03/10/29 第2回 新人看護職員の臨床実践能力の向上に関する検討会議事録                    日時 平成15年10月29日(水)                       10:00〜                    場所 厚生労働省9階省議室 出席委員 井部俊子、石垣靖子、川村治子、瀬戸山元一、高田早苗、高橋真理子、      竹内美惠子、西澤寛俊、野地金子、廣瀬千也子、星北斗、村上睦子、      山田百合子、山本浩子      ワーキンググループ委員 佐藤エキ子      (五十音順、敬称略)      参考人 北原脳神経外科病院 チーフマネージャー 熊谷節子 ○田村看護課長  ただいまから、第2回「新人看護職員の臨床実践能力の向上に関する検討会」を開催 したいと思います。委員の皆様方におかれましては、ご多用のところ、当検討会にご出 席をいただきまして、誠にありがとうございます。  本日は参考人として北原脳神経外科病院チーフマネージャーの熊谷さん、聖路加国際 病院副委員長でワーキンググループにご参加いただいている佐藤エキ子委員にご出席を いただくことにしておりますので、よろしくお願いいたします。それでは、井部座長、 議事進行をお願いいたします。  本日は、正木委員、宮城委員がご都合によりご欠席との連絡を受けております。また 石垣委員、佐藤エキ子委員は15分前後遅れていらっしゃるということです。 ○井部座長  本日の議題に入りたいと思います。お手元にご案内がありますように、本日の議題 は、「新人看護職員到達目標」「新人看護職員研修指導指針の考え方(案)」につい て、ワーキンググループの進捗状況について、ご検討いただきたいと思っております。  また新人看護職員研修の実際に関しては、委員ならびに参考人からの意見発表がござ います。それでは、まず事務局より資料の確認および説明をお願いいたします、 ○岩澤補佐  資料の確認をさせていただきます。「検討会の座席表」「議事次第」「検討会委員名 簿」「ワーキンググループ委員名簿」、資料1「看護師等学校養成所卒業者の就業状況 について」、資料2「病院の病床規模別、職種別の新卒看護職員数」、資料3「看護職 新規採用者の臨床能力の評価と能力開発に関する研究について」、資料4「『新人看護 職員到達目標』、『新人看護職員研修指導指針』の考え方(案)」、資料5「聖路加国 際病院における新人看護職員研修の実際」、資料6「医療法人東札幌病院の新人看護職 員教育」、資料7「北原脳神経外科病院における新人看護職員研修」、資料8−1「新 人看護職員到達目標作成ワーキンググループ進捗状況」、資料8−2「新人看護職員研 修指導指針作成ワーキンググループ進捗状況」、そして「第1回の議事録」です。委員 の皆様方には日本看護協会の「調査研究報告No.67」という冊子をお配りしております。 以上ですが、お揃いでしょうか。  それでは、資料1〜4について説明いたします。資料1についてですが、第1回検討 会におきまして卒業者の就業状況について、どのような職種に就いているかという資料 のご請求がありましたので用意いたしました。これは平成14年春の状況ですが、左に大 学、保健師学校養成所、助産師学校養成所、看護師学校養成所、准看護師学校養成所の 卒業生が就業したか就業しなかったか。就業した場合、保健師として就業した者、助産 師として就業した者、看護師として就業した者、准看護師として就業した者の数。その 下には、課程を100%としたパーセントを出しています。  また看護師以外で就業した者、准看護師以外で就業した者、それ以外で就業した者の 数をそれぞれ出しています。  いちばん右の欄には、就業しなかった者のうち、進学した者、その他に分けて数を出 しています。例えば大学ですと、卒業生4,847名のうち、未就業の者については進学が 339名の7%、その他が4.9%となっています。  保健師学校養成所では、保健師として就業した者が821名で43.5%、助産師として就 業が49人で2.6%、看護師として就業が852名で45.1%でした。  助産師学校の卒業生1,345名については、保健師として就業が15名、助産師として就 業が1,124名、看護師として就業が176名です。  看護師学校養成所では、41,556名が卒業し、看護師として就業した者が33,617名で 80.9%、看護師以外として就業した者が1.2%、未就業のうち、進学が5.8%、その他が 12.1%、就業していないものが合わせて17.9%ありました。  准看護師学校の養成所の卒業生22,056人については、准看護師として就業した者が 11,353名で51.5%です。この中に、就業しながら進学した方の数も含まれています。ま た未就業のうち、進学は8,487名で38.5%、就業していない者が8.4%ありました。  なお、保健師学校養成所、助産師学校養成所を兼ねて1年間で運営されている、いわ ゆる保助合同コースが数校ありますが、そこの卒業生については、それぞれの養成所の 卒業生の中に含めて計上しております。  資料2です。これについては、第1回検討会でお示した資料ですが、表の中で全体の 数、それぞれの区分別の数の字が切れていたりしましたので、それを書き込んだ表で改 めて提出しております。  資料3です。第1回で明石参考人にご報告いただいた「看護職新規採用者の臨床能力 の評価と能力開発に関する研究」の中で、200床未満の病院と200床以上の病院で区分し た場合の集計について分析したものです。  200床未満の病院は25施設、200床以上の病院は83施設ありますが、その区分に分けて 教育計画等について聞いております。まず病院全体の教育計画については80%の病院 が、その計画および評価方法を有しています。200床未満では80%、200床以上では 89.2%です。評価方法についても200床未満の病院で80%が「あり」、200床以上でも 79.5%が「あり」となっております。  集合教育の実施については、200床未満の病院で64.0%、200床以上の病院で84.3%が 「あり」と答えています。  プリセプター制の導入と教育担当者の設置については、80%以上の病院で「あり」と なっています。  2頁は、夜勤に入った時期についての設問で、夜勤に入った時期が2カ月未満の病院 の割合ですが、200床未満では12.0%、200床以上では43.4%です。  資料4「新人看護職員到達目標」、「新人看護職員研修指導指針」の考え方(案)に ついて、第1回でご意見をいただいたものを踏まえて、今回改めて案を出したいと思っ ています。前回の考え方は5つありましたが、1つ目と2つ目を今回は1つ目の○で表 現しています。「新卒者の就業の動向および安全な看護ケア提供にあたっての優先度を 加味し、『新人看護職員到達目標』および『新人看護職員研修指導指針』については、 病院でのケア提供にあたる看護師等を想定して作成することとする。なお、各職種への 適用についてはその留意点を示すこととする」と訂正させていただきました。それ以降 の考え方については、前回と同じです。  以上、事務局から資料の説明ですが、このほかに1つお断りとご提案をしたいと思っ ています。第2回の検討会では、新人看護職員と新人看護教育担当者からみた研修につ いてヒアリングをする予定でしたが、これについては次回の第3回の検討とさせていた だきたいと思っております。  また、中小規模病院の新人看護職員の研修の現状について、当初予定では取り上げる としておりましたが、中小規模病院に限らず、大病院までの新人看護職員研修の具体的 内容の意見発表を今回持ちたいと思い、3つの病院の例をご報告いただきたいと思って おります。 ○井部座長  ただいまの事務局の説明について、ご質問等がございましたらお願いいたします。 ○竹内委員  資料4について確認をさせていただきます。まず1項目に「新卒者の就業の動向およ び安全な看護ケア提供にあたっての優先度を加味し、到達目標および研修指導指針につ いては、病院でのケア提供にあたる看護師等を想定して作成することとする」。次の点 ですが、「なお、各職種への適用についてはその留意点を示すこととする」という点に ついては、いろいろ議論がありましたが、最初は対象は看護師、助産師とするというこ とになっていましたが、それとの関連から留意点というのは、どういうレベルを想定し ているのでしょうか、確認したいと思います。 ○岩澤補佐  助産師については、新人助産師は助産業務と看護業務を行いますので、助産業務につ いては、「到達目標」の中に含めて検討して、ワーキンググループで作成していただく 予定です。 ○星委員  折角ですから確認しておいたほうがいいと思います。資料4ですが、「病院でのケア 提供にあたる看護師等を想定して作成する」とあります。したがって、例えば助産業務 にかかる方、あるいは保健師業務もされる方、そういう例えば保健所に勤められる方た ちのことではなく、ここで言うのは、病院の中で、いわゆる看護業務をされる方のこと をイメージしているということですね。病院でのケア提供となると助産師の業も含まれ る。褥婦に対するケアということになるのでしょうから。 ○竹内委員  助産師の業務は妊娠・分娩・産褥期の継続した期間を通して対象者の正常であるとい う、健康であるというレベルの診断をしつつ、個々に応じたケアを提供するわけです が、特に分娩期においては、「健やか親子21」でも示されているように、正常な出産 は、助産師が中心でこれからやっていく。医師との共同管理という重要な点も含めなが ら、正常な経過の助産行為は助産師がするという範囲が含まれていますので、褥婦のケ アにはとどまっておりません。 ○星委員  では、私の知識の不足でしょうが、ここで病院でのケアというと、助産院でのケアは 入らないことになりますね。 ○田村看護課長  私どもが考えておりますのは、助産院まで場を広げますと、大変環境が変わってまい りますので、病院の産科病棟等で就業をし始めた助産師を想定して考えたいと思ってお ります。 ○星委員  私が申し上げたいのは、前にも発言させていただきましたが、一体何を目標にするの かというのは、実は非常に大事なことだということです。オペ室に配属されようが、ど の病棟に配属されようが、あるいは外来勤務になろうが何しようが、あるいは保健所に 勤めようが、どうしようがということを含めてなのか、そうではなく、ある程度就業し ている場も想定するのか、その辺りのことを少しお聞きしたいと思います。