04/06/23 第1回 医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会 議事録       第1回医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会                       日時 平成16年6月23日(水)                          12:30〜                       場所 東京會舘シルバースタールーム ○総務課長補佐(浜田)  ただいまから、第1回「医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会」 を開会いたします。初めに、岩尾医政局長からご挨拶申し上げます。 ○医政局長(岩尾)  「医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会」の第1回会合の開催に 当たり、一言ご挨拶申し上げます。委員の皆様には大変お忙しい中、本検討会の委員に ご就任いただくとともに、本日ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。  個人情報保護法は、来年4月1日から全面施行されることになっております。医療機 関についても、一般の個人情報取扱事業者として適用されることになっております。医 療分野については、本年4月2日に閣議決定された個人情報の保護に関する基本方針に おいても、特に適正な取扱いを確保すべき個別分野の1つとされており、国会の衆参両 議院の附帯決議においても、国民から高いレベルで個人情報の保護が求められている分 野の1つとして、特に適正な取扱いの厳格な実施を確保する必要があるということで、 個人情報を保護するため、個別法を早急に検討するようにとも言われております。  このようなことから、本検討会の委員の皆様におかれましては、個人情報保護法の全 面施行に向けて、医療機関等が個人情報を適切に取り扱うためのガイドラインの策定の ためのご議論をいただくとともに、国会における附帯決議の趣旨も踏まえた、個別法の 必要性も含めた医療機関等における個人情報保護のあり方について、幅広く検討をお願 いするものです。  また、医療と介護サービスが一体として提供されている実態も踏まえ、介護分野にお ける個人情報保護法への対応についても、併せてご検討いただきたいと考えておりま す。個人情報保護法の施行を踏まえ、医療機関等において患者・要介護者に関する個人 情報が適切に取り扱われることを前提に、医療機関等が十分に連携し、患者・要介護者 に対するサービスが適切に行われることが、何よりも重要であると我々は考えておりま す。  このような観点から、この検討会においては、何とぞ活発なご議論をいただきますよ うお願い申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。 ○総務課長補佐  続いて私のほうから委員のご紹介を、五十音順にさせていただきます。まず川崎医療 福祉大学医療福祉学部教授の岩渕委員です。東京大学大学院法学政治学研究科教授の宇 賀委員です。日本大学医学部教授の大道委員です。東京大学大学院法学政治学研究科教 授の神作委員です。日本看護協会常任理事の楠本委員です。日本歯科医師会常務理事の 津委員です。立教大学コミュニティ福祉学部教授の高橋委員です。日本病院会副会長 の武田委員です。NPO法人ささえあい医療人権センターCOML代表の辻本委員で す。東京大学大学院法学政治学研究科教授の樋口委員です。日本医師会常任理事の松原 委員です。日本薬剤師会常務理事の山本委員です。なお、本日は東京工業大学フロン ティア創造共同研究センター教授の大山委員と、日本私立医科大学協会理事の寺野委員 のお2人からは、ご欠席の連絡をいただいております。  続いて、事務局を紹介させていただきます。まず、先ほどご挨拶申し上げた医政局長 の岩尾です。医政担当大臣官房審議官の中島です。このほかの事務局については、順次 自己紹介とさせていただきます。 ○総務課長(榮畑)  総務課長でございます。ひとつよろしくお願いします。 ○歯科保健課長(山内)  歯科保健課長の山内です。よろしくお願いします。 ○経済課長(高倉)  経済課長の高倉でございます。よろしくお願いします。 ○研究開発振興課長(安達)  研究開発振興課長の安達でございます。よろしくお願いします。 ○医薬食品局総務課長補佐(屋敷)  医薬食品局の屋敷と申します。よろしくお願いします。 ○老健局介護保険課長(藤木)  老健局介護保険課長の藤木でございます。よろしくお願いします。 ○企画官(土生)  企画官の土生でございます。よろしくお願いします。 ○保険局保険課長補佐(大沢)  保険局保険課長補佐の大沢でございます。よろしくお願いします。 ○総務課長補佐  先ほどから進行をさせていただいている、医政局総務課課長補佐の浜田でございま す。  次に、当検討会の議長についてお諮りします。 ○企画官  事務局からのお願いですが、本検討会の座長には、基礎法学をご専門とされており、 個人情報保護あるいは医療分野のいずれにもご造詣の深い樋口委員にお願いしたいと存 じます。また、本日ご欠席ですが、医療分野の情報化に非常にご造詣の深い東京工業大 学教授の大山委員には、座長代理をお願いしたいと存じますので、よろしくお願いしま す。それでは樋口委員、以後の議事進行をお願いできればと存じます。 ○樋口座長  早速議事に入るところではありますが、一言だけご挨拶いたします。私もいくつか経 験があるのですが、座長になることには、2つのデメリットがあります。1つは、よほ ど体調を壊さない限り欠席できないということと、もう1つは、おそらく今日も後半は 委員の方々に、フリートーキングという形でいろいろなご意見を伺うことになると思う のですが、そのときに座長がどんどんしゃべってはいけないということがあります。よ ほどの実力者が座長をされている場合には、そういう委員会もあるのかもしれません が、一般にはそうではなく、むしろ聞き役、あるいはうまくやれるかどうかは分かりま せんが、議論の整理役という役割があります。ですから、こんなにも言いたいことがあ るのにと思っても言えないことがありますので、異例だとは思いますが、私がこの検討 会に参加するに当たって考えてきた基本的なことを、抽象的なことで中身はまだない話 ですが、それを1点だけ述べさせていただいて、その後、通常の議事に入りたいと思い ます。  ここにおられる方々にはみんな釈迦に説法な話で、本当に恐縮ですが、1つには、や はり医療情報というのは、よくよく特殊な情報なのかなと感じているのです。それは国 会の附帯決議にもあるように、当然重要3分野の中の1つに入るものであって、「患者 のプライバシー」という言葉で表現されるように、極めてセンシティブな情報で、とに かく何よりもこれを保護してもらわないといけない、という要請が大きいわけです。  しかしながら、個人情報保護法の最初の所にも書いてありますように、保護だけでい いかというと、そうでもない。どういうことかと申しますと、医療情報だからこそ、い わゆる情報の利活用ということも非常に重要ではないかと思うのです。例えば私が何ら かの病気を持っているとします。私はわがままですから、私の情報をとにかく全世界に 発信してもらいたい、樋口の病気が、今どこかの世界でこういう薬を使い始めたら、非 常によくなっているというような情報まで全部集めてもらいたいと、本当は願っている のです。そういうことは不可能ですが、そういう形で自分の治療のためには、どんどん 利活用してもらいたいという気分はあるのです。  2つ目は、「公共的な利用」という言葉でいいかどうかは分かりませんが、私自身と いうか、患者以外のためにという利活用の要請も、極めて大きいわけです。1つの例で すが、これは昨日の新聞に出ていたものです。表題は、「回転ドアの事故を教訓にし て、病院から情報収集」というものです。この前、回転ドアで1人亡くなられました が、あの時点までに回転ドアにはさまれて病院に運ばれた子供たちが、130人以上いた わけです。これは「たられば」の話ではありますが、回転ドアというのは危険なのだと いう情報が、もしも何らかの形で収集してあって、この情報を活かすようなことができ れば、あの事故は防げたかもしれません。  医療情報については、ほかにもいろいろな形で、やはり公共的な利用というものを考 えざるを得ません。きっと程度問題かもしれませんが、これはほかの「重要分野」と言 われている通信とか、金融とか、信用などという分野ではあまりないのではないかとい う気がするのです。そちらの分野は、できるだけ保護してもらいたいというほうだけで 考えればいいものなのかなと思うのですが、医療情報はやはり少し特殊で、保護も厚 く、しかし利活用も厚くという話ではないかと思っているのです。ただ、それは考え違 いかもしれないので、今後この検討会の中で、私も自分の考えを確かめていきたいと思 っております。  利活用と保護というと、この2つは対立するものであると、私などもすぐそう考えが ちなのですが、保護に偏れば利活用は駄目になる、利活用を図ると保護が駄目になると いうように、○と×みたいな話ではないのではないでしょうか。これはちょっと虫のい い話かもしれませんが、医療の場合は利活用も図り、保護も図る。これらが相まって個 人情報の保護、特に医療情報の保護と利活用というものが図れる。医療情報に関するガ イドラインを作ろうというのが、いちばん大きな役割だと思いますが、そういうルール を明確化していくことで、国民のというのは、ちょっと大げさな言い方かもしれません が、患者の医療に対する信頼を増すためのお手伝いができる機会かと思って、参加して いるのです。そういうことが可能かどうかは、諸先生のお助けにもよることだと思って おります。私は力不足ですので、どうぞ、いろいろな形で座長を助けてくださって、厚 生労働省でガイドライン等を作るところで、いろいろなご助言をいただければ幸いかと 思います。  それでは以下、議事に入らせていただきますが、まず議事に入る前に通例のように、 当検討会の議事や資料の公開の取扱いについてのルールを確認しておきたいと思いま す。この点を事務局よりご説明いただきたいと思います。 ○総務課長補佐  この検討会は公開で行います。議事録についても、事務局でまとめたものを各委員に ご確認いただいた後、厚生労働省のホームページで公開することにしたいと思いますの で、各委員のご了解をいただきたいと思います。 ○樋口座長  いまの点はよろしいでしょうか。                   (了承) ○樋口座長  では配付資料の確認をよろしくお願いします。 ○総務課長補佐  いちばん表の紙に「議事次第」と書いてあって、その後ろに付いておりますのが、資 料1から17までです。すべて通し番号で頁が打ってあります。そのほかに参考資料1、 2があります。 ○企画官  続いて、検討会の趣旨と今後の検討の大まかなスケジュールについて、資料に沿って もう一度事務局からご説明させていただきます。  資料1は、この検討会についてということです。まず開催の趣旨ですが、来年4月1 日から個人情報保護法が全面施行され、医療機関等についても個人情報取扱事業者とい うことで、同様に適用されます。医療分野という点については、先般閣議決定された個 人情報保護に関する政府全体の基本方針、あるいは国会の附帯決議の中でも、特に重要 な分野とされております。その関係で、個別法のあり方についても幅広く検討すること が、いわば国会との関係で宿題になっております。(4)ですが、医療のみならず、介 護サービスについても、医療機関において医療と合わせて提供されることも多いことか ら、医療機関以外の介護サービス提供事業者の個人情報保護のガイドラインについて も、併せて検討の対象としていただきたいということです。  2の「検討事項」に書いてありますように、まずは、個人情報保護法の全面施行に対 応した医療機関等における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインの策定、とい うのが検討事項です。また、個別法の必要性に係る検討を含む、医療機関等における個 人情報保護の幅広いあり方、という点についてもご議論を賜りたいということです。  なお、1の(5)に書いておりますが、医学研究分野における個人情報保護をどうす るか、ということも課題になっているわけです。しかし、この点については別途医学研 究という観点から、厚生科学審議会という厚生労働省の審議会がありますので、そこに 専門委員会を設置することになっております。具体的には3頁にあります。この3頁の 資料は、今月1日に厚生科学審議会の科学技術部会に提出され、ご了承を得られた資料 です。  医学研究に関しては学術研究分野が、一般の義務規定等が適用除外になっているとい うこともありますので、それを踏まえた専門的な検討を行うということで、こちらの専 門委員会のほうでご議論いただくことになっております。当然、医療という意味では相 互に重なってまいりますので、事務局としても相互に密接に連携を取りながら検討を進 めていただきたいと思います。  1頁に戻って、医療と介護分野の個人情報保護の検討ということですが、医療機関を 所管している医政局のみならず、薬局の所管である医薬食品局、あるいは介護サービス の所管である老健局、医療保険に関するレセプトなどの情報も非常に重要な分野ですの で、保険局ということで、共同で事務局を務めさせていただきたいと思います。他の行 政分野にも幅広くかかわりますので、省内の協力を得まして、医政局総務課で取りまと めをさせていただきます。  もう1つ、関連の検討会を紹介させていただきます。資料の5頁の「医療情報ネット ワーク基盤検討会の設置について」ですが、個人情報の保護という点では、IT化の進 展に伴い、ITに伴う技術的な側面というのが、非常に重要になっているわけです。そ の点についてはこの医療情報ネットワーク基盤検討会で、先にご議論を始めていただい ております。5頁のいちばん下にありますように、この夏ごろまでに一定の結論を得る ということを目標に、ご議論いただいております。そうした専門的な検討が行われてお りますので、ITにかかわる技術的な問題については、まずネットワーク基盤検討会の ほうで一定の結論を得ていただき、それも踏まえてこの検討会では他の全体と合わせ て、再度ご議論いただくというのが適当かと考えている次第です。7頁以降にご参考と して、このネットワーク基盤検討会の中間取りまとめを付けております。  以上、ご説明したような検討会の役割分担、連携ということで、当面ご検討いただく スケジュールですが、21頁の資料5のスケジュール案をご覧ください。本日は検討会の 第1回ということで、検討事項、検討の進め方、そして事務局から資料をご説明させて いただいた後に、フリートーキングをさせていただければと思っております。  その後は7月21日、7月30日の2回、もし必要があれば8月6日も予備日ということ で、ご連絡を差し上げているところです。この2回ないし3回で、個人情報保護法のポ イントとなる義務等の規定のガイドラインに盛り込むべき項目・内容について、いわば 大きな方向性を順次ご議論いただければということです。あとで法律の概要をご説明さ せていただきますが、利用目的の特定、目的外使用、第三者提供の制限等、安全管理措 置、あるいは本人に対する苦情相談、開示・訂正の申し出の扱いといったあたりを、順 次こちらのほうで議論できるような資料を用意させていただき、ご議論いただければと 存じます。そうした議論を踏まえて、夏の間に事務局のほうで、できるだけ精力的にガ イドラインの素案といったものを取りまとめて、秋口にはそれに基づいたガイドライン の検討、さらには取りまとめもお願いできないかと思っております。もう1つの検討事 項である個別法の必要性も含めた個人情報の取扱いも、ガイドラインの議論がひと通り 終わった後に、併せて年内にお願いできればと考えております。  23頁以降の資料は、個人情報保護法の施行について、総括的に所管している国民生活 審議会の個人情報保護部会に、この6月10日に事務局である内閣府から提出された資料 の抜粋です。政府全体のスケジュールということで、フローチャートになっておりま す。この4月に基本方針が策定されましたので、各省庁は各分野において夏から秋口を メドに、ガイドラインを策定していくと。それから法制上の議論が必要なものについて は12月、年内に一定の結論を出すということで、必要な事業者に対する周知期間を経 て、来年4月に施行しようというスケジュールになっているわけです。  もう少し詳しく申し上げますと、25頁にあります。先ほど来、個別3分野ということ で、医療と並んで金融・信用、情報通信という分野が挙げられているわけです。いま申 し上げた概括的なスケジュールに沿って、それぞれ審議会や懇談会等の検討の場が、す でに設けられております。いずれも夏から秋口をメドに、ガイドラインの策定、さらに 年内には個別法の必要性の議論も含めて、一定の結論を得るようになっております。  なお、ご参考までに下から2つ目、事業全般ということで、経済産業省のほうで一般 事業者を対象とするガイドラインの案が、すでに公表されているところです。そのほか に、個人情報保護法はあらゆる分野に適用されるということで、それぞれの役所で所管 している所も、いずれも同じようなスケジュールで検討することになっております。厚 生労働省関係で申し上げますと、福祉というのがあります。これは事務的に検討を進め るということですが、スケジュールについては、やはり秋口をメドにガイドラインを策 定することにされております。  最後に、当局でお願いした検討会の中で関連するものをご紹介させていただきます。 27頁です。1月にまとめていただいた「医療分野における規制改革に関する検討会報告 書」では、医療分野における規制改革についての将来の大きな方向性、あるいは当面の 取組みといったあたりを全体的に議論し、整理していただいたものです。39頁にありま すように、当面の取組みの1つとして、個人情報保護の推進の基本的な方向ということ で、4点ほどご提言いただいております。まずは、ガイドラインを策定するというこ と。そのガイドラインの策定については、病院・診療所のみならず、薬局、検査機関 等々も、幅広く念頭に置いた検討を進めるといったこと。さらに個別法の必要性も含め た検討を行うこと。医療情報のネットワーク化、あるいは情報の技術的なセキュリティ の問題についても、先ほどの基盤検討会の議論にもありますように、夏ごろまでに一定 の結論を得ることとなっております。大筋、この検討会のご提言にも即した形での検討 をお願いしたいということです。以上、検討会の検討事項と当面のスケジュールについ て、事務局から説明させていただきました。 ○樋口座長  以上がこの検討会の位置づけですが、これら今までのご説明について、何かご質問は おありでしょうか。ともかく秋口までにガイドラインの案などを取りまとめ、さらに年 内には個別法の必要性等に関して、一定の結論も取りまとめるという2つの付託事項が あると思います。いずれにせよ、極めて厳しいスケジュールかと思いますが、ご協力を よろしくお願いしたいと思います。資料はまだまだありますので、続いてこれ以外の資 料について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。 ○企画官  その他の個人情報保護法の内容にかかわる資料については、できるだけ幅広く提出さ せていただいております。説明も少し長くなるかもしれませんが、できるだけ手短にし たいと思います。  資料8−1で、「個人情報の保護に関する法律等の概要」ということで、そもそもこ の法律とはどういうものかということです。法律、政令等ありますが、できるだけ一覧 性を高めるということで、政令事項についても重要部分は合わせて記入して作成したつ もりです。特にガイドラインの議論に関係するところを中心にご紹介いたします。  まず第1章の「総則」です。この法律の目的は、高度情報通信社会の進展に伴い個人 情報の利用が著しく拡大していることを踏まえて、個人情報の有用性に配慮しつつ、個 人の権利利益を保護するということです。先ほど座長のご挨拶にもありましたように、 その利活用、個人の権利利益の保護、両面が規定されているということです。  2の「定義」ですが、そもそも何を個人情報と呼ぶのか、あるいはその中でどういう ものを個々の事業者の義務の対象とするのか、といった辺りの定義です。まず、個人情 報の定義ですが、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名等によ り、特定の個人を識別することができるものということです。「生存する個人」という ことですので、すでに死亡した個人に関する情報は、基本的には対象にならないという ことです。特定の個人を識別できるかどうかということで、それ自体に氏名等が含まれ ている場合のみならず、他の情報と容易に照合することができ、それにより個人を識別 することができる場合も含むといったことが書かれているわけです。  