03/07/30 障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会(第5回)議事録         障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会                   (第5回)       日時:平成15年7月30日(水)14:00〜17:00       場所:厚生労働省(中央合同庁舎5号館17階専用第21会議室)  江草座長  ただいまより第5回障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会を開きたい と思います。皆さん、お忙しいところを、しかも天候の悪いところをありがとうござい ました。それではまず事務局から本日の委員の出欠状況、本日の進め方と資料について の御説明をお願いいたします。  高原課長  お忙しい中をお集まりいただきまして、事務局からも御礼を申し上げます。本日の出 欠状況でございますが、渡辺俊介委員が御欠席ということでございます。あとは大森委 員、竹中委員、高橋委員、大熊委員は少し遅れてお見えになる予定でございます。傍聴 の関係でございますが、今回も多数の御希望をいただきましたので、抽選をさせていた だいておりますことを御報告させていただきたいと思います。  それから今日の進め方でございますが、議事次第を御覧をいただきたいと思います。 議題の1でございますが、前回に引き続きまして関係者からお話を聞かせていただくと いうことで、自閉症の関係で日本自閉症協会北海道支部から佐藤裕さんにお越しいただ いております。それから地域のケア・ネットワークの実践例といたしまして、横浜市の 桑折良一さん、それから長野県の北信圏域の福岡寿さんからお話を聞かせていただくと いうことにいたしております。ヒアリングの進め方ですが、前回同様それぞれの方から のお話を20分程度ということでお願いできればと思っております。質疑応答や意見交換 の時間をそれぞれのお話のあとに取らせていただきたいと思っております。  それから議題の2といたしましては、データ収集の進め方につきまして、前回お話を させていただいたわけですが、何人かの委員の皆さんから御意見をいただいております ので、その御意見への対応も含めまして、事務局の方から御報告をさせていただきたい と思っております。  お手元にお配りしている資料ですが、資料の1から3までが今日お話をいただく皆様 からいただいている資料です。資料4がデータ収集の進め方について、これは事務局か ら提出させていただいている資料でございます。資料5が前回第4回の議事概要という ことです。資料の不足などがございましたら事務局にお申しつけください。以上でござ います。  中西委員  この議事の進め方なんですが、いまそういう提案がございましたが、前回知的の当事 者の委員参加のことについて結果を報告いただくということが据置きになっているの と、この前の発言もちょっと誤解を生んだようなので、僕は委員参加をぜひとも正式に やっていただきたいということ。  もう一つ、この委員会ができた成り立ちはやっぱり1月の問題でして、来年度のいま 予算要求、概算要求が始まる時期で、今日を逃しては次回概算要求は終わっているわけ ですね。我々としてはこのホームヘルプのことが本当に概算要求でのせられるのか、き ちんと発言いただかないとこの会議をもった意味自体がないわけですよ。あるいはこの まま流して、いま次回8月末まで置いておきましょうというわけにはいかないですか ら、これは他の議題を飛ばしてもぜひ今日話していただくか、確実に去年と同じだけ予 算を保証しますよと、局長か部長なりからきちんとお話をいただいて、この1月の結果 起こったこの委員会の意味づけをきっちりしていただきたいというのが僕の気持です が、皆さんもそういう御意見がおありになるかと思います。  江草座長  その最初の知的障害者御本人の検討会の参画につきましては、前回私に預からせてい ただきましたが、その後事務局と検討しました結果について事務局から御説明をいただ きます。  高原課長  それでは前回以降座長とも御相談をさせていただきまして、次のような形で整理させ ていただきたいと思っております。知的障害者御本人につきましては、御意見をできる だけこの検討会に反映させていきたいということで、第3回の会合からピープルファー スト、全日本手をつなぐ育成会からオブザーバーということで常時御参加をいただいて いるわけでございます。さらに前回中西委員からも御提案があったわけですが、オブザ ーバーの御本人の方が発言を希望される時には挙手をいただいて、座長の指名を受けて 御発言をいただくという形にさせていただきたいと思っております。以上が知的障害者 御本人の取扱いでございます。  それから来年度の概算要求、予算要求に関係することでございますが、今日、新聞報 道などでも概算要求に関連する報道がされております。まだ確定的なことはシーリング も含めて決まっていないような状況でございます。それで私どもホームヘルプを含めま して来年度の予算要求に必要な予算を確保していきたいということで、現在省内で検討 を進めておるという状況でございます。  報道などでも御覧いただいているように、国の財政状況は極めて厳しい状況でござい ます。そういう中で私ども何とか必要な予算を確保できるように現在内部で努力をして おるという、そういう状況でございます。今日の段階ではこれ以上具体的なことを申し 上げられる材料が残念ながらないわけですが、このあたりの点につきましては御説明御 報告できる時点になりましたら、できるだけ早いタイミングできちんとした形で御説明 をしていきたいと考えております。  中西委員  両方とも答えが答えになってないと思うのですが、この当事者の正式委員というのは 何が問題でダメなのか、僕はさっぱりわからない。これはこの委員会の成り立ちから いって、当事者が入って、その人の意思のもとにサービスが提供されていくような社会 を目指さなきゃあいけないというのは当然なので、知的の当事者抜きにして正式委員と いう形でなければオブザーバーで発言しても、それというのはある意味では最終報告は 尊重されないわけですよね。  いま重要なのは、やはりこの検討会がどういうふうなスタンスをもってやっているの か国民に示すことが重要ですし、僕は時間がかかってもいいから正式委員のことを固執 したのは、とりあえず発言をして正式委員が決まるまで待っても、時間がきっと事務方 はかかるかもしれない。  というのはこの検討会だけじゃなくて、あらゆる審議会とか、そういうものを全て含 めてやはり知的当事者が参加していく時代というのをここで表明してもらうためには、 全ての審議会に了解を得なければいけないのなら時間がかかるかもしれない。だからこ そ時間をとってもいいからこれをきっかけに正式委員というのを位置づけて欲しい。 我々が開いた意味というのはそこにあったわけなんで、何かすごくおざなりな解決をし ようとしているなという気がするので、これは再度熟考していただきたいと思います。  それから予算についても、概算要求、もちろんそんなことをここでいくらになります ということは言えないにしても、いまのサービスレベルは絶対に下げないし、自然増に ついてはきちんと受けていくんだ、その予算が十分に足りるように保証しますという一 言を言えばいいじゃないですか。我々はそのサービスがきちんと保証されないことが不 安で、1月の行動があったわけで、そのことに対してかなり思いやりがないんじゃない かな。  どんなに不安をいま感じているか、全国でみんな来年はどうなるのどうなるのと僕に 聞いて来るわけですよ。分からないですよ。でも厚労省は一回も我々に一回も言ってく れてないんですよ。それはいままでの水準は絶対に保証するし、それからこれから増え てきた分についても必ず保証しますよと、それは当然でしょう。概算要求の段階でとい うのはね。その一言もいただけないというのは不満だなと思います。  河村社会・援護局長  予算の話ですが、特にホームヘルプの話ですが、1月に新しい補助基準を決めるかわ りに、従前額を基本的に確保しよう、現行のサービス水準が落ちないようにしていこう ということは、そこはそれで我々もその予算上そういう手当てをするしということで決 まっておる、そのあとで支援費がスタートしておりまして、それは自然増というのは当 然そういった中でやっていこうとは思いますが、もう一方の課題としては、国庫補助基 準の、それ自体を見直す機会を作って見直していこうという話がございますね。  それについてはこの支援費の受給状況といったものをきちっと判断して、それに基づ いて補助金を見直していきたいということをお約束申し上げておるわけでありまして、 これはいまのところ支援費、この4月から施行されておりますので、国庫補助の基準の 見直しというのはきちっと実績を踏まえた上で見直す必要があるということでございま すから、我々としてはいま調査をかけていますが、一応その評価に値するだけの実績と いうのをきちっと見極めた上で、補助基準の見直しの議論というものに入っていくんだ ろう。  そういう意味ではそれだけのデータはいまのところない。多分来年の要求、つまり今 年の8月の要求ではなくて、来年の8月の要求に間に合うように、そういったきちっと 見直しをした上で対応していくべきではないかというのが私どものいまのスタンスでご ざいます。  大濱委員  この心配の件は、今日は京極先生なんかも出ておられますが、やっぱり社会保障審議 会の中で厚生労働省はこの話をずっとしていたのですが、水準を落としませんという話 が何回も出ていたわけです。それにも関わらず実際問題としては東京の町田なんかでは 落ちていますという実態が出ているわけなんですね。従来水準と違う、そしてこれは今 日は有留部長が来られていますが、東京の方もやっぱり予算を心配しているんじゃない かと思うんですよ。これは当事者だけではなくて、国レベルでも、都道府県レベルで も、市町村レベルでも、やっぱりかなり心配しているんじゃないかと思うんですね。  部長は立場上発言できないのかもしれないんですが、やっぱりこれは区市町村の窓口 へいっても予算がどれぐらいにされるかと心配しているですよ。それが見えないので支 援費の支給については慎重にならざるを得ないという答えが窓口からかなり返ってきて いるのが現状なんですね。そして今年の予算についても、12月ぐらいにならないと配分 されないわけです。  ですからそういうことで本当にどれぐらい出しちゃっていいんだろう、出した後で国 からお金が来ないと困る、それで非常に戸惑っているということは区市町村の窓口であ るわけで、これは東京都なんかも全く同じ状況だと思うんですが、ですからここらへん についてはもうちょっと明確な答えをいただくか、たしかに実績が出ていないというこ とと、予算についてのシーリングをどうするかという、財務省の数字が出ていないの で、これから予算を組む段階だということで、たしかに難しいという状況はわかるので すが、どういうスタンスで臨まれるかというのをもうちょっと明確化していただきたい なと思います。  江草座長  はい、わかりました。局長にお話をいただく前に、私は議事進行ということで、私も 座長でございますので、限られた時間でできるだけそれを有効に使いたいと思っており ます。そこで今日は横浜市の障害福祉部の担当の係長さん、それからまた長野県北信圏 域障害者生活支援センターの所長さんが来ておられますので、この方のお話を聞けば、 先程大濱さんのおっしゃった東京都町田の例もあるでしょうが、それぞれのところの事 情もある程度わかるのではないか、これを伺った後で局長に話していただいた方がより 現実的ではないんでしょうか。  それで大変恐縮ですが、せっかくお越しいただいてお帰りがお急ぎの日本自閉症協会 の北海道支部の佐藤裕さんのお話を早速いただきたいと思うのです。佐藤さんはお済み になりましたら席をお立ちにならなきゃあいけない事情があります。はい、どうぞ。  佐藤裕氏  御紹介いただきました自閉症協会北海道支部の佐藤です。私は今日は自閉症協会のと いうよりは、18才の自閉症の息子の親として、家族の立場からお話をさせていただきま す。今日はスライドを主に使わせていただきます。  まずどんなサービスが必要なのかということを挙げてみました。これはお配りしてあ るレジュメの中にもあります。一生を通してこういったものが必要なわけです。しかし これらは自閉症だからゆえに必要だというサービスではありません。おそらく障害を 持っている方一般に必要なサービスだと思います。今日はこれらが必要なことは当たり 前のこととして、さらに自閉症ゆえにこういったことが必要なんですということに焦点 を合わせてお話をさせていただきます。  では自閉症ゆえに必要なものとは何だろうというところで、それはこの問いに答える ことだと思います。「自閉症はどのような障害ですか、どのようにサポートしたらよい ですか。」例えば近視や遠視の人には眼鏡があります。足の不自由な方には車椅子など があります。では自閉症の人には何があるんでしょう。自閉症は障害です。障害ゆえに サポートが必要なんだけれども、ではどのようなサポートができるのですかと言った時 に、実は答えられる人が日本にはあまりいないんです。  自閉症ゆえに必要な配慮とは何かということを端的に示すアンケート結果というのも ありました。平成14年度自閉症支援システム調査報告書の、これは日本自閉症協会が実 施して刊行しているものなのですが、そこからデータのごく一部を抜き出してここで紹 介させていただきます。  まず自閉症を伴わない知的障害の方、それから自閉症、これは知的障害を伴う場合も 多々含まれると思いますが、この二つのグループに対して歯科医院へどのような希望が ありますかというアンケートをとったわけです。その結果たくさんの希望が項目として 挙がってきました。その中で三つほどこの両者の間で明らかな違いがある。つまり統計 的に有為な違いがあるというものがピックアップされてきました。  一つ目は障害のことをもっと知って欲しい。二つ目が、絵や写真を使って治療の手順 を子供に説明して欲しい。三つ目が、本治療の前に予行演習などをして欲しいというこ とです。これらがはっきりと違うわけです。この違いはなぜ生まれるかというと、これ は自閉症の特性がもたらす違いなんですが、その特性を説明する立場に私はありません し、その時間もありませんので、お配りした資料の中に自閉症Q&Aという添付資料が ありますので、それを見ていただきたいと思います。  こういった配慮が、歯科治療の場面だけではなく、一般の病院、警察、理容、美容院 など、あらゆる生活の場面で必要とされているわけです。そういう配慮をしてくれる歯 科医院もあります。例えば私の息子が通っている、この札幌歯科医師会口腔医療センタ ー障害者診療部というところの歯科衛生士さんが個人的に始めたことですが、ビデオ撮 影と絵カードを組み合わせてやる方法です。  まず自閉症の人が来ますと、待合室で待っているところから、その日に受ける予定の 検診や治療の一連の過程を患者の目線でビデオに収録する。診察の順番が来たら、診察 室に入る前に、そのビデオを自閉症の人に見せるわけです。そのことによって自閉症の 人はいまから、どこで、何を、どれぐらい、どうしたら終わるのかということを知るこ とができます。この情報が入ることによって、それまで診察室にすら入れなかった、例 えば私の息子が何の問題もなく診察室に入って検診を受けてニコニコ部屋から出てくる ということが可能になりました。この歯科衛生士さんは個人的にやられているわけです が、さらにそのいくつかの診療器具をスケッチしておいて、要所要所でその絵を見せる ことで視覚支援をさらに確実にするということも工夫されています。  また別の場面ですが、これは心電図をとるという場面なんですが、やはり息子が通っ ていた養護学校の時のお話です。担任の先生が自発的に作ってくれました。私の息子は 重度の自閉症で、まず心電図を撮るなんてことは不可能だろうと、親の立場でありなが らそういうふうに諦めていたんですが、先生は諦めなかったんです。心電図を撮るに当 たっての一連の動作といいますか、そういったステップを絵にしまして、つまりどこで 何をどのようにしたら終わるのかということをめくり型のカードにしまして、これを 使って、しかも事前に何度か練習を重ねた。