前は准看の 話で時間を取られてしまったので、そういう意味ではなく、どういうところを対象にす るのかを少し明確にしておくべきだと思うのです。  私が主張したいのは、どこに勤めようとも新人看護師としてこれから長いキャリアを 積んでいくときの最初の到達目標は、どこにいても共通のものとして最低限ここまでは というものを示していただいた上で、それぞれの勤められた病院なり、その環境で必要 なものを積み上げていくというものを示すのか、私はそれを要求したいのですがそうで はなく、例えば、病院に勤めている看護師をとりあえず想定して、その方々にとっての 到達目標を示すのかは似て非なるというか、相当異なると思うのですが、そこはどうな のかという議論は、ここでしなくていいのですか。私はしておかなければいけないと思 います。 ○廣瀬委員  看護師は前回の資料で3万8,000人ということでした。その他も含めて約4万人近く の方々が看護師として一人前に経験を積んでいくステップとして、実践能力を培う場所 として、圧倒的に多いのが病院であるという理解でしたら、これからは在宅やいろいろ な所もありますが、それはもっと高度な判断や知識が要求される部分もありますので、 病院でのケアを標準的に考えて進めたほうがいいのではないでしょうか。 ○星委員  もしそういうことであれば、そういうことで結構です。その共通認識がないと助産院 はどうするのだという話になったりして、いろいろ困りますし、保健所に勤めた人はど うするのだというのも困ってしまうので、ここで言う「病院に」というのは、いわゆる 就業状況を鑑みれば、病院での最初のステップを踏まれる方が多いから、そこをメイン に考えましょうと。ほかの場所に勤めた方やほかの職種を選択された方、ある職種によ っていろいろ違いがあるとすれば、それは可能な限りその留意点を示すということで、 それぞれに保健所に勤めた人は「ここまでやりなさい」とか、何々に勤めた人はここま でという話ではないと理解してよろしいですね。 ○田村看護課長  はい、私どもも就業状況等を踏まえてというのは、そういうことを考えておりました ので、星委員からのお話で確認できたと思っております。 ○井部座長  ほかにご意見はございませんか。1つ目の○には、「新卒者の就業の動向を加味する 」ということと、「病院でのケア提供にあたる看護師等を想定して」という文言が入っ ていますので、ただいま確認のご意見がありましたが、この文言でよろしいでしょう か。 (異議なしの声) ○井部座長  ありがとうございます。あと3つありますが、ほかの項目についてご意見はございま せんか。ないようでしたら、前回から検討してまいりました考え方(案)について承認 をされたということで(案)を取っていただいて、「新人看護職員到達目標」、「新人 看護職員研修指導指針」の考え方ということで、これからはこれを基に検討を進めてま いりたいと思います。ありがとうございました。  次に「新人看護職員研修の実際について」ということで、委員、参考人それぞれ15分 程度の意見発表をお願いしたいと思います。なお、意見発表に関する質疑は、佐藤委員 が発表後にご都合で退席されますので、発表後に質問をお受けいたしますが、石垣委 員、熊谷参考人の意見発表に関しては、お2人の発表終了後にお受けしたいと考えてお ります。  それでは、聖路加国際病院の新人看護職員研修について、佐藤委員からよろしくお願 いいたします。 ○佐藤委員  たぶん中規模施設における新人研修ということでのプレゼンだと思います。私どもの 病院の概要をまずご説明したいと思います。 (スライド開始)  これは全景です。病床数は520床です。職員数は、10月1日現在で非常勤を除いて 1,189名です。そのうち看護職員は628名です。その内訳は看護師は553名(新採用者87 名)、看護助手75名です。入院基本料1で、入院患者数は8月の統計で延べ13,882名 で、1日平均400名前後になります。平均在院日数は11.8日(8月現在)です。外来患 者数は1日2,200〜2,600名程度です。  私どもの病院の理念はここに書いてあるとおりですが、「生きた有機体」ということ が特徴になるかと思います。それを受けて全人的医療、患者中心の医療と看護という理 念があります。  運営方針と言いましょうか経営方針のキーワードは、全人的医療、急性期の診療を行 う総合病院等々があります。教育病院としての機能の強化ということでは、研修医、看 護師の教育に力を入れたいということです。  今回は新人研修ですので、院内教育プログラムを紹介したいと思いますが、教育を考 える上でまず基本となるのが、病院から下りてきた理念、看護部の理念ということにな ります。ここに2点ほど挙げておきましたが、患者の生活の質の向上を目指し、患者の 持つ治癒力を最高に引き出すことを念頭に置いた看護を提供することに努力したいとい うことと、個別性の尊重の2点です。  それを受けての看護部の組織概念図ですが、これは井部座長が就任されたときに、新 しく看護部のあり方を図のように作りました。台形がラインを示しています。こちらが スタッフ部内になります。ライン部門を見ていただきたいと思います。普通は三角形の ピラミッド型のラインだと思いますが、病院の理念の患者中心、全人的医療をかんがみ まして、いちばん上に患者・利用者があります。この患者・利用者に最前線でケアに当 たっている看護師と看護助手が上に据えられています。スタッフが意思決定でき、そし て下におろすということで、権限分散型のラインになっています。スタッフを支えるサ ポートスタッフとして管理、スタッフ育成、およびリソースナースと言われている専門 領域の看護をサポートするスタッフがおります。  次はキャリア開発のプログラムについて説明します。新人教育も含めてのプログラム ですが、私どもはプリセプターシップ(新人教育はキャリア開発プログラムの第一歩) と各種院内教育プログラム、そして1段ずつ階段を上ってキャリアアップするキャリア 開発ラダーがあります。  看護部の検討会ですが、先ほどの組織概念図を見て分かりますように、多岐にわたる 検討会がありまして、検討会活動も大きな位置づけにしています。  業績発表会は年2回行っていますが、スタッフの皆さんが自発的に業務改善をした、 こういう研究をしたという業績を、みんなの前で披露する業績発表会もキャリア開発プ ログラムとして位置づけています。その他、教育病院でもありますので、全職員を対象 にした人材育成コースがあります。  その全体を表したのが「キャリア開発概念図」になります。新人のところを見ます と、看護基礎教育を終えて就職をしますと、まず集合教育で4日間の新人オリエンテー ションを行います。そのプログラムは、資料5の14頁にあります。集合教育が終わると 部署内教育になりますが、各部署でプリセプターシップを8週間行い、4月と5月は基 本的にはマン・ツー・マンの指導をします。この狙いは、これから看護職員として仕事 をするための準備と社会人としての心構え等々があります。その後ひとり立ちをして、 業務が1人である程度できるようになった10月ぐらいにジュニアクラスが始まります。 図の右側には病院主催の人材育成コースを示してあります。こちらにも新人フォローア ップ研修等々があります。  「院内教育の理念」はより良い看護サービスを提供できる職員の育成をする等々、具 体的な目標を5点ほど挙げてあります。  私どもは毎年、新入職員を迎えるわけですが、迎えるに当たってプリセプターになる 方々のためのワークショップをしております。指導的な立場とはどのようなものか、先 輩としてどのようなことをどこまで教えるか、新人の気持をどう理解するかなどについ て、いろいろグループワーク、ロールプレイを通して学習します。右側の図は、プリセ プターシップ期間が終了しても、良き先輩、後輩の関係は変わらないということで、年 間を通してOJTを続けている図です。  私どもはキャリア開発のプログラムの一環として、検討会活動も尊重しているわけで すが、自発的に活動するさまざまな検討会活動があります。これはその1例ですが、例 えば嚥下障害の「ケア検討会」をスピーチ・セラピストも交えて、まずは理論の部分を 皆さんで検討したのち実践に移しております。呼吸器ケア検討会等々もこの図のように 新人教育においてはかなりサポートをしています。  これは1例ですが、今年入職した職員への技術演習です。先ほどの4日間の新人オリ エンテーションプログラムを見ると分かりますように、4日目の午後は基本的看護技術 演習に当てています。昨年から行なっております。このプログラムは、看護技術に関す る理解・実践能力の程度を明らかにすることと、「安全」について再確認をする。これ から現場に出向いていくわけですから、緊張感の軽減ができ、準備状態を作ることがで きるということを目的にしています。  内容は、模擬患者を想定して、このような女性の患者を受け持った場合の生活行動援 助、経口薬、注射薬をどのように与薬するかにポイントを置いてそれぞれの日常生活行 動援助技術、診療援助にかかわる技術について学習します。  これがプログラムの全体です。人数が多いので、前半、後半と入れ替え制を行ってい ます。  演習の評価ですが、プログラム全体に関しての評価をしております。  これは評価の1例ですが、演習の結果として、自分で「できた」と思う場合は4点と いう計算をしております。「まあまあできた」が3点というポイントで集計をしていま す。  自己評価の結果ですが、日常生活行動援助技術の自己評価は、昨年は3.56、今年は 3.72でそんなに変わっていません。評価がやや低かったのは、「患者の左下肢を軸にし て体を回転させ車椅子に移乗させる」という項目のところで、ちょっと難しかったと皆 さんが自己評価しています。例えば右下肢を骨折している80歳の女性ですから、左下肢 を中心に回転させるボディメカニックス、移動の技術を演習しましたが、難しい技術の ひとつのようでした。  日常生活行動援助技術に関して、学生実習の経験があるかを問いております。昨年も 今年も65%前後でした。  診療援助にかかわる技術の自己評価は大きく差はありませんが、多少日常生活よりは ポイントが下がっております。評価が低かった項目は、気泡アラームの対応、シリンジ ポンプの使い方等々でした。これはその内訳です。  