これらを幅広く個人情報ということになっていますが、その中でも一定の義務の対象 となるものについては、個人情報データベース等という概念を用いまして、それを構成 する個人情報である個人データという定義が置かれているわけです。  まず、その個人情報データベース等ですが、「個人情報を含む情報の集合物であって 次のもの」ということで、電子計算機を用いて検索できるよう体系的に構成したもので す。併せて、いわゆる紙媒体等の情報についても、一定の規則に従って整理するという ことで、特定の個人の情報を検索できるよう体系的に整備したものも、このデータベー ス等に含まれることになっています。医療の場合で申し上げますと、カルテなどはこれ に当たると一般的に解釈されております。  個々の義務の対象となる個人情報取扱事業者は、このデータベース等を事業の用に供 している者ということです。その中で、国、地方等の行政機関等は別の法体系がござい ますので、これを除くことになっています。また、個人情報の数が5,000を超えない者 については、この事業者から除外されているといった例外規定も置かれています。この データベース等を構成する個人情報を個人データ、その中でもその事業者が開示、訂正 等の権限を有する個人データを保有個人データと定義されています。その他「基本理念 」として、ここに書かれているような規定が置かれています。  第2章、第3章にかけまして、国、地方公共団体の責務、取組み、あるいは具体的な 政府の取組み等が規定されているところです。2の「法制上の措置」では、適正な取扱 いの厳格な実施を確保する必要がある個人情報についての法制上の措置といったことが 規定されています。  第3章では、先ほどから申し上げている基本方針の根拠規定が7条に置かれていま す。併せて、「国の施策」という中で、8条から10条の規定が置かれていますが、いわ ゆるガイドラインを政府が定める際には、8条の必要な措置の一環として定めることに なるわけです。  46頁の第4章の「個人情報取扱事業者の義務等」ということで、ガイドラインのご議 論に際して、関連する具体的な義務が規定されている章です。第1節の「個人情報取扱 事業者の義務」ということで、いくつかのカテゴリーに分けて整理させていただいてい ます。まず、利用目的の特定、あるいは利用目的による制限といった規定があります。 個人情報取扱いに当たっては、できる限りその利用目的を特定しなければならない。あ るいはその特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことを 原則禁止しております。これは原則で、例外もございます。ここに書いてあるように、 法令に基づく場合、あるいはその人の生命等々の保護のために必要がある場合であっ て、本人の同意を得ることが困難である、あるいは公衆衛生の向上等々のために必要が ある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき、あるいは国、地方公共団 体等の事務に協力する必要がある場合、といったような規定があるわけです。  (2)、適正な取得、あるいは取得に際しての利用目的の通知等ということです。適 正な取得ということで、偽りその他不正な手段によって個人情報の取得を禁止するとい った規定。あるいはその個人情報を取得した際には、その利用目的を原則本人に通知又 は公表するということです。これについても、あらかじめ公表している場合は除くとい ったようなこと。それから4つ目のポツに書いてあるように、次の4つのような場合に は、こうした義務は適用しないといったことです。その中で、例えば(4)、取得の状況 から見て利用目的は明らかであると認められる場合といった規定も盛り込まれていま す。  (3)、努力義務ということですが、利用目的の達成に必要な範囲内で、個人データ の正確性、最新性を確保するといったようなこと。もう1つガイドラインの中で、中心 的なテーマになると考えられるわけですが、事業者が講ずるべき安全管理措置、あるい は従業者、そのデータの処理等を委託する場合の委託先の監督義務といったような、安 全管理のための適切な措置を講じなければならないといった規定が盛り込まれていま す。  (5)、第三者提供の制限ということで、原則として本人の同意を得ない個人データ の第三者提供が禁止されているということです。その例外としては、先ほどの「利用目 的の制限の解除」と同じですが、法令に基づく場合、あるいは47頁には、同様の例外規 定が盛り込まれているということです。  47頁のポツの2つ目です。そもそも第三者に該当しない場合といったことです。(1)、 利用目的の達成に必要な範囲において個人データの取扱いを委託する場合、あるいは (3)、特定の者と共同してデータを利用する場合で、本人にそういうことが知らされて いる場合といった規定も盛り込まれています。  (6)保有個人データ、要するに、先ほど定義したように、開示権限等を有している 個人データということですが、それに関する義務ということです。まず、利用目的等を 本人の知り得る状態に置かなければならないということ。本人からの求めに応じて原則 としてそのデータを開示しなければならないということです。これについても、例外と して、(1)から(3)にあるような場合には、全部又は一部を開示しないことができるとい った規定があるわけです。  「訂正等」ですが、本人からこういう個人データの内容が事実でないという理由によ って、訂正、追加、削除等の求めがあった場合については、必要な範囲において調査を 行い、その結果に基づき措置をとるということです。また、「利用停止等」ということ で、利用目的による制限、あるいは第三者提供の制限に違反して取り扱われているとい った場合については、本人が利用、あるいは提供等をやめるといったことを求める。そ れに理由があると判明した場合には、そうした措置をとるという規定になっています。  その他(7)、事業者に対して、本人、個人情報の取扱いに関する苦情の適切、迅速 な処理、あるいはそのための体制整備といったような努力義務が課されているわけで す。  (8)以降は、こうした義務を担保するための主務大臣、医療の場合は厚生労働大臣 になると思いますが、そのための事業者に対する報告徴収、あるいはその義務規定違反 があった場合の勧告、あるいは勧告に従わない場合の命令といったような規定が置かれ ているということです。  48頁の第2節の「民間団体による個人情報の保護の推進」については、個人情報の苦 情処理を行う団体として指針、ガイドラインを作るといったような場合、主務大臣の認 定を受けるという制度、認定個人情報保護団体になっていますが、こうした制度も設け られています。  第5章の「雑則」については、先ほど医学研究について別の専門委員会での検討とい った説明をさせていただきましたが、学術研究、あるいは報道、著述、宗教活動、政治 活動、こうした目的で個人情報を取り扱う団体については、第4章の事業者の義務とい った規定が適用除外になっているということです。その反面として、自ら安全管理、あ るいは苦情処理等のために必要な措置を講じ、公表するといったような努力規定が置か れているということです。  こうした第4章を中心とした個人情報取扱事業者の義務規定が、来年の4月1日から 施行されるということで、法律全体が施行されるということになっています。  49頁以降に内閣府のほうで作成したいくつかポイントになる個人情報保護法の解説の 図解があります。これはまた議論の際に必要がありましたら、参照させていただき説明 は省略いたします。その中で63頁ですが、先ほどから基本方針と何回か申し上げており ます。4月2日に閣議決定された政府全体の「個人情報の保護に関する基本方針」とい うことで、資料8−3は概要版ということです。その2の「国が講ずべき個人情報の保 護のための措置に関する事項」ということになっています。その中ほどに、「事業分野 ごとの方針」とありますが、この中でも各事業分野ごとにガイドライン等の策定・見直 しを早急に検討する。あるいは次の○ですが、各分野、医療、金融・信用、情報通信等 の3分野については、格別の措置につきましても、法の全面施行までに一定の結論を得 ることになっています。  64頁の基本方針の中で、6「個人情報取扱事業者等が講ずべき個人情報の保護のため の措置に関する基本的な事項」ということで、ガイドラインを作る場合に何が重要かと いった点です。事業者が行う措置の対外的明確化、これはいわゆるプライバシーポリシ ーなどと言われる事業者が自分で定めた個人情報保護の方針ということだと思います。 そうした措置を対外的に明確化すること、あるいは責任体制を確保すること、従業者の 啓発、ということが重要であるということです。  65頁以降は、個人情報保護法、あるいは政令、基本方針等の全文を掲載しています。 説明は省略いたします。  97頁は、先ほど来、国会の附帯決議ということで申し上げている原文です。97頁は衆 議院の関連の特別委員会の附帯決議です。五で、医療、金融・信用、情報通信等の点に ついては、個別法を早急に検討するといったようなこと。99頁からは参議院の特別委員 会の附帯決議ということです。具体的には100頁の五に決議ということです。参議院に ついては、「医療」に括弧書きで説明が入っています。遺伝子治療等先端的な医療技術 の確立のための研究といったことです。研究といった点については、別の場での議論と なっていますが、その点も含めて、個別法を早急に検討し、本法、個人情報保護法の全 面施行時には、少なくとも一定の具体的結論を得ることとなっています。  以上が、個人情報保護法の概要です。以下、これを医療についてどのように考えるの かという点で、いくつかの資料をご紹介いたします。  まず、101頁で資料11です。個人情報保護法の中で、個人データの開示の規定がある わけです。そうした点も含めて、診療情報の患者等に対する提供のあり方という点につ いては、従前からさまざまな議論があったということです。直近の状況で申し上げます と、平成14年度から資料11にある「診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会」 ということで、「主な検討事項」にあるように、診療情報の提供の法的な位置づけ、あ るいは診療に関する情報提供等のルールの整備なども含めたご議論をいただいたという 経過があります。  