05/04/27 第3回地域保健対策検討会議事録                 地域保健対策検討会                  第3回議事録           日時 平成17年4月27日(水)10:00〜12:00           場所 経済産業省別館9階944会議室  瀬上参事官  おはようございます。お時間でございますので開会させていただきたいと存じます。  本日は玉川委員が欠席との御連絡を受けております。また、委員の御所属でございま すが、村田委員におかれましては茨城県の少子化対策室長から子ども家庭課長に御栄転 なさっておられます。また、岩手県の部長であられました佐藤委員は3月31日付で人事 異動に伴いまして委員を辞任されておられますので御報告申し上げます。  また、今回、事務的な不手際で若干、連絡、その他、行き違いがございました。御迷 惑をおかけ申し上げまたことをお詫び申し上げます。それではこの後の進行は林座長に お願い申し上げます。よろしくお願いします。  林座長  皆さん、おはようございます。それでは本日の議題に入る前に事務局の方から資料の 確認をお願いいたしたいと思います。どうぞよろしく。  北地域保健室長  それでは確認をさせていただきます。1枚目、2枚目に議事次第と座席表がございま すが、本日の検討会の資料は「地域保健対策検討会中間報告(案)」というふうになっ ております。これは林座長からの御指示もいただきまして第2回検討会で御審議いただ きました健康危機管理のあり方についてと地域保健計画のあり方についての2つを事務 局が取りまとめたものでございます。お手元に青いファイルが置いてございますが、こ れは第1回及び第2回検討会の資料を綴ったものとなっております。  最後に第1回検討会議事録確定版というふうに書いてございます。第2回検討会議事 録確定版を各委員にお配りをしております。この議事録は各委員の御意見に基づき修正 を行ったものでございまして、今後、厚生労働省のホームページに掲載する予定として おります。資料の方は以上でございますが、落丁等がございましたらば事務局の方へお 申しつけくださいませ。以上でございます。  林座長  ありがとうございます。それでは本日の記事でございますけれども、まず、第1点は 本日の主要な議事でございます「地域保健対策検討会中間報告(案)」についてでござ います。2はその他というふうにさせていただきたいと思います。  まず、議題1でございますけれども、本日、皆様にお配りしておりますこの資料は第 2回検討会の御審議いただいた際に2つあったかと思いますが、健康危機管理のあり方 についてというものと、地域保健計画、仮称でありますが、のあり方についてというの があったかと思います。この2つを踏まえまして私の方から事務局の方に取りまとめを 指示したものでございます。それが今日のひとつのファイルになっておりますけれど も、それでは事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしく。  小椋専門官  では、座ったまま失礼させていただきます。  こちらの「地域保健対策検討会中間報告(案)」というものにつきまして説明をさせ ていただきます。こちら、今、座長の方から御説明がありましたとおり、前回の先生方 のおまとめいただきました健康危機管理のあり方についてというようなものと地域保健 計画(仮称)のあり方についてというようなものを事務局の方で2つを取りまとめたも のがこちらの中間報告(案)という形になっております。こちらの方が前回のものと違 うところに焦点を絞って御説明をさせていただきますので御了承いただきたいと思いま す。  まず、頁数の3頁でございますが、こちらの方は「はじめに」というような形になっ ております。我が国における近年の地域保健に関する流れ及び外国、日本以外の流れみ たいなものにつきましてこちらの「はじめに」の方で書かさせていただいております。  次の頁でございますけれども、5頁目で「基本的な視点」というようなことで、この 基本的視点というようなものも新しいものとしてこちらの方に記載してございます。  その下の3番目の「地域における健康危機管理対策」というようなところですが、こ ちらの方は全体的に文言の修正等はしておりますが、中身につきましては先生方に御議 論していただいて取りまとめていただいたものと大きく変わっているようなところはな いと思いますので、そこら辺のところも含めて御確認いただきたいと思います。  ずっと頁数が飛びますが、次、13頁でございます。13頁でございますけれども、こち らの方の中程と下の方、3番目の「健康危機管理への対応」というようなものがござい ますが、こちらの中に1)といたしまして「国、都道府県、市町村の役割分担」というよ うなものがございます。こちらの方は事務局の方で新しく付け加えたものでございま す。国の役割、都道府県の役割、市町村の役割について記載してございます。  また、頁、若干、飛びますが、16頁を御覧ください。16頁の上の方の「3)地域におけ る健康危機管理への対応」というようなものがございますが、前回、先生方におまとめ いただいたものをさらにこちらの事務局の方で少し整理させていただいて、健康危機管 理の対応というようなところを16頁からずっと17頁、18頁までこちらの方で事務局の方 で整理させていただいております。  19頁でございますけれども、IVといたしまして「生活習慣病等その他の地域保健対策 」ということで、題名はこちらの方、新しく変わっておりますが、この地域における現 状と課題というようなものは前回、先生方に御議論いただいたもの、内容そのものでご ざいます。  次に21頁でございますが、21頁の2番目、上から2行目ですね。「地域保健対策の最 近の主な動向」というようなことで、こちらの方は1)といたしまして「健康日本21 」、2番目といたしましては「健康フロンティア戦略」、3番目といたしまして「医療 計画の見直し」というようなことで、こちらの方は新しく事務局の方で記載させていた だいております。  次、23頁でございますが、「地域保健計画の策定方法」というようなものがございま すが、こちらの方は前回、先生方におまとめいただいたものを事務局の方でさらに整理 させていただきまして地域保健計画の策定方法を記載しております。  その次、25頁でございます。25頁といたしまして「VI まとめ」ということで全体的 なまとめをこちらの事務局の方でつけさせていただいております。中身に関しましては 先生方に前回、御議論いただいたものとほぼ同様の中身だというふうに考えておりま す。  ただし、一番最後の27頁でございますけれども、一番最後の丸ですね。以上を整理す ると、地域保健計画の含むべき内容はおおむね次のとおりであると。(1)といたしまし て「健康危機管理計画」、2番目、「生活習慣病対策その他の地域保健対策(関係計画 に基づき記載)」と。3番目といたしまして「地域における健康課題への資源配分の方 針」、健康課題の優先順位付けというようなことですね。4番目といたしまして「基盤 整備(人材の育成・確保、保健所等の施設・設備、調査・研究等)」というような形に なっておりまして、こちらの方は前回の先生方の御議論の中ではなかった御議論でござ いますので、このような中身も含めまして先生方には特に御議論いただきたいなという ふうに考えております。  以上、簡単ではございますけれども、新しく記載させていただいたところ、改めて整 理させていただいたところ、簡単に以上でございます。  林座長  ありがとうございます。それでは中身についての御議論をいただきたいと思います が、まず、前回までは2つの内容について専門の先生方に議論をしていただいたわけで ございますが、今回はその2つの議論を1つにまとめた形でここで提示していただいて いるわけでございますけれども、したがって、全体のトーンから「はじめに」と基本方 針というのは新たに項目を起こすことが適当であろうということで、このような形にな っているわけでございます。  それでは事前に先生方にも議論していただいてはいるわけでございますけれども、 「はじめに」というところから最初の方から始めたいと思いますけれども、何か御意 見、あるいは論点の提示についてございませんでしょうか。よろしいでしょうか。どう ぞ。  村田委員  4頁目なのですけれども、いろいろ私どもの方でも議論をしていく中で、後ろの方に はちょっと出てくると思うのですが、「はじめに」ところで今、実際には地域保健医療 計画ということで各県は立てているわけですけれども、その中で地域保健計画をなぜ、 立てなければいけないのかという地域保健計画をというところがなかなかその辺のとこ ろが理解をしにくいということが非常に出てくるところがあるのですね。  そういうことで3つめになるのだと思うのですが、4つめの丸ですね。「今後の地域 保健に関するあり方を考えたとき、都道府県は、これまで以上に」というようなところ がもう少し具体的な部分で、だから、地域保健計画が大事なのだというようなこと、特 に今の現状を考えたときに少子・高齢社会というのは非常に大きな問題になってくるの ではないかと思うのですが、そういうことが抜けているというか、疾病的な部分は書い てあるのですが、社会の情勢というか、人口構造という、そういうようなものもやはり 視野に入れてそういうことになったときに医療費の問題とか、いろいろなことが出てく る。そういう中で平常時の保健というようなものの大切さというようなことが少しこの ところに入れないとなかなか理解しない。  林座長  4頁の3つめの丸のところのことですね。  村田委員  3つめの丸のところですね。