学生実習経験があったか、これも診療援助においては30%台、3分の1強ぐらいの新 卒ナースしか経験していないと言えます。これは前回の検討会で野地先生が発表された 日本看護協会の調査結果とも類似しているかと思います。  看護実践へのイメージとしては、皆さんほぼ全員が「できた」「まあまあできた」と いうことで、「看護実践に対する不安は軽減した」という方が2、3割、「まあまあ軽 減した」を合わせると、大体9割の皆さんがこの演習を行なったことによって、不安が まあまあ軽減できたということになります。  申し遅れましたが、私どもはこれを実施するに当たっては、内定者に当院で使う看護 手順一式と技術演習はこのように行います等々を記した書類を事前に送付しており、必 ず目を通してもらうことにしております。  プログラムの評価ですが、演習内容として、日常よく行う内容で役立つなど、大変評 価は良かったと思います。インストラクターも指導方法が良かったという評価でした。 今回インストラクターは15名かかわっており、聖路加看護大学の教員にもサポートをい ただきました。15グループに分けて行なった、ある意味で個別の指導もできたと思いま す。「ポイントを指摘し、分かりやすく丁寧で良かった」と伺っております。  所要時間は、診療補助のところの与薬は時間が足りなかったという感想をもらってい ますが、全体的にはおおむね良かったようです。演習の継続については昨年同様、是非 続けてほしいという評価をもらっています。  演習のまとめですが、現場で頻繁に遭遇する状況で必要とされる技術の実施、インス トラクターによる個別的な指導によって実践をイメージできる効果があったと思われま す。あとの細かいことは資料を見ていただければと思います。  私が他に紹介させていただきたいのは、10頁に新人教育のことが書いてあります。レ ジデントナース・コースのジュニアクラス1期のオリエンテーション、11頁のプリセプ ターシップです。それから、私どもの特徴だと思いますが、シミュレーションラボ室で の技術演習もできるように、いろいろなモデルを用意してありますし、採血の演習もで きるようにしています。  もう1点は、資料はありませんが、今年は6月と10月に「新人の日」を設け、この日 は新人は働かない、お休みを与えてくださいということをしました。新人はお互いにカ タルシスをしたり、サポートし合ったりしています。 ○井部座長  短時間にコンパクトにまとめていただきまして、ありがとうございました。ただいま の発表についてご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。 ○星委員  1つは、新人が入ってきたときに配属先などに気を遣っているのかどうか。それから 評価は自己評価がメインで、評価者の評価もあるのでしょう。そして、ある時期までに クリアしなければいけない目標を掲げられていると思いますが、それをクリアできない ときにはどういうことになるのか教えてください。 ○佐藤委員  まず1点目ですが、配属には気を遣っており、第1希望から第3希望まで、希望部署 はひととおり伺っています。基本的に私どもは強制的なローテーションシステムはあり ませんので、退職者が出た所に本人の希望と合わせて、いまで言う研修医のマッチング みたいなことをして、配属しております。しかし、希望どおりにいかない場合もあっ て、そのときは本人と私どもで話し合いをして納得の上で配属されたところでやってみ るということになります。  2点目は、技術演習の半日のところは自己評価でしたが、そのあとのプリセプターシ ップは、資料5の16頁に、プリセプターシップの8週間のゴールと、それに対する自己 評価とプリセプターによる評価があります。8週間を終えたときにどこまで到達できる かという到達目標を10項目挙げてあり、評価表でそれぞれ細かく評価しております。  到達できない場合のナースをどのようにするかのご質問ですが、個人差がありますの で、そのナースに応じた部署内でのいろいろな工夫をしております。ほかの部署にも指 導を仰いだり、いろいろな対策は立てております。 ○星委員  実際にそういう人はいますか。 ○佐藤委員  昨年はおりました。今年はいまのところ、まだおりません。 ○山本委員  全体的な仕組というのは、もう何年も続けておられるのでしょうか。 ○佐藤委員  仕組はずっと続けております。プリセプターシップの制度は1987年から導入しており ます。  先ほどスライドでご紹介した技術演習は昨年からしております。その10年前に技術演 習の全体でのベッドバスの仕方やベッドメーキングの仕方を行なったことはあります。 ○山本委員  それを継続していく中で、たぶん1年目はものになっていくと思うのですが、そのあ と2年、3年と経つうちに、確実にそれは継続されているという実感はあるのでしょう か。 ○井部座長  継続とおっしゃいますと。 ○山本委員  私の悩みでもあるのですが、1年目は確実にあるところまでは育つのですが、それ以 後だんだん臨床でやっていくうちに、少しずつ抜けていくというか、慣れてきて確実な 知識、技術みたいなものが省略化されていくような気がするのですが、その辺は聖路加 の看護ケアのレベルは、これでいけばアップしているという確信はあるのでしょうか。 ○佐藤委員  はっきり確信は「ある」とは回答できませんが、経験を重ねることによって、自分の 技術、知識も習得ができるように、2年目以上も受けられるような教育プログラムのシ ステムを作っています。1年目は余裕がありませんので検討会活動にはなかなか入れな いのですが、2年目以降は皆さん参加して、そこでブラッシュアップ、スキルアップを していこうという意識はあります。 ○井部座長  今回の検討会の趣旨はキャリア初期の導入のところをどうしようかということなの で、キャリア中期、後期に関してはまた別の問題が潜んでいるかもしれないのです。焦 点を当てたいのはの新人看護職員ですが、新人導入期がいかに大切かということも今後 えていかなければならないことだと思います。 ○山本委員  それは十分わかっていますが、指導する側の問題でプリセプターが、今年80人も新人 が入られて4月、5月はマン・ツー・マンということで80人のプリセプターが必要だっ たわけですね。その人たちのレベルがどうなのかと思います。 ○佐藤委員  基本的にはマン・ツー・マンですが、部署によってはマン・ツー・マンでは できな い所もあります。それは資料に業務改善の1例や最後のほうの文献にありますように部 署でいろいろ工夫して育てています。プリセプターになるための条件がありまして、あ まり年を重ねているナース、たとえば私が指導しても新人の気持が分かりにくいところ がありますので、当院では2、3年目が主流を占めております。  今後の課題ですが、新人ナースが80名前後とかなり多いですから、安全管理が課題で す。新人の数とヒヤリ・ハットとの関係を分析しましたら、ある程度比例しているよう ですので、安全管理はきちんとしなければなりません。  もう1点は、基本的な看護技術です。前回の野地先生の資料にもありますが、ある程 度基礎はできていますので、入職後きちんと正確にケアを行えるように密な指導が必要 です。2カ月のプリセプターシップで到達できない新人もおりますので、今後はある一 定期間、密にかかわれる研修のようなものが、公に認められるようなことを検討してい かなければならないのではないかと考えております。 ○高田委員  プリセプターシップは私が知る範囲で狭いのですが、病院によっては半年とか1年と いうように、比較的長期に設定している所も多いように聞いています。8週間と非常に ギュッとしている。比較的短期間に設定していることの意味と効果についてお聞きした いと思います。  もう1点は、どこでもそうだと思いますが、例えば、実習として受け入れている聖路 加看護大学の卒業生とその他のたくさんの卒業生がおられると思いますが、導入期に関 しては、ほとんどそれによって違いはないのか、そこはあまり考慮に入れなくても大丈 夫なのでしょうか。 ○佐藤委員  2点目から先にお答えいたします。入職時は聖路加看護大学の卒業生と他の学校の卒 業生とは区別はしておらず、一緒にやっています。私どもは3年前から看護学生のため のインターンシップ・サマー・プログラムを始めて今年で3回目になります。今年の夏 は250名の応募者があり、最終的には230名前後が月曜日から金曜日までの5日間を1人 のナースに付いて、ケアの状況や実際を知るということを目的にやっております。  この前みんなで話しあったところですが、インターンシップ・サマー・プログラムを 受講した皆さんはリアリティショックもなく、途中で脱落することもこの3年間はあり ません。聖路加看護大学の学生とインターンシップに参加した方々は、同じような状況 と捉えてやっております。ですから、2点目のほうは区別はしておりません。  1点目のご質問ですが、短期間だということで、確かに日本の平均は半年から1年と いうことは、いろいろな所から出ています。私どもは1987年に導入するときに、米国の 文献を参考にしました。文献では米国は4週間だったのですが私どもは4週間では短い ということで、2週間プラスして6週間で始めました。しかし、6週間では目標を到達 し切れませんでしたので8週間に延長し現在に至っております。  16頁ですが、私どもはプリセプターシップは、あくまでも新人オリエンテーションの 一環と捉えております。逆にそのオリエンテーションを1年間かけてやれる施設はうら やましいと思います。私どもは1年間もオリエンテーションにかけることはできません ので8週間にしています。8週間でどこの部署でもこのぐらいまでは到達できる、とい う到達目標を掲げております。8週間以降は、緩やかなプリセプターシップなど各部署 で工夫しております。OJTではプリセプターシップが終わっても、ずっと先輩が後輩 を指導しています。ですので、オリエンテーションの1つの方法としてプリセプターシ ップを捉えております。 ○村上委員  看護人員についてですが、すごく理想的で、この人数がモデルとしていければいいな と思って聞いていました。新人教育をやるときに看護人員の確保はどうされています か。 ○佐藤委員  これでも現場は忙しくて足りないぐらいです。ケアサービスというのは、すればする ほど無限にいろいろな要望がありますので、これで十分という人数だとは思っておりま せん。