この検討会では、平成15年6月に検討会の報告書をいただいております。幅広く、い ろいろな報告をいただいたところですので、関連するところをご紹介いたします。  110頁の「診療情報の提供に関する法的位置付け及びルール作りについて」というこ とです。まず、(1)の最初の○にあるように、医療機関は、患者に診療情報を積極的 に提供するとともに、患者の求めに応じて原則として診療記録を開示すべきであるとい うことです。原則、開示という方針で取りまとめられたということです。この検討会で も、すでに国会で審議、最終的には成立した個人情報保護法を念頭に置いたご議論をい ただいたということです。3つ目の○にあるように、個人情報保護法が施行されれば、 原則として診療情報の開示、義務を負うことになるといった点から、法的な基盤が整備 されることになるわけです。  一方、個別法の議論については、早急な法制化を求める意見、あるいは110頁のいち ばん下ですが、個別法による法制化は必要性が乏しいという、両方の意見があったとい うことです。こうした意見を踏まえて、111頁の3つ目の○にあるように、いずれにし ても、まずはその診療情報提供のための運用指針を作るということで、運用指針の具体 的な内容について、(2)以下のところで具体的な方向性について取りまとめをいただ いたという経過です。この報告書を踏まえて、「診療情報の提供等に関する指針」とい うことで、123頁以下の資料13で、私どもの医政局長通知の中で、報告書の趣旨に沿っ て、診療情報の原則開示、あるいは一定の例外事例といったことも含めて整理をした指 針をすでに定めたということです。  そういう経過から考えますと、今般、個人情報保護ということで幅広くご議論をいた だくわけですが、診療情報の提供という点については、相当の議論の蓄積、対応の蓄積 があるということでご紹介いたしました。  次に資料14です。先ほど個人情報保護法の概要ということで説明しましたが、これを 医療、介護分野に当てはめた場合に、どういったことになるのかということを事務局で できる範囲で整理した資料です。  まず医療機関等、あるいは介護保険事業者がどういうような個人情報を保有している のかということです。病院・診療所、助産所、薬局、訪問看護ステーションで見てみま すと、まずはいわゆるカルテ、診療録、処方せん、各種の手術、看護などの記録といっ たものもあります。エックス線写真のように画像になっているものもあるわけです。公 的な医療保険を使うのが通常ですので、その医療費の請求のためのいわゆるレセプトと 言われるものも保有しているということです。  例えば、介護保険事業者で見ていただくと、在宅サービス、介護保険、施設等々で、 それぞれ若干の違いはありますが、いずれもそのサービスに関する計画書、入所者、利 用者にかかる情報、介護保険を使用する関係でのレセプトというものを持っているのが 通常です。  ご参考までに主なものの様式を128頁以下に、これは保険医療機関の例ということで すが、診療録の様式が130頁まであります。処方せんの様式が131頁、いわゆるレセプト と言われる診療報酬明細書が132頁、訪問看護に関する主治医からの指示書ということ で133頁です。134頁以下は介護保険にかかわる費用の明細書です。これもレセプトと言 われていますが、在宅の場合、施設の場合ということで、136頁までに示しているとお りです。  137頁の医療、介護サービスのいずれも1つの事業者だけでサービスが完結する場合 も当然あるわけですが、地域の中で複数の事業者がいろいろな形で連携等を行いなが ら、サービスを提供する。その際に患者に関する情報が提供されることが当然あるわけ です。典型的なイメージということで作ったつもりです。真ん中に医療機関、右側にそ の連携先ということで、薬局、あるいは他の医療機関、訪問看護ステーション等を記載 しています。  例えば薬局の場合ですと、医療機関はまず処方せんを本人に交付して、まず本人が自 己の選択をする薬局に処方せんを持っていくということで、一義的には本人を通して処 方せんに係る個人情報が薬局に医療機関から提供されるということです。場合によりま しては、薬局の薬剤師、医療機関の医師がその後、個々に連携、情報交換をすることも あるわけです。そうした意味で「連携」と書いてあります。これは他の医療機関に紹介 する場合、あるいは訪問看護ステーションに訪問看護を依頼する場合も、当然、その医 療提供者が相互に連携、情報交換することがあるということで、そうした図にしている わけです。いちばん下の「レセプト」については、公的医療保険の医療費請求について は、審査支払機関に対して医療機関からレセプトが提供され、その審査が行われ、また 保険者に回っていくという仕組みになっています。  図の左側ですが、医療機関の中でも一定の業務を院内の業者、あるいは外部に委託す る場合があるわけです。例えば検体等の検査を委託することもございますし、また、医 療機関の中でも受付といったような事務的な業務、あるいはレセプト入力などを外部の 業者に委託することがあるわけです。こういう点は、先ほどの個人情報保護法の委託の 規定等々の関係が出てくると思います。  138頁は同じような趣旨で、介護保険サービスについての情報の流れを整理したもの です。在宅サービスの場合、施設サービスの場合といったことで関係する事業者の違い はあるかと存じますが、基本的にはその後、主治医の指示書、あるいはその訪問看護の 報告書が異なる事業者間で共有されるということ。ケアプランといった形の情報も共有 されるということ。医療と同じですが、レセプトという形で審査支払機関に対する個人 情報の提供がなされる。施設サービスについても同様の状況があるということです。  139頁、資料16ですが、個人情報保護法以前の現行法による、いわゆる秘密の保持と いうことで守秘義務規定についてです。医師等については刑法、その他の医療資格者に ついては、それぞれの資格法で守秘義務を規定しています。正当な理由がないのに、そ の業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときには、一定の刑に処 するということです。情報の保護という観点で関連がありますのでご紹介いたしまし た。  資料17は、先ほど説明した個人情報保護法を医療機関等に適用するに当たりまして、 これからガイドラインについてご議論を賜るわけです。その中で、どういったことが論 点となり得るのかを、例ですが整理したものです。もちろんこれ以外にさまざまな論点 があるかと思いますが、第1回のフリートーキングに当たりまして、イメージをできる だけ共有していただくという趣旨から、典型的な例と思われるものをいくつか整理して みたものです。  大きく4点に分けています。1点目は、個人情報の利用や、第三者への提供等に当た ってどういう対応が必要になるのかということです。まず、括弧書きの中の個々の事例 ということでご覧いただきたいと思います。利用目的を特定する、あるいはそれ以外の 使用を原則として禁止するという規定との関係で、例えば事例1ですが、病院の職員を 対象とした研修会で、患者の診療情報を使用した。そのことは全く患者には説明してい ないといった場合に、目的外利用の制限違反といったことになるのかどうかということ です。それから、第三者に情報を提供するという場合に、例えば都道府県知事からの医 療法等の命令に基づき提出をする。こういう場合は法令に基づく措置になるのだと思い ますが、こういう場合は本人の同意は必要ないのではないかといったこと。  先ほどのフローチャート、図にもありましたように、医療機関等が相互に連携をする 場合です。事例3ですが、医療機関Aの医師から、医療機関Bの医師に対して、医療機 関Bにかかっていた患者について教えてほしいといった照会があった場合に、どのよう にしたらいいのか。普通に考えると、医療機関Aに患者が行っていて、そこから医療機 関Bにかかっているということがわかったわけですから、その時点で患者の同意がある と考えてよいのか、あるいは情報を提供する医療機関Bのほうが、もう一度その患者と コンタクトをとって、同意を得る必要があるのか。なかなか1つには決められないかと 思いますが、ガイドライン策定に当たって、こうした具体的な点について考え方を整理 していく必要があるのかということです。  こうした事例に関連する個人情報保護法の規定としては、「利用目的の特定・公表等 」ということで、「できる限り利用目的を特定し、それを公表する」といった規定があ ります。例えば利用目的としては、本人に対する医療等の提供、医療保険・介護保険事 務等に使用する、医療機関等の管理・運営ということがあるわけですが、できる限り特 定ということで義務を果たしたことになるのか。公表の方法としては、院内への掲示、 ホームページでの公表等が考えられるのではないかということです。  その下のポツですが、取得の状況から見て利用目的が明らかであると認められる場合 には、こうした利用目的の通知、公表等の例外となっています。一般に患者が診療、診 察の申込みに来ている場合、その患者の診察、治療に使うといったことであればこれに 当たると考えてよいのか、といった辺りもご議論いただく必要があるのかということで す。  目的外利用の制限との関係では、事例にもありましたように、例えば医療機関等が職 員の研修等にその診療情報を利用しようとする場合、どのような対応が必要かというこ とです。142頁ですが、そういうことをあらかじめ公表しておくことも考えられますし、 その都度、当該個人の同意を得るといったこともあるのかということです。  また、第三者提供の制限との関係では、原則として本人の同意を得るということです が、医療機関等が連携する場合、あるいは医師が外部の専門医に相談するような場合 に、どのような対応が必要か、あるいは法令に基づく場合等の例外規定がありますの で、これにどういう事例が該当するのかということです。本人の同意を得ることもある かと思いますし、委託のようなものに当たる場合は、第三者に該当しない、というよう に整理できるものもあると思います。また、法令等に基づく場合には、例外規定に該当 するといったことを整理できるのかということです。  2つ目の大きな論点として、「個人情報の安全管理のために必要となる対応に関する 論点」ということです。事例では、例えば、うちで仕事をしようと思って診療情報を持 ち出したところ、それを紛失してしまった、あるいは検査機関に患者の氏名を付して検 体検査を委託したところ、そこから患者情報が漏洩したといった場合、それぞれ安全管 理措置、従業員に対する監督義務、委託先に対する監督義務に違反するといった問題が 生じるのではないかということです。