それによって本番できちんときれいな心電 図がとれたということで、私もその成果には非常にびっくりしました。そういった配慮 をしてくれる学校もある。  ただし、先程の歯科医院とか、それからこのような養護学校の担任の先生というのは 日本では非常に稀な存在です。会えただけでものすごく幸運な人達です。ですから最初 のスライドでどのようなサービスが必要でしょうかといった時に、こういったものが必 要ですよと言いましたが、たとえ、ああいったサービスがこれから利用できるように なったとしても、現状では必要な配慮を受けられる可能性は極めて低い。そのような サービスはよほどのことがない限り自閉症の人には利用できないということになるわけ です。よほどのことというのは、よっぽど切羽詰まった時にしか使えないんです。です からああいったサービスがこれから形としてできあがってきたとしても、自閉症の人は そのサービスを利用しにくいですから、地域生活が困難なまま置き去りにされるわけで す。  親としては置き去りにされてたまるかというものもありますから、親は親で何とか頑 張るわけです。利用できるような、いろいろな社会資源というものを自分たちなりに発 掘してネットワークを作っていく、そしてそのそれぞれに対してこういった配慮やこう いった理解をお願いしますということで理解を求めていくわけです。そういった親の側 からの働きかけが組織的なものになることもあります。  例えばこれは警察交番も支援ネットに入れようというポスターの一部です。自閉症の 子というのは、特に小さい頃は忽然と姿を消して行方不明になってしまう、迷子になっ てしまうということがよくあるわけです。ですから大抵の保護者は一度や二度ならず自 閉症の子供が保護されて警察のお世話になっています。そういったことがあるので自閉 症協会北海道支部の中の札幌分会というのがあるのですが、その分会と北海道警察の間 で不定期ですが懇談会というのを開いているのです。  その中で警察の方から自閉症の特徴、それから保護した時にどうしたらいいのかとい うことを一目見てわかるポスターを作って下さいという依頼がありまして、それに応え て親の会として作ったのがお手元にあるポスターです。簡単に自閉症の特徴が書いて あって、保護したらこういうふうに対応して下さい、運悪くパニックを起こしちゃった らこういうふうにして下さい、警察の方ですから力づくの抑制というのはものすごく得 意かもしれませんが、そういったものは逆効果ですよみたいなことをここに書いてある わけです。このポスターはインターネット上で公開して自由にお使い下さいということ でやっていますので、いままで全国各地から数十件の使わせて下さいという依頼メール が来ていまして、このポスターはおそらく知らないうちにあちこちの交番に貼られてい るのかもしれません。  親の力で何とかそういったネットワークを作って利用できる社会資源を増やすという ことはできるんですが、それでもやはり親の力だけでは限界がありますし、場合によっ ては親では相手にされないということがあるわけです。ですから例えばこの図が示すよ うな医療、教育、福祉、それから既存の社会資源に対して、正しい自閉症の理解、ある いは助言、相談、指導、研修、情報提供、連絡調整などをしてくれる組織、あるいは人 というのはどうしても必要になるわけです。そして新たな社会資源も発掘する。全国各 地に自閉症・発達障害支援センターというのが8カ所できたわけですが、こういったセ ンターが先導的にそういう役割を果たしてくれることを大いに期待しています。  適切な配慮、支援とはどういうことかということについて、もう少し詳しくお話しし ます。例えば自閉症を理解したとしても、その人を理解したことにはならないのです。 なぜなら自閉症の人は一人一人みな違う個性をもっている。それから知的発達レベルや こだわりの強さ、感覚の過敏さなども異なります。それが同一人物であっても、その多 くが加齢と共に変化していきます。日々変化します。ですから常に現在の状態とニーズ を把握しながらサポートする必要があるわけです。  一人一人違うわけですから、一人一人にオーダーメードしなければいけない。過敏 性、これは全部自閉症特有の問題なんですが、過敏性を和らげる工夫、多過ぎたり強過 ぎたりする刺激や情報を減らす整理する工夫、時間と空間を視覚的にわかりやすく提示 して場面の意味を理解しやすくする。構造化、相手に伝わったという実感が確実にもて るコミュニケーションを実現するための方法、あるいはスモールステップ、それからバ ラバラの情報を関連づけたり順序づけたりするための援助、こういったものを一人一人 にあわせて構造化していく必要があるわけです。  我が家の事例ですが、例えば私の息子は言葉をコミュニケーションの道具としては使 えません。家でどのようにコミュニケーションをとっているかというと、このような絵 カードや写真カードを使って、息子が自分が何をいま必要なのか、何をしたいのかとい うことをこのカードをとって相手に示すことで要求できるようにしてあります。こちら から働きかけることもできるだけ目で見てわかる方法を使っています。これは一例で す。  視覚支援というと、すぐ絵カードとか写真カードしかないと誤解される方が多いので すが、その人にわかるやり方で提示するということ、これが視覚支援です。同じように 目で見てわかるようにしておけば、できるだけ自立的に生活ができるようになっていき ます。自立的な生活のため、例えば親があまり口出しせずに、自立的に動くための仕組 みというのも既に開発されて、あちこちで使われています。  このビデオは我が家の事例ですが、朝起きた時に、これから着替え歯磨きというのを しなければいけない。この時に自分でもうすぐに行動に移したら次々できるようにする システムというのがあるわけです。いまカードで動き出したんですが、これから着替え があります。ちょっとこの見づらい画面の中から読み取って欲しいのですが、親は一切 口出ししてしていません。最初の行動のQueを出せば、あとは自立的にこうやって次 から次へと自分でカードをとって行動して、こういったものもきちんとできるようにな ります。  これを導入する前は朝から着替えてとか何とかと、もう怒鳴り声が飛び交っていたの ですが、このような支援があれば無言で穏やかに毎日が過ごせるわけです。それから歯 磨きも放っておけばなかなか磨けないんだけれども、ここを磨くんですよということを 示してあげればちゃんとそこを見ながら磨けるようになるわけです。それからスケジュ ールがわからないとパニックの原因になったりするのですが、きちっと理解すればガイ ドヘルパーさんと楽しく外出もできるようになります。  このビデオでは円山遊園地に行って、そのガイドヘルプの本拠地の家に行って、それ からYMCA水泳教室に行って、そのあとお母さんが迎えに来て、家に帰ってくつろぎ ますということをいま一連の写真カードで見せました。それまで不安そうにしていた息 子がニコッとここで笑って、そして実際に迎えに来たら本当に嬉しそうにいそいそと出 掛けていくということをいま示しているところです。  私の息子は非常に障害が重い方なので、必ず外出の時も人がつかなければなりませ ん。いままで一人で外出したことは一度たりともありません。迷子になった時は別です が。常に人が必要です。そういう中で他人と、ガイドヘルパーさんと一緒に出掛けると いうことはずっとできなかったんですが、こういったことを支援を組み合わせることに よって楽しく安全に出て帰ってくるということができるようになっています。  このようなことをしている実践している家庭というのは確実に増えていますが、実は 日本の多くの家庭ではこういったことが実践できていないんです。なぜかというと、勉 強会やトレーニングセミナーというのは最近あちこちで開かれているのですが、そこに 出たからといって家庭に戻ってきてすぐに適切な支援ができるかというと、できないこ とが多いんです。なぜなら一人一人子供が違うからです。それぞれにあった支援方法と いうのがありまして、それを探っていかなければいけない。それは家庭に限らず、学校 や通所施設、入所施設、あらゆる場面で言えるわけです。ですから家庭や職場に入り込 んで指導してくれる専門家が絶対に必要になってきます。継続して指導してくれる、助 言してくれる専門家が必要になります。そしてその専門家を支える仕組みというのが必 要になって来ると思います。  それから家族支援についてこれからお話しさせていただきます。自閉症の子というの は親に一般的な意味での情緒的なフィードバックを与えてくれません。目が合わないと か、授乳中にも目が合わなかったとか、そういったことが代表なんですが、ですから親 が一生懸命に子育てをしていても無力感や孤独感に襲われてしまいがちです。ですから 自閉症を正しく理解し、ライフサイクルを通して支援し、励ましてくれる専門家や支援 者がパートナーとなってくれればどんなに心強いことかと思ってきました。いままでこ ういったパートナーは私は少なくとも得られませんでした。  それからもう一つ、自閉症という障害が世間の人がもっと理解してくれればどんなに 楽になれるだろうという話です。私は1年間仕事の関係でアメリカに住んだことがある のですが、そこに行った時に驚いたんですね。この子は自閉症なんですと一言言うだけ でパッと理解して、必要なサポートが場合によっては受けられるということを何回も経 験しました。サポートがなくても理解されるというだけものすごく楽になるんだという ことが、このアメリカでの生活で実感したわけです。  同様な生活の経験をした日本の自閉症のお子さんを持つお母さんから手紙が来たんで す。そこで「どうしてこんなに楽に息ができるのだろう。私も家族も変わっていないの に」とありました。つまり、日本からアメリカに渡っただけで自分がものすごく楽に息 ができるようになった、そういう社会なんですが、それは自閉症に対する理解が進んで いるところだと思います。  例えばアメリカに渡った直後から、私の息子は慣れない場面でパニックを何度も何度 も起こしました。その度に人だかりができたりもしたんですが、He has autism、彼は 自閉症なんですというだけでパッと回りが理解してくれる。何か力になれることがあっ たら遠慮しないで言ってくださいというようなことを言って貰えた。そこで何度も感激 するわけですが、あとでわかったんですが、アメリカ人だからといって自閉症を正しく 理解しているとは限らないなということがだんだんわかってきたんですが、それでも自 閉症児者がスペシャルニーズを持つ人達だということはよくわかっているということ が、これは間違いないと思います。アメリカやイギリスでは自閉症週間というのを設け て、ラジオ・テレビなどで自閉症児(者)への理解を訴えるということをやっていまし たので、こういったことも日本でできないものかなと思っています。  アメリカでは教育も素晴らしくて,個別教育計画、IEPに基づいてその子にとって 必要な教育は全部その学校の中の教育プログラムの中で実施されます。ですから日本だ と足りない分を親が実際に学習指導したり、訓練に連れ回すということがあるんです が、アメリカではその必要性はほとんどなかった。それから親、家族を支援するサービ スも豊富に用意されていますから、このような社会で生きていると、障害児、自閉症の 子の誕生=家族の不幸ではないということを実感できるわけです。先程の自閉症の子供 のお母さんが、「どうしてこんなに楽に息ができるんだろう。私も家族も変わっていな いのに」という言葉が出てくるんだと思います。こんなことをここで紹介していいのか わからないのですが、アメリカの話はこの本の中で詳しく説明していますので、もし興 味のある方はどうぞ読んで下さい。  もう一度先程の図を見ていただきます。この自閉症の人を支える基本となるものは、 医療、教育、福祉、これらの連携だと思います。これらがバラバラではこの自閉症の意 思をトータルにサポートするということはできなくなります。それから各機関と本人が つながっているわけですが、ここのつながっているところをもし一本化する窓口があれ ば、この自閉症の人の一生を本当にトータルにサポートできるのではないか。トータル だけじゃなくて一貫性をもってサポートできるのではないかと思います。  それからこの組織が同時に既存の社会資源への啓蒙、連絡調整、あるいは新たな社会 資源の発掘等になってくれれば非常に大きな力になると思います。ただし、何度も言う ようですか、こういったものは形としてはできただけでは機能しない。自閉症を正しく 理解し、適切で役に立つ支援方法を指導できる専門家を全国各地で育てる仕組みを作ら なければいけないと思います。現状では医療、福祉、教育どの分野を見てもそういった 専門家は少ないわけです。これが最後のスライドですが、自閉症はどのような障害です か、どのようにサポートしたらよいのですか、この問いに答えていかなければいけない と思います。以上です。ありがとうございました。  江草座長  ありがとうございました。自閉症というのは現在私の理解しているところですと、我 が国で約20万人ぐらいいらっしゃるのではないだろうか、あるいはもっと多いかもわか りませんね。そういう状態のお子さんと、あるいはいまお子さんと申しましたが、大人 の方もいらっしゃるわけで、その方々の御家族の思いというものを通じながら自閉症対 応についていまお話しいただいたのですが、誰か御質問なりがありましたらどうぞ。  京極委員  先程当事者の参加という話が出ましたが、障害者基本法の見直しの中で継続審議です が、知的障害、精神障害、身体障害三障害はわりと明確なんですが、自閉症とかその他 まだ明確な規定がないところも感じますから、その点について何か御意見はあるでしょ うか。  佐藤氏  たしかに自閉症という障害が独立したというか、きちんと制度上認められてこなかっ たという点が全て遅れている原因にはなっていると思います。これは学校教育でもそう で、知的障害の中の一つということで扱われてきたわけですね。知的障害と同じように 例えば育てて育つ部分もあるけれども、明らかにサポートの仕方がそれだけでは足りな いという部分があって、そこが置き去りにされてきたがゆえに、学校教育の間に問題行 動をさらに悪化させて、社会に出たらもう施設に入って暮らすしかないということがい まだに行なわれている。ですから自閉症はきちんとした独立した障害として制度上認め て、それに必要なサポートをきちんとしていくということがこれから絶対に必要だと 思っています。  中西委員  ガイドヘルパーを使われているということを伺いましたが、基本的に通所通学は使え ないことになっていますよね。自閉症の方の場合それが一番重要なのに、この問題につ いてはどうお考えですか。  佐藤氏  そうですね。たしかにこの部分がサポートされないということで非常に困っているわ けです。先程言いましたように、単に移動を助けるだけじゃなくて、つまり見てないと どこへ行っちゃうかわからないとか、いろんな問題を抱えているわけで、単に移動の介 護だけではないわけです。見守っていかなければいけない。そこのところをきちんと制 度的にサポートされないというのは、全然暮らしが楽にならないですね。いまは必要な 場合はそういうことは自腹を切って、つまり私的な契約でやっている人が多いです。う ちもそうですが。  安藤委員  アメリカの例が出ましたが、社会的に非常に理解があるそうです。また教育の現場で も幅広い対応があるということですが、自立のための教育に対しての何かサポートの体 制はあるのでしょうか。先程の説明の中でサポートの必要な内容が出ていましたが、ア メリカではこのような家庭とは別に国の支援とか地方自治体の制度の中できちんとサポ ートが行なわれているという例があるのでしょうか。  佐藤氏  そのあたりは私は詳しくないので、ここでお答えできる知識はありません。おそらく この次のこの検討会でアメリカの事例などが出てくるということをちょっと聞いており ますので、そこで詳しい報告がなされるのではないかと思います。  谷口委員  私は毎年自閉症の方々と一緒に海外旅行を楽しむ計画があってやっておるのですが、 日本では全然食事を採れないというこだわりがあって、採れないという自閉症の方が、 先日オーストラリアに行った時にすごい勢いでスパゲッティを食べ始めたんですね。