「今後の地域保健に関する計画のあり方を考えたとき 」、このあたりのところになるのかなと思うですが、そこのところ、もう少しいろいろ な方々が今度、これを見ながらどういうふうになっていくのかというようなときに、 「地域保健・医療における広域調整の役割及び責任を積極的に担うことが期待されてお り」というのは、これはある程度はわかっていることではあるのですが、それをなぜ、 敢えてやっていかなければいけないのかというようなことは後ろの方にはもちろん具体 的に少しは出てきますけれども、「はじめに」ですので、その辺のところはいろいろ意 味づけというのをもう少し社会の情勢と合わせたものとして書いていった方がいいのか なというようなことが議論の中ではあるというふうに思いました。  その上の丸ですけれども、「健康危機管理のあり方として」というところですけれど も、ここのところもやはり今、健康危機管理が全くやっていないわけではなくて、普通 に日常の業務の中でやっているのですけれども、その辺のところでの平常時の部分がち ょっと見えなくなってきているのかなというのがあります。今の平常時の部分も非常に 課題が多くて、今、ギスギスの中でやっているわけなので、その平常時の課題もこうい うことが課題であるのだけれどもというような形で書くのがいいのかなというふうにち ょっと思いましたけれども。ちょっとその辺が「はじめに」のところでは思いました。  林座長  おっしゃった点のうち、少子・高齢化に関する文言がないということは確かなのです けれども、その点は確かありますが、どうして地域保健計画が必要かというのは3頁の はじめの最初の丸のところですね。ここで医療計画から抜け出して地域保健計画が必要 だという意味がここに書いてあるのかなという気がします。ひとつは健康危機管理の部 分ですね。この部分は入っています。ですから、書く場所の順番ということがひとつ と、少子・高齢化のことを文言としてどこに書き入れるかということの問題はあろうか と思いました。その他に何か御意見ございませんでしょうか。どうぞ。  河原委員  4頁の丸2の2行目の資質の向上。これ、「はじめに」の部分だけではなくてあとで も議論が出るかと思いますが、やはりこの数十年、保健所の改革、何10回とやって失敗 してきたのはやはり究極はここにあると思うのですね。「はじめに」の総論的な記載と 思うのですか、この資質の向上の具体的なやり方とかというのをもう少し踏み込んで書 かないと多分、このままだったら資質は何も変わらないと。今までどおりと同じという ふうに思いますので、これは今日のあとの議論でも結構ですが、資質の向上の方法、手 段。  林座長  人材の資質という意味ですか。  河原委員  そうですね。はい。対応する能力ですね。それのもうちょっと具体的に踏み込まない とちょっと無理かなというふうに思います。  文言の問題ですが、3頁の最初の丸の下から3行目の「NPO法人等ボランティア活 動」、これに見るとNPO法人がボランティア団体とイコールみたいになりますので、 ちょっとこれは表現変えた方がいいと思います。  林座長  表現上の問題ですね。その他、いかがでしょうか。確か今、おっしゃっていただいた 点はいちいち御尤もだと思います。ただ、文章の書き方としてどこの部分に強調して書 いた方が適当かという、そういうような御意見だったというふうに受け止めております けれども。資質の問題もあとの方には確か記載されております。  瀬上参事官  26頁です。  林座長  26頁ですか。はい。そこら辺、つまり文章の体裁として順番、あと、どのぐらいの量 を記載して強調すべきかと、そういうことかと思います。では、まだ、のちほどになっ てまた戻っていただいても結構ですけれども、とりあえず「はじめに」というところは 以上の意見があったということで受け止めさせていただきます。  2番目は「基本的な視点」というところがございますけれども、いかがでしょうか。 これも新しい部分でございます。これはニーズが変わりましたというのは最初のパラグ ラフに書いてございます。新しい潮流に即応して言うとこういう問題ですよと、3番目 には科学的根拠に基づいて考えていく必要がありますよと、そういう記述かと思うので すけれども。とりあえずはよろしいですか。  それでは3番目の「地域における健康危機管理対策」というところでございますけれ ども、健康危機管理とは何であるかということが書いてあります。そういうガイドライ ンはできているのですけれどもということですよね。  2番目が風評被害、精神的な不安も含めて被害の拡大防止を図るということ、これは 指揮命令系統に関係する話でございますけれども。「首長から保健所長に職務が委任さ れ、従来から保健所が行っているところ」、確か第1回の検討会にその指揮命令系統の 議論が出たかと思いますけれども。こういったドラスチックな健康危機もありますが、 通常、見受けられる健康危機管理も初期対応を誤ると被害が拡大しますよと。ですか ら、これもしっかりやっていきましょう。そういうことですね。国民の不安を解消する というのは重要な責務のひとつですと。  さらに児童、高齢者虐待、これは以前では健康危機管理というような視点では眺めて こなかった部分かもしれませんが、今回でははっきり触れて位置づけているということ ですよね。環境汚染、薬害。薬害もここで、しかも慢性的経過をたどる疾患についても 把握することが大事であると。そういった専門技術者、職員の配置、能力の向上、ここ では資質の問題と配置の問題でマンパワー、ヒューマン・ヘルス・リソースについて触 れております。  それから、保健所の業務としてそういう公衆衛生医師をはじめとする専門技術職員の 確保、質の担保、さきほど出たマンパワー、質の問題について御意見があったわけです けれども、ここで触れられております。課題についてずっと並べてあるわけでございま すが、例示として最近の報道されている事例も書いてあるわけです。そういう感じなの ですけれども、いかがでしょうか。どうぞ。  山本委員  この部分だけでなく、全体的なところでこういうふうに綺麗になって改めて読み直し てちょっと思ったのですが、ケミカルというか、化学物質関係の用語がどこにもないで すね。ケミカルハザード、特に大規模な化学災害や化学テロ、そういうことを想定した 分野で保健所の役割というか、保健所の存在感というのがちょっと今、他の機関に比べ て小さいなという感じがしています。  一方、保健所の方でも感染症とか微生物による食中毒、そういうようなものに比べて 化学物質関係の対応が少ないのではないかという気がしています。確かに平時と言う か、ルーチン的な部分では食品中の化学物質、一般化学物質、医薬品、そういうのは地 方の衛生研究所が対応しているので、特に保健所が前面に出てメインになってというこ とはないと思うのですけれども、何か事が起こったとき、大規模な工場災害、化学工場 災害、そういうようなものが起こったときとか、化学テロとか、そういうようなときに はやはり地域住民への対応も含めて保健所がイニシアチブをとらなければいけない場面 というのが非常に出てくると思います。  化学物質という言葉がこの中にどこにも書かれていないと、これを読んだときにイメ ージとして化学物質がどこかに飛んでしまう恐れがあるかなと思いますので、どこか例 示のところにでもそういうのがあるといいと思います。  林座長  どこが先生のお考えではどこら辺に。  山本委員  例えば一番簡単には28頁の、ちょっと飛んじゃいますけれども、例えば「対象分野」 のところで左の上から2番目に「災害有事・重大健康危機」、ここにも化学物質関係が ないのですね。こういうところに化学災害とか、化学テロとか、そういう言葉、例示、 少なくともこういうところには載っている方がいいかなと思います。  林座長  「災害有事・重大健康危機」というところですよね。  山本委員  それから、もし、6頁とか、そのあたりにも、そういうふうに書ける部分があれば例 示の中に大規模化学災害などという言葉が入る場所があればいいかなと思うのですが、 今、ちょっと思いつきません。  林座長  そこがよろしいのか、あるいは右の方の一番下の「生活環境安全」というところに 「環境汚染」が出ておりますよね。どちらの方がよろしいのですかね。どうぞ。  岡部委員  それに関連するのですけれども、あとでもちょっと発言しようと思っていたのですけ れども、地方衛生研究所がケミの分析は非常に重要だと思うのですよね。例えば松本サ リンや何かでもあれは地研がいち早く察知しているといったようなことがあるので、例 えば15頁の地研の役割のところにあるのですけれども、今後、どちらかと言うと感染症 が中心にはなっていますが、15頁の一番丸の最後のところですね。(3)の保健センター の手前になりますけれども、ここのところも「生物テロ等を含めた」というふうに生物 テロに特化しているけれども、ここに化学災害というのが入ると地研の役割もはっきり してくると思うのですけれども、いかがでしょうか。  山本委員  それに加えて今、BとCが出たのですけれども、例えば東海村の事故のように、ああ いう放射線被曝とか、そういうような大規模災害が起こった場合もやはり保健所とか地 衛研は対応しなければいけないので、そういうのもどこかに出ているといいなと思いま す。  林座長  チャートの方には載っているのですよ。原子力災害ということがね。28頁の右の下で す。ただ、チャートの問題と文章の問題、両方かと思いますが、今、他の頁のところに 飛んでしまったわけでございますけれども、ただいまの話というのは3番の「地域にお ける健康危機管理対策」という文章の中でどこのあたりで表現すればいいかという話か と思うのですけれども、化学物質による災害ですか。特にテロ関係ですか。  山本委員  それから、あと、そういう犯罪、意図的なものだけではなくても、例えば大規模な化 学災害が起こったときに周辺住民も巻き込むような有毒ガスが発生したりとか、そうい うことがありますよね。