなくて はいけないとか、どのぐらいの販売面績に対してどれぐらいとか、結構細かい形で関与 を今までは厳しく縛ってきたような感じがあるのですが、それと比べると少し違うのか なと思ったものですから伺ったまでで、また順次その都度いっていただければいいかな と思います。 ○笠貫委員  販売管理者制度の中で、今回は家庭用の医療機器に限るということですか。ここに管 理者制度の中で、管理医療機器の場合と、高度管理医療機器という2つを並べて資料と して入っているのですが、これは質的に違うものだろうと思います。先ほどの医薬品行 政の場合と医療機器行政の場合は、大きな違いがあると思います。医薬品の場合にはM R制度が確立されているわけですし、薬としては共通性が強いと思います。  医療機器の場合は非常に幅が広いものですから、クラスIIを対象にするものと、クラ スIII、IVを対象とするものの販売管理者制度は、質的に違うものではないかと感じる のです。そういう意味では、ここで基礎研修の内容も見せていただき説明を受けました が、まだ十分理解をしていないと思いますが、これが同じものでいいのかどうかという ことと「知識及び経験を有すると認めた者」ということで、必ずしも基礎講習を受けな くてもいいということが妥当なのかどうかも含めて、管理医療機器と高度管理医療機器 は違うのではないかと思います。機器によって質的に違うという意味で、管理医療機器 と高度管理医療機器との制度上の違いについては、どうお考えなのでしょうか。 ○山本室長  まず、この検討会の目的としましては、家庭用の管理医療機器に関する管理者の位置 付けについてご議論をいただこうということで一義的にはお願いしていますが、いま委 員にご指摘いただいたのは、大変重要な点なので、ご議論をいただきたいと思います。  まず事務局としての説明を申し上げますが、今般の薬事法の改正では、基本的には医 療機器の販売業に関して、より安全対策を重視させるために、高度管理医療機器の販売 業者に対する責務を中心に、いろいろと強化を図っています。それの一種の未来イメー ジで管理販売、いわゆる管理医療機器、クラスIIの医療機器についても、同様の規制を 敷いているという考え方に改正しています。  実態から申しますと通常の医療機器の流通の場を考えますと、高度管理医療機器を扱 っておられる実際の医療機器の販売業が圧倒的なわけで、高度医療機器の販売を扱って いる方というのは、いわゆる医療用の医療機器の販売業の典型的なモデルとして規制の 仕組みを組んでいるということが今般の薬事法では改正があります。それを管理医療機 器にも当てはめて現在の仕組が成り立っています。  いまご指摘のように、厳密に言えば、高度管理医療機器と管理医療機器では、注意義 務の制度は差があってもいいのではないかという話がありますが、制度としては高度管 理のためにつくった制度を、いわば管理医療機器にも当てはめているというのがいまの 制度になっています。  いまご指摘のように厳密に言えば、高度管理医療機器と管理医療機器では注意義務の 程度には差があってもいいのではないかということですが、高度管理医療機器のために つくった制度を、いわば管理医療機器にも当てはめているというのが、いまの制度にな っています。 ○笠貫委員  ここでは高度管理医療機器の販売管理者制度はどうあるべきかということを、議論し てもよろしいわけですか。 ○山本室長  一義的な目的ではないのですが、それとの対比において整理をする、それを本来の目 的でつくった制度を、家庭用の医療機器にも当てはめるということについてということ なので、当然その視点の議論はあって然るべきとは思います。 ○笠貫委員  そうしますと、家庭用ですと、先ほどの数でも57という、先ほどお聞きした範囲の中 でも、具体的な機器の内容を聞いても、注意義務という質の問題というのは、違ってく ると思うのです。そこを中心に議論をするのと、高度管理医療機器の販売管理者制度を 家庭用の医療機器にもってくるのだということの議論になると、議論としては複雑、多 岐にわたるのではないでしょうか。先ほどの基礎講習の話、あるいはその義務の問題、 試験の問題、合格率の問題、それをどう評価するのかという問題まで入ってくるので、 そこをどこまでここで議論するかを最初に示していただくことによって、意見や議論の 内容が少し変わるかなと思うのです。 ○山本室長  事務局のお願いとしては、まずは一義的には今般規制が大幅に変わった部分である家 庭用の医療機器の規制が、設計したもののままでいいのかどうかについては、まずご検 討を賜りたいと思っています。そのためにもちろん高度管理医療機器の内容にも触れる ことはありますが、そこは今般の議論の中心ではないと考えています。 ○松岡委員  少し議論から外れてしまうかもわかりませんが、先ほど宗林委員からお話があった点 で、極めて重要な部分がありましたので、追加させていただきます。要するに実際の消 費者の皆さんに行う管理者の業務といいますか、そういうものについてコンタクトレン ズ業界では、この新しい薬事法の施行に伴うと、どうも販売ルート別にさまざまなバラ ツキが出てくるなというのを実感しています。これはきちんと整理をする必要があるの ではないかと思っています。特に適正使用による不具合がたくさんありますので、適正 な使用を図るための販売管理、あるいは販売所の責任における情報提供のあり方をきち んと整理する必要があるのかなと思っています。これは我々の問題提起として出させて いただきたいと思います。 ○笠貫委員  まだ理解が足りないかもわかりませんが、いまのコンタクトレンズというのは、高度 管理医療機器の話になります。それとこの草稿集の内容を見ても、ほぼ高度管理医療機 器を念頭に置いたテキストになっていると思うのですが、これの内容も含めて検討をす るということになると、やはり高度機器医療を念頭に置きながらこのシステムを検討す ることになると思うのです。私は家庭用という50いくつかの医療機器と、高度管理医療 機器の管理者制度が同じでいいかどうか、ということの議論もあってもいいのではない かと思うのですが、根本的なことでその辺わからないので、教えていただきたいと思い ます。 ○山本室長  いま笠貫委員からご指摘をいただいたとおりですが、コンタクトレンズに関しては、 今までは消費者に一般に売るということで、管理者の設置を不用と旧法下ではしていた ものを、先ほど松岡委員からもご紹介いただきましたように、今般、不適正な使用が多 いにしても、かなり事故が多いということを踏まえて、高度管理医療機器と位置づけ て、それで的確な制度の下に置いて、事故を防ごうという考え方で高度管理医療機器と し、その販売規制を敷いたというものなので、これはいわゆる家庭用といいますか、一 般消費者に売ることを仕向けたものではありますが、高度管理医療機器の販売規制の仕 組みを当てはめるということで、今回の制度にしています。それが妥当であるかどうか は非常に重要なポイントです。  それと家庭用電気治療機とか、永久磁気治療機とか、管理販売業の管理者のあり方が 同じでいいかどうかということについても、今度整理をする必要があるという点で、家 庭用というところを中心に、管理のあり方についてのご議論をいただければと考えてい ます。 ○小野座長  いまのご質問は、多分、家庭用の医療機器の一般名称分類の中にはコンタクトレンズ は入っていないわけです。今回の検討会は家庭用医療機器等の販売管理者制度等、「等 」の中に入るかもしれませんが、その中にあるわけですから、家庭用医療機器の範疇に 入らないものがなぜ入っているのか。要するに高度管理医療機器としてのコンタクトレ ンズは、この範疇の中で議論できるのかと思うのです。 ○山本室長  これは資料6として用意していますが、少しミスリーディングな部分があります。コ ンタクトレンズ、あるいは同じように消費者向けに販売されていることがある例えば補 聴器といったものについては、やはり同じようにその販売業のあり方については、同様 に議論の中心として捉えていただければと思います。資料6については専ら家庭用とい うことで定義したものについて列挙したものなので、これは今般の議論の範囲を狭める ためにつくったものではありません。ミスリーディングな点についてはお詫びを申し上 げます。 ○諸平委員  笠貫委員が言われたことに私も全面的に賛成です。一般国民というか、そういう広い 単位で家庭用の医療機器は使われます。医療機関、医師を通して使われるものとの規制 がこの中では、はっきり分かれてはいるのだろうと思います。ただし販売管理者という 資格は全く同じになっているわけです。  先ほど申し上げたように、私ども業界で始めたときは100時間の講習を自主的にやっ てきました、費用もそれなりにかけて、そういうものを立ち上げたという経緯があるの です。今回は家庭用を中心にお考えになって規制も緩和して、従来は3年業界にいなけ れば基礎講習が受けられなかったものを1年にされた。もちろん平成17年暫定的だとい うお話なのですが、現在のところでは、笠貫委員が言われたような、販売管理者として の資格は全く同じになってしまう。これは我々業界から見てもおかしいのではないでし ょうかと、医療機関は医療保険の問題がありますから、そういう視点から捉えると全然 別個の話なのです。その辺も踏まえて、行政としては事故が起きた場合の責任体制は当 然お考えになるのは当たり前の話だと思います。