04/01/08 第6回食を通じた子どもの健全育成のあり方に関する検討会議事録        第6回食を通じた子どもの健全育成のあり方に関する検討会                 平成16年1月8日              厚生労働省17階専用第21会議室  村田座長  それでは定刻になりましたので、食を通じた子どもの健全育成のあり方に関する検討 会を開催させていただきたいと思います。松の内が明けましたけれども、新年でござい ますので、まずはおめでとうございますというごあいさつをさせていただきます。本日 はお忙しいところをお集まりいただきまして大変ありがとうございます。それでは本日 の出席状況を事務局の方から御報告いただきたいと思います。  母子保健課長補佐  渡辺委員が若干おくれている模様でございますが、本日は岡田委員、佐藤委員が所用 により欠席と承っております。以上でございます。  村田座長  ありがとうございました。それでは議事に入ります前に、二つほどお願いをしたいと 思います。今までいろいろと議論をしてまいりまして、本日はその議論というものが資 料として出ておりますが、内容そのものにつきましては随分と議論を重ねてまいりまし たので、ここに挙げております事項、あるいは内容について、いかにわかりやすく、具 体性を持って、実効性のある情報を提供したり、あるいは資料になっているか、あるい はしなければいけないのかという点に重きを置いて、今後の議論を進めていただきたい と思います。  二つ目は、文章の表現上の細かな問題があるかと思いますけれども、その表現が極め て重要な意味合いの変化や異義を持つといった場合を除きまして、細かい表現につきま しては、後日事務局の方へ御連絡をいただければ大変ありがたいかと思います。以上の 2点をお願いしておきます。それでは事務局の方から、本日の資料の確認をお願いしま す。  栄養専門官  本日配付しております資料につきましては、議事次第、名簿をめくっていただきまし て、資料1として検討課題メモ、資料2としまして報告書(案)、資料3としまして、 食べる力をはぐくむための具体的な支援方策(例)についてということで、その後に例 を五つお示ししてございます。例1としまして保育所からの発信、例2としまして学校 からの発信、例3としましてレッスン2成長曲線を描いてみましょう、例4としまして 児童養護施設からの発信、例5としまして研究機関からの発信、以上でございます。  村田座長  それでは資料2の報告書(案)の1ページ以降につきまして、事務局から御説明をお 願いしたいと思います。  栄養専門官  委員の先生方におかれましては、年末の非常に忙しいところ、内容の御確認をいただ き、貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。既に御提出いただきまし た御意見につきましては、本日は修正を加えた形でお示しをしてございます。  1、子どもの食をめぐる現状と課題につきましては、第1回、第2回の検討会の資料 をもとに作成したものでございます。  1)子どもの変化としては、小児期における肥満の増加と思春期やせの発現というこ とで、肥満の割合が8から10%見られること、また、図の下になりますが、思春期にお いては、中学校1年から高校3年までの思春期やせ症の発症率が2.3%、さらに成長曲 線を一定の基準以上に外れるような急激なやせ方をしている不健康やせの割合が、中学 校3年で5.5%、高校3年で13.4%見られること、さらに2ページに続きまして、幼児 期にも見られる朝食の欠食ということで、朝食の欠食の問題も低年齢化していること、 さらに、ふえる通塾率ということで、学校以外での子どもの活動がふえ、食事リズムや 生活リズムを規則的にすることがますます難しくなってきていることが挙げられており ます。  2)親、親子のかかわり、家庭の変化としては、家族そろって夕食を取る頻度が減少 し、家族そろって食べる貴重な機会をどう生かすか、その質のあり方が一層重要になっ ていること、また、おやつの与え方について、時間を決めてが激減し、ということで、 家庭の中での対応の仕方が大きく変化していること、さらに3ページ目に移りまして、 育児の負担感の増大ということで、親、特に母親の育児の負担感が増大していること、 さらに4ページに移りまして、子どもの親世代である大人において、食に関する知識や 技術が不足し、生活技術としての食を営む力をだれがどう伝えていくかということが大 きな課題となっていることが挙げられております。  3)の食を取り巻く環境の変化の一つとしては、市販の離乳食や調理済み食品等の利 用の増加についてのデータが示されており、乳幼児期から家庭内での食事の仕方にも変 化が見られるという点が挙げられてございます。  続きまして、5ページの2、食を通じた子どもの健全育成のねらい及び目標につきま して、1)食を通じた子どもの健全育成のねらいにつきましては、囲みにありますとお り、現在をいきいきと生き、かつ生涯にわたって健康で質の高い生活を送る基本として の食を営む力を育てるとともに、それを支援する環境づくりを進めること、とされてお り、さらに、2)食を通じた子どもの健全育成の目標ということで、楽しく食べる子ど もにを最終目標にということで、楽しく食べる子どもに成長していくためには、具体的 に五つの子どもの姿を目標としますということで、食事のリズムが持てる子ども、食事 を味わって食べる子ども、一緒に食べたい人がいる子ども、食事づくりや準備にかかわ る子ども、さらに食生活や健康に主体的にかかわる子どもを目標としています。  7ページには、これまでに十分に御議論をいただきました発育・発達過程にかかわる 主な特徴を表1という形でお示しをしてございます。この図をもとにして、8ページ以 降10ページまで、3、食を通じた子どもの健全育成から見た発育・発達過程にかかわる 特徴ということで説明を行っております。  先生方にお送りしたもの以降に修正を加えた点としましては、大きく二つがございま して、まず二つ目の段落につきまして、目標と、注目した各側面とのかかわりがわかり やすいように、目標とする楽しく食べる子どもとは、下の図のように、心と体の健康を 保ち、人とのかかわりを通して社会的健康を培いながら、食の文化と環境とのかかわり の中で、いきいきとした生活を送るために必要な食のスキルを身につけていく子どもの 姿です、という内容を追加しております。  また、図の下にありますように、特に学童期と思春期の区分を行うことの難しさにつ いては、身長発育速度が最大になる時期が早くなっているということとともに、個人差 が大きいということも挙げられるのではないかという指摘で、個人差も大きいことなど から、その区分を明確にすることは困難です、といった文章を加えさせていただいてお ります。  続きまして11ページをごらんいただきたいと思います。こちらも同様に十分に議論を 尽くしてきていただきました発育・発達過程において育てたい食べる力についての図で ございます。こちらにつきましても、この図をもとに、御意見を踏まえて、12ページか ら14ページに説明を行っております。特に各期の特徴がわかるように囲みを設けており ます。  12ページの1)授乳期・離乳期においては、安心と安らぎの中で食べる意欲の基礎づ くりということで、安心と安らぎの中で母乳(ミルク)を飲む心地よさを味わう、いろ いろな食べ物を見て、さわって、味わって、自分で進んで食べようとするということを 挙げております。  さらに13ページに移りまして、2)幼児期につきましては、下に囲みがございます が、食べる意欲を大切に、食の体験を広げようということで、おなかがすくリズムが持 てる、食べたいもの、好きなものがふえる、家族や仲間と一緒に食べる楽しさを味わ う、身近な食材に触れて、料理づくりを楽しむ、食べ物や体のことを話題にする、とな っております。  さらに14ページの3)学童期?思春期に移らせていただきまして、まず学童期につき ましては、食の体験を深め、食の世界を広げようということで、1日3回の食事や間食 のリズムが持てる、食事のバランスや適量がわかる、家族や仲間と一緒に食事づくりや 準備を楽しむ、自然と食べ物とのかかわり、地域と食べ物とのかかわりに関心を持つ、 自分の食生活を振り返り、評価し、改善できるということで、思春期につきましては、 広い食の世界の中で自分らしい食生活を実現しようということで、食べたい食事のイメ ージを描き、それを実現できる、一緒に食べる人を気遣い、楽しく食べることができ る、食料の生産・流通から食卓までのプロセスがわかる、自分の体の成長や体調の変化 を知り、自分の体を大切にできる、食にかかわる活動を計画したり、積極的に参加した りすることができる、となってございます。  続きまして15ページにつきましては、図1として、食を通じた子どもの健全育成のた めの環境づくりの推進というものがございまして、この説明を16ページで行っておりま す。  なお、一番後ろには、本文に用いました参考資料を添付してございます。以上でござ います。  村田座長  どうもありがとうございました。今の説明の中でもお話がありましたように、これは あらかじめ各委員の先生方の方へお送りいたしておりまして、いろいろと御意見や御訂 正をいただきましたものを、改めてここにお示ししたものでございますが、差し当たり まして、1から3の部分につきまして、ここでどうしてもさらにつけ加える、あるいは コメントをする必要があるということがございましたら、今お伺いをしておきたいと思 いますけれどもいかがでしょうか。  吉池委員  最初の子どもの食をめぐる現状と課題ですが、この部分のボリュームが大きくなると 頭でっかちになってしまうので、そのことを勘案しながら御検討いただければと思いま すが、二つほどつけ加えていただきたいことがございます。  一つは、1ページ目のところで、特に女子のやせのことが出ておりますが、ちょうど 昨年の年末に新しい国民栄養調査の成績が発表されまして、やせ願望やボディーイメー ジにつきまして、数年前よりもさらにそういった傾向が強くなってきているというデー タが出たところでございます。その後の記述でもやはり経年的な推移のデータを出して いる部分もありますので、もしスペース的に許せば、そのデータも加えていただければ と思います。  村田座長  国民栄養調査の対象年齢はどうなっていますか。  吉池委員  そのデータでは15から19歳ということになっております。  村田座長  それではちょうどこの思春期のあたりに当たっているわけですね。  吉池委員  はい。