そういうときにやはり保健所がイニシアチブを取って住民への 対応ということを考えるのが一番いいかなと思うのです。そういうようなこともイメー ジとしてわかりやすいようにここでどこか文章のところで例示されているといいのでは ないかなと思います。  林座長  なるほどね。いずれにしてもただいまの御意見、お二方の御意見としてはこの第3章 のところのどこかに化学災害、あるいは原子力災害、そういうような言葉をどこかに入 れてほしいと、そういう御要望ですよね。そうですね。この短いチャプターですからす べてのことについて詳しく書くというわけにもいきませんが、何らかの表現をしていた だきたいと、そういうことですよね。はい。意見として承りました。  村田委員  6頁の上から4つめの丸のところですが、「また、SARSや新型インフルエンザ等 の海外から」ということが、これは新しい新興感染症というようなことになっているの ですけれども、この後に「公衆衛生行政における健康危機管理業務の最も重要な課題で ある」というあとに、このようなこれまでの予測を超える感染症に対しては様々な影響 への対策を講じる必要があるので、単純なマニュアルによる対応は不可能だというよう なことを少し入れた方がいい。  その辺のところと、保健所などの公衆衛生の今までの知識、経験に基づいて他の警察 だとか消防、医療機関はもとよりいろいろな行政機関、学校、企業、住民と連携をとり ながらやっていく必要があるというのも少しここのところは、「更に、児童、高齢者の 虐待」ということで急に平易なものになってきているので、そこの前にこういう新興感 染症だとか、ウイルス性のそういうようなものというのは十分でない部分もありますの で、そこについて少し入れた方がいいのかなというようなことが思います。  なかなかこの辺のマニュアルというのはまだまだ十分にできあがっておりませんの で、その辺のところで今後、それでは、対応ができないという、前は大規模新興感染症 というようなことでちょっと触れてあったかと思うので、それがなく、この文章の中で はもうなくなってしまいましたので、そこら辺のところが少しあってもいいのかなとい うふうに思いました。  林座長  多分、今、おっしゃったことは丸の下から3つめですかね。「特に原因不明の事例に ついては」というところにめり込ませた方が文章として馴染みやすいですかね。のよう な気がするのですが。その他。どうぞ。  曽根委員  今の例ですけれども、「更に、児童、高齢者の虐待についても」というのは、これは ちょっと項を改めた方が適切ではないかと思います。  もうひとつ、後ろの28頁の図では「精神保健医療」に関することでひとつ項目が立っ ていますが、本文にはそれに関する記述が特にないようです。  林座長  文章の中に。  曽根委員  はい。精神保健医療には措置入院とか、あるいは精神科救急だとか、あるいは最近、 触法精神障害者の問題とかがございますので、もし、そういうことも、それを健康危機 管理に含めるのであれば、何らかの形で盛り込んでおいた方がよいのではないかと思い ます。  林座長  はい。精神保健のことも一言、第3章のところで少し書いてもらいたいということ と、児童・高齢者虐待は今、書かれている文章の流れの中からちょっと違うカテゴリー ではないかと。御意見ですよね。だから、文章を分けて書いたらいかがかという御意見 だと思います。どうぞ。  河原委員  28頁の図を見ながらちょっと御説明したいのですが、危機管理への対応も重要と思う のですが、今までの議論を伺っていますと、いわゆる保健所が主役になり得る業務と保 健所が例えば対策本部のひとつの機関にすぎない業務が混在していると思うのですね。 28頁の表の上の段の左の部分は、特に丸の2番目などを見ますと、これは保健所が主役 となって対策するのは不可能に近い案件と思うのですが、こういうのはもちろん対策本 部の中で保健所とか警察とか、関係機関が動くわけで、保健所がそのひとつの機関にす ぎないと思うのです。  右の下の原子力ももちろん同じと思うのですが、真ん中の欄になりますと、これはま さしく保健所が主役になると思うのですが、保健所が主役になり得ないようなところと いうのは一番大事なのは危機が発生したときに関係機関がすばやく対策本部をとって、 その中で保健所がどういう業務分担で動くということが一番大事なことなので、この危 機管理に該当する項目すべてが同じような対応で保健所が動けないというふうに思うの です。  林座長  ということはつまりこの四角の括り方ですか。これを分類を。  河原委員  分類をした方がいいと思います。  林座長  した方がよろしいということですね。  河原委員  とても生物テロとか、原子力災害、保健所が中心に動くとは考えられないと思います ので。  林座長  そうですよね。新型インフルエンザとかSARSなどというのはむしろ保健所かなと いう感じもするのだけれども、そうすると例えば地震、台風というような自然災害とい うのはちょっと違うのではないかと、そういうことですよね。  河原委員  だから、それがひとつ、地域保健計画の意味にもなってくると思うのですが、そうい う何か発生したときに対策本部を立てて即時に対応できると。そういうところも意味の ひとつと思いますけれども。  林座長  そうですね。基本的にはそういう考え方の方がよさそうな気がしますがね。どういう ふうに分類した方がいいかというのはちょっと考えなければいけない面もあるのですけ れども、例えば有機砒素の問題もここに書いてありますけれども、飲料水安全。普通の 有機砒素の汚染というならば、通常の環境汚染というカテゴリーなのだけれども、それ が新聞で報道されているように、もし、それが旧陸軍の何とかという話に勝手に推察し てきているとちょっとまた分類が、所管というか、あれがまた違ってきて対応の機関も 違ってきてということがあるので、でも、それであっても基本的な性格というのはやは りあるから、それに基づいて少し分類し直した方がよかろうという御意見ですよね。わ かりました。  今村委員  よろしいでしょうか。今の点について、最終的に所管が分かれているので分類が必要 だということはそのとおりだと思うのですけれども、今、所管が決まるまでの間の初動 の部分でそもそもこれは将来的に所管が違うから保健所は違うよと言ってしり込みする というふうな問題があるので、初動の段階では確定するまでは関わるべきだということ はやはり全面に出していくべきで、その上でそれは将来的にはそれぞれ所管が違うとこ ろが主にやっていくのだよというふうにやっていかないと、そもそも所管の違うところ は携わってはいけないというと健康危機管理の初動の部分がもとに戻ってしまうと思う ので、その辺は作る際にはぜひ、御注意をお願いしたいと思います。  中野委員  それは分野別にやはりチームを組む職種も違いますし、それなりの初動体制も違うの で、やはりここにもありますようにそれぞれ分野別のガイドラインというか、マニュア ルみたいなものが必要だと思うので、その辺も合わせてみればそれぞれ分野別のガイド ラインが必要だというふうなところで、それに対する対応ということをあげていかない ととても資質の向上というふうなところにはつながってこないのではないかなと思うの ですけれども。  林座長  あとの方で確かガイドラインのことについても触れておりますけれども、今の御議論 は多分、カテゴリーの分類の軸をどう決めるかという話かと思うのですけれども、チャ ートの方で描くか、文章の中で表現するかということもあるわけですけれども、このこ とについてまだ何か御意見いただければ。はい。  植村委員  これはおそらくここで書くと次の課題という感じになると思うのですけれども、今、 今村委員の言われたことを今度、逆の方から見ている形になるかと思うのですが、やは りここの部分ではお互いの連携とか、そういうことがいっぱい書かれているのですけれ ども、その連携をどうやってやるのか、どこが一番最初に出ていくのかとか、そういう ことがないと、例えば保健所についてあれもやりなさい、これもやりなさいと、こうい うことも保健所が絡まなければいけませんよということがいっぱい書かれたとしても、 結局、今度は多くの組織の中で保健所が出てくるのだったらよろしくねみたいな感じで 終わってしまうと、結局、それだけの力があるかどうかわからない保健所に全部押しつ けられていって現実は動かないという場面が出てくるので、やはり保健所はしなくても いいよということではないけれども、中心になってやるのはここですよと。保健所は横 からこういう力を発揮するのですよというような形できちんと書いてあげないと現実は 動かないのではないかなという気がするのです。  稲葉委員  多分、この検討会の課題というのは健康危機管理というのがかなり広い概念として考 えるということがまずひとつあったのだろうと思うのですよ。そうするとそれを一元的 に対処していくシステムがないという問題意識がまずあったのだろうと思うのです。  そこではこの報告書の中にも書いてますように、最初の対処者と言われている人たち に情報が統一されると同時に専門的な知識がいる。そのことも多分、肯定できるのだろ うと思うのですけれども、おっしゃったように今ないものも実は含めているものですか ら、立ち上げていかなければならないもの、あるいはそもそも保健所がやるべきなのか どうかというようなものも一部、含まれているというところのその整理を多分、一番最 初にしなければならないのではないか。「はじめに」のところにやらなければならな い。そういう問題意識みたいなものをもうちょっと明確にした上で、足らないものをど う埋めていくのかというときにやはり保健所にやらすべきなのだというふうになれば法 的な手当が出てくるのかなと思うわけです。  