我々もそういう観点はよくわかってい るつもりなので、そこをどう組み合わせていくかということだろうと思いますが、本質 的には笠貫委員が言われるように、ここの所はラインを引いておいてきちんとやらない と、これからの議論が大変ではないかなと私も思います。 ○小野座長  いまのご意見に対して何かございますか。 ○笠貫委員  私は決して家庭用の販売管理者制度の質を下げろという話をしているつもりではない のです。それぞれの医療機器の非常に多岐にわたる問題というときには、その技術性の 問題の講習・試験と、倫理性という社会性、法規の問題も講習を徹底させる、そして試 験にフォーカスを当てるという意味では、私は2段階があってもいいのかなという感じ がします。その検討が可能ならば、そういう議論を進めていくようにしますし、そうで はなくて一元的に議論をするというのでしたら、その方向でということで分かれてくる のかなと思ったので、それを最初にご検討したらどうかというのが、私の考えです。 ○小野座長  いまのご意見では、いまのところは販売管理者という制度は一元的なものだというこ とで、その一元的なものというのは、コンタクトレンズについては別の講習会があるわ けですが、全体には1つの講習会にされている。それがペースメーカーでも、電子体温 計はないかもしれませんが、血圧計でも同じだということが現在、いろいろな制度の問 題でそうなっているかもしれません。あるいは実質的にできるかできないかという問題 もあるわけですが、それも含めて議論をしたほうがよいというお話だと思います。 ○山本室長  いまの販売管理者のあり方としても、高度管理医療機器、コンタクトレンズ、家庭医 療機器という3つは、フェーズが少し質が違うのではないかというご指摘だと思いま す。それはそのとおりでして、それに対していま同じ法規を適用しているということ で、その整理は必要であると事務局でも考えています。 ○小野座長  販売管理者の責務について法律的なことはわかりましたが、具体的に販売管理者はど のような責務を負っているのかについて、説明いただけませんか。 ○安田室長補佐  まず、販売管理者自身は何のために設けるのかということがあります。私、先ほどミ スリーディングしてしまい、そのことを申し上げなかったのですが、医療機器と言われ ているものを今回の改正の前から、販売業者の責務としたときには、きちんと相手に対 して渡すのが重要でなくて、相手に対してきちんとその品質を保ったものと、それに対 して付属しているいろいろな情報とかも併せて提供をするというところが、いちばん重 要なポイントだと理解をしています。  そう考えるといまの薬事法自身の設計も、販売管理者と言われている人たちの責務 は、販売業において生じるいろいろな問題、例えば自分たちが販売した後でいろいろな 苦情がありますが、製品に対する苦情がいちばん最初に入ってくるのも販売業者である ということから、その苦情処理のための帳簿も管理者が用意してください、売ったもの について、どこに売ったのかということをきちんと記帳してください、自分たちが販売 をしたものに対して問題が起こった場合には、その問題と言われているところについ て、それをきちんと製造販売業者に提供してください。そういうところを営業所ごとに きちんと管理しないといけないので、営業所ごとでそういう業務を行えるように、管理 者が営業所の中できちんと設計をしてくださいとか。先ほど教育・訓練で出ましたが、 教育・訓練自身でそれをきちんとできるような形で行ってくださいとかいう、諸々の責 務を販売管理者に対して掲げているのが現状です。 ○宗林委員  いま伺った中で考えますと、今回、議論になって家庭用の医療機器、あるいはそれに プラスコンタクトレンズと補聴器と言われましたが、そういった物は購入の時点で消費 者本人が、自己の責任といいますか、選択をしながら買っていき、使用をする際も本人 が使用の責任を負って家庭の中で使用するものと、購入をする際も医療機関の専門家に 対して販売し、使用する方も医療関係者であるものとでは、その情報提供の内容は、か なり違うと思うのです。ですから、その部分については家庭用のということで今回検討 されるのであれば、高度管理医療機器プラスアルファーの消費者本人が関わる部分が大 きいものについては、この情報提供のあり方の所を少し区分けして考えていただきたい ということが最初ありましたので、そんなご質問をさせていただいたのです。 ○笠貫委員  1つの制度を2ステップにするのか、2つを別に分けるのかという考え方もあり得ま す。もし医療機器の販売管理者制度を一本化してまず考えるなら、これは家庭用であろ うと高度であろうと、全てベースとして持っていなければいけない1つの管理者制度の あり方を考えて、そこに高度の場合に更に2段階としての管理者制度を考えていく。