それが一つです。もう一つは4ページ目です。こちらも全体のボリュームとの 兼ね合いになるかと思いますが、食を取り巻く環境ということで、この報告書の中でも 環境からの支援ということが非常に大きなポイントになっていると思いますが、ここで は市販の離乳食、調理済み食品等についての例が引き合いとして出されておりますけれ ども、食に関する環境といったときに、情報的な面といったところも重要なポイントか と思いますので、そのあたりにつきましても、可能であれば触れていただければと思い ます。  村田座長  それは具体的な資料の御提供がいただけますでしょうか。  吉池委員  前者については、既に資料として発表されていますので、具体的にお示しできます。 後半については、ボリューム的にどこまで書くかというところですので、簡単な記述で あっても、少し情報に関する部分があった方がいいかということです。  村田座長  わかりました。先ほど申し上げましたように、報告書のかなり最終の段階に入ってお りますので、先生の方から事務局の方へ資料を御提示いただきまして、また改めて事務 局とも相談させていただき、今の御意見を伺わせていただきたいと思います。  既にお目通しはいただいたと思いますが、先ほど申し上げましたように、ほぼ最終的 な議論の段階でございますので、この部分はどうしても書き込んでおかなければいかな いということや、欠けているということなどで、お気づきの点やお考えなどがございま したら、この機会に述べていただければと思います。  特別にございませんようでしたら、時間の関係もございますので、先へ進めさせてい ただきまして、後でお気づきの点などがございましたら、事務的な処理はお任せいただ きたい面もございますが、事務局の方へ御意見をお寄せいただければと思います。  それでは12ページの4でございますが、内容そのものにつきましてはいろいろと御議 論をいただきましたので、余り問題がないかと思いますが、囲みの部分については、今 後こういった報告書が出てまいりますと、かなり引用されるといいますか、かなり人々 の目に触れる機会が多い表現になるかと思います。このことについて、内容的には議論 してまいりましたが、このようなまとまりになっております。これも十分にお目通しは いただいたと思いますけれども、こういった内容でいいものかどうか、特に授乳期・離 乳期の囲みの部分について御議論をいただければありがたいと思います。これでいいと いうことであれば次へ進めさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  足立委員  12ページの授乳期・離乳期の部分です。他の項目の関係で見たときに、食べる意欲と いうのが幼児期からもっと強調されていきますので、感性的な側面がもっと出た方がい いとすれば、安心と安らぎの中で食べる感性の基礎づくりのようなニュアンスの方がい いかなと思います。既に意見は出した後なので申しわけないのですが、そのように感じ ました。  次の幼児期に、食べる意欲を大切にと進んでいきますし、実際の囲みの中の○の二つ は、感性的な側面を非常に大事にして書いてあるので、質的な違いがわかるといいかな という印象を持っております。  村田座長  その際、感性という表現がいかがでしょうか。  足立委員  わかりません。  村田座長  今のお話を聞いておりましての私個人の意見ですけれども、感性という言葉は、読ん だり聞いたりする方々によって、受け取り方というのは必ずしも一定の方向を向かない のではないかという点が少し心配です。同じような意味合いで、飲む心地よさというふ うなことで表現がされているかという気もいたしますが、いかがでしょうか。  足立委員  これで十分であるということであれば、よろしいと思います。  村田座長  足立先生の御意見としては、改めてもう1項目○をふやすということでしょうか。  足立委員  いえ、そうではなくて、12ページの授乳期・離乳期について、こうやって並べてみる と、感性的な側面がかなり強調された特徴を持っている時期なので、ゴシックで書いて あります安心と安らぎの中で食べる意欲の基礎づくりというところを、意欲ではなく、 感性といったことの方が、次の幼児期との比較の中でよろしいのかなと改めて感じたと いうことです。少し意欲というには早すぎるかなということです。  ただ、今、座長におっしゃっていただきましたように、表の2の中でも、議論してき た経過の中で感性という言葉を使っておりませんので、突然それを申し上げたことは大 変申しわけないと思って反省しております。  村田座長  ほかに、今、足立委員が言われたことに関しまして、何か御意見はございますでしょ うか。  御園委員  授乳期・離乳期の上から7行目の、おいしく食べた満足感に共感することで食べる意 欲がはぐくまれていきますというようになっています。私は意欲でよろしいと思いま す。  村田座長  私自身も、特に新生児、乳児初期というのは、本質的には飢えを見たそうとする、食 べることへの意欲ということが基本になって、食の問題が出発するのではないかという ふうに理解をしているのですが、このあたりについて加藤委員はいかがでしょうか。  加藤委員  私も同感で、意欲というものは出生時の時期からはっきりと認められるものだと思い ます。  村田座長  そういった点で、このような表現でもいいでしょうか。  足立委員  わかりました。  村田座長  足立委員がおっしゃった文言については、抜けていると大問題ですけれども、十分に 盛り込んでいると思います。そのほかに、この授乳期・離乳期の問題につきまして特に 問題はございませんか。ないようでしたら、また後で思いつかれましたら御発言をいた だくことにしまして、13ページの幼児に移らせていただきます。  幼児では五つの項目が挙がっておりますが、これにつきまして、特に注意をしなくて はいけないことや、つけ加えることなどで御意見ございますか。  先ほど申しましたように、こうした部分は恐らくいろいろなところに引用される可能 性が非常に高いと思います。あらかじめお手元にお配りをいたしまして御検討をいただ いておりますので、特に御意見がないようでしたら、また後で伺うことにいたしまし て、学童期・思春期に移りたいと思います。  学童期というのは、先ほど御説明がありましたように、実際に個人あるいは集団につ いて、何歳から何歳までというふうな決め方がなかなか難しいのですが、学童期という ものがあることは事実でございまして、やはり学童期、それから思春期のくくりという ものは必要だろうと考えておりますが、この学童期・思春期につきまして、大きな見出 し、それから項目立てといった点につきまして、御意見はございますか。  今までいろいろと議論を尽くしてまいりまして、その中でまとまってきたことでござ いますので、説明文、それからくくり等を見ていただきますと、今まで議論をしてまい りました意は尽くされたように思っておりますけれども、御意見がございましたらお願 いします。  吉田委員  幼児期の文章の中にも、栽培や収穫にかかわるというようなことが出てまいります。 これは学童期にもつながることでして、囲みの中に、例えば幼児期でしたら、身近な食 材に触れて、栽培や収穫にかかわり、料理づくりを楽しむというようなつながりになっ ていきますと、この部分の食べ物とのかかわりがさらに深まっていくのではないかと思 います。同じように学童期でも、自然と食べ物とのかかわりという一言ではなく、やは り学校でも栽培や収穫をしておりますので、もう一つ深めていただければありがたいと 思います。  また、幼児期の2番目に、食べたいもの、好きなものがふえるという言葉が出てまい りますが、この好きなものという言葉は少し誤解をされやすい感じではないかと思いま す。例えば、食べたいもの、味覚の体験が広がるといった表現になるかといいかと思い ます。この部分で言ってらっしゃることはそういうことだとは思いますけれども。  村田座長  非常に端的に言えば、チョコレートが大好きだというようなことになってしまっては 困るというような意味合いですね。文章の読み取りからしますと、比較的に誤解は少な いような感じもしますが、いかがでしょうか。こういった形でまとめたいと思っており ますので、非常に端的に、これでいいのではないかとか、変えた方がいいのではないか といった御意見をいただきたいと思っております。  足立委員  私はこのままでいいのではないかと思います。主語はすべて幼児になっているわけで すから、幼児にわかる表現ということを重視するとすれば、食べたいもの、好きなもの というのが一番わかりやすく、かなり広い部分をカバーできるのではないかと思いま す。あとはその中身の部分を考えていけばいいので、この段階では好きなものでよろし いのではないかと思います。  村田座長  流れとかリズムというものも中にはありますから。吉田委員の御意見につきまして、 ほかに御意見はございますか。  言葉の流れからいいますと、甘いものばかり食べるといった方向には感じなくて、こ のまま素直に取れるような感じもしますが、しかし御心配のように、例えば小学校など で楽しく遊びましょうというと、みんな勝手に遊ぶというような可能性はあるとは思い ますけれども、差し当たって特にほかの委員の方々から御意見がないようでしたら、こ の部分はこのままで、次に進めさせていただきたいと思います。  先ほど学童期・思春期の部分で、食材について自分から直接的なかかわり合いを持つ 栽培や収穫といったことをこの部分にも書き込んでおいた方がいいのではないかという 御意見があったと思いますが、間接的には、例えば学童期の4番目に、自然と食べ物の かかわり、あるいは地域と食べ物のかかわりといったあたりで、内容的にはそういった 意味合いが十分酌み取れるようにも理解をしておりますけれども、あえてはっきりさせ ることが必要だとお考えであれば、その御意向も尊重しなくてはいけないと思います が、いかがでしょうか。  思春期につきましても、内容をどういう取り方をするかは別問題ですけれども、同じ ような意味合いで、3の食料の生産・流通から食卓までのプロセスがわかるということ で、私自身の理解といたしましては、プロセスを追って、そういうことを通じて、どう いう段階に発展していこうとしているのかという点が、こういう形で強調されているの ではないかというふうに理解をしますが、いかがでしょうか。  吉池委員  今の幼児期、学童期・思春期での事項については、表2を見ると、この流れが一目で わかって、非常に理解しやすいと思います。