例えばこの生物テロなどについても今の段階で保健所がすべてを対応することはでき ないことはまず間違いないと思うのですけれども、だけれども、さきほどおっしゃった ような俗にインテークであるとか、対応のシステム自身を調整していく、これは緊急な 場合ですから単純なマニュアルでは到底できないという、そういうようなところをしっ かりここでは何かどこかで結構だと思いますけれども、太い線を少し出した方がいいの ではないかなと思いました。  林座長  ありがとうございます。どうぞ。  山本委員  もっと先の方に出ているのですけれども、例えば連携というところで訓練とか、そう いうのがあとの方に出てきますね。今のお話を伺っていて、おそらく実践的な意味で一 番重要なことは保健所だけで対応できる範囲を超えるような事例に関してはやはりいろ いろな機関が関わるわけですので、そういうところと普段から実際にシミュレーション してみるとか、また、そういうことを通じてお互い、連絡しあえる関係を作っている、 それが多分、一番実際に何か起こったときには役に立つだろうなと思うのですね。そう いったフォローをもうちょっと後ろの方で前面に強調する、そういうような部分は必要 ではないかなと思います。  やはりいろいろなことが起こる事例はもうケースバイケースで、あまりはっきりそれ をマニュアルとか、ガイドラインみたいな形でここでは保健所が主に対応するとか、こ こではどうとか、それはなかなか決められないと思うのですね。却ってあまり決めてし まうとそこにとらわれてうまく動けないということがありますので、多少の自由度をう まく盛り込んだ形ができれば一番いいのではないかと思います。  瀬上参事官  今村委員の御指摘のあと、いくつかの議論があったのですが、茨城の有機砒素の問題 でも初動に関しては保健所が動きだして井戸水の汚染があり、所管が国にいったり、県 に戻ったりとガタガタしたところがございます。しかし、初動においてはやはり保健所 が出ていったということ、そういうことが今後も必要であるという認識をしっかり持と うというのが今のディスカッションの流れではないかと。  それにつきましては7頁の2の「地域における新たな課題」として、1)のところに、 ここ、全部が実はそうなのですが、特に3番目のあたりから明確化されている3、4、 5、3つめの丸、4つめ、5つめ、6つめ、この7頁全体にわたりまして原因が特定で きない、そういう段階での保健所の関わりを強化する必要がある。そのためにはこうい う体制が必要である。また、関係機関との連携をしっかり持たなければいかんと、こう いう流れで書かれているのかなというふうに思っております。  場合によればここの中に1)のスギヒラタケの下あたりに茨城の事例における所管の移 動と初期対応の重要性ということを指摘することもあり得るのかなと思います。それが 化学物質に関するもうちょっと中に強化していけというお話ともつながるのかなと思い ます。  林座長  ありがとうございます。この健康危機管理の問題をどう考えるかというのは、従来の 日常生活の中でのいろいろな健康問題の対応とだいぶ性格と言いますか、性格も違う し、多分、動き方もかなり違う。マニュアルが一番通用するのはそういう平時の健康管 理に関連するものと思うのですけれども、危機が発生したときにむしろ求められるもの はマニュアルにすべて沿って動くというより、言わばポートフォーリオ方式でこういう ことがきたらこういうふうに動いたらいいのではないかとか、こういうこと、別なこと が発生したらこう動いた方がいいではないかという、そういう対応能力と言いますか、 何か金科玉条があって、それで動くというのではなくて、そういう物事を考えて行動で きる能力の方が大事ではないかと私、日頃、感じるところがあるのですけれども、そう いったようなことをどのようにして表現していけばいいかということが健康危機管理の 中の表現になるのかなと。  さきほど出された意見もいちいちすべて尤もだという気がするのですけれども、なの だけれども、例えば自治体によってインフラが強いところと弱いところ、ヒューマンリ ソースが割とあるところとないところでは対応の仕方、だいぶ違ってくるだろうと。マ ニュアルを作った場合にいったいどこを標準にして考えていけばいいかという問題、ま た、出てきてしまいますので、おそらくひとつの回答を出すというのはなかなか難しい のではないかというふうな気がします。  なのですけれども、委員の皆さんが合意できる線で表現するというところがどうかな という気もするわけでございますが、この問題は大変これからの地域保健計画の中で大 事な問題になってきますので、じっくりとまた議論していく必要もありますが、時間の こともございますのでとりあえずあとでもう一度、戻っていただいても結構ですが、と りあえずこの第3章はここで一度、締めさせていただいて、次にいきたいと思います。 第4章、「生活習慣病等その他の地域保健対策」ですね。  岡部委員  3章については前半のことを議論していたと思ったので後半のこと、僕、ちょっと発 言していないのですけれども、よろしいですか。  林座長  はい。どうぞ。  岡部委員  14頁のところに2)で「保健所を中心とした健康危機管理体制の構築」、そこで(1)で 「保健所」、(2)で「地方衛生研究所」というふうに書いてあるのですね。保健所につ いてはその役割も明確にしてあり、足りない部分もここにあって、丸3のところでは 「健康危機管理の拠点であることを法律上も明確に」すべきであると極めて明確に書い てあると思うのです。  (2)の「地方衛生研究所」の方にいきますと、いくつかのことはすべきである、必要 があるということは書いてあるのですが、これについても私は何らかの形で法律上に明 記をしてきちんとそこの位置づけをはっきりしないと健康危機管理をする上での背景と なるエビデンスを作っていくのは保健所も大切ですけれども、地方衛生研究所だと思う ので、そこの役割を明確にした方がいいのではないかというふうに思います。  林座長  なるほど。地衛研の法律上の位置づけの問題について御意見があったわけですけれど も、いかがでしょうか。この点について。大変大事な問題だとは思いますが。いかがで しょうか。  山本委員  特に付け加えることではないのですが、私も岡部先生と全く同じ意見で、地衛研の役 割を法律上、明確にすべきだというふうに思っております。  林座長  その他に。  村田委員  よろしいでしょうか。7頁のところですけれども。  林座長  地衛研の法律上の話ですか。  村田委員  すみません。いいえ、違います。  林座長  では、ちょっとお待ちください。  村田委員  失礼しました。  林座長  保健所の法律上の位置づけ、例えばどういう機能を持たなければいけないという話は 地域保健法の中に書き込む形で可能なのですけれども、地衛研が現在、県の一応、下に あるということになっておりますが、今まで法律上の位置づけがなかったというのは確 かなのですけれども、私、法律のこと、よくわからないのですけれども、つまりこうい ったようなペーパーで書き込もうということができるのかどうか。そういう方向で今 後、検討していく必要があるという表現なのか。  岡部委員  私は法律でどこにどうなっているかよくわからないのですけれども、地域保健法は先 生、おっしゃったように保健所のことが、あるいは保健センターのことが書いてあるわ けですね。基本指針の方にはもう頭の方から地域保健対策には保健所と地衛研が重要で あるという数行入っているのですが、では、地域保健法において地衛研をどういうふう にやるかというのは全く宙ぶらりんであるというふうに今までもよく思っているのです けれども、どこか明確にしておかないと利用するということだけで片一方の柱ががらっ と崩れちゃいそうな感じも感じるものですから、何らかの形で法律という表現がいいか どうかはわからないのですけれども、何らの形で足元をしっかりしておくというような 表現はどこかに入れていただいた方が保健所が地衛研を利用する、あるいは自治体が地 衛研を利用するという意味において楽になってくる、利用しやすくなるのではないでし ょうか。それは結局、健康危機管理に結びついていくというふうに思うのですけれど も。  林座長  どうなのでしょうか。この点についてやはりむしろ詳しいのは事務局の方々だと思う のですけれども、法律上の位置づけというのはこういう文章でどうなのですか。書き込 めるのでしょうか。瀬上参事官、いかがなものですかね。  瀬上参事官  御指摘にあわせて15頁の丸2の最後と言いますか、丸3の市町村保健センターの上に 地衛研機能の明確化ということについて何か文章を改めて考えていただければよろしい のかなと思っております。  林座長  なるほどね。はい。  今村委員  項起こしを、もし、するのであれば、地衛研の明確化にあたって保健所政令市の衛生 検査との関係を明確にしておかないと地衛研との関係が非常に難しくなっていくので、 県に衛研があっても権限的には保健所政令市というのは全く独立しているので、県の衛 研は委託関係になってしまって権限者とは外れてしまうのですね。ですので、地衛研の 法律的な整理をする際には、ぜひ、保健所政令中核市の検査問題を整理を併せてお願い したいと思います。  瀬上参事官  はい。今、私が機能の明確化という言葉を選んだのは、そこら辺が問題点としてある という認識に立ってのことです。そこら辺をここに書くのは不適切かなと。ということ はそれは一本で改めて別途検討しなければならない話で、過去に地衛研の機能に関して 都道府県以外に、すなわち政令市等に広げるべきかどうかという議論は科研費などを通 じて何回かやられています。それに対する対応は技術的指針の中で明確に書くというよ うなことでこれまでは進んできていたわけですが、もう一歩、踏み込んだ検討というも のをするのであれば、今の問題が一番大きいかなと思っています。