そ れでいまアメリカの事例でもおっしゃいましたが、その息が楽だというのがものすごく 彼らにはわかるようなことなんですね。それを何とか科学的といいますか、実証論的に 証明できればもうちょっと彼らにとっての住みよい環境が作れると思うのですが、何か 御意見はございませんか。  佐藤氏  私はまず家族が楽になっているということだと思います。家族とか回りの人が、サポ ートする人達がすごく肩の力が抜けているということが大きいんじゃないかと思いま す。例えば保護者として私がいる時に、日本では常に緊張しているんですよ。だって何 かパニックを起こされた時に、あの育て方が悪いとか、あの親の態度あれは何だという 批難を一身に浴びるわけですね。あるいは奇異の目で見られる。そういったものは一切 なくなるんですね。  アメリカに行くとわが子が自閉症ゆえにいろんな特異な動作をするわけですね。でも それ以上に変な動作をする人が一般の中にもいたりして、あまり目立たないというのも あったんですが、まあそれは冗談として、そういった意味でそういった人達が世の中に いる、いるのが当たり前であるという、そのところで自分たちが認めれ、そこのところ ですごく息がしやすくなって、それは当然サポートをされている側の方も感じて、生き 生きとしてくれるんじゃないかなと思います。  中西委員  私のところにも自閉症の方で、家族兄弟も見捨ててしまって、我々が支援しないと地 域で生きていけないという状況の方がいらっしゃるんですね。いろいろ事件は起こるわ けですが、ガラスを割ったり火をつけたりとか、その度に我々は泊まりが入って、そう いうことは起こらないように注意しながらやっているわけですが、この地域支援の在り 方で、一つは学校で教育機関でそういうことをやればいいというのが出ましたし、ガイ ドヘルパーの問題も出ましたね。作業所でそういうのを受けられるように、作業所の人 員配置を厚くするとか、そういう問題はすぐに思いつくわけですが、この自閉症で地域 で実際に暮らして、親がいらっしゃる時はまだいいですが、親なき後の問題を当然考え てられると思うんですが、どういうサービスがあれば一体暮らしていけるのか、それを もうちょっと具体的に、予算を組む場合に必要でしょうから。  佐藤氏  そうですね。この場はそのための検討会であるということは重々承知した上でのお話 だったのですが、例えばいずれ親はいなくなるわけですから、将来的にはグループホー ムに入って、その中で暮らして欲しいなという希望はあります。だけどいきなりは無理 でしょう。  そういうことでこれからグループホームを作っていくという準備もありますが、そう いうことが可能になる、生活が可能になるような準備をしていきたいと思っているんで す。その時にやっぱり例えば入所でもない、例えば週に数回子供がどこか家庭とは違う 場所できちんと人権を守られながら楽しく生きる場所というのがあって、そこに預けっ ぱなしじゃないですよ。週に一回、月に何回でもいいから、そういったチャンスがあっ て、定期的にそこが利用できるというようなことができれば、とりあえずはそういった 方向への道ができるのかなと思ったりもしています。まずはとりあえずはそれぐらいを いまは希望しています。  中西委員  そして宿泊体験のことを考えてらっしゃるということですね。  佐藤氏  そうですね。体験だけじゃなくて、もう生活の一部になってほしいと思っています。  中西委員  そこに支援費のヘルパーが入って生活経験ができるということですね。親元にいてそ ういう形の実験的生活で支援費制度が出るかというと、いまはおそらく出ないんです が、それもプログラムとして組んだ場合に出るようなシステムが必要ですよね。それか らその体験室を借り上げる費用というのも、作業所はお金はないですから、それはどこ かがやらなきゃあならないわけですよね。それからそこに指導員といわれる、エンパワ ーメント、支援できるようなサポーターがそこに配置される必要があって、サポーター のさらに支援者がいないと、サポーターは疲れてしまうということですよね。これはマ ンツーマン配置以上を考えられるということですか。  佐藤氏  そうです。  江草座長  他にございませんか。自閉症に関するお話はいままでなかったものですから、まだ皆 さんの御関心も深いと思いますが、時間がまいりましたので、北海道からわざわざお越 しいただきました佐藤さん、どうもありがとうございました。  それでは次に横浜市福祉局障害福祉部障害福祉課、制度担当係長の桑折さんにお願い いたしたいと思います。よろしくお願いします。  桑折氏  御紹介いただきました横浜市の桑折といいます。それでは手元の資料で身体障害者数 の表になった資料が一綴りあるかというふうに思いますが、そちらが今日の資料になっ ております。事前に説明内容をこのような内容でということでお話をいただいていたの が、障害者のケアネットワークの在り方の実践例ということでした。そういった現状を お話しするのと、行政から来るということで、支援費の実際の実施状況がどうなのかと いう話も当然皆さんの方で御関心もあるのではないかというふうなことで、資料の方を 実は二部構成にさせていただいておりまして、この頭紙が身体障害者の手帳の所持者数 です。14年度末の数字です。その下にありますのが、愛の手帳というふうに書いてあり ますが、いわゆる療育手帳の交付者数です。身体障害者の手帳の方ですが、14年度末で 83,000強、愛の手帳の交付者数ですが、約13,000弱という障害者数になっております。  横浜市の人口ですが、350万ということで、行政区が18区に分かれておりまして、最 小の区が8万人台、最大の区が30万人台ということで、地域差があり、人口の構成比も 新しく開発が進んでいる、現に進んでいる地域ですとか、あるいは高齢化が非常に進ん でいる地域ですとか、非常にバリエーションがあります。その中で支援費制度が開始に なったわけですが、4月の実施状況についてとりまとめてデータを作ってみました。資 料を一枚めくっていただきますと表があるかと思います。数字だけなのでわかりにくい ので、資料の5頁を見ていただきますと、同じものをグラフに直したものがございま す。  グラフが四つございまして、在宅関係のサービスについて表を作ってみました。横軸 に、例えばホールヘルプのところを見ていただきたいのですが、横軸に12、13、14、15 というふうに数字を打ってありますが、12から14につきましては、これは年間を12で 割った1カ月あたりの決定数、過去の支援費制度以前の決定状況です。ですので12年度 でいいますと月あたり26,767時間の決定があったということで、14年度が49,780時間、 それで15というところが白抜きの方が決定数です。黒くつぶれておりますが、57,336時 間というのが、これが請求ベースでの実績になります。  特徴的にはガイドヘルプを見ていただきたいのですが、15年度が98,497時間の決定を していますが、実際の請求ベースでの実績としては14,000時間強の請求、使った方の実 績はこのぐらいというようなことで、実績ベースでいきますと当然延びているという状 況にはありますが、決定時間と実績の部分ではかなりの差がある。  デイサービスも同様に実績は確実に伸びておりますが、決定状況と比べますとやはり 決定はあるものの使っていない方もいらっしゃる。短期入所の方は、これもやはり特徴 的に出ておりますが、8,827日の決定があったにも関わらず、1,757日の利用、これはも うショートステイの方は当然ショートステイができる数がハードである程度決まってお りますので、そういう意味では使うかもしれないというようなことで、申請があって、 実際には使わなかった、あるいは使えなかった、もう全部埋まってしまっていて使えな かったということも当然あるかなというふうに思います。  こういうことで4月のほとんど速報で請求が完全に上がりきったわけではありません し、実際に誤請求というようなことで、この数字は若干動くかというふうに思います が、4月の決定状況と利用状況は概ねこんな状況にあります。これは時間数と日でそれ ぞれ出しておりますが、では、利用の人数で、あるいは決定を受けた方の人数はどう なっているかというのは、3頁にホームヘルパーの人数が出ています。表の下に二つあ りますが、右側に入れてあるのが人数です。  身体障害の場合決定人数が2,141人、請求実人数は1,805人ということで、85%弱の利 用、同様に知的の場合は少し少なくて、1,404人の決定に対して617人ということで、 43.9%という状況になっています。ガイドヘルプとホームヘルプを全て合計した形で人 数の方は出しておりますので、特にガイドヘルプの方で知的の方を見ていただきます と、58,398時間に対して、5,666時間というようなことですので、約10分の1の実績と いうようなことになるかと思います。  ただ、これは当初予想されたことだったのですが、余暇活動支援等で出かけるかもし れないというようなことでの申請があがるだろうということで、これはある程度そのよ うな形で申請が出ていた。ガイドヘルプ、本市の場合は月48時間が一応要綱上の限度と いうことになっていますが、2、3の区に聞いてきてみましたが、限度いっぱいのとこ ろをとりあえず決定はしているというようなことがありましたので、そういう意味では 限度内の決定をとりあえずしてあるのかなというような状況でした。これが支援費の方 がまず発足をして、とりあえず支給状況、あるいは実際の請求情報をベースにした利用 状況というようなことが本市の状況として言えるかなというふうに思います。  実際、在宅ベースで言えば事業所数も資料7頁になりますが、4月1日の本市の指定 事業所数、608から7月1日付けで677、69事業所の増ということで、主に居宅介護の方 の事業者数が大きく延びておりますので、当然事業所が伸びればサービスがこまめに提 供できるエリアができますので、多分ホームヘルプあるいはガイドヘルプという部分が 今後とも伸びていくのか、実績としても伸びていくのかなというふうに思われるところ です。  参考までに施設の方も指定事業者を載せておりますが、市内の施設の事業所は身体障 害、知的障害それぞれ合計で106が15年4月、それ以降一施設、知的の入所更生が開所 しておりますので、7月1日現在では一施設増えて107施設ということで、施設訓練等 支援の事業者があるということになっています。支援費関係の実施状況については以上 で報告を終わらさせていただきます。  それでは地域ケアネットワークの体制状況ということで少しお話をさせていただきた いと思います。資料5以降をつけてございますが、資料の29頁以降に話す内容をまとめ た資料になっています。これに沿った形で本市の障害者の地域ケアのネットワーク状況 について説明をしていきたいと考えております。私ども横浜市は政令指定都市というこ とで、都道府県でもございませんが、非常に所帯も大きくて、そういうことで政令指定 都市になっているわけですが、例えば知的障害者の実責任ということで言いますと、平 成2年の八法改正を待ってはじめて知的障害者の実責任を負うというようなことになり ました。  実際には平成5年から大都市特例というようなことで、実責任を負うことになったわ けですが、それ以前は神奈川県の所管で知的障害者の支援の責任はあったわけです。そ ういうことである程度中途半端な位置に置かれてきてたかなあという経過もありまし て、そこらへんがどうしても反映をしてくるのかなというふうに思うのですが、横浜市 がいわゆる障害者の支援に関していろいろと施策を打ち出してきたのを少し調べてみま したが、約30年ぐらいの歴史になるかな、一番最初に本市が補助をうった団体が地域訓 練会といいまして、障害児の親御さん達が中心になって週一回の療育活動ですとか、あ るいは保育の時間を自主的な活動の中で確保してきた運動団体に対してです。これが昭 和48年に初めて補助という形で実施をされました。  当時、先程言いましたように、横浜市内にはいわゆる児童の施設も、あるいは者の施 設も非常に少なくて、そういった自主的な活動の場を当然施設を希望するわけですが、 定員がいっぱいだというようなことでなかなか利用する機会が確保されない。その中で 自らのお子さんの発育、あるいは療育を、あるいは親御さん同士の横の情報のつながり をどうするのかということで、やむにやまれない状況の中で訓練会活動が発生をしてき た。  そういった訓練会に対して昭和48年に初めて補助金をうったわけですが、そうした幼 児期の療育訓練の活動から、当然就学期に入って教育を受けるということになるわけで すが、その学校教育が終わった後の活動の場所も当然施設が少ないというようなこと で、訓練会を作られた親御さん達が次の課題として卒業後の活動の場所を作る必要があ るというようなことで、これも同様に運営委員会を作った形で地域作業所を立ち上げる といった活動へいったわけです。  そうした活動が市内各地で展開をされて、それに対する助成を引き続き訓練会に続い て作業所へも補助金をうつというような形で展開が市内的に進んでいった状況です。こ の活動をしている運営委員会のありようは当事者も当然含めていますので、そこには理 念的な部分でいえば当事者性なりを大事にして、障害別というようなことではなくて、 知的障害であれ身体障害のお子さんであれ、共にそのエリアの中で活動する場を作って いきたいというようなことで、地域作業所の中で障害が分かれるというようなことは基 本的にない、エリアの中で同じように同じような課題を抱えた、あるいはその問題を抱 えた親御さんたちが地域の中でそうした活動団体を作ってきたという経過があります。  これが横浜市の方がでは法定の施設をなぜ作らなかったのかという部分は反面あるわ けですが、過去の状況で私自身調べた中でもその政策的な部分はどういうふうにやった のかよくわかりませんが、とりあえずそうした地域の活動を支援する在り方として、助 成金を出すというようなことをやってきたわけです。少しあとになりますが、この日中 の活動の場のための地域作業所は昼間の活動ですので、当然親御さんたちにしますと夜 の生活といいますか、基本的に生活の場をどうするのかということがやはりこの運営委 員会の中で論議をされ、これの一つの解決策がいま盛んに作られていますが、グループ ホームというようなことで、生活する場についても運営委員会の方々がいろいろ外国の 研究や何かもした上でグループホーム制度を独自に立ち上げていこうというような活動 へと展開が進んでいっております。  そうした中で横浜市の関わりですが、先程運営費の助成金を出すという話をさせてい ただきましたが、それではやはり安定した活動の場、当然民間の借家等を借り上げて作 業所等をやるというような形ですと、家主さんとの関係で来年は使えないというような ことが発生するということで、そうした安定して活動が行なえる場を確保して欲しいと いう声を受けて、横浜市が土地を提供する形で上屋を作るお金について補助金を出しま しょう、一部そういった活動団体の方の自己負担はお願いをしましたけれども、単独の 補助金をうった形で私有地に建物を建てる、その中に地域作業所が入る活動の場を提供 するというようなことが活動ホームという市単の名称になりますが、そうした活動ホー ムの設置について横浜市の方もハード整備を独自に行なった形で全区に展開をしてきま した。  結果的にこの活動ホームについては、市内で約24カ所程度整備が進みましたが、実際 運営上の組織としましては、作業所の運営委員会があったりとか、あるいは建てた活動 ホームの運営委員会が別途作られるというようなことで、組織的には二重三重の構造に なっていて非常に使いにくいということもありました。それと当然活動ホームを作って いく中でエリアの中で、その地域のニーズにきちっと応えていかなきゃあいけないとい うようなことで、いわゆる作業所が入ってデイの活動を提供するばかりではなくて、一 時ケアですとか、泊まりのあるショートステイも実施をしましょうというようなこと で、やっぱり活動ホームを作る段階で構造的には6畳一間程度ですが、いわゆる畳敷き の泊まれるようなスペースも活動スペースとは別に整備をするということで、メニュー としてショートステイなり一時ケア、あるいはおもちゃ文庫なり地域の方々が使えるメ ニューもつけた上で活動ホームの運営が行なわれていたわけです。  