そういう意味では、先ほどの吉田委員の御 指摘の栽培・収穫といったことを、言葉としてどこに入れるかを考えたときに、幼児期 のところで栽培、収穫、調理と表現されているので、囲みの中にもそういうものを入れ るということで、表2と対応したような表現にすればいいかと思います。  村田座長  具体的には5項目が挙がっておりますけれども、その説明文として、下から二つ目の パラグラフにあることを一つの項目として生かすということですね。  吉池委員  身近な食材に触れて、料理づくりを楽しむとなっていますけれども、その前に栽培・ 収穫といったような言葉も入れて、表2の表現に対応した形で整理ができると思いま す。  村田座長  わかりました。いかがでしょうか、それは一つの流れとしてここに入れることで、そ れほど大きな問題は生じてきませんし、いわんとすることが明確になってくるかと思い ます。そうしますと、最終確認として、その事項を○の4番目のところに簡単に触れて いただくということにしまして、同じことを学童期の4、または思春期の3あたりに組 み込んだ方がいいのではないかということが吉田委員の御意見だったように思います が、ここにあえてそういった内容を組み入れる必要がございますでしょうか。  吉田委員  栽培、収穫というのは、子どもたちの食べる意欲といいますか、食べる力といったこ との根本になっているような気がします。ですから幼児のところにも入れていただく し、学童期の4の部分に上手につなげていただくと表現が深まっていくのではないかと 思います。  村田座長  ほかの委員の方々の御意見も伺いたいのですが、いかがでしょう。  上原委員  私も幼児期で入っているものをさらに学童期で伸ばしていくということがはっきりし ますので、入れた方がはっきりするかと思います。もともとの表2をこれから変えるの はどうかと思って少し悩んでいたのですが、学童期は自然と食べ物とのかかわりについ て関心を持つだけではなく、実際には自分で動いていくということなので、先生がおっ しゃったように、自然と食べ物とのかかわり、栽培をすることで地域と食べ物とのかか わりについて知るというように、最終的には関心を持つという言葉で結んでいくのがい いかどうかということですけれども。  村田座長  仮に入れるといたしましても、自然と食べ物とのかかわりの間に入れるのはどうかと 思います。例えば、自然の中では栗拾いなどもあるわけですので、もし何かを入れると すると、大きくくくりながら、それを学童期なら学童期といった問題で、自然とのかか わりや地域とのかかわりへ発展させていく、もしくは非常に細かいことになりますが、 栽培や収穫ということになりますと、これは自然とのかかわりとは違った行動になって くるので、真ん中にはめ込んだ方がいいのかということがあるかと思います。  上原委員  実際には小学校の1、2年生で生活科という科がありまして、栽培活動を行っていく わけです。それは授業として成り立っているものですから、そこから食を広げていただ くというようなことができるというふうに思いますので、栽培、収穫ということを入れ ていただくと可能かと思います。  村田座長  最終的な段階でございますので、委員の先生方のコンセンサスを得ておきたいという ふうに思います。文言や入れる場所等につきましては、また検討させていただきますけ れども、皆さんは、栽培、収穫といった言葉を、学童期・思春期の中にも何らかの形で 組み込んだ方がいいというお考えでしょうか。  足立委員  四つの時期というのが、すべてにおいて独立的に扱われていくという考え方ではな く、積み上げ方式のような感じで、授乳期・離乳期に強調されているものプラス幼児期 に強調されているものというふうに、だんだんと四つが重なって全体像が出てくるとい う考え方でつくられています。そうしますと、すべての時期に記述が必要かどうか、ど の時期に書くのが一番適当かという議論が必要になるかと思います。  村田座長  私自身の個人的な意見は、今の足立委員の基本的な考え方に、ある意味では賛成であ りまして、先ほども申し上げましたけれども、自然と食べ物のかかわり、あるいは地域 と食べ物のかかわりといったところに、そういった意味合いが各時期で発展していくと いった内容が織り込まれているのではないかというような理解で、これを読んでおりま した。  ほかの先生方はいかがでしょうか。先ほどから申し上げておりますように、基本的に はきょう御意見をいただいた内容で、ほぼ決定といいますか、当然修正は加わるとして も、基本的にはこういった内容になるものですから、ぜひ御意見を伺いたいと思います けれども、渡辺委員はいかがでしょうか。  渡辺委員  全体的に報告書のトーンがとてもわかりやすくて感心していたのですが、今おっしゃ ったことを伺いながら、例えば栽培、収穫、調理を通してということを毎回書くことを むしろ避けるとしたら、例えば最初に幼児期に書いた部分に、調理を通して何かをし始 めるというような形で入れて、その先はずっと続くという流れができれば、繰り返さ ず、しつこくならずにいいという感じがするので、し始めるというようなわかりやすい 言葉でやってみるという工夫もあるかと思いました。  村田座長  御園委員はいかがですか。  御園委員  渡辺委員がおっしゃったことと同じように思います。  村田座長  星委員はいかがでしょうか。  星委員  余り具体的にし過ぎると広がりがなくなるというデメリットがあるかと思います。も う少し広がりを持ってとらえるスタンスがあれば、このままでいいのではないかという ふうに思います。  上原委員  幼児期の囲みの上にある文章は囲みの中に入っている内容を具体的に述べています が、学童期・思春期については項目の説明は入っていません。恐らくこの囲みの中がひ とり歩きするということで、栽培といったことは、説明文の中にあれば、それはそれで わかることだと思いますけれども、学童期・思春期については、前の幼児期のところと 比べて書き方が少ないかということは思っていました。  ただ、具体的に細かく学童期・思春期を説明しなくてはいけないのだろうかというこ とは、また別の議論だと思います。  また、ついでで申しわけないのですが、学童期・思春期というのは区分けができない と思いますが、学童期は小学校ということでしょうか。  村田座長  普通、学童期というのは小学生期という言葉で呼ばれます。しかし、それが今、大変 問題でありまして、小学生を学童期ととらえてしまうと、学童期というのは成長、発達 の点でも非常に安定している時期ですが、思春期は特徴が非常に違います。学童期だけ が生物学的な背景のない、おかしな区分になっていますが、社会的な背景では区分がで きているわけです。思春期というのは心身共に極めて不安定な時期でありますので、そ のように小学生の時期というふうなとらえ方をしていると、大きな間違いを起こしてし まうわけで、この辺は大変難しいところです。加藤委員はいかがですか。  加藤委員  考え方として、発達段階に応じて積み上がっていく、つまり栽培、収穫を始めている という段階に、だんだん展開して足されていくという考え方には非常に賛成ですが、し かしながら文言がしつこくなってしまうことが気になっておりました。  ですから、先ほど渡辺先生の方から出ましたように、し始めるというふうにおいてお けば、それが続くのだというニュアンスのアイデアはいいのではないかと思いました。  村田座長  そうしますと、委員の先生方の大勢の御意見というのは、こういった発展的な側面を とらえていきながら、本質的には同じような問題をとらえているという考え方で、原則 的にはこういった表現でいいではないかということですが、一つ最後に残りましたの は、上原委員がおっしゃいましたように、○印がついている項目については、説明文の 中で触れていたように思うけれども、学童期・思春期についてはそのあたりが少し足り ないのではないかというような御意見かと思います。  報告書のボリュームの問題もありますし、学童期・思春期へ発展していっているいろ いろな背景もあるかと思いますが、この点につきましては項目の説明をしていく必要が ございますでしょうか。  渡辺委員  それに関連して、少しそれるかもしれませんが、例えば思春期のところには五つ項目 があって、同時に説明の中に食文化という大事な言葉が入っていると思います。例え ば、説明が背景にあって、バックアップするような形で項目が出ているのがいいと思い ますけれども、思春期のところになりますと、食文化という言葉が出ていません。  これはこれでよろしいかと思いますが、学童期で食の世界を広げようということを既 に言っていますので、逆に思春期では、自分らしい食生活を実現し、かつ健やかな食文 化の担い手になっていくというように思い切って打ちだした方が、若者たちにとっては 格好いいのではないかと思ったのですが。  村田座長  そうですね。もうほとんど大人になっている年齢層で、確かにそのように思います。 先ほどから申し上げておりますように、ここでほぼ腰を決めてしまわなければいけませ んが、今の渡辺委員の御意見にはいかがでしょうか。  それでは広がりを見せるという意味合いで、そういった内容のものを思春期に加えさ せていただくことにします。  また学童期・思春期に戻りますが、学童期・思春期につきましては、このままの説明 内容で、一字一句を追っていく必要もないように思います。例えば、1日3回の食事 や、間食のリズムを持てるということについて、また説明をする必要もないかと思いま すけれどもいかがでしょうか。  上原委員  そういう意味で言ったわけではないですので、大丈夫です。  村田座長  それでは、渡辺委員の御指摘は非常に重要なところでありまして、特に思春期という のは大人へ移行している時期でありますので、そういった観点を明確にする一つのフレ ーズをここに加えたらどうかということですね。  足早にまいりましたけれども、もう一度ごらんになってみて、何か御意見はございま すか。  足立委員  11ページの図の中の幼児期の下の中ほどに、栽培、収穫、調理とありますが、そこに 廃棄や再利用という視点を加えていただくとよろしいかと思います。以前にも一度発言 しているかと思いますが、今は自給率の問題等も含めて、栽培して、収穫して、実際に 使って、それを廃棄しながら、また再利用していくという食の循環性を視野の中に入れ ていくために、ここに一つ言葉が入っているといいかと思います。  また、説明文の中で、例えば13ページの上から四つ目の段落のところに、栽培、収 穫、調理を通してとありますが、廃棄というキーワードを入れた方がいいかと思いま す。  