となると現行の追認 というレベルで47都道府県での地衛研そのものについてのみ言及するのかどうか。そこ は今後の課題だと思っています。  林座長  そうですね。あとは表現の問題になってくると思うのだけれども、結局、地衛研の存 在というのは国が設置しなければいけないという法律で決めているわけではないものだ から、その状況の中でのこのペーパーなものですから、そこを国がこういう委員会のペ ーパーとしてどれだけ踏み込んで書けるかということですよね。そこら辺、ちょっとな かなか微妙というか、いろいろ問題もありますが、しかし、それを思わせるような文章 は何とか書けるのかもしれませんですね。そういう方向が必要、望まれるとか、何かそ ういう考えられなくもないような気がするのですが。  植村委員  おそらくここに書くとすれば今、座長が言われたような形になっていくのだろうと思 いますが、具体的に法律に書くとか、そういう議論まで踏み込みますと、おそらくいわ ゆる必置規制というか、置かねばならないとか、そういう話になってきますので、立法 論的にというか、技術的に書けないことはないと思うのですけれども、政策的に果たし て地方自治という趣旨から見たときに法律で地方がここに置かなければいけないみたい なことが法律で書けるかどうかということが出てきますので、そういう立法措置みたい なところまで踏み込んだ議論をここに書くというのはおそらく調整ができないのではな いかなというふうな気がするのですね。  むしろ政府側で言うか。事務局側で。だから、かなり参事官も非常に慎重な言い回し 方をされましたけれども、その辺のことを想定しながらここに書けるだけのことを書く ということしかないのではないかという気がしますけれども。  林座長  ありがとうございます。  山本委員  多分、地衛研が今、こういう枠組みの中で何かが起こったときになかなか思うように 他と連携をとって自由に動けないというような部分もあるのかと思いますので、地衛研 のいろいろな経験とか、そういう意見がどこかで集約されているのかもしれませんけれ ども、そういうのを参考にして、もし、法律に盛り込むのが難しいということであれ ば、その代わりに何かいい対案みたいなものを考えていくということもあるかなと思い ます。  林座長  地衛研も例えば東京の場合だと区で持っているのもあるのですよね。だけれども、例 えば大阪とか横浜、横浜だと横浜市の衛研というのはありますけれども、区として持っ ているわけではない。そういう同じくそういった政令市でも形態が違ったりして、なか なか悩ましいところなのですけれども。意見は承りました。村田委員の方は何か別のこ とで。  村田委員  すみません。7頁のところで下から3つめの丸のところで2段目のところになります けれども、「検査に必要な物品の収去、症状を有する者への健診」、これだけではなく て症状を有する者への健診をはじめ、地域住民の健診というのがここに入ってくるのか なと。それとか疫学調査というものがここのところの文章には入るべきではないのかな というふうに思っています。下から3つめのところですけれども。症状を有する者だけ の健診ではなくて、むしろまた地域住民の健診というのもここのところに出てくるのか なというふうに思いました。あとは疫学調査など、いろいろなことをやっていくという ようなことが大事なのかなと。  さきほど来、出ていますけれども、初動時のときの保健所の役割でやはり疫学調査と いうのは非常に大きなものが出てくると思います。原因がわからないが故にどういうよ うな状況なのかというようなことを、まず、第一線に行って疫学調査というものもあり ますので、ここのところにも入れるべきではないのかなというふうに思いました。  林座長  はい。多分、疫学調査は当然重要なことだということがあって特に入れてないのかも しれませんけれども。  河原委員  その上のパラグラフ。  林座長  書いてありますね。上。「健康危機管理の事例の調査(疫学調査、病理学的調査等) 」、ここではまずいですか。  村田委員  いいです。ただ、その下の「症状を有する者への」というところだけではなくて、地 域住民はここのところに入れていただいた方がいいのかなというふうに思っています。 疫学調査は上にありますのでそこで大丈夫だと思います。  瀬上参事官  御趣旨は大変よくわかるのですが、ここに書いてあることは言わば今までない、言わ ば権限を付与しようという話であって。  林座長  新たな課題でね。  瀬上参事官  それで今、おっしゃったのはサービスとして不安を持っている方々への対応としてフ レキシブルに考えるべきこと、ちょっとパラグラフは明確に分けた方がいい内容かなと 考えられます。  積極的疫学調査の話は既に、例えば感染症に関しての疫学調査は感染症に書いてあり ますし、また、疫学調査をやるということは地域保健法の指針の中でもそういった考え 方というのが出ているわけでありますが、今、御指摘になった3つめのパラグラフに関 してはこういった対応能力を現在、保健所は持っていないということに関しての認識で 御指摘を受けていた話として整理されていると思います。  林座長  はい。時間の都合もございますので。  岡部委員  すみません。ひとつだけよろしいですか。最後です。17頁の(4)なのですが、ども、 「情報の収集、整理及び活用」とありますけれども、これは整理、活用、これには発 信、還元という意味が含まれるだろうと思うのですけれども、やはり発信はちゃんと出 しておいた方がいいだろうということと、18頁の方にいきまして丸3のところが発信と 還元の部分だと思うのです。発信については下から2行目から3行目ぐらいのところで すが、「パニックの軽減が期待できるため、平時から、マスメディア等を通じて適切な タイミングで」、これはリスクコミュニケーションとして最も重要なところですが、自 主的に発信をするということがここにはないのですね。ですから、やはり保健所が中心 になって情報の発信をするという事柄をも必要だろうと思いました。  パニックの軽減はもちろん言わずもがななのですけれども、私はこれに加えて流言、 飛語が抑制できるというのが重要な意味だろうというふうに考えていて、その一言が、 もし、加えられたら。以上です。すみません。  林座長  はい。どうも。  今村委員  もう1点だけ、よろしいですか。13頁で今回、新しくそれぞれの国、県、市町村の役 割の分担、ここでも、ぜひ、政令市については権限を明確に書いてもらいたいと思うの ですね。他の項目でも保健所政令市についてはある程度、保健所政令市は県とここと同 じことをするのだよということを明確に書いてもらっていると思うので、その点につい ては。  林座長  この役割分担というところでしょうか。  今村委員  そうですね。人口の2割近くは何だかんだ言って特別区か政令市か中核市に住んでい るので、そこの保健所がそっぽ向いてしまってはそもそも何の役割を持っているのかと いうところでつまずいてしまっては元も子もないと思うので、細かい点なのですけれど も、ぜひ、特によく中核市が全体の報告書から落ちたりしているので、地方自治法の政 令指定都市と地域保健法の政令市と中核市は最後に注でも結構なので、必ず言葉として 載せていただけると。  林座長  そうですね。それは小さいような話のようで実はとても重要。名前が載っているのと 載っていないのと注目されているのかいないのかという気持ちがだいぶ違うようですの で。わかりました。  はい。では、19頁にいきます。第4章「生活習慣病の地域保健対策」、この部分は従 来の保健所活動などでは随分力入れてこられてきた部分なのでございますが、ただ、こ こに書いてありますように現状と課題では「健康課題の精査、原因究明が不十分」であ ったのではないかと。課題解決のための具体的な方策は検討されていないのではないか と。もちろんよくやっているところもあるわけですけれども、必ずしもそうなっていな いということかと思います。  それから、専門的な人材の育成、住民参加、情報公開、市町村への支援ということは 書かれておって、それから2番目の方としては主な動向として健康日本21、健康フロ ンティアのことが書かれております。医療計画のことですね。これも従来、いろいろ言 われてきたところでございますけれども、生活習慣病対策について何か御意見ございま せんでしょうか。はい。どうぞ。  津下委員  今回の中では基本的な枠組みとか、他の計画を包含するような仕事の進め方等は明示 はされていまして、そういう方向性はきちんと出されたというふうに思っておりますけ れども、具体的にどういう健康指標で健康課題を抽出するのか。どこがどの分野の責任 を持つか、それをどういうふうに動かしていくのかということについて、個々にきちん とこれから検討は進めていかなければいけない課題だろうというふうに思っています。  22頁ですか、「どの健康指標や分析指標を採択するかは、都道府県の裁量とすること が適当であるが、全国的に対策が必要と考える共通課題を明示することも必要である」 ということが書いてありますが、その明示の方法と言いますか、きちんとした指針を作 られるとか、どこがどういう責任を持って行うのかということを具体的に今後していか なければいけない課題ではないのかなというふうに思います。  あと、実施状況の評価ということでありますけれども、24頁ですが、「具体的到達目 標・施策・実施体制等の明示」とか、評価ということがありますけれども、やはりこの 生活習慣病対策というのは個々自治体の責任でもって行うという位置づけであろうと思 いますけれども、それぞれの自治体がどのような取り組みをして、どのようなことが良 かったかということだけではなくて、失敗例も含めていろいろな情報が集約されること が大切だと思います。