そうしたメニュー事業とか入っている地域作業所の活動とか、それぞれ運営委員会が 別々に存在するというようなことで、非常にやりにくいというようなこともありまし て、市の方の働きかけでこうした活動ホームの運営そのものは一本化しようということ で、いわゆる地域作業所の昼間の活動の部分についてはデイサービスという位置づけを し直しをした上で、全体の運営と一本化した機能強化型というふうに言っていますが、 活動ホームの運営全体を一つの運営委員会で行なえるような形にしたものが平成7年に 発足し直しをしています。  こうした地域のニーズにきちっと応えていくといった、この地域活動ホームの事業に ついて、本市としても改めて位置づけをもう一度整理をしまして、地域活動ホームを改 めて地域のための拠点施設ということで位置づけをしなおしをしたものが法人型地域活 動ホームということになります。第1館目は平成11年に開所をしておりますが、この法 人型地域活動ホームを現在全区に展開をしている最中です。まだ開所している区は5カ 所ほどでまだまだ揃ってはいませんが、この法人型地域活動ホームを地域生活支援の拠 点として位置づけている。  実際にこの法人型地域活動ホームと機能強化型の活動ホームの違いというのは、大き さも全然違いますし、デイサービスの規模も知的障害、身体障害それぞれ20名というこ とで、40名規模のデイサービスとショートステイ一時ケア、あるいはおもちゃ文庫等は 引き続き入っているというようなことで、その他社会福祉法人という形での運営をして おりますので、いわゆる居宅介護支援等の事業者にもなれるというようなことで、箱物 のサービスの他に居宅介護の事業者になるというようなことで、ホームヘルプあるはい ガイドヘルプの事業者になって地域のニーズに対してサービスを提供するというような ことが現状活動を行なっている状況にあります。  資料の13頁にこの訓練会への助成から始まる30年間を第1期から2期、3期というこ とで少しモデル的に書いてみました。昭和48年からの10年間についてですが、それぞれ 区内の地域作業所あるいは訓練会、あるいは何区かに一つあります法定の通所施設なり 法定の入所施設、そうした中が区内の活動には地域作業所なり訓練会があった、途中か ら地域活動ホームが整備されて、この当初の地域活動ホームには作業所が安定的に活動 が行なえる場ということで、通常地域作業所が二つ入った形で発足をしたのが当初の地 域活動ホームです。  その後58年以降平成4年までを第2期という形で書いてありますが、引き続き地域作 業所の箇所数が増えていく。一方、法定の施設も少しずつ増えていくというようなこと で、一つエポックメーキングな話になりますが、本市で地域療育センターというものを 横浜市が直営で始めました。障害の早期発見、早期療育ということで、横浜市が公設民 営という形で設置は横浜市が行なって、運営は民間法人に委託をするという形で、知的 の通園の事業あるいは肢体不自由の通園の施設を併設した形て療育センターを方面別に 整備を行なってきています。  訓練会の方はここ数年はもう市内ほぼ60カ所前後で数字的には増えていませんが、こ れは療育センターが方面別に整備をされてきていることが一つ原因かなというふうに考 えられますが、この地域療育センターは早期発見、早期療育ということで方面別に横浜 市が整備をしだした。ただ、これは方面別ですので、区内の全てのニーズについて単独 に応えるということではなくて、何区かごとにということで療育センターの方は整備を されている状況です。  平成5年以降ですが、この機能強化型ということで、先程複数の運営形態が重層した 形で地域活動ホームがあるというお話をしましたが、これが一本の運営委員会の中で活 動、デイサービスの部分なり、あるいはショートステイの部分なりを一つの運営委員会 の中で効率的にかつきっちりとした運営方針を一本確立をさせるということで、機能強 化型の活動ホームが現在既存の活動ホームから転換をして、20カ所ほど、24カ所の活動 ホームのうち、機能強化型が20カ所になっています。  それとは別にこの法人型地域活動ホームということで、これはまさしく社会福祉法人 の運営のもとで、いわゆるデイサービスセンターの国費を入れた形で整備をし直したも のが法人型地域活動ホームになります。ただ、いわゆる一法人の中で運営を全て任せる ということではなくて、先程から何度かお話をしていますが、この地域ニーズにどう やって応えていくかということで、この運営する法人とは別に地域の関係団体等が入り まして、似たような名称で非常に申し訳ないのですが、やはり法人型地域活動ホームの 運営委員会を作るということが規約上定められています。  それが15頁に書いてあります資料7ということで、サービス調整モデルという表題の 中で言っておりますが、右側の楕円と立方体二つ入れたものが、いわゆる法人型地域活 動ホームのありようです。具体的なメニューとしてはデイサービス以下地域生活支援事 業ですとか、これがいわゆるショートステイですとか一時ケアですとかが入っていま す。その他、地域交流活動あるいはボランティア活動支援事業等メニュー事業が入って いますが、この運営は法人がきちっと行なう、それとは別にそのバックグラウンドにな りますところに運営委員会を別に組織的には設置をしています。ここが地域ニーズの状 況や何かについては活動ホームの運営主体に対して意見を言っていくという関係で位置 づけているところです。  サービス調整のモデルというようなことで、この法人型地域活動ホームと一方行政区 であります18区あるわけですが、そこの福祉事務所なり保健所はどうなっているかとい いますと、平成14年1月に本市の機構改革をしまして、いわゆる保健所、福祉事務所、 区の中に位置づけをし直しまして、区の福祉保健センターという名称にしています。こ の移行の関係はもう一枚めくっていただきますと、区の福祉保健センター機構図という ことで、13年12月までと14年1月からということで、いわゆる旧福祉事務所と保健所の 関係が福祉保健センターということで、区の機構の中で一本化されています。  現状の状況でいいますと、右側のサービス課のところに総合相談以下対象者別サービ ス提供ということで、生活保護担当以下、高齢者支援担当、介護保険担当、障害者支援 担当、子ども家庭支援担当というようなことで、こうした対象別にこの中にいわゆる旧 福祉事務所の職員と旧保健所の保健婦さん等が係の中に合わせて配属をされて、保健福 祉ニーズに対して、当然複合した課題を御相談になる方が非常に多いので、一体的に多 職種が関わりをもって連携よくやっていきたいということで、区の方の行政の方の機構 も福祉事務所だ保健所ということではなくて、とりあえずワンストップで相談が受けら れるような形で機構上は整理をしています。  こうした区の機構上の整理と合わせて、このいわゆる各区一館ずつ作っていこうと いっている法人型地域活動ホームの運営が、相互に関係をとりながらこのサービス調整 モデルで書いてありますような関係が今後成立していけばいいのかなということで、一 部実践をされているところと、まだまだここまできていない部分がありますので、一つ のモデルとしてこんな関係が区の中で今後作られていけばいいのかなということでお示 しをさせていただいております。  一つ背景を説明しますと、法人型地域活動ホーム、コーディネーター24時間対応とい うことで入れていますが、これがいわゆる14年度までの市町村障害者生活支援事業で入 れていた部分です。それと入所施設の図が6角形の立方体で一番下に入れてあります が、心理職というふうに入れている相談機関があるかと思いますが、これは地域療育等 支援事業を14年度入れて、市独自で2人体制の相談支援体制を組んで始めた事業です。 そういう意味では入所施設のもつ専門的な療育相談機能等を活かしていこうかなと思っ ていた矢先の話だったわけですが、とりあえずこれが身近な相談としての法人型の活動 ホーム、あるいはもう少し課題が複雑である場合には二次的な相談機関としての入所施 設における心理職を交えた療育相談等を行なっていこうかなというふうなことを考えて いるところです。  もちろん更生相談所なり児童相談所という、これまでの機能をもっているところがあ りますが、いかにも市内一つとか二つとか三つとかで小回りがききません。ということ で入所施設等におけるこうした相談機能を既存の入所施設等の中から先行して今後提供 をしていこうかなというふうに思っていた矢先のことだったわけです。これが現状横浜 市がこの間少し中途半端な位置づけの中で、市の中で進めてきたネットワークの体制 図、あるいは今後このような形で進めていきたいなというふうに考えている在り方の図 です。  他の資料は全体の施設の体系図ですとか、いろいろありますが、時間もありますので あとでお目通し願えればというふうに思います。説明は以上です。  江草座長  ありがとうございました。ただいまの横浜の御報告について御質問はございませんで しょうか。  笹川委員  居宅支援についてお尋ねをいたします。先程上限を48時間というふうにしておられる ということですが、それをオーバーした場合の対応はどうされているんでしょうか。  それから第二点ですが、4月の利用実績、数字的にもはっきり出ているということで すが、その身体障害と知的障害その二通りに分けているのか、それとも身体障害の中で も障害種別がありますが、その種別とか等級とか、その辺の分析はできているんでしょ うか。 それから第三点として、事業者は先程670ほどというふうにおっしゃいました が、その事業者が実施している業務内容、その辺は把握をされているんでしょうか。例 えばその中で移動介護を行なっている事業者が何者とか、その辺のデータが出ているん でしょうか。その辺をお尋ねいたします。  桑折氏  48時間の話はいわゆるガイドヘルプの上限という形で設定をしているものなんです が、詳しくは48時間を越えた方にどういう形で提供しているかという、要綱上私も持っ てきたんですが、要綱の規定上48時間を原則というふうにしていますが、規定に関わら ずという要綱上の規定がありますので、その部分は必要があれば多分出しているのでは ないかというふうに思います。  それと二点目の内訳ですが、今日お示しをしました資料が実は内容的にもとりあえず データとしてとった全てですので、いまお話のありました詳しい分析はまだできており ません。それと事業所ですが、これも現在指定されている事業所を608から、7月1日 ですと677事業所ですが、いわゆる身体障害者の居宅介護、あるいは知的障害者の居宅 介護というような大きく身体障害、知的障害それぞれ分けた区分だけで整理をしていま すので、そこで例えばガイドヘルプ、身体介護を伴うガイドヘルプの事業者であるとか ということは今日お渡しをしてある資料ではそれ以上書き込みがありませんので、大変 申し訳ないんですが、私自身どこまでの細かい事業者指定が、あるいはその活動内容が あるか把握しておりませんので、今日お手元にある資料がとりあえず現状のデータとい うことでご理解願えればというふうに思います。  笹川委員  やはり14年度と比較する場合は、障害別とか等級別が出てないとはっきりした比較が できないんですね。ですからやはりそういう点はきちっと正確に数字が出るような調査 を今後厚生労働省がやるとしてもしていただきたいということでございます。お願いし ます。  江草座長  では村上さん、どうぞ。  村上委員  横浜市さんは地域活動ホームや地域作業所に独自の補助金をおつけになるということ で、熱心なお取り組みをなさっていらっしゃいましたが、先程お聞きしましたところ、 活動ホームの方はデイサービスに持っていくということでしたが、あと地域作業所が現 在のところ147カ所ということで、かなりたくさんお作りになっていらっしゃいますが、 実際支援費制度になっても、今度こちらの方はどういうふうになるのか、例えば利用者 の方々の声とか、あるいは今後どんなふうにお考えになっているか、御意見等をお聞か せいただければと思います。  桑折氏  地域作業所については、もちろん地域作業所というものが支援費になるわけではない のですが、レジュメの中でもふれておりますが、地域作業所の補助金についてはそうい う意味では市の単独の助成で全額市費で行なっているわけですが、これが制度的にどう なのかという話は別にしまして、その在り方として、例の小規模通所授産の転換も団体 の意向を踏まえて転換をしたいという部分については、小規模通所授産への意向につい ても平成14年度から進めております。  14年度が7カ所で、15年度は新規20カ所程度意向を示しているというようなことで、 小規模通所授産の方は特定財源として国費が入るというようなこともありますので、地 域作業所の在り方としては団体等の活動については引き続き補助はしていきますが、一 方、市の財源、今日はあまり触れられませんでしたが、横浜市の財政規模もここ数年厳 しくて、縮小しておりまして、限られたパイの中でどうするかということになりますの で、当然財源も確保した上で事業量を保っていかなければいけないというようなこと が、いわゆる事業課としては命題として迫られますので、そうした小規模通所授産につ いても今後法人の意向をふまえて対応をしていきたいなというふうに考えております。  谷口委員  二点お聞きしたいと思います。一つは支援費の支給決定に関してなんですが、日常生 活支援が非常に少ないという状況があると思うんですね。横浜市の規模からすれば非常 に日常生活支援の決定が少ないんじゃないかと思います。これに関しては提供する事業 所が非常にないのかなという想像がつくわけですが、横浜市さんは横浜市福祉サービス 協会という新しい支援費担当の社会福祉法人だと思うんですが、そういう外郭団体とま ではいかないのかもしれませんが、そういうようなところもお作りになって、一応対応 されているとは思うんですが、その日常生活支援の申請が少なかったのか、あるいは対 応する事業所がとりあえずないので空手形はうてないというようなことで、身体介護に やむを得ず移行されたのか、それがまず一つお伺いしたいことです。  もう一つは地域ケアネットワークに関して、市町村障害者生活支援事業であるとか、 地域療育等支援事業の位置づけというようなものをお伺いできればなと思います。ここ にはあまり出てきてないので、どうなっているのかなと思いました。お願いします。  桑折氏  日常生活支援ですが、たしかに決定が777、それで提供が370というようなことで、担 当の係長に聞いてきたところでいうと、2人程度じゃないかみたいな話だったので、非 常に少ないなと私も思ったんですが、その背景まで聞きそびれているので、今日は十分 な説明はできないので、間違った説明をしてもいけないので、申し訳ないですがそこの 部分はお答えを差し控えたいと思います。そういうことで事業所関係もどうなのかとい うこともちょっとわかりませんので、大変申し訳ないんですが、あとで部署の係長を教 えておきますので、直接聞いてみてください。  それと市町村あるいは地域療育等支援事業なんですが、これについては14年度の段階 では国庫補助がそれぞれあるというようなことで、一応先程のサービス調整の図のとこ ろで説明をしましたが、そういう意味では相談支援事業の一次相談二次相談的な市の中 での位置づけとしてはそうした国費を入れて全区の法人型地域活動ホームにコーディネ ーターを配置し、当然財源つきということ、それと地域療育等支援事業についてもこれ は財源ありの事業ということで、入所施設において2人体制の相談体制を組んでいこう かなと思っていたところです。  これが御案内の通りの状況ですが、引き続き現在本市の相談体制のあり方ということ で、相談事業ということで別途15年度予算としては先程の考え方のまま、いま予算は計 上されている。あとは引き続きどこまで箇所数がきちっと整理できるかは予算上の課題 かな、位置づけとしては相談事業が位置づいているという状況です。  中西委員  このガイドヘルプが48時間というのは、期せずして国の交付基準の50時間に合ってい るわけですが、身体の方を計算すると大体月に11時間、年間125時間、これも基準値に あっているわけですが、これはやはり相当影響したんですか。