村田座長  わかりました。ただ全体の流れをよく見ますと、今回の問題は当然保育者の方にも視 点があるわけですけれども、主体をなるべく子どもに置こうとしているわけです。そう すると、おっしゃっていることは非常によくわかるのですが、ここに入れた方がいいか どうかということはまた別の問題かと思いました。  幼児期、学童期の時点にかけて、廃棄、再利用といったことを入れた方がいいかどう かということを、今お話を伺いながら考えたのですが、子ども自身がそういった問題に ついて考えるとすれば、もう少し入れ込む時期があるかと思いながら伺っていました が、いかがでしょうか。  吉池委員  やはりとても大事なことだと思いますが、11ページの表2のところに入れるとする と、文脈的にも、「わくわくしながら食べ物に触れる」ということにつながりにくいの で、ここには入れなくてもよいという感じはします。むしろ文章の中で、そのあたりの ことを触れるような整理というのはいかがでしょうか。  村田座長  そうすると、どこへ入れたらよろしいでしょうか。  吉池委員  先ほど足立先生がおっしゃった部分なのか、あるいは、学童期なのか、私には少し判 断がしかねるのですが、いかがでしょうか。  足立委員  私は余りこの文章を変えないという前提で、順序立てて書いてあるのが幼児期のこの 文章だったので、そこに入れただけです。しかし、そういうことは幼児から大事なの で、ここでよろしいのではないかと思います。  村田座長  そうですか。上原委員、学校などでは、こういった廃棄の問題などはどういう扱いに なっているのでしょうか。  上原委員  4年生で、環境というものを習います。例えば給食の残量をどうするのかというとこ ろから習っていきます。  私も学童期でいいかと思いますが、調理をするということは、まず廃棄を考えていく ということも勉強できるものですから、幼児期に廃棄ということを持ってくるというこ とも無理はないかと思います。ただ、学童期は、4年生できちんとそういうものを同時 に教えていきますので、学童期に入れても悪くはないと思います。  村田座長  余りこういった内容に深入りしておりますと時間が過ぎてしまいますので、今の問題 はやはり取り上げるべき課題だろうということで事務局で再度検討していただきまし て、先生方の御意見を伺って、どういうところに織り込むかといった形で御相談をさせ ていただくということで、ここでは解決をさせていただきたいと思います。  少し足早でしたが、4については、説明の内容的には余り問題はないと思いますが、 囲みをいたしました問題につきまして御意見を伺いました。一部修正、加筆等があるよ うですが、おおむねこれでお認めをいただいたということで、この議論を終わらせてい ただいてよろしいでしょうか。それではそのようにさせていただきます。  5につきましては、今までに十分議論も済んでおりますので、余り大きな議論はない と思いますが、いかがでしょうか。それでは特別に何か御意見がございましたら、また 伺うことにいたしまして、今の問題については、先ほど申し上げたような結論で、差し 当たり議論を終わらせていただきたいと思います。  次に、食からはじめる子育てガイド(案)ということで出ておりますが、これにつき ましては星委員にいろいろと御苦労をいただいております。手短に御説明をお願いした いと思います。  星委員  五つの子どもの姿を目標としたということで、五つのキーワードが出てきました。こ れをどのような形で発信して送り出すのがいいかということで、いろいろと検討したの ですが、やはり家庭のお母様が出発点になるのではないかということで、子育てを含め て、できるだけ小さい乳幼児期から、このような五つのキーワードを実践していけるよ うなコピーワークでまとめてはどうかということでまとめたものです。  楽しく食べる子どもに、食からはじめる子育てガイドというふうに銘打ってありま す。ここに書いてあるとおり、まず毎日の子育ての中で、どういうふうに子どもに気づ かせていくかということが重要なポイントになると思いますが、それに対して、お母様 はまずどんなことをすればいいのかといったことに内容を絞りまして、コピーを固めて きました。  最初の、食事のリズムがもてるということですが、食事のリズムが持てるということ は、健康である、食欲がある、空腹を感じるということで、食事のリズムイコール生活 のリズムであるというような考え方から、体は、動けば汗をかくし、のどが渇くし、寒 ければ鳥肌が立つというように、まず自分の体を知っていくということを子どもに気づ かせたいというところで、おなかが、グー!カラダで感じるおいしい時間ということ で、その下に具体的なことを書いてあります。体は暑ければ汗をかくし、おなかが減れ ばグーと鳴ります。思いっ切り遊んだ後は、おなかすいたが飛び出します。健康な体は とても忙しいのです。そんな体の小さな変化を見逃さない子どもになれるように、幼児 期から生活にめり張りをつけ、空腹を一緒に感じてあげられれば、次第に食欲や生活の リズムが健康にはとても大切であることがわかるようになります、ということで、まず 子どもに自分の体を見つめさせて気づかせるということをやりましょうということをう たっています。  次に、食事を味わって食べるということですが、どういうことかといいますと、一つ には食事の楽しみ、おいしさがわかるといった子どもにしていきたいということがあり ます。食事をして、おいしいという楽しみが見つけられれば、食の世界もどんどん広が っていくだろうということです。また、食事というのは、ただ単に味がおいしいという だけではなく、一緒に食べる人や食事の環境といったことも、おいしさを感じるために は必要な要素だということも小さいうちから教えていきたいということです。  キャッチコピーは、かみかみ、カムカム、おいしさカモン!と、ちょっと言葉遊びに なっていますけれども、よくかんで、味を感じるところから始めましょうということに なっています。  食べる楽しみは、おいしさを知ることから始まります。離乳期からさまざまな味を経 験し、いろいろな食品を見て、さわることで、食べようとする意欲が育ちます。こうい ったおいしさの経験を繰り返すことによって、味覚だけではなく、食にまつわるいろい ろなことがわかっていくということで、そういった子どもに育てていきましょうという ことです。  次に、一緒に食べたい人がいるということで、これはこのままですけれども、1人で 食べるよりもみんなで一緒に食べた方がおいしいということです。これは子どもがよく 感じることですけれども、例えば遠足などへ行って、みんなで食べるとなぜこんなにお いしいのだろうというような気づきがあるわけですが、それをもっと積極的に家庭の中 からやっていこうということで、家庭での食卓がコミュニケーションの場となるように していきましょうということを言っています。  次に、食事づくりや準備にかかわるということで、やりたい!できた!キッチン発、 わくわく料理となっていますが、子どもができるだけ小さいうちに、食事づくりのお手 伝いといったことをさせていきましょうということです。  これは子どもの生活技術を高めるばかりではなく、マナーや習慣というようなさまざ まなことを教えられ、それによって子どもとお母さんのコミュニケーションが図れて、 より密接な関係づくりができていくだろうということで、料理をつくるということから 出発し、社会性が生まれ、地域やいろいろな人たちとのかかわり合いもふえてくるとい うことです。  次に、食生活や健康に主体的にかかわるということですが、幼いころからこういった ことになるように、本などを通じて食に関する話題づくりをしていき、食に関心を持つ ことによって食生活が変わり、健康な体になるということを、できるだけ小さいうちか ら教えていきましょうということです。そうすることによって、自主的、積極的に食に かかわるような子どもになっていくだろうということです。  以上、乳幼児期からやっていった方がいいのではないかということで、このように一 通りまとめたわけですけれども、それが本当にいいのか、また別のアプローチもあるの ではないかといったことも論議していただきたいことかと思います。  一つは、やはり実際に小学校高学年から中学生くらいの子どもたちに向けてのメッセ ージも必要なのではないかということがあります。今はやはりお母さんの子どもを借り て、子どもへというような形ですけれども、実際に子ども自身へ向けてのメッセージと いうことも必要ではないかと思います。  また、このコピーを進めていて思っていたのですが、やはり言葉の力だけでは伝わる パワーが少ないと思いましたので、ビジュアルなどを活用していってはどうかというこ とがあります。簡潔に具体例を入れるとありますが、例えば最初のおなかがグー!カラ ダで感じるおいしい時間などに関しては、自分の体への気づきということで、例えばう んちの状態を見れば健康状態がわかるというようなことを、イラストなどにして入れて いってはどうかというふうに考えています。以上です。  村田座長  どうもありがとうございました。本格的な議論をしていただきます前に、キャッチフ レーズ的に楽しく食べる子どもにということになっておりますが、これはこの検討会で の共通した問題提起になっているわけですけれども、こういったことでいいのかという ことが一つと、この検討会がある意味で大変難しいと感じておりますのは、とにかくあ らゆる年齢層とあらゆる状況を、何とかうまく、先ほど説明がありました食にかかわる いろいろな問題点の解決につながっていくような形で、いろいろな情報提供や資料提供 ということをしなければいけない、あるいはしようということですけれども、それは対 象と範囲の年齢、また、そういうことが起こってくる場といったものを掛け合わせます と、膨大な数になってしまい、とてもまとまりがつかないのですが、しかし、このよう に乳児期に子どもを取り巻く人たちの非常に大きな役割、それに応じて子ども自身が食 の問題に目覚めていくというプロセスと、その後のプロセスがあります。その後のプロ セスについては、先ほど渡辺先生からいい言葉をいただきましたけれども、そういった 状況の中でどうするかといった問題ですが、このくらいのところは二本立てとして考え ておく必要があるのではないかと考えまして、もう1パターンつけ加えた方がいいので はないかといったことを考えておりますが、渡辺委員はいかがでしょうか。  