05/05/17 第2回リウマチ対策検討会の議事録について             第2回リウマチ対策検討会 議事録                日時:平成17年5月17日(火) 13:02 〜 15:06                場所:経済産業省別館825会議室(8階) ○事務局  それでは定刻となりましたので、ただいまから第2回リウマチ対策検討会を開会いた します。委員の皆様方にはお忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうご ざいます。  本日の会議の出席状況でございますけれども、岡谷恵子委員と橋本信也委員の2名が 御都合により欠席されていることから、6名の委員に御出席いただいていることを御報 告申し上げます。  それでは以降の進行を越智座長にお願いいたします。 ○越智座長  それでは前回に引き続きまして座長をさせていただきます。どうぞよろしくお願いい たします。  それでは議事に入ります前に、事務局より配付資料の御確認をお願いいたします。 ○事務局  それでは資料の確認をいたします。まず最初に座席表、議事次第、配付資料一覧、委 員名簿がございまして、  資料1 リウマチ対策論点整理(案)が6枚、  資料2 リウマチ対策研究の基本的方向性(案)が1枚、  参考1 リウマチ医療提供の現状についてが1枚、  参考2 リウマチに関する正しい情報の普及が3枚、  参考3 各都道府県におけるリウマチ施策についてが2枚、  参考4 「今後のリウマチ対策について」(中間報告)、(3月7日リウマチ・アレ ルギー対策委員会越智委員提出資料)、これらが表紙もあわせて18枚でございます。  山本委員提出資料 わが国のリウマチ診療が世界のレベルに比較して低い点について が1枚、  宮坂委員提出資料 リウマチ治療において世界水準と比して診療レベルが低いという 理由が2枚、  戸山委員提出資料 厚労省RA対策検討会が1枚、  西岡委員提出資料 日本におけるリウマチ診療が1枚、  山中委員提出資料 青森県におけるリウマチ対策の現状と課題が4枚でございます。  皆様に配付した資料に漏れ等はございませんでしょうか。ないようでしたら以上で資 料の確認を終了いたします。 ○越智座長  どうもありがとうございました。それでは議事に入らせていただきます。まず第1議 案でございますが、リウマチ対策の論点整理についてでございます。前回のまとめで、 今の資料1ですね、前回のまとめがございます。まずこれからごらんいただきたいと思 います。  第一から第三、これが前回ディスカッションしていただきましたものを後から御意見 いただきましたものなどをまとめまして、そしてそれ以前にも疾病対策課の方でいろい ろなディスカッションを持ち込まれたりすることをあわせましてまとめられておりま す。  資料1で見てみますと、一番のリウマチ対策の基本的方向性、対応(案)、アンダー ラインがずっと続いておりまして、重要ですのでさっと流させていただきます。  対応一の基本的方向性としては、2010年を目標に重症化防止策を確立する。その後リ ウマチに係る予防及び根治的治療法の確立を目指す。  第二番でございますが、より戦略的に研究開発を実施するためには、研究企画・実施 ・評価体制の構築として、適切な研究評価と効果的なフィードバックが重要。有効な治 療法確立のための情報収集体制構築の検討、データ収集の範囲をどう考えるか(薬物に 限定するのか)。それから、患者実態把握を行うための定点観測態勢の整備、どのよう な医療機関を設定するのか。  次、二番目の、今後重点化すべき研究分野としましては、関節リウマチ重症化防止の ための治療プログラムの確立を最優先の目標とする。早期診断法の確立。薬物治療法の 確立(免疫制御・骨破壊制御・軟骨破壊制御)。機能再建法の確立。それから、関節リ ウマチの克服(リウマチゼロ)をその次の優先目標とする。発症危険因子を特定する手 法の開発及び予防法の開発(病因解明)。根治的治療法の開発(免疫システム・病態解 明)。それから関節リウマチ関連疾患の研究。  第三、医薬品の開発促進に関しましては、市販後医薬品の効能等評価を効果的に活用 するよう、企業と連携し研究を促進する。そのようなふうにまとめられるかと思いま す。  前回のまとめに関しまして、御意見ございますでしょうか。重要なことが抜けている ということがございましたら、また御指摘いただければと思います。  それでは本日は引き続きまして、この資料1にありますような第四、医療提供体制の 整備、第五、患者QOLの向上と自立等、第六、情報提供・相談体制、関係機関との連 携などということでございます。  前回の議論の中で、特にこれは関山課長から御質問があったわけでございますが、こ の前山本委員から今の日本のリウマチ医療が国際的には低いレベルにあるよという御指 摘をいただきまして、前回のディスカッションの中で関山課長がちょっとそのあたりを 説明していただきたいという発言を出されたまま、一応宿題という形で前回終了いたし ました。これに関しまして、山本委員、宮坂委員、戸山委員、西岡委員から資料が送ら れております。  まず、山本委員から提出資料について御説明いただきます。お一人約5分ほどで御説 明を。 ○山本委員  では「山本委員提出資料」というのを見ていただきたいと思います。最初の1と2は 薬の薬用量についてでございますが、メトトレキサートが関節リウマチで認可されたの が欧米と比べて非常に遅れている、12年遅れているということです。現在はメトトレキ サートというのが関節リウマチの基本的なスタンダードになっているにもかかわらず他 の抗リウマチ薬が効かない例ということがただし書きがついているということを含め て、我が国では使用が非常に制限される、それから量が8mgという、世界のスタンダー ドから見てかなり少ない量ということ、それからスルファサラゾピリジンについても同 じことです。、これについては本委員会のメインテーマとは違うかもしれないので、話 題提供ということで、一応こういう現状がある、患者さんにとっては十分な薬の量が認 可されていないということを認識していただきたいと思います。  一方、我が国でも抗リウマチ薬、いくつか企業の方たちが努力して開発されているの ですが、中にはいい薬もあるのですが、ところが日本人の特有なのかもしれませんが、 認可されるときまではがんばって、その後きちんとしたクリニカルスタディをしていな い。ですから、今昨今言われているエビデンスですね、こういう薬をこういう状態で使 ったら患者さんにこういうふうに効くのだと、こういう薬との組み合わせが重要だとい うことのスタディがその後全くなされていないので、効くという現象はあるのですが、 それがどう効くのかというデータがない。それが世界に出ていかないので、世界でも認 可されない。そうすると、世界で認可されないと世界の治療と日本の治療、患者さんが 違う治療を受けているという、極端に言うとそういう状態になっているということで す。  4番目でございますが、すべてのリウマチの患者さんではないにしても、欧米ではあ る一定の重症の患者さんだと3割、4割と言われていますが、日本人では今後、リウマ チの患者さんの10%前後の患者さんがいわゆる生物学的製剤の治療を受けていくだろう というふうに言われています。  世界的には新しい生物学的製剤が認可され、早期の患者さんにいかに使っていくかが 重要であるというふうに言われているこの時期に、我が国では残念ながらTNFの治療 法が2種類だけ認可されているわけですが、TNFだけですべての病気が治るわけでは ない。抗インターロイキン12、15、18とか、細かい名前は言いませんが、たくさんの薬 が今欧米で開発中であって、今リウマチの領域だけでなくても、アメリカのFDAで認 可されているモノクローナル抗体と言われている生物学的製剤は20種類以上であるとい うことなのですが、我が国ではたかだか数種類なのです。  これは、何でも認可されたらすぐに日本に輸入しろということは決してないと思いま す。慎重であるべきなのですが、あまりにも慎重過ぎると、10年後にいい薬が日本に入 っても遅すぎるわけです。現在の患者さんは毎年毎年骨が破壊されていくわけです、そ れをいかに阻止するか重要なのですが、10年後の患者さんにはいいかもしれないけれど も、今罹患されている患者さんはそれをストップすることができないという現実がある ので、これはがんと似ているわけです。ですから、慎重は必要だけど、あまりにも慎重 過ぎると、今罹患されている患者さんにとっては全く利益がないということになりま す。リウマチはがんに似ているとも言われているのですが、それを含めてディスカッシ ョンをお願いしたいと思います。  それから、滑膜の増殖を見るためのMRI、磁気共鳴の画像が非常に有効である。そ れから、患者さんの血液を採って抗CCP抗体というシトルリン化蛋白抗体を測ること が非常に有益であるということは学会のレベルでは誰も認めているのですが、それが検 査としての許可に持ち込むとなると、検査会社がそれを一生懸命開発してそれを申請し なければいけない。そうすると、早期に診断できる可能性がまた数年延びてしまうので すね。そのへんが大きな問題で、もし学会のレベルでこの検査は重要だということがわ かったならば、最初は混合診療でもいいのですが、すぐに臨床の場で、学会の責任でそ れを提唱して実施できるような体制ができたらいいかなというふうに思います。  そこのところでございます。以上です。 ○越智座長  ありがとうございました。先にまず御意見いただきまして、それから相互討論という ことかと思いますので、引き続きまして宮坂委員からも資料を提出いただいております ので、よろしくお願いいたします。 ○宮坂委員  宮坂です。順番に従ってお話をします。  まず1番ですけれども、ここで言いたいことは、日本のリウマチ専門医、いわゆるリ ューマトロジストのクオリティの問題です。どういうことかといいますと、昨今我が国 にもようやく生物学的製剤、とりあえず1種類、インフリキシマブが導入されたわけで すが、我々は日本の特有の事情、例えば結核が多いということを考えて、ガイドライン を我々は作りました。しかし結果として見てみると、今このインフリキシマブというと 約5,000例、6,000例に近い数が使われたわけですが、やはりそれでもガイドラインを遵 守できずに結核がほかの国よりも多発している。  特にその理由を調べてみると、ガイドラインで決めているツベルクリン反応の実施で あるとか、胸部エックス線写真の専門家に読んでもらう、そういうことをきちんと遵守 されていないために結核が発症してしまった。本来こういう人たちにきちんとツベルク リン反応や胸の写真を読んで、抗結核薬の予防内服さえしていればこういったものは発 症しないのですが、日本の場合には残念ながらそうではない。  これと比較できるのがスペインで、スペインでは同じ問題が起きたのですけれども、 スペインのリウマチ学会で主要ガイドラインを制定した翌年には、もうリウマチは激減 して確か1人しか出なかったのです。ですから、同じことが日本の方が後で始めたにも かかわらず同じことができない。というのは、ガイドラインはいいものができていて も、それを守る側に十分な守ろうとする気がないのか、クオリティの問題なのかわかり ませんけれども、後からも関係しますけれども、そういったリウマチを見る人のクオリ ティコントロールという点でまた日本の場合には問題があるというのが第1点です。  第2点は、生物学的製剤や抗リウマチ薬の安全性調査、あるいはデータベースに関わ る件です。昨今例えば抗リウマチ薬ではメトトレキサートが死亡例がたくさんあるとい うことがセンセーショナルに新聞で報道されて、それが本当に欧米に比較して多いのか どうかということも問題になったのですが、その答えがない。その最大の理由は、日本 の場合には、こういった薬の有害事象をフォローする、ポストマーケティングのサーベ イランスのシステムが存在しないのです。  今までのPMSというのは皆製薬会社に任せてあって、自発報告なのです。