交付基準の時間数という のは。それと実際に予想された支出というのは、現実にはどうだったんですか。下回っ たわけですか。それとも上回ったんですか。  桑折氏  ガイドヘルプが48時間というのは、今回のアレでほぼ見合うという話がありますが、 以前からこういう基準で実施をしてきていたものです。それとホームヘルパーにつきま しては別要綱がありまして、これは身体状況等に応じて週当たり32時間を上限にした要 綱が本市の中でこれまで設定をされてきていました。ただ、これはあくまでもそういう 意味では原則32時間というような言い方で、必要に応じて必要な時間を決定していいと いうふうなことが要綱上謳われていますので、これまでもそれを超えてヘルパーの派遣 を区の方で決定している事例はありますので、今回の一連の中で時間数の部分が急に本 市として設定したということではなくて、以前のまま、その状況で来ているということ です。  実際の使われ方はどうなのかという話ですが、事業所数の限りもありますので、実際 伸びるだろうと思われていた部分で実績が来ているかな、そういうことで言えば4月分 の伸びはある程度予測された伸びかなというふうに思っています。ただ、決定に当たっ ての決定時間数がやはり非常に高いというのは、そういう意味で決定をする側も、ある いはその希望する側もどういうふうに使っていいかとりあえずわからない状況で、出せ るものは出しておこうかというのが、一部動きとしては、決定レベルとしてはあったの かなというふうに思っています。  大濱委員  ガイヘルの件なんですが、これは決定時間に比べて実績がこのように少ないのは、や はりガイドヘルパーの研修が新しく今度取り入れられたことによる。そのためにガイヘ ルが足りないのではないかという現状だと思われる。といいますのは、横浜市でガイヘ ルの時間は貰ったが、ヘルパーがいないので誰かいませんかと問い合わせがこちらに来 ている。それが第一点です。  それと横浜市さんの場合、お聞きしましたら朝の8時から20時に限ってしかガイドヘ ルパーを使えないという。何か横浜市独自の事情があるようですが、これはちょっと余 暇にガイヘルを使いたいと希望される場合など、非常に制度的におかしいと思われます が、この二点をお伺いしたいと思います。  桑折氏  いまお話のあった通りで、ガイヘルの派遣時間が朝の8時から20時までというのは要 綱にも謳われています。それとあとは養成の部分もありますので、私が数字をデータ的 にもらった中でも、やはり特に知的の方の方々は一番ニードとしては今後ガイドヘルプ サービスが必要になるのかなというふうに、これが決定時間数にも出ているのかなとい うふうに思いました。それとやはりそれに見合う派遣ができていない、やはり事業所の 問題、あるいは要綱上の仕切りの問題もあるのかなというふうには思います。  これをいまここでどうするというわけにもいかないので、御指摘を受けている部分は 多分言われるだろうなというふうに思っているところですが、今後そういったニーズが 高まるだろうということに関しては、所管課として何らか考えていくべき課題はあるな というふうには考えています。  大谷委員  この決定人数3,700人というのは、当初多分去年の秋ぐらいに予定されていた行政と して予定されていた人数のうちの何割ぐらいだというふうに御覧になりますか。予定し た人数より増えているのかどうか。それからそれまでのサービスを利用していた人に対 して、新しくこの支援費制度になったから利用した人の割合がどのぐらいなのか、また 実際に利用した人数のうちで旧来から利用されていた方の利用の実績と、それから新し く今度支援費制度になって申請はしたけれども、それが本当に利用されているかどうか というあたりについて、それから今後潜在的にさらに4月以降も利用の申し込み、申請 が続々か増えているのか、それともほぼ最初の予定通りで大体とどまっているのかとい うあたりを教えていただければと思います。  桑折氏  一点目の3,700云々の部分は、ほぼこのぐらいかなというふうな部分です。ただ、そ れから先の御質問ですが、まさしくこれからそこらへんを、まあデータ的にはとろうと 思えばとれると思うんですが、もう一度電算を回すに当たって条件をいろいろ変えて取 り直しをしないとちょっと出てこない数字だろうなということで、今日はお答えができ ない状況です。  早崎委員  大垣の早崎ですが、社会福祉協議会も含めて地域福祉計画、活動計画を作成する段階 で、市民の方々が非常に要望されておりますのは、総合相談という、あっち行けこっち 行けではなくて、ここへ行くといろんな相談がいろんな関係者の方が教えてもらえると いうのがあるのですが、そういうのがこのサービス課というところで、図表ではあるの ですが、片一方、障害者ケアマネージメント養成講座にたくさんの方々が研修を受けて 見えますね。片一方、また障害者の人達から支給量に対する相談とか、不服申し立てに 対するキャッチシステムとか助言とか支援とかというのがあると思うんですが、私たち が意外と不信感を抱きますのは、行政がアセスメントを通して支給量を決める、だけど 自分の内容とちょっと不都合だから、それを不服だということで、また行政システムの 中に不服申し立てをしていくというのがあるのですね。  これは何か行ったり来たりと言うのが、同じ所でやるものですから、何のために障害 者ケアマネジメントという部分があるのかなというのが、片一方で養成されながら行政 の枠の中でしか動かないというのがありますので、横浜の場合はそうではないんだとい うことで素晴らしいとは思うんですが、やっぱり言い方は悪いんですが、同じ穴のムジ ナなのかな。障害者の方から誤解されるような、せっかくいい制度がそうなっていかな いのかなという、私たち社会福祉協議会はできればそういう意味からするとそういう部 分を担うことができないかなというふうには思っているんですが、どうも何か聞こえて こない、見えて来ないというのがあるんですが、どうなんでしょうか。  桑折氏  いま御指摘があったところは、実は本市としてクリアできている話ではないんです ね。たしかにマネージメントが、いわゆるマネージャーさんではなくて、手法なんだそ うです。これが結局先程法人型地域活動ホームの相談員さんが例えばマネージメントを して、プログラムを作った、行政の方へこういう内容でという話をもっていった時に、 行政側がそれを受けて事業所の対応を含めて調整をしていただいて、できるのであれ ば、まさしくそういった機能をするんでしょうが、やはり研修は終わったものの本市と してもまだマネージメント手法を使える人達をどう位置づけていくかというのは、行政 的にどうしようかというのがまだ結論が出ているわけではないので、ここの相談業務の 中で発揮して欲しいということと、いわゆるプランを作る際に誰がどういう形で作るか というのは、先程言いましたように、行政内部でやはり最終的には落ち着くことが多い ので、本当に行ったり来たりになる場面がないわけではないんですね。  板山座長代理  二つだけお聞きします。資料の13頁に1期2期3期といって横浜市はこうした地域生 活支援のシステムを検討を継続的にやってこられたんですね。この計画というのはどう いう市の行政計画の何に位置づけられて、今日迄発展をしてきたかということが一点。  もう一つは、19頁に横浜市の障害者施策等体系図があるのですが、いままでの御説明 で精神障害者のことは何ら地域生活支援の中で説明がなかった。この中には一番下に精 神障害者の生活支援のことも配慮されている、これをどう考えておられるか、二点お話 をいただきたい。  桑折氏  一点目のこの1期2期3期というのはどういった計画でという話ですが、結果として この1期2期3期は勝手に私がこの30年を10年ごとに区切ったわけですが、こうした中 でどういった障害施策が計画としてあったのかということですが、現状まだそういう意 味ではいま現在あるのが中期政策プランという、いわゆる行政内部の都市の経営デザイ ンを全局にわたって計画をしている5カ年計画があります。  その中でいま位置づいているわけですが、それ以前がやはり2010プランというのがご ざいまして、2010年までをやはりデザインした計画が前市長の段階で作られていまし た。そういう意味では2010年を、いま中期政策プランも前市長の時に作った2010年プラ ンの最終の到達の時期に合わせていますので、横浜市の2010プランの中で現在は施設の 整備なり在宅サービスの整備状況は計画されているということになります。  二点目の精神障害者の部分が全く話がなかったということなんですが、実は私は福祉 局の人間なんですが、精神障害者に関してはいわゆる衛生局というのがありまして、そ ちらの方が所管をしていることになります。もちろん三障害についての検討の場ですの で、意識的に除く必要も全然ないわけですが、この間私が多少なりとも関わりをもって きた、いわゆる身障児的な部分についての全体図についてはこのような流れがあったか なという御説明はさせていただきました。  精神障害者に関しては、体系図の中でしか資料を出すことができませんでしたが、や はり中期政策プランの中で精神障害者の施策展開につきましては同じように位置づけ が、衛生局の方の所管ということになりますが、整備計画なりが進んでいるということ で、決してやってないということではなくて、局が違っていて私も十分調べきれていな いというのが本音ですが、そういう状況で同じように進んでいます。政策推進協も同様 に三障害の中で検討をさせていただいております。  江草座長  ありがとうございました。桑折さん、大変貴重な資料を御説明いただきまして、私た ちの議論に資するところが大変大きかったと思います。どうもありがとうございまし た。それでは引き続きまして長野県北信圏域障害者生活支援センターの福岡さんからお 話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  福岡寿氏(長野県北信圏域障害者生活支援センター所長)  私はコーディネーターという仕事をずっとやってきたので、それについていろいろ地 域ケアネットワークみたいなことを横目に見ながら喋ってみようと思います。  私どものエリアは新潟県境の雪深いところでして、7市町村集まっても10万人の人口 いくいかないというような田舎です。今回一般財源化になった障害者(児)地域療育等 支援事業のコーディネーターというのをやってきたんですが、その前身が地域療育拠点 施設事業という事業で、全国20カ所でスタートして平成2年の時にコーディネーターと いう新しい仕事を貰えて、入所施設の指導員の頃に、もう飽きちゃったな、やめたいな と思っていたのが、コーディネーターにどうだと言われたもので、新しい生き甲斐を 貰ったといいますか、聞いてみたら施設長はガソリン代を好きなだけやるから地域を出 歩いて来いと言われたので、これはやったなと思って、誰も見張ってないし喫茶店で コーヒーでも飲めば一日つぶれるかと思って、まあそんなような考えで仕事を始めたの が最初なんです。  しかしやり始めてみてすぐ壁にぶつかったのが、地域療育施設拠点事業とか今回の障 害児(者)地域療育等支援事業のコーディネーターというのがなかなか地域に理解され てない、それであるところに行くと一つの施設の単なる職員じゃないかとか、何で一施 設のコーディネーターという名刺をもった人間がこんな地域を出歩いているんだとか、 そうすると市町村の担当者のところへ出向いて行ってもなかなか認知してもらえない。 それでだんだん何年かやっていくと、どうも福岡さんという人が一番この地域の情報を 知っているみたいだとか、あるいは福岡さんがいろんな状況、個々人の利用者の方たち の状況も知っているみたいだという中で、市町村の窓口に行っても、最初は立ち話で帰 されたのが、だんだんお茶か何か出てきて、そのうちコーヒーか何か出るようになった りして、そのうちだんだん様子が見えて来ると、ちょっと奥の部屋で相談だみたいに なってきて、だんだん存在感が出てくる。  そんな中で市町村の担当者と家庭訪問なんかしますと、やっぱり家庭にはまだなかな か理解されてない部分があったりしますので、市町村の担当者なんかはざっくばらんに 家庭に上がっていくんですが、私だけはどういう立場でこの仕事をしているかわからな かった時期が長かったので、なかなか玄関から上に上がっていけない。家庭の方がああ この人も誰ですかなんて聞かれて、やっと私に焦点が当たったと思って、私も福祉事務 所の方から来ましたなんて言って、消火器をもって立っているみたいな風景で、私はそ んな中ですぐ地域に出てわかったのは、地域はもう完全に蛸壺状態だ、いろんな資源は あるけど誰もつないでいる人間がいない、これは荒野を行くようなものなので、これを つなげて歩いたら面白いなというのはすぐ感じちゃう。  そんな中でこのネットワークというのは、生意気ですが、地域の関係機関をつないで いく時の私のやってきた手法というのか、例えば在宅で困ってらっしゃる家庭がある と、私が知っている以上に他の人は困ってない、私が感じている以上に他の関係機関は そんなに問題視してない、それを同じ目線にするにはどうしたらいいかということが一 番のコーディネーターの仕事かなと思って、そうするとやっぱり大事なのは電話で話す ぐらいだったらペーパー持って出向いて行った方がいい、ペーパーを持って出向くの だったら一緒に現場に行って見て貰った方がいいというのが私の手法でして、そうする と市町村の担当者も忙しいものですから、あまり出歩くなんてというのはそんなにした がらないんですが、私は窓口に出向いていくと、「ちょっとあの方大変そうなので、 ちょっと一緒に行って貰えませんかね」とか、このちょっとちょっとという言葉を繰り 返し使いながら、じゃあそうならしょうがないなあ、じゃあ日程を組むかなんて言いな がら市町村の担当者は日程を組んで、さあ行けるかなと思うと、担当者から今日は ちょっと急に会議が入ってダメだとか、こんなようなスカされることも何度かあるので すが、そのうち担当者とようやくその家庭に出向いて行けるということになると、担当 者と仲良くなるチャンスなので、車に乗った瞬間に、ケースワーカーさんお年はいくつ ですか、38ですかなんて、私は36ですけど、結婚してたかもしれませんねとか、いろい ろそんなことを言いながら、まあ車の中で仲良くなったりしながら、それで趣味は何だ かとか、それで家庭に到着する直前にはこの家庭はこんな形で私は課題を感じているん だなんて言いながら、それで市町村の担当者を現場に連れ出す、これがまず第一歩で、 それで現場を見てみると、これは大変だわということがすぐ直感として見えて来る。行 政の担当者も見たからには知らんぷりできないけど、直感としてこれは何もできないわ とどこかで思っているところがある。  それで家庭訪問を終わって、帰りの車で帰って来るんですが、さっきの浮いた気分は どこへやらで何となくお互い沈黙になっちゃっている。そうすると、これでどっちか話 し出した方が負けというか、何かしなきゃあいけなくなっちゃうみたいな空気の中で、 沈黙の時間が続くんですが、やっぱり役場で別れる前には何か一言言わなきゃあいけな い。そうすると市町村の担当者が、「あの家庭は困ったもんだけど、まあしょうがない か」みたいな感じで、結局2人で家庭訪問のスケジュールを埋めただけで、その家庭に は何の役にも立ってないみたいになっちゃうと困るので、大体私が降りる直前に、「あ の家庭はやっぱりちょっと大変なんで、ちょっと何か関係者で集まれませんかね。いわ ゆるケア会議みたいなものを」なんて言って、そんな関係で車の中で降りる前に、 「じゃあケースワーカーさんどんな方集まったらいいか拾い上げてみませんか?」なん て言って、じゃあ保健師さんはケースワーカーさんを呼んで下さいねとか、私はこの人 を知ってるから私が呼びますわみたいな感じで、つまりそんな感じで、Aさんという方 が困っているとしたらば、その方に関わる関係者にとにかく集まってもらう、それで悩 んで貰うという手法ですね。  これが例えば言葉で言い換えるとケアマネジメント的な手法と言えるのかどうかわか りませんが、こんな形でとにかくこの方が困ったというと、とにかく集まってもらうと いうケア会議をとにかくたくさんやってきたというのが、私の仕事のベースです。  