渡辺委員  食という深く、重く、複雑なテーマを、どういうふうに皆さんの役に立つものにして いくかということは本当に至難の業だと思いますけれども、この報告書の中で、いきい きと生きる瞬間ということを主観として子どもに確保されるような支援にしていこうと いうあたりが随分はっきりと出ていてとてもいいと思います。  今、星委員から御説明がありましたように、こういった音楽的なフレーズの中でやっ ていくということはとても大事だと思います。  現実に小児科の診療の場面では、私たちがお母さんにこういう楽しさを教えてあげら れないために、せっかく指導してもつぶしてしまう。ですから、このように食べやすい 形で、おいしい情報にしていってくださっていることは、本当に大事な努力だと思いま す。そこが私たち日本はみんなまじめに頑張りながら、まだ下手だなと思います。北欧 のいろいろな保健情報などを見ますと、本当においしそうな形で提供されています。で すから、せっかくここまでこられたので、例えばそのまま小児科でお母さんたちに配布 して、待ち時間に見ていただくようなすっきりしたもので、しかも余りテクノロジーが いっぱいになってしまうよりも、素朴なものの方がいいと思います。今の日本の情報と いうのは少し凝りすぎていると思いますので、素朴な、例えばリーフレットのように手 軽に渡せるようなものにするとして、このおなかがグー!といったあたりを、すっきり したカラフルなカードのようにして渡せるといいなというふうに思いました。  村田座長  思春期に近いといいますか、小学校の高学年くらいから中学生くらいにかけても、こ ういった形でもう一つパターン化していこうということはいかがでしょうか。  渡辺委員  発達段階は、やはり乳幼児期から学童期・思春期は質的に違うので、押さえなければ いけないと思います。しかし、乳幼児期のお母さんや乳幼児にとっていい情報は、思春 期の子どもたちにも必ずアピールする情報だという気がします。  私の年齢が上になったせいかもしれませんが、今のお母さんたちは本当に思春期のま まで子育てをしているような雰囲気もありますし、ですから思春期の子どもさんにとい うときにも変に構えずに、もう一段階、子どもたちが手に取ってみるようなアピール度 の高いもの、しかもシンプルなものがいいと思います。それはやはり乳幼児期のお母さ んに向けての情報とかなり似た質のよさが大事だと思います。つまり、とても質のいい 絵本のような形で提供することの方がいいのではないかと思います。  つまり、よく見ていくと裏にきちんとコンセプトがあるということですが、コンセプ トが表に見え見えになりますと子どもたちは絶対に受け入れてくれませんので、この星 委員の出されたような音楽性のある表現というのは、思春期の子どもたちに対しての次 の段階への一つのチャレンジかと思いました。  村田座長  吉田委員はいかがですか。  吉田委員  とても楽しい雰囲気で子どもたちに伝わっていくと思います。ただ、先ほどから私が こだわっていることとして、ここでは食事づくりがキッチンから始まっていますが、や はり食は土から始まるということが自分の気持ちの中にありますので、もう少し土の楽 しさの中に入っていくと、栽培の楽しさが感じられていくと思います。  村田座長  難しい問題だと思いますが、いろいろな対象層がありますので、小学校高学年から中 学生くらいにかけての時期というものを、また改めてこういう形で取り上げる必要があ るのかどうか、あるいはこれを発展させればそれでいいのではないかというあたりでの 御意見はいかがでしょうか。  吉田委員  渡辺委員がおっしゃったように、今の若いお母さんたちや子どもたちには、こういう 表現というのはぴったりだと思います。ですから、先ほどのようなかたい部分も必要で すけれども、リーフレットといった形にして、訴える力としてはこういう形の方がいい かと思います。  村田座長  吉池委員はいかがですか。  吉池委員  今、お2人の委員がおっしゃったことと同じです。また、表現としては、先ほど星委 員がおっしゃったように、簡潔なイラスト等で、もう少しイメージがわくような表現を 入れるといいのではないかというふうに思います。  村田座長  御園委員はいかがでしょう。  御園委員  とてもすてきだと思います。保育園に来ているお母さんたちは、子どもが5歳であれ ば、5年の子育ての経験しかないわけですので、余り難しいものよりも、このようなわ かりやすい形がいいと思います。言葉がリズムに乗って、心に届く感じがします。そし て具体例は要らないと思います。  村田座長  加藤委員はいかがですか。  加藤委員  入りやすくて、とてもいいコピーだと思います。こういうものは、ぜひポスターやリ ーフレットなどのさまざまな媒体に、イラスト付きで活用するのがいいと思います。  村田座長  上原委員はいかがですか。  上原委員  学童期後半から思春期にかけて、もう一つこういうものをつくったらどうかというお 話でしょうか。  村田座長  はい。私は、少し広がりを見せればこういったものでもいいのではないかというよう な感じで御意見をずっと伺っておりました。  上原委員  入りやすいと思います。例えば中学校の2年生で保育という課程を習うのですが、そ ういったときに、子育てということは食べるということとも関連づけられているという ことを知る意味ではわかりやすい資料になっているので、子どもたちもすんなりと入れ るような資料になっているのではないかと思います。  村田座長  足立委員はいかがですか。  足立委員  歌だけではなく、踊りもついてくるような感じで、すごくいいと思います。  また、今の座長の質問のことですけれども、むしろこれを逆手にとって、思春期の人 たちには、食文化の担い手になろうというセンスで、これで小さい子たちをリードして ほしいというような、教材性を持った形で提案をすることも発想が違ってきていいかと 思います。ですから、別につくる必要はないのではないかと思います。  ただ、そうだとすれば、例えば最後の、食べるシアワセ、大発見!互いに感じて、 ピッ!というように、人間関係を直接イメージするような言葉を少し入れていただくと か、その前の、やりたい!できた!というところに、畑発、キッチン発、わくわく食事 というように、わくわく料理というとやはり料理にとどまってしまうので、わくわく食 事のような感じで、少し言葉については議論していただくといいかと思いました。  また、全体を通して、説明文の最後の文章ですけれども、この委員会が大事にしてき たことというのは命令的ではない形ということで、むしろ実際に行動をする人が選択的 に行動できるようにということを貫いてきたかと思います。そうしますと、育てましょ うという言い方にならないで、育つことができるでしょうくらいに抑えていただく方が いいかと思いました。  村田座長  ありがとうございました。そうしますと、軸を若干工夫しなければいけないところも あるかと思います。皆さんの御意向を伺いますと、これを基盤にしていろいろな場面で 広がりを見せていくことが可能であろうという御意見のように思いました。そのときに 改めてもう一度議論していただきたいのが、食からはじめる子育てガイドということが いいのかどうかということですが、先ほどの足立委員が言われたような観点からする と、もう少し表現に工夫があってもいいかという感じが少ししております。この辺につ いて御意見はございますか。  つまり、基本的には我々はガイドブックをつくるというような考えではなく、先ほど 足立委員が言われたように、こういったものを一つの軸にして、いろいろな場面や状況 に即して発展性を持たせるような内容にしようということだったように思いますが、こ のあたりについて本当に御意見ございませんでしょうか。吉池委員はいかがですか。  吉池委員  ガイドという言葉の持つ響きととらえ方がさまざまなので、本当に悩むところですけ れども、逆手に取れば、「ガイド」の方が皆さんもある共通のイメージを持っておりま すので、手に取ってみようという感じにもなるかと思います。これが意味しているとこ ろとしては、狭い意味での「ガイド」ではないわけですが、表現としては、これはこれ でいいのではないかと思います。  村田座長  吉田委員は、表題に関する問題ではいかがですか。  吉田委員  やはりタイトルの出し方や、イラストの入れ方で違ってくると思います。子育てガイ ドというだけでは、すごくかたくて違和感がありますが、イラストを入れたり、字をか わいくしたりすると、楽しいガイドになると思います。  村田座長  なるほど。今の段階では、この部分を大幅にどうにかしなくてはいけないという御意 見は、皆さんはお持ちでないということですね。  それでは、結論的には、大きく発展性を持たせて、例えば思春期に当たるような子ど もさんたちにもこういったものを使っていただけるように、中の表現を若干変えなくて はいけない部分もあるかと思いますけれども、これを一つの軸にして、そのかわりもう 少し工夫をして楽しくしていこうということですが、そこでぜひお願いですけれども、 既に楽しくしていこうということだけでは済まない段階に来ておりまして、原案でも差 し支えないのですが、そういったイラスト等をお送りいただいたり、工夫していただい たりといったことは可能でしょうか。星委員はいかがですか。  星委員  大募集です。先ほども言いましたように、どうしてもコピーだけでは限界があります ので、もっとイメージが広がるようなイラストやアイデアなどがありましたら、どしど しお送りください。  村田座長  それが具体的になりませんと作業が進まないので、何人かの先生はこういったことを 具体的になさっていらっしゃると思いますけれども、事務局の方からお願いをして、ぜ ひ期限内にできるだけたくさんいただいて、その中から、星委員も含めまして、選べる ような形を具体的に取りたいと思いますが、お送りいただけますか。  皆さん、それぞれの現場でこういったことをやってらっしゃると思いますし、きょう は岡田委員や佐藤委員は御欠席でございますけれども、お願いをいたしまして、どんな ことがありましても、これにふさわしいイラスト等をお送りいただくようにお願いをし たいと思います。  幾つかのものをつくって、非常にいいものにつくり上げるということは渡辺委員もお っしゃいましたけれども、今回はそういう方向性にしたいと思います。そのかわり、あ らゆる年齢層に発展性ができるような形に、もう一度よく御検討をいただければと思っ ております。  それでは資料2の最後に資料編というものがございますが、こういった基本的な問題 を取り扱うについて参照した重立つ資料でございますけれども、ここに、ぜひこういっ たものをつけ加えておいた方がいいという御意見はございますでしょうか。  