05/06/02 先進医療専門家会議平成17年6月2日議事録 05/06/02 平成17年度第2回先進医療専門家会議議事録 (1)日時  平成17年6月2日(木)15:00〜16:55 (2)場所  厚生労働省専用第22会議室 (3)出席者 猿田享男座長 吉田英機座長代理        赤川安正構成員 飯島正文構成員 越智隆弘構成員 金子剛構成員        北村惣一郎構成員 笹子充構成員 田中憲一構成員 田中良明構成員        谷川原祐介構成員 辻省次構成員 坪田一男構成員 寺岡暉構成員        永井良三構成員 樋口輝彦構成員        <事務局>        審議官 医療課長 企画官 保険医療企画調査室長  他 (4)議題  ○先進医療の科学的評価方法について        ○実施医療機関の要件設定について        ○先進医療に係る届出書の様式について        ○先進医療の実施状況報告について        ○その他 (5)議事内容 ○猿田座長  時間がまいりましたので、第2回の先進医療専門家会議を始めさせていただきます。 委員の先生方には、たいへんお忙しいところ、また、雨の中をご苦労様でございまし た。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、本日の構成員の出席状況でございますけれども、本日は片山構成員、佐伯構成 員、竹中構成員、渡邊構成員がご欠席でございます。それからまた、前回、北村委員の ほうからお話がありました、この会議に医療経済の専門家の人を追加してはどうかとい うことで、厚生労働大臣と検討してほしいということが言われましたけれども、それに 関しまして事務局のほうから、よろしくお願いいたします。 ○医療課長  医療課長でございます。今、猿田座長よりご指摘がございましたとおり、前回の、当 専門家会議のご意見を受けまして、私ども事務局で大臣と相談をさせていただき、医療 経済分野の専門家として、聖路加国際病院の福井院長先生に、今日からご参加いただい ております。 ○猿田座長  福井先生はこの4月から院長先生になられましたけれども、自己紹介をお願いいたし ます。 ○福井構成員  聖路加病院の福井と申します。私は内科医でありますけれども、しばらく疫学や統計 学の方法を使って費用効果分析だとか、臨床医の立場からの医療経済的な研究も少々し てまいりましたので、そういう立場で加わるようにということだと思います。どうぞよ ろしくお願いいたします。できるだけ貢献したいと思います。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。 1.先進医療の科学的評価方法について ○猿田座長  それでは早速、議事次第に従いまして、始めさせていただきます。この会議のいちば ん中心的な事業は7月から始まるということで、そのための準備を、本日の会とそれか らもう1回、6月中に会を開かせていただきますけれど、この2回でだいたい決めて、 いよいよスタートしていくということでございます。まず最初は先進医療の科学的評価 方法について、事務局からご説明をお願いいたします。 ○保険医療企画調査室長  お手元の資料に基づきまして、事務局よりご説明をさせていただきます。資料の先-1 と、それから先-2を用いてご説明させていただきます。まず先-1をご覧ください。こ れは前回もお出しいたしました、この会議で検討していただきたい事項についてでござ います。前回、私ども事務局のほうから参考資料をお出しいたしまして、いろいろとご 意見をいただいたことを踏まえまして、本日、資料を用意しておりますので、順次ご説 明をさせていただきたいと思います。  それでは先-2をご覧ください。先進医療の科学的評価方法ということですが、具体 的な評価方法に入る前に、まず、先進医療の科学的評価の流れ(案)ということをご説 明させていただきたいと思います。1ページのところに全体のフロー図を描いてござい ます。こちらは前回、概略をご説明したとおりですので、簡単に、重ねてご説明させて いただきたいと思いますが、新規の技術につきましては、保険医療機関から届出が、地 方社会保険事務局を通じて厚生労働本省になされる。厚生労働本省のほうから、こちら の先進医療専門家会議のほうに、科学的な評価の依頼をさせていただきます。この先進 医療専門家会議におかれましては、技術の有効性、安全性などのご確認、そして医療技 術ごとの要件の設定をしていただくということになります。その結果を厚生労働省のほ うにご報告いただきまして、4番のところにございますけれども、科学的評価の結果が 最終的に保険医療機関に通知されるとともに、要件などにつきましては、広く周知をさ れるということでございます。いったん医療技術ごとの要件が定まりますと、5番にあ りますように、既存技術ということになりまして、届出により実施ということが可能に なる。こういう全体の流れでございます。  1の、下の吹き出しのところをご覧ください。プロセスの中で、ひとつは届出書の確 認ということでございまして、こちらの様式については、このあと、いろいろご議論を いただくことになりますが、もうひとつは、先生方にいろいろお願いをしたい部分とし て、書類の審査ということで、担当構成員による事前の書類審査をしていただくという 形を考えております。この事前の書類審査には、だいたい3週間程度の時間の中で、先 生方に審査をしていただければというふうに、案としては考えてございます。  もう少し時間的なフレームワークをご説明する必要があると思いますので、2ページ をご覧いただきたいと思います。この先進医療につきましては、最長3か月の中で結論 を出すということが基本的な考え方になっておりますので、全体としてこの3か月の枠 組みの中で、どのような形で評価のスケジュールが流れていくかということを簡単にお 示ししたのが上の図でございます。審査のイメージ図として、1か月目、2か月目、3 か月目と、横軸に書いてございます。月初めの、だいたい15日間のところで届出の受付 をするというようなイメージで、その後、書類を整えたうえで、事前の書類の審査をし ていただく。事前の審査は先ほど3週間と申し上げましたが、その間に審査をしていた だいて、またそれを事務局のほうにお返しいただき、事務局のほうでそれを整理いたし まして、今度はこの先進医療専門家会議を実際に開催いたしまして、そちらのほうで科 学的な評価をしていただく。その後、必要な手続きを経て、その内容については告示、 通知をされる。これを全体のプロセスの中で、3か月の中でやっていく必要があるとい うことでございます。  それをもう少し具体的にお示ししたのが--とくに科学的評価業務という観点から、も う少し詳しくお示ししたのが、その下の図でございます。前半の部分は届出の書類の整 理といいましょうか、その不備等も含めてのチェックをするという期間、それから書類 が行ったり来たりする、そういう伝達の期間というところがございます。そういった中 で、事前の書類審査ということで、これは担当構成員の先生にお願いをしたいという部 分でございますけれども、3週間の期間の間に審査をしていただく。これにつきまして は、書類自体はすべての先生方に、この時点でお送りをして、各先生方にそれぞれご覧 いただくという形になります。具体的に担当構成員になられた先生については、その書 類をもとに評価をしていただくという形になるということでございます。それを事務局 のほうにお返しいただきまして、事務局のほうで資料の整理、会議の調整をいたしまし て、先進医療専門家会議を開催し、こちらで科学的な評価をしていただくということで ございます。  全体としてはこういう流れになっておりまして、だいたいこれを、効率よく進めても 一連の流れで約10週間ほど、これだけで2か月半くらいかかってしまいます。いろんな 意味で、これは順調にまわっての話ということで、タイトなスケジュールになるという ことでございます。なるべく効率的に進めていこうということで、ひとつのサイクルを つくって、そのサイクルに乗せていく。個別にやっていくと、もう、流れが、わけがわ からなくなってしまうので、最初の上のところでも、審査のイメージとして届出受付期 間というものを一定期間に区切って、そこまでに来たものを一連の流れに乗せていく、 そういう中で、お約束の期限である3か月以内という中で、基本的に審査が終了するよ うにという形で考えているところでございます。以上がスケジュールの案でございま す。  次に3ページをご覧ください。こちらが「先進医療を評価する際の規準について(案 )」ということでございます。こちらにあげておりますように、事務局としては7つぐ らいの項目を考えております。先進性、有効性、安全性、効率性、社会的妥当性、そし てこの先進医療につきましては、将来、保険医療としてそちらのほうに持って行くとい うことですので、そういった意味についての検討を加える必要性、そして除外というも のにつきまして、研究開発段階にある技術は対象としないというような形で、こういっ たことを念頭に置いての評価をしていただければよろしいのではないか、と。これは案 でございますので、また後ほどご意見をいただければと思います。  次に4ページをご覧ください。先ほど申し上げましたように、担当の構成員の先生 に、提出された書類をもとにいたしまして、先進技術としての適格性というものをご評 価いただく必要がございまして、その評価にあたっての様式、そして内容というものの 案を定めたのがこちらでございます。先進医療の評価用紙という形で、左肩にお示しし てございます。基本的には、なるべく先生方の労力といいましょうか、効率的に進めて いただくという観点もございまして、それぞれの項目については原則として2段階なり 3段階なりの形で、項目をチョイスしていただければいいというような形で考えており ます。そして最後の総合評価のところでは、総合判定、そしてそこのところで、いろい ろコメントを書いていただくような欄も設けております。もちろん、コメントをそれぞ れお書きいただいても、それは大変ありがたいことでございますけれども、基本的に大 変限られた時間の中で、実際にどのくらいの事務量が生じてくるのかということが現時 点ではわかりませんので、一応、案としては可能な限りシンプルな形で考えさせていた だいております。  具体的には、この先進技術の適応症について妥当であるのかないのかとか、有効性に つきましても「大幅に有効」「やや有効」「同程度、または劣る」とか、安全性、技術 的成熟度、社会的妥当性、現時点での普及性、効率性、将来の保険収載の必要性といっ た観点についてご評価をいただいて、そしてそれを事務局のほうにご返送いただくとい うことを考えております。この表が、科学的評価をしていただくうえでの、ディスカッ ションのベースになってくる、そういう位置づけのものということでご理解をいただけ ればと思います。科学的評価につきまして、その流れと、それから、どういった考え 方、様式で行うのかということにつきまして、事務局のほうからご説明いたします案は 以上のとおりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。今、ご説明いただきましたように、1ページ目に先 進医療の科学的評価の流れがございます。そのあと2枚目に先進医療の科学的評価のス ケジュールがあるわけですが、これを見ていただくと、非常にきついといいますか、短 期間にやらなくてはならなくて、約10週間で結論を出さなくてはいけないということで す。それから3ページ目に、今お話がありました、とくに評価する際の規準を、先生方 に少しでもわかりやすくということで、ここに書いてある先進性、有効性、安全性、効 率性、社会的妥当性、検討の必要性、除外といった形で項目を示していただいておりま す。そして4ページ目は、とくに皆さん、お忙しいと思いますので、そこのところは、 できるだけ○をつけていただいて、最終的には総合判定のところでコメントをいただけ ればという形でまとめていただいております。どうぞ先生方、この流れに関しまして、 ご意見をお願いいたします。 ○越智構成員  この前、課長から、約100品目が予測されると言われましたけれど、これで承認する といいますか、アクセプトされる数というのは、この委員会でよしとすれば、とくに数 の制限などはなしにやっていくことになるんでしょうか。