ある自治体の取り組みについて他の自治体がベンチマーキングで きるような、そういう仕組みを国の方で作っていただくのがいいのではないのかなと。 他の自治体の参考例をきちんと一般化できるような形で国が機能する必要があるのでは ないかなというふうに思います。  ですから、この評価のところなのですけれども、25頁の上にもありますけれども、 「都道府県が行った評価の結果については、これを国の施策にフィードバックさせる」 ということが書いてありますが、評価の結果、例えば健康課題の評価、プロセスの評価 などをきちんと国の方で明示をしていただく、集約をしていただくことが必要だろうと いうふうに思っています。  林座長  はい。ありがとうございます。ただいまの発言は4章及び5章の方に踏み込んでいた だいたわけでございますが、この5章も地域保健計画の方の話でございますので、4 章、5章併せて議論していただいて結構だと思います。  植村委員  5章、ここで言うことかどうかというのはあるのですが、これ、一応、中間報告とい うことですので、おそらく記述としてはこれ以上書けないというか、中間報告としては これで止むを得ないと思うのですが、地域保健計画という言葉がありながら、ここでは 地域概念について全く触れてないと言いますか、計画を作る以上、エリアというものが 必要になってくるのですが、これは従来の地域保健医療計画というものが二次医療圏毎 に作られてきたということで、何となくそれを想定して考えているわけですけれども、 医療計画の方でもいろいろ御議論があると思いますし、医療計画と分けた計画というも のを作っていくとすれば、必ずしも医療計画との整合性なり、一体性というものが必要 であるとしても、必ずしも医療圏という概念がそのまま保健対策と言いますか、特に生 活習慣病対策を行うエリアとしてぴったり合っているのかどうかということも吟味をし なければいけない問題であるかと思います。  また、都道府県の広域調整ということが出てくるのですけれども、市町村合併でかな り巨大な市町村というのが出てきていますし、市町村の中でも住民の生活スタイルが全 然違うとか、気候風土も全然違うとかというところが出てきているわけで、そういった ものを考えていくと行政の区画と言いますか、そういうものとぴったり合っているのか どうかという問題も出てくるということで、そこはもう少し本当は議論しなければいけ ない分野ではなかったかなというふうに思っておるわけですけれども、医療計画の方が まだ動いているということもありまして、具体的に地域がこれこれだとか、あるいはこ のエリアを想定してこういう計画を考えていますよということが書かれてないという部 分がございます。  ですから、現時点でこれに何か書き込むというのはなかなか難しいのですけれども、 やはりこれを読んだときにこの部分、ちょっと抜けているのではないかという、どうし ても印象があると思いますので、これはその次があるのかどうかわかりませんけれど も、最終報告というのがあるのかどうかわかりませんけれども、そちらに向けてまだ議 論していかなければいけない課題ではないかなというふうに思っております。  林座長  ありがとうございます。その他にいかがでしょう。  最後に「まとめ」のところでございますけれども、「まとめ」は1番、「国内外での 地域保健に関する新たな潮流への対応」、「保健所を中心とした健康危機管理体制の構 築」、「今後の地域保健計画」と、この3つの部分に分かれてございますが、いかがで しょうか。  ここでひとつ注目していただきたいことなのですけれども、「まとめ」のところで最 後の27頁の「以上、整理すると」という一番最後のパラグラフでございますが、「地域 保健計画の含むべき内容は、おおむね次のとおりである」と。ここには「(1)健康危機 管理計画、(2)生活習慣病対策」云々、「(3)資源配分の方針、(4)基盤整備(人材育成 ・確保、保健所等の施設・整備、調査・研究等)」等々書いてあります。つまりこのコ ンセプトが非常に大きな意味を持ってくるわけですね。地域保健計画の中に健康危機管 理計画はあって、それから生活習慣病対策も当然、これから続けなければならないし、 そういう計画が計画倒れにならないようにどういうような資源が使えるのか、どういう 人材がいるのか、それで計画を支えていくという極めてリアリスティックな話に今、ま とめてあるわけです。  ですから、ただ作ればいいということにはならなくなるはずだと思うのですけれど も、この仕分けの仕方は今後、地域保健のあり方についてかなり大きな影響を及ぼすよ うに感じられるのですけれども、もし、ここは大事なことですので、ぜひ、委員の方々 から意見をいただきたいと思います。  中野委員  すみません。エリアの問題はあるのですけれども、私も今、市町の中の計画そのもの が保健対策の中で言えば母子保健とか老人保健、健康増進というふうな今、市町での役 割的なことで書いてあるのですけれども、それが都道府県の計画になるのは当然、危機 管理は新しい計画という位置づけなのですけれども、その後、生活習慣病対策、その他 の地域保健対策という形になると、今まで我々がしていた部分というのは主にそういう 保健対策毎に母子保健ですとか、精神保健ですとか、難病対策とか、そんな形でやって いたのが、急に生活習慣病対策、その他というふうな形になって、これが健康課題毎の 対策ということになるのか、何かちょっと少しどきっとしている部分なのですけれど も。  今、都道府県の役割としては精神保健ですとか、難病対策ですとか、そういう形で特 化しているわけですけれども、全体を地域全体の健康課題を抽出してそれの課題解決の ために計画を作っていくのは当然、役割としてあるのですけれども、この保健計画と言 ったときに今までの我々のイメージ、要は母子保健とか、老人保健とか、そういうもの をちょっと取り外した計画という部分で何かちょっと。  林座長  そうですね。前回の議論で検討会のときに確かこれに関連した議論が出たと思います が、それでは従来の地域保健計画というものは現状においてどういう状態にあるのかと 考えたときに、既に例えば健康日本21、健康増進計画、防災計画、いろいろな計画があ るわけですね。それはそれぞれで動いているわけなわけですから、それを地域保健計画 と称した場合にいったい地域保健計画というものは計画なのか、あるいはどなたか委員 がおっしゃったのは、いや、これはストラテジーなのだと。計画ではなくてストラテジ ーなのだという発言があったかと思います。  計画として位置づけた場合は既にもうできあがったものがたくさんあって、主なもの がほとんどできあがって、あとはそれを束ねて地域保健計画と言うと、あと隙間に何が あるかと。言わば落ち穂拾いみたいな形にまたなってくるわけですね。それでは地域保 健計画にならないのではないかというような議論だったかと思います。  そういうことを考えると、では、はっきりとこれからの地域保健の健康増進、あるい は健康危機管理をやる上でこれ、すべて一本にまとめてその中で位置づけるとまたはっ きりしてくるだろうと、現状の役割も。健康危機管理もしっかりやると。今もやってい るわけですけれども、さらにしっかりやると。生活習慣病も今までよりもしっかりした 仕組みでやりましょうと。そして、それを支える資源の問題もちゃんとアセスした上で 推進していこうと、こういうコンセプトになってきているとは思うのですけれども。  ちょっと今までの議論を委員の皆さんももう一度、フィードバックさせていただいて お話をさせていただいたわけですけれども、どうぞ。  今村委員  ストラテジックなものであればあまり問題にならないと思うのですけれども、さきほ どの植村先生が指摘された地域の問題というのが、もし、リアリスティックに計画を作 ろうとすれば最大の問題になってくると思えるのですね。  それはまず医療圏と保健所圏だけでも各地域では一致していないところが大半だと思 いますし、エンゼルプランにしろ、ゴールドプランにしろ、福祉医療圏と医療圏とがあ っていないですよね。それに今回の合併した広域市町村圏はそれにもっとあっていない のですね。だから、4つ、各県の中に地域と言われる圏があって、それをどう整合性を とるかということを図らないと資源配分や基盤整備の方針というものは非常に立てにく いと思うのですけれども、そこら辺は今後、踏み込んだ議論が必要になってくるのでは ないかと思います。  林座長  なるほどね。どうぞ。  植村委員  今、座長の方でおまとめいただいたので、もう同じことになってしまいますけれど も、特に今までの議論としてはやはり従来型の計画と言いますか、それぞれ司、司で張 りついている人がいるわけで、では、母子保健はこれやりましょうと、老人保健はこれ をやりましょうとやっていくと、結局、それぞれのところで単に私たちはこういうこと をしたいということを並べただけの計画になってしまうと。  そうではなくてもし少し原点に戻ってと言いますか、我々のこの地域での健康課題は いったい何なのだろうかということから始まって、この課題があればこれを解決するた めに何をすればいいのだろうかと、そういう順番に積み上げていくのがこれから作るべ き地域保健計画ではないかと。ですから、津下委員だったと思いますけれども、まさに 戦略であると、こういう御意見があったわけですね。  なので、さっき私が申し上げたのは、では、その健康課題というものを考えていくと きにやはりエリアというものがないと考えていきようがないと言いますか、ここの地域 の我々の地域の課題は何なのだろうかというときに、それは行政区画でとるべきものな のか、医療圏でとるべきものなのか、あるいは健康のもとになっているというか、健康 課題のもとになっている人々の生活のライフスタイルが違うとか、そういうところで切 っていくべきものなのかということはもう少し議論をしないといけないのではないかと いうことと関わってくると思いますね。  