吉池委員  資料1の課題メモのところで、保護者向けのものについては、地域での食の情報が得 られる機関についての概要図ということが書かれているのですが、この具体的なイメー ジが私にはわかないので、教えていただければと思います。  村田座長  事務局の方からお願いいたします。  栄養専門官  本日の具体的支援方策例とも重なってくるのですが、保育所からの発信であるとか、 いろいろな機関からの発信ということが、事例としては数多く挙がってきていますけれ ども、むしろそういったものを1枚紙で、どういった機関でどういった情報が得られ る、あるいは取り組みがなされているといったものを、特に子育て中の方が見るような ものであれば、裏面にそういったものをつけておけば利用価値が高まるのではないかと いうことで記載させていただきました。  吉池委員  どうもありがとうございました。  村田座長  行政的な面などの整理をしようということですね。もう少し意味が広いのでしょう か。  栄養専門官  いえ、むしろ報告書全体を見ていただくわけではないので、各機関で、いろいろな食 に関する情報や子育て情報が得られるといったあたりをコンパクトに取りまとめたもの を1枚つくって、そういったものも裏面につけることができたらいいのではないかとい うことです。  村田座長  資料に関して何かほかに御意見はありますか。ございませんようでしたら、後から何 かございましたら事務局へ御連絡をいただくということにしまして、重要な課題が残っ ておりますし、先へ進めさせていただきます。  資料3をごらんいただきたいと思います。これは我々が目的にしております食べる力 をはぐくむための具体的支援方策を掲げるわけでございますが、冒頭にも申し上げまし たように、内容については既に議論がされておりますので、ここに挙がっておりますい ろいろな課題あるいは問題、情報提供であるとか、具体的な方策といったものについ て、本当にこれで、これを見たらすぐによくわかって、そして具体的な対応へと発展し ていけるかどうかということを中心に御議論をいただきたいと思います。  大きくは二つに分かれておりまして、先ほども事務局の方から説明がありましたけれ ども、例えば保健所からの発信というようなことで、どういう情報提供がなされている かということが示されているわけでありまして、もう一つは、食べる力をはぐくむため の具体的で実効性のある支援方策として、レッスン1、レッスン2という形で示されて おりますが、具体的な方策について情報提供をしているわけでございます。これは事前 にお配りいたしまして、いろいろと委員の先生方には御苦労をいただいたかと思います けれども、先ほど申し上げましたように、これを見てすぐに何らかの情報が生きてくる というものに仕上げていかなければいけないと思っておりまして、その点について御検 討をいただければというふうに思っておりますが、各機関からの発信ということにつき ましては、ある程度行政的な問題その他、そういう情報提供ということでございますの で、ここに挙がっている各機関からの発信という事例のほかに、ぜひ載せておかなけれ ばいけない情報の発信箇所があるのではないかということについて、こちらもあらかじ めお目通しはいただいておりますが、この時点で、そのことについて御発言がございま すでしょうか。  見ていただきますとわかりますように、保育所からの発信では、保育所における具体 的な実践例、学校からの発信ということでは、学校における具体的な事例がずっと載っ ているわけであります。学校の事例が少し長くなっていますが、これはいろいろとお話 し合いをいただきました段階で、先ほど申し上げたように、具体的なものをつかむに は、こういう情報量が必要であろうというふうなことであったかというふうに思いま す。  また、レッスン2につきましては、今まで我が国では、乳幼児期から学齢期につなが るデータということでは、データはあるのですが、つなげるということがなかなかうま くいっておりませんでしたので、それを加藤委員につなげていただきました。これは今 後、大変に大きな成果を生んでくると私は思っておりますが、これにつきましても、作 図上の関係で、低年齢層、高年齢層といったものを分けたり、具体的にわかる使用方法 といったものをもう少し書き込んだりする必要があるかというふうにも思っておりま す。  また、児童養護施設や研究機関からの発信も出ておりますが、これにつきましてはい かがでしょうか。  この中で、レッスン2につきましては、かなり具体的に、小児科領域、臨床領域、栄 養学の面でもそうですけれども、ほぼ問題なく、十分わかりやすい書き込みは一応でき るというふうに理解しておりますので、この点は余り大きな問題はないのではないかと 考えておりますが、それ以外のことにつきまして、特に御意見はございませんか。  それでは、先ほど申し上げましたように、これを読んだだけで、具体的に内容が理解 できて、すぐに活動に移れるような方向性を持たせていただければ大変ありがたいとい うふうに思っておりますが、事例として挙がっております問題につきまして、今、申し 上げた観点から、例えば学校からの発信というような指導例を含めまして、上原委員は この内容でどうでしょうか。  上原委員  学校からの発信につきましては、前回のときにいろいろと説明をさせていただきまし た。具体的には2枚目が本県における具体的な指導例ということでまとめさせていただ いているのですが、やはりこれからの子どもたちにつけなければならない力というもの につきましては、3枚目から一つの事例として挙げておりますので、もしこれが学校に 配られるのであれば、学校の先生方が見られて、2枚目のようなことはやっているけれ ども、さらに深めるにはどうしたらいいかということが3枚目から載っているというこ とになります。  村田座長  そうなのですが、どのような食に関する情報が学校から発信されているかということ では、これは一般の方がごらんになるわけですが、そのときに、食にかかわり合いのあ る問題が、学校からはどういうかかわりを持って、手にした人に伝わってくるかという ことが、大きな目的といいますか、今回こういったものをつくろうとしている一つの方 向性だと思います。その辺の観点から見ていただきたいというふうに思います。  上原委員  今は学校の話をしましたけれども、家庭の方にということでは、この事例は保護者あ るいは地域の方と連携した例ということで挙げてあります。紙面の関係で写真などを載 せていませんので少しわかりにくいかもしれませんが、4ページ以降から写真が載って くればわかるかと思います。  村田座長  行政などからの面で情報を発信しているような場合は、多くは対象者というのは一般 の保護者の方というふうに決まっておりますので、その方向性ということでは、具体的 な実践例として、最初からそういう方向性で出されているわけですけれども、学校の事 例となりますと、学校の中での問題ということが出てきて、学校では何をしているの か、学校としてやっていることが、手にした人たちがどういう情報として活用できるの かというふうな面をしていただければというふうな感じも少しいたします。  上原委員  字だけですので、わかりにくいということは確かにあるかもしれません。3ページ目 を見ていただくと、一つの学校の例が出ているのですけれども、例えば特徴的な体験活 動を学年ごとでやっているわけですが、学年ごとに何をやっているかということを書い てはあります。それが、地域の方や保護者の方が、うちはどういう子どもを育てていけ ばいいかという一つの資料にはなっているのですが、言葉だけですので、わかりにくい かとは思います。  村田座長  それでは順を追いまして進めさせていただきたいのですが、先ほど成長曲線のこと で、一つの方策としてはかなり固まったものだというふうに申し上げたのですが、こう いったものをごらんになって、これでいいのかどうかということについての御意見はい かがでしょうか。  我が国では、すべての子どもが、乳幼児期から学齢期にかけて、定期的に身長、体 重、その他の身体計測値を持っていて、その精度が非常に高いということは、ぜひ活用 をしなくてはいけないし、かつ視覚に訴えるといいますか、動きとしてとらえることが できるので、大変わかりやすいという点が非常に大きな特徴だと思います。  これが広く普及していかない問題点というのは幾つかあったのですが、一つは、デー タ収集の関係上、乳幼児期から学齢期につながっていく5、6歳くらいのところで断裂 ができてしまうため、非常に使いにくかったのですが、今回、加藤委員の努力でこうい う形にまとめていただき、大変よくなりました。これを普及させていただきますと、子 どもたちの発育・発達の問題の早期発見や早期対策、原因の究明に大変役に立つのでは ないかというふうに思っております。  理屈はそうですけれども、しかし、それが見てわかるのかということが一番大事な問 題であります。  渡辺委員  実は、小児科学会の学校保健思春期部会で、昨年の暮れに、成長曲線を積極的に使っ て、病院を受診する前の段階の子どもたちの肥満や思春期やせ症や虐待やネグレクトを 見ていこうということで、会長の隠岐先生がパンフレットをつくりました。それはA4 版表裏2枚の簡単なものですけれども、それをぜひ積極的に小児科医に配るという動き がありまして、そのことがたまたまNHKの9時のニュースにも取り上げられました。  それは、成長曲線に拒食症と肥満とネグレクトの実例が載っていますが、この基本的 な成長曲線の表と、そういった具体例が入ったものが組み合わさるとすごくわかりやす いかと思います。この資料を早速取り寄せて皆様にごらんいただくことはできると思い ますので、参考資料としてお出しします。  村田座長  参考資料というより、具体的に使いやすいように、その中に織り込む形の方がいいの ではないかというふうに思います。  渡辺委員  はい。そちらはもう具体的にでき上がったパンフレットですけれども、お互いに、あ ちらの資料をこちらと一緒に使えるとか、あるいはこちらがよくできておりますので、 恐らく小児科学会の部会から、一緒に使ってもいいでしょうかということになると思い ますが、そういうことができればいいと思います。  村田座長  基本的には同じでございますので、どの成長曲線図を使うかということではやはり統 一した方がいいのではないか、また、乳幼児期のデータと学校保健のデータを加藤先生 が苦労して一緒にしていただきましたので、私の個人的意見ですけれども、この成長曲 線図を我が国の一つのスタンダードとして普及させていけば混乱が少ないのではないか と思っております。  