こうしたことを生じさせないために、どのような 措置が必要なのかということで、安全管理措置、従業員に対する監督、委託先に対する 監督ということで、先ほど基本方針の中で盛り込まれた点も参考にしていただいて、整 理をしていく必要があるのではないかということです。  143頁ですが、本人からの何らかの要望に対する対応ということで、個人データの開 示、訂正等に対して、どのような対応をすることが適当なのか。訂正については、事実 でないという理由により訂正を求められた場合ということで、診療情報ということで事 実をどのように考えるのかという辺りもご議論いただく必要があるのかということで す。また、こうした具体的な要求ではない苦情といった形で、本人から何らかの申し出 があるということです。適切な苦情処理のための努力義務といった点をどのように考え るのかということです。  4点目ですが、ガイドラインと法律の適用範囲をどのように考えるかということで す。先ほど説明したように、この法律上、生存する個人の情報だけが適用対象とされて いるといったこと。個人情報の件数が5,000件以下の事業者は、具体的義務等の適用は されていないといったこと。ガイドラインについては、これも含めて適用対象とするこ とが適切かどうか、といった議論があるのではないかということです。  144頁ですが、こうした各論を議論する上での1つの基本的な考え方ということです。 (素案)ということで、ほかにもまだいろいろな考え方があるかと思いますが、例えば 1つ目の○ですが、医療機関等を支援する観点から、できるだけ具体的に示してはどう かということ。2つ目は、診療に利用することが当然の目的ですが、それと情報の保護 を具体的にどのように議論をしていくのか。医療機関等と言っても、さまざまな事業者 にかかわるということで、議論の順序としては医療機関を念頭に置きつつ、他の事業者 についても必要に応じて修正をしていくといったことで議論を進めてはどうかというこ と。また、医療機関等の中にもさまざまな業態、あるいは規模の違いもあるということ で、法を遵守する上での最低限の対応、あるいはより高いレベルの望ましい対応といっ た幅のある議論をすることが適当ではないかということです。  参考資料として、参考資料1、参考資料2をお配りしています。先ほど政府全体の取 組みの中で、経済産業省の一般事業者に対するガイドラインということで紹介したもの の案です。内容は省略します。  参考資料2は、日本工業規格、JISに基づき、一定の個人情報保護の取組みがなさ れているプライバシーマーク制度といったものを、日本情報処理開発協会で実施されて おります。プライバシーマークにかかる医療機関向けの認定指針ということで、本検討 会の議論の参考として提出させていただきました。 ○樋口座長  土生さん、どうもありがとうございました。本日は第1回ということですから、現 在、我々がどこにいるのかという点について、共通の理解を確認しておこうということ で、丁寧なご説明をいただきました。まだ時間がありますので、今日はフリートーキン グという形で、個人情報保護法そのものについての疑問、あるいは、それが医療の場面 でどういう形で問題になるか。そこで我々が問題にすべき論点、あるいは医療の現場に おける実態から見て、むしろこういうことが重要ではないかということについて、ご示 唆をいただければと思います。厚生労働省の事務局のほうからは、いちばん最後に、資 料17の「ガイドラインに係る論点の例」で、今日はどちらでもいいのですが、具体的な 事例を引きながら、どのように考えていくべきか、だんだんに明らかにしていきたいと 思います。もしよろしければ、今日もそれを利用して、資料17の事例1、事例2、事例 3、次も事例1、事例2と具体的な事例もありますので、こういうことについて、委員 の方々はどんな感覚を持っておられるかということについても、ご発言をいただければ ありがたいと思います。ご自由にご発言いただければと思いますが、いかがでしょう か。 ○宇賀委員  今日、私は所用がありまして、もう少しで失礼しますので、先に発言させていただき ます。おそらく実際に医療、看護の関係に携わる方々が個人情報保護法を遵守していく 際に、実際上悩まれる問題として、これはどの分野でもあるのですが、個人情報保護法 の2条で個人情報の定義の問題があります。ここでは、特定の個人を識別できるという 個人識別性が要件になっているわけです。その際にモザイクアプローチと言われていま すが、他の情報と容易に照合することができる場合も、個人識別性があるというように なるわけです。どういった場合に他の情報と容易に照合して、個人が識別できるかとい うことの判断は、実際には、非常に難しいのです。どういったものと組み合わせると、 個人識別性があり、個人情報ということになるのか。情報公開の分野でも、個人情報は 同じように定義されていますので、情報公開の実務の場でもそこが非常に悩ましいとこ ろなのです。やはり医療関係についても同じ問題が起きてくると思いますので、ガイド ラインを作成する際に、こうした具体的な医療の場面、あるいは看護などの場面を念頭 に置いて、どういったものがここで言う、他の情報との照合により個人を識別される場 合であるのかを、ある程度明らかにしておくと非常に役に立つのではないかと思いま す。 ○樋口座長  宇賀委員は早退せざるを得ないということなので、いまの関連のもので言うと、資料 17の事例1、141頁です。病院の職員を対象とした研修会で、事例として一部の患者の 診療情報を使用する場合があるだろうと思います。研修に使用することで、個人情報の 識別性ということで言うと、いますぐイエス・オア・ノーということではわからないよ うなことなのかもしれないのですが、感覚としてこれで、もちろん患者の個人名は出さ ない。住所であれ、何であれ、そんなものは必要ないので、こういう患者がいて、こう いう進行を経て、このように対応したらどうのこうのと。私は研修会に出たことがない ので、どのような形で進むのかわかりませんが、そういう形でやれば、この事例1も問 題がないという可能性も、なくはないということでしょうか。あるいは、そう簡単には いかないような感じですか。 ○宇賀委員  個人識別性がなければ、個人情報ということになりませんので、個人情報保護法の規 制はかかってこないということになるわけです。個人識別性がないというときに、氏 名、住所、生年月日などを消しただけで、本当に個人識別性がないと言えるのかどうか というところが問題になってくると思います。  それから、他の情報と容易に照合するというときに大きな問題になってくるのは、一 般の人を念頭に置いて考えるのか、あるいは患者のことをかなりよく知っている、例え ばその病院の中の人を念頭に置いて考えるのか。近い人というのは、結構いろいろな情 報を持っているわけです。そうすると、一般の人はわからなくても、個人が識別されて しまうことがあって、一般を基準にして考えるのか、かなり患者に近い、狭いコミュニ ティーの中で考えるかによって、個人識別性があるかどうかというところが違ってくる と思うのです。そこをどう考えるかというのは、大きなポイントかと思います。 ○岩渕委員  私も中座させていただきますので、申し上げておきます。先ほどからお話に出ている 保護と利活用、そのほかにカルテ開示、法制化の問題と、さまざま複雑なものが絡んで くるから、具体的には随分悩ましい場面が出てくるのだろうとは思っています。  いまお話になった資料17の点でいくと、原則としてきちんとした保護というのは必要 ではありますが、あまり厳格すぎて、手続が煩雑で利便性が極めて制限されるというの は、できるだけ避けていったほうがいいのではないかと思います。結局、そこのところ の兼ね合いがいちばん問題になるのでしょうから、それはまた今後の議論だろうと思う のですが、原則として私自身はそのように考えています。事例2は、当然そのとおりだ と思います。事例3について言えば、患者からの依頼ということであれば、これも認め ていいというか、あえて同意を得る必要はないのではないかと考えます。次の頁の2の 2つは論外というか、言語道断ではないかと思います。 ○辻本委員  17頁の事例1の件ですが、先日ある病院施設の院内研修に招かれて、私も個々の発表 を聞きました。そのときに、患者のスナップ写真ということで、顔が明らかに出ている 発表があって、私は役割上、確認させていただいたのです。「これはプライバシーとい うことの問題に触れると思うけれど、どのような手続をもってこの場に発表ということ になったか」とお聞きしたのです。実は落下して脊髄を損傷し、機能が全くなくなっ て、気持まで落ち込んだ40代後半の患者を看護師たちがどうケアして、自立の支援をし たかというプロセスを写真で報告されたのです。その発表の職員が言ったのは、「実は ご本人にこの写真を全部見せました。そうしたら、ご本人が涙を流して喜ばれました。 是非とも発表してほしいと言ってくれた」と、それを聞いてほっとしたのです。ですか ら、今もこの問題は全部インフォームドコンセントに帰結すると考えながらお聞きした のですが。  患者の意識を啓発するというのでしょうか、患者も、例えば病院の受付で個人名を呼 ばれることを当たり前にしている。このことが果たして自分にとってどうなのか。これ からそういったことを認識して、自分はどう思うかという意見を持つことが必要になっ てくる時代の中で、きちんと説明をして了解を取って、あなたはどうするかという手続 はとても大事なことだと、院内研修の事例で私は学ばせていただいたのです。  私も患者の立場ということで、いろいろな病院、機関などにうかがう折に、例えば見 舞客名簿がさらされた状況で、プライバシーが全く保護されていない問題とか、ある病 院においては、人手の足りないところを患者に手伝ってもらうためなのか、カルテを外 来の受付の窓口の篭の中までご自分で持っていっていただいている。朝早くに行くとス タッフもいない外来受付に積み上がっている。それは抜こうと思えば抜ける、見ようと 思えば見えるという状況。患者の個人情報が粗雑に扱われている日常が医療現場にまだ まだはびこっているということを目にするたび、患者としてつらくなるのです。  それから、介護保険関連で施設の問題についても、どなたに見せるためなのかわかり ませんが、施設内のスナップ写真があちこちにベタベタと貼ってあって、「うちはこん な良いサービスをしているのです」というPRなのかと思うようなものが、全く本人の 了解も取らないままに掲載されている施設がまだまだ多い現実があります。