例 えばコンタクトレンズでしたら更にコンタクトレンズについての管理者制度で試験とい うか講習を受ける。医者の世界でも認定医・専門医といろいろな段階がありますが、そ れぞれステップを置くのも医療機器の中では必要なのかどうなのかという議論も1つあ るのだと思います。  医薬品についてはないわけですが、医療機器において家庭用とそうではないものを分 けるというのと、一本化して更に高度の場合には高い知識と倫理性が求められてくると きに、ステップを分けていくとかいうことで、いろいろなあり方が考えられるかなとは 思いました。  それから、家庭用というのが高度管理医療機器よりも質が低いか、高くなくてもいい かというと、必ずしもそうでもないと思うのです。高度管理医療機器の場合には医療機 関が情報の提供あるいは収集ということで介在することにより、安全性の担保というの が1つ大きな力になるのだと思うのです。家庭用の場合には直接販売業者から家庭に入 る。そうすると、そこの情報の提供というのは、先ほどご指摘がありましたが、質的に も量的にも十分必要になるし、そこで上品質の物をきちんと渡すという責任も、直接消 費者と業者の間になりますから、ここも厳しさが出てくるかもしれない。  そこに出てくる不具合についての収集というのも、ダイレクトに関係してきます。家 庭用の場合は、ある意味では高度医療機器ではないけれども、違った意味での厳しさと いうのは求められるかもしれないという、何か質的に違いが出てくるかなという感じは します。 ○楠委員  いま委員が言われました高度管理と管理医療機器の関係もありますが、この管理医療 機器の中だけでも非常に高度なものから非常に優しいものまである。そして、情報を伝 える相手が不特定多数の素人の方なのです。ですから一般家庭用というのは取扱説明 書、販売をするときの情報提供のやり方が優しくわかりやすくしないと、いろいろな問 題が起こりやすい。それも家庭用医療機器の中でもいろいろなレベルがあるということ で、その辺は見直していくべきかなと私は思っています。 ○安田室長補佐  宗林先生のお話も楠委員のお話も私ども聞いておりまして、非常に重要な点をついて いるのかなと思っています。確かに家庭用の医療機器の場合は、その途中段階で製造業 者から直接買われる方にいきますので、ある意味で自己責任というのが働くのは確かで すが、それと併せて、製造業者あるいは自分たちが持っている情報を、いかに提供して いくかというところが、1つの大きなポイントだと思っています。  その意味で宗林委員の言われます情報提供のあり方というところは、きちんと考えな ければならないだろうというのは、まさにそういうところがクローズアップされなけれ ばいけない問題だろうと思っています。それとともに、楠委員からも言われました家庭 用の中でもいろいろなものがあるというときに、それをどういうふうに仕分けていくの かという考え方です。何でもかんでも同じ条件をかけていくのかという話ではなくて、 多分仕分け方もあるのかなという感じも、聞いていて思われました。 ○小野座長  先ほど笠貫委員からステップ制みたいな、医師と認定医というものもあると、医師は 国家試験で認定医は学会認定ではありますが、ここで議論をしているのは医師の国家認 定のようなものの、販売管理者の認定です。個別の認定が必要かどうかということがも う1つの問題ではあります。それを国家認定にするのか学会認定にするのかというのも あると思います。ですから、そのようなことも含めてご議論をいただきたいと思いま す。 ○安田室長補佐  その前に1つ、いま笠貫委員が言われた講習のあり方ですが、実は高度管理医療機器 の説明のときに、まず基礎講習という話と併せて、継続研修という話をさせていただき ましたが、その基礎講習と言われていたものが、言ってみればいちばんベースとなる最 小限の情報があって、それから毎年度ごとにさらに、それぞれその専門領域あるいはど ういうふうにアップデイトしていくのかというところで、継続研修と言われている制度 で、さらにそういうことを積み重ねていくというよりは、その制度を平成17年度からの 制度として予定はしています。 ○小野座長  基礎講習と継続研修で、うち継続研修は、2時間以上という話になると、これで本当 にそれができるのですかという議論も入ってきてしまうと思うのです。今日は1回目な ので全体のこれからの進め方のところを、これを踏まえて考えていただけたらありがた いと思います。これが国の管理者制度とという非常に大事なあり方ですから、今までな いものをどういうふうに構築していくかという意味では、私はステップ制にするのかど うかも含めて、あるいはこれ継続の問題はもう1つ別な問題だと思うのです。  