しかし、新人教育をするに当たっては、最低の数が必要だということで、この人 数は確保しております。 ○井部座長  看護師は病棟だけではなく、外来、手術室、その他の所にもトータルの看護師数です ので、その点では病棟の配属はどのぐらいの割合でしょうか。 ○佐藤委員  いま井部座長が言われましたように、外来系の配属は130名ぐらいで、3分の1弱で す。特殊領域をのぞく一般病棟系には300名弱で、35床を3人夜勤です。いまは3人で も忙しいので4人にしたいという所も出ています。それだけ患者のニーズが高いという ことと、夜間でもみんな起きているということ、昼夜関係なく医療は行なわれていると いう状況が、私どもには見えておりますので、これで十分とは言えません。520床と申 しましたが、病床利用は460床前後でございます。 ○井部座長  ありがとうございました。続きまして、東札幌病院における新人の看護職員研修につ いて、石垣委員からご発表をお願いいたします。 ○石垣委員  今日は資料6のレジュメに沿ってお話をしたいと思います。まず1〜6をかいつまん で説明いたします。  東札幌病院は、1983年4月にホスピスケアの実践を標榜して開設いたしました。本 年、20周年を迎えた大変若い病院でございます。病床数は243床で、そのうち緩和ケア 病棟が28床、内科病棟が3つ、外科病棟が1つ、全体で5つの病棟しかありません。診 療科目は書いてあるとおりです。  平均在院日数は25.4日、病床利用率の平均は85%、職員数は全体で250名で、その内 看護職員が152名です。入院患者さんの状況が極めて特徴的で、53%から73%、平均し て65%はがん患者さんが占めています。その中でも進行、再発、末期がん患者さんが多 い特徴があります。がんの慢性期から終末期にかけての患者さんが圧倒的に多いという ことです。したがって、倫理的な課題や家族のケア、症状コントロールの技術、個別的 な日常生活を整える技術など、緩和ケア領域の専門性を高めて、生と死に関する諸問題 について考えられるスタッフの育成が課題になります。病院の研修体制は、規模が小さ いですので、病院全体でお互いに育ち合うという仕組です。病院全体の研修体制として は、全体の教育研修委員会による研修が年間7、8回あります。これまでは例えばがん 治療に関すること、宗教学といったように、年間でテーマを決めてやっておりまして、 その間にトピックスが入るという形でした。  臨床倫理委員会による「医の倫理セミナー」は、職員全体を対象にして2カ月に1 回、過去15年間続けております。これは4頁の資料に直近のテーマが載っています。  管理者研修については、役職に就いたすべての管理者が対象です。主に年間のキーワ ードを中心にやっております。これは5頁に載せてあります。学習する組織づくりを大 事にしておりますが、その意味ではこれまで主催した学会等がその右に書いてありま す。緩和ケアセミナーについては、職員全体を対象に月1回、病院全体として教育研修 委員会、あるいは臨床倫理委員会による研修がそのように行われています。あとは部門 ごと、部署ごとになります。  病院全体の研修については、3頁にありますように「教育・研修日程表」が全セクシ ョンに配られます。その月の初めに、その月に行う研修が病院全体に配付されます。で すから、月にどの研修に出るか、時間外の研修に関しても職員がわかるようになってい ます。  看護部の研修は教育委員会が主にやっております。まず、6頁の「看護部教育目標」 です。これは看護部の理念、教育の目標に基づいて、1年目、2年目、3〜4年目、5 年目以上、あるいは主任補佐・専門看護ナース、看護課長・主任というように、大よそ の目安で教育目標を立てています。3〜4年目のチームリーダーになるぐらいの人たち がプリセプターになっています。教育、調整、実践、研究に分けて、看護業務を行う上 で必要な側面ということで、各経年別に目標が書かれています。  7頁の「看護部教育概要」については、大体毎年このような調子で行われています。 プリセプターシップ、新人オリエンテーションから始まって、1年目研修、2年目研 修、3年目研修、プリセプター研修ということです。左にレベル、右には主に時間外の 研修が書かれています。めざす看護理念に向けて成長するということです。  8頁はそれに基づいた年間の教育計画です。1年目研修の中身、日程、対象、方法、 2年目、3年目、プリセプター、がん看護の研修、看護課長・主任研修に至るまで、年 間の教育計画が示してあります。  時間外にする学習会については、専門看護委員会と教育委員会が主に行われます。私 どもの特徴である化学療法やがん看護に関することは、時間内でもちろんプログラムに 組んでありますが、時間外として主に技術的なことを中心に行われています。ホスピス ケアに関しては、事例検討を毎月1度行うということです。  専門看護に関する研修は10頁と11頁に載っています。専門看護委員会が年間計画した 目標と主な学習事項です。例えば「痛みの看護の到達レベル」ということで、初級、中 級、指導者と分けて、大体目標を決めております。部署の研修はここに示しておりませ んが、各部署で機械・器具の操作や治療・検査の介助に関すること、あるいは事故防止 や院内感染対策、事例検討、技術習得に関することなどが多く行われております。  次に、12頁の新人看護研修に対する教育研修についてです。新人の採用については、 年間8名から9名です。病棟が5つしかありませんので、1つの病棟にPCUを除いて 2名ぐらいが限度で多くて3名、3年間で26名の採用です。背景としては、書いてある とおりです。1年目研修の内容は、先ほど示した教育計画の中の再掲です。院内研修に は必ず看護部長が講義を担当することになっています。ですから、必ず全職員に1年間 のうちいずれの時期かに私が話をすることになっています。  集合教育の他に、プリセプターシップによるOJTです。これは新卒1年目の看護師 の教育計画があります。4月から翌年の3月までの目標、内容、プリセプター・スタッ フ、婦長・主任ということで、新卒1年目の看護師にどのようなことを一緒に学び合う かが大よその目標として書いてあります。  技術については、いま評価項目を大幅に見直しております。いまのところはこの技術 表を使っております。入職時3カ月、6カ月、12カ月というように、主に新人とプリセ プター、あるいは看護課長が入って評価をしております。  次は夜勤計画についてです。新人が夜勤に入るのは、目安としては3カ月後ですから 7月を目安としております。個人差がありまして、今年は10月からひとり立ちした新人 もおります。新人の個人差によって一律にはいきません。オリエンテーション夜勤とい うのが、入職時早々にあります。患者さんの24時間の生活を知るということで、夜間の 生活を見る。オリエンテーションの夜勤はここには入っていませんが、4回目まで書い てあります。  専門看護委員会メンバーによる専門分野の研修というのは、専門看護委員会が企画し 運営する新人対象のプログラムです。大事なことは、新人看護職員の指導をする人をど う育てるかということが課題です。直接の指導者はプリセプターで、プリセプター研修 は年間4回実施しております。新人はみんなで育てましょうということで、プリセプタ ーとプリセプティーの2人が孤立しないように、プリセプターとプリセプティーをペア にして主任が見る、看護課長が見る、あるいは教育委員会で見る、院内研修、病院全体 として見るということで、幾重もの輪の中で新人が育つということができるぐらいの規 模で、それが1つのメリットだと思います。  新人の集合教育はOJTと連携して行われますが、いくら集合教育できちんとやって も、OJTとつながらなければ新人が育ちませんので、OJTの責任者である看護管理 者のあり方がとても重要だと私は思います。看護管理者の研修が看護課長・主任研修 で、このところテーマはずっと「スタッフの自律を育てる」となっています。管理者研 修はキーワードに沿って月1回するのですが、これがグローバルに見て、いま医療界で はどのようなことが行われているか。がん医療に関して世界はどのような動向かも含め て、医療人としての考え方、スタンスというものをお互いに考え合う。これはただ考え るのではなくて、実践に結び付かなければいけませんので、トップマネージメント、ミ ドル、スタッフというように段階的に具体化するというシステムになっています。  看護課長会やさまざまな委員会、看護部長との面談を通して、管理者同士が学び合う ということで、新人、あるいは他のスタッフもそうですが、看護管理者の育成、共に育 ち合うことを大事にしております。  新人看護師教育の課題については、いま聖路加の佐藤先生のお話を伺っていて、私ど もの施設でもいろいろ問題はあるなと考えております。私どもの施設の規模でいま問題 と感じているのは、習得すべき看護技術項目の妥当性と評価の基準が不十分で、各セク ションのプリセプターや看護管理者の主観というか、見たところで評価しているところ があります。その辺の評価基準などの項目の見直しを大幅にしておりまして、来月中に も出来上がる予定です。  新人の専門的な精神的サポート体制が不十分です。リアリティーショックやさまざま な問題を持った人たち、あるいは現場の適応がなかなかしづらい人が増えてきているよ うに思います。そういう人たちに対して、職員同士のサポートはもちろんしております が、専門的なサポートで、例えばカウンセラーやメンタルクリニックの先生の力を借り るということがまだ不十分です。設備や施設の面で新人が自己学習をする場所、例えば コンピューターやビデオを見る所が、他の委員会と共用になっており、施設や設備の面 でも不十分と思います。  現在取り組んでいるのは、技術項目の手順と評価基準の見直しです。各項目について は、すべて手順に根拠を入れた冊子を作って、3年目までの新人に持たせて自己学習が できるようにと考えております。プリセプターからの要望があったことですが、プリセ プターとプリセプティーの合同研修、専門的な心理的サポートの方法について検討して います。  到達度の評価については、極めて不十分だと思います。各研修ごとに評価とレポート を出しております。技術の評価が非常に曖昧です。