成長曲線に関して何か御意見はございませんか。栄養領域や保育の領域でもぜひ使っ ていただきたいと思っております。  児童養護施設の問題もございますし、先生方からいただきましたいろいろな資料や御 意見等をまとめたような形にもなっているわけですけれども、何かございませんか。研 究機関からの発信等について、吉池委員は何かございますか。  吉池委員  前回に御説明申し上げたとおりです。  村田座長  研究機関からの発信の2枚目に書いてありますいろいろなデータベースを、報告書の 中で触れていくかどうかということではいかがですか。  吉田委員  データベースとしても何千も文献があるわけではありませんので、紙の形と、それプ ラスいろいろと検索をかけられるようなデータベースの形は既にできておりますから、 報告書としては紙媒体プラスCD?ROMという形を考えております。また、ホームペー ジ等でも見ることはできると思います。  村田座長  資料3では、保育所からの発信についてはレッスンの1、それから地域カウンセラー からといったことも挙げてございまして、これは皆様方からいろいろといただいた意見 としてここにまとめさせていただいたのですが、先ほど申し上げましたように、学校な ら学校、保健所なら保健所というふうに、組織として行っている活動を通じて、パンフ レットを手にする人たちはどういう情報が得られ、それをどのように活用できるかとい う観点を、ぜひもう一度吟味いただきまして、書き込みをいただければ大変ありがたい かというふうに思っております。  また、検討項目の資料3にその他というところがございますけれども、ここに挙げて おります幾つかの問題につきまして、具体的にまだ挙がってきていないという点がある わけですが、この点につきまして、今説明しましたようなレッスンという形で資料が提 供できるという委員の先生方はいらっしゃいませんか。もしそうでないとすれば、これ は非常に重要な問題ですので、どのような方法でこの報告書の中に盛り込んでいくかと いうことについても御意見をいただきたいというふうに思います。  例えば、食事のリズムが持てるために、それから、家族や仲間と一緒に食べることを 楽しむ力、五感を使ってわくわくしながら食べるというような問題がございますけれど も、これは考えようによりますと、少し大きく発展させると、先ほどいろいろ御意見が 出ておりましたように、星委員の内容を、いろいろな方面に、いろいろな課題、いろい ろな対象といったものに大きく発展的に使うことができる、そして皆さんの御意見を伺 いますと、そういう可能性が非常に大きいし、そういう点で大変よくできていて、使え るのではないかというふうな御意見がございましたが、そうしますと、ここに挙げてあ る問題がカバーできなくもないというふうに思っているわけですが、レッスンという形 で挙げてまいります際に、一つの考え方としては、星委員の内容といったものをここの ところで課題として個別に広げていくということも可能になってくるのではないかとい うふうな形で今見ておりましたが、いかがでしょうか。  このことは大変重要な問題でありまして、ぜひよろしくお願いをしたいと思っており ます。  吉田委員  質問ですけれども、レッスンといいますとステップを考えてしまうのですが、ここで 挙げているレッスンというのは、ステップということではないのですね。  村田座長  私の理解としてはステップということではなくて、そのレッスンを一つ見れば、どう いうふうにアプローチしようかというような具体的なイメージが浮かんでくるというこ とで、一つのステップがあって、その次のステップに進むといった体系立てということ では、今の段階ではないと思います。  吉田委員  段階的に進むというふうには考えない方がいいということですね。  村田座長  一つ一つの課題について、先ほどもありましたように、子どもづくりの目標というも のがございますが、そういった問題について、そういった視点から、必ずしも乳幼児期 がどう、その次がどうというふうにステップを踏むという性質のものではないというふ うに私は理解をしておりますが、ほかの委員の先生方は今の御質問に対していかがで しょうか。足立委員はいかがでしょうか。  足立委員  ステップではないと思います。全体として、モデルのプログラムではなくて、例えば こういった展開ができます、あなたの地域であなたの子どもたちの場合にはどういう展 開を考えたらいいでしょう、という例ですね。ですから、あくまでも完結編ではないと いうことをしっかりと冒頭に書いていただいて、しかしその地域のその子どもたちの課 題については、評価の結果も踏まえて、それを別の課題でどう展開すればいいかという ことを考えていくことにこのレッスンの意味があるということを冒頭にしっかりと書い ていただきたいと思います。  また、レッスンの1、2ですと順次性が出てきますので、レッスンのA、Bとか、 ア、イ、ウというふうにしていただけるといいのではないかと思います。  読ませていただきますと、すごく立派なものが出てきているように見えてしまいます が、そうではなく、ここで新たに提起された課題のようなものが最後に少しはっきり出 ていると気楽に読むことができるのではないかという印象を受けました。  村田座長  ここに挙がっているものもあるわけですが、先ほど申し上げましたように、かなり大 きな課題として、レッスンという形で載っておりますけれども、例えば食事のリズムが 持てるためにとか、家族や仲間と一緒に食べることを楽しむ力をはぐくむためにとか、 五感を使ってわくわくしながら食べ物に触れる力をはぐくむためにといった問題につき ましては、先ほど私が少し申し上げたようなことがあるのですが、足立委員はこういっ た方面でいろいろと実践的な活動もされていると思いますが、レッスンとして、レッス ンがどういった意味を持つかはまた別問題としまして、今申し上げたような形で、ここ にまとめて示すことは可能だというふうにお考えでしょうか。  足立委員  この話が出てきたときに、プログラムとして、一応評価までできているものを前提に して出してきていませんか。そうすると、まさに今新しい教材が誕生したのであって、 まだそれを実践的にはやっていないわけですから、ほかの例とは扱いが違ってくるので はないかと思います。  ただ、それぞれの課題についてはかなり横切りで、今回の委員会で非常に重要視して きた視点を重要視した新しい教材の提案ということで、別立ての方がかえって特徴がは っきりするかという感じがしています。  村田座長  わかりました。この3項目についてですね。  足立委員  あえて組み合わせる必要はないと思います。  村田座長  御園委員はいかがでしょうか。  御園委員  私も組み合わせない方がわかると思います。また、保育所からの発信のところです が、これでは具体的なイメージがわかないというように思われるかもしれませんが、前 回にお話ししたような事例のようなものが出てくればわかりやすいかと思いますけれど も、保育所というのは親に伝えるということが第一なので、この出し方で、別にしてい ただきたいと思います。  村田座長  先ほど申し上げましたように、そもそも保育所といったところは本来そういった発信 の仕方をしているところですので、問題はそんなに多くないかと思っておりますが、吉 田委員はいかがでしょうか。  吉田委員  発信のところで、前回には事例が出てまいりました。今回は例1が出てまいりますけ れども、その間を取り持つようなものが一つほしいと思います。学校のところもそう で、例2がありまして、そして実践の事例が出てまいりますけれども、やはり普遍的で だれにでも理解できるようなものが何か一つここにあると、いきなり事例の中に入って いくのではないので、いいかと思います。  村田座長  具体的にはどういった記述があるといいとお考えですか。  吉田委員  この例1、例2を、実践に近づけたマニュアル的なものといいますか、その方が、だ れが読んでも、こういうことをやればいいのかということがわかっていくのではないか と思います。  事例というのはあくまでも事例で、枝葉のところでそれぞれのやり方が出てくると思 いますが、例1、例2のところは幹のところに当たると思いますので、もう少し枝が伸 びてきたあたりの、事例につなげるようなものを出してあげた方が親切かというふうに 思います。  村田座長  今の御意見を伺って、上原委員はいかがですか。  上原委員  私はふだん学校をやっておりますので、今の意見はすごくよくわかります。やはりす べての方が、こういうふうにしたらいいのかということがわかる資料をつくるのは大事 なことだと思います。ただ、こういうふうにすればいいというのは、学校で何をしてい るのかということを知るということと、保護者の方が何をしたらいいかということを知 るという観点は全然違いますので、表現の仕方ということでは、膨大な資料であれば、 何でも載せていくということは可能ですけれども、学校からの発信のときに、何を出し たらいいのかということは私も非常に迷ったところです。  具体的な事例を読んでいただくと、学校と家庭や地域との連携のところに、例えば試 食会や、親子料理教室に参加しましょうということが書かれています。その事例を出せ ば、見ている家庭の方はわかりやすいかもしれません。ただ、それを出すときに、どう いうものを入れていくかということになると、少し難しいと思います。  村田座長  例えばこういう資料を読みまして、こういうことについて学校から情報を得たいと思 った場合、学校のどこへ連絡すれば、そういう情報についての資料が得られるのか、そ ういった窓口があるかどうかということもある意味では大事なことで、吉田委員の意見 を伺っていまして、そういったことの書き込みというのがあれば、この資料も生きてく るのではないかという形に理解をしたのですが、今は学校もインターネット等でいろい ろと発信しておりますけれども、一般的に学校にはそういった窓口はありますか。  上原委員  それぞれの学校がつくっていますので、例えばインターネットであれば、そこにアク セスするということですね。  村田座長  例えば銀行で預金をおろしたいときには預金をおろす係のところへ行けばいいです し、口座をつくりたいときにはその係のところへ行けばいいわけですが、学校というの は、外に開かれた世界として、お互いの情報を交換しようとする窓口というものはある のですか。それとも今の学校にはそういったものはないのでしょうか。