林座長  そうですね。特に東京みたいな大都市だと行政地区と人々の生活圏が一致していない と言いますか、自分の住んでいる区の中で働いている人などというのは多分、ほとんど いないと思うのですけれども、そういう行政圏とこういった保健医療だけではないかと 思いますけれども、圏域の設定の仕方というのは非常に難しい面があるわけですが、そ こら辺の議論となるとまた一仕切り、何か必要なような気もしてくるのですけれども。 でも、もっと意見をいただいて今後の参考にさせていただきたいと思っておりますけれ ども。  津下委員  さきほど中野委員がおっしゃったことなのですけれども、母子だとか精神だとか、こ れまでやってきたいろいろな保健対策ですね。生活習慣病「等」になってしまったとい うところで引っ掛かりだとかがあるのだろうというふうに思いますけれども、生活習慣 病対策も地域保健計画の中のひとつと言えますし、母子や老人などについては健康課題 の対象としてとらえるという捉え方もできるのではないかと思います。母子・老人問題 の中には、母子の生活習慣病という要素もありますし。  ですから、母子だとか老人保健だとか、働き盛りだとか、いろいろなライフステージ 毎の政策なり計画があるのですけれども、この地域保健計画の評価としては、ひとつの 健康寿命とか、そういう包括的・総合的なものだけではなくて、それぞれの分野の指標 をきちんとモニターして、それでどこを強化すべきかということについて地域、都道府 県だとか圏域毎で考えられるような、そういう各分野の総合評価を合わせたレーダーチ ャートみたいなものをイメージするとよいのではないかと思います。それで地域の健康 課題が明確になるような、そういう評価ができればいいのではないかなと。そうすれば 母子だとか精神だとかの保健事業について、地域保健指標として採用されているという ことになると、対策が今まで以上に進んでいくのではないかなというふうに思っていま す。  林座長  そうですね。  中野委員  ただ、ちょっと気になったのは、保健ということをした場合に、ここで生活習慣病対 策という、病という病気が出て、その他対策となったときに、やはり保健活動というの は予防から増進からリハビリから入るわけですけれども、何か包括的なことを考えたと きに、何かちょっと生活習慣病対策その他地域保健というのでちょっと引っ掛かったの ですけれども。  林座長  どういう文言を追加すればよろしいですかね。  中野委員  何かちょっとその辺で。今、言われるみたいにそれぞれでそういう評価指標をきっち り捉えればわかってくるのではないかなと思うのですけれども、一瞬、生活習慣病とい うふうなことに。  林座長  それだけではないよと。こういう御意見ですね。  中野委員  そうそう。というところで。  瀬上参事官  22頁の「地域保健計画のあり方」、最初に私ども、事務局から少し内容を変えてあり ますよと指摘をさせていただいた「1)都道府県の役割」の2番目のところに、1番目、 2番目ともにそうですが、「都道府県策定の保健関係計画(健康増進計画等)及び市町 村策定の保健関係計画(母子保健計画、市町村健康増進計画等)については、適切な方 法に基づく健康課題の抽出、解決策の分析は共有すべきである。また、保健分野以外の 連携を必要とする計画について」も云々で、「地域保健計画の位置付けを明確化するに あたり、調整・整合性を図る必要がある」と、こういう位置付けをした上での最後のと ころの4つの取りまとめなので、特に座長、最後のところは大事だよとおっしゃったの はここに初めて出て、初出の問題ではなくて、文章全体の流れの中で議論全体の流れの 中での取りまとめという言葉で御理解いただいたらいかがなのかなと思います。  村田委員  よろしいでしょうか。今、瀬上参事官もおっしゃったこともそう思うのですが、母子 保健計画にしろ、老人保健計画にしろ、ライフスタイル別の把握、全部横切りになって いますね。それに加えて地域保健の場合には今度、疾病的な難病だとか、いろいろなも のが縦の中で、その横と縦糸をうまくなった中での地域の中で健康課題というようなこ とで全体を考えていかないと地域保健というものが見えなくなってしまうというか、そ の辺のところが今、22頁にお書きになっているというようなことが、それがわかるよう な形で皆さんに御理解をいただかなければいけないのかなというふうに非常に思いま す。  やはり母子保健計画だけひとつでは母子の問題もあるでしょうし、地域保健の場合に は生まれたときから本当に高齢に至るまで、その人のライフスタイルの中でどういう健 康課題があるかということをそれぞれの中で保健所などでは解決していくということが あるので、やはりその辺のところがわかるようなことを記述していかないと、地域保健 ってさきほど地域の概念とおっしゃいましたけれども、その辺のところが見えなくなる ということと、住民によっては生活行動がさきほどおっしゃったように隣の県に行って いる場合もありますし、生活が県の中で終結する部分もあるという、その辺のところも 考えながらどういうようなところ、生活をしている人たちを考えた地域保健というエリ アというのでしょうか、地域保健の考え方をしないとなかなか難しいのもあるのかな と。  それを今、本当に市町村は拡大される、医療圏と福祉医療圏がまた違うとか、保健所 の管轄がもう全く今の合併によって全く変わってきているというようなことが非常にあ りますので、その辺のところを少し整理をしながら、では地域保健計画、その地域にい る人たちが健康になるためにはどうすればいいのかというのも終極の目的なので、それ をきちんと考えていきながらやらないと非常にまた違ってくるのかなというふうに思い ました。  林座長  多分、例えば研究班か何かでやっているような感じもする、確かやっているかと思う のですけれども、市町村合併によって保健所のカバーする範囲がずれたり何かしてくる こともあるので、そもそも市町村合併が生活圏を考慮しての合併であるのかどうかとい うことがまずひとつ問題があるわけで、これからいろいろ出てくるかと思われるわけな のですけれども、そこら辺も今後、これでペーパーというのはいずれやはりそういう状 況に合わせてまた考え直さなければならない時期がくるのかなという気もするわけです が。  津下委員  今のことですが、エリアの問題とか、どういう仕組みでやる、こういう対策を打つの がいいのかというのは本当に地域に突きつけられた課題ですよということをこの計画で 明示するということですね。エリアの問題も含めて、最適な方法を地域毎に一生懸命考 えなさいよ、ということをこの計画の中でははっきり見える形で表現されていればいい のではないかなと思います。  林座長  なるほどね。大変貴重な御意見だと思います。これですべて終わりというのではなく て、細かいことは地域の方でよく考えていただきたいということを強調もやはりすべき でしょうね。はい。その他に。  私の予定としてはこのチャプター毎の検討とともに、最後にまた別途、時間設けて皆 さんの文章に書き込む他にどういう検討課題があって、どういうふうにしていけばいい かということも同時にお聞きしようかと思っていたところでございますが、いくつか既 に意見が出てきたわけでございますけれども、その他に。はい。  瀬上参事官  今、いただいた御意見を少し整理したことを申し上げてみようかなと思いましたが。  林座長  はい。どうぞ。他に取りあえず今、すぐ御意見のある方、いらっしゃいませんか。も し、なければのちほどまたおっしゃっていただいたら結構なのですけれども、瀬上参事 官の方からおまとめになっていただいて。  瀬上参事官  それではこの3頁から。丸1と丸2の間あたりに少子・高齢化などの社会状況と健康 の問題について加筆をするということ、最後に議論になっていた合併とそういう中での 住民の健康を守るということの重要性というのは、この丸2つめのはじめのところに書 いてあるわけで、それ故にこの会が始まったというような状況、地方分権の問題を含め て改めて大事だよと。津下委員が御指摘いただいたそういう姿勢が丸2つめに書かれて いるので、最後の御議論はそれで集約されるのかなと思います。  次の頁、4頁目の丸2つめ、健康危機管理における平時の課題について何か少し加筆 するようにという御指摘がありましたので、この中に1行ぐらい加筆をすれば平時にお ける課題対応が可能かなと思います。  5頁、「基本的視点」に地域概念の導入をしたらどうなのかという御指摘を、場合に よったらこの「基本的視点」の中に起こしたらいいのかなと思っております。ただ、考 え方としては丸1の5行目にあります地域特性という地域の特性をということを書いて あるのはまさにその圏域問題を包含した御意見だったからではなかろうかと思っていま す。  ただ、医療計画と一体不可分のものとしての保健計画でありますので、新たに圏域を 設定するということではないのだろうということを今の段階では私どもはそういうふう に考えております。  次の頁で「地域における健康危機管理対策」の4つめの丸です。6頁、4つめの丸で す。「また、SARSや」というところですが、ここの中に化学物質、あるいは放射線 事故などの問題について言葉をひとつ入れるのかなということと、併せて精神保健にお ける健康危機管理問題に関して何らかの加筆をする必要があるのかということ。「更に 」以降をパラグラフを移すということ。次の「特に原因不明の事例」の中に既存のマニ ュアルの対応には限界があるのだという座長の御指摘、そうではないことが求められる ということについてはまた別のところで。  7頁、「スギヒラタケ」の後に入れられるかどうかは別として今回の茨城県の有機砒 素の経験を少し加筆をする可能性がございます。  