それと講習をするには管理者としての資格で、しかもこれ高度管理医療機器の場合に は義務づけの話ですね。高度ではない場合にはこれは義務ではなくて努力義務になって いますが、研修義務ですね。その辺のところの違いもあると思うのです。すると受験者 がどれぐらいいて、どれぐらい合格してという問題も、認定をする以上は明らかにして いく必要がある。いまの3つのところでこういった制度があるということですが、そう いうところのバラツキがないのかどうかという評価も含めて、検討が必要になってくる のだろうと思います。ですから、そういうことも含めてこのあり方でご検討をいただけ たらと思います。その辺の資料はこの次にでも出していただければと思います。 ○安田室長補佐  はい。 ○小野座長  ほかに何かございますか。 ○楠委員  資料No.6ですが、11番と15番は、これ翻訳をするときに「ホームユース」となってい るために、家庭用に入ってきていると思うのです。これ11番では多分、専門家向けのリ ウマチ患者、疼痛軽減ということがありますが、家庭用ではこういうようなジャンルは ありません。原文を見ますと「ホームユース」となっているのを「家庭用」と翻訳がな ったのではないかと思っています。これ医機連のほうには提案をしてあります。  15番も、JMDNに定められているものですが、我々の家庭用という分野では、この ような疼痛とか、そういうものは実際にできませんので、これも医家向けのほうの扱い にしていただきたいと思います。その2点です。 ○小野座長  それはまた調査して削除するなり何なりしたいと思います。 ○安田室長補佐  はいわかりました。 ○小野座長  今日は第1回ということですので、全体的な方針ということで結構ですので、どんな 方向にいくか自由にご意見をいただければと思います。 ○金井委員  1つ販売でお聞きしたいのですが、インターネットの販売の場合はどうなのですか。 例えばコンタクトレンズなどの場合でよく問題になっているのです。 ○安田室長補佐  いま現在、通信販売とかインターネット販売と言われているところですが、薬事法の 中に明確には規制をしているところはありません。実際にこの規制を行うやり方として は、その前提として、まず実店舗が存在している。その実店舗がその要件を満たしてい るという前提の下で、インターネット販売あるいは通信販売が行われていると、規制当 局では考えています。 ○山本室長  補足を申し上げます。社会的にインターネット販売というのは2つフェイズがありま す。1つはいま安田が説明いたしましたように、全く合法的に流通する業者の方、1つ は販売ルートとしてインターネットも用いて販売するというケース、そうではなくて全 く個人輸入とか、あるいは外国からの直接のインターネットの取引という形で、必ずし も薬事法上合法なのかどうか明らかでないようなもの、場合によっては明らかに許可さ れていないものがそこで取引をされているようなケースがあります。  前者については安田が申し上げましたように、薬事法のルールをきちんと守った上 で、たまたまその情報の伝達のルートにインターネットも使うというものについては、 薬事法のルールの下でやっていただけると考えていますが、後者についてはいろいろな 問題を含んでいるもので、これは率直に言えば、かなりの脱法行為あるいは違法行為が その中には混じっているというものです。 ○金井委員  それに関してですが、実は販売という面に関して、例えば対面販売が大事だと思うの ですが、そういう点、このインターネットでは欠けるのではないかなと思います。 ○安田室長補佐  対面販売と言われている概念ですが、医療機器の販売においては規制の中では、対面 販売と言われている規制はないのです。販売方策として今までの規制の中ではそういう のはありませんで、多分そこまでの必要性がなかったということがあるのかもしれませ ん。いま現在インターネットを使ったもの、通信販売を使ったものだと対面はできない というのは、ご指摘のとおりなのです。現在薬事法の中では、医療機器の販売にあって 対面販売というところまで求めているものではないので、そちらのほうは、いまでは合 法的なのかなという感じで考えています。 ○松岡委員  本格的な議論になっていくと、対面とかいろいろな問題で議論をしなければいけない なと思っていました。冒頭に若干私も申しましたように、その情報提供のあり方を考え ますと、本来、薬事法でもそうだったのですが、医療機関向けの販売も含めて、対面販 売が当然という前提で物が売られている状況の中で、こういう新しい販売方法が出てき て、いろいろな問題提起があちこちで出ているということです。