会社などには広 報課などがありますが、学校ではそういったものはどうですか。  上原委員  学校で広報活動をしてらっしゃるのは教頭先生になります。ですから、地域、あるい は家庭とのパイプ役をしているのは教頭先生という分担にはなっています。ですから、 どこへ話を持っていけばいいかということでは、具体的には教頭先生を呼んでください という形になってしまうと思います。  村田座長  これはすべての機関からの発信に共通することだと思いますけれども、情報を発信し た場合というのは、簡単に言えば一方通行ではなく、相互に情報が交換できるようなシ ステムづくりということも大事ではないかと思います。先ほどの吉田委員の御意見もそ ういったことではないかと私は理解したのですが、そういったものが各機関からの発信 の中で、保健所や保育所は従来それをやってきているわけですので割と問題がないと思 いますが、特に学校というのは、大きな伝統と、ある一つの決まりに従って動いている 面があって、情報が出てはいくけれども、はね返りを受け入れるところというのが意外 と少ないのではないかと思います。  しかし、情報を発信する場所として、食とのかかわりを学校が持つのだとすれば、 今、もしそういった面がないのだとすれば、今後の課題としてやらなければいけない し、普遍的でなくても、地域の中でそういう解決ができる方策がなされているのであれ ば、そういった問題というものが少し途中に入れば、この資料が非常に生きてくるので はないかというような感じがします。  足立委員  この章の内容としては、それぞれの拠点からどんな情報が提供できるかという発想で 書いてあります。こういう課題を持った子どもが、課題解決のためにどうしたらいいか という子ども側からの情報の組み立てではないですね。  ですから、この章の中で、どちらかに寄せていかないといけないのではないかと思い ます。かなり丁寧に双方向性でやっていくことをねらうのであれば、そうした書き方に しなくてはいけないと思いますが、結果として、きょうの段階でまとめられている内容 というのは、発信者側からどんな情報が発信可能であるか、どんな情報が発信されてい るか、その地域、または学校でかかわる子どもたちは、どんな情報を得ることができる か、どんな情報にアクセスすることができるかという情報だと思います。私も含めて、 委員の中で思いが両方から出ているから、少し混線をしているかと思います。  繰り返しになりますが、双方向のところを丁寧にやっていくのであれば、やはり事例 と、事例を抽象化したものとがうまく入っていかないとわかりにくいと思います。  村田座長  少し誤解があるかもしれませんが、発信しているものが既に双方向性を持っている発 信箇所というのはこの中にもたくさんあるわけですけれども、それはそんなに大きな問 題ではなく、こういった情報を得た人たちが、どうすればその情報をまた得られるかと いうことがわかると思います。しかし、学校や研究機関ということになると、それがよ くわからないわけです。ですから、そのあたりのところで、先ほども言いましたよう に、保育所や保健所といったところは、お互いが双方向性の情報を交換しうるというこ とは、一般の人がよくわかっているわけです。  私は吉田委員の発言からそのように思ったのですけれども、この段階で細かい議論を している時間はありませんので、本格的に足立委員が言われたような方向性を検討する ということではなく、途中に何かを間に挟んで、一般的な問題と事例との間に何かを挟 むとすれば、情報交換がどのような形で可能なのかというふうなところが、私としては 吉田委員が言われた書き込み部分ではないかというふうに理解して、今発言をしている わけです。  足立委員  誤解していただくと困るのですが、ここで扱われている事例は、双方向性でうまくや ってきた事例にかなり絞っているという特徴は非常に大きくあるわけです。しかし、そ の情報を整理して提供をする仕方は、やはり発信者側から出ていますので、これを具体 的な課題解決に直接使おうとするのはかなり無理があるのではないかという発言で、内 容そのものは、極めて双方向的で、成功例がたくさん紹介されているという特徴を持っ ていると思います。  村田座長  吉池委員は、今のお話をいろいろと伺っていましていかがですか。  吉池委員  私もこの資料の最終的な完成像と、どういう人がどう読むのかということがまだ少し 見えないのですが、私自身の理解としては、先ほどの資料1の保護者向けの子育てガイ ドの後ろのところで、一般の人々を取り巻く食の情報その他を得られる機関の紹介があ り、資料2で環境づくりの推進ということで、15ページにいろいろな機関が紹介されて いますが、それではそういう機関では具体的に何をしているのかということを見ると、 学校ではこういったことをやっている、保育所ではこのように考えている、そこにより 積極的にアクセスをしたいときにはこういうところへいけばいいというディレクトリの ようなイメージがあります。資料1の検討課題メモでは、マニュアルとしても利用でき るようにという書き込みがありますが、そうするとかなり具体性を持って、それ1冊あ れば何もかできてしまうというイメージがあるので、その辺の折り合いをつける必要が あるのかと思います。私のイメージとしてはむしろ前者の方ですけれども、いかがで しょうか。  足立委員  私もそうとらえています。  村田座長  これについてほかに御意見のある先生方はいらっしゃいますか。基本的には吉池委員 が言われた最初の段階を形の上で整えて、できれば後で言われたような方向性に持って いければいいのではないかと考えますが、事務局の方では何か御意見はありますか。  栄養専門官  今回は保育所からの発信と、レッスン1、2という形でお分けしているのは、いずれ にしても前回までに出た資料の事例をこういった形で整理をしたということで、今、吉 池委員からお話がありましたように、こういった場所でこういった取り組みが行われて いるというような事例と、具体的にこういった方法をやればこういった解決が見られる というツールに関するようなものは少し視点が違うということで、今回はこういった形 で整理をさせていただきました。  また、本当に申しわけなかったのですが、きょう出ている例は、むしろ整理が整って お出しいただけたもので、ここに書かれていないものも資料としてはすべて挙がってく るということになりますので、むしろほかの作成途中のもの、今資料として挙がってい ないものが、今のような考え方で作成していただけることも含めて、最終的に御確認し ていただくとありがたいと思います。  村田座長  時間も過ぎてまいりましたが、この部分は極めて重要であると同時に、先ほど吉池委 員もおっしゃったように、いろいろと具体的な事柄にかかわっていられるがために、頭 の中には具体的なイメージが浮かんでいて、それぞれの受け取り方が若干違っていると いったところに問題があるかと思いますが、今も御説明がありましたように、基本的に は足立委員、あるいは吉池委員が言われた方向性でまとめていただいて一向に構わない わけですが、より具体的な書き込みが可能であるようであればそのようにしていただき たいということと、今発言がありましたように、いただいております資料につきまし て、今ここで議論しましたような観点から、差し迫ってはいるのですが、早急におまと めをいただけるかどうかということを確認させていただきまして、あとは事務局の方か ら連絡を取らせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  足立委員や吉田委員、その他の皆さんからたくさんの資料をいただいておりまして、 きょうは事例的な問題があったので出ておりませんけれども、これはここでお願いを申 し上げまして、御了承をいただけますね。  それでは具体的に今の点に関して、事務局の方から、整理をしていただく締め切りや その他についてお触れいただいて、閉会にさせていただきたいと思います。  栄養専門官  具体的支援方策例の原稿につきましては、1月26日月曜日までということでお願いを したいと思います。既に先生方の方には、年末に資料をお送りさせていただいておりま して、それと、ここに書いてございますレッスンの番号などは合わせてございますの で、それを今、議論いただけたような視点でもう一度見直していただいて、その期限ま での御提出をお願いしたいと思います。  村田座長  また、もう一つの確認事項としては、その他として挙げているものについては、あえ てこれ自体を解説する程度にとどめておいてもいいのではないかという御意見が多かっ たように思いますが、しかし、これについても、レッスンとして適当なものがあるとい うことであれば、先ほどお願いしましたように、いただければいいかというふうに思っ ております。  司会の不手際から時間が少し過ぎてしまいましたけれども、事務局から今後の日程を 伺います前に、再度、委員の皆様からいただいておりますいろいろなレッスンその他に つきまして、期日までに、受け手の側といったことを念頭に置かれて、ぜひわかりやす くおまとめいただいて、1月26日までに事務局の方に御提出をいただきますようにお願 いします。この件につきましては、また改めて各委員の方にお願いが行くかと思います が、よろしくお願いをいたします。  5分ほど過ぎてしまいましたが、これで終わりにしたいと思いますので、今後の日程 につきまして事務局の方から御説明をいただきたいと思います。  母子保健課長補佐  次回は最終回ということで、2月19日木曜日の10時から12時までを予定しております ので、よろしくお願いいたします。場所等につきましては、また改めて正式な御案内を 申し上げます。  また、先ほど座長からもお話がございましたが、資料2の中で御議論をいただきまし た子育てガイドのイラストの関係と、資料3で御議論をいただきました具体的支援方策 の原稿に関しましては、1月26日までに事務局へ御提出をいただければと思います。よ ろしくお願いいたします。  村田座長  それではこれで今回の検討会を終わらせていただきたいと思います。どうもありがと うございました。                    照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課                         03−5253−1111(代)                             河野(内線:7934)                            佐久間(内線:7936)