1年目の終わりに患者さんの全体像 がとらえられるという目標を1つ置いていますので、1年生全体が事例をまとめて、そ れを院内で発表することを設けております。大体、この時期までにはきちんと全体像が とらえられるようにサポートしています。  到達度の評価の1つは、個別のチャレンジシートによる中間面接等、年度末の面接に よって到達度を評価しております。研修には大変エネルギーと時間を注いでいますが、 効果はどうかということになりますと、効果の判定がまだ十分ではないと思います。各 研修ごとの評価とアンケート。それから、2年目から3年目になりますと、事例のまと めに例えば患者さんの自己決定を支えるとか、患者さんを中心にした事例をまとめたも のが最近多くなりまして、それを地域の看護研究学会に発表できるようになったのも1 つの効果だと思います。  職員のさまざまな満足度調査の中に、教育研修ブログラムが充実しているということ が1つ入っています。日々行われるカンファレンスで倫理検討シートを用いたカンファ レンスが定着してきたことも1つの研修の効果だと思います。  看護大学の4年生の実習を引き受けているのですが、4年生の中で学校で教わったこ とがそのまま行われているとか、ここの病院の実習では自分が素直に出せるという評価 があって、それも全体の職員の風土、文化というか、そういうものが育ってきたのかな と感じています。概略ですが、以上で発表を終わります。 ○井部座長  引き続き、北原脳神経外科病院における新人看護職員研修について、熊谷参考人から お願いします。 ○熊谷参考人  北原脳神経外科病院でチーフマネージャーの熊谷です。まず当院の理念は、世のた め、人のため、より良い医療、より安く提供する。救急から手術、リハビリ、在宅まで 一貫した医療を提供するというものです。詳しい説明は割愛しますが、簡単に申します と、医者や医療スタッフの都合ではなく、患者様本位のものの考え方をして、無駄な医 療を行わず、経営の効率化に努めて、患者様やご家族への経済的負担を最小にする努力 を行うこと。そして当院で受診された患者様に対しては責任を持って、最後まで看る。 一貫した医療を実施することにより、患者様に対してより的確な医療が提供でき、医療 者にとっては自己の実力を評価でき、専門職として成長の糧となるものを考えておりま す。  当院について説明いたします。当院はこのような理念の下に、平成7年に理事長とそ の仲間によって真に患者様のための医療を実践する理想の病院づくりを目指して開設さ れました。その原動力となったのは、理事長をはじめ主幹となる職員のリーダーシップ だけではなく、すべての職員による啓発的な委員会活動によるところが大きいと言えま す。  病院としての規模が拡大したことに伴う当院の理念の浸透や医療サービスの質の低下 を防ぐために、より望ましい組織のあり方、採用、人事、教育のあり方などが、職種や 年齢に関係なく、自主的に構成された各委員会によって検討されています。例えば新人 職員の意見が病院全体の業務に即反映される、というケースがしばしば見られていま す。良いものであれば既成概念にとらわれない新しいやり方を素早く取り入れて、現状 に満足せず、常に変化し続けている組織ということです。病院というのは、さまざまな 職種が一体となって業務を行うために、ともすると連携がうまくいかず、それ故にリス ク管理上の問題が生じたり、医療サービスの質が低下するおそれがあります。当院にお きましても、若干その傾向が見られているのが現実です。  いわゆるセクショナリズムの打破をすることがより良い医療を目指すことにつながる と考え、4月から5月にかけて新人職員を対象として全職種の混成チームを作って、全 部署をローテーションして相互の業務への理解に努める研修を実施したり、医療サービ ス統合部による医療活動に評価や問題解決、質の向上を図っています。現在、医療サー ビス統合部は、ISO9001の認証取得のためのプロセスにおける中心的役割を担っ ていますが、ISOを軸として当院の医療サービスを見直して、問題を解決するための ツールとして認証取得を位置づけています。  当院は、社会の動きに敏感であること、業績を伸ばしている企業に学ぶことが医療経 営、医療活動に必要であると考えています。したがって当然ながら、IT化を推進して おり、電子カルテやバーコードシステムによる経営、業務の効率化とリスク管理はもち ろんのこと、当院のようにフラットな組織を成立させるためには、イントラネットの充 実が前提となります。電子会議、メールによる業務連絡や相談、イントラ上のフォーム を使って、誰でも業務改善の提案ができる「プロジェクトつばさ」の利用によって、ス ピーディーかつ確実な情報伝達や意思決定が行われています。  次は「フラットな組織の構築」についてです。当院は極力フラットな組織を目指して 改革を続けております。軍隊や多くの企業、病院が典型的なピラミッド型組織であると 思いますが、当院はこの組織の弊害に着目し、それとは異なる組織、つまりフラットな ファーム型組織を作ろうとしています。ピラミッドと言えば底辺の最も現場に近い立場 の人間が、さまざまな状況において自分で判断せず、上司の指示を仰ぐといったやり方 は、医療現場においてはリスク管理上も医療者自身の専門職としての成長においても、 多くの問題を生じさせます。  患者様に接する個々の専門職が実力をつけ、自ら考え、行動できる自立したプロ集団 でありたいと当院は考えております。そのために職員教育を重視しており、中でも看護 師の教育に関しては力を入れております。看護師は医師やコメディカルよりも圧倒的に 人数が多く、また医療サービスの最前線で業務を行うことから、当院の医療の質を左右 し、評価を決定づける重要なファクターであるにもかかわらず、優秀な看護師の確保や 定着が困難であるという事情があり、看護師教育は病院全体の課題と言えます。  教育的環境を作り出すには、全職員が自他ともに成長しよう、育てようという強い意 思を持つことが大前提ですが、自己の医療活動の結果がダイレクトにフィードバックさ れ、成果が明確になることでモチベーションの維持、向上を図れる組織なくして、教育 の成果は現れにくいと考えております。したがって、フラットな組織の改革、構造改革 はすなわち職員教育の環境づくりとなっているのです。  「看護部の組織」については、フラットな組織と言いましても、多様な形態があると 思います。看護部では、臨床看護とマネージメントという2つの軸を置き、臨床看護と してはアドバンストナースとアソシエイトナース、マネージメントとしてはマネージャ ーとスタッフというように、両軸の要素を組み合わせたマトリックス型の組織となって います。すなわち看護師としてどのようなキャリア形成を志向するのかにより、臨床面 でのエキスパートに重点を置く場合には、臨床面においてはアドバンストナース、マネ ージメント面ではスタッフとなります。  逆にアソシエイトナースであっても、マネージメント面ではリーダーシップを発揮し て特定分野、業務のマネージャーとなるケースもあります。臨床看護の側面において は、アドバンストナースたちが優れたケアを追究し、実践すれば医療サービスの質の向 上が図れますし、臨床看護の役割モデルとして若い看護師の目標となります。  一方、マネージメントにおいては、それぞれのマネージャーたちの活躍により、患者 さんへのより良いケアの実践をバックアップし、同時に自分たちが生き生きと働ける職 場づくりを主体的に創造し、自らの満足度を高め、ひいては病院の発展に貢献するとい うことです。  従来、婦長・主任が担っていた看護ケア以外のさまざまな業務を、複数の看護職員が 担当して円滑に機能させるために、全体の総括や調整を行うのがディレクターであり、 ディレクターとともに各マネージャー業務の連携を図り、活動を推進させるためにマネ ージャーへのサポートを行うのがチーフマネージャーとなっています。教育に関しては 担当マネージャーが中心となって活動しております。  次に新人教育を例にとって説明します。新人教育については、当院でも2年前までプ リセプター制による新人教育、看護師の教育を行っておりました。ところが、プリセプ ターの力量により、新人の成長度にバラつきが見られたことや基礎からマン・ツー・マ ンで指導を行うために、膨大な時間とエネルギーを費やし、その結果、プリセプターへ の負担が増大して、意欲の低下を招くなど、いくつかの弊害が指摘され、新人教育の方 法を見直す必要がありました。  この背景には、当院に入職した新卒者の技術力の低下、知識の乏しさ、自己学習力の 未熟さがあり、一方、プリセプターも役割の認識が不正確であったり、プリセプターへ の指導方法の伝授やサポートシステムを整備できなかった管理レベルの問題もありま す。プリセプター制そのものというよりは、その運用方法が的確でなかったとも考えて おりますが、これらの看護師教育の問題点を整理して、今後はどうあるべきかを一から 検討した結果、看護師教育は教育力のある看護職員、教育担当マネージャーが中心とな り、教育計画の企画から実践、各病棟の指導担当コーチやスタッフとの調整など、マネ ージメントを行う。指導に専念できるよう、担当者は教育に関する専任職員とする。教 育担当者は具体的な指導のみならず、心理的サポートも行い、リアリティーショックへ の配慮やモチベーションの維持・向上に努めるように配属することになっています。  次に、当院独自の看護システムであるアドバンストナースについて説明します。当院 の理念を受けて、看護師も入院、手術からリハビリ、在宅までの全過程において、一貫 した看護ケアを提供したいと考え、部門や病院の枠を超えて患者を受け持ち、質の高い 看護ケアを提供する看護師、つまりアドバンストナースを育成し、アドバンストナース とアソシエイトナースの組み合わせによるケアの仕組を構築しているところです。アド バンストナースは受け持ち患者のケアに関する責任を持ち、ケアプランの立案を行い、 アソシエイトナースへのケア実施の依頼と指導を行います。緊急手術や急変などの予測 できない場面にも対応できるように、24時間オンコールによるフレックスタイム制の勤 務形態を考えております。受け持ち患者へのケアの業績に応じた年俸制を導入していま す。  アドバンストナース育成に関しては、現段階ではアドバンストナースシステム養成プ ログラムとともに、トライアルの域を脱しておりませんが、実力のある看護師にとって はこのように自由度の高いやりがいのある看護方式に魅力を感じるようです。