幸いにし て生物学的製剤は今全例報告があるので少しいいのですけれども、ただこれとても、最 初の3,000例なり5,000例の6ヶ月間の調査が終わればあとはもうフォローしないので す。また自発報告に戻ってしまう。しかし、例えば生物学的製剤で今後問題になってく るのは、悪性リンパ腫が出るか出ないかというような問題で、それはもう5年以上のデ ータベースを取らないとわからないわけですけれども、日本ではこれを例えば国の施策 としてリウマチの患者のデータベースを取ろうというような方向は今のところありませ ん。欧米は、少なくとも生物学的製剤に関してはアメリカ、イギリス、ドイツ、スカン ジナビア三国、どこを取っても国としてやっているのです。ですから、こういう点で も、やはり日本は残念ながら遅れていると言わざるを得ない。  我々は今、ここにも書いておきましたけれども、厚労省の班の仕事として「REAL 研究」をやっていますけれども、これだって最初の3年が終われば後はなくなってしま うわけですから、それをちゃんときちんとサポートして続けるようなシステムがない と、せっかくのデータベースが生き腐れになってしまうという問題があります。  それから3番目、これはリウマチ医のクオリティコントロールと同じですけれども、 診療科としてリウマチ科を標榜するのは全く自由で、リウマチ専門医の資格を持ってい ることは求められていない。ですから、開業医の先生がリウマチ医というのは勝手であ って、そこにその先生がどういうことかもわからないまま、リウマチの患者さんが行っ てしまうということはよくあるわけです。  しかも専門医の資格が、ここに書き漏らしましたけれども、日本の場合には少なくと も3つあるわけですね。1つは日本リウマチ学会の専門医、これが一番中心的なものだ ろうと思いますけれども、そのほかに日本整形外科学会の認定リウマチ医です。今言っ たリウマチ学会と日本整形外科学会、これは試験制度で成り立っているきちんとしたシ ステムです。  もう1つあるのが、日本リウマチ財団のリウマチ登録医です。これは一番最後のとこ ろに「注:日本リウマチ財団登録医の資格」というのを書いておきましたので後でごら んいただければわかりますけれども、これは資格試験ではないわけです。一定の症例数 を申請して、それで認可されれば登録医になれる。ということで、例えばリウマチ学会 の専門医であれば、日本内科学会、あるいは整形外科学会の認定医を取った上でこの日 本リウマチ学会の専門医を取る、二階建て方式をやっているわけですけれども、登録医 は決してそうではない。ある意味では自己申告で一定の症例を経験すれば取れる。  こういうシステムというのは、そもそも日本がリウマチが遅れているときにリウマチ に関する知識を普及、啓発する意味では非常に意味があったと思うのですけれども、今 ここまで来ると、こういうダブルスタンダードなりトリプルスタンダードを持っている 国というのはもうないわけです。ですから、やはりこのシステムについては、できるだ けこれから統一していくようなことをしないと、やはり世界から笑われることになるだ ろうというふうに思います。  4番目。これは先ほど山本先生が言われたことと関係しますが、メトトレキサートは 添付文書上、御存知だと思いますけれども、第一選択薬剤として使ってはいけないので す。しかし欧米は、第一選択薬剤として使っていいわけです。それはアメリカリウマチ 学会のガイドラインに書いてある。それを我が国ではメトトレキサートの有害事象のこ とを恐れたために第一選択としなかったという事情があるのですけれども、現実には世 の中では第一選択として使っている専門医がたくさんいるわけです。しかし、これは添 付文書ですから、添付文書にもし沿わなくて訴えられると実は医事係争に入るわけです ね。ガイドラインの場合には、それに従わなくても、せいぜい行っても民事まで行くか 行かないかですけれども、こういう添付文書ですから、やはりこういったことを現実に 合わせるようなことをしないといけないだろうと思います。  5番目は、先ほど山本先生が言われたことなのですけれども、何かやはりリウマトレ ックスでも、山本先生は上限の話をされましたけれども、リウマトレックスで有効投与 量というのは少なくとも6ミリとか8ミリのことが圧倒的に多いわけですけれども、リ ウマチ専門医の中でも調べてみると、内科系の専門医と、整形外科系の専門医が使うリ ウマトレックスの使用量は違うのですね。これは数年前に川合先生がやったデータでこ こに書いてありますけれども、こういったことも少なくともリウマチ専門医のヘテロジ ェネリティを示すものであろうと。もっと本当はホモジーニアスにグローバルスタンダ ードに沿った治療をしなければいけないだろうというふうに思います。  6番目は先ほど山本先生が言いました、具体的な商品名、これから出てくるものを書 いてあるわけですけれども、欧米はもう現実的にリウマチに使用できる生物学的製剤が 5種類、6種類もうすぐに出てくる状態です。日本は2番目のエタネルセプトがこの4 月からようやくと認可をされましたけれども、実際には手続き上ほとんどの医療機関は 5月ないし6月ですね。ですけれども、アメリカで認可されたのは7年前ですから、あ る意味では患者さんにとって逆差別で、アメリカにいる人たちは関節破壊は免れるけれ ども、日本にいる人たちは7年経ってようやくこれが使えるようになったということで すから、これはやはり患者さんにとっては非常に不利な話だろうというふうに思いま す。7番も同じです。  以上です。 ○越智座長  ありがとうございました。名前の順番で言いましたら戸山先生になっておりますが、 薬ということでまとめて西岡先生にも薬についての御説明がございますので、薬でまと めて次は西岡先生に御説明いただきまして、それから戸山先生に少し薬以外のことに入 ってもらうということで、順番を変えさせていただきます。西岡先生よろしくお願いし ます。 ○西岡委員  今、山本、宮坂両委員が述べられた事についてですが、要するに日本のリウマチの診 療自体が世界的水準に達していないというのはかなりかたよった見解でしょう。つまり 世界的水準というのをどこに置いているか僕はよくわからないのだけれども、欧米と比 較してトータル的に見れば日本リウマチ診療は決して劣っているわけではないと思いま す。つまりグローバルスタンダードのレベルも何を持って言っているのかよくわからな い。  日本のリウマチ医療が一定のレベルに達していないということはとんでもない見解 で、やはり日本のリウマチ医療が水準にくるまでには体系とは、過去歴史上いろいろな 変遷を経ているわけです。厚生労働省が15年以上も継続的にリウマチの調査研究を推進 しています。その成果は確実に診療体系の整備にも反映されています。先ほどサルファ サラジンの問題でも、僕は治験責任者を担当したのですけれども、1日の投与量が2グラ ムの群になると、肝障害などの副作用が多発しました。それで1グラムという量を設定 したわけです。メトトレキサートの量でもそうですけれども、やはり多くの専門医は安 全性に重点置いて、かなり慎重にいろいろ工夫していると思うのです。  ですから、そういうことで、安全性という有効性のバランスが非常にうまくとれてい ます。私は日本の今のリウマチ治療の体系というのは、確かに生物学的製剤をはじめ許 認可は遅れていますけれども、その遅れた分だけのメリットというのはある意味ではあ ります。というのは、欧米での苦い経験というのがいくつか生かされています。それか ら今、宮坂委員が作成した生物学的製剤(レミケード)のガイドラインと称しているも のは、日本リウマチ学会から批判が生じ当時の理事会で我々はその時に大変苦労しまし た。大問題になったことをご存知のはずです。つまりレミケードの治療ガイドラインと して妥当であるか発表方法などの手順についてとくに、充分な検証もないまま突然論文 の形で発表したことが学会で大きな問題となったことの重要性がよくわかっていないの ですか。あれを「ガイドライン」と称してその通りにやれてないからということはとん でもない話で、これはガイドラインとして不適切であるから取り消すべきであるという 意見が出たことは知っているはずです。こういう委員会の場を借りて自己弁護している にしかすぎない。宮坂委員の発言は極めて不適切でガイドラインに関する発言内容の取 り消しを要求します。  一方リウマチ治療のシステム、それからリウマチ医療のネットワークの構築ですね、 これは先ほど登録医の話が出ましたけれども、登録医とリウマチの専門医とそれから日 本整形学会のリウマチ認定医、この3つのそれぞれがやはりそれぞれの機能や、地域な どそれぞれでリウマチの診療に充分機能していると思いますし、日本リウマチ財団の CMEプログラムというのは、これは世界にこんな長期的なしかもきめ細かいことをやっ ているところはどこにもないです。  だから、行政のレベルから見たリウマチ性疾患に対するレベルというのはグローバル スタンダードから見て日本のリウマチ治療が遅れているなんていうことを、評論家みた いに言ってもらっては困る。確かに遅れている部分はありますよ。例えば、生物学的製 剤の許認可が遅いとか、臨床研究が十分機能していないとか。特に臨床研究の拙劣な状 況は我々リウマチ専門医の努力不足です。つまり遅れている部分というのは、1つのリ ウマチ診療という大きな流れの中での一部です。  例えば、人工関節などの外科治療、そういうものは日本は非常に僕は進歩していると 思います。ある部分が非常に遅れているからと言って全体が、リウマチ診療の全体のレ ベルがグローバルスタンダードから見てものすごく低いなんてことを結論づけるのは、 宮坂委員、先生も含めてこれまでリウマチ対策にかかわっているわけですから、自分た ちの努力不足をまず自己批判すべきです。行政側の問題を一方的に批判し、それで日本 のリウマチ医療全体が遅れているなんて言うことは不適切です。 ○山本委員  各論もディスカッションを含めているので。それの言い方はちょっと。 ○越智座長  まあちょっと先に発言していただいて。 ○西岡委員  もし遅れているというならばどの部分が遅れているのかを具体的に提起し、そのため にはどうあるべきか、を問うべきだろうと考えます。 ○越智座長  ありがとうございました。  今薬の臨床現場での問題だとか開発につきましての、やや趣を異にした御説明をいた だきました。これに関しましての御説明を先に進めていただきして、それから御意見を 交わすということにさせていただきます。  引き続きまして戸山委員からお願いいたします。 ○戸山委員  私は大きく3つぐらい述べさせていただきたいと思います。  まず1つは、順番はちょっとあれですけれども、前回のこの委員会でも出ましたRA の早期発見というふうなものの具体的プログラムの構築と、実施計画案を早急に作成す るということが1つでございます。  それから2つ目、これは皆さんお話ありましたように、リウマチの基礎研究というの はやはり世界水準ないしそれ以上というふうに思います。それが日本初の創薬に行くと いうふうなことになりますと、やはり行政と企業と大学研究施設というふうなものがよ り一体となって、また行政が主にそれをバックアップするシステム作りをより強力に作 る必要があるのではないかなというふうに思います。いずれIL−6というふうなもの が出てくるかと思いますけれども、それをもう一度見てどういうふうなものにそれを変 えていくかというふうなものも検証する必要があるかなというふうに思います。  それから山本委員がお話がありましたように、世界で出ている新薬の導入がやはり遅 いということと、日本初でのということになりますと、やはり国民での治験というふう なものが諸外国に比べていろいろな問題でやはり難しいというふうに考えますと、齧歯 類から霊長類までを含めた、国が治験用の何か施設を構築するのも私は非常にすばらし いことではないかなというふうに考えます。  それから、3つ目でありますけれども、これはやはり現時点で70万人ぐらいいらっし ゃるというリウマチ患者さんをより詳細に、どの程度QOL、ADLが障害されている そのランクづけでどのくらいの数の患者さんがいらっしゃるかというのを早々に検討す る必要があるかなと。