そうしていく中でだんだん市町村の担当者も、最初の頃は社会課の係長だった方が、 3年もすると課長さんで戻って来るとか、また3年もすると今度は部長さんで戻って来 るとか、そのうち何かもっと偉くなったりすると、いろいろ人間関係もできてきたりし て、それでコーディネーターになって5年目ぐらいから関係機関で集まろうじゃないか みたいな声がいろいろできてくるようになって、それで私どもの地域ではケア会議を頻 繁にやりながら、いろんな関係機関が集まるような会議、これが調整会議というのかど うかわからないんですが、そんな形で資料でいきますと昨年の様子ですと、3頁のよう な形でいろんなケア会議をやりながら、そこで出てきた課題というのを調整会議に諮っ ていくみたいな、ある程度の立派なスタイルではないですが、手法ができてきている。  この調整会議で大事なのは、例えばAさんの家庭はひきこもっちゃってずっと家の中 にいるとか、Bさんの家庭は来年高等部を卒業したら行くところがないと言って困って いるとか、あるいはCさんの家庭は仕事がうまくいかなくなっちゃって失業しちゃった みたいだとか、いろんな個々の家庭の事情があります。この家庭の事情を生木をブスブ ス燃やすように調整会議にもってきてもどうにもならないんですが、そこを一つの表現 で把手をつけるとしたら何だろう、この地域には日中活動の場が不足しているんだ、そ うすると日中活動の場の不足をどうするかみたいな考え方で調整会議に諮っていく。  そんな中で係長レベルの話し合いとか、部課長さんレベルの話し合い、場合によって は助役さんとか首長さんレベルに話し合ってもらいながら、いろんなサービスを用意し ていこう。そんな形で例えばですが、4頁にあるような、こんな関係機関の話し合いの 中で必要なものを用意していくというような形になってきたということなんですが、そ れで私はつくづく思うのですが、いわゆる一般的にホームヘルプがあったらいいとか、 一般的に障害のある方の地域生活を進めるためにという、一般的という言い方では行政 の方はお金を出してくれたことが一回もなくて、Aさんというこの方が困っているん だ、この方を来月までに何とかしなきゃあ困っちゃうだろうという、そのリアリティで 攻めていかなければ行政からはお金が出てこなかったというのが実感です。  それでやっぱりケア会議とか、この方が困っているということがみんな共有化されて いるという実態がないと、それじゃあうちらの村もお金がないけど、とにかくこの方に 補正予算でホームヘルプ月何時間ぐらいは予算化してみましょうみたいな、こうやって 一個一個制度の穴をあけていくというやり方で、一つ予算というのは口開けして穴があ くとあとはやりたい放題というと何ですが、まあどんどん広げていける。最初はやっぱ り突破口を開いてくれたのは、その方のリアリティですね。困っちゃうじゃないか、ど うしたらいいんだですね。こんな形でいろいろサービスが広がってきたりしてきた。  ただサービスが広がる時には、その困ったという時に、その提供できる事業者がなけ れば話にならなくて、やっぱり使いたいという方と提供できる事業者がスパークしてく れないとなかなか実態ができていかない。そのスパークしたところに市町村とか行政 が、ああこれは必要な公的サービスとして位置づけよう、公的サービスで位置づける時 には、さっきも言ったようにキーワードが必要なので、例えばレスパイトケアという キーワードとか、障害児学童という言い方とか、あるいは相談支援センターみたいな形 で共有化を図っていくというようなやり方で、格好よく言うとやってきたというような 形なんです。  こういうことをやってきますと、例えばですが、市町村の担当者もだんだん勉強して きまして、一昨年ですか、ある市のケースワーカーさんが、福岡さん、俺発見しちゃっ たわなんて言うから、何か発見しましたかと言ったら、うちらの市の障害児の方への ホームヘルプの派遣なんだけど、これみんな3時から6時と夏休みに集中しているけ ど、これはどういうわけかななんて言って、どうしてなんだろうと言いますから、そん なことはわかってるみたいに思うんですけど、さあそれはどうしてですかねなんて言う と、俺発見したんだ、聞いてくれなんて言って、これはやっぱり学校に行ってる子供さ んが困っているんだななんて言って、そうですねなんて言うと、そうするとこの養護学 校とかに通っている子供さん達、放課後のこの時間帯というのは一人一人ヘルパーを用 意して個別支援じゃなきゃあダメかななんて聞くと、いや意外にそんなことないすよと か、夏休みは一人一人ヘルパーさんつけて個別活動の支援にしていくとやらなきゃあダ メかななんていうと、いやそんなこともないですよみたいなことも言うわけですね。  じゃあどんな形がいいかなというと、子供さんたちは、例えば5人の子供さん達に3 人ぐらいの職員がついて、例えば今日はみんなでプールに行きますよとか、この放課後 の時間は今日はみんなでホットケーキでも作って食べましょうとか、何かそんなプラン を用意して、一つのコアにして固まりとしてのサービスを提案すると、結構それで喜ん で利用してくださるサービスが考えられますよなんて言うと、そうかなんて言って、そ うすると行政の方では障害児、例えば社会活動適用訓練事業とか、障害児自立支援事業 なんていう名目で、中身は障害児学童なんですが、これを予算化してくれる。  そうするといままで個別のサービスをしてきたホームヘルプサービスが、ある固まり になると一つのサービスとして基盤になっていく。逆にホームヘルプサービスでなかな かできないサービスについては、半歩進んだサービスはタイムケアというレスパイトケ アサービスで先を歩んでいく。そのうちまたホームヘルプサービスの要綱改正でそれも OKになるかもしれません。そうすると半歩先を歩むようなサービスを一個用意しなが ら、それで新たなニーズを作り出しながら、ホームヘルプサービス自体の中身を膨らま せ、そしてコアになるものは基盤サービスに落としていくというようなやり方で、いろ んな地域の資源が階層別になっていく。  これができていかないと全国では何かホームヘルプサービスはあるけど、うちらの地 域では何かしらのレスパイトをやっているからそれでいいじゃんかとか、あるいはショ ートステイの日中のレスパイトじゃあダメなのとか、こんな言い方になりますが、その 役割は違うんだということを一生懸命行政の方に勉強してもらうというやり方なんです よね。そんなことでケアネットワークというほどではないですが、地域の資源を作って いくとか、一人一人の個別の要請に応じたケア会議を大事にしながら、ケアプランを 作っていくみたいなやり方をしてきたということです。  こんな形である程度地域の蛸壺状態の中をつないでいくコーディネーター的な人がい てくれると、市町村によって人口規模とか器量が違いますからね。車で言うと3,000cc の排気量の車でやれる事業と、600ccぐらいしかない排気量でやれる事業の規模は違い ますが、ある程度そこそこのものは用意していけるというのが私の実感なんです。  ただ、これはある意味では下部構造の話でして、それをちゃんと理念で引っ張って いってくれる上部構造がちゃんとできてないと、やっぱりダメだというのは感じるんで すよね。例えば本当にこの市はノーマライゼーションを愛しているのかとか、ここの県 は本当に障害のある方の地域支援というのを建前でなくて本気でやろうとしているのか ということが大事で、この上部構造の理念がなかなか共有化されないと、状況によって はこれはもう予算がないのでダメだとか、これはまた担当者によってはこれは我が儘 じゃないですかみたいになったりして、また下部構造というか、下の方がダメになっ ちゃう。  それで私は大事なのは、やっぱり上部構造の理念をどう共有化していくということ で、いま長野県が比較的いい形で仕事がやれているのは、やっぱり知事が変わったとい うことは大きいです。去年も田中知事ですが、県議会の不信任で失職して9月に選挙し ていましたが、あの方の選挙を見ていると、選挙民が誰もいないところにわざわざ車で 山の中へ入って行って、マイクを持って演説しているわけですね。どんな演説かという と、「この山にお暮らしのクマ、イノシシ、カモシカの皆さん、皆さんが今後とも自立 した食生活が営めるような森林整備に励んでいきます」と、これは言ってることは何か というと、人々の暮らしのしづらさを一個一個丁寧に解決していくことが格好いいんだ という、こういう理念なわけですね。  そんな理念からいくと、やっぱりそこがしっかり共有化されてくれると、例えば長野 県には西駒郷という500人の入所施設がありますが、今回さあこの建替えとなった時に も、やっぱり入所している親御さんたちは親なき後の不安が一番ですからね。施設が古 くなったら建て替えてもらって、できれば個室にしてもらうのが何よりなんですが、さ あ本当にそれでいいのかということは、上部構造がしっかりしていないと出てきません よね。  その中で見直し検討委員会というのが設けられて、長野県は今年から本格的に西駒郷 で暮らしている方たちをできるだけ地域で支えられる仕組みにしていこうというふうな 形で、県の中にも障害者自律支援室というのが5人体制でできて、西駒郷本体には自律 支援部とか支援センターが設けられて、私も週2日ほど専門員という形で県庁に勤めて いて、少しそんな形でこの理念を共有化しながら実態を作っていくことができるかなと 思っています。  私はこれをやり始めてつくづく思ったんですが、地域生活支援の施策を進めていく時 に、お題目だけではダメだということに気づきました。発車ボタンがないとダメです ね。例えば去年よく叫ばれた発車ボタンの中にはグループホーム10万人構想とか、いろ んな発車ボタンがあるんでしょうが、私が一番リアリティを感じるのは西駒郷をどうす るんだという発車ボタンによって、実は長野県全体の障害者施策を本気でやらなきゃあ いけないみたいになってきた。そうするとやっぱり何かリアリティのある、これをどう するかということで議論していかないと、やっぱり何となくの地域福祉になっていって しまう。  私としてはそんなような意味では、昨年末からいろいろホームヘルプの問題とか、相 談支援事業の一般財源化とかありましたが、本当に国はノーマライゼーションを愛して くれているのか、そうでないとしたらば私としては生意気ですが、地方自治にもう委ね てほしいというふうに思う部分もあったり、もし愛してくださっているのであれば、こ の検討会なんかをベースにしながら本当の理念を打ち上げて、それに伴う財源も用意 し、国民に理解を求めて欲しいと、まあ格好よく言うとそんなふうに思っているわけで す。  江草座長  ありがとうございました。福岡さん、いずれまた委員の方から御質問がありますか ら、その時引き続いてやってください。はい、どなたかどうぞ。  太田委員  太田と申します。大変興味深いお話をありがとうございました。東京都と長野県では 地域性が異なるとは思いますが、重度の障害のある人が長野県で地域で暮らしたいと 思った場合、どのような体制がいま存在するんでしょうか。  福岡氏  結局これは西駒郷をモチーフにした長野県の施策かもしれませんが、やっぱり親御さ んたちからしてみても、障害の軽い方が地域で、重たい方は施設というのはないだろ う、障害が重い軽いは関係なくて地域で支えられるという実態を見てもらわなければ信 じてもらえない。そんな中で長野県は今年から医療的ケアの必要な方の重症心身障害者 の方のグループホームを制度にしました。  具体的にはグループホームを作る時に三分の二もしくは二分の一の新築の補助、あと はかかった改修費の二分の一補助というのを予算化して、あとはグループホームで暮ら す方には障害の重たい方ですから、区分1というのが適用されますが、そこに市町村と 県の上乗せでさらに13万円支援費を上乗せをして、看護師さんに常駐してもらうという のを制度化したんです。  この時に市町村の方でもどこも財源があるわけではないので、13万とかというのを県 と市町村で上乗せするというのは、簡単にはいかない話なんです。でもこの時にどうい うふうに議論をしてくれるかというと、やっぱり障害の重たい方が、もし身体障害者療 護施設で受け止めてくれたとしても、1カ月48万ぐらいの支援費がかかるんだ、もし仮 に医療的ケアということで重症心身障害者の委託病床とかに入所になった場合には、こ れは100万近い公費がかかるんだ、それならば市町村で6万ぐらいの上乗せでグループ ホーム施策を使っていってグループホームの暮らしができるのだったらば、それでいい じゃないかという判断の中での方向なんですね。  そんな形で今年まだ2カ所ですが、医療的ケアの必要な方の重症心身障害者の方のグ ループホーム、そこにヘルパーさんが個別にまた出向いて行く。必要だったらば訪問看 護婦さんも出向くんですが、そんなようなことをまず実現してみて、さあどうかとまた 見ていただいて、長野県の中で議論をしてもらおうかなと思っているんですが。  中西委員  我々自立生活センターがやってきたやり方と似た手法だなという気がするわけです が、一人の命を守るということで、その人のサービスに合わせて市のサービスが良く なっていくというふうなことですね。二つ質問があるんですが、福岡さんがやられた時 に、一つはケア会議をやった時に、当事者参加をどういうふうに保証されていったの か、これは福岡さんのイニシアチブでやられて、当事者が本当のニーズをきちんと入れ ていったのかということと、もう一つはやっぱりサービス提供事業者というのをどう やってその場合生み出せるのか、自立生活センターの場合はサービス事業体であり、運 動体であるというのを地域に作りながらやっていくという手法をとるわけですが、そこ のシステム化ですよね。全国にこれを福岡組だけじゃなくて、何万カ所やる場合にどう するようなシステムを考えられますか。  福岡氏  それはちょっと難しいところもあるのですが、私がおつきあいしてきた皆さんという のは、障害児の方と、あとは知的障害者の方が中心なんですが、その時に本人が困った といってケア会議をしてほしいというふうに求めてこられる方はまずないのが現実なん です。ほとんどは大体親御さんとか家族の方で、本人がとても困って、要するに家庭の 折り合いの中で非常に生活がしづらいとか困っているという中で来るわけですね。  例えば本人さんに何かニーズがありませんかと聞いたとしても、例えば知的障害のあ る方の場合ですと、自分の生活経験の中でしかやっぱり出てくるものがないですから、 例えば入所施設でずっと暮らした方に対しては、あなたはどういう生活をしたいですか と聞いて、こちらとしてはアパートで24時間ホームヘルプだとか、グループホームと 言って欲しいと思いますが、彼らにその生活経験がなく入所施設がずっとですと、こち らが期待して聞くと、言ってもいいですかというから、いいですよというと、じゃあ施 設の担当者を変えてくださいとか、あるいは缶コーヒー毎日飲めるようにして欲しいと か、どこどこの班は月に一回旅行に行ってるのに何で私は2カ月に一回だとか、そうす るとやっぱり経験していただく中での本人の胸の落ち所といいますか、この暮らしは自 分に胸におっているという生活の受け止めですね。  その中で探っていくしかないという感じなので、我々としては困っている状況はもっ と楽にならないかという、そのやり方でケアプランを作る時も結構ラフプランなんで す。それでこのサービスを入れたらどうなるかなといいながら、本人が胸に落ちてき て、ああじゃあ今度このサービスだみたいな形で、ケアマネジメントのプラン自体もプ ロセスで作っていくということだと思うんです。  あとは本人さんが直接来られる方の場合には、よくあるんですが、センターに車で直 接来て、家にいられなくなったので助けてくれなんて来ますね。どうしたんですかと言 うと借金が大変でいろんなところから電話が来ちゃって困ったなんて言って、いくらあ るんだなんていうと、70万ぐらい借金しちゃったなんていうから、いろいろ弁護士さん を通じて調べてみると300万もあったりして、そうすると我々とすれば本人さんが困っ ているけどどうにもならないという中で、地域福祉権利擁護事業の支援員さんとか、あ るいは法律扶助協会とか弁護士さんに入って貰いながら、自己破産の手続きというよう なことをやっていくわけですが、多くの方の場合にはやっぱり周りの方たちの要請でや るということが多いです。  