それとも、だいたいどれぐら いをアクセプトしようとしているのか、そういう方向性があればお聞かせ願います。 ○保険医療企画調査室長  この委員会でお認めいただければ、とくに数の上限といったものはございません。 ○笹子構成員  3ページ目の1の、先進性というところの2つ目の文章で「既存技術の部分的改善で あってもこれに準じて取り扱うことが適当」とありますが、ここで言う「これ」という のは何ですか。 ○保険医療企画調査室長  これの部分というのは、既存の技術と異なった新しいものというニュアンスでござい ます。先進性ということが出てくれば、既存技術の部分的改善であっても、この範疇に 含めたいということでございます。 ○笹子構成員  もうひとつ、既存というのと標準的なものというか、高度な技術ではあるのですが、 既存のものとして、一部の人たちの間では長く行われているようなものもあり得ると思 うのです。ですから、どこまでを「既存」と言うのでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  基本的にこの問題につきましては、広く解釈をしていただいて、最初から制限を加え るというのではなくて、広めに、こういった、いろいろな技術というものが、恩恵を受 けたい方にとって、受けられるような形にするというのが、ひとつの趣旨でございます ので、そういった観点からお考えいただければよろしいかと思います。 ○樋口構成員  国立精神・神経センターの樋口でございます。細かいことで恐縮ですが、今の4ペー ジ目の、先進医療評価用紙のところで、その4つ目の技術的成熟度というところです が、一般的にはこういう技術というのは、大半の医療分野では医師が行うということだ と思うんですが、たとえばリハビリテーションであるとか、あるいはチーム医療等、シ ステムを使って行うというようなことも、この中に出てくる可能性があると思うんです が、その場合には、「医師であれば行える」という表現だけでは、ちょっと、どうかと いうふうに思います。たとえば「経験を積んだ医師、あるいはその医師の指導のもとで 行うことについて」というような、そういう表現が必要ではないかと思うんですが。 ○猿田座長  ありがとうございます。後ほど、やられる先生の、どのくらいの経験が必要かという ことが、もう少し細かく出てきますし、それから施設としての問題もありますけれど、 今この時点で、事務局のほうから何かご意見はございますでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  とくにございません。先生方から、いろいろご意見をいただきまして、また次のリバ イスに生かしていきたいというのが、今日の趣旨でございますので。 ○永井構成員  4ページの普及性についてお聞きしたいんですが、普及しているから適格なのか、普 及していないから不適格なのか、場合によっては非常に高度な技術であるがゆえに普及 していないということもありますし、この普及ということを、どうとらえたらいいの か。また一方で、高度先進医療との関係の中で、これをどう考えるかですが、いかがで しょうか。 ○保険医療企画調査室長  そこのところは、実はたいへん難しいところでございまして、そういう意味では、な かなか、ここのA、B、Cだけで、Aが必ずしも上位であるとか、そういう形にはなら ない部分かなあというふうには思っております。そういう意味で、評価をされる際に、 なかなか難しい部分もあろうかと思いますが、そこのところはまた、総合的な判定とい う中やコメントのところで、うまく表現をしていただくということも、ひとつの選択肢 かと思います。技術の内容をはじめ、多分、いろんな観点から勘案しなくてはいけない 部分があろうかと思いますので、その部分は一概に、リニアに、どっちがいいという形 には、なかなか言いにくい部分もあろうかと思っております。 ○飯島構成員  皮膚科の飯島でございます。ちょっと蒸し返しになるんですが、既存技術というとこ ろの定義について、これは現在、保険で収載されているもの、保険で認められているも のというイメージでよろしいんでしょうか。もう少し具体的なイメージを教えていただ きたいんですが。 ○保険医療企画調査室長  そこはもちろん、保険で認められているものも、それ以外のものも含めて解釈してい ただいて結構かと思います。 ○飯島構成員  保険以外という意味ですと、たとえば、具体的にはどういうものをイメージされてい るんでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  失礼いたしました。基本的には保険に認められているものというところがベースとい うことでございます。 ○飯島構成員  そういう解釈でよろしいわけですね。わかりました。 ○猿田座長  他にいかがでしょうか。 ○赤川構成員  広島大学の赤川です。最初のほうに返って、数の制限はなく、広めにということです が、それは医療費などについては、あまり考えなくていいということで考えてよろしい んでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  そのとおりでございます。 ○笹子構成員  先ほどの、保険で認められているということが既存ということですが、高度な技術で も、今あてはまる保険の適用がそれしかないから、それで保険を取っているというもの も多々あると思うのですが、そういうものはどう考えるのか。それはそれで既存である と考えるのでしょうか。 ○医療課長  笹子先生が、何を頭の中に想定して話されているのかはよくわかりますが、今、保険 に収載されていないけれども、やむを得ず、そのほうが患者さんの福音になるので、そ の技術を使って他で請求しているというものがあったら、それは新しいものとして、こ こで申請していただければ、議論の上認められるということでございます。 ○北村構成員  細かいことを言い出したらきりがないんですが、5番の「大方の国民の納得が得られ ているものであること」というのは、どう担保するのか。たとえば新聞で多くの患者団 体さんが求めているというようなものであれば、わかりやすいかもしれませんけれど、 やはり医療側から出てきているものが大半であろうと思うんです。被医療者側ではなく て医療側から出てきているものということです。そうすると、「大方の国民の納得が得 られている」というのは、必ずしも担保し難いというか、難しい。そこはどう考えてお られるのでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  具体的なメルクマールというか、そういうことは、今の時点では必ずしもございませ ん。こうした議論のプロセスを通じて考えていただく形になろうかと思います。 ○北村構成員  公序良俗に反しないということでいいわけですね。 ○保険医療企画調査室長  基本的にはそういうことでございます。 ○辻構成員  先ほどの保険に関連して、保険に収載されてはいないけれども、ある程度確立してよ く使われているという技術は、診断に関してはかなりあろうかと思うんですけれど、そ れはどういうふうに位置づけを考えるんでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  それはまさに、この中で議論していただければということで、積極的に対応する分野 のひとつになろうかと思います。 ○笹子構成員  一部の施設の高度先進医療としては認められているものであるけれども、自分のとこ ろとして、高度先進医療の要件は満たさないけれど、技術として、ここの先進医療とし て出したいというようなものはいいのか。同じ技術が、あるところでは高度先進医療に なり、別の施設ではこれで出てくるということはあり得るのでしょうか。 ○猿田座長  当然、そういうことも出てきます。ですから、それはやはり、ここで議論しながらや っていくことになると思います。たとえば内視鏡を使った手術で、あるものは完全に高 度先進医療であり、あるものはそうでないということが年中出てくるものですから、こ この場で先生方に判断していただくということになろうかと思います。 ○吉田座長代理  1枚目の矢印について、前回、医療課長は、新規技術は保険医療機関から直接、厚生 労働省へとおっしゃっていましたけれど、2枚目を見ていくと、社会保険事務局へ届け 出るんですか。 ○保険医療企画調査室長  そのとおりでございます。 ○吉田座長代理  社会保険事務局へ届けて、それが厚労省へ出ていくという手順でいいんですね。 ○保険医療企画調査室長  はい。 ○猿田座長  今の、この流れのところで、ちょっと心配しますのは、よほどしっかりとした形で提 出していただかないと、事前書類のところでずいぶん不備なものが出てくることが考え られます。そこのところを、よほどしっかり、各施設に徹底していただいて、きっちり と書類を出してもらわないと、ここのところで、ずいぶん手間取ってしまうことがある と思いますので、よろしくお願いいたします。 ○保険医療企画調査室長  おっしゃるとおりだと思います。そこのところを、事前にうまく、相談なりをして、 書類がきちっと出てきたものを受けて、そしてこのフローに乗せていく、そういう形に しないと、結果的にこの3か月という中にうまく収まらないと思いますので、そこのと ころは留意をしていかなくてはいけないと考えております。 ○猿田座長  心配なのは、先生方に3週間ぐらいでやっていただかなくてはいけないということに なりますから、ここのところで、学会その他、非常にお忙しい時があるかもしれませ ん。各専門家に分かれてやるものですから、どうしてもその先生の意見が大切になって しまうということで、この科学的評価のところが時間的に非常に厳しいかと思いますけ れど、よろしくお願いいたします。  他にいかがでしょうか。また次に議論していくところで同じことが出てくるところも ございますので、もしよろしければ次へ……。 ○飯島構成員  ひとつだけ確認させていただきたいんですが、今のフロー図の絡みで、1ページ、2 ページで、これは受理してから3か月以内に答えを出しますということをキャッチフレ ーズにされているんですが、その3か月は、届けを出してからではなく、受理されてか ら3か月ということで理解しておかないといけません。今のような吉田先生のご指摘の とおり、書類に不備があって、やりとりのキャッチボールがある場合があります。それ はちゃんと、受理されてから3か月ですよということを、どこかで明言しておいたほう が、このシステムを動かすうえで、いいのではないかと考えます。 ○保険医療企画調査室長  はい。おっしゃるとおり、受理されてから3か月ということですので。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。 2.実施医療機関の要件設定について ○猿田座長  では次に、実施医療機関の要件の設定について。これも資料に沿って説明をお願いい たします。 ○保険医療企画調査室長  お手元の資料、先-3をご覧ください。先進医療に係る施設要件(案)ということで、 1枚目に、全体をわかりやすいような形でお示しして、2枚目がそれを書類の様式にま とめた形でございます。施設要件につきましては、担当医師の要件と、それから医療機 関の要件、そして、その他という形で、大きく3つにくくっております。担当医師につ きましては、診療科であるとか専門医の資格、経験年数、技術の経験年数、実施症例 数、その他。医療機関については人員、体制、実施症例数ということでございまして、 先ほどもご質問、ご意見がございましたが、システムというようなところも、人として どうやるかという、専門家としてやる部分と、組織としてやる部分と、いろいろあろう かと思いますので、そういった部分をこの中でうまく、たとえば足りない項目などがあ れば、またご意見をいただければというふうに思いますが、一応、医療機関の体制とい う観点からは、今申し上げましたように、人員、体制、実施症例数ということで、人員 につきましては、医師だけではなくてその他の医療従事者も含めまして、技術に応じ た、求められる施設要件というような観点から、対応ができるようなイメージを考えて いるところでございます。