そういった 患者、利用者の底辺からの視点なのですが、そこをきちんと社会問題化することが国民 全体のこういう問題への意識啓発につながると思います。是非とも提供者側のご意見や 事由などについても、わかりやすい説明と議論をいただきたいと思っています。 ○大道委員  フリートーキングということで3つほど、こういう場合は今回のガイドラインにどう いう形になるのかという思いで、事例的なイメージで発言をさせていただきます。既に 資料17の事例にもあるのですが、連携ということでさまざまな情報が、医療の場合です と医療機関相互、場合によっては介護の関連施設でもやり取りが行われているのです が、基本的には患者、あるいは利用者本人の医療のため、場合によっては介護のための 情報のやり取りということであって、それで基本的なところは整理できるかという思い があるのです。現場では、定められた書式に基づいた、例えば医療における診療情報提 供書というもののやり取りというのは、まさに診療報酬が絡む問題として、それなりに 定着はしているのです。  医師または看護師が記載をする、入院の経過のサマリーと称する文書があるのです。 これのやり取りについては、患者または利用者の立場から見ると、個別でサマリーの内 容まで、一般的にはいま現場では同意を取りませんから、なぜこのような情報までが連 携先の医療機関または関係施設に行くのか、という問題提起が時々起こります。家庭内 の諸事情の問題、あるいはその方の人生の一連の経緯を関連して有用だろうという思い で記載をするのですが、それについての問題提起があったという経験があります。  つまり、1つ目は連携の情報のやり取りの中の範囲をどう考えるかということと、ど うしても必要だというサービス提供側の思いと、利用する側の当事者の思いというの は、必ずしも一致しない場合があるので、この辺りをガイドラインなどではどうお考え になっていくのかというのが1点です。  もう1つは、科学研究、臨床研究等、学術に関連したデータのやり取りについては、 先ほど来ご説明のあるように検討が進んでいるということなのです。そういう意味合い ではなくて、これは主として研究ですが、外部から医療機関に調査に入るという機会が あり得るのです。例えば当該医療機関の診療報酬の実情がどうかということで、いわゆ るレセプトなどを収集して、一定の医療機関のテンデンシー、どういう傾向にあるかと いうことを調べたり、医療機関相互を比較、検討することによる、ベンチマークをする ことによるさまざまな助言を得たい。こういう意味合いでの調査研究というのは結構あ るのですが、その場合の情報の把握というのは、個人を特定できないような一定の配慮 はあるのですが、なかなか難しいところがあります。  このような調査研究的な側面もあるのですが、一方、同じような種別に位置づけてい いかどうか、ちょっと難しいところもあるのですが、私が関与している認定のための審 査という業務がいま医療機関で急速に広がっているのですが、外部の評価者が医療機関 に立ち入るわけです。そこで、診療録に代表される、まさに個人情報そのものを見せて いただく。それは患者の情報の内容を検索するというよりは、医療機関が適切に記録を 記載しているかという観点から見るのですが、これについても非常に厄介な問題が背景 にあるということは日ごろ感じております。センシティブな医療機関では、外部からの 評価者であれ、患者の了解が得られていないので、診療録の閲覧等についてはお断りを するという事例を、稀ではあるのですが、経験されているのです。こういう場合にどう 対処したらいいかということで、これは一般的に契約に基づいた行為とは言いながら、 おっしゃることもわからないわけではないので見ないままで、本来の審査はできないと いうことになって、非常に難しいところがあります。  いずれにしても、科学研究ではない意味合いでの調査研究の中での個人情報の扱いと いうのは、いまレセプトと診療録の外部の者の閲覧ということで申し上げましたが、ほ かにもいくつかあると思うのです。この辺りはルール化を明確にしていただいたほう が、いろいろな意味でよいということです。  3番目は厄介な事例なのですが、医療事故に関連した情報です。医療事故は深刻な場 合が少なくありませんから、他の医療機関が経験した医療事故の情報を、しっかりと経 験を共有する、ないしは情報を共有することによって、事故防止を図ることは極めて重 要なのです。そのために、国も含めて、医療事故に関連した直接的な情報を外部に集約 して、原因をしっかり分析する、あるいはこういうことによって医療安全が脅かされる という趣旨の事故防止に向けた情報として広く周知させる事業ないし活動が行われてい るのです。そのときに医療機関から出てくる医療事故情報というのは、なかなか微妙な 問題があります。事故の情報であると同時に、当該事故に遭遇した、巻き込まれた患者 自身のある意味では極めて生々しい情報なのです。なおかつ、それは医療機関が医療行 為を行った一連の経過なのです。  この問題を外部に出すことについては、これはそもそも個人情報かという議論と、そ うではないという議論と、出す上での情報加工、1次情報ではなくて加工する、匿名性 を担保するなど、いろいろな言い方がされてきています。今回、国も医療法の施行規則 を決めて、一部の病院から事故情報を収集するに当たって、国がやることですから整理 がついていらっしゃるとは思っているのですが、この辺りは今回のガイドラインの対象 になるのか、ならないのか、ちょっと厄介な問題を含んでいるという気がしておりま す。  いま3つ事例を示して、こういう場合はいかが取り扱うのかという問題意識なのです が、いずれにしても医療機関ですと患者の情報のやり取りの中で、患者ご自身のために 直接行うことと、座長の立場からご発言があったように、それを利用する、活用する、 社会に還元するということのバランスの問題というのは、考え方としては非常によくわ かるのですが、運用上は厄介なものを持っているという認識を改めて持っております。 だからこそガイドラインが必要だということなのでしょうが、医療の現場で少なからぬ 事例を見せつけられる立場から、今日の検討の場での問題の全体像は理解はしたのです が、その中で特に感じた点をまず最初に発言させていただきました。 ○樋口座長  いま大道委員から出されたような問題は、いずれもガイドラインで検討するところの 対象になるのではないかと思われます。ただ、どのようにガイドラインの中身を決めて いくかというのは、本当に難題であるように思います。ほかの委員の方も、ご発言をお 願いします。 ○津委員  歯科で日常撮られている口の中の写真と、それに伴う顔全体や側貌写真が活用されて います。辻本委員から発言がありましたように、その辺の範囲は同意を取って写真を撮 っています。それを学術誌等に事例として発表するときに、顔写真がそのまま出ている こともあります。同意を得て出しているかどうかわかりませんが、そのときに目だけ黒 くカバーし、隠せば識別がそれでいいかという問題も、頻度としては多いのです。学術 誌等に活用するときにどうするか、ご検討願いたいと思います。 ○楠本委員  看護の場合は、患者のご家族の生活に密着しての仕事ですので、どうしても知りたく ない情報まで知り得てしまうことがあります。それが先ほどの大道委員のサマリーの話 と関連するのですが、次の施設、あるいは在宅に帰るにしても、次の医療従事者にどの 情報をどこまで出していくか、とても悩みます。個人情報保護、プライバシー保護とい うことが話題になってから、現場では悩んでいる状況です。ルールがあるようでない中 で、その方の回復が家族の関係性で出てきている場合とか、経済的とか、いろいろあり ます。とにかくご本人に了解を得ないまま、こういうことも考えられるのではないかと いう観点で出している場合も確かにあります。今後そういうことをどこまでお出しして いいか、確認していく必要があるのだと思うのです。ある意味、暗黙で共有しているほ うがいい場合もあるような気がしてしょうがないのです。そういった場合、どの辺がど んなものだろうということが1つです。  いま教育の観点で悩んでいるのは、同じようなことなのですが、患者の全体像を捉え るときに、指導者のほうはご主人との関係などをサゼッションするわけです。そうする と、学生はどうしてもモデルパターンが要りますので、すぐメモ書きをして持ち帰っ て、それを参考にして自分の患者に当てはめるという学習をするわけです。いまはそう いうことも駄目だから、一切合切置いて帰るようにということになってきて、なかなか 帰ってからそういう学習が積めないような状況があるので、教育との関連でどう扱って いくかということです。  先ほど来、患者の顔の話が出ています。私が経験した事例なのですが、先天異常の子 供さんのときに、「学会発表させていただくので」ということでご了解を得て、顔を隠 す形で写真を出しますと言ったときに、お母様が大変ご立腹なさって、「こうやって一 生懸命生きている子供の表情、顔を消すということは、この全人格を否定することにな るんだ。だから、一生懸命生きているこの子をちゃんとわかってもらいたいという意味 では、それを出してもらいたい」ということをおっしゃいました。いままでは隠すのが 常識のようにやってまいりましたので、こういう考え方もあるのだと思いました。その とき、個人情報の保護、情報コントロール権は患者側にあるのだということを、しっか りと打ち出したガイドラインを作っていかなければいけないのではないかと思っており ます。一面、それを出すとまた問題もあると思いますが、私は基本姿勢はそこなのでは ないかと思っております。 ○高橋委員  私自身は、介護サービスなり、福祉ソーシャルワークの領域で仕事をしていまして、 まさに楠本委員がおっしゃった生活そのものを問題にしております。医療の場合は健康 情報というか、比較的バウンダリーが非常にはっきりしております。それにしても、大 道委員が先ほど指摘したような問題があるわけです。介護なり福祉サービスの場合は、 問題そのものがプライバシーの固まりみたいなものです。  もう1つ非常に重要なことは、本人の許諾が取れないということです。要するに、知 的障害にしろ、痴呆性高齢者にしろそういう問題があります。しかも介護サービスの場 合は、専門職だけではない、いわゆるレイマンという方々がケアにコミットされる例が 多い。そういうことを含め、私も少し議論を整理しながらこの検討会では発言しなけれ ばいけないと思っています。  