8頁ですが、「地域における新たな課題」の最後に今、ちらっと申し上げた座長の御 指摘のマニュアル対応の困難さと即応力の重要性について再度、触れるということ。  11頁、「生物テロ等への対応」の4つめ、「更に」というところの中に改めて化学テ ロの問題を御指摘いただいた。そして、「虐待への対応」の手前あたりに精神保健に関 する問題を加筆。  13頁、「災害時の対策」について同じことですが、化学物質などの御指摘いただいた ということ、13頁、同じ頁の「健康危機管理への対応」で国、都道府県、政令市、市町 村の役割分担という、こういう格好で政令市の位置付けを明確化する。  15頁、地衛研についてのその機能の明確化に関して加筆すると。16頁、再度、化学物 質。17頁の一番下、「(4)情報の収集、整理・発信及び活用」と。発信という言葉を入 れなさいということ。18頁、丸3、流言・飛語の抑制という言葉を入れるということ。 19頁、上の方の3行目ですが、「また、感染症や食中毒など個別分野のマニュアルや計 画」の後ろに括弧して、これは落ちているなということで気がついたのですが、感染症 予防計画、あるいは食品衛生監視計画、括弧閉じるという格好でちょっと文言が入りま す。  22頁、「地域保健計画のあり方」で「地域保健計画の性格、都道府県の役割」のとこ ろに政令市に関しての指摘。この23頁から策定方法の中で健康課題の縦糸と横糸の議論 が御指摘、村田委員から御指摘がありましたので、それはここの23頁のところにすべて 書かれている話なのでよろしいのかなと思います。  そして、25頁の方、「その他」の上で「国の施策にフィードバックさせる」と同時に その情報を取りまとめ、逆に地方自治体にフィードバックすると。データベース化とま ではいかないにせよ、それに近い話、情報の公表というようなこと、取りまとめ情報の 公表ということも入れる必要があろうかと思います。  26頁、丸の2つめあたりに改めて化学物質、化学テロの言葉を入れるということ、人 材育成の問題は最初に御指摘ありましたけれども、何か所にも入っていたと思います し、この26頁の「国においては」と国の責務も書いてありますので、人材育成について はある程度、十分なのかなと考えております。  頁めくって28頁で「対象分野」に関しての上の12の枠の整理をする必要があると。こ ういう以上が本日の議論のおおよその取りまとめかなと思いますが、いかがでしょう か。  林座長  はい。大変要領よくまとめていただけたかと思うのですけれども、ただいまの整理の 仕方について何か。  岡部委員  恐れ入ります18頁の丸3、情報の発信の部分なのですけれども、1点、私、申し上げ た中で「平時から、マスメディア等を通じて、適切なタイミングで正しい情報を発信す る」、これは間接的な発信なので直接的に発信すべきであるということも当然、やられ ていることですけれども、ここには挿入していただいた方がいいのではないかと。つま り自ら発信をしていくというような表現もここには必要だろうというふうに思いまし た。  林座長  はい。その他、御意見ございませんでしょうか。私自身として若干、気になるのは 「地域保健計画のあり方」というチャプターなのですけれども、そのチャプターの記述 の仕方が健康危機管理計画のことも含まれているという当然、含まれるわけなのだけれ ども、生活習慣病対策の方と健康危機管理両方の内容にわたって地域保健計画のあり方 について記述しているというふうに考えてよろしいですか。  健康危機管理計画の立て方ということにも議論はしなければいけないとは思うのです けれども、それが地域保健計画のあり方という中でどのように表れているかということ ですよね。生活習慣病対策については十分、記述されているような気がするのですけれ ども。  これは私の個人的な意見ですけれども、委員の皆さん、何か御意見ございませんか。  曽根委員  林座長がおっしゃるのは最初の生活習慣病とその他の地域保健計画対策の流れでずっ と4章、5章で地域保健計画と言っていて、最後のところで地域保健計画の含むべき内 容に健康危機管理計画が出てくるということでちょっと唐突な感じがあって、その前半 のこの報告書中間報告全体の最初の健康危機管理のところと、地域保健計画のところの 整合性というか、関係がちょっと見えづらいというところではないかなと思います。  林座長  そうですね。部分と全体の関係の問題ですよね。  瀬上参事官  はい。健康危機管理計画の立て方に関しての考え方は18頁の下、4)のところに概要が 書いてございます。そういう意味で今、御指摘をいただいた22頁のチャプターVの「地 域保健計画のあり方」、この中に健康危機管理計画が重要な要素として入っているとい うことを最初の丸の段階で言って、18頁との関連性を考えて場合によったらこちらのチ ャプターに移行させて、その上でそれ以下の現行のものを整合性を取りながらちょっと 加筆修正すると。基本的には大枠は変わらないと。そういうことでよろしいでしょう か。  林座長  いかがでしょうか。そのような方向で。流れとしてよりすっきりした感じになるとは 思いますけれども。それでは今日の議論した内容、場所に関わらず何か意見、その他に ございませんでしょうか。  曽根委員  ひとつだけよろしいでしょうか。今日の議論で最初の方で河原委員から人材育成に関 する御発言があったと思うのですけれども、人材育成については健康危機管理の分野に もかなり書き込まれているので特に付け加える必要はないかもしれません。ただ、今後 の議論としてはさらにではどのような人材が必要とされて、どのように訓練すべきなの か、あるいはその業務として行う訓練というのは果たして従来の訓練とどのように違う のか、本当に高度な専門技術を持つ人材とそれ以外の保健所職員が全般のスキルのレベ ルをどのように向上させ、それをどのように組み合わせて健康危機管理とか、あるいは 生活習慣病対策を推進していくのかという議論がこれからさらに必要ではないかと思い ます。  林座長  そうですね。これから持たなければならないスキルと言いますか、かなり今までやら れてこなかった部分、カバーしていかなければならないことが間違いないと思いますの で、このレポートではそこまで書ききれないような気もするのだけれども、そういう必 要性があるということは強調しておく必要があると思います。  時間もきましたのでそろそろ終わりたいのですけれども、今回のこのペーパーは今ま での取りまとめたということには違いないのですけれども、今までの地域保健計画のあ り方についてもかなり新たな要素が加わってきたということには間違いないので、大変 積極的な踏み込んだ発想の転換が含まれているような気がします。  それが故にこれをサポートするトレーニングの方についてもまた新しいパラダイムが 出てくるという御発言が曽根委員の方からあったかと思いますけれども、あと、このペ ーパーだけでは完結し得ない世の中の変化があるものですから、完結し得ない部分がど うしても出てくるわけでございますので、それはまたその都度、別途、検討をしていく 必要があろうかというふうには思いますが、委員の皆さんの精力的な作業のお蔭で何と か形になりそうなところまできたかと思いますけれども、長い間、大変ありがとうござ います。それでは本日の会合はこれで終わりにさせていただきたいと思います。では、 局長の方、よろしくお願いします。  田中健康局長  大変お忙しい中、熱心な御議論をいただきましてありがとうございました。会合その ものは3回でございましたけれども、その他にもいろいろと非常に熱の入った密度の高 い御検討が行われまして、私ども、この会、持つときに一番最初に申し上げたと思うの ですけれども、地域保健法が改正されてから10年が経ったということで、今後の10年、 あるいは20年、もっと先を見て地域保健対策、どういうふうにやっていったらいいのだ ろうかというようなことで御議論をいただいたつもりでございます。  座長先生には高く評価されたような気もしますけれども、健康危機管理の他にもやは り生活習慣病対策、これも大切だと。ということで2つの大きな柱でこの検討会の議論 が進んだわけでございますけれども、かなり表面的なというのではなくてかなり深くい ろいろと御議論をしていただいたのではないかというふうに考えております。  今、今日の会合でもいくつか御指摘ございましたけれども、医療計画の見直しとか、 あるいは生活習慣病対策の再評価、中間評価とか、いろいろなことが今、行われており ます。そういう施策とも横睨みでどういうふうに調整していくのか、今後、いろいろと 私ども、事務局に課せられた仕事というのは大きいものではないかというふうに考えて いるところでございます。  具体的にはとりあえずと言ってはあれなのですけれども、厚生科学審議会の地域保健 ・健康増進栄養部会、あるいはその他、他の部会にもおかけしなければいけないかもし れませんけれども、各方面の御意見を再度、お伺いしながら今後の地域保健対策に結び つけていきたいというふうに考えております。先生方には大変お忙しい中、いろいろと 御無理を申し上げましたけれども、大変ありがとうございました。感謝申し上げると同 時に、今後もまたいろいろと御指導いただかなければいけないというふうに考えていま すので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。  林座長  最後、もう一言、申し上げたいと思います。今日の御議論を踏まえてこの中間報告を またまとめ直してみたいと思います。最終的な取りまとめについてはよろしければ私に 一任していただいて事務局の方と練っていきたいと思いますが、よろしゅうございまし ょうか。ありがとうございます。では、本日、会を終わらせていただきます。御苦労様 でした。  (照会先) 厚生労働省健康局総務課地域保健室 小椋(2394)