また、その他につきましては、他の医療機関との連携とし て、たとえば患者の容態急変時などについて。それから実施状況の報告というのは、こ れは制度上、ここのところでこういうことを担保するしかないものですから、具体的に は、たとえば少し新しいものであって、安全管理上、やはり頻回に報告をしていただい たほうがいいようなものというようなことについては、こういう、その他の案件のとこ ろで少し条件をつけていったらいいのではないかというような意味あいで書いておりま す。  今申し上げました、この全体のチャート図のようなものを、一定の事務的な様式にま とめたのが2ページでございます。当該技術--新しい技術として申請された技術につい ての、施設側、すなわち医療機関の要件というものについての書式の案ということでご ざいます。これにつきましては、基本的には、ほとんどこうした要件を課す必要のない ものもあれば、いろんな要件を課さなければならないものもあろうかと思いますが、こ の中では、そういったものに幅広く対応できるような形をイメージして、項目を立てて おります。そしてまた、それぞれの要件につきましては、基本的には、なるべく効率的 にということもございまして、先生方の負荷をなるべく軽減するという観点から、基本 的にはなるべく○をつけることで対応できればというような形で、これにあてはまらな いものは横のところに少し書いていただくというような構成を考えております。  項目につきましては、先ほどチャート図のようなものでお示しをしましたような形の ものを、原則としてそのまま拾ってきておりまして、担当医師の要件、医療機関の要 件、その他の要件というような形で書いてございます。○をつけられるように、「要」 「不要」というような形で書かせていただいておりまして、そこの部分の要件が必要な 場合には--やはり、ものによっては、どうしても書いていただかなくてはいけないとい うようなものもございまして、学会の専門医等々のようなところは、たいへん恐縮です けれども、ある程度ご記入をいただくような形を考えております。それ以外の、年数み たいなものについては、こういうくくりがいいかどうかというのはありますが、ひと つ、短いものから、ある程度の経験年数というふうに、幅を持った形で、○をつけてい ただければいいような形での対応を、案として掲げさせていただいております。以下、 基本的には同じような形でございまして、この様式に則りまして、当該技術に対する医 療機関の要件というものについて審査をしていただければということでございます。事 務局からのご説明は以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。今、ご説明いただきましたけれども、1ページ目に その流れがあります。それと、具体的には2ページ目にいろいろな項目に分けて--この 項目の分け方は、いろいろ考え方があろうかと思いますが--それと、とくに、先ほどあ りましたように経験年数や資格等の問題がありますけれど、どうぞご意見をいただけれ ばと思います。 ○田中(憲)構成員  2枚目の要件の案は、これは申請施設の要件でしょうか、それとも申請技術につい て、このような医療機関の要件がいるのか、ちょっとわからないのですが。 ○保険医療企画調査室長  申請技術に対しての、その技術を実施するにあたっての医療機関の要件ということに なります。 ○田中(憲)構成員  産婦人科の生殖領域においては、小規模施設であることが多いと思います。倫理的な 面での配慮が必要とされることがあると思いますので、この点、倫理委員会の有無だけ ではなくて、カウンセラーの有無等の倫理的なフォローアップについての要件につい て、ご考案願いたいと思っております。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。その技術によって、かなり違いがあろうかと思いま すし、とくに倫理委員会の問題は重要ですね。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。その技術によって、かなり違いがあろうかと思いま すし、とくに倫理委員会の問題は重要ですね。 ○笹子構成員  担当医師というのも、医療技術を実施する責任者という意味でしょうか。普通、担当 医と言うと、教授は手術をするけれど担当医にはならないようなイメージがあります が。 ○保険医療企画調査室長  実施の責任者という意味です。 ○笹子構成員  なるほど、実施責任者ですか。もうひとつは、実施責任者という形にしておかない と、たとえば非常に高度な技術であっても、たくさんやっている施設では、教育をする こともあり得るという技術もあると思うんです。だからそのへんが、ちょっと、責任者 がはっきりしていればいいというふうにしたほうがいいのではないかと思います。 ○猿田座長  よろしいでしょうか、同じことで、その下の経験年数のところも、どこからの経験年 数かということがあって、責任者の、しかもこの領域、当該技術に入ってからの年数と いうことになるでしょうから、そのあたりも判断が難しいところかと思います。 ○越智構成員  医療機関の関係の質問ですが、先進医療の申し込みというのが保険医療機関であれば いいということと、それから実施が、ここで医療機関の案件ということで、たとえばイ メージされるのは、実施できるのが高度先進医療ということで、まずは大学、それから 大学以外にも関係があるのかなあ、と。その場合に、該当するような医療機関が公表さ れているとか、あるいはあとから追加されるのか--増えたり減ったりすることがありま すから--それはホームページかどこかで公表されることになるんでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  それは公表されることになります。 ○笹子構成員  技術の要件ということを考えるときに、安全性情報に関しては随時報告するとか、有 効性は年1回報告するとか、そういう方向について、今回は触れられていません。いず れ議題になると思いますけれど、それを考えると、医療安全管理委員会というようなも のを持っているかどうかというようなことが、施設として、やはり大事な要件になるよ うな気がします。 ○猿田座長  ありがとうございました。おっしゃるとおりだと思いますけれど、何か事務局からご 意見はございますでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  今の報告の件につきましては、後ほど、安全に関する報告の仕方の部分について、ま たご議論いただければと思います。それから書式のところで、頻回の実績報告等という ところに、ある意味では安全性の観点のところを含めて、これは技術によってというと ころで、そういった部分での関心といいましょうか、そこを注意深く見ておいたほうが いいものについては、あらかじめここのところで要件として定めておくという、そうい った意味あいも入っていたところでございますけれども、たいへん貴重なご意見かと思 いますので、書式等の作成にあたりまして、また内部で検討させていただきたいと思っ ております。 ○猿田座長  とくに2ページ目の項目に関しましては、これから細かいところを詰めていくことに なりますけれど、もし他にご意見がないようでしたら、いったん先へ行って、時間があ れば戻って議論すればよろしいかと思いますので、次に進みたいと思います。 3.先進医療に係る届出書の様式について ○猿田座長  次に届出書の様式について、やはり事務局からご説明をお願いいたします。 ○保険医療企画調査室長  届出書の様式についてということで、資料の先-4-1、こちらが新規の技術につい て、そして先-4-2が、要件が認められた既存技術についてということで、それぞれに ついてご説明させていただきます。  まず、先-4-1をご覧ください。1ページが、先進医療届出書(新規技術)というこ とで、届出書の案ということでございます。先生方にイメージをつかんでいただくこと もありまして、勝手ながら具体的な記入例を、なるべく添えてお示ししております。こ れはあくまでも記入例ということで、そこを踏まえてご覧いただければというふうに思 います。1ページ目は、これは基本的な、どこからどういう技術について届出があった かという概要を示したものでございまして、基本的にこちらの部分では、医療機関のそ れぞれの名前が具体的に出るというところでございます。  ただ、2枚目以降は基本的に審査に使うもの、技術的な検討をしていただく、評価を していただく、ということもありまして、2枚目以降には具体的な医療機関名は入りま せん。そういう形の、全体の体裁を考えているところでございます。1ページ目で、ど こから出てきたか。これを事務局的に整理させていただきまして、具体的にまた先生方 に、評価のために資料としてお送りする際には、1ページ目をはずしたものをお送りす るというような形のイメージでございます。1ページ目は基本的な情報を、医療機関と 技術について、様式で定めているというものでございます。2ページ以下が、具体的な 技術についての概要等々になりますので、順次、ご説明をさせていただきます。  まず、2ページをご覧ください。ここでは、先進医療の内容の概要というものを、1 枚紙の中でお示しいただく、届出書の中で書いていただく、ということをイメージして おります。全体概要が容易に把握できるという形のものでございまして、名称、適応 症、そして内容につきましては先進性、概要、効果、それから先進医療に係る部分の費 用について、こちらの1枚紙の中で、概要という形で届出の際に出していただくという ことを考えております。  次に3ページ、4ページ。先進医療の内容の、よりそれを具体的に、詳細にお示しし ていただくというのが、こちらの部分でございます。基本的な内容は一緒ですけれど、 もう少し詳しめに、全体として書いていただくということでございまして、名称、適応 症、そして内容について、とくに既存の保険収載技術との相違や効果の比較なども含め て記載していただく。注意書きなども書いて、留意点をいろいろとお示ししながら、よ り詳細な内容がわかるような形で情報をいただきたいということでございます。  それから5ページ、こちらは当該医療機関における実績ということでございます。5 ページの部分は、有効性が認められた事例についてご報告をいただくというものでござ います。  次に6ページにつきましては、有効性が必ずしも認められなかった事例、もしくは安 全性の問題が発生した事例についても、あわせてご報告をいただきたいというものでご ざいます。  それから7ページは文献のリストということでございます。添付した論文ということ で、当該技術の内容を記述した論文、それから当該技術の有効性を評価した原著論文、 そして当該医療機関における実績に基づく論文または報告書というものを、文献リスト としてご提出いただくというものでございます。  それから8ページは、先進医療で使用する医療機器、医薬品について。使用する医薬 品、医療機器、それから医療材料について、こちらにお示ししているような内容につい て記述をしたうえでご提出をいただきたいというものでございます。  9ページ以下は費用に関するもので、9ページのところで当該医療にかかる費用につ きまして、特定療養費部分と先進医療にかかる部分ということで、9ページの部分がそ の全体を示したというものでございます。基本的には注1でお示ししていますように、 典型的な事例について、健康保険被保険者本人の場合という形で記入をしていただきた いということでございます。  10ページ以下がその具体的な詳細、積算根拠という形でございまして、10ページにつ きましては、医療機器や人件費、そして11ページは医療材料、医薬品、また、その他に 経費がかかっている場合には、その他というような形で、9ページのいわゆる総括表の 内訳にあたるものを10ページ、11ページというところで、情報としていただくという内 容でございます。  12ページは、先ほどご審議をいただきましたけれども、実施体制にかかる部分につい ての状況をご記入いただくというものでございます。先進医療の名称、実施診療科、そ して実施担当者。ここのところは先ほどのご意見も踏まえまして、責任者とか、そのあ たりの表現ぶりを、よりわかりやすくする必要はあろうかと思いますけれども、そのよ うな内容でございます。  