当院にお ける新人教育は、将来アドバンストナースになるための教育であると位置づけ、1年間 かけてすべての部署と病棟ローテーションをしております。これに関しては表1と表2 を参照してください。  平成15年度の新人教育の現状を報告します。合同研修終了後は、年度末まで看護部に おける研修に移行します。指導の進め方としては単純なものから複雑なものへ、基礎か ら応用へ、具体から抽象へ、あるいは身近なものから学習者が興味のあるものへなど、 できるだけ段階的に実施できるように配慮しています。しかし、実際に患者様と接する 研修であることから、リスク管理や業務遂行に支障のないようにといった現実的な事情 を勘案し、今年度は資料のような年間スケジュールを組みました。これに関しては表4 になります。  まず3週間の技術研修を行い、基礎的な看護技術の習得と看護過程の学習、脳外科看 護に関する知識の学習を行いました。3週間の内容に関しては表3をご覧ください。  その後は病棟への仮配属を行い、各病棟の指導担当者、コーチによる病棟という環境 への適応を促すこと、実際の業務を体験させること、三交替勤務における自己管理を考 えさせることなどを課題とした研修を3カ月実施しました。その後は順次ローテーショ ンを行い、年度末には本配属を決定します。その間、定期的に教育マネージャーや外部 コンサルタントによる面接を行い、精神的サポートを行っておりますし、知識の定着を 図るために、ペーパーテストを行なったり、技術面では臨床コーチによる指導と評価の 他に、看護監査担当者によるチェックも予定しております。以上が、今年の新人教育の 全体の流れです。  最後に、新人教育の課題として、今年度の新人教育を実践してきた中で多くの問題が 表面化し、今後の課題が明確となりつつあります。  まずは指導者教育の充実を図る必要があります。教育の仕組を活かすのは指導にかか わる指導者であり、新人指導の主な担当は教育マネージャーおよびコーチであっても、 実際には看護職員全員とかかわることになります。したがって、例えば2年目のスタッ フや中途入職した研修中のスタッフに対しても、新人教育のねらいとスタッフの役割、 指導の基本も十分に理解してもらうようにしないと、新人が戸惑う場面が生じたり、不 適切な指導によって意欲低下を招く結果となります。  アドバンストナース育成プログラムの構築を急ぎ、各年次での達成レベルをより明確 化する必要があります。それにより、今後の1年目教育の目標がさらに重点化されるこ とと考えます。  看護技術、知識の指導については、これまで以上に基礎の基礎から確認する必要があ ります。「知っているはず、わかっているはず」は通用しないことを肝に銘じ、きめ細 やかな指導とチェック体制を検討したいと考えています。おそらく看護業務監査の方法 と内容を詰めていくことで、全体としては解決に向かうと思われますが、日常業務にお けるリスク管理の観点から、病棟スタッフの相互の学び合いとチェック機能の発揮が可 能な方法を検討したいと思います。  新人は私たちの想像以上に不安と緊張が強く、研修が進行するに従って、自分たちの 至らなさを自覚して落ち込むことがあります。今年はこれまでに自己解決ができないた めに業務に支障が出たり、休職や退職に至るケースが発生した事実を重く受け止め、問 題の本質を見極めることと、今後の支援体制づくりに努力したいと考えております。以 上で当院の発表を終わります。 ○井部座長  お二人の発表についてご意見、ご質問をお願いします。 ○竹内委員  いまの北原病院の説明では、既卒10名、新卒16名とありますが、同じプログラムでや るのですか。 ○熊谷参考人  実施している2カ月の合同研修というのは、看護師だけではなくて全職員を参加させ ます。中途入職の既卒者に関しては2週間の短期研修という、全部署をローテーション するような研修を組んでおります。 ○高橋委員  同じような質問で、東札幌も学歴が違いますが、新人は一緒の研修になるのですか。 ○石垣委員  全部一緒です。 ○高橋委員  学歴の違いというのは、研修をしていてどんなふうに出てくるのですか。 ○石垣委員  学歴の違いというよりは、個人差だと思っております。例えばすぐに適応する人もい ますし、今月になって初めて夜勤ひとり立ちという人もいるわけで、やはり学歴よりは 個人差です。最初に入職したときに、例えば技術のチェックなどをしますが、それにつ いては多少差があります。しかし、半年経った今、教育の背景の違いというよりは、む しろ個人差だと思います。これが2年、3年と経つと、多少変化が見えてきますが、新 人に関しては教育の背景の差は感じておりません。 ○井部座長  他にございますか。 ○山田委員  石垣委員にお聞きします。3年間は新人として見ているというご発言がありました が、その辺は病院としてどのようにお考えですか。 ○石垣委員  現実問題として、ナースとしていわゆるひとり立ちができると言うには、最低3年間 はかかると思います。1年目の目標は、ある程度日常の技術ができるとか、看護過程が 展開できるということがありますが、ナースとしてひとり立ちできるには3年は見たほ うがいいということです。3年間は新人と言ってもレベルがありますが、3年までは将 来、専門職として自立していくための基礎の人たちという見方をしております。そうい う面では院内研修でも、ひとり立ちするまでのサポートをすることを強調しています。 3年までは新人という考え方です。 ○瀬戸山委員  お二人とも精神的サポートを強調されているように思います。そういうこともあろう かとは思いますが、卒前実習とか、卒前教育との絡みで、特にこういうことがある、こ ういうようなサポートをしなければいけない、原因はこう思う、そういうことがあれば もう少し詳しく教えてください。 ○石垣委員  基礎教育といまの現場のギャップというのは、これまでの検討会でもお話されてきま したし、いろいろな発表があったと思います。現場の変化と、基礎教育の現場への適用 までに時間がかかる。その間に、新卒の人たちがいわゆるリアリティーショックという のを体験いたします。看護技術もできない、患者さんも看られない、うまくスタッフと 話ができない、そういう新卒の人たちのナースとしての出発点と現場の状況の間にはす ごくギャップがありますので、そういう面では精神的に落ち込んだり、場合によっては 自分はナースに向かないのではないかと悩んだり、抑うつ状態になったりということが ままあります。ですから、そういう新卒の人たちの状況を私どもが把握し理解して、な るべく細やかに対応することは必要です。しかし、外部の専門家によるサポート体制 も、今後はますます重要になってくるのではないかと私自身は考えております。精神的 なサポートというのは本当に重要だと思います。 ○熊谷参考人  いまご発言があったこととほぼ似ているのですが、いまの新人の方たちは個人レベル でのちがいはありますが、病院の中の業務にしても社会人としての考え方にしてもかな りギャップが生じている現状があると思います。看護師という職業に関して考えると、 やはりコミュニケーションというのは絶対的に仕事の現場で必要なものと思いますが、 コミュニケーションがとれないという問題が生じています。知識はだいぶ学校で学んで きているのですが、現場とつなげて考えることができなかったり、いわゆる応用や処置 に関しての技術がないということも考えられます。そういった中で私たちができるサポ ートは、もちろん個人の差があったり、出身校によって差があったりしますが、当院に 入ってきた新人に関して皆、平均的に差をもたせることなく提供しており、さらに精神 的サポートも行い、必要であれば院外で専門のサポートをしてくれる方を招いたりしま す。管理と臨床から離れることなく、特に教育をメインでやっているような方たちも、 臨床の現場を離れていないのが現状ですが、現状を知っているからこそ分かるというこ ともありますので、そういった方たちに時機を見て面接、面談、プライベートでの集ま りといったことも考慮して、集中的にケアをしていくことを考えております。 ○瀬戸山委員  いまの質問は、次の検討の課題につながっていくと強く思っています。前回、卒業さ れた方がどういう就職状況ですかという話をしたときに、就職されないとか、看護師の 免許はとったのですが、看護師として就職していない、違う方面に行っているというこ とです。医師は特別でしょうが、他の職種もそんなに多くはないのです。そういう仕事 に就いているのですが、看護職には就いていない人が多いのではないかと思ったので す。それは結局、卒後の到達目標という問題になるのでしょうが、卒前教育の問題との 絡みがものすごく大きいと思うのです。そこをもう少ししながら、次のステップを踏ん だらいいかと思いますし、非常に貴重な発表だと思い、コメントを申し上げました。 ○川村委員  新人の教育プログラムにうまく導入していくには、リアリティショックを緩和するた めの新人への準備が必要と思います。そのためには国家試験が終わった後の就職前の約 1カ月が特に重要で、この時期に前もって業務のことをわからせるための就職前教育ツ ールをお持たせになっているのではないかと思ったのです。卒前卒後という一連の流れ の中で、ちょうど過渡期のフリーな1カ月を利用することは、とても大事なのですが病 院に来させて教育をすると、日当を払わなければいけないとかいろいろ制約もあってで きていないところが多いのです。業務もさっぱりわからないのに、いきなり現場に飛び 込まされることが新人を適応困難にしている理由にもなっているように思います。そこ で発表されたお二方に、就職前にプレ新人教育プログラムのようなものを持っておられ るのかお伺いしたいと思います。 ○石垣委員  私のほうは特にしておりません。 ○熊谷参考人  現在行っていることは、業務体験をしていただき、オリエンテーション、施設見学と 理事長との面接により、当院の理念をより理解していただく形をとっています。それと 職員全体に関しては合同説明会を行っておりまして、1日かけて説明しております。  採用・内定した者に関しては、国家試験前のことですが試験対策として、当院に就職 する卒業予定の方々に対しての講習会、勉強会を開き、顔合わせをして仲間意識を高め ていただくようなことは行っております。 ○井部座長  各施設の研修状況についてはこれで終わります。