医療の場合には、医療行為(治療)という概念が非常に明確ですが、介護の場合はそ の辺が日々の日常生活まで、先ほどの議論でいえば、暗黙の世界でそのすべてをさらし ながら、しかしそれを守っていく。しかも、利用者はそれをコントロールする能力がな い。これは、一方で権利擁護の問題とも深くかかわります。そういうことを含めて議論 を整理して発言ができればと思っております。 ○武田委員  大体同じですけれども、資料17に事例が3つあります。1については、各委員からお 話がありましたので問題はないと思います。辻本委員がおっしゃいましたように、受付 で名前を呼ぶかどうか、病棟の前に名前を掲げるか、これは特殊な患者の場合はそうい うこともやりますが、すべてにやると欠点が出てまいります。取り違えの頻度が高くな ってくるのではないかということがありますので、この辺も議論していただいたらあり がたいと思います。事例3は、他の医療機関の問題です。総合病院などでは、多科受診 の場合にどのように対応していったらいいかも検討していっていただいたらありがたい と思います。以上です。 ○山本委員  プライバシーの立場からすると、大きな医療機関の話だとさまざまな診療科があった り、あるいは検査や診療部があったりするわけです。大変大きな薬局も施設としてはあ るわけですけれども、通常町の薬局は小さなものですから、その中で資料17の事例1を 拝見すると、事例研修になってしまうのか、局内で数名の薬剤師が一定の共通認識を持 った上で仕事をしたほうが安全なのかが非常にわかりにくいというか混乱をしてしまい ます。いままでは、それを誰が対応してもきちんとした仕事ができるように、一定の情 報を共通認識として持っている、そのことは決して問題はないのではないかと考えてい ました。  この事例を見ると、それが場合によっては作業時間の終わった後、一定の集まりをも って共通認識を持とうということが研修に挙がっているとすれば、その辺りについて我 々はもう一度考え直してみなければいけないという大変大きな問題が出てまいります。  もう1点は、薬局の中で、従来薬剤師はその入れ物の中でしか仕事ができませんでし たので、施設の中で考えればよかったのですが、先ほどの楠本委員のお話にもありまし たように在宅のほうへ入っていくと、そこでは当該患者と私ども、あるいはそこを訪問 している看護師、あるいは診療している医師の方々との情報交換が出てきますので、い ままでは、まさに暗黙の了解の中で記録を残すというか、こんなことがありましたとい うふうになるわけですが、そのことも十分に検討した上で、どの範囲まで可能なのかと いうことも、このガイドラインでお示しいただければと思います。これから、薬剤師も 在宅の話に絡まなければなりませんので、議論になるだろうと思います。  もう1点は、このことが良いことかどうかわかりませんけれども、医療機関と違っ て、同じような施設というか母体での複数の店舗の中で、情報が共有されることについ てはこのガイドラインではどのように考えたらいいのか、というところが非常にわかり にくいところであります。是非、その辺りもガイドラインの中でお示しいただければあ りがたいと思います。  この先、我々がいままで経験しなかった、それで徐々に経験しているわけですが、そ れで年限も延びましたので、看護師あるいは医師の方々と同じように、実務実習にはど んどん入ってまいります。その場合に、現場におりますので否が応でも見てしまう、聞 いてしまうわけです。お客さんにしておいたのでは実務実習になりませんし、そうかと いってどこまで話したらいいのかということがあります。  それと同時に、そういうことを学生がどこまで認識しているかという問題を考えてみ ると、かなり高度なというと言葉が悪いのですけれども、患者にとっては非常に重要な 情報を、資格を持つ前の者が見る形になりますので、資格者同士の問題より以上にその 辺りの整理をきちんとしておかないと、実務実習そのものが成り立たなくなってしまう 気がいたします。  仕事をすることも問題でありますが、情報を持つことについてどう考えたらいいのか をガイドラインでお示しいただければありがたいし、その辺りをご検討いただきたいと 考えております。 ○神作委員  私は、大学で商法を専攻しておりますので医療に関する情報、ましてや医療について は全く素人です。商法の分野では信用情報といい、金融機関が顧客との取引条件や弁済 状況等に係る情報をどのように扱うべきかという問題があり、そちらのほうは少し勉強 しております。やや本日のテーマから離れるところもあるかと思いますが、医療情報と 信用情報とにはどのような点に違いがあるのか、という点について考えたところを少し 述べさせていただきます。  第1は、情報のセンシティブさの質と程度が非常に違うのではないか。確かに、例え ばある人が重病にかかっていて、もうすぐ亡くなってしまうかもしれないというとき に、これは信用にかかわる非常に重要な情報ではあるのですが、信用情報制度の中で は、こういった情報はあえて集めないことにしております。仮に集めると、それ自体プ ライバシー違反となり、そもそも個人情報の管理の問題以前の問題として処理されま す。そういう意味では、信用にかかわるようなものであっても、ハイリー・センシティ ブなものは除く、という前提で信用情報の世界はつくられております。医療の情報は、 ハイリー・センシティブな部分を直接扱わなければいけないという点に非常に難しい面 があるかと思います。ただ細かいことを申しますと、同じ金融取引の中でも生命保険契 約というのは、医療、身体、生命にかかわる情報にもかかわってきています。そういう 意味では、両者が全く無関係だというわけではありません。  次に、なぜどこがセンシティブかという点です。お話を伺っていて感じたことは、先 ほどの楠本委員のお話の中で、障害をもった子供の写真についてお母さんがそれに対し ていろいろ意見を言う。つまり、信用取引の場合には、本人が確実に情報の中心にある わけですけれども、どうも医療情報というのはもう少し広がりがあるように思われるわ けです。例えば家族や親族などは、医療情報に関し無関係だと割り切れない場合がある のではないか。特にこれが遺伝情報になると単なる親族関係というだけではなくて、ま さに親の遺伝子を自分が持っていることになりますので、自分の情報の一部でもある、 この点は通常の金融取引にはない特殊性があるのではないかと思います。  その点で、若干質問も交えて恐縮なのですけれども、例えば病気になったときに、医 師が家族に治療の方法や病状について説明することがしばしばあるかと思います。これ は個人情報の第三者提供と考えているのかいないのか。信用情報のほうからいうと、家 族のだれかに情報を提供するようなケースは確実に第三者提供に当たると思われます が、医療のケースについては個人情報保護法の適用除外の規定にうまく当たるのかどう かというのは、私もはっきりわからないところがありましたので、この点を教えていた だければと思います。いずれにしても、家族や本人だけの情報とは言えない部分もある のではないか。もちろん、本人がいちばん大切なことは確かですけれども、それだけで はない部分が非常に難しい問題なのではないかと感じました。  次は、情報を収集する目的です。信用のほうで情報を収集する目的というのは、一言 で言うと多重債務者発生の防止ということです。要するに、他からいっぱい借りている 人にはもう貸さないことにしよう。それによって多重債務者を防止する、というのが非 常に大きな目的です。その点では確かに本人の保護になるとともに、一種の公的な利益 にもなります。多重債務者で自殺者が出たりすると、これは社会問題となりますので、 そういう意味では信用にかかわる情報を収集するというのも、公的な側面があるわけで す。  ところが、信用情報機関は、先ほど申しましたハイリー・センシティブなものを除い て、取引条件等にかかわる情報だけを集めることが許されておりますので、そういう意 味ではマーケットに非常に馴染みやすい面があります。つまり、どこで誰と取引した情 報であっても、1カ所のデータバンクに集めそれを利用するというのは非常に合理性を 持つ制度だと思います。医療情報の場合は、この医師を非常に信頼しているからここま で言っているのだ。それがデータバンクに流されてしまって、ほかの医師のほうにも行 くということまで想定しているのかどうか。他方、このことが本人ひいては医学の発展 につながる可能性はありうると思いますが、いずれにせよ医療と市場との関係というの は、情報だけにかかわらない一般的な問題かと思いますけれども、その問題の一端がこ こでも出てきているという印象を持ちます。  やや細かな点になりますが、資料の142頁の2のところの事例1で、たとえば業員の 従業員あるいは医師が書類を持ち帰ってなくしてしまった。これに対して事例2はアウ トソーシングといいますか、病院とは別の法主体に情報を提供したところ、それが漏ら されてしまった。事例1も事例2も監督義務に違反するという観点から書かれておりま すが、法律家の観点からすると、当該病院の医師や看護師が情報を漏洩するケースと、 アウトソーシングした先が情報を漏洩するケースというのはかなり状況が違っていて、 前者のケースでは、監督責任しかないですまされるのかどうか。むしろ、当該病院自身 が情報を漏洩したというふうに法的に評価される余地もあり得るのではないか。事例 1、事例2を少し区別する必要があるかどうかも含めてご検討いただければと思いま す。とりとめのないコメントで恐縮ですけれども、以上です。 ○樋口座長  ただいまの質問に対し、事務局から説明していただけますか。 ○企画官  いずれも非常に微妙なご指摘かと思います。事務局としても、にわかにすべてこうだ という結論を持ったお答えはできないわけです。第三者ということについては、いくつ かの解説書などを拝見いたしますと、「第三者とは個人情報取扱事業者及び個人データ に係る本人のいずれにも該当しない者を言う」と書いてあるものもあります。そういう ことで考えると、非常に形式的にいえば家族も第三者に当たります。家族といいまして さまざまな血縁関係を含めますので、少なくとも法律上は家族を何らかの特別な地位に 置いてあるような規定はないのかと思っています。  ただ、医療を提供する上で、家族に情報を提供して理解をすることは非常に重要だと 思っています。その辺を、医療サービスの適切な提供という観点から、どのように整理 していくのかという点もご指摘いただきましたように、ガイドラインの中での大きな課 題になるのかということです。  