13ページは、医療機関のほうの体制ということでの実施体制の部分でございまして、 病床数、医師数、それから診療科、そして、いわゆる入院体制、当直体制等、先ほどご 議論いただきました内容に相当するような部分につきまして、この表を踏まえてご記入 いただくということを考えております。  それから14ページをご覧ください。先進医療としての適格性についてということでご ざいまして、これは、その医療技術を具体的にお届けいただく医療機関のお考えという ことで、この医療技術については、こういう観点から非常に適格なものであるという、 そういった考え、意見というものを、この様式でご記述いただくということでございま す。この内容自体は基本的に、先生方に評価をしていただく--先ほどご説明いたしまし たが、その様式と基本的には一致しておりまして、こちらでの実施医療機関のほうから の、こういった情報も参考としていただいて、評価をしていただくという形になろうか と思います。  最後、15ページでございますけれども、当該技術を実施可能とする医療機関の要件と して考えられるもの。先ほど、要件についてもご議論いただいたところでございますけ れども、実際、この新しい技術について、届出をいただく医療機関のほうからも、実際 にやっている医療機関からの情報として、当該技術を実施可能とするにあたって、どの ような要件が、医療機関にとって必要と考えるかということを、情報として、あわせて ご提供いただく。この内容も踏まえまして、また、先生方のほうには、その実施医療機 関の要件を検討する際に参考にしていただければというものでございます。新規技術に ついての届出書の様式については以上でございます。  続きまして、資料の先-4-2のほうをご覧いただきたいと思います。こちらは先進医 療の届出書のうち、既存技術のものについてということでございます。既存技術のほう につきましては、基本的に、その要件を満たした場合には届出をして、受理された時点 で実施が可能になるという形になります。1ページ目は新規技術の場合と同じで、基本 的な情報として、どういう技術でどこがやりますということをお示しいただくという様 式になっております。  2ページ以下が具体的な内容になってまいります。まず2ページをご覧ください。基 本的に、技術に関しまして、それぞれ医療機関の要件というものが定められますので、 医療機関の要件として定められた事項について、それに合致しているということをご記 入いただく形になります。先進医療技術の名称、実施診療科、実施担当者名、そして3 ページ以降が医療機関の体制ということで、これは一応、枠としてこういうものを担保 しておきまして、基本的には実施医療機関というものの要件を定める際の様式というも のが、またこれに、この様式を定める際に、具体的には、関係してくるというふうに考 えられますけれども、イメージとしてはこのような様式を定めまして、具体的に要件と して定められた事項についてのみ、当該医療機関がそれに該当するということをご記入 いただいて、届出をいただくという形になります。  4ページにつきましては、費用についても一応ご報告をいただくということでござい まして、先進医療にかかる費用について、届出書の中に情報として入れていただくとい う構成を考えております。  以上、新規技術、既存技術についての届出書の様式、内容につきまして、事務局より ご説明をいたしました。よろしくお願いいたします。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。今お話しいただきましたように、新規の技術の場合 と既存の技術の場合とで、届出書の書き方というかフォームをご説明いただきましたけ れど、ここのところは非常に重要な点ですし、どうぞ、ご意見をいただければと思いま す。 ○寺岡構成員  新規技術の例については、相当詳しい内容を記載することになっていますが、既存技 術については非常に簡略化されています。本来であれば、当然、新規技術を申請した医 療機関と同等の要件が満たされていなくてはいけないわけですが、この程度の届出で、 いかにしてその内容が担保されるのか、そのへんについて、事務局からもう少し詳しく 説明していただけませんか。 ○猿田座長  ご説明をお願いいたします。 ○保険医療企画調査室長  ご指摘の点は非常に重要な点だと思います。まず、基本的には新規技術の部分でたく さんのデータをいただくというのは、もうひとつは技術そのものの評価と、そして、こ れをベースにして、その技術を実施するにあたっての、医療機関の要件を定めるという 点もございますので、そこの部分で、よりたくさんの情報をとっているという形にはな ろうかと思いますが、届出の、いわゆる一度認められて要件が定められたものについ て、この程度の情報でいいのか、そしてまた、その内容をどう担保するのかというとこ ろは非常に重要な点でございまして、内容につきまして、その項目等につきましては、 現時点の私どもの案は、医療機関の要件として定められた事項に合致しているというこ とだけを書いてくださいというふうになっておりますけれども、それだけでは心許ない ということであれば、また、もう少しご審議をいただければというふうに思います。た だ、基本的には、この先進医療の趣旨というものを考えましたときには、やはり、一定 の要件を満たした場合には、広く実施可能にするという部分もありますので、そういっ たところから、このような案にしてご審議をいただいているところでございます。 ○寺岡構成員  ただ、新規技術の場合には、これだけ詳しい内容を書き込む。これを書き込むことに よって、そこでセレクトされるといいますか、そういう形になるわけですが、実際には 同じことなんですよね。最初であろうと既存技術であっても、実際は同じことなので、 やはり……。もちろん、このスキームの目的とか、早く進めなくてはいけないという、 そういうことは認めたうえで、そこのところを、既存技術については、私はちょっと、 ここは心配な気がいたしますので、もう少し詳しくといいますか、知恵が必要なのでは ないかというふうに思いますが。 ○坪田構成員  人件費の積算根拠ですが、これは、よく、保険点数の計算をするときに、医師の平均 給料が2,551円で手術に何時間ということはやると思うんですが、たとえば新しい技術 を導入したり--まあ、私たちのところですと、ある技術をやるために、アイバンクのコ ーディネーターをどうしても雇わなくてはいけないというときに、コーディネーターを 7時間だけ雇うといったことは、なかなか難しいわけです。ですからこの人件費につい ては、もう少し融通のきくような積算方法でもいいというふうな方向性は、いかがなも のでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  なるべく実態がうまく反映されるような形でお示しいただくということは、これはも う、そのとおりでよろしいかと思います。これはあくまでも、ひとつの参考としてお示 ししておりますので、それぞれの医療機関の実情等によって、ここは変わってくるとい うふうに理解しております。 ○金子構成員  成育医療センターの金子でございます。この、既存技術といいますか、2番目、3番 目の医療機関からの申請に対して、どういう要件を課すかというのは、私もちょっと疑 問に思います。といいますのは、1番目の医療機関が申請をして、それで要件が定まる わけですから、2番目、3番目も、その要件に合致するところだけが申請できるという ふうな形で公表をして、それでやっていくというふうにしたほうがいいのではないでし ょうか。そうしないと、同じレベルが保てないのではないかと思います。それから既存 技術、2番目、3番目の、これはやはり病院によって体制が違いますので、金額も違う でしょうし、そのへんも、これはちょっと不足しているのかなあというふうに思います が。 ○猿田座長  事務局のほう、どうでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  そういった情報も、基本的に出していただく形になりますが、その情報の中で、また 足りないものとか担保すべき情報というものを追加的に考えたほうがいいということで あれば、教えていただければ、事務局のほうであらためて考えていきたいというふうに 思っております。 ○猿田座長  たしかに金子先生がおっしゃったように、これまでの高度先進医療などでは、やは り、お金に関してもかなり差が出てくるんですね。そこで議論の的になりますので、そ こはまた、事務局ともよく相談させていただきたいと思います。 ○寺岡構成員  それともうひとつ、新規技術の導入のところで詳しく書いてあるというふうに申しま したけれども、たとえば有効性が認められる事例につての記載方法について、ここに事 例が示されている書き方ですと、かなり申請が入り得るような書き方ですね。かといっ て、じゃあ、限られた時間でどのようにそれを表現するかというのは、なかなか難しい ところがあるとは思いますが、そのあたりについて、検討した結果、こういう形に落ち 着いたというあたりを、もう少し説明できませんか。 ○保険医療企画調査室長  こちらはおっしゃるとおりで、事例という形になってございまして、あと、7ページ のほうをご覧いただきますと、こういうものがあれば理想的という形になりますけれど も、当該医療機関における実績に基づく論文というような形で、なるべくきちっと評価 をしたものというものも、原則としてお出しいただく、そういう中で、いわゆる、関係 する論文での実績評価というものと、それから当該医療機関での具体的な例というもの を、あわせて先生方にご評価いただくという形になるのかなあというふうに思っており ます。 ○笹子構成員  新しい技術の有効性というのは、ここで例として出ているのは、ただ単に安全にでき たということであって、有効性は全く示していないですね。長年経過し、ある程度、生 存のデータが出ないと、有効性は出ないわけです。したがって、新しい技術の有効性を 求める段階で、この書類を出させるというのは、有効性が既に認められていれば、全 部、保険でいいということになってしまうわけですし、有効性のレベルは薬物で言う第 II相試験程度でよいとし、有効性よりも安全にできるということが最低限クリアすべき 条件であると思います。どの程度の内容の有効性の情報があれば、それについて書くと いう程度の縛りで良くて、実際には有効性の情報を書けないものも、たくさんあるので はないかと思うんですけれど。 ○猿田座長  事務局から何かありますか。たとえば先ほどの14ページ目のところに、施設のほうか ら一応まとめていただいている適格性がありますよね、有効性を判断するときには、そ こにどういうふうに書いてあるかというのも、ある程度の材料になるのではないでしょ うか。これは施設から出てくるものですので、多少は参考になるだろうという程度で、 もう少し細かいところは、さらに検討しなくてはいけないんですけれど。事務局から何 かご意見はありますでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  そういった観点もございまして、有効性の部分を5ページに、そして有効性が認めら れなかった事例、それから安全性の問題が発生した事例というようなことについてもご 記述いただくという形で、そういった内容の中から、うまく判断していただければとい うふうに考えております。もちろん、たいへん重要な意見だと思いますし、保険のほう については有効性が認められて、ある程度、普遍的にできればという話になりますの で、先進技術自体も、将来の保険適用というものは、ひとつの念頭に置いている部分で すので、このへんの有効性の部分を、どういう指標でどう判断するかということにつき ましては、また、お知恵を拝借いたしまして、うまく表現の中に組み込んでいければと いうふうに考えております。 ○笹子構成員  僕自身、臨床試験を、手術についてもだいぶやっていますけれど、基本的には薬物療 法のフェイズスタディーに準じた考え方をあてはめられます。ですから、そういう情報 を要求していくというふうに、こちら側がわかりやすく、こういう情報を出してくださ いという方向を示したほうがいいのではないでしょうか。