次に、第2回までのワーキンググル ープの検討状況について山田委員、村上委員から発表をいただき質疑をしたいと思いま す。 ○山田委員  資料8-1の「到達目標」ですが、新人看護職員到達目標のグループでは、前回の検 討会でも提示があったように、到達目標の考え方、到達目標の内容、到達目標の達成時 期、修得方法についてそれぞれ1回目で説明を伺ったあと、2回目までに各自が案を考 えて持ち寄り、2回目で検討しました。その中で共通理解ができたものだけを今回お示 ししておりますので、まだ進んでいない現状ではあります。  「到達目標の考え方」は、就職した施設、配属部署を問わず、新人看護職員が卒後1 年間でどこまで到達してほしいかで検討しております。したがって、配属部署によら ず、「新人看護職員が卒後1年間で到達すべき内容」としました。1年間で到達する内 容を前提として、さらに1年間の中で到達目標を段階的に示すかについては必要ではな いという意見もありますので、今後検討していきたいと思います。  「到達目標の領域」は、到達目標として何が挙げられるか検討したときに、初めに挙 げたのは看護実践で、看護実践に必要な内容として知識、技術、態度の3領域が挙がり ました。技術を提供するためには、技術の中に当然知識と態度は含まれてくるのです が、より目標を明確にするためにも知識、技術、態度の到達目標として明示していま す。  「管理」については、新人であっても管理に無関心でいいはずはなく、業務における 自分の役割を果たすことや安全を考えた行動を意識すること、経営観念といいますか、 無駄をしないことも必要ではないかということで検討しています。そのために業務管 理、安全管理、物品管理、薬剤管理、感染管理、情報管理、コスト管理等を含んだ内容 を挙げております。  教育研修については、1年間で到達目標を達成するためにも、研修とか自己啓発等の 教育が必要であるという意見が出ております。研究は、新人看護職員に看護研究を求め ても、仕事を覚えるのが精一杯で難しいだろうと考えました。また、施設によって看護 研究をどこまで求めているかの情報もないので、この辺は非常に論議が分かれたところ です。  しかし、科学的根拠を持った看護実践をするためにも、わからないことを自分から調 べる行動や姿勢、他の人の研究発表を聞く姿勢は必要ではないかということで、ここは 教育と研究と分けずに、教育・研究ということで挙げております。  以上のことからの看護実践の到達目標を次のように設定しました。1)として、基本 的な看護技術を習得し、看護過程に沿って安全なケアが実践できるということ。2)と して、医療人として必要な基本姿勢と態度を身につける、ということです。管理および 教育・研究の到達目標については、まだ検討しておりませんので、次回に出したいと思 います。  さらに看護実践の内容を考えるということで、看護実践の技術の項目の見直しに入り ました。表1は、前回の基礎教育の検討会で出された技術内容をベースに考えていま す。「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会」において示された看護 技術を基に検討し、さらに必要な項目を加えたことが1つ目です。追加した項目は資料 の中ではアンダーラインを引いてあります。特定の領域のみで用いる看護技術について は削除しましたが、基礎看護教育との関連及び特定領域において必要な項目として位置 づけると再検討が必要であると思われます。「削除」という言葉を使っておりますが、 一時削除しまして、これは本当に必要かどうか、それとも特定の領域に入れたほうがい いのではないかという辺りは再度検討が必要になります。これらの項目について、資料 の中では2本線で消しております。  表に示された看護技術の実施に必要な知識も到達目標に含むこととしました。設定さ れた領域に含まれないもの、つまりコミュニケーション技術や看護過程の展開等の技術 の位置づけについては今後検討していきたいと考えています。その他にも第1回検討会 のワーキンググループの資料にもあった到達目標の達成時期、修得方法、評価方法につ いては今後検討していく予定です。  削除した「沐浴」等については、どこでも経験できないということで消しておりま す。ただ、これはもう少し時間をかけることが必要だと思っております。例えば経管栄 養法はどこでも経験できるものではない、ということで削除されていますが、新人看護 職員が1年後にこのことができなくてもいいのかということも論議のあるところですの で、引き続き検討していきたいと思います。  今後位置づけを検討する看護実践項目としては、コミュニケーション技術、看護過程 の展開、精神的ケア、家族のケア、死後の処置等が挙げられています。簡単な報告です が、ワーキンググループそのものも時間が足りなく、まだまだ課題が多い現状ですが、 今後検討していきたいと思います。 ○井部座長  続きまして「新人看護職員指導指針作成のワーキンググループ」について、村上委員 からお願いします。 ○村上委員  資料8−2をご覧ください。ワーキンググループを2回開催しました。検討会でのプ レゼンテーション等、あるいは各ワーキンググループのメンバーの各病院の資料等を交 差させながら考えてきました。1番目の「新人看護研修の考え方」については、3点の 項目を掲げて、この考え方を明確にしようと試みました。いずれにしても、新人の看護 職員の研修は組織として、病院としてきちんと取り組むべき位置づけを明確にすべきだ ということが根底にあります。そういう意味で、新人看護職員研修の必要性ということ で4点挙げております。この中で、医療サービス提供者としてということがキーワード として挙がりました。育成するには施設全体で取り組む社会的使命があるということで 話を煮詰めていきました。当然、安全な医療を提供ということは絶対不可欠な問題だと 思います。  2番目の「新人看護職員研修期間」については、それぞれ今日のご発表にもありまし たように、3年間と見る、1年間と見る。今回はここは1年間という形で新人看護研修 の期間を設けて、それでこの指針をきちっと作成しようと考えています。  3番目の「指針の内容」については、ここもたくさんの問題が提起されましたが、何 しろ200床以上1,000床という幅広い医療施設で新人が勤務をします。そういうことを勘 案しまして、まずこれを事例的に提示をしていったほうがいいのだろうかということも 含めて、いまこれを煮詰めているところです。当然それぞれの病院の連携システムを強 化して、病院を通し、あるいはそういう大学等の関連をうまく使って、教育機関との連 携をうまく使いながらこの指針を作成できればということも考えています。その病院の 理念に基づくことがいちばんの骨子だということを今日のプレゼンテーションでもよく 学習できましたので、まず医療人としてのあるべき姿、その人の技術教育に関しては人 間を対象とするところでの倫理の問題がここでとても大きくなりました。  技術教育にしても対象をよく認識をしておかないと、誤った知識がリスクではかなり の問題です。自分が出来ない、出来ることを自由に発言できる、遠慮なく言える組織風 土づくりもここで検討に入れました。そのために被る後輩への理解では、いま言ったよ うなリアリティショックということで、この心理面へのサポートは絶対欠かせないこと だろうということで、いまは新人だけが悩んでいるのではなくて、教える側も悩んでい て、何年前に遡ればいいかはわかりませんが、現場の婦長がそれを支えてこられた時代 からはかなり変わっていて、私も婦長が新人よりも悩んでいる現実に突き当たってい て、この組織風土をどうしたらいいかが課題かなと思います。  2.「病院の指導体制」です。その中では新人看護職員の管理体制として、院長以下 各部署に至るまでの組織図をきちっと明確にしなければいけない。そこそこで、どうい うことをきちっと新人に教えていくかのサポートシステムを明確にすべきだろうという 話をしています。そういう意味では、到達目標のワーキンググループとの関連性もよく 話し合いながら、この指針の持つ意味が深められて、意味のあるものにならなければい けないのではないかと思います。この中で大きな問題は評価の問題です。今日もプレゼ ンテーションでいろいろなことを教えられましたので、この評価についてはとても重要 で、やりっぱなしでその人が先輩になったときに誤ったまま、あるいはきちっと評価を 受けないままに先輩の指導者になっていることは多分あるだろうと考えながら、この指 針を深めなければいけないと思っています。  特に人的確保についてはとても意識をしていまして、本当に荷車にたくさんの新人を 乗せて汗だくで歩いていると言われたことがあって、これはどうしたらいいものかと4 月から夜勤に入る時期を重点的に人の配置をしないと、かなり難しい問題です。かなり 努力して業務を整理することもとても重要なのですが、それがなかなかうまくいかない 中でどう知恵を出していくかがいま問われます。それに付随して、予算と物的資源も当 然重要なことになります。  2つ目の○の職員の指導体制は、部署との指導体制とリンクしますので、ここでは深 くつめていません。教育方法については機会教育、集合教育が挙げられています。評価 は先ほど言ったチェックリスト、能力達成度、キャリア開発はやっといま少しずつ病院 の中で意識されて取り入れられてきます。あるいはレポートによる評価等。この評価 も、今回はまだ深められていません。  3.「各部署の指導体制」ですが、いずれにしても実践へいかにスムーズに移行させ るかが重点になると思います。当然プリセプター制を取っている病院も増えています が、プリセプター制のいろいろな意味での問題も背景にありますので、そのことも鑑み ながらいかにチーム医療に持っていくか。要するに共同でこの新人を教育していくこと の重要性、コミュニケーション技術も含めてそういうものもきちっと指針に入れなくて はならないのではないかと考えています。各部署でもさまざまな取り組みがありますの で、これもモデルケースとして例示をしていくかについても意見を交換しているところ です。  4.「新人看護職員の指導者育成のあり方」については、とにかく組織として人材育 成をどうするかを基盤に考えながら、この部分はまだ深く検討に入っていませんので、 今後の課題にしたいと思います。以上です。 ○井部座長  ありがとうございました。2つのワーキンググループの方向性もしくは骨格について 少しご意見をいただきたいと思いますので、残りの時間でお願いします。 ○星委員  資料8−2の1頁目の下のほうに「他病院、大学等との連携を考慮する」。大学はさ ておきまして、私は近くに聖路加病院があったらよかったなと思っていますし、資源の 限られた中で新人教育をしていく病院、それは人材も他の資源もそうであるという意味 では大きな病院なり大学も含めてなのかもしれませんが、他の病院なりがどれだけ関わ れるのか。これは医師の養成においても非常に重要なファクターであるし、新人教育に もたぶん大切なことだと思いますので、これが入っていることは非常に良いと思います が、後ろを見ると具体的なことの議論がまだ進んでいないと思いますので、資源の足り ないところに資源を持ちなさいというメッセージも大変重要だと思いますが、足りない なりにやるとすれば、どういう支援が地域の中で可能なのかを是非ともお考えいただき たいと思います。 ○廣瀬委員  到達目標ワーキンググループの1頁の3.「到達目標」の中に、看護実践の1)、2 )、これに続いて4.「到達目標の内容(表1)」となっています。表1は基本的な看 護技術の修得を網羅していると思いますが、根拠に基づいた安全な実践、確実な実施そ して患者の年齢、病態などの特性や状況に応じた看護技術の方法の選択もいれて欲しい と思います。いかがでしょうか。 ○山田委員  ありがとうございました。当然これらの項目だけでは見えないのではないか。技術を 提供するためには知識、態度も含まれるので、その辺をどう現わしていくかはワーキン ググループの中でも検討されたところなのですが、それらについてはいまの意見も参考 にしまして、今後も引き続き検討していきたいと思っています。 ○高田委員  いまのに関連して、特に1)の「看護過程に沿って、安全なケアが実践できる」とい う書き方ですと、基礎教育との区別化といいましょうか、あまりはっきりしない気もし ます。とても難しいことだと思いますが、患者さんの状況、難易度の要素や看護チーム でのケア提供、その中で自分がどういう役割なのか。もちろんプライマリナースになる かどうかというケア提供の仕組はさまざまだと思いますが、看護はもともとチームでの という性質はとても強いものがあると思いますので、そういったところを組み入れたよ うな到達目標をこれに続けて出していただけると、1年後に実際にこの新人がどんなふ うになっているかが、かなりはっきりと分かるのではないかと思いますが、いかがでし ょうか。 ○山田委員  おっしゃることはよくわかります。看護過程の展開の技術も看護実践にとって技術の 1つではありますが、それで是非織り込みましょうということで入れたのですが、その 辺のところもいまのご意見も参考にしてどういう形で出せるのか、あるいはこれをその まま使って、そのほかに別な形で出したほうがいいのか、それともこの目標自体をもう 一度見直したほうがいいのかを含めて、また検討していきたいと思います。 ○高田委員  個別ケアだけではなく、ある2つの病室とかの複数の患者を持って、その中で患者さ んに必要なケアを組み立てていく力はまさに看護実践能力だと思います。1)のような 書き方だと、そういう側面も全く見えなくなってしまうので、難しいとは思いますがそ ういったところをよろしくお願いします。 ○山田委員  どの施設においても、どの部署においてもということが前提にあったものですから、 できるだけどこでも共通で使える表現ということでこういう表現になったのですが、ま た引き続き検討したいと思います。 ○井部座長  確かに臨床状況を含めて取り入れた目標があるといいですね。 ○竹内委員  資料8−1の2.「到達目標の領域」の「看護実践」について、それから、表1の「 看護実践の内容」、聖路加病院からお出しいただいた18頁の「新人に対する評価」等を 踏まえて、実践というのは3つの技術に集約されるのではないでしょうか。診断技術、 ケア技術、人間関係形成技術です。私は実践には卓越した技術を必要とするという考え から、この診断技術、ケア技術、人間関係形成技術を教育の中心に置いています。技術 とは知識を基にしたものです。言い換えれば人間関係形成技術は、対人能力と置き換え ることができると思います。とりわけ、その対人能力が今のところいくつかの問題を抱 え、新人教育の中でも心の対応も含めて解決が迫られていると思います。このような考 えから、臨床実践能力は、先ほど到達目標のワーキンググループの中からお示しいただ いたものを3つの技術に分けることができるのではないかと思いましたので、発言させ ていただきました。 ○井部座長  では参考にしていただいて、引き続き検討をお願いします。 ○川村委員  表1の「看護実践の内容」の下から2番目に「安全管理の技術」と書いてありまし て、安全確保、転倒・転落・外傷予防、医療事故予防など、非常に観念的・抽象的な言 葉が出ています。これにとても違和感を感じています。医療事故予防はすべての基本的 看護技術の中にあります。ある患者さんにはこれをしてはならないとか、こういう状況 でこれをしてはならないというものがあります。あたかも特殊な事故予防の方法論が別 にあるかのように総論的に出されていても、何の役にも立ちません。すべきことと、し てはならないこと、それはどういう状況、どういう患者さんになのかの基本的なものだ けはこの中に、それぞれの各論に明確に盛り込んでいただきたいと思います。 ○井部座長  ありがとうございました。この資料8−1の到達目標、看護実践の目標なのですが、 私は「安全なケアが実践できる」よりも「安全にケアができる」としたほうがいいと思 います。もし、その文言を含むのでしたら、安全にケアをすることはどういうことかを すべての項目に網羅するような形で、安全ということを形骸化しないようにしていくほ うがいいと思うこと。それから、看護過程がここにポンと出てくるのも私も高田委員と 一緒で、なんとなく違和感がありまして、これも検討の余地があるかなと思いました。 ○廣瀬委員  特に今日のワーキンググループの内容は、時間がありませんので次回もう一度検討と なりませんか。例えば、こういうものは削除すべきでないと思うところもたくさんあり ますし、いくつか「今後、今後」と言っていますが、連動するものがたくさんあると思 いますし、この辺は次回必ずもう一度とか、どうなのでしょうか。 ○井部座長  技術項目を羅列すべきかどうかも私は議論の余地があると思っていまして、事務局に 振りますが、今後の予定としてはどのようになりますか。 ○岩澤補佐  第3回の検討会の前に、2回のワーキンググループを予定していますので、次のワー キンググループを開始する前に検討会を開くのは日程的に無理ですので、できましたら 今日のご発表と資料を基にこういう観点で検討してはいかがか、あるいはどうなってい るのかという疑問についてワーキンググループで生かして早速検討いただきたいと思っ ていますので、ご意見を紙でお出しいただけますか。 ○山本委員  12月24日の第3回の検討会は、どういう内容になりますか。 ○岩澤補佐  ワーキンググループでまとめたそれぞれの成果が出てきます。それについてご検討を いただくことになります。 ○山本委員  かなり完成品が出来てくるということですね。 ○岩澤補佐  ワーキンググループでの検討を終えたものが出てきます。また、ワーキンググループ へということは考えていません。 ○井部座長  成果をこの検討会で修正することは可能であるということですか。 ○岩澤補佐  はい。 ○高田委員  ここで見て直すにしても、ここでというのはちょっと無理があるのではないかと思い ます。 ○星委員  慌てずにやられたらいかがですか。みんな心配を持っていますし、そのワーキンググ ループでの検討結果が最終的なものとして12月に出てきて、さあ、どうだこうだといっ たときに、まとまるとは到底思えませんので、その先も含みだということを言っていた だければ皆さんは安心されると思います。 ○田村看護課長  いま補佐が申しましたが、当初の予定では本検討会を4回でと考えていましたが、先 生方のご協力をいただければもう一度、二度と開くことについては差し支えないと思い ますので、十分なご検討をいただきたいと思います。いずれにしても今後12月に第3回 の本検討会を開くまでの間に、2回のワーキンググループの検討を重ねていただきます ので、その結果をまずはご報告をさせていただくことにしますが、さらに検討あり得べ しということで進めさせていただきたいと思います。 ○瀬戸山委員  こういう素晴らしい検討をされることは非常に評価できますが、医師側から見ると、 先ほどの教育指導体制や教育プログラムが事前に知らされて就職することは、いままで ほとんどなかったわけです。やっとマッチングシステムが入ってきて、そういうことが されようとしているのかなという感じなのです。現状の看護職員が医療機関側から情報 開示をきちんとされているのか、それを見て就職しているのか、逆に言えば教育機関側 がこういうものを持って臨床指導、臨床実習していることの接点がうまくできているの かとか、こういう問題が次のステップに大きな問題になると思います。そういう観点も 入れた中でのワーキングを是非ともお願いしたいのです。コメントとして申し上げたい と思います。 ○井部座長  ワーキンググループに関するコメントは、改めてまた文面などでお知らせ願いたいと 思います。今後の予定について事務局からお願いします。 ○岩澤補佐  本日の資料8についてのご意見は、次回のワーキンググループが11月10日ですので、 その2、3日前までにお寄せいただければと思います。  本検討会の第3回は12月24日の10時から開催させていただきます。会場等詳細は、後 ほどご連絡申し上げます。第4回を年の明けた1月から2月にかけて開催したいと思い ますので、ただいま日程調整表をお手元にお配りしています。ご記入いただきたいと思 います。スケジュールが不明の委員は、後日ファックスでご連絡いただきたく、よろし くお願いいたします。 ○井部座長  本日も時間がオーバーしてしまって恐縮ですが、本日の検討会はこれで閉会にしたい と思います。ありがとうございました。 照会先 厚生労働省医政局看護課 岩澤 田母神 連絡先 03−5253−1111 (内線2599、2594)