あとはサービスをどう作っていくかですが、私どもの地域では5頁にあるような形 で、私は平成2年にコーディネーターという仕事を始めたんですが、あれから13年たっ て、いま私どもの地域は障害児と知的障害者が中心ですが、こんなような状況になって きています。この◎は口はばったいですが、コーディネーター事業がなかったら実現し なかっただろうと思われるサービスです。残念ながら二つの私どもの法人以外の社会福 祉法人とか、それ以外のNPO法人とか、あるいは市町村で始めるという事業もこの中 にはありますが、この中の半分以上は私どもの法人が自前でやってしまったというのも あるんです。  そうすると実は必要とされているニーズをどう事業化していくかとなった時に、私の 場合には一番てっとり早い方法としては自分の法人で事業化していく、それでいいなと 思って気づいたNPO法人が私どもの事業をまた真似して広げていく、こんなようなや り方でできてきたんですが、これをシステムとか仕組みにするにはどうしたらいいかわ からないです。ただ、関係機関がいつも集まって、予算を執行するレベルまで話し合っ て、その中で決めていくという、そのスタイルをとにかく実現していくことなんじゃな いかと思うんですが。  江草座長  はい、ありがとうございました。佐藤委員、どうぞ。  佐藤委員  福岡さんのところで重心の状態にある人が特別ないろんな現行の仕組みの上に上積み をする形でグループホームを実現できたというお話があったんですが、実は東松山市で もこの3月から社会福祉協議会が運営をするグループホームが新たに一つ誕生しまし て、これは入居基準が埼玉県の場合はA、B、C、軽い障害の方からC、B、A、○A というふうになっているんですが、入居資格がAもしくは○Aの療育手帳も持つ人とい うふうに、最初からそういう限定のグループホームを開設いたしました。  やり方は全く新しい市の単独の上積みというのはしていません。現行の居宅の支援費 とグループホームの支援費とホームヘルプの支援費だけで運営しています。ただ、仕掛 けは多少やっぱりあるわけでして、1人の人がホームヘルプの基本的にはあまり乱暴な ことをしないでもできるようにやっていこう。乱暴というと語弊がありますが、厚生労 働省が去年示した50時間というのを一つの目安にして考えていこう、これは別に厚生労 働省が示したことが妥当だということを言いたいことでは全くないわけでして、ただ継 続してやっていくためにそれでできるだろうかどうかというところから始めようという 判断で、最初5人の方が入居する予定で、現実は4人の人なんですが、そうしますと250 時間ホームヘルパーを確保できる、世話人とホームヘルパーとが、そして昼間は皆さん 通所の施設に通っておられますから、夜の時間を上手に組み合わせていけば何とかやっ ていけるという形でやっているわけです。  ただし、これはホームヘルパーの厚生労働省的規定からいうと、それはいかがなもの かと多分おっしゃるだろう。しかしそこだけ目をつぶって、どういう表現をすればいい かわかりませんが、支援費の支給量を決定するのは当然市役所でありますから、市役所 にすぐくっついている社協がやることであれば、市役所もとりあえずOKを出さざるを 得ない、これはみんな関係者のある種出切レースでそういう絵が出来上がってきて、現 在のところまだ3カ月ではありますが順調に運営されている。  だからもともと予算も十分でないし、いろいろなところから普通の町でもやれるよう な方法はないだろうかと工夫してやれば、まあ何とかできる。一番大きな壁はこの制度 はこうでなくてはいけないということをあまり言わないでいただきたい、この間滋賀の 中島さんがQ&Aが出る度に仕事がやりにくくなるという話をされていましたが、そう いう点で地域生活支援を支えるやり方というのはわりと工夫の仕方によってはできると いうことを感じています。  もう一つだけ付け加えますが、それが東松山市の社会福祉協議会が運営することに よってできたのは、先程中西さんの質問に対しての福岡さんのお話にもありましたが、 やっぱりさっきも言いましたように、重度もしくは最重度の知的障害をもっている人達 が自らグループホームに暮らしたいと言ったわけでは、言葉が適切かどうかはわかりま せんが、残念ながらそういう経過でできたことではありません。しかしうちの子を地域 の中で、もちろん全員が市内の方ですが、この町の中で育ってきたこの子がどこかの施 設に大人になったら行かなきゃあいけないというようなことを私はどうしても容認でき ない、この町で一緒に暮らしたい。しかしこの子を抱えて暮らしていくのはもうそろそ ろ限界だ、何か方法はないかということを10年近くいろいろと検討しながら、やっとい まの仕組みの中でやっていける方法が見つかった。  ただし、今後この仕組みをさらに安定的に展開していくためには、量の問題も質の問 題もメニューをいろいろ考えていかなくてはいけないというふうには思っています。 さっきの重症心身障害と言われる方のグループホームも県の上積みがあるとはいえ、い まの仕組みの中を基本的な骨格としてできてきたものですから、こういう取り組みを 次々に広げていくことでこっちの方がメインだということをぜひ作っていきたいなと、 福岡さんの話を聞きながら感じました。以上です。  大森委員  支援のコーディネーターはかくありたい、もうちょっと言うと自治体で働く職員はか くありたいという、そういう像だと思って、私は感心して聞いていました。私は地方自 治の勉強をしているのですが、常にあなたみたいなタイプの職員を1人でも生み出した いと思って30年間やってきたんですが、なかなか現場であなたみたいなタイプが生れま せん。それは別途の課題なんですが、それで感心して聞いていまして、最終的に結論の 一つは、国に明示的な意思の表示がなければ地方自治に委ねよ、それはそうかもしれな い。私は国も明確な意思表示をしつつ、地方自治に委ねてもらいたいという、そういう 制度設計を構想すべきじゃないかと思っています。あまり違わないと思うんです。  それで一つだけお聞きしたいのは、あなたのところは7市町村でしょう。このケア会 議を開くのでも当事者が多くて、栄村みたいに合併もしないで頑張っているところもあ りますから、幾重にかこういう地方自治に仮に何かを委ねる場合の単位のことですが、 特に障害者の今後の仕組みを制度設計していく時に、介護保険の方は一応保険者を市町 村というふうにしたんですが、そのときに私どもが悩んだのは、本当に小さい個別の市 町村で大丈夫かということを悩んでいたんですよ。いままでの体験の中で今後いろいろ 組んでいく時に、いまこの7市町村でやっておられるでしょう。こういう区域ですね。 地理的な広がりについて、どんなふうにいままでのところは感じ取っておられるか、そ の広がりについて何か所見があれば教えてもらいたい。  福岡氏  私どもの地域は合併でおそらく2市1村になると思うんです。栄村さんは多分独自の 道を歩まれるかもしれない。あと6つの市町村は二つの市になるだろう。地域の広がり というところでいくと、やっぱり生活圏かなと思うので、例えば大体我々の地域の住ん でいる人達は消防とかゴミ処理とか、あるいは買い物とか高校とか学校、諸々のものは 大体そのエリアで収まっている。  そうするとその中でやっぱり障害のある方たちも基本的に定食メニューは用意した い。そうすると私どもの地域ではいま10万人口が基本ですが、大体これでそれぞれの市 町村はしっかりと住民の方を受け止めてもらわなきゃあいけないんですが、その7つの 市町村が運命共同体的にみんなで話し合って、必要なものを用意していくというやり方 で生きていけるんじゃないかなとは思うんですが。  大森委員  そうするとこのぐらいの広がりの単位でちょうどいろいろな障害者施設とかサービス を展開していける、このぐらいの単位の方が実際の体験上は特に問題はないと、そう考 えておられるんですか。  福岡氏  市だったらばやっぱり5万人口ぐらいは欲しいかなと思いますし、一つのエリアで ちゃんとしたものを用意するのだったら、やっぱり15万ぐらいなきゃあダメなんじゃな いかなと思います。私どもの地域は10万人口ですから、さっき言った排気量でいくとそ んな大げさなものはない。ただ箱物についてはいま合併等で保育園が空いてきているか らサービスセンターにどうだとか、公民館が空くし、どこどこの村の役場も要らなくな りそうだという中で、そういうのを有効活用していくという方法はあります。  村上委員  先程必要というキーワードが出ていましたが、私も必要な時に必要なサービスを必要 なだけ利用できる、そうすると本当に地域で安心して暮らせると思うんですが、その必 要というのが、人によってやっぱりとらえ方が違って、やっぱりサービスを利用する、 つまり支援費を使っていくということになると思うんですが、現場でそのコーディネー ターさんの目から見て、そういった支援費、そういった財源について何か不安とか気に なることがありましたらお聞かせいただきたいと思います。  福岡氏  たしかに支援費になってからこの2カ月、ある一つの市のデータを見てみたら、障害 児のホームヘルプサービスが3倍に予算が増えていますし、知的障害者も2倍に増えて います。このまま押していけるのかなという不安はあります。いままだ手法として我々 のケアプランの作り方は市町村の担当者と家族と本人さんと支援センターのコーディネ ーターが基本的には集まりながらプランを作っていって、その中で支給決定していくと いうルールにはなっているんです。いまそれでやれていますが、もしそれがどんどん予 算が増えてきた時に、さあ行政の方で何と言うか、これはわかりません。  それで私らの村では、ある村の課長さんは、これで押していくけれども、いよいよと なったら一気にバッサリ切らざるを得なくなるかもしれないと言うので、どういう時で すかというと、それは戦争になった時とか、いろいろ言いますが、私はよくわかりませ ん。だからそれがどれだけやっぱり予算を組んでくれるかというのは、やっぱりその理 念もあるでしょうし、できれば私は生活者の視点産業、生活者産業というのをちゃんと 行政が位置づけて、やっぱり新しいサービス、産業なんだというふうにもっていってく れないとうまくいかないかなとは思っていますが。  江草座長  はい、ありがとうございました。それじゃあ委員の先生方からの御質問は切らせてく ださい。それよりか長いこと待っていただいておりますピープルファーストの方、ある いは本人部会の方でこの際何か聞きたいことおっしゃりたいことがあったら、どうぞ おっしゃってください。時間を気にしないでおっしゃってください。  佐々木氏  横浜のことでグループホームまでしかないのかなと思って、もっと知的障害者もホー ムヘルパーを入れて一人暮らしをした方がいいなと思いました。  江草座長  はい、ありがとうございました。横浜の桑折さん、何かお答えになりますか。  桑折氏  先程はグループホームの説明まででしたが、地域でアパート等で自立生活をしていら っしゃる方もいますので、そうした方々に対するサポートとしては、市の事業名です が、アシスタント事業というのを起こしておりまして、いわゆるグループホーム等では なくて地域で生活をしている方々について、日々の金銭管理等の御相談にのっていく事 業を起こしております。住む場所そのものについては自力で就労なりで確保してらっ しゃることがありますが、生活のアシスタントとしてはそういう形で巡回でエリアをも つという形をとっております。  江草座長  ありがとうございました。では他の方どうぞ。  岡部氏  岡部と申します。自分はいま結婚して生活しているんですが、やっぱりヘルパーの時 間が少ないという状況に追われておるんです。やっぱりもっと増やして欲しいと僕はそ う思っております。僕は東京からいま川崎に行っちゃっているんですが、いま奥さんの でヘルパーを使っているんですが、僕も後々ヘルパーを使いたいと思っているんです。 やっぱりどうしても足りないですね。ヘルパーさんが、もっと例えば十分ないろんなこ とをまだやってもらいたい部分もあるので、今後先が僕たちも結婚して不安なところが いっぱいあります。  というのはいまアパートなんですが、実際問題年金と仕事をしていくだけのお金なん ですが、若干少ない。だから家賃助成が欲しいとか、公団に住みたいというのを希望し ているのですが、なかなか公団にも当たらない限りは入れない状況なんですよ。やっぱ り家賃助成とか、少しでもいいから何か助成してもらえばという形をとっていただけれ ばなと思っているんですが、なかなかその点でもいかないし、都営住宅もなかなか当た らないんじゃないかという不安があるという状況です。以上です。  江草座長  はい、ありがとうございました。他にいかがですか。  小島氏  私もいま生活寮で暮らしていますが、いろんな面において援助をしてもらいたいと 思っています。たくさんのガイドヘルパーを派遣してもらって、いろんなところに連れ ていってもらって、いろんな可能性を広げたいと思っています。それにもっといろんな 援助をホームヘルパーとか、あとはどうしても自分の意思を尊重してもらえる、そうい う相談できる人をどんどん増やしてほしいと思っています。だから私たちのもっといろ んな可能性を広げて欲しいんです。だから国の人達も力を貸して欲しいんです。お願い します。  江草座長  はい、そのようにいまお聞きいただいたと思います。他の方は何かこの際言いたいこ とはないですか。遠慮しないでおっしゃってくださいよ。  小田島氏  年金も去年から見たらだいぶ減っちゃっているし、今度は生保も減らされるというん ですが、そういうものが自立生活のものになるとだいぶ違っていくんじゃないかなと 思って、もう僕たちも本当に年金を減らされて、その上に生活保護も減らされている と、26万がどうも21万ぐらいになっちゃうんじゃないかと思っています。そういうこと は厚生労働省の人達にもやっぱりもっと貰いたいなと思っております。よろしくお願い します。  江草座長  はい。他にありますか。それじゃあまだまだいろいろあるかもわからないが、あと3 週間すると次の会がありますから、その時までに言いたいことを考えておいてくださ い。そして十分言ってください。  それではただいまのところお3人の方の意見発表とそれに対する質疑、室崎さんの発 言を封じてごめんなさいね。まだあとにデータ収集をというお話が残っております。そ れに対して事務局から用意されておりますので、データ収集の進め方についてという議 題に入らさせていただきたいと思います。どうぞ。  高原課長  それではお手元の資料の4をご覧いただきたいと思います。前回の検討会の時にデー タ収集の進め方について事務局から御提案をしたわけですが、それ以降何人かの委員の 方から御意見をいただいております。資料4の1、2頁目はどういう御意見をいただい たか、これに対して私ども事務局としてできるだけ対応できるところは対応をしていき たい、その上で3頁目以降のような形で全体を早急に調査をしていけるようにしていき たいということでございます。  それでまず資料4の1頁目をご覧いただきますと、いただいたその御意見ですが、一 つはまず調査の対象は全ての自治体にすべきだ。それから抽出調査については無作為の 抽出で実施すべきではないか。これは無作為抽出というのは協力が得られる自治体では 全体的な正確な実態把握にならないんじゃないか、こういう御意見でございます。  私どもの考え方としては、まず全数調査は当然全ての自治体を対象にして実施をする ということでございますが、抽出調査につきましては、実際問題各市区町村それから各 都道府県の皆さんにかなり少し突っ込んだ調査ということで御協力もいただかなくては いけませんので、これは協力が得られる自治体を対象にして実施をさせていただくとい うことにしたいと思っております。ただ、御意見もふまえまして、できるだけ対象にな る自治体は都道府県を通じて地域や規模のバランスに配慮をして選ばせていただくよう なことにしたいと思っております。  それから2番目の御意見なんですが、移動介護について、障害別等級別に分けて、正 確な数字が把握できるようにすべきではないかという御意見でございます。今日も笹川 委員から御意見があったかと思いますが、私どもとしまして障害別につきましては、抽 出調査の中で実施をしていきたいというふうに考えております。