それはなぜかと言いますと、今後ますます生物製剤ができて、そ れがどの程度効果があってというふうなものの評価の非常にいいものになるのではない かなというふうに思います。当然これが効いてくれば人工関節は減ってくると思います し、それは非常にいいことだと思うので、これをやると。  そしてそのランクづけに従って、現在必要とされるリウマチ専門医が、場合によって は自ずから、このぐらいの人がこのくらいのレベルの人が必要になってくるという数が ある程度出てくる可能性がある。それによって、育成と診療システムというふうなもの の再構築に迎えるのではないかなというふうに、以上3つ考えております。 ○越智座長  ありがとうございました。治療あるいは治療薬の研究などについての御意見というこ とでございましたが、もう1人現状に関しましての御意見をいただいております。これ は特に青森県におけるということで、ある程度現場ではどうかということでございます が、きょうの審議の内容といたしましては、また今までの御発表と少し違いますけれど も重要項目ですので、先に御報告いただきましてそれから本題に入らせていただきたい と思います。  青森県健康福祉部の山中先生お願いします。 ○山中委員  それでは青森県という狭い地域でありますけれども、そこで行っているリウマチ対策 の現状と課題についてお話しいたしますけれども、これまで各委員の先生方からお話が あったことも、現場ではこんな状況なのですよというふうなことでお話しさせていただ きたいと思います。  まず1点目、現状ですけれども、関節リウマチ患者さんについての疫学的な調査とい うのは、先ほど来何度かお話がありますように、実際にはその把握が十分できておりま せん。特定疾患、あるいは小児特定疾患という中では、悪性関節リウマチあるいはSL E等のリウマチ性の疾患の数、あるいは小児特定では若年性の関節リウマチという数に ついてはわかりますけれども、関節リウマチ全体の重症度、あるいはどういった年齢層 にどういった患者さんたちがいるのかという実態の把握はできていないという状況で す。  それから、医療提供体制については、これは私ども県の方で昨年度作成いたしました 保健医療計画によりますと、これは各医療機関、県内医療機関108病院、それから診療 所が900近くありますけれども、そこにアンケート調査といった形で、どういった医療 提供ができているかという調査を医療機能調査ということで行っております。  それによりますと、まず病院において、これは108病院中103の病院が回答していただ いたということですけれども、リウマチ専門医療を行う病院というのは1割ちょっとし かございません。それから一般的な医療を完結できる医療圏、二次医療圏というふうに 私ども行政のところでは言っておりますけれども、専門医療は提供できない地域もある ということ。それから、人工関節置換術につきましては、これはこういった必要性がな いにこしたことはないのでしょうけれども、特に指だとか大変レベルが高度な医療にな るに従いまして、提供できる病院が非常に少なくなっているという、そういう状況で す。  それから、特殊・専門外来としてリウマチをやっているかというふうな質問について は、病院では1割ちょっと、それから診療所については七、八%になりますけれども、 やっておりますということです。  ただし、次のマンパワーのところを見ていただきますと、リウマチ学会で先ほど何回 かお話がありますけれども、リウマチの専門医が13名、指導医が3名。財団による登録 医の所在する医療機関が病院、診療所あわせて15ということを考えますと、必ずしも専 門医、指導医、あるいはそういった方々がいる医療機関がリウマチ専門ですよというふ うに標榜しているわけではなさそうだということが、こういったデータでおわかりにな るかと思います。  それから、県としての対策でありますけれども、まずリウマチにつきましては難病対 策の一環として位置づけております。これは、青森県に限らず全国的にはそういった位 置づけでありますし、今回の資料にもございますように、各都道府県でどんな対策を講 じているかというのが資料の3にございますけれども、見ていただきますと、青森だけ が遅れているわけではございませんで、例えば医療計画にこういったリウマチ対策を載 せているかという質問に対しては、御回答いただいたすべての都道府県において医療計 画が載せていないというふうなことがございます。ただ、難病対策という形での対応は しておりますが、その際においても、国でやっております医療費の公費負担ですとか、 あるいは相談事業、患者会の育成とか、難病相談支援センター、これは相談事業をやっ ていたり、難病の方たちの支援をするセンターでありますが、これはほぼ全国的にこう いったセンターができていると思いますけれども、その内容、運営については大変な格 差があると思っております。ちなみに当県においては、難病の相談事業のみをやってお りまして、これは患者さんが患者さんの相談にのるというふうな対応をさせていただい ております。  それから、福祉的なサービスについては、2ページ目になりますけれども、居宅生活 支援事業を実施しております。あるいは、身体障害者福祉法等のいろいろな法律によっ て福祉的なサービスが提供されるというふうな格好になっております。ただし難病患者 と居宅生活支援事業、これについては市町村合併以前、青森県67市町村でしたけれど も、その中で3分の1の市町村が実施しております。やっていない市町村はどうなのか という調査をしておりますが、これについては対象とする患者さんがいないということ でやっていないというなので、大体必要な患者さんにはある程度こういったサービスが 提供できているのではないかというふうなことが考えられます。  次に課題ですけれども、やはり私ども行政として必要な医療提供をしていくにあたっ ては、一体その地域にどの程度の患者がいてどういったサービスが必要なのか、医療や 福祉のどんなサービスが必要なのかというふうなことの調査をする必要性を感じており ますし、また患者さんの調査を行うにあたっても、リウマチという診断が適切なのかど うかというふうなこと、専門医が全ていらっしゃるわけではございませんので、診療基 準が全国スタンダードとして医療提供者側に十分、浸透しているのかというふうなこと の問題もあるかと考えております。  次の医療提供体制ですが、これは青森県内においても地域格差が存在しておりますけ れども、全国と青森県の間におきましても、先ほどの専門医が非常に少ないということ を考えましても、地域格差が大きく存在するものというふうに思っております。  それから2つ目の、診療の質ですけれども、先ほど来いろいろな御専門の先生方が診 療、治療のガイドラインを策定されておりますけれども、それに基づいた治療が、グロ ーバルスタンダードというお話もありましたけれども、全国スタンダードでやられてい るのかというふうなことの評価の問題もございます。  それから3番目は飛ばしていただいて、介護福祉的なサービス、在宅医療を支えてい くためのサービス、あるいは病病連携、病診連携についてのサービスが一応十分に提供 されているのかというふうな問題もあるかと思います。  対策での課題ですけれども、まずこういったリウマチ対策については、私ども行政か らすると、大変言いにくいお話ではあるのですけれども、死亡に直結していないという こと、それから実際には患者数としてなかなか行政に見えてこないというふうなことも ありまして、非常に優先順位としては最優先の対応を取れていないということがござい ます。そういったこともございまして、なかなか積極的なきめ細やかな対策が取られて いないということが課題、現状であります。  また2番目に子供の問題があります。これは横浜市立大学医学部の横田教授が、これ 私教授の方からいただきましたのですけれども、平成12年、13年に厚生科学研究で全国 を回って「小児膠原病相談会」ということを開催されております。そういった相談会を 通して診断が適切に行われているのか、あるいは、患者さん御家族の方々がどういった ことでお困りなのかというような調査をされております。それによりますと、やはり診 断が適格でなかったというふうな症例が散見されること、それから患者さん、特に子供 さんの場合は、18歳を過ぎてからの医療、あるいは治療費も含めてそういった不安が大 変強いというふうなこと、それから今の治療が本当に適切に行われているかという、他 の地域に行けばもっといい治療が受けられるのではないかという、そういった声が大き く聞かれているようでございます。こういったことに対する適切な相談をする必要があ るだろうということが2つ目の課題であります。  3つ目は在宅の療養が適切に行われるかという点では、リハビリが十分でないのでは ないかというふうな課題でございます。今後の方向性といたしましては、情報の提供、 啓発活動として、住民の方々においてもリウマチという概念がまだまだ的確に理解され ていないという問題がございます。それから、国としてもリウマチ相談医ということで 相談体制を強化しようと要請しておりますけれども、現実問題なかなか相談医の方々が 増えていないこと、またその方々の活躍の場というのも、本県には2人おりますけれど も、実際相談医というか相談に乗っているのはそのうち1名だけでございました。そう いったことで、こういった相談医の活用の場面を作っていく必要があるだろうというこ と。  それから、患者会の活動等、非常にいろいろ、特にリウマチの友の会ですとか、若年 のリウマチのあすなろの会というのがありますけれども、そういった活動を積極的に広 報していく必要があるだろうというふうなこと、それを行うためには、特に県において は保健所等がそういった調整役をやっていく必要があるだろうということが考えられま す。  次の、医療提供体制につきましては、先ほど来いろいろな御意見が出ておりますけれ ども、少なくとも青森県におきましては、全国と同じ医療が提供できているというふう な状況ではないというふうに考えております。そういった意味では、各県に拠点病院と なるものを設定して、この拠点病院が少なくとも全国標準の医療を同じように提供でき る病院にレベルを上げていく必要があるだろうと、そういった病院を中心に医療圏ごと に存在する中核的な病院と、それから拠点病院との支援体制あるいは研修体制を構築し ていくこと、それから地域においては、専門医、リウマチ科と標榜しておりましても、 多分一般の住民の方々はリウマチ科ということを標榜されておりますとそこが専門医だ ということで受診されるのでしょうけれども、こういった標榜をしていらっしゃらない 整形外科、あるいは内科、リハビリテーション科においてもリウマチの患者さんを診て いるわけなのですが、そこのへんのレベルを上げていく必要があるだろう。あるいは、 チームとしての医療を提供する必要があるだろうということを考えますと、こういった 病院の機能分担とともに、ネットワークの構築の必要性を感じております。そういった 病院と、リハビリ施設との連携、施設と病院、診療所との連携、そこと在宅医療を支え る行政との連携のネットワーク、こういったものを構築していく必要があるだろうとい うふうに考えております。  最後のページについて、相談体制については、先ほど申し上げましたようなリウマチ の相談員ということが、方々の要請もそうなのですけれども、県の保健所においては専 門的な医療相談等を実施すること、それから市町村においては、やはり福祉的な相談が 中心になると思いますので、そのへんでの役割分担ということを考えていく必要がある だろうというふうなことでございます。  以上です。 ○越智座長  ありがとうございました。山中委員からの御発表は、きょう新たに御意見を伺いまし たのは医療提供体制とか人材養成とかQOLとか、その問題にも触れてということでご ざいましたが、ほかの先生方の御意見、特にこの前の課長からの御質問をふまえまし て、前回の一、二、三、リウマチ対策の基本的方向性、それから研究の推進、そして開 発促進、そのことを中心に御意見いただいたと思います。