2点目の、142頁の事例1、事例2ですが、これも確かにそれぞれの法的な責任の評 価という意味では、神作委員ご指摘のようなこともあるのかということです。条文で機 械的に書いてしまった面があります。個人情報保護法の中で、第21条に「従業者の監督 」という規定があります。第22条では「委託先の監督」ということで、少なくとも条文 上は「従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない」、あるいは委託先 については「委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない」と いうことで、少なくとも条文上は同じような「監督」ということが用いられていますの で、このような表現をさせていただいております。逆に言えば、どういう対応をしてい れば、その義務を果たしたことになるのかといった観点で、これもガイドラインの中に どのようなことを盛り込むかという点で重要なご指摘かということです。すべてこの場 でということではなかなか答えにくいわけですが、いまのところそのように考えており ます。 ○樋口座長  資料12の、「診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会報告書」があります が、その一連の中で117頁の下から5行目に、「診療記録の開示を求め得る者」という のは、この文章では原則として患者本人、しかし、「次に掲げる場合には」という形で 家族との切り分けをしているようですが、これも含めて実際の医療機関の現場からし て、これでいいというのかどうなのか、という点についてはまた改めて検討の材料にな るのだろうと思います。  厚生労働省のレベルでガイドラインを1つ作るというのは必須の命題なのですが、個 人情報保護法というのは、主務官庁のところでガイドラインを1つ作るだけではなく て、私の理解が間違っていなければ、認定情報保護団体のレベルでも何らかの指針を作 る、というように先ほど読まれた条文の中にもはっきり書いてありました。そういうこ とになると、強制してご発言を求めるようで申し訳ないのですが、松原委員からもご発 言いただけますか。 ○松原委員  認定情報保護団体の件でも議論している最中です。ほとんどの医療機関はこの対象に なるわけですが、それをどのようにしていくのか。先ほどからいろいろ質問があります ように、これは事例ごとにほかの分野とは全く違う現象が出てくるのではないかと思い ます。事例を収集して、検討して整理した上で、どうしたらいいのかという発言を行い たいと思っています。 ○大道委員  別の視点から問題意識を申し上げたいと思います。医療における個人情報について は、先ほど来の個人情報保護の問題と、利用活用とのバランスをどうするかということ です。ポイントの1つは「同意を得る」というところにあります。その同意の得方です けれども、第三者の情報の提供について例外規定があります。その例外規定の中で「国 又は地方公共団体等の事務に係るものについては例外だ」ということになっています。 例外で同意を得る必要はないのだけれども、ある種通知ないしはそうしたという事実を 説明することは必要なのか必要でないのかという辺りは、法に基づいたさまざまな個人 情報の提供の動きが医療においても出てきたようなところがありますので、これは議論 していただきたいと思います。知らない間に、法律に基づいて個人情報が出ていた、と いうようなことがあり得るのではないかという気がしてちょっと気になるところです。  同意の得方は、一般的にはまさに個人である当事者に直接同意を求めて、「同意をし た」という旨の明確な返答があって同意が成立すると思うのです。一般的に、この施設 では個人にかかわる情報を、こういうふうに使うことがあり得ます、又はありますとい うことを院内に掲示するというようなことを説明し、それを前提に医療を受けることが あり得るのかあり得ないのか。正論を言えば、個別で問い合わせをして同意を得るのは 当然なのですけれども、先ほど来私が2、3申し上げた点では、これを全患者にすべて 同意書を取るなどということになりかねなくて、これが本当にどうなのかということ。  逆に言うと、全患者に同意を取らなければならないような問題と、次善の策というべ きか、院内に掲示をして、患者に間違いなく読んでいただきたい、あるいは読んでいた だけた、ということを前提に対応する場合とが出てくるのかという気がするのです。そ うであるとすると、その両者の切り分けを考えなければいけないということになるわけ です。第三者への個人情報の提供が、医療の場合は、特段に他の患者、あるいは広く社 会へ向けた価値の還元が考えられるだけに、いま申し上げている点というのは、同意の 得方といえばそのとおりなのですけれども、この辺りもガイドラインの中に記載すべき 事項の1つなのかという思いで先ほど来の議論を聞かせていただきました。 ○樋口座長  私からも2点申し上げます。個人情報保護法というのは、すべての個人情報をカバー しているものだから、とりあえずこの検討会では医療と介護のところを検討します。ほ かの重要3分野のところで、先ほど土生さんからも説明があったように、同じようにし てやっていて、ガイドラインを秋口までに作るのだという話になっています。  それぞれの情報が本日のお話でも、質的に随分違うのかということもあります。一方 では、それぞれの所でどのような所に焦点を当ててやっているかということも参考には なると思うのです。神作委員は、信用・金融の分野の検討会にも委員として出ておられ ますので、そういう所のご意見などもいろいろな形で反映していただければありがたい と思っています。  ガイドライン作りでいちばん重要なのはといいますか、スタートラインは、誰のため のガイドラインなのか、何のためのガイドラインなのかということです。誰のためとい えば、患者と医療機関と両方だと思うわけです。そのときに、どういうガイドラインを 作ると、患者も安心し、医療機関もこういうふうにして日常業務をやればいいのだと言 えるのかどうかということです。  そのためには、どの程度詳しいものを作ればいいのか。しかし、本当に詳しいものが 何カ月の間にできるのだろうか。切りがなく医療・介護というのは本日もいろいろな形 で出てきて、問題は本当に幅広くてというところで、どの辺りでとりあえず今年度のと ころでは落ち着けておいて、しかしそれで終わりになることはないので、という話をつ くっていくのかということがあると思うのです。  参考資料は経済産業省から出てホヤホヤなのでしょうけれども、重要3分野とは限ら ない一般的な事業者についてのガイドラインがこれだけ厚いもので出ています。私は、 まだこれを読んではいないのですけれども、これを読んでいただいて、こういうものを 医療の分野で作れば大丈夫なのか、それともこれは全然医療とは関係のないところの話 で、こういうガイドラインで経済産業省はおやりになるのは結構だと思います。  医療のところだと別のイメージでガイドラインを考えないといけないと思うのかどう か、宿題みたいな形で恐縮ですが意見を賜りたい気がいたします。折角の資料ですの で、そういう形で活かしていくといいのかと思います。この中には、なるほどこのよう なことは我々も考えないといけない、というポイントも絶対にあるとは思うのですけれ ども、全体としてこのような種類のイメージの文章があると、これは医療のところのガ イドラインとしてふさわしいものかどうかという点は考えるに値するようなものなのか と思います。 ○神作委員  先ほど、信用情報と医療情報で違うところを述べたのですが、1点申し忘れたところ があります。もう1点信用情報と非常に違うと思った点は、医療に関する情報について は、医師や看護師などサービスを提供する側の評価や行為にかかわる部分が非常に多く 含まれている。これに対し、信用情報の場合は、取引条件、あるいは資産状態・弁済状 態といった客観的なデータが問題となります。  これがどのような違いに結びついてくるかというと、情報を見せてくれと言われたと きに、こういった評価や行為が入っている分、どうしても説明をしないと、その情報だ けを開示したのでは意味がわからない。だから、医療に関する情報の場合は、見せた 後、これはどうなのだ、どうしてなのだという説明の要素が入ってくると思います。信 用の分野というのは、そういう意味ではだいぶ気が楽で、信用に関する情報を、まさに 情報取扱業者の所で集めて、そこにみんながアクセスして情報を得ていきましょうとい う話であるのに対して、医療情報は、まさに医療に係る単なる情報だけという話ではな く、非常に高度な専門的なサービスの提供や評価と結びついて、場合によっては渾然一 体となっている。そういう情報が開示の対象となる点が、信用情報の場合より一層複雑 な問題を喚起するように思います。  この点も開示のあり方を考えるにせよ、その後のさまざまな紛争の処理のあり方を考 えるにせよ、単なる信用情報とは大きく違う点なのではないかと思います。先ほど、こ の点を申し忘れましたので付け加えさせていただきます。 ○樋口座長  予定した時間がまいりましたので、本日はここでお開きにして、次回以降の進め方 や、スケジュールについて事務局から説明をお願いいたします。 ○企画官  さまざまなご指摘、問題提起、あるいは方向性などについて本日はご議論していただ きました。本日は、とりあえずということで資料17をお示しさせていただきましたけれ ども、次回から2回程度、場合によっては3回になるかと存じますけれども、資料17を さらに各個人情報保護法の規定にできるだけ沿うような形で、事例なり論点を座長とも 相談させていただいて、できるだけ整理をし、それを基にご議論していただければと考 えております。  具体的な日程ですが、先ほどご説明いたしました資料5の中にもありましたが、別途 各委員の皆様方には通知により案内させていただきます。次回は7月21日午後1時から 3時まで、厚生労働省内の会議室で行わせていただきます。第3回は7月30日の午前10 時から12時まで、厚生労働省内の会議室で行わせていただきます。そのようなことで2 回、さらに予備日として8月6日の午前10時から12時ということで、次回以降2回の議 論の状況を見ながらこの回をやるかどうか座長とも相談させていただきます。以上で す。本日はどうもありがとうございました。 ○樋口座長  長時間にわたりましたが、本日はこれで閉会にいたします。どうもありがとうござい ました。 照会先:医政局総務課 担当者:濱田・安川 連絡先:(代表)03-5253-1111 (内線)2522