Phase1、Phase2、安全性のフ ィージビリティースタディーとか、そういったものは、薬物療法でもいろいろやられて います。だからそういう方向と同じスタンスでちゃんとやっていただくということで、 いいのではないでしょうか。 ○辻構成員  今の有効性に関する判断基準というのは、先ほどの、先進医療を評価する際の規準に ついてというところも、そうなんですけれど、今の書類ですと、やはり非常に主観的な 判断で終始するおそれが、すごくあると思うんです。それをやはり、いかに客観化でき るかというのは、大きな課題だと思いますし、一方で、笹子先生がおっしゃったよう に、こういう先端的なところでやっているものというのは、十分なそういう臨床疫学の データをつくるということは、非現実的なところもあるだろうとは思うんですが、しか し、いずれにしても、たとえばエビデンスレベルの、あるいは有効性のレベルとして、 いくつかのカテゴリーを設定しておいて、こういう規準で認められるとか、何か少し、 そういう客観的な指標のようなものを設定したほうがいいように思うんですけれど。た だ、技術とか内容によって全部違ってくると思いますから、なかなか統一的に扱うとい うのは難しいとは思うんですが。 ○福井構成員  今の点ですが、先進医療を評価する際の規準についてのところで、効率性を費用対効 果で評価するとなりますと、有効性をどういう指標について表すのかということ、それ からコストの双方について、新規技術だけでなく、従来の技術についてもデータがない と評価できません。新しい技術だけではなくて、従来のものについてのデータも必要だ ということを頭に置いていただきたいということです。それから、有効性が同じで安全 性が高まるものを、どういう指標で評価するかについても、双方についてのデータがな いと、費用効果分析ができません。そのようなデータが得られるような申請書であると いいと思います。 ○田中(良)構成員  放射線の田中です。新規の場合の、使用する医療機器の項目について、8ページです か、ここに、新しく使用する医療機器の一覧表を書くと思うんですが、よくあるのはハ ード面でシステムとして一体になっている場合などは個々にあげざるを得ないと思うん ですが、それらを連携する、たとえばソフトのプログラムだとか、そういう場合は、な かなか書きにくいときもあるんですね。実はそういうソフトのプログラムが、新しい技 術を発揮させるのに非常に有効というか必要不可欠なものであるというようなものがあ るものですから、そういうものもやはり、ここへ書くのかどうか、ちょっとお教え願い たいんですけれど。 ○保険医療企画調査室長  ぜひ書いていただけたらと思います。もし、その書きやすい様式というのをご提示い ただければ、またそこも含めて、そういったことが落ちないような形で対応させていた だければと思います。 ○谷川原構成員  同じく8ページの第6号、医療材料、医薬品というところがありますが、そもそもこ の別紙様式第6号というのは、先進医療の部分、保険外の部分で使われる医療材料、医 薬品というふうに理解しているんですけれど、その場合に、医薬品が使われるんです が、それが薬事法上の適応がある場合は、これは保険診療で使えるものですから、ここ には書く必要はないと考えてよろしいでしょうか。ここに書くのは適応外の医薬品のみ を書くわけですか。 ○保険医療企画調査室長  新しい技術の中で使われるものという形で、ここのところでは情報をあげていただく ということです。 ○谷川原構成員  その目的が適応外であれば書くんですけれど、たとえば非常に簡単な例で、感染対策 に対する抗生物質というのは、もう、適応があるんですけれど、こういう場合には使わ れている。そういう場合は、もう、その部分は保険で見るという理解でよろしいんです か。 ○保険医療企画調査室長  そこのところは、なかなか難しくて、結局、技術をなるべく全体として評価したいと いう部分がありまして、その技術とうまくセットになるようなものについては適応の有 無にかかわらず、基本的に書いていただくというのが、ここの意図でございます。 ○谷川原構成員  そうしたときに、うしろの7号、コストとの関係ですけれど、先進医療にかかる費用 の中に、保険適用のある薬剤のコストも入るわけですが、そこからは除くわけですね。 たとえば様式第8-1とか、そういうところがありますが……。保険で見られる部分と 保険外のというか自費の部分というのは、どういうふうに切り分けてこの様式の中に書 けばいいのかというところが質問の趣旨です。 ○保険医療企画調査室長  このあたりは、費用の請求の仕組みみたいな部分になってしまうんですが、要はまっ たく新しくて、いわゆる保険の外にあるものをセットで行う場合には、そこで使われた ものも一応、保険の外側に出てしまうという、そういうこともあって、ここの中では、 あくまでも新しい技術という観点でそれに不随するものは、情報としてここで記述して いただくという考え方でございます。 ○谷川原構成員  たとえば非常に新しい術式の手術があって、たとえば麻酔薬とか抗生物質とか、手術 であれば当然使うようなものは、当然、保険適用があるわけですよね。それは技術が新 しいと、既に保険適用になった薬剤も一緒にこちらの部分に入ってくるということです か。 ○保険医療企画調査室長  今、先生がおっしゃったのは、もう、保険の中に入れていただくという形で結構でご ざいます。 ○北村構成員  前回、永井委員からちょっとご質問のあったことに関連するんですが、ここの資料で は、分厚いほうの、新規技術の8ページのところに、当該の先進医療に使う医療機器 は、薬事に承認されたものでなければならないのか。適応外使用の該当というのを書く ところがありますけれど、本来、その機械そのものは薬事承認がない機械を使用しての ものは認めないということになるんですか。たとえば具体的に言いますと、手術用のロ ボットを用いて、手術のある部分をやらせるといったときの、部分的な手術の部分を先 進医療として申請するような場合、その医療機器は薬事承認されていない、しかし医師 の主導のもとでそれを用いるというようなときに、当該の先進医療として用いる医療機 器等は、薬事承認がなければならないのか。何らかの形で認められていて、適応外使用 というのは注2に書いていただいているんですけれど、明確に、あらかじめこの申請に は薬事法承認のものでなければならないということを書かないと、そこはたいへん混乱 してしまうのではないかと思いますけれど。 ○医療課長  前回の会議のときに坪田教授からも実は似たような質問を受けたんですが、私ども は、申請されるすべてのケースを想定しているわけではないんです。どういうものが来 るかわからないんですが、いちばん大事なことは、この委員会と、それから申請する方 が、われわれと同じルールブックで申請してくるかどうかわからないということです。 実は今、先生のご質問されたことは、基本的に私どもは、前回もお答えしましたが、現 行薬事法を超えての作業はできません。したがって、薬事法上で安全性が担保されてい ない医療機器あるいは薬事法で承認されていない適応、つまり適応外使用ですが、こう いったものを、今、先生が言われた機械であれば、機械が既に薬事法上承認されている けれども適応症がAとBしかない、しかし自分の技術はCなんだといった場合を考えま す。その機械は、Cは適応外で、これは薬事法上、承認は受けていませんが、そのメー カーはCの適応外を、今、申請している、とします。薬事法上、Cも認めてくれるよう に申請しつつ治験をしているんだというようなことがあれば、この委員会で、これは承 認途上にあるということで認めることはできます。しかし、Cのカテゴリーはまったく 承認されていないということであれば、これは薬事法上、機器の安全性が担保されてい ないということで対象にはなりません。そういうことが、申請者のほうも、すべて共通 認識としてあれば、わざわざこんなことを書く必要はないんですが、わかりませんの で、こういう書き方をしています。 ○北村構成員  米国等々ではさかんに使われている機器があるけれども、日本では採算性が明確でな いために、それを用いた治験、なかなかとりにくいということで、ほうったらかしにな っているというような機械もある。たとえばレーザーでやる血管新生の機械もそうでし たし、ロボットもおそらくそういう運命になるのではないか、と。ですから高度先進医 療なら、薬事法非承認でも申請可能とかできないものか。高度先進医療も、この先進医 療も、まったく同じレベルで薬事法適用の決まりを決めていったのでは、大きく2つに 分けてやるという意味もなくなるのではないか。普通の先進は薬事承認に関してこれで も結構ですが、そういう、企業としては申請したいけれども、まだ承認が下りていない というようなものを用いての先進医療を高度先進のほうに持っていくとか、何かそうい った、バランスも考えていただきたいと思うんですけれど。 ○医療課長  今のご指摘を踏まえて、ちょっと工夫はいたしますが、基本的に高度先進医療という のは、何しろ医療機関を限定していますので、初めから医療機関をまずしばっていま す。日本全国の中でも非常に限定的な医療機関で行われる限定された技術だということ で、特例的にそういうケースは、今までにございました。しかし今度は広く、日本全 国、どのような医療機関も手をあげてできるようにしようということで、そこはさばき に違いがあります。先生の言われているようなことは工夫したいとは思いますが、もう ひとつ、われわれも、ある意味では怠慢だったんですが、そのような、今、北村先生が 指摘されているようなケースは実はたくさんあります。それについて私どもも、これか らメーカーを呼んで--今日も審査管理課長が来ていますが--「治験を始めてくれ」「な ぜしないんだ」というようなことを、よく話して、すべて薬事法上で齟齬のないように していきたいと思っています。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。北村先生、よろしいですか。 ○北村構成員  はい。 ○坪田構成員  先ほどの谷川原先生のご質問と関係するんですが、まだちょっと頭の中がクリアでな いのでお尋ねします。ある新しい技術に関係する抗生物質などが、いろいろありますよ ね。たとえば角膜移植で言えば、僕の頭の中にいつもあるのは、海外ドナー角膜を持っ てきて移植するというのを、ぜひ、これで申請させていただきたいと思っているんです が、やることはまったく一緒です。だけど、その海外ドナー角膜を使った移植をやるた めに抗生物質を使うし、拒絶反応を抑えるためにステロイドも使う。それは今の理論で は、この技術への使用というものになってしまいますよね。だけど僕の理解は、谷川原 先生の理解と同じなんですが、保険以外のものだけをこれでカバーして、もともと保険 でカバーされているものは保険でやったらいいんじゃないですかということで、患者様 に、なるべく保険をたくさん使っていただいて、患者様の負担を減らすというのが趣旨 だというふうに理解していたんですが、どうなんでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  そこはもう、先生のおっしゃるとおりだと思います。そういうことによって新しいも のをうまく使えるようにするということです。 ○吉田座長代理  この届出書ですけれど、医療技術評価分科会でも新規と既存についてやりました。既 存のほうでいろんな議論があって、やはり概要と詳細版をつけようということになっ た。既存の場合でも、内容がわからないと評価できませんので、あれにあわせてはいか がですか。そのほうが、皆さん、わかりやすいと思いますけれど。 ○保険医療企画調査室長  検討させていただきます。 ○猿田座長  他にいかがでしょうか。この届出書は非常に重要なところですから、今のうちに先生 方のご意見をうかがっておいたほうがよろしいかと思いますが。 ○永井構成員  先ほど、角膜移植の話が出ましたけれど、組織移植とか細胞治療というのは、これか ら、そういう問題がいろいろ出てくると思うんです。医療材料と、その材料を維持する ためのいろんな装置であるとか、メインテナンスフィーなども、一応、請求可というふ うに考えてよろしいのでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  結構かと思います。 ○飯島構成員  5ページのところで、ちょっとお聞きしたいんですけれど、高度先進の場合には、こ ういう申請用の事例については、その当該技術についてはコストフリーでもって何例か 症例を積みなさいということだというふうに理解しているんですが、ここで今使ってい る事例というのは、ここでは内視鏡手術の実例があがっていますが、この症例は、たと えばこれは全部、コストフリーでやった事例を報告しろというのか、それとも、これは やったけれども--医療課長はあまりいい顔をされませんが、何か別のことでやった事例 でもいいのか。この中身は、どのような理解をすればいいんでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  基本的には前者といいましょうか、自由診療の中で積み重ねていただいたデータをと いうことでございます。 ○笹子構成員  今のような議論であれば、最低何例をやれば、こういう形で申請できる、というよう な指針をつくらないと、いつまでも自由診療でやっているというわけにもいかないと思 います。たとえば肝移植など、移植は非常に高額で10例だったと思いますけれど、通常 の、少なくとも安全性を見たいというのなら、20〜30例は最低必要というような技術と いうのは結構あると思います。薬剤でも、Phase1というのは、あれは初めて人体に投与 する毒物という概念ですから、すごく少ないわけですが、でも、こういう医療技術で使 われるものであれば、やはり30例とか50例レベルというのがあると思いますけれど、そ こまで行くと、今度はお金の面でかなり額がかさんでしまうというところがあります。 だからそのへんは、何らかの線引きというか、わかりやすくする必要があると思いま す。 ○猿田座長  事務局からご意見はございますでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  おっしゃるとおりだと思いますので、そこのところを、どういうふうに整理していく かというところかと思います。 ○笹子構成員  逆に言えば、そういったものはいわゆる研究費でまかない、研究費を取ってきて、そ こから出して、それがPhase2ならPhase2で50例やりましたといって、それでこうやって 申請できるというふうになってくると、非常に、外国などと同じ様な仕組みになってく ると思います。 ○猿田座長  ありがとうございました。例数は非常に難しいところですね。他にないようでした ら、とりあえず次に行かせていただきます。 4.先進医療の実施状況報告について ○猿田座長  次は先進医療の実施状況の報告に関してですが、これも資料が出ておりますので、事 務局のほうからご説明をお願いいたします。 ○保険医療企画調査室長  お手元の資料、先-5をご覧ください。先進医療の実施状況報告(案)についてでご ざいますけれども、先進医療の実施状況報告といたしましては、大きく3つ、ひとつは 実績報告、そしてもうひとつが実施可能な医療機関の要件に基づいた報告、そして安全 性報告と、この3つの報告を、実施医療機関より厚生労働省に提出するというものでご ざいます。厚生労働省は当該医療技術の有効性、安全性に問題がある場合等にあって は、当該医療技術の中止等の必要な指示を行うことができるということでございます。  以下、その3つのカテゴリーについての考え方でございますが、実績報告につきまし ては、定期的に実施保険医療機関より実績を報告するというものでございまして、ここ では内容として、毎年5月31日までに先進医療を実施している医療機関は、前年の6月 1日から当該年5月31日までに行った先進医療について、必要事項を当該年8月末まで に地方社会保険事務局を経由のうえ厚生労働省あて報告する。これは、現在の高度先進 も同じような書類の提出の枠組みになっておりまして、これはその当該技術を評価し て、その評価の結果いかんによってはまた保険のほうにという、そういう部分もござい ますので、こういう形での実績報告を、8月末というのを、ひとつのメルクマールとし てお願いをしたいというものでございます。  それから2番、実施可能な医療機関の要件に基づいた報告ということで、医療技術ご との実施可能な医療機関の要件として、実施状況の報告を追加的に義務づけられた場合 には、その要件に沿って定期的に実施状況について報告をするというものでございま す。ものによりまして、何例までは毎月報告をしてくださいとか、そういったことを条 件として付した場合に、そのような報告をしていただくということでございます。  それから3番目といたしまして、安全性の報告でございます。これは、安全性に問題 があるようなことが起こった場合には、実施保険医療機関より遅滞なく厚生労働省のほ うにご報告をいただくというものでございます。  2ページ以下が、その報告内容の様式になっております。症例報告の総括表というこ とで、2ページが固形癌の場合、そして3ページが固形癌以外の様々なものについての 報告の様式という形でございます。それから4ページが実績の報告ということで、それ らをまとめたものという形になります。それから5ページが、先進医療実施に伴う副作 用・合併症についての報告という形で、こうした様式に基づいて、ご報告をいただけれ ばということを考えております。事務局からの説明は以上でございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。先進医療の実施状況の報告のフォームでございます けれども、ご意見をお願いいたします。 ○寺岡構成員  安全性の問題ですけれど、安全性報告で、実施している保険医療機関が、先進医療の 安全性に疑義がある場合、または実際に安全性に問題が生じた場合には、遅滞なく厚労 省あてに提出するということになっておりますが、それを提出された結果を踏まえて、 どのようにされますか。つまり、その技術を実施している医療機関が10あるとすると、 それらに、こういうことがあったということを、すぐに伝えるのは、最も普通に考えら れるわけですけれど。 ○保険医療企画調査室長  基本的に今おっしゃったような形で、まず、情報の素早い周知に努めるという形にな ると思います。あわせて、その安全性の問題というものが、どういうところに起因して いるのかということについて分析をさせていただいて、そのあと、それに沿った追加的 な措置をとるという形になろうかと思います。 ○寺岡構成員  中止を含めて検討するということでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  おっしゃるとおりでございます。 ○笹子構成員  同じようなお話ですが、まず、重篤な副作用・合併症というのも、規準をはっきり示 してあげないと、どこから報告していいかわからない。たとえば腹腔鏡の手術で申請し ていても、普通の、おなかを開けてやる手術でも起こる合併症だから報告しないでよい とか、生命に危機を及ぼすようなものであれば全部報告するとか、いろいろ決め方はあ ると思います。現在、アメリカのNCIのCTCの有害事象のテキストは、外科系の合 併症の分類もほとんど完備されてきていますので、そういったものを指標に使われるの も、ひとつの手であろうというふうに思います。  それからもう一点は、今のようなものが出てきたときに、通常のPhase2とか臨床試験 をやっているような場合ですと、効果・安全性評価委員会というようなところが全体を キャッチして、さらに必要な場合は判定する--取り消すとか、やめろというようなこと も含めて--ということがあると思いますが、それはどこかにやる部署をつくられて、や っていくということになるわけですか。それとも、この会議の何かがそういうファンク ションをするのか。 ○保険医療企画調査室長  基本的には、そういった問題が起こった場合には、まず、この委員会で審議をいただ いて、その対応を考えていただくという形になろうかと思います。 ○笹子構成員  場合によっては緊急ということがあるということですか。 ○保険医療企画調査室長  おっしゃるとおりでございます。 ○笹子構成員  それから、このような安全性とか実績報告というものに関しては、システムとして は、監査システムを持つべきだろうと思いますが、それはどのようにお考えですか。 ○保険医療企画調査室長  監査システムとおっしゃいますのは、要するにそれが正しいデータであるかというこ とでしょうか。 ○笹子構成員  実際に現地に行って、報告書と合致するかを、もちろん毎年やる必要はありません が、いつ来るかわからないというような形で、年に何施設の、どういう要件のものとい うのを、ランダムに拾って、それを監査する。通常はそういうシステムを持つのではな いかと思うのですが。 ○医療課長  今、この先進医療技術だけのための指導とか監査は考えておりませんが、通常の指導 ・監査のベースで、当たった医療機関がこれをやっていたとすれば、そこは必ずその情 報を指導・監査に行くGメンたちに伝えて、そこはチェックするように言います。した がって、これだけのための指導・監査システムは、当面は考えておりません。 ○越智構成員  先進医療ですので、いろんな、重篤な合併症ということもあり得るということです が、責任体制がどうなるのかというのが、ちょっと気になるんですけれど。たとえば今 の先-5の1ページの上から2つ目の○でしたら、「当該医療技術の中止等の必要な指 示を行うことができる」であって、この組織としての、あるいは厚生労働省としての、 中止を行うんだという強い規定ではない。「ことができる」だけということになります と、それほど強い責任体制でもないのかなあ、と。先進医療という場合に、たとえば新 しい薬などが売り出されたときに、市販後全例調査などをやりながら、経過を追いなが ら、問題点があれば医薬食品局のほうの、たとえば審査管理課のほうで、明確な強い指 示として、このようにしなさいという指示が出たりしていますけれど、それと重ねて考 えたときに、この、「中止等の必要な指示を行うことができる」という表現でいいの か。この先進医療技術が行われて何かが起きたときの、厚生労働省の責任が問われたと き、あるいは委員会の責任が問われたとき、それほど強い責任でもないのかなあという 感じがするんですけれど。 ○猿田座長  今お話があったように、これは書き方の問題かもしれませんけれど、事務局として は、どうでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  「行うことができる」というのは、必要があれば行うということでございます。それ から技術自体の安全性の部分について、第一義的にはそれを実施されている医療機関と いうところになりますが、その情報を把握した場合には、必要な措置はただちに厚生労 働省においてとるという形になると思います。それから、今ご指摘のございました点 で、一般の部分でのご報告もあるわけですが、こちらで言いますと実施可能な医療機関 ごとの要件に基づいた報告という中で、技術に応じては、通常ベースで毎月フォローす るとか、そういった要件も課すことが可能ですので、その他、さらに工夫するような点 等がありましたら、またご意見としていただければ、次回、提出する、次の案の中に盛 り込むような形で検討させていただきたいと考えております。 ○寺岡構成員  今、笹子先生がおっしゃった監査システムのことで、このためだけの監査システムと いうものは考えていないということでしたが、ここでもし事故が起こって、それがその まますり抜けて、2度、3度と事故が繰り返されるということになった場合には、やは り責任の問題が生じてくる。これは厚労省どころか、この委員会の責任が問われること になっていくわけなので、監査システムそのものを特別につくらないまでも、やはりそ ういうものをつくらないのであれば、この委員会がそういった機能をある程度持ってい ないと責任が果たせないことになります。そのあたりも、少し書き込みが必要ではない かという気がしますけれど。 ○猿田座長  今までの、高度先進医療もそうなんですが、やはりいちばん重要なのは安全性の問題 なんですね。