ここで結論を出すということ でもないのでございますが、少しディスカッション、問題点、御意見あわせていただけ ればありがたいと思います。  共通して言っておられましたこと、1つが開発が遅れているのではないか、それぞれ いろいろな新しい薬が開発されておりますが、海外で開発されてそして治験が進んでい った薬、これはどうしてもある程度日本に遅れて入ってきますので、遅れということも 当然出てくるのですけれども、それでもやはり審査としては遅れているのではないかと いうことの御指摘、それで遅れが悪いのかといえば、むしろ安全性という意味では確実 なのではないかというような見方もあるということでございますが、いずれにしまして も海外で開発された薬の審査、一般的にいろいろな会議で言われておりますけれども、 薬の審査がもう少し速くできないかということが1つだと思います。  余談ですけど、医薬品機構などの審議会に私も委員で出していただいておりまして、 そのとき出ておりました。そういうところでも出ておりまして、やはり審査される担当 官の方々が少ないのでどっと出されるときどうしても遅れるので、その対応をどうしよ うかということも医薬品機構を中心に検討を進めておられると思いますけれども、まず その点、ここで結論とかあるいは明確な回答というのは難しいかと思いますけれども、 審査管理課から課長補佐が来ておられますので、後でちょっと簡単に触れられる部分だ け触れていただく、その点が1つです。  それから、薬のいわゆる添付文書が出た後で、例えばメトトレキサート、あるいはサ ラゾピリンに関しましての例を宮坂委員が引かれましたけれども、一たん添付文書で出 たものが、実際に使ってみてもう少し用量が高いものが必要ではないかと、実際上はも う少し高い用量で使われている、これが二課長通知などで対応できるのではないかとい うようなディスカッションがございましたが、そのあたり欧米で使っている用量を見て いたときに、日本の量というのは低用量、低くなっている。これは国民としての厳守的 な、いわゆる副作用に関しましての体制の違いなのか、あるいは、もう少しフレキシブ ルに審査をすればいいのではないかという、そういう問題が1つ指摘されたと思いま す。このことに関しましても、審査管理課の関係なのです。そのことを。  それから、もう1つは売り出された薬に対しまして、特に非常に注意をして発売の許 可後も注意深く観察ということで、市販後全例調査ということで実際行われております けれども、3,000例あるいは5,000例というところで切ってそこで終わりだと。しかもそ れは企業が主体となったあれになるわけですけれども、それが国として国家的施策とし てそういうものが経過がフォローされるべきではないのか、または長期、TNF―αの 阻害薬などの場合には、問題点の1つ、有害事象の1つとしては悪性リンパ腫などの長 期間フォロー出始めて何か問題点がわかるような、そういうことに対しては現在の市販 後全例調査委員会、3,000例、5,000例の段階では出てきていない。それが今後の問題と してそういう国のシステムとして、長期的なものも経過を追うような、そういうシステ ムが必要ではないかということも言われたと思います。これもやはり審査管理課という ことになるかと思いますが。  そのあたりが、医療レベルということに関しまして、西岡委員の資料にも書いてある のですけれども、この許認可であるとか、あるいは海外で研究された、あるいは日本で 研究された、臨床研究が研究レベルに十分に機能してないということと、現在ディスカ ッションしている行政的な対策というのが少しレベルが違うのではないかというふうな 御指摘もございますけれども、その3点がまず挙げられたと。これが審査管理課で答え られる範囲といいますか、非常に難しい問題で、全部今完全に回答できるかというのは まだまだ難しい問題もあります。そのあたりが審査管理課かなと。  それから、戸山委員から提唱されました中で、創薬とか治療への研究、これはいろい ろな先生が、ほかの委員の先生方も言っておられましたけれども、前回でも三位一体と いう、企業、行政、大学が一体となっての開発のシステム、このあたりは前回も提示さ れましたけれども、疾病対策課の関連かなと。  戸山委員の御提案の中に、いろいろな治療というか、薬物だけではなくて、RAの治 療薬だけではなくて、人工関節などのいわゆる機能再建、リウマチの患者さんに対して の機能再建の現状がどうなのか、外科的な治療の効果がどうなのかということに関しま しては、広く疫学的といいますか、そういう広域の調査がされていないので、このよう なことが全国的ないくつかの機関、施設を設けてそういうものを考えるべきではないの か。あるいは、全国規模のリウマチの疫学調査、実際50万、60万、70万と言われており ますけれども、実際には実態が調べられたことは最近はないということで、そういうこ とも実施すべきではないのかというような問題点が、これは疾病対策課に投げかけられ ていると思います。  あと、最後に山中委員からおっしゃっていただきましたが、これは4番目以後の医療 提供体制とかあるいは実際の対策であるとか、そういうことが多いかな。ですから、4 番目以後の問題だと思いますけれども、この3番までのところに関しましての、今の提 案されました御意見に関しまして、それぞれの課から少し簡単に御説明いただきまし て、また委員の先生方にお伺いしようと思います。  審査管理課の方から先でよろしいですか。 ○審査管理課   医薬品関係のことを御説明させていただきます。  3点御指摘がございました。1点目が生物学的製剤をはじめとする、いわゆる国内未 承認の有効成分を含む医薬品をいかに早く導入するかという点、2点目が国内に成分は あるのだけれども、その適応の問題、詳しく申し上げれば先生方御指摘のように用量の 上限値の問題がございました。3点目が、全例調査を含めて市販後の症例情報を漏れな く集める収集システムをいかに構築するか。この順で御説明させていただきます。  1点目の、生物学的製剤をはじめとする国内未承認薬をいかに早く導入するかという ことでございますが、日本は申請主義を採っておりまして、企業から申請が行われて初 めて承認に向けての審査を行うという制度を取っております。そのため、この議論は2 つに分けてなされることが適当ではないかと思っております。  1つは、申請を行うまでの期間、すなわち、治験あるいはその前段階の動物実験の期 間をどれだけスピードアップするか。もう1つは、申請がなされた後の審査の期間でご ざいます。審査期間につきましては、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が昨年の4 月に発足いたしまして、中期計画で新有効成分含有医薬品の審査について、審査側の持 ち時間の目標として1年間と定めております。こちらは公にしている数字でもございま すので、目標ではございますが、遵守していく方向でおります。今体制整備を図ってお りまして、職員もこの4月から増員をさせていただいたところでございますので、審査 のスピードアップが図られるのではないかと考えております。  一方で、機構が申請資料を見る時間以外に、疑義事項があった場合に企業に照会をさ せていただく必要がございます。その疑義事項が少なければ少ないほど、承認までのト ータルの時間としては短いということになりますので、治験相談等の仕組みを活用し て、なるだけ申請の段階で完全な、疑義事項の少ない資料を提出していただく。そうい う取り組みを行ってまいりたいと思っております。現在も動いている制度ではございま すが、さらに活用していただくことを考えております。  申請前の段階につきましては、申請の段階で既に他の国に比べて遅れているというこ とがございますので、現在「治験のあり方に関する検討会」という会議で検討させてい ただいております。  この「治験のあり方検討会」は、「治験のあり方」という会議名ではありますが、中 長期的には医薬品の全体の開発、つまり、治験にかかわらずその前段階の開発について も視野に入れているものでございます。リウマチ薬にかかわらず、他の医薬品、例えば 抗がん剤についても開発の遅れが顕著に見られるという御指摘をいただいているところ でございますので、治験のあり方検討会の中でも議論を行ってまいりたいと思います。  2点目の、「二課長通知」という御発言がございましたが、「二課長通知」と申しま すのは、「適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いについて」という通知を平成11年付 けで、当時の健康政策局研究開発振興課長と医薬安全局審査管理課長の連名で発出して おります。  こちらは、薬事法による製造または輸入の承認を受けている医薬品、もう既にある医 薬品ですから、ちょうどメトトレキサートをお考えいただければと思います。こういう 医薬品につきまして、承認を受けている以外の効能又は効果を目的とした申請の中で、 申請内容に科学的根拠があると認められるもの、つまり、公知と認められるに足るデー タ、公知と認められるには例えば日本と同様の承認制度がある国において既に当該効能 ・効果あるいは用法・用量を持っているという場合、あるいはそういう用法・用量、効 能・効果が既に国際的に信頼できる学術雑誌に掲載されたこと、あるいは教科書レベル の知見であるということを示す資料を示された場合。そういう場合には臨床試験の省略 を認めるという制度を整えております。  こちらの資料では、第1回の未承認薬使用問題検討会議で配らせていただいたもので すが、二課長通知の本文と、通知に基づく承認ということでどういう例があるかという のを示させていただきました。これらの例と同様に対処させていただきたいと思いま す。  一方、この3点から少し離れるところでございますけれども、山本委員から御指摘が ございました、「これから10年かかって承認申請がされて使えるようになってもどうし ようもないのではないか」という問題が依然残ります。こちらにつきましては、昨年末 からの混合診療をめぐる議論の流れで、「未承認薬使用問題検討会議」を開催させてい ただいております。  この検討会では、いわゆる国内未承認有効成分含有医薬品について、治験という枠組 みを活用して使用機会の提供を図るというものでございます。3ヶ月に一度程度の開催 を見込んでおりまして、英、米、独、仏の4ヶ国で承認を受けたものについて検討を行 います。この4月からは、定期的に4ヶ国で新しく承認を受けたものはすべて検討して 参りますけれども、それ以前の承認分についても遡及的に、学会の先生方から御要望を いただいたものにつきましては、検討の課題といたします。それらの医薬品について、 治験という枠組みではありますけれども、使用提供を増やすという制度がございますの で、先生方学会に所属していらっしゃいますので、御要望の御提案も視野に入れていた だき、審査管理課宛てに御要望を頂戴できればと思います。  すみません、長くなりましたが、3点目の全例調査について一言申し上げます。こち らは審査管理課ではないのですけれども、医薬品機構で抗がん剤の副作用について、全 例調査ではないのですが、副作用を捕捉するシステムを構築しつつあるという新聞報道 が、この連休前後になされたところでございます。今検討段階に入っておりますので、 このシステムを、先生方のおっしゃるリウマチのモニタリングシステム構築に活用でき るのではないかと考えております。  以上でございます。長くなりまして失礼いたしました。 ○越智座長  ありがとうございます。それから疾病対策課に対する御質問として戸山委員が言って おられました疫学的もの、それから薬だけではなくて再建手術、人工関節などのよう な、そういうことに関しましても研究テーマということで考えるべきではないのかとい う。これは研究の推進の内容というところに該当するかと思いますけれども、簡単にお 考えはと思います。 ○疾病対策課長  まさにそういう御提案があるなら、そのような体制で。研究班がございますのでそれ で対応していただくということになるかと思います。  