インターネット販売、 通信販売というものが、本当にきちんとした高度管理医療機器にふさわしい情報提供が できるのかどうかということも含めて、合法的なところでも、必ずしも合法性があるか は疑わしいということがありますので、これからの議論の中で是非、我々も検討をして いきたいし、問題提起もさせていただきたいと思います。 ○小野座長  ほかに何かございますか。 ○笠貫委員  インターネット販売ということは大きな問題です。これは消費者側の利便性から考え たら、止めることのできない流れだと思うのです。その中で医療機器の安全性をどう担 保するかは、大きな課題なのだろうと思います。合法性の物しか対象にはならないと思 うのですが、いずれにしろインターネット販売の医療機器とはどうあるべきなのかとい うことも、ここでご検討をしていただけたらと思います。特にインターネットの場合は 個人輸入の問題も含めて、非常に難しい問題がどんどん生じますから、その安全性の担 保がどういうふうにできるのかは難しいことで、どう対応していくかを考えていけたら と思います。 ○宗林委員  いま利便性という言葉が出たと思うのですが、いろいろな場面で消費者の利便性とい う話があります。ですが、消費者は安全性は前提としてあっての上での利便性だろうと 思うのです。その安全性の確認は消費者本人は基本的にはできない。体に入れるものと か、体に直接治療をするようなものについては、安全性の確認担保は本人ではできない ということが前提だと思います。安全性を法律で縛った上で、消費者側の利便性をプラ スしていく方向というのはいいと思いますが、安全性なくして利便性を望むということ はあり得ないのだろうと思います。その中で例えばコンタクトの話もたくさん出ていま すが、消費者、使う側の患者側とのマッチングが必要なものは、対面販売以外はあり得 ないのではないかと思います。 ○松岡委員  かなり具体的な問題提起が出ていますので、追加でもう1つ出したいのです。先ほど 家庭用の供給体制の問題で、いわゆる供給メーカー側から直接消費者に渡るものという 話がありましたが、コンタクトレンズの場合は実はもう1つ、中間に医療機関が絡んで います。具体的にコンタクトレンズは眼科的な検査・処方した上で、それに従ってコン タクトを販売する流れになっています。例えば情報提供の問題でいけば、添付文書1つ にしても医療機関向けと消費者向けの2種類があることになっています。そういう過程 でそういうものがきちんと守られているのかどうかを、薬事法を改定して実際に運用を していく過程できちんと検証をした上で、実際に安全性の担保であるとか不適当使用を 少しでも解消するとか、あるいは不適当使用を解消するためのメーカー側の役割がある のかどうかということも、一緒に検討をしたいと思っています。 ○楠委員  販売の現場ということで、クラスIIの管理医療機器の中には非常にランクが違うのが あるわけです。例えば永久磁石などでは今までは届出がいらなかった。そのためにコン ビニとかスーパーで実際には販売されていたのが現状です。それが今回の規制で管理者 の設置ということで、実際の現場はそうした人たちが日々変わるような、経験3年と か、そういうのが困難な状況での販売です。いま報告を受けているのは3割、4割販売 が落ちたという状況がここ数か月続いているようです。 ○諸平委員  今回の法改正の中で我々も常々このためにやるのだと、製造販売業を除いて販売業だ けで考えると、市販後の安全性対策の強化拡充という1点だけなのです。その中でいま いろいろな心配が出てくるようなことは、いまの制度がきちんとスタートしていけば、 どこのメーカーのものがどう使われているか、医療機関に渡る場合もあるし直接いく場 合もある。そのトレーサビリティということになるのでしょうが、それを業界できちん とできるような体制になれば、基本は消費者の皆さんに心配をかけるようなことはなく て運用上の問題だろうと思うのです。  その中でどういう規制をしたらいいのか。片方では規制緩和の問題もあるでしょうか ら、その辺のバランスというか、楠委員がおられますから業界としてはどうお考えにな っているのか、それは是非次回にご意見を出していただいて、その中で笠貫委員が言わ れたような、我々医療機関と仕事をしている者との摺合わせみたいなことを。大変失礼 というか気に障ったら申し訳ないのですが、医療機器というのは効能があるから医療機 器なのです。例えばマッサージ機で医療機器でないものというのは家電製品であるわけ です。