あと等級別なんです が、いくつかの自治体にも確認をしてみたんですが、これはなかなか正直なところ正確 な把握が等級別ということで見るとやっぱり困難ということでございますので、ここの ところはその抽出調査におきましても、調査の項目に付け加えるのは残念ながら難しい ということで御理解をいただきたいと思っております。  それから2頁目のところでございます。グループホームではホームヘルパーの利用の 実績を抽出調査でいいから実施すべきではないかという御意見、それから介護保険の訪 問介護と支援費の居宅介護の併用の状況、抽出調査でいいから実施すべきではないかと いう御意見をいただいております。これは私どもも抽出調査の中の項目に加えて実施を してみたいと考えております。  ただ、これらの項目については、実際問題調査に当たっていただくその自治体の方で かなり負担になる可能性もありますので、どのぐらいの回収状況になるのか、これは実 際ちょっと実施をしてみないとわからないという側面はございますが、抽出調査の中で 実施をしていきたいということでございます。  それからこれは当面の調査ということではありませんが、先々不服申立ての状況、そ れから人材養成の状況調査ということを入れておったわけですが、これらにつきまして は定義をはっきりしてやらないとうまくいかないのではないかという御意見アドバイス をいただいております。これにつきましては不服申立ての状況につきましては、これは 行政不服審査法に定めるところの異義申立て、あるいはその審査請求を対象にして調査 をするようにいたしたいと思っております。それから人材養成のところにつきまして は、都道府県、指定都市、中核市が実施しておられるもの、あるいは事業者を指定して 行なっておられる居宅介護の従事者養成研修、こういうものを対象にして調査をしてい きたいと考えております。  こういうふうなことで修正をいたしましたものが、3頁4頁目のところに出ておりま す。特に網かけのところが前回御提示したものから変更した部分でございます。先程の いただいた御意見に加えまして、事務局でも再度その検討をいたしまして修正した部分 も合わせて御説明しますと、一番上の項目の支援費の支給対象者数などの基礎データで ありますが、これは全数調査で10月末にとりまとめるということで前回御提案申し上げ ておりましたが、できるだけ早くまとまるものは御提示御報告したいということで、抽 出分については9月末に御報告できるように努力をしていきたいという部分が変更内容 でございます。  それからその三つ下を見ていただきますと、デイサービス、ショー トステイの加算の状況ですが、これは前回抽出調査の項目ということで御提案しておっ たわけですが、これにつきましては全数調査の項目に加えた上で、抽出分について9月 末には御報告できるようにしたいと思っております。  あとは先程申し上げました移動介護の全身性、視覚障害者別の利用状況、グループホ ームでのホームヘルプ利用の状況調査、訪問介護と支援費ホームヘルプの併用状況調査 につきましては抽出調査で実施をするということでございます。  それからその次の頁を見ていただきますと、支援費対象サービスの提供状況のところ でございますが、サービスの種類ごとの運営主体別の指定状況、これは全数調査で9月 末に御報告をしたい。それからあとは市町村ごとの、実際に利用することができるサー ビス基盤調査、これも全数調査で調査をして抽出分だけでも9月末に御報告をしたいと いうことで、以上申し上げた点、前回の御提案に変更なり追加をした部分でございま す。こういう形で来月早々に調査を実施いたしまして、秋口以降の議論の参考のために データを順次御報告をしていきたいというふうに思っております。  中西委員  質問ですが、人材養成のところですが、いま千葉県なんかは要綱が国から出すものだ と思って作ってないところもあるんですね。ですから24時間研修はできないということ も起こっています。それからまた神戸市なんかは事業団を作って、そこでしか研修させ ない。だから我々のような事業体が研修することを許してくれないというような自治体 も出てきているので、これはきちんと要綱を作ったのか、そしてNPOとか緩和した形 で事業所指定をしてやれているのかというのがわかるようなデータにしていただきたい んですね。  研修の種類もきちんと分けていただいて、ガイドヘルパー、それから日常生活支援、 移動介護というふうに分けていただかないと、これは実際に出て来ないと思います。 2、3級だけじゃあ出てもしょうがないので、そこのところがいまほとんどの自治体で まだ研修に入れないという状況が起こっていまして、そうすると介助者が今後養成され ないということで半年間放り出されている状況にあるんですね。東京都でもまだ正式要 綱は出て来ないので、事業所としての研修、人の養成ができないんですね。申請書すら 出せない状況ということが起こっているので、早急にこれは各自治体に促していただく とともに、何か文書を出していただいて、間違えた考えをもっている都道府県を正して いただきたいんです。  江草座長  はい京極さん、どうぞ。  京極委員  人材養成の関連で、これは障害者のヘルパー養成ということですか。それとも一般的 なヘルパー養成ですか。分けてないところがありますよね。そうすると一般的に聞いて みて、その上でサブクエスチョンで障害者に特別な研修とか、そんなことをやってます かと聞かないと答えがバラバラで、集計してみたらどっちがどっちだかわからなくなる ということになるので、そこはもちろん技術的な問題なんでアレですが、ただいま中西 委員からは御指摘があったように、あまりやってないところだと変な数字になっても困 りますので、そこはどうでしょうか。  江草委員  はい、どうぞ村上さん。  村上委員  この調査をする時に、数値だけでなく、できましたら市町村の居宅サービスの支給決 定や変更を行なった担当者の職員の方の御意見を聞いていただきたい。知的障害者の場 合は御家族が多いんですが、利用者の方と直接接していろんなニーズを聞き取っている のは全部この方ですし、それからいろんな問題点、課題もその方がよく存じあげている と思います。  それから胃に穴があいてしまったという職員さんを何人も知っております。不服申し 立ては、あとの手続きが大変なので、いろんな苦情が殺到しておりますが、大部分が変 更ということで済ませてらっしゃる現実があるようですので、ぜひとも担当者の方の御 意見をお聞きいただけたらと思っております。  大熊委員  千葉県ではパックという市民組織なんですが、すでに全市町村についてアンケートを いたしました。その時に制度開始に向けて自治体独自で、あるいは圏域等で独自に準備 されたことがありますかとか、支援費制度実施にあたって困っていること、あったらい いと思うことがあれば御記入ください、それから支援費制度の実施にあたって感じてい らっしゃることなどがあれば御記入くださいという項目を設けまして、それにかなり積 極的に答えてくださっています。それから県によっては、もし全数やりたいというとこ ろがあったら、全数やってもいいというふうに、これをやることによって市町村が目覚 めてくれるということもあるので、調査には二つの面があると思いますので、そんな自 由度もあるといいかなと思います。  笹川委員  先程、等級については難しいというお話がありましたが、措置制度と比較する場合に それがないと数字だけで出てきたのでは、十分内容が把握できないと思うんですね。実 は私ども東京都の各自治体に実態調査をしているんですが、ちゃんと出てきています。 ですからできないというのがちょっと私は理解できないんですが。  それともう一つは、今回から費用負担が入りました。その負担の状況も私は知りたい なと思うんですが、何か方法をお考えでしょうか。費用負担としてどの程度の収入にな るのか。  高原課長  それではいままでいただいた御意見を全体的にお答えさせていただきたいと思いま す。まず、人材養成の状況ですが、これはいますぐということではなくて、16年度当初 に調査を予定しておりますので、それまでの間に今日いただいてその御意見、工夫をさ せていただくようにしたいと思います。  それからあとは村上委員から御指摘のありました市町村の担当者の意見をぜひ聞いて みてはどうかということで、これはいわゆる数量調査では難しいものですから、前回も 御提案申し上げましたが、厚生科学研究費を用いまして、少し自治体の数を絞ることに なると思いますが、少し突っ込んだ調査研究的な要素も含めた研究費の中でそういう工 夫をできるようにしてみたいと思います。  それからあとは笹川委員の御意見ですが、これにつきましては私どもいくつか抽出の 調査を予定しているところにも聞いてみて、正直なところ非常に難しいというふうなお 話があったものですから、実施困難と申し上げたわけですが、ちょっとこの場でお約束 をさせていただくことは難しいんですが、少しこの点は宿題にさせていただきたいと思 いますし、むしろ笹川委員の方でもいろいろ掌握しておられるデータがあれば、この検 討会の場に御報告をいただければありがたいと思います。  江草座長  それではともかく10月には一部出ないとこれまた議論になりませんので、急いでやら せていただきたいと思います。それで次回以降の日程についてこれから御説明をいただ くわけですが、その前に先程中西さんから御質問がございました支援費に係る現状認識 なり、今後の見通しなりについてよろしくお願いいたします。  河村局長  中西・大濱両委員から、来年度の予算に向けて本当にどう考えているのか、一部の自 治体では支援費になってからサービス量が減ったところがあるんじゃないかというお尋 ねだったと思いますが、私ども全国的に見たら支援費制度になってサービス量が増えて いるということは間違いないと思っています。これは追って全国調査なり抽出調査で全 て明らかにしていこうと思っていますが、その間違いないと思いますのは、この15年度 予算を組むにあたってホームヘルプ予算は実力ベースで15%増の予算を確保しておっ て、なおかつこの新しい基準を決めましたが、これは全国平均の1.5倍の予算配分がで きるようにしたわけですね。  ところが一部非常に高水準の自治体については、それでも足りないというところがあ るということでございますので、それは従前額をきちっと確保できるように、そういう 予算上の手当ても行なったということでございます。  16年度に向けてでありますが、私どももちろん予算を増やしたいというふうに思って います。必要な予算確保に最大限努力したい。もちろん障害者プランの執行という問題 は当然あるわけでございますから、そういう基本姿勢で臨みたいというふうに思ってお ります。  ただご理解いただきたいのは、この財政を取り巻く環境というのは非常に厳しいんだ ということはやっぱりご理解いただきたい。マクロで申しますと、骨太の方針というの が政府全体で決まりまして、補助金を4兆円削減するということはすでに決まっており ます。私どももシーリングでいま非常に苦労をしているところでございます。去年も大 変な苦労をしましたが、今年は年末までに向けてもっと苦しくなるのではないかという 感じをもっておりますが、最大限の努力はぜひいたしたいというふうに思っているとこ ろでございます。  それから国庫補助基準の見直しについては、繰り返しになりますが、実施状況をき ちっと把握した上で、この検討会で検証もしていただいた上で見直しを必要ならばやる という形で対応したいというふうに思っております。  江草座長  ありがとうございました。では次回の日程について事務局から御説明ください。  高原課長  次回は8月26日の午後2時からということで予定をさせていただいております。厚生 労働省内の会議室を予定しております。次回は海外の動向のヒアリングということで、 アメリカ、イギリス、スウェーデン、ドイツについてお話を聞かせていだたくという、 そういう予定にさせていただいております。  太田委員  ちょっとよろしいですか。冒頭に中西委員の発言で、知的障害者をきちんとした委員 にというところでやりとりがあって、それを解決していないというふうに私は認識をし ています。中西さんがその答えでは不十分だというふうにおっしゃいましたが、私もそ ういうふうに思っていますし、前回大濱さんからは委員にきちんとするべきだというよ うな提案がございますし、そういうことを総合的に勘案した時に、事務局の今日の回答 はまだ不十分であるというふうな認識に立っています。以上です。  河村局長  この問題は、この検討会の性格をどう見るかという問題とも非常に大きく関連すると 思っております。それから形から入るのか実質から入るのかという問題とも関係します し、時間の問題とも関係すると思います。  私どもとしてはこの検討会に期待をしておりますのは、障害者施策体系の全般的な検 討を掘り下げた形でやっていただきたい。それからそのシステムの問題というのもどう 構築していくかというのを、いろいろな専門家の意見も聞きながらやっていきたい。そ れからその基盤をなす財政問題でありますとか、あるいは全国的なサービスの状況、そ ういうものもよく分析してきちっとやっていきたいというふうに思っておりまして、ま ず相当つめた議論をしていただきたいなと、これが私どものお願いでございます。  それからもう一つは、この委員会のスキームを維持したいと思っておりますのは、学 識者、それから当事者団体、それから現場のサービス提供事業者、この三者で構成して ずっとやっていきたいと思います。そのバランスをきちっと保ってやっていきたい。い ろいろな立場の意見をバランスよく聞きたいという意味でございます。  やはりこの障害者団体の方々もより多く入れたいということで、全体としても規模と して22人まで膨らんでおるわけでございますけれども、これは審議会としても最大規模 でございますし、このような掘り下げた検討を行なう検討会としてはこれ自体が異例の 大きさなんですね。そういう中でじゃあ知的障害者の代表する方々を本当にどうするか ということだと思いますが、知的障害者を代表する団体として全国団体として育成会に 入っていただいております。  育成会というのは親と本人と両方包摂した団体である、ただ、それだけで足りるかと いうことでございますので、私どもはヒアリングをする、もともとそういう予定で本人 の方々からも十分御意見を拝聴したいと思っておりましたが、やはりヒアリングをする というのは内閣府の障害者の基本計画を作る時も、そういう形で本人の方にやっていた だいておりますが、それだけでいいのかという問題については、やはりこのオブザーバ ーとして常時4人の方に出席していただく、しかもその中で意見を十分言っていただ く、手を挙げて意見があれば、それはもう会長が御指名でやっていただくということ で、あるいは資料についてもわかりやすい資料にできるだけ丁寧な資料を作ってこう やって対応したいということで、やっておりますが、最終的にはやっぱり形式と実質の バランスをどこらへんでとるかという問題だと私は思っています。  この検討会に私どもが期待している役割というのをどう捉えるかということで、まあ 何とかここらへんで調和できるのではないかというふうに思っているのが私どもの考え でございまして、これは社会・援護局長の私的検討会でございますから、このことに関 しては最終的には当然社会・援護局長が責任を負うということでございます。  江草座長  ありがとうございました。それでは今日は予定の時間がまいりましたから、これで閉 会させていただきたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。 照会先           [障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討会事務局]                            厚生労働省社会・援護局                            障害保健福祉部障害福祉課                             川端、牧野(内線3043)                              TEL 03−5253−1111                              FAX 03−3591−8914