ですから、その点はこの委員会としても重要ですが、もうひとつ、やはり 緊急性のことがあるものですから、先ほどの施設の認定のところにありましたように、 当直体制がどうなっているか、緊急体制がどうなっているか、そこのところは非常に、 各施設でも重視してもらわなくてはいけないということなんですけれど、この委員会と して、今、寺岡先生が言われたことをどうするか、そこはどうでしょうか。ここで認定 したとすれば、やはりこの委員会が責任をかぶるところも当然出てくるかもしれません が。 ○吉田座長代理  同じような問題で、DPCができましたよね。それで、医療課だけではできないとい うので、医療課の同じフロアにある指導課でしたか、そこが率先して、今、DPCの調 査に行っていますので、それがやっていいんじゃないでしょうか。そういう、全国に散 らばって、100か200かわからないですけれど、やはりその監査体制というか指導体制は 厚労省にあるわけですよね、それを利用されないと、皆さんが懸念されている、医療事 故みたいなことになったときにどうするのか。この委員会が責任をとるのかといって も、できませんからね。たとえば厚労省の指導課なりに、ある程度預けておくとか、そ ういう方法は可能ですか。 ○医療課長  指導監査室というのは医療課の中にございますので、私どもでハンドルしております が、DPCも、DPCだけの指導監査をやっているわけではなくて、通常の指導監査の 中でDPC病院が当たったときには、それをチェックしているということです。DPC のための指導監査をやっているわけではありません。ただ、今、先生方が言われたよう なことを、もし実現するとすると、これはなかなか、今の段階で盛り込むというのは難 しいと思います。実は今、これを実際にどうやるかというのは、健康保険法を変えない でやりますので、選定療養の中でこれをやります。しかし健康保険法本体を、これも含 めて変えるとなると、その検討ができますので、そこはちょっと検討してみたいと思い ます。それから責任問題ですが、これは厚生労働大臣のお願いした委員会ですので、責 任は厚生労働大臣にありますので、どうぞご安心ください。 ○中島審議官 この題名が先進医療ということで、たしかに新しい技術ではあるんです けれど、この議論そのものは、ご承知のように、昨年末の混合診療の議論からずっと来 ているわけです。そこであった主な主張というのは、欧米で既に実施されているような もので、患者が望むもので、なおかつ日本で保険に入っていないものというのが、どう してできないのか、と。それに対して、保険がどうしてつけられないのかという話から 来ているんですね。ですから、主にイメージされているのは、欧米では既に使われてい るような、それなりの実績があって、それがなぜか日本では入っていないというような ものが、基本的な対象になっているということからすれば、今、ご懸念のようなことと いうのは、まず心配のないケースが多いのではないかというふうに思いますのと、それ から、この先進技術の中でも、100種類と言っていますけれど、それは検査方法から何か ら、いろんなものがあって、いちいちすべて監査に行かなければ危険でとても見ていら れないというようなものではないのではないかというのが2点目です。  それから3点目は、そういった医療行為は、どんなものであれ、最終的には各医療機 関が全責任を持って、基本的にはやっていただく。特別に危険なものについては、行政 的には治験というような仕組みで、その管理体制をきちっとしたうえで、まさに試験と してやっていただくという、これについては行政のほうにも、それなりの責任がある し、その結果、承認した薬剤や機械等については、その範囲内で行政の責任も生じると いうことなので、今回のこの件について、そこまで、この委員会も含めて、責任体制を 議論するといいますか、きちっとしないとできないということでは、必ずしもないので はないかというふうに考えますけれど。 ○北村構成員  今、中島審議官から経緯をお聞きしたわけですが、そうすれば、外国で使われている 薬、あるいは医療機器が、薬事承認がなければならないということになると、最初から 保険診療の活動をすればいいわけで、その経過措置として、先進医療を一時的に使えと いうことになる。その医療機械を用いての先進的な行為が、外国ではできているのにわ が国ではできない、それを広くやらせようということであれば、薬事承認を限定されて しまいますと、また薬にしても、あるいは医療機器を用いた医療にしても、どうなるん でしょうか。人が要求しているもの、求めているものは、外国で広く使われているにも かかわらず日本では治験が行われておらずに、薬事承認も下りていない薬あるいは医療 機器を用いた新しい治療を求めている。それがスタートラインだという原点に戻ると、 そういう規制をかけてしまうと歪みができるのではないでしょうか。 ○医療課長  2つありまして、ひとつはやはり薬事承認を前提とするということです。薬事承認の 外で自由にやってもいいということではないわけです。薬もそうですが、欧米で承認さ れていて、日本で承認されていないものについては治験を促すということを、今、行っ ておりまして、治験が始まれば、お金を取って、いわゆる混合診療でやってもいい、特 定療養費の中で対応する、という仕組みにしております。  それから適応外の話ですが、これは既に、少し緩やかになっていまして、その適応外 の論文が世界中でいくつかあれば、それは従前よりはずっと早く承認できるようになっ ております。それを早く、薬事承認前提の枠組みの中で行うということでございます。 したがって、その承認過程にあるときに、まったく使えないということであれば非常に 不利益を被るということで、この方法を使う。それがひとつです。  それからもうひとつ、薬事承認もOKになったけれど、健康保険の値段表に載ってい ない、だから使えないということもあろうかと思います。2年に1回しか改定がありま せんので。この間は、お金を取って、使ってはどうか、という側面があります。2つの 側面、つまり薬事法の側面と、薬事はクリアしたけれども健康保険で適用になっていな い、ここを使えるようにしてあげようというのと、この2つですが、後者のさらに亜型 で、薬事も通っていて、しかし健康保険は通っていないけれども、その技術が、たとえ ば東京と大阪でしか使えないという場合、そういったものを健康保険に明日から入れる のかと言われると、なかなか難しい面があります。そこで、もう少し普及するまでお金 を取って、健康保険との、いわゆる混合診療でやってはどうかというふうに、いろんな 側面があります。いくつか段階があります。ただ、基本的には薬事法を超えてはしない ということが原則でございます。 ○坪田構成員  北村先生とエコーするような形になりますけれど、これは前回もお聞きしたときに、 麦谷さんは、治験のシステムが非常に整備されたし、非常に楽になったからと言われ て、もちろん、実際に納得したんですが、そのあと帰ってみて、実際に自分で運用する となると、治験というとやはり、すごくいろんな人材を要したり記録システムを要した りと、非常にたいへんで、この先進医療と治験の間には、現実的には、やはり大きなギ ャップがあるのではないかというのが自分の考えです。そうすると、中島審議官がおっ しゃったようなことが本当に目的であるとしたら、やはり北村先生のおっしゃるよう に、何か、今の麦谷さんの答えで全部解決するのかなあ、と。ちょっと、ざっくばらん な疑問なんですけれど。 ○北村構成員  高度先進医療では、そのへんはどうなっているんですか。ちょっと、私も不勉強なん ですが、本来は高度先進医療のほうで、そういうことを考えていただいたらいいわけで すよね。この、普通の先進医療は、今、麦谷課長がおっしゃったように、薬事法承認を 前提としたもので、広く日本の隅々まで行けるようにという形でいいですが、高度先進 医療のほうには、薬事承認というものは、取り払われているようにはなっていないんで しょうか。 ○猿田座長  そこまでは行っていないんです。 ○北村構成員  そうすると、そちらのほうを整備していただいてもいいわけですね。 ○猿田座長  そうなんです。ですから今おっしゃったように、たしかに高度のほうと、それから先 進医療のほうで、そこをしっかりと考えてやっていくことだと思います。 北村構成員  そこを分けていただいて……。 ○猿田座長  そうなんです。もう一回、議論をし直さなくてはいけないところは事実です。 ○飯島構成員  もっと具体的なことでお聞きしたいんですけれど、薬事承認絡みで、たとえば私ども の領域で、多分、皆さんが考えているのは、ある化学薬品を使って皮膚をピーリングす るという技術があります。これは薬事の承認とはまったく関係ない話で、ある化学薬品 を使います。そういう場合の扱いは、ある程度、海外では普通に使われている技術であ る。それは福井先生の領域かもしれませんが、ある程度、EBMがあるというのであれ ば、それはこれに適用することは可能でしょうか。 ○医療課長  院内製剤は、たしか、いいはずです。たとえば院内でつくった試薬とか……。 ○飯島構成員  院内製剤という扱いにすればよろしいんですか。 ○医療課長  院内製剤というか院内でつくった、たとえば診断試薬とか、そういうものは認められ ています。 ○飯島構成員  いいお知恵をありがとうございました。 ○坪田構成員  今、情報として、僕もそうなのかと思ったんですが、これは今の議論と直接関係ない んですが、せっかくここに来させていただいて、この機会に、ここについてはぜひ一生 懸命勉強しようと思うんですが、僕も含めて、この委員の先生方に、これは読んでおい てほしいというものがあればご紹介いただければと思います。僕たちも結構、勉強はし ていますけれど、もし厚労省のほうで、そういう理論を、これは勉強してほしいという ものがあって、いただければ、少なくとも僕は一生懸命勉強して、理論武装をしてここ に臨みたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○永井構成員  ちょっと蒸し返しになるかもしれませんが、やはり未承認の機材の問題で、技術はそ れほど高度でなくても、あの道具があればというものが、結構あると思うんです。それ を治験でと言われた場合に、まさに医師主導型の治験のサポートをどうするかという話 になってきて、そうすると、たとえば有償治験といった特殊な制度もあるようですが、 そういうものを使ってやるということは難しいんでしょうか。 ○医療機器審査管理室長  それは制度上、可能でございます。とくに医師主導試験の関係につきましては、薬事 法のほうの治験の関係ルールを整えまして、今年の4月から、医療材料でも医薬品と同 じようにできるような体制になっております。したがって、医薬品の場合の治験と同じ 仕組みが、この4月から完備した形になっております。 ○田中(憲)構成員  先ほどから、有効性あるいは安全性に関して共通の認識が必要ではないかというご意 見が出たと思いますが、それにたいして事務局のほうは、その方向性について答えてい らっしゃいません。まずこの点について、お聞きしたいのが一点。それから、共通の認 識を持つということであれば、次回の委員会で、資料が出るかどうかということをお聞 きしたいと思っております。 ○猿田座長  どうでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  今、先生方のご助言の中でも、いわゆる活用できそうなクライテリアのお話もありま したので、そういったものを活用させていただきながら、なるべく共通のクライテリア といいましょうか考え方というものが、共有できる部分を広げるような形で、少し、次 回に向けて検討させていただければというふうに考えております。 ○猿田座長  先ほどから出ている安全性の問題をとくにしっかり担保していただきたいと思いま す。 5.その他 ○猿田座長  他にいかがでしょうか。議論すべき大きなところはここまでですが、今までの4つの 大きな項目に関しまして、今日、最後にもう一度議論をしていただいておいて、次で最 終決定ということになるものですから、今、田中先生から宿題としていただいたことは それとして、他に何かあれば、ぜひここへ出していただきたいと思います。 ○寺岡構成員  私もよくわからないんですが、この原案によれば、担当構成員が1人で検討すること になっていますね。