ですからその辺はメーカーが薬事申請をして許可を取っている、これが原点です から、特に家庭用の医療機器というのは、その辺もう皆さん既にご存じだとは思います が、根底にあるのはそこからスタートしているので、本当に身近な家庭のお年寄りが買 ったりという対面販売の中で、そういう難しさというのは当然あるのだろうと私も認識 しています。 ○笠貫委員  家庭用の医療機器の中に新しい治療器が入ってきます。例えば心電計で、自分で手を 当てるだけで、あるいは胸を当てるだけで心電図が撮れますというものもあります。あ るいは高度医療機器又は管理医療機器の中に入るかもしれませんが、これから家庭用の 中に入るとしたら、AEDも家庭の中に入ってくるだろう。そうしますと、病院と家庭 の間が狭くなってくるというか、病院の治療と家庭の治療というもの、あるいは診断が 接近してくるのだろうと思います。  家庭用磁気治療器等でもそうなのですが、代替医療というものでどんどん家庭内で使 う医療機器が増えてくるのです。私はいまの50いくつというのはこれからもっと増えて くるのだろうと思います。この家庭用の医療機器等の販売管理者制度を、是非充実した ものにしていただけたらと思います。 ○安田室長補佐  いま楠委員の言われた話ですが、従来のいわゆる家庭用と言われているものと、医療 で使われているものといったときに、どちらかといったら医療現場で使われているもの が多かったのです。いろいろな技術革新によって、いろいろなものが機械の中に組み込 むことによって、医療の場で使っていたものが次第に家庭環境の中でも使えるのではな いかとなってきているのは事実です。当初私どもが考えていたよりも、だんだんとそう いう機械が増えてきているのも事実です。  先ほどの心電計の話ですが、自分で撮れる心電図は、いまの段階では自分で撮ったあ と、それを記録しているものを医師の所に持っていって判断してもらうという形になっ ているので、いまの段階ではそれは医師が判断すべき問題があるので、医師が見る医家 向けという話になるのです。ただし、例えばこれから、だんだんそれが広まっていっ て、自分でその機械にある程度そういう機能を持たせて、ある程度の範囲のこの状態な らこうだというものが出てきた場合には、そういうものが医家用というところからもし かしたら家庭用と考えなければいけないかとなっていくと思うのです。そういうものが いま開発されたり売られてきています。そうしたところは我々としても理解しています し、そういう世の中の進展とかニーズに応じて、そういうところは考えていかなければ いけないのかなとは思っています。 ○松岡委員  もう1つ確認ですが、先ほどのクラス分類の話だとか、国際整合の話ですが、これか らのこの委員会での検討の中に、クラス分類を見直すとか、あるいは管理医療機器、高 度管理医療機器の分類そのものを見直す、検討をするのかどうか、その辺を確認させて いただきたいのです。 ○安田室長補佐  お願いをしている当初のもくろみは、そこまで踏み込まなくても何とかならないかと いうことで考えてはいます。クラス分類の考え方の1つは、国際的な整合性というこ と、もう1つは基本的にはまず設計とか製造についての規制のための分類です。それは それとして国際的にも1つの整合性をもった世界が出来上がっています。ただ、それを 受けるものとしての販売規制をどう設計するかについては、ある程度行政的な重要度も あるので、クラス分類そのものに踏み込む必要のある場合については、もちろんやらな ければいけないのですが、そこまでいかなくてもできることが多々あるのではないかと 考えて議論をお願いしています。 ○小野座長  そろそろ時間ですので、最後に何かどうしても聞いておきたいということがございま すか。なければ、今日は総論的な議論ですが、いくつか議題を絞った上で明示してその ことについて議論を進めていきたいと思っています。事務局から何かございますか。 ○山本室長  今後のスケジュールです。先ほど月1回を目途と申し上げたのですが、もし可能であ れば6月末までにもう1回、今日いただきました宿題を事務局なりに整理したものもお 出しをしながらさらに議論を深めていただくということで、論点の整理のために6月末 ぐらいを目途にもう1回お願いをして、それから7月、8月に各1回お願いをして、8 月の末ぐらいでいまご議論をしていただいていることの一通りのまとめまで漕ぎ着けら れればということをもくろんでいます。 ○安田室長補佐  本日、先生方の資料の中の1つに、今後の日程調整のための紙を入れさせていただい ていますので、記載の上、事務局までいただければ事務局で調整させていただきまし て、できるだけ6月中の開催をさせていただきたいと考えています。 ○小野座長  本日はこれで終了させていただきたいと思います。先生方のご協力を感謝いたしま す。どうもありがとうございました。