ただここに、基幹業務というお話ではなくて、どういうような定点観測としてふさわ しい医療機関が妥当なのか、おそらく定点観測的にやっていくのだろうと思っています ので、そういう構築というのは具体的にまたこういった中で御議論していただくなり、 そういう方向でまとまれば、今後研究班の中で報告する際にそれを考慮しながら対応さ せていただくということになると思います。 ○越智座長  そのような方向での検討も大切であろうということで、今後の御検討をいただくとい うことだろうと思います。  今行政の側からの御意見をいただきましたけれども、特に前回課長から御質問があり ました医療のレベルが高いか低いか、なかなか一言で言うのは難しいかと思いますが、 今の御意見、今の薬の開発が遅れている、あるいは使っている薬の量が少ないという問 題がある、これはある意味で治験の段階での論点に基づいたものでしょうし、またそれ が日本人としての体質の強さ、弱さも表していることかもわかりませんし、そのような こととそれから研究レベルということは少し違うのではないかということで、西岡先生 と山本先生、宮坂先生、御意見一見違うように見えてあまり違わない、少し言っておら れるターゲットが違うだけかなと思いますけれども、そのあたりでもし追加して御意見 がございましたら、最後に対応案というのをまとめますときに参考になるような方向で 付加して御意見ありましたら、いかがでしょうか。 ○審査管理課  私が伺った限りでは、西岡先生、宮坂先生、山本先生の御意見はあまり違わないので はないかと。西岡先生のおっしゃったとおり、「国際レベル」というのをどこに置くか ということでもありますけれども、やはり一定水準以上はあるというのは、私ども含め 皆感じているところではないでしょうか。  しかしながら、やはり世界のトップと比べるとどうかというところはやはり残ってい るという考えもございますので、医薬品について申し上げれば、やはりトップの国と何 が異なるのか、やはり山本委員の御意見にございましたエビデンスであれば、何か有効 性なら有効性、西岡委員が言われた安全性のレベルでこのレベルだとおっしゃるのであ れば安全性のエビデンスでございますが、今現在承認が与えられている薬剤について は、西岡先生がおっしゃるように8mg、ここが有効性と安全性のバランスに鑑みた、我 々に提出された資料に基づく審査結果でございます。あくまでも我々に提出された資料 では、西岡先生がおっしゃるように8mgで有効性、安全性のバランスが取れていると。 それ以上の用量を国内で承認するためには、やはり申請資料として、何らかのエビデン スの提出が必要だと思います。先生方の考えられている世界水準、世界水準というのは アメリカの水準を念頭に置いておられるようですけれども、その用量での承認というこ とであれば、エビデンスは一義的には企業が我々に提出するものでございます。しかし ながら、承認申請に至るエビデンスは、専門の先生方の御協力があってこそ収集が可能 になると考えておりますので、先生方の御協力をいただければ幸いです。  ちなみに、前回の会議で申し上げました臨床評価ガイドラインにつきましては、多数 御意見を頂戴しております。御指導をいろいろとありがとうございます。 ○西岡委員  すみません。 ○越智座長  どうぞ。西岡先生。 ○西岡委員  何度も言いますが我々がリウマチ医療にかかわる専門家として何を作り上げていく か、その作業工程を行政側に提示することをやはりきちんとやらなくてはいけないと思 うな。例えば、アメリカはこうだから、例えばドイツがこうだから、だからこうだとい うものまねではなくて、日本での充実した保険制度などを考慮し、どういう風なエビデ ンスをきちんと積み重ねられるかを検討し具体化するプログラムも提示すべきです。た だ、それを我々がやっていることで痛感しているのは、例えば企業側が市販後臨床調査 に関して、前回の委員会でも申し上げたのですけれども、どうもその意義を理解してい ないのですね。ただ、生物学的製剤に関しては一応、例えばレミケードに関しては3,000 例でやりますと1症例あたり、3万円くらいのお金を医療機関に支払わなくてはならな い。それを3,000例や4,000例もしかも長期にということになると、数億円のお金が企業 としては負担しなくてはいけない。この辺は企業の事業経費を圧迫してくるということ は問題なくはない。  さらに、それに対してきちんとしたエビデンスを取ろうと思うと、例えばリウマチ特 有のいくつかの評価する項目は非常に複雑ですね。どうしてもそれがCRCがほしいと いうことになると、例えば1症例あたり10万円ぐらいの、そういうふうなお金をどこか ら出すかということが非常に問題に、やりたくても、そういうエビデンスを出したくて も研究者として、あるいは臨床家として、そういうエビデンスを出さなくてはいけない ということはよくわかっているのです、だけど、それをやるためには、非常に現実的な 財源を製薬会社が全部負担するのはあまりにも製薬会社にとって気の毒であると。  かといって、我々の医療機関がそれを負担するのは、例えばこの間も私は医療課の方 にお願いしたのですけれども、レミケードの点滴に関して全く我々医療機関のあれだけ リスクと時間をかけながら、全くレミケードの点滴に関してそれに対する医療機関の支 払いが何もないという、そういうようなこともありますし、そのへんのところを具体的 にどうしていくかということは、まさに行政と臨床家とそれから製薬企業の3つで何か 作っていただいて、レミケード、エンブレルというふうな薬が出ますからそこで、先ほ ど来リウマトレックスの問題も出ましたけれども、これもエビデンスの確保のためには 長期的な、少なくとも1年ぐらいのそういうふうなデータの取り方が必要であると思い ます。ただし5年とか何年間になりますと、市販後臨床調査、市販後臨床研究の財源を どこに求めるかということが、僕たち今正直言って一番頭が痛いところです。  それからもう1つ、アメリカをスタンダードにということで先端医療の問題をやって いますけれども、これは実はレミケードの例を取りますと、ちょっとこれはまだ具体的 な数字ではっきりとしたあれではないのですけれども、レミケードの使用の患者数とい うのは、例えばアメリカではリウマチ患者の43(4.3)%ぐらいなのですね。それで実際 に許認可おいたのは56ヶ月です。  日本の場合は、今のところ今年の3月で約2,800で、約3,000例の患者さんに使われて います。13ヶ月でこれだけの患者さんに使われている。これを見ますと、日本はレミケ ードの許認可の年月から計算しますと先進の5ヶ国の中に入るのです。ですから、今後 決してそういう意味ではレミケードに関しては日本が遅れているということは絶対にあ り得ないので、問題は先ほど来言っていますように、その使う評価のシステムとか、臨 床研究がもう少しうまくいっていないという点、これはあると思います。  ちょっと長くなってしまいましたけれども、ちょっと追加させていただきます。 ○越智座長  ありがとうございました。一応ちょっと整理してみますと、市販後全例調査というの は、これは市販というか、発売承認の条件として市販後全例調査に応じる施設にだけあ るいはドクターにだけ発売を許可するということですから、これは企業が対応すると。 でも、今西岡委員がおっしゃっておられましたように、それだけに任せていいのかとい う問題点がある。  それともう1つが、市販後全例調査という短期間のものではなくて、もっと長期間に 出る有害事象があり得るよと宮坂委員がおっしゃいましたように、悪性腫瘍の発生とい うことになれば、また全く追跡調査が行われていないということになってくる。ですか ら特にそういうことを全体的に見たときに、特に長期間も含めまして企業に任せるとい うのではなくて、国のシステムとして行政的なシステムとしての市販後の有害事象に関 して監査するような、何かそういうメカニズムがいるのではないかなということと2つ が言われていたと思うのですけれども、そのあたりを御検討いただくということで、こ の問題はこの問題で整理させていただくということで。 ○審査管理課  御存知の通り再審査というシステムがございまして、新医薬品の承認後一定期間、市 販後の中で生じた安全性あるいは有効性に関する疑義をチェックするシステムがござい ますので、そのシステムも活用いたしまして。 ○越智座長  さっきおっしゃっておられたがんではやり始めているけれども、そのシステムという ことですね、ですからそれと市販後全例調査はまた別ですので、そういう方向でのリウ マチの先進的治療薬の長期検討体制の確立もお願いしたいという意見がここで出された ということで整理させていただきたいと思います。 ○審査管理課  そうですね。承知しました。 ○西岡委員  それと財源です。 ○越智座長  財源はまた整理していただいて。 ○審査管理課  財源は保険等の問題もありますので、持ち帰って検討させていただくということで。 ○西岡委員  いや、それは我々も含めての話です。 ○審査管理課  御存知のこととは思いますけれども。 ○越智座長  がんに対しての1つのモデルが医薬品機構であるというので、それに準じてというお 話だったと思うのです。 ○審査管理課  そうですね。 ○山本委員  ちょっとよろしいですか。論点整理ではないのですけれども、先生方がおっしゃって いらっしゃるのとほとんど同じなのですが、エビデンスというふうに言われても、先ほ どの西岡委員が言われたように財源の問題もありますし、日本の中で確たるエビデンス がそんなに簡単に出ないのですよね。だから、学会からの要望も含めて、欧米で認可さ れた薬というのをまずは少数例での日本人に合っているかどうかという検討でまず認可 していただいて、それから市販後をきちんとやって、日本人での安全性を確保するとい うようなスムーズなシステムが今後できるといいかなと思います。  大体枠組みができているのでしょうけれども、それがなんとなく全体としてのシステ ムになればいいのですけれども、いろいろなところにハザードがあるわけです。例えば 新しい薬が欧米で出たときに「これはよさそうだ」というときに、それが速やかに市販 後調査で我が国が誇る全例調査をやればいいわけですよね。だけど、そこまで持ってい くのに企業側はあまり興味を持っていないけれども医師はかなり興味がある、しかしそ れをどういうふうに持って行って、学会としてあげていけばできるのか。例えば患者さ んに対する保険とかの問題もあるし、そういう枠組みができば「じゃあこれやるぞ」と いうことになるわけです。例えば、厚生労働省の研究組織の1つの班が担当してもいい わけですよね、そのへんの枠組みをもうちょっとはっきりしていただいた方が見えやす いのかなという気がするのですけれども。 ○越智座長  審査管理課の下にといいますか、外郭で医薬品機構があって、そこでブリッジングの 検討をしますけど、その中の内容かなと思いますけれども、そこでの研究課題という御 発言だったのかと思いますが。  簡単にお願いします。 ○宮坂委員  あともう1つメトトレキサートについて言えば、少なくとも内科系のリウマチ専門医 ですね、多分8ミリの上限を超えて使っている症例って25%とか30%現実にもうあるの ですね。だけどそれは8ミリを超えて使っていますから、何かの時に、一応カルテには 書いて相手の了解を求めてやったことにしていますけれども、やはりここで有害事象が 起きれば、これは個人か病院がその費用を払うのです。でも現実に、結局リウマチの寛 解率を上げるために、あるいは骨破壊を防ぐために、現場ではもうそういうふうに現実 としてもうリウマトレックスを使っている25%の症例は8ミリを超えているのです。  それを今からエビデンスを出せと言われても、そんなことをしている暇もないよとい うのが正直なところで、やはり欧米で認可されていることはある程度速やかに導入して いただくような方策を考えないと、今のままで何かが次々に起きていったら、またこの 間のように新聞に「メトトレキサートは危険な薬だ」みたいな話になって、うっかりし たら第二のクロロキンになっちゃうのですね。こんなことが起きているのは日本だけな ので、やはりこれは何とかして防がないといけないと思いますね。 ○越智座長  この問題は今までの繰り返しになります。 ○疾病対策課長  この問題は、先ほど審査管理課の方おっしゃったのですけれども、「治験のあり方検 討会」の中で、そういう周辺部分も含めて御議論されている。 ○審査管理課  そうでございます。 ○疾病対策課長  ですから今委員の方々にお話いただいたのは、審査管理課の中でも問題意識としてき ょう引き取っていただいて、その中でということで。  ただ、今おっしゃっていただいたお話というのは、医療システムを作るにあたって も、そこで使われるツールとして医薬品というのが非常に重要で、その医薬品がツール として古いものであるのならば役に立たないのではないかと、こういうお話だったので すね。そこはどうぞよろしくお願いいたします、そういったことでよろしいでしょう か。 ○山本委員  ちょっと漏れましたけれども、診断の方、ツールについてもお願いします。 ○疾病対策課長  診断は。 ○宮坂委員  試薬ね。例えば抗CCP抗体、日本だけですよね、認可されていないのは。 ○疾病対策課長   これは高度先進医療には行ってはいらっしゃらないのですか。 ○宮坂委員  もうそんな段階を過ぎちゃっていますよね。 ○山本委員  これは一回測ればいいものなので。患者さんにとっては一回測ればいいものなので安 いものです。 ○疾病対策課長  学会の中でそういうお考えをお持ちいただいて、そして学会で整理してください。 ○宮坂委員  結局学会から出してもほとんど通らないのです。今までもいろいろやったのですけれ ども、日本リウマチ学会から出したもので最近通ったものないですね。これだけいろい ろ問題があっても、システムとしてやって。 ○疾病対策課長  中医協の下の専門委員会で御議論できるようになっていると。ではこれは御意見とし て。 ○山本委員  学会としてスタンダードと思ったものについて御意見を言わせていただいたときに、 リマインドしていただくというか、そういうシステムがあった方がいいのかなと。 ○越智座長  そのあたりの検討、課を越えての御検討をお願いいたします。 ○疾病対策課長  質問なのですが、よろしいでしょうか。おまとめいただくならいただいて。 ○越智座長  私が今言いかけていましたのは、全体的な基本的な方針という、これをごらんいただ いて、第1番の課題なのですけれども、一応今までのディスカッションの中でこの図、 これで異論がありますかとお聞きして次に進もうと思っております。課長どうぞ。 ○疾病対策課長  宮坂先生のお話でもございましたが、それから西岡先生のお話にございましたけれど も、内科系リウマチ専門医と、外科系リウマチ専門医、学会系で2つあると。それから 日本リウマチ財団という登録がある。ただこれは統一ということは、学会系での認定の レベルをすり合わせる、外科系と内科系でなかなか難しいかもしれませんけれども、そ の認定のレベルをすり合わせるという動きはあるのでしょうか。 ○越智座長  これは今の整理から言いましたら第四番目、医療提供体制の整備、提供体制について ということで議題としては次に進んでいるという認識で、今の御質問なのですけれど も、今平成9年の中間報告のときでも一応医療提供体制という項目がありまして、この 中でもリウマチ学会の。 ○疾病対策課長  先生、もしよろしければ、後ほど議論する医療提供体制のところでもし御議論いただ ければそこでも構いませんので、確認だけしていただければ。失礼いたしました。 ○越智座長  一応、今の御質問に対しましては、例えば日本リウマチ学会、それから日本整形外科 学会認定リウマチ医、そして財団の登録医ということのすり合わせがあるかということ ですけれども、宮坂先生からも質が少し違うのではないかという御意見もありましたけ れども、質が違うということで、最終的には完全にすり合わせるかといえば、それぞれ の特徴があってすり合わせという話は今のところは進んでいないと。  特に、財団の登録医というのが、宮坂先生からも御指摘がありましたけど、試験制度 に基づいていなくて、各地域で自分がある標準的な診療レベル以上で、この都市でのい わゆるかかりつけ医として担当するよという、平成8年でしたか、自由標榜ということ でリウマチ科の自由標榜を認めるということに沿ったものが例えば登録医であるという 認識かなと思っております。 ○疾病対策課長  リウマチ財団の方の登録医の底上げの意味であるのでしょうけれども、ただ専門医と しての内科系と外科系のレベルのある程度のお薬の使い方についてのすり合わせとか、 外科系の手技については当然除外になりますけれども、そういう薬物療法的なところに ついてのレベルの議論をするにあたっての水準をすり合わせるとか、そういうことから おやりになるのか、端的に言えばそこなのです。 ○越智座長  薬物療法的なことを中心にしたものでしたら、例えば日本リウマチ学会の専門医それ から日本整形外科学会の認定リウマチ医の方でも同じレベルでというすり合わせの中 で、リウマチ学会に入られて同じシステムで専門医というような方向で動かれる方と、 それから、整形外科としての、例えば機能再建とか、そういうことが中心的にというこ と、でもその技術だけではなくて、リウマチのことをきちんと勉強しながらでも、重点 的には機能再建ということが一番中心的に考えられてという方が整形外科学会の認定リ ウマチ医という形でなっておられましたけれども、薬物治療の必要なことに関しまして は、両学会とも基本的な薬物治療に関しては必要な研修を行っています。 ○疾病対策課長  大体同じだと。レベルは同じで。もしそこを水準をきちんと合わせれば、整形外科学 会の先生にとっても同じ、内科医の専門医の方と同じレベルになる。 ○戸山委員  参考の1のところに少し書かれておりますけれども、私整形外科なので、整形外科の お話を少ししますと、整形外科、専門医制度がございまして、専門医制度というものを 通って、その上にスペシャリティとして認定してリウマチ医があると。  今お話の外科、内科というふうにクリアカットに今分けているお話をしましたけれど も、整形外科の我々が外科の方に重きを置いてというわけでは決してないので、それは 当然薬物から含めて日本全国でもたくさん診ているというのが現状だと思いますし、で は同じかどうかというふうなものは、これは少しあるかもしれませんけれども、基本的 には教育、研修、コウエンからすべて含めてトレーニングしているというふうに御理解 していただいていいと思います。  数は4,000名強ですかね。それが日本整形外科学会認定リウマチ医というふうなこと で全国にいるというのが現状でございます。 ○西岡委員  今の関山課長の御質問は、多分癌治療学会が外科系と内科系とかなり治療のバトルと いうのが一時あって、それをすり合わせる方向で1つのあれができましたですね。  僕はリウマチを診ていまして、例えば高久先生が今リウマチ財団の理事長をやってい ただいているのですけれども、高久先生がリウマチの専門医のクオリティというのは、 学会の専門医のクオリティというのはものすごく下げなくてはいけないと。専門医制度 そのもの自体のあり方がちょっと今現在かなり問われているという状況を考えると、リ ウマチ学会もその中で専門医のあり方を検討すべきだろうというふうに僕は思っていま す。  その中で外科系であろうと内科系であろうと、それを治療をやることに関しては、内 科系はメスを持てないわけですからそれは別にして、薬物療法に関してはスタンダード はやはり守るべきだろうというふうに考えます。そのすり合わせは、例えば今度の整形 外科学会の理事長も越智先生がやられましたので、リウマチ学会の理事長から日整会の 理事長という、そういうブリッジが今後うまく進んでいく可能性は非常にあると思いま す。  ただ、私は数年前に検討したのですけれども、西日本は圧倒的に整形外科の先生がリ ウマチを診ているのですね。東日本はどちらかというと内科系の先生が多いという、も し西日本でリウマチ系の先生がどのくらい、例えば登録医の実数を取ってみたのですけ れども、西日本は大体7割強なのです、整形外科のバックグラウンドは。それから、内 科系はもちろん3割弱であると。それから、東京地区はイーブン、50%、50%ぐらいで すね。  ですから、そういうふうになって、結局内科系の中でまだリウマチ専門医を指向する のが、現在的に教育等を含めて、これは我々の怠慢だと思うのですけれども、まだまだ ちょっと足りないというところがあります。ですから、歴史的に日本は整形外科という のは非常に長い歴史がありますので、そこでリウマチ性疾患の保存的療法として出てき たというので、特に西日本の場合は、やはり圧倒的に整形外科の先生方が多いわけです から、今課長がおっしゃったように、薬物療法は両方ともスタンダードですから、日整 会と日本リウマチ学会とが協調してそのへんのところの専門医の薬物療法がすり合わせ すべきだろうというふうに私は思っています。 ○宮坂委員  そこはいいと思うのです。それぞれが日本リウマチ学会も専門医制度を持っています し、日整会も持っていますから、本当は2つある必要はない、1つにしてもいいと思う のですけれどもそこは別の問題として、それぞれは試験を受けた二階建て方式の二階に 乗ったちゃんとした制度ですからね。  それがあるのはいいですし、ただ問題は登録医というのは、先生御存知だと思います けれども、日本のリウマチ性疾患を診る医者の数が非常に少ない。そういう人たちを増 やす意味でこういうシステムを作って、先ほど越智先生も言われたけれども、標榜科の ときに作ったシステムですけれども、もう何もこういういつまでも二段階のものを置い ておく必要はない。やはり、ちゃんと登録医の底上げをするとか専門医制度と統一する とかということを、きょうあすの話ではないですけれどもやはり長期的には指向してい かないと、世界から見て2種類のリウマチ専門医がいる、あるいは3種類のリウマチ専 門医がいるというのは世界的には、僕らいつも外国から「どうしてなの」と聞かれて説 明できないのです。  ましてや患者さんだとわからないのですね。自分は登録医のところへ行けばいいの、 専門医のところは行けばいいの、認定リウマチ医のところへ行けばいいの。だから、患 者さんから見て非常にわかりやすい、一本化したシステムというのがグローバルスタン ダードだなというのが私の。 ○越智座長  そのあたりは学会や財団でもう少しディスカッションで詰める問題として、少しこの 委員会の一番の主題ではないのかなと思うのですね。またディスカッションして、その 上でまたこういう委員会の議論に載せていただくということで、もう一度この資料1の 第四、医療提供体制の整備というところ、3ページに戻らせていただきます。  今医療提供体制の非常に重要な問題の一つとして、専門医の内容がどうなのかという ことでございます。これは学会側に1つの宿題が与えられているというように認識させ ていただきます。  それと、今山中委員から御提出いただきました資料の中にも地域医療というのが十分 にいろいろな方向性が厚労省の行政施策の中に入っているのかということが問題になっ ていると思います。特に山中委員の資料から言いましたら3ページ、いろいろなシステ ムの中でこのような都道府県レベルだとか、二次医療圏とか、あるいは福祉サービスの 提供という意味で、少し医療体制としては手薄になっているような地域があるのではな いかというようなことかと思います。  各診療の実施状態として施設の問題であるとか、ドクターの問題などについて書いて ありますが、これはどうしても今のリウマチに限らず医療全体の問題としまして医師の 偏在とか、色々な問題があるわけです。地域的に医師、看護師など医療関係の従事者が 少ないとしましても何かシステムができればいいではないかというようなことかと思い ますが、そのあたりは疾病対策課の方から何かありますか。 ○西岡委員  先日私、横浜でリウマチ学会をやらせていただいていたのですけれども、そのときに 市民公開講座をやりました。そうすると、偏在性といいますか、リウマチの登録医にし ろ専門医にしろ、特に東北地区は少ないです。それをどうするのかということで、ある パネリストの方がおっしゃるには、「コーディネーターができないのか」と。