実際の仕事量やスピード、それからその後のいろんな議論を考えま すと、それも仕方ないのかなあという気持ちも半分ぐらいはするんですが、1人で検討 ということでいいのかなあという気がするんですが。そのあたりも、考えられた末のこ とだと思うんですけれど、ご意見をお願いいたします。 ○保険医療企画調査室長  まずは構成員の一人ひとりの先生方が、それぞれ責任を持ってやっていただくという 形で進めていただければ、と。ただ、前に医療課長のほうからもご説明いたしました が、実際、責任はそういう形で進めていただきますけれど、具体的にどういう方にコン サルテーションをしてとか、そういう部分についてはいろんな自由度があるということ ですので、まずはこの形で、やはり機関がいろいろ限られているということと、それぞ れ主体的に関わっていただかなくては、多分、時間とかいろんな問題があると思います ので、おっしゃることはまったくごもっともで、そのとおりなんですけれど、事務局と しては、まず走り出しにあたりましては、この原案のような形でさせていただければと いうふうに考えております。 ○猿田座長  今お話がありましたように、やはり、かなり専門的になって、先生方の負担が大きく なるものですから、各先生がいろんな方と相談していただかないと非常に厳しい。ここ で議論しようと思っても、本当に、それぞれの細かい領域になると、なかなか全体とし ての議論というのは難しいものですから、そのあたりは、また、やりながら考えていか なくてはいけないだろうと思います。 ○坪田構成員  寺岡先生の質問と似ているんですが、そうすると、坪田が自分で出したものを自分で 見るということになるんですか。何かちょっと、システム的にまずいのではないかとい う気もしますが。 ○保険医療企画調査室長  そこはおっしゃるとおりで、申請のあったところからの評価は、ご自身はできないと いう形になります。 ○坪田構成員  そうすると、その科は、たとえば眼科領域は1人しかいませんので、耳鼻科の先生が 見てくれるとか……。 ○医療課長  お答えします。これはもうちょっとフレキシブルに考えていただいて、たとえば坪田 先生が慶應大学ということで申請された場合は、それは、われわれもわかりますので、 坪田先生ご自身に、これは他の眼科の先生に投げますということで、どなたがよろしい でしょうかということをお聞きします。そうしたら、たとえば杏林大学の先生とか、そ ういうふうに言っていただければ、そのときは、その方に臨時に来ていただくというよ うなことを考えております。先生方はお一人ですが、要するに窓口として、ウィンドウ ズ2005という感じで考えていただけばよろしいかと思っています。 ○飯島構成員  今の臨時ということで、ふと思ったんですが、実はこの中で、たとえば中央部門を見 ると中央検査部のところは渡邊先生がおられます、それから放射線は田中先生がおられ ますというんですが、中央検査部門で病理という部門がないんですね。これは実はDP Cのときに病理を忘れて、多分、先生方から不評を買ったのではないかと思うんですけ れど、病理というのはよろしいんでしょうか。福井先生には今回、医療経済で入ってい ただきましたけれど、病理というのを忘れていると、また何かうらみを買いそうな気も するんですが、そのへんは、また臨時でやるんでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  今後の検討課題ということで、まずはこの枠組みの中でさせていただいて、どういっ たものが具体的に出てくるのかというところもわかりませんので、そこのところはそう いう中で、こういうシステムが円滑にまわるような形で、また考えさせていただくとい うことでよろしくお願いいたします。 ○田中(良)構成員  ついでに教えてほしいんですけれど、治療ではなくて検査だけでも先進医療に該当す ればよろしいんですね。 ○保険医療企画調査室長  はい、大丈夫です。 ○田中(良)構成員  たとえば画像診断なども非常に進んできましたけれど、そういう新しいガイド下でロ ボット的にバイオプシーをするといったところもあるんですが、もちろんよろしいんで すね。そうすると治療効果ではなくて、検査そのものの安全性とか有効性で……。 ○保険医療企画調査室長  はい。 ○田中(良)構成員  わかりました。 ○越智構成員  先ほどの坪田先生のご質問に関連するんですけれど、実際、先-2の1ページ、2ペ ージを見たときに、この前のときのディスカッションのご説明でも出てきましたけれ ど、結局、この会議のメンバーは窓口であって、そして非常に専門的なことに関して は、それぞれ検討部会といいますか、そういうものをつくって検討してここへ出してく るということで、さっき麦谷課長がおっしゃいましたけれど、たとえば坪田先生のとこ ろから出れば他の施設の眼科の同領域の先生に聞けばいいというような問題では多分な くて、同領域の先生方がやっておられることが、ここの審議にあがってきますから、そ してまた検討部会そのものが、やはりその人たちが検討するということになりますか ら、やはり基本的には自分たちがやっていることをここに出して、そして自分たちが審 議するんですかという部分は否めないと思うんですけれど。ですから、全然、その人た ちをはずした形での検討を3週間でやるということは、実際上、難しいのではないかと 思っています。非常に現実的に、このタイムスケジュールでやろうと思ったときに、た とえば脊椎の内視鏡ということで高度先進医療に出ていた、これはどうなのかというと きに、やはり脊椎関係の先生方に集まっていただいて、検討して、いろんなメリット、 デメリット、いわゆる有害事象などを調べて前に進めていただくということで、出して きたときに、やはり自分たちのやっていることを自分たちが評価するのかなあという、 坪田先生の先ほどのご質問というのは、仕方がなくて容認しなければならないのではな いか、と。 ○医療課長  今、越智先生が言われたのは、ちょっと抽象的だったので、たとえば脊椎の何か新し い技術が来て、越智先生に振られますよね。それがたとえば慶應大学から出た場合、越 智先生が脊椎のことで人を集合させると、当然、戸山教授も入っていると、こういうこ とですか。 ○越智構成員  そういうことです。 ○医療課長  なるほど。そこはあえて、これは慶應大学だからということで、戸山先生にはご遠慮 いただくということになろうかと思います。ですから現実的でないかもしれませんが、 1人しかいないということも、なかなかないでしょうから。 ○越智構成員  それと、たとえば今のご質問の件でしたら、戸山教授だけではなく、他の方もやって おられる、と。たまたま申請の書類は戸山教授から出てきているんですけれど、そのグ ループの方々がやっておられる。現実期にそうですので、ですから戸山教授を除いて も、実際は、やっておられる方が審議することになるのではないかという、坪田先生の 問題提起だと思うんです。 ○猿田座長  今のような場合、高度先進医療で今、同じようなことの評価をしています。だから場 合によっては、そういうメンバーの方々もよく検討させていただいて、やはり公平にや らなくてはいけないと思いますし、それから本当に医療技術がわかっているところでな くてはいけない、そこはまた、あともう一回ありますので、そこまでにどういうふうに するかということを、これは非常に大切な問題ですので検討させていただければと思い ます。 ○笹子構成員  今のこととも関連しますけれど、やはり先ほどの、内容によって、安全性まであまり 問題にならないものと、それから今の脊椎といったことですと、何かあったらたいへん な安全性の問題が起こる。そういうものを、ある程度、カテゴリー分けをして、そうい うものに関しては何例ぐらいのデータがないとだめとか、書類を出すほうがわかる内容 を、今度までに、ぜひ、規準をつくっていただきたいと思います。 ○猿田座長  他にいかがでしょうか。 ○吉田座長代理  ずっと聞いていまして、先-2の資料で、やはり社会保険事務局というのは非常に動 きが遅いというのを、われわれは身に染みて感じています。これは、法的にここを通さ なくてはだめなんですか。というのは、10週間ですよね。直接、厚労省に届け出るとい う形は無理なんですか。あそこは非常に遅いんです。 ○保険医療企画調査室長  全体を考えますと、基本的に技術が認められた場合、今度、既存技術になった場合の 届出の問題等々、いろいろございますので、様々なご懸念もあろうかと思いますすが、 やはり全体のシステムとしてうまくまわすためには関与していただく必要があります。 書類の審査とか、そういう部分については、うまくわれわれのほうで連携して、実際の 審査プロセスのときに、先生方にご迷惑がかからないように、つまり受理をした段階で は、基本的に書類がそろっているという形を担保するような形をつくりながらやってい かざるを得ないというふうに考えています。  それから、現時点では郵送期間等々で、若干、時間をとられるような形になっていま すが、こちらにつきましても、なるべく迅速にできるようなことを、今後に向けては考 えておりますので、そういった中で、少しでも先生方のご負担が少なくなるような形 を、事務局として考えているということでございます。 ○吉田座長  具体的には判子をポンと押してこっちへ来るというぐらいにしないと、あそこは非常 に渋滞するんですよね。たしかに社会保険事務局が知らなければ困るということはわか りますけれど、ある程度、最初の出口は、判子を押すだけですぐに厚労省に来るという 形をとっておかないと、そこでたとえば誤記の修正などをやっていると、もう、ごちゃ ごちゃしてしまって、そこだけで何か月もかかってしまう。そういうことを考えていた だければいいと思いますけれど。 ○飯島構成員  そこで今のところの、社会保険事務局での判子の日ではないということを、よく念を 押しておかなくてはいけない。吉田教授の指摘どおりで、社会保険事務局というのは、 過日、イベルメクチンという薬の特定領域の扱いのときに、本省から指示が来ないとい う、そればっかりで、いかに対応がまずかったかというのを、身に染みて感じましたの で、よろしくご指導のほどお願いしたいと思います。 ○猿田座長  最後に、今後の予定についてお願いします。 ○保険医療企画調査室長  お手元の資料の先-6をご覧ください。本日、6月2日が第2回目の会議ということ で、次回、6月23日に第3回の会議を予定しております。本日いろいろいただいたご意 見につきましては、それを踏まえた形で事務局のほうで書類を整備してリバイスをし、 この場に臨みたいというふうに考えております。その後、6月の下旬に先進医療に係る 届出書の提出方法等について、合意を得たものを公表し、7月から届出の受付開始とい うスケジュールです。以上、前回ご説明したとおりでございます。 ○猿田座長  どうもありがとうございました。他にいかがでしょうか。次が最後の3回目というこ とで、今お話にありました6月23日までに、今日出ました議論をまとめていただきまし て、できるだけ今までの議論のところで、まとめられるところはまとめて、しっかりし た形でお示ししたいということでございます。 ○福井構成員  6月23日は私はおそらく出席できませんので、一言だけ。科学的評価という言葉の意 味の大部分は数値化して評価するということですので、届出の申請書で、その数値が明 瞭に表れるような形にしていただきたいと思います。それから今までのご議論を聞いて いて、だんだん不安になってきましたのは、私が医療経済で、これはすべての申請書に 関わるんでしょうか。 ○保険医療企画調査室長  そういうことではございません。 ○猿田座長  それから、6月23日は予定のある方がいらっしゃると思いますけれど、書類を、こち らでまとまったものとして出させていただいて、それに対するコメントをいただいて、 ここで議論させていただくということを、当然考えておりますので、その点もよろしく お願いいたします。事務局のほうも、そういう点でよろしくお願いしたいと思います。 それでは時間になりましたので、これで第2回目の先進医療専門家会議を終わらせてい ただきます。どうもご協力ありがとうございました。                                    (終了)         【照会先】          厚生労働省保険局医療課医療係          代表 03−5253−1111(内線3276)