リウマチ 診療に対するコーディネーターというものを考えられないのかということを言われて、 それで皆黙りこくってしまったのですが、かなり本質的なことを。  コーディネーターを仮に作ったとします。それをどういうふうにしていくか。例えば 相談員とかいろいろありますけれども、やはり臨床試験の時のCRC、治験のコーディネー ターと同じような形で、やはり地域偏在を解消するような情報提供だとかコーディネー ターがやはり必要かなということをちょっと感じたのですけれども、ちょっとご参考ま でに。 ○宮坂委員  いや、でも先生、それちょっと違うと思うのですよね。 ○越智座長  もう一度この医療提供体制、この前の平成9年の段階でどのようなことが述べられて いるか、参考資料の4でございますが、3ページに平成9年までの状態が書いてありま す。これは、いわゆる日本リウマチ学会の認定、それから整形外科学会の認定、それか ら財団の登録医というのが書いてあって、それからいわゆるガイドライン、標準的医療 ということでガイドライン、この段階ではいわゆるリウマチ科の自由標榜ということで アクセスのいいリウマチのドクターということができているというような現状が平成9 年の段階で書かれまして、次への方向性としましては、この同じ参考資料の6ページ、 これで諸種の診療の指針、厚生省の研究班としてのガイドラインを作成しその普及を図 る。これは昨年完成して発刊されて、普及が図られていると。  そして「集学的診療施設」という問題あるいは「リウマチセンター」というようなこ と、これは先ほど山中委員から御発言いただきました中の3ページですか、そこにこう いう体制がもう少し整備されればいいなということが今までの流れである。  ですから、地域によりますが、こういうシステムが整備されているところもあります し、またガイドラインという形で標準的医療ができていると。それから、ただ一番の問 題は、専門医といいますか医療従事者、関係の医療従事者の割合が少ないので対応でき ないというような現状の中で、それからもう1つが、平成9年の段階でかかりつけ医と いうことと、それから在宅医療ということも言われてきました中で、今在宅医療の中で リウマチに対してはどのようなことが求められ、どうあるべきか問題点を1つ提示され ておりますのがそのあたり。  それから、特に小児リウマチ患者数が少ないということもありますけれども、ともす ればこの話題の中から取り残されているようなこともあります。小児リウマチ、これは 山中委員も触れておられましたけれども、特に青森県からごらんになりまして、一言で 言えば、在宅医療に求められることは何だということで、簡略に一番ピンポイントをご 指摘ください。かなり地域医療としては問題になる部分があると思いますけれども。 ○山中委員  在宅医療について簡単にというのは大変難しい点が。と申しますのは、私ども結局先 ほど言ったように、地域の中でどの程度のリウマチの患者さんがいて、どういった重症 度の患者さんがどのくらいいて、それで在宅での医療をどのくらい求めているかという ことの数的なものを行政として確実なものを持っていないのです。  例えば、悪性関節リウマチだとかほかのものであれば、特定疾患に載っているもので あれば数として把握できておりますし、重症度もわかって、在宅にこれだけのニーズが あるということは把握できるのですけれども、そういったことはできないということを 考えると、なかなか今から制度としてこういった関節リウマチに特化した治療研究事業 を立ち上げてくださいというのはなかなか難しいことかもしれませんけれども、例えば 疾患の重症度等のサーベイランスのような地域の拠点病院を設置して、そこでのサーベ イランスをして全体的なおよその地域での病気のニーズを把握して、それに基づいて私 どもがどういった医療、あるいはどういった在宅医療を提供するかということを医療計 画に乗せていくというのが、一番私ども行政としては進めやすいなというふうには考え ております。 ○越智座長  重症になれば要支援の介護に入りますから全部データも取られると思いますけれど も、もっと軽い方ではデータがないと。 ○山中委員  おそらくいろいろな介護保険、あるいは身体障害者等に対する支援費制度とかがあり ますので、そういったものの対象になる方々は、いわゆるケアという意味では、介護と いう点ではある程度のサービスが受けられていると思うのですけれども、リハビリとか 在宅医療がどの程度かということはなかなか把握が困難だというふうに考えています。 ○宮坂委員  難病情報センターを県にそれぞれ今置くようになりましたけれども、結局難病情報セ ンターに来る方ってリウマチ以外の難病、あとはリウマチであっても特定疾患に入って いる悪性関節リウマチだけで、それは本当の一握りで、いわゆる普通のリウマチの患者 さんは難病情報センターにも来ませんし、仮に来たとしても相談員も答えることができ ないのですね。だから、今までの、難病というのはもういわゆる特定疾患の人たちを対 象にしていて、そのために支援センターができていますから、リウマチは抜けてしま う。ですから、やはりそこのところが1つ問題です。  それから、もう1つはさっき西岡先生がコーディネーターとおっしゃいましたけれど も、治験の場合のコーディネーターというのは一種のファシリテーターみたいなもの で、治験をやる人たちはある程度いるけれどもそのつながりが悪いので、その中をコー ディネートする、治験を行いやすくする、ファシリテートするためにはいいのですけれ ども、今例えば青森県なんかの場合には、コーディネートしたくてもコーディネートす る人がいないわけで、そこが問題です。ですから、ではコーディネーターが人買いする のかという話になっちゃうぐらいのところなのです。  ですから、治験の場合のコーディネートとかなり状況が違うのだろうというふうに私 は思います。 ○山本委員  それに関連してよろしいですか。この委員会の範疇を越えるかもしれませんけれど も、問題提起としてやはり重要なのは、若い人を含めて人材育成にかかってくると思う のですね。若い人が各地域、各地域でリウマチ医療というものに対してやっていこうと いう気構えを持った人が育たないといけない。  残念ながら例えば東北に関して言えば、東北大学には講座がありますけれども、その ほかの東北の大学にリウマチの講座はないですね。残念ながら。たくさんの医科大学が あってもです。その地域すべての大学になくてもいいのですけれども、そこにリウマチ の拠点、教育の拠点はないと若い人が育たないです。東京で教育された人が、しょうが ない行くかというのではやはりだめだと思うのですね。そのへんを、この委員会として しかるべきところに提言するようなところがあってもいいかなと僕は思います。 ○越智座長  わかりました。参考資料4ですね。平成9年の中間報告の中で、まず地域としての情 報がないという山中委員からの御指摘の部分ですけれども、実はこれの参考資料4の13 ページ、これは中間報告のディスカッションを元にしました、各学会あるいはこれは開 業しておられる先生も加えてということでディスカッションした図なのですけれども、 山中委員の3ページに基本的に似ているのですが、この中のちょうど真ん中のやや右よ りのところに「地域の情報」という○で書いてあるのがありまして、実はこのときのデ ィスカッションでも、地域の情報というのは非常に重要だけれども、一体誰が中心にな ってやるのかなという話が議論されました。  地域の情報には2種類あって、1つが、何か問題が起きたときに、どこの病院だった ら誰先生、例えば手の腱が切れた、ここに行けばいいよ、手術しようと思えばベッドが 空いているよ、そういう種類の情報と、それから今山中委員が言われましたような情報 などを含めましての地域の情報というのがもう一つです。地域医療にとって非常に重要 であるのに、そのとき誰が担当するのか、医師会であるのか保健所であるのかどちらか らなと言いながらディスカッションをしたのですが、これであります。  ですから、懸案事項として、ずっと続いてきていると。でも今でもやはり非常に重要 な問題として、この在宅医療の中の非常に基本的なものとしてこの地域の情報が必要で ある。全体の情報としましてはいろいろなネットワークが作られ始めたりしていますけ れども、地域の情報というのが対応が全くないというのは当時から言われておりまし た。  それから、第四、医療提供体制の中の二番目の人材育成に関しまして、今言われまし た山本委員から追加して言われました、いわゆる教育システムに関しましては、これも やはり前回の平成9年の中間報告の段階で、今後、大学などに関しましてのいわゆるリ ウマチ科、これは前の参考資料4の6ページになりますが、6ページの一番下(4)医 療従事者の資質の向上ということがありまして、この(4)資質の向上の中の4行目、 「なお、専門医を養成していくために、リウマチ学講座の設置などリウマチに関する内 科、整形外科、リハビリテーション等総合的な教育を行われることが望まれる」という ようなことで、同じように懸案事項として続きながら、実際ではいろいろな政策的な、 その中にどれくらいの予算が使えるのかと言いながら、一時今おっしゃいましたように リウマチ科ができたりしましたけれども、途中から全然増えていないという現状がござ います。これが引き続きやはり医療従事者の育成ということでリウマチ専門医というこ との育成のためにリウマチ学講座の設置と平成9年のときディスカッションされました のに引き続き、やはり今の問題である、あるいは先ほど山中委員から御指摘がありまし た、情報の問題にしても依然として同じ問題が続いているということかなと思います。  残っている時間もそれほどございませんので、第四、医療提供体制、地域の問題、在 宅の問題、それから小児リウマチの診療レベルの向上というものをちょっとディスカッ ションされていませんが、人材の育成、それから患者QOLと自立。  今情報に関しましては出てきたのですけれども、後の四、五、六、それから相談体制 など、全体を含めまして今の問題点であるとか、こうあるべきだということのきょうの 御意見をお聞きしたいと思います。四、五、六、七に関しまして御意見いただければと 思います。  先ほどの山中委員からの御意見というのは、これは全部まとめて、特に青森県という ことでおっしゃっていただいたと思いますが、ほかの先生方、特に小児リウマチの診療 レベルというクエスチョンがありますが、小児リウマチの診療レベルに関しまして、い かがですか。 ○山本委員  これは圧倒的に専門医が少ないにつきます。日本の中で小児のリウマチを専門にやっ ている拠点というのは横浜市立大学と鹿児島大学しかない。鹿児島大学の方も主任教授 ではないので、それしかないというところだと思います。  これはもう小児科全体の問題なので、小児科で各専門の分化が進むとは思えないの で、おそらくは小児科の先生とリウマチの内科整形の専門医の先生との教育体制を作る というのがここしばらくの一番の我が国でできる対策ではないかというふうに思いま す。 ○越智座長  小児科の先生方に対する教育、それからやはりリウマチの専門医とあるいは認定リウ マチ医ということがありますが、その中の研修内容ですね。小児科診療という項目が忘 れられていないかというそういう提案かと思いますので、やはり今後各学会においての リウマチ専門医の教育研修の中にも、小児科の診療レベルの向上を図っていくようにと いう、そういう内容のことかなと思いますが。 ○山中委員  よろしいでしょうか。 ○越智座長  どうぞ。 ○山中委員  小児の診療レベルについてなのですけれども、先ほどお話しましたように、横浜市立 大学の横田教授が関係者の方々、全国に小児科のリウマチ専門医が30人というお話でし たけれども、その専門の先生方が全国を歩かれて、地域の保健所等に患者さんを集めら れて、セカンドオピニオン的に診断が適切かどうかというふうな判断とか、あるいは患 者さんの状況だとかをいろいろインタビューして聞いたという研究があるのですけれど も、その中での実績で先生方が感じられたことは、このペーパーに書いてあるのですけ れども、地域の主治医の先生も一緒にそこに来て、診察をしているところだとかを一緒 に見たことで、地域主治医の診療技術の向上につながるのではないかというふうな御提 言もなされております。  そういった意味では、特に私ども非常に専門医が少ない地域においては、こういった 先生方の活動というのを大変期待しているところで、毎年というのは難しいのでしょう けれども、何年かにいっぺん地域に回ってきていただいて、地域の先生方の教育ならび に適切な診断かどうか、そのへんを見ていただく、こういったものがシステムとして動 いていただければ、特に小児についてはありがたいなというふうに思っております。 ○越智座長  各地域を全て回るというのはなかなか大変ですので、中央で研修会とかそういうこと もやっておりますし、いろいろな教育システムがあると思いますから、その中に特に小 児科ということも重点的にといいますか、忘れずに取り入れていくようにということか なと思います。 ○山中委員  なかなか中央に研修に小児科の先生が行くということ自体が、今大変小児科不足にな って難しいので、来てくださると非常に助かると。横田先生なんか、仙台の宮城こども センターの方にも取り組みされていると。 ○越智座長  在宅に関してはいかがでしょうか。先ほどちょっとディスカッションにのぼりました けれども、在宅という場合には在宅リハなども入ってくるわけですけれども。在宅リハ に関しまして、それがリウマチのために有用な在宅リハ、体制はどうなのかと。  例えば、在宅リハのPT、OTの方に対しての、実は私もよく把握していないのです けれども診療研修とか、そういうのは十分にそのシステムを維持できるだけの体制がで きているのかなというような感じもします。やはり在宅という場合に、在宅看護、在宅 リハ、それからいろいろなケースワーカーの方々と、そしてかかりつけ医という、そう いうフォームだと思いますけれども、その形がアクティブに進むような体制があまりな いのではないかなという気がするのです。ちょっとそのあたりを見直していただきたい なという感じもします。 ○山中委員  よろしいですか。制度上は高齢者なんかを例に取れば、必要な医療とか福祉サービス は提供できているのではないかとは思いますけれども、在宅医療に必ずPTさん、ある いは理学療法士さんとが、必ず患者さんのところに行ってリハビリを提供しなければな らないというふうにされるとすると、十分な在宅のリハはできているとは言えないので はないかなとは思っています。 ○戸山委員  よろしいですか。小児も含めてなのですけれども、私は疫学とお話ししたけれども、 そのステージで、例えば小児がどのくらいいて、そのために専門医数が地域でどのくら いというのは自ずからと言いませんけれどもある程度は出てくると思うので、そのため にも僕はより必要かなと。在宅の方をではどのくらい作って、数は出てきていませんか ら、ではそのために構築するには今どのくらい必要だというふうな形になると、私は早 くそのへんのところを、より正確なところをひとまとめにしないでダソウデハというふ うに思います。 ○越智座長  それから、特に各都道府県におけるリウマチ施策について、これも地域医療というこ とだと思いますけれども、これは疾病対策課で何年か前から指導者というか相談員とい うことで、実際やっておられます。その資料が参考資料3です。 ○疾病対策課長  よろしいですか。戸山先生がおっしゃった専門医の数なのですけれども、ではリウマ チ患者さんを何人に専門医を何人養成しておいたらいいのか、何か目安みたいなものは あるのですか。 ○戸山委員  それは各学会が皆求められているなのだけれども。実際難しいですよね。 ○疾病対策課長  今地方自治体に対して、実態調査をやるのはやろうと思えばできるのですね。そのと きに、では何人専門医を確保すればいいのかというところにいざなった場合、これは何 か標準的なものがあるとしたら、自治体としても取組みやすい。内科系、外科系と分け ると、そこはなかなか難しい。 ○戸山委員  それはリウマチに限らず、いろいろなところの分野で言われているところで、では実 際ということなのですけれども、まず数があって、それでその次のディスカッション、 最初にその数ではじき出すのは形ではないと思うのですね。 ○疾病対策課長  それは何か学会かなんかではディスカッションされた経緯はないわけですか。 ○宮坂委員  ないですね。 ○西岡委員  その数値目標の設定は極めて難しいですね。 ○越智座長  今繰り返しおっしゃっておられましたように、やはり60万、70万の患者数といいなが ら、実際は実態調査ができて、今のディスカッションの中にあがっているようなことが 徐々にでも構築されるような、そういう研究班ができないのかなということも思いま す。いわゆる統計学的なものはいろいろな疫学の研究がありますけれども、実態調査を 実際やれといわれてもなかなか大変なのですけれども。 ○西岡委員  ただ、リウマチ医というのは関節リウマチだけを診るわけではないので、広く骨・関 節疾患というものをとらえた場合には、患者のケタ数が圧倒的に違ってきちゃいます ね。ですから、どうもリウマチというとすぐ関節リウマチととらえたかだか数十万人の 患者さん何でこんなに医療費がかかるのかという問題になります。平成9年に審議会で 越智委員たちとそのところを検討し、将来的には変形関節症だとか骨粗鬆症だとか、そ ういうものも診られるようなきちんとしたリウマチ医を育てなくてはいけない。  そうなると、今課長がおっしゃられたような、リウマチを総合的に診られるような、 広い意味でのリウマチ性疾患に対応できる医者の数は、まだまだ基本的に僕は足りない と認識しています。関節リウマチに関しては、たかだか数十万人の患者さんでこのあい だも申し上げたことですけれども、例えば医療費もものすごくかかることが予測されま す、それから、そこに関節リウマチの専門医が一体どのくらい必要なのかと言われる と、関節リウマチだけに限れば、僕はそんなにたくさんのリウマチ専門医は必要ないと 感じています。 ○越智座長  それはこの項目から言いましたら人材育成、例えば「適切な医療が確保されるよう医 療従事者・医学生等に対してどのような取組を行っていくべきか」が1つの教育項目で しょう。そういうことも取り入れて教育し、また対応としてももう少し広い類似疾患に 関しても考えるべきだという、そういう考えでいいわけですか。  それからちょっと触れかけておりました、各都道府県におきますリウマチ対策、これ は資料1の中では5ページの二にあたるところなのですけれども、人材育成であるとか あるいはこの六番4ページにありますQOLの向上に対しての1つの比較であり、また 情報提供体制の整備とか、ちょっと広い意味で、いわゆる相談員というのが比較されて いるかなと思いますので、この参考資料3に関しまして簡単に御説明いただきまして、 5ページの二ですね、相談体制の整備を中心に、いわゆるQOL向上とか自立を図る、 あるいは情報とかそういうことでどうなのかということで、ちょっと簡単にディスカッ ション、御意見を伺えばと思いますけれども。参考資料3です。相談員に関して非常に 特徴のあることですが、この前のときもちょっと御質問が出ていて、どういう人が実際 上この相談員として加わっておられますか、またファンクションはというようなことを 確か山本委員から御質問が。 ○山本委員  調べていただいてよくわかりました。保健師さんがほとんどであるということで、専 門の知識を持っていらっしゃるので、そうすると保健師さんに対していかにこれから教 育というのは失礼ですけれども、毎年毎年情報提供するかということで十分に知識が伝 わるのかなという感じがしました。 ○越智座長  この施策例ということを見ておりますと、例えばその地域のリウマチ友の会と連携し ているということがあったり、いろいろな相談、電話相談とか訪問相談などをそれぞれ 委託しているのか、地域によって少しずつ違いますけれども、非常に積極的にこのシス テムを活用しておられる地域もありまして、これはやはり一度各地域でどうなのだとい うことの情報交換しながら全国的な相談員の方のレベルアップを図っていただきたい。 せっかくおられるのですからこういうことまで考えてくださいよということを相談員の 方々、そしてその地域の衛生行政にあたっておられる方に情報をお流ししながら、地域 でのいわゆる相談体制、この5ページの部分ということに対しての1つの非常にいい対 策かなと思っております。  ほかはどうですか。全般に関しましてもアトランダムに御発言いただきまして、そう いうことを整理しながら、また次回に振り返りながら項目を加えていくということかな と思いますが、この3ページ、医療提供体制のことで御発言ございましたら。 ○西岡委員  ちょっと伺っていいですか。今資料の疾病対策課のリウマチ対策研究の基本の方向性 (案)とするのは、これはかなり作業工程としては非常に重要なプロセスですね。極端 なことを言いますと、この根治治療法3次予防までで、この図ではわかりにくい点もあり ます。根治治療があって、時系列的にこれを見るのですか?それとも、今の時点での対 策だというふうに。 ○疾病対策課長  今の時点の対策で、基本的流れは根治療法をきちんとやらなくてはいけないのですけ れども、やはり当面は重篤の悪化の防止というところに現状を置いてやりましょう、そ のために早期診断。  それから2次、3次予防を中心にやっていきながら、当面はやっていきながら将来的 に根治的1次予防、こういったものにずらそうではないかという話で、越智先生のお話 もそういうようなお話だったので、このような形でまとめさせていただきました。 ○西岡委員  わかりました。 ○疾病対策課長  あとはそれに必要な、西岡先生や戸山先生の方からお話があった、やはり有効な治療 法を確立するための情報収集体制というのも必要なのでしょう。これは薬物療法だけに とどまらず外科的医療もそういう情報収集体制の定点観測的にできないだろうかという 話です。 ○西岡委員  1次予防、2次予防、3次予防の段階で、リウマチ対策をやることによってもたらさ れる費用対効果プラスの経済効果もこの施策の中にぜひとも盛り込んでいただきたいと 思います。 ○越智座長  今の御質問をちょっと再確認させていただきますと、そこの資料1の第一、主な論 点、対応策、一番重要な基本的な考え方、まずは2010年を目標に重症化防止策を確立す る。これが今の資料2の中の下にあります「最優先目標は、『重症化防止のための治療 プログラムの確立』」、それから矢印一番右の「3次予防(悪化予防)」このあたりを 確立して重症化をなくすというのが2010年の目標である。  その次の段階としては、リウマチゼロ作戦というところに結びついていくのだと。リ ウマチゼロ、この2ページ目ですね、これの今の資料1の2ページ目のところの右側の 対応策の中の大きな二番目に、リウマチの克服(リウマチゼロ)をその次の優先目標と するということがであります。  予定の時間になってしまったのでございますが、一応見直していただきましてまた前 回と同様に、言い残したということがありましたら御連絡いただきながら、また次回こ のような資料の中であと追加事項があればまた追加していただくという形で進めていき たいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、事務局から今後のスケジュールについての御説明をお願いします。 ○事務局  長時間にわたりまして御審議いただきましてありがとうございました。またスケジュ ールについては調整いたしまして、委員の皆様方の御協力を得まして近日中に開催した いと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○越智座長  よろしいですか。それでは終わらせていただきます。どうもありがとうございまし た。                         ○照会先                          厚生労働省健康局疾病対策課                          tel 03−5253−1111                          担当:中川(内線2359)